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囚われの姉弟を救い出せ!

#アポカリプスヘル #ヴォーテックス・シティ #新人MSの初シナリオ #崩壊世界の子供達

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#ヴォーテックス・シティ
#新人MSの初シナリオ
#崩壊世界の子供達


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 アポカリプスヘル。オブリビオン・ストームによって人類の大半が死滅したその世界に「ヴォーテックス・シティ」と呼ばれる都市がある。そこは、悪と狂気の「ヴォーテックス一族」が支配するかつてのニューヨークの2倍はあろうかという「超・超・巨大都市」だ。
 この都市には、日夜世界各地から大量の物資や奴隷が上納され、レイダー達はこの街で暴虐と快楽に耽り、そしてまた略奪の日々へと戻っていく。ここに連れてこられた奴隷達の命はもはや米一粒よりも軽く、おぞましい「工場」に送られたり、改造されて闘技場で戦わされたり、快楽の為に弄ばれたりしているのだ。
 その都市の一角にある闘技場。そこで今、まさに一人の少女の命が失われようとしていた。

(どうして…こんな事に)
 地面に倒れ伏し既に意識も朧げになってきている中、少女は必死にこれまでの事を思い出す。
 彼女達が住んでいる村を襲撃したレイダー達。少女の機転によりほとんどの村の人達は難を逃れる事が出来たようだが、運悪く少女の弟はレイダー達に捕えられてしまった。
 それを知った少女は急ぎ弟を救い出そうと試みるが、そこは一人の少女が何とか出来るような状況ではなく…、彼女も捕えられてしまう。

 捕縛された2人が連れて来られたのは奴隷収容施設。
 そこで今回の村襲撃の首謀者であるレイダーのボスと思わしき人物と顔を合わせる。
 とてもただの人間とは思えない雰囲気を放つその男は少女を興味深げに眺め、
「ほぅ、君が部下が言っていた少女か。たった一人で弟を救い出そうと試みたそうじゃないか。なかなかに興味深い存在だ。」

 何が興味深いのか、困惑する少女に向かいその男は話を続ける。
「もう少しすれば君に余興を準備してあげられるだろう。そこで見せてみたまえ、君のその命の輝きを」

 それより数日後、自分はこの闘技場へ連れて来られた。
 2日ほど前に弟はどこかへ連れ去られてしまった。
 看守達は「いずれ会えるさ。絶対にな」と言われ、その時を彼女は必死に待った。
 だが、その機会も与えられずこのような場所へ連れて来られ、剣を握らされるとその建物の中央の広場へと追いやられた。
 その広場は戦闘エリアだった。目の前には化け物が一体立っている。
(この化け物と戦えというの?戦って倒せたら弟と合わせてくれるの?)
 そんな彼女に衝撃的な事実が突きつけられる。それは闘技場の司会進行役の男のアナウンスだった。
「これから始まるのは血を分けた姉と弟の戦い。弟は改造を施され化け物の身となった。さぁ、この状況に姉はどう戦う?」
 少女の頭は真っ白になった。
(あれが、あの化け物が弟?)
 困惑する少女に追い打ちを掛けるように化け物の口から言葉が紡がれる。
「オ、オネエチャン?イタイヨ…ツラインダ…」
 見た目は変わってしまっていたけれど、それままぎれもなく弟であると確信した少女。
 だが…、彼女には弟を救い出す力もなく、ましてやこの場を切り抜ける力もなく…。
 化け物となった弟の凶刃により倒れ伏す事となる。
 そこでぷつりと少女、レイニーの意識は途絶えた。

「皆様、アポカリプスヘルで事件が発生しました。」
 緊張した面持ちで集まった猟兵達に告げる炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
 グリモア猟兵となってまだ間もない彼女にとって、今回は初の予知であった。

 彼女は緊張を落ち着ける為、紅茶を一口飲んだ後、自分が見た予知について話を始めた。
 ヴォーテックス・シティで奴隷として収容されている少女レイニーとその弟サムの救出をして欲しいとの事。予知によればこのままではレイニーは闘技場で変わり果てたサムと戦わされ、命を落とす事となるという。収容所に二人とも収容されている今ならば弟も同時に救出が可能だ。

「彼女達を救出するとバギーに乗り込んだ追手が襲いかかって来ると思われます。徒歩で追手を振り切る事は厳しいでしょう。こちらも乗り物に乗るなどの対策を取る必要があると思われます。」

 幸いにしてこのシティには、そこら中に鍵のかかっていないクルマが存在するようなので、現地で乗り物を調達する事も可能なようだ。乗り物を調達しカーチェイスをしながら追手を撃破しなければならない。

「追手をなんとか撃退してもそれでは終わらず、レイニーさんに執着を見せるレイダー達のボスが現れる可能性が高いです。このオブリビオンを倒せば彼女達への追手も完全に排除出来るはず。なんとかレイニー達さんを守りつつこのオブリビオンを撃破してください。」

 レイニー達を守りながらの大変な戦いとなると思われる。

「私は皆様を現地までお送りする事しか出来ず、心苦しい限りです。皆様、どうか彼女達の事をよろしくお願いいたします。」
 必至に猟兵達に頭を下げる瑠美。そんな彼女に見送られる形で猟兵達は姉弟を救出に向かうのだった。


黄昏空
 初めまして超初心者MSの黄昏空(たそがれ・そら)と申します。
 今回、人生で初のシナリオ公開となり、非常に緊張しております。
 ほんわかシナリオが好き、といいつつ何故初回が過酷なアポカリプスヘルなのか…。
 それはダイスだけが知っている(ダイスで振って執筆世界を決めた経緯有)

 OPの通り、今回のシナリオの目的はアポカリプスヘルにある「ヴォーテックス・シティ」で奴隷収容所に収容されているレイニーという少女とその弟サムの救出、そして二人をこの都市へ連れて来た諸悪の根源のオブリビオンを最終的に撃破する事です。そうする事で二人はレイダー達の魔の手から解放される事でしょう。

 第1章は「冒険」。奴隷収容所にいる二人の救出をお願いします。

 第2章は「集団戦」、カーチェイスをしながらの戦闘となります。

 第3章は「ボス戦」、追手を撃退した猟兵達の前に現れたレイダー達のボスのオブリビオンを倒してください。

 第1章のプレイング受付はOP公開後直ぐに、第2章及び第3章は断章を挟んでのプレイング受付となります。断章にてプレイングボーナスなどについての補足説明も行わせていただきます。
(プレイング受付開始前に提出されたプレイングに関してはお受け出来ない事がありますので、その旨よろしくお願いします)
 実力不足により全てのプレイングを採用出来ないなど拙い進行となるかもしれませんが、まずはシナリオの完結を目指していく所存です。温かく見守っていただければ幸いです。

 皆様のご参加をお待ちしております!ぜひ、囚われの姉弟を救出しハッピーエンドまで導いてあげてください!
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第1章 冒険 『セーブ・ザ・スレイブ』

POW   :    レイダーを腕力で成敗する

SPD   :    逃走経路を探し、秘密裏に奴隷を逃がす

WIZ   :    自身もあえて奴隷となり、現地に潜入する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
なかなかにえぐい状況ですが。
何とかやってみましょうかぁ。

『収容所からの救出』となりますと『対象の居場所の把握』が重要ですねぇ。
まずは『FCS』を使用し『F●S』3種を『静音モード』に移行、射撃音でばれないようにした上で『見張り』を排除しましょう。

突入したら内部を捜索、途中遭遇した相手は、範囲を制御した【秤濤】を使用し魅了して『居場所』を聞き出しますねぇ。
場所が判明したら『味方』に知らせつつ【秤濤】の範囲を広げ、敵対者を制しつつ向かいましょう。
『味方』や『監禁場所』の位置関係次第では、敢えて派手な交戦に切替えて囮になる方法も?

何とか間に合うと良いのですが。


神代・凶津
姉弟の救出が今回の仕事ってわけだな、相棒。
「・・・手遅れになる前に助けます。」
おうよ、んじゃミッションスタートだぜッ!

