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バッドラック・イニシアティブ

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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●それは最早福音となって
 ――夏だ! 海だ! 美女だ!!
「……なーんて、平和だった頃は言ってたんかねぇ」
 陽射しも強まった昼中。テラテラとした金髪の下でサングラスをかけた男は呑気にそんな事を呟いた。
 彼は粗製の匙を使い、カップに盛られた氷を砕いたモノを一口掬う。
 じゃりじゃりとした食感に混ざり舌を刺激する薬剤染みた合成酒の味が、彼に生を実感させる。
「ねーえ、もっと遊びましょう?」
「おいおいココの姉ちゃん達はお盛んだな、もっと余裕持とうぜ? 俺みたいにヨ」
 艶かしく顎を引く女の手をそっと戻して。男は両脇に抱えた水着姿の美女達から離れる。

 数日前に離れた『拠点』は果たしてどうなったのだろうか。
 そんな事を思いながらも、自称奪還者の男は欠伸混じりに周囲を見渡した。
(荒野にまさかこんなオアシスがあるとはなぁ、俺のツキもまだまだ捨てたもんじゃないってか)
 サングラスの下でニンマリと笑みを溢す。
 そこは。数十メートルに及ぶ巨大な浄水装置が佇んだ、汚染された湖を背にして壁が築き上げられたベースキャンプだった。
 かつてアポカリプスヘルにおいて貴重な水源を物にすべく集まった戦闘集団が、辛うじて日に数百リットルの精製水を作る事に成功した事で生まれた『拠点』である。その性質上、そして拠点の有する希少価値ゆえに外部からの移住者が増えなかった事で、現在の内部には殆ど戦える人間がいないという。
 自称奪還者の男がパッと見回してみても、ビーチリゾートのような雰囲気の拠点内にいる男はたった四人程度。
 彼が偶然辿り着いてからというものの歓迎振りを見るに、奪還者を名乗る彼より腕の立つ者はいないのだろう。
「へへっ、ここが俺様の新天地……ここが俺様の理想郷だぜ!」
「――た、大変です! 北西Eポイント2キロ先からレイダーと見られる集団の影が!」
 悲鳴のように近くのテントから飛び出して来た少女の声の後に、金髪の男は自身の首が軋むような音を立てたのが聴こえた。
「奪還者様っ! どうかお力をお貸しください!」
「……」
 男は周囲から向けられる視線を、その一身で全て受け止めながら顔を上げる。

「俺にィ!! まぁかしとけぇぇいッ!!」
 二分後彼は全力で逃げ出した。

●不運な者達へ
 シック・モルモット(人狼のバーバリアン・f13567)は猟兵達を招いた先で、卓上に何か似顔絵を描いていた。
「ん? あぁ、ごめん。そこ座って待っててくれ……ちょっとムカつく奴の顔思い出して描いてるだけだから」
 歪な作画だが、金髪のグラサンをした男がそこには描かれていた。
 暫しの後。
 ひとしきり絵を描き終えて満足したシックが事の詳細を話し始めた。
「場所はアポカリプスヘル……もうすっかり見慣れたよ。
 荒野に広がる渓谷から程近い場所にある、汚染された湖。そのすぐ傍に敷かれた『拠点』ラッドレイクをオブリビオンが襲うらしい。
 規模はちょっとした軍団か。あれは、多分元軍人か何かがオブリビオンになったんだと思うな」
 少女が視たのはベースを襲う、背にロケット推進剤を装着して飛び回るようなレイダー達の姿だったという。
 彼等は数と空中機動の利を活かした戦術によって、脆弱な拠点の防衛を突破・陥落させるに至った。特に、拠点内に常駐していた数少ない手練れすら為す術もなかったのは、信じ難いことに拠点『内側』に忍ばせた伏兵がロケットレイダーを引き連れて挟撃した事が主な原因となっていたのだ。
 その伏兵とは。

「……すんごいかわいい戦車が湖の中からざばーって出て来てた」


やさしいせかい
 初めましてやさしいせかいです、よろしくお願いします。

「シナリオ詳細」

『第一章:ボス戦』
 ちょっとユニークな戦車が相手となります。
 湖をバックにした環境を最大限利用した『氷結重装タンク』は通常の暴走戦車と異なり、内部にレイダーが搭乗して操作している兵器オブリビオンです。
 ボスは一機だけですが、その性能・機能の中には本体を模した小型兵器を召喚する類のものも含まれるため、群体となり得る相手でもあります。
 基本的に拠点端に見える防壁を破壊しようと動きます。

 ハッキング等の電子攻撃・炎熱系に対する耐久性に弱点がある性質があるため、純戦以外の特殊なプレイングによる内容も成功判定に加味します。

『第二章:集団戦』
 防壁・または湖側から集団で襲い来るロケット・レイダーを迎撃、或いは第一章の結果から派生して戦います。
 数が多いです。
 環境に応じて戦闘に工夫を加えると判定に+あったりします。

『第三章:ボス戦』
 第二章からノンストップで始まるボス戦です。
 敵は単騎です。
 前章参加済みの方など、希望があればダメージや疲労が蓄積している状態を描写します。(【疲労orダメージ有】などの表記のあるプレイングに対応します)

●当シナリオにおける描写について
 三章全てにおいて描写(リプレイ)中、同行者または連携などのアクションが必要な場合はプレイング中にそういった『同行者:◯◯』や『他者との連携OK』などの一文を添えて頂けると良いかと思います。
 また、三章通して戦闘オンリーなシナリオになると思われます。

 以上。
 皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『氷結重装タンク『ジャックフロスト』』

POW   :    雪合戦キャノン・スキー体験マシン(だったもの)
【肩の大砲が核発射シーケンス】に変形し、自身の【移動速度】を代償に、自身の【氷結核弾頭】の連射と【脚部雪津波発生装置】を強化する。
SPD   :    超アイス棒・悪戯水鉄砲・万華氷装置(だったもの)
装備中のアイテム「【氷棍棒・液体窒素レーザー・胸部氷鏡バリア】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ   :    スノーマン・フレンズ生成機(だったもの)
自身の【口から放つ大量のナノマシン混入雪】を代償に、【生成したレベル×8体の雪だるまタンク】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【適時本体を修理】し、【本体と同じ武器】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●涼し気な来訪者
 オブリビオンストーム様様だ。などと漏らした男達はモニターパネルの外に広がる淀んだ景色を見遣り、それから非常に快適な操縦席のソファに埋もれた。
 これがかつての男達ならソファーなんぞ暑いだけでやってられるか、と文句を言って銃弾を撃ち込むところだが。しかし今は冷房の効いた車内でカキ氷を食べながら、ひんやりゼリークッション完備の至れり尽くせりな環境下の中でとにかく堕落していた。
 もう車内の外に出なくなって数日経っているほどだった。
「へっへっへ。もうすぐ浮上するぜ、スノーマンフレンズの子種を装填しとけ!」
「コイツがありゃ奪還者の一人や二人、物の数じゃねえ! ヒヒッ、早くビーチの女どもを俺のアイス棒でキンキンに冷やしてヤリてーぜ!」
「ギャハハハ! 趣味の悪い奴だ、俺だったら生身の温かさがいいけどなぁ!」
「お前男のケツ狙ってるって聞いたが」
 車内に悪寒が奔る。

 そして。
 そんな男達の下卑た笑い声を知らぬ『拠点』ラッドレイクのビーチに、一際大きな水飛沫の音に次いで。雪だるまを模したポップなデザインの戦車が上陸する。
 液体窒素ガスが漏れる肩部砲。
 ただならぬ冷気を帯びたコールドブレードを携えたタンク型兵器のオブリビオンは、一直線に拠点の防壁や人々を破壊し蹂躙すべく走り出す――!
アビー・ホワイトウッド
アドリブ、連携歓迎

舐めた戦車。クリスマスに出直してくるといい。
私は相棒である二足歩行戦車に搭乗して雪だるま戦車を迎え撃つ。小手調べに適度な位置から主砲で砲撃、UCを発動して奴の弱点を探ろう。

…電子系統に防御機能なし。どうやらあの戦車は軍用兵器ではないらしい。なら戦い方はある。
戦車に搭載した電子照準器で雪だるま戦車に高周波パルスを浴びせてやろう。
EMP攻撃を喰らってもまだ動ける?

上手くいったようなら更に主砲で砲弾を撃ち込んでやる。
弾種、AP弾。外さない。
まだ動くなら駄目押しに全速力で駆け寄りながら体当たりをかまそう。
これでも私は奪還者。そのファ⚪︎キンスノーマンはバラしてパーツに変えてあげる。




 盛大に水飛沫を上げて陸に這い上がった氷結重装タンクは、手始めに防壁を破るべく特殊弾頭を装填する。
 照準を合わせた先。豆鉄砲でも喰らったような顔をしている女達が、タンク内部のモニターに映ったことで操舵手のレイダーは舌なめずりを一つ。
 しかし。
 突如、センサースコープ内を鋼が埋め尽くした。
「あぁっ!?」
 同時。タンク全体に揺れが走る。
 氷結重装タンクが傾き、弾頭発射コードにエラーが生じた事で自律行動を取る。湖側へ履帯を走らせたタンクのスノーマン・アイが正面に降り立った対象を捉えた。
 揺れるカメラ。映る、二足歩行型の何かへカメラがピントを合わせた瞬間。閃光が瞬いた。
 ゴン。という、金属の塊が鐘でも打つ様に鳴り響く。
「どわぁああああ!?」
 アラートが鳴り響き、数瞬遅れての悲鳴に次いでタンクが湖へと弾かれるように滑り落ちた。

「――舐めた戦車。クリスマスに出直してくるといい」
 その声は静かに――コクピット内にポツンと落ちる。
 アビー・ホワイトウッド(奪還屋・f24498)は照準ゴーグルからセンサー機器を一瞥して、湖へと落ちた戦車の方へと目を向ける。
 彼女が駆る『M102戦術二足歩行戦車『ラングレー』』は肩部滑腔砲を一時下げると、そこから接地形態となっていた脚部を履帯に変形させて移動する。
「……電子系統に防御機能なし。どうやらあの戦車は軍用兵器ではないらしい」
 オブリビオン化した兵器の多くは常軌を逸した武装性能になることがありがちだが、アビーは先の初撃時に解析したデータを基に氷結重装タンクの性能は軍用のそれに大きく劣る事を確信する。
 ならば、やりようはある。
 ジグザグに機体を走行させ、相手の出方を見ながら。彼女はラングレーの肩部特殊武装を展開する。
 その時、集音センサーが敵戦車の駆動音をキャッチした事で短いアラートが鳴り。それに応じてアビーは機体を一瞬だけ急加速させた。
 轟音。激しい水飛沫に混ざり砕けた氷塊が降り注ぐ。
「EMP攻撃を喰らってもまだ動ける?」
 直撃したと見えたが、氷結重装タンクの装甲が修復しているのを見てアビーは小さく眉根を顰めた。なるほど水がある場においては長期戦も可能なのだと、納得したように。
 だが、それだけだ。彼女からすればたかが硬い程度。
 刹那。肩部特殊武装――『MMH-40指向性電子照準器』を構えたラングレーから高周波パルスが放たれる。

「……は?」
 氷結重装タンクの内部が、暗闇に包まれる。
 レイダー達が一瞬思考を停止した直後、彼等の眼前でブラックアウトしたモニターが真っ赤に燃えた。
 直後、レイダー達がタンク内で肉塊へと変えられた。

 AP弾の直撃した事を視認したアビーの声が、静かなコクピット内に響く。
「これでも私は奪還者。そのファ⚪︎キンスノーマンはバラしてパーツに変えてあげる」

大成功 🔵​🔵​🔵​


●ビジネスは続く
 猟兵に操縦席ごと穿たれた氷結重装タンクは沈黙する。
 徹甲弾は完全に急所を射抜いたのだ。操縦士であるレイダーも死亡した今、バチバチと放電しながらその機能を停止させているしかない。
 その様を観察しながら、二度、三度と砲弾がタンクを打つ。
 氷を纏わせた装甲も削りきられ、軍用には程遠いその装甲面は衝撃に歪んでいた。恐らく、これで終わりだろう。
 そう思った矢先。遥か後方から二基のドローンが飛来する。
 既に退避を済ませた拠点内の者達は防衛設備の中からそれらに気付かない。近付いてくるレイダーの一団に向けて高射砲を撃って牽制する事しか出来ていない様だった。
 警戒する猟兵の前に高速で飛来したドローンは氷結重装タンクへと取り付いた。

 そして。
『EMPか。第一級兵装だ、驚いたな……こんな辺境に名のある奪還者がいるとは』
 二基のドローンから響く声。少年とも少女とも似たような若い声音には、感嘆に混ざり敵意が含まれる。
 数秒の空白。タンクに取り付いたドローンへ二足歩行戦車から135mm滑腔砲による精密射撃が繰り出される。速射からのバースト射撃にドローンの一基が弾かれた。
『申し訳ないがこれは――ビジネスだ。この拠点には荒野において計り知れない価値があり、可能性がある。
 名のある奪還者諸君には、本当に申し訳ない。君達にはここで――』
 ドローンから淡々と流れて来た声は言った。死んで貰う、と。
 その直後、氷結重装タンクに取り付いていたドローンが凄まじい電流を奔らせた。
 それは半ば落雷にも見えるが、観測機を通して見ていた猟兵は二足歩行戦車の内でその正体を看破していた。
 あれはエネルギーだ。
 お遊び戦車には不必要な、電力に混ぜて流された『魔力』とも呼べる高密度のエネルギーが注がれていたのだ。

 ……かくして。操縦士を失った筈のタンクは一瞬の間に装甲や武装、全ての機能を取り戻す。
 同時に猟兵は訝し気に目を細める事となった。
「ひゃっははははは! 俺達、ふっかーつ!!」
 風穴の空いた操縦席から聴こえる歓喜の声。
 肉塊になった筈のレイダー達は、その身をぐずぐずになったと思われたその体を……機械化された体を見せつけて叫んでいた。
囁石灯・銀刃郎
かわいいけれど、中に入ってるのはむさっ苦しいレイダーなんでしょうね。きっと。

残像、ダッシュ。雪津波を起こされる前に接近し、抜刀。
武器改造、蒼気を纏ったカタナでタンクの装甲を斬り裂き、
傷口からカタナを突き刺し、ヴォルテックエンジンで電流を生成
カタナを通して属性攻撃。内部機器をショートさせる。

外見に騙されると痛い目みるぞっと。
ジャンプ、タンクから離れて信号拳銃をタンクに向ける。
カタナで斬った時に『タイル剥がし』で傷口をひび割れにしといたから、
今頃核弾頭なんか撃ったらタンクもただじゃすまないんじゃない?

信号拳銃で小型榴弾を発射。たーまやー
ひび割れだらけになったタンクを爆破で吹き飛ばし。




 機械化レイダーは、再起動した自身の体を見回して絶叫する。
 同時に巨大な装填音と駆動音を掻き鳴らしながら、背部から放り出す様に展開されたチューブが湖に差し込まれた。
 ざぶん、と派手な水飛沫。
 ポンプを通して汲み上げられた水が、氷結重装タンクの装甲を氷の膜で修復しながらナノマシンを混入した雪玉を盛大にタンク頭部のシャッター口から吐き出して撒いて行く。
 地面を走る震動。地に落ちた雪玉は本体であるタンクの駆動に呼応し、みるみるうちに小型タンクへと変貌を遂げて見せたのだ。
 その様を目の当たりにしていた猟兵が、二足歩行戦車を走らせ小型タンクの群れを相手に射撃戦を開始した。
 そんな、湖沿いで戦闘が繰り広げられる最中。
 携える刃と等しく銀の瞳を向け、囁石灯・銀刃郎(ミュータントファントム・f24401)は未だ湖から水を汲み上げ雪を生成している氷結重装タンクの本体を前に立つ。
「かわいいけれど、中に入ってるのはむさっ苦しいレイダーなんでしょうね。きっと」
 雪玉を吐く際に見せる頭部のデザインは、贔屓目に見ても殺伐とした荒野においては愛らしい。
 当然そこに中身が伴わぬも、荒野の常だと。銀刃郎は脇に提げた刀へとガントレットを触れながら思う。
 視線を移す。
 先の戦闘に依るものだろう。派手に分身体を作り上げ、二個小隊でもって猟兵と戦闘を繰り広げている一方で、その本体の中央に存在する操縦室に空いていた風穴が目立っていた。
 今やその破損部分は分厚い氷の膜が覆っているものの。しかしそれも所詮は微小機械によって補強された付け焼刃でしかない。
 軍用戦車が有するタイル装甲ならば、或いは銀刃郎を悩ませる要因になったかもしれないが。

 暫し数秒。氷結重装タンクを観察していた視界の端で冷気が溢れたのを、銀刃郎は見逃さなかった。
 鋭い、空気を裂く音。
 刹那に見切った銀刃郎が抜刀と同時に蒼の軌跡を描き、一薙ぎの液体窒素レーザーを紙一重で躱した。刃を振り抜く、その遠心力で跳躍の軌道を変則的に調整しながら、彼女は着地の瞬間に高速でステップを刻んで敵の照準を乱して走り始めた。
 ぎゅん。と、湖に放り込まれていたチューブを背部のランドセルに回収したタンクが起動する。
 やはり何者かのバックアップが効いたか。その機動力は半ば機体の限界を越えた挙動になっているように見えた。
「――シッ……!」
 湖ビーチを爆速で走行するタンクと銀刃郎が向き合い、対峙する。瞬間、残像を置いて彼女の体躯が砂浜を猛然と突き進む。
 氷結重装タンクの肩部キャノンに特殊弾頭がセットされたのを見るや否や、銀刃郎は意を決して跳ぶ。同時に、勢いそのままに大きく振り被ったその手のカタナをタンクの肩部関節を狙い、砲弾さながらに刃を切りつけた。
 切り裂いたにしては鈍すぎる音が、大気を叩く。
 蒼いオーラ纏うその刃を伝い、銀刃郎の放った『タイル剥がし』を受けた事で罅の入った箇所へ続けてカタナの切先を突き立てる。
「その壊れた玩具を振り回して貰っては困るのよ」
 ザワ、と彼女の流麗な肢体の表面を波打つ。
 莫大な冷気漂わせる氷の棍棒をマニピュレーターで振り上げた氷結重装タンクが、車外にまで聴こえる程のアラートを鳴らしているのが銀刃郎には分かった。
 不敵な笑みを浮かべた直後。彼女の身の内を流れる『ヴォルテックナノマシン』が超稼働した瞬間、彼女が握るカタナを伝い、体内で生成された莫大な電流が氷結重装タンクのショルダーユニットを一時ショートさせたのだ。
 喚くように、壊れかけたスピーカーから内部操縦者の声が響く。
「ざけんなよてめえ!! なに生身の相手一人に負けてんだくそがぁ!」
「利き腕がまだ動かねえんだよ!」
「とっととその小娘を片付けろ! たかが細い剣で突かれただけだろうが!」

 三人いたのか。しかもやはり……むさっ苦しい男所帯ではないか。
 銀刃郎が揺れるタンクの肩部から刃を引き抜いて飛び退き、宙返りと共に懐から短い銃身の信号拳銃を抜き放った。
「この距離だ! 氷結核弾頭を撃って氷像にしてやらぁあああ!!」
「外見に騙されると痛い目みるぞ――……っと」
 装填されたグレネードが、間の抜けた発射音に次いで関節部に入った大きな無数のひび割れに炸裂する。
 ……数瞬の空白。グレネードの熱を伴った閃光が、キャノン弾倉に至った刹那に青白い閃光に塗り潰され。巨大な氷の柱を立ち昇らせた。

「たーまやー……」
 降り注ぐ氷塊と冷気を浴びながら地を滑り、着地した銀刃郎はその光景に唖然とした様子でそう言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!




 バキバキ、と大きく氷が砕ける音が鳴り響く。
 氷結重装タンク内部のスピーカー機器が破壊されたのか、今や耳障りな操縦者たちの声は聴こえてこない。聴こえない方がいい。
 しかしそれはそれとして。敵も本気になるのは当然の成り行きだった。
 拠点内の損害は現在もゼロに等しく、操縦者であるサイバーレイダー達からすれば首領に叱責を受けるでは済まない失態だった。
 ゆえに、彼等はもう機体の損耗を無視して運用する必要があった。

 ――噴き出す蒸気。
 氷結弾頭のカタパルトが破壊された事によって、氷結重装タンクに取れる選択肢は減った。減ったが……だからこそ、それは全力を注いだ時の脅威度も増す。
 ポンプが半ば弾かれるように背部より投げ出され。湖へと投入された事により、供給を得たタンクはナノマシンの混入した特殊な雪玉を吐き出した。
 小型タンクの軍勢。
 オーダーは敵の破壊と、拠点内の防衛設備の破壊ないしは阻害だ。
「見た目はクールだし、カワイイんだけどねぇ」
 小型タンクが一斉に走行を開始した所に、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が颯爽と姿を現す。
 翻す外套。
 軽やかにステップを踏む彼は走行する小型タンクの上に跳躍し、その上でカツンとタップする。
「よくできてるけど細部が雑ね! 駄目よ、氷の彫刻は芸術センスが問われるんだから。形に満足してイイのは、子供だけよ!」
 瞬間、軽やかに足踏みした衣吹こと『女性人格のネイル』はその芸術性を説きながら。足裏から不意に燃え上がった炎に包まれる。
 足元で閃くルーンソード。短い剣閃がバターのように切り裂いた小型タンクがぐしゃりと潰れる直前に飛んだ彼女は、次の獲物へと襲いかかっていく。

「数ばかりで、デザイン性が薄すぎるわ。やり直し!」
 燃え上がるその炎は果たして。彼女の情熱も入り混じっていたのではないだろうか。

成功 🔵​🔵​🔴​

火土金水・明
「見た目はユニークかもしれませんが、この世界の平和を取り戻すために破壊させてもらいます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【フレイムランス】を【範囲攻撃】にして、『氷結重装タンク『ジャックフロスト』』と生成されたもの達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】【氷結耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。




 ミシミシと音を立てているのは、機体か。それとも凍りついた機体装甲の氷か。
 車内で震えるのは操縦者の男達だった。
 痛みに強く、如何なる強化を受けて不死性を得たとしても。所詮は人、暖房機能が破損したいま、彼等は自らの駆る兵器によって凍え死にそうになっていた。
「く、くそぉぉ……サム過ぎる!!」
「うああああ、血が凍ってんぞこれぇ」
 震えながら。彼等は暗い車内の外に耳を傾ける。
 最悪な事に、外は未だに戦闘中だ。ハッチを開けようものなら容赦なく猟兵達に狙われる事だろう。
 モニターは映らない。肩部カタパルトが氷結核弾頭の暴発で破壊された時から、このタンクは自動操縦となっている。
 つまり……暴走戦車としての本能に突き動かされているのだ。
 此処で彼等が少しでも賢かったなら、気付くだろう。
 彼等が凍えているのは、或いはタンクの意思に依るものなのかもしれない事に。

