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羅針盤戦争〜王笏・三の邪神使い

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #プレイング締め切り

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「……侮りはせん。全てのコンキスタドールを総動員して我らは勝つ。そしてその戦いに我が参戦することも厭わない」
 そう呟くはグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ、『七大海嘯『王笏』カルロス・グリード』。コンキスタドールを統べる王たる彼は『分身体に応じて『世界』に応じたユーベルコードを使用する』というユーベルコードの持ち主だ。
 すなわち、謎の予兆の言葉を参照すれば確認されている『ダークセイヴァー』と『UDCアース』の他に『アルダワ魔法学園』、『スペースシップワールド』、『アックス&ウィザーズ』、『アリスラビリンス』、『アポカリプスヘル』、そして他ならぬ『グリードオーシャン』に応じた力を有する分身体を使役するオブリビオン・フォーミュラだ。
「そして今ここにいる我――『三の王笏』は『UDCアース』の力を使う。すなわち『邪神の召喚』が我の能力だ」
 そう告げると同時に顕現するは見た者の正気を削る邪神の群れ。
 たとえどれほど勇敢な海賊であろうとも、この海から侵略してくる邪神の群れの光景には魂魄を打ち砕かれるだろう。
「とはいえ、彼奴等猟兵は魂魄を打ち砕かれぬだろう。無論の事その場合は直接邪神どもを嗾ければいい話だがな」
 海賊船を優に越す巨体の邪神の群れ、それを見上げながら『三の王笏』はほくそ笑む。
「永劫に追儺してやろう。この勝負、勝つのは我らだ」

「いいえ、私達猟兵が勝つわよ。私達は全ての世界において全ての戦争を勝利しなければならないのだから」
 凛と告げるはシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)。
 ホログラムに表示された『三の王笏』の笑みを睨みつける様に凝視した後、グリモアベースに集まった猟兵たちに説明を開始する。
「集まってくれてありがとうかしら?今回撃破するのは何と他ならぬオブリビオン・フォーミュラの『王笏』、カルロス・グリードよ」
 その言葉に集まった猟兵が騒めき出す。
 戦争初日から最終決戦なのか?という問いにシャルロットは答える。
「このグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ『七大海嘯『王笏』カルロス・グリード』は八つの分身体を有するの。そして七大海嘯は拠点となる島を抑えられない限り幾ら撃破しても蘇ってくるわ」
 つまりはその性質を利用した制圧。しかしこのグリードオーシャンの運命を決める戦いにおいては島を確保して進撃を進めることは絶対に無駄ではない。
「今回撃破するのは『三の王笏』、コイツは『UDCアースに応じた力としての邪神召喚』が能力よ」
 そう言ってフォーミュラに相応しき特異な能力を猟兵に説明していくシャルロット。
「以上が『王笏』カルロス・グリード、その分身体『三の王笏』の能力よ。幹部級オブリビオンの例にもれず先制攻撃を仕掛けてくるわ。それに留意して行動しなさい」

「……来たか、猟兵。咽び泣くがよい、我自らがこの広大なる大海の藻屑にしてやろう」
 UDCアースの面影が残る島、UDCアースに応じた力を有する『三の王笏』が自らが出張った理由はそこにあるのだろう。
 その島へ猟兵たちが転移した直後、グリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ『七大海嘯『王笏』カルロス・グリード』との闘いが早くも始まった。


