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羅針盤戦争〜岩の舞台で『三つ目』と踊れ

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #バルバロス兄弟 #三つ目

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 一枚岩の島『テーブルロック』。
 ざっと数キロ四方、平べったいだけの岩板が海原に浮かんでいるだけというシンプルな島だ。
 神々の時代に巨神たちが食事をするためのテーブルとして使っていた、なんて伝説があるとかないとか言われているヒーローズアース世界から落ちてきた岩島に、巨大な人影があった。
 身の丈5m。筋骨隆々たる胴体からは五本の腕が生え、頭が二つ乗っかっている。
『なあオルチ兄よ、俺たちの前にはどんなご馳走がやってくるだろうな』
 双頭のうち、左側の赤髭が言った。
『そうだな、ハイレディン。俺たち兄弟を楽しませてくれる獲物であってほしいもんだ』
 右側の隻眼頭が、好戦的な笑みを浮かべて答える。
 首から下を共有する双子の巨人、七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟は、凶悪な武器型メガリスを五本腕でお手玉しながら、戦いの幕が開けるのを待っている。


「戦争が始まっていきなりだけど、幹部戦よ」
 伊達メガネをかけた田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は、集まった猟兵たちを見渡した。
「相手は七大海嘯がひとり『三つ目』。武器戦闘の達人であり、相手によっては『退化』の邪視も使ってくるわ。戦場となるのは平坦なだけの岩島だから、地形を利用とかは難しそうかな?」
 話しながら、ユウナは敵の使用するユーベルコードをまとめた資料を配布していく。
 曰く――3種類のユーベルコードから、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値・回数だけ使用し、先制攻撃してくる。
 わかりやすく、強敵だ。
「能力値も技能レベルも猟兵トップを軽く凌駕する相手。戦闘におけるイニシアチブは常に敵が握ることになるでしょう。
 対抗手段はユーベルコード、技能、装備アイテム、その他諸々、各々に任せるけれど、数や性能をそろえただけで通用するような相手ではないわ。重要なのは、過剰も不足もなく適切な作戦を立てることができるか、よ」
 伝えられることは以上、と締めくくり、ユウナは猟兵たちを戦場に送り出す。


黒姫小旅
 グリモアを眼に宿す、ってユウナとキャラ被るやないかい!
 どうも、黒姫小旅でございます。

 此度は圧倒的な格上が相手となりますので、プレイングや成功度判定の結果によってはヒドイ目に会う可能性が多分にあります。ご注意ください。

 敵の使用ユーベルコードや行動パターンについての解釈は、プレイングを最大限に尊重するつもりです。
 ただし、敵の過小評価やオープニングとの明確な矛盾があると判断した場合は厳しく判定します。

●特殊ルール
『どれだけ下記の条件に適しているか』に応じて成功度判定のサイコロ振り直しの回数が増加します。

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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
=============================
63




第1章 ボス戦 『七大海嘯『三つ目』バルバロス兄弟』

POW   :    フォーアームズ・ストーム
【四腕で振るった武器】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    「オルキヌスの瞳」
【弟ハイレディン(左頭部)の凝視】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【肉体、精神の両面に及ぶ「退化」】で攻撃する。
WIZ   :    バルバロス・パワー
敵より【身体が大きい】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:ちーせん

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セフィリカ・ランブレイ
あの体だと、兄弟喧嘩しても離れらず喧嘩長引きそうだね
『軽口でも吐いておきなさいセリカ。気を晴らすためにね』

流石に相棒の魔剣……シェル姉には私が強がってるのがわかる
私は天才だけど、それで覆せないスペック差は理解してる

唯一目があるのは、私の身軽さで徹底的にかき回す手
それも邪眼に絡めとられなければだ

シェル姉、ここは分担して戦おう
【蒼剣は担い手と踊る】だ

絡めとられる前提で動くよ
シェル姉は、邪眼の影響外の距離から私を動かしてね
肉体の退化は多少リミッターを外して動かしてもらう事でカバーするしかないけれど
精神の退化は致命的だからさ
『加減はしないわよ。終わった後の激痛は覚悟しときなさい』

おーけー……いこっか!




