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迷宮災厄戦⑱-7〜オーバード・ホライゾン

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン #死ぬがよい #連携フィニッシュ

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『WARNING!!
 DETECT SUPER HUGE ENERGY REACTION. DECIDED TO BE AN IMPORTANT OPERATION TARGET, ”OBLIVION FORMULA”. IMMEDIATELY ATTACHED TO BATTLE PLACEMENT.-NO REFUGE-』

「うむ、緊急連絡だ! ブリーフィングを始める」
 グリモアベースに響き渡る重低音の警報! 赤文字で強調表示される警告文!
 (自称)レイリス・ミィ・リヴァーレ・輝・スカーレット(厨二系姉キャラSTG狂・f03431)がホログラム表示された豪華な執務卓に得意げに手を組んで語り始める。
「今回の作戦目標は『オウガ・オリジン』! そう、ラスボスを叩く」
 ベースに表示される『オウガ・オリジン』の立体映像。ただの映像だが狂気的な暴威を感じる。そして、その戦いを盛り上げるかのような重厚なBGMも……いや、このBGMはグリモア猟兵の趣味だな。関係ないので置いておこう。
「相手はフォーミュラではあるが、今回は先制攻撃はしてこない。戦場は見渡す限りの平原。そこに」
 『オウガ・オリジン』の立体映像が、一挙に大量表示!
「こんな具合にフォーミュラ大量発生している……なんか、昔のゲームにあったな。ラスボスが大量発生して終わるバットエンド。幸いアレは私は踏んでないので詳しくは知らないが。加えて、苛立ちを感じるとトランプ兵を召喚するユーベルコードまである。とにかく、数は圧倒的だ。幸い、一体の強さは多少弱体化しているがな」
 その10倍の数のトランプ兵の立体映像! ……流石に狭いので、早々に消去された。
「トランプの射撃攻撃、噛み付きの近接攻撃もある。この数で一斉に放たれたらどっちにしても脅威だな。よほどの突破力が無ければ面で圧殺される。考えられる方法は二つ。広い戦場を生かして強引な一撃離脱か、オウガ・オリジンの性格を利用するかだ。幸いな事に、統制は全く取れてない。ただ単に、増殖しただけだ。流石にほっといてつぶし合いをする程では無いが、何かの切っ掛けがあればお互いに潰し合いは始まるかもしれん。鬼畜かつ自己中心的な性格なのでな」
 一通りの説明を終えると、どかっと執務椅子に座り込むレイリス。
「個人的にはヴァルギリオスよりは楽な相手な気はするが……そうだな、数の暴力は侮れない。見渡す限りのフォーミュラと言うのは中々に悪夢的光景だが……戦場が広い、と言う事でアドバンテージを得る猟兵も居るだろう。とにかく色々やってみるといい」
 ふーっと、深くため息をつきながらレイリスは全ての表示物を消し、執務卓の前にゲートを開く。
「私は見えた事件を解説するだけだ……実際の対応は諸君に任せる」
 そして、眼前に転送用のゲートを開く。
「では、往くがよい」


Chirs
 ドーモ、Chirs(クリス)です。ラスボスが大量発生しているよ! かわいいね! ……たまに居るな、数で押してくるラスボスは。
 先制攻撃の相当する物はありませんが、それを補って余りある数の暴力です。戦争は数だよ!
 今回のプレイングボーナスは『オウガ・オリジンの性質を利用して、群れに対処する』となっておりますが、広い戦場を生かしての力押しってのも嫌いじゃないよ。そっちの方法で来る場合相当な力押しじゃないと呑み込まれますがね。
 特に指定が無くてもアドリブと連携は増し増しでお送りする予定です。ある程度の人数がまとまってから一気に書こうと思いますのでご容赦を。皆さんのやりたいラスボス集団戦のお手伝いが出来れば良いなと思う所存でございます。
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第1章 集団戦 『『オウガ・オリジン』と無限増殖』

POW   :    トランプストーム
【鋭い刃のような縁を持つ無数のトランプ】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    わたしをお前の血で癒せ
自身の身体部位ひとつを【ライオン型オウガ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    フラストレーション・トルーパーズ
自身が【苛立ち】を感じると、レベル×1体の【トランプ兵】が召喚される。トランプ兵は苛立ちを与えた対象を追跡し、攻撃する。

イラスト:飴茶屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

空葉・千種
アドリブ歓迎

やっと会えたねオウガ・オリジン
さあ、あなたを倒して友達の居場所を守ってみせる!

