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竜の血に連なる暴虐の果てに

#グリードオーシャン #七大海嘯

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#グリードオーシャン
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#七大海嘯


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●圧倒的な捕食者
 今日も今日とて、王の権威を振りかざした暴虐の竜は唸りを挙げる。
 逃げ惑う無力な民の身体をその大きな掌が、果実をもぎ取るように掴むと彼はその爪を民の身体へと突き立てる。
 響き渡る悲痛の声色が極上の歌のように竜の聴覚を甘く悦ばせれば、一思いにその身体を断てるにも関わらず、その爪は苦痛を煽るように身体を抉り、血を滴らせる。
 まるで果実を握り潰しその果汁を啜るように――飽きればまた別の果実を捉え、その果汁を啜り上げていく。
 されど命までもが奪われることはない。
 活かさず殺さず――ローテーションを組んだ血の搾取は、毎日のように続くが、その吸血によって命を奪われた者はどこにもいない。
 無論慈悲などではない――吸血鬼の知能と魔力を備えた竜は、吸血鬼の愉悦すらも兼ね備えたか、程々に活かし微かな希望と絶望の狭間を行き来させる。
「誰か、助けて……」
 色濃き絶望の呟きこそが、王の錫杖を旗印と掲げた竜の癒しとなるように――今日も又、闇の世を元とした島には竜の歓喜の声が響く。

●血反吐
「竜の血族……とは、さる吸血鬼の名の由来となったものではあるが」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、グリモアが映し出す島の光景に憤慨しながらも、パタンと手帳を閉じて立ち上がった。
「竜が血を啜る……何とも奇妙であるが、同時に許せない光景でもある」
 場に集まった猟兵達をゆっくりと見回すと、彼女は銀灰色の瞳に仄暗い怒りの炎を宿しながら一つ深呼吸をし、目を強く見開いた。

「さぁ語ろうか! 舞台は貪欲なる海と海賊の世界グリードオーシャン! 君達には、七大海嘯の魔の手から島を救い出して欲しい」

 七大海嘯――それはグリードオーシャンの強力なコンキスタドール。
 七つの旗印を掲げた強大なる海賊団は、例外なく島を支配し人民を苦しめている。
 今回赴くダークセイヴァーの色濃き【エルデンモット島】を支配するのも、その配下が一つらしい。
「御覧の通り、『王笏』の旗印を掲げた奴らだ。王を気取るのは何とも反吐の出る暴虐ではあるがね」
 掲げられた旗と記された王の権威を示す錫杖のデザイン、そしてそれを戴く支配者を気取る竜の姿。
 その二つに嫌悪の感情を隠すことも無く吐き捨てれば、改めてと彼女は語りを続ける。
「ともかく、この圧政に苦しむ島を解放して貰いたいのだが、簡単にはいかない」
 まずは船を使い島に赴くところから始めなくてはならない。
 しかし島を支配しているのは【軍勢】だ。となれば待ち受けるものは、上陸と脱出を阻む大艦隊とそれに乗る黒騎士の姿をグリモアが映し出す。
「この大艦隊だ。行きはこの艦隊を突破し、島へ往くのだが……」
 上陸を阻むの為には手段を択ばない相手なのだという。
 猟兵達を直接攻撃するのは勿論のこと、場合によっては船を落としにかかってくるのだとも彼女は語る。
 自軍の船を落とされたところで、相手の船を伝うなり泳ぐなり手段があるが不利になることは避けられないだろう。
「何にせよ船を奪われないように注意してくれたまえ。逆ならば存分にやっても良いと思うがね」
 自軍の船を守るか、或いは敵軍の船を奪うか――有利に戦うとしたら、その辺りだとスフィーエは語った。

「然る後、島を支配する者を倒して貰いたいのだが……一言でいうと、【マトモにやり合ったらまず勝てない】相手だ」
 グリモアが映し出す竜は、吸血鬼の特質を備えた非常に強力な竜だ。
 鋭い爪と血を操る力と再生能力を備えた強力無比な存在は、激戦を経て強くなっている筈の猟兵ですら、真面に戦っては勝機は限りなく薄い。
 場に動揺が走るも、スフィーエはそれを制するように語り出す。
「付け入る隙があるとしたら……そう、それは島民が知るだろう。だが彼らは、それを知って尚実行に移せなかった……つまり、それだけ圧政に苦しめられ続けた者達だ」
 それがどういうことかといえば、圧政の理由を知り、その上で逆らうことへの不安を払拭するように――彼らを勇気づければ良い。
 そうすれば今はまだ敵わない相手でも勝機が見える――分の悪い賭けであるが、何が何でも倒さないことには始まらないと彼女は語った。

「さて、七つの海の支配者との戦いと聞けば心躍るかもしれないが、兎にも角にも竜と吸血鬼の支配など真っ平だ」
 語りを終えたスフィーエは改めて、島を支配する暴虐の竜とその所業を思い返し、唇を真一文字に結び怒りを示し。
 改めて場の猟兵達に戦意を確かめると、充分と感じたかグリモアの淡い金色の輝きは戦場への道を開いていく。
「血を見るのはどちらか、暴虐の化身に思い知らせてやってくれ。では……頼んだよ」


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 トマトジュースはやっぱり無塩よりも有塩の方が美味しいと思います。
 ですが塩分の取り過ぎには注意しましょうね。

 さて今回はですね、七大海嘯の一つが支配する島を解放するシナリオとなっております。

 第一章は集団戦。
 コンキスタドールの大艦隊と、海上船で戦います。
 敵は此方の船も狙ってくるので、上手くそれを防衛するプレイングや、敵の船を上手く奪うプレイングがあればボーナスになります。

 第二章はボス戦。
 普通に戦ってはまず勝てないほどの強敵ですが、島民のみが知る弱点があります。
 圧政に苦しむ彼らに、圧政に抗う希望を与えて協力を取り付け、その弱点を突くプレイングにはボーナスが入ります。
 圧政はOPや第二章の断章などを参考にしてください。

 第三章は冒険パート。
 パニックに陥った島で、住民を上手く避難誘導しつつ中央に辿り着き、メガリスを破壊してください。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『黒騎士ワイルドハント』

POW   :    堕ちてなお団結す
【仲間との一糸乱れぬ連携攻撃】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
SPD   :    黒剣変状
いま戦っている対象に有効な【鉤フックや銛、銃器などに変形する黒剣】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    怪鳥の大群
召喚したレベル×1体の【自身の仲間たちと共】に【潜水も可能の大翼と生命力吸収を持つ爪や顎】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミーナ・ヴァンスタイン
ダークセイヴァーにある町のミステリアスな女領主。
避難民を庇護下に置くなど被害者たちには優しく接し、敵対者には容赦しないダンピールの聖女。

自分の町を守護するため、あまり異世界に出向かない彼女が来た理由は一つ
「吸血種のドラゴン……全力で潰さないといけないわね」
ダンピールとして、仇敵の力を持ち異世界の住民を苦しめる悪を見過ごせなかったから

「哀れな亡霊よ。解放してあげる」
UC使用。自分の乗る船を中心に空から浄化の光が降り注ぎ、黒騎士や鳥たちが苦しめる。
「これであなた達はこの船に近づくことはできないでしょう?」
光の精霊銃、右手に「バニッシャー」左手に「イレイザー」を構え、敵軍を薙ぎ払う
「救済の時間よ?」



