羅針盤戦争〜ヒーローVS海賊・ビル街での決戦
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「は! 舵輪の旦那もヤキが回ったな! こんな近くにいい島があるのにあんなしょうもない場所に行くなんて! それともそいつもとっても賢いおつむが叩き出した深謀遠慮ってやつか?」
ビル街に立つ一人の女。その周囲をピッチリスーツや兵器で武装した集団が取り囲むが、女は全く慌てた様子はない。
「この島は『鮫牙』旗下のダークプルティア『ダークパイレーツ』がいただく! お前たち、まずは挨拶してやりな!」
女の掛け声と共に大量の海賊たちが現れ、集団とぶつかり合い始めた。
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「みなさん、お集まりいただきありがとうございます……」
アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)がぺこりと頭を下げる。
「今日も、羅針盤戦争の戦いを、おねがいいたします。皆さんに向かっていただく島は、元ヒーローズアースの島です……」
そう言ってアレクサンドラは海図を広げる。
「ここに七大海嘯『鮫牙』配下のコンキスタドール、『ダークプルティア『ダークパイレーツ』』が攻め込んでいます。皆さんには、彼女を撃退していただきたく思います。彼女は配下を連れていますが、その配下は全て洗脳されている人や、すでに死んだ亡霊たちです。ダークパイレーツさえ倒せば、戦いは終わります」
ですが、とアレクサンドラは続ける。
「彼女は七大海嘯配下の中でも精鋭、正面から戦っては皆さんでも苦戦は免れないでしょう。ですが、この島には現地の海賊さんたちがいます。彼らの協力を得れば有利に戦えるでしょう……」
七大海嘯の悪名はこの島にも轟いている。その手先と敵対する姿勢を示せば、協力を取り付けるのは容易いだろう。
「この島はさっきも言った通り元ヒーローズアースです。島には高層ビルがいくつも並び、一般的なグリードオーシャンの島とはいささか趣を異にしています。海賊さんたちはこの島になれている一方、敵にとっては理解しがたい構造をしているとも言えるので、地の利を得る戦い方などができるでしょう……」
ビルに誘い込む、都市部にしかないものを利用するなど様々だ。ただし科学技術そのものは失われているため、高度な機械や電機などを利用するのは難しい。生きている近代兵器もわずかしかなく、その性能も大きく劣化しているのは間違いないだろう。
「もちろん、住人の方たちも直接戦力にはなってくれます。ただ、あくまで一般人な上、現役主力級の方は多くが他の島へ強化トレーニングに行ってしまっているようです。あまり直接戦わせたりはしない方がいいでしょう……」
戦闘に出す場合飛び道具による援護攻撃や強化能力による支援などを主に指示した方がよさそうだ、ということか。
「その主戦力が行っている島も別の七大海嘯が攻めているのですが……あるいはその隙を狙って、こちらの島を掠め取りに来たのかもしれません。そちらはそちらで別のグリモア猟兵が対応していますので、皆さんはとにかくこちらの居住用の本島をお守りください。どうか、お願いします」
そう言ってアレクサンドラは頭を下げ、猟兵を送り出すのであった。
鳴声海矢
こんにちは、鳴声海矢です。仲間同士での手柄の取り合いは悪の組織の華。
こちらでは通常ボスとの戦いを行っていただきます。今回のプレイングボーナスはこちら。
『プレイングボーナス……海賊達と協力する』
現地には島居住の海賊たちがいますので、彼らと協力することでプレイングボーナスとなります。
彼らは島を熟知しており有利に戦いを運べる戦場を教えてくれます。
島は元ヒーローズアースであり、高層ビルやアスファルト道路で構成され壊れかけですが近代兵器も僅かにあります。敵はそう言ったものに慣れていないため、地の利をうまく生かすことで戦いを有利に進めるでしょう。
もちろん共闘もしてくれますが、召喚された配下とやっと渡り合える程度の力なので、主戦力とするには厳しいでしょう。上手く支援役として利用してみてください。
それでは、プレイングお待ちしています。
第1章 ボス戦
『ダークプルティア『ダークパイレーツ』』
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POW : 頼りになる『仲間』だぜ!ダークネスオップファー!
全身を【自身への攻撃を防ぐ為の洗脳配下達の体】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷、接触数、視線、声掛け数、精神干渉】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD : それ、アタイに寄越せよ!ダークネスプリュンダラ!
装備中のアイテム「【対象の武器や強化効果を奪う強欲の闇雫】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ : これがアタイの艦隊だ!ダークネスゲシュペンスト!
【無念や恨みの籠ったカトラスとラッパ銃】で武装した【元配下の海賊や侵略し殺害し支配した被害者】の幽霊をレベル×5体乗せた【浮遊砲撃幽霊船レベル×1隻】を召喚する。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シズホ・トヒソズマ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
ほう…相手はヴィラン気取りの女海賊か。
ヒーロー気分で武勲を立てられるとあらばカモにネギ!
地の利に聡く援護射撃が得意とあらば当然地元海賊との連携は必須じゃが、まずはボスを狙える安全な高所から四方を囲む形で待機していてもらおう。
妾はUC『結髪』を発動し、敵陣に真っ向から切り込み雑魚を蹴散らす!
存分に【時間稼ぎ】を行い、味方を配置しボスへ妾の高火力・高機動っぷりを見せつけたなら、反重力装置に【エネルギー充填】で限界までチャージ!
妾の武器が欲しいか女海賊!ならば…くれてやる!
妾ですら持て余すようなじゃじゃ馬、臨界点まで高まれば銃や弓矢が軽くかすっただけでも大爆発は必至。
ここで援護の【一斉発射】を指示!
アスファルトの張られたコンクリートジャングルで堂々と略奪を宣言した黒き海賊。その前に、まずは一人の小柄な少女が進み出た。
「ほう…相手はヴィラン気取りの女海賊か。ヒーロー気分で武勲を立てられるとあらばカモにネギ!」
神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)はノコノコやってきたお前の方が得物だとばかりに、堂々とダークパイレーツに向かい合った。
「へっ、そりゃこっちの台詞さ! あんたの面、ここに来る前に見てるよ。9300G……もっと寝かしといてもいいが、目の前に来たなら貰っとかなきゃねぇ!」
コンキスタドールたちは猟兵に対し賞金を懸けている。アマミの言う武功とは即ちその賞金額と直結するもの。奇しくも、決して相いれない形で両者の利害は一致していた。
だが、その利を得ることができるのはどちらか一人のみ。示し合わせたかの様に、互いは己こそがそれを得るとばかりにぶつかり合った。
「眩き光子に誘われ、自らその身を焦がしに来たか! 妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ! 死ねーッッ!!」
いきなりの大技、【結髪】を発動し、群れていた配下たちを苦も無く蹴散らしてダークパイレーツに迫るアマミ。オーバークロックさせた反重力装置による移動力の超強化を前に、蹴散らされる配下など一顧だにせずその力にダークパイレーツは目を奪われる。
「それ、アタイに寄越せよ! ダークネスプリュンダラ!」
和傘へ装着した円筒状の装置が五分割され、両手両脚と髪にはまった強化装置、それを戦利品として獲るべく、ダークパイレーツは胸に着けた『強欲の闇雫』を輝かせてアマミに迫る。
その手がアマミの髪に届こうとした瞬間、アマミはひょいと首をひねってその手を躱した。何しろ速度が超強化されているのだ。避けることに徹すればいかに相手が強かろうと躱し続けるのもわけはない。
「ほれほれどうした、これが欲しくないのか?」
そう言いながらダークパイレーツの前に足を差し出してぷらぷらさせるアマミ。ダークパイレーツはむっとした表情でそれに掴みかかるが、やはりすっと足が引かれその手は空を掴んだ。
「あああああ、むかつくねあんた! 寄越せっていってるだろ!」
「欲しければ捕まえてみるがいいわ」
からかうようにひょいひょい躱し続けるアマミと、それをむきになって追いかけるダークパイレーツ。傍から見ればまるで遊んでいるような光景ですらあるが、その速度はどちらも常人では肉眼で捉えることすら難しい超速度。実際には強化能力をフルに生かした命がけの奪い合いであった。
その応酬が続くことしばし。そろそろ頃合いか、とアマミは周囲のビルの陰に目を向ける。そこには、事前に言い含めた通り姿を隠し光線銃を構えた海賊たちが。
そして今度は自分の装備する反重力装置を確認すると、いい感じにエネルギー過剰となり、臨界寸前となっている。
「ところでのう、こいつを欲しがるのはいいが妾ですら持て余すようなじゃじゃ馬、臨界点まで高まれば銃や弓矢が軽くかすっただけでも大爆発は必至」
ゆっくりとダークパイレーツに語り掛けるアマミ。その言葉にダークパイレーツは訝しげな顔をしながらも動きは止めずに答える。
「はん! アタイがそんなヘマすると思ってんのかい!」
「おお、そなたはせんじゃろうな。じゃがの……」
言いながら、アマミはゆっくりと片手を上げた。
「妾の武器が欲しいか女海賊! ならば……くれてやる!」
その手が振り下ろされると同時に、海賊たちが一斉に光線を放った。その狙いは、アマミの装備する五つの円筒。
アマミ自身が当たりに行ったこともあり、光線はそれらを直撃。そしてたった今言った言葉の通り、溜まりに溜まったエネルギーが暴発し、眩い光をあげて大爆発を起こした。
通常の火薬とは違う、重力エネルギーの爆発と言う未知なる大爆発。それはグリードオーシャン出身のダークパイレーツにとっては経験したこともないダメージであり、同時にヒーロー溢れるこのビルの島にはこの上なく映える光でもあった。
「くぅぅ……死ぬかと思ったわ」
少なからぬダメージを追いながら大爆発から生還したアマミが言うのは、相手がか、自分がか。
自身の知らぬ力と宝を持つ相手との戦いが始まったことを、全身に負ったダメージによってダークパイレーツは深く思い知らされていた。
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
地の利ねぇ…罠でも仕掛けてみよっか
おいで、分身達!
