獣へ堕とす蒸気の翼(作者 麦門冬
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#アルダワ魔法学園  #猟書家の侵攻  #猟書家  #探求のオルガノン  #ガジェッティア  #災魔の卵 


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●アルダワ 商会同盟上空
「いい風ね」
 ドラゴニアンのガジェッティアであるエルフレアは、蒸気車椅子を動かし外の景色を眺める。ここは『飛竜の翼号』、エルフレアが設計し建造した飛行船の内部だ。
「調子がいいみたいね、私の翼……」
 エルフレアは生まれつき身体が弱く、他のドラゴニアンのように自由に空を飛ぶことはおろか、歩くことすらおぼつかなかった。みんなのように走りたい、空を飛びたい、その想いが蒸気機械へぶつけられた結果、彼女の新しい『足』として蒸気車椅子が生まれ、そして新しい『翼』としてこの飛行船が生まれたのだ。
「さあ、今日も色々なものを運んで頂戴ね……」
「こんな大きな翼、下等生物には分不相応ですね。地に這いつくばっているのがお似合いなのですから」
 機関室に戻ろうとしたエルフレアだったが、不意に聞こえた少年の声に振り向く。そこには人間サイズの人形の姿をした少年がいた。
「誰!?」
「どうせ下等生物には言っても無駄ですよ。どうせ何も分からなくなる」
 どういうこと? そう少年に問いかけようとした時、あたりに霧が立ち込める。
「これは……機関室の方から!? ねえ、あなた一体にゃにしたにょ……!?」
 改めて問いかけようとした時、エルフレアは自分の喋り方がおかしくなっていることに気づく。
「下等生物には下等生物らしく地に這ってもらいますよ。では……」
 そう言うと少年、『探求のオルガノン』は飛行船の外へと身を投げ出す。
「にゃ!? 待って……ん二゛ャッ」
 少年を追おうとしてエルフレアは車椅子を動かそうとするが、操作を誤って転倒する。
「にゃにこれ……」
 倒れこんだ時によく見ると、自分の手に肉球ができ、猫のようになっている。
「にゃんとか……しにゃいと……」
 自分が猫みたいになった原因は機関室から出る霧で、恐らく原因を直せるのは自分だけだろうと思われる。また、同じことが操縦室でも起きたら、飛行船が操作不能になって大惨事が起きるかもしれない。
「みゃずは操縦室に……この事態を…………うみゃく、掴めにゃい……」
 猫化した手ではうまく車椅子に乗れない。仕方なく這いずって操縦席まで向かおうとするエルフレアだった。

●グリモアベース
「……このままだと……飛行船は落下。……乗員はもちろん……落下した地点の人々も……危険。……更には……漏れ出た霧が……周囲を猫化させて……蒸気機械の操作事故が連鎖的に続くわ」
 予知した内容を伝えると、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)はそう纏める。
「……みんなには……やって欲しいことが二つ。……一つは……飛行船の異常の解決。……もう一つは……猟書家と呼ばれるオブリビオン……『探求のオルガノン』の撃破よ」
 ただし、オルガノンは隠れてこの状況を見ているようで、飛行船の状況を直さない限り、目の前に現れてくれないようだ。
「……まず……異常についての説明だけど……オルガノンが『災魔の卵』……というものを飛行船の機関室に設置したらしいの」
 災魔の卵……機械などの無生物に融合して迷惑なことを引き起こすアイテムだと思って欲しい。
「……その結果……機関室から特殊な霧……蒸気かもだけど……それを吸うと……『猫化する』……らしいの」
 猫耳や猫尻尾が生え、手足が肉乳付きの猫の足となって道具を使ったりできなくなるほか、ナ行がニャ行になってしまうなどの言語障害も引き起こすという。
「……ある程度対策があれば……猫化に耐えたり……治療できるかもしれないけど……一番は機関室から……災魔の卵を引き剥がすことよ。……ただ……引き剥がすのは……構造を熟知してないと難しいみたいだけど」
 ただ、幸運にもこの飛行船を作ったガジェッティアであるエルフレアがこの船に乗っている。彼女に協力してもらえば、何とかなるだろう。
「……ただし……彼女は足が不自由なのと……猫化で手がうまく使えない状態だから……そのあたりを……何とかしてほしい」
 具体的には、彼女を機関室まで運んで、彼女の手を治療するなり、猟兵が彼女の指示で手を動かすなりする必要があるだろう。
「……機関室が直れば……業を煮やしたオルガノンが出てくるわ……後は倒せば……万事解決」
 そこまで説明すると裕美は猟兵達に向き直る。
「……それじゃ……頼んだわよ」
 そう言うと彼女は準備のできた猟兵達を飛行船へと転送させるのだった。


