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アイスブレイカー!

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #プレステル・ピスティ #テレビウム #システム・フラワーズ

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#システム・フラワーズ


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●キマイラフューチャーにて
 キマイラフューチャーのビルの地下。いかにも怪しげな研究室で、檻の中を見つめる一人の女性。中には、アイスバーに身を包んだシロクマがいる。
「UDCで発見されたこの技術があれば……」
 彼女は氷色の髪を揺らすと、檻を解き放った。

「なんでー!!?」
 ぽてぽてとビル街を走り抜けるクマ型テレビウムの男の子。その後ろを、ゆっくりと追いかけていくシロクマ入りアイスバー。シロクマの周囲は冷気が流れ、通り抜けていった跡には、氷の柱が昇っていく。
 更にシロクマは、纏った冷気を衝撃波のようにテレビウムへと放った。
「うわっ冷た!」
 弾き飛ばされすっころんだテレビウムは、その時ある違和感に気づく。
「これって……」
 顔の画面に浮かぶ「鍵」のマーク。それを確認した途端、シロクマは群れとなってテレビウムに迫ってきた。
「だ、誰かー!!」
 果たして彼を助けてくれる「ヒーロー」は現れるのだろうか。

●グリモアベースにて
「たいへんでーす!!」
 慌てて周囲を駆け回るメメ・ペペル(やせいのてれびうむ・f15302)に猟兵達が困惑していると、彼はピタッと動きを止め、矢継ぎ早に言葉を放った。

「てれびうむのききなのです!!きまふゅがあぶないのです!!」

 要領を得ないペペルの説明に、猟兵達は耳を傾けてどうにか内容を整理した。
 曰く、悪の組織「機械軍プレステル」の首領である「プレステル・ピスティ」が、世界征服のため動き出したのだという。
「てきは、はいかを「マシン怪人」にかいぞーし、てれびうむをおそおうとしています!」
 機械改造。一体どんな技術が使われているのか。猟兵の一人が疑問を口にすると、ペペルはそれに答えた。画面が恐怖で少しブレる。
「UDCではっけんされた、とてもきけんなぎじゅつがつかわれているようです……なんと、こおりの「怪人」にあずきをいれることで、はがおれるほどのかたさに……!」
 原理は不明だが、改造によって敵は強度を増したのだという。
 更に原理は不明だが、怪人は改造によって怪電波を放てるようになり、テレビウムの顔に「鍵」を浮かび上がらせる性質も得たようだ。もしかしたら、この「鍵」に心当たりのある猟兵がいるかもしれない。
「この『鍵』は、きまふゅの「メンテナンスゲート」のものです!『鍵』があつまってしまうと、きまふゅがまっぷたつになってしまいます!どうにかそれをそししてください!」
 ペペルは頭をぺこりと下げた。同じテレビウムとして、同族の危機は見過ごせないようだ。猟兵達が頷くと、ペペルは嬉しそうに笑顔の顔文字を画面に浮かべた。
「えへへ、みなさんおきをつけて!」
 短い腕をぶんぶん振り回しながら、ペペルは画面を光らせる。
「みなさんごぞんじのとおり、きまふゅでは『猟兵』はかっこいいひーろーです!せっかくですから、かっこよくてきをたおしちゃってください!」
 光が、猟兵達を包んでいった。


はんぺん
 ゆ゛る゛さ゛ん゛!!
 はんぺんと申します。今回はキマイラフューチャーでの幹部シナリオとなります。二章で完結する特殊シナリオです。お手柔らかにお願いします。以下は、シナリオの補足です。

●目的
 怪人「フローズン・ポーラーベア」と首領である「プレステル・ピスティ」を撃破し、悪の手からテレビウムを守ってください。第一章が怪人との集団戦、第二章が首領とのボス戦になります。怪人に狙われたテレビウム自身に戦闘能力はありませんが、救出するとその場に留まって応援してくれます。とてもかわいい。

●特殊ルール
 以下に記述した行動をプレイングに盛り込むと、プレイングボーナスが発生します。有利になる効果があるため、積極的に盛り込むことを推奨します。

●プレイングボーナス
 テレビウムに応援される(ちなみに戦力はゼロ)

 今回も人数が集まり次第、プレイングは締め切らせていただきます。また、内容やタイミングによってはプレイングを流す場合があります。予めご了承ください。
 公開された時点でプレイングの受付を開始します。それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『フローズン・ポーラーベア』

POW   :    (食べないでええええ!!)
【おいしそう/食べたい】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【冷気】から、高命中力の【辺り一帯を凍らせる冷気】を飛ばす。
SPD   :    (違う!伝説の武器じゃない!)
【一般キマイラに拾われ設定が『伝説の武器』】に変身し、武器「【『伝説の武器』という事にされた自身】」の威力増強と、【拾った者がテンションあがって操る冷気】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ   :    (この音はまさか……うわあああ!)
【『今、コンコンコンの音が聞こえた』】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【アイスキマイラ製造ロボット】から、高命中力の【ポーラーベアと同様のアイスにされる機械】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

草野・千秋
テレビウムさんの危機ですか
受けて立ちますよ

凍ったあずき……ああ、あの歯が欠けるほど硬いってやつですか
UDCアースにもあるんですよ、シロクマのアイスは
こう、練乳とかがかかっていて
って与太話してる場合でもないのです

襲われているテレビウムさんがいたら真っ先にかばう
ヒーローとして勇気を出して勝利のポーズ
よしよし、もう大丈夫ですよ

敵はかわいい見た目といっても侮ってはいけませんね
心がかちり、と凍るような歌詞を紡いでみせましょう
とても悲しい失恋の歌で敵を刻む
歌唱、楽器演奏、パフォーマンスUC【Tagetes erecta】で攻撃
第六感、戦闘知識で敵攻撃がテレビウム達に向かないか終始気を配る


イネス・オルティス
敵は中々堅そうね、でもビキニアーマーの女戦士がきっちり砕いてあげるわ
そこのテレビウム君はちょっと我慢しててね

野生の勘で察知した割れやすそうなポイントに
怪力を活かして【巨獣撃】で鎧砕きの攻撃を叩きこむ
砕けて散りなさい

強力な冷気を利用した攻撃みたいだけど、
私には氷結耐性のオーラ防御があるの、冷気なんてどうって事ないわ
寒さに強くなければビキニアーマーは普段使いできないでしょ?

恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません



●ソンナ&バッカーナ
 舞台は戻ってキマイラフューチャー。
「だ、誰かー!!」
 不幸にも白塗りのアイスバーに襲われた先程のテレビウムが悲痛な叫びを上げる。

 その時、上空から強い衝撃波が叩きつけられ、地面がずしんと大きく揺れた。
「!?」
 突然の事態に遭遇し、シロクマの群れは一斉に動きを止める。
 一方、状況が呑み込めないまま反動でぽよんと跳ねたテレビウムは、自分をかばうようにして並び立つ人影を見た。
「えぇ?誰?」
「よしよし、もう大丈夫ですよ」
「まだしばらく揺れるから、そこのテレビウム君はちょっと我慢しててね」
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)とイネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)だ。彼を救う「ヒーロー」は実在したのだ。
 2人を見て、シロクマの群れは唸り声を上げる。UDCにも「シロクマ」の氷菓子は存在するが、ここにいる群れはそんな甘いものではないということだろう。
「受けて立ちますよ」
「敵は中々堅そうね、でもビキニアーマーの女戦士がきっちり砕いてあげるわ」
 かっこよく台詞を放つ2人の挑発に乗ったシロクマ達は、標的を切り替えて一斉に向かって来る。ひとまずは相手の注意を逸らすことに成功したようだ。

「敵はかわいい見た目といっても侮ってはいけませんね」
 地平線まで遠く広がる海のような色のギターを一度鳴らし、千秋は深く息を吸い込んだ。
 紡がれるは、海底へと沈んでいくような悲しい恋の歌。寄せる波の音は優しく周囲を包んでいく。
 あずきを含んで鉱石に近い硬さを得た怪人でも、即座にメンタルまでもが強靭と化したわけではない。千秋の歌は、零した水が床に広がっていくように、じんわりとシロクマ達の心に滲みていく。
(今だ……!!)
 転調。メロディが音符の雨となり、文字通りシロクマ達の心に突き刺さる。溺れるようにシロクマ達は藻掻き苦しんだ。

「砕けて散りなさい」
 一方、千秋の攻撃で動きが鈍ったのを確認したイネスは、好機を逃すまいと怪力を活かした攻撃を叩きこむ。音符の雨が刺さり脆くなった箇所を的確に狙い、氷の鎧を砕いた。
 鎧を失い、無防備となったただのシロクマ達は慌てて逃げ去っていく。それでもなお残りのシロクマ達は、イネスの動きを止めようと冷気を放つが、一向に動きが鈍る気配はない。
「寒さに強くなければビキニアーマーは普段使いできないでしょ?」
 それもそのはず。ありとあらゆる場所で戦うビキニアーマー猟兵が、寒さに弱いわけが無いのだ。シロクマ達は、更に数を減らされていった。

 鳴り止まぬ音と衝撃によって、周囲にはキマイラフューチャーの住人達が集まり始めていた。皆はカメラを向け、不思議そうに様子を見守っている。
 その中の1人がぽつりと呟いた。
「あ、おいあれってraduじゃねえか!?」
「マジで!?サプライズライブ?」
「じゃあ隣にいるセクシーなお姉さんは?」
「ダンサーじゃない?ほら、今流行りのこんてんなんちゃらダンスとかいう……」
「エッチコンロ点火!」
 音楽活動もしている千秋に気づいた住人と、無意識のうちにばら撒かれるイネスの色気によって、周囲は大盛り上がりになっていく。
「好きだー!」
「エモー!!」」
「お姉さーん!スリーサイズ教えてくれー!」
 一部ライブと関係ない声援も混じっているが、2人のパフォーマンス(?)はキマイラフューチャーの住人の心も揺さぶることに成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポーラリア・ベル
ひんやり冬の気配がしたの!
えっ、あずきの入った、硬い白熊のアイス!?…伝説の武器、ダークアイスカリバー…!
ほしーい!!
みんな(【常冬の招来】の冬妖精)で一つ残らず回収しにいこー!

キマイラさんに拾われる前に素早く飛んで掴みに行くの!
冷気は【氷結耐性】で耐えるよ!
拾われたら【空中戦】で追いかけ、【天候操作】の吹雪で【目潰し】、怯んだ隙にぶんどって、落ちるキマイラさんは飛びながら【怪力】で掴んで上手い事着陸させるわ。

奪ったら……どれが一番最強のダークアイスカリバーか、皆でチャンバラ対決するよ!
ダークアイスカリバーを壊れるまで皆で打ち合うの!
残ったカリバーはボロボロになってると思うからー、食べよっか。



●無限チャンバラ地獄
「ひんやり冬の気配がしたの!」
 冷気に釣られてふわりと舞う冬の妖精。ポーラリア・ベル(冬告精・f06947)は目の前の敵を見て目を輝かせた。
「えっ、あずきの入った、硬い白熊のアイス!?…伝説の武器、ダークアイスカリバー…!ほしーい!!」
 ダークアイスカリバーとは一体何なのか、真相は本人にしかわからないが、それはさておき、ベルは同種の仲間を呼び寄せてアイスへと飛びついていく。
「うおー!拾ったー!」
 小さな身体で大きなアイスを掴み上げたベルの身体に、突如衝撃が走った。
「こ…これは!」
 身体の奥から湧き上がってくる強い冷気。元々持っているベル自身の冷気と合わさり、力がどんどん増していく。同様に、呼び出した他の冬妖精達も冷気が強化される。
「あたし、今なら何でも出来そうな気がするよー!」
 元気と冷気を増した無邪気な一行は、アイスをぶんぶん振り回しながら突き進んでいく。道中、他のアイスを氷漬けにして動けなくしているが、それを本人らが知る由はない。

