6
悪い子は、連れて行っちゃうよ?

#ダークセイヴァー #地底都市 #第五の貴族

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー
🔒
#地底都市
🔒
#第五の貴族


0




 ダークセイヴァーに数多あるといわれる地下空間。
 その一つに、小さな屋敷があった。
「早くこっちに!」
 バタンと閉じられる屋敷の扉。
 中に滑り込んだ2人の女性は荒い息をついていた。
「はぁ、はぁ……なんなの、あいつら。」
「知らないよ……だって、悲鳴が聞こえたと思ったら居たんだもん。」
 扉の外で出会ったのは、オラトリオを捕らえた妖獣たちだった。
 気が付けば地下へと迷い込み、必死で逃げこんだのがこの屋敷で、
「あはは……。」
「ひっ!?」
 今度は、屋敷の中から子供の笑い声が聞こえてきた。
「こ、今度は何!?」
「あはは……みーつけた。」
 笑いながら近づいてくる女の子……その無垢な笑いに、女性たちは嫌な予感を覚える。
「君たち、何でここに来ちゃったのかな?」
「な、何でって……きゃっ!?」
「何して……ひっ!?」
 歩いて近づいてくる女の子から少しずつ離れようとするが、1人が足元の何かにつまずいてしまう。
 片割れがつまずいた物に目を向ければ……それは人の頭蓋骨で、
「それ……まさか……。」
「あーあ、見ちゃったんだ。」
 つまずいた女性の顔を覗く、女の子の口元が吊り上がる……張り付いたような笑みの形に。
「じゃあ……悪い子は、食べちゃおうね?」
 開いた赤い口の中で、青い蜘蛛を模した肉芽が輝きを放っていた。

「あ、あの、お疲れ様、です。
 早速、なんですけど、また……第五の貴族が見つかり、ました。」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを前にして、話し始めた影山。
 その白い手の上でグリモアが光を放つと、壁に映るのは小さな屋敷と……開けた周りを囲む、妖獣の群れ。
「今度のは、この屋敷にいます。
 まず……何とかして、この屋敷に入ってください。
 この、外にいる妖獣たちは、番犬の紋章を植え付けられて強化されてるし……見えてるだけじゃなくて、もっと土の中から出てくるんです。
 全部倒そうって考えないで、道を作って入っちゃった方がいい、です。
 それで……、」
 場面が切り替わると、見えるのは暗い屋敷の中の映像。
 そこにいるのは、一人で笑う少女の姿。
「あれは、『人喰らいのボギー』って言われる……あの、悪い事をすると、人喰らいのボギーに連れていかれるっていう……子供に言い聞かせるときに話すお話の、元になったモノ、です。
 口の中に、青い蜘蛛の紋章を持ってて……それを潰さないと、多分、勝てないです。
 話しかけたり、笑わせたりして……口を開かせて、潰してください。
 よろしく、お願いします。」
 頭を下げた影山がゲートを開くと、屋敷が遠くに見える。
 妖獣たちが間にいるのを見ながら、影山は思い出したように言葉を続けた。
「えっとですね……前に私が案内した、第五の貴族は……倒したと思ったら、中から別の吸血鬼が出て、きました。
 多分、なんですが……ボギーを倒した後に、もう一匹出てくるかも、しれません。
 私の予知だと、その正体は解らないです……が、皆さんなら勝てるって、信じてます。
 よろしくお願い、します。」


ヨグ
 ヨグです、第五の貴族のシナリオ第2弾です。
 人を誘い、人を集める屋敷のモノ……それを退治してください。
100




第1章 集団戦 『魔猟妖獣』

POW   :    イェーガーハント
【この女を助けたくば貴様が身代りになれ!】という願いを【妖力テレパシーで敵達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
SPD   :    魔猟
【捕獲しているオラトリオを盾にしながら】【集団で一斉に】【神経麻痺妖液】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    慟哭の撒き餌
【誘引狩猟形態】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【衰弱したオラトリオの悲鳴】を放ち続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花羽・紫音
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】

「なんて卑劣な敵……でも負けないわ」
【スーパー・ジェスティス】を使って強化した上で屋敷を目指して一直線に突入をするわ

でも【イェーガーハント】をされてしまったら、ヒロインとして身代わりになってしまうわ……そして身代わりとなって【魔猟】を受けてしまってまってもなんとか隙をつこうと機を窺うわ



「タス……ケ……。」
 小さな館を前に、立ち塞がるのは醜悪な妖獣たち。
 中にはオラトリオが囚われているモノもあり……か細い声は、まだ生きていることを示していた。
「なんて、卑劣な敵。」
 弱った同胞の姿見ていられない、とばかりに呟くのは、花羽・紫音(セラフィローズ・f23465)。
 ギリッ……と奥歯を噛みしめ、気合を入れると黄金のオーラに包まれていった。
「……でも負けないわ。」
 自身の身体にスーパーヒーローとしての力を纏い、花羽は妖獣の中を飛んで抜けていく。