麦門冬
 そんなわけで明けましておめでとうございます。マスターの麦門冬(むぎとふゆ)です。新年早々特に季節感のないシナリオです。皆さんには猟書家の企みを打ち砕いていただき、その後出てきた猟書家も打ち砕いてください。
 第1章では猫化する霧が溢れる機関室で災魔の卵を除去する作業をしてもらいます。構造が複雑なようなので、この飛行船を造ったガジェッティアと協力した方がいいかもしれません。第2章では、オルガノンが出てきますので、やっつけちゃってください。
 なお、今回のシナリオは全章を通して以下のプレイングボーナスがあります。

 プレイングボーナス……エルフレアの助力を得る。

 それでは、以下補足です。

●エルフレア
 ドラゴニアンのガジェッティアである女性です。生まれつき足や翼が動かせず、空を飛ぶことも歩くことも出来なかったのですが、蒸気機械を勉強し、自らの足の代わりになる蒸気車椅子を作ってからは不自由なく暮らせています。
 戦闘で援護を希望した場合、ガジェッティアのできそうなこと(蒸気車椅子から武器が飛び出す等)をして援護してくれます。
 現在、霧の影響で猫化しており、竜と猫が混ざったシュールな状況になっています。

●探求のオルガノン
 人間や他者を下等なものと断じ、真理の探究の為と称して蹂躙する、少年人形のオブリビオンです。基本的に猟兵達も見下しの対象です(多分、ミレナリィドール相手でも「下等生物に与するのは下等生物と同じうんたら」とか言ってきます)。

●災魔の卵
 今回、これのせいで機関室から猫化の霧が発生しています。機関室の構造をうまく把握していないと、機関室を壊さずに取り外すのは困難です。

●操縦室
 このまま放っておけば、操縦室の乗組員も猫化して大惨事になりますが、その前に機関室を正常にすれば大惨事は防げるので、特にこちらに救助の手を入れる必要はないです。

●猫化の霧
 猫耳猫尻尾が生える他、喋りが猫っぽくなったり、手足が猫になって物が持てなくなります。事前にガスマスク(アイテム化は不要です)をしたり、【毒耐性】技能などがあれば、耐えられるかもしれません(希望の度合いで猫化しても構いませんが)。また、ユーベルコードや【浄化】【破魔】技能などがあれば治療できるかもしれません(これらの技能はあくまで一例です)。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『吾輩は猫である、汝も猫である』

POWニャんであろうと気合で踏破してみせるニャ!
SPDニャんと! 危ニャいのニャら素早くゴールに行くニャ!
WIZとりあえず、マタタビをキめてから考えるニャ……
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ニコリネ・ユーリカ
蒸気車椅子や蒸気飛行船を創るなんて
ハッキリ言って天才技術者ね!
乗り物を愛する私が一番尊敬する存在よ
VIP待遇で操縦室にお連れします

うーん凄い瘴気だわ(猫耳ぴょこ)
折角の神技師の手も猫の手にニャっては使えニャいし
私だって彼女の手に代わる事は出来ニャくなる
ミス・エルフレア、さぁさご命令くださいニャ
「私を操縦室へ連れていけ」と
そしたら私は【Fair Lady N】でガス防護服に早着替えして
車椅子に乗せたミスを押して行けるニャー!
私の手がモキュモキュの肉球おててにニャる前に、さぁお早く!

ミスが完全猫化したら言葉が分からニャい
風の魔法で互いを包み猫化を禦ぎつつ
操縦室へ辿り着いてみせるニャー(フシャー!)


