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闇に堕ちるキャバリアを止めて~宝玉外史2

#クロムキャバリア #宝玉外史

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#宝玉外史


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●『救国』の称号
 魔石の国『クライノート』。
 若い将校エリックの扇動によって行われたプラント施設の占拠事件、通称『クプファー事件』において。『国の護り』としての象徴的なキャバリアであった『救国のキャバリア』は巻き込まれ、大破してしまった。
 しかし機体そのものは無事であったため、現在、王室直属の工房にてフルレストアしている。

 しかしこの事件は国民たちにとって色んな意味で衝撃的であった。宝玉騎士団の将校が事件を起こしたこと、傭兵と呼ばれる騎士団以外の尽力があったこと、そして救国のキャバリアが為す術も無く破壊されたこと。

 ――いかな強大なキャバリアとてパイロットがいなければ、ただの兵器にすら成れないのだ。

 その事実は『救国』の幻想を打ち破るには十分であったし、そして国民を奮い立たせるにも十分であった。

 ――新たな救国の象徴を、我々の手で造り出す!

 パイロットを選ばないと実力を発揮できないモノではなく。
 国を守る意思で以て戦える強いキャバリアを。

 その思想の元、国の護り手である宝玉騎士団とキャバリア工房がタッグを組んで、新たなキャバリアの製造に入ったのである。

●グリモアベースにて
「皆さん、前回はありがとうございました」
 グリモアベースに集まってくれた猟兵たちにグリモア猟兵、涼月・カティア(仮初のハーフムーン・f05628)が一礼する。
 前回――クプファー事件の結末は既に別の報告書に記されている通り。
「その後については、今お話した通りです」
 件の将校エリックについてはまだ牢の中にいるらしい。処罰待ちとのことで現時点では進退は不明だ。
「オブリビオンマシンの存在は隠されました。いたずらに国民を不安にさせる必要はないという国の判断らしいですね」
 なので、国民が知っているクプファー事件の顛末は、先に伝えられた通りだ。真相を知っているのは国の中枢、箝口令が敷かれている現場にいた宝玉騎士団員。そして猟兵たちのみということである。
「とはいえ、クプファーの物理的な損壊はともかく、クライノートおよび国民に残っているダメージはほぼ無いと言ってもいいでしょう」
 だからこそ、国民たちは前向きに『次代の救国』を生み出そうとしている。
「元々、この国は、背後に霊峰がある関係で逃げるようにできていません」
 そしてこの霊峰でしか採取できない魔石がこの国の生命線だ。そのため、『護る』ことがまず国の気質としてある。その護りの象徴であった『救国のキャバリア』が当てにならない以上、新たな救国を求めるのは必然と言えよう。

●電脳巨兵ふたたび
「とここまでは、とても良い話で皆さん一緒に見に行きませんか? と誘いたくなる展開なのですが」
 はふ、と吐息を漏らしつつ視線を逸らすカティア。
「またもや事件です」
 ぱらっと生徒手帳をめくってカティアが話し出す。
「現在、新たな救国を生み出そうとしている王都の工房のひとつでオブリビオンマシンが『発生』します」
 その名は『オリバレス』。そう、クプファー事件の真の黒幕である。
「どうも新しいキャバリアの参考に、オリバレスのパーツを参考にしていたようです」
 困った表情のカティアが話を続ける。パーツそのものは既に残骸で力など残っていないのだが。
「問題は、新造キャバリアの素体です。こちらにオブリビオン因子が組み込まれていたようで」
 それがオリバレスの残骸を取り込み、そのデータを丸写しすることでオリバレスの姿を模したのだ。
「まだオブリビオンマシンとしては幼体といったところ。本調子ではありません」
 そのため、その段階で全力で叩き潰せば、オブリビオンマシンの芽を確実に摘み取れるのだが。
「王都の中、周辺には人々、そして中にいるパイロットの安全といった要因から、この場で決着をつけるのは難しいと思われます」
 ならばどうするか、というと。カティアは2本の指を立てる。
「作戦は二段階。ひとつめは起動したオリバレスを周辺への被害を押さえつつ撃破。稼働停止まで追い込みます」
 仮にも新たな救国を生み出そうとしている工房だ。キャバリア戦闘程度なら十分にやれる広さがある。その工房から逃がさないように、オリバレスをまず稼働停止するくらいまで破壊する。そこまで追い込んだら、すぐにパイロットを助け出して。
「オリバレスの機体を『外』へ運び出してください」
 機体そのもの、戦闘で砕けたり弾け飛んだパーツ、触っていた兵装に至るまで、完膚無きまでに破壊できる『場所』まで運ぶのだ。
「移動先は、アイゼン砦。ここが最適です」
 ここは戦時にしか使わない砦だ。といっても生活空間は無く、キャバリアの小隊が滞在して偵察を行うための拠点でしかない。
「壁に囲まれたコロシアムのような形状です。その中なら皆さんが全力を出しても他に影響はありません」
 ひとつだけ問題があるとすれば、アイゼン砦は平原のど真ん中にあり、その周辺は非戦時、地雷や空中機雷、自動迎撃ガンポッドなどで守られているという点である。
「ちょっとその解除を依頼する時間的な余裕が無く……突破してください、無理やり」
 どんな手段を使ってもいいから。なお、高度を飛ぶともれなく『殲禍炎剣』に撃ち落とされるので注意である。
「そして、作戦の二段階目。アイゼン砦の中で覚醒しつつあるオブリビオンマシンを完膚無きまでに破壊、滅ぼしてください」
 第二戦目ではパイロットが乗っていない。全力で叩き潰すことによって、クライノートに降りかかる脅威を払拭することができるのだ。

●そんなわけで件の工房にきました
 カティアに転送してもらった後。猟兵たちは『傭兵』として件の工房へと向かう。理由は『興味がある』というもので。しかしクプファーでの一件もあって傭兵の価値はあがっている。国としても宝玉騎士団としても断る理由は無い、ということらしい。

 その案内役を仰せつかったのは宝玉騎士団の小隊分団長ケビンという男であった。
「何で俺が……」
 と愚痴るケビンであったが、仕事はきっちりやってくれる。
 工房の入り口から中に入ろうとする猟兵たち。

 その時、中でオビリビオンマシンが『発生』したのである。


るちる
 こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。
 今回から『宝玉外史』とタイトルに入れましたクロムキャバリアシリーズ。クライノート=宝玉です。色んな設定や由来は追々ということで。
 ちなみに『救国のキャバリア』とオリバレスは外観が異なっていますので、視認されたところで『あっ、救国のキャバリアが悪いことしてる!』とはなりません。その辺は配慮いりません。

●全体
『キャバリア』
 必要に応じてどの章でも使用可能。どなたでも借りて乗ることができます。標準兵装として、世界設定に紹介されているキャバリア兵装(外見以外のカスタマイズは不可)なら持ち込むことができます(組み合わせによる性能アップは可能)
 またユーベルコードはキャバリアの武器から放つことも可能です。
『殲禍炎剣』
 これがあるために、空を自由に行き来することはできません。とはいえ、スラスター噴射等による低空飛行はOKです。
『禁止事項』
 一般人を巻き込むような範囲攻撃。
 工房を粉微塵にしかねない超威力兵器の使用。
 コックピット一点狙いによるパイロット殺し。

●章
 1章はボス戦。オリバレスとの戦闘となります。戦場は工房内。近接戦闘するには問題ない広さですが、狙撃する程の距離は中で確保できません。狙撃の場合は工房の外から狙ってください(窓とかガラス張りの壁とかあります)
 一般人の避難はケビンがやってくれますので戦闘に専念でOK。
 なお、パイロットが乗っていますが意識を失っています。オリバレスにも洗脳するような力が今は無く、呼びかけて起こすことで中から機体制御をして支援してくれます(プレイングボーナス)

 2章は冒険。オリバレスをアイゼン砦まで運びます。地雷いっぱいのゾーンをどうクリアするかが肝です。また2章開始時に状況説明します。

 3章は再びボス戦。オリバレスとして猟兵の皆さんと戦った記録から進化したオブリビオンマシン神機が出現します。この時にはパイロット乗っていません。全力で倒してください。また3章開始時に状況説明します。

 プレイング受付は、1章はシナリオ公開直後から(冒頭追記しますがオープニングだけで問題なく書けるはず)。2章3章は状況説明が終わってからとします。

 後は公序良俗を守って楽しくいきましょう。

 それでは参加お待ちしていまーす!
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第1章 ボス戦 『電脳巨兵オリバレス』

POW   :    ユミルの落とし子
自身の身体部位ひとつを【プラントで生まれ損なった巨人】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
SPD   :    シンクロゲイザー
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【電脳】から【洗脳電波】を放つ。
WIZ   :    UCフィールド
【電磁バリア】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、電磁バリアから何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●生まれ、光放つ闇
「なんだぁぁ?!」
 キャバリア工房に入った瞬間、ケビンが叫ぶ。それはそこまでに異常な光景であった。
 この工房は今、新造キャバリア専用となっている。そのため、だだっ広い空間の中、そのど真ん中に新造キャバリアの素体が直立の態勢で固定されていたのだが。

 それが光に飲まれていく。そして光が消えた後。

 そこに浮遊していたのは『オリバレス』であった。
「おいおいおい、何がどうなってるんだ!?」
 ケビンが近くにいた技術者を捕まえて叫ぶように問う。
「わ、わかりません! 預かっていた救国のキャバリアの残骸を参考までに装着して外しただけなんですが、その後!」
 技術者が指差すのはオリバレス。

 おそらく経緯がわかっているのは、この場では傭兵――猟兵のみ。そのために『工房の外に下準備を終わらせてある』のもまた。
「おい、アンタら逃げ……いや、もしかして……?」
 猟兵たちに声を掛けようとしてケビンが訝しむ。このタイミング、そして猟兵たちの装備や準備。あまりにも『整い過ぎ』である。
「おい、てめぇらもしかs……ぐあぁぁぁぁ!?」
 猟兵たちが問い詰めようとしたケビンだが、その時オリバレスが洗脳電波を放つ。悪意を増幅させるオブリビオンの電波に、いかな兵士とは言え一般人に抗うことは難しい。それを悟ったケビンが叫ぶ。
「くっ総員! ここにいる全員だ! 早く工房の外へ出ろ! 抵抗で来ている内に速く出ろ!」
 そう言って一般人を避難させるケビン。
「敵じゃねぇならアレをなんとかしろ! 話は後で聞かせてもらう!」
 そろそろ抵抗も限界なのだろう。足早に工房の外に出ていくケビン。

 そして工房の中には、オブリビオンマシンであるオリバレスと猟兵たちのみ。
 すなわち、戦闘開始の刻である!

※補足※
 工房内は各種キャバリアと標準兵装が置いてあります。借りる人は使ってください。
 パイロットは現在、コックピット内で意識を失っています。

1章の目的(勝利条件)
・パイロットの救出
・オリバレスの撃破 のいずれかを達成
バーン・マーディ
…我はこの都市の世情に興味はない
だが…マーズが反応しているからな

…む?…恐ろしく警戒しているな…それほどまでのこの相手は危険…なのか?

【戦闘知識】で敵の動きを解析
更に過去の記録の際も把握

後は…音声を最大にして…激しい雄たけび!「

聞こえたか…?
今貴様は乗り手をくるわす機体に乗っている
そこで操作を止める手段があるなら幾つか試してみてくれ
我らも今よりこの機体を撃破して貴様の救出に力を尽くす事を誓おう

【オーラ防御】展開
【武器受け】で更にダメージを軽減

【二回攻撃・カウンター・怪力・生命力吸収・吸血】による反撃による猛攻を以て己の機体の回復も図る

…マーズよ…貴様も若しや我と同様の「種族」…なのか…?



●工房前で
 『オリバレス』が発生するほんの少し前。
 ケビンたちが工房に入っていくのを、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)は一度見送る。周辺を確認するためだ。
 キャバリアの工房ということでそこに至るまでの搬送路もしっかりと道幅が確保されている。ここでバーンの愛機『破城神機『マーズ』』を呼んだとしてもしっかりと大地を踏みしめられるに違いない。
 そこまで確認して、今度は視線を遠く、市井の方へ向ける。
(……我はこの都市の世情に興味はない)
 この街並みには特に何の感慨もない。だが、だがしかし。
(……マーズが反応しているからな)
 虚空の先、自身と繋がっているマーズの共振を感じて、バーンはその足を工房へと向ける。

 その時だった。工房の中から強烈な光が漏れ出る。

(時が……来た!)
 これこそがグリモア猟兵の言っていたオブリビオンマシンの『発生』だろう。ならば。
「こい……!」
 自身の身に覇気を漲らせると、それに呼応するように虚空より出現する謎の機神。破壊の力を司るとも言われるマーズがクライノートの地に降り立つ。
(……む?)
 コックピットに乗り込んだバーンに伝わってくるマーズの反応。普段に無いその反応に、バーンが眉をひそめる。
(……恐ろしく警戒しているな……それほどまでのこの相手は危険……なのか?)
 愛機の忠告を無視するわけにはいかない……が、このまま立っていても始まらない。
「ゆくぞ!」
 慎重に、しかし大胆に。工房のキャバリア搬入口を突き破って、バーン&マーズがオリバレスの前に立つ!

