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迷宮災厄戦㉒~Cursed Crusade

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #クルセイダー

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 広大なる草原、立ち並ぶは純白の十字架。それは何処か、墓場を思わせる光景。
 その中心に、一人の青年が立っている。いや、未だ少年とも言える年頃であろうか。
 携えた書の頁が風によって――否、ひとりでに捲られる。そうして開かれた頁に少年は目を落とす。
「『ぱらいそ預言書』はかく語れり。過去を滅ぼす猟兵達、我が身を狙い襲い来るなり」
 読み上げ、瞑目すること刹那。開いた瞳の色はあくまで平静で。
「成程、やはりそうなりますか。けれども私とて、黙って討たれは致しません」
 逆の手に携えた、十字架掲げし杖…否、十字槍を掲げ、静かに、だが確かに宣言する。
「猟兵達を退け、私はサムライエンパイアへと至り。魔軍将を集めて乱を起こし、徳川の世を終わらせてみせましょう」
 すべては『ぱらいそ預言書』の思し召し――。



「せっかく平和になった国なのに。また争いを起こすなんて、ダメだよね」
 グリモア猟兵、メニス・ソルタ(リトルヴィジランテ・f19811)は、語る声に力篭めて。予知に見えた『彼』の意思を否定する。
「ともかく、みんな。猟書家の一人『クルセイダー』の居場所が分かったよ」
 それはサムライエンパイアに降り立ち乱を起こそうと企む猟書家。『ぱらいそ預言書』なる侵略蔵書を携え、あらゆる事象をその書の意思と嘯く者。
「でも、それを抜きとしても他の猟書家と同じくらいの力のある相手ではあるから、気をつけてね」
 少なくとも、己のユーベルコードを確実に此方のそれに先んじて放てるだけの力は有する。対策は必要となるだろう。
 それを乗り越えても、携えた槍による戦闘術もまた卓越している。如何にこれらを乗り越え打撃を加えるか。
「強い敵なのは確かだけれど。皆ならきっと勝てるはず!どうか気をつけて…頑張って!」
 声援と共に、メニスは自らの木の枝の先からグリモアの光を放ち。
 一行を、かの猟書家の待つ国へと送り出してゆく。


五条新一郎
 その祈りこそは何よりも優る武器。
 五条です。

 迷宮災厄戦もいよいよ佳境。
 当方よりは猟書家『クルセイダー』との対決シナリオをお送りして参ります。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は『やや難』です。
 通常より厳しい結果が出やすくなっておりますのでご了承下さい。

●目的
「猟書家『クルセイダー』」の撃破。

●戦場
 アリスラビリンスのとある国。
 無数の白い十字架が立ち並ぶ草原。
 十字架群は特に機動の妨げにはならないかと思われます。

●プレイングについて
 OP公開直後より募集致します。
「敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する」ことでプレイングボーナスがつきます。
 敵は確実にユーベルコードで先制攻撃を繰り出してきますので、それへの対処が重要となります。

●リプレイについて
 19日(水)夜辺りの完結を予定しております。

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『猟書家『クルセイダー』』

POW   :    十字槍「人間無骨」
【十字型の槍】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体内の骨を溶かす光線】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    侵略蔵書「ぱらいそ預言書」
【預言書に書かれた未来の記述を読むことで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    『魔軍転生』秀吉装
レベル×5体の、小型の戦闘用【豊臣秀吉(フェンフェンだけで意思疎通可)】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
厄介ですが、出来る事は致しましょう。

相手の初撃は『槍』ですから、『射程内に入らず素早く距離を取る』のが有効でしょう。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、『投射』等にも警戒し『直線位置』に入るのを避けつつ『牽制射撃』等も含めた[空中戦]の技術を生かして【UC】の発動までの時間を稼ぎますねぇ。

稼いだ時間を使い【処檻】を発動、回避させない様[範囲攻撃]を行いましょう。
広域を覆う『波動』と『重力の檻』、更に追加の『棘』の威力は『対象の話したオブリビオンの数』と『対象自身の強さ』に比例しますので、彼の様な『召喚対象との会話が可能な強力な個体』には特に有効ですぅ。

良い形で繋げたいですねぇ。


鍋島・小百合子
WIZ重視

彼奴はわらわの世界に蔓延っておった切支丹共とどういう係りなのじゃ…?
いずれにせよ幕府に攻め入れてはいけぬ存在なのは確かであろうな!

