金針水晶は悪役らしく哂いたい
「ゆくぞ! スーパービーム照射!」
漆黒の漿船を狩るミズ・ルチレイテッドの指令によって、怪人は宇宙怪人へと改造される。
宇宙空間ですら自在に飛翔できるブースターを手に入れた怪人・バアル・コーウェンは恭しい動作で頭を下げた。
「疑似生命体を捕獲し、我々の侵略計画に利用する旨……承知いたしました。とびきりの美形をさらって参りましょう」
「ああ、頼んだぞ。審美眼には定評のあるお前ならば安心して任せられる! アハハ、アハハハハ!」
「あの……」
「なんだ」
「ちょっと無理してらっしゃいません?」
「まさか! アハハハハ、ハハ……ごほッ、へけッ」
「大変ですわ。猟書家のミズ・ルチレイテッドがバーチャルキャラクターのアイドルオーディション会場に宇宙怪人を差し向けましたの」
黒弗・シューニャ(零・f23640)が用意したビジョンには、ステージの上で歌やダンスを披露するアイドルの卵たちがきらきら輝いている。
「宇宙怪人・バアル・コーウェンが狙っているのは3人組のユニット『10Rico』(トリコ)のメンバーですわ。彼女たちの楽屋に押し入って、ミズ・ルチレイテッドの待つ本部に連れ去るつもりですの」
『兎rico』は13歳前後の外見をした可愛らしいバーチャルアイドルグループの卵だ。
メンバーカラーは赤がセンターで明るいリリ、白がダンスの上手なトト、青が歌声の綺麗なココ。
楽屋はステージ裏に併設された簡易建物の中にあり、参加ユニットごとに分かれているため他のアイドルたちを戦いに巻き込む心配はない。
「バアル・コーウェンを一言で表すなら慇懃無礼ですわね。何でも自分が一番正しいと思っている傲慢な怪人ですわ。両刀の面食いですから皆さまお気を付けくださいませ」
極秘情報だが今回現れた奴の“好みの美男美女”とは男ならバーテンダー、女ならバニーガールを意味するらしい。確かに魅力的な衣装ではあるが、ピンポイントに過ぎる。
「ミズ・ルチレイテッドもどこかで戦いを監視しているようなので、バアル・コーウェンを倒せばあちらから姿を現すはずですわ。ここは是非、ふたりともまとめて倒してあげてくださいませ!」
ツヅキ
プレイング:公開時~常時受付。個別に判定・リプレイをお返しします(採用順は前後することがあります)。
●第1章
バーチャルアイドルのオーディション会場に潜入したバアル・コーウェンが『兎rico』のメンバーを楽屋で襲おうとしているところから始まります。
助けられたアイドルたちは猟兵たちを一生懸命応援してくれますので、よければ何かファンサをお願いします。キャーポイントがあるとプレイングボーナスです。
●第2章
ミズ・ルチレイテッドとの決戦です。
※次章の受付は前章完成の翌日辺りが目安となります。雑記にてご案内しますので、ご確認をいただけますと幸いです。
第1章 ボス戦
『バアル・コーウェン』
|
POW : 異議あり、で御座います
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【裁判官】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : その醜き姿から、解放して差し上げましょう
自身に【序列第一位の悪魔の力】をまとい、高速移動と【一時、自分好みの美男美女に変身させる光線】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : さあ、私と共に楽園に参りましょう?
【弁舌】を披露した指定の全対象に【バアルに対して熱烈な愛情】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:相澤つきひ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シトリー・コーウェン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
草守・珂奈芽
【晴要】
頑張る女子のジャマなんて許せないのさ!
翠護鱗で敵の動きのジャマしつつ、晴汰くんが作った隙でUCで瞬間移動して手を取るよ。
「わたしたちが守るから安心してほしいのさ。ね?」
背中を見せてもだいじょーぶ!
一緒に跳んで回避すれば――あれ、わたし脱げ…ぴゃー!?
何これ似合わな…恥ずかしいのさ!?
晴汰くんは…あら似合ってる、意外とかっこいい?
じゃなくて!
「こ、こんなみったぐないの見ないでー!?」
だって胸ないしくびれもないし!?(年並みです)
も、もー許さない!自分だけ敵の背後へ瞬間移動!
バニーさんらしく華やかに、翠護鱗と神通力の〈誘導弾〉で〈範囲攻撃〉!