●邂逅
 洗脳電波が放たれている工房内。その中央に浮遊するオリバレス。
(あれが……!)
 マーズの反応がより強くなる。それは同調というよりは反発。それを感じながら【ヴィランズ・ジャスティス】でマーズの強化を図るバーン。コックピット内のバーンとマーズが禍々しい紅きオーラを纏い、その力を増幅させる。

 その禍々しい紅きオーラにひかれたか。
 オリバレスがゆっくりと機体を反転させて、ターゲットをマーズに設定する。
 直後。オリバレスの左手にあたる部位がプラントで生まれ損なった巨人の頭部に変形する。背面スラスターを噴射して突進、噛みつき攻撃を仕掛けてくるオリバレス!
「ぬぅっ!」
 その突進を『RX軍神の剣』を構えたマーズが真正面から受け止める。刀身に這わせた紅きオーラがオリバレスの攻撃を受け止め、そこから振り抜かれた剣がオリバレスを弾き返す。

 マーズとオリバレスの攻防。その間にバーンは得てきた戦闘知識で敵の動きを解析。更には過去の記録についても走査を走らせる。
「なるほど……な」
 再度噛みつきのために接近してきたオリバレスに軍神の剣を叩き付けるマーズ。再び両者の距離が開く。
(奴はパイロットを基軸にして動く。ならば!)
 その動きに迷いは無く。流れるような操作で、バーンは外部出力音声を最大に設定。
「ウォォォォォォ!!!!」
 直後、バーンが激しい雄叫びで吼える!

 ただの音声にオリバレスを押し留める力など無い。されどオリバレスの動きが一瞬鈍る。
(聞こえたか……?)
 音声レベルを適正に戻し、マーズを駆って接近するバーン。それに対してオリバレスがスラスターを噴射、機体の回転による弾き飛ばしを仕掛けてくる。
 マーズはそれをかいくぐり、拳による二連撃のカウンター。その拳に込められた生命力吸収の力がオリバレスのエネルギーを吸い取ってその動きを制しながらマーズを回復させる。
 そのままオリバレスを逃がさず、捕まえるバーン&マーズ。
「聞こえるか?」
「は、はい、なん……とか」
 バーンの呼びかけに、まだ意識がはっきりしていない感じではあるがパイロットから返事が返ってくる。
「今貴様は乗り手を狂わす機体に乗っている」
 オリバレスの行動を押し留めながら、バーンが続ける。
「そこで操作を止める手段があるなら幾つか試してみてくれ」
「……これ、か?」
 そう言ってパイロットがコックピット内で何か操作したらしい。オリバレスのスラスター出力が徐々に落ちていく。
「そうだ。いいぞ。我らも今よりこの機体を撃破して貴様の救出に力を尽くす事を誓おう」
「わかり、ました。やってみます」
 そう言って、バーン&マーズがオリバレスから離れる。

 距離を取って相対するマーズとオリバレス。オリバレスの機動力が先ほどより明らかに落ちている。
(ならば)
 軍神の剣を構えるマーズ。その刀身に先ほどの比にならないほどの禍々しい紅きオーラが集う。それはさながら紅き刀身を形成し、マーズが軍神の剣を大上段に構える。
「我らの道行き、これ不屈なり!」
 気合一閃。最上段からの鋭い振り降ろしの一撃が放たれる。そして紅きオーラの剣とオリバレスの機体が激突する!

 ――マーズよ……貴様も若しや我と同様の『種族』……なのか……?

 激突の瞬間、響いた声は誰のものだったのか。
 それを確認するより早く。禍々しい紅きオーラを纏った軍神の剣がオリバレスを斬り裂くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

上野・修介
※連携、アドリブ歓迎
「少々、厄介だな」

敵は飛行能力ありの巨大起動兵器。
しかもパイロットの救助も必要。

「……だが、闘りようはある」

呼吸を整え、無駄な力を抜き、『観』る。
周囲の状況、敵機体性能を確認。

先ず周囲から手榴弾か弾丸等の投擲できるサイズの爆発物を調達。

次に瓦礫やキャバリアのパーツ等を投げつけてこちらを攻撃してくるよう挑発。
十分に引付け、形成された巨人の頭部による噛みついてくる瞬間を狙って、その口内に調達した爆発物を投げ込み怯ませ、その隙に敵の身体を駆け上がって背面に。

狙うはスラスター
駆動部にタクティカルペンを突き立て、それを楔にするように打撃を叩き込んで破壊、もしくは損傷を与える。



●其は闇を貫く一矢が如く
 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)が転送されてきたのは、既に『オリバレス』と猟兵たちとの戦闘が始まった後。位置はキャバリア工房の外であった。工房の中から激しい戦闘の音が聞こえる。

 しかし修介は慌てて飛び込むではなく。
「少々、厄介だな」
 ぽつり呟いて事前情報をもう一度整理する。
(敵は飛行能力ありの巨大起動兵器。しかもパイロットの救助も必要)
 生身で真正面からやりあうには少し荷が重いかもしれない。飛ばれて工房から飛び出してしまえば手が付けられなくなる。
 しかし。
「……だが、闘りようはある」
 修介は瞳を閉じて気を落ち着けると同時に。普段からごく自然に行っている『呼吸』を意識する。まずは体から力を抜き、体中に気を張り巡らせるように息を吸い込み、吐き出す。ゆっくりと開いた目が見据えるのは壁の向こうに感じる、オブリビオンの気配。
 【拳は手を以て放つに非ず】にて、心・技・体を調えた修介は今度こそ工房の中へ飛び込んだ。

 修介が踏み込んだ瞬間は、猟兵のものと思しきスーパーロボットの一撃でオリバレスが吹っ飛ばされた瞬間であった。工房の壁に叩き付けられるオリバレス。対してスーパーロボットの方も一時的なものか、動きが静止している。
 このタイミングで修介は、慌てず周囲を『観』る。戦闘知識、地形の利用、持てる技能を活用するために、周囲の状況や敵機の様子などを出来るだけ確認して。
 そこから迷わず地を蹴った。

 観た感じ。オリバレスはいまだパイロットをその身の中に置いたまま。どうやら意識は回復しているようだ。声が聞こえる。そしてこちらの支援をしてくれているのもわかる。その証拠にオリバレスの出力が安定せず、崩れ落ちるように座り込んだ壁の根元から動くことが出来ていない。
 ならば。
 オリバレスよりも先に修介は近くの壁に向かって走る。
 そこはキャバリア兵装のラックであった。様々な用途に使うのだろう、ラックの下部に固定されていたライフルの砲弾を手に取る修介。
 次いで、戦闘の余波で工房の地面に転がっているキャバリアのパーツに向けて走る。駆け寄った勢いを殺さぬようにして。
「シッ!」
 修介が短い呼気とともにパーツを蹴り上げる。鋭い蹴りの勢いで浮き上がったパーツが一直線にオリバレスへ激突。続けざまに瓦礫や他のパーツも蹴り上げつつ、修介がオリバレスとの距離を詰める。
 直後、オリバレスの頭部が起き上がり、その視線が修介を捉える。
(これでいい)
 それは修介の挑発にオリバレスが乗ったことを意味する。その証拠と言わんばかりに、オリバレスの機体左側にあるスラスターの一部がプラントで生まれ損なった巨人の頭部に変形する。そこから蛇のように伸びる頭部。巨人の咢が迫る修介を噛み砕かんと迫る!

 しかし、これこそ修介の『狙い』。

 その攻撃に対して、修介は身じろぎもせず、目を細めて……『観』る! そこから導き出したのはタイミング。
「……ッ」
 絶妙のタイミング。噛みついてくるその瞬間に、修介は自身の体を急制動する。ブレーキをかけて僅かに後ろへ飛び退りながら、右手を振るって巨人の口内に投げ込むのは、『先ほど手にした砲弾』。
 巨人の咢が砲弾を噛み砕く。直後、爆発する砲弾。その爆音と衝撃に巨人の咢の動きが止まる。
「悪いな」
 言葉と共に小さく息を吐いてから。オリバレスの隙を逃さず、一気に巨人の頭部から敵機の体を一気に駆け上がる修介。オリバレスはその動きを視認しながらも、修介の小さく素早い動きを阻むことができない。修介が頭部に到達する。
 オリバレスの機体の状態は体育座りと言えばいいだろうか。わずかに猫背になっているその背中を、修介は躊躇いなく滑り降りる。

 狙いはオリバレスのスラスター。その駆動部。
 滑り降りる前、頭部から『観』てアタリをつけた場所。そこへ向かって滑り降りた修介は、近くにあった突起を掴み、滑り降りる勢いを利用して自身の体を振り子のようにして飛び上がらせる。
「ここだ!」
 ぐるん、と回転した勢いも乗せて。修介の右手がオリバレスの背面スラスターに叩き付けられる。その手に握られていたのはタクティカルペン。修介の膂力によってペンがスラスターの駆動部に突き刺さる。
 手応えを感じつつも『破壊に至っていない』ことを感じ取った修介はすかさずオリバレスの背を蹴る。
 向かう先は工房の壁。オリバレスがもたれかかっている鉄の壁だ。空中で体を反転させて壁に着地した修介は。
「……ハッ!」
 わずかな時間、脚に力を溜めて、呼気とともに壁を蹴る。さながら弾丸のようにまっすぐオリバレスの背に、否、先程突き立てたタクティカルペン目掛けて飛翔する修介。手には喧嘩用のオープンフィンガーグローブ。
「推して参る」
 静かな気合いの元、修介が拳を構える。壁を蹴った際に呼吸と共に練り上げた勁に、壁を蹴って飛んだ勢い。それらを空中で捩り合わせて拳に伝え。渾身の一撃をオリバレスの背に叩き付ける!
 打点は寸分狂わず、先ほど突き立てたタクティカルペンの頭。勢いのままに拳をスラスター駆動部に叩き付けてその周辺を破壊しながら。拳の威力がペンを伝って、より深く、深部までオリバレスの機体を抉る!
 拳の一撃による衝撃で、オリバレスの体が前に傾ぐ。修介が背中から離れた直後。オリバレスのスラスター駆動部が爆発する。そこから連鎖的に爆発していくスラスター関連部位。背面であるがゆえに、機体の前にあるコックピットまでは被害が及んでいないが、爆発の衝撃でオリバレスの機体が浮かび上がり、そのまま地面に倒れ伏す。
「……ふぅ」
 地面に無事着地した修介は呼吸を整えて、オリバレスを確認する。
 地面に倒れ伏すオリバレスの背面からスラスターというスラスターが全て失われた瞬間であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

グロブ・アルキナティオ
【電脳の箱庭】
アドリブ・アレンジ歓迎

「ここは私が奴の気を引きましょう。」
両手に幾何学模様の魔法陣を形成、緑色の煙を放ちながら工房内を飛翔。
相手を翻弄する様に動き回りながら魔法弾で攻撃する。

※ なお実際はドローンが戦闘しており、自身は透明化し安全な所から操作している(工房内なので大した数は待機出来ないが)。なので被弾してしまっても突如飛翔している姿が消え代わりに大破したドローンが落下してくるだけ。


天星・雲雀
【電脳の箱庭】
アドリブ・アレンジ歓迎

WIZ
「完全復活する前に叩きましょう!」
UC狐火で敵を攻撃。

自分の方は、狐火が飛んできても技能『火炎耐性3』で、しのげるので、実質ノーダメージで、電磁バリアの耐久を削ります。

あとは『コミュ力』と『誘惑』と『手をつなぐ』で、敵機の召喚した狐火に、雲雀ちゃんの味方に成ってくれるように働き掛けて、敵側の体制を崩しましょう。
自軍の狐火達の数が膨れ上がったら、合体させて敵機を倒します。

もし、ひりょさんが、キャバリアに乗り込む事態になったら、実体のある自分が前に出て無事に乗り込めるまで護衛します。
「操縦に慣れていなくても問題有りません、グロブさんと自分が憑いてますから」


鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
アドリブ・アレンジ歓迎

WIZ
ひとまず生身で対応

工房内の無機物を媒体に固有結界・黄昏の間を発動
他2人とも連携
高速詠唱+多重詠唱を駆使し4属性の疑似精霊の火球・水弾・岩石・鎌鼬による攻撃で畳みかける
相手にコピーされたら「火・水」「地・風」と相反する属性の攻撃で相殺。
パイロットに呼びかけ間接的に機体撃破の援護をしてもらう