●その血に従いて
 潮風が爽やかに船頭に立つ女の黒髪を妖しく揺らしていた。
 かの暴虐な吸血鬼の竜が支配せし島を守るかのように立ちはだかる艦隊の前に、心許なくも見える単身にて彼女は――ミーナ・ヴァンスタイン(救済の聖女・f00319)は軽く目を細めた。
「吸血種のドラゴン……全力で潰さないといけないわね」
 普段は滅多に異界に赴かぬ彼女であるが、今はこの身に流れる神殺しの血が騒ぐ。
 高貴なる者の義務を果たさんと、仇の力を持ち民を苦しめる竜を、悪を見過ごすことは出来なかったからだ。
「哀れな亡霊よ。解放してあげる」
 数多の艦隊に乗る黒騎士達が一斉に躍り出て、海の揺らめきを船が斬り裂きながら、空を埋め尽くす黒き御使い――翼を生やし鉤爪と顎を得た怪鳥の姿の大群を前にも、ミーナは恐れず軽く息を吸い。
「光の精霊よ。親愛なる我が友よ」
 迫りくる大群を前に、ゆっくりと、両腕を広げる――その姿はまるで神々しき十字架のように。
「聖者ミーナ・ヴァンスタインの名のもとに、この地に祝福を与えよ」
 降り注ぎ始めたは眩く輝ける、光の雨――悪しき船を拒絶する聖なる慈雨が、結界のように猟兵達の船を取り囲むように張り巡らされる。
 するとどうだろうか、侵入者を撃墜せんと職務に忠実にやってきた黒騎士達は、苦悶の雄叫びを挙げるように黒鉄の身体をガチャガチャと喧しく暴れさせ、やがては降り注ぐ光の中にその黒を煙と化していく。
 魔によって突き動かされる黒鉄の大群と、猟兵達の船を目掛け進む文字通りの黒船達は輝きの雨を前に思うように歩を進めることは出来ず。
「これであなた達はこの船に近づくことはできないでしょう?」
 妖艶にも見える笑みを浮かべたミーナの思惑通り、亡霊を拒絶する結界に包まれながら、奇跡を起こす聖人の如く大艦隊の中を悠然と進みつつ。
「さぁ――救済の時間よ?」
 右手と左手、それぞれに意味するは【消し去る者】――光の精霊を宿せし銃を華麗に突き付けると。
 光の結界が癒し払う慈雨ならば、一対の銃から放たれるは薙ぎ払う豪雨か。無遠慮なまでに解き放たれていく眩い光弾の徹底的な救済<猛攻>は黒騎士達を灰と帰していくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブラッコ・ルーナ
共闘切望
アドリブ歓迎

此処がぐりーどおーしゃん
っていうか海!海ーー!!凄い…心が…心が洗われるのはなんでだろう

船には乗らない
というか海に浮かんでる(ぷかー

ああ…凄く…落ち着く…海の上がとても落ち着く…!

なんか貝が食べたい…!

ってそれどころじゃなかったよな!

【水泳】で泳ぎつつ
銛で敵の船をぶすって刺して壊すぞ
【継続ダメージ】で崩壊させていく
おいらは薬師!
人はなるべく傷つけたくないんだ

共闘してくれえる猟兵には医療鋸で切りかかり
強化させるぞ
本当はおいらは患者に触るべきじゃないんだけどね
四の五の言ってる場合じゃないよなっ

【医術】でより回復力を高めつつ痛みを軽減

まだちょっと痛いかもしれないけど我慢な!


楊・藍月
共闘了承

…そうか
龍による惨劇ならば俺が向かうのも道理だろう
それに…海は俺の領域でもある

初手竜神飛翔(青い東洋龍に変ずる

今回は海の中を飛ぶとしよう
雷撃を海から敵の船と乗り手の騎士達に向けて放ち続けつつ

竜神として味方側の船を護衛しよう

我が身を盾として守り抜く

何…血肉は何れ再生する
だが命はそうはいかぬだろう?

【天罰】で雷の威力を増強

貴殿らは既に死人
ならばあるべきところに還るがいい

【全力魔法】で雷撃のブレスを放つぞ
【鎧砕き】で敵の鎧と船の装甲を破壊する
どうも強奪はあまり得意ではない
それは他に任せる事としよう

後は海に落ちた味方がいるなら乗せたりして回収も行うよ
溺れたら大変だからね



●海の守護者たち
 激しいはずの海鮮区域にどこか暢気に一匹のラッコが浮いていた。
 その光景自体は何ら不自然なことではないのだが、激しい戦の様相の中に於いてはどこかミスマッチにも見えるかもしれない。
「海……海ーーーッ! あぁ凄い……心が洗われる気がする……落ち着く……とても落ち着く……」
 ぷかぷかとやや激しくも心落ち着かす海の揺らめきに、身体を浮かべたラッコ――ブラッコ・ルーナ(ラッコの自称博士・f29482)はその姿の本能を擽られていたか、とある呟きを出した。
「なんか貝が食べたい……」
 激戦の轟音と共にその呟きは眩き青空に吸い込まれ、そんな暢気なブラッコの様相とは裏腹に一人の青年は静かに顎に手を宛て頷いた。
「……そうか」
 楊・藍月(四海竜王に連なるもの・f29478)はこの大艦隊が守る島を遠目に見、其処に住まう暴虐の気配に納得がいったかのように立ち上がった。
「龍による惨劇ならば向かうも道理、か……」
 力の大半を失えど世界の守護者としての矜持は失わず。
 何よりも海は己の領域なのだから、負けはしないと、彼は藍色の瞳に決意を込めた。
「俺がいる限り傷つけさせはせん」
 その決意が転じさせた姿は海の青きにも似た、大蛇の如きフォルム――正に海の守護神、水の化身とも称された東洋龍の姿。
 海の守護神が唸りを挙げ、自らの領域たる海中に飛び込めばそこには海中を勢いよく突き進む黒騎士達――翼と鉤爪を生やした黒騎士が先頭に立ち、立て続けに他の黒騎士が転移し次々と増援と為していく姿があった。
 地上は十二分に防護されているならば、海中をと己の巨体を以て蜷局を巻き、彼は迫る黒騎士達に対しその身を盾としていく。
「って、それどころじゃなかったよな!?」
 そんな藍月の姿を見て、ラッコの本能に身を委ねていた己を振り払い、備わった叡智が戦いに赴くように警鐘を鳴らし。
 自身と同じく海中を進み守ることとした藍月の元へ、彼は素早く海水を割るように泳ぎながら駆け寄った。
「大丈夫か!?」
「何、血肉はいずれ再生する……だが命はそうはいかぬだろう?」
 その身を盾とし船を海中から守り抜いている藍月の身体には、黒騎士達の爪痕が残っている――確かに今は大した痛手ではないのかもしれないが。
「そうは言うけど!」
 塵も積もれば山となる。慌てて医療用の大型の鋸を取り出すと、藍月の巨体を必死に駆け巡りながら、黒騎士に負わされた傷を塞ぐように手術行為を行う。
(本当はおいらは触るべきじゃないんだけどね……)
 龍の巨体相手は一苦労であったが、目にも止まらぬ早業の手術を終え、軽く一息を吐くとブラッコは藍月に笑いかけた。
「よし、これで大丈夫だ! まだちょっと痛いかもしれないけど我慢な!」
「いや、ありがとう」
 爪嘴を突き立てんとした黒騎士を尾で打ち払いながら、藍月は身体に満ち溢れる力を感じていた。
 只の傷の治療ではなく、恐らくは強化改造の類も施してくれたのだろうか――ともあれ、気遣いを見せてくれたブラッコに礼を一つ軽く頭を下げると、藍月は鋭く黒騎士達に瞳を向けて。
「……貴殿らは既に死人、あるべきところへ還るがいい」
 青き守護龍が吠え、その顎門より轟音を立てての天罰の光が迸った。
 船を守る為とはいえ反撃をしないなどとは一言も言っていない、滾る力をそのままぶつけるように、海の中を駆け巡る雷は殺到する黒騎士達を余すところなく巻き込み、頑強な黒鉄の甲を打ち砕く。
 その最中、丈夫な敵船の船底の厚い装甲すらも巻き込み打ち砕いていく様相を見せれば。
「これなら……!」
 龍が巻き起こした天罰の嵐の中を、スイスイと軽やかにラッコは泳ぎながら向かう。
 真っ直ぐに行くその先は、今しがた雷によって剥がされた船底の装甲だった。そこを目掛けて、彼は真っ直ぐに銛を突き出すとすぐ様に離れる。
「やらなくて良いのか?」
「おいらは薬師、人はなるべく傷つけたくないんだ」
 それに――とブラッコが目を向けさせれば、彼が刺し穿った船はそこから亀裂が走り、轟音を立てながら沈んでいく。
 どうやら単なる銛の一撃ではないかと、納得したように藍月が頷くば。
「なら……援護は任せろ」
「ああ! 怪我したらおいらが治すからな!」
 龍の息吹に対してラッコは信頼のサムズアップ(に見える何か)を贈ると、再び銛をその手に海の中を突き進み。
 亡霊の乗る船をまた一つと、獲物を落とす漁師の如く刺し穿ち撃沈の楔を打ち込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

サフィリア・ラズワルド
WIZを選択

竜なら常に強者との戦いを望むもの、王を名乗るなら尚更だ、なのに戦う意思のない民をいじめて喜ぶなんて……。

【瑠璃色の精霊竜】を召喚、精霊竜様、今回はあまり消耗したくありません、ですので彼等に同士討ちをさせましょう、お互いが私達猟兵に見える幻覚を見せてあげてください、幻覚だと勘づいた敵には直接攻撃を。

