8
輸送物資奪還

#クロムキャバリア #戦うキャバリア発電所 #TEAM『R』 #キャバリア戦 #連携フィニッシュ #ロボット戦 #宿敵撃破

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#クロムキャバリア
#戦うキャバリア発電所
#TEAM『R』
#キャバリア戦
#連携フィニッシュ
#ロボット戦
#宿敵撃破


0




「ブリーフィングを始める。依頼主は小国グリトニルの特務研究機関『R』……最近この名前を別な世界で言ったが、別物だ。似たような連中ではあるのだが」
 (自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)は中空にホログラム映像を投影しながら作戦の概要を説明する。
「クロムキャバリアでは空輸の方がかえって危険な為、地上を走る大型輸送車両を使ってインフラを形成する事が多い。だが、オブリビオンマシンにとってはこれは格好の標的と言える。今回の予兆もそう言う事だ……表向きはな」
 随分と含むような言い方をする。
「依頼内容を素直に読み上げるとだな……我が研究機関に搬送される筈だった重要物資が何者かによって強奪された。強奪犯はグリトニル内のプラントの一つを不当に占拠し、立てこもっている。依頼内容は立て籠もり犯の全滅。手段は問わないがプラントへの損害及び、重要物資への損害は報酬から差し引かせてもらう……そんな感じだ。まあ、キャバリア乗りにとってはよくある仕事の一つなんだが、猟兵に話が回ってくる時点でオブリビオンマシンが絡んでいる事は必然である」
 オブリビオンマシン。搭乗者を破滅的な思想に狂わせ、戦火を拡大させる悪夢の機体群。総じて通常のキャバリアより高い性能を持つが故に、通常のキャバリアでの撃破は困難な相手だ。
「ああ、別に報酬全額前払いとかそういうアレではない。ただこの重要物資と言うのが……オブリビオンマシンのようなのだ。私の予知によるとな。つまり、猟兵としてはオブリビオンマシンを破壊しなければならないが、この依頼主からすれば破壊しないで欲しいという矛盾が発生してしまっている」
 依頼主の要求との食い違い。これもこの世界ではたまに起きる現象だ。
「確かに、猟兵であればオブリビオンマシンは乗りこなす事が出来る。だが、猟兵でも無ければ無理な話なのだ。ただ、キャバリアとしての性能は高く研究者からすれば多少の損害を被ってでも手に入れたい研究材料である、と言う事も事実だ。どの道放置は出来ん。依頼主の意向に沿うか、背くか。その判断は諸君に委ねる」
 レイリスはホログラム映像を現場のプラントへと切り替えた。
「依頼内容の話に戻ろう。グリトニル領内のプラントが作戦目標である事に変わりは無く、プラントへの損害は誰の得にもならないのでなるべく避けてくれ。まあ、無駄弾を打たないとか、近接戦闘でケリを付けるとか、その位の配慮をしていれば十分だ。広域への無差別攻撃は論外だが」
 いつもと違い、施設内の詳細情報は表示されない。この世界での情報収集は暴走衛星『殲禍炎剣』(ホーリーグレイル)によって高速飛翔体が制限されているので難しいのだ。
「プラントには防衛戦力として無人砲塔が複数、対人トラップも存在する可能性が高い。とは言え、生身であれば猟兵に圧倒的な分がある。状況の割にはやたら防衛戦力の数が多いので全ては無理だが、防衛戦力の起動前にパイロットを減らしてしまうのも有効だろう。問題の重要物資のパイロットの特定は難しいだろうな……最悪、誰が乗っても変わらない可能性すらある。起動を完全に防ぐのは不可能だ……が、やり様はあるだろう。猟兵ならば」
 レイリスはホログラム映像を球体の頭部をもつ機体に切り替えた。
「これがその防衛戦力だ。厳密にはキャバリア技術を応用して作られた人型重機でキャバリアですらないが、その分誰でも扱えて数が多い。それでもオブリビオンマシンである事に変わりは無いからな、油断はするな」
 表示物を別なキャバリアのラインナップに切り替える。レンタルカタログのようだ。
「いくら猟兵でもキャバリア相手に生身で挑むのは厳しい。依頼主の『R』からキャバリアをレンタルする事も出来るぞ。クロムキャバリア、スーパーロボット、サイキックキャバリア、ジャイアントキャバリア、量産型キャバリアと種類も豊富だが……全体的にピーキーな性能をしている上に、全部試作試験機体だ。レンタル料はその実践運用データと言った所か。弾薬代や修理費用を請求しない代わりに現場でどんなトラブルが起きても自己責任だそうだ。まあ……色々なキャバリアがあるから好きなのに乗ればいいんじゃないかな、折角だし」
 すっと、横に手を振り全ての映像を消すと椅子に座って偉そうに腕を組むレイリス。
「私は見えた事件を解説するだけだ。判断は現場に行く諸君に委ねられている……常の事だがな」
 そして、眼前に転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」


Chirs
 ドーモ、Chirs(クリス)です。某ロボットアクションゲーム風シナリオ、やるよ!
 第1章はプラントへの潜入工作です。スニーキングミッションです。正面から乗り込んでもいいけどね。対人トラップや守衛等を無力化し、施設内に潜り込みましょう。第1章ではキャバリアに乗らない方が有利な為、キャバリアは近くに待機させておく等してもいいでしょう。
 第2章と第3章はキャバリア戦です。対キャバリア戦はサイズ差の不利を何らかの手段で埋めなければ不利になります。一番手っ取り早いのはレンタルキャバリアを使う事でしょう。レンタルキャバリアでもいつも通りにユーベルコードを発動する事が出来ます。もちろん、自分のキャバリアを持っている人は何の問題もありませんし、キャバリアに近い性能を持つ装備、元から体格に優れた種族や逆に小さい事が利点の種族、巨大化するユーベルコード等も有効です。プレイング内容で不利を埋めても構いません。
 第2章の相手は厳密にはキャバリアではない量産人型重機ですが、キャバリア扱いです。キャバリアとしては弱めですが、その分数が多いです。
 第3章はボス戦です。大西洋なリムに出てきそうな最初期型のパワーのある頑丈な機体です。依頼主は何とかして鹵獲して欲しいそうです。無理では?
 今回もいつも通りアドリブも連携もマシマシになります。ある程度の人数が集まってから書き始めます。皆さんのやりたいロボットアクションのお手伝いが出来れば良いなと思う所存でございます。
55




第1章 冒険 『潜伏ミッション!』

POW   :    別方向へ物を投げて気を引きつつ隠れる!

SPD   :    様子を見ながら素早く別の物陰に隠れる!

WIZ   :    トラップで動きを阻害しつつ隠れる!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●不穏な噂
「異常は無いか?」
「はっ、異常有りません」
「そうか。引き続き警戒を密にせよ……妙だな」
「そうですね。そろそろキャバリアの一体や二体でも派遣して来そうな物ですが」
「密偵の情報によると、このプラントの奪還依頼は出ていないそうだ」
「それは……何故でしょう? このプラントは大動脈とは言わないまでも無視できる規模では無い筈ですが」
「その分警備は厳重だ。今頃手練れのキャバリア乗りを裏で集めているのかもしれん」
「……これは、噂なのですが……いや、止めておきましょう」
「何だ? 構わん、言え。そんな言い方をされれば気になる」
「はっ、しかしあまりに荒唐無稽で」
「構わんと言った」
「噂、噂でしかないのですが……近頃異常に強いパイロットが出没するそうです」
「手練れのキャバリア乗りの噂なんぞいつでもある物だ」
「いえ、キャバリアが、ではなくパイロットが強い、そう言う話です」
「どういう意味だ? まさか生身のパイロットがキャバリアを破壊できるとでも?」
「ええ、そのようです。聞いた話では銃弾を躱し、キャバリアの装甲を素手で引き千切り、剣で両断するそうです」
「有り得ないだろう。何か吸ったんじゃないのか?」
「私もそう思いたいのですが……何やら、人間にすら見えない、下半身が蛇の女とか、銃を持った猫のような者も現れるそうで」
「噂とは言え荒唐無稽が過ぎるだろう。魔法使いでも出るんじゃないだろうな?」
「出るようです」
「……仮に、仮にそのような存在がここに来たらどうする」
「……逃げるしか、無いんじゃないでしょうか?」
 しばしの沈黙。遠くで何かの作業音が聞こえる。接収したプラントの可動は順調なようだ。ほぼ無血開城出来たのは大きい……あの機体の力を見せ付ければ作業用重機等で立ち向かおうとも思わなかっただろうが。
「そうだ、我々にはあの機体がある。開発コード、チェルノボーグ・アルファが」
「そうですね。並のキャバリアでは傷一つ付けられない堅牢な装甲。それを稼働させるパワー。チェルノボーグ・アルファは無敵です」
「だが、無敵のチェルノボーグ・アルファとは言え、操縦者無しでは動かん。万一奪われる様な事があれば大問題だ。警戒は密にせよ」
「はっ」
 しかし、この二人が抱いた不安は直後に現実の物となるのは誰が予測できただろうか。
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎

周囲を警戒しながら上体を下げながら『スカイステッパー』で素速く静かに移動します!
“蛇”の特性を生かして髪の毛とピット器官で空気と温度を気にしながら視界に頼らないで五感六感を駆使して登ったり潜るルートは『神代世界の天空神』で空間飛翔したりをして先に進んでいきます♪
少し疲れたら『エデンズ・アップル』でアセロラの様な酸味と甘味の小さな果実を創造して口にしながら疲れと消耗を癒します。
周りに猟兵が居たら髪の毛や蛇脚尾で知らせながら進みます!
必要に応じて『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して敵や障害物を避けれない様なら髪の毛を使って除外・無力化を試します!


鈍川家・玉五郎
不採用含めて全て歓迎にゃ。
つまりアレだにゃ、依頼主さんには騙して悪いが仕事にゃんでにゃ、と言う訳だにゃ。

施設内は生身で行くとするにゃ。UCは使わない方針にゃが、突破が難しい所はUCで敵を無力化するにゃ。
仲間がいる場合はその後ろについていって、UCで援護するのにゃ。
勿論、ニルヴァーナ・ファイブボールと名乗らせて貰うのにゃ。

さすがに殺してしまうのは可哀想にゃけど、麻酔弾とか無いのにゃ…咥えてた魚の骨で何とかならんかにゃ?(ならない)
攻撃する場合は足を狙ってみるにゃ。



●這い寄る羽毛ある蛇とアメショ似の猫
 スニーキングミッションはあまり大人数で行動すると見つかりやすくなる危険がある。それ故に、猟兵達は少人数のチームに分かれて別々に潜入する事になった。
 ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)と(自称)ニルヴァーナ・ファイブボール(本名 鈍川家・玉五郎 かっこよくなりたい鈍川さん家の玉五郎・f19024)はコンビを組んでプラント内部を偵察していた。
 先行するニルヴァーナがハンドサインで「敵影無し」と伝えるとティファーナは音も無く進み寄る。
 この二人、事スニーキングミッションに置いては最適の人員と言える。片や半身がスニーキングミッションの代名詞である蛇。片や狩猟の達人であり小型で目立たないアメリカンショートヘア似の猫。物音の一つも立てずにするすると進んでいく。
 人目のあるエリアではティファーナが壁を這い、時に空中を跳ねて……比喩では無く、実際に跳躍して……どんな道でも進めてしまう。ニルヴァーナが隠れる場所はいくらでもあるし、エアダクトのような狭い場所にも入り込める。もはややりたい放題である。
 それでも狭い通路の曲がり角は注意が必要だ。いくら音を立てずに行動できるとは言え、視界が通らない場所に相手がいるかどうかは分からない……と、言いたい所なのだが蛇の特性を持つティファーナのピット器官は所謂サーモグラフィの様な物で視界が通らなくても温度で分かる。
 曲がり角の先、二人。壁を昇り天井近くでやり過ごす事は容易。
「は……はっくしょぉーい!!」
 誰かが盛大にクシャミをしなければ。
「誰だ!?」
 人間は何かが起きるとまず左右を見渡す。その中で注意深い者だけが床や天井と言う上下方向にも気を配れる。この二人はそうでは無かった。
 飛びついたティファーナが二人に纏めて組み伏せ、蛇の体で締め付ける。
「動くな。声も出すな……コイツを喰らいたくなければな」
 ごりっと、その頭に大口径八連回転弾倉拳銃『櫃まぶし』と大口径八連回転弾倉長銃『鰹ぶし』を押し付ける。
「頭の後ろで手を組め。そうだ、それでいい」
 ティファーナが手際よく二人の手首を持ち込んだロープで縛り猿轡を嵌める。足も縛って近くの部屋のロッカーに入れれば隠滅完了。
「すまんなティファーナ嬢、ここは埃多くて」
「少し休憩します? こっそり動くのってそれだけで結構疲れますし。果実でもどうですか?」
 二人も少し休憩を取る事にした。蓄積された疲労は思わぬミスを招く物だ
「いただくこう。猫はNG果物多いけど、アセロラは問題無い筈だにゃ」
 もぐもぐタイム、inスニーキングミッション。緊張感のある任務こそ、こう言った緩みを意図的に作る事も重要だ。人間の集中力は案外持たない物だ。猟兵は、特にこの二人の様にヒトの体を持たない物は分からないが、たぶん大差は無いだろう。
 小休止を終えて
「む……この部屋のエアダクト、隣の大部屋に繋がってるな。少し行って来る」
 こうして発生した些細なトラブルも迅速に対処し、二人が潜入した地形情報はグリモア猟兵の元へ送られ、そこから各猟兵に支給された端末に詳細な地図となって送られる。
 建物の構造から警備の人数、巡回ルート。人型重機の位置……流石に本命のオブリビオンマシンの情報が警備が硬すぎて近寄れなかった。それでも、ある場所には目星がついた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
此度の戦場、妾には何やら因縁めいたものを感じる!
人々を狂気へと駆り立てるオブリビオンマシン、強奪や研究に血眼とあらば既にその渦中にあるとも言えよう。
なれば鹵獲任務と言えど…?

さておき、妾スニーキングミッションは苦手じゃ。
プラントへ潜入こそすれ、見張りやパイロットへの直接物理干渉は避けたい。
そこで【野生の勘】頼みに人目を避けつつ物陰から物陰へ【ダッシュ】で機敏に移動、無人砲塔や搭乗前の無人キャバリアにUC『吊込』の電撃トラップを設置じゃ!
振動検知型に設定しておけば、有事の際に対象が射撃や移動すると同時に発動、電気系統にダメージを与え戦力を削ぐことができるはず!

あ、レンタルはスーパーロボットで。


エダ・サルファー
オブリビオンマシンの奪還、なぁ。
触らぬ神に祟りなし、とは思うけど、ひとまず依頼主の要望に沿っとこうかね。
どうするかの最終的な判断は現物見てすればいいでしょ。

プラントへの潜入ってことだけど、プラントってほぼほぼ無機物で出来てるじゃないの。
とすれば私のドワーフ式岩盤返しの出番だ!
本来の用途じゃないけれど、例えば外壁を殴って私の壁に変えて動かせば侵入口にできると思うんだよね。
後は見つかりそうになった時、地面を壁に変えて隠れるとかね。
とはいえ殴るからそれなりに音が出るし、変なところ壁に変えてバレても困るんで、使用は必要最低限でいきたいところだね。

最悪潜入がバレたら積極的に壁作って防御や足止めに使うよ!



●神羅・アマミと緑の巨神
「此度の戦場、妾には何やら因縁めいたものを感じる!」
 猟兵第六感により敵の正体に勘付いた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)
 実際、その予感は正しい。
「やはりか……」
 彼女は一人、格納庫でそれを見た。全長7mはあろうかというキャバリアの中でも巨躯を誇り、重厚で武骨な造形。
 開発コード、チェルノボーグ・アルファ。黒い神を意味する名で、夜や闇、破壊、死、冥府の悪神であり、善神ベロボーグと対を成す存在。アルファの名が示すのは一号機であると言う事。
 その巨体は黒では無く緑に染められている。長き時を経た証か、何度も塗り直された跡や、戦闘で剥がれた箇所も見受けられる。原子炉に歩く下半身を取り付け、手を生やしたかのような威容。第一世代、最も古い型から幾度かの改装を経て、長きに渡り人々を守って来た守護神であった。
 それはかつての守護神だった。だが、今は『自分の周囲の人々を守る』という一見すると英雄的な、しかし『守護対象として選ばなかった相手』を問答無用で殴り壊す、狂気の守護神。今このプラントにいる人員は全て選ばれた守護対象なのだろう。
 だがここにいるアマミは違う。今はメンテナンス中で起動していない筈の緑の巨神から殺意を感じる。
「人々を狂気へと駆り立てるオブリビオンマシン、強奪や研究に血眼とあらば既にその渦中にあるとも言えよう。なれば鹵獲任務と言えど……?」
 果たして、何の因縁が彼女をこの地に招いたのか。それはまだ、語るべき時ではない。
「いたぞ!」
「侵入者だ!」
「む、しもうた」
 何かに導かれるようにして単身プラントの奥へと進み、警備兵と整備士の目を避け物陰からこの巨神を見上げていたアマミを警備兵の一人が見咎める。
「アマミ! こっち!」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)がアマミに声をかけた。
「もう一人居るぞ!」
「こっちだ、包囲しろ!」
 アマミは決断的速度で疾走し、エダの呼ぶ扉へと駆け抜けた!
「馬鹿め、その部屋に逃げ場はないぞ」
「果たしてそうかのう?」

 バターン! 鋼鉄ドアを蹴り破り警備兵が室内に突入!
「バカな!」
「行き止まりだぞ!」
 その部屋はゼンルームと呼ばれ、座禅し茶を愉しむ東洋の神秘的な部屋で、祝儀敷きと呼ばれる十二枚の畳で構成されている。四方の壁には富士山、鷹、茄子、鳥居の見事なグラフティーアートが描かれていた。
 即ち、逃げ隠れする場所など何処にもない。だが、この部屋に逃げ込んだはずの二人の姿は忽然と消えていた。まるで平安時代の忍者の様に!
「探せ! そう遠くへは行っていない筈だ!」
 警備兵は慎重に畳敷きの部屋へと足を踏み入れる。本来であれば土足で上がる事はご法度。だが今は非常時だ、そうは言ってられない。
「これは?」
 鳥居の描かれた壁から僅かなコンクリート片が落ちていた。だが、どう見てもそこは壁だ。慎重に、壁に向かって銃を突きつけ歩みを進める。
「何かあったか?」
「……いや、何もない」
 きっと、何かの見間違いで侵入者は別の部屋に逃げ込んだのだろう。警備兵はそう考え、踵を返して部屋から出て行った。

 鳥居の壁が沼めいて揺らぎ、アマミとエダが抜け出す。
「ふぅー、スリリングじゃったのう」
「もう、一人でさっさと先に行かないでよね」
「すまん、奴に呼ばれた気がしてのう。実際、標的の位置を確認できたのは重畳であろう?」
「それはまあ、そうなんだけどね」
 そこに描かれていた物が鳥居だったからこそ、中央に空白があった。エダはドワーフ力(ちから)を込めてその空白を殴り、一時的に操作可能な物体へと変化させた。これが【ドワーフ式岩盤返し】だ。
「今度はこっち側の壁を操作して隣の部屋に抜けるわよ」
「打撃音でバレるのではないか?」
「大丈夫よ、今はそれ所じゃ無いみたいだから」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クレア・フォースフェンサー
わしの身体は戦場で目立つことを目的に作られておるゆえ、正直、潜入工作には向いておらぬのじゃが、アマミ殿が何かを感じておるというのならば、手伝わぬわけにはゆくまい
派手に目立って囮になるとしようかの

この世界には飛翔体を撃ち落とす『殲禍炎剣』なるものがあると聞いておるが、目的地には砲塔もあるとのこと
ならば、ある程度低空のものならば、攻撃対象にならぬと見て良いであろう
仲間の潜入方向とは逆方向に陣取り、光珠を展開
プラント内外の敵と仲間の位置や動きを確認し、敵の配置を見切ったならば光弓で砲塔や稼働前の重機などを射貫いてゆこうぞ

砲弾ならば射ち落とす自信はあるが、ビーム砲だとちと面倒じゃ
それらを優先しようかの


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡みも歓迎!

これって猟兵の仕事かなー
でもいつも通りにただオブリビオンの相手ってつまらないしトントンかな!

●ドカーン!バリバリバリ!チュドーン!
これは陽動きっと陽動
こそこそするのがめんどくさいんじゃないからね!
[ドリルボール]くんたちに施設やトラップをガリガリ削ってもらっていって
[餓鬼球]くんたちには守衛さんたちを拘束してもらうね!食べちゃダメだよ!優しく口の中に捕まえて!
味を見たい?まあ舐めるくらいならいいよ!

正面ゲートはどこかなー?
きっとそっちの方にたくさん目当てがいるはずだよね!
ゲートをドーンッ!とUCで打ち破るよ!
遅かったじゃない!もう始まってるよ!



●正面から行かせてもらおう、それしか能が無い
「わしの身体は戦場で目立つことを目的に作られておるゆえ、正直、潜入工作には向いておらぬのじゃが、アマミ殿が何かを感じておるというのならば、手伝わぬわけにはゆくまい」
 クレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)は光剣を手に、周囲に光珠を舞わせたまま無造作にプラントの正面ゲート前へと歩み出た。
「誰だお前は!」
「侵入者だ!」
「キャバリアは?」
「なんのつもりか知らんが女一人だ、捕えて色々と楽しませ……いや、仲間の居場所を吐かせてやろう」
「ドカーン!」
 何の脈略も無く空から降って来た口だけの球、『餓鬼球』が警備員を丸呑みにした!
「食べちゃダメだよ! 優しく口の中に捕まえて! 味を見たい? まあ舐めるくらいならいいよ!」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)のエントリーだ! 球体採掘機械『ドリルボール』が防衛設備を抉り取る! ……設備に被害出すなって、言ったよね? まあ、防衛設備だけならいいか。
「もう一人居るぞ、ガキだ」
「何なんだコイツらは!?」

 そろそろプラントその物への潜入はどのようにして行ったのかを気にする猟兵諸君も現れるだろうから答えよう。
 当然、歩いてである。この設備は生身の人間に襲撃される事を想定していない。襲撃するならキャバリアを使うという常識があるが故に、何もない荒野をただ普通に歩いて近寄っても案外近寄れる物だ。
 レンタルしたキャバリア等はある場所に隠してある。これには全員後で合流できる。
 だが、ある程度まで近寄れば流石に気付かれる。そこでこの陽動作戦だ。これにより生じた隙にエダが外壁を殴り、【ドワーフ式岩盤返し】で通路を作った。その後は各自散開し、今は施設内で破壊工作に勤しんでいる。

「何だあのデカい球体は!」
「銃座はアレを落とせ!」
「やっている! 弾が、弾が効かない! アイエエエエ!」
「戦場で余所見とは、舐められた物じゃ」
 クレアの操る光珠が警備兵の頭部を強打!
「ムン」
「峰打ちじゃ、命は取らぬ」
 クレアは光弓を構え、大きく弓を引く。
「命以外を置いて行け」
 非実体の光矢が銃座に付く警備兵を射貫く!
「アババババー!」
 ニューロンに衝撃! 気絶!
「やるじゃん! 細かいのは任せたよー。ボクはデカいのをヤる」
 多重反転する殺戮掘削機械が対キャバリア用無人砲塔を直撃! 破壊! 大爆発!
「だ、駄目だ! 何なんだコイツらは!」
「キャバリアだ! キャバリアを出せ!」
 押っ取り刀で人型重機に乗り込もうとした、その時!
「アババババババー!」
 突如感電! 気絶!
 一体何が起きたのか。猟兵洞察力をお持ちの方は理解できたはずだ。人型重機の手前に油断なく仕掛けられた小さな球体が乗り込もうとした警備員を感電させ気絶させたのだ。これはアマミの【吊込】で仕組まれた設置トラップだ!
「な、なんだ! 我々はニンジャにでも襲撃されているのか!?」
「新型のアンサーヒューマンか何かではないか!?」
「ざーんねん、どっちも違うよ」
 無造作に、キャバリアが出入りする為の巨大なゲートに手を振れるロニ。
「どーんっ!」
 口で発した擬音が、そのままの現象になった。重キャバリアのブースト突撃でも受けたかの如く巨大なゲートが外側から粉砕された。ロニの【神撃】(ゴッドブロー)による一撃だ。
「アイエエエエ!?」
「ナンデ!?」
 JRS(イェーガーリアリティショック)症状を引き起こした警備兵はその場にへたり込む。
「ボクは神様だ。崇めてもいいんだよ!」
「ヤメロー! ヤメロー!」
「アイエエエ……」
 警備兵達は己がトマトめいて潰される姿を幻視し、しめやかに気絶した。
「あれれー? 急に眠くなっちゃったのかなー?」
「遊ぶのはその位にしておけ。新手が来るぞ」
「りょーかいっと!」

 この二人の派手な陽動作戦によりプラントは未曽有の大混乱に陥っていたのである。
 まあ、この二人の場合、単にこそこそするのが面倒だから、と言うのが主要因だったのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

玉ノ井・狐狛
よぅ、消防署のほうから来たぜぃ
――なんつって入れたら手っ取り早いけどな
この手の拠点だと、外部インフラとの接続なんかも期待はできないし、真っ当に裏口からカチ込ませてもらおうか

千里眼(透視)で状況を察知、UCでそこらの物品や装置を操作
これで人的・物的を問わず大半のセキュリティは素通り同然ってモンだ
チートもいいとこだが、むやみにドンパチやって壊すなってお達しでよぅ
文句は依頼人に言ってくれやい

サイキックキャバリアってのがあるなら、念力をシールドしてるエリアもあるかもしれないが……
そんな値の張りそうな代物、あったとしてもわずかだろうさ
近寄らなければ問題ない

面白そうな兵器がありゃ、先に備えてチェックしとく


ヨツユ・キリングミー
■動機
「この依頼、裏がある。ならば表とは? そもそも表と裏は誰が観測しておるのかのぅ?」
それっぽいことを言う。

■行動
他の猟兵の行動を支援。味方猟兵の目的地とは別方向にものを投げたりすることで敵を誘き出す。誘導が芳しくなくとも、敵が不自然に通らなかったルートなどにはトラップの可能性があると見て忠告。余力があればマップを作って情報を共有していく。マップは筆で書いて動画で送ったりする。「エルフは墨と筆を使うんじゃ。……そうじゃっけ?」手とか顔が墨でベタベタ。

■他猟兵に
絡んで大丈夫な人に絡みがち。
アマミ嬢に「嬢よ!」と絡んだり、若人に「若いから知らぬかもしれんが」と失礼な絡み方をする老人。



●スニーキングミッションのお供と言えば
「よぅ、消防署のほうから来たぜぃ――なんつって入れたら手っ取り早かったんだけどなぁ」
 玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)はエダの作った入り口からエントリーすると、使われていない個室を見付け即席のナビゲーションルームとした。
「この依頼、裏がある。ならば表とは? そもそも表と裏は誰が観測しておるのかのぅ?」
 同じくバックアップを担当する事にしたヨツユ・キリングミー(死なずのキリングミー・f06016)は意味深な台詞を口にしつつ即席拠点を設営する。
「エルフは墨と筆を使うんじゃ……そうじゃっけ?」
「いや、知らねぇよ。筆はアタシも使うけどな」
 これがハッカーであれば何らかのコンピュータデッキ等を必要としていた事だろう。だが、巫狐とエルフは違う。並べられたのはプレイングカードやパワーストーン、大きなショドー用紙に墨と筆。
 何らかのボードゲームめいた様相だがこの二人にはこれが高精細ドローンよりもはっきりと現場を認識できるツールとなるらしい。
「嬢よ! そのまま直進しデカブツにソレを投げ入れよ。そうじゃ、それで良い……いや待て、行き過ぎじゃ。何? 呼ばれてる気がするからちょっと行ってくる? ええい、わしの話を聞かんか! エダ、嬢を頼む」
「ニルヴァーナとティファーナはその建物を偵察してくれ。アタリじゃなさそうだが、人の気配は多いぜ。後でウタを向かわせるからマップ情報よろしく」
 猟兵達の寄越す情報を分析し、マップやトークンを使って纏め、適切な指示を出す。
「狸の小僧はそっちの建物じゃ。ヘマするなよ? いや、心配はしとらんが」
「ローニー! やり過ぎだ! プラントの設備は破壊するなって言われただろ? ああン? 防衛設備だけ? ならヨシ」
「クレア! 九時方向に狙撃手じゃ! 光弓で狙撃し返せ……うむ、それで良い。密偵、正面の建物は忍者が調べとる。右側の奴を当たれ。時間は無いぞ」
「陽動はいい具合に釣れてるなぁ。もうちっと大胆に行くか。あン、標的を見つけただぁ? 起動前にぶっ叩ける程甘くはねぇか。よし、脱出経路を弾くぜ」
 猟兵達の位置を示すパワーストーンは縦横無尽に動き、地形情報を書き込む筆は忙しく紙面を奔る。
「待て、その先にアラームだ。無力化するからちょいと待ってな」
 狐狛が中空で何かを摘まむ様にして捻る。
「これで良し。何? 鍵のかかった扉か、そのドアノブだな? ……ほら、開いたぜ」
 【抜からぬ黒子】(ストレイト・ワイヤープラー)だ。遠距離でも罠の解除や開錠を可能とする、世の中のローグやスカウトが職を失いかねない程凶悪なユーベルコードだ。だが。
「駄目だな、その先は見えねぇ……サイキックキャバリアってのがあるなら、念力をシールドしてるエリアがあるみたいだな。こっちからのバックアップは出来ねぇ……そうだな、本職のお手並み拝見と行こうぜ」
「狐の小娘! こっちにも罠解除一丁」
「アンタ、知り合い以外の名前覚えてねぇだろ?」
「……そんな事は無いぞ」
「間があったじゃねーか。まあ、誰が誰だか分かればいいが」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
潜入・諜報は得意分野だし、依頼としてもよくある感じのだね。
……オブリビオンマシンが絡んでいるっぽい以外は、だけど。

とりあえずキャバリアは量産型を借りてチューンしたら、
アミシアに乗っていてもらうけど、まずは潜入工作からだね。

無人砲台はキャバリアからのジャミングで目くらましできるかな?
「アミシア、ダミーをお願い」

内部の対人トラップは、いままでの経験と勘で回避するしかない、かな?

遮蔽物の影とかを利用してスニーキング。
カメラや赤外線系の警報装置とブービートラップ系は気をつけていこう。

もしパイロットの詰め所みたいなところを見つけたら、
催眠ガスとか放り込んでおこう。眠っちゃってもらえたら後が楽になるかな。


家綿・衣更着
キャバリアは付近で【迷彩】し待機。潜入は忍者にお任せっす

安全な所から忍者ゴーグルのセンサーで敵の警備ルートやトラップの【情報収集】。それを基に【化術】で虫や鼠に化け【迷彩】しつつ内部潜入。時々ダクト内等、安全な場所で人の姿に戻り再調査しつつ進むっす

警備の会話等を盗み聞き、合言葉や応答時間を把握。パイロットや上官が判明すればそれを優先的に、無理ならばれずに倒せる厄介そうなのから【暗殺】の応用でストールで気絶させるっす
犠牲者は隠して【迷彩】し、【化術】と【変装】と【演技】で成り代わりっす

可能なら敵キャバリアや武装に破壊工作か、偽情報流布で敵キャバリアをプラントに被害が出にくい場所に出撃させるっす



●スパイ&忍者
「潜入・諜報は得意分野だし、依頼としてもよくある感じのだね……オブリビオンマシンが絡んでいるっぽい以外は、だけど。」
 フリーランスの諜報員、支倉・錫華(Gambenero・f29951)
「潜入は忍者にお任せっす」
 化術を得意とする忍者、家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)
 スニーキングミッションであればこの二人は本職だ。狐狛とヨツユのバックアップが届かない場所は必然的にこの二人に委ねられる事になる。
(ここは何の施設かしら。わざわざサイキックを妨害するシールドで守る程だけど)
(それなりに重要な物はあるんじゃないっすかね。調べれば分かる話っすよ)
 ハンドサインで軽く言葉を交わすと、曲がり角にカバーする。こちらに向かって走って来る音が四人。二人に気付いた様子はない。
(このままやる過ごすのもアリっすけど)
(どの道頭数は減らした方がいい。仕留めよう)
(了解っす)
 警備兵が曲がり角に差し掛かる瞬間! ストールが一人の首を絞める!
「何」
 何が起きた? と言葉を発するより早く懐に入り込んだ錫華が軸足を蹴り、傾かせた重心をそのままに投げる! CQC!
「何」
 何者だ? と問おうとした口が動かぬ! 頭部への打撃と軸足を払う脚払いを同時に受け転倒! ワザマエ!
「動くな」
 最後の一人の首筋にナイフを押し当て、ホールドアップさせる。時間にして10秒にも満たない早業。これが本職の実力だ。
「インタビューに答えればちょっと寝ててもらうだけで済ませるっすよ。もし、大声でも出そう物なら……分かるっすね?」
「……分かった」

 気絶させた四人を個室に隠し、インタビューの内容を検める。
「つまり、ここはオブリビオンマシンの研究をしてるって事っすね?」
「守護対象として選ぶ相手を変更する実験をしているようね。上手くはいっていないようだけど」
「おいら達にとっては不要な研究っすね。でもまあ、この棟にはキャバリアも多いみたいっすから」
「ええ、丸ごと黙らせてしまいましょう」
 奪った警備兵の服に身を包み、二人は何事も無かったかのようにその場を離れる。

「どうかしましたか?」
「いや、施設内の監視カメラが作動していない様なのだ。赤外線トラップはあるが、これではどこから侵入者が入って来てもおかしくはない」
「そう、例えば目の前に」

「急いでこっちに来てくれ! 侵入者だ!」
「何! 何処だ!」
「……? 誰も居ないぞ。今のは誰の声……うぐっ」
「エアダクトにはご用心っすよ」

 一人、また一人。建物から動く人が無くなっていく。最後に残った二人は棟から人の気配が無くなったのを確認するとしめやかに次のポイントへと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ
心情
研究成果が
世界を善くする技術を生むかもしんないけど
マシンの存在自体が世界を危うくするし
「多少の損害」にはきっと命も含まれる
そんなのは御免だ

兎も角グリトニルの人達の為にも
プラントを開放するぜ
こそこそはあんま得意じゃないけど

行動
影で偵察しながら侵入

塀は何かの騒音に合わせ
爆炎跳躍で飛び越え
これはジョブの能力な
無理ならロープとか

守衛を当身
俺が囮でその隙に影に後ろから殴らせる

砲塔やトラップ
警報や電子錠の内部へ影を侵入させ
配線切断し無効化

直接噴出させた炎で同上ってのも

パイロットらしい奴がいたら
影で溜り場や休憩所を特定

窓ない部屋なら扉を溶接
時間稼ぎになるだろ
トイレは我慢な

無理なら影と共闘
炎の拳で眠らせる



●爆炎跳躍
「研究成果が世界を善くする技術を生むかもしんないけど、マシンの存在自体が世界を危うくするし『多少の損害』にはきっと命も含まれる……そんなのは御免だ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は単独での突破力を生かし遊撃に回った。
 エダの入り口とは違う場所から爆炎跳躍で外壁を飛び越える。誰かが大暴れしているお陰でこれには気付かれなかった。見事な三点着地を決めると、焔摩天を構える。
「何だ!? こっちにも侵入者が」
 それを見咎めた一人の警備兵。突撃銃から躊躇なく放たれた銃弾を焔摩天で弾き、銃を蹴り飛ばすと素早く首に当て身を入れる。
「ムン」
 一人気絶! だが、銃声を聞き付けた何人かが此方に向って来る。大規模な陽動は別口に任せる。遊撃手のするべき事は……
「まずは、侵入者が何人居るかを分からなくする事だぜ」
 その場に固執せず決断的に爆炎跳躍! 外壁の上を走る!
「あんまり時間が無いからな。荒っぽく行くぜ!」
「何だと!? こ、こっちに来るな!」
「遠距離で気絶させる手段もであれば良かったんだが、持ち合わせが無くてな!」
 一切速度を緩めずに銃弾の弾道を見切り、当る弾を焔摩天で弾く。距離を詰めたら死なない程度に殴って気絶。これを繰り返す。
「何なんだお前達は!?」
「猟兵だ!」
 フルスイングすると峰打ちでも致命傷になりかねないので手加減して殴り気絶させると、爆炎跳躍し砲塔の上に立つ!
「人が居なけりゃ遠慮しないぜ!」
 突き立てた焔摩天が地獄の炎を噴き上げる! 砲塔爆発炎上!
「狐狛、次はどうすればいい?」
『ニルヴァーナとティファーナがマップをバラした建物がある。半分位は気絶させてるが押し込む部屋が足りないらしいぜ』
「わかった、すぐに行くぜ!」

「あ、来ましたね!」
「この部屋に詰め込んである。窓の無い部屋だ、やっちまうにゃ」
「任せろ!」
 扉の合間に地獄の炎を走らせ、物理溶接!
「これで暫くは出られないだろ」
「こでは楽でいいですね! いちいち死なない程度に加減して殴るのが面倒で」
「やっぱり麻酔銃の一つも仕入れるべきだったかね」
「無い物は無いんだからある物で何とかしていこうぜ」
「そうでね、この身一つあれば十分です!」
「ケットシーはそうも行かなくてな。咥えてた魚の骨で何とかならんかにゃ?」
「マヒ毒を塗るとか?」
「持ってるか? マヒ毒」
「まあ、ある物で何とかしていこうぜ。今はこの建物からだ。陰で残りの居る場所はもう調べてあるぜ」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『極地作業用人型重機『クロムブルー』』

POW   :    戦闘用改造個体
自身の【アーム部分】を【指揮官から支給された兵器】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD   :    移動用改造個体
【強化された脚部機能と攻撃軌道予測AIで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    防衛用改造個体
【拠点を死守すべく共に戦う同型機】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[拠点を死守すべく共に戦う同型機]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。

イラスト:エンシロウ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●爆炎跳躍
「研究成果が世界を善くする技術を生むかもしんないけど、マシンの存在自体が世界を危うくするし『多少の損害』にはきっと命も含まれる……そんなのは御免だ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は単独での突破力を生かし遊撃に回った。
 エダの入り口とは違う場所から爆炎跳躍で外壁を飛び越える。誰かが大暴れしているお陰でこれには気付かれなかった。見事な三点着地を決めると、焔摩天を構える。
「何だ!? こっちにも侵入者が」
 それを見咎めた一人の警備兵。突撃銃から躊躇なく放たれた銃弾を焔摩天で弾き、銃を蹴り飛ばすと素早く首に当て身を入れる。
「ムン」
 一人気絶! だが、銃声を聞き付けた何人かが此方に向って来る。大規模な陽動は別口に任せる。遊撃手のするべき事は……
「まずは、侵入者が何人居るかを分からなくする事だぜ」
 その場に固執せず決断的に爆炎跳躍! 外壁の上を走る!
「あんまり時間が無いからな。荒っぽく行くぜ!」
「何だと!? こ、こっちに来るな!」
「遠距離で気絶させる手段もであれば良かったんだが、持ち合わせが無くてな!」
 一切速度を緩めずに銃弾の弾道を見切り、当る弾を焔摩天で弾く。距離を詰めたら死なない程度に殴って気絶。これを繰り返す。
「何なんだお前達は!?」
「猟兵だ!」
 フルスイングすると峰打ちでも致命傷になりかねないので手加減して殴り気絶させると、爆炎跳躍し砲塔の上に立つ!
「人が居なけりゃ遠慮しないぜ!」
 突き立てた焔摩天が地獄の炎を噴き上げる! 砲塔爆発炎上!
「狐狛、次はどうすればいい?」
『ニルヴァーナとティファーナがマップをバラした建物がある。半分位は気絶させてるが押し込む部屋が足りないらしいぜ』
「わかった、すぐに行くぜ!」

「あ、来ましたね!」
「この部屋に詰め込んである。窓の無い部屋だ、やっちまうにゃ」
「任せろ!」
 扉の合間に地獄の炎を走らせ、物理溶接!
「これで暫くは出られないだろ」
「こでは楽でいいですね! いちいち死なない程度に加減して殴るのが面倒で」
「やっぱり麻酔銃の一つも仕入れるべきだったかね」
「無い物は無いんだからある物で何とかしていこうぜ」
「そうでね、この身一つあれば十分です!」
「ケットシーはそうも行かなくてな。咥えてた魚の骨で何とかならんかにゃ?」
「マヒ毒を塗るとか?」
「持ってるか? マヒ毒」
「まあ、ある物で何とかしていこうぜ。今はこの建物からだ。陰で残りの居る場所はもう調べてあるぜ」




●飛べない空を羨むよりも
 猟兵達は警備兵を圧倒していた。当然だ、彼らは元から生身で戦うようには育っていない。
「カタパルトデッキ、1番から6番ヨシ!」
「GOGOGO!」
 人員を減らし、稼働できるキャバリアを減らしてはいたが、それなりの広さが有るプラント全ての無力化となるとそれなりの時間がかかる。
 垂直高速リフト射出された人型重機がネイルガン、溶接機、グラインダー、パイルバンカー、コンクリートブレイカー等の工具を手に出撃する。
『よし、時間切れだ! 作戦通りにな、全員目標ポイントに集まれ!』
『ぐずぐずするなよ! 兵は迅速を貴ぶ!』
 パワーストーン、プレイカード、筆などを回収すると手や顔が墨でべったべたの狐狛とヨツユはナビゲーションルームを放棄して目標ポイントに向け走る。
 既に、策は成った。

 立て続けにネイルガンが地を穿つ。それは、キャバリアですらない重機。それでも6mを越える巨躯がこうも多いと流石の猟兵も手に余る。
「一体ずつならやれなくも無いんだけどな」
 ネイルガンを跳躍回避してバーンナウト跡を地面に刻みながらウタが言った。
「たがが5mの相手、わしらに勝てぬ道理はない」
 バーナーを光剣で往なし、バックフリップで着地するクレア。
『こいつ! いい様にしてくれたな!』
 ドリルボールを強引に受け止めた人型重機が、地面にドリルボールを叩き付ける。
『キャバリアに乗っちまえばこっちのもんだ』
「ありゃ、案外デキるねぇ君ら」
 されど狼狽える様子など微塵も無いロニ。
「【吊込】で減らしたとはいえ、数だけは多いのう!」
 一応、設置地雷の要領で【吊込】を踏ませてみるもあまり効果は無し。
「キャバリアも無機物に違いは無いんだけどね」
 エダは試しにと一体殴りつけてみたがやはり効きが悪い。何度か殴れば効果は出そうだが。
「所謂、絶体絶命のピンチという奴ね。さあ、どうしてくれようかしら?」
 言葉とは裏腹にさっぱり危機感の無いティファーナ。
「ああ、神か悪魔か、何かしらの逆転の一手でも用意してくれてばにゃー?」
 お道化た様子で天を仰ぐニルヴァーナ。
『追い詰めたぞ!』
 プラント内の広場。周囲には何もなく、キャバリア同士の模擬戦に使われるだだっ広い広場。
「こんな、何もない場所に追い詰めたってぇ?」
 軽やかに弾む狐狛。
「違うのう、誘い込まれたのじゃよ」
 ヨツユは不敵に嗤った。
『はっ、何のハッタリだ? まさか、空からキャバリアでも振って来るんじゃないだろうな?』
『そんな装備が仮にあったとしても殲禍炎剣で丸焦げになるだけだ』
「まあ、聞いた時には正気を疑ったがね?」
「然り、然りよ。正しくこれは狂気の沙汰。さて、何やら振動を感じぬか?」
 地面が揺れている。
『何だ?』
『確かに、地面が揺れてるぞ?』
『地震と言う現象が起きる話は聞いた事があるがこの地方には起きない筈だ』
「では、この地鳴りは何を意味するか。もう少し考えておれば……ま、手遅れなんじゃがのう!」
 模擬戦演習場が激しく揺れ出す! 人型重機は激しい揺れに対応敵る様には作られていない。次々と転倒する人型重機。
『何だ、こいつらは地震も起こせるのか!?』
「出来なくもないけど別口。これはグリトニルからの攻撃だよ」
『馬鹿な!? それこそありえな』
 地を割り、巨大な何かが地中から出現した! それは巨大な、あまりに巨大な……ドリルだ!
「空が飛べなきゃ地中を進めばいい、って言うのは簡単だけどユーベルコードも使わずによくもこんな無茶な物を」
 ドリルが花の様に開き、内部に格納されたキャバリアが地に降り立つ!
「キャバリアに乗ればこっちの物だって? じゃあ、こっちも使わせてもらうよ」
『乗らせるな! 何が何でも』
 重い金属音。それは遠距離狙撃銃が人型重機を撃ち抜いた音。
「こんな奇策にだけ頼るとでも? アリシア、ハッチ開いて」
 錫華が自らチューニングした量産型キャバリアがブーストを吹かして着地する。
『やらせるな! たかが一機』
「二機居たらどうなるんすかね?」
 再び重い金属音! 人型重機がキャバリアのアンブッシュ飛び蹴りを受け地に転がる! 衣更着だ!
「偽装迷彩はおいらの本分っすからね。さあ、今の内にキャバリアに乗り込むっすよ!」



<アナウンス>
 第2章以降は対キャバリア戦となります。キャバリアを用いない場合は判定で不利となります。ただし、主な要因は体格差なので何らかの手段で体格差をカバーすればキャバリアに乗らなくても不利にはなりません。
 また、第1章にてキャバリアのレンタルを宣言していなくても『レンタルしていたキャバリアをここまで運んでもらった』と言う扱いで第2章でレンタル宣言をしても構いません。
 レンタルする人はどんなキャバリアを借りたかを書いてくれると助かります。キャバリアに乗っても基本的にユーベルコードは使える物としますが、身体変化を伴うユーベルコードの発動には専用のスーパーロボット等を用いる事をお勧めいたします。
 さあ、ここからが本番です。スーパーキャバリア大戦を始めましょう。楽しんで!
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎

「またロボット相手なら遠慮無くイク(闘争)ぞ!」と拳を向ける!
『スカイスッテパー』で縦横無尽にジグザグと移動しながら『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けて、敵の攻撃を避け切れ無い攻撃には『神代世界の天空神』で空間飛翔して敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化をします!
『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『ガディスプリンセス・レディース』で従属神を召喚して『ヴァイストン・ヴァビロン』で豪華絢爛な効果と攻撃を仕掛けます!
『ゴッド・クリエイション』で闘魂炎神を創造して攻防を手伝ってもらいながら、炎と熱気で支援効果も計ります!


家綿・衣更着
かく乱には小さいほうが有利、倒すには大きいほうが有利っす
『キャバリア憑依の術』発動!
テングリーフは天狗の流星逸話を基にした機動力特化機。ユベコの【結界術】も破るのは大変っすよ。

「回避に自信があっても、予想外の攻撃に混乱し体勢を崩せばただの的っす」
おいらが【迷彩】から敵の背後に回って足を攻撃し【体勢を崩し】た所にテングリーフの【ランスチャージ】で【なぎ払い】っす!
有効打にならなくても人型なら関節や足元に的確に力を加えてやれば重心くらい崩せるっす。

おいらが見つかってもスラスターのジャミングと妖怪煙の【化術】で作った幻影でかく乱しつつ倒すっす。

倒した敵のパイロットは【救助活動】で安全地帯に運ぶっす


クレア・フォースフェンサー
ここからが本番じゃな
こんなこともあろうかと密かに用意しておいたキャバリアを召喚
重機とも渡り合える姿となろう
装備8を参照じゃ

さて、紅月殿への依頼は引き籠もり犯の全滅じゃったが、わしらの相手はあくまでオブリビオン
あの者達はマシンに狂わされているだけやもしれぬ
できるだけ怪我はさせぬようにせねばなるまい

とは言え、この姿で戦うのは今回が初めて
上手く加減できるかは分からぬゆえ、多少の怪我は勘弁してもらおうかの

敵の動きを見切り、光剣で攻撃を捌きつつ接近
動力源や頭部手足を斬り落とし、稼働不能に追いこむことを狙うとしようぞ

機械に頼りきっておるせいかの、気合がボケておるぞ?
後ろにも目を付けるのじゃな


支倉・錫華
キャバリアは量産型をレンタルして、アミシアにチューンしてもらっておくね。
【脈動臨界チューニング】で移動力5倍。射程を半分にして、高速近接戦仕様にしてもらうよ。

さて、それじゃいこうか。
わたしは機動と攻撃に集中するから、アミシア、動力調整とバランスは任せるね。

相手は純粋な戦闘用ではないっぽいから、戦闘は接近戦でいきたいな。
とはいえ、数で囲まれたら危なそうだから、動きは止めないで戦っていくよ。

機動力を生かして接近したら、
【モーターブーム】で相手キャバリアの手足を斬り飛ばして、行動不能にしていこう。
いちおうコクピットは傷つけないように気をつけるけど、怪我くらいまでは許してね。
「アミシア、次はどれ?」


鈍川家・玉五郎
不採用含め全て歓迎にゃ。
出ろおぉおっ、グゥレイトッ、ワンワアァァァァァアンッ!

運んで貰ったスーパーわんわんロボット・愚励斗湾仔に搭乗するにゃ。
まずは四足歩行わんわん形態で敵に体当たり、時間稼ぎと行こうかにゃ。
味方の攻撃体勢が整えば後退、隙を見てスーパーわんわんロボット・愚励斗湾仔に変形、文字通り蹴散らしてやるのにゃ!
極めつけは超スーパーグレートわんわん砲(ただの大声)で敵を粉砕する(できない)のにゃ!