【指定UC】で分身を召喚し、海賊さんに案内をお願い
なるべく狭くて、この子達が隠れる障害物のある場所がいいかな
協力して
途中で追いつかれると困るから
分身を数体ずつ敵の元へ
与えておく指示は一つ
好きな【属性魔法】で悪戯して
植物魔法の蔦で足を引っかけたり死角から電撃等
敵を怒らせて敵を僕の元に誘導させる
僕は行き止まりで迎え打つ
狭すぎて船が出せないとかなればラッキーだけど…
所詮幽霊でしょ
僕が追い詰められたと見せかけて油断した瞬間
【破魔】を宿した★花園を広げ霊達を【浄化】
あんたも悪なら無傷じゃ済まないよ
潜ませてた残りの分身達と敵を包囲
光魔法の一斉攻撃を打ち込む
ヴィリー・フランツ
(連携・アドリブ歓迎・NG無し)
心情:手薄な拠点を攻めるなんざぁオブリビオンの癖に賢いじゃねぇか!あえて言えば猟兵が駐留時点で愚策だけどな。
手段:先ずは現地の海賊に少数での迎撃に適した地形か無いか聞く、後は共闘してくれる勇士を募り武装を整えた後出発、自動小銃は無くとも火縄やフリントロック銃にクロスボウ程度は使えるだろう。
迎撃地点に着いたら隠れる様に布陣、手下の幽霊が現れたら俺の小銃の射撃に続けて海賊達も攻撃して貰う、
俺の予想だが敵も突破が困難と感じたら浮遊砲撃幽霊船を前面に出して増援と砲撃をする筈だ、そこで【スーサイダードローン】500機を召喚、幽霊船もろともダークパイレーツを吹き飛ばしてやる
一戦を終えたが、ダークパイレーツの軍は未だ意気軒昂。それもそのはず、彼女の引き連れている部下は全て洗脳した手駒か使役する幽霊なのだ。ダークパイレーツ自身が健在である限り士気が落ちることはない。
その意思なき軍勢の進行を遠くから見て、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は煙草をふかす。
「手薄な拠点を攻めるなんざぁオブリビオンの癖に賢いじゃねぇか! あえて言えば猟兵が駐留時点で愚策だけどな」
主力ので払った拠点を難なく落とし大きな手柄とする、名を上げることも大切なのは傭兵も海賊も通じるところがある故、その思考自体は理解できるものではある。だが彼の言う通り、それはそこに猟兵と言う最強の防衛隊がいなければの話でしかない。
ましてや世界を渡る猟兵だ、始めてきた島であろうと、現地のものに多少のガイドを受ければそこを自分の領域とするのも容易い。
「地の利ねぇ…罠でも仕掛けてみよっか。おいで、分身達!」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はまさにそれを体現するかのように、【極めて小さい天使の物量アタック】にて体長数センチの超小型分身を大量に生み出し現地の海賊たちへと向き合った。
「ねえ海賊さん、待ち伏せにいい場所を聞きたいんだけど」
「奇遇だな。丁度俺もそれを聞こうと思ってた。少数での迎撃に適した地形か無いか?」
「それに、なるべく狭くて、この子達が隠れる障害物のある場所がいいかな。協力して」
それならと、海賊たちは街のやや奥まった所。かつてはダウンタウンか、あるいはスラムであったろう場所……現在ではあまり使わないものを置いている場所を二人に教えた。
彼の案内でそこに来てみると、なるほど道は狭く物は多く、大軍を並べるにはいかにも不向き。一方で身を隠す場所はいくらでもあるという二人が望む場所がそこにあった。
「よし、じゃあ誘い込みは僕に任せて」
澪が分身の数体をダークパイレーツの元へ差し向ける。もちろん本気の光線などさせるつもりはない。与えておく指示は一つ、好きな【属性魔法】で悪戯すること。
「よし、じゃあこっちは俺だ。共闘してくれる勇士を募る。我こそはと思うものは名乗り出て欲しい」
ヴィリーの呼びかけに、何人もの海賊たちが声を上げた。元よりこの島を守るため戦おうとしていた者たちだ。強い味方を得て士気が上がらないわけがない。ヴィリーの予想通り火縄やフリントロック銃、クロスボウといったものがほとんど。だが、数人は明らかにオーバーテクノロジーな光線銃などを持つ者もおり、ここがヒーローズアースの慣れの果てであることを感じさせた。
「よし、それじゃあ各々このあたりに伏せてくれ。敵はもうすぐ来るはずだ」
ヴィリーの指示に海賊たちが身を伏せる。そして程なく、バタバタと言う足音と苛ついた声が路地に聞こえてきた。
「あー! さっきから足引っ張ったり水かけたり、なんなんだこのチビどもは!」
剣を振り銃を撃ちまくり、怒鳴り声を上げながらダークパイレーツが分身たちに誘導されてきた。その前に、澪が自分だけの姿を見せるように立ちふさがる。
「ごめんねー、僕の分身が。でもまあ、許してちょうだい?」
「お前が親玉か……アタイを呼び込んで殺るつもりだったか? 悪いが貰うのはこっちだ、26100G!」
手配書で澪の顔を知っているのだろう。ダークパイレーツは狭い路地の中に無理矢理幽霊船を呼び出した。幽霊故多少の狭さは無視できるようだが、流石にこの路地に完全に布陣することは出来ず、長い渋滞のように船は縦に並んで出現した。
「ま、所詮幽霊でしょ? 浄化してあげる。あんたも悪なら無傷じゃ済まないよ」
澪が刻印『花園』に浄化の力を込めそれを光らせる。その光をもろに受けた幽霊船は乗組員諸共に崩れ、ダークパイレーツもまた眩しさとは別の、明らかに不快そうな顔をして顔を手で遮った。
だが、戦場で敵を前に目を伏せる、そんな致命的な愚行を熟練の傭兵が見逃すものか。
「ムーブ!」
その瞬間、伏せていたヴィリーが小銃を連射し、ダークパイレーツを代わりに出てきた二層目の船事なぎ払った。それを合図にし伏せていた海賊たちも、姿を見せて各々の武器を一斉に撃ちかける。
「あぎゃっ、がっ、くそっ……こうなりゃ、お前ら、何隻沈んでもいい、とにかく撃て!」
押し返されるダークパイレーツが、幽霊船たちに特攻を命じる。だが、結局は狭いところに一隻ずつ前に出てくるばかり。そしてこの状況こそ、猟兵二人が舞っていた瞬間だ。
「分身たち、いっけー!」
「ドローン展開、行ってこい!」
澪の分身と、ヴィリーの【スーサイダードローン】が、光の魔法と自爆特攻で船たちに一斉に襲い掛かった。
どちらも人よりはるかに小さいサイズのそれは、この狭い路地に都合千体近くをぎっちりと修めることができる。
戦いは数。使い古された言葉だが、これほどその言葉がふさわしい状況はないだろう。
自ら死地へ誘い込まれた船団は、圧倒的物量の前に指揮官諸共成す術なく撃ち倒されるのであった。
大成功
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鈴木・志乃
【住民へのお願い】
丁度いいや、私水陸空兼用のヒーローカー持ってるんだ。
これで爆走しながら戦おうと思うから、敵の幽霊船が機動力削がれるような場所を教えて欲しいな。援護はほんと、注意逸らす程度で構わない。
終わったら皆で酒盛りしよう! やー今日も映える戦闘になりそーね……。
【心情】
私の誕生月に戦争起こした海賊共絶許
【戦闘】
UC発動。
元々どこでも走れるヒロカを武器改造+魔法で垂直壁も走行可に変更。
車の小回りと速度、あと第六感で敵行動を見切り回避or武器受け。
もっと恨め、もっと怒れ。それが私の力になる。
ある程度力が溜められたら、高速詠唱の全力魔法で全体浄化。敵の親元ごとなぎ払うよ!