ええ、勿論です精霊竜様、王だと自称する竜に思い知らせてあげます、お前は狩られる側であると、弱い者いじめしかできない臆病者に負けたりしません。

アドリブ協力歓迎です。



●矜持ある竜の嘆き
 陽光が燦然と照らす島に待ち受ける竜の気配を遠目に感じながら、グリモア猟兵から聞いたその竜の実態に竜人の少女は嘆きの感情を溢れさせた。
「なんてこと……!」
 彼女の知る竜は、誇り高き王者は常に強者との戦いを求め、一定の矜持を持つ者である筈だった。増して彼の掲げる旗印が王の錫杖ならば猶更に。
 にも関わらず、戦う意志の無き民を活かさず殺さず、血を啜り苦しめて愉悦に浸ることの何と愚かしき存在か。
 サフィリア・ラズワルド(ドラゴン擬き・f08950)は色濃く感じる竜の気配に肩を落としつつも、目の前に迫る黒騎士達と率いられる艦隊を前に戦意を固めた。
「とはいえ、これは真面に相手をしていられませんね……精霊竜様」
 そう言って彼女が呼び出すのは精霊竜――ラピスラズリの鱗を持った雄々しきドラゴンの霊――だった。
 精霊竜と呼ぶそれに、サフィリアは請うように頭を下げると。
「あまり消耗したくはありません。彼らにお互いが私達に見える幻覚を掛けて頂けませんか?」
 精霊竜が頷くと、それが見せるは幻覚――数の利を活かし縦横無尽に駆け巡る黒騎士のその姿を、相対する侵入者へと見せる幻覚を。
 程なくして黒騎士達は不意にその歩を止めると、周囲の同胞へ躊躇いなくその爪牙を振るい始める。
 圧倒的な数に対して効果的な最適解が一つ同士討ち――何が敵で何が味方かも分らぬまま、機械的に従い続ける黒騎士達は自らの数を減じさせていくのだ。
 それでも潜り抜けてくる者には、強かに尾を打ち付けて弾き返すと、そのまま竜槍を手に頑強な筈の黒鉄の甲を貫いて。
「ご協力感謝します、精霊竜様」
 やってくる黒騎士を制したサフィリアが瑠璃色の竜の霊に軽く頭を下げると、竜もまた悠然と頷いた。
 竜の何かを言いたげな微かな唸りにも似た何かを感じつつ、サフィリアは拳を握り締めて自らの決意を語る。
「ええ、思い知らせてあげましょう。かの竜は王に相応しい存在ではない、お前は狩られる立場に過ぎないと……!」
 強者との戦いを望み、弱きを不当に虐げぬ真の王者の誇りを。
 竜の矜持を示さんと、彼女は真っ直ぐに血の色をした暴虐竜の住まう島を見据えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
瑠璃「ダークセイヴァー出身の吸血鬼竜かぁ…相変わらず、あの世界出身の敵は性格(タチ)が悪いね」
緋瑪「竜の癖に陰湿というか…必ず殺そう、瑠璃」
瑠璃「先ずは目の前のからだね、緋瑪」

【破壊の姫君】で分身

二人共飛翔翼で飛行し、空中から敵船の進路上に感知・機雷式ボムを散布してこちらの船への接近を阻止しつつ、逆に敵船へ空中から感知式や時限式ボムを投下・爆撃して船を爆砕。
隙あれば船上の敵騎士達を爆破で船から吹き飛ばしたり、操舵手を銃撃で排除して敵船を奪うよ!
敵の召喚する鳥は空中で感知式ボムによる広範囲爆破で叩き落としたり、銃撃で撃ち落とす等して対処。
船からの銃器や大砲なんかにも注意しつつ、殲滅していくよ!



●空爆強奪
「ダークセイヴァー出身の吸血鬼竜かぁ……相変わらず、あの世界出身の敵は性格(タチ)が悪いね」
 島に待ち受けるそれがやってきたのも遠き昔、されどその色は濃き悪辣な竜の所業に少女は忌々しく吐き捨てた。
 隠そうとも隠し切れぬ殺意でオッドアイを濁らせながら、彼女は、四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は身に在るもう一つの魂である緋瑪に受肉させ鏡写しの姿を世に顕した。
「竜の癖に陰湿というか……必ず殺そう、瑠璃」
「先ずは目の前のからだね、緋瑪」
 赤青のヘテロクロミアが映す、グリードオーシャンの青を圧倒する黒の大群。
 次々に呼び出される黒鉄の、翼を生やした怪鳥の如き騎士達を前に彼女達は魔導と機械の合わさった翼を生やすと。
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう」」
 混成技術の翼が反重力を産み出し彼女達の身体を、黒騎士達の待ち受ける空へと導く。
 量にして翼を生やした黒騎士、質に於いて同じく翼を生やした殺人鬼。
 一糸も乱れぬ連携と互いの領域への適正は互角、なれば勝敗を分けるは個々の力がどれほどか。
 されど面の制圧に長けた爆弾を操る彼女達に数の利は無意味、放たれる爆薬は派手に黒鉄が砕ける音を奏で黒騎士の大群を薙ぎ払い。
 落される爆弾の文字通りの弾幕は自軍の船へと向かう敵の船の、その進軍を阻みながら、時を置いて爆ぜる爆弾は派手に敵船を真っ二つに折り、それに乗る黒騎士達を沈ませる。
「緋瑪、五時の方角から大砲」
「分かってるよ、瑠璃!」
 その間にも油断なく、船より襲い来る大砲の弾を同じく爆弾や自動拳銃で撃墜しつつ。
 彼女達はその敵船へ意趣返しのように降り立つと。
「怪我したくなかったら、さっさと降りて船を譲って?」
 緋瑪が放つその警告が意味を為さぬことは最初から承知。
 黒鉄を軋ませ翼を生やし次々と増援を呼びつけ圧倒せんと向かう黒騎士を、躊躇わずに爆薬と銃撃のコンビネーションが文字通りに黒騎士を追いやり、やがては船に乗る者を滅していく。
「……だから言ったのにね」
 クス、と笑う瑠璃が新たな支配者を認めさせるように無人となった船の舵を切れば。
 新たな止まり木を確保した殺人姫達は、再び空へ翔けていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
海賊は何よりも自由でなければならない
自分の心以外の誰にも従わないし、権威を振りかざして誰かを支配しようなんてしない
にも拘らず「海賊」を名乗るキミたちをボクは絶対に許さない

【エクストリームミッション】で敵の船の合間を縫うように水面スレスレを飛び回りながら熱線銃で【乱れ撃ち】で船体を狙い、敵の注意をボクに集めると同時に【ロープワーク】で目立たない様にロープを水面に張り巡らせておく
敵がボクのところに集まったらウィーリィくんにロープを足場に手薄になった敵の船を攻撃して無力化してもらう
おっと、気づいた時にはもう遅いよ?
一か所に固まって逃げ場がなくなったところを二人の一斉攻撃で一網打尽!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
俺の知ってる「海賊」は弱い者いじめめいた真似なんてしなかったぜ?
そんな訳で紛い物にはとっととご退場願おうか!

シャーリーが敵を一か所に集めている隙に【足場習熟】と【地形の利用】で彼女が水面近くに張っておいたロープを伝って敵船に乗り込み、大包丁の【二回攻撃】と【衝撃波】で船に残った黒騎士を倒して次々と敵船を制圧していく。
仲間達が使う分の船だけ残し、それ以外は【鎧砕き】で船体に穴を開けて沈める。

終わったらシャーリーの援護に駆けつけ、彼女の周りの敵を【飢龍炎牙】で蹴散らして合流し、残った敵を彼女と協力して一掃する。



●責任ある自由の豊かさ
 左目に装着されたサイバーアイが少女の眼を通し、立ちはだかる敵軍と悪竜の待ち受ける島に掲げられた旗印を映した。
 少女シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は海賊帽を目深に表情を陰りに隠し、唇を動かした。
「海賊っていうのはね、自由じゃなくちゃいけないんだ。自分以外の誰にも従わないで、誰かを支配しようとしないで、何処までも自由で……」
 旗印に掲げた王の権威を履き違え、思うままに暴虐を振るう姿は自由であれども自由としては認められない。
 かような存在がそれを名乗ることへの不遜に、シャーリーは静かな怒りを示していた。
「ああ。少なくとも俺の知ってる【海賊】は、その通りだ」
 少年ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は目の前の【海賊】へ彼女の言葉を肯定するように頷いた。
 何処までも自由で、そして弱い者いじめを決してせず、寧ろ守ってきた誇り高き【海賊】に静かに微笑めば、その【海賊】は怒りに打ち震えていた顔を綻ばせ。
 目深に被ったそれを上げ、鮮やかな翠を輝かせたシャーリーにうん、とウィーリィは頷いた。
「よし、行こうか」
「うん!」
 そう言ってシャーリーは甲板を蹴り、その水面へと己の身を投げ出すようにすると。
「ふざけた海賊なんて絶対に認めない……! 覚悟なんて、させてあげないッ!!」
 一瞬で鎧装を纏い、水面を二つに割りながら背の気流を勢いよく噴き上げ、密集する敵船の林を縫うように潜り抜ける。
 その姿は正に鮫――それも、劇画などで登場人物にどう足掻いても覆せない絶望を齎す怪物の如き勢いで。
 そこから踊るように解き放たれるマスケット銃よりの、激しい熱線が敵船を貫き浸水を派手に導けば、黒騎士達は例によって例の如く、何事かと飛び出して。
 それを海面ギリギリを飛び交い熱線を放つシャーリーによるものだと気づけば、黒騎士達は整然と立ち並び、進軍に続く進軍を続けシャーリーを圧さんと迫る。
「ボクが相手だよ! 本当の【海賊】の強さ、見せてあげる!!」
 そんな一糸も乱れぬ連携を見せるように、密に迫る黒騎士を熱線で容赦なく貫き落とし。
 その存在を強かに、燦然と輝く太陽のように高らかに熱線を迸らせた。

