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よくある輸送キャラバン~とある事件の後日談&宝玉外史3

#クロムキャバリア #宝玉外史 #自動サポ人数4人(7/15の09:05現在)

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#クロムキャバリア
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●事件の顛末
 魔石の国『クライノート』。
 半年前、この国で起こったプラント施設の占拠事件、通称『クプファー事件』の首謀者、若い将校エリックは長い牢獄生活の後、死亡した。様々な理由からその処遇を決めかねている最中のことである。
 もちろん、エリックの死亡に対しては様々な憶測が飛び交った。
 曰く、『クプファーのことが許せない勢力に暗殺されたのだ』とか『恥から自決したのだ』とか『国はこうなるように衰弱させていたのだ』とかとか。
 だが真相は闇の中。そして経緯がいずれであったとしても、だ。

 宝玉騎士団の大分団長がひとり、永遠に除籍となったのは事実だ。

 以上が、この事件に関わった傭兵――猟兵たちに、宝玉騎士団の中分団長ケビンから伝えられた報告である。

●ところ変わって
 魔石の国『クライノート』。
 のどかな晴天の下、クライノートの平原をごごごごごっと鈍い音をさせながら、大きなコンテナを乗せた大型トレーラーがゆっくりと走っていく。その前後左右を数機の量産型キャバリアがトレーラーを守るように並走。
 クライノートでは珍しくもない『輸送キャラバン』である。

 トレーラーから通信があった。
「ここらで一度休憩しましょう。皆さんもこちらまでぜひ」
 それはこのキャラバンの長『エミール』から、随行していた傭兵――猟兵たちに向けて発信されたものである。
 そんなわけでのどかな晴天の中、日除けの天幕をさくっと立てたキャラバンはティータイムとしゃれ込むのであった。

「そういえば、このキャラバンが何を運んでいるのか、まだ伝えていませんでしたね」
 ティーカップを口に運びながら、エミールが猟兵たちに話しかける。
 声やその振る舞いからして年の頃は30代後半の男性だろうか。しかしその見た目は白髪に隻眼隻腕。およそ健康的な30代後半とは思えない容貌である。だがその声音は健康そのものなのでたぶん元気なのだろう。

 で、話を戻すと。
 実は猟兵たちはこのキャラバンが何を運んでいるのか知らない。というのは、キャラバン出発間際に、傭兵の権限(これまでのクライノートでの実績による)を使って無理矢理合流したからだ。そこから考えるとエミールはめちゃくちゃ友好的と言える。
「運んでいるのは『魔石の原石』。クライノートの特産を支えるものですね」
 この原石を加工したり術式を刻んだりすることにより、特別な力を発する『魔石』となる。これがクライノートの特産品。『エルプシャフト』と呼ばれる宝石だ。
「その不思議な力の一端は……皆さんは見たことあるでしょう? あのクプファーで」
 そう言って、エミールは……否、『エリック』と呼ばれていた男は楽しそうに笑うのであった。

●事件の事実
 クプファー事件の首謀者、エリックは生きていたのである。ただし、名を変えて。

「単純に困ったんでしょうね、私の処遇に」
 国民の混乱を避ける、この一点においてクライノートはオブリビオンマシンの事を伏せた。その判断は間違いではないが、そのためにエリックの処遇が難しくなったのだ。
 何故なら彼を無罪放免するには、『外から狂わされていた』つまり、彼に責任が無かったことを証明する必要がある。しかし、実際に扇動を行っていたのはエリックという紛れもない事実が残っている。
「私を宝玉騎士団に残したい、という意見もあったと聞きます」
 正気に戻ったエリックは、再び国を盛り立てる力となるだろう。いまだ兵士たちの人望も厚く、以前の聡明さが失われたわけでもない。
「ただ、それを良しとしない勢力はここぞとばかりに強硬策に出てきました」
 実際、暗殺されかけたそうな。しのいだけれども。
 その結果、騎士団の上層部は『エリックを殺す』ことにした。

 表向きは。

 騎士団の上層部はエリックを『駒』として残すことに決めたのである。それは、クライノートに対して償いをしたいというエリックの要望とも合致した。

 そこでエリックは牢獄で死んだことにして、名を変えて市井に逃がしたのである。見た目は……オブリビオンマシンに取り込まれた影響で、もはやエリックの見る影もないほどに別人だ。

 この事実は厳重に封印された。騎士団の上層部でも知っているのはごく数人。それ以外で知っているのは、グリモアの予知でこの事実を看破した猟兵たちと。
「『今の私』についていく、と酔狂なことを言った人たちだけですね」
 それは彼の元部下ではなく、牢獄にいる時に接触せざるを得なかった、例えば看守といった役職にいた者たちの中から。
 エミールの今は、そういった人の好意で守られている。だからこそ、エミールはその好意に応えるべく、今もこのクライノートにいるのだ。
「まぁ、良いように使われるでしょうし、良いことばかりでもなさそうですが」
 それでもエリックは生きることを選んだ。
 そんな彼らで、輸送キャラバン『エミール隊』は構成されていたのだ。

●輸送キャラバンにて
「いやー、まさか貴方たちが来るとは……後始末でもされるのかと思いましたよ」
 あっはっは、と朗らかに笑うエミールには、確かに人を惹き付ける魅力がある。
 これが本来の彼の性格なのだろう。オブリビオンマシンに歪められた首謀者ではなく、将来を有望とされた若き将校だった彼の。
 ちなみに猟兵たちは開口一番、エミールの正体を知っていると告げた。そして同行させてほしいと。猟兵としてはグリモア猟兵の予知によって転送されてきたわけだが。

 その言葉と猟兵たちが纏う雰囲気。そこから察したエミールはクプファー事件のことを思い出し、そのまま受け入れたのだ。
 他の誰でもない、エミールだけが猟兵たちに倒されたことがある。この国で一番猟兵たちのことを身をもって知っているのは彼だけなのだから。

「さて……そろそろだったりしますか?」

 エミールが猟兵たちに笑いかける。
 出発前の漠然とした嫌な予感は、猟兵たちの出現で確信へと変わった。だが、猟兵たちの敵意が自分に向いていないのなら……敵は外から来る。
『隊長! 敵襲です!』
 通信機から聞こえてきた声はエミールの部下のもの。どうやらキャラバンを挟み込むように、前後からキャバリアの敵襲を受けたようだ。
「了解した。各機戦闘準備」
 通信機越しに命令を出しながらエミールが視線で問いかけてくる。『そちらの本命はどちらですか?』と。猟兵たちが指で指し示すのは……後方。エミールが頷きを返す。
「我々は前方のキャバリアを迎撃する! 後方は傭兵に任せるぞ!」
 通信機から了解の声が響き、外で待機していたキャバリアたちが一斉に前方へ移動していく。
「というわけでお願いします。積もる話は輸送が終わったらゆっくりしましょう」
 そう言ってエミールもまたトレーラーに積んである自身のキャバリアへ駆けていくのであった。


るちる
 まいどです。お世話になってます、るちるです。
 久しぶりのクロキャだよ。戦闘がメインで最後にパーティーがあります。
 オープニングではグリモア猟兵が影も形も出ていませんが、皆さんはグリモアの予知によってクロムキャバリアに転送されています。
 つまり、この襲撃はオブリビオンマシンによる事件です。

●全体
 3章構成の通常シナリオです。
 リプレイの雰囲気はプレイングに沿った形になります。お気軽にやりたいことをやってみてください。
 禁止行為はエミール隊及び積み荷である魔石原石を巻き込んだ形での広範囲攻撃。その2つを避けた形なら問題ありませんよー。
 注意事項は『暴走衛星「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)」』。
 このため、高高度の飛翔または高速飛翔した場合には撃墜される可能性があります。ご注意ください。

●1章
 集団戦『ドッグ』との戦闘。
 戦場は平原。障害物は無し。敵は2面作戦を仕掛けてきていますが、猟兵たちが対応するのは1面のみでOK。キャラバンを背に戦いますので、普通は何も考えずに戦えば問題ありません。
 敵パイロットはオブリビオンマシンの影響で洗脳されている感じになっています。機体が破壊されると正気に戻ります。
 まぁ元が盗賊というか強盗団なので生死は問いません。

●2章
 ボス戦『ブラック・クロウ』との戦闘。空中戦を得意とするオブリビオンマシンです。
 過去『殲禍炎剣』からの攻撃で撃墜されているため、撃墜高度を避けて飛翔し、空から仕掛けてきます。基本的に空にいるため、地対空戦の場合、下から撃ち落とすか、接近戦を仕掛けてきた時に捕捉するしかありません。
 空中戦を仕掛ける場合は『殲禍炎剣』からの狙撃に注意してください。
 敵パイロットはオブリビオンマシンの影響で洗脳されている感じになっている強盗団のボスです。機体が破壊されると正気に戻りますし、空中で撃破されても何とか脱出するようです。まぁ元が盗賊というか強盗団なので生死は問いません。

●3章
 日常『クロムキャバリア小国家の首都観光』
 輸送を終えて首都に戻った輸送キャラバンの打ち上げに参加します。
 観光になっていますが、パーティーのような感じだと思ってください。できることはフラグメントのPOW/SPD/WIZを参考に、出来そうなことなら何でも大丈夫です。

 それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす。
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第1章 集団戦 『ドッグ』

POW   :    突撃
【盾を利用した加速】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【斜面や狭所など地形】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    D2エンジン起動
自身に【動力炉のオーバーロードによる熱気】をまとい、高速移動と【エネルギー屑】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    マイナーチェンジ
【更なる装備を重ねたキャノンモード】に変形し、自身の【移動能力】を代償に、自身の【攻撃力と射程距離】を強化する。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幕間
 キャラバン前方・エミール隊。
「ちぃっ……!」
 盾を構えたまま突撃してきたドッグの突進を、同じくキャバリアシールドで受け止める。だがそこまでだ、徐々に押されている。
(旧式には、出力的にキツイ!!)
 反撃しようにも回避しようにも、動けばドッグの盾に仕込まれたマシンガンの餌食になるだろう。かといってこのままではトレーラーまで押し込まれる。
(どう、する……?!)
「動くなよ!」
 そこに響くのは仲間の声。真横からパイルバンカーを構えて突撃してきた僚機がドッグを弾き飛ばす。
「大丈夫か!?」
「ああ!」
「1対1じゃ押し負ける。機体性能もそうだが、そもそも俺たちはそこまで上手くないからな!」
 傍まで駆けつけてきた仲間の声に、思い出す。
(そうだ。そういや……俺そんなにキャバリアの操縦上手くないわ)
 元々、『騎士団の兵士』になれなかったから王宮勤めの下士官だったのだ。牢屋の番をするような。
 それが盗賊とはいえ、キャバリアを主戦力にしている者に勝てるわけがない。
 勝てる見込みがあるとすれば……。
「隊長に仕込まれたコンビネーションでいくぞ!」
 そうだ、それしかない。隊長のエr……エミールの訓練で仕込まれた『全員で1体ずつ仕留めていく』作戦だ。
 そしてエミールから常に言われていたこと。
『死ぬな。生き抜け。卑怯も恥も気にするな。君たちは騎士団ではないのだから』
 だからこそのチーム戦。足止め、攻撃、周辺への牽制、役割を分担すれば、大抵の敵はしのげる。
 この場合、一番の敵は……数の暴力。これをしのぐには今の自分たちでは無理だ。……だが。

