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護る者達の戦い

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #魔鬼士 #マジックナイト #災魔の卵

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 アルダワ世界、東方諸島。
 この地では古くから武を尊ぶ気風を持ち、幾度となく武術の大会が繰り広げられてきた。
 その参加者である戦士を称え、彼らの流派を脈々と受け継ぐ魔導戦士達も多い。
 今回の舞台は彼らの道場の一つ、とある戦士の遺物が飾られた場所から始まったーー。

 道場の奥深く、丁寧に安置された盾の遺物の前にて。
「成程。これがかつての優勝者の武器か」
 重々しい雰囲気を纏いつつ、鎧の男ーー猟書家『魔鬼士』が呟いた。
 彼の手に握られた『災魔の卵』が不気味に蠢けば、そこから漂う気配はゆっくりと盾に溶け込んでいく。
 遺物と『災魔の卵』が融合しきるまでに、それほど時間はかからなかった。災魔と化した盾は次々に災魔を生み出し、道場の方へと飛び出していく。
「災魔達よ、力を試せ! お前達に殺されるような軟弱者に興味はない。もしお前達を打ち倒すような戦士がいるのなら……俺が直々に戦いに行こう!」
 魔鬼士の叫びを背中に受けつつ、災魔達は次々に侵略を開始していく。
 それに気付いた魔導戦士達が戦いを始めるのも、まもなくのことだろう。


「集合お疲れ様。今回はアルダワで猟書家案件だよ」
 緩い笑みを浮かべつつ、レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は集合した猟兵達へと説明を開始していく。
「今回の目的地は東方諸島のとある街、マジックナイト達の鍛錬場だよ。そこに安置されていた武術使いの盾に、猟書家が『災魔の卵』を埋め込んでしまったんだ」
 災魔の卵を埋め込まれた遺物は災魔化し、大量の災魔を生み出してしまう。
 おかげで街は混乱し、その地に住まう人々が危険に晒されることになるだろう。

「おまけに使われたのが武術の達人の遺物だから……生み出される災魔達は達人の技を身につけてしまっているみたいだね」
 安置されていた盾はある武術大会の優勝者、盾使いの戦士のものらしい。
 戦士は卓越した盾の技術であらゆる強敵を打ち負かし、そして大会で優勝したのだという。
 更にその戦士は己の武術を流派として残し、その技術はマジックナイト達にも受け継がれている。
「だから皆には……現地にいるマジックナイト達と協力して、共に災魔を倒して欲しいんだ。たくさんの災魔達を倒していけば、猟書家も姿を現すはずだから」
 今回の猟書家、『魔鬼士』はひたすらに強さを追い求める狂戦士だ。
 猟兵達が災魔を倒し強さを示せば、彼は必ず猟兵達にも戦いを挑んで来るだろう。

「マジックナイト達が扱うのは盾を使った武術のようだね。基本的には一対一で戦うことを想定にした、どっしり構える感じの戦法だと思うよ」
 かつての戦士が得意としていたのは、盾を使ったカウンターを重視した戦法だ。
 そのため『カウンターを許さないくらい素早い攻撃を仕掛ける』『複数人で連携し、挟み撃ちをする』『盾で防げないような攻撃をする』といった戦法が有効だろう。他にも出来そうなことがあればどんどん試して欲しい。
 マジックナイト達は猟兵達から指示を受ければ、素直に聞き入れてくれる。彼らと連携することでも有利に戦うことが出来るはずだ。

「戦い方は皆に任せるよ。厄介な相手だけど……相手は所詮災魔、凄い技を身に着けていてもオブリビオンだ。皆が勝てない道理はないと思う」
 話を締めくくりつつ、レンは再び猟兵達へと笑顔を向ける。
「皆ならきっと大丈夫だよ。気をつけて行ってきてね」


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 アルダワ世界は色んな場所があって楽しいですね。

●プレイングボーナス
 マジックナイトの助力を得る。

●一章「シールドマシンゴーレム」との集団戦
 盾使いの戦士の技を修得した敵との戦いです。
 周囲のマジックナイトと連携したり、彼らにアドバイスを求めつつ戦いましょう。

●ニ章「魔鬼士」
 猟書家戦です。
 マジックナイト達はまだ残っているので、彼らと連携しつつ戦うのもいいでしょう。

●マジックナイト達
 盾使いの戦士の流派を受け継ぐ者達です。魔法剣と盾で戦うことを得意としています。
 戦場にいるのは10人程の老若男女で、戦力としては全員猟兵ほど強くはありません。
 指示を受ければ素直に動きます。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『シールドマシンゴーレム』

POW   :    シールドカウンター(ドリル)
単純で重い【だけの攻撃ならば盾で防ぎつつ、掘削ドリル】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    シールドカウンター(アーム)
【敵の攻撃を盾で受け流し、反撃の解体アーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    シールドダンジョン
戦場全体に、【一定時間後に出口が封鎖される封印結界魔法】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 魔導戦士達の道場の周囲では、既に激しい戦いが繰り広げられていた。
「こいつら、もしかして俺達と同じ技を!? どうなってるんだ!」
「奥からは妙な気配もするわ。早くこいつらをどうにかしないと……!」
 道場にいたマジックナイト達は剣と盾を手に、ゴーレムの災魔と戦い続けている。
 しかし、彼らだけで多くの敵を倒し切るのは難しい。
 更には猟書家も待ち構えているとなれば――猟兵達の力が必要だ。

 今すぐ戦場に突入し、マジックナイトと共に災魔を討伐しに行こう。
キョウ・キリノ
守り、盾…斬機一刀の前には全てが無意味であると証明しよう。

戦場についたら一呼吸、その呼吸の間に【瞬間思考力】を以ってゴーレムやマジックナイト達の技を【見切り】完全に把握する。
「マジックナイト達よ、俺が切り込んだら畳み掛けろ!機を逃すな!」
その上で味方に要請をして【抜即斬】にて【切り込み】をかける。
防御不能の一閃で次々にゴーレムを【切断】してゆき、マジックナイト達と連携して素早く仕留めてゆこう。
「俺は全てを斬り裂く刃、盾を味方を得たならば負ける道理は無し」

【アドリブ歓迎】


播州・クロリア
(ゴーレムを見ながらマジックナイトたちに話しかける)
あのゴーレムたちは所詮は真似しかできず、未知の攻撃には無力のはずです
ですので皆さん、踊っていただけますか?
いえ、冗談は言ってませんよ?
上手い下手は関係なく、ただただ踊りを楽しんでください
(直立し目を閉じて両腕で自分を抱きしめるようなポーズをした後{白銀の旋律}で『ダンス』を始める)
このリズムのように純粋に心を輝かせて...
そうすると、ほら
(UC【蠱の宴】を発動しゴーレムたちの動きを阻害する)
これで防御すら不可能でしょう
さぁ皆さん、共にゴーレムたちを駆逐しましょう
({白銀の旋律}で生み出した氷属性の『衝撃波』を纏った蹴りで『属性攻撃』を行う)