 そんな一行に立ちはだかる影が1つ。
「ん?」
 ベルが顔を見上げると、そこにはうっかりアイスを掴んでしまったキマイラがいた。
「今の俺は最強だ!」
 キマイラは最強(自称)のダークアイスカリバーを構え、ベルに殴りかかろうとしている。
「よーし、それならチャンバラ対決だよ!」
 妖精軍団もダークアイスカリバーを向け、今ここにチャンバラ対決が開幕した。
「おらっ!」
 キマイラが勢いよくダークアイスカリバーを振ると、
「よいしょ!」
 ベルは負けじと躱して相手の背後に回り込む。
「特大の冷気だよー!」
 アイスと自身の冷気が合わさった大吹雪がキマイラに襲いかかり、あっさりとキマイラは吹き飛ばされた。
「よっと、大丈夫?」
 宙を舞ったキマイラを、ベルは怪力でひょいと抱える。
「あ、ありがとう」
「お礼ならいらないよー、代わりに」
「代わりに?」
「チャンバラ対決の続きしよっか」
「まだやるの!?」

 キマイラくんはアイスが壊れて妖精達が飽きるまで、延々とチャンバラに付き合わされたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
キマイラを物理的に真っ二つに割ろうなどと再び考える輩が現れようとは!
そんなに真っ二つが好きなら妾がそいつを見つけ出して真っ二つにしちゃる!

敵は住人を取り込む以上、迂闊な手出しはできぬ。
ならば妾はUC『結髪』を発動!
太陽の爆発にも匹敵する(自称)灼熱のブラストで、棒アイスを直撃ではなく炙るように射撃じゃ!

真夏の熱気の中で溶けかかったアイス…誰しも経験があるじゃろ~?
手は汁気でベットベト、いつ本体が棒から道端に滑り落ちるかもわからぬ慟哭!
半泣きじゃよな~?テンションダダ下がりじゃよな~?

その一瞬の心の隙を狙い、初めて敵めがけ本気の射撃!
ブルズアイが決まればギャラリーの盛り上がりもバッチリじゃろ。


ジェイ・ランス
【SPD】※アドリブ、連携歓迎
■心情
とりあえずねー。パッカーンは避けたいのよ、うん。
と、ゆーわけで、テレビウムの君は猟兵のおにーさんが保護だ。顔色悪いね、鍵になっちゃってるじゃん。大丈夫?
さて…おいおいおい、そこの君たち―。それ怪人だからね?武器じゃないからね?持つなよ?絶対持つなよ!?フリじゃねえぞー!

■戦闘
基本的に、UCによる【クイックドロウ】でスナイピング(スナイパー)し、一般キマイラに興味を持たれる前に【先制攻撃】します。
持たれてしまったものに関しては、【瞬間思考力】と【残像】を駆使し接近し、"牙"で柄部分の【切断】を試みます。

ほーら、危ないぞー。怪人になりたいわけじゃないだろ?


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

テレビウム達を護り…怪人共を討ち倒す…
行くぞ…私は処刑人だ…!

[オーラ防御と氷結耐性]を身に纏い
敵群に襲われているテレビウムを[かばい]、救出

敵群を[挑発しおびき寄せて]攻撃を自身に惹き付けて
テレビウム達を護りつつ逃がそう

鉄塊剣を振り回し[鎧砕きと怪力]で敵群を粉々に叩き砕いてゆこう

寒いのは好きじゃないんだ…食べはしない…だが…焼却してやる!

鉄塊剣を振るい【火車八つ裂きの刑】で攻撃
[範囲・属性攻撃]による地獄の炎の[衝撃波]で燃し尽くし
敵群と冷気共々[なぎ払い、焼却]してやろう…!

応援はありがたいけど…恥ずかしいな…
それに…危ないから…もう少し後ろに下がって…ごめんね…



●突発的花火フェス
 じわりじわりと数を減らされたシロクマ達は、危機感を覚えたのか動きを止めて互いに目を合わせた。
 やがて意を決したようにその内の何体かが身体をひっくり返して勢いよく地面に突き刺さる。その姿は、かつて悪の手から世界を救い、今は新たな勇者の誕生を待ち眠りにつく伝説の剣的なそれに近いような気がしなくもなくもない。
「それ怪人だからね?武器じゃないからね?持つなよ?絶対持つなよ!?フリじゃねえぞー!」
 ジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)が盛大に立てたフラグを回収するように、吸い寄せられそうになるテレビウムが1人。
「なぜだか引き抜かないといけない気がする……力…力が欲しい……」
 先程安全な所へ退避させたはずのクマ型テレビウムが、闇堕ちしそうな台詞を言いながらぽてぽて敵へ近付いていく。
「あーもう、フリじゃないって言ったのに!あとそこ!フラグとか言わない!」
 あ、聞こえていたんですね。すみません。
 ……それはさておき。このままでは冷凍のテレビウムが完成してしまう。シロクマ達はここぞとばかりに冷気を放った。

しかし、冷気がテレビウムに当たることは無かった。
仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)の燃ゆる地獄の焔と、神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)の眩く輝く光子が、冷気を溶かして遮ったのだ。
「ここは危険だ。お前は今の内に」
「あ、ありがとう……」
「顔色悪いね、鍵になっちゃってるじゃん。大丈夫?」
「え?えぇ……?」
 我に返ったテレビウムは、無事猟兵達に保護され、安全な場所へと戻された。
「今度は花火か?」
 呑気なキマイラフューチャーの住人達は、興味津々で次に起こる出来事を見守ろうとしている。
 もう邪魔者はいない。舞台は整った。

