羅針盤戦争~サメがサメサメ三サメサメ~
●コンキスタドールは何でもアリか!?(そんなことはない)
それはどこからでも姿を現した。
例え火の中水の中土の中森の中街の中、流石にあの子のスカートの中からはないがそれは唐突に我々に牙を向くのだ。
口から火を、煙を拭き上げ、天空から飛来し、水中からも飛び出す最強最大の生物――いやそれ最早生物か?
とにかく、今それがグリードオーシャンの海を渡り、津波のように押し寄せようとしていたのだ――!!
●開戦の狼煙は上がった
「ついに七大海嘯が本格的に動き出した。羅針盤戦争の開幕だ」
招集に応じた猟兵たちに、地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)が神妙な面持ちで告げる。
「知っていると思うが、グリードオーシャンはグリモアによる予知と転移、そして島間での飛行が著しく阻害されている。
だから、俺たちグリモア猟兵も七大海嘯がどこにいるかを明確に予知することはできない。『蒼海羅針域(コンキスタ・ブルー)』――俺たちが今まで探索し、開拓していた海域を頼りに探すしかない」
だが、もちろん七大海嘯側もそれを知らないワケがなく。
蒼海羅針域の中心、サムライエンパイアに通じる渦潮――これが現在猟兵たちとグリードオーシャンを繋ぐ唯一の扉。
それを破壊せんが為に大量のコンキスタドールが放たれ、蒼海羅針域に押し寄せようとしているのである。
渦潮がなければ今後猟兵たちがグリードオーシャンに介入することができず、先に攻め入った猟兵たちが事実上孤軍奮闘するハメになってしまう……その最悪の展開だけは何としてでも阻止しなければならない。
「だからまず、七大海嘯を探す前に蒼海羅針域に攻め入ろうとしているコンキスタドールたちを迎え撃って欲しい。数を減らさないことには始まらないからな。
ただ、さっきも言った通り島間での飛行や転移ができないということは"海上での飛行や転移は一切使えない"ということになる。上手いこと船を使うか、もしくはさっき上げた二つの方法以外で海上で戦えるように策を講じておく必要があるんだ。
その方法については、みんなのやりやすいやり方があると思うから俺があまり口出しすることではないと思うが……ああ、そうだ。敵について話をしないとな――」
今回の任務で応戦することになるコンキスタドール――それは『鮫伯爵』という、飲み込んだものの術を操る悪魔の使い魔である鮫の群れだそうだ。
ただしただの鮫と侮ってはならない。
それは何故か?簡単だ。
鮫は最強の生物だからだ。
そう、例えば台風で巻き上げられて空からミサイルのように振ってきたりとか、口から火炎放射を吐いてあらゆるものを焼き尽くしたりとか、どっかしらにジェット機能が備え付けられてミサイルの如く特攻をキメてきたりとか、鮫Aだけかと思ったら仲間を読んで一気に鮫B鮫C鮫D鮫E鮫F鮫Gの7匹になったり挙句の果てには鮫たちがどんどん合体してなんとキング鮫になってしまった、なんてことも普通に有り得るのである!!
決して、決して油断してはいけない強敵だ!!!
「……という恐ろしい敵なんだ。俺の中の鮫の概念が崩れそうになったがまあ悪魔の使い魔だししれっとそういうことをしてきてもおかしくないしな……」
若干陵也は遠い目をした。
「まあ、決して油断してはいけない相手だということだけわかってくれたらいい。
それとわかっていると思うが、決して無理な深追いはしないでくれ。
命あっての物種、という言葉を忘れないで欲しい。無事に生きて帰ってきてくれ」
まだ戦争は始まったばかり、ここで焦っては逆効果である。
皆の無事を願いながら、白竜の青年は仲間たちをグリードオーシャンへと送り出した。
御巫咲絢
注意:このシナリオは若干トンチキ寄りのシナリオです。
こんにちはこんばんはあるいはおはようございます!
はじめましての人ははじめまして、御巫咲絢と申します。この度は当シナリオをご覧くださりありがとうございます!
御巫のシナリオが初めてだよって方はお手数ですが一度MSページをご覧の上以下にお目通しをよろしくお願いいたします。
ついに始まりました羅針盤戦争!前回の迷宮災厄戦に引き続き、出せる範囲でぼちぼち出していこうと思いますのでよろしくお願いします!
みんなでグリードオーシャンの平和を勝ち取りましょう!
というワケで海と言えば鮫ということで一本出させて頂きました。
グリードオーシャンの海上で蒼海羅針域へと迫る鮫の群れを海賊のように蹂躙する勢いでぶっ飛ばしてくださいませ!
ただしMSがサメ映画に割と疎いのでそこだけご了承ください。
●シナリオについて
当シナリオは「戦争シナリオ」です。一章で完結する特殊なシナリオとなっています。
当シナリオがが成功すると戦争サバイバルの🏅5000が加算されます。
また、このシナリオには以下のプレイングボーナスが存在しています。
●プレイングボーナス
海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)。
●プレイング受付について
承認が下り次第プレイング受付を開始致しますが、大人数はMSのキャパシティ的にお受けし切れない可能性があります。だいたい7.8人前後がラインです。
その為、プレイング内容次第によっては不採用の可能性もございますので予めご了承の上プレイングを投げて頂きますようお願い致します。
それでは、皆様のプレイングをお待ち致しております!
第1章 集団戦
『鮫伯爵の使い魔』
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POW : 鮫伯爵からの下賜品
いま戦っている対象に有効な【鮫伯爵所有のメガリス】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : 疾駆の装具・身隠しのマント
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【加速や隠密のメガリスを起動させての奇襲】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ : アドバンスド・ロレンチーニ
【電気信号や魔力を送受信できる器官】によって、自身の装備する【武器型メガリス】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
イラスト:柴一子
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エミリィ・ジゼル
サメはなんでもありかって?当たり前じゃないですか、サメですよ
サメの可能性は無限大
鮫魔術師のわたくしが言うんだから嘘ではありません
というわけで、わたくしです。鮫魔術師です
グリシャン最古の魔術体系である鮫魔術の使い手にして、猟兵で最初にサメぐるみを纏いし者です
ならばサメに負けるなどありえません。自慢の鮫魔術で悪いサメを一網打尽にしてやります
今回は「ちょー強いサメの術」で人食いサメならぬサメ食いサメの群れを召喚。敵のサメたちにけしかけます
最強の生物であるサメを狩るサメ。これは強い。映画化決定
もしも敵の鮫がこちらを狙ってきたら迎撃します。術師が近接に弱いと誰が決めた。自慢のチェーンソーで真っ二つです
シャーロット・クリームアイス
サメは最強の生物――はい、そのとおりです
何の異論もありませんとも
では、サメとサメが戦ったなら――?
