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めぇめぇレスキューどこへ行く

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●アニェーゼ17歳、迷宮にて一人
 ほんとに、なんでこんなことになってしまったのだろう。
 最近、同じパーティーの皆から、助けられることが多くあって。
 私は前衛で、皆を守らなきゃならないのに、皆に守ってもらってばっかりで。
 それが、私はどうしても悔しくて。
 だからニコラやアレクシアの反対を押し切って、この迷宮に一人で乗り込んだのだ。
 そうしたらどうだ。地下5階、踏み込んだ部屋は鼻を刺すような臭いで満ちていて。
 気が付いたら方向感覚が狂わされ、手足は動かなくなり、壁にもたれたらそのまま姿が変わって、この様だ。
 このまま死んでしまうのだろうか。悔しいけれど、ニコラたちが助けに来てくれないだろうか。
 そんな期待と諦念を胸に抱いた私の前に、白くてもふもふした生き物が立っていた。
「おねーさん、お手紙持ってるめぇ?」
 流暢な人語でそれは喋った。災魔だ。
 だが、聞いたことがある。どこかの迷宮に白くてもふもふな生き物がいて、助けを呼ぶ手紙を託すと迷宮に入った誰かに届けてくれると。
 私は震える右手を、懐に突っ込んだ。もしもの時のために、書いておいた助けを呼ぶ手紙。取り出して、白い生き物に差し出す。
「おねがい……たす、けを……だれかに……」
 途切れ途切れに言葉を紡いで、私は懇願した。白い生き物は手紙をじっと見つめると、そのままとててとどこかへ去っていく。
 去っていく小さな背中を、ぼんやりと見つめる私の後ろ側。蒸気の吹き出す音が、聞こえた気がした。

●災魔にも色々おりまして
「めぇめぇレスキュー、という言葉がアルダワで広まっているのを、ご存知ですか……?」
 グリモアベースにてアスター・ファラデー(ルーンの繰り手・f02089)は、猟兵たちを前にそう切り出した。
 レスキュー、という言葉に首を傾げる猟兵にアスターが説明するところによると、最近アルダワ魔法学園の地下迷宮に出現した白ヤギのオブリビオンの集団が、そう呼称されているらしい。
「めぇめぇレスキューは、助けを求める手紙を託すと、食べずに受け取ってくれて……迷宮にやって来た別の生徒に、渡してくれるんだそうです……」
 そして、今回の依頼はそのめぇめぇレスキューが絡んでくる。
 魔法学園による名称、第28迷宮。そこに無謀にも一人で乗り込んだ生徒が、迷宮内で動けなくなっているところが予知で見えたそうなのだ。
 生徒は通りがかっためぇめぇレスキューに手紙を託して助けを求めるも、レスキューのしろやぎさんも敢え無く迷子に。
 助けが来ないままに生徒は、迷宮内の災魔に殺されてしまう――これが、予知の一部始終である。
「生徒さんの行動は、無茶ですが……見殺しにしていい、ものではありません。救出と、災魔の退治を、お願いします」
 そう言ってアスターは、ヴェールを被った頭をぺこりと下げた。
 件の生徒の名はアニェーゼ・トレッカーニ。人間のマジックナイト×ガジェッティア。
 名前に聞き覚えのある猟兵がいたかもしれない。以前に第5迷宮で行方不明になった四人のうちの一人である。
 行動不能に陥ったのは、第28迷宮の地下5階。そのフロアは上階から繋がる階段のある小部屋以外はガスが充満しており、様々な薬効を持つガスが複雑に入り乱れているらしい。
 毒、麻痺、石化、睡眠、幻覚、混乱、興奮、肥満化、液状化、変身、透明化、などなど。
 一体どこから、どうやってこんな大量かつ多種類のガスが噴き出ているのか、と言いたくなるほどに、薬効ガスのカクテルパーティーと化している。
 アニェーゼも、このガスで動きを封じられてしまったようだ。その他のガスの影響を受けている可能性もあるため、早めの対応が必要だろう。
「めぇめぇレスキューのしろやぎさんは、同じく地下5階を迷子になりながら、他の生徒を探しています……生徒の救出が終わったら、対応をお願いします……」
 しろやぎさんは、手紙を持っている人の気配を察知すると、そちらに引き寄せられる性質がある。うまく利用するといいだろう。
 ……と、そこまで聞いた猟兵たちは首を傾げた。「対処」?
「はい、しろやぎさんは、とても弱いです。おまけに、それほど人間を敵視していません……お手紙を食べさせてあげつつ、構ってあげると、喜ぶと思います……」
 故に、「退治」ではなく、「対処」なのだと、アスターは言う。
 めぇめぇ鳴いたり、ジャンプしたり、お手紙をばらまいたりするものの、いずれも猟兵にダメージを与えるほどでは無いようだ。
 そしてしろやぎさんに「対処」した後は、迷宮に潜むフロアボスを倒すことが目的となる。
「地下5階は、ガスが充満しているせいか、ガスから逃れるための隠し部屋が、いくつかあるようです……ボスは、そこに潜んでいると、思われます」
 このエリアのボスは、「スチーム・エレメンタル」。何者かの魔術実験によって生み出された、蒸気を操る合成精霊だ。
 普段はケットシーほどの体格だが、怒ると体内の水を気化させて膨張、巨大な姿になって襲い掛かってくる。その姿のまま強烈な張り手を繰り出して、生じた風でこちらの動きを封じてくることもあるようだ。
 また、炎、水、風のいずれかの魔力を身に宿し、状態異常を受ける代わりに自身を強化する力も持っている。
「合成精霊は、意地悪で、乱暴で、自分を生み出した地上の人間を憎んでいます……強敵です、注意してください」
 そう言ってアスターは、腰の皮袋からルーンストーンを一つ取り出す。今回はキャスティングしている時間も惜しいらしい。
「ペオース、です。状況を正しく、ありのままに認識するのです……惑わされず、客観的に、見るといいです。ご無事をお祈りしています、皆さん」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 しろやぎさんが可愛すぎてここのところアルダワ熱がヤバいです。
 アルダワ万歳。

●目標
 ・スチーム・エレメンタル×1体の撃破。

●戦場・場面
(第1章)
 第28迷宮の地下5階です。
 様々な薬効を持ったガスが、入り口の小部屋以外の室内に余すところなく充満しています。
 オープニングに記載したガスはあくまでも一例ですので、その他の効果のガスがあるかもしれません。
 また、迷宮のどこかに迷子の生徒が一人、麻痺ガスにやられて動けなくなっています。
 探索と併せて救出をお願いします。

(第2章)
 第1章と同じく、第28迷宮の地下5階です。
 しろやぎさんはお手紙を持っていると引き寄せられるように寄ってきます。
 お手紙を食べさせてあげると満足して大人しくなります。
 もふってあげましょう。
 なお、しろやぎさんは充満するガスの効果を受けません。

(第3章)
 第28迷宮の地下5階、隠された密室です。
 ガスが届かないこの部屋が、合成精霊の拠点となっています。

●迷子の生徒
 アニェーゼ・トレッカーニ(女)
 人間のマジックナイト×ガジェッティア。
 同じパーティーのメンバーに遅れを取らないよう、日々迷宮探索に励んでいます。
 最近はちょっと焦ってつんのめり気味。
 一人で乗り込んだ第28迷宮でにっちもさっちも行かなくなり、めぇめぇレスキューに頼りつつ助けを待っています。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 冒険 『ガスガス迷宮』

POW   :    薬効を体力や気合で耐えながら進む

SPD   :    ガスを吸わないように素早く突破する

WIZ   :    ガスを止める手段がないか調べる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コエル・フーチ
強くなりたい気持ちはよくわかるが、無謀だったな
撤退するべきところで撤退を決断できるのも強さの内だよ

とはいえ……このフロアは流石にエグすぎだろ、うかつに息も吸えやしない
とりあえずガスをなんとかしないとだな

ガスが無い小部屋で、私が入れる大きさの透明のボールを「レプリカクラフト」で作る(ハムスターボールのような)
タバコの煙を利用してちゃんと密閉されているか確認したらボールの中に入り【念動力】で動かして探索する
生徒を探しつつ、ガスを止める方法を探そう【情報収集】
ガスを出してる装置とかがどっかにあるはずだ

