迷宮災厄戦⑱-9~feat.ジャバウォック
●アリスラビリンス
「私こそは最強最悪の猟書家サー・ジャバウォックであぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁある! 私の手に掛かれば、ヒーローズアースなど塵同然ッ! あっと言う間に、消し炭に変えて差し上げましょう! しかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁし! そのためには、猟兵達が邪魔、邪魔、邪魔なのです! あいつらがいる限り、私が安眠できる未来はない! まるで悪夢の如く纏わりつくストーカーのような奴等なのです! だから、昼も夜も眠れない! 奴等の存在を消し去らなければ、永遠に安寧は訪れない! そこで、この『秘密結社スナーク』の出番という訳です! これさえあれば、猟兵もイチコロ。例え、逃げ帰る事が出来たとしても、巣ごと一網打尽です!」
『オウガ・オリジン』が変身したのは、猟書家『サー・ジャバウォック』であった。
サー・ジャバウォックは、アフロのヅラを被った愉快な仲間達を前にして、自分の野望を果たすため、どのような方法で猟兵達と戦うのか、紙芝居を使って熱心に説明している最中だった。
そのため、普段であれば物陰に隠れてしまうほど怖がり屋さんである愉快な仲間達も、紙芝居には興味津々。
本人と比べて数倍美化されたサー・ジャバウォックのイラストを見て、『誰だ、コイツ?』と思っている事以外は、何の疑問も持たずに紙芝居の虜になっていた。
その中で、猟兵達はアリやゴキブリのような扱いを受けており、『一人いたら、百人いると思え』的なノリで、サー・ジャバウォックにバッタバッタと倒されていた。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
今回の目的は、『オウガ・オリジン』を倒す事。
オウガ・オリジンは、猟書家『サー・ジャバウォック』に変身し、焼け焦げた森の国で、猟兵達が現れるのを待っているようだ。
しかも、オウガ・オリジンがコピーしたサー・ジャバウォックは、見た目だけでなく、中身もソックリ。
多少、自信過剰なところもあるが、本物のサー・ジャバウォックと全く同じ攻撃方法なので注意をしておくといいだろう。
そう言った事を踏まえた上で、オウガ・オリジンを倒す事が今回の目的である。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争シナリオです。
敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくるので、対抗手段を考えておきましょう。
第1章 ボス戦
『『オウガ・オリジン』ジャバウォック』
|
POW : 侵略蔵書「秘密結社スナーク」
見えない【架空の怪物スナーク】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : ヴォーパル・ソード
【青白き斬竜剣ヴォーパル・ソード】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : プロジェクト・ジャバウォック
【人間の『黒き悪意』を纏いし竜人形態】に変身し、武器「【ヴォーパル・ソード】」の威力増強と、【触れた者の五感を奪う黒翼】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
イラスト:カキシバ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ナイ・デス
見た目も、中身も……そっくり?キャラ、全く違う気が、するのですが
……オリジナルが死んだ(⑲制圧)ことで、何か、変な影響でも……?
と、思っている場合ではない、ですね
はやく、倒してしまいましょう
先手必勝とばかりに【念動力】で自身【吹き飛ばしダッシュ】
先にスナークが放たれても、みえないだけで、存在するのなら
念動力による急なクイックブーストで、蛇行軌道のように動けば、先読みもできず当てるのは困難
そうして近づいて【鎧無視攻撃】黒剣鎧の鋭い刃【串刺し生命力吸収】
とはいえ、運悪くか想定以上か受ける事も【覚悟】
【激痛耐性、継戦能力】それでも
『未だわたしは此処にいる』
百殺しても、また現れる、です!
不意打ち!
大門・有人
不採用含め全て歓迎だ。
良く分かってるじゃないか、俺たちがいる限り、安心して眠れる夜が来ないことを。
見参、ガンバレェエイ!
POW対抗
視覚に映らないならレーダーでどうだ?