最強のサメはなにか――!?
その答えの一端を、本日この場でお見せしましょう……!
海ザメ河ザメ池ザメ沼ザメ
陸ザメ雪ザメ空ザメ家ザメ
亡霊ザメ宇宙ザメ人型ザメ機械ザメ
エトセトラエトセトラ、しめて400弱
そちらのサメレパートリーとわたしのサメレパートリー、どちらが相手を上回るか!
(なにせサメですからね。海上戦、船上戦はもちろん、空中戦にも電子戦にも対応していますよ)
お見事
鮫伯爵――あなたはまさしく強敵(とも)でした!
●※戦争はまだ序盤です
さて、グリードオーシャンには"鮫魔術"という鮫を使った魔術が存在していることはご存知であろう。
鮫魔術はこの世界最古の魔法体系という実に由緒正しき伝統魔術であり、かつこの世界で一番門戸の広い魔術分野だ。
鮫魔術により召喚される「改造サメ軍団」は陸海を選ぶことなく自由に泳ぎ回る、この無限に広がる大海原において最大の武器にして相棒となり得る頼もしき存在だ。
そんな鮫魔術を操る鮫魔術士たちは皆、鮫を心から愛する者たちであり、鮫を最強と信じて疑わない者たちだ。
故に自らが駆る鮫たちこそ真に最強の鮫である――そう証明する為、今ここに二人の鮫魔術士が先陣を切る!
「サメはなんでもありかって?当たり前じゃないですか、サメですよ?サメの可能性は無限大、鮫魔術士のわたくしが言うんだから嘘ではありません」
エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)――鮫魔術士の一人にして、猟兵で最初にサメぐるみを纏いし者。
最古の魔術体系を操り、鮫の衣を纏っている彼女の鮫魔術の前には、ただの悪い鮫など海の藻屑も同然である。
「サメは最強の生物――はい、そのとおりです。何の異論もありませんとも」
シャーロット・クリームアイス(Gleam Eyes・f26268)――鮫魔術師の一人にして電脳魔術士。
鮫魔術と電脳魔術を融合させ世界を越えたネットワークを構築、流通サービスを開業した指折りの技術者。ごく普通の鮫の知能だけでは決して敵わない強者である。
……そう。今ここに、二人の鮫魔術士が揃ったのだ!!
「サメに負けるなどありえません」
片や、自らの鮫魔術の実力を以て悪しき鮫をねじ伏せる為……
「では、サメとサメが戦ったら――?最強のサメとは何か――!?」
片や、浮かびし問いかけに答えを示す為……
己が信念を胸に、同じく"グリードオーシャンを護る"という猟兵としての使命の為に、今二人の鮫魔術がコンキスタドールへと牙を向けるッ!!
「――! ――!!」
鮫伯爵の使い魔たちが強き鮫の気配を察知し二人へと矛先を向ける。
鮫がより強き鮫と相対すれば、実力を示し合うことが鮫に太古より刻まれし闘いの遺伝子――えっそんな話知らないって?まーまーこの方が盛り上がるんでちょっとお静かにお願いしますね。
「悪いサメを一網打尽にしてやります!」
「その答えの一端を、本日この場でお見せしましょう……!」
相手に取って不足なし。ぶおおおおとどこからか鳴り響く法螺貝の音と共に、今鮫VS鮫の熱い闘いの火蓋が切って落とされる!!
●
「サメこそ――世界!最強の!生物ッ!!」
先手を取るはエミリィ、ユーベルコード【ちょー強いサメの術】が呼び出すのは強靭無敵最強の鮫の群れ!
しかもただの鮫ではない、人食い鮫ではなく鮫食い鮫!同族を屠るが為に生み出された鮫界の処刑者(シャークズ・エクセキューショナー)だ!!
最強の鮫を屠るに相応しいのは、同じく最強たる鮫ッ!!
それは鮫伯爵の使い魔たちが主より賜りしメガリスを召喚するよりも速く――そう、死の竜巻と呼ばれるブライニクルが一瞬にしてあらゆる深海の生命を凍りつかせるような速さで蹂躙の限りを尽くす!
「――!? ――――!?!?」
声にならぬ声を上げ、使い魔たちは次々と鮫食い鮫に食われることで彼ら(?)の胃を通して骸の海へと帰っていく。
その圧倒的蹂躙光景を前にエミリィは自らの鮫魔術の実力を噛み締め、うんうんと頷いた。
「最強の生物であるサメを狩るサメ、これは強い。映画化決定ですね」
後にこの近海にあるキマフュから落ちてきた島からその光景を見た住人により「SHARK'S EXECUTIONER」という映画が実際に製作されるとかされないとかそんな話が上がってくるかもしれないしそうじゃないかもしれない。
まるでちぎってはちぎっては投げの無双ゲーのように無敵の鮫食い鮫が使い魔の群れの一波を吹っ飛ばす快進撃を繰り広げているが……
「――!!」
ただでは済まさん!!と言いたげに一匹の使い魔が鮫の姿をした追尾ミサイル型メガリスを召喚、エミリィ目掛けて撃ち放ったではないか!
いくら鮫魔術とは言え、鮫を召喚してけしかけた後は無防備になり得ることもままよくある。よくあることだが――
「……ふっ」
ギュゥィイイイイイイイイイイイイン――エミリィ自慢の鮫型UDCの歯製シャークチェーンソーが唸りを上げた!
耳を劈くような音と共にミサイル型鮫ガリスを一刀の下に切り捨てる!!
何が起こったかわからぬままに鮫ガリスはそのまま水没と共に爆発、エミリィの背後で大きく水飛沫が上がる。
「――術師が近接に弱いと、誰が決めた?」
「――!?!?」
「一刀両断ッッ!!!!」
そして一矢報いようとした鮫伯爵の使い魔もシャークチェーンソーの錆となるのであった。
●
一方シャーロット側が対峙する鮫伯爵の使い魔の一派は、各々が装備する武器型メガリス――もちろん例によって形は全部鮫型である――を放つ。
この武器型鮫ガリスには使い魔たちの電気信号や魔力を送受信できる器官と連動して動くようになっている。
各々がそれをリモート操作で放ちながら行動に出ることで現在存在する数の軽く2,3倍もの物量で攻めることができるのだ。
「なる程、手数で確実に攻めるということですか。受けて立ちましょう!そちらのサメレパートリーとわたしのサメレパートリー、どちらが相手を上回るか!!」
しかしそれに怖気づく程度の覚悟を決めてここに立っているワケではない。
シャーロットはユーベルコード【みんなちがってみんないい(ユニバーサル・エクスポジション)】を発動!