「小さな猿共め!ちょこまかと動きおって!」
まずは敵の先制攻撃を切り抜け
召喚された多数の敵を開けた場所へ誘導しつつ薙刀で駆逐(なぎ払い、範囲攻撃、鎧砕き、吹き飛ばし、切り込み併用)
数が多すぎる場合は敵の攻撃を薙刀で武器受け防御からの反撃にて迎撃(カウンター、咄嗟の一撃併用)
敵の先制攻撃を耐え凌げばUC「神鏡浄化光」発動
引き続き薙刀で敵将と合い交えながら高速詠唱、敵の隙を見て両目から破壊光線発射(破魔、鎧無視攻撃、神罰、属性攻撃併用)

他の猟兵との連携を重視す


ガルディエ・ワールレイド
エンパイア・ウォーの時に秀吉とも戦ったが、友の為に命をかける敵ながら天晴な奴だった。
その孫ともなれば不足は無いだろう!

……あの謎生物の秀吉の血縁者が普通の人間?である事にツッコミたい気持ちが無いわけでは無いが、今は抑えとこう。

◆基本
魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流

◆先制対策
一応、十字槍を《見切り/武器受け》で防御も試みる
攻撃を食らった場合、意識だけは保てるよう覚悟を決めるぜ

◆反撃
完全な戦闘不能になる前に【竜威】を使って、全身を雷と念動力の複合体という超常現象に変換
骨を必要とせず戦える身体になれば良い
武器を《念動力》で操作して斬撃を放ちつつ、雷化した身体による《属性攻撃》で直接攻撃も仕掛けるぜ



 白き草原を、三人の猟兵が駆ける。視線の先には和洋入り混じる装いの少年。あれが猟書家『クルセイダー』だ。
「彼奴、わらわの世界に蔓延っておった切支丹共とどういう係りなのじゃ…?」
 黒髪靡かす女武者、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は彼の佇まいと在り方に疑問を抱く。豊臣秀吉の孫、原城、そしてかの神の信徒を思わす装い。異なる歴史において、島原にての大乱を率いたとされる切支丹の少年との符号が気にはなるが。
「いずれにせよ、世界に害なす存在…というのは確かでしょうねぇ」
 傍らから声。四肢に嵌めた戦輪の回転にて飛翔する、過剰なまでに熟れ実った肢体の少女。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)だ。
「うむ、紛いなく幕府に攻め入れてはいけぬ存在よ!」
 なれば為すべきことは一つだ。るこるに応え、小百合子は前を見据える。
「あの秀吉の孫、となれば間違いなく出来る奴だ。気を付けろよ!」
 るこるの更に横、重厚なる漆黒の鎧を纏いながらも二人に負けぬ速度で駆ける青年。ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)は二人へ呼びかける。
 丁度一年前、サムライエンパイアにて勃発したエンパイア・ウォーにおいて、ガルディエは豊臣秀吉その人と刃を交えていた。友たる魔軍将、弥助・アレキサンダーと共に命を賭して猟兵達を阻んだその雄姿、その弥助を守る為に敵へ隙を見せるも厭わなかった立ち振る舞い。敵ながら天晴な奴であった、とガルディエは思い返す。
 彼方にて待ち構えるかの猟書家は、その秀吉の孫であるという。ならば、相手にとって不足はない。闘志が笑みとなって滲み出る。

