羅針盤戦争〜フォーミュラだからって、許されない
「……ああ、良い夢だったなぁ」
そう呟くは迫り来る七大海嘯『王笏』の海賊旗が掲げられた船。
なぜ、良き夢だと呟くのか。それはこの島の由来にある。
この島は、新しい。
かつて陽光以外で絶対的な不滅を誇るヴァンパイアに支配されていたダークセイヴァーの島。それが突如としてグリードオーシャンへと転移、ヴァンパイアは何が起こったかもわからず陽光の光に焼かれて苦悶の果てに灰燼へと化した。
残された住民たちは陽光を礼賛し、土壌は豊かでなくともその陽光が少しずつ熱を持たせていき、かつて闇の救済者(ダークセイヴァー)として活動していた者たちは警備兵として島の治安を守り、貿易を行うために他の島へと赴く船を作り上げるなどささやかながらも幸せな時間を過ごしていた。
だけど、分かってしまうのだ。かつて強大なヴァンパイアが身近だった故に、あの船に乗っているコンキスタドールがこの欲望渦巻く大海の世界で何よりも絶対的な存在だという事に。
「総員、島に乗り込み次第住民を奴隷にしろ。逆らうものは殺すなり甚振るなり好きにして構わない。全ては我ら多世界侵略船団コンキスタドールが勝利をつかむために」
悪夢の収穫は、すぐそこに迫っていた――
だけど、彼らはこの世界に来て新しいが故に知らない。
超越者だからってゆるさない者たちも、絶対的に存在することを。
それは、かつて闇と絶望の世界で聞いたおとぎ話。
強大なヴァンパイアたちに少数精鋭で戦いを挑み、次々と悪逆の限りを働いた超越者を葬る存在。その島に住んでいた陽光を求める者たちは各地のヴァンパイアに抗う者たちを鼓舞するプロパガンダだと思い、しかし幻想を夢見るためにそれを好んだ。
それは、存在する。
「その名は猟兵(イェーガー)。世界の守護者よ」
その一人、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)はそう彼らへ語り掛ける様に呟く。
「敵はオブリビオン・フォーミュラ、七大海嘯『王笏』カルロス・グリードの分身体が一人『一の王笏』よ。コイツは『ダークセイヴァー』という世界に由来する能力、すなわち『紋章を用いたヴァンパイア化』を使ってくるわ。その他については羅針盤戦争開始時に通達されたことで大体あっているわ」
そして、とシャルロットは今回の戦場において重要になる事を告げる。
「舞台となる島はね、元はダークセイヴァーの孤島で私達猟兵の活動自体は広まっていたのだけど伝聞形式だったのと孤島という地形故ヴァンパイアに抗う者たちを鼓舞するための捜索だと思ったらしいのよ」
故に、ヴァンパイアのような強大な力を持つ存在には人間や他の種族は本来は叶わないと思っているとのことだ。
「だけど、そこに私達猟兵が駆けつけてその力を振るえば……きっと勇気づけられて力になってくれるはずよ」
そう言うとシャルロットは転移術式を起動させていく。
「良い?絶対に島の住民を絶望させないこと。そして『絶対的な存在だからって許さない』という感情を住民に思い出させること!良いわね!」
黒代朝希
どんなに強くても、許せない。
これは、そんな勇気を思い出す物語。
是非とも進撃を開始して勝ちを収めましょう。
プレイングボーナスとしては
『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』
そしてオリジナルボーナスとして
『猟兵の力とその存在を住民に知らしめて理不尽への反逆を思い出させること』
です。
それでは、『侵略』に対する反逆として『進撃』を始めましょう。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『一の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 闇霧の紋章
【紋章の力】に覚醒して【触れた者の生命力を奪う黒き霧の体】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 紅き月の紋章
【無数の三日月型の刃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 黒百合の紋章
自身の装備武器を無数の【触れたものを呪詛で侵す黒百合】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鈴木・志乃
アド連歓迎
高速詠唱で自身の声を拡声、思い切り張り上げて敵と島民の間に割って入るよ。
「お前のような存在が、許されて良いはずがあるか!!」
初手のの一撃は受けてでも島民を守ろう。その上で意志を固く持って、目には力を籠めてしっかり敵を睨む。一応、ダクセが故郷なもんでこの状況は色々思い出すんだよね。
可能な限り早くUC発動。物理的な攻撃にはオーラ防御張って対策するよ。
第六感で攻撃を見切り可能な限り早業武器受け。
「誰かに虐げられ服従して生きるのは、死んでいることと同じだ!
