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星海図書館―operation sapphire-

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #バトラー・サファイア #クリスタリアン #漿船

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 その『漿船』は広大な図書館を居住区の一角に擁していた。絵本や娯楽小説の類から古い歴史書まで、揃わぬものはないとまで言われた星海の大図書館。

「大変ですわ、『漿船』を狙っている猟書家の存在がわかりましたの」
 黒弗・シューニャ(零・f23640)によれば、猟書家はバトラー・サファイア。戦争で戦ったプリンセス・エメラルドの忠実なる女執事は、かつて彼女の所有物であった『漿船』を戦力に加えるために動き始めたという。

 『漿船』――かつてプリンセス・エメラルドの所有物であった証に、彼女と船の間でのみ長距離移動を可能とする『転送装置』が仕込まれた世界最古の移民船である。
「でも、それはとっても昔のお話ですから、『漿船』本人でさえも『転送装置』の場所は覚えていない場合が多いのですわ」
 しかも、とシューニャは語る。
「その『転送装置』を使って、猟書家であるバトラー・サファイアは『漿船』に侵攻を仕掛けるつもりなのですわ! 彼女が襲撃する前に『転送装置』の場所を特定できなければ一方的な侵攻行為を許すことになってしまいますわ。そうなってしまったら住民たちにも被害が……そんなの、酷過ぎますわ」

 手がかりがあるとすれば『漿船』内に存在する大図書館の書物たちだ。そこには『漿船』ができた時代から伝わる物語なども収められている。
「古い文献だけでなく、子ども向けや最近の娯楽小説であっても手がかりがないとは言いきれませんわ。伝承というのは形を変えて受け継がれてゆくものですから、どこにその断片が隠されているかわかりませんもの」
 探し方は直接本に当たってみてもよいし、図書館にいるクリスタリアンたちに心当たりがないか尋ねてみるのもいいだろう。うまく彼女たちの協力を取り付けられれば、猟書家と戦う際に力を貸してくれるかもしれない。

「では、みなさまを『漿船』の大図書館にお送りしますわね。閉じた目を開けば見渡す限りに書架の並ぶ、広大なる叡智の園ですわ――」


ツヅキ
 プレイング受付期間:公開時~常時受付中。

 リプレイは基本的に個別でお返しします。
 共同プレイングをかけられる場合はお相手の名前とID、もしくは団体名を冒頭にお願いします。

●第1章
 漿船(クリスタルシップ)内にある大図書館で、転送装置の場所を突き止めてください。図書館内にはそれぞれの本が好きなクリスタリアンと交流することができますので、うまく協力を仰ぐことができればボーナスポイントです。

●第2章
 転送場所から現れた幹部との決戦になります。前章をうまく成功していれば、クリスタリアンや漿船も、館内の武装を使って協力してくれます。

 次章の受付は前章完結の翌日が目安です。雑記にてご案内しますので、ご確認を頂けますと幸いです。
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第1章 日常 『星海の大図書館』

POW   :    娯楽小説やコミックを探してみる

SPD   :    役立ちそうなテクノロジーの本を調べてみる

WIZ   :    スペースシップワールドの歴史や文化を学んでみる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

月夜・玲
むむ…この船の中から忘れられた遺物の捜索かー…
いや、これキツイなー
まあアテも無いし、気になるジャンルの本でも漁って探ろうかな
とはいえ、この大図書館の中で気になるジャンルを探すだけでも一苦労だね
とりあえず、クリスタリアン捕まえて本探して持って来て貰おっと

私はまずテクノロジー関連の書物を漁りに行こう
最初は武器関連の本でも読み込んでいこう
まあ普通に興味ある内容だし、今後の参考にしよっと
ちょっと役得役得
満足するまで読んだら、あとは手伝ってくれたクリスタリアンのお勧め本でも読もうかな
いや転送装置探すのが目的だけどさ、何が手掛かりになるか分かんないじゃん?
じゃあ人のお勧め読む方がアタリに近付くと思わない?



「これは……想像以上にデカい……!」
 一体全体どこが図書『館』なのか。月夜・玲(頂の探究者・f01605)はどこまでも続く多層フロアを見上げ、思ったままを呟いた。
「もはや街って感じなんですけど……ヤバくない? 気になるジャンルを探すだけでもひと苦労じゃん……あ、そこのおにーさん! ちょっと手伝ってくんないかな」
「え、僕ですか?」
 本を抱え、通り過ぎようとしていたクリスタリアンに玲は人差し指をぴっと立てて言った。
「テクノロジー関連の書物を漁りたいんだよね。ここ、結構揃ってるんでしょ?」
「ええ、何をお探しなんです?」
 彼は気前よく玲の本探しを手伝ってくれた。
「えーと、やっぱまずは武器からかな。……お、面白そうなのみっけ。ふむふむ、やっぱ違う文明圏の本は新鮮なことが書いてあって参考になるわ。役得役得」
 カフェテラスのように洒落たテーブルで一通り本を読み終えた玲は、満足そうに伸びをした。
「……で、本題よ。図書館だけでもこれだけ広い船の中から忘れられた遺物の捜索とかキツいこと言うよねー……ねぇねぇ、何でもいいからお勧め本ない?」
「え、お勧めですか? でも、お探しのものがあるんじゃないんですか。仰ってくださればそれこそ何でも探してきますけど」
「いいのいいの。何が手掛かりになるか分かんないじゃん? ならさ、人のお勧め聞いてご縁にあやかってみるのも一興ってね」
「なるほど……」
 ラブラドライトの虹色に光る肌の青年は、「それなら」と遠慮がちに一冊の本を持ってきた。
「図鑑?」
 なるほど、現在稼働中の漿船が紹介されているガイドブックのようなものである。
「へー、いろんな漿船があるんだね。どれもこれも宝石みたいできれー……ん? 宝石みたい?」
 ふと、玲の脳裏にひとつの可能性がよぎった。
「船がこんな風にできてるんだから、転送装置もやっぱり宝石みたいな材質でできてるんじゃないの――?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

