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銀河帝国攻略戦⑦~猟兵出撃せよ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「さぁ、遂に来ました戦争のお時間ですよーぅ!」
 鼻息荒くやってきたぽんこつ巫女、望月・鼎。
 初の大舞台が宇宙戦争と言う事も有って気合が入っている様だ。
 今回はホワイトボードを持ち出して図解で説明をするらしい。
 が、文体が妙にポップだったり敵の絵柄が妙にファンシーだったりで緊迫感は皆無だ。
「早速説明します!今回皆さんに向かって頂くのはカイザー・レイと呼ばれる多数の巨大特殊ミラーから構成される戦略防衛兵器です!アレです、照射されたエネルギーを反射して焼き切る兵器です!昔なんかのアニメで見た気がしますね!」
 それ以上いけない、と一部の猟兵が真顔になるが気にせず説明を続ける。
「これを放置すると味方艦隊が大打撃を受けてしまうでしょう!皆さんにはこのミラーに直接転移して一枚一枚バリンバリン割って破壊して頂きます!細かい事は要りません、ヒャッハーですよー!」
 両手を挙げてヒャッハー、と楽しげに叫ぶ巫女。
 何でそんなにテンションが高いかは不明だが、やる事は解り易くて良い。
 要は転移して鏡を叩き割って戻ってくれば良いのだ。
「あ、ですが当然こちらの動きに対処して敵も新兵器を投入してきます!いや、ノリで言っただけで新兵器ではなくトンデモ兵器みたいなんですけどね。」
 その名はデスモ・ブラキオス。
 恐竜にして巨大兵器と言う、お手本の様な敵メカである。
「大きさ=パワーみたいな、ちょー強い兵器です!一撃の威力は凄まじいものが有りますので上手く逃げてくださいね!予知の中では小型兵器を出して援護させていたりもしていたので気を付けてください!兎に角こっちの目的はその恐竜メカの撃破では無く、ミラーの破壊です!一枚でも多くバリンバリン割ってくださいな!」
 そう言って鼎はホワイトボードをカラカラと押していった。
「では皆さん、張り切っていきましょー♪」


一ノ瀬崇
 いくさの時間だぁぁぁぁぁ!
 どうもこんばんは、一ノ瀬崇です。
 初めての戦争、わくわくしますね。
 でっかいメカが相手ですが、皆さんの知恵と勇気で退けてください!

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 ボス戦 『デスモ・ブラキオス』

POW   :    CODE:Dino
【恐竜の本能 】に覚醒して【広域殲滅モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    CODE:Raptor
【体から生み出した無数の小型恐竜メカ 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    CODE:Venom
【未知のバイオウイルス 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【ダメージを共有する状態】で繋ぐ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アズール・ネペンテス
銀河帝国も技術力が凄いのか技術者がぶっ飛んでんのかわからんし知る気もないがまた妙なもん出してきたもんだな。

でもまぁこれはこれで何かしら換金できそうなもんありそうだし(金になるという事、ここ重要)いっちょ真剣に戦うかね

見た感じデカい分動きはそこまで速くなさそうだがそれを補う手段は持ってそうだが…手数を増やすより相手より速く一発を与えて離脱を繰り返し攪乱していった方がよさげだな。スカイステッパーも使いつつさらに変則的にだ。

速さが足りなくなるなら被弾時のリスクは大きくなるが脱いでさらに加速するしかねぇ

(アドリブ大歓迎)


ルセリア・ニベルーチェ
アドリブ歓迎
他の猟兵さんとの協力も歓迎よ

戦の時間、破壊であればルセリアさんの得意分野ですね
何かメカメカしい恐竜が立ちはだかっていますが
他の猟兵さんと力を合わせればどうということはない!

見切り・残像で敵の攻撃を凌ぎつつ
戦闘知識・情報収集で敵の行動パターンでも読むとしましょうか
隙があればユーベルコード【破壊の暴君】を敵の横っ腹にでも
ぶちとばしていきますわ、ついで小型メカも消し飛ばす!

ミラーに辿り着いたら他の方と合わせて再び
【破壊の暴君】を使いデストローイ。


セイス・アルファルサ
すごい兵器あるみたいだけどそれを使う道は阻ませてもらうよ。だからそこを退け、機械竜ども。
【数無傀儡の大賑わい】で人形たちをそれぞれ19体ずつ増やして数で押していくよ
イダーデとスビマリーノは後方から【風属性】の【衝撃波】による【範囲攻撃】
フーヂは前衛で【フェイント・見切り】技術で敵の撹乱役
エテルナメンチは中衛。前衛から抜けてきた敵を倒すことと後方に飛んできた攻撃を魔力による【オーラ防御】で【庇う】
時間が経てば立つほど敵の動きを【学習】して【戦闘知識】と合わせて陣形を変えていこう

アドリブ・他猟兵との連携大歓迎


ベール・ヌイ
「いくぞ・・・いくぞ・・・ヌイの・・・ゴリラ」

護理雷専用電動バイクに乗った状態で突撃し、ヌイは途中でジャンプしてバイクから離脱します
ゴリラは基本的にデスモの相手をします
【野生の勘】とバイクによる【武器受け】を使って相手の攻撃を避けたり防いだりしながらスキをみてバイクで突撃し【騎乗】乗状態で雷ライアットをします
ヌイは後方で双銃を使って【援護射撃】をしてゴリラの援護しつつ【クイックドロウ】【二回攻撃】でミラーを割ろうとします

アドリブ等歓迎です


ソフィア・リューカン
「相手はいっぱいの機械に、とても強い攻撃持ちね。だったら、皆もお願いね!」

【楽園人形劇】を使用し、呼び出した人形たちによる攻撃と防御を行うわ!敵は無数のメカを呼び出すと思うから、数体は味方を【かばう】ようにして、もう数体はメカを相手に【フェイント】を交えて回避しつつ【衝撃波】で味方が攻撃しやすいように密集させるわ!
私自身と、私が操るジェファーソンとレイニーは鏡?に対して【盗み攻撃】を行って、相手の攻撃に合わせて鏡を盾にさせるように行動するわ!そうすると、相手も鏡を割るにはいかない筈だから、行動を鈍らさせていきたいわ!

※アドリブ・連携歓迎


月島・彩希
戦争……皆のためにも負けるわけにはいかない!
ミラーの破壊を目指す!

『ボス戦』
私の全力の一撃を叩き込む!
「狼の牙を見せてあげる!」
持ち前の【ダッシュ】力と雷迅槍(ユーベルコード)を用いて高速移動を行い、全身に雷の魔力を纏い強化した身体能力を活用して更に加速する
十分な加速によるスピードと【怪力】を手にしている槍に乗せつつ【野生の勘】で感じ取った最適のタイミングで敵を【串刺し】にするべく槍を敵へ【投擲】し、【槍投げ】で攻撃
槍に纏わせた雷【属性攻撃】をしつつ敵の装甲を【鎧砕き】、内部から焼き尽くす
敵の攻撃を【学習力】で【見切り】、【フェイント】を交ぜることで行動を読ませないようにしつつ回避


レクシア・ノーレッド
【POW】
―え?何?恐竜??
……あんなの居たの!?わー、叩き墜としてあげる!
そして私の装備に組み込んであげるね!!

私の装備、『リベラ』を呼び出して【選択したUC】で合体するよ!
内部に私の身体を通して、全身を私の意思で動かす!
そう、私自身が竜となることで!この宇宙でも自在に動かすよ!

敵の攻撃を回避しながら向かって、雷魔法を宿して首を狙った【捨て身の一撃】をするよ!
…壊れちゃったらそのまま首に取りついて、UC【解・体・侵・食】で切り刻もうかな!

【協力・アドリブ歓迎】


キケ・トレグローサ
ルナ)「強力な相手なら、わざわざ相手にする方があほらしいわ!」
 キケの妹、天才の踊り子ルナが戦場に立つ
ルナ)「さぁみんな、あの子の視線を奪うのよ!」
 ルナが敵の前に飛びだし、目の前で踊り、敵の視線を奪う。機械ならば猶更、戦場で踊りと言う不可思議な動きをするルナに困惑するはず・
ルナ)「私たちが引き付けるわ!みんなは兵器を!」
 ルナと妖精たちが兵器の視線を奪い攻撃を引き受ける。戦闘は回避重視、攻撃は必要最低限にトドメ、できるだけ長い時間を稼げるように動く
ルナ)「この世界にだって、生きてる人はいるのよ!それを奪うなんて許さないんだから!」
一度死に、生き返ったルナが決意とともに舞う。
*アドリブ絡め歓迎


トリテレイア・ゼロナイン
銀河帝国…記憶はありませんがかつての同胞とも言える相手との大規模作戦、宿縁じみたものを感じます

ですが力なき人々を守るため、宇宙を駆ける騎士として立ち塞がりましょう

ミラーを破壊するためにもまずはこの恐竜を排除しなくては
「防具改造」で全身に滅菌処理と密封処理を施し、ウィルスに備えます

小型メカの攻撃を「武器受け」「盾受け」でいなしつつ格納スラスターを点火、地面を「スライディング」するかのようにブラキオスに接近します

足や尻尾の攻撃に注意しつつタイミングを「見切り」、胴体に隠し腕を発射、掴んでワイヤーを巻き取り恐竜に「騎乗」しましょう
乗りこなしつつ背中に大盾殴打での「鎧砕き」の連打を浴びせてやりましょう