ボールの中の酸素が無くなりそうだったり、ボールにガスが入ってきそうだったら小部屋に戻る。



 アルダワ魔法学園に数多ある地下迷宮の一つ、第28迷宮は未だ踏破されたことのない迷宮としてその名が知られている。
 生徒たちへの大きな壁として立ちはだかるのが、この地下5階の薬効ガスエリアだ。
 如何に力自慢の生徒でも、魔法の腕に覚えのある生徒でも、呼吸が覚束ないままの行動は難しい。
 おまけに麻痺や石化、肥満化や液状化など、行動を阻害するようなガスがあちこちで噴出しているのだ。
 コエル・フーチ(指先の熱・f08889)も小部屋から繋がる通路を覗き込んで、咳き込みながら顔をひっこめた。
「……このフロアは流石にエグすぎだろ、うかつに息も吸えやしない」
 愛煙家の彼女ですら咳き込むほどのガスの濃度だ。少しでも吸い込めば、じわじわとガスの薬効が身体を蝕むことだろう。
 故に彼女が【レプリカクラフト】で作り出したのは、プラスチック製の球体だ。ちょうど小動物が中に入って回せるように、一部が開いて中に入れるようになっている。
 一般的なそれと異なるのは、空気の取り入れ口が一切ない、完全な密閉空間が形成されるところである。
 中に納まって蓋をきっちり閉めたコエルは、中で煙草に火をつけた。くゆる煙が外に漏れ出ないことを確認すると、彼女は一つ頷いて小部屋の扉を【念動力】で開いて球体ごと中に飛び込んだ。
 すぐさま扉を閉めると、球体の中の空気を無駄にするまいと探索を開始する。
「(強くなりたい気持ちはよくわかるが、無謀だったな……撤退するべきところで撤退を決断できるのも強さの内だよ)」
 そう心の中で零しながら、ガスで煙る中をコエルは進む。
 道中で一ヶ所、ガスの噴き出し口を発見した彼女はすぐさま周囲の捜索を開始。
 程なくして酸素が薄くなりはじめ、そろそろ活動限界かと思われた頃合いに、それは姿を現した。
「(ガス噴出の、制御装置か……?)」
 しかし考えている暇は少ない。赤く光るボタンを近場に転がるパイプを【念動力】で持ち上げてボタンに突き刺すと。
 ボタンの光が消え、ガスが噴き出すシューという音が消えた。
「止まったか……だが他のところから出てるガスがこっちに広がってくるだろうな」
 球体の中でへたり込みながら、コエルは小さく口角を持ち上げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーファ・レイウォール
迷宮に入る前に辛いもの食べておくわ
ユーベルコードの発動トリガーとしてね

行動指針はWIZ

【視力】【第六感】【毒耐性】を利用して動けなくなっている生徒を探して救出するわ

「止める方法はないのかしらね?」
充満してるなら、衝撃波で吹き飛ばしても、一時しのぎでしょうし
根源をなんとかしないとね
周りを見渡し【情報収集】
構造理解のために【地形の利用】【世界知識】を活用するわ
鍵のかかった扉にガスを放出するためのスイッチとか、あったりしない?
自然発生のガスで無いなら、そう言うがあるはずよね。迷宮だもの。

他の猟兵との連携もとって、救出していくわよ。


ソフィア・テレンティア
迷子のもふもふやぎさんですか……これは何としても助け出して差し上げませんと……!
UC【ガジェット・ショータイム】で自身の周囲に球状の空気層によるバリアを展開させるガジェットを召喚。ガスの影響をシャットアウトしてそのまま迷宮内を駆け抜けます。もふもふタイム……もとい迷子の方々の為にも、時間をかけていられません。まずは生徒の救出を急ぎましょう。



 階段のある小部屋で、リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)は激辛麻婆豆腐を大皿からかっ込んでいた。
 それはもう、飲み物を飲むがごとくの勢いで。
 その様相を傍らで見ていたソフィア・テレンティア(ミレナリィドールのシンフォニア・f02643)が、怪訝な表情をしてリーファに声をかける。
「リーファさん、あの、その辛そうなお料理は……」
 声をかけられ、口をもごもご動かすリーファは、ごっくんと麻婆豆腐を飲み込むと口を拭いつつ視線をソフィアに向けた。
「うん?ああこれ、私のユーベルコードは激辛料理が発動トリガーだからね。これからの探索の為に食べてるのよ」
「はぁ、それはまた……」
 再びものすごい勢いで麻婆豆腐を口に流し込み始めたリーファから、ソフィアは視線を逸らした。
 そのまま上を見上げて、ぐっと拳を握る。
「迷子のもふもふやぎさんですか……これは何としても助け出して差し上げませんと……!」
「いややぎさんも迷子だけど、まず助けなきゃなんないのは生徒の方だろ」
「はっ、つい間違えました」
 ソフィアの口から漏れだした欲望駄々洩れの独白に、麻婆豆腐を食べ終わってすぐさま突っ込んだリーファである。
 かくして準備が整った猟兵二名、迷宮の中へと踏み込んでいった。
 ガスが充満する中を無策で、というわけでは勿論ない。カギを握るのはソフィアの操る珍妙な形のガジェットたちだ。
「私のガジェットで空気のバリアを作りますので、リーファさんは探索の方をお願いします」
「助かるよ、ありがとう」
 空気を絶え間なく吐き出して清浄な空間を二人の周囲に作り出すソフィアに礼を述べて、リーファはくまなく周囲に目を光らせた。
 衝撃波や風魔法でガスを吹き飛ばしたとて、一時しのぎにしかならないことは百も承知。ならばガスを噴き出す元を止めて、状況をクリアにするのが重要だ。
 視界の悪い中、リーファが見つけたのは不自然に鍵のかけられた扉だ。
「この扉の向こうに、ガスの噴出を制御するスイッチとかないかしら?」
「電子錠のようですね。ハッキングしましょうか」
 ソフィアが扉の鍵に手を触れ、瞬時に侵入とロックの解除をこなしてみせる。そして扉を開いた途端に。
「わっ!?」
「うっ!?」
 室内に充満に充満を重ね、高密度に蓄積していたガスが、圧力を伴って二人を襲った。
 ガジェットによる空気のバリアも押しのけて、ガスに巻かれる二人が部屋の中で目にしたものは。
「スイッチ……やっぱりあったか、ここに」
 リーファが咳き込みながら光るボタンに近づいて、指で押し込むと共に、周囲で聞こえていたガスの噴き出す音が止まる。
 徐々に薄れゆくガスの臭いにほっとしたリーファが振り返ると。
 そこにいるはずのソフィアの可憐な姿はなく、代わりにあるのはグルメなしろやぎさんの姿。
「え?あれ、ソフィア、どこ行った?」
「えっ、私はここにいますけれど……リーファさん、そこにいるんですか?」
 しろやぎさんがソフィアの声で首を傾げた。
 そしてソフィアも、目の前にいたはずのリーファがいつの間にかしろやぎさんになっていて、大いに混乱していた。
 幻覚効果を持つガスに混じっていた変身効果のガスによって、二人が本当にしろやぎさんになってしまうまで、あと少し。
 小部屋に戻ってきてから二人は大層可愛がられたそうである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鮫兎・醒闇
「ガスも食糧だと思えば全てパワーに変換できるわ!」(超理論)

特に肥満化ガスとかは私のユーベルコード暴飲暴食グラトニーモードと相性抜群だから!ガスを吸いながら体の太るスピードが速くなる方向にむかって突撃よ!巨乳化とか風船化とか肥満化ガスが噴き出す場所に着いたら、ガスの噴射口から直接ガスを吸い上げて、ガスが尽きるか私の膨らんだ肉体でガスが封鎖されるまで耐えれば勝ちよ!これでみんな探索しやすくなるでしょう?(限界を超えたバニースーツが弾け飛び肉塊になりながら)

「…ふう、ふう、ごちそうさま。」



「ガスも食糧だと思えば全てパワーに変換できるわ!」
 鮫兎・醒闇(兎と鮫となんかの触手・f02122)はそう一言叫ぶと、ガスへの対策を一切しないままに迷宮の通路に飛び込んでいった。
 普通に考えれば自殺行為にもほどがあるが、彼女の場合「ガス=食糧」という謎の恒等式を脳内で成立させることでどんどん自らの中にパワーを蓄積させていった。
 どんなガスも食糧と思えばパワーに変換できる。常人では辿り着けない境地に両足を踏み込みながら、醒闇はガスを食らい、食らい、その体重を増加させながら突き進んだ。
「はぅっ、こっちの方に進んだらより一層身体が太っている気がするわ、行かなきゃ……あれ、その方向ってどっちだっけ、まぁいいわこっちだわ……!」
 見る見るうちにその肉体をむっちりどころかでっぷりまで膨らませ、兎・鮫のみならず熊・狐・山猫・蜥蜴・カラス、とキマイラどころかスキュラのような肉塊に変貌しながらも、醒闇の進撃は止まらない。
 混乱、興奮のみならず、毒やら麻痺やら石化やら液状化やらの状態異常も受けているようだが、気合で行動していた。
 そして醒闇が迷宮の中を這いずるようにして進みながら発見したのはガスの噴出口。
 醒闇はしかと認識する。このガスは「肥満化」のガスだと。
「はむぅん!」
 災魔もかくやという咆哮を上げながら、醒闇はガスの噴出口に食らいついた。口を液状化させて噴出口に密着させることも忘れない。
 果たして、逃げ場を失ったガスはその全てが醒闇の体内へ。そのガスを食らう醒闇は正しく化け物へと変じながら、その身体で迷宮の通路を塞いでいく。
 身体で隙間なく通路を塞いでいきながら、立ち止まったことでようやく効果を発揮した石化ガスが彼女の肉体を石へと変えていく。
「(これで、みんな探索しやすくなるでしょう……?)」
 石化に身体を侵食され、薄れていく意識の中で醒闇はそう思考した。
 而して彼女が身を挺して吸い尽くした肥満化ガスは無効化され、彼女の肉体で塞がれたガスは行き場をなくし、ただ排気口に吸われるだけとなったのである。
 ちなみに肉塊や怪物像どころか石壁となった醒闇は、探索が終了して猟兵たちにその存在を気付かれるまで、石壁として噴出口を塞ぎ続けたのであった。
 早いところ変身の効果が切れることを願うばかりである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アガト・シレスティアル
『にゃん銃士』の三人とシャーくんでいくにゃ!
「しゃーん!」