 ……はずだった。
(この、女を……。)
 邪魔になる妖獣を蹴とばし、開いた隙に跳び出そうとした時……頭に直接、思念が入り込んできた。
「何、この思念は……?」
(助けたく、はないか?)
「ぁ……ぅ……。」
 気配に目を向ければ……息も絶え絶えなオラトリオの女性を捕らえた妖獣が、体液を垂らしながら花羽を見ているようだった。
 胸像のように上半身だけが見える女性を見せつけるようにしながら、
(貴様が、代わりになれば……こいつを、離してやろう。)
 やけにはっきりとした思念が頭に響く。
「……本当、なのよね?」
(もちろん……さぁ、我の中に来るがいい……。)
 ふらふらと近づく花羽に体液を垂らしつつ、触腕がその体を掴み取る。
 とさっ……という音に目を向ければ、オラトリオの女性の身体が地面に落ちていた。
「そん……な……!」
 すでに、女性の身体は……見える部分だけだったのだ。
 頭と胸の辺りだけしかないそれは、すでに事切れていて、
「私を、騙したのですね!」
(騙してなど、いない……離したでは、ないか……。)
「くっ……ああ!」
 返ってくる思念と共に、焼けつくような痛みが背中に走る。
 妖獣の身体から滴る消化液が触る痛みに顔を歪めるが、妖獣の中の腕と足は妖獣の肉に包まれて動かない……。
「なん、とか……しないと……!」
 何とか、機を窺って脱出しなければ。
 花羽を見つめる、動かない女性の遺体と同じように……。

成功 🔵​🔵​🔴​

水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
湧いて出るってなら喰い放題だな。まァ、中のヤツも気になるし喰いながら進んでみるか。
UDCを纏って黒い狼のような姿になる。
速度と勘で妖液を回避。多少当ってもUDCを纏ってるからすぐには効かねェ。手近なヤツに全力で駆け寄って喰らいつくぜ。人質?は救えなさそうなら一緒に喰う。救えるなら(ロキに言われてしぶしぶ)適当にその辺に放り出しておく。UDCが消化するから麻痺毒は効かねェ。射出の瞬間なら隙もあるし動きも読みやすいだろ。結構美味いから数匹喰っておくぜ。UDCが消化しちまうから腹ァ膨れねェけどな。
「テメェらの親玉も纏めて喰らい尽くしてやるぜ、ヒャハハハハ」


ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘OK
過度なグロ×
POW

常世ママ(トコヨノカミ)や
モエ(誰も覚えていない)と違って
身も心も醜い蟲ね

人質なんて私には通じないわ。
アルカーディア様、粗末な捧げ物ですが

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力増強。
『紅キ楽園ノ女王』で更に95倍

ふん……口ではああ言いながらも
見捨て切れぬ所がルルらしい

今の我は戦場の敵全てから常に【生命力吸収】を行う。
人質の娘にまだ自我があれば妖獣だけを弱らせて救出も出来よう。
無ければオブリビオンとして救済すれば良い

9500km/hの【空中戦・見切り・残像】で毒液を避け
【狂気耐性・気合い】で悲鳴にも惑わされず
【念動力・マヒ攻撃】で敵を金縛り。
殿を務め、他の猟兵を先に進ませる



 一方、
「ヒャハハハハ! 湧いて出るってなら喰い放題だな。」
 襲い来る妖獣たちを捕え、掴み上げる黒い狼がいた。
 それは、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)が使役したUDCを纏った姿……中の人格の一つであるアノンの食欲のままにその大口を開き、齧り付く。
「なかなか美味ェじゃねェか! さて、次のテメェは、」
「……ぁ。」
 水鏡が次に掴み上げたのは、オラトリオを腹に捕らえた妖獣。
 か細いうめき声が聞こえた時、他の人格のロキの意識が流れ込んで来た。
(待ってください、アノン。助けられるかも)
「……そこまでよ。」
「あん……?」
 さらに被せるように掛けられた女性の声に目を上げれば、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の姿。
 銀髪紅眼の吸血妃と同化したドゥルールの殺気を込めた制止に、水鏡はしぶしぶ牙を突き立てようとした妖獣を放り捨てる。
「ちっ……解ったよ、好きにすりゃァいいだろ。」
「それでいいのよ。」
 別の妖獣へと飛び掛かっていく水鏡を背に、オラトリオを捕らえた妖獣を調べてみると……それはすでに、事切れた上半身を無理やり動かしているに過ぎないモノだった。
「……だめだった、か。」
(くっくっく……。)
 頭に響く愉快そうな笑い声にドゥルールが意識を向ければ、力を借りた吸血妃の意識が流れ込んでくる。
(人質なんて私には通じない……そう言っておったというのに、のう?)
「くっ……これはちが」
(よいよい、妾は責めてはおらぬ。口ではああ言いながらも、見捨て切れぬ所がルルらしいと思うて、な?)
「……そう、ですね。」
 前を進む猟兵たちへ目を向ければ、妖獣たちを倒しながら着実に進んでいる。
 しかし、さらに地面から湧き出る妖獣が後ろから現れていた。
(なればこそ、やることは分かっておろう?)
「ええ、もちろんです。」
 宙を飛び、後ろから襲い掛かる妖獣たちの前に立ちはだかるドゥルール。
 妖獣たちを吸血妃の威厳と共に見下ろし、近づくモノからその生命を吸い取り、
「猟兵たちを助けるのは不本意だけど……私が殿を務めるわ。さっさと行きなさい!」
「へっ、言われなくともそうしてやらァ!」
 正面を走る水鏡の前にも、妖獣たちが立ちふさがる。
 一斉に妖液を飛ばしてくるが、その素早い身のこなしに当たることなく地面を溶かす。
「ヒャハハハハ! 遅ェんだよォ!」
 射出のために妖液を溜める動作……それを見てからでも避けられる身体能力が、水鏡にはあった。
 掴みかかって齧り付く時に一部が掛かるが、纏っているUDCが妖液を喰らいつくしてしまう。
「テメェらの親玉も纏めて喰らい尽くしてやるぜ、ヒャハハハハ!」
 高笑いと共に喰らい進む水鏡によって、猟兵たちは確実に屋敷へと近づいていっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メアリー・ベスレム
あーあ、つまらない
あなた達(オラトリオ)の分の復讐も
あなた達(妖獣)の遊び相手も
してあげる暇がないだなんて!

