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ハロウィンって面白いことする行事でしたっけ?

#アリスラビリンス #【Q】 #お祭り2020 #ハロウィン

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●アリスラビリンス:ハロウィンの国
『いやーん!! ブラがちぎれたー!!』
『きゅーっ! スカートはいらなーい!』
『やだこのバニースーツ胸が入らないわ~!』
 きゃいきゃい叫ぶずんぐりむっくりなトランプの巨人たち。

 もっかい言うね、ずんぐりむっくりなトランプの巨人たち。
 なおトランプの巨人たちの足元には、美少女コスチュームの無残な残骸が落ちている。
『こんなのがハロウィンであってたまるか!!!!!』
 ボスオウガの『人喰いピアノ』は心の底から叫んだ。

●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「……あー、というわけでだな、その……」
 眉間を揉みつつ、ムルヘルベルが咳払いをした。
「あのオウガ・オリジンの遺した「ハロウィンの国」というのが見つかった。
 この不思議の国は、いかにもハロウィンパーティに適した場所……らしい。
 だがまあアリスラビリンスというのは、ようはアリスを絶望させるための世界である」
 草むらからわけのわからんコスチュームがランダムで飛んできたり、
 なぜか完璧に用意されたキッチンがあったりするが、すべては悲劇のためなのだ。
 悲劇と書いてネタと読む可能性もあるが、まあ無視は出来ないわけで。
「オヌシらにはこのハロウィンの国を支配するオウガ、人喰いピアノを倒してほしい。
 ただし彼奴はトランプの巨人どもを従え、敵襲に備えておる。そしてこやつらは」
 賢者はため息をついた。
「……みな、草むらから飛び出してきたコスチュームを纏っておる」

 なんて?

「わけがわからんと思うが、なぜかこのコスチュームを着ていると強化されるらしい。
 こちらも同じようにコスチュームをまとえば、そのぶん強化されて対等になるのだ。
 ……いやワガハイが嫌がらせしたいとかではないからな? 本当なのだからな!?」
 文句はオウガ・オリジンに言ってくれ、まあ死んでるけど。と嘆息するムルヘルベル。
「完全にランダムな衣装が飛び出してくるゆえ、望まぬ衣装が出てくるかもしれん。
 が、まあ、そのへんはなんだ……こう、猟兵としての責任感で頑張ってほしい!」
 ぐっとサムズ・アップした。他人事なので割と適当である。
「で、人食いピアノのほうなのであるが、こやつはほぼ無敵になっておるようでな。
 それを解除するには、なぜか用意されたキッチンで料理を作る必要がある。
 無論あちらはその間も攻撃してくるゆえ、頑張って耐えながら調理してほしい」
 自分で言ってて頭が痛くなってきたのか、ムルヘルベルはこめかみを押さえた。
「……例にもよって、あちらは出された料理を拒否することが出来ぬ。
 料理が美味であればあるほど、無敵の力の解除に近づくはずなのでな。
 あとはこう、寝こけたところをズバッとやってしまえばよい。ズバッと」
 これまた他人事なので適当に言うムルヘルベル。
「ま、今月末はお祭りであるからな。その前夜祭として騒げばいいと思うのである。
 着るは一時の恥、着ぬは一生の恥という言葉も……ない? そうか、そうであるな」
 それはそれとして、転移は行うムルヘルベルだった。


唐揚げ
 スイカです。そんなわけで恒例(?)のハロウィンシナリオです。
 今回はアリスラビリンスで、恥かいたり料理作ったりしてください。

●参加上の注意
 このシナリオは『2章構成』のシナリオです。なにげに初めてのパターンですね?
 1章でコスプレ、2章で料理を作る、とまあそんな感じになります。
 まあつまりネタシナリオですね。戦闘面はあんま考えないでもなんとかなります。

 で、それぞれの章には個別のプレイングボーナスがあります。
 1章では『本当ならイヤだけど仕方ないからこんな格好してるんだからね!』的な、
 なんかまあそういうムーブがあるとプレイングボーナスがもらえます。
 ちなみに衣装の種類は「ランダム」です。何が出てくるのかわかんないなあ!
 何が出てくるかわかんないからには、これはもう着るしかないなあ!
(とか言ってますがプレイングで指定するぶんには全然問題ないというやつです)

 2章はボスの攻撃を耐えながら料理を作ります。別に美味しくなくてもいいです。
 気持ちがこもってればなんかオッケーらしいので、とりあえず頑張りましょう。

 あと、このハロウィンシナリオの成功数によって、なんか今後のアリスラビリンスの猟書家戦になんかあるかもとのことです。ハロウィン当日もなんかあるかも。
 これはもう、恥を我慢してでも戦うしかないですね! いやあ仕方ない仕方ない!

●プレイング受付期間
 2020/10/20 23:59前後まで。
 頂いたプレイング数によっては第二弾のシナリオを立てるかもしれません。
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第1章 集団戦 『トランプの巨人』

POW   :    巨人の剣
単純で重い【剣】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    トランプ兵団
レベル×1体の、【胴体になっているトランプのカード】に1と刻印された戦闘用【トランプ兵】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    バインドカード
【召喚した巨大なトランプのカード】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アリスラビリンス:ハロウィンの国
『いやーん!』
『きゃー!』
『ひーん!』
 なんだか可愛らしい黄色い悲鳴があちこちで聞こえているが、それらはすべてずんぐりむっくりとしたトランプの巨人が発したものである。
 連中、なにやら美少女コスチュームの残骸と思しきピッチピチでパッツンパッツンの何かを纏っていた。コワイ!
 そしてそのまま襲いかかってくるのである。コワイ!
 こうなったらこちらもコスプレするしかない! そういうシナリオフレームだから仕方ないぜ!
 でもコスチュームはランダムなんだって!
 ランダムじゃあ、意に沿わないコスチュームが出ても仕方ないなあ!
 仕方ない仕方ない! 女装したり恥ずかしいふりっふりのコスチュームしたり、なんかそういうのでも仕方ないよね!!

 ※あんまりえっちなのはマスタリングします。
銀山・昭平
うーん、どんなコスチュームが出ると思ったら、こりゃちょっと恥ずかしいべ。(どんなコスチュームかはおまかせしますが、できれば固太りな中年体型がくっきり出るような感じでお願いします)

しかしあっちもまた似合ってるような似合わないようなよくわからんことになってるが……襲ってくるならおらも戦うべ!

【銀山流即席絡繰術・弐式】で、でかくて頑丈な鏡の盾を取り出して相手に今の姿を見せつけながら、【気絶攻撃】や【マヒ攻撃】の載ったレンチで叩いてやるべな。
おらっ、恥ずかしい姿を見ながらぶっ倒れるべな! おらもちょっと恥ずかしいからお前らも羞恥心にぶっ倒れるべ!!

※共闘・アドリブ・マスタリング可です!



●ずんぐりむっくりが揃うとどうなる? 気温が上がる
『『『いや~ん!!』』』
「むっ! さっそく現れたべな、トランプの巨人ども!」
 なぜかカラフルな魔法少女コスチュームでズドドドドと土煙をあげるトランプの巨人ども。
 銀山・昭平は身構え……そこで、草むらからぺいっと衣装が飛んできた。
「ほんとにランダムなんだべな……って、こ、これはっ!?」
 おお、なんたることか。飛んできたのもまたフリフリな魔女っ子コスチューム!
 しかもどうやら、敵のほうのコスチュームらしい。なんだこのこだわりぶりは。
「こ、これはちょっと、いやだいぶ恥ずかしいべ……だがっ!!」
 昭平はくわわっと目を見開き、飛んだ!
『『『キャーッ!?』』』
 するとそのとき、空中の昭平とコスチュームが光に包まれた!
 まるで、魔女っ子番組の変身シーンのバンクめいて……!
「ふっふっふ、最近の魔女っ子は敵方にもバンクがあるものだべ……!!」
 そして着地した昭平の姿は……おお、これは、なんとも……。
 黒を基調としたゴシックな魔女っ子コスチュームをしっかり纏っている!
 当然、ピッチピチのパッツンパッツンだ。トランプの巨人どもといい勝負である。
 ずんぐりむっくりな魔女っ子(オウガ)と、ピッチピチパッツパツの魔女っ子(ドワーフ)。
 気の弱い方が見たら失神しそうなレベルの、かなりアレな光景であった。
『なんてこと! 全然似合ってないじゃない!』
『そうよそうよ! コスチュームが可哀想だわ!』
「なら、おめぇたちの姿を省みて見るがいいべさーっ!!」
 昭平は大きな盾を取り出し、ずしん! と地面に突き立てた。
 メデューサの魔眼を跳ね返す鏡の盾よろしく、表面に反射する巨人どもの姿!
『『『ア、アアアアアアーッ!?』』』
「おらっ恥ずかしい姿を見ながらぶっ倒れるべな! おらもちょっと恥ずかしいべ!
 お前らも羞恥心にのたうち回って滅びるといいべさ、喰らえドワーフ魔法シールドチャージーッ!!」
『『『グワーッ!?』』』
 パコーン! と、ボウリングのピンみたいに吹き飛ばされるオウガたち。
 昭平はシールドを振り回し、なぜかロボット風に見得を切った。
 なお、スカートである。当然こう、ね? うんまあ丸見えなわけだよレオタードが!
「…………こんなとこを子どもたちには見せられねえべさ」
 ようやく我に返った昭平38歳、死にそうな顔で呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【衣装・去年のハロウィンのアレ】

ハロウィン、なぁ。
あれからもう一年経ったのかよ……
絶対今年はアタシが選んで着てやる、って
また勝手に出てきやがったこの珍獣!
なんでそんなに残念そうなんだよ!?
いいか!?アタシはもう二十歳超えてるんだよ!
いやまぁ若く見られるのは悪かないけど、
さすがに自分から魔法「少女」とは言いたくねぇんだよ!
あーもう、流れ的にやれってんだろ!?チクショウ!
『らじかる☆まじかる★チャームあーっぷ』!!

……くっそう、もう当分変身しなくてもいいと思っていたのに……
こうなりゃこのイライラを電撃魔法に込めて、
トランプ兵共々『範囲攻撃』で吹っ飛ばしてやる!



●SDどころかJCまでありますよ! やっぱ好きなんすねぇ!
『やあはじめまして! ボクは魔法少女をサポートするために魔法の国からやって……なんだ、多喜ちゃんか』
「おいなんだよその残念そうな顔! さっきまでのテンションどーした!?」
 数宮・多喜の前にぽわんっとファンシーなエフェクト付きで出てきたのは、なんかこういかにも魔法少女の相方~って感じのマスコット生物であった。
 多喜は知っている。この得体の知れないナマモノの厄介さを。
 なにせ昨年のハロウィン……アルダワ魔法学園における『装魔封災戦』で、このナマモノのせいで大変に恥ずかしいコスチュームを着させられたからだ。
 しかし。一年ぶりに会ったナマモノは、なんだか前回と全然雰囲気が違った。
 いや書いてる人が違うとかそういう話じゃないんですよ? ね?
『だってさー、ボクてっきり新しい魔法少女と出会えるかと思ってたんだもの!
 そしたらねー、見知った相手の上に多喜ちゃんだからなあ……』
「だからなあ、ってなんだよ! アタシにあんな格好しろっつったのはそっちだろ!
 アタシだってねえ、二十歳超えてまで魔法「少女」とか言いたくねえっつーの!」
 なのに魔法生物(仮称)からこの冷たい視線。多喜が地団駄を踏むのも無理はない。
 しかし! このナマモノが出てきたということは、そういうことなのだ!
『安心して多喜ちゃん! 成人女性が無理をするのもそれはそれで需要があるからね!』
「聞きたかねえよそんな話!?」
『それに若く見られるのは嬉しかったりするんでしょ?』
「…………いやまあ、そりゃまあね、そりゃまあ……そうだよ!! 悪いか!?」
『じゃあ変身しよう多喜ちゃん! 恥じらってるほうが逆に恥ずかしいよ!』
「くそっ、ナマモノのくせに妙な正論並べてきやがって……!!」
 多喜は例のステッキを手に、拳をぷるぷると震わせた。
『さあ多喜ちゃん! あんなのでも敵は敵だから倒さないとダメだよ!』
「アタシはあんたを懲らしめたいよ!! あーもう、チクショウ!!」
 多喜は覚悟を決め、ステッキを掲げ――あの忌々しい呪文を叫んだ!
「らじかる! まじかる!! チャームアップ!!!!!」
 …………しーん。
「あ、あれ? 変身しないじゃないか」
『もっと☆を飛ばす感じで可愛らしく言わないと~』
「そんな決まりあったのか!? これじゃあ骨折り損じゃないかもぉー!!
 ら、らじかる……らじかる☆まじかる★チャームあーっぷ!!!!!」
 多喜は半泣きになりながら、やけになって叫んだ。ポーズ付きだ!
 するとその全身は光に包まれ、あっという間に魔女っ子衣装姿に!
『『『きゃー! かわいいー!』』』
「うるさい吹き飛べ電撃魔法ーっ!!」
『『『アバーッ!?』』』
『やったね多喜ちゃん! これで平和は守られ』
「ついでに吹き飛べサイキックウェイブーっ!!」
『アバババババーッ!?』
 大惨事であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・アートレイト
【POW】
共闘歓迎。アレンジ可

>こすぷれ
ランダム。NGなし

ハロウィンじゃなくて何かの淫祠邪教の祭儀か何かじゃないですよね?
一応、万が一、念の為(確認取っておく。もしそうだったら賢者様を朝まで説教する心算)
神の徒としてこの世界のアリスに絶望を与える神敵を倒すことに是非はありません。なんか絶望する方向性が違うような気がしますが!

というか何ですかこの衣装!?いやこれ私の意思で選んだわけでなく!
依頼の都合上の不可抗力!というか、完全ランダムって男性猟兵もアレにいや聖剣!私の聖剣だけは残して置いてください!(唐突の衣装チェンジにテンパりながらも剣は確保)

オウガは八つ当たり気味に拳(一応奇跡)で殴打する。



●ハロウィン自体の源流はケルトのアレだから淫祠邪教と言えなくもない
「……な」
 アリシア・アートレイトは飛び出してきたコスチュームを手に、プルプル震えた。
 彼女が手にしたコスチューム……それはウサギ耳のヘッドバンドと、レオタード。
 ご丁寧に白いふさふさの尻尾までついた、そう……これは!!
「な、なななな、なんですかこの破廉恥な衣装はーっ!?
 これはもしや……う、噂に聞く、バニーガール、というやつでは……!?」
 そう、そのもしやである。飛び出してきたのはバニーガール衣装だったのだ!
 なお、ご丁寧に網タイツタイプと黒・白タイツタイプの三種類に分かれている。
 どういうこだわりなんだろうか。多分オウガ・オリジンの忘れ形見なんじゃね?
「……賢者様は、間違っても淫祠邪教の祭儀ではないとおっしゃっていましたが」
 転移する前、アリシアの剣幕にタジタジだったグリモア猟兵の顔がよぎる。
 あれは嘘を言っているようには見えない顔だった。ビビっていたとも言う。
 たしかにこれはハロウィンなのだろう。一応コスプレと言えばコスプレだし。
 しかし、しかしだ。清廉なる女騎士にバニーガールは難易度が高すぎる!!
「か、神の徒として、この世界のアリスに絶望を与える神敵どもを斃す……。
 そこに、是非はありません。ありませんが! ありませんけど!!!」
 アリシアは葛藤した。いや葛藤というか苦悩した。この難題の重さに。
 だが、嗚呼! そうやって苦しめば苦しむほど判定はよくなるのだ!
 だからこのリプレイは大成功なんですね。しかもほらランダムですから!
 ランダムでは、仕方ない。そして見よ。アリシアの身体と衣装が光った!
「こ、これは……まさか、強制なんですかー!?」
 実はそんなことはないのだが、そういうことになりました。
 多分バニー服の呪いだと思います。オウガ・オリジンの忘れ形見。
 ともあれ一瞬にして、アリシアはバニー服(白タイツ)姿に!
「ああよかった、白が好きなわたしに配慮してくれたんですねって喜べるかぁー!!」
『『『アバーッ!?』』』
 SMAAAAASH!! 何の罪もないトランプの巨人たちを襲う拳!
「だいたいなんですかあなたたちそのピッチピチ具合はーっ!!」
 SMAAAAASH!!
『『『アバーッ!?』』』
「もう少し衣服を大切にしなさいペネトレイターッッ!!!」
『『『アババババーッ!?』』』
 巨人どもをぶん殴ってはクシャッと滅殺するさまは、バニーというよりも完全に熊とかそういう方面のパワフルさであったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱酉・逢真
古いダチと/f28022
(コスおまかせ)
心情)やァ気の早い前夜祭だ。いやはや、まさかこいつが生きてるたァ思わんでね。ああ、生きちゃいねェか。悪霊だしな。だが猟兵は俺の《外》、冥府に行けたァ言わないさ。旧知と再会できて俺はたいへん機嫌がよろしい。つまりいつもとおんなじさ。
行動)ひ・ひ、いやあ楽しいね。自前で酒(*毒)持ってきたかいがある。襲ってくるやつらァは眷属どもに任しちまって。自前のじゃない服を着るのは楽しいねェ。飛んできては溶けての繰り返しなせいでファッションショーみてェになってるが。お前さんも似合ってンぜ、オニキス。ひ・ひ、怒ンなって。


オニキス・リーゼンガング
旧知/f16930 衣装委任・口調は『やんわり丁寧』
心情)驚くことがあまりにも多く、一周回って冷静な思いです。
旧知との再会・旧知がヒトのカタチをしていること・再会するなりコスプレさせられたこと。
まったく、目を失ったことをこんなにも悔やむ日が来るとは。
朱酉が楽しむならば、わたくしも倣います。彼だけ上機嫌なのも腹立たしいでしょう。
行動)ドレスでもなんでも着こなしてみせますよ。どんな衣装でもわたくしは見えませんので。
見えなければ無いとおなじことです。ええ、誰がなんと言おうと。
このもやもやは敵にぶつけましょう。こぶしで十分です。実体化してぶん殴ります。
怒っていませんよ、ええ。これはツッコミです。



●気の早い前夜祭
 旧知との再会――そう表せば、いかにもありふれたことのように感じられる。
 しかしヒトのカタチをしながら"そうではない"モノどもの再会となると、
 これはもはや人智のそれと同じように語るのは難しい……いや、出来ない。

 にも関わらず、"それら"はヒトの言葉で、ヒトの声で、ヒトのように語らう。
 であるならば、ヒトの催しにふらりとやってくるのも道理ではあろうか。
 なにせハロウィンといえば、もとを辿ればドルイドの儀式に行き着くという。
 此方と彼方を分かつ門が開かれると信じられていた日に、篝火に贄を捧ぐのだ。
 死者たちは門を通りて彼岸より戻ってくる――それが、大元の伝承だ。
 なるほど、悪霊となった"旧友"が戻ってくるには、似合いの行事である。
「ひ・ひ。まァそういうことで納得しておけよ、なあ"オニキス"」
 紫の異装に身を包む盲目の男……オニキス・リーゼンガングが、にやにやと陰気な笑みを浮かべる朱酉・逢真のほうへと頭を巡らせた。
 オニキスには、逢真がどんな顔をしているのか――比喩ではなく、そのカタチからして彼には馴染みがないゆえに――見えない。
 だが明らかに哂っていて、そして楽しんでいるのは明白であった。
「納得が出来ますか、こちらは驚くことがあまりにも多すぎるのですよ。
 あなたが"そのカタチで在る"ことも、そもそもまだ慣れていませんから」
「よく言うぜ。お前さんはすっかり"オニキス"になっているだろうによ」
「…………」
 人間の言葉で言えば、「よそよそしい」という表現が適切だろうか。
 いかにも"らしい"丁寧な言葉を繰るオニキスの様子も、おかしくてたまらないようだ。
 オニキスは少しだけ憮然とした様子で口を噤む。そして、嘆息した。
「目を失ったことをこんな形で、これほどまでに悔やむ日が来るとは……」
 腹立たしさがある。"あれ"が――"朱酉"だけが上機嫌なのも気に食わない。
 どうせ己の目は盲ている。何が来ようが見えはしないのである。
 ならば、問題ない。問題ないったらないんだ、誰が言おうとそうなんだ。
 オニキスの意思は硬かった。そう簡単にネタに屈してやらねえという堅固な決意であった。
 そしてそこに、さっそく例のコスチュームが飛んできた。

「ひ、ひひ! ひひひひっ!」
「…………」
 飛んできたコスチュームを情報体に分解し、服という「情報」を纏う。
 まあ早い話が着替えるようなまだるっこしいヒトらしさは、二柱して一足飛びで飛び越えるって話なのだが、その途端に逢真は大笑いした。
 飛んできたのはドレスである。それも、お姫様みたいな豪華なやつ。
 明らかな女性用の衣装だが、そこはまあ大した問題ではない……なにせ彼らのような神からすれば、男女の境など所詮は生物の概念の話だからだ。
 逢真がオオウケしているのは、明らかにオニキスが憤懣やるかたない様子だからであった。
 たしかにオニキスの意思は堅い。そらもう岩盤並のかてえ決意であった。
 しかし。しかしだ。見えているのだ。逢真のほうだけは一方的に!!
 なお逢真のほうにもふりっふりのプリンセスなドレスが飛んできてまあ着替えているのだが、こっちはもともとオシャレ好き(イェーガーカードの枚数的な意味で)なためか、そもそも着てもグジョグジョに溶けてしまうせいか、あんまり気にしていなかった。
 いや多分オニキスからかって遊べるのが超楽しいからだと思う。陰険!!
「よォく似合ってンぜオニキス、ひ・ひ!」
「…………いえ。あいにく、わたくしには見えませんので」
「じゃあ説明してやろうか。まずこう全体が水色の絹で出来ててなァ」
「そこにオウガの気配を感じます。消し飛ばしましょう(ブンッ)」
『アバーッ!?』
 トランプの巨人無惨! 神の一撃(八つ当たりのグーパンとも言う)を受けて塵すら残さず消し飛んだ。
 逢真は次に飛んできた、ピエロ衣装を着て(そしてすぐさま腐敗と崩壊が始まり)楽しみつつ、オニキスの憮然とした顔を見てからからと笑った。
「酒を呑んでいるのですか? 戦闘中に」
「いいじゃあねェか、もともと俺は眷属どもに任せるスタイルだしなァ。
 それにこれはお祭りだぜ? ああ、もう服が溶けちまう。残念だねェ」
「……おかしいですね。状況としては対等のはずなのですが」
「見えねェから何もないンだろ?」
「…………」
「ひ、ひひっ!」
 ブンッ。オニキスは拳を振る。これまた巨人が無惨に消し飛んだ。
 そこへ眷属どもがわっさーと蔓延って、これまたグロい死に様をご提供する。
 そしてその阿鼻叫喚を見ながら、メイド服姿の逢真は酒をグビグビ呑んでいた。
 ふたりして顔がいいので、様になっているのがまたアレである。
「ファッションショーみてェだなこりゃあ。ひひひ!」
「趣味が悪いですね、あなたは最初からこのつもりだったのでしょう?」
「怒ンなって、オニキス。お前さんも似合ってンぜ? コスプレ」
「怒っていません(ブンッ)」
『アバーッ!?』
「これは(ブンッ)ツッコミです(ブンッ)」
『『アバババーッ!?』』
「そうかいそうかい、ひ・ひ!」
 神ともなると戯れのスケールも違う。いやそういう話ではなさそうだ。
 まあともあれ、これも旧知の仲なりのじゃれあいということなのだろう。
 ……オニキスは、己の盲た目を心の底から、本気で、かつてないほど悔やんだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
メイドでも巫女でもバニーでもチャイナでもゴスロリでもナースでもくのいちでもミニスカポリスでも何でもどうぞ。この美少年がすごい!2020矢来夕立が着こな
…え?恥じらったほうがいいんですか?そう。

ンンン(咳払い)
こっこれは仕事だから仕方なく着ているのであって(棒)

…いや、確かにそうですよね。
女装が趣味のひとみたいなこと言っちゃったな。自信の表れです。
まあコスプレも仕事ですから、

ご奉仕するにゃん(変声期を終えている)逮捕しちゃうぞ(変声期を終えている)お注射の時間ですよ(変声期を終えている)烏龍茶(変声期を終えている)バニーって何言うんですか?(変声期を終えている)

あ、男装でいいならそっちがいいです


狭筵・桜人
はぁ……困りました。
私が可愛くて線が細くて可愛くてJKも真っ青な美脚の持ち主なばかりに
どんな美少女コスチュームを着てもただ可愛いだけの存在になってしまう……。
でもアレでしょう?こんな格好恥ずかしいよお~はわわ~みたいな
初心なリアクションが欲しいんですよね?数字的に。

仕方ないなあ~!仕事だからなあ~!も~今日だけですよ~!
ちなみに私は視聴者の声に応えるタイプの猟兵なので
サービスシーンにもバッチリ対応出来るようUCにも触手を用意してあります。
でも触手に絡め取られるのはずんぐりむっくりの敵の方なんですけどね。

意に沿わないコスチューム?
えっ……聞いてない……

出)
OK:人権
NG:全裸はさすがにつらい



●このお題でこのふたりが揃っちゃったらもう……ネ(キメラ化)
 結論から言うと、狭筵・桜人の心は完全に死んだ。
 そして社会的にも死んだ。なんせ七色のアレを大リバースしたので。
 というか、しているので。見下ろすのは矢来・夕立である。
 はいもうこのふたりが揃ってしまった時点で何が起きたかは明白ですね!
「オボボボボボーッ!!」
「ご奉仕するにゃん(変声期を終えている18歳少年らしい低音)」
「アバババババーッ!?」
 追い撃ちまでかかっていた。これが人間のやることかよ。
 もうこの8行でこれ以上何が起きたのかを記す必要すらなさそうだが、
 リプレイとして大事なところをすっ飛ばすのは大問題なので時間を遡ることにする。

 ……ざっと10分ほど前。
「はぁ……困りました」
 桜人は、なぜか後ろにうねうねした触手UDCをはべらせて天を仰いだ。
「この私が可愛くて線が細くて可愛くてJKも真っ青な美脚の持ち主なばかりに、どんな美少女コスチュームを着てもただ可愛いだけの存在になってしまう……(プレイング原文そのまま)」
『は?』
『は?』
『は?』
 身構えていたトランプの巨人の皆さんは半ギレであった。
 それもそうである。いちいちチラッチラこっち見てきてるもんなあ!
 明らかな「残念ですけど私顔がいいし線が細いのでみなさんと違って女装しても面白よりも『あれっ意外と似合ってる? ていうかかわよ』的なインパクトのほうが大きくなっちゃうんですよ」的な顔してんだもの! いやもうこれ台詞にしたほうが早かったな!
「でもなー! うぶなリアクションしたほうが数字(?)取れますもんねー!
 いやー仕方ないですねー。仕事だからな~、今日だけは仕方ないな~!」
『『『いやノリノリでコスチューム出てくるの待ってるじゃん』』』
「いやー仕方ない! 私の美貌が浮き彫りになってしまうけど仕方ないなー!」
『『『なんならもうちょっとメイクとか済ませてるじゃん』』』
「さて何が来ますかねえ! メイド? 巫女? ゴスロリ? なんだってやってやりますよ! なにせ私美脚なので! しかも顔がいいからなー、いやー仕方な」
「オレが本当の女装を教えてやりますよ(変声期を終えている18歳少年の低音)」
 その声が聞こえた瞬間、桜人はびくりと身を竦ませ、固まった。
 いま、この状況で一番聞こえてはいけない声が聞こえた気がする。
 いや気のせいだ。そんなことがあるわけない、あってたまるものか。
 示し合わせたわけでもない(多分そのはず)のに、こいつもこいつで「メイドでも巫女でもバニーでもチャイナでもゴスロリでもナースでもくのいちでもミニスカポリスでも何でもどうぞ。『この美少年がすごい!2020矢来夕立』が着こなしてみせます(プレイング原文ほぼそのまま)」みたいな似たようなこと考えてる、しかも最悪のトラウマ与えてくれやがった元凶が、来ているわけがない!!
「そうです。オレが来ました」
 ザッ! となぜか奇妙な冒険っぽいポーズでキメるのは、嗚呼、夕立その人!
 桜人は振り返ることを拒否した。脳髄に届いた音声データもシャットアウトした。
 居ないんだ。ここに一番居てほしくないやつなんて居るわけないんだ!
「どうしたんですか狭筵さん。さっきまでのノリのよさは」
 ザッ、ザッ、ザッ……夕立は桜人に歩み寄り、そして肩に手を置いた。
「まるで……『悪霊』でも見たかのように真っ青な顔をしているじゃあないですか……」
 なんとなくふたりの顔が劇画っぽくなり、周囲にはゴ ゴ ゴ ゴとか、ド ド ド ド的なオノマトペが浮いているような気がした。気がするだけ。
(あ、ありえないッ! ありえるわけがないッ! こんな、こんな私にとって都合の悪い『展開』!! ありえていいはずがないッ!!)
 桜人は必死に夕立を視界に入れないようにしながら、内心で呻いた。
 これはもはや、間違いない……新手のスタン……いや違う、話を戻そう。
「この触手……もしかしてあなた、『サービスシーン』を……作ろうと?」
 ド ド ド ド ド(あなたの脳内にだけ見えているオノマトペ)
「そこまで期待しているなら……『やる』しか、ないようですね」
(ち、違うッ! これはただ、あのトランプの巨人にぶつけるつもりで……!)
 桜人は声を出せなかった。会話すると『居る』ことを認めてしまうからだ。
 だが夕立は、それすらも理解した上で……おもむろに、手を突き出した!

 あっ! くさむらから、なぜか女装コスのセットがとびだしてきた!

「ンンン(咳払い)」
 ばさあっ! と布が翻った直後には、夕立は一瞬でメイドドレス姿に!
「こっこれは仕事だから仕方なく着ているのであってオレの趣味でもなんでもないからねっ(棒読み)」
「オボボボボボーーーーーッ!!」
 そんなわけで、桜人は耐えきれずリバースした。

 話は最初に戻る。
「逮捕しちゃうぞ(変声期を終えているミニスカポリス姿の18歳少年らしい低音)」
「ア、アバ……ッ」
「お注射の時間ですよ(変声期を終えているナース姿の18歳少年らしい低音)」
「……ッッ、…………ッ」
「烏龍茶((変声期を終えているチャイナドレス姿の18歳少年らしい低音)」
「…………」
「バニーって何言うんですか?(変声期を終えているバニー姿の18歳少年らしい低音)」
「そこは語尾に「ぴょん」って付ければいいでしょうが!!!!!!!」
 がばり。心肺停止状態だった桜人は血反吐を吐きつつ起き上がった。
「甘いんですよあなた!! 万事が万事甘い!! 何着てもにわか全開じゃないですかしかもなんでわざわざ生脚出すタイプのコスチューム選んでんですか!!!」
「着ますか?」
「百万回死ぬとしても勘弁してくださいゴハァ!!!!」
 叫びすぎと夕立の姿を視界に入れたことで桜人は再びダメージを受けた。
「まだ物足りませんか。わかりました、その触手をオレに」
「こいつらが!! こんなオウガどもが!!! 居るから!!!!」
『『『アババババーッ!?』』』
 放置されていたUDC触手さんは、桜人の怒りのままにトランプの巨人どもを引きちぎった。コワイ!
 結局コスプレをしていないのにこの破壊力! 桜人、なんて強さだ……!
「さすがは狭筵さんですね。これを見越して刺激した甲斐がありましたよ」
「もう嫌だ死にたいいや死にたくないから世界滅んでほしい」
 桜人はしばし、顔を覆って丸まりさめざめと泣くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

穂結・神楽耶
あの…ハロウィンってもっと楽しくきゃいきゃいするイベントですよね?
間違ってもこんな地獄絵図を見せつけられるイベントじゃありませんよね?
なんで視覚テロされなきゃいけないんですか?
ハァ…………(クソデカ溜息)

……まあいいです。
美少女に似合う系コスチュームが飛んでくるっていうならぜっっっっっったいにわたくしの方が似合います!
格の違いを見せて差し上げましょう。

さあ来なさいコスプレ衣装!
どんな衣装だろうと着こなして、
くるっと回ってポーズを決めて、
かわいらしさと女子力の差を見せつけて差し上げます。

いざ、トリック・オア・トリート!
女子力(物理)で競いたいのはどこのどいつですかッ!?



●女子力(物理)
「…………な、何も見なかったことにいたしましょう」
 見知った顔の忍者とピンク髪の無惨すぎる有様から目をそらす穂結・神楽耶。
 あれはなかったことにしよう。七色の液体をリバースしてる奴とか居なかった。
 そんなわけで神楽耶は完全に意識から例のふたりをシャットアウトすると、
 改めて敵に向き直り……そして、スンッと塩顔になってクソデカ溜息をついた。
『イヤーン!』
『キャー!』
『アハーン!』
「ハァ…………」
 ぴっちぴちでむっちむちな衣装を着た、ずんぐりむっくりのゴーレムども。
 それがなんか甲高い声を叫びながらずどどどどと群れをなしているのだ。
 溜息で済んでいるのが神楽耶のメンタルの強さを表していた。普通は気絶する。
「あのですねえ! オウガであるあなたがたに言ったところで無駄でしょうが!!」
 すらりと刀を抜きながら、神楽耶は叫んだ。
「ハロウィンっていうのは、もっと楽しくきゃいきゃいするイベントなのです!
 間違ってもこんな地獄絵図を見せつけられるイベントではありません!!」
『『『どこが地獄絵図なのよーッ!!』』』
「あなたたちのそのすべてでございます!!!!!」
 ごもっともであった。
「なんで此処まで来て視覚テロされなきゃいけないんですか! 本当にもう!!」
『『『何よ! アタシたちのコスプレが似合わないっていうの!?』』』
「ええ似合いません。それを実際に見せつけてさしあげましょう」
 神楽耶は気持ち良い感じの角度を維持しながらふぁさっと髪をなびかせた。
 普段の神楽耶ならありえないジェスチャーである。でもまあ場が場だからね。
「美少女に似合う系コスチューム――それならば、わたくしのほうが!
 絶対に……絶ッ対に! 絶ッッッッ対に! 似合いますので!!」
『『『ええ、自信満々じゃん、こわ……』』』
「おだまりなさい!!」
 神楽耶はドン引きの巨人どもにもはや構わず、草むらを睨んだ。
 そこに飛び出してきたコスチューム――こ、これは!?
 飛んできたのは……ホッケーマスク、そしてずたずたに破れたなんか服。
 さらに血まみれの斧とチェーンソーである。殺人鬼コスプレセットだ!!
「そ、そんな!? 美少女に似合う系コスチュームが出てくるのでは!?!?」
 神楽耶は愕然とした。だが、ああ! 彼女は誤解していたのだ!
 たしかに巨人どもはピッチピチのパッツパツな格好をしているが、
 だからといって出てくるコスチュームが美少女系と限ったわけではない!
 つまり・・・イロモノコスプレ衣装も出せる、ということっ・・・!!
『『『ほらほらどうしたのよ~着こなしてみなさいよ~!』』』
「…………ええい、ままよ!!」
 神楽耶は衣装を空に放り投げ、そしてなぜかジャンプ! 発光!
 すたっと着地した姿はファンシーな魔法少女――の、わけがなく。
「…………(コーホー、コーホー)」
 線が細いことを除けば、誰がどう見ても連続猟奇殺人鬼であった。
『『『うわっ怖っ!!』』』
「コーホーーーー!!」
『『『アバババババーッ!?』』』
 多分、トリック・オア・トリートって言ってんだと思う。
 かくして血の惨劇が、幕を開けた――!(ホラー映画の宣伝風オチ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

エスターテ・アレグレット
※衣装お任せですが、露出高いのはNGです。お肌よわよわなので

「料理するだけの仕事じゃなかったんすか!?」
いや、確かに草むらから衣装がどうの…とグリモア猟兵くんが言ってた気もするけど、あまりにトンチキな内容だったから思わずスルーしてた!

帰っていい?え、ダメ?
…ぐ、ここまで来たからにはやるしかないか。
意を決して衣装を手にとる。
「…こ、これは!」

出てきた衣装に着替えいざ戦闘。
………。
「いや、断じて僕の趣味じゃないっすからね!?」
なんとなく視線を感じて、誰にともなく言い訳。
く、なんでこんな目に……。
いや僕が悪いけど。
こうなったら、本気だしてさっさと片付けよう。UC【とても速く】で敵のトランプ兵を討つ。



●露出しなくたってトンチキな衣装はできるんですよ
「なんすかこれは!?!?」
 エスターテ・アレグレットは飛び出してきたコスチュームを手に叫んだ。
 彼が手に持っているもの……それは、おお、メイド服であった!
 しかもクラシカルな長スカートだ。だからいいって話ではない。
 誰がどう見ても女性向けの衣装である。いくらエスターテの顔がいいとはいえ!
「料理するだけの仕事じゃなかったんすか、この依頼……!!」
 エスターテはがくりと崩れ落ちた。おっとこれは本人も悪いのでは?
 グリモア猟兵の説明をきちんと聞いていないとこういうことが起こるんですね!
 これを読んでいるよいこの猟兵のみんなは、きちんとせつめいをきこうね!
「さすがにこんなもんを着るつもりにはなれないっす、もう帰……」
『『『イヤーン!!』』』
「アイエエエ!?」
 そこにずどどどどと土煙をあげて襲いかかるトランプの巨人の群れ! コワイ!
 エスターテはあっという間に包囲されてしまい、もはや脱出は叶わない!
「くっ、これを着ないとダメってことっすか、無駄に強いパワーを感じる……!
 いや、でもなあ、露出はないっつったって女装だもんなあ、うーん……」
 エスターテは悩んだ。悩みに悩んで……すっと手を挙げた。
「あの、ちょっと着替えたいんで時間もらっていいっすか」
『『『あ、はい。どうぞ』』』
「どうもっす」
 ん? なんかおかしくねえかこの空気?
 と首をかしげつつも、エスターテは草むらの陰に入っていくのだった。

 しばらくあと。
『『『…………』』』
「……いや、断じて僕の趣味じゃないっすからね!?」
 巨人どもの意味ありげな視線を感じ、エスターテはしどろもどろになった。
 しかし、なかなか着こなしが様になっている。顔がいいおかげだろう。
「こうなったらさっさと蹴散らさせてもらうっす! 本気の速さで行くっすよ!」
 エスターテはサプリメントを嚥下すると、猛スピードでダガーを振るった!
『『『アバーッ!?』』』
「掃除、完了っすね」
 そして切り裂かれた巨人の背後に、ダガー二刀流ですたっと着地する。
 クラシカルなスカートが翻り、実にラノベっぽいかっこよさだ!
「……いや、ちょっとアリかなーとか思ってないっすからね!?」
 なぜか明後日の方向を見てひとり弁解するエスターテであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マルグレーテ・エストリゼン
ハロウィンとは死者の霊に関係した行事と聞いた。興味が惹かれたのだが…

こんなのがハロウィンであってたまるか!

怒りを覚えたので滅ぼそう
手早く着替えてパワーアップするとしよう……

……
(衣装を取る、物陰で着替える、出てくる)
…露出が多い…!
しかも…このデザイン…
(猫耳尻尾のついたコスチューム)

なにこれ…恥ずかしい…!
誰が用意したっ…!?
何考えてるの……
(目に涙を浮かべて蹲る)

(何らかの期待を向けられたのを感じる)
…………………………………………………………………にゃぁ…………………
(赤面する)

…………オブリビオンを殺戮する!
(吸血鬼の力を全開放し【怪力】を用いてグレイブを叩きつける)



●ゴスロリ吸血鬼美少女の猫耳コスとかお子様定食かよ!
「こんなのが……」
 マルグレーテ・エストリゼンは拳をわなわなと震わせた。
「こんなのが、ハロウィンであってたまるか!!」
 ごもっともであった。そしてその台詞はオウガの親玉とリンクしていた。
 が、トランプの巨人どもはノリノリである。ノリノリで、パツパツだ。
『『『きゃー! 怖い~ん!!』』』
「その野太い声で悲鳴をあげるなッ!!」
 マルグレーテははぁああ、と重い重い溜息をつき、顔に手を当てた。
 ハロウィンとは、曰く死者の霊に関係した歴史ある行事なのだという。
 ゆえに興味が惹かれたマルグレーテ、だが蓋を開けてみればこの惨状だ。
 グリモア猟兵の説明を聞いた時点でトンチキ戦場であることに気付いてほしかったものだが、まあそこも含めて正直者ということなのだろう。
 怒りを覚えたマルグレーテは、飛び出してきた衣装を素早く手に取った。
「まったく、さっさとお前たちを片付けてやる! 待っていろよ!」
 マルグレーテはぎろりと巨人どもを睨みつけて萎縮させ、物陰へ。
 そしていそいそと着替えてきた、の、だが……。

「――な、なんだこの衣装はッ!?」
 あのほら、漫画とかアニメだと何故か変な衣装を着替えてから「なにこれ」って言うやつあるじゃないですか。あれちょっと不思議ですよね。
 着替えてる間に気付くもんじゃねえ? って思いません? いや野暮な話なんですけど。
 今回も同じことが起こりました。これもマルグレーテが正直者だから畜生!
「露出が、露出が多い……し、しかもこの、デザインは」
 マルグレーテが身につけているのは、猫耳尻尾のついた露出多めのコスチューム。
 なお両手は肉球ハンドである。でも武器を握ったりはできる不思議なアタッチメントだ!
「は、恥ずかしすぎる、これはちょっと、何を考えてるの……っ」
 マルグレーテもうら若き少女である。胸元を抑えてうずくまってしまった。
 しかし「首を洗って待っていろ」的なことを言われて臨戦態勢を整えていた巨人の皆さんは、恥ずかしがるマルグレーテをじーっと見ていた。
 嘲るわけでも視線で辱めるわけでもなく、淡々と。じーっと。
 まるで、「お前にはやるべきことがあるだろう」とでも言わんばかりに。
「…………………………に」
 マルグレーテは顔を真っ赤にしながら、それっぽいポーズを取った。
「にゃぁ」
『『『…………』』』
「……………………………」
『『『キャー!! カワイーッ!!』』』
「お前たちを! 塵も残さず殺戮するッッッ!!!!」
『『『アバーッ!?』』』
 グレイヴ炸裂! トランプの巨人無惨!!
 猫耳尻尾にヴァンパイア属性までつけちゃうとかもう属性重量過多だよこれ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
飛んで参ります衣装に袖を通し戦いとうございます
…?!
こ、これは…
わたくしが着用いたしますのは、年齢的に
中々に目の毒なのでは…!

い、いえ
巨人の皆さまも、見事に着こなしていらっしゃいますもの
…?着こなしていらっしゃるのでございますよね?
ここは、わたくしも、覚悟を決めて、き、着てみようかと…!
(そのような感じで衣装お任せ)

ああっ、周囲の視線が痛うございます…
あ、あまりご覧にならないでくださいませ…!
巨人さん方は、このような気持ちに
耐え忍びながら着用なさっているのでございましょうか

戦闘はなんやかんやで
お相手の攻撃をオーラ防御しつつ
早業・高速詠唱からの2回攻撃を狙い
気合いの全力魔法を打ち込みたく存じます



●ちょっと古い言葉で言うと、「我々の業界ではご褒美です!」
 ベイメリア・ミハイロフ、25歳。女に磨きがかかるお年頃の淑女だ。
 まだまだお肌ピチピチとはいえ、年齢的には当然立派な大人。
 ベイメリア自身も、責任ある社会の一員として自覚的に振る舞っている。
 まあ一言で言うとよく出来たお姉さんってことですよ。しっかりものですよ。
 ところで、そんなお姉さんがなんかわなわなと肩を震わせてしますね?
「こ、これは……これは、わたくしが着用いたしますのは、さすがに……!」
 おやおや? ベリメリアさんたら、どんなコスチュームを手に入れたのでしょう。
 はてさて、それは赤いリボンが特徴的な……白い、セーラー服!!
 もちろんスカートは膝上丈である。そう、バリバリの学生服であった!
「さすがに、年齢的に……なかなかに目に毒、なのでは……!?」
 誰に聞いているのか、ベイメリアは思わずひとりごちた。
 25歳女子、大人としてより一層責任感を強めて生きていくべきお年頃。
 衣装にはご丁寧にニーソックスまでついていた。フィクションの悪影響だ!
『イヤーン!』
『キャー!』
『ヒャッホーウ!』
「……い、いえ、巨人の皆さまも見事に着こなし……」
 ベイメリアは見た。ピッチピチでパッツパツな巨人の皆さんを。
「……? 着こなしていらっしゃるのでございますよね……???」
 あれ? おかしくね? なんであんな衣装ちぎれそうになってんだ?
 宇宙猫みたいな顔になったベイメリア、なんかもうよくわかんなくなってきた。
「ここは、わたくしも、か、覚悟を決めなければ……!!」
 ベイメリア25歳、人一倍責任感が強い生真面目な性格のお姉さんである。
 そんなわけでなんか妙な方向にやる気を発揮し、結局着替えたのだ!

