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侵掠魔星戦線

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #デストロイ・プライム #アームドヒーロー #『神月円明』

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●知性持つ機械
 ヒーローズアースには知られざる文明と呼ばれる4つの文明が存在している。
 その文明は嘗て起こったジャスティスウォーにおいて地上の人々と協力し、戦いを終結させた文明である。
 一つは太平洋の海底に在るアトランティス。
 一つはニューヨークの地下に広がるダストブロンクス。
 一つは地球の中心に在るセンターオブジアース。
 そして、大気圏外に存在する衝突した宇宙船群の上に築かれた文明――ラグランジュポイント。

 そこはかつて侵略宇宙人を撃退した『重力の罠』である。
 今は侵略者の奴隷であった善良な人々が超テクノロジーを活用して住んでいるだけの場所であった。
 超テクノロジーと言っても、そこに住まう人々が全てを理解できているわけではない。大抵の場合、生活に必要なもの以外は解明されておらず手つかずで残っているのだ。

 そこに飛来する小さな機械の塊。
 最初はほんの握りこぶし大であった塊であったが、周囲に浮かぶ超テクノロジーによって生み出された宇宙船の残骸を次々と取り込んでいく。
 あっという間に巨大化していく塊は徐々にその姿を三つ首の竜の如き姿へと変貌していく。翼が生え、その威容は益々持って巨大化していく。
 それほどまでに巨大化してもなお、宇宙船の残骸を取り込むのは終わらない。
「……モット……モット……チカラヲ。スベテヲハカイシ、スベテヲオワリヘトミチビク。シュウエンノトキハキタレリ。ソノノチニ『スナーク』ニヨルシハイヲ」
 その怪しく輝く三つ首の竜の――猟書家『デストロイ・プライム』の眼光が怪しくラグランジュポイントに輝くのだった――。

●崩壊戦線
 グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(フラスコチャイルドのゴッドハンド・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。今回はヒーローズアースにおける事件……知られざる文明の一つ、『ラグランジュポイント』において猟書家の存在が確認されました」
 ナイアルテの瞳に映った予知。
 それは大気圏外に存在する嘗ての侵略宇宙人達を重力の罠によって撃退し、破壊された宇宙船の残骸に築かれた文明に起こる事件である。
 その『ラグランジュポイント』に飛来した機械の一塊が周囲の残骸を取り込み、巨大化していっているというのだ。

「ですが、私の予知では、この猟書家『デストロイ・プライム』が広大な『ラグランジュポイント』のどこに飛来したのかわからないのです。あまりにも大気圏外は広大……」
 かといって虱潰しに転移するのはあまりにも非効率的であり、『ラグランジュポイント』を飲み込まんと肥大化する『デストロイ・プライム』を止めるのが間に合わなくなってしまう。
 それは『超生物スナーク』の誕生を目指す猟書家たちの思うつぼである。

「この『ラグランジュポイント』には超兵器が今も眠っており、これを管理する『アームドヒーロー』だけで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』がいるのです。彼等の助力を乞えば、私の予知した場所もわかるはずなのです」
 彼等に助力を得ることは可能であろう。
 しかし、それを容易にはさせてくれないのが猟書家である。『デストロイ・プライム』は先んじて猟兵たちへの対策として創造した『機械化オブリビオン』―――機械鎧『ドミニオン』の着用兵士たちを送り込んでくる。
「彼等は嘗ての世界大戦の折に開発された着用すると脱げなくなる機械鎧を纏った兵士たちのオブリビオンですが、『デストロイ・プライム』によって、さらなる機械化の強化を受け巨大化しています」

 強化と同時にそれは、『デストロイ・プライム』のパーツの一部でも在るというのだ。
 一体でも多くの機械化オブリビオンと化した彼等を倒せば、続く猟書家『デストロイ・プライム』の強化を防ぐことができるのだという。
「はい……彼等はみなさんと交戦するよりも、逃走し主である『デストロイ・プライム』との融合を優先するでしょう。ですが、ヒーローチーム『崩壊戦線』の皆さんはラグランジュポイントの地形を熟知しています。彼等の『敵を逃さない』戦いとうまく連携することが重要でしょう」
 ヒーローチーム『崩壊戦線』の面々の戦闘力はそれほどでもないが、ラグランジュポイントに浮遊する宇宙船の残骸の隙間を縫うようにして闘争する機械化オブリビオンを逃さないように立ち回ってくれるのは心強いだろう。

「猟書家『デストロイ・プライム』……意志ある機械であり、他の機械と融合することで巨大化し続ける能力はラグランジュポイントの宇宙船の残骸群を全て飲み込まんとしています。これを討つには皆さんの力がどうしても必要なのです」
 再び頭を下げるナイアルテ。
 不完全なる予知。広大なるラグランジュポイントにおいて敵である猟書家『デストロイ・プライム』の居場所を予知できなかったことは、グリモア猟兵である彼女にとって恥ずべきことである。

 いつだって戦いに赴くのは猟兵達である己は転移を維持することしかできない。
 だからこそ、ナイアルテは頭を下げる。
「ラグランジュポイントは嘗て奴隷であった善良なる人々の生活の基盤……どうか、彼等を守る戦いのため、皆さんの力をお貸し下さい……!」
 ナイアルテは三度頭を下げて猟兵達の転移を行うのだった――。


海鶴
 マスターの海鶴です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今回はヒーローズアースにおける猟書家との戦いになります。猟書家『デストロイ・プライム』が飛来した知られざる文明、大気圏外に存在する『ラグランジュポイント』を救うシナリオとなります。

 ※このシナリオは二章構成のシナリオです。

●第一章
 集団戦です。
 ラグランジュポイントには今、猟書家『デストロイ・プライム』が創造した『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』の着用兵士たちが居ます。
 彼等は猟兵を見るやいなや、戦いながらも逃走を優先し、浮游する宇宙船の残骸などの隙間を駆使し『デストロイ・プライム』の元へと向かい合体を試みます。
 彼等は『デストロイ・プライム』のパーツの一部であり、逃せば逃した分だけ第二章における猟書家の戦力が増強されます。
 このラグランジュポイントにはアームドヒーローだけで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』が存在します。
 彼等もまたオブリビオンの存在に駆けつけていますが、戦力はそれほどでもありません。
 ですが、彼等は地形を熟知していますので強力することによって『機械化オブリビオン』を逃さぬ戦い方ができるので連携しましょう。

●第二章
 ボス戦です。
 第一章の結果次第で猟書家『デストロイ・プライム』の戦力と大きさが変化します。
『機械化オブリビオン』を全て倒していたとしても、尚巨大な敵です。
 また逃して強化された場合、アームドヒーローたちに『強化された超兵器の停止方法』を聞き、実行しなければ『デストロイ・プライム』は極めて強いため、歯が立たないでしょう。

 戦闘を有利に進めるためにヒーローチーム『崩壊戦線』と連携することが勝利の鍵となることは言うまでもありません。

 ※プレイングボーナス(全章共通)……アームドヒーローのヒーローチームと共闘する、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)

 それでは、大気圏外に存在する知られざる文明、ラグランジュポイントにおける巨大なる機械の塊、融合し今も尚、強大な力を得ていく猟書家『デストロイ・プライム』との熾烈なる戦いの物語の一片となれますように、いっぱいがんばります!
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第1章 集団戦 『機械鎧『ドミニオン』の着用兵士』

POW   :    シフト:ペネトレイトランス
技能名「【鎧砕き】【串刺し】【怪力】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
SPD   :    シフト:クイックスタン
技能名「【早業】【先制攻撃】【マヒ攻撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    シフト:カウンタースペル
技能名「【呪詛】【ハッキング】【カウンター】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ジャスティスウォーの残滓である超テクノロジーを管理し、ラグランジュポイントの平和を守るヒーローチーム。
 アームドヒーローだけで構成された彼等の名は『崩壊戦線』。
 崩壊した宇宙船や戦闘機、あらゆるものを組み上げ、かつて侵略宇宙人達の奴隷として働かされていた善良なる人々を守る者たちである。

「……四時の方向に熱源……?」
「なんだ? あの速度は……! 機械化された人……! あれは!」
 彼等が目にしたのはジャスティスウォーにおいて使用されたという非人道的な兵器。
 機械鎧『ドミニオン』。
 それは着用者の肉体と一体化し、戦闘力を向上させるが一度着用してしまえば二度と脱ぐことの出来ぬ決死の兵器。
 失われたはずの超テクノロジーであったが、彼等の目の前に展開する機械化された嘗ての機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちが大気圏外の宇宙に舞う。

「まずい! このままだと居住区まで到達してしまう。なんとしても此処で食い止めなければ!」
 彼等は確かにアームドヒーローと呼ばれるヒーローチームである。
 だが、それは一般的なヴィランに対してであって、オブリビオンに対してはそうではない。
 如何に彼等が失われた超テクノロジーを扱う知識を持っていたとしても過去の化身、さらには猟書家『デストロイ・プライム』によって強化された機械鎧『ドミニオン』を着用したオブリビオンに敵うべくもない。

「此処から先へは一歩も行かせない!」
 彼等の意志は固い。
 これまで侵略宇宙人たちによって虐げられてきた善良なる人々。彼等がやっとの思いで到達した安息の地を脅かしてはならないのだと毅然と立ち向かう。
 例え敵わなくとも、それでもヒーローには戦わねばならぬ時があるのだ――!
アストラ・テレスコープ
たくさんの宇宙船とそこに築かれた文明!
ラグランジュポイントはロマンの塊だね!わくわくする!

ミニロケットを噴射して宇宙を飛びながら、敵にはコズミックロングボウで応戦!
おおっ!残骸の中をびんびゅん飛ぶのってギリギリでスリルがあって楽しい!でも敵が逃げて行っちゃう!ちょっと障害物が多くて追いつけないかなー

そうだ!『崩壊戦線』の人たちに見通しの良い狙撃ポイントを教えてもらおう!
視界を遮るものさえなければ、天体望遠鏡の私は「視力」と「暗視」と「スナイパー」で宇宙の中を敵がどこまで遠くに行っても見逃さないよ!

くらえ!



 ヒーローズアースには知られざる文明が存在する。
 そのうちの一つである『ラグランジュポイント』は大気圏外に存在する嘗ての大戦において『重力の罠』によって大破した侵略宇宙人たちの宇宙船の残骸を組み合わせて築かれた文明である。
 そこは侵略宇宙人たちによって奴隷とされていた善良なる人々が生きる場所であり、その広さは広大であるとも言える。
「たくさんの宇宙船とそこに築かれた文明! ラグランジュポイントはロマンの塊だね! わくわくする!」
 天体望遠鏡のヤドリガミであるアストラ・テレスコープ(夢望む天体望遠鏡・f27241)にとって、その思いはもう居なくなってしまった持ち主の意志であり夢であった。
 星を見ることが好きだった持ち主。
 けれど、本当は宇宙に言って冒険したかったというつぶやきが漏れたのを、アストラは聞いていた。
 だからこそ、彼女はラグランジュポイントにロマンを見る。星々の海を征く手前、地球の大気圏外。そこにある人の生存圏は彼女の言うロマンそのものであったことだろう。

 彼女の体は今、4つのミニロケットがついたベルトから噴射する勢いで大気圏外に存在するラグランジュポイントへと到達する。
「わ、もう戦いがはじまってる! 助けに来たよ! 『崩壊戦線』の人たちー!」
 彼女の呼びかけに、アームドヒーローだけで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』の面々の顔が明るくなる。
 彼等だけでは『機械化されたオブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちを抑えられないのだ。

「助かった! 応援だ! 奴等は大戦時の機械鎧を着用した奴等だ、油断しないでくれ」
「うん! あ、そうだ! 見通しの良い狙撃ポイントを教えて! 視界を遮るものさえなければ、宇宙の中を敵が何処まで遠くに行っても見逃さないから!」
 すでにアームドヒーローたちと機械鎧『ドミニオン』を着用した『機械化オブリビオン』の兵士たちの戦いは激しさを増している。
 如何にヒーローであると行っても強化されたオブリビオンでは分が悪いのだろう。徐々に追い詰められているのが分かる。
「わかった。情報を転送する。頼む……味方がピンチなんだ!」

 送られてきた情報を確認し、アストラは力強く頷き、かつての持ち主が夢見たであろう宇宙を駆ける。
 ミニロケットの4つの噴射口が火を噴き、彼女の体を流星のように宇宙へと押し出す。
 アームドヒーローたちと連携し、コズミックロングボウから宇宙を感じさせる力の弓矢を放ち、『機械化オブリビオン』を追い詰めていく。
「おおっ! 残骸の中をびゅんびゅん飛ぶのって、ギリギリでスリルがあって楽しい!」
 戦いは逼迫した状況であるが、宇宙ゴミ……デブリの中を駆け抜けるのは、宛ら障害物レースのようであった。
 オブリビオンを追い詰めながら、アストラの足がある宇宙船の残骸の艦橋の上に降り立つ。

