●メイドさんのお願い?
東京、秋葉原。昔ながらの家電量販店から、果てはアニメやゲームの専門店まで、あらゆるホビーが集うオタクの聖地。そんな街の外れに、ぽつんと佇む場違いな店。
それは、一見してどこにでもあるメイド喫茶だった。だが、大通りから外れ、小さなオフィスや町工場、そして住宅街に挟まれた裏通りに面していることから、立地的には決して恵まれた場所とは言えそうにない。
こんなところに店を構えたところで、誰にも知られず潰れてしまうのではあるまいか。そう思われても仕方ない寂れた店内は、しかし大勢のメイドさんで埋め尽くされていた。
「ねえねえ、サキのお願い、聞いてくれるかな?」
「優しいご主人様だったら、聞いてくれるよね?」
客は、制服姿のオタク少年が一人だけ。それを取り囲むようにして、全く同じ顔をしたメイドが、ハーレムの如く集まっているという異様な光景。
「ア……アハハ……問題ないでござるよ! 全部、拙者に任せるでござる!」
しかし、それに対して何の疑問も抱くことはなく、オタク少年は鼻の下を伸ばして頷くだけだった。やがて、彼が店の外に出てしまうと、メイド達の姿は徐々に重なって一人になり……そして、不敵な笑みを浮かべながら呟いたのだった。
「うふふ……せいぜい、頑張ってね。あなたも含めた、あなたのお友達……み~んな、サキのものにするために♪」
●アブない裏オプション!?
「メイドさんのいる喫茶店……UDCアースにもあったんだね」
もっとも、店の雰囲気はサクラミラージュのカフェとは随分と異なるようだが。そう言って、日紫樹・蒼(呪われた受難体質・f22709)は猟兵達に、UDCアースで発生しようとしている事件について説明を始めた。
「えっと……皆は、感染型UDCって知ってる? 人間の『噂』で増殖するっていう、なんかとんでもない敵なんだ」
その感染型UDCに魅入られて、感染を拡大しようとしている一般人がいる。名前は増田・拓郎(ますだ・たくろう)。秋葉原のメイド喫茶やアニメショップに入り浸る筋金入りのオタク高校生であり、学校帰りに秋葉原へ寄り道することも多いらしい。
そんな拓郎が、感染型UDCに魅入られてしまった。このままでは、拓郎は学校でUDCの根城であるメイド喫茶の噂を広め……それをきっかけに、学校で感染型UDCの眷族が大量発生してしまう。
「とりあえず、皆にはこれ以上の感染を食い止めるため、まずは拓郎さんの通っている学校に向かって欲しいんだ。残念だけど、眷族の発生を止めることはできないから……到着したら、直ぐに戦うことになると思うよ」
その眷族とは、名付けてフライングメイド服。その名の通り、空飛ぶメイド服の姿をしたUDCであり、一般人に憑りついて、邪神に従順なメイドに仕立て上げてしまう。現場に到着した時には、既に高校の教師や生徒が多数メイドにされているはずなので、眷族を撃破して解放してやらなければならない。
「それと……フライングメイド服なんだけど……倒すと消滅して、憑りつかれていた人達は下着姿になっちゃうから……女の子を相手にするときは、その……気をつけて……」
顔を真っ赤にしながら、蒼は言った。もっとも、このメイド服は老若男女関係なく憑依するため、場合によってはガチムチな男子運動部員が憑依されたメイドや、キモオタ男子が憑依されたメイドを相手にしなければならないかもしれないが。
「メイド服を全部やっつけたら、後は元凶のメイドさんをやっつけて。場所は、秋葉原の街外れのメイド喫茶跡だよ。立地が悪くて、既に潰れちゃってるから、普通は誰も近寄らないはずなんだけど……」
現在は、UDCの力によって、その内部が歪に変貌している。中に入ると、全て同じ顔をしたメイド達がお出迎えして、盛大なパーティを開き、客を篭絡しようとしてくるらしい。
「本物のUDCを見極めるためには、そのパーティを盛り上げるといいみたい。パーティが上手く盛り上がれば、UDCが油断して周りの偽物が全部消えるはずだから、そこを一気にやっつければ事件は解決だよ」
男も女も関係なく、邪神に使えるメイド軍団にする計画など、放置はできない。そう言って、蒼は猟兵達を、UDCアースの高校へと転送した。
雷紋寺音弥
こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。
UDCアースにて、メイド服とメイドさんが大量発生する事件が起きました。
このまま感染が広がれば、世界がメイドで埋め尽くされてしまいます。
そうなる前に、元凶のメイドを倒してください。
●第一章
感染型UDCの第一発見者である増田・拓郎(ますだ・たくろう)の高校にて、フライングメイド服と戦います。
メイド服は高校の生徒や教師に、男女問わず憑依してメイド化させています。
攻撃のダメージは、なぜか全てメイド服のみが受けるので、普通に戦って倒すだけで一般人は全て救出可能です。
●第二章
UDCの住処である、廃墟と化したメイド喫茶へ向かいます。
幻覚によって店内は通常のメイド喫茶と遜色ない雰囲気になっており、同じ顔をしたメイド達が盛大なパーティで迎えてくれます。
パーティを上手く盛り上げることができれば、UDCが油断して、偽物のメイドは全て消滅します。
●第三章
事件の元凶である感染型UDCを撃破しましょう。
色々と、あざとい仕草でこちらを誘惑して来ますが、心を鬼にして倒してください。
第1章 集団戦
『フライングメイド服』
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POW : メイド格闘術
自身の【布地 】を代償に、【自身が憑依する一般人】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【肉体言語】で戦う。
SPD : 萌えメイド拡散術
召喚したレベル×1体の【憑りつかれた一般人メイド達 】に【ケモミミ】【モフ尻尾】【萌え口調】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ : メイド普及術
非戦闘行為に没頭している間、自身の【憑りついている一般人 】が【普及活動や奉仕活動している間】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
イラスト:猫月みらい
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鏡島・嵐
メイド服の噂? 感染型UDC?
……事情はイマイチ飲み込めねえけど、ヘンなUDCも居たもんだな。
ともかく、事件を解決しねえとな。
襲いかかってくる絵面はともかく、やっぱ戦うんは怖ぇ。とは言え、人を助けるんだから踏ん張り処だよな。
《二十五番目の錫の兵隊》を突っ込ませて、おれは後ろから〈援護射撃〉を撃ったり、〈目潰し〉〈武器落とし〉でメイド服への妨害を仕掛ける。
他に仲間が近くにいるようなら、そっちにも援護を飛ばす。
……うーん。男相手はともかく、女の子の薄着姿ってのは目のやり場に困る。
状況が状況だからドキドキまではしねえけど、やっぱ複雑な気分だ。
こういう時、自分も年頃のオトコなんだってことを実感するな。
●最初からカオス
問題の高校へ足を踏み入れると、そこは既にカオスな空間と化していた。
飛び回るメイド服に、メイドの格好をして暴れ回る様々な生徒や教師達。男も女も関係なく、メイド服の命じるままにメイドと化し、好き放題に暴れ回っては、次なる犠牲者を生み出さんと襲い掛かる!
「メイド服の噂? 感染型UDC? ……事情はイマイチ飲み込めねえけど、ヘンなUDCも居たもんだな」
あまりに異様な光景に、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は早くもドン引きだった。いったい、何がどうなっているのだ、この状況は!? 可愛いJKがメイド服を着ているなら分かるが、汗臭い運動部員や、果ては学食を作っているおばちゃんまでメイド服姿で暴れているとか、もうのっけから色々な意味でメチャクチャだ!
「あらぁん、いい男ねぇん♪ あなたも私と一緒に、メイドになってくれないかしらぁん?」
「ひっ……! か、勘弁してください、先輩! ってか、そんな格好でなにやって……うわぁぁぁっ!!」
見れば、空手部員と思しき男子生徒が、既にメイド化した先輩部員に声をかけられ、強引にメイド服を着せられていた。なんというか、これは酷い。メイド化に伴ってオネェとなったムキムキの空手部員に羽交い締めされ、自分までメイドにされるとか、いったい何の悪夢だこれは!?
(「うわ、なんだこいつら!? オネェに無理やりメイド服着せられるとか、冗談じゃないぞ……」)
物陰から様子を窺っていた嵐は、思わず額に冷や汗をかいて後退った。
戦いは怖い。それは今も変わりないが、それ以上にこの状況は別の意味で恐ろしい。間違っても、男子生徒が変貌したメイドにだけは捕まってはいけない。絶対にだ!!
「胸に燃ゆるは熱き想い、腕に宿るは猛き力。その想いを盾に、その力を刃に。……頼んだ!」
自分で相手をすることだけは嫌だったのか、嵐は片脚が義足の武装した兵士の霊を召喚し、彼に戦いを任せてしまった。自分は後方から援護でもすれば良いと思っていたが……しかし、なにしろ相手は衣服である。
目潰しをしようにも、衣服の着用者はともかく、メイド服にはそもそも目がない。ならば、叩き落としてやればと思ったが、単に叩き落とした程度では、メイド服は直ぐに勢いを取り戻し、ふわふわと浮いて次なる獲物を探しに行ってしまう。
結局、殆ど戦いを兵士の霊に任せきりにしたまま、嵐はメイド服を追い払うので精一杯だった。生徒に憑依していたメイド服の何着かは兵士の霊が倒してくれたが、それはそれで後処理に困る。
「うぅ……私、いったい何を……って、きゃぁぁぁっ! なに、これぇぇぇっ!」
「いやぁぁぁっ! なんで、こんな格好なのよぉぉぉっ!!」
フライングメイド服に魅入られた者は、仮にメイド服を破壊されても、同時に下着以外の衣服もまた消えてしまう。そもそも、憑依された時点で下着以外の衣服が全てメイド服に吸収されているため、救出後は半裸確定なのである。
さすがに、こんな状況で興奮するほど嵐もアホではなかったが、しかしとにかく目のやり場に困る光景だった。それは、パンイチ姿で下着姿の女子の前に放り出された男子生徒達も同じようで、股間を両手で押さえつつ、そそくさと物影に隠れ始める者が大半だった。
自分も年頃の男である以上、反応しないというのは無理があるが……それにしても、こんな場所では役得も何もあったもんじゃない。
「あ、あの……あまり、こっちを見ないでください……」
「えっ!? ああ、すまない……って、うげっ! また出た!?」
一瞬、下着姿の女子生徒と目が合ったのも束の間。目の前に飛び出して来たメイド服姿のメタボなキモヲタ男子を視界に捉えてしまい、嵐は激しく後悔した。
成功
🔵🔵🔴
ゾーヤ・ヴィルコラカ
メイドさん、なのかしら? 可愛らしい服だけれど、一般人に憑りついてるのなら吹き飛ばすしかないわね。
まずは〈ダッシュ〉で駆けまわって注意を引いて、できる限り多くのメイドさんを集めるわ。そうしたら【UC:魔獣咆哮(ブリザード・ブレス)】(SPD) を使うわ。これでまとめてメイド服をまとめて吹き飛ばすことができるはずね。
これで一件落着だけど、女の子を下着姿で放置するのは忍びないわね……
とりあえず何か着せてあげなきゃ、最初に駆けまわってるついでに体操着とか集めておこうかしら? 着せるものがなくなったら、私の人狼装束も使うしかないわね。
(アドリブ協力等々何でも歓迎です)
アリス・フォーサイス
ここがUDCアースの学校?メイドさんがいっぱいいて、漫画とかで見たのとちょっと違うような。あ、でも、そういう漫画もあったような。
襲ってくるメイドさんが敵だね。こっちもちびアリスに【ケモミミ】【モフ尻尾】【萌え口調】をつけて対抗だよ。
ちびアリスたちと一緒にチェーンソー剣でズタズタラッシュ(服破り)だよ。
服が破けた人のためにナース服を持っていって、男女関係なく渡すよ。
●お巡りさん、こいつが元凶です!
メイド服が舞い踊り、男女問わず悲鳴が飛び交う白昼の学園。
何も知らない者が見たら、いったい何の騒ぎかと思うだろう。というか、当事者である生徒や教師達も、何が起きているのか把握などしていまい。
「ここがUDCアースの学校? メイドさんがいっぱいいて、漫画とかで見たのとちょっと違うような。あ、でも、そういう漫画もあったような……」
自分の知識との相違に戸惑いながらも、アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は何とか事態を把握しようと必死だった。だが、そうこうしている間にも、メイド服は次々と周囲の人間に憑依して、男女関係なくメイド化していた。
「ひぃっ! な、なんじゃ、これは!? こっちに来るでな……ひょぇぇぇっ!!」
「おのれ、得体の知れない服の化け物め! ここから先は、俺の生徒に手出しはさせな……ぐぁぁぁっ!!」
清掃員の婆さんや、竹刀を持った熱血教師まで巻き込まれ、問答無用にメイドとなた。その、あまりに無節操な有様に、ゾーヤ・ヴィルコラカ(氷華纏いし人狼聖者・f29247)も思わず首を傾げるしかなかった。
「あれ……メイドさん、なのかしら?」
婆さんが憑依されたメイドさんは、御屋敷に長年勤めるメイド長とでも言えば、まあ通用するかもしれない。だが、無精髭を生やした男がメイド服を着た物体だけは、間違ってもメイドさんとは呼べない代物だ。
とりあえず、あのメイド服をなんとかしなければならない。ここは、一気に纏めて吹き飛ばすのが得策だと、ゾーヤは早々に切り札を発動させた……のだが。
「みんな吹っ飛びなさい!!」
「え……? うぎゃぁぁぁっ!!」
混戦状態で無差別攻撃を仕掛けたことで、憑依されていない生徒や教師まで吹っ飛ばしてしまった。おまけに、周囲の机や椅子も吹き飛ばし、窓ガラスもブチ割る大被害。周囲にいる全てが敵なら問題なかったが、敵も味方も一般人も入り乱れる戦場で、無差別攻撃はむしろ被害を拡大させてしまう諸刃の剣。
「うぅ……ちょっとは使う技を考えて欲しかったなぁ……」
飛んで来た机を盾に、咄嗟に衝撃をガードしているアリスが、机の後ろから顔を出した。見れば、吹っ飛ばされたメイド服やメイドさん達は、確かにダメージを負っていたが……その身に宿した飛翔能力で飛行して、態勢を立て直してしまっていた。
「はにゃ~ん♪ もえもえ、きゅ~ん♪」
「モフモフ尻尾があれば、空だって飛べちゃうにゃん♪」
獣の耳や尻尾を生やし、メイド化した者達は自在に空を飛びながら、アリスを発見して襲い掛かって来た。これが可愛らしい美少女メイドだけなら少しはマシだったが、しかし台詞を口走っている者の半数は武骨な男性教師や用務員の爺さん婆さんなので、やってられない。
「むっほぉぉぉっ! きゃわいいお嬢ちゃん! 萌え萌えだよぉぉぉん♪」
そして、極めつけは中に混ざっていたキモヲタである。メイド化しているのに、なんだか本質的に何も変わっていない気がするが、それはそれ。
これ以上は見苦し過ぎて脳がショートしそうだったので、アリスは早々に決着をつけることにした。厄介なUDCだが、所詮は服。つまり……ズタズタに破いてしまえば、その力を失うはずだ。
「いでよ! ぼくの分身!」
詠唱と共に、一斉に召喚されるちびアリス達。その数、ざっと見ただけでも80体以上。明らかに、数では彼女達の方が上である。しかも、対抗意識剥き出して、獣耳とモフ尻尾を生やすことも忘れていない。
「よ~し、みんな、行くにゃん♪」
「どっちが真の萌えキャラか、思い知らせてやるんだにゃん♪」
それぞれ、手にチェーンソーを持って、襲い掛かるちびアリス達。口調や恰好とは反対に、なんとも物騒な凶器を所持した集団になっているが、服を破らねばならないので仕方がない。
「ひゃぁん! そんな破廉恥なこと、しちゃダメですぅ……ハッ!?」
「もぅっ! エッチなことする人にはお仕置きで……あ、あれ?」
メイド服を破られたことで、次々と正気に戻って行く生徒や教師達。これで、ひとまずは安心だが……しかし、パニックはまだ終わらない。
「きゃぁっ! ちょ、ちょっと、なにこれぇっ!?」
「おわぁっ! な、なんでパンツ一丁になってんだよ、おい!?」
「いやぁぁぁっ! こっち見ないでぇぇぇっ!!」
UDCが消滅したことで、被害者達は全員が下着姿になってしまったのだ。さすがに、このまま放置はできない。仕方なく、ゾーヤが校内でかき集めて来た体操服を配り始めたのだが。
「えっと……これ、着るの?」
「やだぁっ! これ、男子のじゃない! なんか、すっごく汗臭いんだけど!?」
さすがに、持ち主が誰なのかまでは分からなかったので、中には体操服を頑なに着ようとしない者達も。
「んほほぉぉぉっ! これは、クラスのマドンナ、恵たんの体操服でござるな! でゅふふふ……早速、匂いを堪能させてもらわねば!!」
そして、これ幸いとばかりに女子の体操服をゲットして、匂いを嗅ごうとしているキモオタもいるので頭が痛い。というか、こいつもしかしなくても、UDCの第一感染者になった拓郎では!?
「さすがに、これは酷過ぎるね……。着る物がない人は、これを着るといいよ」
見兼ねたアリスがナース服を取り出して配り始めたことで、ようやく事態が収束し始めた。こちらも男女関係なく配っているが、最近の看護師の服は男女兼用なタイプもあるので、こちらは難なく受け入れてもらえた。
「ぬっほぉぉぉっ! メイドさんの次は、ナースのコスプレでござるな! ああ、先生! 拙者の身体を健康診断していただけませぬか!」
「きゃぁっ! ちょっと、増田君! やめなさい!!」
まあ、拓郎だけは、ナース服姿になった女教師に縋りつき、顔面に盛大な蹴りを食らったようだ。なんというか、もうこいつを捕まえて閉じ込めておけば、なんか一番平和的に終わりそうな気がして来た。
一体、真の敵とはなんなのだろう。色々な意味で混沌とした戦場。前代未聞のメイドパニックは、まだまだ終わりそうにない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鍋島・小百合子
POW重視
男も女子も見境なく皆冥土服を着ておる…
忍びになるつもりかえ?
「その衣ごと剥ぎ取ってくれようぞ」
常時恥ずかしさ耐性
学び舎内では垂れ下がっている布(カーテン)を切って後のために個数を一定確保
戦闘ではUC「精錬降魔刀」発動にて火属性の魔刀(太刀型)を創造
その性能に絶対的な信頼を寄せつつ装備
一般人に憑りついた冥土服には火の属性攻撃を伴う鎧砕きの勢いで焼却す(破魔、継続ダメージ併用)
敵の攻撃は魔刀で武器受け防御しつつ反撃を狙う(カウンター、咄嗟の一撃併用)
冥土服に攻撃が通ると言えど一般人をできるだけ切り捨てぬよう配慮
一般人を冥土服から解放すれば事前に集めた布を渡して隠すように言いつつ避難を促す
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
メイド服だけのUDC、ですかぁ。
体格や体形に関係なく着られる、というのは良いですねぇ。
それでは、対処を始めましょう。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、距離を取りつつ『FSS』を下寄りに配置して『肉体言語』を封じ、『FRS』の[砲撃]でお相手しますねぇ。
元が『フライングメイド服』ですから、着用者も飛行してくる可能性は有りますが、その場合は[空中戦]で対処しましょうかぁ。
そして、或る程度集まったら【乳焔海】を使用、[範囲攻撃]を行いますぅ。
メイド服の様な『布地』ならよく燃えるでしょうし、解放された方が他の相手に襲われる可能性に備え、一掃を狙いますねぇ。
後は、視覚だけ気を付ければ?
クロエ・アスティン
POWで判定
それにしてもメイド服……でありますか。
父様の屋敷にも何人もいましたが、萌えという感情はちょっとよく分からないでありますね。
いえ、お仕事用の立派な服だとは思いますが……そういう意味ではないですよね?
それより今は憑りつかれた方の救出が最優先であります!
襲い掛かってくるメイド(女生徒)達を戦槌で薙ぎ払い、下着姿で倒れた子には持ってきた毛布をかけてあげますね。
けど、途中から雲行きが怪しく……苦手な粗野な男性がメイド服姿でどんどん現れて涙目に……
肉体言語で抱き着いてこようとする奴らは【ほーむらんであります!】で遠くに吹き飛ばしてやります
※アドリブや連携も大歓迎
●メイド☆マッスル!
憑依されれば、誰でもメイド。その対象に、見境はなし。あまりに無茶苦茶なUDCの能力に、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は開いた口が塞がらなかった。
「男も女子も見境なく皆冥土服を着ておる……忍びになるつもりかえ?」
何故にメイド服で忍者なのかは分からないが、混乱するのも無理はないだろう。なお、冥土服では死者に着せる死に装束となってしまいそうな気もするのだが……この際、細かいことを気にしている場合ではない。
「メイド服だけのUDC、ですかぁ。体格や体形に関係なく着られる、というのは良いですねぇ」
その一方で、なにやら感心している夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だったが、しかし感心している場合ではなかろう。
体格、体型に関係なく着れるとはいえ、あのメイド服は男だろうと老人だろうと、見境なく憑依してメイドにしようとするのだ。上手く美少女メイドが誕生すれば、見た目だけは良いかもしれないが、実際は汗臭い運動部員や熱血教師、用務員の爺さんやら太った熟女などまでメイドにされており、もう何が何だか分からない状態だ。
「それにしてもメイド服……でありますか。父様の屋敷にも何人もいましたが、萌えという感情は、ちょっとよく分からないでありますね」
というか、果たして目の前にいるのは本当にメイドなのかと、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)に至っては完全にドン引きしていた。
そもそも、本来であればメイドとは、高貴な者の世話をすべく仕える身なのだ。よって、萌えだのなんだのといった要素は皆無であり、ベテランのメイド長ともなれば、大概は初老に近い女性。その下に付き従うメイド達も、甘えた態度は一切ない。そういう意味では、真のメイドとは仕事のできるクールビューティなプロであり、萌えとは対極の位置に存在するはずなのである。
だが、それに比べて、目の前のメイド達はどうだろうか。背中が痒くなるような言葉を平気で発し、しかもその半数近くは、可憐な少女ではなくゴツイ男なのだ。
「んふふふ……いっきますわよぉん! あなた達、付いてらっしゃい!!」
竹刀を持った体育教師のメイドがオネェ口調で叫ぶと同時に、その後ろから大量のメイド男子どもが現れた。しかも、どいつもこいつも、ガタイの良い連中ばかりで暑苦しい。
「うぉぉぉっす! やってやるっすよ!!」
「フンゴォォォッ! ガンホー! ガンホー! ガンホー!」
「ごっつぁんです! 萌え萌え、どぎゅぅぅぅん!!」
柔道部、アメフト部、おまけに相撲部。右を見ても左を見ても、むさくるしい連中ばかりが集まっている。そんな者達が、メイド服を着て萌え口調で迫って来るのだから、これはキモい! 本当にキモい!!
「ひぇぇぇっ! こ、こっちに来るなであります!!」
メイドになった女生徒を倒していたクロエだったが、自分の方へと突進してくる筋肉メイド隊を見て、思わず泣きそうになった。懸命にハンマーを振り回して吹っ飛ばそうとするが、連中は筋肉を武器にクロエに迫り、その汗臭い身体で一気に押し潰さんと襲い掛かって来た。
「それ以上はさせぬぞ! 我は生む、世の摂理を体現せし降魔の刀……この手に!」
だが、間一髪、小百合子が間に入ってくれたことで、なんとかマッスルプレスを食らうことだけは避けられた。迫り来るガチムチメイドに対し、小百合子は一歩も退くことなく、焔を宿した刃を振るい。
「その衣ごと剥ぎ取ってくれようぞ」
見事、メイド服だけを燃やして中の生徒を救出する。やはり、UDCとはいえ服には違いなく、炎を使った攻撃には弱いようだ。
「なるほど、服だけに炎が弱点なのですねぇ。ですが……一人ずつ助けていたら、手が足りませんねぇ」
それでも後から後から湧いて来るメイド達に、最後はるこるが切り札を発動! 相手が自ら近づいてくるなら、そこを狙って纏めて焼き尽くしてしまえば良いと。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに!」
瞬間、るこるの全身から白炎が波動のように放たれ、それを受けたメイド服が一斉に燃え始めた。中には、慌てて叩いて消そうとしている者もいたが、そんなことでこの炎は消せない。ユーベルコードである以上、炎の着火や消火まで、全てるこるの意志なしには行うことができないのだから。
「うぉぉぉ……って、あれ?」
「お、俺達は、なにをして……って、なんで服が!?」
まあ、解放されれば半裸になってしまうことまでは防げないので、周囲のあちこちで、お約束の反応が起こるのは仕方がなかったが。
「きゃぁぁぁっ! 見ないでぇぇぇっ!」
「ちょっと、どうなってるの、これ!? なんで裸の男子がいて、しかもこっちまで下着なわけぇ!?」
理由も分からず、男女が下着姿で同じ場所に放り出されれば、悲鳴の嵐になるのは避けられない。仕方なく、小百合子が予め集めていたカーテン布などを配ったものの、このパニックを3人だけで納めるのは無理がある。
「あの……俺達も、何か手伝いましょうか?」
「えっと……一応、俺達は服着なくても大丈夫なんて……」
そんな中、メイド服から解放された相撲部員達が、避難誘導を買って出てくれたのは幸いだった。どうやら、彼らが稽古で使うまわしは下着と見做されたようで、メイド服を倒しても消滅しなかったらしい。
とりあえず、この周辺に湧いたメイド服は、一枚残らず一掃できたか。頼むから、これ以上は暑苦しい運動部員がメイドにされていないことを祈りつつ、猟兵達は次なる救出対象を探して散開した。
「ねぇ、やだぁ! 神崎先生のパンツ、いちご模様よ!」
「あ、こら! お前達! 何を見ているんだ!!」
なお、普段から竹刀を振るっていた厳格な熱血体育教師は、この騒動で可愛らしいパンツの愛好家であることがバレてしまい、一気に威厳を失ったという。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
露木・鬼燈
いやー、大惨事ですね。
男のメイド服は視覚の暴力。
ダメなヤツなのですよ。
猟兵としての使命感とか良識とかを上回る拒否感。
申し訳ないけど…女性とだけしか戦わない!
純粋に男のメイドがイヤなだけ。
布地の少ないメイドさんに惑わされたわけではないのです。
その証拠に僕のメイドさんはクラシカルロングメイド服なのです。
んん?不思議なことに疑惑に視線が強く…
ここは戦働きで信頼を回復しないと、ね。
機関銃や狙撃柔を装備した射撃型。
ツヴァイヘンダーやハルバードを装備した近接型。
これらのメイドさんの支援を受けながら制圧するですよ。
メイド格闘術になんて負けないのです。
僕の近接戦闘の技術の方が上だって教えてあげるのです。
フレミア・レイブラッド
メイドの女の子達は可愛いけど…アレはないわねー…(遠目からグラウンドのメイドおねぇラガーマン達を眺めながら)
(むさ苦しいメイド男子をなるべく見たくないので)可愛い子が多くいそうな女子バレーとか女子~系とか女子が多そうな部活(調理部とか)がやってる場所中心に移動。
装着者に被害は出ないとの事なので、移動しながら圏内に入ったメイドは片っ端から【サイコキネシス】で拘束。
炎の魔力弾【属性攻撃、高速・多重詠唱、誘導弾】を多重展開し、男性メイドは片っ端から雑に焼き払い。
可愛い女の子のメイドは炎を纏わせた魔槍【怪力、早業】で優しく丁寧に助けつつ【誘惑、催眠術】と魅了のフェロモンで魅了。
後で助けたお礼とかで…♪
●大惨事メイド大戦
男女問わずメイドと化し、次なる犠牲者を求めて校内で暴れ回るという凄まじい状況。ある意味では最も恐ろしいパニックホラーである。特に、ガチムチメイドや爺さんメイドといった者達は、その存在自体が視覚による暴力以外の何物でもない。
「いやー、大惨事ですね。男のメイド服は視覚の暴力。ダメなヤツなのですよ」
「メイドの女の子達は可愛いけど……アレはないわねー……」
露木・鬼燈(竜喰・f01316)もフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)も、物陰から様子を窺いつつ、本気でドン引きしていた。
正直、あれはないと思う。特に、グラウンドで暴れているメイドラガーマンとか、バーコード禿や豊満熟女の変身したメイド教師は本当に酷い。猟兵の使命とかそんなもの全て忘れ去り、目が合った瞬間に逃げ出したくなる程のインパクト!
「申し訳ないけど……女性とだけしか戦わない!」
「そうね……。できるだけ、可愛い子が多くいそうな場所を狙って動きましょうか……」
むさくるしい男メイドの相手は他の猟兵に任せ、鬼燈とフレミアは、それぞれ女子の多い場所を狙って移動することにした。
え、それって無責任じゃないかって? いや、だって……メイドはメイドでも、筋骨隆々としたガチムチメイドですよ? 百歩譲ってメイドカフェに勤めていたとしても、マッチョリーナとかそういった源氏名で仕事してそうなオネェですよ?
正直、こんなナマモノと正面から戦いたいと思う者がいたら、それはそれで別の意味で勇者である。しかし、鬼燈もフレミアも斜め上な勇者になるつもりはなかったので、気にせず女子の多そうな場所を探してその場を離れた。
いったい、どこへ行けば女子が多く、男が少ないだろうか。女子運動部を狙うのがセオリーだろうが、場合によっては男子が同じ場所で活動している可能性もあり、万全とは言い難い。
結局、考えに考えた末、二人が選んだのは音楽室。そう、吹奏楽部が活動している場所だ。別に女子だけの部活というわけではないのだが、何故か昔から、この手の部活は女子ばかり人気があり、男子の部員はレアであることが多い。
果たして、そんな予測は正しく、この学校の吹奏楽部も女子部員しかいなかった。音楽室へ入るや否や、鬼燈は印を結んで自らも多数のメイドを呼び出した。
「戦闘支援を要請するっぽい!」
そこに現れたのは、それぞれが武器を手にしたメイド部隊。一方で、メイド化した吹奏楽部員達も、手にした楽器を鈍器代わりに鬼燈達へと襲い掛かって来る。
「そんなメイドさんには負けないのですよ。にわか仕込みの戦い方で、勝てると思ったら大間違いです」
だが、鬼燈の言う通り、メイドとしての技量では雲泥の差があるのも確かだった。なにしろ、鬼燈のメイド隊はプロである。それに対し、メイド服で強引にメイド化させられた者達は、メイドになったばかりの新米だ。
互いに激しくぶつかり合うメイドとメイド。たちまち、大乱戦になって行くが、巨大な剣を持った鬼燈のメイド隊の方が、圧倒的に有利なのは変わりない。
「さて……それじゃ、さっさと終わりにさせてもらおうかしら?」
楽器が次々とブチ壊され、それに伴ってメイド服も破られて行く中、最後はフレミアが残るメイドを纏めて念力で拘束した。
「んんっ……な、なに、これぇ……」
「う、動けない……」
動きさえ封じてしまえば、こちらのもの。後は彼女達の着ているメイド服を、炎を纏った槍で攻撃して行くだけで良い。
「……あれ? 私達、なにやって……って、きゃぁぁぁっ!!」
「嘘!? なんで制服がなくなってるの!? それに、楽器も壊れてるし……」
まあ、倒した後に女子がパニックになるのは、もう仕方のないことなんですけどね。状況が飲み込めていない彼女達に変態扱いされるわけにもいかず、鬼燈はメイド隊にその場を任せてそっといなくなり。
「もう、大丈夫よ。とりあえず、安全な場所に隠れていなさい」
救助すると見せかけて、フレミアは半裸の女子生徒達を魅了して、そのまま保健室へと連れて行ってしまった。
果たして、一般人を魅了して、あんなことやこんなことするのは良いのだろうか? 色々と疑問が残るところだが、とりあえずメイド服は倒せたので、結果オーライということで良いだろう……たぶん。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
久遠・翔
アドリブ絡みエロ歓迎
純潔死守
ろ、碌でもねぇっす
これ、間違いなく捕まったら服をメイド服に変えられるっすよね…冗談じゃないっす
でも流石に攻撃をするのは躊躇ってしまうっすね…
抱き着き浄化術試してみますか(本人無自覚の為優しく抱きしめる以外の発動方法をよく知らない)
悲鳴を聞きつけプール方面に行くと憑りつかれた女子生徒達が
濡れている…?水泳部とかなのだろうかと思いククリナイフで2回攻撃・なぎ払い中心に攻撃しますが…数が多い!
何とか一人捕まえて選択UCで開放しますが…下着もないだと!?
水着が下着判定されてないのか!?とあたふたしていると捕まり揉みくちゃに(誘惑145)
何とか全員祓いますが全員裸どうしよう?
●プールサイドのメイド隊
ガチムチの男メイド達が暴れ回る中、メイド服はなおも増殖を続け、一般人へと憑依して行く。その対象は人間であれば誰でも良く、見境など全くない状態だ。
(「ろ、碌でもねぇっす……。これ、間違いなく捕まったら服をメイド服に変えられるっすよね……冗談じゃないっす!」)
目の前で誰彼構わずメイド化させられて行く様に、久遠・翔(性別迷子・f00042)は戦慄した。
この衣服、当然のことながら、憑依されればこちらも危ない。しかし、体格差のあるマッスルメイドに仕掛けて万が一にも敗北したら……強制的にメイド服を着させられ、そのままメイド隊の一員にされてしまうかもしれない。
そんなことだけは、絶対に御免だった。では、果たしてどこから手をつけるべきかと悩んだ末に……悲鳴を聞き付けた翔が迷い込んだのは、何故かプール!
しかも、運悪く女子水泳部員達が練習の真っ最中で、彼女達の全員がメイド服に捕まってメイド化させられていた。
「あら、お客様がいらっしゃいましたわ」
「こんにちは♪ あなたも一緒に、ご主人様にご奉仕致しません?」
既に憑依済みなのか、部員達は一斉に翔の方へと向かって来た。慌ててナイフで斬り払う翔だったが、しかし無駄に数が多い上に、どうしても攻撃に躊躇いが生じてしまう。ダメージは全てメイド服が引き受けるとされているが、それでも痛みは感じるのではないかと、余計な心配をしてしまうのだ。
こうなったら、もう最後の手段を試すしかなかった。ありったけの想いを込めて、翔は襲い掛かって来たメイドの背後に回ると、彼女のことを抱き締めた。
「大丈夫、安心してくださいっす」
これで相手を浄化すれば、メイド服が消滅するのでは? そんな一抹の期待を抱いてメイドを抱き締めた翔だったが……果たして、メイド服は消滅することなく、何故かメイドだけが元気になっていた。
「ふぅ……。なんだか、肩こりが取れたような気がしますわ」
「なっ……そんな!?」
まあ、考えてみれば、無理のない話だ。そもそも、翔のユーベルコードは対象を絶望させている核を取り除くというものだが、しかしメイド化させられている少女達は、憑依こそされているものの、別に絶望しているわけではない。結果、元の少女達が抱えていた悩みなどは吹き飛ばせても、メイド服は当然のことながら消滅しない。
「うふふ……お礼に、あなたも私達の仲間にしてあげますね」
「あ~、どうして逃げるんですかぁ? 一緒にメイドさんになりましょうよぉ!」
調子に乗って、わらわらと集まってくるメイド達。これはもう、完全にユーベルコードの相性を間違えたとしか言えまい。仕方なく、苦渋の思いでメイド服を斬り裂いた翔だったが……その下から現れたのは半裸の少女ではなく、一糸纏わぬ全裸の少女だった。
「え……? きゃぁぁぁっ!」
両手で胸元を隠し、悲鳴を上げて座り込む少女。どうやら、メイド服にとって水着は下着と判定されなかったらしく、憑依が解けた瞬間に、水着も消えてしまったのである。
「あ、ちょっと……って、なにやって……うわぁぁぁっ!」
「あはは! なんだか、窮屈そうな服ですね。それ! 脱がして着替えさせちゃえ~♪」
動揺して手が出せない翔の周りにいたメイド達が、一斉に襲い掛かって来た。慌てて反撃するも、メイド達も必死で翔の衣服を破り捨て、メイド服を着せようと迫って来る。
「ひゃぁっ! こ、これ以上脱がされたら、本当にやば……あ、こら! やめるっす!!」
結局、衣服をズタボロにされながらも、なんとか全てのメイド服を退治した翔だったが……当然のことながら、周りは全裸の少女だらけという酷い状況に。
「うぅ……な、なんで、こんな格好に……」
「ひ、酷い……。もう、お嫁に行けないわ……」
全裸で放置された少女達が泣いている。なんとかしようにも、周りには代わりの衣服になりそうなものなど、何もない。
(「な、なんとか祓ったっすけど……これ、どうしよう……」)
なんとも目のやり場に困る光景に、翔はそそくさとその場を後にした。
苦戦
🔵🔴🔴
ショコラ・スー
【恋華荘】
マスターいちごの召喚で呼び出されますれす
人型で召喚に応じた後、四肢や衣服をスライム化して、マスターの異界の浸食と一緒にメイド服を食べて溶かしていきますれす
…あ、マスターと一緒にいるのは、妹さんれすね
スーはかしこいので、妹さんの望みもわかっちゃうれす
マスターは黙っていたら妹さんに手は出さないので、ここはスーが後押しするれす
マスターに【とりつきスーちゃん】れす
マスターの身体をちょっとだけ操って、妹さんの想いを遂げさせてあげるのれす
マスターの手を使って、妹さんの下着を脱がせて…それでお胸が大きくなるようになでなでさせましょう
マスターたちがいちゃついてる間、スーは他のメイド服食べてますれすよ
彩波・さくら
【恋華荘】
兄のいちごに恋心を抱いてます
「みんなをメイド服から解放しなきゃ!」
【天の軍勢】で天使の軍勢を召喚してケモミミ女子高生たちが着ているメイド服を攻撃させるね。
メイド服さえ破壊すれば、女子高生たちは解放されるはず!
「……ちょっと公衆の面前で下着姿になるけど、それは必要な犠牲だね、うん」
……って、ちょっ!?
天使の制御に集中してたら私にもメイド服が憑依してきてっ!?
「い、いちご、助けてほしいにゃん♪」
な、何、この語尾ー!?
さらにいちごが私のメイド服を溶かしてきて……
「ちょっと、いちご、なに私の下着姿をじっとみてるにゃ!?」
そのまま、いちごに押し倒されて上下の下着を脱がされ胸を弄られるのでした。
彩波・いちご
【恋華荘】
さくらと2人でやってきました
生徒さんを救出するには、メイド服を破壊しないと…
…服を脱がす事になるのはごめんなさいっ
【異界の浸食】で眷属スライムのスーさんを召喚
スーさんのスライムボディを取りつかせてメイド服を喰らわせ溶かすことで生徒さんを解放します
って、さくらまでメイド服に取りつかれた!?
慌ててスライムでさくらのメイド服も溶かしますが
…そのあたりから、なんだか私の体の自由が利かず
下着姿になったさくらをじっと見つめると、私の手が勝手にさくらの下着を剥ぎ取って、薄い胸を愛撫しはじめ…
何で、私の身体どうして…ってスーさんの悪戯ですか!?
やめてー!?
…なんとか最後までいく前に身体取り戻しました
●兄と妹のアブない関係!・
猟兵達の活躍もあって、メイド服の完全討伐まで後少し。残りの敵を全て一掃すべく、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)と彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)は、校庭にて最後の戦いに向かった。
「みんなをメイド服から解放しなきゃ!」
「生徒さんを救出するには、メイド服を破壊しないと……。服を脱がす事になるのはごめんなさいっ!!」
迫り来るメイド軍団を相手に、奮闘する二人。しかし、やはり多勢に無勢であり、ともすればやられ兼ねない状態に!
「天の軍勢よ、我が願いを叶えたまえ」
ならば、こちらも数で対抗しようと、まずはさくらが武装した天使の軍勢を呼び出した。その手に武器を持った天使達は、さくらの命を受けて、次々にメイド隊へと突撃して行き。
「ふんぐるいふんぐるい…、全てを喰らう形なき我が眷属よ!」
いちごもまた、異界よりスライム状の生物を呼び出して、メイド服を溶かす作戦に出る。そして……彼の呼び声に応えて現れたのは、他でもないショコラ・スー(スーちゃんは悪いスライムじゃないのれす・f28995)だった。
「お呼びれすか、マスター? ……ふむふむ、あのメイド服を溶かせばいいんれすね。了解れす」
なんとも妙な口調で喋りつつ、ショコラは手近なメイドに覆い被さると、瞬く間にその衣服を溶かして行く。が、勢い余って生徒の下着まで溶かしてしまい、全裸にしてしまったのだから堪らない。
「きゃぁぁぁぁっ!」
「あわわ……スーさん! やり過ぎですよ!?」
正気を取り戻すと同時に響く女子生徒の悲鳴と、慌てふためくいちご。そして、さくらからの冷たい視線。
「ちょっと、いちご! ドサクサに紛れて、何やらせてるのよ!」
「え……いや、これは不可抗力というか……スーさんがやり過ぎたわけで……」
「まあ……確かに、ちょっと公衆の面前で下着姿になるくらいなら必要な犠牲だけど……でも、全部脱がす必要ないでしょ!」
いや、違う。これは誤解であり、事故なんだ! そう言って弁解するも、さくらの怒りは収まらない。もっとも、戦場で余所見をしていると、それは思わぬ油断に繋がってしまうわけでして。
「まったく、何考えて……って、ちょっ!?」
怒りながらも天使達の制御に集中していたことで、完全に意識が逸れていたのだろう。
突然、自分の上に覆い被さって来たメイド服に対し、さくらは全くの無防備だった。気が付けば、自分の恰好もメイド服になっている。おまけに、どんどん意識が侵食されて、このままでは本当にメイド隊の一部にされてしまう。
「い、いちご、助けてほしいにゃん♪」
必死に助けを求めるさくらだったが、既に語尾がネコミミメイド化していた。あまりの恥ずかしさに赤面するが、身体がいうことを効かず、どうにもならない。
「ま、待ってください! 今、助けますから! ……スーさん、今度はあれを! あ、でも、下着は溶かしたら駄目ですよ!」
さくらを傷つけるわけにもいかないので、いちごはショコラに頼み、さくらに憑依したメイド服を溶かす作戦に出た。どちらにしろ、メイド服を倒せば下着姿になってしまうので、下着さえ溶かさないよう注意すれば問題ないはず……だったのだが。
「ちょっと、いちご、なに私の下着姿をじっとみてるにゃ!?」
「え? す、すみません!」
だんだんと下着姿になって行くさくらの姿を凝視してしまい、思わず顔を背けるいちご。しかし、何故か身体の自由が効かず、首が前に向いてしまい。
(「……あ、マスターと一緒にいるのは、妹さんれすね。スーはかしこいので、妹さんの望みもわかっちゃうれす。マスターは黙っていたら妹さんに手は出さないので、ここはスーが後押しするれす」)
原因は、勝手に先走って行動したショコラの、要らぬお節介だった。いちごが気が付いた時には、既に遅し。ショコラによって完全に身体の自由を奪われ、両手をさくらの胸に伸ばし、下着を剥ぎ取って撫で始めた。
「ひゃ、ひゃん! だ、駄目だよ、いちご……こ、こんな場所で……ぁん💕」
「何で、私の身体どうして……ってスーさんの悪戯ですか!? やめてー!?」
言葉とは反対に、さくらを押し倒して襲い掛かるいちご。このままでは、その手はだんだんと下にまで伸びて行き、このままでは公衆の面前で、堂々と妹を襲ってしまうことに!?
「ん……いちご……そこ……ダメェ……」
「す、すみません! 今、離れま……スーさん! いい加減にしてください!!」
さすがに、他の一般人までいる手前、妹を全裸にさせるわけにはいかない。なにより、こんな場所で妹に襲い掛かるなど、変態以外の何物でもない。
これ以上、あらぬ誤解を生んでは拙いと、いちごは強引にショコラの拘束を振り切った。危うく、最後まで行ってしまうところだったが、辛うじてそれは避けられたようだ。
「む~、マスターの手で、妹さんのお胸を大きくさせようとしたのれすが……」
「そんなこと頼んでません! というか、明らかに胸を大きくする以上のことをさせようとしていましたよね!?」
何の反省もしていないショコラに向かって叫ぶいちごだったが、どうにもショコラは分かっていない様子。彼女自身、親切心でやったことなので、何故に叱られるのか分かっていないのだ。
兎にも角にも、恥ずかしい恰好にされてしまったさくらを放ってはおけないと、いちごは上着を着せた上で、足早に彼女を連れてその場を立ち去った。
あ、ちなみに、残ったメイド服は、全てショコラが溶かして撃破したようです。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 冒険
『パーティ・ゲーム』
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POW : パフォーマンスで盛り上げろ。ダンス、歌、余興になるなら何でもいい!
SPD : 縁の下の力持ちになりきれ。メイド、バーテンダー、とにかく必死で働いて支えよう!
WIZ : パーティの中心人物を見極めろ。その人物と仲良くなって、会話で雰囲気を盛り上げよう!
イラスト:黒江モノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●噂のメイドハーレム
猟兵達の活躍により、大量発生したメイド服のUDCは、一着残らず撃破された。
だが、これだけでは事件は終わらない。元凶であるメイドのUDCを退治しなければ、再びパンデミックが起こり兼ねない。
これだけの騒ぎになった以上、次にフライングメイド服が発生すれば、その規模は猟兵達の力でも抑えきれない程になるかもしれない。正に、メイドが世界を征服せん状況。そんなことになる前に、なんとしても元凶を撃破せねば!
そういうわけで、猟兵達は秋葉原の外れにある、寂れた通りに面したメイド喫茶にやって来た。外観からして、どう見ても廃墟に違いなかったが、しかし扉を開ければ中は普通のメイド喫茶。
「あら? お客さんが来たみたいね」
「お帰りなさいませ、ご主人様~♪ 今日はサキ達が、い~っぱいご奉仕してあげるね!」
迎えに現れたのは、全て同じ顔をしたメイド達。恐らく、この中のどれかが本体なのだろうが、それを見分けるのは難しい。彼女達は猟兵達を新たな生贄程度にしか考えておらず、篭絡して拓郎のように感染者にしてやろうと思っているようだが。
「こっちに、ケーキ用意したよ。サキの特製! 残さず食べてね♪」
「サキ、ご主人様のカッコイイところが見たいなぁ。何か、特技とかありますかぁ?」
それぞれ、様々な手段で気を引こうとするメイド達。ここはひとつ、彼女の策に乗ってやる形で、パーティを盛り上げてやった方が良さそうだ。今は幻覚でこちらを惑わせているサキだが、油断させれば正体を現し、その後の戦いがやり易くなる。
パフォーマンスで盛り上げたり、たくさんのサキと会話をすることで本物を見極めようとしたり……あるいは、もう自ら店員となってサキと一緒に働いてみるのもいいだろう。とにかく、パーティを台無しにするようなことがなければ、サキは油断して正体を現すはずなので。
世界をメイドの汚染から救うため、ここは騙されたふりをする必要がある。折角なので、戦いが始まる瞬間までは、サキの用意したパーティを楽しませてもらうとしよう。
露木・鬼燈
少しだけど見てしまった男のメイド。
そのダメージがちょっとだけ残ってましてー。
うん、癒されたいと思っても仕方ないよね!
イチャイチャご奉仕大歓迎なのです。
そーゆーわけなのでいっぱい構ってくれていいのですよ?
メイド喫茶すっごくたーのーしー。
ノリがキャバクラっぽい気がするけどよしっ!
まぁ、行ったことないんだけどね。
うんうん、普通のメイドさんにはNGな楽しみ方。
でもいいよね許されるよね。
この娘たちはメイドさんであってメイドさんじゃないから。
悪い大人になった気分なのですよ。
これでお酒があれば言うことないんだけどね。
まぁ、メイド喫茶なのでそこは仕方ないね!
代わりに定番のオムライスとかそーゆーのを、ね。
●エンジョイ☆メイドハーレム!
噂のメイド喫茶へと潜入した露木・鬼燈(竜喰・f01316)。客として、同じ顔をした多数のメイドの囲まれた彼は、普通に喫茶店の雰囲気を満喫していた。
理由は、先の戦いで受けた心の傷を癒したいから。女のメイドだけを相手にするはずだったのに、ほんの少しだけ見えてしまった男のメイド。そのインパクトが強過ぎて、トラウマになりそうだったので。
「うん、癒されたいと思っても仕方ないよね!」
殆ど言い訳にしか聞こえないが、それはそれ。実際、あんなガチムチメイドを見てしまったら、この先、メイド服を見る度に、嫌なことを思い出してしまう。
「ねぇねぇ、ご主人様ぁ。サキ、これを頼んで欲しいんだけどぉ?」
メイドのサキが、露骨に甘えた態度で鬼燈にお願いして来た。彼女が指差したメニューは、特大サイズの甘そうなパフェ。値段を見ると……なるほど、普通の店より少々お高い感じだが、そこまでぼったくりというわけでもない。
「はい、サキのスペシャル特大パフェで~す♪ あ~ん、してください、ご主人様❤」
パフェが届けば、サキとサキ……ええい、ややこしい! とにかく、同じ顔したメイドさんが二人、左右から交互にパフェを食べさせてくれるサービスのオマケ付き! なんだか、ちょっとイケない店のサービスっぽい気もするが……まあ、おっぱいタッチとかしてないので、たぶん大丈夫。
「お腹いっぱいになったら、今度は膝枕してあげますねぇ」
「遠慮しないでいいんだよ。ほら、こっちに頭乗せて♪」
挙句の果てには、サキ達に促されるまま、膝枕まで堪能させてもらう鬼燈。
ああ、これが究極の癒しであり、至福の時間というものか。普通のメイドさんにはNGな楽しみ方だけど、別にいいや。この娘たちはメイドさんであってメイドさんではないし、折角なので存分に堪能させてもらおう。
(「これでお酒があれば完璧なんだけど……あ、それじゃキャバクラか。まあ、行ったことないんだけどね」)
鬼燈の頭からは、既にサキの正体を探るという考えは吹き飛んでいた。調子に乗って、鬼燈は次にオムライスを注文。ケチャップで特大のハートマークが描かれたオムライスが運ばれてくると、早速スプーンで食べようとするが。
「あ、ダメダメ! まだ、おまじないが終わってないよ」
「うふふ……美味しくな~れ、萌え萌え、キュン❤」
両手で小さなハートマークを作ったサキが、小悪魔的な笑みを浮かべて言った。なるほど、これがメイド喫茶名物、メイドさんのおまじないか。
ちなみに、オムライスの味は、可もなく不可もなく普通だった。だが、それでもいいのだ。ハーレムメイド喫茶という、普段では味わうことのできないサービスを、思う存分に楽しむことができたのだから。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
成程、それでは一休みということで。
楽しませていただきますねぇ。
飲食店ですから、『大食いパフォーマンス』をさせていただきましょうかぁ。
まずは『ホールケーキ』等を希望し、解り易い形で行いましょう。
そして「まだまだ大丈夫」ということで、その先は『メイドさん達』に『食べる品』を指定していただき、其方を順にいただけば、ある程度盛り上がるのではないかと思いますぅ。
【豊饒現界】で[大食い]を強化しておけば、かなりの量であっても問題は有りません。
ただ、明確に『出来の悪い料理』が有りましたら、そこで一度手を止めて教えましょう。
【豊饒現界】で[料理]も強化しておりますので。
アリス・フォーサイス
メイドさん、かわいいな。ぼくもやりたい!
おかえりなさいませ。ご主人様!
サキちゃんを参考に、メイドとして働くよ。
オムライスにケチャップでお絵かきするよ。そうだなあ、ネコさんの絵にしようかな。
え?タヌキじゃないよう、ネコさんだよ。
鍋島・小百合子
…先の学び舎での戦闘、様々な意味でほんに疲れてしもうたのう…
潜入せねばならぬといえどつかの間の休息を取らせてもらうとするかえ?
冥土とはその語感からして暗殺専門の女中とわらわの中で思っておるが実際の仕事ぶりはあまり見た事がないのじゃ
であれば冥土の仕事ぶりとやらを見せてもらう意味で料理を頼むとしようかの
とりあえずはこのおしながきにある甘味をかたっぱしから頼んでしんぜよう
大食いは得意での…存分に平らげてみようぞ
料理を待っている間は冥土に体をほぐしてもらおうかのう♪
この生業にして身体に疲れが溜まりやすくてな…もちろん嫌なら無理せんでもよい
料理が来ればお裾分けしよう、せめてもの労いじゃて
アドリブ絡みOK
●メイド初体験!?
UDCの巣窟である、廃墟と化したメイド喫茶。大半の者は客として潜入していたが、しかし中には自らメイド役を買って出る者もいるわけで。
「メイドさん、かわいいな。ぼくもやりたい!」
店の扉を開けるなり、アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は自らメイドとして接客したいと申し出た。本来ならば、メイド喫茶にそんな楽しみ方はないのだが……サキ達はアリスの申し出を断るどころか、むしろすんなりと受け入れてくれた。
「それじゃ、あなたはアルバイトってことで、早速これに着替えてね」
渡されたのは、サキと同じデザインのメイド服。まさか、これはフライングメイド服ではないのかと、一抹の疑念が過るものの……。
(「ちょっと古ぼけた感じがするし……もしかして、お店に置き忘れられていた制服かな?」)
目の前のサキ達は質量を持った幻影に過ぎない。故に、メイド服も幻影であり、アリスに渡せるのは店が潰れた際に残された、古びたメイド服しかなかったのだろう。
まあ、それでも別に構わない。フライングメイド服に身体を乗っ取られては堪らないし、幻影のメイド服をもらったところで、いざ幻影が消えて戦いとなった際に、服まで消えて全裸にでもされたらやってられない。
幸い、服はそこまで汚れておらず、アリスが着ても問題のないサイズだった。そのまま、意気揚々と厨房に向かうと、そこには既に巨大なオムライスが完成していた。
「はい、それじゃ、このオムライスをご主人様のところまで運んでね」
「あ、それと、ケチャップで絵を描いたら、必ず『美味しくなる魔法』をかけてあげないと駄目だからね」
メイド喫茶のお約束をアリスに告げて、サキがケチャップを押しつけて来た。いったい、何の絵を描くべきか。悩みに悩んだ末、アリスは猫の絵を描くことに決め、巨大オムライスの皿を手に取った。
●ご主人様は大喰らい
多数のサキ達が織り成すメイド喫茶にて、巨大オムライスを注文した主。それは他でもない、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)と鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)の二人だった。
「……先の学び舎での戦闘、様々な意味でほんに疲れてしもうたのう……」
「そうですねぇ。それでは一休みということで」
脳裏に蘇る、ガチムチ兄貴マンなメイドの数々。はっきり言って、あれは精神的にかなり毒だった。あんなゲテモノを容易に生み出してしまうとは、フライングメイド服恐るべし。
ここはひとまず、大食いで腹を満たすことで、あの忌まわしき記憶によって受けたダメージを回復させてもらおう。ついでに、メイドさん達にマッサージ等のサービスをしてもらえれば、その至福で身体も癒されるかもしれない。
(「それにしても……冥土とはその語感からして、暗殺専門の女中とわらわの中で思っておるが……」)
サキに肩を揉まれながら、小百合子はぼんやりと考えた。どうやら、メイドに妙な漢字を当てることで、全く別の意味に捉えてしまっているようだが、それはそれ。まあ、世の中には服の中に重火器を隠しているメイドとか、多数のナイフを隠し持っているメイドとか、果ては時を止めるメイドまで存在すると聞くし、勘違いする者がいても仕方ないか。
「お待たせしました、ご主人様! はい、まずは特大のホールケーキから!」
そうこうしている間に、サキが巨大なケーキを運んで来た。るこるが注文したものだ。普通のケーキと比べても、かなり大きなビッグサイズ。こんなもの、一人で食べたら間違いなく腹を壊しそうな気がするが……その大きさにも何ら臆することなく、るこるは余裕でケーキを平らげて行く。
「わあ! 凄い、凄い!」
「惚れ惚れしちゃう! ねぇ、次は何を頼むの?」
大喜びで手を叩くサキ達に、るこるは「そちらで選んで構わない」とだけ告げた。大食いな彼女にとって、先のケーキなど軽いウォーミングアップ。どんな料理が運ばれてきても、まだまだ食べられるだけの余力は残している。
「ふむ……では、わらわもこのメニューにある甘味を、全ていただくことにするぞ」
その一方で、小百合子もメニューにあったデザート類を全て注文し、片っ端から平らげていった。なにやら、完全にフードファイトのような様相を示して来たが、周りは盛り上がっているようなので、まあいいか。
「は~い、お待たせ~! 特大オムライスだよ~!」
次々と料理が二人の胃袋に納まって行く中、最後に持ってこられたのは超巨大サイズのオムライス。しかも、運んで来たのはサキではなく、メイドに扮したアリスである。
「え~と……確か、ケチャップで絵を描いて、それからおまじないを言うんだったよね」
先程、描こうと決めていた猫の絵を、ケチャップでオムライスの上に描くアリス。しかし、どうにも形が崩れてしまったのか、あまり猫には似ておらず。
「これは……タヌキさんの絵でしょうか?」
「え? タヌキじゃないよう、ネコさんだよ」
るこるの言葉を真っ向から否定するアリスだったが、やはりどこかタヌキに似ているような気が。絵心という点ではあまりなかったのかもしれないが、しかし本当に大切なのは味と愛情だ、愛情!
「それじゃ、おまじないするよ。萌え萌えキュン……で、いいのかな?」
定番のおまじないをしてから、改めて二人にスプーンを渡すアリス。超巨大オムライスのサイズは伊達ではなく、さすがの小百合子やるこるも多少は苦戦すると思われたが……あれだけ甘味を堪能していたにも関わらず、ものの数分で食べきってしまった。
「ふぅ……。さあ、次のメニューは何でしょうかぁ?」
「大食いは得意での……。存分に平らげてみようぞ」
あれだけ食べて、未だに余裕を崩さない二人。どこから食材を調達しているのかは不明だが、この様子では、喫茶の厨房に保管されている食材は、全て食べ尽くされてしまうのも時間の問題だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレミア・レイブラッド
POW
最初は得意の歌声【歌唱、存在感、誘惑、ダンス】を披露(+歌声に魔力で【催眠術】を仕込み)する等して、場を盛り上げ、純粋にパーティを楽しんでる風を装い(実際に半分以上楽しみ)つつ、メイド達を可愛がりイチャイチャ
室内の判別のつかない本物・偽者全員視界内に収め、【魅了の魔眼・快】を発動。
偽物が幻覚で効果が出なければコレで本物が判別できるし、偽者も同様に効果が発揮されるなら(魔眼の効果と仕込みの催眠で個人的に役得なコトができそうで)、それはそれでイイかな…とか考えてたり♪
本物が見つかればそのままシレッと魔眼の力を注ぎ続けたり、色々物陰や別室で可愛がってあげるなりなんなり平穏に(?)追い込むわ♪
鏡島・嵐
なんだろうなぁ……可愛い娘にちやほやされるんは男冥利に尽きるんかもしれねえけど、皆同じ顔ってのはなんかモヤモヤするな、おれは。
それにしても、こんなんで征服されるって、どんだけ安いんだ世界って。
……なんて、愚痴ってもしょうがねえ。雰囲気を壊さねえように、なんとか盛り上げねえとな。
おれの特技……特技か。月並みだけど、歌は声が綺麗ってよく言われるぞ……別におれ自身は普通だと思うんだけどな(自分の美声は自覚無し)
というわけで、伴奏をユーベルコードで呼び出した道化師に任せて〈歌唱〉を披露しつつ、本物のサキってヤツを〈野生の勘〉で探る。
ついでにユーベルコードの効果で、他の仲間の行動をそれとなく支援するぞ。
●本物はどこに?
店の中にずらりと並んだ、同じ顔のメイド達。存分にサービスしてくれるのは良いのだが、あまりに同じ顔ばかりだと気が滅入る。
「なんだろうなぁ……。可愛い娘にちやほやされるんは、男冥利に尽きるんかもしれねえけど、皆同じ顔ってのはなんかモヤモヤするな、おれは……」
こういうシチュエーションを好む者もいるかもしれないが、しかし鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)にとっては微妙だったようだ。もっとも、サキ達はそんなことなどお構いなしに、あれこれと世話を焼いてくれるのだが。
「ご主人様、次は何を頼みますか?」
「ねぇ……サキ、これが食べてみたいんだけどぉ」
上目遣いでおねだりを繰り返してくるなど、なかなか抜け目ない。おまけに、指差しているスイーツは、妙に値段の高いものばかりだし。
「まあ、折角のご厚意なんだし、私は楽しませてもらうわよ」
その一方で、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は完全に店の雰囲気を楽しんでおり、ともすればメイド達に手を出さんばかりの勢いだった。が、さすがに夜の店ではないので、サキ達のガードは肝心なところで堅かったが。
「あ、駄目ですよ、ご主人様!」
「もう、お触りする人には、お仕置きです!」
どこから取り出したのか、先が黒い棒のようなものでフレミアの頭を軽く叩いた。実際は棒状のクッションだったので、そこまで痛いものではない。あくまで警告なのだろうが、しかし邪神といえど、一応はメイド喫茶のマナーを心得ているようだ。
このまま相手のペースに飲まれていては、本物のサキを探すことはできない。意を決し、フレミアは静かに立ち上がると、自ら店の中央に躍り出て。
「それじゃ、楽しませてもらったお礼に、私もサービスしてあげるわね」
煽情的なダンスに得意の歌声を乗せて、メイド達に一人ずつ視線を送る。突如として始まったパフォーマンスに、店の中は一転して熱気に包まれて行く。
「きゃ~、すっごーい!」
「ご主人様~! サキの方も見て~!!」
そこら中にいたサキ達が、一斉にフレミアのことを応援し始めた。それを見た嵐は何かを思いついたのか、自らも道化師を呼び出し立ち上がった。
(「なるほど、歌か……。ならば……」)
道化師の伴奏に合わせ、嵐も自ら歌い始める。元より、歌は上手いと言われているのだ。本人に自覚はなかったが、彼はなかなかの美声である。
「あぁん、カッコイイ! もっと聞かせてぇ!」
嵐の声と道化師の音楽が加わったことで、サキ達はますます興奮して二人のことを応援し始めた。が、踊りながらも魔眼の力を使い続けていたフレミアは、その反応が自分の思ったものと異なっているのを感じていた。
(「おかしいわね……。あの子達、本気で叫んでいるわけじゃないみたい」)
目の前にいるサキ達は、あくまで本体が生み出した質量を持った幻影だ。幻影故に魂もなく、あくまで本体によってコントロールされる端末に過ぎない。
それ故に、ユーベルコードが通用しないことは容易に想像できた。現に、嵐のユーベルコード……道化師による音楽も、彼やフレミアの力を強化することはあっても、あれだけ叫んでいるサキ達には、何の影響も与えていないようだった。
この幻影は、サキの本体がこの場の力を借りて見せている怪奇現象の類に過ぎない。質量を持った幻覚というよりは、もしかすると具現化した念力に近い代物なのだろうか。
端末のサキ達に戦うための力はなく、その身体能力も一般人と大差はないが、それ故に超常の力を以てしても、何の効果も与えられなかった。まあ、本体からの命令とはいえ、一応はサキ達も場の雰囲気を楽しんでくれている辺り、場を盛り上げることには成功したようで。
「お疲れ様~! はい、おしぼりで~す」
「素敵でした、ご主人様! 後で、サキにも教えてくださいね💕」
甲斐甲斐しく汗を拭きに来たり、腕を組んで甘えに来たりと、あざといアピールをする者がいるのは、お約束だった。
「……で、本物は見つかったか?」
「残念だけど、ここにいるのは全部ハズレね。本物は……もしかすると、バックヤードかどこかで、私達の行動を窺っているのかもしれないわ」
席に戻る途中、嵐とフレミアは互いに小声で状況を確認した。結局、本物のサキがどれかは分からなかったが、しかしここまで場を盛り上げることに成功したのだから良いだろう。この調子でパーティを楽しんでいれば、いずれは本物のサキがボロを出して、その姿を見せてくれるはずだから。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『小悪魔メイド・サキ』
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POW : サキのお願い、聞いてくれる?
【相手の心を擽り、魅了する可愛らしいお願い】を披露した指定の全対象に【この人の為に何でもしてあげたくなる恋慕の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : こういうのも好きなんでしょ?
【相手を魅了する、恋慕の感情】を籠めた【ウインクと投げキッス】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【闘争心と抵抗心】のみを攻撃する。
WIZ : サキのこと、虐めないでほしいな
【相手をドキドキさせるあざとい仕草】【庇護欲を擽る嘘泣き】【潤んだ瞳による上目遣いでの魅了】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:麦島
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠クライド・エント」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●小悪魔メイドの悪だくみ
猟兵達がパーティを盛り上げたことにより、その様子をバックルームから窺っていた小悪魔メイド・サキは、満悦した表情で笑みを浮かべていた。
(「うふふ……。これだけたくさんの人に、サキのお店を楽しんでもらえたら……きっと、たくさん噂も流してくれるわよね」)
そして、やがては世界をフライングメイド服で覆い尽くし、あらゆる人間を邪神に仕えるメイドと化す。正に、完璧な世界征服作戦だと……少なくとも、サキはそう思っていた。
(「さて……宴も十分に楽しんでもらえたし、後はあの人達を外に解放するだけね」)
やがて、店の中から出て行く猟兵達を見送ると、サキは幻影を解除した。途端に、元の廃墟の姿を取り戻し、幻影のサキも全て消えて行く。幻影を常時発動させていると、それだけ消耗してしまうので、これは仕方のない事なのだ。
もっとも、今回に限っては、この判断は大きなミステイク。元より、猟兵達はサキがオブリビオンであることに気付いている。つまり……店を出たふりをして、外から様子を窺っていたわけで。
「さ~て、次はどんなご主人様がやって来るかな~♪ あ、その前に、街中でメイド服が溢れ返って、大変なことになっちゃうかもね~♪」
余裕の表情で伸びをしているサキは、文字通り隙だらけ。今なら、店に再突入して仕掛ければ、再び幻影を展開させる暇もなくサキに奇襲を仕掛けられるだろう。
全人類を、邪神に仕えるメイドにするなどというふざけた計画。それを叩き潰すためにも、ここで小悪魔メイド・サキを撃破するのだ!
篠之井・空斗
「小悪魔メイドねえ…まあ、敵だとしても可愛い子ならこっちとしてもやる気が出るってもんだな」
【WIZ判定】
先ずはダガーで【切り込み】、【先制攻撃】を仕掛けていくぜ
そのまま、相手に行動を起こさせる前にどんどん畳み掛けてく
「思ってたより大したことないな…」とか考えていると、急に相手がしゃがみこんで泣き始めると困惑してしまい、女好きな性格もあって思わず声を掛けてしまう
そして、顔をあげて見つめられると、「こんな可愛い子に俺は何をやってたんだ…」という罪悪感と守ってあげたい気持ちで一杯になり、戦う気力が薄れてしまう…
そうなったら出来るだけ気合で持ち直すようにはするが、無理だったらその時はその時で
クロエ・アスティン
POWで判定
あわわっ、メイド喫茶店について調べていたら出遅れたであります!?
いえ、ここからが本番であります!
店内に飛び込んでオブリビオンを戦槌で叩くであります!
か、可愛らしい姿ですけど手加減なんてしないでありますよ!
こちらの攻撃をあざとい動きで避けながらお姉ちゃんやめてっと可愛らしい仕草でお願いしてきますが……
「気合」を込めて恋慕の感情を打ち消します!
悪い子にお仕置きするのも大事であります!【戦乙女の戦槍】を投げ込んでお仕置きです!
※アドリブや連携も大歓迎
鍋島・小百合子
WIZ重視
真の姿解放
アドリブ絡みOK
わらわ達が満足して帰ったと油断しておる頃合いじゃろう
今こそ攻め時ぞ
「心からの気持ちでその行いに殉じておるのであろうな?嘘であるならば承知せぬぞ」
真の姿たる黒鋼甲冑に身を包めば敵の放つ仕草や嘘泣き・上目遣いに全て疑いを持ち、薙刀でなぎ払い武器受けで防御するか見切り回避する程に強い心で臨む
同時にUC「神鏡浄化光」発動に向け高速詠唱
一連の事件の黒幕であることはとうにわかっておるから当然であろう?
上記の問いかけを行った直後にUC「神鏡浄化光」発動
破魔と神罰の力が込められし光の柱を両目から発射(鎧無視攻撃、属性攻撃、継続ダメージ併用)
●再突撃、メイド喫茶!
幻影が解かれ、真の姿を露わにしたメイド喫茶。もはや、どう見ても単なる廃墟としか呼べないその場所へ、慌てて駆けて来る人影が。
「あわわっ、メイド喫茶店について調べていたら出遅れたであります!?」
敵地の事前調査に熱を入れ過ぎた余り、盛大な遅刻をかましたクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)だった。まあ、幻影は解除されたし、最後の最後で間に合ったので、敵と戦う分には問題ない。
「わらわ達が満足して帰ったと油断しておる頃合いじゃろう。今こそ攻め時ぞ!」
鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)が薙刀を構えながら言った。敵が油断している今こそが好機。見た目は普通の少女かもしれないが、何しろ相手は未知の力を持ったオブリビオンなのだから。
「小悪魔メイドねえ……。まあ、敵だとしても、可愛い子ならこっちとしてもやる気が出るってもんだな」
その一方で、篠之井・空斗(人間の探索者・f28864)は何やら余裕の笑みを浮かべている。だが、果たしてそれがどんな結果を招くのか……この時点では、空斗は気付いていなかった。
●あざといお願い
廃墟の扉が開け放たれ、猟兵達が傾れ込んで来たことで、サキは思わず目を丸くした。
「えぇっ!? ちょ、ちょっと、なんで戻って来てるの!? もしかして……あ、そうか! 忘れ物しちゃったのかな? もぅ、ご主人様ってばドジなんだから☆」
一瞬、慌てた素振りを見せるも、直ぐに気を取り直して演技に入ったのは流石と言えよう。もっとも、既に正体バレバレな上、殺る気満々で突入した猟兵達には、その程度の演技ではどうにもならなかった。
「悪いな! もらったぜ!!」
まずは空斗が、擦れ違い様にダガーで一閃。咄嗟に避けるサキだったが、それでも完全には避けきれず、二の腕を大きく斬り裂かれ。
「痛っ! ちょっと、何するのよ!」
服を破られたことで怒るサキだったが、続け様に、今度はクロエのハンマーが襲い掛かる。
「可愛らしい姿ですけど、手加減なんてしないでありますよ!」
「なっ……! きゃぁぁぁっ!!」
豪快に吹っ飛ばされ、サキは廃墟の壁に叩きつけられて崩れ落ちた。なんというか、意外な程に呆気ない。奇襲が成功したというのもあるだろうが、このメイド、本当に戦闘は苦手なのかもしれない。
「なんだ? 思ってたより大したことないな……」
しゃがみこんだサキを見降ろして、空斗は少しばかり拍子抜けしていた。超常の力を持つオブリビオン、それも邪神教団の幹部クラスに匹敵する強力なUDCだと聞いていたのに、歯応えというものが全くない。
この程度の相手なら、ユーベルコードなど使わずとも勝てる。そう思い、最後にダガーを脳天に突き立てようとした空斗だったが……次の瞬間、サキが唐突に顔を上げ、その瞳に涙を浮かべて空斗に懇願して来た。
「ねぇ……これ以上、サキのこと、虐めないでほしいな」
それは、紛うことなきサキのユーベルコード。あざとい仕草で相手の動きを封じ込め、技も使えなくするという厄介な能力。
「……ハッ! こ、こんな可愛い子に俺は何をやってたんだ……」
その手からダガーを取り落とし、空斗はそのまま硬直して動けなくなってしまった。目の前にいるのは危険なオブリビオン。そう、頭では分かっていても、ともすれば無抵抗の少女を甚振っているように思えてしまい、どうしても手を出すことができないのだ。
(「うふふ……ちょろい、ちょろい♪ こんな簡単に堕ちるのに、サキを倒そうなんて甘いんだよね~☆」)
動きを止めた空斗に対して心の中で嘲笑しながら、サキはそっと彼が落としたダガーナイフへと手を伸ばした。しかし、空斗には気付かれなかったものの、先程から様子を窺っていた小百合子の目は誤魔化せなかった。
「待てい! お主……心からの気持ちで、その行いに殉じておるのであろうな? 嘘であるならば、承知せぬぞ」
落ちたダガーナイフへ薙刀の先を突き付け、小百合子は問う。少しでも妙な動きをしたら、その手を先に貫くと言わんばかりに。
「え? や、やだなぁ、もう。そんなの、当たり前じゃないですか。だって、サキはメイドさんなんですよぉ☆」
咄嗟に笑顔を作って誤魔化すサキだったが、しかし小百合子の冷たい視線は揺らがない。ならば、別の者にターゲットを絞ろうと、サキはクロエに標的を定め。
「ねぇ、お姉ちゃん……。お姉ちゃんは、サキに乱暴しないよね? サキのお願い、聞いてくれるよね?」
ともすれば、クロエを篭絡した上で、同士討ちをさせようと考えているのだろう。その仕草と表情に、思わず流されそうになるクロエだったが、それでも気合いで心を鬼にして踏み止まった。
「うぅ……ま、負けないであります!」
恋慕の感情を打ち消し、ハンマーを構えるクロエ。その姿に驚愕し、戸惑うサキだったが、もはや流れは変えられない。
「な、なんで!? どうして、サキのお願いが……」
「一連の事件の黒幕であることはとうにわかっておるから、当然であろう?」
サキの問いを、サラっと流す小百合子。あざとい仕草も、お願いも、相手の本性を知っていれば通用し難くなるのは当たり前。
「それに、悪い子にお仕置きするのも、お姉ちゃんとしての務めであります!」
そしてなにより、クロエに『お姉ちゃん』と言ってしまったのは地雷だった。責任感の強い彼女のこと。お姉ちゃんの自覚を与えてしまえば、むしろ彼女は真っ先に自分の使命を全うすること優先するわけで。
「我は放つ……輝く神鏡に当てられし聖なる光の柱……貫け!」
「光よ! 女神に仇名す者を貫く槍となれ! ――ヴァルキリーズジャベリン!」
小百合子の両目から放たれた光線が、クロエの投げた光の槍が、それぞれにサキへと殺到する。その、あまりの数の多さに圧倒され、サキは回避はおろか、まともな防御さえできなかった。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
全身に突き刺さる無数の光線と槍の数々。あざとさに訴えるサキの作戦は失敗し、彼女は敢え無くハチの巣にされた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
さて、漸く姿を現したみたいですねぇ。
それでは参りましょうかぁ。
『F●S』3種を展開、『FSS』の弾頭は『FCS』で『炸裂弾』に変更しておきますぅ。
そして【白翼衣】を使用、速度を生かして相手が迎撃態勢を取る前に一気に仕掛けますねぇ。
先程いただいた『料理』のカロリーが有りますから、強化も万全ですので、私自身は天井近くに飛行しつつ『FRS』の[砲撃]と『FSS』の[爆撃]を集中、『FBS』は相手の逃げ道を塞ぐよう回り込ませましょう。
『お願い』は『炸裂弾』の爆発音が響く中ですから、殆ど聞き取ることも出来ません。
『幻覚』で隠れる等の手を打たれる前に、出来るだけ叩いておきますねぇ。
鏡島・嵐
残念だったな。おまえの目論見はお見通しだ。
実のところ、アンタみたいなのが相手でも戦うんは怖ぇおれだけど、これも世界のためだし、やっつけさせてもらう。
あと、着る奴を選ぶようなデザインの服を無理やり着せるんはよくねえぞ。
一応おれも男だし、女の子を手荒に扱うんは避けてえけど。
さっきさんざん同じ顔で見せられたから、正直食傷気味なんだな、これが。第一、オブリビオン相手に遠慮する必要は無ぇしな。
つーわけで〈覚悟〉を決めて、おまえを倒す。
それでも誘惑攻勢がうざったくなってきたら、ユーベルコードで鏡を見せる。……コイツの場合、鏡に何が映るんかは想像出来ねえけど。とりあえず相殺はできるはずだ。
●情け無用
奇襲を受け、成す術もなくボロボロにされたメイドのサキ。
何故、どうしてこうなった!? 計画が音を立てて崩れて行くのを感じながら困惑する彼女だったが、サキに答えを考えさせる暇もなく、新たな猟兵が店の中へと突入してくる。
「残念だったな。おまえの目論見はお見通しだ!」
現実を痛烈に告げる鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)。彼の言う通り、もはやサキの計画は猟兵達の知るところであり、どう足掻いても逃れる術はないわけで。
「え~、なにそれ~。あんなに
「うるさい! だいたい、同じ顔ばっかりで食傷気味なんだよ!!」
サキの言葉に耳も貸さず、嵐は堂々と宣言した。そして、そんな嵐とは別に、同じく宣戦布告を告げる者がもう一人。
「さて、漸く姿を現したみたいですねぇ。それでは参りましょうかぁ」
ふと、どこからか女の声がした。サキの目の前には嵐しかおらず、思わず周囲を見回すサキ。
「だ、誰!? 姿を現しなさ……って、えぇぇぇぇっ!!」
顔を上げてみれば、そこにいたのは天井付近を飛んでいた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の姿が。しかも、ご丁寧に移動砲台をズラリと携えたおまけつき。
「ちょっ……そんな体型で飛ぶとか、非常識にも程があるでしょ!?」
「あらぁ、そうですかぁ? でも、乳神様の加護があれば、こんなことも可能なんですよぉ」
乳白色のオーラに包まれたまま、るこるは静かに微笑んでいた。なお、彼女のエネルギー源は、先程ドカ食いしたパフェとオムライスだ。常人の数倍は食べていたので、今はガス欠の心配もない。
「それではぁ……盛大に、行ってみましょうかぁ」
問答無用とばかりに、天井付近で待機していた移動砲台が一斉に火を噴いた。砲撃と爆撃が次々と襲い掛かり、辺りは瞬く間に火の海に! 椅子が吹き飛び、テーブルが粉砕され、ただでさえボロかった廃墟が更に破壊されて行く。
「ちょっと、止めてよ! サキのお店、壊さないでぇ!!」
泣きながら懇願するサキだったが、残念ながら、その声は爆撃の音によって掻き消されてしまった。声が相手に聞こえなければ、サキのユーベルコードは力を発揮しない。ならば、もっと積極的に相手へと迫り、篭絡すれば良いと考えたようだが。
「ねぇ、お兄さんは、サキのこと虐めたりしないよね?」
「……いい加減にしろ。その顔は、もう見飽きたんだよ!」
上目遣いにお願いされた嵐の対応は、実に冷たいものだった。しかも、いつの間にか彼は巨大な鏡を持っており、それでサキの視線が自分に命中するのを防いでいた。
「鏡の彼方の庭園、白と赤の王国、映る容はもう一つの世界。彼方と此方は触れ合うこと能わず。……幻遊びはお終いだ」
嵐の詠唱に合わせ、鏡に映し出されるサキの姿。それを見たサキは、慌てて視線を逸らそうとするも、鏡に姿が映った時点で手遅れだ。
「あ……あぁ……サ、サキの力が……」
己の技を跳ね返され、反対に自分の方が技を封じられてしまう。正に自業自得、因果応報。人を騙して道具にしようとした、悪女の末路に相応しい。
「再装填完了しましたぁ。それではぁ……攻撃再開しますよぉ」
そして、追い打ちとして情け容赦なく遅し掛かる、るこるの攻撃。結局、サキは反撃することもままならず、徹底的にボコボコにされた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
櫻井・優
【POW】【ソロ希望】【アドリブ歓迎】
「少し遅れちゃったか、まあここから仕事はしていくぜ!」
取り敢えずバスタードソードの【先制攻撃】で一発かましたら、そのまま隙をみせないよう畳み掛けてく
優勢になるとちょい楽観的になるが、相手の一挙一動は見逃さないよう注意するぜ
いくら可愛くてもオブリビオンだしな
相手の攻撃にはUCで対抗、効果時間がきれるタイミングで仕掛けてくるようなら隠し持ってたチープウェポンの【咄嗟の一撃】でカウンターを狙っていく感じだな
●騙しの騙し
猟兵達が戻るや否や、怒涛の連続攻撃によって、サキは瞬く間にボロボロにされていた。
あれだけパーティで楽しませ、しっかりハートを掴んだはずなのに、何故にこんなことになっているのか。元から正体がバレていたことなど露知らず、サキは困惑するだけだ。
そんな中、店の扉を開けて、新たな猟兵が現れた。だが、その姿にまるで見覚えがなかったため、サキは彼が猟兵なのか客なのか判別できていなかった。
「少し遅れちゃったか、まあここから仕事はしていくぜ!」
櫻井・優(人間のヴィジランテ・f29623)。猟兵としては、今回が初陣である。単身、幹部クラスの敵に挑むにしては経験不足な気もするが、巨大な竜や得体の知れない宇宙怪獣などを相手にするよりは、メイドさん相手の方がマシだと思ったのだろうか。
「えっと……あなた、誰?」
「問答無用だ! くらぇぇぇっ!!」
サキの問いには答えず、優は巨大な剣を振り降ろした。が、さすがに大振り過ぎたのか、咄嗟に横へ跳んだサキに避けられてしまった。
「もぅ! これ以上、サキのお店を壊さないでよ!!」
頬を膨らませ、文句を言うサキ。なんというか、こんな時まで自分の可愛さをアピールすることに余念がない。それでも、お構いなしに攻撃を続けようとする優だったが……何故か、剣を振り降ろす気が失せて行くことに気が付いた。
(「な、なんだ……。こいつは、もしや……」)
自分の中に、目の前のメイドを虐めてはいけないという感情が湧き上がって来る。なるほど、これがサキのユーベルコードか。ドサクサに紛れ、とにかくあざとい仕草をするだけで相手を篭絡させられるのであれば、これ以上に厄介な話はない。
このまま戦い続けては拙いと察し、優は大剣を納めると、意識を集中させて防御の構えを取った。その間にも、サキがあれこれと甘えた仕草を見せて来るが、今度は全く効果はなく、優は微動だにしないままだった。
「むぅ……サキが頼んでるのに、なんで無視するわけ? ……っていうか、全部防がれてるっぽい?」
ようやくサキが気付いた時には、優はしっかりと身を固め、あらゆる攻撃を跳ね除ける無敵の城塞と化していた。もっとも、この状態では優も全く動けないため、どうやって反撃するのかが問題だったが。
「まあ、いいか☆ どうせサキのこと見てくれないんだし、こんな邪魔者はポイッてしちゃお♪」
相手が動けないのを良いことに、サキは作り笑顔で微笑むと、優の大剣を強引に奪って窓から外へ放り捨てた。これならば、万が一にも優がユーベルコードを解除したところで、碌な反撃ができないと……そう、思ったのだろうが。
「は~い、それじゃ、今度は本人も捨てちゃいま~す☆ サキのこと無視する人なんて、ぜ~んぶ死んじゃえばいいんだよ♪」
「甘いぜ! 隙あり!!」
サキが優の身体を抱えて外に捨てようとした瞬間、優はユーベルコードを解除して、隠し持っていたバールでサキの脳天をカチ割ったのだ。
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!!!」
この世のものとは思えない絶叫が響き渡り、サキは倒れた。相手を騙して篭絡することばかり考えていたメイドは、しかし自分が騙されていることには、全く気付いていなかったのである。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
メイドさんと戯れていい気分。
もう満足したし、帰っちゃだめです?
そっかー、お仕事だし仕方ないねっ!
とは言え、楽しませてもらっただけに気乗りはしない。
こーゆー時は暴力以外で問題を解決するのがいい。
秘伝忍法<香姫>で召喚したリリスちゃんを憑依。
知性と判断力を低下させる香りと生命力をじわじわと削る香り。
これらを体から放ち続けることで徐々に弱らせる。
香りは憑依しているリリスちゃんによるもの。
僕の意思とは無関係なので、いわばパッシブスキル。
魅了され、篭絡されようが効果は出るのですよ。
つまり…再びメイドさんと楽しんでも全く問題ないとゆーこと。
賢く立ち回れば気乗りしないお仕事も楽しいものになるっぽい!
フレミア・レイブラッド
見た目は可愛らしい子だし、あまり手荒なコトはしたくないんだけど…まぁ、そういうワケにもいかないわよね(溜め息)
【ブラッディ・フォール】で「狂乱無法の霧事変」の「『眩惑』の夢魔」の力を使用(夢魔の服装へ変化)。
【夢世界の主】で周囲を夢の世界にする事でこっそりとサキを夢の世界に取り込み、「(猟兵を退けて)計画通りにメイド化が進んでいく夢」を見せて幻惑。
気分良く夢の世界で過ごしてるサキに魔術【生命力吸収、高速詠唱、全力魔法】で生命力を吸収していき、徐々に衰弱・弱体化させて弱らせ、(更に途中で夢の内容を大量の触手に嬲られたりな夢に切り替えたりして個人的に楽しんだりもしつつ)【念動力】で捕縛するわ。
●至福の時間、再び
度重なる猟兵達の襲撃により、もはや見る影もなくなったサキ。メイド服は破れ、頭にはバールが突き刺さり、殆どホラー映画のゾンビ状態。
これでゾンビメイクでもしていたら、そっち系のお店のお姉さんとして需要があったかもしれない。だが、残念なことに、ハロウィンの季節には1ヶ月程早く、そもそもゾンビメイドが店員をしていては、メイド喫茶ではなく冥途喫茶だ。
「う~ん……もう満足したし、帰っちゃだめです?」
「見た目は可愛らしい子だし、あまり手荒なコトはしたくないんだけど……。まぁ、そういうワケにもいかないわよね」
そんなサキの姿を見て、露木・鬼燈(竜喰・f01316)とフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は、なんとも気乗りしない表情で呟いた。
正直、できることならば、このメイドさんとは戦いたくない。だが、彼女は危険な感染型UDC。ここで見逃して放置すれば、また色々な場所にフライングメイド服を発生させて気色悪いガチムチ兄貴マンなメイド男子を誕生させかねない。
はっきり言って、それだけは避けたい! 絶対に避けたい! 仮に次のパンデミックが世界規模で発生した場合、メイドレスラーだのメイドボディビルダーだのといった暑苦しい連中が、次々と大量発生する可能性さえあるのだから。
鬼燈やフレミアにとって、それは正に悪夢以外の何物でもなかった。だが、直接殴ったり斬ったりするのは憚られるので、ここは相手の策に乗った振りをして、こっそりと攻撃することにした。
「こーゆー時は、暴力以外で問題を解決するのがいいよね」
まずは鬼燈が、意を決してサキに近づいて行く。そのまま彼女の頭に刺さったバールを引っこ抜き、簡単な応急処置をして安心させ。
「え……サキのこと、心配してくれるの?」
「そうですよ。さっきは楽しませてもらいましたからね」
あくまで、自分は敵ではないという素振りを見せて、サキの油断を誘って行く。サキはサキで、鬼燈のハートを掴めたと勘違いしたのか、だんだんと調子に乗って行き。
「それじゃ、サキのお願い、聞いてくれる? 聞いてくれたら、ご主人様のお願いも聞いてあげるよ☆」
「ええ、いいですよ。では……もう少しだけ、甘えさせて欲しいのです」
完全に気を許したサキに、膝枕を要求する鬼燈。ついでに耳掃除までしてもらい、思う存分に至福の時間を堪能である。
(「うふふ……さっきの連中に比べて、この男はチョロイわね。こうなったら、こいつを利用して他の猟兵を……猟兵達を……あ、あれ?」)
だが、心の中で腹黒いことを考え始めた瞬間、サキの思考が唐突に鈍り始めた。気のせいか、なんだか心地よい香りに包まれて、身体から力が抜けている気が。
実は、これこそが鬼燈の仕組んだ罠だった。彼はサキに甘える前に、その身に悪魔のリリスを憑依させていたのである。
これならば、いくら鬼燈が篭絡されたところで関係はない。サキに気が付かれないまま、鬼燈に憑依した悪魔はじわじわとサキの生命力を削り、おまけに判断力まで低下させて行き。
(「なるほどね。そういう手を使うのは、悪くないわね……」)
そんなサキと鬼燈の様子をじっと見つめながら、フレミアもまた何かを思い付いたようで、不敵な笑みを浮かべていた。
●メイドは触手の夢を見るか?
鬼燈がサキと至福の時間を過ごしつつも、その生命力を密かに奪っている最中。
フレミアもまた、こっそりとユーベルコードを使用して、その身に禁忌の力を宿していた。
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
彼女が纏ったのは、かつて倒したオブリビオンの力。『眩惑』を齎す夢魔の力を宿し、フレミアは周囲を夢の世界へと変換することで、サキを夢の中へと誘った。
「あ、あれ? ここは……」
辺りの様子が一変したことで、サキが頭を上げる。見れば、周りはサキに従う無数のメイド達で囲まれており、世界はメイド一色に染まっていた。
「え、嘘!? もしかして、サキの計画、大成功!? や、やったー☆ これで世界はサキのものだよ~♪」
このまま行けば、世界中の人類をメイド化することも難しくない。計画が思い通りに進んでいることを実感し、思わず小躍りするサキだったが……当然、これはフレミアの見せている夢である。
(「うふふ……ご愁傷様。貴方が夢に溺れれば溺れる程、私は貴方の力を吸収できるのよ」)
物陰から様子を窺いほくそ笑むフレミアだったが、彼女の姿は今のサキには見えていないようだ。そうしている間にも、サキはどんどん生命力を奪われているのだが、さすがは不滅のオブリビオン。
並の人間ならば当に死んでいるはずの生命力を簒奪されても、サキは未だに倒れなかった。ならば、ここは少し趣向を変えよう。肉体ではなく、精神にダメージを与えることで、サキの心を砕くために。
「さあ、サービスタイムは、ここまでよ。ここから先は、本当の悪夢を見せてあげる」
そう言って、フレミアが指を鳴らした瞬間、今までサキの周りを取り囲んでいたメイド達の肉体が、一瞬にして見るもおぞましい触手の塊へと変化した。
「えぇっ! な、なにこれ! キモッ!!」
いったい、これは何が起きたのか。戸惑うサキだったが、そんな彼女のことなどお構いなしに、触手生物達は一斉にサキへと襲い掛かった。
「きゃぁっ! ちょ、ちょっと、止めてよ! そんなところに入って来ちゃ……ひゃぁぁぁ!!!」
懸命に抵抗するサキだったが、多勢に無勢。なんとか触手を鎮めようと、あざとい仕草や表情を向けるものの、この触手達はフレミアの見せている夢に過ぎない。要するに、精神に作用する幻影のようなものであって……当然のことながら、サキのユーベルコードも効果を発揮しなかった。
「いやっ! そ、そんなとこ吸っちゃ……ふぐぅぅぅっ!?」
哀れ、最後は触手に全身を吸い付かれ、果ては穴という穴に入り込まれ、サキの精神はついに限界を迎えて決壊した。おまけに、フレミアが念でサキを動けなくしているので、物理的な抵抗さえも無意味だった。
もう、これ以上は耐えられない。薄れ行く意識の中、サキの頭にはフレミアの笑い声だけが響き、そして……。
「ア……アハハハ……ハハ……」
気が付けば、廃墟の中にはサキが一人でしゃがみこんでいるだけだった。その瞳から光を失い、完全に放心状態となったサキが復活した頃には、色々と堪能した鬼燈とフレミアは、当に姿を消していた。
大成功
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彩波・さくら
いちごと
「いちごにお説教してたら出遅れちゃったじゃない」
けどタイミングとしてはバッチリだね。
このまま敵を倒しちゃお!
「って、いちごっ!?
なに敵に魅了されてるのっ!?」
女の子なら誰でもいいなんてサイテー。
これはお説教だね。
触手を操る【『姫』の眷属】を召喚して、いちごもろとも敵をやっつけちゃうよ!
「行って、眷属!
ついでにいちごにお説教だよ!」
いちごを巻き込んで眷属に触手を伸ばさせるけど……
いちごも触手を召喚して!?
「いちごなんかに負けないんだからっ!」
でも触手の扱いはいちごの方が上手くて、触手勝負に負けた私は触手に動きを封じられて……
「ひゃあああんっ、い、いちごっ!
そんなとこ触っちゃだめぇっ!」
彩波・いちご
さくらと
なんとかスライムを送還してきました
…さくらの説教で疲れましたけど、最後、何とか間に合いましたね
「いきます、……よ?」
あ、あれ…えっと…
はい、サキさん、あの子を襲えばいいんですね…
※魅了されてさくらがわからなくなってます
「触手使いですか…でも、触手の扱いなら負けませんよ」
【異界の抱擁】で触手召喚
触手同士の争いに勝利して、そのまま青髪の子を絡めとり動きを封じます
そしてサキさんに言われるまま手を伸ばして
青髪の子の服の中に手を入れて薄い胸をと弄り回し、ショーツを脱がして指を這わせ…そのまま指だけで絶頂させ…
「このくらいで勘弁してあげましょうか?」(くすくす
※最後までさくらに気付かないままでした
●触手で逆襲!?
他の猟兵達に送れること数十分。大半の者がサキに手痛い攻撃を食らわせて離脱した中、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)と彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)の兄妹は、ようやくメイド喫茶へと辿り着いていた。
「ふぅ……なんとかスライムを送還してきました」
「まったく……いちごにお説教してたら出遅れちゃったじゃない。全部いちごのせいなんだからね!」
辛うじてスライムを元の世界に戻したいちごであったが、さくらの怒りは鎮まらず。まあ、メイド服そっちのけで胸を揉まれるなんてされたら、普通の女子であれば怒りますわ。
とりあえず、ここは事件の元凶をカッコ良く撃破することで、汚名を返上せねばならない。呼吸を整え、店の扉を開け放ち、勢い良く突入するいちごだったが。
「いきます、……よ?」
「あ、猟兵だ! サキのこと、これ以上虐めないでほしいな☆」
扉を開けるなりサキと目が遭ってしまい、何もできないまま魅了されてしまった。
「はい、サキさん、あの子を襲えばいいんですね……」
先程までの決意はどこへやら。焦点の定まらない瞳で、実の妹まで襲おうという、危ない兄貴と化している。
「って、いちごっ!? なに敵に魅了されてるのっ!?」
ブチ切れるさくらだったが、そんな彼女の声もいちごには届かず。こうなったら、もう容赦なんかしている場合ではない。説教と折檻の意味も込めて、ここでいちご諸共に敵を倒すしかない!
「邪神の眷属よ。我が命に従いたまえ」
闇の魔法陣を描き、さくらは異界から謎の触手生物を召喚した。だが、それを見たいちごも不敵に笑うと、同じく禁じられた呪文を詠唱し。
「ふんぐるいふんぐるい……星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
自身の影から、やはり無数の触手を呼び出して臨戦態勢!
互いに牽制し合う触手と触手。正に一触即発、盛大な兄妹喧嘩による、スーパー触手大戦勃発か!?
「行って、眷属! ついでにいちごにお説教だよ!」
最初に動いたのは、さくらだった。こういう場合は、先手必勝。本体であるいちごを絡め取ってしまえば勝ちと踏んだのだが、それはいちごもまた同じであり。
「触手使いですか……。でも、触手の扱いなら負けませんよ」
さくらの行動を読んで、自らの操る触手で迎撃させる。空中で激突する触手と触手。お互いの力は完全に五分と五分であり、なかなか勝負がつきそうにない。
「いちごなんかに負けないんだからっ!」
しかし、膠着した状況に痺れを切らし、焦って仕掛けたさくらに隙が生じた。そして、そんな隙を見逃すはずもなく、いちごはさくらの操る触手の隙間を縫って、自らの触手を滑り込ませた。
「きゃぁっ! し、しまった……!?」
一瞬の隙を突かれ、触手に拘束されてしまうさくら。こうなっては、もう身動きが取れない。慌てて自分の操る触手に命令を出そうとするが、その前にいちごの操る触手がさくらの口に突っ込まれ、もはや呪文を唱えることさえできなくされてしまった。
「んぐっ!? ふぐぅっ!!」
「ふふふ……随分と良い格好になりましたね。でも、まだまだ、お楽しみはこれからですよ」
不敵な笑みを浮かべて、いちごがさくらに迫る。その思考は既にサキの術中にあり、もはやさくらを実の妹としてさえも認識していない。
「んっ……んぅっ……!?」
まずは、もがくさくらの衣服を強引に破り、露わになった胸元へ手を伸ばして揉みしだいた。それだけでなく、果ては先端にまで指を這わせて弄くり回すと、今度は下にまで手を伸ばし。
「……ぷはぁっ! ひゃあああんっ、い、いちごっ! そんなとこ触っちゃだめぇっ!」
ついに、耐えられなくなったさくらが触手を吐きだして叫ぶが、いちごの指は止まらない。そのままさくらの下着を脱がすと、より危険な部分に指を這わせて激しく振動させて。
「いやっ! だ、だめ……ぁぁぁぁぁっ!!!!」
羞恥と屈辱の中、さくらは目に涙を浮かべたまま意識を失った。その様子を満足気に眺めながら、いちごは邪悪な笑みを浮かべている。
「さて……今日は、このくらいで勘弁してあげましょうか?」
目の前で果てているのが実の妹であることさえ気付かないいちご。完全に悪堕ちである。もはや、このまま彼はサキの眷族になり果ててしまうのかと思われたが……肝心のサキは、何故か触手に襲われて、それどころではなくなっていた。
「ちょ、ちょっと! そっちが終わったら、早くこっちを助けてよ!!」
いちごがさくらに夢中になっている間、さくらの触手生物は、標的をサキに変えて攻撃していたのである。
「いやぁぁぁぁっ! もう、触手はいやぁぁぁぁっ!!」
先程の戦いでのトラウマが蘇り、絶叫するサキ。なんとかいちごに命じて触手生物を払ってもらったが、気分は完全にご立腹。
「この役立たず! ご主人様なら、ちゃんと私を守ってよね! さあ、その子を連れて、さっさと消えて!!」
完全にブチ切れ、八つ当たりよろしく、いちごとさくらを追い出した。なお、程なくして正気に戻ったいちごは、意識を取り戻したさくらによって、今までになく壮絶な説教を受けたという。
成功
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虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞー
やぁメイドサン
うつろぎダヨー
どうしようかなーと思ったんだけど
とりあえず自爆するね
自爆してメイド服吹き飛ばす
もえもえーきゅん(大爆発
登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!
ただ自爆するためだけに現れる存在
技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆
射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー
捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ
アリス・フォーサイス
たしかに面白かったけど、この野望、ほうっておくわけにはいかないね。
この場所ごと、火の海に沈めちゃうよ!
キミの演技のパターンはさっきだいたい把握したから効かないよ。
●大爆破、メイド喫茶!?
メイドのサキは焦っていた。このままでは、自分の計画が台無しだ。入れ替わり、立ち替わり攻撃を仕掛けて来る猟兵達によって追い詰められ、骸の海へと還されてしまう。
それだけは嫌だ。絶対に嫌だ。そう思い、なんとかここまで抗って来たサキであったが、しかし動き出した歯車は止められない。
「たしかに面白かったけど、この野望、ほうっておくわけにはいかないね。この場所ごと、火の海に沈めちゃうよ!」
敵はもはや満身創痍であると知り、アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は勝利を疑っていなかった。だが、それでもサキは引き下がらず、ともすればアリスを篭絡せんと、あざとい仕草や嘘泣きを仕掛けて来た。
「うぅ……ひ、酷いよ。サキはただ、メイドさんのお友達が欲しかっただけなのに……」
自分は悪くない。悪いのは、メイドを理解してくれない世の中だ。無茶苦茶な屁理屈で涙を浮かべるサキだったが……その程度の嘘泣きでは、アリスには全く通用せず。
「残念! キミの演技のパターンは、さっきだいたい把握したから効かないよ」
「え……ちょ、ちょっと! きゃぁぁぁっ!!」
殺到する火矢に貫かれ、サキは全身を焼かれながら逃げ惑った。これでは、嘘泣きなどしている場合ではない。堪らず床を転げ回り、炎を消しつつアリスの足下へと転がり込み。
「どうしても……どうしても、サキを殺すつもりなの? お願い……これ以上、虐めないで……ね☆」
「だから言ってるでしょ。もう、演技は要らないよ」
上目遣いに懇願するも、アリスの態度は変わらない。残る火矢を全て叩き込み、これで終わりにしようと……そう、告げてやった時だった。
(「あ、あれ……なんだか、炎の勢いが……?」)
先程に比べて炎が弱まっていることに気が付き、今度はアリスが慌てる番だった。
敵の演技は、確かに全て見破ったはず。嘘泣きなど通用しないし、こんなメイドの仕草にも、決してドキドキしないはずだと思っていたのだが。
「あはは☆ 嘘泣きは通用しなくても、サキの魅力には抗えないみたいだね♪」
火矢を払い除け、勝ち誇った口調でサキが立ち上がる。そう、彼女の得意技である上目遣いの魅了。嘘泣きと違い、問答無用で相手の精神に作用する技は、何の対策もせずに防げるような代物ではなかったのだ。
「さすがに、一回だけじゃ効果は薄いかな? でも、これで火の勢いは落ちたわけだし、このまま続けてサキのお人形にしてあげるね☆」
形勢逆転。これで今までの汚名が返上できると、サキは再びアリスを魅了せんと視線を向ける。が、次の瞬間、唐突に窓ガラスを破って現れた謎の文字が、サキの前に伸び上がった。
「ひゃぁっ! な、なに、これ!?」
「やぁメイドサン。うつろぎダヨー」
そこに現れたのは、虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)。ひらがなの形を取り、狂気的執念で愉快的犯行を続ける、トリックスターのブラックタール。
「どうしようかなーと思ったんだけど、とりあえず自爆するね。もえもえーきゅん」
「えっ……じば……」
サキが何かをするよりも早く、うつろぎはいきなり自爆した。
周りの仲間? 市街地? そんなことは関係ない。彼にとっては自爆こそ至高! その結果、自分や周りがどうなろうと、知ったことではないのだから。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
瞬間、輝きが廃墟の中に広がったかと思うと、周囲を巻き込む大爆発!
衝撃に窓ガラスが砕け、キノコ雲が天井を突き破り……そして、店の壁が音を立てて崩壊した。
「うぅ……ひ、酷い……」
白煙が晴れる中、爆心地よりボロボロになったサキが現れる。その身に纏ったメイド服は完全に吹っ飛び、今となっては胸元と腰を申し訳程度に隠せる程の布地しか残っていない。顔は煤で汚れ、頭は爆風の影響でアフロさながらの酷いヘアスタイルとなり、茫然と瓦礫の中に立ち尽くしていた。
「ふぅ……危うく、こっちまで巻き込まれるところだったね。危ない、危ない」
瓦礫を押し退け、這い出すアリス。なお、彼女は咄嗟にテーブルを盾にして身を守ったので、そこまで酷い巻き添えを食わずに済んだらしい。
かくして、最初にアリスが告げた通り、サキの店は炎に包まれ、跡形もなく消滅した。後に残されたのは心身共にズタボロにされたサキと、瓦礫と化した廃墟の残骸だけだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
久遠・翔
アドリブ絡み歓迎
はぁ…水泳部の人達に謝ってたら遅れたっす
と言うかなんで今度遊びに来たら許してあげるってなったのか未だに不明っす(誘惑145)
何かギラギラした目で見られたし…と、今は依頼に集中っす
って、これまた攻撃しにくい見た目の相手っすね…ん?
あ、あの…どうしたっすか?なんか目がハートに…って、近い近い!?
いや慰めてって一体何を!?と狼狽した瞬間抱きしめられWIZの技を喰らいますが同時に自分のUCも勝手に発動して誘惑勝負に
真の姿を開放して純白のドレス姿になり、その影響で誘惑技能が跳ね上がり相手を虜に
胸やスカートの中を弄られ気づいた時にはUC無自覚の使役術でサキを使役獣化させ荒い息吐いて倒れます
●専属メイドになりませんか?
戦いに遅れるこそ、数時間。
メイド喫茶のある場所を訪れた久遠・翔(性別迷子・f00042)が見たのは、信じられない光景だった。
「はぁ……水泳部の人達に謝ってたら遅れたっす。と言うか、なんで今度遊びに来たら許してあげるってなったのか……って、えぇぇぇっ!?」
そこに広がっていたのは、メイド喫茶とは名ばかりの瓦礫の山。廃墟どころか、本当に建物さえなく完全に崩壊している。しかも、その中央に立っているメイドのサキは、半裸で黒焦げ、おまけに髪の毛もボロボロだ。
「な、なんっすか、これ……。俺のいない間に、いったい何が……」
状況が飲み込めず困惑する翔だったが、無理もあるまい。戦闘中、謎のひらがなが乱入して、敵味方問わず自爆したなど、誰が信じてくれようか。
「……って、これまた攻撃しにくい見た目の相手っすね……ん?」
なんとも目のやり場に困る姿のサキを見つけ、翔は思わず顔を逸らそうとした。が、サキは関係ないとばかりに翔へと接近すると、そのまま首に手を伸ばして抱き付いた。
「あ、あの……どうしたっすか? なんか目がハートに……って、近い近い!?」
「うぅ……ご主人様ぁ、サキ怖かったよぉ! 皆してサキのこと虐めて、お店もボロボロにされちゃったぁ……」
だから、ここで慰めて欲しい。何を言っているのか分からないと困惑する翔を余所に、サキは翔のことを押し倒し、そのまま襲い掛かって来た。
(「ま、拙いっす! このままじゃ、このメイドに好き放題されて……」)
逃げ出そうにも身体が動かず、翔の顔に焦りの色が浮かぶ。だが、その瞬間に翔のユーベルコードも発動し、その身が純白のドレスに包まれた。
それは、翔の全身から無自覚の誘惑を解き放つトリガー。この技が発動した以上、相手を篭絡するのは時間の問題。だが、反対に相手のユーベルコードが全て決まってしまえば、今度は翔がユーベルコードを封じられ、サキの魅了も解除されてしまうことになる。
互いに相手の心を攻撃し合う魅了合戦。この勝負、どちらが相手を魅了し切るのが早いかで決まる。先に相手を魅了し切った者こそが、即ちこの戦いの勝者である。
「ねぇ……ご主人様を慰めてあげるから、サキのことも慰めてぇ❤」
サキの指先が容赦なく翔の胸を弄び、果てはスカートの中にまで入って来る。このままでは、ミイラ取りがミイラになり兼ねない。困り果てた翔は……ついに、自らの切り札である、もうひとつのユーベルコードを発動させた。
「お、お願いだからもう落ち着くっすよー!?」
こうなったら、このメイドを取り込んで自分の使役獣に変えてやる。正真正銘、最後の賭けだったが……当然、複数のユーベルコードを使用するには、それなりのリスクも伴うというもの。
「もぅ……これ以上、サキのことを虐めないで欲しいな☆」
こちらがユーベルコードを使用すれば、それに併せて相手もユーベルコードを使用して来るのだ。上目遣いに迫られたことで魅了の重ね掛けが直撃し、その瞬間に、翔は全身を痙攣させて力尽き果てた。
「あぅっ!? んっ……はぁぁぁぁ❤」
あろうことか、サキの指先だけで絶頂させられてしまう始末。が、それでも相手の技が完全に決まらなかったことで、翔の反撃もまたサキへと炸裂し。
「え……? ちょっと、なにこれ……きゃぁぁぁぁっ!!」
気がつくと、サキは二頭身の人形のような姿になり、そのまま翔の肉体へと取り込まれてしまった。
「……はぁ……はぁ……。お、終わったっすか……」
ようやく意識を取り戻し、立ち上がる翔。かくして、メイド服で世界征服を企む小悪魔メイドは、その野望諸共に退治され、世界に平和が戻ったのであった。
大成功
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