「さて、と」
 海賊は実に派手に暴れ回ってくれているが、一歩も引けを取っていないどころか、こうして自分の為の足場を作ってくれてもいる。
 全く実に繊細な仕事だと、巡らされたロープを伝いながらウィーリィは敵船へと侵入する。すれば案の定というか、万一に備え待機していた別動隊の戦力が、彼に戦意を向け鎧の軋む音が響く。
「やっぱり待機しているんだな。良かったな、こういう時にちゃんと仕事ができて」
 次々と召喚されゆく大兵力を前にしても、鉄刃を握るウィーリィにそれを恐れる気配も無く。
 寧ろ気炎万丈するかの如く、果敢にウィーリィは踏み込み。
「蹴散らすけどな!」
 有象無象の黒鉄を重厚な鈍色の刃が駆け巡り、黒鉄の身体をバラバラに吹き飛ばすように。
 薙ぎ払われていく鉄刃の衝撃が、殺到する黒騎士を鉄くずへと変えていき――見る影もなく、船を守る黒騎士を悉く鉄の欠片と為した後に。
 船体へ躊躇いなく打ち下ろした大包丁が派手に船底を割り――浸水が船を文字通りに沈めるその寸前に、ウィーリィは跳躍しまた新たに縄を伝い船から船へと駆け巡り。
 他の猟兵が奪った船を除きつつ、敵船を着実に轟沈へと導いていく――。

 先ほどから黒騎士の周囲から、船の数が減っているように思えた。
 空間を超えて一瞬で味方に援軍へ往ける技を使うことも相俟って、ウィーリィが落としていた船の数に気付いた時には遅く。
 一点に追い遣られた黒騎士達が慌てて離脱しようとするが、ウィーリィが嗾けた炎の顎門に食われ逃げ出す様を制されて。
「今更気付いた? おっと、残念だけれどもう遅いよ……」
 後悔は常に先に立たぬものとシャーリーは語り。
 一つだけ残った船に追い遣られた黒騎士達が縮こまり、所狭しと互いの身体に金属を当てて密なる様相を繰り広げている中を、シャーリーは冷徹に見据え。
「こういうの袋の鼠っていうんだよな。ちなみに鼠は料理人の大敵なんだ。だから」
 シャーリーが銃口にプラズマを迸らせ始めると同時、ウィーリィもまた握った大包丁の柄に力を籠めると、彼の周囲に紅蓮の炎が揺らめきを始めて。
「「一気に、焼き払う!!」」
 マスケット銃より放たれた熱線が迸り、激しいプラズマを巻き起こしながら黒鉄の鎧に伝播していき、その甲を打ち壊していけば。
 揺らめいた紅蓮が雄々しき竜を象りながら吠え、黒鉄の欠片も残さず食い尽し――ここに、猟兵達は島を守る黒騎士を滅するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『吸血竜『ドラクル』』

POW   :    鱗、爪、そして牙。全てが血を得るに最適な鋭さ
【鱗、爪、牙のいずれか】が命中した対象を切断する。
SPD   :    犠牲となったヴァンパイア達の遺志
自身の身体部位ひとつを【高貴なヴァンパイア】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    吸血鬼と竜の混ぜ合わせ、その戦闘能力
【竜とヴァンパイアの強靭な体力と戦闘能力】【自身から出血した血を硬化し、防御する能力】【血の匂いを遠くから嗅ぎ付ける追跡能力】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサジー・パルザンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●吸血竜
 島に上陸してきた者達は一体何なのだろうか。
 圧倒的な艦隊を突破し、島を支配する暴虐の空気も物ともせず上がってきた彼らは、救いの使いなのではないか――絶望に支配された島民が僅かな希望を取り戻したのも束の間。
 それはすぐ様に、島の支配者が大きな翼を広げた瞬間に迸った気配が、彼らの顔より血の気を引かせた。
 血を吸い上げ甚振っていた民の一人を乱暴に放り投げながら、吸血竜は面倒臭そうに首を上げ、上陸した猟兵の気配に目を軽く細めた。
「使えん奴らだ……いや、奴らが少々威勢が良過ぎるのか?」
 島を守っていた黒騎士の全滅と、猟兵の存在、そして僅かに色めき立った島民の気配を不愉快を隠さず立ち上がると吸血竜はすぐに顔を歪めた。
「だが多少は遊べるか。それもまた一興、貴様らはそこで見ているが良い。僅かな希望とやらが無様に潰える様を」
 その言葉に怯える民は更に怯え、その顔を竜の色とは裏腹により濃く青褪めさせていく。
 そうして竜が猟兵達の前に立ちはだかれば、竜は愉悦の表情を浮かべながら、迸るその力の気配を解き放ち威圧する。
 ――溢れ出る圧倒的なこの力の気配は、間違いなく今の猟兵達ですら真っ向勝負では勝ち目が余りにも薄いだろう。
 望みがあるとしたら島民のみが知る、吸血竜の弱点を知ることのみであるが……この怯え切った彼らの状態ではとても聞き出すことは難しいだろう。
 だが猟兵達に民を見捨て島を去るという選択肢はないはずだ。
 この島民を絶望から救い、解放する為に――猟兵達は臆さずに得物を取るのだった。
ブラッコ・ルーナ
共闘切望

うう…海から地上に上がるのは抵抗があるな
凄い狩られそうな気がする


でもあんなにボロボロになってる人がいるならおいらはいかねばならんのだー!(海から上がるラッコ

【医術】で島民や猟兵の状態把握
外科手術で治療を行うぞ!

今回は支援で皆の回復を優先する

ボロボロになってたら不安にさせちゃうもんな!

衰弱してるなっ!それなら絶望もしちまうよな!
だが大丈夫だ!力の高まりを感じるだろう!

だがそれでもあいつは強い
異常なほど強い!
あんた達は知ってるんじゃないか?
その秘密を!

おいら達がいるんだ
だがおいら達だけだとちと厳しい
だから…教えて欲しいんだ!!

……ついでに美味しい貝が食べられる場所もね



●彼は癒して回る
 海棲生物の色濃き彼にしてみれば、陸に上がることは抵抗もある。
 島を支配し猟兵の存在を認識して吠えた竜を前に、すぐ様にでも狩られそうな危機感を覚えながらもブラッコは奮い立つ。
 逃げ惑う民の憔悴しきった顔を見れば、何かをせずにいられない、このままではいられないとブラッコは医療用の鋸を手に取り駆け出した。
 仲間の猟兵達は勿論、やつれきった島民の間を駆け巡りながら彼は行う――傷や消耗を癒し、力を高める為の外科手術を。
「もう大丈夫だ! 力の高まりを感じるだろう?」
 やつれていた肌にハリなどを取り戻し、身体に生気を漲らせた民はブラッコに頭を下げながらも問う――それでも勝てるのか、と。
 不安そうに訴える民にブラッコは首を振りつつ言葉を告げた。
「ああ、だがそれでもアイツは強い。おいら達じゃちょっと敵わないかもしれない」
 一時的に身を隠し、他の猟兵と激戦を繰り広げている吸血鬼竜の圧倒的な気配に微かに身を震わせながらも、島民に向き直りブラッコは力強く語りかけた。
「だから協力して欲しいんだ! 何か知ってることがあれば……教えて欲しいんだ!」
 ――そうしてくれたら、後は絶対に自分達猟兵が倒して見せる。
 だからほんの少しだけ勇気を出して欲しい、その勇気を繋げて見せようと彼は真摯に訴えかけ……やがてはその力強き訴えが徐々に心を動かしたか。
 島民は青褪めた顔で打ち震えながらも、おずおずと竜のある一点を指さした。
「……あの棺桶」
「あの棺桶が!?」
「何か触られるのを嫌がってた……」
「よし! もう大丈夫だ。おいら達が絶対何とかするぞ!」
 見れば吸血鬼の竜が終始手に持っている棺桶があった。
 何か触れられたくないものでも入っており、常に手元に置いているといったところか――震えながら声を絞り出すのは、ついうっかり触れてしまった者の凄惨な末路を見ていたからか。
 それを宥め勇気づけるようにブラッコは身体を震わせ、島民を労い他の猟兵の援護にいかんとしたが、不意に島民に振り返り。
「あ、ついでに美味しい貝が食べられる場所とか」
「……あっちの海岸で沢山採れます」
「ありがとな!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
【破壊の姫君】で分身