 マジックナイトとゴーレム達が戦いを繰り広げる道場に、男女の猟兵が姿を現す。
 女はひらりと戦士達の元へと降り立ち、男は静かに戦況を見極めていた。

「あの、少しよろしいでしょうか」
 女の方――播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は淡々と言葉を紡ぎつつ、戦士達との距離を詰める。
「君は……?」
「私はあなた達と共に戦いに来た猟兵です。それで、あのゴーレムたちは所詮は真似しかできず、未知の攻撃には無力のはずです」
「確かに……技の真似は完璧だけど、動きは固いかもしれないな」
 クロリアの言葉に戦士達はこくこくと頷き、ゴーレムを観察していた。皆が納得しているのを確認すると、クロリアは――。
「ですので皆さん、踊っていただけますか?」
 ごく自然に、己の願いを戦士達へと告げた。その言葉に呆気にとられたのは、戦士達は目を丸くしている。
「いえ、冗談は言ってませんよ? 上手い下手は関係なく、ただただ踊りを楽しんでください」
 クロリアは調子を変えずに戦士達の前に歩み出て、静かに自分を両腕で抱くようなポーズを取った。
 そのまま静寂と純真のリズムを刻んで踊り始めれば、その鼓動は周囲を巻き込み響き出す。
「このリズムのように純粋に心を輝かせて……」
 そして、こう。
 広がる旋律はクロリア達の動きだけを支え、何かを楽しむことが出来ない金属塊達の動きを緩やかに変えていく。
 己の動きに混乱し、ゴーレム達が盾やアームを振るおうとその動きは緩慢なものだ。
 クロリアも戦士達も振り下ろされる攻撃はひらりと躱し、溢れるリズムを楽しんでいる。
「わぁ……こんなことも出来るのか!」
「ええ、とてもリアですよ。この状態ならゴーレム達は身を守ることもままなりません。さぁ皆さん、共にゴーレムたちを駆逐しましょう」
 クロリアに誘われ、戦士達もそれぞれのリズムを刻みだす。
 踊りはぎこちなくとも、そこに宿るのはヒトらしい心の動きや繊細な動きだ。決してゴーレムに真似は出来ないだろう。
 静かに降り積もる雪と朝日に輝く雪原を模したリズムは、どんどん戦場を巻き込んでいく。

 少し変わった戦場の動きを、男の猟兵――キョウ・キリノ(斬機一刀・f30324)は静かに見極めていた。
「あのような戦い方もあるのか。しかし、これで状況は把握出来たな」
 彼が見ていたのは戦況だ。
 マジックナイト達とゴーレムが扱うのは同じ流派。少しの観察でその特性は理解出来る。
 それから今の彼らの動きと、猟兵・クロリアの戦い方。それらも瞬時に頭の中に叩き込めば、やるべきことも自ずと導き出せた。
 キョウも勢いよく地を蹴って戦士の元へと降り立てば、愛刀『斬機丸』の柄に手をかけつつ鋭く声を発する。
「マジックナイト達よ、共に戦おう! 俺が切り込んだら畳み掛けろ、機を逃すな!」
「あなたも猟兵ね、分かったわ!」
 戦士達もキョウも姿と声を確認し、改めて各々の武器を握りしめた。
 準備が整ったのなら切り込むだけ。キョウは意識を集中し、地に屈むように姿勢を低くする。
「抜き、即、斬……!」
 目にも止まらぬ速さの縮地で一気に敵との距離を詰め、そのまま振るうは鋭い抜き打ち。
 防御すら許さない必殺の一閃は容易くゴーレムの身体を切り裂いた。
 後ろではマジックナイト達も本格的に戦い始めたのを感じている。ならば自分はどんどん切り込むだけ。
「――俺は全てを斬り裂く刃、盾を味方を得たならば負ける道理は無し」
 戦乱の世界で鍛え抜いた己の剣技を活かすためにも、キョウはひたすらに敵を裂く。
 いくら金属で出来た化け物が相手といえど、その大きさも硬さもキャバリアには遠く及ばない。
 キャバリアすら一刀両断するキョウの剣は、この程度の相手に止まりはしないのだ。

「次々に敵を切り裂く、リアですね」
「そちらの舞も助かる。敵の動きをより捉えやすくなるからな」
 猟兵達は互いの様子を確認し、共にゴーレムへと向かっていく。
 クロリアが『白銀の旋律』を刻み続ければ、冬の朝のような冷気が周囲を舞い踊りクロリアに力を与えてくれていた。
 その冷気と共に蹴りを放てば、ゴーレムの身体は盾ごと砕け散っていく。
 キョウも縮地と抜き打ちを繰り返し、次々に敵を仕留めていた。
 彼の動きは縦横無尽、敵の数が多くとも囲まれることなく動き続けている。
「あなたの剣が煌めく様もダンスのようです。参考にさせてもらいたいですね」
「ああ、俺の剣が助けになるのなら良かった。技術とはこのように発展していくのかもしれないな」
 踊りと剣技。猟兵達の戦い方は全く異なるものだが、それ故に新しい何かを生み出す力があるのかもしれない。
 それこそ、技を真似るだけの木偶には到達出来ないような何かが。
「真似事の守り、盾……斬機一刀の前には全てが無意味であると証明しよう」
「ゴーレム達のダラキュな戦いは終わりです。踊りも楽しめないような相手に、負けたりはしませんから」
 キョウとクロリアは己の最も得意な戦いで敵を倒し、マジックナイトがそれに続く。
 彼らの戦いは着実に災厄を打ち破っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ハロ・シエラ
なるほど、あまり盾を相手にした事はありませんが……私のダガーも役割としては盾に近い物です。
知識的にも少しは対応出来るかも知れません。

さて、盾に真正面から斬りかかるのも非効率的ですね。
突きの動作などで【フェイント】をかけ、敵が盾で守ろうとした部位以外を斬りましょう。
この流派ではどこを重点的に守る訓練をするのか、と言う所をマジックナイトの方にアドバイスして頂ければより上手く行きそうです。
【カウンター】に関しては私にも知識があります。
上手く【見切り】回避して行きたいですね。

まぁ、もしもユーベルコードなどを用いて敵を盾ごと【切断】する事が出来るなら……それが一番面倒が無いのですけどね。




 猟兵達とマジックナイトの戦いはより苛烈なものへと変わっていく。
 赤い瞳でその戦況を見極めつつ、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は呪われたダガーを確りと握りしめていた。
「なるほど、あまり盾を相手にした事はありませんが……」
 戦士達やゴーレムのように盾で身を守ることはないが、ダガーによる防御術には覚えがある。
 それなら知識面ではこの戦いにも対応出来るかもしれない。
「マジックナイトの皆さんにも助太刀いたしましょう。それでは……」
 ダガーとは逆の手でレイピア『リトルフォックス』を構え、ハロも戦場へと躍り出る。