「一つの体に二つの頭、か。兄弟喧嘩しても離れらず喧嘩長引きそうだね?」
『ご心配いたみいるが、俺たちは喧嘩ひとつしたことのねえ仲良し兄弟でな』『手あたり次第にブチ殺して奪い倒してりゃ、喧嘩なんざしてる暇もねえぜ。――ちょうど今みたいになァ!』
 軽口もそこそこに、バルバロス兄弟の弟ハイレディンの魔眼が煌めいて、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)を絡めとった。
「くっ!?」
 肉体が、精神がみるみるうちに退化していく。負傷とも欠損とも違う、もっと根源的な、本質そのものから下等な存在へと貶められる感覚は、受けることを覚悟していてもなお耐えがたい。
 あっという間に、セフィリカの心身から瑞々しい活力が枯れ果てて――
 ……後は任せるね、シェル姉。
 ドゥン! と何の前触れもなく瞬発した。
『なっ!?』
 瞠目するバルバロス兄弟を置き去りに、セフィリカは最高速度で『オルキヌスの瞳』による凝視を振り切った。退化した体では不可能としか思えない加速は、さしもの七大海嘯も予想外だったか追いすがることができない。
 ……とはいえ、思った以上に負荷が大きいわね。 
 テーブルロック島の外縁、敵からは見えない崖の下に身を潜めている意思持つ魔剣シェルファは呟いた。
 ユーベルコード【蒼剣は担い手と踊る】により、セフィリカの肉体はシェルファによって動かされている。おかげで平常以上のパフォーマンスが発揮できるが、それは肉体の性能が上がったとか退化の呪いが解けたという意味ではなく、反動覚悟でリミッターを外しているだけだ。
 可動範囲の狭まった関節を無理やり動かし、脆い筋骨が砕けるのも構わず地を蹴って、文字通り命を削りながら、暴虐の鬼神に挑む。
『いきがるなよ、女ァ!』『死にかけの分際で! すぐに心臓止まるレベルまで退化させてやるぜ!』
 限界が近いことは、言われずともわかっている。再び邪視に捕まったら、今度こそ一巻のおしまいだ。
 まともに機能していない耳目を駆使してハイレディンの目線を探り、右へ左へ飛んで跳ねてトリッキーな挙動で狙いを定めさせない。1ミクロンの失敗でセフィリカを失いかねない極限状態の中で、魔剣シェルファは一心不乱に遠隔操作を続け――
「そ、こだぁぁぁぁぁ!!」
 一瞬の隙。ついに捉えた無防備な背中へと打ち込んだ渾身の一撃が、バルバロス兄弟の巨躯を震わせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
退化の瞳が厄介、ですね
退化……したらどうなるか、わからない、ですが
使われない、使えないように、立ち回りましょう

全身から光を放ち続けての【目潰し】と
【念動力】と光を放っての【推力移動ダッシュ】で常に動き続けて
兄オルチの頭や、巨人としての大きな体でハイレディンの死角となる位置にいるようにしながら戦う

体格差は明らか。回避は考えない
【第六感で見切る】のは、自らが綺麗に斬られる為の動き
両断されても、吹き飛ばされないように
そうして
『いつか壊れるその日まで』
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】再生して【カウンター】
両手から【生命力吸収】する光を束ねた【レーザー射撃】剣のように【なぎ払う範囲攻撃で切断】する!




