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吸血鬼に弓引く者たち(作者 大熊猫
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●グリモアベース
「みんな集まってくれてありがとう。今回はダークセイヴァーで『闇の救済者』と呼ばれる人たちの活動を支援してほしいんだ」

 グリモア猟兵の少年、シスカは早速猟兵達に依頼の説明を始めた。
 ダークセイヴァー。そこは現在発見されている世界の中でも特に過酷な環境で知られる世界だ。かの地で人類が復活した吸血鬼達に敗北してはや百年。
 闇に閉ざされた世界で人々は吸血鬼達の圧政の下、家畜も同然の暮らしを送っているという。
 しかし、ここ数年の猟兵達の戦いによって『希望』を得た人達が現れ始めた。
 彼らは『闇の救済者』(ダークセイヴァー)を名乗り、吸血鬼達に対するレジスタンス活動を行っているのである。

「今回みんなに活動を支援してほしいのは『叛逆の弩』って名前の闇の救済者の組織だよ。彼らは領主が愛人と旅行に出かけている隙を突いて、ある村の解放を計画しているんだ」

 村の名はルークス。
 ルークスは広大な領地を持つ吸血鬼に長年虐げられ、極めて過酷な生活を強いられている村だ。その圧政の結果、今では村人たちの平均寿命は僅か25年程だそうである。

「彼らは村人達を丸ごと救出するつもりみたい。みんなには、闇の救済者たちと協力して村人たちを一足先に避難させつつ、村を支配している吸血鬼の手下達を倒してほしいんだ!」

 村を実際に支配しているのは『疫病パレード』という名のオブリビオン達で、疫病と死体を操る能力を持っている。闇の救済者たちに対抗策がないわけではないが、周りが非戦闘員だらけでは、早々に限界を迎えてしまうだろう。
「闇の救済者たちのリーダーは優れた癒しの力を持つ『聖者』なんだ。相手は可能な限り死者を増やそうとするクソヤロー達だから、きっと狙ってくると思う。たぶん、猟兵との直接対決もギリギリまで避けてくるんじゃないかな……」

 死体を操る能力を持つ以上、戦死者が増えれば増えるほど敵は有利になる。この作戦の成否は、死者をいかに少なく抑えられるかという点にかかっているのだ。
「無事作戦が成功したら、アジトの洞窟で闇の救済者たちと交流してあげて。村人達の歓迎会もあると思うけど、慢性的に人手不足だから何か仕事をお手伝いしてあげるとすごく喜ばれると思う」

 作戦の概要をまとめると、まずは闇の救済者たちと共に村人達を避難させ、領地を支配する『疫病パレード』の集団を撃破する。その後は村人を連れてアジトへと連れ帰り、新闇の救済者たちと交流を深める、という内容だ。
「彼らはボクらより力が無いのに世界を変えようと立ち上がった英雄たちだ。みんな、どうか彼らに力を貸してあげて!」

●闇の世界に一筋の救済を
 ルークス村は酷い有り様だった。
 人々はみな痩せ衰え、ぼろ布を着たまま、死んだ眼で田畑の手入れや家畜の世話をしていた。
 幼い子供たちは不思議なことに、みな家の中に鎖で繋がれていた。
 なぜかと猟兵たちが尋ねると、
「子供が外を出歩くと領主の手下にさらわれてしまうから、この村では子供たちは必死で隠しているのだ」
 と、若者たちは力無く答えた。

「ジョゼット団長! 村人の捜索、完了しました!」
「分かりました、撤収しましょう! みなさん、誰一人欠ける事無く我々に賛同してくださったことに感謝します! どうか共に――」
 ジョゼットがそこまで言いかけた時だ。
 オオオ……オオオオオ!
 村のあちこちに密かに仕掛けられていた召喚陣が輝き、大量の死霊や骸骨兵士が村を包囲するように出現した!
「脱走防止の罠……! みんな、包囲網を突破してまずは村人たちを脱出させましょう! 猟兵の皆さん! どうかお力添えをお願いします!」





第3章 日常 『救われた者の明日の為に』

POW体の鍛え方や力仕事のコツを教える
SPD生活に必要な技術を教える
WIZ心を豊かにしてくれる芸術や知識を教える
👑5 🔵🔵🔴

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●穏やかな時間のはじまり
「みなさん、お疲れ様でした! 作戦は大成功です! 越冬の準備や物資の補給など、仕事はたくさんありますが、今はゆっくり休んで下さい! 猟兵の皆さんも好きなだけくつろいでいって下さいね!」
 猟兵達の活躍により、『叛逆の弩』のルークス村解放作戦は死者ゼロという奇跡的な大成功をおさめた。
 ルークス村の人々も加わり、にぎやかになった闇の救済者たちは猟兵達との交流を希望しているようだ。
 子供たちに武勇伝を聞かせたり、大人の仕事を手伝ったり、戦士に技能を伝授するなど、しばし彼らと共に穏やかな時間を過ごそう。
ジナイーダ・クロハネ

「まずは一件落着、か」
とはいえ、根本的な解決じゃない。きっとまた、此処のヤツらは戦う事になるんだろう。だから、これは束の間の休息だ。
「……笑顔、か」
それでも、人々は笑っている。全部が終わった訳じゃないと知っているだろうに。アタシはそんな笑い方なんてできない。さっきの戦闘のように、敵を――人々を痛めつける時にしか、笑った事なんかない。
「アイツなら、此処のヤツらとも打ち解けるんだろうな」
領主が殺したアタシの好敵手・クロハネ。アイツだったなら、この村の人とも打ち解けて、次の救いを求める地に向かうのだろう。そうありたい、と名前を勝手に拝借したものの、アタシは――。

【つまり】
物思いにふける。


●ワタリガラスの休息
「まずは一件落着、か」
 闇の救済者たちのアジトから少し離れた丘の上から、勝利に酔いしれる人々を眺めながらジナイーダは呟いた。
 一人の死者を出すことなく、アタシたちはルークス村の人々を救出することができた。作戦は文句なしの大成功だ。
 ――とはいえ、根本的な解決じゃない。きっとまた、此処のヤツらは戦う事になるんだろう。だから、これは束の間の休息だ。
 ルークス村の人々が『叛逆の弩』に合流するにせよ、人類砦に身を寄せるにせよ、真の意味での安住の地など未だこの世界にはない。
 彼らはこれからも戦い続けることになるのだろう。
 だが、それでも――。

「ボウズ、新顔だな。まあここが新しい家だと思って遠慮なく寛いでくれよ。何もねえとこだけどさ」
「ああ、ありがとよ、オッサン! 何もないなんてとんでもない。リーダーのねーちゃんは美人だし、ここは天国だよ!」
「ははは! ちげえねえ! でもああみえて、団長は人使い荒いんだぜ?」
「おーい! こんなとこで何やってんだおまえら! あっちで一緒にメシでも食おうぜ!」

 それでも、人々は笑っている。村人たちも闇の救済者たちも、ひとときの平和を満喫している。
「……笑顔、か」
 全部が終わった訳じゃないと知っているだろうに。アタシはそんな笑い方なんてできない。さっきの戦闘のように、敵を――人々を痛めつける時にしか、笑った事なんかない。
「アイツなら、此処のヤツらとも打ち解けるんだろうな」
 ジナイーダは絡繰鎌を手で遊びながら、この鎌の本来の持ち主だった男の姿を思い出していた。
 かつてのジナイーダの領主に殺された好敵手であり、この鎌でアタシと打ち合った男、クロハネ。アイツだったなら、ここの連中とも打ち解けて、次の救いを求める地に向かうのだろう。そうありたい、と名前を勝手に拝借したものの、アタシは――。

「おい、姉ちゃん! アンタも猟兵だよな! ゾンビの群れに突っ込むとこ見てたよ! かっこよかった! こっちで話を聞かせてくれよ!」
「え、猟兵だって!? ずるいぞ、ベティ! オレも聞きたいことがいっぱいあるんだ!」
 ジナイーダが物思いに耽っていると、少し年下ぐらいの少年少女が群がってきた。どうやら彼らは村からの移住組のようだ。みんな、キラキラした目でこちらを見つめている。
 ――さて、どうしたものか……。
 あっという間に子供たちに包囲されてしまった不器用なワタリガラスは、この状況をどうするかについて思案するのだった。
成功 🔵🔵🔴