銀河帝国攻略戦⑦~絶望の光を阻止するために
「皆様! お仕事……なのはわかっていますわね!」
エリルが慌てた様子で猟兵達に向き直った。
スペースシップワールドで、現在大規模な戦争が発生している。『オブリビオン・フォーミュラ』である銀河皇帝が、同じ能力を持つミディアを狙い、大規模な作戦が開始されたのだ。
エリルもまた、この戦いのためにグリモアを駆使し、今向かうべき場所を指し示したのだ。
「今回向かっていただく先は、カイザー・レイ。これを構成する鏡のうち一つを破壊していただきますわ」
カイザー・レイとは、銀河帝国の戦略防衛兵器である。エンペラーズマインドから放出されるエネルギーを反射し、解放軍の艦隊へと照射されてしまうというのだ。
「このまま放っておけば、大打撃を受けること必至ですわ。幸いまだエネルギーの照射は行われておりませんので、今のうちにバッキバキに壊しちゃってくださいまし!」
ここまでをエリルが早口で告げて、むふーっと息を吐いた。しかし、当然ながら一筋縄ではいかない。この鏡を守る者が、宙域に存在していることも予知されているのだ。
「今回向かっていただく場所には、ドクター・ジェミニィブレインと呼ばれるオブリビオンが守っておりますわ。このドクターは天才科学者二人の脳を掛け合わせたサイボーグだということですわね」
ほぼ脳だけの敵というだけあって、脳波だけではなく、自身の開発した機械などを使った攻撃を行ってくるようだ。
「まずはこの敵を退治してから、鏡を破壊してくださいまし。ここまで戦ってきた皆様なら、きっと出来るはずですわ!」
そうエリルはエールを送り、グリモアを光らせた。
銀河を賭けた戦いが、幕を開けた。
G.Y.
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
こんにちは。G.Y.です。
とうとう始まりました、銀河帝国攻略戦!
皆様と一緒に、この世界の命運を賭けた戦争を戦い抜きたいと思います。
皆様のお力をお貸しください!
よろしくお願いします!
第1章 ボス戦
『ドクター・ジェミニィブレイン』
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POW : 喰らえ!ブレインコントロール!
見えない【超強力な脳波】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : 出でよ!ビッグブレインロボ!!
自身の身長の2倍の【戦闘用殺戮巨大ロボ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : 喰らいつけ!メカニカルバグズ!
レベル×1体の、【体】に1と刻印された戦闘用【昆虫型ロボ(昆虫の種類は毎回変わる)】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「暴星・メテオ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
蜂蜜院・紫髪
*アドリブ連携歓迎
心情:鏡の矛先を只人達に向けさせるわけにはいかんの。すべて叩き割ってやるのじゃ。邪魔をするのであれば容赦せんからのぅ!
戦闘:人形を盾に狐火で戦います。人形は攻撃を優先して受け【厄受人形】からの【呪詛返し】で倍返しを狙います。
連携者が居るときは【武器受け】【オーラ防御】での【かばう】も使っていきます。
怪我人がでるようであれば【癒しの狐火】で癒します。
アスティリア・モノノフィシー
SPD
解放軍を殲滅させるカイザー・レイは放っておけません。
真っ先に破壊に向かいます。
周囲の状況を確認しながら、他の方の攻撃の邪魔にならないように気を付けながら、またオブリビオンの行動にも注目しながら遠距離からユーベルコードを使用していきます。
ビックブレインロボの戦闘力強化は怖いですが、狙いやすい方から攻撃です。体の重心となりそうな箇所を狙って転倒させるつもりで射撃。
生命力共有ですから焦らずに倒していきたいですね。
「天才科学者の脳だけあって今守ろうとしているものの価値でもわかるのでしょうか」
でも、こちらも一歩も引きませんから!
ルセリア・ニベルーチェ
アドリブ歓迎ですの
他の猟兵さんとの協力も歓迎
お仕事ね、ああ分かってますなのですよ!
破壊ならルセリアさんの十八番です、任せてください。
見切り・残像・第六感で敵の攻撃に対応しながら
敵が召喚を使用したら範囲攻撃で蹴散らしますの
隙が出来ればユーベルコード【破壊の暴君】を発動して
鏡ごと、吹き飛ばしてあげるわ!
セレスティア・ナイトリー
忌むべき光、災禍を齎すもの……我が進撃にて討ち滅ぼす。
「全戦闘プログラム起動」
蒸気推進器で加速接近しつつ、攻撃回数を重視した【機士の進撃】を発動。
相対速度、距離、敵の性質、地形、すべてをリアルタイムに入力した戦術編成プログラムの自動演算に従い、敵を最高効率で殲滅する。
ミスト・ペルメオス
(SPD)
やらせない…ッ、やらせるものかッ!
そうだろう、ブラックバードッ!
自らの世界の行く末が決まる戦いとあって、絶対に負けられないと戦意を燃やす。しかし思考は冷静であろうと心掛ける。
空間戦闘こそ鎧装騎兵の本領。機械鎧を駆って戦闘に突入する。
念動力を活用して機体を制御し、またスラスターを全力稼働させての機動射撃戦と【ヒット&ラン】の一撃離脱戦法を仕掛ける。
可変速ビームキャノンによる射撃を繰り出しつつ敵の意識を引き付け、
攻撃はフェイントを混ぜた機動で可能な限り回避、或いはビームシールドやオーラ防御により逸らす。
単騎では厳しいのは当然のこと。故に他の猟兵との連携も図る。
※他の方との共闘等、歓迎です
城田・紗希
虫退治は任せて!
ウィザードミサイル…に、「範囲攻撃」「全力魔法」と「誘導弾」を乗せて、
昆虫ロボを…ロボ?害虫?とにかく燃やし尽くすよ!
(ムカデや蜘蛛や、その他不快害虫をイメージしてる)
虫1匹につき矢を2本ずつ使っても余るはずだから、
残りは……脳みそオバケ?に集中砲火するよ!
(ドクターとかジェミニィとかの呼称をグリモア猟兵のそばに忘れた子)
もし戦場近くに鏡があれば、借りパク…じゃなかった、
破壊工作をしておこうかな(剥がして持ち帰る)
解放軍の艦隊のはるか前方に、時折ギラリと輝く何かがあった。
星のように見えて、その瞬きにしては不自然な、禍々しい存在感。それこそが、帝国の戦略防衛兵器『カイザー・レイ』だった。
転送によってカイザー・レイの宙域に現れた猟兵達は、これから破壊すべき鏡へ向かって進軍を開始する。
「鏡の矛先を只人達に向けさせるわけにはいかんの。全て叩き割ってやるのじゃ」
蜂蜜院・紫髪(怠惰な蜂蜜屋・f00356)がそう意気込むと、アスティリア・モノノフィシー(清光素色の狙撃手・f00280)もまたそれに頷いた。
「えぇ、解放軍を殲滅させるカイザー・レイは放っておけません」
猟兵達と巨大な鏡との距離が近付いてきたときだった。テレパシーのような声が、直接脳内に響き渡った。
『我々の実験の邪魔をしようというのか』
猟兵達の頭上に、巨大な脳の集合体が現れた。これこそが、この鏡を守るドクター・ジェミニィブレインである。
『我々銀河帝国の技術の粋を集めたカイザー・レイ。あれはその威力を試すに丁度良い的だとは思わないのかね』
「勝手なことを言うもんじゃのう」
紫髪がからくり人形を宙域に浮かせ始めた。
『喰らいつけ!メカニカルバグズ!』
ジェミニィブレインもまた、多数の昆虫型ロボを放った。全方向から襲い来るバグは、猟兵達を取り囲み、また、本体であるジェミニィブレインを守るような壁となって展開した。
「突破しましょう!」
ミスト・ペルメオス(新米猟兵・f05377)が機械鎧を纏い、スラスターを噴射させた。高速移動を開始すると同時に、ビームキャノンの照準をバグへと合わせてゆく。
「虫退治は任せて! 昆虫ロボを…ロボ?害虫? とにかく燃やし尽くすよ!」
ミストの戦闘開始に合わせて、城田・紗希(人間の探索者・f01927)が無数のウィザードミサイルを展開し、発射した。鮮やかな光が弧を描き、バグ一体一体に命中して戦場を明るく照らす。
「忌むべき光、災禍を齎すもの……我が進撃にて討ち滅ぼす……全戦闘プログラム起動」
セレスティア・ナイトリー(流転の機士・f05448)もまた、蒸気を噴き出しながら加速を開始した。蒸気は真空で凍り付き、セレスティアの軌跡をたどってゆく。
「戦術編成プログラムおよび測的追尾プログラム起動、対象に有効な最適解を取得、殲滅を開始する」
『喰らえ! ブレインコントロール!』
ジェミニィブレインが展開したバグが突如軌道を変え、セレスティアへと迫る。ジェミニィブレイン自身の強力な脳波によって、強制的に動きを変えさせたのだ。
「戦術予測完了」
セレスティアが盾を構える。噴き出る蒸気が結晶を作り、バグの攻撃を受け止めた。すかさず腰からワイヤーアンカーを飛び出させると、バグは中心から貫かれ。爆散した。
「ルセリアさんにかかれば、みじん斬りなのですよ!」
ルセリアの周囲に浮かぶ剣が、ひとりでにバグへと刃を向けた。一直線にバグを突き刺すと、そのまま円を描いてバグを両断する。何本もの剣が戦場中を駆け巡り、予測不可能な動きでバグを切り裂いていった。
「天才科学者の脳だけあって、今守ろうとしているものの価値でもわかるのでしょうか」
激しい戦闘が始まった前方を眺めながら、アスティリアは拳銃を構え、展開されているバグを着実に破壊していく。
その『天才科学者』の後方にそびえる鏡は、戦場の爆発光を反射して不気味に輝いていた。
『おのれ……こうなれば!』
バグがことごとく破壊されてゆく様子に痺れを切らしたのか、ジェミニブレインが両手を掲げ、大きく叫んだ。
『出でよ!ビッグブレインロボ!!』
鏡の奥から、不気味な形状の鋼の塊が飛来した。その塊に亀裂が入り、パーツとなって展開、回転などを繰り返していく。頭部のない人の形へと姿を変えると、ジェミニィブレインがその頭部になるべく、ドッキングを果たした。
『ビーッグ、ジェミニィブレイーン!』
通常の2倍の巨体となったジェミニィブレインは、ミストへと拳を振り下ろした。
「からくりにはからくりじゃ」
紫髪の人形がミストの前に躍り出て、拳を受け止めた。勢いを殺されたのか、拳はミストにまでは届いていない。
「くっ、危ないところでした……! ありがとうございます!」
「構わんよ。……それに、この恨みは倍返しじゃからのう」
紫髪はにやりと笑い、狐火を発生させる。すると、その炎は普段の倍以上の大きさとなって激しく燃え盛り、ジェミニィブレインの拳へと炸裂した。
爆音とともにロボの腕がひしゃげ、小さな爆発が続けて起こる。剥げた装甲からは時折電光がスパークし、ジェミニィブレインの腕がぶらりと宙に浮く。
「大きくなったら、狙いやすくなりましたね」
その様子に、アスティリアが拳銃を向け、狙いをつける。
「赤き弾丸をお見舞いします!」
拳銃から発射された弾丸は、火球となって足元で爆発した。
『ぬおおお!?』
バランスを失ったジェミニィブレインの身体が激しく回転する。制御の効かない状況は、猟兵達の格好の的となった。
「えぇーと、ドク、ジェミ……?? 脳みそオバケ?に集中砲火するよ!!」
敵の名前をすっかり忘れてしまった紗希が、再びウィザードミサイルを発射した。
「いっけー!!」
全方位からミサイルが着弾し、爆炎がジェミニィブレインを包んでいく。
『おのれぇえ! 何故理解できないというのだ。我々の理想を! 素晴らしき実験を!」
「そんなもの……やらせない……ッ! やらせるものかッ!」
ミストがスラスターを全開に、ビームキャノンを連射しながらジェミニィブレインへと突撃する。
「そうだろう、ブラックバードッ!!」
ミストとジェミニィブレインが交差する。直後、ジェミニィブレインの胴が爆発した。
「戦術的効果最大予測を確認、最適解による殲滅を実行」
セレスティアの蒸気振動剣が限界まで振動を始めた。加速の後ジェミニィブレインへと肉薄すると、正確かつ無駄のない動きでもって、ロボを一刀のもとに両断する。
ビッグブレインロボの激しい爆発からかろうじて脱出を果たした本体は、再び体勢を立て直すべく距離を取ろうとする。
だが、その先にいたのはルセリアであった。
「ルセリアさんを怒らせると、怖いのよ?」
巨大な剣が、ジェミニィブレイン目掛けて振り上げられた。
「鏡ごと、吹き飛ばしてあげるわ!」
『ぐ、ぐおああああ!!』
ルセリアの一撃がジェミニィブレインを吹き飛ばし、鏡に激突させた。
「ようく飛んだのう」
「皆さん、今です!」
笑う紫髪の後方で、アスティリアが合図を送った。
『な、なぜ……なぜだぁああ!!』
炎が、弾丸が、剣が。鏡をジェミニィブレインごと破壊せんと、猟兵達の全力の攻撃が、一点に集中していく。
『うおおおおぉぉ!!!』
激しい爆音と、光、衝撃の中でジェミニィブレインの身体が崩れていく。それとほぼ同時に、鏡にヒビが入り、巨大な爆発が生まれた。続けて発生した大小様々な爆発が、鏡を砕き、炎の中に飲み込んでいく。
「うーん、これじゃ借りパク出来……じゃなかった破壊工作はもう必要ないかな」
こうこうと照らされる宇宙空間を眺めながら、紗希は残念そうな声を上げた。
こうして、解放軍を狙うカイザー・レイのうち1枚の鏡を破壊することに成功した猟兵達は、次の戦場へと赴くべく、グリモアベースへと帰還するのであった。
成功
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