「――にゃ!」
 戦場に降り立つと同時、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は体内から溢れる聖なる光を全力で解放した。獲物を捉えんとした魔眼を、まばゆい光が焼く。
『まぶしッ! こいつ、俺が「オルキヌスの瞳」を使うことを!?』
『グリモアの予知ってやつか? しゃらくせえ!』
 目が眩んだハイレディンが思わず顔をそむけた隙に、ナイは駆け出した。
 相手の体形から魔眼の視野に当たりをつけると、防ぎきれなかった『退化』の影響で動かない足の代わりに念動力で自身を操り、なるべく邪視が遮られる方向から攻めかかる。
『何やってんだ、ハイレディン!』
『兄者の首が邪魔で、ヤツを視れねえんだよ!』
 さしもの七大海嘯も狼狽を隠せない様子。
 兄弟が喚きあっているうちに、ナイは一気に懐へと飛び込んだ。五本の腕が巻き起こすハリケーンのごとき凶器の乱撃を飛び越えて……――
『――なぁんてな』
 ブシュゥ! と噴水みたいな音がして、視界が真っ赤に染められた。
「っ!?」
 灼熱と悪寒が体を駆け巡り、足から力が抜けていく。……何が起こった? この痛みはいったい? この、肩から腰までバッサリ開いた斬り傷は何だ?
『ハッハァ! 躱せた気になってたか?』
 やけに遠くから、嘲笑が聞こえた。
 ――鼻歌三町。
 剣の達人に斬られた者が死んだことに気付かず三町もの距離を鼻歌交じりに歩いた、なんてとある落語の一節が脳裏に浮かぶ。
 相手が使うユーベルコードは邪視だけのはずだ。するとこれは、素の剣術技能か! 驚愕を通り越して、いっそ笑えてくる。ここまでのレベルとは…………

 期待通りにも程がある。

「こぼっ」
 口から声にもならない音をこぼれるが、構いはしない。胴を両断されようと、首を刎ねられようと、この身が前進するのであれは、それでいい。
 どんなに痛くて苦しくたって、ナイは大丈夫だ。なぜなら、
「私は、死なない。私は――死ねない!」
 ユーベルコード【いつか壊れるその日まで】発動!
 全身から発していた聖なる光が一層に輝きを増して、崩壊寸前だった体が一瞬にして元通りに復元された。『聖者』と呼ばれるが由縁でもある治癒の光を、ナイは両手に収束。レーザービームとしてぶっ放す!
「薙ぎ払う、です!」
 高密度に圧縮された一条の聖光が、ナイの体を癒した代償を求めるかのように猛々しく、双頭の巨人に喰らいつき生命力を貪った。
『う、ご!? や、やりやがったなコンチクショウめ!!』
 欲しいままに殺し奪ってきた己が逆に喰われるという屈辱に、バルバロス兄弟は怒りの雄叫びを上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナターシャ・フォーサイス
【聖影】WIZ
分かり易く強敵、そして常に先手ですか。
ですが、彼等もまた哀れな魂ならば、使徒としてすべきことはひとつ。
彼等もまた、楽園へと導いて差し上げましょう。

どうあっても先手は取れないのですから、【オーラ防御】で凌ぎましょう。
出力を上げ受ければ、一撃で沈むことはないでしょう。
ティノさんには私が受けている間に、本命を当てていただきます。
そして、私が膝をつくその時こそ神罰の時。
傷を癒し、彼の者に罰を与えます。
力を封じる効果もありますが、今回はカウンターを主軸に発動し傷を癒しつつ立ち回ります。
乱発叶わぬ力、されど使い方を考えればこのような事もできるのです。

どうか貴方にも、楽園の加護のあらんことを。


ティノ・ミラーリア
【聖影】
こいつは、見た目にわかりやすい強敵だね……。
単純なパワーだけじゃなく、厄介な能力まで持っているときた。

敵のUCに対し「眷属」と「影狼」、「纏影」での視認妨害と【呪詛・狂気耐性】も併せて軽減。
【拠点防御】で影を用いてナターシャをサポートしつつ、先制攻撃の一撃を耐えることに全力を注ごう。
耐えてしまえばその時点で備えは十分、≪支配の鎖≫で敵の足元や周囲の影から鎖を放ち動きとUCを封じる。
二人分のUCで封じた後は「狩猟銃」での【呪殺弾】と、「影槍」での【串刺し】で【蹂躙】。
回復するといえ、あの攻撃を受けたのは流石に心配だけど…大丈夫そう?