どんな類の人間であれ、自由を妨げる権利などない!
ましてやお前のような者に跪くなど言語道断!」
念動力で光の鎖を操作し捕縛
全力魔法で攻撃
レナ・ヴァレンタイン
初手からずいぶんご機嫌な命令ではないかね簒奪者
我々が来ると分かっていてその言葉が出るなら是非もない
――返り討ちにさせてもらうぞ
無論、強気にいったところで単体性能はこっちが劣る
策もなく突っ込んでもダメなので…戦車に乗って突撃開始
同時にサーフブレードも前面に展開し盾にしつつ、近接散弾をばらまいて敵の無数の斬撃への防御と迎撃を行う
――ある程度接近すればそれでいい
戦車そのものを無理矢理突っ込ませてもいい
スモークを炊くと同時にユーベルコード起動
出し惜しみは無し、全力斬撃と高圧電流で動きを止めつつ、敵の攻撃のダメージは「嘆きのアーノルド」の生命力吸収で補填
さあ、どっちが先にくたばるか、やってみるかァ!
「来たか猟兵。早速だがその命、我ら多世界侵略船団コンキスタドールに差し出すがいい」
刹那に『一の王笏』が顕現したのは触れたものを呪詛で侵す無数の黒百合の花びらと紋章の力を用いた触れた者の生命力を奪う黒き霧の体への変身。
呪詛と黒霧が行うのは侵略と略奪。
正に多世界侵略船団コンキスタドール、その頂点の中の頂点、『一の王笏』を体現するユーベルコードと言っていいだろう。
実際に『一の王笏』がそのユーベルコードを発現させた場に居合わせた島の住民たちは一目でそのユーベルコードが如何に洗練されているかを知り、戦意を喪失してしまう。
「お前たちは後だ。何、我々の所有物となれば肉体の鼓動くらいは約束しよう」
何よりも、個としての究極的な存在に対する恐怖が彼らの魂魄を打ち砕いた。
生存本能によって後は屈服するだけだ。
そんな、刹那に――
「お前のような存在が、許されて良いはずがあるか!!」
そして、そんな力を振るう存在を許さない者たちも、現れる。
叫んだのは鈴木・志乃(ブラック・f12101)、ダークセイヴァーで生まれたオラトリオの女性猟兵であり、『一の王笏』のような他者を力で屈服させる存在を許さない存在。
彼女は高速詠唱術によって自身の声を拡声し、『一の王笏』の注意を引いた。
「ほう……この我にこうも真っ向から歯向かわれては、多世界侵略船団コンキスタドールの王としての沽券に関わるというものだ」
そう言い放ち、無数の黒百合の花びらが志乃の元へと差し向けられる。
「何度だって言ってやる。お前のような存在が、許されて良いはずがあるか!!」
対して志乃は凛々しく、雄々しく、宣戦布告を叫びながら神光を放つ。
「初手からずいぶんご機嫌な命令ではないかね簒奪者」
そして、弾劾者は一人ではない。
男らしい口調の――否、その言葉を発した精神は正しく男性のものだ。
そして、男性の精神から発せられる言葉に宿るのは尊大と理性。
「我々が来ると分かっていてその言葉が出るなら是非もない」
そう、このグリードオーシャンを巡る戦いの中でオブリビオン・フォーミュラである『一の王笏』が戦場に出てきた以上猟兵がその現場に来ないわけがないのだ。
そして、蛮行が行われるなら猟兵が阻止しないわけがないのにも関わらず『一の王笏』は蛮行を許可した。
「舐められたものだ――返り討ちにさせてもらうぞ」
レナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)、女性型のミレナリィドールの身体に宿った『彼』は高機動型多脚式近接重装甲戦車『ワンダードッグ』に乗り込み迎撃態勢に入る。
「これは何だ……」
そう呟いたのは、猟兵が守るべき島の住民と滅ぼすべき『一の王笏』の両方。
志乃が放ったのはただの光ではない。
否、光だけではない。
