プラント・ショコラーデの危機
●アーホルン宗主国・フレッサー市
アーホルン宗主国の国内にあるプラントは、首都アイト市の周辺に集中している。
そのプラントのうちの一つ、フレッサー市が管理するプラントには、「ショコラーデ」の名がつけられていた。生産される食料が、これでもかと言うほどにお菓子ばかりだからである。
故にこのプラント・ショコラーデは、バレンタインの時期にアーホルン宗主国の国民にチョコレートを供給する役目を一手に担っていた。
その重要なプラントに向かって、突撃してくるキャバリアが一機。
「ふはははははは!! バレンタインがなんだ、チョコレートがなんだ!! このプラントを我が手中に収めてしまえば、この国のチョコレートは全て私のものだ!!」
「おやめくださいオットー様! このプラントは、このプラントは宗主国民全員の心の癒やしなのです!」
キャバリアのコックピットで狂気じみた声を上げているのは、赤い鱗をした竜派ドラゴニアンの男性だった。鍛え上げられた肉体ときっちり着こなされた軍服は、彼が優れた将校であることをありありと感じさせられる。
しかしその瞳と言動は明らかに正常ではない。プラントの制御部に取り付く彼の蒼いキャバリアを、フレッサー市の市長がなんとか引き離そうと必死になっている。
だが、正気を失ったキャバリアの搭乗者に市民の声が届くことはない。果ては彼の部下たちが大挙して押し寄せ、市長やプラントの保守要員をプラント周辺から排除し始めた。
「オットー様がご乱心だと!?」
「あの実直と質実剛健を絵に描いたような方が何故!?」
市民は当然困惑した。オットー・ヴェルトミュラーという軍人は決してこんなことをするような人物ではないはずなのだ。
一般市民にも朗らかに接し、部下や整備士からの人望も厚く、まさに高潔な人物だ。それがバレンタインへの怨嗟の声を撒き散らし、プラントから生産されるチョコレートを我が物顔でかき集めている。
信じられない。まるで妄執に取り憑かれたかのようだ。
「私がこの国の菓子の流通を支配する、さすればバレンタインなどという浮かれた行事に現を抜かす国民も、チョコレートを貰った数で一喜一憂する国民も出るまい!!」
「オットー様、どうか落ち着いてください、オットー様!」
担ぎ上げられプラントから離れた位置に運ばれていく市長のオットーを呼ぶ声が、プラント・ショコラーデに虚しく響いていた。
●グリモアベース
「ようこそ起こし下さいました、皆々様方。このリーンハルトが、皆々様に事件を携えてまいりました」
グリモアベースにて。リーンハルト・ハイデルバッハ(黒翼のガイストリヒェ・f29919)は深く一礼をしながら、集った猟兵たちにそう言った。
折しも今は2月上旬、世界のあちこちではバレンタインデーに向けて、人々がチョコレートを集め、買い求めている時期だ。ケットシーの壮年男性もにこやかに笑う。
「我々の世界クロムキャバリアにも、バレンタインデーという風習はございます。この時期は小国家の食糧生産プラントからもチョコレートが生産され、国民の間でやり取りされますが……今回、我が国アーホルン宗主国のチョコレートを生産するプラントが、防衛軍のとある将校に占拠されてしまうのでございます」
その言葉に、猟兵たちがしばしの間ざわついて、それが徐々に落ち着いた後何人かが首をひねった。今、このグリモア猟兵は「誰に」占拠されたと言った?
彼らの反応を見て、リーンハルトが小さく肩を竦める。
「ええ、はい。ヴェルトミュラー大尉は『我が国の』将校でございますれば。本来は部下からの人望も厚い、優れたキャバリア乗りであるのですが、新たに発掘されて乗騎としたサイキックキャバリアがオブリビオンマシンになっておりまして……あとは、お察しのとおりでございます」
彼の説明に、納得がいった猟兵たちが肩を落とした。
クロムキャバリアの人々に、一般のキャバリアとオブリビオンマシンの見分けは付けられない。一見して普通の機体がいざ乗り込んでみたらオブリビオンマシンで、暴走したなんてことは日常茶飯事。サイキックキャバリアなど特に見分けられない部類だろう。
ともあれ、プラントを占拠されていては国民への食料供給に関わる。今回はものがものだ。このままではアーホルン宗主国でバレンタインデーが行えない、なんてことになりかねない。
「プラント・ショコラーデの周辺は、ヴェルトミュラー大尉とその部下によって防壁が築かれ、基地の如き様相を呈しております。キャバリアで乗り越えることが難しい高さにまで壁が築かれておりますので、何とかして基地内部を突破しなくてはならないことでしょう」
そう説明しながら、リーンハルトがグリモアから基地内部の映像を映す。キャバリアが通るには十分な幅の通路が縦横無尽に、複雑に折れ曲がるようにして築かれている。上は吹き抜けなので空中に浮かぶことは出来るだろうが、飛行は当然行えない。行動には注意が必要だろう。
「基地を進めば、当然内部を哨戒する大尉の部下と遭遇することでございましょう。彼らも例外なく、オブリビオンマシンに搭乗して我を忘れた状態にございますゆえ、救助をお願いしたい次第です。大尉も無論同様に、機体に操られた状態でございますれば」
そう話しながらリーンハルトが映像に映すのは、隠密機動作戦に投入されるシャドウブレイダーだ。炎状のスラスターを用いた機動力と、プラズマブレードを使用した攻撃は侮れない。
オットーの駆る蒼い機体は、と誰かが言う。それに対し、リーンハルトは小さく頭を振った。
「申し訳ありません、ヴェルトミュラー大尉の乗り込んだオブリビオンマシンについては、サイキックキャバリアである、ということしか分かりませんでした。詳しくは現地で、ご確認いただければと思います」
そう話したリーンハルトが、手の中でグリモアを回転させる。開いたポータルの向こうからは、ほんのりと甘い香りが漂った。
「それでは皆様、準備はよろしゅうございますか? クロムキャバリアの安全なバレンタインのため、皆様のお力で事件を解決に導いてくださいませ」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
クロムキャバリアにもバレンタインの風習はあるようですが、そのために必要なプラントが占拠されてしまった模様。
アーホルン宗主国の楽しいバレンタインのため、皆さんのお力をお貸しください。
●目標
・復元型バルムングMk11×1体の撃破。
●戦場・場面
(第1章)
プラント・ショコラーデの周囲に広がる基地です。
将校とその部下の仕掛けたトラップや隠し通路が仕掛けられています。
(第2章)
第1章と同じく、プラント・ショコラーデの周囲に広がる基地です。
将校の部下がオブリビオンマシンであるシャドウブレイダー弐型に搭乗して襲いかかってきます。人数は8人ほどです。
基地の内部は狭い通路が入り組んでいますが、キャバリアによる移動に支障はありません。
また、マシンを破壊することで将校の部下を救出することが出来ます。
(第3章)
プラント・ショコラーデの根本にある広場です。
将校の「本来の思想や人柄」を思い出させるような行動を取れば、良心を呼び覚まして戦闘を有利にすすめることが出来ます。
なお、マシンを破壊することで将校を救出することが出来ます。
●将校
オットー・ヴェルトミュラー(ドラゴニアン(竜派)・男性・51歳)
「赤龍」の異名を持つアーホルン宗主国の将校。階級は大尉。真面目で実直な性格と、堅実なキャバリア操縦技術から国からの評価は高く、民からも慕われているが、この時期は誰からもチョコを貰えず虚しい気持ちになるのでちょっと寂しい。
それでは、皆さんの力の篭もったプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『秘密基地を攻略せよ』
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POW : 罠を恐れず、まっすぐに進む
SPD : 注意深く調査し、罠を発見する
WIZ : 仕掛けられた罠の特徴から、敵の手の内を推測する
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
山梨・玄信
バレンタイン撲滅か。素晴らしい行いじゃ!オブリビオンでなければ、全力で協力するんじゃがのう。
【POW】
潜入調査や探索は一応出来るからの。慎重かつ大胆に進むぞ。
探索系の技能やハッキングを使って、罠や仕掛けを無力化ないし回避していくのじゃ。
難しい物に対しては褌一丁になり、UCを発動してから罠解除を行うぞ。
隠し通路も、あるなら使うのじゃ。
「罠が満載の基地か。こんなものを作らなくても、同士を集めて全部食ってしまえば良いと思うんじゃが…まさか、自分だけ裏切って逆チョコをとか考えているのではあるまいなあ?」
「ここは難しそうじゃな。では、脱いで…すっかり慣れてしまったのう」
アドリブ歓迎じゃ。
●チョコレートは、カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めた食品である。
「バレンタイン撲滅か。素晴らしい行いじゃ!」
山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は開口一番、そんなことを堂々と宣った。
リア充爆発しろを信条とするRB団の一員である彼のこと、バレンタインなんてリア充が喜ぶ行事は全力で阻止したい。そういう意味では、今回の事件の首謀者たるオットーに、いたく共感している彼である。
「オブリビオンでなければ、全力で協力するんじゃがのう」
少し残念そうに零しながら、玄信は基地の中へと潜入していった。入り口の見当たらない秘密基地、しかしバリケードを乗り越えてやすやすと中に踏み入る。
「慎重かつ大胆に進むとするかの。このへんの罠は……よし、解除できそうじゃ」
潜入ルートを探りながら、玄信は罠を解除しつつ先へと進んでいった。暗視、鍵開け、罠解除。技能を使って先へと進んでいく。
が、ある一点。どう考えても先に繋がりそうなのに、行き止まりの場所にぶつかってしまう。
「む、行き止まりかの? ……ふーむ」
首をひねりながら玄信はあたりを観察した。上、下、左右。一見してコンテナやスクラップが積み上げられ、道はないように見える、が。
上を見上げてしばし動きを止めた玄信が胴着を脱いだ。褌一丁になり、胴着を抱えて跳び上がる。
「よっ」
手をかけたのは天井のようになっているコンテナだ。そのコンテナの一部分が蓋のようになっている。押し上げれば外れ、中は通路になっていた。
「やっぱりそうじゃ。上に隠し通路があるとはのう、考えたもんじゃ」
コンテナで作られた通路の中で道着を着直しながら、玄信が笑った。こうして褌一丁になって難所を突破するのも、すっかり慣れてしまった様子。
「しかし、こんなものを作らなくても、同士を集めて全部食ってしまえば良いと思うんじゃが……まさか、自分だけ裏切って逆チョコをとか考えているのではあるまいなあ?」
コンテナ内部を進みながら、そんなことを思案する玄信。いったいオットーの目的は何なのか、もしかして壮大な一人逃げを決めようとしているのではないか。
そこに思考が及んだ玄信が、ぶるぶると首を振った。
「いかんいかん、それは罪深いのじゃ。さーて、部下の連中は見つけられるかのう?」
コンテナの突き当たり、再び蓋のようになっている底を外し、その穴から覗き込みながら玄信は周囲を確認した。敵影、なし。
成功
🔵🔵🔴
高柳・零
POW
この世界にもバレンタインデーってあるんですねえ。
誰かさんなら、大尉に協力しそうですが…。
「罠?自分は見つけるとか出来ませんよ」
よって漢(おとこ)感知で進みます!(罠は発動してからなんとかする方法の事)
一応11フィートの棒で通路をツンツンして、落とし穴や罠の起動装置に注意しつつ、空中浮遊して進みます。
物理ダメージを与えて来る罠にはオーラや盾で対応し、進行を阻止するような罠はUCで力押しで何とかします!
「こ、この方法は疲れるのが難点です」
捕獲系の罠は見切りで避け、警報系の罠はメイスの鎧砕きで叩き壊します。
「もう、どっちが悪者か分かりませんねえ」
これが聖騎士のソロプレイダンジョン対策です!