分身体だろうけど…本体を討つまで何度だって倒すよ。




 ……なるほど、わかりやすく強敵だ。
 仁王立ちするオブリビオンを目の当たりにして、ナターシャ・フォーサイス(楽園への導き手・f03983)はそんな感想を抱いた。
 体長5mの巨体に満ちわたる【バルバロス・パワー】は、「デカければ強い」という極大にシンプルな理念をあますことなく体現している。
 おそらく回避は至難。ならば、
「守りを固めて、凌ぎきる!」
 ナターシャは決断し、オーラ障壁を展開した。
 出力最大、全力防御!
 加えて周囲の影がウゾリと起き上がり、獣の姿に変じた。同行者である戦友が呼び出したコウモリやオオカミたちが、ナターシャを背にして防衛陣形をとる。
 万全の守りだ。これだけやれば、防げない攻撃などあるはずがない。……よほどの相手でない限りは。


 隕石でも落ちたのか、とティノ・ミラーリア(夜闇を伴い・f01828)は思った。
 ジャラッ、と鎖の音が聞こえたかと思ったら、凄まじい破砕音が轟いて大量の砂塵が巻き起こった。
「ナターシャ!?」
 悲鳴のような呼び掛けに、返事はない。邪視を遮るために影をまとっていたため、ティノからナターシャの様子を視認することはできなかったが、わずかな隙間から覗けば、彼女が立っていた場所には打ち込まれたトゲ付き鉄球によって巨大なクレーターができており、とても無事とは思えない。
「……ッ!」
 乱れる心を、ティノは鋼の理性で押し殺す。
 今は友の安否を気にしている時ではない。彼女が敵の攻撃を引き付けて稼いでくれた数秒、命がけの戦闘中に生まれた値千金の時間を無駄にするわけにはいかなかった。
 揺れるな。前を向け。すでに仕込みは終えている。
「もうなにも、勝手にはさせない……【支配の鎖】!」
 ジャラララララ!!
 バルバロス兄弟の足元、その巨体が落とす影の底から何本もの黒鎖が出現。鎖はオブリビオンをがんじがらめに縛り上げ、首輪・手枷で双頭五腕を拘束。三重の縛りでもって、生物を退化させる邪視のユーベルコードを封印する。
 結果は上々。追撃すべく纒影を取り払い狩猟銃を構えるティノを、バルバロス兄弟の血走った眼光が射た。
『クソッタレが! 「オルキヌスの瞳」が使えねえなら、この手でぶった斬るまでよ!』
 何というプレッシャー。拘束によって攻撃行動は大きく制限されているはずなのに、一瞬の後に殺される自分がありありと想像できてしまう。
 ひりつく殺気をもろに受けて、ティノは喉を震わせ、叫ぶ。
「い……今だ、ナターシャ!」
 瞬間、戦場を聖なる光が満たした。
 光の源は、巨人の怪力に斃れたかと思われたナターシャである。白い法衣を自身の血で赤く染めながら、傷一つもなく両の足で立つ姿に、バルバロス兄弟は舌打ちする。
『無傷……いや、回復系のユーベルコードか、めんどくせえな』
 ご明察。ナターシャの【召喚:楽園の神罰】は、自身が受けたダメージを瞬時に全回復させるのだ。そして、
「迷える魂よ、あなた方に楽園への導きを。そのためにも――まずは祓い清めましょう」
『ウゴアッ!?』
 バルバロス兄弟の巨躯が吹っ飛んだ。
【召喚:楽園の神罰】の効果の二つ目は、回復したダメージを倍にして返す罪報の光撃。【バルバロス・パワー】により、普通でも強大すぎる攻撃力を3倍にしたもののさらに2倍だ。ティノと二人がかりで防衛したナターシャですら死ぬかと思った一撃、身をもって味わっていただく。
「崩しました、このまま一気に!」
「うん、たたみかけよう!」
 ナターシャが【召喚:楽園の神罰】の最後の効果で呼び出した天使を指揮し、バルバロス兄弟のパワーアップを打ち消す。
 そして決定的な隙が生まれたところをすかさず、聖なる光によって濃くなった影が無数の槍へと変化して滅多刺しにした。
「何度でも、好きなだけ蘇ってくればいいよ。そのたびに倒すから」
 ティノは虫の標本よろしくはりつけにした巨人を冷たく見据えて、呪殺弾で狙い過たず撃ち抜いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
キャバリア搭乗
「凄いや、キャバリア並みに大きいねー」(雄鶏の立体映像出現
それだけじゃなくクソ強そうです
とは言えユウナの目玉を狙わせる訳にもいかないでしょう