先ずは奴隷収容所にいる姉弟を見つけない事には始まらないな。てな訳で任せたぜ、相棒。
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
相棒の呼んだ鼠の式神で姉弟の居場所を探るぜ。

奴隷収容所は式神で情報収集して敵に見付からないようなルートを選んで進むぜ。
もし見付かったら先手必勝で妖刀でぶん殴る。
安心しな、峰打ちってやつだ。

姉弟のどっちかを見つけたら安心させる為に手を握って声をかけてやるか、相棒。
「・・・助けに来ました。もう大丈夫です。」


【技能・式神使い、情報収集、先制攻撃、手をつなぐ】
【アドリブ歓迎】



 「ヴォーテックス・シティ」のとある奴隷収容所…。目的の収容所前まで猟兵達は潜入に成功した。レイダー達にとって重要施設の一つなのだろう、案の定収容所の入り口には見張りが立っている。
(なかなかにえぐい状況ですが。何とかやってみましょうかぁ。)
 現地に転送される前にグリモア猟兵より聞かされた話を思い出し、気持ちを「仕事モード」へと切り替える夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。普段はその体型を恥ずかしがっている大人しい彼女であるが、流石に幾多の任務をこなしてきた歴戦の猟兵。まずは入口の見張りの無力化に乗り出す。小箱を取り出しその中より空中浮遊する兵装を取り出す。この小箱は換装用装備を収納している小箱なのだ。
 小型のビームシールドを取り出した彼女はシールド中央にある砲門で見張りに狙いを定める。『静音モード』に切り替えた砲門は瞬く間に見張りを狙撃し無力化に成功する。
 「これは大したもんだ!やるねぇ」
 「お見事」
 何が起きたのか分からない、といった表情で倒れ込む見張りを見て思わず感嘆の言葉が漏れた1人、もとい2人の猟兵。神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)とその相棒の神代・桜だ。
 凶津は桜の実家である神社の倉庫で発見された意思を持つ仮面だ。彼自身過去の記憶はなく、自分が一体何者なのかわからない状況なのだが…。幼い頃の桜によって発見されてから彼は桜と共にあり今は兄妹のような関係を築いている。無口な桜と熱い心の持ち主である凶津、2人はなるほど静と動の関係でありとても理想のコンビのようだ。
無力化した見張りの横を素早く通過し入口内部を確認する桜。
「大丈夫、誰もいない」
「まずはこれで侵入成功だな!」
念の為周囲の警戒をしていたるこるへ2人は安全確保を伝えると3人は内部への侵入に成功する。

 この後の方針に関しては3人とも意見が一致していた。まずは姉弟の居場所を把握する事。さて、それに関しては二段構えで行う事となっている。
 内部を一人で巡回しているレイダーを素早く行動不能にし捕縛。姉弟の居場所を聞き出す事にする。
「はっ、聞かれたって素直に言うわけがないだろ?」
 これは無論想定内の反応、そこでるこるが発動するのが『豊乳女神の加護・秤濤』。乳白色の波動の波動を受けたレイダーはとろんとした表情となった。このユーベルコードは対象の肉体を傷つけずに魂だけを魅了する効果があるのだ。改めて質問を繰り返すと先程とは打って変わりレイダーは素直に応え始めた。
 それによれば見世物用の奴隷を収容する牢屋が存在するそうだ。他の牢屋は幸か不幸か空になって間もないという事。姉弟達以外の奴隷は現在この収容所内にいないようだ。「研究所への手配に少し時間が掛かるとかボスが言っていたな…」という話にまずは胸を撫で下ろす猟兵の3人。

 さて、特別な牢屋に閉じ込められている事は判明した。ここからはその牢屋までのルートの確保し、実際に救出に向かわねばならない。
「ここからは俺達に任せな!俺達も負けてられないぜ、な、相棒?」
「ええ。・・・手遅れになる前に助けます」
「おうよ、てな訳で任せたぜ、相棒」
 凶津の言葉にこくりと頷く桜。そしてユーベルコードを発動させる。
「・・・式、召喚【捜し鼠】」
 桜の足元に何匹もの鼠が現れる。彼女の陰陽術により使役された式神達だ。
「んじゃミッションスタートだぜッ!」
 凶津の掛け声と共に一斉に走り始める鼠達。

 しばらくすると鼠達から情報が次々に入って来た。姉弟達が囚われていると思われる牢屋が見付かった事、そしてそこまでの比較的安全なルート。鼠達のおかげでかなり有力な情報が得られた。だが、一点。流石に牢屋の入り口にはそれなりのレイダーの数が詰めているという事、これだけがネックとなった。
 その情報を聞いたるこるは自分が陽動に出る事を提案する。派手に交戦し敵を引き付ける事で牢屋付近のレイダーの人数を減らす事が出来るだろう、と。
「それでいくか!姉弟達の方は俺達に任せてくれ」
「はい、お気をつけて。こちらも折を見て撤退しますねぇ」
「そっちも気を付けて」
 ここで二手に分かれ行動を開始する。

(さて、このあたりでいいでしょうかぁ)
 るこるは先ほどまでの浮遊兵装の『静音モード』を解除する。そのうえで撤退用として建物の外壁に向かって砲撃を一撃浴びせる。
 轟音と共に崩れ落ちる外壁、その音を聴いて慌てて駆けつけてくるレイダー達。
 迎え撃つるこるは小箱より浮遊兵装を全て取り出し臨戦態勢を整えた。
「しばらくお相手願いますねぇ」

 遠くで聴こえた轟音、そして複数の慌てたように駆けていく足音。
「どうやらあっちは始まったみたいだな」
「こっちも行動開始」
 凶津と桜も行動を開始した。打ち合わせが済んだ段階で使役した鼠達も各要所へ配置済みだ。レイダー達の行動も全て把握出来る。式神使いの本領発揮である。
 2人はレイダー達と接触しないルートを駆け抜けた。鼠達のおかげで牢屋の入り口まで全くレイダーと鉢合わせする事なく進む事が出来た。だが・・・。
「流石に無人ってわけにはいかねえか」
「でも、1人ならいける」
騒ぎに人手を動員したが、牢屋の見張りは流石に残したようだ。施設外のレイダーにも応援を要請している可能性もゼロではない。ここは迅速に姉弟を救出する必要があると2人は判断する。

 ピリピリした緊張状態にあった牢屋を1人任されたレイダーは、何かの音にギョッとした。
「誰だっ!・・・、なんだ、ただの鼠じゃねぇか。脅かしやがって・・・たくっ・・・?!」
 言い終わる間もなく体に強烈な一撃を喰らい倒れ込むレイダー。
「安心しな、峰打ちってやつだ。」
「先手必勝。お手柄」
 妖刀でレイダーを昏倒させたのは桜。レイダーの注意を一瞬引く為、牢屋の入り口近くに待機させていた鼠に注意を引いてもらったのだ。そこを強襲し一気に無力化したわけだ。お手柄の鼠を労った後、昏倒したレイダーより牢屋の鍵を入手し室内へ入る。

「お姉ちゃん、なんだか外が騒がしいよ。怖いよ・・・」
「大丈夫、私がついているから。」
 牢屋の中で弟のサムを励ましていたレイニーは、牢屋の入り口で何者かが倒れ込む音を聴く。身を寄せ合い、緊張する2人。
 そこへ現れたのは巫女装束の鬼の面を付けた女性。
 レイダーではないようだが、一体・・・。そう思っているレイニーにその女性は呼びかける。
「・・・助けに来ました。もう大丈夫です。」
 そして安心させるように姉弟の2人の手を包み込む優しい手。
 その手のぬくもりを感じているうちに弟のサムの手の震えも収まっていった。
 こうして無事に凶津と桜は囚われの姉弟と合流する事が出来た。

「そろそろお2人は辿り着いた頃でしょうかぁ。」
 レイダー達が撃つ銃弾をシールドで弾き、砲台で牽制を続けていたるこる。
 その足元へやって来る一匹の鼠。式神の鼠だと理解したるこるはその真意を把握し撤退準備に入るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 突入する猟兵達とは別にその場に残る猟兵もいた。スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)である。彼女は他の猟兵達の援護として退路の確保に名乗り出ていた。スピネルには双子の弟がいる。そういう状況から、今回の任務で囚われの姉弟の話を聞いて決して他人事には思えず…。そして今この場に立っている。
 収容所内部では激しい物音が聞こえる。どうやら内部で戦闘が発生しているようだ。そしてその場に向かうレイダー達。一部のレイダーが目ざとくスピネルの存在に気が付く。
「お前も侵入者か!」
 殺気だった雰囲気でスピネルに襲い掛かろうとするレイダー達。
 本来は温厚で人に対して友好的な性格のスピネル。だが、今は他の仲間達の退路を確保するという重要な任務についている。また、囚われの姉弟達の事も思うと勇 気を振り絞り立ち向かわなければと気を引き締める。
 そして聖なる力を持つ大弓をレイダーに向け構えた。
『あなたの心を鎮めてあげます』
 静かな森の霊力を籠めた一撃が放たれる。その一撃は襲い掛かろうとするレイダー達に吸い込まれるように命中し…。その荒ぶる気持ちを打ち消した。
 殺気だっていたレイダー達は突然の気持ちの変化に対応出来る放心状態となってしまう。彼女の放った弓での一撃は心鎮の一矢という名のユーベルコード。肉体を傷つけずに相手の邪心を打ち払う力を持っていた。
 放心状態のレイダー達を素早く捕縛し、こちらの行動を邪魔出来ないようにするスピネル。