 戦士達もゴーレムも、すぐにハロの登場には気付いたようだ。
 誰もがすぐに盾を構えたのを確認し、ハロは小さく息を吐く。
「さて、盾に真正面から斬りかかるのも非効率的ですね」
 カウンター重視の相手に正面から戦いを挑むのも、彼女の力量ならば不可能ではない。
 けれど効率を求めるのなら、より深い知識があったほうが確実だ。そこでハロが意識を向けたのは、戦いを続ける戦士達の方だった。
「少しよろしいでしょうか。あなた達の流派について教えていただきたいことがあるのです」
「ああ、俺達に分かることなら何でも聞いてくれ!」
 ゴーレムの攻撃を弾きつつ、一人の戦士が声を返す。彼の動きを観察しつつ、ハロは次の言葉を紡いだ。
「この流派ではどこを重点的に守る訓練をするのか、教えて下さい」
「基本的には胴体、臓器付近の攻撃を防ぐように立ち回るな。それに心臓の辺りも……だから、ゴーレム達も左側に盾を構えているのだと思う」
 受けたアドバイスを踏まえてゴーレム達を観察すれば、確かに身体の中央を守るように立ち回っている様子。
 相手の動きは基本に忠実だろう。それなら対策も立てやすい。
「分かりました、ありがとうございます。あとはお任せ下さい」
 手短に、けれどしっかりと礼を告げてハロは駆ける。
 目指すは構える敵の元だ。

「それでは――参ります」
 ゴーレムへと接近した瞬間、ハロは勢いよくリトルフォックスによる刺突を繰り出す。
 相手の左半身を狙った攻撃は盾に弾かれる……ことはない。
 最初の突きはフェイントだ。相手が盾を構えた瞬間にダガー『サーペントベイン』を手繰り、狙うはがら空きになった敵の右半身。
 斬撃はあっさりと敵まで辿り着き、その金属製の身体をバターのように切り裂いた。
 次の敵にも動揺に、フェイントと斬撃を繰り返しつつ立ち回るハロ。次第に敵を構成する金属の癖も掴み始めたようだ。
「……今なら出来るでしょうか。このように……!」
 試しに盾にも刃を振るえば、こちらもさっくりと切り裂くことが出来た。
 これなら効率よく立ち回ることも難しくない。確かな手応えにハロの表情も微かに和らぐ。
「あとはしっかりと数を減らしていけば良さそうですね。猟書家も待ち構えているようですし」
 戦いはまだまだ続く。そのことをしっかりと意識しながら、ハロは残りのゴーレムとの戦いに注力していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラリス・シドルヴァニス
マジックナイトの聖地と聞いて足を運んでみたけれど、
成る程、立派な道場ね。
盾を操る武術がどれほどのものか。これからの
戦いの参考にさせていただくわ。

私は聖剣の騎士クラリス・シドルヴァニス!
義によってあなた方に助太刀いたします。
剣を抜き、【断罪の印】を発動。光輝く剣を手に戦場に駆け込むわ。
剣や機械ガントレットによる<武器受け>で粘りながら、
戦士達と呼吸を合わせて同時攻撃を仕掛けたり、
攻撃魔法で牽制してもらうなどして攻撃の糸口を掴むわ。
敵に一太刀でも浴びせることが出来たなら、断罪の光による
<継続ダメージ>を与えられるわ。敵が戦場を結界で封鎖するのなら
むしろ好都合、私の近くに居る限り光の効果は有効よ!




 転移先であるマジックナイトの道場を前にして、クラリス・シドルヴァニス(人間のパラディン・f27359)は目を見張っていた。
「成る程、立派な道場ね」
 ここはマジックナイトの聖地と聞いている。鍛錬と戦いを続ける戦士達から学ぶことも多いだろう。
 そのためにも、まずは目の前の戦いを乗り切らねば。
「盾を操る武術がどれほどのものか、これからの戦いの参考にさせていただくわ」
 覚悟を決め、クラリスもまた戦場へと足を運ぶ。

 マジックナイト達とゴーレムの戦いはどんどん激しさを増していた。
 クラリスはその中へと堂々と入り込むと、勇ましく『クロスクレイモア』を構えて叫ぶ。
「私は聖剣の騎士クラリス・シドルヴァニス! 義によってあなた方に助太刀いたします!」
 透き通った声と共に広がるのは神罰の光。
 クラリスに宿る聖騎士としての力が剣に光を与えれば、その輝きは眩く戦場を照らした。
「助太刀か、助かる!」
「ええ、共に戦いましょう!」
 新たな仲間の参戦に喜ぶ戦士達の元へ、クラリスは一直線に駆け寄っていく。
 邪魔なゴーレムは剣で振り払い、アームの攻撃もスチームガントレットで跳ね除ければ問題ない。
「敵は私が切り払うわ。合わせて攻撃して!」
「ああ、分かったぜ!」
 周囲のマジックナイト達とも呼吸を合わせれば準備万端。
 彼らの魔法で敵の足を止めつつ、クラリスが放つのは断罪の印だ。
「祈りを捧げ懺悔せよ、長い夜が明けるまで……」
 剣に宿った光が敵に印を刻みつけ、そこから更に神罰の力が敵を撃つ。
 例え相手が防御を得意としていようとも、一太刀入れればこちらが優位だ。

 クラリスの参戦により、彼女の周囲にいたゴーレム達は少しずつ後退しているようだ。
 しかし、彼らも抵抗を諦めたわけではない。ゴーレムの体内に刻まれた術式が起動すれば、周囲には結界魔法の迷路が組み上げられていく。
「なんだこれ……!」
「このままじゃ戦いづらいよ!」
 マジックナイト達の言うように、狭い迷路ならば一対一での戦いを強いられがちだ。
 そうなれば防御に秀でたゴーレムとの戦いは厳しくなるが――クラリスの表情に焦りはない。
「大丈夫よ。近くにいる敵には既に印を刻んであるわ、これなら……」
 クラリスの指摘した通り、ゴーレム達の体には断罪の刻印が煌めいていた。
 その輝きはクラリスに近ければ近いほど増し、敵に神罰を与え続けているようだ。
「私から離れないで、落ち着いて戦えば勝機はあるわ!」
 動きが鈍った敵に容赦なく剣撃を放ちつつ、クラリスは戦士達を励ましていく。
 彼女の勇ましい戦いもまた皆に勇気を与え――そして着実に敵の数は減っていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
手前味噌ながら盾の扱いに覚えある以上、かの達人の武術が意に反して災魔として世を脅かさんとするならば見過ごすことは出来ませんね

騎士として助太刀いたします、どうか私の後に続いて下さい

センサーでの●情報収集でマジックナイト達とゴーレムが使う流派の動きを把握
UCを使用し敵の一群に無造作に歩み寄るように接近し敵の攻撃誘発
繰り出される全方位からの複数のドリルを●瞬間思考力と予測演算で●見切り、歩くような足捌きで躱しつつ、時に●怪力で振るう剣の武器受けと盾受けで弾きつつ隙を作りだし、ゴーレム達の体勢崩す一撃放ち