【指定UC】を発動して決戦装備を装備

これはあなたを倒すために作った盾
…当然あなたの攻撃で破壊することは出来ないよ
というハッタリで敵の攻撃をディラタンゼルに引き付けるよ!

まあ、相手をひきつけたところで私の基本は力押しなんだけどね
引きつけた後は盾で敵を耕したり、ペリーネウマンを乱射したり、ダッシュで踏み潰したり!

ちなみに盾の強度だけど…大きさがあるからある程度は耐えるんじゃないかな?
ハッタリほどの強さはないと思うけど
最悪、この戦いで盾が駄目になっても構わない
…迷宮災厄戦のために仕立てたってのはホントだからね


メテオラ・エルダーナ
むふふ…こういう戦場を待ってたんですよ!
見渡す限り敵だらけ!でも統率はバラバラ!
となれば…狙うしかないですよね!同士討ち!!

まずは得意の【ダッシュ・ジャンプ・スライディング】で回避に徹しましょう。
誰かの攻撃を別の誰かになすり付けられたらバッチリです!
捕まりそうになったら【グレイシャル・ファング】で、
触れたところから氷漬けにしちゃいます!

そのうちしびれを切らしてトランプ兵を呼び出すでしょうけど、
矛先は逃げ回る私?同士討ちした他の誰か?
トランプの山は思い思いに誰かを攻撃して…
誰が敵かもわからない混沌の幕開けです!

そうなれば最後の仕上げ!
【範囲攻撃】全開の【円閃剣】で、みんなまとめて真っ二つです!


フィロメーラ・アステール
「ラスボス大発生とは厄介な!」
放浪の妖精フィロにお任せ!
2と外伝もよろ……ん、何の話だっけ?

とにかく敵軍団に飛び込むぞ!
接敵する前にハチの巣にされるのが一番こわいので【残像】のスピードで【空中浮遊】して飛んでいく!
それで敵の間をすり抜けながら【空中戦】だ!

光【属性攻撃】の光線攻撃!
決め手にならなくても【目潰し】効果つきで大分イライラする予定!
敵が兵を出したら、別の【敵を盾にする】ように逃走!
すると「お前ら邪魔!」「あんなザコいつでも倒せる!」「先にお前を片付けてやる!」みたいな流れにならないかな!?

そこで【錬成されし対の双星】発動!
敵を模した分身を召喚!
同士討ちの中に乱入させ被害を大きくする!


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡みも歓迎!

わぁい、女の子がいっぱいだあ!
でも微妙に性格がかわいくなあい!

戦法はー力押しだー!
戦場に許容されうる限界までの大きさと数の球体くんたちをガーッと並べてごろごろごろごろ~!
先制!ひき逃げアターーック!
あはははははは!あははははは!
何度かいったりきたりさせてひとしきり笑ったら離脱!

あ、逃げるついでに混乱に紛れて彼女の声真似(演技)で挑発してこ!
同士討ちしてもいいんだよ!

ぷっ❤あんな玉っころごときにやられるなんて❤❤
ざっこ❤ざぁこ❤ざぁこ❤ざこ❤ざこざこざぁこ❤ざこオウガ❤❤❤

あはははははは!あははははは!
こんなのでほんとにひっかかったらそれこそお笑い種だね!


