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羨め、さすれば与えられん

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ミズ・ルチレイテッド #バーチャルキャラクター

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●羨望の暗裏素
「あーいーなー、あーいーなー」
 柱の陰からこそっと身を乗り出していた少女は、ネット中継中のバーチャルキャラクター達にじとーっとした視線を向けていた。
 他者の視線には決して触れずに見つめるその姿。人目を忍んだ隠れファン――というわけではなさそうだ。
「あーいーなー、あーいーなー」
 その声も聞こえるのは自分だけ。決して「あいな」という名のアイドルを応援しているわけではなく……その真意は「あぁ、良いなぁ」という羨望だった。
 同じバーチャルキャラクター「だった」とは思えない雲泥の差。闇に堕ちた「暗裏素」はオブリビオンへと変わってしまった。
 人外の力だ。しかしそれを振るう度胸はなかった。
 そう、ミズ・ルチレイテッドに認められるその時までは。

 空を巨大な漆黒の漿船が覆う。人々は空を見上げたし、暗裏素もまた見上げた。
 しかし暗裏素に降り注ぐのは漿船の影ではなく、真っ白な閃光で――。

「あーいーなー、あぁいぃなぁ、あぁいぃなぁ! あぁいぃなぁ!!」
 暗裏素がバーチャルキャラクターのアイドル達に襲い掛かる阿鼻叫喚の地獄。その光景はネットを通して瞬く間に広がった。

●キマイラフューチャー・3rdラウンド
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は今日もまたグリモアベースに現れる。
「アイドルさんが襲われる『悪夢』を見てしまいました!」
 たまには良い夢も視たいものだが、如何せんオブリビオンというのは休みを知らない。
「今回は『キマイラフューチャー』の事件になりますね。ネット中継を行っているバーチャルキャラクターのアイドルさん達にオブリビオン――暗裏素が襲い掛かってしまうんです」
 暗裏素が事件を起こした裏にはミズ・ルチレイテッドがいるようだ。暗裏素を宇宙怪人へと改造して嗾けることでバーチャルキャラクターのアイドルを捕らえ、邪悪な洗脳ソングを広めさせようとしている……らしい。
 邪悪な洗脳ソングが何なのかはともかく。
「これから皆さんを現場へ送ることになりますが、事態は切迫しています。具体的には、暗裏素はもうアイドルさん達に襲い掛かっていて、丁度連れ去ろうとしているところになるでしょう」
 目的のこともあるため、アイドル達はとりあえず無事らしい。だが、暗裏素が宇宙怪人となることで得た「土星の輪のような浮遊体」を使ってアイドル達を縛り上げているということで、余裕があれば彼女達の解放も視野に入れたい。
「暗裏素を倒した後はミズ・ルチレイテッドの漿船に乗り込みましょう! アイドルさん達を連れていくために近くで停留しているはずなので、見つけるのは容易かと思います」
 乗り込んだ先にはミズ・ルチレイテッドが待ち受ける。美しい容姿ながら、その実態は暗殺者。強敵だ。
「新しい猟書家が現れたという話も聞きますが……以前からいる猟書家も力をつけています。気は抜けませんね! 頑張っていきましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 キマイラフューチャーの猟書家、バトル物多いですねえ。

●フラグメント詳細
 第1章:ボス戦『クラリス『暗裏素』』
 アイドル達を連れ去ろうとしていますので、颯爽と飛び込んでバーンといきましょう。
 「土星の輪のような浮遊体」は攻撃を加えると崩れていきます。アイドル達を救出する際の参考にどうぞ。

 第2章:ボス戦『ミズ・ルチレイテッド』
 漿船への潜入、及び脱出はなんやかんやでやったことにして、戦闘場面から考えてよいです。
 多分潜入したら「面白い。私の元まで道を開けよ」とか言って乗組員を退避させたとかそんな感じです。
 脱出はまあ脱出ポットとかあるでしょ。それか抜け穴とか。そんな感じで緩く考えておいてください。
 戦闘場所は漿船のコックピットですね。そこそこ広い空間なので暴れても大丈夫。
 周りにはまあ航行用の機械的なものとかあると思いますよ。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『クラリス『暗裏素』』

POW   :    羨望と喪失のサイトライン
【技能を用いた活躍を見せつけられること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【技能レベルをマイナスにする視線】で攻撃する。
SPD   :    もっと不幸なパッシングネイバーズ
戦闘力のない、レベル×1体の【陰鬱怪人(不幸型)】を召喚する。応援や助言、技能「【かばう、目立たない、闇に紛れる】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    魂沈めのサウンドシャッター
【無音の空間】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

桔梗乃君・ユヴィ
「羨望は自分で得るものじゃ」
「我が身は妖と成りても心まで変わったりはしないのじゃ」
「妾に音など関係の無いもの…笛の音1つ迄妾の頭や体に刻み込まれておるのじゃ!」
 この事件に対し良いなではなく自分で輝こうとする努力がない者に活をいれようと、猟兵として参加します。

 戦闘中、敵の注意を引きつけるオトリ役になります。
 クラリス『暗裏素』の「魂沈めのサウンドシャッター(WIZ)」に対し、ユーベルコード「巫覡載霊の舞」を使うことで、目立ち自分の方へ目を向けさせます。
 最大の目的は、仲間を信じ戦闘を有利に進め、勝利に導くことです。
 その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。


フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎でーす。

ふわふわ上から落ちてきます。羽があるので。

元同業っぽい人、そこまでです!
悪いことはいけないんですからね!

とりあえず【真っ赤な夜】の音量をアップ。
攻撃は【早業】でかわして行きましょう。
被弾時の敵UCからの眠気は【浄化】して【情熱】で振り払いましょう。

そして【楽器演奏、歌唱、浄化、範囲攻撃、精神攻撃】を駆使して指定UCを使用。

無音の空間であれば歌は届かない、という法則を無視して届く、浄化のサウンドで攻撃を仕掛けます。
歌はただの音の塊ではありません、魂から生まれるものなのです!
あなたも嘗て、それを知っていたはず!

あ、一応普通に流せるなら回復効果の方も流しておきます。



●魂の共演
「あぁいぃなぁ! あぁいぃなぁ!!」
 もはや鳴き声なのでは、と思うほどに暗裏素は羨望の言葉を繰り返す。バーチャルキャラクターのアイドル達を捕らえた浮遊体の端を持ち、ずるずる引き摺っていこうとした、その時だ。
「元同業っぽい人、そこまでです! 悪いことはいけないんですからね!」
 至極真っ当な正義の台詞を口上に、フローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)が翼を使いふわふわと降りてくる。暗裏素はフローライトに気づくと、気怠そうにその姿を見上げた。
「いいな、いいなと羨むでなく、自ら輝こうと努力すればよいであろうに……そんな捻くれた根性の持ち主には、喝じゃな、喝」
 そしてもう一人。暗裏素はまた声のするほうへ顔を向ける。そこには悠々と歩いて到着した桔梗乃君・ユヴィ(神と妖の力を持つ巫女・f31832)の姿があった。
「あー……うるさい」
 耳が痛くなる説教だ。正当であればあるほど、突き刺さった時の鋭利さは増す。
 耳を塞ぐか――否。自分だけが虐げられるのはもうたくさんだ、と暗裏素は宇宙怪人へと改造されて得たエネルギーを使い、無音の空間を作り出す。それを周囲に広げれば、耳障りな音など聞こえない。
「音を消すか……じゃが、妾に音など関係の無いもの……笛の音一つ迄妾の頭や体に刻み込まれておるのじゃ!」
 音が無くとも舞い踊る。腕を伸ばし、足を踏み鳴らすは巫覡載霊の舞。遥か天上に捧げる舞は己をも神域に近づける。
 薄く青みがかった光を放つその体――神霊体は一際鮮やかに舞を彩った。
「……邪魔、目障り」
 暗裏素の衣装は全体的に暗い色調だ。好んで着てはいるが、映えに欠ける部分もあった。故に見栄えの良いユヴィの舞は目に焼き付いて神経を逆撫でしていた。
 どちらから先に倒そうか、などと選ぶまでもない。暗裏素は無音の空間のターゲットをユヴィに定めて放った。
 球状の空間の揺らぎが伝播して飛んでいく。それをユヴィはギリギリまで引き付け、舞の回転する動きを利用しひゅるりと避けた。
「あぁ、邪魔、邪魔、邪魔!!」
 自分の攻撃を逆手に取って舞を際立たせたのが、暗裏素には殊更癪だった。無音の空間を次から次へと生み出して、マシンガンのようにユヴィへと放っていく。
(ここまで狙わせれば、十二分の出来じゃな)
 ユヴィが後ろに反らした体の上を、揺らぎがびゅおっと飛んでいく。
「今の内じゃ!」
 自分が囮になれば他の仲間がやってくれると信じ、託した。
 その期待にどう応えるか――フローライトは宙で野外用スピーカーポッド「真っ赤な夜」の音量を上げると、ギターにマイクを用意して、
『祈り乗せた刃 白く煌き 迷い払い燃え上がって 未来を照らす 終わりを告げよう また出会えるように 強く願い 今、君を……♪』
 かき鳴らす魂のコード、歌い紡ぐ魂のボイス。全身全霊をかけたと言っていいフローライトの魂のパフォーマンスが天上からの癒しのように降り注ぐ。
 毒気を祓う光の旋律――しかし、
「うあぁぁぁぁぁっっ!? う、るっ……さ、いぃぃぃ!!!」
 ただ一人、暗裏素だけが身悶え絶叫していた。両耳から鉄の棒を突っ込まれて脳みそをぐりぐりと掻き回されているような強烈な不快感に襲われていた。
「消えろ……消えろぉぉぉぉっっ!!」
 耳を押さえても容赦なく割り込んでくる音を何が何でも止めたかった。暗裏素は両腕をフローライトへ向けると、特大の無音空間を作り出して発射した。
 フローライトの眼前の景色は、まるで水中に潜ったかのように揺れていた。そして、ずぶんと無音の空間に呑み込まれる。
 これで音は消える――暗裏素の願いは届かない。
 魂のパフォーマンスはあらゆる法則を超えて、聞く者の魂を打ち震わせる。無音空間を劈く音が、声が、暗裏素を苦しめる。
 フローライトに忍び寄る睡魔も、魂を激しく燃やす歌声の前には敵わない。
「歌はただの音の塊ではありません、魂から生まれるものなのです! あなたも嘗て、それを知っていたはず!」
「あぁぁうぅぅ!? タマシイ……魂、なんてっ……あぁぁぁ!!」
 フラッシュバックするのは虚ろな目をした観客ばかり。歌声を届けようとしても、受け取ってくれなければ意味がない。
 受け取らないあいつらが悪い――責任転嫁の自己保身。そうして暗裏素は闇に堕ちたのだ。
「うぐぅ……あぁぁぁっっっ!!!」
 闇に染まった魂は、殊の外よく焼けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桔梗乃君・ユヴィ
「妾は…生半可な小手先だけでは生き残れないものであったのでな」

 この事件に対して、半端な気持ちがあるから、ただ望みを口にするだけなのじゃと感じています。

 戦いながらも、戦場全体や仲間の状態に常に気を配ります。
どんな攻撃にたいしても、集中し剣刃一閃でなぎ倒します。
「妾とて守護者としての意地がある。剣豪と言われておったがどうかのぉ?」

手数が足りないと感じたら、金色の猫(名前はヒマワリです)を使用、未熟な部分や援護を。

「妾の可愛い子やおいで」

また、逃げる際1人で逃げれない時も手伝って貰う

 最大の目的は、戦闘を有利に進め、勝利に導くことです。
 その為なら、ある程度のダメージはやむを得ないものとします。



●人生の経験値
 騒音――今の暗裏素にとって、音楽とは騒音でしかない。
 耳を塞ぎたくなるやかましい音はようやく止んだが、手足にぴりぴりと不可解な痺れが走るほどに精神を蝕まれていた。
「望むのが悪いとは言わん……じゃがな、望むばかりで何もせぬのは気持ちが半端な証じゃ」
「ぐ……な、に、も、知らないくせにぃ!!」
「ああ、知らぬ。じゃが、妾とて微温湯に浸かって生きてきたわけではない。生半可な小手先だけでは生き残れないものであったのでな」
 ユヴィは暗裏素がまるで経験したことのない修羅場をいくつも踏んでいる。その言葉は真に迫るものがあった。
「私を……蔑むな! 見下すなぁ!! パッシングネイバーズ!!」
 ツインテールを振り乱しながら叫び呼び出すのは、暗裏素よりも不幸な陰鬱怪人達だ。棒人間がそのまま物質化したかのような外見の怪人達は、両手を振り回したりジャンプしたりと全身を使ったパフォーマンスで暗裏素を応援し始める。
「うん……やる気、出た……!」
「何をしようと……無駄じゃ」
 言葉を短く切ってユヴィは飛び出した。刃を水平にして薙刀を構え、暗裏素へと詰め寄っていく。
「――ふっ!」
 正面からの一薙ぎ――だが観客同然だったパッシングネイバーズが突然飛び出し、暗裏素を押しのけるように割り込んだ。刎ねられた丸い頭がボールのようにぽーんと飛んで、パッシングネイバーズは消えていく。
「ぬぅ、そやつを庇うか!」
「……さすが、応援隊……」
 窮地を脱し、トン、トンと跳んで離れていく暗裏素は冷や汗をかきつつも、してやったり、とニヤリ。ユヴィは睨みを利かせて牽制するが、パッシングネイバーズは闇に紛れるように姿を薄くしていく。
「……ふん、どこまでも他人任せか……ならば、本気で叩き直してやらねばならぬのぅ。妾とて守護者としての意地がある。かつては剣豪と言われておったが――今はどうかのぉ?」
 ユヴィは薙刀を刀に持ち替えた。特別な銘は無いが、扱う者が扱えば十分な切れ味を発揮する一品だ。
「妾の可愛い子やおいで」
 そして呼び出すのは、ユヴィの2倍の体長の、黄金のオスのライオンだ。揃って駆け出すと、ユヴィは跳んでその背に乗った。
 ライオンは猛進する。背の上ではユヴィは戦場を俯瞰するように見つめていた。視野を広く取って集中し、隠れたパッシングネイバーズ達の居所を探る。
「ヒマワリ、右じゃ!」
 名を呼ばれたライオンは軽く体を倒して右に進路をずらす。そこでユヴィが背に立ち空を一閃。隠れながら進路を塞ごうと飛び掛かってきたパッシングネイバーズを斬り捨てる。
「左じゃ!」
 今度は体を逆に傾け進路をずらす。ライオンが地上にいるパッシングネイバーズを蹴飛ばしながら、ユヴィもまた飛来するパッシングネイバーズを一薙ぎで倒していく。
 一人と一頭で手数を増やし、丁寧に対処する。そして間合いを計り、
「跳ぶのじゃ!」
 声に従いライオンは跳んだ。暗裏素は足をピンと伸ばしたライオンの影に呑まれる。
「跳んで、後ろに回ったって――」
「上じゃ」
 ライオンの姿を追って振り返る暗裏素の頭上に声が掛かった。ライオンの背から飛び降りたユヴィが一直線に落ちてくる。
 パッシングネイバーズ達はライオンの派手な動きに釣られ、その突進を庇おうと飛び出していた。故に、今この瞬間、ユヴィと暗裏素を隔てる者はない。
「腕はまだまだ鈍っておらぬようじゃのぅ!!」
 刃を手に、ズドンと地を割る着地に合わせてユヴィは斬撃を浴びせた。体重と落下の速度を乗せた強烈な一撃は暗裏素の両腕の守りを深く斬り裂き、衝撃でその体を吹き飛ばす。
「うぁぁ――ぐっ……がはっ」
 背中から落下した暗裏素は摩擦で地面に跳ね返り、もんどり打って倒れた。スカートのフリルが千切れ、尻尾のように暗裏素の傍らに横たわる。
「哀れじゃのぅ……守る者がいなければ、その程度か」
「私を……哀れむ、なぁ……!」
 暗裏素は地面にしがみつくように爪を立て、足掻こうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

二條・心春
羨ましいと思う気持ちはわからなくもないですが、誘拐はいけません。みんなのアイドルですからね。

ここはフンババさんにお願いしましょう。タブレットと槍以外の武器とお守りに、カチューシャを使って……フンババさん、来てください!
フンババさんには水を操って暗裏素さんを水柱で囲ってもらって、視線を遮りながらまずはアイドルさん達を助けましょう。槍で叩けば壊せるかな。
助け終わったら囲っていた水柱をそのままぶつけて攻撃です。このまま溺れさせても良いですが、せっかくですから彼女へ向けてアイドルさん達に歌を歌ってもらいましょうか。純粋にアイドルに憧れていた時の気持ちを思い出してもらえると良いのですが。


神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

まぁ、感情的な方は分からなくもないですが、そういうのは腐らないことも大事だと思いますよ。(お菓子もぐもぐ)

(UC『制約:略奪者』を使用。大剣と尻尾で近距離戦をしながら、大量の蔓を出して、POWのUCを奪って)

う~ん?活躍するってこんな感じでいいのかな?

(奪ったUCで『捕縛・生命力吸収・吸血』の技能で捕縛してから吸血と生命力吸収して弱らせて、UCの効果でさらに弱体化させて)

私だとこんな感じの活躍しか出来ないんですよね。
貴方には活躍できる内容とかありますかね?

(弱ってる間にアイドルの拘束も蔓で解いて、そのまま大剣と尻尾にUCで使った技能を付与してさらに攻撃していく)



●過去の者が語れる過去は
 二條・心春(UDC召喚士・f11004)は未だ捕まっているアイドル達の元へ駆けながら、身に付けていたカチューシャを外す。
「これに、お守りと、他の武器を使って……フンババさん、来てください!」
 装備品を空へ捧げる。すると、地面から噴き出す水柱と炎柱がうねるように交差して、その中からライオンの顔を持つ竜型UDCの霊が召喚された。
「ガアアアァァァ!!」
「アイドルさん達を助けるまで、暗裏素さんの足止めをお願いします!」
「させっ……ないっ……!」
 暗裏素は心春を止めに入ろうとするが、体が軋んで思うように動かない。そこへさらにフンババが立ち塞がるように遮る。
「グルルルゥァアアア!!」
 咆えながら地面を踏み鳴らすと、割れた隙間から水柱が噴き出し厚い水の壁ができた。
「見え……ない……っ!」
 水柱によって完全に空間が断絶された。フンババの後ろ姿を横目に、心春はアイドル達の元へ辿り着く。
「今、助けます! 少しだけじっとしていてください!」
 心春は槍を逆さに構えると、石突で浮遊体の拘束具を叩いた。一突きで拘束具はボロっと端から砕け、アイドル達の体が自由になる。
「ちゃんと助けられたみたいですねー」
「はい、なんとか」
 もぐもぐとお菓子を頬張りながら、神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)も現場へ到着する。至ってマイペースな七十の視線はしばしアイドル達に向いた後、興味を移すようにすいっと水柱へ向けられた。
 その向こう側には暗裏素がいる。
「まぁ、感情的な方は分からなくもないですがー、腐らないことも大事ですよねー」
「えぇ。羨ましいと思う気持ちはあっても不思議ではありません。それを自分の力に変えられればいいのですが……誘拐はいけませんよね。まして、皆さんに夢と希望を与える、アイドルさんの誘拐なんて」
 来たるべき時に備え、心春はアイドル達を庇うように身構えた。
「アイドルさん……よければ歌を歌ってくれませんか? そうすればもしかしたら、彼女も純粋にアイドルに憧れていた時の気持ちを思い出すかもしれませんし」
「……わかりました、やってみます!」
 心春の提案にアイドル達は快諾してくれた。
 そして心春は水柱を見据える。
「私は水柱をこのままぶつけます」
「了解でーす。じゃあそれに続いて攻めればいいですね」
 丁度、お菓子の袋の中身がなくなった。七十は空の袋を丁寧に折りたたんで荷物に詰めると、漆黒の大剣を抜く。
「準備おっけーいつでもどうぞー」
「では……フンババさん、お願いします!」
「ガアアアァァァ!!」
 水柱は空中でぐにゃりと曲がり、その内に居る暗裏素へと叩きつけられた。
「ぷわっ、あぶぶ……いきなり襲って、くる、なんて……」
 地上に溢れた水は一瞬その場を海へと変えた。広がり押し寄せる波へ分け入るように、七十はばしゃばしゃと駆けていく。
 暗裏素はまだ足がついていない。そこへ七十が海を割る一太刀を浴びせた。刃は肩から胴体へ鋭い一筋の傷を与え、透明な飛沫に鮮血が混ざって弾ける。
「ぐぅぅ、そういうの、許さな……いっ!」
 水が大剣の勢いで押し出され急に地上が戻ってきた暗裏素。ダメージの影響もありよろめいていたが、膝がかくっと折れて体が落ちるのを利用してひゅっと七十の足元に足払いを放った。
「あぶ……」
 片足を取られ、体が後ろに傾く。そのまま倒れていきそうなのを尻尾で支えることでどうにか堪え、また両足を地に付けた。
 再び七十は間合いを詰める。今度は薙ぎの一太刀に、暗裏素は回避で応じる。斬撃の範囲から逃れようと横に跳ぶが動き出しが遅く、左腕を切っ先が掠めていった。
「そろそろ……貰いますよ」
 にゅ、と七十の背後から顔を出したのは蔓だった。景色を埋め尽くすほどに密集した蔓が地を跳ね、宙を跳ねながら暗裏素へ襲い掛かる。
「なに……これ……うぐっ!」
 両腕ごと蔓は暗裏素を拘束する。肉に、傷に、ぐいぐい蔓は食い込んでいく。
「さーて、ここから本気出していきますよー」
 蔓に囲まれ、七十と暗裏素は一本の道で繋がっていた。大剣を上段に構えるとダッと駆け出し、暗裏素に刃を振るう。先の傷と交差するように肩口から一閃、地面に叩きつけられるほどの速度で放たれた斬撃が細い体を深く抉り、体力を奪っていく。
「あああぁぁぁっっ!! こ……のぅ……その、能力……っ!」
 暗裏素はガチンと歯を食いしばり、痛みに耐える。そして羨望の眼差しを七十へ向けた――が。
「出な……い……なん、で……」
 相手の特殊な技能を弱体化させる視線の効果が七十には現れない。それが七十の「貰う」の意味だと悟るのは少し後のこと。
「今です! 歌をお願いします!」
 戦いが硬直した瞬間を狙い、心春はアイドル達に指示を出した。アカペラで紡がれる歌詞、音色が戦場へと広がっていく。
「あああぁぁっっ!? 歌……歌はぁ……っっ!!」
 蔓を揺らすように暗裏素は苦しみ始める。アイドル達の歌は果たして暗裏素に何を想起させるのか。
 純粋にアイドルに憧れ、目指していた時代――それはあったのかもしれない。だがその思い出の中に出てくる人達は、全て削られたように、顔に穴が開いていた。
 闇に堕ち、失った記憶は――もう、元には戻らないのかもしれない。
「……まあ、私だとこんな感じの活躍しかできませんけど……そろそろトドメ、さしますね? それとも、ここから何かできること、ありますか?」
 アイドル達の歌に重ねて入った七十の言葉に、暗裏素は反応を示さずぐったりしていた。もう、歌に抵抗する力もない。頭の中は記憶がミキサーにかき混ぜられたかのようにぐちゃぐちゃしていて、自分が何に羨望を抱いていたのかもよくわからなくなっていた。
「ないなら……終わりにしましょう」
 七十は低く腰を落とし、突きの構えを見せた。そして頭から突進し、蔓で拘束した暗裏素に刃をぶつけた。
 幅のある刃が、暗裏素の胸から腹にかけてをずぶりと貫く。
「ぐぅ……あぁ……やっ……ぱり、手に、入らな……」
 刃を突き立てられて一瞬跳ねた顔は恨めしそうに七十を見つめて、蔓の中で暗裏素は脆く崩れ去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ミズ・ルチレイテッド』

POW   :    インクルージョン・ウェポン
【掌から生成したルチルの弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    クロックパルス・イベイジョン
【水晶振動子を利用し、完璧なタイミングで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    クリスタライズド・バレット
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【透明化させたルチル弾】で攻撃する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠椎宮・司です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大首領ミズ・ルチレイテッド
「よく来た、猟兵達よ」
 暗裏素を倒した猟兵達は、続けて近くに係留されていた漿船を発見し乗り込んだ。
 道中は妨害もなく、一直線に漿船のコックピットへと到着。ミズ・ルチレイテッドはそれを待っていたかのように猟兵達を迎えていた。
「『暗裏素』を倒したその力、認めてやり……いえ、認めてやろう。だが、所詮は私達の計画を邪魔立てする存在……ここで潔く、死ぬがいい!!」
フローライト・ルチレイテッド
アドリブ連携歓迎でーす。

例によって悪いお姉さんを熱烈に邪魔しにきました!

その世界への憎しみは、愛する人よりも優先されるものですか?
その憎しみは、本当に大切な物ですか?
とだけ流れで言ってみつつ。
その上で楽曲へ。

さあ、煌めく光に抱かれて、愛の迷路で惑い彷徨え!

【真っ赤な夜】のボリュームを最大に。
【誘惑】するように微笑み、【情熱】を込めて指定UCを発動。
愛の迷路をどーんと構築。
【楽器演奏、歌唱、範囲攻撃、催眠術、精神攻撃】を駆使し、【存在感】のある【浄化】のサウンドを迷路中に響かせましょう。

攻撃は迷路の壁で防いだり、【パフォーマンス】の身軽さや【野生の勘】でかわしたり【オーラ防御】したりして凌ぎます


二條・心春
意外とすんなり来れましたね……?それだけ自分の力に自信があるのでしょうか。気を引き締めないといけませんね。

相手は銃弾で攻撃してくるようです。なら私も拳銃で応戦しましょう。集中をし始めたら、「eyes of truth」を起動して「第六感」を強化して攻撃に備えます。透明な弾でも存在を感じることはできるはずです。ついでに反撃のために周りをよく見ておきます。
さて、今度は私の番です。相手をよく見て【反射UDC弾】で攻撃です。威力が弱まった跳弾では、宝石の体を傷つけるのは難しそうなので、呪いの力を籠めた「呪殺弾」を放ちます。
もう誰かを利用するようなことはさせません。貴方の計画、阻止させてもらいます!



●愛に惑い呪に交われば
「例によって悪いお姉さんを熱烈に邪魔しにきました!」
「意外とすんなり来れましたね……?」
 漿船の中枢、コックピットに飛び込んできたフローライトと心春。易々とミズ・ルチレイテッドの元まで辿り着けたことを心春は不審に思っていた。
 妨害もなく、道中の分岐路は悉く一方が封鎖され、まるで道順を教えられているかのようだった。
 誘い込まれているように感じたが、それでいてミズ・ルチレイテッドは堂々と姿を現している。
 自信の表れということなのか――心春は口を引き結び、気を引き締める。
「10秒――君達に差し上げよう。それで何ができるか……私に示してみせよ!」
 そう告げ、ミズ・ルチレイテッドは精神を集中させ始めた。それは透明化させたルチル弾を装填、発射するまでの充填時間。対策を打ち立てねば、10秒後には蜂の巣だ。
「それだけあれば、僕の情熱を伝えるには十分!」
 フローライトはスピーカーポッドのボリュームを最大に上げた。
「その世界への憎しみは、愛する人よりも優先されるものですか? その憎しみは、本当に大切な物ですか?」
 ビィィィンと弾けるギターの弦に乗せて、フローライトは問う。それは始まりのモノローグ。
「さあ、煌めく光に抱かれて、愛の迷路で惑い彷徨え!」
 ジャジャッとかき鳴らされたギターに、コックピットの床がスポットライトとなってフローライトという演者を輝かせる。
『君の温もりだけを求め 君への愛で 彷徨う 僕は迷い人 当て所もなく 愛する故に 彷徨う 僕は迷い人 出口はない♪』
 微笑み誘惑する甘い調べはミズ・ルチレイテッドを愛の迷宮へと誘う。床に広がった光の中から壁がせり上がり、コックピット全体が迷路へと変貌した。幾重もの壁がミズ・ルチレイテッドと二人を遮断する。
 フローライトのサウンドは、まるで壁一面にスピーカーが取り付けられているかのように迷路全体へと広がっていた。
「視界を閉ざす……なかなか知恵が働くようだ」
 10秒。その中でフローライトは迷路を作り上げた。ミズ・ルチレイテッドはこの愛の迷路を突破しなければならない。
 ミズ・ルチレイテッドが迷路を駆け出す――同じ時、心春もまた走り出していた。相見える時に備え、タブレット端末のアプリ「eyes of truth」を起動する。
 ミズ・ルチレイテッドが放ってくるルチル弾は透明だ。アプリを使い、さらに己の感覚を研ぎ澄ませば、対処することができるかどうか。
 反撃の隙も伺うならば、何もない通路よりは身を隠せる分かれ道などがあったほうがやりやすい。迷路の構造に注意しつつ心春はミズ・ルチレイテッドを探す。
 フローライトが演奏するBGMで足音がかき消される中、二人はついに出会いを果たす。
「……! いましたね!」
 心春が十字の交差路に出た所――左方向の通路の先に、ミズ・ルチレイテッドもまた脇の道から現れていた。互いに気づいたのはほぼ同時。視線がぶつかる。
 銃を構えようと心春は動き出していたが、ミズ・ルチレイテッドはその動き無く虚空にルチル弾を作り出す。その分、弾丸の発射が早く心春の先手を取っていた。
 アプリが鳴る。不可視物質の存在を告げていた。心春はミズ・ルチレイテッドの動きに反応して脇の通路に飛び込もうとしたが、一歩踏み出した足を強引に堪えて止めると、そのまま逆に力を加えて後ろへ跳んだ。
 目の前をルチル弾が通過する――見えてはいないが、アプリはそう伝えていた。心春の動きを先読みしての銃撃か。しかし第六感のお陰もあって心春は弾丸を回避する。
「……っ!?」
 ミズ・ルチレイテッドの瞳が見開かれる。心春は跳びながら真横、ミズ・ルチレイテッドがいる方向へ拳銃を向けた。
「もう誰かを利用するようなことはさせません。貴方の計画、阻止させてもらいます!」
 パン、パンと弾丸が連続で放たれる。視線はミズ・ルチレイテッドへ向けて――しかし弾丸の軌道は迷路の壁へと向かっていた。
 跳びながらの銃撃では狙いがぶれたか――否、迷路の壁で跳ねた弾丸は角度を変えてミズ・ルチレイテッドへ向かっていた。
 呪殺の跳弾。ミズ・ルチレイテッドは虚を突かれたか、動けず弾丸を体に浴びた。
 汚れなき宝石の体が呪に染まり、弾丸が撃ち込まれた腕や胴には黒ずんだ穴が出来上がっていた。傷口からは血液のようにどす黒い呪いがごぽと溢れてくる。
「ぐぅっ……! や、やりますね……」
 傷口を押さえる指の隙間からどろりと呪いが垂れていた。
「ですが……まだ!」
 ミズ・ルチレイテッドは再び瞳に力を込める。狙う相手、心春は銃口をミズ・ルチレイテッドに向けて立っていたが、その姿が不意に二つに分かれた。
「……!? また……!」
 ミズ・ルチレイテッドは異常を感じ、右目を手で覆った。心春と鉢合わせた時から――いや、もっと前だ。そう、この迷路に囚われた時から、体に違和感を覚えていた。
「――僕のサウンド、気に入ってくれたかな?」
 心春の後ろからカツカツ歩いてきたフローライトがミズ・ルチレイテッドの前に出てくる。
「その、音……!」
 異常の原因は、迷路全体に流れるBGM――すなわちフローライトの演奏。それに気づいた時には、すでに術中にはまっていた。音による催眠がミズ・ルチレイテッドの意識、感覚を狂わせていたのだ。
「やめ……なさいっ!」
 現れたフローライトもまた、ミズ・ルチレイテッドには三人の像が少しずつ重なっているように見えていた。どれが実体かはわからないが――どれかは実体なのだと、ルチル弾を三方に放つ。
 見えないが、フローライトの野生の勘は今跳べと告げていた。
「よっ……と」
 前方へぐるんと宙返り。パフォーマンスをする際の身のこなしを応用した華麗な動きだった。そしてジャラランとギターを鳴らしてミズ・ルチレイテッドを更なる催眠の渦に呑み込んでいく。
「今なら動けないよ! 攻撃は任せる!」
「は、はい!!」
 通路に身を潜めていた心春は飛び出してミズ・ルチレイテッドの位置を確認する。フローライトの演奏の影響か、ミズ・ルチレイテッドは少しふらついていた。その揺り返しも計算に入れて弾丸の入射角を定める。
「……そこですね!」
 呪の弾丸が再び発射された。一発ごとに角度が微調整された弾丸は壁で跳ね、肩、腹、足と三段に分かれて撃ち込まれた。
 攻撃力、機動力を削ぐ一撃だ。弾丸はミズ・ルチレイテッドの体を蝕む。
「ぐうぅ……あぁぁっ!!」
 呪に冒される痛みに耐えられず、ミズ・ルチレイテッドはBGMを切り裂くような悲鳴を上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七詩野・兵衛(サポート)
『アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長 七詩野兵衛である!』
アドリブや他の猟兵との連携と絡みは歓迎だ。

