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トイレの鏡子さん(作者 楔之 祈
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 トイレの花子さん。
 なんて、有名な都市伝説を聞いたことがあるだろう。
 学校の怪談にあるひきこさん。花子さんとは仲が悪いらしい。
 これはそんな、一つの学校の怪談のお話。

「ここだ…」
 とある県にある、とある高校。
 その高校には、よくある七不思議が語られている。
 例えば、理科室にある人体模型が夜な夜な動くだとか。
 音楽室の肖像画が毎夜歌っているだとか。
 そんな何の変哲もない七不思議。その中の一つに、こんなものがあった。
 その高校にあるトイレの鏡には、鏡子さんがいるという。

 今、その鏡には女の子の姿が映っている。
 ごくごく普通の、女の子。
 日が半分沈み、もうじき空が暗くなる。
 数刻も経たないうちに夜になってしまいそうな夕暮れ時。
 薄暗いトイレには、窓からオレンジの光が差している。

 女の子は、すぅ…と息を吸い込む。

「鏡子さん、鏡子さん、おいでください。
 貴方は私です。私は貴方です。どうぞ願いをお聞き入れください」
 女の子は言葉を紡ぐ。
 しんと静まった鏡の前で、女の子は立ち尽くし鏡をじっと見ていた。

 少ししても何も起こらない。
 女の子は、残念なような、ホッと安堵したような息を漏らす。
 ふと最後に顔をあげたその時。
 自分の姿が鏡に映っていないことに気が付いた。
 代わりに映っていたのは……。


「空志乃市にある、空志乃高校でUDCが召喚される予知を見たの」
 書類を手に、自身の見た予知を口にするリディー・プレヴェール(夢見る乙女のプリン(セ)ス・f27338)。
 リディーが見たのは、学校の怪談を確かめるべくトイレで儀式を行う少女の姿。
 そして、その予知は鏡に映った “それ”が今にも鏡から出てこようとしているところで終わっていた。
 しかし、どこのトイレかまではわからない。
 つまり、このUDCの召喚場所を探らなければならないのだ。
 鏡の中から出てこようとしていたのは、ガラスの少女。
 透き通る綺麗なガラスで造形された少女だった。
 鏡とは、ガラスにアルミ等を蒸着し可視光線を反射するようにしたもの。
 今回はこれが媒体になり召喚されていることが予測される。

「学校にはまだ人がいたはずよ。きっと話を聞けると思うわ。
 召喚されたUDCが完全に出てくる前に、探し当ててほしいの」
 肝心な部分を…ごめんなさいね、と申し訳なさそうに俯くリディー。
 そして、こう続けた。

「校内の様子がなんだかおかしいように見えたわ。
 学校の七不思議…なんて言われているみたいだから、学校全体に影響が出るかもしれない。
 気を付けてね」

 怪異に歪んだ学校を探索し、ガラスの少女の完全な召喚を阻止する事。
 そしてガラスの少女を撃破し、学校を戻すこと。
 これが今回の任務となる。
 リディーは行ってらっしゃい、と猟兵達を送り出した。





第2章 集団戦 『暗闇の追跡者』

POW ●燃エ広ガル狂気
【崩れた輪郭から溢れ出る闇】が命中した対象を燃やす。放たれた【狂気を齎す漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD ●膨レ上ガル呪詛
【膨張しながら不定形に拡がり続ける闇】に変形し、自身の【輪郭や自己同一性】を代償に、自身の【攻撃範囲】と、技能【精神攻撃】【呪詛】を強化する。
WIZ ●揺レ浮カブ恐怖
レベル分の1秒で【対象の背後に出現し、対象を絞め殺す腕】を発射できる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 日はさらに落ち、校舎内の闇は増す。
 深く、濃い闇が校舎を飲み込み始めた。
 そして同時に、うつ伏せで横たわるガラスの少女から大きな大きな不快な音が響いた。
 ガラスを引っ掻くような音。それはまるで少女が叫んでいるかの様で。