木霊・ウタ
心情
顔が闇で
猟書家へ変じたり
こうして数多に分身したり
やっぱ自分って存在が希薄なんだろな

だから他者と心通わせられない
自己中心的な存在ってことかも

許せない奴だけど哀れっぽいぜ
海へ還してやろう

群れ
凄ぇ数だ
で俺たちを倒した後はどうするんだ?
仲良く投票でボスを決めてそいつに従うってか?
…俺なら前だけじゃなく背中にも注意するけどな
これ助言な

疑心暗鬼の念を煽る
多分一寸したきっかけ
混み合ってぶつかったとか
攻撃の射線を遮られたとかで
同士討ちしだす

戦闘
噴出する炎で跳躍回避したり
炎の壁で防御しながら
ギター奏で歌う:UC

命を
未来を守る想い込めて歌いあげる

トランプや~兵は噴出する炎で燃やし
噛みつかれたら獄炎流し込む


大門・有人
不採用含めて全て歓迎だ。

これがオウガ・オリジンか!絶景だな。
UC使用、広い戦場を活かして敵集団が一塊になるよう、囲いこむ円の動きで対応する。
全員を囲めるとは思ってねえ、出来る範囲で十分だ。
囲えば回転弾倉式散弾銃に炸裂弾を装填して範囲攻撃だ。敵のUC対策にも徹底して近づかずに射撃戦に徹するぞ。
お前にはたっぷりと、狩られる痛みと恐怖を教えてやる。理解するとは思わないけどな。

連携が取れてないならこの状況、上手いこと同士討ちになってくれれば他の奴らもまとめに行くぜ。
他の猟兵もダマになって同士討ちしてる集団があれば狙い易いだろうしな。

最期に不滅のお約束を教えてやる。悪に明日は無いってな?(髪を整えつつ)


玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

よくもまァ、これだけ増えやがったモンだな
壮観、壮観、っと

けど、知ってるかぃ?
ある種のゲームじゃ、大量に出てくる敵ってのは「稼ぎどき」なんだぜ

UC使用、大群をまるごと炎のなかにご招待といこう
範囲攻撃で焼くのは狩りの基本だ
そして獲物が多けりゃ多いほど、吸収のペースも上がる
ドレインした分を火力に回せば……おやおや、都合のいいエンジンが完成しちまったなァ?

あァん、どうした?
ご機嫌ナナメか? もっと補充してくれてイイんだぜ
増えないなら増えないで、アンタがじりじり焼けていくのを待つだけではある

アンタの手札が悪かったワケじゃあない
イカサマへの注意が足りてなかっただけさ



●原初にして究極のオウガ
「わたしが、このわたしこそがはじまりのアリス」
「そして、はじまりのオウガ」
「この世界は全てわたしのモノであり」
「全てがわたしの狩場である」
「そのわたしが、自ら刈り取ろうというのだ」
「大人しく頭を垂れろなどとは言わない」
「これから、お前達は」
「ただ只管に」
「わたしに」
「刈り取られて」
「貪り食われる」
「精々足掻いて見せろ」
「結末を変えてやると」
「終わりなど迎えさせないと」
「その全てが、無意味だと理解した時」
「お前達は」
「終わる」
「わたしたちによって」
「この世界で最も尊いわたしが」
「わたしたちが」
「終わらせてやろう」

●戦略SLGなら無理ゲーだった
 この戦場における猟兵の取った戦法は大きく二つに分けられる。外からの攻撃で大雑把に数を数るか、内に飛び込んで乱戦に持ち込むか。これが所謂戦略シミュレーションゲームであれば遠距離なら無数のトランプが飛んできてバラバラに、近距離ならライオン型オウガにでも食われていた事だろう。
 だが、これは敵味方の区別が自動的に付く戦略シミュレーションゲームではない。誤射も起きず、一つの遺志の下に最善の行動が取れる。実戦ではこんなにも都合の良いシステムは存在しないのだ。
 何より、猟兵と言う存在があまりにシステムで縛る事が不可能だった。