 そこがアームドヒーローたちに教えられた狙撃ポイントだ。
「やっぱり私達猟兵を見ると逃げようとする……! ちょっと障害物が多くて追いつけない……けどー!」
 その想いは溢れそうになるほどに宇宙の冒険にこがれた嘗ての持ち主のものであったかもしれない。
 それを受けたヤドリガミであるアストラだからこそ、今もこうしているのかもしれない。だが、これが例え借り物、誰かの残滓であったとしても、今溢れる心の輝きとユーベルコードの光はアストラの放つ星のような輝きであった。

「何処までも……飛んでけっ!」
 流鏑流星(メテオリックストライク)――それは華々しく光激しく燃える流星のような矢弾。
 コズミックロングボウから放たれた一射は、まさに箒星のようにラグランジュポイントにかかり、オブリビオンを過たず撃ち抜く。
 まだまだ敵はいる。
 けれど、アストラの胸から溢れる思いは何処までも輝いていく。
 彼女は天体望遠鏡のヤドリガミ。

 どこまでも見通す銀河の輝きを写す瞳からはどんな速度で逃走しようとしても逃げられることなどないのだ。
「くらえ!」
 放たれた流星の一撃が、次々と機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちを宇宙の藻屑と化す前に霧散させ、骸の海へと還すのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
合流すると
「君たちが崩壊戦線と言うヒーローかい?
俺は奴らを止めに来た猟兵だ。
先ずは此処の地形と
敵の位置が分かれば教えてくれるかい。」
状況を確認してから不浄なる不死王の軍勢を発動。

「逃走を優先するなら好都合。
魔物も死霊も俺が倒れなければ幾らでも戦える。」
と崩壊戦線と連携し敵を逃がさない様に
敵を追い詰めて倒していく。
ヒーローには常に新しい情報を聞いて
敵の位置や戦況等の状況の確認は怠らず、
広い場所には多数の魔物を集中。
死霊には壁を抜けさせて奇襲。
狭い場所には強力な魔物を当てる等
常に効果的な配置になる様に操り
逃さない様に立ち回らせる。
「猟書家に軍を操るのが自分だけじゃないと
教えてあげるとしようか。」



 ヒーローズアースの大気圏外に存在する文明『ラグランジュポイント』。
 そこは今や猟書家『デストロイ・プライム』によって徐々に融合侵食されつつあった。機械と融合する力を持つ『デストロイ・プライム』にとって、侵略宇宙人たちが『重力の罠』によって壊滅した宇宙船の残骸は己の体を大きくするのにうってつけの素材だ。
 グリモア猟兵による予知。
 それは『デストロイ・プライム』の所在を正確に知ることが叶わなかった。なぜかと言えば、『ラグランジュポイント』は広大であり、宇宙空間に点在する宇宙ゴミ……デブリだけでは『デストロイ・プライム』が存在する場所を特定することができなかったのである。

 しかし、『デストロイ・プライム』のはなった『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちはかつて侵略宇宙人たちの奴隷であった善良なる人々が暮らす『ラグランジュポイント』へと迫っていた。
「くそ……機械鎧の連中の数が多すぎる……! このままだと……っ」
 超テクノロジーの残骸である宇宙船と、それを利用した兵器を扱うヒーロー、アームドヒーローによって構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』のメンバーたちが歯噛みする。
 彼等は確かにこの『ラグランジュポイント』の地形や障害を熟知している。
 だが、それでも『機械化オブリビオン』に敵うほどの実力があるわけではないのだ。

「君たちが崩壊戦線というヒーローかい? 俺は奴等を止めにきた猟兵だ」
 そこに現れた応援……猟兵であるフォルク・リア(黄泉への導・f05375)の姿にアームドヒーローたちは表情を明るくする。
 猟兵とはアースクライシス2019において世界の危機に駆けつけた戦士たちである。彼等は皆、超常なる力を持つ戦士であるとアームドヒーローたちも知っているのだ。

「先ずは此処の地形と敵の位置がわかれば教えてくれるかい」
 フォルクは手始めに『ラグランジュポイント』の地形のデータを求める。
 彼等にとっては勝手知ったる場所かもしれないが、フォルクにとっては初めて来る場所である。
 なるべく詳細なデータがほしいのだ。
「わかった。この情報端末を持っていてくれ。これを見れば、俺達が追い込んだ敵の位置がわかるはずだ」
 僅かな時間であったがフォルクとアームドヒーローたちは軽い段取りを組んで大気圏外の宇宙へと飛び出していく。

「状況は悪いが……偉大なる王の降臨である。抗う事なかれ、仇なす事なかれ。生あるものに等しく齎される死と滅びを粛々と享受せよ」
 フォルクのユーベルコードが輝く。
 不浄なる不死王の軍勢(デスロード)が大気圏外『ラグランジュポイント』に展開され、その軍容は宇宙に在ってあまりにも非現実的なものであったことだろう。
 そのユーベルコードを目の当たりにして機械鎧『ドミニオン』を着用した『機械化オブリビオン』たちは踵を返す。

 彼等にとって猟兵とは敵う存在ではないと知っているのだろう。逃せば逃した分だけ猟書家『デストロイ・プライム』の強化パーツとなってしまう。
「逃亡を優先するなら好都合。魔物も死霊も俺が倒れなければいくらでも戦える」
 フォルクの指示によって呼び出された無数の死霊とそれを貪り力を増す魔物の群れが飛び出していく。
 アームドヒーローたちが逃さぬように囲い込んだ『機械化オブリビオン』たちを魔物群れが食い破るように撃破していく。

 それはまさに一軍との戦いのようでもあったことだろう。
 追い込み、逃さぬように追い詰めていく。
 その戦い方はアームドヒーローたちとの連携に寄って滞りなくなされていく。広い場所には無数の魔物を集中させ、宇宙船の残骸に隠れようものなら死霊が壁をすり抜けて強襲してくるのだ。
「猟書家に軍を操るのが自分だけじゃないと教えてあげるとしようか」
 フォルクのフードの奥でさらにユーベルコードの輝きが発せられる。
 彼の指先が天を衝き、その指先に集まった魔力が死霊と魔物の群れを合わせても凌駕する力を持つ骸骨姿の不死王の姿を顕現させる。

「さあ、追いかけっこはおしまいだ。不死王よ、その力を示す時だ。敵は追い込んだ。その一撃で彼等を骸の海へと還せ――!」
 振りかぶった骸骨姿の不死王の剣が、アームドヒーローと死霊、魔物の群れによって追い込まれた『機械化オブリビオン』たちを一撃のもとに下す。
 それは凄まじき光景であり、無数のオブリビオンたちを一撃で霧散させる強大な力は、アームドヒーローたち、そして『ラグランジュポイント』に住まう人々の心に希望の光を見せるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユージィーン・ダイオード
「ミッション確認。目標を殲滅(ターミネイト)する。」
大気圏外の戦闘は初めてだ…。
―だがやることは変わらない。

戦闘前に『崩壊戦線』に接触する。
「援軍だ。…猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員…ユージィーン・ダイオードだ。共闘を要請(リクエスト)する。」

目標を視認…戦闘開始(ミッションスタート)!!

武装展開(オープン・コンバット)アサルトライフルとビームキャノンを装備に選択(セレクト)ヴァリアブル・ウェポン(攻撃力強化)発動

アサルトライフルで『弾幕』を展開。
ビームキャノンで敵を『爆撃』し翻弄。
内蔵火器…レーザーアイによる『制圧射撃』で敵機を破壊。

スペースデブリが邪魔だが…『視力』で敵を追い続ける!!



 大気圏外での活動がそもそも初めてな猟兵もいるだろう。
 世界は一つではなく、無数の世界が存在する。例えばスペースシップワールドは居住可能惑星が喪われて久しく、宇宙船こそが生命の活動圏である。
 ヒーローズアースにもまた地球の大気圏外には嘗ての大戦によって喪われてこそ要るが、侵略宇宙人の宇宙船の残骸を寄せ集めて作り上げられた文明『ラグランジュポイント』が存在している。

 かつての宇宙人達の奴隷であった善良なる人々が超テクノロジーの残滓の上に文明を築き暮らしている。
 そこに迫る猟書家『デストロイ・プライム』の魔の手から護るために猟兵たちは転移してくるのだ。
「ミッション確認。目標を殲滅(ターミネイト)する」
 ユージィーン・ダイオード(1000万Gの鉄面皮・f28841)は初めての大気圏外での戦闘に僅かであるが、緊張のようなものを見せた。
 だが、それは彼の心の内側での動きであり、彼の『1000万Gの鉄面皮』には一切の動揺は浮かんでいない。
 何より、やることは変わらぬと行動を開始するのだ。

「援軍が来てくれているのか! しかも猟兵!」
 アームドヒーローで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』の面々は次々と現れる猟兵という心強い援軍の報せに表情を明るくしていた。
 彼等は確かに超テクノロジーと『ラグランジュポイント』の地形を熟知しているが、彼等の戦闘力は『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちには敵わない。
 まごまごしている内に一体でも『機械化オブリビオン』に『ラグランジュポイント』に築かれた生活圏に到達されれば、そこから猟書家『デストロイ・プライム』の機械に融合する能力に寄って融合されてしまう。

「援軍だ……猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員……ユージィーン・ダイオードだ。共闘を要請(リクエスト)する」
 ユージィーンの言葉は事務的なものであったが、ヒーローズアースにおいての猟書家の目的である『超生物スナーク』の存在を猟兵たちが名乗る名によって塗りつぶしていこうという目論見は概ね順調に推移しているようだった。
「ああ、助かる。必要なのは此処ら一帯の地形情報だな。そっちの端末に情報を送る! 俺達は敵を追い込むくらいはできる。任せておいてくれ!」

 ヒーローチームである『崩壊戦線』のアームドヒーローたちがユージィーンと軽い段取りを決めて駆け出していく。
 彼等の強力が在れば、敵である『機械化オブリビオン』を追い込むことは容易であろう。
 ユージィーンもまたアームドヒーローたちから送られてきた地形を元に大気圏外のラグランジュポイントの宇宙空間へと飛び出す。
 そこにあったのは『機械化オブリビオン』……機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちが『ラグランジュポイント』へと迫る姿であった。
「目標を視認……戦闘開始(ミッションスタート)!!」

 ユージィーンの瞳が赤く輝き、視認した『機械化オブリビオン』を捉える。
 武装展開に寄って手に持つのはアサルトライフルとビームキャノン。それは内蔵された兵器であり、その威力は出力を上げるサイボーグとしてのユージィーンの力をユーベルコードの輝きに寄って増していく。
「オープンファイア!」
 アサルトライフルが凄まじい勢いで強化された弾丸を弾幕として撒き散らす。当然、『機械化オブリビオン』たちは猟兵の存在を意識すると逃亡しようとする。

 だが、それを許さないのはアームドヒーローたちである。
 彼等は敵うべくもない相手であっても、逃さぬとばかりに立ち回り『機械化オブリビオン』たちの行く手を阻む。
 そこに打ち込まれるのはビームキャノンによる爆撃の如き一撃である。放たれたビームが次々と『機械化オブリビオン』たちの背を打ち、さらに内蔵火器であるレーザーアイが赤く輝き、熱戦を放つ。
「スペースデブリが邪魔だが……! 僕のアイセンサーから逃れられると思うな!」
 そう、たしかに周囲には宇宙ゴミたるデブリが散在している。

 それはすでに彼の中にデータとして存在してる。
 アームドヒーローたちから随時送られ更新していく位置情報を元にデブリの大きさや形、距離を算出した上で『機械化オブリビオン』たちを追い詰めていくのだ。
 デブリの上にそのサイボーグの重たい体でもって降り立ち、ユージィーンはアサルトライフルとビームキャノンを両手に構え、その内蔵され赤く輝くレーザーアイによる一斉射を追い込まれたオブリビオンたちへと叩き込む。

 その一撃は盛大なる爆発と共にオブリビオンたちを骸の海へと還していく。
「戦闘終了(ミッションコンプリート)――!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

月白・雪音
…地に足をつけられない戦場は些か不得手ですが、
そこに人の暮らしが在るとなれば放置はできませんか。

崩壊戦線の皆様には戦場の地形の確認、及び通信による敵性の位置把握の助力を願います。
「秘密結社スナーク」の名のもとに、この場を収めると致しましょう。

…名乗ってしまっては秘密も何も御座いませんね?