「も、もうこんな格好見させないんだからっ!!」
西塔・晴汰
【晴要】
アイドルって奴詳しくないっすけど、知ってる事はあるっすよ
アイドルにお触りは御法度
まして楽屋に押し入るとは無礼極まるっすよ!
狭い空間なんで徒手空拳で勝負っす
相手は速いっすけど珂奈芽のフォローもある
隙突いて拳一発、ぶち込んでやるっす!
…あれ、オレいつの間に着替えて…
あ、これ知ってるっすバーテンダーって奴
この格好結構良いっすね、ありかもっす
オレがこれなら、珂奈芽は――…!?
ば、バニーガールって奴っすね
こりゃなかなか…や、あんま見ちゃまずいっすね?
お酒は出せないっすけどカフェオレは結構得意っすよオレ
今は道具も豆も無いし淹れらんないっすけど…
兎ricoの子達も後でどうっすか?ごちそうするっすよ!
「衣装これでいいんだよね? 髪型は?」
「軽く台詞合わせしてからいこ! うわわ、緊張してきちゃった……!」
「……準備ばっちり」
出番の迫る兎ricoたちが楽屋で忙しく着替えているところへ、件のバアル・コーウェンはきちんとノックをしてから踏み込んだ。
「お忙しいところ恐れ入ります。こちら兎rico様の楽屋でよろしかったでしょうか? ――ああ、よかった。御三人様をお連れしたいところがございまして、参上仕りました次第に御座います」
深々とお辞儀するバアル・コーウェン。
兎ricoの3人は顔を見合わせてから、一斉に叫んだ。
「きゃー!! 誰!? この人何なの!?」
「そう騒がないでくださいませ。……かくなる上は、仕方ありませんね。少々手荒になりますがおとなしくして頂くことに――むっ?」
「そうはさせないのさ!」
飛び込んできたのは草守・珂奈芽(小さな要石・f24296)と西塔・晴汰(白銀の系譜・f18760)である。
「猟兵ですか! 思っていたよりも早く気付かれてしまったようですね」
出鼻を挫かれたバアル・コーウェンは宙を舞う魔力結晶に手を焼き、舌を打った。
「頑張る女子のジャマなんて許せないのさ! 晴汰くん、やっちゃおう!」
「アイドルにお触りしようなんて、猟書家が許してもオレが許さないっすよ。まして楽屋に押し入るとは無礼極まるっす!」
――成敗、とばかりに懐へ踏み込んだ晴汰の拳がバアル・コーウェンの鳩尾に命中。
「ぐはッ!」
「――いまのうちに、こっち!」
珂奈芽は一瞬でリープすると兎ricoの3人の手を掴み、あっという間に逃がしてしまった。
「わたしたちが守るから安心してほしいのさ。ね?」
「は、はい……!」
だが、すかさずバアル・コーウェンの妨害が解き放たれた。彼は眼光鋭く眼鏡を押し上げ、ピックの先でぴたりと2人を指したのである。
「それこそさせないで御座いますよ!」
「わっ! ――って、あれ? わたし脱げ……ぴゃー!?」
なんと珂奈芽はバニーガール姿になっていた。ぴょこっと揺れる白い兎耳に、黒で統一された露出度の高いレオタード。思わず真っ赤になって狼狽える。
「何これ似合わな……恥ずかしいのさ!? って、もしかして晴汰くんも――!?」
ばーん、という効果音が欲しくなるほどの似合いっぷりであった。晴汰は細身のベストとパンツに身を包み、珂奈芽とお揃いの蝶ネクタイを締めている。
「結構格好良いっすね、ありかもっす」
本人もスタイリッシュなバーテンダーの衣装に満足していた模様だが、珂奈芽の変身に気が付くなり驚いたように目をみはる。
「珂奈芽、それ――……!?」
正直、なかなかであった。
うっかりと凝視しかけてしまい、慌てて自分の顔を覆い隠す。珂奈芽も珂奈芽で、年並みの胸元を両手で隠しながら「わーん!」と叫んだ。
「こ、こんなみったぐないの見ないでー!?」
「いや、全然問題ないっすよ! ね!?」
すかさず兎ricoに振ると、3人とももの凄いいきおいで首を縦に振る。
「はい! おふたりとも超いけてます!」
「かわいい! かっこいい!」
「……写真撮らせてください」
それはもう、大盛り上がりのバーチャルアイドルたちであった。
「あの、無視しないで頂けますかね?」
かやの外から遠慮がちに声をかけるバアル・コーウェンの背後に瞬間移動した珂奈芽は耳まで真っ赤になりながらも、開き直った。
「こうなったらバニーさんらしく華やかに……舞うのさ、翠護鱗!」
およそ万華鏡のように美しい模様を描いた結晶の輝きはバアル・コーウェンの全身をくまなく抉り斬り裂き、無数の傷を与える。
「ぐぅ……!!」
悔しげな呻きに、兎ricoが歓声が被さった。
