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【Q】ケモの森でケモケモな仮装ともふっと悪いケモさん

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン #コメディ #ネタ

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●変化

 オウガ・オリジンを倒した猟兵たちであったが、どういう経緯からかは不明であったが様々な国は“ハロウィンの国”へと改変された。
 森の中にも関わらず、誰かが整頓したかの様に一直線の広い道が出来ており、アリスや愉快な仲間たちは顔を見合わせた。
「あら、まぁ」
「なんということでしょう」
 驚いている間に森の中から何かが生き物の様に飛び出し、アリスはそれを手にすると目を丸くしながらソレを明後日の方向へ投げ捨てたのでああた。

 すると――


●グリモアベース

「皆さん、集まってくれてありがとうございます。さて、早速ですがアリスラビリンスにて予知をしたのです」
 ゆらり、と雲の様な毛並みを持った尻尾を揺らしながらクラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)は、集まってくれた猟兵たちに言った。
「どうやら、オウガ・オリジンの『現実改変ユーベルコード』によって元から沢山あった国が“ハロウィンの国”に変えられたのですが……どうもハロウィンするには最適の場所の様です」
 クラトはアリスラビリンにて“ハロウィンの国”へと変えられた国を画面に映し出された。
「無害であるしゃべる南瓜ランタンが森を照らし、楽しいハロウィンを満喫して貰いたいのですが――」
 説明するクラトは言葉を一瞬だけ詰まらせた。
「元はオウガ・オリジン作った国は“悲劇を作る”。つまり、このハロウィンの国も例外ではないのです。そう、凶悪なオウガがこの国を使って襲ってきます。あ、もちろん、ハロウィンなので仮装用の衣装が飛んできますよ」
 と、クラトはニッコリと笑みを浮かべながら言った。
「まぁ、放置しても構わないのですが――仮装していないと、その国のオウガに勝つことが出来ずに支配されてしまいます。そんな事にならぬように、イヤでしょうがこちらもハロウィンの国の力を借りて討伐しましょう!」
 ぐっと拳を握りしめながらクラトは言った。
「配下はバニーガール&ボーイの仮装用衣装を投げて来る様です。そして、ボスのオウガはどうやら美味しい料理を食べさせれば良いそうですが、そのまま倒しても攻撃は全て無効になりますのでオウガの攻撃に耐えながら料理をするしかありません。それでは、吉報を待っております」


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 永遠の新人MSの龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

 ★このシナリオは2章までとなっております。
 ★仮装に関してはバニーガール(ボーイ)のみとなっております。
 ★ボス戦の料理は、下手であろうがダークマターでも想いさえあればOK!

 最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『サーバントバニー』

POW   :    ウサキ~~ック!
単純で重い【高く跳んでからのジャンプキック 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ウサキッス
【投げキッスをする事で放つ衝撃波 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【にハート型のマークを刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    ウサウサスカイジャンプ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

殺風景・静穂
バニーガールの衣装を着るなんてはじめてだわ
もっとも、何度も着ている人の方が少ないでしょうけれど
そう考えると、これも貴重な体験よね

私は攻撃の手段を持たないから、
サーバントバニーには彼女達の方から退散してもらうしかないわね
森に火を放ちましょう

そうよ、森に火を放つの
言い間違えでも、聴き間違えでもないわ

せっかくですもの
できるだけ派手に燃やした方が愉しいわよね
なかなか見られる光景じゃないわ

まあ、炎も煙も熱も、ぜんぶユーベルコードで造った幻なんだけれどね
サーバントバニー達がいなくなったら解除しましょう
ふふっ、彼女達の慌てふためく姿、可愛らしかったわね
クラトさんにも見せてあげたかったわ