もし対応困難ならキャバリア拝借
その場合は乗りなれないからぼちぼち、になるだろう
二人とも少しの間よろしく!つ、憑いてる?応援してるって意味かな…
操作になれないので無理はし過ぎない
「物語の主人公みたいに初搭乗で大活躍、なんて無理だからっ!」
あと…酔わないといいな(フラグ



●電脳vs電脳
 地面に倒れ伏す『オリバレス』の背中で激しい爆発が続けざまに起こる。これにより背面に備えていた装備類はその爆発によって使い物にならなくなった。
 しかしいまだパイロットを格納しているコックピットは開く様子を見せず、オリバレスもまだ健在。スラスターは全て失ったが、電脳より放出する念動力と空中浮遊能力でどうにか浮かび上がるオリバレス。
 先ほどよりも行動がスムーズだ。もしかしたら中のパイロットが先の爆発の衝撃で気を失ったのかもしれない。
 突如、オリバレスがシンクロゲイザーを放つ。その衝撃がキャバリア工房そのものを破壊する。不意を突かれて工房内にいた猟兵とスーパーロボットが崩落してきた屋根に飲みこまれた。

「間に合ったか!」
 そこへ駆けこんできたのは【電脳の箱庭】の面々。声をあげた鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)に続いて、天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)、グロブ・アルキナティオ(アース863の魔術師…?・f30613)が工房内でオリバレスを視認する。
 今にも飛び去りそうなオリバレスに対して。
「ここは私が奴の気を引きましょう」
 そう言ってグロブが両手を突き出す。その掌の先には幾何学模様の魔法陣を形成され、直後、緑色の煙が周囲に放出される。ふわりとグロブの体が浮き、オリバレスに向かって飛翔する。
 不安定に浮遊するオリバレスの周囲を飛翔しながら手に携えた魔方陣から魔法弾を放ち、注意を引き付けるグロブ。

「完全復活する前に叩きましょう!」
 オリバレスの注意がグロブに向いたことを確認して雲雀が叫ぶ。そしてユーベルコード【フォックスファイア】発動。狐火の『オトモ』が呼び出され、雲雀の指示に従ってオリバレスへ突撃していく。
 しかしそれはオリバレスの周囲に展開されていた電磁バリアに阻まれる。オリバレスの意識が一瞬、雲雀に向いて。
 直後、コピーされた【フォックスファイア】でオリバレスが狐火を周囲に展開する。すかさず狐火たちを雲雀に向けて斉射するが。
「なんの!」
 狐火の雨あられを火炎耐性で凌ぐ雲雀。雨あられの隙間を縫って自身のオトモたちを何度も電磁バリアに突撃させて、その耐久力を削っていく。
 お互い、狐火で応戦しあう雲雀とオリバレス。その差は狐火の数だけと言えよう。単純に一度に呼び出せる狐火の数が2倍近いのだ。
 雲雀に対してはほぼダメージが無い。が、狐火の数が多ければ攻撃範囲が広くなる。周辺の、つまりひりょとグロブへ狐火が襲いかかる。

「場よ変われ!」
 ひりょが瓦礫を投げつけながら叫ぶ。ユーベルコード【固有結界・黄昏の間】。ひりょの手から飛んだ瓦礫はグロブの周辺で風の疑似精霊となって結界を形成する。その結界が狐火を受け止めたことを確認したひりょは次いで高速詠唱。二度目の【固有結界・黄昏の間】で足元の瓦礫を起点に水の結界を作り出して、こちらも狐火の嵐を受け止める。
(止まるな……!)
 自身を叱咤して、高速詠唱&多重詠唱を駆使して。土・火の疑似精霊たちを生み出し。
「いけっ!」
 土の疑似精霊で結界を補強しながら、火の疑似精霊を飛ばし、狐火を取り込んで相殺する。
 しかし相殺する側から次々と召喚される狐火。何度でも発動できる特性をフル活用しているオリバレスの炎の弾幕を火力で突破することは難しい。

 だが呼び出されたのが、狐火=オトモであるならば。
「雲雀ちゃんの味方に成ってくれますか?」
 雲雀が周辺に降ってきた狐火に呼びかける。それはコミュニケーションでもあり、狐特有の誘惑とも言えよう。雲雀の声に制御が揺らぐ狐火。その隙を逃さず、オトモを呼び寄せる雲雀。狐火の間に割り込ませて手を繋がせていくと、共鳴していく。
 そしてオリバレスの呼び出した狐火をこちらに引き込むことに成功した雲雀。
「合体です!」
 と狐火を大きな、ひとつのオトモとして、雲雀がオリバレスに放つ。
 しかし、不意にオトモが消える。
「えっ?」
 否、正確には大きさが一気に縮んだ。しかしそのまま躊躇わずに電磁バリアに叩き付ける雲雀。
「消されたようですね」
 と、囮役からひりょたちの元へ戻ってきたグロブが呟く。フォックスファイアの特性上、召喚者の任意でその火は消すことが可能だ。例えこちら側に引き込んだとしても放ったのはオリバレス。ならば自分の害になるモノをそのまま使わせることもない。

「だったら!」
 ひりょが【固有結界・黄昏の間】を攻撃的に転換、展開し直す。グロブが戻ってきたことで、4属性がひりょの元に戻ってきている。その4人の疑似精霊を、火球・水弾・岩石・鎌鼬と変えて。4属性による波状攻撃で畳み掛けるひりょ。
 しかしそれも電磁バリアを突き破るには至らない。受け止められた以上、【固有結界・黄昏の間】もコピーされ、そのまま同じ攻撃を放たれる。
「くっ」
 咄嗟に、火と水、風と土と反属性になる攻撃を叩き付けて相殺するひりょ。

 状況は拮抗。しかしオリバレスの電磁バリアを突き破る決めの一手がどうしても打てない。
(どうする?)
 悩むひりょの目に、工房の隅に置かれている量産型キャバリアが目に入った。しかし、距離がある。
(乗り込めるか……?!)
 一瞬の逡巡。
「それくらいの時間は稼ぎましょう」
「実体のある自分が前に出て無事に乗り込めるまで護衛します」
 とてもわかりやすい表情だったらしい。グロブが再び幾何学模様の魔法陣を展開して飛翔し、ひりょの横に雲雀が並ぶ。
「二人とも……少しの間頼む!」
 そしてひりょが走り出した。

 火・水・風・土。そして狐火と超常現象が飛び交う空間を俯瞰するようにグロブが浮かび上がり、突き出した両手から魔法弾を放ってオリバレスに叩き込む。まるでバルカン砲のように放たれる魔法弾にオリバレスの注意が再度グロブへ向く。
(これで……)
 良し、と。そう思った瞬間。グロブの目の前に巨人の咢があった。オリバレスの破損したスラスターがプラントで生まれ損なった巨人の頭部に変形し、ロングレンジアームのごとく伸びてきたのだ。
「……!」
 回避する間もなく直撃。
「グロブさん!」
 雲雀が叫ぶが、グロブの反応は無く。
 しかし、開いた巨人の口から落ちてきたのは。
「えっ?」
 雲雀が首を傾げる。落ちてきたのは大破した誰のものかもわからないドローン。グロブの姿は咢の中にはなく。
「……くっ」
 どういうことかはわからないが、目の前のことをそのまま理解するなら。グロブがやられたという事実は『存在しない』。それだけを確認して、ひりょは量産型キャバリアの外装へ手を掛ける。グロブの稼いでくれた時間で、ひりょがキャバリアに乗り込む。
「断っておくと、物語の主人公みたいに初搭乗で大活躍、なんて無理だからっ!」
「操縦に慣れていなくても問題有りません、グロブさんと自分が憑いてますから」
 ひりょの悲鳴に返ってくる雲雀の声援。
「つ、憑いてる? 応援してるって意味かな……」
 微妙なニュアンスに冷や汗をかくひりょ。まぁひとり(=グロブ)姿が見えないから憑いている可能性は無くも無い? 悪寒はしないから大丈夫だろう。
(操作になれないので無理はし過ぎない……あと……酔わないといいな!)
 そう思いながら量産型キャバリアのエンジンを始動するひりょ。操縦は……勘で!
「うぉぉぉぉ!!」
 慣れない叫びをあげて自身を鼓舞しながら、ひりょが操縦桿を倒す。
 その意思に従って、量産型キャバリアが右手のRX-Aパイルバンカーを展開。スラスター噴射による突進を開始する。その様子に気付いたオリバレスが全ての攻撃を量産型キャバリアに叩き付けるが、それは装甲でしのぎながらなおも加速するひりょのキャバリア。
「いっ……けーっ!!!」
 加速の勢いを乗せたパイルバンカーが電磁バリアを突破! オリバレスの腹部を貫いた。
 そのまま機体をぶつけて工房の壁までオリバレスを追い込むひりょ。
「パイロットの人! 聞こえますか!?」
「……ん、ぐ……」
 至近距離からのひりょの叫びに反応してオリバレスのパイロットが再び目を覚ます。
「この機体を壁に押し留めます! 協力してください!」
「了解、した……」
 しっかり覚醒していない状態であろうにもかかわらず、パイロットが動いてくれた。オリバレスの出力が再びがくんと落ちる。
「このまま!」
 激しい振動を抑えこんで、ひりょがパイルバンカーの鉄杭でオリバレスを工房の壁に縫い付けた!

「……うっ」
 なお、色んな激しい振動と慣れない運転でひりょがばっちり酔ったのは秘密である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

セレーネ・ジルコニウム
錫華さんと

「『次代の救国のキャバリア』の製造ですか。私もキャバリア設計者として興味はありますが、オブリビオンマシンになるのでしたら撃破しないといけませんね。
錫華さん、サポートお願いします」

【近接フレーム】に換装したスティンガーに搭乗し、オリバレスに近接戦闘を仕掛けます。

錫華さんに守ってもらいながら、フレーム付属のビームサーベルやビームダガーなどの近接武器を次々切り替えながら敵を攻撃です。

ですが、攻撃を電磁バリアで受け止められ武器をコピーされて……!?

「何勝手に人の武器使ってるんですか―っ!?」

錫華さんの機体に守ってもらい、その隙に実体剣で斬りつけましょう!

「実体剣なら電磁バリアは効きません!」


支倉・錫華
【セレーネ大佐と】

オブリビオンマシンが『発生』っていうか、オリバレスのパーツを参考に作ったら、
オブリビオンマシンに乗っ取られちゃった、って感じかな。

オブリビオンマシン、いろいろはた迷惑だよね。

とりあえずは本調子でないってことだし、
大佐と連携して、いまのうちに動きを止めよう。

キャバリアは貸してもらうことにして、
今回は狭いところだし、
チューンは装甲5倍、攻撃回数半分の支援仕様でいくよ。

攻撃は大佐に任せて、
【天磐】を掲げて攻撃を受け止めていこう。
「大佐、攻撃は任せるね。あ、でも工房壊さないようにね?」

うわ、これは厄介。
大佐の剣をしっかり受け止めるのははじめてだけど、
コピー品には負けられないね!



●その影は不意に空から
 猟兵の駆る量産型キャバリアのパイルバンカーによって壁に縫いとめられた『オリバレス』。
 だがまだ機体は動く。中にいるパイロットの制御によって出力を低下させながらも、しかしオリバレスはオブリビオンマシンである。徐々に戻りつつある『力』。
 破損したパーツ(スラスター部や貫通された腹部)は戻らなくても、念動力と空中浮遊の力で浮かび上がることは可能だ。そして衝撃波の力を使って工房の壁を全力で吹き飛ばす。

 縫いとめられていた外壁を破壊して、オリバレスが倒れ込んだのは隣接していた予備工房であった。広さだけはきっちりあるが、今は物置に等しい。様々な機材やパーツが積まれているその中へ激しい音を立てて倒れ込むオリバレス。
 だが、壁と次いで屋根が崩壊したせいで空が見える。このまま外に。改めて空中に浮遊してそのまま飛び立とうとしたその瞬間。

「間に合いました!」
 空から1機のキャバリアが降ってきた。否、射出されてきたのだ。
 咄嗟に電磁バリアを張るオリバレス。空からの機体が激突してその衝撃で再びオリバレスが機材の海に沈む。
「大佐、突っ込み過ぎ」
「違います!? 着地点に敵機がですね!?」
 オリバレスの前に立ちながら言葉を交わす支倉・錫華(Gambenero・f29951)とセレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)。
 彼女らは私設軍事組織【ガルヴォルン】に所属するもの。その機体は『機動戦艦ストライダー【ワダツミ級強襲揚陸艦】』からカタパルト射出されてきた『試作型クロムキャバリア『スティンガー』』とストライダー所属の量産型キャバリア――識別コード:『ストレイワン』であった。

●大佐と影の会話
 工房は屋根と壁の上部が吹っ飛んだものの、まだ工房の形をしている。この中にオリバレスを押し留める……!