多少の怪我は厭わず積極的に行動する。
よほどの事情でやらなければいけない時以外は、
他の猟兵に迷惑をかける行為や、公序良俗に反する行動はしないぞ。

戦闘は応援団としてバーバリアンの力強さと、
スカイダンサーの身のこなしを駆使して応援するのだ。
我輩の「ダンス」と「パフォーマンス」で皆を「鼓舞」するのだッ!

応援する相手がいなければ仕方ない、自分で戦闘する。
後はおまかせだ。よろしくおねがいしよう!


楊・宵雪(サポート)
自分が大将首を挙げるよりも、味方のサポートを重視

UC鍼治療での回復支援とUC七星七縛符で動きを止めるのを主に狙っていく

他、援護射撃、UCフォックスファイア、範囲攻撃での味方支援
部位破壊、気絶攻撃で弱体化
有効そうであれば属性攻撃や呪詛、破魔といった技能で
自分を無視できないようなチョッカイを出して味方のクリーンヒットに繋ぐ

空中浮遊でつかず離れず、攻撃を誘うように時々接近
オーラ防御や残像、生命力吸収で耐えながら敵の注意をひく


曽我部・律(サポート)
『この力を得たことは後悔していない……』
『私以外の人間が不幸になるところを見過ごすことはできないんでね』
『こういうのには疎いんだが……ふむ、こんな感じか?』
とある事件で妻子を失い、その復讐の為にUDC研究を続けているUDCエージェントです。ですが、UDCを強引に肉体に融合させた副作用として徐々に生来の人格は失われつつあり、妻子の記憶も彼らの写真によって辛うじて繋ぎ止めています。
多重人格者としての別人格『絶』は凶悪なオブリビオンの存在を察知すると、律に代わって表に出てきて戦います。その際、口調は『おい律……うまそうな匂いがするじゃねぇか。代われよ』みたいな凶悪な感じになります。


月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
 オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
 普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
 独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


吉柳・祥華(サポート)
『妾の存在意義とは何ぞや?何ゆえに此処に在るのかぇ?』

旧き時代に祀られていた龍の化身で在ったが
護るべき国は民は既に無いのに何故…自身が現世の『神』として顕現したのかを思案と模索する戦巫女

物腰は柔らかく絶えず微笑を湛える優美な女性であるが
過去の出来事から人(他人)に対しては意外に辛辣…
優美に微笑を浮かべるが実は目が笑っていない

ユーベルは指定した物をどれでも使用
その辺はMSの采配に任せます(意外な使い方とか参考になるから)

基本、他の猟兵に迷惑をかける行為はしないが
必要なら悪乗りはする流れ(他の猟兵と同意と言う設定で)
まぁ…流石に依頼の成功の為と言えど公序良俗に反する行動はNG

連携アドリブ等はお任せ


エダ・サルファー(サポート)
アックス&ウィザーズ出身の聖職者で冒険者です。
義侠心が強く直情的な傾向があります。
一方で、冒険者としての経験から割り切るのも切り替えるのも早いです。
自分の思想や信条、信仰を押し付けることはしません。
他人のそれも基本的に否定はしません。
聖職者っぽいことはたまにします。
難しいことを考えるのが苦手で、大抵のことは力と祈りで解決できると言って憚りません。
とはいえ、必要とあらば多少は頭を使う努力をします。
戦闘スタイルは格闘で、ユーベルコードは状況とノリで指定のものをどれでも使います。
ただ、ここぞでは必殺聖拳突きを使うことが多いです。