突入した猟兵達が無事に姉弟と合流し戻って来ることを祈りながらレイダーの無力化を続けていた彼女の前に、突入した猟兵達の姿が見えた。
全員の無事と、そして何よりも猟兵達と共に手を取り合って出て来た幼い姉弟の姿を見てスピネルにもやっと笑顔が浮かぶのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『人狩りの少年』

POW   :    隠し針
【袖口】から【毒針】を放ち、【麻痺毒】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    鉄鎖捕縛術
【鉄鎖術】が命中した対象を爆破し、更に互いを【首輪付きの鎖】で繋ぐ。
WIZ   :    模倣罠
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【捕獲罠】を作った場合のみ極めて精巧になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


〇とある屋敷にて

 猟兵達が幼き姉弟を救出し奴隷収容所を離れた頃・・・。
 その収容所の総括者の元へ収容所が襲撃を受けた事、収容していた子供達がその際に脱走した旨の連絡が入っていた。
「襲撃者だと?・・・あの子供達がいた村の連中という事はまずないだろう。何者だ・・・」
 収容所にはそれなりの人数のレイダーを詰めさせていたはず、それを突破したとなるとかなりの手練れであろう。
「何者かはわからないが、私の娯楽を邪魔するとは・・・。」
 直ぐに男は奴隷捕縛専用の部下へと連絡を取る。
「お前達が捕まえて来た子供達がどうやら脱走したようだ。それを手引きした者達がいる。子供達さえ捕縛出来れば他の者の生死は問わん。なんとしてもあの二人を連れ戻せ」
 連絡を取り終え一息つく男。
(だが・・・部下達だけでは万一という事もありえる。私も出る事になるやもしれぬな。まぁ、それはそれで一興)
 くつくつと楽し気に笑う男の声が響く。

〇迫りくる魔の手
 猟兵達は救出した子供達と共に先を急いだ。
 グリモア猟兵の話の通りなら追手が来る可能性が高いとの事。
 暫くすると後方より幾多のバギーの駆動音が聞こえてくる。どうやら追手が近付いてきているようだ。
 不安がる子供達を安心させるように微笑みかけた猟兵達は追手を排除する為の行動を開始した。

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(解説)
 第2章は断章の通り迫りくる追手を撃退する事になります。
 相手はバギーに乗っており徒歩で移動中のこちらより機動性は明らかに上。
 子供達を守りながら追手を撃退するには、こちらも乗り物を準備するとよいでしょう。
 乗り物は車やバギーなどだけでなく騎乗用の動物などでも可です。
 また、自前で乗り物の持ち込みが厳しい方もいるかと思いますが、現地では直ぐにでも運転可能な車があちこちに放置されています。それを拝借する事も可能です。

【プレイングボーナス】:相手の機動性に対処する行動を取る



(第2章以降のリプレイ執筆等について)
 第1章は当方の仕事スケジュールが急遽変わった関係で、駆け足での執筆となってしまいました。
 第2章以降は第1章よりゆっくりペースで執筆の方を検討しております。
 また目標値に達し第2章が終了になりそうな段階でプレイングの締め切り日時の連絡をMSページの方へ記載しお知らせしたいと思います。(確認しやすいようにタグへの追加もするつもりです)

 合わせプレイングに関しては、2,3人くらいまでならば出来るかもしれない(第1章で執筆試みた感じ)という印象です。
「1人で参加だけれど連携歓迎だよ!」という方は「連携歓迎」など盛り込んでもらえればこちらで合わせを試みてみます。
 グループ参加の方は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】の記載をお願いします。

 第2章からの参加も歓迎しておりますので、どうぞよろしくお願いします!
神代・凶津
おっと、さっそく追手が来やがったな。
姉弟を連れて徒歩じゃ追い付かれるな。
そこに放置してあるバギーで逃げるとするか。
姉弟を乗っけて発進するぜッ!
とばすからしっかりシートベルトして掴まってなッ!
「・・・ところでバギーなんて運転出来たの?」
安心しろ、相棒ッ!
運転はちゃんと覚えたぜ・・・テレビゲームでッ!

フルスロットルで爆走だぜッ!
追手の攻撃や障害物は見切って俺のドライビングテクで避けていくぜ。

追手が近付いてきたなら相棒任せた。
「・・・幻朧桜花、眠って下さい。」
居眠り運転は事故のもとだぜッ!


【技能・運転、見切り】
【アドリブ歓迎】



「おっと、さっそく追手が来やがったな。」
 近付いて来る多数のバギーの駆動音に「ご苦労なこった」と呟く凶津。その声を聞きながら、桜は子供達の様子を伺う。
 特に先程まで凶津を見て「わぁ、凄いや!格好いい!」と少し笑顔も見せるようになっていた弟の方は、今はガタガタと震えている。レイダー達に捕縛された時の恐怖を思い出してしまったのかもしれない。
この状況ではただでさえ歩く歩幅の小さい子供達はさらに移動が困難となるだろう。
「このままだと・・・」
「ああ、徒歩じゃ追い付かれるな。」
 さて、どうしたものかと考える二人がふと周囲を見渡すと放置されているバギーが目に留まる。
「お、ちょうどいいじゃねぇか!そこに放置してあるバギーで逃げるとするか。」
 事前に聞いていた通り、すぐに運転が出来る状態で放置されているようだ。
「よし、2人とも乗りな。発進するぜッ!とばすからしっかりシートベルトして掴まってなッ!」
 凶津の呼びかけに対し素直に言う事を聞く姉弟。恐怖から動きがぎこちないものの、シートベルトもしっかり固定し準備万端だ。
 ここで桜はふと頭に浮かんだ疑問を口に出す。
「・・・ところでバギーなんて運転出来たの?」
 そこへ返って来る自信満々の声。
「安心しろ、相棒ッ!運転はちゃんと覚えたぜ・・・テレビゲームでッ!」
こう見えて凶津はゲームが好きだ。確かに凶津に付き合う形でゲームをする事もある。だが、今回は車を運転するゲームをやった事があるという口ぶり。桜にはその辺り記憶にないのだ。
「その話は後でゆっくり聞く」
凶津がぎくっとしたような気がするが、気のせいだろう・・・たぶん。

 さて、一抹の不安が残る所だが覚悟を決めた桜。運転に関しては凶津に任せる事にする。
 「さぁ、フルスロットルで爆走だぜッ!」
 凶津がアクセルを踏みバギーは動き始める。動き始めた直後こそ少し車体が揺れたが、その揺れも直になくなった。どうやら相当凶津はゲームをやりこんでいたようだ。追手の攻撃をミラーで確認し軽快に躱す。障害物も確認したと同時にハンドルを切り的確なドライビングテクニックで切り抜けていくのだ。

予想以上の健闘(?)により追い付かれる事もなく進んで来ていた凶津達だが、相手も必死なものだ。なにぶん相手には地の利がある。上手くショートカットを駆使し凶津の運転するバギーに迫って来る。
「ならここは・・・。相棒、任せたぜッ!」
「・・・幻朧桜花、眠って下さい。」
 ハンドルを握った右手はそのままに、左手を後方へ向けた桜の指先から睡眠効果のある桜の花吹雪が放たれた。
 その花吹雪に巻き込まれた追手のバギーが蛇行を始め、壁に激突し停止した。
「居眠り運転は事故のもとだぜッ!」
こうして凶津達の乗るバギーは追手を振り切る事に成功するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、次は脱出ですねぇ。
何とか頑張ってみましょうかぁ。

姉弟を連れて逃げることを考えますと、車両を奪うのが良さそうですねぇ。
【伎偶】を使用し『運転』を専門とする『従者』を召喚、専門家の視点で『奪うと良い車両』を選んで運転してもらい、お二人にはその車に乗っていただきましょう。
私自身は『FBS』を四肢に嵌め飛行、上から『脱出ルート』を誘導しますねぇ。

追手の攻撃は威力自体は軽いですから、『FSS』による防御で問題無く防げるでしょう。
後は『FRS』による[砲撃]で対処、途中良い場所が有れば『FCS』で炸裂弾に換装した[爆撃]を行い、橋や左右の建造物などを崩して追撃を防ぎますねぇ。



 バギーより降りて来た姉弟達を見てまずは無事を確認し、ホッとするるこる。
 追手の数が多い為、頃合いを見て姉弟達には乗り込む車両を変更してもらうように段取りしておいた。相手には地の利がある。姉弟達が乗っている車両が特定され続けていると、こちらの車両を完全包囲するように行動される恐れがある。猟兵達だけならば問題なく切り抜けられるだろう。だが、子供達を守りながらだと万が一もありえる。姉弟に万一の事もないよう安全策を取ったのだ。