●運ぶのはリスペクトとともに
「うーん凄い瘴気だわ」
 グリモア猟兵に転送され、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は現状を把握し思わずそう口にしてしまう。転送されたのは飛行船の機関室そば。猫化を引き起こす霧状の物質があたりを漂う。
「折角の神技師の手も猫の手にニャっては使えニャいし、私だって彼女の手に代わる事は出来ニャくなる」
 そっと頭に手を当てれば、そこにはぴょこんと猫耳が生えている。喋りも猫っぽくなっているので、長時間いれば猟兵でも危ないだろう。
「……あにゃたは?」
 不意に声をかけられた方向をニコリネが振り向くと、そこには床に倒れている猫耳の生えたドラゴニアンの女性……エルフレアがいた。
「説明は後ニャ」
 彼女の姿を見つけたニコリネは、すかさずエルフレアの前に立膝を突き、語りかける。
「ミス・エルフレア、さぁさご命令くださいニャ。『私を操縦室へ連れていけ』と。私の手がモキュモキュの肉球おててにニャる前に、さぁお早く!」
 事情を詳しく話すには時間が惜しい。エルフレアもそれを感じ取ったのか、簡潔に応える。
「私を、操縦室へ連れて行って!」
「承ったニャ。花屋が叶えて差し上げますニャ」
 エルフレアの命令を快諾するとともにニコリネの姿がガス防護服に包まれる。ニコリネのユーベルコード【Fair Lady N】の効果だ。他者の命令を受けることで、任務にふさわしい格好になって遂行できる力だ。
「失礼しますニャ」
「え? にゃっ!?」
 ニコリネはまるで花束を抱えるかのようにふわりと持ち上げ、優しく蒸気車椅子へと乗せる。
(蒸気車椅子や蒸気飛行船を創るなんて、ハッキリ言って天才技術者ね! 乗り物を愛する私が一番尊敬する存在よ)
 ニコリネは蒸気車椅子を押し、飛行船の通路を駆け抜ける。移動販売車で花を売る身としても、ワイルドなドラテクで配達もする走り屋としても尊敬できる彼女の願いをかなえるために。
「ミスが完全猫化したら言葉が分からニャいので、ちょっと失礼するニャ」
「ふぁっ!?」
 エルフレアは最初は驚いたものの、ニコリネの精霊術で呼び出した風が二人に優しく渦巻き、猫化の霧を防ぐ。
「すごい、これが大魔王を倒したって噂の転校生ってことにゃのかしら?」
 ニコリネの至れり尽くせりなサポートにそう久場知ったのもつかの間、
「操縦室に到着ニャ!」
 時間にすればほんの僅か。あっという間に操縦室に着いたのであった。
「エルフレアさん!? その姿は一体!!」
 突然飛び込んできたエルフレア達とその姿に操縦士達は驚きを隠せないでいる。逆に言えば、ここにはまだ猫化の霧の影響はないようだ。
「緊急事態にゃ! にゃにがあってもすぐ墜落しないよう、高高度を保って、人が密集していにゃい場所への移動をお願い!」
 現在機関室で起きている異常事態を操縦士達に伝え、事故が起きてもすぐ大問題にならないよう指示を出すエルフレア。
「これでにゃにかあってもすぐ落ちることはにゃいでしょうし、荒っぽく着陸しても被害は最小限ににゃるわ」
 最悪の事態に備えることが出来、一息つくエルフレア。
「それはよかったですニャ」
 その様子にニコリネもホッとする。
「ではレディ、次の命令はいかがしますかニャ?」
 そして続けざまに彼女へ問いかける。
「機関室へ戻るにゃ。手伝ってくれるかしら?」
「もちろんですニャ、ミス」
 機関室の異常を直すため、エルフレアの命令を受けたニコリネは、元来た路を戻り、機関室へと彼女を運ぶのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ヴェルモ・バグトルーパー
このままでは多くの人命が失われる
そうはさせない
ボクはそういった人たちを守る為にこの世に戻ってきたのだから

霧か……なら、水中装備用のヘッドヘルムパーツ(プレイングICの物)を◆メカニックで改良してガスマスク代わりに使おう
ボクはデッドマンだから呼吸は必要ないし、霧をできるだけカットできれば大丈夫だろう

でも猫耳や尻尾は生えてしまったにゃあ……手が無事にゃら良しとしよう
エルフレアを助けたら、助けに来たことを伝える。
「ゆっくりでいいよ。ボクに命じてくれ。『この飛行船を助ける事を手伝って』と」

命令を受けたらUCで蒸気機械用の精密作業用ユニットを召喚
エルフレアの指示を受けながら、メカニック100技能で修理


緋神・美麗
アドリブ・絡み歓迎

猟書家撃破の為にもまずは船の修理が必要なのね。エルフレアさんに手伝ってもらった方が確実っぽいわねぇ。猫化の毒は…まぁ毒耐性と呪詛耐性あるし何とかなるでしょ、きっと。

エルフレアと一緒に機関室に行き、エルフレアの指示に従って災魔の卵を外す
猫化して手足が猫化してもサイコキネシスを駆使して作業を行う


栗花落・澪
猫化…
どうせならもふる側がいいんだけどな

まずエルフレアさんと合流しないとね
見つけたら車いすに…いや、直接連れて行った方が早いかな…
車いすも運べれば

万一の時も魔法に手足はいらないから
自分は翼で飛びながら
【高速詠唱】で生み出した風魔法でエルフレアさんを浮かせ
機関室まで運ぶよ

耐性なにも持ってないし
【オーラ防御】張っても猫化は避けられないかも
だけど【破魔】の効果を乗せた【指定UC】の【歌唱】を響かせ
その場にいる全員に【浄化】の癒しを
少しでも意味があるなら風を操り
せめてエルフレアさんに霧が届かないように

多分僕とエルフレアさん、似てると思うから
非力だけど魔法なら使えるし
手伝える事があったらなんでもするよ!