●陽炎

 陽気な世界へ転移された殺風景・静穂(計算ずくの混沌・f27447)の眼前に舞うのは、バニースーツ等の一式であった。
「バニーガールの衣装を着るなんてはじめてだわ」
 ソレに手を伸ばした瞬間、静穂はあっという間にバニーガール姿へと変わるが事前に知っていたので驚く素振りは見せない。
「もっとも、何度も着ている人の方が少ないでしょうけれど……そう考えると、これも貴重な体験よね」
 少し肌寒く、伸縮性のある固めの水着に網タイツとヒール、そしてピンと頭の上で揺れるウサギの耳は少し邪魔であろうが静穂は気にせずにランタンがオレンジ色の光で森を照らす先へ視線を向けた。
 森を否、ハロウィンの国で悪さをしているオウガ“サーバントバニー”達がカツカツ、とヒールを鳴らしながらモデルウォークで向かって来る。
「いらっしゃい、そしてお帰りください」
 ふわり、と濡れ鴉の様な黒髪をかき上げながら静穂は、口元を吊り上げて笑みを浮かべると凛とした声で言った。
「私の言葉を理解いただけないのでしたら、森に火を放ちましょう」
 と、静穂が言うと、サーバントバニー達は肩を竦ませながら言った。
「どうして? なんで? そんな事、アナタ一人では出来ないわ」
「それが出来るのよ。嘘でも、脅しでもないわ」
 黒曜石の様に黒く美しい瞳の光が揺れ動かず、じっとサーバントバニー達を見詰めた。
 ゴウ、とオレンジ色の陽炎が揺らめく――
 サーバントバニー達が気付いた時には炎に囲まれており、風に吹かれて勢いを増す炎が皮膚をチリチリと熱く焦がす。
「キャッ! 熱い! 熱いよ!」
 サーバントバニー達は後退りながら悲鳴を森に響かせる。
 慌てふためく様子を静穂は、静かに見つめながら首を小さく傾げた。
「言った通りに森に火を放ったわ。燃やし尽くされる前に逃げる事ね」
「ふ、ふーんだ! アタシ達はいっぱいいるのよ! こんな事して……か、覚悟しておくことね!」
 炎に包まれて怖いのであろう、震えて怯えながらもサーバントバニーが言うと脱兎の如く静穂の前から逃げ出した。
「まあ、炎も煙も熱も、ぜんぶユーベルコードで造った幻なんだけれどね」
 そう、ユーベルコードで造った幻なので静穂から見えていた光景はサーバントバニー達がただ慌てふためく姿だけ。
「ふふっ、彼女達の慌てふためく姿、可愛らしかったわね。クラトさんにも見せてあげたかったわ」
 小さく笑いながら静穂は、ふとこの依頼をしたグリモア猟兵の顔を浮かべながら呟いた。

 ちゃんとした退治は、戦いを好む猟兵に託して――

大成功 🔵​🔵​🔵​

九十九・白斗
【BP】
なに、着てみたら案外似合うかもしれないぜ

一緒に依頼に来てみたら、パラスがバニー姿になるというので、にやにやしながらからかう
結構楽しみなようだ

が、

おい、まて

男性にバニーとかどういう了見だ?

まさか自分にもバニースーツが飛んでくるとは思わず、驚愕する
岩を重ねて積み上げたかのような武骨な肉体に、バニーの衣装
恐ろしい姿だ
むき出しの素肌には古い傷はもちろん、まだ新しい切り傷や火傷の跡、銃痕が所狭しと刻まれている

殺意が膨れ上がる
とっととバニーを始末して終わらせよう
低い、怖い声で白斗が言った


醸し出す殺気がゆらゆらと空気をゆがめ、周りにたまらない緊張感を生み出してた


パラス・アテナ
【BP】

…で?
何でアタシがバニーなんぞを着なきゃいけないんだい?
そういうのはもっと若いのに任せな!
アタシみたいなババアがバニー姿になって誰が得するってんだい?
そういう衣装にゃ年齢制限付けときな!

