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ライク・ア・ライトニングボルト・イン・ナイトメア

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #カーネル・スコルピオ #スピリットヒーロー #宿敵 #連携フィニッシュ #宿敵撃破 #挿絵

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「ハァー、ハァー、ハァー……」
 冷たい雨が降る裏路地を、傘も差さずに男が歩く。不安げに怯えた目はきょろきょろと周囲を見回している。
「あっ」
 何かにつまずき、男が転んだ。男は、つまずいた物を恐る恐る見る。
「ひいッ!」
 死体! それは鮮やかなコスチュームを着たヒーローの死体だ!
「アイエエエ!」
 悲鳴を上げながら後退る男の手が何かに触れる。振り向く。
「アイエエエエエエッ!」
 死体! それもまた死体だ!
「アイエッ、アイエェェ……」
 完全に腰が抜けて立ち上がれない男が周囲を見渡す。冷たい雨の降る裏路地に死体、死体、死体、死体! いずれもヒーローの死体だ!
「アイエエエエエエエッ!?」
「ドーモ、トランスリキッド=サン。ビャクライです」
 目の前に雷が落ちた。少なくとも、男にはそう見えた。
「ド、ドドド、ドーモ、ビャクライ=サン。トランスリキッドです」
 男は辛うじて失禁を堪えながら両手を合わせて頭を下げてお辞儀する。なぜこのような極限状態で挨拶を交わすのか、猟兵諸君には今更説明する必要も無い事だ。
 挨拶をされ、無視する。これは大変失礼な行為であり即座に殺されても何の文句も言えない。ましてや挨拶中の攻撃など論外。ヒーローとヴィランの戦いだけでなくヒーロー同士やヴィラン同士の決闘であっても当然適応されるルールだ。それはオブリビオンでも変わらない。
 挨拶され、答えねば即座に殺されるのだ。挨拶を返せれば僅かにでも生き残る余地が生まれる。ならば、挨拶をされて返さないという選択肢は男には無い。それがどんなに無様でも挨拶は挨拶なのだ。
「芋虫めいて逃げ回るのは終わりか? ならばその魂はオレが頂こうか」
「アイエッ!?」
 男は、トランスリキッドは自らの身体を流体化しこの恐るべき相手から少しでも遠ざかろうとした。だが、稲妻めいて伸びた手がトランスリキッドの首元を掴み締め上げる。
「無駄だ、お前の流体化能力は白雷を操るオレには通用しない。水は雷に勝てない。分かるか?」
「アイエッ!」
「分かるかと聞いている」
「アイエエエッ!」
「分かっているのか!」
「アイエエエエエエ! 分かります分かりました!」
「そうか」
 ビャクライが手を放す。トランスリキッドは無様に尻餅を付いて地面に転がった。
「では殺す」
「ナンデ!?」
「オレの楽しみの為だ。みっともなく泣き喚いて許しを請え! 誰かしら助けに来てくれるかもしれんぞ? もっとも、お前を助けに着た奴もオレが殺すがなぁ」
「アイエエエエエーッ!?」

「うむ、まあ……これはこの男、トランスリキッドの過去の経験と、そのトラウマが産み出した妄想とが混ざり合って出来た悪夢の光景なのだがな」
 一通りの映像を見せ終えた(自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)がいつもの如くゆったりと椅子に座って手を組んでいる。
「トランスリキッドがジャスティス・ウォーの時にビャクライと遭遇したのは実際に起きた過去だ。だが、転がっていた無数の死体は現実に起きた事では無くトランスリキッドの妄想だな。このトランスリキッドと言うヒーローは身体を流体に変えて自在に操るという中々に強力なユーベルコードを使えるのだが、実際相手との相性は悪かった。元叢雲流迅雷カラテの門下生。稲妻の如き速さのカラテの使い手、白雷を奪った事により人間の魂を奪い、実際に稲妻を操れるようになった。何か、そう言う奴だ」
 撃破対象のオブリビオン『ビャクライ』の立体映像を表示する。
「先に悪夢だと言ったな。そう、これは夢の中だ。現実に起きる予兆ではない……が、猟書家『カーネル・スコルピオ』がこの件に絡んでいる。奴の狙いはスピリットヒーローであるトランスリキッドを暴走させ、無敵の怪物『スナーク』へと変える事にある」
 眠るトランスリキッドとその枕元に立つ猟書家『カーネル・スコルピオ』。
「現実と悪夢を繋げる能力、実に厄介だ。だが、相手に出来た事は、こちらに出来ぬ道理は無い。現実では収容された病室で眠っているトランスリキッドの身体に触れる事で悪夢の世界に入る事が出来る……やる事は分かったな? ビャクライを撃破し、その背後に待つカーネル・スコルピオを仕留めろ。強敵との二連戦になる。相手の数は少ないがその分強い。油断はするな」
 再び、ビャクライの映像を前面に持って来る。
「現実と繋げているのは幹部だが、その門番を務めるビャクライの方が厄介だな。現場はトランスリキッドの夢の中。トラウマの源であるビャクライははっきり言って誰も倒せない程に強化される。トランスリキッドが絶対に勝てない相手だと認知しているからだ。悪夢の中をトランスリキッドは延々と逃げ続け、何度も殺される度に夢だと気付くが、現実に戻る事は無く悪夢の檻の中で再びビャクライと遭遇して殺される。既に何度も繰り返している。その度に世界の魂を啜るビャクライは強くなる訳だな。一見、地の利は相手にあるように思える。だが、悪夢の世界でトランスリキッドと接触し認知を変える事が出来ればこの強化は剥がれる。後はいつも通り、ただ倒すだけだ」
 トランスリキッド、水をモチーフにしたヒーロースーツに身を包んではいるがいまいち頼り甲斐が無くパッとしない中年男性。
「身体を流体に変えて自在に操るという能力は本来かなり強い筈なのだがな。水にも霧にもなれるし戻るのも自在だ。相性差と言う一言で片付けていい話でもない。何とかして彼自身に抗う意思を取り戻させなければ勝ち目はないぞ」
 すっと、横に手を振り全ての映像を消すと椅子に座って偉そうに腕を組み直すレイリス。
「常の事だが、私は見えた事件を解説するだけだ」
 そして、眼前に病院の個室へと繋がる転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」


Chirs
 ドーモ、Chirs(クリス)です。前から出そうと思っていた奴が出せる状況が来たので出させて頂きます。
 今回はボス二連戦と言う事で戦闘を重視していきたいと思います。
 第1章ではオープニングにもある通りスピリットヒーロー『トランスリキッド』を何とかしてあげないと倒せません。代わりに戦うだけでは駄目です。完全に心を折られていますので、何とかして抗う意思を取り戻させてあげてください。
 第2章の幹部戦は彼の過去とは特に関係のない相手なのでトランスリキッドを戦わせる必要はありません。こちらは純粋に戦闘に専念できるでしょう。最も、前章の活躍次第では悪夢の世界の主であるトランスリキッドは立派に戦えるようになるかもしれません。この辺りは皆さん次第です。
 今回もいつも通りアドリブも連携もマシマシになります。ある程度の人数が集まってから書き始めます。皆さんのやりたいナイトメアバトルのお手伝いが出来れば良いなと思う所存でございます。
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第1章 ボス戦 『ビャクライ』

POW   :    天雷
戦闘中に食べた【人間の魂】の量と質に応じて【再生力、反応速度】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    魔技:白夜九尾
【吸収した人間の魂を消費する】事で【白夜九尾形態(白雷で生成された九尾)】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    始雷
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無効化、対象の魂を奪い昏睡状態にし】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。

イラスト:暁コウ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は叢雲・凪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スヴァルカ・バーベリ
つまりは絶対に勝てないくらい強い相手と戦いながらリキッドさんを焚き付けろと?
まぁ夢だしどうなっても治してくれそうなアテはあるし…頑張りますね…。

▶︎作戦
「リキッドさん、負けないで!」
アサルトライフルによる【乱れ撃ち】をしながらビャクライに突撃、たぶん当たらないけどそれは想定通り。
そのまま僕はビャクライにボコられまくればいい、僕の【激痛耐性】や【電撃耐性】で死なないようにしつつ耐える姿をリキッドさんに見せ【時間稼ぎ】をしながら弱者を守るヒーローである彼を奮い立たせます。
ボコられ各種体液を漏らして発動する【自己犠牲】の力で、何とかなる、はず。
「リキッドさんが本気なら…お前なんか…」

▶︎描写NG無し


伊敷・一馬
不採用含め全て歓迎だ!
必ずや悪夢を晴らして見せる!

トランスリキッドにやる気を出させねばなるまい。
まずはそのよく分からなん悲鳴を止めろ!UC使用、ジャスティーパンチ!(何してんだべ!?)
私と熱い友情を誓った君にならば分かるはずだ。雷は水には勝てないと。何故なら海に落ちた雷は電解物質だのあーだこーだでそーなるからだ!(雷は海面にしか拡散しないって話け?)
つまり奴の白雷はトランスリキッド、君を貫く事は出来んのだ!(……そうかぁ?)
ではレッツ・実験理科の授業!飛んでけトランスリキッド・バスター!
オーラで繋がる彼をハンマー投げだ。トラウマの解決法など知らん、体当りで叩いて砕け!(液状化して逃げるだ!)


八重咲・科戸
夢では思い込み次第でどこまでも弱くなってしまう
ならば逆もしかりだ!
自分の攻撃が奴にも通用する事を理解させれば良いんだ
「倒せない相手ではない」と!
励ましつつあいつも敵に攻撃を通せるよう共に戦いつつそれとなく援護するぞ!

私の一族秘伝の軟膏は向精神と強壮効果もある!
飲んでも効く!おらぁ飲めコノヤロー【ドーピング】だ!
ニガイだろう?だが苦ければ効いてくる感じがするだろ、な?

分かるぞ、ヒーローだって怖いよな。だがそれでも理不尽に立ち向かおうとしたからヒーローになったのだろう!?
さあ復唱しろ!私は強くてカッコイイ!スシッ!スキヤキッ!!バンザーイ!!
タイプ相性などレベル上げて物理で殴れば良いのだ!


黒城・魅夜
トランスリキッド=サン、気をしっかり持ってください
相手に騙されてはなりません
水が雷に勝てない? いいえ、それは全くの嘘偽り
「純水」と呼ばれる純度の極めて高い水は電気を通さないのですよ
つまり逆に……「あなたの方が彼の天敵」なのです
さあ、今度はあなたが彼にインタビューする番です
「ベイビーサブミッションだ、雷は純水に通用しない、分かったか?」とね

無論、現実の世界では不純物を含まない純水に変化するのは難しいでしょう
ですが、ここは夢の世界
ならばそう思う強い意思さえあれば可能です
「誘惑」「精神攻撃」をトランスリキッドさんへの励ましとして使いつつ
私もUCを発動し速度自慢の敵に時を超えた一撃を与えましょう


家綿・衣更着
・キツネさんチーム

「ドーモ、猟兵の衣更着っす!トランスリキッド=サン、助けに来たっすよ!」

狸忍法、煙分身=ジツ!
妖怪煙を【化術】で自分や仲間、ヒーローの【残像】に変化させ敵をかく乱、紛れるように【化術】で【迷彩】し【救助活動】

安心させるためユベコの【結界術】で護る
「落ち着いて。ここは貴方の夢の中で、死体も偽物っす
でも奴は本物で、悪夢の力で強化されてるから倒すにはトランスリキッドさんの協力が必要なんす!
おいら達が倒れたら次は力ない人達が餌食っす
それを防ぐため、助けてヒーロー!」

戦闘時は妖怪煙を煙幕に【化術】でトランスリキッドに変化し【演技】、『魔剣憑依・神斬りの一閃』で【だまし討ち】っす!


叢雲・凪
【キツネさんチーム】

「ドーモ 兄弟子=サン…いや 【ビャクライ=サン】 ジンライ・フォックスです」(変わり果てた兄弟子を前にし殺意を剥きだしにしたアイサツ!)

