8
羅針盤戦争〜飲んで呑まれて好いの酔い

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
🔒
#羅針盤戦争


0




●酔えば酔うほど強くなる
 蒸気煙るアルダワ諸島のうちひとつ、ハマナガムル島では、今日も元気に海賊たちが宴会騒ぎを始めようと各々酒を持ち寄り、船の甲板に優雅にテーブルなんて用意して船長の開宴の号令を今か今かと待ちわびていた。
「諸君! 先日の働き実にご苦労! 今日は無礼講だ、呑めや騒げや、歌って踊ウォオオオオ!?」
 船長の話を遮るかのように、海賊船マリアンヌ号が大きく揺れる! 何事かと船員たちは即座に臨戦態勢に入った。如何に宴会好きと言えども地元では名の知れた海賊、戦闘の知恵と知識は並大抵のものではない。
 見遣った先に見えたのは、先程まではただ停泊していた商船を勝手に操り、ガツンガツンと舵を切りマリアンヌ号をどついてくる一匹の巨獣。
「なんだぁありゃあ!?」
「新手のコンキスタドールか!?」
 折角の宴席を邪魔された海賊たちは怒り心頭。梯子をかけ商戦に飛び移り、獣に向かって武器を手に戦いを仕掛ける! 巨獣はイライラを隠さず、手にした酒をぐびっと煽り海賊たちに向け一言。
『酒だ! ガツンとくる強いのを寄こしな!』
「てめぇふざけんなよ! こっちはこれからイイ感じに酒の席だったってのによォ! 邪魔した責任とってもらうぞオラァ!!」
 息を荒くする海賊たちに向け、巨獣は酒を容赦なくぶっかけた! びたびたになる海賊。意気消沈したかと思いきや、全くの逆効果! この海賊団は酒豪の集まり、酔えば酔うほどリミッターが外れ、規格外の強さを得ることが出来るのだ! ぺろりと滴る酒を舌なめずりし、船長は武器を掲げる。
「へへっ、中々うめぇ酒じゃねぇか……おい野郎ども! こいつをもっとぶっ叩け! 酒が出てくるぞ!!」
『貴様ら……あああ! ムカつくムカつく!! お前らの酒を寄こせー!!』
「「「てめぇこそ酒寄越せぇぇええ」」」
 こうしてマリアンヌ号クルーと巨獣の戦いが始まった――。

●グリモアベースにて
 呆れた顔の斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は、渋々といった様子でグリモアの予知映像を流した。そこには酒が飛び交うある意味酒宴が繰り広げられていて。
「ま、戦争だからね。多少意味不明なところがあっても気にしちゃいけないわよね」
 うんうんと無理矢理自己を納得させた彩萌は、ぱんぱんと頬を叩きシャキっとしたら、集まった猟兵に向けて今回の予知の詳細を説明する。
「敵は『紅のフラップテイル』と呼ばれる、ハネオツパイの女海賊よ。酒が大好きで、常に酒を求めているの。でも中々酔えなくてイライラしているみたい」
 それで今回目をつけられたのが、海賊船マリアンヌ号である。宴席用の酒が揃ったところを見計らい、強襲を仕掛けたのだ。しかし、ここにひとつフラップテイルにとっての誤算があった。
「この海賊船の乗組員、酔えば酔うほど強くなるのよね。タガが外れるってやつ。だからオブリビオン相手に結構イイ線いくんだけど、こいつの正体「七大海嘯」麾下の精鋭なの。だからマトモにやってたらいつか負けちゃう」
 そこで猟兵の出番というわけだ。海賊たちの援護や、船の装備を使い、フラップテイルを倒す。問題があるとすれば、そう酒である。戦場ではマリアンヌ号から持ってきた酒瓶や、フラップテイルの技による酒のばら撒きで、酒精漂う空間となっている。
 酒に弱い人や子供は、それに当てられてしまうかもしれない。しかし、海賊たちは酔っぱらうにつれ強くなっていくので、いざという時は海賊たちに場を任せて避難しても良い。それでなくとも船の上での戦闘になるので、酔う人は揺れでも酔うだろう。
「こっちが攻撃すればするほど敵は酒をぶちまけてくるから、海賊たちもタダ酒が浴びれるって本気モードよ。その気迫に負けないで、皆も頑張ってね」
 念の為に言っておくが、相手が強敵であることは間違いないのだ。それさえ忘れなければ、何をやっても大丈夫だろう。……多分。
 彩萌は「酔いつぶれないようにね~」なんて言いながら、グリモアで扉を作り、海賊船マリアンヌ号の甲板へ猟兵たちを送り出した。


まなづる牡丹
 オープニングを読んでいただきありがとうございます、まなづる牡丹です。こちらは戦争シナリオにつき、1章で完結致します。

●プレイングボーナス
 ……海賊達と協力する。
 猟兵ほどの強さはありませんが、みな気前が良く豪快で酒豪でどんちゃん騒ぎが大好きな輩です。酒をあびせてどんどん強くすると、猟兵の負担も減ります。

●戦場補足
 海賊船マリアンヌ号と、商船が極至近距離で戦っています。船間の移動はロープや梯子があるので問題なく行えます。あとめちゃくちゃ揺れます。
 オープニングにもある通り、戦場はものすっごく酒臭いです。敵からも容赦なく酒を浴びせられます。弱い人は口に含まずとも雰囲気だけで酔ってしまうかもしれません。その辺も踏まえて楽しんで頂けたら幸いです。勿論お酒に強いひとはどんどん飲んでも構いません。酒はマリアンヌ号にたんまりあるので、勝手に拝借しても騒ぎでバレないでしょう。

●特殊ルール
 今回に限りまして、未成年のやむを得ない飲酒(敵の攻撃で酒が口に入ってしまった程度)の描写は致します。但し、自ら率先して飲酒しようとする行為、或いはそれに類似する行為は不採用とさせて頂きます。

●プレイング送信タイミングについて
 公開されたタイミングで送って頂いて構いません。断章はありません。
 執筆は先着順でなく、2/3より大成功判定の方から予定しています。失敗判定なプレイングは不採用とさせて頂きます。
 万が一執筆許容量を超えました場合、期間いっぱいまでお時間を頂く場合がございますのでご容赦下さい。
 (基本は全採用を目指す所存ですが、全てのプレイングを採用をお約束するものではありません)

 以上。皆様の楽しいプレイングを心よりお待ちしています!
104




第1章 ボス戦 『紅のフラップテイル』

POW   :    ランバリオン
戦闘中に食べた【酒】の量と質に応じて【酔えない怒りで】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    Hangover!
【意識を混濁させる呪われたラム酒】が命中した対象に対し、高威力高命中の【怒りのこもったラッパ銃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    泥酔の杯
【杯から呪われたラム酒の雨】を降らせる事で、戦場全体が【泥酔している様な状態】と同じ環境に変化する。[泥酔している様な状態]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:なかみね

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒瀬・ナナ
酒豪が集えばいつでもどこでも『宴会』よね。
わたしも混ぜてーっ

おにいさん達の素敵な呑みっぷりが見てみたーい♪なんて言いながら、
呪われたラム酒もラッパ銃も風神様のお力でぴょんと飛び越え、揺れるお船の上をお酌して回るわね。
合間にわたしも一緒に乾杯♪
美味しいお酒がこんなにあるのだもの、ちょっとくらい良いでしょ?

でもね、やっぱり。
お酒は皆で楽しく、笑顔で呑むのが一番。
呑んで怒ったり、酔って暴れたりするのは迷惑だわ。
楽しい宴会を台無しにするコンキスタドールさんにはお帰り頂きましょうか!