ガスを止める手段がないか情報収集
世界知識で迷宮の罠の解除スイッチのある場所に一定の法則が無いか
考えながら探索にゃ
後、武器にガスの影響が無いなら、シャーくんに押してもらうとかもできるにゃ?
壊して問題が無いなら
生徒さんを早く救出するためにレーヴェにゃんに壊してもらうにゃ

レーヴェにゃんは気合、夜船んは素早く行くらしいけど
二人がヤバくなった時の為にシャーくんランドへご案内!の準備をして置くにゃ
隠し部屋に逃げ込めれば問題ないけど、いざという時の避難先にゃ
「しゃっしゃーん!」
シャーくんも痛くしないと言ってるから、安心して吸い込まれるにゃ

アドリブ歓迎


夜船・熊斗
アドリブ歓迎
チーム『にゃん銃士』で行きます……あっしは熊ですが

あっしはアガト君からの情報を元に
ガスを吸わないようにシーブズ・ギャンビットで素早く動いてガスを止めるか
隠し部屋の位置が分かればアガト君を抱えてそこに飛び込んだりするとかでしょうか……あっ、レーヴェ君は片手で抱えられないサイズなので
気合で頑張ってください。応援してます

それにしても……液状化や変身とか面白い効果のガスがあるんですね
……昔、この迷宮を創造した人々の中に同好の士がいたんでしょうか?
変身ガスが無機物に変身するか分かりませんが……

そういえば最近敷物として過ごしたことがありませんね
今度夜船家に帰った時は当主様に座ってもらいますか


レーヴェ・ナハトシッフ
『にゃん銃士』で行く
アドリブ歓迎だ

薬効を体力や気合で耐えながら、勇気を出して進む
アガトがガスを止める手段を見つけたなら俺が代わりに実行したり
壁を確認して隠し部屋が無いか調べる余裕があれば調べる
野生の感や第六感、視力が役立つと良いが
壊して問題ないなら大地破壊で罠を壊す

アガトや熊斗がガスを吸わずに進めるよう
鉱山のカナリアのようになれると良いんだが……
石化や液状化、混乱などで行動不能になる前にアガトの持ってるシャーくんに触れてシャーくんランドへ

液状化はスライム程度なら自力で戻れるが
変身は無機物になったら動けないから
体の異変を感じたらすぐ二人の元へ戻る

……救出が終わったら応援してる熊斗の本体を踏むか



 チーム【にゃん銃士】の三名も、協力しながら迷宮の中を探索していた。
「ガスの噴出を止めるスイッチ、何ヶ所か見つかっているにゃ。場所に法則性はないかにゃ?」
「しゃっしゃーん」
 鮫剣のシャーくんを抱えるアガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)と。
「アガト君、隠し部屋の場所が分かったら教えてください……あっしが抱えて飛び込みます」
 アガトを背中に乗せながら受け取った情報を元に周囲を見渡す夜船・熊斗(白熊の敷物な熊獣人・f10387)と。
「無理はするなよアガト、熊斗。いざとなったら俺が守って……ゴホッ……」
 二人の先頭を鉱山のカナリアよろしく進みながら、気合でガスを乗り切るレーヴェ・ナハトシッフ(バンダナマフラーが風になびく・f04940)の三名だ。
 もう一度言う。レーヴェは気合で薬効ガスに耐えている。つまり防御らしい防御はしていない。
 後ろを行くアガトと熊斗も、防御らしい防御をしているわけではない。熊斗が【シーフズ・ギャンビット】を用いて高速で行動し、ガスを避けてはいるものの、アガトが上に乗っていることもあって出せる速度には限度がある。
 毒や麻痺、混乱や石化、興奮あたりは気合や気力でなんとか出来る向きもあるだろう。
 しかし肥満化や液状化、変身や巨乳化などといった変化系のガスは、気合で耐えようとしても出来るものではない。というかしようがない。
 つまり、気合で耐えることのできないガスには無防備な三人である。
 よって。
「あははー、シャーくんがいっぱい空を泳いでいるにゃー」
「しゃーん!?」
「レーヴェ君、すっかりこう……頭の先から尻尾の先までドラゴンになっちゃいましたね……」
「そういう熊斗こそ、さっきから目が血走っていて鼻息が荒いぞ」
 なんかもう、混乱と興奮と変身とで惨憺たる有様だった。それでもしっかり探索を進めているあたりが流石である。
「にゃー、あそこになんかあるにゃー」
「あっ、ガスの噴き出し口ですね。レーヴェ君」
「任せろ、ぶっ潰す!」
 すっかり肉体がドラゴンと化したレーヴェがガスの噴出口を押し潰し、そこで三人はようやく顔を見合わせた。
「回復しないとまずいにゃ?」
「もっと早くに回復するべきだったのでは」
「何を言う、俺はまだやれるぞ」
「レーヴェにゃん、液状化も食らってるにゃ?前脚溶けてるにゃー」
「あっ」
 なんとも、ぐだぐだである。そんな中唯一ピンピンしていたシャーくんがアガトの手から離れてヒレを持ち上げた。
「しゃ!」
「そうにゃ、いい加減シャーくんランドへご案内!するにゃ。隠し部屋も全然見つからないにゃ」
「行きましょう」
「そうしよう」
 三人は同時にうなずくと、一斉に床に落ちたシャーくんに触れた。
 アガトを、熊斗を、レーヴェを吸い込んだシャーくんが、ダンジョンの床に落ちたままで一声鳴いた。
「しゃーん……」
 どうやら寂しいようである。
 そしてそれを、迷宮の通路の向こう側から見つめる、白いもふもふの影が、一匹分。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

クゥ・チコット
【心情】
特殊なガスの迷宮で迷子なんて大変なのにゃ!

ライオンさんと一緒に早く助けてみせるのにゃ!!


【作戦】
※SPDで行動

ライオンライドを使って素早くアニェーゼさんを救出なのにゃ!

ガスを吸わない様に『楽器演奏』でライオンさんとは意思疎通するにゃ~。

他にもハンカチで口や鼻を覆ってガスの吸引を抑えてみるのにゃ。

普通に突破するならガスが薄い所を走るのがいいですが、アニェーゼさんを救出するならガスの濃度が濃い所進んだ方が良さそうにゃ。

ガスの濃度を目安に探索なのにゃー。

ライオンさんゴーゴーですにゃん♪

【補足】
アドリブはOKです。特にガスを吸っちゃった場合の効能はお任せしますので楽しく執筆していただければ。


ワン・シャウレン
ガスのう。
吸う吸わないはあまり影響ないと思うとったが
それだけレパートリー豊富では気楽ではおれんの。
手紙は内ポケットに確りしまい、いざ行こうぞ

ガスを避けて駆けるに限るが…水霊駆動で行けるかのう?
可能なら水の膜で自身を包み、高速移動。
使えぬ場合も出来るだけ避けて急ぐ方針は変わりなく。

途中、ガスの噴出口が分かれば口だけ潰すか埋めておきたいの。
派手に壊してはかえってガスが溢れてしまうかもしれん。

生徒は、声が聞こえないかにも注意しつつ
まずは手紙を持つ白やぎを探すのが良いかの。
白やぎに会えたら手紙の確認と、
白やぎにも一応来た道くらい聞いてみても良いか。
後は情報を元に生徒を探し、見つけ次第一度戻りじゃな


ヴォルフガング・ディーツェ
白やぎさんたらお手紙食べた、とはいかずお役目に熱心な良い子みたいだね
アニェーゼもやぎさんも助けるとしようか
【ブラックドッグ】を召喚、騎乗して周囲を見渡しマッピングしつつ進もう