●イギリス人が固形のチョコレートを考案するまでは、チョコレートといえば飲み物を意味した
基地の壁をよじ登って、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)はプラント・ショコラーデを見上げながら口を開いた。
「この世界にもバレンタインデーってあるんですねえ。誰かさんなら、大尉に喜んで協力しそうですが……」
その誰かさんが既に潜入を果たしていることなどいざ知らず、零は基地の中を進んでいった。ふよふよと浮かびながら。
小さい体躯であるゆえに、レーダーなどの観測機器に見つかりにくいという点もある。手には長い棒を持っているので、それで罠が起動しないか注意して進んでもいる。だがそれを除いても、零の進み方は殊の外に大胆だった。
「自分は見つけるとか出来ませんよ。よって漢感知で進みます!」
漢感知。零いわく、罠が発動してから何とかする方法らしい。それは感知なのだろうか、とツッコんではいけない。
そうこうするうちに、横道からダンプカーが突っ込んできた。運転手は、いない。きっと自動操縦の類なのだろう。
大質量のそれを、零は両手でしっかと掴み、持ち上げる。
「ぐぬぅぅぅぅっ!!」
激突を受け止め、持ち上げ、元の場所にひっくり返して置いた。タイヤが上部で虚しく空転している。テレビ画面に汗をかいた顔を映しながら、零が額を拭う。
「こ、この方法は疲れるのが難点です。さて……」
一息ついて、その場で再び視線を巡らせる。ちょうど、ダンプカーが飛び出してきた通路の向こう側に警報機が見える。
メイスを取り出し、ジャンプして一振り。
「よいしょ!」
その一撃で、警報機がバラバラに砕けて落ちた。その破片を見やりながら、零は小さくため息をつく。
「もう、どっちが悪者か分かりませんねえ」
自分たちは悪事を為す将校をやっつけに来たはずなのに。そんなことを思いながら、零は先を急いだ。
成功
🔵🔵🔴
パルピ・ペルポル
あー…。時期がもう少しずれてたらこんな乱心の仕方はしなかったんでしょうねぇ。
プラントの供給量がどんなものかは知らないけど、国民全員が義理チョコ配れるほどの余裕はないのかしらね。
戻った後が大変かもだけど、ともあれ仕事済ませてからね。
目立たぬよう姿を隠しながら基地内部を進むとするわ。
マッピングしてればこの辺に隠し通路ありそうだなっていう法則性?みたいなのがなんとなくわかってくるし。
この基地自体が急ごしらえのはずだし、キャバリアが普通に通れるサイズとなるとわたしが身を隠せそうな隙間も普通にありそうよね。
トラップは極力解除するけど、大きさ的に難しいのは印つけて警戒促すようにしておきましょ。
●語源について、辞典などでナワトル語のショコラトルが由来とされ、「苦い水」の意味とされるが、ナワトル語にそのような語は存在しない
バリケードを飛び越えて、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)が基地の中へとやってくる。遠くに見えるプラント・ショコラーデを身ながら、彼女は深くため息をついた。
「あー……時期がもう少しずれてたらこんな乱心の仕方はしなかったんでしょうねぇ」
まさにバレンタインデー、プラントが全力で稼働する時期だ。こんな時期にこんな乱心、どうしたってその二つの要素が結びついてしまうだろう。
正直なところ、事件解決後のオットーを案じるパルピである。主に彼の「質実剛健」という評価に関して。
「プラントの供給量がどんなものかは知らないけど、国民全員が義理チョコ配れるほどの余裕はないのかしら。戻った後が大変かもだけど、ともあれ仕事済ませてからね」
まあ、案外、「強面の割にバレンタインとか気にしていらしたんですね……」とか、そういう生暖かい視線を受けることになるかもしれない。そうだと思いたい。
ともあれ、基地の中をふわふわ飛びながらマッピングを進めていくパルピである。
「ふんふん……なかなか複雑に汲んであるわね。でも構造的に、そろそろ……」
手元の用紙を見やりながら、パルピが目をつけるのは通路脇に積まれたコンテナ。そのコンテナの、微妙に凹んでいる部分を押すと、板が外れて中の空洞があらわになった。内部は通路が広がっている。
「あったわ。やっぱり急ごしらえなせいか、隙間が多いわね」
キャバリアで運ぶことを前提としたサイズのコンテナなのだろう。中は十分に広い。パルピからしたら広大な空間過ぎて、スクラップやバリケードの間を進んでショートカットできそうなほどだ。
「キャバリアが通れるサイズで考えられているから、こうした小さな隙間は見逃されがちってことかしら……おっと」
隙間の空間を覗き込んでいると、発見したのは爆発物。どうやら地面に仕込んだ重量センサーで起爆するタイプのものらしい。そこらへんにあった鉄塊を、火事場のなんとやらで持ち上げて放り投げる。
「んーっ……よいしょっ!」
放り投げた鉄塊はセンサーのある位置に着地して、背後でどかんと爆発が起こった。それに伴い崩れて通路に殺到するスクラップ。これは、実際に食らったらなかなかの痛手だっただろう。
「ふう。これで後の人も通りやすくなるかしら」
スクラップを片付けながら、パルピは小さく息を吐いた。
成功
🔵🔵🔴
カーバンクル・スカルン
チョコ貰えないくらいで何さ。こんなテロ起こすような奴だからだーれも渡したいなんて思わねーんだよ。本当に評価高いんだったら、1回ぐらいは義理チョコでも渡してるよねー皆さん。(これだけの騒ぎなら報道機関も出てるはず。公共放送の生放送にでも出て、何となく原因の一端を担っている一般市民達にも釘を刺しておく。差し入れ、って形でもチョコを渡してないんだから当然の非難よ)
とりあえずオブリビオンマシンは止めないとアカンし、コソコソと突入するとしますか。まずは【クリスタライズ】で姿を隠して、ロープワークの要領で壁の引っかかりにフックを引っかけながら疑似アスレチックの要領で登っていくとしますかね。レッツラゴー!
●工場に運ばれたカカオは、まず磁石で鉄を除き、風で埃を飛ばして、篩によって石を取り除き選別される
「こちらアーホルン公共放送です。プラント・ショコラーデ周囲では、未だ緊張状態が続いております。なお、猟兵の方々が次々にプラント奪還のために現地に突入しており――」
一方、秘密基地の外、バリケードの築かれた外側では、フレッサー市の市民が何人も集まって状況を心配そうに見守っていた。
公共放送のレポーターらしきケットシーの女性が状況を報告する中、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)はバリケードを見やりポツリと零す。
「チョコ貰えないくらいで何さ。こんなテロ起こすような奴だからだーれも渡したいなんて思わねーんだよ」
その率直な、容赦のない言葉に、レポーターが思わず言葉を切った。ふと、そのレポーターとカーバンクルの視線がぶつかる。
状況を察したカーバンクルは臆さない。ずんずんとカメラの前に歩み寄っては、そのカメラに顔を近づけて言葉をぶつけていった。
「本当に評価高いんだったら、一回ぐらいは義理チョコでも渡してるよねー。ねー皆さん??」
彼女の容赦ない発言に、レポーターも、カメラマンも、周囲で聞いていた市民もギクッとなった。
そう、オットー・ヴェルトミュラーはこの時期になってもチョコレートを受け取っていないのだ。それを市民も、周囲の人間もよしとしていたわけである。これは、市民側に責任の一端があると言っても過言ではないわけで。
下手をしたら編集でカットされてしまいそうな発言だが、これは生放送。切るに切れない。
鼻息の荒いカーバンクルにおずおずと、ケットシーのレポーターが声をかけてきた。
「あの……いいんですか?」
「ん? いーのいーの、どうせ私この国の国民でもなんでもないし」
彼女の言葉にカーバンクルはあっけらかんとしたものだった。確かに彼女はアーホルン宗主国の国民ではない。いくら防衛軍の大尉が相手だろうと、臆する必要はなかった。
果たして、彼女のぶっちゃけた言葉に周囲の市民がこそこそと話し始める。
「なんでオットー様にチョコレート差し上げてなかったんだっけ……」
「ほら、あれじゃない? ご夫人が大層嫉妬深くて、チョコレートを貰ったことが知れると機嫌を取るのが大変だとか……」
「俺はオットー様が若い時分に、『チョコレート一つで浮かれるなどけしからん!』と仰って、引くに引けなくなって受け取れなくなったとか聞いたが……」
その市民たちの言葉に、カーバンクルは小さく目を見開いた。どうやら彼の方にも、のっぴきならぬ事情があるにはあったらしい。
けど、まあ、それ自体は些末なことだ。現実の前には何も問題はない。せいぜい、事態が終わった後の彼の処遇が変わるだけだ。
「うーん……ま、いいか! それじゃ私はこのへんで」
「あ、はい……ご協力ありがとうございます……」
にこやかに笑って手を振ると、去りゆくカーバンクルにレポーターが返事を返す。
彼女は猟兵だ。猟兵なら猟兵なりの仕事をしないとならない。
「よーし、ここからなら登れそうね。レッツラゴー!」
そうしてカーバンクルはユーベルコードを発動、自身を透明化しながらフックつきの鎖を壁面に引っ掛けた。
ぐいぐいと壁を登り、カーバンクルは基地を囲む壁を越える。そうして彼女は再び、手近なコンテナに向かってボディ・サスペンションを投じた。
成功
🔵🔵🔴
キリジ・グッドウィン
マダラ(f31041)と
チョコって保存食だし、極論で言えばチョコと包みは別でいいよなァ?
芸術レベルで極めてるヤツは見てて面白いが。
マダラ、お前なんかモテそうだよなァ?
罠なんてまどろっこしいしある程度ぶっ壊して進めばいいじゃねェかとオレは思うんだが、一応友好的にしたいから駄目と上からの仰せらしいぜ?ハイハイ。
『○○○(ここに本日のキャバリア名)』で出る。
何製の罠か知らんが駆動音とかするかもしれねぇ、わずかな不自然な音も【聞き耳】聞き分けて進む。
見つけ次第各個破壊。工業プラントなんだしある程度受け流せる、せき止めるようなモンもありそうだけどな
いざとなったら【悪路走破】で突っ走るか。
斑星・夜
キリジちゃん(f31149)と!
あ、俺、データでここのチョコ見た事あったわぁ
何とかなったら、せっかく来たんだし食べたいなー
よーしバレンタインのため、チョコのため、がんばろーぜキリジちゃん!
えーどうだろう? あ、幼馴染と妹から義理チョコ貰ったことはあるよ!
まずは基地を突破しないとだよな
そうそう!罠なんてぶっ壊して……って、行けると楽なんだけどね!
進みながら周辺地形を『情報収集』しつつ、罠を警戒(罠使い)して進行します
罠は発動する前に回避できるのが一番だけど、
爆発しそうな奴が作動しかけたら、掴める系なら天井高くに投げて爆発させたら基地内の被害は下げられるかな?
あとは『悪路走破』でかけぬけるよ!
●収穫されたカカオ豆は豆を包むパルプとともにバナナの葉でくるむか木箱に入れて数日かけて発酵させ、その後天日で乾燥させたのち工場へと運ばれる
さて。今更な話ではあるが、プラント・ショコラーデはチョコレート製造において密かにその名を知られたプラントである。
アーホルン宗主国が比較的恵まれた小国家であり、プラントの運用が安定していることが理由の一つ。時たま、ものすごく気合の入ったチョコレートが生産されることもあり、それがローカルで編纂されているデータベースに記録されることもあった。
そして、斑星・夜(星灯・f31041)はそのデータベースを閲覧した経験があったらしい。ぽんと手を叩きながら金の瞳を輝かせた。
「あ、俺、データでここのチョコ見た事あったわぁ。何とかなったら、せっかく来たんだし食べたいなー」
そんな彼の言葉をキャバリアのコクピットで聞きながら、キリジ・グッドウィン(レプリカントの量産型キャバリア・f31149)は頬杖を付きながら口を開いた。
「チョコって保存食だし、極論で言えばチョコと包みは別でいいよなァ? 芸術レベルで極めてるヤツは見てて面白いが」
その凄まじいまでの極論に、夜が小さく目を見開く。
確かに固形チョコレートは軍用レーションにも採用される。保存性と携帯性も高い。とはいえ、今はプラントで生産されるチョコレートにも彩りが求められる時代だ。アーホルン宗主国のように安定した情勢の、恵まれた国なら特にそうである。
と、キリジの乗るキャバリアの頭が足元の夜を見た。
「マダラ、お前なんかモテそうだよなァ?」
「えーどうだろう? あ、幼馴染と妹から義理チョコ貰ったことはあるよ!」
対して夜は同僚を下から見上げながら朗らかに返す。それが良いことか悪いことか、断定できる人間はこの場にはいない。ともあれ今は仕事が大事だ。
「まぁいいや、バレンタインのため、チョコのため、がんばろーぜキリジちゃん!」
「あいよ」
夜の言葉にキリジがそっけなく返す。そうしてキャバリアの足が一歩、静かに前へと踏み出された。
「ちなみにキリジちゃん、今日の『女』はだーれ?」
「なんか長ったらしい型番があった気がするが、どうでもいいぜ。なあ『リーザ』?」
夜の面白がるような言葉に、キリジは小さく笑いながら返した。
アイブリンガー工業製の量産型キャバリア、「ライゼンデGUD」。キャバリアソードとパルスマシンガンを備えた近接戦闘に特化したその機体の計器パネルを、キリジは慈しむように撫でる。
この仕事の間だけの付き合いだ。快く貸し出してくれたアイブリンガー工業の人間には悪いが、存分に『女』として付き合わせるつもりのキリジである。
『リーザ』がゆっくり秘密基地内を進み、夜がそれについていく。基地内部は複雑に入り組んでいる、キリジは夜を見失わないように慎重に進んでいた。
「まずは基地を突破しないとだよな」
「罠なんてまどろっこしいしある程度ぶっ壊して進めばいいじゃねェかとオレは思うんだが、一応友好的にしたいから駄目……と上からの仰せらしいぜ?」
「罠なんてぶっ壊して……って、行けると楽なんだけどね!」
夜の発する言葉に、ため息を付きながらキリジが声を発する。
確かに、罠を一切合切無視して突っ込んでいけば効率はいい。しかし相手はこの国の防衛軍に属する将校だ。あまり不用意に刺激しても今後のためにならない、とのお達しである。
と、足を前方に向ける夜にキリジが鋭い声を飛ばす。
「ん……マダラ、そこで止まれ。二歩先、赤外線レーザーが通ってる」
「おっと、危ない。破壊は任せていいかな?」
夜がその場で足を止め、上を見上げた。無言で『リーザ』がパルスマシンガンを通路脇のコンテナに向けてぶっ放せば、爆発が発生して設置型のマシンガンが吹き飛んだ。
「よーし、ナイスだ『リーザ』」
「よし……っと、キリジちゃん動かないで、足元!」
「おぉっと」
ひとつ息を吐いたキリジが動くよりも先に、夜が『リーザ』の足元に飛びついた。転がってきた手榴弾を取り上げ、遠方に向かって放り投げる。空中で爆発が発生した。
「ふーっ。じゃ、進もうか」
「ああ」
今度こそ息を吐いた夜がキリジを見上げると、キリジも頷き返して。
そうして二人は、改めて基地内部を進み始めた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
杼糸・絡新婦
性分は仕方ないかもしれんけど、
浮かれたイベントも大事やで。
ま、ひとまず探索と行きましょか。
【野生の勘】に従い、隠し扉やトラップを探しつつ、
【忍び足】で進んでいく。
敵の気配を感じたら、物陰に隠れやり過ごすか、
天井に鋼糸で引っ掛けぶら下がるようにしてやり過ごす。
【情報収集】で建物の構図を得て進路を決めていく。
トラップを見つけたら解除できるものは解除し、
危険なら回避を考えていく。
●明治時代の独和辞典『袖珍獨和新辭林』によれば、Schokolateに楂古聿という訳を当てている
一方、基地内の別の場所では、杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)が迷路のようになった秘密基地の内部を進んでいた。
「性分は仕方ないかもしれんけど、浮かれたイベントも大事やで。ま、ひとまず探索と行きましょか」
オットーの性分と性格を慮りながら、絡新婦は周囲に視線を送りながら基地内部を探索する。野生の勘に従った探索で、隠し扉の位置やトラップの仕掛けられた場所を察知する彼は、鋼糸を巧みに使った移動でジョロウグモさながらに基地内部を多角的に進んでいた。
そうして罠を回避しながら進んでいた絡新婦が、ふと足を止める。
「ふぅん……?」
何者かが近づいてくる気配を感じる。跳び上がって天井に張り付くと、通路の向こうからキャバリアが二機、哨戒のために歩いてきた。
「おい、どういうことだ? 侵入者が次々と基地にやってきているらしいが……」
「おおかた、宗主国の防衛軍が鎮圧部隊を投入したんだろう。俺たちは国からしたら反乱者だ」
そう話しながら、周囲に警戒の視線を送るキャバリア。コクピットでは兵士がつぶさにレーダーを観察していることと思うが、基地通路の天井に取り付いた絡新婦には気づかない。
キャバリアが通り過ぎるのを確認してから、絡新婦はゆっくり通路の地面に降りた。
「なるほどなぁ……やっぱりあの人らは反乱者、ってなるんやね」
反乱者。事件が解決された後の彼らの処遇が寛大であることを期待したいが、それは事件が終わってから考えることだろう。
ため息を付きながら、絡新婦が足をキャバリアがやってきた方向に向ける。
「先に進むには、こっちやな。さて……」
通路の先に進むと、そこには天井に取り付けられた機関銃があった。センサー式なのだろう、ランプがチカチカと点滅している。
その機関銃に向かって、絡新婦は鋼糸を飛ばした。糸が長い銃身に巻き付き、あっという間に寸断する。
「ふふ、鋼糸の前には銃なんて無力や」
そう笑いながら、絡新婦は悠々と基地の中を進んでいった。
成功
🔵🔵🔴
天星・雲雀
チョコが貰えないと心が荒む→荒んだ心が争いを求める→クロムキャバリアの平穏が遠のく。何という合理的な敵の戦略(?)?!
