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救いの道標(作者 御影イズミ
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●辺境の果てに、救済の標を
 人々を救うことは、悪である。
 生きることは、悪である。
 苦しむことは、悪である。
 絶望することは、悪である。
 死ぬことさえも、悪である。

 暗闇の世界、辺境の果てで繰り返される歪な言葉。
 この地に足を踏み入れた者達は誰もが皆、狂わされる。

 生きることはもちろんのこと、死ぬことさえも悪であると決めつけられて。
 誰かに手を差し伸べることはどれも全てが悪であると決めつけられて。
 楽しむことも、喜ぶことも、悲しむことも、怒ることも悪であると決めつけられて。
 生も死も喜怒哀楽も悪であるなら、何が正しいのかと悩まされ続けて。
 そうして、正しさなどどこにも存在しないと、狂うことになって。

 受け入れてしまうのは、何もない、無の世界。
 それこそが、全てを悪と決めつけた神の、救いの道標。

●生きることは正しいこと
 グリモアベースにて、任務に向かう猟兵達を集めた男、木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)。彼は難しい顔をして見た内容を全て伝えた。なんてことはない、何もない辺境の地で奇妙な声を聞いたというだけだ。
「今回は……神々の一部が憑依したオブリビオンから、土地を解放する事が任務だ。敵は理性を持たないが、自分の信念は貫き通したいんだろうな。無の世界こそが救済であると言って、全く聞かないんだ」
 辺境の地を開拓したいのに、声を聞くと狂わされてしまうため開拓できないのが現状。もしこの土地を解放することが出来れば、世界に散らばるヴァンパイア達の支配から免れる土地が新たに誕生する。オブリビオンの驚異から解放出来て、人々の暮らしを支えることが出来る、まさに一石二鳥の任務だ。
 しかしそうは簡単にいかない。ヴァンパイアに無残にも殺されてオブリビオンになったとは言え、相手は神。その狂気の言葉は耳から入り、脳を揺らして神経をも犯しては壊してしまう強力なものだ。
 故に猟兵自身の身の安全を確保しつつ情報を集め、狂ったオブリビオンの討伐を行わなければならない。生を受け入れるか、死を受け入れるか、はたまた狂った無を受け入れるかの綱渡りの任務だ。
「何故狂っているのかを探り当てれば、ちょっとした弱点になり得るかも知れない。けれど無理せず、無事に戻ってくることを祈るよ」
 厄介な相手を引き受けさせることを心から詫びながらも、彼は猟兵達を速やかに辺境の地へと送り届けた。


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 今回のシナリオは「狂ったオブリビオンから辺境の土地を取り戻せ!」というシナリオです。
 MSページ、並びに以下の章説明をよくお読みください。

●第一章
 冒険シナリオ。
 奇妙な声が渦巻く中で、ボスとなるオブリビオンが狂った理由を探します。
 この章では毎回狂ったオブリビオンの声が猟兵達の耳に届きます。
 聴き続けると猟兵達の精神を狂わされるので、対処しましょう。

●第二章
 集団戦シナリオ。
 狂ったオブリビオンに狂わされた者達が猟兵達に襲いかかります。
 ここは殴るだけ。

●第三章
 ボス戦シナリオ。
 狂ったオブリビオンと戦います。
 第一章で手に入れた情報を元に、説得や利用するプレイングを行うとボーナスが入ります。

 以上3つのシナリオ。皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『血霧の不吉』

POW肉体で耐える
SPD迅速に避難をする
WIZ異常の原因を探る
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


大豪傑・麗刃
アドリブ歓迎

狂気ねえ。
今手元に狂気耐性ついた道具がない。わざわざ作ってもいいけどむちゃくちゃ★かかるし。★かかりすぎるのよこのゲーム。まあないものは仕方ない。

気合いで耐えることにするのだ。

だいたいこういうのは悲劇とかトラウマとかそういう関係なものがかかわっているというのがド定番なのだ。なのでそのあたり聞き込み。わたしの甘いマスク(自称)はこういう時に便利なのだ。コミュ力とか活かして地域住民にそういう伝説とか逸話とかないか聞き込むのだ。女性だったら誘惑(え?)とかも有効かも。女性は情報の宝庫らしいし。あとは書物とか資料?マンガ以外の本を読むと頭痛が痛くなるのだが(強調表現としての二重表現肯定派)