先ずは持ち込み品の活用から
ガスマスクを2つ用意しつつヘルメス、「導いて」
透視でガスの噴出口が分かるなら鞭で遠距離からの破壊を試みたり、氷の【属性攻撃】での凍結封鎖を試行
難しいなら【クライミング】で壁を登りガス回避

少女に会ったら挨拶から
無茶は禁物だよ、お嬢さん。オレは猟兵、この前君を助けた人達の仲間さ

持参のノドンスを投薬し【医術】による様子観察
神経毒でも魔術毒でも効果はあるはず、必要に応じて応急処置し歩けるまで回復して貰おう



 その白くもふもふな影に、後ろから素早く近づくのはワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)だ。
「もし、そこな白やぎ」
「めぇ!?いきなりなんだめぇ!?」
 ワンに声をかけられてびっくりしながら振り向くグルメなしろやぎさん。ガスを吸っても影響を受けないとはいえ、ちょっとお疲れモードの様子。
「白やぎさんたらお手紙食べた、とはいかずお役目に熱心な良い子みたいだね」
「めぇー、それほどでもあるめぇー」
 巨大な黒犬に騎乗したヴォルフガング・ディーツェ(咎狼・f09192)が優し気な視線を投げると、しろやぎさんは頬を赤く染めながら後頭部を掻いた。このしろやぎ、分かっている。
「特殊なガスの迷宮で迷子なんて大変なのにゃ!しろやぎさん、大丈夫だったにゃ?」
 黄金のライオンさんにライドしていたクゥ・チコット(ケットシーのビーストマスター・f03424)が尻尾を振り振り、しろやぎさんを気遣った。
 ちなみにこの三名、ガスへの防備は万全である。
 クゥは口元と鼻元をバンダナで覆いつつ、ライオンさんへの指示出しを【楽器演奏】による竪琴の音色で代用、極力声を出さないように進めている。
 ワンは【水霊駆動】による水の膜でガスを完全シャットアウト、高速で移動することも出来る上に、ガスが水に触れて吸着されるおまけつき。水で洗う空気清浄機の原理である。
 ヴォルフガングに至ってはガスマスクを黒犬の分まで用意する念の入れようだ。
 よって現時点でガスの影響を受けているのは、主にクゥのライオンさんである。液状化と変身の効果がないまぜになって、金属製のブラックタールのような謎生物と化していた。
「めぇは全然大丈夫だめぇ!でも、めぇがお手紙を受け取ったあのおねーさん、まだ助けを呼べてないめぇ……」
「大丈夫にゃ、僕たちはそのお姉さんを助けに来たのにゃ!」
 クゥが液体金属ライオンさんの上で胸を張るのを見て、しろやぎさんの表情がぱぁっと明るくなった。
「本当めぇ!?よかっためぇ!あっ、でもおねーさんから貰った手紙、おやつの手紙とごっちゃになっちゃっためぇ……」
「一緒くたにしてしもうたのか……まぁいい、その女子のいた場所は覚えておるか?」
「大丈夫だめぇ!あのおねーさん、麻痺していたからきっとまだあそこにいるめぇ、案内するめぇ!」
 ワンの言葉に一つこくりと頷くと、しろやぎさんは三人を先導して歩き始めた。
 ガスの充満する通路をあっちに行き、こっちを曲がり。道中で見つけたガスの噴出口は、ヴォルフガングが鞭で一撃して潰していった。
 そうして迷宮のガスの噴出口が、ほとんど潰された頃合いに。
 まだガスが色濃く残る区域に、彼女は――アニェーゼ・トレッカーニは壁にもたれるようにして弱弱しい息を吐いていた。
「あっ、いたにゃ!……ゴホッ、ゴホッ」
 思わず声を上げ、ライオンさんを突撃させたクゥが咳き込みながらアニェーゼへと駆け寄る。駆け寄る途中で変身ガスの影響か、耳とマズルがにゅっと伸びた。
 その後を追ってアニェーゼへと近づくワンとヴォルフガングは、その有様に思わず目を見開いた。
「これは……」
「長期間変身ガスに晒されていた影響だろうね……戻すのも骨が折れそうだ」
 へたり込んでいた位置がちょうど変身ガスの吹き溜まりになっていたのだろう、元々は人間の女の子だったはずのアニェーゼは、今やすっかり獣人と呼ぶべき様相を呈している。
 状態異常の中でも「変身」はかなり特殊だ。肉体そのものの構造を変えてしまうがゆえに、長時間その変化に晒されていると変化が固着してしまう。
 猟兵は生命の埒外にいる存在ゆえに、多少の肉体変化も時間を置けば回復させられるが、アニェーゼは一般生徒で、アルダワ世界の住人。よしんば戻れたとしても相応の影響は残るだろう。
 自分を見つめる三人の「転校生」と一匹の災魔に気付いたアニェーゼが、うっすらとその目を開いた。
「あなたたちは……たすけに、きて、くれたの……?」
「そう。無茶は禁物だよ、お嬢さん。オレは猟兵、この前君を助けた人達の仲間さ」
「りょう、へい……」
 ぼんやりと言葉を反芻するアニェーゼを、ヴォルフガングはそっと抱え上げた。一番体格の大きな黒犬に乗せて運ぶのが効率が良いし、この場で治療するのは状況がよろしくない。
「とにかく、まずは階段のある小部屋に移動して、それから治療しよう。オレのノドンスの霊薬なら麻痺にも変身にも効くはずだ」
「そうじゃな、治療はお主に一任する。白やぎも、一緒に来るかえ?」
 力なくヴォルフガングに抱かれるアニェーゼを一瞥したワンが、その視線を左方に立つしろやぎさんに向ける。果たして、しろやぎさんはびしりとその右手を額に寄せた。
「めぇ!ついてくめぇ!」
 こうして、女生徒の救出としろやぎさんの救出を達成した猟兵たちは、階段のある小部屋へと戻っていくのだった。
 お待ちかねの、しろやぎさんもふもふタイムの始まりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『グルメなしろやぎ』

POW   :    めぇめぇじゃんぷ
予め【めぇめぇ鳴きながらぴょんぴょん跳ぶ】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    おてがみはりけーん
【カバン】から【何通ものお手紙】を放ち、【視界を埋める事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    めぇめぇタイム
【めぇめぇと、歌う様な鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「みんなのおかげで、おねーさんを助けられためぇ!これでめぇも上司に怒られなくて済むめぇ!ありがとめぇー!」
 アニェーゼの治療を進める中で、小部屋まで猟兵と一緒にやってきたしろやぎさんは、ぴょんぴょん跳ねて喜びを表現した。
 上司がいるのか、助けられないと怒られるのか。めぇめぇレスキュー、なんとも世知辛い組織である。
「それでそれで、みんなはめぇと遊んでくれるめぇ?めぇ、遊ぶの大好きめぇ!ゴキゲンな今ならもふるのもオールオッケーめぇ!」
 首をこてんと傾けながら、猟兵たちを見上げるしろやぎさん。
 その愛らしい姿と言動に、辛抱たまらんくなっている何割かの猟兵たちも、既にいるようで。
 本人(本やぎ?)から許可も下りた。いざ、もふもふタイムだ!


●特記事項
 この場にいるしろやぎさんは一匹だけです。
 みんなで仲良くもふりましょう。
 別のしろやぎさんが第28迷宮の地下5階をうろついているかもしれませんが、探し出しても無理やりもふるのはやめてあげてください。
リーファ・レイウォール
※連携、アドリブ歓迎

さて、気を取り直して行きましょうか

手紙は持ってきたわ
手紙の宛先は、UDCアースのとある沖縄料理店
個人経営で、このご時世にSNSやグルメサイトを使わない希有なお店。

内装も良かったし、何よりも料理も美味しかった。
中でも『ヤギ刺し』と『ヤギ汁』が絶品
感想やお礼、賞賛の気持ちを懇切丁寧に込めて書き認めてあるわ

食べさせる事が前提
でも、きちんと手書き
やや丸みを帯びたペン文字が綺麗に並んでいます

「食べてもいいのだけど……別のしろやぎさんは、同じ内容の手紙で幸せそうに昇天していったわ」
『禁断の味』らしいのよね
満足して昇天はしないでね。少なくとも、もふもふしたい人たちが満足するまでは、ね?


メーアルーナ・レトラント
よのなかには、よいしろやぎさんもいるのですね…!
おてがみむしゃむしゃしちゃうしろやぎさんだけじゃない…
よいしろやぎさんにメッ! するわけにはいかないのです。
メッ! のかわりにいっしょにきゃっきゃするのです!
メア、あそぶのはだいとくいなのです!!