「見た目はユニークかもしれませんが、この世界の平和を取り戻すために破壊させてもらいます」
 そんな操縦者のレイダー達の知らぬ所で、戦局が大きく変わろうとしていた。
 恐るべきタンクはいま猟兵が完全に止めている状態だ。小型タンクこそ無限に生成されている現状は危ういが、それでも充分だった。
 よって。魔法の箒に跨り荒野を見渡す火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が参上したその時、彼等の運命は決まった。
 眼下で氷結重装タンクが揺れる度、その口腔シャッターから雪玉が吐き出されているのを目の当たりにした明は。吹き付ける硝煙の香り混じる風に黒髪のポニーテールを揺らしながら、その手が七色の杖を揮って唱える。
 高速で紡がれる詠唱は、その手順に効力を上乗せすべく杖の軌跡をなぞって魔方陣を描き浮かび上がらせ。炎の槍を生み出す。
 熱源に反応したか。明の存在に気付いた氷結重装タンクが動き出す。
 まだ、妙な武装が残っていた――液体窒素レーザーが、明の眼前に一瞬で到達する。
 噴き出す蒸気。それは、化学と幻想がブレンドされた蜃気楼と化して。
 貫かれた明が凍結するかと思われた刹那。全く別の位置から突然、無数の炎が降り注いだ。
 轟音を伴い氷結重装タンクに次々と突き立てられて行く『フレイムランス』は、明が無事である事の証明だった。
「残念、あれは残像です」
 変則的に箒を走らせ、空中機動で地上からの迎撃を躱す明はそのローブをはためかせる。
 残像も組み合わせた彼女は、地上を這い回りながら撃つしか出来ない雪だるまにとって天敵だ。
 降り注ぐ炎の槍は激しく燃え続け。やがてそれらは氷の装甲を溶かし尽くす。

「これで、終わりです」
 タンクの脆弱と化したその部位を見逃さず。明が炎の槍を放つ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



 空気が渦を巻いて。燃え盛る火炎が凍てつく戦車を溶解させていく。
 小振りながらタンクは軍用のそれとは異なる。外付けのエネルギーパックもあれば燃料タンクも防御耐性は低く、それはつまり。
 ……爆発四散の一途を辿る事は、想像に難くない事だった。
「ぎぃぃいやあああああああ!!?」
 カッ、と眩い閃光を放ったタンクが凄まじい冷気を伴い、炎ごと凍らせるようにして消火と同時に巨大な氷柱を立てた。
 爆発の瞬間に吹き飛んだ三人組のレイダー達が湖へ落ちて行く最中。目標を撃破した猟兵は箒に跨ったまま爆散したタンクから離れて行った一基のドローンを捉える。
 念のため。
 そう思い、破壊しようと魔力を放出しかけたその時。彼女の後方に広がる拠点防衛の要たる防壁がロケット弾で吹き飛んだ。

 男達の企みは失敗したが、それでも。外部から迫るレイダー達の戦力は元々このラッドレイクを制圧するに足るものだったようだ。
 飛翔する。このままでは拠点内に侵入を許す可能性があった。
 引き続き戦闘態勢に入る猟兵の目に飛び込んだのは――――


第2章 集団戦 『ロケット・レイダー』

POW   :    ガベッジボンバー
単純で重い【上空まで運んだ瓦礫やドラム缶 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    バラッジアタック
【上空】から【短機関銃の掃射攻撃】を放ち、【頭上から降り注ぐ激しい弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    永遠ヒコウ宣言
【永遠にヒコウ(飛行/非行)を続ける宣言】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 最高の環境。
 それは即ち、最高の戦力を維持できるフィールドだと『彼』は思う。
「全軍前に。油断するなと各小隊に警告を流せ、正面に見える敵に対し弾幕を絶やすな」
「サー! イエッサー!」
 錆び付いた金属の臭い。しかし、旧時代のバスを改造した装甲車の中で豪奢な長椅子に腰を据える軍服の少年は快適そうに首を回した。
 鼻から吸う空気は硝煙の香りを漂わせ、燃えるガソリンの臭いを交える。
 配下の毅然とした姿を見送り、満足そうに眼を閉じた少年は。揺れる白髪の下で口の端を歪めた。
「湖を背にしたあのタンクが何も出来なかったとは……イェーガーめ。奪還者よりも数倍厄介な連中だ」
 ハッチを開けた配下の男が背負ったブースターを横付けのレバーで起動させる。
 バス車内に濛々と煙が撒かれる。ロケット燃料を用いた噴射装置は巨躯の男を軽々と空中へ舞い上げ、その巧みな姿勢制御によって意のままに宙を飛行していく。
 暫しの間。
 バス車外を震わせる強烈な爆風。装甲パネルで見えないが、車内で眠る首魁の少年は何が起きているのかほぼ全て把握していた。

「クク……いつの時代も……戦いは数だ。
 そして地上において真に強いのは、空を勝ち取る者さ。ルールなど無視した存在が勝つのだよ」

 少年の笑い声が響く最中、荒野の空を飛び交う男達はその腕に抱えた爆薬入りドラム缶を次々に投下していった。
囁石灯・銀刃郎
あんなので飛ぶなんて、操作ミスったら死にそうね。
…ああ、死んでる人間が言う事でもないか?

生成した電気を体の神経に流し、ドーピング。
反射速度を強化してダッシュ。カタナを手に弾幕射撃を回避。

ひの、ふの、みよ…
第六感で相手の気を感知、数を数えて、位置を把握して…

弾幕を回避しながら、信号拳銃を空へ向けて発射。
撃ったのは発煙弾。空中で破裂して周囲に煙をまき散らす。目潰し。
やたらめったに撃っても当たらないわ。

覇気を広げて認識力を強化、弾丸の当たらない位置取りをしてー
『刳風抜刀』
棒きれでどうやって斬るって?こうすんのよ。
カタナをなぎ払い、無数の斬撃を空に向かって飛ばす。




「あんなので飛ぶなんて、操作ミスったら死にそうね……ああ、死んでる人間が言う事でもないか?」
 空を飛び交うレイダーの姿を見上げて冗談めかす囁石灯・銀刃郎(ミュータントファントム・f24401)は既に、抜刀した『カタナ』を手に蒼雷を纏っていた。
 防衛の要である壁が次々に投下されるドラム缶爆薬によって崩されて行く最中、彼女は足裏からバリバリと電流を放出して首を鳴らす。
 走る。
 地面を一つ蹴る毎に、生成された電気が身体を伝い流れて神経を研ぎ澄ませる。
 二つ、三つ。
 瞬く間に黒煙を立ち昇らせている防壁を飛び越えた銀刃郎は青い軌跡を宙に描いて。着地と共に鋭角に曲がり、足運びを小刻みに、速度を更に上げてジグザグな軌道を描く。
 直後に飛び交う銃撃。拠点から突出した銀刃郎を狙った無数の暴威は地面を抉り爆発させ、彼女が残した電流の残滓が視界に青白い光となって映し焼き付ける。
 残像を追うだけの弾幕如き、恐れるに値せず。
「ひの、ふの、みよ……」
 ただ中空を飛び回りちょっかいを出して来るだけ、そんな物が羽虫とどう異なるのか。銀刃郎は加速した神経を集中させ、頭上で機関銃を乱射している男達との間合いを、死角を取るべく動いている者どもの動きを捉えていく。
 跳躍は次第に地を這うような、姿勢を低く、地面を摺り足で捌くかの様な動きへと転じる。
 抜き撃ち。
 空気をバチリと弾く蒼電の音に次いで上空へ放たれたのは発煙弾。飛び交う男達が吹かせるブースターの熱風がより濃く、白煙を撒き散らし。上空からの視認性を著しく減じて見せた。
「オイッ! 視えねーよ?!」
「バッカ野郎が! どんどん撃てばイインだよォッ!」
 銀刃郎の姿が隠蔽されたものの、それは一時的なもの。発煙弾による煙幕は戦場で目立つ上に、姿を隠した彼女を虱潰しに弾幕を張ることで燻り出そうと動き出すのだ。
 尤も、ただの流れ弾に当たるほど銀刃郎の超感覚は鈍くない。
 何より――レイダー達は銀刃郎を捉えられずとも、彼女は一方的に。銃撃音を頼りに特定し終えていた。