予測されるカオス的被害を未然に防ぐために、内部からの奪還を試みましょう。狙うは隠し通路!
【行動】UC狐火で『オトモ』達をこっそり広範囲展開。仕掛け扉・秘密の道・トラップ・潜伏中の敵の索敵と情報を集めて。基地内部深くまで進める道をいくつかマップ化。
[義眼]の鍵開け性能と自分の罠使いとしての技量をフル活用して、扉とトラップをハックして進んでいきます。
敵と遭遇したら、トラップの誤作動に見せかけて逆に敵を排除しちゃいましょう♪
予め遭遇ポイントがわかっていれば、先手を取るのも容易ですね。
●カカオニブはこの後焙煎され、火が通ることによって酢酸が除かれてまろやかになると同時にメイラード反応によって香りや風味が現れてくる
他方。天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)は難しい表情をしながら基地の内部、人目につかないところで佇んでいた。
「チョコが貰えないと心が荒む……すると荒んだ心が争いを求める。さすればクロムキャバリアの平穏が遠のく……」
ぶつぶつと呟きながら、彼女は思案を重ねる。このままオブリビオンマシンに操られた将校の企みが実を結んだら、きっとこの国は騒乱に巻き込まれるだろう。
この、平和で安定した国が。動乱と騒乱の渦に巻き込まれる。
「何という合理的な敵の戦略?! これはカオス的被害が出ること間違いなしです」
なるほど、確かにそうなったら被害は甚大だ。クロムキャバリアという世界全体にとってもいいことではない。
なれば、事件を解決に導かなければならない。雲雀はそう決意して両手を掲げた。
「さて。『オトモ』たち、いってらっしゃい」
呼び出すのは九十個近くの狐火だ。それらをバラバラに、基地内の広範囲に展開する。
狐火の『オトモ』は雲雀のために、基地内部の情報をどんどん暴いていった。トラップの位置、隠し通路、仕掛け扉に哨戒中の敵キャバリアの位置まで。
それらの情報を集約しながら、雲雀は進行に最適なルートを選び出していく。
「ふむふむなるほど。このルートならそんなに手間を掛けずに基地の奥まで進めそうですね」
そう言いながらある一つのルートに目をつけて、雲雀は隠れていた場所から飛び出した。
トラップを的確に解除し、隠し通路に飛び込んでショートカット。そうこうするうちに基地のだいぶ深いところまで、彼女は潜り込んでいた。
「よーし、順調です。さて、ここが例の扉ですね……」
そう言いながら雲雀が手をかけたのは一枚の扉の前だ。明らかにロックが掛かっている扉を抜ければ、大きくショートカットが出来るはずだ。
果たして、ロックにハッキングを仕掛けた雲雀の前で、鍵が外れるかちゃりという音がする。
「オーケー。さて、行きましょうか」
中に潜り込めば、そこは武器の保管庫のようだった。弾丸や銃器などが所狭しと並べられている。奥にはもう一枚の扉。あそこを出たら、プラント・ショコラーデに大きく近づく。
「ここを抜ければ……おっと」
扉を開いて外に出ようとする雲雀だが、すぐさま身を隠した。ちょうど向こうから、敵側のキャバリアが近づいてくる。
「確かここには……ありましたありました。それじゃ」
雲雀が目を向けたのは向かってくるキャバリアの進行上、わずかに地面が盛り上がったところ。そこに静かに、タイミングを合わせて石を投じる。
はたしてキャバリアの足がそこに近づいた時、起爆するトラップ。
「わっ、なんだ!?」
「何をしている、そこには地雷が仕掛けてあるだろう!?」
慌てふためく敵兵士たち。傍から見れば兵士がドジをして、トラップが誤作動したように見えただろう。
「ふふ、いい調子です。さて……そろそろ頃合いですかね」
そう零しながら、雲雀は扉の隙間からするりと抜け出す。そろそろ、攻勢に転じる頃合いだろう。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『シャドウブレイダー弐型』
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POW : 幻影格闘機動
装備中のアイテム「【EPミラージュユニット】【BXプラズマ剣】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD : 朧纏い
【無音高速移動を可能とするEP遮音ユニット】【機体を低視認化させる光学迷彩システム】【あらゆるセンサー探知を無効化する特殊装甲】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ : 鉄冠変幻
自身の【キャバリア(武器も含むかは任意で選択) 】を【戦場内の指定した敵キャバリアのいずれか】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
イラスト:純志
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●近年の工業生産チョコレートでは、カカオマス、砂糖、ココアバター、粉乳といった主要材料以外に、様々な添加物が配合されることも多い
「侵入者を発見した!」
「こちらでも侵入者発見、対応する!」
あちらこちらから、侵入者発見の報告が基地内に響く。そしてここでもまた、猟兵たちの前に二機、すらりとしたフォルムのキャバリアが立ちはだかっていた。
「おのれ……貴様ら、防衛軍のものではないな!?」
「部外者は立入禁止だ! すぐにここから立ち去れ!」
キャバリアのスピーカーから、警告の文言が聞こえてくる。内部にはオットーの配下である、アーホルン宗主国防衛軍の兵士が乗っていることだろう。
猟兵たちが退かないのを見るや、敵機体の首から赤い炎が立ち上った。炎はマフラーのようにたなびきながら、戦場の空気を焦がす。
「立ち去る気はないと言うか……ならば力づくでお帰り願う!」
「オットー様のもとには行かせんぞ!」
そう告げて剣を抜き放つシャドウブレイダー。オブリビオンマシンの暴挙を止めるため、猟兵たちと兵士たちの激突が始まった。
●特記事項
・敵機体「シャドウブレイダー弐型」はオブリビオンマシンです。搭乗しているオットー配下の防衛軍兵士たちは、オブリビオンマシンのみを破壊すれば救出可能です。
斑星・夜
キリジちゃん(f31149)と!
『EPワイズマンズユニット』で『灰風号』を呼んで搭乗
あらら、敵さんたくさんいるねぇ、キリジちゃん
でもあのマフラーみたいなの格好いいわぁ
とりあえず中の兵士さん達が死なないようにコックピットは外して戦えば良いか
数が多い分、予定外の攻撃を当ててしまいそうだから『RXSシルバー・ワイヤー』を射出して敵を捕縛、動きを止めるよ
やった褒められた!それじゃキリジちゃん攻撃よろしく!
戦闘中は『EPワイズマンズユニット』にハッキングを依頼し、生身の人間がいる位置を情報収集しキリジちゃんに伝える
接近されたら敵機の腕、ないしは足を『帯電熱超硬度短刀』で切断し、機動力や攻撃手段を削ぎます
キリジ・グッドウィン
マダラ(f31041)と
ヒッチハイクとまではいかねェが、とんだ美女と相乗りになっちまったな。引き続きよろしく頼むぜ『リーザ』
まぁオレとマダラだったらやれんだろ。お前の武勇伝持ち帰ってやろうぜ
急所に当てるのも得意なら、急所を外すのも得意ってコト
抵抗できない程度に痛めつける位で
まぁ、「もう抵抗したくない」程度に?
まだるっこしいステルスがあるがマシンガン適当に撃ち鳴らして挑発。
ラブレターも渡せねぇ臆病者がよぉ!!
よくやったマダラァ!赤いマフラーに似つかわしいラッピングだぜ
チョコレート作る前って細かく刻むらしいよなァ?順番間違えてんじゃん。まーいいか。
搦め捕った獲物はソードで動けなくなる程度に叩き斬る
●選別されたカカオは砕かれ、篩によって外皮と胚芽を取り除かれ、こうしてできたものはカカオニブと呼ばれる
夜とキリジの前に、二機のシャドウブレイダー弐型が立ちはだかる。他にもあちこちで、同機が猟兵と戦闘を開始しているようだ。
「あらら、敵さんたくさんいるねぇ、キリジちゃん。でもあのマフラーみたいなの格好いいわぁ」
「まぁオレとマダラだったらやれんだろ。お前の武勇伝持ち帰ってやろうぜ」
肩を竦める夜に対し、キリジはあっけらかんと返して言った。なんとも大きな自信だが、それだけの力が二人にあることは間違いない。
と、そこでキリジが搭乗するライゼンデこと、『リーザ』のコクピット内の計器に視線を落とした。淡々と情報を表示するその無骨なほどシンプルな計器に、キリジはたしかに血が通っていることを感じる。
「しっかし、ヒッチハイクとまではいかねェが、とんだ美女と相乗りになっちまったな。引き続きよろしく頼むぜ『リーザ』」
「いいねー。じゃ、こっちもよろしく」
友人がキャバリアに声をかけるのを確認して、夜も自身の持つタブレットに声をかけた。ワイズマンズユニットの搭載されたそれがプログラムを走らせ、夜の愛機たるジャイアントキャバリア、『生体決戦兵器修羅人 正式採用型 二番機 灰風号』こと灰風号を呼び出す。
と、その巨人の如きキャバリアを目にしたシャドウブレイダーのコクピットに動揺が走った。
「あのジャイアントキャバリアは……第三極東都市の!?」
「なにっ、あの封建国家と噂に聞く!?」
コクピットの声を拾うマイクの音が、スピーカーから外に漏れ聞こえている。
それを耳にした夜は目を見開いた。自分たちの小国家は、この国にも存在が伝えられているほど有名らしい。この国のチョコレートが自分の国のデータバンクに登録されるくらいだから、人伝に存在が伝わるくらいのことはあったのだろう。
「おーおー、うち、有名っぽい?」
「そりゃそうだろうよ、今までずっと閉じこもっていたのが、最近になって急に外に出始めたんだからよ」
夜の漏らした言葉に、キリジが耳を指でほじりながら返す。そして彼は面倒くさそうにスイッチを押した。『リーザ』の左手に握られたパルスマシンガンが火を噴く。
「あーあーうるっせぇなラブレターも渡せねぇ臆病者がよぉ!!」
「なっ!?」
先んじての攻撃、しかしその弾丸は威嚇のためなのか、当たるギリギリのところをかすめるように飛んでいった。
急な『リーザ』の攻撃にシャドウブレイダー二機が身構えた瞬間、彼らの視界から灰風号が消えていた。
次の瞬間、シャドウブレイダーの背後に現れる灰風号。その腕から伸びたシルバーワイヤーが、シャドウブレイダーの身体に巻き付いて動きを封じる。
「はーい隙だらけ。他所見してちゃだめじゃーん?」
「ぐっ……」
「こっ、この……!」
勝ち誇った表情で笑う夜がワイヤーをぐっと引き絞ると、シャドウブレイダーはなおもきつく縛り上げられた。切断しようともがくが、その特殊ワイヤーはびくともしない。
敵が一瞬で無力化されたのを見て、キリジがからからと笑い声を上げた。
「よくやったマダラァ! 赤いマフラーに似つかわしいラッピングだぜ」
「やった褒められた! それじゃキリジちゃん攻撃よろしく!」
夜も嬉しそうな声を上げた。そうしてシャドウブレイダー二機を簀巻きにしたまま、キャバリアソードを構える『リーザ』の前に持っていく。
ゆらり、とソードを振り上げた『リーザ』。そのスピーカーからキリジの声が聞こえてくる。
「チョコレート作る前って細かく刻むらしいよなァ……? ん、順番間違えてんじゃん。まーいいか」
「ひ……!?」
「あ、キリジちゃーん、その機体みんな胴体の黒くなってるところがコクピットらしいから、とりあえず四肢と頭はやっちゃっていいよー」
震え上がるシャドウブレイダーの搭乗者たち。彼らのことなんか気にする風でもないキリジへと、夜がハッキングの結果見つけたコクピットの位置を伝達した。
胴体を斬らなければいい。ことは単純だ。キリジが右腕を振り下ろすスイッチを何度も、何度も入れる。
「「うわぁぁぁぁっ!?」」
キャバリアを千切りにしそうなほどに振り下ろされる『リーザ』のキャバリアソード。果たして剣が止まったときには、頭と四肢を粉々に砕かれたシャドウブレイダーが、二機地面に転がっていた。
「はー……こんなもんか。連中生きてっか?」
「ちょっと待って……うん、大丈夫。コクピットの強制開放も搭載されてるみたいだから、さっさと開放してあげちゃおうか」
夜がささっとハッキングを行って、シャドウブレイダーのコクピットを開放する。中に収まっていたオットーの部下たちは、ぽかんとしながらも目に涙をためていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シーカ・アネモーン
さて、猟兵としては初仕事……
機体は万全とは言い難いが、どこまでやれるかな。
相手はステルス機のようだな。レーダー感知は難しそうだが、装甲は薄いか
現状でアクティブな武装は……ブレイドだけか
仕方ない。オーバーブーストで体当たりを仕掛けつつ、格闘戦に持ち込む。
不可視、遮音、サーモプロテクト、動体センサー……それらを消したとて、質量は消せない。
こちらのブーストの排熱を見ておけば、熱量差の違和がある場所が敵のいる場所だ
ただ、こちらの描いた軌跡を敵がたどればの話だが……
チョコレートを有難がる文化はよくわからないが、栄養価が高いのはわかる。携行食として有能ならば狙われるのも道理か
取り返さなきゃな
●なお、一般的な焙炒法はニブロースト法と呼ばれるもので、ほかに豆を直接焙煎するビーンズロースト法や、磨砕を先に行ってできた液体を焙煎するカカオリカー法といった方法もある
猟兵たちが戦闘に入る中、シーカ・アネモーン(忘れられた刃・f32230)と愛機『アンヘル』は外壁を飛び越えて秘密基地の内部に突入した。
「さて、猟兵としては初仕事……機体は万全とは言い難いが、どこまでやれるかな」
キャバリアパイロットとしてはそこそこ腕に自身はある、が、猟兵としてオブリビオンマシンを相手取るのはこれが初めてだ。
うまい具合にオブリビオンマシンをそうだと見分けられるだろうか。僅かに不安が去来するが、しかしシーカは操縦桿を握りながらまなじりを決する。
「相手はステルス機。レーダー感知は難しそうだが、装甲は薄いか。現状でアクティブな武装は……ブレイドだけか」
『アンヘル』の武装に視線を向けながら、彼女は小さく目を細めた。今の所問題なく使用できる武装と言えばフェイザーブレードのみ。他の武装は現在『アンヘル』で使用できるように調整中だ。
フェイザーブレードに手をかける『アンヘル』の姿を、シャドウブレイダー弐型二機が発見して見上げてきた。
「ん……見慣れないキャバリアが出てきたな」
「空戦機か? 見たことのない機種だが……どこかのアーキタイプか?」
発見された。機体の特徴にも目が向けられている様子。シーカは小さく奥歯を噛んだ。
「仕方ない」
こうなったら悠長に構えてはいられない。折りたたんでいたセラフィックフィンを展開、翼のように広げながら一気に降下した。眼下のシャドウブレイダー目掛けて突進する。
「なっ、突っ込んできたぞ!」
「ひるむな、応戦しろ!」
いきなり突っ込んできた『アンヘル』の姿に困惑を見せながらも、シャドウブレイダーが二機ともその姿を消した。それこそかき消えるように。
「……」
急ブレーキをかけ、その場でぐるりと旋回するようにしながら、シーカは『アンヘル』の計器を睨みつけた。
不可視、遮音、サーモプロテクト、動体センサー。あらゆる計器から、今のシャドウブレイダーは発見できなくなっているはずだ。
しかし、そこには確かにいる。いるということは、質量が存在するということだ。
「こちらのブーストの排熱を見ておけば、熱量差の違和がある場所が必ずある。そこが、敵のいる場所だ」
シーカが確認していたのはレーダーやサーモセンサーではない。『アンヘル』のブースト機器、その排熱状況だ。ブーストから吐き出される熱量、物体にぶつかって跳ね返れば当然センサーの感知する熱量は増す。何もいない場所なのに、熱量が増す場所があれば?