 直後、エミール隊の前方に存在したドッグたちを大量のミサイル群を爆撃し、ビームキャノンがなぎ払う。

「すまない。遅れてしまったな。しかしよく耐えた!」
 その声は隊長のエミールのもの。振り返れば、少し後方から援護射撃をし続けているエミール機がいた。

●エミール
 咎ある私についてきてくれた、未来ある兵士たち。今は彼らも家を捨て、名を変え、私とともにこの国の影を歩いている。そんな彼らを死なせることだけは決してならない。
 生きるための、キャバリアの使い方はしっかりと仕込んだ。実戦もすでに何度か経験している。
 大丈夫だ、と自分に言い聞かせて、そして駆けつけた戦場で彼らは健在だった。ほっと息をつきながら、援護のためのありったけの弾頭を敵陣営に叩き込む。
 そしてそのまま合流。
「隊長。後方は……大丈夫なんですか?」
 彼らを、傭兵を知らない者からすればその評価は正しい。だが、私は知っている。
「問題ない。どちらかというと、私たちが援護される側だ」
「……は?」
「え、マジすか?」
 呆けたような声を出しつつ、しかしキャバリアはしっかりと仕込んだ通りの陣形を取っている。その様子に私の顔は笑みに緩む。
「エミール隊。前方の敵を叩くぞ。私が前に出る。しっかり援護してくれ!」
「「「了解!!」」」
 息の合ったコンビネーションこそがこの隊の戦力だ。
 それを見せつけるべく、私は愛機にビームサイズを構えさせる。
(後方は頼みましたよ、皆さん!)
 そう心の中でつぶやきながら、私は何の心配もしていない。それほどまでに、彼らの存在は……私の中で大きいのだ。
ノエル・カンナビス
依頼内容はオブリビオンマシンの撃破、ではありますが。
トレーラーも確実に護っておきたいですね。

コンバットキャリアをトレーラーの前方に付け、
盾にしておきましょう。
キャリアの装甲はキャバリアの比ではありませんし、
他の装備もエイストラの予備品ですから相当です。

キャリアはデータリンク経由の半自律で動かすとして、
私はエイストラで後方へ。

ドッグは以前にも戦ったことがあります。
無駄に重いですから、高出力ビームの前には標的同然ですね。
こちら側の護りは猟兵がいますので、ブーストダッシュで
機動戦を挑みます。
あたらなければどうというコトはない、らしいですし。

強げな人にはスタンナーぶち当ててから撃ちますね。




 輸送キャラバンの大型トレーラー。そのトレーラーに並走する位置に停車していた大型装輪式戦闘車『コンバットキャリア』から1体のキャバリアが立ち上がる。
 『エイストラ』――基本性能の向上に特化した汎用型の高出力機、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)のクロムキャバリアである。
 休憩の誘いにも乗らず、ノエルはこの場で待機していた。何かを警戒していたというよりは、休憩に乗る意味がわからなかった、という方が近いかもしれないが。

「依頼内容はオブリビオンマシンの撃破、ではありますが」
 スピーカーを通じて聞こえてきた猟兵たちとエミールの会話を頭の中で再確認しながら、エイストラのモニター越しに状況を確認する。
「トレーラーも確実に護っておきたいですね」
 声を出しながら既にその手はエイストラの操作を行っている。否、彼女にとってはエイストラすらも手の延長か。
 ノエルの指示でコンバットキャリアがトレーラーの前方、エミール隊の後方に着いて、万が一の際の盾の役割を成す。
(キャリアの装甲はキャバリアの比ではありませんし、他の装備もエイストラの予備品ですから相当です)
 エイストラからのデータリンク経由で、半自律稼働を命令として叩き込みつつ、ノエルとエイストラの視線は後方へ。
「いきましょう」
 自身に声をかけるようにして、エイストラがトレーラー後方から迫る『ドッグ』の大群に向かう。


 後方、トレーラーを守る戦闘配置。ノエルとエイストラはその位置からドッグの陣容を確認する。ノエルが相手をしなければならないのは小隊クラスか。
(ドッグは以前にも戦ったことがあります)
 その時の戦闘データも引っ張り出しながら、センサーが捉えたデータを元に戦術を組み上げるノエル。
 それらのデータが告げる。
 ドッグはその体躯ゆえに無駄に重い。だが通常戦闘においては近接戦闘に適した兵装になっている。まぁそれを『使いこなす』術ももちろん持ってはいる。だがいずれにしても、ドッグがその兵装を敵に叩き込むには『距離を詰める必要』がある。
 つまり。
「高出力ビームの前には標的同然ですね」
 言うが早いか、プラズマキャノンが射撃体勢。照準もそこそこにプラズマキャノンがドッグ小隊に放たれる。適当に放ったにもかかわらず、ビーム砲がドッグ数体を撃ち貫く。それこそが先のデータが示していたドッグの鈍重な部分だ。
 それをセンサーで確認して直後、エイストラがバイブロジェットブースターを展開。
(こちら側の護りは猟兵がいますので)
 その言葉が脳裏で終わるか否かのタイミングで、エイストラがブーストダッシュした。

 ノエルが取った作戦は機動戦。
 プラズマキャノンの砲撃に足並みを乱したドッグ小隊に速攻を仕掛ける。
 プラズマキャノンの一射で混乱しているドッグ小隊に、エイストラの突撃を即対応する適応力は無。ただ、エイストラの接近に気づいた数体が盾のスラスターを利用した突撃をかましてくる程度。
「あたらなければどうというコトはない、らしいですし」
 細かなスラスター噴射を数度組み合わせて、その突撃をかわしながら更に加速するノエルとエイストラ。
 眼前に迫ってきたドッグ小隊。さすがにその頃にはドッグ小隊も体勢を立て直しつつあった。その何人かがチームを組んでコンビネーションで突撃を仕掛けてくる! それが複数方向から。
 しかし、ノエルは冷静に『次の手』を打つ。
「ノンリーサル、鎮圧します」
 エイストラの超音波暗視装置のスピーカーが開く。そこから放たれるのは【ソーノ・スタンナー】――音圧力による麻痺超音波である。前方扇状に放たれた音波が直撃したと思しきドッグたちの動きが、目に見えて速度を落とす。
「ぶち当てますね」
 こちらは射撃体勢を取りつつ加速。肩部のプラズマキャノンが火を噴き、周辺のドッグを瞬く間に戦闘不能に叩き込んでいく。
(この調子なら……)
 背面から迫るドッグに対処すべく反転したエイストラ。足が止まったそのタイミングを狙って突撃してきたドッグを軽やかにかわしながら、すれ違いざまにビームブレイドを一閃。ついでプラズマキャノンの砲撃で追いすがってくるドッグたちを撃ち抜いていくノエル。
「すぐに鎮圧できそうですね」
 そのままビームブレイドとプラズマキャノンを展開しながら、エイストラはドッグ小隊へ突撃するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤間・宗一郎
「ああいうもんは近づけばどうとでもなる。その為のコイツだ。いくぞレックス!」

攻撃は最大の防御とはよく言ったものだ。
そういうわけでUCを使用して近接で戦闘させてもらう。
トレーラーの防御は味方に任せて俺は突撃と囮を引き受けよう。

ひたすら動き回って射撃とシザースや爪、キバ、尾全部使って攻撃してどいつもこいつも引っ掻き回してやればいい
近接もいけるようだが先手を取って攻撃して先に潰させてもらおう
ヒトと竜じゃ竜に分があるのは明らかだろう
最速かつ最短で移動しつつ攻撃して一方的にやらせてもらうぞ




 輸送キャラバン、エミール隊。その大型トレーラーのハッチが開く。中に積み込んでいたキャバリアを出すためだ。

「面倒事は勘弁してほしいんだが……」
 そう言いながらも藤間・宗一郎(マシーナリーノーマッド・f32490)は自身の愛機『クロムレックス』を起動させるべく、コックピットの中でコンソールを手で叩いていく。
 コンディション、グリーン。クロムレックスの目が青く輝き、徐々に全身に点在するライトが青く光る。
「ああいうもんは近づけばどうとでもなる」
 そう言って宗一郎がクロムレックスをトレーラーから出撃させる。大地に降り立ったクロムレックスの姿は竜。ティラノサウルス型のクロムキャバリア。試作機ゆえに様々なアイディアが叩き込まれるクロムキャバリアの中にあってもその姿は特殊といえるだろう。
 だが決してイロモノではない。だからこそ宗一郎は叫ぶ。
「その為のコイツだ。いくぞレックス!」
 宗一郎の言葉にクロムレックスは突進するために頭を下げる低頭態勢を取って、人型には出来ない動きで以て、迫りくる『ドッグ』小隊に突撃していくのであった。

 両者が徐々に距離を詰める。
(俺は突撃と囮を引き受けよう)
 トレーラーの防御は他にも仲間がいる。今すべきことはドッグの接近を押し留めること。そのための突撃。そのタイミングは……今! 射程内!
 先手を取るべく、ドッグたちが一斉にD2エンジンを起動させる。動力炉がオーバーロード、熱気をまといながら、その速度を爆発的に上げて、エネルギー屑をまき散らしながらクロムレックスに突っ込んでくるドッグ各機。
 だが、それも宗一郎の想定内だ。
(攻撃は最大の防御とはよく言ったものだ)
 だからここで取る手は――防御ではなく攻撃!
「オーバーブースト・マキシマイザー! 仕掛けるぞレックス!」
 宗一郎が叫び、クロムレックスが吼えるように天を仰ぐ。直後、背面スラスター『シザースブースター』から激しい推進力を得て、クロムレックスの機体が地を這うように、しかし飛翔する!

