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悪い子は、連れて行っちゃうよ?(作者 ヨグ)
#ダークセイヴァー
#地底都市
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ダークセイヴァーに数多あるといわれる地下空間。
その一つに、小さな屋敷があった。
「早くこっちに!」
バタンと閉じられる屋敷の扉。
中に滑り込んだ2人の女性は荒い息をついていた。
「はぁ、はぁ……なんなの、あいつら。」
「知らないよ……だって、悲鳴が聞こえたと思ったら居たんだもん。」
扉の外で出会ったのは、オラトリオを捕らえた妖獣たちだった。
気が付けば地下へと迷い込み、必死で逃げこんだのがこの屋敷で、
「あはは……。」
「ひっ!?」
今度は、屋敷の中から子供の笑い声が聞こえてきた。
「こ、今度は何!?」
「あはは……みーつけた。」
笑いながら近づいてくる女の子……その無垢な笑いに、女性たちは嫌な予感を覚える。
「君たち、何でここに来ちゃったのかな?」
「な、何でって……きゃっ!?」
「何して……ひっ!?」
歩いて近づいてくる女の子から少しずつ離れようとするが、1人が足元の何かにつまずいてしまう。
片割れがつまずいた物に目を向ければ……それは人の頭蓋骨で、
「それ……まさか……。」
「あーあ、見ちゃったんだ。」
つまずいた女性の顔を覗く、女の子の口元が吊り上がる……張り付いたような笑みの形に。
「じゃあ……悪い子は、食べちゃおうね?」
開いた赤い口の中で、青い蜘蛛を模した肉芽が輝きを放っていた。
「あ、あの、お疲れ様、です。
早速、なんですけど、また……第五の貴族が見つかり、ました。」
グリモアベースに集まった猟兵たちを前にして、話し始めた影山。
その白い手の上でグリモアが光を放つと、壁に映るのは小さな屋敷と……開けた周りを囲む、妖獣の群れ。
「今度のは、この屋敷にいます。
まず……何とかして、この屋敷に入ってください。
この、外にいる妖獣たちは、番犬の紋章を植え付けられて強化されてるし……見えてるだけじゃなくて、もっと土の中から出てくるんです。
全部倒そうって考えないで、道を作って入っちゃった方がいい、です。
それで……、」
場面が切り替わると、見えるのは暗い屋敷の中の映像。
そこにいるのは、一人で笑う少女の姿。
「あれは、『人喰らいのボギー』って言われる……あの、悪い事をすると、人喰らいのボギーに連れていかれるっていう……子供に言い聞かせるときに話すお話の、元になったモノ、です。
口の中に、青い蜘蛛の紋章を持ってて……それを潰さないと、多分、勝てないです。
話しかけたり、笑わせたりして……口を開かせて、潰してください。
よろしく、お願いします。」
頭を下げた影山がゲートを開くと、屋敷が遠くに見える。
妖獣たちが間にいるのを見ながら、影山は思い出したように言葉を続けた。
「えっとですね……前に私が案内した、第五の貴族は……倒したと思ったら、中から別の吸血鬼が出て、きました。
多分、なんですが……ボギーを倒した後に、もう一匹出てくるかも、しれません。
私の予知だと、その正体は解らないです……が、皆さんなら勝てるって、信じてます。
よろしくお願い、します。」
ヨグ
ヨグです、第五の貴族のシナリオ第2弾です。
人を誘い、人を集める屋敷のモノ……それを退治してください。
第1章 集団戦
『魔猟妖獣』
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POW |
●イェーガーハント
【この女を助けたくば貴様が身代りになれ!】という願いを【妖力テレパシーで敵達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
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SPD |
●魔猟
【捕獲しているオラトリオを盾にしながら】【集団で一斉に】【神経麻痺妖液】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
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WIZ |
●慟哭の撒き餌
【誘引狩猟形態】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【衰弱したオラトリオの悲鳴】を放ち続ける。
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👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
花羽・紫音
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
「なんて卑劣な敵……でも負けないわ」
【スーパー・ジェスティス】を使って強化した上で屋敷を目指して一直線に突入をするわ
でも【イェーガーハント】をされてしまったら、ヒロインとして身代わりになってしまうわ……そして身代わりとなって【魔猟】を受けてしまってまってもなんとか隙をつこうと機を窺うわ
「タス……ケ……。」
小さな館を前に、立ち塞がるのは醜悪な妖獣たち。
中にはオラトリオが囚われているモノもあり……か細い声は、まだ生きていることを示していた。
「なんて、卑劣な敵。」
弱った同胞の姿見ていられない、とばかりに呟くのは、花羽・紫音(セラフィローズ・f23465)。
ギリッ……と奥歯を噛みしめ、気合を入れると黄金のオーラに包まれていった。
「……でも負けないわ。」
自身の身体にスーパーヒーローとしての力を纏い、花羽は妖獣の中を飛んで抜けていく。
……はずだった。
(この、女を……。)
邪魔になる妖獣を蹴とばし、開いた隙に跳び出そうとした時……頭に直接、思念が入り込んできた。
「何、この思念は……?」
(助けたく、はないか?)