など吠えたところで逆らえる筈もなく
バニースーツを身に着けた日にゃ殺意が沸々
全身に刻まれた大小無数の傷跡を晒し
肉付きの悪い貧相な姿を嗤われ氷点下の目でバニーを睨む

このまま世界でも滅ぼしてやろうかという気迫の怒気が
白斗のバニーボーイ姿で少しクールダウン
おやよく似合うじゃないか白兎
思わず吹き出し銃を構える

元凶に八つ当たり攻撃
ジャンプした所を狙い撃ちにして体勢を崩させ指定UC
跡形もなく消し去ってやるよ
覚悟おし



●思惑と誘惑

「……で? 何でアタシがバニーなんぞを着なきゃいけないんだい?」
 眉を顰めながらパラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)は、依頼へと共に赴いた九十九・白斗(傭兵・f02173)へ鋭い視線を向けながら低く呟いた。
 しかし、白斗はパラスがセクシーなバニースーツ姿を思い浮かべているのであろう、口元を吊り上げてまるで思春期の少年の様ににやにやと笑みを浮かべている。
「そういうのはもっと若いのに任せな! アタシみたいなババアがバニー姿になって誰が得するってんだい? そういう衣装にゃ年齢制限付けときな!」
「なに、着てみたら案外似合うかもしれないぜ」
 ふん、とパラスが呆れた様子で顔を横に向けるが、視線の先には“男性専用バニースーツ”と書かれた看板がドン! と置かれていた。
「おい、まて」
 白斗もソレに気が付くと、冷や汗が褐色に焼けた肌に刻まれたシワの上をゆっくりと流れた。
「男性にバニーとかどういう了見だ?」
 両手を広げ、肩を竦ませながら首を傾げる白斗へパラスは『道連れだ!』と言わんばかりにバニースーツを投げつけた。
 着替え、という手間がないのはハロウィンの国の力なのかは分からないが、一瞬でバニー姿へと変わる。
 パラスは白い戦闘服から黒く艶やかなバニースーツへ、露出した両腕と足は傭兵として戦っていた事はあるがそれは昔の話で肉付きの悪い貧相になモノ、そして無数の古傷が肌の上に刻まれていた。
「…………」
 腕を組むと口をへの字にして、パラスは羞恥と怒りで小さく体を震わせる。
「おやよく似合うじゃないか白兎」
 だが、白斗もパラスと同様のバニースーツ姿になったのを見て、仏頂面であった彼女は思わず吹き出しながら笑う。
「とっととバニーを始末して終わらせよう」
 ジョンという名の大佐ばりの鍛え抜かれた体に新旧の傷が刻まれており、よく着れたな? と言われんばかりに生地が引き延ばされながらも白斗の身体にピッチリと張り付く様に着たバニースーツ。
 元はオウガ・オリジンであるが、諸悪の根源と思ってしまう程の怒りを感じている二人はサーバントバニー達が視界に入ると吠える様に声を上げた。
「こいつの前に出たのが運の尽きだよ!!」
 パラスの相棒“EK-I357N6『ニケ』”を素早く銃口を向け、射線上に入ったサーバントバニーに手早く鉛球をプレゼントしてゆく。
「パラスのバニー姿にしてくれて感謝するが――ッ!」
 サーバントバニーの群れに軍用ナイフ一本で突っ込み、白斗は全身から殺意のオーラが賑やかで楽しいハズの国を殺伐とした戦場へと変えた。
「この難儀なユーベルコードに関しても礼を言おう、常に最高加速で動ける姿にしてくれてな!」
 刃に付着した液体を拭うと、白斗が駆け抜けた一直線上にはサーバントバニー達の遺体で埋まっていた。
 役目を果たし、活動不能となった個体から霧散して過去の海へと帰ってゆく。
「跡形もなく消し去ってやるよ。覚悟おし!!」
 慣れた手つきで空になったマガジンを外し、予備のマガジンを装着させて撃っても、撃ち抜いても、視界いっぱいに居るサーバントバニー達の数を減らす。

 先が、終わりが、見えてきた気がした――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レイチェル・ノースロップ
●POW
バニーガールだなんて、まるでプレイメイトにでもなった気分ね
それはともかく、この姿でニンジャヒーロー・スワローテイルを名乗ったら正体をバラす事になっちゃうし、ここはレイチェル・ノースロップ本人で行かせて貰うわよ
勿論、変装しなくてもお姉さん強いのよ?
相手が体術で攻撃してくるなら、こちらもカラテでお返しするわ
確か最近の人気コミックで、呼吸法がトレンドだったかしら?
それなら、ちょっと【パフォーマンス】でニンジャフォースを使った『トリニティ・エンハンス』を風の呼吸に真似て遊んであげるわ
相手の攻撃を【見切り】、【カウンター】で出した掌底に風の衝撃力を乗せて吹き飛ばしちゃうわよ
さ、次の相手はどなた?