そこを特定したシーカがボタンを押した。刹那、横薙ぎに払われたフェイザーブレードが金属音を立て、直後にシャドウブレイダー一機の頭部が落とされる。
「なっ!?」
「ばかな、遮音もセンサー探知も働いていたはずなのに!?」
困惑の声を上げながら姿を再び現すシャドウブレイダーだ。その隙を突いてシーカは再びフェイザーブレードを振るう。接近とともに振り抜かれたブレードが、シャドウブレイダーの両足を根本から切断した。
「チョコレートを有難がる文化はよくわからないが、栄養価が高いのはわかる。携行食として有能ならば狙われるのも道理か……取り返さなきゃな」
弾薬とレーションくらいにしか興味を示さない彼女、チョコレートもレーションの一種としてしか捉えていないが、それはそれ。困っている人がいるなら見過ごせないのが、彼女の性分だった。
成功
🔵🔵🔴
杼糸・絡新婦
部外者立入禁止て、言われても、
ほなあんたさん方もある意味部外者ちゃう?
甘い場所には不釣り合いやで。
錬成カミヤドリで鋼糸・絡新婦をレベル分召喚。
周囲の蜘蛛の巣のように張り巡らせ、
絡みつくように【罠使い】【捕縛】し行動阻害と攻撃をしていく。
敵の攻撃は捕縛した【敵を盾にする】ことで防いだり、
【見切り】で回避や鋼糸の攻撃で相殺していく。
●カカオ豆をここで砕くのは、不ぞろいのカカオ豆を均一の大きさにし、後のロースト時に火がむらなく均一に通るようにするためである
他方。シャドウブレイダー弐型と一対一で向き合いながら、絡新婦は着物の袖を口元に持っていった。
「部外者立入禁止て、言われても、ほなあんたさん方もある意味部外者ちゃう?甘い場所には不釣り合いやで」
「んなっ」
笑いながら告げる彼に、シャドウブレイダーのパイロットが言葉に詰まる。
我が物顔で居座っているが、このシャドウブレイダーのパイロットも、何なら上司のオットーも部外者なのだ。部外者は排除されるというのなら、彼らもその枠組みに入るのがどうりである。
絡新婦がくすくすと笑いながら、その手に鋼糸を握った。
「ほんなら、部外者は排除せなあかんなぁ。あ、自分はええんやで、事が済んだら自分から出ていくさかい」
「く、この……馬鹿にしやがって!」
笑う絡新婦の言葉に、激昂したのかシャドウブレイダーのパイロットが声を荒げた。直後、その姿がかき消える。
だが絡新婦は焦らなかった。自分の握った鋼糸が、しゃらんと音を立てて増える。
「鋼糸【絡新婦】。いざ、参るてな」
告げれば、四方八方に広がる鋼糸。それが蜘蛛の巣のように張り巡らされた途端、絡新婦の右後方でぎしり、と鋼糸の網が揺れた。
「な、う、動きが……!」
「動けへんやろ? 見えへんくなっても、音立てんくなっても、そこにあるさかい。糸には絡まるはずや」
微かに漏れ聞こえたパイロットの声。そちらに目を向けながら絡新婦がうっすら笑う。
いかに姿を隠そうとも、周囲に糸をめぐらせれば引っかかるものだ。それもこれは鋼の糸。簡単に切れるような代物ではない。
ぐるりと、シャドウブレイダーの身体に鋼糸が巻き付いた。鋼鉄の身体がきしみを上げる。
「ほら、捕まえた。これで終いや」
「ぐ――!」
絡新婦がきゅっ、と糸を引き絞れば、鋼の表面がひび割れる音がして。刹那、コクピットだけを残してシャドウブレイダーの機体が、CTスキャンのように寸断された。
成功
🔵🔵🔴
カーバンクル・スカルン
……人の目は誤魔化せてもキャバリアの目はごまかせ無かったか。まあ、見つかっちまったならしゃーない。相手してやるよ。
【断罪変形】でボディ・サスペンションとカタリナの車輪と合体。合体直後、その場でグルグル回転して鎖を振り回して相手の頬を引っ叩くかな。細身とはいえどうせコクピットは腹部にあるから大丈夫でしょ。
相手は剣を巨大化させてきた。確かに威力や攻撃範囲は強くなるけど、どうしても振りは遅くなるはず。
その持て余した隙をついて一気に距離を詰めて懐に入り、扱う腕を車輪の棘やフックで削り飛ばします。
さあ、こんだけ近づけられたら認識妨害装置も役にたたねぇぞ? 大人しくお縄につきやがれ!
●チョコレートドゥを5段のローラーにかけて数十マイクロメートル単位にまで細かく砕く
カタリナの車輪を背負いながら、カーバンクルは自分の姿をしっかと認めるシャドウブレイダーの姿を見ていた。その眼前、通路に飛び降りながら、彼女はこくりと首を鳴らす。
「……人の目は誤魔化せてもキャバリアの目はごまかせ無かったか。まあ、見つかっちまったならしゃーない。相手してやるよ」
車輪を握る手に力を込めるカーバンクル。彼女にプラズマ剣の切っ先を向けながら、シャドウブレイダーのパイロットが声を張った。
「何をする気だ!? 人間の少女一人――」
「へえ? そう言うんだ」
少女一人。見くびられたものだ。そう返して笑うカーバンクルの手が、カタリナの車輪と同化する。否、それだけではない。ボディ・サスペンションもじゃらりと垂れ下がるや、意思を持ったように動き始めた。
「これを見ても、同じことが……言えるかなっ!」
そこに立つのはカーバンクル。しかしその身体はキャバリアほどではないにせよ、見違えるほどに巨大化していた。彼女の小麦色の身体がぐるぐると回転し、それに伴ってボディ・サスペンションの鎖がシャドウブレイダーの頬を激しく叩いた。
「なっ、う!?」
「ほらほら! どうせコクピットは腹部にあるんでしょ、容赦しないよ!」
一般的なキャバリアはオーバーフレームとアンダーフレームに分かれ、この接合部辺りにコクピットが存在する。つまりは腹の部分だ。このシャドウブレイダーもその例に漏れず、腹部にコクピットを備えている。
そこを外して攻撃すれば問題ないのだ。顔をしきりにひっぱたかれたシャドウブレイダーが、プラズマ剣の刀身を大きく伸ばす。
「お、おのれ、小癪な真似を!」
「おっと」
大剣サイズにまで刀身を肥大化させたプラズマ剣を鋭く振るシャドウブレイダー。この狭い通路でそれだけの大型武器を、しっかりと操ってみせるあたりは流石だ。しかし場所が場所、横に振ることは出来ない。大上段から振り下ろされた剣はカーバンクルが紙一重でかわす。
次の瞬間、彼女は一気に距離を詰めた。剣を握った腕目掛けて、カタリナの車輪を叩きつける。
「せいやっ!」
「うわ……っ!?」
その一撃でシャドウブレイダーの右腕がばきりと音を立てて破壊された。その隙を突いてボディ・サスペンションで胴体を縛り上げながら、カーバンクルが顔を大きく近づける。
「さあ、こんだけ近づけられたら認識妨害装置も役にたたねぇぞ? 大人しくお縄につきやがれ!」
「ひ、ひい……」
悲痛な声を上げるパイロット。かくしてパイロットは引っこ抜かれたオーバーフレームを放り捨てられ、泣きながらコクピットから引きずり出される羽目になったのだった。
成功
🔵🔵🔴
山梨・玄信
お主ら、チョコを独占して自分達だけがバレンタインをするつもりじゃな?RB団の裏切り者には制裁じゃ!
