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Requiem(作者 蜂蜜檸檬)
#UDCアース
#戦闘
#邪神
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●ひかりあれ
「嘆かわしい」
「この世は最早闇だ」
「だからこそ救い主が必要だ」
「我らが神よ」
「愚かなる異端者に裁きを」
「我らに救いの光を」
「代わりに捧げよう、贄を」
──我らが神よ、忠実なる使徒に救いを与え給え!
●いのり
染み一つない美しき純白に、金を優雅に伸ばして。
細長い紅の絨毯を敷き、金の燭台には蝋燭を立てよう。
明るく照らされた祭壇に、恭しく祀られた白皙の女神像は下界を見下ろすように微かに俯き、慈悲深い微笑みを称えている。
その教会では、信者の奏者が爪弾く弦楽器の音色が軽やかに響き渡っている。
交わす言葉はささめいて、信者たちは皆幸福な微笑を浮かべている。
敬虔に祈りを捧げる信者たち。
まるで其処は静謐な楽園のようだった。
しかし、祭司が現れると、ある者がごくりと生唾を呑む音が響いた。ついに、数年に一度の「その時」が来たのだ。豪奢な法衣に身を包んだ中年の男──高位の祭司が厳かに片手を挙げると、信者たちはみな、しんと鎮まった。
「皆、集っているな。では、……採択を始めよう」
それは、女神に捧げる「贄」を選ぶ、悲劇の幕開け。
●いけにえ
その宗教は、UDCアースのとある地域で幾百年続いてきた一神教である。
麗しき女神は、信ずる者には加護と救いを与える。どんな災害からも身を守り、末代まで幸福を与えると言う。
しかし、女神を信仰せず、あまつさえ愚弄する者には、重い裁きを下すと言う。特に、他の宗教を信仰する者。彼らは女神の怒りを買い続ける不遜な存在である。そして、その者たちが存在する限り、UDCアースは救われぬ。
──邪教。
UDCアースの一点で、脈々と代々受け継がれてきたその邪教には、定期的に「贄」と呼ばれる生贄を数年に一度捧げる風習がある。愚かな人間共の存在を詫びて、女神の怒りを鎮め赦しを乞う為だ。
数年に一度、犠牲になる──否、「名誉ある役割」を信者の代表である祭司が選び取り、女神に捧げる。その後、その人間の消息を知る者は一人として居ない。
しかし、気に留めるものは居ない。何故なら、「贄」に選ばれるものは皆「身寄りのない老いた者」或いは「外界から連れてきた者」であり、何れも信者ではないからだ。
女神を信奉せぬ不遜な人間を捧げて、喩えその者の命が喰らわれたとて、何が悪い?
●×××
「困ったわね……」
溜息と共に呟くのは、ミリィ・マルガリテス。硝子の瞳を不安定に揺らして、ほうと手を頬に当てる。
「ああ、ごめんなさい。わたしったら、折角いらしてくださったのに、ぼうっとして。話を聞いてくださってありがとう」
ミリィは、目の前の猟兵に、話辛そうな様子でぽつりぽつりと語り出した。
「UDCアースのとある場所で、女神を熱狂的に信仰する宗教があるそうなの。信者たちは善人が多くて、皆さん幸せに暮らしているのですって」
でも、と声を潜めると、一度俯き、それから真っ直ぐに猟兵へと顔を上げた。
「問題は二つあるわ。一つは、贄と呼ばれる生贄を捧げる習慣。これは、信者ではない方が選ばれるそうなのだけれど、ご自分たちの幸福と女神からの加護を得るために、生きた人を捧げているのですって」
信者たちは、保身のためか、贄がどんな目に遭おうが全く意に解していないそう。そこがまず異常だ。
「二つ目は、その女神。それさえなければ、危険で犯罪的なカルト宗教、で済んだのかもしれないわ。でも、その女神である邪神は……」
ミリィは俯く。
「お察しの通り、オブリビオンよ」
●むくろ
ミリィ曰く、向かってくれる猟兵にお願いしたいことは三つ。