(さて、次は脱出ですねぇ。何とか頑張ってみましょうかぁ)
 救出は無事に終わり第二段階へ移った。この局面も最善を尽くす事を心に誓うるこる。
(姉弟を連れて逃げることを考えますと、車両を奪うのが良さそうですねぇ)
 とはいえ、この状況に適した車両はどれなのか。その道の専門家ではないるこるには判断がつかない。それならば、専門家に力を借りる事にしましょう、という結論に至る。

『大いなる豊穣の女神の使徒の名に於いて、大いなる技術を操りし女神の従者よ、私の元へ。』
 詠唱が終わるとそこへ一人の女性が現れる。突然現れた女性に驚く姉弟達に自分達の味方である事を簡単に告げるるこる。この女性はるこるが信奉する豊穣の女神の従者である。今回召喚したのは運転を専門とする従者、早速この状況に適した車を選んでもらいその車の運転をしてもらうよう段取りをする。流石その道の専門家、女性は素早く車を選び運転席に座ると車のエンジンを掛ける。その車へ乗り込むよう姉弟達にお願いするるこる。
「お姉ちゃんは来ないの?」
 不安そうにるこるを見上げる弟の方のサムへ微笑みかける。
「私はお二人を安全に逃がす為に別行動ですぅ。ですが、お二人の事はしっかり見守っていますから安心してくださいぃ」
 これまでの道中で猟兵達の事を信頼出来る存在だと確信していた子供達。その答えを聞くと頷き急いで車に乗り込んだ。
 
 走り去る車を見ながら自分の準備を進めるるこる。先ほども使用した小箱より浮遊する戦輪を取り出すと四肢に嵌める。こうする事でるこるは飛行する事が可能なのだ。
 空へ舞い上がったるこるは上空より脱出ルートを素早く導き出し従者をナビゲートする。従者の運転技術も相まって危なげなく進んでいく車。
 また追手への対策も同時に講じる事にする。追手の攻撃は威力自体は軽い、守りさえ怠らなければ脅威ではないと判断したるこる、ビームシールドを展開すると車の後方へ展開させる。散発的に攻撃を仕掛けてくる追手の攻撃はこれで完全に防がれた。
 さらに両腕に装備した砲門により追手車両を牽制。しばらくすると橋が見えて来た。小箱より取り出した炸裂弾に換装すると子供達が乗った車両が橋を通過するタイミングを狙い爆撃する。
 崩壊する橋と共に水中へ落下していく追手の車を確認すると子供達の車のナビゲートを再開するるこるだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稷沈・リプス
アドリブ連携歓迎っす。
遅れたっすけど、ここから参戦するっすね!

姉弟は仲間の猟兵が伴ってて、逃走中…ということはっす。
ここは援護っすね!

【夜の船】。追いかけるためにも前ばかり見てるはずっすし、元より上からの妨害なんざ考え付かないと思うっすから。
…影がさして上を見たときには、もう遅いっすよ。
さあ、太陽属性攻撃のついた矢や魔法を食らうといいっす!
捕獲罠も、この太陽属性攻撃で壊していくっすね!

大丈夫、元の持ち主(故人というか故神)も笑って許してくれるっすよ。…あの人、秩序大好きだったから。


元持ち主『許す』



 今の所、追手に追い付かれる事なく逃走に成功している。だが、追手の数が多い。そこで迎撃するのではなく、積極的に打って出る事にした猟兵達がいた。
「姉弟は他の猟兵が伴って逃走中…ということはっす。ここは援護っすね!」
 のんべんだらりとした「自称:人間」の稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)はその一人だ。彼は人間と自称しているが、その正体は『日食』『月食』、つまり『蝕』を司る神なのだ。今は失われてしまったある都市で彼は『呪われた神』として祀られていた。とは言いつつも、本人は恐れ奉られている事を好都合とし引きこもっていた時期もあったくらいなのだが。元来は今生きる者達の事が大好きな彼である。今回の任務、リプスとしては幼い子供達のなんとか力になりたいと思っている。またそれと同時に自分にとって嫌いな存在であるオブリビオンが今回の子供達にした仕打ちを考えると、ますますその存在を許すわけにはいないと考えるのだった。

 リプスが注目したのは上空。現状でも上空から攻撃を仕掛ける猟兵もいたのは確かだが、それはあくまで追手を牽制する為に地上を走る車に並走する形で移動していた。追手側としても猟兵の存在を確認はしやすいとはいえたのだ。
 だが、リプスがこれから取ろうとしている行動は完全なる攻勢、今までとは違う。一気に攻め立て追手の数を減らそうというのだ。
「これも借りてた権能っすよ!」
 リプスの唱えた言霊により彼の前に大型木造船が姿を現す。これが彼のユーベルコード【夜の舟】である。
 舟上には既に武装した幽霊達が準備して待機していた。
「少し出遅れたっすけど、ここから一気に反撃っす!」

 落とされた橋とは別方面より進行していた追手達がいた。彼らは最終的に挟撃する形で車を追いつめターゲットを捕縛するつもりで動いていたのだ。自分達が走っている遥か前方で何かが破壊される大きな物音がした。ただ事ではないとは感じたが、彼らはターゲットを捕縛する事を優先した。まさか前方より追手が迫ってくるなど想像していないだろう、そう含み笑いをしていた追手達の表情が固まる。自分達を追うように近付く巨大な物体の影が地面に映っているのだ。その影こそリプスの乗る舟であった。
 
「追いかける為に前ばかり見てるはずっすし、元より上からの妨害なんざ考え付かないと思うっすからまんまと出し抜けたっすね。もう遅いっすよ。」
 凍り付いた表情でこちらを見上げている追手達を見て奇襲に成功した事を確信したリプス。乗り込んでいた霊達に指示を出し一斉攻撃に出る。
 追手達に次々と降りかかる矢や魔法の雨。太陽属性の付いたその攻撃は追手達を穿つと共に彼らの設置した捕縛罠も瞬く間に破壊していく
「こういう使い方しちゃったけれど、あの人も笑って許してくれるっすよね。うん、大丈夫っす」
今は亡きこの舟の元持ち主を思い浮かべながらリプスはそう呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エクス・カリバーン
アドリブ連携歓迎

「出遅れたか。
俺は勇者カリバーン!
義によって助太刀しよう!」

む、カーチェイスか。
それならば俺もバギーに乗り込んで……

「……な、なんだとっ!?
バギーのアクセルに……足が届かない!」

ならば仕方ない。
ここは【超勇者覚醒】だ!

「三種の神器よ、俺に力を!」

勇者の剣、盾、鎧の封印を解放。
全身から聖なる闘気を放ち飛翔して、子どもたちを追いかけるレイダーを妨害、撃破するとしよう。

「人々を苦しめる悪党は……許さん!」

勇者の剣でレイダーを一刀両断だ。
子どもたちよ、今のうちに逃げるのだ。

「ニセモノの罠など……
って、なにっ!?」

くっ、なんて精巧な捕獲罠だ!?(罠にかかってもがきながら



 上空からの一斉攻撃により追手は全て沈黙した…かに見えたが。爆発したバギーの爆炎の中より2,3台のバギーが飛び出してきた。大半は沈黙する事になったバギーだが、玉砕覚悟で特攻した数台が難を逃れたのだ。そのまま目前に迫るターゲットの乗る車両へ車体ごと体当たりを仕掛けようとする。
 勝ちだ!そう思った追手達の手は、しかしターゲットへは届かなかった。その直後に上空より高速で接近する何者かに自分達の車体を切り裂かれたのだ。真っ二つになった車両は爆発し、それに巻き込まれる追手達。

「俺は勇者カリバーン!義によって助太刀しよう!」
高速で飛翔して来た何者かは高らかに宣言した。そう、彼の名はエクス・カリバーン(聖剣勇者エクス・カリバーン・f30075)、熱き心を持つ勇者だ。
 スーパーロボットとなった彼は全身から聖なる闘気を放ち飛翔しながら残った追手のバギーに勇者の剣で切りかかる。
「人々を苦しめる悪党は……許さん!」
 瞬く間に沈黙させられていく追手達。その一方でカリバーンは内心でヒヤヒヤものであった。
(良かった…本当にギリギリ間に合ったようだ)

 時間は少し遡る。猟兵達がそれぞれ自分の方針のもとに行動を開始した際、カリバーンも地上で子供達の乗る車両を護衛しようと、準備をしていた。
悪を許せぬ彼にとって、今回のオブリビオンの仕打ちは許されざる行為だった。その熱い想いを胸に彼はバギーの運転席に乗り込んだ。そしてアクセルを踏もうとしてある重大な問題に直面する。