これが最強ロボット、愚励斗湾仔にゃーっ!(ドヤッ)
なんで猫じゃにゃいのかって?
おいらじゃなく制作者に言って欲しいにゃ。


ヨツユ・キリングミー
■動機
「やはりこの事件は嬢の……」「あまり露骨に関与すればアレの因果律がなんかいかんことになるやもしれん」
よって、キャバリアに乗って正体を隠す。理由は本人もなんかアレとしかわかっていない。

■レンタルキャバリア
量産型キャバリア。エルフの耳めいたものをつけたり、額にKとマーキングしたり。
「ヨツユはゆえあって帰った。わしはキリングミーK! いったい何者なんじゃ」

■行動
つまりは制圧射撃、狙撃で敵が集まることを阻害する。撃破より動きの制限を重視。
「コンビニのコーヒー入れるのもわからんのに、これボタンが多いのぅ。これかのぅ?(ポチポチ)」老人はマシンに弱い。
「エルフッ!」(かけ声)


玉ノ井・狐狛
でっけぇなァ、おい

そんな図体が、ひぃ、ふぅ、みぃ――
こちとら生身だってのに、寄ってたかってか?
ったく、勘弁願いたいぜ

(折を見て同型機が敵機に襲いかかる)
――あァ、うん。嘘は言ってない
たしかにアタシは見ての通り生身さ。そういう機械の操縦には詳しくないからよ
けど、この基地のどこに何があるかは、だいたい分かってんだよな
使えそうな道具があるのに、ほっとくってのも勿体ないだろ?
(仕込んでおいたUCによって式神化した機体をけしかけた)

オートパイロットってやつだな
機体性能が五分なら、あとは腕の勝負ってなモンだが……使い捨てても懐が痛まないってのは気楽でイイ

次はいよいよ本命か
ちゃんとした乗り物が必要そうだなァ


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡みも歓迎

わーぉ!面白いものが飛び出てきた!
やるねー!

サイズ差かー
じゃあこっちは単純に1倍大(5m)?2倍大(10m)?それともいっそ100倍大(500m)……のキミは大きすぎるからハウス!
運転手くんもプラントも潰しちゃったらボクが怒られるじゃないか!
よーし決めた!一倍大から二倍大(彼らががんばるようならさらにサイズをおかわりするよ!)のドリルボールくんたちを…向こうがたくさんならこっちもたくさん!
みんな要領は分かってるね?手足と頭を潰して、"優しく"コクピッチハッチだけ削り取る!簡単!

ボク自身はその隙間にまぎれてダーッと空中を蹴って走っていってUCでドーンッ!!て攻撃してこう



●RK-9D シューティングスター
「アミシア、ジャミング、ロングレンジユニットをパージ。アサルト起動、近接戦闘で仕留めるよ」
『了解、完了。いつでもどうぞ』
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)は素早く量産型キャバリア『RK-9D シューティングスター』のコクピットに飛び乗ると、ごとりと重い音を立てて電子戦装備と背部ロングレンジ砲が地面に落ちた。
 ハッチを閉じて、操縦桿を握る。『R』製の機体の操縦系統は一部を除き共通規格で作られているので特に支障は感じない。
「さて、それじゃいこうか。わたしは機動と攻撃に集中するから、アミシア、動力調整とバランスは任せるね」
 ザイオングブーストドライブが火を噴く。『R』独自の推進システムで不完全ではあるが慣性制御により上下左右へと滑るような滑らかさで移動できる。
 サイドアームの超振動ナイフを逆手に持ち、地表を滑るように跳ぶ錫華。
「馬鹿な奴め! 遠距離射撃機体で接近戦をするつもりか!」
 然り、シューティングスターは本来遠距離狙撃用である。だが、近接戦闘が出来ないとはどこにも書かれていない。
 『RK-9』系のフレームはほぼ共通規格であり、シューティングスターは原点である『RK-9 アローヘッド』に狙撃用システムを取り付けただけの機体だ。狙撃ユニットを外せば高レベルでバランスの取れた傑作量産機『RK-9 アローヘッド』とほぼ同じ性能を持っている。
 FCSだけは遠距離射撃戦用に最適化されているので近接射撃には分が悪いが、近接格闘であればそもそもFCSに頼る必要が無い。
「土木作業用人型重機を使ってる人に言われたくはないわね」
 だから、丸鋸を持つ『クロムブルー』の右腕を撥ね飛ばすのは容易だった。続けて脚払いを膝に喰らわせ、左腕も撥ね飛ばす。
「こいつめ!」
「やらせるか!」
 ドリルとグラインダーを手にしたクロムブルーの突進を、頭を踏み付け跳躍で回避。ナイフをラジエータ部に投擲し、更に二機沈黙。
「馬鹿め、武器を手離したぞ!」
 それを隙と見たパイルバンカー機が重い足音を響かせながら突撃してくる。
「武器ならその辺にいくらでも転がってるじゃない」
 最初に黙らせた丸鋸を拾うと、パイルの切っ先を躱し下半身を切断する。地面に上半身が落ち、コクピットの脱出装置が作動した。
「アミシア、次はどれ?」

●テングリーフ・ホワイト
「かく乱には小さいほうが有利、倒すには大きいほうが有利っす」
 初手で飛び蹴りアンブッシュを決めた家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)の操る『テングリーフ・ホワイト』が傲慢の慣用句にもなっている天狗鼻の概念から成形された巨大突撃槍、RXキャバリアグレイブ『ハイノーズランス』を構える。
「あれは何だ?」
「東洋の国に伝わる超自然的フェアリー、聞いた事がある」
「天狗だけどヤクザでも神々の使者でも無いっすよ」
 背部のEPメガスラスター『シューティングスター』から謎めいて煌く粒子を撒きながらランスチャージ!
「そんな一直線な攻撃なら!」
 確かにクロムブルーはキャバリアではない人型重機である。しかし、基本的には戦闘向けに作られているキャバリアと違い、日常的に用いられる重機だからこそその見た目に反して精密な動作と、衝突を自動的に回避するAIが組み込まれているのだ。それを戦闘に転化すればどうなるか。猛然と突進したランスチャージは空を切り、謎めいて煌く粒子だけが残った。
「なんだ、見掛け倒しか」
「騙すのが本職っすからね」
 突如として膝の裏に強烈な刺突! 関節は弱点だ。そして見よ、突撃を外し遠くに離れた筈の『テングリーフ・ホワイト』が目の前に居るではないか!
「有る物を隠し、無い物を見せる。化術の基本中の基本っすよ」
 巨大突撃槍で放たれる横薙ぎの打撃がクロムブルーを弾き飛ばした! パイロットは脱出装置を起動させ、脱出ポットも兼ねるコクピットごと射出!
「くそっ、早く次の機体に」
 脱出ポットを開き、次の機体に乗ろうとした警備兵はあり得ない物を見た。
「おっと、それをやられると困るんすよ」
「アイエッ!?」
 そこに居たのは『テングリーフ・ホワイト』に乗っている筈の衣更着ではないか!
「ナンデ!? ニンジャナンデ!?」
 然り、衣更着は初めから『テングリーフ・ホワイト』に乗っていない。自身のあやかしメダルを介して憑りつく事で、まるでパイロットが手動操縦しているが如き精密動作を遠隔で実現する。それが【キャバリア憑依の術】(キャバリアニトリツクノジュツ)だ!
 衣更着はストールで警備兵の首を絞めて落すと戦闘に巻き込まれない場所まで運ぼうとして気付いた。
「いや、この人数全部避難させるの無理じゃねえっすか?」
 そう、事前に結構減らしたとはいえまだまだクロムブルーの数は多い。これを一人で運ぼうというのはまず無理がある。
 衣更着は改めて脱出ポットをよく観察した。思いの外頑丈に出来ている。本気で攻撃すれば破壊できるだろうが、うっかり踏まれても何度かは耐えられるだろう。下手に動かすよりこの中に置いておいた方が安全だ。衣更着はそう状況判断し意識だけを奪ったパイロットを残して次の標的に向かった。

●わんわんファイト、レディーゴー!
「出ろおぉおっ、グゥレイトッ、ワンワアァァァァァアンッ!」
 ニルヴァーナ・ファイブボール(本名 鈍川家・玉五郎 かっこよくなりたい鈍川さん家の玉五郎・f19024)は指を鳴らす仕草(鳴らなかった)をすると運んで貰ったスーパーわんわんロボット・愚励斗湾仔が駆け寄って来た。ニルヴァーナはジャンプして搭乗。
「何だ?」
「猫が、犬のキャバリアに乗ったぞ」
「どうして犬なんだ?」
「そりゃ、おいらじゃなく制作者に言って欲しいにゃ」
 ニルヴァーナは四足歩行わんわん形態でクロムブルーに体当たり攻撃を仕掛ける! 四足の足が地を力強く蹴り、バッファロー轢殺暴走特急めいた体当たりだ!
「おっと、そんな単調な攻撃」
「単調に見えたか?」
 回避動作を取ったクロムブルーの目の前で地に足を付きブレーキをかけ、殺す勢いを最小限に止めて角度を変える。
「二弾構えだ、避けられまい」
 口を開き、愚励斗湾仔がクロムブルーの足に噛み付く!
「くそっ、コイツめ!」
 クロムブルーは振り払おうとしたが、愚励斗湾仔は勢いのままに押し倒し、地面に叩きつける! そのまま首を振り、おもちゃで遊ぶワンコめいて二度、三度と地面に叩きつける!
「グアー!」
「こいつめ!」
 別のクロムブルーが愚励斗湾仔にネイルガンを向け釘発射! 愚励斗湾仔は跳躍回避。着地するとネイルガンを撃ったクロムブルーに再び噛み付き体当たりを仕掛ける!
「馬鹿め、一度見せた手にもう一度グアー!」
 直前で減速すると思っていたら今度はそのまま来た。避けなければそのまま押し倒すのみだ。強かに地面に叩きつけられたクロムブルーからは致命的な軋む音が聞こえるが未だ戦闘続行は可能。別のクロムブルーがドリルを手にインタラプト! 愚励斗湾仔は跳躍しこれを躱す。
「猟兵の死因の四割はトドメのタイミングの読み違いだ」
 それはニンジャの話だが、実際止めを焦り致命的なミスを犯す事は多い。ニルヴァーナは今止めを刺す事に固執せずに次々とターゲットを変えていく。
「……時間稼ぎは十分か。愚励斗湾仔、スタンディングモードだ」
 他の猟兵がキャバリアに乗り込んだのを確認すると、システムを四足歩行のわんわん形態から二足歩行のグレイトワンコへ変形へと切り替える!
「見よ、これが衝撃の二足歩行だ!」
「可変機体か!」
「近接格闘が来るぞ、備えろ!」
 愚励斗湾仔・グレイトワンコは走り、そして跳躍した! 高く! そして空中で2度回転!
「今、必殺の……超スーパーグレートわんわん砲!」
 咆哮した!
「「「殴るんじゃないんかいッ!」」」
 何のための可変機構なんだ!? と、三つの心が一つになってツッコミを入れた所でここまでに蓄積されたダメージが限界にきて黒味ブルー三機のパイロットは強制排出された。なんか、結果的には敵を粉砕した(様に見える)のでヨシ!
「これが最強ロボット、愚励斗湾仔にゃーっ!」
 ドヤ顔でキメるニルヴァーナ。かわいいね!

●サイキックキャバリア
「ここからが本番じゃな。こんなこともあろうかと密かに用意しておいたキャバリアがあるのじゃよ」
 クレア・フォースフェンサー(UDCエージェント・f09175)が天に手をかざすと光の線が走り、クレアを中心に魔法陣が描かれる。激しい光で魔法陣の中が見えない!
「何だ!?」
「サイキックキャバリアの召喚だ、何が来るか分からんぞ!」
 工具を手にしたクロムブルー5機がクレアの魔法陣を包囲。光が消えた瞬間に飛び掛かれるように身構えた。
 魔法陣の光が消える。果たしてそこには一体のキャバリアが存在していた。
「えっ!?」
「な、なんなんだコイツは!?」
「何だって、見れば分かるじゃろう。わしじゃ」
 然り、クレアである。だがその身長は5mのキャバリアと同程度。これがクレアの『サイキックキャバリア』だ。
「色々とそのまますぎるだろう!?」
「っていうかコイツゲート前で暴れてた奴の片割れじゃ」
「この姿で戦うのは今回が初めて。上手く加減できるかは分からぬゆえ、多少の怪我は勘弁してもらおうかの」
 あまりに予想外の事態に二の足を踏んだクロムブルーの一体に光剣で斬りかかる。何せ、ただ単に大きくなっただけだ。何の祖語も感じない。光剣は狙いを過たずに右腕を切り落とす。そのまま脚部を切り払い、ついでに左腕も斬り上げ跳ねる。
「ジャイアントキャバリアみたいな物だ、やれる!」
 ネイルガンを手にしたクロムブルーが釘射出射撃! 飛来する光珠が割り込み、弾き飛ばす。
「凡そいつも通りか。機械に頼りきっておるせいかの、気合がボケておるぞ?」
 光剣を構え、二体目に横薙ぎの斬撃を放つ。強化された脚部機能と攻撃軌道予測AIがその動きを予測し回避を試みた。ほぼ後ろに倒れるだけ形で、ギリギリではあるが光剣の切っ先から逃れる事には成功された。
 だが、一撃を避けただけではどうにもならない戦闘経験の差がある。クレアは即座に状況判断し横薙ぎから刺突に切り替えた。貫いたのはコクピットの下の動力部。強制的に脱出装置が作動し、コクピットが外に投げ出された。
「尺度が違うので遠近感が狂ううておるが、じき慣れるじゃろう」
「撃て、撃てー!」
 ネイルガン射撃! クレアは造作も無く光剣でそれを弾き落とすとツカツカと決断的に歩み寄り刺突! パイロット強制排出!
「距離を放していれば」
「後ろにも目を付けるのじゃな」
 ブーストを吹かして距離を取ろうとしたクロムブルー二機に背後から光珠が衝突し転倒! そのまま光珠が何度も打撃を加えるとコクピットが強制排出され活動を停止した。

●敵か味方か謎のキャバリア『K』
「やはりこの事件は嬢の……あまり露骨に関与すればアレの因果律がなんかいかんことになるやもしれん」
 ヨツユ・キリングミー(死なずのキリングミー・f06016)は意味深な(特に意味は無い)事を呟くと『TPK-1 スコープダック』に乗り込んだ。額にはKの文字がショドーされている。大小三つのカメラが付いてたりするがドックではない、ダックである。後頭部にはエルフ耳めいた突起がありこの機体を選んだ要因の一つかもしれない。
「ヨツユはゆえあって帰った。わしはキリングミーK! いったい何者なんじゃ」
「自分で言うんかい」
 ツッコミ所があり過ぎる。
「コンビニのコーヒー入れるのもわからんのに、これボタンが多いのぅ。これかのぅ?」
『システムスキャンモード』
 何だかよく分からない適当なボタンを押すと正面のモニターが緑の単色表示になってしまった。
「何ぞ? 何もしてないのに壊れた」
 しましたよね? あと、壊れてはいない。スキャンモードでは熱源探知により視界の通らない場所に居る敵も補足できるようになる他に、FCSや武装へのエネルギー供給がカットされるのでエネルギー効率が上がるが、一切の攻撃が出来なくなる。もちろんヨツユにはそんな事は分かってないが。
「何だ? 何をしてくるかと思えば何もしてこないぞ?」
 他が他だったのでクロムブルーは警戒して距離を取ったが、何かぎこちない動きや意味不明な動きをするばかりで特に何もしてこない。
「これは……罠の類じゃないな」
「ああ、ただの……機械オンチだ!」
 遂にはただ単にキャバリアの動かし方が分からないだけである事が露呈し、三機のクロムブルーが一気に距離を詰める!
「脅かしやがって! 一機だけでも落す」
「うむ、大体分かった」
『システム戦闘モード』
 スレッジハンマーの油断した大振りの一撃を最小限の動きで躱し、横から反撃の銃弾を叩き込む。
「何!?」
「急に動きが」
「エルフッ!」
 地面に手を付き、武骨な脚で蹴り飛ばすと追撃の銃弾を撃ち込んで一機を完全沈黙させた。
「くそっ、芝居だったのか!?」
 猟兵諸君であればそれは違うと即答できるであろう。猟兵がどの世界でも違和感を与えないのは猟兵がそういう存在だからと言う事もあるが、猟兵は多くの世界を渡り慣れているので異世界に適応する能力が極めて高いのだ。この猟兵学習能力により大半の猟兵は今触れたばかりのキャバリアですら容易に使いこなす。歴戦のキャバリア乗りには及ばないが、十分な戦闘機動が取れる。その割には最初はヨツユも扱えてない感じだったが、なんかそういう時もある。
 バックフリップで残り二機の攻撃をかわすと、油断なく反撃のアサルトライフル射撃を返す。体制も崩れていない相手に致命傷になる攻撃では無いが、脅威ではある。このキャバリア乗りは極めて狡猾で何をしてくるか分からない……と、思われている。
 だが、基本的に武器が工具のクロムブルーは遠距離戦では不利。危険を顧みず踏み込みからのブースト突撃を仕掛ける!
「その意気は良し。じゃが、わしに挑むには未熟!」
 脚部ローラーダッシュが回り、スコープダックが地を駆ける! ドリル刺突をギリギリで躱し、肩からの体当たり!
「エルフッ!」
 そこに追撃の銃弾! 再び一機沈黙!
「くそっ、動きが良すぎるぞ!?」
「指先だけでこの機械を操れるならこう言う事も出来よう」
「こっちに来るなぁ!?」
 残されたクロムブルーは出鱈目に武器を振り回す! ヨツユは再びローラーダッシュを駆動。背後に回り込み、ターンピックを打ち込み機体を急旋回。
「エルフッ!」
 その勢いを利用したパンチを背部に叩き込み、アームパンチを稼働! 炸薬加速した拳がコクピットを貫き、過負荷により強制排出させた。排出された空薬莢が地に落ちる。
「一先ず一小隊潰したが、敵はまだ多いか」
 スコープダックは高温で高鳴るローラーを稼働させ、制圧射撃を開始した。

●キャバリアとか別に要らなかった蛇神様
「またロボット相手なら遠慮無くイク(闘争)ぞ!」
 拳を向けるティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)
 ティファーナは空中を這うようにしてクロムブルーに接近した。彼女の申告されている身長は112.4cmと小柄だ。だが、彼女はゴルゴン、ナルガ、ラミアの末娘蛇神。全身を伸ばして測ると全長327.6cmとウォーマシンよりも高くなる。ちなみに、UDC世界で最大クラスとされるアナコンダは最大900cmなので蛇としての大きさはむしろ短い方と言える。だが、太さは明らかにアナコンダを上回っており、そのパワーは言うに及ばない。
「なんだ?」
「翼の生えた、蛇?」
 猟兵はどんな外見をしていても住人に違和感を与える事は無い。その世界に在る物として認識疎外がかかる。だが、戦闘態勢に入るなどして相手をしっかりと見る状態になればその限りではない。確かに違和感はない。だが、何か得体の知れない物であるという認識は残る。それが空を跳ぶ巨大な蛇であれば猶更に。
「神々の絢爛豪華な全てを見せてあげる!」
 ティファーナは神々しい翼を大きく広げ、【セクシィアップ・ガディスプリンセス】を発動し、絢爛豪華な神気漂う装飾を身に纏う!
「戦場で金色に光って目立つとは」
「捕まえれば高く売れそうだぜー!」
「よく見れば結構エロい格好してやがるしよぉー!」
 大分下衆い思考が混ざった警備兵は工具を置いて、クロムブルーの腕を使って捕獲を試みようとした。
 それは、【天空神ノ威光・黄昏】により放たれた光でユーベルコードを瞬間的に忘却して取った無謀な行動であった。
「ボクを捕まえて何をする気よ?」
「そりゃあもうここでは言えない事よォー!」
 その腕が蛇の尾を掴んだ、かに見えた。だがそれは事実とは全く異なる。ティファーナが尾を叩き付けたのだ。だが相手はキャバリア、大したダメージではなく完全に掴まれてしまう。
「へへへ、捕まえたぜ」
 と、思ったのも一瞬だけだった。ティファーナが掴まれた尾を中心にとぐろを巻き、腕全体を締め付けたのだ!
「捕まったのはどっちだろうね?」
 ティファーナは体躯に力を籠めると、激しく金属が軋む音! 数秒と持たずに腕がバキバキに折れた鉄屑へと変わった!
「ウ、ウワァー!? なんてパワーだ!」
「本物のコブラツイストを見せてあげるよ」
 そのままティファーナは左足に尾を絡め、折った右腕の下を経由し左肩から頭部へと回って拘束!
「がぁぁー!」
「これでトドメ!」
 指で作ったハートマークからハート型ビームを至近距離照射! 致命的破壊音を立てたクロムブルーはパイロットが強制排出され戦闘不能!

●やっぱりキャバリア要らなかった神様
「わーぉ! 面白いものが飛び出てきた! やるねー!」
 楽し気に笑うロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)
「サイズ差かー、じゃあこっちは単純に1倍大? 2倍大?」
 先に止められたドリルボールは施設破壊しないように大きさを抑えられた2m程度の物だった。
「ま、またあのドリルボールを使う気か……」
「ははは、奴らの目的はこのプラントの筈……あまり派手な攻撃は、出来ない、はず……」
 言いながらもみるみる自身が無くなっていくのは1倍の時点で既にキャバリアを轢殺するのには十分な5m台、2倍で10mとサイズ差の優位性をあっさりと覆されたからだ。
「それともいっそ100倍大」
「アイエエエ……」
 その大きさは天高くそびえる500mキャバリア所かプラント自体を無茶苦茶に破壊してしまえる大きさだ。
「……のキミは大きすぎるからハウス!」
 あまりに大きすぎたソレは即座に仕舞われたので警備兵達は安心した。まあ、直後に飛んできた5m大のドリルボールに蹂躙されたわけだが。
「みんな要領は分かってるね? 手足と頭を潰して、"優しく"コクピッチハッチだけ削り取る! 簡単!」
 コクピットハッチは他より頑丈に出来ている事は分かってはいたが、果たしてこの球体に適切な手加減など出来るのだろうか。
「ヤメロー! ヤメロー!」
「こっちにくるなぁー!」
 こんな手持ち工具一つで何が出来るのか。相手は5mと10mの工具その物が空を飛んでいると言うのに。
「動きは単調だ、きっと動きは単調に違いないんだ……」
 強化脚部と攻撃軌道予測AIでその動きを見切り、避けるクロムブルー。
「本体だ! あのガキを見つけて踏み潰せば」
「どーんっ!」
 攻撃に紛れて足元まで近寄っていたロニに全く気付かなかったクロムブルーに乗った警備兵は重キャバリアのブースト突撃めいた衝撃を受けコクピット強制排出された。

●キャバリアを使う(乗るとは言ってない)
「でっけぇなァ、おい。そんな図体が、ひぃ、ふぅ、みぃ――こちとら生身だってのに、寄ってたかってか? ったく、勘弁願いたいぜ」
 生身でやる気十分の二人とは対照的に玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は辟易した様子。
「あ、あいつはキャバリアに乗ってないぞ!」
「落ち着け、きっと罠に違いない。こう、巨大化したりデカい武器を持ち出したりするんだ」
「しねェよ。アタシはか弱いんでなァ――どうした、来ないのか?」
 完全な人間大。特に巨大な何かを持ち出す様子も無し。だが、それでも……そう言えばさっきの子供は人間大でキャバリアふっ飛ばしてた気がする。
 お前が行けよ、いやいやお前が……と言う微妙な空気が漂う中、一体のクロムブルーが動き、襲い掛かった。クロムブルーに!
 突然の味方からの奇襲に対応できず、グラインダーで右腕を半ばまで切断されかかる。咄嗟に蹴り飛ばし、切断は免れた物の最早使い物にならずパージされた。
「誰だお前は!」
「いきなり何を……いや違う、乗っているのは敵だな!?」
 パイルバンカーを構えたクロムブルーが突如襲撃してきたクロムブルーのコクピットを穿ち貫く! だが、クロスカウンターめいて食い込んだグラインダーを計器類の詰まった頭部に受け、こちらも戦線離脱。
「くそっ、何者だ!」
 排出された裏切り者の乗っているコクピットを取り囲む三機のクロムブルーの背後から、また別のクロムブルーがアンブッシュドリル突撃! 金属音を響かせて動力部を貫かれ戦闘続行不能!
「新手だと! 何人居るんだ!?」
「――あァ、うん。嘘は言ってない」
 数機のクロムブルーに守られるように立つ狐狛が嘯く。
「たしかにアタシは見ての通り生身さ。そういう機械の操縦には詳しくないからよ。けど、この基地のどこに何があるかは、だいたい分かってんだよな。使えそうな道具があるのに、ほっとくってのも勿体ないだろ?」
 【佰器夜行】(テイルズ・オブ・ミステリア)による巫術的ハッキング行為。機械でなければハッキングは出来ないというのは大いなる勘違いだ。高度に発展した科学は魔法と区別がつかないとよく言うが、猟兵の場合はそもそも区別をする必要が無い。
「オートパイロットってやつだな。機体性能が五分なら、あとは腕の勝負ってなモンだが……使い捨てても懐が痛まないってのは気楽でイイ」
 式神化されたクロムブルーはさほど強くはない。1対1なら損傷は軽く無いが操縦経験のある有人に分がある。だが、問題はそこではない。味方に襲われるという疑心暗鬼。それは本来拠点を死守すべく共に戦う同型機が多ければ多い程強さを増すクロムブルーの戦術に置いて致命的な齟齬を産む。
「次はいよいよ本命か。ちゃんとした乗り物が必要そうだなァ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エダ・サルファー
たかが5m、されど5m。
やってやれないことはないだろうけど、ここはキャバリア借りとくべきだと思うんだよね。
そもそも相手はあのサイズでわらわら出てくるわけだしなぁ。
というわけで格闘向きのスーパーロボットをレンタルしとこう!

さて、キャバリエ乗ってみて思ったんだけど、私自分と同じくらいの大きさの相手と戦うのってあんまり経験無いわ。
普段は大体自分より大きい相手だからなぁ。

まあ、戦い方はいつもと変わらないんだけどね。
つまり、距離を詰めて近距離で殴ったり蹴ったり投げたりするのだ!
近接戦に持ち込めば、相手も周りも遠距離武器は使いづらいでしょ!
後は隙を見て聖拳突きを叩き込んだりしつつ、一機ずつ潰していくよ!


木霊・ウタ
心情
こいつらもマシンに心を狂わされてるんだな
可哀そうに

マシンを海へ還すぜ

レンタル
黒鉄っぽいスパロボ
ソード
ハリケーン

戦闘
まずはハリケーン
これで敵さん同士の通信を阻害
意思統一が難しいだろ

姿が見えるから大丈夫だって?

でUC発動
炎纏って渦めいて飛び
たなびく炎の尾が残存し炎の壁に

炎の壁が視界塞ぎ
敵機が集まるのを邪魔するぜ

ここまで仕込んだら
炎の体当たりや炎纏う剣で各個撃破

炎のハリケーンで上空へ打ち上げて
殲禍炎剣に仕留めてもらったり
落ちてきたところをソードで一閃ってのも

いずれの攻撃も操縦席直撃は避け
パイロットの脱出を支援・救出

敵攻撃はソードで受け
そして敵武器を過熱

終幕
機内で鎮魂曲
海で安らかにな



●アルゴナウタイの英雄
「たかが5m、されど5m。やってやれないことはないだろうけど、ここはキャバリア借りとくべきだと思うんだよね」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)は事前に借り受けたスーパーロボット『TLK-1A イアソン』に乗り込んだ。赤と黒を基調とした格闘戦重視の機体だ。
 コクピット周りは猟兵向けに開発中のダイレクトモーションシステムを採用している。そのお陰で、ほぼ自分の体を動かす感覚で操縦が出来る。
 足を踏み出す。何のタイムラグも無くキャバリアが足を踏み出す。
「成程、いい反応だ」
 近接格闘戦であればごく僅かな反応の遅れが致命傷を招く。特に、素手での格闘は武器戦闘よりもレンジが短く、指一本の動きが勝敗を分ける事は当然だ。その点、このイアソンは実に要望通りに動いてくれている。
 ブーストを吹かす。飛ぶ、と頭で念じればブースターが起動し瞬時に距離を詰める。ヘッドギアに仕込まれた脳波コントロールデバイスの力だ。
「早い!?」
 さて、改めて相手が何だったかよく見てみよう。統一規格のボディに雑多な工具を手に歩く人型重機。
「ただのカカシだね」
 その懐に踏み込む。既に、武器を振るには近すぎる距離。そのボディに右の拳を撃ち込む。重い金属音がして、動きが鈍る。回避が遅い、追撃の左ブローで弾き倒すとコクピットが射出され戦闘不能になった。
「近接格闘機体か!」
「近付かせるな!」
 さて、とりあえず一体殴り倒して思った事が一つ。
「私自分と同じくらいの大きさの相手と戦うのってあんまり経験無いわ」
 そう、エダはドワーフなので身長が低い。だが、この機体もまた格闘機としては身長が低めの設計だったので好都合。その実グラインドモードという地上をホバー移動する高速巡行形態に変形できる試作可変機故の身長の低さなのだが。
「折角だから使って見るか」
 その場に屈む様にして座る。これが、グラインドモードの起動アクション。流線型のボディが折り畳まれ、半楕円形のホバー機に変形する。1秒もかからない。
「なっ、可変機体だと?」
「虫みたいな動きをするぞ!?」
 それ、設計の人も気にしてるので言わないで欲しい。試作段階故に仕方が無いのだ。
 だがまあ、距離を詰めるのにはこの機能は役に立った。
「足元がお留守だね」
 屈んだままの脚払い。立ち上がれば即座に機体は人型に戻り横に払う左チョップ。クロムブルーは一瞬にして天地を喪失し、転倒する。
 脚を開き、ニューロンで聖句を唱える。拳が光ったり唸ったりはしない。
「そこに必殺聖拳突きだッ!」
 左の拳を引き、右の聖拳を叩き込む。クロムブルーが数十メートは飛ばされ、一体を巻き込んで停止した。
 拳が光ったり唸ったりはしない。ただ、目の前の相手を殴り飛ばすのみ。

●獄炎纏う権天使
「こいつらもマシンに心を狂わされてるんだな、可哀そうに……マシンを海へ還すぜ」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が選んだ機体は『RK-9Sk プリンシパリティーズ』。一見すると線が細く、まるで骸骨兵か何かの様な印象を受ける。ウタがこの機体を選んだ要因はただ一つ。
「行くぜ、プリンシパリティーズ。ブレイズアップだ!」
 この機体は火炎の扱いに長けたスーパーロボットだ。そこに、ウタの【焔摩天W】(エンマテンワイルドウィンドウィスパー)が加わる事により獄炎が機体を包み込み、華奢に見えていたフォルムが一変し地獄の焔摩天の如き威容と化す。
「今度は何だよ? 機体が燃えてるぞ!」
「何なんだ、本当にお前ら何なんだよ!」
「俺達は、猟兵だッ!」
 手にした双剣を柄頭で繋ぎ、双頭剣へと変じる。
「ブレイズハリケーン!」
 双頭剣が旋回し、獄炎の竜巻を形成!
「な、なんだこれは!」
「くそっ、キャバリアの装甲を溶かす程の温度じゃない! こけ脅しだ」
「でも、通信は切れただろ?」
 獄炎を噴射し、焔摩天が凄まじい速度で接近する。ハヤイ!
「くそっ、隊列を乱すな! 互いの姿が視認できていれば」
「そうだな、見えていればな」
 焔摩天がクロムブルーの横を、通過する。ウタの焔摩天は既に断ち切ったのだ。クロムブルー同士の連携を。
 焔摩天が通った道が地獄めいて燃え上がり炎の壁を作り出す。幾重にも! 戦場は今や灼熱地獄その物だ!
「これが狙いか!」
 連携を断つ。その狙いに気付いた時にはもう遅すぎる。
「行くぜッ!」
 双剣を一本に合一すると燃え上がる『焔摩天』の梵字! この装備は特注だ!
 巨大剣を振り抜き、クロムブルーを弾き飛ばす!
「なんて出鱈目な!?」
「出鱈目やらなくて何がスーパーロボットだ!」
 ハヤイ! 長大な剣を振るっているにもかかわらずその速さは疾風の如し! 次々と大剣で弾き飛ばし、敵を一か所に固めていく!
「ここで決着を付けるぜ!」
 再びの双頭剣! 敵陣中央に飛び込み、周囲の灼熱地獄を巻き込んで獄炎の大竜巻を作り上げる!
「ウワァー!」
「ブースト、ブーストで脱出を!」
「駄目だ! 熱で動作しない!」
「終わりだ、殲禍炎剣斬!」
 巻き上げたクロムブルーが一直線に並ぶその瞬間、竜巻を斬り一直線に焔摩天で斬り上げる! クロムブルーからコクピットが排出され、爆発四散! 獄炎が晴れた戦場は青く澄み上がっていた。
「おっと、大丈夫とは思うけど一応な」
「アイエエエー! 殺さないで!」
「殺しに来たんじゃない、救いに来たんだ」
 最大稼働を終えて元の骸骨兵めいた姿に戻ると空中に投げ出されたコクピットブロックをキャッチし、地上に下ろす。これだけの大暴れにも拘らず死傷者はゼロだ。
「頑丈なコクピットを用意した人には感謝してもいいかもな」
 空に果てた機体に、ウタは短く鎮魂曲を捧げ、次の戦場へと飛び込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
キャバリアでもない作業用重機を持ち出してきたじゃと?
面白ぇー…そんなガラクタ、猟兵様が本気出したら三秒で鉄クズに変わるってこと身を以てわからせてやんよ!
もしかして妾、負けフラグみたいな前口上してる?

何でもいいからレンタルのスーパーロボットにライドオン!
そして攻撃手段と言えばドリル一択じゃろ!
元々の兵装にUC『特機』のソードビットを束ねるように纏ってな!
おもむろに敵目掛け猪突猛進の【ダッシュ】!
そして大振りな一撃と見せかけ…ビットを散開!

見え見えのテレホンパンチは撒き餌。
安易な予測や強化した脚部は弱点になり得る!
敵機体背後や下部といった死角から関節部へとビットを滑り込ませ、破壊してくれる!



●宿縁に招かれし者、神羅アマミ
「キャバリアでもない作業用重機を持ち出してきたじゃと? 面白ぇー…そんなガラクタ、猟兵様が本気出したら三秒で鉄クズに変わるってこと身を以てわからせてやんよ!」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は金色に輝く機体『RK-9DPC ハクサン・フルドリライズ』の機内で高笑いした!
 本来ハクサンはパイルバンカーによる一撃必殺を主目的とした機体だったが、
「攻撃手段と言えばドリル一択じゃろ!」
 と言うアマミの熱い要望により主武装をドリルに変更された特注品である。
 一応、Rシリーズには『TWK-2 キウイ・ベリィ』というドリルを扱える機体もあるが「可愛すぎる」と言う理由によりハクサンの改造機と言う事になった。まあ、使われてるドリルはほぼキウィの流用ではある。
「もしかして妾、負けフラグみたいな前口上してる?」
 そんな事は無いんじゃないかな?

「くそっ、今度は金色の機体だと?」
「何だあのバカデカいドリルは、ふざけてるのか?」
「ふざけてなどおらぬわ」
 肩から天に向かってそびえるドリルを片方、右腕に装着する。左手で右腕を支え、ブースターを吹かしながら巨大なドリルが回転する!
「コイツはただのロケットパンチとは一味違うぞ」
「明らかに別物なのは見れば分かるわー!」
「馬鹿、避けろ!」
「ドリルぅ……ブーストぉ、ナックルッ!」
 轟音と共に巨大なドリルが空を切る!
 巨大な金属同士が衝突し、削れ、抉れる! パイロットが脱出してもドリルは機体を抉り、遂には貫き主の元へと帰還する。
「ふむ、ほんのアイサツ程度の攻撃で爆発四散とは張り合いの無い」
「攻撃、攻撃だー! あのバカを何とかしろ!」
 ネイルガンを持ったクロムブルーは釘弾を連続で射出する!
「効かぬわ! その程度の攻撃でこのドリルを止められると思うてか」
 再びドリルを腕に装着! 今度は射出せずにそのままブースト接近! これはいかなる原理か、ドリルが巨大化するではないか!
「妾のドリルは天とかを突くドリルじゃ!」
「止めろ! 撃ち続ければ止まる! 止まる筈だ!」
「止まれ、止まれよぉ!」
「死ぃぃーねぇーーーいッ!」
 空間ごと捩じ切るが如く突き抜けたドリルが、クロムブルーの……横を通り抜けた!
「はっ……はははははッ! ザマぁ無いな! そんなテレホンパンチとか避けられるに決まってるだろうが!」
「そうじゃな、避けなかったらどうしようかと思っておった」
「へ?」
 ドリル突撃に気を引いている隙にアマミは【特機】のドリルビットを油断なく展開。甲高い金属音を立てて背後から、死角から、膝の裏から、ドリルが抉る!
「な、なんだこれは!?」
「装甲が抉られる!」
 慌てて強化脚部機構を生かして急旋回し、振り解こうとするクロムブルー。だが、全ては遅すぎた。
「デカいだけがドリルと思うてか!」
 両腕のドリルが収縮し、機体内部に収納される。それは、ハクサン本来の使い方に近く、割と別物の攻撃。
「ブチ抜け、フルドリライズじゃ!」
 ハクサンの全身から細長いドリルが無数に射出された! 【特機】のドリルビットを合わせたドリル穿孔貫通殺戮空間!
「こっちも出鱈目すぎるー!」
 器用にもコクピットへの直撃は外したドリルの合間に排出されたコクピットが落ちる。
「然り、然りよ。出鱈目の一つもせんでスーパーロボットを名乗れる物か!」

●終わりだと思ったか? もうちょっとだけ続くんじゃ
「そっちに飛ばすぞ!」
 愚励斗湾仔の四足体当たり! クロムブルーはボールめいて飛ぶ!
「介錯は引き受けた!」
 クレアの光剣に両断される。
「アイツは見た目生身っぽいし装甲とか薄い筈だ!」
 そんな儚い希望は光珠にブロックされ、
「余所見をしてる場合?」
 横から強襲したシューティングスターにバラされる。錫華はネイルガンを拾い、二挺撃ち!
「そんなに悪い武器じゃ無いじゃない」
 金属音を響かせて釘がクロムブルーに突き刺さる!
「援護だ、今すぐ援護を!」
「させぬよ」
「させないぜ」
 『K』と書かれたスコープダックがアサルトライフル制圧射撃! 乱れた隊列を焔摩天が通る! 吹き上がる炎の壁!
「後は殴って蹴るだけよ」
 イアソンの飛び蹴りアンブッシュ! からの腰を落とした聖拳突き!
「おっと、早さならおいらも負けないっすよ?」
 炎を巻き上げる風! テングリーフ・ホワイト! 天狗鼻がクロムブルーを貫通殺! この悪視界ではやりたい放題だ!
「おっと、キャバリアにばっかりいい所を取らせないよ」
 天より襲い来るドリルボール! 抉れる機体!
「まだだ、まだ数の上では……数だけは!」
「密集陣形で互いを守れ!」
「来るな、こっちに来るんじゃぁない!」
「あら、ちょうどいい具合に密集してくれたわね」
 そこに這い寄る天空神!
「天空神の庇護と加護と祝福の威光に黄昏る」
 その威光がクロムブルーのユーベルコードを封じる! だが、封じられていない者が一機!
「おっと、もう逃げられないぜ。観念するんだな」
 狐狛の操る式神だ! クロムブルーを抱き着かせて動きを封じる!
「では、これにて決着! ギガ、ドリルゥ……」
 ハクサンが頭上にドリルを掲げると、ドリルが超巨大化! ついでにソードビットも合体し巨大ドリルに! 全方位攻撃!
「ブレェェェーイクじゃぁぁぁぁッ!!」
 ドリルが残存クロムブルーを蹂躙! 動くクロムブルーはこれで全滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ』

POW   :    ハンマー・パワーだ!
【ブーストナックル】で攻撃する。[ブーストナックル]に施された【炉心制御装置】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
SPD   :    嵐にも立ち向かえるし、勝つことだってできる
敵より【浅瀬や港、プール等水のある地形に近い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    二度と私に触れるな
自身の【オブリビオンマシン搭載の原子力エンジン】から【おびただしい量の放射線】を放出し、戦場内全ての【生命活動を著しく阻害し、電子制御機器】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神羅・アマミです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●緑神
 その瞬間、彼は目覚めた。
 彼は聞いた、助けを呼ぶ声を。それは、守るべき民の声。
 その声が聞こえるならば、いつ、どこであろうとも、誰が相手だろうとも。
「動いたぞ」
「答えて、くれるのね」

「何じゃ、この地響きは!?」
「こっちのドリルキャリアはもう帰ったぜ?」
「ならば、これは敵の増援……いや」
「本命のお出ましじゃろう。待ちくたびれたぞ」

 建物を突き破り、緑の巨神が飛び上がる。その大きさ、全長7m。通常のキャバリアより巨大!
 巨神が地に降り立つ!
「目覚めた……」
「来た、来てくれたんだ」
「起動したぞ!」
 パイロットたちは、コクピットの中で祈り続けていた。彼の目覚めを。
「もう大丈夫だ、安心しろ」
 緑の巨神が宣言した。
「何故って? 分かっているでしょう」
 先の声は男性、続いた声は女性。
「開発コード、チェルノボーグ・アルファ」
「違うな……我が名を心に刻み爆散せよ、侵略者共!」
 巨神が天に吼えるッ!
「「我が名はアトミックキャバリア・チェルノブ! 行くぞ、我が前に敵は無しッ!」」
「ってそりゃチェルノ違いじゃぁ!」
 アマミの渾身のツッコミもどこ吹く風。ファイティングポーズを取ったチェルノブは片手で挑発する。
「ええい、やる事に変わりは無し! ここで仕留める、行くぞ!」
「「Let's GO GO GO!!」」
 決戦のゴングはたかだかと打ち鳴らされた。



<アナウンス>
 引き続きキャバリア戦となりますので体格差を攻略しなければ不利となります。なお、天空神についてはステータスシートに全長がしっかり記載されていたのでこれは大型種族と判断してもいい物と判定しました。
 また、MSは私用により17、18日は執筆活動が行えない為、リプレイの執筆が17、18日を使わないと書き切れないと判断した場合は一旦返却させていただきます。お手数ですが、よろしければプレイングを再送を検討するようお願いいたします。
 なお、全員纏めてのリプレイ描写としますので、16日以前のプレイングも場合により返却させていただきます。お手数をかけて申し訳ありません。
 MS側の事情により18日以前に頂いたプレイングは一旦返却させていただきます。内容的な問題は無いので再送をご検討頂きますようお願いいたします。
『19日から受け付けって事にしとけば良かったって? はっはっはっ……やっぱりそうだよな。うん、次からそうする。すまんな、本当にすまん』
 なお、本日(19日)頂いたプレイングは通常通り執筆させて頂きます。
 すいません、訂正します。18日に頂いた分は多分大丈夫です。間に合わないプレイングの日付よく見たら16日でした。特に宣言を撤回する必要は無かった。
鈍川家・玉五郎
不採用含めて全て歓迎にゃ。
赤城山ミサイルとか撃てるのかにゃ?
ならばこちらもっ! 特に何もにゃいけどとにかくヨシ!

スタンディングモードでは吼える事しか出来ないにゃ。敵に接近して超スーパーグレートわんわん砲を発射、注意を引き付けつつ拘束を試みるんだにゃー!
…ん? 何か光ってるけど…チェルノブなら原子炉とか関係ないはず…だよにゃ?
違うのにゃ!?

全力で後退、UCを使って内部攻撃をこころみるにゃ。
後退次第、狙撃で味方を援護するのにゃ!
別に恐怖に負けて逃げたのではない。見えざる狙撃手の恐怖を、与える為に逃げたのだ。
あ、いや、後退したんだにゃ!


ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎

「どんな敵が相手でも闘魂燃やして勝利するまで!」とガッツポーズ!
『スカイステッパー』で縦横無尽に動き回って『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃&牽制を仕掛けて、『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して牽制&攻撃をして貰いながら『神代世界の天空神』で避け切れ無い敵の攻撃を空間飛翔して避けて『天空神ノ威光・黄昏』で敵のUCを封印/弱体化を仕掛けます!
『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『ヴァイストン・ヴァビロン』で豪華絢爛な猛攻を苛烈に仕掛けます!
『ゴッド・クリエイション』で鉄巨神を創造して一緒に逃走して貰います!
「勝つ!」


木霊・ウタ
心情
その力
命を蔑ろにし過ぎてる

搭乗者の命を
命が創りあげてく未来を奪ってる
鹵獲なんてとんでもないぜ

ブレイズアップ!
マシンを海へ還して
搭乗者助けるぜ

追加武装
チェイン

戦闘
制御装置を壊したら
封印解除が不能になるのか
制御が不能になるのか
やってみないと判んないってか

Bナックルに対しハリケーン
勢いを減少
且つ制御装置へのアクセス阻害
寿命を削らせて堪るか

二刀で受け
獄炎纏うチェイン巻き付け片腕を捕獲
延焼する炎が装置や機構を破壊

爆炎噴射で一気に間合い詰め
梵字輝く高熱の刃で横一文字
頭部=原子炉を切り離す

頭部を竜巻で打ち上げ
殲禍炎剣で消滅…は無理?
ならそのまま炎の竜巻で燃やし溶かす

事後
鎮魂曲
安らかに

操縦者>
大丈夫か?


支倉・錫華
このままチューンした『シューティングスター』でいくね。

一撃の重そうな相手だし、当たったら危険っぽいね。
「アミシア【アーマー・パージ】躱して行くよ。バランス調整」

とはいえ基本は攪乱かな。
みんなの攻撃が当たりやすくなるように、
こちらに注意を引き付けつつ、削れるところは削っていこう。

借り物のキャバリアだし、できれば無傷で返したいところだったけど、
この感じだとそうもいかないか。

装甲も厚そうだし、こちらの攻撃は『歌仙』で、
相手の攻撃にあわせてカウンターしていくのがいいかな。
クリーンヒットしなければ、なんとかなるよね。

けっこうキズモノにしちゃうかもだけど、
そこは勲章ってことで許してもらえると嬉しいな。


ヨツユ・キリングミー
■動機
「あの声、やはり……。いや、本当にそうなんじゃろうか」「最近聞こえづらいし、もっと大きな声で喋ってくれんか。なあ、おぬし。おぬしー」(アルミに対して)「何の話じゃっけ」
何か思い出したことがあったそうで。

■行動
まだキリングミーK(いったい何者なんだ)でいく。

「自らが傷つくことを厭わぬこの能力。司るは犠牲か」「ゆめゆめ忘れるな。自己犠牲は必ずしも他者を救うものではない」
それはそれとして、電子制御機器に影響を与える能力はキャバリアによっては致命的。その発動をUCで阻害する。万一キャバリアが停止した場合は自前の武器で発動。
「汚染のために使うなら、放射線もまた穢れ。ゆえに祓いの神はおぬしを逃さぬ」


家綿・衣更着
デスタリアン名乗っておいらは飛行敵担当すればいいんすか?(白目)
「放射線とか勘弁っす!?」
ちゃんとテングリーフに搭乗し【結界術】で防護

「速さは強さ!必殺『流星突撃槍』っす!」
機動力で翻弄しつつスラスターの【ジャミング】と妖怪煙の煙幕を撒き、【化術】の【残像】でフェイント入れつつ衛星に狙われぬよう『流星突撃槍』で【ランスチャージ】
しかし本命は攻撃ではなく、かく乱で水場の場所を分からなくし【化術】で作り出した偽の水場に誘導する事っす!
仲間も幻影で【迷彩】して伏兵にするっす!

「華は持たせるから決めるっすよ!」
最後は宿敵主に決めてほしいので、連携攻撃時は回避力を奪うため足狙い(かぶるなら別の所で)っす


玉ノ井・狐狛
そのへんからくすねるか借りるかして、サイキックキャバリアってのを調達しよう
フツーの機械よりァ使いやすそうだ

つっても、撃ち合い斬り合いを真っ向からやるのはうまくない
キャバリア戦は相手のほうが慣れてるだろうしな
こいつの役割はあくまで、装甲目当てとスケール感を合わせるのがメインってワケだ

しっかし、自滅上等みたいな技だな。何か対策してるのか、アレ?
まともに付き合ったら、周囲の設備やらを含めて、何にどんなダメージが入るかもわかったもんじゃねえなァ……ってコトで、邪魔させてもらおう

UCで動力機関の熱量を奪う
あんまり詳しかねぇが、本来ほどには動作しないだろう

奪った熱量は適当にキャバリアの武装から放出しとくか


クレア・フォースフェンサー
なるほど、口調は違えど、確かにアマミ殿の声に似ておるな

そこなキャバリアのパイロットよ
おぬしには、頭と左肩に角があるのかの?

彼女をコクピットから引きずり出せば、キャバリアも停止する筈
さすれば、鹵獲せよとの依頼も達成できるじゃろうて

などと思っておったのじゃが、あのキャバリア、自らの意志を持っておるようではないか
下手をすると、パイロットを人質に取られるおそれもあるのう
さて、どうしたものか

うむ、鹵獲は無理じゃな。(0.1秒)
稼働停止とパイロットの救出を最優先としようぞ

光珠でキャバリアの情報を収集
戦闘の中でその構造を見切ったならば、UCの力を込めた光弓で動力部を貫き消滅させ、稼働を停止させよう


エダ・サルファー
あの頭部から胸部にかけての不穏なデザイン……
やっぱり鹵獲とか考えないほうが良いんじゃないかなぁ、これ。
……よし!とりあえずぶっ壊す方向で!

引き続き借りてるキャバリア、イアソンに乗っていくよ!
これ、イメージ通りに動くのと、可変機構が良い感じだね!
これで近付いて格闘戦を挑むよ!
ちょうど相手も格闘戦主体っぽいしね!
体格差はあるけどこれはいつものこと!
デカい奴の攻撃を受け流したりかいくぐったりしながら殴ったり蹴ったりは得意なんだよ!
あとはあの放射線攻撃をどうするかだなぁ。
食らうとキャバリア止まりそうだし。命もヤバいし。
ので、もし撃たれそうな予兆を察知できたら、ドワーフ式震脚で先んじて動きを封じるよ!


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

ハンマーパワーだ!原子炉に水が入るー!
えーなんでボクらが悪者みたいな雰囲気になってるの?
ていうかキミたち的にはどういう認識でこんなことしてるの?
え、悪の研究所を倒すため?あーー……うん、それはしょうがないね!

じゃあこれはどうかな!ハハッやるぅ!とかそんな感じで
大き目ドリルボールくんをわっ!とけしかて炉心にダメージを与えようこれで体格差とかのアドバンテージはチャラだ!
パワーダウンだと!したところでじゃあこれならどう!とかそんな感じで
真っ向ブーストナックルとUCをぶつけ合う!ドーーーンッ!!真っ向勝負だーーっ!!

え、オブビリオンマシンは回収できたのかって?あははははは!!



●巡り合った宿縁
「出たな、デカブツ。寝起きで悪いがとっとと海に帰ってもらうぜ」
 ニルヴァーナ・ファイブボール(本名 鈍川家・玉五郎 かっこよくなりたい鈍川さん家の玉五郎・f19024)は『スーパーわんわんロボット・愚励斗湾仔』の中で(本人的には)クールにキメる。
「どんな敵が相手でも闘魂燃やして勝利するまで!」
 上体を高く伸ばしながらガッツポーズをするティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)
「デスタリアン名乗っておいらは飛行敵担当すればいいんすね?」
 『テングリーフ・ホワイト』の中で色々な意味で呆れ顔をする家綿・衣更着(綿狸忍者・f28451)
「随分と旧式の機体ね。今更あの連中が欲しがる物なのかしら?」
 支倉・錫華(Gambenero・f29951)は『RK-9D シューティングスター』の光学カメラで油断なく機体を下調べしている。
「ハンマーパワーだ! 原子炉に水が入るー! えーなんでボクらが悪者みたいな雰囲気になってるの? ていうかキミたち的にはどういう認識でこんなことしてるの?」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は何だか知らないけどヒーローぶった登場に疑問をぶつけてみた。
「お前達は金目当てにこのプラントを襲撃した侵略者だ。よってここで倒す」
「ああ、そう言う認識になるんだね。あーー……うん、それはしょうがないね!」
「しょうがなくは無いぜ。その力、命を蔑ろにし過ぎてる。搭乗者の命を、命が創りあげてく未来を奪ってる。鹵獲なんてとんでもないぜ! プリンシパリティーズ、ブレイズアップ!」
 木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)の『RK-9Sk プリンシパリティーズ』が地獄の炎を噴き上げ焔摩天如き威容を晒す!
「あの頭部から胸部にかけての不穏なデザイン……やっぱり鹵獲とか考えないほうが良いんじゃないかなぁ、これ」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)は『TLK-1A イアソン』の中で呟く。
「……よし!とりあえずぶっ壊す方向で!」
 誰も鹵獲する気が無いのである。

「ついに現れおったか、この世界における妾の映し身! ノリノリなとこ悪いが、貴様も躯の海へと沈めてくれるわ~!」
 神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は『RK-9DPC ハクサン・フルドリライズ』で指差し宣戦布告。
「なるほど、口調は違えど、確かにアマミ殿の声に似ておるな」
 クレア・フォースフェンサーは『光騎士』でチェルノブに問いかける。
「そこなキャバリアのパイロットよ。おぬしには、頭と左肩に角があるのかの?」
「私には無い、が」
「なるほど、目的は私なのね?」
 チェルノブから女性の声が響いた。
「あの声、やはり……。いや、本当にそうなんじゃろうか」
 キリングミーK(死なずのキリングミー・f06016)が額にKの文字をショドーされた『TPK-1 スコープダック』のマイクを使い問いかける。
「私は知らないけどね。写し身とか言い出したのそっちでしょ?」
「声が似ておっても口調が違うと印象が違うのう」
「似たような口調が三人も既に居るのに更なるキャラ被りは避けた格好よ」
「妙な所に配慮してきたのう。しかし、彼女をコクピットから引きずり出せば、キャバリアも停止する筈。さすれば、鹵獲せよとの依頼も達成できるじゃろうて」
「やってみるか? 俺達のドリフトに敵うんならな」
「最近聞こえづらいし、もっと大きな声で喋ってくれんか。なあ、おぬし。おぬしー」
「声デカいわよ! そっちは音量下げなさい!」
「何の話じゃっけ」
「知らないわよ! アレクシス、とっとと片づけるわよ!」
「了解だ、アルミ」
「お主等、チェルノなのかチェルノブなのかはっきりせんか」
「二人乗りか。しかもあのキャバリア、自らの意志を持っておるようではないか。下手をすると、パイロットを人質に取られるおそれもあるのう。さて、どうしたものか」
「そ」
「うむ、鹵獲は無理じゃな。稼働停止とパイロットの救出を最優先としようぞ」
「……そんな手は使わないぞ?」
 台詞を思いっきり遮られたが言う事は言ったアレクシス。撤回が早すぎて疑問形になってしまった。

 10人の猟兵、8機のキャバリアが並び立ちチェルノブの巨体を睥睨する。そこに新たなるエントリー者あり!
「よォ、待たせちまったかな? コイツの調達に手古摺ってな」
 青いサイキックキャバリアに乗って現れたのは玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)だ。

●契約
 時は、少し遡る。狐狛は戦闘に使えるキャバリアを、出来ればサイキックキャバリアを探していた。
 探すと言っても検討は付いていた。わざわざ念力シールドを張って何を守っていたのか。そこに侵入したスパイと忍者からそこにあるという情報も得ていた。
「コイツか、念力シールドの発生源」
 それは陰陽術に秀でた狐狛だからこそ気付いた違和感。他とは異質な術力を感じるパーツが、この棟に複数存在する。それを組み立てれば一機のキャバリアが完成するだろう。
 だが、組み立てる時間は? 他の猟兵が会話で稼げる時間は僅かだ。
「見つけた事は見つけたがどうすっかなコレ」
『契約せよ』
「お?」
 狐狛は目の前のキャバリアの頭部を見た。声はそこから聞こえた。
『資格持つ者よ、我と契約せよ』
「いいぜ」
 即答だった。
『疑わないのか?』
「あン? 代理賭博師を舐めるなよ。信じてなんかいないぜ。不当な契約だったら踏み倒してやらァ」
 キャバリアの頭部が展開する。コクピットはそこにあった。狐狛は跳躍し、シートに座ると頭部が閉じる。
『契約は成立した』
「そうかい。で、手足と胴体はどうすンだ?」
『こうする』
 遠くから聞こえる破砕音。このキャバリアは分解されていたのではない、パーツは使える状態で放置されていたのだ。
『腑分けをされる前だったのは実際僥倖なり』
 天井を突き破って棟の上空に出ると手足と胴体が同様に飛び出し、一機のキャバリアを形成していく。
「派手な登場シーンじゃねぇか。主人公機みたいだぜ。お前、名前は?」
『我が名は神威。神の威光を示す者なり』

 そして今、狐狛を乗せた『神威』が戦場を俯瞰している。
『相手はあの旧式か。あんな鉄屑は数刻と掛からん。制御を寄越せ』
「おー、勇ましい事だ。だが今は様子見だ」
『何故に?』
「奴の鬼札を封じる。出来るだろ?」
『無論だ』
「重畳。私はキャバリアの操縦慣れてねーからなぁ」
『なら制御を寄越すがいい』
「黙っとけって、神威」

●アトミックキャバリア・チェルノブ
「赤城山ミサイルとか撃てるのかにゃ?」
 ニルヴァーナが愚励斗湾仔の中でぽつりと呟く。
 ユーベルコードを見た感じでは遠距離攻撃武器は無い。チェルノブのブーストナックルは所謂ロケットパンチでは無く、肘部からブースターを吹かして殴る近接攻撃だ。でも、ユーベルコードに無いからと言って遠距離攻撃手段を持っていないとは限らない。猟兵がそうであるように。
「では始めるか。悪を感知し、どこまでも追って天誅をくだす超ミサイル!」
 チェルノブの腕部装甲が展開し、左右三発ずつのミサイル発射口が現れる。
「赤城山、ミサーイル!」
「チェルノに遠距離武器は無い筈じゃろ!?」
「散開じゃ! あのミサイルやけに飛ぶのが遅いが誘導性が高くて爆破範囲が広い! ……気がする」
 キリングミーKはスコープダックのローラーダッシュを稼働、高鳴るローラー音が地を駆ければそれに追従するように散開する猟兵達。
「ならば、撃ち落とすか」
 ターンピック旋回でミサイルを正面に捉えアサルトライフルを向ける。三つのスコープが回転し、中距離用レンズがミサイルを捕える。後は引き金を引くだけ。
 だが、超ミサイルは伊達ではない。撃ち落とそうとする銃弾を弾き飛ばしどこまでも追って来る。ローラーダッシュより遅いので走り続けていれば当たりはし無さそうだが面倒ではある。重力仕事しろ。
 キリングミーK(いったいなにものなんだ)は後ろ向きのままローラーダッシュを稼働し撃ち続ける。マガジンの残弾が最後の一発になった所で、ローラーを止め両脚のターンピックを地面に突き刺す。
「エルフッ!」
 最後の一発がミサイルを貫いた。銃弾が信管の芯を捕え、起爆。キャバリア一機を丸焦げにして余りある大爆発!
「うむ、どうにも動きながらの高速戦闘とかやりにくい」
 どれだけミサイルとしては規格外に固くても、信管に当たって起爆しないのではミサイルとしての意味が無い。
 同様に四足歩行のわんわん形態で逃げ回っていたニルヴァーナも愚励斗湾仔の上で伏せ、大口径八連回転弾倉長銃『鰹ぶし』で信管を狙う。ただでさえ生身とキャバリアの体格差がある上にニルヴァーナはケットシーなので更に小さい。だが、自身で扱えるギリギリのサイズの大口径長銃。気流を読む髭と動体視力に優れた瞳を以てすれば相対的超長距離であっても的がデカいだけ。
 放たれた銃弾が当然の様に信管を射貫き、大爆発。二の矢の必要は無いと愚励斗湾仔の中に退避していなければ飛ばされていたかもしれない。
「ミサイル相手ならジャマーの出番っすよ!」
 衣更着はテングリーフ背部の『シューティングスター』が放つジャミング粒子で誤誘導させミサイル同士をぶつけて爆発!
「アミシア【アーマー・パージ】躱して行くよ。バランス調整」
『イエスマム』
 錫華はパージした装甲を投擲して起爆させた。
「ヒュー、装甲がスケスケじゃないっすか。シリンダーが丸見えっすよ?」
「動作面での問題は無いわよ」
 元から錫華のシューティングスターにはかなりの軽量化チューニングが施されていたが、パージした事により最低限の装甲すら無くなってしまった。だが、動作面では何の問題も無い。限界まで軽量化された事による反応速度は生身よりも鋭く感じる位。本命との戦いの為に温存しておいたキャバリア用の片刃の実体剣『歌仙』を二刀、逆手に構える。ザイオングドライブが唸り、地を滑るシューティングスター。
「RK-9系フレームは他より脆い分、本気を出した反応速度は生身より凄いって話だったけど……本当だったわ」
『過敏過ぎる位の所に装甲で適度に重りを乗せバランスを取った形でしょう』
「猟兵でも無いと生かしきれないわね、この機体」
「それ、量産機としてどうなんすか?」
「いいんじゃない? その為に普段は重りでデチューンしてるんだし。それに、死ぬ気で避けようとすればパイロットの方が追い付くわよ」
「そういう物っすか」
「そういう物よ」
「おしゃべりはもう良いかな? 光子力、光線!」
 モノアイが光り、テングリーフから蒼い光が弾けた。
「いや、光子じゃなくてチェレンコフ光じゃないっすかねコレ! 放射線とか勘弁っすよ!?」
 幸い、結界術を抜ける程の威力は無い。テングリーフにとっては大した問題も無い攻撃だが、装甲を剥がしたシューティングスターにとっては大問題。
 蒼い光が、シューティングスターに向けて放たれた。文字通り光の速さで飛ぶ。猟兵動体視力は飛来する弾丸を視認して指で摘まむ事すら当然にやってのけるが、光その物で攻撃されればいくら猟兵でも見て避ける事は不可能。
 だがシューティングスターを駆る錫華はそれを難なくやってのける。しかも、ギリギリで。装甲があれば当たっていたかもしれない程に。次々と放たれる光線を紙一重で避ける。
 光線を見て避ける等と言う不可能な事をするのではなく、撃たれる場所予測し回避する。本職の量産型キャバリアである錫華の腕、アミシアの高速演算、シューティングスターの反応速度が噛み合った結果だ。
 光線がテングリーフを貫通した。
「そう何発も当たってはやらないっすよ!」
 貫かれたテングリーフは雲散霧消。妖怪煙で作られたダミーだ!
「重力分銅よ!」
 チェルノブはボーラめいて鎖で繋がれた三つの棘鉄球を投擲!
「食らいなさい!」
 三つの鉄球が作り出す殺戮殴殺円! 鉄球をすり抜けても遠心力で広がる鎖が獲物を縛る。これは大きな回避を迫られるか。
「そういう武器ならば」
 クレアが踏み込んだ、決断的に。鉄球はすり抜けたが、鎖がクレアを縛り付ける。迫る殴殺棘鉄球!
「こうする!」
 クレアが、正確にはその姿を模した『光騎士』が消える! 空を切る鉄球同士がぶつかり、地に落ちて無力化。そこに再び光騎士が出現!
 クレアは一度機体を送還する事で拘束を脱し、追撃を回避。然る後に光騎士を再召喚したのだ!
「ユーベルコードも宿さぬ攻撃では決定打にはならぬぞ」
 然りである。無論、一瞬の勝機を作り出す為に他の手を用いる事は有効だ。だが、いかに優れた装備や技術を持っていても猟兵とオブリビオンの戦いはユーベルコードを以て決着するより他に無い。
「それともその図体は飾りか?」
「是非も無し!」
 チェルノブが両手の拳を合わせる!
「ならば格闘戦で決着を付けるまでよ」
「ハンマーパワーだ!」

●我前に敵は無し
 チェルノブが跳躍した、高く! それはブースターなどを使わない、純粋な脚力によるただの跳躍。それでも7mの巨体はその三倍、即ち21mを越える高さで跳んだ。
「ただジャンプしただけとか隙だらけでしょ!」
 ロニが放ったドリルボールがチェルノブに迫る! その大きさはチェルノブを大きく越える20m。常識的に考えればすり潰されて終わる質量差。
「無駄よ!」
 チェルノブがブースターを吹かす。空中でドリルボールに向かい合い、その拳を叩き付ける!
 重金属の塊同士が衝突した凄まじい音が響いた。続いて、地面にそれが叩き付けられた轟音。叩き付けられたのはドリルボール!
「ハハッ、やるぅ!」
「相手が生身の少年とは言え容赦はしないぞ」
「チェルノブストライクだ!」
 巨神が落ちる。重力に従って、凄まじい破壊的質量を伴った蹴りがロニへと放たれる! その圧倒的質量差は象が蟻を踏み潰すが如く。
「コレ、意趣返し?」
 ロニはその細腕で拳を掲げた。
「どーんっ!」
 果たして、その擬音通りの現象が起きた。圧倒的巨躯は実際、ロニを踏み潰し周囲の地形を陥没させる程の威力を伴っていた。
 だが、大きさを自在に操るロニにとって質量差など端から問題ですら無かったのかもしれない。【神撃】(ゴッドブロー)はチェルノブのキックと衝突し、弾き返した。チェルノブは距離を取り着地。
「あのサイズで何と言う力だ。神だとでも言うのか?」
「そうだよ」
「そうか。ならば今日は神をも返り討ちした日になるな」
「制御棒を抜いていくわよ」
「そうはさせないっすよ!」
 RXキャバリアグレイブ『ハイノーズランス』を構えたテングリーフがランスチャージを仕掛ける!
「速さは強さ! 必殺『流星突撃槍』っす!」
「確かにな、だが!」
 チェルノブは流れるような動きで切っ先を捌き、反撃の肘を叩き込んだ!
「早いっすね!?」
「チェルノブの速さを甘く見られては困るわね」
 チェルノブが走る。その巨体からは考えられない程、滑らかに。美しいフォームでチェルノブが走る! 地面に叩きつけたテングリーフを介錯する為に!
「確かに、ちと甘くは見てたっすよ」
「ハンマーパワーだ!」
 拳を叩き付ける! テングリーフ爆発四散か!?
 いやそうではない。猟兵洞察力をお持ちの方はその瞬間何が起きたか理解できた筈だ。
 チェルノブは速い。ただ単に走るだけだが、この巨体がただ走るだけでかなりの速さになる。これは生身でキャバリアと戦うには明確に不利となる要素だ。特に、近接戦闘をするのなら何らかの手段で近付く必要があるがチェルノブの速さに生身で追いつくのは相応のユーベルコードが必要だ。
 なら、誘い込めばいい。ティファーナはそうした。
「取り付いてしまえばこっちの物です!」
 テングリーフを介錯する為に振り下ろした腕。その腕にティファーナが絡み付いているではないか! 妖怪煙が晴れ、介錯されたと思われたテングリーフはその正体を晒す。偽装されたクロムブルーの残骸だ!
「手札を一枚使わされたっすよ」
「神々の絢爛豪華な全てを見せてあげる!」
 指で作ったハートからのハートビーム!
「こそばゆいわ!」
 さほどのダメージは無い様だ。【セクシィアップ・ガディスプリンセス】で強化されているとは言えサイズ差による相対的威力低下は否めない。
「かゆいって? ならもっと痒くしてやるにゃ!」
 愚励斗湾仔の口から大量の小型メカニルヴァーナが! お前色々どうなってんだ! 本猫よりも小さいメカニルヴァーナは壁登りの要領でチェルノブに登って取り付く。装甲の隙間から内部機構への攻撃狙いだ。
「くそっ、こうなればアサルトアーマーで吹き飛ばすしかないか?」
「そうはさせないわよ! 天空神の庇護と加護と祝福の威光に黄昏る!」
 ティファーナの放つ【天空神ノ威光・黄昏】が原子力エンジンの超過稼働を阻害!
「まずは貴女から何とかしないといけないようね!」
「出来るかしら?」
 まるで蚊でも叩くかのようにチェルノブは自分の腕を叩いた!
「残念、こっちよ」
 だがティファーナは叩いた方の腕に居る! 再度腕を叩く!
「こっちこっち!」
 今度は背中だ!
「ええい、何がどうなっている!?」
 【神代世界の天空神】は味方の居る位置へと瞬間移動が可能だ。本来、このように任意の位置へのテレポートは出来ない。だが、今この状況ならそれが出来る。何故なら、大量の味方がチェルノブを覆っているからだ!
「なら、制御棒を一気に三本!」
 チェルノブの全身から蒼く澄んだ危険な光が溢れ始める! ティファーナの封印を力付くで破り、原子力エンジンの超過稼働による全方位放射線攻撃を繰り出そうというのだ!
「「【二度と私に触れるな】ッ!」」
 蒼く病んだ光がチェルノブから溢れ出す! ティファーナは範囲外までテレポート退避! 愚励斗湾仔とテングリーフも全速力で離脱! 直後、生命活動を著しく阻害し電子制御機器を無力化する荷電粒子の光が弾けた!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神羅・アマミ
ついに現れおったか、この世界における妾の映し身!
ノリノリなとこ悪いが、貴様も躯の海へと沈めてくれるわ~!

