執事と鉄棺に阻まれし地底都市
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ダークセイヴァーにおいて、ヴァンパイアや魔獣と交戦を続ける猟兵達はこれまで、数多くの寄生虫型オブリビオン「辺境伯の紋章」を捕獲している。
「おかげで、この紋章を配布した存在に関して、新たな情報が得られたわ」
グリモアベースにて、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)は集まった猟兵達へとダークセイヴァーの近況を伝える。
それは、ダークセイヴァー各地にあるという「隠された地底都市」について。
セレインをはじめグリモア猟兵の予知によって、世界各地に広大な地下空洞があり、その中は地上と変わらぬような広大な「地底都市」がいくつも存在しているそうなのだ。
「そこには、吸血鬼だけではなく、地上との交流を断たれて地下で暮らし続ける人々もいるようよ」
彼らは地上の存在すら知ることなく、吸血鬼の支配を受け入れながらなんとか生きている状況らしい。
紋章を配布した者達は地上、そしてこの地下都市の数々をも版図に置きながら更なる地下に生息しているようだ。
「まず、地下都市で絶望しながら生きている人達を救わないと……!」
目下のところ、一つ一つの都市を解放していくこととなるが、多くの地下都市を解放していけば、いずれ更なる深層の手がかりを得られることだろう。
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セレインが予知で確認した地下都市だが、その入口の門の前には門番が待ち構えている。
「門番となっているのは、「忠実なる執事『アンリ』」。何らかの理由でヴァンパイアの配下に下ったオブリビオンね」
その力は元々かなりのものだったが、「番犬の紋章」という寄生虫型オブリビオンを胸部に装着され、同族殺しすら一太刀で屠ることができる手練れとなっている。
「この紋章以外はほとんどダメージを与えることができないわ」
この為、如何にして番犬の紋章を狙って攻撃するかが攻略の鍵となるだろう。
門をくぐれば、地底都市へと突入するが、そこでは多数の「怨呪の鉄棺」が待ち構える。
自律駆動して襲い掛かるこれらのオブリビオンとの交戦は、地底都市で隷属を強いられる人々の目に触れることとなる。
「オブリビオンを思いっきり蹴散らすことができれば、人々に勇気を与えることができるわ」
そして、戦闘後、地底都市の人々と交流することになる。
地底都市は苔類や魔法のガスによって薄くぼんやりと光る場所だが、基本的は地上とそれほど変わらぬ印象を抱かせる場所だ。
そこで、今回は花畑を作って花を紹介しながら地上へと誘いたい。
「少なくとも、隷属を絶対とされた地底都市よりはマシなはずよ」
異変に気付いた別の地底都市のオブリビオンが駆けつけてくる前に、できれば彼らと共に地上へと向かいたい。
なお、地上では人類砦が受け入れを表明しており、セレインは解放砦という名の場所を案内していたようだ。
「以上ね。くれぐれも気を付けてね」
説明を終えたセレインは、猟兵達の身を案じながらも、現地……地底都市の前へと送り出すのである。
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地底都市の前へと呼び出された猟兵達は、そのまま都市内部に通じる門へと向かう。
そこに待ち受けていたのは、1人の執事。
「これはようこそ、猟兵の皆様」
丁寧に首を垂れたのは、忠実なる執事『アンリ』と呼ばれるモノクルをつけた燕尾服姿の男性である。
その手にはカトラリーとティーセットが握られているが、間違いなく猟兵達を歓迎しているわけではない。
アンリはそれらを使って戦う術を身に着けているのだ。
そして、その胸部、シャツの下に怪しく蠢く紋章が淡く光る。
その『番犬の紋章』……寄生型オブリビオンがアンリに比類なき破壊力と防御力を与えている。何とかしてこれを破壊したいところだが……。
「さて、如何様にしておもてなしして差し上げましょうか」
猟兵達はいずれもノーを突き付け、アンリを討伐すべく動き出すのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
ダークセイヴァーの隠された地底都市へと向かっていただきますよう願います。
第1章:ボス戦シナリオ、「番犬の紋章」を胸部につけた「忠実なる執事『アンリ』」の討伐を願います。
第2章:集団戦シナリオ、オブリビオン兵士である「怨呪の鉄棺」の群れの討伐を願います。
第3章:日常シナリオ、地底都市で花を咲かせるべく、花畑を作りつつ、地底都市に住む人々を地上へと誘ってください。
最初に地底都市の門番、忠実なる執事『アンリ』の討伐を願います。
『番犬の紋章』という寄生虫型オブリビオンを胸部につけて強化しており、この紋章を狙うことでプレイングボーナスがつきますので、プレイングを手掛ける際に考慮していただければと思います。
第1章は早ければ2日夜からの一括執筆を考えております。
2日22時地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です。
参加状況によって執筆状況は前後することがあります。予めご了承くださいませ。詳しくはマイページやツイッターもご確認くださいませ。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
なお、第1章に断章執筆の予定はありません。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 ボス戦
『忠実なる執事『アンリ』』
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POW : カトラリー・アタック
【テーブルフォーク】が命中した対象に対し、高威力高命中の【テーブルナイフ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ティータイムと参りましょう
【多種多様なクッキーや上質な紅茶】を給仕している間、戦場にいる多種多様なクッキーや上質な紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : カトラリー・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【正確にカトラリー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:紺屋サキチ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「インディゴ・クロワッサン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
(2日夜からの執筆予定でしたが、参加者受付を続行いたします。
この先状況が整えば、執筆開始いたします)
ヴェル・ラルフ
品のいい番犬、という訳ではなさそうだね
…地下で囚われている人々がいたなんて
是が非でも、そこを通してもらわないと
胸まで届かなくとも、隙を作れないか狙う
目眩ましとして自らの腕を裂いて炎を噴出させ、執事の周囲を取り囲むように任意で操作
炎の鎖で敵の[捕縛]を試みる
せめてシャツが燃えれば、胸の紋章も狙いやすいしね
話に聞く限り、相当力のある敵だろうから、すぐ解かれるだろうけれど
炎の鎖と同時に僕もダッシュして[早業][クイックドロウ]、大きくジャンプ
【陽炎空転脚】を放つ
月の優しさすら知らない人々の
星の希望すら知らない人々の
身も心を救うために、ここにきたのだから
★アドリブ、連携歓迎
七那原・望
地底都市……そんな場所に閉じ込めてまで隷属を強いているのですか……早く開放しないとですね。
【Laminas pro vobis】に込めるのは彼らに隷属を強いる者達に報いを受けさせたいという、憎悪も込めた望み。その全てを攻撃力に変換します。
こういう存在が全てを支配しているこの世界の在り方はどうしようもなく許せないのです。
おもてなし?不要ですね。
【第六感】と【野性の勘】で敵の動きや攻撃を【見切り】、回避やオラトリオ、セプテット、プレストによる【武器受け】も交えてテーブルフォークの対処を。
隙を見つけたら素早く【全力魔法】を【多重詠唱】【クイックドロウ】で番犬の紋章に叩き込みます。
ルパート・ブラックスミス
出迎えご苦労。花を届けにきた。
貴様らの消えた未来で咲く花だ。
UC【理異ならす凍炎】起動。
敵のUCは軌道を【見切り】、凍る鉛纏わせた【武器改造】短剣を【投擲】し【武器落とし】。
敵がこちらの短剣【弾幕】との競り合いに気を割いている間に、
地に落ちた短剣から鉛を地走らせ敵の脚部まで伸ばし凍結拘束(【属性攻撃】【地形の利用】【グラップル】【だまし討ち】)。
如何にダメージにならないとしても拘束を振り払う一瞬は動きは止まる。
その隙を見逃さず【ダッシュ】で一気に接敵、
『番犬の紋章』のある胸部を大剣で【串刺し】【部位破壊】で仕留めにかかる。
届け先はこの中なのでな。門、蹴破らせてもらうぞ。
【共闘・アドリブ歓迎】
アレクシア・アークライト
執事とは言え、こんなところで独りで客を待ち続けるだなんて御苦労様なことね
少しは休んでほしいところだけど、そうも行かないんでしょうね
私達が何年、何十年ぶりの客なのかは分からないけど――
せっかくだから、最後の客にしてあげるわ
3層の力場を情報収集用に展開し、敵の動きを把握
残りの力場を防御用に展開し、自分や味方への攻撃を弾く
また、念動力でモノクルを取り上げ、距離感を鈍らせる
防御力が高いって言っても、あの燕尾服までってことはないわよね?
火炎や雷を発生させて衣服を焼き、紋章が露出したなら、UCで最大化させた力を1点に集中して破壊するわ
ずっと独りきりだなんて、御主人様は貴方のことが嫌いだったのかしらね?
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
【WIZ】
カトラリーを投げてくるのね?