緋瑪がデュアル・アイゼンアーマー形態を装着し、距離を保って遠距離から戦車砲や機銃で攻撃し時間稼ぎ及び敵の攻撃への反応から、嫌がる場所や庇ってそうな場所の割り出しを実施。

瑠璃は飛翔翼で甚振られていた島民を安全な距離にいる他の島民の元へ届けつつ、説得して弱点の心当たりを聞き出し、緋瑪と合流。

大丈夫だよ。色んな世界でアレ以上の化物とだってやり合ってきたんだから!絶対、アイツを殺してみせるよ!

合流したら破損したアイゼンは組み付かせて自爆。
二人で飛翔翼で飛び回り、これまでの情報から弱点と思しき箇所を接触式ボムの範囲攻撃で爆破。
ダメージを与えたら、全力のノヴァを叩き込むよ!



●火柱
 鉄の戦車を身に纏った少女から放たれる数多の砲弾と機銃は、竜の身体を容赦なく打ち据えていくも。
「ふぅん! 無駄、無駄無駄ァ!」
 吸血鬼の因子が齎す再生力と血の滾りが為す装甲は、緋瑪からの砲弾を受け止め弾き返す。
(何とか持ち堪えなきゃ……!)
 多少の距離を保ちながらも緋瑪は諦めず、砲弾と機銃の嵐を叩き込む。
 主人格の情報収集の時間を稼ぎ、自分もまた無敵の竜の弱点を探る為に――緋瑪は竜の尾を躱し反撃の砲弾を解き放っていた。

 時を同じくして、戦場の遠くにてその音を聞きながら怯えていた島民の元へ、やつれ切った同胞を連れた天使が舞い降りた。
「貴方は……!?」
「味方だよ。そしてアイツを殺しに来た」
 機械の翼を持った天使――島民にしてみればそう見えた――の瑠璃は、やつれた民を他の民に預けると、胸を叩き鼓舞するように声を挙げる。
「大丈夫だよ! 色んな世界でアレ以上の化物とだってやり合ってきたんだから! 絶対、アイツを殺してみせるよ!」
「あ、あの……棺桶!」
 暫しの沈黙の末に、とある少女が瑠璃の激励に答え、おずおずと説明を始めた。
 曰く、その手に持つ棺桶を只管に大事そうに持っていたと。
「……分かった!」
 ――そして翼を広げ半身の待つ戦場へ舞い戻る姿を、救いの天使を見送り労うが如く、島民は歓喜の声を挙げた。

「お待たせ、緋瑪!」
「待ってたよ、瑠璃!」
 ――そして時間稼ぎを続けていた緋瑪の下に、瑠璃が翼を広げながら舞い降りると、破損し掛けていた鎧を脱ぎ捨て緋瑪はそれを竜へと叩き付けた。
「一人増えたところで無駄と知るが良い!」
 脱ぎ捨てられた鎧が爆ぜても、竜は意にも介さず笑う。
 されど瑠璃と緋瑪は頷き合いながら、互いに探り合っていた竜の弱点を語り合う。
「瑠璃、狙いは!?」
「あそこ。信じてくれたから……行くよ」
 瑠璃が示した場所は緋瑪の戦いの中でも、幾許かの反応があった場所。その場所は棺――周囲を飛び回りながら狙いを済ませた爆弾が爆ぜ、それを巻き込みながら業火と衝撃が踊り竜を追い詰める。
「「さぁ、わたし達の破壊を始めよう!」」
 立ち上る破壊と殲滅の閃光が棺桶を包み込めば、竜に激しき苦悶の雄叫びを上げさせた――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
ドラクルと戦う前にやらなきゃならない事がある。
ある意味、俺にとってはこっちが本番だからな。

島民達の元に向かい、道中で【料理】しておいたサンドイッチの詰まった大袋を手渡す。
「腹空かせてるんだろ?みんなで分けて食べてくれよな」
そしてドラクルに向き直り、
「あんたの分は無いぜ?今まで散々貪ってきたんだろ?」
今までのツケを支払ってもらう。

棺桶の中身はわからないが、そこに奴を倒す手がかりがあるのは確かだ。
【厨火三昧】の炎を操作して【フェイント】を交えて四方八方から時間差で攻撃を仕掛け、【物を隠す】で弱点を狙おうとするシャーリーや仲間の動きを奴の視界から隠す。

ドヤ顔してられるのも今のうちだぜ!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
島の人たちの心を縛る「恐怖」の鎖から解放するためにウィーリィくんと協力してドラクルに挑む
「困った時のサメ頼み!宇宙海賊シャークトルネードがみんなの自由を奪い返しに来たよ!」
勇ましく名乗りを上げてみんなを【鼓舞】し、
「あいつの配下の黒騎士はボクたちが全部やっつけたよ。次はあいつの番だからね!」
そしてみんなを【勇気】づける

ウィーリィくんが注意を逸らしてる間に【スナイパー】+【武器落とし】でボスが棺桶を握っている手の指を狙って棺桶を落とさせて、【エクストリームミッション】で飛行して棺桶を拾い上げて仲間の猟兵の元に運んで【零距離射撃】+【クイックドロウ】で集中攻撃するよ!