黒代朝希
 グリードオーシャンの運命を決める戦い。
 その名も『羅針盤戦争』が始まりました。
 是非とも進撃を開始して勝ちを収めましょう。

 プレイングボーナスとしては、
 『プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』
 です。

 それでは、『侵略』に対する反逆として『進撃』を始めましょう。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    邪神「暴食せしもの」
【無数の大口を持つ邪神による噛みつき】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神「虚空を睨むもの」
【巨大眼球型邪神の視線による感染呪詛】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    邪神「謎を喰らうもの」
【疑問】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【触手塊型邪神】から、高命中力の【謎を喰らう触手】を飛ばす。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロバート・ブレイズ
「ならば邪神(かみ)風情、不完全にも満ちた『地球儀』を壊すが好い。此れが我々の狼煙で在り、魔女たる己の神域だ。胃袋を空けるのだよ、可愛らしい人面針め――山がよろめくサマを知れ」
情報収集で『口』の大きさ、向き、牙の鋭さなどを把握
躱すべきか鉄塊剣で受け止めるべきか、糸で絡め取るかを選択
必要であれば奴の触手(にく)を千切り取り、盾として酷使してやろう
多少の傷など問題ない
断章を開け――増えろ脳髄、完全体の神行だ

変わる度に癒え、変わる度に進化する。もはや自らの『輪郭』がなくなるまでの膨張だ。この物量と侵蝕を恐れるが好い
「貴様が強欲ならば俺は傲慢だ」
何度でも啜って魅せろ、この負(マイナス)を突いて魅せろ


フカヒレ・フォルネウス
フッ。何かと思えば、軟体生物の使役ですか。邪神が悪魔に敵うとは思わないことです。
偉大なる魔王国の臣下、四天王の一人として、無様な姿を晒すわけにはいきません。

妙な疑問を投げかけてくるようですが、こちらもワルいことを教えてあげます。
鮫は死しても蘇るモノ。冥途の土産に覚えていきなさい!
UC《巡航鮫隊》を出撃させ、数の暴力で討ち果たしてあげます。
鮫の牙を持って、あなたの邪神を食い散らかして御覧に入れます。

さあ。邪神と悪魔、どちらが食物連鎖の上位にあるか、証明して差し上げますよ!

※海賊船長っぽい、ワイルドな紳士服を着ています。武器はバブルワンドです。



「いでよ、邪神。我が関する『王笏』の名の下に猟兵どもを鏖殺しろ」
 猟兵たちが転移した直後に、それはやって来た。
 海面を突き破って現れる異形の数々。
 それは外なる神、あるいは旧き支配者達。
 ともあれ、それは力無き人の身から見れば間違いなく神の如き力を有する超越存在。
「行け。猟兵の骸を喰らい力をつけ、我の力へと還元するのだ」
 そして、殺到する。邪神の群れが猟兵を屠らんと。

「クカカカカカカッ!!これぞ少年期の己が夢見る無双たる夢想の現れよ。愛い愛い、好きに誇大を誇示して描くが良い」
 ――一瞬で、邪神が凍り付く。それに込められた嘲笑と、冒涜の純度の濃さに。
「ならば私は邪神(かみ)風情、不完全にも満ちた『地球儀』を壊すが好い。此れが我々の狼煙で在り、魔女たる己の神域だ。胃袋を空けるのだよ、可愛らしい人面針め――山がよろめくサマを知れ。と言おう」
「……冒涜翁。わざわざこの『我』、この『三の王笏』の所に、このような大物が来るとはな」
 そう少なくない警戒心を『三の王笏』が抱くのはロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)。
 UDCアースにて邪神関連の予知を主体とする猟兵にして、全猟兵を見渡しても『底知れなさ』という点においては紛れもなく十指に入る存在(ありかた)だ。
「フッ、確かに。オブリビオンを統べるオブリビオンというからどのような悪事を働けるのか気になっていたのですが、何かと思えば軟体生物の使役ですか」
 そこへこのグリードオーシャンにおいて代表的な存在と言える海賊船長、その意匠をあしらえたワイルドな紳士服を着た鮫の悪魔がロバートの隣へと並ぶ。
 彼はフカヒレ・フォルネウス(鮫の悪魔の四天王・f31596)、鮫の悪魔にしてこのグリードオーシャンの魔術体系である鮫魔術を操るデビルキングワールドのとある魔王国の仕官だ。
「偉大なる魔王国の臣下、四天王の一人として貴方如きに無様な姿を晒すわけにはいきません」
「ほう……フォーミュラである我にその口を聞くとは、随分と実力があるようだな」
 その言葉は、オブリビオン・フォーミュラである『王笏』の自尊心を沸騰と行かなくても小さくない揺らぎを与えた。
 刹那にカルロスの指示により止まっていた邪神が再び動き出す。