●それぞれの出来ること
 操縦室へ異常事態を知らせ、機関室へとやってきたエルフレアを待っていたのは3人の猟兵だった。
「猫化……どうせならもふる側がいいんだけどな」
「手が無事にゃら良しとしよう。……でも猫耳や尻尾は生えてしまったにゃあ」
 生えてしまった猫耳を押さえるオラトリオの少年、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)にデッドマンのヴェルモ・バグトルーパー(蟲鎧屍兵・f24549)が声をかける。
「猟書家撃破の為にもまずは船の修理が必要なのよね。だから、手伝って欲しいの」
 そして彼らと同じく少女、緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)がエルフレアに話しかける。
「貴方達も転校生にゃのかしら? 機関室を直すにょに協力してくれるにょね」
「ああ。こにょままでは多くの人命が失われる。けど、そうはさせにゃい」
 エルフレアの問いかけにヴェルモが答え、更にこう続ける。
「ゆっくりでいいよ。ボクに命じてくれ。『この飛行船を助ける事を手伝って』と」
 その言葉にどう応えればいいのか察したらしく、彼女は頷くと、
「お願い。機関室をにゃおすのを手伝って欲しいにゃ」
「了解した。ボクは君の願いを必ず叶えよう」
 エルフレアの命令により、ヴェルモのユーベルコード【願望叶機】が発動。蒸気機械用の精密作業用ユニットを召喚され、ヴェルモに接続される。
「ユニット接続を確認。これより『災魔の卵』の除去作業に入る。細かい指示を頼む」
「ええ、分かったにゃ」
「私もお手伝いするにゃ。手の届かにゃい場所とかもあれば教えてにゃ」
 機関室での作業に美麗も加わる。
「猫化の侵攻は僕に任せて! 皆の行く先に、幸多からん事を」
 そして澪はエルフレアの座る蒸気車椅子を押して『災魔の卵』がある場所へと彼女を連れて行きながら、ユーベルコード【sanctae orationis】……神秘的で清浄な天使の歌を歌いあげることで猫化の症状を浄化してゆき、霧による猫化と拮抗するどころか押し返してゆく。
(多分僕とエルフレアさん、似てると思うから……手伝える事があったらなんでもするよ!)
 生まれつき不自由な身体ながらもガジェッティアとして大成してきた彼女と、非力ながらも魔法の力を手にしてきた自分の重ねたのか、澪の歌声にも力が入る。
「そこのパイプをそっちに繋いで蒸気の流れを確保して」
「了解した」
「そこの奥の方の部品を外したいのだけど、いけるかしら?」
「わかったわ」
 一方で、エルフレアの指示の下、機関室に融合した災魔の卵の除去はスムーズに行われていた。ヴェルモの精密作業用ユニットで効率よく作業できているのもあるが、通常なら周囲の部品などを取り払わなければできないような奥まった場所の作業も美麗の【サイコキネシス】で行うことが出来ることもスピードアップの一端を担っていた。

「これで……よし!」
 そして作業の末、機関部から災魔の卵を分離することに成功し、破壊することに成功する。この時点で霧はもう出ておらず、澪の浄化の歌も相まって、猟兵達やエルフレア達の猫化の状態も消え去っていった。
「ありがとう貴方達。私だけだったら、どうすることも出来なかったわ。あとは、機関室が直ったことを操縦室に伝えないと……」
 猫化した手も直り、蒸気車椅子を色々と操作するエルフレアの様子と裏腹に、猟兵達は多少安堵しているものの、警戒は解いていない。何故なら彼らの仕事はここからが本番だからだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『探求のオルガノン』

POW ●スチーム・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【魔導書から蒸気魔法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD ●ビースト・ショータイム
いま戦っている対象に有効な【蒸気獣もどき】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ ●エレメント・カース
攻撃が命中した対象に【魔術印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する炎や氷、風の魔法】による追加攻撃を与え続ける。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鴛海・エチカです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『探求のオルガノン』
 鳥型蒸気獣の背に乗り、飛行船の様子を観察していた『探求のオルガノン』だったが、異変に気付く。
「おかしいですね……」
 本来なら、操縦不能になった飛行船が市街地に突っ込み、猫化の蒸気をまき散らして大惨事を引き起こしている頃合いだ。それが、市街地を離れるような進路と高度を取り始めたと思ったのも束の間、飛行船から漏れ出ていた蒸気なども目視出来なくなっている。
「修理できる技師は最初に潰した。進路を変えることはできたとしても、『災魔の卵』を取り外すなんてことは……まさか」
 そこでとある可能性に気づき、表情を歪ませる。
「猟兵。下等生物でありながら生命の埒外の域に至った不届き者共」
 どこからともなく現れてはオブリビオンの計画を邪魔する者達。いつどうやって乗り込んだかは不明だが、神出鬼没な彼らであればもしくは……。
「作戦修正ですね。不確定要素は排除しませんと」
 そう言うと、彼は鳥型蒸気獣を飛行船へと近づけるのだった。
 
「きゃあっ!?」
 飛行船の通路から何か大きな音がし、エルフレアが思わず悲鳴を上げる。猟兵達に守られながらも様子を見に行くと、そこには機関室に『災魔の卵』を取り付けたであろう人形の少年が戻ってきていた。
「下等生物の分際で手間取らせてくれますね」
 言葉遣いは丁寧だが、どこか苛立っている。
「与えられた力の範囲で無様に地を這って生きていればよかったものを。そうでなけれこんなところで死ぬこともなかったでしょうに」
 そう言いながら、魔導書を開く人形の少年こと『探求のオルガノン』。
「さあ、邪魔者はさっさと死んでもらいますよ!」
「みなさん……」
 戦闘態勢に入ったオルガノンを見据えつつ、エルフレアは猟兵達に語りかける。
「どうかこの飛行船を守ってください。この飛行船は私の夢と憧れが詰まった、私の翼なんです!」
 そして手元のレバーやボタンを操作し、蒸気車椅子を動かし、工具類や蒸気ガトリングガンを展開する。
「飛行船は多少壊されても、修理できます。あと、多少の銃器も積んでいますので、射撃支援もできると思います! 手伝えることは何でもやりますので、皆さんお願いします!」
 かくして猟書家『探求のオルガノン』との戦いの幕開けとなるのだった。
 
(※1章に引き続き、エルフレアの助力を得ることでプレイングボーナスを得られます)
吾喜内・来世(サポート)
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
女性的な身体に男性的な言動、陰鬱な外見に陽気な性質を持った桜の精です。
善意と正義感に従い、世の不条理や他人の不幸を掃う為に行動します。
心根が素直な為、敵の言葉に迷ってしまうこともありますが、事件解決という目的は忘れずに遂行しようとします。

「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る」
ユーベルコードは状況に応じて使い分け、攻撃と防御はそれ任せです。
本人は援護や救助の役割を主に担当します。装備の薬からその場面で最適なものを選び、自分や味方、敵にすらも服用させます。

アドリブや他者との絡みは大歓迎です。
やりやすいように、自由に動かしてください。


髪塚・鍬丸(サポート)
「御下命如何にしても果たすべし
死して屍拾う者無し」

【人物】
時代劇に出て来る遊び人の兄さん風の、飄々とした言動の人物です。
正体は抜け忍です。基本的には任務の為なら手段を選びませんが、そういう殺伐とした生き方を嫌って逃亡した為、残虐非道な行動だけは避けます。

【行動】
情報収集時は、出来るだけ状況を楽しみつつ、忍者時代の技術を活かして行動。
戦闘時は、忍装束を纏い忍者として気を引き締めて戦います。
【早業】の技能を活かし、手持ちのユーベルコードから、適切な能力で行動します。
連携、アドリブ感激です。


火土金水・明
「オブリビオンの計画を邪魔をするのは常識でしょう。とくに猟書家が計画したのであれば。」(可能であれば、こちらの攻撃のタイミングに合わせてエルフレアさんに援護射撃をお願いしたいです。)
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【銀の流れ星】で、『探求のオルガノン』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


●舞うは桜、翔けるは疾風
「行きなさい! 奴らをズタズタにしなさい!」
 オルガノンの【ビースト・ショータイム】により、蒸気獣もどき達が召喚される。
 しかし、そこに立ちはだかるように現れるのは3人の猟兵。
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
「御下命如何にしても果たすべし。死して屍拾う者無しってな」
 まず口を開いたのは桜のような色の髪をした二人の猟兵。桜の精の少女、吾喜内・来世(サクラキメラ・f22572)と飄々とした忍び装束の青年、髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)だ。
「オブリビオンの計画を邪魔をするのは常識でしょう。とくに猟書家が計画したのであれば」
 そしてそこに続くは魔術師風の格好の女性、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。
「下等生物がいくら増えようが同じですよ。行きなさい!」
「いくら増えてもいいなら、やらせてもらうよ! 祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る。援け給へ」
 陰鬱そうな外見とは裏腹に元気いっぱいに声を張り上げると、ユーベルコード【咲耶姫】を発動させる。来世の詠唱に応じ、わらわらと樹木の従者達が湧き出てくる。
「敵の動きを止めろ!」
 戦闘はあまり得意ではないようだが、数に持を言わせて蒸気獣もどきに取り付き、動きを押さえる。
「へえ、こいつはいいな」
「この程度なら問題ありませんね」
 鍬丸が『八方手裏剣』を複数放って蒸気獣もどきの外装や手足を砕き、昭が『銀の剣』で刺し貫く。
「それなりにやるようですね。ですが、それで対応はしましたよ」
 オルガノンは更に【ビースト・ショータイム】で蒸気獣もどきを呼び出す。今度は大型のカマキリのような姿をしている。
「たくさん増えようが、それを圧倒する殲滅力で対処すればよいだけです」
 カマギリ蒸気獣もどきは手の大振りな鎌を一振りすると、一気に樹木の従者達をなぎ払う。そして、そのままの勢いで鍬丸と明に斬りかかるが、
「少し厄介ですね」
 明が『黒色のマント』を蒸気獣もどきの前に広げ、目くらましと身代わりにすることで難を逃れる。
「こっちの戦術に対応してくるって訳か。さて、どーしたもんかね?」
 あまり緊迫していないような雰囲気で鍬丸が現状を口にしたところで、
「大丈夫、押してもダメなら押し通せだ! 援け給へ!」
 来世は劇薬『木行』を齧ると、再び【咲耶姫】で樹木の従者を呼び出す。劇薬で成長、増殖の性質が強化されたのか、先ほどより従者の数も増え、体も大きくなっている。
「何度やっても無駄だと、下等生物は分からないですかね!」
 オルガノンの言葉に合わせるようにカマキリ蒸気獣もどきは鎌を振るう。先ほどと同じくなぎ払われ、残骸をまき散らす従者達。だが、その従者達の間を縫ううように駆け抜けてゆく明と鍬丸。
「目くらましのつもりですか! 下等生物の浅知恵ですね!」
 両腕の鎌をそれぞれ明と鍬丸に振り下ろすカマキリ蒸気獣もどき、だが、
「なっ!?」
 斬られたはず鍬丸の姿が消え、明は刃をすり抜けるように通り抜けてゆく。
「流れる星に、魔を断つ力を」
 マントを脱いで加速した明の【銀の流れ星】による一撃がオルガノンを穿つ。
「何故……斬られていない?」
「お前さんは斬ったさ。俺の影をな」
 オルガノンの問いに飄々とした様子で鍬丸が答える。いつの間にかカマキリ蒸気獣もどきの横に立っていた彼は、『明を斬ろうとしていた』蒸気獣もどきの鎌を腕の一部ごと持っていた。
「……どういうことだ?」
「さあな? 下等生物のやったことなんて見抜いてみせろよ」
 鍬丸の使ったユーベルコードは【空蝉の術】、数瞬の時を遡り、更にはさかのぼらなかった時の自分の姿を残像として残すユーベルコード。オルガノンが斬ったと思った鍬丸は残像であり、鍬丸自身は時間を遡って別方向から敵に迫り、明を斬ろうとしていた鎌を斬り落としていたのだ。
「下等生物に出し抜かれた気分はどうだ?」
「ダメージを与えて次の方の為に少しでもダメージを」
 その鎌を斬り落としたであろう科学忍者刀『双身斬刀』で鍬丸が蒸気獣を斬り捨てると、それに呼応するように明も返す刀でオルガノンを斬りつける。
「くっ! 下等生物ごときがよくも私の体に傷を。この贖いは貴様達と町の奴らの死と埋め合わせてもらいます」
 オルガノンも魔力弾を放ち、明に牽制しながら距離を取るが、その表情は憎々しげであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

ヴェルモ・バグトルーパー
『飛行船を守って下さい』、だね
ならばそれを命令として認識するよ
だが1つこちらから追加だ。キミも人々も守り抜くさ

UCはまだ発動せず、まずはビーコンで呼び寄せた黒糸蜘蛛を下半身と接続し、粘性の糸を◆ロープワークで張り巡らせ捕縛した所を、硬性の糸を発射し攻撃していく

相手が蒸気獣もどきを召喚した時
「それを待っていた」
黒糸蜘蛛の接続を解除しUCで飛行船を守り抜く為の接続ユニットを召喚
飛行船全て、そしてボクら全員を対象にした反射性バリア発生ユニット
これで相手の攻撃を防御、反射
怯んだ隙にエルフレアに銃器援護をお願いし
隙が出来たところを対機械用腐食◆毒を充填した毒貫針尾の◆誘導弾針を発射
トドメに直接貫く!


ニコリネ・ユーリカ
夢と憧れが詰まった飛行船
ミスの翼は素敵ね
夢を叶えた貴女は素晴らしい
未だ夢の途にある私をこんなにも震わせてくれる

ミス・エルフレア、もう一度お命じ下さいな
「私を王にしてみせよ」と
そしたら私は歌を紡いで花冠を編みましょう

どうぞ無敵の月桂冠を被って
王の足は力強く立ち、翼は雄渾と羽搏く
でもやっぱり、ご自身の技術力であの子をとっちめたいかしら
さぁ「欠く」を知らず慢心した愚者に王の裁きを

ミスと私に魔術印が付されぬよう防禦に徹し
炎や氷の追加攻撃は相反する属性魔法で相殺
王にお許しを頂けるなら
蒸気車椅子での全兵装一斉発射の弾幕に隠れて敵に接近し
シャッター棒でお尻をべちーんと叩いてみせる
王を冒瀆した罪を受けなさい!


栗花落・澪
僕も心臓が弱くて、自分の足では思うように走れなくて
翼が、蒸気車椅子があったとしても
弱点は決してゼロには出来ない

だから…補えばいい
僕達は一人じゃないんだから

なるべくエルフレアさんの側で
車椅子は方向転換時動きに隙が出来るから
【オーラ防御】を張り巡らせて護りを
僕の詠唱中は射撃支援をお願い

少しでも手数を増やせるよう【高速詠唱】や【多重詠唱】を駆使し
氷魔法の足止めや植物魔法の目眩しで支援を

本当はお気に入りなんだけど
魔法で復元くらいできるからね!
敵のUCは脱いだパーカーで受け止め
魔術印への攻撃をパーカーが全て受け止めるように

お返しだよ
召喚した【指定UC】の分身達に思い思いの【属性攻撃】で攻撃させる


緋神・美麗
絡み・アドリブ歓迎

さて、これが猟書家かぁ。なかなか厄介そうだけどエルフレアさんのサポートがあるなら何とかなるかしらね。

エルフレアさんには援護射撃をお願いする
「サポートお願いね」
出力可変式極光砲は手数優先しつつ飛行船のダメージを抑えるよう射程を短めにする
エルフレアさんの援護射撃で相手の移動範囲を絞り、出力可変式極光砲で避けきれない位の弾幕を張って削り、相手の動きが鈍ったところに威力重視の大弾を撃ち込む
「これで終わりよ!」