一つ目は、その邪教の教会へと赴く事。自然と司祭から贄として選ばれる事になるので、それまで自由に過ごしてほしいとの事。
二つ目は、贄として選ばれた後の戦闘。美しい儀式の中、邪神の眷属である怪物が襲ってくるので、戦闘して勝利を掴んでほしい。
三つ目は、眷属に勝利すれば邪神である麗しき女神──オブリビオンが現れるので、邪神に勝利してほしい、と。
縋り付いていた女神を猟兵たちに倒され、失った信者たちは狂乱に陥るであろう。しかし、ただでさえ、利己心に満ちるあまり定期的に人殺しを行う凶悪なカルト教団だ。オブリビオンが消え去った後は、教団は現地の警察や司法の手によって法の裁きを受ける事になるだろう。
猟兵たちは、オブリビオンに勝利さえすれば役目を終える事になる。
「皆さんなら、油断しなければ勝てる相手だと思うわ。けれど、やはり危険な場所だもの。どうかご無事で。お帰りをお待ちしていますわ」
ミリィは、祈るように両手を組み、猟兵たちの背を見つめた。
蜂蜜檸檬
当シナリオをご覧いただきましてありがとうございます。
お久しぶりです、蜂蜜檸檬(はちみつ・れもん)と申します。
久しぶりのシナリオにドキドキしつつ、精一杯書かせていただきたく思っております。
今回のシナリオは、UDCアースで邪神を信奉する教団が舞台となります。
●一章
妙に明るく荘厳な雰囲気の教団の本部にて、招かれた「お客様」としてご自由にお過ごしください。
信者たちは、外界から訪れた猟兵が後に「贄」となる事は隠して、努めて友好的にもてなして来ます。
最初から否定的な態度を取ると、信者たちから訝しがられるのでお気をつけください。
●二章
「贄」を選ぶ儀式を終えた後、オブリビオンである怪物との集団戦となります。
猟兵は「贄」として選ばれ、女神に捧げる前に、抵抗できなくなるまで痛めつける算段です。
猟兵の皆様なら、それほどの強敵ではない筈なので、サクッと倒してください。
●三章
「女神」と呼ばれるオブリビオンのボスとの戦闘になります。
「女神」は、眷属たちが倒されると現れます。
「女神」は強敵ですが、倒せれば教団は崩壊します。危険なカルト教団を崩壊させてください。(戦闘後の信者たちの処分は、現地の警察が行います)
●プレイングについて
各章、断章が追加されてからの受付開始となります。
受付期間は特に設けず、物理的にプレイングを送れなくなる迄が受付となります。早めに閉まる場合もございます。
プレイング内容に問題がなくとも、当方のスケジュールの都合で流してしまう事がございます。申し訳ございません。予めご了承いただけますと幸いです。
以上となります。
それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『「祝祭」への参加』
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POW | 奇妙な食事を食べたり、奇怪な祈りのポーズを鍛錬する等、積極的に順応する |
SPD | 周囲の参加者の言動を注意して観察し、それを模倣する事で怪しまれずに過ごす |
WIZ | 注意深く会話を重ねる事で、他の参加者と親交を深めると共に、情報収集をする |
👑5 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵 |
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●はじまり
真白い封筒の招待状を手にしたならば、豪奢な洋館さながらの教会に足を踏み入れられる。
それは、持ち主が「贄」に採択された証拠となる招待状だ。
受付嬢に提示すれば、にこやかな微笑みと共に猟兵は招き入れられるだろう。
外観と違わず豪奢な室内は、白と金を基調とした目も眩むような佇まいだ。大輪の花が飾られ、美しい音楽が鳴り響き、豪華な食事も用意されている。