「食らうがいい、否、喰らわれるがいい冒涜翁。『邪神「暴食せしもの」』」
 冒涜翁に迫るのは、口、口、口。牙、牙、牙。それは無数の大口を持つ邪神。
 迫り来る暴食の邪神。対してロバートは持ち前の混沌と冒涜を見極めたその目で邪神の『口』の大きさ、向き、牙の鋭さなどを把握し、躱すべきか鉄塊剣で受け止めるべきかあるいは糸で絡め取るかを選択しながら捌きの準備を済ませ、迎え撃つ。
 そしてフカヒレにも邪神が迫る。というよりもそれは邪神そのものと言うよりも邪神を応用した『三の王笏』の術技に近い。
 発現した能力は『疑問の感情を与えた対象に謎を喰らう触手を召喚した触手塊型邪神から延ばす』というもの。
 シンプルだが強力なユーベルコードだと言えるだろう。
「妙な疑問を投げかけてくるようですが、こちらもワルいことを教えてあげます」
 しかし、フカヒレは胸を張って応える為に答える。
「鮫は死しても蘇るモノ。冥途の土産に覚えていきなさい!」
 刹那に食いちぎられたように迫っていた触手が消え去る。
 否、食いちぎられたように、ではない。
 本当に食いちぎられたのだ。
 フカヒレの鮫魔術のユーベルコード『巡航鮫隊(シャークルーザー・リミテッド)』によって召喚された小型な鮫の幽霊を375体背に乗せた75体の大型な鮫の群れが次々と触手塊型邪神を食い散らかしていく。

「フフフ……邪神と言っても所詮は軟体動物。鮫、引いてはその頂点にある悪魔には叶わないようですね」
「クカカッ、落胆は不要よ。少年期の妄想は妄想であると誰もが通る道。頂点たる貴様が通っても恥ではない」
 そう嘲るとロバートは自身のユーベルコード『断章(アザトホース)』によって完全なる邪神へと変貌。
「断章を開け――増えろ脳髄、完全体の神行だ」
 次々と邪神の群れを貪り喰らい、駆逐しながら冒涜の限りを尽くしていく。
「貴様が強欲ならば俺は傲慢だ」
 その在り方、正に冒涜翁にして冒涜王。
「おお!これは中々にワルイですよ!」
 その姿はデビルキングワールドの住人であるフカヒレが驚嘆と敬意を払うのに充分であった。
「では、邪神と悪魔……どちらが食物連鎖の上位にあるか、僕も証明して差し上げますよ!」
 そう言って召喚した鮫の群れを使役することで同じく邪神の群れを喰らうことで掃討していく。

「冒涜翁に目が行ったが、新参の猟兵も侮れんな」
 そう呟くカルロスは一旦邪神を補充するべく自身の船へと戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ノエル・フィッシャー
【WIZ】
ああ、アレだね。SAN値削ってくる奴。でも対処法だってあるんだよ。心なきものに恐怖も疑問もない。ゾンビ、メカ、あるいは力そのものたる光の影。さあ謎を喰らう邪神よ、ボクはともかくとしてボクの影を喰らってるがいい!