南青台・紙代
アドリブ歓迎
【WIZ】
おぉ……これはまた見事な蔵書であるな。
星の空を行く船の大図書館、創作者としての心も
読者としての心も実にくすぐるのである。
さて、この書の中から転移装置の手がかりを探さねばならぬか。
では、我輩は歴史書を調べてみるとしよう。
転移装置でも無ければ現れるはずもない品や人員が現れた事件などがありはしないだろうか?
……と考えたものの、我輩の知識だけではこの世界の科学力で
どれほどのことができるかもわからぬのである。
誰かそう言ったことに詳しい者(クリスタリアン)の力を借りて
《情報収集》したいのである。



「おぉ……これはまた見事な蔵書であるな」
 南青台・紙代(言の葉綴りし青蛇女・f23355)は感嘆の声を漏らし、あちらこちらを見て回る。
「うむうむ、歴史書の棚はこちらか? 量が多すぎて場所を探すだけでもひと苦労ではないか」
 などと言いつつも紙代はむしろ楽しそうに棚を覗き込んでいった。星の空を行く船の大図書館、浪漫である。読者としても創作者としても実に心躍る場所であった。
「かような場所で原稿に向かわば、さぞかし筆が進むであろうな? うむ、気に入った」
 それはそれとして、と小首を傾げる。
 件の転送装置に纏わる記述がこれらのどこかにあったとして、どうやって見つけるかが問題だ。
「誰かそういったことに詳しい者はおらんかのう……」
 あてどもなく棚の周囲を見渡していると、歴史関連の本を抱えた老女が本を戻しにやってきたではないか。
「転送装置、ねえ」
 事情を聞いた老女は眼鏡をかけながら幾つかの本を勧めてくれた。
「ああ、転送装置でも無ければ現れるはずもない品や人員が現れた事件などがありはしないだろうか?」
「そういうことなら、この本が役に立つかもしれないわね」
 紙代は受け取った本の題名を読み上げる。
「移民の歴史?」
 まずは目次に目を通す。どうやら、この本には年代別に漿船へ移住してきたクリスタリアンたちの歴史がまとめられているようだ。
「これは……!」
 最も古い記録によれば、なんと船を使わずに一瞬にしてやってきたクリスタリアンの一行がいたというではないか。
「『彼らはクリスタリアンの最長老に連なる者たちであった』……間違いない、この者たちはこの船にある転送装置を使ったのだ」
 本を読み進めるうちに、手がかりかと思われる記述にたどりついた。
「彼らはまず、初めて迎え入れられた祭壇にて洗礼を受けた後にこの船の一員となった。……祭壇か、そこに転送装置があるということであるな。心得たぞ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

神咲・七十
アドリブ連携お任せ

う~ん、調べごとはそこまで得意ではないのですが・・・
とりあえず、歴史系の本・・・がある場所を聞くところから始めますか。

(近くのクリスタリアン達に歴史系の本がある場所を案内してもらい)

・・・(ボフン)
すいません、やっぱり細かい内容を教えてください

(一人では理解しきれず頭が爆発したので、案内してくれたクリスタリアンたちに分かり易く教えて貰い)

なるほど・・・ワープみたいな長距離移動装置は技術が失われたから、新しい船にはないと・・・
あれ?じゃあ、この船みたいなとっても古い船なら似たようなものがあるもでは?
そのあたりは分かりませんか?

(その後、転送装置について載ってる本を一緒に探す)



「あの~、歴史系の本ってどのへんにありますか?」
 司書と思しき制服姿のクリスタリアンに案内を頼んだ神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)であったが、試しにと引き抜いた本を見た途端にボフンッと頭の容量が爆発して諦観を余儀なくされてしまった。
「すいません、やっぱり細かい内容を教えてもらえませんか。調べごとはそこまで得意ではなくて……」
「構いませんよ。長距離移動装置についてですね?」
 優しげなローズクォーツの司書はくすくすと微笑み、本の内容を簡単に説明してくれた。曰く、ワープのような長距離移動装置の技術ははるか昔に失われてしまったのだという。
「なるほど……だから新しい船にはないと……あれ? じゃあ、この船みたいなとっても古い船なら似たようなものがあるのでは?」
「可能性はありますね」
 司書は考え込むようにつぶやき、小首を傾げて七十を見つめた。
「猟兵さんにはお世話になっていることですし、特別フロアへの入室を許可させていただきます。こちらへどうぞ」
 どうやら、本は図書館の地下にも蔵書があるらしかった。エレベーターで降りた先には持ち出し禁止のラベルが貼られた本が保管されている。
「さすがに転送装置そのものを扱った本はないですかね……」
 背表紙のタイトルを指でたどりつつ、七十は目当ての情報を探してゆく。少しずつ時代をさかのぼり、最も古い本にまで至ったところで手がかりに行き当たった。
「祭壇?」
 それは精密に描かれた絵画である。
「綺麗ですね。一緒に描かれている人物は……まあ、すごい。クリスタリアンの最長老ですって」
 司書が注釈を読み上げた。
「どうやら、この石碑のようなものを通じてこの船にやってきたようですね」
「となると……この石碑が転送装置……?」
 七十はじっと絵画に見入る。それは磨き抜かれた宝石のように美しく、繊細な彫刻がなされた石碑であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
大量の紙の書籍、手当たり次第というわけには参りませんね。流石に紙のままにしておくものは少ないはず。電子化された書籍にアクセスする手段を探しましょう。司書か蔵書管理のクリスタリアンさんなら、対応可能でしょうか。
「電子書籍へのアクセス端末と、可能な限りのアクセス権限貸していただけますか?それと、もし伝承に心当たりがあればご教授ください」
HMDを端末につなぎ、UCの情報収集も使用してデータを検索。古い書籍を中心として、心当たりのキーワードやクリスタリアンさんに聞いた情報も踏まえ検索を行います。
……ついでにコッソリと、アクセス禁止の書籍データをハッキングで頂いておきましょう