 飛び交うレイダー達の真下へ駆け抜ける蒼雷。叩き付けるように鞘へ滑り込まされる刃。
 目に見えぬ覇気が銀刃郎より伸びた瞬間、鞘から引き抜かれたカタナはオーラを纏い空を切り裂いた。
 本来なら、その切先は何者も斬り裂けぬまま空振りに終わる。しかし彼女が放ったそれは紛れもなく、空気を切り裂く真空の刃。薙ぎ払うように一閃されたカタナは次いで、銀刃郎の背を回り、幾重にも連なり斬撃を繰り出して見せたのだ。
「こうすんのよ」
 棒切れでどうやって間合いの外にいる者を切るか、などと。誰に訊かれるでもなく彼女は白煙切り裂かれた中空に舞う血飛沫を見上げて不敵に笑う。
 砲撃音もなく撃ち落とされた仲間を見たレイダー達の間で動揺が広がる中、銀刃郎は疾走する。
 その剣閃は、次々に暴虐に酔う蠅どもを落としに掛かるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木霊・ウタ(サポート)
『命を弄ぶ者に、俺が負ける訳がない!』
 人間のサウンドソルジャー×ブレイズキャリバー、16歳の男です。
 口調は常に「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。
浸食する過去への怒りと共に、捨てられた過去の復讐者らを哀れにも思っていて、それを滅して安らかをもたらしたやるのも猟兵の使命と考えています。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


富井・亮平(サポート)
【解説】
オブリビオンと戦うという設定のヒーローマスク。
マスクを被るとボディの人格が変わるような感じ。

謎のオブリビオン文明の話とか、地球侵略を狙うオブリビオン星人の話とか、適当な事を言いながら頑張る。
関係なくてもオブリビオンのせいにして行動する。

行動そのものはマトモ。

【行動】
ヒーローっぽい行動であれば何でもします。
戦闘は主に魔法剣士スタイルですが、機械も扱えます。
ガジェット形状は固定していません、必要に応じ自由に変なメカを使わせて下さい。

UCを使うと「黒幕が出てきて敵を改造する」「謎のお助けキャラが登場する」などのヒーローっぽいイベントも発生させられます。

「このイェーガーレッドに任せておけッ!」


水心子・静柄(サポート)
本差の姉に劣等感を持っていてい、表面上は邪険にしているが姉妹仲は良い方、所謂ツンデレ。考え方は知的、でも面倒になってくると脳筋的な解決法に傾く。勘が鋭いが如何にも知的に導いたように振舞う。知的にユーベルコードを使いこなす。脳筋ぽいけど実は知的。武器は鞘に入ったままの脇差(本体)。高圧的、威圧的な話し方だが、本人は至って普通に話しているつもり。

基本は本差を召喚して無双したがるが欠点があるが、距離が空いていれば射合で吹き飛ばすくらいの対応は出来る。地形破壊が有利ならグラウンドクラッシャーでデストロイ。




 空を飛び交い、ラッドレイクの防衛を破壊せしめんとするロケット・レイダー達。
 猟兵達が迎撃に出る最中。彼等の周囲は続々と爆発と銃弾が降り注いでいた。
「ヒャッハー!! コワセ壊せぶっ殺せ~~!!」
「チィッ! 向こうの機銃砲台残ってんぞテメエら!」
「パイセン! 弾持って来るの忘れやしたァ!」
「お前が弾になるんだよぉぉぉオッッラぁん!!!」
 仲間さえも殴りつけて地上へ投げ飛ばすほどのヒャッハーぶりによって、拠点防壁は次第に傷ついて行く(落ちて来たレイダーは勝手に死んだ)のだ。
 猟兵という心強い味方に安堵したのも束の間、まだまだ拠点内には緊張が走っていた。
 故に。人々の助けを求める声にヒーローは参上した!
「俺にィィッ!! 任せておけェェェいッ!!」
 何処からともなく響き渡る声。
 突如、ロケットレイダーが投下したドラム缶爆薬によって爆発した炎の中から声の主は現れた。
 赤き誇り。その名は!
「猟兵戦隊イェーガーレンジャーッ! ただいま参上ッ!
 このイェーガーレッドに任せておけッ!」
 爆発をバックにポーズを決め富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)がステッキロッドをドッキングさせたレッド・コンバートライフルを構え上空の敵へ向けて熱線を撃ち始める。
 飛翔し、散開してそれら射撃を回避するレイダー達がイェーガーレッドへ視線が集まる。主に苛立ちと困惑を抱えた眼で。
「貴重な水源を奪うだなんて許せないな、俺も拠点の防衛に助力させて貰うぜ、イェーガーレッド!」
 無数の銃口が地上を駆けるイェーガーレッドに向いたその瞬間。グラサンやゴーグル越しのレイダー達の視界を光が埋め尽くした。
 次いで広がる。全身を焦がす熱波。
「君は……シャインレッド!」
「ああ、俺は……え?」
 爆炎を散らして大剣『焔摩天』を揮う木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が、不意に一時停止する。
 数秒の間。目の前に差し出された手に手を差し出すと、彼等は力強く握手する。
 何だかわからないがといった様子ながらも少年は頷き。
 次いで、迦楼羅が上空のロケットレイダーを一人落として来ると、ウタはその身に飛び込んで来た迦楼羅を金色の炎として纏った。
「フッ、後ろは任せたぜ」
「ああ! 任せてくれ!」
 前進しながら銃撃するイェーガーレッドに続いて、ロケットレイダー達が背負うブースターよりも激しい爆炎を吹かしたウタが飛翔する。
 空を駆け巡るならず者たちを相手に大剣『焔摩天』の腹を振るい薙ぎ、中空で皮を叩く様な音が鳴る度に一人、また一人と撃墜して行く。
 時折ウタを狙う者達がいるが、そちらへはイェーガーレッドの銃撃、或いはウタがカウンターに放った獄炎の剣風で蹴散らして行った。

 しかし当然、彼等の突出した姿は敵にも見つかり易い。
 各個に散開しながら上空で撃ちまくって来ていたレイダー達も、次第に集団連携を伴って組織的に攻略しに掛かって来る。
 そこへ、更なる猟兵の影。
 ドラム缶型爆薬の爆発音が鳴り響く荒野に、場違いにも巨大な水飛沫が上がるような轟音が響き渡ったのだ。
「あんだぁ……? 地中の地雷でも吹っ飛ばしたか」
 視線を巡らせたそこには大きく舞い上がる土砂の柱が立っており、ロケットレイダーの下っ端は首を傾げた。
 何も無い場所で起きた爆発。
 疑問に思うもファッキントサカの生えたモヒカン頭では余りにも発想が足りず。ゆえに、上空を吹き飛んでいた岩や土塊を足場に、色白な美女が疾走して来た瞬間は何もできず。目にも止まらぬ居合の下に叩き落とされて逝った。
 落ち行くモヒカンの背を勢いよく蹴る。
 拠点防衛に駆けつけた水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、鞘に収めた自身の本体たる脇差しを構えて次の獲物へと跳び掛かって行く。
「やはり。空を支配していると思い込んでいるハエは叩き落とすに限るわね!」
 ドッ! と吹き飛ぶ別のレイダーを足蹴に、再度高く跳躍した静柄は更に一閃を放って対岸のレイダーを数人仕留めて見せた。
 そこで失速。下卑たレイダー達が一斉にそちらへ銃口を向ける、が。地上から狙い澄ましたイェーガーレッドの『スーパァァアッ!! サンライズ! キャノンンンンン!!!』という掛け声と共に撃った極太カラフルビーム砲によって蒸発した。
 地上へと落ち行く静柄は再度瓦礫でも撒き上げようかと思っていると。そこへ横合いから飛び込んで来たウタに引っ張られ、上空へ放り投げられる。
「これで!」
「なるほどそういうこと」
 宙を滑空する最中にウタの意図に頷いた静柄は居合の構えのまま。中空でウタが炎を撒いた後に合流し、引っ張り上げられる慣性に身を任せて抜刀する。
 直後、上空でドラム缶型爆薬を拠点の内側へ投下しようとしていたレイダーを閃く一撃の下に降すのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アビー・ホワイトウッド
アドリブ、連携歓迎!