これは古今東西ありとあらゆるサメ映画から再現される様々な特殊能力を有する鮫を呼び出しけしかけるユーベルコード――つまり、どうなる?
簡単だ。
海ザメ河ザメ池ザメ沼ザメ陸ザメ雪ザメ空ザメ家ザメ亡霊ザメ宇宙ザメ人型ザメ機械ザメ等々エトセトラエトセトラetcetc……
しめて400弱!それ程もの数の鮫が!今ここに降臨するのだ!!!
鮫たるもの海上戦船上戦陸上戦空中線電子戦全てに対応できずして最強の生物とは言えるまい。
あらゆる戦闘を想定したあらゆる能力を持つ鮫の群れは各々目線で語る。"相手に取って不足なし"と。その視線を受け取った鮫伯爵の使い魔たちは愛器と共に正々堂々正面から立ち向かう!
「征きなさい!わたしの可愛いサメたちよ!」
「――!!」
シャーロットと使い魔のリーダー格が同時に号令し――激突。
その衝撃は凄まじいものだった。海は荒れ、天は叫び地は唸る。
今ここに魔の時代が来たりたかと思わんばかりの衝撃と衝撃のぶつかりあいはやがて凄まじいエネルギーを発生させ、眩い光を放った。
その闘いの光景を最後まで見た者はいない――鮫伯爵とシャーロットを除いては。鮫伯爵どこかって?きっと使い魔たちを通して見ていたんだ。
「お見事、鮫伯爵――あなたはまさしく、強敵(とも)でした!」
シャーロットの表情は清々しさに溢れている。
これ程までに強き鮫を操る悪魔と闘えたということに、誇らしさを感じた顔ではっきりと告げる。
”――ふっ。私の敗けだ、若き鮫魔術士よ……"
そんな声がシャーロットの耳に届いたかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
光が消えていった後、彼女の目の前にあった鮫の使い魔の群れは最早フカヒレ1枚たりとて存在せず。彼女の従えるレパートリー豊富な鮫の大軍が佇んでいるだけだった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
パリジャード・シャチー
●心情
・鮫だ!殺せ!(アンチ鮫超過激派)
・海の最強生物はシャチ。シャチこそ海洋の王者。
・そこんとこヨロシク!
・じゃあやるか。シャークハントだよ!
●海上戦
・泳げるんだから泳げばいいよね。見てごらん、シャチぐるみだよ。まあ、水の女神なんだから泳げない筈がないんだよなぁ。
・という訳で高速泳法&水中機動で水の中をすいすい泳ぎながら戦闘する。
●戦闘
・UCを無酸素かつ高速詠唱で発動。範囲攻撃で仕留めるよ。スナイピングと暗殺はうちの得意技。気づかれないうちに風で刻んでやろう
・敵の攻撃は見切って泳いで躱すよ
・水中の奥深くに逃げたやつは仕方ないから早着替えで水着に着替えて弓で狙撃するよ。着ぐるみじゃ弓引けないし
●鮫?いいえ、鯱です。
いやいや待て待て待ちなさい、海の最強は鮫だと誰が決めたのだ。
鮫よりも強靭かつ無敵にして最強の海洋生物が存在しているに決まっているだろう!そう雄弁に語る一人の猟兵がいた。
その名もパリジャード・シャチー(因達羅神のハナヨメイド・f17808)、彼女が最強と信ずるは――
「泳げるんだから泳げばいいよね。見てごらん、シャチぐるみだよ」
そう、鯱である。
海の最強生物は鯱!鯱こそ海洋の王者!!そう彼女は信じて疑わない。そして鮫は死すべき慈悲はない!!
アンチ鮫過激派である彼女は活き活きとシャチぐるみに身を包み、勢いよく水中へとダイブ!
水の女神が泳げないなんてそんなことあるワケない。すいすいとまるで自分の庭のように水中を駆け回り、いざ鯱を差し置いて王者を名乗る不届き者共に鉄槌を下すべくシャークハントを開始する!
「――」
鮫伯爵の使い魔たちは悠々と海を泳ぎ、蒼海羅針域へと向けて着実に進む。
各々武器型の鮫の形をしたメガリスこと鮫ガリスを常に起動できるよう配置し、相手の増援や伏兵、罠がないかを確認しては互いの電気信号を送り合っていた。
実に賢い鮫たちだ。鮫伯爵の使い魔として、鮫伯爵よりメガリスを賜っている選りすぐりの者たち故の洗練された動きで警戒しながら進む鮫の群れ。
しかし、彼ら気づいていなかった。既に猟兵の術中にハマているということを。
「――!」
使い魔のうちの一体が唐突にその身を引き裂かれて死に至る。
それを引き金とするかのように一体、一体、また一体と、見えない刃の前に倒れ伏す。
「――!?」
警戒態勢を取る使い魔の群れ。しかし警戒したところでその刃はどこからともなく音も立てずに忍び寄る。
次々と何が起こったのかを理解することなく仲間たちがやられていくのを見る中、一匹の使い魔が悠々自適と泳ぐ鯱の姿を目にした。
なる程、奴の仕業か!と、仲間の敵討ちに燃える一匹の鮫が武器型鮫ガリスをけしかけた!
鯱――否、シャチぐるみを纏ったパリジャードはそれをひょいっとひと泳ぎするだけでかわしてのける。
「(気づかれたか。でも遅かったね)」
最初に水中に飛び込んだ時に既に彼女はユーベルコード【無双風刃・鳥籠】の術式を編み終えていたのである。
水の女神故に水に慣れ親しんだ彼女だからできる無酸素かつ高速の詠唱が作り上げた無音不可視の風の刃は、水中におけるスナイパーライフルとして、そして最強の座を勝手に名乗る無粋な輩を閉じ込める檻として機能していた。
スナイピング及び暗殺は彼女の十八番。鮫の使い魔たちが彼女が戦場に現れたことに最初に気づかなかった時点で彼らの敗北は確定していたのだ。
「――! ――!!」
生き残った使い魔たちはこれは分が悪いと撤退を始める。風の刃が届かない範囲まで逃げようとする鮫共を追い詰めようとするパリジャードだが、自分がシャチくるみを着ていることをすっかり忘れていた。
「(うーん、着ていたかったけど仕方ない)」
ささっと可愛らしいシャチぐるみから水着に着替えるパリジャード。
流石に水の抵抗をものともしないかの如くすいすいひょいひょい泳ぎ回れても流石に着ぐるみで弓は引けなかった。
神器・白蛇弓のレプリカとして作られた獣奏器『因達羅R』に謹製の破魔矢を番えて逃げゆく鮫の脊髄を貫通!