●成敗!

「バニーガールだなんて、まるでプレイメイトにでもなった気分ね」
 仮面を付けずにバニースーツを身に纏ったレイチェル・ノースロップ(ニンジャネーム「スワローテイル」・f16433)は、セクシーなポーズを取りながら鏡に映し出された自身を見て楽しそうに笑みを浮かべながら言った。
 世界的に女性が憧れる存在に近い姿になった事に内心悦びを感じつつも、レイチェルはランタンで照らし出されているサーバントバニー達の視線に気が付く。
「(それはともかく、この姿でニンジャヒーロー・スワローテイルを名乗ったら正体をバラす事になっちゃうし、ここはレイチェル・ノースロップ本人で行かせて貰うわよ)」
 ヒュッ、とレイチェルの鼻先をサーバントバニーの回し蹴りが掠め、紙一重でかわすと足を掴んで背負い投げをして地面に叩きつけた。
「正義の柱、ニンジャヒーローの呼吸。なんてね?」
 人気のマンガから拝借した技をレイチェル風に変えて言うと、サイキックエナジー“ニンジャ・フォース”がゆらりと体から蜃気楼の様に放たれる。
 風の魔力を手に集め、夜空に浮かぶ笑った様な顔があるように見える満月を背に跳躍し、悲鳴の様な音と共に彼女に周囲に風が渦を巻く。
「はぁッ!!」
 素早い動きでサーバントバニー達を翻弄し、レイチェルはバニー達の攻撃を見切って躱すと掌を腹部に当て、攻撃力重視の風は手の中で渦を巻き肥大する。
「――ッ!! きゃぁぁぁっ!!」
 ふわっ、と撫でられたかと思えば、体はいつの間にか闇の中へ吹き飛ばされており、痛みに気付いた時には冷たい地面がサーバントバニーの身体を冷やす。
「さ、次の相手はどなた?」
 次々と吹き飛ばしていくレイチェルがサーバントバニー達を見回しながら言うと、別の声が響き渡り新たな敵が姿を現した。
「なかなか、歯ごたえのありそうな相手ね」
 存在感に少し圧倒されながらもレイチェルは口元を吊り上げて笑みを浮かべた。

 ハロウィンの国は、遊ぶだけのつまらない国ではない事に――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『わるい狐さん』

POW   :    おいしそうだなあ
【恐ろしく尖った爪や牙で 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    なにもしないさ
【嘘を吐く 】事で【親切そうな紳士のふりをした姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    大人しくしたまえ
【魔法の力を持つ不思議なパイプの煙 】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ジャム・ドラドスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●獣の紳士

 サーバントバニー達がモーセの如く左右に移動すると、絵本から出てきたかの様な紳士な二足歩行の狐がゆっくりと歩み出した。
「私は少々厳しく、そして容赦は……ない」
 “わるい狐さん”は大きなパイプタバコを咥え、ゆっくりと吸うと鼻から蒸気機関車の様に白煙が吐き出される。
「しかし、私は待たぬ。待たされるのは嫌いでな。つまり、貴方達が料理を完成させきれるのが先か――私に倒されるのか」
 ざわ、と森の樹々が揺れる。

 戦いか?

 料理か?

 作って食べさせなければ勝てない、そんなルールはハロウィンの国の影響が強いのだろう。

 どんな料理でさろうとも、想いが込められた料理をオウガの口に突っ込ませろ!

 ぽん、と現れた材料を使いキッチンで料理を作れ!
吾喜内・来世(サポート)
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
女性的な身体に男性的な言動、陰鬱な外見に陽気な性質を持った桜の精です。
善意と正義感に従い、世の不条理や他人の不幸を掃う為に行動します。
心根が素直な為、敵の言葉に迷ってしまうこともありますが、事件解決という目的は忘れずに遂行しようとします。

「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る」
ユーベルコードは状況に応じて使い分け、攻撃と防御はそれ任せです。
本人は援護や救助の役割を主に担当します。装備の薬からその場面で最適なものを選び、自分や味方、敵にすらも服用させます。

アドリブや他者との絡みは大歓迎です。
やりやすいように、自由に動かしてください。


マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。



●食事は楽しむノモ!

