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銀河帝国攻略戦⑦~ミラーEM885破壊作戦~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●艦隊を灼くもの
「ミラーEM885、角度調整よろし」
「敵艦隊の航路、予測との誤差コンマ82以内。カイザー・レイ効果範囲内に集結中」
 オペレーターたちの声を受け、ディクタトル級高速戦艦『アドミラル・ガランデン』の艦長は満足げに息を吐いた。
 皇帝の威光そのものたるこの戦略兵器によって、愚かな反乱軍は一撃のもとに消滅する。
 その未来は最早揺らぐことはあるまい。
「作業急がせろ! 敵艦隊集結までの時間はあるが、万一のトラブルに備えて急ぐに越したことはない。発射予定時刻20時間前には全ての用意を完了――」
「敵襲です! 敵部隊がミラー上に出現! レーダーに事前の反応なし――突然現れました!!」

●光を打ち砕け
「良いですか! あの鏡がキラッとしたら戦艦がどばーってなって大爆発! なのでそれを食い止めてください!」
 オーバーな身振り手振りを交え、アンナは猟兵たちに訴える。
 銀河帝国の戦略防衛兵器、カイザー・レイ。皇帝の光を冠したその巨大なミラーの集合体は、集結しつつある解放軍艦隊にとって脅威となる。
 これの照射を許せば、艦隊は壊滅的な損害を受け決戦すらままならないだろう。
 ――という旨を、アンナなりに訴えているのだ。
「今から鏡の上に皆さんを送り届けます! あのでっかい鏡を砕いてほしいんです――けど、その前に角度とかいろいろ操作してる戦艦がいるので!」
 コントロール艦――銀河帝国軍の主力高速戦艦ディクタトル級、名をアドミラル・ガランデン。黒鯨の名を冠した艦隊戦の名手の名を受け継ぐ、銀河帝国が誇る傑作戦艦の一隻だ。
 それが猟兵たちの作戦行動を妨害すべく、火砲艦載機その他諸々あらゆる手段でもって襲いかかってくるであろうことは確実。
「なので先にそっちから叩いてください! 全ミラーの準備完了までだいたい二週間くらい? なので、それまでにあの戦艦を沈めれば私達の担当するぶんはOKです!」
 宇宙服とかはこっちで用意したのを貸し出しますし、帰りも私がお迎えに上がるのでなる早でお願いします! とアンナは一行を送り出す準備を始めるのだった。


紅星ざーりゃ
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは、紅星ざーりゃです。
 こちらは戦争シナリオでも重要度の高い、カイザー・レイへの攻撃任務となります。
 妨害する敵戦力はディクタトル級戦艦アドミラル・ガランデン。強力な敵艦と時間制限付きの戦闘になりますが、どうか作戦を成功させカイザー・レイ照射を阻止してください。
 皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『ディクタトル級巡洋戦艦』

POW   :    主砲発射用意!
予め【主砲にエネルギーを充填しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    航空各隊、邀撃に移れ!
【両舷カタパルト】から【直掩艦載機】を放ち、【対宙迎撃】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    オール・ウェポンズ・フリー
【兵装使用無制限状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ベモリゼ・テモワンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メイスン・ドットハック
【SPD】
こいつは壊し甲斐のある戦艦じゃのー
さっそく火蓋を切るとしようかのー

小型船にて敵戦艦に接近
航空隊に関しては電脳魔術にてジャマー迷彩を張り、やり過ごす
また敵管制室にハッキングを仕掛けて、指令通信を徹底的に邪魔をする。その際にウィルスプログラムを感染させて、しばらく復帰できないようにしてみる(ハッキング、破壊工作、暗号作成、鍵開け)

そして戦艦に近づけたらユーベルコード「木を隠すなら森の中」を発動
23㎡の隕石を作成する
戦艦に接触すると発動する起動トラップで、金属と化学反応を起こして大爆発を起こす
それを蹴りつけて戦艦に叩きつける




 こいつは壊し甲斐のある戦艦じゃのー。
 頭上に君臨するディクタトル級戦艦アドミラル・ガランデンの威容たるや、小型戦艦など石ころにも満たないのだろう。
 だからこそ壊し甲斐があるものだと、メイスンは頬を緩ませた。
「早速火蓋を切るとしようかのー……っと」
 船体両舷のハッチがゆっくりと開き、艦載機が次々と発艦していく。戦闘機に捕捉されれば、機動性が良好とは言えないこの小型船はひとたまりもないだろう。
 慌てず騒がず船体に電子迷彩を施し、レーダーからその姿を隠すメイスン。自身の一撃で仲間たちの総攻撃が始まるのだから、慎重に慎重を重ねても悪いということはあるまい。
「飛行隊の管制室はあそこかの? ふふ、目も耳も僕が盗んでやるからのー」
 ちらりと見えた敵の管制室に電子攻撃を仕掛け、ハッキングを挑むメイスン。
 突然通信プロトコルがぐちゃぐちゃに破壊され、復帰しようにも帝国軍とは全く異なる方法で暗号化されたそれは、すぐには管制機能を取り戻せないことを意味する。そして、管制室という耳目の代理人を失った艦載機が、この狭く味方機が密集する宙域でどうなるかと言えば――
「おー、うわぁ、派手に事故るもんじゃのー」
 編隊間の距離を見失いクラッシュ。それを回避しようと旋回したところに別の編隊が突っ込み衝突事故。あちらこちらで飛行隊が惨事に見舞われ、敵艦の注意もそちらに集中している。
「うん、今じゃの」
 メイスンは小型船のハッチを開け、ユーベルコードで特製の罠――隕石爆弾を作り上げる。
 それ自体は小さく、いくらぶつけたところでアドミラル・ガランデンの巨体に大きなダメージを与えることは出来ないだろう。
 だが、それが爆弾であれば話は別だ。巨大な榴弾が炸裂するようなもの、如何に帝国が誇る主力戦艦といえども無事では済むまい。
 そぉれ、と蹴り出した隕石爆弾は慣性に乗って敵艦へと飛来する。
 そして、本来であればそういった不審物を発見、報告し、撃墜するべく出撃したはずの飛行隊は混乱の最中にある。
「ま、引っかかったほうが間抜けというやつじゃけーのー」
 ハッチを閉じ、迷彩を解除して全力で離脱するメイスンの小型船。その後方で起爆した隕石爆弾がアドミラル・ガランデンの装甲に大きなダメージを与えると共に、盛大に開戦の狼煙をあげた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスタリア・ミスタニア
ハハッ!正真正銘の対艦戦か!いいね、いいね!
戦艦を撃沈させる、これに滾らない鎧装騎兵はいないだろう!
そうさ!宇宙間戦争では鎧装騎兵が戦況を決めるもんだ、大艦巨砲主義が悪いとは言わないが鎧装騎兵こそが宙間戦闘の主役だと帝国の奴らに教えてやる!