なにしてあそぶのです? 追いかけっこ? あっちむいてほい?
おつきあいするのです!!
しろやぎさんがかってもまけても、メアはもふもふさせてもらいます!!

ふぁーもふもふ…もふぅ…
メアのひよキングしゃんとどっちがもふ、こうおつつけ…はっ、うわきはだめなのです!ひよキングしゃんがなんばーわん!うわき、メッ!
くぅ、でもこのもふもふに、くっぷくしちゃいそうなのです…!



 メーアルーナ・レトラント(ゆうびんやさん・f12458)は感動していた。
「よのなかには、よいしろやぎさんもいるのですね……!」
 いつもお手紙をもしゃもしゃしてしまうしろやぎさんが、お手紙をもしゃもしゃしないでちゃんと届けている。
 今日のしろやぎさんは他のお手紙と救助依頼のお手紙をごっちゃにしちゃったけれど、それはそれ。
 よいしろやぎさんにメッ!するわけにはいかないのです。メェ!ではなくメッ!しないのです。
 メッ!する代わりに一緒にしろやぎさんと遊びたい、なにせしろやぎさんも遊ぶのはオールオッケーって言っている。遊びたい盛りのそんな7歳幼女キマイラ。
 そしてメーアルーナの隣に立ったリーファが、懐から一通の手紙を取り出す。
「手紙は持ってきたわ。UDCアースのとある沖縄料理店が宛先の手紙……どこかで似たものを読んだかもしれないけれど」
「めぇに持ってきてくれためぇ?ありがとめぇ!いいお手紙は何度読んでも何度食べてもいいものめぇ!」
 リーファが差し出したお手紙を両手で受け取り、キャッキャとはしゃぐしろやぎさん。その姿を見てリーファも満足そうだ。
 手紙の宛先の沖縄料理店の売りが「ヤギ刺し」と「ヤギ汁」であることは、心の内にしまっておくとして。
 その手紙を、しろやぎさんが噛み締めるようにもしゃ、もしゃ。
 刹那。しろやぎさんの細められた瞳がカッと見開かれた。一瞬だけ。
「こっ……これはっっ!!
 得も言われぬ味の濃厚さに繊細さ、甘味と旨味とまったりとした口当たりが綯い交ぜになって口の中を支配するめぇ!!
 美味い。美味いのだが……ただ美味いだけでない背徳的な味がするめぇ!!なんだこれはだめぇ!!」
「グルメマンガじゃないんだから……まぁいいわ、この手紙を前に食べさせたしろやぎさんは消滅してしまったから」
「刹那的な美味しさだっためぇ!?」
 めぇめぇさん、食べかけのお手紙を口にくわえたままショックを隠し切れない。
「おてがみたべおわったらあそぶのです!メア、あそぶのはだいとくいなのです!!」
「めぇー!一緒に遊ぶめぇ!なにするめぇ?なにするめぇ?」
「なにしてあそぶのです?おいかけっこ?あっちむいてほい?」
 きゃいきゃいと、向かい合って跳ね合って、仕舞いに一緒にガスが無くなった通路の方に追いかけっこをしに行ったメーアルーナとしろやぎさんを、リーファは微笑ましげに見つめていた。
 そうして待つことおおよそ5分。しろやぎさんに背後からタックルを決めながらメーアルーナが小部屋に飛び込んでくる。
「ふぁーもふもふ……もふぅ……メアのひよキングしゃんとどっちがもふ、こうおつつけがた……」
 しろやぎさんのもふもふ尻尾にひっついて、もふを堪能するメーアルーナ。その頭の上でひよキングさんがピヨ!と鳴いた。
「はっ、うわきはだめなのです!ひよキングしゃんがなんばーわん!うわき、メッ!」
 浮気は駄目、たとえ相手が良いもふもふさんだとしても!
 しかし、それでも。
「くぅ、でもこのもふもふに、くっぷくしちゃいそうなのです……!」
 めぇめぇさんの真っ白ふわふわなもふもふ振りに、離れたくなくなってしまったメーアルーナさんなのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クゥ・チコット
【心情】
遊んだりできるオブリビオンって珍しいのですにゃ~。

めぇめぇさんみたいなオブリビオンばかりだったらいいのににゃー……。

ともかく、こんな機会めったにないので楽しい思い出作るのにゃ!

【遊び】

もふもふしていいと本人からも言ってもらえたのでまずはもふもふさせもらうのにゃ!

きっと極上のもふもふなのにゃ~。


もふもふ終わったら僕はめぇめぇさんとお歌を歌って遊びたいのにゃ~。

めぇめぇタイムって歌があるのかにゃ?じゃあ、それを歌いましょうにゃ。

UC・ギフトマーチを使って『楽器演奏』と『歌唱』なのにゃ!

楽しく歌いながら、皆やアニェーゼさんも治療なのですにゃ!

【その他】
引き続きアドリブ等はOKです。


コエル・フーチ
なんか、いいやぎなんだな……オブリビオンだよな、こいつ?
うん、まあ退治しろとは言われてないし、様子見かな
ただし、オブリビオンはオブリビオンだ、一応見張りは必要だろう

飛んでしろやぎの頭の上に着地、頭の上から見張る
……という建前で、ごろごろもふもふする
あー、いい毛並みだベッドにして昼寝したい


いちおうちゃんと見張ってはいるぞ、たぶん


ワン・シャウレン
ここまで救出に協力してくれるとは良い白やぎじゃの
こちらこそありがとうの

遊べるとあらば喜んで
もふもふも皆でどんどん進めてはやぎも大変じゃろうから、余裕をもって無理のないところで。
こうしてもふるのはわしの身でも心地良く感じるのが良い

そういえば手紙を持っている人の気配を察知できるということで、
出会いやすくなろうかと、わしも出かけに用意しておったのじゃ(第1章)
内ポケットにしまっていた手紙を出して、良ければ白やぎに渡そう。

宛先は白やぎ、お前さんじゃ。
内容は簡単な挨拶と会ったらもふもふ宜しくの、という所。
食べても良いんじゃぞ。

後はその場で出来る限りながら暫し共に遊び
序にボスが居そうな所も聞ければ良いの


ファン・ティンタン
噂頼りに来てみたけれど…
しろやぎさんの餌付け会場は、ここかな?

あなたと同じしろやぎ達に何度か会ってきたけど、人々に明確な“善意”をもって接してくれる子に会えたのは初めてだよ
例え、それが仕事というカタチであっても…私は、あなたを褒めてあげたい

手紙を一通、しろやぎさんに渡す
これは“誰か”に、ではなく、“あなた”に向けて書かれたモノ
好きに食べて良いけど…
食べる前に、手紙らしく読んでくれると、書いた人も報われるんじゃないかな


差出人は明かさない

内容は、災魔に対して常々感じている思いを素直に書いたモノ

世には色んな災魔がいるけれど、あなたはあなたらしく、在り続ければ良い

困った時は、あなたが手紙を書いて、ね?


ソフィア・テレンティア
もふもふ、もふもふでございますね……。
これは中々の毛並み、モフり甲斐があるのでございます。
お一人なのが残念ではありますが……。
ここまで来た甲斐はありましたね。はい。
ですが他のしろやぎさんは……モフってはダメですか……そうですか……(残念そう)


ヴォルフガング・ディーツェ
【アドリブ・他参加者様との絡み歓迎】

アニェーゼは何とか落ち着いたかな…まだ控えているから、辛かったら言うんだよ

さて、そうしたら心行くまでもふふを堪能するとしようか…!
ところでめぇめぇさん的には狼に触られるのはありなのだろうか

オレは…そうだねえ、やっぱりお手紙を書いてみようかなあ
いつも頑張ってくれてありがとう、これからも体に気を付けて頑張ってね、と…あと、お名前とか連絡先も可能なら教えてね!