「……な、なんだとっ!?バギーのアクセルに……足が届かない!」
 彼は普段はデフォルメされたロボットのような容姿である。普段ならばそれに見合った動きをすればいいだけの為、別段問題も発生しない。そう、普段ならば。
 今回に限っていえば一般的な人間の等身用に作られている車両に対し、彼の足は…あまりにも短かった。愕然とするカリバーン。
 しかし、周りを見渡しても既に他の猟兵達は行動を開始し、その場には誰もいない。もう今さら誰かの車両に便乗して乗り込むという手も使うことは出来なかった。
 そこで彼は奥の手を使うことにする。そう、超勇者覚醒という奥の手を。

「三種の神器よ、俺に力を!」
 封印を解放された剣、盾、鎧により超勇者へ覚醒するカリバーン。そのまま闘気による飛行能力で戦場へ向け飛び立ち、今に至る。

「子供達よ、今のうちに逃げるのだ!」
 ありがとう、お兄ちゃんという言葉と共にその場を立ち去っていく車。それを横目に見ながら最後の追手を沈黙させたカリバーン。
 が、しかし…。前方確認がお留守だった為、破壊を免れていた捕獲罠に運悪く頭から突っ込んでしまう。
「ニセモノの罠など……って、なにっ!?」
 じたばたもがくが予想以上に罠は精巧で…彼が罠を抜け出る頃にはもう少し時間が掛かるようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リチャード・ライナス
「荒事は苦手だけど、放っておくわけにはいかないな

方針)囮となり姉弟を逃がす
※絡み・アドリブ歓迎!

【変装】し、逃げる姉弟と入れ替わり追手の前方に出る
バギー上に祭壇布を載せ【空中浮遊】で転がし、追手を引き付ける(←運転出来ない
背後から攻撃受けたらバギー乗り捨て追突誘う
時折【迷彩】で姿を消し狙われにくくしつつ走る「いい運動だな(息切れ

逃げ場失ったら変装解き「付いて来てくれてありがとう(笑
UC使用し追手を恐怖のどん底に叩き落す
直接攻撃受けたら、浮遊し低空飛行で回避織り交ぜつつ【体勢を崩す】&【気絶攻撃】
UC射程外へ逃走図る者は先程走りつつ形成した【結界術】で阻む
「全部吐いてもらうよ?(爽笑←恐怖を煽る



「荒事は苦手だけど、放っておくわけにはいかないな」
 そう呟いたのはリチャード・ライナス(merchant・f29694)。一見はどこにでも居そうな、ちょっとカッコイイ兄ちゃんな彼だが、彼は神の一人だ。本来持っていた力を何かが原因で失ってしまった彼であるが、興味を持った対象にはついつい気に掛けてしまう人の好さ(神の好さ?)も持っている。今回はグリモア猟兵の話を聞いて子供達の力になってあげたいと感じたのだろう。
 とはいうものの、彼は本来荒事は好まない性格。さて、どうしようか…と思考を巡らせるのだった。

「ばかなっ、D班も連絡途絶だとっ?相手は数人ではなかったのか!」
陣頭指揮を執っていた追手達のリーダーは、ボスより奴隷収容施設へ潜入したのはたったの数人だと聞いていた。念には念をと数倍の人数を投入していたのだ。
 混乱するリーダーが次の手をどうするか思考を巡らせようとしたその時、近くで物音がした。ギョッとそちらを見ると慌てて駆けていく後ろ姿が見えた。
「あの服装は確か…。子供の片割だ。まさか、逃げ回ってるのが囮だったとはな…くそっ」

 人影はそのまま止まっていたバギーの後部座席に乗り込む。移動を始めるバギーを見た追手達も慌ててその後を追いかけるのだった。

(うまく騙せたかな?追ってきているようだけれど)
 追手達のいる所から走り去った人影はリチャードだった。彼が着ているのは子供達の弟の方と同じような服装。追い付かれれば背丈から偽物だとすぐばれてしまう。だから服装だけを相手にしっかり見せた後は素早くバギーに乗り込んでいた。
 さて、移動を始めたバギーだが、運転席には誰もいない。リチャードは生憎運転が出来ない。それゆえ苦肉の先でバギーを移動させているのだが…。
 当然、力業によるバギーでの移動は長い事通用せず追手に追い付かれる。追突される直前にリチャードはバギー上より飛び降り、そのまま物陰に滑り込んで身を潜める。息を殺しつつ彼はその場を静かに離れる。
 しかし追手は乗り捨てたバギーの位置より包囲するように移動しリチャードを追い詰めた。
「なんだ、例の子供じゃねぇのか。ふざけた真似を…。まぁ、いい、こいつを餌におびき出すか。」
 丸腰のリチャードに最後に勝機が回って来たとほくそ笑む追手達。
 変装を解き、追手達に向き合ったリチャードは何故か笑顔だった。
「付いて来てくれてありがとう。助かったよ」
 おもむろに片手を上空に挙げたリチャード。何事かと視線を上に向けた追手達の表情が固まった。そこには自分達に狙う多数の魔法剣が浮かんでいた。
 そう追い込んだと思った追手達だが、その実は誘い込まれていたのだ。
 慌てて攻撃を仕掛けようとして来た追手の足元に魔法剣が突き刺さり、その動きをけん制する。
 その場から逃がさぬよう退路を塞ぐ結界を張りながら「さぁ、君達が知っている事、全部吐いてもらうよ?」と爽やかな笑顔でリチャードは追手に語り掛けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『荒野に試練を蒔く者』

POW   :    『さぁ、君の力強い生命の輝きを見せてくれっ!』
【生体感知機能搭載の殺戮機械獣の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    『この程度じゃないだろう?もっと輝いてくれっ!』
対象の攻撃を軽減する【、自らの意志の強さに比例した力を持つ超人】に変身しつつ、【周囲一帯を破壊する衝撃波を伴う蹴り】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    『素晴らしい!ならばこの試練も乗り越えてくれ!』
自身の【全て】を代償に、【巨大オブリビオン・ストームの発生を伴う命】を籠めた一撃を放つ。自分にとって全てを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雛月・朔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一部ハプニングに見舞われた猟兵もいたが、猟兵達の奮闘により追手の乗るバギーが追ってくる事はなくなった。

 この戦闘において一部追手の捕縛にも成功した。
彼らからの証言(どのようにして供述させたかはここでは省く事とする)によれば、追手である奴隷捕縛部隊は今回捕えられたメンバー以外とは既に連絡が途絶しているという。猟兵達がこのカーチェイスの中で壊滅させたという認識で大丈夫なようだ。捕えられた中に部隊の隊長が混ざっていた為、部隊の状況もしっかり把握されていた。
 実働部隊である奴隷捕縛部隊が壊滅した事で残り実戦力は彼らのボス(名前は「ウォール」というらしい)のみ、となる。実戦力以外では情報収集をメインとする隠密部隊があるらしく、実働部隊が壊滅した事は既にボスの耳に入っているだろうとの事。
 それを証明するかのように何かを破壊するような物音と共に何かが近付いて来る。
 猟兵達が目を凝らすと改造バギーに乗った男が建物を破壊しながら向かってくるのが見えた。表情を曇らせる姉弟、どうやらあの男が件のボス「ウォール」らしい。

「お前達が私の楽しみを邪魔した存在か。私の実働部隊も壊滅させたようだな」
 ギロリと捕らわれの身となった実働部隊のリーダーを一瞥した後、猟兵達に語り掛ける。
「そこの子供達を私に渡せば、お前達の命を奪う事は勘弁してやろう。お前達はそこのゴミ共よりも手練れのようだしな。我が配下にしてやろうではないか」

 子供達を解放する事は猟兵としての任務。無論その提案を拒否する。良い答えは元々期待していなかったのだろう。拒否されたというのに対して気に留めた感じもせずに淡々と「ウォール」は話を続けた。

「まぁ、構わんさ。むしろその方がいい。私の配下に牙をもがれた獣など不要だ。
そこのゴミ共のような、な。お前達を力でねじ伏せて屈服させるとしよう。
ゴミ共は、そうだな…。再利用で研究所にでも送るか。多少はマシなモンスターに改造すれば、まだ私の楽しみに使えるだろう。」

 震えあがる実働部隊のメンバーを愉快気に見ながらそう告げた男は、今度こそ猟兵達へ向き合う。
「さぁ、お前達、私に力を見せてみろ!お前達の輝きを!」

 オブリビオン「ウォール」、文字通り最後に猟兵達の前に立ち塞がった壁だ。
 この壁を打ち壊し、姉弟達を真に追手から解放出来るかは猟兵達にかかっている。
 さぁ、決着を付けよう。