それらを幾ら堪能しようとも、咎める者は居ない。
着飾った信者たちは皆、賓客をもてなすように、旧い友と接するように、招かれた客人──「贄」に接する。
最後の晩餐は、できる限りの贅沢を与えよう。
それも、教団の教えの一つである。
女神に捧げる「贄」は、質が良く肥えていた方が良いのだから。
「贄」の数に決まりはないが、多ければ多い方がいい。勘と悪運の良い逃げ出す「贄」も居るからだ。だから、出来る限り招待状をばら撒いた。
後は豪華なパーティーに呼ばれたと浮き足立つ「贄」の到着を待つだけだ。
「贄」は、自分たちの幸福と安寧を守る貴重な存在。
だからこそ、外界からの来訪者である「贄」に気取られる事があってはならない。貴重な捧げ物に逃げられてはならない。
はりつけた微笑みの裏にある不協和音は微塵も出さずに。
さあ、不幸で愚かな「贄」をもてなす、最後の晩餐会を始めよう。
<補足>
今章では、教団本部で行われるパーティーで信者たちからもてなされます。
戦闘は発生致しません。この章のみの参加も大丈夫です。
信者たちは着飾っておりますが、ドレスコードはなく、招かれた猟兵たちの服装は自由です。(もちろん、めかし込んで行っても喜ばれます)。
信者たちに怪しまれない程度に、各々パーティーをご自由にお楽しみください。
虹川・朝霞
邪神と聞けば、行かなければ。まして贄というならば…。
かつてUDCアースにて、竜神として存在していた俺ですから。
生け贄捧げられても、必要な知識与えて返してた(嫁にした一名除く)俺ですから。
「すみません。招待状をいただいたのですが、こちらであっていますか?」
できるだけ温和に、それこそ何も知らない、招待されて浮かれている雰囲気を出しましょう。
ですから、遠慮なく料理を食べていきましょう。あ、美味しい。
そう、今はお互いに気取られないようにしましょう?
愛しき人の子らよ。
●
──邪神と聞けば、行かなければ。
まして贄というならば……。
虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は、眉を顰めて歩を進める。
深い森を抜けた先に在る、茫と灯りを浮かべる、忌まわしき儀式を行う洋館へ。
若干の湿度を含んだ土塊を高下駄で踏み締めながら、朝霞は思いを巡らせる。
俺は、嘗てUDCアースにて竜神として存在していた。
但し、此度のように人間を生贄として捧げられても、二度と現世に足を踏み入れさせない様な真似は決して無い。生贄の命や人権を奪う様な事はせず、あまつさえ、必要な知識を与えて返していたのだ。……たった一人の、愛おしいひとを除いて。
やがて、豪奢な洋館めいた教団の本部が見えてきた。朝霞は懐から招待状を取り出し、重い扉を開く。
「すみません。招待状をいただいたのですが、こちらであっていますか?」
朝霞がそう声を掛けると、振り向いた年頃の可憐なる受付嬢は「まあ」と色めき立つ。贄として捧げる者が現れたからだけではない。その姿がいとも麗しかったからだ。
クラシカルな装いに髪をシニョンに纏め上げた受付嬢は、「どうぞこちらへ」と朝霞をパーティー会場に案内する。
一見すると、普通のパーティー会場だ。華々しく明るく、可笑しな所は見当たらない。
朝霞は内心で周囲を観察しながら、何も知らずに豪華なパーティーに招待された、浮かれた客人を嘯いて見せる。
そんな朝霞を、扇で口元を隠しながら、厭らしい眼差しを向けてくる信者の婦人。ひっそりと笑む周囲の信者。そう、それは贄を見る視線だ。朝霞の名演技で、周囲の信者たちからはまるで気付かれていないようだ。
朝霞は勧められるままに豪勢な料理を遠慮なく摘んで見せる。毒は入っていないようだ。見た目通りと言うべきか、意外と美味しい。この際、折角だ。この宴を堪能してしまおう。
──そう、今はお互いに気取られないようにしましょう?