水の女神たる彼女にとって海中など自らの庭も同然。水の抵抗など知らんとばかりに速射された矢は次々使い魔を貫き、確実にとどめを刺していく。
水中から立ち上る、鮫たちの血が流れた証である赤い靄はまるで彼らの儚い命を示すかのようだった――。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
どこのサメ映画だよ!!!
私はゾンビ映画派閥から派遣されて来たからな!!!
サメは死すべし慈悲は無い!!!
高速詠唱のオーラ防御を多重詠唱で連続展開。身を守るよ。
海に落ちればショートしそうと思ったけど、一応サメだからなぁ。
あ、海上戦とのことなので自前でヒーローカー(水陸空兼用)を持ってきました。もうお前アポヘルとかサクミラで使い倒してボロボロだな……今度メンテしよ。
爆走する! 何なら可能なら弾き倒す! サメは無理だろうけど!
えー逃げ回ってUC連続使用します。
念動力でちゃんとした爆弾で爆撃攻撃も仕掛けるよ。
口を開いた瞬間を見切り、放り込みたいね。
うーん海上は苦手だけどどうだ!?
●時代はジ○ーズではなくバ○オハ○ー○
「どこのサメ映画だよ!!!!!!」
グリモア猟兵の説明を聞いた時の鈴木・志乃(ブラック・f12101)の第一感想がこれであった。
でも鮫ってそういうものだから仕方ないしその鮫ムーブが大ウケした結果サメ映画というジャンルが生まれたワケだし、鮫はそういうモノであるという認識は一部の猟兵にも共通していた。
だが志乃は別にサメ映画が好きなワケではないどころか、ゾンビ映画派閥から派遣されし猟兵。
サメ映画とゾンビ映画――それは決して相容れないのだ!!
「サメは死すべし慈悲はないッ!!!」
ゾンビ映画派閥としてサメ映画的展開を許すワケにはいかない――そんな彼女の意志を敵意と受け取った鮫伯爵の使い魔たち、武器型鮫ガリスをミサイルのように海中より投射!
即座に高速にして多重に詠唱したオーラの結界膜を張る防御術を展開していたおかげで傷はなかったが、使い魔たちはかかれとぞろぞろ迫ってくる。
志乃は自前で用意した水陸空兼用ヒーローカーに搭乗、距離を取ろうと試みた。しかし若干エンジンのかかりが悪い。
今までアポカリプスヘルやサクラミラージュでさんざん使い倒してきたことにより、良く言い換えれば年季が入ってきたせいだろう。
「もうお前ボロボロだな……今度メンテしよ」
だがしかし、一度エンジンがつけばまだまだ現役と言わんばかりにかっとばす!
オーラで防御しているのを良い事にヒーローカーの爆走で襲いかかる武器型鮫ガリスを次々轢き飛ばしていく志乃。
やがて海中から大きく飛び上がった鮫を轢き飛ばそうと試みるが思った以上の大きさだったので流石に無理と判断し迂回。
それに味をシメた鮫伯爵の使い魔共は次々飛びかかって志乃に襲いかかろうとしては華麗なドリフト技術で回避され――を、しばらく繰り返すことに。
「うーん、海上は苦手なんだよなあ……!」
グリードオーシャンのような場所でなければなかなか海上戦の経験は早々できないだろう。
歴戦の猟兵だからといってあらゆる戦場を経験しているワケではない。慣れない場所での戦いに戸惑う、ということは例えどんなに戦いのプロであっても経験するものだ。
だが、こうして轢き飛ばそうとして引き返したことにより鮫が次々海上から飛び上がるようになったのは逆に好機でもあった。
何故なら水の中でなければ鮫共は――無力だ!
「(爆ぜろ――爆ぜろ、爆ぜろ、爆ぜろ……サメよ爆ぜろ……ッッ!!)」
鮫から逃げ回りながら志乃は念じる。
人の意志と自らを接続する真の姿となって、この世界に済む全ての人類に。
自らを害する対象を跡形もなく爆ぜ散らせたいという激情で語りかける――そう、アンチ鮫過激派は例え海の世界だろうがごまんといる。
そのアンチ鮫過激派たちは目の前で自らを害する鮫を爆発させたいという志乃の願いを感じ取り、自らの意志を通じて彼女に力を与え――
次に鮫が飛び出し口を大きく開いてその鋭利な牙を向けたと同時に、志乃は念動力を使ってある物をその口の中に思い切り放り投げた。
「!」
ストレートに喉の奥一直線に入っていったおかげで何かを理解することなく鮫はそれをごっくんと飲み込み、刹那しめやかに爆発四散!
ユーベルコード【炎上する悪意(フレーミング)】により、鮫を爆発させたいという願いが叶ったのだ。
「鮫の口の中に爆弾を投げ込んで爆発させる」という願いが叶う確率は彼女に同調したアンチ鮫過激派たちにより荒唐無稽さを上回り100%を導き出し、今なら確実に実現し続けられる状態である。
グリードオーシャンだからこそアンチ鮫過激派は多分ゾンビ映画派閥と同じかそれ以上はいるのか、はたまた。
ともあれ、反撃の機会は整った。後は鮫が飛び上がるタイミングで念動力を使って爆弾を投げ込むという過程を繰り返せばユーベルコードの効果でその作戦は100%成功する。
もしこれで爆発四散したサメたちがゾンビになって蘇ったらサメゾンビ映画なるものが生まれそうだ。
「……いや、流石にないわ」
どうしてもサメ映画のインパクトが強すぎて、やはりゾンビ映画とは相容れないのではと思わずにはいられない志乃であった。
大成功
🔵🔵🔵
メリー・スペルティナ
とりあえず船とかで足場の確保ですわね……で、どうしましょう。
血の臭いに敏感と聞いた気がするので血晶石でも投げてみます?
と「どうしたもんかな」って感じで海面を覗いてるところに鮫が奇襲してきて盛大に血を吐きます
ぐ、ぐふ……わたくしを「無防備に海をのぞき込んで鮫に飛びつかれて血を吐いた間抜け」と?