鎧装騎兵に対艦用の主砲がそう当たるわけないだろうが!しかもチャージして発射タイミングまで教えて貰ってればな!
主力艦のディクタトル級ならデータもあるだろ。なら主砲のエネルギーライン辺りを外から狙うか。
上手くチャージ中に暴発させられればオレの手で轟沈目指せるかもな!
パイルバンカーで装甲ぶち抜いて、そこに大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)を直にぶっ放してやる!


ミスト・ペルメオス
(POW)

やられてなるものか…!
そうだろう…? ブラックバードッ!

自前の機械鎧を駆って出撃。
相手は巡洋戦艦、苦しい戦いなのは承知の上。だが恐れている場合ではない。
念動力、最大。専用デバイスを介し、機体制御や火器管制に活かす。
スラスターも全力稼働させて敵艦の上方に進出しつつ、【オープンファイア】。
回避起動を織り交ぜながらも、可変速ビームキャノン/対艦・対拠点モードでの砲撃を仕掛ける。
目標は敵艦の武装。大きな脅威となるそれらを素早く潰していきたい。

主砲の一撃を喰らえば恐らくひとたまりもない。可能ならば真っ先に潰す。
出来ずとも、砲撃の瞬間を見切れるよう常に注意しておく。

※他の方々との共闘等、歓迎です




「ハハッ! 正真正銘の対艦戦か! いいね、いいね! 戦艦を撃沈する、これに滾らない鎧装騎兵は居ないだろう!」
「ええ……ですが今は集結中の味方艦隊をやらせないのが最優先です! ……いくぞ、ブラックバードッ!」
 肌を見せつけるような際どいデザインの軽装宇宙服に身を包んだミスタリアと対象的に、船団が誇る重装の機械鎧ブラックバードを駆るミスト。
 二騎の鎧装騎兵が打ち上げられた開戦の号砲に合わせるように上昇し、艦の下方から左右両舷を挟むように上方に抜けていく。
『――敵騎2、艦体下方より急速に近づく! 間もなく甲板上に現出!』
『防空飛行隊未だ通信途絶、迎撃機あがれません!』
 二人の急襲にざわめくブリッジ。それを艦長が一喝する。
『騒ぐな! 敵の接近はわかりきっていたことだろう、主砲の充填を続行、それまで防空火器による迎撃に徹する!』
 たかが二騎の鎧装騎兵ごとき、このディクタトル級――いや、私の指揮するアドミラル・ガランデンの敵ではない。そうクルーを鼓舞してすぐさま迎撃命令を下す艦長。
 その命令に従い、直ちに艦載機関砲が二人の鎧装騎兵を追い回す。
「さすがの巡洋戦艦、守りも厚い……でも、苦しい戦いは承知の上。恐れている場合ではない!」
 念動力も用いた全力の機動で対空砲を掻い潜り、的確な応射で敵の防空火器を着実に破壊していくミスト。
 一方でミスタリアは回避に徹していた。
「大艦巨砲主義が悪いとは言わないが、宇宙間戦争では鎧装騎兵が戦況を決めるもんだ」
 鎧装騎兵の中でも特に装備を最低限に抑え、投影面積を小さく保つミスタリアに対し、本来戦闘機を迎え撃つための防空火器はその性能を発揮しきれない。時折放たれる小型艦を駆逐するための副砲もまた然り。
「鎧装騎兵に対艦戦前提の砲がそう当たるわけないだろうが!」
「当たらないにしても少しは減らしてください、私一人では限界があるんですよ!」
 敵艦の真正面で再び合流した二人。着実に艦砲を減らしたミストと、敵の迎撃を引きつけることに徹したミスタリア。無言の連携は上手く機能したとは言え、反撃にまで気を回したミストは思わず文句を――
 言おうとしたところで、どちらともなく互いの距離を離す。
 その間を、主砲の禍々しいビームが横切っていった。
「あれがディクタトル級の主砲……なんて威力だ」
「いくら威力があってもわざわざチャージまでして攻撃タイミングを教えてくれてるんだ、当たるわけ無いだろう!」
 再びチャージに入った敵の主砲を眼下に見据え、二人は攻勢のタイミングを図る。
『敵騎……なおも健在! 防空兵装多数沈黙――艦長!!』
『怯むな! 怯めば敵の思うままだ。まだ防空兵装の残存数は十分、間もなく飛行隊も復帰する……"一番"砲で牽制を続行、飛行隊の来援まで敵を近づけるなッ!』
 さて、どうする? とミストに目配せをして、未だ戦意衰えないアドミラル・ガランデンを見下ろすミスタリア。
「そう、ですね……主砲は大きな脅威ですから真っ先に潰したいですが……」
「だよな。ディクタトル級のデータとか持ってるか?」
 ちょっと待ってください、とデバイスで母艦のネットワークから情報を探すミストが、ありましたと小さな歓声をあげる。
 大昔の戦争で、旧解放軍が大きな犠牲を払って得たディクタトル級戦艦の構造情報――そして、その主砲には一部、エネルギーパイプラインが放熱のため外部に露出するポイントがある。
 だが――
「それは敵の防空網の一番分厚い所……」
「構うことはねえ、そこをぶち抜けば主砲が暴発して上手いことやれば轟沈させられるかもしれないんだろ?」
 ならやるしかないだろう、と対艦杭打機を大型のブラスターに接続して強攻を挑むミスタリア。
「ちょっと! 無謀だな、あの人は……でも、この宇宙を懸けた決戦だ。そのくらいの思い切りも必要、か……!」
 そしてそれに続き、対空砲を叩き潰しながら甲板上を滑るように飛翔するミスト。
 二騎は対空兵器に止められること無く主砲に取り付き、ミスタリアのパイルバンカーが邪魔な装甲を粉砕した。
「さあ……鎧装騎兵こそ宙間戦闘の主役だと、帝国の奴らに教えてやる!」
「ええ――攻撃、開始!」
 大型ブラスターの、そしてブラックバードに満載された実弾、エネルギー問わない豊富な武装が主砲のエネルギーラインを寸断する。
 行き場を失ったエネルギーが小規模な爆発を繰り返しながら主砲に迫るのを見届けること無く離脱した二騎。
 その下方で主砲が爆散し――
「おいおい!」
「戦艦、ですからね……在って然るべき、ではありますが……」
 下方からの主砲の砲撃が二騎を追う。
『――二番、三番、五番砲起動。四番砲に若干の遅れ』
『砲撃、目標に命中せず!』
『構わん、追い払うことは出来たのだ。我々の勝利条件はミラーを守護すること、敵の殲滅ではないのだからな……』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

天通・ジン
「アドミラル・ガランデン」討伐を支援する
敵の艦載機撃退に傾注

使うのは、AIの支援によって、高速移動を可能にした俺の愛機
高速戦闘はスターライダーにお任せってな。
戦闘機に乗ってるのだって立派なスターライダーさ
ドッグファイトで、一機一機をつぶしていく
特に、襲われそうな味方がいれば援護だ
狙ってる敵の後ろはがら空きなんて、よくあるよな

なるべく機銃射で仕留めるように気を付けるよ
敵戦闘機隊を殲滅して、なお余裕があれば、敵艦の上部艦橋にミサイルをぶちこむ
そのためにも、迎撃隊相手にミサイルの無駄撃ちは避けるよ
迎撃隊討伐優先だけどね

アドリブ歓迎、連携歓迎
苦戦描写もOKだけど、機体撃墜だけはなんとしても避けるよ。


東郷・三笠
対艦戦闘か
我の火力を見せてやろう!
世界ノ興廃、コノ一戦二在リ
東郷・三笠、推して参る!

鼓舞5、存在感3で仲間を指揮官らしく鼓舞
諸君、敵は戦艦だがなに恐れることはない
今や、我々は銀河帝国と互角の戦いが出来るだけの力を持っているのだ
それに後ろや隣に守る者がいる諸君が負ける事は今までなかった!
これからも!
ゆくぞ諸君、鯨狩りだ!

空中戦11、ジャンプ5、ダッシュ5で三次元移動をしつつ一斉発射11、範囲攻撃2で目についた砲台や直掩艦載機の全てをフルバースト・マキシマムで攻撃
砕け散るがよい!

敵の攻撃は盾受け8を用いてアサルトシールドフィールドで防御

アドリブで他の方との絡み歓迎


月守・咲凛
対艦戦ですね、オールウェポンフルドライブ!やりますよー!

スラスターから光の尾を引きながら全力機動でゴーです。
射程に入ったら初手一斉発射でまずは敵の砲台を潰さなきゃ。砲台目掛けてミサイルを撃ち尽くします。
「次、です!」
敵の砲撃は見切りや残像で回避、右や左にクルクル回りながらキャノン砲で反撃、更に近付いて行って、防御を抜ける距離からの射撃や、鎧無視攻撃のビームチェーンソーやアジサイユニットで砲台を潰しにかかります。




「世界ノ興廃、コノ一戦ニ在リ――」
 その宣言は、まさしくこのカイザー・レイ攻撃作戦が解放軍全艦隊の命運を賭けた重要な戦いであることを猟兵たちに改めて意識させた。
 銀河帝国に抗うため集結した有志達。彼らを守るために、今自分たちに出来ることはなんなのか。
「諸君、敵は戦艦、強大な火力と絶対的な防御を備えた難敵だが――何、恐れることはない」
 今や我々は銀河帝国と正面から艦隊決戦に臨めるだけの力を得たのだ。
 幾千幾万の敵戦艦が現れようと、その尽くを沈めてみせる。それに――
「その背に、その傍らに守る者が居る限り、諸君らが負けたことはこれまで無かった! そして、これからも!」
 徹底的に火力を追求した大型アームドフォート、タケミカヅチを纏いゆくぞ、と先陣を切る三笠。
「アドミラル・ガランデン討伐を支援する! 敵の艦載機は俺が引きつける、そっちは攻撃に集中してくれ!」
「対艦戦ですね! オールウェポンフルドライブ! やりますよー!」
 彼女の演説に鼓舞され、飛行ユニット『ナガレルシズク』から光の尾を引く咲凛と、白い装甲に赤い星がマーキングされた愛機たる宇宙戦闘機を駆るジンもその編隊に合流し、攻勢に参加する。
『――新たな敵、11時方向より飛来! 数3、鎧装騎兵および類似の騎影2、戦闘機1!』
『本艦防空識別圏に急速に侵入す! ……艦長、飛行隊の再編が完了、第一次攻撃隊の損耗率は26%とのこと!』
『第二次攻撃隊が発艦許可を求めています!』
 一番主砲を破壊され、もうもうと煙を上げる甲板上に鋭角に突入する3つの影。起動し、チャージを終えた残る四門の主砲がタイミングをわずかにずらした斉射でそれを迎え撃つが、やはり対艦砲では至近距離を高速で起動する猟兵たちにダメージを与えられるほどの精密狙撃は行えない。
『第二次攻撃隊を直ちに発艦。本艦防空兵装による弾幕に注意させろ、味方撃ちは今の戦況では絶対に避けねばならん』
 機関砲が分厚い砲弾のカーテンを張る中に飛び込んでくる、アドミラル・ガランデン所属の艦載機部隊。ようやくハッキングによる電子的な盲目から回復した彼らは、仕組まれた不幸な事故で脱落した僚機のぶんまで戦意旺盛に三人に喰らいつく。
「来たか……! 機体操縦権限を指示あるまでAIに移譲――さあ、高速戦闘の準備はいいか?」
 常人の反応速度を上回る、戦闘機の制御に特化して生まれたAI。ジンはそれに制御を委ね、編隊を反転離脱する。
『――敵機1、編隊より離脱! 全機まずはあの機体から叩き落とすぞ!』
 空戦の基本はツーマンセル、常識も知らない反乱軍のシロウトを叩き落とせとジンの戦闘機に追い縋る敵飛行隊。
 だが、彼らは知らない。ジンもまた、AIと自らのツーマンセルで飛んでいるのだと。
 鋭く軌道を折り曲げるような壮絶なマニューバーに、帝国軍戦闘機部隊の迎撃は宇宙空間を裂くばかり。
 複数の編隊で挑んでいるというのにただの一撃とて命中させられない事実に、編隊長は忌々しげに下唇を噛む。
「皆は……取り付いたか!」
 そしてジンは、眼下の敵艦に無事三笠と咲凛が接近したことを確認した。あそこまで近づけば、最早飛行隊が彼女らに狙いを移したとしてもそれより先にこちらの攻撃が敵艦に命中するだろう。
「機体操縦権限をこちらに戻せ! さあ、反撃だぜ!」
 ドッグファイト、追われる側から追う側に。急減速で追撃する敵編隊に自らを追い抜かせ、その背後に回るジン。
 ミサイルは対艦攻撃の決め手になる。ならば、機銃だけで敵機を叩き落とすしかない。
『バレーナ04、後ろだ! 後ろに付かれてるぞ!』
『わかってる! だが振り切れない――ぐああっ!!』
 ジン機の機銃が吼えるたびに、敵機が火達磨になって制御を失いデブリに突っ込み、あるいは空中で爆散する。
『――編隊長機が墜ちた!! くそ、次席指揮官は誰だ!! 誰が指揮を執るんだ、うわっ!!』
 一機、また一機と背後に食いついてそのまま噛み砕く、ジンの戦闘機。
『ロートシュテルン……赤い星の悪魔――』
 自らを追ってきた最後の一機を撃墜し、ジンは敵艦めがけ機体を急降下させていく。