朝霞はそぅっと眦を緩める。その目は、朝霞を贄として識別し、べたついた視線を送る信者たちをうつす。そんな哀しい人間を見る朝霞の眼は、慈愛に満ちていた。
……愛しき人の子らよ。
大成功
🔵🔵🔵
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
SPD
教団規模がでかくなるっていうより、もとからある土着信仰っぽいな。
女神ってとことか外から来た者を贄にってとこがまたそういう感じだ。
客人神ってやつ。
なんかの本で読んだけど、どっかの国のとある民族だと客人を殺して家にとりつかせ、家の守り神にしちゃうとこもあるとかなんとか。
で、来たわけだが。
なんというかこの建物がもうすでに胡散臭い。
歴史ある荘厳さとは縁遠そうだ。最後の晩餐だから教会じゃなくて洋館と言ったほうが正しいのかもな。
折角だし建物というか部屋内見学。
適当に飲み物口にしつつ、彫刻とか細工とか聞けるようなら聞いてみたり。
実際建築物とか興味あるからおかしくないと思う。
●
ふらり、華やかなパーティー会場に、いつの間にか溶け込んでいたのは黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)。瑞樹は、仰々しい程に豪勢なシャンデリアや調度品の数々を目の端に捉えると、ふむと視察を開始した。
教団規模がでかくなるっていうより、もとからある土着信仰っぽいな。
女神ってとことか外から来た者を贄にってとこがまたそういう感じだ。
瑞樹の推測は的中しているようだ。信者と思われる婦人たちは、如何にもよそ者が入れない内輪の話に花を咲かせている。
「今度、──のご子息が、──と結婚するのですって?」
「まあ、本当に? それはおめでたいわね」
「でも、よくもまァ許したモンだねェ。あそこの男共は昔っから酒癖が悪くて有名じゃないの。──の娘さんも苦労するよ。血筋って奴ァ中々治らないもんじゃないか」
「しっ。──の奥方がいらっしゃるわよ。あの方の耳にでも入ったら大変」
「そうしたらこの女神様の楽園からも締め出されてしまうわね。なにせ、──を取り仕切るお役目の奥様だもの。おお、怖い怖い」
瑞樹は、玻璃の様な美しい瞳を眇めた。
客人神ってやつ。
なんかの本で読んだけど、どっかの国のとある民族だと客人を殺して家にとりつかせ、家の守り神にしちゃうとこもあるとかなんとか。そんな宗教に似た信仰を代々続けてきたのがこの団体なのだろうか。
真実は定かではないが、すでにこの建物が胡散臭い。何しろ、金満家が財を投げうって建築したかのように、ふんだんに贅を尽くしたこの洋館だ。雰囲気は明るくとも、並々ならぬ迫力と、何かに取り憑かれた様な一心不乱な不気味さを感じる。
中でも目を惹くのは、硝子細工の美術品だ。其れ等は美しく精緻な造りで、光を受けて珠のように輝いている。その息遣いは今にも動き出しそうなほど。モチーフは、林檎、花、小動物、そして……人。
瑞樹は、先ほど噂話に花を咲かせていた婦人の一人──中でも歯に衣着せぬ、所謂お喋りなタイプ──を捕まえると、硝子細工について尋ねた。もしかして、このパーティーの主宰がコレクションしているものなのか、と。
「ああ、これはねェ……」
瑞樹の質問に、にぃまりと紅い唇に弧を描くと、とびきりの内緒話をするように囁いた。
──あたし等の信仰の証なんだよ。
大成功
🔵🔵🔵
アーレ・イーナ(サポート)
サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「へえぇ」
アーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)は、豪奢な白金の世界に足を踏み入れると、興味深そうに周囲を眺めた。手には純白の招待状。こんなにも煌びやかで、清らかな雰囲気。人々は皆にこやかな空気を漂わせている。──なのに。
「なんか、すっごい違和感」
アーレは、誰にも聞こえないようにそう呟くと、とんっとつま先を弾いてボーイの方へと近寄った。
「ねえ、ボクにも飲み物を頂戴?」
「かしこまりました。本日のドリンクはスパークリングアップルジュースでございます。どうぞお気をつけてお持ちくださいませ」
「ありがとう」
アーレは蝶ネクタイ姿のボーイからグラスを受け取ると、そっと口元で傾けた。──美味しい。
本当に、ただの浮かれたパーティーのようだ。
