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小さな妖精の村を盗賊団から護れ

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 緑豊かな森の奥、入り組んだところに小さな村がある。小さなというのは文字通り、家も柵も全てが小さい。何故ならそこに住まう住民もまた翅の生えた小さな妖精達だったからだ。
「ねえねえ、お姉ちゃん知ってる? 森の外れにある真っ赤な木の実。すごーく甘いんだよ!」
「森の外れって村長が行ったらダメだっていってるとこじゃない。アナタそんなところに一人で行ってたの?」
「一人じゃないよー、ミミもリリも一緒だったもん!」
 注意する姉に対して妹は堂々と開き直って口答えする。
「ねえねえ、お姉ちゃんもいっしょに行こーよ! すーーっごい美味しかったんだから!」
「はぁ、もう……一度言い出したら聞かないんだから。一人で行かすよりはいいかしら」
 今にも飛び出して行きそうな妹に、姉は溜息を吐いて手を繋ぐ。
「一人で飛び回らないこと、いいわね?」
「うん! 行こ!」
 2人のフェアリーが森の中を飛び、深い木々の途切れる境界線近くにまで到着する。そこから先は木々の背が低くなり、さらに進めば草原や旅人の通る踏み固められた細い道があった。
「これこれ! おねーちゃんこれだよ!」
 木に生っている身体程もある真っ赤な実をもぎ取ってかじりつく。
「あら、ほんとに美味しいわね。こんな実があったなんて知らなかったわ」
 食べてみると甘酸っぱさが口の中に広がり、2人で食べるのに夢中になる。果実に夢中で2人は気づかなかった。すぐ背後に魔の手が迫っている事に。
「つーかまえた!」
 背後から伸びた手がフェアリーの妹を遠慮なしに掴む。いつの間にか忍び寄った身形の汚い盗賊の男が背後に立っていた。
「やあ!? 離して!」
「メルちゃん!」
 妹を掴んだ賊の手に、飛びついた姉が噛みつく。
「いて、こらテメェ羽虫が噛みつくんじゃねえ!」
「あぅっ」
 虫を潰すように男は平手で姉のフェアリーを叩き、気絶したフェアリーは落下して地面に落ちた。
「歯形が付いたじゃねえか、踏み潰してやろうか!」
「お姉ちゃん!」
 男が足を上げ踏み潰そうとすると、叫ぶ妹が手を伸ばすががっしり掴まれていて届くことはない。
「おうおう、美しい姉妹愛だなぁ! 一緒に売ったらいい値がつきそうじゃねえか!」
 そこへぞろぞろと同じような汚らしい恰好の盗賊の集団が姿を現した。
「ちげえねえ!」
 嗤った男が足をゆっくり下し、姉の方も反対の手で持ち上げ、2人を大きな網目の荒い籠の中へ放り込む。
「しっかし本当に妖精が居やがったな、この辺りをちょろちょろしてるって話しだったが」
「小せえくせに食い意地張ってるからな! どうせ餌に釣られて出てきたんだろうよ」
「そんな……アタシのせいなの……」
 盗賊どもの会話に自分が禁じられている森の外れによく来ていた所為なのかと、籠の中でフェアリーの妹が顔を青くする。
「おい! 無駄口叩いてんじゃねえ! 頭が来る前に仕事を終わらすんだよ!」
「また手際が悪いってどやされるぞ!」
「うへぇ、飯抜きにされたら堪らねえ。フェアリーどもの村を探し出すぞ!」
 大勢の盗賊達が急ぎ村のある森へ足を踏み入れた。
「なーに、こうして生餌も手に入れたんだ、今回の村はちょろいもんさ」
 厭らしい笑みを張りつけ、賊は籠の中で怯える姉妹を見下ろした。

「諸君、防衛任務だ。アックス&ウィザーズで、フェアリーの村が盗賊団の襲撃に遭う事件が発生する」
 グリモアベースに猟兵が入ると、待機していたバルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が急ぎ説明に入る。
「賊どもはフェアリーを捕え売り飛ばすつもりのようだ。このままでは殆どのフェアリー達が捕えられ、村は壊滅してしまう」
 散り散りに逃げたフェアリーも拠点を失くし、他の村に辿り着く前にモンスターに襲われ死に絶えてしまう。
「そうなる前に盗賊を迎撃し、フェアリーを護るのだ。盗賊は既に森に入ったが、村の正確な位置は分かっていない。その為、少しの猶予はある。村の外に罠を張れば足を乱れさせたり負傷者を出す事も可能だ。だが敵は散開して村を探している。罠だけで全て仕留めるのは無理だろう。そこからは諸君が体を張って護らなくてはならない。それぞれの得意とする方法で盗賊を叩き潰したまえ」
 敵の目的はあくまでフェアリーの捕獲だ。獲物を手に入れた盗賊はさっさと逃げ出してしまう。なので出来る限り接触を阻止したい。
「それと懸念事項だが、敵に既に捕まってしまっているフェアリーの姉妹がいるようだ。この者達が人質にされる可能性がある。見つけたら至急奪還しなくては、村のフェアリー達が動揺してしまうかもしれん」
 脅されて抵抗を止めてしまうフェアリーも出るだろう。速やかに救助しなくては防衛作戦が崩壊してしまうかもしれない。猟兵達は真剣な顔で頷く。
「盗賊の集団はかなり大規模なもののようだ。このような悪逆非道な犯罪を今までも繰り返しているのだろう。ここで叩いてしまわなくてはこれからも被害に遭う者たちが現れる。至急現地に赴き、フェアリーを保護し盗賊を殲滅せよ」
 バルモアの厳しい言葉に猟兵達も決して賊どもを許すつもりはないと応じ、世界を繋ぐゲートを潜って村に向かった。


天木一
 今回はアックス&ウィザーズで盗賊に襲われるフェアリーを護る作戦となります。
 フェアリーの村は脅威の居ない森の奥に作った隠れ里的なもので、襲撃に対する防衛能力はほぼありません。
 村周辺は木々が生い茂って視界も足場も悪いです。それがモンスターや人間が入らない天然の要害となって機能していました。
 村が出来てから数十年ずっと平和だったので、建設に携わった老人以外は危機感が薄いです。
 オープニングで捕まっている姉妹は脅す為の人質として村まで連れて来られます。
 盗賊はフェアリーを好事家に売り飛ばす目的で捕獲にきています。売られたフェアリーには悲惨な未来が待っています。
 一章でフェアリーを護り、二章で集団戦、三章でボス戦となります。
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第1章 冒険 『フェアリーの村を守れ!』

POW   :    身体を張って襲撃者からフェアリーたちを守るんだ!

SPD   :    罠や射撃で襲撃者を足止めしてフェアリーたちへ近付かせないぞ!

WIZ   :    魔法や未知のエネルギーを襲撃者にぶっ放してフェアリーたちに触れさせないぞ!

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

江田島・乱蔵
やれやれだな。こういう馬鹿共にはキツいお灸を据えてやらねば。

「影の追跡者」を召喚。村周辺を偵察させ、盗賊達がどの方向からどのような陣形を取って村を探しているかを調査。調査内容は他の猟兵達にも伝達し、皆が迅速に行動するための手助けをする。
自分自身は調査報告を基に、村周辺で隠れて待機。盗賊達が来たら他の猟兵達とも連携して奇襲をかけ素早く撃破。おそらくはいくつかのグループに分かれていると思うので、一つ撃破したら素早く移動し、次のグループへと向かう。
撃破に拘ると村から離れてしまう危険性があるので、すぐに戻れる範囲で実行する。


シェイド・レーム
【WIZ】
けっ…何処の世界もクソみてーな奴がいるもんだな。盗賊なんざ俺様にとっちゃどうでもいいが…フェアリーのガキどもに恩を売っておくのも悪くねぇ。フェアリーの魔力でも頂けたら儲けもんだぜ!

来い!死霊騎士ども!!クズどもをぶった斬っちまえ!!
ヒャハハハハハ!!

・デスナイトの召喚を使用して襲撃者に応戦する
俺様の手持ちの死霊騎士は二体だ、広い視野で戦わせてフェアリーを死守する命令を出すぜぇ!

・衝撃波1を使用して自身の身を守る
俺様も猟兵としてはまだまだ新米だ、自身の安全にも注意を払っておくかね。まぁ、ないよりはマシだろうよ。俺様を狙う賢しいクソヤローは衝撃波で時間を稼いで死霊騎士にブッ殺させるぜ!


アウレリア・ウィスタリア
吹き荒れろネモフィラの花たち

【空想音盤:追憶】を発動
花びらの嵐で襲撃者を攻撃する
ただ攻撃するだけじゃない
フェアリーに触れようとする手を
彼らの領域に踏み入れようとするその足を切り刻む

私利私欲のために誰かを傷つける、そんなことボクは許さない
平和に暮らしてきた姉妹を傷つけるなんて許さない
ボクは復讐者
悪意を持って罪無きものを傷つける者
それはボクの「敵」だ

敵には容赦しない
悪意によって傷つけられる痛み、ボクの心に刻み付けられた痛み
こんなものは……この世界に必要ないのだから

黒猫の面で痛みを隠し
その痛みを、虐げられる痛みを作り出すものに復讐する

アドリブ歓迎


レクイエム・アビス
アドリブ、絡みは歓迎です。POW使用。
UCを起動させて呪詛に塗れた赤黒い泥の怪物へと変化させて常人には理解できないような叫びをあげて、賊共に明確な敵が居る事ともし隠密で賊っをやる仲間が来た時ようにヘイトを稼ぐ為に盛大に暴れる。森の中を移動して見つけた敵から片っ端に攻撃


クシナ・イリオム
アドリブ、絡み歓迎

ねえ、メルちゃんを見なかった?
私はミミ!お兄さんが場所を知ってるなら連れてって欲しいな?
そうだ!リリも連れてきたいから、リリのとこまで付いてきて!
…まあ、囮のための嘘なんだけど
演技のほうが綺麗に笑えるってのも哀しいものだね

まずは村の妖精を装って盗賊に接触
盗賊一人を孤立させて始末した後、邪影の謳でそいつの偽物を召喚
盗賊を装い姉妹に接近するよ
可能なら当人達、最低でも姉妹が拐われた証拠を確保して撤退。
それを持って村の人に避難を促す

そうゆうわけだから、直にここは戦場になる
戦うつもりがないなら早めに隠れたほうがいい
…私は暗殺妖精9班4番
売られたフェアリーの成れの果ての一つだよ


リリィエル・ロックウェル
フェアリーを虐める悪い人は許さないのです、さっさと出ていってもらうのです。

POW使用
「私はリリィエル・ロックウェル!フェアリーの勇者なのです!」
と堂々と名乗りを上げて盗賊達の注目を集めるのです、出来るだけ数を集めながら逃げ回って密集したところにメロンストライクをぶつけて一網打尽にするのです。
一人ぐらい意識がある盗賊がいたら捕まえたフェアリーがどこにいるか聞くのです、言わないとメロンストライクもう1個追加なのです。