UC【光の影の王子様】にて、ボク自身から放たれる光の影より←のアイコンのような超絶イケメンでもにゅっとした戦闘用の影460体を召喚。心を持たぬが故に疑問の感情を持ちえず、故に邪神には決して捕捉出来ぬ存在が、その物量をもって邪神やカルロス・グリードにわちゃわちゃ纏わりついてボコボコにするんだよ。

アドリブ・共闘歓迎なんだよ。


七那原・望
ぅ……邪神……あのうねうねの気持ち悪いやつ使うのですか……
悍ましいですし早く消えてもらいましょう。

【念動力】で飛行能力を付与したスケルツァンドに【騎乗】し【空中戦】
【オーラ防御】【結界術】を展開し、【溜めた魔力】でブースト。【限界を超えた】速度で飛んで噛み付きを躱します。

【限界を超えて】ユニゾンに【魔力を溜め】ながら【第六感】と【野生の勘】でカルロス・グリードと邪神の動きを【見切り】、攻撃を回避しつつ自身と邪神とカルロス・グリードが直線状に並ぶタイミングで一撃の威力に特化させた【カウンター】【咄嗟の一撃】【クイックドロウ】【全力魔法】【Lux desire】で両者を同時に焼き尽くしましょう。


シャルロッテ・ヴェイロン
ったく、猟書家たちの侵略がまだ片付いてないっていうのに、もう戦争ですか?
しかもいきなりフォーミュラとの対決?これだからオブリビオンってのは面倒くさいんですよねぇ…。

敵の【先制攻撃】を【呪詛耐性・オーラ防御】でしのぎつつ、隙を見て【指定UC】で邪神の【ハッキング】に挑戦してみましょうか(できたならそのまま【捨て身の一撃】とかやらせてみる)。
あとは【ATTACK COMMAND(【破魔】属性付与)】を撃ち込んでやりましょうか(【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・レーザー射撃】)。

※アドリブ・連携歓迎



「ぅ……邪神……あのうねうねの気持ち悪いやつ使うのですか……悍ましいですし早く消えてもらいましょう」
 そう心底生理的に嫌悪しているとばかりに七那原・望(封印されし果実・f04836)は純白の翼を宿す荘厳な姿の宇宙バイク『奏空・スケルツァンド』に跨りながら目隠しをした目元を歪ませる。
「ああ、アレだね。SAN値削ってくる奴。でも対処法だってあるんだよ」
 そう鉄甲船の上で海から侵攻してくる邪神を観ながら呟くのは男装の麗人の王子様であるノエル・フィッシャー(イケメン王子様・f19578)。
「ったく、猟書家たちの侵略がまだ片付いてないっていうのに、もう戦争ですか?」
 シャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)は明確な猟兵との敵対勢力である猟書家の侵攻が終わっていないのにも関わらず行われたグリードオーシャンにおける戦争『羅針盤戦争』について苦言を漏らす。
「しかもいきなりフォーミュラとの対決?これだからオブリビオンってのは面倒くさいんですよねぇ…」
「けれど、倒さなければグリードオーシャンに明日はないよ」
「ともかく倒しましょう、一秒でも迅く」
 女三人寄れば姦しい。ましては猟兵ともなれば話のネタが尽きることはないであろう。
「話のタネがあるのは結構。隙があるという事だからな」
 そんな彼女たちの元にも、『王笏』の絶対先制攻撃権による邪神の群れが殺到してくる。
 だが、彼女らは生命の埒外にある存在『猟兵(イェーガー)』。
 それこそ話をしながらでも邪神と呼ばれる超存在を撃滅することが可能だ。

「対処法と言ったね。それは心なきものに恐怖も疑問もない。溢れ出る光には、こういう使い方もあるんだよ」
 そうノエルが宣すると同時、その背後から立ち上がったのは『彼』の力そのものである光の影であった。
 触手の群れは即座にノエルから方向を変えて光の影を貪るように食らいついていく。
「さあ謎を喰らう邪神よ、ボクはともかくとしてボクの影を喰らってるがいい!」
「へぇ、そんなユーベルコードがあるんだ?それじゃあわたしは――ぼくは邪神の群れをハッキングしようかな」
「わたしも……振り切ります……!」
 そう呪詛に対した防御力を高めたオーラを展開して巨大眼球型邪神の視線による感染呪詛を防いでいくと同時にシャルロッテは邪神の脳にハッキングツールを生やし、その制御権を『王笏』から奪っていく。
 望も念動力で飛行能力を付与したスケルツァンドに跨りオーラと結界術で隔壁を展開。そのまま空中を駆けて邪神の顎から逃れていく。
「成程……一番危険なのはあのアリス適合者だな」
 そう言って『王笏』はシャルロッテを一番の危険存在とみなして邪神を召喚していく。
 どんな邪神であろうと直接脳にハッキングツールを埋め込まれて洗脳されてしまえば自身の制御下に置くことは難しい。
「故にあの猟兵を落とそう。『三の王笏』に対してあのユーベルコードは少々危険すぎる」
 直後に邪神がシャルロッテに向かってその牙や呪詛、触手を向けていく。