 瓦礫の中から起き上がってきたオリバレスと相対するスティンガーとストレイワン。
「オブリビオンマシンが『発生』っていうか……」
 油断なく【脈動臨界チューニング】の調子を確認するようにモニターを操作しながら、錫華が呟く。
「オリバレスのパーツを参考に作ったら、オブリビオンマシンに乗っ取られちゃった、って感じかな」
「システム、問題ありません」
 返事はパートナーユニット『アミシア・プロフェット』から。錫華に対する問いではなく、システムチェックの結果である。
「オブリビオンマシン、いろいろはた迷惑だよね」
 と錫華が話を振る先はもちろんセレーネである。
「『次代の救国のキャバリア』の製造ですか」
 こちらもこちらで、電磁バリアと激突した影響をシステムチェック中。
「装甲に微々たる損傷のみ。システムには問題ないのじゃ」
 こちらの回答は『EP機械知性体ユニット『ミスランディア』』から。スティンガーも『近接戦用フレーム』も特に問題なく動くようだ。
「私もキャバリア設計者として興味はありますが、オブリビオンマシンになるのでしたら撃破しないといけませんね」
 錫華の問いに真面目に返すセレーネ。そんなセレーネに(キャバリア越しなので見えないけれども)肩を竦めて錫華は操縦桿を握る。
「とりあえずは本調子でないってことだし」
「錫華さん、サポートお願いします」
「任されたよ」
 阿吽の呼吸で陣形を調える錫華&セレーネ。
「いまのうちに動きを止めよう」
 錫華の言葉に反応してか否か。オリバレスが再び攻撃態勢に入ったのである。

●ガルヴォルンvsオブリビオンマシン
 念動力と浮遊能力をフル活用した機体による質量攻撃。オリバレスが突進してくるのを見て、その瞬間スティンガーの前に躍り出るストレイワン。
「させないよ」
 オリバレスの突進をストレイワンの分厚い装甲で受け止め、スラスター噴射で押し返す。先にも確認した機体のチューンは装甲5倍、攻撃回数半分の支援仕様。
「今回は狭いところだし、ね!」
 右手に構えたファンクションシールド『天磐』に仕込まれた火器を発射してさらにオリバレスを押し戻す。
 その攻撃にオリバレスが機体右側、腕に当たる装甲部をプラントで生まれ損なった巨人の頭部に変形させ、ストレイワンを噛み砕かんと咢を開く。
「ちぃっ」
 アレを食らえば流石にマズイ。錫華は咄嗟にスラスター噴射の角度を変えて、突進。前に構えた天磐を咢の奥に押し込み、口が閉じないようにつっかえ棒にする。
「大佐!」
「了解です!」
 オリバレスを真正面からストレイワンが押し留めている間に、スティンガーが横に回り込む!
「はっ!」
 セレーネの口から発せられる小さな呼気は気合。それに伴って放たれた鋭い刀の斬撃。返す刀でもう一度斬り裂いて、素早く距離を保つ。
 スティンガーに追いすがるように、オリバレスがガトリングキャノンを斉射。
「させないってば」
 それは射線にストレイワンが割り込んで、両腕でセンサー部をガードしながら、全ての弾丸を装甲で弾き返す。
 そのストレイワンを後ろから跳び越えつつ、スティンガーがビームダガーを投擲。さらに肉薄してビームブレードによる横薙ぎの一閃を放つスティンガー。その衝撃に巨人の咢が消え、錫華の天磐が宙に投げ出される。
「大佐、ありがと」
 それをキャッチするストレイワン。
「でも工房壊さないようにね?」
「大丈夫です! もう壊れてますから!」
 錫華の軽口に、セレーネもドヤ顔で返す。突入してきた時にはオリバレスが破壊していたのだから気にしなくていいヤツである。
「ですから、これで! 終わりです!」
 展開したままのビームブレードを構えて、オリバレスに突撃するスティンガー。必殺の一撃はしかし、オリバレスの電磁バリアによって防がれる。

「まだそんな力が……! って何勝手に人の武器使ってるんですか―っ!?」
「……はぁ」
 今日はシリアスだけで行けると思ったのに。ため息をつきつつ錫華がオリバレスを確認すると、どうやら電磁バリアで受け止めた先にユーベルコードをコピーされたようだ。正確には近接フレームの武器か。オリバレスの周囲にスティンガーの武器、ビームブレードやビームダガーが浮遊している。
「うわ、これは厄介」
 思ったより深刻な事態に錫華が思わず言葉を零す。だがここまで来て引き下がるわけにはいかない。
(大佐の剣をしっかり受け止めるのははじめてだけど、コピー品には負けられないね!)
 飛んでくるビームブレードやビームダガーの斬撃を、天磐を構えて気合で受け止めていく錫華&ストレイワン。
 錫華の機体に守ってもらいながら、セレーネとスティンガーがオリバレスの隙を窺い……そしてそのタイミングが訪れる!
 その手にするのは、とっておきの実体剣!
「実体剣なら電磁バリアは効きません!」
 いや、効くよ。電磁装甲と思うたか。このオリバレスの電磁バリアはSF仕様です。
 しかし、道理が引っ込めば無理が通るのがこの世界。

 セレーネ渾身の気合の入った一撃が電磁バリアを破壊する!

「大佐、援護する!」
 オリバレスの攻撃を受け止めながらも天磐の仕込み武器と火器をフルバーストする錫華。それらがバリアが無くなったオリバレスの装甲に突き刺さり、オリバレスの態勢を突き崩す!
「はぁぁぁぁっ!!」
 ビームダガー投擲からの接近。セレーネのスティンガーが大上段から実体剣を振り下ろす!
 その斬撃が、ついにオリバレスのエンジンを破壊したのである!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『地雷原を抜けて』

POW   :    多少のダメージは覚悟して、守りを固めて爆発の中を駆け抜ける。

SPD   :    囮や斥候を放ち、安全ルートを確保する。

WIZ   :    技能やアイテムを駆使して地雷を探知し、回避しながら進む。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●与えられた時間
 『オリバレス』の装甲、スラスター各種、そしてエンジン。それら全てが破壊されてなお、その機体は形を保っていた。いや、そうでなければパイロットの命が無いのだが。
 動きを完全に停止させたオリバレスのコックピットを無理やりこじ開けてパイロットの兵士を救い出す。

 後は塵も残さぬ勢いでこのオリバレス……否、オブリビオンマシンの機体を滅するのみ。

 なのだが、その強度、大きさ、そして破壊した時の影響を考えると、この街中で実施するのはよろしくない。

「アイゼン砦だぁ?! 何でそんな場所知ってるんだ!?」
 現場に戻ってきたケビンが開口一番、というか猟兵の問いに叫ぶ。ケビンからしてみればわけのわからないことばかりだが。
「しかし、そうか。この機体を運び込んで破壊して……影響を考えるなら一番近くて最適なのはあそこしかないか」
 説明された内容そのものは合理的らしい。
「わかった。こちらで運搬も支援しよう。大部分はこちらで持って行く。アンタらは『コイツは危険だ』ってパーツだけ先に持って行ってくれ」
 アイゼン砦までは距離にして100kmほど。時間制限があるわけではないが、なるべく急いだ方がいいだろう。キャバリアを使うなら、工房の外で無事な機体がある。使って欲しい。

「ああ、たぶん知ってると思うが……アイゼン砦は地雷原に囲まれている」
 何故かと言えば、ここは戦時にしか使わない砦、というのがひとつ。もうひとつは万が一にでも敵に奪われれば、クライノートが一気に不利に陥るからだ。それを守るための地雷原である。
「だから砦の中でドンパチやる分にはいいが、外の地雷は壊すにしても爆発させるにしても必要最低限にしてくれ」
 地雷原が突破される=敵が攻め込んできた、の図が成り立つのだ。派手に爆発していく地雷原を感知した者たちが次にどう行動するか?
「どこかの国が攻め込んできたって騎士団が押し寄せて来ても俺は責任持てないからな」
 伝達の速度にも限界があるので。そしてその場合『お前ら何してくれてるんだ?』という信頼問題にもなりかねない。

「一番楽なのは飛んでいくことだ。言っておくが地面スレスレはやめろよ?」
 スラスター噴射や飛翔による空気の振動が地雷に伝わればそれに反応して爆発する。なので空高く飛べば『殲禍炎剣』で焼かれるし、低すぎると地雷が爆発する。ついでにその『一番安全な高さ』には空中機雷がある。
「速攻で解除しながら進むか、最低限だけ壊すか爆発させて突破するか、どっちかだろうな」
 ちなみにケビンたちは解除しながら辿り着くとのことらしい。速度は必然落ちる。その為にオリバレスの核となっていそうなパーツは猟兵たちに持って行ってもらいたいのである。
「つーわけで、こっちはこれから準備する。アンタらは先に行ってくれ!」
 そうして、オブリビオンマシン運搬作戦が開始されたのである。
※シナリオ捕捉※
世界設定にあるので、当然と思ってスケール感をお伝えしていませんでした。申し訳ありません。
クロムキャバリアの世界の人々は『キャバリアを主力とする戦争』を行っています。
そのため、砦、地雷、空中機雷、自動迎撃ガンポッドなどなど、全てが『体長5mのキャバリア』を基準にしています。
生身かつ無謀な作戦で行くと、本当に危険なのでご注意ください。
●アイゼン砦
 クライノートの王都から遠く離れた位置にあるアイゼン砦。この地は国境から王都を結ぶ直線上にあり、他国からの侵入があれば必ず通る場所である。
 それがゆえに『偵察部隊の拠点』として建てられた要所であるが、その造りは簡単だ。ドームである。
 簡易的に寝泊りできる設備があるが、長期の滞在や生活が出来る空間は無い。それがあるということは、『敵に奪われた場合』敵の強固な拠点となるからである。
 ゆえにこの砦は、砦と言いながらも敵の攻撃を阻む壁があるだけの拠点。いざとなれば『爆破して敵に奪わせない』程度の拠点なのだ。
 この砦は少なからず国土に侵攻する必要のある位置であるため、宝玉騎士団に気付かれずにここまで訪れようと思ったら『空を飛んでくる』しかない。それは理論上不可能なので。
 そのため、戦時しか使わないような砦に人手を割くよりはと、部隊を駐屯させずに、しかし万が一に備えて地雷原で守っている、というのが実情だ。

 というわけで。
 猟兵たちの前には砦を360度取り囲む地雷原が広がっていたのである。
鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
POW

先程の戦い、キャバリアの力を実感した
この世界では確かにこの力は必要な力だろう
だが、俺はまだまだこの力を使いこなせてはいない
この後の戦いの為にも少しでもキャバリアに慣れておきたい
そういう経緯よりキャバリアを借り受ける

キャバリアならそれなりの大きさのパーツも運べるしちょうどいい
先程の戦いで酔った経緯もあるので、まずは固有結果・黄昏の間で風の疑似精霊を召喚、風の防御膜を自分の周りに形成し、キャバリアの制動による体への負担を軽減

続けて一陣の風、疾風怒濤を発動
『殲禍炎剣』に焼かれない程度の高度を保ち飛行しながら突破
空中機雷などのどうしても邪魔なものだけ灰燼一閃で撃破していく



●キャバリア新兵(?)、頑張る?
「さて……」
 鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)が呟く。ひりょの視線の先、遠くにはアイゼン砦があり、その前には広大な地雷原が広がっている。
 そして自身がいるのは量産型キャバリアのコックピットだ。そのコックピットのハッチを開けて、状況を確認しつつ、風に当たるひりょ。若干運転酔いをしていたのは、公然の秘密というやつである。
 体調を整えつつ、ひりょの表情は真面目である。
(先程の戦い、キャバリアの力を実感した)
 この機体は先の戦闘でオブリビオンマシン『オリバレス』に突撃した際に拝借したもの。それをそのままここまで借り受けてきたというわけだ。キャバリアならそれなりの大きさのパーツも運べるしちょうどいいし。
 戦闘もそうだが、ここまで運搬をしてきて気付いたことがある。
(この世界では確かにこの力は必要な力だろう)
 戦闘の主力という部分も見逃せないが、それ以外でも。キャバリアの存在はこの世界の日常に深く入り込んでいるのだろう。ゆえにこのキャバリアという力の存在を無視できない。
 だが。
(俺はまだまだこの力を使いこなせてはいない)
 今回だけではない。今後のクロムキャバリア世界における戦いの為にも、少しでもキャバリアに慣れておきたい。そんな経緯でこの機体を借り受けたのだ。