「きれい! 強い!」
珂奈芽はぷいっと後ろを向いて――そうするとお尻の丸い尻尾が見えて余計に可愛らしいのだが――拗ねたように言った。
「も、もうこんな格好見させないんだからっ!!」
「えー、もったいないです! バーテンダーさんもすっごく似合ってるのに……このままどこかのお店で働きませんか?」
「そうっすねえ」
名案を思い付いたとばかりに手を打った晴汰は片目をつむって申し出た。
「お酒は出せないっすけどカフェオレは結構得意っすよオレ。今は無理だけど、後でどうっすか? ごちそうするっすよ!」
「やったー!!」
飛び上がって喜ぶ兎ricoたちは、楽屋で襲われたことも忘れてしまったかのように嬉しそうだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サージェ・ライト
(天井裏からしゅたっとバアルと兎ricoの間に割り込んで)
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、世に潜み…胸が目立ちすぎて潜めないとかそんなことないもん!!(お約束
失礼、取り乱しました
女の子をバニーにするってなんかヤラシイ輩は排除します!
おまわりさんは私!(キリッ
応援してくださいね(肩越しウインク
まずはバアルを引き剥がさないと
カタールを手に接近戦
連続攻撃で追い込んで
隙を見つけて【乾坤一擲】で!
「いざ!参ります!」
UCを封じに来るでしょうけど無問題!
「必殺技が奥の手だと誰が決めました?」
カタールぶん投げからの漆黒竜ノ牙全投擲!
態勢を崩したらドロップキックをお見舞いです!
※アドリブ連携OK
「ええい、いつまでも騒いでいないで私と戦いなさいませ。このバアル・コーウェンを無視して盛り上がるなど意義あり! で御座いますよ」
痺れを切らしたバアル・コーウェンが攻撃態勢に入ろうとしたまさにその直前、突如として天井裏より飛び降りた影がある。
「誰です!?」
金髪に紫の衣装を纏った少女は忍者らしく片膝をついた体勢で顔を上げると、にこっと笑った。
「私はクノイチ、世に潜み……」
「その目立つ乳でですか?」
「――潜んでるの!! いいからそういうことにしておいて!! ……おほん、失礼。取り乱しました」
咳払いして立ち上がり、改めて名を名乗る。
「私はクノイチのサージェ。女の子をバニーにするってなんかヤラシイ輩は排除します!」
ぷるんッと大きく露出した胸が揺れた。
「いや、どの乳がヤラシイとか仰る――」
「おまわりさんは私! というわけで、応援してくださいね」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)が肩越しにウインクすると兎ricoの歓声が応える。リリもトトも、そしてココも一生懸命に声援を送った。
「やっちゃってください!」
「その衣装かわいい~。私も着てみたいなあ」
「……同意」
手にしたカタールでバアル・コーウェンを斬り払う度、声援は大きくなる。
「いざ! 参ります!」
「ふっ、既にその攻撃は見切りましたよ――」
十字を描いて突き込まれるカタールの軌跡にバアル・コーウェンはのけぞりながらも弱点を見定めようとして――すぐに気が付いた。
「何を笑っているのです?」
「策士策に溺れる……必殺技が奥の手だと誰が決めました?」
サージェは堂々と言い放ち、あっさりとカタールをぶん投げた。
「なっ、武器を捨てた!?」
「――本命はこっちです!」
瞬く間に全ての漆黒竜ノ牙全が投擲され、バアル・コーウェンの胸元に突き刺さる。
「ば、ばかな……」
「たあーっ!!」
「へぶっ!」
見事にドロップキックの靴裏が顔面に炸裂。バアル・コーウェンは綺麗に吹っ飛び、背中から壁に叩き付けられるはめになったのである。
大成功
🔵🔵🔵
樹・さらさ
アドリブ歓迎
おやおや、こんな可愛らしいお嬢さんたちに迷惑をかけようとは。
猟兵が十分に揃っているようだ、【Aspetto del cavaliere】花吹雪と共に転移でお嬢さんたちを守るような位置に登場するとしよう。
「ふふ……守りに来たよ、お姫様」
あまり広い場所ではないけれど、それならそれなりの戦い方がある。
あまり動き回らず剣を舞うように振るい、衝撃波を叩きこもう。
バアルと言ったかな、これ以上誰にも指一本とも触れさせないさ。
君の舞台は終幕、退場してもらうよ。
いつまでも板の上に残り続けることほど、無粋なことは無いからね。