「ぁ……ぅ……。」
気配に目を向ければ……息も絶え絶えなオラトリオの女性を捕らえた妖獣が、体液を垂らしながら花羽を見ているようだった。
胸像のように上半身だけが見える女性を見せつけるようにしながら、
(貴様が、代わりになれば……こいつを、離してやろう。)
やけにはっきりとした思念が頭に響く。
「……本当、なのよね?」
(もちろん……さぁ、我の中に来るがいい……。)
ふらふらと近づく花羽に体液を垂らしつつ、触腕がその体を掴み取る。
とさっ……という音に目を向ければ、オラトリオの女性の身体が地面に落ちていた。
「そん……な……!」
すでに、女性の身体は……見える部分だけだったのだ。
頭と胸の辺りだけしかないそれは、すでに事切れていて、
「私を、騙したのですね!」
(騙してなど、いない……離したでは、ないか……。)
「くっ……ああ!」
返ってくる思念と共に、焼けつくような痛みが背中に走る。
妖獣の身体から滴る消化液が触る痛みに顔を歪めるが、妖獣の中の腕と足は妖獣の肉に包まれて動かない……。
「なん、とか……しないと……!」
何とか、機を窺って脱出しなければ。
花羽を見つめる、動かない女性の遺体と同じように……。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
湧いて出るってなら喰い放題だな。まァ、中のヤツも気になるし喰いながら進んでみるか。
UDCを纏って黒い狼のような姿になる。
速度と勘で妖液を回避。多少当ってもUDCを纏ってるからすぐには効かねェ。手近なヤツに全力で駆け寄って喰らいつくぜ。人質?は救えなさそうなら一緒に喰う。救えるなら(ロキに言われてしぶしぶ)適当にその辺に放り出しておく。UDCが消化するから麻痺毒は効かねェ。射出の瞬間なら隙もあるし動きも読みやすいだろ。結構美味いから数匹喰っておくぜ。UDCが消化しちまうから腹ァ膨れねェけどな。
「テメェらの親玉も纏めて喰らい尽くしてやるぜ、ヒャハハハハ」
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘OK
過度なグロ×
POW
常世ママ(トコヨノカミ)や
モエ(誰も覚えていない)と違って
身も心も醜い蟲ね
人質なんて私には通じないわ。
アルカーディア様、粗末な捧げ物ですが
守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力増強。
『紅キ楽園ノ女王』で更に95倍
ふん……口ではああ言いながらも
見捨て切れぬ所がルルらしい
今の我は戦場の敵全てから常に【生命力吸収】を行う。
人質の娘にまだ自我があれば妖獣だけを弱らせて救出も出来よう。
無ければオブリビオンとして救済すれば良い
9500km/hの【空中戦・見切り・残像】で毒液を避け
【狂気耐性・気合い】で悲鳴にも惑わされず
【念動力・マヒ攻撃】で敵を金縛り。
殿を務め、他の猟兵を先に進ませる
一方、
「ヒャハハハハ! 湧いて出るってなら喰い放題だな。」
襲い来る妖獣たちを捕え、掴み上げる黒い狼がいた。
それは、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が使役したUDCを纏った姿……中の人格の一つであるアノンの食欲のままにその大口を開き、齧り付く。
「なかなか美味ェじゃねェか! さて、次のテメェは、」
「……ぁ。」
水鏡が次に掴み上げたのは、オラトリオを腹に捕らえた妖獣。
か細いうめき声が聞こえた時、他の人格のロキの意識が流れ込んで来た。
(待ってください、アノン。助けられるかも)
「……そこまでよ。」
「あん……?」
さらに被せるように掛けられた女性の声に目を上げれば、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の姿。
銀髪紅眼の吸血妃と同化したドゥルールの殺気を込めた制止に、水鏡はしぶしぶ牙を突き立てようとした妖獣を放り捨てる。
「ちっ……解ったよ、好きにすりゃァいいだろ。」
「それでいいのよ。」
別の妖獣へと飛び掛かっていく水鏡を背に、オラトリオを捕らえた妖獣を調べてみると……それはすでに、事切れた上半身を無理やり動かしているに過ぎないモノだった。
「……だめだった、か。」
(くっくっく……。)
頭に響く愉快そうな笑い声にドゥルールが意識を向ければ、力を借りた吸血妃の意識が流れ込んでくる。
(人質なんて私には通じない……そう言っておったというのに、のう?)