ガンバーバイクを盾に拠点として防御に回り、ガンバレイ・メットとガンバレーダーの各種センサーで索敵。
音などでも位置がある程度わかれば、散弾銃で範囲攻撃。激痛耐性もあわせて最悪、カウンターで同士討ち狙いだ。
しのぎ次第UC始動、ガンバレイ・スパイクカッターを展開しバイクで突撃する。
仮初めの姿が何であろうと、人喰らいの化け物を拡散させる訳にはいかない。犠牲になったアリスたちへの悔いも貴様には必要無い。
正義の怒りをその身に刻め。
ヴォルフ・クライト(サポート)
ボスとの交戦時は、敵の行動阻害と逃走妨害および敵の情報を引き出すことを目的にして行動を行う。
ユーベルコードも使用し、敵にダメージを与えて行きつつ、敵の攻撃や身体的な情報を集められる限り収集をする。
敵が倒れるまでは容赦することなく攻撃を継続する。
ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください
口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ
基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性(これは先制攻撃ボスにも適用)や
武具改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します
保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向
*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開に巻き込まれやすい、弄られOK
※キャラぶれ気にしないので、お気軽に弄って下さい
チヒローズ・イッシー(サポート)
自由都市を故郷に持ち、本人も自由を愛する女性です。
戦闘では指定したユーベルコードを状況に応じて使い、人々の自由を取り戻す為に皆さんと力を合わせて戦います。
オラトリオの聖者×プリンセスということで、もしよければキラキラっとした華やかな戦闘演出を描写していただけると嬉しいです。
口調はステータスシートの通り、「なの、よ、なのね、なのよね?」という感じの優しく人当たりのいい女の子といった感じの喋り方です。
一人称は「私」、二人称は基本的に年齢や男女を問わず「さん」付けの呼び方です。
あとはマスターさんにお任せします。よろしくお願いします!
叢雲・凪(サポート)
人間のミュータントヒーロー×ゴッドハンド、
ヒーロー名【ジンライ・フォックス】
まずはその世界の住人・猟兵仲間に挨拶をしよう…。
礼儀は大事。年上の人や先輩にはちゃんとしないとね。
『どうも ジンライ・フォックスです』(お辞儀しつつ)
基本的な戦い方は【リミッター解除】を使ってからの【ダッシュ】+【残像】+【夜天九尾】を使った電光石火の接近で敵との距離を詰め畳み掛けよう。相手が強力な単体ボスなら一気に攻撃を仕掛ける。
※黒雷で生成されたマフラーを解いて夜天九尾発動。尻尾1本につき10秒 合計90秒間の間超高速で動ける。90秒で決着をつける。並みの動体視力では対応できないはずだ。
『天誅・・・』
佐原・鷹弥(サポート)
多少の負傷は覚悟のうえで行動します。
正面から戦う方がいればうまく隠れて、挟み撃ちまたは90度ほどずれて攻撃するように行動します。
1人の場合は、多少の攻撃は真っ向から、危険だと判断できる攻撃は引きながら中距離を保って戦闘を行います。
●焼け焦げた森の国
「ようこそ私の楽園へ! さあ、遠慮せずに、覚悟を決めてください。この場所は、君達にとっての死に場所! もう何も悩まなくて、結構です! この世の未練なんてポイッと捨てて、あの世にGOしちゃいましょう!」
焼け焦げた森の国で猟兵達を待っていたのは、猟書家『サー・ジャバウォック』に変身した『オウガ・オリジン』であった。
その見た目は、サー・ジャバウォックそのもので、まるで本物を丸々コピーしたような感じであった。
だが、その中身は、何処をどう間違ったのか、本物と比べてハイテンション。
それでも、オウガ・オリジンの要素がまったくないため、どちらかと言えばサー・ジャバウォック寄りであった。
「見た目も、中身も……そっくり?キャラ、全く違う気が、するのですが……。オリジナルが死んだことで、何か、変な影響でも……?」
その事に違和感を覚えたナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が、警戒心をあらわにした。
万が一、そうであるとするのなら、これは大変な事である。
最悪の場合、猟書家とオウガ・オリジンが何らかの形でリンクしている事を意味しているため、このまま放っておく訳にはいかなかった。
だが、そう思えない程、サー・ジャバウォックが残念仕様であったため、何やら複雑の気持ちのようである。
