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Break the Freak

#クロムキャバリア #ビルシャス帝国 #パラメリア共和国

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#クロムキャバリア
#ビルシャス帝国
#パラメリア共和国


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 ビルシャス帝国。
 クロムキャバリアに数多存在する小国家の一つにして、若き女帝のもと、専守防衛を旨とする国家戦略により、戦乱のこの世界にあって長く平和を保ってきた国である。
 だが、突如として。その平和は儚くも破られることとなった。

「陛下! 陛下! 緊急事態でございます!」
 ビルシャス帝国首都ビルサラオン、その中心に聳える皇宮、謁見の間。
 一人の官僚が、血相を変えて駆けこんできた。
「何事ですぅ! …いえ、何事ですか」
 一瞬上がった愛らしい声音を訂正し、落ち着いた声音で再度問い直す、豪奢な玉座に座しては足が地につかぬ程に小柄な少女。彼女こそ、このビルシャス帝国を統べる皇帝、リル・ビルシャスであった。
「北の国境線を超え、ビルサラオンを目指し侵攻するキャバリアの軍勢を確認! その総数、100以上…!」
 官僚が告げたその内容に、謁見の間の空気が一瞬にして張りつめる。とはいえ、控える他の官僚達の表情に焦りは無い。周辺に数多ある小国家が、このビルサラオンに存在するプラントを狙い侵略を試みた例は一度や二度ではないが、帝国が誇るキャバリア部隊は練度も高く精強。これまでの侵略、その全てを退けてみせた実績への、確かな信頼があるが故に。
 だが、続けての報告が、そんな余裕とも見える雰囲気を一瞬にして消し飛ばした。
「敵の攻勢に、国境警備部隊は壊滅…生還した兵の報告によれば、敵部隊の所属は…パラメリア共和国…!!」
 信頼厚きキャバリア部隊の壊滅、何より敵の所属を聞いたことで、場は一瞬にして騒然となる。
 何しろパラメリア共和国といえば、両国の成立直後より硬い同盟関係にある友好国。つい先日にも同国の首相とリルとが会談し、宴席にてその関係を再確認したばかりなのだ。
 首脳部の変心か、それともクーデターでも起きたのか。ざわつく官僚達の憶測混じりの声の群れ。
「落ち着きなさい!」
 謁見の間に響き渡る、リルの凛とした音声。若くして一国を背負う女帝の一喝が、場の混迷を一時、吹き飛ばす。
「何よりもまずはビルサラオンを、そして民を守ることです。ビルサラオン全域に特A級緊急警報の発令を。全ての官僚には民の避難誘導を命じます」
 あくまでも毅然と、この事態に対するべく命を下し始めるリル。
「全てのキャバリアを含め、全軍に出撃命令。私もアグネリウスで出ます」
 続けての宣言に、場が再びざわめく。驚愕と困惑。皇帝自らの出撃というのもあるが、何より彼女は。
「――心配には及びません。例えこれが初陣とはいえ、アグネリウスと信ずる兵達がいるのです。必ず、皆は守りきってみせます」
 そんな不安を払拭せんと、決然たる表情で告げてみせるリル。その後も幾つかの命令を下し、そして女帝はアグネリウス――彼女の父、偉大なる先帝が遺したサイキックキャバリアに搭乗し、出撃する。
 城門の前、皇帝専用キャバリアの出撃に沸く兵達を見渡しつつも、コクピットの中、独りごちる。
「――父様。リルを、みんなを、守ってくださいませ――」

 ――彼女の願いも虚しく。
 その日、ビルシャス帝国の百年近い歴史に、終止符が打たれるのであった。



「――無論、それは我らの介入無かった場合の話だ」
 未だ起こらぬ帝国の落日。グリモアベースにてそんな予知を語ったグリモア猟兵、ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)、通称ギジィは続けて切り出した。
「以上の通り、此度新たな世界――『クロムキャバリア』の予知を視ることと、かの世界への転移が可能となった」
 それは100年近くの間、無数に分かれた小国家同士による『キャバリア』と呼ばれる人型機動兵器を用いた戦争が続いている世界。
 その元凶たるが『オブリビオンマシン』と呼ばれる、この世界のオブリビオン。猟兵ならぬ者には通常のキャバリアと区別つかぬこれに搭乗した者は、狂気に陥り理不尽な侵略や虐殺へと駆り立てられ。以て戦火を拡大させ続けるのだという。
「余の予知したビルシャス帝国への侵略行為。これもまた、オブリビオンマシンの齎した狂気が元凶だ」
 ギジィ曰く。
 パラメリア共和国のキャバリア部隊の一つを率いる部隊長、彼の搭乗するキャバリアがオブリビオンマシンと化し、ビルシャス帝国への侵略に駆り立てたのだという。
「この男、どうも元より帝国が気に入らなかったらしいな。その不満が、狂気によって暴走した…という処のようだ」
 そして、それに伴って発現したユーベルコードによって、直属の部下もそれ以外も、其々の搭乗するキャバリアをオブリビオンマシンと化させられ、正気を失った状態でかの部隊長の配下に加えられ、以てビルシャス侵略の兵力とされたのだという。
「今から行けば、奴らが国境線を超え国境警備隊との交戦を開始する直前の場に転移できる。この敵部隊を撃破し、ビルシャス帝国を守ってやって欲しい」

 同意を示した猟兵達へ、ギジィは詳細な説明を開始する。
「敵の配下は二部隊に分かれる。先行する強襲型キャバリア『ファイアディザスター』の部隊と、後続の汎用型キャバリア『オブシディアンMk4』の部隊だ」
 先行部隊が強襲をかけ浸透、撹乱を行い、そこを後続部隊が轢き潰す、といった戦術のようだ。
「これら配下のオブリビオンマシンだが、撃破の際にコクピットさえ破壊しなければ搭乗者は生きて救出することが可能だ」
 オブリビオンマシンから解放されれば彼らも正気に戻るので、可能な限り助けてやって欲しい、とギジィは言う。
「何しろ、後続部隊のパイロット達は先行部隊の者達の友人や恋人、肉親ばかりで構成されている。もし先行部隊に死者が出れば、怒りが狂気に煽られることで戦闘力が強化される可能性が高い」
 逆に生かすことができていれば、彼らの言葉や想いを伝えることで弱体化が見込めるかもしれない。
「そして配下を倒した後は、部隊長のオブリビオンマシンを殲滅して貰いたい」
 この部隊長は完全に狂気に飲まれているため、最早救うことは不可能。ひと思いに引導を渡してやるしかないだろう。

「ただ、この侵略を退けたとしても、共和国の暴走した軍の一部が同盟国たる帝国に侵略せんとした事実は失われぬ」
 それの事実が、両国の友好関係に罅を入れる可能性も十分考えられる。だが、そこは両国の政治に携わる者達の領分。猟兵達が深く干渉すべき点ではない。
「我らの務めはあくまでオブリビオンマシンを破壊し、数多の命失われる悲劇を食い止めること。貴殿らは、この遂行に全力を投じられよ」
 以て説明は完了、とばかりギジィはその手を掲げ、己の率いる大隊の紋章を模したグリモアを掌に浮かばせる。
「それでは転送を開始する。貴殿らの戦に、武運あれ」
 グリモアの放つ光が猟兵達を包み、一行をクロムキャバリアの荒野へと転移させてゆくのであった。


五条新一郎
 狂気の怪物を討ち倒せ。
 五条です。

 というわけでやって参りました新世界クロムキャバリア。ロボ!ロボです!!
 当方よりも早速シナリオを一本お送りさせて頂きます。
 此度は、少女皇帝の統べる平和な帝国を侵略する狂気の軍勢の迎撃任務となります。

●目的
 パラメリア共和国のキャバリア部隊の撃破。

●戦場
 クロムキャバリア、ビルシャス帝国とパラメリア共和国の国境付近(ビルシャス側)。
 遮蔽物の少ない広大な荒野となっております。

●第一章
 敵の先行部隊である『ファイアディザスター』と交戦する「集団戦」です。
 敵機を撃破した際、コクピットさえ無事であれば搭乗者は生きて脱出できます。同時に狂気からも解放されるため、基本的に戦意はありません。

●第二章
 後続部隊の『オブシディアンMk4』との「集団戦」です。
 先行部隊の敵パイロットに犠牲が出た場合、その数に応じ敵が強化されます。
 先行部隊に死者が出ていない場合『彼らの言葉を伝える』プレイングにはプレイングボーナスがつきます。
 此方も敵撃破時にコクピットが無事なら搭乗者は生還できます。

●第三章
 敵部隊長の搭乗するオブリビオンマシンとの「ボス戦」です。詳細は第三章移行時に。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章以降は章移行後に断章を投稿しますのでそれ以降からプレイングを受け付けます。

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ファイアディザスター』

POW   :    ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ   :    ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ビルシャス帝国領北部、パラメリア共和国との国境区域。
 時刻は正午を少し過ぎた頃。いつものように区域内の巡回をしていた、帝国の国境警備隊。荒野の向こう、共和国側に起こった異変に最初に気付いたのは彼らであった。
「ん…? パラメリアの方からキャバリアが来るぞ」
 砂塵の向こう、此方に歩き来る大きな人型の影。己の搭乗するキャバリアのカメラアイが確かに捉えたその様相。搭乗者たる帝国兵は怪訝な表情と共に呟く。
「向こうの国境警備隊だろ…いや待て」
 確かめようと自機を振り向かせた同僚兵士の声が一瞬で硬化する。共和国側にも、国境を警備する為のキャバリア部隊は当然配備されており。お互いの巡回中に出くわすことはよくある事であった…が、此度現れたキャバリアは、よくよく見れば明らかに違う。
「数が多すぎる…それに、あの機体は…」
 現れたキャバリアは一機ではない。五…いや十…いや、明らかにそれ以上の数が、砂塵の向こうに影として群れなしていた。
 そして砂塵を越えて姿露わとしたキャバリアは『ファイアディザスター』。本来強襲用の機体であり、警備任務に用いられるような機体ではない。そんな機体が数十機、最早大隊規模と紛うような数で此方に迫ってくる――その意味する処は即ち。
「まさか、侵略…!?」
「馬鹿な、共和国とはもう何十年も友好を保ってきたんだぞ!?」
 思い至った可能性、だがそれは決して有り得ない可能性。昨日の友は今日の敵、を地で行くかのようなこの戦乱の世界にあって、両国の友好関係は一度も途切れることなく長く続き、他国の侵略を協力して退けたことも一度や二度ではない。まさに背中を預けるに値する、そう思える程の相手だった共和国が、何故――
 直後、轟音。兵士達の疑問に答えたのは、迫り来るファイアディザスターの両腕から放たれた、ガトリングガンの銃声だった。
「うわぁぁ!? 撃ってきやがった!?」
「くそっ、やる気かよ…!」
 予想だにしていなかった敵からの攻撃に、動揺する兵士達。だがそれでも、兵士として訓練を積んできたのが彼らだ。混乱することなく、己の務めを果たすべく行動を開始する。
「基地まで下がって迎撃だ!この数、俺達だけじゃ手に負えない!」
「ビルサラオンに伝令を!理由は分からんがパラメリアの連中が攻めてきたと…!」
 だが、ここにきて敵は一斉にその進軍速度を早める。対応を取らんとする兵達を殲滅し、敵軍の本格行動を遅延させんというのだ。
「くそっ、速い…! このままじゃ…!」
 このままいけば自分達は全滅だ。最早ほぼ確定したかのようなその結末に、兵は悔し気に歯噛みした――

 まさにその時。猟兵達が、かの戦場へと到達したのであった。
アイ・リスパー
「国家間の紛争ならば手出ししないところですが……
オブリビオンが絡んでるとなれば話は別です!」

人々の平和を脅かすオブリビオンマシンを撃破するのが猟兵の任務です。

……あと、敵を倒したら、ゆっくりロボを見せてもらいましょう、ロボ!

「まずは敵の先行部隊が相手ですね。
見せてもらいましょうか、キャバリアの性能とやらを!」

【強化外装】で『機動戦車オベイロン』をパワードスーツに変形させて搭乗。
コックピットに当たらないように注意しつつミサイルやロケットランチャーで攻撃です!

「パワードスーツでどこまでキャバリアと戦えるか、試させていただきます!
オベイロン、全戦闘データをリアルタイム解析しフィードバックを!」


備傘・剱
ロボかぁ…
本来なら、浪漫といいつつ、操縦させてもらいたいが、暴走してちゃな
物騒な兵器は破壊が一番ってな

とはいえ、数がいる、中に人がいる、そして、そいつらは正気を失っていると来た、ならば、こうするまでだ
距離をとり、遮蔽をとって、ゴーグルの望遠機能で敵を確認したら、猟犬狩、発動!
コクピットを狙わず、足と、武装を破壊し、無力化すれば、救出は安易だろうぜ
結界術で動きを止めれば、さらに容易かつ、安全に破壊していけるだろう

どんな世界でも、そうだが、敵の射程、やれることに付き合う義理はない
正面切って戦うなんざ、漫画だけで十分ってな
射程の差がいかに戦局を左右するか、よく知っておけ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



 最初に戦場へ走り込んできたのは一台の戦車。国境警備隊と敵部隊との間に割り込むように滑り込んだその姿に、警備隊の兵士から驚きの声が上がる。
「な…何だ、あれは? 戦車…?」
 キャバリアが戦場の主役となって久しいこの世界。戦車など『キャバリア普及前に用いられていた過去の兵器』という知識でしか知らぬ兵士は、何故このような場所に、と怪訝を示すが。
「国家間の紛争ならば手出しはしないところですが、オブリビオンが絡んでるとなれば話は別です!」
 彼らの疑問などはどこ吹く風。戦車――『オベイロン』の名を持つ機動戦車の機内から、少女の声が響く。この機動戦車の操縦者たる少女、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)のものだ。
 アイには、猟兵達には分かる。現在共和国より迫るキャバリアは、その全てがオブリビオンマシン――骸の海より再現された過去のキャバリア、或いはそれによって変質させられたキャバリアの成れの果てであると。それらの齎す狂気により、友好国であるはずの帝国へと侵略を為したのだと。
 これこそが、この世界のオブリビオン。これを撃破することこそ、猟兵の務めであると。アイは意気込む。
「…しかし、ロボかぁ。本来なら、浪漫といいつつ操縦させてもらいたいが…」
 オベイロンの機上、もう一人の猟兵の姿がある。褐色の肌に黒の髪、迫るオブリビオンマシンへ向ける瞳の光もまた黒いその男。備傘・剱(絶路・f01759)は、残念そうな表情をしていた。暴走状態では流石に搭乗はしづらい。
「その辺は後で帝国の人達にお願いしてみましょう。私も見学したいですし!」
 そんな劔を励ますようなアイの声。何処かテンション高めなのは気のせいではなかろう。何しろ人型の搭乗型ロボットがこれ程普及している世界、他には類を見ないが故に。
「そうだな…ならまずは、こいつらを叩き壊すところからだ」
 頷く劔。改めて目的を確認の後、オベイロンの機上から飛び降り着地、敵を真っ直ぐと見据える。
『お前ら、邪魔をする気か!』
『悪の帝国を粛清する我らの務め、邪魔するなら容赦しない!』
 そんな二人の様子を認めたファイアディザスターから響く、搭乗者のものと思しき声。その声音はまさしく狂的なまでに高揚し、明らかに正気の体ではない。
「おう、邪魔させて貰いに来たぜ。お前らも本当はやりたくない事だろうしな」
 不敵に応える劔、頭に乗せていたサイバーゴーグルを下ろし目へと装着。視界に数値化された諸々の情報が浮かび上がる。
「行きたいというなら見せてもらいましょう、共和国のキャバリアの性能とやらを!」
 続くアイが声と共にオベイロンのプログラムを起動。すると機動戦車の総身に光が走り、その装甲が展開、変形を開始。操縦席部分が開くと中からアイが飛び出して。残された戦車はそのまま形を変えて、人に似た二足直立の形へと至る。
「パワードスーツ形態への変形を確認――装着します!」
 人型――パワードスーツの胸部が開き、その中へとアイが飛び込む。開いた装甲が閉じれば、キャバリアより一回り小さな白き人型――パワードスーツを纏ったアイの姿が、そこにあった。
『な、何だこいつは…!』
『帝国の新型キャバリアか!?』
 一連の流れに共和国兵達は動揺する。どうやらパワードスーツをキャバリアと誤認したらしい。実際にそうだとするならば相当なダウンサイジングではあるが。
「さあ、行きますよ…!」
 その動揺を突くかの如く、パワードスーツを纏ったアイが動きだす。背部のブースタを吹かし、背部からミサイルを放ちつつ敵中へと吶喊。大立ち回りが始まった。

「よし、この辺で良いか」
 その間に劔は前線から距離を取る。凡そ1km程。アイとファイアディザスター達の交戦する様子は、肉眼では遥か遠く。なれどゴーグルの望遠モードを起動すれば、目の前で行われているかのように視認することができる。
「教えてやろう、どんな世界でも同じ、戦局を左右する力ってやつをな」
 腰から抜くは一振りの短刀。不思議な光を湛え、強い魔力を宿す短刀。その力は何処か、名状しがたいものを孕んでいるようにも見えて。
「――追いて、仕留めよ、異界の猟犬」
 刃を地へ向け、詠唱を開始。刀身の光が、輝きを増してゆく。
「この常世次元に、汝を縛る鎖、一切、有らざり」
 光は増幅し、やがて劔の足元を満たす程となり。
「我が括れぬ、汝が野生、その身に満たせ!」
 詠唱の結びと共に爆ぜる光。光晴れた後に刃は無く、代わってそこに在ったのは、一匹の異形の猟犬。左の眼が放つ異様な輝きは、何処か兵器めいて。
「かの鉄の鎧の脚と、武装とが標的だ…行け」
 再度、劔の視線が前線を向いたその直後。猟犬は疾走を開始する。交戦続く前線へと。

『くそっ、すばしっこい奴め…!』
 前線ではアイがその速度でもって敵中を駆け抜け、ガトリングの狙いを絞らせない。下手に撃てば仲間に当たりかねないのもあり、ファイアディザスター達の攻撃は精彩を欠く。
「どうしました、その機体の性能はその程度ですか!」
 挑発するようなアイの言葉と共に吐き出されるのはロケットランチャー。高速噴進する弾頭は次々と周囲のファイアディザスター達の四肢を撃ち砕き、その場に擱座させ戦闘力を奪ってゆく。
「パワードスーツでもキャバリアとは充分に戦えそうですね…さあ、まだまだいきますよ!」
 続けざまミサイルを放ち、これも敵機の肩や大腿部へと命中。腕や脚を爆散させ無力化してゆく。オベイロンに搭載されたAIが、彼我の挙動をはじめとしたあらゆる戦闘データをリアルタイムで解析し、随時パワードスーツの制御にフィードバックを重ねてゆく。
 だが、そんな快進撃を続けるアイの背後。
『くそっ、なんて奴だ…だが、隙ありだ…!』
 ミサイルを凌いだファイアディザスターの一団が、一斉にガトリングガンを構え彼女の背中へと狙いをつけていた。前方の敵に集中するアイは気付かない。果たして、ガトリングガンのトリガーが引かれ――
「――させるかよ。行け!」
 更に後方の地点、ゴーグル越しにそれを捉えた劔が命を発した直後。
『ぐわぁっ!?』
 突如、ファイアディザスターの一機がバランスを崩し倒れる。
『何だ!? ぐわっ!?』
 驚くもう一機は退こうとするも、いつの間にか背後に現れた障壁に阻まれ果たせず、同様に倒れる。更に別の機体は携えたガトリングガンが突如爆発、その煽りを受け動作不能に陥る。
「っ、いきなり何が…?」
 そこで漸くアイが背後に迫っていた敵に気付くが、いつの間にか無力化していた姿に首を傾げる。と、そこで気付く。また別のファイアディザスターの膝関節に食いつき噛み千切らんとする、異形の猟犬の姿を。
「…これは…なるほど」
 理解し、先程劔が走っていった方向を振り向き。そして親指を立ててみせる。劔もまた、彼女の方から見えるかどうかは分からずとも、同様のジェスチャーを返してみせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エリル・メアリアル
民を守る為、旗印を手に自らが先頭に立つ
わたくしもその気高き意思に賛同いたしましてよ

わたくしにキャバリアは不要
けれどこの世界の武装は悪くありませんわね。FlapKnights。お行きなさい!

現状一対の翼であるFlapKnightsは、念動力で細かく分離が可能
それを【絢爛たる女王の采配】で操り
突き刺す、内蔵レーザー発射等の攻撃を指揮しますわ
カメラや関節を狙えばコックピットを傷つけず無力化できましょう?

わたくし自身も前に出て、国境警備隊に威厳、敵軍に存在感と恐怖、すなわち威圧感を与えますわ

敵の弾などFlapKnightsや周囲の瓦礫を集めて武器受けすれば
わたくし自身が動かずとも受けることは容易いはず


メリア・アルスト
これが『オブリビオンマシン』…猟兵でなければ違いがわからないとは聞いていたけれど
なるほど、こうしてみれば確かに

●戦闘
『量産型キャバリア(人型)』に乗ります
最初は手の内を見せたくなくて、量産型を使うから無理もできないし

合わせます
6秒もたせます、その間に…
などと味方と連携
味方となるべく合わせての押し引きを意識します
こういうのは、誘い込んで先頭を潰しては押し込み、また引いて誘うのを繰り返すのが良いのです
起伏や残骸など利用できる斜壁物があれば【地形の利用】もしたいけど、基本はなるべく止まらず【推力移動】を挟み、UCを使って敵機の妨害をしながらライフルで3点射撃を
難しいけど、関節とカメラを狙いたいところ



「な、なんだあれは…」
 突如現れ、共和国のキャバリア達を次々と撃破してゆく正体不明の存在。それもキャバリア無しで。驚愕を禁じ得ない、帝国の国境警備隊員達。
「あー…お邪魔してます。ちょっと故あって、そちらに加勢しますね」
 そんな彼らの横合いから、不意にかかる何処か気の抜けた声。見れば、其処にはいつの間にか一機の量産型キャバリア。見た目こそ警備隊の用いるキャバリアと然程差異無いものの、纏う雰囲気は何処か異なる。それもそのはず。このキャバリアの搭乗者もまた猟兵――メリア・アルスト(は割とノリで生きている・f29925)である為だ。
「あ、ああ…助かるが、あんた達は一体…?」
 メリアの申し出に謝意を示しつつも、その素性を訝しむ、警備隊の隊長と思しき兵士。彼らにしてみればその意図は全くの不明なので、無理からぬ話ではある。
「名乗る程の者にはございませんわ。唯、為すべきことを為す為に。わたくし達は参ったのです」
 メリアの乗るキャバリアの足元から、別の人物の声が響く。陽光の如き黄色のドレスを纏った、あどけない少女――しかしその声音には気品が、佇まいには確かな威厳が滲む。エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)、スペースシップワールドのとある艦を己の居城とする女王である。
「かの敵軍は狂気を以て扇動されたる者達。機体さえ止めれば、正気に戻すことは可能です」
「それが、あんた達の為すべきこと…と?」
 エリルの言葉に彼女達の目的をそう理解する隊長。エリルは頷き、是の答えを返す。
「尤も、それを証明する手立てはございません故、皆さんには信じて頂くより他にありませんが」
 何しろ、眼前のキャバリアがオブリビオンマシンか否かは猟兵にしか分からず、そして一般人にそれを明確に示す手段は存在せぬが故に。
(…確かに。私も、オブリビオンマシンなんてものの存在、猟兵にならなければ信じられなかっただろうし)
 それは、クロムキャバリアに生まれ育った猟兵であるメリアにとっては、より実感を以て感じられる事でもあった。彼女自身、猟兵となる以前においては、拡大の一途を辿る戦乱の裏にそのような存在があるなどとは想像もできなかったが為に。
「…分かった、信じよう。俺達はもとより、パラメリアの連中も助けようって奴なら、悪い事にはならない筈だ」
 頷く隊長に微笑んだエリル、ふと南の空を振り仰ぐ。荒野の向こうに見える白亜の城。あそこがビルサラオン、帝国の首都にして、この国を治める皇帝の座する地。
(民を守る為、旗印を手に自ら先頭に立つ。わたくしも、その気高き意思に賛同致しましてよ)
 グリモア猟兵が語った予知――猟兵達の介入無き未来において、かの皇帝はその象徴たるキャバリアにて出撃せんとしたという。今こうして自分達が居る時点でその未来は回避されたものの、彼女がそうした決断を取り得る人物たる事実は変わらない。故に賛意を内心に。同じく、若くして国の元首となった身として。

 そうこうしているうちに、先行した猟兵達の戦闘領域を迂回し、ファイアディザスターの一団が迫ってきた。
「なるほど、悪くない武装ですわね」
 迫る敵機と、守る味方機。キャバリアという武装をエリルはそう評する。しかし己には不要なるもの。何故ならば。
「ですが、わたくしの騎士も鋭く、眩くてよ!」
 エリルの背後から浮かび上がる白銀の翼。FlapKnights、彼女が生まれながらに有す強力な念動力を以て御する、多層翼状のマルチユニット。
「合わせます。皆も、援護、お願いできますか…?」
 その横に進み出るは、メリアが操るキャバリア。片手に携えるライフルを構えながら、背後の国境警備隊員達に呼びかければ。
「あ、ああ。元々俺達の仕事だ、あんた達に任せきりというわけにもな!」
 総員が、統率の取れた動きでライフルを構えつつ応える。それを確かめ、メリアの意識は改めて前方の敵部隊へ。
(まだ、手の内を見せたくはないし…)
 実の処、メリアは本来サイキックキャバリアを駆る乗り手である。だが今はそれを温存し、敢えて量産型キャバリアに乗っている。敵が一軍であるなら、切り札を早期に切ることは後続の敵に対策を取る猶予を与えることを意味する。そう考えたが為に。
(今は無理しない。彼女の援護を重点に)
 意識をエリルへと移せば、彼女は今まさに己の『騎士団』を出撃せしめんとする処であった。
「お行きなさい!」
 号令一下。翼を形作る金属の羽が次々と剥離し、其々に飛翔を開始。羽を支えていた骨組みもまた、複数のパーツに分割し、共に敵部隊を目指して飛翔してゆく。
『な、なんだこいつは…!?』
『撃て、撃ち落とせ!』
 彼らにとっては全く予想だにしないその攻撃、驚き戸惑う搭乗者達の声が聞こえる。ガトリングガンを放ち迎撃を試みるも、一つ一つが小さなパーツに過ぎぬそれらは、風の中の木の葉が如くひらひらと翻めいて弾丸をかわしていき。
「そんな抵抗は無駄でしてよ!」
 自身満々の宣言と共に加速する羽。それらはファイアディザスターの肘や膝へと突き刺さり、かの部位の動作を司るアクチュエータを破壊。以て機体を動作不能に追い込んでゆく。
 無数の羽の、的確かつ繊細な同時操作。それはまさしく絢爛たる女王の采配、未だ完全には制御できておらぬとはいえども巧みな、念動力制御の賜物である。
『あいつか…! 皆、あいつを狙え!』
 鋼の嵐の先、エリルを視覚に捉えた共和国兵の一人が、仲間達に集中攻撃を呼びかける。未だ齢12の少女でありながら、戦場の只中に堂々立つその様は、恐怖すら伴う強烈な威圧感を齎すが。それでも彼らは一斉にガトリングガンを構え、集中射撃を敢行する。
「何の!」
 だがその間に浮かび上がる複数の岩塊。エリルの念動力は、己の翼パーツのみならず更なる物体の操作さえも可能としているのだ。
「今のうちです、皆、側面を突きましょう」
 そしてメリアが動き出す。警備部隊へと呼びかけると、己は先陣を切って乗機のブースタを吹かしファイアディザスター達の側面へ回り込む。
「隙ありです…」
『な!?』
 エリルに意識を集中していた敵は、不意を突いた彼女達の急襲に対処が遅れる。その隙にライフルの銃弾を撃ち込む。三点バーストで放たれた弾丸は敵機頭部に命中、カメラを破壊され視界を失った敵はバランスを崩し倒れる。
 更に警備部隊のキャバリア達も次々と発砲。ファイアディザスターの頭部や四肢を撃ち抜き、その行動を奪い去り無力化してゆく。
『く、くそ…っ!』
 残された兵達は堪らず、ばら撒くようなガトリング乱射を試みるが、その攻撃も長くは続かず。
「動きを、止める…!」
 メリアが構えたライフルから放たれたのは弾丸ではなく電撃。彼女のサイキックエナジーによって形作られた電撃は一瞬で敵機へと到達し。機体を流れるエネルギーと干渉し、その動きを封じる。
「お見事ですわ!」
 そこにエリルが放った翼の骨組み部分が殺到。内側に内蔵されていたレーザー砲を放って、敵機の頭部を次々撃ち抜いていき。
 その戦域を襲った敵部隊が全滅するまでに、長い時間はかからず。脱出した搭乗者達は皆、抵抗することなく警備部隊に捕えられるところとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
此処が新しい世界ですかぁ。
大変な事態になっておりますが、何とかやってみましょう。

今回は素の状態でお相手しますねぇ。
『F●S』3種を展開し『FBS』を四肢に嵌め飛行、『殲禍炎剣』を避ける為、出来るだけ空中で静止し、必要な場合のみ移動しますぅ。
そして【籠域】を発動、周囲に『崩壊の波動』を纏いましょう。
相手の攻撃が『銃撃』によるものである以上、『銃弾』がこの『崩壊の波動』の領域に入った時点で崩壊させられますので、これで相手の攻撃はほぼ遮断可能ですねぇ。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]で対処、操縦者さんを救助し易い様『動力』や『手足』を[部位破壊]しての無力化を狙いましょう。


支倉・錫華
雇われ騎士として参加って感じでもいいのかな?
ま、雇ってもらえるなら、だけど。

参加させてもらえるなら、量産型でいいからキャバリアを1機と、
ロングレンジライフルを貸してもらおうかな。

今回まずは防御と集団戦だったよね。
【脈動臨界チューニング】で射程を5倍、装甲を半分にして遠距離戦仕様に仕上げて、
先行してくる『ファイアディザスター』を、前から狙って撃ち倒していこう。
同じような作戦の人がいたら、連携できるといいんだけどな。

あ、そのときはもちろんコックピットは狙わずに、
足とか移動機構を狙って行動不能にしていきたいと思うよ。
そのほうが、相手の移動の邪魔にもなるしね。

できれば接近される前に倒しきりたいな。



 猟兵達とパラメリア共和国の軍勢が衝突を開始した直後。ビルシャス帝国の国境警備隊員が詰める基地でも、その衝突は確認されていた。
「あれはパラメリアのキャバリア部隊…一体何が…?」
「ともかく俺達も出撃だ! 第三中隊だけじゃあの数、耐えられん!」
 友好国からの突然の侵攻に困惑しながらも、事態に対処するべく兵士達が慌ただしく行き交う中、一人の少女が基地へと足を踏み入れる。ラフなセミロングの黒髪、緑の瞳は何処か世を儚んだ光を帯びて。
「…随分騒がしいけど。傭兵の手は、要る?」
「傭兵? 何でまたこんなところに…手を貸してくれるっていうなら願ってもないが」
 少女の纏う、何処か剣呑な雰囲気は、傭兵との名乗りに説得力を与える。申し出を受け入れた兵に、少女――支倉・錫華(Gambenero・f29951)は告げる。
「なら、空いてるキャバリアを一機と、ロングレンジ型のライフルを一丁。貸して貰える?」
 事実、彼女は傭兵――猟兵としてはこれが初めての仕事であるが、傭兵としての仕事は果たして幾度目か。現地で量産型キャバリアを調達し、調整した上で参戦する。それが彼女のスタイルであった。

 借り受けたキャバリアに搭乗し、挙動調整を加えること数分。警備隊に先行して出撃した錫華は、程無くして戦場へ到達。既に、猟兵と共和国軍との戦闘は本格的に始まっていた。
「おやぁ…? 貴女も、猟兵さんなのですねぇ」
 錫華のキャバリアに気付いた少女猟兵が、何処か間延びした声音と共に振り向く。艶やかな緑の黒髪と、何より桁違いに発育した肉感的な肢体が特徴的な、あどけない顔の少女。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)である。
「そうみたい。私としては、どっちかって言うと傭兵、って感覚だけど」
「此方の世界のご出身でしたら、そう感じられるのも無理ないかとぉ」
 錫華の答えに納得したように頷くるこる、早速とばかりに敵軍の方を見据えて。
「それにしてもぉ、新しい世界に降り立って早々、大変な事態になっておりますねぇ」
「これがこの世界の日常だよ。…まあ、ずっと友好を保ってた国にいきなり攻め込む、なんてのは流石に異常事態だけど」
 戦争行為が日常、というのも大変な事態ではなかろうか――そんな考えが頭を過ぎるも、口に出すのは無粋か。るこるは内心にて結論付け頷く。
「そうですねぇ、まずはこの事態を解決しませんとぉ。何とかやってみましょう」
「なら協力しよう。援護は任せておいて」
 錫華の申し出をるこるは快諾。以て、戦闘の開始と相成った。

『こっちにもキャバリアが一機いるぞ!』
『ハッ、量産型一機程度ちょろいモンだぜ』
 程無くして、錫華のキャバリアを見つけたファイアディザスターの一団が迫ってきた。数では圧倒的に上回る自分達なら、この程度は一瞬で仕留められる。そう踏んでガトリングガンを構える彼らであったが。直後、その判断の誤りを悟ることとなる。
 上空で煌めいた白い光。地上の共和国兵達がそれに気づくのと、それが彼らの頭上へ降り注いできたのは、ほぼ同時であった。高出力の熱線と、高速で飛来する砲弾とが、強襲型キャバリアを貫き、撃ち据える。
『うわぁぁぁぁ!?』
『な、何だ、何があった…!?』
 どうにか砲撃を凌いだ機体が、上空へとカメラアイを向ける。見ればそこに居たのは、四肢に戦輪を嵌めてそれを以て空中に浮遊する少女――るこるであった。その周囲に展開する十六基の浮遊砲台と、八基の盾つき砲台。地上の部隊を砲撃したのはこれらであろう。
「頭上注意、ですよぉ」
 この世界において、空中での行動はリスクが伴う。『殲禍炎剣』――高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星の存在があるためだ。だがかの衛星が攻撃を加えるのは、あくまで高速で飛翔する物体のみ。即ち滞空するのみならば、リスクは抑えられる――るこるはそうした判断のもと、上空からの攻撃を敢行したのである。
『くっ、まさか空からの攻撃とは…! だが…!』
『空で浮かんでるだけならただの的だ! 覚悟しろ!』
 ファイアディザスター達のガトリングガンが、一斉に上空のるこるへ向けられ、その弾丸を乱射し始める。その弾幕の範囲は広く、ゆっくりと移動するだけでは回避しきれぬ。かといって速度を上げれば、殲禍炎剣が反応する可能性が出てくる。いずれにせよ、るこるを撃ち落とせるのは確実――そう確信した兵達だったが。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて祈りを捧げましょう――」
 るこるは全く移動することなく、ただ祈るのみ。彼女の奉ずる豊乳女神へ捧げる祈りは、彼女の身から放たれる乳白色の波動として結実する。その身を球状に覆った波動へと放たれた弾丸が飛び込めば、それらは直ちに砕け散り塵と化し。ただの一発とても、るこるの肉体までは到達しない。
『何…? 効いていない…だと…?』
 キャバリアにも乗らぬ生身の少女を全く傷つけられないその事実に、愕然とする共和国兵達。だが、彼らにはそれすら許されていなかった。
「隙だらけだよ」
 轟く発砲音、次いで破砕音。片脚を破壊されたファイアディザスターが擱座する。一機、また一機と、行動不能に陥るものが増えてゆく。
 それを為したは、彼方に見える量産型キャバリア。錫華の搭乗する機体だ。その手には先程借り受けたロングレンジライフル。
『馬鹿な…!?あんなライフルで、何故こんな遠くまで!?』
 驚愕を隠せぬ兵士。彼の記憶が確かならば、かのライフルの最大射程は、現在の彼我の距離の半分程度のはず――
「驚いてるみたい。でも、私のチューニングなら、この程度の距離は余裕」
 それを為したのは、錫華の用いたユーベルコード。今の彼女の乗機は、装甲を薄くする代わりにライフルの射程を実に5倍にまで増幅した、遠距離狙撃機体にチューンされていたのだ。
「上空と、地上と。どちらを狙って、どちらに無防備を晒す?」
「勿論、その隙はきっちり狙わせてもらいますからねぇ」
 再び上空のるこるからの砲撃。熱線と砲弾の雨が、ファイアディザスター達を再び撃ち据える。尚、先の砲撃も併せて、狙ったのはあくまで機体の四肢。胴体のコクピット部には一撃とて与えていない。
 上下からの同時攻撃。狙われるかの部隊に、逃れる手段は残されていなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鞍馬・景正
将による独断での開戦――嘗てエンパイアの群雄たちも頭を痛めたと言いますが。
しかしオブリビオンが関わるものなら、必ずや阻止せねば。

◆戦闘
搭乗者が傷付かぬよう、"こくぴっと"への打撃は控えましょう。

構造的に頭部や胴の辺りがそれに当たる筈――ならば狙うは四肢切断。

狙いを決めたらば【鬼騎乗崩】にて愛馬に【騎乗】し、そのまま切り込ませて頂く。

銃撃は跳躍、または射線を避けての機動で躱しつつ接近。
それが難しい場合は剣気による【結界術】で防ぎましょう。

距離が詰まればそのまま飛び込んで、斬撃の【衝撃波】で手足を切り落とさせて頂く。

もしコクピットへ被害が及びそうな場合、攻撃を中断してでも殺害せぬよう注意致す。



 国境区域へ新たに降り立った猟兵は、額に双角携えし美丈夫。太刀と脇差、二刀を佩き、羽織を纏った装いは、鋼の巨兵闊歩するこの世界に於いては些か奇異とも見えるが、猟兵たる身の在り方が違和を隠す。
 その猟兵――鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)は、前方より押し迫る紅の鋼兵――ファイアディザスターの群れを見据え、眉根を寄せる。
 将による独断での開戦。彼の故郷たるサムライエンパイア、江戸開府が成るより前の戦国乱世に於いても頻発したその事態。エンパイアの歴史にその名を遺す群雄達も、多くの者が頭を痛めたと伝え聞く。この世界もまた、かつてのエンパイアを思わせる乱世なれば、そうした事態も起こり得ようが――
(オブリビオンが関わるものならば。必ずや阻止せねば)
 全き人の意思にて為された行いならばいざ知らず。オブリビオンの齎した狂気によって成る蛮行なれば。決意を胸に。
(そして。彼らは狂気によって煽られているに過ぎない)
 改めて見据えた鋼の軍勢。聞けば、搭乗者はオブリビオンマシンの影響にて斯様なる蛮行に走っているのみ、と。即ち、命を奪うことなき無力化こそが必要となろう。
(『こくぴっと』は構造的に頭部か胴の辺り――ならば、狙うは四肢切断)
 目標は定まった。ならば後は為すのみ。頷いた景正の傍ら、随うように一頭の馬が歩み出る。『夙夜』、命ずれば昼夜を徹し駆け続けるという健脚と忠実を有する景正の愛馬。
「では征くとしよう。弓馬刀槍、すべてが合わさった武士の神髄。鋼の巨兵駆る者達にお見せしようか」
 愛馬の背に跨ると同時、景正の身が藍染の具足に鎧われる。その様は正しく武者の様相。手綱を打ち振れば、主を背とした騎馬は疾走を開始。背負う重みを感じさせぬ力強い走りを以て、ファイアディザスターの一団へと駆け迫ってゆく。
『な、なんだありゃ…馬…!?』
『時代遅れも甚だしいな! 馬如きがキャバリアに勝てると思ってんじゃねえよ!』
 まさか馬に乗った敵と相対しようとは。驚愕を隠せぬ隊員もいたが、概ねの反応は嘲笑。ガトリングガンを構え、駆け迫る騎馬武人を蜂の巣とせんと撃ち放つ。
「我が愛馬、我が馬術、容易く捉え得ると思って頂いては困る!」
 疾走する夙夜の速度は、景正の発したユーベルコードによる強化も併せ、実に亜音速にさえ達する。加えて手綱を左右へと打ち振れば、愛馬は応えて左右へ切り返しを繰り返し。雨霰と撃ち放たれるガトリングの弾丸、その全てをかわしていき。
「はぁぁぁぁぁ…っ!!」
 捉えた最前のファイアディザスター。接近を阻まんと放たれたガトリングガンを前に、佩いた太刀を抜く。濤景一文字、その刀身に焼かれし絢爛たる濤乱刃は荒波が如き威を放ち。そこに景正の弛まぬ修練が重ねれば、放たれる剣気は質量さえ伴って。迫り来る鉛の弾丸を、一発残らず食い止め地へと散らしてゆく。
『な…何だと…!?』
「その四肢、頂戴致す!!」
 正面から弾幕を突破してきたことに驚愕を隠せぬ兵士。その隙を逃さず、景正は夙夜を駆り一息で紅き巨兵の懐へ飛び込む。太刀を振るう。放たれた衝撃波が荒波じみて立て続け襲いかかり、一撃ごとに右腕、左腕。立て続け、胴と泣き別れてゆく。
 最後に片脚を斬り捨て、倒れゆくファイアディザスターを見届けきるより早く。次なる敵を目指し、今度は一息に跳躍。その速度は地上の更に数倍、低空故にかの暴走衛星も反応せぬ。
 あまりの速度が反応を遅らせ。目標たるファイアディザスターはほぼ無抵抗なまま、四肢を切り離され倒れていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
部隊長は救えない……ですか
元から不満を抱いていて、マシンは切欠に過ぎない……色々やって、正式に侵略と動かれるよりは、この暴走はまだ、ましだった……とでも思うしかない、か
……今は、救えるだけ救う、ですね

【覚悟、激痛耐性】
私は、どれ程に痛く、苦しく、怖くても……
私は、死なない。私は、死ねない
だから……『いつか壊れるその日まで』救います

光を纏い、光になって。全身から【念動力】を放って自身を【吹き飛ばし】加速
ただ真っ直ぐ前へと飛翔
【継戦能力】撃たれても、幻を撃ったかのように瞬時に再生して

マシンだけを、骸の海へ

【範囲攻撃、生命力吸収】光を放つ
機体だけを、溶かすように
存在する為の力を奪い、消滅させていく



 転送を終え、クロムキャバリアの大地に降り立った少年猟兵。真白き肌、足元近くまで伸びた滑らかなる髪もまた真白く。唯一、両の瞳だけが鮮やかなる紅に煌めいて。その瞳に迫る鋼の紅を映しながら、彼――ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の表情は沈痛げであった。
 グリモア猟兵曰く。此度の侵略の首謀者たる部隊長は、最早救い得ないと。元々、帝国に対し不満を抱いていたという。
(オブリビオンマシンは、あくまで切欠に過ぎない…?)
 場合によっては、何等かの手段で国自体を動かし、正式な形で侵略を行っていた可能性も、なくはない。此度のような暴走も、或いは正当なる形で侵略されるよりはマシであったと…そうとすら思えてしまう。いずれにせよ、侵略となれば多くの血と涙が流れる。自分達猟兵が介入し阻止できるだけ、此度の方が――と。それはややもすれば、傲慢との誹りを受けかねぬ思想かもしれないが。
(……今は、救えるだけ救う、ですね)
 散らされる命を少しでも減らすために。為すべきことを為す。一旦思考を打ち切り、疾走。迫るファイアディザスター部隊の前へ。
『何だ、このガキは』
『どうでもいい! 邪魔するならブチ殺すだけだ!』
 問答無用とばかりに。紅きキャバリアは一斉にガトリングガンを構え、発砲。立て続けに放たれる鉛の弾丸の群れが、ナイの肉体を貫通し、その身に無数の穴を穿ってゆく。
 だが、ナイは倒れぬ。疾走は止まらず、共和国軍の前まで。
『な、なんだこのガキ…!?』
『くそっ、不死身だとでも言うのか!?』
 尚も止まぬガトリングガン斉射、穿たれ貫かれるナイの肉体。だが彼は倒れぬ。その表情は苦悶に歪むが、それでも倒れぬ。
「――私は、どれ程に痛く、苦しく、怖くても……」
 ナイが口を開く。そう、彼は。
「私は、死なない。私は、死ねない」
 自分自身でも本体の所在を知らぬヤドリガミ。それ故に、本体さえ無事なら彼は不死。なれど苦痛は、苦悶は、恐怖は変わらず彼の身を襲う。でも、それでも。否。
「…だから。私は、『いつか壊れるその日まで』救います。」
 ナイの全身が光に覆われ始め、輝き始める。それは彼の身に宿る、聖者の聖なる光。負った傷は直ちに再生し、そしてその身は完全なる光と化す。
 直後、光たる身は弾かれたように飛び出す。己の身を念動力で吹き飛ばして初速を高めた上での飛翔。ガトリングの雨に晒されても、幻でも撃ったのかと言わんばかりに弾丸は透過し。負った傷もまた瞬時と再生されて。

 そして敵中ド真ん中へと到達したナイ。その身を形作る光が、より輝きを増す。激しい光は、周囲を包囲するファイアディザスター達にも投げかけられて。
「そのマシン――骸の海へ、返してみせます」
 宣言と同時、全身の光がより一層強まって。浴びせられたキャバリアの機体が、徐々に溶け初めていく。それは機体だけを溶かすかの如き、浄化の術。吸い上げるものは命ではなく、それぞれの物体の存在する為の力。吸われるたび、徐々に元の物体が形を失い、崩れてゆく。
 やがて全てのキャバリアが溶け尽くされれば、そこに在ったのは丸腰となった共和国兵達。それまでの帝国への敵意と、自分達の機体が突如消えたこと、これらに対し困惑を禁じ得ない様子で辺りを見回す。ナイは、そんな彼らへ歩み寄って。
「大丈夫、です。皆のことは、傷つけたりしませんので――」

成功 🔵​🔵​🔴​

蘇芳・薊
100以上の敵とはまた凄いです、しかもそれぞれの身長が5m程もあるんですよね?
それなら私も同サイズになって応戦です!

戦闘形態になった上で拡大変換で巨大化、両腕のブレードと[第六感]を活かして銃弾も致命傷になりそうな物は弾きながら高速で前進します。
射程範囲に入ったら、敵機の武装や上半身を切り裂いてコックピットを露出させましょう。

ガトリングガンなんてUDCの邪神を思えば怖くなんてありません!ああ言うモノの方が私の様な物理型には怖いんです!
一瞬拡大変換を解除して元のサイズに戻り敵の狙いを邪魔しながら突っ込んでしまいましょう。再び拡大変換をした上で[カウンター]をお見舞いしてあげます!


玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

要するに、やんちゃしてるやつらを静かにさせりゃァいいんだな

国境付近ってんなら、弾除けに使えそうな防塁やらはあるかね?
ないならないで、自前で結界を張るだけじゃあるが、あるなら使ったほうが楽ってモンだ
▻偵察▻結界術▻オーラ防御

ともあれそうやって、鉄砲玉を短時間でもしのげる壁を用意すりゃ、あとはちょろい
老朽化した銃を派手にぶっ放しゃ、勝手にぶっ壊れる(UC)
暴発とか爆発とかするかもだが、そのくらいでコクピットがイカレたりはしないだろ(一応、UCで劣化させるのは武器や腕部、脚部あたりに絞るぜ)

おっと、帰る前にインタビューだ
後続部隊とやらについて、面白いネタはあるかい?



 猟兵達の活躍により、次々と撃破されゆく共和国軍のキャバリア達。なれどその数は未だに多く。
「100以上の敵というのはまた凄いですね…しかも、それぞれの身長が5m程もあるんですよね?」
 見渡す限りの敵の群れに紫苑の瞳を瞬かせながら、黒紫の髪の少女――蘇芳・薊(悪食・f01370)は今一人、傍らの猟兵に問いを投げる。
「ってぇ話だったなァ。んで、そいつらが揃いも揃ってヤンチャしに来たってワケだ」
 金の髪に色鮮やかな着物。頭の上の狐耳が、硝煙混じりの風を嫌うようにぴこぴこ跳ねる。玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は薊の問いに答えながら、尚前進を続ける共和国の軍勢を見据える。
「とまれ、まずはあいつらを静かにさせにゃァな」
「ええ、この場で止めてみせましょう! 行きます!」
 続けた孤狛の言葉に応を返すが早いか。駆け出した薊の肉体が変容してゆく。白き柔肌は青き外骨格じみた装甲と変じ、あどけなき顔も艶やかな髪も甲殻と変ずる。それはグールドライバーたる彼女に宿った力――刻印の励起に伴う肉体変異。だが、此度はそれだけではない。
「もっと…もっと大きく、強い私に…!」
 刻印の力が齎す、更なる肉体変異。一歩ごとに幅の広がるストライド。それを齎すは加速ではない。一歩ごと、足が、脛が、膝が、腿が、腰が、背が――それら全て、薊の肉体そのものが。巨大化し、歩幅を広げながら、共和国のキャバリア軍団へと迫っていく。
『な、何だこいつは!?』
『キャバリア…いや違う! ついさっきまで小娘だったはずだぞ!?』
 驚愕する共和国兵達。無理もない。今、彼らに迫りくる青き外骨格の人型。その目線はキャバリアに乗る彼らと同じ――即ち、今の薊の肉体は、キャバリアにさえ匹敵する程に巨大化を果たしていたのである。
「これが…私の、力です!」
 その間に距離を詰めた薊。両腕を振るえば、その前腕より生えるかの如く鋭利なる刃が飛び出す。それは刻印の力により生じた外骨格の刃、薊の武器。身を捻りながら刃振ること数度。キャバリア達の肩が、脚が。刃に裂かれ斬り落とされる。
『く、ば、化物…! こっちに来るな…!』
 その異様とも見える攻勢に慄きながらも、未だ乗機無事な兵達は一斉にガトリングを構える。
「そんなもの、UDCの邪神に比べれば!」
 だが薊は怯まない。彼女にとっては、精神を蝕む邪神群こそが脅威であり。単純な物理攻撃であるガトリングガンなど恐れるに足りぬのだ。無論、致命的部位に届こうとする弾丸は、刃もて弾くつもりであるが。
『舐めやがって…! 喰らえ!』
 見下されたと判じたか、怒りの声を上げる共和国兵。彼らのキャバリアが携えるガトリングガンが、一斉に火を噴く――はずだったのだ、が。
『ぐわぁっ!?』
 爆発音、そして悲鳴。銃口でなく砲身全体、ガトリングガンそれ自体が火を噴き爆ぜ飛んだのである。
「え…!?」
 薊もまた、突如起こったその事態に、外骨格のスリットから覗く瞳に驚愕と困惑の色を浮かべる。何があったのか。

 時間は少し遡る。
「ありゃァいい、遮蔽を探す手間が省けたってモンだ」
 薊の攻勢を見届け、孤狛は機を得たりと言わんばかりの笑みを浮かべる。本来彼女は、塁壁等の遮蔽に身を隠しつつ戦う予定であったのだが。薊があれだけ敵の意識を惹きつけているなら、敵の弾丸を浴びるリスクは薄いと見える。
「さァて。随分とご立派な得物だが――」
 口元を歪ませながら、両手を奇妙な形で合わせつつ、呪術の行使に入る。目標は孤狛の視線の先、薊を包囲しガトリングを一斉射せんとするキャバリアの一団。その手で構えるガトリングガン。
「――年季の入りっぷりも、また相当だなァ?」
 その一言が詠唱を結び。視線の先、ファイアディザスターの一団に、見た目上の変化は見えぬ。だが、致命的な変化が生じたと、孤狛は確信を以て頷く。
(細工は流々。後は仕上げを御覧じろ、っとくらァ)
 周囲を警戒しつつも、敵の一団への変化を見守る孤狛。そして時は来た。ファイアディザスター達は一斉に、その手のガトリングガン――孤狛のユーベルコードによって廃棄寸前レベルにまで劣化した得物のトリガーを引き。
『ぐわぁっ!?』
 そして暴発。一瞬でジャムったり動作不良を起こしたガトリングガンは、直後に爆発。持ち主たるキャバリアの腕や脚をも吹き飛ばす、爆弾と化したのだ。

『い、一体何が…ええい、くそぉっ!!』
 突如、共に薊を包囲していた味方の大半が戦闘不能と陥り、驚愕と困惑に支配されかける、生き残りの兵士。最早自棄とばかりにガトリングガンを発砲する。彼は薊を挟んで孤狛とは逆の位置に立っていたが故。劣化を免れたガトリングガンは正しく弾丸を吐き出し薊を撃ち抜かんとする――
『…え?』
 だが、撃つべき相手の姿が狙った空間に無い。薊の姿が忽然と消え去っているのではないか。否、消えたのではない。
「言ったでしょう、ガトリングガンなど怖くないと!」
 兵士の足元から響く薊の声。視線を下げるより先に、視界を埋める青き外骨格の姿。彼女は一時的にユーベルコードを解除、元の姿に戻った上でこの敵へと肉薄。再度ユーベルコードを用いて元通り巨大化してみせたのだ。
 直後に振るわれる、腕刃の一撃。敵の両腕両脚をただの一斬で全て斬り飛ばし、ファイアディザスターは地に転がり落ちたのであった。

 動けなくなった機体から、一人また一人と兵士が脱出してくる。以て狂気から解放された彼らは、己が何をしていたのか。今一つ理解できぬとばかりの表情を浮かべて放心していた。
「おっと、お目覚めかぃ?」
 そんな彼らに声をかけるは孤狛。
「何、あんたらにこれ以上痛い目は見せねぇサ。代わりに、ちょいとインタビューに答えておくれな」
 それは、グリモア猟兵の言葉にあった後続部隊と、それへの対応について。正気に戻った兵士達は困惑しつつも、彼女の質問に答えていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
やれやれ
この世界は国がいっぱいありますね

僕もキャバリアに乗ってみたかったんですがこの状況では用意できませんか

残念

…なーんてね

事前
【情報収集】
キャバリアの操作について徹底的に勉強

【属性攻撃・迷彩】
光属性を己に付与
更に熱源・音声・振動感知にも掛らぬように断熱装備と共に戦場の状況に紛れ

【視力・医術】で人型構造からの可動分析
更にコックピットの把握

襲い掛かりわたぬき発動!
中の乗り手を強奪!
【盗み攻撃・盗み】で精度強化

乗り手は安全な所に逃がし
乗り込む!

舐めるなよ
僕の欲望も悪辣も狂気も僕自身の物だ

お前が僕を自由にするんじゃない
僕がお前を自由に使うんですよ

乗っ取って他の敵機に襲い掛かり

搭乗者は確実に救出!!


燈夜・偽葉
平和な国に攻め込むなんて、ひどいですねぇ
ですが、それもオブリビオンマシンとやらの仕業の様子
帝国を守り、共和国のパイロットも救いたいですね

折角なので生身で戦います。あれ(キャバリア)斬ってみたいです
「剣よ、心を統べて」を発動
ガトリングの弾を瞬間思考で見切り、回避したり避け切れなければ切り払い
残像を残すように、地を滑るようなジャンプ・ダッシュで駆けて切り込み
コクピットをさけて、脚とか腕とかガトリングガンとかを鎧無視攻撃・鎧砕き・部位破壊・切断していきますね
フェイントもかけながら常に動き回ります



 数を減らしつつも前進を続ける共和国のキャバリア部隊。迎え撃つ、帝国の国境警備隊と猟兵達。それらを見据える黒衣の少年。盗賊、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)である。
「やれやれ、この世界は本当に国がいっぱいあるようですね」
 今現在交戦している帝国も共和国も、この世界に数多ある小国家の一つでしかないと聞く。それだけ乱れた世界、ということだろう。少年は嘆息する。
「とはいえ、それもオブリビオンマシンとやらの仕業の様子」
 平和な国まで戦争に巻き込むなんて酷いですよね、と。愛らしき貌は笑顔を絶やさぬが、黄昏色の瞳に映るは確かな義憤。妖狐の少女、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)の言葉にカシムも頷く。
「ええ、姑息なオブリビオンはきっちり仕留めてくれましょう」
「オブリビオンは斬り、帝国は守り、共和国のパイロットさん達も救うのです」
 互い、意思を言葉に示して。二人の猟兵達は其々に行動を開始する。

『ちぃっ、何なんだこいつら…キャバリアにも乗ってないのになんて強さだ』
 猟兵達の攻勢に押される共和国軍。だが彼らの前進は止まらない。伝染する狂気は、彼らの思考から撤退という選択肢を排除していた。
『だが帝国の連中を皆殺しにするまで、俺達は…』
『また次が来たぞ! 今度は…ガキが二人だ!』
 向かい来る猟兵二人を認めた共和国兵が声を上げる。その二人がただの『ガキ』でないだろう事は、これまでの戦いから彼らも予測できている。故に。
『油断するな! 弾幕で足を止めさせてから仕留めに行け!』
 居並ぶ紅きキャバリア、構えるガトリングガンの狙いは敢えて絞らず。弾丸をバラ撒いての制圧射撃にて足止めを試みる――が。
「極まった剣は銃より強し。剣の極致、見せてあげましょう」
 偽葉が至りしは無念無想の境地。以て剣聖と成った彼女にとって、銃撃などは脅威たり得ぬ。
 飛来するガトリングの弾丸、数百発はあろうそれら全ての軌道を瞬時に把握。巧みな脚と身の捌きで、弾幕の隙間を巧みにすり抜けかわしていって。
 抜けきれぬ弾幕。太刀を抜き打つ。黄昏色の光が奔り、偽葉の前方を塞ぐ弾丸が弾かれ吹き飛ぶ。続けて飛来する弾丸はスライディングですり抜けて。
『ば、馬鹿な…!? 止まらないだと…!?』
 足止めの為の掃射をすり抜け迫ってくる偽葉の姿に、驚愕しかできぬ共和国兵達。弾幕の密度をより高め、偽葉へ飽和攻撃を仕掛けんとするが。
「悪いですけど、そこに私はもういないのです」
『!?』
 果たして、弾雨は偽葉の身をすり抜けてゆく。それは残像、実体は既にファイアディザスターの一機へと肉薄していた。
「ぶった斬ってあげます!」
 太刀を一閃。横薙ぎの刃はキャバリアの膝関節に食い込んで。その刃の鋭利さと偽葉の技量とが、堅固なはずのその部位を容易く斬り断ってみせた。
『うわぁっ!?』
 バランスを崩したキャバリアはそのまま転倒。その様子を見届けた別の機体のパイロットは、残心する偽葉を撃ち抜かんとガトリングガンを構えるが。
『…え!?』
 突如、モニター越しの外界の様子が肉眼で見えるようになる。いつの間にか、彼の身体は機体の外に放り出されていたのだ。
「悪いですけど、これ、借りますよ」
 傍らの空間が揺らめき、何もないと思ったそこに、黒衣の少年の姿が現れる。カシムだ。偽葉の攻勢に紛れる形で、魔術的な光学迷彩を発動した彼。そのままこうして、敵の懐まで飛び込んでみせたのである。
「…あ、ああ…」
 機外に引きずり出されたことで、狂気からも解き放たれた兵士。つい間の抜けた返事で、彼の言葉に是を返すのであった。

「…く、しかし、これはなかなか厳しい…」
 そして入れ替わるように、自らファイアディザスターに乗り込んだカシム。彼を襲うは、機体を汚染する狂気の波動。湧き上がる、帝国への敵意と殺戮への衝動。兵士達はこうして、帝国への侵略に駆り立てられていたのだ。
「ですが…舐めるなよ…!」
 苦悶混じりながらも、己を御するかのように力強く呻く。己の欲望も悪辣も狂気も、全ては彼自身のもの。他者の干渉など認めぬと。
「お前が僕を自由にするんじゃない…僕が、お前を自由に使うんだ…!」
 それは決意、或いは信念。以て機体が齎す狂気を抑え込んだカシムは、操縦桿を握り周囲を見渡す。キャバリアの操縦方法については、転移前に頭に叩き込んできた。戦える。

「そっちもぶった斬ってくれましょう!」
『うわぁっ!!』
 偽葉の刃が下から上へと斬り上げられ、ファイアディザスターの腕部が斬り飛ばされてゆく。以て無力と化した敵機体を一瞥しそれを確かめた後、偽葉は次なる敵へ。
『くそ…っ、だが、これだけ数がいれば…!』
 そこへ更に迫るは、前方の空間を埋め尽くさんばかりの大量のキャバリアの群れ。いくら剣聖といっても、これだけのキャバリアとの交戦は骨の折れる戦い…であったが。
『ぐわぁっ!?』
 偽葉を包囲せんとしたファイアディザスター部隊を目掛け降り注ぐ弾丸の雨。見れば、彼らと同じファイアディザスターが、彼ら目掛けてガトリングガンを撃ち放ってきたのだ。
『これだけの弾幕、無視できるものではないでしょう!』
 続いての斉射は最前の敵機の腕部を狙い。そこを破壊せしめて無力化する。
「助かります。さあ、後は!」
 浮足立った敵軍へと、偽葉は再度突撃。反撃を許すこともなく、一機また一機と。そして最後の一機に至るまでを、無力化せしめていったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

真月・真白
アドリブ連携歓迎
●方針
コクピットは一切狙わない

●心情
誰も望んでいない戦乱
そんな『未来』は防いで見せます

●戦闘
身体能力は人並みなので、身を守るために装甲の分厚い車かキャバリアを借りましょう
出来れば敵を視認した時点でこちらが先手を打ちたい所ですが、最悪装甲で耐え凌ぎ隙を狙います

攻撃時は本体を開いて詠唱し
「再演するはUDCアース! 一発の銃弾で六人の兵士を討ち取りし英国兵! 精密無比なその銃弾を避ける術はありません!」
と使用する歴史を紐解きます

蒼炎が再現した兵士が放つ弾丸はガトリングの砲身へ飛び込み内部から爆発、武装を奪っていきます
さらに可動部などを恐ろしい程の精密射撃が打ち抜き無力化を狙います


オリガ・ピスクノヴァ
「ここが今回の戦場ですね…」

まずは国境警備隊より、手ごろな機体を1機お借りしましょう
多少壊れていてもかまいませんよ
直しますから

借りた機体の調子を確かめつつ、戦場に飛び込みましょう
【オーバーフレーム換装】にて砲撃特化形態にします
装甲は、どうせ当たらなければどうという事もないので極限まで落とし、一撃の威力を高めて…
「ふふ、帝国の国境警備隊、そこそこいい機体を使ってますね」

ダッシュで敵の中へ飛び込み、巧みな操縦で攻撃を避け、一撃撃ち込んでは離脱を繰り返し、敵機を戦闘不能にしていきましょう
もちろんコクピットは避けて

撃破後、救出した敵兵たちは、そのまま看護兵の本分として治療します
彼らも守らないとですしね


栢山・源治
共闘切望
流石にデビューだから俺だけだとすぐ散りそうだしな!

此奴らが猟兵か
…マジかよ
本当にキャバリアと生身でやりあってやがる…(愕然

でもギジィとやら同様美女が多いのはいい事だな

それに…負けてられねぇな
帝国にうちの都市の商品を売り込むチャンスだな

つーわけで突撃
確かあいつらは正気を失ってたな
なら…この場合は殺すのは御法度か
【瞬間思考力】で即座に搭乗者を傷つけずに粉砕する方法を把握
爆破もダメってのは難しいが…猟兵って奴らがそれさえこなすなら俺も負けてられねぇな!

ユベコ発動
【限界突破・範囲攻撃】で殲滅しつつ確実にコックピットは避けて機体自体の無力化と正気に戻った兵士の脱出支援を意識

此奴は商談が滾るな!



 戦闘続く荒野に、三機のキャバリアが突入する。帝国国境警備隊仕様の量産型キャバリア二機と、紅きクロムキャバリア。搭乗者はいずれも猟兵だ。
「ここが今回の戦場ですね…」
 警備隊から借り受けた機体の調子を確かめつつ、オリガ・ピスクノヴァ(戦場のピクシーナース・f30074)は戦場へ視線を向ける。翠の瞳が映すのは、数多の紅きキャバリア…ファイアディザスターと、それらと交戦する猟兵達と国境警備隊。
「…押していますね。数では圧倒的に不利なのに…」
「…ああ、マジだ…あいつら、本当にキャバリアと生身で遣り合ってやがる…」
 唖然と呟くオリガに、クロムキャバリアの搭乗者――栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)も何処か呆然とした声音で応える。この世界の出身で、此度が猟兵として初めての任務となる彼ら。猟兵が生身でもキャバリアと渡り合える存在とは聞いていたが、実際に目にしたその戦いぶりに驚愕を禁じ得なかった様子。数的不利すらも跳ね返し、戦況を優勢に導いていたこともあろう。
「ええ、これが猟兵です――そして、今やあなた達も」
 そんな二人に、今一機の量産型キャバリア――重装甲型の機体に搭乗する真月・真白(真っ白な頁・f10636)は何処か誇らしげに告げる。自ら繰り広げた戦いのみならず、グリモア猟兵として猟兵の戦いを多く見守ってきた彼。猟兵の力というものはよく知っている。
「いやいや、俺にゃ流石にあんな大立ち回りは無理だぜ」
「そうですね…少なくとも、今はまだ」
 自分達もかの超人達と同様の存在と言われ、思わず否定する源治。実の処、彼には未だ己が猟兵であるという自覚が無い。その上で己の想像を絶する戦いぶりを見せられれば、否定するのも無理からぬ話である。
 一方のオリガは、現状は兎も角未来においては分からない、といった風の反応。事実、彼らがかの領域に至れるかは今後次第ではあるのだ。故に真白もそれ以上は語ることなく。
「ともあれ、誰も望んでいない戦乱…そんな『未来』は防いでみせましょう!」
「おう、力の差があるったって負けてはいられねぇからな!」
「ええ、その為に私は此処に在るのですから」
 改めて、意識を戦場へ。源治とオリガも応を返し、戦線へと飛び込んでゆく。

『敵の増援だ! キャバリアが三機!』
『くそっ、ここにきてか…! 帝国め…!』
 猟兵達の攻勢により劣勢を強いられる共和国兵に、更に齎された敵増援の報。戦況の厳しさは増す一方。だが、それでも。
『だが我々には前進あるのみ! 我らを利用し惰眠を貪る輩共に、我らが怒りの鉄鎚を下すのだ!』
 狂気に駆られた思考に撤退という選択は無い。機体両腕のガトリングガンを構え、気勢を上げる。
「悪いが、そういうわけにはいかねぇな!」
 だがそこに響く声。それに前後し飛来する、真紅のクロムキャバリア。すれ違いざまの武装一斉掃射が、ファイアディザスターの複数機へと立て続けに突き刺さり。その腕や脚を撃ち砕き、戦闘能力を奪ってゆく。
「よぉし、コックピットに傷はないな! 猟兵連中には負けてられねぇ!」
 声の主は無論、源治である。ユーベルコードで乗機の出力を向上、高速にて低空を飛翔しつつ、共和国軍の只中へと突撃し一斉射撃を敢行したのである。そしてそのまま距離を取り、一撃離脱の戦法にて立ち回ってみせる。
『ぐっ、だが動きは単調だ! 次に近づいたところ――』
 一方それだけの速度での機動である。如何しても機動は直線的となる。敵を迎え撃たんとガトリングガンを一斉に構えていく…が。
 突如、部隊を形作っていたファイアディザスターの一機から爆音。頭部を吹き飛ばされ、そのまま倒れてしまった。
「命中です。帝国の国境警備隊、そこそこいい機体を使っていますね」
 直後、その場へ駆け入る影。砲撃の成果に、満足気味にオリガが頷く。その機体は先程までとは異なる、機体上半身全体が大型のキャノン砲となった異形。量産型キャバリアの利点、フレーム変更による高い汎用性。オリガの機体もまた、フレーム変更によって装甲を犠牲とし火力を大幅に増強していた。
(機体ごと吹き飛ばす程の威力ではないですね。幸いです)
 そして勿論のこと、搭乗者を諸共に吹き飛ばさぬような配慮も十分。再度疾走を開始、機動力で以ての撹乱を仕掛けてゆく。
『ちぃっ、そこか!!』
 敵も反撃を試みる。敵集団の間を駆け抜けるオリガ機の背中目掛け、ガトリングを斉射しようとするが。
『発射…ぐわぁっ!?』
 トリガーを引いたその瞬間、ガトリングの砲身が爆発。別の猟兵が行ったように、装備に劣化が生じていたわけではない。ならば何故か。
「――流石、一発の銃弾で六人の兵士を討ち取ったという方。恐ろしい程の正確さです」
 僅かな戦慄さえ滲ませながら真白は言う。彼の傍らに在るのは、蒼き炎を纏いて狙撃銃を構える兵士。ユーベルコードを用いて、UDCアースの歴史から『再演』した、伝説的な英国兵士だ。
「ともあれ、うまくいっているようで何より。そのまま、敵の無力化をお願いします」
 真白の言葉に、蒼炎の兵士は次なる狙撃で以て応える。即ち、また一機敵機を無力化したのだ。
 源治とオリガが其々に敵を撹乱、そこを真白が呼び出した射手達が狙撃するという連携により、敵は碌な反撃も行えぬまま次々と撃破されてゆく。その様に源治は思わず笑みを浮かべ。
「よぉし、好調好調。こいつは商談が捗りそうだ」
 実はクロムキャバリアに在る商業都市の代表者の息子、という顔も有する彼。今回の件を通し、帝国を商売相手としようという打算も、此度の任務の目的の一部であった様子。無論、帝国を守ることそのものも大きな目的ではあろうが。
 そんな考えを巡らせつつも戦闘行動には油断なし。大した負傷を受けることもなく、敵数をどんどんと減らしていき。
「これで最後、です…!」
 真白の指示に応えた射手の狙撃が、最後のファイアディザスターの膝を撃ち抜き。三人の周囲の共和国軍は全滅へと至るのであった。

「負傷は…擦り傷が少々、というところですか。大したことはないようで幸いです」
 動けなくなったキャバリアから続々と這い出してくる共和国兵達。そんな彼らのもとを訪れるのは、キャバリアを降りたオリガだ。一人一人、負傷の具合を確かめ治療を施してゆく。コクピットを避けたとて、被弾の衝撃による打撲や擦過は少なからずあるが故に。幸い、いずれも軽傷の様子だ。
「す、すまない…だが、俺達は…」
 治療を受けながらも、正気に戻った共和国兵は申し訳なさそうに項垂れる。正気を失っていたとはいえ、友好国たる帝国へと攻撃を仕掛けたことに罪悪感を感じている様子。
「良いのです。あなた達もまた被害者なのですから」
 全ては元凶たるオブリビオンマシンの齎す狂気のせい。肉体以上に彼らの心を守る、それもまた看護兵の本文と、オリガは微笑と共に頷くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ビルシャス帝国とパラメリア共和国との国境に程近い、国境警備隊が詰める基地。
 猟兵達の活躍により、共和国軍のキャバリア部隊、その第一波を全滅せしめることに成功。同時に、それらの搭乗者、全員の救出にも成功。一行は一先ず彼らを基地へと収容し、事情を聞くこととした。
「ターヴィン少佐が…あの人が急に、帝国は疲弊した共和国を攻撃して併合するつもりだとか言い出して…」
 共和国兵曰く、パラメリアはここ数年、立て続けに隣国からの攻撃を受け疲弊しつつある。それはパラメリアの併呑を狙うビルシャス帝国の陰謀、共和国を弱らせる為に周辺諸国に侵略を煽っているせいである…と、ターヴィン少佐なる人物は主張しだしたのだという。
「そんなことはない、と頭では分かっていたんだが…何故か、あの時は少佐の言葉が真実としか思えなくなって。帝国に対して、どうしようもなく怒りと憎しみが湧いてきて…」
 ターヴィン少佐がそうした言動を取るようになったのは、その日新たに支給された新型キャバリアに乗り込んでからだという。どうやらそのキャバリアがオブリビオンマシンであり、かの人物を狂気に駆り立てた元凶のようだ。
 と、そこに。
「敵第二波接近!主要機種はオブシディアンMk4、機数50以上!」
 どうやら敵の第二陣が近づいてきたらしい。再度出撃の準備に入る猟兵達。と、そこに共和国兵が告げる。
「――あいつらもきっと、帝国への憎しみを煽られて攻めて来ているんだと思う。さっきまでの俺達のように」
 それは先の侵攻の中、ある猟兵が聞きだした情報に同じく。
「頼む。俺達がここにいること、俺達が帝国を憎む理由なんて無いこと。あいつらに伝えてくれないか」
 切なる言葉。それを迫る敵の軍勢へと告げれば。彼らを狂気から解き放つ助けとなるだろう。

 ※敵第一波は死者なく全滅させることに成功しました。これにより『敵第二波の兵達に対し第一波の兵達の言葉を伝える』ことでプレイングボーナスが得られます。

 ※OP及びMSコメントにて言及し損ねた点がありました。お詫びすると共に此処に記述します。
 ・希望すれば量産型キャバリアを借り受けることが可能です。希望なされる方はプレイングにその旨ご記入ください。
 ・帝国国境警備隊のキャバリア部隊も参戦します。此方もプレイングにて言及頂ければ、援護攻撃を行ってくれます。
 ・『殲禍炎剣』が存在しますので、あまり高い高度を高速で飛行する行動は非推奨です。低空または低速ならば問題ありません。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・生身で行動
・アド/絡◎

■行動
成程、了解致しましたぁ。
難しいですが、やってみましょう。

『FBS』を四肢に嵌め浮遊、『高度』は高く取り『速度』は抑えますねぇ。
そして【秤濤】を使用した[範囲攻撃]を仕掛けましょう。
『魅了』で動きを止め、会話可能な状態を作れれば『彼らの言葉』を伝えますぅ。

『話せなかった方』『話が通じなかった方』は[2回攻撃]で『超重力波』に繋げますねぇ。
元々重い『金属の塊』に『超重力』が加われば姿勢を保つのは難しく、『油脂弾』も『超重力』の対象に含めれば『上空の相手』には届きません。
後は、相手の『四肢』を狙い『FRS』『FSS』の[砲撃]で[部位破壊]、順に無力化しますねぇ。


鞍馬・景正
緒戦は上々――しかし、そろそろ生身では厳しくなりそうです。
もう一騎の≪愛馬≫を呼びましょう。

◆説得
【羅刹天降陣】にて、銀河帝国より奪取した絡繰武者に搭乗。
機体から通信回線を開き、呼び掛け。

これより貴殿らの戦友の言葉を伝える。
――帝国を憎む理由など無し、陰謀など事実無根であると。
尚、彼らは全員保護し、負傷者には治療を施している。

少佐の言葉を鵜呑みにせず、自身で帝国が疑わしきか考えられよ。

◆戦闘
説得しつつ、戦意の衰えぬ機体を優先的に攻撃。
帝国兵に援護射撃を依頼し、その隙に切り込みを仕掛けます。

【推力移動】で焼夷弾を回避しながら接近。
コクピットを避けて斬撃を。

命は奪わぬが、手荒くなるのは覚悟されよ。



 帝国国境警備隊基地より再度出撃した猟兵達。程無くして、その行く手に漆黒の機影の群れが見えてくる。堅牢なるコクピットによる生存性と様々な武装へ換装可能な汎用性を特徴とする、量産型キャバリア『オブシディアンMk4』。
「成程、質実剛健と称するに相応しき様相。強襲によってかき乱された戦域にて確実な掃討と制圧を為すには最適、ですね」
 居並ぶ黒鉄を見据え評する鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)の身は、此度は生身に非ず。その身を包む鎧は、先程の景正の姿に似つつもより猛々しく、且つ堅剛。身の丈4m弱、キャバリアより一回り小さきもの。
『ラークシャサ』。かつてスペースシップワールドにおいて銀河帝国が開発していた人型歩行戦機――ないしは殲鬼。ロールアウト直前に強奪されたものが、巡り巡った末に景正の『愛馬』となったものだ。
「――ですが、やはり殺気が凄いですねぇ」
 未だ彼我の距離は詰まりきっていないが、それでも伝わってくる、怒り、憎しみ。親類縁者の仇との謀りを、狂気が煽り怨恨の炎と為す。伝わる殺意を冷たい熱と感じて、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はラークシャサの傍ら、ぷるぷると身を震わせる。
「この方々の説得、一筋縄ではいかなさそうですぅ」
「相違ないかと。なれど、先の兵よりの言伝。伝えねばなりますまい」
 困難たるは為さんとせぬ理由たりえぬ。景正の言にるこるは頷き。
「その通りですねぇ。難しいですが、やってみましょう」
 四肢に嵌めた戦輪を以てゆっくりと上昇。遥か上空にて見下ろす、狂える衛星の目を欺くための低速度。その分、高度はより高く。
 景正も戦機を更に前進。やがて彼方の銃器の射程へ入った、と思ったところに響くは。
『来やがったな帝国の狗め! 兄貴の仇…!』
『よくも私の婚約者を…! 帝国、絶対に許さない!』
 眼前のキャバリアから溢れ出す、無数の憎悪と恩讐に染まった声の群れ。暗く重く澱んだその声音は、炎じみたオーラを熾し彼らの機体に燃え上がる。先程のファイアディザスターとは桁の違う力を感じる。真正直に戦っては苦戦免れ得まい――故に。
「共和国軍の兵員諸氏よ! 貴殿らの戦友達より言伝を預かっている! 一度、耳を傾けられよ!」
 景正は外部音声にて声を張り上げ訴えるも、返ってくるは罵詈雑言。未だ銃弾やそれに類するものが飛んでこないのが不思議な程。これは説得にも骨が折れるか――
 と、その時である。上空のるこるの身が輝き、光が乳白色のオーラとなって溢れ出し始めた。
「大いなる豊饒の女神、その御力の欠片による裁きをお与え下さい――」
 そしてオーラは波動と変じて地上へと広がってゆく。それらは迫り来ていたキャバリアの軍団を覆い…燃え上がっていたオーラが一時、萎れてゆく。
『――あ――』
 搭乗者達の反応もまた鈍く。それはるこるによる魅了の波動。魂までをも魅入られた彼らは、その敵意を鎮められた状態にある。少なくとも今は。
「落ち着いて下さったようですねぇ。では、皆様のご家族やご友人からの言伝、お伝えしますぅ」
 その様相を確かめたるこるに続き、景正は口を開く。
「――帝国を憎む理由など無し、陰謀など事実無根である。そして彼らは死んでなどいない」
「全員生きて基地の方で保護して貰ってますぅ。怪我なされた方には、ちゃんと治療もしてありますよぉ」
 景正と、彼の言を引き継ぐるこるとの言葉。共和国兵達の反応は鈍いが、確かに分かる。彼らの間に動揺が広がりつつあるのが。
『だ、だがターヴィン少佐は、第一陣は帝国に皆殺しにされたと――』
「そのターヴィン少佐とやらが、如何に信頼厚き人物とはいえ。彼の言葉を鵜呑みになどせず、自身で帝国が疑わしきか考えられよ」
 魅了されつつも反論を試みる兵の一人を、景正の言葉が斬り捨てる。細波めいた動揺は、次第にその波を広げつつ軍団を飲み込みゆく。
『ま、まさか少佐が嘘を…?』
『あ、あの人が生きてるかもっていうなら…』
 溢れる戸惑いの声、だが、しかし。
『み、皆騙されるな!! ターヴィン少佐と帝国の連中、どっちが信用できるかなんて決まってるだろ!!』
 最前のキャバリアの搭乗者が声を上げる。その音声は一陣の風めいて、消えつつあった憎悪の炎を煽りたてる。
『そ、そうだ! くそっ帝国め、俺達を騙そうったって…!』
『で…でも、あの人が生きてるとしたら…』
 魅了を振り切り、漆黒のキャバリアが一斉に動き出す。なれど機体で燃えるオーラは先程に比すれば随分と弱い。
「制止には至れなんだか…然し、これならば」
 身構える景正。各々の機体より感じる圧もまた、先程より格段に弱い。これならば組し得る。
『舐めるなぁ!!』
 その判断を侮られたと見たか、兵の一人が激した声を上げる。応ずるようにキャバリア達が一斉に背のキャノンを構え。そこから放たれるは油脂焼夷弾。着弾点に爆炎巻き起こす、オブシディアンMk4の主要武器の一つだ。
「後は実力行使で。止めていきましょう」
 だがるこるも動く。その身に再び乳白色のオーラが立ち上り、波動となって戦場へ広がれば。直後、焼夷弾の全てが垂直落下し何もない地面上で爆発。更には、キャバリア達の挙動も瞬く間に鈍りゆく。
『な…!? ぐっ、き、機体が動かない…!?』
『何なのこれ…! エンジン出力は変わってないのに…!』
 呻く兵士達。放たれたその波動は、此度は魅了でなく超重力を齎す代物。元が金属の塊たるキャバリア、重力が一気に増大したとなれば、歩行どころか姿勢制御自体が困難。実際、キャバリア群の中には転倒してしまう機体すらある。
「お見事。――そして、彼の機体は私にお任せあれ」
 一瞬でキャバリア群の多くを無力化してみせたるこるの仕事ぶりを景正は称賛し――直後、鋭い眼光を地上へ向ける。
『くそ…っ、この、程度…!!』
 其処には、先程と変わらぬ憎悪の炎を纏ったキャバリアが数機。重力の影響を受け動きに精彩は欠くも、それでもまともに移動が可能な程の強者たるは間違いない。
「その意気、常ならば称賛にも値しようが…」
 ラークシャサが刀を抜く。景正の愛刀に何処か似た長刀。ユーベルコードにて制御する代物ゆえ、その挙動は生身での行いとほぼ差異なし。
「ともあれ、仕掛けていくより他になし。皆様、援護願います」
「ああ、任せておけ…!」
 後着した帝国国境警備隊のキャバリアに援護を乞えば、早速とばかり牽制の射撃を繰り出す。その攻勢に足が止まった共和国軍キャバリアへと、ラークシャサが一気に肉薄し。
『な…っ!? 速い…!!』
「命は奪わぬが、手荒くなるのは覚悟されよ…!」
 動揺する共和国兵に更なる反応さえ許さず、長刀が機体の左腕と左脚を纏めて斬り落とした。
『馬鹿な…!? く、くそっ!』
 続く共和国兵は油脂焼夷弾での迎撃を試みるが、同時にラークシャサの背より炎が噴き出す。それの齎す推力がラークシャサの身を滑らせ、焼夷弾は遥か先まで飛び去って爆発する。
「その隙、頂く…!」
 そして推力を刀に乗せて振り抜けば。横薙ぎの一閃が、オブシディアンMk4の両脚を纏めて斬り飛ばした。
「これで今度こそ、落ち着いたでしょうかぁ」
 重力に囚われたキャバリアの四肢を、呼び出した浮遊砲台の砲撃で破壊していきつつ。るこるがキャバリアの様子を伺えば。完全に戦闘不能となった機体から、一人また一人と兵士が這い出してくる。彼らは超重力の影響を受けていないのもあってか、挙動に支障はなさそうだ。
「そう願いたいところですね」
 最後に斬り倒したキャバリアから搭乗者が脱出してくるのを確かめ、景正は乗機の刀を収める。出てきた兵の表情に、憎悪の色が見えなかったが故に。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グルヴェイグ・ヴォルヴァ
メリア(f29925)と連携ですわ
わたしたちのイェーガーデビューですし、敵のエースが出ればアレに乗り換えるのでしょう?
と言いつつ、取り付けられた複座用の補助席に座る
やっぱり狭いですわね…量産型キャバリアの居住性もう少しどうにかなりませんの!?

●戦闘
【弾幕】は任されましたわ!
コックピット越しに『ウィザード・ミサイル』の【属性攻撃】と、『小型クリスタルビット』での【レーザー照射】、ついでに【念動力】による【ジャミング】もかましてやりますの
派手に撃てば生まれる敵の隙でメリアがいい感じに敵を無力化してくれるはずですわ
あと、第一波の兵達の言葉も伝えますわ
第一波の方々はみんな拿捕しており、無事ですの!


メリア・アルスト
グルヴェイグ(f30017)とペアで
連続で来られると補給とか疲れとか、消耗がきついなぁ
その分、私たちががんばるか

あ、グルヴェイグ来たんだ
うん、サポート期待してます
よろしく(複座用の椅子をセット

●戦闘
引き続き、得意の【操縦】で敵の注意を引きつつ味方を援護
こちらを助けてくれそうならそのまま連携のためのお願い(指揮)をちょくちょく挟もう
サブパイロットのおかげでこちらは火器に余裕あるしね
ありがとうございます、このまま手伝ってくれるのなら、ちょっとお願いしてもいいですか、
連携取って敵の勢いを削っていきましょう
みたいな感じで
情報収集用の低速ドローン(UC)もすこし飛ばして情報を随時あつめたいね



 激突する共和国軍と帝国の国境警備隊。地力の差はほぼ無く、数の差も先程までよりは少ない。だが。
『よくも! よくも俺の親父をぉぉっ!!』 
 怒りのままに共和国兵は吼える。吹き込まれた親族の死という虚言と、オブリビオンマシン化した機体の齎す狂気が憎悪の炎を煽り、オーラじみて機体を覆う。
「くそっ、速い…!」
 それは見た目のみの作用に非ず。対峙するキャバリアの警備隊員、十全に訓練を積んだ兵士の目ですら追うのがやっとという程、かの機体の運動性は向上していた。
『死ねぇぇぇ!!』
 警備隊キャバリアの側面を取ったオブシディアンMk4が、左腕のブレードを掲げ。斬り刻まんとブースタを吹かし迫り――
『――ぐわぁっ!?』
 横合いから飛来したミサイルがその四肢に着弾。破壊しながら吹き飛ばす。
「な…んだ…? 助かった…?」
 覚悟した結末が訪れなかったことに、驚き、唖然とする警備隊員。
「危ないところでしたね…」
 ミサイルが飛んできた方へキャバリアの頭部を向ければ、向かってくる一機の量産型キャバリアの姿。それは猟兵――メリア・アルスト(は割とノリで生きている・f29925)が借り受けている警備隊のキャバリアだ。
「あ、ああ…助かった。だが今のミサイルは…?」
 礼を述べつつも訝し気な隊員。確かこの機体に、あんなミサイルは搭載されていなかったはずだが。
「それはわたくしの魔術ですわ!」
 メリアの乗機から聞こえてくる、彼女とは明確に別の女性の声が答える。先程の戦いでは聞かなかった声。
「あー…彼女は私の相方です。到着したのがついさっきだったもので」
 隊員の疑問に答えるようにメリアの声。その相方ことグルヴェイグ・ヴォルヴァ(目覚めし古代遺物・f30017)の到着を受け、借りていたキャバリアに複座シートを増設、二人乗りにて此度の戦いに臨む運びとなった、らしい。
「ふふ、わたくし達のイェーガーデビューなのですし、敵の指揮官とやらが出てくればアレに乗り換えるのでしょう?」
 そのコクピット内、増設した複座シートのグルヴェイグが前のメリアに問う。これが猟兵としての初任務となる彼女、やる気は充分と見えた。
「ん、まあ、ね。切札を切るのは、その時まで待つ」
 応えるメリア、パートナーたるグルヴェイグへの口調は砕けて。
「ならば一刻も早くこの部隊を制圧し指揮官へ挑みましょう!」
 続くグルヴェイグの言葉は、やる気充分というには何処か余裕無さげで。ただメリアにはその理由は承知の上。
「狭いのは、量産型だし仕方ない…耐えて」
「量産型キャバリアの居住性もうちょっと何とかなりませんの!?」
 喚くグルヴェイグ。そこは兵器ゆえ致し方なし。
「ともあれ」
 強引に話題を打ち切り、メリアはキャバリアの操縦桿を握る。
「私達はこのまま敵を引き付けに行きます。連携して敵の勢いを削っていきましょう」
 続けての言葉は今し方助けた警備隊員へ。承諾の返事を確かめるが早いか、二人を乗せたキャバリアは一気にブースタを吹かし敵中へ飛び込んでゆく。

「では派手に撃ちまくっていきますわよ!」
 狭いシートに辟易していたグルヴェイグだが、いざ戦闘となればそれを苦とせぬかの如く意気高く。己の魔力と念動力とを解き放つ。
『な、なんだ!? うわぁぁ!?』
『こいつ、ただのキャバリアじゃない…!?』
 百発を超える炎の魔力矢と、展開されたクリスタルビットが放つレーザーの雨が、共和国のキャバリア達へと降り注ぎ。猛烈な弾幕に直面した搭乗者達の悲鳴が上がるが、これはあくまで牽制。
「今です、皆さん一斉に攻撃を」
 派手な攻勢による動揺が、共和国の陣営に隙を生む。其を見てメリアが指示を飛ばす先は、国境警備隊のキャバリア達だ。指示に応え放たれるライフル弾が、オブシディアンMk4の腕や脚を撃ち抜き戦闘力を奪ってゆく。
『ち、畜生ッ! 兄貴の仇を取らずに死ねるか…!』
 猛烈な攻勢を乗り越え、オブシディアンMk4の一機が、二人の乗るキャバリアへと肉薄してくる。グルヴェイグの魔力弾に対抗するかの如く、ミサイルを乱射しながら。
「あら、お兄さんでしたら多分生きてますわよ?」
 しかしグルヴェイグは冷静に思念波と言葉とを返す。思念波はミサイルの追尾システムを狂わせ逸らし、そして言葉は。
『な…に? …う、嘘だっ、そんな嘘には騙されないぞ…!』
 復讐に燃えていた共和国兵の、その意思の中核を揺さぶる真実。頭ごなしに否定しても、生じた動揺は意思を揺らがせ、纏う炎を薄れさせる。
「本当か嘘かは、自分で見極めるといいです」
 その隙をメリアは逃がさない。近距離で放ったライフルの弾丸が機体の関節部を撃ち抜き、地へと崩し落としてみせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

支倉・錫華
第2波は遠距離戦仕様っぽいね。
第1波でこちらを押さえこんだところに、遠距離からの殲滅砲撃ってとこか。
たしかに指揮官はやる人みたいだね。

でもそれも第1波でこちらを押さえこめられてのこと。
いまならこちらから近距離戦をしかければ、遠距離仕様の機体なら有利に戦えるはずだよね。

今回は【脈動臨界チューニング】で移動力を5倍、装甲を半分にして近距離戦仕様でいこう。

ん? メンテ終わったの? ならいっしょに行こうか。
と、アミシアをキャバリアに装着。
出撃後フルジャミングでステルスモード。アミシア、出力調整は任せたよ。

相手のキャバリアに影のように近づいたら【モーターブーム】で手と足を破壊して行動不能にしていこう。


備傘・剱
憎しみが機械を乗っ取ってるのか、機械が人を憎んでるのか…
なんにしても、止めないと、な

空を飛ぶのがまずいなら、高速で移動して接敵するのなら、問題あるまい
青龍撃、発動
オーラ防御と地形を利用して、最速で接近するぞ
そして、誘導弾、衝撃波で武装を、水弾と呪殺弾で足を攻撃して機動力を削ぎ、説得できる状況を作りだす
デコイに式神を大量に作り出して、敵の攻撃を引きつけさせるぜ


お前らの仲間は全員、助け出した
心の中でよく考えてみろ、その憎しみは自分のものなのか?
お前らの仲間は、全員、帝国を憎む理由がない、そう言ってたぞ
キャバリアの呪縛からは解いてやる
後は、自分の心と頭で考えて結論をだせ

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


アイ・リスパー
「どうやら、第二陣は第一陣より重装備なようですね……
ですが、私のオベイロンなら!」

引き続きパワードスーツに変形させたオベイロンで敵のキャバリア部隊に突撃です。
レーザーガトリングでマイクロミサイルポッドを迎撃しながら、こちらもミサイルで攻撃です。

「コックピットには当てないように……
って、きゃあああっ」

敵のマイクロミサイルが直撃!?
オベイロンがアラートを上げます。

「……こうなったら奥の手です!
オベイロン、アーマーパージ!」

傷ついた装甲をパージし、高機動型のパワードスーツを身にまとい、戦場を高速で飛翔しながらビームガトリングとミサイルランチャーで攻撃します。

「敵のミサイルは当たりませんっ!」



 迫りくるキャバリア、オブシディアンMk4。その戦列を見据え、三人の猟兵はそれぞれに戦闘態勢を取る。
「第二波は遠距離戦仕様っぽいね」
 引き続き国境警備隊から借り受けた量産型キャバリアに乗る支倉・錫華(Gambenero・f29951)は、敵キャバリアの武装――背面の大型キャノン、肩部のミサイルランチャーを見てそう判断する。
「確かにあれだけの重装備、そう考えるのが自然かと」
 先程同様、機動戦車『オベイロン』をパワードスーツとして身に纏ったアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)も賛意を示す。第一波で此方を抑え込んだところに、遠距離砲撃を撃ち込み殲滅。それが敵の作戦であろう、と。
「ターヴィン少佐、って言ったか。指揮官としちゃ割と有能なようだな」
 両者の足元、この三人では唯一生身での参加となる備傘・剱(絶路・f01759)が、この軍勢を率いる指揮官の名を思い出しつつ、その手腕を評する。
「うん。確かに指揮官はやる人みたい。――でも」
 錫華もそれには同意を示すも、そこで視線を周囲に流す。第一波、即ちファイアディザスターの軍団は既に掃討済み。敵を抑え込むべき部隊が存在しないならば。
「今ならこちらから近距離戦を仕掛ければ、有利に戦えるはずだよね」
「ええ、素早く懐に飛び込んで攻撃。遠距離型の敵にはやはりこれが一番かと」
 錫華の提案にアイが賛意を示し、劔もまた頷く。作戦は決まった。
「しかし――」
 そこで劔の視線は敵軍へと。迫る漆黒の軍勢、その機体から立ち上る、炎めいたオーラ。悪意と狂気に煽られた復讐心が、憎悪の炎の如く溢れ出している。そのようにも見える様相。
「憎しみが機械を乗っ取っているのか、機械が人を憎んでるのか」
 狂気齎す機械、オブリビオンマシン。その在り方は果たしていずれか。なれど思案は長く続けぬ。
「何にしても、止めないと、な」
 劔の結論、其方への同意は行動に代えて。錫華のキャバリアとアイのパワードスーツが、其々にブースタを吹かし疾走を開始。そして劔も。
「天よ、祝え!青龍、ここに降臨せり!」
 両手を天に掲げれば、大気中の水分が其処へと集い。蒼き龍の爪と牙とが形作られ、劔の身を鎧う。
「踊り奏でよ…爪牙、嵐の如く!」
 駆けだすと同時、その背からはブースタの噴炎にも似た水流の噴出が生じ。跳躍、飛翔。先を行く二人へと瞬く間に追いつき、追い越してゆく。

『来た! 帝国の連中だ! 数は、1、2…な、生身!?』
 前進するオブシディアンMk4、その一機のパイロットが敵確認を仲間に伝え――ようとして。生身でありながらキャバリアと同等以上の速度で迫る敵を前に、思わず驚愕の声を上げる。
『慌てるな! あんな速度で来るからにはただの歩兵じゃない』
 別のパイロットが叱咤し動揺の鎮静を図る。そして、迫る猟兵達を鋭く睨んで。
『何にせよ、帝国の連中は皆殺しだ! 俺達の家族の仇、取らせてもらうぞ!』
 憎悪に染まった彼の叫びに応えるように、居並ぶオブシディアンMk4達が一斉に肩部ミサイルポッドを展開する。
『こいつで…くたばれ…!!』
 トリガーと共に、その全てのポッドから無数のミサイルが吐き出される。白き噴煙棚引かせ、其々がバラバラの軌道を描きながらも。それらの目指す先は皆一様に、猟兵達だ。
「敵軍、ミサイル斉射! ですがその程度は!」
 パワードスーツを操るアイが声を上げ、ブースタの速度を緩めぬまま、その手にガトリングガンを構える。
「弾速、飛翔機動予測、完了。迎撃を開始します!」
 オベイロンのAIによる計算結果に基づき、ガトリングの掃射を開始。放たれるは鉛弾でなく、細い無数のビーム弾。それらが迫るミサイルを次々と撃ち抜き、空間に爆炎と爆煙の花を咲かせてゆく。
「やるじゃねぇか。それなら今のうちだな!」
 アイの仕事ぶりに快哉を上げつつ、劔は飛翔速度を上げる。キャバリア自体の体高を超えぬ程度の低空なれば、上空の狂える衛星の咎めもない。そのまま、迎撃を乗り越えたミサイルを巧みな身の捻りと高度変更を以て次々とすり抜けて。爆煙の中へと飛び込んでいけば。
「…捉えた!」
 煙を抜ければ、最早オブシディアンMk4部隊は目の前。一気に肉薄し爪を振るえば、水の刃が生み出す真空刃はあまりにも滑らかにキャバリアの装甲を斬り裂き。瞬く間に両腕を奪い無力化せしめてゆく。
「さあ、暴れさせてもらおうか…!」
 更には牙の意匠が形作る方向より放つ水弾、そこに交えた呪殺弾とがキャバリアの膝を次々と撃ち抜き崩れ落とさせてゆく。
『ぐっ、思った以上に速い…!』
『ちょこまかと…! だが、これで落としてくれる!』
 無論、共和国兵達も黙ってはいない。右手のライフルを構え、動き回る劔に対し一斉に射撃を繰り出す。命中、劔の身が一気に炎に包まれ焼け落ち、後には紙兵の燃えカスが残る。
『…何をした…!?』
 それは劔の習得した式神の技術。念と共に放った紙兵は劔と寸分違わぬ姿と化し、彼に迫る攻撃をデコイじみて撹乱してゆく。
「よぉし、このまま一気に片づけ――」
 翻弄される敵を見据え、更なる攻勢に出んとした劔。だがそこにアイの悲鳴。思わず振り返れば。
「ぐ…っ、左腕部装甲大破、胸部装甲中破…!」
 オブシディアンMk4の放ったミサイルが直撃したらしく、その一部が吹き飛び焼け焦げたオベイロンと、それを纏うアイの姿がそこにあった。オベイロンのAIが異常と危険を感知し、アイの視界にエラーを出力していく。
「嬢ちゃ…うおぉっ!?」
 援護に向かおうとする劔だが、そこに飛来するライフル弾。式神ならぬ本体を感知した共和国兵達が襲ってきた。此方に対処するより他にない。
『とどめだ、帝国の狗め!!』
 そしてアイには彼女にトドメを刺さんとするキャバリア達が一斉にミサイルを放つ。万事窮すかとも見える状況、なれど其処を斬り開いたのもまたアイである。
「…こうなったら奥の手です! オベイロン、アーマーパージ!」
 叫ぶと同時、その声を認識したオベイロンがパワードスーツの装甲を――破損したものもそうでないのも含め脱落させてゆく。そして。
「強化外装再装着、種別、高機動型。再変形の後即座に再装着!」
 残った装甲が再度変形を開始。アイの身に纏われていくが、今度はアイ自身の姿も大きく晒け出された、彼女曰く高機動型形態。防御を度外視した、攻撃に全ての性能を割いた形態だ。
「今度はこちらの番です!」
 先程より強化されたビームガトリングの掃射と、機動速度。撃ち落とし、かわし。トドメとして放たれたミサイルを切り抜ければ、お返しとばかりその身に装着したミサイルポッドが火を噴く。
『うわぁっ!?』
 着弾、爆発。片腕が吹き飛んだキャバリアへビームガトリングの追撃。そのまま足も吹き飛ばされて。瞬く間に無力化されてゆく。更に。
『くそっ、もう少しで仕留められたものを…ぐわぁっ!?』
 アイへと反撃する機会を窺っていたキャバリアが、片腕を肩口から吹き飛ばされる。仲間の裏切りか、いや違う。
「悪いけど。反撃は許さないよ」
 そこにいたのは、キャバリアソードを構えた国境警備隊仕様キャバリア。錫華だ。
(出撃までにメンテが間に合って何よりだね)
 実は彼女、出撃直前に追加の装備をこのキャバリアに組み込んでいた。アミシア・プロフェット、彼女のパートナーたるワイズマンユニットだ。これの補助によって自身の存在位置を欺瞞、アイへと攻撃を仕掛ける共和国機の背後に現れた形である。
『ち、ちくしょう…! 家族の仇も討てないっていうのかよ…!』
 猟兵達の前に無力化されゆく共和国のキャバリア達。未だ動く機体のパイロットが悔しげに呻く。と、そこに。
「…なあ、心の中でよく考えてみろ」
 彼の乗るキャバリアの肩部より声。そこに飛び乗った劔のものだ。
「その憎しみは、本当に自分のものなのか?」
『な、何を…』
 唐突な問いに動揺する共和国兵。だが劔は続ける。
「お前らの仲間は全員助け出した。皆、帝国を憎む理由などないって言ってたぞ」
『…!? で、出鱈目を言うな!? あいつらが憎んでないなどと…!』
 告げられた事実に動揺を示しつつも、抗戦の意を示す兵士。だがその動揺は、機体を強化する憎悪を格段に弱らせしめた。
「なら、キャバリアの呪縛からは解放してやるよ」
 見届けた劔は爪を振るう。両腕が瞬く間に分解され、次いでコクピットハッチがこじ開けられれば。
「…後は、自分の心と頭で考えて、結論を出せ」
 呆然とする共和国兵にそう告げた劔の表情は、何処か苦しげとも見えたとか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エリル・メアリアル
オブリビオンマシンの狂気、妄執。それを断つためわたくし達はいるのですわ
けれど、今度は警備隊の皆様にもついてきていただけるかしら?

帝国兵のキャバリアの手に乗せてもらい、戦場へ
ミサイルは念動力で捻じ曲げて逸らし、堂々とした威厳ある態度のまま前へ
通信機あるいは拡声器と【女王たる者の王冠】を以て共和国兵に伝達を試みますわ

「共和国の兵達よ!わたくしはエリル・メアリアル!貴軍の第一陣は、皆全て我が方で手厚く保護しておりますわ!」
「攻撃を止めなさい!貴君らに帝国を攻撃する理由など、本来ないはず!」

「さ、かの者を狂気から解き放ちますわよ」
最後は帝国兵の実弾系の武装で攻撃
念動力の補助で弾道を歪め、頭や四肢を破壊



『敵機体確認! 帝国の国境警備隊のキャバリアだ!』
『殺せ! 俺達の家族の仇! 俺達の国を盾にしやがる卑劣な奴ら!』
 敵機を捉えた共和国軍のキャバリアが一斉にミサイルを発射。国境警備隊のキャバリア達を目掛け、殺到するように飛翔してゆく。
「き、来たぞ! 大丈夫なのか…!?」
 警備隊のキャバリア達の一機が、不安そうに自機の掌へカメラアイを向ける。その上では、エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が毅然と迫るミサイルを見据えていた。
「ええ、この程度ならば造作もありません。わたくしにお任せなさい…!」
 右は金、左は青。異なる色の瞳が一際強い光を帯びる。するとミサイルは、見えない壁にでもぶつかったかのように空中で爆発。ただの一発も警備隊まで届くことなく爆散してゆく。
 それはエリルの発揮する念動力によるもの。彼女が生まれながらに有するその力の発露によって、国境警備隊を守っているのだ。
「さあ、今のうちに前進を。わたくしの、もう一つの努めを果たさねば」
 尚も飛来するミサイルを迎撃しつつ、視線は前方――そのミサイルを放つ共和国軍へ。己の身を任せたキャバリアに呼びかけ、彼らを目指して前進してゆく。
『何だあれは…?』
 そして共和国軍の者達も気付く。キャバリアの掌の上、堂々たる佇まいを晒す気高き姿に。
「――パラメリア共和国の兵達よ!」
 そして距離が近づけば。エリルは拡声器を手に音声を放ち。共和国軍の兵達へと呼びかけを開始する。
「わたくしはエリル・メアリアル、此処とは異なる国を統べる女王!」
 名乗りを上げ、視線を共和国軍へと走らせる。彼らは一様に装備した火器をエリルへ、国境警備隊へ突き付けてはいるが、すぐさま発砲せんとする様相ではない。だが立ち上る禍々しい炎じみたオーラ。帝国への憎悪は相当であろう。
「貴軍の第一陣に加わっていた兵達は、全員無事です! 皆全て、我が方にて手厚く保護しておりますわ!」
 だが、続いてエリルが告げたその事実が、共和国兵達に動揺を走らせる。
『何…!? あいつが生きていると…!?』
『お父様は殺されたって、ターヴィン少佐が…』
 親類縁者を殺されたという、彼らの憎悪の源。そこを揺らがせるエリルの言葉に、共和国軍の間に困惑が広がってゆく。
「攻撃をお止めなさい! 貴君らに帝国を攻撃する理由など本来ないはず! 貴君らの家族も、友らも、そう仰っておりましたが故に!」
 そして伝えられる彼らの言葉。共和国兵達の惑い、迷う様は、エリルの側からでも視認できていた。
『そ…そうだ。そもそも何故俺達は帝国を…』
『あの人が生きているっていうなら…』
 一人、また一人と。自らコクピットハッチを開き、キャバリアから降りてゆく。エリルの言葉に、彼女のユーベルコードの齎す威厳――相対する者に、平伏せんとする意思をも与え得るユーベルコードが、説得力を与えていた。
『だ、騙されるな…! 口先だけなら何とでも言える!』
『そうだ、ターヴィン少佐よりあんなガキのことを信用するのか!?』
 なれど、全員の投降を果たすまでは至らず。あくまで抗戦の意思を示す者もいる。
「言葉だけで止められる方は全員止められたでしょう。――後は、実力を以て為すのみ」
 エリルは頷き、己に掌を貸すキャバリアに、そして全ての国境警備隊員に呼びかける。
「さあ、かの者達を狂気から解き放ちますわよ」
 そして戦端は開かれる。敵の憎悪は尽きねども、告げられた真実は大なり小なり共和国軍に動揺を齎した。彼らを鎧っていた憎悪の炎が、見るからに勢いを失っていく。
 そこへ国境警備隊が攻め込めば、結果は歴然。エリルの念動力補助もあり、瞬く間にこのエリアの共和国軍は制圧されきったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

玉ノ井・狐狛
※アドリブ、連携などお任せ

あー、機体のレンタルっつうか、おたくらの誰か、一緒に乗っけてくれねぇか?
キャバリアってのには詳しくないんだ
無茶はさせないからよ

首尾よく行きゃァ、アタシが乗った機体がそのうち敵方から認識されるはずだ
千里眼で敵機の動きを掴みつつ(▻視力▻偵察)、そのタイミングに合わせてUC

こっちの機体が、相手と同じ国のものだと誤認させる
同朋に得物を向ける恐怖……他所の国への敵意があっても、こっちは無防備だろうさ
さっき聞き出したネタで揺さぶるのも合わせりゃ、リアリティは高いハズだぜ?

動揺した状態じゃ、焦って誤操作か、はたまた弾切れか……なんにせよ、じきにトラブルを起こすだろうよ


オリガ・ピスクノヴァ
やれやれ、第二陣ですか
帝国警備隊の方々も参戦するのなら、先程借りた機体はお返しして
私は代わりに、これまでの戦いで壊されたキャバリアを応急処置しましょうか
【修理再生】で、壊れた機体の無事な部分をミキシングビルドして、使える機体に仕立て上げましょう
「これで良し。では行きますか」

オーバースペックに修復した量産機を駆って、敵の攻撃を掻い潜ります
こちらは防御に不安のあるミキシングビルド、なので回避はしっかりと
そして、避けながら的確に撃ち抜いていきましょう
帝国警備隊を支援しながら
もちろんコクピットは避けて、ですよ

「第一陣の方々は皆無事です。貴方たちが戦う理由などないのですよ」
そう呼びかけも忘れずに



 時間は少し巻き戻り、先程共和国軍の第一陣と交戦した国境線区域にて。
「ふむ…このパーツは使えそうですね。これに合わせられそうなパーツは…と」
 先程の戦いによって破壊されたファイアディザスターの残骸を漁る猟兵が一人。オリガ・ピスクノヴァ(戦場のピクシーナース・f30074)だ。残骸から無事なパーツを回収し、比較的損傷の少ないファイアディザスターのもとへと集めてゆく。
「よう姐さん、精が出るねェ」
 横たわる機体を何やら弄っている彼女にかかる声。顔を上げれば、玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)の姿がそこにあった。
「私に何か?」
「ああ、ちょいとキャバリアに乗せてくれねぇかと頼みに来たんだけどよ…」
 自身での操縦には自信が無いが故、他のキャバリア乗りに同乗せんとした孤狛。故に、こうしてオリガに声をかけに来た様子。
「しかしそいつぁ…もしかして、そいつを直して使うつもりかぃ?」
 オリガの行動は、明らかに機体の修理を目的とした行動。引き続き国境警備隊のキャバリアを借りるつもりかと思っていたようで、意外げに孤狛はオリガへ問う。
「ええ、警備隊の皆さんも参戦するなら、動く機体はあちらにお返しするのが筋でしょうし」
 修理の手を止めずオリガは答える。
「それに、まだまだ使える機体は最後まで使ってあげませんと。幸い、もうオブリビオンマシンではなくなっている様子ですし」
 その為に、戦場へ散らばる残骸から使えるパーツを寄せ集めて修復――ミキシングビルドしているのであると。そして。
「――これで良し。では行きますか」
 ユーベルコードの領域まで至った彼女の修理技術は、そう長い時間を要さずして、このファイアディザスターを完動状態にまで修復してみせた。
「あなたも乗りたいのでしょう、此方へどうぞ?」
「お、おぅ。そんじゃ世話になるぜぃ」
 ついでに複座型に改造した機体の後部座席へ孤狛を招くオリガ。彼女が乗り込めば、修復されたファイアディザスターはブースタを吹かし、一気に基地方面へと疾走していく。

『死になさい帝国の狗め! 戦友の仇!』
 一方の基地付近では、既に帝国国境警備隊と共和国軍第二陣の交戦が始まっていた。
「ぐわっ! く、機体中破…!」
「無理するな下がれ! ここは俺が…!」
 未だ猟兵が参戦していないこの戦域において、国境警備隊は共和国軍に押されつつあった。砲撃を受けて片腕の吹き飛んだ機体を庇うように、別のキャバリアが前に出る。だが炎めいた恩讐のオーラを立ち昇らせる敵の攻勢は苛烈。このままでは押し切られかねない――
 と、そこへ。
『っ! 敵の増援だ! 三時方向!』
 共和国兵の一人が気付き、仲間へ呼びかけつつ乗機を其方へ向き直らせる。果たして、向かってきたのはオリガと孤狛、二人の乗るファイアディザスターだ。だが。
『……!? な、馬鹿な…!? 何で、何でお前が…!』
『父さん…!? ど、どうしてそっちに…!?』
 それを見た共和国兵が、驚愕の――恐怖すら滲む声を上げる。そのファイアディザスターは確かに元々は共和国側のもの。なれど発している識別信号は既に帝国のもの故、これだけではこの機体の搭乗者が共和国側のものと誤認することはない。『これだけ』ならば。
「…何か、しましたか?」
 オリガもまた、自機を見て恐慌状態に陥った敵兵を見て不思議そうな表情を浮かべ。後部座席の孤狛に問う。
「なぁに、大したコトじゃねぇサ。この機体を見た共和国の連中に、第一陣の家族や友達がこいつに乗ってるコトを確信させた…ってトコだな」
 それは孤狛が備えていた呪術。敵の意識が此方へ向いたことをトリガーとして発動する、認識阻害と恐怖を齎す術だ。
「帝国への敵意はあっても、同じ共和国の同朋に対しちゃ無防備だろうさ、ってナ。そんでもって…」
 更に駄目を押すべく、孤狛は外部スピーカーのスイッチを入れる。そして。
「悪いな! よく考えたら帝国を憎む理由なんて無かったんで、帝国につかせてもらったぜ!」
 発した声は共和国兵それぞれの縁者の言葉で彼らの耳へ届く。先程彼女が第一陣の兵より聞き出した、彼らが帝国を敵視していた理由――少佐とやらに憎悪を煽られた末の行動、という点を踏まえて告げる。
「この通り、第一陣の方々は皆無事です。貴方達が戦う理由など無いのですよ」
 そういうことならば、と、オリガもここぞとばかり彼らに投降を呼びかける。演出には虚偽も混じるが、言葉に嘘はない。
『あ…あ…そ、そんな…』
 放心状態、或いは眼前の肉親と少佐の言葉との間で葛藤する兵達。いずれにせよ戦意は失われたらしい。後は捕らえるのみ――そう思った矢先。
『う…うぅ…っ、ぅ…うああああああああ!!』
 一人の兵士が狂乱の雄叫びを上げ、己のキャバリアを無茶苦茶に操縦し始める。出鱈目に吐き出されたミサイルが、辺りに破壊を撒き散らす。
「おおっと、ちぃとはた迷惑なトラブルだな。悪い、任せる」
 動揺と葛藤でトラブルの誘発を狙っていた孤狛、それ自体は狙い通りだったものの、ここまで派手に暴れるとは少々予想外だったらしい。
「良いでしょう。一気に決めます」
 そのまま国境警備隊の方へ突っ込んでいこうとするオブシディアンMk4に、オリガの操縦するファイアディザスターが肉薄する。修理ついでにブースタ周りへ施した改造により、その速度は本来のファイアディザスターを更に超越するが、元々装甲に難のあった機体のミキシングビルドだ。その防御は極めて薄い。戦いは速攻が望ましい。
「そこまでです!」
 その速度で一気に敵機へ肉薄。ガトリングガンを掃射すれば、瞬く間にオブシディアンMk4の四肢が砕け、漆黒の機体は地に付し落ちるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

燈夜・偽葉
まずは第一陣の方々を助けられて良かったです
彼らの関係者も助けなければなりませんね

それはそれとして、刃もしっかり通るようで何よりです

戦いながら、第一波の兵士の安全や言葉を伝えましょう
彼らは戦う必要がないことに気付いてくれました
それでもまだ戦うんですか?
あなた達の関係者大勢よりも少佐さん一人の言葉の方が重いと?

引き続き生身で戦います
「剣よ、炎を泣いて」を使います
高速多重詠唱で全力魔法!
鎧砕きで串刺しにしてコクピット以外を部位破壊しますよ

ミサイルは幾何学模様を学習力・瞬間思考力で見切って模様のラインから外れることで回避します


ナイ・デス
少佐さんは、救えないと聞いてから……元は善人なのか、元から悪人だったのかなどと、考えてしまう
本当に、他の人と同じように救うことはできないのか
救えないことに、納得しようと考えて……

今は、救える人を、救います

真の姿である「光」となって、その全身を覆うように黒剣鎧を纏って飛翔
【念動力】の光を放って自身を【吹き飛ばし】
【限界突破】最高飛翔速度をこえて加速、回避や接近をして
只管に体を動かし、コクピットを残して【鎧無視】する黒剣の刃で【切断】
破壊して次へ向かう
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】傷ついても、私は死なないから気にしない
コックピットから切り離した部品を【串刺し生命力吸収】することで疲労を補って、次へ



 国境警備隊基地のゲートを出て、前方で開かれた戦端を見据える二人の猟兵。
「まずは第一陣の方々を助けられて良かったです」
 彼らの関係者たる第二陣の人達も助けなければなりませんね、と燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は明るい声音で隣の今一人へと語りかける。
「……そう、ですね」
 だがその今一人、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の反応は暗く。何ゆえかと偽葉が問えば。
「…少佐さんは、救えないと聞いてから…元は善人なのか、元から悪人だったのかなどと、考えてしまって」
 此度の侵攻の首謀者、大本のオブリビオンマシンに憑かれたターヴィン少佐。彼を救うことは不可能である、とのグリモア猟兵の言を、ナイは飲み込めずにいた。救えぬ事実を納得しようとはするものの、本当に救えぬのか、配下達のように救うことはできないのか――そんな疑念が頭から離れず。
「んー、その辺はどうなんでしょうね?なんとも言えないですけど…」
 首を傾げつつも、実際に対峙する段になってから考える、と答える偽葉。
「何にしても、まずは第二陣の方々をお助けすることからです!」
「――そう、ですね」
 偽葉の明るい声音に頷くナイ。今は、救える者を救うのみ。
 そう心を決めれば、身体が光と崩れゆく。それはナイの真の姿。聖者たる身の力の本質。そして一言、告げる。
「――イグニッション」
 その言葉をキーとして、光と化したナイの身を、鎧型の黒剣が変形、拡大し包み込む。何処か有機的な、昆虫の外骨格を思わすフォルム。
「――行きます」
「ええ、行きましょう!」
 駆けだす偽葉、飛翔するナイ。二人はそれぞれに接敵し戦闘を開始する。

『敵の増援…うわぁっ!?』
 オブシディアンMk4の一機が敵の接近を報告せんとするも、二人の急襲を受け一瞬で右腕右脚を斬り飛ばされ倒れる。偽葉の振り抜いた黄昏色の刃と、ナイの鎧が変形した漆黒の刃。二振りを同時に受ければ、最早戦闘行動を続けるは不可能と見え。
「皆さん! 先程の侵攻部隊にいた兵士の皆さんは全員無事です!」
 反撃の銃撃を飛び退き回避しつつ、偽葉は声を上げる。
「彼らは戦い必要がないことに気付いてくれました! あなた達はそれでもまだ戦うんですか?」
『あ、当たり前だ…! お前達帝国の連中の言うことなど信用できるか!』
 説得を試みる偽葉。共和国兵達はその言葉を受け入れこそせぬものの、声音には動揺が滲む。
「関係者の皆さん大勢よりも、少佐さん一人の言葉の方が重いと?」
『くっ…当然だ…! お前らの騙るあいつの言葉なんかよりターヴィン少佐の方が信用できるに決まっているだろう!』
 あくまで戦闘を続ける意思の共和国兵。だが死んだとばかり思っていた親族の生存を知ったことで、その挙動には動揺が顕れる。
『俺達は帝国を滅ぼす! そしていつかは全ての国に武力を…! それこそターヴィン少佐の意思!』
 徐に展開される肩部左右のミサイルポッド。その狙いは全て偽葉に。
『お前達もここで殺してくれる!』
 そして放たれたミサイル。それらの描く幾何学模様、それを見て取った偽葉は素早く足を運び、白煙棚引く弾丸を巧みにかわしてゆくが。
『残念だったな! そいつは囮だ!!』
 ミサイルをすり抜けた偽葉の前、ブレードを振りかぶるオブシディアンMk4の姿。今にも振り下ろされんとする一撃、急制動をかけんとする処を狙われれば回避には骨が折れる。偽葉が覚悟を決めた、その時。
「させま、せん…!」
 両者の間に飛び出してきた影が、振り下ろされたブレードで半身を叩き斬られる。それは漆黒の鎧姿、即ち、ナイであった。
「ナイさん…!?」
「大丈夫、私は、死にません…死ねません…!!」
 驚愕する偽葉に応えるナイ。本体所在不明故に死なない、死ねない彼。故に、彼は死へと飛び込んでゆくのだ。肉体を深く斬られたのも関わらず、その四肢の躍動には些かの衰えもない。
「なら良いんですが…!けれど、これ以上は傷つくのはあまり見たくないですね…!」
 安堵しつつも、このような負傷を何度も与えさせるにはいかない。切り札を切る時だ。
「――空に突き立て」
 偽葉が刀を地に突き立て念ずれば、上空に溢れるは狐火が形作る無数の妖短刀。空を覆い尽くさんばかりの鋼色の雲。
「空を焼き、空より来たる」
 そしてそれを統べるかのような妖太刀。それもまた百本以上を数える。
「それはきっと、空の涙…!」
 そして偽葉が手を振り下ろせば、一斉に降り注ぐ妖の大小。その様はまさしく空の涙――雨の如く。
『う、うわああああああ!!?』
 鋼の驟雨が、共和国のオブシディアンMk4を次々貫き破壊せしめてゆく。このような大規模攻撃ではあるが、その攻撃の全てはコクピット部分を避けるように降り注いでいるので、幸いにして兵士達は全員無事だ。
『ち、ちくしょう…っ!!』
 その刃の雨を掻い潜り、一機のオブシディアンMk4が再度偽葉へと突撃を仕掛けてくるが。
「させません…!」
 ナイの刃が鎧の片腕に吸い込まれ、そのままそこを光と変えて分解。刃を抜けば、最早片腕は使い物とならぬ。そして偽葉の刃が脚を斬り、地に倒さしめれば。以て、この場の一団は全滅である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

栢山・源治
何だろうな…すげー力が高まってきてるし
紅月の出力も上がってやがる…すげぇ

事前
一章で助けた人達に通信機を渡し、紅月にはきちんとリアルタイムで状況が見れるように確認
後は通信の為の波長も確認
特にプライベートで話したい人もいるだろうから

ブラックホールキャノンで【範囲攻撃・重量攻撃・態勢を崩す】で動きを止めて距離を詰めればそのままコックピットを避けて破壊だ

UC
敵の陣形と状態を丁寧に把握
殺さずってのは恨みつらみを買わずに済むから生かすべきだよなぁ

大型のスピーカーで一生の人達の声を届ける
その動きを見つつユベコで超加速
コックピットごと抜き取り回収してパイロットの狂気からの解放を狙う

本当は女の子と楽しみたいがな



 一機のクロムキャバリアが地を滑るように飛翔する。量産型キャバリア『オブシディアンMk4』は迎え撃たんとするが、その動きよりも更に先んじて刃が繰り出され、武装持つ腕を斬り落とす。
「何だろうな…これ…」
 そのクロムキャバリア『紅月』のコクピット内、栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)は戸惑っていた。先の戦いを乗り越えて以後、それ以前とは比べ物にならぬ程、己の力が高まっているのを感じる。己ばかりではない。紅月の出力も格段に向上していた。
 それは猟兵として経験を積んだが故の変化。先程までは己が猟兵であるとの自覚の無かった彼だが、現状の心境は果たして。
「ともかく、次も何とかしないとな」
 それが何であれ、現状を切り抜ける為の力であるなら。存分に利用する。押し迫る共和国軍のキャバリアを見据えて。
『くそっ、なんて機動力だ…だが、兄貴の仇、取らないわけには…!』
 憎々しげな声を漏らす兵達。その憎悪が炎じみたオーラとなって機体を覆い、その力を高めているのが分かる。
「あー、それなんだが…お前さんの兄貴、生きてるかもしれないぜ?」
 それを見た源治、機体に装着した大型スピーカーのスイッチを入れる。そこから聞こえてきたのは。
『…皆…! 俺だ…! 俺はここに…!』
『私達は大丈夫…! もう、そんなことは…!』
 響いてくる、基地の共和国兵達の声。事前に彼らへ渡した通信機を介して、ここまで声を届かせているのだ。
『な…!? 皆、生きていたってのか…!?』
 その事実に驚愕し、動揺を見せる共和国兵。明らかに録音とは思えぬその声音、流石に信用せざるを得ないが。
『だ、だがターヴィン少佐は…これは、これはどういう…!』
 指揮官を敵視することはどうしてもできぬというのか、或いはオブリビオンマシンの齎す狂気が理解を拒むのか、葛藤する様子を見せる兵達。
『いずれにしても…お前達は殺す…!それだけは同じだ…!』
 そして破壊への衝動もまた抑えきれなかったらしく。一斉にライフルを構え、紅月を狙い撃たんとする。
「ええい、結局実力行使しかないか…!」
 唸りつつも源治は動く。ユーベルコードが齎す加速力の限りを以て飛翔が如く疾走、放たれたライフル弾を回避。間髪入れずに携えたキャノン砲を構える。
「こいつで大人しくしてもらおうか!」
 放たれるのは超小型のブラックホール弾。それは周辺空間に超重力を形成、直下のキャバリア達を抑え込む。
 そして紅月もまたそこへと飛び込む。出力を高めれば超重力下であろうと紅月は行動可能。そのまま刃を突き込み、コクピットブロックを抉り出すように敵機を破壊にかかる。
 それを繰り返し、程なくして全ての敵機を破壊し搭乗者の救出に成功。抉り出されたコクピットから出てくる共和国兵達を見下ろしながら、源治はぽつりと一言。
「…本当は女の子と楽しみたいがな」
 そこにいた共和国兵達は、全員が男性であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

真月・真白
アドリブ連携歓迎
命奪わない

●事前
兵達に伝えたい言葉を聞く合間に共和国のとある歴史を聞き取り書に記す
念のため彼らの声も機材に録音しておく

●戦闘
無事なコクピットの通信装置を利用し共和国のチャンネルで敵機に繋げる
「先ほどの共和国兵は皆無事です。彼らの言葉聞いてください」
僕の言葉だけで信じられないなら録音した音声も流します

「思い出してください、貴方方には共和国と帝国は共に助け合って来た『歴史』がある事を」
UC詠唱、つい先ほど記した歴史を紐解きます
共和国史に残る最大の危機、その戦場に現れた帝国の援軍。専守防衛を是とする彼らの行った進撃
共和国民を銃撃より守り抜いた頑丈な装甲のキャバリアを蒼炎で再演します


カシム・ディーン
継続して先ほど強奪したキャバリアを使用

変わらず狂気が襲ってきてますが

だぁぁ!!僕は殺し殺されとか侵略より美人が好きなんですよ!(ギジィのスタイルを思い出してふんす!

助けた人達の名と言葉を覚え

【属性攻撃】
光属性を機体に付与
【迷彩】と合わせて光学迷彩として熱源や振動も含めて隠蔽

【情報収集・視力】から機体構造をと敵の狙い
わたぬきでどう抜けば搭乗者を脱出させられるかを把握

接近してわたぬき発動
【盗み攻撃・盗み】で精度強化しつつ
助けた人を庇いながら同じように襲い掛
尚機体の状態は気にしない
武器受けでもたせるけど壊れたら再びわたぬきで脱出させ機体に乗り込み使い続け

人達には第一波の人達は無事と伝えながら



『くそ…っ! もう残ってるのは俺達だけかよ…!』
『帝国め、やっぱり最後にはパラメリアを…!』
 共和国軍の第二陣も、気付けば残り十機を切っていた。残された兵達は憎悪に満ちた呻きを発する。彼らの中においては、第二陣の他の兵達も帝国によって皆殺しとされたという認識らしい。溢れる憎悪は炎の如く、機体に纏わりついてその存在を強く、恐ろしく引き立てる。
「ぐ…っ、こっちも余計に激しく煽ってきますね…!」
 対峙する二人の猟兵の一人、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は先程第一陣から奪ったファイアディザスターに引き続き搭乗していた。先程までと変わらずオブリビオンマシンであり続けるその機体は、視界の中の敵機同様カシムの精神を狂気に招く。怒れ、憎め、殺せ、殺せ、殺せ――
「――だぁぁ!! 僕は殺し殺されとか侵略なんか好みじゃないんですよ!!」
 雄叫びじみて叫び、狂気へ抗う意思を示すカシム。尚、その脳裏に描かれているのは数多の美女の艶姿――此度の任務を依頼したグリモア猟兵もその中の一人であったとか。
「…どうやら大丈夫そうですね」
 そんなカシムの様子を見て、真月・真白(真っ白な頁・f10636)は安心したように頷く。敢えて鹵獲したオブリビオンマシンを使い続ける彼の行動、その意思に興味がなくもなかったようではある。
「――さて、それでは」
 改めて迫る敵軍を見据え、取り出すは通信装置。先程撃破されたファイアディザスターから取り出して貰ったものだ。その電源を入れ、チャンネルを共和国軍のものへ合わせて。
「あ、あー。パラメリア軍の皆さん、聞こえるでしょうか」
『な!? 何だ、お前は…!?』
 通信装置に呼びかければ、すぐさま返ってくる応答。知らぬ声に共和国兵は一様に驚きの反応を示す。
「僕は故あって帝国に協力している猟兵です。皆さん、先程の部隊の共和国兵は皆無事です」
 第一陣の兵達――彼らが死んだと思い込んでいる縁者達の無事を伝えると共に、通信機材に取り付けられた録音音声の再生機能をオンとする。
『――! 俺だ! 俺は生きている! 今は帝国国境警備隊の基地にいる!』
『父さん! 私は大丈夫だから! もう帝国と戦う理由なんて無いの!』
 順番に流れだす、第一陣の帝国兵達の録音音声。一人一人が無事を伝えながら、縁者に戦闘停止を求める声。
『なに…!? あいつが生きてる、だと…で、ではターヴィン少佐の言っていたのは…』
『だ、騙されるな! どうせ殺す前にあいつらを騙して録音したものだ!』
 それを受けた兵達は一様に動揺し。投稿か継戦か迷いだす者もいるが、虚偽と突っ撥ねんとする者も未だ少なからず。
(やはり…戦闘は避けられないでしょうか)
 彼らの機体を観察するカシム、その乗り込む機体の姿が徐々に薄れ消え失せる。否、それは魔術による疑似的な迷彩。熱源反応すら隠蔽する迷彩にて、肉眼のみならずセンサーさえも欺きつつ。カシムは行動を開始する。
「いいえ、いいえ。思い出してください、貴方がたには、共和国と帝国には…共に助けあってきた『歴史』があることを」
 敵意滾らす共和国兵を前に、真白は携えた書の頁を手繰る。ヤドリガミたる彼の本体、未だ記されぬ白紙の歴史書。今そこに記されたるは、出撃前に共和国兵から聞き出した――パラメリア共和国、その九十余年に及ぶ歴史。
「それは共和国史に残る最大の危機、その戦場に現れた帝国の援軍――」
 二十年ほど前。今はなき北の公国の大規模侵攻。共和国首都までもが戦場となり、今にもパラメリアの旗が倒されんとしていた時のこと。
「専守防衛を旨としてきた帝国が行った進撃。それは他国を侵す為ではなく」
 静かに、しかしはっきりと。語る真白の前に蒼き炎が立ち上り、徐々に複数の大きな人型を成してゆく。
「公国の兵が放つ凶弾から、共和国の民を守るため。その装甲を以て、身体を張って――」
『な…!? あ、あれ…は…!!』
 次第にその輪郭を確かとしてゆく蒼炎。それを認めた年嵩の兵から驚愕の声が上がる。そう、あの日あの時、彼らが確かに目にしたもの。尽きかけた命運を繋いだもの。絶望の嵐を阻んだ壁。
 ――即ち。かつて帝国が派遣した救援部隊の重装甲型キャバリアが、蒼炎を以てその場に『再演』されたのだ。
「自国の為に他国をも護る。そんな帝国が、自国の為に他国を餌とするなど…有り得るでしょうか」
『ああ…ああ、そうだ…。俺は、どうしてそんなことを忘れて…』
 かつて護られた経験があるのだろうか。返ってくる声には嗚咽すら混じり。何機ものキャバリアが、その手の銃を下ろす。
『む、昔は昔だろうが! その恩を盾に抵抗を奪おうったって、そうはいくか…!』
 だが若い兵士は、あの日のことを記録でしか知らぬ彼らはそこまでの実感が無く。動揺が憎悪の炎を弱めるも、戦意を挫くまでは至らず。
「なら、僕が奪わせてもらいましょう」
 キャバリアの銃を真白の前の蒼炎キャバリアに突き付けた兵、その耳に何処からともなく声が響き。
『…な…っ!?』
 一瞬の後。彼の身体は己のキャバリアの足元へ投げ出されていた。一体何が起きたのか。
「お前の仲間が無事かどうかは、自分の目で確かめればいいでしょう。人の言葉を鵜呑みにせずにね!」
 言葉と共に空間が揺らめき、カシムの搭乗するファイアディザスターがその姿を現す。キャバリアに搭乗したままでも精度衰えぬ絶技を以て、キャバリアから搭乗者だけをピンポイントで引っ張り出したのだ。
『だ、黙れ…! 卑劣な策を弄しておきながら!』
 残る戦意保つ兵達も驚きは隠せぬようだが、それでも気を取り直せば、ライフルや焼夷弾を放ちカシム機に集中砲火を浴びせてゆく。
「ちっ、流石に持たない…!」
 瞬く間に炎に包まれ崩れ落ちるファイアディザスター。だが、そこで終わるカシムではない。
『うわっ!? な、なにが…!?』
「今度はこっちを使わせてもらいますよ!」
 また別の兵の声が機外から聞こえる。カシムはかの兵を再び絶技以てコクピットから追い出し、入れ替わってそこに収まったのだ。彼の手足として動き出すオブシディアンMk4。
『な!? き、貴様…!』
「お前で最後です!」
 その手を以て残る共和国兵達を全員、キャバリアから強制排出せしめて。以て、共和国軍第二陣も全滅に至ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『セラフィム・リッパー』

POW   :    断罪の剣
【無敵斬艦刀】が命中した対象を切断する。
SPD   :    エンジェルビット
自身が装備する【BS-Fクリスタルビット】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    フォールンウイング
【光の翼】を向けた対象に、【プラズマビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ビルシャス帝国首都ビルサラオン。その皇宮の謁見の間にて。駆けこんできた一人の官僚が、息を切らせながらも報告を上げる。
「陛下! 北方パラメリア共和国との国境線を超え、共和国のキャバリア部隊が帝国領へと侵入! 国境警備隊と交戦中です!」
 長く友好保つ隣国からの、突然の侵攻。騒然となる謁見の間。
「――戦況は如何に?」
 なれど皇帝リル・ビルシャスはあくまで平静に。状況をより仔細に把握せんと問う。
「は、それが…所属不明の一団が国境警備隊に加勢し、共和国軍の第一陣は全滅。第二陣との交戦も優勢だそうです」
 その答えに、謁見の間には別種のざわめきが満ちる。所属不明の一団とは。
「――確かめた方が良さそうですね。アグネリウスで向かいます。近衛兵団に護衛の命を」
 玉座から飛び降り気味に立ち上がり宣言するリル。驚愕し、制止せんとする官僚達に、リルはただ笑みを向けて。
「本来は私達の為すべきことです。それを果たした彼らに、この国の政を統べる者として礼は尽くさねばなりませんから」
 そして若き皇帝は、その威光の象徴たるサイキックキャバリアにて出撃する。北の国境線へと。



 猟兵達の活躍と国境警備隊の奮戦を以て、共和国軍第二陣は全滅。その搭乗者達も、全員無事である。彼らは今頃、国境警備隊の手でその基地へと護送され、死んだと聞かされていた縁者との再会を果たしていることだろう。
 だが、猟兵達は知る。まだ終わりではない。まだ最大の敵が――此度の侵攻の首謀者が残っている。そして、それこそは――
『――まさか、私の部下達が全滅するとはな。帝国軍が如何に精強とは言え、抗しきれぬだけの数を揃えてきたつもりだったが』
 荒野に響き渡るは、落ち着いた――だが、何処か歪みを感じさせる音声。直後、上空から降り立つ一機のキャバリア。碧光纏う黒と金、細身のフォルム。何処か天使を思わせる佇まいのその機体は、だが、それまでの兵達とは桁違いの威圧感を――相対せし者を直ちに平伏せしめんばかりの威光を、その身に纏っていた。
『そうか。帝国にも援軍が――それも、一騎当千の強者達が居たということか』
 納得したかのような声。同時に、猟兵達は感じる。彼らを睥睨する、キャバリア搭乗者の視線を。
『私はパラメリア共和国第三機甲大隊指揮官、リッカー・ターヴィン少佐。我が祖国を併呑せんとする帝国の陰謀を打ち破るべく立ち上がった者だ』
 その搭乗者――ターヴィンは語る。近年共和国に相次ぐ周辺諸国の侵攻を。疲弊した祖国の現状を。
『長年友好を保ち続けた国に対し、あまりにささやか過ぎる帝国の援助。何故かつてのように、その身を張って我らを助けに来ないのか。考えられる事実は、一つだ』
 どうやら、自国の現状に対し帝国の動きが鈍いという事実に対する不満を、オブリビオンマシンの狂気が肥大化せしめた――という処であったらしい。
『やられる前にやる。私は帝国を滅ぼし、その物資を収奪し。以て、周辺諸国を平らげ、パラメリアの旗をより広く、高く掲げよう。これは、その栄光の為の第一歩だ』
 朗々と謳うターヴィンの声音に迷いはなく、故に狂いきっている。グリモア猟兵の言――彼は最早救うこと叶わぬという情報に、真実味を与えるようにも思え。
『邪魔立てせず退くならば良し、抗うならば――』
 携えた斬艦刀を構え、その周囲には碧光帯びたビット群が浮かび上がる。臨戦態勢。猟兵達もまた、それぞれに戦闘の構えを取れば。
『まずは、君達に祖国の栄光の礎となってもらうとしよう!』
 ターヴィン少佐の駆るオブリビオンマシン――『セラフィム・リッパー』が、猟兵達を目掛け翔び迫る――!

※OPにて記述した通り、ターヴィン少佐を救うことはできません。ご了承ください。
※皇帝リルの到着は戦闘終了後となります。彼女へのプレイングは最後のリプレイの末尾で可能なら反映する、という形になると思います。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
現状をその様に解釈されたわけですかぁ。
確かに、話し合いの余地は無さそうですぅ。

【燦華】を使用、全身を『光』に変換しますねぇ。
実体の曖昧な『光』に『斬艦刀』が命中するかも微妙、更にその状態で『光速での回避』を行えばまず捉えることは出来ません。
隠し玉も有る可能性が有りますし、油断せず確実に回避して参りましょう。

攻撃の方は『FRS』『FSS』による[砲撃]と『光速斬撃』で[部位破壊]、『関節部』等の比較的脆いであろう部位を中心に狙いますぅ。
『動力炉』を狙い、停止までは行かずとも漏出させ、出力を低下させられれば僥倖ですねぇ。

生きて捕縛し、きちんと法の裁きを受けさせたいですねぇ。


栢山・源治
セラフィムか…中々豪華な奴に乗ってるじゃねーか
唯…やっぱりおかしくなってるんだなあれも…
あれじゃ拿捕しても使えねーな

言っても無駄だが言っておくぜ
お前さんのやろうとしている事は逆に共和国を壊しかねねぇよ

そういう理性さえ壊しちまうんだな…

ビット攻撃は【瞬間思考】で回避しきれるルートを確認
【限界突破】で機体毎出力を引き出す!
ブラックホールキャノンで【重量攻撃・態勢を崩す】で近接攻撃を乱せば

天使だろうと俺と紅龍で大地に落としてやるよ!覚悟しやがれ!

UC起動
そのままコインのフル攻撃でセラフィムを中心に【範囲攻撃】で動きを止め
その上でブラックホールキャノンの全エネルギーを放出させ超重力弾を撃ち込み!



 振り下ろされた斬艦刀が、荒れた大地を斬り穿ち地表を抉り爆ざしめる。
 左右に飛び退き回避する猟兵達。その中から真っ先に斬艦刀の主――セラフィム・リッパーへと迫った二人の猟兵。
「ターヴィン少佐とやら、言っても無駄だろうが言っておくぜ」
 真紅のクロムキャバリア『紅月』にて対峙する栢山・源治(自称鬼畜皇帝・f30114)、乗機のカメラアイ越しに眼前のオブリビオンマシンを――その搭乗者たるターヴィン少佐を睨み据え告げる。
「お前さんのやろうとしている事は、逆に共和国を壊しかねねぇよ」
『ああ無駄だとも、斯様な詭弁で陰謀より手を引かせようとしてもな!』
 告げた諫言は予想通り退けられ。続けてターヴィンは語る。
『帝国のプラントを接収すれば、我が共和国の国力は倍、いや三倍にまでも増す! それだけの力あらば、パラメリアはより大きく、力強く! この大陸に覇を唱えるに至れるだろう!』
 熱を帯びたその論言は何処か陶然とさえしており。己の狂った戦略に酔い痴れているようにも感じられる。
「成程、現状をその様に解釈されたわけですかぁ…確かに、話し合いの余地はなさそうですぅ」
 浮遊砲台と盾砲台、計24基の浮遊兵器を展開しながら、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はそんなターヴィンの言を切って捨てる。この有様では成程、話し合いは望めまい。
「そう上手くいくはずが無いなんて、少佐にもなれば分かるものだが。そういう理性さえ壊しちまうんだな…」
 諦念の混じった嘆息を一つ。改めて討ち果たす意思を固めながら、源治は乗機に主武装たる重力銃を構えさせる。
『私とこの機体の力あれば可能だとも! まずは君達を討ち果たし、その余勢を駆ってビルサラオンを炎に沈めてくれよう!』
 狂的な高揚と共にターヴィンが宣うに合わせ、周囲に碧光棚引かすビット群がその数を増やす。百をさえ超える程となったそれらは、一斉に周辺空間へ散らばって。
『墜ちよ!!』
 その声を合図とし、二人の猟兵目掛け次々と碧色のレーザーを放ち始める。四方八方より光線が放たれ駆け抜ける様は、さながら光の嵐の如く。
「そう簡単にやられてたまるかよぉ!」
 源治の瞳は無数のビットとそこから放たれるレーザーを見据え、その攻撃範囲を瞬間的に把握。最適な回避経路を構築すると同時、紅月は急加速。限界を超えた大出力により凄まじい勢いの加減速を繰り返し、迫るレーザーを巧みに躱しゆく。
「このくらいでしたらぁ…!」
 るこるもまた、浮遊盾砲台を駆使してレーザーを防ぎつつ、止めきれぬ分を躱してゆく――が、そこに差す大きな影。
『まずは君だ!』
 回避行動の隙に迫っていたセラフィム・リッパーが、斬艦刀をるこる目掛け振り上げていた。回避を妨げるかのようにビットからレーザーが放たれ、るこるを光の檻へと閉じ込める。
「っ!? 大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを――!」
 咄嗟に口から放たれたるは、彼女の奉ずる女神への祈り。それが結ばれるのと、熾天使の巨刀が振り下ろされたのは殆ど同時。
「るこるっ!?」
 最悪の可能性も浮かんだか源治が叫ぶ。ビット群の攻撃は巧みで、彼にセラフィム・リッパーへの直接攻撃を行う隙を与えない。
『――これは』
 だが、攻撃を終えたターヴィンの口から漏れたのは、重い驚き。仕留められなかった事実以上に、己の周囲に生じた変化に対するもの。
 セラフィム・リッパーの周囲に溢れるのは、乳白色の光。己の扱う碧光とは明らかに異なるそれの正体は――間違いない。
 その推測を肯定するかの如く、るこるの浮遊砲台群がそれらの中心を向き――
『――!!』
 主の居た場所に在る熾天使へ、一斉に熱線と榴弾の砲撃を撃ち放つ。咄嗟に機体を飛翔させ回避を試みるターヴィンであったが。
『くっ、左膝部アクチュエータ損傷…!』
 完全に無傷とはいかず、装甲の随所が焼け焦げ。特に左脚の動きは明確に悪化しているように見える。更に。
『…これは!? なんと面妖な…!』
 第六感に危機を感じたターヴィン、咄嗟に機体を旋回させるが、まるでレーザーに射抜かれたような痕が左大腿部に生したのをコクピットモニターから認める。それは乳白色の光の収束。密度と熱量を高めた光は正しくレーザーとなって、確かな物理的破壊力を生じたのである。
「――流石にそう簡単に仕留めはできませんねぇ」
 その光が形を変え、ヒトの輪郭を形作れば――そこに居たのは、るこるだ。斬撃を受ける一瞬前に発動したユーベルコードにより、その身を光と変えて攻撃を回避したのである。
「ですが、このまま攻めさせてもらいますよぉ」
『そうはいくか…!』
 浮遊砲台群が放つ追撃の砲撃を掻い潜り、それらへビットを嗾けながら再度迫るセラフィム・リッパー。だが。
「二度も同じことをさせるかよ!!」
 今度こそ源治が動く。ユーベルコードを発動し出力を更に上昇。レーザー射撃による損傷を最低限に抑えられる位置を取り、その手の重力銃を構えれば。
「天使だろうと大地に落としてやるよ! 覚悟しやがれ!」
 放たれた超小型ブラックホール弾、それが生ずる超重力が熾天使を捉え、るこるを狙った攻撃態勢を崩しにかかる。
『ぐ…っ!? ちっ、牽制が乱れていたか…!』
 紅月とて無傷ではないが、それでも攻撃を許す程度の余力は残してしまっていた。悔しげな声を漏らすターヴィンだが、彼には嘆く間も許されていない。
「まだまだ! こいつも貰っていきな!」
 紅月の胸部装甲が展開されれば、放たれるのは無数のコイン。機関銃じみた勢いで放たれるコイン群はセラフィム・リッパーとその周囲に降り注ぎ、装甲を打ちながら行動を戒めて。
「コイツが本命だ! 遠慮せずに持っていけ!!」
 更に向けるは重力銃、残るエネルギーの全てを注ぎ込んだ超重力弾が撃ち出され。セラフィム・リッパーの全身を軋ませながら圧し潰してゆく。
「おまけもどうぞですよぉ」
 そこにるこるも加わり、ビット群の攻撃を乗り越えた砲台群からの熱線照射。動力ブロックを狙ったその一撃、動力炉の破壊には至らずとも、その機能に障害を生じせしめたらしく。
『ぐっ、エネルギー出力80%に低下…! おのれ…!』
 超重力に軋む機体のコクピット内、ターヴィンの呻きが響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鞍馬・景正
その機体に惑わされた事を懈怠や不覚悟とは申せぬが、引き下がる道は御自らが断たれた。

ならば当方も情は捨て、武者として。

鞍馬景正、参る。

◆戦闘
引き続き絡繰武者に搭乗のまま交戦。

ビットからの射撃は全速の【推力移動】で回避・突破、接近戦の間合に。

そのまま切り結びつつ、斬撃の威力や速度を【見切り】

太刀筋の癖を掴めれば、勝負に出ましょう。

敵が剣を構え、打ち下ろす瞬間に合わせ機体の逆噴射を。
引き撃ちの要領で躱しつつ、斬撃の【衝撃波】で構えを崩させ、間髪入れず飛び込んで【燕切】の太刀を叩き込みます。

誠に曇り無き護国の信念があるならば、我が全力を尽くしても及ばぬでしょうが――否、言いますまい。



『左膝部アクチュエータ稼働率60%…いけるか』
 先の猟兵達の攻勢を凌ぎ、彼らから距離を取ったターヴィン少佐。乗機セラフィム・リッパーの状態を確かめる。オブリビオンマシン化の恩恵か、本来この機体には存在しない自己修復機能が、破損箇所をある程度可動しうる状態にまで回復していた。この程度ならば『癖』として誤魔化せる。
『…新手か』
 そこで、キャバリア搭載レーダーに敵の反応を認める。見れば、重々しい歩みと共に彼のもとへ近づくキャバリア――とは異なる造形の人型機動兵器。鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)駆る、銀河帝国製人型歩行戦機『ラークシャサ』である。
「――その機体に惑わされたことを懈怠や不覚悟とは申せぬが」
 その搭乗席に座す景正は、眼前のオブリビオンマシンを見据え告げる。オブリビオンマシンに搭乗してしまったことに、ターヴィンの落ち度は何ら無い。無いのだが。
「引き下がる道は、御自らが断たれた」
 淡々と告げる声音は、これより為す事へ情を挟まぬが為。武者として、敵を討つ意志を定かとする為。
『ああそうだとも、引き下がる必要など私には無いのだから。このまま君達を、帝国を討ち、祖国へと凱旋しようではないか』
 対するターヴィンの声音は陶酔とすら感じる程に高揚し。その思考の全く正気ならざるを改めて知らしめるもので。
『――我が祖国の栄光の礎として散るが良い!』
 高らかなる声と共に放たれる碧光。乱れ舞い飛ぶビットがレーザーを撃ち放ち、驟雨が如き光線でラークシャサを襲う。
「なれば御身はこの場にて討ち果たす――」
 その意思に応え、ラークシャサの背部にて巻き起こる噴炎。その推力を以て滑り出せば、光の雨を巧みなる切り返しで躱し抜け。そのまま一気にセラフィム・リッパーへと肉薄する。
「――鞍馬景正、参る!」
 抜き放った太刀を、その勢いのまま目前の熾天使目掛け横薙ぎに。なれど熾天使、携えた斬艦刀を縦に構え受け止める。
『遅い!』
 太刀を弾き、その流れのまま逆袈裟の斬撃。殱鬼、一歩退いて下がり躱すと共に横薙ぎの刃を繰り出す。熾天使もまた退き躱す。
(成程、得物の重厚さに反した速さ、そして見合った重さ。人型戦機を用い振るう剣もやはり侮れぬ)
 そのまま斬り結ぶこと数合。セラフィム・リッパーの、ターヴィンの振るう剣は速く、重く。数多の強者と仕合ってきた景正をして、難敵と称すに相応しき存在。
(なれど、『剣術』としての剣ではない)
 其は、己の血肉を以て剣を覚えた者としての感覚が故か。打ち合う毎、その振り、薙ぎ、突き、受け。かの敵の剣の扱い方。それらを見極めてゆく。
『ちぃ、小癪な…』
 ターヴィンの呻きが聞こえる。景正とラークシャサが、太刀による近接戦を旨とした戦闘スタイルであることは彼も既に把握していた。故に間合いを取り、ビットとプラズマビームによる射撃戦への移行を狙っているのだが、景正の巧みな押し引きがそれを許さない。
(――ここだ)
 徐にラークシャサが身を屈め、太刀を脇に構える。ターヴィンは訝しむ。見るからに大振りの構え。敵が退くと見た処を斬る構えか。なれば。
『…押し通らせてもらう!』
 セラフィム・リッパー、斬艦刀を大上段に。背の噴炎が勢いを増すと共に機体は全速でラークシャサへ肉薄。構えた刀を振り下ろさんと――
(――今!)
 最後の踏み込みが一歩先んじる。ここまでの交戦でターヴィンのその癖を見抜いていた景正は、まさにその瞬間を合図としてラークシャサの胸部スラスターを最大噴射。振り下ろされた斬艦刀、ラークシャサの胸部を抉るが景正の身までは届かず。
「そうは行かせません…!」
 斬撃の重みに崩れかけた身を立て直し、その場から抜き打ちの一刀。ここまで見せなかった隠し手、衝撃刃。飛翔する斬撃が、攻撃動作を終えたばかりの熾天使を捉え。
『うおっ!?』
 予想外のタイミングで機体を揺るがした衝撃。崩れたバランスを立て直さんとした熾天使が一時、死に体となる。そして。
「その身で我が二の太刀――躱せるか!」
 生じた隙を逃がさじとばかり、殱鬼が飛び込むかの如き勢いにて踏み込む。振り下ろされた唐竹の刃は、セラフィム・リッパーの左肩を捉え。
『ぐっ…左腕部接続切断…だと…!?』
 刻んだ斬痕は、左腕部へのエネルギー供給を寸断する一撃であったようで。その被害の程に、ターヴィンは只呻くより他になかった。
(――誠に曇り無き護国の信念あるならば、我が全力尽くして尚、及ばなかったでしょうが――)
 先程受けた斬撃、その衝撃を思い起こしながら、景正は心中思う。そして惜しむ。これ程の人物とて、オブリビオンマシンの狂気には抗えぬのか――

成功 🔵​🔵​🔴​

グルヴェイグ・ヴォルヴァ
メリア(f29925)の補助ですわ
ようやくわたくしたちのキャバリアの出番ですわね
ってなぜ量産型と同じ武器を持たせますの?レーヴァテインにも武装はついてますのに

シートベルトをちゃんとつけて…
あうっ!?相変わらず本気の操縦は激しいですわね
上ですわ!え、わかってる?怒鳴るな…?ご、ごめんなさい…
敵の攻撃を【念動力】でズラし防御面の支援をしたり、こちらもクリスタルビットで応戦するものの…
ええい、焦れったい!奥の手、いきますわよ!

システムへ接続完了…権限に基づき、制限解除を要求します
承認されました
解除プログラムを開始します

…サイキックの負担はわたくしが受けますわ
さあ、やっておやりなさいメリア!


メリア・アルスト
グルヴェイグ(f30017)を補助席に乗せて
予定通りに『レーヴァテイン』に乗り換えよう
有名にはなりたくないので、雑だけど別人のふりもするよ
さっきまで量産型で戦ってた美少女パイロットとは別人で無関係です、よろしく

この機体の【空中浮遊】や【推力移動】を生かした【操縦】で巧みに動きライフルとランチャーを撃ってみるけど
確実に当てるには、あのビットや翼のビームが邪魔だなあ
あとグルヴェイグは耳元で怒鳴らないで…

機体の制限解除がされたら一気に攻めよう
6倍の速度でフォースセイバーですれ違いざまに切りつけ、ライフルを打ち込みまた接近してと高速戦闘を仕掛けて
グルヴェイグが力尽きる前にできるだけダメージを与えるよ


燈夜・偽葉
どうやら、本当にターヴィン少佐さんを救うことは出来ないようですね
それでも出来る限りのことはしたいですが…いざとなれば覚悟を決めなければなりませんか

そういえば帝国側の事情ってあまり知らないのですよね
共和国が侵攻されている情報が入らなかったのかもしれませんし、帝国にも救援する余裕がなかったのかもしれませんし
まぁ、それはこの戦いを終わらせてから聞けばいいことです

生身戦闘
敵の攻撃を第六感や視力や戦場の情報収集から瞬間思考で見切って跳躍して回避
念動力で操った8本の刀で武器受けや、刀身で反射させたり
そして「剣よ、友を悼め」で機体を鎧砕き・切断・部位破壊
コクピット以外を狙うなら、手加減できなくても大丈夫です



 荒野に碧光の嵐が吹き荒れる。セラフィム・リッパーより放たれたビット群が飛び回りながら放つレーザーだ。
『次から次へと…! 真実に目を向けられぬ愚者共めが!』
 それらを操るターヴィン少佐の声音は、先程までよりも随分と苛立った響きを帯びる。それは彼の正義に共感せぬ猟兵達に対してか、或いは彼らに苦戦を余儀なくされる己に対してか。
(この剣幕、やっぱり彼を救うことはできないようですね)
 碧光に対するは黄昏色。念動力にて八本の刀を操り、レーザーを弾きビットを斬り落としながら、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は思う。例え彼を救う事叶わぬとて、可能な限りの事は為したい、という思いこそあれ。いざとなれば覚悟を決めねばならぬか。
(そういえば、帝国側の事情ってあまり知らないのですよね)
 旋回する八刀を傘の如く操って光の驟雨を凌ぎ、ふと偽葉は思う。共和国が相次ぐ他国の侵略で疲弊している、とはターヴィンの弁だが、実際帝国の援助が細いのは何故なのか。
 遠隔地の情報を知る手段が根絶されているクロムキャバリアである、実情を正確に把握していない可能性は高い。或いは帝国にも本格的な救援を行う余裕が無いのかもしれぬ。
(まあ、それはこの戦いを終わらせてから聞けばいいことです)
 帝国側の事情は帝国の者が近くにいるのだから、其方に聞けば良い。今は目の前の敵への対処を――偽葉が改めてセラフィム・リッパーへと意識を向けたその時。
『どうした、足が止まっているぞ!』
 嘲るようなターヴィンの声を引き連れ、熾天使は斬艦刀を振りかぶり迫っていた。瞬時の判断にて真紅の刀を構える偽葉であったが。
「!」
 そこへ横合いから火線が走る。ターヴィンの舌打ちと共にセラフィム・リッパーは飛び退き回避。偽葉が火線の源へ視線を向ければ、そこから向かい来るは一機の魔術的意匠を施したキャバリア――サイキックキャバリアだ。
「よし到着。大丈夫だった?」
 その機内から、何処か緊張感に欠ける声が偽葉へ向けられる。その声に、偽葉は聞き覚えがあった。
「あ、ありがとうございますメリ――」
「いいえ、さっきまで量産型で戦ってた美少女パイロットとは別人で無関係です、よろしく」
 だがその名を呼ぼうとする偽葉を、当の搭乗者の声が遮った。困惑げな偽葉。
「――メリア、態々そんな別人を装う必要はないのでなくて?」
 一方、件のサイキックキャバリアの機内。後部複座シートに座すグルヴェイグ・ヴォルヴァ(目覚めし古代遺物・f30017)は何処か呆れ気味に問う。
「だって、こんなので有名になんてなりたくないし」
 問われたパイロット――偽葉の呼ぼうとした通りのメリア・アルスト(は割とノリで生きている・f29925)は気だるげに答える。己がこのサイキックキャバリア――『レーヴァテイン』の搭乗者であることが知られると厄介事を押し付けられるようになる、と考える彼女。束縛を嫌う性分もあり、極力この機体と己は無関係であると装っているのである。偽装は雑だが、姿を直接見せてはいないので大丈夫…のはずだ。
「まあそれは宜しいですけれども。量産型のと同じ武装を使うのは何故ですの?レーヴァテインにも武装は積んで――きゃうっ!?」
 続けてのグルヴェイグの疑問はしかし、レーヴァテインの急速な機動によって妨げられる。直前にかの機体のあった位置を、何条もの碧光が貫いていった。
『新手か! だが何人いようと私は負けぬ! 私には国を救う大義があるのだからな!』
 態勢を立て直したターヴィンが再度の攻撃を開始したのだ。無数に複製したビットを巧みに操り、偽葉にもレーヴァテインにも激しい光の雨を降らせてくる。
「あ、相変わらず本気の操縦は激しいですわね…!」
 メリアの操縦は先程量産型を操縦していた時以上の巧みさだが、同時に急な加減速や上昇下降、旋回を伴う。そのため、機内はさながらジェットコースターじみて激しく上下左右に慣性が生じ振り回される状態となっていた。
「こっちもお返し…」
 呟くメリア。その操縦に応え、レーヴァテインがライフルを抜き。セラフィム・リッパー目掛け射撃を繰り出してゆく。
『その程度見えぬと思うか!』
 だが彼我の間合いが遠い。セラフィム・リッパーは跳躍し射線を逃れ。
『攻撃とはこうするものだ!』
 そして上空、両の翼を広げれば。碧の光が一気にその輝きを増し――プラズマを束帯させたビームとなって、レーヴァテイン目掛け降り注ぐ。
「う、上ですわー!?」
 ビットとは桁の違うその強烈な攻撃に、思わず悲鳴めいて叫ぶグルヴェイグ。
「わかってる…そんな怒鳴らないで」
 一方のメリアはあくまで冷静に。突っ込みを入れながらも機体を前進させ回避する。
「あ、ご、ごめんなさい…」
 冷静な指摘に思わず詫びるグルヴェイグ。されど周囲の状況はしっかりと見ている。接近を阻もうと群がるビットへと念動力を放ちレーザーの軌道を逸らせば、クリスタルビットを機外へ射出し敵のビットを撃墜にかかる。
「でも、このままでは埒が開きませんねえ」
 そんなレーヴァテインに伴って駆ける偽葉が、機内の二人に声をかける。彼女もビットを撃墜し続けているものの、敵はユーベルコードで更なる複製を行うことが可能。つまりはいたちごっこ…否、此方の疲弊ばかりが募る。或いはそれをこそターヴィンは狙っているのかもしれない。
「その通りですわね…つまり此処は攻めるより他になし」
「となると…あれ、いく?」
 同意を示すグルヴェイグに、メリアが反応する。彼女の言う『あれ』とは、即ち。
「ええ。奥の手、いきますわよ!」
 頷き、一度目を伏せて。開いた紫の瞳が、それまでと異なる光を放ちだす。
「――システムへ接続完了…権限に基づき、制限解除を要求します」
 口調もそれまでの抑揚を失い機械じみて。レーヴァテインとの同調能力を有する彼女は、こうしてレーヴァテインの機能を操作することが可能なのである。
「――承認されました。制限解除プログラムを開始します。プログラム稼働時間、58秒」
 続けて告げると共に、レーヴァテインの動力部が唸りを上げる。その出力が一気に高まっているのだ。
「…さあ、やっておやりなさいメリア!」
 そして元の口調に戻ったグルヴェイグは呼びかける。その声に滲む苦悶は、制限解除に伴い増大した負荷を一身に受けているが故。それ故の稼働時間制限だ。
「わかった…一気に攻める」
 応えたメリア、ブースタを噴かし一気に加速。その速度、実に通常時の6倍にもなる。まさに弾丸じみた速度を以て、レーヴァテインはセラフィム・リッパーへと肉薄していた。
『何…!? リミッターを外したとでもいうのか!? …ぐっ!』
 あまりの速度に驚愕するターヴィン。だがその間にもレーヴァテインはかの機体の横を一気に駆け抜け…同時にその機体へ、深い斬痕を刻んでいった。その手に輝く光の剣は、量産型キャバリアのものを使い回した他の兵装とは異なる、レーヴァテイン本来のもの。
「私のことも忘れてはダメですよー?」
 更に続いて仕掛けてきたのは偽葉だ。その手に夕焼け色の宝刀を構え。
「――斬ります!」
 そして振り抜けば、セラフィム・リッパーの装甲に深い斬痕が刻まれるのが認められる。
『ぐあっ!? な、い、一体何が…!』
 それはターヴィンにとって、あまりにも想定外な手段による攻撃。一体如何なる手法でこのような攻撃が。
「まだまだ。一気に決めさせてもらう」
 更に飛び戻ってきたレーヴァテインが光剣を振るい斬りつける。近く遠く、絶え間ない斬撃にターヴィンは最早堪らず。
『…ええい!』
 苛立たしげな叫びと共に機体を跳躍。両者から飛び離れていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
事情は分かった、心境も理解した、ならば、次は…
護りたいものの為に倒すだけ、だ

オーラ防御、全力展開
誘導弾で弾幕を張りつつ、接近戦を仕掛ける
そして、ワイヤーワークス投擲して相手の動きを封じるぜ
一瞬でも動きが止まったら、スライディングで背後に回り込み、跳躍して、背後から、鎧砕きと、鎧無視攻撃を重ねた、八咫導、発動!
一瞬でもいいから、本来の自分を取り戻せよ、そしてやった事を理解しな
…乗っ取られていたとしても、戦士なら背負うべき業ってのはあるもんだ

止まってる隙ができたのなら、結界術で動きを封じてマシンの頭に神罰付きの一撃を叩き込んでやる

諸悪の根源にはきつい一撃がお似合いだってな

アドリブ等、好きにしてくれ


エリル・メアリアル
今回の目的はあくまでオブリビオンマシンの撃破
両国の政治に介入の意図はなくてよ。……ただ。
それでこの世界の民の命が危ぶまれるのならば、容赦はしませんわ!

ビットにはFlapKnightsで対応
絢爛たる女王の采配で分離展開、各ビットを破壊しますわ

ただしそれは牽制
「いいものが転がっていますわね」
周囲の破損したキャバリア破片をBlockKnightsとして扱い、敵機にぶつけますわ

怯んだところにFlapKnightsを集結合体
大質量で叩き潰しなさい!

「ターヴィンと言ったかしら。貴方の憂慮、共和国の逼迫もまた事実であるのならば、貴国の民も救わねばなりませんわ。世界を救う。それがわたくし達の目的ですもの!」



『ぐぅ…っ、おのれ、帝国の連中め…!』
 機体各所に斬痕を刻まれた無残な姿のセラフィム・リッパー。搭乗者たるターヴィン少佐は苛立たしげに呟く。傷は決して浅くないがまだ戦える。次こそは…
「事情は分かった、心情も理解した」
 そして向かう先、更なる猟兵達が迎え撃つ。備傘・剱(絶路・f01759)はガントレットを嵌めた手を握り込み、身構える。
「けれども。それでこの世界の民の命が危ぶまれるのならば、容赦はしませんわ!」
 両腕を組み、迫るセラフィム・リッパーを見据えるエリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)は決然と。女王たる身なれど、此度の事件に関わる両国の政治へと介入はせぬ。だが民の命危ういならば話は別だ。
「ああ、護りたいもののために倒すだけ、だ」
『私とて共和国の民を安堵するべく戦っているのだ! 邪魔立てはさせん!!』
 そのエリルと、応えた劔とに対しターヴィンは喚くように叫ぶ。彼にとって帝国の民を虐げる行為は何ら疑問を挟む余地なき行為らしい。
 叫びに応え、射出されたビット群が次々とレーザーを撃ち放ち二人を襲う。
「させませんわ! お行きなさい、翼の騎士達よ!」
 エリルの背より、無数の金属羽が射出されビットへ襲い掛かる。ビットを落とさんとする金属羽と、迎え撃つビット。撃墜に至らずとも、役割を崩すことは意味を生じる。即ち。
「助かるぜ。これで仕掛ける機会ができた…!」
 ビットの弾幕が薄れたことで、防御に徹する構えを取っていた劔が動き出す。疾走、セラフィム・リッパーへと迫ってゆく。
『ちっ、姑息な…!』
 気付いたターヴィンは更なるビットを複製し差し向けるが、劔は展開したオーラの障壁にて抵抗。全てとはいかずとも殆どのレーザーを弾いて敵へ肉薄する。
『ええい、近づくな…!』
 セラフィム・リッパーも動き出す。迫る劔を退けんと斬艦刀を振るう。
「うおっ!?」
 徐に振り下ろされた一撃に、劔は思わず飛び退く。その一撃は荒野に突き刺さり大地を大きく抉ってみせた。人体に直撃した際のことはあまり考えたくない威力だ。
『抗えんか! ならば所詮はそこまでだ!』
 振り下ろしと横薙ぎ。劔を追い詰め、仕留めんばかりに斬艦刀を振り回す。その攻めに、防戦を余儀なくされる劔であったが。
「勝手に判断されては困りますわね!」
 エリルの声が聞こえた、その直後。何処からともなく飛来した『何か』が、劔目掛けて振り下ろされようとした斬艦刀と衝突。その軌道を強引に曲げさせて。
『ぐっ…!? く、くそっ!』
 それは先程の交戦で破壊されたオブシディアンMk4の残骸。人工翼の操作のみならず、同時に此方をも操作する。エリルの念動力の賜物であった。
『…今までここにいた奴がいない…?』
 改めて己の正面へ意識を向けたターヴィンが気付いたのは、いつの間にか劔の姿が見えなくなっていた、という事実。
「有難い。それならこのチャンス、逃すワケにはいかないな」
 実際に劔が居たのは、セラフィム・リッパーの真後ろ。内心でエリルに感謝しつつ、その手に嵌めたガントレットを掲げて。
「正しき道、説き示せ、八咫烏!」
 ガントレットの拳部分に集まるは高密度のサイキックエナジー。三つ巴の形に生じた刻印がガントレット表面に輝く。
「悔いも、迷いも、汝が示す光の前には塵に等しい! 太陽の路とは汝の事なり!」
 そして跳躍。一番コクピットの所在していそうな場所…背中へと高度を合わせ。
「――喰らいやがれ!」
 そして叩き込まれた一撃。セラフィム・リッパーを大きく揺るがせたその一撃だが、装甲には一切負傷が無い。その攻撃の意味するところは。
『…ア…アアア…!!』
 機内からターヴィンの呻き声。劔の攻撃は直接的に肉体や機体を攻撃するものには非ず。それは即ち、対象の負の感情を砕く一撃であった。
「本来の自分、取り戻せたか? ならば理解しろ、お前のやった事をな」
 それが己の意思でなくとも、戦士として。それはターヴィンが背負わなければならぬ業であると語るが。
『…小賢しい!』
 だがそこで再び思考が狂気に染まった。今度こそ劔を叩き潰さんとばかりに、その手の刃を振り下ろし――
『…ぐおぉぉぉっ!?』
 今度は上方から降り落ちてきた巨大な翼状構造物に圧し潰される。
「如何ですかしら、我が『騎士団』は!」
 それは勿論エリルが用意した『FlapKnights』、その合体状態。大きな翼状であるが故に質量も相当なもので。こうして上方から落とせば、敵を圧し潰さんばかりの重みとなってのしかかってゆく。
「さて、ターヴィンと言ったかしら」
『ぐ…うっ、何者…』
 呻きながらも、エリルに答えるターヴィン。そして更なる問いに語り出せば。
「貴方の憂慮、それが真実であるならば。救うべきは帝国の民ばかりではありません。――共和国の、貴方の国の民もまた然り、です」
 何故かと言えば己達は猟兵、即ち、過去を討ち果たし未来を切り開かんとする者達であるが故に。
 エリルは堂々と、己の矜持をそう説明してみせたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
二章で強奪したマシンを限界まで使い続ける

【情報収集・視力】で敵の動きを見切りながらそれでも回避しきれず壊れるのも構わずに
更に癖や動作についても可能な限り観察して分析

最後は特効でもしましょうか

断罪の剣で切断される時もコックピットの直撃だけは避けてそのままくっつき

この世界にこういうのはいますかね
UC起動
容赦なく四肢を【捕食・盗み】で武器も奪いながら

【属性攻撃】で全属性ブレスを強化
特に雷属性を強化して雷雲と絡めて至近距離から蹂躙
【医術】で己の状態を把握しつつ致命は避けながらも体力の続く限り蹂躙を続ける

ええ
こういう映画みたいなのも面白い
戦闘後
竜化を解いて皇帝のキャバリアを遠目に眺めて観察しましょうか


支倉・錫華
天使は天使でも、めいっぱい堕ちてる感じだね。
国を憂う気持ちは本物っぽいけど、思いにつけこまれたってところかな。
オブリビオンマシンが狡猾だった、ってことにしておこうか。

こっちの装甲なんて当たったら一発で吹っ飛んじゃいそうだね。
それならスピードで勝負するしかないかな。
【脈動臨界チューニング】でスピード5倍、装甲半分にしていこう。

とはいえ、無傷ってわけにはいかなさそうだよね。
国境警備隊の人には申し訳ないけど、ちょっと壊しちゃうかも。
「アミシア、ジャミングからフルブースト。一撃離脱でいくよ」

大技がまだないから、とどめを刺せそうな人のフォローに回っていきたいな。
駆動系が焼き付くまで、削っていくよ。


オリガ・ピスクノヴァ
やれやれ、救えない人ですねぇ
看護兵だからって、助けられない人は助けられないのです
きっちり終わらせてあげるのが情けでしょうかね?
貴方が動いて祖国を滅ぼす前に、貴方の祖国を守るため、貴方を滅ぼしましょう

フレームのローラーダッシュを使っての高速移動にて敵機の攻撃をかわしながら
手持ちの火器を的確に当てていきます
…でも、それだけでは効果は薄いかしら?
なら、まぁ、どうせ拾い物のミキシングビルド機ですしねぇ
躊躇わず勿体がらずに、最後まで使いつぶしましょう

高速移動からのヒットアンドアウェイで隙を窺いつつ
チャンスと見れば【質量爆弾】オーバーフレームをそのままぶつけて爆破させましょう
こういう使い方もあるんですよ?