 一方で三笠と咲凛の攻撃もまた苛烈極まるものだった。
 射程で敵艦に圧倒的な利があり、接近するまで当たらないとはいえど一方的に撃ち放題にされてきた二人。
 そのお返しとばかりに、二騎の鎧装騎兵は敵艦が射程に入り次第、手当たり次第に砲撃を開始した。
「ミサイル、全弾発射です!」
「おっと、出撃はさせぬぞ!」
 咲凛の射出したミサイルは、いくらかを機関砲に撃ち落とされながらも正確に敵の対空兵装を破壊する。
 三笠の砲撃もまた、カタパルト上を滑り今まさに飛び立とうとしていた敵戦闘機を射抜いて粉砕した。
「次、です!」
「幾らでも的はある、撃ち尽くすまで撃つぞ!」
 次々と出現する新たな兵装を見つけ次第に破壊しながら敵艦上を舐めるように低空飛行する二人。
 咲凛に至っては砲撃を紙一重ですり抜けながら敵の砲台に取り付き、ビームチェーンソーで叩き切るという離れ業すらやってのける。
『A-9、B-7、B-11、D-3副砲塔との通信途絶!!』
『対空火器の損耗止まりません! 艦長!!』
『ええい……鎧装騎兵ごときにいいように……航空隊は! 何をやっている!』
 本来彼女らを阻止するために放った航空隊がいつまでも戻らないことに憤る艦長に、既に第一次、第二次共に壊滅したと告げるオペレーター。
 そうしているうちにも、三笠と咲凛の攻撃は激しさを増していく。
『……やむをえん。敵に対し主砲斉射による十字射撃を敢行する!』
 そして、艦長は決断した。外せば大きな隙を作る、主砲一斉発射による十字攻撃。命中率は高いがリスクも大きな攻撃にブリッジがざわめく。しかし、クルーが動揺する理由はそれだけではなかった。
『しかし……射線の先には僚艦が!』
『かの艦が守っていたミラーは先程破壊された! よって艦も敵の別働隊によって轟沈させられたものと判断せよ! 構わん――撃て!!』
 そして、主砲のうち二門ずつが二人を捉え――
「狙いに気を取られすぎて上ががら空きだぜ!」
 急降下爆撃を仕掛けたジンのミサイルが、主砲を吹き飛ばす。
 だが。
『二番、四番、五番砲沈黙! 四番砲損傷軽微! 撃てます!!』
 わずかに攻撃が外れ、生き残った主砲が咲凛を狙っていた。フルチャージされた強烈なビームが咲凛を呑み込む――
「させん!!」
 寸前、エネルギーフィールドを最大出力で展開した三笠が射線上に割り込んだ。
 強大な熱の奔流が非実体のシールドと衝突し、表面を滑り拡散したビームが後方の敵艦の残骸を爆砕する。
「――ふたりとも無事か!?」
 砲撃が終わった直後、二人の安否を気遣うジンからの通信に。
「お、おかげさまで私は……提督さんも大丈夫ですか?」
「ふっ、この程度の攻撃で我が墜ちるものか!!」
 二人の鎧装騎兵は、未だ健在を示すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミハエラ・ジェシンスカ
また、戦えという事か
……いいだろう。銀河帝国が蘇ったというのなら、私も蘇り、再び滅ぼすまでだ

……システム再起動
敵影捕捉、銀河帝国軍ディクタトル級高速戦艦
過去の戦闘データの参照に失敗
記憶領域に大規模な損傷を確認

先に友軍の戦闘で発生したデブリや隕石を活用する
サイコキネシスでそれを手元に引き寄せ、即席の盾にしつつ接近
距離を詰めた後、損害は覚悟の上フォースセイバーで斬りかかる
「捨て身の一撃」だな
何年眠っていたのかはわからんが、多少のブランクは補える筈だ

通信より友軍の名称を「猟兵」と確認
ウォーマシン、ミハエラ・ジェシンスカ。これより猟兵軍の戦線に加わる

使用するフォースセイバーの光刃は赤
アレンジ、共闘歓迎


ヘスティア・イクテュス
流石帝国の戦艦…
大分硬そうね…

オプティカル・カモフラージュで姿を隠してこっそり接近
音や体温は消せないといっても宇宙で猟兵ならわからないでしょ?

