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トイレの鏡子さん

#UDCアース

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#UDCアース


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 トイレの花子さん。
 なんて、有名な都市伝説を聞いたことがあるだろう。
 学校の怪談にあるひきこさん。花子さんとは仲が悪いらしい。
 これはそんな、一つの学校の怪談のお話。

「ここだ…」
 とある県にある、とある高校。
 その高校には、よくある七不思議が語られている。
 例えば、理科室にある人体模型が夜な夜な動くだとか。
 音楽室の肖像画が毎夜歌っているだとか。
 そんな何の変哲もない七不思議。その中の一つに、こんなものがあった。
 その高校にあるトイレの鏡には、鏡子さんがいるという。

 今、その鏡には女の子の姿が映っている。
 ごくごく普通の、女の子。
 日が半分沈み、もうじき空が暗くなる。
 数刻も経たないうちに夜になってしまいそうな夕暮れ時。
 薄暗いトイレには、窓からオレンジの光が差している。

 女の子は、すぅ…と息を吸い込む。

「鏡子さん、鏡子さん、おいでください。
 貴方は私です。私は貴方です。どうぞ願いをお聞き入れください」
 女の子は言葉を紡ぐ。
 しんと静まった鏡の前で、女の子は立ち尽くし鏡をじっと見ていた。

 少ししても何も起こらない。
 女の子は、残念なような、ホッと安堵したような息を漏らす。
 ふと最後に顔をあげたその時。
 自分の姿が鏡に映っていないことに気が付いた。
 代わりに映っていたのは……。


「空志乃市にある、空志乃高校でUDCが召喚される予知を見たの」
 書類を手に、自身の見た予知を口にするリディー・プレヴェール(夢見る乙女のプリン(セ)ス・f27338)。
 リディーが見たのは、学校の怪談を確かめるべくトイレで儀式を行う少女の姿。
 そして、その予知は鏡に映った “それ”が今にも鏡から出てこようとしているところで終わっていた。
 しかし、どこのトイレかまではわからない。
 つまり、このUDCの召喚場所を探らなければならないのだ。
 鏡の中から出てこようとしていたのは、ガラスの少女。
 透き通る綺麗なガラスで造形された少女だった。
 鏡とは、ガラスにアルミ等を蒸着し可視光線を反射するようにしたもの。
 今回はこれが媒体になり召喚されていることが予測される。

「学校にはまだ人がいたはずよ。きっと話を聞けると思うわ。
 召喚されたUDCが完全に出てくる前に、探し当ててほしいの」
 肝心な部分を…ごめんなさいね、と申し訳なさそうに俯くリディー。
 そして、こう続けた。

「校内の様子がなんだかおかしいように見えたわ。
 学校の七不思議…なんて言われているみたいだから、学校全体に影響が出るかもしれない。
 気を付けてね」

 怪異に歪んだ学校を探索し、ガラスの少女の完全な召喚を阻止する事。
 そしてガラスの少女を撃破し、学校を戻すこと。
 これが今回の任務となる。
 リディーは行ってらっしゃい、と猟兵達を送り出した。


楔之 祈
 こんにちは、楔之 祈です。
 今回は学校の怪談…のような方法で召喚されたUDCを撃破するシナリオです。
 どうやら、空志乃高校で語られていた七不思議のひとつが、たまたまガラスの少女への声かけになってしまったようです。
 呼んでしまった学生と、学校を守ってあげてください。

●第一章
 【冒険】です。
 校内には少数ですが、これから帰る学生がまだ居ます。校庭や校門から話を聞けるでしょう。
 話を聞き、召喚が行われたトイレを探し出してください。
 数うちゃ当たる!と奔走するも良し、推理して捜索に当たるも良し、好きに学校を駆け回ってください。
 また、学校には怪異が蔓延しています。もしかしたら、怪異に飲まれるかもしれません。
 いくら上っても終わらない階段。気が付いたら同じ廊下を歩いている。
 教室に入ったら逆さになっている…等。
 放って置いてもしばらくすれば気が付いたら戻ってる…並みにぽっと戻ります。
 アクションを起こすことも可能です。

●第二章
 【集団戦】です。
 完全な召喚を阻止できれば、ガラスの少女は近づかれるのを嫌い眷属を無数に呼び寄せます。
 これを一掃し、ガラスの少女との決戦に臨みましょう。

●第三章
 【ボス戦】です。
 不完全体のガラスの少女を撃破してください。
 なお、不完全とはいえ強力な敵となっています。決して気は抜かない様に。

●その他
 各章に断章を挟みます。断章の公開をプレイング受付開始とします。
 プレイング募集期間等に関しましては、マスターページ等で告知致します。
 その都度ご確認いただければ幸いです。
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第1章 冒険 『UDC召喚阻止』

POW   :    UDCの発生原因となりそうなものを取り除く

SPD   :    校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す

WIZ   :    生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「~~」
 声とも言えないような音で話かけてくる目の前の少女。
 言葉を発してはいないのに、何故だか何を言っているのかが分かるような、不思議な感覚に見舞われる。
 おかしな感覚。
 目の前の少女が、こうでしか話せないのか。
 それとも、自分が呼んでしまったから自分には分かってしまうのか。
 そんなことを考える余裕があるほど、この間はゆったりとした時間が流れていた。
 自分がこの場を動けないことが、恐怖からくるものなのか、安心からくるものなのか分からない程に。
 目の前の少女は、ゆっくり、ゆっくりと手を伸ばしている。
 少しずつ、本当に少しずつ、鏡から身を乗り出して。
ジード・フラミア
ジード「……聞き込みした方が良いんだろうけど、どう話しかけたら良いんだろ……早くしないと皆さん帰るかなぁ… 」
メリア『心配性デスネェ……ナラマァ、ぬいぐるみ達に手伝って貰いマショウカ。』

UC【共に寝るぬいぐるみ】を使用
召喚したぬいぐるみ達に、生徒たちへの聞き込みしてもらいます。ぬいぐるみが喋ることや猜疑感は「催眠術」で有耶無耶に!

