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汚染海域を救え

#グリードオーシャン #七大海嘯

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#七大海嘯


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●涅色の海
「や、やめてくれぇっ!」
 海に面した崖の上に響く男の悲鳴。
 島民らしきその男は既に満身創痍。体中至る所に裂傷や創傷が刻まれ、その目は生への執着がありありと浮かんでいる。
 そして島民の眼前に立つのは、襟高の海賊服に身を包んだ妙齢痩身の男。
「逃げるなんて悪い子ねぇ。まあ、逃げるなら逃げるで好都合。あなた達の悲鳴と絶望が“ケガレ”の糧になるのだから」
 軽快な女言葉で語るその男は、血にまみれたダガーをちらつかせながら、散歩のような軽い足取りで崖際に歩み寄る。
「ひ、悪かった。もう逃げない! 戻るから、戻るから許してくれえ!」
 迫り来る男から逃れるにはもう海に飛び込むしかない。
 しかし、背後に広がる光景がそれを許さない。なぜならば。
『アアァァ……ゥアァアア……』
 その海は本来あるべき青を失い、ヘドロのような色に染まっているからだ。
 そしてヘドロの中からは絶え間なく何者かの呻き声が響き渡っている。
「ダ・メ・よ♪ ほーら“ケガレ”達もお待ちかねよ。それとも私の玩具になる方がお好み?」
 遂に手が届く距離まで迫った海賊服の男。ゆっくりと差し伸べられたダガーが冷たく頬を撫でる。
「何もないこの島で、私だって退屈してたんだから。せいぜい壊れないようにね」
 そして何よりその男の残忍な笑みに、島民の心は遂に限界を迎えた。
「ひ、ひいいいいいいい!!」
 程なくして、ボチャリ、というくぐもった水音が辺りに響く。
「きゃっ、やだもう。ここまで跳んできたじゃない。汚いわね」
 崖下から跳ね上がってきたヘドロの飛沫に、素早く後退する女言葉の男。
「まったくあのお方に命じられたからとはいえ、こんな文字通りの汚れ仕事はさっさと終わらせたいわ」
 崖上に一人残されたその男はやれやれといった仕草で襟を正すと、腐臭の立ち込める島内へと踵を返すのであった。

●目指せリング島
「集まったみたいだな」
 ブリーフィングルームに集った猟兵達を見回し、枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)は説明を始めた。
「依頼だ、猟兵諸君。今回向かってもらいたいのはリング島。その名の通り陸地が輪っかの形に連なっている島なんだが、そこがコンキスタドールの支配に苦しめられているみたいでな」
 自前のドリップセットでウェルカムコーヒーを淹れながら、マックスは続ける。と、そこに一人の猟兵から手が挙がった。
「ん、だったらさっさと島に乗り込んでコンキスタドールを倒せばいいだろうって? う~ん甘い1 角砂糖5個分」
 ドバドバと砂糖をいれたコーヒーカップを差し出し、ニヤリと笑う。
「この島の海域は今、島の中心部からあふれ出るヘドロと、そこから生まれた無形のコンキスタドールに守られているのさ。リング島に上陸する前に海上戦になることは避けられない」
 しかもリング島近海はヘドロまみれのため泳ぐことはおろか、触れるだけでも大ダメージだ。故に戦場はガレオン船の上に限られる。
「このヘドロは人の絶望の感情を糧として形を成し、生物の肉体を蝕み増殖する、いわば海の生物兵器。奴らはその毒性で島民を従僕させ、自身の力の増大と増殖を図っている。な、下種だろ?」
 柔和な笑みを絶やさず猟兵達にカップを手渡していくマックス。
 しかし言葉尻に見え隠れする棘と、珈琲の湧き立つような熱さが彼の怒りを表しているように感じられた。
「しかもリング島を根城にしている親玉は、七大海嘯と呼ばれる強大なコンキスタドールの直属配下。対策も無しに戦っても勝ち目は薄いだろうねえ。故に君たちはまず、まだヘドロに浸食されきっていない島民を救い出し、親玉の弱点の手掛かりを得る必要がある」
 そしてマックスはホワイトボードにガレオン船での島への侵入ルート、そして近海を警護するコンキスタドール船団との邂逅予測地点を書き記した。
「おそらく海上戦い駆り出された島民の中にも、まだ無事な奴はいるはずだ。戦いながらも彼らの救出を進めてほしい」
 彼らを助ける為に奮闘する姿を見せることが出来れば、傷ついた島民たちはきっと心を開いてくれることだろう。
 だが、それも無事助け出せなければ元の木阿弥。彼らの命と心、両方を救うのがこの任務の最大の山といえるだろう。
「やる事は多いが、こんな圧政を見過ごすわけにはいかないだろ? 頼む、リング島を救ってくれ」


Naranji
 ヘドロを蹴散らすために~♪ 僕らは巡り合ったと思うから~♪
 漕ぎつき救い上げ 第六艦隊イ~エェ~ガァ~~♪

 ……はい、お久しぶりでございます。
 新世界も始まりましたが、グリードオーシャンも楽しみたいよね! なMSのNaranjiと申します。
 だって七大海嘯って響きが超格好良かったんですもん!
 コホン……初めましての方は初めまして。
 以前も参加して頂いた方は、本当にありがとうございます。

 第一章は集団戦、ガレオン船に乗って海上での戦いとなります。
 敵は無形のコンキスタドールが乗る船団。このコンキスタドールはヘドロから生まれた存在であるため、猟兵とは違い汚染された海中も行動可能です。
 また敵の船には汚染された島民も奴隷として従軍させられています。
 彼らの中にはまだ汚染されきっていない島民もいますので、彼らを救い出すことが第二章攻略の鍵となります。
 また中には完全に汚染され助けることの出来ない島民もいますので、後味が悪い展開が苦手という方には参加はおすすめできないかもしれません。

 第二章はボス戦。
 OPにちらっと登場していたオネエ言葉の男が敵として立ちはだかります。
 第一章で島民を一定数助け出していれば、無敵のボスの弱点を看破して戦いを有利に進めることが出来ます。
 逆に弱点看破が出来ていない状態だと、敵は非常に手強く生半可な手段では倒すことが出来ません。
 この場合はダイス判定の厳しめ&リロール無しとして判定させていただきます。
 さすがは七大海嘯直属。すごいぜ七大海嘯直属。

 第三章は冒険パートですが、内容は第二章終了後の間章で解説いたします。

 それでは皆さまの熱意と知恵、そして慈愛にあふれたプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『汚す者』

POW   :    穢れの一撃
【汚染の泥】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    冒涜する命の進撃
レベル×5体の、小型の戦闘用【死した動植物に感染した同族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    汚染の連鎖
【自身が放つ球体の黒光】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を感染して汚し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が乗り込んだガレオン船は一路、リング島へと向かう。
 そしてリング島海域に入り程なくして、ガレオン船はドロリとした粘着質の波に晒された。
 そして気付けば進行方向からは、膿とも泥ともつかない粘液に塗れた船団が迫っているではないか。
 立ち込める腐臭の中で猟兵の一人が目を凝らすと、迫る船の上には、体中にヘドロを付着させ虚ろな目をした男たちが乗っているのが見て取れる。おそらく彼らがグリモア猟兵の言うリング島の島民達であろう。
 そして更に観察を続ければ、敵の船団には各艘一体ずつ、巨大な汚泥の塊のような物がへばりついている。
 いや、それはただの泥ではない。
 奴こそが島民を苦しめるヘドロから生まれた怪物、コンキスタドール『汚す者』そのものであった。
 船にへばりついた汚す者は、時折その体表に浮かぶ唯一の生態器官、瞳を激しく蠢かせ分裂増殖。そして新たに船から這い出た汚す者達は、猟兵達の乗るガレオン船を取り囲もうと、ヘドロの海へ次々と身を躍らせていく。
 どうやら猟兵諸君は、海中から船に迫る敵と島民たちが乗る船団、この2つを同時に攻略しなければならないようだ。

 ※ガレオン船には熟練の船乗りが同乗しています。
 操舵技術のない猟兵でも船乗りに依頼すれば、敵船への接近→敵船に乗り込むなど、様々な行動を行うことが出来ます。しかしその間も、海中や敵船からは攻撃が行われるので、それへの対抗手段を講じる必要があります。
 またこの際の敵との距離などは、次の方のリプレイに悪影響を及ぼすことはありません。
リタ・デネット
海を汚すこと自体が許せないわ
しかも罪もない人々が犠牲になるなんて…
微力だけど、わたしも何か助けになりたいの

敵はUCで水の魔弾を作り攻撃するわ
でも、わたしの攻撃なんて微々たるもの
箒に乗って魔弾を放ちながら
本来の目的…島民の救助にあたるつもり

島民には水のシャワーを柔らかに降らせるわ
その心も体も清めるように
猟兵と名乗って助けに来た旨を伝えるの
だから、頑張ってと
心まで屈してしまわないでと

穢れたって飛んでみせる
その態度がきっと島民の心を鼓舞すると信じて
絶対に、助けてみせるから、頑張りましょう?

アドリブ、絡み、歓迎です


支倉・新兵
ガレオン船…限られた足場での戦闘か
成程これは狙撃屋(おれ)向きの戦場だね

索敵は例によってドローン任せ、船上から狙撃体勢を取って迎撃と行こう
UC発動、海中からも襲撃してくる泥状の標的…こいつに有効な弾丸には心当たりがある…独特の形状のタングステン弾頭で作り出した気泡で弾丸を包む特殊弾丸…水中はもとより泥や砂に覆われた標的も撃ち抜ける

召喚された弾丸を装填し敵船、或いは海中から迫る敵を狙撃
船乗りは兎に角全力で回避優先して貰う…敵船に近付く必要はないし、多少揺れようと俺なら問題ない
召喚UCは一撃で消滅可能、無事な島民は麻酔弾(UCにより弾頭切替)で無力化…或いは避けて敵本体の瞳だけを撃ち抜いてやるさ



「酷い……海をこんなにも汚すなんて」
 ガレオン船の舳先に立ったリタ・デネット(泡沫魔術師・f29437)は、愛用の箒を手に、水平線へと怒りの眼差しを向ける。
 その向こうより迫り来るのはコンキスタドール『汚す者』に浸食された船団。
 そして海面に浮かんだヘドロに遮られて確認することは出来ないが、海中からも『汚す者』達が刻一刻と忍び寄ってきている筈だ。このままではガレオン船が包囲されるのは時間の問題であろう。
 そして何より一刻も早く島民たちを救い出さなければ、とリタは箒を握る手に力を込める。
(微力だけど、わたしも何か助けになりたい。わたしに出来ることは……これしかない!)
 そして思い立つや否や、リタは箒に跨り空へと身を躍らせる。目指すは敵船のうちの一隻。
 その上空まで差し掛かると、リタはエレメンタルロッドを掲げ、得意の精霊魔術を発動させた。
「水よ、慈雨となって穢れを洗い流して!」
 呼びかけるのは、彼女にとって馴染み深い水の精霊。
 海上の湿気の多い空気を媒介に呼び出された精霊は、リタの呼びかけに応え、雲のない空から清らかな雨を降らせる。
 にわか雨は船体や、船上にいる島民達を打ち付け、その体にへばりついたヘドロを立ちどころに洗い流す……かに思われた。
 しかし、
「きゃあっ!」
 海中から突如として撃ち出された黒い光球が、精霊を使役するリタを狙う。
なんとかその奇襲を回避したリタであったが、まだ戦闘経験の薄い彼女には回避と術の継続の両立は困難であったようだ。
 敢え無くリタは雨を中断し、回避に専念せざるを得なくなってしまう。
「そんな、このままじゃっ、何も救えない……!」
 一人空を舞うリタは、数に勝る敵からしてみれば恰好の的。
 飛び回る端から彼女を狙う『汚す者』は数を増し、海中から打ちあがる光球も増加していく。
 と、その時であった。

 ガウンッ!

 雷鳴にも似た轟音が響き渡り、水面に一つの小さな水柱が生じる。
『ギュゥォオォオオオ!!』
 続いて立ち昇ったのは、ゴボゴボと不快な水音を孕んだ不気味な雄たけび。リタを狙っていた『汚す者』の一体、そいつが挙げた断末魔の叫びであった。
「まずは一体っと」
 『汚す者』を仕留めたのは、ガレオン船のマストの上に鎮座する一人の狙撃屋であった。
 淡々と狙撃用ライフルに次弾を装填しながら、支倉・新兵(狙撃猟兵・f14461)は次なるターゲットに銃口を向ける。
「限られた足場での戦闘。うん、実に狙撃屋(おれ)向きの戦場だね」
 引き金を引けば再び轟音と水柱、そして断末魔。
「新人ちゃんには悪いけど、少しだけ囮になってもらったよ。でもお陰で海中に潜んだ獲物の場所も目星がついた。ここからは、俺の仕事だ」
 そう言って新兵はユーベルコードによって特殊弾頭を備えた弾丸を生み出し、再びのリロード。
 今回彼が選択したのは、貫通力に優れたタングステン合金弾だ。特殊な形状で弾丸表面に気泡を生み出し、水や砂、泥といった流動体の抵抗を抑えることに特化したものなのだが、この選択が功を奏した。
 新兵の放った弾丸は『汚す者』の捉えどころのないヌメヌメとした体を貫通し、物理攻撃への耐性を無視して体内に深刻なダメージを刻みつけることに成功したのだ。
「よし、首尾は上々。後は船員さん達がうまいこと逃げ回ってくれることに期待しよう。それにしても、高くて遠いところから一方的に撃てるのはいいけど、隠密が出来ないってのは心もとないなぁ」
 そんな、新兵のどこか気の抜けるような独り言とは打って変わって、水中の『汚す者』達は阿鼻叫喚の騒ぎとなっていた。
 なにせ轟音が響き渡る度に、仲間が一体ずつ消えていくのだ。
 元より知能はそこまで高くない『汚す者』達には超長距離狙撃など理解できる筈もなく、遂には今までは追い立てる側だった『汚す者』達は、打って変わって正体不明の攻撃に一方的に追い立てられる立場へと逆転していた。
「でも隠密を捨てたのにも意味はある。わざと消音機(サイレンサー)は付けてないんだ。新兵から新人ちゃんへのアシスト、その意味が分かるかな?」

「これは、見張り台の上にいた猟兵さんの? そっか、注意がわたしに向いていない今なら!」
 空飛ぶ箒の操作に集中するあまりユーベルコードに力を割けなかったリタも、敵が轟音に気を取られている今ならば攻勢に回ることができる。
 彼女は瞬時にそう判断すると、残った力をかき集めて再び空に向けて祈りを捧げた。
「いくよ、ありったけ!!」
 ―エレメンタル・ファンタジア!―
 そして再び呼び出された水の精霊は、船の真上に渦巻く黒雲を生み出した。
そこから零れ落ちるのは、先程とは比べ物にならない、船を飲み込まんばかりの激しい豪雨だ。
 打ち付ける雨には海を汚す者への怒りと、苦しめられる人々を救いたいという願いをありったけ込めた。そうして放たれた全力魔法はリタの制御から離れ、彼女の持つポテンシャル以上の魔力が爆発する。
『ギュッ!? グィィォオオオオオ!!』
 さながらガトリングの如き水の魔弾の掃射。
 これには船体を侵食していた『汚す者』も見る見るうちにその身と力を削がれ、遂には粉々に砕けて水中へと没していくであった。
「はぁ、はぁ……やっ、た」
 しかし、全力疾走はそう長くは続かないものだ。
 無我夢中の全力魔法によって飛行制御の力すらも使い果たしたリタは、静かに箒から滑り落ちる。その先にあるのは、雨に打たれ、洗い清められた船の甲板だ。
「おい! 落ちてくるぞ!」
「そこに予備の帆があったろ! みんなで広げるんだ! 急げ!」
 あわや甲板に叩きつけられるかと思われた、その刹那。
 寸での所で広げられた巨大な白い布が、落ちてきたリタの体を受け止める。
「おい、揺らすなよ!」
「そっと下すんだ。この子は死なせちゃなんねえ」
「あなたたち、は……そっか、無事だったんだね……よかった」
 何者かの手によって静かに甲板に寝かされたリタ。その掠れる視界に写ったのは、ずぶ濡れになった船員服の男達であった。
「こんなにボロボロになって、まだワシらの心配かね」
「体も頭もいうこと聞かなかったけんども、空からずっと俺達助けようって踏ん張る姿はずっと見えてたぜ」
「ありがとうよ! 格好良かったぜ嬢ちゃん!」
 救った者も、救われた者も、皆傷だらけ。
 だがリタの奮闘は確かに島民を救う一助となったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

田抜・ユウナ
『汚す者』、ね
触れるもの片端から汚染し穢れを際限なく広める様子、まさに名が体を表している
……だからこそ、折りやすい

背負ってる妖刀を鞘ごと取って【七織の鞘】を使用
広範囲に広がるように、名折りの《呪詛》を放つ
「極めて汚なき事も、滞る事なければ汚なきはあらじと……」
穢れを伝染させることができなくなれば、あとは洗い流され消え行くのみ、よ。
綺麗に落とせると分かってれば触れることへの抵抗感も減るでしょう
敵船の強奪なり船乗りの救出なりを考えてる味方の援護にもなるかな



 船団の内の一隻を救い出すことに成功した猟兵達。
 しかし、まだ敵の数は多い。何より厄介なのは海中に潜んだ伏兵たちだ。
 先の戦いで混乱の坩堝に叩き落とされた『汚す者』達は、今や無差別に攻撃を繰り返している。
 体から無差別に汚泥を噴き出すその攻撃は、その度に海を汚染し、水面に浮かぶヘドロの領域を拡大していく。
 このヘドロが付着すれば、いくら頑丈なガレオン船と言えど一気に腐食が進んでしまうことだろう。
 故に猟兵もガレオン船に乗り組んだ船員達もなかなか攻勢に出ることが出来ずにいた。
 と、そんな時。
「ここは私の出番のようね」
 潮風に漆黒の美しい髪をなびかせて、一人のエルフが船の舳先へと歩み出た。
 彼女―田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は背負った大太刀に手を添えながら、燃えるような赤い瞳で、腐臭の立ち込める海を睨みつける。
「『汚す者』、ね。触れるもの片端から汚染し穢れを際限なく広める様子、まさに名が体を表している」
 その赤が宿すのは海を汚す者共への怒りか。
「……だからこそ、折りやすい」
 それとも、自身が与しやすい相手を見つけた事への不敵か。
 ユウナは鞘に取り付けていた携行用ベルトに手を伸ばして留め金を外すと、太刀を鞘ごと肩から降ろして両の手に握り込む。
 その刀は妖刀。決して鞘から抜き放つことを許されない一振り。
 そしてそれを収める鞘もまた、並々ならぬ封印の力を秘めた呪具であった。
「七織は名折り。名折れたもれと唱えれば、名無し形無し能も無し」
 ユウナは納めた刀を両掌の上に乗せ、海に捧げるような仕草で祝詞を口ずさむ。
「極めて汚なき事も、滞る事なければ汚なきはあらじと……」
 そして鞘に込められた七織の力を引き出すと、納刀されたままのそれを振るう。
 その瞬間、海に異変が生じた。
 『汚す者』達が噴き出していた汚泥。それまでは着水する度に、周囲の海水をヘドロに変換していた筈のそれが、見る見るうちに水に溶けて消えていくではないか。
「私の呪詛であんたらの『汚れ』の名は折れた。もう汚れを伝播する力も、生物に伝染する力もない」
 そう、ユウナの振りまいた呪詛により、『汚す者』達はこの瞬間、ただの蠢く泥の塊となり果てたのだ。
「名は体を表すのであれば、あんたらは最早何者でもない。そんな奴らが海に浸かればどうなるかなんて、考えなくても分かるわよね?」
 着々と自分たちの領域を拡大しガレオン船を取り囲もうとしていた『汚す者』は、自身の体の自由が利かないことに困惑する。
 それもその筈。ただの泥が波に逆らって海を進むことなど出来はしないのだ。
「穢れを伝染させることができなくなれば、あとは洗い流され消え行くのみ、よ」
 ユウナのその言葉の通り、『汚す者』はことごとく波に揉まれ、砕かれ、海底へと没していくのであった。
 海面に浮かんだ汚泥もいずれは海の自浄作用により、元の海に戻る事だろう。
「まあ、それも長い年月を要するだろうけど……。さあ、これで航路を塞ぐ敵はいなくなったわ。皆、船に捕われた人達を救い出すわよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

キカロ・ディズト
このような酷い蹂躙行為、許容できません
島民救出の為に全力を尽くします

ヘドロに汚染された島民救出を第一に行動
船乗りさんを危険に晒して心苦しいですが、
敵船へと船を寄せて貰う

ヘドロの動きや目線に留意しながら船上を速やかに移動
移動周囲上の危険度が高い敵にUC(凍枷)で動きを封じ
精霊銃に宿る力も借りて、スナイパーからの2回攻撃で撃破を狙う
俺狙いの攻撃挙動を事前に気付けたら射線上から回避

接舷後は敵船に飛び移って攻撃行動を続ける一方
島民の絶望を和らげる為に声を上げて、救出に来た事を周知
「猟兵です!助けに来ました!!」
まだ助かりそうな人、生気が残る眼差しの人を探し、
発見次第保護する

俺は、皆さんの命を諦めません


グレイ・アイビー(サポート)
ぼくの戦法は格闘術なんで、集団戦は正直面倒なんですよね
オブリビオンの血は不味そうで抵抗がありますが…仕方ねぇです
とりあえず、刻印にはそれで我慢してもらいましょう

味方がいれば共闘しますし、そうでなければ一対一で仕留めましょう
囲まれないように、そして、背後を取られないように立ち位置には注意
もし複数を相手にしなけりゃいけねぇ時は、残りHPが少ねぇ奴を優先して討伐していきます
味方を巻き込まず、且つ複数の敵が密集していれば偽神兵器でぱぱっと一掃しちゃいましょう
上手くいきゃ最高に気持ち良いでしょうね

UCは成功率が高いと判断もしくは敵が使用した技の相殺が可能と判断すれば使用
あとは臨機応変に行動し考えましょう



 攻勢に出た猟兵の策により、『汚す者』達の多くは大自然からの逆襲の波に揉まれ、水底へと没していく。
 これで海中を進む敵の軍勢はほぼ無力化され、島民を救う絶好の好機が訪れた。
「もうこのような酷い蹂躙行為、許容できません。これより島民救出の為に全力を尽くします」
 今ならば安全に敵の船団に近づけると踏んだキカロ・ディズト(冬のハガネ・f29598)は、その幼い見た目に反した大人びた物言いでガレオン船の船員達に号令を飛ばす。
 彼の指示を受けた船員達は速やかに持ち場につくと、敵船団へと接舷させるべく船を駆る。
 その間も、キカロは警戒を怠ることはない。
 最早死に体でありながらも、鼬の最後っ屁とばかりに水面から黒い光球を放ってくる『汚す者』がいれば、彼の物にとどめの一撃を見舞おうと船上を駆け抜けた。
「心身凍る厳冬を、どうぞ体感して下さい」
 キカロが呼び出したのは青白く輝く冬の精霊。
 冬の精霊は海面でもがく『汚す者』共に容赦なく極寒の吹雪を吹き付けて、その水気の多い体を完全に凍結させていく。
「この程度で皆さんの心が浮かばれることはないでしょうが……彼らの怒りを思い知りなさい!」
 そして彼が手にした精霊銃の一撃が、凍り付いた泥塊を粉々に打ち砕いた。

 程なくして、ガレオン船は敵船の一隻に横付けされる。
 キカロと他数名の猟兵がそこに飛び移ると、船はすぐさま次なる船に猟兵を送り届けるべく駆け抜けていった。
「猟兵です! 助けに来ました!!」
 甲板に降り立ったキカロが声を張り上げる。
 まだ助かりそうな人、生気が残る眼差しの人を探し視線を走らせれば、そこには確かに救いを求め手を伸ばす船乗りたちの姿がある。
「よかった。今助けに……っ!」
 しかし、船の上にいるのは無事な者だけではない。
『汚す者』によって肉体も精神も完全に汚染されきった生きる骸達が、未だ生ある少年を同胞に引きずり込もうと、彼に向けて殺到したのだ。
「おっと、そうはいかねぇですよ」
 だが次の瞬間、凄まじい暴風が船上を吹き荒れ、骸たちを退けた。
 異世界『アポカリプスヘル』を蹂躙する命喰らう嵐―オブリビオン・ストームを燃料に稼働する巨大動力兵器。その名も偽神兵器を手に、汚染された船員達の前に立ちはだかったのは、琥珀色の瞳を光らせる魔少年であった。
「集団戦は正直面倒なんですがね、相手が人間となれば話しは別です。くいっと捻ってやりましょうか」
 そう言って、魔少年―グレイ・アイビー(寂しがりやの怪物・f24892)は再び偽神兵器を豪快に振るう。
 誰を狙うでもなく空を切ったその所作は、しかし大気を引き裂いて、暴風と化した見えざる壁が船員達を弾き飛ばす。
「一応殺してはない筈なんですが、あいつらはもう助からないんじゃないですか? どうしましょう?」
 船の壁やへりに叩きつけられた男達を一瞥して、グレイはキカロに問いかける。
 一方、救い出した船員達を安全な所に逃がしたキカロは、動く骸と化した船員達を悲痛な面持ちで見つめていた。
 やつれ切った頬、体の至る所に傷跡が見え隠れし、その全てが汚物に塗れ化膿している。
 普通なら動くことすら儘ならない凄惨な姿でありながら、男達は再び生気のない瞳を揺らして立ち上がろうとしていた。
「確かに……彼らはもう助からないかもしれない。それでも俺は、命を諦めません」
「ん、それならここは任せますよ。ぼくは大本を叩きに行ってきます」
 そう言うと、グレイは獲物を肩に担ぎ上げて甲板の上を走り去っていった。
 後に残されたのは死霊の如く蠢く男達と、少年の姿をした監獄の化身。
「申し訳ありません、俺は今から皆さんの自由を奪います。今の俺では皆さんを救う事はできないから。だけど……」
 キカロは静かに目を閉じると、祈るように両手の指を組み合わせ、その掌の中に冬の精霊を召喚する。
 そして放たれたのは、海面ごと『汚す者』達を凍てつかせた冬の息吹、凍枷(コオリカセ)。
 しかし今度の凍枷は身を切るような厳冬を再現したものではない。
「せめて救いの時まで、苦しみのない眠りを」
 祈りの言葉と共に静かに吹き渡った北風は、汚染された島民達を包み込み、その体を氷の檻へ封じていくのであった。