UC発動にて残像、怪力の技能を使用し残骸を足場にしつつ敵の追跡及び殲滅、
アイテム『氷柱芯』を使用し無重力空間の移動を補助、またはワイヤーを離れた敵に巻き付けて
怪力にて引き寄せ攻撃、あるいはそのまま振り回して敵そのものを武器に周囲の敵性を一掃する

敵の攻撃に対しては獣の直感、見切り、カウンターにて
回避及び反撃を狙う



 数多ある世界を歩む者、それが猟兵である。
 彼等の瞳には常に幾つもの世界の姿が映し出されている。ヒーローズアースも、その一つである。
 だが、この世界において知られざる文明――『ラグランジュポイント』は地球の外、大気圏外にある文明である。
 かつての大戦の折に『重力の罠』によって壊滅した侵略宇宙人たちの宇宙船の残骸に寄って成り立つ其処は今は、奴隷であった善良なる人々の生存圏として存在してる。
 全てが機械と超テクノロジーによって成り立つ『ラグランジュポイント』を護るヒーローもまた存在する。
 ヒーローチーム『崩壊戦線』。
 彼等は全てがアームドヒーローであり、超テクノロジーを熟知した者たち。

 だが、そんな彼等もまた猟書家『デストロイ・プライム』によって『機械化オブリビオン』となった機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちには敵わない。
「くそっ……援軍が来てくれたっていうのに、まだこんなにも奴等はいるのか……!」
 ヒーローチーム『崩壊戦線』のアームドヒーローが忌々しげに呟く。
 未だ『機械化オブリビオン』は跡を絶たず、それぞれが猟書家『デストロイ・プライム』の強化パーツとして存在している。しかも、彼等は猟兵を見れば戦いながら逃走を開始し、大本である『デストロイ・プライム』と融合し強化しようとしてしまう。

「……地に足をつけられない戦場は些か不得手ですが、そこに人の暮らしが在るとなれば放置はできません」
 月白・雪音(月輪氷華・f29413)は、その真っ白なアルビノたる風貌を持って、大気圏外に素材する宇宙ゴミ……デブリの上に降り立つ。
 彼女の赤い瞳が見据えるのは、逃走を開始する『機械化オブリビオン』たち。
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』の名の元に、この場を収めるために参りました。『崩壊戦線』の皆様ですね。皆様には戦場の地形の情報及び、通信に寄る敵性存在の位置把握の助力を願います」
 僅かなやり取りであったが、『機械化オブリビオン』を逃がすわけにはいかない。

 一つでも逃してしまえば、それは『デストロイ・プライム』の強化を促進してしまう。
 それほどに『デストロイ・プライム』の機械との融合能力は強大なのだ。
「『秘密結社スナーク』……貴方が猟兵の……! ありがたい! 敵位置の情報は端末に送る……! どうか、頼む。俺達が敵を追い込む……!」
 アームドヒーローたちは一斉に己が有する超テクノロジーを用いて宇宙を駆け抜ける。
 そんな彼等が駆ける宇宙空間を雪音は見据え、その瞳を僅かに細める。
「……名乗ってしまっては秘密も何も御座いませんね?」
 だが、それが今は必要とされているのだ。
『見えぬ怪物スナーク』の誕生を目論む猟書家たち。彼等が語るスナークの名を猟兵たちによって希望の象徴へと塗りつぶさなければならないのだ。

「追い込んだ! 頼む……!」
 アームドヒーローの一人から通信が入る。
 彼等はオブリビオンを倒すことはできないまでも逃さぬように追い込むことはできる。それは雪音にとって十分すぎる助けであった。
 後は己が成すべきことを成すまでである。

「……弱きヒトが至りし闘争の極地こそ、我が戦の粋なれば――……参ります」
 その輝きは宇宙空間にあってなお燦然と輝くユーベルコードの輝き。
 拳武(ヒトナルイクサ)の神宿るが如き力の奔流が雪音の体の中を駆け巡っていく。見据える先にあるのは追い込まれてきた機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たち。
 彼等は皆、『機械化』されている。
 強大な力を持つが、それでも雪音は構わない。その手に宿った力がなんのためにあるのかをもう彼女は知っている。

 放ったワイヤーアンカーが『機械化オブリビオン』の一体へと打ち込まれ、巻き込む。そのまま怪力のままに惹きつけて拳を振るう。
 その一撃は機械鎧を打ち破り、貫通させるほどの大威力。砕けた鎧が霧散していく。さらに如何なる環境にも適応するワイヤーアンカーが別の『機械化オブリビオン』に巻き付く。
「逃げようとも無駄です。貴方たちを追い込むのは『崩壊戦線』。そして、貴方たちを骸の海へと還すのは私の拳」
 巻きつけたオブリビオンそのものを武器とするように周囲の敵へと振り回す。
 その一撃は次々と敵同士の体にぶつかり破壊していく。

 デブリの破片にステップを踏むように華麗な足さばきで雪音が宇宙空間を飛ぶ。
 足場がないわけではない。すでに彼女の体術は高まっている。ならば、不安定な無重力空間であっても足をつける場所があるのならば、どこまででも行ける。
 ワイヤーアンカーを巻き取りながら雪音の身体が舞う。
 腰だめに構えた拳の一撃が『機械化オブリビオン』たちの動を薙ぐ。
「……この身は、今と未来に生きるものなれば。オブリビオンに敗ける道理などないのです」
 撃ち込んだ拳の後に残るは霧散し消えていくオブリビオンたちの残骸だけであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
『崩壊戦線』の人たちね?
私は『秘密結社スナーク』の卜一・アンリ。
…初対面早々ごめんなさい、エスコートをお願いできる?!
宇宙空間泳ぐの初めてなの!

『崩壊戦線』に誘導してもらいつつ私は残骸【地形の利用】し身を隠して
直接戦闘はUC【頼れる相棒】こと牡丹に任せるわ。
目的上、敵は先制攻撃でマヒさせてからの逃走を目論むはず。
牡丹に【おびき寄せ】られて仕掛ける瞬間を【見切り】悪魔憑きの拳銃で【スナイパー】【乱れ撃ち】。
関節を狙撃【部位破壊】して身動きをとれなくしてやるわ。

今よ牡丹!
貴方の【怪力】で叩き潰してやりなさい!



 ヒーローズアースの『ラグランジュポイント』を巡る戦いは激化の一途をたどる。
 無数の『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちが大気圏外の宇宙空間を飛ぶ。
 彼等は大戦時に非人道的な兵器、超テクノロジーを駆使して作られた着用すれば脱着することはできないが強力な兵士へと変貌する機械鎧を猟書家『デストロイ・プライム』の力に寄って更に高められている。
 宇宙ゴミであるデブリの合間を縫って飛ぶ姿は、たしかに強力な兵士であった。
「ちょこまかと……! 逃さないように追い込むのが精一杯だ!」
 アームドヒーローだけで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』に参加しているヒーローの一人が『機械化オブリビオン』を逃さぬように宇宙を駆ける。

 彼もまた『ラグランジュポイント』を守らんとするヒーローであるが、オブリビオンに対しては逃さぬように立ち回ることが手一杯なのだ。
「『崩壊戦線』の人たちね?」
 そんな彼に通信が入る。
 それは何処からともなく現れたヒーロー、猟兵による通信であるとわかる。年若い女性の声。
 だが、それが猟兵という強力なヒーローの到来であることをアームドヒーローの一人は直感で感じ取っていた。

「ありがたい……! 俺ではこいつらを逃さないようにするだけで精一杯なんだ……!」
 そんな彼の目の前に現れたのは初めての宇宙空間で四苦八苦する卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)の姿であった。
「私は『秘密結社スナーク』のトー・アンリ……初対面早々ごめんなさい、エスコートをお願いできる?! 宇宙空間泳ぐの初めてなの!」
 地上しか知らぬのであれば無理なからぬことであった。
 アンリの出身はサクラミラージュ。
 蒸気機関が発達した世界ではあれど、未だ宇宙にまで活動域が広がっていない世界なのだ。
 そんな彼女のとって宇宙空間は未知なるものであり、無重力の空間を泳ぐと表現したのも分かる話であった。

「あ、ああ……! だが、大丈夫なのか? 宇宙空間が初めてってことは……」
 心配そうなアームドヒーローにアンリは大丈夫と自信を持って応える。
 その自信が一体どこから湧き上がるのかアームドヒーローは怪訝な顔をしたが、彼女の頼れる相棒(カモン・バディ)の姿を見て、その自信の裏付けを知るのだ。
「行くわよ、牡丹!」
『ヴォ!!』
 アンリの声に応じ、自律行動能力を持った古代のキャバリア『牡丹』の勇姿が宇宙空間に煌めく。
 ユーベルコードの輝きに満ちたキャバリア『牡丹』はアンリの呼びかけに応え、鈍く咆哮する。

『崩壊戦線』のアームドヒーローに一つのデブリの上へと誘導されるとアンリはアームドヒーローに追い込まれてくる『機械化オブリビオン』の姿を捉える。
「やっぱり逃げようとするのね。私達を見れば逃走し、大本である猟書家『デストロイ・プライム』に融合して強化しようとする……その目的を達成しようとするなら……『牡丹』!」
 アンリはキャバリアである『牡丹』の巨体を『機械化オブリビオン』たちの目の前に曝す。
 それは攻撃の手をこちらに向けさせるためであり、動けぬアンリから目をそらさせるためでもある。

『牡丹』に迫る『機械化オブリビオン』たちが早業の如き先制攻撃でその動きを止めようとする。
 アンリにとってそれは見え透いた手であった。
「必ずこちらを麻痺させてから逃走を目論むでしょう! なら!」
 不意打ちのようにアンリの悪魔憑きの拳銃から弾丸が乱れ撃たれる。
 乱れ打ちのようで居て、彼女の射撃は正確無比であった。『機械化オブリビオン』の関節部分に打ち込まれた弾丸は彼等の動きを阻害し完全なる無防備をさらさせる。

「今よ牡丹! 貴方の怪力で叩き潰してやりなさい!」
『ヴォ!!』
 アンリの言葉に応えるように牡丹の巨体が宇宙空間を飛ぶ。
 振りかぶった拳の一撃が『機械化オブリビオン』たちを打ち据える。たまらず鎧がひしゃげ、次々と機械鎧『ドミニオン』が砕け散り、霧散しては骸の海へと還っていく。

『ヴォ!!』
 爆散する彼等の姿を背にもう一度、牡丹は鈍くその咆哮を響かせるのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、世に潜み…ラグランジュ点まで来て潜むのもアレなので
目立たないクノイチですよろしくお願いします(ぺこり)

さてとーとつに崩壊戦線の皆さんの前に現われたクノイチですが
今からアレ倒すの手伝ってくれませんか?(ドミニオン着用兵士を指しながら
ちなみに大人数同士で激突してもオッケーな場所あります?

