迷宮災厄戦⑱-18〜ゆけ! さいきょうモンスター!
想像力! それは未来を形作る無限のエネルギーである!
想像力があったからこそ人は新たなものを発明し、世界を豊かにすることが出来た!
想像力があったからこそ、人は死を恐れ、医療が発展し、心の安らぎを得る為の教えが生まれた!
想像力があったからこそ、人は自分とは違うものの心を思いやりることが出来た!
そして、想像力があったからこそ、人は空想し、物語を作ることが出来た!
オウガ・オリジンは今!
現実改変ユーベルコードの全てを振り絞り、その『想像力の国』を作り上げ、猟兵達に戦いを挑もうとしていた!
その名はイマジンモンスター! オウガ・オリジンにとって考えうる限りの、最強の存在である!
●想像力の獣
「オウガ・オリジン撃破まであと一歩! 皆様、もうひと踏ん張りでしてよ!」
エリル・メアリアル(孤城の女王・f03064)が、集まった猟兵達に告げる。
迷宮災厄戦は佳境を迎えていた。オウガ・オリジンは猟書家達が奪った力の大半を取り戻しており、アリスラビリンスを崩壊へと導こうとしている。
「その崩壊までの時間は刻一刻と迫っていますわ……。けれど、まだ十分間に合いますわ。今一度力をお貸しくださいまし!」
そう言って、エリルは頭を下げるのであった。
「今回向かう国は『想像力の国』。オウガ・オリジンはそこで自らの想像力を増幅して作り上げあ『イマジンモンスター』という姿に変身して皆様を迎え撃ちますわ」
イマジンモンスターとは、オウガ・オリジンの想像によって生まれた獣である。この世界では想像したものを現実とする能力を持っており、それを駆使して『絶対に猟兵を殺すモンスター』を作り上げるというのだ。
想像力は無限大だ。想像の前に物理法則は意味をなさず、荒唐無稽なモンスターですら誕生してしまうだろう。
「そんな相手に勝てるわけがない? いいえ、勝てますわ!」
エリルがチッチッチ、と指を振る。
「だって、わたくしたちもその想像力で最強のイマジンモンスターになればいいんですもの!!」
想像力の国の力は、たとえオウガ・オリジンの作った世界であろうと平等だ。であれば、猟兵も同じように、想像力の獣を作り上げれば良いのだ。
「皆様のかんがえた『さいきょうのイマジンモンスター』! その姿に変身したならば、あとはどちらが最強か、信念のぶつかり合いですわ!」
エリルが自信たっぷりに言う。強い意志さえあれば、互角以上に立ち振る舞えるというわけだ。
「さぁ、皆様の想像力を披露する時ですわ! さいきょうのそんざいを作り上げていらして!」
そう言って、エリルのグリモアが強く輝きだすのであった。
G.Y.
こんにちは。G.Y.です。
ぼくのかんがえたさいきょうのモンスター。誰もが小さなころ想像しますよね。
今回はそんな最強の存在になって戦っちゃいましょう!
プレイングボーナスは『さいきょうのそんざいに変身する。』です。
オウガ・オリジンも自分の変身が最強だと思っていますので、どれくらい最強かをアピールしちゃいましょう。
変身する姿は、どんなものでも構いません。まったく違う姿になってしまってもOKです。
それでは、皆様のちょうすごいプレイング、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『『オウガ・オリジン』とイマジンモンスター』
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POW : イマジンモンスター・ギガンティック
【現実改変ユーベルコード】を使用する事で、【全身からオウガ達の頭部】を生やした、自身の身長の3倍の【イマジンモンスター】に変身する。
SPD : イマジンモンスター・スピード
【現実改変ユーベルコードを使用する】事で【イマジンモンスター】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : イマジンモンスター・ディフェンス
対象の攻撃を軽減する【イマジンモンスター】に変身しつつ、【身体から溢れ出すトランプ】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:飴茶屋
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エル・クーゴー
●SPD
戦場全体に亘る特殊要素の解析を完了しました
躯体番号L-95
これより、超々限定条件下に於ける臨時アップデートを実装します
(※思う存分【リミッター解除】)
●さいきょうのそんざい
・プラズマジェット式飛行ユニットを背負い、銃砲火器を満載したアームドフォートを従えている、いつもの見た目――
・なのだがそのスペックが違う!