――『周囲の負の感情を吸収する神光』と『自身が敵から受けた怨念や呪詛等の負の感情に比例した自己強化』。
その二つを両立させたユーベルコードによって呪詛を無効化しただけでなく、住民の恐怖を和らげたのだ。
その様子を見て志乃は再び高速詠唱術を使い自身の言葉を広域に伝える。
「誰かに虐げられ服従して生きるのは、死んでいることと同じだ!どんな類の人間であれ、自由を妨げる権利などない!ましてやコンキスタドールの王に跪くなど言語道断!」
そう喝破し、自由と叛逆を訴えていく。
「お前はここで滅ぼす!骸の海に還る際、ただ絶望と虚しさだけ抱いて逝け!」
「(無論、強気にいったところで単体性能はこっちが劣るが……フォーミュラと言えど、やりようはある)」
そう、状況次第では一人の猟兵がオブリビオン・フォーミュラを翻弄するという事もあり得る。
それはその猟兵が見事な策や準備を備えていたから実現できたのだ。
無数の三日月型の刃が戦車の装甲を削っていく中で、散弾を近距離から放ち刃を撃ち落としていくと同時にサーフブレードを前面に展開し盾にして戦車を持たせていく。
「……近距離まで来たな。せっかくだ。派手に戦車を突っ込ませるか!――『凌駕駆動・血塗れの番人(ブラッド・ウォーデン)』!!」
スモークが炊かれると同時に放たれたその言葉は『一の王笏』に戦車が激突した轟音でかき消されるが、レナのユーベルコードが起動したことである一定数の周波数が戦場に響く。
それは持ち主の戦術思考を最適化する高周波振動刃によるもの。
正しく異能の武装を振るって『一の王笏』をなます切りにせんとレナは肉薄する。
「さあ、どっちが先にくたばるか、やってみるかァ!」
そこに続くのは呪詛を用いて自己強化した志乃。
神光を付与した志乃の拳とレナの負傷を厭わない戦闘スタイルが、絶対的な超越者であるはずの『一の王笏』に手傷を与えていく。
そんな、ありえないのに胸が高鳴るような光景に、かつて闇と夜と絶望が支配する世界で聞いたおとぎ話を住民は思い出す。
――その名は。
「……猟、兵?」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
岩永・勘十郎
敵の前に現れる帝都の浪人剣士。
島の住民は、この敵に恐れを成しているようだ。
「自分だけでも助かりたい。そう思うのは勝手だ。でも、いずれは誰かが剣を持たないといけない。誰かが先に立たなければならない。自分の家族や愛する者の事を思うならば、だ。今それが出来んのならワシがしてやる。ただ後の事はお前さんたち次第だ」
とガラでも無い事だが、そう言って味方を安心させ【言いくるめ】る。そして刀を抜くとUCを発動。敵の攻撃に対し構えを取る。霧状の身体になったのなら装備してるマントをグライダー化させ大きく仰ぐ。霧状になった体が乱れれば動きも乱れるだろう。業を煮やして攻撃してくる、その時を見計らい、反撃の一撃を返して
夷洞・みさき
救済者を名乗る気は無いし、猟兵だけど、それだけじゃない。
この世界においてなら、ね。
相手が咎人であるなら、僕達のやる事は、ずっと変わらない。
そう、骸の海を航海する身になってもね。
【WIZ】
放たれた花びらは船体に【呪詛耐性】することで効果を拡散させる。
死人、幽霊船に呪詛は効果薄
船員は呪詛を恐れない。なにより敵は咎人であるから。
忘れ去られても、僕達、咎人殺しはやってくる。
咎人ならば誰であろうと禊を与える。
だから、絶望する必要はないよ。
この海の底にだって、咎人を殺す者達がいるのだから。
覚えている人はきっといないであろうダークセイヴァー様式にも見える咎人殺しの島の紋章を掲げて。
「フム……我らと互角、状況次第ではそれ以上に渡り合った組織ではあるな。我に手傷を負わせるとは」