プレハブのような簡易楽屋は意地でも退けぬバアル・コーウェンにとって背水の陣とも言うべき様相を呈している。
「い、いかん、このままでは何の収穫もないままやられてしまう……! かくなる上は疑似生命体だけでもミズ・ルチレイテッド様の元へ――」
しかし、彼の浅はかな考えは花吹雪と共に現れた剣閃の前に潰えた。
「あ――新手か!!」
「ふふ……守りに来たよ、お姫様」
まるで今しがた童話の世界より飛び出して来たかのような美貌の王子様――樹・さらさ(Dea della guerra verde・f23156)は背後にリリたちを庇い、透き通った声で囁いた。
「ッ――」
3人は陶然と言葉を失い、ぽかんと口を開けたまま頷くことしかできない。
「ど、どうやって一瞬でここまで……!?」
「花の導き、かな。既に猟兵が十分揃っていたようだしね、造作もない」
事も無げに説明すると、バアル・コーウェンは悔しげに顔を背けて呻くのであった。
「ま、眩しい……! 何という非の打ちどころのない美形か! これならさぞかし私好みの姿になりそうで御座いますな――!?」
「好きにしたまえ。どのような姿になろうと、私は私だ!」
必要最小限の動きで距離を詰めるさらさがバアル・コーウェンの放射する光の膜を潜り抜けた途端、声援を送っていた兎ricoの間から拍手が巻き起こる。
「――きゃあぁあああッ!!」
「どうしよう……バーテンダーに扮する王子様、尊い……」
「……ぶらぼー」
衝撃波を叩き込まれ、尻もちをついたバアル・コーウェンの眼前に剣先を突き付けたさらさが高らかに宣告した。
「バアルと言ったかな? 君の舞台は終幕、退場してもらうよ」
――見苦しい抵抗はやめて潔く散れ、と言っているのだ。
「これ以上誰にも指一本とも触れさせないさ。この私とまみえたことが運の尽きだったな」
さらさは優雅に腕を引き、その喉元を狙って剣先を奔らせた。
大成功
🔵🔵🔵
神咲・七十
NGなし・アドリブ・連携お任せ
好きな対象が男女両方で広いのか、服装が二種類しかなくて狭いのかどっちと捉えたらいいのでしょう?
(とりあえず大剣と尻尾で接近戦を仕掛けようとして)
あ、バニーガールの衣装になってる・・・
私の場合、自前があるのですが、違和感とかないですかね?
(着やせ(胸回り)していたのがシルエットがラインが見える衣装に変わってどんな感じか兎rico達に聞いてみる。徐にポーズとか取りながら)
まぁ、いいならいいのですが・・
今攻撃しないでくださいね、折角の衣装が汚れるでしょう?
あ、私は攻撃しますよ。変態滅殺です。
(UC『制約:征服者』の結界と大剣の攻撃で倒しにかかります)
兎もたまには噛みます
戦場の支配権は既に猟兵たちの手にあった。窮地に追い込まれたバアル・コーウェンに出来る事と言えばまさに悪足掻き以外の何者でもない。
「せめて、一人なりとも道連れにしてやりますよ……!!」
今にも躍りかかろうとしていた神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)は自分がバニーガールの衣装に変身していることに気が付いて首を傾げた。
「ふむ、こういうのもマニアックな趣味といえるのでしょうかね?」
自前の尾を掴み、どうなっているのか確かめる。元々ある尾は兎のぽんぽんのような丸くて白いそれの真ん中から生える形で突き抜けていた。
「ああッ、完璧なはずの私の好みが!?」
ショックを受けるバアル・コーウェンに七十の追い打ちが拍車をかける。
「うーん。思ってたんですが、ちょっと好みが狭すぎるのでは?」
「ぐさッ!」
「あぁでも、好きな対象が男女両方ということで広いのでしょうか……皆さんはどう思われます?」
腰を捻り、頭の後ろや腰に手を当てポーズを取りながら尋ねると兎ricoの3人は即答だった。
「いけます! このバニーさんなら同性でも悩殺ものです!」
「かわいいよ……! 私もあれくらいおっきなお胸がほしいよ……!」
「けっこんしてください」
七十は「ふむ」と指先を唇に当て、「いいならいいのですが」と頷いて戦場全体に征服者の結界を張り巡らせた。
「なに勝手に逃げようとしてるんですか、バアル・コーウェンさん」
「ちッ、気付かれては仕方ありません。ならば玉砕覚悟で――」
「今攻撃すると折角の衣装が汚れてしまうと思うのですが?」
「はッ」
しまった、それでは理想の姿が失われてしまうではないか。ただし七十は遠慮なく変態滅殺させてもらうわけで、この鉄塊剣の一撃を受けてみよ――!