【属性攻撃・迷彩】
幻・光属性機体に付与
己と同じ姿の映像をずれた処に出現

此奴に乗ってれば見られても問題はないです!(騙しの戦術

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の癖と動きと視線を把握
騙されてくれれば即座にUC発動

往くぞメルシー
巨人退治は初めてか?
「前に言ったじゃん?百眼の巨人を倒した事だってあるよ♪その時は眠らせてたけどね♪」
【二回攻撃・念動力・切断・盗み攻撃・盗み】
念動フィールドを纏い超高速で接近しハルペーによる斬撃と共に眼球強奪を試み




『……どうなってんだ?』
 バルバロス兄弟の弟、双頭左のハイレディンは眉を顰めた。
 相対するは金の翼輪を背負いしサイキックキャバリア。【オルキヌスの瞳】で凝視しているというのに、「退化」の呪詛は一向に効果を表す様子がない。
「此奴に乗ってれば、見られても問題はないです!」などと、調子に乗ったセリフをほざいているが、これは邪視を無効化しているというよりもむしろ……
『偽物、囮の幻影か!』『弟よ、後ろだ!』
 看破すると同時、身を翻しざま背後の虚空へと三叉槍を突き出す。
 ガキンッ! 何もない空間に槍の穂先が食い込んだかと思うと、ザザッと空中にノイズが走って光学迷彩が剥がれ落ち、幻影と同じ姿のキャバリアが姿を現した。
『ありゃりゃ、もうバレちゃったね』
「流石に、手の平で躍らせるには大きすぎますね」
 界導神機『メルクリウス』のコックピットにて、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は乾いた唇を舐めた。
 念動フィールドを全開にしているが、BX鎌剣『ハルペー』は敵の三叉槍とガッチリ噛み合って微動だにしない。このままでは、他四本腕が持つ得物に斬り刻まれるか、光学迷彩が完全に失われたところを魔眼に絡めとられるかのどちらかだ。
『ダッハハハハ! なかなか面白い手品を使いやがるが、一手足りなかったなあ!』
「……だったら、今から足してやりますよ」
 降り注ぐ嘲笑に、カシムは不敵な笑みで応える。

 【神速戦闘機構『速足で駆ける者』】、界導神機『メルクリウス』超高速機動!!

 高速化ユーベルコードの、さらなる3倍加速。
 爆音とともに大気をぶち破ったメルクリウスは雲を曳いて、バルバロス兄弟の頭上を取った。
『まだ速くなる……!』『二段構えの加速だと!?』
 驚いている暇こそあれ。
 この局面、至近距離ならば……敵の動体視力がこちらの速度に順応しきる前に、獲れる!
 抉ッ!
『グギャアアアアアア!!?』
 絶叫するハイレディンの左眼から、噴水のように鮮血が噴き出した。
 一瞬の交錯の後、即座に上空へと飛翔して距離を取ったメルクリウスは、眼を押さえて七転八倒する巨人を見下ろして得意げに笑う。
『アッハハ、なんかヨユーじゃん? 眠ってる百眼の巨人を倒した時のが苦労したよ♪』
 お調子者の乗騎はさておくとして、カシムは強奪せしめた戦利品を解くと眺めた。
 生き物を際限なく退化させるという「オルキヌスの瞳」。果たして、我が帝竜眼に並べるだけの価値はあるだろうか?