以上を基本の傾向として、状況に応じて適当に動かしていただければ幸いです。


ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。


桔梗乃君・ユヴィ
「待たせたかのぉ?」
「妾は守護者ぞ?他の者を守れなくては…名折れじゃ」
「コレでも剣豪と言われたのじゃ…見えるものが全てではあるまい」

薙刀は使用出来なそうならば刀のみを手に応戦。
死線を今までもくぐり抜けてきた経験と剣技。
極限まで感覚を研ぎ澄まし、舞うように戦う。
状況に応じ仲間を信じて動きます

 ユーベルコードは臨機応変にどれも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●即席猟兵応援部隊、結成!
「押忍!!」
 ドガン、と自動開閉の扉を突き破り雪崩れ込んできた集団があった。物損だが彼らの頑張り次第でこの漿船は見事に爆発四散することになる。扉の一枚など安いものだ。
 さて、先頭は七詩野・兵衛(空を舞う熱血応援団長・f08445)だった。
「アルダワ魔法学園応援団『轟嵐会』団長、七詩野兵衛である!」
 男なら堂々と名乗りを上げるべし。そして兵衛はこの即席猟兵応援部隊の団長でもあった。
「これはまた、大勢で……えぇ、歓迎しましょう、しましょうとも」
 体を何か所か黒く塗り潰されながらも、ミズ・ルチレイテッドは船長としての威厳を保ち、身を正して答えていた。
「あら、律儀に歓迎してくれるのね。七詩野さんが燃えていたのも頷けるわ。では、わたくしも……楊宵雪よ。よろしく……ではないわね。あなたを倒しに来たのだから」
 主張の強い胸の下で腕を組んで優雅に名乗ったのは楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)。扇のように広げた九尾が揺れていた。
「これは『そういう』流れなのか……?」
「ふふ、なんだか不思議な感じですね。敵を前にして、こうして語らいの時間があるなんて」
「ふむ、この珍妙な雰囲気も彼の存在故なれば、妾もやぶさかではないであります。吉柳祥華……おぬしとはこの場を限りと致しとうありますなぁ」
 曽我部・律(UDC喰いの多重人格者・f11298)は彫りの深い困惑の表情を見せていたが、温和な月詠・莉愛(銀の月を謳う・f16320)はむしろ歓迎といった風に笑い声を漏らしていた。パーティーに招待されたわけでもないのに、名乗りを上げるなど果たして必要なのかどうか。しかしこの空気、必要かどうかよりも、調和を乱さないことのほうが重要なのかもしれない。
 そして、空気に乗っかった吉柳・祥華(吉祥龍彩華・f17147)に続いて、
「月詠莉愛です……えっと、頑張り、ますっ」
 莉愛は何となく決意表明。一言添える流れが続いたので、そのまま流されていた。
「私は……曽我部律――っ!?」
 順番が戻ってきた。律は不承不承ながら名乗ってみたが、途中で意識が割り込まれたように霞み、頭を押さえた。ぎゅっと閉じた目をまた開いた時、律という人格は眠ってしまっていた。
「ハハハッ……うまそうな匂いがすると思って出てみりゃ……いぃじゃねぇか。絶――お前を絶望させる、それが俺だ」
 絶と名乗るのは多重人格者である律の別人格。ミズ・ルチレイテッドというオブリビオンの存在を察知し、表に出てきたのだ。
「敵にわざわざ名乗ることなどそうあるものでもないけど、これも経験だね。――エダ・サルファーだ。お前をぶっ飛ばしに来た、って言えばわかるよな?」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)はミズ・ルチレイテッドを敵と見定めるや否や、くるりと表情を裏返したかのように厳しい視線を突きつける。だが、今は一つの軍団の長でもあるミズ・ルチレイテッドは動じず全てを受け止める。
「にゃはは! ミーヤはミーヤ・ロロルドにゃあ! 皆と一緒で楽しいにゃ!」
 後ろからぴょこっとミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)が飛び出す。そして最後には、やれやれといった様子でユヴィが顔を出していた。
「まさか、こうも大所帯になるとはのぅ」
「凄いにゃ! みーんな集まってきたにゃ!」
「押忍! 一致団結! 応援団とは斯くあるべし!」
 最後は兵衛が団長らしく、両の拳をぐっと腰辺りで握り引き締めて気合を入れた。
 これで8人、ずらりと並んでミズ・ルチレイテッドに立ち向かう。
「ようこそ、我が漿船へ。では早速……影なき弾丸の雨に怯えなさい」
 ルチル弾を発射するための準備時間は猟兵達が名乗る中ですでに終わっていた。不意を突かなかったのはせめてもの礼儀であり、漿船の長としての矜持。ミズ・ルチレイテッドは宣告して弾丸を装填した。
「っと、させないよ!」
 しかし条件は猟兵とて同じ。宵雪は護符を取り投擲した。そこへ不可視の弾丸が飛び、護符と衝突、消滅する。
「……止めますか、我が弾丸を」
「こっちは相応の代償を払うことになるんだから、これくらい止めないとね」
 宵雪が猟兵達に降りかかる露を払う。仲間の動きは当然全員が認識しており、宵雪がミズ・ルチレイテッドの初撃を止めるのを見越して絶が走り出していた。
『餌の時間だ』
 低く、唸るような声だった。絶は自身と同じ強さの影法師と黒い獣を召喚する。不可視の弾丸とは対極の、影という存在は獰猛さを見せつけるようにミズ・ルチレイテッドに襲い掛かった。
 獣が牙を剥く。数歩でミズ・ルチレイテッドまで辿り着くと呪われた腕の傷に食らいついた。
「ぐっ……離れな、さい!」
 払い除けようと振り回すが、牙が傷に食い込む。そこへ絶の影法師がその身に刻んだ刻印を発動させて殴りかかった。ミズ・ルチレイテッドは空いたもう片方の腕で身を守るが、守りを貫く衝撃でミズ・ルチレイテッドの体を吹き飛ばす。