 突撃体制を取っていたドッグに対して、それを上回る速度での突撃!
 真正面からぶつかれば速度が上で、かつ強度的にも上となれば、クロムレックスの方に軍配が上がる。
 先頭のドッグに突っ込むと同時に、シザースブースターを前方に展開。2機の顔面を鷲掴みにして、クロムレックスはそのまま頭部を噛み潰しながら地面に叩きつける!
 そのまま着地、そして反応する暇すら与えず。クロムレックスがさらに突進。、熱気を纏っているドッグの機体へは『エレクトリッククロー』を突き刺し、電流を流し込んでドッグの制御を焼き切った後、体当たりで吹っ飛ばす。
「まだまだ!」
 動揺するドッグ小隊にクロムレックスは止まらない。
 次いで機体を素早く回転させて『アイアンテイル』の一撃。強烈な回転力とともに叩きつけられた一撃にドッグの機体がなぎ払われ、ひしゃげて行動不能に陥る。
 クロムレックスの前方、ドッグ陣営に大きく穴が開いて、戦況が一瞬静止する。しかし、その隙に回り込む程度の作戦能力はあるようだ。クロムレックスの背後から突撃を仕掛けてくるドッグ数体。
 それに対して、振り向くことなく、可動域が広いシザースブースターがそちらをむく。内蔵されたバルカンファランクスを叩き込んでドッグたちを行動不能に追い込む宗一郎&クロムレックス。

(どいつもこいつも引っ掻き回してやればいい)
 宗一郎の思考を実現するかのように、クロムレックスがドッグ小隊の中で暴れまくる。人型であるドッグはどうしても人の動きをする。武器を使って戦うその一瞬のタイムラグを、クロムレックスの本能ともいうべき動きが捉え、ドッグの攻撃を機先を制して潰していくのだ。
「ヒトと竜じゃ竜に分があるのは明らかだろう」
 同じ大きさでヒトが勝てる動物などいない。ましてやそれが竜ならば。
「最速かつ最短で移動しつつ攻撃して一方的にやらせてもらうぞ」
 そう言って宗一郎とクロムレックスは、ドッグ小隊を蹂躙していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
【セレーネ大佐と】

キャバリアはスヴァスティカ。移動力5倍、装甲半分。
「大佐、無理はしなくていいからね。危ないから中で座ってて」

相手の進撃ルートを予測したら、
スネイル・レーザーを相手の足元に掃射して、速度を鈍らせたら、
そこをついて、スラスター全開で突っ込むね。

相手の射撃は【天磐】で弾きつつ、
速度そのままで【シールドバッシュ】入れたらいちど抜けきるよ。

よし崩した。

相手の陣形が乱れたら、【歌仙】で接近戦。
ヒットアンドアウェイ、じゃなくてもいいかな。
アンダーフレーム狙って、行動不能にしていこう。

しまった大佐のほうに一機!?
戦わなくていい、逃げちゃっていいから!

くっ……守り切るにはわたしも甘い、か。


セレーネ・ジルコニウム
錫華さんと

「……そんな、また戦闘ですか?
このキャラバンと一緒なら戦いのない場所に行けると思ったのに……」

けれど、目の前には、襲いくる敵機。
そして艦から持ち出したナズグルが操縦席を開けて待っています。
錫華さんは先に行ってしまったので、私も頑張って乗り込みますが……

「怖いです……
操縦桿を握る手が震えて……
キャバリアって……戦いって、こんなに怖いものでしたっけ……」

錫華さんの機体から敵機の情報が送られてきて……

「なっ!?
側面から敵機が接近っ!?
きゃあああっ!」

無我夢中で引いた銃のトリガー。
それは敵キャバリアのコックピットを撃ち抜いて爆散させ……

「いや……!
私、もう戦いたくありませんっ……!」




 セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)と支倉・錫華(Gambenero・f29951)の旅路は人目を避けて行われていた。
 彼女らがこのキャラバンに同行したのは本当に偶然だ。故あって艦を降りた、その位置がたまたまクライノートに近くて、成り行きで同行したといってもいい。
 少しでも賑やかに。それでいて何事もなく、ゆっくりと青い空を見ながら。ただただ市井に紛れる。
 少なくとも先ほどまではそんな旅路だった。エミール隊の大型トレーラーから少し遅れて走る錫華のホバーキャリアはのんびりと進んでいたのだから。

 だが。

 ホバーキャリアに備え付けられているアラートが激しくなる。それはレーダーが敵機を捉えたという通知。
「……そんな、また戦闘ですか?」
 愕然とした表情でセレーネが呟く。
 このキャラバンなら。ここでなら戦争など関係なく。そうだ、きっと戦いのない場所に行けると思っていたのに。
「……っ」
 助手席に座るセレーネの表情が翳るのを横目で見ながら、しかし錫華は運転席を飛び出す。
「す、錫華さん?!」
「大佐、ごめん!」
 動揺しているセレーネの手を引いて、錫華はキャリアへ走る。飛び込んだキャリア、荷の代わりに、中に置かれているのはキャバリア。錫華の愛機『スヴァスティカ SR.2』と、本来はセレーネの乗るストライダーに配備されている黒い量産型キャバリア『ナズグル』。
 このキャリアの中の状況が二人の状況を物語っているのだが、今はそれを問うている場合ではない。
 錫華は自身の愛機へ飛び乗るよりも先に、錫華はセレーネをナズグルへ押し上げる。
「え? え?」
 その状況に困惑しながらも、錫華の必死な表情にセレーネも頑張って、色んな感情を押し殺してどうにかナズグルのコックピットに乗り込む。
「大佐、無理はしなくていいからね。危ないから中で座ってて」
 そういって錫華がスヴァスティカへ走る。

 ――ここまで、ホバーキャリアまで敵が攻め込む前に仕留める。

 だが万が一がある。このホバーキャリアが攻撃に晒された場合、助手席にいるよりもキャバリアのコックピットの方が安全なのは確実だ。
 例え、それがセレーネの望まぬことだとしても。

(チューニングしておいてよかった)
 いざという時のために。出来れば来てほしくなかったけども。
 コックピットに乗り込んで、コンソールを叩いていく錫華。それに応じてスヴァスティカが起動していく。【脈動臨界チューニング】によって既にチューニングは完了。装甲を犠牲にして、移動力を最重視したセッティング。
「スヴァスティカ、出るよ」
 キャリアのハッチを開いて、錫華とスヴァスティカが外へ出る。そのままスラスターを噴かせて、接近してくるドッグの大群――小隊規模へ突撃していく。
「……っ」
 セレーネが思わず錫華の背中に手を伸ばして……でもその手は空を切ったのだ。


(……捉えた)
 大地を疾走しながらスヴァスティカのセンサーが敵機――ドッグ小隊の位置を捉える。
(でも、思ったより速い)
 どうやら奴らは既にD2エンジンを起動しているようだ。センサーの中でその速度が跳ねあがった。距離が詰まるのが早い。
 だからこそ『迎え撃つ』のは簡単だ。
「そこだね」
 移動速度、発射速度、着弾位置。それらをこれまでの戦闘知識と経験則で導き出し、右手にマウントした『スネイル・レーザー』を連射する錫華&スヴァスティカ。
 こちらに高速移動で突っ込んでくるドッグ小隊の先頭、数機の足元にレーザーを掃射してその足並みを乱す。
(かかった)
 ドッグの進行速度が鈍ったのを確認して、スヴァスティカの背面にあるスラスターが展開。一気に加速して、ドッグの陣営に突撃するスヴァスティカ!
 レーザーの射撃とスヴァスティカの突進。
 さすがにそこまでされてスヴァスティカを敵と認めない理由はない。ドッグたちが揃ってマシンガンから反撃の銃撃を放ってくる。
「……!」
 その銃撃を左手のファンクションシールド『天磐』で弾き返しながら、しかしスヴァスティカはさらに加速。
「このまま、もらうよ」
 天磐を前に突き出しつつ、加速した速度そのままで銃撃の嵐を突き抜けた錫華とスヴァスティカは、天磐をドッグに叩きつける!
(このまま)
 押し切る。
 速度を落とさず、スヴァスティカがさらに突っ込む。スヴァスティカの速度についていけず、ドッグたちはスヴァスティカのシールドチャージに兵装を破壊されながら吹き飛ばされる。そしてそのままドッグの陣営を突き抜けるスヴァスティカ。
(よし崩した)
 モニターが伝えてくる情報を確認後、錫華は即座に反転。そして『歌仙』を抜き放つ。スヴァスティカの右手にあるのはキャバリア用の片刃の実体剣。スヴァスティカの機動に合わせて速度重視となっているその刃を構えて、再びスヴァスティカがスラスターを噴かせる。
 突撃した錫華&スヴァスティカがドッグに肉薄した後、歌仙を一閃。ドッグのアンダーフレームを一刀両断する。
(ヒットアンドアウェイ、じゃなくてもいいかな)
 むしろここで暴れたほうが敵を引き付けることにもなる。
 敵陣営の中をスヴァスティカは舞うようにして、ドッグたちを相手取るのであった。


 センサーとレーダーの結果がナズグルのモニターに映し出されている。
 しかし……顔をあげてそれを見る勇気は、今のセレーネにはない。
「怖いです……」
 操縦桿を握っている手が震えている。いや、震えながらもどうにか、どうにか握っているのだ。
「キャバリアって……戦いって、こんなに怖いものでしたっけ……」
 脳裏に浮かぶのは、自身の目の前で起こった惨劇。そして拭えぬ痛み。
 どうしても、どうしても目を伏せてしまう。それがダメだと思っているのに、でも顔はどうしても下を向いてしまう。
 それは仕方のないことなのだけれども。


「しまった……!」
 錫華が唇を噛み締める。
 ほんの僅か、ほんの一手、出遅れた。ドッグの小隊を突き抜けたが故に、『ナズグルとの距離が開いてしまった』、そのほんの僅かなチョイスミス。
 今のセレーネの状態を思えば、事態を速攻で収めようとしたことは間違いではない。だが、普段の余裕がないのも事実だった。そこを、抜かれた。
「大佐! そっちに一機……!」
 再びスラスターを噴射させながら、ドッグたちを薙ぎ倒しつつ、陣営を抜けて。反転してスヴァスティカが位置取ったのは、小隊と大佐の間。これ以上抜かせるわけにはいかない。
「戦わなくていい、逃げちゃっていいから!」
 錫華の悲痛な叫びが通信越しにセレーネに伝えられた。

「なっ!?」
 錫華の声に顔を跳ね上げた時には、アラートが赤く鳴っていた。セレーネの心が緊急事態に戦闘態勢へ移り……切る前に。
 ドッグが1機、セレーネのナズグルへ接近してくる。盾を構えた上で、スラスター噴射も利用したドッグの突撃! それはホバーキャリアごと吹き飛ばそうとする意志に満ち溢れていた。
 ――やられる。
「きゃあああっ!」
 セレーネが悲鳴をあげる。だが、セレーネは……ただの女の子ではない。曲がりなりにも、これまで戦場を駆け抜けてきた兵士でもあった。
 だから……咄嗟に。
 指が銃のトリガーを引く。キャバリアライフルの銃口から放たれた弾丸がドッグに吸い込まれていく。そう、敵コックピットの位置に。
 爆散。しかしドッグの勢いは止まらず、ナズグルまで接近してくる。
 結果として。
 セレーネの目の前にあるのは、誰もいない、血だらけのコックピットだった。それは間違いなく『セレーネが行った行為の結果』だ。セレーネの目の前にある現実だ。
「いや……」
 セレーネの口から小さく声が漏れる。
「大佐!」
 そこへドッグ小隊を全て片付けた錫華とスヴァスティカが駆け付ける。
「いやぁぁぁああ! 私、もう戦いたくありませんっ……!」
 セレーネの叫びが周囲にこだまする。
 その声に応じるように、錫華がスヴァスティカから飛び降りて、ナズグルのコックピットに駆けつける。
(くっ……守り切るにはわたしも甘い、か)
 小さな少女を抱き守るようにして。
 錫華は心の中で悔しさを噛み締めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
魔石って何に使うんだろ?
まぁ、そこは気にするところじゃないか。
それじゃ、リーゼ、行くよっ!