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
身体能力も、技量も、私を上回る
期待通り……でもやっぱり、悔しい、ので!
その剣技に、挑ませてもらいます!

間合いの外から、真っ直ぐ【怪力ダッシュ】
【覚悟】退化の瞳も、気にしない。あとで治る、治せる!さっきの退化で、学んだ!
【念動力】で
全身から光を放って【推力移動】加速して
正面から!

『瞬断撃』秒速約2.6kmになって、更に加速して
【切断】に走る

精神が、肉体が、退化する。仮初の肉体が「光」となる

退化は、弱体とは限らない
自覚はないが、本体に、百年殺され続けて積もった聖なる存在達の光が、ヤドリガミ化で仮初の肉体を得た者の場合
一時的に【浄化】の光そのものとなって
今に現れた、過去という異常を、消滅させに動く!




 流石は七大海嘯。パワー・スピード・テクニック・その他諸々どれをとっても圧倒的だ。
 最初の手合わせで次元の違いを見せつけられたナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は感嘆した。
 もちろん格上であることは戦う前からわかっていて、その前提で策を立てた訳であるが……
「やっぱり、悔しい、ので!」
 いま一手、勝負!


『グアアアア!? ちくしょう。殺す、皆殺しだぁ!!』
 別の猟兵との一戦で「オルキヌスの瞳」を奪われたハイレディンは吼え猛った。空になった眼窩に残った魔力をかき集めて、最後の邪視を発動する。
「知ったことか、です!」
 早くも呪詛が心身を蝕み始めるが、ナイは構うことなく真正面から猪突猛進した。
 そも『退化』とは何ぞや。
 生物学的に言えば、特定の性質や器官そのものが弱小化したり消滅したりすることだろう。
 しかし、別の解釈もあるはずだ。たとえば進化の対義語としての退化。
 肉体が、精神が巻き戻っていく。
 ヤドリガミとなり、仮初の肉体を得て、獲得と変容を繰り返して形成された『今』の自分が失われて、より原初的な姿へと還っていく。
 ――光。
 それは、遠く忘却の彼方に置いてきた姿。どこにあるとも知れないナイの本体が殺し積み上げた者たちの『光』こそ、彼の『真の姿』であった。
 人の身と心を獲得する以前にまで退行したナイの思考は至って単純。ただ速く、もっと速く、すべては骸の海より染み出してきた『過去』という異分子を一刻も早く消滅せしめるのみ。
『このヤドリガミ、巻き戻った方が強いタイプか!?』『いや、まだだ! いま以上に退化させてやれば結局は殺せる!』
 邪視の出力が、さらに上がった。
 全身全霊を一振の光刃と化したナイが、その神速でもってオブリビオンの命脈を断つのが先か、それとも際限のない退化に飲み込まれるのが先か。
 運命のサイコロが、いま転がされる――――

 斬!

 果たして、五腕の巨体に乗っかった双頭のうち左側が、噴水のように噴き上がる鮮血に飛ばされて宙を舞った。

 まずは弟ハイレディン討伐!

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・クロト
目玉が多かろうが、元が人体なら
一般的な視野には限度ってモンがある。
もちろん腕も継ぎ接ぎなら
可動範囲に支障が出るってもんだ。

【高速詠唱】【多重詠唱】で【オーラ防御】【属性攻撃】の
氷の盾を次々展開しながら、俺に注意を向けさせて
――死角を作り上げる。
無論致命傷を避けるように【見切り】は欠かさずにな。