先程交戦した二人から一旦距離を取り島の中央区へとやって来た『一の王笏』。
恐怖に慄く住民の姿など、フォーミュラたる『一の王笏』には気にも留めはしない。
「……来るか」
そこへ猟兵が交代して追い打ちを駆けに来たのだろう。その気配を感じ取った『一の王笏』は紋章の力を引き出して迎撃態勢に入る。
「救済者を名乗る気は無いし、猟兵だけど、それだけじゃない。この世界においてなら、ね」
そう自己に言い聞かせるように言葉を口にするのはこのグリードオーシャンを故郷とする猟兵、夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)。
「相手が咎人であるなら、僕達のやる事は、ずっと変わらない。そう、骸の海を航海する身になってもね」
彼女は咎人殺しである。
故に、今の存在理由はグリードオーシャンにおける咎人の王、多世界侵略船団コンキスタドールの王、『七大海嘯『一の王笏』カルロス・グリード』に刃を向けること以外に存在しない。
「さぁ、覚悟は良いかい?」
「する必要がない。なぜなら我はコンキスタドールの王なのだから」
「自分だけでも助かりたい。そう思うのは勝手だ」
そう語るのはサクラミラージュにおける帝都の浪人剣士。
「でも、いずれは誰かが剣を持たないといけない。誰かが先に立たなければならない」
語り掛けるのは住民の未来と尊厳を想うがために、厳しくも剣を取るべき者達へ言葉を投げかけていく。
「自分の家族や愛する者の事を思うならば、だ。今それが出来んのならワシがしてやる」
そう、愛刀を手に鯉口を切るのは岩永・勘十郎(帝都の浪人剣士・f23816)。
「ただ後の事はお前さんたち次第だ。よく考えておけ」
瞬間、触れた者の生命力を奪う略奪の黒い霧を斬滅せんと小銃兼正 (零號試作・改)を振るう。
「忘れ去られても、僕達、咎人殺しはやってくる」
そう鱗角、翼ヒレ、魚面の尾。魚混じりのキマイラはそうさざ波の如く『一の王笏』に、島の住民に語り掛ける。
「咎人ならば誰であろうと禊を与える」
彼女に向けて放たれた黒百合の花びらは宿された呪詛への耐性を以て克服していくが、何分花びらの数が多い。
「無謀な。我が呪詛に蝕まれて息絶えるがいい」
「ああ、問題はないよ」
そう言うや否や、壁の様なものがみさきの目の前に現れて呪詛の籠った黒百合の花びらを遮っていく。
「だから、島の皆は絶望する必要はないし、咎人の君は絶望して苦悶の淵に沈む必要がある」
みさきはユーベルコードを起動させて召喚したのだ。拘束具と拷問具で武装した咎人殺しの幽霊を乗せた『骸海游濫船”涸れた波”号』を。
「この海の底にだって、咎人を殺す者達がいるのだから」
どんな世界にも、罪深き愚者を裁く者達は存在するのだとユーベルコードの名と共に宣言する。
「『咎人追葬・潮騒は涸れた波と共に(トガビトツイソウ・ウミナリ)』」
瞬間、呼び出された『骸海游濫船”涸れた波”号』に乗り込んでいた咎人殺しの幽霊が『一の王笏』へと躍りかかり、みさきもそれに続いていく。
「小癪な……!」
「大丈夫、咎人から絶望は逃げないから」
「ガラでも無い事を言ったは良いが……思ったより厄介なユーベルコヲドよ……!」
そう『一の王笏』が変化させた黒い霧を刀を用いて振り払いながら勘十郎は苦笑する。
一見して体を霧と化した相手に刀を振るうのは効果的どうかを問う以前の話ではないかと思われるが、彼はサクラミラージュ出身の猟兵。ちゃんと策はある。
彼が発動したユーベルコード『六道・龕灯返しの太刀(リクドウ・ガンドウガエシノタチ)』は『上書き的に干渉する仙力を籠めた太刀で攻撃することで、肉体以外のあらゆる事象や概念を攻撃する』というものだ。