●運動の時間だよベイビー
 ――ある意味、これこそが料理人<ウィーリィ>にとっての本分でもあり、彼は上陸するや否や、大袋を片手に怯えて縮こまる島民の元へ気前よく「それ」を分け与えにいった。
「腹空かせてるんだろ? みんなで分けて食べてくれよな」
「えっ」
「でも……」
 紅衣に大袋を下げた姿は正に聖なるニコラスのように、気前よく施されるそれは様々な具材を挟んだサンドイッチ。
「いいから」
 戸惑う島民に気にすることなきようにと、ウィーリィは笑いながらそれを差し出せば、飢えには逆らえないか島民は次々とそれを齧り出す。
 柔らかく仕立てられた白いパンのクッションは柔らかく、そして間に挟まれた野菜と柔らかく仕上げられた肉の滋養は、搾取によって干乾びかけていた民の身体と心に、確かな潤いを齎していく。
「美味いだろ? お代わりは沢山あるからな!」
 大袋を軽く叩き、まだまだ詰められたそれを遠慮するなと示すウィーリィに、無邪気な子供達を皮切りに餓えた者が救いを求めるように彼を拝み。
 喜びの感情が取り戻されゆく島民であったが、その表情をすぐ様に暗きに落す巨体が音を立てて現れた。
「では、その分は余が頂こうか。貢物とは殊勝なものだ……」
「おっと、あんたの分は無いぜ? 今まで散々貪ってきたんだろ?」
「ほう……」
 島を支配せし吸血竜の愉悦を孕んだ声に、ウィーリィは大袋を身体の影に隠すようにして睨みつける。
 今までのツケを払えと、奪い続けた略奪者を
「困った時のサメ頼み!」
 ――竜の唸りが刃となるその前に、希望を掲げた声と高らかにバーニアの噴き上がる音が竜の機先を制していた。
 続け様に放たれる眩き熱を伴った閃きが、竜の頬を掠め僅かにたじろがせたその姿、大海を覇する鮫の如く現れた存在に、島民の震えが収まり始める。
「宇宙海賊シャークトルネードが、みんなの自由を奪い返しに来たよ!」
 纏う鮫鎧の牙はさしずめ恐怖という鎖を咬み砕く牙、サイバーアイ越しに強く強く、杭のように吸血竜を鋭く見据え、シャーリーは立ちはだかる。
 身体を寄せ合う島民を守るように、竜に比べればその小さき身体を以て果敢に前へ出て。
「あいつの配下の黒騎士はボクたちが全部やっつけたよ。次はあいつの番だからね!」
「……はっ、それで余を倒せるとでも?」
 シャーリーが力強く指先を竜へ突き付ければ、民の間に湧き上がるは、まさか、それならもしかして、という期待の声。
 だがそれを不快に思うか、竜は容赦なく悍ましく吠える。
「片腹痛いわ! 貴様らも余の血肉となるが良い!」
 吸血鬼の遺伝子に由来する膂力を身体に滾らせ、竜はその爪と牙を鋭く研ぎ澄ますと地を蹂躙しながらウィーリィとシャーリーに迫った。
「食べ過ぎは良くないぜ!」
 最初に踊り出たのはウィーリィだった。
 大包丁を巧みに操り、踊らせた原初の火炎が幾つもに分かれ、時間差を置きながら竜を襲い竜を翻弄する。
「さぁ、史上最大空前絶後ッ! 最凶最悪の竜巻、味わわせてあげるッ!」
 その隙に決意の力を以て己を高めたシャーリーが狙いを研ぎ澄まし――熱線を迸らせる。
 狙う先は竜が大事に持ち続ける棺桶、それを捉える指――狙いと熱線の威力は確か、炎に気を取られた竜は真面に指に熱線を喰らい、棺桶を落としかけるが。
「! させぬ……」
 やはり棺桶が弱点なのか。
 一瞬取り落としかけた棺をすぐさま掴み、竜がシャーリーを喰らわんと大口を開く。
「甘いぞ!」
「おっと! それこそ、こっちの台詞だ!」
 だが極めた料理人の火工が唸りを挙げて、その顎門を広げた竜の口腔を焼き苦痛で一瞬怯ませる。
 続けて鉄鍋を踊らせると、更に翻った業火が舞い踊り竜の眼を一瞬覆い、その視界を紅蓮に隠す。
 そしてそれこそが致命的な隙――視界封じは一瞬、すぐに払いのけても次の瞬間には、音を超えた速度を以て銃口の先を既に棺桶へと突き付けていたシャーリーの姿があり。
 そして――
「ヌガァァァッ!?」
 棺桶から広がっていくは眩き閃光――褐色の指を弾かせるように動かし、マスケット銃より放った無数の熱光。
 棺桶の中にあるものか、はたまた棺桶自体か――いずれにせよ致命となり得る箇所を幾度となく穿たれ、竜が苦悶の声を上げ僅かに力を緩めると。
「パース! 後は、頼んだよ!」
 後は全て仲間に託す――棺桶の中身が何であろうと、竜が何が何でも触れられたくないと抵抗し続けたそれだ。
 緩まった力の僅かな隙を狙い、強引に踵落としでそれを取り落とさせ――シャーリーはすかさず棺を捕まえると、それを仲間の元へと運んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サフィリア・ラズワルド
POWを選択

島民に話しかけます。

私はあの竜を倒しに来たんじゃありません、狩りに来たんです。
私はアレを王とは認めない、確かに王は強力であるべきだ、でも王だけの、力だけの支配なんて上位の竜がすることじゃない、そんなのただの動物がすることだ。

【白銀竜の解放】で四つ足の飛竜になります。

『私は仲間とアレを狩る、基本的なこともわからない下位の竜に負けるわけにはいかないんです』

さあ来い、王を騙る下位竜!この島はお前ごときが縄張りにしていい場所じゃない!

強者が誰なのか、わからないならわからせるだけだ。

アドリブ協力歓迎です。


ミーナ・ヴァンスタイン
「あれが竜と吸血鬼の力を持つもの」
村人から聞き出してくれた弱点
「正面から棺桶を狙うのは骨が折れそうね……しょうがないわ」
UCを使用。戦場に広がっていた周囲の光がミーナの体へ集まっていき、天使の羽と浄化の光を纏い、体を一時的に女神化させる。
「聖者として、退魔士として、あなたを討伐する……いくわよ?」
残像を生み出す高速移動で攻撃を躱し、カウンターで両手の精霊銃で棺桶を狙う
「避けてみなさいな」
強化された超感覚と視力で攻撃を見切り回避
「あなたの動きは見えてるわよ」
敵に隙ができたら、聖銀の剣を抜刀し十字斬りを放つ
「退魔の剣よ。闇を断ち斬りなさい!」
討伐後、膝をつき
「まったく、ここまでさせられるなんてね」



●竜と聖女、邪竜を討つ時
 放り投げられた棺桶を二人同時に竜と半魔が受け止めながら、怒り狂った暴虐の化身が木々を薙ぎ倒しながら向かう様を見、半魔ミーナはその威容に対して生唾を飲み込んだ。
「あれが竜と吸血鬼の力を持つもの」
 受け取った棺桶を手に暴虐の化身さながら、竜と吸血鬼の圧倒的な力を以て向かう姿にミーナはそれでも冷静に見据えつつ。
 竜人サフィリアは吸血竜の暴虐に怯え逃げ惑う島民を見回すと、ゆっくりと声を張り上げた。
「皆さん聞いてください」
 高らかに響く声は逃げ惑う民の恐慌を鎮めながら、吸血竜の一歩を留めた。
「私はあの竜を倒しに来たんじゃありません、狩りに来たんです。……私はアレを王とは認めない!」
 王の強さは力のみに非ず。力のみを後ろ盾に只管に暴虐に耽る支配は王を名乗る者がするものであろうか。
 否。
 ――美しくない。竜の気高さは決してかの暴虐を行うものでは無い筈だと。
「勇気を振り絞ってくれてありがとう。後は、私たちが」
 煌びやかな決意の眼差しに勇気を付けられた島民へ、ミーナは同じく貴き者の威厳も確かに穏やかに語りかける。
 戦場を満たしていた眩き聖なる輝きを彼女の元へ束ねながら、ミーナはまるで太陽の光が如く神々しき姿へと変わって行き。
「私の竜よ、私の人間を喰らって完全な者となるがいい!」
 サフィリアは吸血竜への怒りを以て、己が人の弱さを喰らわせると、その身を真の竜へと変える。
 四つ足は力強く大地を捉え、広がる翼は天空を制す上位種の威厳を示すように唸りを挙げた。
「さあ来い、王を騙る下位竜! この島はお前ごときが縄張りにしていい場所じゃない!」
「聖者として、退魔士として、あなたを討伐する……いくわよ?」
 飛竜が吠え、聖なる女神が翼を広げる。
 竜に抗うは竜、魔に抗うは女神――勇気が導き出し、友情がここまで運んできた弱点<棺>を庇うように立ちはだかれば、吸血竜は苛立ちを隠さぬように幾度となく尻尾を地に打ち付けた。
「……恐れを知らぬ愚か者よ。獣と堕したは貴様と知るが良い!」
 打ち据える尾が地響きを起こし、爪牙に万物を斬り裂くが如き鋭利さを宿し吸血竜が駆け出す――狙いは飛竜と女神の守る棺。それを奪い返さんと手を伸ばせば、ミーナの銃が文字通り輝きを放った。
 吸血竜の爪が哀れに残した影を斬り、迸る閃光が次々に破魔の輝きを以て突き刺さるも竜は意にも介さず払いのけ、尾を逆に振るう。
 しかしそれさえも、研ぎ澄まされた超感覚で見切りながらミーナは軽々と躱し。
「あなたの動きは見えてるわよ……そっちこそ、避けてみなさいな」
 誘うように銃口に息を噴きつけ、輝ける翼を揺らした女神に更に苛立ち、焦燥のままに爪を振り被ったその時だった。
「オオオオォォォォオオ!!」
 その僅かな硬直は致命的――地を蹴り、広げた翼を滑らせて躍り出たサフィリアの爪が吸血竜の身体を盛大に吹き飛ばしていた。
 それでも吸血竜は翼を広げ空中で制止し、追い縋る飛竜を迎え撃たんと爪を輝かせ。
 突き出されるその爪を堂々と、人性を代価とし、命を削りながら生み出される上位竜の威厳と膂力が真っ向から受け止めて。
 開かれた顎門が唸りを挙げれば、渦巻く竜の吐息が迸り――
「小癪な子竜がぁぁっ!!」
 顔面を抑え焼き焦がす苦痛に悶えながら、振り乱される爪牙を気高き飛竜は受け流し、まるで天上の戦いを演じるかの如く吸血竜を制しつつ。
 今こそと女神は聖銀の剣を取り出すと、棺桶をゆっくりと開く――そこにあるのは心の臓腑か。恐らく急所を別に隠していたか――これで全てに決着をと、ミーナは聖銀の刃を構えると。
「退魔の剣よ。闇を断ち斬りなさい!」
「滅びる時だ下位竜! 貴様の身勝手は、ここで終わる!!」
 悪しき吸血鬼の心臓に杭を打ち裁きの十字を下すが如く、聖銀が十字に棺に納められし心臓を斬り裂き。
 急所を削られて息を止めた吸血竜の身体を、飛竜の爪が真っ向から斬り裂いて――断末魔すらも許されず、悪しき暴虐の竜はその身を灰と還るのだった。