 その声に呼応するように、闇が形を成す。
 ガラスの少女の為なのか。それとも彼らの意思なのか。
 人型のようにも見えるそれは、猟兵達へと襲い掛かった。
 
ジード・フラミア
メリア『イヤァ、やっと見つけマシタヨ。…フム、ナカナカ怖い見た目デスネェ』
ジード「ひっ……よ、よし…行くぞ」
メリア『…及び腰じゃないデスカ。ホラ、リラックス、リラックス』

UC【オペラツィオン・マカブル】を使用
ジード(もし、他にも怖がっている人がいたらその人も)落ちつけさせつつ、ジードに向かってくる攻撃をそのままメリア人形や予備の人形で跳ね返します。

……メリア人格はジード自体には黙ってますが、落ち着かせつつ、ジード本体の立ち位置を攻撃の射線上・狙われやすい場所に移動させマス。
これでバンバン攻撃しマスヨー!


一一・一一
「それじゃあ、禁じ手いってみよー」

【怪異ノ身体】を起動
交換する部位は右足
交換する怪異の名は「寺生まれのTさん」
都市伝説を倒す都市伝説
これが怪異というのならば、負けるはずがない
ついでに【噂話から産まれし物語】で数珠を作り出して足に巻きましょう

「では、Tさんらしくこういうっすかねぇ

破ぁ!! 」

といいながら『破魔』をのせた寺生まれのTさんキックで蹴り飛ばします

もし、助けた女の子がまだいるならば、「怪異から誰かを守る」というTさんの特性上、守るようにしながら戦います
多少の呪詛なんかは『呪詛耐性』で耐えます

寺生まれはスゴイ、僕は蹴りながらそう思った

アドリブなど歓迎です


豊原・フィリス
なんだかお相手するのには楽しくなさそうな感じねぇ
【電身変化】で退魔くノ一にチェンジ
こういう相手ならこれでしょう
後はエネルギーで切る”艶光学剣”ならいけるかもしれないわ

相手の動きを見切り、校舎内の壁や天井を跳ね回って立体的に戦うわ
そうやってチマチマダメージを与えていくしか、わたしにはできないわねぇ
時間稼ぎにしかならないけど、仲間の猟兵の攻撃を助ける囮くらいにはなれるでしょう

正直呪詛的な攻撃はあまり得意じゃないのよ
催眠術で自分に暗示をかけて、今の自分は退魔くノ一だから問題無いって思いこむしかないわねぇ



 じりじりとにじり寄ってくる黒い影。
 暗闇そのもののような、深い深い黒。
 狭いトイレでは分が悪かった。

 暗闇の追跡者達は、ガラスの少女から距離を取らせるように追い詰めてくる。
 一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)は、このままでは動きづらいと廊下へ逃げる。
 丁度、他の猟兵達が現場に到着し合流する形となった。

「イヤァ…ヤット見つけマシタヨ」
 ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)とメリアが駆けてくる。
 ジードは少し息が切れているようで、きっと走ってきたのだろうと思う。

「あらぁ…なんだか変な顔もいるじゃない」
 豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)も到着し、トイレ内に見える追跡者達の顔を見てきょとんとしている。

「女の子は助けたっす。あとは元凶だけっすけど…ごめんなさい。間に合わなくてなかったことに…とはいかなかったっす」
 辿り着いた仲間に一一は申し訳なさそうに話す。
 もちろん、女の子は救助でき被害はなかった。それだけで十分だと皆頷く。

「トニカク、マズハ“あれ”をどうにかシマショウ」
 メリアは追跡者達を指さした。
 皆、顔を見合わせ頷く。そしてそれぞれ構えた。

「ひっ……よ、よし、い、行くぞっ」
 追跡者達の真っ赤な目がジードを捉える。
 視線が合い、その瞬間恐怖が身体を巡った。

「……ハァ、及び腰じゃないデスカ。大丈夫、大丈夫、リラックス…リラックス…」
 腰を曲げ、ううぅ…と唸りながら向かい合うジードにメリアはため息をつく。
 大丈夫、と言い聞かせ背中をぐいぐいと押す。

