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羅針盤戦争〜E=BI・Flghtning

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

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#羅針盤戦争


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●雷の大群
 ひとつ白い翼で羽ばたけば、海面が大きく波打った。
 波は他の波と重なって、渦潮にも負けない濤と化す。
 波打つ海を静かに飛ぶは、天使の海老。ひとつひとつ、打ち棄てられた廃船に降り立つ。

 ばりばり、と雷が轟けば、その船は静かに進みだした。
 雷光纏う大角を携え、帯電した白翼を広げ。
 群れは渦潮を目指していた。


「おカチコミの時間ですわ、皆様」

 隻眼のゴーストに鏡を模したグリモアを持たせ、イメルダ・スキュアリエル(好きな言葉は濡れ手で粟・f26513)はそう話を切り出した。
「少し前の予兆を見た方はご存知のとおり、グリードオーシャンで事件ですの」
 猟兵達がこれまで探索してきた海域に、グリードオーシャンを支配するオブリビオン、『七大海嘯』の座す場所への手がかりがある……という予知。探られるのを不服とした七大海嘯は、サムライエンパイアからグリードオーシャンへつながる渦を破壊しようと攻勢を始めた……というのが、事のあらましである。

「で、戦場もいろいろハッキリしてきましたので、その一部にご案内しますわ」
 そう説明を切ったイメルダの目配せで、ゴーストがグリモアの映像を猟兵達に見えるように映し出す。サムライエンパイアとグリードオーシャンを繋ぐ、渦潮の周辺である。
 ぎりぎりと金属のきしむ音をさせ、ばらばらと苔を落としながら。見るからに廃船だと思えるような船の艦隊が、まっすぐに渦潮へ向かっている。
 その船の上、時折稲光に似て輝き飛び回るのは……海鳥では、なく。

「エビフライですわ」

 ……?

「……失礼。翼が生えて電撃を放つエビですわ。船以外での飛行や転移が妨げられるこの海で、クッソドヤ顔しながら飛ぶエビですわ」

 ああ、エビが飛ぶからエビフライ……?
 それはともかく。

「迎え撃つのも海の上、船の上……ということになりますわね。飛ぶ相手との迎撃戦となりますが、エビ達も長々と慣れない船を駆ってきたせいか、遠くからチクチク来るようなチキン戦法は無さそうですわ。エビなのに、チキン……」

 脱線しかかった話を慌てて押さえ、ふるふると首を振ったイメルダは、改めて、とエビ……名称、『ライトニングタイガー』の説明へと移る。
 ライトニングタイガー。
 天使の海老とも呼ばれる、有翼の大海老。
 飛翔能力に長け、雷光を纏う。
 痛覚情報は群れに共有され、傷付けた相手へ怒り狂って襲いかかる。
 雷光纏う大角による攻撃や、帯電させた羽根などで攻撃を行ってくるだろう。

「数は多いですが、傷つけた相手への攻撃が偏ることを覗けば、なにせエビ。故に、頭はそれほどでもないですわね。脆い船を止まり木のように扱っているようですし、ブッ壊してみれば隙も出てくるかもですわ」

「それでは、これから転移に移りますわ。皆様どうか、お気をつけて」
 鏡のグリモアが門に変われば、向こうからは潮風と遠雷が流れ込んでくる。


佃煮
 タイトルはエビフライトニングって読みます。言葉遊びたのしい。
 どうも、磯の香りの佃煮です。
 羅針盤戦争のシナリオにご案内します。

●本シナリオについて
 このシナリオは「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結する、特殊なシナリオとなります。
 船に乗るけれど飛んだりもするエビとの集団戦となります。

 プレイングボーナスがあります。ご参考ください。

●プレイングボーナス
 海上戦、船上戦を工夫する。
 注意点として、海上では飛行や転移が阻害されています。
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第1章 集団戦 『ライトニングタイガー』

POW   :    雷の槍
【雷光を纏った大角】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    天使の抱擁
【帯電した羽根の竜巻】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    雷の絆
全身を【痛覚情報を共有する電磁波】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。

イラスト:イプシロン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ビードット・ワイワイ
我が身はウォーマシンなりて海老を食すことはない
無いがそれはそれとして固いものを砕くととても気持ちがよい
なればこれだけの量。さぞ砕きがいがあろというものよ

刮目せよ!この身この魂この思考、これより全て変じ海の王となる
最古にして最新!強大にして強靭!太古より蘇りて今こそ過去を
蹴散らせ泳げ!この威風堂々たる姿!これがメカモササウルスである!

というわけでテンション爆上げタイム終了。これより行うは踊り食いである。深く潜りて雷撃逃れこちらも雷撃放ちながら急速浮上蹴散らしながら眼前にある海老をかみ砕きすり潰す

理性続く限りモササウルスは荒れ狂う
この場において海の王が誰かとくと知れ




 フライングタイガー達がいかなる理屈か駆って来た廃船の、辛うじて穴が開いていないぐらいの船底。それを視界に捉えつつ、もっと下。海のもっと深いところで白い機械の海竜は、静かに尾鰭をはためかせた。

 機械の海竜、ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)はウォーマシンである。
海老の味は分からないし、そもそも機械故に海老自体を食すことはない。
 だが。堅牢な殻に牙を突き立て、思い切り噛み砕くことの気持ち良さは知っていた。
(硬い殻持つ敵共がこれだけの量。さぞ、砕きがいがあろというものよ。)
 廃船を丸ごと止まり木にする程の大群を、一気に噛み砕く。捕食者として、海の王として盛大に蹂躙する。……きっとその爽快感は、かなりのもの。
 活気づいた鰭を動かし、ふつふつと滾るテンションを表すようにぐいと速度を上げながら、ビードットは廃船めがけて浮上する。
(古代に滅びし海龍よ。海は其方を忘れたぞ。絶対なりし海の王。機械の体に魂宿せ)