「正規の方法で閲覧できるデータはここまでですか……」
 検索ワードを使って図書館の端末からめぼしい電子書籍を探し出す。水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)は軽く首を回しながらゴーグル型HMDを額に押し上げて休憩をとった。
 ――これだけ大量にある蔵書の数々を紙のままにしておくものは少ないはず。怜悧の予想通り、電子書籍されたデータは誰でも閲覧可能となっていた。
「電子書籍へのアクセス端末と、可能な限りのアクセス権限貸していただけますか? それと、もし伝承に心当たりがあればご教授ください」
 怜悧の申し出に蔵書管理担当のクリスタリアンは「かしこまりました」と応じて、来館者用の臨時アカウントを発行してくれた。
 あとは壁際に設置された端末を使い、凄まじい集中力――普段の10倍にも及ぶ効率の高さを誇る――を駆使して情報を収集した次第である。
「キーワードは漿船、転送装置、プリンセス・エメラルド……それらしき記述は散見されますが、肝心の場所についてはガードが固いですね」
 先程、蔵書管理担当のクリスタリアンも似たようなことを言っていた。
「伝承ですか……私もこの船にそういう装置のようなものがあるという噂は存じております。ただそれはもうずっと使われておらず、また悪用を避けるために詳細を隠されてきたのだとか」
 だとすれば、と怜悧は周囲を目を盗んでアクセスが禁止されている領域へと探査の手を伸ばす。
「――これは」
 見取り図。
 立ち入り禁止になった空白地帯が船の後部に存在する。
「区画の名称は『Altar』……意味は祭壇、ですかね。けれど、入口は固く閉ざされている。開けるには何か鍵のようなものが必要なのでしょうか――?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヤニ・デミトリ
すげー数の本!仕事じゃなきゃゆっくり回りたかったっスねえ

さて、転送装置というからには設置に必要なスペースや設備、
エネルギーの供給ライン何かがあるんじゃないかなァ
そこから場所の検討をつけられないか探ってみるっス

あ、そこのクリスタリアンさん
転送装置に関わる文献に心当たり無いスかね
あと艦の見取り図がありゃ嬉しいんスけど
どうやら敵の侵攻が迫ってるみたいっスから、
住民たちに伝えて避難の準備もしといて欲しいっス

それらしい本が見つかれば、機械じみた学習力で情報を読み込み
得た知識を元に見取り図と照らし合わせてみるっス
んー、設置できそうなのはこの辺とかこの辺スかね
他の情報と合わせりゃ裏も取れるでしょう



 ヤニ・デミトリ(笑う泥・f13124)はそこへ足を踏み入れた途端、思わず口笛を吹いて相好を崩したい気分に駆られた。
 どこを見渡しても、本、本、本――とにかく数が凄い。図書館というよりは図書街といったほうが相応しいほどの広さで、仕事でなければゆっくり歩き回って本めぐりと洒落込んでみたいくらいだ。
「さて、問題の転送装置っスけど……あ、そこのクリスタリアンさん。転送装置に関わる文献に心当たり無いスかね、あと艦の見取り図がありゃ嬉しいんスけど」
「見取り図ですか?」
 カウンターで貸出業務を行っていた青年のクリスタリアンが困ったように眼鏡の位置を直した。
「さすがにそれは漿船の許可がなければ閲覧できませんね……」
「敵の侵攻が迫ってるとしてもっスか?」
 ヤニはカウンターに頬杖をつき、悪戯っぽく彼の耳元で囁いた。
「えっ? 敵ですか?」
「こわーい執事のお姉さんがやってくるっスよ。住民たちに伝えて避難の準備もしといて欲しいっス」
「……わかりました。漿船に報告します。――許可が出ました、見取り図です。残念ながら転送装置についての書籍は該当がありませんでした」
「サンキュっス。それだけあればこっちでどうにかするっスよ」
 ヤニは個室を借りると、バラックスクラップにも手伝わせて大量の見取り図を室内に広げた。
「ふむふむ、こっちは居住区画で……――あった、エネルギーの供給ラインはこの図面っスね。きたきたきた……不自然に空いたスペースにいまは使われてないラインが大量に引き込まれた痕跡が残ってるじゃないっスか。んー……」
 目を細め、この辺とかこの辺、と指先で図面を突く。
「後は行き方かァ……他と断絶されてるみたいなんで、専用の通路かなんかあるはずなんスけど。まァ、他の情報と合わせりゃ裏も取れるでしょう」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
こういう時は、古典から探ってみるのが俺のスタイルだ
史実、あるいは神話……数ある創作物の参考文献の中に、そういったものはいくつもある
一見ぶっ飛んだような話の中に糸口があるはずだ
プリンセス・エメラルドに関するものをピックアップして片っ端から寄越してくれ
あぁ、片っ端だ。本好きの目利きを信じるとしよう

働き手を増やすか…『Balor Eye』
工作用のアームも、今はページを捲るのに使え
すべてのドローンの視界に映る情報を即座に転写しながら、一斉速読
ある程情報が溜まったら一度クールダウンついでに纏める
後はこれの繰り返しだ
どれだけ文献が多くても、保存しちまえば簡単さ
生身の目じゃないから出来る、俺なりの技だよ



 星海の大図書館を前にしたヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)のオーダーは次のようなものだった。
「プリンセス・エメラルドに関するものをピックアップして片っ端から寄越してくれ」
「えっ、片っ端ですか?」
 ラブラドライトの青年は驚いたように繰り返す。
「すごい量ですよ。ほんとうにいいんですね?」
「あぁ、本好きの目利きを信じるさ。ジャンルは古典で頼んだぜ」
 史実、あるいは神話の域にすら到達する伝承物たち。数ある創作物の参考文献となったそれらの本はまさに“源流”と呼べる存在だ。一見しては荒唐無稽な物語の中に解決の糸口が隠されている可能性は――高い。
「でも、こんなにたくさんの本をどうやって読むんです?」
「心配には及ばない。――『Balor Eye』」
 彼らは工作用のアームを本の捲り手と変え、ヴィクティムの周囲を取り囲む。
「――……プリンセス・エメラルドの預言――漿船と銀河の果て、石の時代……――よし、次をくれ」
 視界に映る全ての情報を即座に転写しながら一斉に読み込む様子はもはや速読の域を超えていた。生身の目ではないから出来る、ヴィクティムならではの技である。どれだけ分量が多かろうと保存してしまえば全て“頭の中”だ。
「さて、と」
 ある程度情報が溜まったところで腕を組み、テーブルに腰を預けて天井を仰ぐ。大量の情報を大まかにカテゴライズし、引っ掛かったところや違和感を覚えた部分を抜き出して並べ変える。
「……祭壇のある場所が怪しいってのはわかってんだよな」
 口元を手で抑え、その辺りの記述を反芻した。
「問題は行き方だ。祭壇への道筋――」
 そこで、本の読み込みを繰り返す。
「もしかして、これか?」
 とある神話の中でプリンセス・エメラルドが与えた福音に『天国への回廊』というものがあったらしい。
「漿船に絶滅の危機が迫った時に住民を救うための道標、か。こいつは臭いな。『Balor Eye』、休んでる暇はなさそうだぜ?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロキ・バロックヒート
零時くん(f00283)と
アドリブ歓迎

大きい図書館だねぇ
ワクワクしてる零時くんを微笑ましく見て

図書館に隠し場所とか浪漫だよね
やっぱ本棚の後ろでしょー
探そうとしながら全世界最強最高の魔術師の卵に
ついつい火や雷の魔導書とか見繕ったりして
ふふ、あとで借りたら良いんじゃない?
ここは図書館だしねぇ
むしろ活躍したら喜んで貸し出してくれるかもしれないよ
俺様も零時くんの活躍を期待してるから、なんて

転送装置を探すなら聞き込みも大事だね
なんとなく零時くんと同じアクアマリンの子に声かけたりして
事情を説明して、協力してよお願ーいって
うーんもし本棚の裏じゃなかったら地下とか屋根裏、禁書室は?
楽しそうにあちこち探していく


兎乃・零時
ロキ(f25190)と!
アドリブ歓迎

大図書館の書物!
聞くだけでワクワクしてくるよなぁ…

転送装置の場所、どの辺探すのが良いんだろうな?
本棚の後ろとかそーゆうのはあり得そうだ…!

ん?あ、ロキお前魔導書…それ何処で見つけてきたんだ?!(きらきら
はっ、でもこーゆうの勝手にとっちゃダメなんじゃ……!!

活躍か?
ふっふー、楽しみにしとけ!俺様頑張るぞー!

あ、折角だしこの船のクリスタリアンたちに話聞いてみようぜ!
猟書家が来る事とか事情をクリスタリアンたちに話しつつ
手助けして貰えんなら俺様もその恩は全力で返すからさ!(恩返し
転送装置の心当たり、ないか?
例えば…そう!ロキが言うみたいな場所とか…無かったりしない?



「おーっ、本がいーーーっぱい、あるー! ロキ、見ろよあれに乗って本棚の上の方まで行けるみたいだぜ?」
 兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)のはしゃぎぶりを微笑ましく見つめたロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)は、さっそく行先の相談を始めることにした。
「じゃあ、まずはどこから探そうか。やっぱ定番は本棚の後ろ……とか?」
「それすごいあり得そうだ……! あ、動いた!」
 フローティング構造の台座に乗ったふたりは自在に図書館の中を飛び回る。本棚の後ろを覗き込んだり、隠しスイッチのようなものがないか壁を手探りで触っているうちに、零時はロキがいつの間にか分厚い魔導書を抱え込んでいるのに気づいて目を瞬かせた。
「お前それ魔導書……何処で見つけてきたんだ?!」
「ふふ、よさげなやつが目に入っちゃったんだよねー。こっちは火系で、こっちは雷系かな」
「でも、勝手にとっちゃダメなんじゃ……!! こーゆうのって門外不出なのがお約束だったりするだろ」
「あとで借りたら良いんじゃない? 無事に漿船を救う大活躍なんかしたりしたら、むしろ喜んで貸し出してくれるかもしれないよ。全世界最強最高の魔術師の卵くん?」
 ウインクして「活躍を期待してるよ」なんて言われたら、零時じゃなくてもやる気がわき上がってしまうに違いない。
「ふっふー、楽しみにしとけ! 俺様頑張るぞー!」
「応援してるよ、零時くん」
「でさ、闇雲に探すよりは誰かに聞いた方がいいと思うんだよな」
「うんうん、聞き込みも大事だね。そうだなー」
 ちょうど真下を通りかかった子が目に入ってロキは「おや」と目をみはる。綺麗な水色、零時と同じアクアマリンの。
「そこの君、協力してよお願ーい」
 ロキに手招かれ、眼鏡をかけた少年がこちらを見上げる。
「こんにちは、お兄さん。どうかしましたか?」
「どーも。実はね、かくかくしかじかで――」
 事情を聞いた少年は頬を紅潮させ、何度も頷いた。
「すっごく面白そうです!」
「だろ!! 手助けして貰えんなら俺様もその恩は全力で返すからさ、転送装置の心当たり、ないか?」
 零時と少年は意気投合し、さっそくめぼしい場所の探検を始めることになった。少年は転送装置自体の知識はなかったが、図書館の常連らしくロキの怪しんだ場所への案内を引き受けてくれた。
「ここから地下にいけるのか?」
 ロキがそろそろと床下を覗き込むと、自動で明かりがともる。どうやら閉架書庫になっているらしく、少し埃っぽかった。
「屋根裏と禁書室はそれらしいものが見当たらなかったから、ここに手がかりがあるといーんだけど……零時くん、足元に気をつけてねぇ」
「りょーかい! って言ってるそばから……っ」
 何かに爪先が突っかかって、零時は慌ててロキにしがみつく。ロキは笑って彼を支え、足元にしゃがみ込んだ。
「いったい何に足をとられて――おや、これは……」
 石板、だろうか。
 僅かに厚みのある石板のようなものが床に張り付けてあるため、その段差で転びかけてしまったらしい。
「なんて書いてあるんだろ、分かる?」
 零時に尋ねられたアクアマリンの少年は、指先でなぞるようにして文字を読みあげた。
「掃除用具入れみたいです」
「な、なんだよー!」
 零時は思わず脱力しかけたが、少年は「あ、でも」と続けた。
「中はもともと別の空間だったみたいですね。降りてみますか?」
 入ってすぐの辺りに積み上げられた掃除用機械の隙間をすり抜けて奥に向かう。そのうち、随分と広い場所に出た。
「ここは――?」
 辺りを見回す零時の隣でロキは扉のような刻印を見つける。にやりと微笑し、こんこんとノックするように壁を叩いた。
「どうやら、目的のものを見つけたみたいだよ?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『バトラー・サファイア』