~飛行ユニット~
・燃料は永久機関
・どれだけ飛んでも急な機動をしても、ガタも来ないしオーバーヒートもしない
~搭載武装~
・電脳魔術ストレージから尽きることなく実体化させ即給弾。弾数無制限!
~『マネギ』~
・小型アームドフォート背負って出陣
・なんでかエル当人並の火力と殲滅力とを叩き出す!
現実改変ユーベルコード。
猟書家達がその力を奪って各世界への侵攻を目指したこと。オウガ・オリジン自身の戦いでもたった一人で様々な世界を生み出してきたこと。これまでに目にした様々な出来事から、如何に恐ろしく、強大な力であるかは想像に難くない。
だが、今回はそれに輪をかけてその圧倒的な力が示されることとなる。
イマジンモンスターの出現である。
「もう許さん……全ての力で蹂躙しつくしてくれる!!」
オウガ・オリジンが激昂し、その身体を変化させてゆく。まるでウサギのような耳と脚が生まれ、手足の爪も鋭くなってゆく。
「イマジンモンスター……スピード!!」
オウガ・オリジンが駆ける。その軌跡は残像となり、見るものを惑わすほどの速度を誇るのであった。
「現着、戦場全体に亘る特殊要素の解析を完了しました」
エル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が周囲を観察しながら告げる。
「躯体番号L-95。これより、超々限定条件下に於ける臨時アップデートを実装します」
そう告げるエルの全身が、強く強く輝き始めた。
そう、ここは想像力の世界。オウガ・オリジンがイマジンモンスターとなるのであれば、エルもイマジンモンスターとなって対抗すれば良い。
エルが装備したのは背部のプラズマジェット式飛行ユニット、銃砲火器搭載のアームドフォート。見た目は全て、普段と同じようにも見える。だが。
「リミッター……解除!」
エルのその言葉に、飛行ユニットが爆発したように発光し、一気にジェットが噴射される。その勢いは凄まじく、恐ろしいほどの速度を備えるばかりか、急角度幾何学模様を描くように飛んでも一切影響のないジェットユニットとなっていた。
「は、速い!?」
思わずオウガ・オリジンも驚愕し、エルを捉えることが出来ない。何故ならばエルは高高度から、相手をロックしていたからだ。
「敵対存在確認、射撃開始」
エルのゴーグルが光り輝く。構えたアンチマテリアルライフルがオウガ・オリジンを中央に捉え、火を噴いた。
「連射」
遥か遠方より、弾丸の雨が降り注ぐ。
銃弾は大地を抉り、土煙を上げ、オウガ・オリジンを追い詰める。
「おのれぇ!」
オウガ・オリジンが跳躍する。その一跳びで瞬く間にエルへと肉薄すると、回し蹴りを放つ。
だが、ジェットパックの機敏な動きが直撃を許さない。それどころか、待っていたかのように構えた機関砲とブラスターが、オウガ・オリジンへと放たれる!
「図に乗るなァ!!」
だが、この程度で倒れるオウガ・オリジンではない。銃弾を蹴って足場として利用しながら、再びエルへと迫る。
「……はっ!?」
気配を感じ、オウガ・オリジンが退く。直後、銃弾の嵐がオウガ・オリジンを掠めてゆく。
「もう1匹か!」
「マネギ……出撃」
後方から現われたのは、翼の生えた猫(しかもちょっと丸い)であった。いや、猫ではない。ドローンだ。そして背中には小型のアームドフォートを背負い、銃撃をしながら突撃してくる!
「十字砲火」
激しい爆裂音が響く! エル、そしてマネギの銃弾は、見事オウガ・オリジンをハチの巣にしたのだ。
「おのれ、おのれ、おのれ!!」
墜落しながらオウガ・オリジンが悪態をつく。
イマジンモンスター同士の戦いは、まず猟兵に軍配が上がる形となったのである。
大成功
🔵🔵🔵
ベリル・モルガナイト
最強の。存在。ですか
この年で。そのような。物を。想像するのは。些か。恥ずかしくも。ありますが
これも。世界を。守る。ため
私の。最強を。以て。この世界を。守護。致しましょう
私。にとっての。最強
それは。騎士の。姿
如何なる。存在にも。挫けず。倒れず。守り。続ける。者
私は。倒れません。それが。最強の。騎士。なのですから
……あら。貴女の。最強。とやらは。騎士。一人。倒すのにも。梃子摺る。程度。のもの。なの。ですね?
溢れる。トランプは。生み出す。盾にて。対抗。いたしましょう
耐えて。耐えて。私が。事実を。お伝え。した。ところで
溢れる、トランプごと、敵の、体へ、【シールドバッシュ】を。プレゼント。致しましょう
「おのれ! おのれおのれおのれ!」
傷を受けたオウガ・オリジンは、苛立ちを隠せずにいた。
「わたしがこの世界では絶対、もっとも尊いというのに!」
だが、現実として猟兵の攻撃にオウガ・オリジンは力負けしてしまった。
「ならば……」
その言葉と共に、再びオウガ・オリジンの姿が変化してゆく。
周囲から溢れ出るトランプが身体に張り付き、鎧の様にオウガ・オリジンを包み込む。
「イマジンモンスター……ディフェンス!」
「……最強の。存在。ですか」
ベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)がオウガ・オリジンの姿を見つめ返す。幾層にも重なったトランプは並の金属など比較にならない程の硬度を誇るだろう。歩くたびに身体からトランプが剥がれ落ちるその姿は狂気を孕む。
だが、それに対抗できる力が今、猟兵にもある。
「この年で。そのような。物を。想像するのは。些か。恥ずかしくも。ありますが。これも。世界を。守る。ため」
ベリルが思い描く。その想いに合わせて、全身が淡く発光する。
「私。にとっての。最強……」
ベリルが全身に輝かしい鎧を纏い始める。
「それは。騎士の。姿」
雄々しく、気高い騎士は、レイピアをオウガ・オリジンに向ける。
「如何なる。存在にも。挫けず。倒れず。守り。続ける。者」
「ぬかすな!」
オウガ・オリジンの鎧から零れたトランプが浮き上がり、ベリルへ放たれた。
ベリルはレイピアを振って弾き飛ばしながら、オウガ・オリジンへと歩みゆく。
「私の。最強を。以て。この世界を。守護。致しましょう」
そのまっすぐな眼に、オウガ・オリジンが怯む。
「くっ……!」
オウガ・オリジンがさらにトランプを飛ばす。咄嗟にベリルは大きな盾を構えると、襲い来るトランプを受け止める。
「何故、何故倒れん!」
トランプをさらに飛ばす。鎧として構成されたトランプさえも武器として、ベリルを押し潰そうと飛ばし続ける。
「私は。倒れません。それが。最強の。騎士。なのですから」
「ならば倒れるまで攻撃を続けるまで!」
オウガ・オリジンの攻撃がさらに激しくなる。それでもベリルはビクともしない。
「……あら。貴女の。最強。とやらは。騎士。一人。倒すのにも。梃子摺る。程度。のもの。なの。ですね?」
「な、なにをっ……!!」
オウガ・オリジンが激昂する。そこに隙が出来た。
「ここに。立つは。幾度。砕けようとも。立ち上がる。煌めきの。守護」
この世界を守るという意思が『最強の騎士』としての力によって後押しされ、ベリルの盾は何物にも砕かれない最強の盾となったのだ。
「トランプを。お返し。いたします」
盾を構えたまま、ベリルが突撃する。押し寄せるトランプを押し返し、激しい勢いのままオウガ・オリジンへとぶつかった。
「お、おのれぇえぇっ!!」
トランプを撒き散らしながらオウガ・オリジンが吹き飛んで行く。
この世界を守護する騎士としての力。それが最強の力と合わさり、ベリルを勝利へと導いたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
エルシー・ナイン
最強の存在ですか。
ならば私は惑星サイズの巨大ロボットを創造しましょう。
幾ら想像力があっても、実際に宇宙に出たことのないアナタには、宇宙の果てのなさは想像もつかないでしょうね。そして想像もつかない存在をアナタは生み出すことができない。
そこがアナタの限界です。
巨大ロボットに乗り込んだら【LC式全武装一斉射撃】で敵に惑星破壊ミサイルとブラックホール砲の『一斉発射』による『制圧射撃』です。かわされても空間を歪曲させての『誘導弾』で確実に当てに行きますよ。
敵の攻撃は未来予測装置で『見切り」、瞬間ワープで回避です。
技術力の限界など一切考えずにやりたい放題できる……これは結構楽しいものですね。
オウガ・オリジンは焦っていた。
この世界で最も尊いはずのオウガ・オリジンの最強の想像力を、ことごとく猟兵達が凌駕するのだ。
「幾ら想像力があっても、実際に宇宙に出たことのないアナタには、宇宙の果てのなさは想像もつかないでしょうね」
エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)が告げる。
「そんなはずはない! わたしの現実改変ユーベルコードは、世界を全て……!」
オウガ・オリジンが怒りながら、身体を変化させてゆく。小さな身体がみるみる巨大になり、その全身から様々なオウガの顔が出現する。
「イマジンモンスター……ギガンティック!!」
「想像もつかない存在をアナタは生み出すことが出来ない。そこが、アナタの限界です」
エルシーが腕を掲げる。全身が光り輝くとともに、爆発的な勢いで膨れ上がってゆく。
「こ、これは……!」
世界そのものが光に合わせて膨れ上がってゆく。オウガ・オリジンをも軽く上回り、大きく、大きく肥大化してゆく。そして光が収まると、そこには光り輝く鋼鉄の巨人が天高くそびえていた。
「これが、私の最強の存在。惑星巨大ロボです」
もはやオウガ・オリジンなど米粒にも満たないほどに小さくなった。あまりの体格差に戦うどころの話ではない用にも思えたが、オウガ・オリジンは怯まない。何故ならば、この世界に置いて大きさは関係ない。想像力こそが、その存在に本当の力を与えてくれるのだ。
「わたしの想像力に限界だと!? 面白い! 図体だけのでくの坊など破壊しつくしてやる!」
オウガ・オリジンがエルシーの乗り込んだ巨大ロボットを殴りつける。
「私は最も尊い! 私は最も強い!」
巨大ロボに激しい衝撃が走る。どれだけ体格差があろうと、完全無欠とはいかないらしい。流石はオウガ・オリジンだ。
「しかし、私の想像力の方が……!!」
エルシーが叫ぶ。巨大ロボは浮かび上がり、全砲門を開く。
「マルチプルミサイル、ロック解除。ブラスター、ガトリング照準セット。対象を完膚なきまでに殲滅します!」
巨大ロボから惑星を破壊するほどのミサイルが放たれる。ミサイルは大地に着弾しただけで壊滅的な爆発を引き起こし、戦場を火の海へと変えてゆく。
だが。
「なめるなぁ!!」
爆炎の中からオウガ・オリジンが跳ぶ。そのままエルシー目掛けて飛び掛かった。
「未来予測。瞬間ワープ!」
エルシーはオウガ・オリジンの軌跡を予想すると、巨大なロボット共に姿を消す。
「くっ……どこだ!」
オウガ・オリジンが見失った一瞬の隙に、背後から巨大ロボットが銃口を向け、出現した。
「ブラックホール砲……発射!!」
「ぬ、あ、あああああああ!!」
放たれた弾丸がブラックホールを作る。オウガ・オリジンもろとも周囲を吸い込み、押し潰してゆく。
「……技術力の限界など一切考えずにやりたい放題できる……これは結構楽しいものですね」
ブラックホールの彼方に消えたオウガ・オリジンを見やり、エルシーは満足そうに呟くのであった。
大成功
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ミスト・ペルメオス
【POW】
…良いだろう。
私か、お前か…どちらが生き残るか…!