(頭の中で妄想が事実になってます)
【POW】
図体の大きさが絶対的な差ではない事を教えてやるわい。
空中戦で空を飛び、先ずは攻撃位置の不利を解消するぞ。
第六感と見切りで攻撃を躱し、また、常に敵の機体の間に移動する事で攻撃の軌道を制限、あわよくば同士討ちを狙うのじゃ。
避けきれない時はオーラ防御で軽減し、激痛耐性で耐えるぞ。流石に巨体からのUCを受けたら、ただでは済まんからな。
こちらからは、まず目(メインカメラ)を浸透拳(鎧無視攻撃)で潰してから、関節を灰燼拳で破壊して無力化するのじゃ。
アドリブ歓迎じゃ。
高柳・零
WIZ
何かRBとかいう単語が聞こえた気がしますが…。
今は目の前の敵に集中しましょう。
「さて、質問です。あなた達のUC、同型機しか居ない状況だとどうなるんでしょう?」
体ひとつでキャバリアに挑みます。
右手に分厚い魔導書、左手に天霧の盾を構え、オーラを全身に張って敵の攻撃を纏めて受け止める…と見せかけて見切りで攻撃が当たる寸前に空中浮遊で飛び回避します。
敵のUCは…きっと意味がないでしょう。
「纏めて片付けます!」
魔導書と盾を仕舞い、上空から指10本で敵を出来るだけ指差し、まとめて攻撃します。
アドリブ歓迎です。
●ドゥを砕く際に非常に細かくすることで、チョコレートの舌触りが滑らかなものとなる。しかし細かくしすぎるとかえって口どけが悪くなるため、細かな調整が必要である
「お主ら、チョコを独占して自分達だけがバレンタインをするつもりじゃな? RB団の裏切り者には制裁じゃ!」
玄信が目の前に立つ二機のシャドウブレイダーに、びしりと指を突きつけて言う。それに対して二機ともが、おそらくパイロットがぽかんとしているのだろう、仁王立ちのまま微動だにせずにいると、玄信の後方から声がかかった。
「玄信さん、何を言っているんですか、落ち着いて下さい」
「零殿?」
よく知る声だ。玄信が後ろを振り返れば、そこには緑色のテレビウムが黄色い画面に顔文字っぽい表情を浮かべながら立っている。零である。
「そもそも、男性同士でチョコレートをやり取りし合ったって、空しいだけじゃありませんか」
「ぬぐっ」
「ひぐっ」
次いで発せられた零の容赦のない言葉に、シャドウブレイダーのコクピットから悲痛な声が漏れた。そんな零の言葉に、生粋のRB団たる玄信が首をかしげる。
「むう……じゃが今は、友チョコなんかも盛んに行われているではないか」
「それは確かですけれど、RB団のターゲットからは外れるでしょう? 男女でイチャイチャし合うのがRB団のターゲットなんですから」
玄信の言葉に、零は小さく首を振った。と、二人の話をショックを受けながら聞いていたシャドウブレイダーの一機が、二人に指を突きつけてきた。若干、機体ががたがたと揺れ動いているようにも見える。
「き、き、貴様らぁ! な、何も、そこまで言わずともいいだろうが!」
「副隊長、今の言葉に生傷を抉られたからってそんな荒れないでください、副隊長!」
どうやら指を突きつけてきて、泣きそうな声で喚いているのがオットーの直属の部下たる副隊長らしい。隣の兵士がすごく慌てて副隊長のシャドウブレイダーをなだめにかかっている。
その様子を見て、玄信が小さく肩を落とした。
「……悪いことをしてしまったかのう」
「そうかもしれません。が、今は目の前の敵に集中しましょう」
若干調子を崩された様子の二人だが、相手はオブリビオンマシン。容赦してやる理由はない。魔導書を持ち、盾を構えながら、零が暴れるのをやめた副隊長の機体に指を向けた。
「では……副隊長さん、一つ質問です」
「ひぐっ、なんだ!?」
鼻を啜る音をさせながら副隊長ががなりたてると、零はにやりと笑いながら問いかけた。
「あなた達の、鉄冠変幻、でしたっけ? あれ、同型機しか居ない状況だとどうなるんでしょう?」
「えっ」
その言葉を聞いて、ハッとした様子の副隊長である。
この場にいるキャバリアは、シャドウブレイダー弐型が二機のみ。玄信も、零も、キャバリアに搭乗していない。
つまり。
「変身……しようが、ない、な」
「あ、やっぱり」
ぽつりと力なく零しながら、シャドウブレイダーがプラズマ剣の切っ先を力なく下げた。なんかもう、茫然自失という言葉がピッタリ似合う。再び慌てたように副隊長機をなだめる部下の機体である。
「ふ、副隊長! 気を確かに、変身しなくてもそのまま戦えば!」
「おっと、そうはさせんぞ」
なんとか戦闘態勢を整えようとした部下の機体だが、その眼前に玄信が飛び出した。
そう、眼前にである。ちなみに玄信はドワーフなので、身長は100センチ足らず。対してキャバリアであるシャドウブレイダーの頭は4メートル以上の高さにある。
つまり、飛んだのである。跳んだのではなく。
「図体の大きさが絶対的な差ではない事を教えてやるわい」
「わっ!?」
「飛んだ……生身で!?」
子供にも満たない体格の玄信が飛翔したことに、キャバリアのパイロットたちは驚きに目を見張った。彼らの常識からは考えられないことだ。人間がキャバリアに頼らず空を飛ぶなど。
地上でも零が全身にオーラを纏い、攻撃を受け止める構えを取りながら突っ込んでくる。
「その調子です玄信さん、そのまま翻弄してください!」
「任せるのじゃ!」
零の言葉に合わせるように、玄信は敵機の間を飛んだり、股の間を抜けたりとトリッキーに飛び回った。攻撃を行おうとするシャドウブレイダーも、思うように攻撃を当てられない。地上にいる零に斬りかかろうにも相手は玄信より更に小さい。狙いにくいことこの上ない。
「くっ、この!?」
「わっ、待て!? 俺に当てるな!?」
そうこうするうちにプラズマ剣の切っ先が零に当たる……と思いきや、零の身体も宙へと舞い上がった。上空に上がるや、魔導書をしまって盾を背に負って、両手の指を眼科のキャバリアに向ける。
「今です! まとめて片付けます!」
「そこじゃっ!」
光の柱が青空から下りると同時に、玄信が敵の頭に拳を打ち込んだ。目に当たるメインカメラが破壊されると同時に、まばゆい光に包まれる二機のキャバリア。
「ぐわ――!」
「あっ……!」
光が収まった時、シャドウブレイダーは二機ともぼろぼろになり、強制開放したコクピットからキョトンとした顔の兵士が二人、顔を覗かせていた。
「ふう……成敗してやったわい」
「だからRB団の裏切りじゃありませんってば……」
胸を張る玄信に、零は肩をすくめて言う。まあともあれ、悪は成敗された、ということでいいのだろう。
「ちなみに副隊長さん、一体何があったんですか?」
「あの……実はこの作戦の直前に、女性にフラれまして……」
「なんと……」
そして副隊長、意外にも、同志だったらしいとか、どうとか。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
パルピ・ペルポル
まぁどう見ても防衛軍のものではないわねぇ。
以前徳用(巨大)折り紙を通常サイズに切って作った万羽鶴を取り出して敵を攻撃させるわ。
これだけの数の中を移動すれば必ず押しのけて通ることになるからそちらの目くらましは無意味になるし、逆にそちらからわたしのことは見分けづらくなるでしょ。
そうしたら隙をついて風糸を関節部に巻きつけて火事場のなんとやらでまずは腕を落としましょうか。
迷彩システムとか外付けユニットとかも破壊して、あとはコックピットから兵士を引っ張り出すだけね。
大尉さんに近しい者なら今回の騒動の原因というか、バレンタイン絡みのあれこれの情報を聞き出すわ。
●類別名称として定められているチョコレートの種類に関しては、チョコレートの規格を参照のこと
空中を自身の羽で飛びながら、パルピが基地の中を進んでいく。
「まぁどう見ても防衛軍のものではないわねぇ」
自身はフェアリーだ。どう見たってこの国の防衛軍の人間とは取れないだろう。そもそもキャバリアに搭乗していないのだし。
と、通路の曲がり角から一機のシャドウブレイダーが飛び出してきた。プラズマ剣をこちらに向けながら、力強く声を発する。
「そこの者! 警告を無視し、このままキャバリアに接近するようならば、力づくで排除するぞ!」
そう言うやいなや、シャドウブレイダーが姿を消した。意気軒昂に述べた途端に姿を消すとはなんともちぐはぐだが、元は奇襲を得意とする特殊機体だ。それに、姿を消して相手が戸惑っている間に制圧する狙いもあるのだろう。
「暗殺とか奇襲とか得意そうな機体なのに……やってることがちぐはぐよねぇ。ま、こうしちゃえば問題ないんだけど」
そう言いながらパルピが取り出したのは折り鶴だ。自分の手のひらサイズに折られた万羽鶴を宙に浮かべ、自分の周囲を覆うように浮遊させる。
キャバリアは迷彩で姿を隠しているが、消えたわけではない。空間に物体があったらそれを押し退けて通るしかないのだ。つまり、鶴が押し退けられたところに敵はいる。
キャバリアの形にくっきり浮かび上がった空間目掛けて、パルピはまっすぐ飛んだ。
「……ああそうか、音声も切っているんだっけ? せっかく驚いた声が聞こえるかと思ったのに……それっ!」
肩に取り憑いて、雨紡ぎの風糸を関節部に巻きつける。フェアリーらしからぬ怪力で糸を引けば、シャドウブレイダーの両腕が肩からストンと落ちた。
「うわっ!?」
「どう? これならもう攻撃できないしょ。おとなしく観念なさい」
マイクのスイッチはオフにしていなかったのか、スピーカーから兵士の声が聞こえる。そのまま風糸でキャバリアをぐるぐる巻きにしたパルピは、有無を言わさずシャドウブレイダーのコクピットをこじ開けた。
中から姿を見せた人派ドラゴニアンの兵士が、目を白黒させている。
「う……あ、あれ?」
「殺しはしないわ。どうせこの国の法律で、搭乗者登録のされていない機体に搭乗した場合は重い刑にはならないんでしょ。所属不明機運用防止法とかで」
以前にこの国で依頼があった時、そんな法律の存在を聞いたっけ。そんなことを思い返しながらパルピが言うと、兵士はおとなしくコクピットから出てきた。
心配そうにプラント・ショコラーデの方を見る兵士に、パルピは声をかけた。
「あなた、大尉さんの部下の人なんでしょ? なんで大尉さんがこんな事したのかとか、バレンタインを憎んでいるのかとか、知らない?」
「じ、実は、昨年の秋に……」
彼女の言葉に、兵士はおずおずと口を開く。そして、彼はある事実を明らかにした。
「……大尉は、奥様を亡くしているんです。唯一、大尉にチョコレートを贈っていらした方を」
「……なんですって?」
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『復元型バルムングMk11』
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POW : 其ノ名ハ救世主
【理を超越した救世主形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 黄昏狼ノ咆哮
【強烈な格闘攻撃と一定回数復活する自爆攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 勇敢ナル騎士達
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【人型無人戦闘機と強化した自身の武装】で包囲攻撃する。
イラスト:V-7
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ユーノ・ディエール」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●精錬が終わると、テンパリングと呼ばれる温度調整を行ってチョコレートを安定させ、型に充填した後冷却して固める
プラント・ショコラーデの前には、生産されたチョコレートが山のように積み上げられていた。そのチョコレートの前に立ち、山をかき分けるようにしながら、青いキャバリアが嘆きの声を発する。
「ああ、満たされない、満たされない……」
あの機体が、問題のサイキックキャバリア。そしてそのコクピットには、今回の事件の首謀者たる、オットー・ヴェルトミュラーがいるのだろう。
オットーは大量のチョコレートを必死にかき分け、何かを探すようにしながら悲嘆に暮れた。50個入りのファミリー用チョコ詰め合わせにも、国の貴族が好んで買い求める高級チョコの箱にも、彼は目もくれない。
「これほど大量のチョコレートを前にしても、どんな高級チョコレートを前にしても……ヘルガ、君の贈ってくれたあの一箱のチョコレート以上に、私の心を揺さぶるものはない……」
ヘルガ。オットーが漏らしたその女性の名前に、猟兵たちに同行する副隊長二人が悲しみに満ちた目をして自身の上司を見た。
「大尉……」
「ヘルガは……大尉の、昨年秋にお亡くなりになられた、奥様のお名前です」
その言葉に、何人かの猟兵が目を見張った。
あの男は妻を亡くした。おそらく彼に唯一、チョコレートを贈っていたであろう女性を。そして今は、愛する妻のいない初めてのバレンタイン。オットーの悲しみの念や、いかばかりだろうか。
猟兵たちは青いキャバリアに向かって歩き出す。その足音を聞き、キャバリアがこちらに目を向けてきた。軍帽をかぶった狼のような、長い頭が見える。
「……そこにいるのは、侵入者共に……カールと、テオバルトか。何故、お前たちは侵入者の隣に立っている?」
名前を呼ばれた副隊長二人が、びくっと身体を震わせるが。すぐに意を決して、自身の上司に向かって口を開いた。
「大尉! もう……もうやめてください、こんなこと!」
「国中のチョコレートを独占したって、奥様はお戻りになることはありません! 国民の反感を買うだけです!」
ぶつけられたその言葉を、オットーは、青いキャバリアは静かに聞いていた。だが、程なくしてその頭が、ゆるゆると力なく振られる。
「それがどうした。我が心はあの日から空虚に沈んだままだ。その空白を埋めるために、チョコレートが必要なのだ。あの日、あの時に味わった、あの一粒のようなチョコレートを再び見つけるまで、私は止まるわけにはいかん」
「大尉……!」
嘆きの言葉を吐き出しながら、青いキャバリアが立ち上がった。その関節部から光が漏れ出す。
彼はやる気だ。副隊長が悲痛な声を上げながら、後方に撤退していく。
彼らを戦闘に巻き込むわけにはいかない。彼の背後にあるチョコレートも同様だ。プラントに傷をつけてはならないのは言わずもがな。プラント前の広場は広いが、的確に立ち回る必要があるだろう。
「さあ、勝負の時だ侵入者共。この『赤龍』オットーとバルムングが、貴様らを地獄の底に叩き落としてくれる!」
拳を握りしめながら地を蹴ったバルムングMkII。今ここに、プラントとチョコレートを取り戻すための戦いが幕を開けた。
●特記事項
・オットーはユーベルコードを操る凄腕のパイロットですが、彼の「本来の思想や人柄」を思い出させるような言葉や行動をすれば、彼の良心を一時呼び覚まし、動きを鈍らせることができます。
また、オットーは昨年秋に最愛の妻を亡くし、それが今回の事件のきっかけになっているようです。その点も踏まえて、声掛けをするといいでしょう。
シーカ・アネモーン
なるほどな。愛する家族を思って、こんなことをしていたのか
家族のいない私には理解しがたいが、身内を失うのは誰だって悲しいな
奥方もさぞ、誇らしいことだろうね
家族の為に国も味方も裏切ろうというんだからな
ヴェルトミュラー大尉。
軍人として実直に勤め続け、国を愛してきた貴方を思って、奥方はチョコを贈ったと思うんだが……
この上で、なおも、そのチョコレートをうまいと思えるのか?