「来たね……とはいえ、付け込む隙はある」
「わたし達に注目しなかったこと、ですね」
 ノエルと望は『三の王笏』がシャルロッテを優先的に撃破しようとしていることに目を付けて行動に移そうとしている。
「……あー、もー。これだから……嫌とは言えないな」
 それにシャルロッテは一瞬素の心底面倒くさそうな声を出した後、狩人の口調でそれに続く。
「何かを企んでいるようだが……そこのアリス適合者は我がここで討伐する。逃げられると思うな」
 迫り来る邪神の群れ、それに対してシャルロッテはハッキングを完了させた邪神を逆に操って『三の王笏』の制御下にある邪神の群れを抑え込んでいく。
「頼むよ」
「任された!」
「了解しました」
 そこに先程先制攻撃によって嗾けられた触手塊型邪神に喰らわせたノエルの光の影が、光の剣を用いて邪神を切り裂き、そのノエルの身体を望みが奏空・スケルツァンドに乗せて戦場を駆けていく。
 やがて陥るは――
「味な事を、混戦か……!だが、それでもやりようはある」
 そう魔法陣を顕現させてコンソールを叩くように触れる。
 やがて魔法陣がにくにくしい色に染まり、それと同期するように邪神たちも同じ色へと染まっていく。
「『三の王笏』、カルロス・グリードによって宣する――邪神どもよ、融合せよ」
 瞬間、邪神たちが痙攣すると『三の王笏』が座す船の隣へ流体の如くなだれ込み、一つの強大な邪神へと変貌していく。
「ようは、数より質を選ぶことだな。そうすればこちら側の配下の数が少なくて混戦になりようがない」
 そう強大な邪神を傅かせて己は悠然と海賊船の甲板に立つ姿は正にグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ、コンキスタドールを統べる侵略者の王に相応しいと敵ながら言えただろう。
 故に、その強大な存在であるがゆえに気が付けたのか、あるいは気が付けなかったのか。
「……猟兵どもはどこだ?」
 融合化の際に、猟兵がこの戦場にてどのような行動をどこで行っているかを、見落としてしまったのだ。

 その見落としは『三の王笏』にとって失敗だった。
 そもそも、失敗と言えば――
「――ッ!そうか、我があのアリス適合者を狙っていることに着眼して――」
「ええ、その通り。囮に使わせてあげたの」
「ボク達全員でこの一撃に繋げるためにね!」
 ――三人の猟兵を乗せた奏空・スケルツァンドが飛び出したのは、『三の王笏』のすぐ背後。
 宇宙バイクが飛行能力を阻害される世界において重力の楔から解き放たれているこの一瞬、望は懐からあるものを取り出す。
 それは願望に応じ、数多の奇跡を引き起こす勝利の果実、真核・ユニゾン。
 そこから放たれるのは膨大な光の奔流。
 ――その名は。
「――『Lux desire(ルクス・デザイア)』」
 『三の王笏』が即座に甲板を蹴り船から飛び降りたのは英断だったと言えるだろう。
 次の瞬間、船が光の奔流に飲み込まれて浄滅し、融合させた邪神が半身を削られたのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
……上手い戦術が立てられない自分の弱さを
これ以上悔やんだこともないよ、まったく。
一か八かな戦い方は、今に始まったことじゃないけど。