ジード達はその情報を元に推理・探索します。




 人の少なくなった校門前に、うろうろとする影が二つ。
 ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)だ。

「……うー。聞き込みした方がいいんだろうけど…でも、どう話したらいいんだろう…。
 急に話しかけたら、怖がっちゃうかな……あ、早くしないと、皆さん帰っちゃうかな…」
 おろおろと話すジード。
 そんなジードに、愛らしい人形はため息をついた。

「はぁ…心配性デスネェ…。ナラマァ、ぬいぐるみ達に手伝って貰ってハ?」
「でも、メリアぁ…」
 煮え切らないジード。メリアと呼ばれた人形はまたため息をつくと、私が動きマショウとぬいぐるみを召喚した。
 もふもふのぬいぐるみ。眠るときに抱き着けば、いい夢が見られそうな。
 【共に寝るぬいぐるみ(スリーピング・フレンズ)】。
 召喚されたぬいぐるみは、テクテクと歩いていく。
 二人の学生の前で立ち止まり、こてん、と首を傾げて見上げている。
 二人の学生は、突如現れたぬいぐるみに目を奪われている。
 しかし、自分で立ち、動くぬいぐるみに驚いている様子はなかった。
 まるで当たり前かのように、もしくはかわいい子犬を見たかのように。
 学生は目線を合わせるようにしゃがみ、話しかけた。

「かぁわいい!なになに、どうしたの?」
 子供に話しかけるような優しい声。
 ぬいぐるみは、あのね!とまた子供のように返す。

「怖い話、集めてて。トイレに関する怖い話、何か、ありませんか!」
 身振り手振りで話すぬいぐるみに、好感が持てたのか二人の学生は快く引き受けてくれた。
 うーん、と二人で悩む。

「あれは!七不思議!なんだっけ…鏡子さんのうわさ!」
「あー!確か、1年の教室の近くのトイレだっけ?」
 二人は記憶を辿る様に話す。
 聞けば七不思議が流行ったのは結構前の事らしく、夏も過ぎてしまったこの時期には話が出る事もないらしい。
 それでも、1年生の教室の近く、という情報は得た。

「詳しいっていったら、オカ研じゃない?」
「あー、あいつらずっと変なのやってるもんね」
 オカ研とは、オカルト研究会のこと。
 どうやら一種の部活として存在しているらしい。
 オカルト研究会は1階にあるとの情報を得て、学生達とは別れた。

「サテ…デハ早速行きマショウ」
 てこてことメリアはは歩き出す。
 まるで引っ張られるようにジードもついていった。

 1年生の教室の近く。
 まずはこの校舎の地図が必要になるかもしれない。
 階数さえわかれば、特定はしやすいだろう。
 先生はまだ残っているだろうから、職員室を目指すのもいい。
 二人はひとまず得た情報を共有し、校内へと入っていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

豊原・フィリス
とりあえず”レディススーツ”を着て先生か父兄のふりをしておきましょう
見咎められたら【指南人格】を使って高めたコミュ力や演技で切り抜けましょう

高校なら案内図があると思うのだけれどぉ
理科室とか音楽室みたいな特殊な教室の場所はわかっても
普通の教室は何年何組までは載ってないみたい
クラス替えとかあるから当たり前?

情報収集しましょう
そうねぇあの初心そうな男の子に聞いてみましょう
ちょっと誘惑して存在感ある胸に視線を誘導顔が印象に残らないようする
催眠術も使って手早くね
それぞれの学年って一年生が何階とか決まってたりする?


波狼・拓哉
…学生の頃にきく噂ってなんであんなに魅力的なんでしょうね
世界の真実を分かってないからなんですかねぇ

まあ、取り敢えずは調査といきましょう突撃ー
…何て声高らかに言いましたけど流石に校内に無関係者がいるのは不味いかな
適当に先生ぽく変装して演技しときましょう
新任とか言っとけば生徒は信じてくれるでしょう

生徒がいるなら、軽く嘘の自己紹介しつつ、聞いただけの事鵜呑みにしないようにとかいって噂の事をコミュ力、礼儀作法で聞きだし

後は…流石に女子トイレ開けて回るのはただのやばい人だけど、こういうのって怪異が多い所の中心ってパターンでしょう
…ま、死にそうなのはなさそうなので引っかかりに行きますか
(アドリブ絡み歓迎)




「ふーん…中々悪くないじゃない?」
 くいっと腕を回し、動きを確認する。
 ぱりっとしたレディースーツに身を包んだ大人の女性。

「いいんじゃないですか。先生っぽく見えますよ」
 お世辞なのか嫌味なのかわからないような言葉をかける。
 軽く気崩した、カジュアルな印象のスーツの男性。

「貴方こそ、いい感じよ」
「そりゃどーも。こういうのも嫌いじゃねーんで。…あんま着ないですけど」

 豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)と波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)はお互いに着慣れない服装に身を包み学校へと入っていく。
 セクシーな服を良く着ているフィリスと、ラフでカジュアルな服装を好んでいる拓哉。
 二人は『新任の先生』という設定で学校へと乗り込むつもりだ。
 より説得力を増すため、着慣れない服を選んだのだ。