島の雑多な路地裏で、幽霊船の本領を活かしきれず不覚を取ったダークパイレーツ。とにかくここは場所が悪い。一刻も早く移動しなければ……
そう考えるダークパイレーツの頭上から、聞きなれぬ音が聞こえてきた。
「なんだよ……?」
その音に顔を上げるダークパイレーツ。そこには、見慣れぬ鉄の塊……自動車が空を駆けて彼女に迫っていた。
「私の誕生月に戦争起こした海賊共、覚悟しろやぁぁぁぁぁ!!」
その運転席から鈴木・志乃(ブラック・f12101)が絶叫と共に身を乗り出していた。
時はしばし遡る。
「丁度いいや、私水陸空兼用のヒーローカー持ってるんだ。これで爆走しながら戦おうと思うから、敵の幽霊船が機動力削がれるような場所を教えて欲しいな」
志乃は作戦前、海賊たちにそう聞いていた。通常ならグリードオーシャンでは自動車がどういうものかから説明する必要があるが、幸いにしてここは元ヒーローズアース。劣化しきっているとはいえヒーローカーじみたものを所有している者もおり、むしろ車の高性能ぶりを羨ましがられるくらいであった。
そんな彼らを制しつつ聞き出したのは、島全体の物置にしている狭苦しい場所。ただ、先に別の猟兵がそちらへ向かい、敵も誘い込まれてそちらに行ったという話だ。
ならば急がねばならないと、志乃は手早く海賊たちに援護の指示を出す。
「援護はほんと、注意逸らす程度で構わない。終わったら皆で酒盛りしよう! やー今日も映える戦闘になりそーね……」
配信者としての顔を持つ志乃は、バトルパートと宴会パート、二つの配信を思いつつヒーローカーを走らせたのであった。
そして今。狭い路地を一々迂回していられないと、技術と魔法で車を即席改造、空を飛んで文字通り一直線に敵の元へと駆け付けた志乃が、空中から猛スピードでダークパイレーツへと突進をかけていた。
「私は祈願成就の神の娘。全ての人々の意志を守る神子。その呪い(願い)をこそ、力に変えて魅せましょうとも」
ハイテンションな絶叫から一転、志乃が低く、まるで恨み言を垂れるかのように呟くと、それに伴い志乃の体が光で包まれた。ダークパイレーツは飛んでくる車を乗って移動するためのものだとは当たりをつけ、迎え撃つべく幽霊船を呼び出す。
「上ならまだ多少は動けるだろ! 行け! あれを撃ち落とせ!」
これ以上やられてたまるか。その怒気をこめ、幽霊船を迎撃に向かわせ、そこから幽霊団員たちもラッパ銃を滅多打ちにした。
しかしその銃撃は、志乃の纏った光に弾かれ、宙へと虚しく消える。
「あんたたち、恨みをぶつける相手を間違っちゃいないかい? まあ……こっちはその方が都合がいいんだけどさ!」
そのまま幽霊船に着地、車とは思えないほど細かく動き、幽霊たちを次々と跳ね飛ばしていく。時には船体を横になって走り、マストを登り、敵がいなくなれば次の船へ飛び移る……と車どころかバイクでもこんな走りは出来ないと言わんばかりのアクロバティックな動きで、志乃は船と敵を蹂躙していった。
「てめぇ……人の船の上で好き勝手しやがって!」
ダークパイレーツがさらに怒りを込めて叫んだ。その声を聴き、志乃は社内で一人笑む。
「もっと恨め、もっと怒れ。それが私の力になる」
志乃の纏う光は、向けられた負の感情を力に変える【呪いは祈り】。車の中で、体に十分に力を蓄えた志乃は、船首から一気に空へ飛び立ち、空でドリフトターンして船諸共ダークパイレーツを射程に捕らえる。
「敵の親元ごとなぎ払うよ! これにて前半パート、終了だ!」
溜め込まれた恨みの力が、船諸共ダークパイレーツを貫いた。消滅していく船をバックに、ヒーローカーが道路へと降りる。
「さぁて、全部終わったら後半パートの配信だ……と、その前に見えないとこに止めとかなきゃな」
たとえ乗らなくても酒と車が同じ画面に映るのは色々よろしくない。次の配信の事を考えつつ、志乃はヒーローカーを走らせるのであった。
大成功
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アリス・スラクシナ
※ジェイクと行動
絡み・アドリブOK
海賊の力を借りれば、地形を利用して対抗できるだろう。
「こちらも相手を同じくするだけだ」
共通の敵であると伝え、協力してもらえるように話す。
地形の利用で接近して隙を伺い、出来たら一気に攻める。
迂闊に攻めれば操られている者達を巻き込む事になるからまずはそちらを何とかしなければ。
操られている者達を解放できれば一気に畳みかける。
ジェイク・リー
※アリスと行動
絡み・アドリブOK
協力を取り付けたら障害物の多い場所へと誘い込む様に指示。その後は能力強化などをやるように言っておく。
誘い込めたら英霊であるエルザに任せる。
「周りの連中は俺がやる」
迷彩と忍び足で誘い込まれた対象を閻羅刀の力と暗殺剣の要領で浄化や除霊で無力化を狙う。
エルザ自身も姿を消しては現れを繰り返して攪乱を行う。
閻羅刀と刀に変化させた十束刃による二刀流で応戦。
残像を残しながら閻羅刀と十束刃に魔力溜めを行いながら見切りで回避を行いながら溜まった魔力で飛ぶ斬撃と言える衝撃波を繰り出す。
連続で幽霊船を撃墜され、這う這うの体で路地から抜け出したダークパイレーツ。その彼女を、島の海賊たちの一斉射撃が出迎えた。マスケット銃や弓矢、それに出力の落ちた光線が一斉にダークパイレーツに浴びせかけられるが、猟兵ではない彼らの射撃は余りに力不足。多少の痛みを与えると引き換えに、ダークパイレーツの怒りに完全に火をつけてしまった。
「てめぇら……調子乗ってんじゃないよ!」
圧倒的格下からの攻撃に怒り狂ったダークパイレーツは、自らの剣を振り、銃を乱射して海賊たちに躍りかかった。明らかにレベルの違う身のこなしに、海賊たちは攻撃をやめて一斉に逃げ出す。
「待てコラァ!」
怒りの形相でそれを追うダークパイレーツ。逃げる海賊を追い、やがて彼女は信号機や標識……変わった人工の街路樹と認識されているらしいそれらが乱立する場所へと辿り着いた。
「よくやった。後は強化での支援に徹してくれ」
そこで逃げていく海賊たちをかばうよう、ジェイク・リー(嵐を齎す者・f24231)が前へと進み出た。
「てめぇ、まさかまた……!」
「同じ手に二度もかかるとは、学習能力は足りないようだな」
ジェイクと並び、アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)もダークパイレーツへ向かってそう言った。
事前にジェイクは海賊たちに、障害物が多い場所の情報と、そこへの誘い込みを海賊たちに依頼していた。本気の光線ではないとはいえ猟兵の護衛なくダークパイレーツへ攻めかかる危険な役目。だがそれも『こちらも相手を同じくするだけだ』という、アリスの明確な共闘宣言によって快諾された。
猟兵たちはこの敵、そしてその上にいる七大海嘯さえ仕留めんとする最強の力。それと協力関係を結ぶことほど、今この世界で心強いことはない。
海賊たちが世界と己の為に役目を果たしたら、あとは猟兵の出番だ。ジェイクは英霊エルザを呼び出し、彼女と当たる相手の分担をする。
「周りの連中は俺がやる」
配下はジェイク自身が相手をし、エルザにはダークパイレーツのみに注力するよう指示を出す。
「一人でアタイを抑えるつもりかい! 仲間たちよ、死んでもアタイを守ってな!」
その挑戦を受けてくれようと、ダークパイレーツは己の胸の宝石を光らせつつ、洗脳して使役している者たちを自身の周りに呼び寄せた。
「すぐに解放してやる」
ジェイクはその彼らに、戦神の刃『閻羅刀』の力のみを向けることで、魔を絶やす力を浴びせ洗脳された者たちに取り付く魔を断っていく。
「迂闊に攻めれば操られている者達を巻き込む事になるから、まずはそちらを何とかしなければな」
アリスもまずは操られた者たちを解放すべく、そちらの鎮圧にあたった。アリスは乱立している標識を足場に飛んで敵陣の裏側に回り込み、閻羅刀の力が届き辛い後方にいる者から優先的に狙い攻撃していく。
「少し痛いかもしれんが、まあ我慢してくれ」
アリスは格闘技の動きで、配下たちを制圧していく。多少乱暴かもしれないが、戦いに巻き込まれ自分を失ったまま死ぬよりははるかにマシだろう。元より数を揃えた手にするための人員で、大した力はない配下たちは、凄腕の猟兵たちの前に次々沈黙していく。
「ああ、クソ、役に立たない奴らだ! もういい、アタイが殺りに行くよ!」
痺れを切らし、ダークパイレーツが配下の囲みの中から半身を出し銃を乱射した。その狙いの先にいるのはエルザ。だが、元より今は攻め時ではないエルザは回避に注力、その銃撃を避け、一瞬にして別の場所へと出現した。さらにそこからからかうように前に出ては背後に回り、また元の場所に戻ると敵をかく乱するような動きを繰り返すエルザ。
「あああああ! 苛立たせんじゃないよ! さっさとぶちぬかれな!」
様々な敵対行動をトリガーにする強化に包まれ、ダークパイレーツの銃撃はどんどん早くなっていく。そしてついにその銃弾がエルザを捉えた……そう思われた瞬間、その銃弾は二つの刃に弾かれた。
「気づかないのか? もう丸裸だぜ」
その声にダークパイレーツが辺りを見回すと、あれだけいた配下がほとんど昏倒している。残るのは自分に密着している者程度……だが、それもすぐにアリスに引きはがされる。
「踊ろうか。どちらが倒れるか分からんが」
曝け出されたダークパイレーツに、【原色の剣舞】で作られた属性剣で切りかかるアリス。その剣は光を放ち、まっすぐに彼女の胸にある宝石を切りつける。
「お前には手加減はいらねぇな」
ジェイクもまた、閻羅刀と刀に変化させた十束刃による二刀流に魔力を込めて攻撃する。ジェイクに向かっても銃が放たれるが、例え飛び道具でも怒りに任せて売っているだけでは狙いは見切りやすい。無駄なく躱すと二刀を振るい、溜め込んだ魔力まで乗せた衝撃波を放つ。配下に使ったものとは違い、二つの危険な魔剣の殺傷力を惜しみなく乗せたその一撃は、ダークパイレーツの体を深く咲いて鮮血を溢れ出させた。
「ち、ちくしょう……!?」
バランスを崩して歯噛みするダークパイレーツの前に、突如現れる一人。傷ついた体を押して反撃を試みるが、その人影は応戦するそぶりだけ見せた後、またすぐに掻き消え、ダークパイレーツの剣だけが虚しく空を切った。
「仲間がいれば、攪乱専門の奴だって作れるもんだけどな」
その人影、エルザが一瞬前までいた場所を、飛ぶ斬撃ともいえる衝撃波が通り抜けダークパイレーツをさらに切り裂いた。
「ぐああああっ……!」
深いダメージにがくりと膝をつくダークパイレーツ。その横で昏倒した配下たちをアリスが助け起こしていくが、一方で洗脳の主である彼女に肩を貸そうとするものは、どこにもいなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
成程、そういう地形ですかぁ。
何とかやってみましょう。
まず、現地の海賊さん達に『下水』等の『インフラだった場所』と『マンホールの位置』の情報を尋ねますぅ。
『破損させて良い場所』の情報が有れば最良ですねぇ。
敵海賊が近づいたら【燦華】を使用、『マンホール』を利用し『足元』から不意打ちを仕掛けましょう。
この位置であれば『体を覆う』ことも出来ません。
そのまま再度地下に潜り、不意打ちを繰り返しますねぇ。
此方を地下に追ってくる様で有れば、先程の『壊してよい場所』に誘導し『FMS』のバリアで道を封鎖、閉鎖空間に『FCS』で炸裂弾に換装した『FRS』『FSS』による[爆撃]を行いますぅ。
島の中でダークパイレーツと猟兵たちの激戦が繰り返されている時。新たに島に来た夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は島民たちにあるものの場所と構造を聞いていた。
「成程、そういう地形ですかぁ。何とかやってみましょう」
必要なものの状態を把握したるこるは、目的のものがある場所へと向かって進んでいった。
そして一方のダークパイレーツは、傷ついた体を休めるためその場にしばらくとどまっていた。本来ならば安全な場所まで避難した上で休憩したいところだが、迂闊に動いて猟兵と鉢合わせるよりはこの場で周囲に気を配りながら休んだ方がいい。そう考えて、新しい洗脳配下に周囲を見張らせてのこの場での休憩であった。
そうして体を癒すダークパイレーツの前で、地面にある丸い何かが僅かに揺らいだように見えた。
「……何だ?」
確認のため配下を差し向けよう。そう考えた瞬間それが吹き飛び、中から一筋の光が飛び出してダークパイレーツを貫いた。
「なっ……!?」
「大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ」
光はるこるが姿を変えたもの。そして吹き飛んだのは、都市部ならどこにでもいくらでもあるマンホールであった。
るこるは事前に島民から下水の構造とマンホールの位置を大まかに聞き出し、そこを通ってダークパイレーツの元へ接近していたのだ。大航海時代にも下水道はあるが、高度な浄化施設は近世になってできたもの。つまりグリードオーシャンの知識で考えれば、この島の下水道は極度に広く、また下水の割には汚れていない通りやすい道となっていた。
一撃を加えた後、すぐにマンホールへ戻っていくるこる。
「くそ……アタイを守れ!」
配下に指示を出し、自分にくっつくよう言うダークパイレーツ。おしくらまんじゅうのような体勢で配下たちが盾になるが、配下たちは所詮何の力もない一般人。ただ立ってくっつくことしかできず、その下はがら空きだ。その下を縫ってるこるは再び飛び出し、ダークパイレーツの足を攫うように体当たりをたたきこんだ。
「くっそ……この穴から出てきやがるのか! 出てくる前にこっちから行ってやるよ!」
配下を剥がし、自分から攻め込んでやろうとマンホールへ入るダークパイレーツ。だが、梯子を下りた瞬間彼女の体は横へと弾き飛ばされた。
「うおっ!?」
思わず水の中に転ぶダークパイレーツ。体を起こしてみると、前に円盤のようなものが浮いて周囲に淡い光の壁を作っている。
手で触れようとするとその光が自身を拒むように押し返し、動かせない。それどころか、その円盤の方から動き、再度ダークパイレーツを弾き飛ばしたのだ。
「なんだよ、どこ連れてく気だこの野郎!」
配下を置いて来てしまったことで成す術なく連行されていくダークパイレーツ。その先には、下水の袋小路で彼女を待ち構えるるこるの姿があった。
「お待ちしておりましたぁ」
「は、やっとまともに顔が見れたな……ここで直にケリつけようって気か!?」
凄むダークパイレーツに、るこるはあくまで冷静に答える。
「はい。ですが……直に、と言うのはいささか語弊がありますかと」
「は?」
ダークパイレーツが疑問の表情を浮かべる間もなく、砲撃機能を持つ兵装『FRS』と『FSS』が天井を滅多打ち。ダークパイレーツの頭上に崩落を引き起こした。
るこるが下水の構造の他にもう一つ聞いていたもの、それは『どの当たりなら破壊してもいいか』であった。
かつては街の一部でもあったろうが、転移以後人口減少のためやすっかり住む者がいなくなってしまった過疎村のようなビル街。その地下部分の下水道ならと、るこるは最終決戦の場定めてバリア機能を持つ円盤『FMS』をそちらに誘導するように配置していたのであった。
「街、と言うのは上下にも広がっているものですのでぇ」
近代都市の地下には想像以上に広大な地下空間がある。がれきに埋もれるダークパイレーツは、そのことを配下から引き離されての生き埋めと言う手痛い教訓と共に学ぶのであった。
大成功
🔵🔵🔵
高砂・オリフィス
ダーク……パイレーツ! なんだか強敵な予感がヒシヒシと! ここは、ぼくも! 地の利を存分に活かしてガンガンいくぞーっ! 海賊さんたち、援護をお願い!
いでよーっツバメを放つ散弾銃! とこっそり撃ってまずは初撃!
場所がバレたら散弾銃はあげる! 気づかれてたらこれ普通の銃だし、お姉さんが使いこなせるとも思えないし!