やはり技術はあっても経験は無しと…後は、宜しくお願い致します

倒れゆく敵は味方に任せ移動と攻撃を継続




 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)にとって、盾を用いた戦いというのは馴染みのあるものであった。
 その技術は騎士道物語に憧れ会得したものとはいえ、同じように守る戦いを行った者の力が世を脅かさんとするならば、見過ごすことは決して出来ない。
 戦いを続けるマジックナイト達にも加勢するべく、トリテレイアは堂々と道場の中へと足を踏み入れる、
「私はトリテレイアと申します。皆様と共に戦いに参りました」
 勇ましく現れた騎士の姿に気づき、マジックナイト達の表情が明るく変わる。
 その様子に安心しつつ、トリテレイアは更に前へと歩み出た。
「騎士として助太刀いたします、どうか私の後に続いて下さい」
「ああ、分かった!」
 戦士達の言葉を背中に受けつつ、トリテレイアが起動するのは全身のセンサーだ。
 同時にゴーレム達が盾とアームを構え、改めて臨戦態勢を取ったのを確認するが問題はない。
 むしろセンサーが彼らの動きを捉え、必要な情報を伝えてくれていた。

「さて、私の予測演算で何処まで踊れるか……参りましょう」
 次に起動するのは戦術モードだ。道場の造りや仲間の配置を確認し、最適なモードに切り替えればあとは敵と戦うだけ。
 儀礼用長剣と大型シールドをしっかりと構え、トリテレイアは少しずつゴーレムとの距離を詰めていく。
 相手は感情のない人形だが、それでも目の前の騎士が纏う雰囲気は感じているのだろうか。彼らもじりじりと動きつつ、攻撃のタイミングを静かに窺っている。
 そして双方の緊張が最高潮に達した瞬間――先に動いたのはゴーレム達だ。
 攻撃が予測される部位に盾を構えつつ、ゴーレム達はアームを一斉にトリテレイアへと放つ。
 そして無数の刺突が騎士の身体を貫き、戦いが終わる――はずだった。
「……演算の通りですね。動きも素直で、基本に忠実だからこそ……見えました」
 トリテレイアは最低限の動きで身を翻し、歩くような足捌きで迫るアームを回避していく。
 同時に長剣を振るい反撃を行えば、アームを突き出したまま動けないゴーレム達はあっさりと打ち倒すことが出来た。
「やはり技術はあっても経験は無しと……」
 確かな手応えを感じつつ、トリテレイアは後方で戦う騎士達へと声をかけた。
「このように敵の体勢を崩していきます。後は、宜しくお願い致します」
「後方支援は任せてくれ! あなたの戦いからは学ぶことも多そうだし……しっかりついていくよ!」
 戦士の言葉に頷き、トリテレイアは再び敵を睨む。
 このように互いを信頼しあい、共に学びながら敵と戦う。
 これもまた一つの騎士道の在り方のようで、どこか胸が弾むような感覚を覚えつつ、トリテレイアは更に前へと歩んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

陽向・理玖
俺さ
盾とか使って
守りながら戦うっての?
した事ねぇんだ
だから色々参考に出来たら一寸嬉しいなって
頼りにしてるぜ

龍珠弾いて握り締めドライバーにセット
変身ッ!
衝撃波まき散らし残像纏い手近な敵にダッシュで間合い詰めグラップル
拳で殴る
…成程
こりゃ堅い

とはいえ
堅いだけじゃ俺はやれねぇけどな
UC起動
さらにスピード上げ
フェイントで足払いでなぎ払い
そのまま他の敵に吹き飛ばし
追い打ちで蹴り

攻撃に緩急付け
単純な攻撃なら確かに読みやすいし防ぎやすいんだろうが
そんな単純な攻撃するかっての
暗殺用い死角から攻撃
継ぎ目とか弱そうだよな
部位破壊
拳の乱れ撃ち

マジックナイト押されてたら割り込みカウンター
さすが守りは厚いな
攻撃は任せろ




 戦場では今も苛烈な戦いが繰り広げられている。
 その中でも陽向・理玖(夏疾風・f22773)の目を惹いたのは、マジックナイト達の構える盾だ。
 彼らは盾で的確に身を護りつつ、必死に敵と戦い続けている。
 そのような戦い方は理玖にとってあまり経験のないもので、だからこそ学べるものも多そうだ。
 覚悟が出来たら握りしめるのは煌めく龍珠。腰にはしっかりとドラゴンドライバーを装着し、構えを取れば準備も万端。
「学ぶためにも、まずは俺も自分の戦いを始めないとな――変身ッ!」
 衝撃波を纏いつつ、アームドヒーローへと変身した理玖は戦場へと舞い降りた。

 見慣れないヒーローの登場にマジックナイトも驚きはしていたが、理玖が纏う気配ですぐに味方だと判別出来たようだ。
「新しい仲間か、ありがとう!」
「ああ、あんた達の戦い方も参考に出来たら一寸嬉しいなって。頼りにしてるぜ」
 言葉を交わしつつ、理玖は勢いよく地を蹴り飛び上がる。
 凄まじい勢いで戦場を駆け、最初に目をつけたのは近くにいたゴーレムだ。
 理玖はそのまま速度を落とさないように拳を振るうが、その一撃は金属製の重々しい盾に防がれてしまう。
「……成程、こりゃ堅い」
 敵の守りは理解が出来た。けれど装甲の下、理玖の顔に焦りの色は滲まない。
「とはいえ堅いだけじゃ俺はやれねぇけどな。フォームチェンジ! ライジングドラグーン!!」
 ヒーローの叫びに呼応するように、龍珠から虹色の光が溢れた。
 その輝きを身に纏い、変身するのは龍神翔だ。より素早く、そして力強く動けるようになった理玖は更にラッシュを叩き込む。
 それでも敵の盾はなかなか打ち破れないが――。
「そんな単純な攻撃するかっての」
 ラッシュの合間に理玖が放ったのは軽やかな足払い。
 的確な見極めで足の関節部を狙った一撃はゴーレムの体勢をあっさりと崩し、後方にいた別のゴーレムへと倒れかかる。
「これで……どうだッ!!」
 フィニッシュは全力の飛び蹴りだ。
 その強力な一撃は金属の装甲をぶち抜いて、小さな爆発を巻き起こした。

 しかし戦いはまだ終わりではない。後方ではマジックナイト達が奮闘を続けている。
 押されている戦士がいればそちらへ飛び込み、理玖と戦士は絶妙な連携で敵の防御を打ち破っていく。
「すごい力だな……助かったよ!」
「あんたの守りも厚いぜ。防御は任せた、攻撃は俺に任せろ」
 言葉は少しぶっきらぼうでも、そこに籠めた感心と誠意は本物だ。
 戦士達からも新たな戦い方を学びつつ、理玖も次々と敵を撃破していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『魔鬼士』

POW   :    災魔の邪眼
【敵の攻撃を見切った鋭い突き】【敵の回避を見切った力強い振り下ろし】【敵の反撃を見切った荒々しい薙ぎ払い】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    災魔の鎧躰
全身を【流れる災魔の血を活性化させ、禍々しい闘気】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃への高い耐性を得る。また、戦闘時間】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    侵略蔵書「大魔王の侵略」
自身の装備武器に【侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は九頭竜・聖です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達はマジックナイトと連携し、着実にゴーレムの数を減らしていく。
 その最中――強烈な存在感が戦場へと現れた。
「ゴーレム達は倒されたか。どれだけ勇猛な戦士がいるのかと思えば……猟兵もやって来ていたのだな」
 その存在、猟書家『魔鬼士』は鎧の下でニヤリと笑みを浮かべつつ、更に言葉を紡ぐ。
「猟兵だろうとマジックナイトだろうと構わん。お前達はゴーレムを倒した強者だ! 故に、倒す価値がある!」
 魔鬼士に宿るのは純粋なまでの殺意と闘志。
 目の前に優れた戦士がいるのならば戦い、それを殺し強さを示したいというシンプルな欲求だ。