【かげぶんしんの術】でいっきまーす!
攻撃は漆黒竜ノ牙を使って高機動戦仕様
接近戦と投擲を使い分けて確実に仕留めましょう
私機械じゃないからハッキングは効かないですけど
呪詛は面倒ですねー
深刻なダメージが出る前に速攻で倒していくとしましょう!
クノイチパワーを思い知れ

※アドリブ連携OK



 世界がオブリビオンによって滅ぼされんとする時、それは世界の悲鳴となってこだまする。
 その悲鳴に応えるように異世界より転移し馳せ参じるのが猟兵である。
 今まさにヒーローズアースは世界の危機に陥っていた。
 猟書家『デストロイ・プライム』の機械融合能力に寄って、侵略宇宙人の宇宙船の残骸の上に成り立つ文明『ラグランジュポイント』は飲み込まれんとしていた。
 アームドヒーローによって構成される『崩壊戦線』であったが、彼等の力は『機械化オブリビオン』には及ばない。
 できることは彼等を逃さぬようにと包囲網を敷くことだけであり、どうあっても戦力が足らないことは明らかだった。
「俺達ではこれが精一杯か……! 大本である敵の元に向かわせないことはできているが……!」
 どうあっても決定打に掛けているのだ。
 自身たちもまた超テクノロジーを管理、正しく扱うように訓練されたヒーローである。だが、それを軽々と凌駕するのが『機械化オブリビオン』……嘗ての大戦において機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちだ。

「このままでは時期に包囲網を食い破られてしまう……誰か、援軍はまだなのか……!」
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、世に潜み……ラグランジュポイントまで潜むのもアレなので! 目立たないクノイチですよろしくおねがいします」
 しれっとアームドヒーローの隣にいたのは、褐色肌眩しいとても露出の高い姿の女性……猟兵にしてクノイチのサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)の姿であった。

 彼女の出現はあまりにも突然であり、唐突であったが彼女が猟兵であることは彼等もわかっている。
 その力量はアームドヒーローたちのそれを凌駕しているからだ。
「さてとーとつですが、今からアレ倒すの手伝ってくれませんか?」
 サージェは彼等の驚きもなんのその。
 マイペースに指差す先には『機械化オブリビオン』たちの姿があった。アームドヒーローたちでは追い込むだけで手一杯であったのだが、彼女が猟兵であれば状況は一転して好転する。
「ああ! 頼めるか!」
「ええ! ちなみに大人数同士で激突してもオッケーな場所あります?」
 サージェは彼女なりの考えがあるのだろう。

 訝しむアームドヒーローたちを前にしてサージェはにんまりを微笑むのだ。
 アームドヒーローたちによって教えられたポイント。そこまで『機械化オブリビオン』たちを追い込むことを頼み、サージェはその手に印を結ぶ。
 ユーベルコードの輝きが追い込まれた『機械化オブリビオン』たちを照らす。
「しゃどーふぉーむっ! しゅばばばっ!」
 それはかげぶんしんの術(イッパイフエルクノイチ)!
 彼女のユーベルコードに寄って生み出された本人と同じ分身たちは一斉に宇宙空間のデブリを足場にして飛び跳ねていく。

 目標は言うまでもなく『機械化オブリビオン』たち。
 数が多いのであれば、こちらも数で圧する。手にした漆黒のクナイを投げ放ち、追い込まれた『機械化オブリビオン』たちの機械鎧へと楔のように撃ち込んでいく。
「私機械じゃないからハッキングは効かないですけど……呪詛は面倒ですねー!」
 機械鎧『ドミニオン』は一度着用してしまえば、脱着不能なる不退転の鎧。
 底に刻まれているのは過去の化身たる呪詛そのもの。
 それを解き放つ『機械化オブリビオン』たちの攻撃は、電子の海で蓄積し実体化したバーチャルキャラクターであるサージェにとっては厄介なものに違いなかった。

「さっくりざっくり! けれど、じっくり相手をすることなく速攻で倒していくとしましょう!」
 分身体たちとデブリを足場に駆け抜けるサージェ。
 次々と打ち込まれる漆黒のクナイと呪詛が交錯する。足場にしたデブリを盾に呪詛を防ぎながら、サージェは背後を取るように接近し、クナイの一撃で持って彼等を霧散させていく。
「クノイチパワーを思い知れー!」
 数の暴力でサージェたちは『機械化オブリビオン』たちの数を次々と減らしていく。
 その光景はまさに集団を飲み込む宇宙忍者そのもの。
 サージェの中にあるであろう電子の海にて嘗て在りし『クノイチ』としての概念が今まさに宇宙という舞台にあって花開くのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
あー何ていうか、この辺ジャンク漁りに丁度良さそうだよねー…
丁度良さそうだよねー…してちゃダメかな?ダメか
ちぇ、残念…

崩壊戦線のみなさーん
秘密結社スナークの時間ですよー
なんてね
ほいさ助太刀登場
それじゃあ、まずはこの辺りでお勧めのジャンク漁りスポットを…ごめん違うわ
とりあえず、ここら辺の敵が逃げやすいルート教えて!


【光剣解放】を起動
940本の光の剣を20本1組、47に分けて運用
崩壊戦線の人に周囲の地形と敵が逃げるならどう動くかの予想を聞いて、挟み込むように光剣を『念動力』で誘導
包囲攻撃させながら、敵の足を鈍らせてダメージを重ねて行こう
それから追い詰めて全光剣で一気に『串刺し』にしてトドメだね



 ヒーローズアースは戦い続く歴史が紡ぐ世界でも在る。
 何時の時代にも善悪の戦いが巻き起こり、近代に至っては宇宙よりの来訪者である侵略宇宙人達の宇宙船の到来すらあったのだ。
 それを打ち砕いたのが『重力の罠』と呼ばれる大気圏外のポイント……即ち『ラグランジュポイント』である。

 今は宇宙船の残骸を組み上げ、その上で侵略宇宙人達の奴隷であった善良なる人々が暮らしている。
 その生存圏を護るのがアームドヒーローだけで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』である。
 彼等は宇宙船の残骸である超テクノロジーの残滓の管理を目的としている。今でも管理しきれない数の宇宙ゴミと課したデブリがそこかしこに浮かんでいるのだ。

 そんな光景を見やれば、月夜・玲(頂の探究者・f01605)の心の内側から湧き上がってくるのは、探究心と好奇心であったことだろう。
「あー何ていうか、この辺ジャンク漁りにちょうど良さそうだよねー……」
 じぃと宇宙空間に漂う宇宙船の残骸を見る。
 彼女には役目があった。そう、猟兵としての役目であり、猟書家『デストロイ・プライム』の撃破である。
 だが、実際に目の前にこんなにも美味しそうな御馳走の如きジャンクが浮かんでいるのを見てしまうと、わかってはいてもついつい食指が動いてしまいそうになるのだ。
「ちょうど良さそうだよねー……してちゃダメかな?」
 しかも二度言うところからして、彼女の胸の内は推し量れよう。止められなかったら確実にジャンク漁りに精を出していたことだろう。

 内なる自身と対峙する。
 猟兵としての役目を成そうとする心。もはや自制心は風前の灯であったが、グリモア猟兵の訴えるような視線を思い出して思いとどまるのだ。
「ダメか。ちぇ、残念……さて、崩壊戦線のみなさーん。秘密結社スナークの時間ですよー」
 なんてね、と玲はアームドヒーローたちが逃すまいと『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士たちの一人を一蹴し、彼等に呼びかける。
 あまりにもあっけらかんとした声であったせいか、アームドヒーローたちは一瞬あっけに取られてしまったが、彼女が猟兵と分かると表情を一変させる。

「助かった……! ありがとう! だが、まだまだ奴等はいるんだ……頼めるか?」
「ほいさーってね。それじゃあ、まずはこのあたりでお勧めのジャンク漁りスポットを……ごめん違うわ」
 後ろ髪引かれまくっていたのだろう。
 思わず玲は本心がまろびでてしまう。今の忘れて、と玲は断りつつも、内心戦いが終わったらこっそり教えてもらえたりしちゃったりしないだろうかという心も僅かにはあったかもしれない。
「とりあえず、此処らへんの敵が逃げやすいルートを教えて!」
「ああ、俺達が追い込む……一網打尽にできるポイントはいくつかあるから、データを送る!」

 玲と『崩壊戦線』のアームドヒーローたちは二手に分かれる。
 追い込むのはアームドヒーローたちに任せ、玲は自身のユーベルコードを起動させる。
「機能解放―――……さあ、おいでおいでーってね!」
 光剣解放(セイバー・リリース)によって宇宙空間でも自在に飛ぶ光の剣が千にも届きそうな数を玲は展開する。
 その光景はまさに宇宙空間という闇を切り裂く光であった。
 その千にも届きそうなほどの膨大な数の光剣を47組展開する。これだけの数があれば、如何に機械鎧『ドミニオン』を身にまとっていたとしても、追い込まれ注意が散漫となった『機械化オブリビオン』たちは気がつくことすらできない。

「光剣よ舞い踊れ!」
 放たれる光剣の群れが、アームドヒーローたちによって誘導された『機械化オブリビオン』たちへと降り注ぐ。
 すでに崩壊戦線の面々とデータを交わし、周囲の地形を把握した玲にとって、彼らがどう動くのかは掌で玉を転がすようなものであった。

 包囲する光剣が宇宙空間の闇を照らし、『機械化オブリビオン』達の姿を何処へ逃げようもなく明滅させる。
 放たれた光剣は流星雨のように降り注ぎ、嘗ての大戦の残滓である機械鎧『ドミニオン』を散々に砕いていく。
「それでもまだ逃げようっていうのならー……そうだよね、そこに行くしかないよね」
 彼等が逃走しようとする経路すらもすでに玲の手中である。

 全ての光剣が集結し、デブリ群の中を駆け抜けようとする『機械化オブリビオン』たちの眼前に降り注ぐ。
 それはまさに星々が舞い踊るかのように光とともに放たれ、彼等を骸の海へと還すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…超有名秘密結社スナーク街角支部のから救援に来たよ…
…さて、逃がさないようにドミニオンを着た兵士達を倒す必要がある訳か…

…ふむ、『崩壊戦戦』のヒーロー達に頼んでまずは敵の位置情報と予想逃走経路を共有…そしてまあ、追い込み猟だね…
…【縋り弾ける幽か影】を起動…オブリビオン達へステルス自爆ガジェットを差し向かわせるとしよう…
…カウンターをしようにも逃げようにもまず存在を認識してなければ意味がないからね…
…ガジェットが移動している間に逃げる先へ先回り…心理隠密術式【シュレディンガー】で隠れて待ち伏せ…
…逃げてきたところを遅発連動術式【クロノス】を用いて連動させた雷撃術式の一斉射撃で仕留めるとしよう…



 猟書家たちのヒーローズアースにおける目的は『超生物スナークの生誕』である。
 彼等は見えぬ怪物であるスナークを実体化させ、恐怖の象徴として人々の心に植え付けることによって、『超生物スナーク』を現界させようとしていた。
 その一環として、猟書家『デストロイ・プライム』は知られざる文明『ラグランジュポイント』において人知れず現れ、周囲の宇宙船の残骸であるデブリを飲み込み融合し、巨大化していく。

 それはある意味で見えぬところから飛来し、人知れず巨大化し、膨れ上がっていく悪意のようでもあった。
「……超有名秘密結社スナーク街角支部から救援に来たよ……」
 だが、その目論見は猟兵達によって塗りつぶされる。
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)の言葉は、大気圏外に存在する『ラグランジュポイント』に展開しているアームドヒーローで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』に通信でもって齎される。
 そう、猟書家たちが恐怖によって『スナーク』の名を知らしめるのであれば、猟兵は逆である。

 希望の象徴として『スナーク』の名を塗りつぶし、猟書家たちの目論見を御破算にしようというのだ。
「『スナーク』……あの猟兵組織の援軍か……! ありがたい……!」
 すでに援軍として多くの猟兵たちが駆けつけている。
 彼等の姿を認知したアームドヒーローたちの表情が明るくなっていく。『スナーク』の名を聞いて恐怖するものは、今や『ラグランジュポイント』にはいなかった。
 猟兵たちが名乗る『スナーク』こそが希望の象徴。
「こちらのデータを送る!」
「……ふむ、敵の位置情報と予測逃走経路の共有化……なるほど。まあ、追い込み猟だね」
 メンカルはすでにあたりを着けていたが、アームドヒーロー達によって齎されたデータは、そのあたりを裏付けるには十分なデータの量であった。

「逃さぬように敵を倒す必要があるから……そう、このポイントがいい」
 即座にデータの共有化。
 示されたポイントに機械鎧『ドミニオン』を着用した兵士である『機械化オブリビオン』たちを追い込んでいくアームドヒーローたち。

「忍び寄る破滅よ、潜め、追え。汝は炸裂、汝は砕破。魔女が望むは寄り添い爆ぜる破の僕――……」
 さらにメンカルのユーベルコードが輝く。
 自爆機能付きガジェットが召喚され、さらに『機械化オブリビオン』たちを誘導するように差し向ける。
 二重三重に重ねた罠。
 機械鎧『ドミニオン』を着用した『機械化オブリビオン』がガジェットに攻撃を加えるも、即座に自爆し彼等をさらに追い込んでいく。
 それはまさに、縋り弾ける幽か影(ステルス・ボム)。
 無数に呼び出されたガジェットが次々と爆散し、爆風を撒き散らし彼等の鎧を傷つけていく。

「これだけの爆風……ダメージを負うが故に敵は必ず、この逃走経路を選択するはず……」
 メンカルの電子型解析眼鏡『アルゴスの眼』が導き出した結論に基づく位置へと先回りしたメンカルの瞳が逃走しようとする『機械化オブリビオン』たちを見据える。

『機械化オブリビオン』たちは、そこにメンカルがいるとも知らずに突っ込んでくる。
 真正面に構えていても気がつくことができない。
 それこそが心理隠密術式『シュレディンガー』である。認識されにくくなったメンカルの周囲に遅発連動術式『クロノス』の術式が展開される。
 雷撃の術式が無数に展開され、自爆攻撃に寄って損壊した『機械化オブリビオン』たちの鎧を穿つ。