まあ、所詮、家族を持たない者の意見だ。戦って決めればいいさ
こちらの領分である空中戦に持ち込みたいが、敵も一機ではないか
ソードスレイヴ、ベイツァーセルを展開
多少の被弾は覚悟の上、敵の上方を維持し、牽制と遊撃を仕掛ける
●フォラステロ種は南米原産の栽培種であり産出量が多く安価
アンヘルが空中に浮遊したまま、眼下のチョコレートの山と、その前に立つバルムングの姿を見下ろした。コクピットからシーカの声が響く。
「なるほどな。愛する家族を思って、こんなことをしていたのか」
家族。愛する人。シーカには無い、しかし他人が特に大事にするもの。その重要性は、彼女もよく分かっている。
「家族のいない私には理解しがたいが、身内を失うのは誰だって悲しいな」
「持たざる者には理解できまい。この悲しみを、この空虚を」
バルムングの中からオットーも返した。その声色には明らかに、悲しみの念が溢れている。
彼の言葉に頷きながら、シーカは平坦な口調で告げた。
「ああ、奥方もさぞ、誇らしいことだろうね。自分の愛した人が、家族の為に国も味方も裏切ろうというんだからな」
「……っ」
彼女の言葉に、オットーが言葉に詰まる。
そう、彼は裏切ったのだ。国を、国民を、部下を、上司を。
バルムングは元々彼の搭乗していた機体ではない。最近になって新たに発掘され、彼に与えられた機体なのだ。その機体を与えるにあたって、軍の上層部からの期待もあったことだろう。それを、彼は。
シーカの淡々とした言葉は続く。
「ヴェルトミュラー大尉。軍人として実直に勤め続け、国を愛してきた貴方を思って、奥方はチョコを贈ったと思うんだが……この上で、なおも、そのチョコレートをうまいと思えるのか?」
彼女の視線が、改めてバルムングの後ろ、チョコレートの山へと向けられる。
あの中には、さぞかし高級な、甘露のような味わいのチョコレートもあることだろう。国民のささくれだった心を癒やす、優しい甘さのチョコレートもあるだろう。それを独占して、それを美味だと思えようか。
シーカの問いかけに、オットーが力なく頭を振る。
「分かるものか。私にも分からぬのだ……あの日から国内のどんなチョコレートを食べても、無味乾燥で平坦な味の茶色い塊なのだ」
自分の両手を見つめるバルムングの両手が震えている。その両手が、高々と天に向けて掲げられた。
「こんな空虚はもう御免だ。私の邪魔をするな!」
天に手を掲げるや、バルムングの両手の先に魔法陣が展開した。そこから溢れ出してくる人型無人戦闘機。多数の機体が空を埋め、アンヘルに襲いかかった。
「『アンヘル』。ソードスレイヴ、ベイツァーセルを展開」
空間位相転換フィールドと浮遊砲台を展開。自身の周囲に配置してアンヘルは空を駆けた。フェイザーブレードとコルセスカが、襲い来る戦闘機を次々に空中で爆散させていく。
「敵も一機ではないか。多少の被弾は覚悟の上だ」
多少攻撃を受けることは仕方がない。ここは撃墜されないことが最前提だ。
無人戦闘機の相手をしながら、コルセスカで時折バルムングを射撃する。その牽制に重きを置いた立ち回りに、オットーがコクピットで奥歯を噛んだ。
「くっ、なんとも腹立たしい動きを……!」
「この国の人々のためにも、貴方のためにも、貴方の奥方のためにも……止めてみせる」
シーカの独白と共にアンヘルが駆ける。また数機、空に花を咲かせて無人機が消えていった。
大成功
🔵🔵🔵
杼糸・絡新婦
自分で答え言っとるやん、奥さんからもらったからやろ、
それ以上のもんあるわけない、
けど、ここにあるチョコは、あんたさんと奥さんみたいに、
贈る人も貰う人も特別になるもんや、
それを邪魔したいわけやないやろ、
大事な記憶まで汚されてそれに従うんかい!
【フェイント】をいれ行動し、
他に意識が向いているなら
【忍び足】による死角からの攻撃、
鋼糸で絡みつくようにして【捕縛】し攻撃阻害、
及び、盾がわりにして相殺を狙いつつ、
【見切り】による回避及び
【鏡返】によるカウンター攻撃を叩き込む。
●クリオロ種は有史以前から存在するカカオ豆の原生種であり、マヤやアステカで使用されていたのもこの品種である
絡新婦は糸を手繰りながら、静かに戦場へと踏み入った。着物の袖を垂らすように腕を伸ばして告げる。
「自分で答え言っとるやん、奥さんからもらったからやろ。それ以上のもん、あんたさんにとってあるわけない」
彼の言う通り、オットーは既に答えの一つに辿り着いてはいるのだ。彼のチョコレートはヘルガから貰ったものだからこそ特別だった。その特別を失って、空虚になるのは当然のことだ。
「けど、ここにあるチョコは、あんたさんと奥さんみたいに、贈る人も貰う人も特別になるもんや」
そう言いながら彼が目を向けるのは、プラント・ショコラーデの前に山と積まれたチョコレート。そこにあるチョコレートもまた、誰かのために贈られ、受け取り、お互いが大切になるためのものなのだ。
それを、彼は……否、彼の乗る機体は邪魔をしようとしている。大事な人への思いをいいように歪めた上で。
「それを邪魔したいわけやないやろ? 大事な記憶までその機体に汚されてそれに従うんかい!」
「く……!」
絡新婦の必死の呼びかけに、バルムングが小さく頭を振った。きっとコクピットで、オットーは苦悩していることだろう。その苦悩が良心を呼び覚ます切欠になれば。
「私は……こんなことが……うぅっ!」
動きを止め、一瞬本来の意識を取り戻したかのように見えたオットーだったが、機体が一瞬ビクリと痙攣した。痙攣が治まったバルムングがファイティングポーズを取る。
「……国民の特別なぞ、私には関係のないことだ。私には私の特別がいるのだ。それが今こそ私の必要とするものなのだ」
「……ほんに、厄介なもんや」
オットーに、オブリビオンマシンから干渉があったのだろう。彼の良心はまた覆い隠されてしまったようだ。
本当に、オブリビオンという存在は救いがたい。許しがたい。
「ほんにこれだから、オブリビオンは!」
そう吐き捨てながら絡新婦は駆けた。ヤドリガミの彼からしたらキャバリアは巨人のごとくあろう。しかしそれでも立ちはだかるそれを、何とかしようとすることは辞めない。
「私の救いを得るための、邪魔はさせん!」
バルムングが向かってくる絡新婦に向かって拳を引き絞る。そして次の瞬間、腕が伸ばされ音速の拳が突き出された。
が、絡新婦はその拳の先にはいない。
「ぬっ!?」
「残念、こっちや」
刹那、足元から声が響いて。拳の連打を繰り返すバルムングの足を、絡新婦の鋼糸がきつく縛っていた。
彼の姿を足元に認めたバルムングが、関節部から急速に光を発する。
「おのれ、小癪な!」
「おっと」
次の瞬間に発生する自爆攻撃。鋼糸を解いて後退しながら、絡新婦は手を前に突き出した。
「……鏡が如く射ち返す」
「何――ぐわっ!?」
生じた結界によって跳ね返される爆風。強烈な衝撃に煽られたバルムングがたたらを踏んだ。
大成功
🔵🔵🔵
斑星・夜
キリジちゃん(f31149)と!
※キャバリア『灰風号』搭乗
あはは、オーケー!
大尉さんもすごくやる気だし
とりあえず戦いながら説得しようぜキリジちゃん!
まずはEPワイズマンユニットで敵機をハッキング、攻撃手段を情報収集
敵の攻撃に対してはAEP可変式シールドを展開、キリジちゃんへの攻撃をかばいながら盾受けするよ
キリジちゃんの行動に合わせて敵機にシルバーワイヤーを射出
武器落としを狙うよ
大尉さんにとっての一番は奥さんのチョコレート
で、その味を知ってるのは大尉さんだけだ
なら集めるんじゃなくて記憶の中の一番を自分で作ったらいーんじゃない?
溶かしたチョコを流し込むみたいに、大尉さんの心にピッタリはまるようにさ
キリジ・グッドウィン
マダラ(f31041)と
『リーザ』で。ちょーっと振り回しすぎたか?
ア゛ア゛ア゛ァァかゆい!こういうの痒いンだよ!!理解しきれねェ!おい、マダラ何とかしろ!!(説得は任せた)
対象一応無傷・環境無破壊で
瞬間思考能力で相手の動きを読み、バルムングの四肢のどれかをグラップルとソードによる鎧砕きで集中的に狙い動きを封じる
マダラの盾あるし遠慮無くぶっ込めるわ。あんまりこき使って怒られるのも尺だし程々に
腕か足一本くらい機能停止させてもいいよなァ?
手前ェの為、その日に選んだチョコと包みってバイアスで初めて「至高の味」ってプラセボ効果が成立するんだからそこにはお目当てはねぇよなァ?!ただの甘味と箱だろうが
●アリバ種はフォラステロの突然変異で派生した種
夜の乗る灰風号と、キリジの乗る『リーザ』がバルムングの前に躍り出る。と、『リーザ』のコクピットでキリジががむしゃらに頭をかきむしった。
「ア゛ア゛ア゛ァァかゆい! こういうの痒いンだよ!! 理解しきれねェ! おい、マダラ何とかしろ!!」
「あはは、オーケー! 大尉さんもすごくやる気だし、とりあえず戦いながら説得しようぜキリジちゃん!」
大人同士の熟成された愛情と、ほの甘い恋慕の心。どうもキリジはくすぐったく思ったらしい。どんな年齢だろうと、恋する男女は甘酸っぱいものだ。
夜がからりと笑いながら説得役を請け負う。灰風号のモニターに視線を集中させる中、バルムングから怒声のような声が響いた。
「若者ごときが、人生の酸いも甘いも噛み分けていない時分で、私に言葉を届けられると思うな!」
オットーの軍人らしからぬ言葉に、夜が目をパチクリとさせた。後進を育成しなければならないだろう立場の彼が、若者の言葉に耳を傾けないというのも致命的だが、これも思想を歪められてのことだろう。
「若者だってよ、舐められたもんだな?」
「ま、アラフィフのおっちゃんなんて大概そんなもんでしょ!」
キリジの軽口にも夜は笑って返し、キャバリアにセットしたタブレットに指を這わせた。バルムングMkIIへの侵入、成功。
「(ハッキング……完了。攻撃手段は主にその拳、追加武装は……駆動系以外はなし、と)」
バルムングの武装について確認をした夜は、笑みを見せながら視線を上げた。ハッキング中のワイズマンユニットはそのままに、高速で突っ込んでくるバルムングと迎え撃とうとする『リーザ』の間にシールドをねじ込む。
「私の苦しみを理解できないものが、私の前に立ちふさがるな!」
「キリジちゃん!」
「サンキュ!」
キリジが返事を返して灰風号の側方に位置どる。バルムングが動く『リーザ』に視線を向けたのを見るや、夜は灰風号の腕からシルバーワイヤーを射出した。次いでワイヤーを経由しての電流と拳を叩き込む。バルムングが大きく後退した。
「ねえ大尉さん、大尉さんにとっての一番は奥さんのチョコレート……で、その味を知ってるのは大尉さんだけだ」
「それが何だと――」
距離をとった所でキリジはオットーへと声を届けた。彼の知る、ヘルガの贈ったチョコレート。その味はオットー自身にしかわからないものだ。
それを再認識させながら、夜は笑みを見せながらオットーに言う。
「ならさ、集めるんじゃなくて記憶の中の一番を自分で作ったらいーんじゃない? 溶かしたチョコを流し込むみたいに、大尉さんの心にピッタリはまるようにさ」
「な……!?」
その提案に、バルムングは明らかに動きを止めた。ワイヤーを繋いだままの灰風号が腕を振ったのにも反応しない。コクピットでオットーが操縦する手を止めたかのようだ。
やがて、オットーが信じられないと言いたげな口調でコクピットから声を飛ばす。
「……驚いた。貴様はプラントから生産されたものを、自分の手で作ることが出来るというのか」
「プラントから生産されたものをそのまま受け取るよりは、自分の一番に近づけられると思うけどなー?」
その返答に夜は苦笑を禁じ得なかった。なるほど、このプラントで生産されたチョコレートを、ヘルガは生前、オットーに渡していたらしい。それは、店売りのチョコレートを自分で作ったらどうだ、と言われたのと同じことと言える。難易度は高いだろう。
膠着状態に、舌を打ったキリジが側方から飛び出した。
「チッ。マダラ、そのまま捕まえてろ!」
そのままバルムングの左腕に向かってキャバリアソードを振り下ろす。ついでにもう片方のクローの付いた手で腕を掴んで握り締めた。バルムングの腕部の装甲が砕け、内部の機構が悲鳴を上げる。
「が……!」
「手前ェの為、その日に選んだチョコと包みってバイアスで初めて「至高の味」ってプラセボ効果が成立するんだからそこにはお目当てはねぇよなァ?! そこに山ンなってんのはただの甘味と箱だろうがァ!!」
苦痛に満ちた声を漏らすオットー。そのオットーに言葉ごと叩きつけるように、キリジは『リーザ』のパルスマシンガンをバルムングの長い顔面に押し当てて引き金を引いた。バルムングの頭部が、後方に弾かれる。
「ぐ、これは……そんな……ぐっ!」
「やるねー、キリジちゃん」
「『リーザ』をちっと振り回しすぎたか? ったく、そろそろデートも終わりだってのに」
混乱した様子のオットーとバルムングを見ながら、手首を振る『リーザ』へと夜が声をかける。彼の言葉に言葉を返したキリジは、ここまで付き合ってくれた『リーザ』のコクピットを、もう一度そっと撫でた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カーバンクル・スカルン
そういや誰かが言ってたな「ご夫人が大層嫉妬深くて、チョコレートを貰ったことが知れると機嫌を取るのが大変」だっけか。小さい所なら有力者の妻の訃報も流れる物なんだがねー。
にしても、赤龍の名が聞いて呆れるわ。大の男がチョコの山の前でメソメソやってるなんてさぁ。あの世の奥様が見たら喜ぶよりも呆れるだろうな。
まずは向かい来る戦闘機を徹底的に壊す。無人なら遠慮はいらない、オットーが【集団心理】に巻き込まれるよう徹底的にぐちゃぐちゃにしたる。
恐怖を感じれば多くの人影がオットーを取り囲むけど、石を投げるのはただ1人。キャバリアに飲まれてても、その姿に気づけるか。
さあ、チョコの石受け取るために出てこいや赤龍!