 その言葉を皮切りに。身体、魂、思考が全て変じていく。そこに顕現するは機械の身体を持つ海王。最古にして最新、強大にして強靭。
 過去を蹴散らし噛み砕き、縦横無尽に泳ぐ様は、まさに王たる風格の──

(我らこそが、モササウルスだ)

 角から放つ雷撃砲が、交戦の合図となった。下からの襲撃に狼狽したフライングタイガー達の無暗な雷が降り注ぐが、それよりも速くメカモササウルスと化したビードットが潜って躱す。そのままの速度で踵、否。尾鰭を返して急速浮上。
(この場において、海の王が誰かとくと知れ!)
 がぱ、と口を開け、豪快にフライングタイガー達をかみ砕いた。
 これより行うは、新鮮な海老の踊り食い。彼の理性が持つ限り、メカモササウルスは海の王たる力を遺憾なく振るう。海老の群中に船の破片が混ざろうが、羽根を飛ばされようが関係ない。時に躱し、時に跳ねのけながら盛大に海老の殻をその牙で噛み砕く。
 ひとつの船に乗っていた群れが全て砕かれるまで、彼は蹂躙を続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

パトリシア・パープル
こっちが飛べないのに、エビは飛べるわけ?
オーケー、全部まとめてフライにしてあげるわ!

まずは『マジ☆カミ!フルーツ』を齧って【リミッター解除】
量子魔術のチート性能を極限まで高めてUC発動
『バリアパラソル』を避雷針代わりに掲げ、【念動力】も併せて相手の雷を自分に引き寄せることで船を守る
「悪いけど、そっちの電撃を利用させてもらうわ

UCの効果で電撃のエネルギーを吸収し戦闘力上昇
コズミックエナジーを【衝撃波】として発射し敵を叩き落とす!
「皆で協力して手数を増やすつもり? 悪いけど、攻撃されればされるほど、今の私は強くなるのよ!!

相手のUC効果を逆手に取って、最後は超絶強化した【衝撃波】で吹っ飛ばすわ!




「オーケー、全部まとめてフライにしてあげるわ!」
 ばしゃり、轟音を立てて一つの廃船が沈んでゆくのが見えた。
 それに安堵しつつも、味方船上のパトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は別の船来る方角へと強気に向き直る。

 いつ起こるとも知れない異常気象に、異常な気流が邪魔をして飛べないというのに。フライングタイガー達は、その空を我が物顔で飛び回る。
 ……まあ、今回は遠路を船で来たが故か、海老達のアドバンテージがそれ程無いのが救いだろう。

 パトリシアはひとつ果実を取り出して、魔力の満ちるそれを齧る。
 ふぅ、と息継ぎがてら呼吸を整えて、コズミックエナジーで体を覆った。
 静かに形を成したエナジーの像は、ふさりと尻尾を立て、黒い瞳で敵を見据える巨大なスカンクの姿。その異様な姿が、敵にもしかと見えたのだろう。先手を取らんと言わんばかりの荒々しい稲光が、ひとつの船に篝火じみて灯る。
 ばりばりと雷撃がパトリシアの乗る船にたどり着く、その直前。
「船を落とそうとしているところ悪いけど、そっちの電撃を利用させてもらうわよ」

 ばっ、と音を立てて、大輪の花に似た傘が広がった。
 船体を壊す雷はその傘に誘導され、布裂くような雷鳴と共に集まるが。傘……バリアパラソルが、焦げることも、折れることもなく。電撃が、スカンクの像に溶け込むように吸収されていく。
「私に手を出したこと、後悔させてあげる。……お返しよ!」
 パトリシアが作り出したのは、攻撃を吸収し、総量に応じた反撃を加えるHS(ハイパー・スカンク)フォース。その大きな像は、存分に威力を発揮した。
 ごう、と衝撃波を浴びせれば、フライングタイガー達は吹き飛ばされ、落ちていく。だが、残った個体は水に落ちる個体の痛覚を受け取ってか、怒り狂うようにわなないた。そのような個体たちが集まって雷雲のようになり、苛烈な雷が降り注ぐ、が。
「悪いけど、攻撃されればされるほど、今の私は強くなるのよ!!」
 それだけ、HSフォースも強力になるというもの。
 みしりと揺れるバリアパラソルの柄をしっかりと押さえ、パトリシアは滾るコズミックエナジーを操っていく。

 怒りさえも逆手にとった特大の衝撃波が、ぼろの帆船ごとフライングタイガー達を海の藻屑に変えていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴木・志乃
このエビ食べれんの?(笑顔)
(※戦争疲れてストレスが溜まっています。アド連歓迎)

水陸空兼用のスーパーカーで爆走します。
高速の多重詠唱でオーラ防御を展開。電撃や竜巻を防ぐ。
第六感で攻撃を見切り回避。
……UC発動。鎖を念動力で引っ張って翼をもぐor体を縛り割る。
むりっぽそーなら高速詠唱で即発火で火炙りの刑。