●気合で耐えよう、狂気の言葉
 ダークセイヴァーの辺境の果て、そこに佇むのは何もなく。ただ、不釣り合いな赤色の風が吹いているだけ。
 そんな中で立ち尽くしている男は大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。この地にやって来た時には、狂気なんて冗談だろうと思っていた。
 だがこの土地にやってきて、しっかりと実感した。彼の耳にははっきりと聴こえてくるのだ。怨嗟の声とも等しい、狂気の声が。
『人々を救わなくてはならない』
『救いのための苦しみを与えなくては』
『希望を与えずして、何が救いなのだろうか』
 誰もいない中で繰り返される奇妙な言葉。それが耳から入って脳まで届いては、麗刃の頭がおかしくなりそうになっていた。
「気合、気合、気合……」
 麗刃はブツブツと繰り返し呟きながら、一旦この土地を離れて近くの村で聞き込みを開始する。早速自身のコミュ力を活かして聞き込みを開始すると、村人達からは大層驚かれてしまった。
 なんでもあの辺境の地は呪われた土地と言われているようで、人が足を踏み入れてはならないと言われている場所。一歩踏み入れれば最後、骨の髄まで狂わされ、喉を掻きむしって死に至るのだという。
 では、なぜそのような場所が存在しているのかと麗刃が尋ねれば、土地についての答えが返ってきた。
 その土地にいた神様は『人々を救うこと』が理念となっており、『救う』という行為であれば、人々に望まれることはなんでもしてきたのだという。例え悪意ある者だとしても、例え救われないような願いだとしても、その土地で願えば誰もが救われていた。
 ただ、その神に対して反発を唱える者がいた。神の根本的な理念が『救うこと』であり、救済となる場合であれば神様は殺すことも厭わなかった。そういった面を知った者達は、少しずつ、少しずつ、神へ暴力的な言葉を投げ続けていた。
『人々を救うことは、悪である』
『苦しむことは、救いではない』
『希望と思えたものは、全て絶望だ』
 救い続けた人々から投げかけられた神は絶望の言葉を投げられ、徐々に狂っていった。全てを悪だと決めつけて、己の理念さえも悪だと決めつけて。
 だが、それでもなお『神様として』存在していた間は、狂気に飲み込まれることはなかったのだ。
「ふむふむ。ということは、オブリビオンにやられて、食われてからああなったのだな」
 どこか納得の言ったような顔をする麗刃。残る情報は書物でも読んで確認しようかなと思ったのだが、先に聞いていた狂気の言葉を思い出してしまい、頭がひどく痛んだ。流石にこれ以上の散策は難しいだろうと判断し、彼は一旦休息を取ることに。
成功 🔵🔵🔴

新山・陽
 気分はよろしくありませんが、そもそも相対しコトを構える立場です。貴方が決めた悪を私は呑みましょう。しかし、貴方にとっての悪しき隣人となろうとも、無は慎んでお断り申しあげます。
 無は無。そこには救済なんて意味合いも、当然含まれないでしょうに。

 さて、無の方がいっそマシだと思えるような、魂が捻じれるほどの無念がありましたか。人々を自らと同じ淵に立たせまいとする苦肉の策ですか。
 始める前に話を聞きますよ。骸の海から歪んでまでお越しで、何かありましたか?
 
 基本的には『鍵をかける力』を用い精神干渉を対処し、傾聴しすぎないよう【狂気耐性】や【落ち着き】を利用して注意深く語りかけ【情報収集】を試みます。


●聞き届けよう、その言葉
 辺境の果てに訪れた猟兵が、また一人。仕立ての良い高価なスーツに身を包み、狂気の言葉を聞き入れようと覚悟を決めてやってきた女性、新山・陽(悪と波瀾のお気に入り・f17541)だ。辺境の土地を赤く染める風を身に受けながら、彼女は周囲に響き渡る狂気の言葉に耳を傾けた。
『人々を救わなくてはならない』
『救いのための苦しみを与えなくては』
『希望を与えずして、何が救いなのだろうか』
 いくつもの言葉が陽の耳を通り抜け、脳内に残される。しかし彼女は精神干渉ともなり得る力を、鍵をかける力を用いて防御。言葉の内容だけをしっかりと残し、それ以外は外へと追いやった。
「……骸の海から歪んでまでお越しで、何かありましたか? どうか、私にお聞かせください」
 ポツリと呟いた陽の言葉が、赤い風に溶ける。一際大きく吹いた風の中、彼女は何者かの言葉を耳にする。
『私は誰かを救わなければ、存在出来ない者』『救いを求める者に手を差し伸べ、希望を与える者』
『それなのに、それなのに』『ああ、私の行いは、悪だったのだろうか』
『私の行いで皆が狂う』『私の救いで皆が狂う』『私の言葉で皆が狂う』
『それならば、それならば』『私は無を救いとすれば良いのだろう』
 いくつも流れてきた言葉の波に身を委ね、陽はその言葉の内容から情報を収集する。鍵をかける力を用いたとは言え、重箱の隅をつつくような感覚が押し寄せてきては、彼女に狂気がねじ込まれようとしている。それでも彼女自身が狂気への耐性は高く、落ち着きを保っていた。
 そうして一つ、疑問が浮かんだ。彼女は狂気の言葉によって荒立つ心の波を鎮め、きちんと落ち着いてから声の主に語りかける。
「それではお尋ねします、希望与える者。貴方をそのように導いた者は、何者ですか?」
 数分ほどの沈黙の後、再び強く吹いた赤い風。それに合わせて陽の耳に言葉が届けられた。
『私を狂わせたのは救いを与えた者』
『私の行いを悪だと称したのも救いを与えた者』
 救いを与えた者という言葉に対し、陽は考え込む。もしこの土地に何らかの信仰があったとしたら、言葉の主は神にも等しい存在であって、救いを与えた者というのは土地に住まう人々だったのではないかと。
 だとすれば、この神が行った行為によって何らかの異常事態が発生し、人々が神に対して不信感を募らせていたのだとしたら。そしてそれによって人々が神に対して、悪意ある言葉を続けざまにぶつけていたのだとしたら。そうして集まった悪意によって、救いを主とする神が狂っていったのだとしたら。
 情報の中に、いくつかの疑問点は残るだろう。だが、それでもこの土地にいた神は人々に救いを与えたい為に、何らかの行為を行っていたという情報は得られた。きっとそれは、人々を心から愛していた証拠にも成り得るのかもしれない。
「……救い与える者。貴方の無念は、確かに聞き届けました」
 虚空に溶けた陽の言葉に返答するかのように、赤い風が小さく彼女の身体を撫でた。
大成功 🔵🔵🔵