●夢の先へ
「さて、これが猟書家かぁ」
 緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)が見据える先にいるのは『探求のオルガノン』だ。
「くっ! 下等生物ごときがよくも私の体に傷を。この贖いは貴様達と町の奴らの死と埋め合わせてもらいます」
 3人の猟兵達の連携で手傷を負わされたこともあり、激昂している。
「なかなか厄介そうだけどエルフレアさんのサポートがあるなら何とかなるかしらね」
 その言葉を受け、エルフレアは静かに頷く。
「『飛行船を守って下さい』、だね。ならばそれを命令として認識するよ」
 そんな彼女を守るようにヴェルモ・バグトルーパー(蟲鎧屍兵・f24549)が立つ。
「だが1つこちらから追加だ。キミも人々も守り抜くさ」
 そう言うと彼はビーコンで蜘蛛型ユニット『黒糸蜘蛛』を呼び出すと下半身に接続する。
「サポートお願いね」
「任された」
 美麗の言葉にヴェルモが応え、黒糸蜘蛛から粘着性の糸を飛ばし、美麗が【出力可変式極光砲】で手数を優先した電撃球を連射する。粘着糸で動きが制限されたオルガノンに電撃球が降り注ぐ。
「舐めないでください下等生物が!」
 しかしオルガノンは【スチーム・リフレクション】で蒸気の霧を出して電撃球を包み込み拡散させると、【ビースト・ショータイム】で竜型の蒸気獣もどきを呼び出す。
「焼き払いなさい!」
 オルガノンの号令で炎を吹き散らす竜。オルガノンにかかっていた糸を焼き切り、美麗とヴェルモに炎を浴びせる。
「熱っ! 私のサイキックエナジーを消しちゃうとかさ、ズルくない?」
「大丈夫、むしろそれを待っていた。彼女の願いを叶えるユニットをここに!」
 黒糸蜘蛛を分離させ、新たなユニットと接続するヴェルモ。ユニットから小型の機械群が射出される。だが、竜型蒸気獣もどきはお構いなしに火を吹きつける。
「バリア展開!」
 ヴェルモの放ったバリア発生装置が光の壁を形成し、炎を跳ね返す。
「今だ!」
 美麗が【出力可変式極光砲】を相手に叩き付け、その隙にヴェルモは相手に肉薄すると、腕に嵌めた巨大鋏【RX灼熱蠍鋏】で刺し貫く。鋏が赤熱し、内側から焼かれた蒸気獣もどきは機能を停止する。
「やー、助かったわ。ありがとね」
「ああ、蒸気獣もどきは何とかなった。あとは……」
 美麗の礼に応えたヴェルモはオルガノンの方を見やる。ヴェルモ達を蒸気獣もどきに任せていたオルガノンはエルフレア達へ攻撃を仕掛けているところだった。