お腹空いてるんだよ。
戦争ばっかで疲れてるんだよ。
食わせろよその体。
なぁ。

あ、魔法で電磁波を壊してもいいなぁ。
介入出来ないかは試してみます。必要なら車で轢き殺す。




 轟音と共に、強く潮風が吹きつけた。

 フライングタイガーの群れ乗る船がまた一つ沈んだのだろう。横殴りの強風に傷だらけの車体が僅かに揺れる。僅かに開けていた窓からは、潮の香りが入って来た。
 その水陸空兼用車の運転席に座る鈴木・志乃(ブラック・f12101)は、しかとハンドルを握ってひとつの廃船へ近づこうとしていた。

 フロントガラスにちらほらと映るフライングタイガーは、なるほど確かに飛ぶエビの姿をしている。エビがフライ(飛行)しているのでエビフライ。それも、わかる。
 エビフライ、と単語を聞いたあとであの姿を見ると、鳥とエビのいいとこどりみたいで、みっちりと身の詰まった姿も美味しそうで……

「あのエビ、食べれんのかな」
 疲労の僅かに滲む笑顔を浮かべ、志乃はぽつりと呟く。ぐぅ、と腹の虫が返事をした。
 言葉通りフライ(揚げ)にしても、焼いてハーブソルトの味付けも。マヨネーズも……。
 ぽやぽやとそう考えつつも、ハンドル捌きは冷静に。
 志乃は接敵に気がついたフライングタイガー達が降らせる電撃や竜巻を躱し、時にはオーラの障壁で凌いでいく。
 大きく波打つ海をものともせずに車を走らせながら、志乃は静かにユーベルコードを発動する。稲光とはまた違う、光の鎖がしゅるりと伸びた。

 ふぅ、と長い溜息は、空腹をごまかすのもあったし、戦争の慌ただしさに疲れたが故なのもあった。
「私ね。お腹空いてるんだよ。戦争ばっかで疲れてるんだよ。……食わせろよその体。」
 溜息の勢いで紡がれるのは、フライングタイガー達に聴こえるはずもない、行く宛もない独り言。光の鎖は高速で海老の翼を絡め取り、時には体ごと薙ぎ払って一気に両断していく。そうして、数体ぐるぐると巻いたのを確認するや否や、志乃は思い切りアクセルを踏んだ。
 鎖を引っ張り、思い切り翼を捥ぐ。ばらばらと落ちて来るフライング(できない)タイガー達を再び別の鎖が絡め取ると、鎖自体が発火してこんがりと焼き上げた。
 わなわなと怒り狂う他の個体には、迅速な魔法でジャミングを。ぽかん、と動きが止まったところを車体で思い切り撥ねていく。

(大丈夫そうなのがあったら、ちょっと食べてみようかな)
 ひっそり絡め取っておいた、さっきのこんがり海老なんていいんじゃないだろうか。美味しそうだし、海老と鳥のいいとこどり……に、なるだろうか。お塩、あったかなあ。そう考えつつ。志乃は光の鎖を操って、ひとつの船にいたフライングタイガー達を鮮やかに倒していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
エビだー!
いっぱい獲っていっぱい食べていっぱい料理しちゃおう♪

UC【素晴らしく肉肉しい饗宴】で変身・巨大化!
巨大化しまくれば、海上でも問題なさそう!多分!
その後、エビを質量で圧し潰して「捕食」……もとい、捕獲していく。

捕獲しまくったら「料理」して「宴会」を開こうね!
エビパーティだよ☆




 潮風に混ざって、海老のこんがりと焼けるいい匂いが漂ってきた。

 それをいっぱいに吸い込めば、えもいわれぬ幸福感が満ちて行く。
 おいしそうな匂いって、どうしてこんなに嬉しいのだろう。ぷよりとゲル状の身体を揺らして、ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(いつもはらぺこ系ラスボス(可食・高栄養・美味)・f31483)はにんまりと笑顔になった。肉も勿論美味しいが、新鮮な魚介(エビ)もきっとおいしい。だから。
「いっぱい獲って、いっぱい食べて、いっぱい料理しちゃおう♪」
 頭の中では既に料理方法がいくつか挙がっている、のだろう。香辛料にマヨネーズ、火を通す手段も船にある。歌うようにそう呟いて、ラヴィラヴァは船からゲル状の身体をずるりと降ろす。
「えーと、飛んだり転移はダメなんだっけ? それなら!」
 ずずい、と変身……否、増殖が始まった。

 ピンクの鯨にも似た半身が、膨れ上がるようにその体積を増す。そのまま変身を繰り返していけば、ゲルの身体はどんどん大きくなっていく。可食、高栄養を自負する身体なれど、今大事なのはとにかくその質量。落ちて行く中、身体は大きくなっていき……
 そんな、幾度目かの変身の辺り。鰭で盛大に水飛沫を跳ね上げながら、ラヴィラヴァは無事海へと着地した。
 大きくなった手を伸ばせば、丁度そこにいた船のフライングタイガー達に届く距離。思い切り腕を振り抜いても、ラヴィラヴァ自身がゲル状なのを利用すればエビを絡め取ることなど容易い。ぐ、と気合を入れ直し、早速彼女は食材……フライングタイガーの飛ぶ群れへ一気に手を伸ばす。

「まずはお肉の少なそうな角と殻を外しちゃおうか!」
 ばりばりと雷光纏う角が触れ、手がびりっと泡立つが。料理中のアクシデントに気をとられていては鮮度が落ちてしまう。ラヴィラヴァはもう一つ大きく変身して、その負傷を回復しつつ。勢いのままにフライングタイガー達を思い切り、質量で押し潰した。
 ぱきぱきと手早く殻や背ワタを取って、
「お、追加ありがとー♪」
 仲間が美味しくいただかれかけている(?)のに怒り狂う別個体を、更に押し潰す。船にボウルを置いていてよかった。ラヴィラヴァはそう思いつつ、海老達に下処理をしてぽいぽいっと投げ込んでいく。
 これだけ大量の海老ならば、色々な料理、色々な味が試せるだろう。
「よーしっ、エビパーティだよ☆」
 お腹いっぱいおいしいものが食べられる。
 にっこにこの笑顔で、ラヴィラヴァは調理道具を置いた船へ戻っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シノギ・リンダリンダリンダ
まさに字のごとくエビフライ……揚げたら美味しいでしょうか?

とりあえずロープワークで近づいた相手の船に乗り移りましょう
乗り移ったらエビしかいないのでしたら話は早い
船の操縦は私がしますね
他の猟兵の戦いに巻き込んだり、敵の船同士をぶつけたりして遊びます
こちとら大海賊です。自分の船以外の操縦自術も航海術もお手の物です

ある程度引っ掻き回したら、右腕をMidās Lichに換装し【宝冠の竜血弾】を起動
エビフライを黄金のエビフライに変えてあげましょう
混乱しているであろうエビ程度わけなくスナイピングできます
黄金化したら……まぁお宝みたいなものです。持ってかえりましょうか


ジウ・ココドコ
エビじゃん。ちょうエビじゃん。
えっすごい、何この良い感じにフライしてるエビ……!
そこはかとなく神々しさを感じつつ美味しそう……って感動してる場合じゃなかった!

オーケー、エビの群れを倒せば良いんだね。
痛覚共有すするんなら、まとめて倒しにいった方が良さそうかな。

沈まない程度に船をバトルアンカーで攻撃してエビをおびき出すよ。
出てきたら『深海の仲間』の力を込めて『範囲攻撃』
ソーダ水のサメが食いている間にもう一回攻撃しよう(2回攻撃)

もし水の中におちても、むしろ水中の方が得意だからね(水中戦、深海適応)
水中で狙われた時は『空飛ぶ金貨』を敵にぶつけている間に、バトルアンカーを甲板に投げてひっかけて上がるよ




 ばさばさと羽音を立て、稲光を放つエビ。その姿はどこか神々しいようで、文字通りのダジャレのようで。そんなライトニングタイガーの群れ乗る船が、視界に二隻。
 こちらを集中して狙いに来ているのか、それともただ単に航路が被ったのかは知る由もないが。
 危機的状況か入れ食い状態かといわれれば、間違いなく後者であった。

 ずいずいと此方の船に迫りくる廃船二隻と、そこにいるであろう敵達を静かに見据え、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)はぽつりと言葉を零す。
「なるほど、まさに字のごとくエビフライ。……揚げたら美味しいでしょうか?」
「わぁ、エビじゃん。ちょうエビじゃん。そこはかとなく神々しさを感じつつ美味しそう……って感動してる場合じゃないよね?」
 でもやっぱりなんかすごい。そう興味津々に空舞うライトニングタイガーを眺めているジウ・ココドコ(ココドコ堂店主・f26704)は、ぴこぴことソーダ水の羽耳を揺らしながらシノギの呟きに快活な声で答えを返した。

「飛んでいるのに更に揚げたら、もしかしてエビフライフライになるのかな?」
「飛んでいた、と考えるとフライドエビフライ……?」
 フライという言葉が早くも大渋滞を起こしそうである。

 気を取り直して二人は向こうの二隻が近づく前に各々の得物を構えると、静かに戦闘開始を待つ。
「向こうが痛覚共有するんなら、まとめて倒しにいった方が良さそうかな」
「ええ。ですが二隻を真正面から相手取るより、私はあの船自体を利用させてもらおうかと」
 シノギがしゅるりと手元に取り出したのは、フック付きのロープ。廃船のどこかに引っかかりそうな丈夫な鉤が、陽の光できらりと輝く。
直後。波音がひと際大きく響き、その中に混ざる羽音が、二人の耳に届いてきた。
「お、だいぶ近くなったみたいだよ!」
「では、行ってきます」
 シノギのロープが邪魔されないよう、ジウは巨大な錨……バトルアンカーを使って廃船を大きく揺らす。沈まないように、だが確実にエビをおびき出せるように力を加減したその一撃はてきめんで、雷鳴と羽音が一段と大きくなる。それでも臆すことなく、ジウはソーダ水の鮫を呼びだして迎撃を始めた。
「出来るだけ巻き込めるようにお願いね、サメ君!」
 透き通った水の身体でもぎらりと光る眼の鮫が、主の言葉に静かにうなずいた。

 その頃。ライトニングタイガーはジウの方向へ飛んでいき、手薄になった船一隻へシノギは乗り移ることができた。エビしかおらず、船の操縦席が空白ならば話は早い。彼女は廃船の金属軋む床を駆け抜けて、一直線に操縦席へ。
「こちとら大海賊です。自分の船以外の操縦自術も航海術もお手の物です」
 針路変更。目標は──もう一隻の廃船の横っ腹。

 ソーダ水の鮫が大口開けてエビをかみ砕き、逃れた個体はジウの振るうバトルアンカーが一気に叩き割る。それを暫く続ければ、自然と注意はジウの方へ向きっぱなし。止まり木のことを気にする鳥(エビ?)だって、おそらくはいないだろう。
 そこに、轟音立ててシノギの操る廃船が突っ込めば、ライトニングタイガーの群れは混乱したように一気に統率を失い始めた。
「さて、ひとしきり引っ掻き回しましたか。黄金のエビフライに変えてあげましょう」
 シノギは右腕を換装し、黄金化呪詛の銃弾で慌てるライトニングタイガー達へ狙いを定めると。静かに、精密に銃弾を放つ。
 金色の輝きになったエビが、ぽとりぽとりと甲板に落ちて行く。金と化す時になにかが混ざったのか、エビフライのよく揚がった衣をまとうような形のも所々に落ちていて。きらきらと輝くそれは、なんだかとても。
「おぉ……なんだかお宝っぽいね!」
「……まぁ、お宝みたいなものです」
 二人は各々でそれらを拾い、どこか楽し気に帰路へつく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