黒い霧と化した『一の王笏』の肉体そのものは攻撃できていなくとも、その霧と化した肉体に込められた略奪現象を切り裂いているのだ。
「いや、効いているな……!ならこのまま行くか」
そして装備してるマントをグライダー化させ大きく仰ぐと同時、仙力を籠めた太刀が突きを放つ。
「ガハァッ……!」
鮮血が迸る。『一の王笏』の喉に勘十郎の刀が突き刺さっているのだ。
更に追い打ちとして突き刺した刀を横に薙ぎ、頸を斬り伏せる。
「これでも死なんのか……流石は影朧か」
「お、のれぇ……」
鮮血を喉から巻き散らしながらも『一の王笏』はまだまだ力尽きていない。
しかし、先の一撃が大きく体力を削ったのは間違いない。
桜舞う大正世界の剣士と、ダークセイヴァー様式にも見える咎人殺しの島の紋章を掲げる咎人殺し。
その戦う姿を見て、住民たちは大きく心を揺るがせていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
バルメイ・シエ
「いきなり敵の総大将…っぽい何かを見つけちゃった、幸運だね」
「あれあれ、なんでみんなはそんなに暗い顔をしているんだい? もっと、明るく、楽しく、華やかに! それが楽しく生きる秘訣さ」
使用UCを使い、杖を一振りして願うことは「敵のUC効果を反転させること」
「触れた者に生命力を与える白き霧の体に変身し、戦闘能力が残念的に減少する。その代わり、毎秒寿命は伸びる」へと効果を反転させることで、相手に気づかせないうちに無効化させる。そして、島民に対する【優しさ】を込めて、自らのティーセットを面白おかしく敵に投げつける
「君でも僕には敵わないさ。僕には無限の力があるもの」
「想像するんだよ、サイコーな未来を!」
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
海の幸を独り占めしようとしてるのかな?
どちらにせよ、うざったいね★
まずは敵がUCで変身して攻撃される所を「肉体改造」で回避に適した身体に改造する事で回避。
その後、UC【膨張せし肉肉しい宇宙】で宇宙牛に変身、敵の霧の身体を吸い込んで「捕食」する。
生命力を奪われてもUCによる変身を続ければ問題なさそう。
霧の身体でもそうでなくても、巨大化して押し潰す事し、捕食する事は出来そう。
加えて、巨大化すればその大きさから住民に知れ渡る事間違いなし!
完璧だね☆(一人で勝手に納得)
「いきなり敵の総大将…っぽい何かを見つけちゃった、幸運だね」
そう貴族服を着た……何といえばいいのだろうか。
外見を説明するなら尻尾はネコ、耳はウサギらしきもので、コウモリの翼が背中に生えてる獣人というものだ。
すると彼は転移してきた島の住民の様子に気が付いたようだ。
「あれあれ、なんでみんなはそんなに暗い顔をしているんだい? もっと、明るく、楽しく、華やかに! それが楽しく生きる秘訣さ」
「で、でも……」
「……あのコンキスタドールに、勝てるの?」
と、少年が獣人に問いかける。
「あんなに強い存在を敵にまわしてでも……誇りを失わずに済むの?」
その言葉に対して、 飄々としていて、何を考えているのかよく分からない獣人――バルメイ・シエ(意味不明と不可思議を掛けて2で割らない・f31453)はあくまで飄々とした態度で告げる。
「楽しくなきゃ、誇りも何もないさ!」
そう言うと彼は貴族服の懐からあるものを取り出す。それはガーネットで出来た杖だ。
「これがあれば自由自在さ。願いはなんでもかんでも……は叶わないけどね」
「じゃあ、どのくらいまでなら叶うの?」
「そうだなぁ……」
その少年の言葉にバルメイは腕を組んで考え込み……
