われても末に 逢わんとぞ思ふ
●辿るのは記憶? 約束?
そこは帝都に近い郊外の河川敷。そこに突如として不可思議な力が渦巻く。小さく、儚く、しかし確実に。
風が吹いた後。その場にいたのはひとりの影朧であった。
(ボクは……いったい?)
ひどく頭痛がする。体中も痛い。どう考えても『まともな』状態じゃない。自身が人ならざる身なのはわかっているが、そうだとしても殊更に異常な状態だ。
何しろ全然記憶が無い。いや、おぼろげに残っている記憶もある。
(確か……ボクは誰かと戦って……)
その先を思い出す前に、記憶の一部がフラッシュバックする。
――とはいえ、■。あまり怪盗らしくない戦いでボクも飽きてきた。
――飽きてきたって。千代子大丈夫なの?
――大丈夫じゃないさ。だから……キミは逃げたまえ。
これは……ボクと彼女の最期の会話。
ズキン、と頭が痛む。
――キミには帝都に向かう目的があるんだろう? それを優先すべきだ。
――だから千代子を転生させるためだってば!
――ハハハ、ボクに対する表向きはね? その裏があるだろう?
――いや、責めているわけじゃない。それこそがボクがキミに協力している理由なのだから。
ああ、そうだ。彼女はとても、とても大切な人だった。だからずっと側にいたのだ。
――何。時間を稼いだらどうにか逃げ切るさ。すぐに追いかける。
――だから、逃げたまえ。
思い出したのは……彼女と交わした大切な約束。そして。
――……すまない、■。
最後に呟いた自分の言葉。
そうだ、ここは『ひとつ前の自分』の最期の場所。どういう理由かはわからないが、ボクはまたここに立っている。
であるなら。
「彼女を……追いかけないと……きっと彼女は帝都にいる……!」
記憶が壊れていて顔も名前も思い出せない。それでも逢えば……わかる!
怪盗の直感を抱いて、ふらつく体をどうにか奮い立たせる。そして、その影朧――『怪盗少女『千代子』』は帝都へ向かう。
かつての主と再び、帝都で会うために。
●予知が導く先
深護・刹那(花誘う蝶・f03199)が集まってくれた猟兵たちにお辞儀をする。
「皆さん、いつもお集まりいただき、ありがとうございます」
しかし、顔を上げた刹那の表情は普段よりも真剣な表情で。
「サクラミラージュの帝都に影朧が現れる予知を見ましたの」
影朧――それはサクラミラージュに現れる『傷つき虐げられた者達の「過去」から生まれた、不安定なオブリビオン』。
「ですが、不思議なことに……この影朧は殊更に傷ついた状態で帝都に現われたのですわ」
通常ではありえないほどに傷つき弱っている影朧。それゆえに、とてもはかなくて、弱い存在。
「でも、それでもその存在は超常の力として帝都の人々を脅かします」
その影朧が帝都の人々を脅かすのならば、即座に斬るのがこの世界の掟。
「ただ、この影朧には目的がありますの。そこに至るために必死で足掻いているのが事実ですわ」
そういって刹那が目を伏せる。
「その目的とは、生前……いえ、ひとつ前の影朧生にて出会った一人の女性ともう一度再会すること」
追いかける、と。そう、約束していたその人に会うために。その影朧は帝都に現われたのだ。
「であれば、その目的を叶えてあげることで転生へと導くことも可能ですわ」
そしてそのために行動することが結果的に帝都の被害を抑えることになる。
「皆さんのお力を貸してくださいませ。この影朧――『怪盗少女『千代子』』の想いを遂げさせるために」
●ひとつ前の影朧生
「元々、この千代子は影朧ラムプに捕われていた影朧でしたの」
その影朧ラムプの持ち主が『藤田・香(ふじた・かおる)』という女性だ。さらにその影朧ラムプ事件を予知したのが刹那である。
「事件そのものは紆余曲折あったものの無事解決したのですが……」
しかしその最中、香の想定外の場所で千代子は離脱することになった。
「千代子が再生した河川敷は、彼女たちと猟兵の皆さんが戦った場所なのです」
「千代子にとっても香さんは大切な友人であったようです」
だからこそ、再会の約束を果たすために。千代子は必死になって帝都に辿り着こうとする。帝都の中で香を探そうとする。
「しかし香さんは帝都の人ではなく、別の街に住む方。その方法では決して千代子の約束(おもい)は果たせないのです」
そして帝都に被害を及ぼせば自身の身が危ない。
刹那が決意の視線を猟兵たちに投げかける。
「香さんは私が連れてきますわ。その間、千代子を足止め、あるいは捕まえておいてくれませんか?」
●作戦概要
帝都を脅かす影朧は例外なく斬られる。では『帝都を脅かすことが無く』なれば?
「つまり、帝都にとって千代子が無害であるならば、帝都桜學府の目的である『影朧の救済』を優先しても問題ありません」
そのためには千代子が『帝都に着く前』に足止めする必要がある。そして戦闘によって千代子に残っている『戦う力』を削ぐ。
「そうすることで千代子を無害化することが出来れば」
その後、千代子が帝都に侵入したとしても即斬られることは無いだろう。ここまでが作戦の第一段階。
「次に千代子を帝都の中に連れてくる必要があります」
今の千代子を縛っている約束(おもい)は『帝都に辿り着き』かつ『香と会うこと』だ。帝都の中に入る必要がある。
「その際、影朧に良い感情を抱かない人やパニックになった人が、千代子に対して心無い行動をしたり、悪い言葉を言い放つかもしれません」
普段であれば千代子も笑い飛ばすのだが、今の彼女は弱り切っている。悪意を向けられたり、生きる希望を失うとすぐに消滅してしまう可能性があるのだ。
なので、そういう人々をなだめたり、あるいは協力を求めて。出来る限り千代子に干渉しないようにしてもらいながら、千代子を香と会わせる。
「その後は、香さんに任せておけばきっと大丈夫ですわ」
そう言って、ようやく刹那は笑みを見せる。
「状況が変わったら逐一ご連絡いたします。まずは帝都のすぐ外で千代子との戦闘をお願いしますわ」
そういって刹那は自身のグリモアを光らせて。作戦に参加してくれる猟兵たちをサクラミラージュへと送り出すのであった。
るちる
こんにちはとかこんばんはとか。お世話になっています、るちるです。
私の想定を公式(のフレーム)が追い越して行った件について。
るちる的には少しばかり思い入れのあるエピソードですが、そこらは気にしなくて全然大丈夫なので。
どんな方でもウェルカム。千代子の執着=約束を叶える手助けをして頂けると嬉しいです。
●全体
目的は『千代子を救済する』です。そのために千代子と香の約束を叶えてあげてください。やることは戦闘、約束を果たすための補助、その他求められたサポートになります。
●1章
戦闘です。『怪盗少女『千代子』』とのバトルです。戦闘場所は帝都のすぐ外の平地、街に入る前です。
戦ってダメージを与えることで千代子に残っている戦う力を削ぎ落すことができます。また、言葉による説得も可能かもしれません。その場合、千代子の今の行動と約束(おもい)を叶える行動とのズレを指摘する方向がいいでしょう(なお、『香さんはこんなこと望んでいない!』系は、千代子が顔も名前も思い出す前なので全然効果がありません)。
ちなみに千代子を倒して即座に死ぬわけではありませんので、攻撃は手加減なく行ってOKです。
●2章
冒険です。千代子を連れて帝都の中に入るシーンから始まります。
基本的には帝都の中の話になりまして、香と千代子を無事逢わせるのがミッションです。詳細は2章開始時に冒頭文追記します。
●3章
日常になります。香と千代子が逢った後のお話になります。詳細はその時までヒミツ。
簡単に説明しておきますと遊ぶシーンになります。影朧の救済を成す前の思い出作りと言いますか、よくある日常と言いますか。そんな感じで付き合って下さると嬉しいです。
各章は状況の説明を行います(冒頭文追加します)。プレイングはそれを追記してから。
前日譚が気になる人はタグの『#藤の花は朔夜に香る』から『恋ぞつもりて』をご覧ください。また雑記も見ておくといいかも?
どちらも見てなくても、特に支障はありません。
それでは皆さんの参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『怪盗少女『千代子』』
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POW : 邪魔をするならば、この絡繰り銃でお相手しよう
いま戦っている対象に有効な【絡繰り仕掛けが内蔵された銃】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : 次の標的は……それにしようか!
【予告状】が命中した対象に対し、高威力高命中の【盗み攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : 私が盗み出すまで、眠っていてくれたまえ
【華やかな爆発と共に、煙幕】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
イラスト:麦島
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠天御鏡・百々」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●街を風が吹き抜ける
それは街の中を藤田・香が歩いていた時のこと。風が街の中を吹き抜けていった。まるで怪盗のように。
「……千代子?」
不意に、香の口から言葉が漏れる。その漏れた言葉に香自身が吃驚している。
そんなことはあり得ない、と香は自嘲する。
香の親友だった『怪盗少女』は消えてしまった。彼女を捕えていた影朧ラムプとともに。
影朧は記憶を持ちこさない。だから『香を覚えている千代子』は二度と現れない。
だからこそ決めていた。次にあの怪盗少女を見かけたならば。
(今度こそ転生させてやる、って思ってたんだけど)
どうして今日はこんなに彼女のことを思い出すのか。
不思議に思いながら、香は目的地に向かって踵を返した。
●怪盗少女『千代子』の向かう先
「はぁっ、はぁっ……くっ、なんでこんなに体が重いんだ……」
その動きは怪盗と言うには鈍く。軽やかさも華麗も無く。しかしその足は止まるという選択肢を持たない。
「もう少し……あと少しで帝都に着く……! 待っていてくれ……」
その後に続く女性の名はいまだ思い出せない。それでも帝都に近づくにつれて、少しずつ、少しずつ壊れていた記憶が、パズルのようにくっついていく感覚がする。
まるで、何かの力が働いているかのように。
(もう少し……)
その時。不思議と悪寒がした。いや、これは影朧の本能か。
「これは……猟兵、か?」
自然と零れた言葉。敵か味方か。それでも引き返すと言う選択肢は無い。
(行かなければ……!)