レティシア・エヴァンス
【WIZで判定】

「本当に汚らわしいわ。こっちに来ないでもらえるかしら?」

・技能:時間稼ぎ1を使用
 城壁または迷宮のプログラムを召喚し村への接近を食い止める。

「ここから帰れると思わないことね。」
「踊れ、我がレギオンよ。」

・技能:属性攻撃1を使用
 エレクトロレギオンで召喚されたレギオンに氷属性を付与する。

※アレンジ・アドリブ・連携可です。


フェム・ポー
妖精を捕まえて売り飛ばそうなって、いけない、いけないわぁ。
うふ、うふふっ……そんな悪い子達はぁ、懲らしめてあげなくてはいけないわぁ。

自分自身を囮にしてぇ、密猟団の悪い子ちゃん達をおびき寄せるわねぇ?
寄ってきた子達はぁ、UCの鎖で縛り上げてぇ、ちょっときつめにお仕置きしてあげなくちゃぁ。鎖を通じてぇ、ぎりぎりまでぇ、その命を絞らせてもらうわぁ。(技能:生命吸収)
それでぇ、ちゃぁんと反省できた子達にはぁ、他の悪い子達を探すのをぉ、手伝ってもらえるようにお願いできないかしらぁ? お友達が悪いことをするのを止めるのもぉ、大事なことだものねぇ。(技能:誘惑、催眠術)


ヘスティア・イクテュス
フェアリーの知り合いがいる身としては絶対に許せないわ!!
フェアリーの村、絶対に守って見せるわ!

わたしがやるのは囮…
他の猟兵の罠にフェアリーズを使って
盗賊たちをおびき出して引っ掛けることを手伝うわ

フェアリーズにはホログラムの【迷彩】で本物っぽくね
(本来の姿は丸い機械に羽の形)

もし罠が無いなら崖とかそういうとこに誘い出して…【地形の利用】


人を騙して売って生きてきたんですもの
逆に騙されても因果応報よね…



●迎撃
「やれやれだな。こういう馬鹿共にはキツいお灸を据えてやらねば」
 無法者を許してはおけんと、江田島・乱蔵(闇狩り師・f05878)は召喚した影の追跡者を森に放ち、盗賊達の捜索を行う。すると共有する五感が草木を激しく揺らす音を察知した。影の追跡者を動かしそちらに向かわせると、視界に剣や斧で邪魔な草を刈りながら進む盗賊達を見つけた。
「見つけたぞ」
 そのまま影の追跡者を使い気付かれぬように敵を調査し、小さなグループに分かれて動いている事を確認した。
「南の方角からグループに分かれて来ているようだな。村が見つけられる前に一つずつ潰していくとしよう」
 仲間と情報を共有すると決断も早く乱蔵は動き出し、最も近づいているグループに近づく。
「へへへっ今回稼いだらどうしよっかな~」
「女だろ女。娼館でしっぽりいこうぜ」
「そいつぁいいな。たんまり妖精を捕まえて稼がねぇとな!」
 意気揚々と歩く先頭の盗賊の首が飛んだ。
「は?」
 驚き顔をした次の敵に、乱蔵は薙刀を返して振り抜き新たな首を刈り取る。
「なんのつもりだテメェ!」
 慌てて残った盗賊達が剣や斧を向けると、乱蔵は凶暴な笑みを口元に浮かべる。
「ただの仕事だ。盗賊狩りのな」
 そして踏み込むと薙刀を振り抜き盗賊の胴を両断する。
「くっそ! 誰に雇われたかしらねぇが、舐めんじゃねぇ!」
 盗賊が斧を振り下ろす一撃を、乱蔵は柄で受け流し体が泳いだところへ薙刀を振り下ろし背中を深く斬り裂いた。
「こんな、早く報せないと……!」
 最後の盗賊が襲撃を仲間に報せようと逃げ出す。
「逃がさん」
 その足を乱蔵が斬りつけて転ばせた。
「ま、待てよ、いくら貰ってるんだ? それ以上出す! だから助けてくれ!」
「お前達は今までそうやって命乞いした相手を助けた事があるか?」
 尻餅をつき後ずさりする盗賊を乱蔵が見下ろす。
「く、くそがあ!」
 追い詰められた盗賊が剣を突き出すと、乱蔵は軽くそれを弾き、切っ先を胸に突き立てた。
「次は……向こうか、村の防衛の為にあまり離れる訳にもいかんからな」
 盗賊を倒すと影の追跡者で近くの盗賊を見つけ、乱蔵は次の獲物に向かって駆け出した。

「見つけた。戦闘を開始する」
 レクイエム・アビス(生まれ変わりし人の願いを紡ぐ人形・f09861)が敵を視認すると、戦闘モードへ移行する。
「呪エ呪エ全テヲ呪エ。森羅万象残ラズ我ガ祝福ヲ受ケルガイイ」
 己が身を呪詛に塗れた赤黒い泥の怪物へと変化させる。
『――――――――』
 放たれる叫びは人には理解できない音となり、形容しがたい恐怖を植え付ける。
「何だ!? 何の音だよ!!」
 慌てふためく盗賊の群れに、怪物と化したアビスが突っ込む。そして偶々近くにいた盗賊の頭を掴んで握り潰した。
「ば、化け物が現れやがった!」
「殺せ!」
 応戦しようと盗賊が剣を振り回す。その動きに反応するようにアビスは腕を振るって剣をへし折り腕をもぎ取った。
「ああああ、俺のうでええええ!!」
「この野郎!」
 倒れた盗賊を踏み潰していると、斧を振るわれ背中が傷つく。だが痛みを感じた様子もなくアビスが振り向くと、恐怖に盗賊の顔が引き攣った。
「ばけも……」
 ぐしゃっと盗賊の顔が潰れ、仰向けに倒れた。拳を放った体勢のままアビスは次の動くものを探す。
「あ、あああああ!」
『―――――――――』
 盗賊が逃げると、奇怪な叫び声を放ちながらアビスが追い駆ける。赤黒い泥が背後から盗賊を押し倒し、呪詛を感染させて盗賊の身体が腐っていく。
「やめて、あがぁぁぁ!」
 そのまま盗賊の体も赤黒く変色し息絶えて動かなくなった。
「おい! どうした!」
「全滅してやがる……! そこのモンスターがやったのか!」
 叫び声に集まった盗賊達が怪物と化したアビスに向かっていく。
『―――――――』
 新たな獲物の出現にアビスも叫んで襲い掛かり、殺戮が始まる。
「派手にやってるな。俺ももうひと暴れするか」
 その混乱する戦場に乱蔵も突入し、奇襲で盗賊を斬り倒してゆく。

●防衛
「あっちにちっこい村があるぞ!」
「へへ、見つけたぜ!」
 運良く迎撃に遭わずにやって来た盗賊達が、宝の山を見つけたように嬉々として村に近づいてくる。
「けっ……何処の世界もクソみてーな奴がいるもんだな。盗賊なんざ俺様にとっちゃどうでもいいが……フェアリーのガキどもに恩を売っておくのも悪くねぇ。フェアリーの魔力でも頂けたら儲けもんだぜ!」
 口は悪いがシェイド・レーム(人間の死霊術士・f13612)はフェアリーを護ろうと、村の前で盗賊達の行く手に立ち塞がる。
「なんだ坊主、仲間に入れて欲しいのかぁ?」
「残念だがそこのフェアリーはぜーんぶ俺らのもんだ!」
 余裕の笑みを浮かべながら盗賊達が近づいてくる。
「来い! 死霊騎士ども!! クズどもをぶった斬っちまえ!! ヒャハハハハハ!!」
 高笑いと共に呼び出されたのは死霊騎士ノーランドと死霊騎士ウィルソンの二体の騎士。
「なんだこりゃ!」
「アンデッドがなんでこんなところに!?」
 それを見て慌てる盗賊に騎士達は剣を振り下ろし、防ごうとする安物の剣ごとぶった斬った。
「この村は死霊騎士が守る場所だ! 盗賊ごときが落とせると思うなよ!」
 シェイドが盗賊達に啖呵を切り士気を下げる。
「こんなちっこい村になんでこんなもんが……」
「そいつだ! その操ってるガキを殺せばいい!」
 他の盗賊が死霊騎士と戦っている間に、残りの2人の盗賊がシェイドに殺到する。
「クズどもが、俺様を狙う知恵はあったみたいだな。小賢しいクソヤローにはこいつをプレゼントだ!」
 シェイドは衝撃波を放ち目の前に迫る敵を押し戻す。不意打ちを食らって吹っ飛んだ敵は背中をぶつけて止まった。見上げればそこは死霊騎士の懐の中だった。
「ひあ!?」
 驚く顔に死霊騎士は剣を突き刺した。
「なんだよ! 守られてるだけの雑魚じゃねぇのかよ!」
 他の仲間と合流しようと地面を転がったもう一人が逃げようとする。だがその目の前には他の仲間を殺し終わった死霊騎士が立っていた。振り下ろされる刃が盗賊の頭を割り絶命した。
「よーし! その調子でクズどもからフェアリーを死守しろ!」
 命に従い死霊騎士達は一歩もここは通さないと、村の前で門番として立ち塞がる。

「こんな連中の相手をしないといけないなんてね」
 村に向かわせぬように、レティシア・エヴァンス(ミレナリィドールの電脳魔術士・f13870)が盗賊達の前に姿を現す。
「おいおい、こんなところに女がいるじゃねぇか!」
「いいねぇ、なかなかの上玉だ!」
 遠慮のない視線が舐めるようにレティシアの身体を見る。
「本当に汚らわしいわ。こっちに来ないでもらえるかしら?」
 軽蔑する視線をレティシアは盗賊達に向け、冷たくあしらう。
「おいおい、そう言うなよ。ちょっと俺らと付き合ってくれよ」
「へへっ今日の仕事はつまんねーと思ってたが、楽しめそうじゃねぇか」
 馴れ馴れしく盗賊達が絡むように近づいてくる。だがその前が壁に阻まれた。
「どうなってやがる!?」
「ここから帰れると思わないことね」
 レティシアは立体ホログラムによる迷宮を展開して足止めし、その間に50体の氷属性を持った機械兵器を召喚した。
「踊れ、我がレギオンよ」
 惑わされている盗賊に機械兵器達が襲い掛かり、足を凍結させ、転んだところに圧し掛かって滅多打ちにする。
「なんだこいつは!?」
「畜生が!」
 盗賊が反撃に剣を振るうと機械兵器の一体が破壊された。
「な、なんだこいつ。見掛け倒しだぞ!」
「それなら俺もごぉ!?」
 続いて攻撃しようとした盗賊が背中を押され顔から倒れ込む。すぐに何体もの機械兵器が上に乗って反撃も許さずに氷漬けにして殺した。
「やべぇ! 数が多過ぎる!」
「逃げろ!」
 残った盗賊が逃げようとするが、既に機械兵器が包囲を完成させていた。
「うおおおお!」
 強引に突破しようとして機械兵器を破壊するが、すぐに周囲の機体が襲い掛かって数の力で圧殺する。
「言ったはずよ、帰れると思うなってね」
 機械兵器達が包囲を縮め、逃げ道を塞いで盗賊達を皆殺しにした。
「まだ他にも向かって来る敵がいるみたいね」
 人の声に気付いたレティシアは機械兵器と共に次の迎撃に向かう。