「ギゲゲゲゲッ」
 と雄たけびをあげ、ここぞとばかりにジードに狙いを定め突っ込んでくる。
 自信のない態度が、弱く見せるのだろう。
 追跡者はその身体を変形させる。雲のようにもくもくと広がり大きくなる。
 まるで全てを飲み込んでしまいそうな。
 しかし、ジード達も何もしないわけではない。
 背中を押していたメリアは、くるりと回り自身を前に出す。
 【オペラツィオン・マカブル】。
 ぶらんと身体を揺らし、追跡者の攻撃を受けた。
 そしてメリアはその衝撃を倍にして返す。
 ふふん、と得意げに笑っているように見えるメリア。

「ホラホラ、まだまだイキマスヨ」
 ぶっ飛ばすゾー!と意気込みながら、ジードの背中をまたぐいぐいと押す。
 こっそりと狙われやすいところへ連れて行き、カウンターを狙っていることはジードには内緒…とメリアは思うのだった。

 そんなメリアの考えは、フィリスにはお見通しだった。
 見ていればなんとなくわかるのかもしれない。
 ならば、それを手伝おうと考えた。
 【電身変化(アバターチェンジ)】を使い、ふわっとその容姿を変えた。

「うん、こういう相手ならこれでしょう」
 体のラインが丸わかりのぴっちりしたタイツ。
 露出は少ないのに色気は隠せないその容姿。しかし、そのスピードは凄まじかった。
 校舎の壁を伝い、天井から真っ直ぐ追跡者へと降りかかる。
 艶光学剣で切りかかり、すぐにまた壁や天井へと逃げる。
 チクチクと、蝶のように舞い蜂のように刺すフィリスはとても妖艶だった。
 ただ攻撃するだけではない。
 ジードへと向かう様に誘導も兼ねているのだ。
 追跡者もやられているだけではない。
 ジードへ攻撃をした時のように、身体を雲のように変える。
 そしてフィリスへと覆いかぶさる様に襲い掛かった。

(これじゃあ間に合わない…!)
 フィリスはこの手の攻撃が得意ではない。
 しかし、それは迷いが生じるからである。

(…大丈夫。私は、退魔忍なんだから!)
 そう心へと刻む。
 そして全力で駆け出した。
 既の所で直撃を免れ、天井へと逃れる。
 少しかすってしまったが、大丈夫。問題ない。
 ジードの方を見ても、安定してカウンターを当てている。
 ぐっと足に力を込め、再び飛び回るのだった。

 そんな彼女達の姿を前に、一一は唱えていた。
 都市伝説に渡り合えるのは、都市伝説であるのだ。
 【怪異ノ身体(カイイノカラダ)』。

(怪異の名は『寺生まれのTさん』。
 交換するは右足。
 身体変異、どうか僕に力を。僕の身体を、あなた達と同じに…。)
 小さく呟きながら、念じる一一。
 そして、ゆっくり立ち上がると、その右足は彼女には似つかわしくないものに変わっていた。
 Tさんの右足なのだろう。
 黒い数珠の巻かれた右足を上げ、状態を確認する。
 大丈夫、無事に成功した。
 あとは、この力を借りるだけ。

「はぁぁぁぁあああ!」
 大きく叫びながら駆け出す一一。
 そして、追跡者の前で飛び上がる。

「破ぁ!!!」
 走った勢いと、飛び上がった勢いの加わった全ての力を足に込め蹴り落とす。
 クリーンヒットした追跡者はその勢いのまま消し飛んでしまった。
 シュウウ…と煙のようなものが残ったのだった。

「……流石はTさん」
 寺生まれは凄い…と、一一は改めて思い呟いた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