自慢の『怪力』で薙刀を振り回し。
海賊さんや他の猟兵さん達と協力しつつ、
相手の攻撃を『なぎ払い』ながら一気に畳み掛けるわよ!




 酒豪が集まれば自然と宴会が始まるもの。どんちゃん騒ぎに紛れて、黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)は「私も混ぜてーっ」と元気よく酒宴というなの戦闘に乱入! 屈強な海賊たちにも負けない怪力で薙刀を振り回し、フラップテイルに一撃を喰らわせる。ぐぇっと思わず手にした酒を零すフラップテイル。
「姉ちゃん強ぇじゃねぇか!」
「強いのは腕っぷしだけじゃないのよ? お酒にも自信ありってね。ねーぇ、おにいさん達の素敵な呑みっぷりが見てみたーい♪」
「おっ良いねぇ。美人に酌して貰えんのかい?」
 風神様の力でフラップテイルがぶちまける呪われたラム酒もラッパ銃もぴょぴょんと飛び越え、揺れる船上をものともせずに、抱えた込んだ酒瓶を海賊たちに配って回る。時にはラッパ飲みしたものを隣の海賊へ手渡ししたり、優雅にグラスなんか持ち込んでる海賊には文字通りお酌して。
 その合間にナナも一緒に乾杯を♪ 美味しいお酒がこんなのあるのだ、ちょっとくらい頂いたって良いだろう。こっちも命がけで戦って(?)いるのだから。
『ええい、楽しく酒を飲みやがって! アタシにも酒を寄こしな!!』
 ぶんっとラム酒の瓶がごろりと転がる。また一瓶飲み干したというのに酔えないイライラが、フラップテイルの怒りに触れる。しかも相手は何だか楽しそうに酔ったり戦ったり。海賊だけならまだしも、この女が邪魔すぎる! でもそれを言うならこちらだって。
「お酒は皆で楽しく、笑顔で呑むのが一番。呑んで怒ったり、酔って暴れたりするのは迷惑だわ」
 楽しい宴会を台無しにするコンキスタドールさんには、お帰りいただきましょう! 吹っ飛んでくるラム酒の瓶を薙刀でいなし、そのままズバっと薙ぎ払い! 割れた酒瓶から飛び散ったラム酒を浴びた海賊たちは大盛り上がりで「姉ちゃんやっちまえ~!」だの「酒だ酒だ~!」と声援なんだか何なんだか分からない大声が飛び交う。
 その声をバックに、ナナは一歩踏み込んで更に一閃! ラッパ銃から放たれる弾丸を刃で断ち切り、フラップテイルの顎に強撃を叩き込んだ!
『くぅ~~~! キくねぇ、だが酒の酔いには届かない。あんたの持ってる酒、全部貰うよ!』
「そういう訳にはいかないよ。これは頑張ってる海賊の皆と……わたしの分なんだから!」
『だったら力尽くで奪うまで!!』
 あくまでも戦う姿勢を崩さないナナに、キレてラッパ銃を乱射するフラップテイル。風神様の加護で弾丸がナナを避けていく。全く、めんどくさい敵に当たったモンだと更に酒を煽るフラップテイルだが、酒豪すぎて全然酔えない。どんなに飲んでもイイ気分になれないなんて、ある意味可哀想だけど……。
「お酒の飲みすぎもほどほどにしておくことね」
 ナナの薙刀が更に瓶を割っていく。嗚呼、ラム酒が雨の如く降り注ぐ。酒精の香りが海賊とナナの気分をブチあげた――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレナリア・アーチボルト
ふむ、分かりました!
このセレナリア、主人に対するが如き働きでこの酒宴を盛り上げて見せましょう!

マリアンヌ号から拝借してきたジョッキをフラップテイルとお酒に強そうな海賊さんに手渡して
大声で「お酒の諍いはお酒で白黒着けましょう!」
さあ、倒れるまで飲み比べしてもらいましょう
【運命の赤い糸】で全力の給仕を致します
具体的には、ジョッキを空にする間もない高速お酌と周りの海賊さんを巻き込んだコール入りまーす!
さあさあご唱和くださいな!そーれ、カッコいいとこ見てみたい! イッキ!イッキ!

流石に私も酒精に当てられて後半は「私の注いだ酒が飲めないっていうんですかァ?」と半ば脅しになってますがまあご愛嬌ですよね




「ふむ、分かりました! このセレナリア、主人に対するが如き働きでこの酒宴を盛り上げてみせましょう!」
 そう意気込んだセレナリア・アーチボルト(ストレンジジャーニー・f19515)は、グリモアベースから転送されるや否やマリアンヌ号からジョッキをフラップテイルと海賊に差し出して、悪戯を思いついた子供のようににっこりと笑った。そして声高らかに宣言する!
「お酒の諍いはお酒で白黒つけましょう!」
 さぁ、倒れるまで飲み比べしてもらいましょう。勝つのは飲めど呑めども酔えない巨獣か、それとも底なしの肝臓を持つ海賊か。いざ勝負! せーので始まりお互いジョッキからぐびぐびと、焼けるほど辛い酒を喉に流し込んでいく。
 それが空にする間もない高速のお酌でセレナリアは全力の給仕。流石メイドさん、気配りと配膳のプロである。そして周囲の海賊たちを巻き込んだコールを沸き起こす。
「さあさあご唱和くださいな! そーれ、カッコいいとこ見てみたい! イッキ! イッキ!!」
 大盛り上がりの海賊たちはフラップテイルに攻撃を仕掛けビシャビシャとラム酒を浴びて上機嫌、ついでに強くなって一石二鳥。かと言ってフラップテイルも甘んじて攻撃を受けているわけもなく、杯から呪われたラム酒を雨の様に降らせて一気に泥酔状態へ持ち込もうとする。
 しかしそれはセレナリアも想定済み。酔えば酔うほど強くなる海賊たちに、この攻撃はむしろ好都合。カチカチと刃を鳴らし、バン! と銃弾が飛び交う。いい感じに皆酔って、攻撃的になっている。タダ酒も浴びれるし、美人のお姉さんがお酌してくれるし、海賊たちにとっては普通に呑み交わすより余程楽しい席だ。
「みなさーん、お酒はまだまだありますからね! 樽を空にするくらいは飲まないと損ですよ!」
『あああ! こんな酒じゃ酔えないんだよ!! なにが果実酒だ、もっと、もっと強いのを寄こせ!!』
「はいはい、どうぞどうぞ」
 怒るフラップテイルのジョッキに注ぐのは50度もあるようなウォッカをストレート。強烈に辛い酒だが、果たして酔うのだろうか。ごくりと飲んで再びブチ切れるフラップテイル。
『辛いだけじゃねぇか! 美味くて強い酒を寄こすんだよ!』
「はぁ? 私の注いだ酒が飲めないっていうんですかァ?」
 流石のセレナリアも酒精に当てられて、最早脅し文句のような口調になっているがそこはご愛嬌。海賊たちは「こっちにもくれ~!」「お姉ちゃんも飲め飲め!」とセレナリアを手招き。すかさず駆け寄りお酌。勧められたのなら断るのも申し訳ないと、酒にはちょっぴり口だけつけて。
「ん~っ!? 皆さんこんな強いの飲んでたんですか!?」
 ちょっと飲んだだけでカっとヒリつくような熱さが込み上げる。その反応に海賊たちはニィっと笑って「マリアンヌ号の船員たるものこれくらい飲めなきゃなぁ!」と言ってのける。大した酒豪どもだ。フラップテイル……戦う相手を間違えましたね。そう思わずにはいられないセレナリアだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イリーネ・コルネイユ
アドリブ、連携歓迎

まあっ、お酒の匂いがすごいですわね。
海賊さん達にもっと酔って暴れてもらえるようにお酒を進めてみましょう。
ふふ、良い飲みっぷりですわね。
もっともっと飲んでくださいませ!