「がッ――……」
バアル・コーウェンは真っ二つになりながら最期の言葉を残して消え去った。
「あぁでも、ちょっとだけ本望なのかもしれませんね。バニーガール万歳! たまには噛んじゃう兎ちゃんラヴ!」
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ミズ・ルチレイテッド』
|
POW : インクルージョン・ウェポン
【掌から生成したルチルの弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : クロックパルス・イベイジョン
【水晶振動子を利用し、完璧なタイミングで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : クリスタライズド・バレット
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【透明化させたルチル弾】で攻撃する。
イラスト:+風
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠椎宮・司」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「まさか、あの傲慢な自信家のバアル・コーウェンがこれほどあっけなく倒されてしまうとは……! さすがエメラルドお嬢様を追い詰めた猟兵、舐めてかかっては私の身も危ういですね。ならば、よろしい。悪の組織『宇宙船団ルチレイテッド』本部にある私の居室にご招待いたしましょう」
ミズ・ルチレイテッドは宇宙船からテレポーテーション用の装置を発動し、楽屋内部にいた者たちを自分の元へと転送した。
「――ようこそ、諸君! 私は首領のミズ・ルチレイテッドだ。バアル・コーウェンを見事倒したことは素直に賞賛しよう。だが、私は彼とは違う。恐るべき命中率を誇るルチルの弾丸、これが貫く前に疑似生命体を置いて引き返すというのならば見逃してやろう。だが、そうでないならばここが君らの墓場となるだろう! アハハハ、ハハ……――っくちょ、ぇほッ」
フィッダ・ヨクセム
渡す?渡さない?どちらにしても却下だ
俺様のメイン攻撃は万年筆で空中に描く事で発動する魔法だ
描いた文字は具現化するぜ?
火とか幾つも描いて、投擲目眩ましをする
メインアタックはハイエナがやるさ、多分
攻撃を除ける時はパフォーマンス重視でアクティブに務める
単独より、頭数は多い方がいいよな
未来一週間分くらいの眠気と睡眠時間を代償に喚ぶけど
ハイエナに自由行動させるし、連携強引にとらせる
……眠気無くてスッキリし過ぎてるし炎の全力魔法でハイエナのブレスの威力を底上げするわ
傅けバカ犬、今の俺様は気分がいい!
ルチル弾?ハハ何言ッてるかわかんねーけど、石か何か?
そんなの、焼き焦がして価値を落としたら……ガラクタだろ?
「見逃してやるとか墓場になるだとか、随分と大上段から言うもんだなミズ・なんとかさんよ? どちらにしても却下だ、渡すも渡さないも関係ねー」
宙を――万年筆から滲む墨の描き出す文字列、炎の図案、その他落書き――が瞬く間に埋め尽くしていった。
その効果は主に目くらまし。フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は片目を閉じて己の描き上げたペイントブギの出来を見渡した。
「ん、悪くない」
筆の乗りは上々、口笛に反応したハイエナたちが徒党を組んで襲いかかる。好きにやれ。ただし、連携は取れよ? そんじゃ――いきやがれ!
眠気は向こう一週間分が綺麗に吹っ飛び、頭はこれ以上ないほどスッキリと冴え渡る。動かし続ける筆先より揺らめいた炎がフィッダの体の底から魔力を根こそぎ持っていくほどの全力で燃え盛る。
「傅けバカ犬、今の俺様は気分がいい!」
ハイエナたちは火の海を駆け、我先にと嘶いた。灼熱紅蓮の咆哮が威力を増してミズ・ルチレイテッドを包囲し牽制。
「あッ、熱……!?」
掌に生成されていたルチルの結晶が熱を帯びて罅割れ、甲高い音を立てて砕けた。
「わ、私の結晶が、ルチルの弾丸が――!」
「ハハ! 何言ッてるかわかんねーけど、石か何か? そんなの、焼き焦がして価値を落としたら……」
――ガラクタだろ?