「まったく、ここまでさせられるなんてね」
 光が粒子となって消え去り、剣を地に突き立てながら膝を着いたミーナが荒く呼吸を整えていた。
 サフィリアもまた竜の姿から元の人の形に戻り、息を吐きながらも灰となり消え去っていった吸血竜を見遣り。
「ですが……私達は勝ち……いいえ、【狩り】ました」
「……ええ。【狩った】わね……お疲れ様」
 ――勝負ですらない、必然の勝利。
 無敵と思われた竜との戦いを制した上位竜と聖者は互いの健闘を称えるように掌を打ち合わせ、一時の勝利を喜ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 冒険 『避難誘導』

POW   :    離れた場所へ力ずくで運ぶ

SPD   :    シェルター等の隠れられそうな場所を探し、誘導する

WIZ   :    魔法的な結界・防御壁などを作る

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最後の一仕事まで
 断末魔を挙げることも無く灰となって島民を苦しめていた吸血鬼の竜は消え去っていった。
 王の錫杖の下に集う海賊団達も、これで少しずつ解体されていくのだろうか、何はともあれ島を支配していた暴虐が無くなったことに島民は歓喜に耽ろうとした、その時であった。
「おい! 忘れたのか!?」
 青ざめた顔をしながら喜びに踊りかけていた島民を制したのは、島のとある若者だった。
 支配者の支配も無くなった今、何の憂いも無い筈であるが、彼の張り上げた声に島民が一瞬疑問に首を傾げるも。
「えっ、何を……あっ!」
 ――彼らはすぐに思い出す。
 例え支配者が無くなったとしても、あの旗印がある限りは新たな増援がやってきて島を支配するのだと。
「嫌! またあんなのが来るなんて……!」
「畜生! お、お、おお俺は逃げ逃げ逃げ……!」
 折角解き放たれたにも関わらず、また新たな支配者がやってくる――虐げられ続けた苦しみは未だ色濃く残る者にその恐怖は次々と伝播していく。
 新たな支配者の到来を防ぐには七大海嘯の旗印を燃やす他ない。
 島の中央、退廃の色濃き闇の世界の様相の伺える島に多分に漏れず、民の血税を啜り上げて作られた館があった。
 だが混乱し我先にと館に密集しながら向かう島民の存在がネックか。
 密集した状況では猟兵も思うようには進めないかもしれないし、何よりそこへ向かう道には彼らには危険が待ち受けているかもしれない。
 故に館に向かうには混乱する島民を鎮め、安全な場所に避難させてあげる必要があるだろう。

 漸く掴んだ平穏を犯させないために、そして彼らを危険にさらさせない為に――猟兵達は、王の錫杖を燃やしにいくのだった。
ミーナ・ヴァンスタイン
島人達へ優しく呼びかけ、避難を誘導するわ。
「あなた達を苦しめてきた暴虐の竜は私たちで滅ぼしたわ」
「この島は解放された。もう安心していいのよ」
「だから、落ち着いて私たちの言うことを聞いて頂戴」
UCがもたらす聖女の光を使い、傷付いた人たちの治療を行うわ。
「私は治療魔法を使うことができるの。怪我をしている人や重症の人がいたら教えて頂戴」
みんなが落ち着いたら、メガリスの場所を島人達へ尋ねて対処に向かうわ。
「とりあえずは大丈夫かしら。あとは『メガリス』ね」

全てが終わったら、島の平穏が末永く続くように静かに祈りをささげるわ。


四季乃・瑠璃
瑠璃「最後の一仕事」
緋瑪「あの趣味の悪い旗を吹き飛ばそう!」

【破壊の姫君】で分身

二人で飛翔翼
瑠璃が【毒使い】を応用して軽い鎮静・精神安定作用のある薬剤を調合して散布。
具体的な誘導や説得は他の猟兵にお任せし、自身はこれから旗印を排除するから、みんなは落ち着いて安全に避難して、と一声掛けて館へ。

緋瑪は空中から島民を飛び越えて館までの道程や周囲に魔獣や罠等、住民の危険になりそうなモノがないか捜索し、見つかり次第排除。一通り確認したら、館へ向かい瑠璃と合流。

二人で館内制圧しつつ、最後は(地上の館は住民が使ったり、物資運び出したりするのを考慮して)旗印を空中高くまで運搬し、ノヴァで跡形もなく消し飛ばすよ



●景気よく輝いて弾けて
「最後の一仕事」
「あの趣味の悪い旗を吹き飛ばそう!」
 最後の一仕事と意気込む二人で一人の殺人姫だが、それと裏腹に島民の様相は悲喜こもごもと言った様子だった。
「これは……危険ね」
 ミーナが冷静に眼鏡のブリッジを押し上げながら見た先は、様々な様相を呈していた。
 いつ来るかもわからぬ増援に恐怖し場に留まる者はまだ良いが、それに焦り我こそはとメガリスを目掛けて駆け出す者や、諫めようとする者を殴り飛ばす者。
 長くは続かないだろうが洒落にならない乱闘に、瑠璃と緋瑪は顔を顰めた。
「そうだね、気持ちは分かるしある意味良い事なんだけど……」
「でも何があるか分からないよ、冷静に動けてると思えないし」
 折角齎された平和を保ちたい気持ちは大いに分かるが、諍いは良くないし支配者が滅びたと言えど残党が邪魔をしてこない訳もない。
 三人はそれぞれ顔を合わせ頷き合うと、
「とりあえず話を聞きやすくしておくから」
「具体的な説得とかはお願い! わたしは先に行って危ないものを排除してくるよ!」
「任せて、お手の物よ。そっちもお願いね」
 瑠璃が魔導機の翼を以て空を翔ければ、緋瑪が先んじて館への道を往く――動乱の渦中にある島民を飛び越えて。
 そしてミーナが領主として民を束ねる手腕から来る自信を以て頷けば、彼女達は各々の為すべき役割を果たしにいく。

「ちょっと強引かもしれないけれど、ね」
 こうして空より見渡して見れば、状況の具体的な把握すら一苦労になる騒乱があった。
 瑠璃は空に舞い上がる最中、調合していたとある薬剤を噴霧しながら、その混乱に対して軽く詫びながら振り撒いていく。
 瑠璃が振り撒いているのは端的に言えば鎮静剤――使い方を誤れば毒になり得るが今回は紛れもなく薬に他ならず。
 吸血竜の残した魔の混乱を清め鎮める聖霧の如く、注ぐ薬液の霧は島民の脳を鈍麻させ騒ぎを少しずつ鎮めていく。
「あなた達を苦しめてきた暴虐の竜は私たちで滅ぼしたわ」
 降り注ぐ薬液の霧の中に目立つミーナの存在感と、吸血竜を払いし英雄の一人から発せられる高らかな言葉に、島民は耳を傾けた。
「だから、落ち着いて私たちの言うことを聞いて頂戴。まずは、念のために家に入って戸締りをしっかりとして――」
 手際よく、鈍麻する思考を導くように――常に闇の世の街を束ねる領主としての手腕か、そうした避難誘導はお手の物か。
 正しく有言実行、威厳ある領主の説得力は確かなもので、攻撃的になっていた民も落ち着きを取り戻し詫びを口にしながらミーナの導きに従い安全な場所へと避難していく。
「私は治療魔法を使うことができるの。怪我をしている人とかいたら教えて頂戴」
 その間にも、こった騒乱で傷ついた者――行こうとした者と諫める者の乱闘や、それに巻き込まれた者。
 或いは先の戦いや今の避難で転び怪我をした者を一点に集めると、聖者として生まれながらにして得た光で癒していく。
 そうして無事に僅かな疲労の汗を額に浮かべながらも、ミーナは一息つき。
「とりあえずは大丈夫かしら。あとは『メガリス』ね」
 まだ他の区画は手が回らないが、その辺りは他の猟兵が何とかしてくれているだろう。
 笑顔を取り戻した島民からのエールをその背に受けながら、彼らに手を振りミーナは合流しにいくのだった。 