千代子の身の内にある執着――約束が彼女を駆りたてていた。
天星・雲雀
怪盗さん、憂いを晴らすはずが、さらなる憂いを抱える結果に成るとは、御痛わしや。縁在ってこの雲雀、怪盗さんの憂いを晴らす御手伝いをしましょう。
帝都へ向かうが定めとあらば、香さんにも帝都に来てもらいましょう。予知を聞いた他の猟兵さんも動くかもですが、物理的な距離が後々問題にならぬ様に手を尽くしておかなくては。
【行動】[念写の折り鶴]に、帝都に千代子さんが居るイメージと現在の日時がわかる物を写りこませて、香さんへ飛ばします。念写の縁枠は濃い藍色で『あいにこい』察してくれる事を祈ります。
「怪盗さん、彼女の逃げた先が、帝都だけとは限りませんよ?たとえば実家かもしれませんし」
戦闘はUCでより一層、確実に。
●妖狐のもたらす先
サクラミラージュの世界に降り立った天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)はグリモア猟兵の話を思い出す。
『怪盗少女『千代子』』が自身の執着に従って帝都に向かってくるのならば。
「香さんにも帝都に来てもらいましょう」
それが雲雀の出した結論であった。藤田・香をこちらに呼ぶ。もしかしたら他の猟兵も動くかもしれない。それでも。
(物理的な距離が後々問題にならぬ様に手を尽くしておかなくては)
と雲雀は自身の思いに従う。
手に乗せたのは『念写の折り鶴』。飛べばすぐに対象の元に届き、その身に乗せたイメージを伝える折り鶴である。
(帝都に千代子さんが居るイメージと現在の日時がわかる物を写りこませて……)
すぐさま香の元へ飛ばす。念写の縁枠は濃い藍色。
(『あいにこい』……察してくれる事を祈ります)
そして雲雀は千代子の元へ急ぐのであった。
「……!」
進路上に立つ雲雀を見て、千代子は息を飲む。
「怪盗さん、憂いを晴らすはずが、さらなる憂いを抱える結果に成るとは、御痛わしや」
雲雀が千代子に言葉を告げる。
「どうも……お仲間ではないらしい」
雲雀の言葉に千代子もまた懐から絡繰り銃を取り出して構える。
「縁在ってこの雲雀、怪盗さんの憂いを晴らす御手伝いをしましょう」
「結構だ! 帝都に行けば約束も果たせるからね!」
雲雀の申し出を断って千代子が絡繰り銃を乱射する。発射されるのはトリモチ。それが雲雀に着弾してその動きを阻害する。
「このまま放置プレイさせてもらうよ!」
「そうはいきません」
すぐ横をすり抜けていこうとする千代子に対して、雲雀はその手に力を込める。
「確実に仕留める!」
力ある言葉とともに解き放たれる【光の粒子を凝縮した操り糸】。見えない光粒子の操り糸が縦横無尽に放たれ、超高確率で当たるという性能通り、千代子の全身を斬り裂いていく。
「くっ……! ……うっ」
雲雀の激しい攻撃を凌ぎ切れず、膝をつく千代子。その千代子に雲雀は更なる言葉を投げかける。
「怪盗さん、彼女の逃げた先が、帝都だけとは限りませんよ? たとえば実家かもしれませんし」
そう、帝都に香がいない可能性だってあるのだと。
その言葉を聞いて、逡巡する千代子……しかし。
「いや、そんな嘘には騙されない。ここまで近付けばわかる……彼女は帝都にいる!」
それは根拠のない、しかし怪盗の直感。その直感に従って千代子が再び地を駆けようとする。
「させません」
再度放たれる【光の粒子を凝縮した操り糸】。それは確実に千代子にダメージを与えていくも、千代子は突破のみを重視して。全身を斬りつけられながらも強引に糸の範囲を突き抜ける。
「そこで大人しくしていたまえ!」
トリモチで素早く動けない雲雀へ、さらに目くらましの煙幕を放つ千代子。
「む……う」
煙が晴れた時、側に千代子の姿は無く。見失ったらしい。
しかし、【光の粒子を凝縮した操り糸】による確実な手応えはあった。千代子の『戦う力』もかなり削げたはず。
今はその結果で良しとするしかない。
――雲雀は知る由もない。グリモア猟兵すらも予知の中で見ていない以上、誰も知らない事実なのだから。
そう、香は今、帝都にいる。
苦戦
🔵🔴🔴
●幕間・香の実家にて
「ええええええ!? 香さん、今、帝都にいますの!?」
香の家を訪ねた刹那はその事実に驚愕する。
「ええ、月下家のお使いで。帝都桜學府におられる朔様の元へ」
それを聞き出せた刹那はお礼を告げて踵を返す。
(そ、想定外ですわー!?)
自身の迎えが空振りに終わったのは全然問題ない。
問題なのは『千代子が無害化する前に、香と会ってしまう』可能性だ。
(仮にそんなことになれば……)
今の千代子は万難を排して香の元へ駆けつけるだろう。足止めしている猟兵たちは千代子にとってまたもや悪者になってしまう。そして駆けつける最中、帝都に被害を及ぼすことになれば……。
(悲劇どころではありませんわー!?)
救済どころの話ではない。
(一刻も早く帝都に戻って、香さんの足止めをしませんと!)
香が何かの拍子に猟兵と千代子の戦闘に気付いた場合、彼女から会いに行く可能性もある。そうなったら本当にヤバい。
「皆様、千代子の無害化を急いでくださいませ!」
そう祈りながら、刹那は世界の壁を跳び越える。
必殺・グリモアベースを経由した瞬間移動(A世界のB地点→グリモアベース→A世界のC地点)で帝都に辿り着いた刹那は急いで香を探すのであった。
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ
(千代子さん…、まずは君を止めるよ。話はそれからだ)
まるであの時を彷彿させる状況だが、今は確実に千代子さんを止める為、余計な会話はせず戦闘に専念
周囲の無機物を媒体に固有結界・黄昏の間を発動
風の疑似精霊に指示を出し自分の周囲に風の防御膜を形成、煙幕から身を護る
(そう、ここまでは『前』と一緒だ、だが…ここからは)
煙幕に紛れるようにライオンライド使用、風の防御膜をライオン周囲にも形成、煙幕の効果を無効化試みる
そのうえで退魔刀へ風を付与、ライオンに乗り煙幕を薙ぎ払いながら千代子さんに肉薄
【リミッター解除】し退魔刀による限界をも超えた灰燼一閃を叩き込む
(頼む、止まってくれ千代子さん!)
ヴィクター・グレイン
今一度…出会う事になるとはな……。
と言う事はまた「あの女」にも会わなければならないか。
(水をかけられかつ、扉の修復をしたのを思い出しつつ)
まぁいい。
足止めをと命令されたのでな。
始めようか。
正面から突っ込む、それ以外は何も考えない。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
済みませんが、此方も任務ですので。
止めさせていただきますぅ。
『FBS』を四肢に嵌め飛行し『FRS』『FSS』を展開。【秤濤】を使用して[範囲攻撃]を行いましょう。
千代子さんの状態から『魅了』の効果は最小限に落とし『超重力空間』の[重量攻撃]により押え込みますねぇ。
千代子さんの『射撃』も『弾丸』を『超重力空間』の対象に含めれば、上空にいる私にはまず届かず、広域を覆う【秤濤】から逃れるには相応の時間が必要ですぅ。
後は動きを止めている間に『FRS』『FSS』の[砲撃]で可能な限り削りますねぇ。
『以前のこと』は関わっておりませんでしたので、止めた後の『説明』等の会話は他の方に。
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
…ふむ…。
力を削ぎきれるかわからんが【禍の魔杖】を行使する。
全力魔法の範囲で鎧砕きおよび鎧防御無視攻撃付与だ。
…威力などの底上げはしなくても問題はないだろう…。
ただ露の身体に触れないよう見切りと第六感を使う。
前の依頼で生きている石にも効果は抜群だったからな。
【魔杖】の数本で『千代子』の行くてや回避場所を遮る。
そういしてから残りの【魔杖】を『千代子』へしかけよう。
素早い身のこなしが得意のようだから脚を中心に狙おう。
…ん。…【魔杖】は脚の皮膚を掠る程度にしておこう…。
それでも十分に効果はあるはずだ。触れたのだから。
露が『千代子』と近接戦闘をしている間は魔術をしかけない。
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
両腕に武器受けと破魔をのせた【月狼】を。
『千代子』さんの懐に潜り込んで格闘戦に。
女の子だから顔とかお腹は殴らないで…。
だってだって。女の命って聞いたことが!
…って。そーなると戦えないじゃない!?
……。
えーっとえっと…じゃあ身体は狙う。うん。
懐に素早く潜り込んでから【月狼】で一撃。
両腕でフェイントを織り交ぜて攪乱したり。
蹴りで間合いを取って回避したりして戦う。
盗賊って聞いていたけど身のこなしが?
それになんだか苦しそう…?息切れしてる。
レーちゃんの魔法の効果だけじゃないみたい?
記憶が戻ってきてるせいかしら。それとも…?