『あらやだ! 見てあれ』
『まあ! 大人が学生服着てるわ! しかも中学生の!!』
『しかもニーソよ、セーラー服にニーソ! ワオ!!』
「ああっ、周囲の視線が、い、痛うございます……!」
 ざわめく巨人たちの視線にさらされ、ベイメリアは赤面した。
 だが考えてみれば、この羞恥心はトランプの巨人たちも同じなのではないか。
 ならば、猟兵として怖気づいていてはならないのでは? 25歳は訝しんだ。
 誰がどう見ても敵方は羞恥心を感じてなさそうだが、まあそこはそれ。
「こうなったら、一刻も早く蹴散らすといたしましょう……っ!!」
 ベイメリアは顔を真っ赤にしつつ、これまた真っ赤な薔薇を咲き散らした。
 セーラー服の戦士が、薔薇を。ふうむ、これはなかなか、こう、ねえ?
 しかもニーソである。ベイメリアはツインテールにすべきではなかろうか?
『『『グワーッ!?』』』
「アリスに代わって、おしおき! でございます!!」
 キメ台詞も完璧なベイメリアさん25歳であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※衣装お任せ・NGナシ・トンチキ歓迎

…ホント、何でもあり加減なら今までで随一なんじゃないかしらねぇ、この世界…
この服、いろいろ仕込んでるからあんまり脱ぎたくないんだけどねぇ…しょうがないか。
よっぽどヒドイのじゃなきゃそこまで忌避感とかはないけれど。…なぁんかヤな予感するわねぇ…


鎧の中身とかはともかくとしても…なんというか、アレねぇ…
頭痛くなってきたし、さっさとブッ散らしちゃいましょ。
ミッドナイトレースに○騎乗してテイクオフ、●轢殺で速度と精度を増強して敵陣引っ掻き回しつつ流鏑馬とグレネードの〇投擲で爆撃仕掛けるわぁ。
単純な攻撃はそれ故に強力だけど。あくまでも「当たれば」なのよねぇ。



●いやほら頼りがいがあるとかそういうところがですね? こうね?
「……なぁに、この状況ぉ」
 ティオレンシア・シーディアは、頬に手を当ててはあ、と溜息をついた。
 そんな彼女の格好は、普段の装いとまったく異なっている。
 三角巾にエプロン、あとセーターにこう長いスカート……そして、スリッパ。
 平たく言うと、日本の昭和時代に生きていそうな主婦の格好であった。
 まあ、それはいい。妙なコスチュームが飛び出してくるのはわかっていた。
 ティオレンシアがドン引きしていたのは、トランプの巨人どもの挙動である。
『『『かあちゃーん!!』』』
「誰があなたたちの母親よぉ(BLAMN!!)」
『『『アバーッ!!』』』
 ……こんな感じで、撃とうがふっ飛ばそうが次々に新しい巨人どもが現れて、なぜかこっちのことをおふくろ扱いして泣きついてくるのである。
 大変に不服であった。なにせティオレンシアは、まだ28歳。28歳である。
 そもそも家庭を持つつもりとかないし、そこまで母性が強いつもりもない。
 なのに、格好だけでおかん扱いされる。これはさすがにおこであった。
「そもそもねぇ、オブリビオンにまとわりつかれて嬉しいわけがないでしょお?」
 明らかに静かにキレてそうな声で言い、おかん……じゃねえ、ティオレンシアはミッドナイトレースに騎乗、テイクオフして群がる巨人どもを次々にぶっちらばした。
『おかあちゃーん! 俺だよ! トランプだよー!!』
「いや誰よアンタ……そもそも全員トランプの巨人でしょうが(BLAMN!!)」
『アバーッ!!』
 このコスチュームのせいなのか? それともなんか、連中はそういう性癖もあったんか?
 ティオレンシアはこめかみを押さえ、これ以上まともに考えないことにした。
「この国だけじゃなくて、あいつらの頭の中もおかしくなってんじゃないのかしらねぇ……」
 言いつつ、片手間にグレネード投擲。まるで台所の掃除をするかのようだった。
 しかしティオレンシアは間違っても台所に立つ主婦などではなく、その銃とグレネード、その他諸々の必殺兵器を有効活用するフィクサーにしてシューターだ。
「とっとと掃除しちゃおうかしらぁ。見てるのもイヤになるわぁ」
『『『アバーッ!!』』』
 触れることすら出来ず形無しというあたりも、なんとなくそれっぽかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミレア・ソリティス
どのような衣装であろうと、活動に支障が出ない限り問題ありません。
恥じらい、という感情はよくわかりませんから。

現着後、UCで簡易兵装機達を生成、念の為簡易機達も衣装を装備します。
私より総サイズは小さいですので問題なく着れるはずです。
私は……仕方ないので一度物質転換機能で衣装を変換分解、装着状態で再構築することで着た状態とします

(結果、同じミレアで見事に衣装だけバラバラな部隊が完成)
では、全機、作戦開始。
全機で纏まって、陣形を組み行動
敵遭遇時は全機ブラスターの火力を集中し短期撃破を。
最悪の場合は簡易機同士で庇いあい、敵UCによる部隊の消失を防ぎ、消耗を押えます。

※衣装お任せ・アドリブ連携歓迎です



●クール系メカ美少女(高身長)のコスプレ集団とか過積載すぎでは
『す、すげえ……俺、生きててよかった!!』
『ああ、まさかこんなものが見れるなんてな!!』
『やっぱり自分で着るより見るのが一番だぜ!!』
 と、なにやら熱っぽく語り合うトランプの巨人たち。
 そいつらもそいつらでピッチピチのパッツパツなドレスらしき何かを着ているのだが……巨人どもが騒いでいるのは、相対するミレア・ソリティス"達"の格好であった。
「……状況が理解不能です」
 さすがのミレアも、トランプの巨人たちの反応に困惑を隠せないでいる。
 だが、彼女は気付いていないのだ。彼女らのコスチューム……色とりどりのカラフルな、しかしある一定の共通デザインコンセプトを感じさせる、魔女っ子衣装を着ているということの意味が!!
『少女っつーにはだいぶ大きなところもな、逆にいいよな!』
『わかるわ。無理してるのとまた違う、こう、ギャップ的な?』
『俺ら巨人だしなー、あのぐらいのサイズの方がぐっとくるわー!』
 ミレアは知るよしもないが、彼女らがまとっているバラバラの衣装は、ある国民的魔女っ子アニメの歴代主人公たちが身にまとっていたものなのである。
 そしてトランプの巨人どもは……少なくともミレアの相手になった連中は……その手の魔女っ子アニメが大好きな連中だったのだ。
 え? アリスラビリンスに居るオウガが、なんでUDCアースでやっているであろうアニメのこと知ってんのかって?
 そりゃあれだよ、こう……アリスが持ち込んだなんかで知ったんだよ多分!
 ていうか、普通に魔女っ子の国とかありそうだよね。この世界。
「……よくわかりませんが」
 完全に限界オタク状態の巨人どもの様子に、ミレアは痺れを切らせた。
「全機、作戦開始。敵が油断しているならば、その隙に叩きます」
『『『了解』』』
 ミレアたちは完璧な陣形を組み、一斉にブラスターの火力を放射!
『アバーッ!?』
『ちょ、そこは魔法とかでなんとかアバーッ!?』
『でもこういう無骨な武器を魔女っ子が使うのもいいよねアバーッ!?』
 てな具合に、油断していた巨人どもは鎧袖一触、あっという間に消え去った。
「……本当になったんでしょうか、あれは。このコスチュームの特性なのでしょうか……? だとすれば、作戦行動に有効かもしれませんね……」
 ミレアは無表情でフリルひらひらのスカートをつまみ、呟いた。
 そういう仕草も一部のオタクにはご褒美だってこと、理解してないんだよね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

九十九曲・継宗
コスチュームを着て戦闘ですか。
不謹慎ですが、ハロウィンらしくて少し楽しそうですね。

……え、あの。コスチュームってこれメイド服では。
確かに周りにメイド服で刀を振る人がいないわけでは無いですけど、その、私、男。
チェンジはできない?できないですか、そう……
ですが、有利に戦うためには着ないわけには……くっ


ええ、着ましたよ。時に恥を忍んで耐えるのも武士道ですから!!
(やけくそ)(意外と似合う)

こんな姿を誰かに見られる前に、さっさと片をつけましょう!!
ズバッと斬って、スパッと終わらせます!!

うぅ、汚れてしまった……

○アドリブ等歓迎



●そうそうランダムだから仕方ない仕方ない
 コスチュームを着て、戦闘。
 不謹慎ではあるが、九十九曲・継宗はその状況をちょっと楽しみにしていた。
 なにせハロウィンといえば、まさしく仮装のイベントである。
 昨年も、猟兵たちが思い思いのコスチュームを身にまとい、盛大な行列を作っていたものだ。
 もちろん継宗も参加していた。いいですねえこのあこがれの羽織を纏って目ぇキラキラさせてる男の子! ね! やっぱねえ顔のいい男の子が顔キラキラさせてるともうそれだけでニコニコになってしまいますからね! 冷静な侍をトレースしつつこういうところは年相応いやむしろもっと幼い少年っぽいというアンバランスでギャップある感じがまた推しの理由になるというか大変ありがたいです話を戻しますね。

 閑話休題。
 ……ともあれ、継宗はちょっとウキウキしていたのである。
 だが今の継宗は、完全に頭を抱えていた。メイド服姿で。
「なんでこんなことになってしまったんだ……!!」
 ちゃんと着ているあたりがいい子だ。本当は着たくなかった。
 でもさあほら、ランダムで飛んできたからね! しかもそれを着ないとなんかパワーアップした敵にやられちゃうって言うじゃん!?
 だから、継宗は苦悩の末に着たんだ。その彼の勇気を、誰が笑えようか。
「ダメだ、こんなところをあの人やあの人に見つかるわけには……!!」
 継宗には思い当たるふしがめちゃめちゃあった。なんなら笑うどころか、向こう百年それをネタにいびられたり、マジのメイドとしてこき使いそうな奴もいた。猟兵パネェ。
「くっ、恥を忍んで耐えるのも武士道……っ!! これも試練のうち!!
 さあ、かかってきなさいオウガども! ズバッと斬ってスパッと終わらせます!」
 と、メイド服姿で刀を構えて(この組み合わせもまたその筋の人にはたまらないやつである)勇猛果敢に見得を切った継宗、であるが。
『『『…………』』』
「……あ、あの? 聞こえてますか?」
 なぜか相対するトランプの巨人たちは何も言わず、攻めてくる様子もない。
 沈黙の時間が流れる。そこで継宗は、ハッとなにかを悟った。
(まさか、こいつら……わ、私の羞恥心を、見て楽しんでいる!?)
 言われてみればなんとなーく、巨人どもの顔(よくわからない)がニヤついているように見えないこともないよう、な……?
『メイドだ……』
『男の娘メイドだ……』
『しかも刀使いとか最高じゃん……』
 いや普通にオタク会話してるこいつら! 斬るしかねえ!!
「この俗物どもがーっ!!」
『『『アバーッ!?』』』
 一閃! 敵を斬り捨てた継宗の三編みと、そして膝丈ぐらいのスカートが華麗になびく! ピンナップ映えしそう! バトルピンナップで頼んだらいいねがたくさんつきそう!!
 邪念が感じられる? そんなわけがないじゃないですか。
「はぁ、なんでしょうこの、敵を倒したのに消えないわだかまりは……」
 継宗は沈痛な面持ちで残心を切り、刀を納めた。
 こんなハロウィン二度と御免だと、心の底から嘆いた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラニィ・ユン
○アドリブ等歓迎

いやー……まぁどんなコスチュームが来ても着こなす自信あったよ。
可愛いやつでもカッコいいやつでも。
もちろん、ちょっとセクシー系だって完璧にさ。
……でも、これは無くない??
(某国民的マスコットのような着ぐるみ)(身体どころか顔も一切見えないタイプの着ぐるみ)

動きづらいんだけど!! 無駄に蒸し暑いんだけど!!
私の良さ全部隠してくるしさ!!

そんなイライラとユーベルコードに乗せて、敵に八つ当たり。
トランプっていうくらいだからよく燃えるでしょ?



●あーっ困りますお客様! あーっ困ります!!
『おい! 猟兵はどこにいった!?』
『まったく見えねえ……どうやって姿を隠してるんだ?』
『とにかく探せ! 他の連中がどんどんやられてるからな!』
『『『ファイト、おーっ!! 行くわよぉ~!!(猫なで声)』』』
 ピッチピチでパッツンパッツンの服を着た(という表現はファッションに携わる全ての人に対する冒涜に思えるが)トランプの巨人どもが、ザッザッと森を抜けていく。
「……えっ、私ここにいるんだけど!?」
 そう、トランプの巨人どもが探していた猟兵――ラニィ・ユンは、奴らの目の前に立っていたのである。
 しかし、奴らには見えなかったのだ。一体何故か? その理由は、彼女が纏っているコスチュームにある!
「うーん、ちょっと無いなあって思ってたけど、これ思ったより強いのかな……?」
 ラニィは着ぐるみの頭部をがぽっとあげ、手で顔を仰ぎながら呟いた。
 そう、彼女はいま、ある着ぐるみを身にまとっている。
 それはネズミをモチーフにした、魔法使いと云うか紳士というか、とにかくそういう服装の……いや、わからない! 我々にもよく造形が見えないので描写することが出来ない!
 ただなんとなーく、UDCアースにある関東地方某県に、なぜだか異常にマッチしそうな気配がある!
 気配はするが、わからない! わからないのでこれは問題ありません。私は無実です!!
「いやでもやっぱないな! 動きづらいし暑いもん! しかもこれじゃ私のよさ全部隠してるじゃん……! いくら見えなくなるったってこれじゃ困るよ~」
『『『おい、居たぞ!』』』
「あ、やば」
 トランプの巨人たちが戻ってきたことに気付いたラニィは、仕方なく着ぐるみの頭部をがぽっと被り直した。
 すると駆けつけた巨人たちは、目の前にラニィがいるにも関わらずきょろきょろと周りを見渡す。
『き、消えただと!?』
(チャンス……! このイライラ、八つ当たりさせてもらうわ!)
 着ぐるみの中でくわわっと目を見開いラニィは、怒りの不死鳥を呼び出しその炎で敵を焼き尽くす!
『『『グワーッ!?』』』
 燃え上がった巨人たちは、苦しみにのたうち回りあたりを駆けずり回った。
 そう、まるで電飾でイルミネーションされたパレードのように。
 つまりエレクトリカル……いやわからない! 何もわからないです!!
「ハハッ! さすがトランプだけあって景気よく燃えるわねえ!」
 高らかに笑うラニィの声は、なぜだかいつもより2オクターブほど高かった。
 わからない、彼女が一体どんな着ぐるみを着ているのか、何もわからない……!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

穂村・理恵
はっ、困っている人の気配がします!
アリスラビリンス……あの戦争以来ですね。
でも、まだ困っている人がいるというのなら!ためらう理由はありません!

…数分後…

そこには何故か恥ずかしい感じの悪の魔女風幹部なコスプレ衣装を着させられている理恵ちゃん(14歳学生)の姿が!

ううぅ……でも、あの(視覚的に)強敵そうな相手に対抗するためには、この服を……そうだ!(武装少女に)変身しちゃえば!UCで変身を…ってなんで機械鎧もそんな感じにアレンジされてるんです!?

ああ、ううぅぅ……もう、見ないで――!!!
(強化された身体能力で接近、怪力でぶん回して空に放り投げた後CDBキャノン全力発射で爆★殺)

※アドリブ他歓迎です



●美少女ヒーローと言えば悪堕ちするものなわけで
「困っている人の気配がするのは……ここですね!」
 ざっ。転移の光の中から進み出たのは、勇ましい顔つきの少女。
 穂村・理恵はいかにも不思議の国らしい風景を見渡し、ぐっと拳を握りしめた。
 アリスラビリンス。先の戦争で、彼女は辛い死闘を繰り広げた。
 しかしその甲斐あって、多くのオウガと猟書家が滅亡を余儀なくされたのだ。
 にもかかわらずまだアリスたちを、そして愉快な仲間たちを苦しめているとは、
 仮にもヒーロー見習いとして、見過ごすことは出来ないのだった!
「説明ではたしか、コスチュームを身にまとうと力が強化されるんだとか……。
 ふふっ、自慢ではないですが変身には慣れています。むしろ余裕ですよ!」
 などと盛大にフラグを立てていく。そういうところ誉れ高いと思います。

 ……数分後!
「う、うううぅ……!」
 そこにはなぜか、恥ずかしい感じの悪の魔女風幹部なコスプレ……具体的に言うとこう魔女らしく胸元が開いてて、へそもひし形かなんかの空白があってそれで見えてて、あと全体的にエナメルチックっていうかレザーっぽくて、そしていやにでけえマントといやにでけえ肩アーマー的な飾り、足先はとんがったブーツを履いている理恵の姿があった!
 誰がどう見ても、悪の女幹部である。こう、呪いとか操る系の。
 そんでヒロインを弱らせたり人質を取ったりするんだけど、色々あってちょっと正義の意思に目覚めたりするような、そういうタイプのアレね。
「こ、こんなコスチュームが出てくるなんて、聞いてませんよぉ……!」
『きゃー!! 見てみて、悪の女幹部だわ!』
『すごいわ! いかにも光落ちしそうね!』
『でも私、光落ちすると見せかけて結局死んじゃうのも好きよ!』
『『わかる~!!』』
 そこに現れた巨人たち、なぜかオタクみたいな会話をしていた。
「はっ、オウガ! ってこの服で戦うのは、ちょっと……!」
 理恵は割とタイトなスカートを抑えて顔を赤らめた。カメラさん撮って撮って!
 ……と、そこで理恵は気付く。武装少女に変身しちゃえばいいんじゃね? と。
「コスチュームにはコスチュームで対抗です! そう、この力なら!!」
 理恵はユーベルコードを発動、その姿が光に包まれ……変身する!

「――って! なんですかこれぇ!?」
 だが見よ! 着地した理恵の姿は、普段の武装少女コスチュームとはちょっと趣が違っていた!
 こう、ヒーローのかっこよくて白がモチーフな衣装を、黒に変えてあちこちとんがらせたり露出度ちょっとあげたり、あと髑髏とか十字架とかそういうゴシックなモチーフとか入れてる系の、早く言うと悪堕ちしたっぽいコスチュームなのだ!
『『『ワーオ!』』』
「う、うううう……もう、見ないでーーーっ!!」
『『『アバーッ!?』』』
 哀れ巨人たちは、空に放り投げられたキャノン砲で爆発四散!
 情け容赦ない戦いぶりも、いかにも悪堕ちしかかったヒーローっぽくて……その、いいですね!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロク・ザイオン
◎NGなし

服はわかった。
でも、きゃーとか、やーんとかも
しなきゃだめなのか…?

(動きにくいならはだかでよくないかとは思うが
森番は秩序(プレイングボーナス)を重んじ
草から飛び出す衣類と見つめ合い宇宙
難解な衣装だとしても【野生の勘】【学習力】でどうにかこうにか着用しよう)

……お互い大変だけど。
何着てても、おれはおれだし。
森番だし。
…………。
森番だし。(めちゃくちゃ嫌そうな顔で)

(巨大トランプ、即ち紙製品
ヨシ!燃える!
どんな服着せられても「轟赫」ならば
髪から伸ばした炎86条で絡め取って【焼却】できる
カードは【野生の勘、ダッシュ、ジャンプ】で回避しながら
なんかもう全部まとめて炎で【薙ぎ払おう】)



●なんでも着こなす女を嫌な顔させるのマジで難しい(小並感)
「…………」
 ロク・ザイオンは、大変に不服そうな顔であった。
 彼女はあまり衣服に頓着しない。なにせ出自が出自ゆえ、思考が割と獣方向のほうに染まっているのだ。つまり最初は素っ裸になるつもりすらあった。
 だが、世の中には秩序がある。因果は必ず応報し、己の行いが大なり小なり返ってくる……そういうことを、ロクは知っている。
 このコスチュームを着ることが、猟兵として正しく、そして最適なのだ。
 グリモア猟兵の説明だとか、不思議の国のルールとか、そういう話ではない。
 いわばもっと宇宙的な秩序(ロウ)……混沌と対極する法のそれ。
 よく宇宙を背負うロクは、本能としてそれを知っているのである。
 まあはええ話がプレイングボーナスの前には誰も勝てねえって話ですわ!

 話を戻そう。
 そんなロクだが、実は意外と色んなコスチュームを着ている。
 バニーとか、
 ドレスとか、
 あと大正ロマンな学生服とか、
 他には仮装もしたことあるしそもそも普段から男装である(本人が意図的にジェンダーを気にしているわけではないのだろうが)。
 衣服に頓着しない……裏を返せばそれは、理由があればだいたいどんなコスチュームでも身にまとうし、そしてロクは顔がいいので、似合ってしまうということだ。
 そんなロクが、これほどまでに不服そうな顔をしているコスチュームとは一体!?
「……うごきづらい。あつい」
 おお、見よ。ロクが身にまとっているのは……そう、着ぐるみである!
 なんかこう、ゆるキャラっぽーい、でっけーやつである。
 しかもロクは、そのゆるきゃらの大きく開かれた口から首を出していた。
 暑い。
 動きづらい。
 そしてなんなんだこの生物は。
『きゃー!』
『いやーん!』
『かーわーいーいー!』
 うるせえ巨人どものさえずりがなおさらイライラを加速させた。
「……何を着てても、おれはおれだし」
『ねえねえ写真撮っていい~?』
『このゆるきゃらかわい~!』
『抱きついていい? こう、飛びついていい?』
「よし、燃やす」
『『『アバーッ!?』』』
 秒であった。常日頃からファイアスターターではあるがいつも以上に早かった。
 なぜか着ぐるみの後頭部から燃える髪が伸びて巨人どもを絡め取る。
 かなりアレな風景であった。なお、どれだけ燃やそうがきぐるみは燃えない。
『うおおお喰らえーっ!!』
「……うごき、づらい!」
 ロクは苦労しつつ着ぐるみ姿でジャンプした。な、なんたるアクロバティック!
 なんとなく緑色の恐竜とか、梨の擬人化した着ぐるみとか、なんかそんな気配を感じる!
「おれは森番だから耐えられる。森番じゃなかったら耐えられないだろうな……」
 せめて台詞で自尊心を高めつつ、ロクは敵を焼き払った。
 燃え上がる敵の骸を背景に立つゆるきゃら。ものすげえ光景であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三咲・織愛
眞白さん(f00949)と

ハロウィンにはぴったりな世界ですよねっ
今年のパレードもとっても楽しみです!
眞白さんは恋人さんと一緒に参加するんでしょうか
仲睦まじい様子を見てみたいですねっ、ふっふふー

私はなんでもどんとこいですよ! なんでも楽しいです!

眞白さんにはとびきり可愛い恰好をお願いしたいです!
だって絶対に似合いますもんー!
恋する乙女のきらきらパワーでオウガを圧倒しちゃいましょ!

わ、わ、戦闘人形さん達もコスプレするんですね!
すごいかわいいーっ!

んー、あまり強化されてる感じがしませんけど、
がんばって殴れば問題ないですよね!
眞白さんと一緒にお衣装に合わせてキメつつ
端からぼこぼこにしていきましょー!


神元・眞白
【WIZ/自由に】三咲さん(f01585)と一緒に
今年のハロウィンは童話の世界。仮装するにはもってこいの場所……ですね。
普段仲良くしている人達と一緒にパレード。今年も楽しくなりそうです。
三咲さんはどうしましょう?きらきらした雰囲気はそのままに……
普段着ないようなふんわりしていないものとか?出てくれば、ですけれど。

さて、私達は……うん、衣装もどんどん出てくる。
じゃあ皆、並んで並んで。出てきたものを順に支給していくから。
着ていると強くみたいだし好都合。はい、文句は言わない。早着替え早替え。
相手からの攻撃は隊列で押して、三咲さんの詰めの前にこちらで準備を。



●あれ? この子たち普通に楽しんでるぞ?
 ハロウィン!
 それはみんなが楽しくコスプレをして騒ぐ素敵なイベント。
 この国はたいそう狂っていたが、そんなことは三咲・織愛と神元・眞白にとってはあんまり関係なかった。だってこのふたりが揃うと色んなものが狂うから。
 もうちょっと聞こえよく言うと、彼女たちは常識を気にしない型破りな乙女たちだから!
 うんそれっぽくなりましたね。傍若無人とか言っちゃいけねえよ?
「わあ、眞白さん……そのドレス、とってもよくお似合いですよ!」
「三咲さんも、素敵だと思います」
 さて、そんな二人はノリノリで魔女っ子的フリフリ衣装を身にまとっていた。
 おお、無敵の乙女たち。フリフリだろうがキラキラだろうが、ついでにステッキだのなんだのがついてこようがあんま気にしねえ。
『まあ見てあそこの連中!』
『あらやだ! なんてみじめなのかしら!』
『アタシたちに比べたらぜーんぜん似合ってないわー!』
「「えっ」」
 そこに駆けつけたトランプの巨人たち、なんか井戸端会議のおばさんたちみてえな口ぶりで、思わず織愛と眞白が口を揃えちゃうぐらいにとんでもねえ戯言を抜かしていた。
 どうやらマジらしい。表情はよく見えないが、気配でマジっぽいということがわかる。
 あいつらは猟兵の心を挫くためとか仕方なくではなく、本気で、心の底から、ベストマッチだと思いこんでピッチピチのパッツパツにしているのだ……!!
「……みんな、並んで並んで。コスチュームを支給するから」
 眞白は無表情のまま、大変に不服そうな顔の戦術器たちに衣装を配る。
 そして早着替えである。えっなんでそんな伝統的技能を会得されてるので?
 乙女には秘密が多いのだ。そういうことにしておこう。深く掘り下げると絶対ろくなことにならないので。
「これは……私たちのほうがかわいくて似合っているということを、実力で示してみせろ、ということですね!?」
 織愛は笑顔で言った。なお、拳をベキバキと鳴らしている。こええよ!
 トランプの巨人どもは、その表情に合わないバイオレンスなオノマトペにドン引きした。
『ちょ、ちょっと待ちなさいよ男子ー! いや女子だけどー!』
『暴力はんたーい! おしゃれはそういうものじゃないのよー!』
『アタシたちのほうが似合ってるからってジェラシーはやめてよねー!』
「わかりました、では言葉ではなく肉体言語で語りますね!」
『『『アバーッ!?』』』
 SMASH!! 握りしめられたダイヤモンドめいた拳がブローを放つ! 砕け散る巨人ども! 飛び散る残骸と血らしき何か! ほらまたこの展開だよ!
「さすが三咲さん。私たちも、負けずに頑張らなきゃ。ほらみんな、文句を言わないで戦って」
 とてもとても嫌そうな顔をしている戦闘人形の皆さんを、強権発動して顎で使う眞白。そして隊列を組み、銃だの鈍器だの刃物だの、えっぐい武器で巨人どもをジェノサイドする魔女っ子衣装の人形の皆さん。地獄絵図かな?
「眞白さんの恋する乙女のきらきらパワーがあれば、どんな衣装だって最高に似合うのは間違いないですよ!」
「……そうでしょうか」
「ええ、そうです! 仮に文句を云う人が居ても私が黙らせますので!」
 頬についた血をそのままに、織愛は笑った。だからこええよ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花邨・八千代
【徒然】
なぁぬーさん、ここって地獄かなんかだっけ?
獄卒もびっくりな奴らが闊歩してんだけど…怖……

ったく、ここは俺が本当にエロ可愛いバニーちゃんってのを…、を?
(草むらからピンクいうさぎの着ぐるみが出てきたぞ!)