ジェットパック…厄介な奴ら。でも奴らは生身。やりようはある。

まだ距離がある内に歩行戦車の主砲を照準。狙い撃ちにする。
砲弾が命中しないなら30mm機関砲で弾幕を張って対応。
敵からの攻撃には装甲頼みで耐えるけど限界はある。早々に仕留めないとマズい。
…ちょこまかと飛び回る。いい加減に堕ちろ。
攻撃が効果的でないなら主砲の弾種を変更。徹甲弾から榴散弾へ。これなら狙いが甘くても関係ない。
生身の敵ならこれだけで挽肉にできる。

避けられるものなら避けてみるといい。一人残らず撃ち落とす。




 数が減りつつあるものの、それでも領空支配というのは非常に厄介である。
 ましてや、相手は後方からある程度の支援を受けながら迫る、軍隊も同然の輩。拠点の防壁も殆どの防衛設備が破壊された今。大口径弾使用の機銃砲台が全滅することは避けねばならない。
 以上の事を踏まえ、アビー・ホワイトウッド(奪還屋・f24498)は速やかに判断を下す。
「ジェットパック……厄介な奴ら。でも奴らは生身――やりようはある」
 湖での戦闘後処理を終え、防衛前線へと駆け上がって来たアビーは照準ゴーグル越しに視たモニター画面に舌打ちを一つ。
 彼女は知る由も無い事だが、相手にしてみればイロモノにも程がある集団だと猟兵は思われている。本当に知る由も無いが。
 履帯で駆ける、アビーの搭乗する『ラングレー』が肩部主砲の照準を絞ると同時に、発射時の瞬間のみ急停止すべく姿勢制御用パイルで大地を穿つ。
 まるで砲撃音の様に衝撃が空気を叩く。
 土砂を撒き散らして。歩行戦車が足を止めた瞬間に乗る慣性も利用した曲線射撃。
「ぎゃああああ!?」
 砲撃による余波。掠ったか、ソニックブームを受けたらしきレイダーが二人撃墜される。歩行戦車へ向かう視線、交差するは豆鉄砲に等しい銃口と人を殺して余りある威力を発揮する砲口。
 ドン、と胸に響く衝撃が奔った瞬間に何が起きたかも分からずに仲間が爆散。あるいは黒い肉片となって宙にばら撒かれる最期を遂げていた。
 半ば恐慌状態になるレイダー達だったが、指揮官が優秀らしかった。

 編隊を組み、散発的ながらも銃弾の雨を降らせる事で歩行戦車の動きを阻害。同時にドラム缶型爆薬を落としてくるようになった。
 揺れる機内でアビーは機体損耗率を横目に、履帯モードで高速走行に移行する。
 ジグザグに動き、翻弄しながら返し撃つ。しかし、支援が受けられる者の強みは後先考えないエネルギーの浪費が可能な部分だ。
 ロケットのブースターを最大出力で飛ばし始めるレイダー達に砲撃を避けられる様になって来る。
 パイルを穿ち、急停止射撃。
 一度に三人を落としながらアビーは首を鳴らす。
「……ちょこまかと飛び回る。いい加減に堕ちろ」
 素早く、指先で装填弾倉の変更操作を行う。
 主砲内部の砲弾を切り替える間際。牽制に上空のレイダー達へスモークを撃ち込むと同時にガトリング砲をばら撒く。
 巨大な装填音。
 照準のフォーカスが変更され、切り替えられた榴弾砲の爆風予測範囲と弾道を計算されたラインがモニターに映し出される。
 しかしアビーは主砲を勘で操作して、次の瞬間には白線が中空のレイダー達に刺さった。
 爆発。紅蓮が放出されたのを見届ける前に第二射、第三射と続けて撃ち続けた。

 次々に堕ち行く羽虫を眺めながら、アビーは散発的にガトリングも加えて撃つ。
「避けられるものなら避けてみるといい」
 一人残らず撃ち落とす。
 ただそうコクピット内で呟き、静かに。しかし力強くトリガーを引き続けて行く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイ・オブライト
通りがけにやけに騒がしいと思ったら成程、楽しそうだ
ちょいと混ぜてもらえるか?

地面を蹴りつけた際の『衝撃波』により跳躍。上空の敵に接触し攻撃
敵の群れに此方から突っ込み、『覇気』の『オーラ防御』にて攻撃を流しフレンドリーファイアを狙う他
『枷』にて捉え『怪力』でお仲間ごとなぎ倒す。その際、ついでに『属性攻撃(電気)』も流しといて点火源としロケット燃料or爆薬を誘爆、巻き添えを増やす……だとか、そんな戦法になるか
【Lava】は足場兼攻撃に発動

しかしトロいな
荷物が重いんじゃあねえか。宙で背中の燃料だけ叩き壊してやったら、さて「空を勝ち取る者」はどうなるんだろうかな

※諸々歓迎




 次々と落とされ、或いは空中で爆散し行くロケットレイダー達。
 紅蓮が瞬いて火球と化した残骸が落ちた先。防壁から出て来た一人の男がそれを裏拳気味に払い除け、炎に包まれた中から踏み出し息を吐く。
「通りがけにやけに騒がしいと思ったら成程、楽しそうだ……ちょいと混ぜてもらえるか?」
 黒煙立ち昇る防壁側から上がる声援。
 勝ち戦の雰囲気もあるだろうが、レイ・オブライト(steel・f25854)は暫く感じていなかった荒野の空気を肌で感じて。ギシリ、と金剛で出来ているかのように硬く太い腕を奮い、拳を軽く打ち合わせた。
 視界上方を通る影。
 ドラム缶を抱えて飛翔するレイダーの姿を認めたレイの体躯は、次の瞬間には大地を砕く轟音と共に跳躍していた。
「は? うおおおおッッ!!?」
「配達ご苦労だったな、受け取り拒否だって話だが」
 鞭を振るよりも鋭く投擲された銀の鎖。
 『枷』がレイダーをドラム缶ごと掴み捉えた所へ、引き寄せられたかと思った時にはレイの丸太の様な脚が男を蹴り潰す。
 壮絶な破砕音から連続して巻き起こる爆発の中。紫電纏う鎖が宙を奔り、近場を飛行していたレイダーに巻き付いた。
 電流の鎖上を駆け上がり、再び鎖を放つレイを止められる者など居はしない。
「シッ」
 ジャララァ、と掻き鳴らされる鎖の音。
 短く息を吐き、跳躍したレイがその拳をレイダーの顔面に叩き込むと同時に全身から稲光を奔らせ。ジェットパックが起こす爆風をも足場にして更なる後方の集団へ跳ぶ。
 近付く者を射抜かんとする機関銃や小銃の弾幕。 
 大気を叩く紫電とオーラによる障壁が、鉛玉を全て遮るか逸らして受け流す。

 止まらず、上空にて密集する敵へ突っ込むレイから放射状に撒かれた電流の鎖が次々とロケットレイダー達を捉え、散開を防いでしまう。
「しかしトロいな――荷物が重いんじゃあねえか。
 宙で背中の燃料だけ叩き壊してやったら、さて『空を勝ち取る者』はどうなるんだろうかな」
 無数に枝分かれした鎖の中央部へ降り立ったレイの全身。特に、その胸部から奔る濃密な紫紺の覇気宿した電撃は今にも側撃雷を落とそうとしているかのようだった。
 男達のいずれかが悲鳴を上げて銃を撃ちまくる。
 が、瞬く間に爆ぜた紫電によって軌道を逸らされた弾丸が同士討ちを引き起こしてしまう。
 撃った男達が唖然とする最中駆ける巨躯は電光石火と呼ぶには荒々しく、それでいて雷撃も同然の鋭いキックを見舞い。蹴りつけた反動で後方転回すると共に電撃で起爆させた。
 近距離で爆風を浴びて吹き飛び、誘爆に遭ったレイダー達が火達磨になって落ちて行く合間。レイは秒を追う毎に敵の集団を蹴散らし吹き飛ばして行くのだ。
 そうする中。続々と彼の戦う場も風に乗り流れ。