わたしはじゃあハッチを狙おうかしら?
中の艦載機まで及べば爆発して内部に大きなダメージを与えられるはず…

ミスティルテインのビームを溜めて【力溜め】
砲撃で一気に撃ち抜くわ!
おまけにマイクロミサイルもプレゼント【一斉射撃】

後は他の艦載機とかに見つかる前にさっさと離脱ね




『艦長! これ以上の戦闘は自殺行為です! 直ちに撤退を!』
『ならん! カイザー・レイは皇帝陛下の威光そのものである! 陛下の光を翳らせることなど在ってはならんのだ!』
 損傷してなお戦場に留まり、生きている火器兵装で抵抗を続けるアドミラル・ガランデン。
「さすが帝国の戦艦……だいぶ硬そう、というか硬いわね……」
 光学迷彩を展開し、単独でアドミラル・ガランデンに接近するヘスティア。彼女の手に引かれ、一機の損傷したウォーマシンが曳航されている。
 何故そうしたのか、ヘスティア自身にもわからない。その機体に何かを感じたのか、それとも敵艦に攻撃を仕掛けるにあたって爆薬にでもなると思ったのか。
 ともかくそれを共に迷彩に包んで、先の事故で大量に浮遊する戦闘機のデブリを盾に艦底部より忍び寄る彼女は、ふと手の中でそのウォーマシンが動いたように感じた。
 ここで再起動されるのはまずい。非正規の外装を被せられているとはいえ、所々から覗く基礎フレームは銀河帝国標準タイプ――バトルドロイドと同型のその機体が、味方である可能性は低い。かといってここでそれを放り捨てたとしても、突然なにもない空間からウォーマシンが出現すれば不審がられるかもしれない。
 だが、その心配をよそに再起動したその機体――彼女は、周囲を確認するように見渡してからヘスティアをじっと見つめる。敵意はない――ようだ。
「……システム再起動。敵影補足、銀河帝国軍ディクタトル級巡洋戦艦。過去の戦闘データの参照に失敗。記憶領域に大規模な損傷を確認…………」
 聞き間違いでなければ、彼女は今、銀河帝国軍の艦艇を敵影と呼んだ。
「貴女は……どっちの味方なの? わたし達猟兵? それとも帝国軍?」
 ヘスティアの問いかけに、何を当たり前の質問を、とばかりにその機体は回答する。
「私の敵は銀河帝国軍だ。……友軍の呼称を"猟兵"と確認。ウォーマシン、ミハエラ・ジェシンスカ。これより猟兵軍の戦線に加わる」
 ひとまずは味方らしいと、その機体――ミハエラへの警戒を解くヘスティア。それと、と彼女は続け、
「猟兵軍、ではなく解放軍よ。わたし達猟兵だけじゃない、この宇宙の沢山の人たちが帝国軍と戦うために今集まっているんだから」
 そして、その心ある人々を狙う死の光、カイザー・レイを阻止するためわたし達は今此処で戦っている。
 その説明に、ミハエラはこくりと頷いた。
「解放軍……また、戦えということか。いいだろう、銀河帝国が蘇ったというのなら、私も蘇り再び滅ぼすまでだ」
「頼もしいわね。じゃあ作戦。今からあのハッチをぶち抜いて、中の艦載機ごと爆破する予定なのよ。あなたはどんなことができる?」
 ヘスティアに問われ、ミハエラはサイコキネシスでそれと気づかれないようそっとデブリの軌道を修正して、ハッチまで隠れて近づける道を作る。
 戦闘機械であるウォーマシンの計算力と、心ある者であるフォースナイトの異能による侵攻ルート構築で、二人は一気にアドミラル・ガランデンに肉薄することに成功した。
「ここまでくれば十分ね……砲撃で一気に撃ち抜くわ!」
 鎧装騎兵部隊による肉薄攻撃、そして艦内突入を恐れて閉ざされたカタパルトハッチに、ヘスティアの武器――ジェットパック『ティターニア』からエネルギー供給を受ける強力なビームライフル、ミストルティンが放たれる。
 フルパワーの一撃は、連射こそ効かないが戦艦の装甲にも通用する一撃、だが。
「嘘でしょ……足りなかったっていうの!?」
破壊されたハッチの穴は小さい。アドミラル・ガランデンは想定以上に装甲を強化されていた――これでは、追撃のミサイルが上手く艦内に突入できない。急ぎ二射目のチャージに入ろうとするヘスティアを、ミハエラがしかし止めた。
「私に任せろ。そちらは制圧攻撃の準備を」
 どうする気だ、と聞く間もなくハッチに向かって急接近したミハエラ。彼女は赤いフォースセイバーを展開し、ヘスティアの一撃で開いたハッチの破孔に剣を突き立てるとまっすぐに引き下ろし、そしてウォーマシンのパワーのままに刃を捻ってハッチを斬り飛ばした。
「今だ!!」
「――! 任せて!」
 艦内の敵兵がミハエラに銃口を向けると同時、ヘスティアの放ったミサイルが整備中の予備戦闘機や燃料、搭載作業中の弾薬に着弾する。
 大爆発。火炎が格納庫を蹂躙し、敵兵が動揺して右往左往しては誘爆に吹き飛ばされる。
 ヘスティアはそんな爆風に乗って離脱してきたミハエラを受け止めて、ハッチの内部が瞬く間に火の海へと変わっていくのを見届け二人は戦域から離脱していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

須藤・莉亜
「バラしがいがある敵さんは好きだよ。」

眷属の腐蝕竜さんを召喚して、彼に乗って戦艦と戦う。
腐蝕竜さんには爪での引っ掻き、噛みつき、体当たり、尻尾でのなぎ払いなんかで攻撃してもらう。

僕は大鎌を22本に複製して、腐蝕竜さんの周りに展開。
腐蝕竜さんへの攻撃を大鎌を盾にしてなるべく防いでみよう。

「上手いこと一隻落とせないもんかな?」

アドリブ歓迎


フィーナ・ステラガーデン
鏡がキラっとなったらどばーっとなって
大爆発するから鏡を壊せばいいわけね!わかりやすいわ!
とにかく相手からしても鏡は壊されたら困るなら
鏡を盾にしてその、えっとアドミラ・・?わかりにくいわ!!
その邪魔してくるなんとかっていう船に攻撃を行うわね!
仲間猟兵がなんとかに攻撃しているのと合わせて
UCを「全力魔法」込みで突き立ててやるわ!
狙う箇所は仲間が攻撃して傷がついたりしている部分か
もしくは主砲ね!なんかエネルギーチャージしてるなら
そこにぶっさすわ!