跳び上がったり逆に頭を地面スレスレにして、脳天に蹴りをかましたり、トリッキーな動きで翻弄するよ! 銃の操作に手間取ってる間にノックアウトさ! あははっ!
なんとか瓦礫から這い出したダークパイレーツ。その目の前には、さっきいた場所とはまるで違う光景が広がっていた。蔦に絡まれたり半分倒壊したようなビルの並ぶ、明らかにもう住人のいないゴーストタウンの様な場所。その街の中で、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)は海賊と共に身を隠し敵を待っていた。
「ダーク……パイレーツ! なんだか強敵な予感がヒシヒシと! ここは、ぼくも! 地の利を存分に活かしてガンガンいくぞーっ! 海賊さんたち、援護をお願い!」
敵には聞こえないようにあくまで小声で、気合の声を上げるオリフィス。そしてその手にある銃で、ゆっくりとダークパイレーツに狙いを付けた。
「いでよーっツバメを放つ散弾銃!」
やはり小声の掛け声と共に、銃から燕型のオーラ弾が放たれた。射手に気づいていないものに大きなダメージを与える【飛燕断】の一射が、ダークパイレーツの胸元の宝石を局激した。
「ながっ……!?」
突然のことに胸を抑えて吹っ飛ぶダークパイレーツ。だが、倒れることなく踏みとどまり、弾が飛んできた方を睨みつけた。
「いいのくれたじゃないか……それ、アタイに寄越せよ! ダークネスプリュンダラ!」
胸の宝石を輝かせ、高速でオリフィスに迫るダークパイレーツ。既に隠密は意味をなさないと悟ったオリフィスは姿を現し、ダークパイレーツに銃を差し出した。
「別にいいよ、あげる! 気づかれてたらこれ普通の銃だし、お姉さんが使いこなせるとも思えないし!」
そう言って銃を投げつけるオリフィス。ダークパイレーツはそれをキャッチし、さらにオリフィスを仕留めるべく自身の銃を構えた。
「貰うもん貰ったらもう用はないよ!」
「おっと、そうはいかないよね!」
オリフィスは高く飛んで狙いを外し、そのまま自分の頭が地につくほどに回転しながらダークパイレーツの頭を蹴り飛ばした。おおきくよろけるダークパイレーツに、そのまま大開脚しての回転蹴りを叩き込んで追い込みをかける。トリッキーな動きで翻弄し、狙いを定める隙を与えぬ連続攻撃だ。
「銃の操作に手間取ってる間にノックアウトさ! あははっ!」
さらに調子よく、とどめにかかろうとするオリフィス。だがその動きを、連続で放たれた銃弾が押しとどめた。
「舐めてんじゃないよ……こちとらハジキの扱いにゃ慣れてんだよ!」
ツバメ銃と自分の銃で歪な二丁拳銃の構えになったダークパイレーツが、二つの銃口をオリフィスへ向ける。動かしづらいツバメ銃のほうはばらまいての威嚇に使い、使い慣れた自分の銃を本命にするための二丁スタイルだろう。
そのまま二つの銃からばらまかれるたまに、攻めあぐねるオリフィス。
「それ、結構難しいのに……」
「引き金引きゃ弾はでるのさ! 当たるかどうかは別だけどな!」
当てるつもりもなくただ撃つだけならば銃とは意外と簡単なもの。雑さをカバーできる本命があればこその戦法に、オリフィスの好調は一旦止まることとなった。
「ちぇ……まあ、その通り全然当たらないけどね!」
実際にツバメ銃を持っている方の手は動きが甘く、そちらの弾も落ち着いてみれば避けられないものではない。オリフィスはそちら側に回り込んで素早く踏み込み、足を高く上げてツバメ銃を蹴りあげた。
「あぐっ!」
「ごめんね、やっぱりこれは返してもらうよ。それじゃ、バイバイ!」
攻め手のなくなったその半身を大きく足を開いてのハイキックで蹴り飛ばす。褐色の肉付きの良い脚がクリーンヒットし、ダークパイレーツはそのまま横倒しに倒れた。
「一度手に入れたもんはアタイの……!」
「今取り返したもん、だからぼくのだもんねー!」
そう言ってオリフィスは、黒きスーツに包まれた体の前で褐色の肢体をさらに激しく踊らせるのであった。
成功
🔵🔵🔴
シノギ・リンダリンダリンダ
鮫牙。鮫牙の配下ですか。ちょうどよかったです
お前で何人目かの鮫牙の配下。ボスに向かう前のいい手土産になりますね?
いくら海賊とて、常に新しいものを取り入れないと出遅れますよ?
現地の方々に協力してもらい、近代兵器等で援護してもらいましょう
なるべくビルの死角や屋上、窓からの援護などで撹乱してもらうのを主に
チクチクと嫌がらせのように支援してもらいます
現地の方々に被害が及ばないように、敵の意識はこちらに向けてもらいます
挑発を織り交ぜつつ、【強欲の右腕】を起動
空中戦やヒットアンドアウェイを繰り返しながら、攻撃が現地の人に向きそうならそれを邪魔します
呪詛の毒をしみこませた弾丸でじわじわとなぶり殺しましょう
マレア・ソレッタ
『舵輪』にも『鮫牙』にも、他の七大海嘯の誰にもこの島は渡さない!
この島に住む皆のものだからね!
海賊の人達にビルの窓から敵を射撃して気を引いてもらって、ボクはその間に接近するよ。
接近に丁度良さそうな裏道とかあれば、先に教えておいてもらうよ。
近づけたら一気にダッシュからの銛による刺突攻撃。
ここまでで負傷してるはずだから、【傷口をえぐる】ことでよりダメージを与えられるよう試みてみるよ。
海賊の人達には射撃で周りの配下の足止めをお願い。
もしユーベルコードで身を守るなら、何とかその隙間を探してそこから銛を突き入れる。ダメなら洗脳されてる配下を巻き込まないように配下ごと【串刺し】。
命中したら海神殺し発動!
ダークパイレーツはこの島に上陸した際、七大海嘯の一人『鮫牙』の配下だと名乗った。シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)はその上役の名を反芻する。
「鮫牙。鮫牙の配下ですか。ちょうどよかったです。お前で何人目かの鮫牙の配下。ボスに向かう前のいい手土産になりますね?」
七大海嘯との決戦は既に始まっており、今だ姿は見せないまでも鮫牙もいずれは『狩る』こととなる相手。ならば、その配下の首は良い手土産となろう。目の前の敵はただの通過点に過ぎないとばかりに、シノギは相手のさらに向こうを見ていった。
「『舵輪』にも『鮫牙』にも、他の七大海嘯の誰にもこの島は渡さない! この島に住む皆のものだからね!」
一方で、敵のボスが誰であろうと関係なく、非道を成す輩がいるなら成敗するのみと気合を入れるのは彼女が生粋のグリードオーシャンの民であり、故郷を脅かすコンキスタドールとの決戦の真っ只中に今あるからに他ならない。七大海嘯の悪逆は猟兵として活動する前より聞こえていた話。元より正義感の強い彼女は、猟兵となったその日からこの戦いを待ち望んでいたのかもしれなかった。
両者逆とも言える方向に先を見据える二人。だがダークパイレーツにとっては、いずれにせよ自身の頭越しに高い所を見られているのは変わりない。それを自身への侮辱ととったか、自らの力を誇示するかの如く命ある配下とない船団を同時に呼び出した。
「人の頭越しにどこ見てるか知らないが……お前らの相手はこのアタイだよ! ダークパイレーツ軍団の力、見せてやりな!」
掛け声と共に動き出す幽霊船団たち。その狙いは、まずは鮫牙配下の首を狩り集めていると言ったシノギの方だ。
いかにも幽霊船、と言ったその船団は、やはりいかにも亡霊といった風体の骸骨やゾンビの姿をした海賊を乗せシノギに迫る。
「いくら海賊とて、常に新しいものを取り入れないと出遅れますよ?」
その姿を、シノギは古臭いと言わんばかりに切り捨てた。その言葉と共に、周囲のビル群から一斉に小型ミサイルのようなものが放たれて、幽霊船の側面に当たり爆発を起こした。