いえ、これがわたくしの「無防備に受けたUCを無効化し盛大に吐血を浴びせる」UC【呪縛血界:偽傷返礼】ですわ
鮫なら惹かれますわよね、薄まろうとも血の臭いに。
最も、今撒かれたのは血だけに非ず、それが帯びる《呪詛》もですわ
後は呪殺され藻屑になるも、直接わたくしの剣で開きになるも好きになさいな
※アドリブ歓迎です
●※無傷です
さてどうしてくれよう、とメリー・スペルティナ(暗澹たる慈雨の淑女(自称)・f26478)は腕を組んで考えていた。
「とりあえず船とかで足場の確保ですわね……」
何はともあれ海に出なくては始まらないのでまずはそこから。適当な船を拝借し出てきたは良いが……
「――――で、どうしましょう……」
流石に海中で戦う手段はない。かといって有効打と確実に言えるものもない。
これがセイレーン等水棲種族であるならばさくっと海中に入って水中勝負と出ても良いのだが、残念ながらメリーはダンピール。流石にエラはないので水の中で呼吸はできないし死霊術も使えない。
ふーむ、と考えながら界面を覗き込む。
「そう言えば鮫は血の臭いに敏感と聞いた気がしますわね。血晶石でも投げてみましょうか……」
鮫は感覚器官が非常に洗練されている生き物だ。
とはいえ流石に1km以上もの距離からから漂う血の臭いを嗅ぎ取るとかいうのはデマであるが、それでも近くにいるならば感じ取ってやってくる可能性はあるかもしれない。
思いついたなら早速モノは試しにやってみようかと海面を覗く顔を上げようと……したのだが。
「かはァ――――――ッ!?」
何てこったい、絶妙なタイミングで鮫伯爵の使い魔が飛び出しメリーを攻撃!
盛大に血を吐き散らかし、メリーは甲板にどさりと倒れ込む。
しかしそれにしてもタイミングがジャストすぎた。
「ここで鮫けしかけるから盛大にオーバーなリアクションして吹っ飛んでくださーい」と演出家と打ち合わせの上テレビ撮影をしているのかと思ってしまう程には絶妙なタイミングでメリーは盛大にダメージを受けて吐血した。
「う、うぐ……わたくしともあろうものが……こふっ!」
立ち上がろうとして吐血しまた崩折れる図を、鮫伯爵の使い魔はにゅっと顔を出して見ていた。その顔にはメリーが先程吐いた血が返り値のようにべっしょり。
メリーがふるふると視線を向けると使い魔は「うっわ猟兵ダサくね?」と言うかのような視線を向けている。
いや、メリーにはこう言われているように見えた。
――お前、もしかしなくてもぽんのこつやろ。
「ぐふゥ―――――ッ!?!?」
その意図を察知してしまったメリーは再び吐血した(※誰もそんなこと言ってないし勝手にそう解釈して自傷しているだけ)。
鮫伯爵の使い魔、何か知らんけど勝手に血吐いてるよこいつみたいな目でメリーを見る。
だがメリーはぷるぷると立ち上がり、血の混じった唾を吐き捨ててにやりと笑い始めた。
「ふ、ふふ……わたくしを「無防備に海を覗き込んで鮫に飛びつかれて血を吐いた間抜け」と?」
それ以外に何があんねん、と視線で問いかける鮫伯爵の使い魔。
まあ確かにメリーはちょっとドジなところがある女の子ではあるが、そのドジすらも計算に入れて戦う猟兵である(多分)。
そう、何なんこいつと油断したが運の尽き。既に使い魔はメリーの術中に嵌っていたのだ――!
「いえ――これが、わたくしのユーベルコード【呪縛血界:偽傷返礼(ブラッドカース・ノーダメージ・リベンジ)】ですわ!!」
「――!?」
鮫伯爵の使い魔が突然もがき苦しみ始める。
【呪縛血界:偽傷返礼】、それは一見メリーのみがめちゃくちゃダメージを負っているかのように見せかけて逆に呪詛を含ませた血を意図的に吐いている反撃系ユーベルコード。
先程吐いた血を盛大に浴びた使い魔は、身体を蝕む呪詛に耐えられず苦悶の声を上げてそのまま海中へと沈んでいく。
だが、その血の臭いは鮫――悪魔の使い魔であるなら尚更のこと惹かれずにはいられない。それに釣られるように次々と引き寄せられてはばらまかれた血が含む呪詛を浴び、弱々しくなっていく。
それでも猟兵を攻撃しようと飛びかかった鮫はメリーが剣で斬り捨て、そうでなければ海中に沈み行き呪詛で死ぬ時までもがき苦しむのみ。
なんやこいつぽんのこつやないかいやったれやったれー、という気分でかるーくカチコミを入れたばかりに、鮫伯爵の使い魔たちは地獄のような思いを味わうハメになったのである。
尚散々血を吐いたメリーであるが、一切の無傷です。ほんまか??と言いたいぐらいに血を吐いて言ったが無傷です。本当なんです信じてください。ダンピールだから血を操るとかできるしね!
その割にはめっちゃ甲板血塗れだけどホントに傷を負ってないんだってば!!
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
鮫、ですかぁ。
ええ、間違いなく危険ですねぇ。
『FBS』を四肢に嵌め僅かに浮遊、これは『揺れる足場の影響』や『海への転落』を防ぐ為ですねぇ。
そして『FCS』により『FRS』『FSS』の弾頭を『魚雷』に変換、『魚雷による[爆撃]』を投射し船上から攻撃しますぅ。
攻撃に気づけば、鮫さん達も此方を狙ってくるでしょうから、そこで【秤濤】を使用しますねぇ。
『メガリス』の効果が不明とは言え、『魅了』してしまえば鮫さん達が強い分此方の有利に働きますぅ。
それこそ『合体鮫』等を味方に出来れば最良ですねぇ。
後は『飛び出してくる』等に備えて『超重力波』で押さえつつ『魚雷攻撃』を続けましょうかぁ。
ビードット・ワイワイ
鮫は!モササウルスから見れば!餌!
モササウルスは怒っておる
餌がいまや持て囃されモササウルスは、え…?あー、あの映画で見たあいつか。へー。インパクトあったよね
位の知名度しかない事に!
であればメカモササウルスが全ての鮫を食らいつくそう!
今日はフカヒレパーティーだ!
メカモササウルスの巨体と速度さらに雷撃これ合わされば
焼き鮫の出来上がりよ
追いつき喰らいすり潰し
我が体内にてかまぼこにしてやろう
フカヒレも忘れんぞ
時代はモササウルス!忘れることなかれ
●時代はジ●ーズではない、ウルトラ鮫だ。いいやそれよりモササウルスだ!
