その森は、狂炎に包まれて獣が群れで奔る様に燃え広がっていた。
「この森にある聖なる木を、お嬢様はお望みです」
今まさに隣の大樹が炎を上げているにもかかわらず、何の感情もなく響く声。エメラルドとサファイアが混じった様な、透き通る体を持つメイドの足元で、鉄の武具を身に纏い片膝をついて頭を下げているのはこの森を燃やしていた元凶達である。
「この森の燃やし尽くし、エルフを皆殺しにし、残った聖なる木をお嬢様へと献上するのです。いいですね?」
はっ!という了解を示す言葉と共に、足元にいた兵士達は四方八方へと散らばり、火炎放射型のアームドフォートで森に炎を放ってゆく。
ここは聖なる木『ペリペティア』を奉する、エルフのみが住むエルフの森と称される場所の、その一つである。
「今すぐ、エルフの森へ救援に行ってほしいの!」
グリモアベースへと全速力で走ってやってきた日ヶ丘・美奈(リトルマスター・f15758)の顔は青ざめており、コップ一杯の水を貰うと一気に飲み干し、少し落ち着いたのか自身が視た予知の内容を語り始める。
「アックス&ウィザーズに……猟書家が現れて……エルフが住んでいる森を燃やしているの……」
まだ呼吸は整っていなかったが為に、息も絶え絶えに喋っていた美奈は、2度、3度と深呼吸をして息を整えると状況説明を再開する。
「アックス&ウィザーズには、エルフの森って言う、エルフ達しか住んでいない森が幾つかあるの。エルフの森には聖なる木って言う物が一本あって、その中でも聖なる木『ペリペティア』を奉じているエルフ達の集落が今襲われているの」
この聖なる木は『世界樹イルミンスール』からの株分けが成長した姿で、エルフの森への侵入者達を惑わして近づけない力があるとの事だ。そして、だからこそ炎を使い森を全て燃やし、残った一本の聖なる木を回収しようというのがオブリビオン達の目的だと美奈は話す。
「力の強い木だから普通の炎じゃ燃えない……そこをオブリビオンは利用してくるの。……だからまずは、森を燃やそうとしている敵を急いで倒してこれ以上燃え広がらない様にして。その後で、猟書家と戦って……絶対勝って」
いつもより、猟書家に対し強い口調を使うのはそれだけ美奈が憤りを覚えている証なのかもしれない。
「あ……忘れてた。この森に住むエルフさん達だけど、私達猟兵が森を救おうとしている事は知っているみたいで、手を貸してくれるの。彼女達に案内してもらえば迷いの森の木の上からの奇襲だとか、森の中から隠れての……だとか色々できるはずだから、一緒に協力して森を守ってあげてね?」
そこまで言い切り、一息つく美奈はテレポートを開くとお礼をしながら猟兵達を見送るのであった。
「お願い皆、エルフさん達を守って?」
風狼フー太
これから毎日エルフの森を焼こうぜ?……ゲフンゲフン。風狼フー太でございます。
聖なる木『ペリペティア』によって守られていたエルフの森に、聖なる木を求めてやってきたオブリビオン達が森を焼き尽くす事で聖なる木を探そうとしておりますので、これを止めるのが今回のシナリオとなっております。
なおプレイングボーナスとして全シナリオにおいて、この森に住むエルフ達の協力を得る事が出来ます。猟兵達の強化等がない限り戦闘に参加はしませんが、猟兵達を案内する事で、オブリビオン達に気が付かれる事なく猟兵にとって有利な地形や状況を得る事が出来ます。ぜひとも活用してください。
また。このシナリオ出てくる敵は全てオブリビオンであり、兵士達は既にこの世の存在ではない事をここに記しておきます。
では皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
第1章 集団戦
『兵士』
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POW : ハードスラッシュ
【剣による攻撃】が命中した対象を切断する。
SPD : ペネトレイト
【槍】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : 無慈悲の乱雨
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【雨の如く降り注ぐ矢】で攻撃する。
イラスト:楠木なっく
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「おやめ」
何千年と樹齢を重ねた大木が生い茂るエルフの森の一角。その太古から続く生命力に身を預けて作られたツリーハウス集落の中でも、ひときわ大きな家屋の中ではこの集落の長老らしき老エルフのしわがれ声が弓矢を持ち出ていこうとする若者のエルフ達を引き留めていた。
「オババ様、しかし!」
「この森は私達の庭です!きっと何とか」
「森の悲鳴が、教えてくれるのだ……お前達の矢ではどうしようもないと」
彼らエルフという種族は神秘的な事柄に通じている事は知られているが、それ故かこの森に住むエルフ達はこの森の事を感覚的に知る事が出来る。
他者を惑わす森は彼らを惑わすことはなく、彼らを守り、育てる。故に、彼らにとって森は第二の親であり、親友であった。その森が今焼け落ちてゆくのをただ見ているだけしかできないというのは、この場にいるエルフ全てが等しく感じている屈辱である。
「でも、このままじゃ森が!」
「わかっておる……待つのじゃ」
だが、しかしだ。誰一人として希望を捨てる者は、この場にはいない。
「この森を脅かす者を打ち倒せる者達は……必ず来る。だから、今は耐えるのじゃ」
【MSより連絡】
試験的にシナリオタグを活用していこうと思っておりますのでこういった形での連絡が多くなるかもしれませんがご了承ください。
追加したタグ、プレイング比・RP6戦闘4とは、このシナリオは大体戦闘プレイングが4割、RPプレイングが6割辺りが適正なのでは?と、個人的に思い追加した物であり絶対的な物ではありません。あくまで指針と捉えていただけると幸いです。また、自身が追加したタグと同じ意味で、そちらの方が使いやすいと思ったタグを見つけた際は連絡なく変更する場合がございます
紬雁・紅葉
嗚呼、正に蛮行愚行としか…(溜息)
鎮めるに能わず、斬り祓ってしまいましょう
羅刹紋を顕わに戦笑み
エルフ達に「動きの止まった敵に、高所から射かけて下さい。敵が動いたら退避を」
手名椎・足名椎を抜刀
先制UC木曜(木属性)に破魔風属性を付与し最大範囲発動
強化効果を味方(特にエルフ達)にも付与
残像忍び足で正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔風雷属性衝撃波を以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う
敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で防ぐ
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃
怒ってる…今の妖刀は一味違う…!
去り罷りませ!
※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※
それはまるで幽鬼の様であったと、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の樹上で弓を構えていたエルフは後に語っていた。
二本の妖刀を構えて、森へ火を放とうとしていた兵士達の前に立った紅葉は、彼らが放った矢をゆらり、ゆらりと体を左右に揺らして躱しながら前に進み兵士達へと肉薄する。
「嗚呼、正に蛮行愚行としか……」
弓を斬り、鎧を斬り、剣を斬り、首を斬り、胴を斬り、槍を斬り、盾を斬る。旋風の如く振るう二刀が日の光に煌めく毎に、兵士達の何処かが宙を舞う。
「怒ってる……今の妖刀は一味違う!」
その戦う様は、味方であるはずの樹上で待機し弓を構えていたエルフ達ですら戦慄を覚える程の物ではあったが、一瞬にして前衛を紅葉に切り伏せられ浮足立っている今は好機に違いない。
「あの方ばかりに戦わせるな!私達もやるぞ!」
一人のエリフの啖呵を皮切りに、大木の枝を足場にして頭上より一斉に矢を放つエルフ達。金属の鎧を物ともせずに貫いて降り注ぐ矢の雨はエルフ達の反撃を示す狼煙の代わりであり、敵の骸の海へと送り返す餞別である。
そして、止めとばかりに紅葉が創り出した九つの剣をもって、此処の戦いは勝敗は決した。
「去り罷りませ!」
それらを一斉に振るう事で、生き残った兵士達も一息に吹き飛ばされてゆく。
まず一つ。森を燃やす不貞の輩が此処から……この世から立ち去ったのであった。
成功
🔵🔵🔴
ルシア・ハーヴェイ
欲しいものを手に入れたいっていう気持ちはわからなくもないですが……。
そのために他の森をすべて焼き尽くす。と、いうのは度が過ぎている感はありますね。
向こうの大将が痺れを切らすまで敵戦力を削るお手伝いにでも行くとしましょうか。
エルフの方には道案内をお願いします。
兵士達に一斉に囲まれないような狭い場所が理想ではありますが、贅沢は言えないかな。
待ち構えて、狙撃による一撃を見舞ってから兵士達に近づいていきます。
散り散りに逃げられると追いかける術がありませんし。
POWで近接戦を挑みます。
攻撃のチャンスがあれば【UC:刀銃一双】を使用。
斬撃で兵士の鎧に傷をつけて、その傷の周囲を狙った銃の一撃を放ちます。
エルフ達の案内を受けて、深く生い茂る草藪の中に身を隠したルシア・ハーヴェイ(人間のサバイバルガンナー・f30940)は、自身で調整した銃を両手に構えて息を潜めていた。
スコープ等存在しない単発式の銃を、森を進む兵士達の一団、その先頭を進む兵士の頭へと狙いをつける。
(欲しいものを手に入れたいっていう気持ちはわからなくもないですが……)
彼女の脳裏に浮かぶのは、オブリビオン・ストームに巻き込まれ、武器を取らざる負えず、明日死ぬかもしれないをいう中、ただがむしゃらに武器を振るい生きる糧を探し続けた故郷の日々の事。
故に、自身の欲を満たす為に手段を選ばないという考えに、理解はある。
「だからと言って他の森をすべて焼き尽くす。と、いうのは度が過ぎている感はありますね」
引き金を引くと共に言い放った言葉が目の前の彼等に聞こえたかどうかは問題ではない。重要なのは放った弾丸は命中し、一人の兵士の頭を吹き飛ばしたという事だ。
草むらから飛び出し、銃弾を装填しながら混乱している兵士達に近づくルシア。装填が終わると同時に、鍔の無い片刃の長刀を構えると勢いのままに近くに居た敵へと切りかかる。
「向こうの大将が痺れを切らすまで、敵戦力を削るお手伝いにでもしましょうか」
獲物の長さという優位を生かされる前にと、先ず槍兵達を仕留めたメシアの背中から剣を持った兵士が切りかかるが、それを長刀で受け流すと鎧の隙間へと刃を通す。
実力差は明白であり、こちらが奇襲を掛けた側という優位から戦い自体に敗北する事はない。この場から離れようとする兵士達に樹上にいるエルフ達が矢を掛ける事で追撃も成り立っている。
故にこの戦いは、後はどれだけ兵士達の数を減らせるかという結果を残せるかという戦いとなっている。
「後、一人位は!」
背中を見せて走る兵士へと刃を向けるルシア。鎧の留め具を狙った一撃によって胸の鎧が開けた兵士の背中は、剣は届かずとも銃は届く間合いであり。
「傷ができれば、そこが弱点になる」
防護なくして銃弾を防げるはずはなく、背中を貫かれ倒れ伏す兵士を以て、ルシアの戦いは十分な戦果を上げる事に成功したのであった。
成功
🔵🔵🔴
パルピ・ペルポル
木を隠すなら森の中は鉄板よねぇ。
しかしスペワでどう使う気なのかしら。
まぁどうであれ森を燃やさせるわけにはいかないわ。
エルフ達に協力要請して道案内をお願いするわ。
エルフの使う矢にちょっとUCの基点となる魔力を籠めさせてもらって。
待ち伏せ出来そうなポイントで雨紡ぎの風糸で罠をはって、糸で絡めて動けなくしたら隠れてたエルフ達に弓で牽制してもらうわ。
もちろん自分達の周囲にも糸を展開して盾にするわ。
弓は当たりさえすれば印はつくから。
で、どこでも井戸端会議を使うわ。
敵一体あたり3人として…数えたくもないわね!
これだけやかましい状況で集中できるかしら?
混乱してる間に糸で絡めて切り刻んであげるわ。
女三人寄れば姦しい。という言葉がある。これは単に言葉遊びという面もあるが、人が集まれば集まるほどその周辺は騒がしくなるという教訓でもある。
そして人が集まると騒がしいという事を表す言葉の中に井戸端会議という言葉がある。生活必需品である水を汲む井戸の周りには自然と人が集まり、たわいのない話や根も葉もない噂話で盛り上がるという事を示す言葉である。
総じて人が集まる所は騒がしくなるという事を示す言葉であるが。
今まさに、オブリビオンの兵士達はそんな噂話が好きな妖精達にたかられている最中に在った。
「敵一体あたり3人として……数えたくもないわね!」
兵士達に妖精が群がる様を樹上にいるエルフの頭の上に座ってみていたパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は、眼下の混沌とした状況に思わず目を手で覆っていた。
エルフ達が放った矢の幾つかに自分のユーベルコードを仕込んだ結果と言えばそうなのだが、見ているだけで姦しい様相を目にし続ければ聞こえるはずのない言葉も耳の奥へと響いてくるという物である。
「まあ、下の惨状は置いといて!皆、動けなくなってる敵を狙って!」
ペルポルの言葉通り、下にいる兵士達をよく見れば幾人かはまるで空中に固定されたかのように動けなくなっていた。兵士達がここを通る事を見越して予め幹や枝を通して仕掛けたのは目に見えず、それでいて切れる事のない強靭な糸。
蜘蛛の巣のように張り巡らされた糸は、妖精達に纏わりつかれて耳元である事ない事ふきこまれていた彼らが気付けるはずもなく、妖精達を追い払おうとして体中に絡みつかせていたのである。
幸運にもまだ身動きの取れる兵士もいる。それらの兵士が他の兵士を助けようと武器を構えるが、そんな彼らの間をペルポルはすり抜ける様に飛んで行く。
「わたしの糸の味、たっぷりと教えてあげるわ!」
この一帯に張り巡らされた糸と同じ物を、彼らを絡めるように再び張り巡らしたペルポルが糸を力の限り引けば、そこにあったのは糸に切り刻まれた兵士達の姿。
動けぬ者に矢を、動ける者に糸を、そしてどちらにしても耳元で騒ぐ妖精達を。まさにそこは阿鼻叫喚と言う言葉がふさわしい戦場となっていたのであった。
成功
🔵🔵🔴
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
うん、考える時間も勿体ないかもしれないですしシンプルに行きましょう。
と言う訳で、攻めてきた相手のところまで案内してください。(お菓子もぐもぐ)
UC『制約:狂食者』を使用。シンプルという言葉通り、自分の圧倒的再生力を盾にして、大剣と尻尾の連帯攻撃で端から倒していきます。
「自分を囮のようにして樹上から自分ごとでもいいので、攻撃してください」とエルフさん達には、お願いしておきます。
う~ん、偶にはシンプルに戦ってみるのも悪くないですね。
じゃあ、安全そうなところから消火して回りましょうか。
この後、猟書家の人も燃やそうとするでしょうけど、このままにしておくのは不味いでしょうし。
異様な光景がそこにはあった。
剣で肩を斬られながら、両手で大剣を振るい首を落とす姿があった。
槍で胸を突かれながら、その身に生えた白い尾は鎧を物ともせずその体を貫いていた。
そして何より。味方の矢を背中に浴びながらも、それを意に介する事無くそれは戦っていた。
エルフと合流した神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)が、樹上にいるエルフ達に頼んだ事は、とても簡単な物であった。
一つは、彼らがいなければ迷うであろうこの深い森の中の案内を。
そして、もう一つは。
「自分を囮のようにして樹上から自分ごとでもいいので、攻撃してください」
という、とてもシンプルな物であった。
困惑した表情を浮かべるエルフ達をよそに、大剣を手に樹上から飛び降りた七十の戦う様は先程の通りの物で、そのような物を見せられれば、刃が届かぬと分かっている彼らが恐怖に駆られるのも仕方のない事だろう。
命を食らい、ため込み、使う者の言葉通り、眼下にいる全てのものに対して、彼らが放った矢は降り注いでいったのである。
そして最後の一人に突き立てた剣を引き抜いた時。七十の体にはいくつもの矢が背に突き刺さっており、体中に切創に溢れている、はずであった。
だが、兵士達に斬られ、突かれたはずの傷はどこにも見当たらず。エルフ達に初めて会った時のように、七十は懐から取り出した菓子を口へと運ぶと、背中に刺さった矢を何事もなかったかのように抜いて、途端にふさがる傷を見ていたエルフ達に声を掛ける。
「じゃあ、安全そうな所から消火して回りましょうか」
その言葉に、異を唱える者はいなかった。元より、彼らは森を守る為に此処にいるのだ。
河から水を汲み、火の手が回る前に火の進路に在る木を切り倒し、ありとあらゆる手段を用いて七十とエルフ達は火の手を食い止め始めたのであった。
成功
🔵🔵🔴
華倉・朱里(サポート)
桜の精のサウンドソルジャー×闇医者の女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
時々「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
あまり感情は大げさには表さないクールで物静かな感じの少女で
慌てる事は少なく、また仕事は淡々とこなしていくタイプです。
花や動物などの自然が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ハロー! ワタシはバルタンデース!」
サイボーグの鎧装騎兵×剣豪、18歳の乙女デース
普段の口調は「片言口調で(ワタシ、アナタ、デス、マス、デスネ、デショウカ?)」デース
特徴は「ハイテンション! 清潔な身なり 髪を纏めている 料理が好き 実は隙が無い」デース
特異な技能は【料理・掃除・裁縫・救助活動】と【武器受け・カウンター・受け流し】デース!
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用OKデース。多少の怪我は厭わず積極的に行動しマース
他の猟兵の方々に迷惑をかける行為はしマセーン。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしマセーン
あとはおまかせでよろしくおねがいしマース!
「ンー、so badデース!!」
聖なる木を有する森の中では、片言口調の言葉と共に強烈な轟音が森の中から響き渡っていた。
「同じメイドとして、ご主人様の要望に応える意気込みはワカリマスが、これはやりすぎデース!」
身体の中に内蔵していたガトリングガンを展開し、森へ火を放とうとしていた兵士達へ向けて一斉掃射を開始したバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。主人の為なら戦いの場へと身を投じるその有様は、彼女と通ずる物があるのかもしれない。
無論それが目の前にいる彼らへと慈悲を与える理由にはならないとけたたましく鉄の咆哮を叫び続けるガトリングガン。それに怯まず武器を抜きバルタンへと肉薄しようとする兵士達であったが、突如として彼らの歩みが徐々に鈍くなってゆく。
「森に火を、ね……」
彼らの周囲に舞うのはこの森に生息していないはずである桜の花びら。静かに、だが無数に兵士達の周りを花びらが舞う毎に彼らの頭には霞が掛かり、自然と瞼が重くなってゆく。
「そういうのは、嫌いだよ私」
サクラミラージュの幻朧桜から生まれる桜の精である華倉・朱里(桜の精のサウンドソルジャー・f25828)。彼女の両手から生み出した桜の花びらは、包み込む者全てを眠らせ、癒しをもたらす力がある。本来ならば傷を負った者を眠りと桜の癒しで二重に包み込む物かもしれないが、この場において眠りをもたらすというのはあまりにも致命的な隙に他ならない。
次々にガクリと膝から崩れて落ちてゆく兵士達。それらを一瞥した朱里は、ガトリングガンの弾丸を装填していたバルタンの方へと視線を移す。
「後は、お願い」
「OK!お任せくださいデース!!」
最早、相手からの反撃を考慮する必要はない。ガトリングガンを収納し、刀へと持ち替えたバルタンは眠りについた彼らを起こさぬ様、痛みが無い様に一撃で、素早く急所へと刃を突き立ててゆく。
その一方で、朱里は彼らが火をつけていた木々の様子を調べていた。幸いにも、二人の周囲の森の被害はそれほどでもない。燃え広がる炎を全ての敵を倒し急いで消す事さえできれば、被害を最小限に抑える事が出来るはずだ。
「……良かった」
この森の花や動物達はまだ助かる。その事実に安堵し胸をなでおろす朱里。その後ろから、声をかけてきたのはバルタンである。
「Hey!ここでのミッションコンプリートデース!」
後はこの事態を引き起こした元凶を討ち果たすだけ。この場での全ての『掃除』を終えた二人は共に、焼け果てた木々を超えて森の入口へと向かって行くのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『チーフメイド・アレキサンドライト』
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POW : カラーチェンジ
対象の攻撃を軽減する【赤紫色のボディ】に変身しつつ、【100発/秒で弾丸を発射するガトリング砲】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : メイドの嗜み
【カラーチェンジした腕】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、カラーチェンジした腕から何度でも発動できる。
WIZ : 掃除の時間
【ガトリングからサイキックエナジーの弾丸】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:サカサヅキミチル
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠月夜・玲」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「……嗚呼、なんと言う事でしょう」
焼け果てた木々の上でため息をつく猟書家『チーフメイド・アレキサンドライト』。彼女の立てた計画通りであれば、今頃この森の全てを焼き尽くし、エルフ達を殺しつくしオブリビオンへと変貌させ、燃え残った聖なる木を回収して帰還しているはずであった。
だが現実はこの有様だ。森はその一部を焼き払うだけに留まり、エルフ達はまだ生き残っており、聖なる木の発見もままならない。
それらが指し示す事実は、全て猟兵とエルフ達が彼女の部下を壊滅に追いやった事に他ならなかった。
「仕方ありません」
地面に置いていた重機関銃へと手を伸ばし、両手に構えるチーフメイド・アレキサンドライト。
「全てはお嬢様の為に。ぶっ飛ばしますわよ」
残る全ての『仕事』を一人で片付けるべく、変彩金緑石のメイドはたった一人の進軍を開始したのであった。
ルシア・ハーヴェイ
お、ようやっと大将さんのお出ましですか。
猟兵に嗅ぎつかれると仕事がやりにくくてたまらないでしょうし、とんだ災難でしたね。
といっても、それだけの事を起こそうとするんだから当然ですけれども。
今更話合いでどうにかなるもんでもなさそうですし、ちゃっちゃとお引き取り願いましょうか。
まぁ、そうはいってもガトリング砲に真正面から切り込むのはリスキーが過ぎるか。
幸い周囲は森ですし、遮蔽を取りながら移動していこうか。
「できるかわかんないけど……」
敵の攻撃かなにかで弱った木があれば【UC:刀銃一双】で切り倒して、
倒れる木の陰に隠れて間合いを一気に詰めたい。
後は隙を見て、敵本体に猟銃の一撃を見舞うとしましょう。
政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。
SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。
アドリブ連帯歓迎
タリアルド・キャバルステッド(サポート)
冷静に状況を分析するように務め、必要に応じて前衛・後衛等の求められているポジションで参加します。
前衛の場合は「HEROIC」で身体能力を強化し、魔力を帯びた打撃攻撃をメインに、靴による「踏みつけ」やネクタイピンで「串刺し」にするような攻撃方法も使用します。
後衛の場合は「TORNADO」または「COOL EFFECT」で遠距離から攻撃。
防御が必要な場合は「SILVER GHOST」で複製したスーツを盾にするか、「HERITAGE」で腕を羊毛の塊に変化させ受け止めるなど。
UCの使い方はあくまで例なので、自由に使って頂いて構いません。
よろしくお願い致します。
※アドリブ・連携・あらゆる絡みを歓迎します
それはまるで無数の稲光が地面に落ちたかの様な轟音であった。
その正体は赤紫色に光る体へと変身した猟書家チーフメイド・アレキサンドライトが両手に持つ、ありえないほどの連射速度を誇っているガトリング砲の発射音。親愛なるお嬢様が為に、己の寿命を削ろうと猟兵達を蹴散らし与えられた使命を全て達成するという覚悟の表れでもあった。
「なるほど。そのメイド服に偽りなし、ですか」
そのガトリング砲の攻撃を、一身に引き受けているタリアルド・キャバルステッド(紳士服のヤドリガミ・f25640)の口から思わず出たのは賞賛の言葉。スーツのヤドリガミである彼女にとって、身につけた衣服に違わぬ立ち振る舞いをする目の前の猟書家には思う所がある様子。
「勿論、貴方の所業を認めるわけにはいきませんが」
「貴方と話す事などありません。私はお嬢様の命を果たすのみ」
火を噴くガトリング砲はユーベルコードによって本体であるスーツを強化し、木々の間を移動し弾丸を避けて動き回るタリアルドを追い続ける。が、突如鋼鉄の銃身をまるで木の棒のように高速で振り回し、自身を二方向から狙った飛来物を次々と叩き落してゆく。
「完全に不意を突いたつもりでしたが……」
「全部、防がれちゃうとはね!」
政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が、タリアルドへと気を取られている隙をついて枝の上から放った無数の手裏剣と、草むらに隠れて更に手裏剣に気を取られていたはずのアレキサンドライトへと銃弾を浴びせたはずのルシア・ハーヴェイ(人間のサバイバルガンナー・f30940)。異なる方向から隙をついたはずの攻撃は全て防がれ、反撃とばかりに浴びせられるガトリング弾の雨を鍛え上げられた体術を以て枝から枝へと飛び移る事で回避する朱鞠と、大きな幹に身を隠すことで防ぐルシア。そして、銃口の先が別の方へと向いている隙に懐へ入ろうとタリアルドが肉薄しようとするが、再び自身へと向いたガトリング砲の射線から逃れる為に、アレキサンドライトを中心に円を描く様にタリアルドは走る。
(……大将を務めるだけはありますか)
初手の奇襲は失敗に終わったが、だからと言って諦める訳にはいかない。幹の陰からほんの少し顔を出して辺りを見渡したルシアの目に留まったのは、近くにそびえ立つガトリング砲の攻撃を受けて幹が削れ、今にも倒れそうになっている大木達。そのうちの一本、衝撃を加えればアレキサンドライトへと倒れそうな大木を見つけ長刀を握る。
「できるかわかんないけど……」
祈りを込めるようにルシアが放った斬撃は大木へと命中し、削り取られた幹を更にほんの少し削り取る。それが文字通り引き金となって、自重に耐えられなくなった大木は音を立ててアレキサンドライトがいる方向へと徐々に傾いて行く。
そして勢いよく倒れた大木を避ける為に跳んだアレキサンドライトと同時に、ガトリング砲からの遮蔽にする為、姿勢を低くしたルシアとタリアルドが倒れた大木へと滑り込む。突然の事に雨あられと二人を狙い距離を取ろうとする鉄の雨が、弾丸の装填の為にほんの一瞬止んだを突いて、幹から飛び出たタリアルドはアレキサンドライトの懐へ入ると、ガトリング砲の横を殴りつけて銃撃の狙いを逸らすと同時に懐から銀色のネクタイピンを空中へ。
「まず、足を頂きます」
そのピンを立て、革靴のかかとの下へと滑り込ませたタリアルドは容赦なくアレキサンドライトの足を踏みつけ変彩金緑石の足と地面を繋ぎとめる。その一瞬の足止めを更に確実な物とする為、全身を苛む呪いの激痛と引き換えに魑魅魍魎をその身に宿す事で限界以上の力を得た朱鞠が、樹木の上から蔓薔薇の様に棘の付いた鎖でアレキサンドライトの両腕を封じるように拘束する。
「貴方の咎、キッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ」
朱鞠の言葉も、食い込む棘も気にすることなく、拘束を解こうと藻掻くアレキサンドライト。だがそれが解ける前に幹から身を乗り出したルシアの銃口は既にアレキサンドライトを捉えていた。
「この……放せ!」
「猟兵(わたしたち)に嗅ぎつかれたのが、運の尽きでしたね」
今更話合いでどうにかなるわけでもなく、元々彼方が最初に話し合いを放棄した以上もうかける言葉は無いと、ルシアが放った弾丸は見事に宝石の体を貫いたのであった。
成功
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パルピ・ペルポル
お仕事熱心なのは悪いことじゃないんだけどねぇ。
相容れぬのであれば妨害するしか、なのよね。
森の木々に身を隠しつつ。
徳用(巨大)折り紙を適当なサイズに切って作った万羽鶴をけしかけるとしましょ。
こんな森の中でこの数の小さな的を狙うのは大変でしょ?
その隙に小さき故の利点を使って接近するわ。
敵の攻撃は古竜の骨のマン・ゴーシュで切り流して防ぎつつ。
糸と穢れを知らぬ薔薇の蕾で敵の動きを拘束して糸で絡めて切り刻んであげるわ。
腕の一本でも落とせばガトリングの扱いは厳しいでしょうし。
エルフ達も攻撃いれるなら拘束してる今がチャンスよ。
しかし、ドワーフ担当でなくてよかったわね。
絶対研磨されてるわよあんた。
吾喜内・来世(サポート)
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
女性的な身体に男性的な言動、陰鬱な外見に陽気な性質を持った桜の精です。
善意と正義感に従い、世の不条理や他人の不幸を掃う為に行動します。
心根が素直な為、敵の言葉に迷ってしまうこともありますが、事件解決という目的は忘れずに遂行しようとします。
「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る」
ユーベルコードは状況に応じて使い分け、攻撃と防御はそれ任せです。
本人は援護や救助の役割を主に担当します。装備の薬からその場面で最適なものを選び、自分や味方、敵にすらも服用させます。
アドリブや他者との絡みは大歓迎です。
やりやすいように、自由に動かしてください。
紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから
音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます
ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり
食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
「ねえ、あなた」
深く生い茂る森の中を、聖なる木を求めて進むアレキサンドライト。そんな彼女へと、何処からともなく投げかけられたのは問いの声。
「あなた……音楽は好き?」
その声は悪意があるかと言えばその様には聞こえず、唯々純粋な好奇心からの言葉であった様に思われる。だが、アレキサンドライトにどのように聞こえたのかは知る由もないが、返す言葉の代わりに樹上へ向けてガトリング砲が火を噴き、無数の弾丸が何千年を生きたかもしれない樹木の大枝を撃ち落としてゆく。
「お嬢様からの使命を全うする私にはくだらない事に付き合う時間はありません」
「……興味があるのか……聞いてみただけなのに」
銃弾の返答を残念がる声と共に、シャランという澄んだ音が辺り一帯に響き渡る。
「それじゃあ、私が一曲引いてあげる」
生い茂る葉に身を隠し、枝に腰を落として大木の幹に背を預け、肩に掛けていたキーボードを太ももの上に。こぶし大の浮遊するスピーカーをアレキサンドライトの周囲へと配置すると、迷いの森に迷い込み、主の使命を果たせない事への焦燥感を煽る様なレチタティーヴォを奏でる紫野崎・結名(歪な純白・f19420)。その演奏に合わせて、いつの間にか現れた様々な楽器を手に持つ愉快な仲間達も演奏を始め、途端に森の音楽隊へと早変わり。
「此処におりますは、主が為に命をかけるメイド長!」
「求める聖なる木は迷いが森の奥深く!」
「幾多の困難を乗り越え果たして――」
「ええい、うっとおしい!」
突然始まる前口上に、苛立ちを抑えきれず愉快な仲間達を追い払おうとガトリング砲を振り回し追い立てるアレキサンドライト。そんな彼女をあざ笑うかのようにコンッと、何かが彼女の体を突っつくのである。右手を思い切り振り回して何かを叩き落せば、それは幾重に折って、開いて、つなぎ合わせて出来上がった折り紙の万羽鶴。しかも驚く事に、万羽鶴になってようやく一つの折り紙で折った鶴の大きさと変わりないという小ささである。
一体何がと思い周りを見渡せば、先ほど叩き落したような、色とりどりの折り紙で出来た鶴が合わさって出来上がった小さな万羽鶴が、本物の鶴の様に翼をはためかせて、幾つもアレキサンドライトの周りへと飛んでいたのである。
「……わたくしを……馬鹿にしているのですか!?」
音楽劇として見ればふさわしい出し物の様に思えるが、最早怒り心頭、聞く耳なしと。頭に血が上ったアレキサンドライトは両手に構えたガトリングガンを高速回転。怒りのままに、目に映る全てを撃ち落とさんとするアレキサンドライトの目の前で、何とも不思議な事ではあるのだが、今まさに機関銃で薙ぎ払おうとした巨木達が動き出したのである。
「なんですか、これは!?」
驚くアレキサンドライトが、動き出した大木をよくよく見れ見れば、それは樹木の体を持つ巨人達。それが突然動く物だから、エルフの森が動いたと錯覚したのである。
漸く脅威となるような存在が出てきた事で、多少なり冷静さを取り戻したアレキサンドライトはガトリング砲を巨木の巨人へと向けて発射する。が、巨人の軍勢の数は多く、アレキサンドライトが持つガトリング砲であっても掃討には時間がかかる。
余りの出来事が立て続けに起こり混乱するアレキサンドライトだが、そんな事などお構いなしに、結名のキーボードと愉快な仲間の楽士達の楽器による合奏は留まる事を知らず、それに合わせて宝石の体の下ではアレキサンドライトの今の状態を歌う詩が語られて、折り紙の万羽鶴はこの舞台を盛り上げる為に宙を飛び、時々いたずらっ子の様にアレキサンドライトの体を突っついて、冷静に術者の方から倒すべきだと樹上に向けて放ったガトリングの弾丸も、巨木の巨人が構えた盾の前に防がれてしまう。
一体どうしてこうなったのか、アレキサンドライトがよくわからないままに、今エルフの森の中では彼女を主役にした即興のオペラが繰り広げられていたのである。
場面は変わり。彼女の舞台が表舞台と言うのであれば、勿論、裏方の仕事という物がある訳である。
「さてと!この辺りで十分かしらね!」
「うん!これならサクラミラージュの歌劇団にも引けは取らないね!」
舞台を彩る万羽鶴と巨人達。その指揮を執っていたのが枝葉の中に隠れて居たパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)と、吾喜内・来世(サクラキメラ・f22572)の二人であった。木々に祈りを捧げて自身の戦闘能力を代償に樹木の巨人を召喚した来世と、いつも持ち歩いているフェアリーからすれば巨大な折り紙を、折りやすい大きさに切り分け無数に作った折り鶴達。それを糸でつなぎ合わせた万羽鶴をいくつも創り上げたペルポルの二人によって、音楽劇に彩が加わり、アレキサンドライトは大混乱の最中に在る。
後は本当の主役が彼女を舞台から引き釣り下ろすだけだと、来世はペルポルに小さな薬瓶を一つ渡す。
「何かしらこれ?」
「触覚を増幅する薬だよ。飲ませる事が出来れば、痛覚に効くはずさ!」
これは良い物を得たとばかりに、万羽鶴の一つに薬瓶を乗せて、枝葉から飛び出たペルポルは、己の体の小ささを生かし飛び回る万羽鶴の中へと身を隠す。そして取り出したのは、蜘蛛の糸よりも細く透明な不思議な糸。両手で振り回すガトリング砲が放つ弾丸を、古竜の骨の短剣でいなしつつ、ガトリング砲を体躯を生かしひょいとすり抜けて、糸を彼女の片腕へと絡ませれば、メイド服の袖と共に宝石の腕が飛ぶ。
「私の、腕が!!」
「お仕事熱心なのは悪いことじゃないんだけどねぇ」
相容れぬのであれば容赦はしないと。ごとりと音を立てて地面に落としたガトリング砲を、片手で拾おうとするアレキサンドライトの周囲をペルポルが飛び回り、先程の糸と白い薔薇の蕾から伸びた茨を使い彼女の体を雁字搦め。そして、放せ!と口にする彼女の口に、先ほど貰った薬瓶を投げ入れる。
「な、なにを……ッアアアアア!!?」
途端に薬の効き目が発揮して、感覚が敏感になったアレキサンドライトの体には、既に薔薇の茨がぎっしりと。痛みを歌う声に釣られて、やってきたのは森を焼かれたエルフの人々。猟兵よりも非力なれど、今のアレキサンドライトには十分だろうと、一斉に弓を引き絞る。
「これでおしまいっと……しかし、ドワーフがいなくてよかったわね。絶対研磨されてるわよあんた」
こんな状態で体を磨かれればどうなるか、想像しただけで恐ろしいがともあれ、である。彼等彼女等が放った矢の数々がアレキサンドライトの体を貫いて、宝石の体は崩れ去ると風に吹かれる塵となったのであった。
未来の世界からの侵略者達の野望は、異世界のエルフと数多の猟兵達の活躍によって一先ずは終焉を此処に迎える。彼等は猟兵達と友誼を交わし、いずれ必要な時がくれば、聖なる木の力を貸して協力するという約束を交わすのであるが、それが意味する所とは……また、別のお話となるだろう。
成功
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最終結果:成功
完成日:2020年12月17日
宿敵
『チーフメイド・アレキサンドライト』
を撃破!
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