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アークライト・ミッション [欺瞞邀撃作戦]

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●エルディスタン連邦共和国上空
「間もなくエルディスタンの領空を抜けます。殲禍炎剣の感知限界速度は維持。……ここから先は事前の申し合わせ通りですか」

 飛行船が飛ぶ。クロムキャバリアではよくある光景だ。貨物を運搬したり、人を遠方まで運ぶ際、空路を使う場合は飛行船が必要不可欠だ。殲禍炎剣が睨みをきかせるこの世界において、飛行船は人々の足として、また物資の運び手としてなくてはならない存在だった。
 しかし、この飛行船の乗客のうち、真に「客」と呼べるものはたった1人だ。そのたった1人を運ぶためだけに、この飛行船は手配された。しかも、偽装のために空の貨物を積み、出港元の国家当局に提出されたフライトプランも偽りのものだった。それだけのことをしなければならない乗客、それがこの飛行船の客席に座るスーツ姿の初老の男であった。それ以外の乗客・乗員は皆、この男を安全に目的地まで送り届けるための役割を担った者たちだ。飛空船のパイロット、客室乗務員、同乗のボディガード、全てにこの「乗客」の息がかかっている。

 男はしばし瞑目し、そして一言、言葉を発する。

「……信じよう、彼らを。全ては狂った我々の国を元に戻すため。そしてこの地に平和をもたらすためだ」

 アークライト自治領、上空。スクランブル発進したアークライト防空部隊のキャバリアたちが迫っていた。

「こちらはアークライト自治領防衛軍だ。貴船は我が国の領空を侵犯している。速やかに指示に従い避退せよ。さもなくば撃墜する」

 飛行船のコックピットに無線が入る。だが、この無線を発した主は、その言葉の内容を実行に移す意思がなかった。
 偽りで塗り固められた国を救うための、偽りの戦いが幕を開ける。

●欺瞞邀撃
「依頼主はいつものアークライト自治領。そうです、ついに我々猟兵は対エルディスタン任務のタスクフォースの一員として動くことになりました」

 ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵・f29697)はプロジェクターにアークライト自治領からもたらされた資料を表示させながら告げる。

「さて、まずミッションの説明に入る前に、現在の状況について説明しましょう。発端は地下鉄網襲撃事件。アークライト自治領の地下鉄を利用した新兵器の運搬中に所属不明のオブリビオンマシンが襲来。これを我々猟兵が現地のキャバリア部隊と共に迎撃しました。事件後の調査で、襲撃事件を起こしたのが隣国のエルディスタン連邦共和国であることが発覚。周辺国の抗議声明を黙殺した彼らを不審に思ったアークライト側は偵察部隊を派遣。その結果、エルディスタンでは秘密裏にクーデターが実行され、軍閥が実質的な政権運営を行っていたことがわかりました」

 クーデター以前の大統領は行方不明であり、軍閥のトップは大統領になりすまして政権運営を行っている。エルディスタンの大多数の国民は自分たちの国のトップが変わっていることに気づいていない。

「真相を知る大統領の行方を捜索すると共に、エルディスタンの脅威に対抗するためのタスクフォースを編成する動きがありました。アークライトの国防軍から、様々な分野のエキスパートが集められ、さらに外部の協力者──我々猟兵を加えて、今回の事態を収拾する動きのようです。そしてその最初の任務は……欺瞞邀撃への加担です」

 突如飛び出した不穏な単語に眉をひそめる猟兵たち。席を立ち、立ち去ろうとする者もいた。

「おっと……不安にさせてしまいましたね、すみません。では今回のミッションの詳細を説明しましょう。捜索中であった大統領ですが、無事発見されました。エルディスタンに潜入していた諜報部のエージェントが、現地の協力者と共に地下で潜伏していた本物のエルディスタン大統領を発見。大統領はアークライトへの亡命を希望しています」

 もちろん、大っぴらに亡命をすれば当然エルディスタンは阻止に動くだろう。そこで、秘密裏に大統領を亡命させる手筈を整えた。エルディスタン国内便を偽装した飛行船「コバヤシ丸」で国境ギリギリを飛行。コバヤシ丸は計器トラブルを装って、エルディスタンの国境からアークライトに流される。

「当然、アークライト側からすれば立派な領空侵犯です。迎撃のためにスクランブルが行われます。エルディスタンは救援を行わなければなりませんが……その『救援』を皆さんにやっていただきます」

 つまるところ、今回のミッションは盛大な「演技」である。輸送機を撃墜する名目で出撃したアークライトの正規軍と、エルディスタン機を装ったアークライトの別働隊が形式上の迎撃戦闘を行うことになる。今回、猟兵たちはエルディスタン側役を演じることになるのだ。

「ちなみに正規軍も本気でコバヤシ丸を撃墜するわけではありません。迎撃部隊は今回の戦闘相手であるタスクフォースをアグレッサー、いわゆる仮装敵機として認識しています。皆さんはエルディスタン側を演じることで、彼らを鍛えてあげてください。あ、もちろん相手は正規軍、しかもオブリビオンマシンでもなんでもありませんから、撃墜はご法度ですよ」

 まぁ、要は大統領護衛を兼ねてリアリティのある実戦演習をしてしまおう、ということらしいです、とジェイミィは告げる。最終的に、大統領を乗せたコバヤシ丸は戦場の只中に不時着を装う形で着陸する。そこにアークライトのタスクフォースによる回収チームがコバヤシ丸を回収する、というのがこの作戦の流れだ。

「……で、なんでこんなまだるっこしい作戦が立案されたかと言うと、『本当にエルディスタン側の迎撃部隊が動かないようにする』ためです。エルディスタンが本当に敵機を差し向けて来ればアークライト側の流血は避けられないだけではなく、大統領をあちらに確保されてしまう恐れがあります。迎撃を行っているという事実を認識させることで、本物のエルディスタン軍に手出しをさせないのが今回の作戦の肝です」

 猟兵の1人から質問が出た。偽装と言うからには敵味方識別装置(IFF)はどうなるのか、と。ジェイミィは良い質問です、と答える。

「アークライトの技術局が開発した信号偽装装置を皆さんのキャバリアに取り付けていただきます。これはIFFが発信する信号を偽装するもので、アークライト側の通信プロトコルを通さない場合、偽装された信号が飛びます。端的に言えば、アークライト側からはアークライト機、エルディスタン側からはエルディスタン機と認識されるようになります」

 つまり、味方から誤射をされる心配はなく、エルディスタン側への誤魔化しも効くということだ。自前のキャバリアを持たない猟兵たちに貸し出されるキャバリアにも、同じ装置が取り付けられるとのことである。

「とは言え、あまり時間をかけるわけにもいきません。時間をかければ苦戦しているとエルディスタン側に判断され、増援が送られることでしょう。また、戦況を確認するための偵察が行われる可能性もあります。もしも本物のエルディスタン機が来てしまった場合は撃墜してください。これまでの事例から無いとは思いますが、万が一パイロットが乗っていた場合は殺さずに確保してください」

 説明は以上です、とジェイミィは告げ、グリモアを起動してポータルを出現させる。

「実質的には訓練のようなものですが、大統領の救出も絡んでいることをお忘れなく。よろしくお願いしますね」


バートレット
 どうも、バートレットです。
 おまたせしました。アークライトミッションの第3章です。このミッションの成否がターニングポイントとなります。
 大統領の乗った飛行船を確保するため、エルディスタンの目を欺くために一芝居打ってもらいます。ちょっと変わったミッションですがお付き合いください。

 第1章ではアークライトの迎撃部隊を相手に、エルディスタン機を装ってコバヤシ丸を護衛します。なお、この章の敵機はオブリビオンマシンではありません。正規軍の演習も兼ねているため、完全撃破は禁物です。また、迎撃部隊とはアークライト側の秘匿回線で無線がつながっています。プレイングボーナスは「迎撃部隊にアドバイスを送る」「迎撃部隊を鍛えるように動く」「コバヤシ丸を守る演技をする」です。

 第2章では、本物のエルディスタン機が威力偵察を行うため国境近くにやってきます。グリモア猟兵の予想を裏切り、この機体は有人のオブリビオンマシンで大統領への忠義が暴走するあまり、力ずくで大統領を奪還しようとします。このオブリビオンマシンを撃破してください。プレイングボーナスは「不時着したコバヤシ丸を守る」「回収チームを守る」です。

 第3章は日常パートです。第1章で迎撃に出た正規軍の部隊は反省会を行っています。彼らの反省会に参加して、戦い方を指導したりアドバイスしたり褒めてあげたりしましょう。プレイングボーナスは「正規部隊に戦い方のアドバイスを送る」です。

 各章すべて断章の執筆後にプレイング受付を開始します。成功が確定次第締め切りますので、プレイング提出はお早めにお願いします。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『Coyote』

POW   :    RS-A『散弾砲』 / RX『ナイフ』
【至近からの散弾】が命中した対象に対し、高威力高命中の【ナイフ攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    RS『短機関銃』 / RS-S『ミサイルポッド』
敵より【ダッシュなどで高機動状態の】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    『Coyote』
【他のCoyote】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[他のCoyote]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。

イラスト:右ねじ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●国家の命運を分ける大芝居
「こちらはアークライト自治領防衛軍だ。貴船は我が国の領空を侵犯している。速やかに指示に従い避退せよ。さもなくば撃墜する」

 全帯域で無線通信を飛ばした迎撃部隊の隊長は、アークライトで使用される秘匿回線に切り替えて通信を続けた。この通信を聞いているのは展開する迎撃部隊と、「敵機」──を装ったアグレッサー役の猟兵たち、そして別に待機しているタスクフォースの回収班である。

「さぁ、それではこれより迎撃戦闘演習を開始するぞ。今回のテーマはずばり『リアリティ』だ! アグレッサーの機体構成はバラバラ、中にはキャバリア相手に白兵戦を挑むものもいる! だからこそ映えある第19機動防衛隊の我々は、その不測の事態全てに対応せねばならん! いいか、アグレッサーは何をしてくるかわからん! 私でも想像がつかん。というかぶっつけ本番である! ゆえに! 『絶対に何があっても冷静に』を是とせよ! ……あと、当然だが上空のコバヤシ丸を誤射するなよ! VIPが乗っているからな!」

 隊長の檄に「サー、イエッサー」の声が返ってくる。

「……と、言うことなので、アグレッサーの方々、よろしくお願いしますぞ。くれぐれもコバヤシ丸に流れ弾が当たらないようにお願いします。それ以外に関しては……死傷者の出ない範囲であれば何をしても一向に問題ございませんのでな。整備班も覚悟を決めておりますゆえ」

 隊長は続けて敵機役の猟兵に声をかける。隊長の言葉通り、なるべく誰からも死傷者は出さない方向で話を進めたいようだ。あくまで模擬戦闘であることを念頭に置いて戦うべきだろう。

「こちら回収チームだ。所定の位置についた。戦闘時間は30分で頼む。その間にできる限り派手に迎撃戦闘を繰り広げてくれ。我々が回収が終わったらそれぞれ撤収だ。基本的にアドリブの多い芝居になるが、大まかな筋書きは決まっている。尺に上手いこと収めてくれ。……では、開幕と行こう!」

 回収チームの人員が配置につき、ここにひとつの国家の命運を左右する芝居の幕が上がった。観客は何も知らないエルディスタン。彼らを少しでも長く芝居に没頭させなければならない。
リーゼロッテ・エアクラフト
偽装工作を装った亡命作戦ね…
先の戦闘の件を踏まえるとどうにも想定通りにすまなさそうな気がするが

まぁ今それを考えていても仕方ないだろうが…念には念を入れておくとするか
一応キャバリアは二機ある。うちアリスキャバリアの方はメンテナンス中、もう片方は…この作戦的に俺が乗って敵役やるよりアークライト領のキャバリア乗りが乗ってった方がいいだろうから貸し出すとする。防御特化だから理には適ってんだろ

というわけで…生身での戦闘だが。
想定外の事に対しての対処を覚えさせるという意味合いも込めて
『音』による不可視の攻撃で四方八方からぶっぱなすとしよう。

目で見えるモノだけが正しいとも限らん、全神経を集中しろ。それが答だ



●不可視の攻撃
「偽装工作を装った亡命作戦ね……。先の戦闘の件を踏まえるとどうにも想定通りにすまなさそうな気がするが」

 これまでのアークライト自治領における作戦での経験則から、リーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)は今回も想定外の事態が起こるという予感をひしひしと感じていた。突然の強敵の襲来や、味方ごと粛清しようとした敵機。特にそのような気配のない現時点であれこれ心配しても詮無きことだが、念の為不意の事態が起きても慌てないよう、「なにかが起こる」ということだけは念頭に置いている。

 あいにくと愛機のアリスキャバリアはメンテナンスに出している。今回のミッションまでに新たに入手した機体・シールダーファランクスは自分が使うよりも訓練のために正規軍側に使ってもらった方が良いだろうと考え、先方に貸し出している状態だ。よって、現在彼女は生身で戦場にやってきている。

「敵機確認! ……いや違う、生身か!?」
「気をつけろ、あえて生身でそこにいるんだ。何をしてくるかわからん。警戒を厳にしつつ複数機で当たれ!」

 何かある、と正規軍のパイロットたちは直感で判断した。貸し出されたシールダーファランクスに搭乗するパイロットを先頭に、慎重にリーゼロッテへと接近する。

「なるほど、そりゃ警戒するか。相手が生身だからといって油断しないのは褒めてやる。だがな……」

 リーゼロッテは想定外の事に対しての対処を覚えさせるという意味合いも込めて、ユーベルコード「四獣の音楽祭」を発動する。

「……っ、四方八方から音が……!」
「音源を探知できないっ……これがユーベルコードというやつか……!」

 突然の超常の現象に正規軍の動きが止まる。リーゼロッテはなるほど、とアドバイスをひとつ送ることにした。

「目で見えるモノだけが正しいとも限らん、全神経を集中しろ。それが答だ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

リエッタ・スノウドロップ
●アドリブ・連携歓迎です。
初依頼なので緊張していますが、「行きましょうか、アクア」
事前に用意したサイキックキャバリアで模擬戦闘に参加します。戦闘はまず射撃で威嚇し、回りの状況に気を配りながら時々近接戦をしかけます。
今後のためにもキャバリアの操縦は慣れておきましょう。
体術の心得はあるのでキャバリアを時折投げ飛ばしを試してみましょうか。
ユーベルコードは使用しません。
建造物は派手に壊しましょうか。攻撃を受けたら効いているかのように後退したり吹き飛ばされたかのように動きます。


エメラ・アーヴェスピア
あら、件の大統領が見つかったのね
これからの作戦の為にも、是非救助しておきたい所よ
それにしても…また思い切った作戦ね

さて、いつも通り私はオペレーターとして参加よ
迎撃部隊側と猟兵側で別に通信を確立、指定UCによる隠れての偵察を実行
…とはいえ、演習中は猟兵側には手は出さないわよ
演習中は迎撃部隊側でのオペレーター
まぁ私はパイロットではないから、アドバイスできるのは【集団戦術】に関して位なのだけれど
ふふっ…猟兵の敵側として戦えるなんて珍しい機会よね、毎回オペレーターとして参加していた私だからこその立ち位置かしら
…緊急事態を察知したら双方に連絡、これが双方の通信確立をしている理由よ

※アドリブ・絡み歓迎



●擬似的な猟兵VS猟兵
「あら、件の大統領が見つかったのね」

 エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)はその情報ににっこりと笑みを浮かべた。良いニュースを聞けたのは僥倖である。もちろん、これ以降の作戦のためにもしっかりと救助しなくてはいけない。

 決意を固めるエメラは作戦に臨む。今回もオペレーターとしてその辣腕を振るう……のだが、いつもと勝手が違った。彼女は迎撃部隊側のCoyoteを指揮していたのだ。

「あれっ? エメラさん、こちら側ではないんですか?」

 不思議そうに首を傾げるのは今回が初の依頼だというリエッタ・スノウドロップ(星詠みの踊り子・f17964)。

「演習中は猟兵側には手は出さないわよ。私はこれまでオペレータとして参加してきたから、先方から是非正規軍にオペレータの立場として指導をと言われたの。猟兵の敵側として戦えるなんて珍しい機会よね……むしろリエッタこそ良いの? 初依頼として選ぶにはかなり変わった任務よ」
「今後のためにキャバリアの操縦に慣れておきたいんです。言ってしまえば今回は模擬戦……ということになりますよね。ですから、むしろ良い機会ととらえてます」

 事前に用意したサイキックキャバリアに乗り込むリエッタは操作感触を確かめるように機体を操る。機体の調子は良好、胸を借りるつもりで正規軍に挑む。

「わかったわ。もちろん、緊急事態にはすぐに猟兵のサポートに入るわ。お互い良い経験になるといいわね」
「えぇ、それでは行きましょう!」

 リエッタはキャバリアを駆り、手持ちの火器を斉射する。もちろん威嚇で、当てるつもりはない。サイキックキャバリア特有の直感的な操作系統はリエッタの意思を反映し、Coyote部隊の足元に狙い違わず銃弾を撃ち込んだ。

「くっ……正確な狙いだ!」
「怯まないで。集団戦闘の基本は数的優位に立つことよ。1人で相手にせず、複数機で敵に当たること。数の優位って意外と馬鹿にならないわよ。機体性能が少々劣っていても簡単にひっくり返せるから」
「了解、やってみましょう!」

 Coyote部隊は一瞬怯むが、エメラの集団戦法についての的確なアドバイスを受けて整然と動き出す。リエッタは多対1の状況に持ち込まれるのを懸念して、1対1の状況を作り出すべく射撃で分断を図ろうとする。

「逆に言えば、単独で戦闘する敵は1対1に持ち込もうとするんですよ。こんなふうにね」
「射線が割り込んできたか! 各機、付かず離れずの距離を維持しろ!」
「そうそうその調子よ、危険を感じたら散開することも大事ね。さぁ、来るわよ!」

 リエッタは流れ弾を利用して周囲の建造物を派手に壊して激しい戦闘を演出しつつ、引き続き1対1の状況を作り出すべく分断を図る。エメラは事前にばらまいた蒸気ドローンを駆使してその動きを読みつつCoyote部隊に指示を続けた。

 やがて、リエッタは1機のCoyoteの動きが乱れたのを目ざとく見つける。

「格闘戦に持ち込んでみましょうか……!」

 リエッタは愛機を駆って一気に接近すると、Coyoteの腕を極めてそのまま投げ飛ばす。リエッタは体術の心得があり、それをキャバリア操縦に応用してみた形だ。ぶっつけで出した技だが、キャバリアは勢いよく投げ飛ばされる。

「うおぉっ……! 投げ技だと……!」
「おい、大丈夫か!?」

 Coyoteに搭載されたショックアブソーバーによって中のパイロットに怪我こそ無いものの、一瞬の浮遊感と直後に襲った衝撃はかなりのものだった。

「落ち着いて! 1対1に持ち込まれたのを見つけたらすぐにカバーに入りなさい。状況を常に見極めて、有利になるように持ち込むの」
「わかった、上手くやってみよう……」

 Coyote部隊は投げ飛ばされた仲間を助け起こすと、再び数的優位に持ち込もうとする。今度は別の1機が突出してしまい、そこを好機とばかりにリエッタは再び接近戦を試みる。

「よし、もう一度……!」
「同じ手は食わない! 6番、9番、挟み撃ちだ!」

 2機のCoyoteが即座に動き、左右に散開してリエッタ機を挟むとミサイルを斉射した。

「避けきれませんか……!」

 リエッタは後ろに飛ぶことでミサイルの爆風の衝撃を殺しつつ、必要以上に派手に吹っ飛んで見せる。これはリエッタなりの「演出」だ。こうしてみせれば、かなり派手に迎撃戦闘が行われていると見せかけることができるだろう。

「しかし……流石に手強いですね。狼に率いられた羊の群れは羊に率いられた狼の群れに勝ると言いますが……エメラさんが指揮するとCoyoteもここまで歯ごたえがありますか」

 Coyoteの統率の取れた動きに、リエッタは舌を巻く。だが、リエッタも操縦には慣れてきた。徐々に手強い敵としての演出もできるようになっていくだろう。

 不測の事態に気を配りながらも、偽りの戦闘は続く。その過程でCoyote部隊が手強い精兵の集団になる一方で、リエッタもまた、一騎当千の強者たる猟兵として成長を遂げつつあったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
ヘヴィタイフーンMk.Ⅹ(連携OK)地上に降りての交戦

心情:副次任務の教導機役は構わねぇが…俺達猟兵の操縦は基本から程遠いぞ?正規軍人様に変な癖がついても知らねぇからな

手段:コバヤシ丸から降下、キャバリアスラスターを全開で吹かして着地の衝撃をマイルドに。

接敵したらシールドを構えて上半身を守りながら肩のレールガンと手持ちの無反動砲で反撃だ、レールガンは貫通力が高いから威嚇や牽制に留めておき、砲弾は貫通力の弱い対空霰弾を使用だ。

相手はCoyoteを集結させ集中攻撃する腹積もりの様だが…【EMP弾頭】のような範囲攻撃持ちには悪手だな。
一ヶ所に固まるのではなく小隊単位に別れ目標を分散させるのが正解だ


ジェイ・ランス
【SPD】※、アドリブ、連携歓迎
■心情
んふふ、実はこーゆーお芝居大好きなんだよね。盛大に道化ってやろうじゃないのん。
ダンディライオン、いい機体なんだけど、推進器邪魔だったから取っちゃったし、もっかい一からデータ取り直しだね。てことで、ダンディライオン、改め「レーヴェンツァーン」のお披露目だ。

■戦闘
UCと"重力制御術式"で、重力航行による高機動強行偵察("事象観測術式"による【情報収集+偵察+索敵】、【残像+迷彩+瞬間思考力+ジャミング+フェイント+滑空+ダッシュ】)に突入します。味方へ情報を送りつつ、自身は"ガトリング砲"による【制圧射撃】を行います。

さてさて、エルディスタンはどうするかな~?



●それがアークライトのお国柄
「副次任務の教導機役は構わねぇが……俺達猟兵の操縦は基本から程遠いぞ?」

 愛機・ヘヴィタイフーンMk.Ⅹのコックピットの中でぼやくヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)。正規軍人様に変な癖がついても知らねぇからな、と隊長に釘を刺していると、回収チームに参加している1人が口を挟んできた。

「ところがだなカイゼル、そうもいかないんだ。うちの国じゃ型通りの戦闘をやってるやつは皆無でね」
「その声……アークトゥルス9か」

 前回の任務で行動を共にした電子戦機乗りのアークトゥルス9はタスクフォースに組み込まれ、回収チームに参加している。彼は周辺の警戒を行いつつ、「落ちる」コバヤシ丸の着陸誘導を担当する。

「うちのキャバリア操縦教練過程はちょっと変わっててね。基礎教練を終えると、現役パイロットが一人ついて訓練生にマンツーマンで操縦を教え込んでいくのさ。だから教官役のパイロットの癖が感染ったりしちまうんだよね」
「確かに、動きは良いな……いい意味で型から外れている」

 ヴィリーはアークトゥルス9の言葉を受けて、目の前に展開するCoyote部隊の動きを観察する。統制は取れているものの、細かい動きに決まった型を感じさせない。これはいい意味で手こずらせてくれそうだ、とヴィリーはこれからの戦闘に期待を寄せた。

「んふふ、実はこーゆーお芝居大好きなんだよね。盛大に道化ってやろうじゃないのん」

 一方、芝居と聞いて俄然やる気を出したジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)。トリッキーで大胆な策はジェイの得意とするところだ。今回は腕によりをかけてやろうと気合も十分である。

「頼むぜ……っと、今気づいたがその機体……ダンディライオンだっけか? 微妙にフォルムが変わってるがいじったのか?」

 アークトゥルス9はジェイの機体の変化に気づいて指摘する。ダンディライオンは、スラスターが取り払われてよりシンプルな印象を持つフォルムへと姿を変えていた。

「スラスターをあんまり使わないからいっそ取っ払っちまおうと思ってさ。そんなわけで名前も変わった。ダンディライオン改め『レーヴェンツァーン』のお披露目ってね」
「結局タンポポじゃねぇか」
「バレたか」

 ケラケラと笑いながら、ジェイはコンソールを叩く手を緩めず、戦闘準備を進めていく。

「さぁて、お喋りはそこまでだ、始めるぞ」
「あいよっヴィリーちん!」

 レーヴェンツァーンは召喚されたガトリング砲を装着しながら、重力航行で最前線に躍り出てCoyote部隊の動きを事象観測術式で把握する。小隊同士が集まって一点突破を図るつもりだ。一方ヴィリーのヘヴィタイフーンはこちらに向けて攻撃してくるCoyote部隊の一部を相手に、シールドでしっかりと弾を防ぎながら肩のレールガンと手持ちの無反動砲を斉射して反撃する。

「上手いこと峰打ちレベルで済ませておきたいがな」
「まぁCoyote意外と頑丈だし大丈夫じゃね?」

 ジェイは逐次アークトゥルス9と連動して周囲の警戒を行いつつ、戦況を逐次味方に伝えていた。撃ってくる相手にはガトリングで反撃する。トリッキーな動きで残像を残しながら動くレーヴェンツァーンに、Coyote部隊は早速翻弄され始めた。

「く……あのウサギ、動きが良い! こちらの攻撃はことごとく回避されているな……!」
「そういう時は面制圧に速攻で切り替えるのが良いんだぜー、こんなふうに」

 ジェイはCoyote部隊にアドバイスを送りながら、ガトリングで横一列を薙ぐように掃射してみせる。

「く、被弾した……!」
「ほいほいぼさっとすんなー、さらに行くぞー」

 一方でヴィリーはCoyote部隊の教育も兼ねて、無反動砲にEMP弾頭をセットする。

「レーヴェンツァーンはECCMの準備を頼む」
「あ、EMP撃つの? オッケーだ、遠慮なくやってくれ」

 自分とほど近い距離で交戦するジェイに警告を飛ばすと、ジェイからはゴーサインが出る。これを受けて、ヴィリーはついに一点に集中するCoyote部隊めがけてEMP弾頭を容赦なく撃ち込んだ。

「っ、データリンクが……! EMP弾頭か!? どこから撃たれた!?」
「あの量産機だ!」
「一点突破で飛行船に肉薄しようとしたのが裏目に出たか……」

 電磁パルス攻撃で動きを止めるCoyoteたちに、ヴィリーは一言助言する。

「今の攻撃みたいに、密集しての一点突破は範囲攻撃持ちには悪手だな。データリンクを狙おうとしすぎるとかえって一網打尽になるリスクが上がる。一ヶ所に固まるのではなく小隊単位に別れ目標を分散させるのが正解だ」
「なるほど……覚えておきます」

 模擬戦でCoyoteの欠点を発見したCoyote部隊はこの一件を心に刻む。本当の実戦では同じ過ちをすれば機体の撃破や自らの戦死を招くだろう。だからこそ、ここでは失敗を恐れず様々な戦術を試すつもりでいた。

「ふぅ……教官役ってのもまぁ悪くないが、やはり変な癖がつかないか心配にはなるな」
「でも良いんじゃない? アークライトの自前の戦力にも頑張ってもらわないとさ……さてさて、このお芝居を見たエルディスタンはどうするかな~?」

 まだエルディスタン本国からのアクションは確認できない。しかし確実に何か手は打ってくるだろう、という予感はジェイもヴィリーも感じている。

 偽りの戦いは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
なるほどねー。
しっかし、よく大統領生きてたわねー。
一応聞くけど…本物よね。実は大統領が黒幕でペテンだった―なんてUDCアースで見たC級映画みたいな展開はごめんよ(苦笑)


さて、レスヴァントで出撃するわね。今回はパールバーティはお留守番。
後で出番あるから拗ねない。

オーバーブースト!!
加速しつつ、迎撃部隊に接近。
自慢の『操縦』テクで回避。
全力で回避するから当てれるものなら当ててみなさいね。
ほらほら、迎撃に夢中になって動きが散漫よ。
アストライアの『制圧射撃』で腕や脚部を撃ち抜くわ。


ボクの行動範囲は、コバヤシ丸からある程度距離を保ちつつ、接近する機体に『威嚇射撃』で牽制するわね。

あ、そろそろ時間かな。


イヴ・クロノサージュ
アドリブ◎



●行動
宇宙戦艦《クロノトロン=ユニット》で出撃します
航空機キャバリア『BG-3ナイトメアプラス』は合計89機
装備は一般的な『機関銃』『ミサイルポッド』を装着させて
5機をひとつの小隊として団体行動+連携を取ります
エルディスタン:カラー塗装で統一します

航空機キャバリア『BG-3ナイトメアプラス』は低空飛行(150m)
宇宙戦艦は全高約125mなので浮かせるだけになります
殲禍炎剣の上空限界(500m)と感知限界速度を維持します

●会話:女王様っぽく演技
「黒騎士小隊。いきなさい――。
 多対一を意識し、敵の腕(武器)と足を削ぐのです」
(演習を始めましょう。正規軍同士の戦闘みたいにはなるでしょう)



●大部隊VS大部隊
「……なるほどねー。しっかし、よく大統領生きてたわねー」

 そんな感想を漏らすユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)。彼女はかつて、ここアークライト自治領から遠く離れたサルディア皇国の第二皇女であったが、後継者争いに巻き込まれて祖国を出奔している。そんな身からすれば、今回のエルディスタンにおけるクーデターは他人事のように感じられなかったのだ。

「一応聞くけど……本物よね。実は大統領が黒幕でペテンだった──なんてUDCアースで見たC級映画みたいな展開はごめんよ」
「安心しな本物だよ。諜報部の連中が発見時にその場で簡易的に本人鑑定を行ったが、100%本人って結果が出てる」

 ユーリーの苦笑交じりの言葉に、回収チームの一人が言葉を返す。

「なら信じていいか……よし、始めようか」

 今回選んだ機体はクロムキャバリアのレスヴァント。量産機のパールバーティは一旦待機させている。何かあれば即応できるようにいつでも呼び出せる態勢だ。

 Coyote部隊と交戦状態に入ろうとした時、通信が入る。

「あ、ユーリーさん? こちらイヴです。ちょっとこの子達と一緒に戦ってくれませんか?」

 声の主はイヴ・クロノサージュ(《機甲天使》―― Save the Queen.・f02113)。しかし、彼女の姿はまだ戦場のどこにも見えない。ユーリーはきょろきょろと辺りを見回す。

「え、この子達って? ……そもそもどこにいるの?」
「こちらです」

 次の瞬間、虚空からいきなり巨大な構造物──宇宙戦艦《クロノトロン=ユニット》が出現する。

「な、な、なんだあれはッ!?」
「地上戦艦の類か!? 反重力ユニットなんて我が国ではまだ基礎理論研究の途上だぞ!?」

 Coyote部隊はあまりのことに大いに狼狽する。「何をしてくるかわからない」の極北をまさに味わっていた。
 もちろんユーリーも口をあんぐりと開けている。

「せ、戦艦持ってくる、フツー!?」
「家みたいなものですから。それに、これからやることは戦艦がないとできないものでして」
「へ……?」

 ユーリーが呆然としている間に、クロノトロン=ユニットのハッチが開き、中から続々と量産型航空キャバリア『BG-3ナイトメアプラス』が続々と出撃していく。可変機であり、戦闘機形態と人型形態を状況に応じて使い分けることが可能だ。ご丁寧にエルディスタンの国籍マークがロービジ仕様で入っている。

 圧巻なのはその数である。総数89機。この周辺に展開するCoyote部隊以上の数だ。

「なんかいっぱい出てきた……」
「正規軍同士の戦闘みたいにはなるかと思いまして」

 衝撃の登場にCoyote部隊の狼狽ぶりは酷いものだったが、どうにか冷静さを取り戻したCoyote部隊は気を取り直してナイトメアプラス部隊へと攻撃する。

「黒騎士小隊。いきなさい――。多対一を意識し、敵の腕(武器)と足を削ぐのです」
「怯むな! 集団の中でも突出してきた敵を集中して攻撃、一点突破だ!」

 イヴは演技のためにわざと広域無線でナイトメアプラスに指示を出す。さながら女王といった風格が口調の端々からにじみ出るが、これもイヴの演技である。
 Coyote部隊は先程の反省から小隊ごとに集団を作ってデータリンクを行い、ナイトメアプラス部隊を迎撃する。それまで多対一の状況だったCoyote部隊は数で勝る相手が出てきたことで正反対の戦いを行うことになるが、その切替は速いものだった。

 あちらこちらで砲火が交わる中、ユーリーも我に返って戦闘を開始する。ナイトメアプラス部隊を突破してコバヤシ丸へと接近するCoyote小隊を見つけると、スラスターを全開にして急速に接近した。

「おぉっと! やらせないよー!」

 アサルトライフル「RS-SAW-R01アストライア」が火を吹く。横からの射撃にCoyoteの小隊は一瞬で散開した。

「ちっ、直掩機!」
「もう少しだったんだが……迎撃しろ!」

 レスヴァントを撃破すべくミサイルやサブマシンガンを雨あられと浴びせかけるCoyoteだが、その全てを回避する。

「ほらほら、迎撃に夢中になって動きが散漫よー」
「くっ、速い……!」
「全力で避けてるからね。はい頂きー」

 関節部に被弾したCoyoteの1機が膝を屈して倒れる。

「くっ……やられたか……!」

 と、戦闘を続けていた時、クロノトロン=ユニットのブリッジでナイトメアプラス部隊を指揮していたイヴは三次元レーダーコンソール上の光点のひとつが徐々に高度を落としているのを見つける。この光点はコバヤシ丸のものだ。

「こちらイヴ、コバヤシ丸が高度を落とし始めました」
「おっと、そろそろ時間かな?」

 同時に、回収チームも動き出す。いよいよこの芝居も終幕が近づいてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

水無月・ゆえと
連携/アドリブ歓迎

-心情
欺瞞作戦ってなんだか面白そうですねぇ
護衛任務って所も何かを守るのが好きなので魅力的です
アークライトの兵士を鍛えるためにも派手に暴れますよ

-行動
[氷月丸]に乗り込みコバヤシ丸を直掩するね
可能であれば飛行船の上に陣取るよ
武器は[BXS-F Carrot's]を使おう

ミサイルはレーザーで打ち落とし
バリア機能を使って大袈裟にコバヤシ丸を守るね
守る範囲を広げ掠める攻撃もガードすれば派手かなぁ

攻撃が落ち着いていたらレーザー出力を極小に設定っ
ペイント弾代わりのちょい焦げレーザーでとろいアークライト機を攻撃です
攻撃した機体には【指定UC】の兎さんを潜入させ動きのアドバイスを伝えようっ


テラ・ウィンディア
今回はちょっと難しそうだな
護りながら戦うって事は今回は防御に徹してみようか

元々不殺なのは当然だけど今回は教導も兼ねるのか
他の世界の戦い方もちょいと思い出しながらやるかな

という訳で頑張ろうかヘカテ

【属性攻撃】
炎を機体全身と武装に付与

【戦闘知識】
敵部隊の動きとチームの癖を分析

UC発動
防御強化
【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
あえて自分から突っ込んで囲まれながら
集中攻撃を誘って
回避回避回避
やっと当たったと思ったら盾で防御
その上で尚それも突破しても強化された防御でダメージが少ない

戦力差がある相手は無理に相手をせず足止めに徹するのも手段だぞー
そして【二回攻撃・重量攻撃】で四肢を切って無力化



●芝居のクライマックス
「欺瞞作戦ってなんだか面白そうですねぇ。実は護衛任務って所も何かを守るのが好きなので魅力的ですよ」

 作戦概要を聞いた水無月・ゆえと(月兎の剣士・f29534)はそんな感想を漏らしながら戦闘準備を進めている。ウサギ型キャバリア「氷月丸」は高度を下げつつあるコバヤシ丸の上に陣取っていた。護衛を好むゆえとはコバヤシ丸の直掩を行う構えだ。

「今回はちょっと難しそうだな……護りながら戦うって事は今回は防御に徹してみようか。ってか、元々不殺なのは当然だけど今回は教導も兼ねるのか。上手くできるかな……まぁ他の世界の戦い方もちょいと思い出しながらやるか」

 一方、地下鉄護衛任務の時はワートホグ3に教えられる立場だったテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。今回は教える側に回るということでやや不安ではあるものの、そこは銀河戦争の頃から戦い続けてきた経験の活かしどころだと、愛機ヘカテイアのコックピットの中で気合を入れる。

「テラさん、前衛は任せていいかな」
「あぁ、後方からの援護は任せるぜー」

 ゆえととテラは言葉をかわして役割分担を終えると、迫るCoyote部隊との交戦を開始する。

「前方に特機を確認!」
「重装型を前に立てて前線を押し下げる気か!」

 Coyote部隊はヘカテイアの姿を認めるとヘカテイアへの集中攻撃を浴びせる。ちなみに特機とは、アークライト自治領を含むいくつかの国家正規軍で使われている、スーパーロボットを指す呼称である。アークライト自治領国防軍ではスーパーロボットを「特殊機械化騎兵」と分類し、独自の運用ノウハウを構築していた。

「よーし、エンチャントファイア!」

 テラは炎属性の魔力をヘカテイアの機体と武装に纏わせると、Coyote部隊からの集中攻撃の嵐の中突っ込んでいく。同時に攻撃してくるCoyoteを観察することで敵の動きや癖を把握することでこの後の行動を取る上での下準備とする。

「流れ弾はしっかり防がないとね」

 一方のゆえとは人参を模した形状のビット兵装群「BXS-F Carrot's」を一斉に展開し、一部をコバヤシ丸の周辺に滞空させて力場による障壁を形成。時折コバヤシ丸を掠めるコースを取る流れ弾をしっかりと防いでみせる。

「ターゲット、障壁で覆われました!」
「ビット兵器によるバリア……発生源は直掩に回っているウサギか! ……仕方ない、まずは特機を突破する!」

 飛行船に攻撃が届かないとわかるや否やヘカテイアへの砲火はさらに激しくなる。マシンガンの十字砲火にミサイルの雨は一見すると回避困難なように見えたが、先ごろ観察した動きをもとに、テラはヘカテイアを操って全て回避、直撃コースの弾丸も盾を使って防御してしまう。盾の防御の隙を突いて側面からの攻撃を行うも、火属性魔術で強化された装甲には傷一つつかない。

「戦力差がある相手には足止めに徹するのも手だぞー」
「く……よし、7番、9番、俺に続け! 他はこいつを食い止めろ! 戦線を維持するんだ!」

 テラからの助言を受けたCoyote部隊は、一部の機体で飛行船のバリアを解除して攻撃を加え、他をヘカテイアの足止めに回した。

「っと、3機こっちに向かってくるか。よーし」

 接近してバリアを形成するビットの排除を試みるCoyote3機だったが、ゆえとの目は攻撃する瞬間、足が止まったのを見逃さない。

「それ行けっ」

 周囲に滞空させて待機していたビットを使い、足を止めたCoyoteの1機に向けて出力を絞ったレーザーを放つ。ペイント弾代わりの焼け焦げが装甲に刻まれた。

「被弾っ!?」
「やぁパイロット君、残念だったねぇ」
「え……だ、誰だ!?」

 被弾したパイロットは突然コクピットの中に響いた声に仰天する。声の主を見れば忍者装束に身を包んだウサギが足の間からこちらを見上げていた。

「こ、コクピットの中にウサギが!」
「あぁ大丈夫、オレだよ、猟兵のゆえとだよ」
「あ、アグレッサーを担当している猟兵の方だったか……心臓に悪い」

 このウサギの正体はゆえとのユーベルコード「招集・忍者兎」によって放たれた忍者ウサギである。壁抜けの術の類を使用してCoyoteのコクピットの中に潜り込んでいたのだ。

「まぁちょっとアドバイスをしておこうと思って。敵に接近しながら攻撃する時はなるべく足は止めずに行進間射撃を行ったほうが良いねー。今みたいに防御に徹しているように見えて隠し玉でズドンってされることもあるから」
「お、覚えておきます……」

 ウサギから戦術に関するアドバイスを受けるという珍妙な状況に目を白黒させているCoyoteのパイロットはただ頷くだけだった。

 そうこうしているうちに、コバヤシ丸の着地地点への終端誘導を終えた回収チームは着陸点へと向かい、コバヤシ丸もゆっくりと定められた着陸点に降りていく。

「終わりか……」
「注意を反らすためにもギリギリまで戦おう。もう少しだ」

 テラとゆえとは幕が完全に降りるその瞬間まで、己の役目に徹し続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:タタラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●消失した忠義の再起動、そして暴走
 エルディスタンには、大統領直属の機械化騎兵部隊「フラッグフォース」が存在する。その隊長を務めるのはエルディスタンのトップエース、ピョートル・クズネツォフだ。
 ピョートルは若くして近隣諸国が合同で開催した多国籍キャバリア演習「AEROEx」で頭角を現し、アークライト自治領のトップエースにしてワートホグ隊の隊長・ペーパーバックと互角に渡り合う腕前の持ち主だった。また、祖国や大統領に対する忠義に篤く、近衛部隊の隊長として大統領からも側近と並ぶ信頼を寄せられるほどであった。
 しかし、エルディスタン国内で発生したクーデターの際、彼は秘密裏に大統領を逃がすことに成功したものの、自身は軍閥勢力に囚われてしまう。
 今のピョートルは意識を昏睡状態にされた上で、エルディスタン国内の工廠で生産された高性能オブリビオンマシンの生体CPUとして、機体をただ動かすだけの人形と成り果てた。表向きはそれまでと変わらず、偽りの大統領に付き従う近衛部隊の隊長だが、内実は自発的な忠誠心ではなく、操り人形である。

 だが、そんな日々を送っていたある日。
 エルディスタン国境付近の工廠で機体の中で眠りについていたピョートルは、遠く聞こえる戦闘の音を聞きつける。
 自身の中に芽生えた「何か」。それは己から消えていたはずの忠義であった。
 自らの手足に等しいオブリビオンマシンを駆り、彼は戦闘が繰り広げられているエルディスタンとアークライトの国境地点に向けて動き出す。ピョートルは本能的に何かを感じ取っていた。

 祖国を守るために、戦場に赴かねばならない。

 そんな衝動が、彼の身体を、そして彼の乗機を動かしていた。

●第二幕はアドリブで
「よし、コバヤシ丸の着地を確認。今大統領を回収しに向かっている」

 回収チームからの報告を聞いて、戦闘の手を止めるCoyote部隊と猟兵達。偽りの戦いはこれで終幕となる。

「迎撃部隊は帰投せよ! 基地でデブリーフィングを行う」

 役目を終えたCoyote部隊は基地へと引き返す。猟兵たちは有事に備えて回収チームや着陸したコバヤシ丸の直掩に回ることになっていた。
 その時、レーダー索敵を担当していたアークトゥルス9が声を上げる。

「おいおいおい何だこれは……各機警戒態勢! とんでもねぇ速さでキャバリアが1機こっちに向かってる……識別はエルディスタンだ!」

 その声に猟兵たちは弾かれたように周囲の警戒に当たる。戦いはまだ終わっていなかったのだ。

 そして、現れたのはモノアイ・ゴースト。機体表面にエルディスタンの国籍マークと、部隊エンブレムが刻印されている。救出を待つ飛行船の窓から、そのエンブレムを見た大統領は目を見開いた。

「ピョートル……なのか……!」

 盾を咥えた犬の顔をあしらったエンブレム。それは大統領直属部隊のものだ。そして、単機でここまでやってくる男を大統領は一人しか知らない。

「祖国を……祖国を守る……お前たちは祖国の敵だ……」

 混線した無線から声が聞こえてくる。大統領にとって聞き覚えのある、忠義に篤い男の声だった。オブリビオンマシンが猟兵たちを敵と認識し、ピョートルに芽生えた忠義と混ざり合った結果、猟兵たちを排除すべき祖国の敵であると認識しているようだ。

 大統領は手近にあった無線機を手に取り、語りかける。

「聞こえるかね、アグレッサーの諸君……私はエルディスタンの大統領だ。今回の亡命で助け出してくれたことに感謝を述べたいが、加えてひとつ、頼みたい」

 オブリビオンマシンの手によって、猟兵を排除する口実にされたピョートルの忠義。大統領は無線機を手にしたまま、しばし、モノアイ・ゴーストを見つめる。そして、見えない相手に向かって頭を下げた。

「あのオブリビオンマシンは有人機だ。中には……私にとって最も信頼できる男が乗っている。無理を承知で頼む……彼を、救ってやってくれ……!」

 大統領を救出する回収チームのキャバリアと装甲車は地上のコバヤシ丸めがけて急行する。猟兵たちは自らの使命──オブリビオンマシンの排除とパイロットの救出のため、動き出した。
ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、連携歓迎
■心情
いやあ、大統領直々に頭を下げられちゃあねえ?やるしかないっしょ!
さすがに無駄口は言わねえよ、さっさと終わらせるぜ。こいよ、"ツェアライセン"。

■戦闘
レーヴェンツァーンを"ツェライセン"に乗せ、空中高機動戦闘を挑みます(空中戦、フェイント、滑空、ダッシュ)。【誘導弾】付与の"光線"や"ガトリング砲"の【一斉発射】でバリアを減じつつ(鎧砕き)【ジャミング】で【ハッキング】を仕掛けて瞬間的にバリアを消失、その隙にUCにて敵機を羽交い絞めにし、自身はキャバリアより降りて敵機に直接取り付きます。
そして再度【ハッキング】を仕掛け、パイロットの救出を試みます。

おい起きろ!


リーゼロッテ・エアクラフト
…案の定想定外の事態が起こったな。
まぁ正確にはこちらの想定とは違うパターンだったが…

この場にいる猟兵の全員が救出の方で動くだろうから『敢えて』厳しい事を先に言っておく。『それを第一の優先事項にするわけにはいかん』と

相手が相手である以上救出のために加減して全滅じゃ目も当てれんからな…とはいえ下手に動けばAIが学習してさらに強くなるわけで

ならなおさら難しい…がやるだけはやるが生身でだから
やり方は考える。

UCを使い『攻撃をかわされること』を前提に豆を豆鉄砲の如く放ちます。
相手がよけなければよけなければでそのまま仕込み、避けたなら避けたで
豆の木にして道を塞ぐ。

何も倒すだけが手段じゃない。要はやり方次第


イヴ・クロノサージュ
アドリブ連携歓迎



🎤 クロユニ/スピーカポット展開
宇宙戦艦の上で心を込めて歌います(技能:祈る)
想いが通じたら…きっと正気に戻るはず…です……。

    🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵

  🎵私の声をきいて、思い出して
    あなたの在るべき故郷よ、大切な絆を

  🎶 ζour->{μyvoice}=> γecall{soul!}=>
     Pyotr, -Pyotr, Proτecτ->{ηomeτown!};

    🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵 🎵

🔊 無線を繋いで
「聞こえますか!ピョートル隊長!
応答お願いします!あなたは今操られています!
――――正気に戻って下さい!!」


水無月・ゆえと
アド/協力歓迎

-心情
エースとの闘いだなんて、面白そうな展開になってきたね
手強いだろうけど他の猟兵達と協力してパイロットを助けるよ

-行動
コバヤシ丸や他のキャバリアの被害を最小限に抑えるためにも
囮役を買って出よう

[氷月丸]を人型に変形させ[RX雪華刃]片手に
モノアイの正面に立ちはだかりモノアイの注意を引こう

「そんなに戦いたいなら、この氷月丸が相手だよっ」

【指定UC】で周囲の水の流れを把握して回避に専念しよう
回避が困難な時は[BXS-F Carrot']のバリアを全開にっ

避けてるだけでは標的が変わっちゃうので
隙を見て軽い攻撃を仕掛けないとね


リエッタ・スノウドロップ
●連携・アドリブ歓迎です。
「あれがオブリビオンマシン・・・!」
前回の戦闘で慣れてきたので動作は問題なさそうです。
【先制攻撃】で【ジーブズ・ギャンビット】を使います。
アクアに乗っている状態でも服は薄着にしてますし使えるはず。
使えなくても体当たりしたりぶん投げたりと肉弾戦に持ち込みます。
コックピットは傷つけないよう四肢を狙います。
通信がつながるなら話しかけましょう。
「目を覚ましてください!」
大統領には近づけさせないようにし仲間の攻撃の邪魔にならないよう
位置取りには注意し、射撃でけん制します。
「機動力を奪えばチャンスはあるはず!」


テラ・ウィンディア
ワートホグ隊の隊長と互角の実力者か!
滾るな

おれにはあんた程の信念も忠義もない
その上で…助けねばならない

きっついオーダーだ
だが…やれるよなヘカテ!(UC発動

【属性攻撃】
炎を機体と武器に付与
今こそヘカテイアは火の玉となる!
【戦闘知識】
事前にピョートルの戦歴や戦い方を把握
目の前の機体の動きからその差異を分析

【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】で飛び回りながら回避に努め盾受けでダメージを軽減

敵の支援キャバリアや攻撃はガンドライドによる【レーザー射撃・遊撃】で迎撃

剣による【二回攻撃】
更に【早業】で槍に切り替えての【串刺し】
可能ならここでコックピット毎引きずり出し

【重量攻撃・砲撃】
ブラックホールで止め


ユーリー・ザルティア
※アドリブ、連携はご自由に


ふう、偽装解除っと。
意外に練度は悪くなかったわね。
でもまだまだ鍛えれる余地ありっと例えばあの機体のあの子とかこの子とか…(演習のレポートカキカキ)

さて、待機させていたパールバーティも起動…いくわよARICA。
『援護射撃』よろしく。
引き続きレスヴァントで行く!!

有人機…撃墜してもパイロットは要救助。
難解だけど、こー言うときに便利な機能って世の中にはあるのよ。
敵機の射線を『瞬間思考力』で判断して『操縦』テクニックで回避行動をとりつつ、アストライアの『威嚇射撃』で反撃。
支援キャバリアもろとも『範囲攻撃』に入った。
プラズマ・スフィア発動!!
動きが止まった。今がチャンスだッ!!


ヴィリー・フランツ
目的:武装を破壊し無力化する 心情:大統領も無茶言いやがる、コイツは今まで戦った中でもトップクラスの腕だぜ!…わかったよ、その代わり報酬上乗せだ!

手段:奴の武装はレーザーライフルに高周波振動ワイヤー、そして付近から呼び寄せるAI機の支援とバリアだ。

敵の攻撃は装甲とシールドで受け止めつつレールガンとミサイルで支援機を掃除としながら反撃するしかねぇな、ただし懐に入られたら鈍重な機体じゃ勝ち目がねぇ、スラスターを使い中距離を保つ様に位置取りをするぜ。

チャンスはバリアを纏って一直線に突っ込む瞬間。
【完全被甲弾】を無反動砲に装填、狙うは肩のバリア発生機!
155mm徹甲榴弾でお前の武器を叩き壊してやる


エメラ・アーヴェスピア
まぁ、順調に行くとは思っていなかったけれど…でもこれはチャンスにもなるわ
寸前まで近衛部隊の隊長をやっていたのなら敵の情報を持っている可能性は高い
さぁ、仕事を遂行しましょうか

オペレーター継続、猟兵達と回収班が連携を取れるように尽力を尽くすわ
それと回収班の護衛用に『戦火に舞うは我が傀儡』の分隊を向かわせるわ
【集団戦術】で運用、前に出して突進などの攻撃から守る盾としましょう
あと同僚さん達の機体への援護も忘れない様に
とはいえメインはオペレーター、どんな状況になっても対応できるようにしておくわよ

※アドリブ・絡み歓迎



●初遭遇の有人機
 大統領の要請を聞いた猟兵たちの反応は様々だった。やるしかないと気炎を上げるもの、無茶を言ってくれると苦笑するもの、相手がエースと聞いて血を滾らせたり、手強さを思って身構えるもの。特にリエッタはここに来てついに猟兵として初めてオブリビオンマシンと相対することになる。

「あれがオブリビオンマシン……!」

 愛機、アクアの中で一人ごくりと唾を飲む。しかもパイロットは自我を失ってしまっているとは言えエースパイロット。勝てるのか、と息を呑む。

 一方、この中で最も状況を俯瞰して見ていたのはリーゼロッテだった。元々救出後に本物のエルディスタン軍が回収の邪魔をする、撤退するアークライト軍を追撃してくるであろうことは予想していた。だが、有人機が、しかもエース級のパイロットを取り込んだオブリビオンマシンが来たのは想定外だった。

 だからこそ、彼女はこの場にいる猟兵に言わねばならないことがあった。

「『敢えて』厳しい事を先に言っておく。『それを第一の優先事項にするわけにはいかん』とな」
「……相手がエースだしな。こいつは今まで戦った中でもトップクラスの腕だぜ」

 ヴィリーがその言葉に同意する。躯の海の力でカタログスペック以上の性能や能力を発揮するオブリビオンマシンに、さらにエースパイロットが乗っているとなれば、当然下手に手加減をしてしまえば、全滅するリスクすら負うことになる。あくまでオブリビオンマシンの撃破が最優先事項となるのだ。

「でもこれはチャンスにもなるわ。寸前まで近衛部隊の隊長をやっていたのなら敵の情報を持っている可能性は高い」
「大統領が最も信頼できる男って言うくらいだ。確実に何か知ってるよな」

 エメラとジェイはそれを織り込んだ上で、メリットについて語る。ピョートルの救出は何も人道的見地における最適解というだけではない。それまで闇に包まれていたエルディスタンにおけるクーデターの真相や軍閥の正体に大きく迫るチャンスなのだ。

 考えはまとまった。オブリビオンマシンの撃破は最優先事項。その上で、パイロットの救出・保護のため各々が最大限の努力を行う。

「報酬は上乗せさせて貰わないとな」

 ヴィリーは一人、操縦桿を握りながら呟いた。

●エースの実力
「レスヴァント、出る! パールバーティも起動……いくわよARICA。援護射撃よろしく!」
「そんなに戦いたいなら、この氷月丸が相手だよっ」
「アクア、これより牽制攻撃を行います」

 まず動いたのはユーリー、ゆえと、リエッタの3人だ。ゆえとの氷月丸とユーリーのレスヴァントが前衛、リエッタのアクアとユーリーが遠隔操縦するパールバーティが後詰めに控える。

「敵の排除を開始する……。援護要請を送信」

 数的不利と判断したモノアイ・ゴーストは周辺からAI制御のエルディスタン機を呼び寄せた。国境近くを哨戒していたAI機の一部隊がやってくる。

「向こうも集団戦の構えね……ならばこちらも!」

 オペレーターを務めるエメラは量産型魔導蒸気鋼鉄騎兵を複数召喚。回収チームの直掩と、前線で戦闘を繰り広げる猟兵3人のもとに送り込んだ。

「……下手に動けばAIに学習されるのが厄介だな。ならこうするしかねぇ!」

 リーゼロッテは生身のまま地面を蹴って飛び出すと、前線に向かう鋼鉄騎兵の1機の手に乗る。

「リエッタ、キャバリアの操縦には慣れたか?」
「はい、先程の戦闘で慣れてきたので動作は問題なさそうです」
「OK、それなら問題ない。ユーリー、リエッタ、息を合わせて牽制入れるぞ」
「了解。タイミングは?」
「それじゃあオレが。氷月丸が変形したところに牽制射撃を入れて欲しい」

 前線に向かいながら作戦を固めた。氷月丸が前に出て、モノアイ・ゴーストの目の前に躍り出る。

「ターゲット、排除──」
「っ──」

 氷月丸を迎え撃つモノアイ・ゴーストは先制してパルスマシンガンを撃ち込む。あまりにも正確な狙いに、ゆえとは一瞬ひやりとしたものを感じたが、直撃寸前で素早く変形して人型となる。パルスマシンガンの弾は氷月丸の側面をかすめ、地面を抉った。

「今だ、僕に注意が向いているうちに!」

 RX雪華刃を構えて近接戦闘を行う意思を見せながら、3人に声をかける。

「よし来た!」
「任せて!」
「了解です!」

 リーゼロッテ、ユーリー、リエッタの3人は連携して牽制攻撃を仕掛ける。リーゼロッテはユーベルコード「天空の豆の木」によって豆を大量に乱射する。これに呼応するようにユーリーのレスヴァントは愛銃アストライアから弾丸を吐き出させた。一方リエッタは死角へと回る。

 モノアイ・ゴーストの反応は速かった。豆と弾丸の弾幕を最小限の動きで的確に避けてみせる。

「っ、流石にいい反応……!」
「とは言え当てる必要はない、避けられるのは織り込み済みだ!」

 舌打ちするユーリーに、リーゼロッテは心配無用と声をかける。

「今だ、芽吹け……!」

 リーゼロッテがばらまいた豆が続々と発芽し、周囲は豆の木で覆われる。モノアイ・ゴーストの周辺はさながら豆の木の迷宮だ。

「これで機動力は封じた! やれ、リエット、ゆえと!」
「了解です!」
「前後から仕掛ける!」

 氷月丸がRX雪華刃を、アクアがダガーを構えて猛然と突進する。しかし氷月丸はあくまでフェイント、アクアのダガーこそが本命だった。

 氷月丸の一撃を後方にバックして回避するモノアイ・ゴースト。そこへアクアが死角からダガーを構えて斬りつける。

 しかし、これもモノアイ・ゴーストは避けてみせた。

「機動力を奪ってもなお……!」
「流石に一筋縄では行かないか……!」

 ぎりっ、と奥歯を噛むリエットとゆえとだったが、

「いーや、お陰で準備は整った」

 テラの不敵な声が無線に響く。
 そこへ現れたのはレーヴェンツァーン、ヘヴィタイフーン、ヘカテイアの3機のキャバリア、そして巨大戦艦クロノトロン=ユニットの姿だった。

●歌声と共に
「私が歌で、相手パイロットの忠義を呼び起こします。そうすれば、きっと」

 イヴは決意とともに告げる。パイロットの精神を覚醒させることができれば、オブリビオンマシンの制御下からの離脱を助けることに繋がるだろう。

「OK、頼んだぜ。俺は奴の武装を排除する。テラ、手伝ってくれるか」
「おうよ。こっちが前衛を担当して釘付けにするから、武装を一気に片付けてくれ」
「じゃ、俺がパイロットの救出だ」

 ヴィリー、テラ、ジェイの3人は役割を手早く分担すると、豆の木が生い茂る戦場に飛び込んでいく。

 イヴは歌い出した。

「私の声をきいて、思い出して
    あなたの在るべき故郷よ、大切な絆を

   ζour->{μyvoice}=> γecall{soul!}=>
     Pyotr, -Pyotr, Proτecτ->{ηomeτown!};」

 その歌声を、エメラが欺瞞邀撃時にばらまいていた蒸気ドローンを通して戦場全体に拡散する。

「さらにオープンチャネルに切り替え……これで!」

 イヴの歌が大気を、無線の回線を震わせ、そしてその震えが、コクピットの中で機体を衝動のままに操るピョートルに届いた。

「……わた、しは」

 それまで鋭い動きを見せていたモノアイ・ゴーストは動きを鈍らせていく。この戦いは忠義によるものなのか。そんな疑問が、ピョートルの中に芽生え始めた。今、彼の精神がオブリビオンマシンが提供する闘争本能に静かに、しかし確実に抵抗を始めていたのだ。

「よし、奴の動きが鈍りだした! 行くぞテラ!」
「おうよ! おれの機体を盾にして遠慮なく撃ちまくってくれ!」

 テラのヘカテイアがヴィリーのヘヴィタイフーンを守るように仁王立ちし、その身に炎を纏わせる。

「今こそヘカテイアは火の玉となる!」

 はっ、とそれに気づいたリネットが声を上げる。

「テラさん! そのまま炎を全開にして突っ込んでください! 具体的には豆の木の只中に!」
「おっしゃあ!」

 炎を吹き上げたヘカテイアはそのまま豆の木の中へと飛び込む。炎は豆の木を熱し、そして豆の木もまたパチパチと爆ぜて燃え上がった。

「ヴィリー! 支援機を頼む!」
「よし来た!」

 AI機体を前に、ヴィリーはレールガンや無反動砲の飽和射撃を撃ち込む。

「生憎、学習してるのはお前らだけじゃねぇってこった。その動き、見覚えあるぜ!」

 的確な偏差射撃によって、バイタルパートの直撃を受けた支援機は吹き飛ぶ。全ての支援機がヘヴィタイフーンの容赦のない射撃の前に鉄くずへと変わるのに、そう時間はかからなかった。

「よし、一気に本体を叩くぜ……!」

 近接戦闘を仕掛けるテラとゆえと、そしてリエッタ。ガンドライドの射撃、雪華刃の一閃、ダガーの鋭い突きが、モノアイ・ゴーストの武装を次々と破壊していく。

「後はやつ本体のバリアーだな……ヴィリーちん、バリアー発生装置をやってくれ!」
「任せろ!」

 ジェイの要請に、ヴィリーが応える。レーヴェンツァーンはサーフブレイド「ツェアライセン」の上に乗り、炎に包まれた戦場の上空を飛び回ってガトリングによる射撃を行い、バリアーを減衰する。そこへヴィリーの徹甲弾が、モノアイ・ゴーストのバリアー発生装置を貫いた。さらに、ユーリーのレスヴァントが飛び込む。

「皆一旦離れて! プラズマ・スフィア発動……!」

 レスヴァントのEMP攻撃が炸裂。モノアイ・ゴーストは完全に沈黙する。

「よし、今だ……!」

 ジェイが飛び込み、モノアイ・ゴーストに取り付く。コクピットから飛び出したジェイは、モノアイ・ゴーストのコックピットをこじ開けると、中にいたピョートルに手を伸ばした。

「おい、起きろ……!」

 ピョートルは憑き物が落ちた顔でその手を取っていた。

「……さっき、目が覚めたよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『修練の日々』

POW   :    走り込みや筋トレ等、基礎の体作りを行う

SPD   :    キャバリアの細やかな操縦技術を磨く

WIZ   :    座学で戦術についての知識を深める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●これからのこと
 大統領とピョートルは保護され、回収チームによってアークライト自治領の首都である「アルタイルシティ」に向かっている。大統領からは猟兵たちに多額の追加報酬を支払うとともに、今後の作戦における全面的な協力を約束した。近日中に大統領は声明を発表するようだ。一方ピョートルは衰弱が激しいため、しばらくはアルタイルシティの病院で療養することになっている。

 基地へと帰還した猟兵たちは、今回の欺瞞戦闘に参加した迎撃部隊の「第19機動防衛隊」の隊長から、今回の戦闘のデブリーフィングに参加してほしいと要請された。戦闘内容を振り返り、今後の戦術について検討するのがデブリーフィングの議題だ。
 彼らの今後のために様々なアドバイスを送れば、きっと彼らの糧となることだろう。
リーゼロッテ・エアクラフト
デブリーフィング…な
まぁとりあえず一つ最初に言うべきことは『型にはまりすぎ』だろう。
…猟兵の場合型にはまらないというか大体がおのおのがやりたい放題の結果がアレだから参考には出来んだろうが

まぁ量産機で数をなして連携してく軍隊と個人で軍隊を相手できる猟兵を比較しちゃあいかんか
とはいえ各々がポジションを決めて…となればここの部隊に足りん要素だろうという事でキャバリアを貸し出したわけだが。

そう、以前から思ってはいたが全体的に防御面が疎かすぎるんだ
防衛するという意味でも時に強引に突破口を開くという意味でも攻めの盾は考慮した方がいいかもな


エメラ・アーヴェスピア
ん、最善の結果ね、何よりよ
これからどう事を進めるか気になる所ではあるけれど、仕事を最後までやらないとね

私はオペレーターだった訳だけれど
つまり客観的な戦場の資料を詳細に用意できそうなのは恐らく私よね
と言う事で今回の両陣営の動き等をまとめた資料を作成して持ち込むわよ
最初にも言ったけれど私はパイロットではないからアドバイスできるとしても【集団戦術】が精々
でも資料があれば他の同僚さん達との振り返りでも役に立つでしょう、使って頂戴
元々こういう仕事だった訳だしね、そういう経験で会議を円滑に進める方向で手伝わせてもらうわ

…早く終わったのなら趣味と実益を兼ねて整備班の手伝いに行きたい所ね…

※アドリブ・絡み歓迎


ヴィリー・フランツ
wiz
心情:取り敢ずだ、各猟兵との戦闘記録を洗い出して問題点の指摘だな。

手段:デブリーフィングの前にPXに寄って整備士達に珈琲とドーナツを買って差し入れに行くか、多分俺のEMP弾頭で電装品の総点検だろうしな。

「ヴィリー・フランツ、コールサインはカイゼルだ」
デブリーフィングだが…個々としての練度は問題ねぇな、アークトゥルス9の言う通り型に嵌まらず、全体的に高いレベルだ。

後は今回のような初見の相手にどれだけ損害を出さずに対応出来るかだな。
一番簡単なのは相手の武装を観察する事、俺の機体が砲撃機と解れば複数の小隊が集合するなんて事はしなかっただろ?

残りの問題も洗い出し、それを指摘し是正手段を提示するぜ



●座学の時間
「デブリーフィングが終わったら整備班の手伝いに行きたいわね」
「あぁ、俺も行く。差し入れもしたいしな。EMP弾頭撃ち込んだからCoyoteの電装品周り総点検しているだろうし、他にも結構派手にやったからな」
「あぁ、うちのキャバリアも貸し出してたからな……進捗状況も見ておきたいし」

 エメラ、ヴィリー、リーゼロッテの3人はブリーフィングルームに向かう道すがら、整備班の手伝いや差し入れなどについて話す。今回の作戦で最も大変なのは整備班だろう。様々な手段で攻撃されたため、損傷が軽微とは言え整備に頭を悩ませているに違いない。

 ブリーフィングルームでは第19機動防衛隊の面々がスクリーン上のデジタル兵棋を見ながら、あぁでもないこうでもないと話し合いをしていた。隊長が3人を出迎える。

「忙しい中すみませんな、是非今後のためにレクチャーをしてやっていただきたい」
「あぁお構いなく。早速始めましょうか」

 エメラが代表して挨拶をすると、隊員たちも話し合いを一旦やめてスクリーンの前に立つ3人に注目する。各々が簡単に自己紹介を終えると、まずはエメラが資料を配り始めた。

「今回の両陣営の動き等をまとめた資料を作成したわ。これを見ながら振り返りをしましょうか」
「お、これは助かるな。色々と話がしやすくなる」

 資料に目を落としながら、まずはヴィリーが口を開く。

「ひとまず、動きを一通り見てみたが、個々としての練度は問題ねぇな。型に嵌まらず、全体的に高いレベルだと思う」

 まず、褒めるべきところは褒める。実際、アークトゥルス9から聞いていた通り、防衛部隊の隊員たちはいい意味で決まった型にはまらない戦い方をしていた。

「その上で課題だが、今回のような初見の相手にどれだけ損害を出さずに対応出来るかだな。一番簡単なのは相手の武装を観察する事だ。例えば今回のケースで行けば……俺の機体が砲撃機と解れば複数の小隊が集合するなんて事はしなかっただろ?」

 む、確かに、と隊員たちは頷く。

「他にも、機動力が高い相手には面制圧にすぐ切り替える、1対1の戦いに長けているようであればなるべく複数で当たる……なんかの方針は機体構成を見ればある程度決まってくる。オペレータからの情報も聞き逃すな、敵の機体を余裕を持って見ることができるのはオペレータだからな」

 ヴィリーは一通り初見の相手への対応についてレクチャーすると、リーゼロッテにバトンタッチした。彼女は主に戦術面での課題点についての指摘を行う。

「さっきヴィリーが言ったように、個々人での戦術はそこまで型には嵌っていないが……俺から見た限りでは、連携面で型にはまりすぎな印象は持っていたな。とは言え俺たちのように各々が勝手に動くというわけにもいかんだろう……軍隊だからな。組織的に対応することになる以上どうしても集団戦法はある程度型を決めておかないとグダグダになる」

 そこは仕方ない面があるのは認める、とリーゼロッテはさらに続ける。

「なので、基本的には各々がポジションを決めて……ということでここの部隊に足りん要素だろうという事でキャバリアを貸し出したわけだが」
「前衛機でしたか」

 隊員の一人の反応にそうだ、とリーゼロッテは頷く。

「使ってみてどうだった?」
「元々前衛ポジションでしたが、ある程度戦いやすくはなりましたね。ある程度攻撃を受ける、という選択肢ができましたし」
「そうだろう? 防御もできるってことはそれだけ選択肢が増えるってことだ。以前から思ってはいたが全体的に防御面が疎かすぎるんだよ。基本、避けるか反撃するか……という二択だったんじゃないか? 防衛するという意味でも時に強引に突破口を開くという意味でも攻めの盾は考慮した方がいいかもな」

 なるほど、と膝を打つ。実際、第19機動防衛隊にもキャバリア用のシールドはある程度配備されていたが、使うことが少なかった。今後初見の相手に対応するためにも、防御を行うという考え方は大事だと心に刻む。

「二人の話を総合する形になってしまうのだけれど、個々の連携、小隊ごとの連携をしっかりと行うことは大事になってくるわね。常に周囲に気を配ること。臨機応変にごくこと。この2点が今回の最大の課題ってところかしら」

 その後、細かい部分の指摘や質疑応答を交えながら、デブリーフィングはつつがなく終了した。この後、シミュレータを使用した模擬戦形式での振り返りを行うため、一旦休憩となった。3人は整備班の手伝いや差し入れを行うため、PXに立ち寄って差し入れの品を買い、基地の格納庫に向かう。

「まぁ、ざっとこんなもんか……後は他の連中に任せて、俺たちは整備班の方を見に行くか」
「ここの整備班、優秀だものね。今度は私が色々と勉強したいかな」
「ホント、地下鉄の時も驚いたよな……初見の機体をばっちり整備してみせるあたり、技術立国って触れ込みは伊達じゃないってことかね」

 猟兵も他世界の技術を学ぶことは多い。何か得るものがありそうだ、という期待もあって、格納庫への足取りも自然と軽くなる3人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リエッタ・スノウドロップ
●アドリブ、連携歓迎です。
私の機体はサイキックキャバリアなので操縦方法は違うかもしれませんので参考程度に留めてもらえればと思います。射撃もほとんど我流ですね。私のメインは格闘になるので体術を教えられたらと思います。
基礎を反復して応用、また基礎と体に叩き込みたいので組み手でもしましょうか。
私の服装が気になる?気にしてると痛い目をみますよ(ちぎっては投げちぎっては投げ飛ばしスパルタでいきましょう)
私もまだまだ未熟者です。
また出会えることを願っていますよ。


水無月・ゆえと
アドリブ/協力歓迎

-心情
戦闘も落ち着いたところで
戦い方の指導ですかぁ
それなら剣術の基礎でも教えましょうかね
技は一朝一夕じゃ覚えられないけど
心構えがあるだけで色々変わってくるだろうし

-行動
パイロット達を集めて剣の稽古を付けよう

ナイフとか普段馴染みのある武器か
なければ木刀で訓練だねぇ

まずは基本の刀の振り方や型を教える
そのあとはオレと組手をひたすらやってもらう

日が暮れるまで体を動かしたら
皆で食事をしたりして親睦を深めたいね

稽古や食事の準備など、裏方の仕事は【指定UC】の兎さん達にお願いして
皆が訓練に集中できるようにしたいところ



●何かを学ぶには身体を動かすべきだ
 休憩時間を挟んで、第19機動防衛隊の面々はシミュレータルームに向かうものと格技場に向かうものに分かれる。振り返りを交えながら、実戦形式でのレクチャーを行うようだ。

 このうち、格技場にはリエッタとゆえとが待機していた。

「ゆえとさんは剣術なんですね」
「うん、代々剣士の家系なんだよね。そういうリエッタさんは体術かな? 見たところ無手だけど」
「えぇ、射撃も我流で教えるには不向きですから……さて、どういう方向性でいきましょうか」
「とりあえず、それぞれ班を2つに分けて、休憩挟んで担当を交代しながら、って感じでいこうか」
「それで行きますか」

 それぞれ方針を話し合っていると、道着に着替えた第19機動防衛隊の面々が格技場にやってくる。彼らを出迎えた2人は、早速隊員を2班に振り分け、それぞれ体術と剣術の指南を始めた。

 リエッタの方は体術だ。

「体術は基礎を反復するのが大事です。基礎をしっかりと作ってこそ応用が活きますからね。そんなわけで、私と一人ずつ組み手を行ってもらいます」
「よろしくお願いします!」

 早速リエッタとの組み手が始まる。隊員たちはリエッタのやや露出の多い格好に少し戸惑ったものの、いざ組み手を始めるとその鋭い体捌きと容赦のない投げに全員油断を捨て、組み手にも自然と身が入る。

「下半身がお留守ですよ。全身に意識を集中することです」
「今、一撃を浴びせる隙があったんですが、気づきませんでしたか?」

 リエッタは単にちぎっては投げを繰り返すだけではなく、一本を取った後にアドバイスを送る。隊員たちはリエッタの指導をしっかりと頭に叩き込みながら、ハードな連続組み手をこなしていった。

 一方のゆえとは木刀を手に、まずは基礎となる構えや型についてレクチャーする。

「まぁナイフでも剣でも概ね一緒だよね。得物を持っているからと言って油断は禁物。正しい構え方は相手に隙を見せない構え方なんだ。基本型も意外と馬鹿にならないよー」

 基本となる構えや型について、実演を交えながら説明した後は、乱取りを行って実戦の中で洗練させていく。短い時間ながら濃密な稽古が行われ、ゆえとが持つ剣の心構えや基礎に関するノウハウはしっかりと伝達されていった。

 小休憩を取った後、リエッタとゆえとは受け持ちを交代してさらに稽古をつける。合間合間の雑用はゆえとがユーベルコードで召喚したウサギが行う。

「あ、リエッタさん、訓練終わったら隊員の皆と食事にしないかい? 今こっちのウサギに作らせてるんだ。食事しながら皆で親睦を深めようじゃないか」
「いいですね、ご相伴に預からせてください」

 身体を動かした後は格技場での訓練に参加した隊員たちとの楽しい食事が待っている。ちょうど腹も空きはじめた頃合いだ。リエッタ、ゆえと、そして隊員たちもこの後の団欒のひとときを思い、自然と鍛錬に力が入るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーリー・ザルティア
※アドリブ、連携はご自由に

判定:SPD

ホント、今回は面倒な一件だったわね。
報酬がいいのが救いなのかしらねー。

さて、残りのお仕事に入りますか。
アドバイスって話だったわね。
とりあえずボクと交戦した子の戦闘評価を纏めておいたわね。
正直練度は十分高かったけど、ボク達やオブビリオンマシンクラス相手には経験不足なのか、ちょっち思い切りが足りなかったわねー。
こーいうのは実務経験がモノ言うし…。うんシミュレーターでも実機でもまだまだ相手してあげるわ。
ボクの『操縦』テクニックは実戦で磨いたものだし、口で説明より習うより慣れろってね(注:脳筋的発想である)
というわけで、何人か相手してあげる。かかってきなさい♪


ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、連携歓迎
■心情
いやー、coyoteくんの汎用性はさすがだねえ。いろいろ出来る事が多いのが見て取れるって感じ。
で、あるならば、その出来る事を増やそうってのがオレの魂胆よ。
例えば、小手先の行動が一つ増えるだけでも、戦術は増えるものでね。
てことで、coyoteくん一機借りてどんなもんか検証してみようかね。

■行動
UCと"時空制御術式"、"事象観測術式"を使用しつつ機体を借りて動作検証(情報収集)。得られた可動範囲から、様々な行動(フェイント、滑空、ダッシュ、空中戦)を起こし、coyoteの機動力を検証し、兵士にレクチャーします。

こりゃあれだな、対Gスーツがあればもっと良くなるな。



●実戦データの収集
「ジェイくんさぁ、なんか機嫌良さそうだね」
「へへ、わかる~?」

 一方、シミュレータルームでは、ユーリーとジェイが今回の戦闘データをまとめながら会話に興じていた。

「Coyoteくんの汎用性はさすがだねえ。いろいろできる事が多いのが見て取れるって感じ。実はさっきちょろっと予備機借りて一通り乗り回してみたんだよ」
「いつの間に……」

 ジェイは座学でのデブリーフィングが行われている最中に、Coyoteの予備機を借り受けて事象観測術式や時空制御術式、演算術式を展開しながら一通りの戦闘機動を試し、データ収集を行っていたのだった。

「だって実際に乗らないとわからないことも多いだろ? 教える相手の立場に立ってみようってね。そんなわけで得られたデータがこんな感じ」

 ジェイは自分が得たCoyoteのデータをユーリーに見せる。一通り目を通すとユーリーの目つきも自然と変わる。

「ほほー、確かにできること多いね。こりゃ良いパイロットが乗れば化けるわ」
「だろ? 結構ぶん回してみたけど、耐Gスーツ着た腕っこきのパイロットならそのへんの機体は目じゃないくらいだな。アークライト制式仕様は結構中身いじってると見たね。後はパイロットがその性能を十全に活かせるかどうかだなー。ユーリーちゃんどう思うよそこんところ」

 ユーリーはその問いに自分の手元にある資料に目を落とす。ユーリーと直接交戦したパイロットの戦闘詳報と評価が記載されていた。

「ボクと交戦したパイロットの評価だけど……ちょっと思い切りが足りないかなぁって。練度は高いし、腕もしっかりとしたものを持ってるけど、その点が勿体ないよねー」
「思い切りねぇ……まぁスラスター全開にするにしても思い切りって大事だよな」

 ユーリーの評価を聞いて頷くジェイ。2人が訓練方針について話し合っているうちに、シミュレーションルームでの訓練を希望する隊員たちがやってきた。2人と隊員たちは自己紹介もそこそこに、さっそく本題に入る。

「んじゃぼちぼち始めようか。まず、Coyoteの性能を活かすにはどうするかについて軽くレクチャーする。その上でユーリーちゃんとシミュレータで模擬戦してもらうよー」
「こーいうのは実際に体を動かした経験がモノ言うしね。ボクの操縦テクニックは実戦で磨いたものだし、口で説明より習うより慣れろってことで、ひとつよろしく」

 ジェイはCoyoteのデータを元に、その機動性を活かした効果的な戦術について説明する。ジェイの考えはこうだ。小手先の行動が一つ増えるだけでも、戦術は増える。ならばできることを増やして、より多様な戦況への対応力を養えばよい。
 そして、その対応力を模擬戦の中で磨くのはユーリーの役目だ。フリーのキャバリア乗りとして戦場に長らく身を置いていたユーリーは、若干15歳にして正規軍の兵士以上の搭乗時間を誇る。様々なシチュエーションを再現できるのはユーリーだからこそできると言っても過言ではなかった。

 ジェイのレクチャーをもとに、実際にユーリーとシミュレータ上で戦闘を行ってみる。ユーリーが繰り出す多彩な戦術に兵士たちは大いに苦しめられたが、ユーリーのアドバイス「時には思い切ることも大事である」ことをしっかりと学び、ジェイの伝授した戦術をしっかりとものにしていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イヴ・クロノサージュ
●病院へ●

ピョートル隊長が気になる私は、病院に向かい治療支援しに行きます
まずはUCの治療支援を、そして
フルーツバスケットを見舞いに病室まで持っていって差し入れを
回復には十分な休養と栄養が大切です。ゆっくりお休みくださいね


「起きましたか?ピョートル隊長
お体の具合は如何ですか?」

「今後の話ですか...?まあ、私はただの娘ですから、日々努力を重ねる兵隊様に教えてさしあげる事は何もないですよ。ですが…」

『エース』である貴方だけにしか出来ない操縦方法があるかもしれませんね
たとえば、空中戦で戦う時
航空機の特別技術(マニューバ)『コブラ』と太陽の光を利用した奇襲でしょうか?
それは、あなたにしかできませんよ?



●病床のエース
 イヴはデブリーフィングに参加していて、ひとつ気がかりなことがあった。敵のオブリビオンマシンに乗せられていたピョートルだ。集団戦法に関するレクチャーの資料を作り、ジェイやユーリーが行うシミュレーター訓練に途中から合流するも、彼の事が心配でどこか気もそぞろといった様子だった。

 デブリーフィングの次の日、イヴはピョートルが入院するアルタイルシティの病院に向かう事情をグリモア猟兵のジェイミィに話す。ここからであれば地下鉄の快速を使えば30分で行ける距離だ。無理を承知の頼みではあったが、オブリビオンマシンに乗せられていたパイロットのアフターケア、というのも猟兵の仕事の一部である。ジェイミィの承諾を得ると、イヴはそのまま基地最寄り駅から地下鉄に乗ってアルタイルシティへと向かうのだった。

 アルタイルシティの病院の個室で、ピョートルは点滴の針を指した状態でベッドに身体を横たえている。面会を許可されたイヴがフルーツバスケットを手に入ってくると、ピョートルは身を起こした。

「おや、私にわざわざ見舞いに来てくれるとは……君はあの時私を止めてくれた方々の一人かな」
「はい、お体の具合は如何ですか」
「なんとかね。1週間は絶対安静だそうだが。年末年始はどうやらベッドの上で過ごすことになりそうだ」

 やれやれ、と苦笑するピョートルはその声にはっと気がつく。

「そうか……君はあの時歌声を聞かせてくれた子か。素晴らしい歌声だった」
「いえ……他の皆さんの力があってこそでしたから」

 フルーツバスケットを受け取ると、ピョートルとイヴは互いに他愛のない世間話をする。

「私の今後の処遇はまだ決まっていなくてね……できることなら大統領のお力になりたいが、私にできることと言えばキャバリアの操縦くらいだし。しかし、皆素晴らしい腕前の持ち主だったな。自分も教えを請いたいくらいだった。君も凄腕なのだろう?」

 世間話の中で、ピョートルはそんな話を振る。イヴは少しはにかみながら答えた。

「……私はただの娘ですから、日々努力を重ねる兵隊様に教えてさしあげる事は何もないですよ。ですが、そうですね……」

 顎に指を当てて言葉を探しながら、イヴは続ける。

「『エース』である貴方だけにしか出来ない操縦方法があるかもしれませんね。たとえば、空中戦で戦う時、航空機の戦闘機動(マニューバ)のひとつ『コブラ』と太陽の光を利用した奇襲でしょうか? それは、あなたにしかできませんよ」
「私ならではの戦い方、私だからできる操縦方法……か」

 ふっ、と苦笑する。

「今まで意識したこともなかったな。大統領をお守りするという一心で技術を磨いてきたが……あぁ、そう言えば一時期、ペーパーバックと張り合っていたこともあったか。アークライトのトップエースで、戦技競技会でいつも抜きつ抜かれつの死闘を演じていたっけ。久しぶりに、彼に対抗心を燃やしてみるのも悪くない、か……」

 ピョートルの目に、輝きが戻るのをイヴは見た。その後、面会の制限時間が来るまでピョートルとイヴは様々な話に花を咲かせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月06日


挿絵イラスト