それにしてもこの宇宙空間?って変な感じね。
こういう所のご飯ってどんななのかしら?気になるわね!

(アドリブ、アレンジ、他猟兵との絡みなどなど自由に大歓迎)




「鏡がキラっとなったらどばーっとなって大爆発するから鏡を壊せばいいわけね! わかりやすいわ!」
 出撃前に聞いた雑で胡乱な説明を分かりやすいと評して、フィーナはミラーを背に宇宙を漂う。
 宇宙空間での戦いは経験の浅い彼女にとって、空気もなく重力すら存在しないこの世界の"常識"は違和感を禁じ得なかった。とはいえ。
「こういうところのご飯ってどんななのかしら? 気になるわね!」
 無重力下での振る舞いをなんとなくで身につけたフィーナは、すぐさま思考をくるくると切り替える。野山も森も海も川も存在しなさそうな、この鉄と石で満ちた真っ黒な世界にはどのような食文化が息づいて居るのだろう。
 それを知るためにも、この戦いは勝たねばならない。負ければ世界は再び滅びの瀬戸際に落とされてしまうだろうから。
 頭上で船体のあちこちから爆炎を噴き出しながらも未だに猟兵達を迎え撃つべく弾幕を形成するアドミラル・ガランデンの巨体。
「あいつからして鏡が壊されたら困るなら、このまま鏡を盾にしてあのアド……えっと、アドミ……ラ? アドミラなんとかいう船を攻撃すればいいわね!」
 杖を構え、まずは小手調べと火球を連射するフィーナ。頭上の巨大戦艦の装甲表面でいくらかの爆発が瞬くが、運良く機銃や装甲の裂け目に直撃したもの以外はさしたるダメージになっていないようだった。
「むむむ……」
 思い返せば、これまでに相対したのは巨大と言ってもせいぜいワイバーンやサイクロプス程度。宇宙戦艦クラスの超巨大な、しかも全体を鋼鉄で装甲した敵と交戦した経験はない。
 なんで効かないのよ、と悪態を吐きたくなる気持ちをぐっと我慢して、攻撃が通じた敵艦の武装めがけて火球を再度放つフィーナ。頭上では再び爆発が起こり、機銃がいくつか吹き飛んで――
 お返しとばかりにレーザー機関砲が雨あられと応射を振らせ、しかも躱したと思えば背後に置いたミラーに反射して前後から挟撃を仕掛けてくるものだからフィーナは慌てて手足をジタバタして旋回し、その弾雨を掻い潜る。
「な、何だっていうのよもーッ!! 跳ね返る攻撃なんてずるいじゃない! 卑怯ものーッ!!」
 ぶんぶんと杖を振って文句を言うフィーナは、しかし憤慨しながらも攻略法をどうにか捻り出そうと頭を回す。
 せめてもう少し大きな弱点が此処から見えればもっと強力な魔法で大ダメージを狙える筈。しかし、その弱点を作るだけの大規模魔法は隙が大きく連射は難しい。一射目が命中した時点で、また反撃を喰らえば二射目を撃つだけの集中を得る時間も与えてはくれないわよね、と攻めあぐねるフィーナ。
 その頭上を、敵艦に比べれば小さいとはいえ巨大な影が横切っていく。

「銀河帝国の戦艦かぁ。バラし甲斐がある敵さんは好きだよ」
 何しろ戦艦だ。並のオブリビオンとはモノが違う。呼び出した眷属たるドラゴンゾンビの背に跨がり、戦艦の対空迎撃を回避しながら艦底部を抜けていくのは莉亜だ。
 純白の大鎌を腐食竜の周囲に漂わせ、時折命中コースに乗った砲弾を切り払い迎撃しながらその様子を見る莉亜。
「下はあくまで迎撃用、って感じかな……攻撃武装は上側に集中してるのか」
 機銃や速射レーザーが主体の迎撃網は、一発一発が莉亜の大鎌でも防げる分攻め込むには都合がいい。最悪、複製した鎌をぶつけて相殺すれば22回までは攻撃にも耐えられる。
 艦底部からの攻撃を決め、彼と屍の竜は一気に肉薄する。莉亜自身は機銃やレーザー砲からの迎撃を鎌で防ぐことに注力し、腐食竜がその腐った体で戦艦に体当たりを行ってみたり、尻尾で迎撃銃座を削ぎ落としてみたりと攻撃を加えていく。
 しかし、莉亜と腐食竜もまた、敵艦とのあまりに大きなサイズ差を前に決定打を与えることは出来ずに居た。
 傷は与えているが、それは浅い。巨大な戦艦の装甲を切り裂き、引き剥がしてみても、そこから先に繋ぐ攻撃が莉亜たちには無かったのだ。
「上手いこと一隻沈められないかと思ったけど」
 あるいは根気強く反復攻撃を加え続ければ、いつかは撃沈出来るかもしれない。だがそれより先に自分たちの体力の限界が来るのが早いだろうし、あるいはカイザー・レイが発射されればその時点で作戦は失敗となる。
「うーん。どうしようか……いや、待てよ……?」
 そういえば、と。突入する前に下の方から攻撃を加えていた魔法使いが居たことを思い出す。何やら杖を振り回して叫んでいた彼女ならば、もしかして。
 莉亜は腐食竜を下降させ、敵艦を離れミラーに近づいていく。