「キマイラを物理的に真っ二つに割ろうなどと再び考える輩が現れようとは!そんなに真っ二つが好きなら妾がそいつを見つけ出して真っ二つにしちゃる!」
 アマミは(自称)盾役であることを忘れて超攻撃的な装備を展開する。
 過剰なまでにエネルギーを生み出す反重力装置は、(自称)灼熱のブラストを解き放った。周囲の熱は留まるところを知らず、どんどん上昇していく。そう、これはまるで「猛暑日」などと報じられたあの夏の日の……。
「真夏の熱気の中で溶けかかったアイス…誰しも経験があるじゃろ~?
手は汁気でベットベト、いつ本体が棒から道端に滑り落ちるかもわからぬ慟哭!半泣きじゃよな~?テンションダダ下がりじゃよな~?」
 せっかく買ったのに、外で食べ始めた途端大惨事を起こすあのアイスキャンディーのように、表面から熱気で炙られた氷の装甲は脆くなっていく。ついでに夏の日の嫌な記憶が蘇ってシロクマ達の心も弱っていく。

「今の内に!」
 電子の身体を活かした瞬間思考力と残像で、今度はジェイが敵に素早く近寄る。無機質な虹色を帯びた瞳が、敵に狙いを定めた。
「ほーら、危ないぞー。怪人になりたいわけじゃないだろ?」
 他の住人がうっかり興味を持って柄を掴まないよう、硬化させた手刀によって柄を切り裂いた。
 持ち手がなければ、そもそも掴みようがない。しかも、改造されたのはキャンディー部分だけ。木製の柄は簡単に折れ、持ち手を失ったシロクマ達は身動きが取れなくなった。
「ここまで大きいキャンディーとシロクマを支えられる木製の柄ってどういうこと?変だと思わないか?」
 確かに。そこまで考えたことなかった。

「行くぞ…私は処刑人だ…!」
 意図的に挑発的な言葉を吐いて、アンナは敵をおびき寄せる。
 処刑人として訓練された寸分の狂いもない正確な動きが、相手の弱ったところを貫き、殴り、切り裂く。表面が溶け柄を失った敵の氷を、鉄塊剣によって粉々に砕いていった。
 だが、ただ好き勝手に暴れているわけではない。大きな武器を扱うのに手馴れているアンナは、周囲の警戒も欠かさない。住人がまた吸い寄せられないよう、護りながら敵を粉砕していった。

 ついに追い詰められたシロクマ達は、抵抗しようと最後の力を振り絞って特大の冷気を放とうとし始めた。
「寒いのは好きじゃないんだ…食べはしない…だが…焼却してやる!」
 それを見たアンナが鉄塊剣を振るうと、その大きな刀身に地獄の炎が纏われた。
「妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ!」
「Ubel:Code Löwengebrüll Dame.」
 更にアマミのフォトンブラストと、ジェイの機関砲が敵へと向けられる。
 熱気と冷気。どちらが勝つか。今、雌雄を決する一撃が互いから放たれた。

「すごい……!やっぱり猟兵ってかっこいい!」
 様子を遠くから見守っていたクマ型テレビウムは小さな手をギュッと握って声を上げる。
「みんなー!がんばれー!」
「よくわからないがやっちまえー!」
「いけー!」
 彼に釣られて住人が更に歓声を上げた。辺りは再び大盛り上がりとなる。
「応援はありがたいけど…恥ずかしいな…」
 アンナの顔が少し赤いのは炎の熱か。それとも別の何かか。
「それに…危ないから…もう少し後ろに下がって…ごめんね…」
 勝ったのは熱気。中心から灼熱の火柱が昇り、辺りを焦がしていった。


「なんてこと……」
 沸き立つフェス会場(もとい戦場)に氷のような声が突き刺さり、辺りがしんと静まり返る。
 皆が上空を見上げると、並び立つビルの頂上に1人の女性の姿があった。美しい姿に似合わないちょっと気の抜けた顔のパペットを右手にはめた女性は、猟兵達の姿を確認すると侮蔑の眼差しを向ける。彼女が「機械軍プレステル」の首領、「プレステル・ピスティ」だろう。
「キング・ブレインの崇高な信念を妨げる薄汚い害虫が」
 これまた美しい外見には似合わない汚い言葉が飛んできた。パペットが怒りで強く震えている。
 「キング・ブレイン」、かつてキマイラフューチャー、そして世界の征服を企てた猟書家の名だ。彼女がキングに対して相当な忠誠を誓っていることが、その言葉尻から伝わってくる。
「お前らは住人もろとも絶対にぶっ殺す!」
 彼女はそう言うと、武装を展開した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『プレステル・ピスティ』

POW   :    強制忠義ビーム
【キング・ブレインへの忠誠心】を籠めた【パペットからのビーム】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【敵対心】のみを攻撃する。
SPD   :    パペットビーム乱射
自身の【左胸のキング・ブレイン・バッジ】が輝く間、【パペットからのビーム】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    「キングの覇道を阻む奴ぶっ殺す!!」
【パペット】を向けた対象に、【破壊光線もしくは罵詈雑言】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テュティエティス・イルニスティアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●犬に睨まれたクマ
「なんだー?乱入者か?」
 怒り心頭の彼女に反して、野次馬の住人達は状況を理解出来ていないらしく、皆が不思議そうに様子を見守っている。

「なんだかすごいことになっちゃった……」
 クマ型テレビウムは、「鍵」の顔のままぽつりと呟く。
「あのお姉さんは誰なんだろう」
 ビルの上空で声を荒げる美しい女性を、彼はぼんやりと眺める。

 その氷のような眼差しが、彼を貫いた。

「えっ……!?」
 間違いない。目が合った。彼女は自分を狙っている。
 どうして?顔が「鍵」になったから?
 逃げないと。どこへ?どうやって?
 思考がぐるぐると回って追いつかない。

 猟兵達は、引き続き彼や住人を守りながら戦う必要があるだろう。
ジェイ・ランス
【POW】※アドリブ、連携歓迎
■心情
おー、向こうさん自ら来なすった!
君がプレステル・ピスティちゃんかー。へー、君かぅいいねえ!口説いていい?
ま、消えて貰っちゃうけどね。

■戦闘
【世界知識】から【情報収集】し、座標軸を特定。"ツェライセン"を呼び出し、"慣性制御術式"と"重力制御術式"によって振り回し、UCを発動。【情報収集】で獲得した地域情報ごと、敵勢体を破断します。