炎はまだ熱を上げられる。いけ、吠え滾れ。未来の睡眠時間なんざ熨斗をつけてくれてやる。
「小癪な!」
「そりゃこっちの台詞」
罅割れた弾丸はフィッダがバス停を軸に側宙した真下を空振った。
「かっこいーッ!!」
兎ricoの声援が戦場を湧かす。
「こいつらはまだ最初のバス停を出たばかりだ。出発進行、てめェを倒すまで止まらねェぜ?」
大成功
🔵🔵🔵
西塔・晴汰
【晴要】
上等っすよ、その豆鉄砲で撃ち抜けるもんならやってみろっす!
って啖呵は切るけどまぁ避けらんないっすよね
珂奈芽から守りの術を貰って前に出て
結晶と銃弾の衝突音が示す被弾点
それが急所に当たらないように最低限の回避
可能であれば槍を盾に
急所にさえ当たらなきゃあ多少の被弾は無視っす
オレが満身創痍にでも見えるっすか?
動く余裕は充分残ってるんっすよね
相手に必要な集中の時間は十秒
撃ち切らせちまえば十秒丸々と言わずとも隙はできる
どれだけ被弾しても身体さえ動きゃ、飛び込んで一撃叩き込んでやる――と見せかけて
本命は珂奈芽っす
オレが稼いだ分の隙に、取っておきの一撃を期待するっす
最後に撃ち貫くのはオレたちの一撃だ!
草守・珂奈芽
【晴要】
偉ぶったクセに噎せてカッコ悪くない?
クリスタリアンとしてはカッコいいとこ見せて勝たねば!
バニーだけど!
命中しても防いじゃえば関係なし!
翠護鱗の結晶を晴汰くんの周りに展開、〈多重詠唱〉で追随制御!
「宝石には宝石を、なーんてね!」
〈盾受け〉しつつ、防げなくても衝突音が弾を知らせれる筈。
ホントはケガする無茶なんてしてほしくないけど、信じてる。
だからその頑張りに応えなくっちゃ!
晴汰くんが作った隙で背後を取って、UCで掌底!
なんちゃってだけど当たれば動けないっしょ?
そこから雷〈属性攻撃〉でハイキックっ!
「迅雷一閃、砕けちゃえ!」
バニーの格好なら足をスラッと魅せれる筈。
かっこよく派手に決めるのさ!
「アハハハ、ハハハハハ!」
激しい炎に撒かれながらも、ミズ・ルチレイテッドは高笑いした。ほとんどやけくそだが悪役にも意地がある。
「アハハハ、ハハハ! 美しい炎だ! だが、この程度で私は死なん! アハハハ……!! ハハ、けほッ、ごほん!」
肝心なところで噎せていまいち決まらない相手に、草守・珂奈芽(小さな要石・f24296)は人差し指を突き付ける。
バニー姿のままで。
大事な事なので二回書く。バニー姿のままで。可愛らしい兎耳を揺らし、「おしおきよ!」とばかりにきりっと告げる。
「墓場になるのはあんたの方さ! 晴汰くん、頑張ろっ!」
「上等っすよ、その豆鉄砲で撃ち抜けるもんならやってみろっす!」
翠護鱗の結晶が西塔・晴汰(白銀の系譜・f18760)を守護し、ルチル弾による射撃を弾き返した。多重詠唱による臨機応変な操作術である。
「宝石には宝石を、なーんてね!」
衝突による奏音を頼りに晴汰は乱れ飛ぶ弾丸をかいくぐる。前へ。一歩ずつ、確実に。
「これで終わりだ!」
「――まだだ」
眼前にかざした槍を盾に、逸れた流れ弾が腕や足を掠めるのも構わず――前へ!
「なに!?」
遂に武器の届く距離にまで詰め寄った晴汰は、にやりと笑んで槍を構えた。この身を流れる血は勲章。傷を受ければ受けるほどに力を増す、赤き戦化粧だ。
「オレが満身創痍にでも見えるっすか? 動く余裕は充分残ってるんっすよね」
ただし、と最後の一歩を確実に跳んで。
「そっちに時間の猶予はあるっすかね? 集中に必要な時間は十秒。それだけあれば充分過ぎるっすよ」
「く――!!」
ミズ・ルチレイテッドは凝視した。あの槍を躱すには出どころを見切り、タイミングを合わせて後ろへ退いて――誰でもそう考えるだろう。
「はぁッ!」
まさか、その背後に回り込んだ珂奈芽の掌底が待ち構えているとも知らずに。
「ば、馬鹿な……!?」
「いけ、珂奈芽!」
晴汰が拳を握りしめ、叫んだ。
「最後に撃ち貫くのはオレたちの一撃だ!」
ミズ・ルチレイテッドは感電が効いて動けない。兎ricoたちは固唾を飲んで見守っている。
「迅雷一閃、砕けちゃえ!」
すらりと伸びた網タイツの脚と高いヒールによるハイキックは色々な意味で破壊力満点で、相手の顔面へ見事決まった途端に拍手喝采が鳴りやまなかった。
「「「「か……っこいい―――――ッ!!!」」」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
サージェ・ライト
え、見逃してもらえる?