●神は「球あれ」と言った
「わぁい、女の子がいっぱいだあ! でも微妙に性格がかわいくなあい!」
 ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は一柱の神である。神であるが故に、ちょっと巨大な球を作る位の事は造作が無い。
「アレはなんだ」
「球だな」
「球なのは見れば分かる」
「こっちに転がってきているように見えるな」
「なるほど、アレでわたしを潰そうというのだな」
「賢しいとすら思えん」
 玉乗りするサーカスの猛獣めいて転がる巨大な球の上で後ろ向きに走るロニ! アリス達は避けようともしない。
 避ける必要が無い。
 球は容赦なくアリス達を弾き潰したが、アリス達は風か何かが吹いたかのように平然としている。
「ぷっ❤ あんな玉っころごときにやられるなんて❤❤ ざっこ❤ざぁこ❤ざぁこ❤ざこ❤ざこざこざぁこ❤ざこオウガ❤❤❤」
 愉し気にアリスの声真似をして挑発をしたロニだったが、割と口調が全然違ったので全く騙されなかった。
「なんのつもりだろうなぁザコが」
「攻撃のつもりじゃぁないのか」
「あの玉っころごときがか?」
「それともあの下手な猿芝居でも見せに来たのか?」
 嘲笑。そして哄笑。
 ここに居るのは神ではない。オブリビオンフォーミュラ、『オウガ・オリジン』だ。
 神であろうと地の力の差は歴然だった。
「所で、どうして地面に埋まっているのだ?」
「埋まりたい気分だったからだ」
「変なわたしだな」
 なお、余裕ぶちかましてノーガードで受けた結果、確かにダメージは無かったが地面に埋まったアリスは中々にシュールな光景ではあった。

●巨襲
「やっと会えたねオウガ・オリジン。さあ、あなたを倒して友達の居場所を守ってみせる!」
 決意の言葉を叩きつけた空葉・千種(新聞購読10社達成の改造人間・f16500)はうなじのスイッチをオン! 一瞬にして15mまで巨大化!
「巨人、ではないのか」
「別系統の力か」
「面白い」
「だがそれだけではな」
「当然、それだけではありません!」
 千種は全長18mの巨大盾『迷宮災厄戦用決戦装備・ディラタンゼル』を構える。盾と言うより最早建物では。
「これはあなたを倒すために作った盾……当然あなたの攻撃で破壊することは出来ないよ」
「ほうほう」
「吹かしたなぁ」
「じゃあ、試してやろう」
 アリスの群れから放たれる、無数という言葉では足りない数のトランプが巨大盾に叩きつけられる。
「ほうほう」
「壊れないものだなぁ」
 引き付ける、という目的こそ達成できた物の盾の外に僅かにでも身を晒せば驟雨の如き刃が突き刺さる。カバーの外に出られない。
 前に進む為に僅かにでも盾を上げればその隙間からトランプが足を切り刻みに来る。盾の耐久力も無限ではない。あまりの猛攻に徐々に盾が削り取られる。
 このままではジリー・プアー(徐々に不利)である事は明確。ならば!
 千種は決断的に、スイッチを入れた!
「あっ」
 嫌な音がした。ついうっかり、力み過ぎて大きくなる方のトグルスイッチに入れ過ぎてしまった。しかも、スイッチが壊れた。巨大化が止まらない。20m、25m、30m!
「なんだなんだ?」
「的が大きくなったなぁ?」
 盾に防がれていたトランプが、驟雨の如き刃が千種自身に突き刺さる。
「ええい、こうなったら!」
 千種は、手にしたディラタンゼルを……そのまま投げ付けた! 表面に無数の刃を突き立てられた盾は宛ら巨大な金鑢の如し!
「なんと」
「わたしのトランプを利用したとでも」
「これも持って行って!」
 千種は全身を切り刻む様な負傷を顧みず、ショルダーバックから丸太を次々と取り出しては投げ付ける! 圧倒的攻撃!
「ヘイ、パス!」
「使わせてもらいます!」
 ロニが作り出した巨大な球も蹴り飛ばし、投げ付ける! 餓鬼球が嚙り付き、ドリルボールが掘削する。叡智の球が浮かび緑のビームを放つ!
「ぷっはははは❤ ざっこ❤ざぁこ❤ざぁこ❤」
「全弾持って行って!」
 ショルダーバックから取り出した異形の35mmガトリング砲を備えた全長25mの銃槍『迷宮災厄戦用決戦装備・ペリーネウマン』を構え、狙いも付けず出鱈目に撃ちまくる!
「なんと」
「雑多な攻撃だ」
 これだけのサイズ差でありながら、未だオウガ・オリジンの一体も倒せた様子はない。その一方で千種の傷は増え続ける。やはりジリー・プアー(徐々に不利)なのか? だが、そうはならなかった。