「やっぱり行かせなくて良かったね。結構あるよ……」
 その一方で緋瑪は鬱蒼とした森を掛けながら、大鎌で魔獣を斬り裂きつつ、仕掛けられた罠を寸での所で躱し。
 罠ごと起動スイッチを爆弾を一つ投げ放ち、強制的に解除しながらメガリスへ往く道の危険を払う。
 これは行かせず避難させておいて正解だった――木っ端に過ぎないが吸血竜の残党も多少はいる以上猶更か。
 襲い来る残党を大型拳銃を発砲しヘッドショットで冥府に送り返しつつ、緋瑪は往く道の危機を刈り取っていくと。
「お待たせ……結構あったみたいだね?」
「うん。そっちは?」
「問題ないよ。上手いこと説得してくれたし」
「そっか!」
 島民の説得と具体的な避難をミーナに託し、合流した瑠璃が緋瑪に声を掛けた。
 合流したころには既に彼女達はメガリスの待つ屋敷にて歩を進めており、殺到する残党を薙ぎ払いながら突き進んでいく。
「見つけた!」
「よし、それじゃあ運ぼう!」
 ――時を同じくして、別のルートから館を往きた他の猟兵と海賊旗に辿り着けば。
 彼女達は力を合わせて、王の錫杖が掲げられたメガリスを引っこ抜いた――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
メガリスは大丈夫そうかな
それじゃボクたちは島の人たちの対応だね

【エクストリームミッション】で飛行して周囲を偵察しながらウィーリィくんと一緒に残った脅威を片付ける
それが終わったら、今度は島のみんなに呼び掛ける
「はいみんな落ち着いてー!領主はいなくなった!旗印もボクたちの仲間が壊しに行ってるよ!」
大声でみんなを【鼓舞】しながらみんなを【勇気】づける
「だからボクたちのやる事はただ一つ!戦勝会のパーティーの準備だよ!」
パーティーという名目なら一か所に集められるし準備を手伝ってもらえば整然と動いてもらえるからね


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
メガリスは他の仲間に任せて、俺は最後の仕事に取り掛かるとするか。
まずシャーリーと協力して近くに潜んだ敵の残党や野生のモンスターを片付ける。

それが終わったら、島の人達を落ち着かせるために道中で採ってきた海産物でブイヤベースのスープを【華味三鎮】で【料理】し、島の人達に振る舞い、安らぎの感情を与える。
「さっきはパンだけだったから口の中パサパサしてるだろ?だからさ」
そして落ち着いたら、今度は明日への希望を与える番だ。
「俺の仲間がメガリス破壊して戻ってきたらみんなで戦勝会やろうぜ。もうこの島を脅かす悪い奴はいなくなったんだからさ」
戻ってきた仲間達と一緒に、今夜は派手にやろうぜ!



●Let's Parade!
「ざっとこんなもんか」
「……うん! 大体いいんじゃないかな?」
 倒れ伏す海賊の残党と、危険な魔獣の倒れ伏す様は今しがたウィーリィとシャーリーが協力して斬り伏せたものだった。
 他の猟兵達とも協力し合い、特にウィーリィとシャーリーの二人は、身を寄せ合う島民のその近辺に潜むそれを片付けていた。
 背のバーニアを噴き上げ、天高きより見渡したシャーリーが一先ず荒事の心配はもう無いと判断すれば、ウィーリィは頷き彼らは向かう。
 先の猟兵達の説得もあり、幾許かの平穏が齎されているといえど根本的な解決にはまだ遠い。
 今暫く、仲間達がメガリスを破壊するまで待つ必要があるだろう――不安に怯えをまた見せ始めた彼らを収める為に。
「はいみんな落ち着いてー!」
 やはり行った方が良いんじゃないか、道案内だけでも……と拭いきれぬ不安を口に出し始めた民の下に、手を打ち鳴らす音が響いた。
 突如として響いた乾いた音に、島民が一瞬身体を震わせて移した視線の先にはシャーリーがいた。
「領主はいなくなった! 旗印もボクたちの仲間が壊しに行ってるよ!」
 その言葉に暗に不安がらずに果報は寝て待て、不用意に抜け出そうとしないで安心してこの場に待っていて、という指示も込めて。
 共に戦った猟兵達への信頼も同時に口にしながら、シャーリーは軽く島民を見回す。
 外から言われて改めて留まれたか、不安の顔は残っても不用意な行動に出るものは一先ず無くなったと言っていいだろう。
 なれば、とウィーリィは鍋を取り出すと、その中身を丁寧に皿へと盛りつけ盆に乗せると。
「だから落ち着いて、まずはこれを食ってくれ」
 差し出されたそれから漂うのは香しい海産物の旨味を示す、仄かに甘さを帯びた匂い。
 奪われ続けたものを取り戻すかのように赤々と輝くスープ、入り混じる酸味の匂いは島民の鼻腔を刺激し胃の腑を動かしていく。
 道中で採ってきた海産物を使い、即興で作り上げたブイヤベースだった。
「さっきはパンだけだったから口の中パサパサしてるだろ? だからさ」
 戸惑いを見せる島民にウィーリィが説明すれば、ああ、と納得したように彼らは頷く。
 それでも当初はそれに手を付けることへ戸惑いが見られていたが、やはり食欲には勝てないものか。
 子供達が手を出したのを皮切りに、周りの大人達も少しずつウィーリィの作ったブイヤベースを口に運んでいく。
 すると彼らの舌を海産物の濃厚な旨味溶けだした、微かな酸味を帯びたトマトスープの刺激が包んだ瞬間、彼らの頬に鮮やかな赤味と艶が差していくような気がした。
 安らぎの心を与えられ、忘れかけていた笑顔を取り戻していく島民を見、ウィーリィは胸を抑えた。
 作って良かった。食べさせて良かった。
 この笑顔を見られただけで、料理人になって良かったと本当に、心の底から思う。
 スープを一口する度に漏れる歓喜の吐息に自然と口元を緩ませながら、ウィーリィは彼らに向けて言葉を続けた。
「俺の仲間がメガリス破壊して戻ってきたら、みんなで戦勝会やろうぜ。もうこの島を脅かす悪い奴はいなくなったんだからさ」
 それも良いかもしれない――羽を伸ばして、また次の日を乗り越える為にとぼんやりと思い始めた彼らに、シャーリーが勢いよく声を張り上げた。
「だからボクたちのやる事はただ一つ! 戦勝会のパーティーの準備だよ!」
 ――そうすれば自然と一点に集めることも出来るし、何か出来ることを与えてあげれば善意からの勝手な行動をしなくて済む。
 打算も含めての申し出であったが、それは効果的であったようで、島民はそれこそ我先にとテーブルや貯蔵していた食料、調度品の飾りつけなどを行っていく。
「さっきのブイヤベースみたいなの、もっと食べたいだろ?」
「心配しなくても大丈夫! まだボクたちがいるから、何か来ても追っ払ってあげるよ!」
 ウィーリィの言葉に一度味わった温かな美味という安らぎは、抗いがたい誘いとして島民の心を揺さぶって。
 胸をどんと戦うシャーリーの頼もしさは、増援の到来を恐れる島民の不安を和らげ、彼らの仕事を円滑に進ませ。
「……あ!」
 後は“その瞬間”を待つだけとなった時、シャーリーが声を張り上げた。
 彼女の指さす先に見えた、王の錫杖を描いた海賊旗が舞い上げられて――支配の本当の終焉を迎える時が、もうそこまで来ていた。

●支配を逃れて民の血はこれからも続いていく
 齎した者は支配のみ、保護も何も行わぬ暴虐と略奪だけの王の権威を廃するように、海賊旗が旋回しながら宙を舞う。
 次の瞬間、島の中央に派手な花火が立ち上った。
 猟兵の仕掛けた爆弾が海賊旗を派手に爆破し、薄く夜の差したエルデンモット島を鮮やかに照らす。
 支配に耐え抜きながらも、勇気を振り絞った島民を称えるように。
 そして何よりも、大艦隊と圧倒的な強敵も臆さずに立ち向かった猟兵の奮戦を称えるように。
 ここに暴虐の吸血竜の支配は終わったことを花火が告げ、島中には訪れた平穏を祝う声が絶えない。
 戦いを終えた猟兵達は共に解き放たれた島民と、平和を祝う宴に興じていくのだった。

 そして夜も明けた次の日に。
 島を離れる猟兵達に手渡されるのは、赤々と艶やかに輝く果実だった。
 季節を問わずに採れるというエルデンモット島の名産であるトマトが、せめてもの感謝として配られていった。
 ……確かに今すぐには島が盛り上がるのは難しいかもしれない。
 しかしエルデンモット島が隆盛を取り戻すのも、そう遠からぬことでもあるだろう。
 赤みの差した民の頬の、その笑顔をバックに猟兵達は各々の場所へ帰っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月15日


挿絵イラスト