「ま、捜査は足でっていうからね。そーれ突撃ー」
 おーと腕を挙げながらつかつかと歩き出す。その声は決して明るいものではなかったが。
 気怠そうな、なんだか彼らしいような。そんな様子がフィリスには少し面白く見えた。
 
 二人は生徒を探す。
 やはり夕飯時とあってあまり生徒は残っていないようだった。
 校舎へ入ると、校内案内のようなものが貼ってある。
 音楽室…理科室。ここが家庭科室ね。
 フィリスは案内をまじまじと見つつ、場所を覚える。
 が、この案内には学年のフロア等が書かれていないことに気づいた。
 クラス替えもあるのだし、当たり前なのかもしれない。
 そんなことを考えていると、

「あ、誰か来ましたよ」
 拓哉の声でハッとする。
 顔を案内から離し、拓哉の視線の先へと目を向ける。
 そこにはハキハキとした印象の女子生徒と、おどおどした印象の男子生徒が立っていた。

「誰ですかぁ?」
 女子生徒は小首を傾げながら問う。

「あ、怪しい人じゃないわ。私達新任の…あ、そうそう、校長室を探していたのよぉ」
 あはは、と笑いながら話すフィリス。
 拓哉は隣で、中々に上手いもんだと感心していた。

「そうなんですよ。それで、この案内見てたんですけど」
 拓哉も話に乗っかる。
 今二人の生徒に映っている二人の姿は新任の教師なのだから。

「新任…?そんな話あったかなぁ…」
 疑うような目でフィリス達を見る女子生徒。
 おどおどとした男子生徒は、ちらちらとフィリスを見るものの人見知りなのか会話に入ってこようとはしない。

「ついこの間赴任が決まったから……先生も話してないんじゃないかしらぁ。
 今日は挨拶に来たの、だから生徒がいない時間にしようって今来たのよぉ」
 フィリスは台本があったかのようにさらりと嘘を口にする。
 
「でも失敗でしたね。この学校、なんだか薄暗くて気味悪いです」
「あー、もしかして怖いんですか?見た目によらず?」
 拓哉もさらりと嘘を吐く。それに食いつく女子生徒。

「じゃあ気を付けてくださいね?
 この学校、怖い噂多いんで!」
 弱点を見つけたと嬉しそうにしている女子生徒。
 拓哉は心でガッツポーズをした。
 半分は賭けの誘導だったが、うまくいってよかったと。

「噂?」
 拓哉は聞き返す。

「そうそう、よくある七不思議ってやつ!この学校にもあるんだけど…」
「あー…トイレ系とか、そういうのはないですよね」
 もう一つカマをかけてみる。

「ふっふっふっ、あるんですよねぇこれが!
 女子トイレなんですけどね、1年のフロアにあるトイレで、夜に前を通ったら攫われちゃうんですよ!」
 意気揚々と語る女子生徒。
 そんな彼女に、これは扱いやすいな…等と思う拓哉だった。

「あのぉ、この案内、学年のフロアは書いてないんだけれど…。
 良かったら教えてもらえないかしらぁ」
 一方でフィリスは少し背の低い男子生徒に、前かがみになりながら問いかけていた。
 もちろん、その豊かな胸をぐいっと腕で寄せながら。

「え、あ、えと…その、え」
 目の前の女性の大人な色気と、案内に書かれていない学年フロア。
 二つのことに困惑し、声が出せない男子生徒。

「え、え?書いてないですか?」
 隣で拓哉と話していた女子生徒。
 フィリスの話が聞こえていたのか、代わりに反応したのは彼女だった。
 ぐいっとフィリス達を押しのけ、案内を確認する。
 そこには確かに書いていなかった。

「おかしいな…書いてあったはずなんだけどな…。
 なんでだろ…いつからか消えたのかな…でも、毎年新しいの貼って綺麗にしてるのに…」
 確かに、この案内はとてもきれいに保たれている。
 学年の案内以外は、かすれもしていない。

「良かったら教えてもらえます?ちょっと校内も探検したいんで」
「え…あ、いいけど…。
 えっと、一年は四階で、二年は三階。三年は二階です。
 私達は二年生!」
 拓哉の問いに、にこっといい笑顔で女子生徒は答えてくれた。

 拓哉とフィリスは、二人の生徒と別れた。
 校長室まで案内してもらい、二人が職員室に入ってすぐ四階へと向かったのだ。
 書いてあったはずのフロア表記がなかった。
 もしかしたら、これも一つの怪異だったのかもしれないと拓哉は考える。
 少しでも自分の元へ到達することを遅らせる為の。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

一一・一一
都市伝説ときいてやってきた(自称)都市伝説見習いの僕っす

都市伝説対抗するには都市伝説を使うのが一番
というわけで「目立たない」ようにしながら【噂話より産まれし物語】で携帯を10個作り出し、順繰りにかけていくことで【答える者の助言】起動
怪人アンサーを呼び出し、問1で10問目の回答を聴いてあとの8つの質問で、居場所を聞くっす
アンサーから回答をきいたら学校の探索して学校の怪談に会えることを期待しながら居場所に向かうっす
遭遇したらその現象を楽しみながらアンサーの残りの質問で脱出方法をきいて脱出するっすよ
アドリブなど歓迎っす




「都市伝説と言えば!この僕っすよ!」
 デデーン!というような効果音が聞こえてきそうな登場に、女の子は目をぱちくりとさせた。
 一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)は、そんな女の子に向かって叫んだ。