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(解説)
レイダー達のボスであるオブリビオン「ウォール」との戦闘となります。
「ウォール」はとげとげ付きのバギーで建物を破壊しながら襲い掛かってきます。この戦闘ではプレイングボーナスがあります。

【プレイングボーナス】
その1:戦車に対抗する
その2:建物の崩壊から姉弟達を救出する

どちらか片方を満たせばプレイングボーナスを獲得します。
(無論、両方を盛り込んでいただいても構いません)

〇連携について
第2章の反省も踏まえ、一つ試みをしてみる事にします。
「ソロ描写希望の方のみ、プレイングの冒頭に『×』の記載をお願いします」
『×』表記がない方は状況によっては合わせプレをこちらが試みてみます。
(MSページも書かせていただきましたが、現状の当方の腕ではそれぞれの個性を上手く活かしきれなくなると判断し、前章のリプレイの形となりました。ですが、
精進は続けていきます。「これはいけそうだ!」と思ったプレイング同士を試みてみようと考えています。)

無論グループでの参加も歓迎します。
グループ参加の方は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】の記載をお願いします。

〇プレイング受付期間
この断章投下より受付開始します。
第2章と同様、シナリオクリアの目処が立った段階で締め切り日時をMSページ及びタグでお知らせします。
神代・凶津
建物を破壊しながら突っ込んで来やがるぜッ!?
取り敢えずパクったままのバギーに姉弟を乗せてここから離脱するぞ。

建物の崩壊から離脱しても元凶をどうにかしねえとな。
姉弟を乗せたバギーを道の端に寄せて降りるぜ。
ちょっと待ってな。あの河童野郎を片付けてくるからよ。
「・・・大丈夫、あなた達は絶対に渡しません。」

心を燃やすぜ、相棒ッ!
「・・・転身ッ!」
炎神霊装から展開した炎翼を羽ばたかせて飛翔しながら改造バギーに炎刃を放つぜ。
そのまま突っ込んで敵の攻撃を見切って避けつつ生成した炎刀でぶった斬るぜ。

あの姉弟の前に立ち塞がるてめえは
「・・・私達が焼き祓いますッ!」

【技能・運転、空中戦、見切り】
【アドリブ歓迎】


稷沈・リプス
なるほど、あれがボスっすかー。
建物が…まずいっす。UC使用して、ライオン召喚!
借りたまま返せなくなった(故神なので)ライオンっすけど…大丈夫っすよね。

ライオンに姉弟も乗せて…機動力その分落ちるっすけど、太陽属性結界術で弾くのも合わせたらいけるっすよね!
このとき、使い魔たる『明け呑む蛇』を放っておいて。

離れた場所に姉弟を降ろして、攻勢っす!太陽属性攻撃のついたライオンの爪や牙っすよ。
太陽って、どうやって軽減するんすかね?
もし意志が太陽に近づけば…明け呑む蛇の餌食っすよ。あっちは蝕属性攻撃っすから。


ライオンは『リプスさまー』とのんびり屋
ライオンの元持ち主は、夜の船と同じ



爆音と共に迫る改造バギー。
「建物を破壊しながら突っ込んで来やがるぜッ!?」
「このままだと子供達がっ」
慌てて行動に移る凶津と桜。幸いにして拝借していたバギーはまだ手元にある。急いで姉弟を乗せてこの場を離れようとする。桜に近い所にいた弟のサムの手を引きバギーに乗せる。続けて姉のレイニーの手を…いや、このままだと間に合わない!
「お姉ちゃんっ」慌てて姉に手を伸ばそうとするサム。そこに救いの手が。

「こっちは任せるっすよ!」
2人とほぼ同時に行動を開始したリプスがライオンを召喚。その背に姉のレイニーの方を引っ張り上げる。そしてそのままその場を離れる為に駆けだした。その姿を見た凶津も素早くバギーを発進させる。
急ぎ崩壊する建物から距離を離すバギーとライオン。崩壊し上から降り注いでくる建物の残骸をバギーは巧みに回避し、ライオンはリプスがライオンの周囲に張り巡らした結界によって残骸の直撃を免れる。轟音が収まった後には、間一髪でその残骸の下敷きになるのを免れる事が出来たバギーとライオンの姿があった。

「間一髪」
「そうっすね、こっちも借りたままだったライオンがいなかったらヤバかったっす」
3人がほぼ同時に行動したが故のギリギリの局面だった。もし、姉弟を両方ともどちらかに乗せようとしていたら崩壊前の撤退は無理だっただろう。
「なんとか離脱には成功したが、元凶をどうにかしねえとな。キリがねぇ」
安全圏内に撤退したバギーとライオンは姉弟達を降ろし、向かってくるウォールに向け迎位撃体制を整える。ここからは反撃だ。

「ちょっと待ってな。あの河童野郎を片付けてくるからよ。」
「・・・大丈夫、あなた達は絶対に渡しません。」
姉弟達を背に2人はこの場を打開する為に力を顕現させる。
「心を燃やすぜ、相棒ッ!」
「・・・転身ッ!」
その瞬間に桜の体は炎に包まれた。いや、正確には炎を纏った。それは『炎神霊装』。凶津と桜の力を一つに纏め上げ顕現させた炎の翼を持った霊装だ。
「ここから反撃開始だぜッ!」
「覚悟ッ!」

炎翼を羽ばたかせて飛翔した2人を見たリプスも行動を開始する。
「リプスさまー」
のんびりとした口調で語りかけて来るライオンを撫で「よくやったっすね」と労うリプス。
「こっちも負けてはいられないっす。もうちょっとだけ、頑張るっすよ」
ライオンに指示を出し『ウォール』に向け疾風のごとく間合いを詰めていく。
3人の攻勢が始まった。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、頑張れぇぇぇっ!」
恐怖を必死に抑え込もうとするように振り絞って紡がれた弟サムの声援、皆の勝利を願うように祈りを捧げる姉レイニーの想いに応えるように。

「ふむ、まずはお前達か。いいでしょう。かかって来なさい」
 余裕の表情を見せる『ウォール』。その体が瞬く間に硬い筋肉に覆われていく。
「よし、援護するぜッ!」
「食らいなさいっ」
 上空からリプスの乗るライオンの接近を援護するように炎翼より炎刃を放つ凶津達。援護を受けながら『ウォール』に肉薄したライオンが牙と爪で切りかかる。だが…。
「リプスさまー、こいつ硬いー」
「あいつ、なんて硬さしてやがるっ」
「マジっすか。こっちの攻撃が効いてないみたいっす」
「まさに鉄壁…」

『ウォール』の強化された肉体は炎刃やライオンの攻撃を受けてもびくともしない。まさに壁に攻撃を仕掛けているかのように。
「ふふふ…どうしました?こんなものですか?」
『ウォール』は強化された肉体を駆使し、自分に降り注ぐ攻撃に対しピンポイントで防御を固くしていた。相手が攻撃してくる方向はわかる。超人と化した彼にとってはそのくらいの事はたやすい事なのだ。
「さて、こんなものであるのなら、そろそろこちらも反撃させてもらうとしましょう」
 まずは手始めに目の前のライオンに乗った男を排除するとしよう。そう向き合った彼だが…。
「な、なにっ。一体どこからっ」
 想定外の方向から鋭い痛みを感じたのだ。視線の先には一匹の蛇が『ウォール』へと喰らい付いていた。

(どうやら作戦成功っすね)
『ウォール』に喰らい付いている蛇はリプスの使い魔だ。しかもただの蛇ではない、リプスの蝕神としての権能なのだ。この蛇は崩壊する建物から離脱する際にこっそりと放たれたもの。そしてライオンが纏っている太陽の属性に引き寄せられるように『ウォール』へと忍び寄っていたのだ。
「太陽って、どうやって軽減するんすかね?もし意志が太陽に近づけば…明け呑む蛇の餌食っすよ!」
「ぐ、おのれ…。この私を飲み込もうというのか!」
 自分を丸のみしようとする蛇に必死に抵抗する『ウォール』。だが、そんな決定的な隙を見逃す猟兵達ではない。
「防御が疎かっすね、畳み掛けるっすよ!」
 ライオンに次々と攻撃を仕掛けさせるリプス。たとえ鉄壁の防御といえど、一点集中すれば脆くなる。
 そして交戦しているのは彼だけではない。上空からも一気に間合いを詰めて来る炎神が!
 苦し紛れに『ウォール』が放つ蹴りを間一髪で回避する炎神。そしてリプスのライオンが攻撃を仕掛けた場所へ追撃を叩き込むように炎を纏った刀が一閃する。
「あの姉弟の前に立ち塞がるてめえは」
「・・・私達が焼き祓いますッ!」
 凶津と桜、2人の『ウォール』を滅そうとする意思の籠った一撃がリプス達が作った傷跡に重なるように吸い込まれていく。