 時は少し遡り……、
(夢と憧れが詰まった飛行船、ミスの翼は素敵ね。夢を叶えた貴女は素晴らしい。未だ夢の途にある私をこんなにも震わせてくれる)
「ミス・エルフレア、もう一度お命じ下さいな『私を王にしてみせよ』と」
 ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)はエルフレアへ呼びかける。
「そしたら私は歌を紡いで花冠を編みましょう」
「えっと……王? 別に私は王様とかには」
 ニコリネの言葉にエルフレアは戸惑うが、
「エルフレアさん」
 今度は栗花落・澪(泡沫の花・f03165)がエルフレアに話しかける。
「僕も心臓が弱くて、自分の足では思うように走れなくて……翼が、蒸気車椅子があったとしても、その弱点は決してゼロには出来ない」
 そしてエルフレアの肩に手を置き言葉を続ける。
「だから…補えばいい。僕達は一人じゃないんだから、ね」
 そして、スッとニコリネの方を見やる。そこでエルフレアもようやく察したようだ。
「王になる。それが貴方が私を補ってくれるのに必要なプロセスって訳ね。分かったわ、なら、私を王にでも何にでもしてちょうだい。それでこの飛行船、私の翼が守れるのであれば」
 意を決してニコリネに告げるエルフレア。
「承りました」
 そしてニコリネは朗々と歌い上げる。
「どうぞ無敵の月桂冠を被って、王の足は力強く立ち、翼は雄渾と羽搏く」
 ニコリネの祈りを込めた歌と共に現れたのは月桂冠。ユーベルコード【主の戴冠】によって生み出された無敵の月桂冠だ。それをニコリネはエルフレアの頭へと被せる。
「やっぱり、ご自身の技術力であの子をとっちめたかったのかしら」
 月桂冠を被ったエルフレアに変化はすぐ起きた。蒸気車椅子が変形し、彼女の身体へパワードスーツのように装着される。
「私……立ってる? 車椅子なしでも立ててる!?」
 そして直立した自分の姿に驚きと喜びを見せる。
「さぁ、機械を統べし蒸気の王よ。『欠く』を知らず慢心した愚者に王の裁きを」
「何が王ですか。下等生物ごときが思い上がりを!」
 蒸気獣もどきに戦闘を任せ、フリーになったオルガノンが【エレメント・カース】をエルフレアに向けて放つ。
「危ない!」
 すかさず澪が自分の着ていた『ゆるふわロングパーカー』を脱ぎ、とっさに投げる。オルガノンの攻撃はパーカーに当たり、属性魔法の追尾攻撃を誘発させる魔術印が刻まれる。
「本当はお気に入りなんだけど、魔法で復元くらいできるからね。これから反撃に移るから支援お願い!」
「ええ」
「分かったわ」
 澪の要請にニコリネとエルフレアが応える。
「何をしようが無駄ですよ!」
 再びオルガノンが刻印を刻まんと攻撃を行うが、それをニコリネの精霊魔術が撃ち落とし、エルフレアが軽快に動きつつ蒸気ガトリングガンを連射して牽制を行う。
「鬱陶しいですね!」
「止まってもらうよ」
 ガトリングガンによる攻撃を回避したところで澪が氷魔法を放ち、着地直後のオルガノンの足元を凍らせる。
「この程度の氷など……」
「ミス、お願いします」
「ええ。グレネードランチャー展開」
 オルガノンが対応しようとしたところで、ニコリネの声掛けに合わせてエルフレアが蒸気車椅子のパーツから蒸気グレネードランチャーを展開すると、オルガノンへ向けて発射する。
「その程度!」
 魔力弾で撃ち落とされ、オルガノンに到達する前に爆発し、爆煙を上げる。
「何が王だ。大したことないじゃ……」
「王を冒瀆した罪を受けなさい!」

 ぺちーん!

 煙に紛れて接近していたニコリネが移動販売車のシャッターを引き下げる際に用いる『シャッター棒』でオルガノンのお尻をしたたかに打つ。
「な……っ! このっ、下等生物が!」
 突然の事に頭が血が上ったのか、言葉が詰まるほど激昂するオルガノン。そして盛大な反撃を繰り出そうとする彼に光が差し、照らされる。
「っ!?」
 光に気づき振り向いた彼の視界に広がるのは光の壁。ヴェルモの機械群が発生させている反射性バリアだ。
「こちらは準備完了だ」
「こっちも。これで終わりよ!」
 オルガノンを挟んだバリアの反対側には毒貫針尾『ナードロヴォスト』の照準を合わせているヴェルモと【出力可変式極光砲】の出力を最大まで高めている美麗がいた。このバリアの配置は攻撃を防ぐためではなく、威力を逃がさないようにする配置。
「パーカーのお返しだよ!」
 そして他方ではユーベルコード【極めて小さい天使の物量アタック】によって召喚された無数の小さな天使、もといミニ澪達が様々な属性の魔法を放つ準備を完了させていた。
「では王。号令を」
 いつの間にかエルフレアのそばに戻っていたニコリネが彼女へそう呼び掛ける。
「みなさん、お願いします!」
 そしてエルフレアの言葉と共に放たれるさまざまな攻撃。多方からの威力と物量の暴力ともいえる攻撃にオルガノンが防御しきれるはずもなく……、
「こ、この下等生物共が! ここで敗れようと私はまた戻ってくる! その時は……」
 捨て台詞を最後まで言い切ることもなく、猟書家『探求のオルガノン』はその身を討ち滅ぼされ、骸の海へと還っていった。

「みなさんが来てくれなかったら飛行船が、私の翼が、大変なことを引き起こしていたかもしれません。飛行船を守っていただきありがとうございました」
 飛行船の損傷もエルフレアや猟兵達で問題なく処置できる程度であり、無事に当初の目的地へとつくことができた。飛行船から降りようとする猟兵達にエルフレアは礼を言う。
「今度、飛行船の修理やメンテナンスがちゃんと終わったら、みなさんの行きたい所に連れて行ってあげますね」
 そうして猟兵達を見送った後、エルフレアは蒸気車椅子を動かして作業に戻ろうとするが、はたと止まる。
「目標がまた、増えちゃったかしら」
 猟兵達と一緒に戦った時の、蒸気機械の補助があったとはいえ、二本の足で駆けた時の感触を思い出す。
 新たな夢を胸に秘め、ドラゴニアンのガジェッティアは再び進み始めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年01月16日
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