4
Requiem

#UDCアース #戦闘 #邪神

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
#戦闘
#邪神


0




●ひかりあれ
「嘆かわしい」
「この世は最早闇だ」
「だからこそ救い主が必要だ」
「我らが神よ」
「愚かなる異端者に裁きを」
「我らに救いの光を」
「代わりに捧げよう、贄を」

 ──我らが神よ、忠実なる使徒に救いを与え給え!

●いのり
 染み一つない美しき純白に、金を優雅に伸ばして。
 細長い紅の絨毯を敷き、金の燭台には蝋燭を立てよう。
 明るく照らされた祭壇に、恭しく祀られた白皙の女神像は下界を見下ろすように微かに俯き、慈悲深い微笑みを称えている。
 その教会では、信者の奏者が爪弾く弦楽器の音色が軽やかに響き渡っている。
 交わす言葉はささめいて、信者たちは皆幸福な微笑を浮かべている。
 敬虔に祈りを捧げる信者たち。
 まるで其処は静謐な楽園のようだった。

 しかし、祭司が現れると、ある者がごくりと生唾を呑む音が響いた。ついに、数年に一度の「その時」が来たのだ。豪奢な法衣に身を包んだ中年の男──高位の祭司が厳かに片手を挙げると、信者たちはみな、しんと鎮まった。
「皆、集っているな。では、……採択を始めよう」
 それは、女神に捧げる「贄」を選ぶ、悲劇の幕開け。

●いけにえ
 その宗教は、UDCアースのとある地域で幾百年続いてきた一神教である。
 麗しき女神は、信ずる者には加護と救いを与える。どんな災害からも身を守り、末代まで幸福を与えると言う。
 しかし、女神を信仰せず、あまつさえ愚弄する者には、重い裁きを下すと言う。特に、他の宗教を信仰する者。彼らは女神の怒りを買い続ける不遜な存在である。そして、その者たちが存在する限り、UDCアースは救われぬ。

 ──邪教。

 UDCアースの一点で、脈々と代々受け継がれてきたその邪教には、定期的に「贄」と呼ばれる生贄を数年に一度捧げる風習がある。愚かな人間共の存在を詫びて、女神の怒りを鎮め赦しを乞う為だ。
 数年に一度、犠牲になる──否、「名誉ある役割」を信者の代表である祭司が選び取り、女神に捧げる。その後、その人間の消息を知る者は一人として居ない。
 しかし、気に留めるものは居ない。何故なら、「贄」に選ばれるものは皆「身寄りのない老いた者」或いは「外界から連れてきた者」であり、何れも信者ではないからだ。
 女神を信奉せぬ不遜な人間を捧げて、喩えその者の命が喰らわれたとて、何が悪い?

●×××
「困ったわね……」
 溜息と共に呟くのは、ミリィ・マルガリテス。硝子の瞳を不安定に揺らして、ほうと手を頬に当てる。
「ああ、ごめんなさい。わたしったら、折角いらしてくださったのに、ぼうっとして。話を聞いてくださってありがとう」
 ミリィは、目の前の猟兵に、話辛そうな様子でぽつりぽつりと語り出した。
「UDCアースのとある場所で、女神を熱狂的に信仰する宗教があるそうなの。信者たちは善人が多くて、皆さん幸せに暮らしているのですって」
 でも、と声を潜めると、一度俯き、それから真っ直ぐに猟兵へと顔を上げた。
「問題は二つあるわ。一つは、贄と呼ばれる生贄を捧げる習慣。これは、信者ではない方が選ばれるそうなのだけれど、ご自分たちの幸福と女神からの加護を得るために、生きた人を捧げているのですって」
 信者たちは、保身のためか、贄がどんな目に遭おうが全く意に解していないそう。そこがまず異常だ。
「二つ目は、その女神。それさえなければ、危険で犯罪的なカルト宗教、で済んだのかもしれないわ。でも、その女神である邪神は……」
 ミリィは俯く。
「お察しの通り、オブリビオンよ」

●むくろ
 ミリィ曰く、向かってくれる猟兵にお願いしたいことは三つ。
 一つ目は、その邪教の教会へと赴く事。自然と司祭から贄として選ばれる事になるので、それまで自由に過ごしてほしいとの事。
 二つ目は、贄として選ばれた後の戦闘。美しい儀式の中、邪神の眷属である怪物が襲ってくるので、戦闘して勝利を掴んでほしい。
 三つ目は、眷属に勝利すれば邪神である麗しき女神──オブリビオンが現れるので、邪神に勝利してほしい、と。

 縋り付いていた女神を猟兵たちに倒され、失った信者たちは狂乱に陥るであろう。しかし、ただでさえ、利己心に満ちるあまり定期的に人殺しを行う凶悪なカルト教団だ。オブリビオンが消え去った後は、教団は現地の警察や司法の手によって法の裁きを受ける事になるだろう。
 猟兵たちは、オブリビオンに勝利さえすれば役目を終える事になる。

「皆さんなら、油断しなければ勝てる相手だと思うわ。けれど、やはり危険な場所だもの。どうかご無事で。お帰りをお待ちしていますわ」
 ミリィは、祈るように両手を組み、猟兵たちの背を見つめた。


蜂蜜檸檬
 当シナリオをご覧いただきましてありがとうございます。
 お久しぶりです、蜂蜜檸檬(はちみつ・れもん)と申します。
 久しぶりのシナリオにドキドキしつつ、精一杯書かせていただきたく思っております。

 今回のシナリオは、UDCアースで邪神を信奉する教団が舞台となります。

●一章
 妙に明るく荘厳な雰囲気の教団の本部にて、招かれた「お客様」としてご自由にお過ごしください。
 信者たちは、外界から訪れた猟兵が後に「贄」となる事は隠して、努めて友好的にもてなして来ます。
 最初から否定的な態度を取ると、信者たちから訝しがられるのでお気をつけください。

●二章
 「贄」を選ぶ儀式を終えた後、オブリビオンである怪物との集団戦となります。
 猟兵は「贄」として選ばれ、女神に捧げる前に、抵抗できなくなるまで痛めつける算段です。
 猟兵の皆様なら、それほどの強敵ではない筈なので、サクッと倒してください。

●三章
 「女神」と呼ばれるオブリビオンのボスとの戦闘になります。
 「女神」は、眷属たちが倒されると現れます。
 「女神」は強敵ですが、倒せれば教団は崩壊します。危険なカルト教団を崩壊させてください。(戦闘後の信者たちの処分は、現地の警察が行います)

●プレイングについて
 各章、断章が追加されてからの受付開始となります。
 受付期間は特に設けず、物理的にプレイングを送れなくなる迄が受付となります。早めに閉まる場合もございます。
 プレイング内容に問題がなくとも、当方のスケジュールの都合で流してしまう事がございます。申し訳ございません。予めご了承いただけますと幸いです。

 以上となります。
 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
20




第1章 日常 『「祝祭」への参加』

POW   :    奇妙な食事を食べたり、奇怪な祈りのポーズを鍛錬する等、積極的に順応する

SPD   :    周囲の参加者の言動を注意して観察し、それを模倣する事で怪しまれずに過ごす

WIZ   :    注意深く会話を重ねる事で、他の参加者と親交を深めると共に、情報収集をする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●はじまり
 真白い封筒の招待状を手にしたならば、豪奢な洋館さながらの教会に足を踏み入れられる。
 それは、持ち主が「贄」に採択された証拠となる招待状だ。
 受付嬢に提示すれば、にこやかな微笑みと共に猟兵は招き入れられるだろう。
 外観と違わず豪奢な室内は、白と金を基調とした目も眩むような佇まいだ。大輪の花が飾られ、美しい音楽が鳴り響き、豪華な食事も用意されている。
 それらを幾ら堪能しようとも、咎める者は居ない。
 着飾った信者たちは皆、賓客をもてなすように、旧い友と接するように、招かれた客人──「贄」に接する。
 最後の晩餐は、できる限りの贅沢を与えよう。
 それも、教団の教えの一つである。
 女神に捧げる「贄」は、質が良く肥えていた方が良いのだから。

 「贄」の数に決まりはないが、多ければ多い方がいい。勘と悪運の良い逃げ出す「贄」も居るからだ。だから、出来る限り招待状をばら撒いた。
 後は豪華なパーティーに呼ばれたと浮き足立つ「贄」の到着を待つだけだ。

 「贄」は、自分たちの幸福と安寧を守る貴重な存在。
 だからこそ、外界からの来訪者である「贄」に気取られる事があってはならない。貴重な捧げ物に逃げられてはならない。
 はりつけた微笑みの裏にある不協和音は微塵も出さずに。
 さあ、不幸で愚かな「贄」をもてなす、最後の晩餐会を始めよう。
<補足>
 今章では、教団本部で行われるパーティーで信者たちからもてなされます。
 戦闘は発生致しません。この章のみの参加も大丈夫です。
 信者たちは着飾っておりますが、ドレスコードはなく、招かれた猟兵たちの服装は自由です。(もちろん、めかし込んで行っても喜ばれます)。
 信者たちに怪しまれない程度に、各々パーティーをご自由にお楽しみください。
虹川・朝霞
邪神と聞けば、行かなければ。まして贄というならば…。
かつてUDCアースにて、竜神として存在していた俺ですから。
生け贄捧げられても、必要な知識与えて返してた(嫁にした一名除く)俺ですから。

「すみません。招待状をいただいたのですが、こちらであっていますか?」
できるだけ温和に、それこそ何も知らない、招待されて浮かれている雰囲気を出しましょう。
ですから、遠慮なく料理を食べていきましょう。あ、美味しい。
そう、今はお互いに気取られないようにしましょう?
愛しき人の子らよ。




 ──邪神と聞けば、行かなければ。
 まして贄というならば……。
 虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)は、眉を顰めて歩を進める。
 深い森を抜けた先に在る、茫と灯りを浮かべる、忌まわしき儀式を行う洋館へ。
 若干の湿度を含んだ土塊を高下駄で踏み締めながら、朝霞は思いを巡らせる。

 俺は、嘗てUDCアースにて竜神として存在していた。
 但し、此度のように人間を生贄として捧げられても、二度と現世に足を踏み入れさせない様な真似は決して無い。生贄の命や人権を奪う様な事はせず、あまつさえ、必要な知識を与えて返していたのだ。……たった一人の、愛おしいひとを除いて。

 やがて、豪奢な洋館めいた教団の本部が見えてきた。朝霞は懐から招待状を取り出し、重い扉を開く。
「すみません。招待状をいただいたのですが、こちらであっていますか?」
 朝霞がそう声を掛けると、振り向いた年頃の可憐なる受付嬢は「まあ」と色めき立つ。贄として捧げる者が現れたからだけではない。その姿がいとも麗しかったからだ。
 クラシカルな装いに髪をシニョンに纏め上げた受付嬢は、「どうぞこちらへ」と朝霞をパーティー会場に案内する。

 一見すると、普通のパーティー会場だ。華々しく明るく、可笑しな所は見当たらない。
 朝霞は内心で周囲を観察しながら、何も知らずに豪華なパーティーに招待された、浮かれた客人を嘯いて見せる。
 そんな朝霞を、扇で口元を隠しながら、厭らしい眼差しを向けてくる信者の婦人。ひっそりと笑む周囲の信者。そう、それは贄を見る視線だ。朝霞の名演技で、周囲の信者たちからはまるで気付かれていないようだ。
 朝霞は勧められるままに豪勢な料理を遠慮なく摘んで見せる。毒は入っていないようだ。見た目通りと言うべきか、意外と美味しい。この際、折角だ。この宴を堪能してしまおう。

 ──そう、今はお互いに気取られないようにしましょう?
 
 朝霞はそぅっと眦を緩める。その目は、朝霞を贄として識別し、べたついた視線を送る信者たちをうつす。そんな哀しい人間を見る朝霞の眼は、慈愛に満ちていた。

 ……愛しき人の子らよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
SPD

教団規模がでかくなるっていうより、もとからある土着信仰っぽいな。
女神ってとことか外から来た者を贄にってとこがまたそういう感じだ。
客人神ってやつ。
なんかの本で読んだけど、どっかの国のとある民族だと客人を殺して家にとりつかせ、家の守り神にしちゃうとこもあるとかなんとか。

で、来たわけだが。
なんというかこの建物がもうすでに胡散臭い。
歴史ある荘厳さとは縁遠そうだ。最後の晩餐だから教会じゃなくて洋館と言ったほうが正しいのかもな。
折角だし建物というか部屋内見学。
適当に飲み物口にしつつ、彫刻とか細工とか聞けるようなら聞いてみたり。
実際建築物とか興味あるからおかしくないと思う。




 ふらり、華やかなパーティー会場に、いつの間にか溶け込んでいたのは黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)。瑞樹は、仰々しい程に豪勢なシャンデリアや調度品の数々を目の端に捉えると、ふむと視察を開始した。

 教団規模がでかくなるっていうより、もとからある土着信仰っぽいな。
 女神ってとことか外から来た者を贄にってとこがまたそういう感じだ。

 瑞樹の推測は的中しているようだ。信者と思われる婦人たちは、如何にもよそ者が入れない内輪の話に花を咲かせている。
「今度、──のご子息が、──と結婚するのですって?」
「まあ、本当に? それはおめでたいわね」
「でも、よくもまァ許したモンだねェ。あそこの男共は昔っから酒癖が悪くて有名じゃないの。──の娘さんも苦労するよ。血筋って奴ァ中々治らないもんじゃないか」
「しっ。──の奥方がいらっしゃるわよ。あの方の耳にでも入ったら大変」
「そうしたらこの女神様の楽園からも締め出されてしまうわね。なにせ、──を取り仕切るお役目の奥様だもの。おお、怖い怖い」

 瑞樹は、玻璃の様な美しい瞳を眇めた。
 客人神ってやつ。
 なんかの本で読んだけど、どっかの国のとある民族だと客人を殺して家にとりつかせ、家の守り神にしちゃうとこもあるとかなんとか。そんな宗教に似た信仰を代々続けてきたのがこの団体なのだろうか。
 真実は定かではないが、すでにこの建物が胡散臭い。何しろ、金満家が財を投げうって建築したかのように、ふんだんに贅を尽くしたこの洋館だ。雰囲気は明るくとも、並々ならぬ迫力と、何かに取り憑かれた様な一心不乱な不気味さを感じる。
 中でも目を惹くのは、硝子細工の美術品だ。其れ等は美しく精緻な造りで、光を受けて珠のように輝いている。その息遣いは今にも動き出しそうなほど。モチーフは、林檎、花、小動物、そして……人。
 瑞樹は、先ほど噂話に花を咲かせていた婦人の一人──中でも歯に衣着せぬ、所謂お喋りなタイプ──を捕まえると、硝子細工について尋ねた。もしかして、このパーティーの主宰がコレクションしているものなのか、と。
「ああ、これはねェ……」
 瑞樹の質問に、にぃまりと紅い唇に弧を描くと、とびきりの内緒話をするように囁いた。

 ──あたし等の信仰の証なんだよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーレ・イーナ(サポート)
 サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
 普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「へえぇ」
 アーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)は、豪奢な白金の世界に足を踏み入れると、興味深そうに周囲を眺めた。手には純白の招待状。こんなにも煌びやかで、清らかな雰囲気。人々は皆にこやかな空気を漂わせている。──なのに。
「なんか、すっごい違和感」
 アーレは、誰にも聞こえないようにそう呟くと、とんっとつま先を弾いてボーイの方へと近寄った。
「ねえ、ボクにも飲み物を頂戴?」
「かしこまりました。本日のドリンクはスパークリングアップルジュースでございます。どうぞお気をつけてお持ちくださいませ」
「ありがとう」
 アーレは蝶ネクタイ姿のボーイからグラスを受け取ると、そっと口元で傾けた。──美味しい。
 本当に、ただの浮かれたパーティーのようだ。
 目的だけは明かされずに、人々は着飾って、見知らぬ者が招待状を受け取る。その違和感さえ消し去るように、華やかなパーティーは着実に時を刻んでいく。
 アーレは、テーブルの上に溢れんばかりに置いてある小さなティラミスを、もぐもぐと栗鼠のように頬張ると、改めて会場内を見渡す。煌びやかな会場の所々に隠れた「ソレ」を見つけると、違和感の正体に気付いた。

 ──ああ。こんなにも華やかなのに。

 飾られている美しい調度品──硝子細工のオブジェたちは、悲痛な表情を浮かべている。どれも、どれも、どれも、皆、人であるオブジェは、つい直前まで叫んでいたような気迫があったり、苦悶の表情を浮かべていたり、涙を流していたり。
 どれも精緻な造りで、おまけにとびきり美しいのに。物々しい雰囲気が、水に一滴の墨を落としたかのように、不穏な空気を醸し出している。
「穏やかじゃないね」

 アーレは思う。
 もしかして、あの調度品たちは。
 この会場に呼ばれた、自分達の数時間後の姿なんじゃないかって。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『パープル・フリンジ』

POW   :    狩り
【視線】を向けた対象に、【群れ】が群がり【鋭い牙】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    存在しえない紫
対象の攻撃を軽減する【位相をずらした霞のような姿】に変身しつつ、【不意打ち】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
【不気味な鳴き声】を発し、群れの中で【それ】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ​──がくん。
 時刻が日付を跨がんとした頃、突如として、パーティー会場の明かりが落ちた。人々は混乱に陥るかと思いきや、至って平然としている様子だ。
 そう、一言も声をあげずに。

 猟兵たちは、異様な状況に周囲を警戒する。暗闇の中で、華やかな賑わいから一転して鎮まりかえったこの宴。何も無い方が可笑しいだろう。

 ​──ドォォン!!!

 そこに、大きな音と振動が、猟兵たちの鼓膜を、強く重く響かせた。これは、太鼓の音だろうか。腹に響く低い音は、人々の肌をびりびりと震わせている。
 次の瞬間、ぱっと明かりが点いた。
 すると……パーティーの参加者、もとい信者たちは、皆床にひれ伏していた。
 信者たちは、口々に祝詞のようなものを口走っている。かろうじて聞き取れた言葉から推測すると、どうやら皆同じような祈りを繰り返しているようだ。

── 神の使徒よ、どうか我らに救いを!
──我らが用意した贄を、いま捧げましょう!

 使徒とは一体何だろうか。そう考える猟兵たちの前に、不気味な鳴き声が響いてきた。
「「「 ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
 大量の怪物──オブリビオン出現したようだ。オブリビオンたちは、猟兵たちを喰らおうと目掛けて飛んでくる。
 やすやすと贄になる訳にもいかない。どうやら、ここは実力行使で突破するしかないようだ。
 猟兵たちは、それぞれの得物を構える。この先の、邪なる宗教の温床、『女神』とやら辿り着くために。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

え、虫…虫?
だけど指の数や四肢で半端に人っぽい姿だな。
何となく邪視を連想したのはなんでだろう?一つ目だから?

とりあえず派手に燃やすか。
UC炎陽にて焼きはらう。何となく虫っぽいからって理由だが。
あと纏めて焼き払えたらいいなってとこ。
それに何となく炎と熱がいいような気がするんだけど…。気のせいだろうか。
接近されたら二刀で対応。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。




「「「ゲッゲッゲッ」」」
 突如現れたオブリビオンの群れは、不気味な音を響かせながら出現した。神の使徒と呼ぶにはあまりにも一般的なイメージとかけ離れた姿だが、信者たちは平伏して、一心に祝詞を唱えながら拝んでいる。気迫に満ちた姿は、異形に取り憑かれたようだ。本物の女神の御使いを畏れて敬う、いにしえのヒトのように。
 輝く銀髪に目が惹かれたのだろうか──『パープル・フリンジ』は、先ずは黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)に単眼をぎょろりと向けた。瑞樹に照準を合わせたオブリビオンは、喰らいつかんばかりに瑞樹に飛びかかる。
「え、虫……虫?」
 瑞樹は、美しい青の瞳を見開いてパープル・フリンジを凝視した。その奇怪な姿は不気味さを漂わせているが、同時にいとも興味深い。
(虫っぽい……。だけど、指の数や四肢で半端に人っぽい姿だな。何となく邪視を連想したのはなんでだろう? 一つ目だから?)
 けれど、瑞稀の知的好奇心が燃えたのはほんの一刻。歴戦の猟兵として胡と黒鵺の両刀を構えると、瑞樹はオブリビオンを迎え撃つ。

 ──とりあえず、派手に燃やすか。

 瑞樹は、彼の本体である黒鵺、そして胡を交差させて敵の動きを止めると、金谷子神の錬鉄の炎で敵を焼き払う。
「ギエエエエエ」
 パープル・フリンジは、いとも容易く炎に体を焼かれ、悶絶に身を震わせる。その間にも、延焼が広がり、他の個体へと焔が移っていく。

「何……!?」
 動揺したのは、信者たちだ。今まで、パープル・フリンジ……神の使徒に反撃する「贄」は居なかったのだろうか。一部の信者は禁忌行為である祝詞の最中に顔を上げ、そのざわめきは一斉に広がった。
「神聖なる使徒に何ということを!」
「女神の怒りが……我々に災厄が降りかかる……!?」
 動揺を隠せない信者たちを諌めたのは、長と思わしき老年の人物だ。

「鎮まれ!!!!」

 その声に、びくりと体を震わせた信者たち。
「神聖なる儀式の最中に何たる事だ。お前たち、使徒様を信じずして何を信じる! 救い求めるならば祝詞を続けよ!!」
 長の声で、我に返った信者たちは、震える手を組み合わせて祝詞を唱え出す。
 その間にも、瑞樹は炎陽による攻撃の手を止めることはない。
 別の個体が襲ってきても、二刀流で受け流し、更なる延焼を広げて行く。
 初手として充分の成果だ。瑞樹は、次なる敵へと眼差しを向ける。

 ──このまま、上手くいくと良いんだけど。

 後から続く猟兵たちと共闘せんと、改めて両刀の柄を握る瑞樹。その姿に、瑕は一つも無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
おーおー。
遅刻したかと思ったら、
熱烈な歓迎で。
どうやら主催登場には間に合ったみたいだねぇ。
ダンスの誘いは有難いけど、
お前らじゃアタシにゃもったいない!
さっさと前座には退場頂こうじゃないのさ!

ドレス姿に『変装』して意気揚々と乗り込むけれど、
決して油断はしてないよ。
眷属どもへ電撃の『属性攻撃』を込めた
『衝撃波』を立て続けに放ち、
アタシへ注意を『おびき寄せ』る。
もちろん、周囲の調度品
……被害者への直撃は避けるよう気を付けながらね。
そうして室内に静電を満たせば、
この場はアタシの【超感覚領域】の只中さ。
撃破できりゃあそれでよし、
無理でも『マヒ攻撃』でまともに動けなくなる筈さ!




 動揺と混乱のさざめきが波紋していく中で、その場を打ち破るような明朗な声が響き渡った。
「おーおー。遅刻したかと思ったら、熱烈な歓迎で」
 その場の皆の視線を奪ったのは、華やかなドレス姿の美女。
 薄化粧を施された貌は女性らしい美しさで、流れるような波打つ髪が抜群のスタイルを縁取っている。
 ──どうやら主催登場には間に合ったみたいだねぇ。
 不敵な笑みを浮かべる彼女は、まるで舞踏会に遅れて登場した御伽噺のお姫様のよう。
 彼女の名は、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。その姿は花のように美しくとも、歴戦の猟兵のひとりだ。
「今度は何だ!?」
「いや、落ち着け……。そう何人も使徒様に敵うはずがないだろう」
 信者の男性は、驚愕に目を見開くが、多喜の美しさに目を奪われた様子だ。然し、今は神聖なる儀式の最中。邪魔をする者は喩え美しい女性でもひとり残らず「贄」として捧げなくては。
「使徒様、お願いします! どうか、我々にさいわいを! 異界の者には裁きを!!」
「あの者を捕らえ、女神様に捧げてください!!」
 ──噂には聞いていたけれど、嫌なもんだねぇ。
 多喜は、我欲に満ちた信者達に目を細めると、ふぅと息を吐く。然しそこで止まる彼女ではない。多喜は、『パープル・フリンジ』に雷撃を纏った衝撃波を放ってみせる。
「ほら、アタシはここだよ! 捕まえたきゃ捕まえてみな!」
 眷属達の注意を自分の方に向ける……多喜の心算は見事に成功したようだ。
 新たな標的を見つけると、『パープル・フリンジ』達は単眼を一斉に多喜へと向ける。攻撃された事に怒りを感じたのか、只管に反応しただけなのか……その脚で勢いよく多喜へと飛びかかる。後先考えないその姿は、まるで。
「「「ゲッゲッゲッ」」」
「おっと、そんな乱暴なダンスの誘いには乗らないよ。お前らじゃアタシにゃもったいない!」
 そう、『パープル・フリンジ』は姫を攫う賊のようだ。荒々しく、脇目もふらない不遜な輩では、姫の心は掴めない。
「前座にはさっさと退場頂こうじゃないの」
 そう言って、姫──多喜は、電撃を込めた衝撃波を勇ましく放つ。
「ギエエエエ」
「ギャッ!」
 多喜からの強烈な一撃を受けた『パープル・フリンジ』の数体は、脚をばたつかせた後、その場で麻痺したかのように動かなくなる。
「ふん、造作もないね」
 鋭い牙で襲いかかってくる彼奴等を、続けざまに多喜は電撃で迎え撃つ。眷属達は、一体、また一体と動かなくなっていく。ここはもう、彼女の超感覚領域の中。海のように静電に満ちたそこは、蟻一匹たりとも逃さない。

 次々と 『パープル・フリンジ』が屠られていくさまに焦りを浮かべ出すのは信者達。この儀式は、明らかに教団側の劣勢に傾いている。
「使徒様! 使徒様! あの女を捕らえてくだされ」
「このまま贄が捧げられなかったら、私たちは──」
「ああっ、捧げ物にはなりたくはない! 子どもを残して死にたくない!!」
 狂乱に陥る信者達は、最早ひれ伏すことを止めたらしい。狼狽しながらも、必死に祈りを捧げている。
 ──捧げ物?
 多喜は、その言葉に引っ掛かりをおぼえた。まさか、女神とやらに、内部の者達を贄として捧げるつもりなのだろうか。
 詳しくはわからないけれど。とにかく、目の前の眷属の壁を破らないと、本命には近づけない。
 多喜は眷属相手であろうとも、油断せずに一体一体を確実に屠っていった。

 彼女の功績は大きい。『パープル・フリンジ』の大群は、最早大半が駆逐されている。
 けれど、その光景は未だパーティー会場の時と負けず劣らずに美しいまま。
 ……多喜の心は届いたようだ。硝子の調度品──「贄」となった被害者達の像は、無傷のまま光を受けてきらきらと輝きながら佇んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

虹川・朝霞
ああ、この様子。本当に幾度となく行われ、慣れたという雰囲気ですね。
使徒。神使とも言える存在ですか。
…この先の邪神にたどり着くためにも、祓わねば。

大量の視線を避けきるのは不可能と言えるでしょう。なれば、最初からそれを除外。
ああ、諦めたわけではないですよ。【幻霞】使用。霞は攻撃できないでしょう?
それに、オブリビオンに俺の幻覚を被せて…同士討ち狙い。地道になるでしょうが、使える手は全て使います。
数が少なくなり、視線を避けやすくなれば、UC解除して紫雲刀での攻撃に切り替えましょう。

…せめて、調度品は傷つけぬように。




 ああ、この様子。
 本当に幾度となく行われ、慣れたという雰囲気ですね。

 拝み、嘆き、狂乱に陥った信者たちを見つめる虹川・朝霞(梅のくゆり・f30992)の眼差しは、見るものの胸を締め付けるように切ない色をしている。
 朝霞が見た限り、信者たちは『女神』や『使徒』を敬愛しながら、同時に強い畏怖を抱いている様子だ。何層にも塗り重ねた刷り込みが、時に剥がれ落ちながらも、世代を重ねる毎に強度を増し、人の子らにべったりと張り付いてしまったよう。
 朝霞は使徒──数が逓減してきた『パープル・フリンジ』を宝石のような翠の双眸で見遣る。

 ──使徒。神使とも言える存在ですか。

 その禍々しい邪気は、『女神』の本質も表しているのだろうか。朝霞はすぅと息を吸うと、瞑目して紫雲刀の柄に手を添えた。
「……この先の邪神にたどり着くためにも、祓わねば」
 朝霞の意思は固い。それは、竜神としての矜持か。それとも、人への慈愛ゆえか。朝霞以外には知り得ない想いが、今、咲き誇る。

 ──大量の視線を避け切るのは不可能と言えるでしょう。なれば、最初からそれを除外。
 朝霞の思考回路は至って冷静に現状を分析している。然し、決して諦めたわけではない。
 彼は肉体の一部を段々と薄紅梅の霞に変化させてゆき、最終的にはふわりと揺蕩う霞と成った。『パープル・フリンジ』たちの視界から、気配を見事に消失させていく。
「何だ……この霞は……?」
「清浄なる気……まさか……」
 正気に戻った一部の信者は、朝霞の薄紅梅の霞を見て、ただならぬ神気を感じだのだろう。
「かみさま……?」
 つい、言葉を漏らした少年の信者。すると、すかさず長から叱責が飛ぶ。
「たわけ! 我らが女神様以外に神など存在する訳がないだろう! この不届き者め。今度その口を開いたら、貴様を贄にするぞ!!」 
「ひっ……」
 怯えた少年は、恐怖に満ちた様子で後退りをする。然し、その少年の直感は当たっていると言えるだろう。美しく、神々しく、清らかな朝霞。彼は紛うことなき人の子を愛する竜神だ。

 ──かなしい事ですね。

 朝霞は霞へと姿を変えながら、『パープル・フリンジ』の背後へと回り込む。
「ギッ」
 朝霞の気配を感じ取った『パープル・フリンジ』は、霞に向かって牙を剥く。然し、相手は霞だ。攻撃が届くはずもない。その上、朝霞は敵に幻覚を被せている。
 『パープル・フリンジ』は次第に幻覚に陥り、同士討ちを始める。
「「ギッギッギッ」」
「ギッ!?」
 オブリビオンたちは幻覚に侵されている事にすら気付かない。朝霞の同士討ちの作戦は見事成功した。

 戦闘も終盤に差し掛かり、『パープル・フリンジ』の数も残り少なくなっている。その一体に、朝霞はユーベルコードの幻霞を解くと、黒い刃を振り翳す。紫がかった刃は、まるで暁空のよう。
 朝ぼらけの空の色を纏った蛇腹刀で、オブリビオンを骸の海へと屠っていく様は、神々しささえ感じる。

 そんな朝霞を見つめていた、信者の親に連れられたまだ何も知らぬ少女は。
「でも、わたし……かみさまだと思うな」
 親指を咥えたあどけない少女が漏らした言葉は、誰にも届かず、ふわりと空に溶けて消えた。 

大成功 🔵​🔵​🔵​


--------------------------------------
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
--------------------------------------
リク・ネヴァーランド(サポート)
「大丈夫、“僕たち”が来た!」
うさぎ人の住む不思議の国、ラパンドール王国の元王子様です。
魔法の本の中に王宮を封じ込めることにより、王国と国民を携帯している状態にあります。
本の中から国民や過去助けた愉快な仲間達を召喚したり、剣を用いたりして戦います。

利発そうな少年といった口調で話し(僕、~さん、だね、だよ、~かい?)、年上の人や偉い人には敬語を使います。戦闘中は凛々しく台詞を言い放つことも多いです。

ユーベルコードは設定したものを何でも使いますが、命よりも大切な魔法の本に危害が加えられる可能性がある場合は本を用いず、自分自身の力で何とかしようとします(他の猟兵と連携が取れそうなら取りに行きます)。



「……ごめんね、だけど」
 神の使徒と信じたオブリビオンと、神の贄として誘い込んだ筈の猟兵が戦い、そしてことは猟兵の優勢に進んでいる。その事実に狂乱し、わめき騒ぐ信者たちをちらと見て、リク・ネヴァーランド(悠久ノ物語・f19483)はちいさく息を吐く。彼らの崇める『女神』は、ひとに仇なす――そしていずれは世界を滅びへ導く邪神に他ならないのだ。軽く首を横に振り、大事に抱えて持ってきた魔法の本の表紙に掌を乗せて、リクは囁くようにユーベルコードを紡ぎ出す。
「……おやすみなさい」
 本と掌の境を起点とし、そうしてリクの中からひかりが溢れる。さながら春の日差しを思わせる暖かな輝きは波のようにその場を満たし、信者たちを一時の優しい眠りへと導いていく。
 そうして幾分静かになった戦場に、ギギ、と軋むような音が響いた。残り僅かなパープル・フリンジに向き直ったリクの瞳は、凛と鋭い。腰の剣を引き抜き、床を蹴って、誰にともなく彼は心の中で告げる。
(「大丈夫。『僕たち』がいる」)
 繰り出した突きが、怪物の単眼を貫き抉る。その全身が崩れて消滅していくより早く身体を翻し、もう一閃。背後から飛び掛かろうとしていた別の個体が、その一撃で床へと落ち、霧散した。更には殆ど床を這いずるような形で蠢いている満身創痍の個体に歩み寄り、少しの間それを見下ろして、リクは縦一文字に剣を振り下ろす。甲殻を断ち割る――そして肉を捉える確かな感触を得たその瞬間、背後に総毛立つほどの悪意を感じて、うさぎの王子は振り返る。
「……あなたがここの『神様』か」
 少年の低い呟きに、いつからそこに立っていたのか、掲げられた像によく似た硝子の女神はただ微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『硝子の都市伝説『コバルト』』

POW   :    硝子の抱擁
【直接抱き着き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【ガラス化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    硝子の噂話
攻撃が命中した対象に【ガラス化の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【ガラス化の侵食加速】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    硝子の瘴気
【身体全体】から【呪いの瘴気】を放ち、【ガラス化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

草野・千秋(サポート)
最後の敵が現れましたか!
微力ながらお助けしますよ
悪があるところこの断罪戦士ダムナーティオーあり!
僕なりの正義で敵を倒してみせましょう(ぐっ)

基本は攻撃スタイルですが歌で回復や支援も出来ますよ
こう見えて歌い手やってまして自信はあります
銃撃もできますが(スナイパーなどで)
どちからというと怪力での接近戦が得意です
接近戦となればその場にあったUC、2回攻撃、怪力で戦うでしょう
敵攻撃は激痛耐性、盾受けで耐えたり
第六感、戦闘知識でかわして
味方に被弾しそうならかばうそうとします
味方を守れなくて何がヒーローですか
ふう……みなさん大丈夫でしたか?
お助けになれたのなら幸いですよ
公序良俗に反する行動NG



「いよいよ邪神が現れましたか!」
 微笑みを絶やさぬままにこちらを睥睨してくる『女神』を前にして、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)はぐっと握った拳に力を込める。そのまま拳を打ち込もうと踏み込めば、女神はそれを回避するでもなく、ただ愛撫するように千秋の肩に手を触れた。
「……!」
 咄嗟に出しかけた拳を引き、冷たい抱擁を振りほどき、飛び退る。吐息のような空気の流れが、千秋の頬を掠めて行き過ぎた。指先で己の頬を確かめると、――ひやりと、ガラスのような温度がそこにあった。
「やはり、あの像たちは……!」
 あれこそが、女神の贄とされた人々の成れの果て。湧き上がる怒りに、今度こそ千秋は女神の懐まで飛び込んでいく。女神は、呆れたようにほんの僅か首を傾げた後、今度こそ彼を抱き留め、己の宝物に加えようと腕を広げるけれど。
「お前の好きにはさせられないな」
 その動きを半ば直感に任せる形で見切り、女神の腕を掻い潜って、断罪戦士は鋭く脚を蹴り上げる。
 ――硬質な女神の身体に、ひびが走る音がした。

成功 🔵​🔵​🔴​

一郷・亞衿(サポート)
廃墟探索中に呪われ、その結果として力を得た猟兵です。独自開発した混沌魔術や呪詛を纏わせたカッターナイフ、金属バット、伸縮式の山刀(蛇腹剣)等を用いて戦います。
各種オカルト話を好みますが、オブリビオンに対しては基本的に容赦しません。
外見特徴として、マスクで常時顔を隠しています。

一人称は「あたし」。
年下~同年代にはくだけた感じの口調で話し、年上や偉い人には敬語(さん付け、ですます口調)を使います。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、寿命が減る系の物はタイミングを見計らい極力短時間の使用で済ませるようにしています。
軽口を叩いたりもしますが、戦闘時は真面目に役割を果たそうとするタイプです。



 並のガラスとは次元の違う硬度を持つ身体とは言え、猟兵の力であればダメージを通すこともできる。確かな事実に勇気を得つつも、一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)はマスクの下で僅かに唇の端を強張らせていた。
「っはー……ヤバいねあれ。誰でもガラス像に変えて飾っちゃう女神様、って理解でいーの?」
 恐怖に怯える人々の像を喜んで集めるあたり、悪趣味な女神様には間違いない。どうあれ、猟兵として来たからにはやることはひとつだ。ポケットから取り出したカッターナイフを手の中でくるりと回し、亞衿はもう片方の手で宙に絡み合うような紋をひとつ描いた。
 ふわりと女神が宙に浮く。その衣の裾が揺らめいたかと思えば、冷気すら感じさせるほどの瘴気が溢れ出そうとして、そして。
「――!」
 その悉くを絡め取るように『影の追跡者』が女神に後ろから組み付き、そのままぱきぱきと音を立ててガラス状に変質していく。――知覚が極めて効きにくいという特性は、この『神様』にも通じたらしい。よし、と密かにガッツポーズを決め、ガラスの触腕に絡め取られた女神に亞衿は肉薄して。
 そうして女神の肉体のひびに突き立てられたカッターの刃から、数多のオブリビオンの生んだ呪いが流し込まれた。悲鳴を上げるようにのけ反り、ガラスに変えた追跡者を圧し割る女神の透明な体が、墨を落としたように薄く濁っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

御狐・稲見之守(サポート)
 100歳超(実年齢秘密) 妖狐の仙人✕陰陽師 
 口調「ワシ、~殿、ゾ、~んじゃ、じゃ、じゃナ、かナ?」

 荒ぶる力を揮うカミにして、人喰い魂呑みの外道、そして幻を繰る妖狐、御狐稲見之守である。
 助けを求め願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならば、カミの道理を通してみせよう…なんてナ。

 天変地異を起こす[荒魂顕現]、[眩惑の術]で幻覚を見せて動きを封じたり、[山彦符][木霊返し][呪詛殺し]等で敵のUCに対抗したりするんじゃ。無論、[狐火]は妖狐の嗜みじゃナ。
 他にも[式神符]で対象を追跡したり〈催眠術〉で情報収集したりと色々出来るゆえ何卒よしなに。

 さァて、遊ぼうじゃァないか。


ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
 人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
 普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「助けを求め願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならば、カミの道理を通してみせよう……なんてナ」
 降り立ったのは、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)。人喰い魂呑みの外道を名乗る彼女だが、それも今は昔のこと。今の彼女は人喰いの仙狐ではなく、人を見守る豊穣の神だ。
 ――であるなら当然、この邪神を彼女が見過ごす筈もない。指に挟んだ霊符の後ろで、稲見之守は唇を舐め、笑う。
「さァて、遊ぼうじゃァないか」
 そんな彼女と並ぶように立ち、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)もまた、薔薇色の精霊銃を構えて優美に微笑みを見せる。
「勿論、楽しませて下さいますわよね」
 悪意に満ちた女神の前でさえ、令嬢が恐れを見せることはない。むしろこちらが逆に遊んでやるのだと言わんばかりの余裕の様子に、女神はすいと手を伸べることで答えた。指先に集まる瘴気が渦を巻き、呪いの弾丸を作り出す。けれどそれは猟兵の心臓を穿とうとと言うよりも、むしろ掠めるように当てる弾道を狙っているように見えて――そして恐らく、それは正しい。
「あやつワシらの顔が気に食わんらしいゾ」
「少しずつガラスに変えて、恐怖を与えようとでも言うのですかしらね。でも、だとしたら……甘いですわ!」
 銃口から解き放たれた薔薇の精霊が、あやまたず女神の呪いを撃ち落とす。精霊の魔力に纏いつかれた瘴気はたちまちその呪詛を薄められ、薔薇の花弁と化して床に散った。その瞬間を突くようにして、稲見之守が己の妖力を練り上げる。提灯に火を入れるようにして浮かび上がらせた百に迫ろうかという数の狐火を、戯れるように宙で二、三度踊らせて、稲見之守は白い指先をすいと悪しき女神へ突きつける。
「呪詛返しなんぞも得意な方じゃが、もとより硝子の相手に返してものう……それよりはほれ、これをこうして、こうじゃろ?」
 まるで雑談でもするかのような口調とは裏腹に、放たれた炎は真っ直ぐに進むうちに次々とひとつに重ね固められ、女神を飲み込む巨大な狐の顎へと形を変えていく。浮遊して炎の顎を逃れようとした女神の手足をローズの弾丸が捉え、その場に僅か一瞬縫い留める。その一瞬に、女神の瞳に巨大な炎の輝きが映った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ライザー・ヴェロシティ(サポート)
・出身世界「アックス&ウィザーズ」の猟兵だ
元の世界でも傭兵として活動していた
依頼の傾向は純戦闘
重視するのは報酬だ(金銭、食事等)

仕事は仕事として割り切るスタンスだな
あとは強敵と戦う依頼を好む


・性格は荒っぽいほうだろう
デジタルとか近未来の文化にゃ馴染みがない

・風属性の魔法を主体とするマジックナイトだ
剣に風属性を付与して行う近接戦闘を主とするぞ
使用するユーベルコードは主に近接の強化
または攻撃のレンジや範囲を補うモノだ


・耳がいい
乱戦時とかにゃ僅かな音を頼りに見えない敵の位置を把握するぜ

ただ耳がよすぎるんでな、歌や高音は聞きすぎると頭が痛くなる
特に歌は嫌いだ
味方なら兎も角、敵が歌ってんなら全力で止める


ステラ・クロセ(サポート)
真紅の瞳。燃える炎。あふれる勇気。直情正義、元気全開、単純明快!
正しい心で悪しきを討ち、そして弱き者を救い、その盾とならん、我こそは義侠のスーパーセル!
スーパー純粋熱血、ハイパーテンプレ系ヒロイン、それがステラです。

一人称は「アタシ」ですが殆どの猟兵は先輩に相当するので話すときは「わたし、あなた」といった礼儀正しい振舞いとなります。
探索系はストレートな解決法を選び、
戦闘では正々堂々と敵の正面に立って攻撃を引き受け味方にチャンスを作る方が好みです。なお、近接戦闘派です。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
正義を大事にするので、他の猟兵の意図を阻害したり公序良俗に反する行動はしません。



「神様相手とは、腕が鳴るねえ」
 魔槍の柄で自らの肩を打ち、ライザー・ヴェロシティ(Sturm Jaeger・f00188)はからりと笑う。一族最強を自負するライザーとしては、強敵との戦いは願ったりかなったりと言ったところなのだろう。元より報酬の為に働く傭兵ではあるが、どうせなら己の腕を確かめられる敵の方が気分が盛り上がるというものだ。
 そんな彼にぶんと頷き、ステラ・クロセ(星の光は紅焔となる・f12371)も自身の愛刀を構えた。目の前の敵を真っ直ぐに見据え、双眸をその名の通り星のように煌かせて、ステラは女神を相手に
「はい、例え相手が神様でも、アタシだって負けません! 神様だろうとなんだろうと、悪しきを討ち、そして弱き者を救うのがアタシなのでっ!」
 たん、と床を蹴って駆けていくステラの軌跡に合わせて、サイキックエナジーの輝きが流星にも似た尾を引いていく。正義か、と小さく笑い、彼女と軌道をずらすようにして踏み込みながら、ライザーは手にした槍に風を纏わせる。
「ま、やるこた一緒だな。……そら、行くぜ!」
 切り詰められた槍身を振りかぶって投げつければ、その穂先は吸い込まれるように女神の脇腹を貫いた。瞬間、ライザーは吠えるように『その言葉』を叫ぶ。
「爆ぜろ、我が槍よ!」
 瞬間、槍に纏いついていた、そして槍それ自体が宿す魔力が、主の声に応じて膨れ上がり、弾けた。叩きつけるような爆風は女神の体勢をいともたやすく崩し、床に叩き落とし――そしてそこへ、光の刀を構えたステラが飛び込んだ!
 絶好の機会を逃すことなく繰り出された突きのひとつひとつが、流星雨のように女神に降り注ぐ。元よりすでにひび割れ、呪われ、焼かれたその身体は、爆風の衝撃で更に脆くなっている。次が最後と分かったのは、猟兵の勘か、それとも。
「これで……決めます!」
 全身の体重を叩き込むようにして繰り出した刃が、女神の硬い肉体を突き砕き、その『心臓』を貫き壊す。かくしてここに、贄を求める邪悪な『神』は討たれた。
 信者たちは未だ、眠りの中にいる。後になれば嘆く者もいるだろう。失った何かに気付いてしまう者もいるだろう。――それでも、ここで悲劇の連鎖を断ったことは、紛れもなく猟兵の誉れだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月08日
宿敵 『硝子の都市伝説『コバルト』』 を撃破!


挿絵イラスト