 で、実際操縦してきたわけだが。
「……そろそろ大丈夫かな……」
 平原という整備されていない道を走破してきたせいか、ちょっと酔ったけども、それも収まった。ならば、この先に広がる地雷原を突破せねば。

 コックピットのハッチを閉めて改めて操縦桿を握るひりょ。
(まずは……)
 乗り込む際に拾い上げておいた石を手にして【固有結界・黄昏の間】発動。風の疑似精霊へと変換して、自身を包む風の防御膜とする。簡単に言うと衝撃を吸収する緩衝材のような役目だ。これでキャバリアの制動による体への負担は問題無し。これまでに経験した『運転酔い』への対策である。

 自身の態勢が整ったなら後は地雷をどうするかだけだ。
「我が身は一陣の風となりて、敵を切り裂く」
 静かに紡いだその言葉はユーベルコード【一陣の風、疾風怒濤】の力を呼び起こす詠唱。
 キャバリアの機体を風が包み込み、その身に空を舞う力を与える。モニターが指し示すのは『殲禍炎剣』に焼かれないかつ地雷に影響しない高度。
「いくぞっ」
 小さな気合とともに操縦桿を倒して、キャバリアが飛翔する。キャバリアの機体が一陣の風となって地雷原の上を通り抜ける。
「……っ!」
 モニターの警告音。センサーが捉えたのは空中に浮く機雷。等間隔に浮く機雷は機体の制動だけでは回避しきれないことをセンサーが伝えてくる。
 ならば、とそのまま直進するひりょ。
「全力全開! 喰らえっ!」
 ひりょが叫ぶ。直後、キャバリアがRX-Aアームブレイドを展開。突破すべき一点に存在する『どうしても邪魔な』空中機雷に肉薄しながら【灰燼一閃】を放つ。
 一刀両断される空中機雷が爆発するまでの刹那に。ひりょのキャバリアが空中機雷のラインを突き抜ける! 背後で爆発する空中機雷。
「よし」
 この調子でいけば問題なく行けそうだ。風の防御膜も機能良好。環境はオールグリーン。

 改めて操縦桿を握り直して、ひりょはアイゼン砦へ飛ぶのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルエリラ・ルエラ(サポート)
じゃーん。アーチャーでシーフで芋煮な私だよ。
ソロでも負ける気はないけど、戦闘で得意なのは皆の援護。
なんでも貫く【アインス】や集団に有効な【フィーア】とか役に立てると思うよ。

探索系でもトラップ解除とかハッキングとかもできるのでちょっとは役に立てるはずだよ。

日常系は芋煮売るよ。売らなくても配るよ。芋煮はいいものだからね。
美味しい芋煮で皆が笑顔。いいよね

コミカルな感じなら【芋煮ビット】なんかで芋煮ぶっかけに言ったりするよ。

そんな感じで、基本マイペースの私だったよ。
後はお任せするね。
失敗とかは気にしないので色々させてもらえたらなって思うよ。
ただ、エッチなのは遠慮しているよ。水着ぐらいのお色気は大丈夫。


上野・修介
※アドリブ連携歓迎

自身は生身の人間だ。
飛行能力も、運搬に適したアシも無し。
正直、この手の作戦にはあまり役に立たない。

「さて、どうするか」

なので、参加猟兵分の弁当を作ることにする。

今回の作戦はある程度長丁場になるだろうし、その後にも戦闘がある。
簡易的にも栄養補給があった方が良いだろう。

作るのは簡単に摘まめて且つあまり運搬に困らない様におにぎりと唐揚げ。
後バナナと飲み物も用意
可能であれば好き嫌いやアレルギー等も聞いておく。
材料、器具類は地元(UDCアース)から調達し、運搬の準備をするまでの間に調理。

他の猟兵達に弁当を配り終えたら、騎士団に同行(念の為、監視と牽制目的で)して砦を目指す。



●オブリビオンマシン運搬隊(準備)
「急げ! ちゃっちゃっと運ぶぞ!」
 宝玉騎士団の分団長、ケビンの声が件の工房の前に響く。彼は自身の権限の及ぶ範囲で迅速にオブリビオンマシン運搬作戦を支援してくれていた。
 その特徴的な頭部や胸の宝玉、あるいはエンジンやエネルギーパックといった『アブナい』感じがする、元は救国のキャバリアのパーツであった部品は既に他の猟兵たちが持ち出している。ここにある機体の残骸は抜け殻というか、素体というか。しかしこれも速やかに処理をしなければ、今後どのような影響が出るかわからない。

 慌ただしく動き回る宝玉騎士団の兵士たちを前に、上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は黙々と作業をしていた。
(自身は生身の人間だ)
 それであってもキャバリア戦闘では決して引けを取らないし、鍛錬を続けているその身体はむしろ誇りといってもいいだろう。しかしそれがゆえに、飛行能力も運搬に適した『アシ』も無い、というのが今の状況であった。
 正直な話、この手の、運搬作戦の骨子にはあまり役に立たない、ということも。

「さて、どうするか」
 と修介は考えて。
 辿り着いた答えが今の作業――参加猟兵分の弁当を作ることである。
(今回の作戦はある程度長丁場になるだろうし、その後にも戦闘がある)
 ケビンたち宝玉騎士団は知らない未来だが、グリモア猟兵の話ではこの後『もう一度』覚醒するはずなのだ、オブリビオンマシンが。
(簡易的にも栄養補給があった方が良いだろう)
 と今後の作戦支援を考えた行動を選んだのである。

 作るのは、作戦行動中でも簡単につまめてかつあまり運搬に困らないようなもの。ということで、おにぎりと唐揚げをチョイス。
 本来なら猟兵たちの好き嫌いやアレルギーまでは聞いておきたかったのだが、既に作戦行動に飛び出した猟兵たちもいるため、その辺は諦めておく。後で確認すれば問題には発展しないだろう。
 料理の材料はこっそり様子を見に来たグリモア猟兵を捕まえて世界の間を転送移動。さっくりUDCアースから調達してきた。ついでにバナナと飲み物もちゃっかり用意(費用は全部グリモア猟兵持ちである)。

「よし、いくぞ!」
 ケビンの号令でオブリビオンマシンを積んだ大型トレーラーのエンジンがかかる。そのトレーラーの荷台、オブリビオンマシンが積まれている場所に滑り込むようにして、修介が弁当を持って乗り込む。
「悪いな! 頼むぞ!」
「ああ」
 修介が荷台に乗り込んだのは彼が騎士団に同行を申し入れたからだ。
 怪しい部位は猟兵が既に運び出したものの、こちらの残された機体に『何も無い』とは限らない。万が一、念のため。そのような事態に備えて、修介は監視と牽制目的でこちらに帯同することを選んだのである。

●オブリビオンマシン運搬隊(サポート)
 王都を出た大型トレーラーがアイゼン砦を取り巻く地雷原の前で停止する。
「ここからは地雷を解除しながら進むことになる。多少時間がかかるが、まぁのんびりしていてくれ」
 ケビンの言葉は修介に対して。既に彼の部下が専用のキャバリアで周辺の地雷解除(機能停止? 撤去?)を開始している。程無くして進軍が開始されるはずだ。
 そしてケビンがトレーラーの上を見る。
「『上だけ』頼めるか?」
「まーかせて」
 どこからともなく取り出した(?)芋煮と修介の作ってくれたおにぎりをぺろりと平らげて。
 ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)はトレーラーの上に立っていた。その手に持つ『ルエリラの弓』は様々な世界の技術を取り込んだ彼女のお手製の弓。頻繁に改造しているらしい相棒を手に、ルエリラが見据えるのは空中機雷。
 空中機雷も地雷と一緒に解除できればいいのだが、空に浮いている分、制御が面倒くさく、より時間がかかりそうなのだ。
 そこでサポートに訪れていたルエリラに狙撃を頼んだのである。遠くから狙撃すれば、爆発したとしても運搬隊に影響は少ない。
(トラップ解除とかでもお役に立てるはずだけど)
 今回は狙撃手採用ということで。

 そして芋煮は修介に配っておいた。
「芋煮はいいものだからね。美味しい芋煮で皆が笑顔。いいよね」
「そ、そうか」
 ドヤ顔笑顔でアピールするルエリラに、修介は若干困惑気味だったと言う。

 地雷解除が進み、運搬トレーラーが少しずつ進む。
「さて、と」
 そろそろ空中機雷が射程圏内に入る。手にあるルエリラの弓を構えて。
「貫かせてもらうね」
 呟いた言葉と共に弓に番えるのはルエリラが魔力で形成した矢。それは全てを貫くルエリラの壱の矢【貫通する矢】である。
 直後、ルエリラの右手が矢を離す。視認すら許さない速度で飛翔した【貫通する矢】が空中機雷に直撃。その衝撃で空中機雷をぶっ飛ばす。
「ふぅ」
 と額の汗を拭うルエリラ。実は汗をかくほど集中せずともこの程度ならお茶の子さいさいなのだが、一応形式美ということで。

「……ふむ」
 その様子を見守っていた修介が小さく呟く。この調子で任せておけば空中機雷は問題なく排除されていくであろう。自分はこちらの監視に注力できそうだ。
「……」
 どちらかというとルエリラに手渡された芋煮の方が問題かもしれない。視線を落としながら修介は沈黙を守る。

 そんなこんなでオブリビオンマシン運搬部隊は、無事アイゼン砦に辿り着いたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

バーン・マーディ
地雷か
残酷なる兵器とされている一つだな

パーツをマーズで運ぶが

…この場で破壊するのが適した手段と考えうるが
(其処でマーズから止めようとする気配

…やはり危ういか
場合によっては最悪の事態になりかねんか
【戦闘知識】
地雷を効率的に仕掛けるならどこかを考察
更に地雷の構造とどこを破壊すれば安全に無力化できるかを把握
そして地雷原の最短で最小限の地雷を無力化できるルートの分析

【オーラ防御】展開

広範囲に広げて地雷の存在の把握

UC起動
今回は爆破させず無力化できるポイントを狙い破壊

中々難しいがこれぐらいできずして数多の強敵やヒーローを撃滅するには実に厳しい故な(鍛錬は続けてきた男

持ち運んでるパーツはMSにお任せする



●神機の声
 グリモア猟兵からの話、そしてケビンが言った状況。それら全てを頭の中に入れながら、状況を整理するバーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)。

 最後に残されたエンジンパーツ。これをアイゼン砦まで運べば次の戦いの準備は整う。
 愛機『破城神機『マーズ』』に向かいながら、よぎるのはひとつの疑念。
(……この場で破壊するのが適した手段と考えうるが……)
 おそらく猟兵の誰しもが思いついた疑念であろう。グリモア猟兵からの指示が無くば、おそらくこの場で完全破壊を目論んでいたはずだ。
 だが、強烈に呼びかける思念。それはマーズからであった。
「……やはり危ういか……場合によっては最悪の事態になりかねんか」
 神機の意志であろう、マーズの制止を振りきるほどのことではない。バーンはマーズにパーツを抱えさせ、アイゼン砦へと向かうのであった。

 地雷原を前に、一度態勢を整えるバーン&マーズ。
「地雷、か。残酷なる兵器とされている一つだな」
 その声に込められた感情はいかなるものか。
 されど今求められているのはこの地雷原を突破することである。

 自身の経験や戦闘知識、そしてマーズに蓄積されているデータを走査して、地雷に関するデータを統合していくバーン。
「ここは……ふむ。ならば……」
 マーズの演算装置を使ってシミュレートしていくバーン。地雷の構造は先にケビンに教えてもらった。それを元に、『どこを破壊すれば安全に無力化できるか』、そして『地雷原の最短で最小限の地雷を無力化できるルート』を分析する。
「完了した。いくぞ、マーズ」
 バーンが愛機に声をかけると、それに応えるようにマーズが顔を上げる。そしてマーズの全身を覆う禍々しい紅きオーラ。バーンの【ヴィランズ・ジャスティス】がマーズを通じて発動したのである。
 ふわりと浮きあがるマーズの機体。直後、その場から掻き消えるようにマーズが飛翔する!