グリードオーシャンでミサイルなどオーバーテクノロジーもいい所だが、これは猟兵が持ち込んだものではない。この島に残る過去の遺産である近代兵器。その虎の子を、シノギの指示によって島民たちが大盤振る舞いしたのだ。
そうして揺らぐ船の間を、マレアが一気に駆け抜ける。ビルの窓からの射撃に乗じ、裏道があればそこから一気に攻めかかる。そのつもりではあったが、生憎ここは区画全部が捨てられた裏道の様な場所。道の明暗がはっきり分かれているわけではない。しかし、奇しくも似た指示を海賊たちに出していたシノギのお陰で、揺らいだ船が障害となり即席の裏道を作ってくれた。その間を縫い、マレアはダークパイレーツに詰め寄った。
「そこだっ!」
愛用の銛を構え、ダークパイレーツに突き立てる。狙うのは、ここまでの戦いで散々傷ついてきた傷口だ。切創、火傷、銃創、様々な傷を負ったダークパイレーツの体を、銛がさらに容赦なく抉り血を噴き出させる。
配下がそれを守るためダークパイレーツにくっつこうとするが、こちらはグリードオーシャン製の描きを持った海賊たちが援護射撃してそれを近づけさせない。
破壊していいものは大火力で、抑えるべきものは最小限に、二人が海賊に出した指示はそれぞれ的確にダークパイレーツの力を削ぎ落していた。
その援護をうっとおしく感じたか、ダークパイレーツがビルの方を睨みつける。だが、その視線を遮るようシノギが前へと出た。
「【強欲の右腕を起動します。以下、蹂躙が完了するまで海賊の体には触れないでください】」
こっちを見ろ、そう言わんばかりにシノギの右手が黄金色の輝きを放った。そこに装着された武器『Midās Lich』、全てを黄金に変え破滅した王の名を持つその右手が、金の弾丸の嵐をダークパイレーツへと見舞った。
弾丸は彼女の体に穴を穿ち、そこから砂金へと変わった血を噴き出させる。さらにシノギは空中を駆け、直接殴りつけては離れていくなど嫌がおうにも自分に注目せざるを得ない状況に彼女を追いこんでいく。
「じわじわとなぶり殺しましょう。呪詛の毒があなたを蝕み切るまで」
黄金の呪いがダークパイレーツを侵していく。このままゆっくりと彼女は黄金像へ変わるのか。
だが、それを待っていられないものがここにいた。
「金なら、簡単に貫けるね!」
マレアの銛が金の銃創を貫く。さらにマレアはそこに【海神殺し】の力を発動。元より返しのついていた銛に無数の棘を生やし、内側からダークパイレーツを串刺しにした。
「ぐあああああっ!!」
呪詛の恐怖と棘の激痛に悲鳴を上げるダークパイレーツ。その中でも、二人による内外からの攻撃は止まらない。
七大海嘯へついた者の末路。それを示す見せしめにでもされるかのように、ダークパイレーツははたものとされかけるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ
一つ忠告してあげる。
死霊術を単なる力としか思っていないのなら
貴女に勝ち目は無いわ
『私達の楽園』で私と同じ強さの霊97人を召喚。
【誘惑・催眠術】を籠めた【歌唱・楽器演奏・ダンス】で
相手の霊達を魅了し、味方につける
力だけで支配する貴女。力と愛で保護する私。
どちらが信頼されるかは考えるまでもないはずよ
97人がかりで金縛り【念動力・マヒ攻撃】にして
彼女自身が召喚した艦隊の砲撃を浴びせる
貴女にも愛を教えてあげる
最後は私の霊達を自身に憑依【ドーピング】
戦闘力を98倍にして相手の悪あがきを【見切り】
【怪力】で組み伏せ
乳、尻、局部を愛撫しつつ谷間を舐めたり
啄むようなキスで【慰め・生命力吸収】
幾度となく壊され、沈められてもダークパイレーツの力で蘇らされる幽霊船団。だが、それらの元は彼女によって殺された者たちであり、ダークパイレーツに恨みこそあれ忠誠など持っていようはずもない存在であった。それを己の力で無理やり従え使役するその姿に、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が冷たい目を向ける。
「一つ忠告してあげる。死霊術を単なる力としか思っていないのなら、貴女に勝ち目は無いわ」
己も死霊術士であるドゥルールからの冷たい忠告。だが、ダークパイレーツはそれを鼻で笑い飛ばす。
「術だろうが武器だろうが、力は単なる力さ! 価値なんてのは後からついてくるもんだよ! これがアタイの艦隊だ! ダークネスゲシュペンスト!」
力そのものに価値があるのではなく、それが何か形あるものを奪うのに使えるからこそ価値が出る。そう言いたげなダークパイレーツは、まさにその力で奪った魂たちを船に乗せドゥルールへとけしかけた。
それに対し、ドゥルールは自らも死霊を呼びそれに応戦する。
「死霊術とは不変不朽の美。その真髄は永遠の愛!!」
【私達の楽園】で呼び出された97体の亡霊。ドゥルールと同等の力を与えられた彼女たちだが、直接の攻撃をすることはなく、ある者は声を上げて歌い、ある者は持っていた楽器を演奏し、またある者はその体を揺らし踊りを披露する。それはまるで仕事を終えた海賊が興じるような魅惑と悦楽の宴。無論ただ遊んでいるわけではなく、そこにはドゥルール仕込みの誘惑、催眠の術が込められていた。
その術に捕らわれた幽霊船団たちは、かつての生前のころの宴を思い出したか動きが鈍っている。
「どうしたお前ら、さっさとそいつをバラしちまえよ!」
それに焦るダークパイレーツが檄を飛ばすが、一向に艦隊は動く気配がない。
「力だけで支配する貴女。力と愛で保護する私。どちらが信頼されるかは考えるまでもないはずよ」
それは死霊を使役するときの在り方の違い。なれど、ダークパイレーツにはやはりその違いは理解できなかった。
「くたばった奴に信頼もクソもあるか! もういい、お前はアタイが直々にぶっ殺す!」
剣を構え切りかかるダークパイレーツ。だがその突進は他ならぬ幽霊船からの砲撃によって止められ、乗組員たちの持つ呪詛の念が金縛りを引き起こした。
「貴女にも愛を教えてあげる」
幽霊船団たちを魅了していた霊たちが全てドゥルールに宿り、その力を大きく増強させた。その力で真正面から剣を掴み、力任せにそれを手からもぎ取って投げ捨てる。
そのままドゥルールはダークパイレーツを組み伏せ、悪あがきすらできないほどに強く抱きしめる。そしてぴっちりとした服に包まれた豊かな胸や尻を揉みしだき、その股間に手をうずめ撫でまわしていく。
「くぅぅっ……や、めろ……おい、お前ら……こいつを……!」
体をよじらせ、幽霊船団たちに命令をするが、すでに憑依が剥がれたはずの死霊たちはのろのろと動く気配がない。恐らく一度使役を上書きされたが故、それが解けて主なしの浮遊例に近い形になっているのだろう。
ドゥルールはそのままダークパイレーツの胸の間に顔をうずめ、その力の源となっている宝石に舌を這わせる。
「あなたにも、愛の海への航海を」
そう言いながら、ドゥルールはダークパイレーツの生命力を全身から啄み吸い上げるのであった。
成功
🔵🔵🔴
美波・蜜香
「正義のヒロイン、ブルーメンリッター参上!悪事はそこまでよ、海賊さん!」
太陽を背にし、ビルの屋上から高らかに名乗りをあげる
そしてギャラリー(※島の人たちにお願いしたサクラ)の声援を受けながら
「さぁ、あたしが相手よ!そんなにお友達引き連れてるんだから楽勝でしょ?」
と挑発し、ビルの中に誘い込む
エレベーターやエスカレーターで移動するのを前提に作られたビルだとそれらが使えない場合移動がすっごく不便なんだよね
そのビルの構造を利用して配下たちを分断し、ボスのUCの効果を減少させてから【スーパー・ジャスティス】でパワーアップして猛スピードで飛行しながら【怪力】+【ランスチャージ】でボス目がけて一点突破!