 ――やがて。
「……っと。随分奥まで離れたな」
 爆発と共に地上へ降り立ったレイは、一台の装甲改造された大型バスが迫るのを前に腕を振り抜く。
 荒野に鳴り響く金属塊がひしゃげ砕ける音は、いつもの事。
 いつだって己が肉体で何かを破壊する時にしか聞かないのだ。ゆえに、それはまた一つのラウンドが終わりを告げたのに等しかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『クリッサ・マティア』

POW   :    戦術パターン・アルファ
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【球体ドローンα 】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    戦術パターン・ベータ
【右眼に埋め込まれた照準システム 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【球体ドローンβが放つ高エネルギー砲】で攻撃する。
WIZ   :    戦術パターン・オメガ
演説や説得を行い、同意した全ての対象(非戦闘員も含む)に、対象の戦闘力を増加する【と同時に自我を放棄させ、忠誠心と任務 】を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はタリアルド・キャバルステッドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 吹き飛び、一回転した大型バスの天井部が内側から剥がされる。
 空中へ飛び出した小さなシルエットは、軍服を纏う少年のものだ。
 しかしその両脇で控えるかのように浮かぶ金属の球体は妖しく光り、物理法則を無視した軌道を描いて少年を地上へ運んだのだった。

「やってくれたな――たかが数人で私の軍を全滅させるか」
 兵法もクソも無いな。と少年は忌々し気に猟兵達の方へ視線を巡らせる。
 浮遊する球体が右往左往する。
 それを見て、舌打ちした少年は軍服その裾を翻して猟兵達と向き合う。
「私は生産主義者だ! この世界がどうあろうと、私の身体がどうなろうが構わん。
 だが邪魔をしてくれるなよ。女は殺さん、男も可能な限り生かしてやる。全ては我が手足となり群を――私の軍を生む為の歯車として生き続けるのだ!
 邪魔をするなら殺す! 貴様等の大切な物、その全ての尊厳を轢き潰し壊し尽くしてくれる!」
 その怒気を声に乗せ。少年は荒野に叫ぶ。
 球体の片方が少年の頭上を舞い、閃光を――細い光線を放って。レイダー達の乗っていたクルマやロケットパックを解体して行く。
 次いで飛翔するもう一方の球体はそれら残骸へと向かい飛び込み、高密度のエネルギーと共に電磁波を流して金属パーツを吸収しだす。
「非生産的な快楽主義者どもめ……この私を怒らせたことを、後悔させてやる!!
 震えるがいい、この私! オーネ・ショタスキー大佐が貴様等を一端の軍人に仕立ててやる!!」

 エネルギーと電磁波に導かれ組み上がる、大型二足歩行ロボットが唸りを上げて頭部のドローン・コアを中心に妖しい光を放つ。
 拳銃を引き抜き、猟兵達へ銃口を向けたオーネ・ショタスキー大佐はその可憐で無垢にも思える顔を憎悪に歪ませて笑った。
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる




 瓦礫の王。
 その感想は畏怖からではなく、もっと無垢な御伽噺をイメージして生まれたものだった。
 アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)はまず、荒野を吹く風に含んだ砂と、どことなくイヤな香りに。少しだけ悩まし気な表情を浮かべ、次いで目の前の巨大ロボットと化した鉄屑へ視線を向ける。
「戦うことが好きなの……かな? よくわかんないや」
 吹き荒れる暴風に木の芽を散らして。アウルは瞬きの間に眼前へ飛び込んで来た鉄屑の塊を受け止める。
 淡い新緑の光。
 足下から突き出し、肢体を伝わせた枯れた植物とオーラ防御を纏ったアウルの周囲をガシャンと瓦礫が散る。
 見かけよりも脆そうな印象を見て取ったアウルは首傾げ。流麗に舞うグリーンゴールドの髪の下、円らな瞳が片方だけ黄金に輝く。
 弾かれる両者。
 轟音と共に砕かれるバイクの残骸の影を潜り、片腕だけ巨大化させたアウルが軽快なステップで距離を詰め。オーネ大佐が操る巨大二足歩行ロボットの脚部を一撃で爆散させて、巨腕を大地に叩きつけて跳躍した彼女の全身から木の根が、無数の杭が剣山のように突き出して串刺しにした。
「やるな。だが私の『木偶』はその程度では止まらん!」
 少年の声が響いた直後。
 アウルに吹き飛ばされたパーツ群が紫のエネルギーフィールドに捕まり、宙で止まったそれらは数秒でロボットの体を構成する一部へと吸収されてしまう。

「……全部潰しちゃおうかな。
 うーん……でも近くにみんなの湖あるし」
 シュル、と片腕を元の姿に戻しながらアウルは困ったように眉根を上げて。足元から枯れた植物を伸ばして思案を巡らせる。
 その結果は、『ひとまず叩きながら考えよう』だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

木霊・ウタ
心情
歪んだ世界に呑まれていっちまった口か
ストームの犠牲者だ
海へ還してやろう

戦闘
対ロボ

獄炎纏う焔摩天を振るい
コア目掛け炎の剣風

急速燃焼の輝き
爆発の音や煙でセンサーをジャミング

そのまま炎を内部へ延焼
回路を焼き切ってやる

例え内部に入れなくても
炎で押し包み
高熱で機能を阻害・減弱

敵味方の攻撃で上がる砂塵も煙幕とし
迦楼羅を炎の翼として顕現し空へ

上空から翼をジェット噴射の如く急降下
高熱の刃でコアを一刀両断

敵攻撃は爆炎の急反動で回避
炎の壁で武器受け

受傷時は噴き出す炎で倍返し

飛翔で一気に間合い詰め
大佐へ紅刃一閃
炎渦で葬送

大佐
あんた一人で気負わなくていいんだ
紅蓮に抱かれて休め

事後
鎮魂曲
安らかにな


アビー・ホワイトウッド
アドリブ、連携歓迎
元軍人がその力と武器を使って一時的な支配者になる。よくある話。
それにしてもゴロツキを纏めて将軍気取り… 支配欲に溺れた?ショタスキー大佐。
私は自分の二足歩行戦車に搭乗して迎え撃つ。スロットルを上げて全力前進、ラングレーを歩行形態で走らせて体当たりしたらゼロ距離で主砲、ミサイルランチャー照準、一気に焼き払う。

舐めた子供は教育する。Open Fire.