今更言葉は不要…ただ…ただ冷静さ保つんだ…(こみ上げる殺意に反応し嬉々として内面で夜天九尾が主導権を握ろうとする)

※ 以降 隙あらば「禁術:禍津九尾」が発動しそうになる。しかし チーム仲間の助けで自我を繋ぎ止めようとする。


ボクの癖・立ち回り・戦い方… 全てを知り尽くしているだろう。
ならば… 小細工は無しだ。

カラテだ。カラテあるのみ!。
夜天九尾+ダッシュ+残像を用いた超高速のカラテの打ち合い!
「イヤー‐‐‐ッ!!」

※強力な反撃で仮面割れる。


玉ノ井・狐狛
アンタがリキッドの旦那か
安心してくれ、あの白スーツとは関係ない
アタシはただのアドバイザーだぜ

ちょいとばかし、アンタをアイツに勝たせる必要があってな?
一身上の都合ってヤツさ。細かいことは気にすんな

UCでこれまでの敗北の情景を再現
ちょうど元から夢の中なんだし、リアリティは十二分

さて、旦那だって素人じゃないだろ?
白スーツとの戦闘記録を横から眺めりゃ、付け入る隙やら改善点やら、思いつくはずだ
(――おっと、観察中は恐怖を感じないように術をかけておくぜ。ほら、危機的状況でも怖くない夢ってのも、たまにあるだろ? 本物相手ならいざ知らず、アタシが見せる幻だしな)

……こっそり、旦那の身体的リミッターを外しとくか


九十九・静香
【キツネさんチーム】

トランスリキッド様が結界術で護られたところで近づき◆コミュ力と◆手をつなぎ語り掛けます。
「過去に囚われて心をくじけさせてはいけません。私もかつては病弱な体にて自分の将来を悲観した事もありました。ですが、今はこうして歩けるようになり戦えます。どうか貴方も諦めないで」

「水は雷に勝てない。ならばその言、筋肉で打ち砕いて御覧に入れます」
筋肉令嬢に変身しUCで水流を発生させる激流筋肉に変化
敵が雷を放ったら、刃亜部流を避雷針にして誘導
その先に大量の水を球体にして集め雷を吸収させ防御
敵への攻撃は他メンバーに任せ

「水は電気を他に通さぬ盾にもなります。敵の言など真正面から破ればよいのですよ」


天・雷
【キツネさんチーム】

凪の仇、たしかに恐ろしい敵なのだ
しかしそれ以上に恐ろしいのは、凪が我を忘れてしまうことなのだ
怒りや憎しみは心を曇らせてしまう…最悪、凪が凪でなくなってしまうやも知れぬ
それだけは避けるよう、凪の様子に注意し、声をかけるのだ

相手は武術の達人、であれば普通に攻撃しても往なされるだけだろう
ならば、避けきれぬ物量で攻めるまで!
《竜神飛翔》で龍態となり、ビャクライの周囲を高速で妨害するように飛び回りながら暴風と雷撃を放ち続ける!
この攻撃では致命打にはならないだろうが、凪の動きの手助けになれば十二分!
凪、憎悪ではなく意志で闘うのだ!凪は独りではないぞ!
雷たちを信じるのだーっ!


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
この悪趣味な悪夢を終わらせてやるぜ
敵が凪の宿敵ってんなら猶更だ
やってやろうぜ(ぐっ

リキッド
ここは夢の世界だ
あんたの体は病院だ
つまりヴィランにしてやられてるって訳だ
それでいいのか?

中年の今までずっと悪漢と戦い抜いてきた
そのガッツがあればこの状況を覆せる
なんてったって夢だからな

そして今
あんたは一人じゃない
やれない訳はないだろ

水面に落ちた雷は分散されて
その力を失うってさ
あんたなら白雷を減弱できる
勿論無傷とはいかないだろうけど…
あんたはヒーローだ
これ以上は言うのは野暮ってモンだ

戦闘
破魔込めた旋律で凪や皆を支援

攻撃の機会があんなら
ジョブ能力の地獄の炎のプラズマで
白雷を減弱・相殺するぜ


キャプテン・ハマーヘッジ
【キツネさんチーム】

二丁拳銃で凪を援護射撃しつつトランスリキッドをかばう。
トランスリキッドに語りかけるが、正面から叱咤激励する事はあえてしない。
「トランスリキッド、あなたの恐怖は正しいものだ。人は恐怖を忘れて生きることはできず、恐怖は生に欠かせぬもの。ただ、一つ頼みがある!見届けてくれ、凪の姿を。因縁を乗り越えて全力で戦う、彼女の姿を…!」
そう言い残して最前線に参加。我々や凪の姿から何を感じるかはトランスリキッド次第だ。



●覚めない悪夢、繰り返す悪夢、何度でも
「ハァー、ハァー、ハァー……」
 冷たい雨の降る裏路地を歩く。大丈夫、この辺は知ってる道だ。ここに入り込めば撒ける筈……
「あっ」
 しまった、何かにつまずいた! 誰だ、こんな所に何かを置いた奴は。
――違う、そうじゃない。
「ひいッ!」
 死体! 死体じゃねぇか! だ、誰だ……ヒーローの死体だ! アイツが、アイツがやったんだ……
――そこに死体があるのは知っている。
「アイエエエ!」
 う、後ろにも、死体だ!
「アイエエエエエエッ!」
 死体だ、死体だ、死体だ、死体だ!
「アイエッ、アイエェェ……」
 だ、駄目だ、立ち上がれない……腰が抜けちまった。なんてこった、一刻も早くここから逃げないと、こいつらを殺した犯人が……
「アイエエエエエエエッ!?」
 目の前に雷が落ちた。いや、何だそれ。おかしいだろ。高い建物に囲まれた場所でどうして目の前に雷落ちるんだよ。
――ここで奴が来る。
「ドーモ、トランスリキッド=サン。ビャクライです」
――そして、俺は殺される。
「ド、ドドド、ドーモ、ビャクライ=サン。トランスリキッドです」
「芋虫めいて逃げ回るのは終わりか? ならばその魂はオレが頂こうか」
 ヤバイヤバイヤバイヤバイ! コイツ絶対犯人だ……何とか隙を見て逃げないと……俺の能力は逃げるのは得意なんだ。
――だが、無駄だ。
「アイエッ!?」
 何だ、何をされた? どうして流体化した身体を掴めるんだコイツは!?
「無駄だ、お前の流体化能力は白雷を操るオレには通用しない。水は雷に勝てない。分かるか?」
「アイエッ!」
――またか、これで何度目だ? また俺はここで殺されて路地裏で目を覚まし、逃げようとしてコイツに掴まり殺される。
「分かるかと聞いている」
「アイエエエッ!」
――分かった、もう分かった。十分に分かったから早く殺してくれ。
「分かっているのか!」
「アイエエエエエエ! 分かります分かりました!」
「そうか」
――手が離れた。ここから先の展開は何故か毎回少し違う。ここまでは同じなのに。
「お前を殺し続けるのもいい加減飽きたな」
「ナンデ!?」
「考えられる殺し方は大体やったし、そもそもお前一人殺し続けるなどさほど楽しい事でも無い。いい加減諦めてくれないか?」
――なんだ、こいつは何を言っている? 諦めろだって? 俺が、何を諦めてないと言うんだ。
「アイエエエエエーッ!?」
――ヒーローになったのもこんな能力があったせいだ。こんな能力なんて無ければもっと普通に暮らせた筈だ。

 能力を持って生まれた奴には責任がある。なんか、有名なヒーローの言葉でそんな感じのがあったはずだ。
 クソったれだ。俺は能力を持って産んでくれなんて頼んじゃいない。俺の能力は先天性だった。捨てようとしても捨てられる物じゃない。
 クソ能力しか持ってない奴は俺の事を羨ましいと言う。でもな、俺の能力だって大した物じゃないんだ。精々逃げるのに便利ってだけで使い道なんざ多くは無い。俺にとっての不運はその事に気付いたのがヒーローになってからだったって事だ。
 バカだった、若い頃の俺は。自分を無敵だとか最強だとか思ってた。でも、現場に出て俺は知った。
 能力に頼り切った馬鹿は誰一人として救えやしない、ヒーローなんてのは上っ面だけだってな。
 あとはもう負け犬ヒーローもどきの人生さ。盛大にしくじった俺にはチンケな仕事しか来ない。避難誘導とか、先行偵察とか……偵察は嫌いだ。何が出てくるかわかったもんじゃない。俺は見て来た敵の能力を盛大に面白おかしく脚色して伝えるだけだ。
 俺はヴィランの一人も倒した事は無い。
 俺は、ヒーローなんかじゃ、ない……

「そうだ、それでいい。全部オレに渡せ」
「アイエッ!?」
 現実逃避を続けていた思考が今に戻って来た。
「つまらない人生だ、下らない人生だ、お前の人生には何の価値も無い……そうだな?」
「アッハイ」
「だからお前は殺される。その魂と能力は俺の物だ、いいな?」
「……ハイ」
「じゃあ殺すぞ、次は生き返るなよ?」
 嫌だ。
 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
「諦めろ、オレの面倒を増やすな。第一この計画はオレも面倒で嫌なんだ。だが、お前の魂を奪えば無敵の力を持ったまま現実に出られる。ついでにお前のユーベルコードも有効活用してやる」
 嫌だ、死ぬのは嫌だ……
「死を受け入れろ。お前の未来に何の希望がある? オレがお前の魂を使ってやるって言ってるんだ」
「い、いやだ」
「死ね!」
「嫌だぁ!」
「イヤァーッ!」

●兄弟子と妹弟子
 何が起きた? また落雷だ。あのクソ野郎は目の前に居るのに、二度目の落雷。
「ドーモ、兄弟子=サン……いや、ビャクライ=サン。ジンライ・フォックスです」
 黒い稲妻、それがクソ野郎の腕を切り飛ばした。だが、クソ野郎はそれを何でもない事の様に斬り飛ばされた腕を流体化して繋ぎ直した。俺の、能力……!?
「ドーモ、ジンライ・フォックス=サン。ビャクライです。やはりと言うべきか、現れるのか猟兵は。だが、お前が来るとはなぁ……凪、かつての兄弟子と久々の再開で何か言う事は無いのか?」
「黙れ。お前は最早兄弟子などでは無い! ただのオブリビオンだ。馴れ馴れしく凪と呼ぶんじゃない、ボクはジンライ・フォックスだッ!」
「お前が黒雷を継承するとはなぁ。いや、大きくなったものだ……良かったのか? その力がどんなものかはお前が一番知っている筈だろう?」
「それでもやると決めたんだ。ボクがそう決めた……だから、お前を殺す」
「どうやってだ? 本気の試合でお前はオレに勝った事は一度もなかったじゃあないか。黒雷を開放すれば傷の一つは付けられるかもしれないが」
「カラテあるのみだ」
「やってみろッ!」

 既に両者は畳一枚分の距離。先に動いたのは叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)だ。
「イヤー!」
 右脚でヤリめいたサイドキック!
「イヤー!」
 ビャクライはこれを左腕で外に払う。だが、そうする事を知っていたジンライ・フォックスは弾かれる動きを乗せて追撃の左ネックカットキック!
「イヤー!」
 ビャクライはブリッジ回避、と見せかけてのサマーソルトキック! ジンライ・フォックスはバックフリップジャンプで回避し、再び畳一枚分の距離が開く。
「イヤーッ!」
 着地と同時に浴びせ蹴りを仕掛けるジンライ・フォックス。最小限の動きで横に躱したビャクライはカウンターの右フックを見舞う!
「イヤーッ!」
 ジンライ・フォックスは拳をブロック! 反撃の左拳!
「イヤァーッ!」
 ビャクライは真正面から拳を叩き付けこれを相殺!
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァーッ!」
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァーッ!」
 雷光纏う凄まじい速さのラッシュの打ち合いだ!
「イヤァーッ!」
「イヤァーッ!」
 互いにハイキックが衝突し榴弾の爆発めいた衝撃波が広がる! 再び距離を取った両者は畳二枚分の距離!
「成程、この程度なら出来るようにはなったか」
「そう言うお前はこの程度の相手だったか?」
 そう煽りはした物の実際ジンライ・フォックスは己の不利を悟っていた。元より一対一で敵う筈もない相手。
「イヤー!」
 今度はビャクライがヤリめいたサイドキックを仕掛ける!
「イヤー!」
 ジンライ・フォックスはブロックで弾く。下手に掴もうとすれば指をケジメされる。だが弾けば逆脚の追撃が来る。
「イヤー!」
 受けるには早すぎる、ブリッジ回避しかない。ブリッジ回避からはサマーソルトキックの反撃に繋げられるが。
「イヤー!」
「グワー!」
 ビャクライは距離を開けずに強引な浴びせ蹴りを放ってきた! ハヤイ!
 これが意趣返しである事は分かり切っていた。あえて同じ動きを見せる事で力量差をはっきりと分からせる為の。
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァーッ!」
「イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤァーッ!」
 雷光纏う凄まじい速さのラッシュの打ち合い、だがビャクライのカラテが重い! ハイキックが来ると読み、事前にブリッジ回避を取るジンライ・フォックス。だがその判断はウカツ!
「イヤー!」
「グワー!」
 軸足を刈り取る下段蹴りだ! ジンライ・フォックスは一瞬宙に浮く!
「イヤー!」
「グワー!」
 そこに空かさず後ろ回し蹴り! まともに受けたジンライ・フォックスは強かに壁に叩き付けられた!
「ハァー、ハァー……」
「息が上がっているぞ、凪」
「黙れ、ボクはジンライ・フォックスだ……!」
「黒雷を解放しろ、でなければ話にもならん」
「黙れと、言っている!」
「イヤァー!」
 そこに割り込むアンブッシュ者あり!