心配になるけど今は力を削ぐことに集中するわ。
●帝都の前で
ピロン。
神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)の手元でスマホが鳴った。グリモア猟兵から渡されていた連絡用のスマホである。入ってきたメッセージを覗き込んで確認する露。
「……?」
首を傾げました。
「……見せてみろ」
どうしてグリモア猟兵はこの子にスマホを渡したのか。そこに多大な疑問を感じつつ、シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)がスマホの画面を覗き込む。そこにあったのは簡単な説明。
「……ふむ」
吐息とともに状況を整理する。少し共有しておいた方がよさそうだ、という判断に至ったシビラは周囲にいる仲間たちに声をかける。
「……!」
シビラの説明を受けて、表情を険しくしたのは鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)
であった。
(千代子さん……まずは君を止めるよ。話はそれからだ)
どうやらここを死守する理由がひとつ増えたようだ。
そのひりょを横目で静観しているのはヴィクター・グレイン(闇に潜む真実の探求者・f28558)。
(まさか、『また』この事件に関わることになるとはな。運命と言うのは分からんものだな)
ヴィクターもまたひりょと同じく『前回の事件』にも関わった者だ。その心境は察することもできないが、しかしこの場に駆け付けただけは何か思うところがあるのだろう。
ただ、それをゆっくりと問う時間は無いようだ。
『怪盗少女『千代子』』がすぐそこまで迫っている。
「済みませんが、此方も任務ですので。止めさせていただきますぅ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の声に、猟兵たちと千代子の戦闘は始まったのである。
●瞬きの間に
「ちっ、新手……にしては多すぎないか!?」
視線の先、帝都の手前。そこに並ぶ猟兵たちを前に、千代子は舌打ちするしかない。
真っ先に突撃してきたヴィクターに対して、素早く懐から取り出した予告状を投げつける千代子。それをヴィクターが手で叩き落としていく。
「お前と会うのはこれで『3回目』か? 一度は列車で、二度目は路地で」
「生憎と覚えていないんだ。急いでいるからどいてくれないか!?」
予告状を叩き落とす際、一瞬動きが止まったヴィクターの横を通り抜けようとする千代子。
「やはり、記憶は定かではないか」
しかしその動きに惑わされずにヴィクターが肩から体当たりをかまして、制止する。
「っ!?」
「取り敢えずお前を足止めしろと言われている」
千代子を吹き飛ばしながら冷静に告げるヴィクター。しかし千代子も吹き飛ばされた勢いすらも利用して大きく距離を取る。
その瞬間を狙ったのはシビラである。
「……ふむ……」
何事もないかのように、さりげなく、しかし熾烈に。
(力を削ぎきれるかわからんが)
シビラの【禍の魔杖】によって召喚された紅の剣が千代子目掛けて降り注ぐ。触れるとその部分のみ壊死する効果を持つ剣の渦が千代子の行く手を阻み、取り囲んで行動範囲を狭めていく。
(前の依頼で生きている石にも効果は抜群だったからな)
と全力魔法の範囲で解き放つシビラ。
「ちぃっ!!」
その様子に完全不利を悟った千代子が素早く煙幕を放って、状況を打開しようとする。
「む……」
一瞬で視界を覆う煙幕には目隠しと同時に眠りを誘う効果がある。シビラが一瞬ふらりとした時。
「場よ、変われ!」
ひりょの声が響く。拾った石を中心に、展開される【固有結界・黄昏の間】。石が風の疑似精霊へと変化して、自分と仲間たちを中心に風を巻き起こして煙幕を吹き飛ばし。そして新たな煙幕を遮る風の防御膜を形成して身を護る態勢を整える。
――さながら『河川敷での戦い』を彷彿とさせる戦況。
だがひりょは一意専心に千代子を見つめる。
(今は確実に千代子さんを止める為、余計な会話はせず戦闘に専念)
だからこそ次の動きへの動作も澱みない。
(そう、ここまでは『前』と一緒だ、だが……ここからは)
煙幕が『千代子の視界』も遮っていることを利用して、ひりょは次の一手を打つのである。
その煙幕と風の防御膜を利用して行動を開始したのはるこるも一緒であった。ビームの刃を持つ、浮遊する12枚の戦輪『FBS』で以て飛行。空に舞い上がり、ビームシールドである『FSS』と空中浮遊砲台『FRS』を展開。
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい」
詠唱により、【豊乳女神の加護・秤濤】を発動。るこるの体が乳白色のオーラに包まれると同時に、その波動で千代子の魂に干渉する。
「う、く……」
その干渉を受けて動きが止まる千代子。
そこへるこるが超重力空間による重量攻撃を仕掛ける。
「ぐっ!?」
成す術も無く押し潰される千代子。
(千代子さんの射撃も弾丸を超重力空間の対象に含めればぁ)
るこるに攻撃が届くことは無く、しかもこの超重力空間からの脱出には時間がかかる。
チェックメイト、と言いたくなるような状況で千代子は絡繰り銃のトリガーを引く。
ヴンッ、と千代子の周りにフィールドが発生する。それは重力をそのまま弾き返す斥力。
「っ、はぁっ、さすがオーバアテクノロジヰ、といったか。この絡繰り銃」
どうやら千代子の絡繰り銃に仕込まれていた機構がバッチリ当たったらしい。自身の周りだけ重力の枷から解き放たれた千代子へ。
「それじゃあこれならどうですかぁ?」
るこるが上空からFシリーズを使って砲撃を叩き込む。
「ぐあっ!」
斥力のフィールドがどうにか攻撃を弾く。即死は無い状況とは言え、苛烈すぎる攻撃に徐々に力を削がれていく千代子。
そこへ満を持して露が飛び込む! 味方には超重力が作用しないことを利用しての行動だ。
「次から……次へと! くっ」
叫びながら千代子が絡繰り銃を構えるも……今この銃は自身を守るために使っている。そのため、銃を使って露の突進を阻むことができない。
「吼えろ~♪」
千代子の動揺を気にせず、懐に飛び込んで。両腕から放つのは【月狼】の一撃。単純で重い鈍色に染まった素手の一撃を、千代子は絡繰り銃で受け止めるが、その衝撃を殺しきれず、千代子の体が吹っ飛ぶ。
「……あれ?」
思ったよりさっくり入ってしまった。『女の子だから顔とかお腹は殴らないで』とか『顔とお腹は女の命って聞いたことが!』とか考えていたのだが。
しかしそこで気付く。
(……って。そーなると戦えないじゃない!?)
どこを狙うんだという話である。幸いにして千代子の顔とお腹はまだ無事だ。大丈夫、まだフォローが効く。
(えーっとえっと……じゃあ身体は狙う。うん)
どうにか解決の答えを見つけた露は改めて千代子へ突撃する。
「二回目は無いよ!」
絡繰り銃のグリップに当たる部分で露を迎撃しようとする千代子。
「わんっ♪」
しかしその一撃を軽やかなフェイントでかわして、横に回り込んだ露は素早く蹴りを叩き付けて間合いを取る。その一撃で再び崩れ落ちる千代子。
「……?」
千代子の様子に首を傾げる露。
(盗賊って聞いていたけど身のこなしが? それになんだか苦しそう…?)
千代子の様子を見て、攻撃の手を止める露。
改めて見れば既にボロボロだ。思えば、全てを押し潰す超重力に絨毯爆撃のごとき砲撃、そして触れれば壊死する魔法剣。一歩間違えればそのまま骸の海に還ってもおかしくない攻撃たちをどうにかしのいでいるのである。息切れ程度は普通と言えば普通。
苦しそうなのはいかなる理由か……?
(記憶が戻ってきてるせいかしら。それとも……?)
その疑問に応えてくれる者はいない。おそらく千代子本人も分かっていないのだから。
「よそ見しているなら、行かせてもらう!」
攻撃の手を止めていた露の横を、全力で駆け抜けようとする千代子。それを見て露がハッとする。
(心配になるけど今は力を削ぐことに集中するわ)
その憂いは後で考えればいい。再び露が千代子に肉薄する!
●決着
露がダッシュで千代子に追いすがる。そして【月狼】の一撃が千代子の背中を捉えた。
「がっ?!」
悲鳴をあげながら、しかし前方に転がって距離を稼ぐ千代子。
「そこで行き止まりですぅ」
その進行方向へるこるが絨毯爆撃、千代子の足を止める……否、止まらなかった。砲撃を食らいながらもその雨の中に突っ込んでいく千代子。
「Dezlănțuiți cu nouă taste!!」
そこへ再度、シビラが【禍の魔杖】を解き放つ。威力の底上げなどは無用だろう。とにかく千代子の足を止めることに専念するシビラ。
狙うは力が削がれ、全力ではないとはいえ、怪盗たる素早い身のこなしの千代子。
(ならば、脚を中心に狙おう)
【禍の魔杖】の名は伊達では無い。足の皮膚とて掠れば十分。『触れた』のだから。
シビラの意志に従って紅の剣が千代子の行く手を阻み、そこから狙撃のように足を狙って、幾何学模様を描き複雑に飛翔する。
「ぐっ……!」
回避しきれず紅の剣が掠めた部位。そこが壊死で崩れて力が抜ける。がくんと足からもつれる千代子。
しかし、それでも千代子は止まる気配を見せない。
(だったら……!)
砲撃の雨、紅の剣の嵐。その間隙を縫って接近したのはひりょであった。
その身を【ライオンライド】で呼び出したライオンに預け、その周囲を風の防御膜で護りながら。
「頼む、止まってくれ千代子さん!」
仲間の攻撃を薙ぎ払いつつ、千代子に肉薄するひりょ。ひりょの手に握られた退魔刀には風が付与されており、自身の力もリミッター解除。
(この一撃で……!)