「万雷の一撃……余さず全て破壊する。どれだけ逃げようとも無駄。全て私が視ている」
 放たれる雷撃術式は『機械化オブリビオン』たちを逃さない。
 どれだけ逃走しようとしても、アームドヒーローたちによって逃走経路を選ばされていた彼等は抵抗らしい抵抗もできずにメンカルの雷撃によって尽く全滅させられるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
随分久しぶりに聞いたな、ラグランジュポイント。
地上に繋がれた光の道が美しかったのは、
今も記憶に残っている。(また見たいなぁ)
■行
『崩壊戦線』に合流しよう。ナビゲートを頼みつつ、
敵を探るのだ。
『死角になりやすい場所』があれば、聞いておく。

万一に備え、戦闘時は彼等を護衛するように立ち回る。

■闘
敵の集団がいたら、死角から一気に行くぞ。
限界ギリギリの距離から【空薙】による【範囲攻撃】を
仕掛け、大量撃破だ。

近づく者の一撃は槍の軌道を【見切り】つつ、
【カウンター】の斬擊を浴びせる。

討ち漏らしや新たな敵が出た場合は【視力】で眼を凝らし
【ダッシュ】で追跡、再び【空薙】を仕掛ける。

※アドリブ歓迎・不採用可



 知られざる文明『ラグランジュポイント』。
 それは宇宙船の残骸の上に成り立つ生活圏の名である。人の営みがあるのであれば、それを守護するヒーローもまた存在する。
 彼等の名を『崩壊戦線』。アームドヒーロー達によって構成されるヒーローチームであったが、彼等をして苦戦させるのが『機械化オブリビオン』である機械鎧『ドミニオン』を着用した過去の化身達である。

 彼等の力では『機械化オブリビオン』を逃さぬようにと囲い込むのがやっとであったが、数多の猟兵たちが戦いに加わったことにより状況は逼迫したものから、僅かながらに余裕ができたようにも思われた。
「随分久しぶりに聞いたな、ラグランジュポイント。地上に繋がれた光の道が美しかったのは、今も記憶に残っている」
 またその光景が見られるだろうか。見たいものであるな、と愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は大気圏外の宇宙において思い出を想起させられていた。
「あの翼は……! 彼も猟兵なのか?」
 アームドヒーローの一人が宇宙空間に猛禽の翼を広げて佇む清綱の姿を見つける。

「然り。助太刀すべく『崩壊戦線』の方々に合流した次第。不慣れな土地故であるが、ナビゲートを頼みたい」
「ああ、私達はこのラグランジュポイントのことなら把握している。そっちにデータを送るから共有化してくれ」
 手渡される端末を手に清綱はうなずく。
 彼が戦いに望むのは『死角になりやすい場所』である。このラグランジュポイントはかつて大戦において『重力の罠』として多数の侵略宇宙人達の宇宙船を破壊したポイントである。

 そこかしこに宇宙ゴミ……デブリが散在しているのが見て取れるだろう。
 この超テクノロジーの残滓である残骸こそが、彼等の生活圏の礎であり、清綱の望む『死角になりやすい場所」でもあった。
「私達は敵を追い込むことしかできないが、どうか、頼む……! まだラグランジュポイントには多くの人々が避難できないでいるんだ」
 だからこそ、ここで敵を食い止めなければならない。
 それに敵である『機械化オブリビオン』たちは猟兵を見れば逃走し、大本である猟書家『デストロイ・プライム』へと合流し、強化パーツして融合を果たしてしまう。
 そうなってしまえば、さらに強力な存在へとなってしまうことは明白だった。

「承知した。このポイントへと敵集団を追い込んでいただきたい。さすれば、俺が討ち果たそう」
 そういって清綱は宇宙空間で猛禽の翼を羽撃かせ、データに記されたポイントへと飛ぶ。
 すでにアームドヒーローたちが敵集団を追い込んでいる。これで『機械化オブリビオン』は全てであろう。
 猟兵達の活躍で此処まで数を減らしたことは、まさに僥倖であった。

「ならば、空薙……」
 構えるは居合。
 帯びた太刀に手をかける。その瞳が見据えるは追い込まれて、逃走しようとしている機械鎧『ドミニオン』を着用した『機械化オブリビオン』たち。
 彼等の死角に位置する清綱の姿は誰も見ることはできなかった。
 彼のユーベルコードの輝きは一瞬の明滅。
 その剣技の名は空薙(ソラナギ)。空間すらも断ち切る一太刀は、宇宙空間を飛ぶ『機械化オブリビオン』達の身体を一瞬の内に一刀両断せしめる。

 次々と霧散し消えていく『機械化オブリビオン』たち。
 だが、それでも運良く逃げおおせた者たちもいる。そこへ投げ放たれるは再びの斬撃。死角からの攻撃というアドバンテージを喪った清綱に襲いかかる『機械化オブリビオン』の生き残りたち。
「無駄だ……我が太刀は空間を断ち切る斬撃。そこに距離は無意味……」
 槍の一撃を躱し、カウンターの斬撃が鎧ごと嘗ての兵士たちを切り捨てる。
 納刀された刀が音を立てた瞬間、斬撃を見舞われた『機械化オブリビオン』たちが爆散し、骸の海へと還っていく。

「人々の安寧、生活、それらを脅かすものはすべて切って捨てる……それが我等が使命であるのならば、疾く骸の海へと還るがいい」
 清綱の斬撃の後に残るのは、巨大なる影。
 振り返った先にあったのは、機械と融合を続ける猟書家『デストロイ・プライム』の巨影であった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『デストロイ・プライム』

POW   :    グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ   :    トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミネルバ・アレキサンドリアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟書家『デストロイ・プライム』は己が遣わせた『機械化オブリビオン』たちの全滅を確認し、されど感情らしい感情を発露させることなく、その巨体をラグランジュポイントへと迫らせた。

 その巨体は最初、拳一つ分ほどの塊であった。
 だが、今は違う。全てを飲み込まんとするほどに膨れ上がった巨躯。三つ首竜に鋼鉄の翼を広げた姿は、その威容を持って『ラグランジュポイント』の人々を震え上がらせるには十分すぎた。
「ハカイスル。スベテハカイスル。ノミコミ、ユウゴウシ、アラユルモノ、シンカノチョウテンニイタル」
 それは原初の命令にして存在意義。
 猟書家『デストロイ・プライム』は悪の科学者に寄って生み出された存在である。自己進化、自己増殖を繰り返し、際限なく機械を飲み込んで融合していく存在。

「コントントハカイヲ。ケイオスヨリアラタナルシンリガウマレル」
 三つ首の竜が咆哮し、その口腔が光輝いていく。
 それは全てを破壊する光線。
 一撃でも『ラグランジュポイント』に当たれば、其処に住まう人々の生活に打撃を与えることは計り知れない。

 だからこそ、猟兵たちは戦わなければならないのだ。
 どれだけ強大な存在であったとしても、其処に住まう人々を傷つけ虐げるのであれば、それを許してはならぬと立ち上がる。
 猟兵とは、ヒーローズアースに住まう人々にとって、そんな偉大なるヒーローなのだから――!
フォルク・リア
崩壊戦線に
「機械鎧を取り込まれるのは阻止できたけど。
それでもなお、あれだけの力を持っている。
今回は自分達の安全を第一に考えて欲しい。」
戦闘中でもヒーロー達やラグランジュポイントの位置は
注意して其方に攻撃が向かうなら全力で阻止。

グラビティテンペス使用。
三つ首に十分警戒しエネルギー集中具合を確認。
エネルギーが溜まりすぎて対応できなくなる前に
不規則に重力方向が変化する重力嵐を起こし攻撃
詠唱中止させ破壊光線が発射されたら重力を利用し光線を逸らす。

敵が傷を負ったら接近微粒子を敵内部に侵入させ
中から重力嵐で攻撃。
「破壊の力が如何に強力でも
立ち向かわなくてはいけない。
それが、俺がヒーロー達に教わった事だ。」



 その威容は機械である以上に巨大であることが重要であると言うかのように、機械の翼を大きく広げた。
 三つ首の竜のような姿をした猟書家『デストロイ・プライム』は元々、小さな塊にしか過ぎない存在であった。
 猟書家『デストロイ・プライム』は自己進化、自己増殖を持って、その体を機会と融合させることに寄ってあらゆる機械を侵食していく。例えそれが侵略宇宙人達の宇宙船という超テクノロジーの塊であったとしても、なんなく取り込んでく。
 そこに『こうあるべき』というしかないが故に『デストロイ・プライム』は己の原初命令に添い、あらゆるものを飲み込む破壊の化身たらんとするのだ。

「機械鎧を取り込まれるのは組織できたけど。それでもなお、あれだけの力を持っている。今回は自分たちの安全を第一に考えてほしい」
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は、アームドヒーローで構成されたヒーローチーム『崩壊戦線』の面々に告げる。
 猟書家『デストロイ・プライム』が放った機械鎧『ドミニオン』を纏った兵士たちを全て撃破できたのは、彼等の助力がなければできなかったことであろう。
 だが、これ以上は彼等もまた生命の危険がある。せっかく護った生命をここで散らすわけにはいかないのだ。
「で、でも……猟兵と言えど、あの巨体……いや、それでも貴方達は行くんだな……俺達は俺達にできることをやるよ。ラグランジュポイントで未だ避難の終わらない人々を助けに行く……どうかご無事で」
 ヒーローチーム『崩壊戦線』のアームドヒーローたちが次々とフォルクに激励の言葉を掛けていく。

 それを受けて目深に被ったフードの奥でフォルクのユーベルコードが輝く。
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て。其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず。ただ屍を晒すのみ。吹き荒れよ、滅びの衝撃」
 彼のユーベルコード、グラビティテンペストによって重力、斥力を操る微粒子が生まれ出る。
 相対するは様々なデブリである超テクノロジーを飲み込んで巨大化した『デストロイ・プライム』。
 その三つ首の口腔は今や強大なエネルギーが貯まり始めていた。
「その破壊光線を放たれてたまるものか!」
 放った微粒子が重力を操り、不規則に重力方向を変化させる重力嵐を引き起こす。あれだけの巨体である。攻撃が外れる心配はしなくていいが、かの『デストロイ・プライム』は今や超テクノロジーの集合体である。

「ムダダ。ドレダケノチカラガロウトモホロビハカエラレヌ」
 三つ首から放たれる破壊光線の明滅が宇宙空間に迸る。
 だが、その三つに延びた破壊光線がラグランジュポイントを捉えることはなかった。いや、本来は正確無比なる絶対命中の一撃であったのだ。
 だが、結果として破壊光線は外れ、ラグランジュポイントをかすめる程度にしか影響を及ぼさなかった。
「ナゼハズレル? ナゼ? マサカ」
 そう、フォルクが操る微粒子は重力を操る。
 その重力で持って光線をそらしたのだ。ユーベルコードの輝きなくば成すことのできぬことであったが、フォルクの瞳がフードの奥で輝く。

「その光線はラグランジュポイントには向けさせない! あそこにはまだ生きている人達がいるんだ。それを喪わさせてなるものか!」
 全力のユーベルコードに寄ってフォルクの息が上がる。だが、それでもフォルクは前を向く。
 確かに猟書家『デストロイ・プライム』は強大なる存在だ。
 あの破壊光線だって捻じ曲げられたのは紙一重であった。

「お前がどれだけ巨体であっても!」
 放った重力の嵐が『デストロイ・プライム』の巨躯に傷をつけ、そこから微粒子を侵入させる。
『デストロイ・プライム』の体内で集まった微粒子たちが重力の嵐を、その体の内部で巻き起こし、内側からずたずたに引き裂いていく。
「破壊の力が如何に強力でも、立ち向かわなくてはいけない。それが、俺がヒーローたちに教わったことだ」
 それはかけがえのない正義の心。
 悪しき心は容易に伝播する。だが、正義の心は辛く険しいことばかりだ。人間は正しいことを愛するけれど、それは己の苦痛と天秤に掛けられることではない。
 いつだってヒーローは正義の心で戦う。

 それがどんなに辛くとも歯を食いしばって立ち上がる。
 フォルクもまた、そういう人間でありたいと願うだろう。
「だからこそ、お前は此処で止める!」
 フォルクのユーベルコードが微粒子を再び重力の嵐へと変え、『デストロイ・プライム』を内側から打ちのめすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アストラ・テレスコープ
あれが親玉だね!
この素敵な場所をめちゃくちゃにはさせないよー!
「崩壊戦線」のみんな、ありがとう!安全な場所に離れてて!
敵は私達が倒すから終わったらラグランジュポイントを冒険させてね!