「おやおや、何を驚いているんですかァ? 私は正真正銘サー・ジャバウォック! 見た目も中身も、サー・ジャバウォック! 表も無ければ、裏もない。それが私! 私なのですッ!」
サー・ジャバウォックが、猟兵達のまわりをクルクルと回った。
そこに何の意味があるのか分からないが、おそらく何の意味もないだろう。
「そう言えば、挨拶がまだでしたね。どうも ジンライ・フォックスです」
叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)が、サー・ジャバウォックに深々と御辞儀をした。
「おお、これは、これは、御丁寧に……。今後ともよろしく……という訳にはいきませんが、なるべく苦しまずに逝かせてあげましょう。そもそも、私達は敵同士。絶対に仲良くなる事は出来ない。何故なら、君達は私にとっての悪夢! その原因なのですから! どちらかが死ぬまで戦う運命にあるのです!」
サー・ジャバウォックが興奮した様子で、キッパリと断言をした。
「良く分かってるじゃないか。俺たちがいる限り、安心して眠れる夜が来ないことを……」
大門・有人(ヒーロー・ガンバレイにして怪人・トゲトゲドクロ男・f27748)が、サー・ジャバウォックの前に陣取った。
「ぬはははははっ! そう、その通りィィィィィィィィィィィィイ! 君達がいる限り! 私はッ! 夜もッ! 眠れないィィィィィィィィィィ!」
サー・ジャバウォックが殺気立った様子で、ケモノの如く叫び声を響かせた。
「少し薬を増やしておきましょうか? よく眠る事の出来る、お薬を……」
ヴォルフ・クライト(闇狼・f03355)が残念なナマモノを見る感じで、サー・ジャバウォックに憐みの視線を送った。
「そんなモノは必要ありませぇぇぇぇん! 何故なら、悪夢の原因が目の前にいるのですから! 消し去ってしまえば、それで終了! ハッピーエンドです!」
サー・ジャバウォックが瞳孔の開いた眼で、猟兵達をジロリと睨みつけた。
この時点で、完全にヤバイ人。
街であったら、絶対に目を合わせたら、駄目な相手であった。
それでも、サー・ジャバウォックは、自分の事をマトモだと思っているらしく、その考えに揺らぎは無かった。
「……と言うか、こっちだって好きで、お前の夢に出ているわけじゃないんだぜ。夢の中で俺達が何をやったのか知らないが、被害者面して、俺達を責められても困るんだが……」
ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)が、ゲンナリとした様子で溜息を洩らした。
「おやおやおやァ! この状況で、よくそんな事が言えますねぇ! 私を散々苦しめておきながら! ここまで追い詰めているのに、よくッ! そんな酷い事をッ!」
サー・ジャバウォックが信じられない様子で、嫌悪感をあらわにした。
ただし、被害に遭っているのは、夢の中。
それでも、責任を取れと言わんばかりに、腹を立てているようだ。
「そもそも、あなたとは初対面なのに、一方的に恨みを抱かれても困ります」
その態度に、チヒローズ・イッシー(オラトリオの聖者・f20852)が、ドン引きした。
間違いなく、八つ当たり。
全力で難癖をつけてきただけである。
「一方的ではありません! 君達が私の夢に現れているのですよ? 何の許可もなく、勝手に! 私が何度止めてくれと言っても! 消えてくれと言っても! 願いを聞き入れてくれなかったのは、君達なのに!」
しかし、サー・ジャバウォックは、その事を認めない。
あくまで被害者。
すべての非は猟兵達にあると言わんばかりに、鋭く敵意を向けてきた。
「……どうやら話し合っても無駄のようですね」
ヴォルフが諦めた様子で、深い溜息を漏らした。
この状況で、何を言っても、時間の無駄。
そう思えてしまう程、サー・ジャバウォックは、考えを曲げなかった。
「いいえ、無駄ではありません。その言葉が、あなた達にとっては、最後の言葉。せっかくですから、墓前に供えておきましょう。……ですから、迷わず成仏してくださいね」
サー・ジャバウォックが狂気に満ちた表情を浮かべ、猟兵達に対して溢れんばかりの笑顔を浮かべた。
「狂っている……と言うよりも、壊れていると言うべきですね。この様子では、オウガ・オリジンにも影響が出ている気もしますが……」
佐原・鷹弥(元公務員サイボーグ・f27503)が、警戒した様子で間合いを取った。
「あは、あははははは! 私は正気! 正気ですッ! ですから、死んでください。もう時間切れです!」
その途端、サー・ジャバウォックが壊れた人形の如く、不気味な笑い声を響かせ、人間の『黒き悪意』を纏って、竜人形態に変身した。
「……仕方がないわね」
それを迎え撃つようにして、チヒローズが【ドレスアップ・プリンセス】で豪華絢爛なドレス姿に変身すると、舞い散る花びらと共に飛翔し、【プリンセスハート】でサー・ジャバウォックに攻撃を仕掛けた。
「ほぉ……これは、なかなか。よほど死にたくないようですねェ! ならば、これで、どうですかァ!」