けど、もっと楽しい相手がこの先にいるなら
ちょっとぐらい我慢しないといけないかしら
メアリ、これでも我慢は得意だもの
ヴァンパイアもオウガもそれ以外だって
人喰いはみんな、メアリが殺すんだから

【凍てつく牙】で冷気をまとい
その高速移動と【逃げ足】で捕まらないよう駆けていく
躱し切れない毒液は凍らせるか魔氷を盾に防いでみせて
邪魔する敵は【ジャンプ】【踏みつけ】跳び越えながら
バルコニーなり窓なりから屋敷の中へ飛び込むわ
侵入口から敵が追って来れないように
すぐ魔氷で防いでしまえば良いかしら



 ゲシっ! と蹴りつける音と共に、妖獣が凍り付く。
 そのまま地面に叩きつけられ、砕け散る様を見ながらため息をつくのは、メアリー・ベスレム(WONDERLAND L/REAPER・f24749)
「あーあ、つまらない……。」
 言葉通りの視線はすぐに、死骸から襲い来る妖獣へ。
 中にはオラトリオを取り込んだモノもいるが……次の瞬間には、動きの遅いそれを足蹴にメアリーは跳んでいた。
「あなた達(オラトリオ)の分の復讐も、あなた達(妖獣)の遊び相手も、してあげる暇がないだなんて!」
 いくら現れようと、まるでウサギのように素早く跳びまわるメアリーの動きを止めることは出来ない。
 纏まって一気に妖液を飛ばしてこようと、極低温の冷気を纏うメアリーの向けた手の先で凍りつき、それは別の妖液への盾として投げ捨てられて、
「けど……。」
 屋敷の扉に手がかかり、一気に開け放つ。
 背後を見れば、妖獣たちが妬まし気にメアリーを見つめているようだった。
「メアリ、これでも我慢は得意だもの。もっと楽しい相手がこの先にいるなら、ちょっとぐらい我慢できるわ。」
 獰猛な笑みと共に扉を閉じ、凍らせて封印する。
 そして、薄暗い部屋の中にいるモノへと言い放つ。
「ヴァンパイアもオウガも、それ以外だって……人喰いはみんな、メアリが殺すんだから。」
 それはまるで、獲物を追い詰めた狼の言葉。
 出ておいで、もう隠れる場所はないのだから……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『人喰らいのボギー』

POW   :    いただきます
自身の【外見の擬態】を代償に、【流動的に形を変化させる本体】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【鎌あるいは牙のように鋭利になった身体】で戦う。
SPD   :    おいかけっこしましょ
自身が【嗜虐心】を感じると、レベル×1体の【増幅した自身の神格の一部】が召喚される。増幅した自身の神格の一部は嗜虐心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    わるいこだれだ
【対象に興味を持つ】事で【対象そっくり】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠シャルロット・クリスティアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あはは……今日は、いっぱいだね。」
 暗い屋敷の闇の中、現れたのは子供だった。
 どこにでもいそうな、金髪の少女。
「ねぇ、みんな……。」
 歩くたびに、足元のモノがカタリと鳴る。
 それは白い、人の残骸。
「おいかけっこ、しましょ?」
 言葉を放つごとに、口の中に青い蜘蛛の紋章が覗く。
 ……あれを、潰さなければ。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
おいかけっこ?逃げるつもりはねェし、追うのも面倒だしなァ……ンなことより殺し合おうぜ
UDCを纏って獣人のような姿になる。両手は氷属性、両足は風属性。風を纏って高速移動し接近戦を仕掛けるぜ
進路上の神格は噛みついて喰う。追ってくる奴は無視。噛みつかれたら激痛耐性で耐える。
「喰いてェってなら口開けろ。とっておきを喰わせてやるぜ」
右腕を口ン中にねじ込んで紋章を掴んだら凍らせてやる。喰い千切られたら液体金属のUDCで口ン中をズタボロにするぜ
喰われるばっかじゃ面白くねェ、肩か腕の一部でも喰い千切ってやる
腕はロキじゃねェと治せねェから、とりあえずUDCで止血しつつ手を象っておく