……いえね、元より貴女に敵対心などないんですがね。ただ、私が太古とはいえここの防衛機構である以上、貴女を排除しない理由はないんですよ。



●11000111110010111100001111000111
「おー、向こうさん自ら来なすった!」
 ジェイ・ランス(電脳の黒獅子・f24255)は、ボスの登場にも動じず飄々とした調子で話す。
「へー、君かぅいいねえ!口説いていい?」
「へっ!?」
 突然の発言を聞いて、ピスティの顔にほんのりと紅が差した。
「ばっ!馬鹿を言うな!第一、私とお前は敵同士だ!」
 パペットを振り回しながらピスティはジェイを睨みつける。
 クールそうな見た目に反して、思ったよりも乙女な反応だ。このままからかい続ければもっと面白い反応が見られるかもしれないが、住人達が半ば人質となっている以上、そうも言っていられない。
「ま、消えて貰っちゃうけどね」
 トーンが落ちたジェイの声を聞き、ピスティは不敵な笑みを浮かべた。
「……そうだ、それでいい」
 ピスティがパペットに力を籠めると、かわいい犬の顔から物騒なレーザーが放たれた。
「あっぶな!」
 ジェイはそれをすんでのところでひょいと躱す。
「私のパペットは『敵対心』を攻撃する。お前が私を倒そうとすればするほど、攻撃の威力は増していくのだ」
「ふーん、ネタばらししちゃっていいわけ?」
 風一つ吹いていないにも関わらず、ジェイのマフラーが不規則にゆらゆらと揺れる。
「お前、一体何を!?」
 それは、元来電脳体であるはずのバーチャルキャラクターに「慣性」が、「重力」が存在していることを意味していた。
「……貴女は勘違いをしています」
 「システム」として呼びかける事務的な声。媒介も無しに、電脳空間から術式を通してなまくらの剣が呼び起こされる。
「……いえね、元より貴女に敵対心などないんですがね。ただ、私が太古とはいえここの防衛機構である以上、貴女を排除しない理由はないんですよ」
 ジェイは「機構」であるが故、「敵対心」を持たぬまま「本能」として敵を排除する。
 ジェイが特定した座標軸に「破断したという概念」を叩きつけると、ピスティごと周囲の地形が歪んで真っ二つに割れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
ぶっ殺すて…悪口にしても語彙が貧弱すぎぬか!?
しかし貴様はこの世から永久BAN!
大人しく躯の海へと還るがよい!

殺人光線とやらは見たとこあの様々な髑髏から出されるということかの。
乱射状態に陥ると同士討ちも起こす…そんな特性を逆に利用してやろうではないか!
UC『特機』のソードビットによる【範囲攻撃】でもってパペットを小突くことにより、ビームの軌道を逸らすよう仕向けるんじゃよ!
仕掛けるタイミングや射角は【野生の勘】任せ!
相手の分別ない攻撃をある程度制御できれば、それだけで住人を守ることにもなるでのー。
これぞ盾キャラの本懐!

なお、発動のキーである胸のバッジもビットの一本でこっそり【部位破壊】を狙うぞ。



●貧弱語彙力バトル
「ぶっ殺すて…悪口にしても語彙が貧弱すぎぬか!?」
「う、うるさい!」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)のツッコミに小学生の如く逆切れしたピスティは、武装を向ける。
「貧弱と言う方が貧弱だ」
「しかし貴様はこの世から永久BAN!大人しく躯の海へと還るがよい!」
 まずは語彙力で力の差を見せつけたアマミと、怒りで震えるピスティ。前哨戦の軍配がアマミに上がったところで、ピスティはもう我慢出来ないと言わんばかりにビームの雨を降らせた。
「このバッジはキングへの忠誠の証!キングの名において、お前を殺す!」
「殺すしか言うことがないのかお主は!」
 限られた範囲の戦場、周囲には群衆。このままでは自分だけでなく住人達も危ない。
「ん?」
 だがよく見ると、ビームを放つ躯の獣達は特定の方角を狙っているわけではなく、乱射するように各々が違う方を見ていることがわかる。
「逆に利用してやろうではないか!」
 アマミはソードビットを召喚し、ビームの方向へと解き放った。
「その程度の攻撃で!」
 ビームは飛んできたソードビットに直撃し、そのまま粉砕する。
「ああ、それで良い」
 血色の瞳が見据えるのは、ビームのその先、発射口である躯の獣。
 ソードビットの攻撃によってできた一瞬の間に、別のソードビットが獣を小突いた。風が吹けば桶屋が儲かる理論で、その僅かなズレがビームの軌道を大きく捻じ曲げる。

「うわああああ!」
 死を覚悟し、うずくまったクマ型テレビウムの数十センチ手前に、ビームは突き刺さった。相手の攻撃を制御することで、住人を守ることに成功したのだ。
「これぞ盾キャラの本懐!」
 急にキャラを思い出したアマミによって、ビームはてんで違う方向に飛んでいき、アマミどころか住人にすら、かすり傷の一つも付けられない。
「おのれ、だが向きを直して発射すれば……」
「そう簡単にさせると思うたか?」
「なっ……!?」
 相手がビームへと集中しているその隙を狙って、ソードビットがピスティへと迫る。
「死ねーッッ!!」
「お前だって似たような語彙力じゃないか!!」
 情けない悲鳴を上げるピスティの胸を、ソードビットがバッジごと貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

櫻井・優
「こんな美人があんなイロモノに忠誠を誓うって凄いなあ、何処に惹かれたんだ」

【POW】【ソロ希望・アドリブ歓迎】

先ずは先手必勝ってことでバスタードソードで【先制攻撃】を狙ってくよ
その後は敵の攻撃は【武器受け】でいなしつつ、慎重に隠し持ってるチープウェポンもあわせて全力を叩き込む隙を探ってく感じでいきます!