海賊達を盛り上げていると楽しくなってきて、つい自分も飲めば次第に酔いが回ってくる。
お酒は弱くはないですが、このペースで飲んでいると危ないですわね。
その前に敵を叩きましょう。
海賊達に紛れて近づきUC デッドマンズ・スパークで攻撃。
片腕くらい差し上げますわ。

お酒まみれでフラフラになりながら退避。
できれば私もお願いしたいところですけれど、他に酔い潰れてしまっている方がいたら介抱を。


イフ・プリューシュ
アドリブ連携歓迎/POW

あわわ…とっても、なんだか、へんなにおいがするのだわ!
…な、なるほどなるほど、これがおさけ臭い、ってことなのね…!
ひとつ、べんきょうになったのだわ…!

おさけも、子どもの…イフのからだには毒よね、いちおう
どっちの酔いも、多少は【毒耐性】【環境耐性】で
なんとかならないかしら

だ、だいじょうぶ…だいじょうぶ…!
多少ふらふらしても、当たる範囲が大きければ
そうそう外れないはず!
ということで、おっきなカメリア!やっちゃって!
ぱんち&きっく なのよ!

イフはだいじょうぶ…だけれど
さすがにこの空気は毒だわ!
空気に酔ったですまされなくならないうちに
なんとか退散
か、海賊さん、がんばって…なの!




 酒の匂いを「へんなにおい」と感じてしまうのは、慣れてないからか。イフ・プリューシュ(小夜啼鳥の白いばら・f25344)はあわあわしながらも、これが「お酒臭い」という状態なのだと理解した。ひとつ勉強になった(後学に活かせるかは分からないが)。
「まぁっ、お酒の匂いがすごいですわね」
 くすりと笑うイリーネ・コルネイユ(彷徨う黒紗・f30952)は、さして場を気にする様子もなく、海賊たちにもっと酔って暴れて貰おうとお酒を進める。「お姉ちゃん気が利くねぇ~」「もう一杯!」と何処からともなく上がる声。それに応えて駆け回るイリーネ。
「ふふ、良い飲みっぷりですわね。もっともっと飲んで下さいませ!」
 海賊たちを盛り上げていると段々イリーネ自身も楽しくなっていて、つい自分も呑めば次第に良いが回ってくる。お酒は弱くないものの、海賊やフラップテイルに合わせたこのペースで飲んでいると危ないと察知し、その前に敵を叩くことに決めた。
 一方のイフはといえば、お酒は子供のからだには毒だと思い、持ち前の毒と環境に対する耐性で凌ごうとする。お陰でなんとか持ちこたえられているものの、長居は危険だと本能が警鐘を鳴らしている。そうなる前に、敵をやっつける!
「もし、其処の方」
「ふぁ、イフのこと?」
「そうです。猟兵でしょう? 一緒に戦いませんか」
「あわわ……イフで良ければ……!」
 だいじょうぶ、だいじょうぶと自己暗示をしながら、多少ふらつきながらも当たる範囲が大きければ早々外れないはず! イフはおっきなカメリアを召喚し、フラップテイルにパンチとキックを繰り出す! フラップテイルは巨大なぬいぐるみに視界を奪われ、うまく身動きがとれない。
 その隙に海賊たちに紛れてフラップテイルに近づき、おっきなカメリアの脚の股を潜り抜けてイリーネが膨大な電流を籠めた一撃を放つ! 勢いで片腕が捥げたが気にしない。そのくらい差し上げましょう、なんて。
『くぅ~っ! ムカつくムカつく! 酔えないし、痛いし、あんたたちもう許さないよ!』
「あら、許して欲しいなんて思っていませんわ」
「わるい子には……おしおきなのよ!」
 酔えない怒りで戦闘力が強化されたフラップテイルは、カメリアを薙ぎ倒し、吹き飛んだイリーネの片腕を渾身の力で投げ返した! いくら自分のものだからって、当たれば痛い。イリーネは頭を摩った。イフもボロボロになってしまったカメリアを介抱する。
「ごめんね……またちゃんと治すから」
 ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめるイフ。暴れ回るフラップテイルに、今度は海賊たちが突撃! イフたちが戦力を削ってくれたお陰で、ばしばしっと殴ってはラム酒を溢れさせている。この場を任せても大丈夫そうだ。
 イフは今のところまだ大丈夫だけれど、さすがにこの空気は毒と判断し、空気に酔ったですまされなくならないうちに退散することにした。イリーネもそれに続く様に、その足取りはお酒まみれでフラついていた。できれば自分もお願いしたいところだけれど、他に酔いつぶれてしまった人がいないか探す。
「あなたは大丈夫ですか? この空気は子供には悪いでしょう」
「あっ、はい……なので、今の内に撤退しようと思って……」
「正解です。私もそろそろ酔いが回ってきました。一緒に退きましょう」
「はい。か、海賊さん、頑張って……なの!」
 撤退する二人を「お嬢ちゃんたちありがとなー!」と気前よく送り出す海賊たちは、まだフラップテイルから酒を浴びまくっていたとかなんとか。あの様子なら心配はいらないだろう。イリーネは捥げた片腕を、イフはカメリアを大事に抱え、その場を後にした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
酒!宴!いいですね、海賊の華です!
こんなドンチャン騒ぎ、参加しないのは海賊の名折れ!

数多の海を駆け、船上での戦いをこなしてきた私が船上戦で酔いに負けるとでも?
海賊と言えば宴。ドンチャン騒ぎしてそのまま海戦なんて事もある海賊が酔いに負けるとでも?
ドールとてお酒は飲むし酔いまが、酔えば酔うほどテンション上昇!
ついでに他の海賊に自前のバッカニアミードを配って親交を深めて協力します

あぁ。お酒があるのに大きなお宝がないから宴っぽくないんですね
右腕をMidās Lichに換装し【宝冠の竜血弾】を起動
黄金化の呪詛のつまった呪殺弾で相手を内側から黄金にハッキングします
あははは!!!大きなお宝ですねぇ!!!?