 このままではマジックナイト達も殺され、災魔の卵が災魔達を生み出し続けてしまう。
 悲劇を阻止し、猟書家の企みを砕くためにも――全力で戦い、勝利しなければならない。
 マジックナイト達も猟兵の手助けをするつもりでいるようだ。必要ならば彼らとも肩を並べ、強敵を討ち倒そう。
播州・クロリア
強くなりたいだけとは何ともむなしい
武力は手段であって目的ではありません
(救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばした後{晩秋の旋律}で『ダンス』を始める)
火柱のような闘気を放ちながらも、その中心は空虚
そんな貴方に捧げるリズムです
どうぞ心行くまでご堪能ください
(ダンスに乗せた『催眠術』による認識阻害で生み出した『残像』で攻撃を回避しつつ『オーラ防御』を身に纏い『衝撃波』を使って接敵する)
目的のためならば捨てることも時には必要です
例えばこんな風に
(UC【蠱の枷】で敵を捕縛する)
さぁマジックナイトの皆さん一斉攻撃を!




 目の前の男は強くなること、それだけを望んでいる。
 播州・クロリアから見てみれば、そんな望みは何ともむなしいものだった。
「あなたの考えはダラキュです。武力は手段であって目的ではありません」
「何……?」
 苛立たしげな猟書家の言葉を受けつつ、クロリアは踊りの構えを取った。
 天を仰ぎ手を伸ばし、祈るような姿勢で刻み始めたのは晩秋の旋律。はらはらと散る紅葉のような、失われるものを描く鼓動だ。
「火柱のような闘気を放ちながらも、その中心は空虚。そんな貴方に捧げるリズムです。どうぞ心行くまでご堪能ください」
「貴様……俺も、俺の強さも滅びない! 愚弄するな!!」
 凄まじい怒号をあげながら、猟書家はクロリアの元へと駆け出していく。
 握られた槍からは禍々しい気配が溢れており、あれに攻撃されるのは危険だろう。

 猟書家がクロリアの元へと辿り着くのはあっという間だった。
「喰らえッ!!」
 彼の赤い瞳は既にクロリアの舞いを見破り、的確なタイミングを計らい鋭く槍が振るわれたが――。
「やはりあなたには大切なものが見えていないようですね」
 槍はまったく見当違いの方向に突き出され、刺突がクロリアの身体を貫くことはなかった。
 敵の攻撃の危険性を見越し、クロリアは踊りに暗示のリズムも混ぜ込んでいたのだ。
 相手がしっかりこちらを観察しているからこそ、踊りの中に罠を仕込む。単純な武芸だけの戦いではない、クロリアらしい戦法が功を奏したのだ。
「目的を持つこと自体はリアです。ですが……あなたの目指す方向も、覚悟も決してリアだとは思えません」
 敵が攻撃を空振った隙に、クロリアは勢いよく地を蹴った。
 衝撃波と共に放った跳躍は彼女を宙へと浮かせ、一気に猟書家の後方へと着地する。

「目的のためならば捨てることも時には必要です。例えばこんな風に」
 次の瞬間、クロリアの身体は大きく変質し始めた。
 長い四肢は敵を捕らえる紐へと変わり、大きな身体は気力を奪う枷に変わる。
 特製の『蠱の枷』は猟書家の身体を捕らえ、その場に括り付けていく。
「貴様、何を……!」
「私は踊りという手段を少しだけ捨てました。とても辛いですが……私は一人ではありませんから」
 クロリアの言葉に、周囲で戦いを見守っていたマジックナイト達が反応を示した。
 そう、今こそ最大の攻撃チャンスだ。
「さぁ、マジックナイトの皆さん一斉攻撃を!」
「ありがとう、任されたよ!」
 掛け声に合わせるように、戦士達は次々に魔法と剣技を繰り出していく。
 皆の力は着実に猟書家に傷を刻み、勝利へ向けた一歩を刻む。
 独りよがりの強さではなく、それぞれの得意なことを活かし、協力して敵に挑む。
 猟書家に足りないものを、クロリアはしっかりと教え込んでいたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キョウ・キリノ
なるほど、ヤツもまた俺と同じく修羅の類か…魔鬼士!
ならばこちらも本気で相手をせねばならん、死力を尽くして斬り合わねば我らは高みに辿り着けぬのだから。

俺は手近なマジックナイト一名に連携戦闘と【俺に対し魔鬼士を倒すよう依頼する事】を要請する。
「俺とお前でヤツを超える。だが俺は傭兵だ、依頼があれば更に剣は研ぎ澄まされる」
マジックナイトの依頼で【傭兵の契約】を発動、超強化された力で【切り込み】相手の攻撃と味方の動きを【瞬間思考力】で【見切り】味方の盾を利用して【受け流し】つつ、必殺の太刀で魔鬼士を【薙ぎ払い】微塵に【切断】してくれる。
「誰かの為に振るう力、それこそが強さだ!」

【アドリブ歓迎】




 猟書家の纏う気配を感じ、キョウ・キリノの眼光はより一層鋭くなった。
「なるほど、ヤツもまた俺と同じく修羅の類か……魔鬼士!」
 同じ最上の武を志す者同士、出会ったのならあとはぶつかり合うだけ。
 呼吸を整え、キョウは確りと『斬機丸』を握る。
「こちらも本気で相手をせねばならん、死力を尽くして斬り合わねば我らは高みに辿り着けぬのだから」
「ほう、面白い。ならば死ぬ気でかかってこい!」
 キョウの言葉に、猟書家はにやりと笑う。彼もまた目の前の猟兵が武人であるのを感じているのだろう。
 しかし、この戦場において武を志す者は彼らだけではない。
 キョウは側に立っていたマジックナイトへ視線を向け、声をかける。
「俺とお前でヤツを超える。だが俺は傭兵だ、依頼があれば更に剣は研ぎ澄まされる。だから……頼んでくれないか?」
「ええ、分かった。猟兵さん、共に敵を倒して欲しいわ」
 戦士の依頼を受けた途端、キョウの纏う気配が一変した。
 長い前髪をかき分け、鋭い闘気は紅みを帯びてより激しく舞い踊る。彼は真の姿へと転じたのだ。
「契約は必ず果たす、それが傭兵という生き方だ――行くぞ」
 覚悟を決め、キョウと戦士は地を蹴飛ばす。
 その様子を見遣り、猟書家もまた禍々しい闘気を発し始めていた。