●走魂特攻夜露死苦
「ヒュー、敵味方お構いなしなのはどっちも同じと来たか」
 廃材を利用して作られたガンバーバイクを駆る大門・有人(ヒーロー・ガンバレイにして怪人・トゲトゲドクロ男・f27748)は主に味方の暴れっぷりに呆れ半分、頼もしさ半分という感じで口笛を吹く。
「これがオウガ・オリジンか! 絶景だな。ならこっちも好きにやらせてもらうぜ」
 エンジンを吹かし、丸太やら球やら銃弾やらが飛び交う戦場を突っ走る。
「こっちは鉄馬か」
「今度は何をする気だろうな」
「まだまだ余裕って感じだな。ならコイツでどうだ!」
 右手の回転弾倉式散弾銃をオウガ・オリジンの集団に向けて銃爪を引く! 専用炸裂弾がオウガ・オリジンを直撃! だが、未だに効いた様子無し。構わず有人は続けて弾倉内の銃弾全てを撃ち切って弾倉を外し、空薬莢を捨てる。
「よくよく玩具が好きな連中だな」
「玩具かどうかはお前の体に聞くんだな」
 バイクに備え付けのスピードローダーを使い、装填! 手首を使ったスナップロード! 銃身を痛めるこのアクションだが、元より精度より頑丈さと威力を重視した回転弾倉式散弾銃なら問題は無い。バイクを運転しながら片手でリロードできる。
「ほら、おかわりだ」
 続け様の射撃! 銃声! 爆発! 千種とロニの大胆で大雑把な牽制のお陰で細かい回避動作が取りにくいオウガ・オリジンはこれに直撃!
「うっとおしい……!」
 オウガ・オリジンがトランプを飛ばす! 大部分は千種への対処に使われている為小雨程度か。それでも多い。蛇行運転で回避動作は取りつつ、空薬莢を捨て、リロード、射撃!
「榴弾ではなぁ!」
「一粒なら通る訳でもない癖に」
 特に防御動作を取らずとも大した損害を受けていないように見えるのは凄まじきオブリビオン耐久力か。近接距離での殴り合いには圧倒的に不利だったであろう。
 だが、全く効果が無い訳でも無いのは有人を若干避ける様に動いている事から見て取れる。少しだが、ダメージは入っている。
「まず、円の動きで牽制。効果範囲内に全部捕えたぜ」

●呆れるほど有効な戦術
「よくもまァ、これだけ増えやがったモンだな。壮観、壮観、っと……けど、知ってるかぃ? ある種のゲームじゃ、大量に出てくる敵ってのは『稼ぎどき』なんだぜ。標的を中央に固定だ!」
 玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は戦場に仕込んだ狐火を一気に炎上させ、焔の迷宮を作り出す! 【寓話の最後は大破局(デッドリー・エヴァー・アフター)】だ!
「これは」
「またしても、拘束か!」
「忌々しい!」
「必中、熱血、努力に幸運ってな。幸運はともかく努力ってタチじゃァねぇか」
「なら応援でカバー。炎は俺の領域だ、突っ込むぜ」
 焔摩天を手にしたウタは炎の迷宮に躊躇なく飛び込む!
「とりあえず良く燃える様に丸太焚べて置きますね」
「もっと燃えるがいいや❤」
 トランプが飛んで来なくなったロニと千種はすかさず迷宮の外側を補強!
「私達はどうすんですかコレ」
「さあ? 対オブリビオン用の結界だし猟兵ならちと熱い位じゃね?」
「こんな物で捕えただけでわたしを倒すつもりか」
「あァん? 倒すつもりだぜ。文句があるなら出て来いよ」
「ええい、出口はどっちだ」
「馬鹿が、こっちは行き止まりだぞ」
「何を馬鹿な」
「こんな壁とっとと破ってしまえ」
「キサマがやれば良かろう」
「コレ、いい具合に炎上しているのでは?」
「だなァ。ほら、さっさと火力を集中して来いよ」