『ぐぅ…っ、まだまだ…! 私の使命、私の為すべきことは…!』
 軋む機体をどうにか立て直しながらターヴィン少佐は呻く。渦巻く狂気は立ち止まることも引き返すことも許さず、ただただ帝国殲滅へと彼を駆り立て続ける。
『帝国滅ぼすべし…我が祖国の未来のために!!』
 叫び、ブースタを最大出力へ。向かい来た三機のキャバリアを目掛け、突撃してゆく。
「天使は天使でも、めいっぱい堕ちてる感じだね」
 迫り来る熾天使、それに先行して飛び来たビットのレーザー攻撃をかわしながら、支倉・錫華(Gambenero・f29951)はかの機体の搭乗者をそう評する。装甲を犠牲に機動力を本来の5倍まで高めた帝国国境警備隊仕様のキャバリアは、降り注ぐ光の雨を巧みに躱してゆく。
「まったく、救えない人ですね」
 ミキシングビルドしたファイアディザスターを操り、オリガ・ピスクノヴァ(戦場のピクシーナース・f30074)も彼の在り方をそう断ずる。看護兵とて助けられぬ者は助けられぬ。
『まるで私が哀れまれるべき悪のようだな! だがその認識は間違いであると、思い知らせてくれよう!』
 そんな二人の様子に呆れとも嘲りとも見える反応を示すターヴィン。更なるビットを飛ばし、碧光の雨を降らさんとするが。
「なら、そうとさえ思われずに斃れるのがお望みですかね?」
 そこへ投げかけられる声、同時に飛び来た無数のミサイル。ビットへと次々喰らいつき、諸共に爆発してそれらを撃墜していく。
「呑まれて戻れないなら。打ち倒すだけです」
 ミサイルの主は、先程の共和国軍が用いていたオブシディアンMk4。搭乗するはカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)、先の戦闘で強奪した機体を、そのまま――己を苛む狂気を精神力でねじ伏せつつ用い続けているのだ。
『意味の分からぬことを!』
 狂気に呑まれきった精神では、己が狂気に在ると認識もできぬ。カシムの言葉を斬り捨てながら、セラフィム・リッパーは加速。一気にカシム機の横合いをすり抜けて。
「…くっ!? ちぃ、持っていかれましたか…!」
 機内に響くアラート音に舌打ちするカシム。すれ違い様に繰り出された斬撃が、オブシディアンMk4の片腕を斬り飛ばしていた。
「流石に早いね…」
 錫華の表情にも緊張感が滲む。ブースタを吹かし左右に機体を振りながらライフルを連射するが。
『単調に過ぎる!』
 セラフィム・リッパーはその合間を巧みにすり抜け、一気に肉薄。片手の斬艦刀を振りかぶり、錫華のキャバリアを斬り捨てんとし――
『…ちっ!』
 徐に跳躍、錫華機を飛び越える。一瞬後、跳躍地点のやや前方をガトリングの火線が横切ってゆく。
「気付きましたか。狂気にあるとはいえ戦術判断は確かなようで」
 ガトリング砲を構えたファイアディザスター、其を操るオリガは感心したように呟く。成程、これだけの力があれば単騎で帝国を滅ぼすのも不可能ではあるまい。
「国を憂う気持ちは本物っぽいね。けど…」
 その思いに付け込まれた故の暴走か。オブリビオンマシンが狡猾だった、としておくべきかと錫華。
「ええ、故にこそ、きっちり終わらせてあげるが情けというものでしょう」
 彼が動いて、祖国が滅びる前に。祖国を守る為に彼を滅ぼす。それがオリガの結論であった。
「だね。仕掛けていこう」
 それに錫華も同意を示し、二人は其々にセラフィム・リッパーへと狙い定め向かってゆく。体勢を立て直したセラフィム・リッパー、更なるビットを展開し二人へ差し向ける。
「機体中破…ですが、まだまだです」
 光の雨がローラーダッシュで荒野を駆けるファイアディザスターの腕を、脚を貫く。既に片腕は吹き飛び、脚も損傷が目立つが、オリガはしかし止まらぬ。どの道拾い物のミキシングビルド機だ、勿体ながらず使い潰すが良い。
「この機体の持つ限り、削らせてもらいましょう」
 残る片腕のガトリングガンを構え、連射。オリガの正確な狙いから放たれた弾丸は、過たずセラフィム・リッパーを捉えるが、装甲を僅かに削ったのみで留まる。
「やはり、これだけでは効果が薄いですか」
「こっちも、火力はあんまり無いから…」
 錫華もライフルで狙うが、有効打とは言い難い。そうこうしているうち、ターヴィンの狙いは再びオブシディアンMk4へ。
『まずは一人! 殺らせてもらう!』
 ブースタを吹かし一気に肉薄。カシムの目はその挙動を見極めるも、間合いの詰まるは避けられず。
 そして振り下ろされた斬艦刀が、オブシディアンMk4の首から脇までを斬り捨て――以て、同機を戦闘不能に追い込み。
『後二人…っ!?』
 身を翻し残る二人へ向かおうとしたターヴィンだが、そこで気付く。何かが…セラフィム・リッパーに取り付いている。
「流石の腕です、付け焼刃の操縦では及びませんでした」
 それはカシム。オブシディアンMk4の倒れる寸前、そのコクピットから飛び出しかの敵機に取り付いたのだ。
「なので――全力を、出していくとします」
『何…だと? …く、離れろ…!』
 言葉と同時、カシムの身が急速に巨大化を開始。全身に鱗生え、その背からは翼と、更なる首が生えて――
「――この世界に、こういうのはいますかね」
 カシムの言葉に前後して。どうにか距離を取り押し潰しを回避したターヴィンは見る。キャバリアより尚巨大な、八本の首を生やした巨大なる龍。カシムが変じたその存在を。
「わ、おっきい竜…これがもしかして、噂で聞くあれ…?」
「確かにそれっぽいですが、実際どうでしょうね」
 それは帝竜ヴァルギリオス。アックス&ウィザーズのオブリビオン・フォーミュラであった巨いなる竜を模した姿に、カシムは変身を果たしたのだ。彼との戦の後で猟兵になった錫華とオリガには実感がないが、圧倒的なその存在感は本来のかの存在を尋常ならざる存在と理解するに十分なものだ。
『竜か…! だが、そんな存在は人類の科学力の前に無力!』
 なれどターヴィンは吼える。再び斬艦刀を構え、帝竜の首の一つ目掛け跳躍せんとし――
「ならば耐えてみなさい、この一撃!」
 帝竜の八首、その口蓋の内に其々異なる色の光が収束したかと思えば。それは一瞬にして八本のブレスの奔流となってターヴィンとセラフィム・リッパーを襲う。
『う、うおおおおおお…!!?』
 その攻撃はターヴィンにとっても完全に予想の外だったらしく。まともにブレスを浴びて、全身の装甲が腐食、崩壊してゆく。
「今ですね…! 錫華さん、援護を!」
「了解…アミシア、ジャミングからフルブースト。オリガさんの援護を」
 そこを好機と見たオリガ、ローラーダッシュの全速力にてセラフィム・リッパーへと迫る。気付いたターヴィン、ビット群を飛ばし撃墜にかかるも、動作にぎこちがない。
「ジャミングは効果充分。今だよ、オリガさん」
 それは錫華のパートナーユニット、アミシアが放った妨害電波。無線制御されるビット群はそれに妨げられ、満足に動けず墜落するものも多数。熾天使を守る碧光は、すっかり薄れていた。
『キャバリアによる特攻、だと…!?』
 ブレスの影響を何とか抜けたターヴィン、だが既にオリガ機は目の前。最早対処の取りようはなく。
「微妙に違いますね。知ってましたか、オーバーフレームにはこんな使い方もあるんですよ」
 最後の操作入力と同時に脱出装置を作動、上空に座席ごと打ち上げられたオリガがそう告げた直後。ファイアディザスターの上半身がセラフィム・リッパーへと体当たりし――爆発。
 質量爆弾と化したオーバーフレームの一撃が、かのオブリビオンマシンへと深い傷を刻み込んだのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

真月・真白
●事前
猛威を振るう斬艦刀の脅威を離れた場所で観察しつつ
「あの武器と技量、まともな装甲でも太刀打ちできそうにないですね…ならば」
本を開きUCを発動させます

●戦闘
乗り物を操作しあえて敵の剣の射程内へと入ります
容赦なく振り下ろされる斬艦刀が既に張り巡らされていた蜘蛛の巣に引っかかります
そのままなら断ち切られるでしょうが
刃以外の場所に何本も蜘蛛の糸が貼りつきます、根元には巨大な蒼炎の蜘蛛
「アックス&ウィザーズ、前人未到の幽谷に巣食っていた魔の大蜘蛛。貴方の刃ならばこれでも断ち切られるでしょう、ですが、側面からならば!」
手足も拘束したら搭乗者の排出を
助からぬとしてもせめて綺麗な体で祖国へ帰したいです


玉ノ井・狐狛
※アドリブ・連携などお任せ

手遅れなのはしょうがねぇ
オブリビオンが絡まなくたって、戦場っつうのはそういうトコだよな

が、この一件は「国と国のトラブル」だ
個々人の顛末で終わる話じゃない
――ってのは事前情報で聞いたとおりで、余計なちょっかいを出しすぎるなとも言われてたっけかな

ところで、少佐って名乗りと、自信ありげの態度からして、実戦――戦って武勲をあげた、言い換えれば敵を殺したことも結構あるよな
なら、「野郎がかつて殺した敵機の亡霊」を呪術で具現化して戦わせよう(UC)

ほら、こうしときゃァ、第三勢力の関与があったように見えるかもだろ?
それをどう使うのか、使わないのかは、後始末する連中が好きにすりゃイイさ


アイ・リスパー
「いよいよオブリビオンマシンの登場ですね。
政治的な問題に介入するつもりはありません。
ここで一気にオブリビオンマシンを叩きます!」

……ですが、すでにオベイロンは損傷。
パージした軽装パワードスーツもオーバーヒート寸前です。

「ならば、ここは切り札を使いましょう!」

さっきも奥の手を使いましたが気にしないように!

【クラインの壺】により、電脳空間に格納されていた『列車砲』を実体化。
同じく電脳空間から伸ばしたレールの上を走らせ、敵に砲口を向けます!

「そちらのプラズマビームと、こちらの列車砲の超大口径砲、どちらが威力が上か勝負ですっ!」

敵の予測軌道が列車砲の射線上に来たら、最大級の一撃を放ちましょう!



 荒野の只中、擱座する一機のキャバリア。全身が黒く焼け焦げ、随所の装甲が溶け爛れ。左腕に至っては千切れ落ち、無残なる断面を露わとしていた。
「――その状態では最早戦うことはできないでしょう。どうか、投降を」
 その前に立つ、国境警備隊のキャバリア。そこから発されるのは真月・真白(真っ白な頁・f10636)の声。眼前のオブリビオンマシン、その搭乗者たるターヴィン少佐へ。機体の齎す狂気に呑まれきった彼は最早救うこと叶わぬ、そうグリモア猟兵から聞いてはいたが。それでも望みあるならばと。願い込めた降伏と投降の呼びかけは、然し。
『まだだ…まだ終わりではない…!』
 その機体、セラフィム・リッパーより響くは、重く低く、熱く冷たい憤怒と怨嗟の声。ここに至って尚、些かも衰えぬ敵意の焔。応えるように、熾天使は再び立ち上がる。
『私が斃れれば、最早貴様らの企みを阻めるものはいない。即ち、我が祖国の終わり…だが、そうはいかぬ!』
 言葉と共に溢れる妄念が、オーラじみて熾天使を包み。ぎこちなかった動きが、徐々に精彩を取り戻す。
『貴様らを打ち倒し、帝国を滅ぼし! 以て、祖国の危機を救うのだ! この私の力で!!』
 無事な右手で斬艦刀を掲げ、宣誓めいて声を張る。その様は正しく、救国の使命に燃える英雄の様――だが猟兵達は知る。その使命が、狂気によって齎された虚偽でしかないことを。
「――――」
 故に、真白は哀しげな視線を眼前の熾天使へ向ける。狂気に堕する前のターヴィン少佐、その在り方の一端を垣間見た気がしたから。
「やっぱ手遅れか。まあ、しょうがねぇサ」
 そんな真白への慰めなのか、玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は真白のキャバリアの足元から歩み出ながら。此処が戦場であるならば、例えオブリビオンが絡まずともこうした結末は有り得るものだと。
(――が、この一件。個々人の顛末で終わる話じゃない)
 一方で心中にては、この事件の齎す影響へ思い巡らす。友好国への軍事侵攻。其れは間違いなく両国を揺るがす一大事となるだろう。最悪の場合――
「――ま、その辺はアタシらの関わる領分じゃないな」
 そこで思考を打ち切る。両国の政治への干渉は避けるべき…とのグリモア猟兵の言葉を覚えているが故に。
「ええ、そこは両国の政治に携わる方々次第でしょう」
 孤狛の隣、軽装パワードスーツを纏ったアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)も応える。猟兵達の為すべきは、眼前のオブリビオンマシンの撃破。ただそれのみ。故に。
「ここで一気に叩き、仕留めきってみせましょう!」
『やってみろ――出来るものであればな!!』
 アイの宣言に反応するかの如く、ターヴィンは叫び。その背に輝く碧の翼が広がれば、放たれるは幾条もの碧の光帯。プラズマによる高熱を帯びた光が三人を襲う。
「のわっとぉ! 奴さん、まだこんな力を持ってやがったか!」
「くっ、こんなになっても凄い力です…!」
 孤狛は驚きながらも飛び退き躱す。真白も機体を操り、数条の光に装甲を削られる程度に被害を留める。
「…っ! やっぱり、もう限界が近い…!」
 一方、パワードスーツのブースタを吹かし光帯を躱してゆくアイだが、耳に響く警告音に眉を顰める。パワードスーツの放熱が追い付かず、最早オーバーヒート寸前となっているのだ。
「ならば、ここは切り札を使いましょう!」
「アンタ、その恰好は切り札じゃなかったのかぃ?」
 孤狛の突っ込みには「気にしないように!」と返しつつ、アイはその周囲に無数のホロディスプレイを浮かばせる。アイの真骨頂たる電脳魔術の発動である。
「マイクロブラックホール生成完了、空間歪曲率固定! 電脳空間アクセスゲート開放!」
 アイの背後に浮かび上がるは巨大な――天文学の尺度で言えば超小型の――ブラックホールと、それが作り出す歪曲空間。その奥から、二本の細長い鉄の帯――線路が伸び出てくる。
「ガイドレール敷設完了――列車砲、発進します!」
 そしてその線路を走り、キャバリアより尚巨大な構造物が歪曲空間から飛び出してきた。それは列車と――それに牽引された、長大なる大口径砲。即ち、列車砲である。
『これは…!』
 その出鱈目とすら言える程の巨大さ、そしてそれが自走するという事実に、さしものターヴィンも驚愕を隠せない。だが、すぐに気を取り直して。
『だが、これだけ近ければ! 先手を打って破壊すれば済むこと!』
 右手一本で斬艦刀を構え、ブースタを噴出。列車砲を目掛け吶喊気味に飛翔――せんとしたそこに。
「行かせはしません…!」
 そこに飛び込んできたのは真白のキャバリア。キャバリアソードを振り下ろし、先手を打ってターヴィンへと攻撃を仕掛ける。
『甘い!』
 だがキャバリアの操縦についてはターヴィンの方が圧倒的に上だ。素早く後退して回避、振り下ろされた剣はそのまま地面へめり込んで。
『ならば、まずは貴様からだ!』
 その頭部目掛け、斬艦刀を振り下ろす。常ならば確実に両断したと確信しうる局面の一撃――そのはずであった。
「――いいえ」
 その一撃は、真白のキャバリアの脳天、その直前で留まる。何かが、致命の一撃を、押し留めて――否、引き留めている。
『何…!? 機体に、何かが絡んでいる…!?』
 驚愕と困惑の入り混じったターヴィンの声。機外の孤狛とアイは見た。セラフィム・リッパーの機体に絡む銀色の糸を。そしてその背後で蠢く、蒼炎で肉体形作る巨大な蜘蛛を。
「あいつぁ…もしかして、時蜘蛛か?」
 それはアックス&ウィザーズ群竜大陸の一角に巣食っていた大蜘蛛。かの存在を蒼炎以て再現した、真白のユーベルコード――彼の本体たる歴史書に記された、かの世界の『歴史』の一端。
「貴方の刃ならば、この糸さえも断ち切れるでしょう。故に、背後から」
 己の無謀とも見える突撃は、これに繋ぐ為の布石。策は奏功し、熾天使は蜘蛛の糸に捕らわれた。
『ぐぅ…っ! この程度…!』
 だがターヴィンは未だ諦めぬ。翼のプラズマ光を駆使し、糸を焼き切っての脱出を試みる。
「大した執念だ。まぁ簡単に生き諦めるような奴なら、そこまで上り詰めちゃいねぇか」
 そこに、感心とも呆れともつかぬ孤狛の声。琥珀色の瞳が、藻掻く熾天使を捉える。熾天使のカメラアイが彼女を見返す。それを通して伝わるターヴィンの『殺意』を、孤狛は確かに感じ取る。
「――ところでアンタ、少佐なんて地位まで上り詰めたのは、その腕っ節のおかげだろ? 挙げた武勲も一つ二つじゃきかねぇと見た」
『…何が言いたい?』
 予想だにしていなかった言葉に、訝しげなターヴィン。孤狛はにやりと笑む。
「つまり――それだけ、敵を殺してきたってことだ」
『―――!?』
 ターヴィンは驚愕に息を呑む。まさか。そのようなことが。孤狛の前に突如現れた漆黒の影達。色こそ違うが間違いない。それはかつて、己が撃墜した隣国のキャバリア達――孤狛が自らのユーベルコードに、持ち前の呪術を組み合わせて具現化した、まさに『亡霊』。
『お、おのれ貴様…! ぐっ、ぐぁぁ…っ!』
 そして亡霊キャバリア達は当然の如く、一斉にセラフィム・リッパー――己を殺した男の乗るキャバリアへと攻撃を開始する。動けぬ熾天使は亡霊の群れに斬られ、撃たれ。瞬く間に傷つき、壊れてゆく。
『…ぐ、ぅ…ぅ…っ…』
「――いけない!」
 徐々に弱まりゆくターヴィンの声。気付いた真白、本来の目的を思い出しキャバリアを動かす。最早無抵抗にも等しい状態のセラフィム・リッパー、その胸部からコクピットブロックを引き剥がしにかかる。ほぼ大破した機体、その作業は容易いもので。
「大丈夫ですか…!」
 呼びかけるも応えはない。そして更に。
「そんな…!? パイロットもいないのに動いた…!?」
 驚愕するアイの視線の先。全身を砕かれ、パイロットさえもいなくなったセラフィム・リッパーが、ひとりでに動き出したのだ。溢れる碧光が、亡霊キャバリアを焼き消し飛ばす。宿った妄念が、本来のパイロットの代わりに機体を動かしているとでもいうのか。
「やはり、これを呼び出したことは無意味ではなかったですね…!」
 だが改めて気を取り直せば、ホロキーボードを操作しコマンドを入力。応えて動く列車砲が、無人の熾天戦機を砲口の先に捉える。察して離脱する真白と孤狛。
「目標捕捉…発射!!」
 エンターキーを押下。轟音と共に放たれた砲撃が、オブリビオンマシンをその原型残らぬまでに粉々に打ち砕いてみせた。

「――どうですか?」
 取り出したコクピットブロックを抉じ開けた真白のもとへ、アイと孤狛も合流。かけた言葉への応えは、沈痛な表情を伴う横振りの頭。
 覗いた中のコクピットシートに座ったままの、整った顔立ちの壮年男性。彼がリッカー・ターヴィン少佐、此度の事件の首謀者にして――オブリビオンマシンの最大の犠牲者。その身に目立った外傷は無いが、それでも確信を以て言える――既に、彼は生きてはいない、と。
「――助けて、あげられませんでした」
 項垂れる真白。その肩を叩く手。孤狛だ。
「こうなることは分かってた。けど、アンタはその中でやれる限りの事をした」
 それで良しとするしかねぇさ――と。せめてもの慰めを。



 戦いの決着から程なくして、数機のキャバリアが戦闘の終わった荒野へと到着する。戦いを見守っていた国境警備隊員達が、それに気づくや否や一斉に居住まいを正す。
 猟兵達のもとまで歩み寄ってきた一団。漆黒のキャバリア達に守られた一機。赤と白を基調とした、勇壮且つ壮麗な意匠のキャバリア――『アグネリウス』。そのコクピットブロックが開き、中から現れたのは一人の少女。あどけない顔にはしかし、確かな気品と、滲み出るような威厳が纏われて。
「所属不明の援軍――とは、貴方達の事ですね」
 落ち着いた声音で猟兵達へ呼びかけながら、白と金のドレス、そのスカートを摘みコクピットから降りる。荒野に自らの脚で立ち、猟兵達へ歩み寄りながら彼女は続ける。
「私はリル・ビルシャス――このビルシャス帝国の政を統べる皇帝です」
 猟兵達一人一人に視線を巡らせつつ、少女――リルは己の名を、その身分を名乗る。
「まずは、此度の侵攻食い止めて下さった事にお礼を。報告に聞く限り、私達だけでは食い止めきれるか分からない数と質であったようですね…皆様は、我が国と民の恩人です」
 そして、コクピットシートごと下ろされ横たえられたターヴィンの亡骸を一瞥。その瞳が一時、哀しげに伏せられて。
「――長く友好保ってきた我が国への、あまりに急な侵攻。共和国の総意とは考え難いですが、一体何があったのか。保護した共和国軍の方々にも事情を聞き、首脳部との協議を行わねばなりません」
 思案するリルに、猟兵達は多くを語らず。かの世界の政に干渉するは好ましくないが故。それでも、向けられた視線に心配げな雰囲気を感じたか。微笑を伴って彼らへ向き直れば。
「大丈夫です。スプリングス首相を始め、共和国の閣僚は聡明な方々ばかり。誠意を以て話し合えば、必ずや最良の結論を出せるはずです」
 何より――そこで言葉を切って、一時、瞳を伏せて。再び開けば、そこに輝くは確かな意思の光。
「――争いなどしたくないのは私も、彼らも。同じなのですから」

 斯くして、パラメリア共和国第三機甲大隊のビルシャス帝国侵攻は猟兵達の活躍により阻止された。
 長き蜜月を破らんとしたその侵攻が、両国の関係にどのような影響を齎すのか――それはまだ、誰にも分からない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月16日


挿絵イラスト