「くっ……これはちが」
(よいよい、妾は責めてはおらぬ。口ではああ言いながらも、見捨て切れぬ所がルルらしいと思うて、な?)
「……そう、ですね。」
前を進む猟兵たちへ目を向ければ、妖獣たちを倒しながら着実に進んでいる。
しかし、さらに地面から湧き出る妖獣が後ろから現れていた。
(なればこそ、やることは分かっておろう?)
「ええ、もちろんです。」
宙を飛び、後ろから襲い掛かる妖獣たちの前に立ちはだかるドゥルール。
妖獣たちを吸血妃の威厳と共に見下ろし、近づくモノからその生命を吸い取り、
「猟兵たちを助けるのは不本意だけど……私が殿を務めるわ。さっさと行きなさい!」
「へっ、言われなくともそうしてやらァ!」
正面を走る水鏡の前にも、妖獣たちが立ちふさがる。
一斉に妖液を飛ばしてくるが、その素早い身のこなしに当たることなく地面を溶かす。
「ヒャハハハハ! 遅ェんだよォ!」
射出のために妖液を溜める動作……それを見てからでも避けられる身体能力が、水鏡にはあった。
掴みかかって齧り付く時に一部が掛かるが、纏っているUDCが妖液を喰らいつくしてしまう。
「テメェらの親玉も纏めて喰らい尽くしてやるぜ、ヒャハハハハ!」
高笑いと共に喰らい進む水鏡によって、猟兵たちは確実に屋敷へと近づいていっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メアリー・ベスレム
あーあ、つまらない
あなた達(オラトリオ)の分の復讐も
あなた達(妖獣)の遊び相手も
してあげる暇がないだなんて!
けど、もっと楽しい相手がこの先にいるなら
ちょっとぐらい我慢しないといけないかしら
メアリ、これでも我慢は得意だもの
ヴァンパイアもオウガもそれ以外だって
人喰いはみんな、メアリが殺すんだから
【凍てつく牙】で冷気をまとい
その高速移動と【逃げ足】で捕まらないよう駆けていく
躱し切れない毒液は凍らせるか魔氷を盾に防いでみせて
邪魔する敵は【ジャンプ】【踏みつけ】跳び越えながら
バルコニーなり窓なりから屋敷の中へ飛び込むわ
侵入口から敵が追って来れないように
すぐ魔氷で防いでしまえば良いかしら
ゲシっ! と蹴りつける音と共に、妖獣が凍り付く。
そのまま地面に叩きつけられ、砕け散る様を見ながらため息をつくのは、メアリー・ベスレム(WONDERLAND L/REAPER・f24749)
「あーあ、つまらない……。」
言葉通りの視線はすぐに、死骸から襲い来る妖獣へ。
中にはオラトリオを取り込んだモノもいるが……次の瞬間には、動きの遅いそれを足蹴にメアリーは跳んでいた。
「あなた達(オラトリオ)の分の復讐も、あなた達(妖獣)の遊び相手も、してあげる暇がないだなんて!」
いくら現れようと、まるでウサギのように素早く跳びまわるメアリーの動きを止めることは出来ない。
纏まって一気に妖液を飛ばしてこようと、極低温の冷気を纏うメアリーの向けた手の先で凍りつき、それは別の妖液への盾として投げ捨てられて、
「けど……。」
屋敷の扉に手がかかり、一気に開け放つ。
背後を見れば、妖獣たちが妬まし気にメアリーを見つめているようだった。
「メアリ、これでも我慢は得意だもの。もっと楽しい相手がこの先にいるなら、ちょっとぐらい我慢できるわ。」
獰猛な笑みと共に扉を閉じ、凍らせて封印する。
そして、薄暗い部屋の中にいるモノへと言い放つ。
「ヴァンパイアもオウガも、それ以外だって……人喰いはみんな、メアリが殺すんだから。」
それはまるで、獲物を追い詰めた狼の言葉。
出ておいで、もう隠れる場所はないのだから……。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『人喰らいのボギー』
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POW |
●いただきます
自身の【外見の擬態】を代償に、【流動的に形を変化させる本体】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【鎌あるいは牙のように鋭利になった身体】で戦う。
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SPD |
●おいかけっこしましょ