遠距離戦なら望むところ。
あまり時間もかけられないみたいだから、開幕からユーベルコード【マルチプルバレット】よ。
82Lv×5=410発の雷の弾丸を打ち込むわ。
カトラリーで迎撃するのは構わないけど…
「400個以上もあるのかしら?」
あとは弾数で圧倒して、一発でも紋章に当たればこちらのもの。
当てるのが難しい感じなら、面で制圧すればいいのよ?
エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎
ほうほう、地下都市じゃと?どんな所か楽しみじゃのう。
これはぜひ一度見物せねばなるまい。
じゃが門を通らぬと行けぬのか、あの気障な執事が邪魔してきそうじゃが押し通らせてもらうかの。
【巨狼マニトゥ】に【騎乗】、狼の脚力に物を言わせて一気に駆け抜けるのじゃ。
投げてくるであろうカラトリーは、壁や床を蔓植物に換えて十重二十重に『アンリ』を取り囲んで受け止めるかの。
多少相殺されても物量で押し切るのじゃ。
さて、紋章以外ダメージが通らぬとの事じゃが、拘束出来ない訳ではあるまい。
蔓植物を敵の四肢に巻き付け動きを封じてから、騎乗突撃し【追跡】する矢の騎射で至近距離から紋章を撃ちぬくのじゃ。
琥珀川・れに
僕も少し前までじいやに剣術を鍛えられたものだが…
今うちの城で一番の剣術使いは僕だ。
従者風情が命をかけた勝負で僕に勝てるわけないさ。
UC【血統覚醒】驚いた?僕はダンピール貴族
吸血鬼城で僕の部下も執事もオブリビオン。
だからカトラリーならうちの城で履修済みだ。
【見切り】で対応して剣で撃ち落としていこう。
不安なのは初パターンのティーセットだな…。
純粋に剣術で立ち向かうよ。
正確な【串刺し】で狙うはやはりボディ
だが従者は注意力に長ける。手の動きも早いだろう。
前からは難しそうなので、【鎧無視】を使って背中側から紋章を刺す。
※アドリブ&省略お任せします
リーヴァルディ・カーライル
左眼の聖痕からの精神干渉を呪詛耐性と気合いで耐えUCを発動
敵UCの停滞を時間を焼却する黒炎のオーラで防御する
…無作法で申し訳ないけど、お茶会は飽きるほどしたもの
もう暫くの間は、狂ったお茶会はご遠慮願うわ
今までの戦闘知識から敵の行動を先読みして見切り、
胸部に銃による早業の二回攻撃を乱れ撃ちして牽制を行い、
第六感が敵の隙を暗視したら限界突破した怪力の踏み込みから切り込み、
武器改造した黒炎の魔力を溜めた大鎌で紋章をなぎ払い、
敵の時間を焼却する黒炎の残像で動作を止める時属性攻撃を行う
…何も動きを封じるのはお前だけの特権では無いもの
さあ、覚悟は良い?このままお前を骸の海に葬送してあげるわ
ナギ・ヌドゥー
こんな所でティータイム?
これを飲食せねば通れないなら致し方ない、頂こう。
この世界でこんな上質なものは滅多に飲めん。
……毒でも入っているのかもしれんが。
【毒耐性】持ちだ、限界まで付き合ってやるさ。
地底都市とやらを見てみたいからな。
と、奴を油断させて【おびき寄せ】
事前にUC「殺鬼影身」にて影を出現させておいてある
分身で背後から奇襲【だまし討ち】
虚を突き一瞬でも隙を作れたらそれでいい
狙いは元から胸の番犬の紋章なのだからな
奴の身体から紋章を斬り離すぞ!【切り込み・部位破壊】
愛久山・清綱
この世界の謎が、徐々にだが明かされてきた。
地の底に潜んだ魑魅魍魎と、「番犬の紋章」。
この先には一体何が待つのだろうか?
■闘
一発でも受けたら終わりやもしれん……フォークを持った
右腕の動きをきっちり【見切】らねばなならぬか。
先ずは仕掛けてくるタイミングを計りつつ、【残像】を伴う
【フェイント】動作ですっと躱そう。
受けて耐えられる保障がない以上は、逃れるべきだ……
して、凌ぎきったら一気に仕掛けるぞ。
刀を片手に構え全力の【ダッシュ】で急接近を図り、
光っている場所目がけて【怪力】を込めた【真爪・剛】を
放ち身体ごと貫いてやるのだ。
体勢が崩れているときに当てられれば、万々歳だな。
※アドリブ歓迎・不採用可
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グリモア猟兵によって、ダークセイヴァーを訪れた猟兵達。
彼らがいたのは地下深く。どの程度かは不明だが、元々ダークセイヴァーは地上ですら厚い雲に覆われて日の光すら届かぬ世界。地底深くにかすかな光が届くはずもない。
ただ、あちらこちらに点在するコケや魔法のガスのおかげで、光源は確保することができる。
両目に封印の目隠しをした七那原・望(封印されし果実・f04836)にはその光を感じることができない。
「地底都市……」
だが、視覚以外が研ぎ澄まされた望は、前方にある重々しい扉の鉄臭さを感じたらしい。
「ほうほう、どんなところか楽しみじゃのう」
金髪猫耳少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は視界に入ってきた地底都市へ続く扉を見て、奥に広がる世界に興味津々なようだ。
「じゃが、門を通らぬと行けぬのか、あの気障な執事が邪魔してきそうじゃが……」
この場へとやってきた猟兵達を待ち受けていたのは、燕尾服姿のオブリビオンだった。
「これはようこそ、猟兵の皆様」
丁寧な所作で傅いたのは、忠実なる執事『アンリ』である。
「出迎えご苦労。花を届けにきた。……貴様らの消えた未来で咲く花だ」
黒騎士の鎧のヤドリガミ、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)が兜の中から炎を揺らめかせながら相手へと言い放つ。
「執事とは言え、こんなところで独りで客を待ち続けるだなんて御苦労様なことね」
「…………」
オブリビオン討伐を専門としているサイボーグ女性、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)が皮肉を口にするが、アンリは言葉を返さない。
モノクルを煌めかせるアンリはカトラリーとティーセットを用意しながら、やってきた猟兵達を1人ずつ品定めしていたようだった。
「品のいい番犬、という訳ではなさそうだね」
色白の肌、赤茶の髪を揺らすヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)はヴァンパイアの手先と思われる相手へと告げる。
「……地下で囚われている人々がいるそうだね。是が非でも、そこを通してもらわないと」
「こんな場所に閉じ込めてまで隷属を強いているなどと……早く解放しないとですね」
感情を高まらせて紋様から発火し始めるヴェルに続き、望は赤い光から生まれた武器を展開し、礼装を纏う。
アンリは優雅に茶を淹れ、ティータイムの準備も整える。
「まあ、はるばるいらしたのです。茶でも飲んでいきませんか?」
「…………」
凶器を手にしたナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)がどうしたものかと相手の出方を窺う。
「少しは休んでほしいところだけど、そうも行かないんでしょうね」
アンリはここでどれほどの時を過ごしてきたのだろうか。アレクシアはそんなことを考えて。
「私達が何年、何十年ぶりの客なのかは分からないけど――せっかくだから、最後の客にしてあげるわ」
「……無作法で申し訳ないけど、お茶会は飽きるほどしたもの」
はっきりと拒絶の意を示したアレクシアに続き、無表情の銀髪ダンピール、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)も相手を見据えてきっぱりと断る。
「もう暫くの間は、狂ったお茶会はご遠慮願うわ」
「それは残念ですね」
ティータイムを望まぬ猟兵達に対し、アンリは右手に握るカトラリーを構えて牽制してくる。
「そのカトラリーは投擲用かしら? 遠距離戦なら望むところよ」
金髪オッドアイのヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が応戦の構えをとれば、男装した麗人ダンピール、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)も相手がカトラリーをナイフか剣のように操るとみて。
「僕も少し前までじいやに剣術を鍛えられたものだが……、今うちの城で一番の剣術使いは僕だ」
『エペ ド ルーン』を抜き、れにが構えをとって相手へと毅然と告げる。
「従者風情が命をかけた勝負で僕に勝てるわけないさ」
「このまま押し通らせてもらうかの」
エウトティアも一気に突破すべく『巨狼マニトゥ』へと騎乗し、攻撃のタイミングをはかると、敵は微笑みを湛えたまま素早く猟兵達へと距離を詰めてきたのだった。
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地底都市の門を守るオブリビオン、忠実なる執事『アンリ』。
「さて、存分におもてなしして差し上げます」
彼はやってきた猟兵達を相手に素早く距離を詰め、テーブルフォークを突き付けてくる。
交戦が始まる中、やや遅れてこの場へと駆けつけたのは、長身のキマイラの少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)だ。
「この世界の謎が、徐々にだが明かされてきた」
地の底に潜む魑魅魍魎。そして、敵の胸部にて淡く光り、蠢く寄生型モンスター『番犬の紋章』。
「この先には一体何が待つのだろうか?」
気にはなるものの、清綱もまた刀を構えてこの場の戦いに身を投じていく。
アンリは近距離からテーブルフォークを突き出すだけでなく、時に近づく猟兵達へと投げつけてくる。
一度でも当たれば、ナイフの追撃が来る為、できるだけフォークを防いでおきたいところ。
最初に対していたのは、【Laminas pro vobis】を使う望だ。
そのユーベルコードは、込めた望みが強ければ強いほど力を増す。
「こういう存在が全てを支配しているこの世界の在り方はどうしようもなく許せないのです」
望は目の前のアンリだけでなく、ダークセイヴァーを支配するヴァンパイアが人々へと隷属を強いる者達に報いを受けさせたいという憎悪を込めた望みを込める。
「おもてなし? 不要ですね」
きっぱりと彼女もまた拒絶をし、望みの全てを攻撃力へと変換してアンリを攻め立てる。
【直感】に頼る望は相手のフォークを避け、時に全身を覆うエクルベージュ色の影『影園・オラトリオ』や自律して宙を舞う『銃奏・セプテット』、自律飛翔する機械掌『機掌・プレスト』でフォーク群を【受け止め】ながらも攻勢に出る機を待つ。
ただ、相手も並々ならぬ力を持つ相手。1人ではあっさりとテーブルフォークで対処され、有効打を与えることができない。
そこで、猟兵達も複数で攻め入ることとなる。
真紅の瞳に覚醒したれにがヴァンパイアに変身すると、アンリが目を見開く。
「これはこれは……」
「驚いた? 僕はダンピール貴族だ」
吸血姫城において、部下も執事もオブリビオンという状況で育ったれには、カトラリーはすでに自らの城で履修済み。
れには遠近問わず、相手の扱うカトラリーの動きを【見切り】、魔法剣で弾き、あるいは撃ち落としていく。
(「不安なのは、初パターンのティーセットだな……」)
ただ、この場には同じ猟兵なだけでなく、ダンピールの仲間も数人いる。彼らの対処を見ていれば、何か対策を見いだすことができるかもしれないとれには考えていた。
「我が血はもはや栄光なく……されど、未だ歩みは冷厳に」
合わせて、ルパートも相手の攻撃の対処に加わっていた。
【理異ならす凍炎】を使い、鎧の中身である『青く燃える流動鉛』を凍結凝固させることで、ルパートは己の身を強化する。
そして、凍る鉛を纏わせることで【武器改造】した『ブラックスミスの短剣』を【投擲】し、軌道を【見切った】フォークやナイフを【撃ち落としていく】。
そんな相手を、アレクシアは3層の『力場』を【情報収集】用に展開し、アンリの動きを把握する。
そして、残りの『力場』を防御用に展開し、アレクシアは飛んでくるフォークやナイフから自身や仲間へと攻撃を弾く。
(「一発でも受けたら終わりやもしれん……」)
その戦いへと介入する清綱も、相手のフォークを持った右腕の動きを【見切り】ながら、【残像】を伴う【フェイント】動作を交えて回避に努める。
(「受けて耐えられる保障がない以上は、逃れるべきだ……」)
清綱もなんとか攻勢に出たいところだが、相手は胸部で淡く光る『番犬の紋章』のおかげでほとんどのダメージをカットしてしまう。
(「せめて、隙を作れれば」)
そんな仲間達が交戦する中、ヴェルは相手の胸部の紋章にまで届かずとも、攻撃の機を作ることができればと相手の眼前にまで肉薄する。
ヴェルは何を考えたか、自らの腕を裂いて炎を噴出させて。
「うっ……」
突然大きく発火したことでアンリも僅かに戸惑うが、ヴェルはその間に敵の周囲を取り囲むように炎を展開していく。
炎は鎖となり、アンリの体の【捕縛】を狙う。
(「せめてシャツが燃えれば、胸の紋章も狙いやすいしね」)
その隙をついたアレクシアが【念動力】を使ってアンリのモノクルを取り上げてしまう。これで、少しでも距離感が鈍ればこちらものだ。
「……やりますね」
相手はオーラを展開することでその炎の鎖から抜け出てみせたが、ルパートが追撃をかけていて。
アンリが先程撃ち落とした短剣から鉛を血走らせたルパートは複数のスキルを組み合わせ、相手の脚部にまで伸ばすことで凍結拘束を試みる。
すでに、ヴェルが拘束を試みて逃れられてはいるが、仲間が攻撃するタイミングを作るには十分。
「その状態からカトラリーで迎撃できるかしら?」
拳銃『平和を作るモノ』を構えたヴィオレッタが相手へと銃口を向ける。
「遠慮しないで受けてみなさい」
すぐに、【マルチプルバレット】によって、400発あまりもの雷の弾丸を生成し、ヴィオレッタはそれらをアンリ目がけて掃射していく。
エウトティアもまた物量で相手を押し切ろうとする。
下手な攻撃ではカトラリーによって威力を相殺されてしまう。
その為、エウトティアは巨狼マニトゥに跨り、狼の脚力に物を言わせて一気に駆け抜ける。
そして、彼女は【掌の創造】によって壁や床を蔓植物に変え、ルパートの拘束から逃れたアンリを十重二十重に取り囲み、フォークやナイフを受け止める。
そこで、アンリもパターンを変え、猟兵達の攻勢を削ごうとして。
「では、ティータイムと参りましょう」
アンリがユーベルコードを使い、クッキーや紅茶を猟兵達へと振舞おうとすれば、途端に皆の動きが遅くなる。
そんな中、いっそ割り切りを見せたのは、ナギだ。
「これを飲食せねば通れないなら致し方ない、頂こう」
ナギもそうだが、まさかダークセイヴァーで上質な紅茶を口にできるとは思いもしない。並べられたクッキーも色々な形や味に焼きあがっており、見る者を楽しませる。
それを作ったのはオブリビオンであることだけが非常に残念だ。
「誓って、毒は入っておりませんよ」
仮に毒が入っていたとしても、【毒耐性】をもっているナギに効果はない。
(「限界まで付き合ってやるさ。地底都市とやらを見てみたいからな」)
時間を稼ぎ、仲間達が攻撃するチャンスを待つナギ。
相手もユーベルコードを使いながらではカトラリーを使った攻撃はできない。
ティータイムを終わらせたタイミングこそ、勝敗を分けると誰もが思っていた。
しかしながら、満足に動くことができない中、リーヴァルディだけは抵抗をしていて。
左眼の聖痕の封印を開放したリーヴァルディは、その精神干渉を【呪詛耐性】と【気合い】で耐え、ユーベルコードを発動させる。
――【代行者の羈束・黒炎覚醒】(レムナント・ウロボロス)
アンリの強いる移動制限を、リーヴァルディは時間を償却する黒炎のオーラで防御してみせる。
「……何も動きを封じるのはお前だけの特権では無いもの」
相手もまだティータイムを給仕している最中。ならばと相手がすぐには動けぬことを察したリーヴァルディはマスケット銃『吸血鬼狩りの銃・改』を早業で【連射】、周囲へと【乱れ撃つ】。
その牽制によって、敵の胸部の紋章へと一撃を入れただけでなく、ティーセットまで破壊することで仲間達が動けるようになる。
「やりますね……」
アンリもまた攻勢に出る機会を窺っていたが、ユーベルコードの一つを封じられたことで少し表情を陰らせていたのだった。
●
『番犬の紋章』によって自らを強化した執事アンリの力はかなりのもの。
カトラリーを使い、手数を活かした攻撃を行う彼に猟兵達もなかなか攻め入るきっかけがなかったが、決定的な一撃を与えてから流れが大きく変わる。
紋章を撃ち抜かれたアンリの四肢に、エウトティアは展開していた蔓植物を撒きつけて動きを封じていく。
「今じゃ!」
エウトティアも騎乗して仕掛けるが、他メンバー達がすぐに動いていて。
まず、【全力魔法】を【多重詠唱】した望が、敵胸部に向けて魔力弾を【素早く】叩き込んでいく。
「思いの他、当てるのは楽そうね」
弾幕を展開していたヴィオレッタは、面での制圧を想定していたが、この場の仲間達は上手く相手を抑え込んでくれている。
それもあって、ヴィオレッタは残る雷の弾丸をアンリの胸部をメインに撃ち込んでいく。
「月の優しさすら知らない人々の……星の希望すら知らない人々の……」
【早業】でヴェルは自らの身を投げ出すように相手へと肉薄し、高くジャンプして。
「身も心を救うために、ここにきたのだから」
ヴェルは赤い炎を纏わせ、蔓に絡まれて動けぬアンリの胸部へと蹴りを叩き込む。
空を跳び、着地する炎は紅い尾を引き、ヴェルは着地する。
「防御力が高いって言っても、あの燕尾服までってことはないわよね?」
アレクシアは念動力によって敵の胸部を燃え上がらせ、さらに雷を叩き落として相手の燕尾服を焼こうとする。
「ううっ……」
四肢に巻き付く蔓植物から逃れようとするアンリ。
左手の拘束を解けば、後はカトラリーを振るって他の拘束も解いていく。
その間に、アンリの上半身が焼けこげ、彼に寄生した番犬の紋章が露出する。
その正体は寄生型モンスターである為か、紋章であるにもかかわらず、脈動しているように見えるのがひどく不気味だ。