「まぁ! 美味しい料理をご所望ですの? でしたら、わたくしの好物である焼肉をオススメしますわ!」
 太陽の花の如く金色の瞳をキラキラと輝かせながらマルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)は、いつも持ち歩いている“わいわい焼肉セット”を慣れた手つきで広げる。
「なるほど、それなら僕も手伝おう!」
 エメラルドの様な緑色の瞳で豪華な椅子に座ってふんぞり返っている“わるい狐さん”を一瞥すると、吾喜内・来世(サクラキメラ・f22572)は視界に入った食材を銀のボウルに放り込んだ。
 アリスを食べるオウガ、今すぐにでも殴り倒したい気持ちを抑える。
「(あのままじゃ、倒せない……倒す為にする事なんだ!)」
 深く息を吸い、静かに息を吐き出すと同時に夜の帳が覆う空を見上げた。
「ふぅ、大自然といいますか……ハロウィンの雰囲気の中で焼肉は初めてですわ」
 地面に転がるカボチャやカブのランタンがオレンジ色の灯りを点し、キラキラと光る世界とポップな飾りを見てマルコは思わず笑う。
「焼肉ってより、バーベキューみたいだよね! 外だし!」
 と、来世が無邪気な笑顔で言いながらボウルをマルコに手渡す。
「ばーべきゅー……じゅる……」
 どんな形式であれ肉を焼く事には違いない、焼ける匂いが充満する部屋も良いが何よりも楽しく食べたいだけのマルコ。
 熱々の焼き肉用の鉄板の上で滑る牛脂が踊っている様に見え、もう想像だけで焼けた香ばしい肉の匂いがして涎が出そうだ。
「嗚呼……!」
 大きなトングでタンを掴むと、マルコは恍惚な表情のまま手早く鉄板の上に乗せた。
 ジュー、牛脂とタンの油が絡まって焼き目をつけながらテカテカと光る。
「まだ!?」
 来世が声を上げた。
「まだですわ! よく焼いて、そして最初は塩で味付けしただけの素材の味を……いいえ! 美味しく頂くのですわ!」
 美味しい料理、ふとその単語がマルコの脳内に浮かび上がると、ボブの髪を揺らしながら首を振ると焼けたタンをお皿に盛る。
 そう、楽しく皆で食べれば食べ方なんて二の次!
「ん~柔らかくて美味しいよ!」
 来世が嬉しそうにタンを頬張りながら言うと、マルコは返事をする代わりにニコッとほほ笑んだ。
『えっ、あっ……ただ焼いて』
 “わるい狐さん”は困惑した表情で皿に盛られたタンを見て、来世とマルコを交互に見て言おうとする、が――
「料理は素晴らしい素材と技術で作るのではありませんわ!」
 ダン、と空になったボウルをテーブルに置き、次の肉が入っているボウルを手にしたマルコは満面の笑みを向けながら力強く言った。
「僕はこういうので良いと思うよ! 皆で食べると美味しい!」
 寒い冬に付けた芽が蕾となり、暖かさを感じて咲く桜の様に来世が微笑みながらマルコに向かって言う。
『なるほど、それもまた空腹の時の様なスパイスとなるのか……』
 何故か二人の言葉が自然と受け入れた“わるい狐さん”は、皿に盛られていく肉を頬張る。
 香ばしく、肉の油が甘い……ただ焼いた肉なのに、どうしてこんなにも美味なのだろうか?
 低く唸りながらヒゲを撫でた。
「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る。援け給へ」
 来世の掌からふわり、と桜の花びらが舞い、無限に増殖する戦闘以外は万能な樹木の従者がハロウィンの国に召喚された。
 椅子に座らせ、楽しそうに美味しく食事をする賑やかしになれば、と思い呼び出したのだ。
「申し訳ございませんが……皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!」
 弱った瞬間、マルコは指先を“わるい狐さん”へ向けた。
 満月が光ったかと思えば、天から光が下りて“わるい狐さん”を焦がす。