「おいかけっこだァ? オレは逃げるつもりはねェし、追うのも面倒だしなァ……。」
 バリバリと髪を掻きながら呟く、水鏡の両手両足に黒いUDCがするすると纏わりついていく。
 獣人のような姿に変わる様を、ボギーはただニコニコと見つめていた。
「ンなことより殺し合おうぜ?」
「……あはは。そっちのほうが、すきなんだ?」
 嗤うボギーの足元で、影が起き上がる。
 不定形のそれは、刃のような触腕を振り上げながら水鏡へと迫ってきた。
「じゃあ、あそぼう?」
「あァ、殺ってやるよォ!」
 駆け出した水鏡の足は風を纏い、一気に距離を詰めていく。
 途中に襲い掛かる触腕を冷気を纏う手であっさりと掴み上げ、握ったそばから凍り付く触腕を喰らっていた。
「へぇ……それをたべるのは、はじめてみた。」
 霊気で出来た触腕は、あっさりと溶けて水鏡の胃へと消えていく。
「味は悪くねェが……食いでがねェな。」
 目線を上げれば、左右から振り下ろされる触腕……それが床を叩きつけた時には、水鏡はボギーの目の前にいた。
「喰いてェってなら口開けろ。とっておきを喰わせてやるぜ?」
「あぐ!?」
 ボギーの口を左手でこじ開け、右腕をつっこむ。
 光を放つ青い蜘蛛の紋章を掴み取り、一気に凍結させていた。
「ぐ、ううううう!?」
 尋常じゃない力で閉じたボギーの歯に、水鏡の右手が噛み千切られていた。
「く、痛って……やりやがったなてめェ!」
「ぅううぇぇ……。」
 口の中でさらに暴れる、水鏡の手を構成していたUDC……それを涙目になりながら吐き出そうとする少女の姿に、水鏡の口に唾が溜まる。
「よく見りゃァ……うまそうだな、お前。」
 ガジリ……肩に齧りつき、そのまま引き千切る。
「かはっ……けほっ、けほ。」
「ん……なんだてめェ、お前も肉じゃねェのかよ。」
「ふ、ふふふ……。」
「うおっと!」
 すぐ後ろまで迫っていた触腕の攻撃を跳び退って避けた水鏡の前で、ボギーは笑っていた。
 食い千切られた肩もすぐに元に戻り、
「おいしかった?」
「……まずかねェけどよ。」
 即席で右手をUDCに模らせた水鏡に問いかける顔は、最初と変わらぬ嗤いを浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

……ごきげんよう、ボギー様。
外に居た蟲達は貴女のペットですか?
良い趣味ではありませんね

守護霊の【ドーピング】で戦闘力増強。
【オーラ防御・激痛耐性・気合い】と
治癒魔法【祈り・医術】で相手の猛攻に耐え
寿命消費で疲労した所を
自分もろとも【結界術】に閉じ込め
黒炎【呪詛・属性攻撃・全力魔法】で反撃!
【呪詛耐性・火炎耐性】で私は平気

姿形しか真似できないのが
貴女の敗因です

『私達の楽園』で私と同じ強さと再生能力を得た
先程の妖獣の霊96体が現れ
毒液【マヒ攻撃】と【怪力】で相手を【捕縛】

悪い子供は悪い大人の格好の餌食。
私が躾けて差し上げます

幼い体を【慰め】
濃厚なキスで口内の紋章から【生命力吸収】



「……ごきげんよう、ボギー様。」
「ん?」
 丁寧な言葉使いにボギーが顔を向けると、恭しく礼をするドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の姿。
 そのまま顔を上げずに言葉を続けている。
「外に居た蟲達は、貴女のペットですか?」
「あぁ、あのこたち? そう、わたしのために、つれてきてくれるんだ。」
「そう……。」
 しかし、ドゥルールの上げた顔は不満げだった。
「良い趣味ではありませんね。」
 新たな餌をおびき寄せるため、捕食した死体をも使う醜悪な妖獣……その主がボギー。
 静かな怒りに守護霊たちも同調し、ドゥルールの周囲にオーラとなって纏わりつく。
「あっはは……あなた、わるいこね?」
 嗤っていたと思えば、ボギーの姿が瞬時にドゥルールのものに変わる。
 そのままオーラを纏い、一気に踏み込み、
「わるいこは、たべちゃうよ。」
「くっ早……それに、」
 一瞬の事に反応の遅れたドゥルールに、悲鳴のような風切り音と共に短剣が振り下ろされていた。
 とっさに傷口へ治癒魔法をかけ、
「私の短剣まで。でも、」
「あはは! まだまだいくよ……あ、」
 ボギーが短剣を振り上げた時、ドゥルールはそのままボギーへと抱き付いていた。
 そして、周囲に張られた魔術結界に短剣も絡めとられ……その内側が黒い炎に包み込まれる。
「姿形しか真似できないのが、貴女の敗因です。」
「ああああああ!? ……むぐぅ!?」
 悲鳴を上げるボギーの口をドゥルールの唇が塞ぎ、その舌が青い蜘蛛の紋章に触れる。
 炎が消えた後には、焼け焦げたボギーと無傷のドゥルール……そして、
「悪い子供は悪い大人の格好の餌食。」
 呪詛の炎から現れたのは、屋敷の外の妖獣たち。
「……え?」
「私が躾けて差し上げます。……たっぷりと。」
 ドゥルールの呼び出した妖獣たちは、表で倒した霊に体を与えたモノ。
 口からは妖液を滴らせ、ボギーへと向いている。
「うそ……わたし、を?」
「ええ……貴女が、今日の食事です。」
「や、やだ……やだぁ!」
 妖液を吐きかけられ、のしかかられ……悲鳴を上げるその身体が食い千切られていく。