初回は相手の嚙み付きをよく観る。
一応は手持ちの光の鎖で、武器受けするような体を装ってね。
噛み付きUCの前兆が分かれば、それを覚えて
第六感で相手の動きを見切り、それに合わせてUC発動。

食われてやる。光そのものになった私が。

“邪”神相手には、多分劇物だと思うけどどうかな?
失敗だったらもう目も当てられないほどヤバいことになるけどね。
タイミングは間違えられない。必要なら無謀な若者を装ったり挑発を混ぜることも厭わないよ。


黒城・魅夜
ふふ、面白いこと
邪神といえども神は神
ならば生まれながらに神殺しの力を持つダンピールたる我が牙の力
受けてみるがいいでしょう

視線さえ防げばその力は無意味と化します
「早業」により鎖を舞わせ
「衝撃波」で空気を歪めることにより邪神の視線を遮断
それでも染み出てくる呪いに対しては
私自身の「呪詛」を「範囲攻撃」で周辺に広げ
相手の呪いを中和しましょう

呪いとは即ち悪意
身の程も知らず王笏を名乗るものよ
しょせん分身体にすぎぬその程度の浅薄な力で
悪霊たる私の底なしの悪意に勝れるとは思わぬことです

ふふ、今気づきましたか、我が影の動きに
そう、あなたも木偶の坊の邪神たちも
既にこの影が捉えています
さあ絶対の虚無の中へ沈みなさい


ティノ・ミラーリア
分身体だからこれを倒しても終わらないんだろうけど…倒さないわけにもいかないしね……。

「眷属」や「影狼」で視線を遮り僕を『かばう』ようにさせ、
更に「纏影」と『呪詛耐性』で先制のUCを耐える。
稼いだ時間でUCを発動し敵の足元や周囲の影から枷を放とう。
動きとUCを封じたら「狩猟銃」での『呪殺弾』と「影槍」での『串刺し』。
敵の攻撃に耐えた「眷属」も攻撃に加えてそのまま一方的に『蹂躙』。
早く倒して、次の場所へ行かないと…。

アドリブ・連携可


高砂・オリフィス
噛み付くってことは近づくってこと! 当たり前のことだけど、ぼくはその隙を逃さない!

神だかなんだか知らないけどねっ、たらふく食いたいならぼくの拳を喰らいなーっ!
どーだ見たか! それともまだ喰らいたりないって感じ? 欲張りさんめ! それならワンツーパンチからの連撃のラッシュをお見舞いしてやるぞ! 食欲まかせに伸ばした舌や歯なんて、目をつぶってたって避けられるんだから!

まだまだ冒険はこれから! 疲れてらんないねっ。あははっ、こういう時こそ笑顔笑顔! 声出してこ!



「侮っていたつもりはない。それは我が麗しの姫君に誓って真実だ」
 船を失ったため島に上陸し、半身を削られた邪神の他に邪神召喚によって戦力を補充していく『三の王笏』
「……相手は『フォーミュラ無き世界』を七つ創り出した存在、猟兵。我はフォーミュラたる身であるが故に『フォーミュラ無き世界』を生み出した奴らを何よりも侮ってはいけなかった」
 だが、『王笏』はグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ。この欲望渦巻く大洋の世界で最強のコンキスタドールにしてオブリビオン。
 その自負が、無意識に猟兵を少なからず侮っていたのだ。
「侮る?『たかが』オブリビオン・フォーミュラである貴方が?私達猟兵を?ふふ、面白いこと」
 そこへ『三の王笏』の耳に届けられたのは天をも恐れぬ言葉。
 即座に唾を吐いた代償を知れと言わんばかりに巨大眼球型邪神による感染呪詛を放つ『三の王笏』。
「邪神といえども神は神。ならば生まれながらに神殺しの力を持つダンピールたる我が牙の力。受けてみるがいいでしょう」
 その言葉と同時に眼球は刮目することになる。
 衝撃波によって歪められていく空気。視線を媒介として広がる呪詛に対して「視線に入れないよう阻む」というのは極めて効果的な対処だ。
 しかも――
「邪神の呪詛とぶつけあって『相殺』するほどの呪詛か……猟兵も埒外の存在であると、我は理解できたな」
「ええ、それではその首を貰い受けさせてもらいましょうか」
「来たか、猟兵。我は強欲の名を冠するオブリビオン・フォーミュラ『三の王笏』。最後まで我の生命を諦めはせん」
 その『三の王笏』の覇気に臆することなく悪夢を纏いし希望の魔性、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は戦闘態勢に移る。