書いたものは恭しく献上して味わってもらおうかな
…は、ちゃんとした紙としか考えてなかったけど、これひょっとして羊皮紙じゃあ…!
や、やぎとはまた違うからセーフかな、どうなんだろ…あ、味はどうかな…?(どきどき)



「なんか、いいやぎなんだな……オブリビオンだよな、こいつ?」
「めぇめぇさんみたいなオブリビオンばかりだったらいいのににゃー……」
 コエルとクゥが、猟兵たちに囲まれてきゃっきゃとはしゃぐしろやぎさんを見やりながら告げた。
 そう、このしろやぎさんも立派なオブリビオンです。アルダワの世界で言えば災魔です。
 ただ他の災魔と違って、職務に忠実でいい子なだけなのです。
 ほらこの世界、他にも穏やかな災魔っていますし。モフィンクスとか。蜜ぷにとか。とろりんとか。
「ここまで救出に協力してくれるとは良い白やぎじゃの、遊べるとあれば喜んで遊んでやろう……と、その前にじゃな」
 同じくしろやぎさんを微笑ましい眼差しで見ていたワンが、上着の内ポケットから一通の手紙を取り出した。
 それを見て先程に地下5階に降りて来たファン・ティンタン(天津華・f07547)も、一通の手紙を手に取る。
 手紙の気配を察知したしろやぎさんが、二人の元へととてとてやって来た。
「めぇー?おねーさんたちもお手紙持ってるめぇ?」
「そうじゃな、宛先は白やぎ、お前さんじゃ。食べてもいいんじゃぞ」
「これは“誰か”にではなく、“あなた”に向けて書かれたモノ。好きに食べて良いけど、食べる前に、手紙らしく読んでくれると、書いた人も報われるんじゃないかな」
「めぇめぇ、二通とも読んじゃっていいお手紙めぇ?郵便屋としては配達前のお手紙を開封するのはポリシーに反するけれど、めぇ宛てのお手紙と言うのなら問題ないめぇな」
 そう言いながらしろやぎさんはワンの手紙とファンの手紙の封を切った。中から便箋を取り出して、書かれた文章に目を通す。
 すると。
「ふっ……ふぐっ……」
 しろやぎさん、ぽろぽろと涙を零し始めた。突然どうしたのかと、ワンとファンが慌てて傍に寄って肩を抱いた。肩を震わせながらしろやぎさんが涙声で言うことには。
「お手紙って……お手紙ってやっぱり、とってもいいものめぇ……
 めぇたち、助けを求める以外のお手紙は遠慮なく食べちゃうけれど、それがめぇたちのアイデンティティだから仕方ないけれど、誰かに言葉を届けることって、やっぱり大事だと思うめぇ……ふぐぅぅ……」
「……うん。世には色んな災魔がいるけれど、あなたはあなたらしく、在り続ければ良い」
 ファンがしろやぎさんの背中を撫でながらそっと優しく語り掛けると、コエルがしろやぎさんの頭の上にぽすっと乗っかった。
「そうそう。めぇめぇレスキューはちゃんと生徒たちの役に立ってるんだしな。お前はこれからも、その職務に忠実でいればいい」
「ふぐっ……ありがとうめぇ……」
 コエルが頭の上からしろやぎさんの頭をぽすぽすと叩くと、しろやぎさんは涙を流しながらこくこく頷いた。
「(これは見張り、一応こいつもオブリビオンだから見張りだ……あーいい毛並みだベッドにしたい……)」
 そんな使命と決意と欲望の狭間でゆらゆらと揺れながら、しろやぎさんの頭のもっふりを堪能するコエルを見て、ソフィアは指をくわえていた。
「もふもふ、もふもふでございますね……これは中々の毛並み、モフり甲斐があるのでございます」
 頭の上で全身でもふもふを堪能する、なんて羨ましい、叶うなら私もフェアリーになりたい。そんな想いを全身からほとばしらせつつ、ソフィアはしろやぎさんの前に立った。
 それを見て、アニェーゼの治療に当たっていたヴォルフガングもしろやぎさんの傍へと寄っていく。
「あの、もふらせていただいてもよいでしょうか」
「おっと、それじゃオレも心行くまでもふもふを堪能するとしようか……!あ、ところでめぇめぇさんは狼に触られるのは大丈夫かな?」
「狼さん、めぇを食べたりはしないめぇ?それなら全然大丈夫だめぇ!」
 そう言いつつ両腕をバッと開くめぇめぇさん、もふもふどうぞの構え。
「そういえばヴォルフガングさん、アニェーゼさんの状態はどうですにゃ?」
「うん、もう大丈夫だろう。変身も九割方解除できた……尻尾だけは残ってしまったし、何かの拍子にまた変身が起こる可能性はあるけれど」
 クゥが小部屋の隅で寝息を立てるアニェーゼに視線を向けながら心配そうに言うが、ヴォルフガングは柔らかく笑ってそう言った。
 視線の先のアニェーゼは毛量の豊かな長い尻尾を生やしているものの、全身を覆う毛皮も鋭い爪も今はなく、ちゃんと人間らしい姿をしている。尻尾についてはアクセサリーと誤魔化すことで何とかできるだろう。
 ともあれ、始まるソフィアとヴォルフガングのもふもふタイム。その巧みなテクニックに、しろやぎさんの表情がまさしく天にも昇りそうな勢いである。
 そうして一通りもふったところで、ヴォルフガングがふと思い出したかのように懐から一通の封筒を取り出した。
「あ、そういえばオレもお手紙を書く道具を持ってきていたんだった。ちょっと待ってね」
「了解めぇ!それならめぇは皆とお歌を歌っているめぇ!」
「僕もお歌を歌いますにゃ!めぇめぇタイムって歌があるなら、それを歌おうにゃ」
 ヴォルフガングは後ろを向くと、しろやぎさんはびしっとてを上げた。歌と聞いて反応したクゥが竪琴を取り出す。チューニングをしてから、ワン、ツー、スリー。
「めぇめぇタイム、いくめぇ!めぇ~♪めぇ~♪」
「めぇ~♪」
「めぇ~♪」
 しろやぎさんと、クゥと、同じく歌唱の技能を持つソフィアが中心となってめぇ~と歌声を響かせる。その歌声をバックミュージックにして、手紙を書いていくヴォルフガングだったが。
「(しまった……持って来た紙、これ羊皮紙じゃないか……山羊とは違うからセーフかな、大丈夫かな……)」
 ちょっとビクビクしながらペンを走らせるヴォルフガング。そうしてめぇめぇタイムがワンコーラス終わったところで、書きあがった手紙をしろやぎさんに差し出した。
「はい、お手紙。いつも頑張ってくれてありがとう……と、あと、名前とか連絡先も可能なら教えてくれると嬉しいな」
「名前めぇ?めぇの名前は――」
「めぇめぇ8号ーーーー!!」
 しろやぎさんがヴォルフガングに名前を告げようとしたその瞬間、小部屋の扉が勢いよく開いた。その向こうからもう一匹、グルメなしろやぎさんが姿を現す。
 めぇめぇ8号と呼ばれた、今の今まで皆と遊んでいたしろやぎさんが、明らかに困惑した表情を見せた。
「めぇ!?めぇめぇ12号、ここまで上がって来ためぇ!?君の持ち場は地下8階のはずめぇ!」
「上がって来たに決まっているめぇ!生徒さん一人の救出に、一体どれほどの時間をかけているかと思ったら……生徒さん達と遊んでいるなんてずっこいめぇ!ずっこいめぇ!!」
 めぇめぇ12号が迷宮の床をダンダン踏み鳴らしながら怒っていた。もふりたそうに見ていたソフィアも手を伸ばすことを躊躇するほどの怒り具合である。
 そうして怒りのままに、めぇめぇ12号がめぇめぇ8号の手を取った。
「さぁめぇめぇ8号、遊ぶのはその辺にして詰め所に帰るめぇ!上司さんが待ってるめぇ!」
「あぁぁめぇめぇ12号、待つめぇー、まだめぇは遊びたいめぇー」
 まだまだ遊び足りないめぇめぇ8号を引っ張っていこうとするめぇめぇ12号。その背中にワンは慌てながら声をかけた。
「ちょっと待った。めぇめぇ12号、君は地下8階から上がって来たと言っとったな?それならこのフロアのボスの居場所を知らんかの?」
「ふむ、フロアボスの精霊さんめぇ?居場所なら知ってるめぇ、ついてくるめぇ」
 そうして猟兵たちは先を進むめぇめぇ12号の後をついていった。ガスの無くなった迷宮を進んで進んで、めぇめぇ12号が立ち止まったのはリーファとソフィアが発見した鍵のかかった扉の中にある小部屋だ。
「ここの小部屋には見ての通り、ガスの噴出を止めるスイッチがあるめぇが、このスイッチの他にもう一つスイッチがあるめぇ。
 スイッチがあるこの機械の横、ここにあるスイッチを押すと……」
 めぇめぇ12号がその蹄でスイッチを押し込むと。小部屋の壁が音を立てて割れていく。
 その先に現れた新しい部屋の中心に浮かぶようにして、一体の精霊が眠っていた。
「あの蒸気の精霊さんがこの地下5階のボスだめぇ。頑張るめぇー」
「おにーさん、おねーさん、頑張ってめぇー」
 そう言い残してしろやぎ二匹は部屋の奥にある階段へと駆けていく。それと同時に、蒸気を噴き出しながら目覚めた精霊が、じろりと猟兵たちをねめつけたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『スチーム・エレメンタル』

POW   :    スチーム・ジャイアント
【体内の水を気化、膨張させることで巨人 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    アンステーブル・エンハンス
【炎の魔力 】【水の魔力】【風の魔力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    スチーム・ブラスト
【大きく振りかぶって 】から【強烈な平手打ち】を放ち、【巻き起こる熱風】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフォー・トランです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「めぇめぇと煩いわ、ガスは止められているわ……一体あなたたち、どういうつもり!?」
 目覚めた蒸気の精霊はご立腹だ。どうやらこのフロアに充満していたガスも、彼女が作り出すか送り出すかしていたらしい。
 怒りによってか行き場をなくしたガスによってか、精霊の姿が見る間に大きくなっていく。その体躯は既に迷宮の天井まで届かんとしていた。
「忌々しいアルダワ魔法学園の生徒たちめ……この私をこの世に生み出したことを、後悔させてやるんだから!覚悟しなさい!」
 巨大な手でこちらを指さしながら、精霊は大きな声で吼えた。
リーファ・レイウォール
「残念だけど……アルダワ魔法学園の生徒じゃないわ」
在校生か卒業生がいたら、ごめんなさいね?