「鮫、ですかぁ……ええ、間違いなく危険ですねぇ……」
ぷるぷると震える夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
そう、これまでさんざん鮫を蹂躙し続ける猟兵側の快進撃が続いているが本当は鮫という生き物は非常に危険な生物である。
コレが唐突に合体し始めたりなんかしたらもう普通の人間では手に負えないどころの話ではない。
鮫という存在によって人類はいとも容易く絶滅させられてしまうということを、我々は忘れてはならないのだ。
だが一方で鮫が最強の生物?うっそだあ~と言わんばかりの猟兵も。
「鮫は!!モササウルスから見れば!!!!餌!!!!!!!!!!!!!」
ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)は激怒していた。
必ずやあの餌共を喰らい尽くさねばならぬと。それ程までに鮫に対する怒りがにじみ出ていた。
「そうなんですかぁ?」
「そう。モササウルスは怒っておる。餌がいまや持て囃されモササウルスは……」
それでは唐突ですがここで近隣の島民に話をお伺いしましょう。モササウルスってご存知ですか?
『モササウルス……?え…?あー思い出した、あの映画で見たあいつかあ。インパクトあったよねえ』
現場からは以上です。
「……位の知名度しかないことに!!!!」
「それは大変でしたねぇ……」
「故にモササウルスの栄光を取り戻さねばならぬ。であればメカモササウルスが全ての鮫を食らいつくそう!今日はフカヒレパーティーだ!」
「フカヒレ、おいしいですよねぇ。これだけたくさんいれば少しはこちらで捌いて食べられるかもしれませんねぇ……」
確かにフカヒレが大量に手に入るが、一応目の前にやってきてる鮫共は悪魔の使い魔なんだけど食べて大丈夫なのかとかきっとそんなことは聞くだけ野暮なのだ。
●
「何かあってはいけませんからねぇ」
るこるは自立浮遊型戦輪『FBS』を手足に嵌め、足場から若干足を離して揺れる足場により受ける影響を防ぐ。
浮遊していれば万一転覆した場合も海へ転落することはなく、保険としては十分だ。
そして次に『FCS』――フローティングコンバートシステムから換装用フローティングシステム専用魚雷を取り出し、『FRS』と『FSS』の弾頭を魚雷に変換すると即座に発射。
戦場から魚雷による爆撃が降り注ぎ、鮫伯爵の使い魔達は爆風に巻き込まれ、残った使い魔たちがるこるの乗る船へと突貫を始める。
しかしるこるは一切焦りを見せない。何故ならこれは先手を取って鮫たちを駆逐する為に撃っているのではなく、これによりるこる側へと鮫をおびき寄せる為のものだから。
距離が目と鼻の先にまで迫ったところで、るこるは豊饒の使徒としての祈りを天に捧げる。
「"大いなる豊饒の女神、その御力による裁きをお与えください"――」
豊乳女神の加護・秤濤】により、るこるが乳白色のオーラに包まれる。
それが齎す恩恵は"魅了"……例え人でなくとも、生命があり心があるならば皆誰しもが今の彼女の虜となり目を逸らせなくする程の協力なチャーム効果。
同時に放たれる乳白色の波動は範囲990mにまで及び、使い魔達の魂を魅了する!
「――♥ ――♥♥」
魅了された使い魔たちはすっかりるこるの虜となり仲間たちに反旗を翻し始める。
てめえこの野郎!鮫伯爵様を裏切りやがって!と言いたそうな魅了されなかった使い魔は豊饒の女神がもたらす力により発生した超重力空間にその身を吸い込まれ、後に残るはるこるにすっかりメロメロな鮫たちのみ。
鮫たちが持っているメガリスがどのような効果かは不明だが、魅了することによりこちらの味方に引き入れてしまえばこちらの利になるし、使わせて観察すればそれを情報として続く猟兵たちに残すことも可能だ。
そして早速鮫たちはるこるちゃーんの為ーなーらーえーんやこーらーと各々が鮫伯爵より賜りしメガリスを早速発動。
すると周りに次々鮫が集まっていく。A,B,C,D,E,F,G……アルファベットが2順か3順するぐらいの鮫が集まって……
「――!」
野郎ども、いくぞぉ!と言わんばかりに鮫たちは咆吼を上げ――なんと合体!ウルトラ鮫に進化した!!
どうやら合体することで能力を極大上昇させるメガリスを持っていたようだ。他にもあるかもしれないが、少なくともるこるに惚れた鮫たちはそうだった。
これは最良の結果だ、合体鮫はどの鮫よりも一線を画した力を持つ鮫、猟兵側の味方にできてこれ程心強いものはない。るこるは鮫を従え、引き続き敵の駆逐を行った。
●
「"古代に滅びし海龍よ。海は其方を忘れたぞ。絶対なりし海の王――機械の身体に魂を宿せ"」
一方鮫が主食でもあるモササウルスのビードット。
ユーベルコード【実行仮想破滅・七海征する最新にして古代の龍(アクセス・イマジナリールーイン・メカモササウルス)】を発動し、全長2.667mの自らの肉体を全長300mのものメカモササウルスへと変形させる。
変形したビードットの迫力は最早鮫をも越えた海の王者に相応しき貫禄、まさしく神話にあったリヴァイアサンを体現したかのような威圧を醸し出していた。
その巨大な体躯で水中を動けるのか?と端から見ただけなら思うであろう人もいるだろう、だがこのユーベルコードは陸上での戦闘能力と引き換えに海の生物で彼に敵う者一匹たりとて無しと言わしめる程の強力な力を齎すのだ。
つまり、メカモササウルスの巨体と速度、さらに雷撃これ合わされば――何ができる?
――ウルトラ上手に焼けた鮫の姿焼きが出来上がります!!!
ビードットの角から放たれし雷撃砲は海の中を一瞬だけ白く染め上げるかのように駆け抜け、海の中から水中にもかかわらずじゅわじゅわと香ばしい焼き音と共に煙が上がる。
あまりにもの速度で放たれて鮫共と衝突、焼き鮫に仕上げたことにより水温が一時的に熱湯並となったのだ。何てこったい。でも焼き鮫がすごくおいしそうだ。
そして出来上がった鮫の姿焼きをビードットはお口をあんぐり開けて早速食らいつきむしゃむしゃもぐもぐ。その味に舌鼓。
「決して逃さんぞ……追いつき喰らいすり潰し我が体内にてかまぼこにしてやろう。フカヒレも忘れんぞ!」
フカヒレスープはおいしいので決して忘れてはならない。
(本人基準で)軽食を平らげたビードットはあまりにもの光景と唐突に異常上昇した水温に戸惑う鮫伯爵の使い魔の群れに突進、一気に丸呑み!