うわっあっ!すごいビーム!!
ロケット噴射で飛びまわって攻撃を避けながら戦うのは大変だね

だったら……これで行くよっ!「追星彗撃(コメティックストライク)」!

撃ったあと私が囮になってビーム攻撃を引き付けてる間に、矢弾をデストロイプライムの背後に大きく迂回して誘導して、アタック!



 猟書家『デストロイ・プライム』の巨躯が、その内側から重力の嵐に寄って破壊される。
 しかし、それでもなお巨躯は傾ぐことはしない。
 確かに消耗させられてはいるが、自己進化、自己増殖を原初命令として生まれた、最初の一塊は今やその機能を十全に発揮し、周囲に浮かぶ超テクノロジーの残骸を吸収し、此処まで強大なる存在へと変貌を遂げていたのだ。
「あれが親玉だね! この素敵な場所をめちゃくちゃにはさせないよー!」
 アストラ・テレスコープ(夢望む天体望遠鏡・f27241)は、その星々を映す瞳で宇宙空間『ラグランジュポイント』に迫る猟書家『デストロイ・プライム』を見据える。

 彼女の心は今、正義の心に燃えていたことだろう。
「ムダダ。ワタシハスベテヲハカイスルモノ。アラユルモノヲハカイシ、ノミコミ、ユウゴウスルモノ。テイコウハムイミ」
 猟書家『デストロイ・プライム』の翼がはためく。
 次の瞬間、その翼から放たれるのは無数の破壊光線の雨。宇宙空間を飛翔し、『デストロイ・プライム』が凄まじい速度であらゆる障害物を吹き飛ばす。
「『崩壊戦線』のみんな、ありがとう! 安全な場所に離れてて!」
 その破壊光線を目にしたアストラは共に戦ってくれたアームドヒーローたちに退避を願う。
 彼等は機械鎧『ドミニオン』を纏った『機械化オブリビオン』との戦闘で疲弊している。彼等をこれ以上戦わせるわけにはいかないと判断したのだ。

 アストラは単身『デストロイ・プライム』へと立ち向かう。
 雨のように降り注ぎ続ける破壊光線の雨を4つのロケットの付いたベルトによる噴射に寄って飛び回り、アストラは躱し続ける。
「うわっあっ! すごいビーム!」
 まるで雨。
 けれど、地球上で降り注ぐ雨とは違って破壊を齎す光線だ。同時にそれは地上の雨ほど躱すことができないものではなかった。

 彼女の瞳が銀河を写す。
 今までは眺めることしかできなかった世界であるけれど、彼女はヤドリガミとなり、猟兵となった。
 そうすることが嘗ての持ち主の夢見た世界を見つめることができる。
 後でラグランジュポイントを冒険するという約束だってある。
 それを反故にするわけにはいかない。
「だったら……これで行くよっ! 追星彗撃(コメティックストライク)!」
 彼女の心のなかに在る夢やロマンや想像力が膨れ上がっていく。
 彼女の手にしたコズミックロングボウがユーベルコードの輝きに満ちていく。それは想像力やロマン、何よりも嘗ての持ち主が夢見た銀河を征く冒険のために必要なものであった。

「スベテハカイスル。ワタシトユウゴウシ、スベテヲムニキス。ハカイノケシントシテノヤクワリヲハタス」
 猟書家『デストロイ・プライム』は己に下された原初命令を忠実に護っているだけなのかもしれない。
 そこに在るのは『デストロイ・プライム』を開発した悪の科学者の思惑だけであったのだろう。しかし、アストラは決意していた。
 すでに覚悟は決まっていたのだ。
 放たれたコズミックロングボウの矢弾が飛ぶ。

 同時にアストラもミニロケットを噴射させ、『デストロイ・プライム』の注意を己に引き付けさせる。
 囮となって宇宙空間を飛ぶ。破壊光線の雨が彼女を狙って幾条にも伸びる。
 凄まじい速度であり、彼女が追いつかれるのは時間の問題であったかもしれない。
「それでも私は行くよっ! 宇宙の果てまで!」
 その瞳が見るのは宇宙の果て。
 見果てぬ夢を追い求めるようにアストラの身体が宇宙空間を舞う。

 破壊光線が追いすがる。
 だが、それがアストラに届くことはなかった。
「それっ! 背後ががら空きだよ!」
 放たれたコズミックロングボウの矢弾が大きく迂回し、『デストロイ・プライム』の背面へと突き刺さる。
 翼の付け根に着弾し爆発が引き起こり、他の猟兵に寄って内部から傷つけられていた『デストロイ・プライム』の背面が大きくえぐられる。

「人の夢見る道を、生命の執着を、遮らせなんかさせないんだからねっ!」
 アストラの構えたコズミックロングボウから再び矢弾が放たれ、三つ首の『デストロイ・プライム』へと打ちうこまれるのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユージィーン・ダイオード
目標を確認。殲滅(ターミネイト)を開始する…。

思っていたよりも巨大だが、問題ない。
『崩壊戦線』と連携し、確実につぶす。
吶喊する。援護を要請(リクエスト)する。

武装展開(オープン・コンバット)アサルトライフルと零式直接支援火砲を選択(セレクト)

アサルトライフルの『制圧射撃』による『弾幕』を展開。
『オーラ防御』によるバリアを展開し、敵の攻撃に耐えつつ接近。
この距離なら外さない。零式直接支援火砲を中央の首に『爆撃』し『部位破壊』を行う。

く、ダメージ限界…まだッ
右腕なのにレフトアームの『怪力』で敵を掴むとUCを発動させる。

「三十七年一睡夢 一期栄華一盃酒。」
デストロイ・プライム…どこに堕ちたい?



「目標を確認。殲滅(ターミネイト)を開始する……」
 その言葉はラグランジュポイントに静かに響き渡った。
 赤い眼光が煌き、ユージィーン・ダイオード(1000万Gの鉄面皮・f28841)は、相対する猟書家『デストロイ・プライム』の巨躯を見上げる。
 思っていた以上のサイズ。
 圧倒的なサイズ差は、猟兵にとっては戦力の差とななりえない。
 だが、その威容は確かに見るものの心理を圧迫し、効率的に恐怖を与えるものであったのかもしれない。

「だが、問題ない」
 その鉄面皮は崩れることなど無い。
 どれだけ巨大であっても倒すことは不可能ではない。何より、彼には今『崩壊戦線』というヒーローチームが協力してくれるからだ。
「確実に潰す……吶喊する。援護を要請(リクエスト)する」
「ああ、サポートは任せておいてくれ! ありったけの超テクノロジーを惜しみなくぶっ放す! あのデカブツまでの道は俺達が!」
 アームドヒーローたちが一斉に己たちが管理する超テクノロジーの武装を解き放ち、『デストロイ・プライム』への道筋を着けてくれる。

 ユージィーンは宇宙空間を飛ぶ。
「武装展開(オープン・コンバット)!」
 その両手にはアサルトライフルと零式直接支援火砲が握りしめられていた。
 巨大な身体を動かし、『デストロイ・プライム』は、デブリで構成された巨大な尻尾を振るう。
 その一撃は周囲に散在していたデブリたちを融合しながら、宛ら鈍器のようにユウゴウシながらへと迫る。
「む……!」
 アサルトライフルが火を噴き弾幕を貼るが、圧倒的な質量さの前にはデブリと融合した尻尾を破壊しきれない。
 バリアを展開し、尻尾の一撃を耐えるが、ユージィーンの身体のあちこちから火花が散るほどの威力であった。

「く、ダメージ現界‥…まだッ!」
 零式直接支援火砲の一撃で持って尻尾の融合した部位を吹き飛ばしながらユージィーンは飛ぶ。
 関節部へのダメージが甚大だ。動かす度にあちこちから火花が散っては、己の中に警告が響き渡る。
 だが、それでもユージィーンは諦めない。
 彼を支援する『崩壊戦線』のアームドヒーローたちが放つ超テクノロジーの砲撃に後押しされるようにして彼は宇宙空間を飛び、再び放たれた尻尾の一撃がユージィーンの左腕を吹き飛ばす。
「左腕をやられたか……だがッ!」
 己の身体の現界が此処までであろうが関係ない。

 残された右腕に力を集中させる。
 身体のすべての力を籠めて、振るわれた尻尾の一撃を受け止め、ユージィーンは咆哮する。
「やっとわかったぞ。貴様の倒し方がなッ――三十七年一睡夢 一期栄華一盃酒」
 それは辞世の句であった。
 もしかしたのならば、この一撃が己の最期の一撃となるのかもしれない。
 だが、己が倒れたとしても、きっとこの後に続く猟兵たちがいる。それを思えば、己の限界を超えることに何の躊躇もなかった。

 掴み上げた鋼鉄の尻尾ごと、『デストロイ・プライム』の巨躯を振り上げる。
 それは空前絶後の光景であった。
 あれだけの巨躯を誇った『デストロイ・プライム』がたった一人の人間大の猟兵一人によって持ち上げられ、振り回すのだ。
「デストロイ・プライム……どこに堕ちたい?」
 だが、ユージィーンは、その答えを待つことはしなかった。放たれた超龍炎爆撃(ドラゴンエクスプローション)は、凄まじい力で持って巨大な宇宙人が嘗て乗っていたであろう宇宙船へと『デストロイ・プライム』を叩きつける。

「間違っても、地球やラグランジュポイントには落とさない……お前は僕と此処で破壊されなければならない――ッ!」
 その一撃が『デストロイ・プライム』の鋼鉄の尾を引きちぎり、宇宙船と激突させ、その巨躯を大きく損なわせる。
 羽はひしゃげ、高速飛翔は封じられる。

 だが、その代償は大きい。
 ユージィーンの赤い瞳が明滅するようにして活動を停止する。それは人で言えば生命停止であったのかもしれない。
『死』を連想したかも知れない。
 しかし、それをさせぬとアームドヒーローたちがユージィーンへと駆け寄り、その身体を回収する。
「絶対に死なせてなるものか! 俺達を助けてくれたんだ、この人は! だから今度は!」
 俺達の番だ。
 そういうアームドヒーローたちの言葉が、ユージィーンはどこ遠く聞こえ、次に目覚めた時、彼は勝利の報せを聞くことになるだろう――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
…大きいわね。
牡丹、コックピットを開けて。
操縦の必要は無いけれど、一緒に行きましょう。

『崩壊戦線』の方、思い切り暴れていい場所を教えてくださる?
牡丹の全力をぶつけるわ。

足、尻尾。どうあれ敵UCの起点は下半身。
それが判っていれば【見切り】は不可能じゃない。
敵の一撃に合わせた【ジャンプ】回避と共に頭上をとり、そのまま【踏みつける】ように降下する【重量攻撃】!

さぁUC【奮い立て、私の鋼鉄巨人】!
霊力の直接供給、そして私の存在そのもの!
操縦の必要は無くてもね、私が直接乗るこの子の【限界突破】したフルパワーは伊達ではなくてよ!