「時間をかけるのは不味いだろうな、短期決戦で行こう。守りは任せてもいいだろうか?」
「任せて、私達の流派にかけてあなたを守るわ!」
 簡単に作戦を話し合い、キョウと戦士は共に猟書家の元へと飛び込む。
 そんな二人を迎え撃つかのように敵が振るうのは、槍による鋭い刺突だ。
「その程度の動き、簡単に捕まえられるぞ!」
「させないわ!」
 確かに猟書家の攻撃は的確だったが……事前に連携を申し出ていたのが功を奏し、戦士もまた己の役割を果たしていた。
 彼女の盾がキョウの身体を守り、彼の踏み込みの勢いを殺させない。
 そのまましっかり足を踏み出し、四肢に力を籠め――。
「魔鬼士、お前は確かに猛者だろう。だが……それだけでは俺達に勝てん!」
 キョウの繰り出す斬撃は目にも止まらぬ速さだった。
 相手の鎧も打ち砕くような鋭い一閃は見事に敵の胴へと入り、禍々しい闘気ごと切り裂いていく。
 その勢いで猟書家の身体も後方へと吹っ飛んだ。微かに見える口元からは苦々しい表情が見て取れている。
「き、さま……!」
「覚えておけ、誰かの為に振るう力、それこそが強さだ!」
 武を志すことも大切だが、同様に誰かを思い手を取り合うことも強さ。
 キョウに宿るそのような思いは、猟書家の間違った強さよりもしっかりと結果を示したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クラリス・シドルヴァニス
…あれが今回の猟書家ね。なんという禍々しい気配!
奴の手にあるのが侵略蔵書……
あの書物から、災魔の力を引き出しているのね。
武具に剣士の印を宿し、《武器受け》《オーラ防御》でランスをガード。

確かに貴方は強い…だけど。
その強さは何のためのもの?力を得て、何を為そうというの?
志なき只の暴力では、何も成し遂げられないわ!
借り物の力で弱者を踏みにじって、いい気にならないで!
沸き上がる強い怒りが【気炎万丈】の力を呼び覚ます。
侵略蔵書が齎す恐怖に《勇気》で抵抗。
「今まで鍛錬してきた、自分の力を信じて!」
恐怖が味方に伝播しないように大声で皆を《鼓舞》して、
《切り込み》《力溜め》《神罰》の一撃をお見舞いするわよ。




 戦いの傷を受けつつも、猟書家はまだ立ち上がる。
 衰えることのない闘気を肌で感じ、クラリス・シドルヴァニスは息を呑んだ。
「……あれが今回の猟書家ね。なんという禍々しい気配!」
 敵の纏う武具や気配も恐ろしいが、それよりクラリスの目を引いたのは別のものだった。
 猟書家の手の中にある古びた本――あれは異世界の戦争でも見た、侵略蔵書の一種だろう。
「あの書物から、災魔の力を引き出しているのね。そんな力に負ける訳にはいかないわ」
 他者を踏み躙るような強さより、弱き者の為に戦う誓いを。
 クラリスの決意に応えるように『剣士の印』が彼女の武具を眩く照らす。
「魔鬼士、確かに貴方は強い……だけど」
 クレイモアを構えたクラリスに、猟書家は興味深そうな視線を投げかける。
 鎧越しでも分かる、試すような視線が突き刺さるが――それでも、クラリスの意思は弱まったりしなかった。

「その強さは何のためのもの? 力を得て、何を為そうというの? 志なき只の暴力では、何も成し遂げられないわ!」
 言葉を紡げば紡ぐほど、クラリスの内に強い感情が巻き起こった。
 怒りと決意が彼女の纏う光を強め、士気をどんどん高めていく。
「借り物の力で弱者を踏みにじって、いい気にならないで!」
「随分強気なのだな。だが……これはどうだ?」
 クラリスの決意をあざ笑うかのように、猟書家は書物の力を解放しだす。
 そこから溢れるのはかつてこの世界を侵略し、多くを傷つけた大魔王の気配。
 勇気と怒りを胸に宿したクラリスはともかく、周囲のマジックナイト達はその影響を大きく受けているようだ。彼らの武具を握る力は弱まり、表情は明らかに曇っていく。
 そんな彼らに示すように、クラリスは堂々と剣を掲げた。
「ここに祀られていた戦士のことを思い出して。彼はどんな強敵にも立ち向かってきたはずよ」
 言葉に籠められた力は剣士の印を更に煌めかせ、そこから発せられる輝きは戦場を照らす。
 その光は戦士達の心も照らし、彼らも少しずつ顔を上げはじめたようだ。
「皆はそんな戦士に憧れて、今日まで頑張ってきたんでしょう? 今まで鍛錬してきた、自分の力を信じて!」
「君の言う通りだ。俺達は皆を信じるよ!」
 勇気が湧いたのなら、あとはそれをぶつけるだけ。
 クラリスは立ち直った戦士と共に、猟書家へと剣を振るう。
 皆がそれぞれを信じ、共に敵を討ち倒そうと振るう剣撃は嵐のようだ。
「貴様ら、恐怖に折れはしないのか……!?」
「あなたにはきっと分からないでしょうけど……それよりも強い思いがあるだけよ!」
 クラリスと、彼女に鼓舞された戦士達は決して剣を振るう手を止めはしない。
 彼女達の示した勇気は猟書家の、そして大魔王の恐怖にすら打ち勝っていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御魂・神治
うわ出た魔法(物理)の脳筋かぁ、師匠と一緒や
相手は攻撃当てる気満々だけど、避ける気はあんま無さそうやな

マジックナイトにええタイミングで盾の魔法でパリィ入れて貰うわ
怯んだ所に森羅と天地のクイックドロゥで反撃
相手腹立つやろうなぁ~ダメ押しで天将のジャミングで目視狂わせつつ
紫電符のプラズマ刃も織り交ぜる
相手のカウンター?
んなもん避ける必要あらへん
その持っとる槍ごと吹き飛ばしたればええんや
天誅の二回攻撃クイックドロゥ、一発目の攻撃は囮、置き攻撃ってヤツや
予めエネルギー充填しといて連射出来る様にしといてあるでな
攻撃潰しのカウンターが飛んできたら二発目に天神をお見舞いしたる
天神様の怒りの雷は全てを貫くで!




「おのれ猟兵達め……だが、この戦いも面白いぞ!」
 傷を受けつつも戦いを楽しみ、狂気に近い闘志を滾らせる猟書家。
 そんな彼の様子を見遣り、新たに姿を現した猟兵――御魂・神治(除霊(物理)・f28925)はぶるりと身体を震わせた。
 猟書家に恐れをなしたのではない。彼にとってあのような敵は……。
「うわ出た魔法(物理)の脳筋かぁ、師匠と一緒や」
 ついつい誰かのことを思い出させてしまう。だけど、それは悪いことばかりではない。
 相手の傾向が分かるからこそ対処の仕方も想像がつく。神治は己の武装を確かめつつ、マジックナイトへと声をかけた。

「ああいうやつは攻撃当てる気満々だけど、避ける気はあんま無さそうや。だから、ちょっと一緒に戦ってくれんか?」
「了解だ。防御や反撃なら任せてくれ」
 準備が出来たのならあとは戦うだけだ。猟書家もまた武器を構え、神治へしっかりと狙いを定めている。
「下らん話は終わりか? ならば戦え!」
 怒号と共に猟書家が放つのは鋭いランスチャージだ。それに合わせてマジックナイトが身を乗り出し、神治を守るように盾を構える。
 激しく金属のぶつかり合う音が響いたのを確認し、神治もまた身を乗り出した。
「やっぱり脳筋やな。正面からぶつかるのだけが戦いやない」
 目にも止まらぬ速さで二丁のハンドガン『森羅』と『天地』を突き出し、まずは銃弾の嵐をプレゼント。
 更に神治の懐からは人工式神『天将』が飛び出し、『紫電符』を散布すると同時にジャミングを展開。激しい光が猟書家の目を潰し、彼の動きを鈍らせていく。