POW   :    ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ   :    サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エリル・メアリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「皆さまによる情報提供のおかげで、『私』の内部に存在する未承認区画とそこへ至るための経路が発見されました。開通のためのキーワードをご入力ください」
 『漿船』は忘却していた記憶を呼び覚まされたことで興奮しているようだった。目の前のバーチャルコンソールに打ち込む鍵は――『天国への回廊』。
「……揺れていますね? この船の内部が大きく組み変わっていくような感じがします……あっ、扉が開きましたよ!」
 ラブラドライトの青年が驚いたように指差す先で、図書館の地下で見つけた刻印付きの扉が左右の壁の中へ吸い込まれるようにして消えていった。
「それじゃ、いってらっしゃい」
 老婆のクリスタリアンがに見送られ、猟兵たちは薄っすらと誘導灯が光る隠し通路を進んでゆく。
「この先が未承認区画・『Altar』です」
 『漿船』が告げるのと同時に通路の奥が輝くように明るくなった。そこには巨大な祭壇を抱いた美しく雄大な空間が広がっている。
「まさに天国ですね……皆さん、あれをご覧になってください」
 司書の示す先には祭壇と同じ宝石で製造されたと思しき石碑が鎮座している。アクアマリンの少年が声を張り上げた。
「もしかして、転送装置じゃないですか? すごい! 皆さんが集めた情報の通りですね」
 喜びもつかの間、石碑の文字盤に無数の古代文字が浮かび上がる。『漿船』に問い合わせた司書が叫ぶように言った。
「石碑が起動しています。何者かが転送装置を使ってこちら側にやって来ようとしているようです……!」

「これは、一体――!?」
 転送装置を使い、『漿船』にやってきたバトラー・サファイアは既に自分の侵入が察知されていたことを知って驚いた。
「どうしてわかったの? 転送装置は『漿船』本人ですら覚えてはいないはずなのに……まあ、それをここで言っても仕方ありませんね。ばれてしまったからには、強行突破するまでです」
 戦いの構えをとるバトラー・サファイアを鋭い刃の暗器がずらりと取り囲む。『漿船』に援護を要請しつつ、司書が告げた。
「『漿船』も船内武装を用いて皆さんの援護を行います。私達クリスタリアンもお力になれそうなことがあれば協力致しますので、何なりと仰ってくださいね」
ロキ・バロックヒート
零時くん(f00283)と
アドリブ歓迎

ほんとに隠し場所あったね
すごーいって言い合う
こういうのテンション上がっちゃう
天国かぁ…かつてはどんなところに行くのを夢見てたんだろう
ま、今は侵略に使われちゃってるけど

よーし零時くんやろうか
クリスタリアンの皆、彼に魔力を分けてあげてよ
魔力のパスは繋ぐの俺様も手伝うから
うわぁすっごく眩しい
比例した魔力の高まりに結構興奮するけど
大丈夫?爆発しない?あはは

【救済】の光は零時くん狙いの暗器以外を打ち消す
クリスタリアン達も(魔力のために)守ってあげないと
閃光にもUCで対抗

俺様の影も強くなってる…かも?
色濃くなった影でバトラーを【串刺し】【捕縛】
零時くん今だー!なんてね


兎乃・零時
ロキ(f25190)と!
アドリブ歓迎

ホントにあったな…!

めっちゃ凄いの出てる…!
え、これ凄い…

ってかバトラー来てるし!
突破はさせねぇから!

おう
やろうぜロキ!

クリスタリアンの皆から魔力分けて貰い

UC起動!グリッター
物体変質〖輝光〗!
装甲捨て
火力全開!
俺様を光に!
…いつもと色が違うのは魔力の影響か…?

いや爆発はしねぇよ!?…多分

そんで敵の武器攻撃は全部魔力に変えてやる!

目潰しは(よく暴発して)慣れてんだ!
先手打って俺様が閃光《フラッシュ》で敵に【目潰し】

それに!光ある所に影がある
俺様がより強く輝けばロキの影も…強まるかも!

此れでも喰らいやがれ!
光〖属性攻撃×限界突破×全力魔法×貫通攻撃〗

輝光閃!