 海賊と切って離せないのが、お宝。そして酒と宴である。お宝が眠ると言われれば如何なる海域にも進み、酒と宴が催されるとなれば全力で楽しむ。まさしく海賊の華。
「こんなドンチャン騒ぎ、参加しないのは海賊の名折れ!」
 息巻くシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は、海賊たちに混ざって豪快に酒を煽る。その飲みっぷりに海賊たちも「よっ、姉ちゃん強いねぇ!!」「俺達にもそれくれよ」と声があがる。シノギは自前のバッカニアミードを海賊たちに配り、ちゃっかり親交を深める。
「っかぁ~甘ぇ! うめぇ! ンな酒貰っちまったらヤるっきゃねぇよなぁ!?」
「どうぞどうぞ。このままじゃぶじゃぶ敵と戦いましょう。ほら、酒の雨ですよ」
 杯から呪われたラム酒が降り注ぐ。しかしそんなことに怖気づく海賊たちではない。むしろ「ヒャッハー」と気分は盛り上がる一方。
 揺れる船上、酒精漂うこの空間。ただどちらかに強いだけなら吐いてしまうかもしれないが、シノギは数多の海を駆け、船上での戦いをこなしてきた。ドンチャン騒ぎしてそのまま海戦なんてことだってある。そのシノギが船上戦で……二重の意味で『酔い』に負けるはずがない。
 如何にミレナリィドールとてお酒を飲めば酔いこそすれど、酔えば酔うほどテンションは上昇! ハイになったシノギはもう誰にも止められない! フラップテイルの泥酔効果は、シノギの頭を逆にスゥーっと冴え渡らせた。
「酒はうまい。しかし、何かが足りませんね」
 肴か? と聞かれればそうかもしれない。いや、この強敵と戦うことこそが肴と言われればそうかもしれない。では何が足りないのか……少し考えて、嗚呼、とシノギは納得したように頷いた。
「お酒があるのに大きなお宝がないから宴っぽくないんですね。そういうことなら――」
 右腕をMidās Lichに換装したシノギは【宝冠の竜血弾】を起動、黄金化の呪詛のつまった呪殺弾で、フラップテイルに狙いを定め、バン! 殺気に気付いたフラップテイルは片腕で銃弾を受け止め致命傷は避けたものの、内側から片腕が黄金に変化していく!
『なんだいこりゃあ!?』
「あははは!!! 大きなお宝ですねぇ!!!?」
『クソッ、どうせなら延々酒が出てくる身体にでもしてくれりゃあ良いってのに!』
「そんな技があったら私が自分に使いたいです」
「姉ちゃんそれウチの船首にもブっこんでくれよ! 黄金の船首なんてクッソイカしてんじゃねぇか!」
 わーわー海賊たちがシノギに群がる。呪詛まみれだがいいのだろうか、とも考えたが、黄金の船首という案は悪くない。シノギは強気な笑みを浮かべたまま再びバッカニアミードを煽り。
「この戦いが終わったら幾らでも。先に邪魔なやつから始末しましょう」
 それに「「「おおーっ!!」」」と歓声を上げる海賊たち。やはりノリの良さこそ海賊には必要不可欠。シノギも再びフラップテイルに黄金化の呪いを浴びせようと、手を翳した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
ここは猟兵や海賊達にバフをかけて戦闘支援って形で
「うまい酒にはツマミが必要っしょ!」
そんなわけでオツマミを【料理】で作るっすよ『簡易キッチンセット』もあるっすし

「リクエストがあればジャンジャン作るっすよ!」
てなわけでUCで料理開始!スパイスをまぶした肉の串焼きに、ぶつ切りにした海生生物のフライ、あとはピザとかパスタとか色々。居酒屋にありそうなメニューなら大抵作れるっすよ。で、強い酒に合うように、少し癖があるくらいの風味とか味付けがいいっすかねー?

感覚の研ぎ澄まされた戦士達に怒りで隙のありそうな相手なんてちょちょいのチョイっすよ。まあ、こっちは酔っ払いではあるんすけどね。




 美味い酒には美味いつまみが必要だ。いや、この乱戦中にそんな暇があるのかと言われれば甚だ疑問だが、兎に角美味しいものは元気が出る。つまりバフだ。リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は船の後方に控え、料理の準備を始める。簡易キッチンセットを展開し、おつまみ作り。
「リクエストがあればジャンジャン作るっすよ!」
 戦場の料理人と化したリカルドは、まずはスパイスをまぶした肉の串焼きに、ぶつ切りにした魚や貝のフライ、更にはピザやパスタまで。酒の香りに混じって美味しそうな香りが戦場に立ち込め、海賊たちは出来上がったものを片っ端から食っていく。
「こりゃうめぇ! おい、もっと肉くれ肉! とびっきり胡椒がキいてるのだ!」
「かーっこのチーズの掛かった平パン最高だな!! エビとか蟹がのってりゃもっと美味そうだ」
 海賊たちのリクエストに、リカルドは「はいはいお待ちなすって」とジュワジュワ手際よく焼いて蒸して炙って揚げて。強い酒に合うように、少し癖があるくらいの風味や味付けも用意するのも忘れない。
『てめぇら酒だけじゃ飽き足らずつまみまで喰いやがって!! あああムカつくムカつく!! 死ね!!』
 怒りに任せたフラップテイルの拳が飛んでくるが、リカルドの料理のバフにより感覚の研ぎ澄まされた海賊たちに、怒りで隙のある相手の攻撃を避けてカウンターなんてちょちょいのチョイだ。海賊たちは「食えば食うほど強くなるぞ!!」と底なしの胃袋でリカルドの料理を平らげていく。
「わ~、作るのが間に合わないっす……!」
 海賊たちの強靭な肉体の中に、一体どんな臓物が入っていることやら。酒もひっきりなしに飲んでいるし、つまみもムッシャムッシャ。これが、海の男……! まぁ、酔っ払いではあるのだが。リカルドに次の注文が飛んでくる。
「おい! 唐揚げ出せ! タコ揚げもだ!」
「てめーさっきから食ってばっかじゃねぇか!! あっ俺はカキフライで」
「お前ら戦えコラァ!!!」
 船長の怒号が飛ぶ。その船長も肉串を食いちぎりながらカットラスでフラップテイルをぼこぼこに叩きまくっていた。溢れ出るラム酒を浴びてびちょびちょになるのも厭わず、ひたすら小突いている。
「はー、海の漢ナメてたっす。こんな底なし胃袋だったとは……あ、両刀の人もいるかもなんでデザートも作っておくっすかね」
 フルーツを切り分けただけの皿や、ホイップたっぷりのパフェまで取り揃え。それもあっさり海賊に食われた。キーンとなるような澄み渡る爽やかさに、海賊たちの闘志も再び燃え上がる。
「ア”~、美味い酒にうまい肴、美味い締め。あんたうちの料理番にでもならないか?」
「それは遠慮しておくっす」
 こんな酒豪どもに付き合ってたらいつか自分は肝臓をやられる。ぶるっと震えたリカルドはお誘いを丁重にお断りした――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

須藤・莉亜
「敵さんの血を吸えてただ酒も飲めるって最高じゃない?」
とりあえず、船に転がってた高そうなお酒を飲んでっと。

んでもって、UCで吸血鬼化。強化された戦闘能力と再生能力を駆使して、二振りの大鎌で敵さんをバラしにかかる事にしよう。
揺れで体制が崩れない様に足場を確認しとくのも忘れずに。

悪魔の見えざる手には、そこらのお酒を持って来て海賊達にバンバン飲ませるように言っとくかな。強くなれば僕も楽にお酒と血が飲めそうだしねぇ。
「お酒運んで来てあげたんだし、ちっとは協力してねー。」