●神剣・バールのようなもの
「こんな美人があんなイロモノに忠誠を誓うって凄いなあ、何処に惹かれたんだ」
 櫻井・優(人間のヴィジランテ・f29623)が不思議そうに呟く。
 確かにピスティは悪の組織の首領である、謎のパペットを持っている、と口が悪いといった点を除けば、かなりの美人だ。キング・ブレインと並ぶのはいささかなりとも違和感を覚える組み合わせだが……。
「黙れ!お前如きにキングの崇高な理念などわかるまい!」
 彼女は口汚く優を罵る。「美人ほど変な男に捕まりやすい」などといった通説もあるくらいだ。人の好みは人それぞれということだろう。
「まあ、お喋りはこのくらいにしようか」
 立ち話のためここに来た訳ではない。片手半剣を抜くと、優は真っ直ぐに敵へと向かっていく。どれだけ強力な敵であろうと、先制して叩き潰してしまえば良いのだ。
「させるか!」
 よくわからないパペットを持っているがやはり首領を務めるだけの実力はある。ピスティも抵抗しようと、パペットからビームを放った。
 忠義を誓わせるよう、相手の「敵対心」に働きかける厄介な攻撃。その攻撃を、優は盾のようなもので弾き飛ばした。
「お前、いつの間にそんなものを……!?」
「君、自分がどこで戦っているのか忘れたの?」
「何だと!?」
 そう、ここは不思議な世界キマイラフューチャー。至る所にコンコンすれば物が出てくる謎システムが存在する。
 どうやらこの辺りは鉄片が出てくる場所であったようだ。
「おのれ!」
 ピスティは鉄片を砕く威力でビームを繰り返し放つが、チープウェポンの扱いに慣れている優は、それを的確に払い、壊れたら隙を見て新しい盾をコンコンで呼び出す。敵をじわじわと追い込んでいき、気づけば優はピスティの目の前まで迫っていた。
「ち、近寄るな!」
 攻撃のため優が振り下ろした片手半剣をピスティはビームで弾く。
 勝った。これで奴に攻撃の手段は無い。そう油断したピスティの頭上に迫る影。
「甘い」
 ここまで隠し持っていたバールのようなものが、ピスティの頭に直撃する。単純だが重い攻撃によって、ピスティはふらふらと倒れ込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イネス・オルティス
平和に楽しく暮らしているテレビウムを狙うなんて、まさに外道ね
住人のみんなは早く避難して、かなり危険な相手よ

【薄衣甲冑覚醒 参】で敵の力を抑え自分が闘いやすくする
ビキニアーマー使いの聖地で、そんな外道が力を発揮できるわけがないわ
破壊光線は野生の勘で武器受けして受け流しテレビウムをかばう

罵詈雑言? 虚言が何になるというの?
今ここはビキニアーマーの聖域なのよ

恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません



●ここをビキニアーマーの聖域とする
「平和に楽しく暮らしているテレビウムを狙うなんて、まさに外道ね」
 イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)がそう言うと、ピスティはパペットと共に首を傾げた。
「外道?お前にはキングの素晴らしい考えがわからないようだな。徹底的に叩き込んでやる」
 わかってはいたが、話が出来る相手ではないようだ。
「……住人のみんなは早く避難して、かなり危険な相手よ」
 指示を聞いて、住人達はゆっくりと後退りを始める。
「させるか!『楽しい』などと享楽に耽って堕落した軟弱者共に何の価値がある?」
 住人達に向けた罵詈雑言。ピスティの言葉は、増幅して住人達の心に突き刺さる。
「た、確かに……」
「俺達一体何のために生きているんだ……」
 住人達は口々に動揺を零し始めた。その様子を見たピスティは悪い笑みを浮かべる。

「今、伝統の鎧を起点に聖域再現」

 その時だった。重く張り詰めた空気が割れ、柔らかく暖かな風が優しく住人達の頬を撫でる。気がつくと、辺りには花畑と森が広がり、中心には神々しい光を放つ神殿があった。神殿の前には、イネスが立ちはだかる。
 神殿に祀られしビキニアーマーの女神の波動が、光となって住人達の傷ついた心を癒す。ビキニアーマーは重い装備を脱ぎ、守りを捨てた覚悟ある者の象徴。自身の肉体を武器とすることは、自然と一体となり戦うことを意味する。
「そうだ、俺達はありのままの自分で良いんだ」
 大切なことを、ビキニアーマーから教わった住人達の心に光が差す。
「な、何故だ!?」
「罵詈雑言?虚言が何になるというの?今ここはビキニアーマーの聖域なのよ」
「おのれ!」
 逆上したピスティは、この環境を壊そうとパペットから破壊光線を乱射する。
「ビキニアーマー使いの聖地で、そんな外道が力を発揮できるわけがないわ」
 女神の加護を受けたイネスに敵などいない。いとも容易く光線を武器で薙ぎ払うと、そのままピスティに鋭い一撃を浴びせた。

「やっぱりエロいな……」
 その様子を、住人達が少し邪な目で見ていたのを、イネスが知る由はない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

現れたか…
愚かな信念に縋る無知な小娘…
だが安心しろ…私は貴様を斃す為にここに来たのだ!

【御伽の国の処刑人】で赤装束に変身
慌てるテレビウムを[おどろかせ]正気に戻そう
そして[空中浮遊し空中戦]へ移行

[存在感と威圧]で敵の目を惹き付けて
テレビウムへの攻撃を自身に誘おう

敵の攻撃を[見切り]つつ
[オーラ防御と呪詛耐性]を身に纏い
破壊光線と罵詈雑言を耐えよう

その汚らしい言葉を静めたらどうだ…さもなくば!

鞭を振るいパペット持つ腕を[捕縛]
そのまま[ロープワーク]により引っ張り振るい回し
周囲の[地形を利用]し、[地形を破壊]する位の[怪力]で
何度もビル壁に叩きつけて敵を叩き潰してやろう…!