……(お着換えタイム)

ちっくしょぉおおおお!
なんでだ!普通ここはエロ可愛いバニーちゃん衣装が出てきて「す、好きで着てんじゃないんだからな!」ってなるとこじゃねーのかよ!?
俺が求めてるのと違う!

しかもエロかわバニーはぬーさんの方って…!
……いや、存外有りだな…?

とりあえず『南天』を金棒に変えてトランプ巨人にぶっこんでくぞ!
怪力のままに向かってくる奴らを場外ホームランだ

ぬーさん後で撮影会な!


薬袋・布静
【徒然】
もう嫌な予感しかせん
てか、お前闊歩なんて言葉知っとったんやな

…………
(何故か八千代が望んだエロ可愛いバニーが草むらから足元に転がった)

なんでやん…
誰得やねん、考えてみィーや
190のタッパのある男のバニー誰が見たいねん
もう一度言うぞ?

っば、やめろ!ふっざけんな…おま、くっそ
ああ゛ーーーーーっ

(なんやかんやあり着替えさせられた)

なんっっっっっでやねんッ!!!!!

やから、嫌や言うたやん
アラサーに何さすん、ふざけんやな
殺すぞ、いや…おん、殺そか
そうやんな、殺そう

【潮煙】の毒を含んだ青煙を游ぐホオジロザメで捕食させ
【蛟竜毒蛇】を展開し八千代と己が付けた傷口から侵入させ内から捕食

絶対にイヤや!!!



●あるかもしれないだろ! 需要!!
『きゃー!』
『いやーん!』
『あはーん!』
「なあぬーさん、ここって地獄かなんかだっけ?」
「だから云うたやろ、嫌な予感しかせんって」
 完全に宇宙猫の顔をした花邨・八千代に、薬袋・布静は嘆息まじりで言った。
 そしてふたりの視界を汚染するのは、ピッチピチでパッツパツな衣装を着た……いや着たっていうか、身体に貼り付けた? 的な? 巨人の皆さん。
 バブル期の日本でもこんなピチピチのボディコンギャルはいなかっただろう。
 なんかもうファッションという概念に対する侮辱、あるいは挑戦だった。
「いやさ、そりゃ俺もちょっとは覚悟してたぜ? でもさあ……ええ、怖……。
 なんかもうあれ、獄卒もびっくりな悪鬼じゃん。闊歩しまくりじゃんよ」
「お前、闊歩なんて言葉知っとったんやな」
「そこは放っておけよ! てかそこは反応違うだろぬーさんよぉ!!(急にイケ声になり)"えっ、お前そんなインテリジェンスに溢れてたのか? なんてこった、俺もうお前にベタ惚れだわ、我爱你(あいしてるぜハニー)"……って、なるとこだろ!?」
「その発言がせっかくの知性の欠片踏み潰して粉々にしとるやん」
「あっ、それって口開かなきゃ美人ってこと? 照れるなーガハハ!」
「そういうとこやぞお前ほんま」
 オウガの前にこいつひっぱたくか? と布静は思った。でもやめといた。
 そうすると多分、「痛っ! ああでも、この痛さがぬーさんの"想い"なんだな……俺、受け止めっから! 俺けなげな大和撫子だから! な!!(ドスの利いた声)」みたいなことを言い出すからである。いやほんと言い出しそう。

 それはさておき。
「まああれや、ちゃっちゃと片付けたろか。なんやコスプレすりゃええんやろ?」
「そーそー、それだよぬーさん! 俺さあそれが楽しみでここ来たんだよなあ!」
「なんでノリノリやねん。そしてなぜ身体をくねらすねん気持ち悪いわ」
「いやーだってさー、ぬーさんが俺のエロ可愛いバニーちゃんで悩殺されちゃうわけだし~? なんかもう着替える前から恥ずかしいっつーかー」
「恥ずかしいんやなくて忌まわしいわその顔。まあ好きにしとけ」
 布静は付き合いきれなくなったようで、ひらひらと手を振って袖にした。
「俺はもうなんか着ぐるみとかでええわ……出てくるやろそれっぽいの」
「えー? ぬーさんもっとおしゃれしようぜーいや普段からおしゃれだけどー」
「コスプレとお洒落は全然違うやろ……」
 と、そこでふたりの足元に飛んでくるコスチューム!
「お、さっそく出てきたぜぬーさん! んじゃ俺あっちで着替えてくるな!」
「金積まれても覗かへんからな」
「あっ! いくら待ち遠しいからって覗いちゃダメだぞぉ~? ウヒヒヒ(21歳女子の笑い声)」
「話聞けやお前ほんま」
 布静も嘆息しつつ逆側の草むらに入る。なんかロッカー室みたいだなこれ。

 5分後。
「「な……」」
 戻ってきたふたりは、お互いの姿を見て唖然とした。
「もしかして」
「俺たち」
「「入れ替わってるーーーー!?」」
「って誰の名や! 違うやろ!! 何もかも!! 違うやろ!!!!」
 状況的に定番のギャグをこなしつつ、布静はバシーンとカチューシャを地面に叩きつけた。
 そう、カチューシャである。ウサギの耳がついた、カチューシャだ。
 そして彼の姿は……ワオ! 網タイツのセクシーなバニーちゃんではないか!
 なおハイレグ部分の切れ込みはかなりエグく、鼠径部がぴっちり出ていた。
 胸元ももちろん隠しきれず、たくましい胸筋がまろびでている。ワオ……!
 どうでもいいんですけどまろびでるって単語マジでエロくないですか?
 いやこの場合まろびでてるの雄っぱいなんですけど。エロくないですか!?
「誰得やねん! 考えてみィーや!! 俺やぞ!? 190タッパある男のバニーやぞ!? 誰が見たいねんこんなの! もう一回言うぞ、誰が! 見たいねん!! こんなの!!!」
「はい! 俺!!」
「お前その頭被って今すぐ窒息死せえ!!!」
 にこにこしながら手を上げた八千代は、ピンクのうさぎの着ぐるみであった。
 多分本来であれば、布静が着て暑いだのなんだの文句を言ってたのであろう。
 だがこの不思議の国のコスチュームはランダムであるからして、つまりこうなった。
「いやさあ、正直最初は畜生って思ったんだよ! だって俺のセクシーさ披露出来ねえし、しかもめちゃめちゃオイシいじゃんぬーさん!」
「人のこと芸人かなんかと思ってへんかお前」
「だってそうだろ!? なのに見たらさあ……いやこれ、アリだわ……求めてたのと違うけど、こうなんつーの? 意外なベストマッチを味わって新たな世界を開拓したっつーか? あんま行かねえ街でふらっと入った飯屋で、思ってもない美味いチャーハン食えた時の喜びっつーかさあ!」
「人のこと寂れた中華料理店の名物メニューみたいに言うのやめーや。男バニーが名物になってる店なんぞ行きたないわ」
「(急に腕組して考え込む)」
「なんやねん」
「……それもアリ!」
「知らんわ!!!!!」
 スパーン! 今度はカブスを外して地面に叩きつける布静。
 八千代は笑顔でカチューシャとカフスを拾い、丁寧につけてあげた。やさしいね!
 やから、イヤや言うたやん。俺31やぞ? アラサーやで、何さすんふざけんやな」
「いやあ俺としてはこれはこれでっていうか(ホクホク顔)」
「お前ほんま殺すぞ」
「いやいやいや! 俺もある意味がっくりしてっから! 被害者だから!」
「この流れでそれ呑み込むんアナコンダでも無理やろ」
 が、元はと言えばこの国が悪い。そうだ、全部オウガが悪い!
「……いや、おん、殺そか」
「そうそう、あいつらがわりーから」
「そうやんな。殺そ殺そ」
 八千代、金棒を担ぐ。
 布静、ホオジロザメを召喚する。
『『『アイエエエ! アバーッ!?』』』
 たちまちゴア風景! コワイ!
「あっぬーさん!!」
「なんや、まさか怪我でも」
「あとで撮影会な!!!!」
「絶! 対!! に!!! イヤや!!!!!!!」
 怒号がこだましたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルヴィア・セーリング
【錨船】
アドリブ◎
衣装おまかせ

ここがアリスラビリンス!グリードオーシャンとは全然違う!
っと、ついはしゃいじゃった
私は船からヤドリガミに…そして、猟兵になってまだ日が浅いから
今日は頑張らなくちゃ!えいえいおーっ
確か今は…飛んでくる服に着替えるのよね?
どんな服が来ても勿論着替えるわよ!
ほら、ガイも!(背中を押し)

ガイの姿をじーっと見つめ…
初めて見るガイだわ!(キラキラ)
「ガイの船」のままじゃきっと知らないままだったわね
だから、知れて嬉しい!
所で、私はどう?シルヴィアハロウィンverよ!
似合うと言われてご満悦っ

ええ、任せて!
【錬成カミヤドリ】で「シルヴィア」を複製
敵目掛けて…シルヴィア船団!突撃ー!


ガイ・アンカー
【錨船】
アドリブ◎
衣装お任せ

ヤドリガミにも猟兵にもなりたてなシルヴィアについてきてみれば…おい、遊びに来たんじゃねえぞ?
…そう気張りなさんな。今回のは祭りみたいなもんだしよ
とは言ったものの…この服は中々…
ま、飛んできちまったもんは仕方ねえ。着るか…って、押すな!

…あー、じっと見られるのは予想していたが…
知れて嬉しい、か
…少し前までは俺とこいつは「乗り手と船」だった
今も不思議な気分だが…悪い気分じゃねえな
問われて、にっと笑う
中々いいじゃねえか?お嬢さん

さて、敵が来たら手伝ってやるか
【蒼海の錨鎖】で敵を追い込むように伸ばし
鎖で包囲してやるよ
そら、派手にやりな!
…ほんと、船の時からお転婆お嬢さんだな



●初陣がこんなシナリオで本当によかったんですか……?
 ヤドリガミという種族がいる。
 種族……というよりは厳密には、そういう形態を持つ存在の総称、だろうか。
 百年を閲した器物が霊性を得て、そして人の化身を得たものを指す。
 人の姿、人の声、人の力を持ち、けれども同時に霊的存在でもある。
 つまり物品であれば、どんなものだろうとヤドリガミにはなり得るのだ。
 そう――たとえば、船であろうと、錨であろうと。

 海賊段ロールボアが誇る、お転婆少女とその保護者、あるいは乗り手。
 それが、シルヴィア・セーリングとガイ・アンカーの端的な関係だった。
 ふたり(あるいは二体、もしくは二柱)は物と物であり、だが物と人の関係がより近く、そして今は人と人として――なによりも猟兵と猟兵として、ここにいる。
「わあ、ここがアリスラビリンス……! グリードオーシャンとは全然違う!」
「おい、遊びに来たんじゃねえぞ? まあ、妙なトコだけどよ……」
 目をきらきらさせるシルヴィアの様子に、ガイは溜息まじりに釘を差した。
 浮かれる気分はわからんでもない。なにせこれは前夜祭のようなものだ。
 ハロウィンパーティ。人が人でないものを模する不思議な行事。
 人として26年を過ごしてきたガイでも、ちょっぴりのおかしみがあった。
 なにはともあれ、みんなが楽しく騒ぐなら、それはいい祭りだ。
「べ、別にはしゃいでないし……! むしろ私、気合を入れてるんだからっ。
 なにせ私の猟兵としての初仕事だもの、今日は頑張らなくっちゃ、ね!」
「力みすぎもよくないぜ。気張って逆に失敗したら目も当てられねえ」
「もう、ガイはああ言えばこう言う……」
 不満げに唇を尖らせつつ、シルヴィアはとても楽しそうだった。
 浮ついた雰囲気もそうだが、なによりこうしてガイとじゃれるのが楽しいのだ。
 えいえいおー、と拳を振り上げるその表情は、きらきらとした笑顔だった。

『いやーん!』
『あはーん!』
『うふーん!』
 これでねえ、周りにピッチピチでパッツパツのコスプレした巨人どもが居なきゃ、完全に爽やかで微笑ましい日常の1ページになるんですけどねえ!
「えっなにあれ。サイズ全然あってないじゃない!?」
「うんまあ、あれがコスプレのつもりなんだろうなあ……」
 本当に妙なところへ来てしまった、と遠い目をするガイ。
 猟兵としてシルヴィアが初めて戦う場所が、こんなとこでいいんだろうか?
 などとお節介にも似た心配が湧いてくる。が、まあ来た以上は仕方ない。
「とにかくだ、俺らもああやって……まああのまんま真似するこたないが、服を着ればパワーアップ出来るらしいからな」
「でもそれって、どこにあるの? たしか、急に飛んでくるって……わっ!」
 シルヴィアが言ったそのとき、いいタイミングで草むらから服が飛んできた。
 ふたりはそれぞれに手にとり、まじまじと見て、そして顔を見合わせた。
「……飛んできちまったもんは仕方ねえ、着るか……」
「うんうん、戦いに必要だもんね! ほら、ガイもガイも!」
「だぁっもう、押すな! わかってるから!」
 トランプの巨人たちがコスプレに酔ってる間に、物陰に行くふたり。

 しばらくして。
「ガイ? もう着替え終わったかしら?」
「おう……いやこの服、なんつーかなかなか……こそばゆいな」
 頭をかきながら照れくさそうに出てきたガイの姿は、紳士のそれであった。
 いわゆる燕尾服、というやつである。ご丁寧にシルクハットまでついている。
 下手するといきなりフリフリの魔女っ子衣装とかも飛んできかねないやべーところなのだが、ガイはなかなかの当たりを引いたようだ。ガチャか何かかな?
 が、当人としては、こうしたしっかりとした仕立ては馴染みが薄いらしい。
 なにせ豪放磊落な海賊として生きてきた男である。社交界など別世界そのものだ。
「……わあ! 初めて見るガイだわ!」
 そんな彼を見て、シルヴィアは子どものように目を輝かせた。
 ところでシルヴィア当人の衣装はというと、こちらも(他の狂ったようなチョイスに比べれば)かなりまともな……しかし年頃の少女はなかなか着るのを渋りそうな、青いエプロンドレス。早い話が、まさに「アリス」のそれだ。
 ご丁寧に頭にリボンもついており、こくこくとうなずくたびに揺れていた。
「ははっ。そっちもなかなかいいじゃねえか? お嬢さん」
「ふふふ! シルヴィアハロウィンVerよ、似合うでしょうっ?」
 くるりと一回転してみせれば、エプロンドレスがふんわりと浮かび上がる。
 そのお転婆な様子に苦笑しつつ、ガイは奇妙な感慨深さに目を細めた。
「……どうしたの? ガイ」
「いや、何……少し前まで乗り手と船だったってのに、不思議なもんだなってな」
「ううん、そうね。けど、私は嬉しい気持ちでいっぱいよ?」
 シルヴィアはあどけなく微笑む。
「だって「ガイの船」のままだったら、こんな風に並べなかったんだもの!」
「ははっ、違いない。そしたら肩を並べてダンスといこうかい? お嬢さん」
 ガイは錨を、シルヴィアは魔法の杖を手に、トンチキ巨人どもと相対した。
『やだー! あたしたちのほうがもっとおしゃれよー!』
『わたしたちのほうが似合ってるわー!』
『ほらほら見なさい! ほら見なさい!!』
 そんですげえ圧をかけてくる。なんだこいつら。
「ガイは私のほうが似合ってるって言ってくれたんだから!!」
「いや張り合うのそこかよ……まあいいけど、よっ!!」
 ガイは錨を投擲し、結び付けられたアンカーチェーンで敵を包囲した。
 身動き取れなくなった巨人めがけ、シルヴィアの本体複製物が殺到する!
「シルヴィア船団、出撃ーっ!」
『『『グワーッ!?』』』
 物量に押された巨人どもは、そのまま鎖で締め上げられあえなくKOだ。
「……ほんと、船のときからお転婆なお嬢さんだよ、お前は」
「それ、褒めてるのかしら?」
「もちろん。戦いは派手にやってこそ、だからな!」
 そうしてふたりは、くすくすと楽しそうに笑うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葬・祝
【朱の社】
メイド服って給仕する側の服でしょう?
んふふ、誰かに傅く役を演じるのは初めてです
構いませんよ、所詮はお遊びですもの
たまには……ね?

あら、カフカったら愛らしい
着物で嵩増ししながら身長ばかりすくすく伸びて、相変わらず細っこい子ですねぇ君は
お嬢さん方は勿論お似合いですよ
嗚呼でも、りゅうこ、その服装では脚は閉じましょうね
羽純と違って、裾が長くないんですから

私です?
まあ、普通に短いですねこれは
とはいえ、生憎と外見年齢的に性差が気になるような時期ではありませんし、性別なんて飾りですからね

……にしても、良いんですかねぇ
私がやると、それなりに憐れなことになるんですが
ふふ、私はたのしいんですけれど、ね


岬・珮李
【朱の社】

なんだろうね。この敵も味方もどうなったって幸せにならない世界は

けどまあ、ここはボクに運が向いたかな。みんなメイド服を引いてるし、多分ボクにも回ってくるでしょ
あいにくとメイド服は正装の一つだから余裕だよ

…って思ったんだけどなあ!(生足魅惑の背中もろ出しフレンチメイド服風水着)
流石にこれは恥ずかしい!色んな所が寒い!主に足回り!
シンプルに辛い!!

うう、皆は割と普通…普通?かな。可愛いよ
カフカもよく似合ってるよその格好
その服はね、人を癒やす崇高なる目的を背負いし者の戦闘服だよ
りゅうこはそのモロ出しをやめようね。まだ盛り上がるには早いから

やれやれ。さっさと料理でもなんでもして、社に帰りたいよ


片稲禾・りゅうこ
【朱の社】

あっ!これりゅうこさん知ってる!冥土服ってやつだ!
珮李がこの前着てたもんな?な?
お、じゃありゅうこさんも草に礼をしておくかな!ありがとう!

へ~~!元々そういう服なのか りゅうこさんまた一つ物知りになってしまったな
りゅうこさんとカフカさんは短いのにそっちさんは長いのはなんでだ?鬱陶しくないかそれ?
似合ってる似合ってる!別嬪さんじゃないかカフカさん!
どういうポーズがいいんだ?こうか?(メイドにあるまじきモロ見え)

え~~~~~りゅうこさんもっと皆でこの服楽しみたいな
写真とか撮りたいぞ
ま、それはそれとして戦るけどな!


遠峰・羽純
【朱の社】
まあ、服を見繕ってくださるのね!
お礼はどなたに言えばいいかしら
ふふ、上手く着こなせると良いのだけれど。
ありがとう、と足元の草の辺りにお礼をひとつ

飛び出てきたのはロンスカメイド服
あら、これなら知っているわ
喫茶のお洋服ね。…戦闘服?そうなの?
カフカは丈の短さが気になるのかしら?
動きやすくてわたしは好きよ
長い裾はひらひらしていて、これも好き
カーテシーなどして戯れながら
りゅうこは元気なのね
まあ珮李、風邪を引かないようになさって

巨人さんたちとは遊んではだめなのかしら、あんなに可愛いのに
だめ。だめかしら?
でもそうね、大きさが合ってないのはいけないわ
お洋服を破いてはかわいそうよ、大事にしてね。


神狩・カフカ
【朱の社】

…なんだか面妖な国だな?
へェ、冥土服って言うのか
珮李の正装ならおれにも適正あるかもなァ

いや、待て待て…
これどう考えても女物だろ!?
(ふりふりミニスカメイド服の見た目だけならモデル系美人)
崇高な戦闘服!?本当か!?
似合ってるなんて言われても少しも嬉しくねェからな?
女装も喫茶店もやらねェから!
(もろ見えりゅうこからは無言で目をそらす)
つーか丈長ェのもあるじゃねェか!
おれもそっちがよかった…いやだって脚すーすーするだろ短ェと
愛らしいってなァ…
はふりは普通に似合ってていいよな
細くて悪ィか人を張りぼてみてェに言いやがって…(ぶつぶつ)

はぁーーー(クソデカ溜息)
早く終わらそうぜ…
ぱぱっと燃やす



●見た目はすげえ華やかなのがなおさらにアレ
 トランプの巨人ども(多分ルビをつけるとしたら「生ゴミ」)もだいぶ片付いてきたという頃、仕上げとばかりにやってきた五人の男女。
 古びた千本鳥居の彼方より、グリモアに導かれてふらりと来訪した乙女と男子達。
 ……と呼ぶには、些か実年齢が人並みを外れている者もいるが、そこはそれ。
 むしろその不思議さ――妖怪竜神天狗に付喪神、蚤の市めいた"人でなしどもの放つこの世ならぬ気配が、逆にハロウィンの雰囲気に合っていた。

 ってね、こう書くといかにもお洒落な日常フラグメントに見えるでしょ?
 でもねえ違うんだな、だって向こうからピッチピチの巨人ども来るもんよ。
『『『いやーん!!』』』
「……なんだありゃ。面妖っつーか視覚的暴力だなありゃァ」
 ずどどどど、と土煙をあげるピッチピチでパッツパツな巨人どもを見て、社の主である神狩・カフカは呆れたような、いっそ感心したような声を出した。
 平たく言うとトンチキである。でもこういう雰囲気のほうが、カフカ的にはなんとなーく羽を広げられる感があった。豪放磊落ってことにしておこう。
「ああやって服を着ればいいのよね? どんな服を見繕ってくださるのかしら!
 それにしても、お洋服が草むらから出てくるだなんて本当に"不思議の国"ね」
 一方、羽ペンのヤドリガミである遠峰・羽純はほやほやと微笑んでいた。
 こんな地獄じみた有様のネタ戦場にはそぐわぬ、笑顔が素敵な乙女である。
「お礼はどなたに言えばいいのかしら? この草たちが出してくれるのよね?」
「いやあ、羽純はすごいね。ボクもう色々と絶望的な気分なんだけどね」
 対して岬・珮李はのんびりした顔をしつつ、割とダウナーな雰囲気であった。
「あら、どうして? みんなで服を着て遊べる楽しい祭りなのに!」
「いやうん、あの地獄絵図見てそれ言えるんだから大したもんだなあって。
 敵も味方もどうやったって幸せにならないからねここ。どうあがいても絶望だよ」
「そんな、巨人さんたちもあんなに可愛らしいのに……」
「ボクもそのぐらい平和に考えられたらよかったんだけどねえ」
 遠い目をする珮李。そこで、横にいた片稲禾・りゅうこが呵々大笑した。
「たしかに可愛らしいよなあ、衣装は! うん、衣装は」
「それフォローになってないですよりゅうこ。必要も無いと思いますが」
 葬・祝が薄く笑みを浮かべたままツッコミを入れる。少年妖怪は楽しそうだ。
「みんなで一緒に、というのはいいことですし。それに何が出てくるやら」
「あんなパッツンパッツンのはイヤだけどなァ……っと!」
 カフカが呟いたそのとき、しゅぽーん! と服が五セット飛び出してきた。

 はたして、一同はあっという間に着替えを終える。
 彼らが手にしたのは、スカート丈もデザインも様々なメイド服だったのだ。
 ん? そうですよ、メイド服です。男女五人で、全員メイド服。
「……いや、待て。待て待て。自然に着替えちまったがちょっと待て!」
「あら、どうしたのカフカ。丈の短さが気になるのかしら?」
「そうじゃねェよ! これどう見たって女物だろう!?!?」
 そのとおりである。え、じゃあなんで普通に着替えたのかって?
 実は彼ら、メイド服というのがなんなのかをあんまり知らなかったのだ。
 一番詳しかったのは、なにげに余裕こいていた珮李、なのだが……。
「女だからって平気なわけじゃないからね!? これはこれで困るんだから!
 っていうかさ、何このメイド服……っていうか服じゃないよねこれ!?」
「水着、ですね。給仕する側にも色々あるということでしょう」
「明らかに楽しそうな顔しないで言ってないでさあ! 祝も!!」
 気恥ずかしさに顔を赤らめる珮李。だが、祝を見るとぐぬぬと口をわななかせた。
 頭を抱えているカフカもそうだが、こいつらは男のくせにイヤに似合っている。
 カフカは黙ってればモデル風美人で十分通りそうな見目麗しさがあるし、
 少年として中性的な体格の祝に至っては、スカート丈が短いと言うのにこれっぽっちも違和感がない。おい性差仕事しろ。
「まあ、私の外見年齢だと、まだ性差が気になるような時期ではありませんから。
 それに私たちにとって、性別なんて飾りみたいなものじゃないですか、ねえ?」
「そうそう、似合ってるからいいじゃあないか、カフカさんもべっぴんさんだぞ!」
 と、相変わらず呵々大笑しているりゅうこさん。
 ガッハッハ、的な豪快な笑い声をあげながら、ばーんと足を開く。オイちょっとカメラ止めて!!
「りゅうこ、りゅうこ。そのもろ出しはやめようね。まだ早いからね色々」
「えっ、何がダメだったんだ? あっ、笑わないほうがよかったか!?」
「脚のほうですよ脚のほう。出ちゃってますから色々と」
 珮李と祝がやんわりとたしなめる。りゅうこはうーんと首をかしげた。
「そういうものなのか、りゅうこさんまたひとつ賢くなってしまったなあ!」
「うふふ、微笑ましいわね。わたしもそちらがよかったかも。動きやすそうだし」
「いやおれがそっちに代わりてえよ! 丈長いじゃねェかそっちの!」
 カフカは、いかにもクラシカルなメイドというべき羽純の衣装を指差した。
 なお、もろ見えしていたりゅうこからは無言で目をそらしている。紳士……!
「あら、そう? どうして?」
「いやだって脚すーすーするだろ短ェと……」
「うーん、でも長いと鬱陶しくないか?」
「だから脚を広げるのやめようねりゅうこ。すぐ見えるからねそれ」
「そうかあ、メイド服って難しいんだなあ! りゅうこさん楽しいぞ!」
 なんかもう大惨事であった。祝は一同のわいわいぎゃあぎゃあと騒がしい様子にくすくすと笑う。ミニスカメイド服着てやがるくせによ!
「……つーかそもそも、なんなんだこの冥土服ってのはよ。
 色々種類があるみてェだしそもそも女物しかねェし……」
「それはね、人を癒やす崇高なる目的を背負いし者の戦闘服なんだ」
「絶対ウソだろそれ!!!」
 さすがのカフカも、この状況で珮李の戯言には乗らなかった。
「本当にカフカは愛らしいでですねぇ、身長ばかりすくすく伸びて、細っこい。
 お嬢さんがたは当然として、私から見てもやっぱりよくお似合いですよ?」
「りゅうこさんもそう思うぞー! 女装? っていうやつだな!」
「やらねェから女装も喫茶店も! いや現在進行形で着てっけど!」
 カフカははぁ~と溜息をついた。四人がやかましすぎて色々慣れてきたようだ。
 そんなじゃれあいを見て、祝と同じように羽純もくすくすと微笑む。
 そしてしゃなりとカーテシーなどをしてみせた。実に、絵になる。この中で一番まともだ。
「……ボクもそれがよかったなあ……」
「それだけ薄着だと風邪を引いてしまいそうだものね?」
「いやそうじゃなくてね。あとね、りゅうこはだから脚を閉じようねホント」
「また開いてたか!? 楽しいからついつい、な!」
「楽しいで脚開くんじゃねェよ目のやり場に困るんだよ……ああまあ、とにかくだ」
 カフカはぱんぱん! と手を払い、そして5人並び立った。
 風がびゅうと吹き抜ける。短長様々なスカートをなびかせる。絵になる図だ。
「はっくしゅん!」
 くしゃみしてる水着姿の人が居るけどさておこう。
「よーーーーし!! じゃあ戦(や)るか! 料理も楽しみだしなあ!!」
「いやボクは早く社に帰りたいかなあ……まあ戦うけどね」
「そうね、大きさが合ってないのはいけないわ。お洋服がかわいそうだもの」
「戦う理由そこかよ……」
「――何はともあれ、たまの余興ということでここはひとつ」
 トランプの巨人どもを、妖しのメイドたちの瞳がじろりと見据えた。
「さっさと片付けるといたしましょうか」
 メイドさんたちのお掃除……もとい、社のあやかしたちの戦いが終わるのに、そう長い時間はかからなかった。
 あとに残るのはちろちろと燃える彼岸花、そして敵の残骸だけ。

「だから、りゅうこ! その格好で踵落としはダメだよ!」
「え~~~~~? 戦いなんだから仕方ないだろー!(ズドン!!)」
 あとクレーターもあった。怖いね、メイドさんって!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『人喰いピアノ』

POW   :    死の旋律
【見えない破壊音波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    メメント・モリ
【自身が喰い殺したアリス】の霊を召喚する。これは【聞いた者の生命力を奪う童謡】や【生きているアリスに憑依し、操ること】で攻撃する能力を持つ。
WIZ   :    闇の幻想曲
【物悲しいピアノの曲を演奏すること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【臨死体験の白昼夢による精神攻撃】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠守田・緋姫子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ハロウィンの国、なぜか完備された厨房にて
『貴様らハロウィンが何かわかってる!?!?!?』
 たどり着いた猟兵たちを出迎えたのは、人食いピアノのお説教であった。なんで?
『ハロウィンだっつーからさぞかし色んなコスプレ見れると思ってたらさあ、あれよ?
 ねえなんで? 俺あんなトンチキ巨人どもこさえた覚えねーんだけどマジで!!
 あ、でもお前らは比較的まともな格好してるね。やべーのもいるけど。怖っ』
 めちゃめちゃフランクであった。
 ていうか勝手に服が飛んでくるんだから、その国を支配してるオウガに文句言われようと知ったこっちゃねえという話ではなかろうか。
 それはそれとして、人食いピアノは思い出したように悪役っぽく笑った。
『ところで俺様は無敵だ! いや無敵というか厳密にはほとんど無敵というやつだ!
 貴様らの攻撃など俺様には通用せん! それがこの国の最強の力なのだァー!!」
 ゲハハハハ! とカパカパ蓋(的な何か)を開閉しながら笑う愉快なやつ。
『おっと、言っておくがこの無敵の力を解除しよう、などと思うんじゃないぞ。
 たしかに俺様は、無敵の力を……いや厳密にはほとんど無敵の力なのだが、
 とにかくこの力を得た代償に、美味しい料理を出されると我慢が出来ない!
 いや、これもやっぱり厳密に言うと、美味しくなくても真心こもってればOKだ!
 OKではない。とても困る。なにせそれを喰うと俺は眠くなってしまうからだ!
 そして眠った俺様は無敵の力を失ってしまう……なので、料理はするなよ!
 いいか、絶対するなよ!! 絶対だぞ!! 料理したら噛み殺すからなマジで!!』
 倒されたいんだか倒されたくないんだかよくわからないオウガである。
 で、こいつの言ってることは大体真実だ。調理中に攻撃してくることも。
 無敵のオウガを相手に、どう対抗すればいいというのか……!?(棒読み)

●プレイング受付期間
 2020/10/26 12:59前後まで。
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
料理を作って食べてもらう……。そうすれば眠ってしまうと。
とはいえ言い方が「押すなよ」みたいです。童話の世界にもあったんですね。
そういうことなら作ってあげたいところですが、私1人だと不安です。
三咲さんにも手伝ってもらって、ちゃんとしたものを作らないと。

三咲さんはタルトですか。私は形にしてみましょう。1人より2人。
下準備をしてもらえるのでこちらは仕上の作業を。南瓜をこちらへ。

……でもタルトってどうやって作るのでしょう?他の私は知っているでしょうか。
でも3人寄ればとも言いますし、誰かはきっと知っているでしょう。
味付け用の調味料を色々用意して……。では、料理を始めましょうか


三咲・織愛
眞白さん(f00949)と

つまり眞白さんと私で真心籠もった料理を作って、
びしゃーっと食べさせつつガンガン殴ればいいということですね!

せっかくハロウィンっぽく仮装をしていますし、
ハロウィンにちなんだものを作りましょー!
私、南瓜のタルトを作りますね!

南瓜って結構硬いんですよねぇ
あ、ピアノさんも硬そうですし、
ピアノさんに叩きつけつつ南瓜を叩き割っていきましょう!
そーれ、ガンガンガンっと♪(叩きつけ叩きつけ叩き付け×100)
こらこら、お料理の邪魔をしたらだめなんですよーっ!

出来上がったらお口にどんどん入れていきましょー♪
おいしいですかー?
? 眠っちゃってますー?
おーい(ガンガンガン)



●いやたしかにそういうフリはしましたけどね?
『おい貴様ら! 俺様の話を』
「そーれ、ガンガンガンっと♪(ガンガンガンガンガンガンガン)」
『グワーッ!? おい待て貴様! 俺様の話を聞いて』
「うーん、まだ割れないですねー。もうちょっと強めにいきましょう!」
『えっ』
「そーれ、ガンガンガンっ♪ もひとつおまけにガンガンガンガン♪」
『アバババババーッ!?』
 なんか処刑場みたいなことになっていた。

 何が起きているかと言うと、三咲・織愛は人食いピアノにかぼちゃを叩きつけているのだ。えっ、なんで? 料理をしなきゃいけない章なのですが!?
 ……と、疑問が浮かぶ諸氏(誰?)もおられよう。
 一応織愛の沽券のためにも説明しておくと、これはなにもかぼちゃで人食いピアノを叩き壊そうというわけではない。
 むしろこれは調理なのだ。かぼちゃを割って調理したいだけなのである。

「眞白さん、何を作りましょう!」
「……そうですね。かぼちゃのタルトなんてどうでしょうか」
「いいですねっ! ハロウィンですし!」
「まあ、私作り方わからないんですけど」
「大丈夫ですよー、まずはかぼちゃを準備すればいいんです!」
「なるほど、かぼちゃのタルトにはかぼちゃを使うんですね」
 とかなんとか、神元・眞白と織愛がトンチキな会話をしていたものだから、人食いピアノが見かねて……もとい、あまりにもふざけているので文句をつけに割り込んだのである。
『おい貴様ら! さっきの俺様の話を聞いていたか!? 料理を作るなと言っておろーが!! そもそもなんだ貴様らのその腑抜けた態度は! 俺様はオウガのボスだぞーっ!!』
「私たち、かぼちゃをこちらへ。あとお菓子用の道具も準備してください」
「わあ、ありがとうございます! かぼちゃを割るのは任せてくださいね!」
『おい貴様ら聞いてるか!? なぜそうも俺様の存在を無視できる!?』
「あ、いいところにかぼちゃを割るのにちょうどよさそうなオウガがいましたね!」
『えっ』
「かぼちゃって結構硬いんですよねぇ。ピアノさんって無敵なんですよね?」
『お、おう』
「じゃあ叩きつけますね!」
『えっ』
「そーれ、ガンガンガン♪」
『グワーッ!?』

 ……と、いった次第である。
 誰がどう見ても、こんなやべー奴らに近づいた人食いピアノが悪かった。
 多分あれだ、無敵のパワーを手に入れたせいで防御とか警戒とか、そういうのがおろそかになっていたんだろう。よくあるもんね、ダメージ無効化能力とか持ってるせいで油断して、致命的な攻撃食らって自滅するタイプの敵キャラ。
「ところで私たち、タルトの作り方って知っていますか?」
『いえ全然』
『樽の作り方なら……』
「うーん、とりあえず味付け用の調味料を用意しましょうか。まず唐辛子と」
『わさびと』
『マスタード』
 で、眞白(たち)の会話もツッコミ不在で進行していた。
『おいちょっと待て! まさかそれを俺様に食わせるつもりグワーッ!?』
「動かないでくださいねー、えいっ!!(ガンガンガングシャッ!!)」
 ようやくかぼちゃが砕けた。織愛はニコニコ顔で残骸を回収する。
「さあ、いまからおいしいかぼちゃタルトを作りますから待っていてくださいね!」
『ア、アバッ……』
 並のオウガならもう死んでいた。ハロウィンの国だから我慢できた……!

 しばらくあと。
「よーし、ついに出来ました、かぼちゃのタルト!」
『いや待て誰がどう見ても刺激物まみれのお菓子にしか』
「丹精込めましたから、どうぞ召し上がってくださいね」
『だからもうツンとくんだって鼻に! いや俺様鼻ないけど!!』
「好き嫌いはダメですよー? はい、ターンと召し上がれ!(ぐいっ)」
『アババババババーッ!?』
 惨劇が起きていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エスターテ・アレグレット
敵のこの口ぶり、どう考えても盛大なフリじゃないか?
わかりやすすぎて逆に不安になるんだけど…。

とりあえず弱体化してもらわないことにはお話にならないんで、何か作りますか。
持参した「懐かしの味のリチェッタ」から、ティラミスを選択。
これなら、冷やす時間を省けばすぐ作れる。
材料混ぜて、型に入れて
「はいはい。調理中に邪魔する悪い奴には美味しいの作ってやんないっすよ」
調理中に攻撃を受けたら見切って回避。

仕上げをして、完成
「どうぞ、召し上がれ」
UC【愛情をもって】も発動。これで敵が僕の料理を食べても食べなくても弱体化するかな。

それにしてもメイド服で料理することになるとは…。
知り合いには見られたくないっすね。



●警戒しなくても裏とかは特に無いです
「……本当に料理作って大丈夫なんすかねぇ?」
 エスターテ・アレグレットは、どうしても疑念が捨てられなかった。
 さきほどのあの人食いピアノとやらの、やけに長くてそして詳細な演説。
 まるで「さあ料理して私を倒してください」と言わんばかりの、ツッコミどころしかないアレだ。
 誰がどう見てもフリである。やらなかったら逆に失礼なやつ。
 相手もこの国も何もかもトンチキだったが、ここは紛れもない戦場なのだ。
 そして、奴は敵だ。もしかしたらすべては、オウガの策略なのでは?
「……いや、ないっすね! ないな」
 三秒ほど考えて、エスターテはその猜疑心を捨てることにした。
 だってほら、ねえ? 戦争のときも変な戦場多かったもんなあ!
「それにしても、どれを作るっかねえ……お、これとかいいかな」
 さてエスターテは持参したレシピをぺらぺらとめくり、ティラミスを選んだ。
 オブリビオンが、長々とした調理をのんびり見ててくれるわけがない。
 となれば、材料を混ぜて型に入れて……で終わりのスイーツは最適だ。
 こうなると、エスターテのメイド姿もいよいよしっくりきていた。
 手早く材料を調達(そもそもなぜこんな新鮮な材料がきちんと保管されているのか甚だ疑問だが)し、慣れた手付きで調理していく。
『おい貴様ァ~、何をやっている~~~?』
「何って調理中っすよ、危ないから近づかないでほしいっす」
『貴様! いましがた俺様が言ったことを何も聞いていな』
「あーもう、はいはい。調理中に邪魔する悪い奴には美味しいのあげないっすよ!」
 エスターテはイライラしながら言ってから、ふと我に返った。
 いや、そんな聞き分けのないガキを黙らせるようなこと言ってる場合じゃなくね?
 普通に身構えて応戦すべきでは? ほらみろ、人食いピアノが口を開けて……!
『えぇ~~~~!? いいじゃんちょっと食わせろよ!』
「…………えっ」
『え?』
「あ、いや。ダメっす。ダメ。あっちで待ってろっす」
『ちぇ~~~』
 とかなんとか言って、普通に離れていく人食いピアノ。
「…………いや従うんかい!!!!」
 五秒ほど置いてからツッコミが入った。色々遅かった。

 しばらくあと。
『おおっ! 今回はなんだ、スイーツか!?』
「はいっす。どうぞ、召し上がれ」
『やったぜ! いややってないぞ、だが喰わずにはいられない!』
 人食いピアノ、もりもりスイーツを食べる。
『むむっ、単純に見えてしかし丹精込めて作られたこのティラミス……冷やし加減もバッチリだ!』
「よく待ってたっすよねおとなしく」
『べ、別に貴様のために待ってたわけじゃないんだからねっ!』
「なんでちょっとデレてんすか」
『べ、別にメイドさんの手料理が嬉しいわけじゃないんだからねっ!』
「メイドさんじゃねえっすよ」
『えっ』
「えっ」
『あれやらんのか? こう萌え萌えきゅーんみたいな』
「やる! わけ!! ねーでしょうが!!!!!」
 悲痛な叫び声が木霊するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ベイメリア・ミハイロフ
こ、この格好でお料理を…?
が、が、頑張ります…!(スカートの裾を下へと引っ張りながら)

お相手の攻撃は第六感・野生の勘にて見切り避けながら
南瓜のポットパイと、デザートに南瓜のタルトの
南瓜づくしのお料理を作ります
折角なのでございます、おいしく召し上がって頂けるように
心を込めて丁寧に作って参ります
玉ねぎとベーコン、マッシュルーム、ブロッコリーも用いましょう
タルトの上にはホイップで土台を作り
ジャック・オ・ランタンを模したチョコを乗せて
他の方とメニューが被りましても、召し上がって頂けますよね…?

ああ、しかしながら、この格好…お恥ずかしい…
物理的な攻撃よりも、言葉の攻撃の方が
ダメージを受けそうでございます



●これはきっとピンナップ映えするに違いない(他意のない感想)
『おい、そこの年甲斐もない格好をした女ぁ~~~~』
「……はっ、ま、まさかわたくしでございますか!?」
『お前以外に誰が居ると思っているんだ、成人のくせにセーラーなど!
 あれか? そういう趣味なのか? 実はよろしく楽しんじゃってるのか!!』
 人食いピアノの容赦ない口撃に、ベイメリア・ミハイロフは顔を赤らめた。
「ち、ちち、違いますっ! こ、これは戦いのため致し方なく……!」
『そんなこと言って、本当は「わたくしもまだまだいけますね」とかなんとか、思ってるんじゃないか? ん? 思っちゃってるんじゃないか! んん!?!?』
「そんなこと、そんなことは、決して……!」
 ベイメリアはスカートの裾を抑えつつ、必死で目をそらした。
 なんという狡猾な精神攻撃。これは間違いなくWIZユーベルコード……!
 え? ピアノの演奏じゃねえって? 声も音楽だから一緒!(強引な理屈)
「とにかくっ! わたくしはこれから調理に入ります、お下がりくださいませ!」
『しかもその姿で料理だと~? いくらなんでも属性過積載だろうが!
 男のロマンがカタチになった生物か貴様は! 肩にロマン載せてんのかい!』
 だんだん罵倒でもなんでもなくなってきた。なんだこのノリ。

 ベイメリアは顔を赤くしつつ、口撃(茶々とも言う)を必死に聞き流す。
 そしてテキパキと作るのは、ハロウィンらしい料理……かぼちゃのポットパイとかぼちゃのタルトだ。うーん、風情ですねえ。
「……それにしても、どうしてこんなに材料が完備されているのでございましょうか……」
 玉ねぎ、ベーコン、マッシュルーム、ブロッコリー。さらにチョコも。
 ホイップやらなんやらも、キッチンにはしっかりと完備されていた。
 実はこの人食いピアノ、ただ猟兵の料理食いたいだけじゃねえのか?
『おいセーラーの女!!』
「わ、わたくしはベイメリアでございます!」
『うるさい名前などどうでもいい!! ご飯まだ?』
「えっ、あ、はい。もしばらくお待ちを……」
 しかもなんかうるさい旦那みたいな感じで茶々を入れてくる。なんだこいつ。

 ほどなくして。
『むっ!!』
 テーブルに載せられたのは、これまた見事なポットパイとタルトであった。
 タルトの上には、わざわざジャック・オ・ランタンを模したチョコまで載せられている。
『なかなかやるではないか……あー、俺様これ食べたくないんだけどなー!
 食べたくないけど、作られたら食べないといけないというルールがあるからなー!』
「やっぱり食べたいだけなのでは」
『そんなことねえもんガツガツガツガツ!!!!』
 めちゃくちゃ食べていた。
『うん、美味い!! このポットパイもアツアツで出来がいいな!
 俺様野菜はあんまり好きじゃないのだが、これなら全然食べられるぞ!』
「さ、然様でございますか。それならばなによりでございます……」
『セーラー服の分際でよくやるものだ!』
「セーラー服は関係ないでございましょう!?」
 でもちょっと悪くない……とかベイメリアが思っていたかは、彼女のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミレア・ソリティス
料理ですか…記録内検索を開始、
簡易機部隊は閃光弾《目潰し》、榴弾《吹き飛ばし》を用いた行動阻害を軸に皆様の料理の為の《時間稼ぎ》を

私達は簡易機含めリアルタイム同期を行っており、
意図的に切断しない限り機体損失……各機の「死」の直前まで継続されます
故に、「私」は全ての私の臨死の感覚を「知っている」
そのUCでは私達を止められません

生と死を繰り返し、永劫の戦場に身を置き続ける。
それが私の存在理由ですから

……作成完了、アリス型に成型(真心のつもり)したSSWの完全栄養携帯保存食(※何とかメイト的な。味はお察し)です。
短期に量も用意可能です。物質転換で「周辺の残骸」から転換生成可能ですので

※アド連携歓迎



●真心と書いてシリアスと読む
「……料理、料理ですか」
 KA-BOOOM!!
『アバーッ!?』
「記録内検索を開始……短時間で制作可能なレシピに限定、再検索……」
 KRA-TOOOM!!
『アババババーッ!?』
「……条件追加。"真心"を込めやすいレシピを再々検索……」
 SMAAAAASH!!
『アバーーーーッ!!』
 ……なんか後ろから断続的に戦闘音と悲鳴が聞こえてくるが、レシピ検索中のミレア・ソリティスは一切意に介さない。あれは時間稼ぎのための戦いなのだ。
 そもそも戦闘中の簡易機とミレアはリアルタイムに同期し続けており、意図的にネットワークを切断しない限り通信は継続される。
 そう、機体が喪失する時――人間で言うところの「死」の瞬間ですら。
 ミレアは知っている。
 同じカタチ、同じ姿、同じ声をした自分が、「死」に瀕した時の気持ちを。
 何を考え、何を見、何を聞き、どうやって「死んだ」のかを知っている。
 それは、人間からすれば恐怖だ。なにせ死は生物がもっとも忌避するもの。
 誰もが恐れ、しかし避けられず、それゆえに逃れ続けようとするもの。
 ミレアは死を知る。喪失を知る。機械の心はそれを受け止められる。
 悲しみも怒りも、痛みも苦しみも、ミレアにはない。
 永劫の戦場に身を置き続ける――それが、ミレアの存在理由なのだ。
「ですからそのユーベルコードは、私には効きません」
『グワーッ!?』
 BOOOM!! 簡易機の榴弾が人食いピアノをふっ飛ばした!
「…………調理を続けましょう」
 シリアスとコメディ。その裂け目は、マリアナ海溝よりも……深い。

 で、そのミレアがお出しした料理はというと。
「お待たせいたしました。作成完了です」
『ア、アバ……な、なんだこれは……?』
 ずしん。人食いピアノの目の前にそびえ立つのは、アリスの彫像……否。
 わざわざアリス型に整形された、こうディストピアに出てきそうななんかであった。
「スペースシップワールドの完全栄養携帯保存食を生成、成型しました」
『いや待てそれ調理とは言い難ムゴゴーッ!?』
「いいから食べてください」
『オボボボボーッ!?』
「量もありますので」
『オゴゴゴーッ!!』
 無理やりねじ込まれる完全栄養携帯保存食。味は……言うまでもない。
 人食いピアノは泣きそうだった。しかしミレアに容赦はなかった。コワイ!
『き、貴様……貴様此処をなんだと思っているのだ!?』
「戦場ですが」
『キッチンだよ!!!!!』
 あれ? ツッコミ入れ替わってねえ!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【変身継続】

あーハイハイ。
ムテキスゴイデスネー(棒読み)
べらべら喋ってくれちまってまぁ……
この分じゃ【弱点特攻作成】で調理器具を出してみりゃ、
完璧な逸品が出るだろうさ。
それじゃクーラーボックスから新鮮な鯵を出して、
フライでも揚げるかな……ってコラ妨害するんじゃねぇ幽霊ども!
特に調味料とか手を出すんじゃねぇよ!

……用意した調味料の中にゃアタシが自分で食うための
ハバネロやジョロキアパウダー、ワサビが混じってるんだからな!?
いやビビるんじゃねぇよアンタにゃさすがにお出ししねぇから!
普通の醤油もソースも用意してるから!
…え?うま味塩?あるけど……

んで食って眠ったら電撃魔法。



●こんなこと言ってっけど格好は魔女っ子のままなんだよな
「……これユーベルコード使うまでもなくねえか?」
 キッチンの道具をチェックしていた数宮・多喜は、呆れた様子で言った。
 調理器具はもちろん材料も完璧。なんなら圧力鍋とかだって置いてある。
 そこらへんのレストランでは、ここまで完璧な調理場は見つかるまい。
 一応多喜も"弱点特攻作成"を使ってみるが、もうその調理器具は存在していた。
 もちろん、調理器具のグレードで言うと多喜が作り出したほうが上だが。
「一体どんなつもりで、こんな不思議の国を作り出したのやら……」
 在りし日のオウガ・オリジンを思い返す……いやあいつもともとこんなんだったな。
 なんか口んなかに料理無理やりねじ込まれてる人食いピアノを哀れそうに眺めつつ、さっそく調理を始めた多喜……なのだが!
『ヒューヒュー!』
『ウェーイ! 魔女っ子うぇーい!』
『これなーに? これなーに?』
 なんかやけにパリピでウェイみたいな感じのアリスの幽霊のみなさんが、クーラーボックスやら調味料やらに手をつけ始めたのだ!
 いやなんでこんなEDMとか似合いそうなノリしてんだ? そういうアリスだったのか……?
「やめ、やめろ! 言っとくけどアンタらが触ってもいいことないからね!」
『ウェーイ! この調味料美味そうじゃねー?』
『舐めちゃおうぜー!』
『じゃあわたしから(ぺろっ)アバーッ!?』
 ビターン! 毒々しいまでに赤いソースを舐めたアリス幽霊、蒸発!
 いや成仏した。ソース瓶には、明らかにヤバげなドクロマークが書いてある!
「だから言ったろうに……アタシが自分で食うための調味料だよこれは」
『じゃあこっち使っちゃおうウェーイ!』
『ウェイウェーイ! これも舐めてみ(ペロッ)グワーッ!?』
 シュワワワワ……激辛わさびのダメージで消えていく幽霊。
 うん、なんやかや魂が解放されたし、いいことなんじゃないかな?
『むむむ、貴様!! そこの年甲斐もない格好をした魔女っ子!!』
「誰が無理したコスプレイヤーだよ!」
『貴様、料理しているな!? いいから食わせろーっ!!』
「あ、ちょっと」
 復活した人食いピアノが、揚げたてのアジフライをがぶりと食べた。
『アバババババーッ!?』
 そして悶絶! 幽霊どもがふざけてかけた辛味のせいだ!
「あーあ、言わんこっちゃない……」
『やったね多喜ちゃん! マジカルフードアタック効果覿面だよ!』
「無理やり魔法使ったことにしないでくんねえかな!?」
 なんもかんもどがちゃかであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

(オカンスタイル継続中)
…あー、そっか。こいつら骸の海から出てきた影みたいなもんだし。ワンチャン上手くいけばOK、ダメでも一回休みでこのアホい地獄からは逃げられるのねぇ。…え、ずっこくない?

長々時間かけてられないし、焼きドーナツにしようかしらねぇ。材料混ぜて焼くだけだからそんなに手間もかからないのよねぇ、コレ。
…ま、黙って見ててくれるわけないし。当然妨害してくるわよねぇ。●封殺で迎撃するわよぉ。
ソーンとエオローで退魔の結界を形成、弥勒菩薩印の弾丸で片っ端から○浄化しちゃいましょ。
あたし、機動戦のほうが得意ではあるけれど。〇拠点防御もできないわけじゃないのよぉ?



●キッチンに立ってるせいでいよいよそれっぽく
『なーなーかーちゃーん! おやつまだー!?』
「…………」
 ティオレンシア・シーディアは何も言わず、振り返った。
『俺様もうお腹すい(BLAMN!!)グワーッ!?』
「誰がアンタなんかの母親よぉ」
 ティオレンシアは相変わらずのおかんスタイルであった。
 その格好で、焼きドーナツなんぞを作っているのである。
 香ばしい香り、そして後ろ姿……うんもうこれ完璧そうだね!
 だから人食いピアノは、思わず悪ガキに返っちゃったんだね!
 いや返ったもなにも、こいつオウガなんだけどさ。
「……こいつらズルいわよねぇ。ワンチャンあればそれでいいんだものぉ。
 やられたって一回休みでこの地獄みたいな状況から逃げられるんだしぃ……」
 手は止めないまま、ティオレンシアは深く深く嘆息した。
 でもきっと、もっとシリアスに戦って散ったピアノもいるはずなのだ。
 人食いピアノ本体からすると、この状況自体やるせないものかもしれない。
 それもこれも、すべてオウガ・オリジンが悪いんだ……!
 おのれオウガ・オリジン、滅びてなお猟兵とオウガを苦しめるなど!!
 ん? 敵も苦しんでるならそれでいいのでは? まあそういうことにしておこう。
『く、くそー! かーちゃんのケチ! デベソ(BLAMN!!)アバーッ!?』
「ドーナツの前に銃弾食らわすわよぉ? もう喰らわせてるけど」
 そんなこんな言ってる間に、ドーナツはしっかり焼き上がった。
「ほら、さっさと食べて弱くなりなさぁい」
『うおー!! やったぜ!! いや何もやってないが!!!!』
 ぺいっ。と、ペンギンの餌みたいに放り投げられたドーナツをキャッチ。
 そしてバリバリむしゃむしゃと咀嚼する。きったねえなこいつの食い方。
『うーん、ベネ(よし)!! 焼き加減も味付けもシンプルながら絶妙だ!
 スイーツはシンプルなほど腕が出る……やるではないか、かーちゃんよ!!』
「銃弾のおかわりが欲しいみたいねぇ(チャキッ)」
『おい待てどうせならおかわり(BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!)アバババーッ!!』
 頭の悪さは据え置きであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マルグレーテ・エストリゼン
にゃーん❤

荒ぶるネコの波動に目覚めた今の私はまさにダークにゃんこRAMPAGE

属性過多とか気にしないっ

(敵の攻撃を【オーラ防御】で遮断しつつ料理を作っていたが、味見の段階になって豹変した。
作ったキノコグラタンに混入していたヒカゲシビレタケを摂取してハイになったのである。
そんなわけで、猫耳尻尾付き露出度の高いコスチュームでフリーダムな猫ムーヴをするマルグレーテ11歳@ハイが出来上がったぞ!)

(しばらくして料理の事を思い出しキノコグラタン・ヒカゲシビレタケ混入を食べさせる)
私の究極ネコキャット味覚ブレイカー召し上がれ❤(味は普通)

(一仕事終えた表情)
おやすみなさい
(近くにあった鍋に入って寝る)



●こ、こいつ狂って……!
『おい貴様ぁ~、そこの恥ずかしげもない格好をしたガキぃ~~~~』
 相変わらず無敵は(一応)継続中の人食いピアノが、マルグレーテ・エストリゼンに絡んできた。攻撃してないあたりがいい子なんだか悪い子なんだかよくわからない。
『そんな肌を晒して恥ずかしくないのかぁ~? それともコスプレ趣味か貴様!』
「……」
『おい、なんとか言ったらどう』
「……にゃーん❤」
『えっ』
 くるっ。振り返ったマルグレーテは、満面の笑みであざといポーズをした。
 あ、ありえない。正気のマルグレーテならば、こんな痴態はありえない!
『こ、こいつ……まさかっ!?』
 そこで人食いピアノは気付いた。ほかほかのキノコグラタンに!
 人食いピアノは思わずそれをぱくりと食べ……そして、理解した!
『この鯵……! ヒカゲシビレタケか! さては味見しようとして頭がアレになってしまったな!!』
 わざわざ味を分析するあたり、こいつお人好しかなんかなのかな?
『くっくっく、料理は美味しいがそれはそれとして、この俺様の前でパーになるなど迂闊も迂闊よ。ならば今のうちに貴様をバリバリと食って』
「ふしゃーっ!!(バリバリバリ)」
『グワーッ!?』
 ああっ、猫爪炸裂! ピアノのツヤツヤしたボディで爪を研ぐマルグレーテ!
「いまの私はただの猟兵ではないにゃ!」
『な、なんだと……!?』
「そう、いわば今の私は……ダークにゃんこR・A・M・P・A・G・E!
 荒ぶるネコの波動に目覚めし、属性過多も気にしない無敵の戦士なのだ!!」
『貴様本気か!? 正気に戻った時絶対死にたくなるぞ!!』
「いいから私の作ったキノコグラタン食いまくれにゃー!!」
『オゴゴゴゴーッ!?』
 SMAAASH!! グラタン皿炸裂! シビレタケの毒が人食いピアノを怯ませる!
 マルグレーテはその胴体部分で爪を研いだり、ネコっぽくうろうろ動き回ったり、にくきゅうパンチを浴びせたり、丸まってごろごろしたりやりたい放題だ!
『グワーッネコ毛! ネコ毛グワーッ!』
 ピアノだって精密機器みたいなもんである、コスチュームから剥離した毛のせいで音色はボロボロだ!
 のたうち回る人食いピアノ、そしてスンッと我に返るマルグレーテ。
「…………」
 彼女は己を見下ろした。爪痕だらけの惨状が事態を伝えていた。
「よし。……寝よう!!」
 マルグレーテは棺……じゃなくて、クッソでけえ鍋に引きこもった。
 寝て起きればきっと悪夢は忘れ去っているはず。そう期待して。
 まあ、目覚めた時に格好そのままでまた死にたくなったんですけどね!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

穂村・理恵
(そこら中から気配がしますけど)困っている人の気配は此処ですか!?
って確かに困ってるけどあなたオウガじゃないですか!

え、ほんとに料理が必要なんですか……?
わ、わかりました……じゃあ、クッキー作ります!
〈調理内容〉
・学生の調理実習みたいな記憶頼りのたどたどしくも普通のクッキー作り。
 魔法での擬態が薄れているため長髪の一部を竜の腕みたいに変化させ作業中


あ、ちょっと!火を扱っているときは危ないから騒いじゃダメって先生言ってましたよ!
邪魔するなら、こうです!
(UCで呼んだ炎の動物たちが焼却して邪魔からガード。
ついでに不意のキッチン炎上や加熱しすぎも火や熱を吸収ししっかりガード)
※アドリブ他歓迎です!



●なんで学校で買うエプロンってクソダサいんでしょうね
 穂村・理恵は、元はと言うと困っている誰かの気配を察知してここへ来たのだ。
 なんか気がついたらコスプレするハメになったが、目的は忘れていない。
 そして理恵はセンサー(?)を働かせ、困っている気配を感じた……!
「……そ、そこらじゅうから気配がします、でも!」
 主にコスプレさせられて苦しんでいる猟兵たちのことはスルーした。
 その中でも特に強く感じられる気配、間違いないこれが彼女を呼んでいたのだ!
『おお、来てくれたかヒーローよ! 俺様の悩みを解決してくれ!』
「……いやあなたオウガじゃないですか!?!?」
『なんだ? オウガは助けてくれないってのか! オブリビオン差別だ!!』
「差別も何も敵ですよ!?」
『まあとにかく聞け。いいか、俺様はこんなトンチキな戦場に送り込まれて困っているのだ』
 蓋(的ななんか)をカパカパして喋る人食いピアノ。
『しかもさっきからゲテモノと美味い料理の比率が半々くらいだ! 助けてくれ!』
「…………わかりました。つまり」
『おお、わかってくれたか! さすがはヒ』
「料理をすればいいんですね!」
『違うが!?!?!?!』
 あっているが、間違っていた。こ、コミュニケーションの断絶……!

 てなわけでさっそく調理に入った理恵だが、少々手付きが危なっかしい。
 それもそのはず、理恵は料理が趣味……というわけでもない。
 今回作るのも、調理実習で作った記憶のあるふつーのクッキーなのだ。
『おい貴様、なんだか手元が危なっかしいぞ! 本当に大丈夫か!?』
 人食いピアノも思わず心配するほどだ。いや敵のはずなんだけど?
「あ、ちょっと! 火を扱ってるんですから近くに来たらダメですよ!」
『いや俺様は貴様を心配してだな』
「まさか邪魔するつもりなんですか? それなら、こうです!」
『だから俺様心ぱアババババーッ!?』
 そのとき! 獣型の炎が飛び出し、人食いピアノを燃やした!
 まあ無敵化能力がまだ残ってるのでそこまでダメージはないのだが、熱いは熱いので人食いピアノはのたうち回る。
「まったくもうっ、お料理してるそばで騒いじゃダメなんですよ」
 先生も言ってましたよ、とか言いながら調理を続ける理恵。理不尽極まりない。
 でも本来は敵味方の関係なので、これで間違っていないのである。
「よし、これでなんとかクッキー完成……って、あれ!?」
『アバババババーッ!!』
 まだ火だるまの人食いピアノ。……を眺めつつ、理恵はクッキーをぱくり。
「うん、美味しく出来てますね! さすが私っ!」
 ご満悦であった。ん? 何もかも間違っているような……ま、いっか!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

穂結・神楽耶
コーホー、コーホー……コーホー。コーホー!
(豚と牛の塊肉を雑にぶつ切りしている線の細い連続殺人鬼)
(ぶつ切り肉を丁寧にまな板の上に並べていく)

コーホー、コーホー!
(並べた肉へ包丁を叩きつける猟奇殺人犯)
(一定のリズムと抑揚をつけながら合挽きのミンチを作り上げていく)

コーホー。コーホー。コーホー? コーホー……
(ちょうどいい量のつなぎと調味料を混ぜて捏ねて固めて焼いて)
(残った肉汁に裏ごしトマトを混ぜてソースを作り)

コーホー……コー、ホー。
(合間に作った付け合わせの野菜もちょいと添えて)
(完成したのがこちらのハンバーグプレートです)

………
次は、あなたの番です…………(精一杯の低い声)


矢来・夕立
本気で掛かるのならまだ必要です。
メイド服が。
この料理には、メイド服が、要る。

即ちオムライス。

ここに証明しましょう。
チェキ映え・ケチャップの扱い・ご主人様のお世話・おいしくなる魔法――全てにおいてこのオレこそが、当店最強のメイドであると。

お帰りなさいませご主人様。
こちらお食事のオムライスです。
(コスプレまでして)ご主人様のことを(どう殺すか)一生懸命考えながら作りました。
ウサギさんも描いたんですよ。カワイイでしょう。
はい、あーん。そのデカいだけの口を開けろ。
(皿ごと突っ込む)(ご家庭の味)(爆弾を添えて)(蓋を縛る)(ハイテンポ暗殺)(爆破)

え?おいしくなる魔法?そんなものありませんよ。


狭筵・桜人
ハァ……ハァ……ひどい目に遭いましたが二度目だったので持ち直しました。
お料理パートで吐くようなモラルのないことするワケにいきませんからね。
ピアノの攻撃?耳栓します。

気を取り直して、私は料理を作る皆さんのお手伝いをすることにします。
そう、味見係という名の手伝いをね。

ダメ?だって私料理したことないしなあ。
カップ麺なら作れますけどレトルトやインスタントは真心がこもってないとか言って
主婦のヘイトをバリバリ稼ぐタイプでしょう?

仕方ないなあ、とっておきを出してあげます。豆腐一丁丸ごとお皿に移してー……
はい、冷奴。
なんか豆腐のパックに水入ってたんで一緒に皿に注いでおきました。
あとは薬味……薬味っぽいUDC。



●この面子でまともに料理が上手くいくわきゃないんですよ
「コーホー、コー、ホー……コーホー。コーホー!」
 スパーン! まな板の上に叩きつけられる、豚と牛の塊肉。
 ホッケーマスクを被った連続殺人鬼……のコスプレをした穂結・神楽耶は、
 持っていた肉切り包丁をズダンズダンと叩きつけ、雑にぶつ切りにしていく。
「コーホー、コーホー……コーホー!」
 ズダーン! ズダーン! ズダーン!!
 ああっ! 雑にしか見えないがその実さすがは台所の番人、いい感じにぶつ切りにされた肉はふわりと宙を舞い、規則正しくそして綺麗に並べていくではないか!
「コー! ホー! コー! ホー!!」
 スパーン! スパーン! スパーン!! スパーン!!!
 そして包丁をさらに叩きつけ……いや違う、あれはミンチだ! ミンチを作っているのだ! なんたる合挽き肉への執念とこだわりを捨てぬさすがの調理テクニックか!

「いや何もかもおかしくないですかね」
 状況を見守っていた狭筵・桜人(色々リバースしたあとなので顔が青い)は、さすがにツッコミを入れざるを得なかった。
「コホ?」
「いやそんな「えっなんですか?」みたいなノリで振り返らないでください怖いですからその肉切り包丁が!!」
「コホー……コーホー、コーホー……」
「用がないなら声をかけないでくださいみたいなこと言われてんですかねこれ」
「コーホー。コーホー。コーホー!!」
 ズダーン!! ズダーン!! ズダーン!! ズダーン!!
 神楽耶は再びミンチ製造に戻る。どう見てもホラーシーンであった。
「コスプレ衣装になりきる精神力……ライバルながらあっぱれですね」
 チャキっ。なんかこう、スポーツものに出てくる眼鏡かけたクールな強キャラみたいな雰囲気を纏いつつ、伊達メガネをくいっと上げる。矢来・夕立。
「いやあんたも何言ってんですかそもそもなんだよライバルって」
「ああ、コスプレをする度胸も調理する度胸もないあなたは違いますよ」
「なんで私がすくたれ者みたいな扱いになってんですかっつーか何その格好!?」
「メイドですが?」
「さっき私の前で着てたのと別にやつですよね!?」
「調達してきました。これが、オレの料理のためには必要なので。本気なので」
「私せめて食事の場では戻したくないんで勘弁してもらえませんか……」
 桜人は三度目の衝撃に必死で堪える。かつてないほどに精神力を振り絞っていた。
 しかしそんなこた知ったこっちゃねえ夕立は、再び神楽耶を見やる。
「コーホー! コーホー!!」
 いい感じのつなぎを作った神楽耶はそれを調味料と混ぜて捏ねて固めて焼いて、
 あと残った肉汁に裏ごしトマトを混ぜてソースも作っていた。わーうまそー。
「ハンバーグ? ハンバーグなんですよねアレ? 人肉じゃないですよね?」
「どちらにしてもあなたは食べられませんよ」
「えっ!?」
「どうせ味見するつもりで姿を見せたのでしょう。しようのないご主人様だ」
「おいその変声期超えた低い声で二度と私をご主人様とか呼ぶんじゃないですよ」
 桜人の全身にサブイボが立っていた。殺人鬼に対する恐怖のせいかな?
「たとえ金を積まれても、あなたをご主人様とは認めません。ご安心を」
「何も安心できないし、むしろ私が呼ばれたがってるみたいな論調やめてくださいます?」
「オレのご主人様は、そう――彼だけですから」
『えっ俺様!? この流れで俺様にターゲットなの!?』
 状況を見守……というか攻撃すら出来なかったピアノがドン引きした。
『メイドに殺人鬼に……なんかひょろいのとか、なんだよこの組み合わせ!』
「ちょっと! 私のことを超絶美形の天才少年と言いたいのはわかりますが!」
『いや一言もそんなこと言ってないんだが???』
「コーホー!! コーホー!!!!(ヒュンッズガンッ!!)」
『「アイエエエ!!」』
 ぎゃあぎゃあ騒いでる桜人とピアノの間に突き刺さる肉切り包丁!
 ぎらり。ホッケーマスクの下から、神楽耶のすさまじい視線が睨みつける。
 調理場で、騒ぐな。そういう、"マジ"の怒りと憎悪が叩きつけられていた。
「そうですよ、ここは神聖なる戦いの場です。戦士のみが立てる場所なんですよ」
「コホー(こくりとうなずく殺人鬼)」
「やりますね穂結さん。ですが、勝つのはオレです」
「コーホー……?(なんでそんな格好してんのと言いたげな殺人鬼)」
「ええ、正々堂々戦うとしましょう。オレが作るのはただひとつ」
 夕立の眼鏡が逆光でギラリと白く染まる。いつのまにかその手元には、卵!
「――オムライスです」
「いまかっこよくタメる必要ありました???(桜人)」
『そもそもなんで歴戦のメイドみたいなオーラ出してるんだ貴様(ピアノ)』
「教えてやりますよ。オレこそが、当店最強のメイドであると」
「コーホー……?(え? ここメイド喫茶だったの? みたいな顔の殺人鬼)」
「チェキ映え、ケチャップの扱い、ご主人様のお世話、美味しくなる魔法。
 すべてにおいて、オレは穂結さんを超えてみせます。そしてメイド王になる」
「コーホー!?(メイドになった覚えがございませんが!? みたいな抗議の声)」
 神楽耶の抗議など完全スルーしつつ、夕立はすさまじい速度で手を動かす!
『ううっ!! なんやかやものすごい手さばき! あれは見事だ……!!』
「なんであなたも料理漫画の解説みたいなポジションになってるんですか」
「コーホー!!(カチッボボボボボ……スパーン! ジュウウウウ)」
『見ろひょろいの! あっちの殺人鬼もさっそくタネを焼き始めたぞ!』
「いやだから私を解説役に巻き込まないでくれます!?」
 念の為耳栓をしていた桜人だが、そもそも攻撃は来なかった。
 こんな真剣試合を前にして、攻撃なんて野暮なことをしている暇はないのだ。
 そう、これは真剣勝負……どちらが最高のメイドかを決める戦いなのだ!!

 そして、ついにタイムアップ(?)
「けっきょく私味見出来なかったんですけど……」
『まあいいではないか。俺様と一緒に食べよう』
「何もかもおかしいですよねこれ。まあ食べますけど」
 なぜか仲良くテーブルに座る桜人とピアノ。そしてまず神楽耶の番だ。
「コーホー……(ことり)」
『「こ、これは……!!」』
 皿の上には、これまた見事な焼き加減のハンバーグプレートが!
 きちんと付け合せの野菜もある。香ばしい匂いが否応なく食欲をそそった。
「…………次は」
「『えっ』」
「次は、あなたの番です……(精一杯の低い声)」
「あ、キメ台詞的なアレなんですねそれ」
『雰囲気十分だな! よし食うぞ!』
「私の冷奴(豆腐をさらに乗っけただけ)食べます?」
『いらん!! そもそも料理じゃないだろそれは!!』
 ムシャムシャムシャーッ。なんやかや仲良く食うふたり。そして!
「美味しい! 美味しいですよこれ! さすがですねえ!」
『うむ……!! 手作りソースの深い味と、絶妙な柔らかさのハンバーグのハーモニー……これは店に出しても遜色ないレベルだ! 美味いッ!!』
「あなた弱くなるけどいいんですか?」
『それはそれ! これはこれ!!』
「コーホー……(料理を堪能してもらえるのは嬉しいのでごきげんな様子の殺人鬼)」
 と、オウガ(+なんか)に変わらず好評の殺人鬼ハンバーグであった。

「『……はっ!!』」
 そこでふたり(?)は気付いた。ものすげえプレッシャーに。
 おお、現れたるは夕立……そして、ピアノの目の前に差し出された皿には!
「おかえりなさいませ、ご主人様――こちら、メイドの愛情オムライスです」
 なにげによく出来たオムライス。そして、表面に描かれた……ウサギ!
「見た目はいい感じなのがなおさらに悪質ですよこれ」
 桜人はもうドン引きしていた。
『う、うーむ、その格好はともかくなかなか』
「開けろ」
『えっ』
「そのデカい口を開けろ」
『おい待て貴様それはメイドさんの態度では(KBAM!!)アバーッ!?』
 放り込まれるオムライスwith爆弾! 蓋を閉じる夕立! 起爆! 大惨事!!
「あーあ、そんなことだろうと思いましたけど可哀想ですねあれ」
「料理にほんのちょっと添えた爆弾。これがおいしくなる魔法です」
「コーホー……(ちょっと狭筵様なんですかこれせめて水切りぐらいしてくださいませ的なことを言いたいらしい殺人鬼)」
「え? この状況で私に説教するんですか!?」
「コーホー!(当然です料理は妥協が許されないんですよ的な殺人鬼)」
「その顔で迫らないでください! 怖いから! 普通に怖いから!!」
『アババババババーッ!!』
 ピアノは火だるまになっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

岬・珮李
【朱の社】

オムライス作ろうよ
メイド服きてるんだから、オムライスを作ろうよ
メイド服をまといし者の必須スキルだよ

卵とろとろで中がチキンライスのやつを作るよ!
かけるのはケチャップね。真心込めて作ったオムライスには、仕上げに可愛いケチャップイラストがつくんだよ
例えばこういうハートとかね
大丈夫、たとえどんな出来栄えでも真心がこもってたら美味しく食べてもらえるよ
真心込められなかったらなんか適当に詰めておけばオッケー!

で、料理の邪魔してくるんだっけあのご主人さまは
はいはい、そんな悪いご主人さまには必殺萌え萌えきゅーん(雑に斬る)
もうすぐできるからいい子にしててよ
完成したら食べさせると。はいあーん(流し込む)


遠峰・羽純
【朱の社】
ふわふわオムライス食べたい…
必須スキルだったの?珮李は本当に詳しいのね

それじゃあ心を込めて作らなくちゃ
(たまごの殻がくしゃり)
(ちきん抜きらいすがべしゃり)
(ふわふわな筈のきいろが!あら素敵にかっちこち!)
……
真心ごと食べてくださるのよね?
オウガに二言があるとか仰らないで、いけずな方
ケチャップひよこも可愛く描け…あら(こぼれた)
ふふ、大丈夫よりゅうこ
頑張るあなたは素敵だわ

わたしは鳥の尾羽なので
ちきんはさわれません
代わりに胡椒とかかけておいたから味はするはず(くしゅん!)

あとはこれを
あつあつの内に投げるのだったかしら
顔面に。
さあ、召し上がれ!もえもえ…きゅん?
攻撃力が上がる呪文かしら?


神狩・カフカ
【朱の社】

ま、宿の主してたこともあるからな
料理は慣れたもンだが…おむらいす?
そんなハイカラな料理がメイドと関係あるたァ知らなかったが
おれも珮李の見様見真似でやってみるか

(羽純の不穏な手付きから目を逸らしつつ)
真心ねェ…おれの真心は姫さんにしか発揮されねェんだが…(ぶつぶつ)
おれは味で勝負してやるサ
はふりの真心なんざ期待してねェが、おれに押し付けるなよ!?
りゅうこにでも頼めb…って、なんだその血みどろの物体は???
…ったく、仕方ねェな…へいへい
二つ分、綺麗にハートを描いてドヤ顔
どうよ?

もえもえきゅん…?呪文か??
あーもう!ヤケクソだ!もえもえきゅん!
おれの真心受け取れ!火傷しても知らねェからな!


葬・祝
【朱の社】

オムライスは作ったことないですね、和食は得意なんですけれど
メイド服で和食は……どうなんでしょうね?
まあ、珮李の手順を眺めながら真似してみるとしましょう
……羽純のそれは、……ふふ、真心を食べてくださる方に任せましょう、ね?

真心を込めろ、というのが難点なんですよ
私に真心とか、あると思います?
ないですよねぇ、知ってました
ほらカフカ、渋い顔してないでさっさと愛らしいハートでも描いて差し上げてくださいよ任せました

はいはい、邪魔せず良い子で待っていてくださいな
子守唄の代わりに、その大きなお口にたらふく食べさせて差し上げますから
何でしたっけ、……もえもえきゅん?
必須項目ならやっておきますか、一応


片稲禾・りゅうこ
必須……さっすが珮李、頼りになるなあ!
ほらカフカさん、いつまでそんな顔してるのさ、楽しまなきゃ損だぜ〜〜?

して、その"おむらいす"とは?
ふんふん卵料理か!おっこの卵を割ればいいの?な〜んだ簡単だな!
………羽純、羽純。これ我ら駄目なやつじゃない?
流石のりゅうこさんもわかるぞ、なんか、こう………な!!!

祝に真心?あるわけないだろ〜〜!!
下手なもの込められる前にほらカフカさんに〜〜……任せた!!
えっ、我?
我ならほら、見ての通り一本使っちゃったからさ(握り潰されたケチャップ)(豪快な笑い)

こらこら焦るな焦るな
これだけあるんだ、ゆっくり食べるんだぞ〜〜?



●メイド、メイドってなんだ
『俺様さあ……ハロウィンの国に来たんだよなあ?』
 もうさんざっぱらコテンパンにのされた人食いピアノは、遠い目(目どこにあんだこいつ)で呟いた。
 おかしい。もっとこう、わちゃわちゃキャッキャと楽しいことをするのがハロウィンなんじゃないか? いや俺様オブリビオンだけど。
 そういうわちゃわちゃキャッキャしてるアリスを頭から食べちゃうのが大好きなオウガだけど。でもそれはそれじゃん!
『俺様もう疲れた……貴様らならなんとかしてくれんの? ねえ?』
「なんでおれら、いきなりオウガに説教食らってンだ???」
 神狩・カフカの疑問はごもっともであった。そんな謂れ一切ない。
「さあ……まあ、期待を裏切られたのは残念でしたねえ。同情はしませんけど」
「さりげなくひどいね! まあでもオウガだもんね、特に憐憫とかないね」
 葬・祝の心無い言葉に、岬・珮李も割と同意していた。血も涙もねえ。
 いや血も涙もないオウガはあっちのほう……のはずなんだけど、これまでのケースを見ると分かる通り、むしろ猟兵のほうが残虐ファイトしてるんですよね!
「せっかく"めいど"姿になったんだし、あれだな? もてなさないと、だな!」
「ふふ、そうねりゅうこ。この装いに見合った振る舞いをしなくてはだわ」
 無邪気にはしゃぐ片稲禾・りゅうこの言葉に、遠峰・羽純があどけなく笑った。
 遊び半分である。まあネタシナリオだから仕方ないよね! 向こうは必死だけど!
『うーむ、そっちの女たちはまあよしだな! なんか変態いるけど』
「えっ? ちょっとまっていまボクdisられた? ていうか風評被害なんだけど?」
 珮李の笑顔に青筋が浮かんだ気がする。コワイ!
「その格好じゃ仕方ねェだろ……」
『おい貴様! そうだ貴様だ。一瞬見分けつかなかったが男だろ貴様!!』
「あ? うるせェんだよこっちだってしたくてこンな格好してねェんだよ!!」
『アイエエエ! コワイ!』
 カフカはガンをつけた。ピアノは怯んだ。こいつ肝っ玉小せえな。
「とにかくアレだ、作ればいいンだろ料理よ。そのぐれェ慣れたモンよ」
「問題は、何を作るか……よね?」
「それならやっぱり、オムライス作ろうよ! メイド服着てるんだから!」
『貴様はメイドではないだろう(こころなしか奉行っぽい声)』
「うるさいよ!! ボクだってこんな格好好きでしてるわけじゃないよ!!」
 いちいち口を挟んでくる人食いピアノにぉこになる珮李。
「オムライス……それが、メイド服とどう関係あるのかしら?」
「メイド服を纏いし者の必須スキルなんだよ。だから一緒に頑張ろう!」
「まあ、そうだったの? 珮李は本当に詳しいのね」
 羽純、割と簡単に騙される。色々大丈夫なんだろうかこの人は。
「和食は得意なんですけれど、オムライスは作ったことありませんねぇ」
「そもそも"おむらいす"とはなんだ? りゅうこさん気になるぞ!」
「あー、たしか卵料理だよ。ハイカラな料理だからおれも作ったことはねェ」
「そこは大丈夫、ボクがお手本を見せるからね! 参考にして!」
 てな具合に、メイド集団は五人でオムライスを作ることになった。
『せめて美味いものを食わせろよ! いいな! でないと邪魔するぞ!!』
 人食いピアノは、もう色々と目的を間違えてしまっていた。あな悲しや。

 そして早速、珮李が見本を見せる形で調理が始まったのだが……。
「卵はとろとろになるくらいまで焼いて、中にチキンライスを包むんだよ。
 なんでかわかんないけど材料は十分あったから、まず卵を割ろうか!」
「おいおい、何もそンな初歩的なコトから始めなくても(ぐしゃっ)えっ」
 カフカは羽純の手元を二度見した。卵が、無残にぐしゃってなっていた。
「……あら? ううん、力加減を間違ったかしら」
「ほらね、こうなるからね。絶対そこからだと思ったんだよボク」
「まあ、さもありなんというところでしょうか」
 とか言ってる祝は、綺麗に卵を割って慣れた手付きでかちゃかちゃ混ぜている。
 そして残るは……そう、一番の不安分子もとい、りゅうこであった。
「よーし、割るぞ……ってなんだみんな! なんで我の手元見るの!?」
「いや、ボウル割っちまわねえか不安でよ」
「そこまで!?」
「なんだったら台所までバキッと行ってしまいそうですし」
「祝もひどいな! りゅうこさんを何だと思ってるんだ!!」
 さすがのりゅうこもこれにはぷんすこ。拗ねた顔をしつつ卵を手にした。
「そうよ、りゅうこは頑張り屋だもの。わたしみたいにきちんと出来るはずよ」
「「えっ(羽純と無残な殻まみれの卵液を交互に二度見するカフカと祝)」」
「そうだぞ! このぐらい簡単だからな!!」
「……うん、割っていいよりゅうこ。さあ早く」
 珮李が急かした。りゅうこは卵を手に……ぴくりとも動かない。
「…………」
「りゅうこ?」
「いや精神統一をな!? しているんだ!!」
「う、うん」
「……………………」
「…………りゅうこ、無理そうならボクが」
「いやいける! いまいけるところだったぞ! も~我の集中邪魔しないで!!」
「う、うん……」
「……セイッ!!(パァン!!)」
 爆ぜた。生卵が、殻ごと、綺麗に四散した。えっなんで?
「「「「「…………」」」」」
 沈黙が訪れる。
「……あー、これあれだな! りゅうこさんちょっとこう、な!
 こう……なんか、あれだ、もしかして我らダメなやつじゃないか羽純!?」
「ふふ、頑張れば結果は出せるわ。一緒にもう少し頑張ってみましょう?」
「お、おう……いやでも羽純また卵割るの失敗して」
「りゅうこが諦めないなら、わたしも諦めないわ」
「そ、そっか! そうだな! 諦めないことはいいことだもんな!!」
(((片付けられるように雑巾を用意しておこう……)))
 結局、ふたりの手で十個以上の卵が犠牲になったという。

 卵を割る段階からそんなレベルの調理が、まともに進むはずもなく。
「今度はチキンライスに入れる材料を切るよー」
「たまねぎ、ピーマン、人参ですね。これは私とカフカで切りましょう」
「仕方ねェな。鶏肉はどうすンだ?」
「わたしは触れないわ。鳥の尾羽だもの」
「おっ、じゃありゅうこさんの仕事だな! 任せろー!!(ズダンズダン!!)」
「やめてりゅうこ! まだ材料も置いてないのにまな板切断しようとしないで!」

「……まあこうやって炒めるんだけど、えっと、出来た?」
「出来ないわけねェだろ、こちとら宿の主だぜ」
「対して難しい作業でもありませんね」
「…………(チキン抜きべっちょり飯を前に無言の羽純)」
「…………(殺人現場かな? ってぐらい真っ赤に染まったフライパンを手にしたりゅうこ)」
「ごめん、何がどうしてそうなったの特にりゅうこのほう」
「血でも吐いたのかってぐらい真っ赤なんだがまさかケチャップ一本使ったのか」
「この握り潰された容器らしき何かがそうでしょうか」
「……はっはっは! 我としたことがちょっと間違えちゃったな~~~ちょっと!」
「ふふ、そういうりゅうこも素敵だと思うわ」
「いや他人事みたいな顔してるけどそっちも大変なことになってるからね」

「……うん、もうわかりきってたけど、卵も大変なことになったね」
「すげェ、はふりのは殻がたっぷりでなンかデコボコしてっし」
「りゅうこのほうはふわふわどころかガチガチ、ですね」
「真心は込めたわ(満面の笑顔)」
「我もな~気合は込めたぞ気合! 真心とか無理だからな!!」
「気合い入れすぎてかなりハードボイルドになってるよね」

 ……とまあ、ご覧の有様であった。
『ねえ俺様帰っていい???』
「ふふ、もう手遅れですよ(※ユーベルコード詠唱台詞)」
『グワーッ!?』
 逃げようとするオウガの口……というか蓋をガッと掴む祝。
「そうだよ! ここからが仕上げだからね!!」
「まだ何かあるのかしら?」
「うん。オムライスにはメイドさんの真心を込めたイラストを描くんだよ」
 にゅる~ん。珮李は慣れた手付きで可愛いハートを描いた。
「こんなふうにね! そして美味しくなる呪文……もえもえきゅん、さ!」
「「「「もえもえきゅん」」」」
「これを唱えればどんな出来栄えでも必ず食べてもらえるんだよ!!」
『モガガガーッ!!(ウソを教えるなウソをといいたげなピアノの悲鳴)』
「あー、そういうのはちっとな……おれの真心は姫さんに発揮するもんでな」
「何を言ってるんですかカフカ、リーダーであるあなたがやるべきでしょう」
「えっ!? 何言ってんだ!?」
「そうだぞ~~~りゅうこさんがやったら皿が吹っ飛びかねないからな!」
「それユーベルコードかなんかだろ!?」
 祝とりゅうこの圧に押され、カフカはしぶしぶケチャップを手に取った。
 そして自分と、りゅうこのにハートマークを描く。にゅる~ん。
「わたしも描いてみたわ。どうかしら?」
「……う、うん、個性があるんじゃないかな! 個性は大事だよね!」
 羽純の描いたハートマークらしき何か。珮李はコメントを避けた。
「と、とにかくこれで出来上がりだね! さあカフカ、音頭取って!」
「珮李お前さんなんでおれに押し付けやがる!? ……ええい!!」
『モガガーッ!!』
「もえもえきゅんだオラァ!!!!」
『モガーッ!?』
 やけになったカフカ、オムライスをピアノの口の中に叩き込む!
 できたてのアツアツだ! そんなもんを口に叩き込まれたら……ALAS!
『アバッ! アバババババーッ!!』
「さあ、召し上がれ!(スパーンと次を叩き込む羽純)」
『アバババーッ!?』
「では私も(スパーン)」
『アバーッ!?』
「りゅうこさんに任せろ~~~!!(スパーン!!!!)」
『アババババーーーーーッ!!』
「必殺萌え萌えきゅーんだよくもボクのこと変態扱いしたな喰らえ!!(ガッサー!)」
『オゴゴゴゴゴーッ!』
 もう二度とハロウィンとかやらねえ。人食いピアノは心からそう思った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リヴェンティア・モーヴェマーレ
アドリブ大歓迎です!

ハロウィンと聞いてフラッと来てしまった気持ち!
ふむ…無敵さんの為においしいごはんを作ればいいのでしょうカ?
料理は少しだけ得意なのですヨ♪
早い段階でお腹が膨れるもの…それは…お肉でス!
お肉なのデス!
お肉料理は世界を救いマス!
先に手を掛けずに直ぐに作れる鳥の丸焼き~♪
塩胡椒で味を調えるだけで普通のオイシイのデス
その間に手間がかかるお肉料理を作っていきましょ♪
ハンバーグにローストビーフそれに

か ら あ げ ♪

唐揚げは色んな種類の唐揚げを作りますネ!
ざんぎも忘れませんヨ!
唐揚げ大好きデス💕

体力が減ってへとへとな人が居たら応援ファイトで元気をお届けしたい気持ち♪



●まさかの逆飯テロ
『はぁ~……なんで無敵の力を手に入れたはずの俺様が、ゲテモノ食わされたり妙なコスプレしてる猟兵どもに逆ギレされたり、ツッコミ役をやらされないといけないんだ……』
 人食いピアノは辟易していた。もうだいぶ、帰りたそうだった。
 まあ帰るっつったって、オウガのねぐらどこにあんのか知らないけども。
 多分このハロウィンの国そのものが、コイツのアジトなんだけども。
「なんだか大変そうな気持ち! お疲れですカ?」
『ん?』
 そこにひょこっと顔を覗かせたのは、リヴェンティア・モーヴェマーレである。
 コスプレはしていない。なぜならば、この章が初参加だからだ。身も蓋もない。
『貴様……貴様も俺様をゲテモノとかでおちょくるつもりか!?』
「そんなことないですヨ!? まあ倒しに来たのはたしかですケド……。
 実はモウ、あなたに食べさせる料理は作ってあったりするのデス!」
『な、何ィ!? 俺様が邪魔する前に調理を終えるとは、油断ならんな!
 貴様、さては神業的な調理スキルを持つ猟兵か何かか……ッ!?』
「イエ、あなたがションボリしてる間に作っただけデス……」
『ア、ハイ』
 もはや、オウガとしての役目すら喪失しかけていた人食いピアノである。

 それはそれとして、どんなものであれ料理が出てきたらオウガは必ず食う。
 というかもうだいぶ、まともなものを食べたくてウズウズしていた。
 そんな人食いピアノの気持ちを見抜いたか、リヴェンティアはにこりと笑う。
「それでは……コチラが、私の用意したお肉料理デス!」
『こ、これは~~~!?』
 そこに並ぶのは……あったかいハンバー部に、大きな鳥の丸焼き。
 さらに手作りソースを添えたローストビーフと……あ、あれは!
「そう! か ら あ げ ♪」
『唐揚げだと!?』
「もちろん色んな種類の唐揚げを作ってきましたヨ! ざんぎもありマス!」
『き、貴様~~~!! こんなご飯が欲しくなるおかずばかりを~~~!!』
 ムシャムシャムシャーッ!! 人食いピアノ、肉をかっこみまくる。
『うまい! うまい!! うまい!!! うまい!!!
 くそっ、へとへとになった身体(?)に栄養が染み入るぜ~~~!!』
「ご満足いただけましたカ?」
『悔しいが味付けも完璧だ! やはり貴様は神業的料理人……!』
「イエ、油断させて攻撃するために用意しただけなのデ」
『えっ』
「ご飯の代金はお命だけでいい気持ち!」
『いや待て俺様は無敵アバーーーーーーッ!?』
 そして、惨劇が幕を開けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリシア・アートレイト
【WIZ】共闘、アレンジ歓迎

格好は引き続きバニー
これも神の試練と思いましょう。思います。思いたいです(バニー姿に耐え
敵に自身の格好を言及されたらびきっと怒りマークを後頭部に。
ともあれ。やる気を奮い立たせ、やる(ころす)気をひとまず抑え
ピアノさんに料理の必要性を説きしょう
折角のハロウィン、仮装にはお菓子、悪戯が付き物。
悪戯と言われてもこの人数でされても大変でしょう
私も初めてというのもあり楽しもうと言う想いもあります
どうか一緒にお菓子を食べてハロウィンを楽しみませんか?

真心(ハロウィンを楽しみたい、羞恥、さつい)を込めパンプキンパイをつくります

寝たら万感の思いを込めて長々と詠唱してUCでずばーっと



●恥ずかしがれば恥ずかしがるほど恥ずかしくなるんですよね
『変態か貴様!!!!』
「…………!!」
 アリシア・アートレイトは、思わず剣を握りかけて深呼吸した。
 落ち着け、相手はオウガだ。こちらを挑発して隙を作るつもりなのだ。
 これは試練だ……そう、神が与え給うた、大いなる試練と考えるべきである。
 ……だとしたら神様かなりアレじゃねえか? という考えは虚空に捨てた。
『いくら仮装だからってバニーはどうだバニーは! もはやエロじゃん!
 やーい、エーロ、エーロ! お前のかあちゃんで~べそ~!!』
(どうして意に沿わない仮装でここまで言われなければ……ッ!!!)
 落ち着け、アリシア。落ち着くのです、わたし。これは、試練。
 そう、神の試練……熱くなってはいけない、耐えなければ……!!
「……お、おほん」
 アリシアはいますぐにでもこのオウガを死ぬまでぶっ叩きたい衝動をこらえながら、なにやら訥々と語り始めた。
「……いいですかピアノさん。せっかくのハロウィン、ハロウィンといえば仮装。
 そして仮装にはお菓子といたずらがつきものです……それはわかるでしょう?」
『いやまあそれはわかっているぞ俺様も。ていうかだから苦しんでんだよ!
 なんで俺様、さっきから美味いもの食べたら攻撃されるしゲテモノ食わされたりしてるの!?』
 それはお前がオウガだからだよ、というツッコミをアリシアは必死にこらえた。
「そうです! この人数からいたずらをされれば、当然困るでしょう」
『いたずらってレベルじゃねーけどな大半』
「と・に・か・く!」
 アリシアは強引に話を進めた。
「……どうせお菓子を食べるのなら、一緒にハロウィンを楽しみませんか?」
『えっ、いいの? 俺様オウガなんだけど?』
「ここに来てわたしのほうを正論で撃ち抜かないでください……」
 そしてアリシアが差し出したのは、美味しそうなパンプキンパイだった。
『むむっ!! これは実に真心が籠もった……美味そうなパイではないか!』
「ええ、真心(ハロウィンを楽しみたいけどバニーは恥ずかしいしきついしなんかもう死にたいしこいつをぶち殺したいという気持ち)をたっぷり込めました。それはもう怨念とばかりに」
 にこり。アリシアの笑顔は、笑っているけど目が笑っていなかった。
『いっただっきまーす!! うおおお程よい甘さ! よく出来てZzzzz』
 そして無敵効果が切れつつあるピアノは、一瞬で寝てしまった!
「…………よくもあれこれ罵ってくれましたね!! このーーーーっ!!」
『アバーーッ!?』
 誓剣が、ものすごく悲しい感じに光を放ったという。さもありなん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロク・ザイオン
……この着ぐるみは。
(あの白いモチモチの生き物じゃないか(アイコン参照)
見ての通りのまんまるフォルムがゆえ
厨房ではとにかく腹がつっかえるし
腕は短いし
次々になぎ倒される調理器具
荒ぶっては途方に暮れるゆるキャラ)

……動きづらい……

(周りから聞こえてくるへんな歌のおかげでどんどんおなか(生命力)がすく
「一刻も早くごはんたべたい」という真心を籠めて
「上手に焼けた肉」が爆誕する)

……お前それを食べるのか。
いいなあ。
…………いいなあ………
(寝込んだところを「羨囮」でガバッと喰い返し
奪われた生命力を取り返そう)



●……実際この生き物はなんなんだ?
「…………」
 丸くて、なんとなくゆるきゃらっぽくて、そして……駄無い。
 そんな感じの何かを着ぐるみとして纏う、ロク・ザイオン。
 彼女が動くと、そのたびに必ずなんかの調理器具がガラガラと崩れる。
 そして歩こうとすると、腹がつっかえるし転びそうになるしで散々だ。
「動きづらい……」
『いやなんだその生物!?』
 さすがの人食いピアノも、新手のオウガだと思っていたらしい。
『ちょっと同族かと思って警戒解きかけたぞ。えっ、なにその生物?』
「わからない」
『わかんないのに着ているのか!? コワ~……』
「おまえは、まだ無敵なのか」
『は? そうだが? 俺様は無敵だ!! ウェーハハハハ!!』
「そうか……」
 ロクは武器を手にしょんぼりした。さっさと仕留めてご飯を食べたいのだ。
 しかし今はまだ敵を倒せていないので、たとえすぐそこに美味しそうなハンバーグとかパンプキンパイとか唐揚げとかあっても、食べられない。
 ぐぅ~、と、ロクのお腹が鳴った。その目はだいぶ飢えていた。
「おれは、はやく、ごはんがたべたい」
『待て。まさか俺様を食うつもりじゃないだろうな!?』
「にくがくいたい」
 ロクはピアノに構わず、手頃な肉を手にとり焚き火(?)に焚べた。
 そしてあの、なんかこうハンドル的なやーつで肉をぐるぐる回す。
 なぜか、軽妙なBGMがどこかから聞こえてきた。多分アリス幽霊の合唱。
 ロクはよだれを垂らしつつ肉を睨む……そしていい具合のところでリリース!