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
デバイス等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
既に失われたはずの御業…何故か使えるようになったそれを行使して、「最強の敵」とやらに挑む。
【ミューテーション・アンスピーカブル】。
異界より膨大なサイキックエナジーを引き出し、融合し、一時的な変異を遂げる。愛機も、己自身も。
実体と霊体の融合体。物理法則を打ち破って飛び回る狩人。
超自然的な“嵐”を以て戦場を覆い、あらゆる敵を侵蝕し、如何なる力をも奪い尽くし、撃ち砕く。
敵は何物も逃さない、逃れられない。故に“語られざるもの”…ッ!
※他の方との共闘等、歓迎です
想像力の国。想像の力が全ての源となり、この世界の主オウガ・オリジンはその豊富な想像力で、頂点に立つ。そしてこの世界に現われたゴミ共を全て殺し尽くす。それがオウガ・オリジンの書いた筋書であったはずだ。
「がはっ……!!」
ところがどうだろう。現実は、猟兵達の想像力がオウガ・オリジンを上回っていたと言わざるを得ない。
オウガ・オリジンは猟兵の度重なる攻撃を受け、既に満身創痍であった。それでも、彼女は彼女であるが故に、それを許さない。
「このまま死んでなど、なるものか……!」
オウガ・オリジンの姿が変わってゆく。巨大化し全身に様々なオウガの顔を宿した、イマジンモンスターギガンティックだ。
「良いだろう……私か、お前か……どちらが生き残るか……!」
ミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)はそう言うと、機械鎧、ブラックバードで全身を包み込む
「念動力! 機体フルコントロール……」
ブラックバードが宙に浮く。全身に念動力が巡ってゆく。
「……既に失われたはずの御業。今なら完全に使えるはずだ……」
ミストが集中する。自分と愛機の境目が失われてゆくような感覚を覚える。
「シュラウド……その力を貸せ!」
ミストが叫ぶ。直後、ブラックバードの身体が大きく姿を変えてゆく。
異界のサイキックエナジーを自らの力と変える。それは実体とも霊体ともつかない。物理法則すら置き去りにする究極の狩人。
「ミューテーション・アンスピーカブル!」
その言葉と共に、ミストを中心に嵐が吹き荒れた。
天が裂け、地が割れる。
「これはあらゆる敵を浸蝕し、如何なる力をも奪いつくし、撃ち砕く……!」
「な、なにぃっ!!」
オウガ・オリジンが嵐に巻き込まれる。激しく渦巻く気流に、身体が引き裂かれそうになる。
「敵は何物も逃さない、逃れられない。故に――」
「おのれ、おのれ、おのれ!!」
嵐に捕らわれたオウガ・オリジンはもはや身動きが取れない。
「“語られざるもの”……ッ!」
「おのれぇぇぇぇぇえぇーーー!!」
嵐に力を奪われ、されるがまま、身体が捩じ切られるかのように振り回される。そのまま嵐の渦の中で、オウガ・オリジンの身体が崩れてゆくのであった。
想像力の国での戦いは終わった。主であるオウガ・オリジンが失われ、この国も崩れてゆく。
オウガ・オリジンは現実改変ユーベルコードの使い手であり、それによって生まれた多彩な国が存在するのは、今まで迷宮災厄戦で猟兵達が経験した通りであった。
そして、あらゆる世界の簒奪をも目的としていたオウガ・オリジンの『想像力』は、決して乏しいものではなかった。
「それでも、この世界を守るという意思がぼく達に力を与えてくれたんでしょうか……」
ミストは機械鎧から顔を出し、消えゆく世界を見渡した。
まるで今までの激戦が嘘だったかのように、そこは静寂に包まれていた。
大成功
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