とは言え敵は百戦錬磨のキャバリア乗り、こちらは昨日今日ロボの操作を覚えたばかりな生まれたての子鹿…正面衝突は分が悪い!
ならば取る手は遅延戦術一択!
奴はブーストナックルを妾に向けて繰り出してくるじゃろうが、妾はUC『板付』の拳を地面へ叩きつけ!【範囲攻撃】の【吹き飛ばし】で地形を破壊し!岩盤による天然の防御壁を作り出す!

加えて【ダッシュ】による機動性で付かず離れずを繰り返せば、奴さん焦れてリミッターを解除し追い打ちへ躍起になることじゃろう。
妾の機体、奴の身体、先に悲鳴を上げるのはどちらか!?



●黒い神
「はぁー……ハァ!」
 稼働させた時間は1秒にも満たない。だが、その僅かな時間でチェルノブの周囲は死の領域と化した。メカニルヴァーナがボロボロと落ちる。範囲内に生身の人間が居たら巻き込まれていただろう。だが、それはチェルノブの本意ではない。
 視覚的に激しい爆発が起きた訳では無い。ただ一瞬、蒼く光った。それだけだ。その一瞬であらゆる生命を脅かし、細胞を破壊する危険な死の風を吹き起こした。
 放たれた汚染は解除しても残る。だからこそチェルノブもこれの使用を躊躇っていた。だが、全力を出さねば勝てる相手ではない。
 猟兵達は直感した。死の風はキャバリア内にまで及ぶ物では無い。猟兵であれば治す手段もある。その上で、判断した。
 危険過ぎる。こんな物を武器にしてはいけない。武器として使う物の存在を許してはならない。
「私達とて、使いたくは無いのよ」
「だが、他に手が無ければ使わざるをえまい」
「それは違うだろ。そんな力、やっぱりあっちゃいけないんだ」
「そうだ、ここで終わらせる!」
 地獄の炎を上げて怒るプリンシパリティーズ、ホバー形態へと移行したイアソンが病んだ風を払い、急接近する!
「これ以上は使わせないぜ!」
 梵字輝く『焔摩天』を、ブースターの勢いを駆り右腕で振り下ろす! チェルノブはその刃を手の甲で外へ弾く! チェルノブが反撃の左を振りかぶり、気付く。左腕が獄炎纏うチェインに絡み付かれている!
「刃は囮か!」
「当たるのならそれでも良かったけどな」
「このまま腕を頂くわよ!」
 人型形態に変形したイアソンを操るエダが腕挫十字固を仕掛ける! 回避不能!
「ぐっ、制御棒を」
「それ以上はやらせない!」
 鎖を左腕に巻き、二刀に別けた剣で近距離斬撃乱打! チェルノブは右腕だけで辛うじて捌くも徐々に不利!
「それならぁ!」
 チェルノブは後方に飛んだ。そして、左腕を地面に叩き付けた! イアソンごと! エダは腕破壊を諦め離脱。チェルノブは後転からのブレイクダンスめいたウインドミルで起き上がりの隙を消す。
 プリンシパリティーズが双剣を接続し炎の竜巻を放つ! 全身を獄炎で包み、熱上昇による機器の通信阻害を狙うが、頑丈さに秀でたチェルノブ相手では効果は今一つか。竜巻の効果の及ばぬ死角、即ち背後からのイアソンの飛び蹴り! 空中で追撃の蹴りを二度放つ!
 連環腿と呼ばれる中国拳法に近い動きだ。鋼の脚が鋼を蹴る轟音が響く。着地し、腰を落とした【必殺聖拳突き】の構え。だがチェルノブは強烈なバックフックでそれを止める! エダは突きを中断しブリッジ回避! カウンターのサマーソルトキック! チェルノブは下段ガードでこれをブロック!
 背を見せられたウタは油断なく二刀袈裟斬りを仕掛ける! 回避不能、と思われた瞬間! チェルノブは身を捻る勢いを利用しスライディングめいて滑り込み逆にプリンシパリティーズの懐に飛び込むと強烈な脚払いを仕掛ける! ウタは跳躍し回避!
 爆炎噴射で距離を僅かに開けるとその周囲を旋回しチェーンを巻き付けにかかる! だが、チェルノブは逆に鎖を殴りつけてプリンシパリティーズを地面に転がす。即座に介錯のフットスタンプをエダがインターセプトしドラゴンスクリュー! 構わず地面に叩き付ける! 僅かに生じた隙にウタは側転回避。エダも一度距離を取る。
「コイツの格闘技、豪快に見えて繊細だわ。付け入れる隙が無い」
「それでいて武器攻撃にもしっかり対応して来るぜ」
「どうした? もうギブアップか」
「生憎猟兵にその文字は無いぜ」
「ならば死ね!」
「お前が死ねーッッ!!」
 アマミのハクサン・フルドリライズだ! その大推力突撃のドリルに宿るのは【板付】!
「雑な攻撃を!」
 チェルノブは多少のダメージを顧みずドリルの先端を掴み、地面に叩き付け粉砕しようとした。
 だが、そうはならなかった。アマミのドリルはその目前で地面へと標的を切り替えたからだ! 地面を割り岩盤で壁を作る!
「畳み返しというやつじゃッ!」
「何のつもりよ!」
 ドリルを掴み損ねた腕を握り、岩盤を粉砕!
「何のって、そりゃ奇襲っすよ!」
 岩盤の背後から迷彩を脱ぎ捨てる様に出現したテングリーフが『ハイノーズランス』を構え突撃! 三方向から!
「またお前か!」
「そう何度も、かかるか!」
 チェルノブはランスを掴み、勢いを殺さぬままに投げる! 迷彩を纏ったまま化術で作り出したダミー三体を囮にした不意打ちだった。衣更着はランスを放棄し、空中復帰。
「ここで決める」
 シューティングスターの『歌仙』が膝の裏に突き刺さる! 衣更着が本当に隠していたのは錫華の接近。一撃で急所を突き刺す、綺麗な一撃だ! 追撃は仕掛けず、即座に飛び退くとチェルノブの剛腕が空間を薙ぎ払った。もし判断が遅れていれば爆発四散は免れなかっただろう。
「そうじゃ、ここで仕留めるぞ!」
 クレアが右から、ウタが左から、エダは下から。近接技巧者達が同時に仕掛ける! だが!
「やらせん!」
 片足を軋ませながらチェルノブは凌ぐ! 左右の斬撃を両腕でブロックし、牽制の脚払い!
「死ねぇーいッッ!!」
 故に、正面のアマミには対応できなかった。胸部装甲に突き刺さるドリル!
「まだ終わりじゃないです!」
 そこにロニを連れて空間飛翔したティファーナ! 狙いは頭部の原子炉!
「使うしか……無いッ!」

●もう二度とは
 敵は周囲に固まっている。今原子力エンジンの超過駆動を使えば一網打尽だ。
 だから、そうする事は分かっていた。
「それは」
「その力は」
「二度とは使わせぬッ!」
 【ドワーフ式震脚】が地を揺らし、回避の選択肢を消す。一度は破られた【天空神ノ威光・黄昏】だが、発動を遅らせる事は出来る。
「汚染のために使うなら、放射線もまた穢れ。ゆえに祓いの神はおぬしを逃さぬ」
 それでも溢れようとする光を、キリングミーKの【巫覡御霊返しの弾】が射貫く!
「今だぜ。力を寄越せ、神威」
『良いぞ、その神通力存分に振るえ!』
 原子力発電に限らない話だが、発電とは基本的には熱を起こしてタービンを回す事で電力を作り出す。その熱だけを強引に奪われればどうなるか。
「馬鹿な、パワーダウンだと!?」
「駄目よ、これ以上制御棒を抜けばメルトダウンを起こしてしまうわ!」
 『神威』によって強化された狐狛の【放蕩する雪女】(バッドレディ・スノーホワイト)がチェルノブの原子炉から急速に熱を奪う! 中性子反応はそれでは止まらない。だが、熱が生じなければ炉心としては機能しない!
『美味! 美味よのう!』
「これだけデカいキャバリアをひょいひょい動かすだけあって凄い熱量だぜ」
『ならば、その力を直接喰らわせてくれるわ!』
 神威の背の神双槍砲塔がチェルノブに向けて展開され、激しく放電!
『四散せよ、鉄屑が』
「おいおい勝手に動くなっての。あー、まあいいか……撃っちまえ」
 空を切り裂く轟音。顕現した神の稲妻がチェルノブを貫いた!
「「グアー!」」
 炉心の超過駆動機能が完全停止!
「今だね。どーんっ!」
 ティファーナに運ばれて原子炉の上に取り付いたロニが背後からの【神撃】! チェルノブは受け身も取れずに転倒!
「んじゃ、詰めに入るぜ」

●顔に泥塗る巫覡御霊クィンクェ行進する聖職者式ヴァイストン還送神のブレイズ流星付
「キャバリアも金属の武具に違いねぇ。あるべき姿に戻りな!」
 玉ノ井・狐狛の顔に泥塗る死に化粧(デグレデーション・デコレータ)!
 『神威』による出力増強を受けてチェルノブの巨体を急速に腐食させていく!
「天津罪國津罪、祓いたまえ清めたまえ……全弾くれてやる!」
 キリングミーKの巫覡御霊返しの弾!
 既に一度見たユーベルコード、清浄なる神の御霊を宿した銃弾が払えぬ道理は無い。周囲をローラーダッシュ旋回しながら『スコープダック』の銃弾が病みを払う!
「この反応速度なら、微塵切りよ……!」
 支倉・錫華のクィンクェ・ブレード!
 ヤワくなった装甲に次々と切れ目が刻まれていく!
「ノミィズは血を求めてさ迷う恐ろしい集団なのにゃ! 目覚めよ!」
 ニルヴァーナの行進する群れ(ノミィズ・アーミー)!
 『愚励斗湾仔』が吼えると機能停止していたメカニルヴァーナが再起動! ノミィズを放ち腐食した装甲をがりがり齧り取る! がりがりと!
「今度は逃がさない……極める!」
 エダ・サルファーの聖職者式極支!
 『イアソン』が祈りを込めた神聖なるドラゴンスクリューで切れ目を入れられた足を極める! そして折る!
「従属神群、力を貸して! 神々の無限の宝物庫の真の効力を!」
 ティファーナ・テイルのヴァイストン・ヴァビロン!
 煌く財宝を依代にして召喚された従属神群が群れ連なり、巨神をも絞め殺す巨大蛇を形成! コブラツイストでめきめきと装甲が悲鳴を上げる!
「そろそろその物騒な物を黙らせる事も出来よう!」
 クレア・フォースフェンサーの還送能力(エグザイルコード)!
 『光騎士』が放ったオブリビオンを骸の海に還す力を籠めた光矢が炉心を貫き制御棒代わりとなって中性子を急速抑制し核反応を止める!
「キミの攻撃を1とするなら、ボクはその87倍返しだー! ドーンッ!」
 ロニ・グィーの神の鏡像(ゴッドシャドー)!
 周囲を取り囲む87体の分身がハンマーパワーの一撃! 軋んだ装甲が砕ける!
「その機体は命への理不尽その物だ、灰にして消し飛ばす!」
 木霊・ウタのブレイズアッシュ!
 機能停止した炉心を完全に切り離して沈黙させる『焔摩天』の横一閃!
「華は持たせるから決めるっすよ!」
 家綿・衣更着の流星突撃槍(テングリーフ・アルティメットランスチャージ)!
 『テングリーフ』が殲禍炎剣に捕捉されないギリギリの高度からの急降下突撃! 軋み、歪んだ巨神を地面に縫い止める!
「ゲームオーバーじゃド外道! 妾のドリルでてめーの息の根諸共捩じ切ってやるんじゃよー! 死ぃねぇぇぇーッッ!!」
 神羅・アマミの板付!
 『ハクサン・フルドリライズ』に宿った単純で重く全てを穿ち貫くドリルがその巨体を貫き、捩じり、突き破った!
 鉄屑と成り果てた巨神は完全に沈黙し崩れ落ちた。猟兵達の完全勝利だ!

●命の価値
 一応、コクピットは外しておいたのでコクピットブロックだけは原形を留めている。コクピットはバスタブめいて硬くしろと言うのはどこぞの魔王の教えかもしれない。
「さて、ご対面じゃな。この世界の妾よ」
「しかし、このハッチ……二人分にしては小さくないかのう?」
 機体を完全沈黙させたので全員キャバリアからも降りている。放射能汚染は既に祓われ、ウタの爪弾く鎮魂歌だけが響いていた。
「このタイプを外側から開ける時は……確か、コレよ」
 錫華がハッチの強制開放レバーを引く。分離ボルトが爆ぜ跳び、扉が解放される。
 中には男が一人だけ。激戦の疲労と放射能汚染のせいか、衰弱した様子だが無事である。
「完全にやられてしまったな……要求は何だ?」
「お主だけか? 『アルミ』はどうした」
「居るさ、ここにな」
 ノイズ交じりの立体映像。頭と左肩に角がある羅刹の姿を模した、青いパイロットスーツ姿の少女。
「完敗ね。止めでも刺しに来たの?」
「そうじゃな。お主を骸の海に還さねばならぬ」
「そう。じゃあやれば? どの道、私はこの機体と運命を共にするしかないもの」
 軽い空気音と共に突き出された金属管。『ANGEL』と刻印された、ヒトが入るには凡そ小さ過ぎる、だが、ヒトの一部を収めるには丁度いい大きさの。
「なっ……!?」
「生命維持装置が無ければ生きられない体なのよ、既にね」
「エンジェルパック……実在、していたのね」
「これも一つの答えだ、アンサー、ヒューマン……」
「ふざけるなよ! 何処まで命を弄べば気が済むんだ!」
 それを見たウタのやり場のない憤りが音色を狂わせた。
「……前時代の産物だ。そうでもしないと生き残れない時代も、あった……それだけだ」
「貴方はもう喋らないで。今更抵抗はしないわよね」
「ああ、投降、しよう……さようなら、アルミ」
「ええ、さよならアレクシス」

●帰還報告
『首尾はどうだったかなぁー? おやおや、つれない顔をしているねぇ』
「最後の最後であんな物を見せられればそうもなるじゃろ」
『ああ、見たんだ? 前時代的だよねぇ、昔のインターフェースは……今は現存してないよ。君達の言う、オブリビオンマシンが本当に過去からやって来るなら今後出てくる可能性はあるけど』
「そりゃ御免被りたい話じゃな。時に……その、回収目標は破壊してしまった訳じゃが」
『え、何の事? 君達ちゃんと強奪された物資を取り戻してくれたじゃぁないか』
「何じゃと?」
「ああ、コレだろ。『神威』、こっちがお前さん達の本当の回収目的だ」
『そうそう、ソレだよぉ!』
「なっ、お主知っておったな!?」
「ちなみに、おいら達も気付いてたっす」
「見付けたのは私達だしね。動かせなかったけど」
「サイキックキャバリアのオブリビオンマシン。別にあり得る話だ、煩くて仕方が無かったがなぁ」
『でもちゃんと傷一つ付けずに実戦データまで取れた。素晴らしいね!』
「おっと、渡すとは決めてないぜ? このままとんずらしちまうかもなぁ」
『善哉。キャバリア滅ぼすべし』
「……ずーっとこんな感じなんだ」
『えー、あー、うん。厄介そうではあるね。まあ、プラントの奪還はしてくれたしね。僕達の手に負えないと判断したら引き取ってくれてもいいよ』
「じゃあ、帰るとするか」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月22日
宿敵 『蒼き光を秘めし古の巨神を駆る狩人・アルミ』 を撃破!


挿絵イラスト