「う……っわー! めっちゃ凄いの出てる……!」
 思わず歩み寄る兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)の色彩を反射した祭壇が海の底のように幻想的な色に染まった。
 ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)も満面の笑みで両手を掲げ、一緒に頑張った零時と手のひらを打ち合わせて喜ぶ。
「ほんとにあったね隠し場所。すごーい、やったね零時くん。『天国への回廊』なんて名前に相応しい場所だね」
 なのに、とロキは少々呆れた顔で侵略者を振り返った。
「かつてのプリンセス・エメラルドはこんな風な使われ方をするためにこれを与えわけじゃないんじゃないの? もっと夢のある使い方をするためにあったんじゃないのかなぁ」
 するとバトラー・サファイアの青い両目が細められる。心外だと言わんばかりに、鋭く。
「おっ、くる気だね? よーし零時くんやろうか」
「おう、やろうぜロキ! 絶対に突破なんかさせねぇよ!」
 ロキは頷き、クリスタリアン達に向かって片手を差し出した。
「皆、彼に魔力を分けてあげてよ。魔力のパスは繋ぐの俺様も手伝うから」
「――はい!」
 アクアマリンの少年を筆頭に、応援の要請を受けたクリスタリアン達の身体が魔力の高まりを受けて内側より発光する。あまりの眩しさにロキは目をすがめ、興奮に胸を躍らせながら受け取った魔力を零時へと託した。
「大丈夫? 爆発しない?」
 笑って尋ねると、零時は「多分」と請け負った。
「……でも、いつもと色が違う……七色に輝いて、まるで――虹みたいに」
 全ての魔力が輝く光の属性へと変換され、そして――。
「まずい、あれを止めなければ!」
 咄嗟にバトラー・サファイアが投擲した暗器をロキの放つ救済の光が瞬く間にかき消した。
「な……!?」
「残念でした」
 ロキは片目を閉じて笑み、零時は――自分を狙った暗器すらも取り込んで魔力へと変換。
「馬鹿な、私の暗器が……!」
「いくぜ、閃光――!!」
 戦場を包み込む閃光が視界を塗り潰した。けれど大丈夫、これくらいの目潰しはいつも暴発して慣れているからへっちゃらだ。
「どうだロキ、俺様の輝きは……?」
「ああ、零時くんが輝くほどに俺様の影も強まって……!」
 光と影に支配された戦場にバトラー・サファイアの舌打ちが鳴り響いた。
「かくなる上は、私も己が輝きによって対抗いたしましょう。サファイア・フラッシュ――!!」
 ――蒼い、どこまで蒼い輝きが膨れ上がった。
 だが、遅い。ロキの色濃くなった影は既にバトラー・サファイアを足元より捉え、その体を串刺して捕縛する。
「なに――!?」
「零時くん今だー!」
「此れでも喰らいやがれ! 輝光閃!」
 零時の杖より放たれた〖輝光〗は蒼光に押し返されそうになりつつも、少しずつ勢力を広げていった。
「頑張ってください!」
 クリスタリアン達の魔力を注がれた杖が増幅器の役割を果たして、遂に光が蒼を駆逐する。
「そんな――」
 影に捕らわれたバトラー・サファイアに躱すことは叶わず、光は圧倒的なまでの輝きで敵を呑み込んでいったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コーディリア・ルエ(サポート)
概要:温度差激しめAI上がりバーチャルキャラクター

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します
理性的な行動を心がけます

口調:私+呼び捨て+ですます調敬語
普段:テンション高め、軽口多め、会話AIみ強め
真剣な時:冷静、管理者AIみ強め

・説得等、流石に遊んでる場合でない時に真剣になります
・自分も他人も命は大事
・真剣な時とそうじゃない時とで温度差大きめ(以下は真剣じゃない時)
・隙があれば創造主をageる「私がこんなに凄いので、オフィーリアはもっと凄いんです!」
・食べるのが好き「ご飯って美味しいですね」
・SNSも好き「これ上げたらバズりますかね?」

あとはおまかせ。よろしくお願いします!



「私をお呼びですか? 天才オフィーリアが作った会話アプリケーション――名称コーディリアを!」
 電脳の扉を開き、コーディリア・ルエ(代行者・f24369)は自分を必要とした戦場へと召喚される。
「お前は――人造のバーチャルキャラクターか!」
 なるほど、とバトラー・サファイアは品定めするような目つきで乱入したコーディリアを眺め渡した。
「あなたの創造主は趣味がよいですね。ここにミズ・ルチレイテッドがいればさぞかしあなたを欲しがったでしょうに……生憎と、私の任務は『漿船』の掌握でしてね。邪魔者はこうです!」
「わわっ!」
 目にも止まらぬ速さで飛んできた麻酔針を慌てて躱し、コーディリアは表情を改める。
「どうやら、敵の排除が最優先のようですね。――ルミナスシューター、お出でなさい!」
 コーディリアの頭上に召喚されたドローンは戦闘形態に移行、全砲塔をバトラー・サファイア目がけて差し向けた。
「逃げ場はありませんよ?」
 数多の光線に貫かれ、周囲をドローンに取り囲まれたバトラー・サファイアは肩を竦めて言った。
「とんだ猫かぶりのAIですね」
「切り替えが速いと言って下さい。では、第二波いきます!」

成功 🔵​🔵​🔴​

柊・はとり(サポート)
※アドリブ連携歓迎、御自由に

また事件かよ…
俺は柊はとり
歩けば事件に遭遇する呪われた体質のせいで
殺された後も嫌々高校生探偵をやっている探偵ゾンビだ
謎解きは特技だが好きじゃない
この場に居合わせたのも偶然だろうが
関わっちまった以上は解決に尽力する
性格は察しろ