「ええい、鬱陶しい!」
「あ~、こういうのも腹立つんやなぁ。イライラしててもしゃあないで?」
「煩いぞッ!!」
 怒号と共に猟書家が放ったのは乱暴な薙ぎ払い。けれど流石に相手も手練、その攻撃は的確に神治と戦士を狙っている。
「猟兵さん!」
「大丈夫や、避ける必要もないで。こういう時は……」
 焦る戦士を宥めるような声とは裏腹に、神治の纏う気配はより鋭いものへと変わっていた。
 神治は手早く神器銃『天誅』を構え、猟書家へ狙いを定める。
 そして引き金を引けば、弾け飛ぶのは凄まじいエネルギーを帯びた銃弾だ。
 しかしその攻撃も槍によってあっさりと薙ぎ払われてしまう。お返しとばかりに槍が返され、その穂先は――。
「これで終わりだ!」
「それはこっちの台詞や――天神様の怒りの雷は全てを貫くで!」
 穂先は、神治を捉えることはなかった。
 一発目の着弾を目印に、神治が先に動いていたからだ。
 天誅の銃口は未だ敵へと向けられて、二発目に放たれたのは絶対貫通の轟雷だった。
 その眩い輝きは猟書家の胴を穿ち、凄まじい爆発を巻き起こす。
 敵の特性を見極め、油断なく立ち回る。神治の経験と技術は、悪しき過去の存在を着実に骸の海へと近づけたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
なるほど、かなりやる気の様ですね。
しかしここには盾の使い手がいらっしゃいます。
彼らの力をお借りすれば勝てるでしょう。

まずは敵の三つの攻撃をどうにかする所からですね。
危険ですが、敵のユーベルコードを複数のマジックナイトの方々に受けて頂きましょう。
勿論私も彼らを【武器受け】などで【かばう】事が出来ます。
反撃や攻撃は控え、かばいあって互いを守りあいます。
全ての攻撃を受けなければ、私もユーベルコードを使えます。
浅くてもいいので【鎧無視攻撃】の突きを一撃加え、あとはユーベルコードで爆破してしまいましょう。
その時大きな盾を持ったマジックナイトの方が複数で敵を囲んでくれるなら爆発の威力も高まるでしょう。




 猟書家の武具は大きく傷が付き、鎧の隙間からは血も流れ出していた。
 それでも彼は戦いを止めはしない。むしろ周囲の強敵に対しより戦意を上げているようだ。
「なるほど、かなりやる気の様ですね」
 ハロ・シエラは『リトルフォックス』と『サーペントベイン』を握り直しつつ、静かに敵の様子を観察していた。
 相手は強敵、けれどこちらも一人きりで戦っている訳ではない。
「盾の使い手、マジックナイトの皆さんと共に戦えば勝てるでしょう。もう少しだけ、一緒に戦ってくれますか?」
「ああ、もちろん!」
 戦士達もまだまだ気合に満ちている。ならばあとは、ハロが皆を導けは勝機はきっとあるはずだ。
 警戒すべきは敵の繰り出す三つの攻撃。その全てを食らってしまえば、猟兵と言えども戦い続けることは難しいだろう。
「危険なことを承知でお願いしますが、敵の攻撃を受けていただいてもよろしいでしょうか? 勿論、私も出来るだけ防御に回りますから」
 ハロの申し出に戦士達は深く頷き、盾を握る手に力を籠める。
 その様子を見遣り、ハロは更に戦士達へと言葉をかけた。
「あともう一つだけ。チャンスが来たら……」
 手短に作戦会議を済ませれば、戦士達もその全てを了承してくれた。
 備えは完璧、あとは思うように動けるかどうか。猟兵達が準備を終えた瞬間――猟書家が勢いよく飛び出してきたようだ!

「何か企んでいたようだが……その全てを打ち砕いてくれる!」
 言葉の通り、猟書家の繰り出す攻撃はどれも苛烈なものだ。
 まるで全ての動きを見透かされているような鋭い刺突、強引な振り下ろし、嵐のような薙ぎ払い。
 その全てに意識を集中し、ハロと戦士達は互いを守り合っていた。
「猟兵さん、こっちだ!」
「ありがとうございます!」
 戦士のパリィが刺突の勢いを殺し、同時にハロが短剣によってその穂先を弾く。
 全ての攻撃を受け切ることには誰も無傷という訳にはいかなかった。それでも――。
「……今なら私もユーベルコードを使えます」
 皆の力も、戦意も、決して封じられてはいない。
 ハロが狙いを定めてリトルフォックスを突き出せば、その刺突は間違いなく黒い鎧の隙間を穿った。
「はっ、その程度の攻撃で……」
「マジックナイトの皆さん、今です!」
 号令に合わせ、戦士達は構えた鎧で猟書家を取り囲む。
 確かに刺突は浅かった。けれど、埒外の力はこれで終わりではない。
「これは、オマケです!」
 次の瞬間、刺し傷を中心に生み出されたのは膨大な魔力だ。
 そのエネルギーは鎧と盾の内で弾け、猟書家の身体を次々に焼いていく。
 敵の強大さを恐れず、仲間を信じて戦う。ハロの冷静な作戦は見事に功を奏したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

陽向・理玖
変身状態維持

確かに
強い敵と戦いたい
…俺にもそういう気持ちはある
けど
あんたとは違う

あんたを倒して世界を
みんなを守る
そして待ってくれてる人のところへ帰る
だから俺は戦う
覚悟決め

フェイントに衝撃波飛ばし紛れるようにダッシュで間合い詰め
残像纏いグラップル
拳で殴る
守って戦うなら迎撃とかもありだろ?
盾使いの方へ吹き飛ばし
そんまま斬れ!
後追い挟み撃ちするように飛び蹴り

その本の恐怖は所詮紛いもん
こちとら本物と戦ってんだ
大した事ねぇな
攻撃見切りぎりぎりでジャストガード
武器受けし受け流し
本物はこんなもんじゃねぇ
限界突破し更に加速しUC
本ごとぶっ壊す
部位破壊

自分の為だけに戦うような奴に
俺が負ける訳ねぇ
蹴りの乱れ撃ち




 装甲の内側で陽向・理玖は息を吐く。
 猟書家の気持ちは分からないものではなかった。
 強い相手と戦いたい。より高みへと上りたい。そういう気持ちを抱いたことは何度でもある。
「……けど、あんたとは違う」
 呟きにに応えるように、猟書家の顔が理玖の方へと向いた。
「何が違うというのだ?」
「あんたを倒して世界を、みんなを守る。そして待ってくれてる人のところへ帰る。だから俺は戦う。ここにいる皆だってきっとそうだ」
 覚悟と共に紡がれた言葉に対し、猟書家が返したのは大きなため息だった。
「他者を想う? 下らん考えだな」
「そういう風にしか考えられないから、あんたは俺達と違うんだよ」
 互いの想いをぶつけ合うように、理玖も猟書家も駆け出していく。そこから生じた衝撃波は全てを巻き込むようで――始まるのは激しい殴り合いだ。