「フェアリーを虐める悪い人は許さないのです、さっさと出ていってもらうのです」
 意気込んだリリィエル・ロックウェル(クレヨンの勇者・f01438)は、羽ばたいて堂々と敵の前に向かう。
「私はリリィエル・ロックウェル! フェアリーの勇者なのです!」
「あん? フェアリーの勇者だあ?」
「こんなちっこいなりで勇者だってよ!」
「あっはっは、ごっこ遊びで自分から捕まりにくるなんて間抜けな妖精だ」
 リリィエルが名乗りを上げると、盗賊達は舐め切った様子で馬鹿にするように笑った。
「笑っていられるのも今のうちなのです!」
「ああ、すぐに自分の立場を思い知らせてやるよ」
 威嚇するリリィエルを捕まえようと盗賊達が手を伸ばす。それをするりと飛んですり抜けて盗賊の背後に回る。
「すばしっこい奴だ! おい、囲んじまえ! 籠を被せろ」
 籠を振り回して中に入れようとする盗賊を翻弄し、足場の悪い森を自由に飛び回る。
「どうしました? そんなのろまなのに私を捕まえるつもりなのですか?」
「この羽虫が! 絶対に捕まえてやる!」
 相手の顔の高さに飛んでリリィエルが挑発すると、盗賊達が必死に駆け回って追いかける。そうして周辺の盗賊達も集めてリリィエルは逃げるのを止めた。
「そろそろいいのです。これがフェアリーの勇者の力なのです!」
 敵が密集したところへ、リリィエルはメロン味のキャンディを放り投げる。それが地面に落ちると、ドゴンッと隕石が落ちたように地面が大きく凹み、巨大なクレーターが出来る。その衝撃を盗賊達も受け、潰れるように地面に横たわっていた。
「う、うう。なにが起こったんだ……」
 気を失う仲間をクッションにして、手足の骨が折れた盗賊がもがいていた。
「さあ、捕まえたフェアリーの姉妹がどこにいるのか言うのです!」
 その盗賊をリリィエルが尋問する。
「言わないのなら、もう1個メロンキャンディを追加なのです!」
「言います! 言いますからもう許して!」
 手にした緑のキャンディを見せると、素直に盗賊は知っている情報を吐いた。

●罠
「はぁ……ほんとにこんなとこに妖精の集落なんてあんのかよ」
「うるせえな、文句言ってねえでちゃんと探せ! 後で頭にどやされるぞ!」
 下っ端の盗賊達は愚痴りながら草を刈り、道を作って先に進む。するとパタパタと羽音と共に盗賊達の眼前を妖精が通り抜けた。
「い、いた!」
「えあ? 妖精じゃねえか!」
 男達が色めき立つと、フェアリーのクシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)が今気づいたとばかりにぱちくりと盗賊達を見て声を上げる。
「ねえ、メルちゃんを見なかった? 私はミミ! お兄さんが場所を知ってるなら連れてって欲しいな?」
 無垢な妖精を演じてクシナが尋ねる。
「あ? あーあの捕ま……あだっ!」
「お前は黙ってろ! お嬢ちゃん。ミミちゃんって言うんだね。メルちゃんの場所はおじさん達がよーっく知ってるよ。でもその前にお家の人に報せたいから家まで案内してくれるかな」
 口の軽い奴を殴ると、傷の入った怖い顔を何とか引き攣らせ、優しい顔を取り繕った盗賊が猫なで声で語り掛ける。
「うん! ミミに付いてきて!」
 演技でありながら普段よりも上手な笑顔を見せてクシナは敵を誘導する。

「フェアリーの知り合いがいる身としては絶対に許せないわ!!」
 ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)は知り合いがこんな酷い事件に巻き込まれたらと思い、いつも以上にやる気を漲らせる。
「フェアリーの村、絶対に守って見せるわ!」
 そして囮となるべく丸い機械に妖精型の羽を付けたドローンを100体以上召喚し、ホログラムで本物の妖精っぽく偽装させて森に展開させた。
「おい、見ろよ!」
「おお! 妖精の大群だ!」
「野郎ども金が飛んでるぞ! 一匹でも多く捕まえろ!」
 その妖精ドローンに群がるように盗賊達が集まってくる。
「引っ掛かったわね。このまま誘い出すわ!」
 ヘスティアは妖精たちを操作し、捕まりそうで捕まらない状況を演出して盗賊達の視界を狭まらせる。
「どけ! 俺の獲物だ!」
「うるせぇ! 早いもん勝ちだろうが!」
「金! 妖精がこれだけいりゃしばらく遊んで暮らせるぞ!」
 我先にと欲望を丸出しにした盗賊達が妖精ドローンを追い駆ける。
「金に群がる亡者みたいだわ。欲に溺れるとこんな風になってしまうのね」
 その醜い姿にヘスティアは顔をしかめながらも、仕事に手は抜かず盗賊を誘導する。

「見つけたぞ! 妖精どもの村だ!」
「ヒャッハー! 何匹捕まえられるか競争だ!」
「多く手に入れた奴は頭から褒美が出るぞ!」
 欲望に顔を醜く染めた盗賊達が誘導されて村に迫る。
「私利私欲のために誰かを傷つける、そんなことボクは許さない。平和に暮らしてきた姉妹を傷つけるなんて許さない」
 黒猫の仮面で顔を隠すアウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)がその内に怒りの火を灯す。
「ボクは復讐者。悪意を持って罪無きものを傷つける者、それはボクの『敵』だ」
 そして明確な敵意を持って襲撃者達を見渡した。
「吹き荒れろネモフィラの花たち」
 アウレリアの元から美しい花びらが舞い、盗賊達がその場に足を踏み入れる。すると花びらに触れた手足や顔がまるで刃物に切られたようにすっぱりと切断される。
「なんだこりゃ!」
「おい、お前、首切れてるぞ……」
「ぎゃー!!」
 花びらなど気にも止めず突っ込んだ盗賊が、ズダズダに切られて血を噴き出し倒れる。
「気をつけろ、この花びら何か変だ!」
「これだ、この花びらがナイフみたいに切れやがる!」
 慌てて盗賊達は動きを止めて警戒する。そして花びらによる攻撃を受けていると悟った。
「もう手遅れです。すでにネモフィラの花はこの辺りを包み込んでいます」
「このアマ! テメェがやったのか! お前も捕まえて妖精と一緒に売り飛ばしてやる!」
 どこまでも自分勝手に盗賊達が憤り、姿を見せたアウレリアを襲おうとする。だが重厚に舞う花びらの渦が動く度に盗賊達の全身を切り刻んでいく。
「悪意によって傷つけられる痛み、ボクの心に刻み付けられた痛み。こんなものは……この世界に必要ないのだから」
 簡単に他者に痛みを与えようとする悪意を世界から消してしまおうと、辺りを美しい花びらで覆い、向かって来る盗賊達の命を奪っていく。

「くそっこうなったらここらの妖精だけ捕まえてとんずらするぞ!」
 花びらの範囲から逃れた盗賊が周囲に飛ぶ妖精にナイフを投げる。すると火花を散らして妖精が落下した。
「なんだこりゃ! 妖精じゃねぇ!?」
 壊れてホログラムの解けたドローンを見下ろして盗賊は目を見開く。
「バレちゃったみたいね。でももう遅いよ」
 ヘスティアはホログラムを解き、ドローン達に盗賊を襲撃させる。
「ぐわっ」
「騙しやがったな!」
 悪態を吐きながら盗賊達が倒れていく。
「人を騙して売って生きてきたんですもの。逆に騙されても因果応報よね……」
 ここで逃せば他の人々が被害に遭ってしまうと、ヘスティアは容赦せずに残った盗賊達を全滅させた。

●囚われの姉妹
「妖精を捕まえて売り飛ばそうなんて、いけない、いけないわぁ」
 同じフェアリーのフェム・ポー(聖者の残骸・f12138)は首を振って笑みを浮かべる。
「うふ、うふふっ……そんな悪い子達はぁ、懲らしめてあげなくてはいけないわぁ」
 叱ってあげなくてはと、フェムは笑みを浮かべたまま囮として飛び立つ。
「見つけたわぁ。密猟団の悪い子ちゃん達ぃ」
 残り少なくなった盗賊の集団を見つけたフェムは、敵に見つかる位置まで降下する。
「妖精だぞ!」
「おお、こいつは上物だ! とんでもなく高く売れるぞ!」
「傷つけるなよ! 慎重に捕獲しろ!」
 フェムの魅力に誘惑された盗賊達が目を血走らせて捕まえに来る。
「妖精を売り物にするような悪い子にはぁ、ちょっときつめにお仕置きしてあげなくちゃぁ」
 フェムの周囲に闇の光の魔法陣が浮かび、闇の光を帯びた大量の鎖が放たれ盗賊達を縛り上げる。
「ぐぁっ」
「何だこれは? 切れねぇ!」
 盗賊達は暴れ剣で鎖を切ろうとするが、鎖は硬く歯が立たない。
「ぎりぎりまでぇ、その命を絞らせてもらうわぁ」
 鎖が生命力を吸い上げ、干からびるように盗賊達が力を失い崩れ落ちていく。
「ちゃぁんと反省できたかしらぁ?」
「……は、はい。もうこんなことはしません……」
「もう盗賊から足を洗います……!」
 フェムの質問に顔を青くして倒れたまま盗賊達が答える。
「じゃあねぇ、他の悪い子達を探すのをぉ、手伝ってもらえるならぁ、許してあげようかしらぁ。お友達が悪いことをするのを止めるのもぉ、大事なことだものねぇ」
 瀕死の苦しい時にフェムの美しい微笑みと優しさが染み入り、盗賊達は洗脳される。
「もちろんです! 手伝わせてもらいます!」
「姐さんの言う通りに働きやす!」
 忠実な手足となった盗賊達を従え、フェムは他の盗賊の探索を開始した。

 リリィエルが聞き出した情報を元に、姉妹を捕まえている盗賊グループを見つける。
「妖精の村を見つけたぞ!」
 クシナは先ほどの盗賊そっくりの偽物を召喚し、フェムが洗脳する盗賊と一緒に、自分は籠の中で捕まったフリをして敵グループに合流させる。
「やったな! それで場所は!」
「向こうだ! 他の連中も向かってる!」
 それを聞いた盗賊が急ぎ足でばらけながら進む。その中で一人だけ足取りの遅い男が居た。その手には籠が握られている。近づけば少女の話し声が聞こえた。
「お姉ちゃん。どうなっちゃうんだろ」
「泣かないで、お姉ちゃんが絶対に守ってあげるから」
 その盗賊の背後に寄ると、偽物は剣を振り上げ背中を叩き斬った。
「ぐあっ!? 何しやがる!」
 無言で止めを刺し、籠から出たクシナが姉妹を解放する。
「こっちへ、逃げるよ」
「助けに来てくれたの? 見たことない顔だね!」
「ありがとうございます。メルちゃんお礼が先でしょ」
 ありがとーと無邪気に懐く妹にクシナは頷き返し、急いでと村へ向かって飛び立つ。

●避難
「おとーさん!」
「お前達、どこに行っていたんだ。心配したぞ」
 村に帰った姉妹が父親のところに飛び込んだ。
「森の外れで人間の盗賊に捕まってしまって、この人が助けてくれたのよ」
「盗賊だって!? それは本当なのか?」
 姉の方に紹介されたクシナが状況を説明する。
「そうゆうわけだから、直にここは戦場になる。戦うつもりがないなら早めに隠れたほうがいい」
「本当のようだな、なら急がねば! 君はいったい……?」
 目を合わせ話を信じた父親は緊急事態だと動き出す。そして荒事に慣れたクシナの素性を気にする。
「……私は暗殺妖精9班4番。売られたフェアリーの成れの果ての一つだよ 」
 そう告げるとクシナは戦場へと飛んだ。
 フェアリーの姉妹が解放され、何の遠慮もなく猟兵達は盗賊達を森から駆逐していく。

●増援部隊
「おめぇら何やってやがる!」
「妖精ごときに手間取ってんのか、ああ!?」
 怒声と共に現れたのは今まで相手取っていた盗賊よりも一回り立派な体躯をした者達。装備も上質で使い込んだもので固めていて、一見して戦闘に長けているのが見て取れる。
「あ、兄貴達!」
「こいつらが邪魔して!」
「言い訳してんじゃねぇ!」
 猟兵達を指さす下っ端の盗賊に、剣を振り下ろし叩き斬った。
「ひいっ!」
 その隣の下っ端が股間を濡らして尻餅をつく。
「邪魔するならこうやってぶっ殺しゃいいんだよ!」
「おめえらがそんな腑抜けだからダメなんだよ!」
「チッ仕方ねぇ、頭が来る前に俺らで終わらせるぞ!」
「おうよ!」
 新手の盗賊達が得物を構える。その目は獰猛に細められ、殺意が溢れていた。
 ここからは激しい戦いになると、猟兵達も戦いに備え武器を構えて対峙した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シェイド・レーム
クク…ちいとばかし手の内を明かしちまったな…。死霊騎士どもを召喚する隙、衝撃波の届かない位置から矢なり石なり投げつけて詠唱を阻止してくる事は明白…。クク……ヒャーッハッハッハッハ!!いいぜ!俺もおもしれぇ物で相手してやるよぉ!

■死霊ミサイル(命中率最優先)
てめえらの死骸で生成した死霊ミサイルだ!こいつはてめえらと爆発心中するまで追い続けるぜぇ!!発射ぁ!!

■第六感
へっ、まぐれにも抜けてくる奴がいたら気合いで避けるしかねえな。他の猟兵どもが守ってくれりゃ楽なんだが…近付かれたら返礼のゼロ距離死霊ミサイルで顔面を破裂させてやるぜ、ククク…

(妖精がドン引きしてないかちょっと気になる)


リリィエル・ロックウェル
アドリブ、絡みは歓迎

うぞーむぞーが揃ったところで勇者だから負けないのです。
纏めて相手をするユーベルコードはちゃんとあるのです。

【POWで判定】
さっきはキャンディだったから今度はクレヨンソードの力を見せるのです。
クレヨンソードを水色に変えてディープブルーストームの水の竜巻で盗賊達を飲みこむのです。
まだ残っているなら2回攻撃でもう一発叩きこんでやるのです。


アウレリア・ウィスタリア
新手、ですね
でもどれだけ来ようとボクたちは立ちはだかりますよ

拷問具と黒剣を持ち戦います
ボクは素の力は強くないので小細工とスピードで戦うのですが
今回は正面から戦って苦戦を演じましょう
ある程度の人数をおびき寄せ
戦闘に支障がでない程度に攻撃もあえて受けて血を流しましょう

ボクを追い詰めたと卑下た笑いも浮かべるでしょう
その隙をボクは待っていた
これまでに流れ出た血を媒介に【血の傀儡兵団】を召喚
ボクに注目している敵を数の暴力て押し潰しましょう

ボクを捕らえることができると殺せると思いましたか?
これくらいの痛み、ボクには何の枷にもならない

未だ流れる血は拷問具に
その威力を高めて敵を屠りましょう

アドリブ歓迎


ヘスティア・イクテュス
あら、流石盗賊…
粗暴な人達ね

妖精達のためにも
ここから先は通さないわよ!

木とか障害物が多いのは好都合
誰かが前線で戦ってるうちに
ティターニアで後方の高い所へ移動よ【空中戦&地形の利用】

普通の弾丸ならともかく
ビームの弾丸なら木とか位なら貫通して打ち抜けるはず【鎧無視】
離れたところから狙撃して攻撃【スナイパー&援護攻撃】

光の弓撃、存分に味わいなさい



●盗賊狩り
 戦闘に長けた兄貴分の盗賊集団は、南側から村を包囲するように展開していた。猟兵達はフィアリーの避難が終わるまで近づかせないとそれを迎え撃つ。
「おい、ガキ。テメェの手口はお見通しなんだよ!」
「下っ端相手じゃそれが通じたかもしれんが、俺達にゃ通じねえ」
 盗賊達が手頃な石を拾い上げたり、弓を構える。
「クク……ちいとばかし手の内を明かしちまったな……」
 ニヤリとシェイドが笑って芝居がかった口調で話しかける。
「死霊騎士どもを召喚する隙、衝撃波の届かない位置から矢なり石なり投げつけて詠唱を阻止してくる事は明白……。クク……ヒャーッハッハッハッハ!! いいぜ! 俺もおもしれぇ物で相手してやるよぉ!」
「何笑ってやがる!」
「こいつ気味悪ぃな。さっさと仕留めちまえ!」
 狂ったように笑うシェイドに盗賊達が矢を放ち石を投げようとする。だがその前に地面に転がる盗賊達の死体が震えた。
「てめえらの死骸で生成した死霊ミサイルだ! こいつはてめえらと爆発心中するまで追い続けるぜぇ!! 発射ぁ!!」
 死体から叫び恐怖に顔を歪める死霊が飛び出して盗賊達を襲う。
「うおぁ!?」
「なんだこりゃ!!」
 驚きながらも戦い慣れた盗賊達は避けようとするが、死霊はその背を追い駆け背中から入った。すると体内で破裂して胸にぽっかり穴を空け、盗賊が顔中から血を吐き出し倒れた。

「向こうはもう派手に始めたみたいだぞ、こっちもさっさとやっちまうぞ!」
 気合十分で盗賊達が村を襲おうとする。
「うぞーむぞーが揃ったところで勇者だから負けないのです」
 その前を塞ぐように、ビシッと片手を腰に当てたリリィエルが盗賊達をクレヨンソードで指さす。
「フェアリーか」
「見た目で油断すんじゃねぇぞ、邪魔する奴は誰だろうとぶっ殺す!」
 その小さな見た目に油断せず、剣を手に盗賊達がリリィエルを囲む。
「さっきはキャンディだったから、今度はクレヨンソードの力を見せるのです」
 リリィエルはクレヨンソードの刀身を水色に変えて振るう。すると空中に水色のクレヨンが竜巻を描き、水の竜巻が実体化して盗賊達を飲み込んだ。
「ぐぉおお!」
「なんだこれは! こんなふざげえぇ!?」
 盗賊達は高々と吹き飛ばされて受け身も取れずに地面に転がる。
「どーですか、まとめて相手をするユーベルコードはちゃんとあるのです!」
 ふんすとリリィエルがクレヨンソードを振ってポーズを決めた。
「なんだこのフェアリー、チビのくせにやばいぞ!」
「石だ、近づけねえなら遠距離から叩け!」
 離れた場所で攻撃を免れた盗賊達は、石や土を拾って投げつけて来る。
「チビじゃないのです。フェアリーならこれくらいが普通なのです!」
 それをひらひらと飛んで避けたリリィエルは、またクレヨンソードで空中に渦巻きを描く。
「来るぞ、うわぁあああっ」
「流される、何かに掴まれぇ!」
 放たれる水の竜巻は石礫を吹き飛ばし、盗賊達を根こそぎ巻き込んで木や地面に叩きつけた。
「ぐ、このガキ……」
「ただじゃおかねえぞ。悪趣味な妖精狂いに売り飛ばしてやる!」
 何とか意識を失わずに耐えた盗賊達がよろよろと起き上がる。だがそこには連続で空中に渦を描くリリィエルの姿があった。
「連続攻撃なのです。もう一発いくのですよ!」
「ま、待て!」
「こいつフェアリーの姿をした悪魔か!」
 放たれる水の竜巻が今度こそ盗賊達の意識を奪った。
「悪魔じゃなくって勇者なのです!」
 失礼な物言いにリリィエルは怒って頬を膨らませた。

「お、こっちは女か。当たりだな」
「女の腹は抉った時の感触がいいんだよな」
 獲物を見つけたと盗賊達がアウレリアに迫る。
「新手、ですね。でもどれだけ来ようとボクたちは立ちはだかりますよ」
 アウレリアは鞭剣状の刀身を持つ拷問具と漆黒の短剣を用意する。
「ボクは素の力は強くないので小細工とスピードで戦うのですが……」
 小さく呟き敢えて正面から盗賊と剣を交える。
「嬢ちゃん。そんな非力じゃあ俺達には敵わないぜ」
 盗賊は重厚な造りの剣を振り回し、アウレリアは短剣で受け流し防戦一方になる。
「おい、さっさとやっちまえ。大したことねえなら手足を斬って売り物にしちまえ」
「今やるところだ!」
 そこへ他の盗賊も加勢してくる。だが浅い傷を作るだけで、深手を負わぬぎりぎりのラインでアウレリアは苦戦を演じ続ける。
「何をてこずってる! さっさとしろ!」
 さらに盗賊が増えて剣が次々と襲い掛かる。そしてアウレリアは木を背にして追い込まれた。
「へへへ、ここまでだな。観念しなお嬢ちゃん」
「なーに、手足を切って動けなくしたら後で可愛がってやるよ」
 盗賊達は下卑た嗤いを浮かべ、刃を大きく振り上げる。
「その隙をボクは待っていた」
 今まで流した血を媒介にアウレリアは血の傀儡兵団を召喚する。
「な!?」
「どこから現れやがった!」
 驚愕する敵に人形達が殺到し、刃を振るって全身を切り裂く
「ぐあっ!」
「畜生! 罠か! 引け! こっちも数が必要だ!」
「行かせると思った?」
 逃げようとする足が貫かれ膝をつく、アウレリアが指示を出し、まずは足を潰していた。そこへ一斉に刃を突き立てられて全身を穴だらけにして盗賊は息絶えた。

「あら、流石盗賊……粗暴な人達ね」
 仲間と戦う盗賊の荒々しい行動にヘスティアが眉を寄せる。
「妖精達のためにも、ここから先は通さないわよ!」
 そして仲間が戦い気を引いている間に、妖精の羽の如きジェットパックで飛行し、太い木の枝が密集する場所に降り立つ。
「貫通力の高いビームの狙撃なら、多少の障害物は無視できるわ」
 ヘスティアはビームライフルを長距離モードに変形させ、狙いを定めると引き金を引く。放たれた光線が枝を吹き飛ばしながら進み、盗賊の胸の中央を貫いた。何が起こったのかも分からずに盗賊は倒れる。
「撃たれたぞ!」
「どこだ! どこからの攻撃だ!」
 きょろきょろと見渡すが敵はまだヘスティアを見つけられない。そこへヘスティアはもう一射して頭部を撃ち抜いた。
「上だ! 何か光りやがった!」
「魔法か!!」
 盗賊達が木々を見上げ警戒する。その隙にアウレリアの人形が下から腹を刃で貫いた。

●一時撤退
「こんなところで死んでたまるか!」
 追い詰められた盗賊が決死の覚悟でアウレリアに突っ込んでくる。
「ボクを捕らえることができると、殺せると思いましたか? これくらいの痛み、ボクには何の枷にもならない」
 アウレリアの腕から流れる血が鞭剣に伝う。その刃を振るい盗賊の剣を折り、首に巻き付ける。
「あがぁっ!」
 それでも死に物狂いで盗賊は柄を投げてアウレリアの太腿を浅く傷つけた。
「残念ですが、死ぬのはアナタの方です」
 冷たくアウレリアが刃を引くと、首の肉が削ぎ落され血を噴き出して盗賊は倒れた。

「どうしたどうしたぁ! さっきまでの勢いはどこにいっちまったんだぁ!?」
「この野郎! ぶっ殺す!」
 挑発するシェイドに腹を立て、盗賊は飛び交う死霊を避けようと、やられた仲間の死体を盾にして迫り、シェイドを押し倒して剣を突き立てようと振り上げた。
「ククク……いいのか、死体なんて持ってきてよぉ……ヒャーッハッハッハ!! 俺様のために持ってきてくれたのかよ! ありがとうよぉ!」
「しまっ!?」
 高らかにシェイドが笑うと、盗賊が刃を振り下ろす前に悪霊が飛び出し、盗賊の腕が破裂し剣が地面に転がった。そのまま悪霊は体の奥へと潜り込み、心臓を破壊した。顔中の穴から血を流し盗賊が倒れ、返り血をシェイドが浴びる。
「ひぅ!!」
「は、破裂した……」
 その様を村の外に避難しようとしていたフェアリー達が目にして怯える。
「ククク……心配するな。俺様はお前達を攻撃したりしないからよぉ。だからこれから仲良くしようぜぇ」
 そんなフェアリー達が怯えぬように血塗れのシェイドが声をかけるが、一層震えを増してガクガクと頷き逃げ出した。

「おい、フェアリーをやれ! そうすりゃ奴らは庇うように動かにゃならんはずだ!」
 それを見ていた盗賊が悪辣な方法を思いつき、走り出そうとする。
「こちらの事を忘れてるわよ!」
 戦っているところへ銃口を向けたヘスティアが狙撃し、敵の胸に穴を開けた。
「あそこだ! いやがったぞ!」
「木に登れ! 叩き落としてやれ!」
 ヘスティアを見つけた盗賊がするすると木を登って来る。
「野蛮そうだけあって木登りは得意みたいね」
 ならばと、ヘスティアはジェットパックで空に飛び上がる。
「飛んだ!?」
「残念だったわね! 飛べるのはフェアリーだけじゃないわ!」
 飛びながらビームを放ち盗賊は腕を撃たれ、木から手が離れ地面へと頭から落下した。
「隠れろ! 狙われない位置に動け!」
 盗賊達が太い木を盾にしようと身を隠す。
「そんな木に隠れたくらいじゃこのビーム砲は防げないわよ!」
 ヘスティアはビームを木に撃ち込み、貫通して隠れていた盗賊を射抜いた。
「ダメだ! この場は不利だ! 開けたところへ出るぞ!」
「逃がさないわよ。光の弓撃、存分に味わいなさい」
 走って逃げ出す盗賊達にビームが次々と放たれ、逃げ遅れた盗賊が一人また一人と倒れていく。

「足を止めるな! とにかく走れ! 頭と合流するんだ!」
 盗賊達が恥も外聞もなく元来た道を逃げ出す。その逃げ足は戦いよりも優れたものだった。多少の逃亡を許してしまう。
「邪魔なのです!」
 リリィエルが水の竜巻で逃げ遅れる盗賊達を退ける。
「これでここは安全なのです。今のうちに逃げるのですよ!」
「はい! 急いで逃げるぞ!」
 安全を確保すると村の妖精たちを先導し、リリィエルは戦いに巻き込まぬように森の奥へと避難させた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

レクイエム・アビス
アドリブ&絡み歓迎です。POW使用。
前回と同じく山賊を殲滅させる為同UCを使用。味方を巻き込まないように少し離れた場所で山賊共に攻撃。呪詛の塊となり、相手を畏怖させる為に叫び声を上げて大剣と大槍に変化させた機械手で目の前の敵を攻撃しつづける。我に畏れを抱け、絶望しながら死んでゆけ、貴様らに残された道は天国でも地獄でもない。永遠の無だ…と叫びながら化け物は暴れ続ける


フェム・ポー
オブリビオンの盗賊ちゃん達が来たのねぇ?
だめぇ。だめよぉ? ……死は安らぎなのだからぁ、さまよい出てきて悪さをするなんてぇ。
そんな悪い子達はぁ、フェムが『救って』あげなくちゃぁ。

……ねぇ、盗賊である事なんてぇ、痛くてぇ、苦しくてぇ、悲しいことばかりでしょぉ? もうそんなに苦しむ必要はないわぁ。フェムが、ぜんぶ、ぜぇんぶ、受け止めたあげるからぁ、フェムのところに『還って』おいでぇ?(技能:誘惑。ただ純粋な慈悲の心で、相手を救済へと誘う)
(その救済に魅了されたものは呼び出された、『黒き光を纏って宙に浮かぶ巨大な異形の胎児』が放つ触手に『生命吸収』され、同化される)
うふふ。ゆっくり、おやすみなさぁい


江田島・乱蔵
アドリブ、絡み歓迎。

どうやら少しは楽しめる相手が来た様だ。では楽しませて貰うとしよう。

薙刀はその場に捨て、小手を装着。ここからは拳でお相手しよう。
皆が構える中、無造作に敵の方へ歩いて行って誰か一人の前に立つ。
「お前が一人目か?」
敵が何か答える前に、灰燼拳でぶっ飛ばす。
「ゴングは鳴った。覚悟して貰おうか」

乱戦になろうがどうなろうがお構いなしで、目の前の敵を殴る。
ただし、周りの状況は常に把握。味方が危なくなったら援護に行き、村の方へ向かおうとする敵がいたら優先的に叩く。距離が遠い場合は他の猟兵に指示を出す。
「なんだこの程度か?数の割には情けないな、おい」
「どうやらアンタが本命か。では、楽しもうか」


ジュジュ・ブランロジエ
※アドリブ&絡み大歓迎
※メボンゴ=からくり人形の名

フェアリーの幸せを壊すような真似はさせない!
山賊達には二度と悪さができない場所に行ってもらおうか

山賊を視認できたらすぐ【千里眼射ち】

接近戦になったらフェイントや残像技能を生かして回避
「それは残像だ!」
攻撃の予備動作があれば【絶望の福音】を使い確実に回避
「見えてるよ」

【ワンダートリート】で山賊の戦力を削ぐ
「ショータイムはこれからだよ!」

つぶて投げは【オペラツィオン・マカブル】で無効化を試みる
「よろしく、メボンゴ」
失敗しても怒らないよ

メボンゴを山賊の顔にぶつけて撹乱して隙を作ったり、
「メボンゴアターック!」
掩護射撃したり、
仲間の援護もしたいな



●撤退阻止
「フェアリーの幸せを壊すような真似はさせない!」
 気合を入れたジュジュ・ブランロジエ(白薔薇の人形遣い・f01079)が、賊達がもう二度とフェアリーを狙えぬようにしようと行動を開始する。
「覚えてろよ、頭と一緒にぶっ殺しに戻ってくるからな」
「ああ、多少は出来るようだが、頭がくりゃあんな奴らどうってことねえ!」
 傷つき逃げる数人の盗賊達が、騒がしく南へと移動していた。
「見つけた!」
 それを離れた位置で視認したジュジュは早速弓に矢を番えた。そして狙い定めて矢を放つと、ヒュッと風を切って盗賊の胸に突き刺さった。
「矢だ!」
「くそっもう追いつかれたか? それとも他の奴か!」
 盗賊達は足を止めて戦闘態勢に入る。そこに向けてもう一度矢を放つと、警戒していた敵はそれを剣で払った。
「あそこだ!」
「弓兵か、近づけばいちころだ!」
 弓を撃つ前に斬り殺せばいいと、盗賊達が駆けてジュジュに接近する。
「弓使いが単独で動いた事を後悔しろ!」
 盗賊が剣を振り下ろしジュジュを両断する。だがそれは幻のように消え去った。
「それは残像だ!」
 残像を残して回避したジュジュは距離を取りながら矢を放ち、横から盗賊の首を貫いた。
「このクソアマがあ!」
 盗賊は剣を突き出すが、ジュジュは未来を見たようにタイミングよく身を捻って攻撃を避け、曲芸のようにその姿勢のまま矢を放ち、盗賊の口の中に入って後頭部から鏃が飛び出た。周囲にもう盗賊が居ないのを確認しジュジュは次の敵を探しにゆく。

「前に出た奴らがやられた! あいつら予想以上に強いぞ。こうなりゃ仕方ねえ、頭と合流して仕切り直しだ」
「クソッ、だが頭がくりゃあんな奴ら!」
「―――――――――!」
 逃げる盗賊達に脳に直接響くような叫び声が届く。戦闘モードを継続するレクイエムは仲間を巻き込まぬよう、離れた敵に向かって突進する。
「何か来やがったぞ! 戦闘だ!!」
「あんだぁ!? 化け物だぞ! 気ぃ抜くんじゃねえぞ!」
 呪詛の塊と化したレクイエムの姿に驚きながらも、盗賊達はすぐに剣を構え襲い掛かる。
「――――――――!!」
 金切り音のような叫びと共にレクイエムが機械の手を振るう。その一撃は剣を小枝のように折って敵の顔を掴み、地面に叩きつけた。スイカのように頭が砕け中身が飛び散る。
「殺せ殺せ!」
「やれ! やっちまえ!」
 そこへ盗賊達が剣を突き立て、刃を振り下ろす。だが分厚い呪詛に阻まれ攻撃は致命傷とはならない。
「我に畏れを抱け、絶望しながら死んでゆけ、貴様らに残された道は天国でも地獄でもない。永遠の無だ……」
 地獄の底から響くような呪詛の如き声が盗賊達を怯ませる。その隙に大剣と大槍に変化した左右の機械手を振るい、盗賊達を叩き斬る。
「化け物退治だ! 気合入れろ!」
「フェアリーを見つけに来て化け物を見つけちまうとはな、とんでもねえ森だ」
 それでも盗賊達はやってやると殺意を向けて来る。
「殺すぞ! 殺して奪う! それが俺達の流儀だ!」
「「おおーーー!」」
 低い姿勢から突き上げるように盗賊がレクイエムの脚を貫く。だが微動だにせず振り上げた大剣が盗賊の頭を粉砕した。
「効かねえはずがねえ! どんな化け物だって死ぬんだよ!」
 レクイエムの背後から盗賊が必死に剣を振り下ろし背中を傷つける。
「いける! このまま――あぶっぁ!」
「呪エ呪エ呪エ呪エ――!」
 叫びながらレクイエムが大槍を振り抜き、纏めて盗賊達を薙ぎ倒す。そしてまだ息のある盗賊に大剣を叩き込んで止めを刺した。
「……こいつぁ、俺達の手には負えんな」
「頭と合流するぞ!」
 逃げようとする動きに反応し、レクイエムは大槍を腹に突き入れて持ち上げ、地面に叩き下ろした。
「報せろ! 誰でもいい、頭にこの事態を!」
 だが誰も逃がさぬと、レクイエムが獣の如くその背に襲い掛かった。

「あっちで戦闘してるみたいだぞ、どうする?」
「俺達は頭の元に向かう。想定外の事が多過ぎる」
 盗賊達が引き返していると、その前に人影が現れた。
「どうやら少しは楽しめる相手が来た様だ。下っ端じゃあ歯応えがなさすぎてな、お前等に楽しませて貰うとしよう」
 ウォーミングアップは終わり、ようやく本番だと乱蔵は薙刀を捨て、大連珠が埋め込まれた小手を装着する。
「ここからは拳でお相手しよう」
 そう言って殺気立つ中、乱蔵は無造作に盗賊の前に歩いて近づいた。
「お前が一人目か?」
「あん? 舐めて――ぐべらぁ!」
 問答無用で殴りつけ、顔面を変形させて盗賊が吹っ飛ぶ。
「ゴングは鳴った。覚悟して貰おうか」
 そして乱蔵は次の相手に振り向いた。
「こいつふざけてんじゃねえぞ!」
「ぶっ殺せ! 舐めた真似した奴は絶対に殺して見せしめにしろ!」
 盗賊達が一斉に襲い掛かる。乱蔵は小手で剣を受け流し腹を殴りつけてくの字に吹き飛ばす。そこで腕を軽く斬られるが、構わずカウンターの一撃を胸に叩き込んで陥没させた。口から血を吐いて盗賊が倒れる。
「囲め!」
「こいつはリーチがねえ! 石を投げろ! 矢を放て!」
 盗賊達が石や矢で遠距離攻撃をしてくる。それを乱蔵は小手でガードしながら前進する。多少被弾しようとも気にせず、間合いに踏み込むと超高速のストレートを放って、盗賊の頭が吹っ飛んで行きそうな威力の拳を当てて即死させた。だが盗賊達は怯まずに剣を叩き込もうと踏み込む。
「ショータイムはこれからだよ!」
 そこへ現れたジュジュが紙吹雪を巻き起こして敵の視界を塞ぐ。そしてその僅かな遅滞に乱蔵が拳を叩き込み、剣を砕いて顔面を陥没させた。
「メボンゴアターック!」
 続いてジュジュが白いドレスのからくり人形を敵の顔に投げつけ隙を作る。
「何だこれりゃ、人形?!」
「メボンゴだよ!」
 気を取られているところへ、乱蔵の拳が飛んで盗賊の身体が宙へ飛んだ。

「奇襲を仕掛けるぞ、正面から戦う奴は不意打ちによえーからな」
 まだ無傷の盗賊達が武器を手に突撃しようと身構える。その前にひょっこりフェムが姿を見せた。
「オブリビオンの盗賊ちゃん達が来たのねぇ?」
「フェアリーか? こいつを使って――」
 困ったような顔でフェムが、無防備に姿を見せたフェアリーをどうしようかと悪巧みする盗賊達を見渡す。
「だめぇ。だめよぉ? ……死は安らぎなのだからぁ、さまよい出てきて悪さをするなんてぇ。そんな悪い子達はぁ、フェムが『救って』あげなくちゃぁ」
 ダメダメと首を振ったフェムは救ってあげなくてはと言葉を続ける。
「……ねぇ、盗賊である事なんてぇ、痛くてぇ、苦しくてぇ、悲しいことばかりでしょぉ? もうそんなに苦しむ必要はないわぁ。フェムが、ぜんぶ、ぜぇんぶ、受け止めたあげるからぁ、フェムのところに『還って』おいでぇ?」
 純粋なフェムの慈悲の心が盗賊達に訴えかける。その心に共感して盗賊達の戦意が下がった。
「俺達今までさんざん悪い事してきたのに許されるのか?」
「本当に……? 俺はこの間民家に押し入って親の目の前で子供を殺したんだけど、こんな俺でも大丈夫なのか?」
 魅了された盗賊達がふらふらとフェムに救いを求めるように近づく。すると黒い光を帯びた巨大な胎児が現れ、触手の群れが放たれて盗賊達を取り込んだ。
「ああ、救いだ……」
「これで俺は楽になれるんだ……」
 盗賊達は恍惚の表情で同化し吸収される。
「うふふ。ゆっくり、おやすみなさぁい」
 その異様な光景をフェムは優しく微笑んで見守っていた。
「なんだこりゃ……!」
「魔物が溢れ出たのか?」
 残った盗賊達は異形の前に恐れおののく。
「次の悪い子は誰かしらぁ?」
 フェムの視線が盗賊達に向けられると、じりっと逃れるように後退した。
「なんだこの程度か? 数の割には情けないな、おい。所詮は弱い奴としか喧嘩できない盗賊ってことか」
「殺す! そいつを殺して進め!」
 血を流しながも乱蔵がその背後を取って挑発するように言うと、逆上して盗賊が襲い掛かって来る。大振りの一撃に合わせて拳を放ち、顔面を打ち抜いて意識を断った。
「痛いよねぇ、もう怪我なんてしたくないよねぇ。だからほら、フェムのところに『還って』おいでぇ」
「ああ、もう痛いのは嫌だ……」
 フェムの慈愛の言葉に盗賊がふらりと近づき、異形の退治の放つ触手に回収され同化して消え去った。
「なんてこった、このままじゃ全滅だぞ!」
 様子を見ていた盗賊が振り返って逃げ出すと、どんっと何かに衝突した。そこには呪詛に塗れたレクイエムが腕を振り上げ立っていた。
「げっ!?」
「死ネ死ネ死――――!!」
 振り下ろされた大剣が盗賊の身体を2つに叩き斬った。

●首領
「はあはあ……どうなってやがる。魔境かここは……」
 最後の一人となった盗賊が傷ついた体でよろよろと逃げていたが、限界だと崩れるように倒れ込む。
「やれやれ困ったものですね。フェアリーの村一つ落とせないとは」
 そこへ現れたシルクハットにスーツ姿の場違いな老紳士が深く溜息をつく。
「か、頭!」
「頭ではなくボスと呼びなさいといつも言っているでしょう。まったく、いい加減覚えなさい」
 顔を上げた盗賊の顔を老紳士は冷たく見下ろす。
「奴らとんでもなく強いんです! 俺以外は全滅しちまって!」
「アクシデントに対応できるのが優れた人材ですよ。仕方ありません、部下の尻拭いも上に立つ者の役目ですからね」
 パチンッと老紳士が指を鳴らすと、ずらっと新たな盗賊達が姿を現す。
「いざという時の為に準備するのが紳士の嗜みというもの。さあ、私の邪魔をする愚か者どもを排除しなさい。なーに、始末した後にこいつらのフリをすればよいのです。そうすれば妖精どもを一網打尽にできますよ」
「「へい!」」
 命を受けた盗賊達が猟兵達を包囲殲滅せんと動き出す。
「ああ、そうそう。少女だけは生かしておくんですよ」
 そう言って老紳士は好色な目を女猟兵達に向けた。
「どうやらアンタが本命か。では、楽しもうか」
 その危機的状況にも乱蔵は余裕を持って笑ってみせる。
 盗賊団の首領を倒せば全て終わると、猟兵達は疲れを見せず活力を漲らせ、盗賊の向こう側で命令を飛ばす老紳士に鋭い視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『パンテスキ』

POW   :    パンテスキ盗賊団
【レベル×5人の配下の盗賊達 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    強奪の手
【素手による攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防具を透過し下着を抜き取る一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    包囲陣形
【配下の盗賊達に指示を出し、一斉攻撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィン・スターニスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シェイド・レーム
チッ…こりゃまた魔力のカケラも感じねぇジジイだこと。ぶっ殺しても術式の一つも奪えやしねえだろうし、要のフェアリーもビビって逃げちまうし散々だ!死ぬまでぶっ殺してやる!!

【高速詠唱】を絡めた【バーサーカーの召喚】だ!いけぇブレイズキャリバー!俺様の全魔力を注いでやってんだ、こいつらを鉄塊剣で挽肉にしちまえ!!

クク…なぁに小ぎれいな服でジェントル気取ってんだジジイ。盗賊どもをハンバーグにしたら次はてめーだぜ、内臓をぶち…懲らしめてやる!(フェアリーに配慮した訂正!きっと手遅れだ!)

全てが終わったらフェアリーどもに自衛術の一つでも教えてやらねえとな。そうだな、死霊ミサイルなんてどうだ?(にこ)


アウレリア・ウィスタリア
更に数が増えましたか、厄介ですね
それに軍勢の指揮という意味ではボクは足元にも及ばないようです
なら、その力を奪い取りましょう

近づくのも難しそうですが
女なら殺されはしないのでしょう?
仮面を外し素顔を晒す
髪もほどいて女性らしさを強調します
体型は、起伏が少ないですけど

気を取り直して
その姿で空を駆け抜けて接近
血糸レージングで捕縛を試み捕らえることが出来れば
そのまま血に濡れた鞭剣で斬擊を
捕らえることが出来なければ頑張って斬る

レージングでの血のマーキング、斬擊をクリアすれば
最接近して枷をかける
変な特技持ってますし、それを仕掛けてきたらチャンスかな

ユーベルコードを封鎖できれば
仲間と共に一気に攻める

アドリブ歓迎


ジュジュ・ブランロジエ
※アドリブ&絡み大歓迎

うわっ、なんか気持ち悪い

わ、私の下着は可愛くないからさ、どうせ盗るならメボンゴの下着にしてよ

盗られる前に殺るしかないかな


なるべく距離をとり攻撃
【ワンダートリート】で足止めを狙う
【千里眼射ち】やメボンゴキック(からくり人形による跳び蹴り攻撃)も使用

スナイパーや援護射撃技能を生かして仲間の援護もしたい

近付かれたらフェイント・残像・見切り・ダッシュ、持てる技能フル活用+【絶望の福音】でなんとか避けたい
残像に騙されたら、残念だったね!それは残像だ!と高笑いしてやる

万が一盗られたら悔しさを攻撃にこめる
変態なんかに負けてたまるか!

仲間が盗られたら鼓舞する
あいつをやっつけて取り戻そう!


ヘスティア・イクテュス
さて、親玉の登場かしら
もっとゴツイの想像してたらこんな身なりの良さそうな方とはね…

まぁ、どんな姿であろうと関係ないわ
妖精の村を守るために、ここで盗賊団は壊滅させる!
泣いて謝っても許さないんだからね!

ティターニアで飛びつつミスティルテインで狙撃【空中戦&スナイパー】
やることは変わらないわ
木で向こうからの遠距離攻撃は防ぎつつこちらはビームで木を貫通させて攻撃!【鎧無視攻撃】

首領よりも周囲の配下を蹴散らせて他の猟兵が攻撃しやすいように立ち回りを【援護射撃】
首領の首は任せたわよ!


江田島・乱蔵
絡みアドリブ歓迎。

「屑というのは嫌な臭いだ。しっかりと掃除しないとな」
どうやらこの変態爺がボスって事か。では掃除開始といくか。

「死にたいヤツからかかってきな。死にたくないヤツも逃がさんが」
敵の中に飛び込み目の前の敵を殴り、蹴飛ばし、投げ飛ばし叩き付け、灰燼拳を喰らわせる。
乱戦上等。鬼神の如く暴れまくりながらボスに接近する。
敵の動きには常に注意。妖精達の方に向かったり逃げようとする敵は優先的に倒すか、皆に指示を出す。

「これだけの歳になるまで生きたんだからいいだろ。覚悟しな」
ボスに対しても同じ。目の前に立ちはだかり殴って蹴って叩き付け、灰燼拳を喰らわせる。容赦は一切しないし、逃がさない。


フェム・ポー
あなたがぁ、今回の首謀者ってやつなのねぇ?
うふふ。『死後』(安寧)の世界からぁ、『苦界』(現世)にまで迷い出てきてぇ、新たな罪を重ねるなんてぇ、かわいそう、かわいそうねぇ?
フェムが救ってあげなくちゃぁ。

貴方のお友達にぃ、たくさん『供物』(命)を頂いてしまったしぃ、残ったアナタたちはぁ、フェムが直接『救って』あげるわぁ。
UC変身(人間大で黒く輝く天使の輪を抱いた姿)してぇ、『黒の光』と『呪鎖』の力で盗賊団の悪い子ちゃん達を懲らしめてぇ、『救って』あげるわねぇ?(技能:生命力吸収)
相手の攻撃はぁ、UCの力で減衰されるけどぉ……うふふ。あなた達はどんな痛みをくれるのかしらぁ? とても楽しみねぇ。



●盗賊団首領
「さて、親玉の登場かしら。もっとゴツイの想像してたらこんな身なりの良さそうな方とはね……」
 荒くれ者のリーダーらしい敵かと思っていたヘスティアは少々拍子抜けする。
「まぁ、どんな姿であろうと関係ないわ。妖精の村を守るために、ここで盗賊団は壊滅させる! 泣いて謝っても許さないんだからね!」
「ええ、私もそうですよ。私に下着を奪われ、泣いて返してくれと言われても返さないし、用済みとなった貴女を許すどころか売り払ってしまうつもりです」
 ヘスティアの宣言に老紳士もにこりと笑って返す。その眼は服を素通りして下着を見ているように邪だった。ぞぞっと悪寒を感じたヘスティアはジェットパックで飛翔し、ビームライフルを構えてまずは雑魚を蹴散らそうと空中から盗賊に向けて狙撃する。放たれたビームが盗賊の頭を撃ち抜いた。
「撃ち落とせ!」
 盗賊達は矢を高く放ち、飛ぶヘスティアを狙う。
「そんな腕じゃわたしは落とせないわよ」
 ヘスティアは気を引くように上で旋回し、矢を避けながら盗賊達を引き付ける。

「チッ……こりゃまた魔力のカケラも感じねぇジジイだこと。ぶっ殺しても術式の一つも奪えやしねえだろうし、要のフェアリーもビビって逃げちまうし散々だ! 死ぬまでぶっ殺してやる!!」
 残った魔力を全て込め、シェイドは高速詠唱で素早く、狂戦士の霊を召喚する。
「いけぇブレイズキャリバー! 俺様の全魔力を注いでやってんだ、こいつらを鉄塊剣で挽肉にしちまえ!!」
 炎を纏う狂戦士が大剣を薙ぎ払い、盗賊どもを纏めて吹っ飛ばした。四肢が千切れ盗賊達の血と肉が森に撒き散らされる。
「数で押し潰しなさい。一斉に掛かればどのような戦士でも容易く狩れます」
「行くぞ野郎ども!」
「「おお!!」」
 老紳士の指示に従い、剣を手にした盗賊達が一斉に襲い掛かりブレイズキャリバーの背中や手足を傷つける。
「その程度でブレイズキャリバーが倒せるものか! やれぇ! その力を見せつけてやれ!!」
 吠えるようにブレイズキャリバーの傷口から地獄の炎が噴き出す。
「うわぁ!」
「火だ! 火を消してくれ!!」
 それを浴びた盗賊達が燃えて倒れ、火に気を取られたところにブレイズキャリバーの大剣を叩き込まれ肉塊となった。

「さて、私も少しは働くとしましょうか」
 老紳士は猟兵の女性をじっくり観察するように視線で撫で回す。
「うわっ、なんか気持ち悪い」
 厭らしい視線を感じ、ジュジュは心底嫌そうに老紳士を見る。
「ふふふ、その嫌がる顔。凄まじくそそりますねぇ。大丈夫ですよお嬢さん。可愛がってあげますからね、ふふふふふ」
 そのジュジュの顔を見て一層老紳士は厭らしく顔を歪め、そしてそのうねうねと触手のように蠢く手を伸ばす。
「わ、私の下着は可愛くないからさ、どうせ盗るならメボンゴの下着にしてよ」
 ジュジュが頭部が白兎の可愛い人形を抱える。すると老紳士の手が人形に触れ、そこには小さな小さな布が握られていた。
「どうですかこれが貴女の……人形の下着?」
 老紳士が奪った下着をじーっとモノクルで凝視して、人のものではない事に気付いた。
「なんということを、その顔を羞恥に染めるはずが!」
 悔しそうに老紳士は人形の下着を握りしめ、次こそはと血走った目を向ける。
「こ、こうなったら、盗られる前に殺るしかないかな」
 慌ててジュジュは距離を取ってナイフを投げ、老紳士の足に突き立てた。
「ぐっ、何ということをするのです! 絶対に下着をひん剥いてあげますからね!」
 ナイフを抜いて老紳士が止血していると、それを守るようにさらに盗賊が現れた。
「ここにきて更に数が増えましたか、厄介ですね」
 アウレリアは首領を守ろうとする盗賊達を見渡す。
「それに軍勢の指揮という意味ではボクは足元にも及ばないようです。なら、その力を奪い取りましょう」
 アウレリアは仮面を外して、さらに髪を程して女性である事をアピールする。
「こいつ女か」
「チッ頭は女好きだからな……面倒だが仕方ない、捕まえるぞ!」
「頭は女の脱ぎたての下着が大好きだからな。女は俺達の好きに出来ると思えば生け捕りにする価値はあるぞ!」
 盗賊達が捕えようと近づくと、アウレリアは白と黒の翼を羽ばたかせてその頭上を飛び越える。

「屑というのは嫌な臭いだ。しっかりと掃除しないとな」
 辛辣な言葉を吐き捨て、アウレリアの代わりに敵の前に立った乱蔵は、老紳士の成りをした盗賊越しに変態爺に殺気を向ける。
「死にたいヤツからかかってきな。死にたくないヤツも逃がさんが」
「死ぬのはお前らの方だ! やっちまえ!」
 盗賊達が乱蔵に襲い掛かると、剣を小手で受け逆に殴り倒して前進する。近づく敵を蹴り飛ばし、振り下ろされた刃より速く懐に入ると背負って投げ飛ばす。敵同士をぶつけると、地面が凹むほど強く踏み込み、拳を叩き込んで纏めて吹き飛ばした。
「なんだこいつ、本当に人間か?」
 暴風のように突き進む乱蔵に盗賊達が怯む。
「何をしているのです。足を狙いなさい足を、どれだけ強かろうと足を止めればただのでくの坊ですよ」
 老紳士がそう配下に伝えると、盗賊達は乱蔵を止めようと矢を一斉に放ち、足を狙う。
「変態爺の割には戦いの常道を知っているようだ」
 小手を盾に乱蔵は矢の雨の中に突っ込み、矢を受けながらも突破して矢を構える盗賊を殴り倒した。
「だが俺がこの程度で止まる相手と思われているのは心外だ」
 傷ついても留まることなく乱蔵は盗賊を薙ぎ倒して前進し、老紳士へと道を抉じ開けようとする。だが敵も必死に防戦をして耐え凌ぐ。

 乱蔵が盗賊達と戦っている間に、アウレリアは空から老紳士に接近し、魔法の血糸を放って縛り上げる。
「大規模な盗賊団でも、頭を叩いてしまえば崩壊してしまうでしょう」
 そして降下して斬り掛かり、地に濡れた鞭剣が袈裟斬りに老紳士の肩から肉を裂いた。
「いたた……これは堪えますね。お嬢さん、治療費をいただきましょうか」
 老紳士が好色な眼でアウレリアを値踏みし、ワキワキと動かす手を胸に伸ばす。
「好色なのが仇となりましたね。被害者を出さないように、その力を奪わせてもらいます」
 その手にアウレリアは呪いの枷を嵌めた。すると老紳士の手の動きが止まった。
「手が動かない? 私が長い年月を掛けて磨き上げた技がこの程度のもので封じられたと?」
 老紳士は驚きに目を見開く。女性から下着を奪い辱める技に絶対の自信を持っていたのだ。

「あなたがぁ、今回の首謀者ってやつなのねぇ?」
 フェムがじーっと見定めるように老紳士に視線を向ける。
「うふふ。『死後』(安寧)の世界からぁ、『苦界』(現世)にまで迷い出てきてぇ、新たな罪を重ねるなんてぇ、かわいそう、かわいそうねぇ?
フェムが救ってあげなくちゃぁ」
 そして救済を与えんと優しく微笑んだ。
「貴方のお友達にぃ、たくさん『供物』(命)を頂いてしまったしぃ、残ったアナタたちはぁ、フェムが直接『救って』あげるわぁ」
 フェムは闇の光を纏い黒く輝く天使の輪を抱いた姿に変身する。そして放つ黒い光で近くの盗賊達を包み込み、生命力を吸い上げていく。
「ああ、暖かい」
「眠い、もうこのまま……」
 干からびたように盗賊達が倒れ朽ち果てる。
「やべえぞ! 近づくな矢を放て!」
「乱戦でよそ見をする奴があるか」
 光を逃れた盗賊が矢を番えようとすると、横から乱蔵が殴りつけて阻止した。

●討伐
「お前を守る部下の掃除は終わった。後はお前だけだ」
 血に濡れた乱蔵が老紳士に肉薄する。
「いやはや、これは凄い。少々侮っていました。まさかここまでやるとはね」
 それでも余裕を持って老紳士は笑みを浮かべる。そしてステッキを地面に突いた。すると伏せて隠れていた盗賊達が一斉に矢を放ち、乱蔵の手足を射抜く。
「今日のところはこのくらいで許してあげましょう。ですが覚悟しておいてください。またここを襲いますよ。貴方方は休む間もなく常に備えておかねばならないのです」
 捨て台詞を吐くと老紳士は踵を返し逃げ出した。
「逃がさん」
 怪我も気にせず乱蔵がその後を追い駆けると、待ち構えていた盗賊達が剣を突き出す。それを拳で叩き折り、顔面を陥没させて一瞬にして叩き伏せた。
「行かせるか!」
 猟兵の行く手を塞ぐように盗賊達が陣を作って守ろうとすると、そこにフェムが対峙する。
「うふふ。アナタたちはどんな痛みをくれるのかしらぁ? とても楽しみねぇ」
 無垢に笑いながらフェムは黒い光で盗賊達を照らし、花が萎れ、草木が枯れるように、人の身体が枯れ木のように渇き倒れる。そこへ飛んだが矢がフェムの太腿に刺さった。
「あぁ、これがアナタたちの痛みの形なのねぇ。うふふ、とっても素敵よぉ……」
 恍惚の表情でフェムが笑い、黒き邪光を纏う無数の鎖が伸びて盗賊達を拘束する。
「さぁ、ぜぇんぶ受け止めてあげるわぁ。みんなフェムが『救って』あげるわねぇ」
 盗賊達の生命が吸い上げられ、同化するように朽ちていった。盗賊の屍を越えて猟兵達は老紳士に追いつく。
「待ちなさい! わかりました! もうこの村は襲わないと誓いましょう!」
 追いつかれた老紳士は焦って手を上げ降参だとポーズをとる。
「この村を襲わなくても、他の場所は襲うつもりだろう?」
「は、ははは……まさかそんな。ええ、大丈夫ですよ」
 乱蔵の問いに目を逸らし老紳士はじりじりと距離を取ろうとする。
「ふー参りました。本当に。まさか全ての兵力を使い切ることになるとは……」
 ガサッと音がする。頭上から木の上に忍ばせていた伏兵の盗賊達が矢を放ち、剣を持った者が飛び降りて攻撃してくる。それに気を取られた間に老紳士が逃げようとする。
「だぁめよぉ、これ以上罪を重ねるなんてぇ、かわいそうなことはさせられないわぁ」
 フェムの放つ鎖が木々を幾重にも繋いで道を塞ぐ。
「やれやれ、女性ならまだしも、男どもに私が追い詰められるとはね」
 肩を竦めた老紳士が盗賊に守られながら、頭脳を高速回転させて窮地の打開を探る。
「クク……なぁに小ぎれいな服でジェントル気取ってんだジジイ。盗賊どもをハンバーグにしたら次はてめーだぜ、内臓をぶち……懲らしめてやる!」
 シェイドはフェアリーに配慮して、表現をマイルドにしてブレイズキャリバーを動かす。するとブレイズキャリバーが大剣を振り抜き、目の前の盗賊を纏めて胴を断ち切り、ぐっちゃぐちゃに肉片が飛び散った。そこへ頭上から矢が降り注ぐ。それをビームの光が掻き消した。
「配下は任せて、首領の首は任せたわよ!」
 そこへ急降下したヘスティアがビームを乱射して木の上から弓を構える盗賊達の間を抜ける。そしてそのまま上昇して反転し、さらにビームの狙撃を開始して弾幕を張った。
「あいつを止めろ!」
 木の上にいる盗賊達はヘスティアを狙い矢を放ち落とそうとする。
「止められるものなら止めてみるといいわ!」
 ヘスティアは矢を避けながら、距離を詰める盗賊の足元の太い枝を撃ち、木から落下させた。

「まったくどうしてこんな事に……、私はただ上物のフェアリーをランジェリー着せ替え愛玩人形にしようと思っていただけなのに」
 傷つき体中が痛むと老紳士は我が身の不運を嘆く。
「せめてこの傷心を貴女方の体温の残る下着で癒さねば割が合いません。下着を取った後はもう必要ありませんからね。部下にその体を可愛がってもらうとよいでしょう」
 老紳士はにゅるりと手を動かし、ジュジュの胸に届く。だがその手は胸を通り抜けた。
「残念だったね! それは残像だ!」
 予知によって残像を残して回避していたジュジュは手の届かぬ距離を維持する。
「着ている下着を変態なんかに盗まれてたまるか!」
 ジュジュはメボンゴを放ると、からくり人形が自動的に動き跳び蹴りを老紳士の顔に浴びせた。ひらりと小さな下着が舞い落ちメボンゴは下着を取り戻した。
「アナタの今まで犯した罪を地獄で悔い改めなさい」
 アウレリアは鞭剣を振るい、削ぎ落すように老紳士の顔を斬り裂いた。
「待て! いや待ってください! 私のような老人一人を斬ったところで何も変わりませんよ。それよりこれからは私が味方となってこの村を守りましょう。そうすれば今より平和が訪れますよ!」
 顔を押さえながら老紳士が情けなく命乞いをする。だがその視線は油断なく逃げる手段を見つけようと周囲を窺っていた。
「許さないって言ったわよね。今まで下着を取られたり殺された人達の恨みを味わうといいわ!」
 ヘスティアがビームを放ち老紳士の右足を吹き飛ばした。
「私の足がぁ!?」
 最後の切り札である逃げ足を封じられ老紳士は完全に余裕を失い青ざめる。
「これだけの歳になるまで好きに生きたんだからいいだろ。覚悟しな」
 乱蔵の拳が放たれ、老紳士の構えたステッキを折り、腹を抉った。
「げほっ、嫌だ嫌だ! もっとパンティもブラジャーもコレクションしたい! フェアリーの女からも回収するはずだったのに!」
 血反吐を吐きながら老紳士の身体が地面を転がりスーツが泥だらけになる。
「終わりだジジイ! 女の下着を狙うなんてセクハラなんだよ! このエロジジイが!!」
 シェイドの怒りに反応するようにブレイズキャリバーの大剣が振り下ろされ、頭から老紳士を真っ二つに叩き斬った。

●救われた村
 首領が討たれ、盗賊団の配下達も全て死に絶えた。
 戦いの喧騒が収まるとフェアリー達が恐る恐る村に戻って来る。
「密猟団の悪い子ちゃん達はぁ、お仕置きしてあげたからぁ、もう大丈夫よぉ」
 慈愛に満ちた笑みを浮かべ、フェムが避難していたフェアリー達を迎える。
「変態……じゃなくて盗賊は退治したから!」
 ジュジュは安心させるようにフェアリー達に笑みを向けた。
「村を守っていただき、感謝しますのじゃ」
 村長であるよぼよぼの老人フェアリーがまず代表して猟兵達に礼を言った。
「お姉ちゃんお兄ちゃん、助けてくれてありがとう!」
「本当にありがとうございました」
 それに続いて寄り添うフェアリーの姉妹が仲良く頭を下げる。
「知り合いが酷い目に遭ったらと思うと放っておけなかったからね」
 見知ったフェアリーの事を思い浮かべ、ヘスティアは誰も傷つくことなく無事に終わって良かったと微笑む。
 他のフェアリー達も口々に猟兵達に感謝の言葉を述べ、小さな村の外でささやかな宴が開かれ猟兵達に果物や木の実といった森の恵みが振舞われる。
「また狙われたら困るだろうから、自衛術の一つでも教えてやろう。そうだな……死霊ミサイルなんてどうだ?」
 仲良くなろうとシェイドが笑顔を見せてフェアリーに尋ねる。だが返り血に染まった服を纏う姿は悪魔じみた姿に見え、またもやフェアリー達をガクガクと怯えさせた。
「だがまあ多少身を守る術を学ぶのは悪いことではない」
 全く抵抗できないのとでは生存率が変わると、乱蔵が体を鍛えるのがいいだろうと教え始めた。
「人々の笑顔を守ることができましたね」
 賑やかな皆の様子を見て、黒猫の面で顔を隠したアウレリアは盗賊達の悪意によって傷つく者がいなくて良かったと安堵する。
 村中に楽しそうな笑い声が響く、その笑顔が猟兵達の守ったこの村一番の宝だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト