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吸血鬼に弓引く者たち

#ダークセイヴァー #【Q】 #闇の救済者

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#ダークセイヴァー
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#【Q】
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#闇の救済者


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●グリモアベース
「みんな集まってくれてありがとう。今回はダークセイヴァーで『闇の救済者』と呼ばれる人たちの活動を支援してほしいんだ」

 グリモア猟兵の少年、シスカは早速猟兵達に依頼の説明を始めた。
 ダークセイヴァー。そこは現在発見されている世界の中でも特に過酷な環境で知られる世界だ。かの地で人類が復活した吸血鬼達に敗北してはや百年。
 闇に閉ざされた世界で人々は吸血鬼達の圧政の下、家畜も同然の暮らしを送っているという。
 しかし、ここ数年の猟兵達の戦いによって『希望』を得た人達が現れ始めた。
 彼らは『闇の救済者』(ダークセイヴァー)を名乗り、吸血鬼達に対するレジスタンス活動を行っているのである。

「今回みんなに活動を支援してほしいのは『叛逆の弩』って名前の闇の救済者の組織だよ。彼らは領主が愛人と旅行に出かけている隙を突いて、ある村の解放を計画しているんだ」

 村の名はルークス。
 ルークスは広大な領地を持つ吸血鬼に長年虐げられ、極めて過酷な生活を強いられている村だ。その圧政の結果、今では村人たちの平均寿命は僅か25年程だそうである。

「彼らは村人達を丸ごと救出するつもりみたい。みんなには、闇の救済者たちと協力して村人たちを一足先に避難させつつ、村を支配している吸血鬼の手下達を倒してほしいんだ!」

 村を実際に支配しているのは『疫病パレード』という名のオブリビオン達で、疫病と死体を操る能力を持っている。闇の救済者たちに対抗策がないわけではないが、周りが非戦闘員だらけでは、早々に限界を迎えてしまうだろう。
「闇の救済者たちのリーダーは優れた癒しの力を持つ『聖者』なんだ。相手は可能な限り死者を増やそうとするクソヤロー達だから、きっと狙ってくると思う。たぶん、猟兵との直接対決もギリギリまで避けてくるんじゃないかな……」

 死体を操る能力を持つ以上、戦死者が増えれば増えるほど敵は有利になる。この作戦の成否は、死者をいかに少なく抑えられるかという点にかかっているのだ。
「無事作戦が成功したら、アジトの洞窟で闇の救済者たちと交流してあげて。村人達の歓迎会もあると思うけど、慢性的に人手不足だから何か仕事をお手伝いしてあげるとすごく喜ばれると思う」

 作戦の概要をまとめると、まずは闇の救済者たちと共に村人達を避難させ、領地を支配する『疫病パレード』の集団を撃破する。その後は村人を連れてアジトへと連れ帰り、新闇の救済者たちと交流を深める、という内容だ。
「彼らはボクらより力が無いのに世界を変えようと立ち上がった英雄たちだ。みんな、どうか彼らに力を貸してあげて!」

●闇の世界に一筋の救済を
 ルークス村は酷い有り様だった。
 人々はみな痩せ衰え、ぼろ布を着たまま、死んだ眼で田畑の手入れや家畜の世話をしていた。
 幼い子供たちは不思議なことに、みな家の中に鎖で繋がれていた。
 なぜかと猟兵たちが尋ねると、
「子供が外を出歩くと領主の手下にさらわれてしまうから、この村では子供たちは必死で隠しているのだ」
 と、若者たちは力無く答えた。

「ジョゼット団長! 村人の捜索、完了しました!」
「分かりました、撤収しましょう! みなさん、誰一人欠ける事無く我々に賛同してくださったことに感謝します! どうか共に――」
 ジョゼットがそこまで言いかけた時だ。
 オオオ……オオオオオ!
 村のあちこちに密かに仕掛けられていた召喚陣が輝き、大量の死霊や骸骨兵士が村を包囲するように出現した!
「脱走防止の罠……! みんな、包囲網を突破してまずは村人たちを脱出させましょう! 猟兵の皆さん! どうかお力添えをお願いします!」


大熊猫
 こんにちは。大熊猫です。今回は初のダークセイヴァー依頼となります。闇の救済者組織の一つである「叛逆の弩」たちの活動を支援しましょう。

●章構成
 一章 闇の救済者たちと協力して村人達の撤収作業を完了させましょう。村はアンデッド系統の低級オブリビオンに包囲されている状況です。
 ※アンデッドは猟兵なら楽勝な相手ですが、闇の救済者で一対一なら互角程度、村人には勝てない相手です。
 ※フラグメントは足止め三択となっておりますが、村人を脱出させる行動でもOKです。

 二章 『疫病パレード』との集団戦です。敵は趣味と実益を兼ねてとにかく死者を増やそうとしてきます。猟兵との直接対決は可能な限り避け、無力な村人や闇の救済者、そして組織のリーダーを優先的に狙ってくるでしょう。

 三章 アジトの洞窟(とその付近の畑や森)で闇の救済者たちと交流を図りましょう。シスカも現地で子供相手に人形劇やアイドル活動をしておりますので、お誘いがあった場合はリプレイに登場します。
 ※シスカ以外のグリモア猟兵はお誘いがあっても登場できません。

●登場NPC紹介
 ジョゼット・クロスボウ(15)。
 闇の救済者集団、『叛逆の弩』のリーダー。「聖者」であり、癒しの力を持つ。ちなみに金髪碧眼の美少女。

●ネームドNPCについて
 プレイングでリプレイに登場する「闇の救済者」の性格や能力をおおまかに指定することができます。
 ※猟兵ではないので、ダークセイヴァーに普通にいそうなキャラクターに限ります。
 例:ナンパな弓使いのオッサン、吸血鬼に両親を殺された十二歳の少年剣士など。

●文字数省略用記号
 アドリブ歓迎→☆、連携歓迎→★、何でも歓迎→◎(☆★と同じ)、ソロ描写希望→▲。

●合わせプレイングについて
 グループ参加の場合は、迷子防止の為プレイング冒頭にグループ名をご記載下さい。3名以上の場合はどなたか合計人数をご記載頂けると助かります。

●プレイング受付
 OP公開~9/17(木)朝7時まで。
 リプレイ執筆は日曜日の深夜からの予定です。執筆ペースはゆっくり目です。

 以上です。皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『撤退支援』

POW   :    逆撃を仕掛けて足止め

SPD   :    罠を仕掛けて足止め

WIZ   :    幻影を仕掛けて足止め

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルイーグ・ソイル
◎[SPD]
目には目を、罠には罠で対抗するっす!自分が居るほうになるべく多くの敵をおびき寄せ、UC「人狼咆哮」で広範囲ダメージを与え、その間に村人の皆さんが一人でも多く逃げられるように時間を稼ぐ作戦っす!
残った相手は鈍器で殴り倒す!っす!


リオン・ゲーベンアイン
「任せて!撤退戦という事ならこのユーベルコードがあるよ……さて、破壊と再生の白焔で焼かれるのは誰になる?」
純白から透明に切り替わり、白き炎の矢が放たれる。
それは九つに分かれる。五つはアンデットを焼き、四つは撤退する村人や闇の救済者の身体を回復していく。
それらの白き焔の矢を【援護射撃】で撤退する闇の救済者たちが無事に撤退するように放ち、【制圧射撃】でオブリビオンのみを焼く焔で追撃するアンデットの群れを焼き払う。

「絶望と闇が支配する世界……ワタシとわたしは初めて来たけど、ひどいね」
「ならば――この神弓を以て叛逆の一撃となることを祈って」
そう言って最大出力の白焔が展開し、民を癒しアンデッドを焼く。



●戦いの始まり
「オオオオオ! オオオオ!」
 死霊たちが怨嗟の声を上げる。彼らはみな、命ある者に嫉妬しているのだ。
 その冷たい腕で生者たちの魂を引き裂き、同胞に加えんと、現世に繋がれた哀れな魂たちは村人たちに近づいてくる。
「…………」
 一方、骸骨の兵士達は魂なき存在だ。彼らは物言わぬ傀儡として肉体だけがオブリビオン達に使役されている。
 その歩みに彼らの意志はなく、ただ召喚者に与えられた「脱走者を殺せ」というコマンドを実行する為だけに、剣や槍を構えて前進してきた。
「来ました! みんな、村人を先に逃がしなさい! 我々は後衛に回るのです!」
 盾で骸骨の剣を受け止め、死霊の魂を癒して昇華させながら、ジョゼットが仲間たちに指示を出す。彼女は猟兵と肩を並べて戦い、村人たちの避難が完了するまで時間を稼ぐつもりのようだ。
 だが、いつまでも闇の救済者たちのリーダーを危険地帯に放置するわけにはいかない。すぐに二人の猟兵が彼女の側へとやってきた。
 バキャバキャバキャ!
 疾風の速さでジョゼットの元へ駆け付けたルイーグ・ソイルは、メイス(闇の救済者からの借り物)を片手でぶんぶん振り回し、ジョゼットの周りに群れていた骸骨兵士たちを一瞬で粉砕した。
「凄い……! ありがとうございます!」
「数が多いっすね! でも、この人にも村人たちにも近づかせないっす!」
「任せて! 撤退戦という事ならこのユーベルコードがあるよ……さて、破壊と再生の白焔で焼かれるのは誰になる?」
 闇の救済者たちを背に庇い、前へと出たリオン・ゲーベンアインは黄金色の神弓に矢をつがえるポーズをとった。
 それをトリガーに、彼女の心の色が朗らかな「純白」から、感受性の高い「透明」へと切り替わる。
「喝采の時来たれり。森羅を破壊し再生する聖火は今ここに降誕し、創滅を以て全ての魂を楽園へと導こう」
 リオンが呪文を詠唱すると、その手の中にあった光の矢が白い炎の矢へと姿を変えた。
 彼女の神弓は神々の権能が形となったもの。その矢は目的に合わせて自在に性質を変容させることが可能だ。
 ドシュ!
 輝く神弓から白き焔の矢が放たれる。
 リオンが放った矢は空中で九つに分かれた。
 五つはアンデッドたちを焼き、四つはアンデッドたちと交戦していた闇の救済者たちの傷を癒した。
 リオンは火が象徴する「破壊」と「再生」の力を同時に発動しているのだ。
「おお……!」
 その奇跡にも等しい力に、闇の救済者たちが感嘆の声を上げる。
 だが、喜んでばかりもいられない。村を包囲するように設置された召喚陣からは、今も際限なくアンデッドたちが召喚され続けているのだ。
「おい、亡者共! こっちっす!」
 ルイーグは拡声器を取り出すと、大声で亡者たちに呼びかけながら、辺りに人のいない方向へと走り出した。
 闇の救済者たちは戦闘訓練は積んでいるものの、猟兵たちほどの力はない。過度な負担を与えることは避けるべきだろう。この戦いはまだ、この地を管理するオブリビオン達との戦いの前哨戦に過ぎないのだ。
「ウオオオオオ!」
 ルイーグの大きな声に反応し、骸骨や死霊たちの一部がそちらに方向転換して突進していった。

●破壊と再生の矢
「絶望と闇が支配する世界……ワタシとわたしは初めて来たけど、ひどいね」
 死霊と骸骨兵士を次々と燃やしながら、リオンは溜息をついた。
 文明レベルは彼女の故郷とそう変わらないようだが、この世界は闇に鎖されている。太陽の照らぬ大地とは、こんなにも昏いのか。
「ならば――この神弓を以て叛逆の一撃となることを祈って」
 此処が太陽神の威光が届かぬ冷たき世界であるならば、せめてヘリオスの矢で悪しき者共を滅ぼし、人々にぬくもりを与えよう。
「『人界を理想郷に再世する白き劫火の聖炎主』(ストライク・ザ・ヘリオス)!」
 リオンの弓から迸った最大出力の白焔は、多くの民を癒し、数多のアンデッドたちを焼き払った。
 
●人狼咆哮
「目には目を、罠には罠で対抗するっす!
 ルイーグはわざと亡者たちが追い付けるぐらいの速度で走り、誰もいない村の片隅へと死者たちの群れを誘導した。
 わざわざ仲間達から離れた理由は二つ。
 一つは、自身を囮にすることで闇の救済者たちや他の猟兵の負担を減らす為。
 もう一つは、自分の攻撃に味方を巻き込まない為だ。
 ルイーグはすう、と大きく息を吸い込み、半径数十メートルを無差別破壊するユーベルコードを発動した。
「ウォオオオーーーン!」
 大気が震え、音速の衝撃波が轟く。
 まず、周囲の民家がバラバラに倒壊した。
 続いて骸骨兵士達が粉々に粉砕され、最後に死霊たちが魔力を散らされて消滅した。
 数十体は始末できたか。ルイーグが討ち漏らしがないか周囲の気配を探っていると――。
 ガシャガシャガシャ!
 なんと、倒壊した家屋の中から半壊した骸骨兵士が飛び出してきた。どうやら召喚の魔法陣は村の家屋の中にも仕掛けられていたらしい。こいつらは遮蔽物があったせいでルイーグの咆哮をやり過ごせたのだ。さすがに無傷で、とはいかなかったようだが。
「なら、こいつで相手をするっすよ!」 
 ルイーグは倒壊した家の柱を一本掴み上げると、怪力でぶんぶん振り回し、骸骨兵士たちにまとめてトドメを刺していった。

 こうして、人々を救わんとする者たちと、人々を滅ぼそうとする者たちの戦いの火蓋が切って落とされた。闇の世界に一筋の希望を示す為の戦いはまだ、始まったばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リューイン・ランサード
大量の死霊や骸骨…ホラーっぽいのは苦手なんです<汗>。
でも、村人さんや闇の救済者さん達が無事に逃げられるように頑張らないと。

ヘタレさを前面に出しつつも、翼で空を飛び、空中で戦況把握しつつUC使用。
肉体と魂を燃やす炎84個を個別操作。
村人や闇の救済者に襲い掛かろうとする敵前衛に、個別に放って燃やす。

また【光の属性攻撃・全力魔法・破魔・高速詠唱・範囲攻撃】による、アンデッドのみ強制成仏させる光を、敵後衛に広範囲に放って纏めて倒す。

敵の物理攻撃は【空中戦・第六感・見切り】で躱すかビームシールドで【盾受け】、精神攻撃は【結界術・オーラ防御】による防壁で弾く。

ヘタレな言葉とは裏腹に、冷徹に敵を殲滅する。



●舞い降りる勇者(ヘタレ)
「オオオオ。オオオオ」
 どれだけ同胞を葬られようとも、亡者たちは怯まずに前進を続けていた。
 すでに命なき者である亡者たちには恐れはない。彼らの進軍を止めるには、全てを殺し尽くすしかないのだ。
「……」
 リューイン・ランサードは押し寄せてくる亡者たちの軍勢を見据え、剣を構えた。
 月光を受けて蒼く輝く美しい刀身の剣に、光輝く盾。そして背中に生えた赤き竜の翼。
 まさしく「勇者」といった佇まいの戦士の姿に、村人や闇の救済者は期待に満ちた眼差しを向ける。
 ぷるぷると、小刻みに震えているのは恐らく武者震いだろう。
「僕、ホラーっぽいのは苦手なんです……」
「ええっ!?」
 リューインの衝撃の告白に人々は驚く。
 彼の震えは武者震いなどではなく、普通にビビっていただけだった。
 彼の名誉のために補足しておくと、村を包囲しているアンデッドたちは低レベルなオブリビオンだ。歴戦の猟兵であるリューインの実力ならば一分あれば百体は余裕で倒せよう。
 しかしながら、誰しも苦手なものというものは存在する。リューインは「お化け」の類の怪物は苦手なのであった。
「でも、村人さんや闇の救済者さん達が無事に逃げられるように頑張らないと」
 リューインは勇気を振り絞り、翼を広げて飛び立つと、上空から戦況の把握に努めた。
 ――どうやら、南側の戦況が苦しいようだ。
「冥府の罪人を焼霞する紅蓮の炎よ、我が元に来りて現世の罪人を昇華せよ」
 リューインが呪文を詠唱すると、周囲にぼつぼつと紅蓮の炎が灯っていく。
『罪砕乃炎!』
 リューインは地上の亡者たちに向け、八十四の炎を解き放った。
「ギャアアアアアア!」
 真紅の炎は燃え盛る流星の如く地上に降り注ぎ、骸骨兵士も、死霊も、悉く燃やしていく。
 これは魂さえも焼き尽くす冥界の炎。相手が魂なき骸であろうと、肉体なき魂だけの存在であろうと、この炎の前には等しく無に帰るのみだ。
 これでひとまず南の戦況は落ち着いたが――。
「! 今度は東が危ない!」
 闇の救済者の少女が骸骨剣士に苦戦している姿を発見したリューインは、翼を広げて急降下した。
 
「ちっ!」
 ニキータは槍の石突を突き出し、突進してくる骸骨兵士の肋骨を砕いた。だが、骸骨共は多少骨が砕けてもお構いなしで前進してくる。軽量のスピアでは内臓が無い上に隙間だらけの骸骨との相性はすこぶる悪い。
 こんなことならクラブかメイスでも持ってくるんだった、と後悔するが今はこれで戦うしかない。彼女の後ろには丸腰の村人が大勢いるのだ。
「ちっ……! 腕が痺れてきやがった……」 
 ニキータが体力の限界を感じたその時――。
 ドンッ!!
 空から斜めに半径数メートルの巨大な光の柱が降り注ぎ、骸骨兵士たちをまとめて呑み込んで塵へと変えた。
「なんだ!?」
 ニキータが空を仰ぐと、そこには剣を突き出したポーズのまま、安堵の息を漏らすリューインの姿があった。
「大丈夫ですか?」
 地上に降り立ったリューインはニキータに尋ねた。
「ああ、おかげさんで――」
 ニキータが振り向き、リューインの問いに答えようとしたその時――。
「ひぁああああ!?」
 リューインは裏返った悲鳴を上げた。ニキータの鎧の背中の部分に骸骨の腕が丸ごとくっついていたのだ。
「ん、ああ、さっき掴みかかってきたやつの骨だな、くっついてたのか」
 ニキータは平然とした様子でぽいと骸骨の腕を捨てた。
 リューインは投げ捨てられた腕から顔ごと視線を逸らす。
 ――そんなやりとりのすぐ後、今度は死霊たちが押し寄せてきた。
「村人たちには近づけさせません!」
 リューインは「ひゃあ」とか「わあ」とか時折悲鳴を上げながらも、破魔の光で容赦なく死霊たちを消滅させていった。
「……おかしなヤツだな。あんなに強いのに……」
 そんなリューインの戦いぶりを間近で見て、少女はくすりと笑ったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・ブラックウィドー

「闇の救済者の皆さんの活動を邪魔はさせませんっ!
……って、きゃ、きゃああっ、お化けーっ!?」

周囲の召喚陣から現れたオブリビオンを迎撃しようとしますが……
よ、よりにもよって、なんで私が苦手なお化けなんですかっ!?(涙目

恐怖のあまり、ぺたんと地面に座り込んでしまい……
そこをお化けに襲われて……

「って、闇の救済者の方っ!?」

私をかばって、闇の救済者(歴戦のナイスミドルな剣士)が助けてくれて……

「わ、私も守られてるばかりではっ!」

【グッドナイス・ブレイヴァー】で機械兵を召喚。
直接コントロール……は、お化けを見るのが怖いので、闇の救済者や村人を守るよう自律モードで機械兵たちに戦闘をさせます。



●アイの♡グッドナイス・ホラー・ナイト(仮)
「きゃ、きゃああっ、お化けーっ!?」
 召喚陣から迫り来る亡者たちのあまりの恐怖に、少女はぺたんと地面に座りこんでしまった。
 意志持たぬ骸骨兵士は少女の命を奪わんと、容赦なく槍の穂先を突き出す。
 一秒後に死が迫る中、少女は恐怖に目を見開いた。
 だが、少女の命を奪わんと振り下ろされた剣は、少女の命を救わんと割って入った男の盾に弾かれた。
「ふん!」
 風を切って振り下ろされた戦槌が、骸骨剣士を打ち砕く。
 厳めしい顔をした美形の中年剣士ヴォルフは、少女を振り返って言った。
「怪我はないか?」
「は、はい、ありがとうございますっ」
 少女は差し出された男の手を取り、埃を払って立ち上がる。
 なお、庇われている少女が猟兵で少女を庇ったナイスミドルの剣士の方が闇の救済者である。

「よ、よりにもよって、なんで私が苦手なお化けなんですかっ!?」
 押し寄せる亡者の群れを前に、アイ・ブラックウィドーは涙目になって叫んだ。
 何を隠そう、彼女はアンデッドに類する怪物が大の苦手なのである。
 決してお化けが怖いとかではない。科学に生きる電脳魔術士として、幽霊なスケルトンのような非科学的な存在を認められないだけなのだ。
 その割には目に涙が滲み、足は生まれたての小鹿のようにガクガクしているが、気にしてはいけない。
「わ、私も守られてるばかりではっ!」
 アイは奮起し、ユーベルコードを発動した。
 彼女は肝試しをしに来たのではない。絶望に満ちた世界に抗う闇の救済者たちを支援するためにここに来たのだ!

『グッドナイス・ブレイヴァー!』
 アイはユーベルコードを発動し、動画撮影用のドローンを召喚した。このドローンに戦闘力は無いが、アイが苦戦に陥るたびに視聴者からの応援を力に変え、装備を強化してくれるのだ。
「マシンウォーカー、自律モード! 闇の救済者の方々と村人の命を最優先にしてください!」
「ラージャ」
 ドローンにより強化され、高度な自己判断機能を有する機械兵となった二足歩行戦車に自律行動を命じ、アイは味方の側に避難する。
 直接コントロールをしないのはお化けを見るのが怖いから、などでは断じてない。
 ガルルルルルルル!
 機械兵は大口径のガトリング砲から秒間数十発の水銀の弾丸をばら撒き、亡者たちを殲滅していく。
「その調子です! がんばって下さい! マシンウォーカー!」
 アイは闇の救済者たちの側から視聴者にコメント返しをし、ユーベルコードの効果にさらなるブーストをかける。
 不適切なコメントをしたアカウントは即ブロックしてチャンネルの秩序を保つことも忘れない。遊んでいるように見えるが、彼女は真剣である。
 アイは戦況の把握もそこそこに視聴者の相手をしていたが、ふと視線を感じ、顔を上げた。
「?」
 そこにあったのは、苦悶の顔を刻んだまま今もこの世を彷徨う死霊の顔であった。
「きゃあああああああああああああああああん!!」
 アイは再び悲鳴を上げ、ひっくり返ってしまった。
 その瞬間、視聴者の興奮は最高潮に達し、マシンウォーカーは超パワーアップを遂げたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きに。
汝が為したいように為すがよい。

妄想世界(結界術)で湿地帯を生み出し、アンデッド達を沼の底に捕食。そこに天候操作での落雷でスワンプマン的に生前の姿に戻しましょう。これにより、敵のアンデッドの支配権を略奪よ。
ワンダーオーバーソウルで不可思議体の分霊をアンデッド達に降霊憑依して肉体改造もしてるから、蘇生した連中は実質的に私の眷属(式神使い)になりますが。ま、戦力は増えるので集団戦術で結界外の支援に向かわせましょ。あ、蘇生した方々は私が責任をもって養いますのでご心配なく。
さて、ジョゼットちゃんがめっちゃ好みなのですが。こっそりと情熱の炎を点火しておこうかしら?茹で蛙式に弱火から☆



●死者たちの再誕
「ウウウウウ……!」
 魔法陣が輝き、また新たなアンデッドが召喚された。虚ろな目で生者たちを見つめているのはリビングデッド、またはゾンビと称される生ける屍たちだ。
「さて、ジョゼットちゃんの為にも張り切っていきましょうか」
 アリス・セカンドカラーはパチンとウインクすると、自ら亡者たちの群れの中に飛び込んでいった。
 
 数時間前のこと。
「ジョゼットちゃん、ご趣味は?」
「趣味、ですか? そうですね……乗馬でしょうか。月の綺麗な夜に早駆けすると、とても気持ちがいいんですよ」
 ルークス村に向かう途中、闇の救済者たちのリーダーであるジョゼット・クロスボウ(15才)はアリスにナンパされていた。
 どうやらジョゼットの聖女オーラにあてられ、アリスの中の何かが騒いだらしい。
「あら。けっこうアクティブ。じゃあ、一緒に乗ってお出かけするような大切な人はいるのかしら? 恋人とか……」
「ふふっ。アリスはおませさんですね。恋人はいませんが、姉さんがいます。お互い忙しいのでなかなか会えませんけど……」
 当のジョゼットはまさか自分がそういう目で見られているとは夢にも思わず、フレンドリーにアリスに接している。アリスの見た目は幼い少女なので、自分より年下だと思っているようだ。
(うーん、ジョゼットちゃんめっちゃ好みだわー。こっそり情熱の炎を点火しておこうかしら? 茹で蛙式に弱火から☆)
 
 そして現在。
「オオオオ! オオオオ!」
 亡者たちは飛びこんできたアリスの生命力を感知し、一斉に襲い掛かった。新たに魔法陣から召喚されたゾンビたちは生者の肉を喰らわんと、のろのろと近づいてくる。
 アリスは丸腰のまま、悠然と構えていた。武器を手にするどころか、鎧すらも身に付けていない。
 まともにかちあえばアリスのような年端もいかぬ少女は亡者たちに八つ裂きにされるのが必定だが――。
 バチチチチ!!
 突然、生ける屍たちの前進は見えない壁に阻まれて止まった。無防備に見えたアリスは超能力で防御結界を張っていたのだ。
「かかったわね♡」
 アリスはくすりと妖艶に笑うと、すぐさま妄想結界術を発動し、辺りの地形を底なし沼へと書き換えた。
 沼に足をとられ、ずぶずぶ沈んでいくリビングデッドたちに対し、アリスはさらなる追い討ちを放つ。
『不可思議な降霊憑依(ワンダーオーバーソウル)!』
 バリバリバリバリ!
 アリスが呼び寄せた雷雲から黒い稲妻が放たれ、ゾンビたちを貫く。
 するとなんと、雷に打たれた生ける屍たちの傷跡が塞がり、肌に血色が戻り、生前の姿を取り戻していくではないか。
「こ、これは……?」
「ここはどこ……?」
 アリスのユーベルコードで魂を吹き込まれ、再誕した『スワンプマン』たちは戦いを忘れ、己が何者であったか自問を始めた。
「よし、成功ね」
 アリスが行ったのはユーベルコードを利用した「スワンプマン」生成の儀式。落雷で泥、と死体、そして自らの魂の欠片を混ぜることで死者を疑似的に蘇生する邪法だ。
 厳密には「スワンプマン」は思考実験で考案された科学的存在だが、アリスが行った儀式はどちらかというとネクロマンシーに近い。
 なお、スワンプマンたちの脳は亡骸のものをそのまま利用しているので、記憶は生前のものを取り戻しているが、カラになった器に宿っている魂は本人のものではなく、アリスの魂を分けた分霊だ。
(えー、かくかくしかじかで貴方達は私の眷属として蘇生しました。さあ、新たな我が眷属たち。最初の仕事よ。私達と共に戦い、この村の人達を助けなさい。全員私が責任をもって養いますので生活はご心配なく)
 アリスはテレパシーで眷属たちの脳に直接指令を送った。かなりの無茶ぶりな気もするが、元は同じ魂なのですんなりアリスの命令は聞き入れられた。
「なんかよくわからんが我々は生き返ったらしい! 俺たちを殺した連中に一矢報いるぞ!」
「「おお!」」
 アリスに率いられた数十のスワンプマンたちは勇ましく戦い、亡者たちを蹴散らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジナイーダ・クロハネ


「吸血鬼に対するレジスタンスか……好感が持てそうだ」
アタシも経緯は何であれ、吸血鬼を殺す事が目的だ。同じ目的を持つ者を、見捨てる訳にはいかない。――きっとそれが、吸血鬼の配下だった頃に奪った命に対する弔いになる筈だから。

包囲されているというのなら、その包囲に穴を開ける為にも自分から攻めて行こう。どうせなら包囲の厚い所に突貫して、鎌を変形させる(選択UC)。
大鎌(鎧無視攻撃)にしたら、敵を【なぎ払い】、できる限り多くの敵をまとめて屠る。
「まとめて失せろォ――!」



●黒い旋風
「吸血鬼に対するレジスタンスか……好感が持てそうだ」
 ダンピールの猟兵、ジナイーダ・クロハネは、崖の上から戦場を見下ろしながら呟いた。
 世界を吸血鬼から解放する為に戦っている闇の救済者たちと、ジナイーダの行動理念は近しい。
 ジナイーダも経緯は何であれ、吸血鬼を殺す事が目的だ。同じ目的を持つ者を、見捨てる訳にはいかない。
 ――きっとそれが、自身が吸血鬼の配下だった頃に奪った命に対する弔いになる筈だから。
「――あそこだ」
 ジナイーダは片手に鎌を持つと、勢いよく崖から身を投げた。滑り降りながら崖を蹴り、反動を利用してジャンプ。矢のような勢いで村の上を飛ぶ。
 彼女が狙いを定めたのは亡者たちの包囲が最も厚い場所だ。どうせ蹴散らすならば多数の敵が集中している場所がいいという判断である。
『絡繰鎌ー大鎌形態起動―』
 ジナイーダはかつての好敵手の武器を手に、空中で呟いた。すると、彼女の手にしていた黒い鎌がメキメキと音を立てて巨大化していく。
 この【絡繰鎌】は普段は農具とさして変わらぬ大きさだが、変形機構を有しており戦闘の際にはその真の姿である大鎌へと姿を変えるのだ。

「くっ! 数が多い! このままでは……」
 骸骨兵士を一人ずつ切り倒しながらケール分隊長は呻いた。骸骨たちは何体倒しても死をも恐れずに突っ込んでくる。感情が無い分動きも読みにくく、手ごわい相手だった。
 しかし、それはあくまで只人たちにとっての話。猟兵にとっては、亡者の群れなど恐るるに足らない。
「まとめて失せろォ――!」
 黒い旋風の如く飛来し、闇の救済者たちと亡者の間に割り込んだジナイーダは、飛びこんだ勢いのまま大鎌を一閃した。
 ザンッ!!
 漆黒の大鎌は数十体の亡者の群れを紙屑のように両断し、包囲網に風穴を開けた。
 派手な音を立て、大地を滑りながら亡者の群れのど真ん中に着地したジナイーダは、突然の援軍に驚いている人々に向けて叫ぶ。
「アタシがここをこじ開ける! お前達も続け!」
「……! かたじけない! みんな、一気に突破するぞ! 村人に敵を近づけさせるな!」
 死神の鎌が振るわれるたびに、亡者たちは根こそぎ吹き飛んでいく。死霊も骸骨もお構いなしだ。
 ジナイーダは大鎌で雑魚を次々と薙ぎ払い、道を切り拓いていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御狐・稲見之守(サポート)
 100歳超(実年齢秘密) 妖狐の悪霊✕陰陽師 
 口調「ワシ、~殿、ゾ、~んじゃ、じゃ、じゃナ、かナ?」

 荒ぶる力を揮うカミにして、魂を啜る獣、そして幻を繰る妖狐、御狐稲見之守じゃ。
 カミを求め助けを願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならばカミの道理を通してみせよう…なんてナ。

 天変地異を起こす[荒魂顕現]に、[眩惑の術]で幻覚を見せて動きを封じたり、[山彦符][万象変幻]で敵のUCに対抗したりするんじゃ。無論、[狐火]は妖狐の嗜みじゃナ。
 他にも[式神符]で対象を追跡したり〈催眠術〉で情報収集したりと色々出来るゆえ何卒よしなに。



●荒ぶるカミ、衆生を救う
「カミを求め助けを願う声を聞き届けるが我が務め。ヒトの道理で叶わぬならばカミの道理を通してみせよう……なんてナ」
 死霊たちから人々を庇うように前へと進み出た御狐・稲見之守は扇子を口元に当ててクスリと笑った。
 幾度訪れてみても、この世界には救いを求める人々が溢れている。この地の神が人々など救わぬというのならば、荒ぶる力を揮うカミとしてオブリビオンを蹴散らし、この手で衆生を救済するのも吝かではない。
「さあ、出番じゃよ」
 稲見之守が霊符をばらまくと、落ち武者の霊や獄卒、巨大な蟒蛇などの様々な姿の怪物たちが姿を現した。彼らはみな、彼女の霊符に封じられていた「モノノ怪」たちだ。
「亡者共の相手をしてやれ。霊なる者同士、遠慮はいらぬゾ」
「ウロロロロロ」
 主の命に従い、稲見之守のモノノ怪たちが亡者へと襲い掛かる。
 落ち武者の刀が死霊を裂き、獄卒の金棒が骸骨を砕き、ウワバミが死霊たちの魂を丸呑みしていく。
 数多の化生たちが亡者に襲い掛かるその様は、さながら妖怪変化の戦争絵巻物の如き光景であった。
「ああっ! た、助けて……!」
 その時、視界の端に逃げ遅れた一人の村人が転び、骸骨たちに追い詰められているのが見えた。
「その願い、叶えよう」
 稲見之守はふわりと倒れた男の前に降り立つと、口早に呪文を唱える。
『我為す一切是神事也、天裂き地割る神業畏み畏み奉願祈るべし』
 バキバキバキバキ!
 その瞬間、闇色の地割れが大地に刻まれ、亡者たちを飲み込んでいく。
 死霊も骸骨兵士も分け隔てなく、漆黒の闇に吸い込まれていく。
 大地に深々と刻まれた爪痕は、正に死者と生者を分かつ境界のようであった。
 稲見之守は実際にその境界を利用し、札を大地に貼って結界術を施していく。
「これでよし。結界を張ったゆえ、亡者共にこの境界は超えられぬ。あとはワシらに任せるんじゃ」
 負傷した村人は必死に走るが、ふと振り返って稲見之守へと尋ねた。
「あなたは何者なんだ……?」
「通りすがりの天の御使いじゃ」

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
WIZ重視
【薔薇園】の者と行動


死人の群れを百姓に向けるとは吸血鬼共め…!
じゃが殺させはせぬ

「百姓達が空を行くところを狙われぬよう援護を頼む!」
【薔薇園】の者らとの連携を重視
UC「天騎要塞陣」発動にて浮遊城塞を召喚、そこから430名もの天馬武者の軍団を呼び出し戦闘知識込みで指揮
うち215名を空中から敵の引き付けと足止め、残り215名で百姓達の脱出支援・天馬に乗せての戦闘区域外への護送をそれぞれ指示
わらわは逃げ遅れた百姓の捜索
発見すれば襲い来る敵を切り捨てつつ彼らを守り、天馬武者の護送部隊の元まで誘導
天馬に乗り慣れぬ者には「少し目を閉じればあとは風を感じるだけじゃ」と耳元で囁くように鼓舞す


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園】のメンバーで参加(計5名)
WIZ判定の行動

■心情
吸血鬼たちから人々を救う『闇の救済者』ですか
彼らは人々にとっての希望となるでしょうね。
私達も、その希望をより輝かせる手助けをしますわ。

■行動
私は、敵の足止めに専念することにしますわね。
夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(UC)で戦いますわ。
【第六感】や【聞き耳】で敵の出現場所を特定し、
敵の居る場所でUCを【範囲攻撃】で使用し攻撃しますわ。
【マヒ攻撃】や【気絶攻撃】で敵の動きを止めながら戦いますわね。
敵が村人達の居る方向へ入らせない様に、仲間と協力して注意を払い
村人の方向へ向かう敵は【スナイパー】で狙いを定めた
『プリンセス・ローズ』で狙撃。


水無月・ゆえと
【薔薇園】
ダークセイヴァーは初めての世界。
慣れない相手で苦戦するかもだけど困ってる人達を放ってはおけないよね。
【薔薇園】の仲間もいるし、協力して村人を助け出すよ!
村人の避難は仲間に任せてオレはUC【招集・忍者兎】でアンデットの足止めと闇の救済者の援護に回るよ
召喚した兎さん達をそれぞれの闇の救済者に追従させて周囲を警戒
オレも闇の救済者の目の届く範囲で警戒するよ
危険な状況の闇の救済者を確認したら、自分と兎の位置を入れ替えて援護するね
これで負傷者も少なくなるはずっ
戦闘時には[流水鞘]で攻撃を受け、[蒼影兎]で反撃だよ
非戦闘時は兎から受け取れる情報(五感)を整理して戦場の状況を仲間に伝えよう


栗花落・澪
【薔薇園】◎

【指定UC】を発動し、空間に【破魔】の輝きを満たす事で
アンデット達の弱体化を狙い
天馬武者達に合わせて翼で飛行しながら
足元に破魔を宿した★どこにでもある花園を生成
花は避難している住民達の周りをまるでフラワーシャワーのように舞い落ちては
大地に破魔を広げていく
もし天馬武者に乗れなかった住人がいても守れるように

この花雨の中を進んで!
宿るのは魔を祓う破魔の輝き
迂闊に手を出して触れようものなら
アンデット達は【浄化】されるし
見た目でも楽しませられれば怖さも薄れるでしょ

捨て身の覚悟で破魔に踏み込んでくるような敵へは
【オーラ防御】を纏いながら自ら盾になるよう足止め
光魔法の【属性攻撃】で弾き飛ばす


薙沢・歌織
【WIZ】【薔薇園】『叛逆の弩』の方々、リーダーのジョゼット・クロスボウさん、薙沢・歌織と申します。私も薔薇園の一員として皆さんへ協力します。闇の救済者は、男勝りの女性レンジャー(今回は弓や短剣が武器の森の警備員)を思い浮かべました。

【集団戦術】で薔薇園団員や叛逆の弩の方々と手分けし、包囲の抜け道を少しでも塞ぐように行動します。聖痕とルナティックオーブの【催眠術】の力で効果増幅されたUC【桜花夢幻】を発動し、アンデッド達を眠りに就かせ、眠らなかった敵から順に、遠距離からのエレメンタルオーブや近距離での緋炎剣の【炎属性攻撃】で【浄化】していきます。集団で纏まるなら【範囲攻撃】も織り交ぜましょう。



●舞い降りた戦士たち
「空が、暗く……?」
 亡者の包囲網を突破するべく、奮闘を続けていた闇の救済者たちは異変に気付いた。
 突然に辺りが暗くなったのだ。何か巨大な物体が月灯りを覆い隠している……。
「あれは……! お城……!?」
 ルークス村の上空に出現したのは、小さな島ほどもある巨大な飛行城塞だった。

「死人の群れを百姓に向けるとは吸血鬼共め……!」
 鍋島・小百合子は城塞の上から戦場を見下ろしながら、オブリビオンへの怒りを露わにした。この飛行城塞は彼女のユーベルコードによって召喚されたものである。小百合子はルークス村の惨状を聞き、猟兵旅団【薔薇園の古城】の仲間達と共に駆け付けて来たのだ。
「吸血鬼たちから人々を救う『闇の救済者』ですか。彼らは人々にとっての希望となるでしょうね。私達も、その希望をより輝かせる手助けをしますわ」
 麗しき魔法騎士、ローズ・べルシュタインはにこりと微笑むと、躊躇なく城塞から飛び降りた。
「慣れない相手で苦戦するかもだけど、困ってる人達を放ってはおけないよね」
 腰に小さな刀を差している少年の名は東方妖怪、水無月ゆえとだ。彼もローズに続き、城塞から降下していく。なお、彼は見た目は少年だが妖怪だけあり、今回集まった5人の中では最年長である。
 ローズの魔法で風の流れに乗った二人は、落下速度をコントロールしながら包囲網の一画に勢いよく飛び込んでいった。
「足止めはローズさんたちに任せるとして……私は闇の救済者のリーダーの方の護衛に付きますね」
 薙沢・歌織も颯爽と飛行城塞から身を躍らせる。ローズと同じくマジックナイトである歌織は風精に働きかけ、落下速度をコントロールすることが可能なのだ。
「僕らは村人の捜索をしようか」
「うむ」
 小百合子と顔を見合わせた栗花落・澪は背中の白き翼を広げると、城塞から飛び立った。
 澪はオラトリオ。このダークセイヴァー世界にて「天の御使い」と伝えられる種族の生まれだ。ちなみに少女と見紛うほど可憐な姿をしているが、れっきとした男性である。
「誰も殺させはせぬ。行くぞ、天馬武者たちよ! 我らに続け!」
 小百合子の呼び声に応え、城塞の中から四百騎を超える天馬に跨る武者が飛び出した。
 こうして、薔薇園の古城の猟兵たちの村人救助作戦が始まったのである。
 
 ピキュン。
 歌織のエレメンタルオーブから発射された熱線が骸骨の兵士達を薙ぎ払い、消し炭へと変えた。
 着地がてら亡者を数体葬った歌織は、闇の救済者たちのリーダーの少女にスカートをつまんで一礼した。 
「薙沢・歌織と申します。私も薔薇園の古城の一員として皆さんへ協力します」
「あの素敵な空飛ぶお城の方ですね! ご助力感謝します。 私はジョゼットと申します。こっちの弓使いがジェスタ。短剣の方がエルザです」
 ジョゼットは頭を下げた。彼女に続いてジョゼットとスリーマンセルを組んでいた双子と思しき少女たちもぺこりと礼をする。
 髪の長いおしとやかそうな雰囲気の方がジェスタ。短髪の男勝りな印象を受ける方がエルザという名らしい。
「さあ、あと少しです! ここが踏ん張りどころですよ!」
 ジョゼットは仲間達に呼びかけ、剣と盾を構えた。
「死者たちには、再び眠りについてもらいましょう」
 歌織は聖痕とルナティックオーブを励起させて魔力を増幅すると、ユーベルコードを解き放った。
「春眠、暁を覚えず……『桜花夢幻(サクラ・ドリームズ)』」
 歌織の周囲に桜吹雪が巻き起こり、死霊たちが眠りについていく。
 歌織の桜吹雪は精神に作用し、敵を眠らせる花びらなのだ。魂だけの存在である死霊たちは桜に包まれ、再び永遠の眠りについていった。
「綺麗な花……見たことがない花です……」
 ジェスタは辺りに舞う桜吹雪に見惚れ、溜息をついた。
「ジェスタ、感心してる場合か! 骸骨は倒れてないぞ! あいつらは魂が無いから精神攻撃は効かないんだ!」
 エルザは叫びながら骸骨の群れを迎撃せんと前に出た。
「精神攻撃が効かないならば……」
 歌織は【緋炎剣】を構えて骸骨たちに突進し、剣から発する浄化の炎で骸骨たちを焼き払っていく。
(これならなんとか大丈夫そうですね)
 歌織は戦いながら、ジョゼットと双子の戦力を分析していた。ジョゼットは闇の救済者たちのリーダーだけあり、その剣撃は鋭い。双子の方もリーダーと小隊を組むだけのことはあり、なかなかの実力だ。このレベルの死霊相手ならば、歌織がしっかりフォローすれば十分に戦えるだろう。
 歌織を加えたフォーマンセルの小隊は次々に亡者たちを仕留めていった。

 ギィン!
 ゆえとは骸骨剣士の振るった骨の剣を【蒼影兎】で受け止めた。蒼影兎は小ぶりな刀だが、頑丈さは折り紙付きだ。逆に打ち込んだ骨の剣の刃の方がひび割れている。
「すまない、助かった!」
 負傷した闇の救済者を背中に庇い、水無月・ゆえとは、出現した亡者の群れの様子を注意深く伺う。この世界に来たのは今回が初めてだが、今襲ってきている連中はどうやら西洋妖怪の使い魔たちと大差なさそうだ。これなら多少数が多くても遅れを取ることはないだろう。
「負傷した方は一旦下がって下さいませ。ここから先はわたくしたちが引き受けますわ」
 ザシュッ!
 ゆえとの隣に立つローズ・ベルシュタインは夕焼け色のロングソードを振るい、死霊たちを次々と切り裂いている。破魔の魔力を籠めた刃は死霊たちにも効果覿面だった。
 二人の役割は敵の足止め。猟兵や闇の救済者たちが村人を救助し、脱出させるまでの間、敵の追撃を阻む重要な役割である。
「さぁ、数多に咲き誇りなさい!『夕暮れ時に薔薇は踊り咲く』(ローズ・ワルツ)!」
 ローズが長剣【夕の憩い】を天に掲げると、剣は鮮やかな薔薇の花びらへと姿を変えた。はらはらと散った花弁は、風に乗って大きく広がり、幾千の刃となって亡者たちを切り刻み、消し飛ばしていく。
「凄い威力だね」
 ゆえとの言葉にローズは苦笑した。
「麻痺の追加効果もあるのですが……低級アンデッドだとそもそも薔薇の刃に耐えきれないようですわね」
「なるほど……。オレも負けてられないな。さぁ、出番だね……集え、影に潜みし同胞たち! 『招集・忍者兎』(コール・ラビットシーフ)!」
 ゆえとが召喚術を発動すると、彼の影から忍装束を纏った数十体のウサギたちが飛び出した。
「行け!」
 ゆえとの号令を受け、忍者兎たちは一斉に散り、闇の救済者たち一人一人の援護に付いていく。
 ボンッ! シュシュシュッ! ジャララララララッ!
 忍者兎たちは爆薬や手裏剣、鎖鎌などを駆使し、骸骨の兵士たちを牽制した。
その隙を突き、闇の救済者たちは骸骨兵士たちを撃破していく。
「あ、あそこ危ない!」
 だが、闇の救済者の中にはまだ訓練が浅いものもいる。ピンチになっている者を発見した際はゆえとの出番だ。ゆえとは忍者兎と自分の位置を一瞬で入れ替える術を発動し、カバーに入った。
 骸骨兵士の剣を【流水鞘】で受け流したゆえとは、その勢いのままくるりと回転し、【蒼影兎】で骸骨に反撃を叩き込む。
 シュンシュンシュンッ!
 忍者兎たちと目まぐるしく位置を入れ替えながら戦うゆえとの姿は、捉えどころのない蜃気楼のようであった。
 ガシャガシャ……。
「今度はあちらですわね」
 鋭敏な聴覚で骸骨の接近を予知したローズは素早く紅の拳銃を抜いた。
 ダンダンダンダン!
 ローズは【プリンセスローズ】の魔力弾で数十メートル離れた位置の骸骨たちの頭蓋骨を正確に撃ち抜き、不敵に笑う。
「村人たちには手出しさせませんわ」

 空から天馬に乗った武者たちが舞い降り、村人たちを掬い上げていく。
 天の御使いが白き光を放ち、死霊達を浄化していく。
「澪殿! 百姓達が空を行くところを狙われぬよう援護を頼む!」
 小百合子は薙刀で亡者を蹴散らしながら、澪へと呼びかけた。
「了解だよ! 貴方の闇に、希望の輝きを。『心に灯す希望の輝き(シエル・ド・レスポワール)』!」
 澪が祈るように胸の前で手を組み、呪文を唱えると、彼の足元に小さな花園が発生した。花そのものはどこにでも咲いているようなありふれたものだが、これは澪と同じく魔を祓う破魔の輝きを宿す聖なる花。不浄なる亡者は触れることさえできぬ代物だ。
「オオオオ……」
 邪気にまみれた村に聖なる花の香りが満ち、死霊達が次々と昇天していく。消えていく魂たちの表情はどこか安らかだ。
「この花雨の中を進んで!」
 澪は空と地上を行ったり来たりし、フラワーシャワーを村中に降り注がせながら、逃げ遅れた者を探し回った。
「さあ、こっちだよ」
 澪は微笑み、見つけた村人を天馬の元へと導いていく。
「御使いだ……」
 誰かが、ぽつりと呟いた。
 聖なる光と美しき花を撒き散らしながら飛翔する澪の姿に、古い言い伝えを幻視したのだろう。
「少し目を閉じればあとは風を感じるだけじゃ」
 小百合子は村人を軽々と担ぎ上げ、天馬へと乗せて優しく諭した。
 天使と天馬、そしてヴァルキリーが駆け巡り、聖なる花びらが降り注ぐその幻想的な光景に、村人たちはただ涙する。
「おお……神は我らを見捨ててはいなかったのだ……!」

「炎よ!」
 紅蓮の炎が亡者たちをまとめて浄化していく。
 歌織が最後の亡者たちを仕留めた時、ゆえとがダッシュで駆け込んできた。
「撤収完了だ! もう村人は残ってない! そろそろ次に備えよう!」
「了解です!」

 死者たちは再び沈黙し、全ての村人たちが脱出を果たしたルークス村はしばしの静寂を取り戻した。それは嵐の前の静けさか。
 前哨戦は終わり、いよいよ真の戦いが始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『疫病パレード』

POW   :    安楽のレクイエム
【演奏される曲から毒属性の疫病】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    喝采のファンファーレ
戦闘力のない【人々を死に至らしめる呪い属性の疫病】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【感染者は倒れ、演奏をする亡者となること】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    終わらないパレード
自身が戦闘で瀕死になると【一瞬で他の亡者へと憑依する先導者の霊】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●希望を嗤うものたち
 パッパラパー!
 亡者の軍勢を退けた猟兵と闇の救済者たちが一息ついていると、突然、ルークス村にファンファーレの音が響いた。
 いつのまにか、村の奥に位置する崖の上に何者かが出現している!
「お見事です。あれだけの数の死人を相手に、一人の死者も出していないとは。ずいぶん手練れの猟兵が来たものですねェ」
 パチパチと拍手しているのは、亡者の楽団を従えた道化師のオブリビオンたちだった。
 道化師たちは嘲るように、次々と口を開く。
「この数十年、集めに集めたコレクションだったのですがね。まあ、お気に入りはこうして手元に残しておりますし、オモチャの補充なんていくらでもできますから構わないのですが」
「『闇の救済者』でしたか? 偉そうに名乗っていても所詮お前たちは家畜に過ぎないのです。我らの脅威は猟兵共のみ。勘違いも甚だしい。
 思い上がった愚か者たちに教授して差し上げましょう。我らに逆らうということがどういうことなのかを、ね」
「まずは親玉の首を頂きましょうか。叛乱分子の頭目の首......領主様に捧げればさぞお喜びになるでしょうからね!」
リオン・ゲーベンアイン
「自分たちを脅かすのは超人のみって言いたいのかな?そんなんだから一度は滅んでオブリビオンになったんだよ」

と、挑発でなく単純な『事実』を指摘してそれに逆上して判断力を鈍らせてからユーベルコードを起動。
九つの白炎が戦場に展開し、死病を焼いて蝕まれた住人を再生の炎が癒す。
感染者が増大するならそれに応じて『一の矢 滅びの世界』でアポカリプスヘルでの感染症予防のワクチンの概念を持ち出して住民に交代を付与。
そのまま感染を抑えて住民の治癒が大丈夫そうなら一気にオブリビオンの焼却に比重を置いてユーベルコードの出力を上げていく。



●聖なる弓矢
「自分たちを脅かすのは超人のみって言いたいのかな? そんなんだから一度は滅んでオブリビオンになったんだよ」
 リオンは疫病パレードに聞こえるよう、大きな声で言った。
 彼女の言っていることは事実である。オブリビオンは過去に一度滅びた存在だ。猟兵以外の者に敗れて一度死んだからこそ、骸の海から復活したのだ。
「ぬっ! 口の悪いお嬢さんですねェ。いいでしょう、ならば貴女から先に始末して差し上げましょうか」
 眉を吊り上げた疫病パレードの一人が、笛を構える。
「葬送曲を奏でましょう。お代は貴方達の命です」
 ピーヒョロローン♪ パッパパパーン!
 疫病パレードたちが奏でる笛の旋律に合わせ、亡者の楽団たちのファンファーレが鳴り響く。
 場違いなほどに明るいメロディと共に、リオンのすぐそばに紫色の霧が召喚された。
「フハハハハ! だがお嬢さん。真っ先に死ぬのは貴女ではない! 常人がその疫病の霧を吸えば5分とかからずに死に至る! 何分保つか見物ですねェ!」
 ブワッ!
 死に至る病の霧はリオンごと側にいた闇の救済者たちをも飲み込まんと、一気に拡散した!
「ぐあああっ!」
「かはっ……! ああっ……!」 
「ぐっ……!」
 霧を吸い込んだ闇の救済者たちの体に緑色の斑点が浮かび上がる。彼らは喉を抑えてもがき苦しんだ。
「フハハハハ! 死ね! 死ね! そうすればお前達にもこのパレードに加える光栄を与えよう!」
 疫病パレードたちが狂ったように笑い声を上げる。彼らが崖の上から降りて来る気配はない。彼らは文字通り「高見の見物」を決め込むつもりのようだ。
 リオンは死に至る病を孕んだ霧の中で、呼吸を止めたまま精神を集中し弓を引き絞る。
『人界を理想郷に再世する白き劫火の聖炎主(ストライク・ザ・ヘリオス)!』
 瞬間、リオンの輝く神弓から、九本の矢が瞬時に放たれた。九つの矢は白き劫火となり、一瞬にして標的の元へと到達する。
 しかし、放たれた矢の先にいたのは、なんと疫病に感染した闇の救済者たちだった。
「何ッ! 味方ごとっ!?」
 これには疫病パレードも瞠目した。
 ゴウッ!
「うわああああああああっ! あれ?」
 しかし、その矢が闇の救済者たちを傷つけることはなかった。リオンの「破壊と再生の炎の矢」は闇の救済者たちの病を癒し、疫病のみを焼き払ったのだ。
「チッ! 聖なる矢か! それならば――がぁ!?」
 霧を霧散させ、そのまま崖の上まで飛んで行った聖なる九本の矢は、疫病パレードの数体に直撃し、その体を一瞬にして灰にした。
「な、なんだと!?」
 リオンの挑発に乗り、彼女の周囲を攻撃したのは疫病パレードたちの失策だ。
 疫病の発生位置を間近で観測できたリオンは攻撃と味方の防御を一手で行える猶予があったのだ。
 リオンは狼狽する疫病パレードたちを睨みつけながら呟く。
「破壊にせよ、再生にせよ、アンデッドにはどちらも効果覿面ね」

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・セカンドカラー
ほう?
今、ジョゼットちゃんの首を取ると申したか?
そんなことさせないわよ。
デモニックワンダーラビリンスでローグライクなダンジョンを生み出して『疫病パレード』をその中に捕食して取り込むわ。失敗すれば最初からやり直しのランダム生成ダンジョンをたっぷり楽しんでね(罠使い)
一瞬で他の亡者へと憑依する先導者の霊? その手のは『夜』(私)の極上の食材でしかないわ。霊なんてエナジーの塊、美味しく捕食するわよ。
あ、フロアボスは式神使いと降霊の応用でヴァーチャルリアリティゲー的に遠隔操作出来るけど、ジョゼットちゃん操作してみる?
後、他の猟兵の戦術に合わせたステージも用意しておくわ。
式神だけで全部処理は無理だしね。



●デモニックワンダーラビリンス
「くっ! 疫病を焼き払うとは……!」
 仲間を葬られた疫病パレードたちの間に狼狽が広がる。
「さあ、さっさと降りてきなさい! しゃべっているばかりでは私の首は取れませんよ!」
 ジョゼットは道化師たちを挑発した。その言葉に、道化師たちはわなわなと身を震わせた。
「だ、黙れ! 行け、亡者たちよッ! あの金髪の女の首を取ってこい!」
「ほう? 今、ジョゼットちゃんの首を取ると申したか? そんなことさせないわよ」
 道化師たちの言葉にアリスの表情が険しくなった。たちまち、アリスの周囲にめらめらと炎のようなオーラが立ち昇る。
「ジョゼットちゃんをいただくのはこの私よ★ お前達には血の一滴さえも渡さないわ」
「……あのー。アリス? もしもし?」
 邪な情熱の炎を燃やすアリスの横で当のジョゼットは困惑していた。
「我が身は不可説不可説転もの数多の真なる『夜(デモン)』に変じる。『夜』が生み出すは我が精神を具象化せし欲望の迷宮なり」
 戸惑っているジョゼットをよそに、アリスはユーベルコードを発動して辺りの地形に結界を被せた。
「こ、これは!?」
 一瞬視界が暗転し、意識を取り戻した道化師たちが立っていたのは、無数の壁で仕切られた謎の迷宮だった。
 どこからか、少女の声が聞こえてくる。
 ――ようこそ、私の真なる『夜』の不可思議迷宮(デモニックワンダーラビリンス)へ。たっぷり楽しんでね。
「くっ! こんなもの、まやかしに決まって……! ぐぼあッ!?」
 蛮勇を振るい、道化師の一体がアリスの迷宮をずかずかと進んだ。するとたちまち壁から槍が飛び出し、道化師は串刺しになって絶命してしまった。
 侵入者の脱出を阻んでこその迷宮である。この迷宮には様々な罠が仕掛けられている上に中にはアリスの式神(元村人)たちがうようよいる。
 おまけに、部屋の境目の空間は歪んでおり、部屋を移動するたびに空間が組み替わるローグライク仕様である。
「くっ……!なんという悪趣味な結界……! 魔女め!」
 だが、疫病パレードたちとて伊達に数十年ルークス村の統治を任されていたわけではない。道化師たちは召喚した亡者たちを囮にし、式神を退け、罠をやり過ごしながら少しずつ迷宮の奥へと進んで行った。
 しかし。
「な、なんだっ!? あの化け物は!?」
 突然広い部屋に出たかと思ったら、部屋の真ん中に髪が触手になった巨大なアリスの顔が鎮座していた。
「ごにゃーぽ★ よくぞここまで辿り着いた。では死ぬが良い」
 アリス似のフロアボスは魂を啜る触手を伸ばして疫病パレードたちを蹂躙し、おいしく捕食した。

「ジョゼットちゃんも操作してみる? このフロアボス。触手の操作性に癖があるけど、慣れたら楽しいわよ★」
 迷宮のゴール地点の高台に立っていたアリスは、隣のジョゼットに声をかけた。フロアボスは式神使いと降霊術の応用でコントロールしている為、その気になれば支配権の貸与が可能なのだ。
「わ、私はいいです……!」
 アリスの申し出をジョゼットは丁重に辞退した。

成功 🔵​🔵​🔴​

リューイン・ランサード
UDCアースにあるハンバーガー屋さんのキャラのパチモン登場ですか!?
目つき悪くて偽物感が良く出ています。

疫病散布は対応面倒くさいです…。
面倒くさいので吸い込んでしまいましょう。パチモン達も一緒に。

左腕をブラックホールに変換して、吸い込み対象を【疫病の元となる病原菌・ウイルス、ド●ルドのパチモン、亡者の楽団メンバー】に指定。

吸い込まれる迄は攻撃が来そうなので、【結界術】で周囲に防御結界形成。その上で【第六感・見切り】で攻撃予測して、【ビームシールド盾受け・オーラ防御】で防ぐ。

【カウンター】で、【多重詠唱】による【光と炎の属性攻撃・全力魔法・破魔・高速詠唱・範囲攻撃】を容赦無く叩き込みます。



●ブラックホール
 味方のユーベルコードにより、突如ダンジョンと化した戦場をうろうろしていたリューインはおっかなびっくり迷宮を進んでいたが、敵とばったり遭遇して大きな声を上げた。
「UDCアースにあるファーストフードのキャラのパチモン登場ですか!? 目つき悪くて偽物感が良く出ています」
 それが、疫病パレードの姿を見たリューインの第一声だった。挑発しようとかいう意図があったわけではない。率直な感想である。
「……何を言っているのかよく分かりませんが、とても失礼なことを言われた気がしますねェ!」
 疫病パレードたちは青白い顔にビキビキと青筋を立てて怒鳴る。道化師たちにはUDCアースとやらが何なのか分からなかったが、このダークセイヴァーの支配者を自認する彼らは侮辱には人一倍敏感だったのだ。
 たちまち死の風が吹き荒れた。道化師たちが召喚した疫病風は生き物のようにうねり、呪いの言葉を吐いた不届き者へと襲い掛かった。
「疫病散布は対応面倒くさいです……面倒くさいので吸い込んでしまいましょう。パチモン達も一緒に」
 基本ヘタレのリューインだが、相手をパチモン認定したせいか、今回はいい具合にリラックスできていた。冷静に敵の攻撃を見据え、疫病パレードたちに向けて左腕を突き出す。
『ブラックホールクリエイション』
 ギュオオオオオオ!
 リューインの手に黒い穴が発生し、猛烈な勢いで風が吹き込む。凄まじい吸引力に、疫病パレードたちはみるみるうちに引き寄せられていった。
「ぬおおおお! 吸い込まれる! こ、これは!?」
 ブラックホールはリューインの敵対者だけに牙を剥き、どんどん吸い込んでいく。疫病の元となる細菌も、道化師たちも、彼が従えている亡者たちも……。
「おのれ、キサマを殺せばその穴も閉じよう! 喰らえ!」
 疫病パレードたちは一か八か、リューインに向かって一斉にダガーを投げつけた。
「フハハハハ! 吸引力を利用して威力を上げたダガーです! 自分の攻撃が仇に……」
 高笑いする道化師たち。
 しかし、ダガーはリューインへと命中する寸前に見えない壁に弾かれ、あらぬ方向へと転がっていった。
「ハッ!?」
「そう来ると思っていました」
 リューインはブラックホール発動中の自身の身を守る為、結界術を使用していたのだ。念のためにビームシールドも待機状態にしていたが、疫病パレードたちの攻撃では結界を貫くには至らなかったようだ。
 疫病パレード達の攻撃を凌いだリューインは、すかさず攻撃呪文を高速詠唱した。
 リューインの指から、閃光が迸る。破魔の光熱波は疫病パレードたちを一瞬で魂ごと焼き尽くし、僅かに残った灰もブラックホールへと吸い込まれていった。
 疫病パレードたちの一団を葬ったリューインは、ぽつりと呟く。
「ふう。なんだか、ハンバーガーが食べたくなっちゃったな」

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・ブラックウィドー

「村人たちや『闇の救済者』の皆さんに犠牲者を出させるわけにはいきません!
……って、なんでお化けの楽団とか連れてるんですかーっ!?」(涙目

道化師の姿はお化けじゃなかったので油断して楽団のお化けと目が合っちゃったじゃないですかーっ!
詐欺です、イラスト詐欺っ!

け、けど、さっき助けてくださったヴォルフさんが苦戦しているのを見て、勇気をだします!

「敵の数が多いなら、これですっ」

電脳魔術【エレクトロレギオン】で機械兵器を喚び出し、『闇の救済者』の皆さんを守らせつつ、道化師に攻撃です!

「って、なんか幽霊が召喚されましたっ!?
い、いやーっ!」

美形中年剣士ヴォルフさんの背中に隠れて、涙目で震えるのでした。



●アイ&ヴォルフVSお化けの楽団!
「ヴォルフさん、こっちです!」
 アイは自信たっぷりに左の通路を指差した。謎のピンク少女のユーベルコードに巻き込まれ、突如ダンジョンにワープしてしまったアイとヴォルフだったが、アイの電脳魔術を持ってすれば、迷宮の構造を把握することなど容易い。アイたちは敵がいる部屋へと最短ルートで向かっていた。
「この曲がり角の先に敵がいます! 村人たちや『闇の救済者』の皆さんに犠牲者を出させるわけにはいきません! ここで仕留めます!」
 アイは熱量操作の魔術をいつでも発動できるように用意をしつつ、通路から飛び出した。
「……って、なんでお化けの楽団とか連れてるんですかーっ!?」
「ほう。貴女たちが我々の相手ですか」
 アイはすてーん、とすっ転び、涙目になって絶叫した。別にピエロが怖いとかいうことはないが、お化け軍団が取り巻きにいるのは想定外だ!
「道化師の姿はお化けじゃなかったので油断して楽団のお化けと目が合っちゃったじゃないですかーっ! 詐欺です、プロフ写真詐欺っ!」
「このお嬢さんの主張はさておき……ここが貴様の墓場だ! 道化共!」
 理不尽なクレーマーと化したアイの横で、ヴォルフは武器を構える。
「よくぞ吠えました! その手の台詞はたいてい言った方の墓場になりますからねェ! ゆけっ! 亡者たちよ!」
 かくして、アイはそっちのけで闇の救済者とオブリビオンのシリアスな戦いが始まった!
「いくぞッ!」
 ザンッ!
 ヴォルフは一気に間合いを詰めると、次々とアンデッドたちを切り伏せていった。
「ほう、やるものだ。人間にしては、ですがね!」
 疫病パレードがパチンと指を鳴らすと、突然ヴォルフの体に赤い紋章が浮かび上がった。
「がはっ……! 呪い、か……!」
 呪詛に蝕まれたヴォルフはがくり、と膝を付く。
「お嬢さん……君は逃げろ!」
 ヴォルフはアイだけでも逃がそうと、剣を振り回して道化師の行く手を阻んだ。
「ヴォルフさんっ!」
(そうだ、お化けに怯えている場合ではありません。私は、この人達を助ける為にここに来たんですからっ!)
 アイは震える膝を強引に抑え、立ち上がった。
 足手まといになるのはここまでだ。ここから先は私がこの人を守る!
「電脳ネットワークに接続!」
 アイの電脳ゴーグルに無数のレイラインが走る。
「来なさい! 『エレクトロ・レギオン』!」
 瞬間、雷光と共に次元の穴が開き、中から三百を超える小型の機械兵たちが飛び出してきた!
「な、なんだとォおおおおおッ!?」
「ターゲット確認。排除開始」
 そこから先は一瞬だ。エレクトロレギオンたちはあっという間にアンデッドたちを蹂躙し、後に残ったのは黒焦げの肉塊だけであった。
「ふう。終わりましたね」
 ヴォルフに微笑むアイ。
「まだだあー! パレードはまだ終わらぬ!」
 しかし、疫病パレードはまだ死んではいなかった。道化師の正体は霊体オブリビオン。彼らはユーベルコードで死体に取り憑くことで実体を得ていたのだ。
「って、なんかまた幽霊が出ましたっ!? い、いやーっ!」
 裏返った悲鳴を上げ、尻餅をつくアイ。先ほどの勇気は一瞬の輝きだったらしい。
「かくなる上は、貴様を憑り殺して肉体を奪ってくれる!」
 疫病パレードはアイの肉体を奪うべく、一直線に突っ込んだ!
「させるかっ!」
 しかし、その悪あがきは失敗に終わった。疫病パレードの本体は呪いから解放されたヴォルフの剣によって一刀両断されたのだ。断末魔の叫び声すら上げる暇もなく、疫病パレードは今度こそ消滅した。
「……怖がりなのは治した方がいいな。もったいない」
 イケオジはアイを助け起こしながら、嘆息したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジナイーダ・クロハネ

「さて、本当に思い上がってんのはどっちだろうな?」
――アタシも、そんな時期があった。でも、違う。領主に刃をつきつける事は、誰にだってできる。
単独で敵の群れの中に突っ込む。敵は逃げつつ反乱者の下へと向かうだろうけど、『氷界』を使う。雪や氷が降る世界。氷点下。この環境では、アタシの使う氷結魔法(属性攻撃)の効きは十二分だろう。
「さあ、どうした動いてみろ……ああ、氷漬けだもんね?」
端的に言えば足止めみたいなもの。だけど、この状態なら一網打尽にできる。
大鎌のままにしていた絡繰鎌に、氷を纏わせて【なぎ払い】。
「疫病も霊も何だって凍るさ。だって、そういう世界にアタシはいたんだ。さあ、逆らってみろよ?」



●氷界
「思い上がった愚か者たちに教授して差し上げましょう。我らに逆らうということがどういうことなのかを、ね」
 ゆっくりと村へと降り立った疫病パレードたちは、サディスティックな笑みを浮かべながら闇の救済者たちを見つめた。彼らの数割は猟兵の手で迷宮結界に隔離されたが、半数以上は結界の影響を逃れていたのだ。
「さて、本当に思い上がってんのはどっちだろうな?」
 疫病パレードへと問いかけながら、ジナイーダは考える。
 ――アタシも、そんな時期があった。でも、違う。領主に刃をつきつける事は、誰にだってできる。
 ジナイーダは己の後ろにいる闇の救済者たちを一瞬だけ振り返った。
 圧政に対して叛逆することは強者の特権ではない。たとえ力が及ばずとも、理不尽な暴虐に立ち向かうこと自体は誰もが等しく持つ権利のはずだ。
 ならば、お前達の傲慢を彼らと共にアタシも糾弾しよう。
「さあ、お前達にも死の抱擁を……」
 疫病パレードが闇の救済者たちに疫病を振り撒こうと、タクトを掲げたその時だった。
 ギュンッ!
 弾丸のような勢いで、ジナイーダが疫病パレードの群れへと飛び込み、唸る大鎌が亡者たちを切り飛ばした。
 ――彼らに、手出しはさせない。
「氷精よ、その美しき世界を我らにお見せ下さい――!」
 ジナイーダが氷精に祈りを捧げると、灰のようにひらひらと舞いながら雪が降りてきた。凍てつく風が大気を満たし、急速にルークス村の気温が下がっていく。轟轟と白い風が唸り、あっという間に辺りは一面銀世界となった。
「さあ、これがアタシのホームグラウンドだ」
 このブリザードが吹き荒れる極寒の地は、ジナイーダの故郷をユーベルコードで再現したもの。あらゆる存在を拒む『氷界』だ。
「くっ……!」
 疫病パレード達は立ち塞がるジナイーダと交戦するのは不利だと判断し、格下の闇の救済者たちを襲うべく身を翻した。
 しかし――。
「凍えろ!」
 ジナイーダが取り出した短剣から凍てつく魔力が迸り、疫病パレードたちをまとめて氷漬けにした。極低温下の今ならば、彼女の氷結魔法の威力は倍増しているのだ。
「くっ……! 足が……!」
「さあ、どうした動いてみろ……ああ、氷漬けだもんね?」
 下半身を氷塊の中に封じられ、身動きのとれなくなった道化師たちをジナイーダは嗤う。
「死霊たちよ! 術者を仕留めるのです!」
 ならばと、疫病パレードたちは実体のない死霊に縋るが、ジナイーダの短剣が再び輝き、死霊たちも氷牢へと封じ込められた。
「な……!」
「疫病も霊も何だって凍るさ。だって、そういう世界にアタシはいたんだ。さあ、逆らってみろよ?」
 漆黒のドレスの死神は凍てつく笑みを浮かべながら、大鎌を構える。
 銀色の刃が閃き、道化師たちの横を死の風が通り過ぎた。
 一瞬の静寂の後、胴をまとめて両断された疫病パレードたちは雪に溶けるように消滅していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルイーグ・ソイル
[連携アドリブ歓迎]
なんか厄介な技を使ってくるみたいっすね!?ユーベルコード「シンフォニック・キュア」を用いて範囲攻撃のダメージを減らす協力をしていくっす!
オレ自身は、間合いを調整しつつ得意の接近戦が可能な範囲は打撃攻撃で対処するっす!



●英雄の歌
「あと少しっす! だんだん数が減って来てる!」
 ルイーグは拳打で亡者を吹き飛ばしつつ、共に戦っている闇の救済者たちを鼓舞した。
「ハア、ハア……」
 ルイーグが常に最前戦で戦っていたこともあり、未だ死者は出ていない。しかし、村人の脱出作戦からの連戦により、次第に闇の救済者たちには疲労の色が滲み始めていた。
「あぐっ!」
 疲労で動きの鈍ってきた闇の救済者たちは少しずつ亡者に押され、負傷者も出はじめた。闇の救済者たちの士気ももはや限界か――。
「ホホホホ、そろそろ楽になりなさい!」
 疫病パレードはほくそ笑み、追い討ちをかけるべく死の曲を演奏した。
「がっ……!」
「ぐあああっ……!」
 忌まわしい旋律を聞いた闇の救済者たちは耳から血を流し、もがき苦しみ始める。
「……誰も死なせないっす!」
 ルイーグは叫び、愛用の拡声器を取り出すと、勇壮なマーチを熱唱した。
『シンフォニック・キュア!』
 ルイーグの歌声が戦場へと響く。歌声が道化師の呪いの旋律を掻き消すと共に、闇の救済者たちの傷を癒していく。
「まだだ! こうなったらくたばるまでやってやるぜ!」
 ルイーグが歌にこめた戦いの意志が伝播し、折れそうだった闇の救済者たちの士気が上昇していく……!
「この人狼……! 脳筋かと思っていたが癒し手か!」
 疫病パレードは歯ぎしりした。闇の救済者たちを虐殺して戦力を増強し、猟兵を仕留めるプランは見事にご破算となったからだ。
「さあ、覚悟するっす!」
 ルイーグは大地を蹴り、投石機のような勢いで空中へと身を躍らせた。
 その直後、爆撃のような衝撃音が響いた。
 亡者たちの頭上を飛び越え、一気に疫病パレードの元へと到達したルイーグは、飛びこんだ勢いのままに放った飛び蹴りで疫病パレードの胸を貫いたのだ。
「ごはっ……!」
 急所を痛打された疫病パレードは口から血を吐き、大地に崩れ落ちる。
だが――。
「!?」
 ルイーグは驚愕に目を見開いた。なんと、倒れた疫病パレードの体から半透明な道化師の亡霊が姿を現したのだ。道化師の亡霊はすぐさま近くにいた亡者の体へと飛び込んだ。その瞬間、亡者の顔が道化師のそれへと変わり、新たな「疫病パレード」となった。
「復活したっすか!?」
「ホホホ! 私たちの本体は霊体! 殴り殺すことなどできはしないのです!」
 高笑いを上げる道化師。
「面倒っすね! なら、乗り移れる死体がなくなるまで――」
「ルイーグさん!」
 その時、闇の救済者の一人がルイーグを呼び止めた。
「これを使って下さい! 聖者の祝福を受けた武器なら亡霊でも傷つけられるはずです!」
 ルイーグは空高く飛び、投げよこされた光り輝くバトンを掴んだ。
「ありがたく使わせてもらうっす!」
 着地したルイーグの身が深く沈む。一瞬にして疫病パレードの眼前へと踏み込んだルイーグは、聖なる棍棒で疫病パレードを乱打し、バラバラに粉砕した!
「ぐあああ―――ッ!」
 道化師は今度こそ消滅し、闇の救済者たちの歓声が上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
SPD重視
【薔薇園】


百姓達はなんとか逃げ遂す事ができたが…あの死霊の大群を討たねば彼らの命が危ういぞ

「ここから先へは行かさぬ!御身に宿りし破魔の力を見せてくれる!」
【薔薇園】の者達との連携を重視
ジョゼット殿を守れる後方の見晴らしの良い位置から長弓に破魔の矢を番いて前線で戦う仲間の援護射撃を行う(視力、スナイパー、範囲攻撃、制圧射撃、弾幕、拠点防衛併用)
呪いの疾病が召喚されたらジョゼット殿に後退を促し安全を確保
機を見て仲間に注意を呼びかけつつUC「心火焔硝矢」発動
勇気の発現にて生み出した火矢に破魔の力を込めて番い、疾病諸共敵を焼却す(属性攻撃、範囲攻撃、衝撃波、吹き飛ばし、鎧無視攻撃併用)


薙沢・歌織
【POW】【薔薇園】
抗えない生命を苦しめる為に音楽を用いる道化師…私は性根の腐った相手に遠慮はしません。
…ジョゼットさん、自分達の力だけではどうにもならない困難に立ち向かう人々へ力を貸すのが、私達猟兵の役目です。

【集団戦術】で、薔薇園の他の団員と手分けして村や救済者の人々が狙われないように戦闘位置を分担。【ダッシュ】で間合いを取り、シルフフルートの演奏による【光属性の範囲攻撃】で敵を【浄化】していきます。

レクイエムにはフルートで【雷迅刀、緋炎剣、聖痕の破魔と浄化の力を楽器に込めて演奏】しながら【運命分かつ雷光の波】を【範囲攻撃増幅】で発動し対抗。虐げられてきた人々の怒りを聖なる雷に込めて…!


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園】メンバーで参加(計5名)

WIZ判定の行動

■心情
人の魂を何とも思わない道化師、許し難き所業ですわね。
ジョゼット団長や、村の人たちは誰一人として傷つけさせませんわ。

■行動
風嵐薔薇矢雨(UC)を使用して戦いますわ。
私は後衛から、ジョゼット団長を【かばう】で守りつつ
UCを放ち【破魔】を強化させ、【スナイパー】で敵を狙いながら
薔薇の矢を放ちますわね。
沢山の矢を使い【範囲攻撃】で纏めて敵を倒していきますわ。
霊を召喚されたら【除霊】で矢をその霊に向けて放ち、消滅させますわね。

「人々を苦しめてきた報い、今度は貴方達が受ける番ですわ!」


水無月・ゆえと
【薔薇園】
やっと黒幕が顔を出してきたね
道化師の言う通り、確かに闇の救済者は強く無いかもしれない…
それでも、何もせず終わるより、命を掛けて立ち上がる事を選べる、それが人の本当の強さだって思うけどね!

今回も【薔薇園】の仲間たちと連携して戦うよ
まずは下準備
【指定UC】の兎達を、闇の救済者や仲間たち付き添わせるよ

その後は[蒼影兎]を片手に前に出て、幻影を生かして敵を迎撃する
攻撃は出来るだけ回避、危ない時は[流水鞘]の結界で防御だね
十分に敵を引き付けた所で、澪さん(f03165)の傍の兎に合図を出させて場所をスイッチ
場所を入れ替える時に兎にさせる合図は事前に伝えておくね
上手くいけば敵を一掃できるはず


栗花落・澪
【薔薇園】

僕達がいるのに犠牲を許すわけないんですよねぇ…
ジョゼットさんや救済者達を護れる位置で
初めは翼で羽ばたく事で戦場を極力広く見通しながら
【破魔】を宿した光魔法の【高速詠唱、属性攻撃】
何を仕掛けられても一定距離を保つ事で遠距離主体の印象を敵に植え付け
油断を誘う

攻撃は最大の防御、ってね
鍋島さん、そっちよろしく!

頃合いを見計らって地上へ
水無月さんの忍者兎の傍に控え一緒にスイッチできるように
忍者兎さんごと場所をスイッチしてもらい敵の目前にワープ出来たら
【指定UC】による超至近距離【範囲攻撃】で疫病もろとも【浄化】してあげる
無差別技だけど破魔は悪にしか効かないし?
逃さないよ(にっこり)



●断罪の刻
「皆さん! 決戦の時です! 今こそ私達の意志を示すのです! 我々は決して吸血鬼たちの暴虐には屈しないと!」
 ジョゼット団長が団員たちを鼓舞するように剣を掲げる。その言葉に、闇の救済者たちは猛り、敢然と亡者たちに立ち向かう。
「ほざけェエエエエエ! 家畜共が!」
 ジョゼットの言葉に激昂した疫病パレードが、疫病の風をジョゼットの元へと送りこんだ。
 ドゥンッ!
 しかし、歌織のエレメンタルオーブから放たれた聖なる光球が疫病を吹き飛ばし、光の矢が疫病を放った道化師を貫いた。
「抗えない生命を苦しめる為に音楽を用いる道化師……私は性根の腐った相手に遠慮はしません」
 歌織の隣に立っていたジョゼットは、剣で亡者を切り伏せながら歌織に問いかける。
「あなたたちはなぜ私達に味方してくれるのです? ほとんどの人は他の平和な世界からやってきているのでしょう?」
 ジョゼットは真面目で心優しい娘だが、人間全てが善意だけで生きていると信じられるほど幼くはなかった。
 そもそも、このダークセイヴァーは人間に厳しい世界だ。
 子供が飢えて死ぬのも此処では当たり前であり、物資の奪い合いで人間同士が傷つけあうことも珍しくはない。もっと酷い者になると、吸血鬼に寝返って同胞を虐げる側に回った者さえもいる。他人ごとに首を突っ込んで命を賭けられる者など、ダークセイヴァーには殆どいないのだ。
「……ジョゼットさん、自分達の力だけではどうにもならない困難に立ち向かう人々へ力を貸すのが、私達猟兵の役目です」
 歌織は静かに答えた。
 猟兵の力は世界の敵であるオブリビオンを倒す為に世界から授かった力だと言われている。歌織も彼女の仲間達も、その使命の為に戦うことに躊躇いはない。
 それに歌織自身も、家族をオブリビオンに殺されている被害者だ。自分のようなオブリビオンの犠牲者が増えるのを黙って見ていることなど彼女にはできない。
「そうですか。貴方たちは高潔なのですね。まるでおとぎ話の勇者様のようです」
 歌織の答えに納得したのか、ジョゼットは微笑んだ。
「勇者か。ならば、わらわたちもその称号に相応しき働きを見せねばなるまいよ」
 ジョゼットの言葉に、側にいた小百合子も微笑みを浮かべる。
 しかし、なごやかなやりとりの間も、小百合子の腕は迫り来る敵を倒し続けていた。
「百姓達はなんとか逃げ遂す事ができたが……この死霊の大群を討たねば彼らの命が危ういぞ」
 小百合子は薙刀で亡者を薙ぎ払いながら言った。
 いつの間にかまた周囲が包囲されている。疫病パレードたちが奏でているメロディーに合わせ、アンデッドたちは際限なく湧き続けているのだ。召喚者である彼らの演奏を止めなければ早急に止めなければ、猟兵はともかく闇の救済者たちの命が危ない。
「ひゃははははは! さあ、亡者たちよ! 生者を殺せ! そうすれば仲間が増えるぞ!」
 崖の上から死霊をけしかけながら、道化師たちは狂ったような笑い声を上げた。
「オマエタチモ……イッショニ……」
「アナタタチノカラダ……ウラヤマシイ……」
「人の魂を何とも思わない道化師、許し難き所業ですわね。ジョゼット団長や、村の人たちは誰一人として傷つけさせませんわ」
 亡者たちの嘆きの声を聞き、ローズの表情に怒りが満ちる。
 疫病パレードによって召喚された亡者たちの中には女性や子供もたくさん混ざっている。恐らく、彼らもオブリビオン達の犠牲になった人達なのだろう。
 ローズは左手で【夕の憩い】を掲げると、ありったけの魔力を注ぎ込んだ。
 夕焼け色の閃光と共に光の弦が剣の両端から伸び、剣は長弓に姿を変えた。
「『風嵐薔薇矢雨』(アメノゴトクフリソソグハトゲヲマトイシバラノヤ)!」
 空気を切り裂き、紅い雨が敵を貫く。
 一呼吸の間に放たれた四百の薔薇の矢は、崖の上から闇の救済者たちを嘲笑っていた疫病パレードたちの元まで飛んでいき、亡者たち諸共疫病パレードたちへと降り注いだ。
 ズガガガガガガガガガガ!
 矢というよりも機関銃のような衝撃音と共に岩が抉れ、矢の範囲にいた疫病パレードは蜂の巣になって息絶えた。

「ぐあっ!」
 グールの爪に脇腹を抉られたリックは膝をついた。
 グールはリックにトドメを刺そうと迫る。
 しかし、すぐに忍者兎と位置を入れ替えたゆえとがフォローに入り、グールは一刀両断されて土に還った。
「すまない、足手まといになってしまって……」
 脇腹を抑えながら、リックは謝罪の言葉を口にした。
「謝ることなんてないよ」
 しかしゆえとは謝罪するリックを制止し、こう続けた。
「道化師の言う通り、確かに君たちは強くないかもしれない……それでも、何もせず終わるより、命を賭けて立ち上がる事を選べる、それが人の本当の強さだって思うけどね!」
「ありがとう。君達と共に戦えてよかった……」
 ゆえとに力強く励まされ、リックは激痛に耐えながらも、再び立ち上がった。
 しかし、それを嘲笑うように道化師は叫ぶ。
「キャハハハ! 虫唾が走る感動的なお芝居をありがとう! だが、そのグールは疫病のキャリアーだ! その男はじきに死ぬのです!」
「何だってッ!?」
 ゆえとは道化師の言葉に目を見開いた。
 しかしすぐに鈴の鳴るような歌声が戦場に響き、リックの脇の傷はみるみるうちに塞がっていった。
「僕達がいるのに犠牲を許すわけないんですよねぇ……」
 癒しの歌声を披露し、リックを治癒した澪が微笑みを浮かべる。疫病を蔓延させて死者を増やそうという道化師の卑劣な目論見はまんまと打ち砕かれた。
「おのれ、オラトリオ! ならば貴様から先に始末してくれる!」
 怒りに表情を歪めた道化師の一体が澪へと疫病の風を送り込む。
 しかし、澪は背中の翼を広げて空へと急上昇し、あっという間に疫病の届かない上空まで離脱してしまった。
「光あれ」
 澪の手のひらから流星の如く降り注ぐ破魔の光は、邪悪なるオブリビオンたちだけを浄化していく。
「攻撃は最大の防御、ってね。鍋島さん、そっちよろしく!」
「心得た!」
 天馬を駆り、空へと舞い上がっていた小百合子は、見晴らしのいい小山の上に着陸した。
「ここから先へは行かさぬ! 御身に宿りし破魔の力を見せてくれる!」
 小百合子は和弓を引き絞り、右手に勇気の矢を顕現させる。
「『我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……貫け! 『心火焔硝矢』(ココロニトモシビユラメクホムラノヤ)』!」
 小百合子の大弓から放たれた火矢はミサイルの如き力強さで飛んでいき、着弾と同時に大爆発を起こした。
 爆風と共に聖火が燃え広がっていき、ゾンビも死霊もまとめて焼却していく。
 カッ! ドシュシュシュシュ! ドンッ!
 猟兵たちの絨毯爆撃のような猛攻により、亡者たちは凄まじい勢いで薙ぎ払われていった。

「な、なんということでしょう……!」
 無尽蔵かと思われた亡者たちは悉く滅ぼされ、度重なる死霊術の行使で疫病パレード達の魔力も尽きつつある。道化師たちの敗北はもはや時間の問題だ。
「せめて親玉だけでも……!」
 疫病パレードは苦し紛れにジョゼットに向けて疫病を飛ばしたが、猟兵たちも彼女が狙われることは百も承知だ。
「ジョゼット殿! 下がれ!」
 すぐさま小百合子が聖なる火矢を放ち、疫病を浄化した。彼女を守ろうとする猟兵は他にもたくさんいる。猟兵たちを皆殺しにでもしない限り、ジョゼットを傷つけることなどできないだろう。

「ぬう……! あ、ならあいつだ、あいつを狙え!」
 それでもなお諦めない疫病パレードたちは、一人孤立しているゆえとを集中攻撃するよう、亡者たちに指示を出した。
「おっと!」
 ゆえとは背後からの攻撃を咄嗟に妖気の盾で弾いた。
「とうっ!」
 振り向きざまに振るわれたゆえとの【蒼影兎】が、亡者の腕をすぱんと切り落とす。残像が見えるほどの速度の彼の斬撃は、亡者程度では見えもしない。
「よっと、わっと」
 ゆえとは敵に囲まれたまま器用に身をかわし、鞘でいなし、どうしても避けられない時は妖気の盾で敵の攻撃を弾き、亡者たちの包囲攻撃を凌ぎ続けていた。
「猟兵の死体を操ればまだ逆転の目はある! さあ、死霊たちよ、あの少年を殺せッ!」
 疫病パレードの命を受け、残りの亡者たちが一斉にゆえとへと襲い掛かった。
「そろそろかな……」
 パパンッ!
 その時、ゆえとと五感を共有している忍者兎の一体が閃光弾を打ち上げた。作戦開始の合図だ。
「澪さん、お願い!」
 ゆえとは合図を出した兎と位置を入れ替え、亡者の包囲網から脱出を果たした。入れ替わりに、忍者兎と握手していた澪が出現している。
「作戦成功だね」
 澪は体を淡く輝かせながらにこりと笑う。
「まずい、あいつは……! 逃げろ! 亡者共ぉ!」
 まんまと誘い出されたことに気付いた疫病パレードたちは慌てて死霊達を下がらせようとするが、もう遅い。
「全ての者に光あれ。『Fiat lux』(フィーアト・ルクス)!」
 澪が放った恒星のような輝きはルークス村を照らし、亡者たちをまとめて浄化した。

「さあ、償いの時です! 疫病パレード!」
 崖の上へと登ってきた歌織は手勢を全て失った道化師たちに剣を向けた。
「だ、黙れェエエエエエ! 『安楽のレクイエム』! 疫病に冒されて死ねェ!」
 疫病パレードたちは物悲しいメロディを奏で、歌織へと呪いの旋律を飛ばす。
 歌織は全身全霊の魔力を籠め、【シルフフルート】を吹いた。
 風妖精のフルートの優しい音色が疫病パレードたちのレクイエムを掻き消し、呪いを霧散させていく。
「くっ……!」
 亡者たちは全滅し、疫病も効かない。もはや疫病パレードたちを守るものは何もなかった。
「うわあ―――!」
 打つ手がなくなった疫病パレードたちは脱兎の如く駆け出すが、空から降り注いだ薔薇の矢の雨が疫病パレードたちの逃げ道を塞いだ。
「人々を苦しめてきた報い、今度は貴方達が受ける番ですわ!」
 空を踏みしめ、天に立つローズは弓を構えたまま歌織に目で合図を送る。
 今こそ、ルークス村の支配していた悪が断罪される時だ。
『鮮烈なる雷光、過去の亡霊に迸る未来を打ちつけよ!』
 歌織は虐げられてきた人々の怒りをこめ、渾身の力で【雷迅刀サクイカヅチ】を振りかぶる!
「『運命分かつ雷光の波』!(ライトニング・ディバイダー)!」
 放たれた極大の雷光波は崖を薙ぎ払い、疫病パレードたちを消し飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

白霧・ミスト
っぴょん!っぴょん!

あたおかな道化師が遊んでくれると聞いて駆け付けたでありますよぉ。

さって「遊ぶ」ぴょん!

到着したら直ぐにUC発動して芋虫呼ぶであります。
濃霧で撹乱しつつ幽霊兵で蹂躙するっぴょん!

フフッ・・霧の中なら認識されない特別な存在であります!
不意討ちや咄嗟の一撃等で確実に数減らしましょう。

・・亡者は残しとくと面倒なので芋虫に食べて貰うぴょん!

おかわりもあるよ!!

【アドリブ歓迎】



●濃霧ノ無慈悲ナ扇動者(ミスト・コンダクター)
「くっ……これほどまでの精鋭揃いだったとは……!」
 最後の一体となった疫病パレードは従えた亡者の護衛たちと共に全力でルークス村から遠ざかっていた。
 正確には、彼は自身が最後の一人になるまで勇敢に戦ったわけではない。彼は自軍の旗色が悪いと見るや、真っ先に逃走を図った最も卑劣な疫病パレードなのであった。 
 ――これからどうする。領主様に敗北を報告すべきか?
 いや、領主様は冷酷な方だ。領民をまんまと取り逃がし、反逆者も誰一人として殺せませんでした、などと報告すれば間違いなく私も殺される。
 ここは、自分もやられたことにしてこっそり他の吸血鬼の領土にでも逃げ込むべきか……。
 疫病パレードが今後の逃亡計画について思慮を巡らせながら、山中を駆け抜けていると――。
「なんだ……?」
 いつの間にか、1メートル先ほども見えない程濃い霧がたちこめている――。
「っぴょん! っぴょん! 間に合った! あたおかな道化師が遊んでくれると聞いて駆け付けたでありますよぉ」
 どこからか陽気な声が聞こえ、疫病パレードは戦慄した。
白い霧がたちこめているせいか声の方角すらも判然としないが、すぐ近くに追っ手が来ている!
「くっ……! 死霊共よ、私を守るのです!」
 疫病パレードは大慌てで死霊を自身の周囲に召喚した。
 霧のせいで敵の姿は見えないが、死霊ならば敵の魂の気配を感じ取れるはずだ。
「さって『遊ぶ』ぴょん! ぴょ〜ん! ぴょっこぴょ〜ん!! さぁさ、皆大好き殲滅戦でありますよ〜!」
 さらに、楽し気な声が聞こえ――
 ザシュッ! ズバッ! ドスッ!
 疫病パレードが呼び出した死霊たちは、霧に潜む何かに一方的に惨殺され、気配が消えていった。
「な、なんだ!? 一体何が起こっている!?」
 狼狽する疫病パレード。しかし、彼の隣に立っている亡者の護衛たちが動く気配はない。ここには彼以外は『何もいない』はずなのだ。
 戸惑う彼の前に、ついに一人の白い少女、白霧・ミストが姿を現した。
「道化師、はっけ~ん!」
 ミストはにこやかにアサルトライフルを構え、疫病パレードの全身を滅茶滅茶に撃ち抜いた。
「ぎゃああああああッ!?」
 悲鳴を上げ、地面に斃れる道化師。憑依した肉体を使いものにならなくなるほど破壊された疫病パレードは、すぐに他の亡者に乗り移ろうとしたが――。
 ドパパパパパ!
 それよりも早く、すでに彼を包囲していた数十体の幽霊の総攻撃を受け、疫病パレードの霊体は粉々に粉砕された。
 ―――疫病パレードと彼のアンデッドを襲撃した者たちの正体は、ミストによって召喚された、霧の中ならば敵に認識されない能力を持つ幽霊兵たちと、霧を生む巨大な芋虫だ。霧の中ならば、たとえ視覚以外の感知能力をもっていようと、彼らを認識することはできない。
「……亡者は残しとくと面倒なので芋虫に食べて貰うぴょん! おかわりもあるよ!!」
 ミストは主を失い、棒立ちになって残っている亡者たちを始末すべく、芋虫に命令を下した。
 ゴリゴリ。ボリボリ。
 芋虫に捕食された亡者たちはようやく苦役から解放され、穏やかな表情で昇天していったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『救われた者の明日の為に』

POW   :    体の鍛え方や力仕事のコツを教える

SPD   :    生活に必要な技術を教える

WIZ   :    心を豊かにしてくれる芸術や知識を教える

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●穏やかな時間のはじまり
「みなさん、お疲れ様でした! 作戦は大成功です! 越冬の準備や物資の補給など、仕事はたくさんありますが、今はゆっくり休んで下さい! 猟兵の皆さんも好きなだけくつろいでいって下さいね!」
 猟兵達の活躍により、『叛逆の弩』のルークス村解放作戦は死者ゼロという奇跡的な大成功をおさめた。
 ルークス村の人々も加わり、にぎやかになった闇の救済者たちは猟兵達との交流を希望しているようだ。
 子供たちに武勇伝を聞かせたり、大人の仕事を手伝ったり、戦士に技能を伝授するなど、しばし彼らと共に穏やかな時間を過ごそう。
ジナイーダ・クロハネ

「まずは一件落着、か」
とはいえ、根本的な解決じゃない。きっとまた、此処のヤツらは戦う事になるんだろう。だから、これは束の間の休息だ。
「……笑顔、か」
それでも、人々は笑っている。全部が終わった訳じゃないと知っているだろうに。アタシはそんな笑い方なんてできない。さっきの戦闘のように、敵を――人々を痛めつける時にしか、笑った事なんかない。
「アイツなら、此処のヤツらとも打ち解けるんだろうな」
領主が殺したアタシの好敵手・クロハネ。アイツだったなら、この村の人とも打ち解けて、次の救いを求める地に向かうのだろう。そうありたい、と名前を勝手に拝借したものの、アタシは――。

【つまり】
物思いにふける。



●ワタリガラスの休息
「まずは一件落着、か」
 闇の救済者たちのアジトから少し離れた丘の上から、勝利に酔いしれる人々を眺めながらジナイーダは呟いた。
 一人の死者を出すことなく、アタシたちはルークス村の人々を救出することができた。作戦は文句なしの大成功だ。
 ――とはいえ、根本的な解決じゃない。きっとまた、此処のヤツらは戦う事になるんだろう。だから、これは束の間の休息だ。
 ルークス村の人々が『叛逆の弩』に合流するにせよ、人類砦に身を寄せるにせよ、真の意味での安住の地など未だこの世界にはない。
 彼らはこれからも戦い続けることになるのだろう。
 だが、それでも――。

「ボウズ、新顔だな。まあここが新しい家だと思って遠慮なく寛いでくれよ。何もねえとこだけどさ」
「ああ、ありがとよ、オッサン! 何もないなんてとんでもない。リーダーのねーちゃんは美人だし、ここは天国だよ!」
「ははは! ちげえねえ! でもああみえて、団長は人使い荒いんだぜ?」
「おーい! こんなとこで何やってんだおまえら! あっちで一緒にメシでも食おうぜ!」

 それでも、人々は笑っている。村人たちも闇の救済者たちも、ひとときの平和を満喫している。
「……笑顔、か」
 全部が終わった訳じゃないと知っているだろうに。アタシはそんな笑い方なんてできない。さっきの戦闘のように、敵を――人々を痛めつける時にしか、笑った事なんかない。
「アイツなら、此処のヤツらとも打ち解けるんだろうな」
 ジナイーダは絡繰鎌を手で遊びながら、この鎌の本来の持ち主だった男の姿を思い出していた。
 かつてのジナイーダの領主に殺された好敵手であり、この鎌でアタシと打ち合った男、クロハネ。アイツだったなら、ここの連中とも打ち解けて、次の救いを求める地に向かうのだろう。そうありたい、と名前を勝手に拝借したものの、アタシは――。

「おい、姉ちゃん! アンタも猟兵だよな! ゾンビの群れに突っ込むとこ見てたよ! かっこよかった! こっちで話を聞かせてくれよ!」
「え、猟兵だって!? ずるいぞ、ベティ! オレも聞きたいことがいっぱいあるんだ!」
 ジナイーダが物思いに耽っていると、少し年下ぐらいの少年少女が群がってきた。どうやら彼らは村からの移住組のようだ。みんな、キラキラした目でこちらを見つめている。
 ――さて、どうしたものか……。
 あっという間に子供たちに包囲されてしまった不器用なワタリガラスは、この状況をどうするかについて思案するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・ブラックウィドー
◎シスカさんを呼びます

「今回は、お化けばっかりで災難でした……」

二度も助けてもらったヴォルフさんには、しっかりとお礼を言っておかないといけませんね。

「あ、ヴォルフさんも、助けたルークス村の子どもたちと交流しませんか?
ええ、そうしましょう!」

ヴォルフさんを引きずって、村の子供達の前でアイドル活動しているシスカさんの元に向かいます。

「シスカさんっ!
交流を手伝ってくれる方を連れてきましたっ!
一緒に子どもたちと仲良くなりましょうっ!」

ヴォルフさんにマイクを渡し、私とシスカさんの歌とダンスに加わってもらいましょう!

「……え、子どもたちが楽しみにしてるのに……ダメ、ですか?」(上目遣いでヴォルフさんに懇願



●三人目のアイドル
「今回は、お化けばっかりで災難でした……」
 眼鏡を外し、洞窟に敷かれたゴザに倒れ込むように寝転んだアイは呟いた。
 吸血鬼や怪物の類は平気なのだが、骸骨やゾンビ、幽霊などのアンデッドアンデッドしたオブリビオンはとにかくダメなのだ。あと、ここまでの行軍も地味にきつかった。
「―――あ、忘れてました」
 しばらくゴロゴロし、疲労困憊から回復したアイは呟いた。
「二度も助けてもらったヴォルフさんには、しっかりとお礼を言っておかなければいけませんね」
 そうと決まれば善は急げだ。アイはヴォルフを探してアジトをうろつき始めた。

 そして数分後。
「ルークス村ではありがとうございました」
 薪割りをしていたヴォルフを発見したアイは丁寧にお辞儀をした。
「ああ、お嬢さんか。なに、気にすることは無い。助けてもらったのはお互い様だからな」
 アイの言葉にヴォルフは微笑む。彼はアンデッドとの戦いで負傷していたが、今では傷もすっかり癒えたようだ。
(やっぱりダンディなおじ様です……)
 イケオジオーラを漂わせるヴォルフに、ちょっと口元が緩むアイ。彼氏がいても、イケオジの横顔に見惚れてしまうぐらいは仕方がないだろう。アイのパートナーもたまにグラマラスな美人を目で追っていることがあるし。
「あ、そうだ、ヴォルフさん」
「ん?」
「ヴォルフさんも、助けたルークス村の子どもたちと交流しませんか? ええ、そうしましょう!」
「ああ、それは構わんが、一体何をするんだ?」
「それはですね……」
 実はアイは、アイドル活動をしている相方に一緒にやらないかと誘われていたのだった。ダンディな風貌で声もイケボなヴォルフなら、アイドルとしても十分通用するだろう。たぶん。

「盛り上がっているな……あと丈が短いな」
「さすがシスカさん。もうファンを獲得したようです」
 やけに丈の短い浴衣を着て、ステージの上でぬいぐるみ達と共に歌とダンスを披露しているシスカの姿を見てヴォルフは目も丸くした。元々娯楽が少ない世界ということもあり、シスカの派手なパフォーマンスに子供たち(とミニスカ好きの男たち)はすっかり目を奪われているようだ。
「シスカさんっ! 交流を手伝ってくれる方を連れてきましたっ! 一緒に子どもたちと仲良くなりましょうっ!」
「あ、アイさん! やっほー★」
 シスカは演目に一区切りつけた後、アイに手を振った。
「あれ、そのおじさんは?」
「私の命の恩人のヴォルフさんです。この人も一緒にステージに立ってもらおうかと! どうですか?」
 にこにことシスカに答えるアイ。
「―――まあ、アイさんの『命の恩人』ならいいかー。見た目と声は合格だし。……でも、やるからには本気でやってもらうよ?」
 じろりとヴォルフを見るシスカ。
「いや……俺は……目立つのはあまり得意では……」
 シスカに詰め寄られ、しどろもどろになるヴォルフ。
「……え、子どもたちが楽しみにしてるのに……ダメ、ですか?」
 アイは上目遣いでヴォルフに懇願した。
 アイの言う通り、今も客席では子供たちが次は何が始まるのかと期待に満ちた眼差しを壇上へと注いでいる。
「分かった分かった、仕方ないな!」
 ヴォルフはアイからマイクを受け取り、上着を脱ぎ捨てて半裸になると、情熱的な振り付けと共に故郷の歌を熱唱し始めた。
 思い切りの良いパフォーマンスに、子供たちとヴォルフファンの女性陣から歓声が上がる。
「あ、おじさん結構やるじゃーん★ ボクらも負けてられないな! アイさん、次はデュエットするよ!」
「はいっ! この衣装、ちょっと恥ずかしいですが頑張りますっ」
 こうして、アイはヴォルフやシスカと共に、アイドルとして人々に一時の安らぎを与えたのであった。なお、アイが転倒してステージからダイブしてしまったのは内緒である。

成功 🔵​🔵​🔴​

リオン・ゲーベンアイン
シスカ君登場希望。

はいはーい、じゃあ皆にわたしの弓の腕前を見せてあげる!
と、【スナイパー】で遠くの先にある的を正確無比に次々と貫いていく。

一段落ついたら『叛逆の弩』の皆に弓の指導をしてあげよう。
弓の使い手の猟兵として、君達に出来ることを最大限にしてあげるからね。
安全な森林部での精密狙撃や乱戦時の弓の撃ち方、暗視の効率的な習得方法など遊牧民としての生活や私自身が弓の腕前を磨いていく時の経験も交えて教えていく。

後は美味しいものを食べる段落だね。
料理技術はサバイバル料理なら基礎はあるからお手伝いするね。
と料理のお手伝いをするよ。



●ノーマッド・スキル
「おねーちゃん『猟兵』でしょ! なんか凄い技見せて!」
 十代前半と思しき少年少女が、リオンに群がっていた。彼らは闇の救済者の年若いメンバーだ。大人たちから此度の猟兵たちの活躍ぶりを聞き、早速一人捕まえに来たというわけである。
「はいはーい、じゃあ皆にわたしの弓の腕前を見せてあげる!」
 子供たちに包囲されたリオンはにっこり微笑みながら愛用の神弓を構えた。
 元々子供好きなのか、まんざらでもなさそうである。
 リオンは近くの木に的を括りつけ、二百メートルほど距離を取る。
「―――」
 リオンは弓に矢を番え、射撃に意識を集中しはじめる。その張り詰めた表情に気圧され、さっきまで騒いでいた子供達もリオンの様子を静かに見守るモードになった。
「人皆一の矢を受け命あることを喜ぶ。それ即ち絶命の運命を知らぬが故の錯覚なり」
 ―――ざあ。
 強い風が流れ、木々がざわめく。
 次の瞬間、リオンの右手が瞬きほどの合間に幾度も動いた。
『放たれる二の矢にて天命を討つ狩猟者の神弓(フェイタルセカンド・アルテミスプレデター)!』
 ズカカカカカッ!
 音速を凌駕する速さで放たれた矢は、二百メートルの先にあった全ての的の中心を正確に射抜いた。
「…………」
 その様子を見て、子供たちは一瞬言葉を失ったが、すぐに歓声を上げたのであった。

「あそこ、山鳥がいるね。私が撃つから見てて」
 数十分後。リオンは闇の救済者たち十余名を連れて狩りに出かけていた。
 弓術の指導がてら、食料の調達隊を手伝うことにしたのだ。遊牧民スタイルのサバイバル技術の指導もできて一石二鳥である。
「精密狙撃をする時は、こうやって撃つんだよ」
 リオンは近くにいる弓使いにも見えるよう、ゆっくりとしたモーションで野鳥に向けて弓を引いた。
 ドシュ!
 リオンの弓から放たれた矢は正確の野鳥の胴を貫き、一撃で仕留めた。
 見事な腕前に、ギャラリーたちもリオンに拍手を送る。
 その後、リオンの丁寧な指導を受けた闇の救済者たちの何人かは、見事野鳥や小動物を仕留めることができた。
「弓の使い手の猟兵として、君達に出来ることを最大限にしてあげるからね。次は乱戦時の弓の撃ち方だけど……」
 リオンは自身の経験を交え、レンジャーとしてのスキルを闇の救済者たちに伝授していった。

「鳥はこうやって羽根をむしってと……。あ、手が空いてる人は石を焼いといて。鍋料理は焼き石を入れると野外でも火力が出せるよ」
 森から帰還したリオンは、今度はアウトドア料理の腕前を闇の救済者たちに披露していた。メニューは新鮮な野鳥の肉と川魚がたっぷり入った鍋だ。味付けにはリオンの故郷の味を採用している。
「リオンさん。こっちのチェリーパイも準備できたよー!」
 リオンにぶんぶんと手を振っている小さな少年のは、グリモア猟兵のシスカだ。
 シスカは闇の救済者たちが森で拾ってきた果物を使ってスイーツづくりに挑戦していたようだ。
「シスカ君、ありがと! さあ、デザートもできたし、食べるとしようか」

「さあ、召し上がれ」
「みんなの分ちゃんとあるからね!」
 二人はエプロン姿で配膳し、人々に微笑む。
「う、うめえ! こんなうめえメシは初めてだ!」
「あったけえ……!」
「二人共美少女だしな!」
 二人の料理は好評だ。特に貧しかったルークス村の人々は涙を流して喜んでいる。
「まだまだたくさんあるから、あせらなくても大丈夫だよ。食べられる時に食べないとね」

 ルークス村の解放には成功したが、吸血鬼たちの戦いはこれからも続くだろう。
 闇の救済者や村人たちの行く末を案じ、リオンたちはせめて今日ぐらいはと、腕によりをかけて料理を振舞ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

結界術で大衆食堂『うさぎの穴』を出現させて食料の提供を。せっかくの解放の祝宴だもの、ぱーっと飲み食いしましょ♪日持ちする食材もかなりあるから越冬の保存食もそこそこ用意できるわよ。
頑張った私にご褒美をちょうだいな♪とジョゼットちゃんも当然口説きます☆大丈夫、めくるめく天国に導いてあげるから♡ダメかしら?
スワンプマンな眷属も祝宴には参加してるわ。人手として欲しいと求められた者はそのまま村に、そうでない者は『うさぎの穴』の従業員として雇うわ。



●アリス、ジョゼットを口説くの巻
「go down the rabbit hole♡ さあ、大衆食堂『うさぎの穴』開店よ☆」
 アリスがパチンと指を鳴らすと、アジトの近くの広場に突如としてピンク色の小さなホテルのような建造物が出現した。アリスが得意の結界術を駆使し、食堂を具現化したのだ。そう、「食堂」である。決していかがわしい建物などではない。
「さあ、ジョゼットちゃんも他の人達も遠慮なく中にどうぞ♡」
「わあ、すごい! カラフルで素敵なお城ですね!」
 ハートが乱舞しているピンクの暖簾をくぐり、ジョゼットや闇の救済者たちは躊躇なく食堂に足を踏み入れていく。
「ああ、まるでジョゼットちゃんと一緒に『ご休憩」に来ているようでドキドキするわ」
「?」
 しっかり手を繋いでいるアリスの妖しいつぶやきにジョゼットはきょとんとした。
 これはアリスの「ダークセイヴァーの人々が相手ならばいかがわしいお店の外見でも問題あるまい」という高度なプレ……計略であった。なお、外見がアレなだけで中身は全年齢対象の一般的な食堂なので安心されたし。
「いらっしゃいませー!」
 闇の救済者たちが中に入ると、バニーメイドの恰好をした従業員たちが一斉にお辞儀をした。
 彼らは、アリスによって召喚された萌擬人化したワンダーラビットの霊たちが九割。残りの一割はアリスの手によって眷属として再誕したスワンプマンたちだ。
 スワンプマンたちの大半は闇の眷属者たちと合流したが、特に見目麗しい少年少女たちはアリスにうさぎの穴の従業員としてスカウトされたのである。もちろん、最終的な判断は彼ら自身の意志だ。
「アリス様の為にがんばっちゃうよ! いくよ、新入りたち!」
「らじゃー!」 
 山のように積み上げられた食材を、アリスの下僕たちは人海戦術による流れ作業でてきぱきと捌いていった。
「へい、お好み焼き一丁!」
「枝豆とフライドポテト、お持ちしましたー!」
「わあ、不思議な料理ですね! とてもおいしそう!」
 次々と運ばれてくる未知の料理が放つかぐわしい香りに、闇の救済者たちは目を輝かせた。
「せっかくの解放の祝宴だもの、ぱーっと飲み食いしましょ♪ 越冬用の保存食も別に確保してあるから、たんとお食べ♡」
 ちゃっかりジョゼットの隣の席を確保したアリスは、パチンとウインクした。
 
「至れり尽くせり、ですね。アリスにはお世話になってばかりです」
 満腹になったジョゼットはいつの間にか膝の上に乗ってきたアリスの髪を優しく撫でた。
 いい雰囲気だ。今なら押せばいける。……かもしれない。
 アリスはここで勝負に出た!
「ねえ、ジョゼットちゃん、頑張った私にご褒美をちょうだいな♪」
 アリスは上目遣いでジョゼットを見つめる。
「ご褒美、ですか?」
 アリスはジョゼットの耳元で甘く囁く。
「私と■■■■(あまりにもアレな内容なので削除されました)」
「---っ」
 ジョゼットの顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
「大丈夫、めくるめく天国に導いてあげるから♡ ダメかしら?」
「だ、ダメです! 却下です。いくらアリスの頼みでもできないことがあります!」
「うーむ、残念☆ まだ好感度が足りなかったかしら……」

 結局、今回のご褒美は「1時間ジョゼットをコスプレさせ放題」(人前に出せる範囲で)ということで落ち着いた。
 その後、アリスとジョゼットのカップリングを支援する派閥が『叛逆の弩』内部に誕生してしまったのはまた別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルイーグ・ソイル
[POW:連携アドリブ歓迎です]
難しいことはあんまりわかんないんすけど、ちょっと体動かすのに軽いコツとかだったら、レクチャー出来るっすよ!例えばここ、しゃがんでから持つとか…テコの原理とか…腕の角度とか!力加減に気を付けると、あとあとの疲労度が段違いっすからね!
と、復興作業を手伝いながら交流していくっす!


リューイン・ランサード

無事に任務達成しましたし、少しのんびりしましょう。
と休んでいると子供達が寄ってきました。
冒険譚をねだられたので、今までの依頼話の中から比較的明るい系の話題を中心に話します。
(暗い話を思い出すとヘタレの虫が起きてきて、今でも震えてしまうので<汗>。)
そういや、以前に小学校に閉じ込められた子供達を助けて、ピアノお化けを倒したことが有ったなあ、確かその時もアイさんはお化けを怖がっていたような・・・人の事は言えませんが。

実演を求められると、【風の属性攻撃】による剣風で(斬って良い)丸太を両断したりして場を盛り上げます。
その後、子供達に剣の初歩や魔法の初歩を教えて、和気藹々と楽しみます。



●ルイーグの肉体労働講座
「難しいことはあんまりわかんないんすけど、ちょっと体動かすのに軽いコツとかだったら、レクチャー出来るっすよ!」
 肩に大量の丸太を担ぎながら、朗らかに親指を立てるルイーグ。
 アジトに着いた後、ルイーグは闇の救済者たちの力仕事を手伝っていた。丸太の伐採から運搬まで、怪力にものを言わせて数人がかりの仕事を一人で片付けていくルイーグの姿は頼もしい限りだ。
 ルイーグは闇の救済者たちに効率の良い体の動かし方を伝授していた。さすがに一撃で大木を伐採したり、一人で丸太を何本も抱えたりといった無茶は闇の救済者たちには真似できなかったが、ルイーグはなにも、生まれ持った力だけに頼っているわけではない。訓練次第では常人でも真似できるコツがあるのだ。
「重い荷物を持つ時はしゃがんでから持つっすよ。あとは、腕の角度もポイントっすね。力加減に気を付けると、あとあとの疲労度が段違いっすからね!」

「てこの原理を使って担ぐようにすれば、一人でも丸太が持てるっす。肩を支点に前と後ろの長さを調節していけばなんとなく重心が分かるっすよ」
「おお、なるほど! そうだったのか!」
 力学の知識などない為、なんとなくで体を動かしていた闇の救済者たちは、ルイーグの実践的な教えに、膝を打ったのであった。

●リューイン、ごろごろする
「みんな無事で良かったな……」
 リューインは丘の上の草むらに寝転がって夜空を眺めていた。戦いは無事に終わり、ルークス村の人々も無事に安全な場所まで連れて来ることができた。
 本当の意味で世界に平和が取り戻されたわけではないが、人々はみな体を休め、次の戦いに備えている。
 リューインはというと、子供たちと一緒に遊んだり、冒険の話を聞かせたりして束の間の平和を彼らと共に楽しんでいた。暗い話をするとヘタレの虫が騒ぎ出してしまうので、話題は明るいものに限定したが、子供たちにはしっかり受けていた。

「-――♪―――♪―――♪」
 軽快な音楽が聞こえ、ふと丘の下を眺めると、見覚えのある少女が特設ステージの上で歌を歌っていた。
(そういや、以前に小学校に閉じ込められた子供達を助けて、ピアノお化けを倒したことが有ったなあ、確かその時もアイさんはお化けを怖がっていたような……人の事は言えませんが)
 リューインは一年ほど前の戦いを思い出していた。あれは確か、アリスラビリンスが発見されてすぐの頃の出来事だったか。
 数日前の戦いぶりを見た限り、どうやらアイのお化け嫌いもあの頃から変わってはいないようだ。リューインは怖いオブリビオンが苦手な猟兵が自分だけではないことにちょっと安心してしまうのであった。
 リューインがそんな風に物思いに耽っていると―――。
「!?」
 バキバキバキバキ!
 突如、森の方から轟音が響き、リューインはビクッと震えた。まさか、オブリビオンの襲撃!?
「よ、様子を見てこなきゃ……!」
 リューインはキョドりつつも剣を抜き、森の方へと駆けて行った。

●森での出来事
「何事ですか!?」
 数分後、森にたどりついたリューインが見たものは、人狼の猟兵ルイーグと闇の救済者たち、そして数名の子供たちの姿だった。特に戦闘などの気配はないが――?
「あ、お騒がせしてすみません。木材の調達をしてたんですが、ちょっと張り切ってやり過ぎたっす」
 頭をぽりぽりと掻きながら、ルイーグは照れ臭そうに笑った。
「そうでしたか。敵襲じゃなくてよかったです」
 どうやら、単なる思い過ごしだったようだ。安心したリューインはアジトの方へと引き返そうとしたが――。
「はねがはえてるー! かっこいいー! ねえ、これわたしにちょうだい!」
 一人の少女がリューインの腰にしがみついてきた。どうやら、ドラゴニアンであるリューインの翼が気に入ってしまったらしい。リューインの翼をもぎとろうと、猛烈に引っ張ってくる。
「あ、あげません! 引っ張らないで! 痛い! 痛い!」
「ほらほら。お兄ちゃん、痛がってるっすよ」
 ルイーグに引き剥がされ、少女はしぶしぶリューインから離れたが、まだ未練がましくリューインの翼を見つめていた。
「ごめんね。これは腕とかと同じで体の一部だからあげられないんだよ」
「ぶー。じゃあ、犬耳のお兄ちゃんみたいになにかすごいワザみせてよ。そしたらあきらめる」
「わかった。なら、とっておきを見せるよ」
 リューインは少女の言葉に頷き、二本の剣を抜いた。
 子供たちはわくわくした様子でリューインを見上げている。ルイーグや周りの大人たちも作業を中断し、興味深そうにリューインを見守る。
 リューインは両手に剣を構えたまま翼を広げて飛び上がると、一本のヒノキに狙いを定めた。
 シュバババババババッ!
 次の瞬間、ヒノキに、数十の線が走る。リューインが斬撃と共に放った無数の風の刃は一瞬で森を通り抜けた。
「っと」
 リューインがふわりと着地した時には、ヒノキは見事に丸太の山へと解体されていた。ついでに魔法で風をコントロールし、丸太が広範囲に飛び散らないように一か所にまとめる。
「すごーい!」
 子供たちはみな拍手でリューインの剣技を讃えた。
「すげーな兄ちゃん! オレに剣術教えてくれよ!」
「私はマホウ習いたい! 今の風を起こすやつ!」
 たちまち、わらわらと子供たちがリューインを取り囲んだ。
「大人気っすね」
 その様子に、ルイーグは微笑んだ。
「わかった。順番だからね」
 リューインも微笑み、時間の許す限り子供たちに剣術や魔法の初歩を教えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【薔薇園】

今回はなんとかなったけど
ダークセイヴァーに住む以上
またいつ彼等が脅威に晒されるかわからないから

薔薇園の皆と協力して素敵な音楽を
僕は【歌唱】と、鍋島さんの舞を引き立てるための舞合わせで
【指定UC】を使う事で光に照らされ花咲き蝶舞う
幻想的な光景を作り出す演出と共に

僕らの姿が希望になるように
同じ歌を皆が口ずさめるように
勇気を奮い立たせられるように
お疲れ様と祈りを込めて

ステージを終えたら誰かに話しかけたいな
ねぇ、この村の出入り口はあそこだけ?
お土産あげる

裏口含めた通行口に当たる場所に
【破魔】を宿した★花園を広げる
永遠とはいかないけど…
花に与えた魔力が続く限り、ここを守る聖壁となるように


鍋島・小百合子
WIZ重視
【薔薇園】


この世界の過酷さは身に染みてるじゃろうて
それでも希望を捨てぬのであればわらわも激励しよう

「さあさ今宵わらわがお送りするは此度の戦を謳った演舞…」
わらわは巫女装束に早着替えし祭祀扇を持ちて舞を披露
澪殿の歌唱とローズ殿と歌織殿の演奏とゆえと殿の踊りに合わせるように此度の戦を題材に我が弓の百発百中ぶりを舞の動きとして取り入れる(ダンス、誘惑併用)
UC「天騎要塞陣」の天馬武者達に空での演舞を命じるといたそう(パフォーマンス)
これからを生きんとする皆の勇気を奮い立たせられるよう鼓舞する
なに、お代は結構じゃ
自らが生きようとする意志が消える事のなきよう精進するのじゃぞ


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園】のメンバーで参加(計5名)

WIZ判定の行動

■心情
今回は何とか無事に済みましたけど、
ダークセイヴァーはまだ安全とは言い難いですわね。
村の人たちに希望を持って頂けるよう、音楽を披露しましょう。

■行動
薔薇園狂詩曲でヴァイオリンを【楽器演奏】しますわ。
綺麗な音楽を奏でて、人々を感動させてあげましょう。
薔薇園の仲間とも一緒に【パフォーマンス】をして
皆の歌やダンスと合わせてヴァイオリンを奏で、盛り上げてみますわね。

「皆さん、お聴き下さりありがとうございますわね。
まだまだ脅威は収まっていないでしょうけど、私達猟兵が居る限り
皆さんも希望を持って下さいませ!」


水無月・ゆえと
【薔薇園】
戦いは無事終わったけど
皆の顔を見る限り、まだまだやることは山積みって所かな
ここにずっといるわけには行かないけど
未来への糧になるような思い出を残していきたいねぇ

オレは剣が得意だし、叛逆の弩の人たちに軽く剣術を教えようかな
強くなるには時間が必要だけどちょっとでも助けになれば嬉しいね

「ちょっとでも誰かの支えになればってね」

残った時間は薔薇園の仲間と一緒に、ここに残る人達を元気づけよう
仲間の演奏や歌に合わせて兎っぽく飛び跳ねるように剣舞を舞うよ
【指定UC】で兎さん達を呼び出し、演出やダンスをお願いして場を盛り上げるよ
ショーが終ったら【うさぎ印のお菓子袋】のお菓子を配ろうかな?


薙沢・歌織
【WIZ】【薔薇園】
ひとまずオブリビオンの脅威は去りましたが、人々はまだ不安と緊張の中にあるはずです。私達薔薇園の猟兵で、音楽や料理を楽しんで貰いましょう。

【料理】で作った私の手作りお弁当と同じ料理を人々に振る舞いまいながら【コミュ力】を絞り出して村の人々の楽しみを聞いてみます。
そして薔薇園の皆さんと獣奏器の水神剣で穏やかな音色を奏でながら【風精の癒歌】を歌います。小百合子さんの舞に合わせ、シルフフルートで【演奏】しながらの【ダンス】も披露。

…猟兵の助けを待っている人々は、闇の救済者の方々以外にも多くいらっしゃいます。それでは、お元気で。
また私達猟兵の力が必要になったら、連絡して下さいね。



●剣術修行
「えいっ!」
「やあっ!」
 刃を潰した訓練用の剣を振り回し、闇の救済者たちが前後から同時にゆえとへと襲い掛かる。
 ゆえとは闇の救済者たちに剣術の稽古をつけているのだ。
(ここにずっといるわけには行かないけど、未来への糧になるような思い出を残していきたいねぇ)
「とう!」
 ゆえとは正面から迫る突きを、体を半回転させて回避した。反転した勢いのまま背後から迫っていた剣の腹を鞘で叩き、斬撃の軌道を逸らす。
「おわっ」
 体が泳ぎ、態勢が崩れたところにすかさず木の棒で一撃。背中を打たれた闇の救済者は派手に転倒した。一人撃破だ。
「まだまだ!」
 安心する暇もなく、一人目の剣士が二撃目を放ってきた。竹を割るような豪快な打ち下ろしの一撃。
 ゆえとは剣を鞘の表面に滑らせて斬撃をいなすと、くるりと縦回転し、上から遠心力と体重を乗せた一撃をお見舞いして相手の剣を叩き落とした。
「勝負あり、だね」
「も、もう一度お願いします!」

 その後もゆえとは闇の救済者たちとひたすら打ち合っていたが、結局、ゆえとに一撃も有効打を与えられないまま、先に闇の救済者たちの体力が尽きてしまった。
「はあ、はあ……つ、捕まえられん……」
「お疲れ様。じゃあ忘れないうちに良かったところ、悪かったところを振り返って今後の課題を探そうか」
 ゆえとは闇の救済者たちの剣術の改善点についてアドバイスしていく。
もちろん、一日二日の稽古で急に強くなるわけではないが、今後の訓練の方向性ぐらいは掴めただろうか。
「ちょっとでも誰かの支えになればってね」

「ゆえとさん! ここでしたか」
 ゆえとが風に当たりながら闇の救済者たちと休憩していると、ジョゼットが呼びに来た。
「みなさん、ごはんの用意ができました! 今日はごちそうですよ!」

●歌織のお弁当メニュー
 少し時間は巻き戻り、ゆえとが剣士達と訓練をしていた頃。歌織は料理当番たちと一緒に、夕食(ダークセイヴァーはずっと夜なので毎食夜ごはんではあるが、体内時計では夕食である)の準備をしていた。
 トントントン、と小気味よい包丁の音や、コトコト煮られているハンバーグのいい香りが調理場からこぼれ、闇の救済者たちは期待に胸を膨らませている。
 約1時間後、洞窟の外に並べられた野外テーブルの上には、パン、ステーキ、野菜サラダ、旬の果物、チーズなどを色々詰め合わせた料理がたくさん並んでいた。歌織が普段自分で作っているお弁当と同じメニューであるが、貧しい暮らしを強いられているダークセイヴァーの人々にとってはこの上ないごちそうだ。
「とってもおいしそうですね!! さあ、みなさんいただきましょう!!」
 ジョゼットが号令をかけると、人々は夢中で料理を食べ始めた。礼儀作法の教育など受けていない彼らの食べ方はお世辞にも上品とはいえなかったが、みんなとても幸せそうだ。
「お口に合ったようで良かったです」
 その様子を見て、歌織は微笑んだ。

●薔薇園からの贈り物
「歌織、こちらの準備もできましたわ」
 食事の後、ローズが歌織にちょいちょいと手招きした。歌織はこくりと頷き、ローズと共に野外に設置しておいた「舞台」の上へと急ぐ。
 澪や小百合子、ゆえとたちもすでに舞台の上に集まっている。今回の作戦に参加した薔薇園のメンバー全員集合である。
 今日は彼らがグリモアベースへと帰還する日。五人は人々との別れの前に、演奏とダンスを披露するつもりなのだ。
「皆様、お別れの前に私たちからの贈り物です。しばしお付き合いくださいませ」
 挨拶の後、ローズと歌織はさっと楽器を取り出した。ローズは愛用のヴァイオリン。歌織の楽器は獣奏器である短剣、【水神剣】だ。
 しかし、二人が楽器を構えた瞬間、ルークス村出身の人々はビクッと怯えた様子を見せた。五人は、すぐにその理由について悟る。
(疫病パレードのせいですわね。あの村を支配していた連中は楽器を武器に使っていたから……)
(でも、音楽は人を怖がらせるためのものではありません。それを彼らにも教えてあげないと)
 私達の音楽はきっと彼らの心にも響くはずだ。
 アイコンタクトで互いの意志を確認した五人は、静かに演目を開始した。
 ヴァイオリンと獣奏器による穏やかな音色が響き渡る。その美しく澄んだ音色は人々の心を震わせ、疫病パレードが与えた恐怖を癒していく。
 やがて、二人の演奏は勇壮な曲調へと移り変わった。
 その瞬間、空から柔らかな光が降り注ぎ、舞台の隅にいた小百合子の姿を照らし上げる。
 小百合子は澪が放っている聖なる光に照らされながら、ゆったりとした仕草で舞台の中央へと進み出た。おもむろに羽織を脱ぎ捨て、白と赤の二色に鮮やかに塗り分けられた巫女装束へと姿を変える。
 その時、大地に草花が芽吹き、ステージの周囲は伝承に語られる天上世界のような美しい楽園へと塗り替わっていった。
「おお……」
 光に照らされ、花咲き、蝶が舞うその幻想的な光景に、人々は感嘆の声を上げた。青空すらも絶えて久しくなった人々にとっては、その喜びも格別だ。
「さあさ今宵わらわがお送りするは此度の戦を謳った演舞……」
 小百合子は、祭祀扇を取り出し、ゆったりと舞を踊り始めた。
 ゆえとはゆっくりと舞台の前に出ると、小百合子に合わせてダンスを踊り始める。
 彼らが披露しているのは、此度の戦いを演舞として再現したものだ。小百合子は祭祀扇を弓に見立て、力強く舞を踊る。
 ゆえとは呼び出した忍者兎たちと共に剣舞を披露した。歌織も楽器をフルートへと持ち替え、笛を演奏しながらゆったりとしたダンスを仲間達と共に踊る。
 澪は小百合子たちと合わせて踊りながら、高らかに希望の歌を歌い上げた。

 僕らの姿が希望になるように。
 同じ歌を皆が口ずさめるように。
 勇気を奮い立たせられるように。
 お疲れ様と祈りを込めて。

 そんな歌がステージの上に響き、人々は目に涙を滲ませた。
 演舞はいよいよクライマックスとなり、雲の裂け目から小百合子の浮遊城塞が姿を現した。
 城塞から飛び出してきた天馬武者たちも猟兵たちの音楽に合わせるように空を舞う。
 最後に澪とローズがステージにフラワーシャワーを降り注がせ、薔薇園の古城の演目は閉幕した。
「皆さん、お聴き下さりありがとうございますわね。まだまだ脅威は収まっていないでしょうけど、私達猟兵が居る限り、皆さんも希望を持って下さいませ!」
 ローズの言葉に、人々は万雷の喝采で答えたのだった。

●天使の置き土産
「ああ、君か! さっきの歌とても綺麗だったよ!」
 舞台から降りた後、澪はアジトの洞窟の入口へとやってきていた。見張り役の少年に澪は、にこにこと問いかける。
「ありがとう! ねぇ、この村の出入り口はあそこだけ?」
「いや、もう一か所、非常用の裏口があるよ」
「そっか。じゃあそっちも後で行かないとだね」
 澪はふむふむと頷くと、翼を広げた。
「お土産をあげる。永遠とはいかないけど……」
 澪はふわりと笑うと、破魔の力を大地へと注いだ。たちまち聖なる力を宿した花が生い茂り、洞窟の入口に絨毯のように広がっていく。
 今回はなんとかなったが、ダークセイヴァーに住む以上またいつ彼等が脅威に晒されるかわからない。これは澪が彼らにしてやれるせめてもの置き土産だった。澪が与えた魔力が続く限り、美しき花園は邪悪を退け、人々を守る聖壁として在り続けることだろう。

●希望の灯
「皆さん、本当にありがとうございました。村を代表して礼を言います」
「私達だけでは彼らを救うことはできませんでした。とても感謝しています。貴方たちに教わったことを忘れずにこれからも頑張っていきますね!」
 ジョゼットとルークス村の村長は救われた人々を代表して深々と頭を下げた。
「あんたたちのこと、絶対忘れないよ! ありがとう!」
 うさぎ印入りの巾着袋を握り締めた子供たちが涙ぐむ。彼らが持っているお菓子はゆえとがステージの後で子供達に配ったものだ。
「……猟兵の助けを待っている人々は、あなたがた以外にも多くいらっしゃいます。それでは、お元気で」
「自らが生きようとする意志が消える事のなきよう精進するのじゃぞ」
 猟兵達はそれぞれの言葉で別れを告げ、一人ずつ揺らいで消えていった。
 
 吸血鬼の支配に抗う人々の戦いはこれからも続く。次に猟兵たちが彼らと再会する時には、全員が無事ではないかもしれない。だが、猟兵たちが示した希望は彼らの胸に確かな灯りとして宿っている。いつかダークセイヴァーを覆う闇が晴れるその日まで、闇の救済者たちは猟兵たちと共に諦めずに戦い続けるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月04日


挿絵イラスト