「『ぱらいそ預言書』はかく語れり。女武者、豊饒の巫者、漆黒の騎士。我が身討つべく訪れるなり」
 迫る三者を前に、クルセイダーは一時、手元の書へと目線を落とし、その記述を読み上げる。侵略蔵書『ぱらいそ預言書』。未来を示すその書を閉じ、再度三者へ目を向ける。
「この先は未だ記されず。ならば私自身の力を以て、彼らを打ち倒すのみ」
 十字槍『人間無骨』、彼の祖父に仕えた荒武者が愛用していたというその槍を掲げ、祈りを捧げれば。
「フェン!フェンフェン!」
「フェフェン!フェンッ!」
「フェンフェーン!!」
 揺れる白き草の影から飛び出す、黒き毛むくじゃらの猿めいた生物の群れ。そう、それこそは。
「お祖父様、貴方のお力、お借りします。かの猟兵達を、打ち倒す為に」
「「「フェンフェフェーン!!」」」
 豊臣秀吉――『魔軍転生』によって孫のもとへ蘇った祖父。その分け身達が一斉に応え、猟兵達を迎え撃つべく飛翔してゆく。
「願わくば、我らの勝利がここに記されていることを」
 全ては、『ぱらいそ預言書』の思し召し――
 クルセイダーもまた、槍を構えて駆け出してゆく。

「来ましたよぉ!秀吉さん…がいっぱいですぅ!」
 いち早く変化を見出したるこるの呼びかける声。あまりといえばあまりなその様相に、声音の驚愕が隠しきれていない。
(…しかし、あの謎生物の孫が、普通の人間?…)
 ガルディエにとっては一年ぶりに目にする秀吉の姿。やはり明らかに人間とは思えないその姿。一方でその先に見えるクルセイダーは、少なくとも見た目は普通の人間。やはり困惑を感じずにはいられないものである。
「軍団を以て攻め来るか、なれど切り開くのみよ!行くぞ!」
 だが薙刀を構える小百合子の勇壮なる声を聞けば、其方こそが先決と判じて。ジレイザとレギア、魔槍斧と魔剣を両の手に構え、共に敵中へ飛び込んでゆく。
「フェンフェン!フェーン!」
「フェフェンフェーン!」
 勇ましき鳴き声を上げながら、猟兵達を包囲にかかる秀吉達。その鳴き声は明らかに人間の言葉でないにも関わらず、そこに籠められた意味を三人ともが理解する。
「我が孫の望みのため、ここを通すわけにはいかん…ということでしょうかぁ」
 るこるが戦輪を振り回せば、その軌跡上の秀吉達が斬り裂かれ消えてゆく。だがその後ろから更なる敵襲。
「ええい小さな猿共め!わらわらと群れおって!」
 そこへ切り込むは小百合子、薙刀を脇構えとし、疾走してきた勢いそのままに力強く踏み込む。全身の発条を以て、薙刀を前方目掛け振るい。腰を入れることで更に加速。後方より右方、前方を一気に薙ぎ払う。軸足を支点に身を旋回、勢いを殺すことなく左方、後方を薙ぎ。逆足で今一歩踏み込むことで再加速、己の右方180度を再度薙ぐ。
 直径にして二間近く、周囲に群れていた秀吉達が、竜王御前の刃と伴う剣風によって斬り裂かれ、吹き飛ばされて消失する。その向こう、十字槍を構え向かい来る敵将の姿。
「猿共はわらわに任せよ!お主らは奴を!」
「おう!任せとけ!」
「厄介ですが、出来ることは致しましょう」
 開いた穴を埋めんと尚群れる秀吉達を薙ぎ払いながら、小百合子が叫ぶ。応えるガルディエとるこる、黒猿の群れを突破し、かの猟書家と対峙する。
「来ましたね、猟兵達!ですが、私の邪魔はさせません!」
 十字架の意匠の槍が、ガルディエ目掛け繰り出される。命中した者に骨溶かす光線を放つという凶槍。決して喰らうわけにはいかない…が。
(速い…!)
 華奢とすら言える細腕からは想像もつかぬ、鋭く力強い刺突。咄嗟の見切りで魔剣を構え受けるも、止められたのは十字の横刃。その穂先は――ガルディエの肩へと届いていた。
「捉えました…!謳え、人間無骨!!」
 クルセイダーが叫ぶと同時、金色の刃が眩く輝き、生じた光がガルディエの身に刺さった穂先へと猛烈に流れ込む。
「ぐぉぁぁぁぁぁ…!ぁ、が、ぁぁ…っ…」
 ガルディエの苦悶の咆哮は中途で止まり、痙攣じみた身の震えも同じく。四肢は力を失い、だらりと垂れ下がった両手から魔槍斧と魔剣が落ち、鎧に包まれた全身も崩れ落ちて。全身の骨を失った彼の身は、もはや皮の中に肉を詰めた塊も同じであった。
「ガルディエさ…きゃうっ!?」
 その無残な有様に、るこるが声を上げる間もなく。彼女にも続けざまの凶槍の刃が襲い掛かる。咄嗟に戦輪の出力を高め上空へ逃れる。
「彼は最早動けず、次は貴女です。空中に逃れたとて、そう長く逃げられると思わないことですね」
 るこるは浮遊砲台を呼び出し熱線の雨を降らすも、クルセイダーは巧みな体捌きで熱線の合間を駆け。雨が止んだと見れば加速を乗せて跳躍。なれどその速度、るこるの高さまで届くものではない――そう見えたが。
「お祖父様!!」
「フェンッ!」
 呼びかけに応えた秀吉の一体が、クルセイダーの足元へ飛び来たる。そして己の全身の弾力を使って、孫を更なる高度へ跳躍させた!
「おのれ、逃しておったか…!」
 地上、秀吉の群れと斬り結ぶ小百合子がその様子を見上げ悔しげに唸る。だが背後より迫る気配。向き直りながら薙刀で斬り払う。今は此方へ対処するより他にない…!
「言ったでしょう、空中とて安全ではないと!」
 再度空中、クルセイダーがついにるこるを槍の間合いに捉える。凶槍が唸りを上げて突き出され、るこるの肢体を貫かんとし――
「ぐっ!?」
 突如地上から飛来した『何か』に弾かれ、その切っ先はるこるの身を捉え損ねる。『それ』は空中で回転すると、その先端を不意の衝撃で姿勢崩れたクルセイダーへと向ける。
「これは…!」
 るこるが驚愕する。『それ』は斧・鉤爪・槍を複合した魔槍斧――ガルディエの得物たるジレイザ、そのものであったのだ。
 魔槍斧が突撃する。クルセイダー、槍の柄で咄嗟に食い止めるも止まったのは斧部分。槍部分がクルセイダーの肩を穿ち、流血を強いる。その衝撃は重力との合算で下方への強力な引力と化し、その身を一気に地面へと叩き付けた。
「ぐ…っ。これは一体…まさか!?」
 呻きながら身を起こすクルセイダーが、何かに気付く。ガルディエがいた方向を見る。そこにあったのは、彼が纏っていた甲冑、ただそれだけ。骨を失った彼の肉体は跡形も無く――
「ぐぁぁっ!?」
 その時駆け抜けた雷電が、クルセイダーの身を貫き灼く。その場に残る誰が術者とも思えぬ、彼の周囲で荒れ狂う雷と念動力。それこそが、ユーベルコードで変じた今のガルディエの姿。元より骨持たぬものへと変ずれば、骨を失っても戦える――その結果の策であった。
「成程、骨を溶かせば勝ちと思った私の失策…ぐっ、ぅ…!」
 苛む雷を払わんと槍を振るうクルセイダーだが、そこに念動力で操られる魔槍斧と魔剣が飛来。槍による牽制の合間に突き込まれ傷を増やす。更に。
「今こそ好機…ですねぇ」
 ガルディエの攻撃に対し十全に対抗できぬクルセイダー。更なる追撃を加えるなら今だ。るこるが両手を合わせ、祈りの姿勢を取ると同時。浮遊砲台群がクルセイダーの周囲を囲むように熱線を放つ。それは即ち逃げ道を塞ぐ包囲攻撃。
「大いなる豊饒の女神の名に於いて、仇なす者達に厳格なる裁きを――!」
 そしてるこるの全身から乳白色の波動が放たれる。それを浴びたクルセイダーの全身がびくり、と一際大きく震えたかと思うと。
「…がぁぁぁぁぁっ!!?」
 苦悶に満ちた声と共に喀血、のたうち回りそうになるが…その身は今や身動き一つも侭ならない。彼は今、るこるの形成した超重力に囚われた上で、体内に生えた棘にその身を引き裂かれているのだ。
「やはり、効果は覿面ですねぇ」
 その成果に頷くるこる。そのユーベルコードの威力は、対象の話したオブリビオンの数と、対象の強さに依存する。秀吉という意思疎通可能なオブリビオンの群れを従え、且つ高い力量を持つクルセイダーは、このユーベルコードに対し極めて不利な存在と言えた。
「フェンッ!?フェフェン!」
「フェーンッ!!」
 そして呼び出された秀吉達も、孫の危機に気付けば即座に彼を助けに駆け出さんとする。小百合子に背すら向けて。
「ふ、やりおるではないか二人とも。なれば、わらわも切り札を切る時よな!」
 何が起きたかを理解した小百合子は、残り彼女の足止めを試みんとする秀吉達を薙ぎ払いつつ詠唱開始。随分と数の減った秀吉達、少数のこれらを凌ぎつつ詠唱を重ねることも、小百合子には十分可能だ。
「わらわにはこうした業もある。背中を向けたはお主らの失策よ!」
 小百合子の瞳に白き光が満ちる。見据える先には秀吉達、その中心にクルセイダー。
「我は放つ、輝く神鏡に当てられし聖なる光の柱…貫け!!」
 そして光が溢れ出せば、前方を薙ぎ払うは聖気と祝福に満ちた光。秀吉達を、クルセイダーを、纏めて飲み込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天御鏡・百々
ようやく真の天下泰平の世が到来したサムライエンパイアで騒乱を起こすなぞ、言語道断なり!
信長や秀吉の如く、骸の海に還してやろうぞ!