「いけぇぇぇー!牡丹ーっ!!」
『ヴォオオォォォ!!!』



 猟書家『デストロイ・プライム』の威容は凄まじいほどの巨躯で持って相対する猟兵の眼前に現れた。
 その姿は巨大と呼ぶにはおこがましいものであり、同時に自己進化、自己増殖を繰り返し、あらゆる機械を融合し飲み込んでいく。
 それが如何なる超テクノロジーに寄って生み出されたのかは最早知る由もない。だが、その原初命令による全てを飲み込み破壊するという行動原理は止めなければならない。
 大戦の折に『重力の罠』によって壊滅させられた侵略宇宙人達の宇宙船。それは今や、善良なる人々が住まう生活圏だ。
 それを奪わせてはならない。
「……大きいわね」
 卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)はキャバリア『牡丹』の掌の上に立ち、その威容を見上げる。
 宇宙空間にあってなお己の視界にある『デストロイ・プライム』の姿は寸法が在っていないのではないかと思わせるほどに巨大。

『ヴォ!!』
 だが、それに恐怖を覚えることはない。アンリの言葉に応えるようにキャバリア『牡丹』のコクピットハッチが開く。
 本来であれば操縦の必要がない『牡丹」である。だが、それでもアンリは応えるようにコクピットに座す。
「一緒に行きましょう――……『崩壊戦線』の方、思い切り暴れていい場所を教えてくださる? この子の……『牡丹』の全力をぶつけるわ」
「まだ『ラグランジュポイント』からは遠い……此処ならまだ大丈夫なはずだ……! 頼む、『ラグランジュポイント』を護ってくれ!」
『崩壊戦線』のアームドヒーローたちが口々にアンリへと言葉をかける。
 彼等だってヒーローだ。

 本来ならば助力したいところだろう。だが、あの巨大な『デストロイ・プライム』には敵わない。だからこそ、思いを託すしかないのだ。
「任せておいて! 行くわよ、『牡丹』!
『ヴォ!!』
 その声を受けてキャバリア『牡丹』が宇宙空間を征く。相対する『デストロイ・プライム』は先行した猟兵に寄って盛大に投げ飛ばされ、その巨躯を機械融合能力に寄って取り繕っているが消耗しているのは目に見えている。

「ハカイヲハバムモノヲハカイスル。スベテヲハカイスルタメニ。ワタシハナニモカモヲノミコンデイク」
『デストロイ・プライム』の中にあるのは原初命令のみ。
 それを遂行するためだけに存在していると言うように三つ首の竜が咆哮する。それは宇宙空間であっても重圧となって『牡丹』を駆るアンリのコクピットまで響くようであった。
「足、尻尾。どうあれ『デストロイ・プライム』の攻撃の起点は下半身……!」
 放たれる鈍器の如き尻尾の一撃が鞭とハンマーを合わせたかのような特性で持って『牡丹』を襲う。 
 あの一撃を受けてしまえば、如何に『牡丹』が頑強なるキャバリアであったとしても防ぎきれるものではない。
 だが、すでにアンリの瞳には勝機が見えていた。

 振り下ろされる鋼鉄の尾をギリギリで躱し、『デストロイ・プライム』の頭上を取る。
「たった一人で与えられた命令を遂行する……それが機械っていうものなんでしょうけれど……!」
 キャバリア『牡丹』もまた機械であろう。
 だが、『デストロイ・プライム』と決定的に違うことがある。それはアンリと心通わせたという事実。
 誰が為に戦うことこそが『牡丹』であるのならば、ただ融合し破壊するだけの存在に敗ける道理などない。
「さあ、奮い立て、私の鋼鉄巨人(ガンバレボタン)!」
 アンリから霊力が直接『牡丹』に与えられる。操縦の必要はない。けれど、その機体の内側にアンリがいる。
 ただそれだけで『牡丹』の力は増していく。

 そういうキャバリアなのだ。
 出力の限界を越えた『牡丹』の蹴撃の一撃が『デストロイ・プライム』の頭上より降り注ぐ。
 それは凄まじい一撃であり、三つ首の竜の頭蓋を捉える。
「ワタシハハカイシャ。ケッシテハカイサレルコトハナイ――」
 だが、まだ出力が足りない。力負けてしている。蹴撃を放った三つ首のうちの二つの首が『牡丹』へと口腔に溜め込んだ破壊光線を放とうと輝く。

 霊力だけでは足りない。
 ならば、後はなんとする。簡単なことだ。誰かのために戦う者に必要なもの。それは――!
「いけぇぇぇ――! 牡丹――っ!!」
 アンリの声援。
 誰かのために戦うものに向けられる声援こそが、『牡丹』の力となる。そして、それに応える時、『牡丹』の力はさらなる高みへと限界を超えていく。
『ヴォオオォォォ!!!』
 咆哮を上げ、『牡丹』の出力が上がり、三つ首の一つを、その蹴撃が叩き落とし、完全に押しつぶして破壊する。

 その一撃はまさしく一条の輝きとなって宇宙空間に希望として咲くのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
顔が3つあるとか欲張りか!
大怪獣バトルだ…
デカい巨人か、こっちも怪獣を用意出来れば撮影して一儲け出来そうだけど…
流石に野良の怪獣王や、光ってる巨人は居ないか…
残念


崩壊戦線と連携してやるかな
彼らが隠れて待ち伏せしやすい場所を教えて貰ってそこで待機してて貰おう
私は《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀して突撃
羽は既に落ちてる…か

【Code:F.F】を起動
高速移動でちまちま斬り付けながら目標地点まで誘導
敵のビームは『オーラ防御』で直撃を避けて弾こう
目標地点に到達後は崩壊戦線に一瞬敵の注意を引いて貰って背後を取る
傷に塩を塗らせてもらうよ
ひしゃげた羽にエネルギー球を放射してキメよう



 猟兵の駆るキャバリアの一撃が猟書家『デストロイ・プライム』の三つ首の竜の一つを蹴り飛ばす様にして破壊する光景がヒーローズアースの大気圏外に広がる。
 すでに先行した猟兵達による攻撃に寄って巨躯を誇った『デストロイ・プライム』は消耗を強いられていた。
 あれだけの巨躯。さらには自己進化、自己増殖……機械融合能力まで有した『デストロイ・プライム』を此処まで追い込むのは至難の業であったことだろう。
「顔が三つもあるとか欲張りか!」
 今はもう二つになってしまっているが、それでも月夜・玲(頂の探究者・f01605)の心に去来するのは少年の心にあるような巨大なものへの憧れのような……サブカルマニアたる浪漫であったのかもしれない。

 一つの首が落ち、鋼鉄の羽がひしゃげている。さらには外部から見えてはいないが、内部もずたずたにされている『デストロイ・プライム』。
 未だ健在であることはオブリビオンであるからであろう。油断ならぬ敵であることには変わりないのだが、それでも玲は両手の親指と人差し指でフレームを作って、そこに『デストロイ・プライム』を納める。
「大怪獣バトルだ……デカい巨人か、こっちも怪獣を用意できれば撮影して一儲けできそうだけど……流石に野良の怪獣王や、光ってる巨人はいないか……残念」
 最早目的がとっちらかってしまっているが、そう思わざるを得ないほどに彼女の指で組まれたフレームの中に在る『デストロイ・プライム』の姿は、一山当てられそうな映像が作れそうであった。

「ま、冗談冗談ー。いや、ほんと。ほんと。『崩壊戦線』のみんな、『ラグランジュポイント』を護る気概はまだ十分だよね。ちょーっとがんんばってもらうよ」
 玲は『崩壊戦線』のアームドヒーローたちに呼びかけ、あるポイントに隠れてもらうように支持する。
 彼等もまた戦う気概は十分であった。
 例え力が及ばなくても立ち向かう。それがヒーローである。その表情に玲は満足げにうなずくと自身は『デストロイ・プライム』へと飛び出す。
「ひしゃげた翼は既に落ちてる……か。へいへーい、猟書家びびってるーって言って通じるのかなっと!」
 抜き払った模造神器の二振りを構え、玲は宇宙空間を疾駆する。

 その青い輝きと髪の一房が戦場となった大気圏外の宇宙に閃く。
「ハカイ、ハカイ、ハカイスル。ワタシハハカイシャニシテユウゴウシャ。スベテヲ、スベテヲヒトツニ」
 その言葉は原初命令の遂行だけで『デストロイ・プライム』が動いていることがわかるものであった。
 それを玲はつまらないと断じる。
 その命令を発した何者かの考えが、思想が、何もかもがつまらない。これだけの超テクノロジーを持ちながら、考えることはそれだけなのかと。
「最終公式起動、全てを零に!」
 模造神器全ての力が玲の中へと流れ込んでくる。それこそが、Code:F.F(コード・ダブルエフ)。

 UDCの力を限定的であっても再現せしめるユーベルコードの輝きが、一層彼女の身体を青く輝かせる。
 青き閃光が『デストロイ・プライム』の巨躯を切り刻む。一刀が装甲を切り裂く。翼がひしゃげているせいで高速飛翔はできないまでも全身から放たれる破壊光線の雨が玲を捉えることはない。
 彼女を今疾駆させている力はUDCの力である。彼女の体は今、閃光のように宇宙空間を自由に飛び交い、破壊光線を躱し続ける。
「全然届かないねーまだまだこっちこっちー」
 玲が誘導するように飛ぶ。
『デストロイ・プライム』は、その蒼き光に誘われるようにして破壊光線の雨を降り注がせながら、玲を追う。

「『崩壊戦線』のみんなー、お仕事の時間だよー」
 誘導された『デストロイ・プライム』の眼前に迫るのは、待ち伏せていた『崩壊戦線』のアームドヒーローたちの持つ超テクノロジーの武装に寄る一斉掃射であった。
 放たれたエネルギーの光線が『デストロイ・プライム』の眼前に迫り、爆発する。
 その一撃一撃は猟兵の攻撃には及ばないまでも『デストロイ・プライム』の意識を彼等に向けさせるのには十分だった。

 だが、同時にそれは玲という猟兵の存在を一瞬忘れさせるには十分な隙であった。
「その傷に塩を塗らせてもらうよ!」
 一瞬の隙。
 その刹那に『デストロイ・プライム』のひしゃげた鋼鉄の翼……その背後に現れる玲。
 背後を取るために『崩壊戦線』と連携し、決定的な隙を生み出したのだ。
 彼女の模造神器が交錯され、そこに膨大なエネルギー体が球状へと姿を変えていく。その一撃はまさに全てを零に還す一撃。
 放たれた青い閃光の一撃が『デストロイ・プライム』のひしゃげた鋼鉄の羽を完全に破壊し、その傷口を広げるようにして穿たれる。

 大穴を開けてもなお、『デストロイ・プライム』は怨嗟のごとく咆哮を響かせたが、玲は掲げた模造神器から、余剰エネルギーの雨を降り注がせ、その巨躯を徹底的に破壊を齎す。
「せっかくの融合能力だっていうのに、取り込むだけで理解しようとしないから。ジャンク漁りとは全く別物。相容れないものだったね」
 玲は破壊の痕を見下ろしながら、『デストロイ・プライム』を創り出した科学者の思想すらも破壊するように、模造神器の力を振るうのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…これはまた…大きくなるものだね…
…ラグランジュポイントを守るためにも…ここで倒れて貰おう…
…まずは「崩壊戦線」の皆と共にデストロイ・プライムがこれ以上機械を取り込まないように牽制を行う…
…そして、時間を稼いでるうちに【竜屠る英雄の詩】を発動…竜を模した姿である以上、竜殺しの効果範囲内…
……私の武器、そして崩壊戦線達の武器に竜殺しの力を宿して…
…後は手痛い反撃を受けないよう、気をつけながら一斉攻撃を仕掛けるとしよう…
…相手のトリニティ・バーストは竜殺しの力の宿った黎明剣【アウローラ】で切り裂いて防御するよ…
……自己進化の果てにその姿になったのだろうけど…竜になったのが運の尽きだったね…



 三つ首の竜の如き威容を誇った猟書家『デストロイ・プライム』の姿は猟兵達の攻撃に寄って今や消耗激しい姿へと変えられていた。
 羽はひしゃげ、そこに穿たれた大穴。三つ首の一つは叩き落され、内部からの破壊をも引き起こされた。
 外部装甲もまた至るところに陥没した場所や破壊の痕がある。
 だが、それでも『デストロイ・プライム』の威容は損なわれること無く、宇宙空間にその姿を破壊の権化として咆哮を重圧としてはなっていた。
「ワタシハコワス、ノミコム、トリコム。ファーストオーダーハスイコウサレナケレバナラナイ」

 嘗て悪の科学者に寄って生み出されたのはこぶし大の一塊であった。
 自己進化、自己増殖。そして機械融合能力を持つがゆえに。
「……これまた……大きくなるものだね……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は、その威容を見上げる。あれだけの巨大質量になるまで取り込んだ機械の残骸はどれほどのものであったことだろうか。
 超テクノロジーの塊であるが、それを活かすための力は『デストロイ・プライム』にはない。
 ただ、取り込み、破壊する。
 たったそれだけのために、あの猟書家は存在しているのだ。
「ラグランジュポイントを護るためにも……ここで倒れてもらおう……」

 未だ『デストロイ・プライム』は健在であり、その原初命令とも言うべき機械融合能力が取り込もうとしているのはラグランジュポイントである。
 かの宇宙船の残骸を組み上げた生存圏は傷を追った『デストロイ・プライム』にとっては、その傷を癒やすためには必須なる存在であった。
「俺達は何をすればいい! 猟兵……俺達の力は微力かもしれない。だが、僅かでもいい。できることをしたいんだ!」
 ヒーローチーム『崩壊戦線』のアームドヒーローたちがラグランジュポイントの避難を終えてメンカルの元へと集まってくる。
 彼等の力は機械化オブリビオンにも敵わないものであったが、それでも何かをしたい、助けたい、その思いは本物のヒーローであった。