 まるで、焼肉の様に――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

レイチェル・ノースロップ
●SPD
折角ですし、このままバニーで悪い狐さんを懲らしめてあげましょう

待たされるのがお嫌い?
奇遇ね、私も一緒よ
時間に追われるビジネスウーマンならぬヒーローウーマン
パッと食べて、パッ仕事に戻れるファストフードは、なくてならないものよ
特にスシが一番よね

そちらが嘘を付いているように、こちらも紳士の狐さんをもてなすバニーと嘘を付いて、ブンシン・ジツでLet'sクッキング!
狐のおとぎ話と言えば、すっぱい葡萄のお話よね
それに因んで、お米を葡萄の葉に包んで煮る料理「ドルマデス」と柿の葉で包む柿の葉寿司を参考に、私が今考案したスシ「葡萄の葉寿司」をご馳走してあげるわ
お勘定は蹴りとパンチ、どちらがご所望かしら?



●甘酸っぱいSUSI☆

 バニーガール姿のレイチェル・ノースロップ(ニンジャネーム「スワローテイル」・f16433)が、ヒールを鳴らしながら“わるい狐さん”を見据えた。
「待たされるのがお嫌い? 奇遇ね、私も一緒よ」
 不思議と冷たくない風に絹の様な金の髪を靡かせ、柴犬色になったわるい狐さんがこくりと頷くのを見てレイチェルは言葉を続けた。
「時間に追われるビジネスウーマンならぬヒーローウーマン。パッと食べて、パッ仕事に戻れるファストフードは、なくてならないものよ。特にスシが一番よね!」
『寿司は五月蠅いぞ?』
 レイチェルは豊満な胸を張り、胸元に手を添えながら堂々と言う。
「そんな貴方の為に、私が持成す為に来たバニーガルよ! ブンシン・ジツ!」
 今、レイチェルの瞳には狐ではなく人の姿をした紳士が映っている。
 それが“化かされている”つまり“嘘”をついている時の姿である事は、レイチェル自身が変装や第六感に優れているから直ぐに分かった。
 同じ姿の自身の分身が複数体現れ、それぞれのすべき作業を分担すべく道具や食材を手にする。
「(そうね、狐と言えば……)」
 よくある童話を思い出す、サムライの国にも似た言葉があったも記憶にあるがやはり“イソップ物語”にある狐の物語。
 狙っていた葡萄をどんなに頑張っても取れず、それで怒りと悔しさで『酸っぱく美味しくない!』と狐が負け惜しみの言葉を言った内容だ。
「葡萄の葉っぱ……あるわね。流石に何でもあるわ」
 炊飯器を開けばほかほかご飯、流石に『待てない』なんて声を張って言うだけはある、とレイチェルは思いながらも葡萄の葉を洗いながら酢飯を作る。
 意外と世界で食べられている葡萄の葉、言い換えればロールキャベツの中身がご飯に変わっただけの料理。
 サムライでも柿の葉等の植物で巻いた寿司や甘味がある、それを葡萄の葉を使えば新たなSUSIではないか?
「umm……問題は薄いのよね。でも、大葉という葉っぱを生で食べているのよね」
 柔らかい葡萄の葉を触りながらレイチェルは首を傾げ、視界に入った大葉へ手を伸ばして比べる。
「押し寿司というのも合わせれば……」
 ふと、レイチェルの脳裏にテリーヌが浮かぶ、崩れぬ様に厚くならぬ様に葡萄の葉を巻き簾に敷き詰めて温かい酢飯を乗せる。
 本来ならば冷やすか、ゼラチンなどで固めるのだが寿司は、握る、押す、巻くなどのやり方があった。
 しかし、葉寿司と呼ばれるモノは日にちを置かなければならないが、巻いてしまえば関係ない。
「お待たせ! 葡萄の葉で包んだ寿司よ! くいね!」
 レイチェルの明るい声と共に出された皿には、ぐるぐる、と渦を巻いている緑色が鮮やかな切り口が並んでいた。
『ドルマデスか!? いや、違う! これは――』
 わるい狐さんが葡萄の葉で包んだ寿司を頬張り、目を見開きながら咀嚼してゴクリとのみ込んだ。
 懐かしい味わいにどこかあっさりとした酸味、レイチェルが想いを込めて作った料理に夢中になる紳士。
「お勘定は蹴りとパンチ、どちらがご所望かしら?」
 食べ終えた頃を見計らってレイチェルが問うが、答えが返ってくる前に鋭い右ストレートが放たれていた。
 元の姿に戻ったわるい狐さんの身体が後方へ吹き飛ばれ、狙っていたかの様に豪華な椅子へ戻される。