「ずっと独りきりだなんて、御主人様は貴方のことが嫌いだったのかしらね?」
使える者の見当たらない執事に対し、アレクシアはユーベルコードによって最大化させた【念動力】の力を一点集中させ、破壊の力を叩き込んでいく。
「さ、さすがと言っておきましょう……」
蔓植物から逃れたアンリだったが、思った以上に胸部……紋章への攻撃が効いていたようだ。
しかし、猟兵達は攻撃の手を止めず、一気に撃破を試みる。
相手が距離をとる間を与えず、【第六感】で好機と判断したリーヴァルディが【限界突破】した【怪力】で踏み込む。
「さあ、覚悟は良い? このままお前を骸の海に葬送してあげるわ」
アンリ目がけて【切りこんだ】リーヴァルディは黒炎の魔力を溜めて【武器改造】した大鎌で、敵胸部の紋章を【なぎ払う】。
斬撃を与えるだけでなく、相手の時間を焼却する【黒炎属性】の【残像】が敵の動きをまたも止めてしまう。
そこで一気に4人が相手の紋章を狙う。
刀を片手に構えた清綱は全力【ダッシュ】で急接近して。
「……もらったり」
一気に刃を紋章目がけて突き刺した清綱は、相手の身体ごと貫こうとする。
確かに紋章を貫くことはできたが、強化されたアンリの身体にはなかなか刃が入ってはいかない。
相手のカトラリーが煌めいたことを警戒し、清綱は下がっていく。
エウトティアは『巨狼マニトゥ』に跨って騎乗突撃し、【追跡】する矢の騎射によって資金から紋章を撃ち抜いていく。
こちらもアンリの身体にはほとんど傷がないが、紋章へのダメージが重なっている為か、アンリ自身も苦しんでいたようだ。
なんとか応戦しようとカトラリーを振るおうとするが、思ったように腕が動かない様子。
「動きは制しているが、強化された肉体が問題だね」
れにもまた紋章ごとアンリの体を【串刺し】にしようと試みる。
その背からエペの刃を通そうとするれにはいっそ、【鎧無視】の技能で背中から紋章だけを狙う。
確かに刃はアンリの体を通り、紋章までも貫く。
ほとんど肉体に傷は残っていないが、立て続けに猟兵達の攻撃を受けた番犬の紋章の光が弱くなってきていた。
相手の動きが鈍ってきていたのを見て、ルパートもまた【ダッシュ】で接敵し、『鉛滴る大剣』の刃を突き出し、仕留めにかかる。
【部位破壊】に加えて【串刺し】にしようとしたルパートの一撃によって寄生の力が弱まり、紋章が剥がれかけてきていたが、アンリは抵抗を止めずにカトラリーを飛ばして応戦してくる。
そこで、先程までティータイムに付き合っていたナギだったが、ティーセットが破壊されてもほとんど動く気配がない。
だが、彼は既に【殺鬼影身】によって影を出現させ、背後からの【奇襲】を試みる。
「うっ……!」
敵の注意が背後に向くが、それは相手の虚を突く為の囮。
「奴の身体から紋章を斬り離すぞ!」
ナギもまた敵へと【斬り込み】、『歪な怨刃』によって剥がれかけていた紋章を一気にアンリから切り離す。
「み、見事です……」
それと同時にアンリは事切れ、その場に倒れ伏してしまう。
刃を収める猟兵達の中、ルパートがアンリへと一言。
「届け先はこの中なのでな。門、蹴破らせてもらうぞ」
地上の花を送り届けるべく、彼は仲間と共に地底都市の門を開いたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『怨呪の鉄棺』
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POW : 咎喰い
【伸縮自在の鉄針】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【血の記憶から、過去の咎】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 怨呪葬
命中した【防御不能】の【全発射鉄針】が【鉄棺内へ引きずり込む怨呪の針】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ : 荒れ狂う怨みの脳髄
【埋め込まれた脳髄から発する怨み】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
イラスト:塔屋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ダークセイヴァー各地に存在しているという地底都市。
猟兵達はそのうちの一つへと向かい、ヴァンパイアへの隷属を強いられている人々との接触をはかる。
一行は門番として立ち塞がっていた「番犬の紋章」を胸部につけた「忠実なる執事『アンリ』」を討伐し、都市内部へと突入していく。
そこは、アングラと呼ばれる都市。その名はアンダーグラウンドから来ているという説もあるようだが、詳しくは分かっていない。
なぜなら、この地に住む人々もまた日々を生きることで手いっぱいであり、他のことを気にする余裕すらもなかったからだ。
「…………」
「う…………」
この地に住む人々もまたヴァンパイア達の支配下にある。
コケや魔法のガスによって光源はあるが、ほとんど植物は生育しない場所。光がなくとも育つキノコ、カイワレ、モヤシ、コケ等を食べ、ギリギリのところでなんとか生き永らえている。
おかげで肌は病的なほどに白く、かなり痩せ細った者が多い。
「何者だ……」
そんな人々と接触をはかりたい猟兵達だが、その前にオブリビオン兵士として配備された者達が立ちはだかる。
「お前達、外から来たな……」
無機質な声を響かせるそれらは『怨呪の鉄棺』と呼ばれるオブリビオン達である。
一見すれば拷問器具のような見た目をしているのだが、頭部に人の脳髄を埋め込まれたことで自律駆動が可能となっている。
それらは元々呪いによって血を求め蠢くオブリビオンだったが、ヴァンパイアによってこの地の管理を任されることになったそいつらは適当な理由をつけて貶めた者達を鉄棺内に入れて針を突き刺し、血を吸うのだという。
「猟兵……我等に仇名すモノ……」
「この地で好き勝手はさせぬ……」
アングラの人々はこの怨呪の鉄棺共の仕置きを恐れて従順に暮らしているようであり、彼らを解放する為には鉄棺共を倒すのが絶対のようだ。
「殲滅、殲滅せよ……」
「お前達の血も残らず吸い取ってくれる……」
オブリビオン討伐の為、身構える猟兵達。
「あ、あれは……」
「鉄棺様と、戦っている……?」
すると、戦場の近くにアングラの人々が集まってくる。
この戦いで人々の恐れる鉄棺どもを蹴散らすことができれば、彼らに勇気を与えることができる。
そうなれば、隷属を強いられるこの地を脱出し、地上へと向かうよう説得がしやすくなるはずだ。
「させぬ、やらせぬ……」
「我等の呪われた鉄針で、貴様らも貫いてくれよう……」
ある鉄棺は鉄針を長く伸ばし、また別の鉄棺は巨大化して襲い掛かってくる。
猟兵達は地底都市の人々と交流する為に、邪魔な怨呪の鉄棺の殲滅へと当たり始めるのだった。
(第2章は早ければ5日朝からの一括執筆を考えております。
5日8時半地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です。
参加状況によって執筆状況は前後することがあります。予めご了承くださいませ。詳しくはマイページやツイッターもご確認くださいませ)
(5日朝からの執筆予定でしたが、参加者受付を続行いたします。
この先状況が整えば、執筆開始いたします)
(5日22時半更新)
現状、別作業進行中ですが、そちらが終了次第一括執筆を開始いたします。
夜中~朝開始の見通しです。
リーヴァルディ・カーライル
…それは此方の台詞よ
これ以上、お前達の好きにはさせないわ
UCを発動して"御使い、呪避け、岩肌、魔光、
誘惑、盾、破魔、軍略"の呪詛を付与
…周囲に被害を出す訳にはいかない
…術式換装、光の盾よ。呪わしき鉄針を弾け
第六感に干渉して敵を●誘惑する●存在感を放ち囮になり、
無数の浮遊盾を召喚し自身や周囲を●かばうように●団体行動を行い、
鉄針を●呪詛耐性を持つ●オーラで防御する浮遊●盾で受け、
●破魔の魔力を溜めた●誘導弾を放つカウンターで敵を浄化する
…血を求め今を生きる者達を害するならば、容赦はしないわ
…たとえそれが、過去に鉄針で貫かれた犠牲者だったとしても
…もう苦しむ必要は無い。眠りなさい。せめて安らかに…
エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎
隠された地底都市というから期待してきてみればただの陰気くさい街じゃのう、がっかりじゃ
風光明媚とまでは言わぬが、もっとこう観光できる所を作るべきじゃろうに、まったくヴァンパイア共は気が利かぬな
このような所はこうしてくれるわ。(戦場全域を草原に変えて)
さて、すっきりした所であの趣味の悪いおもちゃを片付けるとするかの。
【目立たない】ように草むらを移動しながら【手作りの縄】でボーラを作って『怨呪の鉄棺』の車輪を絡めとるのじゃ
ただでさえ車輪での移動に向かない草原じゃ、これで動きにくくなったじゃろう
それ今じゃ、マニトゥ彼奴らを引き倒してやれ!
仕上げに頭部を矢で射抜いて脳髄を破壊するのじゃ
七那原・望
一体どれだけの血を貪り尽くしたのか……
でもそれも今日でおしまいです。
一つ残らず破壊して、全員解放しますから。
【果実変性・ウィッシーズモノクローム】を発動、アマービレで召喚したねこさん達やくろ、しろとの【集団戦術】で戦います。
【第六感】と【野性の勘】で敵の攻撃を【見切り】、回避や【オーラ防御】で対処を。
扉の内側に入らないように、そして踏み潰されたりしないように気を付けながら各員で敵の頭部を狙って攻撃を加えていき、各個撃破を。
【全力魔法】なども駆使しながら派手に【蹂躙】していけば、あの敵に対する人々の絶望感もいくらか薄れますか?
余裕があればねこさん達に人々のケアや果物の差し入れをお願いするのです。
ルパート・ブラックスミス
身も心も地上の者以上に衰えて見える。
身は人類砦側に任せざるを得んが…心には今、我らが火を灯すとしよう。
青く燃える鉛の翼で飛翔、【空中戦】。
敵を【挑発】し繰り出してきた鉄針を大剣で【武器受け】する瞬間を【見切り】、
事前に纏わせた燃える鉛で刀身を【武器改造】、剣と鉄針を溶接【グラップル】。
【怪力】で強引に引き寄せ、敵の体勢を崩し次第溶接を解除、
すかさず【ダッシュ】で接敵し自立駆動を司る頭部をUC【炎抱きて白熱せし鋼肢】で【部位破壊】、爆砕する。
地底都市の人々よ、その魂に焼きつけろ。
これが黒騎士ブラックスミスの炎。
地上で幾重にも吸血鬼の支配を焼き払った、その一つである!
【共闘・アドリブ歓迎】
アレクシア・アークライト
自律させるために人の脳を使うだなんて、まったく吸血鬼ってのは本当に悪趣味な連中ね。
でも、良かったわ。脳はあくまで部品として使われているだけで、人としての意識はもうないみたいね。
それなら、おもいっきり力を振るうことができるわ。
車輪を付けているってことは、地上戦が主体ってことかしらね。
なら、こっちは念動力で空中に移動して攻撃を回避。鉄針を飛ばしてくるようなら力場で防御するわ。
大地に亀裂を発生させて敵の移動を制限。落雷を引き起こし、一気に灼いていく。
ちょっと派手に行かせてもらうわよ。
少しは“光”を感じてもらえるといいんだけど――。
雨すら知らないかもしれないここの人達に地震や雷は刺激が強すぎるかしら?
愛久山・清綱
捕らわれた人々は、かなり疲弊しているようだ。
彼等に光を見せるには、闇を振り払う強き力を
示さなければならない……
なれは、この太刀で道を切り拓いてみせる。
■闘
此処は一気に行くとしようか。
基本は鉄棺の動きを【野生の勘】で予測する。
針が飛んできたら刀で弾くように【武器受け】、
近づいてきたら【残像】を見せて狙いを定められない
ように動き、敵が密集している場所へ接近する。
可能な限り多く集まっている場所へ向かわねばな。
して、お次は【早業】の抜刀から【破魔】の力を込めた
【空薙・舞】を放ち、範囲内の敵を踊る刃で斬り伏せる。
多くの敵にダメージを与えることで、強さを見せるのだ。
※アドリブ・連携歓迎
●
ダークセイヴァーの地下深く。
門番が守っていた扉を開き、猟兵達はアングラと呼ばれる地底都市内部へと突入する。
入ってすぐ目についたのは、薄暗い照明の中、痩せ細った人々が蹲っている姿だった。
「隠された地底都市というから期待してきてみれば、ただの陰気くさい街じゃのう」
地底都市に入るまでは目を輝かせしていた猫耳のキマイラ少女、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)だったが、そんな地底都市の光景にがっかりしたようで。
「風光明媚とまでは言わぬが、もっとこう観光できる所を作るべきじゃろうに、まったくヴァンパイア共は気が利かぬな」
エウトティアはそこでこのような場所はこうしてくれると、土と岩の地面の上に精霊を呼び寄せる。
降り注ぐ恵みの雨は、この付近一帯を草原へと変えていく。
そんな奇跡の力とも言える力に、地底の人々はどよめき始める。
「これは……?」
「水だ……、水が落ちてくる」
黒い鎧のヤドリガミ、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)が雨に驚く住民達を見回して。
「身も心も地上の者以上に衰えて見える」
最初に目に入った者達だけでなく、視界に入る人々全てが血色悪く、栄養が足りていないのは一目瞭然だ。
「この地に捕らわれた人々は、かなり疲弊しているようだ」
同じくそれを感じた長身のキマイラ少年、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は彼らに光を見せるには、闇を振り払う強い力を示す必要があると考えていた。
「なれば、この太刀で道を切り拓いてみせる」
「身は人類砦側に任せざるを得んが……心には今、我らが火を灯すとしよう」
清綱に続き、ルパートもまた人々に生気を取り戻すべく、集まってきたオブリビオン兵士達の気配を感じて身構える。
「何者だ……」
「お前達、外から来たな……」
拷問器具を思わせる姿に存在する頭部が無機質な声を響かせる。
人の脳髄を埋め込む事で自律駆動する『怨呪の鉄棺』の群れは、脳髄から発せられる呪いによって血を求め蠢く。
「自律させるために人の脳を使うだなんて、まったく吸血鬼ってのは本当に悪趣味な連中ね」
オブリビオンの始末を専門とするアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)が言うように、この鉄棺を作ったのもヴァンパイアであるのは間違いない。
「猟兵……我等に仇名すモノ……」
「この地で好き勝手はさせぬ……」
それらは猟兵の姿を認め、害なす存在を倒すべく集まってくる。
「でも、良かったわ」
アレクシアがそう感じたのは、埋め込まれた脳はあくまで部品として使用されているだけで、完全にオブリビオンとして稼働している状態だ。
人としての意識はもう残ってはいないのなら、思いっきり力を振るうことができるとアレクシアは集中して【念動力】を発動させていく。
「一体どれだけの血を貪り尽くしたのか……」
銀の髪にアネモネの花を咲かせた七那原・望(封印されし果実・f04836)は怨呪の鉄棺どもから漂う鉄臭さを感じ取る。
目隠しする望には見えないが、その身体には赤いものがこびりついている。現状はこのアングラの人々の管理を行いつつ、時折人々の血を吸っているようだ。
「殲滅、殲滅せよ……」
「お前達の血も残らず吸い取ってくれる……」
住民達が痩せ細っているのは、このオブリビオン兵士達の影響も少なくないと思われる。
「でも、それも今日でおしまいです。一つ残らず破壊して、全員解放しますから」
望はこの場に自分と瓜二つの双子の霊を召喚し、さらに『共達・アマービレ』から多数のねこさん……魔法猫を召喚する。
「させぬ、やらせぬ……」
「我等の呪われた鉄針で、貴様らも貫いてくれよう……」
ある鉄棺は鉄針を長く伸ばし、また別の鉄棺は巨大化して猟兵達との距離を詰めてきた。
「……それは此方の台詞よ。これ以上、お前達の好きにはさせないわ」
吸血姫どもの臨むオモチャと成り果てたその鉄棺達を破壊すべく、銀髪、紫の瞳のダンピールの少女、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はユーベルコードを発動させるのである。
●
頭部を持つ拷問器具姿のオブリビオン、『怨呪の鉄棺』。
それらは地底都市にとって異物である猟兵達を排除すべく、鉄針を操り攻撃を仕掛けてくる。
「鉄棺に引きずり込んでくれる……」
車輪を走らせて移動してくる鉄棺達だが、地面はエウトティアのユーベルコードによって草原となっており、走行しづらいのか動きは少し鈍っていた。
そんな状態の鉄棺の一部はリーヴァルディへと狙いを定め、開いた棺の前面から鉄針を発射して来る。
それらは……【怨呪葬】は防御できず、命中すれば敵が言うように鉄棺内へと引きずり込まれる呪いの針だ。
「……周囲に被害を出す訳にはいかない」
リーヴァルディは【吸血鬼狩りの業・千変の型】を使い、現状装備していないはずの『御使い、呪避け、岩肌、魔光、誘惑、盾、破魔』と様々な呪詛の術式を己へと付与して護りを固める。
「……術式換装、光の盾よ。呪わしき鉄針を弾け」
【第六感】に干渉して鉄棺を【誘惑】、さらに【存在感】を放つことで囮になるリーヴァルディは、無数の浮遊盾を召喚して自身や周囲を【庇う】ように立ち回る。
また、彼女は『軍略の呪詛』も利用し、周囲の仲間と共に【団体行動】を行い、連携して鉄棺の討伐に当たるようだ。
「此処は一気に行くとしようか」
多くの敵はリーヴァルディへと引き付けられてはいたが、清綱に気付いた一部が彼へと近づき、鉄針を伸ばして襲ってくる。
そんな敵の動きを清綱は【野生の勘】で予測し、伸びてくる針を『空薙』で【受け止める】。
接近してくる鉄棺がさらに鉄針を突き出してくると、清綱は【残像】を駆使して狙いを定められないように動いて。
「可能な限り多く集まっている場所へ向かわねばな」
そう考え、清綱は敵を引き付けるリーヴァルディに近づき、さらに多くの敵を一所に固めていく。
「やはり、車輪で移動……地上戦が主体ね」
敵が想定内の行動をとっていたこともあって、アレクシアは【念動力】を使って空中へと浮き上がる。
伸びてくる針は高度を上げたり距離をとったりすることで回避に当たるが、別の敵が鉄針を飛ばしてくれば、アレクシアは『力場』を使って直接体で受けぬよう防御にも当たっていた。
ルパートもまた『青く燃える鉛の翼』を出現させて飛翔し、【空中戦】に当たっていて。
「こちらだ。お前達は俺を貫くこともできないのか?」
【挑発】するルパートに対し、車輪を使って地面を走る鉄棺は鉄針を素早く伸ばしてくる。
彼は『鉛滴る大剣』を構え、針を【受け止める】ことができる瞬間を【見切る】べくしばらく空中を移動していた。
「おのれ……」
鉄棺の中には、脳髄から発する恨みの感情を爆発させ、その身体を大きく膨らませていく個体もいて。
そいつらは体躯を2~3倍程度にまで増大させ、まるで槍の如き針をエウトティアや望へといくつも突き出してくる。
「すっきりした所で、あの趣味の悪いおもちゃを片付けるとするかの」
ユーベルコードを使って戦場の広範囲を草原に変えていたエウトティアは、状況が整ったところで鉄棺の応戦に当たり始める。
彼女は【目立たない】ように草むらを移動し、『手作りの縄』でボーラ……ロープの先端に重りをつけた武器を作成し、鉄棺共の車輪を絡めとっていく。
「ただでさえ車輪での移動に向かない草原じゃ、これで動きにくくなったじゃろう」
動きが止まった敵は、望が呼び出したねこさんや自身にそっくりな双子の霊のしろ、くろと共に【集団戦術】で交戦を繰り広げて。
「いきますよ」
「くろにおまかせですっ!」
『しろにもおまかせですぅ!』
「「にゃにゃああん!」」
周囲から伸び、あるいは飛んでくる針を望は【直感】で【見切って】避け、あるいは【オーラ防御】で直接食らうのを防ぐ。
動きの止まった大型化鉄棺は丁度、多数でとりつくのにちょうどいい相手。
猫達が一気にのしかかったところで、しろが歩兵銃で、くろが妖刀で頭部を狙って攻撃を仕掛ける。
「うぅ……」
防戦一方となっていたその鉄棺の頭部目がけ、望がトドメにと大鎌『罪華・フィーネ』で切りかかる。
その頭部を刈り取ったことで、元の大きさに戻っていく鉄棺がエウトティアの放ったボーラに絡まれたまま地面へと倒れていくのを見て。
「では、次行きましょう!」
「「了解です」」
「「にゃにゃっ!!」」
望は騒がしくも楽しく、鉄棺達を1体ずつ沈めに当たるのである。
●
地底都市アングラの人々を虐げていたオブリビオン兵士『怨呪の鉄棺』達。
「お、おぉ……」
「鉄棺様……いや、鉄棺達に立ち向かうなんて……」
それらと勇敢に対する名も知らぬ人々の姿に、アングラの民達の目に生気が宿る。
考えてみれば、この人々は扉の外で門番となっていた忠実なる執事『アンリ』を討伐して、このアングラへと突入してきたのだ。
個々の力でアンリに劣る怨呪の鉄棺も討伐できるのではないかと、人々は希望を抱き始めていた。
そんな人々の視線を感じながらも、猟兵達は鉄棺達と交戦を続けて。
アレクシアは草原となった地面へと、念動力によって亀裂を走らせる。
「ぐおっ……」
一層、車輪での走行が困難になった鉄棺は大きく移動を制限されることとなる。
「ちょっと派手に行かせてもらうわよ」
アレクシアはアングラの住民達がこちらへと注目していることに気づき、動きを止めた鉄棺目がけて雷を落として一気に焼き払っていく。
「少しは『光』を感じてもらえるといいんだけど――」
鉄棺が倒れるのを確認したアレクシアは、人々の方を見やる。
地震を体感したことはあったようだが、少しばかり雷光は強烈だったのか、目が眩んだ者も少なくなかったようだ。
「刺激が強すぎたかしら?」
地底では雷はおろか雨すら降らないが、地上へとこれから誘うに当たってはこうした刺激も必要かもしれないと考えるアレクシアである。
猟兵達は互いの存在を意識し、怨呪の鉄棺達の討伐を進める。
リーヴァルディと共にある程度一所へと敵を集めた清綱は、【早業】で抜刀して。
(「多くの敵を捩じ伏せ、力を見せつけるのだ」)
清綱が【破魔】の力を込めた踊り舞う斬撃波【空薙・舞】は、集まった鉄棺達の胴体を、車輪を、頭を切り伏せる。
倒れゆく棺も多い中、堪える敵の足元へとまたもエウトティアがボーラを放って動きを止めて。
「それ今じゃ、マニトゥ。彼奴らを引き倒してやれ!」
エウトティアの呼びかけに応じた『巨狼マニトゥ』がその鉄棺へと飛び掛かって押し倒してしまう。
自らの方へと向いた頭部目がけ、エウトティアは仕上げに『手製の短弓』から矢を放ち、射抜いた脳髄を破壊してしまった。
望もまた、双子の霊と魔法猫と合わせ、個別に鉄棺を派手に【蹂躙】していく。
足場は草むらや地割れでガタガタとなっており、棺達は満足に動けぬ状況が続く。
鉄棺がバランスを崩して倒れれば、猫達が一斉に敵の頭を狙って引っかきに当たる。
そこにくろしろが同時に攻撃を仕掛け、鉄棺が針を使って起き上がるのを食い止めながらも、望が【全力魔法】で放った光を爆ぜ飛ばし、敵頭部を吹っ飛ばしてとどめを刺す。
「これで、人々の絶望感もいくらか薄れたでしょうか?」
望が観戦する人々を見回すと、皆歓声こそ上げはしなかったが、固唾を呑んでその戦いを見守ってくれていたようだった。
鉄棺の討伐はなおも進んで。
頭上を舞うルパートは鉄針を自らの大剣で防げると確信したタイミング、燃える鉛で刀身を【武器改造】し、剣と鉄針を溶接してしまう。
すぐに【怪力】で強引に自らの元へと鉄棺を引き寄せつつ、敵の体勢が崩れたところでルパートは溶接を解除。
さらに、ルパート自身も【ダッシュ】で接敵し、自律駆動を司る頭部を狙って。
「地底都市の人々よ、その魂に焼きつけろ」
彼の両手に集まるのは、高エネルギーの青き劫火。
「これが黒騎士ブラックスミスの炎。地上で幾重にも吸血鬼の支配を焼き払った、その一つである!」
その炎をルパートは敵の頭部へと叩き込み、爆砕してしまうのだった。
「……血を求め今を生きる者達を害するならば、容赦はしないわ」
敵を集めていたリーヴァルディも、合間に攻撃を仕掛けていて。
「……たとえそれが、過去に鉄針で貫かれた犠牲者だったとしても、……もう苦しむ必要は無い」
鉄針を避け、防ぎつつ、リーヴァルディは【破魔】魔力を溜めた弾丸をマスケット銃『吸血鬼狩りの銃・改』へと込めて【カウンター】の一撃を放つ。
「眠りなさい。せめて安らかに……」
小さく祈りの言葉を告げた彼女は次の瞬間、呪われた鉄棺を浄化していった。
程なくして、猟兵達は全ての怨呪の鉄棺を討伐して。
「お、おお……」
「まさか、あれだけの兵士達を倒してしまうとは……」
驚きの声を上げる人々が猟兵達の元へと集まってくる。
そんな彼らへと、望はねこさん達に人々のケアや他世界から持ってきた果物の差し入れを行う。
物珍しそうにそれを眺めていたアングラの住民達はその果実の甘さに目を丸くし、かき込むように食べていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『花を咲かせよう』
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POW : 土を耕したり掘り返したり、重い物を運んだりの力仕事をする。
SPD : 種や苗を植えやすいように整えたり、植える場所の飾りを用意したりする。
WIZ : 土地にあった花を考えたり、花を植える場所を考えたりする。
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
地底都市アングラをヴァンパイアの手勢から、猟兵達は救い出すことに成功して。
「おお、ありがとうございます……」
「ようやく、自由に暮らすことができます」
喜ぶ人々だが、それでも通常の日々をこの地底で暮らすことを考えていた様子。
日々を暮らすのにやっとだったこの地底の人々は、自分達の為だけに生活するとしても、何も知らないのだから仕方ない。
そんな地底の人々と交流するに当たり、まずは小さくていいので花畑を作ってみてはいかがだろうか。
「花……ですか?」
「一体、どんなものでしょう」
淡い光だが、苔類や魔法のガスで光源は確保できるので、花畑を作るのに丁度いい場所、花の種類を考えるといい。
地底の土を耕し、掘り返して花畑を作り、花の種、苗を植えやすいよう場を整えたり、植える場所の目印を作ったり……。
そうして人々と交流し、作った花畑に植えた花々は色とりどりの花を咲かせて人々の目を楽しませてくれることだろう。
ただ、ここで人々と交流するのは、花を見せることだけが目的ではない。
しばらくすれば、別の地底都市のオブリビオンがアングラの異変に気付いてやってくると思われる。
そうなる前に、アングラの人々を地上へと誘い、新たなヴァンパイアの手勢からの支配から逃れさせてあげたい。
今回の依頼を紹介したグリモア猟兵が『解放砦』という名前の人類砦が人々の受け入れを表明していると話していた。
他にも、地底の人々を受け入れる人類砦は多いとのこと。本当の意味でヴァンパイアの支配から逃れる為、アングラを去る為の決意をさせてあげたい。
(第3章は早ければ、9日朝からの一括執筆を考えております。
9日8時半地点で一定数のご参加があれば執筆開始、人数が揃っていない状況でしたら延長しての受付予定です)
リーヴァルディ・カーライル
…残念だけど、貴方達が得た自由は仮初めのものよ
私達はずっとこの地にいられる訳ではないから…
…この地で生活を続ければ、やがて異変を察知した吸血鬼がやってくる
そうなれば、また元の生活に逆戻り
…貴方達は地上を目指すべきよ
真に自由を求めるのならば…ね
…それと、怪我人や病人がいたら教えて欲しい
地上まで連れていけないのは悲しいからね
代表者の元に赴き礼儀作法を意識しつつ挨拶し、
現状や人類砦について話をした後、
傷病者の元に向かってUCを用いて治癒を行い、
彼らの家の近くに花の種を植えるわ
…花には色々な意味がある。祝福の花や、弔いの花…
怪我した人を励ます為の見舞いの花とかね
…後は安静にしていれば大丈夫よ。お大事に
琥珀川・れに
WIZ
好きな花は薔薇だが…それだと実家の吸血鬼城を思い出す。
ヴァンパイアからの解放なら僕からはこんな花を用意しよう。
(図書館で借りた本を眺めながら)
ノカンゾウ(金針花)、別名ワスレグサ
その名の通り、代表的な花言葉は「憂いを忘れる」
過去の嫌なことを忘れてしまおうという思いを込めたんだ。
しかも、花と蕾は食用にもなる。
不眠や精神安定の効能があるんだって、この本に書いてあった。
見た目にも美しく、意味もぴったりで
実用的なんて、素敵だね。
そうまるで君のように…と女性を口説こうと思ったがやめておこう
…花言葉に「愛を忘れる」つまり貴方に靡かないって意味もあるんだ
この花の前じゃ口説けないね
エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎
なんじゃ、お主ら花も見た事がないのか。
どれ、わしが見せてやろう。
花畑を作るのに向いた場所に、UC【掌の創造】で半径87mのお花畑を作り出してやるか。
色とりどりの花を一面に咲かせ、精霊にお願いして柔らかい光で照らし出すのじゃ。
どうじゃ?これが花じゃよ。地上ではありふれたものなのじゃがな。
この場所なら土も軟らかいようじゃから花を咲かせる事ができるかもしれぬのう。
じゃがここは狭い、広い地上に出てもっと大きなお花畑を作ってみぬか?
幸い受け入れてくれる集落もあるそうじゃから検討してみるとよいじゃろう。
七那原・望
花を見たことがないのです?
わたしの頭に咲いているこれが花です。名前はアネモネ。花言葉……花に込められた意味は色々あるけれど、一つだけ挙げるなら可能性。
あなた達が望んで手を伸ばせば、そしてあなた達を護る人々がいれば、あなた達の日常も、未来も変わります。
でも、ここにずっと居たら、いつかは新たなヴァンパイアがやってきて可能性は閉ざされてしまう。
だからあなた達は地上へ、新しい世界へと踏み出さないといけないのです。
ねこさん達、魔法で土を耕してほしいのですー。
この花の種はその為の誓い。
今から植える白いアネモネの花言葉は希望。
生き延びて、いつかここに戻ってくる頃には、きっと綺麗な花畑になってるのです。
ルパート・ブラックスミス
UC【錬成カミヤドリ】。80騎超の複製鎧を展開し
手頃な空き地を耕し、花の苗…持ち込んだUDCアースの赤椿を植える。
本来成長を見守るべきであり、無粋な手管だが…悠長に居座っていられん以上仕方あるまい。
事前に「触れた相手が自分に対して【生命力吸収】する」ように【武器改造】した短剣を地に突き立て苗に生命力を供給、成長を加速させる。
人は…花に想いを込める。
その美しさに名だけではなく言葉を、意味を与え象徴とする。
この赤椿に与えられた言葉の一つは「誇り」。
人々よ、地底都市を発て。新天地へ向かえ。
ヴァンパイアの支配を抜け、人としての誇りを抱け。
ただ今を生きるだけではない、未来と己に意味を与える旅に出るのだ。
インディゴ・クロワッサン
お花畑を作ると聞いて、僕推参!(笑)
脊髄反射的に薔薇を推したい所だけど…
「…薔薇はお手入れが必須だもんねぇ…んー…」
UC:無限収納 を使ってムスカリとかクリスマスローズとかを取り出しながら、スコップとかシャベルとか各週道具を提供しますかー
「これって、そんなにお手入れ必要ないんだって」
必要であれば他の猟兵にもレンタルするよー
花畑に出来そうな場所を【情報収集/世界知識/第六感】で探して、見付けたら作業開始だー☆
…あ、そーだ… 門の近くに勿忘草植えとこ
「何となく、こーした方がいい気がしたから」
●
ダークセイヴァーにある地底都市アングラ。
その地を実質支配していた『怨呪の鉄棺』の群れを討伐した猟兵達はこの地の人々を解放する。
「おお、ありがとうございます……」
「ようやく、自由に暮らすことができます」
人々はアングラが人の手に戻ったことを喜び合う。
だが、本当の意味でこの世界がヴァンパイアの支配から逃れたわけではない。
「……残念だけど、貴方達が得た自由は仮初めのものよ」
この世界でヴァンパイアを戦い続ける銀のウェーブヘアの少女、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)がアングラの人々を諭す。
さすがに、猟兵達もこの地にずっと滞在するわけにはいかない。世界一つとっても救うべき場所は多いし、そもそも救うべき世界自体もまた目移りするほどに多いのだ。
「……この地で生活を続ければ、やがて異変を察知した吸血鬼がやってくる」
――そうなれば、また元の生活に逆戻り。
そこで、リーヴァルディから現実を突きつけられたアングラの人々は身を震わせる。
「……貴方達は地上を目指すべきよ。真に自由を求めるのならば……ね」
アングラの人々は顔を見つめ合い、小声で語り合う。
このまま故郷に引き籠っていずれまたヴァンパイアに支配されるのを受け入れるか、それとも……。
●
この地底都市で育つ作物は日の光をあまり受けないこともあって、弱々しい印象を受ける。
ただ、それでも人々はヴァンパイア達の支配の中、生きる為に精力込めて育てていた。だから、彼らは花を見たことすらない。
「花を見たことがないのです? ……わたしの頭に咲いているこれが花です」
オラトリオである目隠しした少女、七那原・望(封印されし果実・f04836)の銀の髪には赤いアネモネの花が咲いている。
花には花言葉……花に込められた意味が色々あるのだが、望は『可能性』を挙げる。
「あなた達が望んで手を伸ばせば、そしてあなた達を護る人々がいれば、あなた達の日常も、未来も変わります」
望もまた、このままアングラで暮らし続ければ、いつか新たなヴァンパイアがやってきて、可能性が閉ざされてしまうことを示唆して。
「だからあなた達は地上へ、新しい世界へと踏み出さないといけないのです」
再び、地上へと誘う猟兵の言葉に、戸惑いを見せるアングラの人々。例え辛く苦しい生活を強いられた土地であっても、彼らにとっては生まれ育った故郷なのだ。
「でも、花……きれいですね」
「他にも、あるんでしょうか」
望の見せたアネモネ以外にも花に興味を示すアングラの人々の反応が自然と共に育ったキマイラの巫女姫、エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)には意外だったようで。
「なんじゃ、お主ら花も見た事がないのか。どれ、わしが見せてやろう」
そうして、エウトティアが動き出すと、すでに黒騎士の鎧のヤドリガミであるルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)がユーベルコード【錬成カミヤドリ】によって80あまりの複製鎧を展開して、アングラで手頃な空き地を探す。
ある程度光量のある広い土地を発見すれば、望が鈴の付いた白いタクトを振るって沢山の魔法猫を呼び出して。
「ねこさん達、魔法で土を耕してほしいのですー」
「「にゃにゃっ」」
魔法猫達はその場の土へと魔法を放って土を掘り返す。早速、ルパートの展開した複製鎧が花の苗……持ち込んだUDCアースの赤椿を植えていた。
そこへ、新たに駆け付けた猟兵の姿が。
「お花畑を作ると聞いて、僕推参!」
笑いながらやってきたのは、太ももにまで届く長く青い髪をゆらすインディゴ・クロワッサン(藍染め三日月・f07157)だ。
彼は脊髄反射的に薔薇を推したいと口にするも、すぐに唸って。
「……薔薇はお手入れが必須だもんねぇ……んー……」
インディゴと同じく、王子然としたダンピール貴族、琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)も好きな花ということで薔薇を思い浮かべていたが、実感の吸血姫城を思い出して良くないと考えたらしい。
「ヴァンパイアからの解放なら、僕からはこんな花を用意しよう」
れにはウインクしながら、図書館で借りた本を眺めてとある花を示してみせたのである。
●
すでに仲間達が花畑に適した場所を発見して作業を進めていたこともあり、インディゴもそれを手伝う。
「作業開始だー☆」
インディゴは気分よくユーベルコード【無限収納】を使い、スコップとやシャベルといった各種道具を仲間やアングラの住民へとレンタルする。
「これって、そんなにお手入れ必要ないんだって」
そして、インディゴは人々へとそう説明しながら、畑にはムスカリ、クリスマスローズといった苗を植えていた。
エウトティアもユーベルコードを使っていて。
「森羅万象、あるがままを受け入れるのじゃ」
彼女は隣接する岩場を花畑へと変えていき、そこに色とりどりの花を咲かせていく。
さらに、エウトティアは精霊を呼び寄せて柔らかい光で花畑を照らし出す。
「どうじゃ? これが花じゃよ。地上ではありふれたものなのじゃがな」
「花……こんなに……」
名も知らぬ花々が咲き乱れるその様は、地底の人々の目には非常に色鮮やかに見えたことだろう。
花畑の規模は猟兵達の働きによって思った以上に広がりをみせる。
れにが本で示していたのは、ノカンゾウ……別名ワスレグサと呼ばれる花。その名の通り、代表的な花言葉として「憂いを忘れる」という意味がある。
「過去の嫌なことを忘れてしまおうという思いを込めたんだ」
「…………」
れにの一言で、アングラの民達はこれまで怨呪の鉄棺らから受けた仕打ちを思い返してしまう。
彼らにとってはおそらく、トラウマとして残り続ける記憶。前向きに生きる為にそれを忘れようとれには言っているのだ。
なお、ノカンゾウの花とつぼみは食用にもなり、れにの持つ本によれば、不眠や精神安定の効能があるのだとか。
「実用的なんて、素敵だね」
そうまるで君のように……と儚げな印象のアングラ女性を目にしたれには、口説こうとしようとして言葉を止める。
ノカンゾウの花言葉の一つに「愛を忘れる」という意味があったことを、れには思い出したのだ。
(「この花の前じゃ口説けないね」)
貴方に靡かないという意味を暗に示す花を前ではさすがにと、れには小さく首を振ってしまうのだった。
傍では、ルパートは植えていた赤椿の苗を見つめながら思う。
「本来成長を見守るべきであり、無粋な手管だが……」
ここで花が咲くまで悠長に居座ってはいられないと考えたルパート。
事前に「触れた相手が自分に対して【生命力吸収】する」ように【武器改造】した短剣を地面へと突き立てたルパートは、苗に生命力を供給、成長を加速させる。
「人は……花に想いを込める」
すでに仲間達も口にしていたが、ルパートはこう人々へと語る。
地上の人々はその美しさに名前だけでなく言葉を、意味を与えて象徴とすることがある、と。
赤椿に与えられた花言葉の一つは、「誇り」だ。
「誇り……」
これまで、隷属を強いられていた人々は、自分達が持たなかったその言葉を噛みしめる。
「人々よ、地底都市を発て。新天地へ向かえ。ヴァンパイアの支配を抜け、人としての誇りを抱け」
ただ、今を生きるだけではなく、未来と己に意味を与える旅に出るのだとルパートは人々を諭す。
「ふむ、土も柔らかいようじゃから、いい花が咲いておるのう」
エウトティアは自身や仲間が咲かせた花を見回しながら感じていたのは、雄大な自然と共に暮らした彼女だからこそ地底都市に感じる狭さだ。
「お主ら、広い地上に出てもっと大きなお花畑を作ってみぬか?」
幸い地上には受け入れを表明している集落もあるという。
エウトティアが検討をと促すと、ついに住民の1人が手を挙げて。
「わたし、見てみたいです。地上を」
その答えに、エウトティアを始め猟兵達の多くが笑顔を見せていたのだった。
●
皆が大規模な花畑を造っている間、リーヴァルディはこの街の代表格となる中年男性と話をしていた。
長く生きられぬ者も少なくないこのアングラでは、代表者の代替わりもかなり頻繁に行われていたのだとか。
「改めて、この度はありがとうございました……」
「……いえ、こちらこそ、私達の話に耳を傾けてくれてありがとう」
リーヴァルディは礼儀作法を意識して挨拶し、現状や人類砦について改めてアングラの民へと伝える。
そして、人々が今後をどうするかを話し合う間、リーヴァルディは病人や怪我人、体力の弱った人々の手当てを行う。
「地上まで連れていけないのは悲しいからね」
リーヴァルディはユーベルコード【限定解放・血の聖杯】を使うことで、人々の治療を進める。
その後、彼女は彼らの家の近くへと花の種を植えて。
「……花には色々な意味がある」
祝福の花や、弔いの花……怪我した人を励ます為の見舞いの花。
それに気づいた仲間達がその花を見せてやろうと、急速成長させて咲かせる。
「おおっ……」
それぞれに意味を持つ花に、人々はしばし見とれる。
リーヴァルディも表情こそ変えないが、花を愛でる住民達に好感を抱いて。
「……後は安静にしていれば大丈夫よ。お大事に」
さて、アングラの人々が下した決断は、地上への移住だった。
「いつかまた、この地に帰ってこようと思っています」
地上もヴァンパイアの支配が続く状況は変わらぬが、やはり隷属を強いられる日々から逃れたいと考える民が多かったというのが理由のようだ。
その決意を聞いた望は、仲間達や住民と造った花畑に花の種を植える。
「この花の種は、未来を変える為の誓い」
彼女が植える白いアネモネの花言葉は……希望。
「生き延びて、いつかここに戻って来る頃には、きっと綺麗な花畑になっているのです。
望のそんな一言もあり、その畑は急速成長させることなくそのままにして、猟兵達はアングラの住民達と共に地上を目指すことにする。
しばらくして、準備を整えて住民達はこの地を後にすべく門を出る。そこにはもう門番の姿はない。
「……あ、そーだ」
インディゴは、誰も居なくなったアングラの門の近くへと勿忘草の種を植える。
「何となく、こーした方がいい気がしたから」
手早く作業を終え、インディゴは仲間達を追う。
勿忘草。その花言葉は、「私を忘れないで」。
大成功
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