狙撃モードの貫通攻撃なビームランチャーで、敵機を狙い撃ち
盾ごと腕をもらうよ

射点を見つけられるまでは繰り返し狙撃
腕・武装・足を狙っていくね

接近されるなら、ランチャーは連射モード
ホーミングビームとツインキャノンでの一斉射撃で弾幕と火力を張っていくよ

遠中距離から中距離に近づいたら、推力移動で機動戦に移行
ランチャーを連射しながら接近して
セイバーで切断していく

砲撃機じゃないんだ、ブルー・リーゼはっ!

敵UCや攻撃は残像を生みつつ攪乱回避
三次元機動も混ぜて的を絞らせないよ

敵を一網打尽にできる位置に来たら《指定UC》!




 襲撃を告げるアラート。それを聞いて、エミール隊と猟兵たちはそれぞれ前と後ろに分かれて行動する。
 ……その前に。
「魔石って何に使うんだろ?」
 こてんと首を傾げてエルフの少女は思わず呟く。休憩の時に聞こうと思っていた言葉がぽろっと零れたシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)に、エミールも『時間が無かったですね』と微苦笑する。
「納品先はクライノートからアレを購入した魔石加工業者のところですよ。おそらく輸出用だと思いますが」
 『その辺りは後ほど時間があればゆっくり』と告げて、彼もまた自身のキャバリアに向かって駆ける。
 その言葉を『そっか』と思いながら、シルは空を見上げる。どこまで続いているような、青い空。
「リーゼ!」
 シルが呼びかければ、応えて顕れるサイキックキャバリア。『精霊機『ブルー・リーゼMk-Ⅱ』』、操縦者の魔力で性能が増加するというシルの愛機である。
「それじゃ、リーゼ、行くよっ!」
 リーゼに乗り込んだシルがコックピットで愛機にそう話しかけるのであった。

 レーダーに検知される敵機『ドッグ』の位置。全体の数は中隊規模あるだろうか。しかし仲間の猟兵たちが迎撃に出ているので、エミール隊の大型トレーラーに辿り着きそうなドッグの数は1小隊を残すのみ。シルが相手取るのはその1隊でよさそうだ。

 トレーラーから離れつつ、ドッグ小隊との間に陣取るシル&リーゼ。まだお互いの有効射程距離まではほど遠い。届くとすれば……狙撃。リーゼの手に『BSビームランチャー『ブラースク改』』が握られる。
「盾ごと腕をもらうよ」
 狙撃モードで放たれるビームはシルの魔力を弾としたもの。途切れることなく着弾したビームが先頭を走るドッグの腕を吹き飛ばす。貫通したビームがその後ろにいたドッグも貫いて、一射で数機を戦闘不能に追い込む。
 だがシル&リーゼの狙撃に対して、ドッグたちもそのままやられるわけにはいかないと、その場でフレーム換装。マイナーチェンジすることで移動力を犠牲にして、砲撃態勢を整える。
「わっ!?」
 直後、ドッグたちから雨あられと飛んでくるキャノンの砲弾。その攻撃に思わず声が漏れるも、その手はリーゼを軽やかに操縦。風のような動きで砲弾の雨をかいくぐるシルとリーゼ。
 一点に留まるのは危険らしい。引き続きドッグの腕・武装・足を狙って狙撃、直後に移動という動作を繰り返して戦力を確実に削りつつ、少しずつ距離を詰めていくシル。
(これは……足を止めた?)
 ドッグのキャノンモードは移動力・機動力を犠牲にする砲撃モードだ。遠距離に対しては強いが、それは逆を言えば。
 既に相対距離は、遠中距離から中距離に入っている。
(チャンス!)
 ドッグの動向に確信を持ったシル手が素早くコンソールの上を流れていく。狙撃戦から機動戦へ移行、ランチャーを持つ手とは逆の手に新たに『BXビームセイバー『エトワール』』を携えて。
「リーゼ! 突撃っ!」
 リーゼに掛け声をしつつ、スラスターを噴射。そよ風のように砲弾をかわしていたリーゼの機体が、今度は全てを斬り裂く疾風のごとく砲弾の雨を突っ切って、いや、置き去りにしていく!
「これもあげる!」
 と急速接近しつつ、連射モードにチェンジしたブラースク改を放って弾幕を形成。ダメージを与えつつ視界を遮り、その隙にリーゼがドッグの懐まで踏み込む。
 その手に煌めくは星の輝き。
「砲撃機じゃないんだ、ブルー・リーゼはっ!」
 一閃。エトワールの光の刃がドッグを真っ二つにする。ドッグの機体が爆発する前に素早く距離を取ったリーゼは、そのままドッグ陣営に突入。マシンガンの攻撃を残像でかく乱して回避しつつ、三次元的な機動を組み合わせて的を絞らせない。
 エトワールで攻撃しつつ、敵の攻撃を回避しつつ。相手陣営の中で暴れているように見せかけて……その実は誘導。円を描くように行動して、ドッグを集結させたシルは、リーゼを空へ飛翔させる!
「精霊達よ、我が声に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!」
 シルの、そしてリーゼの開いた手のひらに集う精霊たち。
 そう、キャバリアを駆っているけれども。シルの本質は精霊術士。その力と魔力がブルー・リーゼの機体を通じて、世界に干渉する。【エレメンタル・シューター】発動!
 リーゼの手から放たれる幾何学模様を描き複雑に飛翔する1000発を超える魔力弾。それはシルの魔力で作られた火水風土の4つの複合属性で編まれた魔力弾だ。
 それらが頭上から覆い尽くすようにして、ドッグたちに包囲攻撃を仕掛ける。彼らにもはや逃げる隙間などなく、ただ雨のごとく撃ち抜かれるのみ。
「よし、これで片付いたかな」
 再び大地に着地したシルは辺りを見渡して、そう呟く。リーゼのレーダーにも敵機の検知は無し。

 こうして、輸送キャラバンを襲ってきた敵の第一陣を殲滅した猟兵たちであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ブラック・クロウ』

POW   :    駆け抜ける黒い嵐
自身に【バリアにもなるオーラ・フィールド 】をまとい、高速移動と【それによって生じる衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    鴉の鉤爪
【腕部及び脚部の鉤爪 】による素早い一撃を放つ。また、【装甲をパージする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    黒羽乱舞
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【ウイングユニット 】から【黒い羽状の無数の遠隔誘導ユニット】を放つ。

イラスト:key-chang

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●空より来る災い
 輸送キャラバン・エミール隊の大型トレーラー。その後方で迫りくるキャバリア・ドッグの大群を撃退した猟兵たち。
 その猟兵たちの前に、空から飛翔する機体が現れる。それを見た猟兵たちは直感で感じ取る。

 ――あれこそが今回の事件の裏にいるオブリビオンマシン。

 空を舞うその機体は翼と爪を持つ、鳥を模したキャバリア。その名を『ブラック・クロウ』。かつて超高機動型のクロムキャバリアとして開発され、しかし殲禍炎剣によって撃ち落とされた機体。
 その過去がオブリビオンマシンとなって再び姿を現したのだ。

 空に在って、ブラック・クロウは殲禍炎剣は撃ち落とされないような機動を行う。すなわち、超高度は飛ばないし、速度も高速と認識される速さを超えない。猟兵たちが捉えることが出来る存在だ。

 いまだエミール隊は前方に展開しているドッグたちを相手取っている。ブラック・クロウは猟兵たちで引き付け、仕留めるしかない。
 空より舞い降りる災いを撃破すべく、猟兵たちは再び武器を構えるのであった。

※シナリオ補足※
 ブラック・クロウは空中戦仕様となっています。足があるので着地は可能ですが、性能をフルに発揮するために空中を飛翔、あるいは地面スレスレを高速ホバー移動します。
 空にいる時の高度は、近接兵器では直接届きませんが、投擲や射撃兵器なら十分に当たる高さです。
 撃ち落とす、空から引きずり下ろす、接近してきた時にカウンターを叩き込む等が標準的な戦い方になると思います。
ノエル・カンナビス
ブラック・クロウは高性能で良い機体なんですが、
機体にも武装にも、ちょっと無駄が多いです。
開発者の趣味入っちゃってますね。あれは。

その性能も、同じ領域で戦えるエイストラには通じません。
衝撃波も無人機も、こちらも使えます……のですが。
この状況下ではキャラバンを護りにくくなりますので、
接近戦を挑みましょう。

バイブロジェットで突撃し、先制攻撃/指定UC。

ビームブレイドを使いたいところですけれど、
手数の差で攻撃しづらいですね。ま、使いますが。
鎧無視攻撃/プラズマキャノンの近接射撃と併用―-
2回攻撃――しながら攻めれば普通に届きます。
カウンター/ブレイドで手足を叩き斬ってしまいましょう。




「……っ!」
 アラート。
 それを聞くや否や、ノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)が愛機『エイストラ』のコンソールに命令を送る。ノエルの意志に応じてエイストラが軽やかに地面を滑るように飛び退けば、その場へ降り注ぐ黒い羽状の攻撃ユニット。爆発を避けてエイストラがさらに距離を取る。
 モニターに敵機反応、ノエルが空を見上げればそこにいたのは紫と黒の機体。
「ブラック・クロウ、ですか」
 センサーが追撃を告げる。降り注ぐ羽状の攻撃ユニットに対して、ノエルはECMを展開。誘導弾を導く電波が阻害されて、攻撃ユニットの軌道が乱れる。
 それを確認しながら回避行動をとるノエル&エイストラ。

 その数瞬の間もノエルの手は動き続けている。
(ブラック・クロウは高性能で良い機体なんですが)
 戦闘データを引っ張り出して照合。それを確認しながら、素早く思考を巡らすノエル。
(機体にも武装にも、ちょっと無駄が多いです。開発者の趣味入っちゃってますね。あれは)
 ブラック・クロウは空中戦・高速機動に特化しているといえる。しかし、『飛ぶことにこだわる』がゆえに、攻撃に関しては詰めの一手が甘いとも言える。
 ある意味、カッコよさを追求したような機体といえるかもしれない。だからこそ、性能的にも隙がある。
 そして。
「その性能も、同じ領域で戦えるエイストラには通じません」
 回避行動を完了して攻撃ユニットを受け流したエイストラの足が大地を掴む。
(衝撃波も無人機も、こちらも使えます……のですが)
 ノエルがちらりと見遣るのは遥か後方にあるキャラバン。これを護ることが『依頼』でもある。
 ならば。
「接近戦を挑みましょう」
 直後、エイストラの『バイブロジェットブースター』が激しく振動して、ノエルとエイストラは空へと飛翔する。

『……!』
 ブラック・クロウの反応が一瞬遅れる。それほどにまでエイストラの動きは機敏で、そして既に接近を許している。それでもなお攻撃ユニットを放射するブラック・クロウ。