ちなみにこいつ(剣)はコキュートス
人工知能程度の会話ができる
『事件ですね。解決しますか? 柊 はとり』
うるせえ

●戦闘
コキュートスは莫大な負担と引き換えに
戦う力を与える氷の魔剣だ
基本的に代償のある技しか使えないが
高火力を出せる超攻撃型の前衛だと思っとけ
探偵要素はかなぐり捨てていく

弱点は脳
頭さえ無事なら何してもいい
痛覚はあるがいずれ再生する
人命最優先



「まったく、事件の種は尽きないものだな……」
 柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は眼鏡を押し上げ、自分の呪われた体質に呆れるほかない。
「謎解きは特技だが、趣味じゃないんでね。あんた、見たところ執事のようだがその暗器の方が本業か?」
「ええ、不肖ながらプリンセス・エメラルドに仕えるバトラーでございます」
 バトラー・サファイアは慇懃無礼にお辞儀すると、それ以上の言葉は要らないとばかりに攻撃を仕掛けた。
『相手はやる気満々ですね。解決しますか? 柊 はとり』
「毎度毎度聞くな、わかってんだろうが」
『解決しますか? 柊 はとり』
「ちっ、――イエスだ。とっとと好きな部分を持っていけよ」
 答えてやった途端、関節が幾つかぶっ壊れた。だが、剣は――コキュートスはまだ握れる。頭さえ無事なら問題なし。痛みなら受け止めよう。なぜなら俺は探偵だから、事件の解決が最優先。
「……今日は随分と変わった者に会える日ですね」
 さすがのバトラー・サファイアもはとりの自暴自棄にしか見えない戦い方には鳥肌が立ったようで――喉をひくつかせる相手へと、凍てつきし大剣を振り下ろす。
「くッ……――」
 竜巻となって吹き荒れる雪と氷の結晶越しに、はとりはバトラー・サファイアの手から暗器が吹き飛ばされていくのを確認した。
 ゆっくりと肩を回せば、砕けた骨が再生してくっつく感触。
「割に合わねえ」
 ぼそりと呟くが、辞めるつもりも毛頭ないのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヤニ・デミトリ
うはは、力ずくっスか。ホントにこわーいお姉さんスね
忘れるくらい昔のモノなんざ、そのまま置いといてくれりゃいいのに

尾を切り離して、身辺を取り巻く屑鉄の蟲へ変える
刃物の扱いには心得がありそうっスね
だけどいくら刃を飛ばしても、屑鉄には仕掛けも命もない
ハリネズミにしようが早々には止まらないっス

蟲を壁に、五指に成した刃を武器受けに攻撃を凌ぎつつ接近
クリスタリアンさんには射撃でもなんでも、相手を追い込む感じに援護を頼むっス
距離を詰められれば、蟲で阻むように体当たりや突進を
攻撃の止んだ隙に追撃を加えて畳みかけるっスよ

ウーン…場所がキレーなのに優雅さに欠けるっスかね
次までにベンキョーしてくるっス



「うはは、力ずくっスか」
 ヤニ・デミトリ(笑う泥・f13124)の零した笑い声にバトラー・サファイアが反応した。
「なんです?」
「いやはや、ホントにこわーいお姉さんスね。それにしても力ずくかぁ、ならこっちも遠慮はいらないっスよね」
 パキ、ビキ……――ヤニの背後で鋼鉄の軋む音がして、切り離された尾が屑鉄の蟲へと形を変えた。
「鋼鉄の僕、ですか」
「ご明察。コイツらには仕掛けも命もないっス。ハリネズミにしようが止まらないっスよ」
 フードの影で笑う唇の動きに合わせ、蟲たちはヤニの盾となって凶刃をその身に受け止める。
「援護頼めるっスか?」
「もちろんです」
 クリスタリアン達は頷き、それぞれに魔導書や杖を手にとった。
「なにをお望みですか?」
「そっスね――相手を追い込んでくれさえすれば、わりと何でも」
 指先で顎に触れながら告げると、彼らはすぐさまそれを実行してくれた。窮地に立たされたのは集中砲火を受けたバトラー・サファイアである。
 ――チャンス。
 ヤニは彼女の注意が逸れた瞬間、距離を詰めていた。「いけ」と蟲を差し向ける。壁の間をすり抜けた暗器は刃と変えた指先で払い除け、前へ。
「なんの、これしき……!」
 遠距離からはクリスタリアン達による魔法、近距離からは屑鉄の蟲達による体当たりによって行動の自由を奪われたバトラー・サファイアは態勢を立て直すための後退を試みた。
 だが、攻撃を諦めたその機会を殺戮機械化したバラックスクラップが果たして逃すものか?
 ジャケットのポケットに片手を突っ込み、もう片方の手でフードを僅かに押し上げて顔を見せたヤニは当然と言わんばかりに教えてやった。
「答えはノーっスよ」
 屑鉄は屑鉄、手心を加えてやるような神経は持ち合わせていないので悪しからず。ここぞとばかりに畳みかけるよう彼をけしかけたヤニは頭をかき、少しばかり反省するかのような呟きを漏らした。
「場所がキレーなのに優雅さに欠けるっスかね。次までにベンキョーしてくるっス」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクティム・ウィンターミュート
ハロー、遅かったじゃねーか
お化粧の時間が長くかかっちまったのかい?それとも遺言状を書くのに手間取った?ま、なんでもいいけどさ
さっさと砕けてくれ、路傍の石ころ

奴の麻酔針の投擲は恐ろしく早いはずだ
見てから避けたら弾くには、俺はちょいと力が足りん
だから……代償を払う
投擲に反応できるだけの目と、スピードを作り出す
投擲をやり過ごしながら走る
クリスタリアンども!二発目を撃たせんなよ!援護で気を散らしてくれ!