このビル街へ移動してからの戦闘でも、幾度となく苦杯をなめさせられているダークパイレーツ。もはや見慣れぬこの高い建造物すら憎らしいと、逆恨みのような感情を持って目の前のビルを睨みつける。そのビルの上に、一つの人影が立っていた。
「正義のヒロイン、ブルーメンリッター参上! 悪事はそこまでよ、海賊さん!」
冬でも眩しいグリードオーシャンの太陽を背に、高らかに名乗りを上げるのは美波・蜜香(ブルーメンリッター・f20221)。堂々たる圧巻のその姿に、周囲からは突如として歓声が上がる。その歓声の主はさっきまで猟兵を援護して戦闘に参加していた地元海賊たちだ。ちなみにこれも事前に蜜香から頼まれたサクラである。
だがそんなことなど知らないダークパイレーツは、劣勢を馬鹿にされたかのようにしか捉えられずその心に怒りがこみ上げる。それを見て取った蜜香は、心の中で笑みながらさらに自信たっぷりに告げた。
「さぁ、あたしが相手よ! そんなにお友達引き連れてるんだから楽勝でしょ?」
それだけ言って、ビルの中へと入る蜜香。
「テメェ……上等だ、すぐにとっ捕まえて売り飛ばしてやるよ!」
蜜香の内心など知らず、ダークパイレーツは配下の洗脳した者たちを連れ、ビルの中へと入っていくのであった。
そしてダークパイレーツがビルの中を蜜香を探して駆け回ることしばし。
「ど、どうなってやがんだこの塔は……」
ダークパイレーツは、ビル内を駆け回りすっかり疲労困憊となっていた。
何度も説明されている通り、元々ここはヒーローズアースの高層ビルである。当然ながらビル内にはエレベーターもエスカレーターも完備され、主にそれを使って動くことを前提とした設計になっている。だが、グリードオーシャンには発電技術そのものがなく、当然電動のエレベーターやエスカレーターの概念もない。
結局、やたら歩きにくい階段と、何のためにあるのか分からない縦穴にはまった箱と化したそれらに首を傾げつつ、何十階もの高さを自力で昇るしかなくなっていたのだ。
もちろん七大海嘯配下の精鋭コンキスタドールであるダークパイレーツはちょっとやそっとでバテるようなことはないが、一般人を洗脳しただけの配下たちは階段昇降の途中で次々力尽き、いつの間にかその人数は半分以下になっていた。
「エレベーターやエスカレーターで移動するのを前提に作られたビルだと、それらが使えない場合移動がすっごく不便なんだよね」
配下がほとんどいなくなったのを見計らい、現代人としては当たり前の、しかし相手には何を言っているのか理解できないようなことを言いながら、蜜香はダークパイレーツの前に姿を現した。
「て、てめぇ……散々逃げ回りやがって……」
どれほど走り回ったのか、既に息も切れ切れなダークパイレーツ。だが、その息が整うのを待ってやるほど蜜香は甘くない。
「満開笑顔、咲き乱れるよ!」
早々に【スーパー・ジャスティス】を使用しその豊満な体を黄金のオーラに包む蜜香。慌ててダークパイレーツも配下を盾にしようとするが、ここまでついてこれた配下は僅かしかおらず、全員前に並べても抜けようはいくらでもある布陣だ。
「はぁぁぁぁ……いっけぇぇぇぇぇ!!」
蜜香はアリスランス『シュテンペランツェ』を構えて猛スピードで飛行、その重量級ボディの体重を乗せ一点突破のチャージを叩き込み、そのまま全力で窓まで相手を運んで外へと押し出した。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!?」
単身での飛行能力を持たないダークパイレーツは、そのまま超高度から地面に叩きつけられる。一方の蜜香は、スーパー・ジャスティスによる飛行効果で空中に留まり、そのまま太陽を背に輝き続けていた。
「やったね!」
空中で体をゆらしてポーズを取る蜜香に、今度はサクラではない本物の歓声が送られるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
「ロマンを失った強盗たちに、『海賊』を名乗る資格なんてないよ!」
ダークパイレーツたちに言い放ち、戦闘開始!
予め島の海賊から教えてもらった崩れかけた高速道路を戦場に選んで宇宙バイクを【操縦】して【ゴッドスピードライド】の猛スピードでダークパイレーツの周りを駆け巡りながらブランダーバスの【乱れ撃ち】で攻撃を浴びせ、その動きを制限しながら敵に気づかれないよう【罠使い】で銃撃で道路を崩れやすくしておき、そこへ敵を誘導する
そしてわざと隙を見せてブランダーバスを奪わせ、そこに敵の注意が向いたところへウィーリィくんに足元の道路を崩してもらい、落下させる
そこへ追いうちの熱線銃の【クイックドロウ】!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
攻め込んできた以上は、当然返り討ちのリスクは考えてるんだろうな?
シャーリーと一緒に島の海賊と力を合わせてダークプルティアを迎え撃つ。
シャーリーの銃撃に合わせて斬撃の【衝撃波】で攻撃しながら【地形の利用】で道路の崩れやすい場所を探し、シャーリーに伝える。
そして彼女の狙いを隠すかの様に島の海賊達の援護射撃を受けながら敵に敢えて接近戦を挑み、その攻撃を鉄鍋の【盾受け】の【ジャストガード】で防ぎながらシャーリーと協力して敵を道路の崩れやすい場所へと誘い込む。
シャーリーが敵の隙を作ったところで大包丁の背で地面を強打して【地形破壊】で敵の足元を崩落させ、落下中の敵に【飢龍炎牙】を叩き込む!
度重なる敗戦で既に満身創痍となったダークパイレーツ。高所にかかる長い橋のような道を歩き安全圏へ移動しようとするが、この島を落とすという気はまだ削がれていなかった。
「アタイは七大海嘯鮫牙旗下……海賊の中の海賊だぞ……! こんな島ぐらい……!」
その言葉を、一人の猟兵が聞きとがめた。
「ロマンを失った強盗たちに、『海賊』を名乗る資格なんてないよ!」
シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が宇宙海賊として、海賊を名乗り悪行を働く彼女の姿勢を否定する。
「は? 何言ってんだい。殺して奪う。それが海賊だろうが!」
確かに、本来の意味の海賊としてはそちらの方が正しい在り方といえるかもしれない。だが海賊という言葉にロマンと正義を求め、本来幻想だったそれを現実に変えることができる力を持つ者が数多く存在する世界でならば、そちらの意味を貫くこともできるはず。現にこのグリードオーシャンでも、猟兵ほどの力を持たないながらもそうしてきた海賊は大勢いた。
そしてまた、悪徳の海賊なれば、そこには非情のルールが存在して然るべき。
「攻め込んできた以上は、当然返り討ちのリスクは考えてるんだろうな?」
殺していいのは殺される覚悟のあるものだけ。暴力の支配する世界では生と死は常に背中合わせということを理解し、その死を運ぶ者が目の前に来ているのだと、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はダークパイレーツ告げた。
「は……考えてないよそんなもん。負ける気で攻めに来る奴がどこにいるんだ!」
ダークパイレーツは胸の宝石を光らせ、二人に切りかかった。
「おっと、ここがどういう場所か分かってないのかな?」
その攻撃を、シャーリーは【ゴッドスピードライド】の宇宙バイクにまたがって躱し、高速で動き回りながらブランダーバス型の銃を連射、ダークパイレーツをけん制していく。その動きはこの地上にかかる長い橋……高架型の高速道路にぴったりの、正に神速のライドだ。
「おっと、こっちもだぜ!」
それに合わせるよう、ウィーリィも包丁でダークパイレーツに切りかかった。その初撃は外れ、包丁が道路を激しくたたいてアスファルトの地面を揺らす。
「……なるほど」
その痺れるような衝撃と、手に伝わった感触を確かめるウィーリィ。そして道路を一部分をちらと見てからシャーリーに目配せすると、再度包丁を構えダークパイレーツへと切りかかった。今度は後方から島の海賊たちの援護射撃も加わり、ダークパイレーツの動きを一気に抑え込んだ。
「まだまだ、こっちもいるからね!」
さらにシャーリーがバイクを高速で転回させながら射撃の乱れ打ちを放つ。そして車体を道路上で強引に跳ね上げ、跨ったまま高くジャンプ。踏み潰しをかけるようにダークパイレーツへとのしかかった。
「甘いんだよ!」
ダークパイレーツも即座に身をかわし、それを避ける。狙いを外したか、バイクは大きな音を立てて思い切り道路に着地、高架ごとその一体を揺れさせた。
「もらった!」
その衝撃のせいか、そこから動けないシャーリーに間髪入れずダークパイレーツが掴みかかる。その言葉通り、狙うのは片手に持ったブランダーバスだ。体の制御に気を取られていたのか、その銃はシャーリーの手からあっさりと奪い取られた。
「それじゃ、自分の武器で……」
「おらぁっ!」
手に入れたブランダーバスを早速撃とうとしたところ、ウィーリィの大ぶりの一撃がダークパイレーツを襲った。だが、彼女は僅かにその場から動くことでその攻撃を回避。鈍器代わりに使うつもりだったか、刃を返した包丁の背がシャーリーの真横を強かに打ち据えた。
「惜しいね、もうちょっとで同士討ちだったのに!」
その展開をわずかに期待したダークパイレーツが余裕の笑みで言いながら切り掛かり、ウィーリィがそれを鍋で受け止める。そしてすぐに彼女の表情は曇る。ウィーリィが殴りつけたその場所からアスファルトに大きなひびが入り、それはそのまま一体へと拡散したのだ。そのまま道路は乗っている者の重量すら支えられぬほどに脆くなり、一気にその場の道路が全て陥没し、崩落した。
「な、なんだぁ!?」
「へ、聞いてた通り危ない所だな!」
驚くダークパイレーツと逆に、予想通りと言う表情のウィーリィ。彼らは事前にこの道路の弱い所を聞いており、そこにダークパイレーツをおびき寄せるよう戦っていたのであった。
二人で連携し、ウィーリィが気を引きシャーリーがバイク事態さえ重量兵器としてその場所をつき、さらに的をうまく操作することで崩落の瞬間最も危険な場所へと相手を誘い込む。戦闘状態で互いの呼吸を合わせつつ敵を操作しなければならない難しい作戦だが、長く一緒にいてあらゆる意味でぴったりと合わさった二人の相性は、それを苦も無く実行し敵を嵌めることに成功していた。
だが、道路を落として終わりではない。
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
【飢龍炎牙】の龍の形をした炎が、落ち行くダークパイレーツをその身に取り込み、炎に包ませる。
「ぐあっ……熱いっ……!」
静かに落ちることすら許されず、炎に捲かれるダークパイレーツ。さらに、手放した重の代わりにシャーリーが別の熱線銃を抜き、高速でそれを連射した。
炎の龍に熱線が突き刺さり、その温度をさらに上げていく。二人の愛の炎、と呼ぶには苛烈すぎるそれが悪の海賊を焼き焦がした。
そのままダークパイレーツは地面に叩きつけられ、浅くないダメージを負いながらごろごろと転がって火を消そうとする。
一方でシャーリーは着地後すぐにバイクを走らせ、一瞬遅れて落ちてきたウィーリィを自分の前に抱きとめるように乗せた。
「大丈夫? ちょっと変な乗り方だけど我慢してね!」
「あ、ああ……大丈夫だ」
クッションのお陰で、という言葉を飲み込みつつ、ウィーリィはシャーリーの胸に抱かれるままともに戦場から走り去るのであった。
大成功
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シズホ・トヒソズマ
プルティアという概念を利用した複数世界に潜む闇の力……少しでもその影響、絶たせて貰います!