(ビームブレイドを使いたいところですけれど、手数の差で攻撃しづらいですね)
 ノエルの目の前には自身に向かってくる多数の羽状の攻撃ユニット。これを突破しないと接近戦、特に『ビームブレイド』は届かない。
「ふぅ……」
 小さく息を吐き出して……ノエルが呼吸をずらす。ノエルの特徴――彼女特有のリンク能力によって、ノエルにすればエイストラすら自身の延長上にある。つまり、ノエルの呼吸はエイストラの動き。
 攻撃ユニットの軌道から、意図的にずらした呼吸はそのままバイブロジェットブースターの動きに繋がる。多数の振動フィンが細かく動いて、エイストラの機体が羽毛のように揺れる。その中にあっても標準ブースターが生み出す直進的な推進力でエイストラは空を突き進む。
 それはさながらダンス。黒い羽の雨の中で、その雨粒を避けながら……空へ舞い上がる白き1枚の羽根。

 ノエルがひと呼吸する間に、エイストラはブラック・クロウに肉薄していた。
「ま、使いますが」
 射程内。ノエルは即座にビームブレイドを展開、ほぼ同時に左肩のプラズマキャノンを発射。放たれたビームを追いすがるようにエイストラが加速。その加速と肉薄にブラック・クロウは対応できない。
「普通に届きますね」
 ノエルの言葉がブラック・クロウに届くと同時に。着弾するビーム、そしてブラック・クロウの関節部を貫くビームブレイド。一度真横をすり抜けたエイストラが振り向きざまにビームブレイドを一閃すれば翼の一部を斬り飛ばす。
『!!』
 ノエルとエイストラの攻撃にブラック・クロウが急速上昇して距離を離す。そして殲禍炎剣に撃墜される直前に、角度を急降下に変えてエイストラに腕と脚の鉤爪を突きつける!
 だがそんな急場しのぎの動きがノエルとエイストラに通じるはずもない。
「手足を叩き斬ってしまいましょう」
 【フォックストロット】でするりと、ブラック・クロウの爪をすり抜けたエイストラが再びビームブレイドを素早く二度振り抜いて。
 右手左脚の鉤爪を切断されたブラック・クロウが爆発を起こしながら落下していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
空戦機が相手なら…
向こうのほうが、地形適正は上だよねぇ…
でも、飛びたいのはわたしもだよっ!!

高度に気を付けつつ、敵と同程度の高度~地上の高度での三次元機動で勝負っ!
第六感で殺気を感知して、敵の動きをできるだけ見切り、瞬間思考力で判断を行って、最適な回避・オーラ防御を行う。
回避は残像を生みつつ攪乱回避

こっちの攻撃は、最初から連射モードのランチャーとホーミングビームが主体
ツインキャノンは牽制の為に撃って、メイン攻撃を当てに行くよ
接近戦は、セイバーで対処
ウイングユニットの切断を試みるよ

近接のタイミングで、魔力溜めを多重詠唱で開始
何回か切り結び、チャージ時間が経過したら、《指定UC》!

全部もってけー!




 仲間の攻撃によって失墜してくる『ブラック・クロウ』の機体。
 それをシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)と愛機の『精霊機『ブルー・リーゼMk-Ⅱ』』は、着地した大地から見上げる。
 どうやら機体制御を取り戻したらしい。再び空戦高度を保ったブラック・クロウに対して、シルはリーゼのコンソールの上に手を滑らす。
(向こうのほうが、地形適正は上だよねぇ……)
 相手は空中戦に特化した機体。それに空中で戦いを挑むのはどうなのかと思わないではない。でも、それでも、だ。
「飛びたいのはわたしもだよっ!!」
 シルの想いに応えて、ブルー・リーゼが風を纏い、空へと飛翔する。

 殲禍炎剣から撃墜されない空戦高度。ブラック・クロウがそれを避ける以上、あの機体より高く飛ばなければ撃墜の危険性はない。
(あの高度までならっ! 三次元機動で勝負っ!)
 弾丸のようにブラック・クロウへ向けて空を駆けるブルー・リーゼに対して、ブラック・クロウがその翼から羽状の攻撃ユニットを放つ。
「こんなこともあろうかと」
 第六感にびびびっと来ていたらしいシルは、既にブルー・リーゼの手に『ビームランチャー『ブラースク改』』を構えている。即座に連射モードでビームを放ち、おまけと言わんばかりに『ホーミングビーム砲『リュミエール・イリゼ』』を解き放つシル&ブルー・リーゼ!
 直後、両者の間でビームと攻撃ユニットが激突。撃墜された攻撃ユニットがその場で爆発を巻き起こし、ブルー・リーゼとブラック・クロウの間に爆発による煙幕が広げていく。
「リーゼ、いくよっ」
 その中へ速度を落とすことなく、シル&ブルー・リーゼが突撃。煙をブラインドにして、さらに距離を詰めて。
(大事なのは……次の一瞬!)
 それは煙から外に出る瞬間。ブラック・クロウから狙われるであろう、そのタイミングで、逆に牽制の『ツインキャノン『テンペスタ』』を放つシル&ブルー・リーゼ。
 ブルー・リーゼの予想外の反撃に、体勢を崩しながら回避したブラック・クロウ。そこへブルー・リーゼが一気に距離を詰める!
「そこだーっ!」
 振るった軌跡に星の輝きを残しながら。『ビームセイバー『エトワール』』がブラック・クロウのウイングユニットの先端を斬り飛ばす!
 がくん、と制御を失ったブラック・クロウの機体を足場にして、ブルー・リーゼが再び距離を取る。……と同時にシルはコックピットの中で詠唱開始。
(次で……決めるよ!)
 魔力を溜めるイメージを幾重にも重ねていく。
 しかしブラック・クロウもやられっぱなしでいないと加速開始。残った左腕右脚の鉤爪を高速飛行で、ブルー・リーゼに突きつけてくる。
「……っ!」
 その攻撃にシルは瞬間思考力で最適解を導く。咄嗟に前に押し出したエトワールの光刃で動きを見切った鉤爪を弾き飛ばし。
(あと……15秒!)
 なおも追撃してくるブラック・クロウに、ブルー・リーゼは残像を生みながらかく乱。攻撃を回避しながら、時間を稼いだ分だけ、シルが魔力を高めていき……。
「魔力充填完了!」
 シルが叫ぶ。直後、エトワールの一閃でブラック・クロウを弾き飛ばしたブルー・リーゼが空に立つ。
「全砲門、リミッター解除。全部もってけー!!」
 シルの言葉とともに放たれた【青の雷光】――全砲門からの高出力ビームがブラック・クロウの機体を飲み込む!
 光の奔流が突き抜けるごとに、その衝撃と威力を叩き込んでいくビームが空から消えた後。
「どうだっ!?」
 そう叫ぶシルの前で、ブラック・クロウの機体が激しく爆発するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレーネ・ジルコニウム
錫華さんと

「いや……
私、コックピットを……
パイロットの人が乗っていたのに……?」

呆然としている中、襲いくる敵キャバリア。
けれど、私にはもう操縦桿を握る勇気がなくて。

「あっ、錫華さんっ!?」

錫華さんに手を引かれ、ナズグルのコックピットからスヴァスティカのコックピットへ。
錫華さんと二人乗りになった直後、後方でナズグルが爆散する音が。

「わ、私も、一歩間違えたら、キャバリアごと……」

死の恐怖に、足に力が入らず、スヴァスティカのコックピットでぺたんと座り込んでしまい……

「あっ、はい、錫華さんっ!
きゃああっ!」

揺れる狭いコックピットの中で、錫華さんの胸に抱きついて悲鳴をあげてしまうのでした。


支倉・錫華
【セレーネ大佐と】

引き続きスヴァスティカで行動。

相手は飛行系か。
こっちも飛べなくはないけど、今回はそうもいかないかな。

大佐にナズグルからスヴァスティカのコクピットに移ってもらって、
落ち着いてもらうことに……って、このタイミングで敵!?

射程を5倍、装甲を半分にして、爆散したナズグルから距離をとって遠距離戦。
【FdP CMPR-X3】を対空榴弾モードにして、敵に近づかれる前に撃ち墜していくよ。
「大佐、見なくていいからね」

対空砲火をくぐり抜けてきた敵がいたら、こっちも対応せざるを得ないかな。
スラスターを噴かして、相手の目の前にジャンプして【歌仙】で切りつけよう。
「ちょっと揺れるから、掴まっててね」




 輸送キャラバンのトレーラーに近い位置。その位置で『【ガルヴォルン製量産型キャバリア】ナズグル』に乗ったまま、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)は目の前の光景を受け入れきれずにいた。
「いや……私、コックピットを……パイロットの人が乗っていたのに……?」
 震える小さなセレーネの体を抱くのは支倉・錫華(Gambenero・f29951)。1歳しか変わらないというのに、この落ち着きの違いはおそらく『これまで歩んできた道』の差か。
 さながら保護者のように、そしてセレーネが落ち着くようにその身を抱き寄せる錫華であるが。
「……っ、このタイミングで!?」
 何かが落ちてくる音。咄嗟に振り向いた錫華の目に映るのは、仲間の猟兵のビーム砲撃で撃ち落とされてきた『ブラック・クロウ』である。
「……敵……?」
 自由落下に近い感じであるが、ブラック・クロウの機体がナズグル直撃コースで落ちてくる。体勢的に自然と視界に捉えたセレーネが撃墜しようとして、操縦桿を握ろうとして……握れない。
「……ぁ」
 零れる吐息。もう、もうセレーネの中に操縦桿を握る勇気は残っていない。
「あっ、錫華さんっ!?」
 それを視認した錫華は、セレーネの意志を確認するより早く彼女の身を抱きかかえてコックピットから飛ぶ。そのまま愛機『スヴァスティカ』のコックピットに戻った錫華は、ハッチを閉める前にその場から退避する!
 直後、ブラック・クロウがナズグルに激突して爆発。
(間に合った)
 ほっとひと息つきながら、そのまま距離を取って制止。爆炎を油断せず見つめながら手元のセレーネの頭を撫でる錫華。
「わ、私も、一歩間違えたら、キャバリアごと……」
 ナズグルの悲惨な状況を確認してセレーネは錫華の胸に顔を埋める。否、死の恐怖に飲み込まれた少女は立っているほどの力すらなく、錫華の体を支えにしてなお、スヴァスティカのコックピットでぺたんと座り込む……。
 そんなセレーネに錫華は優しい表情を向けて。
(ここで落ち着いてもらおう……って、思ったんだけどなー)
 しかし、次の瞬間、いつもの表情に戻った。
 どうやら、ナズグルの犠牲だけでは屠れなかったようだ。爆炎と爆風が晴れ、そこに在ったのは地面に跪く態勢のナズグルと、その上を飛ぶブラック・クロウ。僅かに残っていたナノクラスタ装甲が制御系を修復したらしく、ブラック・クロウはどうにか空へと舞い戻る。
(こっちも飛べなくはないけど、今回はそうもいかないかな)
 ちらりとセレーネの様子を窺いながら、錫華はコックピットのハッチを閉める。
「錫華さん……?」
「大佐、見なくていいからね」
 不安そうなセレーネの顔を自分のお腹に押し付けて視界を塞ぐ錫華。その間にも錫華の手は戦闘態勢を整えている。【脈動臨界チューニング】、スヴァスティカの形態が装甲を犠牲にしながらも射程を最重視した形態へと変形する。
 スラスターを噴かせてさらに後退しつつ、キャバリア用多目的ライフル『FdP CMPR-X3』を構えるスヴァスティカ。
「対空榴弾モード……どう!?」
 空を飛んで迫りくるブラック・クロウに対して、対空榴弾を発射。炸裂した瞬間に広範囲に爆散する破片がブラック・クロウの装甲を派手に削り取るが、ナノクラスタ装甲がその穴を塞いでいく。
「ちっ……」
 敵に近づかれる前に撃ち墜とす、がこの機動の目的だ。ライフルから対空榴弾を連射するも、致命傷に至らず、その間にナノクラスタ装甲がブラック・クロウの態勢を整えてしまう。
 なるべくセレーネから近距離で戦闘をしたくはない……が、弾幕を強引に突き抜けてくるブラック・クロウに対して、そんなことも言っていられない。
「こっちも対応せざるを得ないかな」
 『FdP CMPR-X3』を仕舞い込んで、スラスターを逆噴射。瞬間、制止したスヴァスティカはその手に『歌仙』を引き抜く。
「大佐。ちょっと揺れるから、掴まっててね」
「あっ、はい、錫華さんっ! きゃああっ!」
 錫華の言葉にセレーネが応えた直後、スヴァスティカがスラスターを噴かせる。急速発進の衝撃に思わず錫華の胸というかお腹というかそんな位置に抱きついて悲鳴をあげてしまうセレーネ。
 セレーネの悲鳴はちょっと気になったが、錫華はそのままスヴァスティカを直進させる。そこを目掛けて飛翔するブラック・クロウが黒い嵐となって衝撃波を叩きつけてくる、が。
「……ッ!」
 錫華の手が滑るように動く。直後、急制動したスヴァスティカが空へ跳ぶ。着地目標点は……ブラック・クロウの目前!
「もらったよ」
 その言葉と歌仙の刃を叩きつけて、ブラック・クロウの片方の翼を斬り落とす錫華&スヴァスティカ。
「大佐、このまま一度距離を取るよ」
「は、はい!」
 失墜しかけたブラック・クロウをスヴァスティカが蹴り飛ばして、輸送キャラバンから強引に引き剥がす。
 ブラック・クロウを撃退した錫華とセレーネはそのままキャラバンの方へ退避して、最後の一撃を仲間に託すのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ノエル・カンナビス
あんまり時間を掛けている場合でもないですね。
追撃しておきましょう。