通常攻撃は、風の魔法攻撃(技能:属性攻撃、2回攻撃、スナイパー)
味方の行動を確認(目で見える範囲以外は音で判断)しながら
射線や効果範囲に誘い込み(技能:援護射撃、おびき寄せ、だまし討ち、視力、聞き耳、戦闘知識)

回避行動は【第六感】【残像】
防御行動は【武器受け】【オーラ防御】

徹頭徹尾、全力全開
開幕から、【高速詠唱】【全力魔法】のユーベルコード
「愚痴を聞いてあげてもいいけど……無力化はして貰わないと、ね?」
双戟を【誘導弾】にして【串刺し】狙い
…1発しか撃たないなんて言ってないわ

※アドリブ歓迎、連携・絡み大歓迎


クゥ・チコット
【心情】
めぇめぇさん達の応援しっかり受け取ったにゃ!
頑張って倒すにゃー。

……でもちょっと大きすぎるのにゃ~。大きくなるなんて聞いてないのにゃ~。
怖いけど攻撃が当たりやすくなったと思って頑張るにゃ。

【戦闘】
ウィザード・ミサイルで攻撃なのにゃ。

僕の『全力魔法』を受けるのにゃ!このUCなら『範囲攻撃』もできるのにゃ、大きくなった分攻撃が当てやすいのにゃー!
炎『属性攻撃』でアツアツになっちゃえにゃん!

【補足・希望描写】
アドリブOK、他の方との連携もOKです。
UCを使う時は杖を相手に向けたりして魔法を使うような描写が欲しいです。
他にも怖いの我慢して明るく元気いっぱいに戦っている感じ出せそうなら希望です。



「ちょっと大きすぎるのにゃ~。大きくなるなんて聞いてないのにゃ~」
 天井に頭をつけそうになるほどに大きくなったスチーム・エレメンタルを見上げて、クゥは杖を抱えて身震いした。
 しかしその胸には確かに、先程しろやぎさんから受け取った「頑張って」の声が響いている。
 それに敵が大きくなったということは、その分だけこちらの攻撃を当てやすくなったということだ。
 杖を握りしめて両手で構えるクゥの前にゆらりと一歩進み出たリーファが、大鎌を構えながらキッと精霊を睨みつける。
「残念だけど……私はアルダワ魔法学園の生徒じゃないわ。――猟兵よ!」
「ふんっ、私にとってはどちらでもいいことだ。居心地のいい場所だったのに、邪魔をするなら吹っ飛ばす!」
 そう大声で吼えるや、スチーム・エレメンタルはその右手を大きく振りかぶった。
「張り手が来るにゃ!」
「怯まないで、行くわよ!」
 超高速で振るわれ、熱風を巻き起こすその手を避けて、クゥを抱えたリーファが飛び込むのは「前方」だ。
 張り手の旋風が起こるのは手の外側。ならば内側に入り込んでしまえば風による行動阻害は起こらない。
 はたして二人が飛び込んだスチーム・エレメンタルの懐は、一種の安全地帯になっていた。
「バカなっ、今確かに捉えたと……!」
「甘いわね……そっちは【残像】よ!」
 自身を見下ろすスチーム・エレメンタルの顔が驚愕に染まるのを見て、リーファはにやりと口元を歪めた。その眼前に、周囲に、呼び出だされる雷の戟。
 その隣でクゥも杖をスチーム・エレメンタルの顔へと向けて、炎の魔法弾を多数生み出していた。
「炎属性攻撃でアツアツになっちゃえにゃん!」
「愚痴を聞いてあげてもいいけど……無力化はして貰わないと、ね?」
 刹那、戦場となる小部屋を閃光が奔った。
 一斉に撃ち出された炎の弾丸が精霊の腕に突き刺さって路を作ると、そこを抉じ開ける様に突き刺さった雷戟が精霊の顔へと殺到していく。
 その数、優に100本を上回る。
「ぐっ、ううううううっ!!」
 痛みと電撃に顔をしかめるスチーム・エレメンタルが薄目を開けると。
 真下にいたはずのリーファとクゥは既にそこにはおらず、再び精霊から距離を取った二人の周囲には、新たに生成された炎と雷。
「……1発しか撃たないなんて言ってないわよ?」
「まだまだ、ここからが本番にゃ!」
 それぞれの武器を精霊に突き付けながら、二人は不敵にニヤリと笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コエル・フーチ
ガスが止められたのがご不満か、料金滞納でもしてたんじゃないか?
電気と水道も止めてやろうか……ついでにお前の息の根もな

的が大きくなって当てやすいな
【高速詠唱】で『熱線の雨』を装填したダブルバレルのショットスピリッツを構え
左右2つのトリガーを引き【2回攻撃】で『熱線の雨』の熱【属性攻撃】だ
【念動力】で敵の動きを阻害した後に、更に時間差【フェイント】を入れた
110本×2発の熱線の【誘導弾】で敵を集中攻撃する

敵の攻撃は【火炎耐性】で我慢
味方の補助が必要な場合は【援護射撃】や
オナモミの光属性変換、スタングレネードで【目潰し】しよう。



 怒りに表情を歪める精霊を前にして、コエルは眉を下げつつ肩をすくめた。
「ガスが止められたのがご不満か、料金滞納でもしてたんじゃないか?」
「なっ……何を白々しいことを!」
 文字通り頭から蒸気を噴き出しながら激高する精霊の顔を見やり、すっと目を細めるコエルが返答代わりに向けるのは、ダブルバレルショットガン型の精霊銃の銃口だ。
「電気と水道も止めてやろうか……ついでにお前の息の根もな」
 その言葉と共に引かれる銃の引き金。放たれるのはただの散弾にあらず、高熱を伴う大量の魔力弾だ。
 まさしく熱線の雨の如く、スチーム・エレメンタルの身体に穴を開けにかかる。
「くっ、この程度の魔力弾など!」
 その数の多さに目を見開きながら、精霊は巨大化したその右手を振った。その手に捕らわれ、打ち払われた魔力弾の幾つかが霧散する。
 しかし、コエルは押し寄せる突風を翻るようにして躱した。その威力、確実に先程猟兵を襲ったものよりも弱い。そのまま「もう一つの」引き金に指をかける。
「な……!?」
「悪いな、【邪魔】させてもらったぞ」
 いつも通りの表情を崩さないままで、その細い指が引き金を引き絞った。
 再び放たれる、110本の魔力散弾。その光は先程よりも強かに精霊の身体を穿つ。
 両腕や胴体に小さな穴を開けられ、蒸気をその身体から漏れ出させながら、精霊は憎々し気に宙を舞うコエルを睨みつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ワン・シャウレン
しろやぎ達のおかげで楽しむ上に随分捗ったの。
その分、ここからは見合う分働くとしようぞ。

ミレナリオリフレクションでの相殺から仕掛けていくのも、と思うたが
行きにも役立った水霊駆動を使うとしよう。
それに、本領もここからじゃ!