●ルビーチョコレートとは 「ルビーカカオ」と呼ばれる選りすぐりのカカオ豆の成分を使用したチョコレート
カタリナの車輪を背負いながら、カーバンクルはとんとんと爪先で地面を叩いた。
「そういえば誰かが言ってたな、『ご夫人が大層嫉妬深くて、チョコレートを貰ったことが知れると機嫌を取るのが大変』だっけか。小さい所なら有力者の妻の訃報も流れる物なんだがねー」
秘密基地の外で聞いた公共放送の生中継の際に、民衆がそんな事を話していたんだったか。そういえば公共放送もこの基地に来ているのだった。今頃はオットーの部下たちが捕縛される姿が報道されているのだろう。
カーバンクルの言葉に、バルムングから諦めたような声が聞こえる。
「有力者、だと? 防衛軍の大尉ごときを捕まえて、有力者とは持ち上げられたものだ」
「あー、将校とはいえ最下級だもんねぇ、尉官って」
オットーの返答に小さく肩を竦めるカーバンクルだ。将校とはいえども彼は大尉、中隊を指揮する権限はあるが、その程度だ。権限は大きくない。
そんなオットーのいるであろうバルムングの胴部に視線を投げながら、カーバンクルはふんと鼻を鳴らした。
「にしても、赤龍の名が聞いて呆れるわ。大の男がチョコの山の前でメソメソやってるなんてさぁ。あの世の奥様が見たら喜ぶよりも呆れるだろうな」
「なぬっ!?」
その容赦のない言葉に、オットーの語調が僅かに強まった。バルムングの体勢もわずかに前に傾く。しかしカーバンクルは怯まない、次々に率直で忌憚のない言葉をぶつけていった。
「そうでしょう? 自分の旦那が、軍人として名を知られた旦那が、自分を忘れられずにメソメソして、挙げ句守るべき国民に迷惑かけてるのよ。恥じ入らなくて何だというの?」
「ぐっ、私は……私は、国民を……!」
彼女の発言に、頭を抱えて苦悩するバルムング。しかしぴたりと動きを止めると、再びその両腕を天へと掲げた。無人機召喚の動作だ。
「私は……国民を、守るために……こうして、チョコレート、を……!」
「守ることになってる? どうかしらね」
吐き捨てるようにカーバンクルはそう言うと、大挙して向かってくる無人機に向かって一気にカタリナの車輪を振り下ろした。
「そりゃっ!」
「な……っ」
その一撃に、オットーが目を見開いた。しかしそれだけでは留まらない、車輪を振り回し、叩きつけ、捻り込みながらカーバンクルは破壊の限りを尽くす。
「ほらっ、そらっ、もういっちょ!」
「な……なん、だと……!?」
木っ端微塵なんてものではない、粉々に粉砕された無人機。その有様を見て、オットーが僅かに恐怖した、その時。
「う――!?」
「ふぅ……囚われたね」
バルムングの動きがピタリと止まった。無人機を次々に粉砕しながら、カーバンクルが息を吐く。
今頃、オットーはコクピットの中で群衆の幻影に取り囲まれているはずだ。彼の頭の中に、民衆からの落胆と失望の声が聞こえているはずだ。
『あのオットー様がこんなことをするなんて』
『高潔な方だと信じていたのに』
『所詮、彼も人の子だったというわけか』
「あ……あ……!!」
罵声、というよりは幾分マイルドな、嘆きと悲しみの声。それにオットーは苛まれ、耳をふさぐように頭を抱えた。そんな彼のいるコクピットに、外部マイクで集音されたカーバンクルの声が響く。
「怖いでしょう? きっとあんたは、こんな罵声に後々晒される。けれどそれはあんたじゃない、あんたの乗るキャバリアがやったことよ。それに……」
カーバンクルが言葉を切ると、そこで。オットーは自分の体に、コツン、コツンと物がぶつかっているのに気がついた。
痛い、が、それほど強い痛みではない。これは自分が、鱗に全身を覆われているからでは決して無い。
「石を投げるのは唯一人。その投げる人の姿に、気付くことは出来る?」
「あ……あぁ……」
その『石』を投げる相手の姿をおぼろげにだが感じたオットーが、コクピットの中で涙を流す。あれは、『石』を投げてくるあの人は。
そして、トドメとばかりにカーバンクルの怒声が響き渡った。
「さあ、チョコの石受け取るために出てこいや赤龍!!」
彼女の言葉に、彼女の見せてきた幻覚に、オットーの瞳に僅かだが、光が灯った。
「ヘルガ……私は……うっ!?」
震える指で、コクピットの開放ボタンを押し込むオットー。だがしかし、次の瞬間。困惑の声がスピーカーから聞こえてきた。
「あ、あ……お、押せない……コクピット開放のスイッチが、押せない……!」
「押せない!? そんなわけ――はっ」
彼の発した言葉に、困惑するカーバンクル。開放ボタンが押せないなんてこと、普通ではあってはならないことだ。だが、しかし。あれはオブリビオンマシン。普通ではあり得ないことが起こる。
恐らく、コクピット内部からの開放が無効にされているのだろう。開放ボタンの配線が切られているとか、内部システム的に無効化されているとかで。
「……そういうこと」
「た、たの、む……強制開放を……この機体の、破壊を……ぐぅっ!」
オットーの涙声がスピーカーから響く。彼を救い出すにはキャバリアを、バルムングを破壊する必要がある、ということだ。戦いは、これで終わりではない。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
【ヌギヌギランド】
そういった事情じゃったか。ならば…RB団ではなく、こちらの出番じゃな。
【POW】
褌一丁になって空中戦で飛ぶぞ。
妖精の歌で強化された見切りと第六感で攻撃を躱し、避けきれなければオーラ防御で受けるのじゃ。そして説得を行うぞ。
敵がUCを使ったら、動かずに衝撃波で床のチョコを弾き、そちらに気を取られた隙に背後に回って浸透撃にUCを乗せて邪心を払うのじゃ。
「捨て子のわしには夫婦の事も家族の事も分からん。じゃがこれだけは言える。今のお主を見たら、奥方は悲しむじゃろうなあ」
「忘れろとは言わん。じゃが、立ち直れなければ向こうに行った時に胸を張って奥方に会えんぞ。じゃから…その手助けをするぞ」
高柳・零
【ヌギヌギランド】
WIZ
そういった事情でしたか…流石にヌギカル☆玄信は…やらないと思うヌギか?
「さあ、玄信。脱衣だヌギ!ヌギカル☆玄信に変身だヌギ!」
テーマソングを歌って味方全員を強化します。
オーラで全身を覆い、盾を構えて味方も自分も守ります。そして説得
UCに対しては自分も衝撃波を使ってチョコを弾き、そちに気を取られた隙に飛んでメイスで鎧砕きを背中に叩き込みます。玄信さんの気合いが通りやすくなるように。
「あなたが探さないといけないのは、チョコではなく生きる力です。奥さんは大きな支えだったでしょう。ですが、それだけでしたか?副長さんや部下も支えだったのでは?今のあなたでは、それさえも失いますよ
」
安藤・香織
【ヌギヌギランド】
WIZ
どうやらRBではないようですね
「高柳さん、山梨さん、私もお手伝いさせて頂きます」
ヌギヌギランドはよく解りませんが、ヒーロー物は好きですので、テーマソングのノリに乗って戦います。
説得しながら、戦闘機に逃げられないようサイキックブラストを広範囲に撃ち、機能を麻痺させます。
動きが止まった所に、今度は範囲を絞って威力を上げて追い討ち。完全に麻痺させます。
「家族を失う怖さは私にも解ります。ですが…人に迷惑をかけて良い理由にはなりません!」
「奥さんはあなたが幸せに生きる事を望んでいると思います。だって、皆さんからこれだけ慕われているあなたが愛した人ですよ。子供の私にだって解ります」
●チョコレートの製錬工程において、温度とチョコレートドゥの固さは製品の味を決める最も重要な条件である
オットーの声がバルムングのスピーカーから途絶え、無機質な機械音だけが響く中、玄信と零、そして安藤・香織(人間のサイキッカー・f32047)の三人は並んで戦場へと足を踏み入れた。
「そういった事情じゃったか」
「そういった事情でしたか……」
「どうやらRBではないようですね……」
玄信と零は思い違いをしていた。RB案件かと思っていたが、これは爆破する対象ではない。それに香織にも付き合ってもらっているのだ。そうするわけにはいかない。
「高柳さん、山梨さん、私もお手伝いさせて頂きます」
「有り難い、香織殿」
「ご助力に感謝します」
胸に手を当てる香織の言葉に、玄信と零が流れるように土下座をする。そして気合を入れて立ち上がりながら、告げた。
「さて、そういうことならば……」
「いや、流石にヌギカル☆玄信は……」
玄信の言葉にやれやれと呆れた表情を見せる零、だったが。その表情が一瞬で、含みのある笑みに変わる。
「やらないと思うヌギか?」
「思わん!」
「えっ」
ぐ、とポーズを決める玄信の後ろで、ラジカセを取り出す零がスイッチオン。流れ出すポップでキャッチーなミュージック。プラント・ショコラーデに明るい音色が響き渡った。
「さあ、玄信。脱衣だヌギ! ヌギカル☆玄信に変身だヌギ! さあ、香織さんも!」
「えっ、えーと、ヌギヌギランドはよく解りませんが! 今こそ脱ぐんだー、ヌギカル☆玄信ー!」
一瞬でヌギヌギランドの妖精に変貌した零が香織に声を書けると、香織も困惑しながら拳を突き上げ、テーマソングを一緒に歌った。そして。
「ヌギカルゥゥゥゥ、玄っ、信っ!! とうっ!!」
いつも以上に気合の入った変身ポーズを取りながら、玄信が褌一丁になって空に舞い上がった。飛び上がった玄信を見て、バルムングから鼻で笑う声が聞こえる。
「……なんだ、公共放送の子供向け番組の生放送かと思ったわ! 諸共地の底に叩き落としてくれる!」
明らかに嘲笑った声でオットーが言う。褌一丁のヒーローが登場し、生身のまま空を飛び回る子供向け番組とか、需要があるのかと突っ込んではいけない。
両手を天に掲げ、無人機を召喚し始めるバルムング。そこに玄信が突っ込んでいく。
「させん!」
飛んでくる無人機の間隙を縫いながら、玄信は拳を打ち込み、衝撃波とともに無人機を破壊していった。
零と香織も地上から玄信を援護し、また零が香織を守護する。決して傷を負うことのないように。
「援護します!」
「防御は任せるヌギ!」
無人機から放たれる銃弾を零の構える盾が防ぎ、香織がサイキックブラストで無人機を落としていく。そして攻防が繰り広げられる中、零がバルムングの中のオットーに声をかけた。
「大尉さん、あなたが探さないといけないのは、チョコではなく生きる力です。奥さんは大きな支えだったでしょう。ですが、それだけでしたか?」
「何を……」
その含みのある問いかけに、オットーが返答を返すよりも先に。零が言葉を畳み掛けていく。
「副長さんや部下も支えだったのでは? 今のあなたでは、それさえも失いますよ」
「家族を失う怖さは私にも解ります。ですが……人に迷惑をかけて良い理由にはなりません!」
「……」
それに続くように香織も思いを伝えた。
彼は愛する人を失った。それで悲しむのはしょうがない。しかし彼には、彼を支えてくれる人がまだ、たくさんいるはずなのだ。
オットーは答えない。答えないまま、空を飛び回る玄信を睨みつけた。
「おのれ……小バエのように飛び回りおって!」
「ぬっ、零殿、今じゃ!」
「はいっ!」
生じる光、まっすぐに玄信を狙って飛んでいくバルムング。その時を玄信は待っていた。
零も一緒になって、一気に飛んでいくのはプラントの傍、チョコレートの山。中のチョコレートを崩したり割ったりしないよう、そこに軽く衝撃波を当てれば。吹き飛ばされたチョコレートの箱が地面を滑っていく。
「なっ!?」
「そこです!」
動く二人とチョコレート。バルムングの視線がぐりんとそちらに向けられた。その隙を突いて零が背中に取り付き、メイスを一振り。バルムングの装甲にヒビを入れた。
そのヒビの入った場所に玄信が取り付く。そのまま、しっかとしがみつきながら玄信は声を張った。
「捨て子のわしには夫婦の事も家族の事も分からん。じゃがこれだけは言える。今のお主を見たら、奥方は悲しむじゃろうなあ」
「くっ、離れろ――」
バルムングは飛び回って玄信を振り落とそうとするが、彼の怪力は並ではない。片手で機体を掴んだまま、拳を振りかぶった。
「忘れろとは言わん。じゃが、立ち直れなければ向こうに行った時に胸を張って奥方に会えんぞ。じゃから……その手助けをするぞ。せぇいっ!」
裂帛の気合とともに振り下ろされる拳が、装甲に入ったヒビを砕き割り、機体の内部に浸透する。オットーにではない、機体に。
「が……! っく、今のは……」
コクピットの中から苦悶の声が漏れた。恐らくバルムングの、オブリビオンマシンの支配にゆらぎが生じたのだろう。
「奥さんはあなたが幸せに生きる事を望んでいると思います。だって、皆さんからこれだけ慕われているあなたが愛した人ですよ。子供の私にだって解ります」
動きを止めるバルムングへと、地上から香織が言葉を届ける。バルムングは香織の姿を認め、しばし見つめると。
「……くっ」
苦悩の声を漏らしながら視線をそらすのだった。
大成功
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クルル・ハンドゥーレ
RB案件と思いきや…うん、これは頑張らなあかんなあ
WIZ
大尉の攻撃には見切りで回避武器受け・カウンターで対応
戦闘知識と情報収集で無人戦闘機の飛翔パターン分析
邪魔されぬような早々に召還した蝶で破壊
ジャミングと迷彩、蝶で計器と視界を妨害
フェイントで翻弄しマヒ・毒使い・鎧無視・破魔のせ攻撃
プラント破壊されぬよう自分の立ち位置等注意
危険ならキャバリアでかばい吹き飛ばしで敵位置を変える
ほんまはもう自分でもわかってるんやん
「あのチョコレート以上に、私の心を揺さぶるものはない」って
あんたがほんまに欲しいんはなんや、大事にしたかったもん、大事にしたいもんはなんや、奥さんの顔思い出しながら正直に言うてみい!