それが魔軍転生の力か!
これほどの数の秀吉は厄介ではあるが
攻略する手段が無いわけでは無い

跳ね回る秀吉の攻撃を
本体の神鏡より放つ光の目潰しと
全周に展開した神通力(武器)の結界で対処だ(オーラ防御103、結界術13)

そして、『神扇天津』を桜の花びらに変え
『神扇花吹雪』で秀吉の集団を攻撃だ(破魔110、なぎ払い35)
避けようのない密度の桜吹雪で
防御力の無い秀吉達を殲滅だ!

そのままクルセイダーも桜吹雪でやっつけてやろう!

●アドリブ、連携歓迎
●本体の神鏡へのダメージ描写NG


ハロ・シエラ
とんでもない光線ですね。
手や足ならまだしも、頭蓋骨を溶かされたら生きてはいられない……警戒が必要ですね。

この光線は槍の攻撃を受けなければ何とか出来るでしょうが、その槍をどうするか、です。
リーチに差があるので、まずは待ち構えましょう。
槍の動きを【見切り】レイピアで【武器受け】します。
槍をレイピアに命中させたら、光線はそちらに向かうはず。
槍の勢いも利用してレイピアをわざと遠くに飛ばせば、光線を撃っても撃たなくても少しは隙を見いだせるはず。
そこにつけこみ、槍の間合いの内側に踏み込んで【早業】で抜いたダガーによるユーベルコードで攻撃します。
ダガーを【隠し】ておければ【だまし討ち】にもなるでしょう。