 \\上手に焼けましたー♪(アリス幽霊たちのコール)//

『りょ、料理とは言い難いが……美味そうだな! よこせ!!』
「あっ」
 人食いピアノは真心(というか食欲)が籠もった肉に我慢できずかぶりつく!
 ロクは、肉をむしゃこらと食べ続けるピアノをじーっと見ていた。
「お前……それを食べるのか」
『えっ』
「いいなあ」
『えっあのいやそういう趣旨の国でしてここ』
「いいなあ……」
『ちょっと待てその武器を降ろアバーッ!?』
 無敵の力……だがそれは正しくはほぼ無敵の力、である。
 飢えたロクの八つ当たりが、長い間人食いピアノを苦しめたとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱酉・逢真
古いダチと/f28022
(たぶん女装してる)
心情)笑いすぎて肋骨折れたわクッソいてェ。中身までヒトマネしなくたって、なァ? それはともかくよ。料理。料理。料理なァ。これに関しちゃ無用の1号・不要の2号だからな俺ら。元・信者に宮廷シェフだったやつ居っからそいつに任す。味追いすぎて、だァれもついてけなくなって見捨てられたンだと。
行動)完成まで俺とダチでピアノを抑える…抑え…ダチが冷静に頭バグってンだが? ドレス着た男が人食いピアノととっくみあってンの…ひ、おいやめろ肋骨折れてるっつったろバァタレ。ひ、ひひっ、イテッ。つか弾けてねえ音外しすぎだろ草。どれ賑やかしにインコでも…おや、料理できたか。


オニキス・リーゼンガング
旧知/f16930 水色のドレス継続・口調は『やんわり丁寧』
心情)そうですね、ざまあ見なさい。
わたくしも料理は…献上されるものでしたし。
あなたの信者に頼るしかありませんね。
やくたたず同士、なかよく敵を食い止めましょうか。
行動)ではオブリビオン、死んでください…と言いたいところですが、無敵でしたね。
いったいどうすれば…ん? ピアノ?
そうか弾いてしまえばいいのですね。ピアノですし。
料理人の方がフルコースを作る間、僭越ながらわたくしが演奏でもいたしましょう。
(なお技能はない)(実は楽器に触ったこともない)(噛まれても強行しようとする)



●神様っつったってシナリオギミックの前にはこの通りよ
「ひひひ、ひひっ! ひひひひあいってェ!!」
 ゲラゲラ笑っていた(メイド服姿で)朱酉・逢真は、脇腹を抑えてのたうち回る。
 相変わらずドレス姿のオニキス・リーゼンガングは、憮然とした顔であった。
「あー、やべェ。笑いすぎて肋骨折れたわ、クッソいてェ。ひひひ!」
「ざまあ見なさい。人を呪わば穴二つ、というやつですよ」
「お互い人でなしだろうによ、ひひひ。中身までヒトマネしやがって」
 逢真にとっては昔懐かしい"ダチ"の、そのいかにも人間臭い振る舞いが一番おかしくて仕方ないのか、折れた肋骨のあたりを抑えながらまだ笑っている。
「……しかし、困りましたね。こうして仮装したまま来たところまではいいですが、
 わたくしは料理など献上されるものでしたし……あなたはどうですか?」
「出来るわきゃァねえやな。無用の1号、不要の2号ってとこか」
「……でしょうね」
 オニキスは顎に手をやって考え込む。
 しかしそこで逢真がぱちんと指を鳴らすと、ずるりと"門"から現れる人影。
「こういうときゃ信者の手を借りりゃイイのさ」
「あなたのそのユーベルコード、ものすごく便利ですね……」
「ひひ。ま、味追いすぎて見捨てられたようなヤツだがよ」
 現れた料理人は、なにやら妙に目つきが尖っていてコック姿だった。
『カカカカカーッ!! 麻薬よりも美味い料理を見せてやるぜ~~~!!』
「…………あの、あなたの信者って」
「イヤ詳しい人となりは覚えてねェ。まァ人間色々あるよな」
「そうですね……」
 オニキスも逢真もそれ以上信者(?)の追及は避けた。腕は確かそうだし。
 信者(?)のシェフは、カカカカカーッ! と笑いながら料理を始めた。
 なんとなくだが、鉄の鍋とか扱うのが似合いそうである。目つき鋭いし。

『むむっ!! 感じるぞ、美味そうな料理の匂い!』
 と、そこでさっそく駆けつけるのが、腹をすかせた……もとい、猟兵どもの無駄足掻きをあざ笑うためにやってきた、無敵の人食いピアノである!
『俺様を弱らせようったってそうはいかんぞ、邪魔してやるぜ~~~!!』
「となると、俺とお前さんの仕事は足止めってことにならァな」
「役立たず同士、仲良くやるとしましょう」
 逢真は、憮然としたオニキスの顔を見つめ、また噴き出した。メイド服姿で。
「何がおかしいというのですか、あなたもどうせ大概な格好なのでしょう?」
「ひ、ひひひ! それはそれ、これはこれっつゥか……ひひひひ!」
『貴様らふたりともろくでもないだろ! なんだふたりして女装って!!』
「こちらのオウガもなにやらやかましいですね……死んでいただきましょうか」
 腕まくりしてにじり寄るオニキス。コワイ!
『アイエエ! 待て! 俺様は無敵だぞ! そんな攻撃は(ほぼ)効かないぞ!』
「……そういえばそうでしたね」
 グーパンで解決するつもり満々だったオニキスは、なにやら考え込む。
「ではピアノですし、弾いてしまえばいいでしょう」
『えっ』
「安心してください。わたくしはこう見えても、演奏に自信があります」
『いや待て貴様どう考えてもその構えは音楽をやったことがない輩の構えだぞ!!』
 プロレスでもしてんのかな? みたいなポーズでにじり寄るオニキス。コワイ!
 そしてドレス姿の旧友がピアノと漫才をやっているのを見て、逢真は爆笑した。
「オイやめろ肋骨折れてるっつったろバァタレ。ひ、ひひっ、イテッ!」
「笑っているのはあなたの勝手ではないですか」
「冷静に頭バグりすぎてて面白すぎンだよ、しかもなんだその……ひひひ!」
 オニキス、暴れる人食いピアノを腕力で押さえつけて椅子(?)に座った。
 そして……ジャーン!! 演奏もクソもねえ勢いで手を鍵盤に叩きつける!
『グワーッ!? おいバカ! 俺様は精密機器だぞ丁寧に』
「演奏には自信がありますので(バーン!!)」
『話を聞け貴様グワーッ!?』
「弾けてねえし音外しすぎだろそもそも演奏にすらなってねェ、ひひひひ!」
 笑い転げる逢真、演奏っつーか殴打をするオニキス、悶え苦しむピアノ。
『やめろ貴様ーッ!! せめてうまい飯を喰わせてからにしてくれー!?』
「フルコースを頼んでありますのでまだまだ時間はあります。お覚悟を」
『この外道ーッ!!』
「悪霊ですので(ジャーン!!)」
『アバーッ!!』
「なんだこの光景草すぎンだろ」
 料理が出来た頃には、逢真の肋骨はもう二、三本イッていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花邨・八千代
【徒然】
俺のエロかわバニーちゃんを噛み殺すだァ?
テメェそのうるせぇ蓋逆パカしたろうか?あ゛ァん!?

今からめちゃうまい飯を食らわせてやっからな!
ぬーさんが!!!(中指立てる着ぐるみ)

ところで男バニーにエプロンって性癖の渋滞事故じゃね?
やだ…俺得……

アッごめんなさい飯抜きは勘弁してください!
えぇんやだやだご飯食べるぅ!

ぬーさんに飛んでくる攻撃は俺が庇いつつレッツクッキング!
今日のぬのやちクッキングは餡かけ蟹炒飯です!
材料はググれ!クックなパッドとかで!

尚俺は料理できないので仕上げ担当な
餡掛けだけ作ってぬーさん作の蟹炒飯にかけるぞ
盛り付けなら任せろー!

※敵は餡掛け蟹炒飯を食らわせた後逆パカにしました


薬袋・布静
【徒然】
えっ…俺着替えれんの?
このまんまなん?俺が何したん?
そうか、許されんのか…

この格好で料理せぇ…ってホンマええ加減にしぃや…
俺が自分への情報処理で手一杯やからって
好き勝手ボケ散らかしよってからに

取りあえす、料理作ってささっと終わらして着替えたい
この格好でエプロン無しやと危ないので仕方なしに
ホンマにイヤやけど、仕方なくエプロンを身につけた

もうイヤやわ、お前
とりあえず今日の飯抜きな

はぁ、ホンマに俺何しとんのやろなぁ…
そうは言いながらも完璧に素材を刻み
餡かけ蟹炒飯を作ってしまう
材料を用意してやり、手順を教えては
仕上げの餡かけの餡を作る作業を八千代に
その間の八千代へ向かう敵の攻撃をいなす



●コントかな?
『くっ、俺様の無敵能力が消えかかっている、だと……!?」
「どうやらいい気になって飯を食いすぎたみてえだなァ!!」
「そろそろケリつけさせてもらわんとこっちも困るねん」
『はっ! き、貴様らは!?』
 ざっ!! と、謎の光源から逆光を浴びつつ見参した、ふたり。
 花邨・八千代……相変わらず、着ぐるみ姿。
 薬袋・布静……相変わらず、高身長男バニー!!
『…………』
「「…………」」
『……えっ、売れない芸人か何かの方々???』
「誰が一昔前の漫才コンビじゃコラァ!!」
 SMAASH!! 布静は怒りの飛び蹴りをかます! しかし人食いピアノ無傷!
「チッ、普通に堅いやんかこいつ、やっぱり料理せなあかんか……」
「そうだぜぬーさん、俺たちのコンビネーションでクッキングすんだよ!」
「お前めちゃめちゃやる気やけどな、俺らのカッコわかってて言ってるん?」
「もちろんだぜ!!」
「……えっ、待って俺マジでこれ着替えれんの?」
『キッチンに更衣室があるわけないだろう。そもそもそれ貴様の趣味なのでは?』
「誰がエグめの女装癖じゃボケェ!!!(飛び蹴り。で、弾かれる)チッ!!」
 スタッと着地した布静、めちゃめちゃ苛つきながら溜息をついた。
「はぁ~~~……このままで料理しろとか、もう俺が何したん……」
「少なくとも俺を喜ばせてくれてはいるから安心してくれよな、ぬーさん!」
「それが俺のこのささくれだった心のどこを癒やしてくれる思うたんお前」
「いやほら……愛する女の言葉で活力を取り戻す的な……な?」
「お前もお前で大概なカッコしといて何言ってんねんマジで」
 布静はこの世の終わりみたいな顔で遠くを見た。一体前世で何をしたというのか。
「俺はいつになったら許されるんや……」
「こいつをぶっ殺せば許されるはずだぜぬーさん! だから料理だよ!」
「……お前さあ」
 八千代……正確には、満面の笑みでエプロンを差し出す八千代を睨む布静。
「なんやそれ」
「エプロンだよ! だってその格好じゃ油はねとか危ないじゃん!?」
「いやまあせやけど……え? この格好でエプロンすんの? ホンマに?」
 エプロンを受け取る布静。目をキラキラさせている八千代にドン引きした。
『ええ……高身長男バニーにエプロン着けるとか過積載すぎるだろ……』
 そして、人食いピアノもドン引きしていた。
「なんでオウガにドン引きされなあかんねん」
「性癖の渋滞事故だと俺も思う! でも、正直……俺得!!」
「お前もう飯抜きな」
「えぇんやだやだご飯食べるぅ! ぬーさんのご飯食べるぅ~~~」
『いちゃつくか戦うか飯作るかどれかにしろよ!?』
 なんでかオウガがツッコミをしていた。なんだこの空間。

「「ぬのやち、クッキング~!」」
 そしてなんかコーナーが始まった。何?
「今日のぬのやちクッキングは~……はい、ぬーさん!」
「あんかけカニチャーハンでーす(生気が抜けきった虚無の声)」
「材料はググれ! 特に三分でもないけど調理始めてくぞオラ!!」
「ホンマ俺何しとんのやろなぁ……(明後日の方を見ている)」
『どこの料理番組だ貴様ら~~~!! 噛み殺してくれるわ~~~!!』
 そこへ襲いかかる人食いピアノ! オウガにギャグのセオリーは通じない!
「コッチはイラついとんねやコラァ!!」
『アバーッ!?』
 しかし布静のヤクザキック炸裂! 人食いピアノごろごろ吹っ飛んだ!
 そして装いはトンチキなれど、布静の手つきは完璧であった。
「さっすがぬーさんだぜ! えーと、そんでこれを和えりゃいいの?」
「ん、材料は俺が下ごしらえしといたから。あと頼むわ」
「盛り付けなら任せろー!」
「お前ほど料理出来んこと誇る女見たことないし他に居てほしくもないわ」
 布静は呆れ顔で八千代を見つつ、人食いピアノを相手に身構えた。
『ウグググ……クソッ、美味そうな匂いがしやがる! なのに!!
 貴様のそのトンチキな格好を見ていると食欲が減退するぞ猟兵ァーッ!!』
「好きでこんな格好しとるわけやない言うとるやろうがこのダボがァー!!」
『グワーッ!!』
 80年代のプロレスかな? みたいな泥臭いファイトが繰り広げられていた。
「はーい、それじゃあここにあんをかけてチャーハン完成で~す(猫なで声)
 本日のぬのやちクッキングはここまで! 次回もまた見てやちよ♪(猫なで声)」
 謎のカメラ目線でウィンクする八千代であった。ウィンクは出来てないけど。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルヴィア・セーリング
【錨船】
アドリブ◎

どうしよう、私、お料理はしたことないわ…!
ここはガイにお願いするしか…って、何を作ろうとしてるの!?
ジト目になってると…え、お料理?
やる!やるわ!シルヴィアに教えて!

包丁は持たせてもらえなかったけど頑張って作るわ!
覚束ない手で言われた通りに林檎の芯をくり抜いて
切り口を上に並べて
バターを散らし、グラニュー糖とシナモンは…ちょっとでいいのよね…!
で、耳を塞ぐ!(気づかぬ間にバングルから結界発動)
あとはオーブンで焼くのね
…で、出来た…!見て見て、ガイ!!
ちょっと味見…んー、美味しいっ

ええ、任せて!
喚ぶのは風の噴火!下から一気に吹き飛ばしてあげる!
嵐の【エレメンタル・ファンタジア】!


ガイ・アンカー
【錨船】
アドリブ◎

ほー。厄介だな(棒)
料理ねえ…うちに得意な団員がいるんだがなあ
魚料理ならまだ…あれだ、魚が刺さって星を見るパイでも作るか
なんて、冗談半分で考えてたが…あれならこいつにも出来るか?
なあ、シルヴィア。ちと料理をしてみねえか
錨を担いでにやり

用意するのは林檎とバターとグラニュー糖とシナモンパウダー
あと、【錬成カミヤドリ】で錨を複製し壁を作る
林檎を切るのと敵の相手は俺がやるからあとは言われた通りにしな
芯をスプーンでくり抜いて
他のもんをふり掛ける
はい、ここで耳を塞ぐ(童謡や演奏を複製錨で音を立ててかき消す)
オーブンで焼けば焼き林檎ってな

それじゃ、そいつを食わせて
もういっちょ派手に決めな!



●ハロウィンって面白いことする行事でしたっけ?
『Zzzz……はっ!!』
 いろーんなゲテモノとか美味しい料理とかスイーツとか、
 とにかく猟兵の(色んな意味で)真心籠もった料理を食べ尽くしたオウガ。
 人食いピアノはもうおねむであった。いますぐにもぐーすかいきそうである。
『い、いかんいかん、このままでは俺様の無敵の力が途切れてしまう……!!
 そんな状態で寝入ってしまったら、俺様はなすすべもなくやられてしまうのだ!
 絶対に寝てはいかん、そしてこれ以上食事もしないようにしなければ……!!』
「ほー。そりゃ大変だなあ(棒読み)なんつーか、こう、ありがとな」
 ガイ・アンカーは、あからさまな説明台詞にいっそ憐れみを込めて言った。
 だってあれ、倒されたくて言ってるようにしか聞こえないんだもの!
 でも、オウガは本気なんだね。あいつ、本気で戦ってるつもりなんだ(一応)
「どうしよう、ガイ……私、お料理なんてしたことないわ!」
 そして同じ天然ボ……もといちょっとドジでマイペースなシルヴィア・セーリングは、人食いピアノと同じぐらいのシリアス顔でおろおろしていた。
「いやあ、そこまで慌てるほどでもねえだろ。あいつ居眠りこいてるし」
「でもでも、無敵の力を持つオウガなんて、どうやって倒せばいいのかしら……」
「……えっ、シルヴィア。お前もしかしてマジで言ってるのか?」
「??? え?」
「えっ」
 ガイは腕を組んで唸った。困ったぞ、ここまでとは思っていなかった。
 どうやらこの空間に残されたツッコミ役は、自分ひとり……!!

 まあといっても、ガイが悩んでいるのはシルヴィアの天然ぶりだけではない。
 料理。料理である。
 豪放磊落な海賊として生きてきたガイにとって、料理は鬼門中の鬼門。
 ヤドリガミとして人の形を得てばかりのシルヴィアが出来るわけもなく……。
「しかたねえ、こうなったらスターゲイジーパイでも作るしか」
「ってガイ、何を作ろうとしてるの!?」
「いやこうやってな、パイに魚を突き刺して、星を見てるようにして、だ」
「……そ、それ、ちょっと見た目がいやだわ。ううん、ちょっとっていうかかなり」
 ややヒいてる顔のシルヴィアを見て、ガイはあっさりプランを放棄した。
「ゲテモノはダメか。だったら……よし、料理をしてみようぜシルヴィア」
「えっ! でも私、お料理なんて出来な……」
「安心しろよ。お前でも作れそうなレシピに心当たりがある」
 ガイは念の為複製した錨を壁にしながら、おもむろにリンゴを手に取った。
 そしてナイフでしゃりしゃりと皮を剥いていく……と、その時!
『ふががっ!! き、貴様らぁ~~~~、料理しておるな~~~!!』
「ああっ、ガイ! 危な――」
「あらよっと!」
『グワーッ!?』
 大口をあけて襲いかかろうとした人食いピアノに、錨の壁がぶち当たった!
 片手で錨を担いで敵をふっ飛ばしたガイは、何事もなかったようにまな板に戻る。
「……よし、包丁仕事はこんなもんでいいだろ」
「それ、私がやっちゃダメなの?」
「ダメだ、刃物扱うのはまだ早い」
 ガイは丁寧に処理したリンゴを、シルヴィアに手渡した。
「あとはこいつにバターとグラニュー糖とシナモンパウダーを振りかけて……」
「……うん、うん、わかったわ! それぐらいなら私だって……見ててね、ガイ!」
「おう、(戦闘の余裕があったら)きちんと見ておくぜ」
 ガイは残りの作業をシルヴィアに任せ、錨を担いで敵のもとへ。
 ひっくり返っていた人食いピアノは、亀みたいにじたばたもがいていた。
『お、おのれ~!! 無敵の力を持つ俺様を倒そうったってそうはいかないぞ!!』
「お前そのざまでよく言えるな。このままぶっ倒していいか?」
『そうはいかん!! ふんっ!!』
 ひょいっ、がしーん! 勢いをつけて立ち上がった人食いピアノ!
「えっと、芯をスプーンでくり抜いて、パウダーをかけて……」
『物理攻撃がダメならば、音で攻撃だァ~~~!!』
「はいシルヴィア、ここで耳を塞ぐ!」
「み、耳を! んっ」
 材料を置いて耳を塞ぐシルヴィア。そしてガイは、複製錨を降り注がせた!
『グワーッ!?』
 不協和音を奏でてシルヴィアを妨害しようとしていた人食いピアノに、無数の錨が突き刺さる! これは無敵の力があってもダメージは免れない!
「……お、ちゃんとできてるじゃないか。さすがだな」
「えへへ、そうでしょうっ? あとはオーブンで焼けばいいのよね?」
「そうだ、最後まで自分でやってみな」
「わかったわ!」
 シルヴィアはオーブンにりんごを入れると、うきうきした様子で覗き込む。
『うおおーっ!! 俺様は無敵なんだぞ! 立たせろー!! 卑怯者めー!!』
「……ねえガイ、あれはいいの?」
「いいんだよ、気にするな……っと、焼けたみたいだな」
 チーン! という音とともにオーブンを開けると……香ばしい香りが!
「わあ、いい匂い!」
「これで焼きりんごの出来上がり、ってな。あとはあいつに喰わせるだけだが……」
「……ちょっとだけ、味見してみてもいい?」
 ガイがこくりとうなずくと、シルヴィアは恐る恐るりんごを一切れ口に運ぶ。
 そして彼女は目をキラキラさせて、熱さと美味しさにじたばた足踏みした。
「んー、美味しい! はい、ガイも一口どうぞ!」
「あいよ……おお、こりゃなかなかだ。よし、派手に決めてやりな!」
「ええ、任せて!」
 シルヴィアは人食いピアノに近づき……「えいっ!」と、大口にリンゴを投げ込んだ!
『うおー!! 俺様は無敵もがもが……むむむっ!! こ、これは!!』
 がばっ! 人食いピアノは衝撃に飛び起きる!
『シンプルでいてしかし丹念な味付けによる深い甘み……ほどよい焼き加減!
 りんごの甘みを引き立てるシナモンパウダーが絶妙ではないか!! おのれ猟兵!
 平たく言うと美味いぞ! 美味すぎてピアノから馬にZzzzzz……』
「ほ、ほんとに寝ちゃったわ……じゃあ、いまのうちに!」
 シルヴィアは魔力を収束させ……風の噴火で、ピアノを吹き飛ばした!
「悪いオウガは、お空の果てまで吹っ飛んじゃいなさーい!」
『アババババーッ!!』
「おー、高い高い。やるなあシルヴィア」
 ガイは手でひさしを作り、飛んでいくピアノを見送った。
『おのれ、おのれ猟兵ーッ!! ごちそうさまでしたァアアアアーッ!!』
 そして断末魔……いや断末魔なのかこれ? を遺し、爆発四散するオウガ。
 まるで花火のようであった。いやもう季節は秋超えて冬なんですけどね!
「今日ははじめての体験ばっかりで、戦いなのにわくわくしちゃった!
 ねえガイ、私のはじめての手料理、どうだった? もっと食べたい?」
「ん? そうだなあ……これからに期待、ってとこか」
「ええーっ!? さっき美味しいって言ってくれたじゃない!」
「それはそれ、これはこれだよ。もっと美味い飯を楽しみにしてるぜ」
「もうっ、ガイったら……!」
 などとにぎやかに話しつつ、散々な有様のキッチンをあとにするふたりだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月30日


挿絵イラスト