 そして、決戦の舞台に上がった猟兵は魅夜だけではない。
「……上手い戦術が立てられない自分の弱さを、これ以上悔やんだこともないよ、まったく。一か八かな戦い方は、今に始まったことじゃないけど。おや危ない。すぐそこに邪神の顎が」
 そう迫り来る暴食の邪神の口撃を観察することによって適切な回避態勢を割り出し、避け続けながら自嘲するのはオラトリオの猟兵、鈴木・志乃(ブラック・f12101)。
 しゃがんで回避するとハットが空中に浮かんでしまう。
 仕方ないので無造作に片手で掴んで頭に乗せ直す。
 それを十数の邪神に同時に多方面から攻撃されながら滑らか勝つ自然体で芸術的な回避を志乃は行っているのだ。
「噛み付くってことは近づくってこと! 当たり前のことだけど、ぼくはその隙を逃さない」
 そして回避するだけでなく攻撃を回避された隙を狙ってフックを叩き込むのは高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)。
 フックが叩きまれると同時に骨格がひしゃげ、肉が破裂して邪神は息絶えていく。
 そんな文字通り一撃必殺のカウンターを叩き込んで十数の邪神が既に屠られていた。
「分身体だからこれを倒しても終わらないんだろうけど…倒さないわけにもいかないしね……」
 「眷属」や「影狼」で視線を遮り、それでも攻撃が届きそうになる場合は使役している「眷属」や「影狼」に庇わせて邪神を凌いでいるのはティノ・ミラーリア(夜闇を伴い・f01828)。
 更に影から無尽蔵に生成可能な硬軟自在に形状を操作できる影に呪詛耐性を纏わせて視線を媒介として広まる呪詛を防いでいく。
「纏影、しっかりと防いでいってね」

「絶対先制攻撃権による攻撃は凌がれたか……後はどちらの自力と発想力が相手を上回るかだな」
 そう淡々と呟く『三の王笏』。彼は邪神を召喚し続け即座に喰らい合わせていく。
「邪神同士の蠱毒……それなら私達を一気に全滅させる邪神を生み出すことが出来るかもね」
 面白いと言外に告げる志乃。
 そんな余裕を与える暇はない。とも同じく言外に告げながら。
 その遠回しな嘲笑に対して『三の王笏』は肩を竦めながらため息を漏らす。
「フム、何か勘違いしているようだが……この邪神を殺し合わせているのは『トドメ』のためだ」
「……何を、いえ、待ちなさい」
「……ああ、正気?」
 最初に反応したのは神殺したる魅夜、その次にはグールドライバーであるティノが『三の王笏』がとった戦術に気が付く。
 そして、オリフィスが言葉にする。
「あー!邪神を体に直接宿しているー!」
 それは、歴戦のグールドライバーですら死を覚悟しなければ行えない御業。
 邪神を自らの身に宿すことで注ぎ込まれたその呪詛や妄念によって肉体も精神もどのような者であってもそう言う能力を本来持たなければ存在そのものが持たないであろう。
「我の能力は『UDCアース』そのものだ。この『三の王笏』に限って言えば寧ろ本領発揮と言えるだろう」
 やがて迫り来るは爆発的に上昇した『三の王笏』の身体能力による徒手空拳。
 ただ膂力と速度が増しただけではなく、今の『三の王笏』に微かに触れただけで莫大な呪詛に蝕まれることになるだろう。
「……なるほど、このグリードオーシャンを統べるオブリビオンというだけはありますね」
 そう苦笑するのは魅夜。
「けどどうするかなッ……と、実は私自身はそこまで焦ってはいないんだよねぇ」
「それは……何?」
 そう何とか突破口は見えた、と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべる志乃の姿。
 その突破口は何なのか問いかけるのはティノ。
「神だかなんだか知らないけどねっ、拳を叩き込めば何とかなるっ!」
 そしてこんな危機的状況でも笑顔を忘れないのはオリフィス。
 今、『三の王笏』を巡る最後の戦いが幕開ける。