私はヒーローマスクドM!
ヒーローの皆様、共に戦いましょう!
ヒーローの皆様に見晴らしのいい場所を教えて貰いそこで待ち構え
船を召喚し一斉攻撃を使用して来たらUC発動
この島の元の世界を支配しようとした力、味わってください!
攻撃の当たる地点に幻影である敵と同じ船団を召喚しその盾にし轟沈させます
このダメージは元である敵船団にもそのまま反映される!
弱った所をヒーロー達に攻撃して貰い
その隙に敵本体に接敵
◆早業で◆操縦した人形、マジェスの◆光熱属性剣で斬り裂きます
忌まわしきメガリス強欲の闇雫、この世界から消え去る時です!
戦いの中、傷を負い最早その目的の達成も困難かと思われるほどに追い込まれたダークプルティア『ダークパイレーツ』。一時撤退を余儀なくされた彼女は先の戦場となった高架に沿って島をわたり、やがてその切れ目である開けた場所へと辿り着く。その場所に、また一人の猟兵が現れた。
「あんたは……」
紫の全身スーツにアイマスクと言うその姿は、一見するとダークパイレーツの色違いのようにも見える。実際、それはある意味では間違ってはいない。だが、正確には彼女が似ているのはダークパイレーツではなく、それを含むもっと大きなもの。
「プルティアという概念を利用した複数世界に潜む闇の力……少しでもその影響、絶たせて貰います!」
様々な世界に存在する、全身タイツの少女戦士プルティア。その存在と因果の糸で絡み合うシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)が、ダークプルティアであるダークパイレーツの前に立ちはだかった。
「私はヒーローマスクドM! ヒーローの皆様、共に戦いましょう!」
堂々と、ヒーローとしての名を名乗るマスクドMことシズホ。その名にヒーローの力を持つ海賊たちは味方として、ダークパイレーツは敵として、全力をもって答えるための声を上げる。
「いいだろう……そう言えば全力で広げられるのは今日初めてかもしれないな。これがアタイの艦隊だ! ダークネスゲシュペンスト!」
ダークパイレーツの声と共に、最後の配下となった幽霊艦隊が現れ、見晴らしの良い広野一面に大海戦の如く布陣した。
「さあ、行け!」
ダークパイレーツの号令の下、船は一斉に砲を放ちシズホを陸に沈めんとした。
次々襲い掛かる砲弾をシズホは軌道を見切り躱していくが、召喚された幽霊であるからか本体が傷ついているが故の疲労や劣化はなく、砲弾が初戦と変わらぬ威力で周囲の地面を次々と抉った。
その威力に、シズホはこれならば、と静かに頷く。そして第二射が一斉に放たれた時、シズホは今度はよけずにその前に身を曝け出した。
「この島の元の世界を支配しようとした力、味わってください!」
その声と共に、シズホの周囲に巨大な人型の幻影が浮かび始める。
「骸海を放つ怨みし創世、此処に顕現。骸の海は此処に在りて、過去の幻影を此処に生み出さん。過去の傷は現在へと還る!」
やがてシズホを飲み込みはっきりとした形を取ったその陰。それはかつてこの島の元の世界であるヒーローズアースを支配せんとした巨悪。オブリビオンフォーミュラ『クライング・ジェネシス』その人であった。実体のない幻影とはいえ、その存在感は余りに圧倒的。そしてその能力もまた。
クライング・ジェネシスは装備した『骸の海発射装置』から船団の幻影……『過去の姿』を呼び出し、その砲撃への盾とした。
自ら当たりに行くような動きで砲弾の雨の中に飛び込み、次々と轟沈していく幻影の船たち。だが、呼び出された船が消えると同時に、砲を放ったほうの船までもが同じように砕け、虚空へと消えていった。
骸の海発射装置より過去を召喚するのは本物のクライング・ジェネシスも行ったこと。だが、その過去を破壊することで猟兵たちは彼を倒す足掛かりとしたはず。それなのに、今呼び出された過去は、自ら滅ぼされることでその『未来』さえも道連れに消えていったのだ。
オブリビオンフォーミュラの能力をより凶悪に改変した、最強を超える一手。まさに規格外のこの技を人の手で成し得るには、もちろん多大な代償を伴う。僅か89秒。それだけが未来を滅ぼす過去を呼び出せる時間であり、瞬き一つでもそれが過ぎてしまえばその巨大な力はシズホ自身を喰らい尽くす。そしてまたその時間内に対象を滅ぼしきれなければ、大きな手を失った状態からの仕切り直しともなるという、正に諸刃の剣、切り処を誤れば即座にゲームオーバーのワイルドカードと言えた。
だが、今この時、その時間が過ぎ去る前、『過去』の船団は全ての『今』を道連れにすることに成功した。後は手に持った武器だけが残されたダークパイレーツのみ。
そして後ろに控えたヒーローたちが、一斉に援護の攻撃を彼女へと仕掛けた。
「うぐっ……く……!」
他の猟兵との戦いでも何度となく受けた海賊からの援護攻撃。その威力は足止め程度のものだが、ここまで何度も積み重なればそこから受けたダメージは相当に蓄積されていた。そうしてできた隙で、シズホが一足飛びにダークパイレーツへ接敵する。
「あなたを倒すは、過去に消えたヒーローの力!」
かつて宇宙からの侵略者に滅ぼされ、その力を奪われた悲劇のヒーローを象った人形『マジェス』。シズホはそれを目にもとまらぬ早業で高速かつ精密に動かし、まるで生きた達人の如き動きでマジェスは光熱剣を振り抜いた。
その光り、燃える剣はダークパイレーツの力の源、その胸にある桃色の宝石をまっすぐに断ち割った。
「忌まわしきメガリス強欲の闇雫、この世界から消え去る時です!」
その宝石、強欲の闇雫が真っ二つに割れ、さらに粉々に砕けて消え去る。そしてその下にあった体にも、輝く光の穴が穿たれその闇に満ちた体を光で侵していった。
「アタイが……この、ダークプルティア、ダークパイレーツが……アタイは、もっと、もっと宝を、名声を……!」
胸から光があふれ、尽きぬ欲望に突き動かされた闇の魔法少女を飲み込んだ。そして一瞬後、爆発の様な閃光が広がり、払われたかの如く黒き闇はそこには一片も残らず消滅していた。
「闇のプルティア、一つ、晴らしました!」
太陽の輝く広野に、シズホの高らかな勝利宣言とそれを称えるヒーローの歓声が鳴り響いた。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2021年02月07日
宿敵
『ダークプルティア『ダークパイレーツ』』
を撃破!
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