「こっちに来るっす!早く!」

 一一はトイレに辿り着いていた。
 ここに来るまでにはかなり多くの怪異に見舞われた。
 皆の情報と、『怪人アンサー』のおかげでここまでたどり着いたのだ。
 例えば、永遠に続く廊下や、上がっても下りても同じ階から逃れられない階段。
 ぐわんと捻じれる空間には、思わず気持ちが悪くなった。
 中には七不思議に準じた怪異にも見舞われた。
 歌い続ける作曲家の肖像画。最後まで聞いてやれば満足して黙るとアンサーを貰い、、静かに聞いてやった。
 曲を作る人間だ。流石に上手かった。おかげで寝そうになってしまったが。
 理科室の人体模型と骨の標本は、全速力で追いかけてきた。
 二人が恋仲だったことには驚かされたものだ。
 仲を取り持ってやれば、へこへこしながら二人で戻っていった。
 都市伝説が好きすぎた彼女にとっては、どれも喜ばしいことだったのだが。

 そして今。
 女の子を自身へ引き寄せた一一は、目の前で鏡からでてこようとしているそれについての質問をしようとしている。
 あまりにも多くの怪異に見舞われたせいで、質問回数が残っているかも不安だった。
 ガラスの少女から目を離さず、そっと携帯を耳に当てる。
 そして呼び出し音を聞いていた。
 出てほしい。そうでなければ、これからどうすればいいのかわからない。

 ガチャ。
「…!!」
 出た!
 一一はぎゅっと携帯を握る手を強める。

「アンサー!答えて!
 あいつを、あいつの召喚を阻止する方法は!」
 アンサーに質問をする。答えを求める。
 ジジッとノイズがかかり、くぐもった声が聞こえる。

『バイタイヲ、ハイジョセヨ』

 媒体?どうすればいいの?
 返答に困惑した。が、すでに電話は切れてしまっている。
 焦りながら、視線をぐるぐると回した。
 媒体とは何か、何が使えるのか。
 そしておもむろに拳銃を構える。
 その銃口は、ガラスの少女ではなく。
 彼女がはい出ようとしている、鏡に向けられていた。
 正直自信はない。
 だが、もう少しで完全に出てきてしまう。
 それだけは阻止しなければ。ここで手をこまねいていても意味がない。

 ただ一発。
 一一の握る拳銃から放たれた弾丸は、まっすぐに鏡へと飛んでいく。
 それはなんともスローモーションにも見えて。
 ゆっくりと、ゆっくりとガラスにめり込む。
 そして。

 ガッシャン、バリバリカチャン。

 何とも言えない音を奏でながら、鏡は粉々に割れていた。
 その鏡の破片の中に、影があった。
 ガラスの少女。
 どうやら、すでに召喚がかなり進んでいたせいで送り返すことはできなかったようだ。
 じっとこちらを睨むガラスの少女を、一一はじっと見つめ返すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『暗闇の追跡者』

POW   :    燃エ広ガル狂気
【崩れた輪郭から溢れ出る闇】が命中した対象を燃やす。放たれた【狂気を齎す漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    膨レ上ガル呪詛
【膨張しながら不定形に拡がり続ける闇】に変形し、自身の【輪郭や自己同一性】を代償に、自身の【攻撃範囲】と、技能【精神攻撃】【呪詛】を強化する。
WIZ   :    揺レ浮カブ恐怖
レベル分の1秒で【対象の背後に出現し、対象を絞め殺す腕】を発射できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 日はさらに落ち、校舎内の闇は増す。
 深く、濃い闇が校舎を飲み込み始めた。
 そして同時に、うつ伏せで横たわるガラスの少女から大きな大きな不快な音が響いた。
 ガラスを引っ掻くような音。それはまるで少女が叫んでいるかの様で。

 その声に呼応するように、闇が形を成す。
 ガラスの少女の為なのか。それとも彼らの意思なのか。
 人型のようにも見えるそれは、猟兵達へと襲い掛かった。
 
ジード・フラミア
メリア『イヤァ、やっと見つけマシタヨ。…フム、ナカナカ怖い見た目デスネェ』
ジード「ひっ……よ、よし…行くぞ」
メリア『…及び腰じゃないデスカ。ホラ、リラックス、リラックス』

UC【オペラツィオン・マカブル】を使用
ジード(もし、他にも怖がっている人がいたらその人も)落ちつけさせつつ、ジードに向かってくる攻撃をそのままメリア人形や予備の人形で跳ね返します。

……メリア人格はジード自体には黙ってますが、落ち着かせつつ、ジード本体の立ち位置を攻撃の射線上・狙われやすい場所に移動させマス。
これでバンバン攻撃しマスヨー!