ちなみに私、12歳バーチャルキャラクターなのですが
この場合見逃してしまってもミズ・ルチレイテッドさん的には大丈夫なのでしょうか?!
まさか…ケモミミじゃないと萌えない?
とボケてみたものの
クノイチ的に逃げはありませんし
サージェナイトとルチレイテッドクォーツ
針入り水晶同士仲良くしましょ?
漆黒竜ノ牙を両手に接近戦を仕掛けます
ルチルの弾丸はスライディングで回避しつつ
即座に反撃の漆黒竜ノ牙の投擲をお見舞いです!
無手で懐に飛び込んだら【VR忍術】
「必殺!両手からルチル擬きの術!」
なんとなくルチルっぽい柱状のものを突き出した両手から射出して殴打!
ふふん、真似っこです!
※アドリブ連携OK
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
ん~、何でしょうこの人に抱く感じ?
ひとまず戦いますか(お菓子もぐもぐ)
(UC『万花変生』を使用。ルチル弾を通さない硬度以外普通の花びらを周囲にばらまき、弾丸を寄せ付けずに一気に大剣と尻尾の連帯近接攻撃を仕掛け)
もしかして、そっちが素です?
う~ん、やっぱり貴方って・・・
(隷属させる植物をこっそり植え付けながら、そのまま近距離攻撃で弱らせながら、考えを決めて蔓でミズ・ルチレイテッドを拘束して押し倒し)
貴方って、結構可愛らしいですね。
私のものになりませんか?
(花びらで兎ricoから見えにくくした後、そのまま隷属させ取り込もうと)
さっきの言葉の意味ですか?想像にお任せします。
「お……落ち着きなさい! ぐぬぬ、この短期間で疑似生命体の心を掴むとは猟兵の名は伊達はないということか!」
このままではバーチャルキャラクターを洗脳して秘密組織の布教活動に従事させるという計画に支障が出てしまう。
「もう一度言うぞ! 疑似生命体を置いて逃げ帰るのならいまのうちだ!」
「いいんですか? ほんとーに見逃してもらえるの?」
ミズ・ルチレイテッドの顔を覗き込み、サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)が無邪気にたずねた。
「ちなみに私、12歳バーチャルキャラクターなのですが……まさか、ケモミミじゃないと萌えない?」
「……12歳?」
「はい」
「の、疑似生命体(バーチャルキャラクター)?」
「そうです」
こほん、とミズ・ルチレイテッドは咳払いして満面の笑みを浮かべた。
「ようこそ、悪の組織『宇宙船団ルチレイテッド』へ! 君もエメラルドお嬢様の忠実なる僕となって星の大海を手に入れようじゃないか! アハハハ、ハハハ! ハハハハッ……ハァ、ハァ……さ、さすがに喉が枯れて来ました……! ところで、そちらは何を?」
「え? お茶です」
神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)はさりげなく携行用のテーブルを広げ、気に入りのカップで紅茶を嗜みつつ、持ち込んだお茶菓子をもぐもぐと食べていた。
「おいしそうですね……じゃなくて。隙ありだ、猟兵!」
だが、透明化したルチル弾を舞い散る花弁が跳ね返す。やはり、と七十はまじまじとミズ・ルチレイテッドを眺めた。この一連の仕草、行動……彼女に対する奇妙な印象が七十にある確信を与えつつあった。
「もしかして、そっちが素です?」
ミズ・ルチレイテッドは大剣を躱す方に気を取られ、足元を払う尻尾にまでは対応できない。
「わ、ととっ!? あ、あいたたた……」
「う~ん、やっぱり貴方って……」
尻もちをついて痛がる相手の姿は七十に考えを決めさせたようだ。反対側からはクナイを手にしたサージェが迫る。小癪な、とルチル弾で反撃するミズ・ルチレイテッド。
「甘い!」
サージェはスライディングし、颯爽と弾丸を躱しながらクナイを投げつけた。そのうちの幾つかはミズ・ルチレイテッドを捉え、残る数本は床上に突き刺さって逃げ場を塞ぐ。
「サージェナイトとルチレイテッドクォーツ、針入り水晶同士仲良くしましょ?」
「いいだろう、ますます君も欲しくなってきた!」
「では、勝負です!」