「ドラゴン……のおばけだわ!!」
 接近してくるその姿を見たフィーナは仰天して、危うくすごく熱い黒い炎とか爆裂魔法的なやつを放つところで思いとどまる。
 先程から猟兵と戦っている相手は機械仕掛けの戦闘機や戦艦。ドラゴンではない。ということは、
「そうそう、攻撃しないで。僕は味方だから」
 待った待ったと手を挙げて攻撃を止め、腐食竜の背中で莉亜はフィーナに話しかける。
「見た所きみもあの船を攻める決め手を欠いているみたいだし、ここは協力しようよ」
 腐食竜が装甲を引き剥がし、迎撃を莉亜が止め、そして守られながら集中して魔法を詠唱したフィーナが無防備な敵艦の腹に強烈な一撃を撃ち込む。
 莉亜の作戦に、フィーナは一も二も無く乗った。
「その手で行くわよ! さあ、行きなさいドラゴンのおばけ!」
 ずいと腐食竜に跨って――少し腐った感触にこっそり表情を歪めて、聞こえないくらい小さな声で呻きながらもびしりと前を指さして出撃の合図を出すフィーナ。
「いや前に乗られると僕が前見えなくなるんだけど」
 乗ったものは仕方ないと飛び立ち、迎撃を防ぎながら再度敵艦に肉薄する莉亜。
 そして腐食竜が、敵艦の装甲を爪で切り裂き、裂け目から装甲板に噛み付いてベリベリと引き剥がす。放り捨てられた装甲板がくるくると回転しながらミラーに向かって飛んでいった。
「さて、攻撃の準備はいいかな?」
「バッチリよ! これでこのでっかい船もこんがりだわ!」
 詠唱を終えたフィーナの手には炎の槍。酸素の存在しない宇宙空間で魔力を燃焼させる純粋な熱の塊を、彼女は腐食竜が作り出した装甲のない部分に投げ込んだ。
 槍は配管や機械のぎっしりと詰まった船底を溶かしながら艦内に突き進み――
「やばい、逃げよう」
「えっ?」
 腐食竜を急反転させた莉亜と、状況を掴めず振り向いてしまったフィーナ。
 その背中と顔面に、爆発する敵艦から吹き付ける熱を帯びた衝撃派が押し寄せた。
「あ、あっつい!! 何なのよ、もぉ――ッ!!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

チトセ・シロガネ
【WIZ】
イェア!戦艦斬れるジャンヨ!
【星光加護】でテンション上げ上げで行くヨ!
戦艦の激しい攻撃がボクをどんどん強くさせるヨ!

戦艦に張り付いたら
【ダッシュ】【スライディング】で移動、
【残像】【見切り】を駆使して砲撃を回避。
そう簡単には当たらないよ!

攻撃は
【早業】【ダッシュ】そして【勇気】で踏み込み、
【2回攻撃】【鎧無視攻撃】で戦艦の装備を斬りまくってどんどん無力化していくヨ。
今こそボクの溢れんばかりの光り輝くフォースでバッサリスラッシュ!スリーピースにしてやるネ!

防御手段は
【オーラ防御】と【念動力】を使って弾くつもりヨ。
こんな攻撃、屁でもないヨ!


スター・レイガン
Hmm.ガランデン卿か
またその名前を聞くことになるとはね
形は違えどまた私も市民を守るために戦わせてもらうよ

【SPD】
宇宙空間は私のフィールドだ【ジェットパック】出力全開で【空中戦】で戦わせて貰おう

一ヶ所に留まらないように動き回りながら【クイックドロウ(技能)】【2回攻撃】で加速した【クイックドロウ(UC)】で艦載機を撃ち落としながら敵艦に接近していくぞ

私を狙っていなくても解放軍の艦隊に向かう艦載機も撃ち落として行こう
光線銃の弾を【Round-Trip-Shot】でねじ曲げるぞ
狙いを外しと思ったかね?いいや【援護射撃】だよ

ガランデンに可能な限り接近したら【零距離射撃】を【光線銃】最大出力で放とう


ルーチェ・アズロ
アドリブ歓迎

【なぎ払いと【怪力を使って広域攻撃
【生命力吸収2は…機械から吸い取れるのか?
【傷口をえぐるで修理しにくいダメージを残す

服の推進力で迫る
全身から推進力を発する高機動に加え
船にも戦闘機にも出来ない腕と足と、大剣を振って変幻自在な機動
回避できないならUCを使ってでも叩き切る
主砲だろうと同じこと

「光ってのは、人を照らさなきゃいけねえんだ
未練たらしい死人が使ってんじゃねえぞ!」

後部推進器に接近できるならそれらを切り裂く
無理なら銃座か艦橋
無理なら迎撃機を
運良く艦橋付近に取り付けたら思い切り

「屑どもが雁首揃えて!一回死んでも馬鹿は治らねえなあ!」

「何処だろうとあたしはこうする。ぶっ潰れろぉ!」




『下層Cブロックにて火災発生! Eブロックも駄目です!!』
『上層Hブロックにも火災が! Dブロック通信途絶! このままではメインフレームにも被害が!』
 上部の砲の殆どを喪失し、下部からは二度に渡って艦内への直接攻撃を受けたアドミラル・ガランデン。
 その黒い巨体は船体のあちこちから火を噴きながら傾斜し、まさに巨鯨は最期を迎えようとしていた。
『いいやまだだ! 火災の発生した区画を完全閉鎖、充填剤で埋め立てれば火は消える! 本艦はここで沈むわけにはいかん、反乱軍を撃滅するカイザー・レイの守護、その大任を果たさずして沈むわけには……』
『しかし艦長、あれらの区画にはまだ生存者が――』
『くどいッ! 兵の命より帝国の勝利こそ第一と心得よ! 貴様それでも皇帝陛下の兵か!!』
 その有様を猟兵たちが見ていたならば何と評しただろう。
 戦略目標達成のために最後まで諦めない姿を見事と? それとも同胞を見殺しにしてまで戦闘継続に固執する姿を醜悪と言っただろうか。
 何にせよ、その光景を知るものは帝国軍戦艦アドミラル・ガランデンのブリッジクルーを除いて他に居らず、そして彼らが今後それを誰かに伝えることはない。