「さあ、後味の悪い戦いは終わりにしましょうか!」
 グレイが木床を蹴り上げて疾走する度に、船は右へ左へと揺さぶられる。
 そして一気に跳躍。グレイの体は船のへりを飛び越え、海上へと身を躍らせた。
「見つけたぜ!」
 彼が目指していたもの、それは船体の脇にへばりついていた『汚す者』の本体。
 その濁り切った瞳が驚愕に見開かれるその前に、グレイは殺戮捕食態に変化させた偽神兵器をその眼球に突き刺した。
『グブゴブォオオオオオオオオオ!!』
「げぇっ、汚ねえ! でも~~負けるかああっ!!」
 グレイは偽神兵器を固く握りしめると、その中で猛り狂うオブリビオン・ストームに自身の血液を送り込み、突き刺した刃を躍動させる。
 脳裏に思い浮かべるのは、化け物を屠るに相応しい神殺しの武器。
 そのイメージは偽神兵器を更に活性化させ、刃は歪に巨大化し、遂にはチェーンソーのように回転して『汚す者』をえぐり切り裂いた。
「おっとっと! 危ない危ない」
 獲物を振りぬいた勢いで再び海面に落ちかけたグレイであったが、間一髪のところで船体に刃を突き刺し海への落下を免れる。
 しかし頭上で噴き出したヘドロの鮮血は彼の体に容赦なく降り注ぎ、その身を濡らしていくのであった。
「ぺっぺっ! こんな血じゃ刻印は満足してくれないでしょうね。まあ、今回はこれで我慢してもらいましょう」

 暫しの後、遠くの船からはリング島の島民達の歓喜の声が風に乗って聞こえてくる。
 どうやら他の船へ向かった者達も、無事に生存者を救い出すことが出来たようだ。
 しかし、猟兵達が辿り着くまでの間に島で失われた命が帰ってくることはない。
 ある猟兵はその悔恨を噛みしめ、またある者はもう誰一人として死なせないという誓いを抱く。
 そして彼らは一路、リング島に向けて帆を広げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『殺戮航海士ヴェノム・サーペント』

POW   :    あらあら、隙だらけよ。
肉体の一部もしくは全部を【エラブウミヘビ 】に変異させ、エラブウミヘビ の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
SPD   :    そんじゃ……かますわよっ!
【毒爪や毒投げナイフ 】による素早い一撃を放つ。また、【襟高の海賊服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    真実が美しいとは限らない。そうでしょう?
【誘惑と挑発 】を籠めた【手厳しい正論口撃】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦意と自尊心】のみを攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠枯井戸・マックスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「お陰で助かった。なんと礼を言えばいいのか」
 コンキスタドール『汚す者』が放った汚染の泥によって、心と肉体を蝕まれて続けていたリング島の島民達。
 その過酷かつ凄惨な状況からなんとか生還することが出来た船乗りたちは今、ガレオン船の上で治療を受けていた。
「頼む、島には俺の妻も子供も残っているんだ。どうか、どうか助け出してはくれないか」
 船乗りの一人が今にも泣き崩れそうな勢いで、一人の猟兵の腕を掴む。
「俺だけじゃない。俺たち船乗りは全員、家族を人質に取られて奴らの船に乗せられていたんだ。それにもし逆らったら奴らの親玉……『ヴェノム・サーペント』に惨たらしく殺されちまう! 俺たちじゃどうしようもなかったんだ!」
 ヴェノム・サーペントー殺戮航海士の名でも知られるその海底人は、海蛇毒と素早い身のこなし、そしてその残忍さでいくつもの島を苦しめてきた凶悪なコンキスタドールだ。
 それが今では七大海嘯と呼ばれる強大なコンキスタドールの配下に付き、更に力を増しているというのはグリモア猟兵からも聞いていた情報だ。
 更に付け加えるならば、今までのように正面から戦っては勝ち目は薄いだろう、とも。
 とそんな看病の最中、猟兵の一人が船乗り達に声をかける。
 長くに渡りヴェノム・サーペントに苦しめられてきた皆なら、何か奴に付け入る隙を知っているのではないか、と。
「隙? そんな、あんな悪魔みたいな奴に弱点なんて……いや、そういえば」
 船乗りの一人が、はたと閃いたように顔を上げた。
「そういえば奴はあのヘドロの化け物の事をやけに嫌ってるみたいだった。頭目に命令されなければ、あんな奴らの面倒を見る仕事なんてまっぴらごめんだったのに、つって怒鳴り散らしてよぉ」
「そうだ! そういえば、隣の村の奴が海から突き落とされて処刑されちまった時に、上がった飛沫から必死こいて逃げてたのを見たぜ!」
「ただの綺麗好きなだけかと思ったけど、あの逃げようは尋常じゃなかったな……理由は分からないが、奴がこの汚れた海を大層嫌ってるのは確かだぜ」
 そうして船乗りたちは声を揃えて、ヴェノム・サーペントのエピソードを列挙していく。
 これが本当であるならば、ヴェノム・サーペントを汚染された海に突き落とすことが出来れば、大きなダメージを与えることが出来るかもしれない。
 また海に落とす事が出来なくとも、波飛沫を上げるだけでも奴に攻撃を当てる隙を増やしたり、逆に攻撃を中断させることも可能だろう。
 だが逆を言えば、ヴェノム・サーペントを倒すには、『汚す者』達が跋扈する、毒に塗れた海沿いで戦わなければならないという事だ。
 一歩間違えば自分たちが毒に侵されかねない、まさに背水の陣となる。
 だが、それを避けて通る手段はないようであった。
「奴が嫌ってる物が分かっても、俺達じゃどうしようもない。あんた達だけが頼りなんだ。頼む、リング島を救ってくれ!」
ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ

知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね

防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー

そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです


桜井・亜莉沙
毒使いのくせに毒まみれの海は嫌いなのか…随分面白い人だね?
まあ、私もこんなヘドロまみれの海は御免被るけどね。
さっさと倒して綺麗な海を取り返そうじゃないか。

初めは牽制程度に魔法を使用
相手を調子づかせるために苦戦しているような演技をしながら戦うよ
勢いづいたヴェノムが攻撃のために近付いてきたところで、自分の周囲に隕石を投下
クレーターを作って海水諸共ヘドロを引き込むよ
……それじゃ、楽しい海水浴といこうか?
ああ、私は遠慮しておくよ。
じゃあね、あとはごゆっくり。


支倉・新兵
…一度やりあった相手、かぁ
此方もある程度手口は見えてるとは言え確かあいつ…速くて隠れて、索敵性能も高くて厄介な相手だったんだよなぁ、近付かれかれでもしたら終わr…ん?

…あいつ汚染された海に入れないんだよな、そして海沿いは汚染されて…

…船で海から狙撃すれば、あいつ近付きようが無い?
…やってみる価値は大いにあるか
俺の狙撃なら汚染海域を避けた位置からでも十分射程圏に捉えられる筈…上空からドローンだけを戦闘機域に散らして索敵、前回同様『目』兼『囮』としてヴェノム・サーペントを補足し『釣り』つつ、【跳弾狙撃】で水面に…更にドローンや海際周辺の僅かな岩場に跳弾させ多方向から撃ち抜いてやろうか



 猟兵一行は救い出した船乗りから情報を聞き出し、ヴェノム・サーペントが拠点としている家城にほど近い海岸に上陸した。
 おそらく海上防衛部隊が敗れたことも、我々がリング島に向かっていることも、既に敵の耳に入っていることだろう。
 それならば手分けして奴の拠点を探し出し、敵が迎撃態勢を整える前に交戦状態に入ってしまおうという算段だ。
「これは、酷いね……」
 島の海岸は波によって打ち上げられたヘドロにより地獄めいた様相が広がっている。
 岩場に降り立った桜井・亜莉沙(自称大魔術師・f26162)は、その惨状を目のあたりにして、整った眉目を歪めた。
 ヴェノム・サーペントはこのヘドロの海を嫌っているという。それならば自らこの付近まで出張って来る事はあるまい。弱点を突くためには、なんとか奴をこちらまで引きずり出さなくてはならないが……。
「来たわね、猟兵さん?」
 どうやらその懸念は不必要だったようだ。
 海岸を見下ろす岩場の上から聞こえたのは、ぬめりを帯びた男の声。そこに目をやれば、ヴェノム・サーペントは憎たらし気な目で亜里沙を見下ろしていた。
「まったく……好きでもない仕事とはいえ、邪魔されるのはむかっ腹立つわねぇ。それに、この島は七大海嘯・邪剣様の縄張りなの。余所者がおいそれと踏み入っていい場所じゃないのよ」
 そう言うとヴェノム・サーペントは芝居がかった動きで、やれやれと肩をすくめて見せる。
独特の女言葉に含まれているのは嫌悪と余裕。敵を前にして長々と口上を垂れるその姿からは、猟兵など敵ではないという内心が透けて見えるようであった。
「それなら早くここまで降りてくればいい。そんな高い所にいたら戦えないだろう? 私達もさっさとキミを倒して綺麗な海を取り戻したいんだ」
 対する亜莉沙もまた、余裕の笑みは絶やさない。
「それとも、まさか毒使いのくせに毒まみれの海は嫌いなのか……見た目通り随分面白い人だね? まあ、私もこんなヘドロまみれの海は御免被るけど」
 そう言ってクスクスと笑ってみせる亜莉沙。今度はヴェノムの眉尻が吊り上がった。
「……ふふふ、見え見えの挑発ね。でも敢えて乗ったげるわ。あんたみたいなお高く留まった女の鼻っ柱は叩き折るに限るもの」
 その言葉と共に崖の上からヴェノムの姿がかき消える。
 否、目にもとまらぬ速さで崖を走り下り、亜莉沙の首を掻き切ろうとナイフを走らせたのだ。
「おっと!」
 寸前でナイフを躱し、反撃とばかりにウィザードロッドから魔弾を放つ亜莉沙。
 だが、その攻撃はヴェノム・サーペントに掠りもしない。
「それで攻撃しているつもりかしら?」
 蛇のように素早く、そして音もない連撃に、次第に亜里沙は海際へと押されていく。
(くっ、参ったな。調子づかせて海沿いまで誘い出すところまでは上手く行ったけど、このままじゃ攻勢に出られない)
 そしてナイフを杖で防いだ衝撃で、遂に亜里沙はヘドロのぬかるみに足を取られてしまう。あわやと思われたその時。
 遥か彼方から飛来した弾丸が、ヴェノム・サーペントのナイフを弾き飛ばした。

 場面は移り、ガレオン船の上。
 マストの上の見張り台を定位置とした支倉・新兵は、狙撃ライフルのスコープ越しに敵を観察する。
(あいつとは一度やりあったことがあるけど、速くて隠れて、索敵性能も高くて厄介な相手だったんだよなぁ)
 蛇に姿を変える力を有し、神出鬼没の毒爪で仲間を苦しめた強敵。もし近づかれでもしたら、成す術はないだろう。
 だが今回は勝手が違う。
(でも、あいつが海に入れないっていうならこっちの物だ。安全圏から一方的に撃ちまくらせてもらう)
 既にガレオン船は島付近の重度汚染海域を抜けた所まで退避させてある。
 その遠距離からでも狙い違わず攻撃できるのは、一重に新兵の狙撃に特化した能力の賜物であった。
 そして新兵はドローンに集めてもらった海岸の地形を電脳魔術で瞬時に把握し。
「卑怯なんて言うなよ!」
 躊躇うことなく得意の跳弾射撃を幾度となく撃ち放った。
 放たれた弾丸は海岸の岩場や上空のドローン、果ては海面すらも反射して、ヴェノム・サーペントの逃げ場を奪うような軌道を描いて襲い掛かる。
 だが、新兵はひとつ重大な点を見逃していた。
「今のは銃撃? ふふ、面白いわ!」
 ナイフを弾かれたた衝撃に手を痺れさせながらも、ヴェノム・サーペントは嗤う。
 そして、羽織った襟高の海賊服を放り投げると……。
「シュッ! シャアッ!」
 銃弾が跳弾音を頼りに、四方八方から迫りくる弾を回避して見せた。
「この攻撃、もしかして『過去』の私と戦ったことのある相手かしら? 奇襲としては満点だけどお生憎。今の私は七大海嘯・邪剣様の威光を受けているの……よっ!」
 更に、何処からともなく取り出した投げナイフを、はるか遠くに見えるガレオン船へと向けて投擲する。
 ナイフは音を切り裂いて直進し。
「いっ!?」
 新兵が居座る見張り台へと突き刺さる。ナイフの軌道があと僅かに上向きだったなら、その凶刃は新兵に届き得ただろう。
 まさか避けられて、しかも反撃までされるとは思ってもいなかった新兵は、スコープの奥で目を大きく見開く。
「こ、この距離で攻撃してくるってのかよ! 卑怯だろ!」
 グリードオーシャン史に残る(?)お前が言うな案件であった。
「当たったかしら? 流石にこの距離じゃ確かめようがないわね。じゃ、まずは目の前のアンタから仕留めさせてもらうわ」
 そう言うと、ヴェノム・サーペントは体勢を立て直した亜里沙へと視線を戻し、両手から毒液が滴る爪を伸ばす。
(あと少し。あと少しで詠唱が間に合うのに……)
 声量を抑えて高速詠唱を続けていた亜里沙であったが、それでもまだヴェノムの爪が自身を切り裂く方が速いだろう。
 そう思考する間にも、ヴェノム・サーペントの姿はまたも高速移動でかき消える。
 再び窮地に立たされた亜里沙であったが、そこに新たな救援の手が差し伸べられた。
「お助けに来ましたですよー」
 その声は空から。
 光を背負って舞い降りたのは、天使の翼を有した少女であった。
「こっちくんなのー!」
 亜里沙の前に着地したオラトリオの少女、ミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)は、重心を下げ頭に手を添えた独特の防御姿勢で、2人の前に光の障壁を生み出す。
 それはヴェノム・サーペントの爪を受け止めると、星の瞬きのような光でもって敵の体を弾き飛ばした。
「ちぃっ! まだ増えるっての? この島は観光には不向きよ。帰んなさい!」
「そうはいきません! 私はみんなの居場所を守りに来たのですよー!」
 再び突撃し毒爪を振るうヴェノム。しかし、ミスティが張った光の障壁は削った傍から再生し、突破は遅々として進まない。
 その代償としてミスティもまた動くことが出来なくなったのだが、専守防衛の彼女のスタイルはヴェノム・サーペントとの相性はいいようであった。なぜならば、
「……待たせたね。星の力、お見せしよう!」
 ミスティには、猟兵達にはそれぞれの欠点を補いあえる仲間がいるからだ。
 障壁の後ろで詠唱を完成させた亜里沙が、魔法の杖を天へと勢いよく掲げる。
 その瞬間、雲に大穴が開いた。
 空を突き破って落ちてくるのは、赤熱した大岩。見紛うことなき隕石であった。
「どんなに速く動けたって、防ぎようがないだろう? さあ、行くよ!」
「なのです!」
 亜里沙は前衛を張ってくれていたミスティの肩を叩くと、彼女の手を掴んで空へと舞い上がる。
「ちょっ、冗談じゃないわ!」
 いくら強化されたコンキスタドールであっても、隕石の直撃など喰らおうものなら命はない。
 ヴェノム・サーペントは大慌てでその場を退避しようと背を向けるが、その脚を新兵の銃弾が貫いた。
「避けられるなら当たるまで撃つだけだ。元より俺にはこの手しかない!」
 新兵が続けざまに撃った跳弾射撃は、完全に不意を突かれたヴェノムを捉え、海岸に鮮血を飛び散らせる。
 そうしている間にも隕石は地表へと迫り……。
「キャアアアアアア!!」
 響き渡る轟音と土煙が海岸を覆いつくした。
 大きく抉れた地表に、辺りの海からヘドロ塗れの海水が流れ込む。
 ヴェノム・サーペントは間一髪のところで隕石の直撃を回避したようだが、あのヘドロの濁流の中ではさすがに無事ではあるまい。
「君はそこで海水浴を楽しみたまえ。私は遠慮しておくけどね」
 シルディの手に捕まって、それを見下ろす亜里沙。
 力を消耗した2人は後の戦いを次なる猟兵に任せ、一度ガレオン船へと退避するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

田抜・ユウナ
……汚れるのを気にして隙を見せるなんて、覚悟がなってないんじゃないかしら……とはいえ、舐めてかかれる敵ではないと、気を引き締める

パパッと印を結んで手の平を地面に当て【レプリカクラフト】
作るのは『スプリンクラー』。水道管を伸ばして汚染された海水を汲み上げ、《戦闘知識》《視力》でタイミングを《見切り》、汚水を散布
相手は強敵、狙い定めても躱されるだろうと、広く薄く撒き散らす
脱ぎ捨てた海賊服も汚してやれば、多少は気がそれるかも

で、<悪刀の怨念>を《ドーピング》して命を削りながら無理矢理に加速して肉薄し攻撃
「ーー飛燕手刀打ち!」

アレンジ・連携など歓迎


四軒屋・綴(サポート)
※口調
・語尾に「ッ!」がつきます(重要)
・敵には『貴様ッ!』
・一般人には『貴方』
・『~なのだなッ!』
・身振り手振りを多用します

※台詞例
・「仲間の為ならえんやこらッ! だッ!!」(だんだん《!》が多くなります)
・「良い夜だな、ご令嬢"フロイライン"。」(ルビを《"○○"》の形で振ります)

※行動例
・「なるほどッ! 了解だッ!!」(素直)
・「流石だ○○さんッ!」(サムズアップ)
・「生憎だがな、貴様達は此処が『終点』だッ!!」(それっぽい台詞)

ヒーローであろうとする一方、自分のことをヒーローとは呼ばず、正義を名乗る敵には一層の憎悪を抱く、ヒーローの仮面を被った面倒な奴です。

被弾とか破損とか全然OKです


キカロ・ディズト
どんな醜悪な人物かと思いきや意外にも綺麗な人ですね
しかし濁った瞳から性根が腐っている事は察せます

ポーションを事前摂取して毒耐性を得ておく
弱点情報を活かすべく行動
敵が海側に回避するような方向から攻撃を入れたり
敵攻撃は普通に回避しつつも
見失った場合は一か八かで海側に近付くように回避
…流石は七大海嘯直属。その強さは伊達ではありませんね
時折、敵を持ち上げて真の狙いを紛らわす

海側に近付けたら反撃開始

錬成カミヤドリを発動
枷半数で敵を包囲、残りは海へ思い切り投下
敵が飛沫に気を取られた瞬間
包囲していた枷をぶつけて海落下を狙う
落下が叶わなくても隙を見て攻撃

海を汚しておきながら
それ自体を嫌悪するとは滑稽な話です



 隕石落としにより大穴が空いた海岸線。
 流れ込むヘドロ交じりの濁流に飲まれ、ヴェノム・サーペントはその姿を消していた。
「これで終わり、とは考えづらいですね」
 小高い丘の上で先ほどの戦いを見守っていたキカロ・ディズトは、敵の生存を確信し渦巻く波を注視する。
「でも、あの汚れた海が弱点ってのは本当みたいね。あれほどの強さのオブリビオンなら、あの程度の波なんてすぐに脱出できる筈だもの」
 キカロと行動を共にしていた田抜・ユウナは、彼に習って波間を注意深く観察しながらも小さく嘆息をもらした。
「本当に汚れを嫌っているなんて、覚悟がなってないんじゃないかしら?」
「かもしれんが、誰にだって急所“ウィークポイント”は存在するものだ。油断は禁物だぞッ!」
 そう語ったのは、蒸気機関車を思わせる装甲を纏った大男。名を四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)。
「ええ、理解してる。舐めてかかっていい相手じゃないってのは、さっきの動きを見てたら分かるわ」
 そっけなく答えて、ユウナは再び真剣な眼差しで海に目を走らせる。
 と、その時であった。
「そんなに見つめないで。照れちゃうじゃない?」
 殺気を帯びた粘りつくような声が耳に届く。
 そして駆け抜けたのは疾風。
 どこからともなく現れたヴェノム・サーペントが、その毒爪で3人を奇襲したのだ。
「危ない!」
 間一髪のところでキカロはユウナを突き飛ばし、間に割って入る。
 しかし彼自身は毒爪に切り裂かれ、岩の地面に鮮血を散らした。
「キカロっ!」
「むッ! いつの間に海から上がっていたんだッ!!」
「そりゃもちろん、アンタたちの気付かぬ間によ。あんなに情熱的な視線をぶつけてくれたんだもの、まだ伏兵がいることくらい気付けるわ」
 そう言ってヴェノムは笑みを浮かべると、膝をついたキカロに熱っぽい眼差しを向ける。
 本当に汚染された海が弱点ならば相応のダメージを被っている筈なのに、ヴェノムの表情はどういう訳か余裕そのものであった。
「あらぁ、かわいそう。私の毒は神経毒。ずっと痛い痛~いでシビシビなの♪」
「ふふ、子ども扱いしないでください。この程度なんてことはありません」
 切創が刻まれた腕からは尚も血が滴っているが、あらかじめ飲んでおいた毒耐性ポーションのお陰で言う程の痺れはない。だが早急に毒抜きの処置をしなければ危険な事には変わりないだろう。
「それにしても、悪名高いヴェノム・サーペントとはどんな醜悪な人物かと思いきや、意外にも綺麗な人ですね」
「あら、お上手。私も君みたいな可愛い子は嫌いじゃないわ。特に、悲鳴がね!」 
 そう言って、手負いの敵から仕留めようと、目にも止まらぬ手さばきでナイフを放るヴェノム。
 しかし今度はユウナが間に割って入り、鞘に納めた刀でそれを打ち払った。
「借りは返すわ、キカロ。それにしても、本当に下種ね」
「ああ、全くもって度し難いッ! お前のような悪逆に安寧の地はないと知れッ!!」
 ユウナの隣では綴が煙突の生えた肩を怒らせ蒸気を噴き出す。
 そして綴はその蒸気をオーラとして纏い、ヴェノムに向けて突撃した。
 大柄な体を存分に生かした空間制圧に長けた徒手空拳。だが、その苛烈な攻撃がヴェノムに当たる事はなく、全て紙一重で回避されていく。
「やっぱり、海水で気を引かないとまともにダメージは与えられないか。キカロ、私に考えがあるの。手を貸してくれる?」
「はい、ユウナさん。俺がいる限り、奴の自由にはさせません」
 作戦を交わしあうと、ユウナは両手で素早く印を結び、キカロは精霊銃で牽制しながら綴のサポートに向かう。
「先ほどは綺麗と言いましたが、撤回しますよ。その濁った瞳を見ればわかります。例え容姿は取り繕えようとも、あなたは醜くおぞましい」
 抗戦するヴェノム・サーペントに回り込むように駆け出しながら、無事な方の腕で精霊銃の引き金を引く。案の定その弾は当たる事はないが、意識をこちらに向けることには成功したようだ。
「……は? 私が醜いですって?」
 軽やかなステップで拳撃を避けていたヴェノム・サーペントであったが、キカロの言葉を受けて豹変。
 怒りのままに綴を蹴り飛ばすと、青筋を立てながらキカロに向けて恐ろしい速さで詰め寄った。
「いぃぃ……ってくれたなぁ! 糞餓鬼が!」
 海賊服を放り投げ、本気の速さを見せるヴェノム・サーペント。
 到底逃げ切れない速さであったが、キカロはヴェノムとの直線上にヤドリガミである自身の本体、監獄の枷を召喚し敵を足止めする。しかし、それも僅かな先延ばしにしかならない。
 そして遂にヴェノムの毒爪が少年に襲い掛かろうとした、その瞬間。
「お待たせ! 少し距離があったから時間がかかったけど、これで開通だよ」
 地面に手を付いたユウナの手元から光が走り、無機質な金属の管がキカロとヴェノム・サーペントの間に出現した。
「ほら、あんたの大好きな海水だよ! 存分に浴びるといいわ!」
 それはユーベルコード『レプリカクラフト』によって作られたスプリクラ―。
 土中を通り海まで通じている管は勢いよく海水を汲み上げると、それを容赦なく吐き出した。
「ひっ、イヤあああああああ!!」
 未知の技術で振りまかれた汚染水の雨。それは完璧な不意打ちとなり、ヴェノムの体はたちどころに濡れ鼠となっていく。
 もちろん近くにいた仲間たちにも海水はかかるのだが、ヴェノムの取り乱し様は常軌を逸していた。
「ギッィィ!? 汚いっ、臭いぃっ!! 私の、わだじの毒が犯されるぅぅ!!」
 汚染水が降りかかった部分を掻きむしりながら、ヴェノムは地面を転げるようにしてスプリンクラーの範囲から逃げ回る。
 更によく見れば、水によって顔に施されていたメイクが流れ落ち、その下からは醜く爛れた素顔が見え隠れしていた。
 ヴェノム・サーペントが『汚す者』達を嫌っていた理由。それは、ヘドロに汚染した水がヴェノムの毒を打ち消し、その顔を覆う毒化粧を溶かし落としてしまうからであった。
「なるほど、一度海に落ちた後も中々姿を見せなかったのは、どこかで化粧を直していたからかッ!! まったく悠長な奴だなッ!!!」
 最早隙だらけも同然となったヴェノム・サーペントを一瞥し、綴は呆れ肩をすくめる。
 だが逆襲のチャンスを見逃してやるほど甘くもない。
「なら俺が乾かしてやろうッ!」
 綴は両腕を広げて身に着けた装甲を変形させると、胸の前で連結。巨大な機械弓を構築し、蒸気のオーラを固めて作り上げた大矢を発射した。
「暮・閃・列・車ッ!!」
 解き放たれた矢は着弾と共に巨大な爆炎を上げ、ヴェノム・サーペントの体を大きく吹き飛ばす。
「ギャアッ! くう、私の、私の顔を見たわね! 貴様ら全員生かして返さな……!?」
 爆発の衝撃からなんとか体勢を立て直したヴェノムであったが、目の前にはいつの間にか、大量の枷が浮遊している。
「あなたとのお喋りもここまでです!」
 それはキカロが『錬成カミヤドリ』を最大まで高めて作り出した即席の監獄。
 背後を見やればそこは崖際、その下には嫌悪するヘドロの海が広がっていた。
「ちっ、突き落そうってわけ? 甘いわね。こんな穴だらけの包囲網、私なら簡単に突破できる」
「いや、違うよ。これはあんたを叩きのめす為のリング」
 そう言って包囲網のわずかな隙間を潜り抜けて駆け込んできたのは、ユウナであった。
 背負いなおした妖刀から怨念の呪力をその身に降ろし、常人ではあり得ない速度でリングの中を駆け巡る。
「私と一騎打ちでもするつもり? そんな“なだらか”な体で笑わせるわ!」
 挑発のつもりで口走った一言。それがユウナの最後のリミッターを“ブチリ”と外した。
「……殺す」
 感情すら置き去りにした超加速はヴェノム・サーペントの反応速度を遥かに超える。
 瞬く間に間合いに入られたヴェノムは、自身の墓穴を掘ったことに気が付くも時すでに遅し。
「――飛燕手刀打ち!」
 込められた怨念はあるはずのない刃をその腕に宿す。
 そして振りぬかれた渾身の手刀がヴェノム・サーペントの胸を真一文字に切り裂いた。
「あなたに宣告を言い渡します。判決―終身刑。永遠に許されぬ罪を抱き、沈め」
 そして一斉に襲い来るキカロの枷。
 それらは吹き飛ばされ崖下へと落ちるヴェノムの全身に絡みつき、無限とも思える拘束を重ねていく。
「猟兵共おおおおお!! ムグっ!」
 そしてトドメとばかりに飛来した猿轡によって怨嗟の声すらも封じられ、ヴェノム・サーペントはヘドロの海という名の牢獄に永遠に収監されたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 冒険 『クラゲの海域』

POW   :    だったら釣ればいいだろう! 漁の道具を応用して無理やり釣り上げる。

SPD   :    この手に限る。自慢のユーベルコードで一気に駆除する。

WIZ   :    放してやった。クラゲの生態を観察して安全に捕獲。遠洋に放流する。

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 島に圧政を敷いていたコンキスタドール、ヴェノム・サーペントを海の底に沈めた猟兵達。
 彼らはガレオン船に勝利を報告すると、救助していた船乗りたちを連れ立って再度リング島へと上陸した。
「夢みたいだ。これでまた家族と平和に暮らせるんだな!」
「ああ、早く母ちゃんに会いてえなぁ。それに子供達も無事だといいんだが」
 嬉しさの中に僅かな不安を滲ませながら船乗りたちは猟兵達を先導する。
 そしてたどり着いたのは、リング状になった島の内輪部分。そこにリング島で最も大きな集落が存在していた。
「と、父ちゃん!」
「あんた! 無事だったのね!」
 彼らを出迎えたのは、ボロボロに痩せこけた島の住民たちだ。
 『汚す者』共によって海も陸も汚染されきったこの島には、最早碌な食料はない。
 そんな過酷な環境で暮らすうちに漏れ出る負の感情も、奴らが増殖する糧となっていた。
 だがそんな暮らしももう終わる。
 コンキスタドール討伐の知らせを受けた島民たちは、頬骨が浮き出た顔に満面の笑みを浮かべて、互いの肩を抱き合い歓声をあげた。

 しかし……。
「ね、ねえ!? な、中の海を見て!」
 悲鳴が上がった方を見れば、そこでは顔面を蒼白にした女性が『中の海』―島の中央部に存在する巨大な汽水湖を指さしていた。
 中の海の中心にあるのは、不気味な剣の紋章が刻まれた一振りの海賊旗。
 いや、それだけではない。
 海賊旗の周囲からは、ゴボリ、ゴボリ……という不快な音と、不気味な笑い声が絶え間なく響いていたのだ。
 双眼鏡でその旗の付近を更によく確認すれば、それがヘドロが盛り上がりヒトの形を成そうとしている音だと分かるだろう。
「あの男、ヴェノム・サーペントは最初、中の海から来たんだ。その時にはもう中の海の真ん中にはあの不気味な旗があってよぉ」
「もしかして、あの旗がある限りあいつは復活するっていうの!?」
 一時の開放に湧いた住民たちが再び絶望に顔を曇らせる。
 とその時、猟兵達に通信が入った。
 それは彼らをグリードオーシャンへと送ったグリモア猟兵からの、七大海嘯に関する緊急報告。
 グリモア猟兵曰く、七大海嘯の腹心たちはその魂の一部を海賊旗に移すことで力を得ていたらしい。
 そして海賊旗を引き抜いて燃やさない限り、奴らは主の命を叶えるために何度でも蘇るというのだ。
「つまりあの旗が諸悪の根源ってわけか」
 それを理解した猟兵達は頷き合うと、中の海へと歩を進める。
「猟兵さん方! これを使ってくだせえ!」
 とその背を、ガレオン船で共に上陸した船乗りが呼び止めた。
 船乗りは仲間と共にいくつもの小舟を用意して、猟兵達を追いかけてきたのだ。
「これは俺達が中の海で漁をする時に使ってた船だ。助けになるかは分からねえが、竿とか網とか道具も粗方積んである。……頼む、いやどうかお願いします! あの旗をなんとかするには、きっと猟兵さん方の力じゃないとダメなんだ!」
 地面に頭をこすりつけて、船乗りの男は涙を流す。
「でも気を付けて下せえ。中の海からはよお、あのヘドロの化け物が出て以来、不気味な毒クラゲがいくつも湧いて出てきやがるんだ。俺のダチ公がヴェノムに一泡吹かせようと舟であの旗まで行った事があるんだけど……その瞬間クラゲたちが一斉に船に襲い掛かって転覆させちまったんだ。それ以来、ダチ公は……」
 話によると、クラゲは海賊旗に近づく者に激しい敵意を見せるらしい。
 旗を引き抜くには、獰猛なクラゲを退けながら進み、そして旗の周りに近づけさせないように工夫する必要があるようだ。
「この島には猟兵さん方にあげられるような物は残ってねえけどよ、いつか島を復興させたら立派な宝を拵えて恩返しする。約束させてくれ、きっとだ! ……だからよぉ、どうか俺達に恩返しの機会をくだせえ。平和なリング島を取り戻してくだせえ!」
支倉・新兵
海賊旗、かぁ
…俺ならここからでも撃ち抜けそうだけれど、そうもいかない、んだろうなぁ
ならせめてクラゲだけでも対処しておくかな

『近付く』のは狙撃屋の仕事じゃないし…何よりこう、喜んで貰えるのはいいんだけれどあそこまで感謝されると…うん、逆に居心地が…(←コミュ障)
厚意は気持ちだけ受取り――恩返しのお宝云々も含めて――船は借りず、いつものように超遠距離狙撃でやらせて貰おう…狙撃点からドローンで海上の様子を探りながら順次UCによる対処
海洋生物駆除用の電撃ネット弾頭を撃ち込んで纏めてクラゲに対処しようか

近付くのや燃やすのは他に任せるけど…行きがけの駄賃だ
序にヒト型のヘドロと海賊旗、一発位撃ち抜いておくか


桜井・亜莉沙
※アドリブ・連携歓迎

やれやれ、この期に及んでまだ諦めてなかったのかい?
……それじゃ、今度こそ本当の終わりを与えようじゃないか。

まずはレプリカクラフトで小型の爆弾を作成
多少雑な作りでも爆発すればいいのさ。
作った爆弾を海中に放り込んで、ダイナマイト漁の要領でクラゲを排除しながら前進
……あんまりお行儀のいいやり方じゃないけどね。
味方の近くにクラゲがいるようだったら海中に爆弾を投げ込んで援護
私より力のある人がいればより遠くに投げることもできそうだ。
首尾よく旗を引き抜けたら、その場でウィザードミサイルを撃ち込んで燃やしてしまおう


龍統・光明(サポート)
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』
ヤドリガミの電脳魔術士×神器遣い

性別:男

外見:赤い瞳・銀髪・色白

口調:俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

特徴:基本冷静沈着。但しノリは良い。
普段二刀流と蹴術を織り交ぜる戦闘スタイルだが、
AS展開時は一転二丁銃と羽形ブラスターを操り戦う。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用

基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う

常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている

自由に動かして頂いて構いません。(NG:ギャグ・コミカル)


臥待・夏報(サポート)
やっほー
実は最初から此処に居た夏報さんだよ

隅っこで怯えてる一般人の捕虜とか
はたまたフードを目深に被った敵の一味とか
もしかしたらボスの傍らに侍ってる女とかいるじゃない?
そういうモブのうちの一人が、『目立たない』よう『闇に紛れ』て『情報収集』している夏報さんだったって寸法さ

とは言っても夏報さんはしがないエージェント、身体能力は一般人に毛が生えた程度
そんなに派手なことはできないね
実弾式記憶消去銃『MILK-DIPPER』による情報操作や暗殺
毒針付きフックワイヤー『釣星』による罠の仕掛けや暗殺
ま、こんな話をしている頃には地味な仕事は終わっている
戦闘に巻き込まれる前に、『逃げ足』を活かして退散しておくよ



「やれやれ、この期に及んでまだ諦めてなかったのかい?」
 桜井・亜莉沙は『中の海』の中央で再生しようとしているヴェノム・サーペントに冷ややかな視線を向ける。
 あれほどヘドロの海を嫌っていたのに、今度はそれを依り代に再生しようとは身勝手な話しだ。
「まあ、いいさ。それじゃ、今度こそ本当の終わりを与えようじゃないか。みんな手筈は確認したかな?」
「ああ、奴の業は目に余る。この期に及んで復活など、許してはおけないな」
 龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)は腰に差した刀に手を添えて、その眼差しをさらに鋭くする。
「はいよー。今まで通り夏報さんにお任せあれー」
 光明の横に立つ臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)もまた、気合十分といった様子で船のオールを掲げてみせた。
「あれ、あなた今までいましたっけ?」
 と、そこで支倉・新兵が怪訝そうに新顔の夏報を見やる。
 そういう彼は陸地でお留守番、もとい陸からの狙撃支援を行う手筈となっている。
「ずっといたよー! 見てなかったの夏報さんの大活躍?」
「まあまあ、ヴェノムがいつ再生しきるかも分からないんだ。そろそろ行こうじゃないか」
 軽くヒートアップしそうになった雑談を制し、率先して小舟へと乗り込む亜莉沙。
 集中力を高めているのか無言を貫く光明と、まだぶーぶー言いたそうだった夏報もそれに続くと、いよいよ3人は中の海に漕ぎ出した。
「頼むぞー!」
「がんばって、猟兵さーん!」
 岸に集まった島の住民たちの声援が、彼らの背を後押しする。
 それを聞きながら一人残った新兵はそそくさとその場を後にした。
「あそこまで感謝されたり応援されたりするのは……うん、逆に居心地が……」
 根っからのコミュ障気質な彼は島民たちの目の届かない所まで退避すると、そこに伏せて狙撃姿勢をとる。
 飛行ドローンのカメラを介して中の海を見れば、小舟はすでに中の海の中ほどまで差し掛かっていた。
 島民の話によると、あの辺りをすぎた頃から海に浮かぶクラゲ達の挙動が、外敵を排除するそれに変化してくるらしい。
「俺ならここからでも海賊旗は射抜けるだろうけど、グリモア猟兵さんの話だと旗は抜いてから燃やさないといけないらしいし……。何より近づくのは狙撃屋の仕事じゃない」
 新兵はそう独り言ちながら、淡々と特殊弾丸を装填。
 対人用に作られた非殺傷型の電気ネット弾丸だが、クラゲには効果てき面だろう。
「俺は俺のやり方、クラゲ退治でサポートさせてもらうよ」

 一方、小舟の上。
 船主に立った光明は、傍に漂うクラゲの様子がおかしいことに気付いた。
 岸を離れた直後は時折波間に覗く程度であったが、航路の半ばを超えた辺りから見るからに船に近づくクラゲの数が増え始めたのだ。
「警戒されているね。やっぱり、このクラゲもコンキスタドールの一種のようだ」
「ああ、ならば切り捨てるまで。前方は任せてもらおう」
 気づけば小舟の右も左も正面さえも、全方位がクラゲに包囲されている。
 顎に指を添えて所見を述べる亜莉沙に静かに答えると、光明は鞘に左手を添えて深く腰を落とした。
「存分に咲き誇れ」
 そして柄を握った瞬間、目にもとまらぬ斬撃が海面を幾度となく走る。
 双臥閃刃流の御業、総餓流禁術【蓮華】-ユーベルコードの域まで高められた連続抜刀居合いが波を刻み、前方より迫るクラゲを微塵に砕いていく。
 その鋭すぎる太刀筋を受けて、斬られたことにすら気づかぬまま沈んでいくクラゲもいたことだろう。
 とその時、小舟の左右にバチッと電気が走った。
 そちらを見れば、複数のクラゲがネットにからめとられて感電している。
 遠く離れた岸から新兵が放ったライオットスナイプは、狙いたがわず小舟を転覆させようと迫る者たちを鎮圧していった。
「二人ともやるね。じゃあ私は後方を任せられようかな。少し揺れるけど、頑張ってね」
「ちょっと、夏報さんは舟渡しじゃないんだよ!」
 先ほどからずっとオール役を担っていた夏報の横を通り過ぎ、小舟の後ろに立った亜莉沙。
 その手に握られていたのは、即席で作り出した小型爆弾だ。
「作りは荒くても爆発すれば上等さ。あんまりお行儀のいいやり方じゃないけどね」
 そう言いながら放り投げた爆弾は、軽い水音を上げて沈んでいき……。
 ドカン!!
 船の後方に盛大な水しぶきを作り出した。
 亜莉沙が立案したのは、いわゆるダイナマイト漁の要領でクラゲを駆除する作戦だ「。
「うわわわわ!!」
 小舟は激しい波に揺られ、危うく転覆しそうになる。
 それに対して夏報は必死にオールを駆り、爆発によって生じた波も利用して更に船を加速させた。
 さすがは諜報とヒット&超アウェイを得意とするエージェント。彼女の逃げ足は水上でも有効のようである。
「ふふ、いい手腕だね。この道でも食べていけそうじゃないか?」
「夏報さんをなんだと思ってるのかな、おい?」
 などと文句を垂れながらもオールを動かす手は休めない夏報。
 光明の露払いもあり、小舟は猛スピードで海賊旗が立つ中の海の中央へと向かっていく。
「あとは旗を引き抜くだけなんだけど……やっぱりいるよね」
『ウォォォォォ……』
 船が海賊旗に差し掛かる寸前、彼らの前に立ちはだかったのは不気味なヘドロの塊。
 それは今まさに復活しようとしているヴェノム・サーペントの出来損ないであった。
「その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……」
 かろうじて人型を思わせる形にまで起き上がったそれを、光明の居合が容赦なく切り裂いた。
 だが、斬られたところでそれは未だ命宿らぬ土塊。断面から新たな上半身が盛り上がり、再び復活しようと藻掻き始める。
(さんざん怖い思いさせてくれた癖に、最後はそんなザマか。見苦しいよ、ヴェノム・サーペント。三度目はいらない……これで終わりにしよう)
 スコープを覗き込んでその様子を見ていた新兵は、ライフルに実弾をリロードし胴体に照準を合わせる。
「二度と出てくるな、オカマ野郎!」
 そして怒りと共に引き金を引き、轟音と共に打ち出された弾丸は、ヘドロの体を粉々に吹き飛ばした。
「ぜぇー、ぜぇー、到着だよー……」
「ありがとう。帰りも頼むよ」
 全ての障害を排除し、ようやく海賊旗の真横にまで漕ぎつけた猟兵たち。
 亜莉沙は不気味な剣の描かれた旗を握ると、それを勢いよく引き抜き、空に放り投げる。
「七大海嘯の邪剣……この島の人たちの恨みは、いつか自分の命で償ってもらうよ。これはその宣戦布告さ」
 風に吹かれて、はためきながら落ちてくる海賊旗。
 亜莉沙はそれを睨みつけると、指先に灯した魔力を火矢に変え、旗の着水を待たずして焼き尽くすのであった。

 かくして、リング島を襲った悲劇は幕を閉じた。
 失ったものは数多くあれど、もうこの島に命と自由を奪うものはいない。
 島の人々はささやかな宴を開いて尽力してくれた猟兵に感謝を伝え、次なる戦いに向かう彼らの多幸を祈ってくれることだろう。
 そして猟兵達もまた人々の平和に思いを馳せつつ、リング島を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月26日


挿絵イラスト