僕に合わせて海賊達にも攻撃してもらい、その隙に敵さんの懐に飛び込んで血を奪えたら良いかな。

「お酒を血で割るのも美味しいよねぇ。」




 マリアンヌ号に転がっている酒瓶の中から、一等高そうなものを選び、須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)は栓抜きを探す。しかしそう都合よく落ちているわけもなく、仕方なく手刀でスパっと切り口を作った。むわっと匂い立つ酒の香り。飲んでみれば年代物のウィスキー特有の、芳醇な味わい。
「敵さんの血を吸えてただ酒も飲めるって最高じゃない?」
 とりあえず一瓶開けたなら海賊たちに続いて商船へ。揺れで体勢が崩れないように足場確認はしっかりと。その間に金の瞳を持つ吸血鬼へと変貌する! しかしそんな事でビビる海賊ではない。同じ敵をブッ叩く心強い味方が増えたとあれば、そりゃもう大歓迎というやつだ。
 悪魔の見えざる手に、そこら辺のお酒を持って来て海賊たちにバンバン飲ませるように指示。海賊たちは最初「酒が浮いてる!」「勝手にジョッキに注がれてくぞ!」と困惑していたが、酔えばそんな些細なことは気にならない。酒があれば飲む。これ鉄則。
「お酒運んで来てあげたんだし、ちっとは協力してねー」
「おうおう兄ちゃん。これでも俺達マリアンヌ号の連中、遊んじゃいねぇぜ? あんたも攻撃に出るってんなら、幾らでも手助けしてやるよ」
「話が早くて助かる」
 吸血鬼化によって強化された戦闘能力と再生能力を駆使して、二振りの大鎌で敵をバラしに掛かる。莉亜の号令に海賊たちが突撃していけば、フラップテイルは酒瓶で海賊の頭をぶん殴ったり杯の中から呪われたラム酒をぶっかける。そうこうして隙が生まれたなら、莉亜の出番!
 「避けて!」の合図にフラップテイルに群がっていた海賊たちが一斉に退く。空いた懐に飛び込んで、肉に切りつけて溢れ出た血を啜る! 血中アルコール度が高い、なんとも言えない味だ。滅多に味わえる風味じゃない。ジュルルと吸うのを止めない莉亜に、フラップテイルも暴れて抵抗する。
 しかしどんなに暴れて傷付けられようと、高い吸血技能による再生能力がそれを上回り全く傷ひとつない。
『どうなってんだ!? 酒は飲みまくると自己再生できるようになるってのかい!?』
「いや、僕の場合は酒じゃなくて血なんだけど……」
『ええいどうでもいい! はーなーせー!!』
 フラップテイルは二振りの大鎌を引っ掴み、へし折らんばかりに力を籠める。マズイ、と思った莉亜はその場から一時撤退。大丈夫、血飲み子も黒啜も無事なようだ。彼らは莉亜の生命線、折られては困ってしまう。血を流し息を荒くするフラップテイルに、再び海賊たちがタダ酒を浴びようとどついていく。全く以て逞しい。
 莉亜は口の中に血の味が残っている間に、酒をかっこんだ。血の鉄の味と、酒のアルコールが混ざり、独特の味わいだ。でも、莉亜は結構お気に入りだったりする。
「お酒を血で割るのも美味しいよねぇ」
 等と、口の端に付いた返り血をぺろりとひと舐め擦りし、再び血を求め駆け出す――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

坂月・陽波
大分混沌としているね。食卓は戦場と聞くが、これもそういうものなのかな?
俺の知ってる宴はもう少し穏やかだった気がするが、まあ賑やかなのは良きことさ。

揺れる船上しかも濡れてるとは、下手に動いたら転びそうだね。俺は大人しく遠距離から皆を支援しよう。戦場に飛び散った酒を媒介に【UC】で弓兵を召喚。矢を浴びせ注意を逸らすことで海賊たちを援護する。

ところで海賊の兄さん方。俺は酒が苦手だが振る舞うのは好きでね。俺の【鬼神討の大盃】から出る酒をあなた方にあげよう。飲みすぎず、けれど溺れるほどに。あなた方のイイところ、俺に見せてはくれないかな。ああ、そうだ。くれぐれも飲みすぎないでね。




 戦場は混沌を極めていた。飛び交う酒、おいしそうなつまみの匂い、片腕が金色になった敵。其々が酒をかっこみながら、フラつきもせず至極真っ当に戦っているのだから面白い。食卓は戦場だと聞いていた坂月・陽波(暁は流霞に埋む・f02337)は、これもそういうものなのかなと納得したかしないんだか。
「俺の知ってる宴はもう少し穏やかだった気がするが、まあ賑やかなのは良きことさ」
 船上は海に浮かんでいるので当然波で揺れる、しかも床は酒で濡れている。下手に動いたら転んでしまいそうだ。かなり酔っぱらって強くなっている海賊たちに前線は任せ、ここは無理して自分も前に出る必要もないだろうと大人しく遠距離から皆を支援することにした陽波。
 船上に飛び散った酒を触媒に、弓兵を召喚。フラップテイル目掛け曲線を描き上から矢を浴びせる。
『痛ェ! なんだぁ、弓……? てめぇらアタシと直に戦うのにビビって遠距離攻撃にシフトしたのかい!?』
「何言ってやがる。頼もしい味方サマの援護だよ。ほらほら、もっと来るぜ!」
 海賊たちの言う通り、矢継ぎ早に降り注ぐ矢の雨。フラップテイルはその大きな体のお陰で随分と当てやすい敵だった。フラップテイルは矢を極力避けながら海賊たちを掴んでは投げ酒を浴びせられてはどつく。
 海賊たちからは「てめーばっか酒飲んでんじゃねぇぞ! このコンキスタドール女!」「そうだそうだ!!」と怒号が飛び交う。こっちは酒が足りてない、もっと飲ませろとの要請だ。それに従うように、陽波は大盃を取り出し酒を沸き起こす。
「海賊の兄さん方。俺は酒が苦手だが、振舞うのは好きでね。ほら、この溢れてくる酒をお飲みよ。極上の美酒だ」
「なんだぁ兄ちゃん面妖な技持ってンなぁ? まぁいい、頂くぜ」
 ごくごくごくと盃一杯を一気に飲み干した船長は、意気揚々と敵に向かって突っ込んでいった。そうそう、それで良い。酔って強くなるなら尚のこと、上等な酒を飲ませなければ。
「飲みすぎず、けれど溺れるほどに。あなた方のイイところ、俺に見せてはくれないかな。ああ、そうだ。くれぐれも飲みすぎないようにね」
 念を押す為二回同じことを繰り返す陽波に、分かってるんだかいないんだか、海賊たちは列を作って湧き出る盃からの酒をぐびぐび煽り再び戦いに赴く。さて、彼らにとって飲みすぎるとはどのくらいのことなのだろうね、なんて疑問は置いておいて。陽波はせっせと酒を振舞う。
「兄ちゃん、こりゃなんて酒だ? ウチにも常備しときてぇ」
「えーと、『鬼神討ち』かな。俺もよく分からない。でも、美味しいだろう?」
「ああ! 最高に美味いぜ!!」
『その酒、アタシにも寄こしな!』
 目を付けたフラップテイルがこちらに近づいてくる。それを遮ったのはやはり海賊たち。「こんなうまい酒てめーなんかにやれるか!」と一致団結。陽波はそのまま弓兵に再び矢の雨を降らせるように指示して、大盃を守った――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レモン・セノサキ
アドリブ◎

『記憶』じゃ成人済みなんだけど…
悲しいかな、これ私の記憶じゃないのよねー。
酒気で酔っ払って誤射しちゃマズイし、ウコンでも飲んでおきますか

おーい、海賊さんたち!
この戦い、勝ったら私からもエンパイアのお酒を大樽で差し入れするよ!
士気を上げながら「仕掛鋼糸」を使って
[ロープワーク]で空中を自在に移動
敵の頭目掛けて大口径バトルライフルをぶっ放す
ラム酒が飛んできたら「銀塊」を盾形に変形、直撃から身を守る
火気厳禁な悪酒はそこだな、派手に燃え上がれ!
UC【改式斬撃輪舞・絶技】を放ち、ラム酒ごと爆破するよ

ラム酒の飛沫が口に入っ
ぺっぺっ、めんつゆ!!
この身体にかかった妙チキリンな呪いを忘れてた……!