●疑心暗鬼の炎獄
 ここに至ってオウガ・オリジンのとりあえず数を増やすという戦法が完全な裏目に出た。
「押すんじゃない!」
「お前が押したんだろう!」
「忌々しい!」
「また力を吸われている!」
「不愉快だ!」
 狐狛のユーベルコードによってその膨大な力を徐々に吸い取られ、そのまま迷宮の補強へと転換される。
「おやおや、都合のいいエンジンが完成しちまったなァ?」
「黙れ!」
「黙らせればいいのは?」
「馬鹿が! お前の後ろだ!」
 メテオラ・エルダーナ(まほうつかいキャット・f05337)は突剣状に収束させた『戦神の火』で背後から一突き!
「お前から見たら正面だろう!」
「壁で見えなかったんだ」
「下らぬ言い訳を!」
 言い争いを始めたオウガ・オリジン達。
「上から失礼!」
 その頭を踏み台にして迷宮の奥へと逃走するメテオラ。追跡するようにトランプを投げ放つも迷宮の壁に遮られて当たらない。
「追え!」
「殺す!」
「語彙が無くなってきましたね。あ、2と外伝もよろ……ん、何の話だっけ?」
 オウガ・オリジンの集団の背後から飛び掛かる光! フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)だ! 【星界式光速魔法術(フラッシュキャスター)】で次々とオウガ・オリジンの目をピンポイント攻撃!
「眩しい!」
「何だこの光は!」
「妖精だ、小虫が混じっているぞ」
「虫呼ばわりは失礼だ!」
 光の羽ですれ違いざまに斬り付ける攻防一体のユーベルコード【白星むかい疾走れ光条(アクセルバスター・ウィンダム)】!
「くそっ、どこに行った!」
「そっちだ、お前の肩だ!」
 オウガ・オリジンの右腕がライオン化! 別のオウガ・オリジンの肩に嚙り付く! 当然、そこにフィロの姿無し!
「貴様!」
 嚙り付かれたオウガ・オリジンはそいつの肩に齧り返そうとして別の奴に嚙り付く!
「何をしている!」
「お前が何をしてるんだ!」
「大体トランプ兵はどうしたんだ!」
「出ても即座に迷宮に喰われる!」
「役立たずめ!」
「お前が役立たずだろう!」
「おやおや、思った以上にヒートアップしてるぞー?」
 最初に嚙り付いたのはフィロの【錬成されし対の双星(パラダイムツイスター)】で作り出した偽者だった。しかしこうなってしまってはもうどれが何だか分からない。
「お前か!」
「そこだ!」
「違う、こっちだ!」
 たちまち広まる大混乱。最早誰にもどうにもできない!
「ちょっと頭を冷やした方がいいのでは?」
 とんとんとオウガ・オリジンの頭を軽やかに跳ねるメテオラ! 触れた場所から【グレイシャル・ファング】で作り出された氷河の如き氷の刃が形成されていく! この急激な温度変化は流石のオウガ・オリジンとてただでは済まない。
「くっ……ヤメロー!」
「ザッケンナコラー!」
「スッゾコラー!」

●あなたはそこにいますか
「顔が闇で、猟書家へ変じたり、こうして数多に分身したり、やっぱ自分って存在が希薄なんだろな」
「ナンコラー!」
「なんか語彙が変な事になってるんだけど」
「ダマラッシェー!」
「ワドルナックンコラー!」
「ドタマカチワッゾコラー!」
「だから他者と心通わせられない。自己中心的な存在ってことかも」
 ギターを木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)はその焦燥を煽る様にギターを爪弾く。
「凄ぇ数だ。で俺たちを倒した後はどうするんだ?」
「ドタマテッポダマ……いやいやいや、このノリはもういい」
「ザッケンナコラー……おっと、少しばかり遊び過ぎたな」
「ナンコラー……わたしが、希薄だと?」
「仲良く投票でボスを決めてそいつに従うってか? ……俺なら前だけじゃなく背中にも注意するけどな。これ助言な」
「ザッケ、違う。わたしはわたしだ」
「コラ、ワタシがボスだ」
「まて、ボスはわたしだろう」
「いや、わたしがわたしだ」
「わたしはなんだ?」
「そうだ、わたしははじまりのオウガ」
「わたしははじまりのアリス」
「誰が」
 光が、オウガ・オリジンの目を焼き。
「何だって?」
 氷が、貫く。
 反射的に、手が出る。だが、出した手は狙ったモノに当たらない。
「疑心暗鬼の念を煽る。多分一寸したきっかけ」
 トランプを飛ばす。誰に? 敵に。
「混み合ってぶつかったとか、攻撃の射線を遮られたとかで」
 敵だ、敵だらけだ。
「同士討ちしだす」
 もう、全員殺せばいい。わたしいがい。すべてを。
 さいしゅうてきにぜんいんころせばかいけつだ。ぼうりょくはすべてをかいけつする。
 もう、みんな、いなくなれ。