一一・一一
「それじゃあ、禁じ手いってみよー」

【怪異ノ身体】を起動
交換する部位は右足
交換する怪異の名は「寺生まれのTさん」
都市伝説を倒す都市伝説
これが怪異というのならば、負けるはずがない
ついでに【噂話から産まれし物語】で数珠を作り出して足に巻きましょう

「では、Tさんらしくこういうっすかねぇ

破ぁ!! 」

といいながら『破魔』をのせた寺生まれのTさんキックで蹴り飛ばします

もし、助けた女の子がまだいるならば、「怪異から誰かを守る」というTさんの特性上、守るようにしながら戦います
多少の呪詛なんかは『呪詛耐性』で耐えます

寺生まれはスゴイ、僕は蹴りながらそう思った

アドリブなど歓迎です


豊原・フィリス
なんだかお相手するのには楽しくなさそうな感じねぇ
【電身変化】で退魔くノ一にチェンジ
こういう相手ならこれでしょう
後はエネルギーで切る”艶光学剣”ならいけるかもしれないわ

相手の動きを見切り、校舎内の壁や天井を跳ね回って立体的に戦うわ
そうやってチマチマダメージを与えていくしか、わたしにはできないわねぇ
時間稼ぎにしかならないけど、仲間の猟兵の攻撃を助ける囮くらいにはなれるでしょう

正直呪詛的な攻撃はあまり得意じゃないのよ
催眠術で自分に暗示をかけて、今の自分は退魔くノ一だから問題無いって思いこむしかないわねぇ




 じりじりとにじり寄ってくる黒い影。
 暗闇そのもののような、深い深い黒。
 狭いトイレでは分が悪かった。

 暗闇の追跡者達は、ガラスの少女から距離を取らせるように追い詰めてくる。
 一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)は、このままでは動きづらいと廊下へ逃げる。
 丁度、他の猟兵達が現場に到着し合流する形となった。

「イヤァ…ヤット見つけマシタヨ」
 ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)とメリアが駆けてくる。
 ジードは少し息が切れているようで、きっと走ってきたのだろうと思う。

「あらぁ…なんだか変な顔もいるじゃない」
 豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)も到着し、トイレ内に見える追跡者達の顔を見てきょとんとしている。

「女の子は助けたっす。あとは元凶だけっすけど…ごめんなさい。間に合わなくてなかったことに…とはいかなかったっす」
 辿り着いた仲間に一一は申し訳なさそうに話す。
 もちろん、女の子は救助でき被害はなかった。それだけで十分だと皆頷く。

「トニカク、マズハ“あれ”をどうにかシマショウ」
 メリアは追跡者達を指さした。
 皆、顔を見合わせ頷く。そしてそれぞれ構えた。

「ひっ……よ、よし、い、行くぞっ」
 追跡者達の真っ赤な目がジードを捉える。
 視線が合い、その瞬間恐怖が身体を巡った。

「……ハァ、及び腰じゃないデスカ。大丈夫、大丈夫、リラックス…リラックス…」
 腰を曲げ、ううぅ…と唸りながら向かい合うジードにメリアはため息をつく。
 大丈夫、と言い聞かせ背中をぐいぐいと押す。

「ギゲゲゲゲッ」
 と雄たけびをあげ、ここぞとばかりにジードに狙いを定め突っ込んでくる。
 自信のない態度が、弱く見せるのだろう。
 追跡者はその身体を変形させる。雲のようにもくもくと広がり大きくなる。
 まるで全てを飲み込んでしまいそうな。
 しかし、ジード達も何もしないわけではない。
 背中を押していたメリアは、くるりと回り自身を前に出す。
 【オペラツィオン・マカブル】。
 ぶらんと身体を揺らし、追跡者の攻撃を受けた。
 そしてメリアはその衝撃を倍にして返す。
 ふふん、と得意げに笑っているように見えるメリア。

「ホラホラ、まだまだイキマスヨ」
 ぶっ飛ばすゾー!と意気込みながら、ジードの背中をまたぐいぐいと押す。
 こっそりと狙われやすいところへ連れて行き、カウンターを狙っていることはジードには内緒…とメリアは思うのだった。

 そんなメリアの考えは、フィリスにはお見通しだった。
 見ていればなんとなくわかるのかもしれない。
 ならば、それを手伝おうと考えた。
 【電身変化(アバターチェンジ)】を使い、ふわっとその容姿を変えた。

「うん、こういう相手ならこれでしょう」
 体のラインが丸わかりのぴっちりしたタイツ。
 露出は少ないのに色気は隠せないその容姿。しかし、そのスピードは凄まじかった。
 校舎の壁を伝い、天井から真っ直ぐ追跡者へと降りかかる。
 艶光学剣で切りかかり、すぐにまた壁や天井へと逃げる。
 チクチクと、蝶のように舞い蜂のように刺すフィリスはとても妖艶だった。
 ただ攻撃するだけではない。
 ジードへと向かう様に誘導も兼ねているのだ。
 追跡者もやられているだけではない。
 ジードへ攻撃をした時のように、身体を雲のように変える。
 そしてフィリスへと覆いかぶさる様に襲い掛かった。

(これじゃあ間に合わない…!)
 フィリスはこの手の攻撃が得意ではない。
 しかし、それは迷いが生じるからである。

(…大丈夫。私は、退魔忍なんだから!)
 そう心へと刻む。
 そして全力で駆け出した。
 既の所で直撃を免れ、天井へと逃れる。
 少しかすってしまったが、大丈夫。問題ない。
 ジードの方を見ても、安定してカウンターを当てている。
 ぐっと足に力を込め、再び飛び回るのだった。

 そんな彼女達の姿を前に、一一は唱えていた。
 都市伝説に渡り合えるのは、都市伝説であるのだ。
 【怪異ノ身体(カイイノカラダ)』。

(怪異の名は『寺生まれのTさん』。
 交換するは右足。
 身体変異、どうか僕に力を。僕の身体を、あなた達と同じに…。)
 小さく呟きながら、念じる一一。
 そして、ゆっくり立ち上がると、その右足は彼女には似つかわしくないものに変わっていた。
 Tさんの右足なのだろう。
 黒い数珠の巻かれた右足を上げ、状態を確認する。
 大丈夫、無事に成功した。
 あとは、この力を借りるだけ。