VRによって多種多様な忍術を具現化するサージェの十八番。輝く柱状の結晶が生まれ、
「必殺! 両手からルチル擬きの術!」
「ぐあッ――!」
サージェは思いっきりそれを叩き付けた。射出された結晶柱に殴り飛ばされたミズ・ルチレイテッドは背中から壁にぶつかり、苦しげな呻き声を漏らす。
「くっ、やはり美しい! この世で一番美しいのは宝石に他ならない――……ん? な、なんですかこの植物は……!?」
「さっきやり合った時、こっそり植え付けておきました」
「油断しました、何時の間に――あッ」
蔓が絡まり、身動きが取れない。すぐ間近に七十の顔が迫り、そして――花びらの幕がふたりの姿を覆い隠してしまった。
「貴方って、結構可愛らしいですね。私のものになりませんか?」
「な、な、な……!?」
漏れ聞こえる声と薄っすら透ける影から展開を想像するしかない兎ricoの面々は「きゃーッ!」と寄り集まってひそひそと何事かを囁き合っている。
「わ、私にはエメラルドお嬢様が――……」
ミズ・ルチレイテッドの声が次第にくぐもり、聞こえなくなった。次第に意識が遠のいてゆく。それは敗北の感情を与えられた者を取り込む、隷属の罠。
「あ、あの、さっきの言葉の意味は……?」
リリが恥じらいながら尋ねると、七十は含みを残したまま答えた。
「想像にお任せします」
大成功
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樹・さらさ
……無理はしない方が良いのではないかなレディ。
その様な仕草は君には向いていないようだからね。
君の望みは却下。
お姫様たちを渡すわけにはいかないな。
必ず、このまま指一本たりとも触れさせることなく連れ帰らせてもらうよ。
針水晶の弾丸か、例え撃ちぬかれようが退くことは無い。
Tuono verde alla fine
この舞台も終幕、先に退場するのは君さ。
悪役の最後には紙吹雪にスポットライトも必要だろう、遠慮なく受け取りたまえ。
攻撃を見切ってかわし、剣先を真っ直ぐにレディへと突きつける。
翠の雷は君の金色に映えるだろうね。
「ま、まだです……エメラルドお嬢様のため、このようなところで倒されるわけにはまいりません……!」
既に形勢逆転はほぼ不可能だということが分かっていてなお、ミズ・ルチレイテッドの忠誠心が負けを認めることを許さない。
「……無理はしない方が良いのではないかなレディ。その様な仕草は君には向いていないようだからね」
「うぐ……」
翠玉の飾りを剣の柄で煌めかせ、樹・さらさ(Dea della guerra verde・f23156)は凛として告げる。ミズ・ルチレイテッドは言い返せない。兎ricoの3人はさらさの背後に守られる形で固唾を飲んでいた。互いを抱き合うようにして寄り添い、事の顛末を見届けるつもりだ。
「王子様……」
「大丈夫。必ず、このまま指一本たりとも触れさせることなく帰らせてあげるよ」
故に、と剣の切っ先をミズ・ルチレイテッドに突き付ける。
「君の望みは却下だ――Tuono verde alla fine」
瞬間、剣を起点として翠の蕾が辺り一帯を埋め尽くすように舞い散った。
「わぁ……!」
兎rico――唯一の観客から感嘆の溜息がこぼれる。花嵐の合間に降る紙吹雪が終幕を迎えた舞台を盛り立て、悪役の退場を促した。
「くッ――」
悪足掻きの弾丸を見切れぬほど鈍くはない。さらさは僅かに顔を傾け、眩いばかりの微笑を唇に刷いた。
「さようなら、レディ。終わりは美しく散りたまえ」
そう、君の金色をした瞳にこの翠の蕾はさぞかし映えるだろうから。ミズ・ルチレイテッドの全身に皹が入る。水晶が割れる音がして、飛び散った破片が花嵐と一緒になって霧散した。
美しく、儚く。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2020年11月20日
宿敵
『バアル・コーウェン』
『ミズ・ルチレイテッド』
を撃破!
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