芦屋・晴久
【WIZ】アドリブ、連携歓迎

ミラーを割る事が主目的と……それでは少しでも手数を増やしていきますかね。
【辰子鏡姫】にて私の式神を呼び出しましょう。
私は動けませんが、動けないからこそ出来ることもある。
【水舞転身環】にて姿を隠しながら結界の準備を致します。
詠唱が終わるまで式神に囮になってもらい、七星の護符を基盤とした結界を張り出し相手の動きを封じます。
その間に他の方は倒すなりミラーを壊すなりして頂ければ。

骨が折れる案件ですが戦いは始まったばかり、早々に終わらせると致しましょう。


朝凪・深月紅
戦争……あっちこっちと行く所はありますけれど、早いうちに被害を抑えられれば、後が楽になりますよね。
少しでもお手伝いしましょう。

【七ツ海】に【夕闇】を持たせて待機、相手を見据えながらも脱力状態を維持する。UCの効果を推進力として人形を近づけさせつつ、【操り糸】の長さを維持することで自身も近づく事を狙います。
人形による本体への攻撃を行いつつ、自身の防御は【フェイント】混ぜつつ操り糸でカバーさせます。
召喚されている小型恐竜メカが捉えれるようなら【敵を盾にする】事も行って被害を減らします。


アドルファス・エーレンフリート
あのブリーフィングでなんとなく分かってしまうのは流石グリモア猟兵と言う事なのだろうネェ…事の単純さ故かもしれないが

まぁ話は掴めた、突っ込んで暴れる 至極明快 サアやろうか

行動
竜気孔、最大点火 出血大サービスである 突撃するヨ
片道切符程度なら誰かを連れて行っても良いかもしれんね? 

あのデカブツの相手は最小限に 的の小ささと機動力でなんとか対応しようではないか
UCで揮血精髄を瓶を投げたり撒いたり点火したりでとにかく鏡を【範囲攻撃】
瓶をばら撒いて巻き込めるだけ巻き込んで、さっさと帰るか、後は血を吐きながらドローンの処理などのサポートに回るかだネ

我輩宇宙を駆ける なんてネ


原・ハウスィ
【組合長チーム】として連携を希望。「悪い鏡はみんなで壊しちゃうんだ。しかたないね」携帯端末を操作しUC「Sales Abandonment Attack」を発動して設備の破壊を行う。戦闘になった場合は、相手に対し【目立たない】【暗殺】を活用して死角から攻撃するようにに立ち回る。相手に捕捉されることがあれば【残像】を出して相手を攪乱する。攻撃を受けた場合は、出来るのであれば「ミラクルバット」を用いて攻撃を【カウンター】で跳ね返せるように備えておく。


蜂蜜院・紫髪
*アドリブ連携歓迎え

【組合長チーム】と連携

心情:組合の者と会えたのは行幸じゃな。
鏡の矛先を只人達に向けさせるわけにはいかんの。すべて叩き割ってやるのじゃ。邪魔をするのであれば容赦せんからのぅ!

戦闘:人形を盾に狐火で戦います。
【挑発】【誘惑】【存在感】にてメカの意識を自分へ集めるように立ち回ります。
【武器受け】【オーラ防御】での【かばう】を使い後衛を守ります。
この時【Vemon】を【厄受人形】で受け【呪詛返し】で【デスモ本体】を狙います。


アリス・レヴェリー
*アドリブ連携歓迎、【組合長チーム】として連携を希望。「ムート!おちょくってやりましょう!」【友なる白鯨、悠然の調べ】で喚び出したムートに乗って宇宙空間を遊泳、ムートには防御魔法を利用して、攻撃を逸したり、回避することを優先しつつ、空中から巨大兵器の気を引いてもらうわ。わたし自身はムートを【操縦】でサポートしながら【学習力】で巨大兵器の動きを観察して【ミレナリオ・リフレクション】で相手の渾身の一撃を相殺するチャンスを窺うわ。


シホ・エーデルワイス
【組合長チーム】で参加
他の方との連携とアドリブ歓迎

初めての宇宙空間で戦闘…
正直心細かったですが、知り合いのお二人とご一緒出来て安心です

ええ、あんな無差別殺戮兵を使わせるわけにはいきません!
微力ながらがんばらせて頂きます


【生まれながらの光】で紫髪さんを優先して回復します
バイオウイルスは<医術、毒耐性>で解毒を試みます
攻撃は<オーラ防御、武器受け、激痛耐性、毒耐性>で防ぎ

攻撃の機会があれば

小型恐竜メカがいれば【鈴蘭の嵐】

1体だけなら聖銃2丁を使ったUCの【銃奏】で<援護射撃、フェイント、誘導弾、2回攻撃>
ハウスィさんが攻撃を当て易いよう避け易く撃ちます
ハウスィさん!(←合図)


ワズラ・ウルスラグナ
戦か?
戦なんだな?
成程、そうか、善し。

主目的は果たすが、敵が居るなら其方に集中する。
基本はブレイズフレイムで薙ぎ払いだ。
邪魔な小型恐竜メカを優先的に。
本体を燃やし小型恐竜が燃えながら出てくる様に仕向けるのも良い。
広域殲滅モードになった場合は鏡や小型恐竜メカを巻き込む様に立ち回ろう。

ダメージ共有状態にされたなら俺は仲間の盾役として立ち回る。
武器改造と防具改造、戦獄龍終極で全身を強化する。その上で仲間を武器受けや盾受けで庇う。
共有したダメージは激痛耐性で耐えるぞ。さて、何方が先に音を上げるか勝負しようか。
無論ただ受けるだけでは詰まらん。捨て身の一撃をカウンターで狙う。

さあ、最高の戦いを見せてくれ。


神原・響
絡み、アドリブOK。
鏡を一つでも破壊し戦況を有利にしなければ……。
皆さんの努力を無駄にさせません。
バイオ兵器とは厄介ですね。しかし、影で飲み込んでしまえば関係ありません。

バイオウイルスに対処します。
黒の女王の“侵食する影の茨”を使い、ロボの関節を縛りながら動きの阻害を行いながら、影を薄く拡散しバイオウイルスを侵食し無効化します。


セレヴィス・デュラクシード
おぉ~、あれは今週のビックリドッキ(鏡の割れる音)メカなんだよ、TVで見た事ある!(胸キュン

■SPD戦
大きい図体だからって怖くないんだよっ♪
基本移動は駆け足【ダッシュ】!
【狐百まで踊り忘れず】で背中まで駆け上がって首根っこに【疾風斬鉄脚】の踵をお見舞いし続けるんだよ!
振り落とそうとしてくるだろうから【狐百まで踊り忘れず】でステップ踏んで姿勢維持しつつ【踏みつけ】てしっかり背中に居座るね
大丈夫【空中戦】は得意なんだからっ

小型の恐竜メカは地道に蹴って1体ずつ壊すしかないかなぁ

にゃっはー!(鏡に【疾風斬鉄脚】
\(>□<)/

■その他
歩く際は腕大振り靴から効果音出そうな雰囲気
アドリブ&弄り大歓迎


立花・桜華
ミラーの破壊が目的だからね
邪魔する敵は一気に倒しちゃうよ!

【巨大兵器との戦い】
攻撃中は【残像】による【フェイント】を交えつつ【ダッシュ】を用いて高速移動を行う
小型メカにはナイフの【投擲】や打撃技で対応
敵の行動を【学習力】を活用して把握することで【見切り】、また【第六感】で敵の行動を予測し回避または攻撃が当たる瞬間に闘気を用いた【オーラ防御】でのダメージの軽減を狙う
敵陣の中心まで進むことができたら戦鬼顕現(UC)で攻撃力を上昇させた後に燐火裂蹴(UC)で攻撃を仕掛け、【衝撃波】を叩きつけて装甲を【鎧砕き】ながらぶっ潰す!
「短期決戦、一気に決めるよ!」

仲間とは強力して戦っていくよ!


月代・十六夜
「逆に考えるんだ。でかくて強い兵器があるなら、そいつに壊してもらえばいいじゃない?」

事前準備+あわよくば割れればいいなで、【ジグザグフィールド】をミラー群の中に設置。大暴れしてるデスモ・ブラキオスを挑発して【韋駄天足】で逃げ回ってワイヤー群の中に誘導。【スカイステッパー】とワイヤーによる三次元機動で各種攻撃からミラーを盾にしながら逃げ回り【回避盾】で味方にも攻撃してもらう。


モルツクルス・ゼーレヴェックス
デカイ!かたい!イコールで……強い!

お手本のような強敵っす!ありがとう!

調度デスモ・ブラキオス殿みたいな強敵を求めていたんすよ!
……弱い者いじめは、いけないっすから!

先ずは良く観察して【情報収集】で敵の挙動をこちらも【学習】しつつ弱るのを待つっす!

「みんな!一旦退くっす!」

確実な、しかも皆を巻き込まないタイミングを見切って【高速詠唱】で【自在太陽】

「全ての始原、全ての終焉……其は炎、其は光……汝が力を此処に乞う!」

極大の光と炎の【属性攻撃】が、敵にのみ作用するようしっかり【範囲】を操作するっす!
ウィルス?金属?
太陽24個分のエネルギーをくらって蒸発するっす!

「いじめに、なっちゃったっすかね」


ゲンジロウ・ヨハンソン
鏡割るの何て不良の小僧でもできるんじゃ、ひとまず邪魔者を消すとしよーかね。

○デモス・ブラキオス戦
デカイ奴にはデカイ奴をぶつけりゃいいんだよ!おらぁ、ユーベルコード発動じゃ!
身長の2倍程度でどれほど奴の大きさに対抗できるか知らんが【怪力】で【鎧砕き】や【生命力吸収】を放ち弱らせる。
小型恐竜には【なぎ払い】の【2回攻撃】で対応するぞ。【手をつなぐ】で捕まえて【怪力】で振り回すのもええかもな。

●CODE:Dino を発動したら【挑発】し攻撃対象となったら【盾受け】【激痛耐性】で凌ごう。

●CODE:Venom の対象に味方がなったら【捨て身の一撃】にて【かばう】ことにしよう。

・鏡は【怪力】で叩き割る。



「おー……何か凄そう……」
 転移した先に広がる、視界を埋め尽くす膨大な数の鏡板。
 余りにも多いその数にこれが宇宙戦争か、と感動すら覚えるベール・ヌイ。
 その傍らには鏡に自身の姿を写し髪型をチェックする雷獣ゴリラが立っている。
 巨大な特殊ミラーが織り成す、文字通りの銀世界。
 これが人を殺す為の兵器だと言うのだから、戦争とは業が深い。
 ゴリラがそんな事を考えていると、早速何かが迫る気配が有る。
「ありゃ……なんだ?」
 アズール・ネペンテスが振り向いた先、巨大な何かが此方を見据えていた。
 細長く伸びた頭部と割れた腹部が特徴的な四足の機械兵器。
 それは大凡恐竜と言って差し支えない外見をしていた。
「ええと……恐竜?」
「これはまた、随分と大きなものを出してきたもんだね」
 ルセリア・ニベルーチェとセイス・アルファルサの呟きが宇宙の闇に溶けて行ったのと同時、恐竜メカが大きく首を逸らして上体を起こした。
 胸部装甲が徐々に開かれ、中から緑色の粘液の様なものが流れ出ている。
「ばっちぃ……」
 ゴリラの後ろに隠れながら呟くベール。
 オーバーに肩を竦めニヒルに笑うゴリラは、護理雷専用電動バイクを噴かす。
「いくぞ……いくぞ……ヌイの……ゴリラ」
 どこか外れた調子で歌いながら一人と一匹は動き出す。
 スロットルを全開にし弧を描きながら突っ込むゴリラをを見送りつつ、ベールは飛び降りてミラーへと向かう。
 互いに位置を固定し合う為かミラー付近には微弱な重力が発生しており、体勢を整えれば足場の様に扱う事も出来る。
 軽快な動きで『氷火双銃』を操り足元のミラーへと銃弾を撃ち込んでいく。
 撃ち出された炎と氷の弾がビシリビシリと面を割ってめり込んでいくが、一枚一枚がとても大きい為ミラーの全体を割るには至らない。
「……割と、面倒……?」
 一方ゴリラは巧みに恐竜メカの噛み付きを避けながら首へとラリアットを仕掛けていく。
 此方も巨大さ故に決定打とはなっていない。
 同程度の大きさのオブリビオンで有れば吹き飛んで悶絶している威力の豪腕でも、流石にこの巨体を相手には分が悪そうだ。
 しかし諦めるには早いと、ゴリラはふてぶてしく笑いながらラリアットを見舞う。
 宇宙故に音は伝わってこないが、もし地上で同じ事をしたならば響き渡る衝突音に幾人かは耳を塞いだかもしれない、それ程の衝撃。
 時折アイセンサーへと射撃を放ち牽制しながら、ベールはミラーの上を駆ける。
 数発撃ち込んで破壊出来ないからと言って一発の威力に頼る様ではいけない。
「割れるまで……撃ち抜く」
 フルオート小銃かの如き連射をしながら対角線上をなぞる様に駆け抜ける。
 角と角を罅が結び、一直線の亀裂が走った。
 別の角から射撃を行い亀裂で十字を描く。
 ダメ押しで中央へ射撃を見舞うと、ミラーはゆっくりとした鈍い動きで崩壊を始めた。
「……やっと……一枚」
 物が巨大であるだけに破壊するのにもそれなりの時間が掛かる。
 予想以上にタフな戦場になりそうだ、とその様子を見ながらゴリラは笑った。
「賑やかに行こう。一人ぼっちじゃ寂しいからね」
 セイスはユーベルコード【数無傀儡の大賑わい】を発動し自身の持つからくり人形を複製し、人形の部隊を作り上げた。
 前衛を担う『フーヂ』はスクラップを組み上げて作られた機械の犬。
 機動力に優れた猟犬は恐竜メカの鼻先を駆け回り、的を絞らせずに陽動を行う。
 噛み付きや前腕を振り上げて叩き落とそうとするがフーヂ達を捉えるには至らない。
 その隙を突いて攻撃するのはワイバーン型の機械竜『イダーデ』と宙を泳ぎ回る機械鮫の『スビマリーノ』だ。
 後衛から風の属性を纏った衝撃波を放ち、恐竜メカが体勢を変える為にスラスターを噴かした瞬間を狙ってバランスを崩させる。
 本来宇宙空間、大気の存在しない場所には風が発生しないと思われているが、実はそうではない。
 宇宙にも風は吹いているのだ。
「恒星風か。地上で使ったら大惨事は間違いないな……」
「ご名答」
 放たれている風の正体を見破ったアズールへ微笑みを向けるセイス。
 恒星から放たれる電気を帯びた粒子、即ちプラズマが宇宙に吹く風の正体だ。
 それが指向性を持って放たれる事であの巨体すら揺るがす程の衝撃を実現している。
 鬱陶しく思ったのか、恐竜メカは自身の装甲を開き無数の小型恐竜メカを生み出してきた。
 ラプトル型の小型恐竜メカはゴリラやフーヂを狙い追い掛け回していく。
 十数体が此方へ向かって来ようとするが、中衛に控えさせていたスクラップ製の機械蛇『エテルナメンチ』が行く手を阻む。
 探査・捕縛能力に優れたエテルナメンチから逃れられず、次々に捕らえられて行く小型恐竜メカ。
「ちんまいのが出て来たわね。いよっし、皆退避たいひー!」
 愛用している十二本の黒剣を腰元に提げたルセリアが、砕いていたミラーを足場にして飛び込んで行く。
 軽快に突っ込んで来る姿を見てフーヂとエテルナメンチは小型恐竜メカを牽制しながらその場を離れ、ゴリラはバイクに乗ったまま白い歯をキラリと輝かせて擦れ違っていく。
 サムズアップを返して応え、ルセリアはそのまま恐竜メカの正面に陣取った。
 すかさず小型恐竜メカが喰らい付いて来るが、ミラーを破壊しつつ動きを観察して動き出す癖やパターンを読み切っている為攻撃は掠りもしない。
「ぶちとばしていきますわ、覚悟はよろしい?」
 腰に当てた両手を後ろから撫でる様に前に回し、十二本の黒剣全てを手中へ。
 意志によって姿形を変える黒剣が一つの巨大な長剣へと変貌していく。
「ルセリアさんを怒らせると、怖いのよ?」
 上段へと振り被ったそれを、思い切り振り下ろす。
「デストロォォォォォイ!!」
 放たれたユーベルコード【破壊の暴君】が空間を穿つ。
 巻き込まれた小型恐竜メカは宇宙の塵と化し、打撃を受けた恐竜メカも右の前腕を拉げさせていた。
 ルセリアを脅威と見做したのか、恐竜メカはアイセンサーを向ける。
 そこへ放たれたのはダガーの鋭い一撃。
「銀河帝国もまた妙なもん出してきたもんだな……」
 持ち味である機動力を生かしてデコイの役割を果たすのはアズール。
 巨体へ近付くのはそれだけで随分な勇気が要るが、彼は臆する事無く縦横無尽に恐竜メカの周囲を飛び回る。
 装甲そのものには文字通り歯が立たないが、アイセンサー周辺ならば柔らかい素材も多い。
 ガラス部分に小さくとも傷が残ればセンサーの感度に多少なりとも影響が出る。
 また先程のルセリアの攻撃で拉げた右前腕部は装甲が剥がれ中の回路が狙える状態になっている。
 攻撃を掻い潜りダガーを滑らせてケーブルを断つと、電圧が変化したのか何処かから弾ける様な衝撃が流れてきた。
 その衝撃で、部品に使われていたであろうレアメタルの結晶が飛び出した。
「お、これはお宝の気配」
 目敏く懐へと仕舞い込むアズール。
 自身の一部を奪われた事に腹を立ててか、恐竜メカは首を伸ばしてくる。
「そんな鈍い動きで追い付ける訳無ぇだろ!」
 軽快に飛び回りおちょくっていると、恐竜メカは背中の装甲を展開し始めた。
 ゆっくりと装甲板が広げられ、次第に金属の翼へと変形していく。
 同時にアイセンサーの色が黄色から赤に変わる。
「やばそうだな……皆構えろ!」
 アズールが注意を促してから一拍遅れて、恐竜メカの尻尾、首、足から多数のミサイルが発射された。
 ミラーの微弱な重力に引かれて一部不規則な動きをしつつも猟兵達を狙って飛ぶ。
「うひゃー!」
「おっと」
 回避したもののバランスを崩したルセリアを受け止めたセイスは人形達を操り一部のミサイルを恐竜メカへと誘導する。
 くぐもった様な爆発が起きるが、余りダメージは入っていない様だ。
 それならと、今度はベールがミサイルを足元のミラーにぶつける。
 同じ様な爆発が起きるが、今度はしっかりと威力を発揮したらしい。
 ミラーの残骸が微弱な重力で留まり、破片が球体の様に宙空で留まっている。
「成程……これは使える……?」
 首の発射口から出て来たミサイルを即座に掴み、無理矢理押し込んでいくのはゴリラだ。
 酷く無茶苦茶な事をやっているが流石に効果は抜群らしく、発射口の一つが爆発で詰まり動かなくなった。
 キラリと白い歯を光らせるゴリラ。
 とは言え発射口は無数に有る。
 次々にミサイルを発射していた恐竜は、程近い場所に居た別の猟兵達を次の目標に定めた。

「――え?何?恐竜??……あんなの居たの!?」
 ミラーを『ふしぎなスパナ』で殴打したり爆発させたりしてべこんべこんにしていたレクシア・ノーレッドが声を上げる。
「あらー、随分と立派ね!」
 一人の身体に三人の人格を宿すキケ・トレグローサ――今の主人格であるルナが向かい来る恐竜メカを見て楽しげに笑う。
「何が相手でも、やる事は変わりません」
 普段は物静かな人狼の少女、月島・彩希はその小さな身体に闘気を纏わせ恐竜メカを迎え討たんと油断無く鋭く双眸を向けている。
「相手にとって不足無しよ!みんな!手伝ってね!」
 戦場に咲く一輪の向日葵が如し、元気印のソフィア・リューカンは自身の操る人形『ジェファーソン・A・ヘルモンド卿』と『レイニー・A・ヘルモンド嬢』をユーベルコード【楽園人形劇】で複製していく。
 それに対抗するかの様に恐竜メカも小型恐竜メカを射出してきた。
「相手はいっぱいの機械に、とても強い攻撃持ちね。だったら、皆もお願いね!」
 呼び出した人形達の半数を味方の近くに待機させていつでも庇える様に、もう半数は小型恐竜メカの周囲を抑え回避中心に立ち回り行動を制限していく。
 巧みな連携で小型恐竜メカ達は徐々に動きを誘導され、幾つかのグループで行動するようになった。
「さぁ、今の内にこっちも工作よ!わくわくするわね!」
 工作と言えばわくわく、と言ったノリでソフィアはジェファーソンとレイニーを伴いミラーの裏側へ回る。
 表の鏡面とは違い裏面には姿勢制御や空間移動を行うスラスターと指令を出すコンピューターがくっ付いており、割とごちゃごちゃとした印象を受ける。
「えーと……これが多分……何かの装置ね!」
 何一つ伝わらない納得で適当にケーブルを引っこ抜くソフィア。
 今彼女が目論んでいるのはミラーを動かして盾の様に使い、敵の動きを牽制すると言うもの。
 確かに防衛目標を向けられては敵も堪ったものでは無いだろう。
 しかし勘で適当に配線を繋ぎ直した所為で、ミラーは予想もしなかった挙動を見せる。
「あら……?」
 ゆっくりと動き出したミラーは何故か徐々に勢いを増して、恐竜メカの方へと向かっていく。
 恐竜メカもその動きを捉えたが向かい来るのが猟兵ではなく防衛目標のミラーである為動きを止めて見守っていた。
 もし会話可能なAIが積まれていれば「はっ?」とは言っていたかもしれない。
 そして直撃。
 ミラーは質量兵器となって恐竜メカを襲い、その装甲の一部を僅かに凹ませていた。
 当ったミラーも粉々に砕け、そのまま宇宙の彼方へと消えていく。
 コントの様な光景に思わずぽかんと呆けていたソフィアだったが、一つ頷いて両手を腰に当て大きく胸を張った。
「結果オーライよ!」
 良いらしい。
 ともあれ効果的な攻撃方法には違いない。
 早速ミラーの後ろへ回り、次々とそれらを質量兵器としてぶつける事にした。
「凄い事考えるわね……楽しくなってきたわ!さぁ、みんな!踊り狂うわよ!」
 笑みを湛えてルナがミラーの上でくるりくるりと舞う。
 その様子は宛らステージで踊るアイドル。
 そしてステップを踏む度、短刀を携えた小さな妖精の踊り子達が現れる。
 「強力な相手なら、わざわざ相手にする方があほらしいわ!さぁみんな、あの子の視線を奪うのよ!」
 号令と共に小さなソードダンサー達は小型恐竜メカを足止めに向かう。
 回避に重点を置きながら、回避・反撃共に不可能なタイミングで短刀を突き刺す。
 間接の継ぎ目を的確に狙いながらも決して此方の攻撃は当たらない様に立ち回る踊り子達に小型恐竜メカは翻弄されっぱなしだ。
「この世界にだって、生きてる人はいるのよ!それを奪うなんて許さないんだから!」
 ルナ自身もステップを重ねながら数体のバックダンサーを引き連れ、恐竜メカの視線を釘付けに行く。
 迫り来るミサイルや尻尾、噛み付きによる攻撃を華麗に避けながらルナは踊り続ける。
 踊りと言う戦場には似つかわしくない動きを前に恐竜メカの頭脳が下した結論は良く解らないが撃破すると言う単純なものだった。
 そして行動が単純で在れば在る程攻撃は避け易い。
 知らず知らずの内に術中に嵌った恐竜メカを手玉に取りながら、ルナは声を上げた。
「私たちが引き付けるわ!みんなは兵器を!」
「よしきた!巡れ、私の身体。命を吹き込む、黒い血となれ!」
 声を受けてレクシアが飛び出す。
 自身の装備である『憧れの象徴【リベラ】』を呼び出し、ユーベルコード【強制同化/黒液流動】で合体する。
 廃材製の翼竜は周囲に漂っていたミラーの破片をも取り込み、力強く羽ばたいた。
「そう、私自身が竜となることで!この宇宙でも自在に動かすよ!」
 ビシっと決めたレクシアがバレルロールを行いながら恐竜メカへと迫る。
 依然注目はルナへと向いている為、レクシアは行く手を阻まれる事も無く恐竜メカの首元へと辿り着いた。
「さぁ、痛いの行くよー!」
 雷魔法をその身に纏わせ、急襲を仕掛ける。
 両足の鉤爪が首の装甲に強か打ち付けられ、鈍い反響音がリベラを伝う。
「んげっ、効いて無さそう」
 渾身の一撃であったが、表面に傷は付いていない。
 どうやら首は他の箇所よりも硬く作られているらしい。
 どうしたもんか、と悩むレクシアの瞳に、歪んだミサイルの発射口が映る。
 先程ゴリラが破壊した箇所だ。
「そっか、あそこなら!もう一丁!」
 再び雷魔法を纏わせ、一気に突っ込む。
 打撃と同時に電流を流し込むと、内部でミサイルが起爆したのか衝撃と爆炎が発射口から飛び出した。
「よし、大成功!」
 暴れる様に首を捩りながらミサイルを乱射する恐竜メカ。
 すいすいっと回避して離脱するレクシアと入れ替わる様に、彩希が前へ出る。
「戦争……皆のためにも負けるわけにはいかない!」
 右手に『灰狼の槍』を携えミラーを足場に直走る。
 手数で攻略出来る相手ではない。
 ならば全力の一撃を叩き込むまで。
「狼の牙を見せてあげる!」
 駆ける足を更に速く前へ送り、雷の魔力を全身に纏わせて加速する。
 途中で立ちはだかる邪魔な小型恐竜メカへは左手に握った短槍を投擲して串刺しにしつつ、どんどん前へ。
 投げた短槍は踊り子が拾い投げ返してくれるので、気兼ね無く投擲出来る。
「狼の牙から逃げられると思わないで……ッ!」
 ユーベルコード【雷迅槍】で次々に小型恐竜メカを撃ち落していく彩希。
 数体が反応しようとするが踊り子達に牽制され、足を止めた所を貫かれていく。
 その圧倒的なスピードに警鐘でも鳴らされたのか、恐竜メカが胸部装甲を展開した。
 見えるのはエイリアンを思わせる口の様な機構とミラーへ滴り落ちる、緑色をした粘液状の物体。
 未知のバイオウイルスをばら撒こうと大きく上体を仰け反らせる。
 が、それは同時に又と無い隙を生む。
「貫けぇ……っ!!」
 全身全霊を込めた投擲。
 放たれた灰狼の槍は一直線に胸部の中心へと伸びていき、内部へと押し入っていく。
 数秒互いの動きが止まる。
 先に動き出したのは恐竜メカだった。
 大きくその身を震わせたと思った瞬間胸部から爆炎を撒き散らした。
 どうやら槍はバイオウイルスを製造・保管しておく為の電力を賄うジェネレーターを破壊したらしい。
 内から出る炎に焼かれ死滅していくウイルス。
 黒く焦げた装甲の隙間から、一本の長細い物が飛んで来る。
 右手で受け止めたそれは灰狼の槍。
 曇り一つ無い業物が見事、恐竜メカの武装を一つ沈黙させたのだ。
「おー、やるじゃん!」
 ルナの感嘆にクールな笑みで応える彩希。
 するとこれ以上の戦闘継続は得策で無いと判断したのか、恐竜メカは別の戦場へと飛び去っていく。
「恐れをなしたみたいね!」
「へっへーん、まいったかー!」
 ハイタッチを決めるソフィアとレクシア。
 最大の脅威は去った。後は残った時間でどれだけのミラーを壊せるかの勝負。
 気合を入れ直し、四人は破壊工作を続ける。

「銀河帝国……記憶はありませんがかつての同胞とも言える相手との大規模作戦、宿縁じみたものを感じます」
 そう呟くのはトリテレイア・ゼロナイン。
 ウォーマシンたる彼は起動時に記憶データを喪失しており、残されていた騎士道物語や御伽噺を規範として生きてきた。
 時に自身の在り方に苦悩する事も有るが、それでも騎士として生きる事を曲げる心算は無い。
「力なき人々を守るため、宇宙を駆ける騎士として立ち塞がりましょう」
 トリテレイアが見据えるのは飛来してきた恐竜メカ。
 いつの間にか両翼が生えているが大した違いは無い。
「ミラーを破壊するためにもまずはこの恐竜を排除しなくては」
 脚部のスラスターに火を入れ、ミラーの上を滑る様に動いていく。
 気付いた恐竜メカが小型恐竜メカを背部から生み出し、更に各発射口からミサイルを放つ。
 障害物の多い地上ならいざ知らず、此処は只管に平面が広がるミラーの上。
 軽快にミサイルを避けつつ、時には『両腕部格納銃器・多目的速射砲』で弾頭を撃ち抜き起爆させていく。
 爆炎の最中を突っ切り接近していくトリテレイア。
 小型恐竜メカもその歩みを止めようと飛び向かうが、左肩に付けた『重質量大型シールド』で打ち払われ、両腕のガトリングで破壊されていく。
 足元近くまで接近された恐竜メカは首を下げて噛み付きを試みる。
 が、それよりも速くトリテレイアが動いた。
「騎士の戦法ではありませんが……不意を討たせて頂きます」
 ユーベルコード【腰部稼働装甲格納型 隠し腕(打突用スパイク装備)】が射出される。
 外からは見えないよう装甲に格納されたワイヤー制御隠し腕が放たれ、右胴の装甲の継ぎ目をグリップする。
 そのままワイヤーを巻き取り蹴り上がれば、そこは恐竜メカの背面。
「さぁ、根競べの始まりです」
 肩からシールドを外し、殴打用の武器とする。
 後は只管に殴り続けるのみ。
 煌びやかではないが、決して悪いものではない戦い方。
 守るべきものの為の戦いをトリテレイアは仕掛ける。
 そんな彼の戦いをサポートするのは芦屋・晴久と朝凪・深月紅の二人。
「ミラーを割る事が主目的と……それでは少しでも手数を増やしていきますかね。写せや映せや其の面、水面見詰めるは龍の顎」
 晴久が行ったのは自身と全く同じ強さ、同じ姿をした式神を呼び出す事。
 ユーベルコード【式神招来・辰子鏡姫】で呼び出された胡散臭い男がもう一人。
「わぁ、忍者みたいですね」
「いえいえ、陰陽師ですよ」
 深月紅の言葉にニヤリと笑みを返し、新たに【二之式・水舞転身環】を発動する。
 自身の姿を消し、横槍を入れられない状態で結界の準備をする。
 あれ程の巨体全てを押さえ込むのは難しいが、体の一部分であれば行動不能に追いやるのは困難ではない。
「骨が折れる案件ですが戦いは始まったばかり、早々に終わらせると致しましょう」
「では私も。少しでもお手伝いしましょう」
 そう言って深月紅は人形『七ツ海』を動かす。
 その手には『大太刀【夕闇】』を持たせており、恐竜メカへ向かいがてら足元のミラーへと斬撃を放って行く。
 一刀両断とは行かないが恐竜メカまではそれなりの距離が有る為、多数のミラーを破壊する事が出来る。
 途中で寄って来た小型恐竜メカは七ツ海が斬り捨てて行く。
 流石にミサイルを斬る程の腕は無いので回避していくが、軌道を読み切り別のミサイルに衝突させたりと意外に芸達者な一面を見せる。
「さて、近付きはしましたけど……どうしましょう?」
 可愛らしく口許に人差し指を当て首を傾げてみる深月紅。
 近付いてより解る恐竜メカの巨大さ。
 足を斬ろうにも飛び上がらなければ一番下の装甲の継ぎ目には届かない程だ。
 どうしたものかと考えてながら小型恐竜メカをあしらっている所へ、通信が届く。
 発信元は晴久だ。
『結界の準備が出来ました。脚部を固定するので自由にやってください』
「あら、これはご親切に。では参りましょうか」
 トン、と軽くミラーを蹴り宙へ上がる。
 迎撃のミサイルを放とうと恐竜メカも動くが、脚部の発射口は開かず迎撃が出来ない。
 悠々と舞い上がった深月紅へ再度通信が届く。
『おや、どうやら左前腕も巻き込めた様ですね。バランス良く両腕を破損させてしまうのはどうです?』
「良い考えです」
 くすりと笑いを零して両指を操る。
 上へと伸ばされたままの左前腕の付け根、余裕を持って開かれた装甲の隙間の部分へと七ツ海が夕闇を差し込む。
 衝撃吸収層を断ち切り内部のケーブルまで刃が届いた。
 バチリと大きく電気が弾ける手応えがある。
 一部とは言え、左前腕部の破壊に成功したらしい。
 そこへやってくる数体の小型恐竜メカ。
 武器を使えない隙を突こうと飛来したのだが、その動きは敢え無く阻まれる事となる。
 小型恐竜メカを弾き飛ばしたのは宇宙の闇に紫煙を燻らすナイスミドル。
 アドルファス・エーレンフリートその人である。
 小さく手を振って感謝を伝える深月紅にわざとらしい礼で応え、ミラーの上をゆったりと歩き始める。
「サアやろうか」
 やる事は単純明快。
 あのデカブツの相手は最小限に留め、兎に角ミラーを割る。
「少々勿体ないがこれも必要経費である」
 そう言って彼は瓶を取り出した。
 彼のユーベルコード【暴炎爆血】はかなり癖が強い。
 自身から抜き出した発火前の地獄の竜血を精製し小瓶に収めた『揮血精髄』を投擲、或いは散布した後に発火・起爆させると言う技だ。
 文字通りの出血大サービスと言う攻撃方法だが、威力は折り紙付き。
 ごく少量の散布でミラーは全壊する。
 見れば彼の後方には足場となっていたミラーは影も形も無い。
 有るのは微弱な重力で纏められたスペースデブリだけだ。
「我輩宇宙を駆ける。なんてネ」
 ご機嫌な様子で嘯きながらミラーを破壊していくアドルファス。
 流石に破壊許容量を越えたらしく恐竜メカは一度攻撃を止め、大きく羽ばたく。
 その動きで結界が壊され、人形と深月紅は退避し、トリテレイアが振り落とされる。
 ずっと背中を殴り続けていた甲斐は有り、背部装甲の一部が変形し小型恐竜メカの発進が出来なくなっている。
 新たな傷を負った恐竜メカはこの区画を放棄し、次の戦場へと向かう。
 その様子を見送り、透明化を解除した晴久が疲れた顔で出て来た。
「一先ず撃退ですか。後はミラーを割るだけですね」

「悪い鏡はみんなで壊しちゃうんだ。しかたないね」
「あぁ、また売り上げが飛んでいく……」
 甚平を着込んだ冴えない地味な小太りの青年が、手に持った『接続式媒介ユニット』からエネルギーブレードを出し手近な場所のミラーを破壊していく。
 それを死んだ魚の様な目で見詰めるのはシホ・エーデルワイス。
 あのエネルギーブレード、原動力はなんと彼女等が所属する旅団『猟兵商業組合』の売り上げである。
 もう一度言おう、原動力は売上金である。
 組合では様々な商品を扱い色々な世界で利益を上げている。
 その商売で得た売上金を力に変えて、エネルギーブレードと所属猟兵は唸りを上げているのだ。
 そしてそのトンデモ武器を振り回している彼こそが、猟兵商業組合の長、原・ハウスィである。
「悪の野望を潰す為の、致し方ない出費なんだ」
 そう言いながらミラーをさくさくと破壊していくハウスィ。
 ぶぉんぶぉんと謎のエフェクトを掛けながら振るわれる度に、シホは紙幣や効果が空へ溶けて行く錯覚に陥ってしまう。
「コストパフォーマンスの悪い攻撃じゃのぅ……」
 ずり落ちた眼鏡をくいと押し上げながら狐火で鏡面を歪ませているのは蜂蜜院・紫髪だ。
 全体を破壊するよりも鏡として機能しなくさせてしまった方が早い、と考えた彼女は次々にミラーをただの機械の足場へと貶めていく。
「正しく湯水の様にお金を使うのね……!」
 その横で戦慄しているのはアリス・レヴェリー。
 彼女の隣にはユーベルコードで呼び出した巨大な純白の大鯨のムートがいる。
 小柄な彼女に代わってムートが尻尾でミラーを叩き壊している。
 この四人は『組合長チーム』として行動していた。
 普段から面識も有る為連携力はなかなかのもの。
 同時に、団長であるハウスィの行動にリアクションを取るのも此度の戦場においては彼女達の役目である。
「おっと、来ました!かなりの大きさです!」
 シホが指を差す。
 その先に居るのは巨大な恐竜メカだ。
 胸部に黒く焦げた様な痕や、細かな傷が多数出来ている。
「確かに強敵の様です。私も微力ながらがんばらせて頂きます!」
 普段は物静かと言うかお淑やかで清楚な雰囲気で喋る彼女だが、心を許した相手には年相応の明るさとノリを見せる。
 見ず知らずの猟兵達ではなく、仲の良い仲間との共闘と有って多少高揚しているらしい。
 とは言え実際に出撃する前までは、内心では少々の心細さを抱えては居た様だ。
 それに乗ってリアクションするのはアリス。
「来たわね!ムートと同じくらい……いえ、もうちょっと大きいかしら?」
 首を傾げながら白鯨の背中に乗り、二度ぽんぽんと優しく掌で叩く。
 大きくうねる様に宇宙を泳ぎながら前に進むムートの上で、アリスはどどんと指を突き付けるポーズを取った。
「ムート!おちょくってやりましょう!」
 その言葉にスピードを増して応えるムート。
 対する恐竜メカも両翼を広げて威嚇する様に全身からミサイルを放ってきた。
 炎の尾を引きながら無数に飛来するミサイルだが、それらはムートの身体に到達する前に爆散した。
 見ればムートとアリスを覆う様に、薄い青の膜が浮かんでいる。
 ムートが展開した防御魔法によるものだ。
「良い感じよムート!さぁ、どんどん行くわよ!」
 悠々と眼前を泳いで挑発する一人と一体。
 流石に自身に迫る大きさの敵が眼前をうろちょろするのは気に障ったのか恐竜メカは次々にミサイルを放ってくる。
 爆炎に次ぐ爆炎が宇宙を染め上げるが、一発も防御魔法を抜ける事は無い。
 それを見た恐竜メカは更に火力を上げるべく、ミサイルと共に小型恐竜メカを放った。
 混迷を増していく宇宙は、宛ら怪獣映画の様相を呈している。
「良い目晦ましじゃ、アリス殿」
 ミラーを破壊しながらニンマリを笑みを浮かべる紫髪。
 此方へと降りて来た小型恐竜メカを狐火で焦がしながら意識を集め、突っ込んで来たのを手持ちの『蜂蜜採取人形』『店番人形』『護衛人形』で受け流す。
 量産型の小型恐竜メカには賢いAIが取り付けられて居ないらしい。
 いとも簡単に一箇所に集め切った所で、声を上げる。
「今じゃ、頼んだぞシホ殿」
「お任せあれっ!」
 紫髪が素早く後退したのに合わせて、勢い良く集団の中に突っ込むシホ。
 その存在に気付いた小型恐竜メカが攻撃を開始するよりも速く、ユーベルコード【鈴蘭の嵐】を発動させる。
 吹き荒れる花弁の嵐に次々と装甲を剥がれ爆散していく小型恐竜メカ。
 運良く範囲から逃れていた個体も、鈴蘭から元の姿へと戻った二丁の『【聖銃ピア】』と『【聖銃】トリップ』を操り撃ち落していく。
 周囲から小型恐竜メカを一掃して双銃を腰元のホルスターに仕舞うと、紫髪が拍手を贈る。
「見事なもんじゃな」
「いえ、まだまだです。そう言えばハウスィさんは……」
「んぉ?」
 そう、気付けば我等が組合長が見当たらない。
 一体何処へと視線を彷徨わせるがその姿は忽然と消え果ていた。
 皆が気付いたのは恐竜メカの左翼が切断された時だった。
『…………!?!?!?』
 突然のアラートにAIがフリーズする。
 エラーを吐き出す箇所を割り出しアイセンサーを向けて見れば、そこにはエネルギーブレードを構えた青年が立っている。
「ええっ!?」
「ハウスィさん!」
「いつ動いたんじゃ……」
 三者三様の驚きを受ける中、ハウスィはショートした回路が放つ火花を気にするでもなく、事も無げに言った。
「正面から戦うなんてハウスィには無理なんだ。だからこっそり動くんだね」
 普段は注目の的と言うか圧倒的な存在感で動き回るハウスィだが、一度戦場に立てば忍者顔負けの隠密術で相手を欺く。
 その隠密術の実態が『ただ只管に目立たないだけ』と言う辺りに彼らしさが現れてはいるが。
 とは言え意識の間隙を縫う彼を捉えるのは容易では無い。
 現に、恐竜メカはあの巨大な左翼を根元から絶たれ終わるまで彼の存在に気付かなかったのだから。
 慌てて小型恐竜メカを向かわせてその小太りな身体を狙うが、捉えた筈のその身体は宙に溶ける。
 何事かとセンサーが情報を集める最中、今度は左前腕の統括ユニットからエラーが吐かれる。
 慌ててセンサーを向けるとそこにはエネルギーブレードを構える青年の姿が。
「残像くらい生み出せないと経営は出来ないんだ……!」
「いや、それ嘘じゃろ!?」
 思わず突っ込みを入れてしまう紫髪。
 偶々近くに居て突っ込んで来た小型恐竜メカを背負っていた『ミラクルバット』で打ち返し、左前腕の稼動部に食い込ませる。
「さ、見付かったし一旦離脱しよう」
 すたこらさっさと駆け出すハウスィに、恐竜メカは言い知れぬ何かを感じ取った。
 思考回路がエラーを吐き続けており解析不能との判断が下る。
 この場で一番有効なのはあの生命体と対峙しない事。
 そう判断した恐竜メカは残った右翼を広げて飛び去っていく。
「機械を恐怖させるか……おっかないのぅ」
「おかしい、ハウスィは一般人なモブなのに」
「ハウスィ殿の様な一般人が居って堪るか!」
 紫髪はキレッキレの突っ込みで出迎えながら恐竜メカが飛び去って行くのを見送る。
 途中までは強敵感バリバリだったのに、今はもう背中が煤けて見える。
「あっ、ハウスィさん火傷が!」
「背中を上ってる最中に発射口付近でミサイルの火を浴びちゃったからね」
 駆け寄ってきたシホが、ハウスィの首の後ろに出来ている火傷に気付いた。
 目立たない様に動き回るには能動的な回避を極力避ける必要が有る。
 痛烈な一撃を与える為に、ハウスィは甘んじて避けられた被害を受け入れて背中を上り、あの必殺の一閃を放っていたのだ。
「直ぐに治療しますね!」
 シホがユーベルコード【生まれながらの光】を放つ。
 柔らかな聖なる光が傷口を優しく包み込み、瞬いて傷口ごと消え去る。
 残ったのは傷一つ無い、ぷるぷるすべすべの肌だ。
「よし、治りました」
「ありがとうなんだ!」
 妙なポーズを取って感謝の念を示すハウスィ。
 丁度戻ってきたアリスも怪我は無い様だ。
 ムートを労い背中を一撫でしてから、ぴょんこと飛び降りる。
「お疲れ様!一先ず撃退ね!」
「うむ、後は時間の許す限りミラーを破壊するだけじゃな。鏡の矛先を只人達に向けさせるわけにはいかん、すべて叩き割ってやるのじゃ」
「もう一頑張りだね。S.A.A、発動!」
「ハウスィさん待って!?」
 シホの静止も空しく、エネルギーブレードが本日【二度目】の展開を果たす。
 つまり今日だけで売り上げが二倍吹き飛んだ計算だ。
「あぁ……」
 絶望した目を向けるシホ。
 アリスと紫髪も目を見開く。
 三人の視線を受けたハウスィは一つ頷いて左手を後頭部に当てて。
「うっかりだね!」
 お後が宜しい様で。

 組合長チームの居る所から程近い場所。
 そこには他の戦場と違い一つ大きな特徴が有った。
 一角が完全に穴となり、瓦礫を漂わせるだけの空間となっていた。
 ミラー同士の継ぎ目が見えなくなる程の距離から見ても明らかに解る、暗黒を映し出している一角。
 破壊工作に当っていた四人の猟兵が圧倒的なスピードでミラーを破壊して行った結果である。
「私は皆さんの様に力自慢では無いんですがね」
 手にした『対UDC50口径改造二丁拳銃』でミラーの推進剤の詰まったタンクを撃ち抜き次々に破壊していくのは神原・響。
 彼は一度ミラーの裏側に回りその構造を粗方把握して、何処を撃ち抜けば効率良く破壊出来るのかを探り当てた。
 それ以降は効率良くミラーの表面から推進剤の有る位置を狙っていく。
「鏡を一つでも破壊し戦況を有利にしなければ……」
 ゆっくりと走り抜ける様にミラーの上を移動しているが、彼の足が離れたミラーはきっかり二秒後に小さな爆発を起こしてスペースデブリへと姿を変える。
 実にクールな処理方法だ。
 そんな彼の右隣の列では二人の少女が競い合う様にミラーを砕いて行く。
「うん、順調順調!」
「ボクも負けないよ~♪」
 羅刹の立花・桜華とバーチャルキャラクターのセレヴィス・デュラクシードだ。
 二人共足技を得意としており、破壊工作の序に互いの妙技を見て技術を磨き上げている所である。
 同じ足を使う攻撃でも、桜華とセレヴィスは方向性が違う。
 桜華が一閃の下に全てを断ち切る曇り無き刃なら、セレヴィスは一撃の下に全てを叩き伏せる揺ぎ無き槌だ。
 互いの妙技に感心と着想を得ながら、二人は技を磨き上げていく。
 丁度良い事に、此処には技を放つ為の練習台が幾つも用意されている。
「成程、膝に力を溜めて……こうかな!?」
 桜華の鋭い一撃が放たれ、ミラーの中心に真っ直ぐ切れ込みが入る。
 数秒の後、そこから伝わった衝撃がミラー全体を粗く砕き割った。
「おぉ、イイ感じっ♪次は私だねっ、にゃっはー!」
 続いてセレヴィスもミラーへと踵落としを放つ。
 踵が当った場所から蜘蛛の巣状に罅が走り回り、端まで到達した所でミラーがぱかりと両断された。
「うむ、二人共実に素晴らしい威力だな。響の無駄を極限まで省いた動きも実に善し」
 三人の動き方を満足げに眺めながら進むワズラ・ウルスラグナ。
 ミラーの破壊に技巧を凝らしている彼等とは違って、ワズラの取った方法は実にシンプルだ。
 手にした剣で、尻尾で、肘で、翼爪で、拳で、足裏で、膝で、飛んできた瓦礫で。
 ありとあらゆる攻撃に使用可能なものを使いミラーを叩き壊していた。
 シンプルが故に最も強い威力を出す方法で穿たれ、ワズラが通り過ぎた後に原形を残しているミラーは一つも残っていない。
 だが彼はまだ本調子では無い。
 ミラーの破壊も重要な任務だと認識してはいるが、彼が求めているのは血湧き肉踊る様な闘争。
 故に彼はミラーを砕きながらも、横で披露される仲間達の妙技を見て自身の燻る闘争心を慰めていた。
 そんな彼の下にやってきた一つの気配。
「戦か?戦なんだな?成程、そうか、善し」
 やけにウキウキとした様子で鉄塊剣『暴風龍サルヴァ』を構えるワズラ。
 突然の動きに訝しむ三人だったが、遠くから迫るシルエットを見て合点が行った様だ。
「おっ、敵だね~」
「迎え撃ちましょう!」
 血気盛んに気合を入れるセレヴィスと桜華の横で、響は別の事に驚いていた。
「……ワズラさんが気付いた時にはまだ姿は殆ど見えていなかった筈。あの距離で気付いたんですか……?」
 楽しげに口の端を吊り上げるワズラを見ながら、響は小さく感嘆の息を漏らす。
 近付いて来た事で恐竜メカの姿が解る。
 特徴的なのは腹部の装甲にある焦げた痕と、右翼しかない機械の翼だ。
 恐らく誰かが左翼を切り飛ばしたのだろう。
 やってきた恐竜メカは此方を捉えて苛立った様な仕草を見せる。
「おうおう、余程他の連中に手酷くやられたらしい」
 呵々と笑うワズラ。
 見れば他にも小さな傷は無数に有った。
 両前腕のダメージや首の歪に凹んだ発射口も痛々しい。
「よっし、それじゃあ先手必勝なんだよ!」
「一気に行きましょう!」
 桜華とセレヴィスが我先にと駆け出していく。
 すると恐竜メカはアイセンサーを紫色に変化させ、大きく仰け反った。
 何事かと皆が目を見開く中、恐竜メカは両足を畳み身体と水平に伸ばして格納する。
 前腕はパージして新たな腕を両脇腹から出現させ、尻尾は更に長く伸びていく。 
 破壊されていた左翼部分の装甲と残った右翼も装甲ごとパージして、肩から腰元に掛けての装甲が開き、中から戦闘機を思わせるデルタ翼が飛び出した。
 掟破りの二段階変形だ。
「形が変わった!?」
「突っ込んでくるよっ!」
 驚く二人を嘲笑う様に恐竜メカは宇宙を翔ける。
 その巨体を揺らしながら戦場を抜け、置き土産と言わんばかりにミサイルの雨を猟兵達に降り注がせていく。
 同時に背中から大量の小型恐竜メカを排出し、四人を取り囲む様に配置した。
「おぉ~、あれは今週のビッk(ミラーの破片やミサイルや小型恐竜メカが遮る様に飛び交う)カなんだよ、TVで見た事ある!」
「色々と危ないよ!?」
 胸キュンしているセレヴィスに突っ込みを入れてミサイルを掻い潜っていく桜華。
 寄って来る小型恐竜メカは蹴り上げやナイフの投擲で散らしていく。
 その合間を抜けてくるミサイルは上手く誘導し足元のミラーに当てて爆発させる。
「邪魔する敵は一気に倒しちゃうよ!」
 蹴り飛ばした小型恐竜メカをミサイルの軌道上に乗せ、同士討ちをさせる。
 周囲に控える小型恐竜メカは余りに早い桜華の動きに適応し切れずにいる様だ。
「んー、地道に蹴って1体ずつ壊すしかないかなぁ」
 セレヴィスは悩ましげに眉を寄せる。
 彼女の使う技は基本的に一対一を想定している為、広範囲を薙ぎ払うのは不得手だった。
 やる事は変わらないか、と思い直して手近な所に居る小型恐竜メカへ踵落としを放つ。
 頭部を破壊され動きを止めたそれを見て、セレヴィスは手をぽんと打つ。
「良い武器見っけ♪」
 早速尻尾を捕まえて軽く振り回してみる。
 意外に握り易くリーチも中々。
「いよっし、反撃なんだよ~!」
 ミサイルを躱しながら握った小型恐竜メカを力任せに振り回す。
 砕けるまで振り回し、砕けたら直前の攻撃で破壊されたものを代わりにしてまた振り回す。
 正しくバーバリアンと言った暴れ具合に小型恐竜メカ達は為す術が無い。
「頼みますよお姫様!」
『よかろう!お前の敵は、童の敵だ。存分にもてなしてやろう!』
 戦場で軽やかな輪舞曲を踊るのは響とユーベルコードで召喚された【黒の女王】だ。
 黒の女王が宙に浮かべた八本の剣を操り手近な場所から小型恐竜メカを刺し貫き、響は此方へと向かってくるミサイルを撃ち抜き遠くで爆散させていた。
 背中合わせにくるくると回りながら、時には互いの体躯を入れ替えながら戦う様は宮殿で踊る騎士と女王の如く。
『どうした、動きが度々鈍っておるぞ?』
「貴女の美しさに見惚れているのかもしれませんね」
 軽妙な言葉を交わしつつその場を制圧していく二人。
 気付けば周囲の小型恐竜メカは全て動きを止めてガラクタと化していた。
「ふむ、準備運動にもならんな」
 身を切り裂いて噴出する地獄の炎で向かい来るもの全てを包みながら、ワズラは恐竜メカが飛び去った方向を見遣る。
 高速で飛行し捉えさせないまま、一方的な爆撃を行い殲滅する。
 確かにそれも立派な戦法だ。
 自身の消耗を抑えながら相手を撃滅すると言うのも中々に難しく、実現出来ればこれ以上無い戦果を挙げられるだろう。
「なればこそ、打ち破るが面白い」
 ニヤリと、口の端を更に吊り上げる。
 遠く飛翔する恐竜メカのアイセンサーが、偶然その笑みを捉えた。
 かかってこい、ヒヨっこ。
 AIに搭載された思考回路がその笑みを嘲りと受け取る。
 兵器としての破壊効率を上げる為に持たせた、恐竜の本能とでも言うべき凶暴性が目を覚ます。
 ワズラを撃破すべき最優先目標と認識した恐竜メカが、彼へ向けて真っ直ぐに飛翔を始めた。
 それを感じ取り、益々口の端を持ち上げるワズラ。
「猶、善し。ならば此方も相応の迎え方をせねばな。――我が身こそ我が武具なれば、我が戦獄此処に極まれり」
 ユーベルコード【戦獄龍終極】の発動と共にワズラの姿が変化していく。
 生命力及び自然治癒力を代償に自身の装備武器の封印を解き放ち、全長十メートルの大剣を出現させる。
 自身の身長は三倍となり、六メートル弱の黒龍となって戦場に舞い降りた。
 全身から迸る闘気が渦を巻き地獄の炎でさえもが、のたうつ様に悶えながら燃え上がっていく。
 余りの威容に、思わず戦場の誰しもが一瞬動きを止めて彼の居る方を見た。
「さあ、最高の戦いを見せてくれ」
 大剣を構えて不敵に笑うワズラへと突っ込む恐竜メカ。
 しかし恐竜メカも愚直には突っ込まない。
 寸前で機首を上げて腹を晒し、それまでとは違う弾頭のミサイルを放ちながら、自身は大きく上方へと舞い上がり宙返りを行う。
 何をする気かと見守る先、ミサイルが突如自壊した。
 中から出たのは緑色の粘液に似た物体。
 それを見て一早く動き出したのは響だ。
「お姫様、茨を!」
『よかろう!』
 応えた黒の女王が影を薄く伸ばして猟兵達を包み込む。
「あれは恐らくバイオウイルスです!」
「えぇっ、ばっちぃ!」
 響の指摘に思わずうげっと舌を出すセレヴィス。
 しかし撒き散らされたウイルスは影の茨に防がれて届いてはいない。
 影の表面で小さく爆発しながら粘液は茨に取り込まれていく。
 ほっとしたのも束の間、桜華が声を上げる。
「ワズラさん!」
 見ればワズラの巨体を覆い切るのは間に合わず、その巨躯に幾つかの粘液が付着していた。
 直ぐ様茨が粘液を侵食し、爆発と感染の拡大は防ぐ。
「すみません、体表のは取り除きましたが内部に浸透したのは」
「いや、有難い。奴と対等に戦うには丁度良い枷だ」
 響へ心配するなと笑い掛けるワズラ。
 丁度、宙返りを終えた恐竜メカが真っ直ぐに突っ込んで来る。
「お膳立ては済んだか?」
 牙を剥く恐竜メカへ、横一文字に大剣を振るう。
 激しい衝突、一瞬の鬩ぎ合いを経て押し込まれて行くワズラ。
 開かれた口を割断する様に放たれた大剣の攻撃は恐竜メカの動きを抑制したものの、残った慣性がその巨体を質量の暴力と成して襲い掛かる。
 両足がミラーの表面を削りながら滑っていき、数十枚のミラーを塵屑へと変えた所で両者の動きが止まった。
「さて、何方が先に音を上げるか勝負しようか」
 ウイルスの効果でワズラの口許には激痛が走り抜けている。
 それを激痛耐性で強引に押さえ込み、腕を前へ前へと押し込んでいく。
 装甲を拉げさせながら悶える恐竜メカへ、先ずは桜華が切り込んだ。
「魂まで燃やし尽くしてあげるよ!」
 ユーベルコード【燐火裂蹴】で下から左デルタ翼へ蹴り掛かる。
 闘気を蒼く光る炎と成し乾坤一擲の一撃がその巨体を揺らす。
「此方も行きます!」
『遅れるでないぞ!』
 銃弾と剣が右デルタ翼の噴射口を傷付けていく。
 響と黒の女王の織り成す瞬撃の調べが、恐竜メカの推進力を奪う。
「これはオリジナルセレスの得意技、悔しいけど……ボクの全力!勝負だよっ!」
 いつの間にか背中を駆け上がっていらセレヴィスが、首根っこへユーベルコード【疾風斬鉄脚】を叩き付ける。
 大きく首が撓み、その衝撃を全身に伝えていく。
「さあ、俺と殺し合え!」
 仲間の攻撃のダメージもワズラには届いている筈だが、それでも彼はふてぶてしく笑う。
 全身を駆け巡る激痛を押さえ込み、猶も両腕を前へと押し上げる。
 そして遂に、恐竜メカの顎は限界を迎えた。
 様々な部品を吹き飛ばしながら砕ける顎。
 鍔迫り合いから解放された巨体はワズラの肩を掠める様に前へと動き出す。
 飛び散った自身の欠片と猟兵達を置き去りにして、恐竜メカは勢い良く何処かへと飛び去って行った。
 その後姿を見送る四人。
 常人なら気を失ってもおかしくない激痛の最中で、ワズラは満足そうに頷いた。
「うむ、良き闘争であった」

「逆に考えるんだ。でかくて強い兵器があるなら、そいつに壊してもらえばいいじゃない?」
 そんな発想でせっせと事前準備を行っていた月代・十六夜。
 ユーベルコード【ジグザグフィールド】を展開し各所にワイヤーを張り巡らせて自身が動き回り易い舞台を整えている。
 仮に此方へ攻撃を仕掛けて来たらワイヤーがミラーを引き寄せ、互いに衝突する様にしてある。
 攻防一体の布陣だ。
 そんなワイヤーを自慢げに見守る十六夜を温かい眼差しで見守るゲンジロウ・ヨハンソン。
 当初は恐竜メカを倒す心算で意気込んでいたが、遠い戦場で戦闘中と言うのを聞いて一先ず手近な所からバリンバリンとミラーを割っていた。
「鏡割るの何て不良の小僧でもできるんじゃ」
 そう嘯きながら自慢の怪力でミラーを叩き割る姿は往年の名曲を思い起こさせる。
 軽快に仕事をこなして行くゲンジロウを見つつ、周囲の警戒に当っているのはモルツクルス・ゼーレヴェックスだ。
「さて、どこからやってくるっすかねぇ?」
 戦闘狂と言う訳では無いが、戦うならば強大な相手の方が良い。
 そんなジャイアントキリングを是とする彼は強敵の出現を今か今かと待ち侘びていた。
 そんな彼等の元へ現れる、一体の影。
「おっ、お目見えっすね!デカイ!かたい!イコールで……強い!お手本のような強敵っす!ありがとう!調度デスモ・ブラキオス殿みたいな強敵を求めていたんすよ!弱い者いじめは、いけないっす……か、ら……?」
 そうはしゃぐモルツクルスだったが、何やら様子がおかしい事に気付く。
 ブリーフィングで見た様な獣脚類を思わせるシルエットではなく、前後両足を折り畳みデルタ翼を生やした戦闘機の様な格好。
 右のデルタ翼下のスラスターからは絶えず火花が散っており飛行体勢もやや歪んで見えている。
 おまけに下顎は何処へやったのか見当たらず、上顎だけが残っている為酷く不恰好だ。
「ボロボロじゃないっすか!」
「まぁ他にわし等の他にも猟兵が沢山集まって居るからのう。そりゃボロボロにもなるわな」
「まさか俺達が大トリって訳じゃないだろうな……」
 その様相に三者三様の呟きを漏らす。
 ともあれ好機には違いない。
「それじゃお二人、打ち合わせ通りにお願いするっすよ!」
「おっしゃ、やったるわい!」
「囮役は引き受けたぜ!」
 モルツクルスの掛け声に飛び出す十六夜。
 ユーベルコード【スカイステッパー】を駆使して宇宙を跳び、恐竜メカを挑発していく。
 目の前を飛び回る姿に釣られて、首を伸ばす恐竜メカ。
 尻尾から大量のミサイルをばら撒くが、小型恐竜メカは出て来ない。
 どうやら度重なるダメージで排出口が詰まったらしい。
「よっと、空間戦闘ってのは初めてだが意外に悪くは無ぇかもなぁ……!」
 張り巡らせたワイヤーを、時には飛んで来るミサイルを足場にして縦横無尽に飛び回る十六夜を捉え切れず、ミサイルはミラーや恐竜メカ自身を爆破していく。
「デカイ奴にはデカイ奴をぶつけりゃいいんだよ!おらぁ、ユーベルコード発動じゃ!」
 そう宣言したゲンジロウの声に続き、めっちゃカッコイイBGMが『超未来変形屋台バイク【IZAKAYA:げんちゃん】』に取り付けられたラジカセから流れ出す。
 宇宙空間では音が響かない為、猟兵達の意思疎通用に準備されたインカムセットからも流れる様に調整済みだ。
「バトルアーマーモード!超爆装屋台、コード【IZAKAYA:げんちゃん】!!」
 ノリノリで叫ぶゲンジロウの掛け声と共に超未来変形屋台バイク【IZAKAYA:げんちゃん】が変形し、ゲンジロウと合体する。
 ユーベルコード【超爆装屋台ゲンチャンダー】によって合体ロボへと変形を果たしたゲンジロウ。
 ドスドスとミラーの表面に罅を入れながらひた走り、勢い良く飛び上がる。
 ミサイルの隙間を縫う様に飛び上がった先、紫に光る恐竜メカのアイセンサーが有る。
「それじゃ、ひとまず邪魔者を消すとしよーかね」
 握った拳を振り下ろす。
 上顎へと叩き付けられた拳に衝撃が返り、僅かに装甲が凹んでいく。
 そのまま連打を叩き込み、嫌がった恐竜メカが首を振ったのに合わせて離脱する。
 忌々しいとでも言いたげにゲンジロウを見据えた所へミサイルが直撃した。
 下手人は十六夜だ。
「ナイスサポートだ!」
 スイッチが入ったのか男臭い口調へと変わったゲンジロウは鼻先を駆け上がる。
 アイセンサーが捉えるよりも早く、ドロップキックを放つ。
 びしり、と紫の光を放つアイセンサーに罅が入った。
 度重なる戦闘で蓄積されたダメージと直前のミサイルの直撃。
 そこへ放たれた渾身のドロップキックが、遂に恐竜メカの視覚を奪った。
「おっしゃ!」
「こっちも準備完了っす!お二人とも、退避を!」
「とっとと逃げるぜ!」
 蹴りの衝撃でバランスを崩していたゲンジロを回収して、ワイヤーを手繰っていく十六夜。
 既に周囲のミラーはミサイルの影響で粉々になっている。
 事前に張り巡らせていた事で逃走経路の確保に成功した形だ。
「全ての始原、全ての終焉……其は炎、其は光……汝が力を此処に乞う!」
 二人が逃れたのを確認して、モルツクルスは詠唱を行う。
 ユーベルコード【自在太陽】はその名の通り、太陽に等しい力を自在に操るものだ。
 普通に使うには余りに強大な力だが、範囲操作さえ間違わなければ宇宙空間ではかなり使い勝手の良い必殺の一撃となる。
 詠唱を重ねて練り上げたエネルギーの総量は、実に太陽二十四個分。
「いけええええっす!」
 それを真っ直ぐに放つ。
 アイセンサーが故障した恐竜メカは各部が伝えるアラートで脅威が迫っている事を知るが、どの方向に回避するのが最善かの答えを出せずに居る。
 機械に有るまじきいちかばちかの回避行動を取った恐竜メカを極大の光と炎が包み込んでいく。
 閃光の奔流。
 燃やし尽くすには十分な一瞬を終えてモルツクルスは天炎を消した。
「……おぉっ?」
 何も残らないと思ったが、そこには恐竜メカが居た。
 左半身を大きく削られ断面は赤熱し熔けているが、それでも宇宙を飛び続けている。
 恐竜メカは一度大きく首を逸らし天に向けて咆哮する様な動きを見せ――そのまま沈黙した。
 脈動する様に走っていた動力部のエネルギーネオンも消え、静かに揺蕩っている。
「……動かないっすね」
「動かんなぁ」
「寿命か?」
 十六夜の言葉は当っていた。
 戦闘開始直後から発動した広域殲滅モードの代償で寿命を削りながら、数々の激戦を潜り抜けてきた恐竜メカ。
 モルツクルスの一撃が引き金となり、遂に兵器としての役目を終えたのだった。
「ま、ともあれ勝利には変わりないっす」
 そう言ってモルツクルスは右手を掲げる。
「この勝負、自分達の勝ちっす!」
 パン、と打ち鳴らされる掌。
 三人のハイタッチを、罅割れたミラーの破片が映し出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト