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猫蟹合戦~鬼火の旗のもとに

#グリードオーシャン #七大海嘯 #麗月島 #S03E11 #サムライエンパイア島

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#七大海嘯
#麗月島
#S03E11
#サムライエンパイア島


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●グリードオーシャン
 麗月(れいげつ)島。
 異界サムライエンパイアに起源をもつその島は、長き時に渡って、独自の文化をはぐくんできた。
 だが、平穏は突如破られた。強大なる力……『七大海嘯』によって。
 本来島を治めていた長は、島の戦士……『サムライ』たちを率いて侵略者に立ち向かったが、返り討ちとなった。
 新たな島の旗印は、『鬼火』。それを掲げた島の支配者は、巨大な蟹のコンキスタドール。
 島民たちは、巨大蟹とその部下である猫たち……当然コンキスタドールだ……に支配されることとなったのである。
 島民に自由はない。
 猫たちの食事に、毛づくろい。巨大蟹の体に至っては、一通り洗うだけでも日が暮れる。
 誇りは奪われ、日々コンキスタドールの世話をする労働力に成り果てたのである……。

●グリモアベース
 居神・ヲリヒメ(折紙使い・f28587)は、集まった猟兵達に、大きな折紙を広げて見せた。
 するとその表面に、地図が浮かび上がる。
「今回の目的地は『麗月島』だ。元々サムライエンパイアから落ちて来た島で、衣服とか家のデザインとかに名残があるっぽいな」
 まあそれは前置きだ。
 ヲリヒメは折紙地図の上に、これまた折紙で作られた旗を立てた。
「ここは今、『七大海嘯』って奴の支配下にある。七大海嘯ってのは、グリードオーシャンで幅を利かせてる、やたらつええコンキスタドールってとこだな。てわけで今回の目的は、島の解放だ」
 麗月島を直接支配しているのは、『鬼火』の海賊旗を掲げる七大海嘯に仕えるコンキスタドールだ。
 そして島の周囲は、コンキスタドールの船団によって守られている。
「まずはこの下っ端どもを蹴散らして、島に上陸だ。邪魔をしてきやがるのは、コンキスタドール『島にゃんこ』どもの艦隊だ」
 外見こそ愛らしいが、メガリスから邪悪な力と思考を得た、凶悪な存在だ。
「こっちも船を用意するから、それを使って敵を蹴散らしてくれ。んでもって、無事に島に乗り込んだら、島を支配してるボスを討伐するんだが……」
 さらさら。
 白い折紙に、ヲリガミが筆を走らせる。なかなかの腕前で描きあげられたのは、蟹だった。
「大島蟹『カルキノス・タイラント』。島すら喰っちまうとんでもねえ化け物蟹だ」
 しかも、七大海嘯の加護を受けているためか、猟兵が束になってもかなわない程の戦闘力を有している。
「正攻法じゃ、ただのくたびれもうけだ。けど、日頃世話をさせられてる島の連中なら、その弱点を知ってるかもな」
 島の人々に協力を頼み、カルキノス・タイラントの弱点を知る事が出来れば、攻略の糸口を得られるかもしれない。
「島を解放するってことは、七大海嘯に喧嘩を売るってことでもある。まっ、上等だよな。下っ端をぶん殴って、親玉を引きずりだしてやろうぜ」
 ぱしん、と掌に拳を打ち付けるヲリヒメだった。


七尾マサムネ
 サムライの島を解放するため、いざ、合戦です!

●一章
 麗月島を守る『島にゃんこ』の船団と激突します。
 海上戦になるため、自分の船を守ったり、相手の船を奪ったりなど、足場を確保するようなプレイングがあれば、プレイングボーナスが付与されます。

●二章
 島に上陸後、ボスであるカルキノス・タイラントとの決戦に挑みます。
 通常の方法ではほとんどダメージを与えることができないため、島の住民の協力を取り付けて、弱点を聞き出してください。

●三章
 コンキスタドールを駆逐したあと、島の主を助け出す予定です。

 なお麗月島は、サムライエンパイアの文化を引き継いでいるため、だいぶ和風な島です。
 自らも腕の立つサムライである島の長によって治められていましたが、コンキスタドールとの戦いに敗れ、今はカルキノス・タイラントの住処に幽閉されています。

 それでは、勇敢なる皆様のご参加、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『島にゃんこ』

POW   :    燻製ニシンの虚偽
対象のユーベルコードに対し【すごーく疑わしいけど実は第三者 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    そしてにゃんこもいなくなった
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【見立て殺人 】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
WIZ   :    うみにゃんこのなく頃に
質問と共に【魔法であると認めれば簡単な殺害方法の予言】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『進むのならば覚悟を決めよ。これより先は『七大海嘯』の縄張りである!』
 行く手に見える麗月島から、大音声が響き渡った。
 島で待ち受ける巨悪、カルキノス・タイラントのものだ。
 そして、警句を聞いてなお進撃する猟兵たちを迎え撃つべく、島にゃんこの艦隊も動き出す。
「獲物が来ましたにゃ」
「ころころりんしてやりましょうにゃ」
「さて、どんな趣向がよろしいですかにゃ?」
 にゃんこたちの、鈴を転がすような綺麗な声に載せて、物騒な内容が聞こえてくる。
 さあ、会敵だ! 合戦の火ぶたが切られる!
備前・編笠丸鬼矗
(どんな遠くの者にも届く【大声】を出し)
やあやあ我こそは備前国の地頭、
備前編笠丸鬼矗也!
この島は誉れある武士の島也!
よってこれより島を分捕り返す!

【行動】
過去に子猫を飼っておった身としては辛き戦になるだろう…

せめて苦しまずにあの世へ送ろうぞ。

我が妖刀、備前地国を【怪力】で自在に振り、刀身を相手の船まで伸ばし、【範囲攻撃】で船ごと介錯する!
我が妖刀は地の果てまでも敵を斬る!

南無八幡大菩薩!
願わくば!かの猫達がまた、妖怪変化にならぬよう転生させたまへ!

介ッ!! 錯ッ!!

これを何度も繰り返す!!

攻撃されれば天命回生で瞬間超回復を実行

猫を切り終わらば経をあげて泣こう、猫達の為に



 迎撃の布陣を整える、島にゃんこ水軍。
 発見したる船影、勇ましく船首に立つは、備前・編笠丸鬼矗(鎌倉武士・f29057)。
「やあやあ我こそは備前国の地頭、備前編笠丸鬼矗也! この島は誉れある武士の島也!よってこれより島を分捕り返す!」
 鬼矗の大音声は、離れたるにゃんこ達の耳にもあまねく届く。
「1人で来訪とはなかなかの胆力にゃ」
「丁重にもてなしてやるにゃ!」
 接近を始めるにゃんこ船団。
 それを睨む鬼矗の内心は、決して修羅のそれではなかった。
(「過去に子猫を飼っておった身としては辛き戦よ……」)
 心と肉体はいわば両輪。如何に悪心を抱き、民草を苦しめる存在だとしても、その姿が愛らしき猫ならば、心は痛む。
「めがりすの魔性に囚われる以前は罪なき猫であったろう。せめて苦しまずにあの世へ送ろうぞ」
 すらり、鬼矗が抜いた刀が、足元に血溜まりを生む。
 しかしその刀身の長さ、にゃんこ船との距離を埋めるには程遠い。
「南無八幡大菩薩! 願わくば! かの猫達がまた、妖怪変化にならぬよう転生させたまへ!」
 鬼矗が、刀を振り上げる。そして。
「介ッ!! 錯ッ!!」
「にゃにゃっ!?」
 血しぶきが上がる。それも、にゃんこ船上にて、だ。
 備前地国。その刀身が伸長し、距離を制圧。船ごと、にゃんこ達を切り払ったのである。
 長大なる刀を振るうは、鬼矗の剛力、怪力があって初めて為せる業。
 斬撃を被った船もまた、体を維持すること叶わず、海中へと没していく。
「我が妖刀は地の果てまでも敵を斬る!」
「バカにゃ、どんなトリックを使ったのにゃ……!」
 船ごと『介錯』された自軍が海の藻屑と化していく様を目の当たりにし、別の船のにゃんこたちは、戦慄する。
 鬼矗の鬼神の如き太刀が、次々とにゃんこ船団を討ち取っていく。怪しげなる変わり身にて防がんとするも、なお血を欲する妖刀の斬撃に為す術なし。
 無論、にゃんこにも意地がある。味方の船の残骸を囮として、鬼矗の船に何とか乗り移ると、攻撃を加えた。
 だが、鬼矗の傷は、夢幻の如く消えていく。肉体に宿りし今一振りの刀『天命回生』の加護にて、瞬間超回復が行われたのである。
 ほどなく、鬼矗の戦は、終わりを告げる。
 海に浮かぶ無数の船の残骸、そして骸の海へと没していったにゃんこたちの為、鬼矗は経を上げた。
 海風に時折混じるは、悲嘆の哭き声か。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キャンディ・スカイランド(サポート)
猟兵の「キャンディ・スカイランド」と能力で召喚した「井熊・アユム」の2人組です

キャンディはアリスナイトの能力でアユムを強化したりアリスランスで攻撃したりします
バトルゲーマーの能力は基本使いません

アユムはコントローラーで攻撃する腕や足を召喚したり
キャンディからの強化で戦います

基本キャンディはアユムに肩車してもらってます

キャンディは普段は喋りません
人見知りとかではなくテンションが上がると普通に喋りだします
アユムで面白いことをする作戦が思いついた時、アユムが活躍している時はテンションが高いです
それ以外でもなんか突然に喋ります

アユムは引きこもりゲーマー(?)です
嫌がっても最終的にはキャンディに従います



 揺れる船の上。
 キャンディ・スカイランド(&井熊・アユム)(肩車 RUN RUN RUN・f21284)は、井熊・アユムに肩車されながら、待ち構える敵船団を見渡した。
「また来たにゃ」
「どんな風にもてなしてやろうかにゃ」
 まだ十分離れているのに、島にゃんこたちの陰謀を企む顔がしっかり見えるようだ。
 そんな島にゃんこにのんきに手を振るキャンディにジト目になりつつ、アユムは渋々、と言った様子で、攻略を開始した。
 島にゃんこ船は、アッと言う間にキャンディたちに接近すると、船内へと飛び移って来る。
「ちっ」
 舌打ちしたアユムに、突然強固な鎧が装着された。キャンディのユーベルコードだ。
 想像力と信じる力を性能に変える、イマジネイションの鎧!
「おおっとそんなものは通じませんにゃあ」
 ちっちっ、と島にゃんこが指を振ると、何か出た。
 アユムのような、召喚キャラだ。
 物すごーく人のよさそうな、蝶ネクタイのおじさん。
 だが、あんまりにも善人過ぎて逆に怪しい。……と見せかけて、一周回ってやっぱり怪しくないというめんどくさいミスリードを誘う系の人物。
 問題はそこじゃない。アユムの鎧のパワーを相殺するところが面倒なのである。
「無敵にあぐらかいてるようじゃゲーマー失格だぜ」
 アユムがコントローラーを握ると、背後からバーチャルなアームが突き出した。
 華麗なコントローラーさばきで、親切そうに群がって来るおじさんをつかんでは投げ、つかんでは投げ。海にいくつもの水柱が上がる。
 それを応援するのが、キャンディの役目だ。
「むむっ、物理で対処されたらなすすべないにゃ」
「ならもっと攪乱するだけにゃ」
 怪しい医者とか紳士とか老婆とかを呼び出して、キャンディたちを追いつめようとする島にゃんこたち。
 だが、敵だとわかれば容赦なんてするはずがない。
「GOGOアユムくん☆ この調子でクリアしちゃえ☆」
 ずっとにこにこ口を閉ざしていたキャンディも、アユムの無双にテンション上がったらしい。
 声を上げて応援する……のだが。
「俺から降りてくれたらもっとタイム縮められそうだけどな!」
 なんてぼやきつつ、アユムは、島にゃんこと怪しい人たちをKОしていくのだった。次々と。

成功 🔵​🔵​🔴​

クネウス・ウィギンシティ(サポート)
※アドリブ&絡み歓迎

●特徴
サイボーグ(四肢機械化済み)の技術者&狙撃手。SSW出身の鎧装騎兵。
民間人互助や義侠心に厚い。
年齢 27歳 男
口調 通常(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
メイン武器 アームドフォート、マシンガン、パイルバンカー

●台詞例
『敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります』
『索敵完了、狙撃開始』
『掃討戦ならばこの武器の出番ですね』
『これで一掃します』

●行動
狙撃手としての『狙撃・援護射撃』や技術者として『(技術)支援』がメイン。
遠距離狙撃や砲撃メインで援護に徹します。

主な技能:スナイパー・零距離射撃・メカニック・武器改造・ハッキング



 クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)の視界に、敵船団が入り込む。
「敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります」
 敵影は多数。一対多であるならば。
 接近する敵船を遠距離から迎え撃ち、掃討するのみ。
「さあ、ショウの幕開けにゃ!」
 接近してくる島にゃんこ軍へ、銃火器で応戦するクネウス。
「数が多い……ならば、ここは『アレ』を使ってみるとしましょう」
 クネウスが、端末を通じてアクセスを試みる。
 すると、虚空から箱型のモジュールが転送されてきた。
 そしてそれは、島にゃんこにも見覚えのある形をしていた。
「あれは……」
「まさか、伝説の!」
「「コタツにゃーっ!!」」
「拠点絶対防衛兵器KO・TA・TSU、暖房備品ファイナルフュージョン、承認!!」
 括目する島にゃんこたちの目前で、クネウスはモジュールとのドッキングプロセスに移行した。
 モジュールが変形。新たな四肢を形成すると、戦場にくろがねの巨神が誕生した。
 強じんかつ巨大となったクネウスの腕が、船内に乗り込んでくる島にゃんこの群れを押し返すと、敵船へと進軍を開始。
「うわーコタツにゃ!」
「ぬくぬくにゃ!」
 ねこの性であろうか。コタツならば、敵とわかっていてもクネウスの元に殺到せずにはいられない。
 程よい放熱で周囲を暖める対猫用篭絡装備に、島にゃんこ達はなすすべなし……かと思われたが。
「おっとそう簡単にはいかないにゃ」
「?」
 クネウスが、怪訝の表情をのぞかせた。
 攻撃を防いだのは、ただの紳士だったからだ。だが、クネウスの主観的にも、怪しい。
 人を見た目で判断するのはいかがなものかと思うが、それでも一目で怪しい人物は疑ってかからねばならぬ。
「これぞ疑わしいけどただの善意の第三者、にゃ! 殺人ショウには必要不可欠にゃ!」
「なるほど一種の舞台装置というわけですか。ですが……」
 コタツにつられてにゃんこたちも飛び込んでくるので、結局結末は変わらなかった。
「コタツは、ミスリードを誘う罠だったにゃ……」
 がくり。
 倒れる島にゃんこ。
 別にそういうわけではないのですが、とクネウスは思ったが、今は戦闘行動中なので口にすることはなかった。
 かくして、猟兵をもてなすはずの島にゃんこのシナリオは、クネウスによって書き換えられたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・アラベリア
ふふふっ、随分愛らしいコンキスタドールでございますね。
しかし、人類の敵となれば容赦する理由はございません。
奉仕人形として、人類の敵を容赦なく撃滅致しましょう。

・戦闘
解放後は色々と入用になると考え、敵を全滅させつつも船は残す方針で戦いましょう。
用途と有効射程の異なる90式、92式、95式、97式魔杖を周囲に浮遊させる形で展開し、戦闘機動機構で船から船に飛び移り、白兵戦を実施いたします。
92式の範囲攻撃で敵船の帆を引き裂き機動力を奪いつつ、敵船に飛び移った後は97式の魔散弾と零式鋭剣型短魔杖を用いた近接戦闘を展開。
不意打ち対策として魔導波探信儀を用いた索敵を実施し、一匹一匹確実に処理いたしますね。



 ティー・アラベリア(ご家庭用ミレナリィドール・f30348)は、白波を立てて、向かって来る島にゃんこ水軍を見渡し、微笑をこぼした。
「ふふふっ、随分愛らしいコンキスタドールでございますね。しかし、人類の敵となれば容赦する理由はございません」
 人類の敵である以上、奉仕人形として、容赦なく撃滅する所存だ。
 90式、92式、95式、97式……。
 ティーは、それぞれ用途と有効射程の異なる魔杖を周囲に浮遊させ、展開。
 メイド服の裾を翻し。戦闘機動機構で敵船に飛び移り、白兵戦を挑んだ。
 まずはあいさつ代わり。92式の範囲攻撃で敵船の帆を引き裂き、機動力を奪った。
「いらっしゃいませ、にゃ!」
 殺到してくる島にゃんこに、ティーは、97式の魔散弾と零式鋭剣型短魔杖を用いた近接戦闘を挑む。
 魔導波探信儀を用いた索敵により、動きと配置をリアルタイムで把握、一匹一匹確実に処理していく。
「おっとここで質問にゃ!」
 島にゃんこが、びしっ、と肉球をティーに突きつけた。
「なお、真実を答えにゃいと、今はめっちゃ晴れてる空にたちまち暗雲が垂れ込め、ほとばしる雷が『偶然』お前に直撃して感電死する事になるかもしれにゃいから心するにゃ」
 まさに魔法。トリックも何もあったものではない予告。
 だが、そんな島にゃんこの、質問が発せられる事はなかった。ティーの放った魔法弾によって。
「前置きが長すぎるのが仇となりましたね。性能とは実例を以て示すものですよ」
「そういう能力だから仕方ないにゃ!」
 船から船へ。
 船上を駆け回り、島にゃんこを仕留めていくティー。遠近、魔杖を駆使しつつも、敵船への被害は最小限にとどめる。
 ティーの頭にあるのは、七大海嘯の支配から解放した後のことだ。
 戦後と考えれば、色々と入用になるに違いない。ゆえに、敵自体を全滅させつつも、有用な船は残す方針なのだ。
「そう簡単にはやられにゃいにゃ」
 島にゃんこが反撃に出ようとするが、いかんせん、攻撃に仕込みがいるのが仇となった。
 質問を考えている傍から、ティーによって、斬られ、撃たれ、次々撃破されていく。
 ティーの戦力は、操る魔杖の数に比例する。一対一に持ち込めば、有利なのはティーの方だ。
 どちらのもてなしが上かは……火を見るより明らかだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

播州・クロリア
({メトロノーム・コイン}でコインロールをしながら)
可愛い顔して色は闇のように黒い
邪悪でダラキュなリズムです
船はこのまま『オーラ防御』で護りながら島へ進みましょう
進路を阻まれたら『衝撃波』を使ったジャンプで敵船に乗り込み
UC【蠱の宴】で敵の動きを遅くした後、{霹靂の旋律}から生まれた
雷撃による『属性攻撃』で船を乗っ取ってやります
(肩幅ほどに足を開き、深く息を吐きながら全身の力を抜いた後{霹靂の旋律}で『ダンス』を始める)
これは今もコンキスタドールの圧政に苦しめられている人達を一刻も早く救い出すためのリズムです
紫電迸る霹靂の旋律、とくとご堪能ください



 島外周を防護する、島にゃんこの船団。
 播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)は、メトロノーム・コインで流麗なコインロールを披露しながら、コンキスタドールの本質をみきわめる。
「可愛い顔して色は闇のように黒い……邪悪でダラキュなリズムです」
 自身の表現によって島にゃんこを評するクロリアを、島にゃんこたちも捉えた様子だ。
 クロリアがグリモア猟兵から貸し出された自船をオーラで覆いながら、会敵の時を迎える。
「侵略者はおもてなしするよう、大蟹さまから仰せつかっているにゃ」
「というわけで、たっぷりもてなされて欲しいにゃ!」
 クロリアの進路を、船で塞ぐ島にゃんこたち。
 だが、相手から攻撃を受けるより先に、クロリアは、衝撃とともに自船から跳躍した。着地点はにゃんこ船。
「うにゃにゃー!?」
「いらっしゃいませにゃ!」
 ばっ。
 襲撃を受けた島にゃんこたちが、クロリアの攻撃に身構えた。
 が、クロリアが披露したのは、剣でもなく、銃でもなく……舞いだった。
 クロリアは、肩幅ほどに足を開くと、深く息を吐きながら全身の力を抜いた後、『霹靂の旋律』を手に、ダンスを始めたのだ。
 するとどうしたことか、島にゃんこたちの動きが遅延し始めた。
「な……ん……にゃ……」
 クロリアの舞いは【蠱の宴】。
 ダンスから生み出される旋律に従い踊らぬ島にゃんこには、同じ時間を歩むことは出来ぬ。
 迸る雷光、轟音。
 激しいリズムが、船上を瞬神の如く駆け抜け、島にゃんこたちを痺れさせた。
「これは今もコンキスタドールの圧政に苦しめられている人達を一刻も早く救い出すためのリズムです。紫電迸る霹靂の旋律、とくとご堪能ください」
 これでは、島にゃんこ、虎の子のユーベルコードも発動できない。
 どんな見立て殺人を披露してくれるのかともクロリアは思ったが、被害者になるより1000倍マシだ。
 閃く光と響く音の中、クロリアの舞いはまだまだ続く。
 挙動の鈍化に加えて、雷撃の洗礼。リズムに乗れない島にゃんこは為すすべなく、降参を余儀なくされ、白旗を上げる。
 船を制圧したクロリアは、それを新たな拠点として、次なる敵船へと向かう。

 そうして、島にゃんこ船団の征圧を完遂したクロリアは、遂に目指すべき島への道を拓いたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『大島蟹『カルキノス・タイラント』』

POW   :    アイランド・ブレイズ
【背中の火山を噴火させ、炎を纏う岩石の雨 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    ハサミスマッシュ
単純で重い【両鋏 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    ゴースト・パレード
【カトラスとラッパ銃 】で武装した【海賊】の幽霊をレベル×5体乗せた【今までに喰らった海賊船を元にした幽霊船】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は安室・玲華です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵の海戦は、終わりを告げた。
 行く手を阻む島にゃんこ達を突破し、麗月島への上陸を果たした猟兵たちを、突如、激しい震動が襲った。

「グアハハハ、七大海嘯に喧嘩を売るとはとんだ身の程知らずよな」

 島が、動く。
 動き出した山の正体は、カルキノス・タイラントだ。
 その体は、巨大。横幅は優に100mを越えている。頭頂高ともなれば、小山ほどもある。
 身じろぎが木々をなぎ倒し、建物を崩壊させる。
 グリードオーシャンの伝承にも語られるという、大怪物だ。
「見よ! ワシの鋏は海賊船をも真っ二つ、何より海嘯さまの加護を受け超硬化したこの甲殻! メガリスやユーベルコードさえも無力よ」
 大気を震わせ、大笑するタイラント。
 もはや大自然そのものと相対した猟兵たちを見守るのは……島の人々だ。
 くたびれた着物の姿の島民たちの目に宿るのは、恐怖と不安。そして……迷いだ。
 島にゃんこたちをも撃破した猟兵たちならば、あるいはカルキノス・タイラントさえも討伐し、島を解放してくれるのでは? そんな、迷い……そして、希望。
 ならば、説得次第で、島民に助力を頼む事も出来るかもしれない。サムライたちの遠い子孫、その胸に、誇りが受け継がれているなら。
 カルキノス・タイラントの無敵の甲羅、その弱点を聞き出す事……それが、巨蟹退治の勝利の鍵となるに違いない。
播州・クロリア
まずは島の住民たちに希望をもたらさなくてはいけません
(目を閉じ、すっと手を真横にピンと伸ばすと{絢爛の旋律}で『ダンス』を始める)
これは栄華と繁栄とリズム
この島の未来を表現しています
(ダンスに乗せた『催眠術』で敵に認識阻害を引き起こし、それによって生まれた『残像』を囮にして攻撃を回避しながら島民に話しかける)
皆様の協力が必要です
どうか私たちにあの敵の弱点と思われる情報をいただけないでしょうか?
仕返しが怖いと思うなら私たちの力量を信じてもらえるまで
私は敵の攻撃を回避し続けましょう
(UC【蠱の一念】発動)



 まずは、島の住民たちに、希望が現実のものとなると示さなくては。
 播州・クロリアは、人々の心に芽生え始めた希望の蕾を開花させるべく、タイラントとの決戦に臨んだ。
「如何に猟兵といえど、ワシの堅牢なる守りを破ることなど出来ぬぞ?」
 挨拶代わりとばかり、巨大な鋏の片方が、クロリアを襲う。突き立てられた大地が震え、衝撃は海にまで及ぶ。
 とっさに空中に逃れたクロリアは、目を閉じ、着地。すっ、と手をピンと真横に伸ばすと、『ダンス』を始めた。
「これは栄華と繁栄とリズム。この島の未来を表現しています」
 煌めきとともに、宙を舞うクロリア。
 そのダンスは、見る者の心を震わせるだけでなく、様々な力を生み出す。
 一挙手一投足より溢れた催眠の力は、タイラントの感覚を惑わせる。
「うむう、何処だ! 斯くなる上は全て焼き尽くしてくれるわ」
 タイラントの背の火山が、火を噴いた。
 炎をまとった岩石群が、弧を描いてクロリアへと降り注ぐ。
 だが、実際に着弾したのは、いずれも残像に過ぎなかった。
 敵の猛攻をかわしながら、クロリアは、島民たちに訴えかける。
「皆様の協力が必要です。どうか私たちにあの敵の弱点と思われる情報をいただけないで
うか?」
「……!」
 顔を見合わせる島民たち。
 サムライたちの子孫だというが、皆が皆、戦う力を持っているわけではないだろう。
 また、日々労働を強いられることで、誇りや戦意も奪われ、心まで支配されているかもしれない。
 それでも、自分たち猟兵の戦う姿に一縷の希望を見出してくれた、この人たちならば。
 そう信じ、タイラントとのダンスを続けるクロリア。
「かくなる上は全力よ。我が怒りは海嘯さまの怒りと知れ!」
 タイラントの背中の火山が、火を噴いた。
 一斉に噴き出した火山弾が、クロリアとその残像たちを襲う。
「背の火山の裏側を見よ!」
 声が上がる。
 島民の声だ。
「奴の古傷があるゆえ、そこを狙うのが良策!」
 真偽を問うまでも無い。
 クロリアは、飛翔し、敵の背後に回り込む。
「見つけました、勝利への道しるべ」
 【蠱の一念】、岩をも通す。
 ダンスで高めたテンションをこめて。
 背中の傷めがけ、全力で飛び込むクロリア。
「ギァアアアアッ!!」
 タイラントの張り上げた悲鳴が、島を揺るがした。

成功 🔵​🔵​🔴​

キャンディ・スカイランド
(キャンディのテンションはあがっている)
「アユム君!アレと戦えるぐらい大きくなろう!」
「デカくなったところで敵の無敵はどうにもならないぞ」
「アユム君がかっこよく戦う姿を見たら島の人も勇気が湧いて手伝ってくれるんじゃないかな☆」

UC【巨大化!アユム君☆】使用
とりあえずボスと素手で戦えるぐらいアユム君を大きくします
そしてカニの鋏の攻撃を受け止めます

巨大なヒーローが現れたら盛り上がるはず!特にカッコイイアユム君なら☆

基本的にキャンディは巨大なアユム君の肩の上で喜んでますが、ボスの弱点を聞きに行ったりその弱点への対処で必要ならば肩の上から降ります

★アドリブ・連携お任せします



「グワハハハ」
 カルキノス・タイラントがあらわれた!
 キャンディ・スカイランドのテンションはあがっている!
「アユム君! アレと戦えるぐらい大きくなろう!」
 キャンディはカルキノス・タイラントを指さした!
「デカくなったところで敵の無敵はどうにもならないぞ」
 アユムはようすをうかがっている!
「アユム君がかっこよく戦う姿を見たら島の人も勇気が湧いて手伝ってくれるんじゃないかな☆」
 キャンディはユーベルコード【巨大化!アユム君☆】をつかった!
「おいいきなりか」
 アユムのツッコミはかわされた!
 ……というわけで、アユムの姿がみるみる巨大化していく。
 一時的とはいえ、タイラントの背丈を追い抜く勢いで、アユムはタイラントと視線の高さを合わせた。
 武器はない。
 だが、今の巨人姿ならば、素手でも十分に渡り合う事ができそうに見えた。少なくとも、キャンディはそう確信している。
 何より、巨大なヒーローが現れたら盛り上がるはず! 特にカッコイイアユムなら!
 肩の上ではしゃぐキャンディの確信は、現実となった。
「おお、あれは山の神様か?」
「いや、島に伝わる大魔神様では?」
「見た事ない出で立ちゆえ、そうかもしれん!」
 サムライエンパイアの文化を受け継ぐ故、たとえがそれっぽくなっているが、島民たちもテンションが上がっている。中には、手を合わせ、拝み始める者さえいる。
「フハハ、ワシと同等の大きさならば戦えると思うたか? だから貴様らは馬鹿なのだあ!」
 嘲笑とともに、タイラントが巨大なる凶器、双の鋏を振りかぶった。
 それは大地を裂き、海を破る力……!
「……めんどくさい」
 がしっ!
 アユムが鋏をつかんだ。
「ワシの鋏を止めた、だと!? ありえん!」
 怪獣決戦が繰り広げられる中、キャンディは、島民の声に耳を傾けていた。
「え? 何? 聞こえない」
「背中だ!! 奴の背中の火山の後ろに、古傷がある! そこを攻めよ!」
「わーい、ありがとー☆ 聞いてた? アユム君」
「ああ。少し派手に動くからしっかりつかまってろよ」
 巨大アユムは、掴んだ鋏を引っ張ってタイラントの体勢を崩すと、言われた通り、背中の傷を殴りつけた。
「……ッッッ!!!」
 あまりの痛打に、タイラントの悲鳴は、声にならず。
 ただ、その表情はひどく歪んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍統・光明(サポート)
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』
ヤドリガミの電脳魔術士×神器遣い

性別:男

外見:赤い瞳・銀髪・色白

口調:俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

特徴:基本冷静沈着。但しノリは良い。
普段二刀流と蹴術を織り交ぜる戦闘スタイルだが、
AS展開時は一転二丁銃と羽形ブラスターを操り戦う。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用

基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う

常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている

自由に動かして頂いて構いません。(NG:ギャグ・コミカル)



 一説には島を糧として成長するという、巨蟹コンキスタドール……カルキノス・タイラント。
 そんな強大な敵と、龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)は単身、対峙していた。
「なんて大きさだ……」
「グワハハ、ワシの前では全て小物よ。ワシが見上げるのは、ワシより大きな器を持つ七大海嘯さまのみ!」
 タイラントが勝ち誇る。その声は大気を震わせ、それを聞くもの全ての精神さえ委縮させるかのよう。
 物理にすら干渉する威圧をくぐり抜け、二刀で切りかかる光明。
 だが、圧倒的サイズ差の前では焼け石に水。何より、七大海嘯の加護とにより、その肉体は防御力が増大している。
 出し惜しみしている余裕は、ない。
「Armd System、展開……!」
 『絶』が、形無しの力を解放。神装【天羽々斬】となり、二丁銃の姿を披露する。
 更に、各種ウイングユニットを起動。
 白き衝撃波の輪を生んで飛翔、空中から高速戦闘を仕掛けた。
 腰部から分離したユニットが、自律行動を開始。敵へと砲撃を浴びせかける。
「効かぬ、効かぬわ! 虫に刺されたほども痛みはないぞ!」
 呵々大笑するタイラントから、反撃が来る。
 海すら割る大鋏が、相次いで光明へと振り下ろされる。宙で回転、華麗な機動で回避する光明。
 敵は名実ともに強大だ。それでもなお粛々と攻撃を続ける光明の姿は、島民たちの心動かすものがあったらしい。
「背中だ、背中の火山だ! その後ろ側に古傷がある。そこが奴の弱点であるぞ!」
 支配者の恐怖を振り切って、島民たちは、光明を促す。
「愚かな! ワシに従っていれば安泰であるものを!」
 タイラントは島民たちの裏切り行為を見逃しはしないだろう。そんなリスクを背負ってまで自分に託してくれたのなら。
 光明は行く。光の翼を駆使して。
 八機の思考制御型羽形自律砲台からの射撃が、タイラントの視界を妨害する。
 タイラントがブラスターの相手に懸命になっている間に、光明は敵の死角へと回り込む。そして、古傷をロックオン。
「天道より紅く染め上げろ、曼珠沙華!!」
 超速で放たれた衝撃波が、無敵の守りを打ち砕く。
 視界を赤く染められ。
 岩肌に刻まれた古傷を攻められ。
 後退するタイラントの姿に、島の人々が歓声を上げるのを、光明は聞いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クネウス・ウィギンシティ
「超硬化したその甲殻、研究素材に欲しい(ゴクリ)」

【POW】

●説得
「起動完了」
 クロムキャバリアを駆り、RSロングレンジライフルを構え狙撃姿勢を取ります。山神らしき巨体で巨大な火縄銃らしきものを構えることでもしかしたらやれるかもという説得力を滲ませる狙いです。

「後は何処を狙えば良いものか。教えていただけますか」
 狙う詳細な場所の情報を知りたいので、サーチドローンを出して情報収集しつつ島民に語りかけます。古傷と云っても火傷や擦過傷等の何か逸話やヒントがあるかも知れません。

●戦闘
「CODE:ARTEMIS。観測情報を反映、誤差修正完了。シュート!
 自前のセントリーガンを囮に弱点を狙い撃ちます。



 クネウス・ウィギンシティは、猟兵たちとの交戦を継続する、巨大な蟹を見上げていた。
「超硬化したその甲殻、研究素材に欲しい」
 ゴクリ。
 これだけ厚く、大きな甲殻など、そうお目にかかれるものではない。
 そのためには、蟹退治を完遂せねばならない。
「うわわ。鋼の絡繰りか!?」
 情報収集のためクネウスが出撃させたサーチドローンを見て、島民が驚く。
「起動完了」
 クロムキャバリア・アルゲスに搭乗したクネウスは、RSロングレンジライフルを構えた。
 勇猛な狙撃姿勢をとるその機体を、島民たちは畏敬の念を以て見上げている。
「今度の山神さまは、絡繰りというわけか?」
「しかも、銃を構えておられるぞ」
「あれならば、あるいは……!」
 島民たちの期待高まる中、クネウスは射撃を開始した。
 着弾。だが、派手な音とは裏腹に、カルキノス・タイラントの甲殻はほぼ無傷。
「グアハハ、海賊船の大砲でもワシは傷つかぬぞ! ましてかような豆鉄砲で何が出来ようか」
「……豆鉄砲とは大きく出ましたね」
 だが、タイラントは気づいていないようだ。クネウスの射撃……威力こそ鉄壁を破るには至らないものの、その狙いの精度は相当に高いと言う事に。
「後は何処を狙えば良いものか。教えていただけますか」
 島民は、クネウスの頼みを受けた。
「背中の火山の後ろ側に古傷があるのです。昔、他の巨大な海の生物と争って付けられた切り傷だと、武勇伝の如く語っておりました」
「なるほど。ご協力に感謝します」
 クネウスは、礼を告げると、改めて狙いをつけた。
「痛くもかゆくもないがうっとうしい。潰してくれる!」
 タイラントが、走りながら砲口を向けるクネウスに向け、双の鋏の振り下ろしを見舞う。
 小隕石の落下にも匹敵する衝撃が、クレーターを作り出す。ならば、そこにいたクネウスもまた……。
 だが、島の人々の悲嘆を裏切り、小さな影が動く。しかもそれはクネウス機ではなく、自走式のセントリーガン。
 囮だ。
 その間にクネウスは、ドローンからの情報のフィードバックを完了している。
 アルゲスのモノアイが、光を放つ。
「グハハ、そんな離れた場所からの射撃が効くものか……!」
「CODE:ARTEMIS。観測情報を反映、誤差修正完了。シュート!」
 クネウスの一射が、正確に弱点を撃ち抜く。
 一瞬遅れて響いた悲鳴は、もろちん、タイラントのものだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

備前・編笠丸鬼矗
相手が化け蟹とて単騎で出たのならこちらも一騎討ちをせねば無礼ッッッ!誉れある戦をせなばならぬ!

正々堂々奴の古傷をぶった斬り、エンパイアの島を分捕り返す

我こそはエンパイア最後の鎌倉武士、備前国の地頭、備前編笠丸鬼矗なり! 名を名乗られい!

【行動】
まずはあやつの古傷まで辿り着かなければならぬ。

何かよい手はないか……

いやあるッッッ!!

まずは短刀で己の腹を横一文字に裂き、天命回生を取り出す。
そして【怪力】をもって天命回生を奴の山へぶん投げて突き刺す。

手から妖刀が離れた瞬間、拙者の身体は崩れ、天命回生の瞬間超回復で崩れた肉体が妖刀にあつまるだろう。

もしたどり付いたのなら、奴の傷から一文字にぶった斬る!



 睨み合う、備前・編笠丸鬼矗と、カルキノス・タイラント。
「相手が化け蟹とて単騎で出たのならこちらも一騎討ちをせねば無礼ッッッ! 誉れある戦をせなばならぬ!」
 正々堂々、支配者たる巨蟹の古傷をぶった斬り、エンパイアの島を分捕り返す!
 鬼矗が気合とともに、敵へと名乗りを上げる。
「我こそはエンパイア最後の鎌倉武士、備前国の地頭、備前編笠丸鬼矗なり! 名を名乗られい!」
「ワシはカルキノス・タイラント、鬼火の旗に従うものなり!」
 最低限の礼儀は果たしたとばかり、タイラントが攻撃を仕掛けた。その背の火山より、炎の弾を噴き出したのだ。
 1つでも災禍をもたらす火山弾、荒れ狂う炎熱の雨を、鬼矗はくぐり抜ける。
「まずはあやつの古傷まで辿り着かなければならぬ……」
「グアハハ、正々堂々であるぞ、貴様もその力を見せてみい!」
「この焔雨の抜ける何かよい手はないか……いやあるッッッ!!」
 閃く鬼矗の眼光。
 抜き放ちたるは、短刀。鬼矗は、それを以て、己の腹を横一文字に裂いた。
 括目するタイラントと島の人々。
「血迷ったか、敵前にて割腹するとは……!」
 戦場での行為ゆえ、無意味とはタイラントも、島の人々も思わぬ。だが、自らを傷つける行為の意図を測りかね、戸惑いは隠せない様子。
 しかし、人々はすぐに知ることになる。
 鬼矗が腹部から引き抜いた手に握られ、威容を示したるは、
「号 『天命回生』影打」
 一振りの刀。
 己が身の傷を顧みることなく、鬼矗はその怪力をもって、天命回生をぶん投げた。
 緋の軌跡が虚空を駆け抜け、背に負う火山目指し、向かっていく。
 そして、鬼矗の手から妖刀が離れた後、その身体は崩れゆく。しかし次の瞬間起きた出来事は、島民のみならず、タイラントをも驚愕させた。
「バカな、ありえん!」
 崩壊したはずの鬼矗の肉体、その欠片が妖刀の元に集結したかと思うと、またたく間に復元を成し遂げたのだ。
 これぞ天命回生の持つ、瞬間超回復の力!
 もはや、鬼矗の行く手を阻むもの無し。
 今一度握りしめた妖刀に、ありったけの力をこめて。
 鬼矗が、巨蟹に刻まれし古傷を、一文字に斬り下ろした。
「そ……ん……なはずが……ッ!!」
 タイラントが、遂に、地に伏した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『王者の挑戦』

POW   :    堂々と一騎打ちを挑み、正面から戦う

SPD   :    華麗な身のこなしで相手を翻弄する

WIZ   :    策や罠を巡らせ、戦いを有利に運ぶ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ワシはおろか、海嘯さまの力さえ打ち破るだと……!!」
 カルキノス・タイラントの巨躯が、崩壊を始める。
「だが、海嘯さまが黙ってはおらぬ。早晩、貴様らは相応の報いを受ける事になるだろう。グアハハ……!」
 捨て台詞を残し。
 巨蟹が、骸の海の藻屑となった。

 脅威は去った。
 だが、島民たちの案内で、猟兵たちは島の深部へと向かうこととなる。
「この奥に、島主さまが捕らえられております!」
「島主さまと一緒に、災厄の源……海賊旗を焼いてくだされ!」
 なんでも、島一番の山の天辺には、七大海嘯の支配を示す旗が掲げられており、それがある限り、新たなコンキスタドールが現れるのだと言う。

 ひとまず島主である。
 反逆者を捉える洞窟の奥、島にゃんこたちに作られた牢獄にいたのは、1人の男。
 長髪は乱れ、着物はぼろぼろ。それでもなお、眼光は鋭かった。
「何ものだ……どれだけいたぶられようとも、七大海嘯だろうが、こんきすたどぉるだろうが、某が従うつもりはない!」
「島主さま! この方たちは猟兵さんだ、あの巨大蟹どもを倒して、島を救ってくだすったんだ」
 島主、と呼ばれた男は、島民の訴えかけに、ぴくん、と眉を跳ね上げた。
「猟兵、だと? こんきすたどぉるに代わって、我らの島を支配せんとする輩ではあるまいな」
 人々の手によって、手枷を外され、牢から出され。
 そして、敵に取り上げられていた愛刀を手渡された島主は、猟兵たちを睨んだ。
 視線にこめられたのは、敵意と疑念。
「新たな支配者でないというのならば、それを刃で示してみせるがいい」
「猟兵さん、すまぬ。島主さまは立派なサムライなんだが、疑り深いところがあってな……」
 島民が、頑なな島主に代わって、申し訳なさそうな顔をした。
 島民から届けられた握り飯を平らげた後、島主は、刀を抜いた。
「やあやあ、我こそは、麗月島が島主、麗月・是好(れいげつ・これよし)! そしてこれなるは、めがりすの名刀『月心丸(げっしんまる)』! 我が太刀筋にて、そなたらの心を試してくれようぞ!」
 やむをえまい。
 自分たちが邪なる心を持つものではないと、戦いざまにて示すしかないようだ。
 ただし、手加減しつつ。
播州・クロリア
刀も武術の心得もありませんが
心を試すというのであれば受けて立ちます
証明しましょう
私の心には踊りしか存在しないということを
(肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
このリズムは私の踊ることへの欲望と情熱を燃料に天まで焦がす火柱を表現した炎のリズム
({紅焔の旋律}で生み出した炎を身に纏いながら踊り続ける)
この心、偽りだと思うのであればその刀で私を切り捨ててください



 開けた場所へと移り。
 すっ、と、島民たちの前に進み出たのは、播州・クロリア。
 是好との『一騎打ち』に名乗りを上げた。
「刀も武術の心得もありませんが、心を試すというのであれば受けて立ちます」
「その意気や良し。ならば問おう。其方の心の形はなんぞや?」
「踊りです」
 是好の問いに、クロリアは即答した。刹那の逡巡もなく。
「踊りにて我が太刀と相対せんというのか?」
「刃を交えるだけが、心を示す方法ではありません。証明しましょう。私の心には踊りしか存在しないということを」
 肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながら、ゆっくりと上体を起こした後、クロリアのダンスが始まった。
 燃え盛る炎、その揺らめきの力強さを思わせるダンスの名は……『紅焔の旋律』。
 島のサムライたちはもちろん、是好もまた、見とれるよりほかなかった。
「なんと、可憐なる容姿から、このように勇壮さを感じさせる舞を披露するとは」
「このリズムは私の踊ることへの欲望と情熱を燃料に、天まで焦がす火柱を表現した炎のリズム」
 旋律と舞踏から生み出した炎を身に纏いながら、踊り続けるクロリア。舞い散る火の粉は、蝶の鱗粉の如く煌めく。
 それを観ていた人々のすさんでいた心に、癒しと活力がもたらされる。
 クロリアの舞いは、コンキスタドールの圧政からの解放を祝福しているようにも見えた。
「さあ、この心、偽りだと思うのであればその刀で私を切り捨ててください」
「むう……!」
 クロリアの真摯な視線に、是好はたじろいだ。
 抜き身となった月心丸の切っ先が、下がる。
「某、未だ修行中の身なれど、この舞いの清らかさは心に沁みた。加えて、正しき心を示すには、必然、刃を交えるものと決めつけていた我が狭量が恨めしい……!」
 がくり、と膝を折る是好。
「非礼を詫びさせていただきたい。そして貴方様に、島を救いし恩人として、改めて感謝申し上げたい……!」
「島の主として、人々の命を預かる者として、あなたの選択は間違っていなかったと思います」
 クロリアの破顔とともに、舞いが終わりを迎える。
 刃を交えることなく島主を感服させたクロリアへの、人々の拍手は、惜しみなく、しばし止むことが無かったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キャンディ・スカイランド
「支配者じゃないって示すなら、もう帰っちゃっえばいいんじゃないか。」
「えーっ、アユム君のカッコイイ所もっと見せてよ。」
「はぁ……、戦えってことだな。」
キャンディを背負ったままアユム君は島の何処かから借りた木刀を構える
「めんどくさいけど仕方ない。召喚したゲームキャラクターが操作を受け付けないなんて、バトルゲーマーである自分の流儀に反するからな。」
侍にも忠義とか誉れとかあったはずだろ
それと全く同じとは言わないけどちょっとは分かってくれ
後はアユム君はタイミング見てカウンター居合抜きしてみる
まともに刀握った事ないけどゲーマーの反射神経と戦場で培ったバトルセンスで何とかなれ
UCなし
★アドリブ・連携お任せ



「ではこの調子で、猟兵さん、よろしくお願いいたします!」
 ずずいっ。
 島の人々に押し出され、島主の前に立ったのは、キャンディ・スカイランドとアユム君である。
「むう、これはなんとも奇抜な出で立ち……島の外には多様な文化があるというが、その1つであろうか」
 是好が、怪訝そうな面持ちで、キャンディたちを凝視する。
「ともあれ、我が前に立ったと言う事は、覚悟ありと見た!」
 何やかんや言って、結局戦いを求めているだけでは? アユムはいぶかしんだ。
「支配者じゃないって示すなら、もう帰っちゃえばいいんじゃないか」
「「「えー!!!」」」
 踵を返すアユムを見て、島民たちとキャンディが一斉に声を上げた。
「アユム君のカッコイイ所もっと見せてよ」
「はぁ……戦えってことだな」
 キャンディはもちろん、島民たちの期待の視線を一身に浴びて、アユムは是好に向き直った。渋々。
 キャンディを背負ったまま、島の人から借りた木刀を構えるアユム。
「めんどくさいけど仕方ない。召喚したゲームキャラクターが操作を受け付けないなんて、バトルゲーマーである自分の流儀に反するからな」
「ほう、流儀とな」
 感心したようにうなずく是好。
「侍にも忠義とか誉れとかあったはずだろ。俺のがそれと全く同じとは言わないけどちょっとは分かってくれ」
「ならば、それを刃にこめ、示してみせよ!」
 是好が仕掛けた。
 メガリスの刀だという月心丸を振るい、アユムに切りかかる!
「割とガチで殺る気じゃないかこのおっさん」
 アユムのぼやきを聞きながら、キャンディは決戦に臨んだ。
 まともに刀など握った事はない。だが、ゲームの中でならそういうジャンルもある。そっち系の反射神経と、戦場で培ったバトルセンスがある。
 そして、是好の刀が、迫る!
「見切った?」
「何で疑問形なんだ」
 キャンディへのツッコミのタイミングと同時、アユムが木刀を振るう。是好の斬撃をかわし、カウンターの居合抜き!
 交錯する、1人と2人。
 果たして、勝者は。
「まことに見事、なり……」
 がくり。
 膝を屈したのは、是好の方であった。
「人は見かけによらぬ、とは正にこのことか……!」
「まあ、そうなるな」
 勝利に喜ぶキャンディに頭を撫でられながら、アユムは内心、ほっとしていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
「ここは現地の流儀に合わせますか」