 まだ、ハロウィンの国は消えない――

大成功 🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花(サポート)
これはもう一番私の得意とする所です

基本的には愛刀の白嵐玉椿で接近戦を挑みます

相手が遠距離を得手としているのなら、石を投げたりして距離を詰めてユーベルコードの鋭刃線閃で斬り掛かります

特に強大な敵の場合はオルタナティブ・エネミーを使って戦います
これはどんな相手にでも勝てる様にと作ったユーベルコードですので大体の相手には優位に立てるでしょう



エッチな感じで拘束され責められてる場合は、一人で切り抜けられないと分かるまで頑張ってみて、駄目なら名誉はあんまりない撤退と使って、相手を私と同じ様に拘束(この時、拘束具などで顔や全身が隠れてたら味方にも判別し難くなります)して、味方の前に逃げますね


桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●終わりを告げる冬の花

「お待たせしましたー!」
 ハロウィンの国では似つかわしくない淡いピンク色の花びらが舞い、桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)の元気な声と共に料理が運ばれる。
 わるい狐さんは、運ばれてきた料理を口にする。
 もう何品食べたのか、それさえ思えだせない程に猟兵たちが作る想いが込められた料理にどんどんと体から力が抜ける。
「ほらほら、料理はまだあるんだよ!」
 作戦という事を知らずに乃愛は、食べ終えた皿を奪って新しい料理を置く。
「(完全に弱体化してしまえばこちらモノ!)」
 警戒されぬ様に木の上で息を潜めている弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は、鍔を鳴らさぬ様に“白嵐玉椿”へそっと手を添えた。
 ダン、姿勢を低くして弾丸の様に銀花は樹々の間から飛び出し、わるい狐さんの傍へ素早く駆け寄った。
 白刃が煌めき、一閃――
「お嬢さん、それはマナーがなっておらぬな」
 キィン、わるい狐さんの鋭い爪が白嵐玉椿の刃を弾いた。
「失礼。しかし、今のあなたではアレを使わずとも――倒せる!」
 素早く後退して距離を取ると、銀花は不敵な笑みを浮かべながらルビーの様な赤い右目にわるい狐さんを映す。
「さぁ、皆の力を私に貸してね。皆さんに素敵な武器を貸し与えるよ!」
 と、乃愛が声を上げると、カボチャのランタンや顔が付いた花が動き出す。
「おー!」
 愛らしい声が響き、魔法が込められた魔石を一斉にわるい狐さんに向けて投げた。
 手りゅう弾の様なドンと腹に響く爆発ではなく、ガラス玉が割れるかのように魔石が弾ける。
「研ぎ澄まされた刃に斬れぬ物無し! 鋭刃線閃!」
 鮮やかな魔法の花が夜空を彩る最中に、くるり、と回転しながら銀花の美しい白い髪が花びらの様に舞う。
 目で捉えぬ程の速さで繰り出された一閃、“白雪桜の鞘”へ白嵐玉椿を仕舞うとチンと美しい鍔鳴りが響いた。
「あ……な、なんだとーっ!?!?」
 ずるり、わるい狐さんの上半身は地面に崩れ落ちる、豪華な椅子に下半身は静かに座ったまま――
「この国はあってはならない、国です……」
 背を向けたまま銀花が呟く、先程まで騒いでいた花やランタン達は動きを止めて静まり返った。
「ありがとうね! また、来年のハロウィンで会おうね!」
 乃愛は花やランタン達に言うと、ハロウィンの国が終わりを迎えているのに気が付くとその場から素早く離れた。

 二度とオウガ・オリジンが国を作り出さないように願いながら、猟兵たちはグリモアベースへ帰還した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年12月25日


挿絵イラスト