 最短ルートは既に導き出されている。後は地雷の無力化のみ。
(ポイントは……ここか!)
 これもまた先ほど導き出した『爆破させず無力化できるポイント』を狙ってマーズが地雷を無力化していく。
(中々に難しいが……)
 マーズを駆りながらバーンの手元が細やかに動き、行動のイメージをマーズに伝播する。それに応えるマーズはバーンの意志の通りに状況を乗り越えていく。
「これぐらいできずして数多の強敵やヒーローを撃滅するには実に厳しい故な」
 常に鍛錬は続けてきた男バーンの実力。それが地雷原の突破を可能とする。

 そして、アイゼン砦に全てのパーツが揃う。
 最後の決戦の時はすぐそこに迫っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『狂月神機『ディアーナ』』

POW   :    BSサテライトキャノン『三ツ星への愛』
【月面発電施設からの次元エネルギーチャージ】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【大規模戦略級ビーム砲撃】で攻撃する。
SPD   :    報いの女神『猟犬の鹿狩り』
自身が装備する【FXRソードビット&FSBレーザービット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    対情報戦術機構『月の女神』
自身の【全身】から【月光の如く揺らめく光】を放出し、戦場内全ての【正気・理性・判断力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテラ・ウィンディアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●鉄の砦に満ちる月女神の狂気
 『救国のキャバリア』建造を発端とするオブリビオンマシン事件。王都での暴走を一度食い止めて、それらの機体、パーツ、兵装に至るまでをここアイゼン砦に運び込んだ猟兵たち。
 中は事前にグリモア猟兵が言っていたように、石の壁に囲まれたコロシアム、あるいはドームと言った方がいいだろうか。そんな形状をしている。

 その中央にパーツなどを積み上げる作業を宝玉騎士団に任せて。
 猟兵たちは一時、休息を取っていた。作戦に参加している猟兵が作ったお弁当を食べながら。腹が減っては戦は出来ぬ、というやつである。
 腹具合と英気を十分に養った頃。積み上げ作業はどうやら完了したようだ。
 各々が次の戦闘に向けて準備を始める。そう、猟兵たちのみが知っている事実。

 ――まだ戦いは終わっていない。

「よし、運び込んだモノは全部積み上げたな?」
 ドームの片隅、アイゼン砦の王都側に位置する休憩場所にて。宝玉騎士団分団長ケビンが状況の確認を部下に行っていた。回答はイエス。
「おい、傭兵! 後は好きにやれ! 一応俺らもここから確認の意味で見てるからな!」
 言葉は悪いが、傭兵――猟兵たちの、後のフォローを行うためにもしっかり見ておかないと、という意味である。
 ケビンの許可が下りたことで猟兵たちは攻撃態勢に移る。

 ここでオブリビオンマシンの『種』ごと滅する。
 その意思の元、周囲を取り囲んだ猟兵たちからありとあらゆる攻撃とユーベルコードが叩き込まれる!

 瞬く間に破壊されていくオブリビオンマシンであったモノ。それは塵すら許されずにこの世から消えていく。その中に潜んでいた『種』――オブリビオンの因子も。

 ――しかし。

 『種』とは一番エネルギーを蓄えこんでいる形態である。いかなる植物も『一番最初』は種に蓄えられたエネルギーのみで萌芽するのだから。

「……っ、伏せろ!!」
 休憩所の中で咄嗟にケビンが部下たちに叫ぶ。それは第六感、あるいは野生の勘。

 オブリビオンマシンの『種』の外殻が破壊され、その内にあったエネルギーが外に漏れ出る。それは直接的な『威力』に変わって。
 直後、アイゼン砦を強烈な爆発が包み込んだのである。

 爆風と土煙が収まった後。
「げほっ、げほっ。……おい、生きてるか?」
 ケビンが休憩所の中でよろよろと立ち上がる。部下たちからも返事があった。どうやら命は助かった……否。
「傭兵のキャバリアに助けられたか」
 彼らの目の前には傭兵たちのキャバリアが休憩所を守るように直立していた。身を挺して……といってもキャバリアだけど。
「……ってマジかよ……!」
 ケビンが悲鳴をあげる。
 簡単に言えば……キャバリアが守った休憩所以外は『吹き飛んでいた』。平原の中にぽつんと休憩所だけが残っているような、そんな状況である。
 これが王都の中で行われていたら。

 しかし、そんなことすら後回しになるような事態がもうひとつ顕現していた。

 アイゼン砦であった場所の中央に佇んでいる銀色の機体。
 種が壊されようとした瞬間、オブリビオンマシンは無理矢理『萌芽』したのだ。己が身を守るために。そして触発されたオブリビオンマシンの『本体』が時空を越えてきたのである。
『はじめましょう、戦いを。私は狩猟と月の狂気を司るモノ』
 不完全ながら急速に覚醒したオブリビオンマシン。またの名を『狂月神機『ディアーナ』』。
 それが猟兵の前に顕現した瞬間であった。

※シナリオ捕捉※
戦闘の場所は平原の中。障害物は全部(外の地雷も)吹っ飛びました。
地雷原突破前にケビンが通達した伝令が既に行き届いているため、どこからか駆けつけてきた宝玉騎士団から攻撃される可能性はありません。

猟兵たちが借りている、あるいは持参している装備やキャバリアは全部無事ですので、戦力ダウン等はありません(プレイングで壊れている、戦力ダウンしていることにしてもOKです)

ケビンたちは安全に退避しました。護衛は考えなくて大丈夫です。
上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
「あの砲身は流石にヤバいな」

恐らく広域破壊兵器。
撃たれればどうあがいても避けられない。
だがそれだけに発射までに時間が掛かるはず

ならば真っ向勝負
小細工無し

UC:防御重視
防御最小限に。ビットへの対処は左腕を盾に急所のみカバーするのみ。
出しえる最速を以て間合いを詰める。

狙うは腋の下

キャバリアの構造はあまりに人間に近い。
肩部駆動の関係で、他の部位より装甲は薄く、衝撃を『急所』に通せるはず。
UCを攻撃重視に切り替え拳を叩き込む

鉄の巨兵に生身で挑む。
正気でないのは百も承知。

勝負は一瞬。
僅かでも迷えば死。

――この拳を叩き込む
――呼吸を整え、力を抜き、為すべきただ一つを定める

「推して参る」



●その身は人の大きさなれど
 爆心地から『狂月神機『ディアーナ』』が姿を現わし、その言葉を告げた時。いまだ周囲から爆風が晴れきれないその最中。

 上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は既に臨戦態勢であった。爆発をしのぐためにいったん距離を取っていたものの、その視線はディアーナを既に『観』ている。
「あの砲身は流石にヤバいな」
 いかなロングレンジでも射程に捉えるであろう長い銃身。だがその無骨な外見はそれがスマートな狙撃に使われないことを示していた。
(恐らく広域破壊兵器)
 であるならば、撃たれればどうあがいても避けられない。しかし同時に、これまでに得た戦闘知識が告げている。
(だがそれだけに、発射までに時間が掛かるはず)
 と。

 ――ならば真っ向勝負。

 小細工無し、と決めた瞬間。修介はその身を晒すことも気にせずに、態勢を整える。
(――力は溜めず――息は止めず――意地は貫く)
 それは修介が普段から、無意識に行っている呼吸法。どのような戦い方においても『呼吸とは基本中の基本』。その基本を……意識して行う。吸い込んだ空気と共に意識と力を体の隅々まで行き渡らせて、吐く息とともに漲った力を全身に馴染ませていく。【拳は手を以て放つに非ず】の名の如く、それは『必殺の一撃』を放つ下準備。

 あまりに堂々としたその姿を、ディアーナが視界に捉える。
『その心意気や良し。されど私の矢から逃れることは』
 修介の姿を見て、しかし狂った月の女神は躊躇うこと無くその銃口を修介に向ける。
 だが、そこから攻撃が発射されることは無く。修介の見込み通り、背面のアダプターを通じて、どこからかエネルギーをチャージしている。

 ――行くなら、今。

 呼吸で以て身体機能と動作精度を補助しつつ、防御重視の型を取って。出しえる最速を以て間合いを詰める。ディアーナ目掛けて疾走する修介。

『それでも……私のトライスターへの想いの方が速い』
 急速にチャージされたサテライトキャノンの銃口から【三ツ星への愛】が溢れ出る。その本質は大規模戦略級ビーム砲撃。それが平原と化したアイゼン砦の地に解き放たれる!

 しかし。

 それはどこまで行っても『キャバリアのビーム兵器』だ。ビームとは『指向性』を持つ光。ゆえに。
(かわす……!)
 滑らかに足を留め、その地点で最小限に身を翻しながら。調えた呼吸は修介の思いのままにその身体を動かして。
「……っ!」
 自身に迫った光の束を見切る。僅かな安全地帯へその身を預け、余波のエネルギーが身を焼こうとも、修介の意志を挫くことなどできず。
 強大な威力がゆえに間一髪。されど、圧倒的であるがゆえに必ず出来る隙。その隙へ、修介が一気に間合いを詰める!

(狙うは……腋の下)

 ディアーナの構造はあまりに人間に近い。ならばこそ、急所――脆い箇所もまた人間に通じるはず。肩部はその複雑な駆動の関係で、他の部位より装甲は薄い。ここならば。
(衝撃を『急所』に通せる……!)
 呼吸を攻撃重視の型に切り替える。吸気とともに握る拳に力が籠もる。

 ――鉄の巨兵に生身で挑む。
 ――正気でないのは百も承知。

 だからこそ、勝負は一瞬。
(僅かでも迷えば……死)
 その覚悟を以て、地面を蹴る修介。跳躍した修介はディアーナの膝に着地、自身の足に力を込めて、再度跳躍する先はディアーナの胸元!

 ――この拳を叩き込む。

 そのために。空中であろうとも、呼吸を整え、力を抜き、為すべきただ一つを……定める!

「推して参る」

 静かな言葉とともに放たれる強烈な拳の一撃。腋の下から抉り込むような全てを乗せた一撃がディアーナの機体に叩き込まれ、その衝撃が突き抜ける!
『……!!』
 声も無くよろめくディアーナ。直後、破裂音が左肩で響く。

 修介の矜持がディアーナの左肩部を破壊した瞬間である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グロブ・アルキナティオ
【電脳の箱庭】

何処からか緑色の煙を放ちながら猛スピードでやって来る。
「出ましたね!正義の名の下に貴様を排除する!」
魔法陣を展開するとグラブが四人に増え、前回同様魔法弾や魔力の奔流などで攻撃する。

※勿論増えた訳ではなくドローンが4機戦うだけで本体は安全地帯から光学迷彩で隠れて見ているだけ。


天星・雲雀
【電脳の箱庭】
アドリブ・アレンジ歓迎

「銀色のボディーがかっこいい、って、そうじゃなくて、あれが『種』の親玉なら、この場所をラストステージにしてあげます!」

「初っ端からフルスロットで行きますよ!」
「絶無!絶無!そして、絶無!前菜からデザートまで、フルコースで、御堪能あれ!」

【戦闘】UCを使用。敵ビットを嵐と竜巻で一箇所に集めて、両腕両足側面のレーザー砲門を開いて攻撃。味方への誤射厳禁。

「陣形は、前衛と後衛の二段構えで、敵を包囲。前衛を抜けたビットは追わずに後衛が処理して!」

「乱戦は避けて、包囲の幅を狭めながら、嵐で軌道を阻害しつつ竜巻でビットを一箇所に追い詰めて、全機全砲門レーザーの一斉射撃!」


鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
SPD
アドリブ・アレンジ歓迎

引き続きキャバリア借受
搭乗前に周囲に落ちている無機物を取得
キャバリア搭乗し固有結界・黄昏の間、風の疑似精霊に風の防御膜形成指示
戦闘開始と同時に影の追跡者の召喚し敵の付近に潜伏させる
敵のビットを射撃武器を使った一陣の風、疾風怒濤で敵頭上の空中より一斉攻撃し撃破狙う
ビットが少なくなって来たら潜伏させた影の追跡者の潜伏を解除、一瞬だけでいいから敵の隙を作る
その隙を狙い最大加速で機体を敵に向かわせる
敵胴体に近接武器を叩き付けor刺突し、出来た損傷個所へ射撃武器を当て零距離射撃
さらに射撃武器先端より地の疑似精霊指示の岩弾を多数発射
敵の装甲に風穴開けれないか試みる



●三位一体
 ぐらりと揺れる『狂月神機『ディアーナ』』。生身の猟兵の一撃、されどその威力はキャバリアの攻撃と遜色なく。表面のダメージはナノクラスタ装甲が回復していくが、衝撃を中に通されたなら回避のしようもない。
 左肩部を破壊されながらも。自身のサテライトキャノンの一撃は強烈で、周囲に残っていた爆発の余韻、土煙をすべて吹き飛ばす。
 可動ままならない左腕を、しかしディアーナは気にすることなく、周辺に視線を向ける。
『私は狩るモノ。月の狂気を突きつけるモノ』
 そう言って、周囲に近接物理兵器ソードビットと遠距離ビーム兵器レーザービットを多数展開する。その数は一中隊規模。
 その矛先が周辺の猟兵たちに向けられる。