●チョコレートに含まれるカカオバターの結晶にはI型からVI型までの6種類の型があり、融け出す温度は17℃から34℃の幅がある
戦場に颯爽と乗り込みながら、Deus ex Machinaに搭乗したクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)は、コクピットの中で少々目尻を下げた。
「RB案件と思いきや……うん、これは頑張らなあかんなあ」
当初はもっと、愛だの恋だの許さん爆破しろ、な案件だと思っていたのだが、状況が明らかになるにつれて、どんどん込み入った事情が明らかになってきている。
そういう事情があるなら助けないわけにはいかない。クルルは愛機の操縦桿を押し込んだ。一気に高度を下げるDeus ex Machinaを、バルムングが睨む。
「ここに来て、次々と……邪魔立てすることは許さん……!」
「邪魔、なあ。あんたもほんまは、邪魔してほしいんと違うん?」
コクピットから響くオットーの声には陰りが見える。彼を支配するオブリビオンマシンも、限界が近づいているようだ。もうひと押し。クルルは鈴を転がすように言葉を並べていく。
返答は無人機の召喚、もう何度も突き上げられた青い腕。呼び出される無人機の飛行する機動も、特段変化があるわけではない。ルートは明らかだ。
「さっきから次々呼び出しよって、なあ? もうだいぶ飛び方は見えとるんや!」
そう発しながらクルルがDeus ex Machinaに手を突き出させる。呼び出すのは蝶、銀炎の羽をまとう無数の蝶の群れ。
「来たれ、来たれ、ソラの涯より」
「む……!」
呼び出された蝶たちが、無人機めがけて突進していく。次々に爆破し消し飛んでいく無人機。その爆風と、舞い踊る蝶によって、Deus ex Machinaの機体が隠されていく。
「さあ、機械の神よ。今こそあんたの本領発揮や。ここでしっかり、働けるとこ見せたりや!」
いつのまにやら位置は入れ替わり、バルムングの背後にDeus ex Machinaは立っていた。そこはプラントを、チョコレートをかばえる位置。手出しはさすまいと言う彼女の意志だ。
そして、その意志をクルルはぶつけていく。
「なあ、ほんまはもう自分でもわかってるんやん、『あのチョコレート以上に、私の心を揺さぶるものはない』って」
「何を……」
クルルの言葉に、オットーの声が上ずった。何を言うのかと。そんな当然のことを。
その言葉が発せられた途端だ。Deus ex Machinaの両腕がバルムングの残った腕に叩きつけられる。
「あんたがほんまに欲しいんはなんや、大事にしたかったもん、大事にしたいもんはなんや、奥さんの顔思い出しながら正直に言うてみい!」
「わ……私は……」
メキメキ、と音を立てながらひび割れ、破損していくその腕。火花の散る中、オットーの声がスピーカーから響く。
「私は……ヘルガを……アーホルンの国民皆を……!」
最早使い物にならなくなった両腕がパージされ、砕け散っていく。終着点は、近い。
大成功
🔵🔵🔵
天星・雲雀
「伴侶を失ってまだ半年も経っていない、立ち直れないのも自然な事です。ヘルガさんの居ない現実を受け入れられない事だって。でも、ヘルガさんは思い出の中で活きてるでしょう?」
【行動】[絡繰人形]にヘルガさんの御霊を降霊して、去年のチョコを教えてもらい、[絶無]に乗って増幅した念動力で、チョコの山から同じ銘柄を(手作りなら、オトモ達に再現調理してもらい)敵機めがけて投擲!
1つでも届けば、UC憑精癒やしでオットーさんの弱った心を回復。洗脳から抗う力が強まり(打ち勝って!)
「好きなのはチョコではなく、ヘルガさんの事でしょう?思い出してください!」
天国に帰る前にオットーさんに会うかは、ヘルガさんに任せます。
パルピ・ペルポル
本当にタイミングが悪かったのねぇ…。
念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻害兼盾として使用するわ。
あと万羽鶴に敵を攻撃させると同時にプラントやチョコレートへ流れ弾を防がせるわ。
接近して関節部に穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げ込んで風糸で動きを止めて武装を破壊するわ。
部下からの信頼厚く民からも慕われてる。
そりゃ奥さんもそんな人の妻であったことは誇らしかったはずよ。
普通なら大量にチョコをもらってもおかしくないわよ。
奥さんからしかチョコを受け取ってなかったのは奥さんを愛していたからでしょ。
奥さんの肩書きが「反乱者の妻」に変わる前にわたしたちが貴方を止めてあげるわ。
●バレンタインデーにチョコレートを贈る風習は、1868年、イギリスのチョコレート会社キャドバリー社の2代目社長であるリチャード・キャドバリーが美しい絵のついた贈答用のチョコレートボックスを発売したことを由来とする
満身創痍となったバルムング。両腕はもはやなく、両足も傷だらけで立っているのが奇跡というほどだ。
しかしまだ、自律行動が行えるが故にコクピットの強制開放には至らない。オットーを救い出せない。
そんな状況を目の当たりにしながら、パルピと雲雀は二人揃ってため息をついた。
「本当にタイミングが悪かったのねぇ……」
「はい。でも、まだ取り返しは効きます」
こんなタイミングでなければ、こんな時に期待の割り当てがされなければ、オットーはこんな事態を引き起こすこともなかったのだ。事件を起こしたとして、時期が外れたら隣国に攻め入る程度の、対処しやすい自体だったことは想像に難くない。
本当に、時節というのは残酷なものである。
立ち尽くすバルムングを見て、雲雀は静かに口を開いた。
「パルピさん、お願いがあります。何とかして、あのキャバリアを破壊してください」
「分かってるわ。破壊すればコクピットの強制開放が出来る。もうひと押しってところかしらね」
彼女の言葉にパルピはすぐに頷いた。ここまで来たら、もうやることは一つ。何とかしてバルムングを破壊し、オットーをあの中から救い出すのだ。
「ああ……ヘルガ……カール、テオバルト……皆……!」
既にオットーの良心は九割方回復している。あとはコクピットから引きずり出せれば、全てが終わるのだ。
パルピが機体の周囲を飛び回りながら雨紡ぎの風糸を巻きつける。抵抗されることはないにしても、念の為だ。同時に万羽鶴も放ってバルムングの視界を塞ぐ。
「私は……私は……!」
「……言いたいことはたっぷりあるわ。でもね、いい?」
そうしてバルムングに何も出来なくしてから、苦悩の声を発するオットーへとパルピは声を投げかける。そして、狙うは足の付け根の関節部。
「まずはそこから出てきなさい、奥さんの肩書きが『反乱者の妻』に変わる前に!!」
そこに穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げ込んだ。足の付根から潤滑油が吸われ、関節がばきりと音を立てる。
「伴侶を失ってまだ半年も経っていない、立ち直れないのも自然な事です。ヘルガさんの居ない現実を受け入れられない事だって」
パルピが機体の周囲を飛び回るのを見ながら、雲雀は祈りを捧げた。救われるように。救いがあるように。
そして、彼女の瞳に光が宿った。
「でも……ヘルガさんは思い出の中で活きてるでしょう!?」
「あ……!!」
オットーはきっと、崩れ行くキャバリアの中でまばゆい光を見ただろう。次の瞬間。
バツンという激しい音とともに、バルムングのコクピットが強制開放された。
「あ……ああ……」
「た、大尉……?」
「大尉!」
涙を流すオットーの元に、今まで後方に退避していた副隊長二名が駆け寄る。彼の身体をコクピットの座面から引き上げ、肩を貸すようにして立たせながら、喜びに満ちた表情を上司へと向けていた。
さっぱり状況がつかめない様子のオットーが、二人の部下の顔をまじまじと見る。
「カール……テオバルト……お前たち、何故……」
「ずっと……拝見しておりました」
「皆さんは、大尉を助けようと……大尉を反逆者にはすまいと、力を尽くされて……」
テオバルトの言葉に、オットーの目は大きく見開かれる。反逆者。そう、自分は反逆者なのだ。国家に、軍に逆らった。
その事実が両肩に重くのしかかる。何とか自分の足で立ちながらも、オットーは肩を大きく落とした。
「そうだ……私は……」
「はいはい、その話は一旦置いといて」
と、そこで空気を変えるべく声をかけるのはパルピだ。にこやかに笑いながら、彼女は後方に控える雲雀へと視線を投げる。
「雲雀。準備はできた?」
「はい。降霊……成功しました」
そして、その雲雀の隣には。先程まで降霊用のからくり人形が立っていたところには。
人型ドラゴニアンの、五十代前半と思われる、四本角が特徴的な美女が立っていた。
「……あなた」
「ヘルガ……ヘルガなのか!?」
その美女が、オットーへと呼びかける。
即座にオットーの目に光が宿った。見紛うはずがない。自分の愛した人を。長年連れ添った伴侶を。
この女性が、この女性こそが、昨年秋に亡くなったヘルガ・ヴェルトミュラーであるがゆえに。
そしてオットーがヘルガを、涙を流しながら抱きすくめようとしたその瞬間である。
「こ……んの、馬鹿っっ!!」
いっそ小気味のいいほどに、風船が破裂するような音を立ててオットーの頬にビンタが炸裂した。
「へっ」
「えっ……?」
パルピと雲雀は、いや、カールとテオバルトも含めて、目を見開くしかない。
奥方は嫉妬深い、オットーを深く深く愛する人だと噂に聞いている。それが、この強烈すぎるほどのビンタ。オットー自身も何が起こったのか理解できずに、目を白黒させている。
そしてそんな状況のオットーの両肩を掴みながら、ヘルガは溜まりに溜まっていたであろう思いをぶつけていった。
「あの『赤龍』オットー・ヴェルトミュラーともあろう者が、一体どれだけの無様を晒せば気が済むの!? 守るべき国民を裏切り、守るべきプラントを奪い、挙句の果てにチョコレートを独占する!? 私の愛するあなたは、決してそんな利己的な裏切り者じゃないはずだわ!!」
「ヘ、ヘルガ……」
がくんがくんと身体を揺らされて、オットーは何を言うことも出来ない。
部下二名も、上司とその奥方の関係性の事実を知って、開いた口が塞がらない。
もう、完全にヘルガの独壇場だ。雲雀の降霊術があってこそ作り上げられた状況だ。
そしてオットーの胸に顔をうずめながら、ヘルガが嘆きの声を零す。
「……私の愛するあなたは。誰にでも優しくて。誰にでも公平で。誰にでも誠実で。誰にでも正しいことをする人よ。だから私は……私はあなたを、私だけのものにしておきたくて……」
思いの丈をぶつけ、ぶつけながら、ヘルガは愛する夫に声を届ける。
最後の声を。最期の言葉を。
オットーの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。震える手でヘルガの体を抱きしめている。この触れ合いも、もうすぐ出来なくなるのだ。
「でも、私は死んでしまった。もう私のためだけのあなたではいられない。だからどうか……どうか。これからは、あなたの部下のために、あなたを慕う人のために、あなたの愛するアーホルン宗主国のために、生きてちょうだい。いいわね?」
「あ、ああ……も、勿論、だとも……!」
ひとしきり涙を流しあった後、オットーとヘルガは互いに、向き合って口づけした。その口づけは短く、さり気ないものだったけれど。二人の間にはこれで十分なのだ。
「まーったく、いい年した男がこんなに泣いちゃうなんて」
「やっぱり、妻は強し、ってことでしょうかね」
二人の様子をじっと見つめていたパルピが肩を竦めれば、雲雀も嬉しそうに笑いながら返した。そして手に持ったチョコレートの小箱を、ヘルガへと差し出す。降霊中にヘルガから情報を受け取り、オトモに探してきてもらったものだ。
「はい、ヘルガさん。見つけてきました、これですよね?」
「ええ……ありがとう」
手のひらに乗るくらいの、小さな箱。それをヘルガは、丁寧な所作でオットーへと差し出した。
「バレンタインおめでとう、あなた。私から、愛しいあなたへ」
「これは……レープマンの……」
アーホルン宗主国を代表するチョコレートブランド、レープマン。その贈答用チョコレートシリーズ、リーベの6個入り。これが、ヘルガが毎年オットーに贈っていた、まさにその品だ。
リボンのかかったその箱をオットーの手のひらの上に置き、ヘルガは彼からいくらか離れて振り返る。まるで遥かなる旅路を歩みだす最中、残していく誰かに振り返るように。
「いい? 本当の本当にこれが最後。後のあなたの一番は、自分の手で見つけてちょうだいね……それじゃ、先に行ってるわ」
その言葉を最後に、微笑を浮かべたヘルガの姿が薄れていく。降霊術の限界だ。ヘルガ・ヴェルトミュラーは改めて、空へと還る。
去りゆく妻に、夫は胸に手を当てて応える。敬意を持って見送る。
「ああ……いつになるか、約束は出来ないが……後から行く」
そうしてオットーの目の前で、ヘルガの姿は完全に掻き消え。役目を終えたからくり人形がその場に、がしゃんと音を立てて崩れ落ちた。
気付けば空は晴れやか、差し込む光が目に眩しい。作り上げたこの基地は元の姿に戻り、プラント・ショコラーデは通常通りの生産業務に戻るだろう。
「これにて、一件落着、かしらね」
「ああ、ああ……本当に、迷惑をかけた……お前たちにも……」
パルピがはにかみながら告げれば、オットーは目の端を拭いながら応える。迷惑は全くそのとおり。だが彼には、彼らには、まだ明日があるはずだ。
「大尉、大丈夫ですよ」
「まずは外に出ましょう……皆、待ってます」
カールが、テオバルトが、改めてオットーの肩に手を回した。そうして彼らは基地の外へ、恐らくは公共放送のレポーターと、防衛軍が待っているそこへ歩いていく。
パルピと雲雀もその後に続こうとして……ふと、パルピが空中で静止した。
「ああ、そうそう。言い忘れるところだったわ」
「なんですか?」
雲雀が首を傾げながら彼女を見る。そしてパルピは、一番晴れやかな笑顔でプラント・ショコラーデを指差しながら、こう言うのだ。
「ハッピー・バレンタイン、みんな!」
大成功
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