「……これ以上、『デストロイ・プライム』を近づけさせるわけにはいかない……だから」
 だから、メンカルは彼女が持つ術式の中から最適解を導き出す。
 彼女の瞳がユーベルコードに輝く。その先に在ったのは三つ首から一つ脱落した竜の如き姿をした『デストロイ・プライム』。
「……傷を追ってそれを修復しようとデブリを取り込もうとする……それを阻止してほしい。私の詠唱が終わるまで、時間を稼いでほしい……」
 メンカルのその言葉にアームドヒーローたちは頷き、ラグランジュポイントへと迫らんとしている『デストロイ・プライム』へと、超テクノロジーの武装を解き放ち牽制する。

 それはあの巨躯にとっては豆鉄砲のようなものであったのかもしれない。
「厄討つ譚歌よ、応じよ、宿れ。汝は鏖殺、汝は屠龍。魔女が望むは災厄断ち切る英傑の業」
 だが、いつだってそうだ。
 どれだけ小さな力であったとしても、人はいつだって自身より強大なる者を打倒してきた。
 それが英雄と呼ばれる者だ。
 だからこそ、メンカルが選んだ術式――ユーベルコードは輝く。人の生命に栄光あれと。誰かのために戦える者にこそ宿る力が在るのだと、高らかに謳う。

 ―――竜屠る英雄の詩(ドラゴンスレイヤーズ・バラッド)。

 それが彼女のユーベルコードの名。
「ハカイスル。ワタシノシメイヲハバムモノハスベテハカイスル」
 一つ脱落してはいるが、残った二つの首の口腔に溜め込まれた破壊の力が砲撃のように伸びる。
 目障りなアームドヒーローたちを薙ぎ払わんと放たれた破壊光線の一撃の前にメンカルは飛び出す。
「……自己進化の果てにその姿になったのだろうけれど……」
 手にするは黎明剣『アウローラ』。
 その刀身に宿りしは、竜にまつわるものを殺す竜殺しの概念術式。
 どれだけ言葉を弄しようとも、今メンカルの目の前にいるのは機械でもなければ、鋼鉄の固まりでもない。
 進化の果てに竜の姿をかたどったのならば、メンカルの術式の前に例外はない。

 破壊光線の一撃をメンカルの振るう黎明剣の一撃が極大の光となって打ち消す。
 それは想像を絶する光景であったことだろう。破戒の光を切り裂く黎明の如き光。それは間違いなく英雄譚に謳われる光景そのものであった。

「……竜の姿になったのが運の尽きだったね……」
 宿すは竜殺しの概念。
 振るうは善良なる人々を守らんとする英雄たちの心。放たれた一撃が袈裟懸けに『デストロイ・プライム』の巨躯に打ち込まれ、その斬撃を持って永遠に癒えることのない傷跡を刻むのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

サージェ・ライト
わー、おっきいー(下から見上げ
しかしこの形状だと猟書家というか猟書獣っていうか
あんまり変な事言うと本当に出てきそうなので
この辺にしまして

いっきまーす!かもんっ!『ファントムシリカ』!

さて、壊すとまたシリカ(猫)に怒られるので(視線逸らし
クノイチっぽく惑わす方向でいきますね
ファントムクォーツユニット起動!
20体くらいの幻影でかく乱戦法です
相手の攻撃は強烈だからこそ回避した後に機あり!
尻尾の一撃をかわしたら
攻撃力重視の【疾風怒濤】で仕掛けます!
「強き一撃は貴方の存在意義をも砕く!参ります!」
この一撃防げるものなら防いでみろー!

※アドリブ連携OK



 極大の光が斬撃となって猟書家『デストロイ・プライム』の巨躯へと穿たれる。
 それはあまりにも強大であったオブリビオンを追い詰める光であり、三つ首であった『デストロイ・プライム』の首も残すは二つ。
 さらには鋼鉄の翼はひしゃげ、完全に破壊されて穿たれた大穴。内部は破戒の嵐に見舞われ、装甲のあちこちに傷跡が残されている。
 もはやデブリを融合し、その傷跡を取り繕うことすらできなくなっている『デストロイ・プライム』であったが、それでもなお、破壊を諦めていなかった。
「ワタシハシメイヲスイコウスル。ナニモノモギセイニシテモワタシノファーストオーダーヲスイオコウスル」
 咆哮するように重圧が周囲に撒き散らされる。
 そのために生まれた。
 それこそが存在意義。たった一つのこぶし大の塊から発生した自己進化と自己増殖の果にあるのが滅びであったのだとしても、原初命令だけが『デストロイ・プライム』を突き動かすものであった。

「わー、おっきいー」
 その巨躯を見上げるのはサージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)であった。
 宇宙空間にあってスケールの違いがあまりにもありすぎて、自分が今何と対峙しているのかとサージェは恐怖を抱くよりも前に、呆れるような、それでいてあっけらかんと言う。
「しかし、この形状だと猟書家というか、猟書獣っていうか……わわっ、あんまり変なこと言うと本当に出てきそうなので!」
 この辺にしておこうとサージェは気を取り直す。本当にそんなオブリビオンが出てきたら、割と洒落にならない。

「いっきまーす! かもんっ! 『ファントムシリカ』!』
 打ち鳴らされた指の音に答えるようにサージェの元に現れる淡い紫と白を基調としたキャバリア『ファントムシリカ』が現れる。
 コクピットに搭乗するとサージェは気を取り直す。
 今回はあまり無茶苦茶をやるわけにはいかないのだ。これまで散々壊しては機体に宿る魂のアバターである『シリカ』にこってり絞られている。
 それを思い出せば、オブリビオンと戦う事以上に戦慄してしまう。
 白猫又のじとっとした視線が、サージェに突き刺さるが言葉にしなければ伝わらない……わけでもなさそうなのが痛いところである。
 視線をついーっとそらしながらサージェがキャバリアの操縦桿を握る。

「お姉ちゃん」
「わ、わかってるもん! クノイチっぽく惑わす方向でいきますね!」
 迫る『デストロイ・プライム』の鋼鉄の尾。
 それは己の使命を邪魔する全てを破壊する強烈なる一撃。あの一撃を受ければ、『ファントムシリカ』と言えど破壊は免れない。
 またシリカに怒られる光景を幻視し、サージェはファントムクォーツユニットを起動し、無数に浮かぶ幻影を生み出し、『デストロイ・プライム』を翻弄する。
 その一撃は周囲のデブリを巻き込み、次々と幻影を貫いていく。だが、サージェの駆るキャバリアの本体を捉えることはできなかった。

「あなたの攻撃は確かに凄まじいものですが! 強烈だからこそ、その大ぶりの後に隙あり機あり!」
 鋼鉄の尾の上を『ファントムシリカ』が駆け抜ける。
 淡い緑色の光を放つビームダガーを両手に構え、『ファントムシリカ』が一気に『デストロイ・プライム』の一つの首が喪われた残る二つの首のうちの一つへと飛び込む。
 緑の残光を残して迫る『ファントムシリカ』の姿に『デストロイ・プライム』は何を思っただろうか。

「強き一撃は、貴方の存在意義をも砕く! 参ります!」
 その姿、まさしく疾風怒濤(クリティカルアサシン)。
 己の頭上に迫った『ファントムシリカ』の放つ緑のビーム光の斬撃が一つの首を超連続攻撃の斬撃に寄って切り刻まれ、口腔に溜め込んだエネルギー諸共誘爆させ破壊する。
 くるりと宇宙空間で身を翻し、『ファントムシリカ』はさらに駆ける。

「この一撃、防げるものなら防いでみろー! そにっくぶろー!!」
 放たれたビームダガーの一撃が、『デストロイ・プライム』の長い首の根本までを竜巻のように切り刻みながら、その巨躯を爆風へと包み込ませるのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
ロボットということは、何処かしらにコアが
存在するかもな……探してこついてみるか。
むむ、どう探すと?それはもう至近距離で。
■闘
デストロイ・プライムの周囲を【空中戦】の要領で飛び回るぞ。
危ないと言われた気がしたが、気にしない。

基本は至近距離から【野生の勘】を巡らせエネルギーを
感知し、コアを探る。上半身あたりが怪しいかもな。
相手の攻撃に対しては【残像】を見せつけ狙いを定めにくくし、
仕掛ける瞬間を【見切り】つつすっと回避。

それらしき箇所を発見したらすぐさま【ダッシュ】で接近し、
【怪力】を込めた【真爪・剛】で突き刺すのだ。
有るべき海への道へ御案内致そう。

※アドリブ歓迎・不採用可



 竜巻の如き斬撃の嵐が猟書家『デストロイ・プライム』の三つ首のうち、二つ目の首を爆散させる。
 すでに鋼鉄の翼はなく、背には大穴が穿たれている。
 装甲に傷のないところはなく、内部は破壊の嵐に寄ってズタボロにされている。もはや傷口を取り繕うこともできず、融合能力をもアームドヒーローたちの強力に寄って封じられている。
 何より、その胴体部分に刻まれた袈裟懸けの一撃が致命傷と言うべき一撃となって残っている。
「ワタシハ、ワタシハ――……ハカイシャ。スベテヲハカイシ、トリコミ、アラユルモノヲ」
 それが『デストロイ・プライム』に課せられた原初命令。
 存在意義にして、機能の全て。
 一塊の大きさから、此処まで巨大な存在へと変貌する。それが悪意ある科学者の思想であったのだとすれば、その超テクノロジーの扱い方こそが生命に課せられた試練であったのかもしれない。

「ロボットということは、何処かしらにコアが存在するかもな……」
 愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は、先行した猟兵達の戦いぶりの後に残る『デストロイ・プライム』の姿を見て、未だ倒れぬ原因を推測していた。
 あれだけの巨躯を全て消滅させるのは、一苦労どころではない。
 近くに機械があればあっただけ、融合し取り込んでいく性質であるのならば、ここラグランジュポイントにあるスペースデブリは、『デストロイ・プライム』にとって有利なる状況であったのだろう。
 それもアームドヒーローたちの活躍に寄ってデブリが取り除かれているおかげでこれ以上再生する気配はない。
「探して小突いてみるか」
「だが、どうやって? あれだけの巨体だぞ?」

『崩壊戦線』のアームドヒーローが清綱の言葉に応える。
 そう、コアがあるのだとして、あの巨体の中から探し出すのは困難を極める。それだけ『デストロイ・プライム』は機械を取り込み、肥大化しているのだ。
「それはもう至近距離で」
 清綱はなんでもないというように言い放ち、猛禽の翼を宇宙空間に広げる。
 アームドヒーローたちの制止の言葉が聞こえたような気がしたが、清綱は気にしなかった。
 危険は元より承知である。
 なればこそ、猟兵である己が向かうのが道理。アームドヒーローにはアームドヒーローの役割がある。
 猟兵である己には、己の役割が。
 だからこそ、一直線に飛ぶ。
「ワタシハハカイスル! スベテ! ナニモカモ!」
 鋼鉄の尾が飛翔する清綱を振り払わんと振るわれるが、精彩に欠く動きである。今まで猟兵たちが刻んだ傷が響いているのだろう。
 これならばコアを探ることもできよう。

「破壊の化身を気取るか。だが――」
 清綱は鋼鉄の尾を躱し、遂に『デストロイ・プライム』の懐へと潜り込む。
 この『デストロイ・プライム』が機械を取り込み肥大化するのであれば、その大本が在るはずである。
 体の中心。
 胴体、上半身……そして清綱は見た。
 その胴に刻まれた決して癒えることのない斬撃の痕。本来であれば、真っ先に取り繕わなければならないはずであるが、猟兵の斬撃は竜殺しの概念を宿していた。
 その斬撃のせいで傷が塞がらず、そこに集中するエネルギーの核を清綱は見たのだ。

「機械の身。そこには必ず核がある。お前の核はそこだな――『デストロイ・プライム』!」
 そこが急所であると確信する。
 清綱が構えるは、真爪・剛(シンソウ)。
 狙い定めた一撃は、怪力を持って刀身を持ってユーベルコードの輝きを流し込む。
 刺突の一撃が、そのエネルギーのコアを貫く。清綱一人では、此処まで追い詰めることはできなかっただろう。
 猟兵達の積み重ね、刻んだ傷跡が清綱の一撃を紡ぐ。

「その仮初の生命……もらったり。在るべき海への道案内致そう」
 静かに清綱が言い放った瞬間、刀の切っ先がエネルギーのコアの中心を捉える。瞬間、エネルギーが『デストロイ・プライム』の体へと逆流し、その取り込んできたデブリ全てを崩壊させながら爆散する。

 その光景は『ラグランジュポイント』に住まう人々の誰もが見たことだろう。
 破壊の化身。あらゆるものを飲み込む『デストロイ・プライム』の最期。それは、きっと猟兵、そして、彼等が名乗った『スナーク』という希望の象徴と共に彼等の口から感謝の念と共に語られるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月27日


挿絵イラスト