 レモン・セノサキ(金瞳の黒猫・f29870)の記憶によれば、成人済みのはずだが……残念。悲しいかな、じれはレモンの記憶ではないのだ。ヤドリガミ故に齢100歳は超えているので、飲酒は合法であるが、酒気で酔っ払って誤射したのでは洒落にならない。事前にウコンを飲んでおく。
「おーい、海賊さんたち! この戦い、買ったら私からもエンパイアのお酒を大樽で差し入れするよ!」
「ハッハァ、嬢ちゃん気前いいねぇ。俄然やる気が出るってモンだ!」
 海賊たちの士気を上げながら、レモンは仕掛鋼糸を操りロープワークで自在に空中を移動! ぐるっと回ってフラップテイルの頭上に来たら、その脳天目掛けて大口径バトルライフルをぶっ放す!! 硝煙が立ち込める中、ぐわっとロープにしがみつくレモンにフラップテイルが襲い掛かった!
「わーっ、アレが効いてない!?」
『いやぁキいたねぇ。でも酔いには勝てない。もっと強い酒だ……酒が無いなら、殺す!!』
 ラム酒をばら撒くフラップテイルだが、レモンは銀塊を盾に形状変化させ攻撃から身を守る。危ない危ない、一歩遅ければその爪の餌食になっていただろう。それにしても戦場そのものもそうだが、敵が纏う酒臭さといったら尋常じゃない。
「火気厳禁な悪酒はそこだな。派手に燃え上がれ!」
 弾丸をフル装填したガンナイフ六丁をフラップレイルに投擲後、二刀流のガンブレードの斬撃による刺さったガンナイフの全弾倉起爆を放つ! 敵に刺さったのは……3本、十分な数だ。一気に起爆しラム酒ごと爆破する! ボンっと燃え上がるラム酒に、フラップテイルは怒りを露わにして。
『小娘ェ……アタシの酒をよくも燃やしてくれたねぇ……? その代償、酒で払ってもらうよ!』
「お嬢ちゃん一旦引きな! ここは俺たちに任せろい!」
「ありがとう、海賊さん!」
 海賊たちの支援もあり、ロープからすちゃっと揺れる船体に着地したレモンは、爆発の勢いで被ったラム酒が頭から滴り落ちて口に入るのを感じた。すぐさまぺっぺっと吐き出す。
「めんつゆ!!」
 レモンの身体にかかった妙チキリンな呪いを忘れていたが、今思い出した。その反応に周りの海賊たちは大爆笑。「めんつゆだってよ!」「酒鍋ってのもアリかもしれねぇなぁ!?」なんて意見まで飛び出す始末。いや、レモンからしてみれば結構重要な問題なのだけど……此処で海賊たちに何か言ってもダメだろう。何せ相手は酔っ払い。強い相手と戦って、酒を飲む事を良しとする連中なのだ。
「いやぁ、あはは……エンパイアのお酒、めっちゃ強くて美味しいやつ持ってきますから、楽しみにしててね。それまでにこいつを片付けちゃおう!」
「「「応ッ!!」」」
 後日、その美味さに感動した海賊たちがエンパイア島へ遠征しあの時の酒を求めたのは、また別の話――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリヤ・カヤラ
……状況とか色々違ったら楽しい宴会って感じに
なったかもしれないのにね。

お酒はあまり浴びすぎないように、
『オーラ防御』が使えるかな。
あとはUDCの月輪を影で実体化させて、
お酒が直で飛んできたら海賊の方に撒いて強くしていこう。
酒瓶や酒樽もあれば海賊に渡していくね。
飲むと強くなるって便利そうだよね。

敵からの攻撃はお酒を防いでる月輪と、
鋼糸の刻旋を使って近くに酒樽や
使えそうな物があれば
盾にしてガードしていくね。

敵への攻撃は海賊が攻撃してる合間か、
攻撃できるタイミングがあれば
【四精儀】で炎の雷を敵に落としてみよう。
炎か雷のどっちか片方か、
もし両方が効いたらラッキーかな。

連携・アレンジ歓迎




「……状況とか色々違ったら楽しい宴会って感じになってたかもしれないのにね」
 残念、オブリビオンが出たとなれば猟兵も動かずにはいられない。ヴィリヤ・カヤラ(甘味日和・f02681)は空間に漂う酒精はともかく、直にお酒をあまり浴び過ぎないようにオーラを身に纏う。目に見えないものだ、完全には防げないだろうが無いよりマシだろう。
 ヴィリヤの影に潜む月輪を実体化させ、飛び交う酒と酒の雨を海賊たちのほうに撒いて、彼らを強くしていく。海賊たちは「自動で酒が来るぜぇ~!」「うぉぉブッ殺す!!」と息巻いている。そうそう、その調子。酒瓶や酒樽も海賊たちに手際よく渡していく。
「美人のねーちゃん気が利くねぇ」
「ジョッキもくれ~」
「はい、どうぞ」
 樽の蛇口を捻ればブシャアアアアと噴き出すワイン。あたり一面フルーティな香りに包まれた。船長も船員も「ンなもん誰が持ってきたァ? 洒落こきやがって!」「船長これめっちゃ美味いでヤンス! 水みたいに入るッス!!」とジョッキ一杯に入れたワインを、テイスティングもせずにゴクゴク飲んでいく。
 飲むと強くなるって便利そうだよね。と思っていたヴィリヤも、この海賊たちの飲みっぷりを見ているととてもついていけそうにない。海賊たちが楽しそうなのが、唯一良かったと思える点だけど。
 フラップテイルに群がる海賊たちは、投げられても海に突き落とされてもしぶとく這い上がってくる。これが酒の力か。一般の海賊とは一線を画すヴィリヤのオーラに気付いたフラップテイルが、のしのしとこちらにやってくる。あら、見つかっちゃった。
『お前が酒を配り歩いてるんだな!? アタシにも酒を寄越せぇええええ!!!』
「生憎、敵にあげるお酒はないよ」
『じゃあ死にな!!』
 敵のラッパ銃が火を噴くが、お酒を防いでいる月輪と鋼糸の刻旋を使い、近くにあった空樽や剥がれ掛けの甲板板を盾にしてガード。どんどんボロくなっていく商船に、この船の持ち主にごめんなさいと内心謝るヴィリヤ。
「総員突撃ーっ!!」
「「「うおおおおお!!!」」」
 海賊たちが一気に攻め込んでいる間、四精儀で炎の雷を落としてみることを思いつく。炎か雷、どっちか効いたら儲けもの、両方効いたなら相当ラッキーだ。いざ目標に狙いを合わせ……炎を纏った落雷をフラップテイルに突き落とす!
 ぷすぷす……焦げとラム酒が焼ける匂い。そりゃそうだ、こんだけ酒を飲んでれば体中水分だらけ。伝導率も良くなっていることだろう。ラム酒はアルコール濃度の高さからよく燃えた。
「ねーちゃん強ぇ~! もっとやれ~!!」「イッキ! イッキ!」
 海賊たちのコールに押され、再び四精儀を構える……フラップテイルはまだ闘志を失っていない。叩けるうちに叩くべし――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

フェルト・ユメノアール
酔えば酔うほど強くなる……酔拳?
ボク……まだ未成年なんだけど大丈夫かな?