●寓話の最後は大破局
「で、迷宮の中がどったんばったん賑やかになってる訳だなァ」
 迷宮の中から三人が脱出しても最早騒ぎは収まらず。
「後はほっといても全滅する気はするが」
「それじゃつまらねぇし締まらねぇ」
「んじゃ、いつものアレ。やっちまおうぜ!」
 完全に炎の塊と化した迷宮を、崩す!

●片手間の巨大化装置神円閃有人聖星辰・ブレイズアッシュ
「お前らから吸った力だ、そのままノシ付けて返すぜ」
 玉ノ井・狐狛の片手間の大仕掛け(インスタント・ステージセット)!
 迷宮を構成していた力を使い、全てのオウガ・オリジンを炎の縄で一塊にして拘束!
「凄く、凄く痛かったんだからね!」
 空葉・千種の巨大化装置・リミッター解除!
 無数のトランプの刺さった巨大盾で殴打! 殴打! 殴打!
「ざっこ❤ざぁこ❤ざぁこ❤ざこ❤ざこざこざぁこ❤ざこオウガ❤❤❤」
 ロニ・グィーの神撃(ゴッドブロー)!
 餓鬼球、超重浮遊鉄球、ドリルボール、叡智の球。多種多様な球を作り出してはぶつけ、作り出しては叩き付ける!
「最後の仕上げ! ジ・エンドっす!」
 メテオラ・エルダーナの円閃剣!
 巨大化させた魔法剣がオウガ・オリジンを何度も何度も斬り続ける!
「お前にはたっぷりと、狩られる痛みと恐怖を教えてやる。理解するとは思わないけどな」
 大門・有人の有人アタック!
 猛烈な拳のラッシュ、大砲より重いキックの連打、締めにグレネードより痛いパチキ!
「必殺の、ハイパーオーラ斬りだぁー!」
 フィロメーラ・アステールの聖星辰・飛龍段波(ハイパワー・オーラブラスター)!
 ウタの肩に乗ったフィロが焔摩天にオーラを纏わせ光り輝く!
「終わりだ、お前達の未来……纏めて灰にして消し飛ばしてやる!」
 木霊・ウタのブレイズアッシュ!
 フィロのオーラで巨大剣と化した焔摩天の一撃を振り下ろす! 生命賛歌の炎がオウガ・オリジンを全員纏めて灰へと還した!
「「「「「サ・ヨ・ナ・ラ!」」」」」
 オウガ・オリジンは灰になり消滅! 猟兵達の完全勝利だ!

●と、思われたが
「いやァ、なんか完全に勝ったつもりだったけどさァ……」
「まだまだ居るんだよな。オウガ・オリジン」
 事実その通りであった。確かに、この戦域のオウガ・オリジンは殲滅した。だが、それでも……
「猟書家を倒す度に力を取り戻す」
「鎮魂歌はその後だな」
 猟兵達は各々の武器を手に取る。
「最期に不滅のお約束を教えてやる。悪に明日は無いってな?」
 自慢のリーゼントを整えて、エンジンを吹かす。
「行こう、次の戦いへ!」
 猟兵達の戦いは、まだ続いている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月21日


挿絵イラスト