目的だけは明かされずに、人々は着飾って、見知らぬ者が招待状を受け取る。その違和感さえ消し去るように、華やかなパーティーは着実に時を刻んでいく。
アーレは、テーブルの上に溢れんばかりに置いてある小さなティラミスを、もぐもぐと栗鼠のように頬張ると、改めて会場内を見渡す。煌びやかな会場の所々に隠れた「ソレ」を見つけると、違和感の正体に気付いた。
──ああ。こんなにも華やかなのに。
飾られている美しい調度品──硝子細工のオブジェたちは、悲痛な表情を浮かべている。どれも、どれも、どれも、皆、人であるオブジェは、つい直前まで叫んでいたような気迫があったり、苦悶の表情を浮かべていたり、涙を流していたり。
どれも精緻な造りで、おまけにとびきり美しいのに。物々しい雰囲気が、水に一滴の墨を落としたかのように、不穏な空気を醸し出している。
「穏やかじゃないね」
アーレは思う。
もしかして、あの調度品たちは。
この会場に呼ばれた、自分達の数時間後の姿なんじゃないかって。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『パープル・フリンジ』
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POW |
●狩り
【視線】を向けた対象に、【群れ】が群がり【鋭い牙】でダメージを与える。命中率が高い。
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SPD |
●存在しえない紫
対象の攻撃を軽減する【位相をずらした霞のような姿】に変身しつつ、【不意打ち】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
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WIZ |
●「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
【不気味な鳴き声】を発し、群れの中で【それ】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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👑11 |
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵 |
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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──がくん。
時刻が日付を跨がんとした頃、突如として、パーティー会場の明かりが落ちた。人々は混乱に陥るかと思いきや、至って平然としている様子だ。
そう、一言も声をあげずに。
猟兵たちは、異様な状況に周囲を警戒する。暗闇の中で、華やかな賑わいから一転して鎮まりかえったこの宴。何も無い方が可笑しいだろう。
──ドォォン!!!
そこに、大きな音と振動が、猟兵たちの鼓膜を、強く重く響かせた。これは、太鼓の音だろうか。腹に響く低い音は、人々の肌をびりびりと震わせている。
次の瞬間、ぱっと明かりが点いた。
すると……パーティーの参加者、もとい信者たちは、皆床にひれ伏していた。
信者たちは、口々に祝詞のようなものを口走っている。かろうじて聞き取れた言葉から推測すると、どうやら皆同じような祈りを繰り返しているようだ。
── 神の使徒よ、どうか我らに救いを!
──我らが用意した贄を、いま捧げましょう!
使徒とは一体何だろうか。そう考える猟兵たちの前に、不気味な鳴き声が響いてきた。
「「「 ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
大量の怪物──オブリビオン出現したようだ。オブリビオンたちは、猟兵たちを喰らおうと目掛けて飛んでくる。
やすやすと贄になる訳にもいかない。どうやら、ここは実力行使で突破するしかないようだ。
猟兵たちは、それぞれの得物を構える。この先の、邪なる宗教の温床、『女神』とやら辿り着くために。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
え、虫…虫?
だけど指の数や四肢で半端に人っぽい姿だな。
何となく邪視を連想したのはなんでだろう?一つ目だから?