酒は飲んでも飲まれるな!
エンターテイナーはお客さんを酔わせても自分が酔う事はないんだよ
と気合で乗り切る

敵の攻撃を酒樽を盾に防御しながら『トリックスターを投擲』
みんなお酒が好きみたいだし、わざとお酒をブチ撒けたり、敵の酒攻撃を海賊に誘導したりして酔わせていく

でも、お楽しみはこれからだ!
古の英知よ、今ここに甦れ!
現れろ!高等紋章術師、【SPハイメダリオン・ソーサレス】!
相手に付加するのは赤……炎の紋章
今、敵の体と周囲の空間には大量のアルコールが付着している
そこで炎を出せばどうなると思う?
投擲攻撃で紋章を発動させ、敵を吹っ飛ばす




「酔えば酔うほど強くなる……酔拳? ボク……まだ未成年なんだけど大丈夫かな?」
 そう心配するフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)だったが、そこはご安心! 如何に敵が降らせるラム酒の雨で酩酊しようとも、フェルトはエンターテイナー。お客さんを酔わせても自分が酔うことはないのだと、気合で乗り切る。
 しかしこうも酒の雨降り注ぐ空間では飲酒してしまって気持ち悪くなる可能性は無きにしも非ず。空っぽになった酒樽を被り、盾代わりにして雨を防ぎながらトリックスターを投擲! 他の酒樽や瓶に当たり、ブシャアアと中身が溢れ出る。それに沸き立つ海賊たち。
「ああ~酒が染みるぜぇ~!」
「お嬢ちゃん、次の酒をくれ!」
「はいは~い、ボクにお任せあれだよ!」
 曲芸の様に酒瓶をジャグリングしながらほいっと渡す。海の男に栓抜きなど不要、歯で蓋を開けいい感じに泡だったエールを一気に流し込む! これがまた美味いのなんの。満足気な海賊たちに、フェルトは「そんなに美味しいのかな?」と疑問を持ったりして。かと言って飲酒は厳禁、社会のルールは守るもの。
「みんなっ、こっちこっち! ボクがフラップテイルを攻撃するから、皆は好きなだけ酒を浴びてね!」
 その言葉にわらわらと群がる海賊たち。当然、フラップテイルもただやられてやる心算など毛頭なく、フェルトに対してラッパ銃の銃口を向ける。しかしそんなもので怖気づくほどヤワな鍛えられ方はしていない。道化師道は命がけ、そんな銃弾のひとつやふたつ避けてみせると意気込む。
 バン! と放たれた銃弾を鮮やかなパフォーマンスの様に回避し、そのままカウンターの攻撃!
「お楽しみはこれからだ! 古の英知よ、今ここに甦れ! 現れろ! 高等紋章術師【SPハイメダリオン・ソーサレス】!」
 術師のユニットカードがむくりと具現化し、フェルトの指示を待つ。とりあえず一発カウンターで決めた一撃で、色の紋章を相手に付与することが可能となった。ここで付与すべきは赤……炎の紋章。今、敵の身体と周囲の空間には大量のアルコールが付着している。そこで炎を出せばどうなるか、賢明な者ならすぐ分かるだろう。
 えいっと華奢な身体でフラップテイルを投擲し、紋章を発動させたらドンッ! と派手な音を鳴らしてフラップテイルは船首まで吹き飛んだ! 見事な動きに海賊たちからは拍手喝采。「よっお嬢ちゃんもっとやれ~!」「その調子だ~!」と万雷の喝采。やはり道化師たるもの、人々を沸き立ててこそ。
「ほらっ、今のうちにジャンジャン飲もう! 敵はすぐ復活するよ、それまでにみんなも気合いれて!」
「応ともよ。まだまだ飲み足りねぇぜ!!」
 フェルトの曲芸に感動した海賊たちは、負けじと酒を煽りながら吹っ飛んだフラップテイル目掛けて突進していった。フェルトは「ボクはお酒に強かったとしても、ああならないようにしよう……」とひっそりこころに誓うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花盛・乙女
羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に…て、話には聞いていたが随分と酒臭いな…。

さて、普段はあまり飲む方ではないのだが飲めば飲むほど飲ませる程戦況が変わるとなるのは面白い。
私とて羅刹女、酒の一斗や十斗飲めずして鬼を名乗る訳にはいかんな。
という事でそこなオブリビオン、そして海賊ども、私にも飲ませろ!樽で50でも足りんからな!

(しばらく後)

らからわらしはおとこが苦手なんら!
嫌いれはなくて苦手りゃ…反射的に刀を抜いれひまうのだ…
あまい近づくにゃ!斬るろ!

…む?紅の…きしゃま、いつの間に増えら?しかもぼやけるようれ…仲間を呼ぶたぁ、卑怯な!
わらしの【黒椿】と【乙女】で、退治ら!退治!うらー!!

(べろべろである)




 酒精に満ちたこの空間、常人なら船体の揺れと合わせてすぐにでも嘔吐してしまいかねないが、花盛・乙女(羅刹女・f00399)は違った。キリッと襟元を正し、いざマリアンヌ号甲板から商船へと乗り込んでいく。
「羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に……て、話には聞いていたが随分と酒臭いな……」
 床は酒でびしょびしょだし、匂いも色んな酒が混じって大変なことになっている。大方そこら中のあらゆる島から手あたり次第盗ってきた酒なのだろう。日本酒・洋酒・ワインに果実酒。樽から瓶までごろごろと転がって、とてもお上品な宴席ではない。
 さて、乙女自身は普段あまり酒を飲むほうではないのだが、飲めば飲むほど飲ませる程戦況が変わるとなるのは面白い。乙女とていっぱしの羅刹女、酒の一斗や十斗飲めずして鬼を名乗るわけにもいかないと謎の矜持を見せて。
「そこなオブリビオン、そして海賊ども! 私にも飲ませろ! 樽で50でも足りんからな!!」
「姉ちゃん威勢がいいじゃねぇか! ほら飲め飲め!!」
 差し出された樽に付随していた杓から直接ぐびぐびと酒を煽る乙女。その勢いは止まることを知らず、お腹が膨れるまでたらふく飲んだ。海賊たちはフラップテイルと戦いながら、乙女がどれくらい飲めるか賭けまでし始める始末。
 そして、しばらく後。
「らからわらしはおとこが苦手なんら! 嫌いれはなくて苦手りゃ……反射的に刀を抜いれひまうのだ……」
 そう言う乙女に海賊の一人が近づき肩でも叩こうとしようものならパシっと手を叩き「うううう~~」と威嚇。まるで機嫌の悪い猫のよう。
「あまい近づくにゃ! 斬るろ!!」
 はいはい、と手を上げて海賊たちは再びフラップテイルに向けて攻撃を開始する。そうだ、私は酒を飲みに来たんじゃない、オブリビオンを退治する為にここに来たのだと、フラつく頭がかろうじて思い出し乙女もフラップテイルの元へと向かう。
 しかしその足取りは千鳥足。ふらふらとして真っ直ぐに歩けない。しかもなんだ、敵が何体もいるように見える。まやかしか? いや、そんな事は無い。単純に乙女が酔っぱらっているだけである。
「……む? 紅の……きしゃま、いつの間に増えら? しかもぼやけるようれ……仲間を呼ぶたぁ、卑怯な! 退治ら! 退治! うらー!」
 【黒椿】と【乙女】を振り回し、フラップテイルに攻撃を仕掛ける! 酔っ払い特有の先の読めない不規則な動きに、フラップテイルも避けるのに必死。しかし、そうこうしている間に酔いも回り目もまわる。ぐにゃぐにゃ視界が揺れて、もう何がなんだか。一応見た目で海賊とフラップテイルの見分けはつけど、海賊たちは「ありゃ危険なタイプの酔っ払いだ」と近づかない。
「うらーっ! 退治退治たいじーっ!」
 べろべろになった乙女は、次に意識がはっきりした時マリアンヌ号の船室にいたという……――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
敵はオブリビオン、情けはいらない…!
回点号に搭乗操縦。海上歩行、スラスターにて海上を移動、

『回点槍』発動、
敵が海賊へ気を徒らている内に、背後から商船へ跳び乗りまずシールドバッシュ、シールドを帯びた機体の怪力で殴り、シールド放出。転倒させます。

ぶちまけられる酒。漂う酒精。
キャバリアに乗っていて助かりました。さて、
環境耐性、キャバリアの中にいるので、酒精にやられる事はありません。

酒はいらない、命を貰うぞ、オブリビオン!
パルスマシンガンを向けて…
瞬間思考力、ラッパ銃を向けられた瞬間、
ジャンプ、空中を跳ね跳び、ラッパ銃の射線から逃れ、
パルスマシンガンの弾幕を浴びせかけます!