自身が【嗜虐心】を感じると、レベル×1体の【増幅した自身の神格の一部】が召喚される。増幅した自身の神格の一部は嗜虐心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
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WIZ |
●わるいこだれだ
【対象に興味を持つ】事で【対象そっくり】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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👑11 |
🔵🔵🔵 |
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠シャルロット・クリスティア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あはは……今日は、いっぱいだね。」
暗い屋敷の闇の中、現れたのは子供だった。
どこにでもいそうな、金髪の少女。
「ねぇ、みんな……。」
歩くたびに、足元のモノがカタリと鳴る。
それは白い、人の残骸。
「おいかけっこ、しましょ?」
言葉を放つごとに、口の中に青い蜘蛛の紋章が覗く。
……あれを、潰さなければ。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
おいかけっこ?逃げるつもりはねェし、追うのも面倒だしなァ……ンなことより殺し合おうぜ
UDCを纏って獣人のような姿になる。両手は氷属性、両足は風属性。風を纏って高速移動し接近戦を仕掛けるぜ
進路上の神格は噛みついて喰う。追ってくる奴は無視。噛みつかれたら激痛耐性で耐える。
「喰いてェってなら口開けろ。とっておきを喰わせてやるぜ」
右腕を口ン中にねじ込んで紋章を掴んだら凍らせてやる。喰い千切られたら液体金属のUDCで口ン中をズタボロにするぜ
喰われるばっかじゃ面白くねェ、肩か腕の一部でも喰い千切ってやる
腕はロキじゃねェと治せねェから、とりあえずUDCで止血しつつ手を象っておく
「おいかけっこだァ? オレは逃げるつもりはねェし、追うのも面倒だしなァ……。」
バリバリと髪を掻きながら呟く、水鏡の両手両足に黒いUDCがするすると纏わりついていく。
獣人のような姿に変わる様を、ボギーはただニコニコと見つめていた。
「ンなことより殺し合おうぜ?」
「……あはは。そっちのほうが、すきなんだ?」
嗤うボギーの足元で、影が起き上がる。
不定形のそれは、刃のような触腕を振り上げながら水鏡へと迫ってきた。
「じゃあ、あそぼう?」
「あァ、殺ってやるよォ!」
駆け出した水鏡の足は風を纏い、一気に距離を詰めていく。
途中に襲い掛かる触腕を冷気を纏う手であっさりと掴み上げ、握ったそばから凍り付く触腕を喰らっていた。
「へぇ……それをたべるのは、はじめてみた。」
霊気で出来た触腕は、あっさりと溶けて水鏡の胃へと消えていく。
「味は悪くねェが……食いでがねェな。」
目線を上げれば、左右から振り下ろされる触腕……それが床を叩きつけた時には、水鏡はボギーの目の前にいた。
「喰いてェってなら口開けろ。とっておきを喰わせてやるぜ?」
「あぐ!?」
ボギーの口を左手でこじ開け、右腕をつっこむ。
光を放つ青い蜘蛛の紋章を掴み取り、一気に凍結させていた。
「ぐ、ううううう!?」
尋常じゃない力で閉じたボギーの歯に、水鏡の右手が噛み千切られていた。
「く、痛って……やりやがったなてめェ!」
「ぅううぇぇ……。」
口の中でさらに暴れる、水鏡の手を構成していたUDC……それを涙目になりながら吐き出そうとする少女の姿に、水鏡の口に唾が溜まる。
「よく見りゃァ……うまそうだな、お前。」
ガジリ……肩に齧りつき、そのまま引き千切る。
「かはっ……けほっ、けほ。」
「ん……なんだてめェ、お前も肉じゃねェのかよ。」
「ふ、ふふふ……。」
「うおっと!」
すぐ後ろまで迫っていた触腕の攻撃を跳び退って避けた水鏡の前で、ボギーは笑っていた。
食い千切られた肩もすぐに元に戻り、
「おいしかった?」
「……まずかねェけどよ。」
即席で右手をUDCに模らせた水鏡に問いかける顔は、最初と変わらぬ嗤いを浮かべていた。
大成功
🔵🔵🔵