とりあえず派手に燃やすか。
UC炎陽にて焼きはらう。何となく虫っぽいからって理由だが。
あと纏めて焼き払えたらいいなってとこ。
それに何となく炎と熱がいいような気がするんだけど…。気のせいだろうか。
接近されたら二刀で対応。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。
●
「「「ゲッゲッゲッ」」」
突如現れたオブリビオンの群れは、不気味な音を響かせながら出現した。神の使徒と呼ぶにはあまりにも一般的なイメージとかけ離れた姿だが、信者たちは平伏して、一心に祝詞を唱えながら拝んでいる。気迫に満ちた姿は、異形に取り憑かれたようだ。本物の女神の御使いを畏れて敬う、いにしえのヒトのように。
輝く銀髪に目が惹かれたのだろうか──『パープル・フリンジ』は、先ずは黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)に単眼をぎょろりと向けた。瑞樹に照準を合わせたオブリビオンは、喰らいつかんばかりに瑞樹に飛びかかる。
「え、虫……虫?」
瑞樹は、美しい青の瞳を見開いてパープル・フリンジを凝視した。その奇怪な姿は不気味さを漂わせているが、同時にいとも興味深い。
(虫っぽい……。だけど、指の数や四肢で半端に人っぽい姿だな。何となく邪視を連想したのはなんでだろう? 一つ目だから?)
けれど、瑞稀の知的好奇心が燃えたのはほんの一刻。歴戦の猟兵として胡と黒鵺の両刀を構えると、瑞樹はオブリビオンを迎え撃つ。
──とりあえず、派手に燃やすか。
瑞樹は、彼の本体である黒鵺、そして胡を交差させて敵の動きを止めると、金谷子神の錬鉄の炎で敵を焼き払う。
「ギエエエエエ」
パープル・フリンジは、いとも容易く炎に体を焼かれ、悶絶に身を震わせる。その間にも、延焼が広がり、他の個体へと焔が移っていく。
「何……!?」
動揺したのは、信者たちだ。今まで、パープル・フリンジ……神の使徒に反撃する「贄」は居なかったのだろうか。一部の信者は禁忌行為である祝詞の最中に顔を上げ、そのざわめきは一斉に広がった。
「神聖なる使徒に何ということを!」
「女神の怒りが……我々に災厄が降りかかる……!?」
動揺を隠せない信者たちを諌めたのは、長と思わしき老年の人物だ。
「鎮まれ!!!!」
その声に、びくりと体を震わせた信者たち。
「神聖なる儀式の最中に何たる事だ。お前たち、使徒様を信じずして何を信じる! 救い求めるならば祝詞を続けよ!!」
長の声で、我に返った信者たちは、震える手を組み合わせて祝詞を唱え出す。
その間にも、瑞樹は炎陽による攻撃の手を止めることはない。
別の個体が襲ってきても、二刀流で受け流し、更なる延焼を広げて行く。
初手として充分の成果だ。瑞樹は、次なる敵へと眼差しを向ける。
──このまま、上手くいくと良いんだけど。
後から続く猟兵たちと共闘せんと、改めて両刀の柄を握る瑞樹。その姿に、瑕は一つも無かった。
大成功
🔵🔵🔵
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
おーおー。
遅刻したかと思ったら、
熱烈な歓迎で。
どうやら主催登場には間に合ったみたいだねぇ。
ダンスの誘いは有難いけど、
お前らじゃアタシにゃもったいない!
さっさと前座には退場頂こうじゃないのさ!
ドレス姿に『変装』して意気揚々と乗り込むけれど、
決して油断はしてないよ。
眷属どもへ電撃の『属性攻撃』を込めた
『衝撃波』を立て続けに放ち、
アタシへ注意を『おびき寄せ』る。
もちろん、周囲の調度品
……被害者への直撃は避けるよう気を付けながらね。
そうして室内に静電を満たせば、
この場はアタシの【超感覚領域】の只中さ。
撃破できりゃあそれでよし、
無理でも『マヒ攻撃』でまともに動けなくなる筈さ!
●
動揺と混乱のさざめきが波紋していく中で、その場を打ち破るような明朗な声が響き渡った。
「おーおー。遅刻したかと思ったら、熱烈な歓迎で」
その場の皆の視線を奪ったのは、華やかなドレス姿の美女。
薄化粧を施された貌は女性らしい美しさで、流れるような波打つ髪が抜群のスタイルを縁取っている。
──どうやら主催登場には間に合ったみたいだねぇ。
不敵な笑みを浮かべる彼女は、まるで舞踏会に遅れて登場した御伽噺のお姫様のよう。
彼女の名は、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。その姿は花のように美しくとも、歴戦の猟兵のひとりだ。
「今度は何だ!?」
「いや、落ち着け……。そう何人も使徒様に敵うはずがないだろう」
信者の男性は、驚愕に目を見開くが、多喜の美しさに目を奪われた様子だ。然し、今は神聖なる儀式の最中。邪魔をする者は喩え美しい女性でもひとり残らず「贄」として捧げなくては。
「使徒様、お願いします! どうか、我々にさいわいを! 異界の者には裁きを!!」
「あの者を捕らえ、女神様に捧げてください!!」
──噂には聞いていたけれど、嫌なもんだねぇ。
多喜は、我欲に満ちた信者達に目を細めると、ふぅと息を吐く。然しそこで止まる彼女ではない。多喜は、『パープル・フリンジ』に雷撃を纏った衝撃波を放ってみせる。
「ほら、アタシはここだよ! 捕まえたきゃ捕まえてみな!」
眷属達の注意を自分の方に向ける……多喜の心算は見事に成功したようだ。
新たな標的を見つけると、『パープル・フリンジ』達は単眼を一斉に多喜へと向ける。攻撃された事に怒りを感じたのか、只管に反応しただけなのか……その脚で勢いよく多喜へと飛びかかる。後先考えないその姿は、まるで。
「「「ゲッゲッゲッ」」」
「おっと、そんな乱暴なダンスの誘いには乗らないよ。お前らじゃアタシにゃもったいない!」
そう、『パープル・フリンジ』は姫を攫う賊のようだ。荒々しく、脇目もふらない不遜な輩では、姫の心は掴めない。
「前座にはさっさと退場頂こうじゃないの」
そう言って、姫──多喜は、電撃を込めた衝撃波を勇ましく放つ。
「ギエエエエ」
「ギャッ!」
多喜からの強烈な一撃を受けた『パープル・フリンジ』の数体は、脚をばたつかせた後、その場で麻痺したかのように動かなくなる。
「ふん、造作もないね」
鋭い牙で襲いかかってくる彼奴等を、続けざまに多喜は電撃で迎え撃つ。眷属達は、一体、また一体と動かなくなっていく。ここはもう、彼女の超感覚領域の中。海のように静電に満ちたそこは、蟻一匹たりとも逃さない。
次々と 『パープル・フリンジ』が屠られていくさまに焦りを浮かべ出すのは信者達。この儀式は、明らかに教団側の劣勢に傾いている。
「使徒様! 使徒様! あの女を捕らえてくだされ」
「このまま贄が捧げられなかったら、私たちは──」
「ああっ、捧げ物にはなりたくはない! 子どもを残して死にたくない!!」
狂乱に陥る信者達は、最早ひれ伏すことを止めたらしい。狼狽しながらも、必死に祈りを捧げている。
──捧げ物?
多喜は、その言葉に引っ掛かりをおぼえた。まさか、女神とやらに、内部の者達を贄として捧げるつもりなのだろうか。
詳しくはわからないけれど。とにかく、目の前の眷属の壁を破らないと、本命には近づけない。
多喜は眷属相手であろうとも、油断せずに一体一体を確実に屠っていった。
彼女の功績は大きい。『パープル・フリンジ』の大群は、最早大半が駆逐されている。
けれど、その光景は未だパーティー会場の時と負けず劣らずに美しいまま。
……多喜の心は届いたようだ。硝子の調度品──「贄」となった被害者達の像は、無傷のまま光を受けてきらきらと輝きながら佇んでいた。
大成功
🔵🔵🔵
虹川・朝霞
ああ、この様子。本当に幾度となく行われ、慣れたという雰囲気ですね。
使徒。神使とも言える存在ですか。
…この先の邪神にたどり着くためにも、祓わねば。
大量の視線を避けきるのは不可能と言えるでしょう。なれば、最初からそれを除外。
ああ、諦めたわけではないですよ。【幻霞】使用。霞は攻撃できないでしょう?
それに、オブリビオンに俺の幻覚を被せて…同士討ち狙い。地道になるでしょうが、使える手は全て使います。
数が少なくなり、視線を避けやすくなれば、UC解除して紫雲刀での攻撃に切り替えましょう。
…せめて、調度品は傷つけぬように。
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ああ、この様子。
本当に幾度となく行われ、慣れたという雰囲気ですね。
拝み、嘆き、狂乱に陥った信者たちを見つめる虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)の眼差しは、見るものの胸を締め付けるように切ない色をしている。
朝霞が見た限り、信者たちは『女神』や『使徒』を敬愛しながら、同時に強い畏怖を抱いている様子だ。何層にも塗り重ねた刷り込みが、時に剥がれ落ちながらも、世代を重ねる毎に強度を増し、人の子らにべったりと張り付いてしまったよう。
朝霞は使徒──数が逓減してきた『パープル・フリンジ』を宝石のような翠の双眸で見遣る。
──使徒。神使とも言える存在ですか。
その禍々しい邪気は、『女神』の本質も表しているのだろうか。朝霞はすぅと息を吸うと、瞑目して紫雲刀の柄に手を添えた。
「……この先の邪神にたどり着くためにも、祓わねば」
朝霞の意思は固い。それは、竜神としての矜持か。それとも、人への慈愛ゆえか。朝霞以外には知り得ない想いが、今、咲き誇る。
──大量の視線を避け切るのは不可能と言えるでしょう。なれば、最初からそれを除外。
朝霞の思考回路は至って冷静に現状を分析している。然し、決して諦めたわけではない。
彼は肉体の一部を段々と薄紅梅の霞に変化させてゆき、最終的にはふわりと揺蕩う霞と成った。『パープル・フリンジ』たちの視界から、気配を見事に消失させていく。
「何だ……この霞は……?」
「清浄なる気……まさか……」
正気に戻った一部の信者は、朝霞の薄紅梅の霞を見て、ただならぬ神気を感じだのだろう。
「かみさま……?」
つい、言葉を漏らした少年の信者。すると、すかさず長から叱責が飛ぶ。
「たわけ! 我らが女神様以外に神など存在する訳がないだろう! この不届き者め。今度その口を開いたら、貴様を贄にするぞ!!」
「ひっ……」
怯えた少年は、恐怖に満ちた様子で後退りをする。然し、その少年の直感は当たっていると言えるだろう。美しく、神々しく、清らかな朝霞。彼は紛うことなき人の子を愛する竜神だ。
──かなしい事ですね。
朝霞は霞へと姿を変えながら、『パープル・フリンジ』の背後へと回り込む。
「ギッ」
朝霞の気配を感じ取った『パープル・フリンジ』は、霞に向かって牙を剥く。然し、相手は霞だ。攻撃が届くはずもない。その上、朝霞は敵に幻覚を被せている。
『パープル・フリンジ』は次第に幻覚に陥り、同士討ちを始める。
「「ギッギッギッ」」
「ギッ!?」
オブリビオンたちは幻覚に侵されている事にすら気付かない。朝霞の同士討ちの作戦は見事成功した。
戦闘も終盤に差し掛かり、『パープル・フリンジ』の数も残り少なくなっている。その一体に、朝霞はユーベルコードの幻霞を解くと、黒い刃を振り翳す。紫がかった刃は、まるで暁空のよう。
朝ぼらけの空の色を纏った蛇腹刀で、オブリビオンを骸の海へと屠っていく様は、神々しささえ感じる。
そんな朝霞を見つめていた、信者の親に連れられたまだ何も知らぬ少女は。
「でも、わたし……かみさまだと思うな」
親指を咥えたあどけない少女が漏らした言葉は、誰にも届かず、ふわりと空に溶けて消えた。
大成功
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