サー・ジャバウォックが不気味な笑みを浮かべ、青白き斬竜剣ヴォーパル・ソードを巨大化させた。
だが、あまりにも剣が巨大すぎるため、振り回すだけで息切れする程のようだった。
「天誅……!」
その隙をつくようにして、凪がリミッターを解除し、ダッシュで残像を残しながら、【奥義:夜天九尾(ヤテンキュウビ)】で黒雷外装【鳴雷】を解き、夜天九尾形態になって、爆発的にスピードと反応速度を増大させた。
それと同時に、【黒雷槌(クロイカヅチ)】で、一点に収束させた黒雷を拳に纏い、力任せに殴って青白き斬竜剣ヴォーパル・ソードを木っ端微塵に破壊した。
「ば、馬鹿な! 絶対無敵の剣が、こんなにも呆気なく……」
これにはサー・ジャバウォックが呆気に取られ、ポカンとした表情を浮かべた。
「で、ですがっ! これは、まだ序の口ですッ! 君達は知っていますか? スナークと言う名の怪物を! それは、あくまで架空の存在。そう言われていましたが、実際には違う! スナークは、存在しているのです! 今から、その証拠を御見せしましょう!」
サー・ジャバウォックが今にも折れそうになっていた気持ちを奮い立たせ、侵略蔵書『秘密結社スナーク』を高々と掲げた。
次の瞬間、本の中から、何かが飛び出した。
それは目には見えなかったが、その存在を実感できるほどの存在感があった。
故に、猟兵達の誰もが、心の中で思った。
怪物スナークは、実在する、と……。
「……気を付けろ。何か……いる!」
ミロが仲間達に対して警告しながら、【浄炎形態(ウーンデッド・ヴァンピール)】で、陽光に焦がれ燃え盛るヴァンパイアに変化した。
「いえ、問題ありません」
それに合わせて、ナイが念動力で自らを吹き飛ばして一気に加速し、黒剣鎧の鋭い刃でスナークと思しき何かを串刺しにして、生命力を吸い取った。
「クキャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
その途端、スナークと思しき何かが、悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、緑色の血を撒き散らしながら、苦しそうに暴れ始めた。
「確かにスナークは実在しているようだな。しかし、それもほんのわずかな時間だけだ」
その間に、有人がガンバーバイクを盾にしながら、ガンバレイ・メットとガンバレーダーの各種センサーでスナークの位置を特定し、その体に散弾銃から放たれた弾丸を撃ち込んだ。
「ええい! 怯むな! お前は無敵の怪物スナーク! 例え、どんなに傷ついても、決して滅びる事はない!」
サー・ジャバウォックがイラついた様子で、スナークを怒鳴りつけた。
「クキャキャキャキャアアアアアアアアア!」
それに応えるようにして、スナークがナイの首元に、鋭い牙を突き立てた。
普通であれば、その時点で、ナイは即死……のはずだが、実際には違っていた。
【未だわたしは此処にいる(フェイタルムーブ)】によって、仮初の体は放棄され、新しい体が召喚された。
「……!」
それはスナークにとって、恐怖以外のナニモノでもなかった。
すぐに攻撃を仕掛けなければいけない事が分かっていても、身体が恐怖で動かない。
それはスナークの中に芽生えた、初めての感情であった。
その感情に飲み込まれ、思考停止状態に陥るまで、それほど時間を必要とはしなかった。
「これでは、いい的ですね。例え、不死身であっても、痛みを感じない訳でもないようですし……」
その間に、鷹弥がスナークの逃げ道を塞ぎ、【フルバースト・マキシマム】で全武装を一斉発射すると、無数の風穴を開けた。
それでも、スナークは、滅びない。
肉体は、既に限界。
心も壊れているが、それでもスナークは生きていた。
だが、それは抜け殻。
完全に戦意を失っているため、壁代わりにしかならなかった。
「うぐぐ! こうなったら、私自身が相手をしてやろう!」
サー・ジャバウォックがギチギチと歯を鳴らし、猟兵達の前に陣取った。
しかし、実際にはノープラン。
頭の中は、真っ白で、何の策も……ない!
「仮初めの姿が何であろうと、人喰らいの化け物を拡散させる訳にはいかない。犠牲になったアリスたちへの悔いも貴様には必要無い。正義の怒りをその身に刻め……!」
その事に気づいた有人がガンバレイ・スパイクカッターを展開し、ガンバーバイクに乗ったまま、怒りに燃える正義の一撃をサー・ジャバウォックに喰らわせた。
「ぐ、ぐぐ……ば、馬鹿なっ! この私が……こんなところで……滅びる……だと! ま、まだ、私には、やるべき事が……わたしには……まだ! ぐわあああああああああ!」
その一撃を喰らったサー・ジャバウォックが、みるみるうちに姿を変え、オウガ・オリジンの姿に戻って絶命した。
それと同時に侵略蔵書『秘密結社スナーク』が消し炭と化し、そこから生まれた怪物スナークも、断末魔を上げて消滅した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