高砂・オリフィス
エビが飛んでてライトニングなタイガーだって!? ウッヒョーとんちきなやつ! おもしろいっ捕まえてペットに……だめ? 生捕に……あっだめ? そっかー

羽生えて飛んでる……おっ閃いたぞーっ!? 変身! 見よっこの推進力! 水面を駆けて跳ねる縦横無尽の体捌き! 飛べなくても、これなら追いつけるもんねっ

問題は……飛び出したら急には止まれそうにないことかな? やべーっ! うわーっ!? 拳に熱気を込めてからの切り揉み回転ナックル!

誰かとめてーっ!? ひえーっ!?


兎乃・零時
アドリブ絡み歓迎

…エビフライ…?
…あ、飛んでる、フライはフライでも飛ぶフライかなぁんだ

…エビが飛ぶの????

ええいともかくやってやる!
UC!
指定属性は光!

    グリッター
物体変質〖輝光〗!
装甲を半分に
移動力を五倍に!
例えどれ程強かろうが当たらなければどうという事はない!(ダッシュ×逃げ足×地形の利用
仮に当たったってもその角ごと魔力に変換して力に変えてやる!(生命力吸収

限界いっぱいまで「魔力溜め」たなら、そのまま口からの詠唱と、杖から魔術文字による疑似詠唱による「多重詠唱」

そうして光線の魔術たる輝光閃を構築
それをもってエビをひたすら薙ぎ払い続ける!
光(属性攻撃×全力魔法×なぎ払い×範囲攻撃)




「エビフライ……?」
 転移前の説明の時に聞いた単語を反芻しながら、藍玉色の目がぱちりと瞬きをした。
 兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)は甲板に出ると、柵を掴んで向こうの廃船を見ようと、少しだけ身を乗り出す。
 飛んでいる。本当にマジでエビが飛んでいる。それほど気にせずに見たら海鳥のようにも見えそうだが、鳥の身体ではなくエビである。
「あー、なるほど。フライはフライでも飛ぶフライか」

……エビが??? 飛ぶの???

 頭の中は疑問符だらけ。なんでさっき納得しかけたんだろう、とも考えだす。
 そんなとき、船に同乗していた仲間もついて来たらしく。零時の立つ後ろ側から、賑やかな歓声が聞こえてきた。
「ええっ、すっごいおもしろい!エビが飛んでてライトニングなタイガーだって!?」
 ウッヒョー! とんちきなやつ! 
 そうハイテンションで甲板に上がった少女は、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)。視界の前方をばさばさと飛ぶ鳥ならぬ飛ぶエビは、十二分に彼女の興味を惹きつけたようで……
「生け捕りとか、捕まえてペットに……だめ?」
「ぺ、ペット!?」
「おもしろそーじゃん!」
 一応オブリビオンなんでだめです。

 ぐらりと船が揺れ、雷鳴が近い所で聴こえてきた。それは紛れもなく接敵の合図。ライトニングタイガーの群れが角に雷撃を纏わせ始めると同時、零時もまたユーベルコードの魔術を発動する。
「──我が手によって変革を為せ!」
      グリッター
 物体変質、〖輝光〗。
 零時は光属性の魔力に姿を変え、こちらに突き刺さるように急降下してきたライトニングタイガーを躱す。予備動作もなく、移動時間もない。光がそこかしこで瞬くかのように、振り抜かれた大角さえも躱してみせた。例えどれ程強かろうが、移動力を上げて当たらなければどうという事はない。だからこそ、躊躇なく防御面を捨てることができた。
「いーいこと思いついちゃった! 全力全開、フルスピードっ!」
 一方オリフィスは、翼の推進力を見てなにかをひらめいたらしく。真の姿に変わると、腰の小さな機械羽にも似たユニットを目いっぱい広げて……船から爆速で”跳び”出した。たとえ翼が無くとも、推進力でなら空飛ぶエビにだって追いつける!
 水面を水切り石のように駆けて跳ね、最後にひと際大きく跳躍したオリフィスは廃船の方へ軽やかに跳び移る。
 オリフィスが拳と脚に熱気を込めて、船に残っていたライトニングタイガー達を巻き込みながら着地したと同時、零時も魔力が溜まり終わったらしい。
 朗々と響く詠唱にニコリと笑い、オリフィスはライトニングタイガー達を引き付けて……一気に、跳び退く!

「薙ぎ、払え!!」

 轟音と共に、エビが一気に光線に飲まれていく。
 オリフィスは辛うじて逃れた個体を仕留めようと、着地するや否や一気に跳躍しようとする、が。
「うわっととっと!? やべーっ! 」
 推進力が大きすぎたのか、数匹を仕留めたはいいものの止まらない。ごうごうと耳を裂くような風の音と共に向かうは空中で、他の個体たちがこれ幸いと集まっていて。
 そんなとき、再び光線がオリフィスに迫りくるエビを薙ぎ払った。

「さっすがぁ!」
「へへん、どうよオレ様の魔術!」
 思わずガッツポーズをしたオリフィスに、零時はニッと笑い返す。
 攪乱と光線魔術で、飛ぶエビ達はみるみるうちに数を減らしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

二條・心春
天使の海老……?翼が生えて雷を扱うとか、もう海老とは言えないような……。美味しそう……じゃなくて不思議な生き物ですので、気をつけないといけませんね。

私は船の上で敵を待ち構えます。近づいてきた敵を拳銃で攻撃して、こちらに狙いを向けましょう。
傷つけた相手を狙うのは危険ですが、逆にチャンスでもあると思います。一網打尽にしちゃいましょう。エビフライ漁です、なんてね。
敵が集まって突撃してきたら【召喚:炎魔】を発動して、召喚したウコバクさんに一気に焼いてもらいましょう。あっ、船は焼かないように気をつけてくださいね。離れた位置にいる敵には、ウコバクさんの力を借りて拳銃から炎の銃弾を撃って「属性攻撃」です。




「天使の海老……?」
 白い翼を生やして空を飛び、時に雷を操る……海老。最後半だけ考えなければ、確かに天使の類だとも思えるかもしれないが。
 船の甲板に上がってきた二條・心春(UDC召喚士・f11004)の視界に映ったのは、そのまんま翼の生えて優雅に飛ぶ海老である。天使、と考えると思わず首を傾げてしまうのもあるが、少なくとも、海老要素は姿だけな気もするし。
「もう海老とは言えないような……」
不思議ですね、との呟きは海風に流れていった。

「美味しそう……じゃなくて。不思議な生き物ですので、気をつけないといけませんね」
 廃船に近づけば、当然こちらからの攻撃はよく届く。それは向こうも同じことなのであるが、だからといって退く選択肢も心春には無かった。戦う力を手にした普通の女の子なりに、心の区切りはしっかりとついている。大きく翼を羽搏かせたライトニングタイガーに速やかに銃口を向け、引き金を引けば銃弾は狙い違わず命中した。
(……来ましたね!)
 ぐらぐらとバランスを崩した個体の痛覚が、集団に伝わったのだろう。木にとまる鳥のように静かになっていた集団が、大挙して飛び立つのが見えた。
 一体を傷つければ集団で襲ってくる。それは確かに危険ではあるが……誘い出すという目的においては、むしろ大成功であった。
「エビフライ漁です、なんちゃって。一網打尽にしちゃいましょう」
 タブレットの画面に指を滑らせれば、UDC霊が具現化される。ごう、と熱気を伴って現れたのは人型の炎塊。絶えず揺らめく火に混ざって匂うのは、油だろう。その霊……ウコバクの目は静かに、ライトニングタイガーの集団へと移っていた。
「ウコバクさん、燃やしちゃってください!」
 こくり、と炎の頭が頷いて。ウコバクは敵の群れへ手をかざす。ライトニングタイガーが大角で雷を呼ぶ前に、熱風と油纏う炎の竜巻が、一気に敵を飲み込んだ。
 ウコバクの操る炎から、辛うじて逃れた個体もいるらしく。ばさり、と焦げかけた翼を駆って飛び上がる影が見えた。わなわなと痛覚情報で震えながらも雷を纏わせた角は、届く事はなく。
 ウコバクの火の粉にも似た炎の銃弾が、その個体を貫いた。

「……あ、ウコバクさん、船に燃え移らないようにお願いしますね!」
 硝煙が細くたなびく銃口をひとまず下げながら、心春はウコバクへ声をかける。
 燃える手が、静かに承諾の旨のハンドサインを作るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゲニウス・サガレン
まさか私のオトモと似たようなのがいるとは!
亜種かな? 捕まえて学会で報告したいところだけど、まずは戦わないとね

アイテム「フライング・シュリンプ」
私の有翅エビは、残念ながらあのエレキテルな連中のように雷撃はできない
だが、社会性を有する分、集団行動なら利があるはず!
行け!数匹でチームを組み、必ず複数でライトニングタイガー一匹に相対する。飛行を妨害し、止まり木を壊し、攪乱するんだ!

その隙に
アイテム「C式ガジェット」
UC「ガジェットショータイム」

C式は半自律的に行動する
タコ型のガジェットの腕を伸ばし、投網へと変身
ライトニングタイガーを追い、一気に絡めとってしまえ!
一度くっついたら、簡単には離さないぞ




 あちらが持つのは海鳥の『翼』で、こちらが透明な『翅』。
 あちらが『天使』の海老と呼ばれるならば、こちらはさしずめ『妖精』……だろうか?

「まさか、私のオトモと似たようなのがいるとは!」
 ぶぅん、と羽音を立てて周囲を飛ぶフライング・シュリンプの群れと、船の先に見える海鳥じみたライトニングタイガーの群れを交互に見て、ゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)は感嘆の声を上げた。
 あの有翼のエビは有翅のエビの亜種だろうか? 近縁のなにかだろうか? 学者として興味は尽きないし、学会に持って行ってみたくもある。だが。
「色々気になることはあるけれど、まずは戦わないとね」

 ゲニウスは気を取り直して、周囲を飛び回り、指示を待っていたフライング・シュリンプ達を呼び寄せる。彼らはライトニングタイガーのように雷撃を操ることはないものの、社会性に関しては有利なはず。そのチームワークを最大限に利用すれば、向こうの攪乱だって可能だろう。そう考えて。
「みんな、必ず複数でライトニングタイガー1匹に相対できるように気をつけつつ、向こうの攪乱を頼むよ。廃船を止まり木に使っているようだから、それも壊しちゃって」
 答えのような、ひと際大きな羽音。気力充分といった様子のフライング・シュリンプ達にゲニウスも頷いて、彼らが飛べる距離に近づくと同時、合図で群れを飛び立たせる。
 統率のとれた群れは、まるでそれ自体が生き物であるかのように果敢に敵へと向かっていく。雷撃を躱し、視界と翼の稼働範囲を狭めるように動く群れ。廃船の辛うじて繋がっていた部分を壊し、静かに沈めて行く群れ。フライング・シュリンプ達が懸命な働きをみせる一方で、ゲニウス自身も準備を進めていた。
 するりと触腕を動かし甲板に張り付くのは、ゲニウスの所有する蛸型ガジェット。C式と名前のついたそれは、足のいくつかを吸盤はそのままに、大きな投網へと変えていく。
 向こうの廃船が大きく傾き、ライトニングタイガーがたじろぐ様子を見せた、その瞬間。
「一気に絡め取ってしまえ!」
 ぶわり、C式の投網が宙を舞い、一気にエビを絡め取った。
 逃げようとじたばたするライトニングタイガーは、吸盤により動きを封じられる。
 ……ということは、もうちょっとだけ、近くで安全に観察できるというわけで。
「ちょっと、色々見てみたいな」
 投網をC式に手繰り寄せてもらいながら、ゲニウスはそわそわと観察の機会を待つのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木常野・都月
【KOR】
凄い!これがエビフライ!初めて見た!
美味しいエビフライ焼きを作らないと!

幽兵さん、ごま油借ります!
植物から採れた油なら、植物の精霊様の親戚のはず?
油の精霊様の[属性攻撃]でエビフライを狙い撃とう。

撃たれた所を狙って、後は、UC【狐火】で焼いていこう。
飛んできたエビフライはクロムさんと幽兵さんに任せます。

エビフライ焼きは何をつけて食べるんだろ…。
たるたるそーす?これをつけるんですね?

よし、焼けましたよー!
熱いから気をつけて下さいね!
チィもおいで!焼けたぞ!

初めてのエビフライ…
凄くときめく。
そっともぐもぐ……。

っ!!
これは美味しい!
エビフライ最高です!
もっとエビフライ食べなきゃ!


花屋敷・幽兵
【KOR】 何だこの話の流れ、たまげたなぁ。 え、こいつら倒したら食えるの? あ、俺タルタルソースとごま油あるぞ二人とも。 何ならお兄さんがあーんしてやろうか。 戦闘は…俺たちの肝は都月かな?都月が狙われない様にこの槍をふるい剣客クロムと共に 肉壁とならんとす。行くぞエルフェルト、UCの鍛錬は十分か。 都月とチイ、任せたぞ。いくぜ!焔の様に燃え上がり!油を滾らせ! 今調理せん!(どやあ) シリアスは10文字持たないんだ、事情があってな。 ん?私から離れるな?おお、ぴったり寄り添ってやるぜ、へいへーい(ここで妨害はいる感じで) さて何だかんだで倒したら…食うか。レタスと一緒に頂こう。


クロム・エルフェルト
【KOR】
ちがう、これじゃない(真顔)
UDCアースで食べた、サクサク、ぷりぷりの美味しいの……じゃ、なかった
気を取り直そう、幸いこっちには「火」がある
憑紅摸に[焼却]の焔纏わせ、ヤル気満点、尻尾ぶんぶん
――お料理、開始……ッッ!!

た、鍛錬?
ええと。『ハッ……思い上がったな、ユーヘイ』……?

雷の槍で突撃してくるエビを確認し次第こっちもUCで迎撃する
ユーヘイ、都月くん。私から離れないで、ね。
敵であれば、UCだろうと斬り捨てる剣技で皆を護る
って、近いユーヘイ。ユーヘイ、近いって、ば……!
ぶれる剣筋を何とか制御して、ちゃっかり焔を纏わせて調理も忘れない
……好い匂い、してきたな(おなかグゥゥ……)




「もしやこいつ等、倒したら食えるの?」
 花屋敷・幽兵(f20301)は、少しだけ驚き混じりに呟いた。
 ばさりばさりと雷鳴の中に羽音を響かせる、ライトニングタイガーの群れ。
 そしてどこからともなく漂ってくる、エビの焼けるこうばしい匂い。どうやら食べてみたらしい仲間がいる以上、あのエビ達は食える感じなのだろう。

 そんな幽兵の呟きが耳に入ったのか、木常野・都月(f21384)は目を輝かせてライトニングタイガー達の廃船を眺めている。潮風に毛をなびかせる尻尾が、はたはたと元気よく振られた。
「……すごい、」
 はわ、と感嘆の溜息と共に、空を見上げる都月の視線は空飛ぶエビにくぎ付けである。精霊のチィも倣うように空を見上げて、チィチィと高い声で鳴いている。
 な、すごいよな。とそわそわしながら都月はチィを抱え、すぅ、と潮風吸い込んで無邪気な声を上げる。
「これがエビフライ! 初めて見た!」

「……ち、ちがう。これじゃない」
 思わず、といった様子で都月の様子にツッコミをいれたのは、クロム・エルフェルト(縮地灼閃の剣狐・f09031)。彼女の知っているエビフライはもっと衣サクサク中身ぷりぷりで、しっかりとした身の食感にソースの味も相まって非常に美味しかったもので、飛んだり(フライング)雷落としたりの(ライトニング)海老ではないことは確かである。
「エビがフライしているんじゃなくて、美味しいのはエビのフライなんだよ……!」
 エビがフライではなくエビフライはエビのフライで……言っていてちょっと自分でも分からなくなってきそう。クロムは真顔を保ちつつも静かに眉を顰め、困惑したように首を傾げた。

 そんな旅団の友達の珍しい様を見て、都月が何かを思い立ったように話を切り出す。
「なら、あのエビフライ達で作っちゃいましょう、エビフライ焼き!」
 それはフライなの? 焼きなの?と思ったが。幽兵も先程のいい香りに確証を得たかのように言葉を繋ぐ。もしかしたら食えるかも? と思った彼は、ごま油とタルタルソースを持ち込んでいた。
「そうだな、どうやら美味いみたいだしさ。出来上がったら、何ならお兄さんがあーんしてやろうか?」
 なんて、へらりと笑ってみる。
「……なるほど? まあとにかく、気を取り直さなくては」
「はいっ、そろそろエビフライの船に近くなってきましたし!」
 そんな二人を見て落ち着きを取り戻したクロムは、尻尾をぶんぶんと振りながら憑紅摸の刀を構え直し、刃にあかあかと炎を灯らせる。都月とチィも、幽兵も、また各々の配置について、接敵を待つ。
「幸いこっちには、火も油もある」
「植物から採れた油なら、植物の精霊様の親戚ですかね?」
「そんな感じかねぇ」
「なら、僕もちょっと借りますね! 揚げ焼き、できるかもです!」

カラッと揚げる準備も万端。揚げた後のソースもある。さて、残るはエビだけ!

「さぁいくぜ!焔の様に燃え上がり!油を滾らせ! 今調理せん!」
「――お料理、開始……ッッ!!」

「お願いします、ごま油の精霊様!」
 先手を取ったのは都月。彼の呼び掛けに応じ、植物の精霊伝いに現れたのはごま油の精だ。その精霊はじゅわりと油を泡立たせ、食欲をそそるような香りを漂わせながら、油を水弾のように形作ってはライトニングタイガー達に飛ばしていく。
 暴れるように動きが速くなった群れは、幾匹かはそのまま三人のいる船へ飛びかかり、幾匹かは都月へと電撃を浴びせようと角をもたげる……が。
「おおっと、そっちには行かせねぇよ?」
「……雷だろうと、切り捨ててあげる」
 片やゆるく軽口をし、片や静かに抜刀して。
 幽兵とクロム、その槍と刀が進撃を阻んだ。

「行くぞエルフェルト、UCの鍛錬は十分か」
「……た、鍛錬? ええと。『ハッ……思い上がったな、ユーヘイ』……?」
 そんな話が合間に出てくるくらい。それでも剣筋に迷いがないくらい、息ぴったりの連携だった。怒り狂い飛びかかって来るライトニングタイガーを、(頭と殻をさくっと切り開きながら)クロムが切り捨て、別方向から来る個体を幽兵が一息に槍で突き刺す。
 (ついでに背ワタもとった、)新鮮なエビを都月の方にほいと投げれば、ごま油の妖精はそれにも狙いを定め、順当に油をぶつけていく。
「都月とチイ、任せたぞー!」
「はぁい!」
 ぼう、と灯るは都月の操る狐火だ。その火はどんどん大きさを増して、油まみれになったライトニングタイガーを横薙ぎに飲みこんでいく。ジュワジュワと揚がる音がして、美味しそうな香りが船に漂ってきた。

「……好い匂い、してきたな」
 ぐぅと腹が鳴る音がして、クロムは少しだけ都月のいるであろう後ろが気になった。だが、まだまだライトニングタイガーは飛んでいる。焼きたてのエビフライ(?)をタルタルソースで頂くのが楽しみではあれど、それによって剣筋がブレては元も子もない。
「ユーヘイ、都月くん。私から離れないで、ね」
 クロムがそう二人に伝えれば、頷きが返ってきて。幽兵はその言葉にニッと笑う。
「ん?おお、ぴったり寄り添ってやるぜ。へーいクロムー!」
 なんて言葉通りに、間に入るエビを斬り飛ばしてぴったりとクロムのすぐ側に行こうと、して。それを阻むように爆速で降って来た雷撃は、クロムが半ば慌てた様子で横一文字に切り捨てる。
「うぉわ、っと。あぶねー!」
「近いユーヘイ。ユーヘイ、近いって、ば……!」
 さすがに無為でも急にへいへーい! と来られたらビックリのひとつもする。と思う。
 クロムはぶれそうな剣筋を何とか制御しつつ、炎纏わせた刀でライトニングタイガーを斬りながら焼く。エビ、揚げても焼いてもいい匂いである。

 ゆるい軽口の乗った鋭敏な連携は滞りなく行われ。気がつけば群れはいなくなっていた。サムライエンパイアに繋がる渦潮は、ひとまず防衛成功だ。

「よし、ぜんぶ焼けましたね!熱いから気をつけてください!」
「レタスもあったんだった。皿に添えてくぞー」
 こんがりと揚がったエビフライ焼き(揚げ焼き、素焼き二種)が皿に並び、タルタルソースと瑞々しいレタスが端に添えられる。そうして、三人(+チイ)の帰るまでのお祝いが始まった。
 湯気の立つエビに、タルタルソースをしっかりとつけて。
 衣無くともサクサクとした表面に、ぷりっとした身。噛めば噛むほど美味しくて、ついもう一個と食べ進めていく。
「エビフライ、最高ですね!」
「……ん、こっちのエビフライ……焼き……? も美味しい」
「や、うっまいな……すぐ無くなりそう」
 さくさくもぐもぐ、三人はのんびりと勝利の味を楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月04日


挿絵イラスト