格闘戦、その延長と補助に使うが主じゃが飛び道具にするも難しくはない。
平手打ちは大振りから見切りを、
敵の強化は慌てず、カウンターやフェイントも織り交ぜいなすことも重視して。
巨大化を見れば水で積極的に削りに行こう。
仕掛ける隙を見つければ水纏う拳撃・蹴撃、存分に叩き込んでやろう。
ここのボスじゃ。甘くは見れぬが、それでも攻め手は緩めず行こうぞ。



 コエルの放つ攻撃を追うようにして、スチーム・エレメンタルに接近していくのはワンだ。
 その身の周囲に、ふわりと浮かぶ数多の水球。使い続けるごとに寿命を削る故に多用は出来ないが、本領発揮と行かねばしろやぎ達にも申し訳が無い。
「しろやぎ達のおかげで楽しむ上に随分捗ったの。その分、ここからは見合う分働くとしようぞ」
「水霊の力か……舐めないで、その力を使えるのはお前だけではないのよ!」
 蒸気が抜けて本来のケットシー程度の大きさまで戻った精霊が吼えると、その身を濃密な水の魔力が覆った。
 同時に予兆なく、精霊の両脚に夥しい数の切り傷が生じた。その傷からだらだらと血が流れだすのも厭わずに、精霊はワンへとその腕を振るう。
「流血の代償か……それでも構わずに接近戦を挑んでくるとは、余程腕っぷしに自信があるのかの?」
 自分に向けて超高速で振るわれた腕をいなして捌きながら、ワンはもう片方の腕で正拳突きを放った。
 挑発とも取れたその言葉に、しかし精霊は答えない。何も言わず両腕をクロスさせて拳を正面から受け止めた。しかし、次の瞬間。
「そこじゃな」
 真下から立ち上るように放たれたワンの蹴撃が、精霊の顎を強かに打った。脳を揺らされた精霊の喉から、くぐもった声が漏れる。
 そこから始まる、ワンの超高速連撃。上方から打っては前方から蹴り、下方で足を刈れば後方から頭を叩く。
 まるで何人ものワンが一斉に攻撃を加えているかのような攻撃速度に、精霊は翻弄されるしかなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ファン・ティンタン
さて、と…
やぎを愛でるだけで帰ったら猟兵の名折れだよ
仕事は、しっかりとこなさないと、ね

なんだか、最近は事情を抱えた災魔が多くてやりにくいよ
魔法学園って、実は闇深なのかな…?
まぁ、知ったことじゃないけど

この手の精霊は物理が効きにくい気がする
相手の攻撃に合わせればやり方もあるんだろうけど…
面倒臭いから、イミナ、よろしく
恨みが溜まってるみたいだし、美味しいかもよ?

【大怨声】により【呪詛】を孕む怨嗟で敵から【生命力吸収】
イミナが暴れている内は、自身は敵の攻撃を【見切り】回避しつつ【歓喜の細剣】に【力溜め】
機を見て敵に刺突、大放電の雷【属性攻撃】による【マヒ攻撃】で他の猟兵の攻撃の機会を作る

後はどーぞ



「なんだか、最近は事情を抱えた災魔が多くてやりにくいよ。魔法学園って、実は闇深なのかな……?」
 まぁ、知ったことじゃないけど、と独り言ちながら、ファンは懐から一つの手鏡を取り出した。
 しろやぎさんを愛でるだけ愛でて帰るなどしたら、猟兵の名折れ。然るべき仕事をきっちりこなしてこその、その立場だ。
 戦場にはおよそ不似合いな手鏡に、ワンの猛攻から解放されたスチーム・エレメンタルが訝し気な目を向ける。
「そんな鏡で何を……」
「ただの手鏡じゃないんだなぁ、これが。面倒臭いから、イミナ、よろしく。恨みが溜まってるみたいだし、美味しいかもよ?」
 そう誰に言うでもなく、鏡を掲げたファンが、静かにその手を放つ。
 そうすると手鏡はふわりと宙に浮かび、数度激しく震えた。然るに精霊へと放たれる大怨声。あまりにも激しい呪詛の力と怨嗟の声を、真正面から精霊はぶつけられた。
「ひ……っっぁ!!」
 声にならない声が、身を竦めた精霊の喉から漏れ出す。そうして動けずにいるその身体を見やり、ファンが腰に佩いた細剣を抜いた。
「イミナと責任とって遊んであげてくれないかな……その間に私達は私達で動くからさ」
 そうして返事を期待しない言葉をかけつつ、ファンは細剣にやどる雷の魔力を解放した。刀身に迸る雷撃と共に、精霊の肉体を一刺し。
 怨嗟と電撃、二つの相乗効果により、精霊の身体は最早自由が利かない状況となっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルベル・ノウフィル
wiz
リザレクトオブリビオン

死霊の騎士と蛇竜を呼び出して戦ってもらいましょう
死霊はどれくらい保つかわかりませんが、もし近くに味方がいるなら味方の代わりに攻撃を受けて貰ったり、目立つように動いて敵の注意を引いてもらいましょう
味方がいなくても、蛇竜と騎士とで連携してもらい、一匹が気を引き、もう一匹が攻撃する、とそういう戦術で頑張ってもらいます

僕は後ろで見学、じゃない……、
彩花を投げたりして援護します

敵の攻撃は予備動作に注目したり、第六感やダッシュで回避です
攻撃の隙をついてUC墨染で斬り伏せたいところですね
隙がなかったら死霊を囮にして作るとかでしょうか
攻撃時はもちろん、捨て身で全力を叩きこみますとも


ヴォルフガング・ディーツェ
ふふ、十分にリフレッシュ出来たし、またお仕事に精を出すとしようか

ガスの件は心当たりがあり過ぎるけれども…悪いね、売られた喧嘩は倍返しする主義なんだ
【ブラックドッグ】を召喚、連携攻撃で仕留めに掛かろう
オレは風の奔流を纏う鞭の【属性攻撃】【2回攻撃】で体内圧をかき乱しつつ攻撃、【フェイント】も交えより鋭い一撃になるように留意
わんこには異なる方位から彼女を噛み砕いて貰おう

相手の動向を良く確認、特にスチームブラストの仕草が見えたら可能な限り効果範囲からの離脱を試みよう

ヒトの勝手で造られたキミの過去は明るい物ではなかったろう
けれど、敵対する事を決めたのはキミの意志だ
なれば此処でその命、散らして貰おう



 動きを止めた精霊に向けて、駆け出すのはヴォルフガングだ。
「ふふ、十分にリフレッシュ出来たし、またお仕事に精を出すとしようか」
 床を蹴りながら黒犬を喚び出す彼の隣に立って、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)も精霊へと肉薄しにかかる。
「申し訳ないですけれども、あのガスを放置しておくことも出来ませんので」
「心当たりがあり過ぎるけれども……悪いね、売られた喧嘩は倍返しする主義なんだ」
 ガスの噴出を止めたのは確かに猟兵たちだ。それについて憤っている精霊の怒りが自分たちに向くのも無理からぬ事。
 しかし、精霊の出自が如何なるものであれ、精霊の想いがどこにあれ、迷宮の踏破のために無視するわけにいかないことも、また事実。
 黒犬と共に駆けるその隣で、死霊の騎士と蛇竜を自身の隣に喚び出すルベルは、一挙に床を蹴って後方へと退いた。
 逃げの一手ではない、自身が利用するものは全て利用するまで、それが例えオブリビオンの躯であろうとも。
「さ、戦ってもらうとしましょうか。ヴォルフガングさん、巻き込まれないでくださいね?」
「ハハッ、これはなかなか楽しい機会じゃないか!」
 猟兵の喚び出した存在であるとはいえ、オブリビオンとの共闘。ヴォルフガングは高らかに嗤った。
 死霊の騎士が真正面から斬りかかるその後ろで大口を開けて精霊に迫る蛇竜。その両者に気を取られている間を逃さずに、ヴォルフガングの駆る黒犬が食らいつく。
「くっ、うっ、あぁぁぁぁ!!」
 一気に手数が増えた猟兵たちに対抗が間に合わず、蒸気の精霊は苦悶の声を上げた。
「いい具合に効いていますね、この調子です」
 ルベルも後方から彩花を投げて援護にかかる。
 そうしてどんどんと追い詰められていくスチーム・エレメンタル。
 水の魔力を未だに宿したまま、血はだいぶ流れてしまっていることだろう。
 それも構わずに、精霊はその右手を大きく振りかぶった。
「このまま、お前らに、いいようにされてたまるかぁぁ!!」
 口を開けて吠えながら、精霊の右手がぶんと振るわれる。それを身をかがめてかわしたヴォルフガングの手が、すっと前方に伸びる。
「ヒトの勝手で造られたキミの過去は明るい物ではなかったろう。けれど、敵対する事を決めたのはキミの意志だ。
 なれば此処でその命、散らして貰おう!」
 ヴォルフガングの手に従い精霊へと食らいついた黒犬の牙が、精霊の喉元へと確かに届く。
 恐らくは、そこが力の源であったのだろう。これまでの攻撃の際とは異なる、ビキリという硬質な音が響く。
「あ、あ、あァァァァァ!!!」
 悲痛な叫び声を上げながら、その身体を縮めていく蒸気の精霊。
 やがてその身の一切を薄れさせ、一つの宝石のみとなったその姿が、まるで揚力を失ったように迷宮の床にカチリと落ちる。
「……彼の者も、この迷宮に縛られていたんだろうね」
 ほんの僅か、目を細めたヴォルフガングの靴が、床に落ちた宝石を踏み砕く。
 砂を踏むような乾いた音が、小部屋に一等音高く、響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月14日


挿絵イラスト