 しかし、それをかく乱するがごとく。

 何処からともなく緑色の煙がばら撒かれる。否、緑色の煙を放ちながら突き進んでくる猟兵。
「出ましたね! 正義の名の下に貴様を排除する!」
 それは猛スピードで駆けつけてきたグロブ・アルキナティオ(アース863の魔術師…?・f30613)である。空を飛翔しながら、突き出した両手の前に展開するのは魔方陣。直後、グロブの姿が4人に増える。ディアーナを取り囲むように4人のグロブが空に舞い、かざした手の魔方陣から魔法弾や魔力の奔流を放ち、ディアーナを攻撃していく。直撃するも決定打にはまだ遠く。
『小賢しい』
 ディアーナの声とともに、レーザービットから反撃のレーザー斉射。空を飛びかう光線をどうにか回避しようとするグロブであるが、ユーベルコードも使用しない身ではどうしても押し負けてしまう。ひとり、ふたりとレーザーで撃ち抜かれていく。
「……っ」
 距離を取って態勢を立て直そうとするグロブ。それを追いすがるようにソードビットが襲い掛かる。
 その間に割り込んだのは天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)のクロムキャバリア『絶無』であった。
「銀色のボディーがかっこいい、って、そうじゃなくて、あれが『種』の親玉なら、この場所をラストステージにしてあげます!」
 炎と風と光の力を宿す魔神を駆りながら雲雀が叫ぶ。
「初っ端からフルスロットで行きますよ!」
 ユーベルコード【嵐の投入部隊】によって、絶無を複製して周囲に展開する雲雀。
「陣形は、前衛と後衛の二段構えで、敵を包囲。前衛を抜けたビットは追わずに後衛が処理して!」
 雲雀の声に絶無たちが応じて編隊。攻撃態勢を整える。
「乱戦は避けて、包囲の幅を狭めながら、嵐で軌道を阻害しつつ竜巻でビットを一箇所に追い詰めて、全機全砲門レーザーの一斉射撃!」
 指示の通り、突撃してくるソードビットを竜巻で受け止めて巻き込み、一ヶ所に集める。レーザーを放つレーザービットには嵐を叩き付けてその攻撃を阻み。両腕両足側面のレーザー砲門を開いて攻撃していく。
 自身に襲い掛かるビットの攻撃を無力化してから、今度は雲雀から仕掛ける。
「絶無! 絶無! そして、絶無! 前菜からデザートまで、フルコースで、御堪能あれ!」
 嵐を纏った複製絶無がディアーナに対して突撃を仕掛ける。絶無の突貫を受けて、態勢を崩していくディアーナ。ナノクラスタ装甲との相性か、決定打にはなりえていない。

 その様子を窺いながら、戦闘態勢を整えていたのは鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)であった。
 先の爆発の際、借り受けた量産型キャバリアに乗っていたため、一番素早く反応できた彼はケビンたちの撤退を補助していた。
 戦線に復帰する間の時間は【電脳の箱庭】の仲間が繋いでいてくれたようだ。後顧の憂いも無くなったひりょもまた攻撃態勢に移る。

 ひりょのキャバリアが落ちている瓦礫を拾い上げる。
「場よ、変われ!」
 声とともに瓦礫を頭上に放り投げてその点を中心に展開させるのは【固有結界・黄昏の間】。瓦礫が風の疑似精霊に姿を変えて、ひりょの周りに風の防御膜を形成する。
(首尾は……上々かな?)
 既に仕込みは終わっている。ならば後は敵の防御を突破するのみ。
「我が身は一陣の風となりて、敵を切り裂く……!」
 それは詠唱であるとともに、行動の宣言。ひりょの【一陣の風、疾風怒濤】が発動して、量産型キャバリアが風を纏う。その風がキャバリアを真上へと飛翔させて。
 ディアーナを見下ろす状態からの一斉攻撃。ミサイルポッドとガトリングキャノンから全弾発射による盛大な爆撃で残っていたビットたちを撃ち落としていく。
『本当に小賢しい。されど』
 ビットを全弾撃ち落とされても。激しい攻撃に晒されてもディアーナの余裕はかわらない。表面の損傷など簡単に修復されるからだ。『恐れるのは機体内部への攻撃のみ』。
 接近されなければ問題ない、と。改めてビットを展開しようとしたディアーナに。
(今だ……!)
 ひりょが『仕込み』を発動させる。それはディアーナの影に潜ませておいた『影の追跡者』。【影の追跡者の召喚】によってあらかじめ呼び出して潜ませておいたのだ。
 その存在に力は無いけれども、そこに『在る』ことがディアーナの意識を逸らせることに成功する。

 一瞬出来た隙。

「いくぞっ!」
 その一瞬に向けて最大加速で飛翔するひりょ&キャバリア。その腕にはアームブレード。高速急降下の勢いをそのままアームブレードに乗せて突撃! 隙を貫くかのごとくアームブレードがディアーナの胴体を刺し貫く!
「……っ!」
 ディアーナの機体に足をかけながら素早くアームブレードを引き抜いて。ナノクラスタ装甲が修復する前に、傷口へガトリングキャノンの銃口を突き付けるひりょ。
「これでどうだっ!?」
 零距離全弾射撃によってその傷口を抉り、さらにめり込んだ弾丸から地の疑似精霊を生成、ひりょの指示によってそれは無数の岩弾と化して装甲を抉っていく。
「風穴……まではいかなかったか……!」
 素早くディアーナから距離を取りながら戦果を確認するひりょ。だが、明らかに回復しきれないダメージがディアーナに発生している。
 グロブ、雲雀が作った機会を確実に繋げたひりょの攻撃によって、ディアーナの胴体部装甲が大きく抉り取られていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

セレーネ・ジルコニウム
錫華さんと

「くっ、攻撃を叩き込んだら、いきなり爆発とは……
兵士や技術者の皆さんは無事ですね!?」

ここは錫華さんと力を合わせ、我々ガルヴォルンの力を見せるときです!

「って、あれっ!?
今の爆発で重砲フレームの弾薬が誘爆!?
スティンガー大破っ!?」

仕方ありません。
動かなくなったキャバリアから降りて、機動戦艦ストライダーを呼び出します。

「地雷がなくなった今ならストライダーも砦に近づけます!」

錫華さんに守ってもらいながら、ストライダーに乗り込み、艦長席に座り【機動戦艦全力攻撃】の指示を出します。

「ストライダー、全武装一斉発射です!」

理性や判断力を低下させようとしても、AIのミスランディアには効きません!


支倉・錫華
【セレーネ大佐と】

自爆とは往生際も悪い……って、
なるほど、爆破に耐えられるだけの耐久力はあるってことか。

とはいえ自爆紛いのことをして無傷ってわけはないよね。

あれ? 大佐、避け損ねてる?

そんなにコスプレしたいのかな?
でもまずは生き残らないと、コスプレもできないよね。

って、ええー……そっちで突撃かけるの?
後方から指揮してくれていていいのに。

ストライダーを墜とされるわけにはいかないし、
幸い装甲メガ盛りだし、ディフェンスでいけるかな。

相手のビーム砲が戦略級兵器と言っても、
ストレイワンの5倍装甲だってけっこうなものだよ。

終わったらコスプレにはつきあうことにして、
ここはしっかり受け止めさせてもらおうかな。



●ほんの少し前
 私設軍事組織【ガルヴォルン】所属のセレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)と支倉・錫華(Gambenero・f29951)は本隊に遅れてアイゼン砦に向かっていた。生身では無く、それぞれ『試作型クロムキャバリア『スティンガー』』とストライダー所属の量産型キャバリア――識別コード:『ストレイワン』に乗って、である。

「きゃぁぁぁ!?」
「……」
 地雷を解除してるんだか踏んでるんだか。
 スティンガーの足元が爆発して、それを見守る(?)ストレイワンの図。
「大佐、もういっそのこと破壊していった方が……」
「あと少しなんですよ……!」
 錫華の声に振り返るセレーネ。その言葉通り、あともうちょっとでアイゼン砦である。ここまでの道行きの半分くらいは爆発させただろうか。
 しかしそれでもようやくアイゼン砦の外壁に辿り着いた時。

 アイゼン砦が大爆発したのである。

●狂った月の女神vsタイミングの女神?
「くっ、辿り着いた瞬間に、いきなり爆発とは……兵士や技術者の皆さんは無事ですね!?」
 中に入った途端、大爆発であった。爆風を耐え凌いだスティンガーの中でセレーネが声をあげる。視界に入っていた一般人は仲間のキャバリアが身を挺して守ったようだ。
「自爆とは往生際も悪い……って、なるほど、爆破に耐えられるだけの耐久力はあるってことか」
 同じく爆風の中から立ち上がるストレイワン。中の錫華は爆心地にいた『狂月神機『ディアーナ』』の姿を視認して呟く。
(とはいえ、自爆紛いのことをして無傷ってわけはないよね)
 無傷に見えるディアーナ。しかし、だからといってダメージが無いわけではない。覚醒が中途半端な今、叩くならここしかない。
「大佐」
「はい! ここは我々ガルヴォルンの力を見せるときです!」
 錫華と力を合わせて。その意思で以て立ち上がろうとしたセレーネ&スティンガー。
「……」
「……どうしたの、大佐?」
 気合の割には動かないスティンガーを見下ろす形になっているストレイワンの図。錫華が首を傾げる。

 直後。

 スティンガーが爆発した。
「あれ? 大佐、避け損ねてる?」
 冷静に爆風をしのぎながら錫華さん。
「あれ? あれっ!?」
 対してスティンガーの中でめっちゃ焦っているセレーネ。機体チェックを走らせますと。
「今の爆発で重砲フレームの弾薬が誘爆!? スティンガー大破っ!?」
 セレーネの声を聞いて頷くかのように、がくんと動かなくなるスティンガー。スティンガー沈黙。
「そんなにコスプレしたいのかな?」
「罰ゲーム?!」
 スティンガーが大破すると整備班から罰ゲーム。これは鉄の掟(?)である。
「でもまずは生き残らないと、コスプレもできないよね」
「くっ……」
 錫華さんの言葉に、何をどう反論していいやらわからないセレーネさん。
 そう、戦いはまだ終わったわけではないし。しかしセレーネもこのクロムキャバリアの世界で戦う術を全て失ったわけではない。

「仕方ありません! ストライダー、応答してください!」
 スティンガーから『EP機械知性体ユニット『ミスランディア』』を経由して、『機動戦艦ストライダー【ワダツミ級強襲揚陸艦】』を呼び出すセレーネ。実は地雷原の外に待機させてあったのである。
「って、ええー……そっちで突撃かけるの?」
「地雷がなくなった今ならストライダーも砦に近づけます!」
 違う、そういうことを言っているんじゃない。
 錫華のその意図は伝わらず、スティンガーから華麗に飛び降りるセレーネ。着地成功。
(後方から指揮してくれていていいのに)
 とはとてもじゃないけど言い出せない雰囲気だったので、そっと黙っておいた錫華である。

 元の外壁部でそんなやりとりをしつつ、態勢を立て直すガルヴォルン。その間にも砦の中では戦闘が続いている。戦いが佳境に入ってきたようだ。
 流れ弾が当たらないようにストレイワンが前に立ち、セレーネを守る。その時、砦の外に爆音と土煙を立てて、機動戦艦ストライダーが到着する!
「大佐」
「はい!」
 錫華に促されてストライダーに乗り込むセレーネ。そのまま艦橋へ直行、艦長席へ座ったセレーネが号令を放つ。
「機動戦艦ストライダー、発進!」
 エンジンが稼働して砦内に進入するストライダー。
(ストライダーを墜とされるわけにはいかないし……)
 前線にほいほい出てくる機動戦艦であるが、これでもガルヴォルンの機動拠点なのだ。墜とされるのはさすがにマズイ。
 仕方ない、と嘆息ひとつ。錫華が乗機のストレイワンにチェックを走らせる。既に【脈動臨界チューニング】によって戦闘態勢は整えてある。
「……幸い装甲メガ盛りだし、ディフェンスでいけるかな」
 戦況、状況、手持ち。それらを確認した錫華&ストレイワンがファンクションシールド『天磐』を構えてストライダーの前に出る。

 ここにガルヴォルンが戦線に突入した!

