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ヘロドトスの戦い

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「皆さん、大変です。スペースシップワールドの、移民船の一つ『移民船ヘロドトス』が、突如現れた銀河帝国の艦隊によって襲撃される事件が発生しました」
 エリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は開口一番、集まった猟兵に緊急事態を告げると状況の説明を開始した。

「帝国艦隊の接近を察知したヘロドトス首脳陣は、最低限の人員を残し、住民を緊急避難させる事を選択しました。
 脱出艇や貨物船はもとより、コンテナブロックや家庭用の小型船舶まで利用した大脱出は何とか成功。ヘロドトス自体は、避難民が撤退するまでの時間を稼ぐための盾となり、帝国軍の艦隊の前に立ち塞がったようです」
 エリカの説明を聞いた猟兵達の反応は様々だった。
 ヘロドトスの決断を賞賛する表情を浮かべる者もいれば、あまりに無謀な行動に驚きを顕わにする者もいる。

「この無謀とも言える作戦は成功し、避難民の多くは無事に脱出しています。
 しかし、盾となったヘロドトスは帝国艦隊による攻撃を受け、強襲揚陸した多数のクローン兵が船内の制圧を開始しています。
 もとより、最低限の人員しか残っていないヘロドトスです。帝国軍の攻撃に耐える事はできていません。残された警備隊員達は後退を繰り返し、最もセキュリティが強固なコアマシンルームの前で、決死の防衛戦を行っているようです」

 ここで一旦言葉を切ったエリカは、集まった猟兵達全員を見渡すと、
「既に大勢は決しています。しかし、この勇敢な人々を見捨てる事は、私にはできません。
 皆さんを、ヘロドトスのコアマシンルームに転送します。残った警備隊員に力を貸して、帝国軍の攻撃を凌ぎ、時間を稼いで頂けないでしょうか」
 と、今回の作戦の目的を告げた。

 作戦の目的は、残された勇敢な警備隊員たちの救出。
 猟兵達が時間を稼ぐことに成功すれば、救出部隊を編成し、警備隊員達を連れて脱出する機会がきっとあるだろう。

「危険な任務となりますが、どうぞ、よろしくお願いします」
 エリカは最後にそう言うと、猟兵達に頭を下げたのだった。


一本三三七
 はじめまして、マスターの一本三三七(いちもとしめた)です。
 第1章は、移民船『ヘロドトス』に転移して、コアマシンルームを死守する戦闘シナリオとなります。
(敵を多数撃破すればする程🔵を多く得る事が可能です)

 ヘロドトスからの脱出準備が整えば(👑が100に達したら)、第2章に移行します。

 ヘロドトスの周囲には、銀河帝国の艦隊が布陣している為、第一章が成功判定になった場合でも、作戦通りに救出が行えない場合もあり得ます。
 万が一の場合は、救出を断念して、猟兵達のみ撤退せざるを得ない場合もありえるので、その点を覚悟の上で、ご参加ください。

 救出対象者は、フォースナイトの『ミディア・スターゲイザー』と、その他の警備隊員12名となります。
 ミディアは、猟兵と同等の戦闘力を持つ優秀なフォースナイトのようですが、その他の警備隊員さんは全員合わせて猟兵1人分くらいの戦闘力しかありません。
 警備隊員に戦死者が出るのは、しょうがありませんが、できるだけ多くの人命を救助できるように、お願いします。

※チームについて
 コアマシンルームは決して広くは無いので、多人数のチームで連携した行動を行うのは難しくなっています。
 2~4名程度の小グループで連携するのが限度となっているので、プレイングの参考にしてください。
 また、チームを組む場合は、プレイングの冒頭に【チーム名】を入れた上で、出来るだけ同じタイミングでプレイングを送信するようにしてください。
(チーム名を間違えたり、タイミングが大きくずれた場合は、チームとして行動できない可能性が高くなります)
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第1章 集団戦 『クローン騎兵』

POW   :    ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑100
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レナ・ヴァレンタイン
※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎

――その覚悟、見事という他なかろう
そして間に合ったならば、あとは任せてもらおうか
負傷者がいるなら後退して治療を優先しろ

先手は譲れ。接近前に可能な限り削り取る
ユーベルコード「軍隊個人」起動
「ようこそ、ささやかなりし殺傷圏内(キルゾーン)へ」
「歓迎するとも。たらふく喰っていけ!」
マスケット、リボルバー、ガトリングを21挺ずつ複製
元々持っている武装含め計66挺による制圧射撃を開始

熱線銃による狙撃を試みようとする者、勇敢にも弾幕を押しのけ前進しようとしてくる者から優先して銃弾を叩き込み続ける

私は決め手にはならんだろう。後は任せたぞ猟兵諸君!


水心子・静柄
この切羽詰まった状態で仲間を待っていられないわ。同じタイミングで転送された人と即席のチームを組んで敵を迎え撃つ!

私は近接で戦う事しか出来ないから進んで前に出て敵と戦うわ。相手がジェノサイドモードで来ても覚悟を決めて相手になるわ。脇差が本体という事に気づかせない為に武器(鞘に入った鈍器)として扱うわ。それで瀕死になるまで戦ったら、戦場の亡霊で亡霊を呼び出して、次の作戦に備える為にコアマシンルームに引き下がって仮の体の回復に務めるわ。


村雨・ベル
べるべる 一番乗りー!(ぶんぶん)

宇宙服着用


進入してくる敵の分布を把握しないといけないので
ブロックごとにどれぐらいの兵が来ているかの確認と
連絡を端末を通じ横の連絡網を構築し
効率よく排除するようお願いしましょう

自分の近くにいる敵へは船内通路を進行してくる兵を次から次へ
拘束制御術式で拘束
他の猟兵にトドメさしてもらうためにフォローに徹します


機密ロックのある部屋などへ誘い込み
機密扉を開放
もしくはそのブロックごとパージして
密集していた敵兵を船外へ放出するなど試みます

移民船ヘロドロス そう簡単には墜とさせません!

。。
○。


デナイル・ヒステリカル
既に急を要する事態ですね。多勢に無勢と彼我の戦力差も大きい
一分一秒を争う場面だと判断します
チームを組む為の些細な時間ですら惜しい
彼ら救出対象をなるべく大勢助けるために、猟兵小隊に先行して、一人で乗り込みます
他の猟兵が来るまでの、たった数分程度の時間稼ぎならば可能なはずです

転送されて即座に電脳ゴーグルを着用し電脳空間を展開
敵味方の戦力分布について情報収集をしてます
UC:バーチャルレギオンを使用して機械兵士の群れを召喚
収集した情報を元に各所へ援護射撃を開始し、一時的にせよ戦力を拮抗させようと思います

一撃で消滅してしまうレギオンでは時間稼ぎが精一杯でしょうが…
他の猟兵もすぐに来てくれます。大丈夫です


ソナタ・アーティライエ
「及ばずながら、わたしも加勢させて頂きますね」
誰一人として、犠牲になんてさせません
その決意を胸に、皆様の盾となるよう立ち回ります

ハーモニー・ローズを介して【幻想小夜曲第140番『夢絃の琴』】を戦場に響かせて
襲い来る悪意・攻撃をなだめ鎮めて、不発に終わらせてみせます
また、そばに怪我をした人がいる・出てしまったら
【生まれながらの光】によって生まれた燐光を飛ばして、すぐさま癒させて頂きますね

アドリブ・他の方との絡み歓迎です



●ヘロドトスの戦い
 帝国艦隊に包囲された移民船ヘロドトス。
 ヘロドトス本体を盾とし、住民を避難させたヘロドトス警備隊の生き残りは、最後の仕事として、コアマシンルーム前で、帝国のクローン騎兵の軍勢を迎え撃つ……。

 残る警備隊は、たった12名。
 初期の防戦で多くのベテランが斃れているため、その12名の中には、敵を目の前にして膝をカクカク笑わせるようなルーキーも混じっている。
 雲霞の如く攻め寄せるクローン騎兵と戦って、生き延びる確率はどんなに甘く見積もっても0%を寸毫も上回る事は無いだろう。

「もうダメだぁ! 俺達は殺されるんだぁ」
 絶望のあまり頭を抱えて泣き出してしまうルーキー。
 その彼の背中を、フォースナイトのミディア・スターゲイザーがポンと叩く。
「その通りです。私たちは、ここで死にます。ですが、私たちが稼いだ1分1秒が、避難するヘロドトスの民の安全を保障するのです」
 背中を叩かれたルーキーは、その言葉に、涙で汚れた顔をあげる。
「さぁ、私と一緒に戦いましょう。そして、死ぬ時も、一緒ですよ」
 ミディアの言葉に、ルーキーは涙をぬぐい、迫りくるクローン騎兵を前に決意を込めて立ち上がる。
 彼の膝は、もう、膝は震えてなどいない……。

「わかったす。オレ、最後まで戦います。オレだって、警備隊っすから」
 そして、ルーキーは小さく(「でも死ぬのはオレが先っす。オレが、あなたの盾になるっすから」)とつぶやくいたのだった。

 そして始まる激しい銃撃戦。
 警備隊が1発撃つ間に、クローン騎兵たちは20発撃ち返してくる。
 おそらく、もって、数分程度……。
 ミディア以下警備隊12名は、それでも、懸命に銃を撃ち返し……。
 突如空中に現れた人影に、度肝を抜かれたのだった。

「べるべる 一番乗りー!」
 宇宙服をオシャレに着こなしたメガネっ子セイジュン派エルフの、村雨・ベル(錬金術士・三世村雨・f03157)は、そう宣言すると同時に、拘束制御術式を開放して、最前列のクローン騎兵を薙ぎ払う。
『拘束制御術式三種・二種・一種、発動。「ワイズマン」発動の承認申請、「敵機の完全沈黙まで」の能力使用送信ー「限定使用」受理を確認!』
 彼女の素肌に浮かびあがった魔法陣は、宇宙服に阻まれて確認する事はできなかったが、その威力は折り紙付きだ。

「状況確認……。残る味方は12名、コアルームに押し込まれて、周囲は、クローン騎兵に十重二十重に囲まれている状況です。つまるところ、絶対絶命でしょうか?」
 数多の猟兵の中で、最も早く駆けつけたベルだったが、それだけでは無く、状況に応じた、様々な対策を考えてきていた。
 が、この状況で実行できる策は、殆どない。

「あの、あなた様は?」
 突然のベルの転移に唖然としていた、ミディアが声をかけようとするが……、更に新たな影が出現した事で、再び声を失った。

 その影は最初、一体だけであったが、そこから更に5体が分裂するように増殖する。
『さぁ、状況開始だ』
 一番槍のベルには後れを取ったが、一分一秒を争う状況に対処する為、先行して転移を要請した、デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)が、電脳ゴーグル越しに一瞬で状況を判断すると、バーチャルレギオンを召喚したのだ。
「ター」
「テヤー」
「トゥ」
「アタック」
「やられた~」
 現れた5体の機械兵は、クローン騎兵に吶喊すると、3体のクロン騎兵を撃破しつつ、それぞれ一撃で消滅していった。
 デナイルは、役目を果たして消えるバーチャルレギオンを確認すると、更なる詠唱を重ねて、戦線を押し上げる。
「後続が到着するまでの数十秒、それが出来てこその、プログラムだからね」
 バーチャルレギオンにクローン騎兵を抑えさせたデナイルは、数秒ほどで状況を確認。
 自分より更に先行していたベルを見つけると、彼女の得た情報と自分の解析情報とを統合すべく、話しかけた。

「僕はデナイル。プログラムだから解析は得意なんだ。何か気になる情報があれば、教えてくれるかな?」
 それを聞いて、ベルは、宇宙服のヘルメットの下で、ニヤリと笑った。
「私の魔眼によれば、あの娘のスリーサイズは……」
「いえ、結構です」
 残念ながら、ベルの魔眼情報は、特に必要とされなかったようだ。

「あの、あなた達は……。まさか、伝説の反乱軍なのですか!?」
 ミディアは、そんな2人の姿に、伝説の反乱軍の姿を重ねて、問いかけた。

「いえ、私は、猟兵ですよ」
「僕は、プログラムだよ。間違いない」
 が、2人の返答に、多少がっかりしたようだ。

 勿論、そんな状況でも戦いは進む。
 前線では、バーチャルレギオンが弾避けとして活躍していたが、警備隊のルーキー達も必死に戦い続けている。
 その戦いは、弱者でありながらも死を覚悟したもの特有の力に溢れ、実力以上の戦闘力を見せつけていたが、多勢に無勢、その命は乱戦の中に飲み込まれていく……。
 が、彼らの死と言う未来を許さない者が居た。

「――その覚悟、見事という他なかろう」
 ヘテロクロミアのミレナリィドール、レナ・ヴァレンタイン(ブラッドワンダラー・f00996)が、金の髪をなびかせて、警備隊員を守るように戦場に立ちはだかったのだ。
『さあ、戦争をしよう。』
 コートをバサリとひるがえしたレナが、
「闇夜を纏うマスケット銃、黒衣のウィリアム」
「私の信頼はお前の者だ。解放者メイヴ」
 そう呼び掛けると、2丁の従が空中に現れ、更に、その銃それぞれが20に分裂し、40丁のマスケット銃とリボルバーが空中に展開する。
 更に、
「これは、取り回しが悪いのだが、協力だよ。受けてみるかい? 報復者ヘクター」
 そのレナの言葉と共に、蒸気式の多銃身機関銃が現れ20に分裂した。
「ようこそ、ささやかなりし殺傷圏内へ。歓迎するとも。たらふく喰っていけ!」
 自身が持つオリジナルを含め、63丁の銃火がキルゾーンを形成し、警備隊を追い詰めていたクローン騎兵を、蜂の巣とする。

「すごい、すごすぎる」
 目の前の光景に、警備隊員達が、感嘆の声をあげる。
「あなた達こそ、伝説の反乱軍だ!」
 そして、レナに続けとばかりに、クローン騎兵に向けて銃を撃ちまくる。
 レナから見れば稚拙な重撃ではあったが、彼らの強い意志を受けたのか、銃弾はクローン騎兵に確実にダメージを与えていく……。

「援軍は私だけでは無いので、無理する必要は無い。負傷者は、後退して治療を行うのだ」
 高揚状態で、自分の怪我の痛みにも気づいていなかったルーキーに、そう声をかけ、レナは警備隊員をフォローしつつ戦いを続行した。

 レナの言葉の通り、レナの後からも途切れることなく、新たな猟兵が戦場に参戦してくる。
 戦場にセレナーデの美しい旋律と共に現れたのは、ソナタ・アーティライエ(未完成オルゴール・f00340)。
「幻想小夜曲第140番『夢絃の琴』……。この曲は、世界を宥める為の子守歌です。過去からの侵略者、オブリビオンに安らかな眠りを、静寂の帳の下に……」
 彼女の美しい歌声が、青貴石の薔薇に共振し戦場に響き渡ると、クローン騎兵の銃撃が掻き消され、歌声だけが静かに響く。
 彼女の胸元を飾る薔薇は、その歌声を響かせ、華やかに咲き誇った。

「なかなかやるわね。そして、良い曲だわ」
 ソナタの小夜曲の降下を見極めた、水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、攻撃が封じられたクローン騎兵に対して、素早く切り込むと、火炎を宿した波紋によって、クローン騎兵を斬り裂いた。
「私は近接で戦う事しか出来ない。後ろは任せるよ」
 静柄の言葉に、ソナタも頷いて答える。
「私の歌で、あなたを支援します。ダメージの回復もお任せください」
「回復は行わなくても……。いや、わかった、助力感謝する」
 ソナタの支援の元、静柄は、戦場を駆け巡り、コアマシンルームに突入していたクローン騎兵を撃破していく。

 戦場は、状況を解析して的確な指示を出すデナイルの指示によって、持ち直している。
 レナの飽和砲撃によってコアマシンルームの入口から殺到するクローン騎兵を押しとどめ、ベルの拘束術式によって、ルーム内のクローン騎兵の連携を崩す。
 そして、連携が崩れ孤立したクローン騎兵を、ソナタと静柄が的確に狩っていくのだ。

 そして、一息ついたソナタと静柄に、警備隊を代表して、ミディアが感謝と共に、猟兵達だけでも撤退して欲しいと声をかけてきた。
「皆さんは猟兵……反乱軍の皆さんなのですよね? 私たちの危機を救っていただき、ありがとうございました。
 ですが……、だからこそ、私たちの都合で、皆さんの命を奪う事はできません。
 もう充分ですから、撤退してください。
 皆さんのような希望が存在する事を知る事ができて、私たちは、それだけで十分なのです」
 静柄は、その言葉を手で制し、撤退は受け入れられないと返答する。
「何を勘違いをしているようね? 私達の力は、こんなものでは無いのですよ。クローン騎兵など、全て蹴散らして、お前達を必ず救出してみせましょう」
 静柄の言葉に、ミディアと警備隊の面々は、顔を見合わせる。
 しかし、その自信に満ちた表情に嘘はないと感じたのか、非礼を詫びて、共に戦う事を宣誓した。

「伝説の反乱軍たる猟兵の皆さんと、肩を並べて戦えるのは、とても光栄です。力及ばずながら、全力で戦わせていただきます」
 ミディアの言葉に、静柄は鷹揚に頷き、ソナタも嬉しそうに微笑んだ。
「わたしこそ、及ばずながら、加勢させて頂きますね」

 ソナタの青い貴石がコアマシンの光を反射して、美しく輝く。
 その輝きは、ミディアのフォースの光にも似て、戦場を彩った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

舞音・ミケ
【ミケタマ】で参加するよ。

ヘロトドスの皆、がんばった。
今度は私たちががんばるよ。

巨大猫、「まる」召喚…まる、来て。
流石にここでゴロゴロ転がったら危ないから、隊員の人とか猟兵の人が隠れる盾になって。
あと珠が攻撃するの手伝ってあげて。
大変だけどがんばって、まる。
近くに敵来たら蹴り飛ばしちゃえ。

私は猫の霊を召喚、数を利用して侵攻をできる限り食い止める。
猫の皆、全力で飛びついて。


亜儀流野・珠
【ミケタマ】の二人で参加だ!

皆よく頑張った!ミケの猫の後ろにでも隠れていてくれ!
猟兵も壁として使っていいぞ!頑丈な奴だからな「まる」は!

さて俺は!奥義「千珠魂」だ!俺たち、召喚!
俺たちよ「まる」によじ登れ!上から狐火の雨を降らせてやれ!
攻め込まれそうになったら飛び掛かってしがみ付いて直火で燃やしてやれ!
数で押す!何としても守り抜くぞ!
俺自身は薙刀、「狐の爪」を構え「まる」の前に立とう。
壁にしてばかりでは悪いからな。俺が壁の壁となろう!


明石・鷲穂
【壁・TSS】で参加だ。

「壁から、助けに来てやったぞ。」
防衛戦しているところまで着いたら、まずは敵との前線へ。

俺、栴、ギガ(鳥獣戯画)と並んでの戦いだ。
栴を真ん中に囲うようにして、俺とギガで警備隊兵たちの「壁」になるぞ。/

「栴、ギガ、そっちは大丈夫か?」
「少し、仏の力を借りて手助けをしよう。」
防衛戦をしている奴らの盾になるように、前へ。
敵に[グラップル]で逃がさないよう掴みかかり、ユーベルコードをぶち込むぞ。
あとは繰り返し。[気合い]で何とか持ちこたえるとしよう。
でかい戦いだ。少し、楽しいな。


桜田・鳥獣戯画
チーム【壁・TSS】で出る! 銀河帝国の言っていることはよくわからんが、要は助けを求める人々を守ればよいのだな? うむ、美しい御仁であった。守らねば!! コアマシンルームを出たらチームで前線へ。砲台を担当する栴を囲むように鷲穂と私が陣取り、壁となってクローン騎兵に応戦。都度二人の名を呼びつつ、無事を確認する。UC【弱肉狂喰】で戦力増強、倒せそうな敵から殴る。警備隊兵も極力死なせたくない。守備を徹底する! 栴、鷲穂、無茶はするなよ!!


生浦・栴
【壁・TSS】
此れは助けねばなるまいよ
可能なればいつか脱出した者達にもいずれ会わせて遣りたいものだ

転送直後から二人を壁と頼み俺は戦況確認をしながら敵の射撃を全てUCで迎え撃ち相殺する
撤退を余儀なくされた人々の嘆きの残滓を呪詛に変え
高速詠唱と二回攻撃で対応してみせよう
迎撃せずとも済むなら二人には当たらぬよう声かけなり注意なりは払って
敵に対して全力魔法を以って範囲攻撃も仕掛けてやろう

亡霊は亡霊らしく成仏するが良い
其れとも俺の死霊蛇竜の餌になりたいか

此処から先は通さぬ……が
団長、山羊の、二人の状況は把握しながら行動しよう
壁はまとまってこその威力である故な
無理させずぎぬよう注意しながら戦ろう


モリ・ダニー
【壁・TSS】
出遅れてしまったようだな、先に突入した連中と合流できればいいのだが
この乱戦だ、無理に狙うのは悪手だな。
例え合流できずとも目的は変わらん、助けを求めるものの壁と支えとなるのがヒーローの役目だ!

四足歩行の利点を生かし乱戦の中も足元を駆け抜け敵の死角から奇襲する
【悪食】で喰らいついたらそのまま「踏みつけ」敵の行動を阻害する
なぎ払うような戦いは出来ないので一人一人確実に息の根を止めていく
「大量生産の安物の悪では少し物足りないなあ?ダニー」

敵の勢いが勝っている場合は警備隊員を「かばう」ように動き、はぐれた警備隊員がいれば「救助活動」で後方に搬送する。



●通路の戦い
 伝説の反乱軍の再来たる猟兵の救援により、勢いづいたミディア以下警備隊。
 更に、次々と転移してくる猟兵達により、コアマシンルームの戦いの形勢は、ヘロドトス防衛側に傾いていった。
 相変わらずヘロドトスの船体は、銀河帝国の戦艦に包囲されているし、コアルーム以外の区画は全て、敵に抑えられている状況ではあったが、コアマシンルームの戦場に限れば、立場は逆転しているのだ。

「ヘロトドスの皆、がんばった。今度は私たちががんばるよ!」
 自らが召喚した、丸々とした超巨大猫に乗って戦場に現れた舞音・ミケ(キマイラのサイキッカー・f01267)は、その巨大猫をバリケードにして、コアルーム前の廊下に橋頭保を築いて見せた。
 グリモア猟兵のエリカが、脱出の準備を行ってくれているようだが、警備隊員を脱出させる為には、船外に脱出する経路を作らなければならない。
 その為の第一歩が、『まる』によるバリケードなのだ。
 戦いはコアマシンルームに追い詰められて始まった。
 ミケがした事は、ただ部屋を出ただけではあるが、その小さな一歩は、この戦いでは、きっと大きな一歩になるのだろう。
 珠は、もふもふな猫耳を、もふんと振るわせて、自慢げに胸を張った。
「それにね、まるは、ゴロゴロ転がって移動もできるんだ!」
 コアマシンルーム内では危なくて転がれないが、通路であれば問題ない。
 転がりながら前進するバリケードとは、理想的な存在であろう。
「私のまるは、働きものー!」
「さすが、ミケ! でも、俺だって!」
 【ミケタマ】コンビで、戦場にやってきた亜儀流野・珠は、『まる』によじ登ると、100体近い分身を生み出すと、通路を埋め尽くすと、こちらも通路を埋め尽くすクローン騎兵の群れに吶喊させた。
「やったれー!」
 小柄な珠の体を更に小型化させた分身たちは、クローン騎兵に次々に消滅させられるが、それでも、バリケード前の空間を少しづつ確保する。
 そして、確保された空間を、ミケが召喚した『まる』がゴロゴロすることで、少しづつ、しかし確実に通路を制圧し返していくのだった。
 だが、ミケタマの快進撃は長く続かなかった。
 通路を進めば進むほど、クローン騎兵の動きが良くなり、手ごわくなっていったのだ。

「ふぅぅぅ。これは、大変。でも頑張る!」
「ここを突破すれば、広間に出る筈! そこに陣地を作れれば……」
 ミケと珠は、死力を尽くして通路を突破しようとするが……。

 広間の周囲を埋め尽くすようにして、狙撃準備を整えたクローン騎兵の集中砲火を受けて、大ダメージを追ってしまう。
 命中精度が高くないとはいえ、これだけの集中砲火を受ければ、猟兵でもひとたまりもない。
「てったーい!」
「しょうがねぇな!」
 バリケード役の『まる』を盾に、ミケタマが撤退。

 更に勢いに乗って通路を逆侵攻してくるクローン騎兵に、明石・鷲穂(門前の山羊・f02320)ら、【壁・TSS】が立ち塞がった。

「壁から、助けに来てやったぞ」
 鷲穂は、そう言ってミケタマの撤退を支援すると、文字通り壁となって、クローン騎兵の逆侵攻を食い止める。
 珠は、
「そいつら、コアマシンルームに居た奴より強いんで、気をつけな!」
 と、状況を伝え、ミケと共に後退していった。
 桜田・鳥獣戯画(鑑の黒鐡・f09037)も、鷲穂と肩を並べて壁となり、クローン騎兵に相対する。
「見た目は変わらぬが……。確かに、手ごたえがありそうだ」
 鳥獣戯画の血の色の瞳が、好戦的に光り、その殺意の衝動が、クローン騎兵に牙を剥いた。
『貴様は只今より私の肉だ。私以外への供給は禁じられる!!』
 その宣言と共に、真っ先に飛び込んでいたクローン騎兵を喰い付き噛み千切り、そして飲み下した。
「まぁ、多少強くても、私にとっては栄養に過ぎないがな」
 鳥獣戯画が蛮勇を振るう横では、鷲穂が超至近距離に近づいたクローン騎兵を素手で殴り殺していた。
 ドスンという重い音が響くたび、鎧など全く意味をなさない、強力な一撃が、クローン騎兵を打ち砕いていく。
「これも全て御仏の力なり」
「いや、それは違うだろう」
 鳥獣戯画が、そう突っ込むが彼もまた、敵を食い千切り食い散らかす戦いを繰り広げており、どちらもどちらといった様相だ。
「栴、そっちは大丈夫か?」
「よし、準備完了。ギガ、ちょっと頭さげろ」
 鷲穂に声を掛けれらた生浦・栴(calling・f00276)が、ここぞとばかりに、つい先ほどまで鳥獣戯画の頭のあった場所に向けて、闇色の炎を解き放つ。
「あぶねぇだろうが!」
「あぶなくないだろ。ちゃんと声かけたしな」
 そんなやりとりをしつつも、栴は攻撃を続ける。
『疾うに失せし胸を未だ焦がすその呪詛、その怨念。我が声に応え現世にて晴らして見せよ』
 その言葉と共に、十を超える炎がクローン騎兵を襲うが、なんとか堪えて立ち上がる。
 がすぐさま、駆け寄った鷲穂が、灰燼拳で止めを刺した。
「出力不足か?」
 そう聞く、鷲穂に栴が首を振る。
「ちがうね。さっきの奴が言ってた通り、こいつら強くなってやがる」
「ふむ、やはり、作戦を練り直す必要があるようだな……」
 鷲穂は、そう呟くと、隣でクローン騎兵の腕を噛み千切っていた鳥獣戯画に声をかけると、少しづつ後退を始める。

「もし俺が敵の大将ならば、全軍の先鋒を最精鋭で固める。つまり、俺達のようなな」
「ふん、それで?」
「理由はわからないが、何か、気持ち悪く感じるだけだ」
 鷲穂と鳥獣戯画は、栴を中心に護りながらゆっくりと撤退しつつ、状況を分析していた。
 敵の攻勢は激しかったが、壁である2人と、栴の援護射撃の連携により、なんとか凌ぎ続けており……。
 そこに、一等の犬が加わった事で、戦線は安定したようだ。
 加わった一頭の犬は、モリ・ダニー(ワンワンウォー・f10971)。【壁・TSS】の仲間である。
「遅れてしまったようだな。だが、ここからは俺に任せてもらおう」
 そう言うと、モリは、フォースセイバーを口にくわえて、攻め寄せるクローン騎兵に吶喊した。
 四足歩行の利点を生かし、低い姿勢からの剣撃は、クローン騎兵の戦闘のリズムを大きく崩したようで、敵の勢いが大きく削がれる。
『悪い奴らはダニーの腹にしまっちまうぞ!』
 モリが、倒したクローン騎兵を喰い殺していくことで、一行はコアマシンルーム前まで戦線を下げる事に成功したのだった。

 壁・TSSの面々は、通路の先に向かうと敵が強くなるという情報を伝えつつ、今後の戦略を考える。
 これは、敵の戦略を読み解く鍵となるかもしれない。

 と、そこで、モリの戦いを見て疑問を感じた栴が口を開いた。
「ところで、モリ。お前、調子よく戦ってたが、あいつら、コアマシンルームに居た奴より強くなっていなかったか?」
「うん? 俺には、同じに強さが違うようには感じられなかったぜ。味も変わらんし、キューティクルの活性化も同じだ」

 モリの言葉に、栴は考え込む。
 コアマシンルームから離れたクローン騎兵は強かった。
 だが、同じ個体でも、戦場がコアマシンルームに近づくと、弱くなるとしたら?

 果たして、その理由はなんであるのだろうか……と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・ドレッドノート
【狐の宿】の皆さんと連携できると良いのですが。

勇敢な隊員たちの誰一人、欠けることなく脱出できるよう、全力を尽くしましょう。
「ハンドレット・ガンズ…ターゲット・マルチロック、乱れ撃つ!」
【乱舞する弾丸の嵐】で右手のスカーレット・ブラスターと左手の精霊石の銃を複製、電脳ゴーグル『怪盗の単眼鏡』でロックオンした複数の敵ターゲットに対し、一斉射撃を行います。

「危ないっ…やらせませんよ!」
ミディアさんをはじめ、警備隊員を狙った攻撃に対しては左手甲のビームシールドを展開して受け止め、カウンターの射撃を撃ち込みます。
「これでっ!」
いざとなったら複製した銃を敵に突撃させ、急所を狙った零距離射撃を撃ち込みます。


狐宮・リン
旅団【狐の宿】で参加
団長(女将)としてみんなをまとめましょう!

住民の避難を最優先、ですか・・・
人を守る事の出来る人はやっぱり尊くすばらしいです。
警備隊員の方、誰一人として死なせたくなどありません!
全力で救出しなければです!

【WIZ】
残像1、属性攻撃1、武器受け1、手をつなぐ1、勇気1、第六感1、優しさ1、オーラ防御1
武器霊刀【白狐】の纏う属性は雷

行動指針
ユーベルコード【狐の宿別館】にて負傷した警備隊員を収容して周ります。

危険な状態の人を危険な場所へ置いては置けません!!
何より戦場での負傷者は退避の際にも足手まといになります
勝利のためにも退いてください

ここは私たちに任せて傷を癒してくださいっ


ビビ・クロンプトン
【狐の宿】で参加…

リンさん(f03275)と一緒に、警備隊員の負傷者さんたちを回収するよ…
救助はしたことはないけれど、きっと大丈夫…サイボーグだから力はあるよ。こんな時のための【怪力】だからね…

ヘクターさん(f10966)が敵の牽制をしてくれるみたいだけれど、かといって、こちらに敵が来ないとは限らない…
敵が来たら、【クイックドロウ】、牽制でブラスターを撃つよ…
もっとも、今回はあくまで救助が優先…
敵との戦闘は、他の人やチームに任せる…

…人を、助けるなんて…
本当に、考えたこともなかった…
私の使命は、オブリビオンを倒すこと。それだけの、はず、だったのに…
狐の宿に来てから、新しい発見、ばっかり…


ヘクター・ラファーガ
チーム【狐の宿】として参加。
女将さんが頑張ってくれてるんだ。俺もやらねぇとな……

【SPD】で判定。女将である狐宮・リンや警備隊員から攻撃を逸らすため、『刹那の取捨選択』で"殺人鬼が持っていた刺突剣"を投擲し、加速化しながらクローン騎兵の中へ飛び込む。刺突剣はクローン騎兵の誰かに刺さればそれでいい。飛び込んだ後は、"ワンダラーブレード"でクローン騎兵を何人か斬りつけてヘイトを取る。視線がいくつかこちらに向いたら、できるだけ遠くへ。コアルームから離れた場所まで引きつけつつ逃げる。いわば時間稼ぎだ。


ウォセカ・ムイ
【狐の宿】
●目的
1.ミディアおよび警備隊員の負傷者の救助、保護
2.猟兵の負傷者の救助

●目標
ミディアおよび警備隊員、猟兵の致命傷を回避すること

●行動
負傷者の安全を確保できる空間をコアマシンルーム内にスクラップなどバリケードで確保し、
戦闘の隙間を縫って負傷者をそこへ後送する
なるべくクローン騎兵と接触・接近を避けるが、不意の遭遇・不可避の場合は気合を込めた人狼咆哮で牽制しその間に距離を取る

●人柄
カタコトでしゃべる人狼
Wowが口癖。感嘆、驚愕、疑問など各種の場面で調子を変えて使う
修行中の身で自分の実力は分かっているつもり、必要に駆られない限り無謀な行動は慎む



●警備隊員の戦い
 【ミケタマ】チームと、【壁・TSS】チームが帰還した事で、戦闘は再び、コアマシンルームを挟んでの攻防に戻っていた。
 2チームの奮闘により得られた情報は、通路の先に控える敵の戦闘力が上昇しているという事実。
 猟兵が、我武者羅に突撃すれば、広間までの突破は不可能では無いだろう。
 だが、敵が精鋭部隊を後方に残しているのならば、敵が何らかの罠を仕掛けている可能性が高い。
 【壁・TSS】の鷲穂の言う通り、本来ならば、敵拠点を制圧する部隊こそが最精鋭であるべきなのだから……。

 その後も、クローン騎兵の増援は途切れる事は無い。
 だが、コアマシンルームを挟んでの戦いは猟兵の優位にあり、敵を確実に撃破していく……。
 そんな、ある意味拮抗した戦いの中で、ビビ・クロンプトン(感情希薄なサイボーグ・f06666)は、120cmに満たない小柄な体で、怪我をした警備隊員を担いでコアマシンの前に戻ってきていた。
 警備隊員達は、安全な所に居て欲しいとは思うし、実際、女将のリンさんは、【狐の宿別館】で保護しようと考えていた。
 だが、自分の船は自分で守りたいという、彼らの意志を確認し、無理の無い範囲で戦闘に参加してもらっていたのだ。
 ビビも、最初は戦力としては足手まといとしか見ていなかったが、クローン騎兵との戦いで、実力以上の戦いを見せ続ける彼らを、いつしか、仲間であるように感じて、彼らを助けての戦闘を続けていたのだ。

(「人を助けて戦う……。助けるべき人と共に戦う……。本当に、考えたこともなかった……。
 私の使命は、オブリビオンを倒すこと。それだけの、はず、だったのに……。狐の宿に来てから、新しい発見、ばっかり……」)
 ビビは、そんな事を考えつつ、怪我をしていた警備隊員を降ろすと、その傷の手当てを始める。
「発汗と体温上昇を確認。毒でも受けたの?」
 小首をかしげて、そう問いかけるビビに、警備隊員は慌てて首を振り答える。
「その、あなたが、とても優しそうな表情をしたので見惚れてしまって……」
 と。
「何をバカな事を……。はい、治療は終わりです」

 狐宮・リン(妖狐の若女将・f03275)は、そういって足早に立ち去るビビを微笑ましく見やると、表情を厳しくして、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)に話しかけた。

「警備隊員達の覚悟も思いも本物ですよね。それに、疑いはありません。ですが……」
「不自然に強すぎる。そういうことでしょうか?」
 リンの疑問の問いかけに、シンは頷いて答える。
 本来ならば、いくら本人の意志が固かろうと、一般の兵士である警備隊員が、オブリビオンとの戦いに加わる事はできない。
 戦う意志を尊重して、無理やりの隔離は行わなかったが、すぐに戦力外となり、【狐の宿別館】で保護する事になると、リンは考えていたし、シンもまた、それに同意見だった。
 だが、ふたを開けてみれば、猟兵には全く叶わないまでも、ギリギリ戦力外では無いだけの戦いを、彼らは見せ続けたのだ。

「それに、時々ですが、ユーベルコードに近い力を彼らから感じられたように思います」
「それは、猟兵に覚醒するという事なの?」
「いいえ、そうでは無いと思うのですが……」

 リンとシンは、答えの出ない思いを抱えながら、戦闘を行う仲間達に目をやる。
 その視線の先では、ウォセカ・ムイ(人狼の戦巫女・f08971)とヘクター・ラファーガ(加速するデュランダル・f10966)の2人が、フォースナイトのミディアと共にクローン騎兵を撃破している所だった。
 その戦いを見て、
「私達もいきましょうか」
 リンはそういうと、シンと共に戦場に戻っていった。

 リン達が戻った戦場では、ヘクターとウォセカが、ミディアと共に奮闘していた。
「ウチ、ガンバッテル。オカミ、ミテ! wow!」
 リンに褒めて褒めてと尻尾を振るウォセカは、人狼咆哮による無差別攻撃で、敵に大ダメージを与える。
『最高速で突き抜ける!』
 そのダメージを受けたクローン騎兵を、ヘクターとミディアが、素早いステップを踏んで、一体づつ、確実に止めを刺していく。
 ヘクターの手から放たれた刺突剣に喉元を貫かれたクローン騎兵が、血の花を咲かせて斃れ、更に加速したヘクターは別のクローン騎兵も葬り去っていく。
 猟兵では無い筈のミディアもまた、フォースソードと駆使して危なげなく、クローン騎士と相対する。
 ミディアのフォースソードは、まるで吸い込まれるようにクローン騎兵を斬り裂いていき……。

「では、私も行きましょうか……」
 シンは、倒しても倒しても増援が送られてくるクローン騎兵に向けて、弾丸の嵐を見舞う。
『ターゲット、マルチロック…目標を乱れ撃つ!』
 その言葉と共に、23のブラスターの砲身がクローン騎兵を薙ぎ払い、殲滅していった。
 すぐに増援が来るだろうが、これで十秒程度は余裕が持てるだろう。
「やはり、伝説の反乱軍は凄いです!」
 シンの乱舞する弾丸の嵐の威力を見たミディアは、ほぅと息を吐きながら、その威力に感嘆する。
「でも、私も負けていません。今日は、攻撃の瞬間、敵の動きが止まって見えるくらいですから」
 むんと力こぶを作ってみせたミディアの軽口を聞いた、リンは、軽く流そうとして、その違和感に気が付き、ミディアと近くで戦っていた2人を呼びよせる。

「敵が動きを止めた? ウォセカさん、ヘクターさん、ちょっと話を聞かせて頂戴」
「オカミ、ヨウ、ナニ?」
「話? 短めにお願いするぜ、すぐに敵が来るからな」
「大丈夫、時間は取らせないわよ。今まで、ミディアさんと一緒に戦って、不自然な所は無かった? たとえば、クローン騎兵がミディアさんと戦う時に手加減していたとか?」
「ドウイウコト? ミディア、テキナノ?」
「言われて見れば、そうかもしれないけど、ミディアは敵じゃないぜ?」
「そうじゃなくて、ミディアさんにクローン騎兵の動きを止める力があるのじゃないかって……」
 リンの推論に、シンもまさか……だがと、思案を重ねて口を開いた。

「コアマシンルームから離れたら場所に敵の精鋭が配置されているのでは無く……。ミディアさんの近くのクローム騎兵が弱体化するというのであれば……」
 リンはそう言ってシンと頷き合うと、その推論を、共に戦う猟兵達に説明を行った。

 リンとシンの推論は、かなり突拍子もないものだったが、ヘロドトスが帝国艦隊に襲われた理由、脱出する避難民を無視してヘロドトスに大軍を投入した理由などを考えれば、その可能性は無くは無い……。

 これは、ヘロドトスの戦いの突破口を開く鍵となるかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜桜・雪風
敵がいっぱいの戦場です!
こういう所で戦うの大好きなんですよね。
全力で攻撃して時間を稼がせていただきますね。

いきなりですが【全力魔法】の【範囲攻撃】でユーベルコードを放ちましょう。
【高速詠唱】で隙は見せませんよ。
敵の数が多いみたいですし、即座に【2回攻撃】を行いますね。
【鎧砕き】と【鎧無視攻撃】で一気に蹴散らしましょう。

敵の攻撃が激しいでしょうから【オーラ防御】で身を守りましょう。

戦争みたいで楽しいですね。
戦場が故郷の身としてはワクワクしてきてしまいます。
生きるか死ぬかの戦いほど私を熱くするものはありませんから、
最高の戦場を全力で楽しませてもらいますね。

魔導書たち、鈴蘭の花びらとなって暴れなさい


ミスタリア・ミスタニア
へぇ、脱出した避難民の避難先があるかどうかは知らないがヘロドトスの連中もやるじゃねぇか。
しっかし、何時もより参戦する猟兵の数が随分と多いな。これだけでもう戦況をひっくり返せるだろう。
あ、無理?ってこたぁ、それだけ敵の数も多いのか。ハッ!いいねぇ、帝国の大部隊を叩けるチャンスなんて早々ないぜ!

敵の攻撃はビームシールドで受けたり、敵前衛を障害物にしたりするぜ。
アームドビットを展開して牽制して誘導して、アームドビットの一斉射と大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)のフルパワー射撃で敵部隊を纏めてなぎ払うぜ!
敵の足並みが乱れたらすかさず追撃の2連撃だ!ハハッ!敵がゴミのようだ、ってか!

アドリブ・絡み歓迎


神久・紅玉
今回は特に大きな依頼みたいなのですね
……必ず成功させなければいけないのです。
皆で一緒に頑張るのですよ、えいえいおー!なのです!

持ち前の特別高い『コミュ力』を活用していくのですよ。
今回は特に大きな戦場になります、連携が特に大事ですよね!
初めての人同士も上手に連携出来るように潤滑油?みたいに動くのですよ。

『変幻自在のおもちゃ兵』で沢山のおもちゃの兵隊を作ります。
1人でも多くの猟兵さんの攻撃が上手に決まるようにフォローして回るのですよ。
私1人では限りがありますが、皆さんと協力すれば1人よりももっともっと沢山の事が出来るはずです!

行動の改変やアドリブ、猟兵さん同士の協力も大歓迎なのです


ユーノ・ディエール
予兆では銀河皇帝と同じユーベルコードを持つ者が狙われて……
エリカさんの言う見捨ててはいけない予感というのは、もしかして!?

それも心配ですが
先ずはコアマシンルーム前で敵部隊を食い止めるのが先決ですね!
基本攻撃はUC通り
全力で視界内の敵を殲滅します!

まず武装を砲戦モードに切替え敵軍の迎撃を
誘導弾で精密射撃
奇襲迎撃は2回攻撃
敵が多ければ一斉発射です!

交戦中は適宜仲間と交代し
陣地を長持ちさせられる様努めたいです

脱出が決まればクルセイダーを高速モードで騎乗
最優先護衛対象のミディアさんを乗せて逃げる、あるいは直掩に付く
人数が足りてれば他の警備部隊を乗せるか直掩に付きます
邪魔なモノは念動力でブッ飛ばします!


オル・クブナス
ふむ、だいぶ数も減ってきましたかね?しかし油断は禁物でございます。『窮鼠猫を噛む』とありますように追い詰められたものほど何をしでかすかわからないものでございますからな。最後まで気を引き締めてまいりましょう。

「バウンドボディ」により跳ねまわり、敵の連携を崩しつつ他の猟兵の方々を攻撃から『かばう』ことにいたしましょうか。
私自身は弾性に加えてナノマシンアーマーもありますし。そうそう簡単に崩れる防御ではございません。
作戦はまだ始まったばかりでございますからな。まだあとが控えておりますし損傷は軽微なほうがよいでしょう。
(※他猟兵との絡み、アドリブ歓迎)


ボドラーク・カラフィアトヴァ
はてさて。コアマシンルームに近づくほど、彼奴らは弱体化しているようで。
彼女――ミディアさんの力でしょうか。成程、銀河皇帝とやらが彼女を狙うのも、そして彼女を護るべきことも、合点がいきました。

しかし生憎にも。
私の剣はひとを護る事は不得手ですので……
彼女と、そして勇敢なる警備隊員の皆さんを守護するのは他の猟兵の方々にお任せするとして。

或いは、皆さんが切り開いた攻勢の穴を縫って。或いは、私自身が血路を切り開いて。
私は、一歩でも敵陣深くへ。
――何故って。そちらの方が、強敵と戦えるのでしょう?

狙いはひとつ。敵陣のど真ん中で――
“鍾馗”を以て、敵兵を一網打尽に致しましょう。



●ヘロドトス突破作戦
 【狐の宿】チームの猟兵達による推論。
 それは、ヘロドトスのフォースナイト、ミディア・スターゲイザーに、クローム騎兵を弱体化させる能力があるのでは無いか? というものであった。
 そう考えれば、移民船ヘロドトスが、帝国艦隊の攻撃を受けた理由。
 敵が、避難民を襲わずに、ヘロドトス内部に突入し、コアマシンルームに立てこもった少数の警備隊員の為に大戦力を送り込んだ理由に説明がつくかもしれない。

 しかし、ここまでの話理解した、神久・紅玉(つま先立ちの林檎・f03420)は、猟兵達の話し合いを一度ストップさせた。
 この話は推論に過ぎないが……、この推論を聞いたミディアは『今回のヘロドトスの災禍は自らが招き入れたのか!』とショックを受けてしまう危険があると考えたからだ。
 人の気持ちを慮る彼女らしい、気づかいだろう。

「仮に、銀河帝国がミディアさんを狙って、今回の事件を起こしたのだとしても、悪いのは銀河帝国よ。
 そして、原因はなんであれ、自分の命を顧みないで、避難民の為に全力を尽くした彼女たちの行動は、賞賛されるべき覚悟なの。
 だから、彼女たちの覚悟を、汚すような事は口にするべきではありませんよね」
 紅玉が、大人びたお姉さん口調で、小さな声で、ゆっくりと皆に語り掛ける。
 彼女の言葉は、なぜか、皆の心にすんなりと落ちてきて、誰もが納得して、頷いたのだった。

 ボドラーク・カラフィアトヴァ(笑う銀鬼・f00583)もまた、紅玉の言葉に納得し、一つの作戦を提案する。
「元より、ミディアさん達警備隊員を救出する為には、船の外に出られる場所まで移動する必要がありました。
 これまでは、安全が確保されてから移動してもらおうと考えていましたが、護衛部隊を手厚く用意した上で、先行部隊の、すぐ後ろからついてきてもらうのはどうでしょう。
 ミディアさんの話が事実であろうと、そうでなかろうと、この作戦はおかしくありませんから」
 ボドラークの作戦の作戦に、ユーノ・ディエール(アレキサンドライト・f06261)も大きく頷いて応える。
「この事件を予知したエリカさんの言葉を思い返してみましたが、あれは、この事を指していたのかもしれません。私も、ボドラークさんの作戦に同意します。そして……、紅玉さん、ありがとうございました」
 ユーノに、いきなり、お礼を言われた紅玉が、何故? という顔をすると、ユーノは優しく微笑み、
「私が不用意な発言をして、ミディアさんを傷つける前に、その可能性を教えてくださった事です」
 と答え、気配りのできる女性は尊敬に値しますと付け加えた。

 その後、幾つかの修正点を話し合った上で、ミディア達を連れて敵中央を突破する、ヘロドトス突破作戦の実行が決定したのだった。

 実行されたヘロドトス突破作戦の先鞭をつけたのは、作戦を立てたボドラークそのひとである。
「私の剣はひとを護る事は不得手ですので……」
 ボドラークはそう言うと、全軍の先鋒として敵中に吶喊し、必殺のユーベルコード、“鍾馗”を放つ。
 暴れコマのように回転し、クローム騎兵を惨殺するボドラークが通った後には、後続の猟兵達が踏み込む為の空間が用意されていた。
 その空間に素早く走り込んだ、夜桜・雪風(まったりデイズ・f00936)は、嬉しそうに微笑むと、所蔵する全ての魔道書を展開。
「魔導書たち、鈴蘭の花びらとなって暴れなさい」
 の言葉と共に、魔道書を無数の鈴蘭の花びらに変え、花弁の竜巻によって、クローン騎兵を、一方的に斬り裂いていった。
「ふぅ、すっきりです。こういう全力を出せて敵がいっぱいの場所って、良いですよね」
 花びらをまとわせて、ほんわりと微笑む、雪風に、ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は、
(「大人しそうな女性だと思ったのだが、このタイプは起こらせるのは避けるべきだろう」)
 と、認識を新たにしつつ、更に歩を進めると、ビットとブラスターを展開。
 更に、大型熱戦砲装着型パイルバンカーも展開すると、フルパワー射撃で敵をまとめて薙ぎ払ってみせた。

 ミスタリアが、攻撃を終えて、ふぅと息をついて視線をあげると、ニッコリとほほ笑む雪風と目が合ってしまう。
 ミスタリアは、思わず、
「なにも、考えていないぞ!」
 と口に出してしまうが、雪風は、ハテナ? という表情を浮かべただけだったらしい。

 その後、雪風とミスタリカは、肩を並べて敵前線を殲滅して前へ前へと進んでいく。
(「ミディアさんが鍵なのは確定という事なのかしら?」)
(「どちらにせよ、オレたちは、目の前の敵を撃破するのみ」)
 予想していたように、クローン騎兵の動きは悪く、
 猟兵達の侵攻は止められる事なく、通路を超え、広間を超えて宇宙港の一つに向けて突き進んでいった。

 一方、後衛の守護対象であるミディアは、ユーノのクルセイダー高速モードに同乗して、前線のすぐ後ろを進む。
 紅玉は『守られているばかりのような気がする』と、気にするミディアと警備隊員をフォローしつつ、同行している。
「私達がピンチになった助けてくれれば良いのですよ。世の中、助け合いが一番です」
 その言葉に、曖昧に頷くミディア達を、紅玉はにっこりと笑う事で納得させたのだった。

 そして、行程は順調に進み、弱体化したクローン騎兵を次々屠る猟兵の一団の前に敵は無い。
 誰もがそう考えるだろう頃、オル・クブナス(殴られ屋・f00691)は、どのような些細な予兆も見逃すまいと、周囲を睥睨していた。
(「敵の数は、だいぶ減った筈……。ですが、油断は禁物、窮鼠猫を噛むという言葉もありますように」)
 これにより、その些細な変化に、オルは真っ先に気づく事が出来た。
 彼の目には、全てのクローン騎兵の動きが一瞬だけ止まり、そして、その直後、まるで正確にプログラミングされた人形のように、一糸乱れぬ動作で再起動したのだ。

「皆様、ご注意ください。敵の動きが変化したのでございます!」
 オルは、そう言うや否や、自身の体をバウンドモードに変化させると、体を20mまで伸ばして、敵の出鼻をくじくと、ミディア達と動きの変化したクローン騎兵との間に立ち塞がる。
 すかさず放たれた、ブラスターレインの猛攻を浴びるが、なんとか耐えきると、もう一度警告の言葉を発する。
「これは、ジェノサイダーモードではございません。もっと、別の、忌まわしいナニカでございます!」
 オルの言葉に、猟兵達は、素早く反応すると、寄り集まって、防御型の堅陣を敷く。
 油断なく、周囲を伺うオルと猟兵、そして、状況を掴み切れないミディアと警備隊員達に、ムシュシュシュシュという神経をざらつかせる、嘲弄が響いた。

「あれ~、せっかく奇襲で『モード・オロチ』を披露したのに、なんで、避けちゃうのかなぁ? かなぁ?」
 それは子供の声のようであったが、その声を聞いただけで、猟兵達は、その声の主が、異形の存在である事を理解した。
 理解してしまった。

「ボクの名前は、ドクター・オロチ。銀河帝国執政官にして、科学技術総監なんてやってるんだよ。
 っと、挨拶なんてしてる場合じゃなかったかあぁ。
 皇帝からは、死体を持ち帰れって言われてるんだけどねぇ。君達はどうして欲しい? ムシュシュシュシュ」

 そして、突如船内に響いた、ドクター・オロチを名乗る声。
 突如、操り人形のように動き出したクローム騎兵……が、猟兵の周囲を取り囲む。
 彼らは、一定以上に近づこうとしないが、その密度をどんどんTの増していき……。

「皆様、気を付けてくださいませ。オロチ・モードは、あの動きだけでは無い筈です!」
 オルの叫びと、ドクター・オロチの不気味な笑い声が重なった。

 ヘロドトスの戦いは、新たな局面を迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリルティリア・アリルアノン
銀河帝国の野望を挫くため、
バーチャル魔法少女(ウィッチ)アリルちゃん参上!
警備隊もヘロ…トド…?…宇宙船もやらせはしませんよ!

まずはドローン型のエレクトロレギオンを召喚、
敵の頭上を飛び回らせながら攻撃させます
いかに精強な兵士とはいえ、何十機もの戦闘機械に襲われれば流石に無視できないはず
そうしてアリルのメカに注意を向けさせる事で、
少しでも他の猟兵や警備隊、重要設備などに攻撃が集中するのを防ぎます


ユナ・アンダーソン
勇気ある人たちを見捨てることは出来ないわ
急いで助けにいきましょう!

闘うより回復を優先する
なぎ払い3、範囲攻撃3を用いてエトワル・ボワ・ジュスティスを振り回しよけられないように広範囲を攻撃し断頭

傷ついた味方がいたら優しさ10、手をつなぐ10、激痛耐性5を用いて傷奪う星痕を使用
特に警備隊員が傷を負っている場合はその回復を優先する
あなたの傷を私にちょうだい?

攻撃は武器受け3、第六感5で防御
ミディアさんと警備隊員が攻撃されそうになったらかばう3します

アドリブで他の方との絡み歓迎


レド・ダークライト
【赤き星の降る夜】【他との絡み歓迎】
何としてでもここを突破しないとな。
ならば、その推論に乗るのもひとつの手だ。

なるべく単体で戦うことは避けよう。ステラが人を集めている間に俺は「聞き耳」を立て周囲の索敵を行う。
そして相手がなるべく纏まるように挑発しながら「おびき寄せ」ておく。

ふと聞こえたステラの声。俺はその言葉に同意するように声をあげる。
「当然、勝つのは俺たちに決まっている!」
ならばやるしかない。
ミディアの元に来た敵の攻撃を「見切り」、なるべく多くの敵を巻き込むよう「範囲攻撃」の技術を生かし【殲滅の血肉】を放ち動きを止める。
これで幾分か倒しやすくなっただろう。
「二回攻撃」をし確実に叩く。行くぞ!


ミアス・ティンダロス
他人との連携・アドリブは大歓迎です。

警備隊員達も猟兵達も、みんなが勇敢ですね。
僕は、それほどの覚悟などありません……でも、みんなの覚悟を信じて戦うことができます!

ユーベルコードで敵の行動を封じ、時間を稼ごうとします。
通路を破壊するなどして、利用できる地形を使って追っ手を阻むのも試してみます。


ステラ・リトルライト
【赤き星の降る夜】【2人】【他との絡み歓迎】

ふーん、ミディアの近くだと相手が弱体化する?
ならあいつの近くに隊員を集めた方がいーんじゃねえの。

つーわけで、俺達は出来るだけ隊員を連れてミディアのところに。戦いたいならその意志を止める気はないけど、より戦いやすくしてやるのはいいだろ。

ある程度連れたら【天蠍宮の響声】を使って「絶対に此処から脱出しようぜ。」と鼓舞を。
共感すれば戦闘力を少しでも引き上げる。そしたら警備隊員も動きやすくなるだろーからな。

道中は[第六感]に従って進もう。もし敵と遭遇したら大鎌で[凪ぎ払い]、距離を取らせる。拷問具を遮蔽物として配置するのもありだ。
んじゃ、後は任せたぜ、レド。


緋縅・善蔵
皇帝は死体を見分して何をしようというのか。
こちらがユーベルコードを使ってることは知ってるだろうに、阻止すべき事柄か?
そしてクローム兵、生きてる感じがしないな。或はこれがオロチの業なのか?
戦闘はアサルトライフルとミサイルカーニバルで敵広範囲を攻撃。ちゃんと形の残ってる死体を回収したいんだろうが、その指令から潰す。
オロチは何時どこから襲撃してくるか解らないので、常に周辺を警戒。武器らしい物でなくとも、動くモノには気を払う。
敵に動きが無い場合は影の追跡者で周辺を捜索。その際以外にも、味方との連携で自軍の損害を抑えつつ敵を確実に排除していく。
オロチとは大蛇だか龍みたいな名前だが、そのツラ拝ませて貰う。



●ヘロドトス撃沈作戦
 ドクター・オロチを名乗る謎の声。
 動きを大きく変え、猟兵を取り囲むクローン騎兵の大軍勢。
 情勢の変化は、劇的で、猟兵達もすぐには動き出す事ができなかった。
 この状況で、真っ先に動いたのは、アリルティリア・アリルアノン(バーチャル魔法少女アリルちゃん・f00639)であった。
 アリルティリアは、85機のドローン型エレクトロレギオンを展開、上空から敵、クローン騎兵の動きを観察すべく大展開させる。

「オロチちゃんが、例えどんな悪い事をしようとしても、このアリルがいる限り、銀河帝国の野望は挫いちゃうんです!」
 アリルティリアが薄い胸をはって、大見えを切ると、オロチもムシュシュシュシュと異質な笑い声で応じた。

「銀河帝国の野望を挫くねぇ。やれるものならば、やってみてよ。ボクも、銀河皇帝がギャフンという所が見れるなら、協力してあげてたいくらいだから。ムシュシュシュシュ」
 ドクター・オロチは、何が面白いのか、そう言って笑うと、その笑い声に対応するように、クローン騎兵の動きが変わる。

「みんな、気を付けて! クローン騎兵の動きがおかしいです! あの動きは攻撃の為じゃなくて……、私達ごと、この船を……」
 アリルティリアがそう叫ぶのと、ほぼ同時に、周囲のクローン騎兵の体が、ブルリと大きく震えると、轟音と共に砕け散った。
 連鎖的に爆散するクローム騎兵、その爆風は、上空し展開していたアリルティリアのドローンを薙ぎ払い、防御態勢を整えた猟兵の陣地を吹き飛ばす勢いで襲い掛かる。

「うわぁぁん!」
「僕の手に捕まってっ!」
 その爆風で、吹き飛ばされたアルルティリアに手を伸ばしたのは、ミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)。
 手を握って飛ばされるのを防いだミアスは、アリルティリアを庇うように、地面に転がった。
「あっ、ありがとうです」
「どういたしまして。それより、さっき話かけていたけれど、敵の目的は、この爆風で僕たちを攻撃する為じゃないんだよね?」
 ミアスの問いに、アリルティリアは頷いた。
「上から見た限り、クローン騎兵は、私たちの周囲を固めるだけじゃなく、移民船ヘロドトスの区画に沿うように配置されていたんです」
「つまり……」
 アリルティリアの説明を理解した、ミアスは、驚愕の表情で言葉を紡いだ。
「ドクター・オロチの目的は、ヘロドトスごと、僕達を沈めるつもりなのか!」
 と。
 勿論、クローン騎兵の爆発だけで、スペースシップワールドの移民船が撃沈される筈は無い。
 しかし、移民船ヘロドトスの外には、帝国軍の艦隊が展開しているのだ。
 船体内部の爆発に呼応して、外から艦隊の砲撃が集中するような事があれば、いかな、強固なスペースシップであっても、撃沈は免れないだろう。

「みなさん、クローン騎兵の暴発を防がなくちゃいけないんです! 急いで、手遅れになる前に!」
 ミアスは、周囲の猟兵に叫ぶと同時に、自らもユーベルコードを解放する。
『その小さな祈祷に耳を傾けてください、最も気高い翼をもつ者よ――今こそ、嵐が吹き荒れるのです!』
 ミアスの声と同時に放たれた、邪悪な風の神の名を冠するブリザードが、爆発しようとするクローン騎兵の動きを止め、撃破していった。

 このミアスの攻撃に続いて、猟兵達が動き出す。
「ステラっ! 指示をくれっ!」
「お前の殲滅の血肉は、敵の動きを止める衝撃波だぜ。あの子と同じように、動きを止めてクローン騎兵を潰すんだ!」
 指示を仰ぐレド・ダークライト(紅き閃光・f01284)の言葉に、ステラ・リトルライト(星影纏う人形・f01749)の的確な指示が重なり、レドのユーベルコードが発動される。
 まさに以心伝心の二人であろうか。
『我が障害を殲滅せよ!』
 包囲する敵に向けて駆け出し、できるだけ多くの敵を巻き込むように放たれた殲滅の血肉は、ステラの言葉の通り、クローン騎兵の自爆を押しとどめ、そして、その命を刈り取っていく。

『英知こそが真の力となる!』
 レドへの指示を終えたステラは、大音声で周囲の猟兵を鼓舞する。
「みんな、ここが踏ん張りどころだ! 絶対に此処から脱出しようぜ!」
 と。
 その決意の言葉と共に放たれた、天蠍宮の響声は、周囲全ての猟兵達の戦闘力を増強し、クローン騎兵の撃破を手助けする。

 更に、ステラは、猟兵の中心で守られていたミディアに手を差し伸べて引き寄せた。
「緊急事態なんだ。お前の力を貸してもらうぞ! クローン騎兵の動きを止めさせてくれ! お前なら、きっと出来る」
 そのステラの言葉に、ミディアはどうすればよいのかと混乱するが、ステラが強引に手を引くと、クローン騎兵の前に出る……。
「お前は、止まれ! と叫ぶだけでいい。それで、きっとうまく行くはずだ!」
 ステラの言葉の勢いに押され、ミディアは言われたとおりに『クローン騎兵よ止まりなさい!』と声をあげる。
 その声に呼応するように、クローン騎兵の何割かの動きが鈍くなり……、

「二回攻撃!」
 その隙に、レドの二度目の殲滅の血肉が発動し、動きを止めたクローン騎兵を葬り去った。

「どうして、クローン騎兵が私の言葉で……?!」
 ミディアは、その効果に混乱するが、それでも、自分に出来る事をすべく、震える体で、クローン騎兵の前に立ち続ける……。

 震えながらも敵の前に立つミディアを見て、ユナ・アンダーソン(星骸のスティグマテイカ―・f02647)は、優しく手をつなぐように、その体を支え、その横に立った。
「今は考えなくて良いのですよ。あなたは最善を尽くしてきましたし、今も最善を尽くしているのですから……。それでも、不安だというのでしたら、その不安、私にくれないかしら?」
 その言葉と同時に放たれる、傷奪う星痕、ペインテイカースティグマが、ミディアの精神を癒し、落ち着かせていく……。
「あ、ありがとうございます」
 ミディアの言葉に、ユナは微笑みで答えると、クローン騎兵との戦いで傷ついた猟兵達に癒しの力を送る。
 だが、多くの癒しの力を使ったユナの顔色は蒼白となり、疲労の為、立つ事もつらくなってくる……。
 そして、その彼女を支えたのは、手を握ったままのミディアであった。
「世の中、助け合いが一番ですからね。あなたが、私を支えてくれたように、私にもあなたを支えさせてください」
 ユナは、蒼白の顔色のまま、しかし、心からの微笑みをミディアに向けると、力を振り絞って、仲間の回復を続けていく……。

 猟兵とオロチ・モードのクローン騎兵との戦いは、クローン騎兵の動きを止める事ができるミディアの参戦によって、一進一退の激戦となっていく。

 緋縅・善蔵(893顔特別国家公務員・f06737)は、ミディアの活躍を横目で見つつ、戦場全体の動きに気を配っていた。
 ミディアは好みのタイプの女性であるが、それ以上に興味を惹かれる存在である。
 オロチの言葉が偽りでなければ、銀河皇帝はミディアの死体を欲しているのだ。
 更に、ミディアが、銀河皇帝の忠実な臣下たる、クローン騎兵の動きを鈍らせる能力を持つ事と合わせれば、ミディアこそが、銀河帝国に対する、切り札となりえるので無いか?
 善蔵は、そう理解すると、アサルトライフルとミサイルカーニバルで、ミディアを狙う攻撃を跳ね飛ばし、ミディアとユナを庇って戦い、そして、まだ見ぬオロチに怒りの声をあげる。

「ドクター・オロチとやら、聞こえているなら返事をしろ! 大蛇か龍みたいな名前だが、そのツラ拝ませろや!」
 しかし、善蔵の挑発にドクター・オロチは答えなかった。
 そして、返礼とばかりに、移民船ヘロドトスに帝国艦隊からの砲撃が突き刺さった。
 砲撃により船体が揺らぐ衝撃。
 だが、クローン騎兵の暴発を阻止した猟兵の活躍により、船体を撃沈するには届かない。

「とりあえず、すぐさまの破局は逃れたか……。だが、このままでは……」
 善蔵は、鳴り響く轟音の中、次なる一手を考えるべく、腕を組んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
警備隊員達を守ることに重きをおいて行動します

クローン騎兵に囲まれてピンチの隊員さんや、
戦闘で負傷した隊員さんを優先
大盾型の宇宙バイクである「反重力シールド」に乗って急行します
戦闘は最低限、動線上の敵を散らす程度で移動を優先
得意の「騎乗」「ダッシュ」「空中戦」技能が役に立つかな

彼ら彼女らに密着するようにして、
ユーベルコード「天球の虚数変換」を発動
外部からの運動エネルギーを虚数化する球状のバリアで、
クローン騎兵の攻撃や流れ弾から守ります
このとき「かばう」技能も活かしたい
レディ(男性でも)を護るのは騎士の務めですっ!

私が隊員さんの安全を確保することで、
他の猟兵さん達が戦闘に集中できれば良いな


ツェリスカ・ディートリッヒ
銀河皇帝か。余より偉そうなのが気に食わぬ。目に物見せてやらねばな。

事前に単独参加の猟兵をスカウトし、四人編成で挑む。

兵の強みは統率にあろう。余が隊列を掻き乱してくれる。
ダッシュとスライディングで敵陣を縫いながらドラゴニアン・チェインで可能な限り多くの兵を捕縛。
敵を中枢から引き離しつつ鎖自体で連携を妨害する。
誘惑は効くか?もし有効なら余の美貌で隙を作るも良かろう。

ジェノサイドモードとやらは、他の兵を鎖で手繰り寄せ盾にして防ぐまで。
同士討ちさせて数を減らしつつ士気をも削ってくれる。
また他の猟兵に捕縛した兵のトドメを刺させるも良し。
卑怯だろうと手段は選ばぬ。かの者達の気高き覚悟に報いる為ならばな。


神威・くるる
【猫の隠れ家】
あやや、また大層なことにならはって。
機械のお人は美味しゅうなさそやけど
警備隊の人ら助けたらお礼に血ぃ飲ませてくれるかもしれへんさかい
あんじょう気張らせてもらおかー

言うて、うちもいつきはんも戦闘向きやないさかい
露払いは強ぉい他の方らにお任せして
安全なルートを検索、確保 しよ

影の猫ちゃんを召喚して警備隊の人らの位置を把握
そこから第六感働かせて
敵さんの少ない、見つかりにくい道を探します
もし安全に避難できそな場所見つけたら誘導したげるんもええねぇ

もし途中で敵さんに襲われたら
そんときはいつきはんにお任せどす
ふふ、たのんますえ?ナイト様。なぁんて


雨宮・いつき
【猫の隠れ家】
始めて訪れた星の海
感慨に浸りたいところですが、こんな場面ではそんな事は言っていられませんね

皆さんが帝国兵を押し留めてくれている間に、
神威さん(f01129)と一緒に警備隊員さん達と撤退経路の確保です
経路の選定は神威さんにお任せして、避難できそうな場所へ隊員さん達の誘導をしましょう
なるべく交戦は避けたいですが、見つからざるを得ないなら先制で封魔鉄鎖を放ち、
敵が手にした武器を弾き飛ばして拘束を

敵から襲いかかられたら【全力魔法】の封魔鉄鎖を前面に展開
鎖の壁を作って熱線銃を止め、狐妖蒼火で反撃します

任せてください。神威さんも警備隊員の方達も守ってみせます


アドルファス・エーレンフリート
(連携/アドリブ歓迎
ハハハ これは壮観、輸送船一隻に帝国の大軍勢カ よくやるネ
だがまぁ相手の事情なんて知らないなぁ、邪魔をさせてもらおうか

単身故の身軽さを生かして遊撃 倒して回るだけではなく勢いを調節しようではないか 我輩は繋ぎ、本陣へ引く者を助ける為の護送者なり ってネ

疲労し、一時コアルームに撤退する猟兵のエリアを優先して突撃
これなら巻き込みの心配は幾分減るよネ?

地獄の炎を纏った得物の斧で雑になぎ払い 揮血精髄を敵団に投擲し、雑に範囲を爆破
ついでに爆炎は目くらましにもなるであろう、撤退幇助と言うやつである

勢いが戻ってきたならば我輩は不要、次なるエリアへ向かおう


日向・楓
この振動は敵艦の砲撃か…

元の世界を探していたら宇宙戦争に巻き込まれた…?
数奇な運命だね、全く

あたしは元々戦闘には向いていない
とことんサポートさせてもらうよ
ロープワークで、魔導具リストレインウェイブと【キャプチャー】の網を用いて
即席の罠と安全地帯を生み出す
救護対象や負傷者がいれば運び込み
【銀燐一灯】で負傷者や寿命を減らした猟兵のダメージと疲労のケアをするよ
接敵したり罠に掛かった敵があらば
怪力を活かしてワイヤーで吊し上げ、脈を絶たせて貰う

アドリブ・連携ご自由に



●重なる光
 ヘロドトス船内のクローン騎兵との戦いは、ミディアの不思議な力により、猟兵の優位に進んでいた。
 更に、砲撃による混乱を利用する事で、包囲網の突破を成功させた猟兵達は、一路、目的地である宇宙港を目指す。
 しかし、外部の宇宙空間からは、帝国艦隊の砲撃が続いており、ヘロドトスの命運は、いままさに尽きようとしているのだ。
 ヘロドトスが轟沈する前に、撤退可能な救出艇に合流しなければ、目的を達する事は出来ず、予断を許さない状況が続く……。

「この振動が敵艦の砲撃なのか……」
 日向・楓(銀流紀行・f09695)は、鳴り響く轟音と揺れるスペースシップの大地に、思わず声をあげた。
 大型の移住船は、コアマシンによる重力制御もあり、普通に暮らす分には、まるで大地の上で暮らしているのと変わりはしない。
 しかし、こうして砲撃により船体が大きく揺れれば、スペースシップが、虚空に浮かぶ寄る辺ない存在であると強く意識される。
「だけど、この分ならば、宇宙港までは間に合いそうだな」
 楓が、安堵のため息をつくと、それを見計らったように、神経を逆なでするような、ドクター・オロチの声が船内に響いた……。

「ムシュシュシュシュ。これは、愉快だねぇ。
 返事はするつもりは無かったのだけどね、君達が、あまりに頑張るから、声をかけざるを得なかったよ。
 音声オンリーだから顔は見せられないけど、ごめんね♪」
 人を小ばかにしたような子供の声は、ミディアと警護隊員を連れて、退路を切り開き進む猟兵達の心を逆撫でする。
 だが、この一方的な音声を遮断する手段を猟兵はもっておらず、楓も、この声を無視することは出来なかった。

「あれ? 何が愉快かわからないって?
 それはね、銀河皇帝が、こーんな大戦力を集めて襲撃をしたせいで、末裔の力が覚醒していってる事なんだよ♪
 もう少し、放っておく度量があればよかったんだけどねぇ。
 これは、もう、確実に殺して、証拠として死体を持ち帰るどころの話では無いと思わない?
 だから、もう力押しで行かせてもらうよ。そーれ、『劣化カイザー・レイ』~♪
 これはねぇ、カイザー・レイのミラー一つ分に満たない出力で、更に使い捨てだけどね、至近距離なら、移民船の一つくらい、簡単に撃沈できる兵器なんだ!
 どう、凄いでしょ。
 発射まで720秒あるから、ゆっくり数えて良いからね。
 それじゃ、僕はこれでサヨナラするよ。猟兵の皆は、尻尾を巻いて逃げ出せば大丈夫だから、マタネ。
 それ以外の、人は、永遠にさようなら♪」

 このドクター・オロチの通信が切れると同時に、楓は、端末を操作しヘロドトス船内の地理を再検索する。
 そして、
「720秒では、宇宙港までなんて無理だよ!」
 と声をあげた。

 敵も障害も全て薙ぎ払っても、距離と時間の制約は無視できない。
 どうやっても、不可能なものは不可能なのだ。
 楓と同じ結論に至った猟兵達が、騒ぎ出すなか、ツェリスカ・ディートリッヒ(熔熱界の主・f06873)が、威厳ある声で、猟兵達を叱咤した。
「汝ら、落ち着くが良い。慌てても事態は好転せぬぞ! 余は絶対にあきらめない。そして、余と志を同じくする者も、また諦めぬ。方法は必ずある。考えるのだ」
 銀河皇帝なにするものぞという、気魄が、彼女の声に力を与え、猟兵達に落ち着きを取り戻させる。

「ツェリスカ君の言う通りである。銀河皇帝は、このような輸送艦一隻に、帝国の大軍勢を派遣し、更に、秘匿兵器まで使わされたのだ。つまり、追い詰められているのは、我らでは無く、銀河帝国なのである」
 ツェリスカに続き、アドルファス・エーレンフリート(立てば胡乱げ 座れば不審 歩く姿は白々しい・f07048)が、不敵に葉巻を咥えてそう言うと、ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)も、ピンチの中でも笑顔を浮かべて、頷いた。

「私の天球の虚数変換があれば、船が撃沈してもある程度もたせられると思います。それに……、宇宙船が撃沈したからといって、宇宙船全てが塵になって消える事なんて無いのでしょう?」
 ユーイの言葉に、我が意を得たりと、アドルファスが相槌を打つ。
「撃沈した宇宙船の残骸を、スペースデブリと呼ぶのである。つまり、撃沈と全滅とはイコールで結ばれる事は無い……という事であるか?」
 アドルファスの確認に、ユーイが頷く。
 ユーイの天球の虚数変換と同様の、バリア型のユーベルコードを持つ猟兵が、力を合わせれば、12名の人間くらい守り切れる!
 そのユーイの言葉に、猟兵達の目に力が宿った。

「方針は決まったようであるな、ならば、すぐに動き出そうぞ」
 ツェリスカが、鷹揚に頷き、猟兵達が動き出す。
 まず、障壁を生み出せるユーベルコードを持つ猟兵が名乗りで始めると、雨宮・いつき(歌って踊れる御狐様・f04568)、こう提案した。
「バリアを張って耐え抜くのならば、元から強度の高い場所が良いでしょう? せっかく、ここまで来たので悔しくはありますが……コアマシンルームに戻りましょう。船体構造的に、あそこが最も強度があるはずです」
 そのいつきの言葉に合わせるように、神威・くるる(神の威を狩る黒猫・f01129)が言葉を重ねる。
「あやや、大変な状況どすな? そやけど、コアマシンルームへの経路は、うちが確認しておいたさかい、任してや」
 くるるが確認した限り、残存クローン騎士は、全て宇宙港への通路の防衛に向かっているようで、突破した後の、コアマシンルーム方面は無人であるという事だ。
 残り700秒弱、邪魔するものが無く、最短距離で突っ切るのならば、決して不可能な距離では無い。

「仮に間に合わなくても、条件は今と同じですからね。少しでも、安全度の高い確率に賭けてみましょう」
 いつきの提案に、反対するものはおらず、すぐさま、移動系のユーベルコードを持つ猟兵達が、くるるの案内する最短距離を、ミディア達を抱えて爆走し、バリア能力を持つ猟兵達が、その後を追って駆け出していく。

 残り600秒強。
 猟兵達は、望む未来を掴むために、全力を尽くし、そして、残り30秒という時間を残し、コアマシンルームにミディア達を運び込む事に成功したのだった。

「今です、みんな、障壁を!!」
 ユーイが号令に合わせ、障壁系のユーベルコードを持つ猟兵が、最大出力で、力を解放する。
 多種多様な障壁が、コアマシンルームを十重二十重に守り、その力に反応したのか、コアマシン自体が虹色に輝きだした。
 それは、猟兵達にとっても、初めて見る幻想的な光景であり、ミディア達警備隊の面々も、ただただ、目を見張り、ユーベルコードとコアマシンの力が重なる様を見続けたのだった。

 そして、30秒後。

 周囲に展開する帝国軍艦隊から、一条の光が、移民船ヘロドトスを貫いた。
 全てを滅ぼさんとする、カイザー・レイの光。
 皆を守ろうとする、ユーベルコードの光。
 そして、ユーベルコードに反応したコアマシンの虹色の光……。

 その全ての光が重なった時、ミディアの体をコアマシンの光が包み込み、そして、まばゆい光と共に、全ての仲間と共に、ヘロドトス空域から姿を消し去った。

 移民船ヘロドトス、劣化カイザー・レイの一撃により撃沈。
 宙域内に、生存者無し……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『廃棄された墜落戦艦』

POW   :    戦艦のパーツやスパコンなどの重量物を運び出す。

SPD   :    資源物資を取捨選択し、有用な物資を数多く運び出す。

WIZ   :    記録を見つけ、戦艦がどんな敵と戦ったかの情報を得る。

👑30
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●古の宇宙遺跡船
 帝国艦隊による、移民船ヘロドトスの撃沈。
 そして、その混乱の中で発動した、ミディアの謎の力……。
 ヘロドトス撃沈と共に、ミディアと共に転移した猟兵達は、見知らぬ場所で目を醒ます事になった。

「う……ううん」
 激しい衝撃により意識を失った猟兵達は、周囲を見渡すが、そこは、見た事も無い場所であった。
 少なくとも、グリモアベースでも、ヘロドトス内部でも、帝国の戦艦の内部でも無い事は間違いない。
 周囲に広がるのは、古代の祭祀場のような荘厳な……しかし、数百年以上は誰も足を踏み込んでいないかのような、遺跡の前。
 おそらくは、はるか古代に造られたスターシップである『遺跡船』の内部であるのだろう。

「あっ、ミディア? それに、警備隊員の皆は……」
 猟兵達が、慌てて探すと、ミディアも警備隊員も一人も欠けずに、この場に転移されてきているようだ。

「転移……だと?」
 この現象は間違いなく転移。
 しかし、ミディアと警備隊員が転移されている以上、グリモア猟兵の転移ではありえない。
 ならば、この現象は……。

「『ワープドライブ』……」
 誰かが、そう言葉にすると、猟兵達は黙り込む。
 銀河帝国が独占していた、遺失技術が、今かららの目の前に存在するのだから。
 その謎を解き明かす事は、スターシップワールドの根幹を大きく揺るがす大事件となるだろう。

「いや、その前に……」
 猟兵の一人が、口を開く。
「俺達が、ここから脱出できなければ『ワープドライブ』の情報だって、持ち帰れない」
「とにかく、この遺跡船を探索するしかないか」

 猟兵達は、意識を失ったままのメディアの回復を待ちつつ、周辺の調査を始めるのだった。

※第二章のルールについて
 第二章は、古代の遺跡戦を探索する冒険フラグメントです。
 最初の探索を行う場合は、追加情報を読みつつ、どんな探索を行うかや、探索の結果、こんな物を発見した! といった感じで、プレイングを行っていただけると嬉しいです。
 最初の探索情報は『1月30日の午前10時頃』に公開されます。

 第二章のリプレイ公開は、『1月30日の午前10時頃』『14時頃』『18時頃』の3回に分けて公開されるので、リプレイ公開後の情報を確認してから、プレイングをかけるのも、楽しいかもしれません。

 なお、第二章のプレイングは『移民船ヘロドトスから、謎の転移によって、古代遺跡船に転移してきた猟兵』として参加する事も可能ですので、その場合は、プレイングで指定してください。
(転移には、多数の猟兵が巻き込まれていますので、第一章のリプレイに登場していない場合でも、指定する事が可能です)

 勿論、通常の方法での参加も可能ですので、ご安心ください。
彩波・いちご
『移民船ヘロドトスから、謎の転移によって、古代遺跡船に転移してきた猟兵』として参加

【WIZ】
ひとまず記録を調べてみることにしましょうか…
何か手掛かりあるかもしれませんし
ということで『コネクトテンタクルス』、私に憑いているUDCの触手の一部をアイテムとして利用して、コンピューターにつないで【ハッキング】からの【情報収集】です
「さてさて、どんな記録が見れますかねーっと」
見つけた情報は皆とも共有して、最終的には情報を持ち寄って推理でしょうか

誰とでも絡みOKです


ニルズヘッグ・ニヴルヘイム
随分と巨大な……こういうのを、ロストテクノロジーとかなんとかいうんだったか?

ともかく、ここを脱出せんことにはどうしようもないのだろうが……。
私はこういうのの探索は苦手でなァ……。
ここも過去の記憶を保った場所であるならば、それを知る残滓も残っていようもの。
【死者の岸辺】で呼び出した死霊に、少々、話を聞こうではないか。
ま、少しばかり時間が経ちすぎている。そこまで鮮烈な記憶が残っているわけではあるまいが、重要な記憶は残っていよう。多少の情報は得られるのではないか?
たとえば、ここが何の目的で作られて、何を祀っていたのか――とかな。
それが分かれば、調べるべき箇所もおのずと絞られようものだ。


セルマ・エンフィールド
移民船ヘロドトスから謎の転移によって古代遺跡船に転移してきました

遺跡船を動かせるよう祈るかか、もしくはここにもワープドライブの技術があることを祈るか……柄ではありませんし、祈る前にまずは手足を動かすとしましょう。

全く情報のない状態での探索です、第六感、および細かい物を見逃さないよう視力、および索敵用ドローンを頼りにして探索しましょう。

ロックがかかっている場所などもありそうですし、今後の探索のためにも鍵や電源は見つけておきたいところです、電源が生きていればいいのですが。

あと必要そうなものは地図でしょうか、なんにせよ、後続の猟兵たちの役に立ちそうな物を優先して発見しておきたいところです。


花巻・里香
私は遺跡船に住む動物達(虫含む)を【魅惑の外装人形】のフェロモンで誘き寄せ、誘惑して誑かしましょ。
そうして魅了した動物達から、この船のこと、この船での暮らし、近づいてはいけない場所などを聞き出してみるわね。
まずは動物達をみつけることから始めないといけないのだけれど、そこは他の猟兵にも協力してもらいましょ。
危険な生物に遭遇したらクリスタライズの透明化でやりすごしてみるわ。
追われている動物達を助けるのも手ね。


フィロメーラ・アステール
「うーん、何かあるよな、ここには!」
しかし……あたしの興味はそっちじゃないんだ。
ぶっちゃけミディアちゃんの方が気になるぞ!

【生まれながらの光】でミディアちゃんを回復させられないか?
あー叩き起こしたいわけではなく、ケガしてるように見えなくても、何か消耗してる可能性があるからな!
そのついでで、彼女に何か特殊な力が備わっているとか、変な装置がくっついてるとか、魔力の流れを読み取ったりして判別できないだろうか?

彼女がキーになってここにワープしてきたなら、こっちにもヒントが隠れてそうな気がするんだよなー!
何もないなら「ない」ってわかるだけでも有用だぞ! たぶんな!
そこから先は別のヤツが考えてくれー!


七篠・コガネ
なんて幻想的な虹色の光…僕の内蔵コアマシンも反応した?のでしょうか
呆気に取られて気にしてませんでしたが…
それはともかくここは……遺失技術…不思議と懐かしい気もします
まだ帝国にいた頃を彷彿としますよ
…帝国に良いように利用されていた頃なんて、思い出したくないですけどね

背のプラズマジェットで飛んで高い所にあるパーツを【怪力】で
手で持ちつつ脚で掴みつつ下へ降ろします
そのまま自身の内蔵センサーで反応する箇所を探してみますね
反応を見つけたら人を呼ぶなり
物陰に何かあるならパイルバンカーで破壊するなりしてどかしてみます

▼見つけたもの
過去からの記録メッセージ装置


△アドリブ歓迎



●探索、古代遺跡船
「なんて幻想的な虹色の光……だったのでしょう」
 謎の転移現象から再起動を果たした、七篠・コガネ(その醜い醜い姿は、半壊した心臓を掲げた僕だ・f01385)は、彼が最後に見た光の情景を思い出し、自らの胸に手を当てる。
「あの光は、何故か知っている気がする。帝国の殺戮兵器であった筈の僕が、今の僕である為に必要な光……。あれが、愛なのでしょうか?」
 あの現場に居合わせたウォーマシン達は、多かれ少なかれ、コガネの感じた既視感を得たようで、それぞれ、疑問や不安の表情を浮かべているようだった。

「ですが、今は、別にやるべき事があります」
 コガネは、虹色の光への思索を打ち切り、背のプラズマジェットに火を入れると、空高く飛翔する。
「何かを見つけるならば、高い所からが良い……」
 眼球部部に装備された『恐竜のお目目』をこらし、コガネは空から遺跡船を探索し、崩れかけた尖塔を発見する。
 尖塔はなんらかのモニュメントであるようで、その内部には記念碑のようなプレートが埋め込まれていた。
 コガネは、そのプレートを怪力を発揮して無理矢理剥ぎ取ると、それをもって、皆の元へと戻る事にした。

「おそらく、このプレートを調べれば、この遺跡の目的等が判明するかもしれません」
「ご苦労様です。さっそく、調べてみますね」
 コガネからプレートを手渡された、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は、コガネの説明を聞いて、大きく頷くと、プレートの調査を開始する。
 プレートの外面には何の刻印なども施されていない。
 ならば、このプレートの情報は、データとして内部に保存されている筈だ。
「ふんぐるいふんぐるい……。あらゆる機械に浸食し接続する我が眷属よ……」
 いちごの詠唱に従うように、コネクトテンタクルスの細い触手がプレートを侵食し、そして、その情報がいちごにダイレクトに伝わってきた。

「コガネさん、これは当たりですよ。この遺跡の目的がわかりました」
 触手を繋げたまま、いちごは、プレートの碑文の誌的な言い回しを解析し、意訳し、情報として取りまとめて、言葉にする。
「ここは、スペースシップのコアマシンに『ワープドライヴ』の力を与える古代の祭祀場……だったようです。正確には、『ワープドライヴ』の力をコアマシンに与える者の資格を試す試練の場所でしょうか」
 いちごの説明に、コガネは大きく頷きを返す。
「我々が、この遺跡に転移された事には、理由があるという事ですね」
「ですが、ワープの技術が失われ、この祭祀場が使用されず古代遺跡として放置されている理由まではわかりません」
 プレートは、この遺跡が正しく使われている時代のものなので、その後の事はわからない……いちごは、そう締めくくると、コガネと共に、この情報を共有すべく、皆の所へと移動していった。

「うーん、何かあるよな、ここには!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、キラキラと宙を飛びながら、遺跡船を見渡した。
 が、すぐに視線を下に戻すと、
「でも……あたしの興味はそっちじゃないんだ♪ ぶっちゃけミディアちゃんの方が気になるだぞー!」
 未だ覚醒していない、ミディアの周りをふわふわと飛び回りながら、光の粒子を振りまいた。
『明日に繋ぐ物語のはじまりはじまり、ってなー!』
 フィロメーラから生まれた光は、ミディアの体に吸い込まれていき、ミディアの覚醒の一助となる。
「う、うん。ここは? 私は、どうやって、あの光は!!」
 起き上がったミディアは、混乱したように周囲を見渡してキョロキョロと見渡し始める。
「ここは安全なんだよ、ミディアちゃん!」
 フィロメーラは、ミディアを安心させるように抱き着いて、よしよしと頭をなぜてあげた。
「そして、あたし達を、ここに運んでくれてありがとうだよ!」
「えっ、いえ、そんな、私は何も……」
 混乱したように首を振るミディアだったが、フィロメーラが重ねて、
「ミディアちゃんの体が、なんか光って、ここまでこれたんだよ。だから、大丈夫♪」
 と伝えると、ある程度落ち着いてあたりを見る余裕が生まれたようだ。
「それにしても、ここは何処なのでしょう? かなり古い遺跡船であるのは間違いないと思うのですが……」
 ミディアの問いに、フィロメーラは、満点の笑顔で、
「しらなーい! でも、頭のいーヤツが、いろいろ考えてくれてるから、そのうちわかると思うんだぞー」
 と、答える。
「でも、きっと、この遺跡船の謎を解くにはミディアちゃんの力が必要だと思うから、調査が終わるまで、あたしとゆっくり休んでよう!」
 なにも考えてい無さそうだが、その実、仲間の猟兵を信頼した言葉なのだと理解したミディアは、フィロメーラの提案に頷いて、
「私が出来る事があれば、いつでも声をかけてくださいね」
 と言づけると、体を休める事にした。

 このフィロメーラの信頼に応えるように、猟兵達の遺跡探索は進んでいった。
 花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)は、かつては儀式的な木造建築があったと思われる区域まで足を延ばすと、からくり人形を分解し、強化鎧装形態を造り出す。
『魅惑の外装人形――』
 その鎧装から放たれた魅惑の力は、朽ちた遺跡の隅々にいきわたり、そして……、
 ネズミや黒蟲といった、大量の生物を招集する。
 里香の周囲に集まった動物たちは、里香の歓心をかうべく、ペロペロと体をなめたり、わさわさと里香の体にまとわりつく。
 里香は、その様子をしばし観察した上で、彼らから情報を引き出し始めた。
 この遺跡船に住み着いていた彼らならば、危険な場所や、閉ざされた場所への扉など、様々な情報を知っているに違いない。
 動物の知能であるため、とりとめなく、理解しがたい情報の羅列であったが、里香は丹念に情報を精査し、聞き返し、確認を重ねる事で、この遺跡戦でまだ動いている『最重要と思われる区画への扉』の場所を特定する事に成功する。

「どう重要なのかは、この子達もしらないのだけれどね。そこは、自分の目で確認するとしましょう」
 里香は、そう言うと、情報の場所へと歩みだした。

 遺跡船で生きる動物達から情報を引き出そうと試みた里香に対し、ニルズヘッグ・ニヴルヘイムが、目を付けたのは死者であった。
 あまりにも古い遺跡である為、死霊が残っている可能性は低いだろうけれど、もし残っているのならば、それだけ強い怨念があるということ。
 勝算は決して低くない。
 遺跡船内部を歩き回ったニルズヘッグは、なんらかの広場があったと思われる場所で足を止め、死霊を呼び出す詠唱に入った。
「この怨念……。この場所で、何らかの惨劇があった可能性があるな……。『その記憶、見せてみろ』」
 その詠唱と共に、ニルズヘッグの呪いの力が、はるか過去の亡霊を長き眠りから覚醒させる。
「ウラ……ギリ……モノ……」
「ワレ……ラ、ネダヤ……スル……カ」
「セメ……コノコ……ケデモ」
 死者の岸辺のユーベルコードによって現れた死霊は、首を落とされ血に塗れた老若男女であった。
 血に塗れてはいたが、全員が儀礼的で豪華な衣装をまとっている事から、この死霊たちが、生前は高い身分、或いは、立場をもっていたことが予想される。
「裏切り者。我らを根絶やしにするか。最後は、せめてこのこだけでもであるか?」
 ニルズヘッグは、死霊の語る怨嗟の言葉に耳を傾ける。
 おそらく、この死霊は、高い立場か地位にありながら、誰かに裏切られ、子供も含めて根絶やしにされたという事なのだろう。

「最後に聞かせてもらおう。お前達を殺したのは誰であるか?」
 ニルズヘッグの問いに、死霊たちは口をそろえてこう答えた。

「ギンガコウテイ」
 であると。

 セルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)は、調査を行った猟兵達の情報を取りまとめると、解析を行う猟兵達と共に、現現時点で高い可能性のある推論を導き出した

「この遺跡船が、スペースシップのコアマシンに『ワープドライヴ』の力を与える者を選別するものであった事は間違いないでしょう。
 そして、銀河皇帝によって、選ばれた者達が皆殺しにされ、スペースシップワールドから『ワープドライヴ』が失われたと考えられます」
 セルマの推論に、異を唱える者はいなかった。

 銀河帝国の宇宙支配は、『ワープドライヴ』の独占によるものと考えれば、辻褄があう。
 銀河帝国を撃ち破った『解放軍』には、『ワープドライヴ』を動かせる者……、おそらく虐殺を逃れた生き残りがいたのだろう。
 そう考えると、グリモア猟兵の転移によって銀河帝国と戦う、猟兵達が『伝説の解放軍の再来』であると認識されるのも、自然なのかもしれない。

「つまり、ミディアちゃんは、解放軍の末裔ってことだよな?」
 ミディアの膝の上に座っていたフィロメーラの質問に、セルマが大きく頷く。
「ただ、ミディアさんの力は、まだ未完成です。ヘロドトスから、ここに転移できた理由は、様々な要因が重なった奇跡だったのでしょう。その力を使いこなすには、この古代遺跡の力を引き出さなければならないのです」
 セルマの説明に、ミディアと猟兵達も頷いた。

 『ワープドライヴ』を使いこなす事が出来れば、スペースシップワールドに真の意味の『解放軍』を結成する事が出来る。
 そうなれば、骸の海から蘇りし『銀河帝国』を再び滅ぼす事すらできるだろう。

「古代遺跡の扉は、西側の遺跡の奥にある事を確認してきましたよ。
 ただ、内部には、侵入者を阻止する仕掛けが多数あるようなので、危険は大きいでしょう。それでもいきますか?」

 里香の問いに、ミディアと猟兵達は当然のように頷いた。

「私にできる事があれば、力の限り」

 そして、ミディアと猟兵達は、侵入者を拒む『ワープドライヴ』の遺跡へと足を踏み入れる事となる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​


※試練の扉の探索について
 試練の扉の中は『ワープドライヴ』の秘密を守る為の罠が仕掛けられています。
 祭祀を行い、正規の方法で侵入した場合、罠などは発動しない筈ですが、その方法などを突き止める事はできませんでした。
 その為、猟兵達は、遺跡の罠を掻い潜って、最深部に到達する必要があります。

 今回は、遺跡の罠を突破する事が目的となります。
 どのような罠があるかを予測し、それを突破する為の行動を、プレイングで指定して頂けると、嬉しいです。

 楽しい、プレイングをお待ちしていますね。
エルネスト・ポラリス
『ワープドライヴ』の遺跡の攻略……
ええ、ええ。これこそ探索者の本領発揮でしょう!
他の猟兵とも協力して、ミディアさんを奥地まで送り届けますよ!

人が作ったものである以上、奥地に進むための『正規ルート』があり、その存在を知る人の行き来があったはずです。
人狼としての嗅覚や野生の勘を活かして、その足取りを追跡していきたいですね。

罠があれば、フック付きワイヤーを投げて先んじて作動させたい所……
しっかり見切らないといけませんね!
ミディアさんが攻略に苦戦するようなら、積極的に手を貸します。
日頃、弟妹達に人を助けなさいと偉そうに言ってますからね、こういうところでしっかり実戦できてこそのお兄ちゃんです!


ヘルミナ・イェルソン
罠と言えば落とし穴、迫る壁、転がる大岩、毒ガス……色々予測はたてられますね。
しかし全てに共通するのは、それがトリガーを伴った仕掛けであるということです。

メカニック、鍵開け、破壊工作、ハッキングを活用して、できるだけ罠が発動する前に、トリガーを特定し仕掛け部分を破壊、発動を阻害しましょう。
罠を避けるのにメモリ配分・分析も使えそうですね。観察し、分析し、他の方と情報共有ですね。
発動しても、殺傷能力が高い部分を避けて動力部をぶっ壊しましょう。その際はヴァリアブル・ウェポン威力重視の大剣を活用します。

にしても遺跡というのはワクワクしますね。内部をスケッチする余裕、作れたら良いのですが。


レン・ランフォード
【SPD】
遺跡探索、こういうのは罠があるのは基本ですよね
一応忍者ですから罠探索はお任せください

遺跡の罠は一度ではなく何度も使うために痕跡が残りやすいですよね
動くために少し綺麗だとか擦過後がある床とか何かを撃ったなら壁や床に弾痕があったりとか
一番分かりやすいのは犠牲者の死体ですが
そうならないよう分身して注意を払います

この世界の定番だとやっぱりビームでしょうか
コードで分身して一人が「第六感」「見切り」でなんとか回避している間に
もう二人で手裏剣を「投擲」して装置を破壊しましょう

個室みたいな部屋は閉じ込められないよう注意
扉…擦過後で閉まりそうな所に手裏剣突き立てて簡単に閉まらないようにしておきましょう


ハンドレッド・コール
試練の扉を潜る時は【第六感】を頼りにゆっくりと、慎重に進むぞ

フツウのスペースワールドの人だと『幽霊なんか非科学的だ』と言われるかもしれねえが、祭祀に死霊に…ってなると、霊魂や幻惑に関係した罠が仕掛けられてもおかしくねえ。
しかも今のオレ達は「他人の家を踏み込んだ侵入者」みてーなもんだ。幽霊達がオレ達のことを銀河帝国軍だと思って襲うかもしれねえ。
そうなったら、オレ達は幽霊達に殺しに来たり遺跡を荒らしに来たわけでないことや、怪我人もいて、脱出する方法を探ってるみたいに、【優しさ】で敵意がないことを幽霊達に示してみよう。

…そしてわたしの【祈り】で、『緑薔薇の息吹』で、幽霊達の心を安らかにしてみせる。


アーサー・ツヴァイク
※アドリブ協力大歓迎

やはり遺跡が鍵か…いつ出発する? 俺も同行する

…真面目にやるか。
古代の遺跡を守る罠…まあ、順当に考えるなら侵入者を撃退するためのガーディアンみたいなのはいるだろうな。
そして銀河帝国に備えるなら、この世界の技術や技に対策されているはずだ。
だが、俺たちのような別世界の奴らまでは想定外だろ?
例えば俺のバイクだって、槍に変形させて【槍投げ】で【串刺し】にすれば、相手を爆破できるぜ? 銀河帝国の宇宙バイクには出来ない芸当だ!
…本当にバイクかって? いやいや、どう見てもバイクだろ。なあ、ライドラン!

…それに、俺たちのようなのまで想定して作っているなら…それはそれで情報になるな。



●試練の遺跡
「光よりも速く……ぶちのめしてやるぜ!」
 扉を開き、『ワープドライヴ』の遺跡に突入した、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は、大型の槍を掲げると、竜の姿へと変形させた。
 この姿こそ、アーサーの愛機、ドラゴンバイク『ライドラン』の真骨頂なのだ。
「ここが、スペースシップワールドの遺跡である以上、世界の制限は受けざるを得ないんだ。つまり、この世界にありえない技術でかっ飛ばせば、この世界の技術を前提とした罠の突破はたやすんだよ!」
 アーサーは自信満々に、遺跡の通路を『ライドラン』で爆走する。
 遺跡の雰囲気に似つかわしくない踏破方法だったが、アーサーの予測はある程度的を得たらしく、幾つかの罠を『ライドラン』は、強引に突破されていく。
 後に続く猟兵達は、その爆走ぶりに少しだけ呆れながら、後を追いかけていき、そして。
 遺跡の部屋の中央で、転倒する『ライドラン』と投げ出されたアーサーを発見する事となった。

 ハンドレッド・コール(双縁銃士・f00371)は、投げ出されて地に伏した、アーサーの元に駆け寄って助け起こすと、怪我をして意識は無いが、命に別状は無いのを確認して、ほっと息を吐いた。
 そして、アーサーを治療班に引き渡すと、彼の倒れていた場所に、何かが書かれているのを発見した。
「ん? これはダイイングメッセージじゃねぇの?」
 アーサーが倒れていた場所に、残されていたのは、確かに彼の書いた文字であるようだ。
 死んではいないので、ダイイングメッセージでは無いのだが、何かのヒントに違いない。
 ハンドレッドが、その文字に顔を近づけて読み解くと……、その文字は『死霊』と読む事が出来た。

「死霊……か。スペースシップワールドならば非化学的だと言われる所だが、霊魂や幻惑に関係した罠が仕掛けられてもおかしくねえ。フローラ、お前の出番だぜ」
 ハンドレッドの言葉に、彼のもう一つの人格、フローラが目を醒ます。
「……確かに、霊の気配を感じますね。アーサーさんは、この霊の攻撃を受けて、転倒させられた……と考えて間違いなさそうね」
 フローラは、そう呟くと、霊の残滓を辿るように『緑薔薇の息吹』を吹きかける。
『未来へ紡ぐ希望を、あなたに』
 の言葉と共に、光り輝くライトグリーンの花びらが部屋を覆い、そして、不穏な気配と共に、消え去っていく。
「これで、暫くは大丈夫なはずよ。それじゃ、ハンドレッドさん、後は、任せるわね」
 それを見届けたフローラが眠りにつくと、ハンドレッドは目を醒まし、この部屋の罠を解除した事を告げて、遺跡の奥へと進むのだった。

「さて、ここから先は正攻法で攻略しましょう」
 ハンドレッドによって、死霊の罠が突破された後、この遺跡の傾向の分析を行っていたエルネスト・ポラリス(いつか満月の下で・f00066)は、
「人が作ったものである以上、奥地に進むための『正規ルート』があり、その存在を知る人の行き来があったはずです。幾つかの罠は突破する必要はあるでしょうが、その道筋を進めれば、迷う事無く前に進めるのです」
 こう提案し、道案内を買って出た。
「大丈夫、必ずミディアさんを無事に最奥まで送り届けますから」
 エルネストは、同行しているミディアにもそう声をかけると、人狼の嗅覚と野生の勘、そしてフック付きワイヤーでもって、遺跡に立ち向かい前に進んでいく。

「エルネストさんの分析は正しいですね。私も協力させて頂きます」
 前を進むエルネストに追いついたヘルミナ・イェルソン(夜を飛び越える・f02267)は、エルネストの指し示す方向に進みつつ、罠を発見、解除していく。
「機械的な罠は、センサー部分を誤魔化すか、トリガーを特定して、仕掛け部分を破壊できれば、最小限の被害で先に進めますから……」
 トラップに対するハッキングを成功させたヘルミナに、エルネストも賞賛を惜しまない。
 正しい方向を見つけるエルネストと、罠を解除するヘルミナは、スペースシップの遺跡を探索する上では、なかなか頼れるコンビであっただろう。

 罠の発見については、レン・ランフォード(近接忍術師・f00762)の忍者としての知見も役に立った。
「遺跡の罠は一度ではなく何度も使うために痕跡が残りやすいですから……、そに注意すれば、罠の存在に気づきやすいです」
 レンは、雪月花の分身たちも駆使して、罠を探し出し、落とし穴、転がる多いわ、毒ガスなどなど、多種多様な罠を発見していく。

「最終的には、第六感も重要ですけれどね」
 レンは、そういって、怪しい場所に手裏剣を投擲して、罠を解除するなど、忍者らしい方法で、安全を確保し、遺跡の最奥への道を切り開くのだった。

●『ワープドライヴ』の導き手
 アーサーも含めた多くの猟兵の活躍によって、数々の罠は突破され、猟兵達一行は、ついに、試練の遺跡の最奥へと到達した。
 遺跡の最奥に至る荘厳な扉。
 その扉は、ミディアが手を触れる事で開き、内部から、七色に輝く光が溢れだした。
 それは、ヘロドトスのコアマシンルームで見た光に酷似していただろう。

 七色の光は、猟兵達の前で七色の光柱に姿を変え、そして、厳かで力強い言葉を紡いだ。

『汝、力を求める者であるか?』

 ミディアは、どうすべきか問いかける世に、エルネスト達の方を振り向くが、エルネストとヘルミナ達が頷いてみせると、一歩前に進み、扉の奥へと足を運び、

「はい、その通りです。私は、『ワープドライヴ』の力を求めます」
 と返答を返した。

 その言葉を認識した、七色の光の一部がミディアの体に吸い込まれ、そして、ヘロドトスの転移の時と同様に、ミディアが光に包まれる。

『汝、ミディア・スターゲイザーの正当な権利を認め、『ワープドライヴ』の導き手とする。この宇宙に遍く平穏と希望をもたらされんことを』
 その言葉と共に、ミディアを包んでいた光が消えていく。

「大丈夫?」
「力を得られたの?」
 猟兵達の問いに、ミディアは頷きで答える。

「皆さんのおかげで『ワープドライヴ』を導く力を得る事が出来ました。しかし、私が導きの力を得た事は、銀河皇帝にも察知された筈です」
 ミディアは、そう告げると、猟兵達に彼女の願いを告げた。

「おそらく、帝国軍は『ワープドライヴ』を得る前にスペースシップを破壊し、『解放軍』の結成を阻止しようと動くはずです。どうか、この企みを阻止し、新たな『解放軍』の結成を助けていただけ無いでしょうか」

 そのミディアの願いに、当然、猟兵達は了承する。

「それは、私たちの望むところよ!」

 ミディアと猟兵達は、『銀河帝国』との決戦に向けて、新たな『解放軍』を結成すべく動き出す事になる。
 この戦いこそ、スペースシップワールドの命運をかけた戦いとなるだろう。

●猟兵の望むもの
 ミディアと猟兵とが、銀河帝国打倒の決意を新たにしている、その時。
 最奥の七色の光が再び輝きだし、再び、厳かで力強い言葉が猟兵達の耳に届いたのだった。

『汝、力を求める者であるか?』

 どうやら、ミディア以外の猟兵にも、力を求める権利があるという事らしい。

「そういうことですか。ならば、私にも『ワープドライヴ』を導く力を頂けますか?」
 エルネストが、そう答えるとと、光がエルネストを覆い……特に何事もなく消えていった。

『正当な権利を持たぬものに、『ワープドライヴ』を導く力を与える事はできない。この宇宙に遍く平穏と希望をもたらされんことを』

「まぁ、そうですよね」
 エルネストは残念そうに、そう言ったが、そこで一つの可能性に思い当たった。
「この遺跡には、『ワープドライヴ』を導く力以外にも与えられる力があるかもしれない」
 と。

 『力』は、あるかもしれないし、無いかもしれない。
 だが、試してみる分には無料である。

『汝、力を求める者であるか?』
 再び響いた、厳かで力強い言葉い、猟兵達の返答は……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


※『汝、力を求める者であるか?』
 探索お疲れさまでした、探索の最後は、お宝獲得のボーナスステージとなります。
 七色の光の『汝、力を求める者であるか?』という問いに答える事で、スペースシップワールド限定で得られる、なんらかの力を得られる可能性があります。

 銀河帝国との戦いで少しだけ有利になる『猟兵全員が使えるアイテム』や、『一度だけ使えるイベント的な力』など、お宝アイテム的な力を手に入れるチャンスです。

 あまり強力な力は無理ですが、可能そうなものならば、さくっと採用できるかもしれませんので、色々考えてみてください。

 プレイングでは、
======================
 どのような力であるのか
 何故、その力を望むのか
 何のために使用するのか
======================
 といった説明や、問いかけへの返答セリフなどを説明して頂ければ、判定の参考にさせて頂きます。

 それでは、みなさんの、楽しいプレイングを、お待ちしています!

※スケジュールについて
 サーバーメンテナンスが長引いた為、スケジュールに遅れがでてしまいました。
 リプレイ公開が『15時』となってしまいましたので、プレイングの受付を『16時』に延長します。
 スケジュールの延長により、ご迷惑をおかけして、すみませんでした。
ロシュ・トトロッカ
力、ちから…この世界でだけ使えるもの、なんだよね
それじゃあ、っと

うん、ぼくは力を求めるよ
問いにはハキハキ回答!
短い時間でも良いからさ、生身でも宇宙空間を自由に動ける力を望むよ!
理由は帝国と戦う時に役立つのもあるけどら
宇宙も空や海みたいに自由に泳げたらきっとステキだなって
もちろん、悪いことには使わないよ!
この世界の戦いで必要になった時に、この世界を守るために
そのための力、もらえるかな?

どうぞよろしくお願いします、と七色の光に頭を一度下げて
まっすぐ光を見つめる


ルベル・ノウフィル
「ええ、僕は力を求めます」

過ぎ去りし過去により今を生きる人々が脅かされている……、
僕は、人々を守りたいのです。

それは僕だけでなく全世界の猟兵に共通する想いでしょう。
僕達猟兵は復活した過去と戦う者。戦うためには、力が必要なのです。
僕1人ではなく、全員。

この世界で戦う猟兵に、『エアークリエイト』の能力、もしくはアイテムをお与えください。
猟兵が戦う時、宇宙空間での行動をしやすくなるように。
猟兵が一般人を助ける時、生命を救いやすくなるように。
猟兵の周囲、もしくは意図した小空間に空気……酸素を生成できるように。

それにより猟兵は、より幅広い作戦行動が可能になることでしょう。
より幅広く活動するためなのです。


桃之瀬・萌々子
わぁー、今来た所なんですけど、すっごくいいタイミングでしたね!
それじゃあ!私が欲しいものは、猟兵1人1人が乗れるような、小型宇宙船です!
もしくは、生身のままで宇宙空間で動けるようになるパワーとかでもいいんですけど!

何故と聞かれると、もちろん、宇宙生命体との戦いで有利になるかもしれないからですよ!

いいですか!宇宙が舞台の世界ですよ!
いつまでも敵が宇宙船に乗ってきて、乗り込んできて戦ってくれるとは限りません!
宇宙空間を飛び回るエイリアンが出てくるかもしれませんし、UFOでこっちの宇宙船を直接破壊しにくるかもしれません!
そうなった後に対処を考えたって遅いんですよ!今のうちに方法を準備しないと!さぁ!


シーマリネィア・シーン
えっと、言葉が通じなくても、真空中とかでも、ある程度距離が離れたりヘルメットとかで遮られてても、こぅピピッて感じで意志が通じ合う能力とかないでしょうか。長文でも一瞬で送れるような。
宇宙って広いですし、何があるか分かりませんから、情報伝達は大切です。
あと、敵ともコンタクト取れたら取りたいですね。別に仲良くしようとかは言いませんけど、何を考えてるのかとか、敵同士でもわかり合うのはありだと思うのですよ。


ポケッティ・パフカニアン
えっ!お宝!?
それじゃもちろん、金銀財宝を…なんてやっすい冗談はやめとくわね。

そーねぇ、じゃあ…この戦艦をちょうだい!
もちろん壊れたままじゃないわよ、きっちり修理もしてね!

まぁ聞いてよ、今ってこの世界のどこかの宇宙船に転移して戦ってるでしょ?
そのせいで今回、壊れそうな宇宙船に乗り込んで防衛戦するハメになったんでしょ?
だったら、この世界に、あたし達の拠点になるモノを用意しておいたら。
大規模な戦闘に介入する場合でも、やりやすいと思わない?

あ、移動が遅かったら何の意味もないからね!きちんと、ワープ機能付きでお願いね!
ほら、あるでしょ?ロボットものではお約束の、時空間ワープエンジン起動!みたいなやつ。


白金・ジュン
『汝、力を求める者であるか?』

ユーベルコード使用しての探索の結果、最奥までたどり着いた
問いかけに対して

・どんな力?
「一定時間ワープドライヴを妨害するフィールドを形成できる
力場発生装置って作れないかな?」

・なぜ望む?何のために使用する?
「解放軍がワープして帝国軍の懐に飛び込んでから使用したら
援軍を断ってその場の戦力だけと戦えるようになるんじゃない?」

銀河皇帝との決戦に使える「一度だけ使えるイベント的な物」でも
解放軍が各地で使用出来る「猟兵全員が使用出来るアイテム」でも
あると便利そうかなって思う



●猟兵の求めた力
 虹色の光から、厳かな声が流れる。

『汝、力を求める者であるか?』

 その問いに、真っ先に答えたのは、丁度良いタイミングでその場に到着した、桃之瀬・萌々子(ブイアールコウハイ・f02789)であった。

「わぁー、今来た所なんですけど、すっごくいいタイミングでしたね! それじゃあ! 私が欲しいものは、猟兵1人1人が乗れるような、小型宇宙船です! もしくは、生身のままで宇宙空間で動けるようになるパワーとかでもいいんですけど! 何故と聞かれると、もちろん、宇宙生命体との戦いで有利になるかもしれないからですよ!」
 ある意味能天気な萌々子の求める力であったが、その願いは多くの猟兵達が求める力でもあった。

「ぼくも、同じ力を求めるんだよ」
 ロシュ・トトロッカ(マグメルセイレーン・f04943)は、萌々子の願いう力を肯定しつつ、ハキハキと判りやすい口調で、その目的と意義を補足した。
「生身で宇宙空間を自由に動ける力があれば、帝国と戦う時に役立つだろうし、何より、宇宙を空や海みたいに自由に泳げたらきっとステキだなって!」
 そう夢を語るロシュに、萌々子は「ステキです! きっとあなたは、私の先輩です!」といって抱き着いた。
 嬉しそうにまとわりつく萌々子に、
「えっ、先輩ですか? 確かに身長はぼくの方が少しだけ高そうだけど、君の方が年上じゃないのかな?」
 とツッコミを入れたが、まぁ良いかと流したらしい。

「僭越ながら、僕も同じ力を求めさえて頂きましょう」
 星守の杖を右手に持ちながら、ルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)も、2人に同意すると、具体的な力の内容について虹色の光に説明を行った。
「僕は、人々を守りたいのです。
 これは、僕だけでなく全世界の猟兵に共通する想いでしょう。
 そして、その為には、銀河帝国と戦う事も必要がでてくるのです。
 ですから、この世界で戦う猟兵に、宇宙空間でも『エアークリエイト』の能力、もしくは、それに類するアイテムをお与えください。
 猟兵が戦う時、宇宙空間での行動をしやすくなるように。
 猟兵が一般人を助ける時、生命を救いやすくなるように。
 猟兵の周囲、もしくは意図した小空間に空気……酸素を生成できるように」
 ルベルの願いは、求める力を具体的に示す事が出来ており、その言葉に光は大きく反応する。
 ルベルが願った、全ての猟兵が使用できる、宇宙空間で個人戦闘が可能な能力か装備。
 それがあれば、スペースシップワールドでの猟兵での活動は、より広がっていく事だろう。

 猟兵の中には、個人用戦闘機や小型人型起動兵器を望んでいたものも少なくなかったが、個人用で小型とは言え、猟兵の装備では無いのならば、戦闘で撃破される可能性は否定できない。
 戦闘中に、乗り込んでいた機体や起動兵器が破壊される事を考えれば、生身の肉体で活動できる方が優れていると考え、ルベルの意見に賛同した方が良いと考え、賛同するもおも多かったようだ。
 小型戦闘機については、スペースシップワールドに配備されている通常兵器もあるので、ある程度は代替可能だというのも、その判断を後押ししたのだろう。

 その3人の願いが、光に受け入れられるかという瞬間、
「えっと、ちょっと待っていただけますか?」
 と、シーマリネィア・シーン(フェアリーのパラディン・f12208)が、声をあげた。
「皆さんの願う力に、私も賛成します。ですが、可能ならば、真空中とかでも、ある程度距離が離れたりヘルメットとかで遮られてても、こぅピピッて感じで意志が通じ合う能力が欲しい思うのです」
 と。
 戦場が宇宙空間に広がれば、距離が離れすぎ、連携を取るのが難しくなるかもしれない。
 もしかしたら、帝国軍の妨害電波などというものがあるかもしれない。
 それを防ぐ為には、願うべき力に『互いの意志を送り合う通信機能』があれば、なお良いのではないか。
 シーマリネィアは、そう説明すると、
「そして、願わくば、遭遇した敵とも会話ができれば、なお良いでしょう」
 と付け加えた。
 シーマリネィアの理想に、萌々子も、ロシュも、ルベルも、もろ手をあげて賛同する。
「あなたも、私の先輩です!」
 萌々子が、賢い先輩にあこがれる後輩のように、シーマリネィアに抱き着いと、そのまま、胸の中に挟み込んだ。
「あっぷあっぷ、おぼれてしまいます!」
 シーマリネィアは、お胸の海でおぼれそうになったのをロシュとルベルに助けられた後、自分の意見が認められて、少し得意げに羽を震わせた。

 その後、皆の意見をまとめたルベルが、改めて七色の光に宣言する。

「僕達が求める力は、宇宙空間で生身と同じように活動でき、小型宇宙船並の機動力があり、互いの声を相手に届ける事が出来る『力』です」

 その宣言と共に、七色の光は、ルベル達4人の体を覆うと強く輝きを放った。

『汝、ルベル・ノウフィルとその仲間達の要請を認め、望む力を与えよう。この宇宙に遍く平穏と希望をもたらされんことを』

 その言葉と共に、ルベル達は、自分達にもたらされたアイテムについて、理解した。
 それは、透明で薄く行動を阻害する事が無い、特別な宇宙服であった。
 ほぼ生身と同じように宇宙区間で活動する事ができ、宇宙空間で望む方向に起動可能な推進力を持ち、更に、視界内の対象との会話が可能であるというり、皆の希望を叶える性能のアイテムだ。

 このアイテムを猟兵全員が装備すれば、猟兵がそのポテンシャルを宇宙空間でも最大限に発揮できるだろう。
 ロシュは、嬉しそうに光を見つめて一礼し、他の猟兵もロシュに倣って感謝を示し、新たな『力』を受け取ったのだった。

 そして再び、虹色の光の声が紡がれる。

『汝、力を求める者であるか?』

 次に、この問いかけに答えたのは、白金・ジュン(魔法少女使い・f05521)であった。
「一定時間ワープドライヴを妨害するフィールドを形成できる力場発生装置って作れないかな?」
 と。
 帝国軍はワープドライブを使用した戦略を得意としている。
 そのため、たとえ銀河皇帝を追い詰めても、ワープで逃げられれば、元の木阿弥となるだろうし、無限に増援が送られてくるような事態も考えられる。
 銀河帝国との決戦には、是非とも必要な能力だろう。

 このジュンの願いに反応し、光がジュンを包み込むと、ジュンの脳裏に、ワープを妨害するフィールドについての知識が流れ込む。

「わっ、ちょっと待って。理解が、追いつかな……。せめて、設計図で!」
 理解不能な知識の洪水に、あわてて、注文をつけたジュンの手元には、設計図と思わしき製図が現れ、光が消えていった。

「これは、力が与えられたという事で良いのだよね? でも、これを完全に実現すると、人口惑星くらいの大きさが必要になりそうだ」
 完全実現は難しそうだが、限定的でも使用できないだろうか。
 ジュンは、さっそく、工学系が得意な猟兵達に相談を持ち掛けたのだった。

 ミディアの『ワープドライブ』の導きを含め、3つの願いが叶えられ、遺跡の光が徐々に消えていこうとする。
 満足げに皆が見送る中、ポケッティ・パフカニアン(宝石喰い・f00314)が慌てたように声をあげた。

「はいはいはい! 私も、お宝欲しいの~!?」
 その勢いに押されたのか、光が少しだけ強くなると、これまでよりも少し小さめな声が響く。

(『汝、力を求める者であるか?』)
 
「あたし達に、この戦艦をちょうだい! もちろん壊れたままじゃないわよ、きっちり修理もしてね! あと、ワープ機能もお願いね! びゅびゅーんって、元の場所に戻れたらとっても良いよ!」

 ポケッティは、全力で飛び跳ねながら、力説する。
 そもそも、自分達猟兵は、グリモア猟兵のエリカが回収してくれれば、グリモアベースに戻れるけれど、ミディアと警備隊の面々は、そうはいかない。
 この戦艦をもらわなければ、彼らが元の場所に戻る事ができないのだ。
 『ワープドライブ』を導く力を得たミディアであっても、導くべきスペースシップが無ければ、宝の持ち腐れ極まりないのだから。

 その事に思い至った猟兵達は、ポケッティの願いが叶えられるようにと、全力で思いを重ねて、光に祈った。

 その祈りを受けた為か、光は少しだけ逡巡するように明滅したが、覚悟を決めたように、ポケッティの体に吸い込まれ、その体を輝きで満たしたのだった。

 光が消えたポケッティは、意気揚々と宣言する。

「古代遺跡船、ワープ開始! 目標座標は、あたし達の元いた場所!」
 そのポケッティの宣言と共に、遺跡船が鳴動し、遺跡船は『ワープドライブ』の光に包まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国近衛騎士』

POW   :    ダークフォースソード
【レベルmまで伸長する闇黒のフォースソード】が命中した対象を切断する。
SPD   :    リミッター解除
対象の攻撃を軽減する【フォース全開状態】に変身しつつ、【対象の動きを鈍らせる闇黒の念動力場の形成】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    死の先を行く兵(つわもの)達
【闇鋼によって仮受肉した死せる帝国騎士達】の霊を召喚する。これは【念動力による斬撃等の直接攻撃】や【高い錬度で成立する集団戦術】で攻撃する能力を持つ。
👑77
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神酒坂・恭二郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ヘロドトス宙域再び
 ポケッティの願いがかなった事で、古代遺跡船は、撃破された移民船ヘロドトスの宙域へと、ワープアウトした。
 空間座標などが不明の古代遺跡船からのワープであるため、選択肢は無かったが、元の場所に戻る事が出来た猟兵達は、大きな歓声をあげた。

「帰ってきたよー!」
 ポケッティも宇宙に向けて大声で叫ぶ。
 新しい装備である宇宙服もあるため、その喜びの声は、周囲に広く伝わっていく。
 それは、長いようで短い、激動の戦いと旅であったが、その全てが報われた瞬間であったろう。

 だが、この帰還は、銀河帝国の襲撃をも呼び寄せる事となる。
 ミディアが『ワープドライヴ』の導き手となった事を察知した銀河皇帝が、撤退中だった艦隊を転進させ、ワープアウトした古代遺跡船へと強襲をかけようと動き出したのだ。

 銀河皇帝の狙いは、ミディア・スターゲイザーを殺害し、『解放軍』の結成を阻む事。
 しかし、不安げな表情をするミディアに、猟兵達は安心するよにと肩を叩き、宇宙空間の戦場へと駆け出した。

「安心してください、私達が、あなたを守ります」
「宇宙空間なにするものぞ!」
「戦艦の攻撃を掻い潜って、戦艦の隔壁を破壊して、内部に突入、司令官を撃破すれば、俺達の勝利だ!」
「敵艦の数は7隻ですね。ならば、チームを組んで出撃しましょう!」
 猟兵は、雄々しく逞しく、その力を見せつけるように、帝国艦隊の元へと飛び立つのだった。
※第三章について
 遺跡船の冒険により、猟兵達は、高機能な宇宙服を手に入れる事に成功しました。
 その力を発揮して、敵戦艦を撃破しましょう。

 帝国戦艦は7隻あり、それぞれ、??11で撃破可能ですので、4名程度のチームを編成して、プレイングを掛けて頂くと、活躍しやすいかもしれません。

 戦闘は『宇宙空間を飛翔し、敵のビームなどの攻撃を掻い潜り、戦艦の防壁を破壊して内部に突入、司令官の帝国騎士を撃破する』という流れになりますが、他の方法で撃破してもOKです。

 皆さんの、熱いプレイングをお待ちしています!
ユウヤ・シュバルツ
何でも屋『アンダー』の面子と参加。

【風精憑依】で呼び出したシルフの少女と誘導して、宇宙空間を戦艦目掛けて飛翔する。
「よし、いくぜ。シルフ!」
【先制攻撃】で両手の逆手持ちダガーから風の斬撃を【二回攻撃】で放ち、戦艦の装甲を狙う。
「流石に硬ぇな!」
敵の攻撃は【見切り】【残像】で回避。
「遅ぇよ!」
敵の戦艦同士を利用して【敵を盾にする】【逃げ足】で回り込む。
「おいおい、しっかり狙えよ?」

潜入したら騎士様に【先制攻撃】
「おっと、悪ぃが相手してもらうぜ?」
スピードを生かした回避や、刃から風の斬撃を放つ。
敵を呼び出したら【敵を盾にする】や敵陣に隠れながらの【暗殺】攻撃。
「おい、余所見は危ねぇぜ?」


御門・結華
【何でも屋『アンダー』】 ご主人様であるユウヤと一緒に行動します。
敵が戦艦でも騎士様でもクローン兵でも変わりません。
わたしはマスターの敵を我が精霊と共に薙ぎ払うだけです。

「マスター、油断は禁物です」
突撃したユウヤを見送りながら、サラマンダーを呼び出し体に憑依させます。瞳と髪の色が赤く染まり、炎の【オーラ防御】を纏います。

ユウヤの後ろで【火精の息吹】を使用。
「敵を焼き払え、サラマンダー!」
火【属性攻撃】の火球を巧みに操りマスターを支援します。

敵の攻撃は炎を纏う大剣フレイムソードによる【武器受け】で弾きます。 「すべて焼き尽くします」
接近してきた敵を炎の刃で焼き斬ります。
「目障りです」


ミーナ・ヴァンスタイン
【何でも屋『アンダー』】で参加。

対戦艦では【メカニック】知識を利用した戦艦の急所をみんなに伝えるわ。
「みんな、あそこが弱点よ」
【破魔】の弾丸を二丁拳銃による【2回攻撃】で連続で攻撃し装甲を【鎧砕き】
「さぁ、いつまで持つかしら?」

敵の攻撃は【視力】【聞き耳】で【見切り】【残像】で回避するわ。
「怖いわねぇ?」

騎士との戦闘でも変わらず、みんなの【支援射撃】を行うわ。
「あらあら、ぜひ相手をして下さらないかしら?」

呼び出した敵は無数の弾丸で【薙ぎ払う】わ。
「無駄よ?」

一度見た攻撃は【怪力】の蹴りに乗せた【断罪撃】で打ち消す。
「それはもう見たわ」

接近した敵は麻痺毒を塗ったダガーで斬り裂く。
「ふふっ♪」


ティアリス・レイン
【何でも屋『アンダー』】で参加!
小竜に【騎乗】し【空中戦】
「ティアにまかせて!」
ミーナさんに教わった戦艦の急所を【怪力】で振り下ろした戦斧の【グランドクラッシャー】【鎧砕き】【勇気】【捨て身の一撃】!
「ごーらい、いっせん!」

潜入後の騎士との戦闘でも変わらず、小柄な体型と小回りの良さを生かした【目立たない】【聞き耳】【見切り】【残像】で回避!
「ありがと、ユーちゃん!」
部下を呼び出したら【敵を盾にする】や【なぎ払い】で一掃
「ティアも負けてらんない!」

危ない時は黒猫の姿の妖精ミーちゃんの雷【属性攻撃】【マヒ攻撃】【気絶攻撃】
「ありがと、ミーちゃん!」
【2回攻撃】で続けて畳みかける!
「ティアだって!」


須藤・莉亜
【ワンダレイα】の人たちと参加

「よっしゃ、はっちゃけるぞー。」
眷属の腐蝕竜さんを召喚して、彼に突っ込んでもらい他のみんなの盾がわりになってもらう。
狙う戦艦はみんなに合わせるよ。
戦艦まで彼が保つようならそのまま突っ込んで貰って壁を破壊してもらおう。

戦艦に突入出来たら、伝承顕現【首なし騎士】を使いデュラハンに変身し衝撃波で敵を攻撃。
突入ルートをメンカルが調べてる間は、邪魔されないように敵さんと派手に戦って注意を引きつけとこう。

腐蝕竜さんがまだ動けるなら突っ込んで撹乱してもらえたら良いかも。

「とりあえず、敵さん全部バラせば良いんだよね?」


メンカル・プルモーサ
【ワンダレイα】で参加する……
戦艦に近づくまではアルフレッドの宇宙バイクに同乗…ぎゅー…出来るなら狙いを定めた船にハッキングを試みて照準を狂わせる…
隔壁にたどり着いたら【尽きる事なき暴食の大火】で隔壁を燃料に燃やしていって穴を開ける…耐熱処理があろうとも堅かろうと存在その物を焼いてしまえば無意味…
中に入ったら本格的に戦艦のシステムに侵入……司令官の居場所とそこまでの最短ルートを調べて一気に突き進む……
エアロックとかを操作できるなら精霊AIに命じてランダムで開け閉めさせて陽動する……
司令官相手には【鳴り止まぬ万雷の拍手】を使って妨害を試みつつ【崩壊せし邪悪なる符号】で召喚された霊を分解する……


アルフレッド・モトロ
飛空戦艦【ワンダレイα】チーム出撃だ!行ッくぜェェー!
OROCHI999の後ろにメンカルを載せて宇宙を翔けよう!

●突入
メンカルがハッキングを仕掛けている間、莉亜と一緒に派手に暴れて敵を引き付けよう。
崩し切れない防壁はワンダレイ・アンカーで叩き殴って強引に突破!

●帝国近衛騎士戦
まずゴッドスピードライドで勢いづけて捨て身で敵に突進!先制攻撃だ!
ワンダレイ名物「轢き逃げ御免」をくらうがいい!

念動力場は気合で我慢する!気合だ気合!

邪魔な召喚兵を優先に潰しながら、
仲間と一緒にボスにも攻撃を仕掛けるぜ!
地獄の炎を纏わせた錨を振りかざし、
力溜めからの捨て身の一撃、ダメ押しの二回攻撃コンボだ!


ゼット・ドラグ
「俺がワンダレイから援護するぜ。だが、敵艦を落としてしまっても問題ないだろう?」
UCの【飛空戦艦ワンダレイ】に乗り、【ワンダレイα】の援護を行う。
命中重視の機銃で敵戦艦に攻撃して引き付けつつ、敵艦の隔壁を攻撃回数重視のミサイルで攻撃。隔壁の破壊が完了したら、敵艦と本格的な艦隊戦に入る。
機銃とミサイルで、相手の気をそらしつつ、攻撃力重視の手法で必殺の一撃を叩き込む。
敵の攻撃はなるべく回避しつつ、避けきれそうにない場合は機銃で撃ち落とすか攻撃をそらす。


神酒坂・恭二郎
【銀星】の四人で参加する。

「姫さん、これから先はあんたが要だ。生き延びろよ」
挨拶一つして戦場へ出る。
狙いは敵司令官の首一つ。仲間達が道を開いてくれるだろう。

あの艦の司令官は己が討たねばならない。
風桜子がそう告げているのだ。
あの大戦から冷凍睡眠で目覚め、今この時に再会したのは運命だろう。
かって共に銀河剣聖に師事し、銀河帝国での血の情を捨てられずに道を捨てたあの女と。

「相変わらず良い女だな、お前さんは」
銀河一文字を抜いて対峙する。
仲間の援護の下に斬り合うが、リミッター解除されたら厳しい。
だがそれが良い。
不利な状況で敢えて耐える。
あの女は止めに突きを放つ癖がある。
その一点読みに勝負にかけるのだ。


マユラ・エリアル
【銀星】の4人で出撃
なるほど便利な宇宙服がスイと出て…これはありがたい…
さて、UFOに捕まって戦場まで移動だな

戦艦の防壁近くに辿り着いたら【氷刃展開】を発動
『全力魔法』で100本の魔法の刃を全力で集中攻撃
防壁に穴を穿ってやるさ
1回で足りないのであれば『2回攻撃』で更にもう一度攻撃し確実に人が入れる穴を開ける

あの帝国近衛騎士は恭二郎と因縁があるのか
ならば私はサポートに徹しよう
再度【氷刃展開】を使用
遠隔操作して恭二郎の支援に回らせよう
敵の死角を突くように魔法の刃を誘導しておこう、決着は自分の手で付けろよ?
後は手数を駆使して雑魚を排除
『なぎ払い』や『2回攻撃』で多くの敵を引き付けるよう行動する


明石・真多子
【銀星】
許さないぞ悪い銀河帝国め!軟体魔忍マダコ、未熟なりに頑張っちゃうよ!!あとアタシは火星人じゃなくてタコだから!

アタシは戦艦潜入までの偽装工作を担当するよ。タコは偽装が得意なんだ!
出発前に【軟体忍法伸縮自在の術】で両腕と4本の触手を伸ばして、デブリや隕石を集めたら敵戦艦に向かってぶん投げる!これでアタシたちのデコイ兼盾にするよ。

出発したらアタシはUFOの外に張りついて、触手で集めたデブリで偽装しよう。敵のビームもデコイで拡散してるだろうし、少しくらいなら盾になってくれるはず!

潜入したら、伸ばした触手で「なぎ払い」したり【軟体忍法タコ殴りの術】で雑魚を蹴散らして恭二郎君をサポートするよ!


一郷・亞衿
【銀星】の四人で出撃!

「全宇宙の危機だし、こういう時は助け合いだよね!」
『アイアン・スカイ』で召喚した【所属不明のエイリアンクラフト(UFO)】にお願いして、恭二郎さん(f09970)、真多子ちゃん(f00079)、マユラさん(f01439)とあたしを乗せて貰おう!弾幕の嵐を掻い潜って、マユラさんが空けた大穴から敵戦艦へ乗り込めーっ!

あの帝国近衛騎士は恭二郎さんの宿敵らしいし、交戦中は補助に徹するよ。
金色のペン型デバイスを銃の形に組み替えて光線を撃ったり、バットから魔力弾を放ったりして敵の動きを牽制!好機があればデバイスをペン型に戻して<催眠術>の光をお見舞いしてやる!


ハウロン・ナイトフール
むにー】船長殿、あまり飛ばし過ぎては帰還する体力が無くなるぞ?放っておいても直ぐに戻って来そうだがな…
承知した、略奪を楽しもうではないか。

敵艦の壁に対してコード発動
直ぐに壊せられるよう腐敗させておくとしよう

交戦時は相手から距離を取り、味方後方から属性魔法を撃つとしよう
死の先を行く者には、歪曲幽戯を使用
一体一体捉え、蝕み尽くそう
死の者とは腐敗と蝕みという言葉は付き物。ならば、その摂理によって朽ち果てるが良い

あわよくば、船の中にあるお宝を手に入れる事が出来れば良いが…コアを持っていっても構わんだろう?それとも、海賊らしく船ごと略奪させてもらうとしようかな?


シノギ・リンダリンダリンダ
【むにー】で行動。
いいですね、とても分かりやすくて簡単なお仕事です。
とにかく壊して殴る。私の最も得意とする事ですね。
さぁそれでは海賊船シャニムニーの諸君!!
略奪の時間です。

相手からのビームは【敵を盾にする】要領で宇宙デブリとか他の敵艦を盾にしましょう。
敵艦に当てればそこから侵入できるかもしれませんしね。効率的。
まぁそれが無理でも、防壁も、内部の壁も、司令官も、とにかく【力いっぱい殴るだけ】です。
『解放軍』の邪魔はさせませんよ。さぁそれよりも、この船にはお宝は眠っていないのですか?
いいえ答えなくて結構。貴方をブチ飛ばしてから探しますので。


フロース・ウェスペルティリオ
【FP】で参加

さあ、戻ってきたよ
倒されたと思ったら時間差で復活って、ちょっとヒーローっぽくてワクワクするねぇ

視力・暗視・情報収集で周りの様子をしっかり確認しつつ、
帝国の宇宙船の脆そうな所をしっかり見切って突入するね
宇宙船っていう閉鎖空間は、バウンドボディで撥ね回るのにはうってつけかもねぇ
跳ねる時は柔らかく、ぶつかる時はとても硬くスピードと威力を乗せて
身体の一部を伸ばしてブレーキにしたり、粘度を上げて蜘蛛の糸みたいに壁に貼り付けたりしながら軌道を読まれないよう動き回るよ
攻撃されそうになったら、早業で素早く方向転換するね
ジャンヌさんが敵の攻撃を受けそうになったらかばうよ

他チームと共闘可・アレンジ可


ジャンヌ・ストレージ
【FP】で参加。
ブラックタールでもこの宇宙服着れるんですね。ぶよぶよなのに凄いです。
...ヒーローだなんて私なんかに務まるかしら。でも、フロースさんもいるし、ジュリエッタだって一緒だもの。大丈夫、ヒーローがんばります!

バウンドボディで勢いをつけて船に突撃します。船内でも船を壊す勢いで跳ねまくります。ブラックタールとしてこの戦い、負けられません。敵の攻撃がきたら軌道を変えて避けます。
チームのフロースさんに攻撃が当たりそうだったら【かばう】で敵に突撃します。

他チームと共闘可、アレンジ歓迎です。


緋神・美麗
【むにー】で参加 はいはい、これは確かに分かりやすいし何の遠慮もなく暴れられて良いわね。ハッスラ最高ね。サイコキネシスをフル活用して敵のビームから味方を避けさせたりデブリを盾にしたりして進んで敵艦に張り付くわね。内部に侵入したら近距離はライトニングセイバー、遠距離は拡散極光砲や出力可変式極光砲で敵をなぎ倒しながら侵攻、メインブリッジを目指して進むわ。
「この艦は海賊むにーが占拠するわ。ここに居る全員さっさと艦を出ていくか、ぼこぼこにされて艦の外に捨てられるか好きな方を選びなさい。」
当然敵は襲ってくるだろうから皆でぼこって艦の外に廃棄して戦艦を頂くわ。
「少しはむにー2号の開発費の足しになるかしら」


張・小龍
残念ながらチームが作れないので、3人チームで一人募集している人達が要れば一緒に戦いたいですね!
即席ですが、他の猟兵さんとの連携を大事にして戦いたいと思います

宇宙空間なので機能するか怪しいですが、持ち前の空中戦技能を駆使して戦艦内に突入します
途中の攻撃は第六感頼りで危険なところを避けて通る様にします
中に入ったら派手に暴れて行きたいと思いますよ!

ボクの吐く炎は敵の力を削ぎ落す力があります
司令官である帝国近衛騎士がダークフォースソードを使用するのに合わせて竜虎相搏を使用、敵コードのレベルを減衰させます

「我が炎は災厄を退ける。勇者の道筋を照らす篝火となれ!」
「ミディアさんたちの行く末に光を!」


聖護院・カプラ
【光明】
ヘロドトスに犠牲は出なかった物の、人の命、人の希望を乗せる宇宙船を沈めるなど言語道断。
やはり銀河帝国の行い、改めさせねばなりません。
司令官の目前まで辿り着いたこの4人の猟兵、今こそ目に物見せる時。

私達は……そうですね、この宇宙に遍く平穏と希望をもたらされんことを願う【光明】です。

私は皇帝に匹敵する『存在感』を発し、司令官の帝国騎士に最後通告である対話を持ち掛けます。
銀河帝国の目的を改めて問いかけ、近衛騎士に何故このような事に加担するのか、行いを改める気はないか『説得』してみます。
失敗に終わった場合でも、遺憾ですが気を引き付ける事はできる筈。

配置が済みましたね。せめてもの救済を彼女に。


ブランシュ・シコ
【光明】
説得できっこないよ。銀河帝国はわるいやつだから。
銀河皇帝にあっかんべー伝えた方がいいよ。

帝国近衛騎士のリミッター解除はフォース全開になって、しかも念動力でこっち鈍らせて来る。
けど、ブランシュの『ダッシュ』はそんなんじゃ足止めできない。
スピードが足りないならもっとスピードを出せばいい。

ブランシュの『ランナー』はそれができる。
残り時間はどんどんなくなっていくけど、もっと速く、もっと強く。

帝国近衛騎士もフォース全開状態で残り時間けずるみたいだね。
速さと重さ、どっちが勝つかこんくらべするよ!

銀河帝国1回なくなったんだから、もう1回なくなっちゃえーー!!


ヤド・ヴァシェム
【光明】
測定──銀河帝国の反応を検知──演算──脅威度を計算──修正──対処ユーベルコードを再選択──戦闘機ユニットとの同化変形をロードします──ドクトリン構築完了──CODE:Full Metal Transform発動後、当機は敵船へ接近。敵船の攻撃を掻い潜りつつ防壁を破壊して突入後、道中で出会う銀河帝国を滅ぼしながらながら指揮官の元へ強行。司令官との戦闘では【一斉発射】による飽和攻撃を駆使して反撃の隙を与えないように行動します。


エムピースリー・シャローム
【光明】

現に在るのは生きる者たちの特権です。
帝国はすでに過ぎ去った。
私たちは未だ来ぬ先へ進むのです。

過去は道のり、決して足を進む邪魔をするものではない、それが道理でしょう。

前に出て盾をかざして進みましょう。
盾の取り扱いにはこれでも定評があるのです。
【電磁バリア】にて同行する味方の傘になって進みますよ。
粒子をそらしてしまいましょう。

防壁は加速をつけた体当たりです。

内部へ入りましたら盾をかざし、ヒートソード(属性攻撃・二回攻撃)を振るって道を切り開きましょう。
なに、時間稼ぎは得意なのです。
死せる者たちは引き受けましょう。

うかつに近寄るのでしたら踏みつけますよ。

「さぁ、自由に歌える現在を世界に」


太刀緒・朔
【むにー】で参加

ふふん、確かにこのくらいシンプルなのが良いですよねぇ。
略奪了解、さぁ、遊びましょう!

効率のいい敵艦までの道を考えて進みますね。
掃除と同じでこういうのは順番が大事なのです。
7隻くらいなら、警戒していればビームがいつ来るとかは予想できそう。
あの船はほかのよりなんか動きが遅いみたいな事とか、見ていて気付いた事があればすぐに味方と共有します。

戦闘は基本回避に専念して、斬れるようなら斬っていく感じ
【剣刃一閃】できるといいな、フォースソードねぇ、自分の大太刀とどっちが斬れるかな?

ああ、船ごと貰うのも良いですねー。戦艦なら結構お値段張るだろうし。

アドリブ歓迎です


ミスタリア・ミスタニア
あー、高機能な宇宙服なぁ。いや、悪くはないんだがオレら鎧装騎兵の立場が無くねぇか?
オレら鎧装騎兵はプラズマジェットで飛ぶ星間戦闘のエキスパートだがよ。この宇宙服は下手するとオレらの鎧装の上位互換じゃねぇか?
まぁ便利だから使うけどよ。鎧装と併用可能か?

ともあれ、ハハッ!対艦戦はオレも経験は少なめだが今日は戦艦をキルスコアに乗せられるかね!?
『見切り、第六感』で対空砲をかいくぐって、障壁にパイルバンカーをぶち込んでやる!バンカーの『鎧砕き、串刺し』に、『零距離射撃』で大型熱線砲(ブラスター・ランチャー)で『2回攻撃』!【グリュンシュトゥルム】だぁ!
障壁砕いたら突破口確保の為にその場に留まるぜ。


テラ・ウィンディア
凄い…この宇宙服凄いや…まるで鳥になったみたいだな!

チームはあぶれた所とか足りない所に入るぞ!

騎士としての戦いはチームプレイも必要なようだからな!

そして宇宙空間をやっぱり突撃だー!

敵の戦艦のデータは可能な限り調べてどういう攻撃かを把握すれば

戦闘知識と第六感で敵のビームや砲撃を回避するぞ

こういう宇宙空間の戦闘は直感も大事な気がするしな!

そしてメテオブラストで戦艦の防壁を粉砕!
帝国騎士には堂々名乗るぞ!
おれは竜騎士のテラ・ウィンディアだ!

この戦艦…粉砕させて貰うぞ!

そして礼をしたら空中戦も利用して属性攻撃で炎を剣と槍に宿してグラビティブラストも交えながら猛攻を仕掛けるぞ!

相手にとって不足なしだ!


宇冠・龍
【親子】で参加
他の方のサポートを致します

敵艦が全て沈黙するまでの間、こちらの船が沈んでしまっては負け戦となってしまいます
もしも向こうに長距離砲があってはことです

可能な限り、敵の主砲や攻撃を逸らしましょう
【談天雕竜】にて、百隻に及ぶ小型の幽霊船を召喚
敵艦索敵ソナーに、いきなり無数の標的が出現しては狙いも定まらないはず

勿論味方の猟兵の移動手段、脱出手段として用いていただいて結構です

この技を使っている間、私は他の戦闘行動ができません
しかしヘロドトスの船外、艦首付近で陣取る事です、戦場を見渡すことにより幽霊船をくまなく操作でき、かつ攻撃の直撃も少ないでしょう


宇冠・由
【親子】で参加しますわ

私たちは他の方が無事に敵船内にたどり着けるための陽動を行います
敵艦は古代遺跡船に標的を向けています
ならば、すでに破壊されたヘロドトスに意識は向いていないはず

【七草仏ノ座】を使用し、ヘロトドスから出発、敵艦隊側面を叩きます
燃え盛る身体は、宇宙空間でもさぞ目立つことでしょう
あくまで私たちは陽動、主砲や機関の目をこちらに引き付ければ突入組の皆さんの生存率がぐんとあがりますもの

ワープ技術を重要視する点、皇帝がそれを脅威だと認識しているから
もしも偶然の産物だとしても、ワープ技術が空間の横移動だけでなく、時間の縦移動も可能になるのだとしたら、きっと、歴史は大きく動くのでしょう


マルコ・トリガー
フーン、この透明なやつを着てれば宇宙空間も普通に移動可能なんだね。
不思議。

さすがにこの状況で単独行動は厳しい。誰かを【援護射撃】でもして即席のチームを作れたらいいね。

【竜飛鳳舞】で跳びながらビームを避けて進もう。
固まって行動すると狙い撃ちされそうだから多少ばらけて戦艦に接近。
防壁の一ヶ所を集中攻撃して破壊を試みよう。

内部に潜入出来たら速やかに奥へ。
後方から【2回攻撃】の【援護射撃】で道を切り開こう。
組織って司令官を倒せば勝手に瓦解するでしょ。狙うはボスのみ。

味方がボスに接近出来るように援護しつつ【誘導弾】を混ぜて時間差攻撃。

今日はサポートの気分なんだ。トドメは君に任せるよ。さあ行って!



●宙を切り裂くレーザー砲
 一方、銀河帝国戦艦の艦橋でも、古代遺跡船から出撃する猟兵達を確認していた。
「敵、光点28。こちらに向かってきます。ご命令を」
 オペレーターの報告に、艦長たる帝国近衛騎士は、余裕の表情で命じた。
「あの程度の戦力で、帝国戦艦に対抗できるとでも思ったのか? 全て、撃ち落としなさい。その後、ワープアウトしてきた古代船への突入作戦を敢行する」
 帝国近衛騎士の命令をオペレーターが復唱すると、ほどなく、全ての戦艦から、対艦レーザー砲が発射されていく。

 漆黒の宇宙空間を切り裂き、彩る、レーザー光。
 しかし、そのレーザー光は、徒に宙を切り裂くのみで、大輪の華を咲かせる事など、ありはしなかった。

「現に在るのは生きる者たちの特権です。
 帝国はすでに過ぎ去った。
 私たちは未だ来ぬ先へ進むのです」
 エムピースリー・シャローム(ウォーマシンのシンフォニア・f01012)は、その体躯で仲間達の盾になるように前に出ると、襲い来るレーザー光線を受け流すように、電磁バリアを展開する。

「いささか古風な技術ですが、最新の宇宙服と併せたならば、こういう事も出来るのです」
 逸らされたレーザー光は彼の後方で拡散し、流星のように煌いて消え去っていく。

「さぁ、前進しましょう。帝国の脅威を払拭し、戦いの為では無い、自由に歌える世界を広げるために……」
 エムピースリーの宣誓の言葉を聞き、カプラ、ヤド、ブランシュら、【光明】の仲間達も帝国戦果に向けて前進する。
 戦う為に銀河帝国に生み出された筈のウォーマシーンであったが、今、彼らには仲間との確かな『絆』と、愛を知る『心』が宿っているのだから。
(「まぁ、ブランシュは、ウォーマシンじゃないんだけどね……」)
 3人の後ろについていく、ブランシュは、その小柄な体を完全にエエムピースリーの陰にしながら、そう心の中で囁いた。

「よっしゃ、はっちゃけるぞー」
 【ワンダレイα】チームの須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)も、ゼットが乗り込んだ空中戦艦ワンダレイの援護を受けながら、帝国戦艦に向けてチームの戦闘を張り切って進んでいる。
 勿論彼にも、レーザー砲の攻撃は放たれているが、莉亜は、目の前にレーザー砲が迫っても怯むことはない。
「眷属召喚【腐食竜】。全部食べていいのですよ!」
 召喚したドラゴンゾンビに、遅い来るレーザー光線を食べさせ、威力を相殺する事で、問題無く進む事が出来ていたからだ。

「そういえば、どの戦艦を狙うんだ? 結果的に全部バラせば良いのだから、同じと言えば同じだが……」
 この莉亜の問いには、アルフレッドの宇宙バイクの後部座席に同乗し、ぎゅっとしているメンカルが最短距離を計算して指示を出す。
「了解、突っ切りるよ!」
 指示を確認し目標を定めた莉亜は、レーザー砲を相殺しながら帝国戦艦へと着実に近づいていった。

『悪鬼百鬼と数えれば、七転八倒列を成す』
 【ワンダレイα】が展開する宙域の更に左翼では、宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)が悪霊型幽霊船の艦隊を召喚し、敵のレーザー攻撃を引き付けていた。
 さすがは戦艦の主砲であるレーザー砲撃を受けた幽霊船は次々と撃破されていったが、それは、龍の望むところである。
「敵艦の策定ソナーには、この幽霊船団は、どのように映っているのでしょうね? ソナー担当が混乱していなければいいのだけれど……」
 フフフと意地の悪い笑みを浮かべる龍に、【親子】として共に行動していた由のヒーローマスクも、少しだけ強張った表情になったようだ。
 この龍の援護を受け、共同戦線を張っている【FP】のフロースは、敵の動きを正確に把握すると、同じチームのジャンヌと、そして【親子】の2人に、向かうべき敵戦艦への道を指し示し先に進む。
「では、皆さんは先に向かっていてね。私は、動けるようになりしだい後からおいかけるますから」
 見送る龍は、視線の先で、敵戦艦を見据えていた。

「よし、いくぜ。シルフ!」
 風精憑依により、風の精霊をその身にまとった、ユウヤ・シュバルツ(人間のシーフ・f01546)は、高速で宇宙空間を疾走する。
 新たに得た宇宙服の機動力と、彼の相棒たるシルフの力が合わさった事で、その速度は驚異的にまでに高まっている。
 その速さに、慣れていなかった事で、不用意に飛び出したユウヤは、敵レーザー砲の目の前に飛び出してしまう。
(「しまったっ!」)
 焦るユウヤ。
 だが、そのレーザーは、突如現れた炎によって減殺され、ユウヤは辛うじて耐えきった。
「マスター、油断は禁物です」
 その炎、サラマンダーフレイムを放った、結華に窘められ、ユーヤは「悪い悪い」と頭をかく。
「連携が大事、そういう事だろ?」
 そういったユーヤは、言葉の通り、高い機動性で敵の動きをかく乱しつつ、結華やミーナ、ティアリスと連携する事で、危なげなく、敵戦艦へと近づいて行った。

「それでは、海賊船シャニムニーの諸君!! 略奪の時間ですよ」
 シャニムニー団長にして、チーム【むにー】を率いる、シノギ・リンダリンダリンダ(ロイヤルドレッドノート船長・f03214)は、意気揚々と、宇宙に飛び出していた。
 悪い奴を壊して殴る。
 敵が強大な銀河帝国であろうと、帝国艦隊であろうと、こういう単純な仕事は、彼女の得意とする所なのだ。
 シノギは、撃沈された移民船ヘロドトス号のデブリを利用して、敵の攻撃を掻い潜るルートを設定すると、ステップを踏むように軽やかに前進する。
「船長殿、あまり飛ばし過ぎると体力が無くなるぞー?」
 後方からは、ハウロンのツッコミや、
「敵艦への経路は計算してますから、誘導に従ってくださいー」
 と叫ぶ朔や、
「はいはい、確かにわかりやすいですねぇ」
 と、同意してくれる美麗の声が聞こえてくる。
 それらを聞き流しながら、シノギは(「宇宙なのに、普通に会話できる、この宇宙服は優れものですね」)と、感心するのだった。

 宇宙服に感心していたのは、マルコ・トリガー(ヤドリガミのブラスターガンナー・f04649)も同様であった。
「不思議だね。着用している事も気にならないくらい透明な宇宙服なのに、こんなに色々できるんだから」
 マルコは、敵の砲撃を確率回避するためのランダム軌道をとって動き回りながら、急造でチームを組んだ、テラ、小龍、ミスタリアの3人と緊密に通信しつつ、はぐれないように速度を合わせていく。
 急造のチームである彼らにとって、このリアルタイム通信は、他のチームに遅れないよう連携する為に必須なものとなっていた。
「うむ。聞いた時は、オレら鎧装騎兵の上位互換じゃねぇかと思ったが、鎧装騎兵の動きを邪魔しないどころか、更に性能をあげてくれるんだぜ」
 ミスタリアの嬉しそうな声を聞きつつ、マルコは、このチームで戦艦を撃破する意志を強めていった。

 レーザー砲の砲撃を様々な方法で掻い潜り、敵戦艦へと向かう猟兵達。
 その戦いの余波であるのか、スペースデブリがゆっくりと帝国戦艦に近づいていた。
 その動き方は、不自然なほどに自然であった為、砲撃の対象からはずされていたらしい。
 そのスペースデブリの中心……に隠された、所属不明のエイリアンクラフトの内部では、恭二郎、マユラ、亞衿の3人が息を詰めていた。
(「俺にはわかる。あの戦艦の指揮官は、あの女だ。奴と決着をつける為には、力を出来るだけ温存しなければ……」)
 その恭二郎の決意を実現させる為、【銀星】の仲間達は心を一つにしていたのだ。
 勿論、それは、軟体忍法伸縮自在の術で、スペースデブリを引き寄せつつ、UFOに張り付きながら、偽装工作をする、軟体魔忍マダコ……もとい、明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)も同様であった。
「なんか扱い悪いけど、悪いのはきっと銀河帝国に間違いないね! 緩さいないぞ悪い銀河帝国め! あと、アタシは火星人じゃないからな!」
 真多子は、敵の気をひかないように気を付けながら、銀河抵抗への怒りを、その身に蓄えていくのだった。

●ドックファイト
「どういうことだ、何故、敵の数が減らない。お前達は無能か!」
 帝国戦艦の艦橋の一つでは、帝国近衛騎士が激高して怒鳴りちらしていた。
 艦隊の主砲による砲撃を浴びせ続けているというのに、現時点までに撃墜した敵は実質0なのだ。
 撃破したのは、召還によって生み出されただろう船影のみ。
 これでは、銀河皇帝からの勅命によって特務を帯びた、近衛騎士艦隊の名折れでは無いか?

「しかし、敵の多くは、高速宇宙艇に迫る速度な上、その何十分の一の体積しかありません。目標が小さい上に、早すぎるのです」
 そう報告するオペレーターを、近衛騎士は、怒りのままにレーザーソードで切り殺すと、自ら、配下達に檄を飛ばした。

「砲撃止め! 当たらぬ砲撃などに意味は無い! 小型宇宙戦闘機を全機発進させよ、敵が小型で素早いというならば、格闘戦で撃破するのだ!」
 近衛騎士の怒声に追い立てられるように、帝国戦艦から多数の小型宇宙戦闘機が射出され、猟兵達へと殺到していった。

「ドックファイトだと? 望むところだ!」
 敵戦艦から多数の艦載機が放たれたのを真っ先に確認した、ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は、そう言うと、テラ、マルコ、小龍に注意を促すと、鎧装騎兵の機動力を発揮して、迎撃を開始する。
 帝国軍の艦載機は獰猛な肉食魚のように、猟兵達に迫ってくるが、ミスタリカは、それを上回る速さで、その肉食魚の懐に入り込む。
『バンカー、捉えた! ゼロ距離、これで! いっちまえよやぁぁぁぁ!』
 この一撃だけで、直線状の艦載機が次々と撃墜され宇宙の藻屑となる。更に、マルコの援護射撃に助けられた事で、次々と艦載機を撃破していった
 戦いの中、テラと小龍の動きも、だんだんと良くなっていき、艦載機の迎撃において、彼女たちのチームはトップクラスの撃墜数を稼ぐ事になったのだった。

「くっ。小型宇宙戦闘機相手では、分が悪いでしょうか」
 一方、ウォーマシン主力の【光明】チームは、対ウォーマシンの戦術が確立している小型宇宙戦闘機の大群にてこずる事になる。
 ヒートソードをぶん回し、皆の盾となり戦線を支えていたエムピースリーが、たまらず後退すると、勢いにのった敵が【光明】チームを分断すべく動き出す。
「とりあえず、出鼻を挫くんだよ!」
 特出した一機については、ブランシュが血を吐きながらも撃破するが、敵の勢いが止まらない為、すぐにカプラの後ろに退避した。
 このままではマズイか? 誰もがそう思った時、ヤド・ヴァシェム(蒼光の亡霊・f00420)が、その本領を発揮してみせる。
「測定──銀河帝国の反応を検知──演算──脅威度を計算──修正──対処ユーベルコードを再選択──戦闘機ユニットとの同化変形をロードします──ドクトリン構築完了──CODE:Full Metal Transform」
 銀河帝国を狩り続ける為に特異に進化した彼のフレームは、ブランシュが破壊した艦載機の残骸すら飲み込むと、小型宇宙戦闘機への特攻を帯びた、形状へと変化したのだ。
「一斉射撃」
 ヤドから放たれた無数の光条は【光明】チームを分断すべく突進していた全ての艦載機を、その光の渦に飲み込み破壊したのだった。
「障害、クリア。更なる侵攻を進言します」
 敵を文字通りに粉砕したヤドの進言に従い、光明チームは再び敵戦艦へ向けて進撃を開始した。

「今こそ、飛行戦艦ワンダレイの見せ場だぜ!」
 ゼット・ドラグ(竜殺し・f03370)は、【ワンダレイα】チームに襲い来る、敵艦載機の攻撃を一手に引き受けると、
「ふん、群れるだけ群れやがって。これだけ、密集していれば目を瞑っていても当たる! ワンダレイ、命中率と攻撃力を最低に固定し、飽和攻撃で敵を葬るんだ!」
 お返しとばかりに、ワンダレイの主砲・機銃・ミサイルをバラまき次々に撃破していく。
 残念ながら、ワンダレイの損傷も激しく、小型宇宙戦闘機を一掃後、ワンダレイはそれ以上の前進が不可能となったが、その戦果は瞠目に値するものであった。

「全部バラすなんて、さっすがワンダレイだね♪」
「良くやった、後は任せろ!」
「アルフレッドには、私もついてますから、安心して待ってくださいね」
 そんな3人の労いの言葉に、ゼットは、
「ワンダレイから降りても、俺は強いぜ」
 と返すと、メンカルの座席の後ろに捕まり、3人乗りで敵戦艦に向かうのだった。
 なお、メンカルは、なんとなく嫌そうな表情をしたらしい。

 一方、シルフの力をもって最前列を掛け抜けていたユウヤは、敵戦闘機に囲まれてピンチに陥っていた。
 見切りと残像によって、なんとか逃げ回り、撃墜だけは避けていたが、いつ撃墜されてもおかしくない状況である。
 だが、薄氷を踏むような状況でも、ユウヤの表情に絶望は無い。
 何故なら、
「油断は禁物です。マスター。大事な事なので、二度言いました」
 御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)らが、すぐに駆け付けてくれる事がわかっていたからだ。
 そして、
「敵を焼き払え、サラマンダー!」
 結華の火精の息吹が火を噴き、
「ユウヤさんだけでは無く、私の相手もしてくれないかしら?」
 ミーナの二丁拳銃の支援射撃が、ユウヤと敵を引き離す。
 更に、
「ティアも負けてらんない!」
 目立たないように、小さく回り込んだティアリスが、その小さな体からは考えられない、戦斧の一撃で、敵戦闘機を撃墜して見せたのだ。
「サンキューな!」
 助けてくれた皆に、にっかりと笑って手をあげるユウヤ。
 結華は、しょうがないなと思いつつも、主と共に戦うべく敵戦艦を目指すのだった。

「あ~、ちょっと無理っすかねぇ」
 UFOと交信して、状況を確認していた一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)は、顔の下半分を覆うマスク越しに、やる気ない声をあげた。
 敵戦艦から発進した小型宇宙戦闘機は、有視界戦闘を行う為、UFOがいかに、不自然なほどに自然に動く事ができたとしても、存在を誤魔化す事は難しいだろう。
「タコは偽装が得意なんだから! きっと大丈夫だよ」
 UFOの外から、真多子が言い返してきたが、それはそれこれはこれ。
 ここまで偽装して進めただけでも御の字なのだ。
「ということで、真多子さんは敵戦闘機が接近したら、擬装用のデブリを放出してUFOに退避よろしくね。退避後すぐにあたしが弾幕を張るから、マユラさんが、デカイのお見舞いする的な?」
 亞衿が大雑把に作戦をたてると、それに従って、【銀星】の仲間達が動き出した。
 敵機を十分に引き付けて、真知子がデブリ放出。これによって乱れた敵の編隊を、亞衿が魔力弾の弾幕で牽制。
 その後、マユラが展開した百本もの氷刃により、敵機襲来の危機を打ち払ったのだった。
 なお、
「ところで、俺、働いていないんだが?」
 そう疑問を呈する恭二郎に、亞衿たちは異口同音に、
「恭二郎さんの出番は、まだですから」
 と答えたらしい。

「ハッスラ最高っ!!」
 猟兵達の中で、小型宇宙戦闘機の襲来を最も喜んだのは、間違いなく、【むにー】の面々であったろう。
 群がる敵戦闘機を、当たるを幸いフォースの力で遮二無二破壊していく、緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)は、とてもとても楽しそうだ。
 シノギも負けずに楽しく戦ったが、残念ながら、そのスコアは美麗に僅かに及ばなかったらしい。
 そんな2人のハッスラ無双だったが、
「飛ばし過ぎるのは船長だけでは無かったか。だが、これもまた、しゃにむにーの宿命だろう」
 と、飽きれつつも援護したハウロンと、敵機の動きを観察して2人に伝え続けた、朔の協力があったればこそだろう。
 つまりは、【むにー】チームの勝利と言えるだろう。
 彼ら2人は、気分よく暴れた美麗とシノギを連れて、敵戦艦へと向かう事にした。

 一方、猟幽霊艦隊の制御の為に出遅れた【親子】と【FP】の合同チームは、最後尾で、敵小型宇宙戦闘機を迎撃する事になる。
 かなりの数が先行した猟兵達に撃破されてはいたが、まだまだ多くの戦力が残っている。
 この戦闘機が、反転して艦隊側に戻れば、戦艦を攻略する猟兵達は、挟撃を受ける形になるかもしれない……。
 そう考えた、宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は、一計を案じて、敵の動きを陽動する事を提案する。
 敵の進行方向を特定し、その上で、敵を突破させれば、敵はuターンして、再び襲い掛かってくる筈。
 敵が方向転換を行う場所を、龍が出した幽霊戦艦の座標とすれば……。
 由の計画を聞いた、フロースとジャンヌも、その意見に賛同して陽動にまわった。
 フロースが敵の動きを計算し、ジャンヌがバウンドボディで跳ねまわる。
 そして、龍は、敵の動きを制限するように、幽霊艦隊を召喚する。
 結果、誘導された敵機は、再攻撃を行うべく、由の計算通りの場所で180度の方向転換を行ない……、次々と撃破されていった。

「そこに居るのは幽霊艦隊だと思ったのですか? それは、先入観ですよ」
 由は、炎に燃える体と腕で、幽霊艦隊がいた場所に展開していた、古代遺跡船防衛の猟兵達に、感謝の合図を送るのだった。
 そう、敵小型宇宙戦闘機は、猟兵と言う最大戦力の目の前で、敵前回頭という愚を犯し撃破されたのだ。

「これで、敵戦闘機は全滅ですね。他のチームから遅れてますので、急ぎましょうか」
 由はそう言うと、チームの仲間と共に、戦艦への道を急いだのだった。

●帝国戦艦への突入口
 帝国軍の戦闘機群を華麗に突破した猟兵達は、7手に別れて帝国戦艦に迫る。
 戦艦の艦砲射撃も、ここまで接近されてしまえば、使用不可能。

 僅かに船外作業用の宇宙服をまとった帝国兵が、レーザー銃で迎撃しようと、出てきたが、猟兵達の機動力に全くついてくる事はできず、七面鳥を撃つように、容易く排除する事ができていた。

 更に、
「敵司令官に次ぐ、これ以上の抵抗は無意味です。潔く降伏する事を勧告します。
 銀河皇帝は、過去に『解放軍』によって敗れ去った程度のもの。
 果たして、敗者に従い続ける意味はあるのでしょうか?
 過去に縛られた敗者たる、銀河皇帝に義理立てをする必要はありません。
 悔い改め、そして降伏をするのです」
 聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)による、降伏勧告が行われると、激高した帝国近衛騎士が、取り巻きを引き連れて、艦外へとその姿を現した。
「カプラ、良い挑発だったよ」
「銀河帝国、滅ぼす」
「電磁バリアを展開しました。この好機を逃さず撃破しましょう」
 敵を自ら外に出した策略をほめたたえる、ブランシュ、ヤド、エムピースリーの3人に、カプラだけは少し寂しそうに機体を震わせた。
(「私は、本気だったのですが……」)

「ようやくここまで来たのですね」
 カプラ達が近衛騎士を吊りだした隣の戦場では、張・小龍(飛竜子・f03926)が、突入方法を思案しながらも、安堵の声を漏らしていた。
 チームを作る事が出来ず、即席で仲間を集う事になった事で、作戦の成功に不安をもっていた彼だが、今では、自分達のチームこそが一番のチームだと信じられていた。

「はっ、オレ達の連携の前に、敵は無いってことさ」
 ミスタリアも小龍の肩に手をかけて、同意したが、
(「この宇宙服、掴んだ肩の感触まで普通にありやがるな」)
 宇宙服の性能には、更に驚きを感じたようだ。

「でも、本番はここからですよ。戦艦の内部に潜入する方法を決めなくては。ボクはサポートですから、小龍君、決めてくれますか?」
 マルコの言葉に、小龍は少しだけ考え、
「皆さんの力を合わせて、外壁を破壊しましょう。テラさんの火力が一番高いと思いますから、タイミングはテラさんに任せます」
 と指示を出した。
「おれが主力ってことだね、了解だ」
『星よ…世界よ…流星の力を我が身に宿せ…!今こそ我が身、一筋の流星とならん…メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!』
 テラの渾身の蹴撃に、小龍、マルコ、ミスタリアのユーベルコードが重ね合わさり、戦艦の外殻を貫き通す。
「やりましたね、さぁ突入しましょう」
 そして4人は、小龍を先頭に、戦艦内部に突入したのだった。

 一方、【ワンダレイα】チームと、【むにー】チームは、戦艦の外壁を破壊して突入する役割を、一人のユーベルコードに託していた。
 力を合わせるだけが連携では無い。
 必要とされる役割を分担し、一人一人が確実に役割をこなす事もまた、連携であるのだから。

『さぁ、歪み、曲がりたまえ。これを受けた後、どのような姿になるか楽しみだ』
 ハロウが詠唱を行うと、宇宙の闇の深淵から無数の死霊の手が出現し、触れた金属を腐食させていく。

「形あるものは、いつかは腐り堕ちる定めなのだ。私のコードは、それを助けているだけに過ぎない」
 腐食の腕が振れた金属はやがて、色を失いボロボロと崩れていき、
「さぁ、突破口は開きました。行きますよ」
 その腐り堕ちた外壁からハウロンが戦艦の中に突入し、
「これは……少し、気持ち悪いでしょう」
「こういうの、趣味じゃないかもだよね」
「2人とも、文句を言ったらダメですよ」
 そんな感想を抱きつつ、【むにー】の仲間達も、ハロウンに続いて戦艦へと突入していった。

『貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔』
 ハウロンの隣の戦場では、ここまでアルフレッドの宇宙バイクに同乗していた、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が、尽きる事なき暴食の大火を発動していた。
 尽きる事なき暴食の大火は、如何なる存在も燃料にする白色の炎を放つコードであり、その燃料には、当然、戦艦の外壁すらも含まれるているのだ。
「耐熱処理があろうとも堅かろうと存在その物を焼いてしまえば無意味……そういう事です」
 突入口を確保したメンカルが、得意げに眼鏡をくぃっとすると、(「俺のワンダレイは燃やされないよな?」)と冷や汗を流しつつ、男3人はコクコクと頷いて同意を示したのだった。

「で、どうすればいいんだ?」
 幾つかの戦艦で突破口が開いていた頃。
 【何でも屋『アンダー』】のユウヤは、ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)に尋ねていた、しかし、ミーナは解析に集中していて答えられない。
「マスター。空気を読みましょう」
「イエス、マム」

 そして、ユウヤの問いかけから30秒後に顔を上げて、一点を指さした。
「みんな、あそこが弱点よ」
 と。
 そして、ミーナが指さした一点に向けて4人のユーベルコードが重なり合う。
 スピードと回避重視のチームである【何でも屋『アンダー』】は、火力という一点においては、他のチームに劣っていた。
 しかし、その弱点を、メカニックのミーナが補う事で、戦艦内部への突破口を見事切り開いたのだ。
「それじゃ、いっくよー!」
 小柄なティアリスが素早く、突破口を潜って駆け出すと、残る3人も追いかけるように戦艦内に消えていった。

「さて、ここまでくれば、煮るなり焼くなりお好きにどうぞという所だねぇ」
 戦艦に肉迫した、フロース・ウェスペルティリオ(蝙蝠花・f00244)は、そう口を開く。
 だが、
「でも、戦艦の外殻はさすがに堅いです。びくともしないのです」
 由が、軽くユーベルコードを放って確認すると、龍もそれに同意する。
「私の談天雕竜は、範囲攻撃なので、こういうのは苦手ですし」
「私のバウンドボディも同様なのです」
 龍とジャンヌが同意すると、フロースも頷く。
 ジャンヌとフロースのユーベルコードである、バウンドボディは、戦艦内部に潜入した後に有用な攻撃となるが、外壁の破壊には向いていない。
「でもまぁ、破壊する必要は無いのだよ」
 そういうと、フロースは戦艦の底部へと移動すると、艦載機の種檄ハッチに取りつき、そのロックを破壊して内部への道をこじあけた。
「司令官の居場所までは、多少遠回りになるけどね」
 フロースはそういうと、バウンドボディを発動して、全ての艦載機が出払った格納庫に躍り込むのだった。

 こうして、帝国艦隊の6隻までもが、猟兵の攻撃に晒されている頃。
 ヘロドトス方面派遣艦隊の旗艦にも、危機が迫ろうとしていた。

「風桜子が震えていやがるぜ」
 実体のないフォースセイバーを掲げた、恭二郎がそう呟くと、マユラ・エリアル(氷刃の行方・f01439)以下3名の仲間達が頷きを返した。
 恭二郎をこの場に連れてくる為に、自分達は戦ってきたのだ。
 そして、その決着の時はもうすぐ来る。
「この艦の司令官は己が討たねばならない」
 恭二郎は、そう言って、戦艦の正面の宇宙に仁王立ちにたつと、風桜子を、戦艦の艦橋に立つ、帝国近衛騎士に向けた。

 恭二郎と帝国近衛騎士の視線が合わさる。
 戦艦の外壁と、宇宙服越しに、互いに確かな絆が互いの魂を掻き立たせていた

「これが、宿縁と言うものだな。よかろう、私は恭二郎のサポートだ、全ての力を出し尽くしても、道を繋げてやる」
 マユラは、そういうと、全力の『氷刃展開』で戦艦外壁を攻撃する。
 勿論、一度の攻撃で貫けるものでは無い。
「1度で足りないのであれば!」
 すぐさまマユラは『氷刃展開』を繰り出す。
「そして、二度で足りないのならば、何度でも! 必ず、恭二郎が通る道を開いてみせる」
 そのマユラの一念が、戦艦を貫いた時。
 その道の向こうに、帝国近衛騎士が姿を現した。

「久しぶりだな、姉弟子殿? 相変わらず良い女だ」
「お前は変わらないな。バカでスケベだ」
 帝国近衛騎士は、そう言うと、艦隊司令という役割を脱ぎ捨て、一人の騎士として恭二郎の前に立つ。

 こうして、はるかな時を経て、道を違えた同門の士が、再び、刃を交える事になった。

●戦艦の決闘
 7隻の帝国戦艦それぞれに突入した猟兵達は、それぞれ最適なルートを通り、帝国近衛騎士の元へと向かった。
 船内にも防御の兵士は配置されていたが、事ここに至れば、その程度の障害は猟兵の前には敵では無い。

 最初に決着がついたのは、激高した近衛騎士が戦艦の外に打って出た【光明】の戦場だ。

「皇帝陛下への暴言許し難し、死ね」
 怒りに任せた帝国近衛兵のフォースソードがカプラを狙う。
 しかし、そのカプラへの攻撃を、エムピースリーが電磁バリアで防ぐと、ヤドが飽和攻撃を展開し、近衛騎士のフォースの力を散逸させる。
 ここで、
「その皇帝への忠誠に意味はあるのですか?」
 カプラが再び説得を試みたが、
「説得できっこないよ。銀河帝国はわるいやつだから。銀河皇帝にあっかんべー伝えた方がいいよ!」
 と、ブランシュ・シコ(白い人狼・f12074)が、ランナーを発動。
 カプラの股下を滑り込むようにしてスルーすると、カプラを狙った帝国近衛騎士の足元を蹴り上げるようにして反動をつけ、拳を突き上げた。
「銀河帝国1回なくなったんだから、もう1回なくなっちゃえーー!!」
 血反吐を吐きながら全力で振るわれたブランシュの一撃は、怒りに燃えていた帝国近衛騎士の心臓を貫き、そして絶命させた。
 カプラ達は、ほんの数旬、帝国近衛騎士の冥福を祈ると、吐血した血を、包帯でぬぐうブランシュを抱えて、戦場を離脱した。

 外壁を腐らせて突破するという策を実行した【むにー】チームが、帝国近衛騎士を撃破したのは、その数分後となった。
「この艦は海賊むにーが占拠するわ。ここに居る全員さっさと艦を出ていくか、ぼこぼこにされて艦の外に捨てられるか好きな方を選びなさい」
 と、美麗が降伏勧告を出すと共に、随時、略奪を行いつつ侵攻する、しゃにむにー一行の前に、我慢の限界を超え、賊を撃滅せんと帝国近衛騎士が立ちはだかったからだ。
 敵の居場所まで向かうよりも、敵に出てきてもらった方が早い。
 これも、作戦の一環なのだろう。
 初手で狙われたシノギは、帝国近衛騎士のフォースソードの一閃を、手にした略奪品で防ぎ「もったいないでしょう」と逆切れする。
「賊が! 盗人猛々しいとはこの事か!」
 悪の化身である銀河帝国のオブリビオンと、正義の猟兵の立場としては、いかがなものかと思わないでも無いが、しゃにむにーだからしょうがない。
「略奪は船長の趣味だから……」
 ハウロンのフォローもフォローになっていない。
 交渉は最初から決裂状態で、ユーベルコードとフォースソードが入り乱れる乱戦が展開されていった。

「交渉の余地の無い敵対関係ですね。このくらいシンプルなのが良いんですよ」
 太刀緒・朔(ヤドリガミの剣豪・f08368)も、その乱戦に喜んで加わると、
「私の太刀と、フォースソードとどっちが斬れるか、試させてもらうよ」
 と言うと、全力の一閃を叩きこむ。
 乱戦によりダメージが重なっていた帝国近衛騎士は、この一閃に耐えられず、膝をついた。
 そして、
「剣刃一閃! 僕の勝ちです!」
 格上相手に大金星をあげた、朔の喜びの声が、戦いの終了を告げたのだった。

 一方、敵司令官の座所である艦橋まで攻め入って、帝国近衛騎士を討ち果たした最初のチームは、【なんでも屋『アンダー』】だった。
 速度に特化したチームであり、見切りと残像によって、素早く敵を突破し続けた事が、その理由である。
 彼らの進軍速度は、まさに神速と言えただろう。
「ですが、油断は禁物ですよ。マスター。大切な事なので3度言いました」
 結華のツッコミも3度目だが、それにしても、順調な戦果であったろう。

「私の戦艦が、たった、これだけの侵入者の跳梁を許したというのか? 何故だ、まさか、本当に『解放軍』だとでも言うのか?」
 追い詰められ、疑問と共にフォースソードを振るう帝国騎士の剣筋には迷いが見え、ミーナの的確な射撃と、ユウトと結華のコンビネーションの前に、だんだんと追い詰められていく……。
 そして、
「ごーらい、いっせん!」
 ティアリス・レイン(小竜に乗る妖精騎士・f12213)の捨て身の一撃によって、その命を散らしたのだった。

 【なんでも屋『アンダー』】と対照的に、素早さでは無く知恵を使って侵攻したのは【ワンダレイα】であった。
 外殻を燃やす事で突破口を開いた、メンカルが、精霊AIを駆使して、戦艦内の隔壁などを制御する事で、敵との遭遇を最低限として、艦橋まで辿り着いたのだ。
 ゼットは(「俺のワンダレイは、乗っ取られないよな?」)と不安になったようだが、この戦いには関係ないだろう。

 帝国騎士と接敵した莉亜は『伝承顕現【首無し騎士】』により、自らを伝承の騎士に変えると、超高速の攻撃により、帝国近衛騎士に肉迫していく。
 首を落としてしまうと不利になるので、トリッキーな動きは難しいのだが、正面から撃ち合う分には問題は無い。
 この騎士同士の戦いは、互角の状況で膠着していった。
 この膠着した戦いに決着をつけたのは、アルフレッド・モトロ(蒼炎のスティング・レイ・f03702)であった。
 帝国近衛騎士と莉亜との戦闘の動きを読みながら、力を貯め続け、そして、ここぞという瞬間に、地獄の炎でも溶ける事が無いワンダレイ・アンカーに炎を纏わせ、強引に叩きつけたのだ。
 状況が許せば、戦艦の外壁さえ破壊できるかもしれないという一撃が帝国近衛騎士を襲い、結果、原型をとどめぬほどに叩き潰されたのだ。
 その強力な一撃に、ゼットは(「あれ、俺のワンダレイの錨だよな? どうして、それ武器に使ってるんだ?」)と疑問を感じたが、アルフレッドの勝利に水を差すものでは無いだろう。
 とうのアルフレッドは、
「アルフレッド、格好良かった」
「俺が格好良いのはあたりまえじゃん!」
 メンカルにそう褒められて、得意げに、勝利のポーズを取ったのだった。

「ふぅ。広い場所での空間戦闘と、戦艦内部での戦いは勝手が違うものですね」
 戦艦内部の戦いで意外な苦戦をしたのは、マルコ達4人のチームだった。
 これまでの戦いで連携が磨かれてきたと思っていたが、状況が変われば、必要とされる連携も変わる。
 その為、かなりてこずる事になったようだ。
「気にするんじゃないって!」
 そのマルコの背中を、ミスタリアが気軽に叩く。
「多少は苦戦したかもしれないが、連携の実地訓練としちゃ上出来だったぜ」
 このミスタリアの言葉に、小龍もテラも頷く。
 もう一度最初からタイムアタックをかければ、おそらく、どのチームよりも早く、敵を撃破する事が可能になるだろう。
 彼らは、それを確信していたのだ。
 そして、戦艦の中枢。
 艦橋への扉をテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が粉砕して乗り込み、帝国近衛騎士との戦いが始まった。
 一進一退の攻防。
 だが、マルコ達4人の連携は、戦えば戦う程研ぎ澄まされていき、帝国近衛騎士を追い詰めていく。
『竜炎にて汝が力を退けん』
 小龍の放ったユーベルコードが、近衛騎士の攻撃を相殺し、青き炎と共にその力を低減させると、マルコが空中ジャンプで上空に駆け上がると、頭上から敵の動きを止める為の牽制射撃を叩きこむ。
 そして動きの止まった帝国近衛騎士に、ミスタリカのバンカーが撃ち込まれる。
 激しい衝撃と共に床に叩き付けらえた帝国近衛騎士。
 更に、止めとばかりに、
『星よ…世界よ…流星の力を我が身に宿せ…!今こそ我が身、一筋の流星とならん…メテオ・ブラスト…受けろぉ!!!』
 テラの超重力を纏った踵落としにより、艦橋の床もろとも帝国騎士は完全に叩き潰された。
 そして、
「おれは竜騎士、テラ・ウィンディア! 死ぬまでのわずかな時間だが、覚えていろ!」
 テラの勝ち名乗りが、戦闘の終了を告げたのだった。

 ぼよーん。ぼよーん。
 ぼよぼよーん。
 艦橋から最も離れた艦載機のハッチから進行した【親子】と【FP】の混成チームの4名は、。フロースとジャンヌ・ストレージ(少女を抱く者・f08146)のバウンドボディを駆使して、戦艦内を駆け上っていた。
「フロース様、急ぐ必要はありませんよ。タイムアタックというわけでは無いのですから」
 由は、先を急ぐ【FP】の2人に声をかけながら、時間について思いをはせる。
(「『ワープドライブ』が空間の横移動であるのならば、時間という縦移動を行う技術もあるのでしょうか?」)
 もし、それがあれば、きっと歴史は大きく動く。
 そう考える由。
 だが、その考えは、龍に窘められたのだった。
「時間は取り戻せないものですよ。過去の残滓は骸の海にあり、決して蘇らせてはいけないものなのですから」
 と。
 もし、死者が蘇ったとすれば、それはオブリビオンなのだ。
 その龍の言葉に、由は、悲し気な頷きを返すのだった。

 そんな2人の会話の最中も【FP】の2人は順調に戦艦を縦断し、遂に艦橋へと到達する。
 そして、帝国近衛騎士との決戦。

「ブラックタールとして、この戦い負けられません」
 ジャンヌの決意を後押しするように、宇冠の二人が援護を行い、フロースは蜘蛛の糸のような粘性を持たせた糸で、戦場を2人に有利な形に造り変えていく。
 戦いの中で、戦場の地形を自分達に有利に変えていく、ブラックタールの戦い方に、帝国近衛騎士は蟻地獄に捕らえられたように、だんだんと劣勢に追い込まれていく。
 そして遂に、
「私がヒーローです!」
 ジャンヌの全身全霊の殴打が、帝国近衛騎士の体力を奪い尽くし、勝利を確定させたのだった。

 そして遂に、ヘロドトスの戦いは、艦隊司令官たる帝国近衛騎士と、神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)の決闘という最終章を迎える事となった。
 既に旗艦以外の6隻の戦闘は、猟兵の勝利に終わっており、この戦いで帝国側が勝利したとしても、残された戦力では、古代遺跡船に突入し、『ワープゲート』の導き手たる、ミディア・スターゲイザーを殺害する事はできないだろう。
 もし、帝国近衛騎士が『艦隊司令』として行動しているのならば、制圧された戦艦を自爆させ、脱出可能な戦艦だけでも撤退させるという決断をしていたかもしれない。
 しかし、この場に、艦隊司令官である帝国近衛騎士は存在していなかった。
 この場で剣を交えるのは、剣に生き剣に死す、剣豪とフォースナイトであったのだ。

「リミッター解除……」
 帝国近衛騎士が遂に、最後の手札を切った。
 リミッターが解除された後、彼が、彼女に勝利した事は一度も無い。
 それゆえの、最後の切り札。
「お前は良く戦った。だが、これで終わりだ」
 帝国近衛騎士の猛攻。
 もはや、恭二郎は満身創痍で耐え抜くしかない。
 亞衿たち3人も、見かねて援護に向かうがその動きを、恭二郎は、視線だけで抑えさせた。
 それは、恭二郎の意地であったのだろうか。
 長く続く猛攻に、恭二郎の意識が朦朧とす頃、遂に、帝国近衛騎士は、止めの一撃を放と構えをとった。
「もう見てられないんだよ!」
「恭二郎さん、キミ、意地張り過ぎだよ」
「確かに、見てられん。だが、最後まで見るんだ。これが恭二郎の戦いなのだから!」
 マユラ達3人にとって、それは短く、そして長い時間であった。

 帝国近衛騎士の赤い刀身が、止めとばかりに、恭二郎の体を突き貫く。
 だが、その一撃は、わずかに急所を逸らされていた。
 恭二郎が、帝国近衛騎士の止めの一撃の癖を見抜き、わずかに体を逸らせる事で、急所を避けたのだ。

 そして、返す刀で、
「俺は、今日、ここでお前を超える! 『剣の聖にゃ程遠く、命の置き場ぞ此処に在り』」
 死中に活を求めた恭二郎の銀河一文字が、大幅に上昇した身体能力でもって、帝国近衛騎士を両断してのけたのだ。
 この瞬間、派遣されてきた帝国艦隊は完膚なきまでに敗北し、猟兵達の完全勝利が確定した。

 この敗北により銀河帝国は、『ワープドライブ』を導く力を得たミディア・スターゲイザーの殺害に失敗する。
 それは、とりもなおさず、『ワープドライブ』によって、宇宙に点在する全てのスペースシップが、手を取り合って助えるようになった事を示し、『銀河帝国』に対抗しうる、新たな『解放軍』の誕生をも示していた。

 『ワープドライブ』の独占という、圧倒的な優位を失なった銀河帝国は、この失地を挽回する為に動き出す事だろう。
 だが、この戦いで鹵獲した帝国戦艦を解析すれば、銀河帝国の本拠地の位置座標を割り出す事も可能。
 『解放軍』もまた、銀河帝国への大攻勢が可能になるのだ。

 『銀河帝国』と『解放軍』。

 スペースシップを二分する、2大勢力の決戦が、今、始まろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月31日
宿敵 『帝国近衛騎士』 を撃破!


挿絵イラスト