シルさんの砲撃でボロボロになっているようですし、
無茶な機動も、もうできないでしょう。
直線速度だけなら、完調のエイストラの方が上です。
一撃離脱を仕掛けます。

低高度を全速で接近し、射程に入り次第UCを発動。
敵機も黒翼も衝撃波も、すべて消し飛ばします。

高速移動で生まれた程度の衝撃波では、
自然には存在し得ない超音速の高硬度衝撃波に
対抗することなど出来ません。
黒翼だけを先行させても2回攻撃で両方ノックアウト、
なんなら武器受け/咄嗟の一撃/カウンターでもう一発。

H・S・Fはそこまで電力は喰いません。
貴方が粉々になるまででも撃てますよ。




「向こうも気にするほど劣勢ではないようです」
 空より戦況――前方のエミール隊の動きを確認していたノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)はそう呟いて。
 輸送キャラバン前方の戦いもそろそろ終わりそうだ。もちろんエミール隊の勝利で。
 それを確信したノエルは再び、愛機『エイストラ』のコンソールの上に手を滑らせていく。センサーの焦点を自身の周辺に戻すと同時に、敵機『ブラック・クロウ』を捉えるエイストラ。
「あんまり時間を掛けている場合でもないですね。追撃しておきましょう」
 ノエルが戦況を走査していた間にも、仲間の猟兵たちがブラック・クロウに攻撃を叩き込み、追い込んでいる。あと少し。
「シルさんの砲撃でボロボロになっているようですし、無茶な機動も、もうできないでしょう」
 言うが早いか、エイストラの『バイブロジェットブースター』が火を噴く。その推進力に押し出されるようにして、加速するノエル&エイストラ。
(直線速度だけなら、完調のエイストラの方が上です)
 一撃離脱を仕掛けるため、ノエルとエイストラは風を切って、ブラック・クロウへ突撃するのであった。


 一度、低高度まで降りて、地を這うように全速で加速。急速接近するエイストラを、しかしブラック・クロウもまた迎撃態勢で迎える。エイストラの一撃をしのげなければ終わりと実感したのだろう。もはや防御などいらない、と装甲をパージして再加速。捨て身の一撃を叩き込むべく、全てを賭けてブラック・クロウ。残っている手足の鉤爪がエイストラを向いてエイストラの身を抉らんと迫る。

 だが。

「H・S・F、ラディエイション」
 ノエルの声が響き渡る。
 直後、エイストラから全方位に放たれる超音速の高硬度衝撃波。本来は近接防御兵装であり、砲弾やミサイルなどを弾き飛ばすためのもの。
『……!?』
 しかしユーベルコードの域まで洗練されたその技術は、ブラック・クロウの突撃すら弾き飛ばして押し返す。そして加速に伴って放たれたソニックブームすらも、ノエルの【ハーデンド・ショックフロント】は消し飛ばした。
「高速移動で生まれた程度の衝撃波では、対抗することなど出来ません」
 何せこちらは自然には存在し得ない超音速の高硬度衝撃波なのだ。音速程度なにするものぞ、足りないのは必然である。
 押し返されるブラック・クロウの機体が衝撃波で歪み、ひしゃげていく。いかに全てを賭けた一撃とて届かなければ意味がない。軋む機体に劣勢を感じたか、再び空へ飛び上がろうとするブラック・クロウ……に新たな高硬度衝撃波が叩き込まれる。
『……!!』
「H・S・Fはそこまで電力は喰いません。貴方が粉々になるまででも撃てますよ」
 そう告げる間もノエルは攻撃の手を止めていない。幾度も放たれる【ハーデンド・ショックフロント】。苦し紛れに放った羽状の攻撃ユニットもエイストラに届くことなく。
『…………!!!!』
 最期に、ブラック・クロウの機体が叫ぶように空を向いて。爆散する。
「……」
 その爆風へさらに高硬度衝撃波が放たれて。機体の破片すらも残さないと爆風を切り刻み、全てを振り払うノエル&エイストラ。
 そして、全てが切り払われた。
「……終わりましたか」
 運がいいのか悪いのか。パイロットの人間は地面に落ちている。どうやら命だけはとりとめたようだが、まぁその辺は他の人間に任せればいいだろう。

 コックピットのハッチを開いて、ノエルは息を吐く。もはやオブリビオンマシンの気配は微塵も感じられない。
 この場における猟兵対オブリビオンマシンの戦いはこうして猟兵の勝利で終わったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『クロムキャバリア小国家の首都観光』

POW   :    食事! 首都ならではのグルメを楽しむ。

SPD   :    名所! 首都の観光名所やスポットを巡る。

WIZ   :    名産! おみやげや掘り出し物を探すショッピングに回る。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●輸送完了!
 こうして、輸送キャラバン・エミール隊に襲い掛かったオブリビオンマシンたちは傭兵としてこの隊に同行していた猟兵たちによって撃退された。
 再び輸送ルートに戻ったエミール隊は当初の予定だった街へと辿り着く。
「さて、納品は部下たちに任せまして」
 そう言ってエミールはこの街にあるエミール商会が借りている宿舎へと向かう。残念ながらキャバリアや大型トレーラーは街の外に置かざるを得ないが、そこは交代で見張りを置くらしい。
 『納品』という言葉に、猟兵たちが首を傾げると。
「いやいや、我々『商人』ですからね?」
 猟兵たちの仕草に苦笑しながら、経緯を説明する。オブリビオンマシンの襲撃で話が中途半端に終わっていたからだ。
「今回の我々の仕事は、国……というかクライノートの魔石管理部門から請け負ったのですが、この街の魔石職人に原石を届ける、というものです」
 裏ルートとかではなく、真っ当な……むしろクライノートの基幹事業である。
「少し話しましたが、クライノートはプラントから産出した資産以外に、この魔石を輸出して利益を得ています」
 宿舎への道中、エミールは猟兵たちにこの国における『魔石』=『エルプシャフト』と呼ばれている宝石の話をする。その話が終わろうとしている頃に宿舎が見えてきた。
「お、いいタイミングでしたね。後は仕事の打ち上げをしながらにしましょう」

●パーティーするよ!
 この2階建ての小さな宿舎をエミール商会は懇意にしている。輸送の仕事の合間に泊まる程度ならここは十分な広さだ。
 1階には受付、ロビー、簡単なパーティーなら行える個室のホールがあって、2階が寝泊まりする寝室のフロア。今日は他の客はいないようだ。
「というわけで、多少騒いでも大丈夫です。盛大に仕事完遂を打ち上げしましょう」
 そういうエミールの指示によって、ホール内には、いわゆるバイキングスタイルな食事が用意され、この街の名産品が並ぶ。
「さすがに名所は……うん、まぁ話くらいになるかな?」
 と微苦笑するエミール。
 こうして、夜の帳が降りた頃に、盛大に打ち上げパーティーが始まったのである。

※シナリオ補足※
 3章は室内になります。
 飲み食いしたり、まったりしたり、パーティーを楽しんでください。エミールたちに絡む必要はありませんが、聞きたいこととかありましたら、聞いたら答えてくれます。

 エミール隊の他には宿の人しかいませんが、宿の人はエミールの正体を知りませんので、その手の話はこそこそ話になります(聞かれません、気付かれません)

 食事については、肉、魚、サラダ、パスタ、米その他色々。一般的にビュッフェとかバイキングとかで見かけるものはあるものとします。例外はデザート類。フルーツしかありません。
 街の名産品はエルプシャフトのアクセサリーがあります。ありきたりなものは宿でも売っているらしく、普通に買えます(フレーバーです。アイテム発行はありませんのでご注意ください)
 街の名所は魔石の加工現場と魔石加工時の破片を使った射撃場があります。お話を聞くだけになりますが。