そんなガラクタの寄せ集めで私のラングレーに勝てる筈ない。姿を見せて。

本人が現れたら再度主砲照準。構わずにトリガーを引く。
可愛い顔。でも容赦はしない。ショタスキー大佐。
更にUCを発動、一撃で片付ける。


レイ・オブライト
ご立派ではあるが
人間は戦うために生きてるってわけでもない
こいつの思想でどれほどの支持が得られるか。とりあえず、オレは不支持に清き一票だ

他と連携できる状況なら意識し立ち回る
機械である以上一定のプロセスがありそうなもんだ。粒子の収束などビームを放つ際の予備動作を読み解き【Haze】逸らした攻撃が巻き上げた砂塵等に紛れ踏み込む
ロボの足元に一発、膝が折れれば胴に追撃分のもう一発、てな具合に仕掛けるつもりでいる。この際に鎖を深く叩き込んどいて、ここぞな場面で念動制御により明後日へ引き絞りロボのバランスと狙いを崩す……だとか、細工もしておくか
夢はデカくてなんぼだが。悔しけりゃまた化けて出てくるこった、小僧




 ロボットはそれほど巨大ではない。
 ただ、その動き。ショタスキー大佐の操るドローンをコアとしながら機械的挙動に際限が無い事で実現する挙動、機動力がそう錯覚させるのだ。
 ゆえに。それがすぐに『木偶』の類であると見抜いたレイ・オブライト(steel・f25854)はただ在るがまま、落ち着き払った様子でショタスキー大佐の元へと踏み出す。
 その一方、アビー・ホワイトウッド(奪還屋・f24498)はコクピット内部。
 元軍人がその力と武器を使って一時的な支配者になるのはよくある話だと、笑い話にもならないとばかりに木偶の後ろに立つ少年へ砲口を向けた。
「それにしてもゴロツキを纏めて将軍気取り…… 支配欲に溺れた? ショタスキー大佐」
 地響き。
 猟兵と交戦していたロボットが軽やかに後転して身構える。
「――ご立派ではあるが、人間は戦うために生きてるってわけでもない。
 こいつの思想でどれほどの支持が得られるか。とりあえず、オレは不支持に清き一票だ」
 清き一票。その一言と同時に地を踏み砕いて距離を詰めたレイは、他の猟兵と交戦していた"ガラクタの親分"へ向けて横殴りの鎖をお見舞いする。
 叩きつけられる鞭打。爆ぜ飛ぶ機械パーツに混ざり火花が散る。

「……歪んだ世界に呑まれていっちまった口か。ストームの犠牲者だ、海へ還してやろう」
 レイとアビーの声に頭を振って、炎剣を手に木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が続く。
 同時に地を震わせ全力で前進するのはアビーの駆る戦術二足歩行戦車、M102『ラングレー』だ。紫電が瞬き、レイがロボットと打ち合う場へ突っ込んで行く。
「はッ、同意を得る必要などない! 戦いに勝った者が歴史を生むのだからなァ!」
 風を切る球体。
 頭三つ以上違う図体の鉄屑を相手取るレイがその軌道を、ドローンを操るショタスキー大佐の挙動を読み取る。
 ビッ! と頬を切り裂く蒼白の光線。
 地面を抉りクレーターを作る高エネルギー砲に次いで、ロボットが後転してから折り畳む様に屈んだ姿勢からカウンター気味に繰り出した。カポエラのような蹴り上げとレイの拳が衝突する。
 質量で勝る一撃に僅かに後退させられたレイだが、一瞬籠めた呼吸でその場からステップで横へ跳ぶ。
 そこへ突撃をかますアビーのラングレーが、粉塵を撒き散らしてロボットをタックルで浮かせたその瞬間を砲撃した。
 轟音。赤々と熱された鉄屑がバラバラに吹き飛ぶ。
 コアとなっていたドローンが電流を帯びてパーツを即座に回収する。そこで特殊兵装を展開し、ミサイルランチャーの照準を合わせながらラングレーの肩部主砲が次弾装填して押し込んだ刹那。
「そこ――ッ!」
 業炎が上空より白煙を切り裂いて、突き立つ。
 ラングレーの突撃に合わせ姿を隠していたウタがその背から広げた金色の炎を細く収束させて。一条の光の矢となって両者の間に獄炎纏いし大剣を降り下ろしたのだ。
 爆風にも似た熱風が吹き荒れる。
「コアを狙うなど、読めていたわ!!」
 ショタスキー大佐が咆える。
 妖光が黒煙の狭間で揺れてバチバチと、罅の入ったボディを震わせるドローンは間一髪でウタに両断されるのを回避したのだろう。
 エネルギー波が周囲の残骸を吸い始める最中、飛翔する片割れのドローンが高エネルギー砲を三次元機動を描きながら乱射した。
「だったら……!」
 しかし先を読んでいるのは大佐だけではない。一度、獄炎溢るる大剣『焔摩天』を薙いでエネルギー砲を弾いたウタは金翅鳥の嘶きと共に爆炎を噴き、空気を歪ませる熱波と共に急加速してその場から消える。
 同時。砲撃音が再度鳴り響いた。
「舐めた子供は教育する――Open Fire.」
 崩れかけたロボットが再構成する最中に駆け抜ける紫電と獄炎が交差し。次いでロボットを突き飛ばす様に再度至近で零距離砲撃を見舞った二足歩行戦車が、僅かに装甲面を斜めに構えて。
 その、無数のランチャー・セルを開放した。

「ぐ、おおおぉぉぉぉっ!?」
 放たれたミサイル群は全て直撃した。
 シュオ、と噴射音が雨の様に鳴ったかと思えば連続で瞬く爆炎。衝撃波に煽られたショタスキー大佐が吹き飛ばされる。
 まるで主の後を追う様に宙へ投げ出された罅割れたドローンを捉えたのは、焔纏う大剣の切先。
 投擲された大剣の刃がガギン、と球体の罅割れたボディを更に切り裂き。追従して来たウタが大剣の柄の端を掴み取りながら空中で振り被った。
「あんたが一人で気負う事はないんだ! 大佐!
 戦う事が、生きる事だと思い込んでるなら。ここで――!!」
 突き出したのは拳。
 ウタが殴りつける様に、割れたドローンのボディへ拳を捻じ込んだ瞬間。彼の声に応じるかのように内部で獄炎が爆発する。
 僅かに負った傷口からも溢れ、噴き出す焔を全身に……そして刃に乗せて。
 ドローンが爆散する横で。先の奇襲時にも見せた爆炎による超加速急降下を繰り出す。
「チィッ……! まだ……まだ私は負けてない!」
「目線が下がってるぜ。軍人ごっこはもう終いか?」
「黙れぇっ!!」
 迫るレイを前にしてショタスキー大佐が拳銃を撃ちまくる。
 弾かれ、或いは当たらず空を切る弾丸。閃く魔眼……片割れを破壊されても代用は利くらしく、高エネルギー砲を撃たずに大佐の前に出て来たドローンが妖光を放ち。鉄屑を媒介にレイの前で人型が組み上がろうとした。
 爆裂音。
 紫電が閃いたのと同時に空気中を奔った大口径の鉄槌。ラングレーから放たれた主砲の一撃がドローンを撃ち抜いて爆散させたのだ。
「可愛い顔。でも容赦はしない――残念だったわねショタスキー大佐」
 コクピットから見る少年の顔は歪んでいた。

 ジャララァ、と鳴り響くは銀の鎖が舞う音。
「夢はデカくてなんぼだが――」
 追い詰められた者の思考速度は一時的に限界を越える。組み上がる前に鎖を打ち込み追撃のブロウで木偶を殴り沈めたレイに対し、ショタスキー大佐の思念は飛び散った瓦礫と鉄屑の隙間を縫って光線を放つという咄嗟の曲芸射撃を編み出した。
 視覚的にも姿勢的にも完全に隙を突いたと思われた空白の刹那。
 紫電纏う巨漢は、その胸部に秘めた電流が如く閃いた思考に基づき、視界の外から伸びて来た光線を覇気纏わせた鎖で逸らしながら躱して除けたのだ。
「――悔しけりゃまた化けて出てくるこった、小僧」
「は……――ッ!?」
 宙を滑る鎖を引っ掴み。半ば力任せに振り回すレイの眼前に白銀のクロスが作り上げられ、稲光を伴いマーカーが如く大佐の胸元にエネルギーが集中した。
 声にならぬ声を漏らす少年の背後に穿ち降り立つ獄炎。それはまさに、ショタスキー大佐が真に追い詰められた事を示すかのように燃え上がる。
「紅蓮に抱かれて……!」
 休めと。燃える少年の声が響く。

 音を置き去りに交差する、黒炎と紫電が一閃。
 拳と剣が射貫いた妄執は災禍のように吹き荒れる中で、霧の様に消滅するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月04日


挿絵イラスト