「はぁぁぁぁあああ!」
 大きく叫びながら駆け出す一一。
 そして、追跡者の前で飛び上がる。

「破ぁ!!!」
 走った勢いと、飛び上がった勢いの加わった全ての力を足に込め蹴り落とす。
 クリーンヒットした追跡者はその勢いのまま消し飛んでしまった。
 シュウウ…と煙のようなものが残ったのだった。

「……流石はTさん」
 寺生まれは凄い…と、一一は改めて思い呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セシル・エアハート
どこもかしこも真っ黒だらけ…。
飲み込まれてしまいそう…なんて、怖気付いていられない。

背中を向けてたら大人しく捕まると思った?甘いね。
第六感を研ぎ澄ませて敵の大きな腕の攻撃を見切って素早く躱す。
その程度の暗闇、怖いことなんてない。
あ、そうだ。
懐中電灯の代わりのものがあったね。
指定UCを発動し、周囲を照らす。
どうかな?これで少しは明るくなったでしょ。
でもただの明かりだと思わないで。

『それ』、触ったら痺れるよ?
全力魔法全開に一斉発射、周りにいる全ての範囲内の敵にマヒを付与して攻撃。
…少しは校内も明るくなったかな?


波狼・拓哉
これは…暗がりに人の気配を感じるとかそういう類のやつですかね?
まあ、知った所で得にもならんのでぱぱっと蹴散らしましょうか

んじゃ、化け煌めきなミミック
例え影だろうと実体なかろうとこっちはしったこっちゃねぇのです
微塵切りにでもすれば後に残るは闇だけ…闇は光がないととは言いますがあまりに強い光の前に無力なのですよー…掻き消せミミック
…あ、眩しいんで直視しないようにね!

自分は衝撃波込めた弾で撃ちつつ、相手の出す炎を掻き消したりしてサポートにまわっておきましょうか
後ガラスの方に注意を
…まあ、出てくるでしょうし

(アドリブ絡み歓迎)




「どこもかしこも、真っ黒だらけ…」
 飲み込まれてしまいそう…だなんて考えながら闇に包まれているセシル・エアハート(深海に輝く青の鉱石・f03236)。

「暗がりに人の気配を感じる…とか、そんな類のあれですかね」
 セシルにつられて、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)も呟いた。
 まぁ、知った所で…とため息をついた。
 あれがなんであれ、このままにしておくわけにはいかないのだ。

 二人は背中合わせで、真っ暗闇の中心に囚われてしまっていた。
 周りには、にじり寄る暗闇。
 無数の赤い点は、じっと二人を見据えていた。
 
 このままでは埒が明かないと、先に動き出したのは追跡者達だった。
 群がる様に輪を詰めてくる。
 追跡者から放たれた燃え上がる炎は、二人の姿を捉えていた。
 真っ直ぐ向かってくる炎を二人は避ける。
 セシルはひらりと躱し、拓哉は衝撃波を込めた弾丸でかき消す。
 その場には再び静寂が訪れた。
 もちろん、別所ではまだ戦闘が繰り広げらている。
 それでも今静かに感じるほど、二人は目の前の闇に集中していたのだろう。

「……!!」
 直後、ふっとセシルの後ろに気配を感じた。
 ぬるりと真っ黒の腕が伸びてくる。
 しかし、セシルはふっと笑うとそれをも簡単に躱してしまった。
 第六感を使い、彼の集中力の前では不意打ちもできない。
 躱され、行くあてのない腕。
 ぷらりと宙を掴むその腕に、セシルの顔には笑顔が浮かんでいた。

「背中を向けていたら、大人しく捕まるとでも思った?甘いね」
 そう言葉を添えて。

「にしても、暗いなぁ。
 あ、そうだ。丁度、灯りになりそうなものがあったんだ」
 そういうとセシルは、バチバチと音を鳴らす魚の群れを召喚する。
 【雷の魚(トネール・ペスカート)】。
 高圧電流が流れているのは目に見てわかるほど、バチバチと明るい。

「うん、これで少しは明るくなったかな?」
 魚の群れは、ゆらやかに宙を泳ぎ散布する。
 闇は光を嫌う。とはよく言われているが、追跡者もそれに当てはまるようで。
 わらわらと動きが鈍っているように見える。
 逃げようと動いたその時、追跡者の身体に魚が当たった。
 バチッと大きな音を立て、魚は消えてしまった。
 追跡者はしばらく動くことができないようだった。

「ふぅん…闇は光がないと存在することはできない。
 とは言いますが、あまりに強い光の中にも存在することはできないんですよ」
 その様子を見ていた拓哉は、にやりと笑った。

「さぁ、化け煌めきなミミック!!」
 召喚されたのは光そのもの。正確には、光に化けた箱型生命体。
 ミミックは真っ直ぐ、半物質の刃が放たれる。
 【偽正・輝狩剣戟(トルオヴォス・スパーダ)】。
 先程の感電で動けなくなってしまった追跡者は、避けることもできず刃に刻まれた。

「あ、言い忘れてました。
 ……眩しいんで、直視しないようにね!」
 最後に茶目っ気を見せながら。

 廊下にはもう追跡者は残っていなかった。
 光にかき消されたのか、定かではないが少なくとももう気配を感じない。

「あとは…」
 猟兵達は、じっと近くのガラスを見る。
 ガラスにふっと揺らめきが見えた。
 それはすっと屋上へ向かっていく。
 猟兵達は後を追い、屋上へと向かうのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『硝子の都市伝説『コバルト』』