タイミング良く死角が生まれたなら全力を叩き込んで行くぜ――
……って、殴るのは俺だと一言も言ってないんだけどな。
『俺自身が囮だ。』

防御魔術の詠唱の中に紛れ込ませた【指定UC】で、
彼奴等の死角に『召喚』する。

「――なぁ、こういう『下剋上』って、好きだろ? リュウ」
やってやれよ。存分に。

※アドリブ・ズタボロ可




『オオオォォォォ! よくもハイレディンをぉぉぉぉ!!』
「ハッ! 奪われる側の気持ちがわかったかよ!」
 双頭の片割れを失って慟哭するオルチを、霧島・クロト(機巧魔術の凍滅機人・f02330)は挑発半分本音半分であざけった。
 激怒したオルチが五腕の武器を振り回して襲ってくるのを、空中に無数の氷盾を作ることで足止めし……
 ブンッ!
 巨腕を無造作に一振りしただけで、すべて消し飛んだ。
「おいおい、マジかよ」
 砕け散った氷がダイヤモンドダストみたいに舞い飛ぶのを見て、クロトの頬を冷たい汗が伝う。
 相手が使用している【フォーアームズ・ストーム】は攻撃対象を破壊するユーベルコードだが、紙切れほどの抵抗もなく一掃されるとは。
 ……だが、今の動きを見てだいたい知れた。
 今までの戦いで敵の体はズタボロだ。馬鹿みたいに強いとはいえ、あちこちにガタが来ている。兄弟合わせて三つあった目玉も残り一つで、視野は狭いし距離感だって測りづらいだろう。
「こんだけ弱ってりゃ余裕だぜ。全力で、ぶん殴る!」
 魔術回路、再ブースト。『氷戒の帳』展開、力場集中により氷の盾を生成する。初手ではランダムに散らしたが、今度はもっと意図的に。隻眼では見えづらい角度、五本の腕がカバーしづらい範囲を見切り、氷盾によって作り出した死角から飛び掛かる。
「隙あり『んなもん、ねえよ!』
 視界反転。
 拳が届いたかと思った直後、気付いたら数十メートルばかり後方でぶっ倒れていた。人造骨格を軋ませながら顔を上げれば、吹っ飛ばされた我が身が何度もバウンドしたらしい跡が点々と続いている。
『ざまあねえな。一撃で死に体、魔力も空っけつだ。……で、誰が誰をぶん殴るんだって?』
 歩み寄ってきたオルチが、悠然とクロトを見下した。
 いったい何があったか、記憶が飛んでいてハッキリしない。よほどヒドイ一撃をもらったのかパワードスーツのあちこちから火花が散って、まともに動くことができなかった。
 しかしそれでも、喉元に三叉槍を突き付けられながら、クロトは不敵な笑みを崩さない。
「ぐ……て、『テメエを』殴ってやるって言ったんだよ。……ただし『俺が』じゃねぇけどな」
『アン? 何をワケのわかんねえことを……』
 訝しむオルチの背後に、蒼い影が現れる。
「悪いな、俺は囮だ」
『「三つ目」ェェェ!!』
 完全な死角を取った蒼氷の鉄拳が、オルチの後頭部を捉えた。
 ひそかに詠唱していたユーベルコード【氷戒龍装『七天より来る凍龍』】により召喚されしは、『凍龍の支配者』リュウガ。今は亡きクロトの兄弟が一機であり、オブリビオン化した後には『三つ目』の縄張りを守護する任を与えられていた。クロトの手で甦った今、リュウガは己の意思でかつての主人に反逆する。
 ……メガリス『凍龍の神核』出力最大。凍えて喰われろ!
 リュウガの腕部ガジェットが唸りを上げて、拳が触れた面からオルチの皮膚が凍傷に侵されていく。クロトの持っていた魔力ありったけを譲り受けて放った全力の氷魔術は、オルチの巨体を瞬く間に覆いつくして…………――
『あの島の者たち、そして俺自身が受けた借り、返させて貰ったぞ』
 着地したリュウガの後方で、凍てついた巨人の体が花の咲くように破裂し、内側から何本もの氷筍が飛び出した。
「おうおう、派手にやったな。下剋上を果たした気分はどうだ?」
『ふん。まあ悪くはない。……それよりも、立てるかクロ?』
 巨大な氷のオブジェと化した七大海嘯の亡骸をバックに、クロトはリュウガの差し伸べた手を借りてどうにか立ち上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月07日


挿絵イラスト