 魔石に関するお話(道中の話)については、別だしでこの後に記述します。

 この章からこっそり混ざっても問題ないです。エミールたちも輸送が無事終わったので(盗賊に襲われたりと失敗することもあるので)、ホッとした分おおらかになっています。
●魔石のお話(この国の大人なら誰でも知っていること)
「魔石……とは通称といいますか、馴染みのある呼び方に落としたもので」
 エミールは猟兵たちに話し続ける。
「本来の名前を『エルプシャフト』と言います。クライノートの首都、その後ろにそびえたつ巨大な霊峰からのみ産出される天然鉱石」
 この黒い鉱石は加工次第で様々な顔を見せる。美しくカットすれば黒いダイヤのような輝きを見せ、丸く削って磨けば黒水晶のようにも光沢のあるパイライトのようになる。四角に切り出して調えれば黒曜石のような使い方だって出来るのだ。加工の次第では最高級の装飾にだってなり得るこの鉱石。
「アクセサリーや装飾に使われることが多いのですが、この石の真骨頂はその『性質』にあります」
 そう言ってエミールは一拍置いて話し出す。
「エルプシャフトは『魔鉱石』とも呼ばれます。実はこの石はその大きさを限度に『霊峰に流れる魔力』を貯め込む性質があるのです」
 つまり、この魔石は霊峰の中で長い時間をかけて育まれた結晶であると同時に、霊峰の力を貯め込んだ魔力貯蔵庫でもあるのだ。
「これに魔力や魔力に近いモノ……例えば、生命力や精霊の力、あるいはサイキックキャバリアに使われている動力などを流し込むと、貯蔵魔力が反応を起こして一時的に膨大な力を得ることが出来ます」
 魔力反応は1回のみ。霊峰から切り離された段階で貯め込む性質は失われているため、一度反応をおこして魔力を放出すると、後は宝石として残るだけになる。
「日常生活の中で、そんな気もないのにうっかり暴発しても怖いので」
 ちなみに『うっかり』魔力反応をおこした場合は、その場で爆発するという。大惨事である。そうならないために。
「我々はこの魔石に調整を施して、安全に、かつ効果的に使用する術を作り出しました」
 それが『魔石加工』。それを生業とするものを『魔石職人』と呼ぶ。
「正確には、見た目を調える『細工』と魔力を制御する術式を刻み込む『刻印』の2つがありましてね」
 技術の系統が違うため、一般的には細工と刻印は別の者が行う。魔石職人は2人以上や3人以上でユニットを組んでいることも少なくない。
「採掘された魔石は原石と呼び、国が管理します。大きさや純度等を調べて、有用度が高いものは国内用に。低いものは国外用に振り分けて、魔石職人に卸すわけですね」
 その後に魔石加工を行い、それぞれの用途にするわけだ。
「もちろん国外用は事前に魔力を放出させて、ただの宝石として輸出するんですけど」

●刻印
「さて、この魔石ですが、国内では御守や護符、アミュレットとして大人気です」
 というのは、刻印を行うことで『使用者』や『用途』、『魔力放出の型』などを術式として刻み込むことができるからだ。
「例えば要人は胸にブローチとして装着しておいて、有事には魔力を流し込んで障壁を張ったりできるわけですね」
 たった一回の使い捨て機能だが、それでも命を守れるとなれば高い買い物ではない。
 他にも一時的に身体能力をブーストしたり、目くらましの閃光弾の代わりになったり。一定時間だが魔力の武器を形成することだってできる。
「子どもが生まれた時に一生のお守りとして渡す家もあるんですよ」
 そんな感じで、この魔石はこのクライノートの生活の中に溶け込んでいる生活必需品なのである。
「そんな魔石を他国が欲しがらないわけがなくてですね」
 微苦笑するエミール。そう、この魔石は常に狙われている。そのため、魔石職人のいる街は常に警備が厳重だし、国の直轄部隊が常駐している。こうやって国の基幹事業として、皆が魔石を大切しているのだ。
「細工の過程で出てきた破片ですら重宝されると聞きますね」
 袋の中に纏めて入れて、魔力を流し込んだ後で投げつければ爆弾にはなるだろう。ちなみに純粋な衝撃では魔力反応は起きないとのこと。
「で、ここが重要なのですが……キャバリア兵器にも使用できます」
 もちろんそれなりの大きさが必要になるが。一時的に超強化したビームを放ったりできるわけだ。
「そしてプラントにも使えるんですね」
 そんなわけで各プラントに備え付けられているのが、魔石障壁――通称『エルプシャフトの輝き』である。
「これが発動すると、一定時間プラントに対するあらゆる衝撃やダメージを弾き返します。度重なる戦役でこの国がプラントを守れてきたのはこの魔石によるところが大きいのです」
 若き将校エリックが起こしたプラント占拠事件、通称『クプファー事件』の際に猟兵たちが発動させたのがこのエルプシャフトの輝きである。
「まぁそんなわけで。我々の国クライノートは『魔石の国』と呼ばれているわけです」
 その魔石の国を支える魔石の原石を輸送する事業。国に許可された、あるいは管理されているその事業の一角を担うのがエミール隊なのである。
ノエル・カンナビス
WIZ

このクロムで『霊峰の魔力』とは珍しやかな話ですけれど。
フォークロアの類でしょうか。

それだけ応用が利くという事は、魔法と呼んでも差支えが
ない基礎技術的な『何か』なのでしょう。が。

どのみち国外に持ち出せないのでは仕方ありません。
アクセサリを眺めるだけにしておきましょう。
質の良いオールドカットの石があれば一つ買います。

その後はパーティへ。
社交の心得はありませんので、聞き役に回ります。
昨日の今日で、武勇談など飛び交うでしょうから、
今後のお仕事の参考になるかも知れません。

特に心理的変化などは実践の場でも判りませんので、
さりげなく持ち上げつつデータ収集に勤しみます。
それで場が盛り上がれば一石二鳥と。




 無事に輸送を終えて、エミール隊と一緒に宿舎へ移動してきたノエル・カンナビス(キャバリア傭兵・f33081)。準備をいそいそとしているホールの中を横目で見ながら、ノエルは先に並べられていたお土産物屋――クライノートの名産品である、エルプシャフトのアクセサリーを覗き込んでいた。
(このクロムで『霊峰の魔力』とは珍しやかな話ですけれど)
 先ほどエミールから聞いた話を思い出しながら、目の前にある黒の宝石を見つめるノエル。
(フォークロアの類でしょうか)
 この世界はある意味、そういう『ファンタジー』とは無縁の世界だ。人がキャバリアを駆って、戦争をしている。そこに在るのは常にリアルであり、動力源もまた人の手で造られたもの。
 とはいえ、聞いた話ではクライノートの中では定着した技術のようにも見受けられる。
(それだけ応用が利くという事は、魔法と呼んでも差支えがない基礎技術的な『何か』なのでしょう。が)
 考えても答えは出そうにない。
(どのみち国外に持ち出せないのでは仕方ありません)
 そう考え直して、ノエルは目の前のアクセサリーに意識を戻す。

 ――仮にこの問いをエミールにしていたら、こう返ってきただろう。
「さすが。ご推察の通りです」
「起源はわかりません。ただただ受け継いで、それを洗練してきただけですから」
「おそらくは、古代魔法帝国時代……の技術なのでしょうが、一度失えば、我々に取り戻す術はありません」
「ならばこそ、この魔石は『エルプシャフト』……遺産と呼ばれているのです」

 ノエルの目の前に並ぶ宝石・アクセサリーたちは、カットや加工の仕方で、水晶のようにもダイヤのようにも見える。
「……これを」
 そう言ってノエルが指さしたのは、質の良いオールドカットの宝石ひとつ。その輝きはダイヤのようでその奥に不思議な黒の輝きが残っている。
 アクセサリーへの加工はこの料金内で自由に買えられるらしい。お手頃価格でお気に召した石を購入したノエルは、準備が終わったらしいパーティー会場へ足を向けるのであった。


 仕事終わりの打ち上げなので。
 始まってしまえば、無礼講どころか、ただの飲み会である。そこにキャラバンを守った傭兵――猟兵たちが混ざっているのだから、盛り上がらないわけがない。
(社交の心得はありませんので、聞き役に回ります)
 とかなんとか考えていたノエルなのだが、今日の立役者を周りが放っておくわけもなく。あっという間に捕まった。
「いやーかっこよかったよ、あんたのキャバリア」
「空飛べるっていいよなー」
 キャラバンの前方からでもノエルの『エイストラ』の戦い方は確認できていたのだろう。エミールの部下たちが、セクハラにならない距離を保ちながら、楽しそうに話しかけてくる。
「まあ、型落ちの量産型キャバリアじゃ勝てそうもねぇや」
 そこで爆笑するエミール隊。
(……)
 ノエル的には『楽しいんだろうなー』とは思うものの、その心理的変化などは把握できるものではない……そういう意味では彼女は『心無い兵器』なのだから。
 でも楽しげなのを邪魔するのもまた『人の形』をして生きている以上、よろしくないこともわかる。
「そういえば……」
 と戦闘の中でエイストラが収集したデータをその場で披露するノエル。もちろんただの戦闘映像記録で重要な情報などは含まれていないもの。
「こういうものに興味はありますか?」
「「あります」」
 ノエルが提示した戦闘映像を食い入るように見るエミールの配下たち。
 その場で戦闘映像鑑賞会が始まったのである。
「皆さんのキャバリアからのデータを見ると、前と後ろで敵の数はそう変わらなかったみたいです」
 ノエルさんの戦闘分析はじまるよー。
 彼らは彼らでちょっとでも戦闘技術をあげようとしているのだろう、その意志をノエルも感じて。
「皆さんのキャバリア戦闘もとても興味があります」
 とさりげなくデータ収集を行おうとするノエルでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
せっかくだから、おいしいご飯食べるよっ

一杯は食べられないから、ちょこちょこ種類を取っていくね
おっさかな、おっにく、おっやさーい♪
一通り取ってから、頂きますっ♪

あ、エミールさん、お疲れさまでしたー。
せっかくだから、この魔石について知りたいな
…わたしの子も、サイキックキャバリアだし
魔法使いっていうのかな?わたしも、そっちの方面の人だから、興味あるしね。
生まれた時にお守りとしてっていうの、とっても素敵だよね。守護石みたいな感じかぁ。

しかし、キャバリア兵器にも使えるのはすごいね…
サイキックキャバリア乗りの人には、有効そうなパーツというか道具にはなるね。
一時的な機体の性能アップとかにも使えそうだもんね。




「おいしーっ♪」
 シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)は手元のお皿から口に運ばれたローストビーフを噛みしめて、そう言葉をこぼした。仕事の後のご飯は美味しい、これはいかなる世であっても絶対に変わることのない摂理である。

「せっかくだから、おいしいご飯食べるよっ」
 と会場まで足を運んだシルをお出迎えしたのは、エミール隊の面々ととってもたくさんの料理たちである。
「おっさかな、おっにく、おっやさーい♪」
 一杯は食べられないから、と、たくさんの種類からちょこちょこと取り皿に料理を取っていくシル。そんな感じでひと通り取ってから着席したシルは手を合わせる。
「頂きますっ♪」
 そしてシルのほっぺは冒頭のようにとろけていたのでした。