限界を超えた【灰燼一閃】。破魔の力を纏った退魔刀での超高速かつ大威力の一閃が千代子を捉える。その攻撃についに千代子が膝をつく。
「あと、すこし……」
帝都に向けて手を伸ばす千代子の前に、立ち塞がったのはヴィクター。
「これでも喰らっとけ……」
もはや土砂で目潰しする必要すらない。【殺意を込めた一撃】で以て真正面から殴りかかるヴィクター。その拳が千代子の腹部に叩き込まれる。
「ぐ……あ……」
その一撃に意識を刈り取られ、千代子が地に伏せる。
「安心しろ……殺しはしない」
そう言ってヴィクターは、嘆息ひとつ吐き出すのであった。
●無害化した後に
意識を失った千代子をロープで縛りつけるヴィクター。
(その満身創痍で何処までやれるか影朧の可能性を見させてもらおう)
とか思っていたのだが。ここまでの乱戦かつ速攻にもなると、そんな余裕は無かった。まぁ千代子の執念は推して知るべし。
「止まった……か」
拘束されたとはいえ、生きている千代子を確認して、ひりょが地面に座り込む。心底からほっとした安堵の息を吐き出して。どうにか『最悪』は防げたようだ。
『以前のこと』は関わっていなかったので、と、るこるはその様子を見守る態勢。思惑通り、戦闘で千代子の戦う力を削ぎ落すことが出来た。無害化したならば、ここから先はグリモア猟兵からの連絡待ちだ。
ピロン。
タイミングよく、再び露の持っていた連絡用スマホが鳴る。
「レーちゃん! レーちゃん!」
「最初から読むことを諦めるな……」
音が鳴ったスマホを掲げてぶんぶん腕を振りながら近付いてくる露へ、ため息まじりに対応するシビラ。再びスマホの画面を覗き込んで。
「ふむ。向こうも対象を捕獲したようだ。合流しよう」
画面には『我、確保に成功セリ』の言葉。
とりあえずは千代子の意識が戻るのを待って。その後は、千代子と香を会わせるだけである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『はかない影朧、町を歩く』
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POW : 何か事件があった場合は、壁になって影朧を守る
SPD : 先回りして町の人々に協力を要請するなど、移動が円滑に行えるように工夫する
WIZ : 影朧と楽しい会話をするなどして、影朧に生きる希望を持ち続けさせる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●帝都桜學府の一室にて
「で、何がどうなってるの?」
「いえ、それが自分たちにもサッパリでして……」
藤田・香は學徒兵たちに守られ……いや、囲まれていた。いわゆる軟禁というやつである。
自身に起こったことを振り返ってみる香。
唐突に届いた『千代子が帝都に現われた』という情報。それに従って駆け出そうとしたら、自分の前に現われた刹那と學徒兵たちに拉致されて、帝都桜學府の一室に押し込められた。そして刹那は『急ぐことがありますので!』と去っていった。學徒兵たちに聞けば、『危険が危な過ぎるのですみませんが、助けてくださいませ!』と鬼気迫る刹那に脅され……こほん、協力を求められたらしい。
「……何がどうなってるの?」
「さぁ……?」
香の呟きに首を傾げるしかない學徒兵。最重要人物は今、事件の流れに置いてけぼりになっていた。
●帝都の外にて
刹那が猟兵たちに合流する。作戦の二段階目が想定と異なったのでその状況説明に赴いたのだ。
「とりあえず、ここからは二手に分かれてくださいませ」
ひとつは『香に状況を説明する担当』、もうひとつは『千代子を香の元へ運ぶ担当』だ。
香に状況を説明する担当は、とっても簡単で、香の元へ赴いて今の状況を説明して欲しい。何故かというと緊急隔離を行ったために、何の説明もしていないからだ。手元には『千代子が帝都に現われた』ことを伝えるモノが届いているため、今きっと大混乱中であろう。暴れ出す前に納得させてあげてほしい。
次に千代子を香の元へ運ぶ担当。こちらは千代子を帝都桜學府まで送り届けてほしい。注意点は2つ。
ひとつは千代子に『帝都の中を歩かせる』こと。出立前に説明があったように、『帝都に辿り着き』という条件を満たす必要があるからだ。
もうひとつは『帝都の人から千代子を守る』こと。こちらも出立前に説明したことだが、『影朧に良い感情を抱かない人や千代子の出現にパニックになった人が、彼女に対して心無い行動をしたり、悪い言葉を言い放つ』可能性がある。その可能性の高さ=千代子が消滅する危険の高さである。それを未然に防いだり、あるいはそれらから守ってあげてほしい。
今の千代子は無害な、そして不安定なだけの存在なのだから。
そんなわけで無事に辿り着いた作戦第二段階。香と千代子を合わせよう作戦開始である。
※シナリオ捕捉
・担当はどちらかひとつに絞ってください。誰も担当が無ければそこは刹那がフォローします。
・香に状況を説明する担当は部屋に入るところから始まります。香は困惑中ですが、敵対行為はありません。お茶しながらとかでもいいです。
・千代子を香の元へ運ぶ担当は帝都の外から始まります(複数人居る場合はリレー形式になります)。POW、SPD、WIZを参考に行動してください。
・運び担当はあんまり目立ちすぎると『けっ、何だよあの影朧』とか言われる(=失敗の)可能性があがるのでご注意ください。
・帝都の人は猟兵に対して協力的です。ユーベルコードやアイテムを使わずとも千代子を無事届けることは簡単だと思います。
・なお、余談ですが(というかこの冒頭で使いたかったのですが)、実は前回の話の後、何度か様子を見に行っている中で仲良くなっていて、刹那と香は友人関係です(なので拉致されても『理由がある』と思って暴れていない)。
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
香さんへの説明役を担当
まずは再会を喜びたい所だけど、物には順序というものがある
こちらの手違いの為に香さんを混乱させてしまった事、そして詳細な説明もなしに駆り出されてしまった學徒兵の皆さんにも謝罪する
本当に前と同じことをしている気がする…
ちゃんと謝罪をした後、状況の説明を丁寧に行う
この際も相手に事実を押し付けるのではなく、香さんがちゃんと状況を飲み込めるよう落ち着きながら行う事を心掛ける
前回は状況の把握出来ていない香さん達を結果としてひどく引っ掻き回す事になった
同じ轍は踏まない
「香さん、以前にした約束を是非、果たさせてほしい」
香さん、千代子さん、2人の力になりたい事を心を込めて伝える
●久しぶりの邂逅
「……」
鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)が扉を前に息を飲む。このドアの向こうに、藤田・香が軟禁されている。いや、拘束などはされていないだろうが、監視の目が付いているのだ。
(同じ轍は踏まない……!)
それは『以前の事件』から得た教訓。事件の中心に『在る』香の認識を置いてけぼりにしないという。
意を決してひりょがドアを開ける……!
「あら? 猟兵さんいらっしゃい。って言ってもここ私の家じゃないけど」
そこにはめっちゃのんべんだらりとした香がいた。具体的には『ここ自宅だっけ?』というくらいリラックスしながらソファーにうつ伏せに寝ころんでる香がいて。どうやらその状態で監視役の學徒兵たちと歓談していたようだ。
その様子に、さすがにぽかーんとするひりょ。
「暴れる訳にもいかないから朔様の武勇伝を聞いていたんだけど……よっと」
何してんの、ホントに。
そんな視線はさておき、香はソファーに座り直して、テーブルを挟んで向かいのソファーを手で案内する。
「どうぞ、猟兵さん。そういえば顔は知ってるけど名前教えてもらってたっけ?」
香の振る舞いに我に返ったひりょがソファーに座ると、香がそう問いかけてきた。そういえば、名前を伝えたことは……あるだろうか?
「知っていると思うけど、改めて。私は藤田・香。そちらのお名前は?」
「あ、ああ。鳳凰院・ひりょです」
「どういう理屈かわからないけど、あなたたちばかり知っているって不公平よね」
そう言って香は屈託なく笑うのであった。
●思えばこんな穏やかな状況は初めてだろうか?
「さて……説明してくれるのよね?」
ソファーに座って足を組みながら頬杖をつく香が、こてんと首を傾げてひりょを覗き込む。
「すまない。まずは謝罪させてほしい」
香の言葉を遮って。ひりょから出た言葉はそれだった。意図したものではなかったとしても『この場=香の軟禁状態を作り出してしまった』ことに対して。
ひりょは『再会を喜ぶよりも、物事に順序を整える』ことを選んだのである。
「こちらの手違いの為に香さんを混乱させてしまった。そして詳細な説明もなしに駆り出されてしまった學徒兵の皆さんも申し訳ない」
ソファーに座りながら頭を下げるひりょ。
「別に私は気にしてないけど」
「我々も吃驚はしましたが、それほどでも」
顔を見合わせる香と學徒兵の皆さん。
「それに刹那さんだしね」
「刹那さんですしね」
「……?」
今度はひりょが首を傾げる番だが、どうも妙な共通見解があるようで、香と學徒兵の皆さんはうんうんと頷いている。
そんな様子を見ながらホッと胸を撫で下ろしつつ、ひりょは苦笑する。
(本当に前と同じことをしている気がする……)
先走って、掻き回して、謝罪して。会う時はいつも後手に回ってしまっている。決してひりょがその原因を作っているわけではないのだが、渦中にいるという意味では彼の肩にのしかかっても仕方のないことなのかもしれない。
「ま、それはそれで受け取るとして」
ひりょの方へ視線を戻した香の表情は、敵意や悪意を含んでいるものではなくて。
ともかく大事に至ってないようである。
ただ、香としても聞きたいことがあるのは事実だ。
「で、何がどうなってるの?」
改めて催促する香に、ひりょは状況を話し出した。
「発端は、千代子さんが再び帝都の付近に現われたことなんだ」
「でも、千代子は影朧なんだから。また現れるくらいはあり得るでしょう?」
「場所は『あの河川敷』。そして……どうも香さんとの会話を覚えているみたいだ」
「……!!」
ひりょの言葉に、香が息を飲む。それは『あの千代子』が復活したということに他ならない。
「今すぐ会いに行くわ!!」
「待って! 待ってほしい!!」
ガタッとソファーから立ち上がって走り出そうとする香の手を必死で掴んで制止するひりょ。
「むしろ何で止めたの!?」
「危険だったからなんだ!!」
そんな奇跡的な状況だとは思っていなかったのだろう、絶好の機会を阻止されたことに、ここにきて香が怒りを見せる。……が、ひりょも引き下がらない。
「『あの時点』では、お二人が会うことで千代子さんに被害が及ぶ可能性がありました」
「……っ!!」
ひりょの真剣な表情に、息を飲んだ香は……深呼吸をしてからソファーに座り直す。
「今、こちらに千代子さんが向かっています。だから……」
ひりょが視線を香に遣ると、香もまたひりょを注視していた。
「香さん、以前にした約束を是非、果たさせてほしい」
『香さん、千代子さん、2人の力になりたい』。それは以前から変わらぬひりょの意志だ。そのことを誠心誠意、心を込めて伝えるひりょ。
しばし視線同士がぶつかり合って……香が深く息を吐く。
「わかった。そういうことなら……ひりょさんを信じましょうか」
少し冷静になった香は、ひりょに笑顔を向けて、そう言うのであった。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクター・グレイン
「今回はお前を護衛する事になった。変な気は起こすなよ?」
いざという時の為、拘束は外し自身の後をついて来る様に促す。
それで何事も無ければいいが…。
仮に帝都の外の人間に攻撃されたのなら、護衛対象を懐に抱え込んで守ろう。
邪魔者が現れたら腕を折るなり何なりして排除しよう。
「しかし…また会わなければならないか。水を掛けられなければいいが…。」
●side:千代子
数名が藤田・香への状況説明に赴いた頃。
戦闘場所であった帝都の外で、ヴィクター・グレイン(闇に紛れた真実を暴く者・f28558)は『怪盗少女『千代子』』の側から離れず、監視を続けていた。
曰く、戦う力を削がれ、ただ不安定なだけの影朧と化した千代子であるが、目が覚めた際どう行動するかはわからない。
「……ぅ……」
そして千代子が目を覚ましたようだ。目を開けるなり、飛び込んできたヴィクターの姿に身構えようとするが、拘束されていることに気付く。振りほどこうにもその身に残っていた戦う力は全て消費というか霧散というか。綺麗さっぱり無くなっていた。
「……ここまで、か。あと少しだったのに」
拘束されたまま落胆する千代子。
「安心しろ。目的の場所までは運んでやる」
「……え?」
その声は立ち上がったヴィクターから放たれたもの。不意を突かれた言葉に千代子がきょとんとした顔で見上げる。
「今回はお前を護衛する事になった。変な気は起こすなよ?」
それは言外に『こちらの指示に従え』という命令だ。しかし、それを守るのであれば。
戦う力を削がれ、ただただ不安定な状態になった千代子は、投げられた石や悪意の言葉が届かずとも、ともすれば悪意を向けられただけで。消えてしまうほどの存在なのだ。
そんな状態の千代子が単独で彼女の元へ辿り着くのは不可能に近いだろう。
ゆえに護衛である。そして目の前のヴィクターは方法はさておき、その目的だけは達成してくれそうな雰囲気を感じる。
「……わかった」
千代子の返事を受けて、ヴィクターが頷きを返す。先の戦闘の後、拘束していたロープを解き、立ち上がるように促す。
「いいのかい?」
「いざという時、足手まといでは困る」
拘束を解かれ、立ち上がりながら千代子が問う。しかし、本当に『いざ』という時に自身で身動きが取れるのと取れないのとでは対応が大きく変わってくる。せめて自分で走るくらいはしてもらわねば。
(それで何事も無ければいいが……)
人の思いだけは外からコントロールすることができない。予想することも、だ。
千代子を連れだって帝都に向かうヴィクター。
帝都に辿り着くまでは何事も無く。帝都の中に入れば先行していた猟兵たちを合流できるし、より安全に行動できるだろう。
「しかし……また会わなければならないか。水を掛けられなければいいが……」
珍しく渋い顔をするヴィクター。
全然気にしてないと思ったら。
「あら? 珍しい顔が並んで」
と、驚きを宿した笑顔で香は迎えてくれるのを知るのは、もう少し先の未来である。
成功
🔵🔵🔴
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
千代子さんとお話しするわね。
攻撃しちゃった後だけど…大丈夫かしら?
流石におずおずと話しかけるわ。えっと。
話の内容は千代子さんの友人さんのことを。
記憶がどこまで戻ってるのかの確認と…。
自分の胸の裡の整理になればいいわ…って。
もし僅かでも香さんのことを話したら。
「ねえねえ。その友人さんってどんな人?」
って千代子さんの聞き役になってみるわ。
周囲の人達わからないんじゃないかしら?
この千代子さんが…実は影朧ってことは。
だってだってどう見ても一般人さんで…。
あれ?なんで帝都の人ってわかるのかしら。
まあいいわ。
帝都のパーラーとか喫茶店とか…色々話すわ。
…それよりもレーちゃんは?
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
私は先回りをしことが円滑に進むようにしよう。
…会話はこういうのが得意な露にでもさせる。
ふむ。帝都の者達にはどう協力要請をするか…。
私と同じ役目を担当する猟兵もいるだろう。
そういう者達と話が食い違っては不安になるか。
ならば、担当者と話を統一させておき先回りだ。
帝都の者達への説明は…まあ普段通りの態度で。
悪意ある言動は控えるようにと注意もしておこう。
但し注意する言動は統一した話の内容の次第だな。
下手に注意して逆効果になったら目も当てられない。
…こういうのも露が適任だったな…私は苦手だ。
「…そういうことだから、よろしく頼む」
…露は上手くしているだろうか…。少し不安だな。
●ほんのちょっとだけ別行動
先行して帝都に入った猟兵のうち、ひとりは香の元へ急ぎ。
シビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)と神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)は、あらかじめ決めていた合流地点で『怪盗少女『千代子』』の到着を待っていた。帝都の入り口からここまでは、例えばあからさまな護衛が付いている、などが無ければ問題なく辿り着けるだろう。
ただ、ここからは人通りもあって、千代子がダメージを受ける危険性も上がる。
「レーちゃん、ここからどうし……あれ? レーちゃんは?」
露が振り向きながら親友を見た時、そこにシビラはいなかったのです。
●お互いの得意分野
(私は先回りをしことが円滑に進むようにしよう)
千代子の励ましは、会話が得意な露に任せておけばいいだろう、という判断。一緒に歩いていては間に合わないこともある、とシビラはさらに先行することを決める(ただし、露には声をかけていない)。
影朧が現われたとなれば、そこに向けられる悪意の『発生』は防ぎようがない。……が発生したとしても、悪意が千代子に向けられることがなければ問題ない。
(ふむ。帝都の者達にはどう協力要請をするか……)
少し歩いてみると、わかる。帝都の外とは言え、シビラたちが戦闘をしていたことは既に帝都の中に伝わっているらしい。ざわざわとした、なんとも落ち着かない状況。どうも帝都に影朧が出現した、というのは明確な言葉にはなっていなくても既に伝播していると見ていいだろう。
(……仕方ない)
ここまで状況が進んでいるのなら真正面から行くしかない。
井戸端会議のように人が集まっている場所へすたすたと歩いていくシビラ。まったく普段通りの振る舞いなのはとてもシビラらしい。
「すまない。少しいいか?」
躊躇うことなく、直球で。身長でいえば『ちんちくりん』なシビラであるが、その威厳は一般人には無いものだろう。そして立ち居振る舞いから直感で『猟兵』とわかる姿。話しかけられた一般人の方が恐縮する次第。
「あー、えーとだな」
そんなにかしこまられると逆に困るのですが。次の言葉を懸命に選びながら、『これからこの場所を影朧が通ること』『必要な処置があるので帝都桜學府に送り届けようとしていること』、そして『悪意ある言動は控えてほしい』という旨を伝える。
「もちろん、人の気持ちそのものを制御することはできないが……」
この中にも影朧に酷い目に遭わされた者もいるだろう。それを捨てろとは言えない。が、しかしせめてこの場では。
「……そういうことだから、よろしく頼む」
ぎこちないながらも頭をわずかに下げるシビラ。
(下手に注意して逆効果になったら目も当てられない)
思い返してみれば『……こういうのも露が適任だったな……』と気付くシビラ。どうもこの手の作戦は苦手らしい。
「「……」」
シビラの振る舞いに困惑の表情で顔を見合わせる帝都の人たち。
帝都においても名の通る超弩級戦力の猟兵、その猟兵が丁寧に申し出をしてきている。
シビラの誠意に、帝都の人たちも頷きを返すしかないほどに。この場の意志は統一されていったのである。
(……露は上手くしているだろうか……。少し不安だな)
先行しながらもシビラは、後を任せてきた露の心配を忘れられないのであった。
●置いていかれても頑張る
「もーレーちゃんったら!」
無事、千代子たちと合流した露は先導するように歩きながら、しかしシビラにちょっと文句を言っていた。
「……」
その様子を後ろからじーっと見ている千代子。
「はっ、視線!?」
それに気付いた露が振り返る。そういえば護衛の最中でした。露と千代子の視線がぶつかる。
(攻撃しちゃった後だけど……大丈夫かしら?)
さっきまで全力で戦っていた、というか全力で殴りつけた後である。
「えっと、あの……」
さすがの露も千代子にはおずおずとしか話しかけられない。
「……ぷっ」
その豹変の差に耐え切れなかったのか、千代子が吹き出す。
「キミも友人には振り回されるタイプらしいね」
「……! そーなの! 聞いて聞いて!」
千代子の言葉に『我、理解者を得たり!』と感じた露がぎゅんっと接近する。ちなみにシビラがいたら間違いなく『いや、逆だろ……』と言う場面である。それはさておき。
親しい友人がいる、という一点で。千代子には露に共感できるものがあったようだ。露の話をひと通り聞いて。
そして露は流れるような会話術で核心に踏み込む。
「ねえねえ。その友人さんってどんな人?」
「どんな、人……か」
露の言葉に、千代子が思い出そうとする。ズキン、と千代子に頭痛が走り……しかし、河川敷の頃よりは幾分か記憶が戻ってきたようだ。
「とにかく、ボクの話を聞かない」
「……!」
千代子の言葉に露の表情がぱっと明るくなる。どこかで聞いたような、あるいは体験したようなシーンだ。あるある、って顔の露。その後もいろいろ出てくる香に対する不満。
しかし。
「まあでも、何があってもボクの方から離れることは……ないのだろうね」
「……」
『消えることはあっても』と。言葉にはせず、視線で露に伝えながら。少し寂しげに笑う千代子。
そうこうしながらも道行きは順調に進み……露はふと気付いた。
(周囲の人達わからないんじゃないかしら?)
今、露と話しているこの千代子さんが『実は影朧である』ということは。
(だってだってどう見ても一般人さんで……)
ついでに言うなら、今はユーベルコードはおろか、影朧として戦う力すら無い。それでどうやって『千代子を影朧と断定する』のだろうか?
(あれ? なんで帝都の人ってわかるのかしら)
そこで首を傾げる露。根本的な部分である。千代子が影朧だと気付かなければ、影朧に対する『攻撃』も無いのだから。
そう、露の読み(カン?)通り。
影朧は影朧として事件を起こさない限り、帝都の人にはバレないのだろう。だからこそ、匿ったりという事件も起こっているのだ。
今の千代子なら、見た目ではわからず、影朧のとしての力もないのだから、潜んでいれば気付かれることはほぼほぼ無い。
ばれるポイントがあるとするなら、『猟兵が関わっている』と悟られることだ。何故かといえば、超弩級戦力である猟兵がが出てくる事態=影朧か幻朧戦線の事件だから、である。
とかなんとかそんなことは露にはわからないので。
(まあいいわ)
と切り替える。
「帝都にはパーラーとか喫茶店とかあるの。知ってる?」
「話だけなら彼女から聞いたことがあるね」
それはさながら女子トーク。帝都に観光しにきいた二人組に見えるだろう。意図しないカモフラージュで露は千代子を守りながら目的地へと向かう。
(…それよりもレーちゃんは?)
まだ見えないんですけど。何処まで行ったの?!
言外にそうアピール(誰に?)する露でしたが。
その道行きに『悪意』が欠片も落ちていなかったのは、シビラの交渉によって『影朧なんて見たくない』という人たちがそこから立ち去っていたからである。
遠くにいながらも協力しながら、露とシビラは千代子を守り続けていたのである。
●そして帝都桜學府
「遅かったな」
「レーちゃんが先に行きすぎ!」
無事、合流したシビラと露。そして帝都桜學府に辿り着いた千代子たち。
ついに香との対面の場へと赴くのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『エクストリヰム・KEMARI』
|
POW : 力いっぱいボールを打ち返す
SPD : 巧みな技巧でボールを打ち返す
WIZ : クレバーにボールを打ち返す
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●そして再び出会う二人
帝都桜學府。その一室の扉が開く。
「「……っ」」
顔が見えた瞬間。同時に息を飲む藤田・香と『怪盗少女『千代子』』。
「千代子!」
そして香が千代子に抱きつく。
「ああ。ようやく追いつくことが出来た……よかった、生きていてくれて……」
抱きしめられた腕に体重を預けるようにして千代子が香によりかかる。
「千代子、私のことわかるよね?」
「もちろんだとも、親友」
「じゃあ、私は誰でしょう?」
「……えっと……」
香の言葉にそっと視線を逸らす千代子。もちろん香は『知っていて』やってる。
「思い出せ!」
「ぐはぁっ!?」
密着した状態からこめかみにショートフックを放つ香。なす術も無く吹っ飛ぶ千代子。
ずしゃぁぁっと床を滑る千代子がよろよろと立ち上がる。
「相変わらず乱暴だなキミは! そういうところだぞといつも言ってるだろう香!」
「……!」
文句は流れるように千代子の口から。その言葉に香が両手で口を押さえる。それは喜びゆえの……。
「もう一回聞くけど……私は誰でしょう?」
「……我が親愛なる友、藤田・香殿。全く変わってないね」
微笑しながら問う香とため息をつきながら答える千代子。
ショック療法(?)で、二人の関係が『修復された』瞬間であった。
猟兵や學徒兵が距離を取って見守る中。香と千代子は思い出話に花を咲かせている。だが、それもそろそろ……何故なら千代子の体が目に見えて弱ってきたからだ。
そこで香が意を決して切り出す。
「じゃあ、千代子転生」
「しない」
「「……」」
お互い予想済、という表情で顔を見合わせる二人。
「いまだ怪盗らしきことを何一つしていないのだから。満足するはずもないだろう?」
「むー……」
影朧ラムプから解放された以上、千代子はただの影朧。納得しなければ転生などあり得るはずもない。
「さて……そろそろ限界のようだ」
「……!」
千代子が自身の手を香に見せる。ゆらり、と揺らぐ境界線。千代子の体が霧散しようとしている。
「待って! 千代子待って!」
「ふふ、残念ながら待てと言われて待つ怪盗はこの世にはいな……」
「この大会で優勝してから行って!」
「…………はい?」
「私と千代子ならきっと優勝できる!」
「え、あ、うん。うん?」
さっきまでのシリアスがどっかに行った瞬間であった。
●その手にあるのは(チラシです)
「どうせ千代子は私の言うことなんて聞かないと思ってたから」
「それはボクの台詞なんだが」
シリアスがどっか行ったインパクトが強すぎたのだろう。千代子の体が元に戻った。もうしばらく持ちそうだ。
そして香が手にしていたのはひとつのスポーツ大会のチラシ。
『エクストリヰム・KEMARI』大会である。
もう一度言う。『エクストリヰム・KEMARI』大会である。
「どうしてこんな大会にボクが……」
ぶつぶつ言いながら千代子がチラシを読んでいる。どうやら今日あるらしい。香曰く『お使い終わったから参加しようと思ってたの!』とのことである。
「えーだって……やられっぱなしじゃ腹立つでしょう?」
「……ああ、そういうことか。ふふ」
急速に結束を固める香と千代子。二人してちらりとこちら(猟兵の方)を向いた。
「もちろん猟兵の皆も参加してくれるのよね?」
にっこり笑いかけてくる香。
「ああ、せめてリベンジの機会でももらえないと転生できそうもないなァ!」
千代子も全力で絡んできた。
つまり、この大会で猟兵に勝とうという作戦なのだ。
よくわからない内に巻き込まれてしまったようなのだが、お時間があるなら付き合って欲しい。彼女らの最後の思い出作りに協力してあげてくれまいか?
「あ、ユーベルコヲドとか変な道具とか使うのは禁止で! 私たち負けちゃうし!」
あくまで香たちと同じ条件でお願いします。
※
※
※シナリオ捕捉
というわけで。
3章は『エクストリヰム・KEMARI』大会で香&千代子ペアと戦ってもらいます。
大会としては総当たり戦となっているため、参加していただいた猟兵の皆さんと必ずバトルすることになります。
最終的な優勝の行方はガチ勝負で(プレイング次第)。優勝=千代子の転生の必須条件ではないので、好きなようにやってください。
なお、対『香&千代子』ペア以外の試合は、皆さんは全勝しているものとします。
香&千代子は対猟兵戦(リプレイの部分)以外は全勝しています。
●ルール
『エクストリヰム・KEMARI』とは!
帝都に伝わる『蹴鞠』を先進的に発展させたスポーツである!
飛んできたボールを相手に打ち返して地面に落としたら負け。
もちろん使っていいのは足だけである。
この大会は2人チームによる対戦で行われる。
ネットとかはなく、広い場所で大会公式ボール(蹴鞠)を蹴り合う。場外は無いが、周りの建物や器物を破壊しないように注意。
蹴る方向は味方でも相手でも可。
ただし、どのような場合も地面に落としたら負けなので注意。
妨害行為はルール的にオーケー。
ただしユーベルコード・アイテム・技能の使用を禁止します(千代子も使いません)
何の効果もない見た目を変更するだけの衣装(ユニフォームやシューズ等)の使用は可。
話しかけるのも触りに行くのも挑発するのもオーケーですが、『UCや技能を使っての上乗せ』は不可です。
妨害行為は具体的な内容になればなるほど効果を発揮します。
おひとり様で参加の場合、この大会中に限り【オルタナティブ・ダブル】が使用可能となります。生み出されたもう一人は皆さんと全く同じ条件になるので(性格とかは変更可)上手く利用してください。
ペア、チームで参加する人はそのくくりの中で1チーム出来れば問題ありません。
例)ペア参加。ひとりは応援、ひとりがダブル化して試合はオーケー。
後は妨害ありとはいえ、相手に怪我をさせる行為は禁止です。
●
●大会の参加者がいろんな人がいます
『エクストリヰム・KEMARI』大会。それは帝都の伝統……というわけでもなく、娯楽の一環として尖った趣味を持つ方々の発散の場である。
しかし、堅っ苦しくないのと、試合によってはかなり攻撃的というかアグレッシブというか。観客としても楽しめるため、人気はあるのだ。
そこに出場する者たちはサクラミラージュに住まう者なら誰でも参加資格がある。つまり、影朧から転生した者でも。この大会をスポーツ選手として楽しむのであれば、特に制限は無い。
そんなわけで、猟兵によって無害化された影朧である『怪盗少女『千代子』』もまた無事参加権を得た。万が一、帝都や人々に危害を加えるようなことがあればその場にいる猟兵が対処をするという条件で。
しかし猟兵たちはそれが『無意味』であることを知っている。香と千代子。この二人が一緒にいるということの意味を知っている者ならば、千代子がそんなことをするはずがないと断言できるからだ。
そんなわけで『エクストリヰム・KEMARI』大会、開始である。
天星・雲雀
2人を会わせた時点で第一目標は達成しているので、ここからは遊びになりますが。遊びであるなら手を抜かないし熱くなります。
勝ちに行きますよ!
行動はオルタナティブ・ダブルで自分を複製。(気質も目的も同じなので、仲間割れはしません)
雲雀1号を怪盗さん、雲雀2号を香さんに付けます。(この時点で、もう本体がどちらかわかりません)
妖狐の身体能力をフルに活かしてフェンス・ポール・木・地面、その場に在る物を何でも駆け上がって、蹴って飛んで、怪盗さんと香さんの蹴り上げた蹴鞠を素早くかつ上方下方と立体的に奪って、攻守交代。
目で追えてたとしても、人体の骨格可動範囲の構造上、足の届かない位置に蹴鞠を蹴り込んでいきます。
●一番手
エクストリヰム・KEMARI大会も終盤に差し掛かり。優勝候補は奇しくも猟兵たちと香&千代子ペアに限られてきた。
そしてその一番手。天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)vs香子ペアのバトルである。
そんなわけで、コートで相対する雲雀と香子ペア。
(2人を会わせた時点で第一目標は達成しているので、ここからは遊びになりますが)
と雲雀は思いながらも、目の前の二人を前にして手を抜くことはしない。
(遊びであるなら手を抜かないし熱くなります。勝ちに行きますよ!)
気合充分に、雲雀は香子ペアに挑むのであった。
臨時オルタナティブ・ダブルで二人に分身した雲雀。気質も目的も同じなので仲間割れするようなこともない。
そんな状態で、ひとり(雲雀1号)が千代子に、もうひとり(雲雀2号)が香につく。
「なるほど。1対1か」
「千代子、いくよっ」
少し離れた位置でポジショニングした千代子と香が頷き合う。そして香が蹴鞠を蹴り上げて、試合は開始したのである。
まずは様子見……といった香の鞠蹴りに対して。
「……!」
2号が近くにあったポールを駆け上がる。妖狐の身体能力、というより雲雀本人の身体能力をフル活用する模様。地面に落ちてくるのを待つまでもなく、立体的な機動で以て空中で鞠を捉えた雲雀は、そのまま鞠を蹴り返す。
(目で追えてたとしても……)
人体の骨格可動範囲の構造上、足の届かない位置に蹴り込めば。その考えの元、千代子の真後ろに鞠を蹴り込む雲雀。上空から蹴り込むならそこしか死角はない。
しかし。
「それは甘いと言わざるを得ない!!」
千代子が叫ぶ。何故かというと、上からという軌道だと受ける側は自身の前か後かしかないからである。つまり、読みやすい。
「香、任せた!」
素早くオーバーヘッドキックの態勢から香の方へ蹴り出す千代子。まっすぐ低空飛行する鞠を、雲雀1号がインターセプトしようと接近する。が、自分から逃げる鞠を奪うには、外に向けて下から蹴り上げるくらいしかない。
結果、誰もいない場所へ飛んでいく鞠。
「任せて!」
香が全力ダッシュ。
「走って千代子を捕まえるために鍛えてたんだから!」
身体能力なら負けないと、2号と競り合う香。空中から着地する分だけ出遅れた2号が香から遅れる。結果、鞠を飛び上がって足でキャッチする香。
「くらえー!!」
それを真下に蹴り出す香。どこに蹴っても立体的にキャッチされるなら。プレイヤーにダイレクトアタックするしかあるまい。
「くっ」
それは香が素人だからこそ起こった現象。雲雀の動きが鋭すぎて読み切れなかった分、鞠の着弾点が雲雀の後ろにずれ込む。それは奇しくも可動範囲外に。
そして地面に鞠がめり込む。
「勝者、香子ペア!」
この場の勝負は香子ペアに軍配があがった。
成功
🔵🔵🔴
ヴィクター・グレイン
「hurm…俺がそんな遊戯に付き合うと思っているのか?」
そんな事言いつつ、まぁまずはジャブ程度に相手に蹴り返しつつ徐々に威力を上げていく。
「どうした?その程度では俺には勝てんぞ?」
なお両手は常にハンドポケットしてる。
「まさかあれからまたお前たちがそれってしまうとはな。」
※因みに性格上、近くで事件事故が起きてしまった場合そっちに向かうので実質負ける。
●二番手
「hurm……俺がそんな遊戯に付き合うと思っているのか?」
「いや、じゃあなんで此処にいるのよ」
付き合っていられない、という仕草をするヴィクター・グレイン(闇に紛れた真実を暴く者・f28558)に対して、冷静にツッコむ香。そのセリフはここに到着する前に言ってもらいたいものである。
そんなわけで、ヴィクター(オルタナティブ・ダブルで分身してます)と香&千代子の香子ペアの試合開始である。
(まぁまずは)
と、小手調べのジャブ程度に鞠を蹴り出すヴィクター。軽く蹴られた鞠は綺麗な放物線を描いて、香の、油断すれば落としそうな距離へ正確に飛んでいく。
「おっと」
素早く距離を詰めながら足でキャッチしつつ、ヴィクターへ蹴り返す香。
「ほう」
プレイヤーヘノダイレクトアタック気味に結構な勢いで返ってきた鞠を、今度は少し強めに千代子の方へ蹴り返すヴィクター。
「様子見かい? 意外と慎重だね?」
軽口を叩きながらさらにヴィクターへ鞠を蹴り返す千代子。
しかし、肩慣らしはここまで。感覚も掴めてきたことだし。
(上げていくとするか)
ここからヴィクターは蹴り出す威力をあげていく……!
数度ラリーが続いた後。
「どうした? その程度では俺には勝てんぞ?」
「くっ……っの!!」
ヴィクターの蹴り出した強烈な鞠を真正面からボレーシュートの態勢で蹴り返す香。なお、ヴィクターは両手は常にハンドポケットしてる状態である。
「香!」
「大丈夫! ……だと思う!」
「なんだそれ!?」
さらに強く蹴り出したヴィクターの蹴鞠を。
「香、合わせて!」
「無茶いわないで?!」
文句を言いながらも、千代子がキャッチした鞠を、千代子の足の上から強烈に蹴り返す香。
鋭く返ってきた鞠をキャッチしながら、ヴィクターが小さく呟く。
「まさかあれからまたお前たちが揃ってしまうとはな」
その言葉に込められた想いはいかなるものか。それは彼のみが知る、だろう。
それはともかくとして、蹴鞠で負けるつもりもない、と最高の力でヴィクターが蹴り出そうとした、その瞬間。
「おい! 逃げるな!!」
聞こえてきた喧騒は観客席のさらに外側から。何やら學徒兵が出なければいけないような事件のニオイ。
「む……!」
そこに悪の気配を感じたヴィクターの意識が、というか、足が完全にそっちを向いて走り出す。
「おいこら! 最後まで試合していきなさいよ!?」
香の制止を聞かずに、事件に向けてダッシュしていくヴィクター二人。
「おーーーーーいっ!!!」
香の声を振り切って会場からいなくなってしまった……。
「え……? これは……」
「試合放棄で、香子ペアの勝ちですね」
千代子の問いに審判が答えまして。
香子ペア、対猟兵に2勝目である。
成功
🔵🔵🔴
神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
再会後の会話とかで香さんと千代子さんって…。
あたし達のやりとりに似てない?ねえ?レーちゃん。
盗む技術なら何とかなるんだけどな~。足技かー。
うーんうーん。みてると何だか難しそう。大丈夫かしら。
レーちゃんは引き籠り人生だったし…あたしが頑張らないと!
初めはコツを掴むのが大変だったけど今は問題ないわ。
えへへ。レーちゃんがパートナーだからかしら?
ぽんぽんってリフティングしつつタイミングとってから。
相手の方へ蹴り放るわ。初めは様子見で工夫はなしよ。
5回くらいからちょっと工夫をしてみるわ。
相手に放る前にレーちゃんにパスしてから…とか。
ボールに回転を加えてみたり…楽しんでする。
シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
「似てない。…私達は親友でなく腐れ縁だろう?」
二人の様子から露はまた何やら妄想したようだな。
露が私を妹とか言い出す前に私は帰ろうと思う。
む?競技に出場しろ?…蹴鞠?なんだそれは?
…。
協力し何かを行うのは苦手なんだがな。私は。
それに身体を使うのも動き回るのも苦手なんだが。
まあ露のフォローおかげで大分コツは掴んだ。
競技は相手の動きを常に把握しつつ露に球を送る。
ふむ。無駄だろうが動きで翻弄くらいはしてみよう。
私の動きで警戒心を煽り注意を向けさせてみる。
む?私に球を?攻撃しろということか?露。ふむ…。
相手に蹴る時に逆の回転をかけてみる。私なりにな。
露のように上手くはいかないが…。
●三番手
大会も終盤へと差し掛かり。
香&千代子ペアの相手として、前に立つのは神坂・露(親友まっしぐら仔犬娘・f19223)とシビラ・レーヴェンス(ちんちくりんダンピール・f14377)であった。
「ふむ。それがキミの話を聞かない親友かい?」
「待ちなさい千代子。今聞き捨てならないことを言ったわね?」
千代子の問いかけに反応したのは香。『あ、やば』という顔をしている千代子を見て、露がこくんと頷く。
「香さんと千代子さんって……あたし達のやりとりに似てない? ねえ? レーちゃん」
再会後の会話とかを聞いていて思っていたのだ。まったく一緒ではないけれども、どことなく近しいような……。
「似てない……私達は親友でなく腐れ縁だろう?」
しかし、当のシビラの反応は塩だった。
(二人の様子から露はまた何やら妄想したようだな)
嘆息ひとつ、シビラの悩みは尽きない。というか露の懐き度(?)は増すばかりである?
(露が私を妹とか言い出す前に私は帰ろう)
不戦敗も辞さない覚悟で踵を返すシビラ。しかし、シビラの行動を予想していたのは露も一緒であった。
「レーちゃん、参加参加!」
「……む?」
露にがしっと腕を掴まれて逃げられないシビラ。その後も『競技に出場しろ』と露にせがまれて。
「……蹴鞠? なんだそれは?」
なし崩し的に参加することになったシビラさん。横ではとっても嬉しそうに露が跳ねておりました。
少し会場セッティングの間、自主練ができそうだ。
(むー、盗む技術なら何とかなるんだけどな~。足技かー)
支給された鞠をぽむぽむ蹴ってみるものの、思ったように飛んでいかない。他の人の練習を見ていても。
(うーんうーん。みてると何だか難しそう。大丈夫かしら)
とにかく慣れるしかない。
(そういえばレーちゃんは……)
そう思いながら露がくるりと振り向いた先には……鞠を蹴ろうとして、すかっと空振りしているシビラ。
「むぅ……」
唸るシビラを見て。
(レーちゃんは引き籠り人生だったし…あたしが頑張らないと!)
露はさらに決心を固くするのであった……!
露がそんな決意をしているとはつゆ知らず。
地面に落ちた鞠をじーっと見つめて、はぁっ、と息を吐くシビラ。
(協力し何かを行うのは苦手なんだがな。私は)
引き籠りが影響している、というよりは彼女の生来
(それに身体を使うのも動き回るのも苦手なんだが)
そんなダブルパンチを何故露は叩き込んできたのだろう? オルタナティブ・ダブルで露が分身した方が早かったのでは?
とはいえ、ここまで乗りかかった船だ。いや、露に無理矢理乗り込まされた感もあるけど。
気を取り直して、練習に励むシビラ&露。
会場のセッティングがつつがなく終わる頃。
「まあ露のフォローおかげで大分コツは掴んだ」
なんとか蹴鞠できるレベルになったシビラと。
「えへへ。レーちゃんがパートナーだからかしら?」
コツを掴んで今は問題ないという露。
そして二人は香&千代子の香子ペアと相対するのであった!
そんなわけでバトル(試合)である。
「よーし」
まずは、ぽんぽんっとリフティングしつつタイミングを取ってから。露が香のほうへ向けて鞠を蹴り出す。
(初めは様子見で工夫はなしよ)
と、シビラと相談した上での作戦。相手も様子見なのか、返ってくる鞠はシビラでも蹴りやすい軌道。
「……」
無言でそれをキャッチして、露に鞠を送るシビラ。
(この調子なら……ふむ)
競技をしながら相手の動きを把握することも可能だろうか。もっと激しくなってきたらちょっと見落とすかもだが。
露に送られた鞠が今度は千代子に向けて蹴り出され、これもまた難なく打ち返され。露とシビラは近い距離でいるため、フォローもバッチリだ(運動なので主に露がシビラのフォローに回る)。
なので。シビラは得意分野に専念できようというものだ。
(無駄だろうが動きで翻弄くらいはしてみよう)
そんなこんなで方針が固まりつつある中。5回ほどラリーが続いて。露がシビラに視線を送る。それは。
(仕掛けるね……!)
という露の合図であった。
「とぅっ!」
気合と共に足を振り抜く露。その爪先が鞠を捉えて、これまでにない痛烈な速度で千代子に迫る!
「なんの!」
その一撃(?)を足でキャッチする千代子。しかし。
「これは……?!」
「ふっふっふ」
まっすぐ蹴り返したはずの鞠が空へ跳ねあがってしまう。その様子を見て露はご満悦。そう、蹴り出した鞠に回転を加えていたのだ!
「やったー! レーちゃん見てた見てた?!」
「まだ試合中だ……」
楽しそうに喜ぶ露のそれは、作戦が上手くいったことより回転が上手くかかったことによるもの。『楽しんでする』という彼女の方針は最初から何ら変わりなく。
しかし、これはチャンスだ。
「ふむ」
この気を逃さず、シビラが動く。鞠が飛んだ方向……とは逆に。
「えっ!?」
普通に行けば今度の受け番はシビラ。その動きを思わず香が追う。『私の動きで警戒心を煽り注意を向けさせてみる』というシビラの思惑はひとまず成功した。
「香、来るぞ!」
千代子がレシーブ態勢に。その視界の中では猛ダッシュで鞠に迫る露がいて。
「順番交代!? やってくれるわ!」
香もまた注意を露に向ける。そんな中、露が鞠に追いついて……!
「レーちゃん!」
鞠をシビラにパスする露。
「む?」
こっちに飛んでくるとは思わなかった、という顔のシビラ。
(私に攻撃しろということか?)
シビラが蹴りやすい最高の高さと位置。そして速度。さらには香子ペアの注意も完全に露に向いていたため、今なら隙だらけ。
(……やるか)
お膳立てされた鞠をシビラが慎重に、しかし素早く蹴り出す。露に教えてもらった回転をシビラなりに入れながら。
(露のように上手くはいかないが……)
と思っていた鞠の回転は思った以上にしっかりかかって。
「「あーーーーーっ!!」」
香と千代子が絶叫する中、地面に鞠がぽーんと落ちて。
この勝負はシビラ&露に軍配があがったのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳳凰院・ひりょ
POW
ソロで参加
蹴鞠か…、う~ん…こういうのはやった事が実はないのだよな…
猟兵になるまで同年代の友人・仲間なんていなかったし…
ぼ、ぼっちじゃないもん…たぶん(白目
ひとまず生み出された分身に関しては俺より冷静に状況を把握出来る(ドジっ子じゃない)性格の方が良さそうかな…
球技とか、1人じゃやる機会ないしな(
妨害ってわけでもないけど、ちょっと香さんには聞いてみよう
「そういえば帝都にはちょこちょこ来てるの?やっぱり…?」
前回は来れずじまいだったからなぁ…
理由については深くは尋ねないのが吉、かな。地雷踏みそう
勝負には勝っても負けても、二人と約束しよう
「またいつかやろう、今度までに練習しておくから」
●試合(たたかい)
現在順位はとある猟兵がトップ。それを追う形で香&千代子の香子ペアと鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)が続く。
この試合(バトル)は優勝決定戦の前の、ひりょvs香子ペアのものである。
大会前。
(蹴鞠か……。う~ん……こういうのはやった事が実はないのだよな……)
ひりょの不安はそこであった。運動神経とかは別にして、球技というとやはり相手なり仲間なりが必要になることが多い。
(猟兵になるまで同年代の友人・仲間なんていなかったし……)
決して引き籠っていたとかではなく、これは彼の身上の話。
孤児であった彼は育ての親が病によって他界した後、天涯孤独の身。住んでいた街の人のサポートで健やかに成長したものの、同年代の友人たちには恵まれなかったということだろう。
(ぼ、ぼっちじゃないもん……たぶん)
そっと目を逸らして空を見上げるととても青い。青い空に吸い込まれそうだ。でもそこで現実逃避はやめておいた。
【オルタナティブ・ダブル】で分身を作り出すひりょ。
(分身に関しては俺より冷静に状況を把握出来る性格の方が良さそうかな……)
と思いながら作り出したので、ちゃんと『ドジっ子じゃない』じゃない分身が出来たようです。これでコンビプレイもばっちり。つーか、分身に主導権与えていいのか?
周りの出場者を見渡しながらひりょは思う。
(球技とか、1人じゃやる機会ないしな)
まぁそれはそうなんですが。ぼっちの気配がものすごく漂ってきてますが、ひりょさん大丈夫?
そんなこんなで大会が始まったのである。
そして、ひりょ対香子ペアの試合!
あまり搦め手が得意そうではないひりょであるが、今回は真正面からやるつもりはないようで。
(妨害ってわけでもないけど、ちょっと……)
すっと、ひりょの本体が香の側につく。それは蹴鞠的なマークでもあるが……聞いてみたいことがあったのだ。ちなみに、今は千代子とひりょ分身がやりあっているのでこちらは幾分か平和だ。
「そういえば帝都にはちょこちょこ来てるの? やっぱり……?」
「試合中にそれ聞く?!」
ひりょののんびりした問いかけに、思わずツッコミ振り返りをする香。
「そこ、遊んでるんじゃないよ!」
自分を差し置いて楽しそうに話しているのが気に入らなかったのだろう。千代子が蹴り出した鞠がひりょ本体へ襲い掛かる。
「おっと」
しかし直線的な軌道だったので、リフティングの要領で鞠を捉えるひりょ。それを再び千代子……というか自分の分身に蹴り渡す。
「前回は来れずじまいだったからなぁ……」
何かを思い出してそっと呟くひりょ。せっかく帝都行きの列車に乗ったのに。
「あー……」
その呟きに香もまたそっと視線を逸らしてしまう。恋に暴走していた頃の、ある意味黒歴史を思い出して。
「お勤め真面目にしてるからね。月下家のお使いでたまには来るわよ」
と香から不意に返ってきた答え。さらっと返ってくるとは思っていなかったみたいで、ひりょもきょとんとする始末。
要約すると、お仕事の働きっぷりが認められてか、最近の月下家のお使いは香の担当のようだ。お使いの目的によっては月下・朔に会うこともある、今回みたいに。でもお仕事なので、あまり長く滞在は出来ないし、今回も千代子のことが無ければすっと帰っていたかもしれない。
「だから! 真面目に試合やりたまえよキミたち!!」
のんびり話していたら千代子がキレた。ひりょ分身もちょっとお疲れ気味である。
「おっと。それじゃ勝負をつけようか」
「望むところよ!」
そうしてコート内に散る4名。ここからが本番だ。
激しく鞠が行き交う中、不意に香の態勢が崩れる。それはがくんと普通に倒れ込むのではなくて、『何かが起こった』ようなそんな倒れ方。
「香さん!?」
その事態に目を奪われるひりょが思わず駆け寄って。
「かかったわね!」
「えっ!?」
そう、これは香の作戦だった! ひりょの人の良さを利用したのだ。ひりょが態勢を立て直す前に、千代子からのパスを受け取って流れるようにひりょの体に鞠を叩き込む香!
「ぐはっ……」
お腹に直撃。まともに鞠を受けたひりょがその場に膝をついて、同時に鞠もてーんてーんと転がっていく。
「勝者、香子ペア!」
そして審判の声が響き渡った。
「悪いわね、勝負は時に残酷なのよ」
「いや、そんなにドヤ顔で言うことじゃない……」
試合の結果について、ドヤ顔香にツッコむ千代子。そんな様子を微苦笑しながら見ていたひりょは。
「またいつかやろう、今度までに練習しておくから」
そう告げて。二人に約束と握手を交わすのであった。
●大会終わり、そして夕暮れ誰そ彼時
「ああもう、悔しいっ!!」
「というか即興でコンビ組んで準優勝なのだから、すごく良い成績だと思うのだが」
香と千代子は帝都の通りにある公園のベンチで仲良く二人並んで座っていた。
買ってきたタピオカ紅茶を八つ当たり気味に飲み干す香と、飲んだことが無かったのか興味深そうに堪能する千代子。
「はぁっもう。でも千代子と帝都に来れたからいいわ」
「そりゃどうも。ボクの方もあの『鬼気迫る危機感』は無くなったようだよ」
「……私に会えたから?」
「だろうね」
ずっ、と最後のタピオカを飲みこんで、ほぅっ、と息をはく千代子。
「千代子転生」
「しない」
「……わかっているけど断定されるとむかつくわね」
「今更だろう?」
持っていた紙コップを近くの屑箱にシュートして千代子が笑う。対して香はふくれっ面である。
「じゃあ何をしたら転生するのよあなたは」
「そうだな……」
香の言葉にじっと考え込む千代子。……そして口を開く。
「香。キミが怪盗であるボクを捕まえたら考えてあげよう」
「……は?」
千代子の意地の悪い笑み。それと一緒に紡がれた言葉に、香が間の抜けた声をあげる。
「まぁ、人の身でボクを捕まえるなんて」
「なんだ、そんな簡単なことでいいの?」
「……は?」
今度は千代子が間の抜けた声をあげる番だった。その千代子の目に映る香は、挑発でもなく冗談でもなく、たっぷりと自信あふれる表情。
「キミ、無謀なのは知ってたけど、今回はかーなり無謀だぞ?」
「言われなくてもそのつもりだったし」
「『千代子』が再び現れたとして、ボクみたいに大人しいとは限らないんだぞ?!」
「おとな……しい……?」
「ツッコミどころはそこじゃない!?」
何故か漫才のような展開になる千代子と香。しかしお互いの意志は固く……無言で視線をぶつけ合い、そして譲らない。……が。
「「ぷっ……」」
同時に吹き出した。
「そうだな。キミはそういう子だった」
「悪かったわね」
笑い出したその表情を収めて、真剣な顔で千代子が香に向き直る。
「次の『千代子』が約束を覚えている保証は無いよ?」
「別にいいわよ」
千代子の問いかけに、事も無げに返事を返す香。
「どうあっても『怪盗少女『千代子』』を捕まえる。私がやるのはそれだけよ」
「ふっ……期待しておこう」
香の言葉に再び微笑を浮かべる千代子。
そして夕暮れが、誰そ彼時が終わる。それは『不思議が終わる』時刻でもある。
夜の帳が降り始める中。そこに佇んでいたのは香のみ。まるで逢魔が刻の中に溶けていったように……千代子の姿は無く。
「さって、宿に帰りますか」
香がベンチから立ち上がる。ぐーっ、と背伸びをして深呼吸。ゆっくりと明日に向かって歩き出す。
過去と刹那の時間を共有した香という現在は……未来で約束を待つ。その時が訪れようとも訪れまいとも、彼女の歩みは……止まらない。
大成功
🔵🔵🔵