「終わった、か。」
 満足そうに消えていった霊たちのいた所には、骨だけが転がっていた。
 しかし、
「……いいえ、まだね。」
 それらはドゥルールの見ている前で組みあがり、すぐに霊気を纏ってボギーの身体となっていた。
「あははは……さっきのは、いたかったよ?」
 そう嗤う口の中で、青い蜘蛛の紋章が鈍く輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメ・パラディール(サポート)
『やぁやぁ、我こそは、エメ・パラディールである!』
 キマイラのパラディン×スカイダンサー、16歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、演技時は「イケてる私(私、あなた、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「やぁやぁ! 我こそは、エメ・パラディールである!」
「んー?」
 片手剣を突き付けながら名乗りを上げる、エメ・パラディール(キマイラのパラディン・f06803)。
 対するボギーは、そんな様子ににへらと笑みを浮かべていた。
「ねぇねぇ……おいかけっこ、しましょ?」
「いいや、私はおいかけっこではなく、あなたと戦いにだな……ひぁ!?」
 言いかけたエメに対し、ボギーの影が刃のような触腕となって襲い掛かる。
 ギリギリで躱し、飛び退ったエメをさらに触腕が追いかけてきた。
「うわっ、ちょっ!」
 振り下ろされ、さらに振り上げられる切れ味の良さそうな触腕に、華麗に避けるというわけにもいかず……。
「……ちっがーう! これじゃ私がカッコよくない!」
 思った以上に容赦なく向かってくる触腕に怒りを覚え、エメは一瞬の隙をついてまとめてぶった切っていた。
「ふっ……これこそが、我が剣技の神髄である。」
「すっごーい。おねえさん……つよい、ね?」
 パチパチとボギーが手を叩いていたと思えば、ニヤリと端を吊り上がった口の中に青い蜘蛛の紋章が見える。
「当然だ、これでこそ……ひゃい!?」
 気をよくしたエメがポーズを決めて口上を述べようとするが、また影から伸びあがった別の触腕がそれを許さなかった。
「くっ……いい加減にしなさい!」
 一気に飛び掛かり、左手でボギーの影から伸びる触腕を掴み上げる。
 その手は見る間にライオンの頭部へと変わり、触腕を食いちぎっていた。
「これで、トドメだ!」
「お、ぐっ!?」
 触腕を捕らえたまま、開いた口へと剣を刺し貫く。
 しかし、剣の切先は蜘蛛の紋章をわずかに逸れ、ボギーの頬を抜けていた。
「いひゃ、い!」
「……くっ、」
 急に荒れ狂い、襲い掛かるボギーの影から伸びる触腕に、エメはたまらず飛び退っていた。
「しかし、私の攻撃はだいぶ効いているようだな。ふっ、次はないと思いたまえ!」
「……あはは。」
 ポーズを決めて言い放つエメ。
 そんな姿を、ボギーはニタニタと笑いながらみつめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メアリー・ベスレム
良いわ、メアリと遊びましょ
だって、その為にここまで走ってきたんだもの
人喰いが好む悪趣味な遊びは大得意なんだから

鬼さんこちらと【誘惑】しながら
【逃げ足】活かして立ち回る

【継戦能力】【激痛耐性】で
召喚された敵たちの攻撃耐えながら
わざと嗜虐心をそそるように
追い込まれる【演技】をしてあげる

自身を増やしてアリスをなぶって愉しんで
それでも、アレが人喰いなら最後には必ず
本人が食らい付いてくるハズだから
その瞬間に【騙し討ち】!
【雌伏の時】はもうお終い
【部位破壊】で紋章狙って【咄嗟の一撃】

大きく開いた口の中
メアリの刃をねじ込んであげる
お味はどうかしら?



「ねぇ、あなたも……おいかけっこ、しましょ?」
「……良いわ、メアリと遊びましょ。」
 メアリーの返事に、ボギーの口の端が笑みの形に吊り上がっていく。
 そして、それはメアリーも同じ……見つめ合う二人は嗤っていた。
「へぇ……そうこたえるひと、めずらしい、ね?」
「だって、その為にここまで走ってきたんだもの。人喰いが好む悪趣味な遊びは大得意なんだから。」
「ふぅん、そうなんだ。」
「さぁいらっしゃい、人喰い鬼さん。手の鳴る方へ。」
 狩られるべき者であることを示す兎のヴェールの下で、嗜虐の笑みを浮かべたメアリーが握るのは大きな肉切り包丁。
 足元からの気配に後ろに跳び退れば、鞭のような触腕がメアリーの立っていた場所を斬り上げる。
「くっ……!」
 しかし、一歩遅かった。
 メアリーのふくらはぎに赤が走り、血が流れる。
「やる、じゃない?」
「ふふふ……ほら、もっと逃げないと。」
「え……きゃっ!」
 振り上げられ、襲い来る触腕を包丁が捉えた時……メアリーは足元に転がる骨を踏み、バランスを崩してしまう。
「っつ……しまっ!」
「……あっはは。」
 カランカラン……弾き飛ばされる包丁へと反射的に右手を伸ばすが、ボギーの笑い声と共に伸びた触腕が二の腕に絡みつく。
「くっ、離して!」
 そのままメアリーの胴、足へと絡み付いていく。
 引き剥がそうと、もがけばもがく程……その締め付けはきつくなっていった。
「あはは……つかまえた。」
「ひっ! ……きゃっ!?」
 ひた、ひた……笑みを深めてゆっくりと近づいてくるボギーに、思わず悲鳴が漏れる。
 しかし、後退ろうとした足は触腕に捕まれ……そのままメアリーは尻もちをついてしまう。
「やだ……助け……て。」
「ふっふふふ……どうしようかな。」
 目に涙を浮かべ、命乞いをするメアリーの顔を覗きこみ、少し考える素振りを見せるが、
「やっぱり、だめ……いただき、ます。」
 ボギーは大口を開けてメアリーの頭に齧りつく。
「あ……がっ……!?」
「……お味は、どうかしら?」
 しかし……その口に突っ込まれたのは、自由な左手に握られた鋭い刃だった。
 ぶちゅっと不快な音と共に、青い蜘蛛の紋章が潰れる手応えを感じたメアリーに、嗜虐的な笑みが浮かぶ。
「な……ぜ……?」
「なんで? アリス、美味しそうだったでしょ?」
 驚きの表情を浮かべるボギーに対し、答えと共に刃を抉る。
「アリスをなぶって愉しんで……お腹に入ると思ってたでしょ?」
「がふ……あ、あぁ……。」
 刃を抜くとともに、舌を切り取られたボギーはまともに話せなくなっていた。
 すっかり力を失った触腕から体を起こし、メアリーは怯える瞳を覗き込み、
「でもね……アリスはメアリだったのよ?」
「あっ……う。」
 そのまま瞳に刃を突き立てると、ボギーは塵へと変わっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アルド・スコティニャ』

POW   :    面白そうだね。さあ、行っておいで。
自身が【興味】を感じると、レベル×1体の【屍鬼に変じた失敗作の人形】が召喚される。屍鬼に変じた失敗作の人形は興味を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    彼女達は僕が美しく永遠にしてあげたんだ。綺麗だろ
【作成した人形への愛を語ること】によって、自身の装備する【死体人形たちを戦闘仕様に変化させ、それ】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
WIZ   :    いい子だ、僕の元においで。
自身の【人形作りの素材をなるべく傷つけず得る目的】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はディアナ・ロドクルーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ボギーの身体が塵となって崩れていく……しかし、その身体を支える手が伸びる。
「おやおや……君たち、僕のものを傷付けないでくれないか?」
 見れば、少女の姿だったボギーは継ぎ接ぎの女性へと。
 それを男は、愛おし気に抱きかかえていた。
「ふむ……君たちも、なかなか良いものを持っているね。」
 男がパチンと指を鳴らせば、足元に転がっていた骨が起き上がり、屍鬼と化していく。
「是非とも、其れを頂きたい。君たちの艶やかな髪、みずみずしい肌、しなやかな筋……この子の身体に、よく馴染むだろう。」
 そう告げた時……抱えた女性の額に、青い蜘蛛の紋章が輝いた。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
喰えるモンを喰えねェもんに変えて何が楽しいのかわからねー
まァ、ヒトの考えることなんざ分かったコトねーけど。
けど、お前は喰えそうだってのはわかったぜ

腕治す暇はねーし、とりあえずUC発動して突っ込む。邪魔な人形を雷で撃ち払いつつ、高速移動のまま体当たり。群れてきた人形を尾や前足で払いつつ、アルドの左腕を喰い千切ろうとする
血が足りねーし喰い足りねーし。死体だってェなら抱いてる人形の方も喰えねェかなァ
つむじ風で喰えねェ人形は足止めしつつ、周囲を高速移動しながら隙があれば噛みつくぜ



「喰えるモンを喰えねェもんに変えて、何が楽しいのかわからねー。」
 水鏡の右手を模るUDCが蠢き、黒い触手となって増えながら身体を覆いつくしていく。
「まァ、ヒトの考えることなんざ分かったコトねーけど。」
「ふ、君のような獣には難しいかもしれないな。」
 黒い狼の獣人となった水鏡を興味深げに見つめながら、男は呟いている。
「しかし、君の身体は素晴らしい……是非とも、この子の関節に欲しいな。」
「けッ、誰がてめェにやるかよ。」
 吐き捨てながら腕を振り払うと、向かってくる屍鬼たちへと放たれる雷。
 そのまま駆け出し、黒焦げになった屍鬼を踏み越え、
「けどなァ、」
「くっ!」
 男へと一気に体当たりし、その身体を捕らえて涎の滴る口を開ける。
「お前は喰えそうだってのはわかったぜ。」
「ぐあ!」
「……さて、」
 肩を喰いちぎられた男を放り捨て、水鏡は隣に転がった女性へと目を向ける。
 よく見れば……人形とはいえ、使われているのは人間のパーツで。
「血が足りねーし喰い足りねーし……死体だってェなら、この人形の方も喰えねェかなァ。」
「やめたまえよ」
「うるせェ、邪魔するな!」
「くっ!」
 背後から掴みかかる男をつむじ風で吹き飛ばし、大口を開けた時……女性の人形は突如起き上がり、拳を握りしめて構えていた。
「なんだ……うおッ!?」
 いやな予感に跳び退れば、水鏡の居た場所を拳が貫いていた。
 ……そのまま立っていれば、間違いなく腹を刺し貫く程の威力で。
「なんなんだ、コレはよォ……。」
「彼女こそが、僕の最高傑作……そして、まだ未完成だ。」
 傷ついた男を守るように、女性の人形は身構えている。
 その後ろでは男が肩から血を流しながらも、誇らしげに言葉を続ける。
「是非とも、君の身体を使いたいな。」
「お断りだ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)


ベッジ・トラッシュ(サポート)
◆戦闘時
戦うのは怖い!
なのでボス戦ではだいたい逃げ回っている。
(味方の手助けになる行動や、囮になるなどの功績を得ることはあるがだいたい無意識)
「こ、ここ…怖いのではないゾ!ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」

手の届かない相手にはパチンコで苦し紛れに絵の具弾を飛ばすこともある。

◆冒険時
基本的に好奇心が強く、巻き込まれ体質。

敵味方関係なく、言われたことには素直に従う。
怪しいような気がしても多少なら気にしない。
後先考えずに近づいて痛い目を見るタイプ。

◆他
口癖「ぎゃぴー?!」
お気に入りの帽子は絶対にとらない。
食べ物は目を離した隙に消えている系。
(口は存在しない)
性能に問題はないが濡れるのは嫌い。



「さて……。」
「……ひっ!?」
 男が目を付けたのは、つば広の帽子を被ったテレビウムの少年、ベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)。
 その獲物を狙うようなねっとりとした視線に、思わず悲鳴を上げて後退り、
「べ、ベベ……ベッジさんから人形はできないのだゾ!」
「果たして、そうかな? 君も、何かに使えるかもしれない。」
 女性の人形を置いて、男は無防備にベッジへと近づいていく。
 1歩近づかれるたびに、ベッジも1歩下がり……背丈の差か、距離が縮まっていく。
「さぁ、おいで……君の顔を見せてくれたまえ。」
「い、嫌だゾ!」
「そう言わずに、ほら」
 おもむろに、男が手を伸ばした時……鳴り響く巨大な銃声と共に、その腕が熱線に吹き飛ばされる。
「そこまでにしときな。」
「……おや、邪魔をするのかい?」
 響く嗄れ声に目を向ければ、古風なハンドガンを突き付けた、グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)。
 その御年、102歳……相応に歳をとり、しかし衰えを見せぬ立ち姿の後ろにベッジは滑り込む。
「お人形遊びは結構だがね、人を殺して仕立て上げるのは感心しないよ。」
「そ、そうだゾ!」
「はっはっは、人間の身でそれだけの肉体を維持できるのは素晴らしい。」
 非難の言葉もどこ吹く風……男の視線はグレナディンへ身体へと向いていた。
 パチリと指を鳴らせば、周囲に屍人形が起き上がる。
「……ぜひとも、君の筋はいただきたいものだ。」
「ふん、お断りだね。」
 視線は男からは逸らさず、それでもハンドガンは正確に先頭の屍人形を貫いていた。
 しかし、屍人形はさらに向かってくるが、
「そんな人形に、なりたくナイのだ!」
 ベッジがパチンコで絵具弾を飛ばし、床が青や緑に彩られていく。
 後続の屍人形が広がる絵の具に足を滑らせた時、グレナディンの指が動く。
「ぐおっ!?」
 その瞬間、屍人形が男へ向かって一斉に吹き飛ばされ、その数に押しつぶされていた。
「……ほんの指先1本分。それだけで十分さ。」
「おおー……え、えーと、何をしたのデス?」
「はっ、坊やにはまだ早かったかね。ちょっとしたサイコキネシスの応用だよ。……っと、」
 問いかけるベッジに豪快な笑みと共に言葉を返していたグレナディンだが、物音にハンドガンを向けていた。
「まだ生きてるのかい。」
「はっはっは、悪いがまだ死ぬ気はなくてね。」
 屍人形と共にゆらりと起き上がる男。
 その隣には、女性の人形が寄り添うように立っている。
「是非とも使わせていただきたい。」
「何度も聞くんじゃないよ、答えは同じさね。」
「ぜ、絶対にあげないのダ!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メアリー・ベスレム
ふぅん? 変なの
人を喰い、血を啜るヴァンパイアのクセに
メアリの身体が欲しいのは、食べる為じゃないなんて
どっちにしても、悪趣味な事には変わりないけれど!

敵が欲しいのは
メアリの自慢のお尻かしら?
それとも肉付きの良い脚かしら?
食べる為じゃないならもっと別?
どこでも良いわ
そこ以外はどうなっても良いと思っている筈だから
戦っているうちにどこかはわかるハズ
【野生の勘】で紙一重、敵の攻撃避けながら
避けきれないものは【激痛耐性】耐えながら
【継戦能力】立ち回る

けれど、強化された敵に攻めあぐね
疲れ果てて敵の目の前で無様を曝す
そういう【演技】をしてみせる

そこで敵が欲しがる部位を盾代わり
曝した隙に【復讐の一撃】叩き込む



 メアリーの振り上げた肉切り包丁は、あっさりと女性の人形に受け止められていた。
「ほう……なかなかに綺麗な手をしている。」
「……ふぅん? 変なの。」
 興味深げに呟く男に、メアリーは違和感を覚えていた。
「人を喰い、血を啜るヴァンパイアのクセに、メアリの身体が欲しいのは、食べる為じゃないなんて。」
「ははっ、普通の吸血鬼であればそうだろうよ。だがね、僕はこの子の完成を目指しているのさ。」
 訝し気な言葉に対し、男は堂々と答えている。
 しかし……そのねっとりと注がれる視線に、メアリーはどこか寒気を感じつつ、
「どっちにしても、悪趣味な事には変わりないけれど!」
 素早く身構え、女性の人形へと包丁を振り上げていた。

 執拗にメアリーの腹を狙って放たれる、女性の人形の拳。
 そのたびに素早く重いそれを肉切り包丁で弾いて躱し、メアリーは息を荒げながら距離をとっていた。
「くっ!?」
 対する女性の人形は素早く踏み込みながらも、全く疲れは見えない……。
 息の上がったメアリーは、太ももへと振り下ろされた拳を躱しきれずに殴り飛ばされていた。
「はぁ……はぁ……。」
「おや、もう降参かね? とはいえ、人狼の娘にしてはやるほうだが。」
 床に崩れて男の言葉にちらりと目を向けるメアリーの瞳は、まるで怯えた兎のもの。
 そのまま、ゆっくりを足音を立てて近づいてくる女性の人形を見上げ、
「ひっ……メアリの、何が欲しいの?」
「ふむ、忘れてしまったかね?」
 男のねっとりと問いかける言葉と共に、距離を詰めてくる女性の人形。
 殴られた足が痛むのか、ずるずると後退るメアリー。
「メアリの自慢のお尻かしら……そ、それとも、肉付きの良い脚……かしら?」
「ふふふ……そのどれでもないよ。」
「ひっ!?」
 目の前で拳を振り上げる女性の人形に対し、悲鳴と共にとっさに手を上げて顔を守るメアリー。
「その白い、繊細ながらも力強い指をした手さ。」
「……ええ、そうだったわね。」
「ん?」
 振り下ろされる拳に対して手を広げ、一気にその腕を横から掴み……その勢いのまま捻って、床へと叩きつける。
「なっ!?」
「こんな手じゃ、あなたは嫌でしょう?」
 骨が砕け、肉から飛び出したぐちゃぐちゃの手を、メアリーは肉切り包丁であっさりと肘から切り離す。
 そのまま逆の拳を避けつつ床から跳び上がり、切り離した腕を男へと投げつけていた。
「だから、メアリの手が欲しいんでしょう? この綺麗な手が。」
「き、貴様……。」
 勝ち誇るメアリーの言葉に、男はわなわなと震えながらも……その潰れた醜い手を握りしめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
【共闘× SPD】
女性の額に紋章が……!
本体は死体人形の方なの!?

思わず攻撃を躊躇い
人形達に取り押さえられる

私も死霊術士。
永遠の美の追求も、死体を愛でる気持ちも分かります。
オブリビオン救済を掲げる私に
貴方の大切な人を壊すなんて出来ない

でも、人形の素材にされる訳には行かない。
私を拘束する人形に守護霊を憑依させ【ハッキング】
拘束を解き『無情なる刻』で19.4秒の時止め

男と女性の唇が重なるように密着させ
男の後頭部から女性の額まで
悲愴の剣で【串刺し】
その感触と罪悪感に涙を流すけど【気合い】で耐え
大きく腕を広げて二人を抱擁し【生命力吸収】

ごめんなさい……
お二人を救済する方法は
これしか思いつきませんでした



 片腕を失った女性の人形を前に、ドゥルールは動きを取れずにいた。
「その額の紋章……つまり、本体は。」
「……あぁ、気が付いたようだね。」
 男はパチンと指を鳴らし、周囲に屍人形が起き上がる。
 人形たちは一気にドゥルールに群がり……その抵抗しない身体を、床に押さえつけていた。
「この子には永遠の美しさを与えたい。僕の命なんて、とっくに失っているさ。」
「でしょうね……私も死霊術士ですから、永遠の美の追求も、死体を愛でる気持ちも分かります。」
「あぁ、解ってくれるか。」
 覗き込む男の顔を見返す目は、同胞を見つけた時のもの。
 ドゥルールが抵抗をしない様子に、のしかかっていた女性の人形も手を放し……自身へ垂れる長い髪を、ドゥルールは優しく撫で、
「オブリビオン救済を掲げる私に、貴方の大切な人を壊すなんて出来ない。」
「ほう、良い心がけだ……混じり物としておくのはもったいない。」
 人形を撫でる手へと、男は視線を向けている。
「君の腕も、なかなかのものだ……。」
「……ですが、」

 次の瞬間、男は自身の唇が塞がれていることに気が付く。
 しかし、それはよく知る心地よいもの……男の作品である、女性の人形のものだった。
「……ごめんなさい。」
 ぞぶり……ドゥルールの声と共に脳髄を後ろから貫かれ、男の意識は途切れていた。

 止めた時の中で男と女性の人形を抱き合わせ、ドゥルールは男の背後から剣を突き立てた。
「人形の素材にされる訳には、行かないんです……私にはまだ、やる事が、」
 男の後頭部から貫いた刃は、女性の人形の額の紋章も刺し貫く。
 それを握るドゥルールの顔に浮かぶのは……同胞を殺した罪悪感。
「ごめんなさい……お二人を救済する方法は、これしか思いつきませんでした。」
 刺し貫いた感触を振り払う様に、今も剣を強く握る手を引きはがし……そのまま大きく腕を広げ、もう動かない男と女性の人形を抱き寄せる。
「だから……今は安らかに、お眠りください。」
 二つの身体に残る生命力を吸い取っていき……二人は、腕の中で塵と化していく。
 ……しばらくそのまま、ドゥルールは暗い部屋の中で佇んでいた。

 外に出てみれば、妖獣たちの姿は消えていた。
 主を失ったためか、番犬の紋章のせいか……それは解らない。
 しかし、確かなことは一つある。
 猟兵たちはこれでまた一人、第五の貴族を倒したのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月06日
宿敵 『アルド・スコティニャ』 を撃破!


挿絵イラスト