「シルさん、お疲れさまでした」
「あ、エミールさん、お疲れさまでしたー」
 背中から掛けられた声はエミールのものであった。振り返ったシルの視界に入ってきたのも微笑んでいるエミールである。
「……あ」
「?」
 声をあげるシルに首を傾げるエミール。
「せっかくだから、この魔石について知りたいな」
「そうですね。そういうお話でした」
 出撃前のやりとりを思い出してエミールがまた微笑み、ドリンクを片手にシルの隣に座る。
「えーと、魔石の大雑把なところはお伝えしましたね?」
 とエミールが切り出せば、シルも頷きを返す。
「……わたしの子も、サイキックキャバリアだし」
「ええ。とても美しい機体でした。きっとあのキャバリアもシルさんのことを気に入っているのでしょう」
 消された過去とはいえ、クライノートの騎士団の要職にあったエミールはサイキックキャバリアの存在もよく知っている。それに連なる、謎めいた『古代魔法帝国時代』のこともそこらの人よりは詳しいだろう。
「魔法使いっていうのかな? わたしも、そっちの方面の人だから、興味あるしね」
「なるほど、魔法使い、というのですか。あの技術体系は我々では決して復元できないでしょうね」
 笑みを浮かべてから、エミールが続ける。
「おそらく、ですが。起源というか発生時期は一緒なのだと思います」
 古代魔法帝国がその力を振るっていた頃。協力のためなのか対抗のためなのか、古代のクライノートの人々が求めた結果がこの魔石なのだろう。
「『エルプシャフト』……遺産という意味だと言われています」
 あくまで人々が一から創り出したものではなく、霊峰がため込んでいた魔力であったり、連綿と引き継がれてきた技術であったり。そういったものの精度をあげているだけで、我々が何かを創造しているわけではない、とエミールは言う。
「超能力、魔力。様々な呼び方はあると思いますが、その源は『生きようとする力』なのだと聞いています」
 そう言ってエミールはシルを向く。
「あなたとは力の制御の仕方と顕れ方が違うだけで、きっと同じ力なのだと思いますよ」
 魔法と魔石と。使い方が違うだけ。使う人が違うだけ。精錬された存在と汎用的なアイテムとの差はあるが、そこにあるのは『願い』とも言える。
「まぁ、魔石は一回限りの御守みたいなものですが」
 そう言って微苦笑するエミールに、今度はシルが笑いかける。
「生まれた時にお守りとしてっていうの、とっても素敵だよね」
「そうですか?」
「守護石みたいな感じかぁ」
「ふむ。そのような風習もあるのですね」
 意外と魔法の話が通じるエミールでした。

 ひと通りの話を終えて、シルがうんうんと頷きを返す。
「でも、キャバリア兵器にも使えるのはすごいね……」
「でしょう?」
 シルの言葉に何故かエミールが得意げである。いや、さっき『我々の技術じゃない』って言ったよね? とツッコミを入れる部下は側にいなかった。
 なので話はスムーズに進む。
「サイキックキャバリア乗りの人には、有効そうなパーツというか道具にはなるね」
「いえ。サイキックキャバリアに限ったことではありません」
 術式は魔石に刻まれている。簡単に言えば、携行型の魔法を持ち歩くようなものだ。絶対に一回限りだけれど。
「一時的な機体の性能アップとかにも使えそうだもんね」
「だから、キャバリアで使えそうな大きな魔石はいつも取り合いなのですよ」
 シルの言葉に肩をすくめるエミール。
「あはは」
 そんなエミールのおどけた仕草に、シルもまた微苦笑するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

支倉・錫華
【セレーネ大佐と】

お守りとかはガラではないけど、セレーネには似合いそう。
それに実用性もあるならいいかもだね。

ごはんの前に、ちょっと探してみよう。

いろいろあるけどやっぱり宝石だね。
いい大きさと色のは少ないな。あってもかなり高いし……。

あ、これいいかも。

見つけたのは、2カラットくらいの大きさの『エルプシャフト』
でも、指輪かぁ。

ね、これブローチにできないかな? 無理?
なるほど、指輪だと普段使いにくいからちょっとお安めなのか。
ふぅん。ブローチなら3倍するんだ。

ま、指輪でもいいか。

購入した指輪は、ごはんを食べてるときにセレーネに渡すね。
……え、えと反応、おかしくない? なにか勘違いしてる気もする……?


セレーネ・ジルコニウム
錫華さんと

「私、キャバリアのコックピットを……
さらに、あのままナズグルに乗っていたら、私まで……」

家代わりの戦艦で自分がいかに周囲に甘やかされてきたかを実感し、さらに家出してからも錫華さんに守られてばかりなことに自己嫌悪に陥ります。

「私、今までキャバリアに乗って戦っても無事だったのは、機体とAIの性能のおかげだったんですね……」

命のやりとりをする戦闘に恐怖を感じ、パーティー会場の隅にいたところ、錫華さんから声をかけられ。

「えっ、プレゼント?
私にですか?」

言われて開けてみたら入っていたのは指輪で。

「ええっ、あ、あの、錫華さん、私、嬉しいんですけどまだ心の準備がっ!」(混乱しつつ左手の薬指にはめる




 街について、キャバリアから離れて。
 ようやく戦場の『イヤな臭い』から解放されたセレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)と支倉・錫華(Gambenero・f29951)は誘われるままにパーティー会場へ訪れていた。賑やかな街の喧噪。騒がしいけれども、ここには彼女らに対する敵意や悪意といった不安要素は無い。
 だからこそセレーネの脳裏に思い浮かぶのは、輸送中にあった戦闘のことであった。
「私、キャバリアのコックピットを……さらに、あのままナズグルに乗っていたら、私まで……」
 その恐怖に身を震わせるセレーネ。
 本来、彼女の愛機は『スティンガー』という試作クロムキャバリアである。それが手元にないのは色んな理由があるわけだが、さておき。スティンガーの性能や支援をしてくれていた疑似人格持ちAIといった存在は、もちろん量産型のナズグルには搭載されていない。
 ゆえに、地力がもろに出てしまった結果、ともいえた。
「私、今までキャバリアに乗って戦っても無事だったのは、機体とAIの性能のおかげだったんですね……」
 さらに旗艦も家代わりともいえる高性能戦艦。『自分がいかに周囲に甘やかされてきたか』を痛烈に突きつけられているのが今のセレーネだ。
 トドメはそこから飛び出してきた際に一緒についてきてくれた錫華がいなければ、セレーネは今頃……。
「……はぁ」
 思わず漏れる溜息は短く、しかし深すぎる。それはセレーネの自己嫌悪の大きさを表すように深くて。
 つっ、とあげた視界に映る、目の前の賑やかな喧噪。それが別世界のことのように映るのも、今のセレーネには致し方ないのかもしれない。


(遅れちゃったな)
 そう思いながら錫華は少しだけ足早に。寄り道が予想以上に長引いてしまった……とはいっても隣の部屋なのだが。
 セレーネと一緒に宿舎の部屋を出た錫華であったが、今はほんの少し別行動をしていた。パーティー会場にあたるホールの反対側の部屋に、お土産売り場を見つけたからだ。
(お守りとかはガラではないけど……)
 自身はそういうガラじゃない。それでも後ろ髪を引かれたのは、きっと目の前のセレーネがとぼとぼと歩いていたからだ。
(セレーネには似合いそうだし、それに実用性もあるならいいかもだね)
 そんなわけでご飯の前にほんの少し別行動したのである。

 そんなわけで店先で陳列されている、魔石――『エルプシャフト』が使われているアクセサリーをまじまじと眺める錫華。
(いろいろあるけど……やっぱり宝石だね)
 実用性、実用性と思いながらも、やっぱり目を引くのは宝石の類。錫華さんも年頃の女の子なのです(?)
(いい大きさと色のは少ないな。あってもかなり高いし……)
 宝石ともなると形と大きさ、そしてカットの精度などなどが関係してくる。するとお値段が上がってしまうのは致し方なし。無しなのだが、二人の懐が温かいかというとそんなこともなく。
 あれでもない、これでもない、と悩んでいた錫華が、視界の隅に不意に捉えたのは。
「あ、これいいかも」
 2カラットくらいの大きさのエルプシャフト。見た目は黒いダイヤのように鮮やかにカットされている。
(でも、指輪かぁ)
 しかしその形状が錫華のチェックにひっかっかった。2カラットだとそこそこに大きいし、これだと普段ちょっと使いにくいかもしれない。
「ね、これブローチにできないかな?」
「うーん……すみません。細工そのものは可能だと思うんですけど、こちらは売っているだけなので……」
「そっかー」
 どうもこの場では無理らしい。魔石職人の元へ持っていけばさくっと加工してもらえる感じではあるらしい。お金かかるけど。
「……なるほどね」
 さらに話を聞くと。指輪でちょっと使いにくい分、お値段ちょっとお安めらしい。
「ま、指輪でもいいか」
 結果的には錫華さんお買い上げである。


「ああ、ここにいたんだね」
「……錫華さん」
 パーティー会場の端っこでしょんぼり沈み込んでいたセレーネを見つけて、錫華が駆け寄る。
 命のやりとりをする戦闘、それに対する恐怖。それを拭いきれないセレーネは自分の身を抱くように、人目を避けていたのだが、見知った顔に少しほっとした表情を見せる。
「大佐、これあげる」
「えっ、プレゼント? 私にですか?」
 ぽんっ、と手渡されたプレゼント用の紙袋。セレーネがその中を覗き込むとそこには手のひらサイズのケースがあった。そしてそのケースの中にあったのは……もちろん錫華が買った指輪である。
「ええっ、あ、あの、錫華さん……!?」
「ん?」
 慌てふためくセレーネに対して、錫華はようやくありついたご飯(パスタだよ)を口の中に入れながら、不思議そうに首を傾げる。
「私、嬉しいんですけどまだ心の準備がっ!」
「……はい?」
 表現するなら、おめめがぐるぐるって感じのセレーネさん。ぷしゅーっとなりながら、明らかにパニック。しかし混乱の最中でも指輪はちゃっかり左手の薬指に納まっている。
 えっ、そういう感情?
 対して錫華さんは錫華さんで、冷静というかどこかズレていた。
「……え、えと反応、おかしくない?」
 セレーネの反応が予想外だったのは事実だ。しかし、こう、想定外にも程があるって感じであった。どう考えても『お守り渡した時の反応』ではない。
(なにか勘違いしてる気もする……?)
 とは思ったが、キョドるセレーネを正確に停止させる術は錫華にはない。

 ただひとつ言えることは、錫華の目の前のセレーネが最近の中では一番明るく楽し気だということ。

(ま、落ち着いてから)
 ブローチへの加工の話もあることだし。今はこのままにしておこう、と錫華はご飯へと意識を向ける。
「はわっ、はわわわっ……」
 いまだ状況を正確に整理できないセレーネは左手の薬指を見て、ぷしゅーし続けるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



 こうして、魔石の国『クライノート』ではありがちな、よくある輸送キャラバンの道中は無事に終わった。
 襲い掛かってきたキャバリアを撃退、魔石の原石輸送も問題なく依頼主の元へ。

 その裏に、オブリビオンマシンの暗躍があったわけだが、それは問題なく猟兵たちの手で潰えた。

 エミール隊が歴史の表に出ることは無いのであろう。それでも彼らはこの国の為に活動していくのである。

最終結果:成功

完成日:2021年07月18日


挿絵イラスト