●踊れや踊れ
「踊れ!」
 ピスティはパペットを住人達に向け、破壊光線を乱射した。
「うわああああ!!」
 パニックになった住人達は周囲を慌てて駆け回る。その中には、まだ顔が「鍵」のままのクマ型テレビウムも紛れ込んでいる。
「邪魔するならばお前もこうしてやる」
 ピスティの挑発に、仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)は笑みで返す。
「現れたか…愚かな信念に縋る無知な小娘…だが安心しろ…私は貴様を斃す為にここに来たのだ!」
 吹き荒ぶ風に乗って、薔薇の花弁が宙を舞う。赤装束に身を包んだアンナは、まず慌ててぽてぽて駆け回るクマ型テレビウムの元へと向かった。
「わっ」
 テレビウムはアンナの脚にぶつかるとぽよんと跳ねる。
「ご、ごめんなさ…あ、さっきのお姉さん」
 テレビウムに対し、アンナは屈んで目線を合わせてから呟く。
「ここは危ないから、あちらの方へ行くと良い。それから……」
「?」
「これからお姉さんは少し怖いことをする。だから、逃げる時は後ろを振り返ってはいけない。守れるか?」
「……うん!お姉さん負けないで!」
 律儀に言うことを聞いて駆けていくテレビウムの後姿を見送り、アンナは宙へと舞った。

「やはり邪魔だ。お前から消してやる」
 赤装束に惹き付けられたピスティが光線を放ちながら向かって来る。
「どれだけ着飾ろうと無駄だ。お前はここで死ぬ。キングに忠義を誓わなかったからだ」
 汚い言葉と光線をオーラ防御で耐えながら、アンナは隙を伺う。
「処刑人だか知らないが、同族を屠り財を得るお前に我々の理想を打ち砕く資格など無い!」
 息を継ぐその一瞬の間。
「その汚らしい言葉を静めたらどうだ…さもなくば!」
「!?」
 鎖の拷問具が、ピスティの腕を捕らえる。
「は、離せ!!」
 強力な武器があれど、本体の純粋な力の差ではアンナの方が上手だ。ピスティはそのまま空中へと放り出される。
「死が来るぞ…さぁ踊れ…死から逃れる事は出来ない!」
 怪力で周囲の地形を巻き込みながらピスティを叩きつける。コンクリートが壊れ、割れながらピスティの身体に突き刺さり傷をつける。
 黒から赤へ。ピスティの装束に真っ赤な花が咲いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
まだ敵がいたようですね
せっかく危機から守ったテレビウムさんは傷つけさせはしない
そのために僕達駆けつけたのですから
変身!ダムナーティオー推参!

クマのテレビウムさんは敵に魅入られようとしているようですね
しっかりして下さい、と声をあげて鼓舞
あなたがたはここで負けてはならないのですよ

僕の敵への敵対心は揺るがない
この僕達猟兵が守ったキマイラフューチャー
お前なんかに再び真っ二つになんてさせない!
テレビウムさんだって好きにはさせない
UCで敵UCに対抗、その場を切り開く
ヒーローとしての勇気で挑み
怪力、2回攻撃で敵を叩いていく
敵攻撃は戦闘知識、視力で見切り
激痛耐性で耐える



●ヒーローは遅れてやって来る
「見つけた」
「ひっ!!」
 クマ型テレビウムに迫るピスティ。
「お前、逃げているだけで悔しくないのか」
「えっ……?」
「お前の『鍵』があれば、この世界の全てを手に出来るかもしれないのに、お前は逃げるのか?」
 ピスティは自分に都合の良いようにテレビウムを丸め込もうとする。

「ダムナーティオー推参!」
 そこへ颯爽と現れるヒーロー。草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)だ。
「くっ、邪魔者が」
 千秋はピスティとテレビウムの間に割って入る。
「しっかりして下さい!あなたがたはここで負けてはならないのですよ!」
「で、でも……」
 テレビウムは「鍵」の顔のまま俯く。
「僕、助けられてばっかりで弱いから」
 千秋は柔らかい笑みを浮かべると、目線に合うようその場にしゃがみ込む。
「『強さ』とは純粋な力の強さだけじゃありませんよ」
「えっ……?」
「ヒーローは、応援してくれる人がいるともっと強くなれるんです。だから、あなたは弱くなんてありません」
 頭を撫でられると、テレビウムは前を向いて頷いた。「鍵」なのでわかりにくいが、多分キリっとした顔をしているはず。多分。

「……お喋りは済んだか?」
 退屈そうにパペットを向けたピスティが至近距離でビームを放つ。
「!?」
 だが、その攻撃は眩い光によって弾かれ消滅した。
「僕の敵への敵対心は揺るがない」
 歌と平和を愛する千秋に与えられた女神の加護だ。「神」は概念が力を帯びた存在。「平和」の概念には「敵対心」など通じるはずもない。
「頑張れー!」
 響くテレビウムの応援によって、光は更に輝きを増していく。
「この僕達猟兵が守ったキマイラフューチャー、お前なんかに再び真っ二つになんてさせない!」
 強い拳の衝撃が、ピスティの腕に伝わった。
「くっ、だがその程度で!」
「これで終わりじゃない!」
「なっ!?」
 振り下ろされた一撃が、ピスティを地面に叩き伏せた。

「あ、ありがとうヒーロー!」
 短い腕を上げるテレビウムに、千秋もサムズアップで返した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日野・尚人
(アイテム≪シルフィードボード≫でビルの上空から登場)
ポーラとの待ち合わせ場所に来てみれば戦闘中とかどういうことだよっ!?
状況はよく分からないけど・・・
ボードから<ジャンプ>で飛び降りて<先制攻撃><誘導弾><乱れ撃ち>!
ポーラやテレビウムを襲うオブリビオンを攻撃するぜ!

敵の目を引き付けたら<空中戦><見切り><第六感>で反撃の破壊光線を回避。
<空中浮遊><足場習熟>で着地。
ポーラっ!無事かっ!・・・ったく、何やってんだよ?
へ?パペット?
ああ、アレ(敵のUC)をパクったのか!
へへ♪じゃあ反撃と行こうぜ♪
(ポーラパペットを装着)
攻撃はポーラに任せて俺は<ダッシュ>や<早業>、機動力でサポートだ!