「『触れた者に生命力を与える白き霧の体に変身し、戦闘能力が残念的に減少する。その代わり、毎秒寿命は伸びる』」
と、そう願った結果。
「少なくとも、あのコンキスタドールを面白おかしく撃退するくらいの力はあるよ」
そう、『一の王笏』が不思議の国のアリスの帽子屋の服装を着せられて超巨大なロケット花火にくくられて打ち上げられている光景を見ながらバルメイは少年へ語った。
「何だこれは!一体どうなっているのだ!」
そう言うと同時に爆散する『一の王笏』。
驚愕の表情を浮かべているのはこっちも同じなんだよなぁ……いったい何が起こったんだ、これ。
ああ、どうやら『一の王笏』が使うユーベルコードの効果が反転し弱体化した結果、こうなったらしい。
「おのれ……あんなふざけたことをして」
――『一の王笏』がビーフステーキの下敷きになった。
え?先程と同じく何言ってんだって?言葉通りだよもう……
状況を整理しよう。これは猟兵のユーベルコードによる黒い霧と化した『一の王笏』の先制攻撃への対処の様だ。
ビーフステーキをかじりながら、下敷きになった『一の王笏』に対してその猟兵は告げる。
「海の幸を独り占めしようとしてるのかな?どちらにせよ、うざったいね★」
「独占しようとしているのは確かだ……だがなぜ海鮮食品だと思った!?」
そう『一の王笏』が突っ込んだのはラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(いつもはらぺこ系ラスボス(可食・高栄養・美味)・f31483)。
「いやぁ……こんな海の世界だし、海鮮食材を独占したら一気に全ての島の住民を支配できるからかなと思ったんだよ」
「意外とどう独占するかの問題を解決すれば割と侵略に有効な手段を考えるな!?」
「ま、そんなことはともかくとして……」
と、急に黙り込むラヴィラヴァ。その真剣な様子に思わず『一の王笏』も息を呑む。
「お前、お肉好きか?」
「すまん、脈絡が全くない」
「全くない……」
「ちょっと待て、脈絡の話だ。むしろ我は良い肉を取り寄せるために島を侵略したことがあるくらいには肉が好きだ」
と、そんな『一の王笏』の話には耳を貸さずにラヴィラヴァは顔を上げる。
「良いだろう……それならおいらがお肉を好きにしてやる」
と、ズブズブと地面ごと『一の王笏』を下敷きにしている巨大なビーフステーキが沈んでいき……
「ハッ!?……白昼夢か。そうであるな。先程までの光景が現実であるはずがない」
気が付くといつの間にか『一の王笏』は地面に寝ころんでいた。服もちゃんとまともである。
そして強烈な威圧感を放ちながら『一の王笏』はシリアス時空へと戻っていった。
同時刻、1㎞離れたところで。
「いいかい。あれが無限の力、サイコーの未来を想像する力だよ」
「お肉焼けたぞー」
そう語ったバルメイの顔を、少年はラヴィラヴァが持ってきた肉を齧りながら見上げていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナイ・デス
この島は、ダークセイヴァーからきた島なのですね
それなら……この力を、使いましょう
「ダイウルゴス」は召喚しない
私は、本体が無事であるから再生する、ただそれだけの、弱いものでした
倒されて、倒されて、守れなくて……
先制攻撃を受ける
【覚悟激痛耐性継戦能力】
それでも……絶望しても、諦めても。まだ生きているからと、立ち上がってきました
聖者の光が呪詛を【浄化】して、肉体を再生して
まだ、あなた達も、生きている。だから
『光の加護』発動
一緒に、戦いましょう……!
【推力移動ダッシュ】で突撃して
両手から【生命力吸収】する光の【レーザー射撃】を、剣のように【なぎ払い切断】にかかる
何度倒されても、諦めない、止まらない!
アルトリウス・セレスタイト
喜べ侵略者
理不尽が来てやったぞ
戦況は『天光』で逐一把握
受ける攻撃は『再帰』にて自身の周囲に無限遠の空間を構築し到達させない
全行程必要魔力は『超克』で“世界の外”から常時供給
意図的に正面から対峙
猟兵を知る以上無視できまい
奪う側の自覚なら尚の事
自然、何らかの感情を向けてこよう
故に何もせずとも条件を満たす
空理で消去する
対象とするのはオブリビオンのみ
物理力と無関係故に仮に霧となっても問題ない
相手が滅び得ると理解すれば望みも生まれるだろう
陽の光でヴァンパイアが滅んだように
万一そうならずとも自身が倒せば結果は変わらん
油断も遠慮もなく臨む
※アドリブ歓迎
薬師神・悟郎
どの世界でも理不尽に抗う者全てが報われるとは限らない
だが、勝利を得た人々は皆すべからく諦めなかった
よく見ておけ
奇跡が現実になる瞬間を
視力、第六勘、野生の勘で先制攻撃を見切り
範囲攻撃と継続ダメージで無数の刃の威力を殺す
出来るだけ派手に敵の攻撃を呑み込み、住民達にも分かるように力の差を見せ付ける
UCの見た目と威力に敵の注意が向けば良い
俺はそれを好機と見て、弓の射程範囲ギリギリから毒を用いた暗殺の一撃にて部位破壊を試みる、スナイパー
理不尽な侵略に対して反撃の狼煙をあげよう
自らが有利であると信じて疑うこともない愚か者にどちらが狩られる者であったのか、敵の敗北をもって知らしめてやろう
「クッ……手酷い傷を負った……」
そう呟く『一の王笏』。
服は猟兵たちの猛攻によってぼろきれ同然であり、言葉通り肉体も傷だらけだ。
あのギャグ時空や喉に喰らった一閃と咎人殺しの執念が大きな傷を与え、最初に会敵した猟兵二人から喰らった周波数と神光がその身体を蝕んでいる。
そして、問題は『一の王笏』の負った傷だけではない。
各地で起きつつある『王笏』団員への住民の氾濫。
元々はダークセイヴァーでヴァンパイアに抗いながら生きて来た者達。
戦う気概を取り戻せば手下なら何とか渡り合えていたのだ。
その戦う気概を取り持出したのは――
「……紛れもなく、貴様らが原因であろうな」
そう近づいてくる三人の猟兵を見つめて、『一の王笏』は紋章を輝かせながら戦闘態勢に入っていく。
「喜べ侵略者。理不尽が来てやったぞ」
世界が構成される前の法則、構成された現在では異能となっている力『原理』。
その内万象を見通す瞳となる全知の原理『天光』を用いて戦況を把握しながらアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は『一の王笏』へと歩み寄る。
呪詛宿る黒百合の花びらを循環の原理たる『再帰』で自身の周囲に無限遠の空間を構築して遮断し、先制攻撃を凌いでいく。
「全行程必要魔力は創世の原理たる『超克』で“世界の外”から常時供給している……と言っても、分からんか」
「多世界侵略船団の王としては興味はあるがな……」
「どちらにせよ侵略者。ここでお前は終わりだ――『明鏡』、『無現』、『討滅』」
アルトリウスが唱えたのは顕理輝光の中でも攻撃性の高い三種の名。
それらが、『一の王笏』を骸の海へと返すべく『原理』を発生させていく――
「どの世界でも理不尽に抗う者全てが報われるとは限らない」
冷たい夜の色を纏う半魔半人、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)はそんな、当たり前だけど悲しくて冷たすぎる世界の理を住民に告げる。
「だが、勝利を得た人々は皆すべからく諦めなかった」
そして、その理を覆す言葉も、告げる。無数の刃を純粋な優れた視力と勘のみで避け続けるという離れ業を越えた『証明』の前の『証明』を、行いながら。
「諦めなければ夢は叶うとは言わない。だが、諦めたら奇跡を為すことは決してあり得ない」
刮目しろ、と言わんばかりに全ての刃を忍者刀で弾いた後、懐から取り出したコンパクトな折り畳み式の弓を構えて弦を引き告げる。
「よく見ておけ――奇跡が現実になる瞬間を」
放たれた弓と共に泡を放射して、『神殺し』を行う事を。
「この島は、ダークセイヴァーからきた島なのですね」