 …ミシリ。姉弟達に立ち塞がる壁にヒビの入る音が響く。
 それは3人の猟兵が生み出した壁崩壊の序曲となっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
どうやら大詰めの様ですねぇ。

まず【銀翼袍】を使用、飛行手段を此方に切替えつつ、『FCS』により『FRS』の弾頭を炸裂弾に変更しますねぇ。
『FSS』は姉弟の護衛に回して落下して来る『瓦礫』を防ぎ、巨大な瓦礫は[砲撃]で落下位置を調整して対応、狙えそうなら相手の上に落としますぅ。

『殺戮機械獣』の召喚には[カウンター]で『崩壊の波動』を放射、これによる『崩壊』で数を削りつつ『感知機能』を或る程度阻害すれば、狙いを絞るまで時間が得られますので、『FRS』の[爆撃]と『FBS』の斬撃による[範囲攻撃]で、ボスの乗ったバギー共々吹き飛ばしますぅ。

後は、村人達の所まで護衛しましょう。


エクス・カリバーン
アドリブ・連携大歓迎

「子どもたちを渡せば配下にする、だと?
笑止!勇者である俺がお前などに屈するものか。
その乗り物ごと、お前を撃破してみせよう!」

装備した三種の神器、勇者の盾と鎧で敵の攻撃をさばきつつ、勇者の剣で攻撃していくが……

「生体感知機能搭載の殺戮機械獣だとっ!?
まずい、猟兵たちならともかく、一般人の子どもたちでは……
子どもたちは何としても守らねば!」

敵の放った殺戮機械獣。
それを止めるためにはやむを得ん!

「絶対に皆を守る!
そのために、三種の神器よ、力を貸してくれ!」

【正義の誓い】とともに全身が黄金の光に包まれ、三種の神器の力を開放。
殺戮機械獣から子どもたちを守りつつ、敵を攻撃だ!



『ウォール』の鉄壁と思われた守りを打ち破りダメージを与えた猟兵達。だが、『ウォール』の方は不敵な笑みを浮かべたままだ。
「なるほど、確かにこれならば部下達では役不足だっただろうな。だが、私を倒すには届かないぞ。」
 そう言うだけの余裕がまだ相手にはあるようだ。
「どうやら大詰めの様ですねぇ。」
 るこるは今一度、気を引き締め直し『ウォール』に向き合った。
 そして戦闘開始前の『ウォール』の提案に憤りを感じたカリバーンも
「子供たちを渡せば配下にする、だと?笑止!勇者である俺がお前などに屈するものか。その乗り物ごと、お前を破壊してみせよう!」
 そう宣言し、正義の心を熱く滾らせるのだった。

「やれるものならやってみるがいい!お前達にはこれだ!」
『ウォール』が両手を天に掲げると、その先の空間がねじれ多数の何かが出現する。それは機械の体を持つ獣達だった。
「この数の殺戮機械獣、果たしてお前達に捌き切れるかな?さぁ、君たちの力強い生命の輝きを見せてくれっ」
『ウォール』の合図と共に、数を数えるのも嫌になるくらいの殺戮機械獣がるこるとカリバーンに襲い掛かった。

「これは少々骨が折れそうですねぇ」
 殺戮機械獣の数が多すぎると判断したるこるはユーベルコードを使用。女神の衣を 纏った彼女は空中より迎撃を開始した。掌より放たれる『崩壊の波動』によって間合いを詰めようとしてくる殺戮機械獣を片っ端から崩壊させていく。
 カリバーンは地上で襲い掛かって来る殺戮機械獣の攻撃を盾で防ぎ、動きが止まった相手を勇者の剣で叩き切る。
「くくく…、まだまだ殺戮機械獣は沢山いるぞ?どうした。こいつらはお前達がどこにいようと追尾してくる。生体感知機能を搭載しているからな、逃げ場などないぞ!」
『ウォール』のその言葉を聞いたカリバーンに動揺が走る。
「生体感知機能搭載の殺戮機械獣だとっ!?まずい、猟兵たちならともかく、一般人の子どもたちでは……。」
 そうなのだ、自分達だけでなく子供たちも殺戮機械獣たちはターゲットにするかもしれない。その悪い予感は的中し、一部の機械獣達が子供たちの方へ向かい始めた。
「くっ、子どもたちは何としても守らねば!」急ぎ子供たちの元へ急行しようとするカリバーン。だが、カリバーンと子供たちの前には未だ多数の機械獣が立ち塞がっている。
「これはまずいですねぇ、援護しますぅ」
 るこるは持っていた小箱より固定砲台の砲弾を炸裂弾へ変更、カリバーンの行く先を遮ろうとする機械獣達に向け砲撃。次々と炸裂弾によって体を穿たれた機械獣達は動きを停止する。その横を疾風のごとく駆け抜けたカリバーンは子供たちも元へ到着した。
 増援で子供たちの元へ向かおうとする機械獣達へ『崩壊の波動』を放つるこる。直撃を免れた機械獣もあったが『崩壊の波動』が内包する認識阻害効果を受け、その場を彷徨い時間を稼ぐ事が出来た。

 子供たちの共に辿り着いたカリバーンは2人を庇うように機械獣の群れの前に立ち塞がる。
「こうなればやむを得ん!絶対に皆を守る!そのために、三種の神器よ、力を貸してくれ!」
 皆を守る為、正義の誓いを立てたカリバーンは真の姿を開放した。三種の神器の力を完全開放し全身に黄金の光を纏ったカリバーン。目の前に迫る多数の機械獣を一太刀の内に切り伏せる。その威力に慌てた一部の機械獣がカリバーンの死角から子供たちへ襲い掛かろうとするが真の姿を開放したカリバーンの動きは機械獣のそれを上回り、盾で奇襲を防がれた後に剣での一太刀を受け沈黙する。
「あと一頑張りで相手も打ち止めみたいですぅ、そこまで凌げばチャンスですよぉ」
 るこるの言う通り、2人の善戦のおかげで機械獣の数が減ってきている。
「ば、バカな…。あれだけの数を凌ぎきるというのか!こうなればっ」
 機械獣の数が目に見えて減って来た状況に焦りを感じた『ウォール』は、改造バギーで間合いを詰め攻撃を仕掛けようとしてきた。
 バギーのとげとげにより周囲の建物の一部が瓦礫となって降り注いでくる。落下してくる瓦礫を見上げ身を竦ませる子供たち。だが子供たちには瓦礫の一欠片どころか埃一つ触れる事はなかった。
 るこるが万が一に備え子供たちの上空に展開しておいたビームシールドが彼らを守ったのだ。

 その間に周囲の機械獣を全て沈黙させたカリバーン。彼の足元には数えきれない機械獣の残骸が横たわっていた。
「お前の自慢の機械獣はこれでおしまいか?なら、今度はこちらが反撃させてもらうぞ!」
 勇者の剣を『ウォール』に向け突き付けるカリバーン。

 機械獣達を全滅させられた事を知り、慌てて増援を呼ぼうとする『ウォール』。その上にひと際巨大な瓦礫が降り注ぐ。
「な、なにっ!?」
 それはるこるが砲撃により落下位置を修正して『ウォール』の頭上へ落そうとした瓦礫だった。間一髪それを回避する『ウォール』、彼自身は回避に成功したが瓦礫の破片の一部が改造バギーを直撃した。
「び、びっくりさせおって。こうなればもう出し惜しみはせん。全ての機械獣でもって…」
 再び両手を天に掲げ、殺戮機械獣を召喚しようとする『ウォール』だったが…、それは叶わなかった。
 落下して来た瓦礫に気を取られていた『ウォール』はその瓦礫に紛れて自分の元まで間合いを詰めて来ていたカリバーンに気が付いていなかったのだ。
「受けろ、正義の一撃をぉぉぉっ!」
 天に両手を掲げた状態で無防備を晒した『ウォール』の体へ黄金に輝く一撃が吸い込まれる。

 ミシリ、ミシリ…。
 壁に入った亀裂がどんどん広がっていく音が響く。
 姉弟達の前に立ち塞がる壁が崩壊するのは、もう間もなくだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華倉・朱里(サポート)
 桜の精のサウンドソルジャー×闇医者の女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

あまり感情は大げさには表さないクールで物静かな感じの少女で
慌てる事は少なく、また仕事は淡々とこなしていくタイプです。
花や動物などの自然が好きです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