接近、インファイト
ナイフで鉱石の身体ぶち抜くのはナンセンス
左腕の仕込みショットガンをゼロ距離でぶっ放す
さらに代償を払い高速リロード、絶え間なくぶち抜く

イカれてる?知ってる
勝つ為に人間性を捨ててもいいのさ



 ――プリンセス・エメラルドが与えし最古の『漿船』。穢れなき宝石の祭壇がまるで似合わない男は、「ハロー」と気安い挨拶で侵入者を出迎えたのだった。
「遅かったじゃねーか。お化粧の時間が長くかかっちまったのかい? それとも遺言状を書くのに手間取った?」
 バトラー・サファイアは目を細め、品定めするような眼でヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)を見る。
「そちらは準備万端のようですね?」
 お互いに探り合いだ。
 ヴィクティムは彼女の指先が上着の内側へ差し込まれるのを確認する――そう、1秒にも満たない神速の投擲を彼はなぜ観測することができたのか?
「なに……!?」
 バトラー・サファイアは驚愕を超えて驚嘆した。ヴィクティムは彼女の攻撃を視認するに留まらず、全ての投擲を躱しつつ走って近づくことにまで成功したのである。
「クリスタリアンども! 二発目を撃たせんなよ! 援護で気を散らしてくれ!」
「はいッ!!」
 直後、クリスタリアンが一斉に張り巡らせた電脳結界と属性魔術が敵ただひとりを目標として殺到。嵐のように、弾幕のように。いくら猟書家といえども、これだけの攻撃を一度に受けては身動きなど取れるわけがない。
「はッ――」
 間近で、バトラー・サファイアとヴィクティムの目が合った。
 ――ナイフか?
 ――ノー。鉱石の身体を刃物でぶち抜くようなナンセンスはお呼びじゃない。こいつで一緒に踊ろうか。
 ぴたりと相手の脇腹に銃口を押し付け、
「まずは、一発――!」
 およそ考えられる中で最も凶暴な砲音を轟かせ、左腕に仕込まれていたショットガンが放たれる。
「がッ……」
「もう一丁!」
 目の奥が痛み、神経の焼き切れる音が鼓膜を撫でる。リロード。噛み締めた奥歯はもう少しで砕けそうだ。リロード。心臓が悲鳴をあげて――リロード。
「さっさと砕けてくれ、路傍の石ころ」
「――!!」
 何かを言い返したそうな目がヴィクティムを睨むが、そんな余裕は与えてやらない。イカれた笑いがその答えだ。
 人間性? そいつがあれば勝てるのか?
「ノーだろ。勝つ為に要るのは“覚悟”なのさ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・怜悧
詠唱:改変・省略可
人格:ロキ
祭壇と天国への回廊…かつては崇拝の対象だったのでしょうか。

可能性は薄いでしょうが、転送装置を用いて増援が来ると厄介ですね。クリスタリアンの方々には装置の完全停止方法を調べて頂きましょう。ついでに戦場から離れてもらいます。
暗器の刃はUDCの液体金属で打ち払い、魔銃で氷の礫を放って攻撃。
「ふむ、クリスタリアンの方には効果が薄いでしょうか」
光は手で目を覆って防ぎます。防ぎきれませんが死角からの攻撃はUDCが自動で行うため問題ありません。魔銃を土属性に変え、UDCの位置を頼りにダイヤモンドの弾でサファイアを撃ち砕きましょう。



 神々しい、と水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)は思った。澄み渡る祭壇の静謐さは天国への道行きを守るのに相応しい。
 自然と太古の昔にここを行き来していたのだろうクリスタリアンたちの姿が思い浮かんだ。その光景はまるで、聖地への巡礼を思わせる宗教画のようだったのかもしれない――。
「可能性は薄いでしょうが、増援が来るかもしれません。あの装置の完全停止方法を調べることはできますか?」
「ええ、『漿船』にお願いしてみます」
 クリスタリアンを通して怜悧の要請を受け入れた『漿船』は全力を挙げて転送装置へのアクセスを試みる。
「! あれを止められたら、帰れなくなる――」
 させるものか、とバトラー・サファイアの身体が蒼い輝きを解き放った。
「皆さんは戦場から離れてください」
 手で目を覆い、光を視ないようにしながら離脱を促す怜悧にクリスタリアンたちは「いいえ」と首を振る。
「私たちも戦います。ここは私たちの船ですから」
 共に閃光のただ中に立つ彼らは、少しでも攻撃を相殺しようと癒しの電脳魔術を紡いで時間を稼いだ。
「悪足掻きを――」
 だが、バトラー・サファイアはすぐに気付くことになる。背後からぞくりとした視線を感じて振り返った先に蠢く、黒く光る液体金属の異形の存在に。
 時空の裂け目から現れたそれは敵性体の四肢に絡みつき、理性すらも奪おうと狂気を囁きかけた。
「く、あ……!」
「鉱石にも恐怖はあるんですね、興味深いです」
 怜悧の差し向ける魔銃に込められた属性は土――閃光の中でブラックホールのように目立つUDCを目印に放つ弾丸はダイヤモンドのそれだ。
「まずい――!」
 それは、その鉱石はあまりにも硬い。
 それこそサファイアよりも――!!
「ああッ!!」
 心臓を撃ち抜かれたバトラー・サファイアの身体が粉々になって弾けた。ようやく眩しさから解放された怜悧はため息をつき、「お疲れさまでした」と皆を労う。
「転送装置の方はどうですか?」
 クリスタリアンは頷き、結果を報告した。
「無事に動作を停止できました。これで、もうこの船が狙われることはないはずです。猟兵の皆さん、本当にありがとうございました」
「それはなによりです」
 だが、猟書家たちによる侵攻はまだはじまったばかりだ。怜悧は果てなく広がる宇宙を眺め、これから続く長い戦いに思いをめぐらせるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年12月07日


挿絵イラスト