そう呟くのは幼げな愛らしい姿をしたヤドリガミの少年、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。
本体の詳細が一切不明で行方知らずという在り方故に不滅という括りで見れば猟兵の中でも最高位にある少年は、ダークセイヴァーから転移してきた島を見渡してとある決意をする。
「それなら……ダイウルゴスではなくこの力を、使いましょう」
帝竜戦役で得た帝竜『ダイウルゴス』を己の力とする権能。
それを使わずに銀髪紅瞳の少年は挑む。
異端の神と絶望の世界を体現した力を振るうグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラへと。
「私は、本体が無事であるから再生する、ただそれだけの、弱いものでした」
懺悔をするように……いや、それは懺悔だったのだろう。
「倒されて、倒されて、守れなくて……」
呟かれるは悔悟。それを重ねて束ねるようにナイは黒百合の花びらに挑む。
とあるドラゴニアンの少女のように、勇気と気合と根性を以て。
「それでも……絶望しても、諦めても。まだ生きているからと、立ち上がってきました」
ナイの心の力に応じて聖者の光が少年の身体を照らし、それは爆発的な出力を持つ。
「猟兵を知る以上、俺を無視できまい」
原理を操る異能者は意図的にオブリビオン・フォーミュラの正面から対峙する。
「理不尽な侵略に対して反撃の狼煙をあげよう」
闇夜に閉ざされた世界の者達に、陽光の光の如く『ソレ』はいつかは訪れると薬師寺は告げる。
「まだ、あなた達も、生きている。だから」
照らし出された聖なる光が呪詛を浄化し、少年の肉体を再生していく。
「奪う側の自覚なら尚の事。自然、何らかの感情を向けてこよう」
それで条件は満たされた。そう『原理』を操ってアルトリウスは世界の外へ通じる亀裂を生じさせていく。
「自らが有利であると信じて疑うこともない愚か者に、どちらが狩られる者であったのか……敵の敗北をもって知らしめてやろう」
故に反逆を。自らが理由もなく、必ず勝利して奪い貪るのだという幻想を破壊し殺戮するのだと、弓を引きながら住民へと語りかけていく。
そして、状況は結実する。
「(相手が滅び得ると理解すれば望みも生まれるだろう。陽の光でヴァンパイアが滅んだように)」
アルトリウスは思う。
望みとは全てを動かすと。
彼の起源、それはかつて骸の海を潜り、世界の揺り籠の境界を超え、その先に手を掛けるに至り、全なる空虚を掴んで溶け消えた存在。
そうなったのはその『発生』させた存在の望み故だろう。
この島の住民にそこまでは抱かない。だが、それと同じ域の偉業を為せるなら……
故に、この欲望渦巻く大洋の世界のオブリビオン・フォーミュラを、全ての始点、全なる空虚へと誘う。
「させるか……!」
『一の王笏』が輝かせるは自らに宿した紋章。
しかし、その紋章が矢に撃ち抜かれて沈黙する。
紋章とは無機物にあらず、宿主の力を莫大なまでに強化する『生物』。
故に、矢で射られたら――永遠の沈黙に至るだろう。
「見ておけ」
紋章を撃ち抜いた咎人殺しは告げる。
「神殺しが成されるその瞬間だ」
次いで胸と胴に矢が突き刺さっていく。
それでも、『一の王笏』は倒れなかった。
「――まだ、あなた達も、生きている。だから」
だけど、それは
「一緒に、戦いましょう……!」
――ナイも同じだ……!
少年はオブリビオン・フォーミュラの傍に立ち、両手から立ち上がる光のレーザーを剣のようになぎ払う。
それで全てが終わった。
「何度倒されても、諦めない、止まらない……」
そう呟くナイ。それはある少女の姿を想い口にした言葉。
それは、一部始終を見ていた島の住民の全てに伝わり、やがて一つの大きな希望となる。
……この『羅針盤戦争』の行く末がどうなるかはわからない。
だが、この戦いのように希望が結実したなら……
不屈の希望が、欲望渦巻くこの海で一際大きく輝くのは間違いないだろう。
大成功
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