リチャード・ライナス
方針)敵を自滅へ導く・建物の崩壊から姉弟を救出する

「行けカブト、奴を押さえろ!」
UCで強硬度甲虫(人が乗れるサイズ!)作成し、戦車に対抗
もげたカブトの足が数本絡まれば戦車も動けなくなる筈
命令に従い、カブトは歩行不能になれば飛行し、ウォールの攻撃も全部受ける事で敵を消耗させる
「俺にはカブトみたいな根性は無いんだよな。壁は乗り越えずに放っておくほうだし(ヤサグレ

自身は祭壇布に乗り【空中浮遊】で移動しながら姉弟を探し救出
戦闘や建物の崩壊に巻き込まれぬよう【結界術】で姉弟含め護身
カブト全滅後は【精神攻撃】で敵自滅まで耐える

敵自滅後、安堵する姉弟を眺め「生命の輝きは、見るものではなく、感じるものさ(笑



「くっ、まさか…まさか、ここまで私が追いつめられるとはな…。だが、勝つのはこの私の方だ!」

 改造バギーに乗り猟兵達に再び襲い掛かる『ウォール』。だが、そのバギーの出力が随分落ちている。どうやら今までの戦闘の中で損傷し本来の能力を発揮出来なくなってきているようだ。向かってくるバギーはその速度は今までに比べ遅くなっているが、建物を破壊するそのパワーは未だ健在だ。
「まずはあのバギーをなんとかした方がいいかもしれないわね。」
 冷静に状況を分析したのは華倉・朱里(桜の精のサウンドソルジャー・f25828)。
「そのあたりは同感だね。だいぶガタが来ているようだしあと一息、という所かな」
 朱里の分析に頷くリチャード。それならば…とリチャードは一手を講じる。
「行けカブト、奴を押さえろ!」
 ユーベルコード『ゴッド・クリエイション』により硬度に特化した大型の甲虫を作成したのだ。その甲虫を向かってくる改造バギーに迎撃させる。
 改造バギーと巨大甲虫がぶつかり合う。建物を破壊し続けて来た改造バギーだが、硬度に特化させた甲虫の装甲を食い破るには至らない。とはいえ、そのパワーで甲虫をじりじりと押し返し始めた。徐々に後退する甲虫の足が何本かもげてバギーの車輪に巻き込まれる。
「ふ、どうやらパワーはこちらの方が上のようだな。このまま押し切らせてもらおう」
 若干の余裕を取り戻したかに見えた『ウォール』の挑発に不敵に笑うリチャード。
「さぁ、それはどうかな?勝負は最後までわからないものさ」
 そのリチャードの言葉を裏付けるかのように改造バギーの侵攻が止まる。
「ど、どうしたのだ?何故動かん!」
 動揺する『ウォール』、それに応えるのはバギーに忍び寄っていた朱里だった。
「異物を巻き込んだのよ。もうバギーは使い物にならないわね」
『ウォール』が目の前の甲虫に釘付けになっている間にその死角より移動し、改造バギーに肉薄していた朱里。トドメとばかりに、手に持った大型ノコギリで改造バギーの車体を切断する。甲高い金属音を立てながら分断されるバギー。流石にその音に普段はクールな朱里も顔をしかめる。
「やっぱり耳障りな音ね。どうせ聴くならやっぱりエレキギターの音の方が何倍もいい」
 サウンドソルジャーである彼女としては、音には敏感なのだろう。とはいえ「これも任務」と心の中で割り切り見事改造バギーの切断に成功する。

「くっ、私のバギーが…。お、おのれ…」
 猟兵達との度重なる戦闘による消耗、そしてここに来て改造バギーも使用不能となった。もはや『ウォール』には打つ手なし…か?いや、まだ彼には奥の手があった。
「お前達相手になりふり構っている場合ではないようだ。屈服させて配下に、と思ったがもうそれもやめだ。お前達をここで仕留める」
 改造バギーを乗り捨てた『ウォール』は体内より全ての力を絞り出すように放出した。放出された力は周りの大気を取り込みながら黒い竜巻を形成し始める。『ウォール』は持てる全ての力を使い巨大オブリビオン・ストームストームを発生させたのだ。
「さぁ、この私の全てをかけたこの一撃、受けるがいい!」

 朱里は改造バギーを破壊し終えた段階でその場を離れ、今はリチャード達のいる所まで撤退して来ている。『ウォール』の次の一手、これはかなりの威力の物になりそうだ、と分析した。オブリビオン・ストームと言えば、アポカリプスヘルを崩壊へ導いたきっかけそのもの。巻き込まれればこちらも危うい。ましてや…。
「私達猟兵はともかく、子供たちがまずいわね」
 そう、子供たちにはこの局面を防ぐ手立てがない。
「なら、俺達はこれに乗って距離を取ろう。君達も乗ってくれ」
 リチャードが取り出したのは祭壇布。これに乗って空中浮遊し移動しようというのだ。
 その提案に朱里は頷き、子供たちと共に乗り込む。
「カブトだけでは流石にあの竜巻には対処出来ないか…、さて、どうする。やれるだけやってはみるが…」
 思考を巡らせるリチャードへ朱里が提案する。
「あの竜巻を発生させている本人を消耗しきらせてしまえば」
「なにか手はあるのか?」
 リチャードの疑問に頷く朱里。

「くくく…、この一撃にお前達とて耐えられるわけがない!目の前のこの目障りな虫も当然な!」
 リチャードが作成した甲虫は足をもがれた後も、必死に主の命をこなし『ウォール』へ攻撃を仕掛けていた。とはいえ甲虫は硬度に特化しており攻撃力はさほどでもない。『ウォール』へ明確なダメージは与えられていなかった。そこへ件のオブリビオン・ストームである。全ての足をもがれた甲虫は今度は羽根で飛行しその体でオブリビオン・ストームを押し戻そうと体当たりを仕掛けている。硬度特化とはいえ、その装甲に徐々に傷が増えてきている。そう長くはもたないだろう。

 勝利を確信した『ウォール』だったが…、いつの間にか彼の周りを花吹雪が舞い始めていた。竜巻によってどこかから引き寄せられたのか?いや、桜の花などこのアポカリプスヘルには存在しない。では…?
「これで決めます」
「俺にはカブトみたいな根性はないんだよな。でも、自壊させる手立てを打つくらいなら出来るさ」
 オブリビオン・ストームに全てを注ぎ込んだ『ウォール』は、その背後へと祭壇布に乗り迫って来たリチャード達に対処が出来なかった。未だ竜巻は甲虫と衝突中、リチャード達へ向けられない。そこへリチャードの精神攻撃を上乗せした朱里のユーベルコード、桜の癒やしが襲い掛かったのだ。消耗しきった今の『ウォール』に抗う力は残っておらず。そのまま地に倒れ込むのだった。
「生命の輝きは、見るものではなく、感じるものさ」
 そんなリチャードの呟きが『ウォール』の耳にも届いた、気がした。


 今、多数の亀裂により破壊の一歩手前まで来ていた壁は、その自重によって音を立てて崩壊したのだ。


〇エピローグ
『ウォール』が力尽きたと同時に発生してた竜巻も消滅し、危機は去った。
「まさか、この私が破れるとは…な。全力を出し切っても倒せぬ相手がこの世に居ようとは…」
 そう言い残すと『ウォール』は力尽き、骸の海へと還っていった。


「レイニー、サム!生きていたのかっ、良かった…」
 猟兵達は『ウォール』撃破後、姉弟達の住んでいた村まで来ていた。
 村の皆と再会を喜ぶ姉弟達。
「レイニー、お前が一人でサムを救いに行こうと駆けだした時、俺達はそれに続く勇気がなかった。レイダー達に連れ去られたのを知った後、ずっと後悔していたんだ。もっと俺達に勇気があれば…と」
 今回の事で覚悟が決まったのだろう。村人達の瞳には強い意志が籠っているのが猟兵達にも分かった。この村は、今後困難があっても村人全員で必死に立ち向かっていく事だろう。
 今回の任務、結果的に猟兵達は囚われていた姉弟達だけでなく村の人々の心も救う事が出来たのだ。

 別れを告げ、その場を立ち去ろうとする猟兵達にサムが声を掛ける。
「俺、大きくなったらお兄ちゃんやお姉ちゃん達みたいに強くなるよ!姉ちゃん達を守れるくらいに!」
 今回の事件はこの少年にも心の成長を促したようだ。
「皆さん、ありがとうございました。この御恩は決して忘れませんっ!」
 そんなレイニーの言葉が聞こえてくる。
 手を振る村人達に見送られながら猟兵達はその場を後にした。

(完)

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月27日


挿絵イラスト