 敵はオブリビオン。情けはいらないと朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は回点号に搭乗し、ガシャンと操縦を開始する。水上を滑るように歩行し、スラスターで海上を移動。水しぶきがブシャアアと商船に降りかかる。
 フラップテイルが海賊に気を取られている内に、背後から商船に飛び乗る! それなりに重い機体が船に乗ればぐらりと傾く商船。おっとっとと躓くフラップテイルに、挨拶代わりのシールドバッシュをお見舞いする! 更にシールドを帯びた機体の怪力で殴り、シールドを放出。転倒を試みる。
 しかし腐ってもオブリビオン、そう簡単には倒れない。機体に真っ向から戦いを挑み、ラッパ銃を極至近距離でブッ放す!!
「ぐっ……! やりますね。でも――」
 二度は無い。一度見たなら、もう次は避けられる。そう小枝子は確信して。戦場はぶちまけられた酒で酒精漂う空間。キャバリアに乗っていて助かった。もしこの空間に生身で放り出されていたらと思うとうんざりする。酒の匂いも少しなら良い香りかもしれないが、過ぎれば毒だと知っているから。
 海賊たちは突如現れた鋼の人形に「なんじゃあこりゃ!?」「でけー!!」と大騒ぎ。海の男と言えどもデカくて強いものには憧れる。これはもう人間の性と言っても良いだろう。そんな声援(?)を受けながら、小枝子はしがみついてくるフラップテイルをなんとか振り切り、酒まみれの相手に告げる。
「酒はいらない、命を貰うぞ、オブリビオン!」
『うっさい機械だねぇ、酒も飲めないやつがでしゃばるんじゃないよ! 空気を読みな!』
「酒とお前を倒すことに何の関係も無い!」
 フラップテイルのラッパ銃が再び回点号に向けられる。だがその行動は読んでいた。パルスマシンガンを向けて、瞬間思考。ジャンプで空中へ跳ね跳び、ラッパ銃の射線から逃れ電磁徹甲弾を連射、弾幕を浴びせかける! それに慌てたのは海賊たち。商船には海賊たちも多く乗っており、あの光る弾に当たればタダじゃ済まないことは経験が物語っている。
「おいおいおい! 俺達がいること忘れてねぇか!?」
「つーかアレ本当に味方なんだろうな!?」
 船尾に逃げ込みなんとか弾幕を避けた海賊たち。フラップテイルはどくどくと血を流しながらもまだ酒を煽るのを止めない。このくらいの痛み、酒が誤魔化してくれる。そう信じて。実際は酔えないフラップテイルがどれだけ飲もうと痛みは消えないのだけど。
 敵を倒すまであと少しだと踏んだ海賊は、弾幕がもう来ないことを確認し一気に船首に乗り込みえいやっそいやっと武器で斬りかかったり殴りかかったりしてはフラップテイルから酒を捥ぎ取る。小枝子は「一般人がいるとかえって戦いにくいな……」と今後の戦闘のやり方を考えるのであった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
ワーハッハッハ!ワンモア!(おかわり!)

いやー遅れた遅れた、今来たでござるよ!パーティ会場はここでござるね!?とその辺に居た海賊に話しかけて酒瓶を貰いがぶ飲み!弱くないので酔いませんぞ

追加の酒が欲しくない?一丁拙者が宴会芸代わりにとっておきの技をみせちゃるでござる!!!
敵の背後に【忍び足】で接近、暴れてるスキに酒類を【スり盗って】海賊たちに投げて寄越しますぞ!酒を飲ませないので強化させない、海賊を酒で強化と一石二鳥でござるね、風流せい!風流せい!

仕上げは酒を盗まれた敵と喧嘩祭りでござる!!空の酒瓶振りかざして突撃じゃい!!ベコベコにしてやりますぞ!!
脳天に酒瓶振り下ろし!ワンモア!




「ワーハッハッハ! ワンモア!(おかわり!)」
 意気揚々と商船に乗り込んできた陽気なおっさんもといエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)。マリアンヌ号からかっぱらった酒をぐびっと煽り、海賊たちに気さくに話しかける。海賊たちも「自分らと同類っぽいのが来たな」と暖かい目で迎え入れた。
「いやー遅れた遅れた、今来たでござるよ! パーティ会場はここでござるね!?」
「今まさに酒宴の真っ盛りだぜ!」
 ほい、と差し出された酒瓶を有難く貰い、その場でがぶ飲み! このエドゥアルト、酒には弱くないので酔っぱらったりはしない。しかし、酒が入ればテンションが上がるのが常というもの! ワンモア! と叫びながら手当たり次第に酒を飲む姿は海賊にだって負けてない。
「追加の酒が欲しくない? 一丁拙者が宴会芸代わりにとっておきの技をみせちゃるでござる!!」
 海賊たちが群がるフラップテイルの背後に忍び足で接近、暴れてる隙に酒類をスり盗って海賊たちに向けて投げて寄越す! フラップテイルは次の一杯が無くなっていることに気付き、どういうことだ!?と大慌て。海賊たちは逆に大盛り上がりで酒の奪い合い。
「テメーそれは俺が先に取っただろうが!!」
「うるせぇ口つけたモンの物だって相場が決まってんだよ!!」
『あああ!! アタシの酒が!! よくもやってくれたね……クソッ、ムカつくムカつくムカつく……! お前ら纏めて全員死ねぇーっ!』
 酒を飲ませないことで強化させない。しかし海賊には酒を与えて強化する。まさに一石二鳥。風流せい! 風流せい! さて、仕上げは酒を盗まれて怒り狂った敵との本気の喧嘩祭りだ! 酒の瓶を振りかざしていざ突撃ーッ!!
「海賊のみなさーん、拙者についてくるでごじゃるよ~!! こっからはガチンコの喧嘩ですじゃ!! ベコベコにしてやりますぞ!! ワンモア!」
「おっしゃあ、あのおっさんに続けー!」
「「「おおおーー!!」」」
 そこからはもう地獄絵図。酒瓶を脳天に振り下ろし、割れた酒瓶の鋭利なところで敵を斬り刻み、敵からかっぱいだ酒をもりもり煽って強化された海賊たちとエドゥアルトの怒涛の攻めに、フラップテイルはもうぐったり。ガチーン! と最後に空き瓶で頭をかち割って、ついにフラップテイルは倒れた。その最期の言葉は。
『喉が……乾いた……』
 そりゃあれだけ強い酒をばかすか飲めばそうなる。とはいえ酒の乾きは酒で潤すのが海の男。とっちらかった商船から引き揚げて、再びマリアンヌ号で酒宴をはじめようとする。エドゥアルトもちゃっかり居座って、海賊たちと美味しい酒とつまみを堪能したのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月04日


挿絵イラスト