丸呑みされた鮫たちは彼の体内でフカヒレと肉と骨とに分解され、肉はすりおろされて蒲鉾へと加工されていく。
できあがった真っ白な蒲鉾にモササウルス型の焼印を入れたら名物・鮫かまぼこの完成だ。一体どこに出品するのかって?さあ。
フカヒレはフカヒレでちゃんと保管。これも後においしいフカヒレスープになることでしょう。
「まだまだ!時代はモササウルスッ!!!」
ユーベルコードの代償として毎秒理性を失いながら、ビードットは鮫を片っ端から食らってはかまぼこを作り続けたのであった。
この後フカヒレとかまぼこをどうしたかは彼にしかわからない。
もしかしたらるこるにフカヒレを分けてあげた可能性もきっとある。
大成功
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高砂・オリフィス
サメは無敵か。うんうん。わかるよ。わかるとも。強いもんね。こう、なんつーか、海の王者的な感じ。
ってなるかーい! なんじゃこりゃーっ! 鮫伯爵ってどなた様!?
飛ぶのはできなくても跳ぶことはできる! ってなわけでユーベルコードで飛び上がって組みつくよ! 船から借りてきたロープが有れば、むしろこうやってロデオるのも可能かも!
こういう荒馬と遊ぶダンスってのもやってみたかったんだーっ! たーのしーっ! あはは!
天王寺・七海
出たわね。鮫。
こいつらに、対抗させてもらうわね。
サメは、見つけ出して、狩るわよ。
まず、仲間たちを呼んで、UC使用するわよ。
そしたら、各個撃破するわね。
ステルス対策は、メロンブレインで超音波を発生させて、反応あった場所に、体当たり。
そして、【集団戦術】で狩りまくるわね。
●タイムイベント・シャークズ
「サメは無敵か……うんうん、わかるよ。わかるとも」
依頼の説明を受けた時のこと。
高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)はうんうんと頷きながらグリモア猟兵の説明を聞いていた。
「強いもんね。こう、なんつーか……海の王者的な感じ」
だから火の中水の中土の中森の中からも出てくるし某手だけのモンスターよろしく仲間を大量に呼び寄せるし合体してキング鮫どころかウルトラ鮫になったりするし3匹そろったら特殊技が発生して大ダメージを与えたりするしそもそもが飛翔して炎を吹いたりとかもする。
「……ってなるか――――――――いっ!!なんじゃこりゃーっ!!!」
しかし現場にかけつけて思い返したところ出た結論は「ねーわ」であった。
残念ながら映画として実際にあったりするしどこぞのゲームのイベントでも取り上げられたりするんだけどね。
「てか鮫伯爵ってどなた様!?」
そう、今出ているのは使い魔だけで肝心の鮫伯爵がいないので、鮫伯爵が一体何者なのかはわからないのである。
ただ確実に言えることは鮫の関係者であること、ただそれだけだ。
だが今はそんなこと考えたところで何にもならないしこの眼の前の鮫共をどうにかしなくては蒼海羅針域にあるサムライエンパイアに通じる渦潮が破壊されてしまう。
オリフィスは考えるのをやめて戦闘に集中することにした。
「飛ぶのはできなくても!跳ぶことはできるッ!!」
ユーベルコード【スカイステッパー】で軽やかに空中ステップを刻み――顔を出した鮫の第一背鰭をがしぃっ!と掴んで組み付いた!
いきなり人間一人分の重量に見舞われた鮫、テンパって大暴れ。あっちやこっちやと駆け回ってはぴょいんぴょいーん。
それはさながら興奮した牛が人を載せて駆け回るロデオのようでオリフィスは楽しさに目を輝かせる。
「おおー元気元気!あっそーだ、船からロープ借りてきたんだった」
いったいどうやってそんな大暴れする鮫で器用に両手を離しても居座っていられるのか、オリフィスはロープを鮫の背鰭を中心にして巻きつけまずは手綱のように仕上げる。
そして荒馬ならぬ荒鮫を乗りこなし、ロープを起点に次々やってくる鮫伯爵の使い魔を蹴っ飛ばし、頭をひねり、頭にはまた別のロープをひっかけ、さらには尾ひれと頭をセットにして縛り上げたりと見事なロデオ捌きを見せた!
「あははっ、たーのしーっ!こういう荒馬と遊ぶダンスってのもやってみたかったんだーっ!」
気分は最高絶好調なオリフィスのダンスは止まらない。今この時だけ海はロデオ会場と化し、近隣の島民の皆さんがびっくりしてその様子を撮影していたとか、していなかったとか。
●脅威は背後から忍び寄るもの
とんでもない猟兵がいたもんだと鮫伯爵の使い魔たちはげんなりとしていた。
散々遊び道具にされたでワイら……と言いたいばかりに。未だに彼らの身体にはロープが巻き付いてるし、頭と尾ひれを一緒にさせられた使い魔のロープをちぎってあげようと別の鮫がロープに噛み付いている。優しい。
そんな鮫の群れに近寄る新たな一派。
「……出たわね、鮫」
天王寺・七海(大海の覇者・f26687)率いる鯱の群れだ。
だが彼女は最強の生物は鮫ではなく鯱だとか、そういうことを謳う為にここにきたのではない。
海の秩序を乱す鮫たちを、鯱として許すワケにはいかぬと同胞たる鯱たちを連れて大海より訪れたのだ!
「鮫は、見つけ出して、狩るわよ」
「――!」
七海の言葉に応えるかのように鯱たちが吠える。
さらにユーベルコード【オルカライヴ】を発動し、自分たちとは別の一派である鯱の群れを増援として呼び寄せる。
「各個撃破でいくわよ」
早速行動を開始。
鮫たちの前に姿を表せば、奴らは途端に恐怖で統率が乱れ始めた。
それもそのハズ、鮫ばかりが映画等でピックアップされ最強の王者と謳われるが、実在する鮫と鯱では実は鯱の方が強い。
具体的に言うと鮫の中で一番強いとされているホホジロザメですら鯱を前にしたら逃げ出す程なのだから――!
慌てて逃げ出す鮫伯爵の使い魔たちを、七海はそれぞれ手分けして狩っていくことにした。
単騎で追いかけるのではなく、常に数匹でグループを作り包囲して一匹ずつ確実に仕留めていく。
集団戦術という数の暴力で、とにかく鮫を狩りまくる七海たち鯱一派。
全ては海の秩序を護らんが為、そして海とはグリードオーシャンの世界そのものなれば、世界を護るという猟兵の使命と鯱としての海の秩序の死守は合致する(?)のである!