「Hmm……ガランデン卿、か。またその名前を聞くことになるとはね」
 頭上で傾斜していく敵戦艦を見上げ、キャプテン・レイガンはかつて戦った老練の将を思い返して呟く。
「何? おっさんの知り合い?」
 おっさ……私はまだギリギリそんな歳ではないと思っていたのだがね、と苦笑する彼に、ルーチェは続きをせがむ。帝国軍艦がその名を冠するような男だ、ろくでもないに違いない。だから、ルーチェにとって知りたいのはガランデンという男そのものの在り方ではなく、彼が復讐に足る相手か否か、という一点だ。
 オブリビオンという一点でその資格を持つ敵艦だが、そこに上乗せできる情報があればあるほどいい。さあ、あの帝国軍で戦艦に名を受け継がれるほどの提督がいかなる者かと問えば、キャプテンの答えは意外だった。
「帝国と皇帝に忠実で、個人としては見事な武人だったよ。さあ、そんなことよりGirl、あの船はまだやる気みたいだぞ!」
 ぐるりと回転し、上下を入れ替えた敵艦、アドミラル・ガランデン。宇宙空間だからこそ成しうる荒業によって、唯一生き残った四番主砲がぐんと鎌首をもたげて二人を狙う。
 既にチャージが完了した主砲は、今まさに二人めがけてその砲火を放たんと――
「イェア! 戦艦斬れるジャンヨ!」
 そこに乱入する、何処からかスポットライトを浴びる陽気な影。チトセがいつの間にか敵艦に肉薄し、そしてヒメヅルストレートを振るえば発射寸前の主砲がすぱりと輪切りにされて船体から脱落していく。
 さらにチトセは甲板を跳んで走って滑り込んで、縦横無尽に駆け回りながら四肢に装備したフォースセイバー、ノーザンスターで敵艦の装甲を切り刻んでいく。
「今こそボクの溢れんばかりの光り輝くフォースでバッサリスラッシュ! スリーピースにしてやるネ!」
 チトセが疾走れば戦艦の装甲が少しずつ傷つけられ、傷が蓄積すれば大きな破損となる。
「あの光――負けていられないな! 行くぞGirl!」
「負けていられないって、おっさ……キャプテン!?」
 彼女だけにやらせるかと、光り輝きレイディアントなスーパーヒーロー及び巻き込まれた少女猟兵が戦線に乱入する。
 とはいえ主砲は全基が沈黙し、残る火器兵装もわずか。艦載機部隊も崩壊し、予備機が出撃しようにもドックが爆破されたアドミラル・ガランデンに最早抵抗の余力はないかと思われた。
「いや、まだだ! 来るぞ!」
 それにいち早く気づいたルーチェが警告し、チトセが宙返りを交えて二人のもとまで後退し、キャプテンが半ば反射でブラスターを連射する。
 暗い宇宙に爆発の花が咲いた。
「対艦ミサイル……まだこんなものを隠していたとはね」
「どうするノ? ボクらにはそう簡単に当たらないと思うけど」
「こんだけ無茶苦茶するやけっぱちぶりじゃあ、あたしたちよりあっちの艦隊を道連れにぶち込みかねないな……」
 事実、ミサイルの進路は甲板上の猟兵たちよりはるか後方――カイザー・レイの効果範囲に集結しつつある解放軍艦隊に向いていた。
 この距離からの砲撃であれば大多数が撃ち落とされるだろうが、万が一があれば被害は甚大、士気にも関わるだろう。
「オーケィ、ならば私がここでミサイルを片端から撃ち落とそう。なぁに、射撃の腕には自信がある。宇宙空間は私のフィールドだからね」
 ジェットパックで飛び上がり、キャプテンが愛銃を構えて第二波を迎撃する。光を操る彼の放った光線は、決して獲物を逃さない魔弾と化した。第二波もみるみる撃ち落とされていく。
「イェア! だったらボクがミサイルランチャーを壊していくヨ! 任せてネ!」
 駆け出したチトセが、近いものから順にミサイルランチャーを船体から切り離す。時折生き残った機関砲がチトセを銃撃するが、彼女の念動力とオーラの障壁の前に砲弾は弾かれていった。
「…………んー。じゃああたしは……」
 錆びついた大剣を小さな肩に担いで、ルーチェは二人を見る。
 ただの一発も撃ち漏らすこと無く艦隊を守るキャプテンと、陽気な歓声とともに次々と武装を切断していくチトセ。
 ――あっちの手助けはいらねーかな。だったら、この往生際の悪い船をとっとと沈める方に回るか。
 征くべき道を決め、宇宙服のスラスターを噴かして敵艦のブリッジに接近するルーチェ。
 本来それを撃ち落とすために、針山のように用意されていた火器は幾度もの猟兵たちの攻撃でほとんど全てが破壊されている。
 苦もなくブリッジの窓に取り付いたルーチェは、窓越しに驚愕の表情を浮かべるクルーと、なおも迎撃と対艦攻撃を強行しようと怒鳴る艦長らしき士官を見た。
 ここまでされてまだ殺し合いがしたいのか、とルーチェの胸に怒りが湧き上がる。
「屑どもが雁首揃えて! 一回死んでもバカは治らねえなあ! ――何処だろうとあたしはこうする、ぶっ潰れろォ!」
 思い切り振り下ろされた大剣の一撃が、ブリッジの装甲とガラスを叩き割り、その内部へと夜のように黒く血のように赤い炎を流し込んだ。
「光ってのは人を照らさなきゃ行けねえんだ。未練たらしい死人が使ってんじゃねえぞ」
 司令部を失い、船体にも多大なダメージを受け、兵装をも失ったアドミラル・ガランデンはもはや制御を失い傾いていく。
「さあ撤収だGirl!」
「ヒューッ! 盛大に爆発してるヨ! やっぱり大ボスのラストはこうでなくちゃネ!」
 全てのミサイルを防ぎ、また全てのミサイルランチャーを破壊した"光る"二人がルーチェを抱えてアドミラル・ガランデンから離れていく。
 漆黒の巨大戦艦は激しく爆発を繰り返しながら、ゆったりと進路を外れ――そして、彼らが守るべきミラーに衝突して爆沈した。
 砕け散った鏡の破片に、チトセとキャプテンの輝きがキラキラと反射する。
 その様に、ルーチェは想う。
(ちょっと違うけど、光ってのはこういうのでいいんだよ……)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月02日


挿絵イラスト