●ガルヴォルンvs狂った月の女神
「ストライダー、全武装一斉発射です!」
 ディアーナを視認後、間髪を入れずにセレーネがストライダーに【機動戦艦全力攻撃】の指示を出す。艦長席から立ち上がったセレーネが、右手を振り払うようにして指し示すのはもちろんディアーナ。その標的にストライダーの全武装のロックが解除、あらゆる砲弾とビームが叩き込まれる。
『そのような攻撃では私を貫くのは百年も先』
 自身の攻撃はそうではないと、ディアーナのサテライトキャノンの銃口がストライダーに向けられる。
「おっと」
 直撃させるわけにはいかない、とストライダーの盾になるストレイワン。
 しかし、そこへディアーナは人々を狂わせる月の光を放出する。ディアーナの全身から月光の如く揺らめく光がセレーネと錫華の正気・理性・判断力を奪わんとする。
「くっ……!」
「うぁっ……?!」
 錫華とセレーネが同時に呻いて。二人の乗機の動きが鈍る。機体の行動は継続しているけれども、それ以上のことができない。
 そこを殲滅せんとディアーナがトリガーを引く。直後、月からの次元エネルギーを変換した大規模戦略級ビーム砲撃が放たれる!
『命は狩りとってこそ。終わりなさい』
 と告げるのはディアーナ。その声と同時に月の光もその放出を止める。

「「……!!」」

 正気に返ったセレーネと錫華の前にどうやっても回避のしようもない、視界いっぱいのビームの奔流が迫る。

 それでも。

 錫華のストレイワンはストライダーの前から動かない。
 例え、相手のビーム砲が戦略級兵器と言っても、だ。
(ストレイワンの5倍装甲だってけっこうなものだよ)
 【脈動臨界チューニング】によって自身がチューニングしたストレイワンの『全力』。それを信じる、否、当然として。錫華が『天磐』を掲げてビームを受け止める。ストレイワンを起点に割れるビームの奔流。
「……っ、ここはしっかり受け止めさせてもらおうかな!」
 ぐっ、とストレイワンの足が大地を掴む。微塵も動かない『壁』がストライダーを守る。そのおかげでストライダーに降りかかるビームは一条も無く。
『全力攻撃、再開および継続じゃ!』
 その声は、セレーネのものでは無く、ミスランディアから発せられたもの。
 すでにセレーネから【機動戦艦全力攻撃】の指示は出ている。ならば、後は遂行するのみ。そこに艦長であるセレーネの理性や判断力は『必要ない』。
(理性や判断力を低下させようとしても、AIのミスランディアには効きません!)
 艦長席に深く沈みながらもようやく正気に戻ったセレーネはその作戦に賭けていた。だからこそ、光の奔流が駆け抜けた後、刹那の時すら置かず、ストライダーからの全力攻撃は放たれ続けているのだ。
「終わったらコスプレにはつきあうことにするよ、大佐」
「あ、ありがとうございます……」
 ディアーナに対して駆けていくストレイワンからストライダーに入電した錫華の言葉はこんな感じでして。
 助けてはくれないんだ? と思ったセレーネでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
「現地へ来るのが遅くなりましたが……
おかげで、生身で爆発に巻き込まれなくて済んだというところでしょうか」

地雷の吹き飛んだ砦跡に駆けつけ、戦闘に加勢します。
電脳空間から実体化させた機動戦車オベイロンを【強化外装】によってパワードスーツとして装着し敵と交戦を開始します。
ミサイルランチャーやビームガトリングを受けてもらいましょう!

「このオブリビオンマシン……
どうやら私のパワードスーツと同種の兵装を搭載しているようですね。
ならば、どちらの武器が上か勝負です!」

【月世界旅行】で月面に発電施設を実体化。
マイクロ波をエネルギー変換して荷電粒子砲から発射し、敵の放った戦略級ビームと正面から撃ち合います。



●月はどちらに微笑むか?
 『狂月神機『ディアーナ』』との戦闘が激化する中。さらに駆けつけた猟兵はアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)であった。
「現地へ来るのが遅くなりましたが……おかげで、生身で爆発に巻き込まれなくて済んだというところでしょうか」
 戦場に駆け付けたその姿はいつも愛らしい少女の姿では無く、パワードスーツを纏った姿。電脳空間から実体化させた『機動戦車オベイロン』を【強化外装】によって変形させた、対機動兵器戦モードである。
 そのままディアーナを射程内に収めたアイは。
「ミサイルランチャーやビームガトリングを受けてもらいましょう!」
 と盛大に敵機との交戦を開始する。激しい連続攻撃がディアーナの装甲に直撃するが、それはナノクラスタ装甲で修復されていく。
 その間も、アイの手は止まらず、データを得るためにセンサーの類を絶えず走査させている。
 そして。
「……! このオブリビオンマシン……」
 アイの手が止まる。
「どうやら私のパワードスーツと同種の兵装を搭載しているようですね」
 奇しくも。月からの援護を受けて放つビーム兵器。それを銃身の形で保有しているという奇遇。そこまで被さったのなら引き下がるわけにはいかない。
「ならば、どちらの武器が上か勝負です!」
 荷電粒子砲を構えて、アイが静止する。直後、【月世界旅行】によって月面に発電施設を実体化。アイに向けてマイクロ波を放つ。
「月が……みえましたっ!」
 それを受けてエネルギーチャージを行うアイ。
『なるほど。受けて立ちましょう』
 その様子にディアーナも気付かないわけがなく。自身もまたサテライトキャノンの銃口をアイに向けて構えて、月面発電施設からの次元エネルギーチャージを行う。
 両者の間にエネルギーの余波が渦巻き、他の一切が介入する余地を吹き飛ばす。パチパチ、と相互干渉したエネルギーが弾け飛び、同時にその空間を支配していく。
「ヴェルヌ・キャノン、発射!!」
『三ツ星への愛』
 エネルギー変換された荷電粒子砲と大規模戦略級ビーム砲撃が正面からぶつかり合う。

 エネルギーの対決であれば完全な互角であった。どちらもチャージしたエネルギーを使い切って終わり。しかし、ディアーナにはこれまでに猟兵たちが叩き込んだダメージが蓄積している。防御がかなり劣化しているのだ。それは銃口からのビーム対決とは言え、衝突の衝撃を吸収し切れる状態では無い。
『……!』
 徐々に押されていくディアーナ。体勢が崩れていく。
「これで、終わりです!」
 アイが叫び、パワードスーツのカメラアイがさらなる光を灯す。直後、荷電粒子砲が徐々に押し始め、ついにアイの放った荷電粒子砲の光がディアーナを飲みこむ!

 荷電粒子の光が消え去った後、そこに残っていたのは機体の各部を破損させ、満身創痍のディアーナだったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

バーン・マーディ
…マーズよ
警戒しているのだな
確かにあの機神は恐ろしい

【戦闘知識】
神機の攻撃動作
特にサテライトキャノンのチャージを警戒
ビットの動きを把握

意識を目の前の敵こそ正義の具現と断じる
そして敵を倒す事だけを意識する
そうする事で狂気の方向性を定める

UC即座に発動
【オーラ防御】展開
神速を以て接近
【武器受け・カウンター】でソードビットを切り捨て破壊し

【二回攻撃・怪力・吸血・生命力吸収・鎧破壊・鎧無視攻撃】
軍神の剣で迫り破壊のオーラを纏い威力を増強しつつの猛攻

哀れな月女神よ!
兄の太陽共々地に墜ちて眠れ!!

狂気に侵されば逆にそれを利用して…己と機神の限界を超えた猛攻を仕掛け

…生きてるかマーズ
(応と答える気配



●神機たちの挽歌
 『狂月神機『ディアーナ』』がその身を顕現させてから、幾ばくも経っていない中で。猟兵たちとディアーナの攻防は幾度となく繰り広げられて、今。
 ディアーナは満身創痍とも言うべき状態で、膝をついていた。もちろん装甲表面の傷などナノクラスタ装甲でどうとでも直せる。問題は機体の中。駆動部分やエネルギーに関する装置はそう簡単には直らない。それは機構であるからだ。

 動かないディアーナを見て、猟兵たちが勝負を決めにいく!
『……舐めるな』
 しかしディアーナは。背面のエネルギーアダプターに残っていた次元エネルギーの残滓を衝撃波に変えて周囲に放つ。少なからずダメージを負っていた猟兵たちが吹き飛ばされて、戦線から離脱する。

 しかし。

 そこへ空から。否、虚空から姿を現わす一体――破城神機『マーズ』。それを駆るのはもちろん、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)。
 自由落下しながら敵機ディアーナを目視するバーン。
 操縦桿から伝わってくるマーズの意志。それを感じてバーンが呟く。
「……マーズよ。警戒しているのだな」
 バーンの言葉に応えるがごとく、マーズの機体が駆動する。
「……確かにあの機神は恐ろしい」
 満身創痍になってなお、猟兵たちをしのぐ性能。いまだ衰えぬ戦意。それを挫くにはいかなる力が必要か。
 されど。ここで引き下がるという選択肢もまた、あり得ない。

 ディアーナの前にマーズが着地する。相対する同じ『神機』の名を冠するモノ同士。ここで会ったが百年目、というやつだ。

「ならば、征こう。マーズよ」
 バーンの声に応えるように。マーズは自身の機体に炎のような破壊の力を漲らせるのであった。

 マーズとディアーナの背面から迸るエネルギー。その勢いで以て黒と銀の二機が衝突する! その衝撃に弾け飛ぶようにして距離を開けると、ディアーナがサテライトキャノンの銃口を突き付ける。
(チャージだと……?!)
 戦闘知識をフルに活用してディアーナの攻撃動作を捉えていたバーンが驚愕する。即座にマーズの蹴りで銃口を逸らせるバーン。
 銃口を逸らされつつも、今度はソードビットを展開するディアーナに、マーズは『RX軍神の剣』を手にして、ビットを斬り捨てて破壊する。

 一進一退の攻防。

 その最中において、バーンはコックピットからディアーナを見据える。
(意識を……目の前の敵こそ正義の具現……!)
 そう断じて。ヴィランの闇黒騎士は『敵』を倒すことだけを意識する。それは狂気の如く、力の方向性を定めて。
「マーズよ、破壊の神としての力を見せるが良い。今ここに叛逆の刃を突き立てん!!」
 バーンが叫ぶ。それはユーベルコード【城壁の破壊者】を発動させるスイッチ。マーズがその身に宿る力を解放する。禍々しい破壊のオーラを纏いながら、空を飛翔する力を得るマーズ。
「ゆくぞ!」
 愛機に号令とも気合いとも聞こえる声を張り上げて。バーンとマーズが空を疾走する。それは神速で以て飛来する火の星の如く。
「哀れな月女神よ! 兄の太陽共々地に墜ちて眠れ!!」
 バーンが叫ぶ。己と神機の限界を超えた猛攻を【城壁の破壊者】で以て放つ!
 怪力、鎧破壊、鎧無視攻撃、相手の力を奪い取る能力。その他にも今持てるあらゆる力を乗せた、軍神の剣による超連続攻撃。破壊のオーラは軍神の剣の刀身にまで伸びて、オーラによる斬撃の威力を格段に上昇させている。
 その激しい猛攻を手負いのディアーナが受け止め切れるはずも無く。瞬く間に銀色の装甲が剥がされ、斬り刻まれ、破壊されていく。

 そして。ディアーナの機体が爆発を始める。それはチャージしていた次元エネルギーが機体に流出したために。神機とは言えどもその身はキャバリア、機械の体。エネルギーという血の流れの逆流が影響しないわけがなく。機体の各部がショートして次々と爆発を繰り返す。
「これで、トドメだ! マーズ!!」
 バーンの声にマーズの出力があがる。神速の飛翔、その速度と勢いを乗せた軍神の剣の刺突がついにディアーナの装甲を突破する。ディアーナの胸元から背中を貫く軍神の剣。

 直後、ディアーナの機体が紅蓮の炎に包まれ、爆散したのである。

 再び炎と爆風に見舞われたアイゼン砦の中。
「……生きてるかマーズ」
 激しい戦闘とそのフィードバック、そして最後の自爆に巻き込まれて。
 頭から血を流しながらも生還したバーンがコックピットの中で呟く。マーズからは『応』と答える気配がする。

 ここに『狂月神機『ディアーナ』』は再び、次元の狭間へと墜ちて。
 救国のキャバリアを巡るオブリビオンマシン事件は解決を見た。

●事後の報告はケビンの役目でした
「なんで! オレが! こんな目にあってんだっ!!」
 宝玉騎士団上層部に、嘘偽りなく報告をしたケビン。
 傭兵を工房に案内したらキャバリアが暴走していたのでそこで沈黙させて、アイゼン砦で完全破壊しようとしたら大爆発した後、別のキャバリアが現われてそれを傭兵たちが始末しました。
 信じてもらえなかった。

 とはいえ、事の次第は傭兵たちからも添えられており。偶発的な、しかし避けることの出来なかった事故として処理された。ケビンが何か懲罰を食らうようなことは無かったのだ。
 ここに事件は完全に解決したのである。巻き込まれたことは不運としか言いようが無い。
「今度会ったら集ってやる」
 こうして、以後クライノートの国で、傭兵に絡むケビンの姿が散見されるようになったのはご愛嬌ということで。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月13日


挿絵イラスト