とはいえ鮫たちもただやられっぱなしというワケではない。なぜなら彼らも彼らでメガリスによる隠密機能を備えている。
それを使ってでも逃げようとするのだが――それも人間の知能を持った鯱である七海にはお見通し。
メロンブレインで超音波を放てばどこかしら空間に歪みが出るかのような反応が検出される――鮫が超音波に驚きたじろいだからだ。
その巨大な躯体を生かした体当たりが炸裂すれば、鮫の隠密機能は解除されて姿が露わに。
そしてそこに、仲間の鯱たちが一斉に畳み掛け……最早七海たちのいる海域に敵意を示す鮫たちは一匹たりとて存在しなくなった。
「これでこの辺りは大丈夫ね……次を当たりましょうか」
まだまだ海の秩序を乱す鮫たちはごまんといるので、一派を倒したところで止まっている場合ではない。
七海は仲間たちを連れ、別の海域へと足を運んだ。……いや、ヒレを運んだと言う方が良いのだろうか。わからない。
大成功
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八重咲・科戸
サメってこわいな、ほとんど妖怪ではないか
だがしかし、恐ろしいからこそ手なずけられれば心強い味方になるというもの!
「属性攻撃」で風の手助けを借りて「水上歩行」「ダッシュ」だ
当てられたら沈むから「逃げ足」で避けまくるぞ
そしておもむろに瓢箪を取り出して蓋を開ける
一瞬の間の後明らかに瓢箪には収まらない質量の軟膏薬が噴水のように!!
目に付くサメ共にぶっかけるぞ!
しかとみさらせ!これが本当の「イタチザメ」!ぶわははははは!
さあゆくぞ、我が同胞イタチシャークよ!水上を風に乗って「滑空」し、三位一体の捕食攻撃、更に口から真空刃を出す!そして共に連係攻撃だ!なんかサメに有利そうなメガリスを出せい!
●鮫の弱点を知っているのは鮫自身ではある
「サメってこわいな、ほとんど妖怪ではないか……」
グリモア猟兵からの説明を聞いた時の八重咲・科戸(一人一組の鎌鼬・f28254)の印象がこうだ。
わかる、最早動物じゃなくて妖怪である。だがこれが現実なのだ。実在する鮫ではなくあくまで使い魔という形であったとしても鮫は鮫なのだ。
説明を聞くだけで伝わる恐ろしさにごくりと唾を飲み込む。
「だがしかし、恐ろしいからこそ手懐けられれば心強い味方になるというもの!」
そう、脅威は敵であるから脅威なのであり逆に味方にできればこれ程頼りにできるものはない。
ならばそれを試みるのは決して悪手ではない。若干賭けになるかもしれないが、その賭けに勝てば大儲けも同然だ。
早速科戸は行動に出ることにした。まずは精霊術で風の精霊に呼びかけ手助けを借りて水上に降り立つ。
――いる。奴らはいる。恐らくユーベルコードか何かで姿を隠しているのだろうが風に敏感な鎌鼬一族は例え迷彩を施されていようと風を切る気配を感じればそこから察することができるというもの。
風の手助けにより水上に立てているが攻撃を当てられたら普通に沈んでしまうので、科戸は鮫から逃げるように水上を走る。
そしてそれを鮫伯爵の使い魔たちは追いかける。背鰭が風を切り流れが変わる度に方向転換を繰り返しながら、科戸は徐に瓢箪を取り出し一度ブレーキをかける。
するとそれを好機と思った鮫の一匹が飛び出し、姿を露わにして口をあんぐり開けたらドブシャァ!!と音をたてて瓢箪から放たれた大量の八重咲一族秘伝の軟膏薬がどぼどぼと放り込まれていく。
その量は明らかに瓢箪一つの中に収まるもんじゃないが知ったこっちゃないと言わんばかりに他に飛び出した鮫にも次々とぶっかけてやる。
むしろ海に浸透するまですらある。
「ぶわはははははは!しかと見晒せ!これが本当の「イタチザメ」ッッ!!」
高らかに笑い勝利を宣言するかのように言い張るがぶっちゃけてただのオヤジギャグも同然な気がする。
が、この軟膏薬を浴びた鮫伯爵の使い魔たちは科戸に傅くかのように寄り添っていくではないか。
これは科戸のユーベルコード【捌式・悪禅妙薬】の効果によるもので、軟膏を浴びた鮫たちは科戸の忠実なしもべとして振る舞うのである――!
何か鮫たちからイタチの耳が生えているように見えたが流石に気の所為だろう。気の所為だと思うことにしよう。
「さあゆくぞ我が同胞イタチシャークよッ!!」
科戸の号令と共に味方に回った鮫――否、イタチシャークたちが水上を風に乗って滑空!
かつての同胞であった鮫伯爵の使い魔たちはイタチシャークの三位一体の如き怒涛の捕食攻撃を受けて胃袋の中へ、さらにそれだけではなくなんと口から炎ならぬ真空刃を吐き出しては鮫共を真っ二つにしたりみじん切りにしたりのやりたい放題!
だがこれだけでは当然終わらない。
「連携攻撃だ!なんかサメに有利そうなメガリスを出せい!」
はーい、とイタチシャークたちは元の主から賜ったハズのメガリスをそそくさと取り出して科戸に渡す。
何かこう、ピースサインの形をしたメガリスだ。
「……いったいどんなメガリ」
と、覗き込んだ時に指2本を模した部分と目が合った瞬間嫌な気配を感じて科戸は即座に顔をそらす。
刹那、超高熱を帯びたレーザーがズキュゥン!と放たれる。
これだけで察した。目 潰 し 特 化 型 メ ガ リ ス である。
科戸は危うく自らの目を潰すところだった現実を目の当たりにして涙目になった。
実際鮫の弱点は鼻と目なので特効装備といえば特効装備、間違ってはいないが何故そんなメガリスを賜ってんだお前ら。
「ま、まあとりあえずいくぞ!イタチシャークよッ!!!」
号令と共に再びイタチシャークは鮫に突進!それに先導されるかのようにメガリスを構え、科戸も鮫目掛けて突撃!
まずはイタチシャークがその渾身の体当たりを鮫の鼻にお見舞いしてやり、そこに畳み掛けるように科戸がメガリスで目を潰す。
二つの最大の弱点を攻められた鮫伯爵の使い魔は何故かその場で爆発四散!確かに高熱のレーザーは放ったが火がついて爆発する要素だっただろうかとかそんなことは気にしてはいけない。
こうして完全に味をシメた科戸と八重咲一族のイタチシャーク共は残る鮫伯爵の使い魔たちを次々に撃破していき――遂に再び海に静寂は訪れた。
●
蒼海羅針域に迫るコンキスタドールの大軍は猟兵たちによって一匹たりとて目的地にたどり着くことは叶わず海の藻屑と化した。
ひとまず、サムライエンパイアの渦潮に脅威が迫ることはないだろう。
ならば、七大海嘯のいる島を目指し、この果てしなく広がるグリードオーシャンの大海原を開拓しに行こう。
全てはこの世界の平和を護る為。世界を過去に還さぬ為――。
大成功
🔵🔵🔵