ポーラリア・ベル
冬だよー冬だよー(あれば集団戦時のアイスを振り回しつつ)
キングさん?立派な雪だるまの事かしら!
偉い人ならポーラも想い人を呼んだのよ!待ち合わせしてるんだけどー

ひゃあ!破壊光線!危ないから【氷幻鏡】で反射してみるわ!
でも徐々に押されてきそう。狙ってるテレビウムさんとか庇ったりするから。
なんて言ってたら上空から、来たわ!あたしのヒーロー、なおなお!(f01298)

えへへ、冬の気配がしてちょっと無理しちゃった。
でもなおなおなら百人力だよ!【氷幻鏡】の力でポーラ、パペットになる!装備して!
がんばって罵倒とか考えたり【属性攻撃・氷】の破壊光線で対応してみる。
なおなおと協力してどっかーんなんだから!



●恒例の爆発オチ
「キングに歯向かうお前らは殺してやる」
 物騒な言葉を呟きながら敵を探るピスティ。その時だ。
「冬だよー」
「わっ!いつの間に!?」
 ピスティが慌てて振り返ると、背後にはアイスをぶん回す小さなフェアリーの姿がある。先程仲間とチャンバラを楽しんだばかりのポーラリア・ベル(冬告精・f06947)だ。
「キングさん?立派な雪だるまの事かしら!」
 曇りの無い冬空のような瞳が、真っ直ぐにピスティを見つめる。
「キングは雪だるまのようなずんぐりむっくりではない!そ、そのような目で私を見るな!」
 純粋さに耐え切れなくなったピスティは、距離を取ろうとベルへ破壊光線を連射する。
「ひゃあ!」
 ベルはアイスをぶん投げて攻撃を弾き、どうにか躱す。
「やるな、ならばこれはどうだ!」
 ピスティは悪い笑みを浮かべると、今度は光線を周囲の住人に向けて放った。
「あ、危ない!」
 ベルは住人を庇うようにして、氷の鏡を展開する。
「みんな、早く逃げてー!」
 ベルの声を聞いた住人達は慌てて逃げていく。鏡は光線を吸収して反射しようとするが、光線の勢いが凄まじく、なかなか反射が出来ない。どうにか住人が逃げ切るまで時間を稼ぎたいところではあるが。
「住人さんを囮にするなんて卑怯だよー!」
「お前のようなお人好しそうな猟兵であれば、真っ先に住人を庇いに行くだろうと思ったよ。引っかかったお前が悪いのだ」
 ベルはじわじわと追い込まれ、鏡にヒビが入りそうになる。しかし。

「戦闘中とかどういうことだよっ!?」
 突如ビルの頂上から響く声。
「な、援軍か!?」
「なおなおー!」
 日野・尚人(あーちゃんの早朝襲撃に断固抵抗する会終身(?)会長・f01298)は、約束した待ち合わせ場所で何故か戦闘をしているベルに困惑しつつ、救援のため乗っていたボードから飛び降り、宙へと舞う。
「状況はよく分からないけど、ポーラに怪我はさせない!」
 尚人は先制で空中から誘導弾の雨を振らせた。ピスティの注意を引き、ベルと住人達を守ろうとしたのだ。
「自ら飛び降りるとは、恰好の的だ」
 目論見通りにピスティは標的を切り替え、空へ光線を撃ちまくる。誘導弾と光線は互いにぶつかって火花を上げた。
「よっと!」
 対する尚人は空中を蹴って不規則な動きを取り、光線をくぐり抜けた。そのまま身体を捻らせて、綺麗に着地を決める。100点満点。
「ポーラっ!無事かっ!……ったく、何やってんだよ?」
「えへへ、冬の気配がしてちょっと無理しちゃった。でもなおなおなら百人力だよ!」
「クソ、かすり傷1つ付けられないだと……!?」
 無事合流を果たした喜びを分かち合う間もなく、ピスティは更なる攻撃を仕掛けようとする。
 それを見たベルは、頭にぴこんと電球マークを光らせた。
「ポーラ、パペットになる!装備して!」
「へ?パペット?」
 ベルの小さな身体がふわりと尚人の手に乗っかる。
「ああ、アレをパクったのか!」
 2人を繋ぐ強い絆は、細かく作戦を話し合わずとも意思の疎通を可能とする。
「へへ♪じゃあ反撃と行こうぜ♪」
 尚人はベルが振り落とされないよう気を配りながら、ダッシュで敵陣へ向かう。
「邪魔をするな、小賢しいガキ共だ!」
 ピスティは罵倒を飛ばしながらパペットを2人に向け、光線を放った。
「えっと、ポーラも『罵倒』するよー」
 ベルはうんうん唸ってから、ぽつりと零す。
「こういう強い言葉ばっかり使う人って逆に弱そうに見えるよねー」
「ん゛!」
 本人に悪意のない言葉ほど、相手にはよく刺さったりする。何気無い罵倒(?)がピスティの心を傷つけた。
「何故か効いたっぽいぞ!」
「やったー!」
 動揺するピスティの隙を突いて、尚人は敵の背後に回ることに成功した。ここからでは、相手の強力な光線も届かない。
「なおなおと協力してどっかーんなんだから!」
 鏡に溜め込んでいたエネルギーを氷の魔力に変換し、ベルは小さな身体に見合わない特大の光線を解き放った。
「こ、こんなやつらにやられるなんてー!」
 光線のエネルギーがピスティを貫き、そのまま大きな雪の爆発を起こした。

「ゆきやこんこだよー」
 爆発によって、周囲には雪がはらはらと降り注ぐ。
「……どうにか一件落着ってところか」
「じゃあなおなお!一緒にダークアイスカリバーチャンバラしよー!」
「なんじゃそりゃ!?」

 キマイラフューチャーにも冬の足音が近付いているようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月10日


挿絵イラスト