【SPD】

●手合わせ
 先程(第二章)クロムキャバリアから降りる際に機体に積んであったサムライブレイド(ガンブレード)を装備し、島主に対面します。

「スペースシップワールド解放軍、クネウス・ウィギンシティ1尉! いざ尋常に勝負!」
 何故か、手合わせすることになりましたが技術を盗める機会と有れば見逃せません。

「CODE:AVOID AUTOMATON。分析完了、論理演算モデル計算開始」
 UCを惜しまず使います。機械の身体を自動【操縦】で動かし、相手が疲れ果てるまで回避と最低限の切り払いで持って対応する狙いです。

 旗は是好さんが満足したら、燃やさせて貰うとしましょう。



 クロムキャバリアを降りたクネウス・ウィギンシティは、島主・是好と相対することを決めた。
 相手は剣気をまとい、既に臨戦態勢だ。
 クネウスの手にもまた、機体に積んであったサムライブレイドが握られている。
「郷に入っては郷に従え。ここは現地の流儀に合わせますか」
「ほう、其方もサムライ、というわけか。後は、その刃に曇りあるか否か、見極めるのみ!」
 是好が、クネウスの技量を測るように、視線を走らせた。
 是好は、強大なコンキスタドールにも果敢に立ち向かった人物だ。たとえ格上が相手だろうと、怯む姿勢は微塵も見せぬ。
 クネウスの目から見ても、是好は一定の技量を持つ人物だった。さらなる鍛錬を積めば、あるいは、猟兵に匹敵する戦士となるかも知れぬ。
「スペースシップワールド解放軍、クネウス・ウィギンシティ1尉! いざ尋常に勝負!」
 続けて、是好も名乗りを上げる。
 成り行き上、手合わせすることになったが、技術を盗める機会と有れば見逃せない。
「CODE:AVOID AUTOMATON。分析完了、論理演算モデル計算開始」
 ユーベルコード、発動。
 相手を殺すわけにはいかないが、さりとて、力を惜しめば失礼にあたる。
「持てる全てを奮い、某を打ち負かしてみせよ! はあっ!」
 裂帛の気合と共に、切りかかる是好。
 メガリスの刀が、虚空に軌跡を刻む。斬られれば、クネウスとて無傷ではいられまい。
 だが、是好の斬撃が、クネウスをとらえる事はない。
「まるでこちらの動きが全て読まれているかのよう……!」
 正解である。
 是好の一挙手一投足、それらを全て予測。導き出された軌道を、自動操縦された機械の身体が回避する。
 クネウスの方からブレイドを振るうのは、最低限の切り払いの時のみだ。
 次第に、是好の息が上がっていく。
 反対に、クネウスの方は、まるで疲労を感じさせることはない。
「これぞ無我の境地か、邪念持つものの為せる業ではない……ッ!」
 是好が、涼し気な面持ちのクネウスを睨む。
「その動き、澄み切った流水の如し……心もまた同じ」
 是好が、刀を納めた。
「貴方様の心、しかと見せていただいた。非礼を詫び、救いの手を差し伸べてくださった事に感謝申し上げたい」
「満足していただけたのなら構いません。では、後は旗ですね」
 クネウスが、山頂で翻る、支配の海賊旗を見上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

備前・編笠丸鬼矗
よかろう受けて立つ!
遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ!我こそはエンパイア最後の鎌倉武士ッ! 備前国の地頭ッ! 備前編笠丸鬼矗! 

誉れある武士の魂を今こそ麗月島に示す時ッ!!

開幕の鼓を鳴らせいッ!

【行動】
同じ武士に対し本気で向かわぬは無礼ッ!!我が精魂を持ってお相手致すッ!

示現流大上段の構えで空気と地面を割るほどの一撃の元に誉れを示そうぞッ!

誉れある武士の一撃を避けるは無礼ッ!己が肉体で全て受け止め、ここだと思う時に渾身のチェストを振り下ろすッ!技も下手な動きも必要あらずッ!ただ誉れある武士の魂を見せるのみ! ゆくぞ島長ッ!


刀を振る瞬間に刀身を旗の場所まで伸ばして旗をぶった斬りたい



 島主の前に、備前・編笠丸鬼矗が姿を現した。
「遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ!我こそはエンパイア最後の鎌倉武士ッ! 備前国の地頭ッ! 備前編笠丸鬼矗!」
「その名乗り、我が島に古来より伝わる名乗りに似て! 其方もサムライの血を、魂を備えしものなのか!」
 是好の表情に、抑えきれぬ歓喜が宿る。
 是好も鬼矗も、身を置く世界こそ違えども、血脈を辿れば、祖となるは同じサムライエンパイア。そして何より、武士の魂を受け継ぐもの同士。
「誉れある武士の魂を今こそ麗月島に示す時ッ!! さあ、開幕の鼓を鳴らせいッ!」
 2人のサムライの相対に、他のサムライたちもまた血がたぎる。いずこからか、鼓持つ民が現れ、開戦の音を響かせる!
「同じ武士に対し本気で向かわぬは無礼ッ!! 我が精魂を持ってお相手致すッ!」
「島の外より来たりしものに、サムライの魂が宿っていようとは……これも何とも異な縁よ、ならば某も全身全霊にて応えねばなるまい!」
 2人が、同時に刀を抜き放つ。
 片やメガリスの刃、片やユーベルコードをまといし刃。
 しかしそこに託されたのは、同じ侍魂。
 にらみ合う両者。既に戦いは始まっている。
「いざ、参るッ!」
 先に仕掛けたのは、是好であった。
 長きにわたり牢につながれていたとは思えぬほどの瞬発力。相手が猟兵でないことも鬼矗に忘れさせるほどの剣気が、空気を震わせる。
 そして、是好の一刀が、鬼矗を断つ!
「何故避けぬ!?」
「誉れある武士の一撃を避けるは無礼ッ!」
 肉を切らせて骨を断つ。
 己が肉体で、是好の技と魂を余さず受け止めた鬼矗は、そのまま自らも刀を振り上げた。
「技も下手な動きも必要あらずッ! ただ誉れある武士の魂を見せるのみ! ゆくぞ島長ッ!」
 稲妻の如く迸る、赤き眼光。
 示現流大上段の構えから繰り出されるは、空気と地面すら割り裂くほどの一撃!
斬!!
「み、見事なりカマクラ武士……!」
 一刀を受け、その場にくずおれる是好。
「安心せい、峰打ちである!」
 島民たちから、歓声が上がる。
 刀と一心同体となった鬼矗の斬撃は、遙か山頂の海賊旗にまで至り、鬼火の紋を両断していたからである。

 猟兵を味方と認めた島主・是好は、何か役立てる時があれば、猟兵たちに助力してくれることを申し出た。
 猟兵により守られ、支配の海賊旗を失った麗月島に、コンキスタドールが魔手が及ぶ事は二度とあるまい。

 かくして、麗月島の支配は、猟兵たちの奮戦により終わりを迎えた。
 しかしこれは、『七大海嘯』……海を統べるコンキスタドールとの戦いにおける、ほんの前哨戦に過ぎないのかもしれぬ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月05日
宿敵 『大島蟹『カルキノス・タイラント』』 を撃破!


挿絵イラスト