●彼は(多分)狂っていた(ように見えるだけだと思います)
「イヤァー!」
 バイクを乗り捨てながら空高く跳躍! バイクの速度により威力を4倍、いつもの3倍高く跳躍する事により更に3倍! 即ち100倍のカラテとなった【燃える正義の一番星! 超・速達便キック!!】(スーパーソクタツビンキック)がビャクライへと飛ぶ!
「イヤー!」
 ビャクライは動じずにバックステップ回避! 即座にカウンターのサイドキックを叩き返す!
「イヤー!」
 赤い影は勢いを殺さず目標物を奪って再跳躍しこれを回避!
「挨拶も無しにシツレイではないかな?」
「挨拶前のアンブッシュは一度だけ有効だ。今のはアンブッシュの範疇に含まれる。ドーモ、ビャクライ=サン。ひょっとこライダーです」
「ドーモ、ひょっとこライダー=サン。ビャクライです。猟兵は群れる物だったな」
 赤い影、即ち伊敷・一馬(燃える正義のひょっとこライダー・f15453)は服を掴んで強引に攫ったトランスリキッドを投げ出して挨拶を返した。
「アイエエエエッー!」
(なんだ、何が始まったんだ!? とりあえず逃げ)
「ジャスティーパンチ!」
(何してんだべ!?)
 ひょっとこライダーの拳が殴った! トランスリキッドを!
「グワー!?」
 状況は分からないが自分を助けてくれた相手からの突然の暴力! 赤いジャージひょっとこオーメン! 彼はひょっとこでもライダーでもない、ひょっとこライダーだ!
「まずはそのよく分からなん悲鳴を止めろ!」
「AIEEEEEEE!?」
「表記の問題じゃない! 妙な所でアメコミ感を出そうとするな」
「アッハイ」
 彼は狂っていた、かどうかはさておき赤ジャージの男は彼の本体ではない。ひょっとこオーメンこそが彼の本体であるヒーローマスクだ。
「私と熱い友情を誓った君にならば分かるはずだ。雷は水には勝てないと。何故なら海に落ちた雷は電解物質だのあーだこーだでそーなるからだ!」
(雷は海面にしか拡散しないって話け?)
 相棒の赤ジャージ、伊敷・一馬に内心突っ込まれながら対ビャクライ対策を仕込み始める。
「全然分からない。俺は雰囲気でヒーローをしてるんだ……」
「ジャスティーパンチ!」
「グアー!」
(今のは、仕方ないべな)
「アイエエエー! ゴメンナサイ!」
 だが、今は流体化した自分を掴める相手など居ない筈だ。この狂人から早く逃げなくては! と、トランスリキッドは考えていたが。
「無駄だ、逃げられんぞ。私達の熱い友情オーラからはな! 私たちは既に戦友……そうだろう……?」
「アイエエエエー!? タブンチガウ!」
 物理的ではなく精神的に拘束されてしまっているようで逃げられない! 【私たちは既に戦友……そうだろう……?】(ジャスティスハラスメント)の一方的友情オーラ力だ!
「ヒーローに逃走は無い!」

●激闘! キツネさんチーム
「いくぜッ!」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)の獄炎を纏う焔摩天の振り下ろし! ビャクライは最小限の動きで横に躱す!
「攻撃が大振りすぎるぞ、少年!」
 カウンターの左ストレート! だが!
「甘いんだよッ!」
「チィッ!」
 ダメージを顧みず薙ぎ払いにスイッチされ距離を取らされる!
「大振りで勢い良く行くのが大剣使いだぜ」
「その位置だ」
 キャプテン・ハマーヘッジ(宇宙紳士・f28272)の『年代物の光線銃』と『コズミック・ハート80's』のスペース二挺拳銃が後退したビャクライに追撃を入れる。ビャクライはカラテを籠めたブロックで光線を弾く!
「そんな玩具ではなぁ」
「玩具の弾だと思うなら試しに当たってみるといい」
「イヤー!」
 ジンライ・フォックスが再び仕掛けるヤリめいたサイドキック!
「群れなきゃオレと戦えないか凪ぃ!」
「誰かと取り合う手を放したお前には出来ない事だ!」
 サイドキックはフェイント! その勢いを利用した浴びせ蹴りへと変化させる!
「無駄だぁ!」
 振り下ろされる足を腕で受け、懐に入り込んだビャクライの強烈なボディブロー!
「グワー!」
「どうした、仲間が来たから油断したか?」
「油断をしてるのは貴方ではありませんか? フゥウウン!!」
 九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)の筋肉山脈から放たれる激流の如きボディブロー!
「イヤー!」
 だがビャクライはその腕を往なし、静香の首へと断頭側転キックを放つ!
「フン!」
 避けるまでも無い! まともに当たるも首が10度傾いたのみ!
「早いですわね」
「ああ!」
 背後から仕掛けた神速の突きも寸前で躱し、反撃の膝を受けるウタ。
 早い、早すぎる。
 通常であれば何度か打ち合えば自ずと攻撃を当てられる軌道は見えて来る物だ。だが、このビャクライはどう剣を振ろうとも当たる気がまるでしない。
「衣更着の作った幻とでも戦ってるみたいだぜ」
「幻であれば反撃は飛んで来ないのですが」
 丸太の如きハンマーパンチ! 懐に入り込まれてキドニーブロウで反撃! 筋肉令嬢の腹筋は揺るぎもしないが。
「流石に、もう五十発程度まともに受ければ厳しいかと」
「筋肉の化け物め、なら望み通り五十発叩き込んでやる。途中でへばるなよ?」
「やらせん! イヤー!」
「グワー!」
 インタラプトした飛び蹴りを掴まれ、その勢いを利用し投げ転がされるジンライ・フォックス!
「眠れる九尾……!」
 ジンライ・フォックスの黒雷のマフラーが解けかける!
「駄目なのだ!」
 そこに竜神がインタラプト! ビャクライを追尾するように放たれる雷撃! 天・雷(さいきょーのかみ・f28152)だ!
「怒りに任せて黒雷を解き放てばどうなるかは分かるのだ! それだけはやっちゃ駄目なのだ!」
「だが、奴を倒すには……!」
「駄目と言ったら駄目なのだ!」
「空飛ぶ長蛇か。イヤー!」
 ビャクライは雷に向けて稲妻の如き速度の対空飛び蹴りを放つ! 早い! 回避不能!
「ぐぬぬぅ!」
「雷=サン!」
「雷は平気なのだ!」
 取り付こうとしたビャクライを時速6100kmの速度で上空へと飛翔して振り払い、空中のビャクライへと雷を放つ!
「これなら避けられないのだ!」
 ビャクライは平然と空中で空を蹴り跳躍回避!
「避けるまでも無い攻撃だがな」
 それでも構わぬと追跡する雷撃を途切れさせずに放ち続ける!
「静香! ウタ! コイツは作戦通り雷と凪とキャプテンで引き受けるのだ! 先にあの駄目男をなんとかするのだぁー!」
「長蛇如きが舐めた口を利く!」
「雷はサイキョーの竜神なのだ! 長蛇じゃないのだ!」

●たとえ何度殺されようとも
「ドーモ、猟兵の衣更着っす! トランスリキッド=サン、助けに来たっすよ!」
「ドーモ、衣更着=サン。トランスリキッドです。なんなんだアンタら……俺を妙な夢に閉じ込めてる連中が手管を変えたのか?」
 家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)はひょっとこライダーが保護(?)したトランスリキッドの傍に駆け寄り、【あやかしメダル「打綿狸の衣更着」】を張り付ける。展開された結界がトランスリキッドを包み込んだ。
「アンタがリキッドの旦那か。安心してくれ、あの白スーツとは関係ない。アタシはただのアドバイザーだぜ敵じゃない」
「だ、騙されないぞ!」
「そうは思ってくれねーか。まァどっちでもいいやな」
 玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は手にした呪符を投擲する。
「狸の旦那もちと手伝えよ。狐と狸の化かし合いといこうじゃねーか。あっちのおっかない狐と違って化かすのは得意だろ?」
「得意っすけど、何を?」
「こういう輩にゃ荒療治が必要ってもンさ」
「成程、荒療治っすか……何となくわかったっすけどオイラは何すりゃいいんすか?」
「アタシが作るのはガワだけだ、細かい所は任せるぜ」
「な、なにをするだぁー!?」
「アンタが本物のヒーローになる為のお手伝いさ」

「はっ!」
 気が付くと見慣れた路地裏の光景。だが、何かがおかしい。
(何だこりゃ、俺が、俺を見ているぞ……?)
 遂にあの世からのお迎えか。俺が俺に化けて出ちまったのか。
「そうじゃねーよ、こりゃ過去の再現だ。よく見て置け、最初から一方的にやられてた訳じゃ」
『イヤー!』
『グアー! サヨナラ!』
「……一方的にやられてるじゃねェか」
「相性差があるとしても早すぎっすよ」
「まあいい、二回目の再現だぜ。今度は簡単には」
『イヤー!』
『グアー! サヨナラ!』
「おい、もうちょっと頑張れよヒーロー」
「アイツが早すぎるんだよ!」
――おっと、観察中は恐怖を感じないように術をかけておくぜ。ほら、危機的状況でも怖くない夢ってのも、たまにあるだろ? 本物相手ならいざ知らず、アタシ達が見せてる幻だしなァ。
――狐狛さん、えげつない事考えるっすね。まあ、オイラも手伝ってるんっすけどね。

『イヤー!』
『グアー! サヨナラ!』
「36回目、驚くほど進展が無ェな」
「なあ、もういいだろコレ……お前の仲間、戦ってるんじゃないのかよ。助けに行かなくていいのか?」
「助けに行って倒せるんならそれでいいっすけどね。ここは貴方の夢の中で、死体も偽物って事はもう気付いてるっすね?」
「ああ、まあこれだけ殺されればおかしいとは思うだろ……でもなんで俺なんだ? 俺なんか下っ端ヴィランの一人も倒した事が無いサンシタだぞ? ほっといてくれよ」
「あのビャクライは貴方のトラウマで強化されてるんすよ。だから、全員で殴りかかっても勝てないっす。トランスリキッドさんの協力がどうしても必要なんす!」
「そんな相手にどうすりゃいいんだ!?」
「いいか、認知だ。アンタがヤツを倒せないと思い込んでいる内は誰も奴に勝てない。アンタ一人の認知を変えればヤツはただのオブリビオン一匹に成り下がるンだ。この夢の中はアンタの世界なンだからな」
『イヤー!』
『グアー! サヨナラ!』
「なあ、旦那だって素人じゃないだろ? 白スーツとの戦闘記録を横から眺めりゃ、付け入る隙やら改善点やら、思いつかないか?」
「無い」
「ヒーローのプライドとかなんかそういうアレは無いんスか!?」
「無い!」
『イヤー!』
『グアー! サヨナラ!』
「そろそろ過去の再現が尽きるぜ。この中は言っちまえば夢の中で夢を見ているようなモンだ。外より時間の流れが圧倒的に速い……が、止まってる訳でもねェ。外で時間稼ぎしてくれてはいるが限界はある」
「ここから先は、実践あるのみっすよ」

●水が雷に勝てないと誰が決めたのか
「待て、待つんだ、待ってくれ! 本当に俺は勝てないんだ! アイツも言ってるだろ、水は雷に勝てないって……」
 狐狛の作り出した凶夢の中で、トランスリキッドとビャクライが対峙する。このビャクライは衣更着が作った幻影だ。誰かの助けを借りずとも戦える、そうならなければ勝機が無い。
「待て、ストップ、ストップだ」
「まあ、無策でどうにもならないのはこっちも良く分かったっすよ」
 トランスリキッドの周囲に猟兵達が現れる。一時停止をかけたビャクライの幻影は動かない。
「トランスリキッド=サン、気をしっかり持ってください」
「ギャー! 増えた!」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は強く訴えかけえる。
「相手に騙されてはなりません。水が雷に勝てない? いいえ、それは全くの嘘偽り。『純水』と呼ばれる純度の極めて高い水は電気を通さないのですよ。つまり逆に……『あなたの方が彼の天敵』なのです」
「ほぉーそいつは完璧な作戦だ……不可能って点に目をつぶればよォー! いいか、俺の能力は自分を流体化して操る事だ! 好きな液体に変われる訳じゃねーんだよぉ!」
「無論、現実の世界では不純物を含まない純水に変化するのは難しいでしょう」
「そうだろぉ?」
「ですが、ここは夢の世界。ならばそう思う強い意思さえあれば可能です」
「だからその強い意志とやらはどこに売ってるんですかねぇー!?」
「ジャスティーパンチ!」
「グワー!」
 見るに見かねたひょっとこライダーのジャスティーパンチだ!
「出来る出来ない等最初から問題ではない! いいからやれぇ!」
「いいえ、出来ます。現実でも難しいですが不可能ではありません。その能力ならば」
「えぇー……?」(それ、今殴られる前に言って欲しかった)
「人間の身体の6割以上は水で出来ています。純水は、取り出して作ればいいんです」
「はぁ!? ……いや待てよ、それなら確かに……出来なくは、無いか?」
「トランスリキッド様」
 そこに、ビャクライとの戦闘から一時離脱した静香とウタが合流した。静香は何食わぬ顔で車椅子令嬢姿でウタに押されている。
「過去に囚われて心をくじけさせてはいけません。私もかつては病弱な体にて自分の将来を悲観した事もありました」
 静かに語りかけながらそっとトランスリキッドの手を握る静香。今の静香の姿は正しく深窓の令嬢。もう一月も生きられないと言われてもそのまま信じるだろう。
「ですがッ! フゥウウン!!」
 静香が立った! ダブルバイセップスで! 筋肉山脈! 今日もキレてるね!
「今はこうして歩けるようになり戦えます。どうか貴方も諦めないで」
「いや、そうはならんだろ」
「水は雷に勝てない。ならばその言、筋肉で打ち砕いて御覧に入れます。衣更着さん!」
「んじゃ、動かすっすよ!」
 幻影のビャクライが稲妻の如き速さで静香に迫る!
「無限の筋肉の可能性! 筋肉ならば自然に存在する属性すらも内包します! フゥウウン!!」
 流れる水の如きアブドミナル・アンド・サイ! 筋肉の表面に水流を纏う激流筋肉を顕現させる!
 筋肉が稲妻に激突する。狐狛の操る式神を内包した幻影はただの幻ではなく物理干渉能力を有する。本物のような殺意あるカラテではないが、当たればそれなりに痛い。
「無駄です」
 静香はそれを正面から受け止めた。そして、回避先を読んでの裏拳!
「本物はもっと早かったですよ」
「マジかよ、本当に化け物だな」
「じゃあ、もっと早くするっすよ!」
 ビャクライの幻影が殆ど雷光の速さとなり静香に何度も襲い掛かる! いかに強靭な筋肉であろうとも攻撃を当てられなければ無力。だが静香は決断的であった。ビャクライがトドメの一撃を構える。拳に白雷を収束し、魂ごと滅ぼす……キツネさんチームは何度も見たその技を。
「ここです!」
 静香は刃亜部流を決断的に突き出した! 避雷針めいて誘導された電撃が流れ込む先は……筋肉の産みだした大量の水の球体! 電撃は霧散し、一撃の大技に頼ったビャクライには僅かに隙が産まれた!
「フゥウウン!」
 鉄道轢殺カラテバッファローめいた筋肉の一撃だ!
「サヨナラ!」
 ビャクライの幻影は爆発四散!
「と、このようにするのです」
「このようにって何だこのようにって。いやだが待て……そうか、漏電した現場のイメージで行けばいいのか!」
「うん?」
「おや?」
 ここまで散々駄目男っぷりを発揮してきたトランスリキッドの様子が僅かに変わった。化かし続けた二人にだけ感じ取れるわずかな変化ではあったが、確かに変わったのだ。
「トランスリキッド、ここは夢の世界だ。あんたの体は病院だ。つまりヴィランにしてやられてるって訳だ……それでいいのか?」
 ウタが語り掛ける。口調優しく、だがたしなめる様に。
「俺は……何度も言ったが……ヴィランの一人も倒した事が無い」
「知ってるよ、軽く調べて来た。どうして逃げてばかりの男が未だにヒーローやってられてるのかってな。結論から言うぜ、あんた立派なヒーローだよ」
「お世辞はよせよ……」
「お世辞じゃない。アンタが先行偵察で得た情報のお陰で助かったヒーローは沢山居た。どんな凶暴な能力を持った相手でも生きて帰って来てくれる、それは立派な功績だ」
「一目見て、逃げて来ただけだ……」
「それだけじゃない。戦闘時のアンタの避難誘導はいつも的確で迅速だ。いつでも誰でも通れる逃げ道を確保してある。だから、不意に発見された要救助者が居てもアンタが居れば安心だって皆が言ってる」
「そんな……俺は……一度も……!」
「そうだよな、こういう事は言わなきゃいけなかったんだって皆言ってた」
「俺は……俺は……ッ!」
「中年の今までずっと悪漢と戦い抜いてきた、そのガッツがあればこの状況を覆せる。なんてったってここはあんたの夢だからな」
「ああ、そうだ……そうだった……この逃げ足こそが、俺だ。どんな現場からだって流れる水の如く逃げ切って見せる。それが、トランスリキッドだ!」
「それが、貴方の勝ち方って訳っすか」
「これじゃあ駄目か?」
「いいや、いいンじゃねぇの? 逃げ切るんだろ、今回も」
「ああ、全く倒せる気はしないがな!」
「重畳だ。んじゃ本番行くぜ」

●トランスリキッド
「やっぱり怖ぇーッ!」
 おい、さっき威勢よく啖呵切ったのは何処のどいつだったかな。
「逃げ切れればいいんだろ逃げ切れればよォー! チクショーやってやるよォー!」
 だが、弱音を吐くだけの諦めた男ではなくなっていた。
「夢では思い込み次第でどこまでも弱くなってしまう。ならば逆もしかりだ! 自分の能力が奴にも通用する事を理解させれば良いんだ」
 八重咲・科戸(一人一組の鎌鼬・f28254)が軟膏をべちゃりと塗り込む。
「お、おう、なんだコレ?」
「私の一族秘伝の軟膏だ! 向精神と強壮効果もある! 飲んでも効く! ドーピングだ! おらぁ飲めコノヤロー!」
「アバー! スゴイニガイ!」
 口に軟膏を無理矢理突っ込まれて悲鳴を上げながらもなんとか飲み込むトランスリキッド。
「げほっげほっ……ニガッ、まじで、苦い……」
「ニガイだろう? だが苦ければ効いてくる感じがするだろ、な?」
「ああ、まあ、何かそんな気もする」
「分かるぞ、ヒーローだって怖いよな。だがそれでも理不尽に立ち向かおうとしたからヒーローになったのだろう!?」
「いや、完全に成り行きだ。なんか、他に成れる物無くて」
「ジャスティーパンチ!」
「グワー!」
 ひょっとこライダーのジャスティーパンチだ! 暑い(一方的な)友情オーラが繋がれる!
「成り行きで成れるってのもそれはそれでスゴイ!」
「さあ復唱しろ! 私は強くてカッコイイ!」
「私が正義だ! 悪党共め、ひれ伏して許しを請え!」
「スシッ! スキヤキッ!!」
「カラテ! ワッショイ!」
「「バンザーイ!!」」
「あの……君ら、いつもこんなノリで……?」
「いやぁ……そんな事は無いンだぜ?」
「超スゴイ奇跡的な確率で似たようなノリの人が二人居ただけっすよ」
 ひょっとこライダーはトランスリキッドを繋いだオーラを振り回す!
「うおおおおおっ!? なにをするだぁー!?」
「トラウマの解決法など知らん、体当りで叩いて砕け!」
「タイプ相性などレベル上げて物理で殴れば良いのだ!」
「「いってこーいッ!」」

「ここまでか、凪。惨めだな、仲間にも逃げられここで死ぬのだ」
「逃げてなどいない……!」
 ジンライ・フォックスは決して浅くない己の傷を顧みずにカラテを構える。
「そうです、戦略的後退です」
「突っ込むのだー!」
 雷の背に乗ったスヴァルカ・バーベリ(ローン・レンジャー・f24891)がアサルトライフルを膝撃ちで乱れ撃つ!
「うっとおしい玩具遊びが」
 命中弾のみをブロック! 追撃の銃身下部追加グレネード弾を放つ!
「むぅ」
 これは榴弾だ、触れれば爆発する。ブロックは出来ない。スヴァルカはそう考えた。
「無駄だがな」
 だが光速に近い速さの拳が榴弾を爆破させずに弾いた! 何たるカラテブロッキングか!
「前に出過ぎだぞ、そら!」
「しまったのだ!」
 ビャクライが稲妻の速さで雷の背に乗ると、スヴァルカを無造作に蹴り飛ばした!
「あぎぃッ!」
 竜の背中から落とされるスヴァルカ! 身動きも取れない! 一方のビャクライは平然と空を蹴り、無造作な暴行を加えていく!
「そらっ、ほらぁ、いい声で啼いてみろ」
「ひぎゃぁ! あっぎっ、ひぐぅぅー!」
 空中で十数発もの打撃を加えられて受け身も取れずに地面に叩き付けられるスヴァルカ! ビャクライは三点着地、当然無傷!
「一人目だ、死ね」
「リキッドさんが本気なら……お前なんか……」
「今更あいつに何の期待をしている? 今頃逃げる算段でもしている所だろう。逃げ道など無いのにな、お前らを皆殺しにした後で殺せば済む話だ」
「そうだ、俺はッ!」
 ビャクライは介錯の雷槌を拳に込め、振り下ろさんとしたその時! 高速で飛翔する物体あり!
「うおおおおおおおーッ!」
 放たれた白雷が流体に拡散されて爆ぜる! 介錯ならず! その勢いでスヴァルカ包みを遥か後方まで運び出したのは、無論トランスリキッドだ!
「逃げるぜ俺は! 誰が相手だろうとなぁ!」
「馬鹿な……立ち向かうつもりか?」
「逃げるって言ってるだろマヌケッ! 誰がテメーのようなおっかない奴と戦うもんか!」
「ふん、逃げ切れると思い上がったか!」
 ビャクライが稲妻の速度で踏み込む! 雷光を纏った拳が、トランスリキッドに突き刺さる! だが!
「へへっ……もう効かないぜ!」
「馬鹿なッ!?」
 電撃を地面に流し、打撃は流体化して無効化!
「水を殴れるかってんだよ!」
 その僅かな隙を逃す宇宙紳士ではない。二丁の光線が背中からビャクライに突き刺さる!
「グワー!」
「トランスリキッド、あなたの恐怖は正しいものだ。人は恐怖を忘れて生きることはできず、恐怖は生に欠かせぬもの」
 静かに、決断的に宇宙紳士キャプテン・ハマーヘッジは歩み寄る!
「恐怖を克服するのではなく、恐怖を糧とするか。それもまた良し」
「おのれ、おのれぇー!」
「玩具の味はどうだったかな?」
 決して短くは無い時間、スヴァルカを加えた4人はビャクライと戦い続けていた。だが、直撃させた攻撃はこれが初めてだ。これ即ち、勝てないという認知が破られた証だ!
「一つ頼みがある! 見届けてくれ、凪の姿を。因縁を乗り越えて全力で戦う、彼女の姿を……!」
「ああ、アンタらが勝ってくれないと逃げられそうにないしな。だが危ないと思ったら躊躇なく逃がすぜッ!」
「なら安心して戦えるな!」

●黒雷と白雷
「ビャクライッ!」
 ジンライ・フォックスの決断的飛び蹴りだ!
「チィッ!」
 左腕で外に弾く! だが、次の瞬間!
「イヤーッ!」
「バカナーッ!?」
 稲妻の如き脚払いがビャクライの軸足を刈り取った! ジンライ・フォックスは強いて己のニューロンを加速させる!

「もし、百の打撃を与えて倒せない相手が現れたらどうする?」
「はい! 千回殴ります!」
「それも良し。だが、実戦では千回も殴る暇は与えては貰えぬぞ?」
「では、どうすれば良いのですか?」
「見せてやろう」

 遠い過去に、一度だけ師が見せてくれたあの技を。ビャクライが知らない奥義をここに、蘇らせる!
「ヒサツワザ!」
 地を狩り無防備にした相手に、空を蹴り右肘! 左膝! 右フック! 左足! 更に空を蹴る! 右脚! 左ストレート! 右裏拳! 地を蹴り再跳躍! 打撃ベクトルを一点集中し、その中心を蹴り抜く!
「ライメイケンッ! イヤァーッ!!」
「ヤ・ラ・レ・タァァーッ!!」
 空間が破裂したかのような奇妙な打撃音が響き、ビャクライは路地裏のビルへと叩き付けられた!
「ぐっ、がはっ……な、なんだその技は……!?」
 叩き付けられたビルは僅かにへこみを作っていた。だが、ビャクライへのダメージは明らかにそれよりも深い!
「貴様に語る必要無し!」
 猟兵であっても今のジンライ・フォックスの動きを捕捉できるのはごく僅かであっただろう。軸足を蹴り無防備にした相手に、0.01秒にも満たない僅かな時間に八の流れるような打撃を体の中心に向け叩き込む事で、衝撃を体内で合成し致命的な破壊の一撃と成す。黒雷継承者の速度を以ってのみ可能となる秘奥義だ。
「終わりだ、ビャクライ」
「舐めるな、ジンライ・フォックス!」
 白雷で成形された九本の尾が展開! 【魔技:白夜九尾】だ! その速度が更に増す!
「イヤーッ!」
「イヤーッ!」
 カラテが交差した。ジンライ・フォックスの狐面が割れ、地面に落ちて乾いた音を立てる。
「ぐ、ヌゥー……!」
 ビャクライはその尾の二本を消失!
「凪ッ!」
「大丈夫だ、雷=サン。トランスリキッド=サンが勇気を出して壁を越えたんだ。ボクも壁の一つも超えて見せなきゃいけない」
 ジンライ・フォックスの【夜天九尾】(ヤテンキュウビ)がゆったりと威圧するように広がった。その顔を黒雷で形成された狐面が覆う。全身に黒雷の力が漲り、【夜天九尾】その物と化したかのようだった。
「ボクは、ジンライ・フォックスだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『カーネル・スコルピオ』

POW   :    パニッシャー・ヴァーリィ
【二挺拳銃から炎を纏った弾丸の一斉掃射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    侵略蔵書「スコルピオインフェルノ」
【自身の侵略蔵書から放たれた蒼い炎】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を炎上させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    スコルピオン・ブレイズ
【二挺拳銃から放たれた弾丸】が命中した対象を燃やす。放たれた【蒼い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。

イラスト:亜積譲

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠シャオロン・リーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カーネル・スコルピオ
 二発の銃弾がジンライ・フォックスを背後から襲う!
「イヤー!」
 事も無げに拳で銃弾を逸らし、無効化!
「目の前の相手に集中してるみたいだから当たってくれないかと思ったがな」
 無造作に、その男は現れた。二丁の銃を両手に握り、不敵な笑みを浮かべて。
「ドーモ、カーネル・スコルピオです」
「ドーモ、カーネル・スコルピオ=サン。ジンライ・フォックスです」
「何だって!? まだビャクライは生きてるのにどうして出てきたっすか!?」
「出ちゃいけないのか猟兵。まさか、二人で戦うのが卑怯だとでも?」
「いや、これを卑怯とは謗れまい」
「まだやれるな、ビャクライ」
「当然だ……!」



<NOTICE>
 第2章はカーネル・スコルピオに加え、ビャクライとの戦闘も継続します。ただし、ビャクライはもう無敵ではありません。ただのボス級オブリビオンが二体になるだけです。
 『手負いの獣ほど手強い』という古事記の教えに従い油断なく介錯して下さい。

 プレイングは12/24(木)8:30より受け付けます。
スヴァルカ・バーベリ
不味いですね…もはや僕みたいな変態な事くらいしか取り柄のない凡猟兵が立ち入れる領域ではない戦場です…。
こうなれば…僕は砲戦型重キャバリア《プッタネスカ》に搭乗しつつ直掩をモヒカンスレイヤーのキリカ様にお任せして戦いましょうか。

【女帝キリカ降臨】でキリカ様を呼び、巨体の死角をカバーして貰いつつプッタネスカの全武装【一斉発射】による【援護射撃】で密な【弾幕】を展開し【範囲攻撃】を敢行して他の猟兵の皆さんを手助けしましょう。
「弾はいくらでもある!」

◎補足
キリカは一人称がアタイ。
世紀末の格闘家だがスレイヤー作法を知っているので挨拶はちゃんとする、ヤクザスラングの使い手。

◎アドリブとか大歓迎、お任せ


黒城・魅夜
愚か者が何人になろうが変わりはありません
最終的に全員殺せばよいのです
いえ、むしろサイオー・ホース
これを好機ととらえるべきでしょう、ふふ

「範囲攻撃」「なぎ払い」で鎖を舞わせまとめて攻撃しつつ
「早業」「見切り」によって相手二人の間に入り込み
「残像」を使い「誘惑」するかのように惑わせて
同士討ちを狙いましょう
猟書家の炎がビャクライに当たれば良し
外れても地形が燃えどちらにせよビャクライはダメージを負います

手傷を負った敵は警戒し距離を取ろうとするでしょう
敵を分断し連携を阻害したらUCを発動
鮮血の霧に包み込み内部から引き裂きます
「悪夢の滴」たる私の前で悪夢を誇ろうとする愚か者ども
真なる悪夢の意味を知りなさい



●楔
 予想外の事態。ボス級オブリビオンを倒す前に次のオブリビオンが出現してしまった。
「愚か者が何人になろうが変わりはありません」
 ビャクライ、カーネル・スコルピオ、どちらを先に倒すべきなのか。或いは同時に相手取り、隙を伺うべきなのか……答えは知らない、考える時間も無い。そのどれもが誤りかもしれぬのだ……後悔は死んでからすればよい!
「最終的に全員殺せばよいのです――時よ脈打つ血を流せ、汝は無敵無傷にあらぬもの」
【我が白き牙に喘ぎ悶えよ時の花嫁】(ザイン・ウント・ツアイト)
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は『時』の血を吸い上げ支配し、前傾姿勢で疾走する。鈍化する周囲の時間の中で魅夜だけが動き、鮮血の濃霧を撒き散らす。
「いえ、むしろサイオー・ホース。これを好機ととらえるべきでしょう、ふふ」
 時は常に無常なる物、一時支配下に置いたとて無限には続かない。だが、それでいい。時が止まっている間は止まっている物体には干渉できないのだから。時が、支配を破り動き出す。
 二人のオブリビオンの反応は十二分に速かった。
「猟兵との戦いならば」
「時間停止対策は必須だ」
 時間を止められた。猟兵に常軌ならざる物を感ずる猟兵第六感がある様にオブリビオンにもオブリビオン第六感がある。実際に遭遇した事は無かったが、想定はしていた。
 時間停止中に直接的打撃は効果が薄い場合が多い。絶対ではないのが猟兵の厄介な所だが、少なくとも時間を止めている間に一方的に殴り続けて解除の瞬間特大の物理ベクトルとなって襲う系ではなかったようだ。
 ならば、飛び道具か。投げた手を離れた飛び道具は停止する。投げたナイフを空中に固定する、という動作を時を操る者がする事はある。解除の瞬間、大量の銃弾が襲い来る事もあるのだ。だが、これも無かった。
 もどかしい。時間が止まった事を認識できても、止まった時間を見る事などそういうユーベルコードでも使えなければ不可能なの事なのに、猟兵は当たり前にやって来る事がある。気安く物理法則を無視するんじゃない、物理仕事しろ……等とはこちらも質量保存の法則や熱量保存の法則をまるっきり無視しているので言えた事ではないのだが。
 ともかく、世界がそうなると定めた事ならばそうなる。それがユーベルコードだ。
「何を……した?」
「お前が時を止めた事は分かっているぞ、ダンピール」
「何かしらね?」
 目の前、ビャクライとカーネル・スコルピオの中間に魅夜が立っていた。
「まさか、それで同士討ちをするとでも思っているのか?」
「時間を止めてまで仕込んだ事がそれか?」
「ええ、そうよ」
 魅夜はにっこりと嗤って答えた。
「同士討ちをするの、あなた達は」
「ナメるなよぉ、猟兵!」
「この拳が狙いを外さないと思ったのか!」
 カーネル・スコルピオが右手の銃を頭に、ビャクライが雷速の拳を腹に。どちらも致命の速度、致命の一撃。
「近接攻撃でフレンドリーファイアが起きるかよ!」
「オレの間合いに不用意に入った事を後悔して死ね!」
「そう、あなたたちは外さない」
――あなたが今見ている魅夜の姿は本当の魅夜の姿でしょうか?
「だから同士討ちを、する」
【解き放たれよ漆黒の質料、撃ち砕け形相の器】(デュナミス・トゥ・エンテレケイア)
「万物は我が意のままに流転する、流出せよ、我こそ一者なり」
「「グワー!?」」
 ビャクライの拳がカーネル・スコルピオの腹を打ち、カーネル・スコルピオの銃弾がビャクライのこめかみを抉り取った。
 一体何が起きたのか。猟兵動体視力を用いなくとも二人以外にははっきりと理解できた事である。
「単純な騙しっすね。自分と相手の位置を偽装して、味方の姿を自分に見せる。時を止めている間に位置調整をして自分のまやかしを見せたっすね。こうして外から見てると丸分かりっすけど単純な手だけにハメられると相当悔しい奴っすよ」
 ここで化かしのプロによる解説がひかる。
「ちぃッ、ふざけた事を!」
「だが、それでオレ達の連携を……ッ!」
 ビャクライが何かを拳で弾いた! 弾かれた物体が壁に当たって爆発する!
「不味いですね……もはや僕みたいな変態な事くらいしか取り柄のない凡猟兵が立ち入れる領域ではない戦場です……」
「お前なー! だからってこの狭い路地裏でそんなモノを持ち出す馬鹿が居るか! バカ! スゴイバカ!」
「勝てばいいんですよぉ……まさか、卑怯だなんて言いませんよね?」
 スヴァルカ・バーベリ(ローン・レンジャー・f24891)が砲戦型重キャバリア『プッタネスカ』のコクピットで嗤った。両肩のレールガン、腰部のミサイルポット、両手のガトリングガンが一斉に火を噴いた! 路地裏が一瞬にしてアビインフェルノ・ジゴクと化す!
「夢の中だからって無茶苦茶やり過ぎだろう!」
「さっきまでチートで無敵してた人には言われたくないですね」
 飛び交う銃弾と砲弾とミサイルをかわし、命中弾を拳で弾きながら雷光の如くビャクライが駆ける!
「お前のようなデカブツはオレのような近接格闘に弱い!」
「ここに来てまた一度破られた相性論持ち出すんですか? ええ、まあジッサイ弱いんですけどね……何もしてないとでも?」
「ザッケンナコラーッ!」
「グワーッ!」
 そこに横合いから乱暴に殴りつける青い影あり!
「ドーモ! ビャクライ=サン、キリカです。ソマシャッテコラー!」
「ドーモ、キリカ=サン。ビャクライです。イヤー!」
 アンブッシュ者は『女帝』キリカ! 戦闘中であってもアンブッシュを終えたならアイサツはするべきである。オジギ終了からコンマ2秒、至近距離カラテの攻防が始まった!
「スッゾコラー!」
 一見荒々しくも研ぎ澄まされたナイフの如き前蹴り! ビャクライは右腕で外側に弾きながら左腕のカウンターブロー!
「イヤー!」
「ザッケンナコラー!」
 キリカはあえてその拳を受けた! そして、ビャクライの頭に頭突きを見舞った!
「グワー!」
 何たる危険なマッポーカラテか! 追撃の右アッパー!
「シネッコラー!」
「イヤー!」
 ビャクライは迅速に右手首を掴み、肘へと打撃を加え決断的に腕骨折を狙う!
「チェラッコラー!」
 キリカは引っ張られる腕の動きを利用し、左肩によるボディ・チェックを見舞った!
「グワー!」
 腕を放し、たたらを踏むビャクライ!
「チャースイテッコラー……」
「猛獣めいた危険なカラテだ。だがお前も無傷と言う訳ではあるまい」
「ドグサレッガー!」
 決断的左ストレート!
「イヤー!」
「グワー!」
 それを左に弾き、カウンター右フック!
「イヤー! イヤー!」
「グワー! グワー!」
 左フック! 右アッパーのコンビネーションがキリカに炸裂! 今度はキリカがたたらを踏んで数歩下がる番だ。
「キリカ様!?」
「テメダッテロコラー!」
「ひいっ!?」
「その右手、満足に動くまい。掴んだ時に捻らせてもらったからな」
「アッコラー!」
 キリカの右ストレート! 痛みを押し殺した一撃は僅かに精彩を欠く。その隙を脱がさぬビャクライではない。
「イヤー!」
「スッゾコラー!」
 だが、キリカもそれは織り込み済みだ! 再び至近距離カラテの応酬が始まる、と見た次の瞬間!
「鮮血の屍衣を纏いし呪いの鋼、喰らい尽くせ汚濁の魂」
「グワー!」
 突如ビャクライの内側から出現した不可思議な鎖! 魅夜の【血に霞みし世界に祝福を捧げよ硝子の心臓】(ミスティック・ミスティーク)だ!
「ダッテメッコラー!」
「文句を言わないでよ。そのまま任せてたらジリ・プアー(徐々に不利)でしょ?」
「ウカツだったな、五感を鈍らされていたか……!」
 ビャクライは魅夜を警戒し連続側転で距離を取る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・凪
【キツネさんチーム】


「最終ラウンドだ… ビャクライ=サン!」

向かい合い構えるカラテは叢雲流迅雷カラテの構え! 正面に腕を突き出し交差する形は攻防一体である。

まずはウタくんと連携しつつ挟撃を仕掛ける!

「ウタくん! あれをやろう!」
合図と共にウタくんが作り出す真空状態に合わせて黒雷槌による【真空放電現象】! 

そのまま軽やかにバク転して衣更着くんに接近。
衣更着くんの合図と共にヒサツ・ワザ!
「究極奥義! 真・分福茶釜!」(衣更着くんの拘束と共に夜天九尾+キツネトビゲリを叩き込む)

ビャクライとの決着後 仮面の奥で静かに大粒の涙を流す。
「ビャクライ=サン… いや 兄弟子=サン ボクは…」


家綿・衣更着
・キツネさんチーム

「衣更着、参るっす!」
二手に分かれ、おいらはビャクライ相手っす。
必要なら『収納鏡』から『キャバリア憑依の術』の機体をカーネル側に送って援護や盾に。

狸忍法、煙分身=ジツ!
妖怪煙を【化術】で自分や仲間の【残像】に変化させ敵をかく乱しつつ手裏剣【乱れ撃ち】でけん制、【化術】でトランスリキッド(本人は化術で【迷彩】)に変化し【演技】っす。

【化術】でリキッドのユベコを演出しつつ仲間を助けるように動き、魂の回収と無力化狙いの●始雷を誘発、スカらせて【おどろかす】事で隙を作り、『綿ストール・本気モード』の【だまし討ち】で【体勢を崩し】た所に仲間と一斉攻撃っす!

「凪さん、キメるっすよ!」


伊敷・一馬
不採用含め全て歓迎だ!
敵が二人?我らも二人、一心同体、ひとつとなり燃えるぞボディ君!(結局一人で数的不利だべ?)

出し惜しみはしない。ここは筋肉が溢れている。ならば今こそ我がボディー!UC発動!!
ビャクライの相手は任せて貰おう。私のボディー君はカラテ殺し、貴様のカラテなど稲荷寿司より脆いッ!(本人は狐面とかけて上手いこと言ったつもりだべ)
挑発、誘き寄せで注意を引き味方の攻撃を援護する。
我ら猟兵、十人だろうが百人だろうが一心同体なのだ!(つまり囲んで棒で叩く訳だべな!)

他の猟兵を餌にビャクライが注意をそらせばカーネルさんへ銃口を向けよう。
悪いなトモよ、君は良い友人だがその背中がいけないのだ!


キャプテン・ハマーヘッジ
【キツネさんチーム】

カーネルの前に仁王立ち!
「おっと!いけないなカーネルとやら、凪の邪魔をするのは…!まずはこの宇宙紳士と付き合ってもらおうか…!」
相手も私と同じ二丁拳銃の強敵、ここは偉大なる先達の力借りるべし!
過去の宇宙紳士たちの経験を蓄積した戦闘AIのサポートを受けて敵の攻撃を見切る!周囲を炎上させてくるならば宇宙服の環境耐性で耐える!うおおっ、倒れる訳にはいかんっ…!
何?AIなどに頼って恥ずかしくないのかだと?
フフフ…好きに言いたまえ!お前は先代宇宙紳士たち、そして我々猟兵の絆の力の前に敗れ去る運命だ!雷の怒涛の連撃に合わせ光線をばら撒きカーネルの逃げ場を塞いでくれよう…!


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
凪を助けるぜ
2人纏めて海へ還してやる

戦闘
獄炎纏い高速機動の速さ乗せ
焔摩天で薙ぎ払う
仲間を剣&炎壁で庇う

対ビャクライ
怪我を顧みず前のめり
刃が砕き焔が雷を喰らう

内に入られても構うもんか
爆炎で剣速を加速
白雷を炎の渦で散らしながら
そのまま振り抜き拳に一撃

其も見切られ押し切られるかもな

俺に幻術はない
奪われる魂は本物だ
だから…俺の魂はビャクライの中で燃え盛り
内から白雷を灰へ変えるぜ

どの位燃え続けていられるか判らないけど
凪や仲間が仕掛ける隙を生むには
十分すぎる筈だ

魂が戻ったら焔刃一閃

行けっジンライ!

対スコルピオ
弾丸を剣で弾き
紅蓮で蒼を喰らう

悪夢の世界ごと焔で燃やし尽くす

事後
鎮魂曲を爪弾く



●白雷果てるべし
「フゥウウン!!」
 静香の震脚が大地を揺らす! 元々、この辺りの土地は地震が起きない。地震が起きない土地の構造物は基本的に耐震設計をされていない。安普請のビルが倒壊し、戦場を完全に二つに分断する。
「叢雲様の決着を邪魔させぬ為にも、此方のかあねる某様はこちらでお相手致しましょう」
「ありがとう静香さん。最終ラウンドだ……ビャクライ=サン!」
「お前達のカラテは大体分かったぞ。詠むべきハイクを考えておけ、ジンライ・フォックス=サン」
「白雷の/泡沫の夢/果てるべし」
 ポエット! 出来はともかく、これからお前を殺すという決断的デスハイクを詠んだのは伊敷・一馬(燃える正義のひょっとこライダー・f15453)だ!
「敵が二人、今は一人か。我らも二人、一心同体、一つとなり燃えるぞボディ君!」
(数的にはこっちが有利過ぎる位なんだべな)
「出し惜しみはしない。ここは筋肉が溢れている」
「静香さん、カーネル側に行っちまったっすけどね」
「ならば今こそ我がボディー! 見せてやろう、私の究極の姿を!! ……よっこらせ」
(なんだべそのオイル缶? ちょ、待っ……!)
 ひょっとこライダーは上半身のジャージを脱ぎ捨て、オイル缶を自らの頭上に高々と掲げた! その中身を自分自身にぶちまける 狂気!
「なんだ、焼身自殺でもする気なのかアイツは」
「フゥウウンッ!」
 マッスルシャウトと共にバンプアップ! ここにもう一人の筋肉鬼神が現れる!
「ビャクライの相手は任せて貰おう。私のボディー君はカラテ殺し、貴様のカラテなど稲荷寿司より脆いッ!」
(本人は狐面とかけて上手いこと言ったつもりだべ)
「ひょっとこライダー=サン! 奴は」
「ジンライ・フォックス=サン。ここまでの時間稼ぎに加え先程の技、消耗は軽くないと見える。化け狸くんも仕込みがあるようだし、ここは私に任せてもらおう。チャドー、フーリンカザン、そしてチャドーだ」
 なお、彼は雰囲気で言っている。
「(よくわからないけど)分かりました、気を付けて!」
「倒してしまって恨まんでくれよ!」
「一人では戦わせないぜ」
 『焔摩天』を構えた木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)も前に出る。
「俺達が相手だ」
「いいだろう、まずは貴様等から殺す!」
 【天雷】戦闘中に喰った魂の量と質に応じて再生力と反応速度を高めるビャクライのユーベルコード。ここは夢の中の世界で一見、貪るべき魂が無いように思える。だが、この悪夢の世界の中で圧倒的に強い質を持つ魂をビャクライは既に喰らっている。
 世界の持ち主たるトランスリキッドの魂だ。認知を書き換え、無敵の存在という定義こそ剥がした物の既に喰われた魂を無かった事には出来ない。
「分かっているのか、依然! オレは圧倒的だ!」
 ひょっとこライダーに稲妻の如きケリ・キック!
「焼け死ね!」
 打撃点から高圧電流を流し込む! だが!
「オイルは全て燃えるという訳ではない。耐火性のオイルは……ある!」
 蹴り脚を掴み、それを軸として縦回転! 禁断の暗黒カラテ技ドラゴン・スクリューだ!
「ちぃッ!」
 ビャクライは投げられるより早く自身が回転しそれを外す。だが既に獄炎ブースト加速した『焔摩天』が振り下ろされている!
「こっちだってお前の速さに慣れて来たぜ!」
「ヌゥゥー!」
 ビャクライの右足をケジメ! だが、流体化した右足は即座にビャクライの元に戻り接続される。連続側転で再び距離を取るビャクライ。
「トランスリキッドから奪ったユーベルコードだな。もう使えないだろうそれ」
「そうだな、代わりにお前らのユーベルコードを奪ってやるとするか」
「やってみるがいい。ぬハぁあ……」
 ひょっとライダーの筋肉が後光を放ち更なるバンプアップ!
「我が全力の正義と全霊の愛を……受けるがいい!」
 【私の拳で流星群!!】(メテオシャワー・イズ・オレ・ザ・フィスト)だ! 殴殺蹂躙殺戮ガトリングガンめいた拳のラッシュ! ビャクライは打ち合わず、連続側転で躱す! だが回避先に獄炎跳躍した『焔摩天』!
「クソっ!」
 大剣の側面を蹴り再跳躍! だが!
「さっきまでに比べりゃ止まって見えるぜッ!」
 獄炎跳躍し対空刺突追撃! 空を蹴る! 躱す! 回避先にひょっとこライダー! 躱しきれぬ!
「ジャァァァースティス!」
「直撃は、させん」
 命中する拳のみを的確にブロック!
「いいや、直撃だ!」
 その背後から『焔摩天』を水平に振り抜く!
「馬鹿な、お前に味方ごと斬れるか!?」
「優しさと甘さは違うんだよッ!」
 『焔摩天』の薙ぎ払いが胴に直撃! 同時に、ひょっとこライダーの拳がビャクライの顔に突き刺さる!
「グワー!」
 高速スピンしながら弾き飛ばされるビャクライ! だが、地面に叩き付けられる前に体勢復帰。受け身を取り連続側転で隙を殺す。これ以上の追撃は成らず。しかし、確実なダメージだ。元は九本あった尾の四本が消失した事からもそれは明らか。
「とは言ったけど、大丈夫か?」
「問題は無い、そっちも何発か殴ってる事だしな」
 然り、ウタとひょっとこライダーには互いに付け合った傷がある。フレンドリーファイアを恐れぬ決断的猛攻が成した有効打だ。

●化け術狸
「仕込みは十分。衣更着、参るっす!」
 家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)の妖怪煙が戦場全体を包み込む。
「お前、もう積んだっすよ。ハイクは……もう詠んであったっすね」
「ハイクなど惰弱!」
 ビャクライは衣更着に向け稲妻その物の速さのケリ・キックを放つ! 衣更着は貫かれ、爆発四散!
「狸忍法、煙分身=ジツ! 策士に策を成らせる時間を与えたらそりゃ詰むっすよ。イヤーッ!」
 衣更着が四人出現! 爆発したのは分身だ! 分身と合わせて無数の忍者手裏剣を投げる!
「そう言う奴が策に溺れるというのだ」
 命中する手裏剣をブロックしようとした腕が摺り抜ける! 更に別な場所に手裏剣が突き刺さり鮮血が零れる!
「溺れる程度の策ならそうなるっすけどね」
「この手裏剣も幻か……!」
「そうとバレたらマシマシで行くっすよ!」
 投げた手裏剣が五つに分身する! 四つの分身が五倍投擲、即ち二十倍! その殺傷力は百倍に到達する!
 ビャクライは目を閉じ、ニューロンを研ぎ澄ませた。
「イヤーッ!」
 投じられた手裏剣の実体をブロック! 二本指で摘まんで投げ返す! 投げ返した場所には何も、否! 不可視の手裏剣を投げて相殺した!
「目に頼らず、空気の流れを読めば幻術など無意味だ」
「そうかい」
 そこで飛び掛かって来たのは……トランスリキッドではないか!
「やっぱり俺にも一発殴らせろッ!」
「はっ! 見え透いた幻術だ!」
「イヤーッ!」
 トランスリキッドは純水成形した己の拳を高圧噴射しウォーターカッタ―めいて突き刺した!
「グワーッ! バカナー!」
「そう言うだろうと思ったぜ」
「目を瞑ってたら何も見えないっすよねぇ?」
「だが手を出すのはこの一発だけだぜ」
「充分、感謝するっすよ!」
 トランスリキッドは霧化し離脱!
「おのれ、おのれぇーッ!」
 ビャクライの拳が稲妻の如く伸びる! そして、何も無い場所で何も無い物を掴み上げた!
「どこまでもオレをコケにしやがって、お前の魂を、ユーベルコードをよこせ!」
 捕まったのは、衣更着だ!
「いい勘してやがるっすね。でも、これも幻かもしれないっすよ?」
「幻術のネタが尽きたか化け狸。今度は口先で丸め込む気か?」
「いやぁー、本気で言ってるんすけどね。ほら、これで間違えてたら完全にアンタ詰みっすよ」
「ナメるなッ! イヤーッ!」
 【始雷】それはユーベルコードを無力化した上に、対象まで無力化する恐るべきユーベルコード。だが、その効果の強さ故に相手を掴まなければ発動できない。何より、相手が攻撃にユーベルコードを使っていなければ空振りだ。
 だが、掴んだ物が幻だったら当然発動はしない。掴まれた衣更着はヒーローコスチュームだった衣類の切れ端と倒壊した建物の欠片となって崩れ落ちた。
「ば、バカな……」
「幻だから質量が無い、そう思い込むと思ったすよ。アンタはもう詰みだ!」
 本物の、実態を持った衣更着の綿ストールがビャクライに絡み付いた!

●双極の果て
 叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)は向かい合い構えるカラテは叢雲流迅雷カラテを構える。正面に腕を突き出し交差する形は攻防一体。失われた狐面の代わりに黒雷成形された狐面。
 だが、【禁術:禍津九尾】ではない。理性を残したままの【奥義:夜天九尾】だ。
「ウタくん、衣更着くん。アレで決める」
「マズい、何かが致命的にマズいッ!」
 オブリビオン第六感で感じた本能的な怯えに、拘束する綿ストールを引き裂いて脱出しようとするビャクライ!
「やるのね」
「グワー!」
 だが再びビャクライの内側から出現する魅夜の不可思議なる鎖!
「手伝うわよ、導線が多い方がやりやすいでしょ?」
「お前が何を奪ったか教えてやるぜ!」
 ウタに幻術は無い。幻術を展開する前に時間稼ぎをしていたので幻術による支援も無い。だから、攻撃する度にビャクライにウタは魂を僅かに奪われていた。それはひょっとこライダーも、キリカも同じだ。
「燃えやがれッ!」
 奪われたウタの魂が燃え上がる! それは実際物理的な熱を伴う炎となりビャクライを包む!
「燃え上がれ俺の正義!」
「ドグサレッガオラー!」
 ウタの意図を瞬時に察し、ひょっとこライダーも、キリカも奪われた魂を炎上させる!
「二人の魂も俺が預かる!」
 その炎をウタは操り、ビャクライから引き剥がす。酸素の燃焼によって生じる二酸化炭素すらも操りビャクライの周囲にごく僅かな時間、空気中の不純物すらない完全な真空状態を創り出す!
 ジンライ・フォックスは、残された己の全カラテをこの一瞬に集約した。
「究極奥義! 真・分福茶釜!」
 拘束したストールを導線に、余分な導体が無い真空状態を最大効率で黒雷が駆ける。
 蘇りし秘奥義、ライメイ・ケン。それを元に仲間の協力を得て形にしたジンライ・フォックスだけの奥義。
「イィィヤァァァァーーーーーッ!」
 電撃の速度で足元から周囲を旋回。中心の一点にベクトルを向けた打撃を加えながらその身体を昇っていく!
(千の打撃を与える暇が無ければ、作れば良いッ!)
 計算されたライメイ・ケンと比べればベクトルの精度は低い。だがそれを補う圧倒的な打撃数! 刹那の交差で決められないからこその瞬時の連打!

「ビャクライ=サン……いや、兄弟子=サン。ボクは……」
「凪、強くなったな」
 そこに立っていたのはビャクライではない、かつての兄弟子の姿。
「どうやらオレはもう必要ないらしい。いや、初めからお前にはオレなんて不要だったのかもな」
「それは……違う、あなたが、兄弟子=サンが居てくれたから」
「もう、昔の様には呼んでくれないか? いや、オレにはそんな資格は無いな」
 凪は僅かに躊躇い、口にした。昔の、幼い頃の呼び名を。
「……ありがとう。これでオレは骸の海に還れる。もう二度とお前の前に現れる事も無い」
「さよなら」
「ああ、さよなら」

 ビャクライの身体を駆け昇ったジンライ・フォックスはその頂点で拳に黒雷を集約させた。上に向けた打撃ベクトルの中心を下へとカラテで押し戻す最後の一撃。【黒雷槌】(クロイカヅチ)そこには一切の迷いは無かった。
「イヤァァーッ!!」
「サ・ヨ・ナ・ラ!」
 ビャクライは爆発四散。その全ては骸の海へと還って行った。



(カーネル・スコルピオ戦及び、キャプテン・ハマーヘッジの出番は明日に持ち越します。ご了承ください)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天・雷
【キツネさんチーム】

お主がカーネル!猟書家だかなんだが知らぬが、悪行働く大罪人には変わりなし!
この雷が、否、我々が成敗するのだ!

嵐のような弾丸の群れに対応するには、弾丸よりも早く駆け抜ける!
《神雷》により全身を電気の塊に变化させ、光の速度で戦場を駆け抜けるぞ!
敵の懐で実体化し、『神器・雷華』による【なぎ払い】【串刺し】等の連続攻撃!
敵が反撃の構えを見せれば再度《神雷》で離れては近づきを繰り返す、一撃離脱戦法である!

敵が疲弊し、この攻撃にも慣れてきた頃合いで、近づく素振りの【フェイント】!その場から『神器・雷華』に最大出力の雷撃を纏わせた【怪力】での【槍投げ】!
これこそが大本命、秘技・竜咆一閃!


九十九・静香
【キツネさんチーム】

叢雲様の決着を邪魔させぬ為にも、此方のかあねる某様はこちらでお相手致しましょう

カーネルに立ちはだかり、震脚◆踏みつけで起こした隆起で敵2人を分断にかかります
足止めを優先しつつ、◆グラップルや◆怪力で組みかかっていきます。

とはいえ敵の一斉掃射は範囲攻撃。壁すら超えて叢雲様たちを邪魔する可能性がある
ですが、それも筋肉でさせはしません!
UCで敵が発射した炎を纏う弾を全て指定し、自分に引き寄せます
本来は掴む為の技ですが、弾丸ほどの軽さならばこういった攻撃阻止も可能
そのままカーネルに組みかかり位置を調整し銃弾と腕の間にカーネルを入れて被弾を狙います
迎撃、命中に関わらず◆力溜め正拳突き


玉ノ井・狐狛
さっきは雷、今度は炎

相性ってのは重要だよなァ
エンパイアで言うところの“相克”ってヤツさ

――っていうのが、正攻法なんだろうが
もっと面白い裏技もあるぜ

UC使用
猟書家野郎の炎を利用させてもらう

言ったろ? 相性が重要、ってな

ま、炎使いに炎はそこまで効かねぇだろう(これも相性だな)
けど、白スーツのほうには効くだろうし……
炎を奪うってだけでも、敵の火力が落ちるワケだからな。アタシら全体としちゃ、十分に有利な一手のハズだ

えぇと、なんだっけか
思い出した――相手のリソースを奪うのが“卑怯だとでも?”

べつに正々堂々にゃこだわらないけどよ



●カーネル・スコルピオ
「いけないなカーネルとやら、凪の邪魔をするのは……! まずはこの宇宙紳士と付き合ってもらおうか……!」
 倒壊したビルの瓦礫を背に仁王立ちするキャプテン・ハマーヘッジ(宇宙紳士・f28272)
「お主がカーネル! 猟書家だかなんだが知らぬが、悪行働く大罪人には変わりなし!」
 長槍『神器・雷華』を構える天・雷(さいきょーのかみ・f28152)
「これなら叢雲様の邪魔は出来ないでしょう。こちらでお相手致します」
 ダブルバイセップスをキメる九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)
「さっきは雷、今度は炎。相性ってのは重要だよなァ。エンパイアで言うところの“相克”ってヤツさ」
 ひらりと重さを感じさせない軽やかさで降り立つ玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)
 瓦礫の上では『ブッダネスカ』と『テングリーフ・ホワイト』が警戒していて瓦礫越えは現実的ではない状況。

「甘く見られた物だ。戦力が分断されたのはそっちも同じだろうに」
 二丁の銃をガンスピンする猟書家『カーネル・スコルピオ』。
「来いよ、遊んでやる」
「この雷が、否、我々が成敗するのだ!」
 【神雷】で電撃その物と化した雷が一気に距離を詰める。カーネル・スコルピオはあえてそれに対応せずに冷静に銃を構える。近づきたくない奴が一人、似たような武器を使う奴が一人、何するか分からん奴が一人。焦って動くより後の先を取るべし。
「動かないならこっちから行くのだ!」
 電撃がそのまま槍の穂先になったかのような鋭い刺突。武器が長物であるが故にカウンターは決めにくい相手。だが拳銃であれば長物相手でもカウンターが出来る。冷静に、右の銃底で穂先を往なすと左でカウンター射撃! 炎を纏う銃弾が雷の肩を抉る。
「くぅ、当てられたのだ!?」
「早いだけの攻撃には見慣れてるんでね」
 どれだけ早く動こうが、仕掛ける場所が分かっていれば防御も反撃も可能。再び電撃へと身を転じた雷は光の速さで離脱する。
「ならば撃ち合いと行こうじゃないか」
 キャプテン・ハマーヘッジはあえて走りもせずにゆったりとした歩調で歩きながらスペース二挺拳銃を撃つ。カーネル・スコルピオは光線に炎を纏う銃弾を当て相殺。こちらもゆっくりと歩みながらさらに撃ち返す。
 それは、銃撃戦でありながら拳の連打の打ち合いめいた激しい撃ち合いだった。二人のほぼ中間地点で光線と銃弾がぶつかり合い火花を散らす。キャプテン・ハマーヘッジの銃は異種二挺であるが故に『年代物の光線銃』の方がカートリッジが持ち、『コズミック・ハート80's』は一発が重い。対するカーネル・スコルピオは同種二挺。リロードの隙を織り込んでバランスよく撃ち続けられる。銃声と薬莢と空カートリッジが裏路地に転がる。
 だが、カーネル・スコルピオの狙いは銃撃戦を制する事ではない。その銃弾は【侵略蔵書「スコルピオインフェルノ」】から生じさせている炎を纏っている。蒼い炎がじわじわと侵略し始めているのだ。これは明確なジリー・プアー(徐々に不利)の状況。1対1で戦っていたのならばではあるが。
 背後から雷が迫る。片手で軽くあしらえる攻撃ではない。側転を打って拮抗を崩し、迫り来る長槍の薙ぎ払いの根元に銃弾を撃ち込んで勢いを殺して飛び越え、着地と同時に逆側に切り返し、雷と静香に同時射撃。雷は撃たれる前に離脱し、静香の胸に銃弾が突き刺さる。
「大胸筋が無ければ即死でした」
 コイツ、どうすれば殺せるんだろう。胸筋で銃弾を平然と止めやがったぞ。
「フゥウウン!!」
 バッファロー殺戮武装鉄道めいた右正拳突き! 連続後転しながら二挺の銃を静香に撃ち込むが意に介さず!
「ちっ、銃弾を無効化するユーベルコードか」
「攻撃の重さが足りません」
 【筋肉重力全力全開】(マッスルグラビテイションフルドライブ)は本来銃弾を無効化するユーベルコードなどでは無い。腕に対象を引き寄せ、掴んで持ち上げるユーベルコードだ。だが、掴むという動作を省き引き寄せる性質のみを発動させると飛び道具を上腕二頭筋に引き寄せて弾くという芸当が出来るのだ。出来ちゃってるのだ。
「鍛えた筋肉はあらゆる物を引き寄せる物! 上腕二頭筋よ、全てを引き寄せ掴み取るのです!」
「物理的に引き寄せる奴が居るか!」
 カーネル・スコルピオ自身を引き寄せにかかったのでバックフリップで距離を取る。雷の鋭い刺突が二度、立て続けに襲い掛かるが先端に銃弾を当てて切っ先を逸らし弾く。
「ダメージにならない攻撃ってのは外れってコトだよなぁ」
 カーネル・スコルピオが嗤う。
「どこに当たろうとも、有効打じゃなければそれは外れだ。お前らにこの意味が分かるか?」
 雷と静香から吹き上がる蒼い炎!
「電撃が燃やされるなんてありなのだ!?」
「やればできるんだよォ! 筋肉ダルマの方も物理攻撃ならともかく燃やせば効くだろ!」
「ええ、多少は」
 あ、これ本当にちょっとしか効いてませんね。
「こうやって燃やし続ければお前らもお終いだな!」
「そうそう、それを使うのを待ってたんンぜ」
 ひらり、と羽根のようにその場に現れた狐狛が手をかざすと蒼い炎が雷から静香に移る。
 【狐燈】(プロメテウス・ファイア)火を吸収し、自在に操るユーベルコードだ。
「火の用心、火の用心、っと。本当はあの白スーツにぶつける気だったがまァ、臨機応変になァ」
「何のつもりだ? 一人を燃やして一人を助けようってのか?」
「いやいや、誰かを犠牲にしなきゃ勝てないなんてのは言い訳に過ぎねェわな。火は土を生むんだぜ」
「筋肉の高まりを感じます! フゥウウン!!」
 躍動する筋肉山脈! 鉄道殺戮カラテバッファローめいた勢いの正拳突き!
「五虫のヒト、五畜の牛。筋肉は土行だ」
「なんたる屁理屈!」
「えぇと、なんだっけか。思い出した――相手のリソースを奪うのが“卑怯だとでも?”」
 嗤う狐狛。
「なら銃弾で黙らせる」
 狐狛に向けて立て続けに放たれる銃弾! だが、それは全て空中で何かに弾かれて叩き落される!
「そう来る事は宇宙紳士には予測済みだ……!」
「その銃撃、正確過ぎる。何か使ってやがるな?」
「フフフ……好きに言いたまえ! お前は先代宇宙紳士たち、そして我々猟兵の絆の力の前に敗れ去る運命だ!」
 【マナー・オブ・ジェントルメン】歴代宇宙紳士たちの戦闘経験により構築された戦闘用サポートAIがキャプテン・ハマーヘッジの撃つべき場所とタイミングを教えてくれる。
「ここで決めるのだ!」
 後方から駆ける雷! 長槍のフルスイングをカーネル・スコルピオは見もせずに銃弾で叩く!
「お前はうっとおしいだけだ」
「そうやって油断するのを待っていたのだ」
「何ッ!?」
 今まで通りの攻撃ならば確かに、長槍の根元を撃って勢いを殺し、切っ先に銃弾が当たっていた筈だ。だが、実体化した雷は銃弾で叩かれてなど居ない! 薙ぎ払いはフェイント、己の神威を籠めた『神器・雷華』を高々と掲げている!
「投擲かッ!?」
「逃がさん!」
 キャプテン・ハマーヘッジの牽制射撃が一瞬、足を止めさせる! 直接自分に向けられた光線では無かったので対応が僅かに遅れた。雷にはその僅かな隙で十分。
「これこそが大本命、秘技・竜咆一閃!」
「アバーッ!!」
 神雷が落ちた。空を割く神の雷がカーネル・スコルピオを貫いた!
「今だぜ」
「フゥウウン!!」
 静香が飛び掛かり、カーネル・スコルピオを掴む! そのまま地面に叩き付ける!
「フゥウウン!!」
「グワーッ!」
「フゥウウン!!」
「グワーッ!」
「フゥウウン!!」
「グワーッ!」
「フゥウウン!!」
「グワーッ!」
「フゥウウン!!」
「アバーッ!」
「あーあ、アバったしこりゃ終わりだな」
「ま、まだ、まだだ! まだ終わりじゃない!」
 カーネル・スコルピオは叩き付けられた反動を利用し強引に脱出!
「ハァーッ! ハァーッ!」
「いいや、終わりだ。カーネル・スコルピオ=サン」
「ああ、そっちは片付いたのか。じゃあいつものアレのお時間だな」
「慈悲は無い」

●禍属性可変漆式綿ストール非存在証明女帝キリカバァニングキツネ・ブレイズスペース・竜咆一閃
「炎使いとは言え、炎その物じゃない以上耐性がある程度だ。試してみるか」
 玉ノ井・狐狛の【禍炎】(ドラグフレイム・イミテーション)!
 制御下に置いた蒼い炎を集め920レベル相当の焼却!
「無限の可能性を持つ筋肉ならば道理は不要です!」
 九十九・静香の【属性可変筋肉】(エレメンタル・マッスル)!
 土行により強化された筋肉霊峰の雪崩の如き正拳突き!
「ふっ、呆れるほどに有効な戦術だな」
 八重咲・科戸の【漆式・連舞鎌風陣】(シチシキ・ツレマイレンプウジン)!
 三人に分身した科戸が転倒の呪いを纏う無数の颯太刀、麻痺の呪いを纏う風刃、治癒阻害の呪いを纏う塵旋鎌でユーベルコードを封じる!
「もう化かす必要も無いなら本気で貫くっす!」
 家綿・衣更着の【綿ストール・本気モード】(コレガオイラノホンキッス)!
 『打綿狸の綿ストール』による連続刺突で貫く!
「悠久たる太古より果てなき未来に至るまで、汝は存在することなし」
 黒城・魅夜の【非存在証明、汝宣誓せよ、我、在らぬものなりと】(インダーベルトザイン・ニヒト)!
 存在の根源ごと否定し引き裂く鎖が鞭の如くしなり打ち付け破壊する!
「スッゾスッゾスッゾコラーーー!!」
 スヴァルカ・バーベリの【女帝キリカ降臨】(キリカサマオネガイシマス)!
 ヤクザスラングと共に強烈なストンピング連打!
「これで決めるぞボディ君! 燃え尽きる程の……ぬぅうん……ジャスティーィイッ!!」
(もう決まってるんでねか?)
 ひょっとこライダーの【危険物注意!待避勧告!バァニングプレェエス!!】(アブナイカラヨケテネバーニングプレス)!
 謎のポーズとともに発せられる閃光に照らされたカーネル・スコルピオにビルの上から飛び降りて放つ自身を火の玉とした超高々度ボディプレス!
「お前も骸の海に還れ。ヒサツワザ! キツネ・トビゲリ! イヤッー!!!」
 ジンライ・フォックスの【奥義:キツネ・トビゲリ】!
 漆黒の九尾をなびかせながら全速力を乗せた轢殺蹂躙殺戮ガトリングゲリを食らわせる!
「お前の理不尽もここまでだ! 灰にして消し飛ばしてやるぜ!」
 木霊・ウタの【ブレイズアッシュ】!
 理不尽な未来が、悪夢の光景その物がひび割れて灰になっていく。
「最後にお前に見せるのは宇宙紳士の魂だ……!」
 キャプテン・ハマーヘッジの【スペース・ガンファイター】!
 スペース二挺拳銃の全弾集中連射!
「これで終わりなのだ! もう一発、秘技・竜咆一閃!」
 天・雷の【秘技・竜咆一閃】!
 己の神威を全て乗せた高高度からの『神器・雷華』の投擲!
「サ・ヨ・ナ・ラッ!」
 カーネル・スコルピオは爆発四散! 猟兵達の完全勝利だ!

●それから
 気が付くと、俺は病室にいた。随分と長い事眠っていたらしい。
 誰かが俺を訪ねて来なかったか? と聞くと、何人かのヒーローが見舞いに来てたらしい……そうか、俺が居ないと困る奴が居るのか。
 なんか酷い夢を見ていた気がする。何度も何度も殺される夢。俺は一応ヒーローだ、死ぬような目には何度も合ってはいる。だがやけにリアルな夢だった。何十回も死んだ気分だ。
 だが、最後の夢は違ったな。なんか……こうむず痒い。ガラでもない啖呵切っちまった気がする。
 俺は夢の中で見た奴が来なかったかどうかを聞こうとして、止めた。あれは夢だ。夢の中で出会った相手が実在する訳は無い。
 でもな、お前らは何処かに居る気がするんだよ。だから、いつか再び会う日まで礼の言葉は取っておくぜ。

 目覚める直前に、耳に残った鎮魂歌を歌いながら、俺は病室でもうひと眠りする事にした。今度はいい夢が見れると良いな。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月30日
宿敵 『ビャクライ』 『カーネル・スコルピオ』 を撃破!


挿絵イラスト