「幸先良し! 今こそ我輩達の応援魂を見せる時! 来い! 応援団長ロボ!」
 兵衛の轟く叫びに応えるのは、彼の身長の2倍ある巨大ロボだった。兵衛の足元からずずずとせり上がってきたそれはコックピットの高い天井にまで届く勢いで屹立する。
『これぞ我輩の奥の手! 応援団長ロボ『権兵衛』である! これで声援も戦闘力も超強化されるのであるッ!』
 兵衛は応援団長ロボの肩に乗っていた。肩と言えど、巨体故に兵衛がパフォーマンスを行うスペースは十分に確保されていた。
「応援ならミーヤもやるにゃー!! にゃにゃーん! いっぱいいっぱいあるのにゃ! どれ食べるのにゃー?」
 猟兵達の周りをくるくると回りながら、宙にぽぽぽんと大量のスイーツやお菓子を生み出す。どれもミーヤの大好物だ。それをこうして大人数で共有できるのが楽しくて、耳や尻尾もぴこぴこ動く。
「挨拶の次はお菓子でありますか……本に此度の戦は面白うありますなぁ」
「は、はい……なんか、ピクニックに来たみたい……」
 祥華と莉愛の手元には小皿に乗ったショートケーキ。フォークでふわふわスポンジをすっと切り分けて口に運ぶと、甘かった。
「守護者とて、しばしの休息は必要か……休息でいいのかのぅ?」
「よくわからないけど、貰えるものには感謝すべきだね」
 ユヴィとエダは個包装されたチョコレートを手渡されていた。一口サイズ。口に放ると下の上で甘く溶けていく。
 ミーヤは他にも様々なお菓子を猟兵の面々に配り歩く。その様子をミズ・ルチレイテッドは起き上がりながら黙って見ていたが、内心穏やかというわけでもない。
「フフ……私も舐められたものですね……隙だらけです! それでは『どうぞ撃ってください』と言っているようなもの!」
 ミズ・ルチレイテッドは右の掌を猟兵達へ向けていた。今度は可視、実像のルチルの弾丸だ。だがその生成量は透明弾の比ではなく、一面、というに相応しくコックピット全体を狙える量だった。
「来るぞ!」
 ユヴィはすぐさま薙刀を手に取って駆け出していた。エダも己が拳を武器に前へ出ていく。
 ミズ・ルチレイテッドの弾丸が放たれる。不規則にタイミングをずらしながら発射された弾丸は宙を飛ぶ――が、遅い。まるで時がゆっくり流れているかのように直進していた。
 ミーヤの応援の効果だった。彼女が振舞ったスイーツやお菓子は、それを楽しまない者の速度を引き下げる効果を持つ。ミズ・ルチレイテッドには、お菓子を楽しまない呪縛がかけられていたのだ。
 ユヴィとエダは屈み、また身を反らしながらゆっくり動く弾丸の網を潜り抜けミズ・ルチレイテッドへと迫る。
「あれやこれやと待たせてしまってすまぬのぅ。じゃが、すぐに終わる。しばし待たれよ」
「ぐっ……周期が……!」
 薙ぎが一閃飛んでくる。通常なら水晶振動子を利用してタイミングを計り回避するところだが、ミーヤの力で時間間隔が狂わされてしまっていた。腕から胴に、ざん、と薙刀の一撃が刻み込まれる。
『くらえ必殺! 聖拳突きぃっ!』
 ユヴィの斬撃で飛ばされたミズ・ルチレイテッドの体が緩い放物線を描いてエダの手元にやってくる。エダは拳に祈りを込め、最高のタイミングで必殺の突きを繰り出した。腕が半分ほど出たところでミズ・ルチレイテッドの脇腹に拳が命中し、そのまま弾き返すように一気に腕で押し出した。
「がはっ……」
 ごりっと硬い体が砕けた音がした。頭から胴、足にかけて弓のように曲がったミズ・ルチレイテッドの体はまたも宙に投げ出される。
「奴は身動きができん! 宵雪嬢、絶君、莉愛嬢、祥華嬢! 決め時である!」
 兵衛は声を張り上げ、腕をびしっと伸ばすとぐるぐる回し応援パフォーマンス。応援団長ロボも兵衛の動きをトレースするように巨体を動かし、応援での後押しをする。
『天翔ける雷槍・重力纏い・流転せよ』
 刀身が白く輝く木剣『白刃刀』を手にした祥華は雷撃を先端、一点に集めた。その中に生まれるは強力な重力弾。剣の突きに合わせて射出されたそれは宙を浮遊するように飛ばされていたミズ・ルチレイテッドへずんと命中し、全身に雷撃を走らせた。
「あああぁぁっっ!!」
 重力がミズ・ルチレイテッドの体を捻じ曲げ、落下させる。しかしそれもまた減速の影響を受けていて、猟兵の追撃が刺さる。
『私に眠る不死鳥の力よ、覚醒せよ!』
 莉愛はオラトリオの翼とはまた異なる、真っ赤に燃える炎の翼をその身に与えた。炎の鳥、覚醒。翼を広げて飛び立つと、水平飛行でミズ・ルチレイテッドの体へ突進する。
「炎には、炎ね!」
 宵雪が支援の狐火を放つ。一羽の炎の鳥と無数の狐火はまるで編隊を組んでいるかのように並び、ミズ・ルチレイテッドに突撃した。炎の鳥は掬い上げるように燃える翼を打ち付けて、また飛び上がった体を狐火が追いかけミズ・ルチレイテッドの体を燃やす。
「ぐぅ……あぁぁ……っ!」
「よく焼けてんなぁ……このまま一気に砕いてやるぜ!」
 待ちきれないと言わんばかりに絶はミズ・ルチレイテッドに飛び掛かっていた。影法師やら黒い獣やらに一番美味しいところを持ってかれまいと召喚物は消している。
 思う存分、自らの手で砕いてやれる。
「おらぁっ!!」
 空中で拳を振り抜く。拳圧で炎が吹き飛び、剥き出しになった体へごしゃっと拳が突き刺さり、ミズ・ルチレイテッドの体は曲がり、折れた。
「ああぁ……私の、野望……」
 分かれてしまった下半身を見ることはない。ミズ・ルチレイテッドが見つめるのは、コックピットの金属質な床だけだ。
 頭から、足から、二つに分かれたミズ・ルチレイテッドは、床に衝突すると砕けて細かな宝石片となり、その生を終えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月27日
宿敵 『ミズ・ルチレイテッド』 を撃破!


挿絵イラスト