「討ったぞ、猟兵!」
 そして『三の王笏』は勝負を決めに行く。
 邪神を身に宿したことで爆発的に上昇した身体能力と付与された強烈な呪詛。
 それをまずは、オリフィスに叩き込む――
「ひゃあっ!! そんなのお断りだから!」
 そんな攻撃を喰らうのは真っ平ごめんだと回避行動を取る。
「『今なお来たる瞬間(イマナオキタルシュンカン)』!!」
 それは極限まで鍛え上げたアイソレーションによって回避し、即座の反撃を実現させるユーベルコード。
 当然、オリフィスの反撃は拳という事になるのだが――
「(この状況では反撃は出来まい。無論それを我は狙っていたのだが――何!?)」
 しかし、眼前へオリフィスの拳が迫り来るではないか。
「(生き急いだか……まぁ、猟兵が一人始末、そうでなくとも戦闘不能に
 ――『三の王笏』の顔面に、強烈なオリフィスの拳がめり込んでいく。
 その勢いは呪詛に蝕まれているとは思えず、『三の王笏』の頭部の外と中を刹那に破壊していく。
「ガハァッ!何……?」
 その攻撃に対して『三の王笏』は顔面にめり込んだ拳、その勢いに逆らうことなく受け流すことでダメージを減らすと同時にその勢いを利用して離脱。
 やがて遠方に着地して属座に呪詛に蝕まれることなく自身にダメージを与えたオリフィスの拳を見る。
 その拳に付与されているのはティノの眷属である影。
「纏影、よくやったよ」
「なるほど、その影を纏わせてあの女の拳に呪詛の耐性を付けさせたという事か」
「まぁそれもやったのだけど……」
「……?」
「もう決着はついたようなモノだよ」
 瞬間、『三の王笏』の頭部から発せられる強烈な激痛。
 それは呪詛や暗黒といった負の存在によるものではない。
 それは祝福や聖光といった正の存在によるものである。
『“邪”神相手には、多分劇物だと思うけどどうかな?』
「――迂闊!あのオラトリオの女はどこだ!」
 それは自身へと向けた叱責。
 志乃は自身の真の姿である光球の思念体へと変貌し、ティノの纏影と共にオリフィスの拳に付与されていたのだ。
 現在、『三の王笏』には邪神が憑依されている。当然そんな状態の時に真の姿の状態志乃が内部に潜り込んでいれば――
「―――、――、―――」
 現在の通り、内部から聖なる光で邪神諸共浄滅されることとなる。
「呪いとは即ち悪意、身の程も知らず王笏を名乗るものよ。しょせん分身体にすぎぬその程度の浅薄な力で呪詛の理を極めたと思わないことです」
 そこへ近づくは魅夜。
「『墜ちゆけ、沈め、奈落の底より深き場所、虚無の果てへと溺れゆけ』」
 広がるは全てを無に帰す影。
「あなたも木偶の坊の邪神たちも既にこの影が捉えています。さあ絶対の虚無の中へ沈みなさい」
 影の中へ引きずり込んでいくは鎖。

 やがて地面に広がった影に『三の王笏』の姿が飲み込まれると同時に、蠱毒を行っていた全ての邪神も影の中へと飲み込まれていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月03日


挿絵イラスト