なので本日よりサポート優先シナリオを運営しながら、活動を再開していきます。
何卒宜しくお願い致します】
──(追伸:ご参加いただき、楽しんで頂けているのならそれが幸せです。機会が合う時、楽しんでいただける際はいつでもご参加ください)
――――――
よろしくお願いします。
手探りな部分も多い自分のシナリオにご参加・ご興味を持っていただけたことに感謝いたします。
誠心誠意、皆様の物語の一端を描かせていただきます。
『やさしいせかいのシナリオについて・プレイング書式など』
※もしもプレイングが流れてしまいました場合、宜しければ再度送信していただければ早急に採用させていただきます。
プレイングにつきましては必要であればアドリブの有無や連携の有無など記して頂けると幸いです。
基本的に私のシナリオでは戦闘描写が(未だ慣れていないのもあり)濃い目になりがちです。
また、文字数などに大幅にばらつきが見られるかと思います。
今後ともよろしくお願いします。
[2020/9/10]
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=27974
痛みは、苦ではない。
それは彼等にとっての決意の表れであると共に、真に苦痛に苛まれ続けた少女を前にして見せる『救いの手』が持つ強さだった。
猟兵の一人は少女の叫びを聞き届け、救うと決めた。
また或る者は己が果たすべき役目を全うすべく、多くを語らぬ事を剣に籠めた。
そして、その猟兵は重なる自身の過去と結びつく兄妹の姿に。かつて在り得なかった未来を仲間に託した。
闇の底へ堕ち行くはずだった彼等は、死者が蔓延る闘技場で刃と拳を打ち合った者の魂によって。文字通り支えられていた。
光り輝く精霊剣は、ダンピールの乙女が手繰る事で猟兵達の足場となっていた。
飛翔する刃を蹴り黒衣の魔女と切り結ぶ。漆黒の大剣が全身から放たれ、周囲の壁に突き立ったそれを足場に。黒鎧の猟兵は鉤縄を投擲する。
黒衣の魔女の内から溢れ出た黒い呪詛の髪は、今や触手のように蠢き。時折その中から眷属を吐き出し、壁にはりついて猟兵を迎え撃っている。
金色の炎が少女を幾度と切り裂くも、その傷口は瞬く間に縫い合わされ返す刃の大鎌が薙ぎ払う。爆散する焔が黒衣の魔女の視界を塞ぐ。
視界を覆う炎の壁が膨らんだその瞬間、内から伸びるは鮮血纏いし白銀の縛鎖である。
「臭えんだよ、その黒衣――あの世に着てくにゃ襤褸過ぎる。仮にも貴族のお嬢様がよ」
「ッ……! はな、せッ」
「離れるのはてめえだ」
全身に絡み、巻き付くそれは聖遺物の類。少女の身に合わぬ怪力を以てしても引き千切れぬ鎖が、しかして所有者の意思に応じて紫電を、覇気を纏って亀裂を走らせる。
少女の身に巻き付いた鎖が爆ぜるその瞬間、黒衣の魔女が蠢く黒髪を膨張させて防御の体勢を取る。だがそれこそが、紫電纏う猟兵の狙いだった。
爆ぜた鎖は猟兵の持つ力によって白銀の杭となって爆散し、無数の楔が黒衣を貫き引き寄せる。
精霊剣を蹴りつけて黒衣の魔女の足下へ跳んだ彼は、次に壁を思い切り蹴って。空洞に更なる崩落を起こしながら自らの鎖を伸ばして楔を引く。引き寄せ、手繰り寄せた。
ブチブチと、或いは硝子の割れたような音が鳴り響く。
黒衣に包まれた少女が、黒髪の中から出したその顔が、これまでと変わって生気の薄れた表情となっていた。
引き剥がされる。そう判断した黒衣が猟兵の手から逃れるべく、触手を使って大鎌を振り抜いた。
「ッ……! 止まるンじゃねぇ、引けッ!」
割り込んだ猟兵の湾曲した刃と白刃の直剣が受け止めるも、奮われたオブリビオンの怪力に空洞の底へと落とされる。
飛翔する精霊剣が彼を救出しようとするのを、落下し行く彼自身が剣を横薙ぎに振って拒絶する。
手が、届いたのだ。
だから言ったのだ、 "引け" と。
ミシミシと軋む全身は戦いの中で負った傷の深さを物語る。
けれど、それは好都合であり。それだけの意志を見せる必要があった。
全身の傷口から血が噴き出しながら莫大な電流が奔る。
力任せに壁に片腕を突っ込み、もう片方の腕に絡ませた鎖を引きながら紫電を放出する。
黒衣が焼かれる。同時に暴れ狂う黒髪を、漆黒の大剣と金色の炎が精霊剣の飛翔と共に交差し、無数の剣戟の下に斬り飛ばされる。
散り行く黒髪が増える毎に、抵抗は激しく。そして猟兵の鎖に引かれた楔はずるずると黒衣を剥がして行く。
光が、昏い空洞を満たす。
黒刃の一閃を伴い大鎌が揮われたその隙を、それまで無数の精霊剣を操っていた乙女の猟兵がカウンターの一手を打つ。
両手を繋ぎ限界まで研ぎ澄ました彼女の祈り、奇跡は、死者の霊魂が紡いで形作った精霊剣を更なる一振りへと昇華させた。
飛翔する彼女が振る聖剣は、黒衣の魔女の闇を切り裂く。
「ッッ――――!!!」
声ならぬ叫びが、猟兵達を射貫く。
その怨嗟交えた慟哭は、心を蝕み侵そうとするだろう。だが、もうそれは通用しない。
聖剣に重なる炎刀。噴き出す金色の炎を背に、傷付いた頬から焔を散らして。獄炎纏う剣を振り抜いた少年は、猟兵として、そして少女に手を差し伸べる者として。力を振り絞った。
二振りの剣が金と白の一閃を放つ。
クロスした剣閃は、黒衣の魔女をバラバラに崩壊させた。
――中空に放り出された白い影。
白い。白薔薇に彩られた意匠のドレスを纏った少女が光り輝く閃光の中から吹き飛ぶ。
昏い穴の底へと堕ちる少女の顔には、微かに穏やかな表情が浮かんでいた。
……猟兵達の視線が落ち行く少女へと移る。
そこには――湾曲した刃の大剣を壁に突き立てた猟兵が、少女を抱き止めていた。
呪いから解き放たれた少女が精霊となった霊魂に慰められながら逝く。堕ち続ける事無く。その姿はやがて光の残滓となって霧散して行くのだ。
それを見つめる猟兵は静かに、腕の中で重さを感じなくなった少女を手放して。
猟兵の腕の中から離れても落下せずに。泡沫の存在へと還って行く。
「どうか安らかに」
それら少女の最期を見届けた誰もがその光景を暫し見つめ。誰かがそう言った。
……鎮魂の祈りは、確かに届いた。
【ダウンフォール・スティグマ】Fin.
『猟兵の皆様お疲れ様でした。
此度のご参加、誠にありがとうございます。
ラストは締まりよくしようと思い、上手い事リプレイ最後に演出的に良い感じのをお届けしようとした所でまさかの完結となってしまい、ラストの描写をお見せできずに判定結果が出てしまいました……!
拙作のシナリオにご参加いただき応援の声も頂いてる中で何という不手際……もとい未熟な当方の責任であります。深くお詫び申し上げます。
重ねて、本シナリオにご参加頂きありがとうございました。MSとなってから未だにミスがありますが、今後も精進しつつ皆様に最高の一幕をお届けして参りたいと思いますので、これからも宜しくお願い致します』
(尚、今回こちらの描写につきましてこちらのページで公開させていただいておりますが、問題等ありましたらお手紙をいただければ迅速に対応致します。
特に問題無ければ半永久的にリプレイの一つとして掲載するつもりですので、宜しくお願い致します)
【過去シナリオについて】※一定頻度で更新
[9/2]たからさがしの『三つ巴』
ご参加いただきありがとうございました。
当方初の冒険・調査系のフラグメントを経てのシナリオでした。
途中、他の冒険フラグメントと異なり成功Pが5しかない事に気付かずリプレイを進行してしまったことで、プレイングが流れてしまったお客様には大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。今後同じ事が起こらぬ様に注意していきたく思います。
ここまで、素敵なプレイングをいただきありがとうございました。皆様のまたのご参加をお待ちしております。
[8/16]バッドラック・ランドマーク【完成】
ご参加いただきありがとうございました。
此度のシナリオでは特に参加者同士の連携などを盛り込んで描写させていただきましたが、如何でしょうか。
リプレイ中、至らぬ描写・地の文がありました事深くお詫び申し上げます。並びに、以降も引き続きご参加いただき重ねてありがとうございました。
お手紙に関しましても、どのような内容が届きましても当方は問題ありませんので至らぬ部分やご教授頂けることがありましたら是非お送り下さい。
[7/26]バッドラック・インシデント【完成】
ご参加いただきありがとうございました。
当方の至らぬ事でプレイングが流れてしまう事がありましたが、その都度再送していただき、さらにFLもいただき感謝の極みです。
時折、プレイング内容においてお悩みの方もいますが、私としては皆様のプレイングはPCの行動であり、そこに最適解はないものと思ってシナリオを運営しております。
これからも是非、当方のシナリオを楽しんで頂ければと思います。
[6/30]何奴も此奴も壊れてしまえばいいのだ【完成】
ご参加いただきありがとうございました。
FL等いただき、大変励みになりました。またのご参加をお待ちしております。
[8/1]三千世界に咲かせましょう【完成】
ご参加いただきありがとうございました。
初のシナリオ故に至らぬ部分は多々あったかと思いますが、今後とも宜しくお願い致します。
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