 リーチの面で見れば有利なのは猟書家の方だろう。
 理玖は敵の動きに注意を向けつつ、次々に地を蹴り距離を詰めた。
「はぁぁッ!!」
 猟書家は雄叫びをあげつつ槍を突き出すが、その動きをいなすように理玖は動く。
 敵を残像で惑わし、まずは横っ腹に拳を一発。その直線上には盾を構えた戦士の姿もあった。
「守って戦うなら迎撃とかもありだろ? そんまま斬れ!」
「ああ!」
 その言葉の通り、戦士は盾で猟書家を受け止めると同時に魔法剣を振り下ろす。
 衝撃で再び敵が吹っ飛んだのを確認すれば――。
「俺も負けてらんねぇな!」
 迎え撃つように放たれたのは理玖の飛び蹴りだ。
 鋭い蹴りもまともに喰らい、猟書家の身体は大きく吹き飛ぶが……戦いはまだ終わりではない。

 猟書家はすぐに体勢を立て直し、懐から一冊の本を取り出した。
「貴様らのような相手には、こちらの方がよかったか?」
 本の頁がぱらりと捲られ――次の瞬間、道場の空気が一変した。
 書物から伝わるのは重々しい気配、そして恐怖。理玖もかつて対峙した、強敵を思わせるなにか。
「これは……大魔王の気配か? こちとら本物と戦ってんだ、大した事ねぇな」
 確かに怖い気持ちは湧き上がってくるけれど、こんなのはただの紛い物だ。
 己を奮い立たせるように笑みを浮かべ、理玖は再び地を蹴飛ばした。

 そのまま敵へと接近し、堂々と拳を突き出せば怖いものは何もない。
「本物はこんなもんじゃねぇ、そんなもんで止まるかよ」
 猟書家も槍での迎撃を試みたようだが、それよりも理玖の方が速かった。
 重い殴打が敵の胴に入った瞬間、理玖の身体は青白い雷光に包まれていく。
「自分の為だけに戦うような奴に俺が負ける訳ねぇ。これがあんたと俺の違いだよ」
 想いを証明するかのように叩き込むのは激しい蹴りの乱れ撃ちだ。
 一発毎に雷が敵を穿ち、邪悪な力を次々に削ぐ。
 蒼閃龍牙が示すのは、理玖の世界を、そして優しい誰かを守りたいという強い意志だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
マジックナイトの皆様はいつでも攻撃に移れるよう準備を
私が前に出ます

いざ、勝負!

攻撃躱された後の突きを剣の●武器受けで逸らし
振り下ろしを●怪力シールドバッシュ盾受けで弾き
剣振るうと見せかけ薙ぎ払いタイミング●見切り脚部スラスター●推力移動の勢い乗せた蹴りで騙し討ちの●武器落とし

動きを見切った筈…?

剣や盾の一振りや細かな身体の挙動を布石とし、密かに貴方の動きを誘導したのです
周りの騎士達の存在と攻撃の可能性も貴方の行動の選択肢を狭めた以上、予測演算の難度も下がっておりました
(こちらはセンサーでの情報収集で把握)

猟兵に気を取られ、彼らを知らず軽視した…
それが私達の明暗を分けたのでしょう

剣を一振り




「マジックナイトの皆様はいつでも攻撃に移れるよう準備を。私が前に出ます」
 強大な敵から皆を守るように、トリテレイア・ゼロナインは力強く足を踏み出す。
「貴様のような相手とはやり甲斐がありそうだ。来い!」
「ええ、勿論。いざ、勝負!」
 白銀の騎士と黒鎧の鬼士は互いの得物を確りと握り、全力のぶつかり合いをするために前へと駆け出す。

「それでは参ります」
 先に動いたのはトリテレイアだ。飛び込んでくる相手の勢いを利用するように長剣を振るい、まずは一閃。
 猟書家はすんでのところでその攻撃を躱し、迎撃のための刺突を繰り出してきた。
「その程度か?」
「いいえ、ここからです!」
 トリテレイアもすばやく剣を手繰り、迫る槍をなんとか弾くが――敵の攻撃はまだ終わらない。
 猟書家もその攻撃を見切っていたと言わんばかりに、跳ね返された力を利用するかのように槍を振り下ろしてきたのだ。
「猟兵さん!」
「いざとなれば支援をお願いします。ですが、まだ大丈夫ですよ」
 心配するマジックナイト達を宥めるように声掛けしつつ、トリテレイアが取ったのはシールドによる防御だった。
 攻撃を受け止めると同時に、トリテレイアは剣を握る手に力を籠めて振りかぶる。
「仲間と話している場合か?」
 そんな彼の動きを止めるように、猟書家も槍を握り直して大きく薙ぎ払おうとしてきたが――。
 トリテレイアのとった行動は敵の予想とは全く異なるものだった。
「やはり貴方には見えていなかったようですね」
 剣を握る手はそのままに、脚部のスラスターを展開し、トリテレイアが放ったのは鋭い蹴りの一撃だった。
 予想外の攻撃に猟書家は対処しきれないようだ。まともに蹴りを身体で受け止め、その衝撃で握られた槍は宙へと上がる。

「何だと、貴様の動きは見切っていたはずだぞ!」
「動きを見切った筈……? 貴方は誘導されていたのですよ」
 焦る猟書家に対し、トリテレイアの態度は落ち着いたものだった。
 彼の様子は激しい戦闘の最中であってもずっと変わっていない。何故なら――戦闘が始まった段階から、トリテレイアは布石を打ち続けていたからだ。
 剣や盾だけでなく、身体の動きも含めた一挙一動で敵の動きを操り、演算と技術で勝機を手繰り寄せる。それか彼の戦い方だ。
 しかし、トリテレイアの作戦はそれだけではなかった。
「私だけではありません。マジックナイトの皆様の存在も、貴方の行動の選択肢を狭めていたのですよ。予測演算の難度も下がっておりました」
 戦士達が近くにいれば、猟書家もある程度はそちらに意識を向けなければいけない。
 そのことがトリテレイアの演算を助け、敵の行動を阻害していたのだ。
「猟兵に気を取られ、彼らを知らず軽視した……それが私達の明暗を分けたのでしょう」
 己の強さに溺れ、道を誤った狂戦士に対し――トリテレイアは静かに長剣を構える。
 別れの挨拶代わりに振り下ろされたのは、厳かな剣の一振りだった。


 こうして猟兵達はマジックナイトと協力し、猟書家を打ち倒した。
 災魔の卵も効力を失い、祀られた盾も本来の姿を取り戻したようだ。

 誰かを護ろうとする強い意志は、紛い物の技術や驕りだけの強さに折れたりしない。
 その強い想いは災魔の企みも打ち砕き、世界を救うための一歩になったはずだ。
 この戦いで猟兵達が示した意志も、東方諸島の戦士たちが語り継いでいくだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月26日


挿絵イラスト