POW   :    硝子の抱擁
【直接抱き着き】が命中した対象に対し、高威力高命中の【ガラス化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    硝子の噂話
攻撃が命中した対象に【ガラス化の呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【ガラス化の侵食加速】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    硝子の瘴気
【身体全体】から【呪いの瘴気】を放ち、【ガラス化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テフラ・カルデラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 パリ。
 屋上に散らばる無数のガラス破片。
 それが彼女から零れ落ちたのかは分からない。
 ガラスの破片の中心に蹲る彼女は、じっとこちらを見ている。
 その視線は刺すように鋭く、敵意しか感じられない。

 その怒りは、憎しみは。
 邪魔をする猟兵達にただただ向けられていた。
豊原・フィリス
偶然だろうと何だろうと、出てこられると困っちゃうのよねぇ
とにかく、今回の件はガラスの彼女? を倒せばおしまいね
直接戦うのって得意じゃないけど、今回はこうしましょ

抱きつくために近づいてくるのを利用して【巨乳激甚撃】よぉ
抱擁を見切り鎧無視攻撃ね
おっぱい浸透撃……なんちゃって

それにしても呪いってオーラ防御で防げるのかしらぁ?
激痛耐性もあるけど痛いのは好きじゃないのよねぇ




 -…。
 耳を劈くような音。
 それが彼女から発されていることに気づくには、時間はそうかからなかった。

「うーん…怒るのはわかるんだけど、ねぇ。こっちとしても、出てこられちゃうと困っちゃうのよねぇ」
 豊原・フィリス(セクシー系バーチャルキャラクター・f15722)は、ガラスの少女の言葉が分かるかのように話しかけた。

「だから、向こうに還って貰わなきゃ」
 どろりとした半透明の液体を取り出し、ぬるりと身体にかける。
 そして猫のようにしなやかな動きで戦闘態勢を取るフィリスは非常に色っぽかった。
 【潤滑液女格闘術(ローションキャットファイト)】。
 戦闘態勢に入ったのが分かったのか、ガラスの少女も立ち上がりじっとフィリスの動きを伺う。
 しばらく見合った後、先に動いたのはフィリスだった。
 ぐっと間合いを詰める。そして攻撃に転じる。
 【艶光学剣】を手に握り切りかかった。
 それをガラスの少女はひらりと容易に躱す。
 それは当然だった。避けられるようにわざと挙動を読みやすくしたのだから。
 避けた少女は自分の番とばかりに攻撃を繰り出してくる。
 その攻撃をあえてその身で受けるフィリス。
 しかし、液体塗れの身体には攻撃がまともに当たらない。
 ぬるりと滑るせいで威力まですり抜けてしまう。
 フィリスの狙い通りだ。

「…!」
 しかし、全てが思い通りとはいかなかった。
 パキ。
 攻撃の当たった個所から、パキッと何かが割れる音がする。
 見ればその箇所はきらきらとしていた。
 動くたびにひびが入り、音が鳴る。
 どうやら威力を軽減させていた液体が、ガラス化の呪いによってガラス化していたのだ。
 それに気づいたときには動きがとりづらくなっていた。
 ガラス化が広がるのが早かったのだ。
 ガラスの少女は今だと距離を詰めようとしてくる。
 ガラス化もどんどん広がっていく。

(くっ…このままじゃ…!)
 急いで距離を離す。
 逃げ回る形となる。
 しかし、距離を取ればガラス化が落ち着くことに気づいた。
 しばらく逃げ回り対策を練る。
 動き回るうち、ぽろぽろと粉々になったガラスが崩れ落ちていく。
 その下からは、また綺麗な素肌が露わになった。

(あ…これ…)
 そして気づく。
 ガラス化しているのは身体ではなく、液体の方だと。
 攻撃をうまくぬるぬるといなす事で、直接的な接触を防ぐことができていたようだった。
 ならば。

「もう一度…やりましょう」
 液体の呪いに侵された箇所は逃げ回り払い落とす。
 そして再び身体に液体をかけるのだ。

「さ、おいでなさい」
 くすっと笑うとフィリスは両手を広げる。
 再び攻撃をしようと迫ってくる少女。
 それをまたぬるりといなすと、今度はその豊満な胸で体当たりする。
 その豊満な胸から、ゴムボールが跳ねるように跳ね返される少女。

「よし…これなら戦えそうねぇ」
 直接戦う事が得意でないフィリス。
 それでも、戦闘方法を確立した彼女はガラスの少女へと向かっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジード・フラミア
メリア『オット、本体が現れマシタネ。』
ジード「だ、誰も傷つけさせない…帰ってもらうよ。」
メリア『…エエ、鏡から出てキタあなたは、鏡像のような"彼女"の相手だけして帰ってクダサイネ!』

UC【人形のおもちゃ箱】を使用
周りに散らばったガラス片からガラス少女と姿の似た人形を作り出します。
基本的にガラス人形で相手の攻撃を受け止めて貰って戦います。元々ガラスだからガラス化の呪いも関係ないのデス!


一一・一一
「見慣れぬ都市伝説が来たよ、やったねメリーさん」
『メリーさんにおまかせなの( ・`ω・´)シャキーン』

第一章で作り出した携帯電話を全部コバルトに投げつけて【背後に立つ少女】を起動
すべての携帯からメリーさんの声を響かせ、どれか一つでも声を聴かせればそこから【殺戮人形】を起動し、メリーさんと協力しながら戦います
一一は主に『ライトニング』の「援護射撃」でメリーさんが攻撃しやすいように立ち回り、「見切り」で相手の攻撃の邪魔や一一への攻撃を回避し、メリーさんは「地形を利用」してハサミでコバルトを切り裂こうとします
相手を倒せればそのまま勝利のポーズ(ICのポーズ)
アドリブなど歓迎です


波狼・拓哉
見てるだけじゃ何も伝わりませんよ?
まあ、聞く気は無いんですけどね!

それじゃ化け狂いな、ミミック
自身にかかる呪いなんて気にせず暴れ回りなー
…まあ、意識飛んでるはずなんで気にするとか出来ないのですけど
あ、味方は気をつけてね!無差別だから

呪いが進みすぎたら再召喚してリセット
うちのミミックは一体しか存在出来ないけど召喚制限とかないからね

自分は衝撃波込めた弾で相手の関節当たり狙って部位破壊狙ってみましょうか
後は地形の利用、第六感、戦闘知識、足場習熟で近づかなように立ち回りましょう
ガラスにされると面倒ですし…ミミックも暴れてますからね
(アドリブ絡み歓迎)




「オット、本体ガ姿ヲ現しマシタネ」
 ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)、一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)、波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)の三人をガラスの少女は迎え撃つ。

「見てるだけじゃ伝わりませんよ」
 じっとこっちをみる少女に、拓哉は言う。

「だ、誰も傷つけさせない……帰って、貰うよ」
 追跡者との戦いで恐怖が薄れたのか、強くなったのか。
 ジードはしっかりと立ち、少女へと向かい合った。
 
 ガラスの少女は、パキっと音を立てながら揺らめいている。
 最初に見た時よりも、その身体に入っているひびが増えているように見えた。

「サァ、新しいお人形デスヨ。
 鏡から出てキタあなたは、鏡像のようなこの子と遊んで帰ってクダサイネ!」
 あたりに散らばったガラスの欠片を寄せ集め、一体の人形を作りだす。
 【人形のおもちゃ箱(ドール・トイ・ボックス)】。
 そして三人で少女へと襲い掛かった。

 少女は迎え撃とうと、襲い掛かる三人へと駆けていく。
 距離を詰め、瘴気を纏う。
 視界が遮られ、やむを得ずジードとメリアは距離を取る。
 瘴気に軽く触れたジード達は、微かにガラス化していることに気づいた。
 直接攻撃はできない。
 ならばと、ガラスの人形を前に出した。
 ガラスでできた人形ならば、ガラス化の呪いを受けないと考えたのだ。
 その考えは正しかった。
 よくは見えないが、瘴気の中でも動きが鈍っている様子はない。
 これなら戦えると、押していくジード達。

「化け狂いな、ミミック!」
 【偽正・命無月光(ゲシュペンテスト・ビースト)】。
 ミミックを展開し、加勢する拓哉。
 ミミックは一目散にガラスの少女へと襲い掛かった。
 拓哉はジード達へと近寄り、ミミックへの注意を促す。
 心配はしていないが、念のためと。
 ミミックはばったんばったんと暴れまわる。それはもう見境なく。
 時にはガラスの人形へと噛みついたりしている。
 粉々になってしまった人形だったが、まわりにはまだまだガラスの破片は落ちている。
 人形の素材には困ることはなかった。

 暴れまわるミミックに、ガラスの少女は抱き着き呪いを放つ。
 が、此方も再召喚し呪いに悩まされることはなかった。
 拓哉自身も、瘴気の抜け目に攻撃を入れる。
 関節部分や足を狙い、動きを止める。
 ジード達も、ガラスの人形で攻撃を凌ぎ、隙をつく。
 
 ジードと拓哉の猛攻に、完全に一一から注意が逸れた。
 ここで動いた一一。
 携帯電話を後ろから放り投げる。
 少女は驚くも避けられない。
 丁度耳元で、携帯から声が聞こえた。

「私、メリー。今…貴女の…」
 その声が響いた瞬間。
 青いドレスに、美しく輝く金髪を靡かせた小さな小さな女の子が背後に立っていた。

「捨てられた恨み、メリー達は忘れないわ」
 涼しい顔で呟くメリー。
 そして、その恨みは、ガラスの少女へと向けられていた。

「やったね、メリーさん!見慣れぬ都市伝説が来たよ!」
 そういう一一に、

「メリーさんにお任せなの!」
 どやっとしているメリーさん。
 二人はさらに加勢した。

 【殺戮人形(メリー・ザ・リッパー)】でメリーさんを援護し、共闘する一一。
 メリーさんはその小さめの身体をダイナミックに使い、ぴょんぴょんと飛び跳ねて自身より大きな鋏で襲い掛かる。
 一一はそんなメリーさんを援護射撃している。
 時には隙を作る為横から。時にはメリーさんを攻撃から守る。
 二人の連携は、ジードや拓哉達とも合わさり、最高のものとなっていた。

 ジード達が攻撃を受け、拓哉達が場を乱し、一一達が攻撃を入れる。
 そんな流れを乱す者は何もなかった。
 着々と日々を入れていく。
 そしてついに、その身を砕くこととなった。
 ジード達はハイタッチ。拓哉は落ち着いたミミックを撫で。
 一一達は、がうっとポーズで決め。

 無事にガラスの少女を討伐した猟兵達。
 学校は元の姿へ戻り、嫌な気配もなくなった。
 しかし、この学校で起こったことは、決して夢などではない。
 もちろん妄想だったわけでもない。
 もしかしたら、こういった怪異は常に側にあり、何かの拍子にこちらに干渉してくるのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月08日
宿敵 『硝子の都市伝説『コバルト』』 を撃破!


挿絵イラスト