真宮・奏
あ、秀吉のお孫さんですか。お爺様に似ていませんね?サムライエンパイアに戦乱はいりません。

飛んでくる物に何だか既視感があるんですが、大人しくそのまま喰らう訳にはいきませんので、【拠点防御】【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】でダメージを軽減して、【衝撃波】で敵を吹き飛ばします。次の攻撃が来る前彗星の一撃を使用、上空から攻撃を叩き込みます!!敵はオブリビオンフォーミュラにもなれる強敵、手は抜けませんので!!



「…く、流石に信長を倒しただけのことはありますね…」
 白の草原に横たわっていた身を起こす、猟書家『クルセイダー』。その着衣の所々が焼け焦げ、出血もあるが、未だその身に宿る力に陰りは見えぬ。
 立ち上がり、携えた侵略蔵書『ぱらいそ預言書』を捲る。その記述に目を通し、再び閉じる。
「『ぱらいそ預言書』はかく語れり――」
 そして向き直る。預言書に記された次なる猟兵達は、既にそこに居たが故に。
「あなたが秀吉のお孫さんですか。お爺様に似ていませんね?」
 白鎧の少女剣士、真宮・奏(絢爛の星・f03210)が不思議そうに問う。が、答えは特に求めていないようで。
「まあそれはともかく。サムライエンパイアに戦乱は要りません」
「その通りです」
 言い切った奏に続いて、黒き軍服の少女剣士、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が口を開く。
「折角オブリビオン・フォーミュラを倒し平和になった世界に、争いを起こそうなどと。許すわけにはいきません」
 そしてそんな二人の間より一歩前に進み出るは、神鏡の化身、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)。
「ようやく真の天下泰平の世が到来したサムライエンパイアで騒乱を起こすなど、言語道断なり!信長や秀吉の如く、骸の海へ還してやろうぞ!」
 力強く語る百々の言に、クルセイダーの眉がぴくり、と跳ねる。
「…真の天下泰平と?」
 続いて漏れた声音は重く、冷たく。そこに滲むは、深く暗い憎悪。少年の貌が歪む。
「弱者を踏み躙り、信仰に生きることさえ許されず。権力を脅かす者は地の果てまでも追い詰め殺さんとするかの国が、天下泰平などと」
 嘲りを隠しもせず、猟書家は語る。かの世界の欺瞞を、偽善を。
「真の天下泰平は私の手にて齎すもの。徳川の世を終わらせ、完全なる楽土をかの世界に築く。その為の『ぱらいそ預言書』」
「フェン!フェンフェーン!」
 鳴き声めいた声と共に、クルセイダーの周囲に漆黒の猿めいた生物の群れが現れる。豊臣秀吉、かつてサムライエンパイアを脅かした魔軍将の一人にしてクルセイダーの祖父――とされる存在。複製されたそれらが、孫を守るかのように陣を張り。
「全ては『ぱらいそ預言書』の思し召し、かの国の滅亡は既に定まった。そして、貴女方も」
 携えた十字槍、『人間無骨』の銘を持つそれを突き付け、号令を発する。
「さあ参りましょう、お祖父様。偽りの平安を良しとする者共、討ち滅ぼしましょう!」
「「「フェフェフェーン!!」」」
 秀吉達が一斉に応え、三人の猟兵を目掛け駆け出す。その様、まさに雲霞の如く。その数、もはや数えきれぬ。
「これが魔軍転生の力か…!」
「なんて数…!」
 あまりにも圧倒的なその数に、百々もハロも驚愕を禁じ得ない。だが、ただ驚いているだけではない。
「大人しくこのまま喰らうワケにはいきませんので!」
「フェーーン!?」
 跳ねるような跳躍から飛び掛かってきた秀吉、振り下ろされた拳を盾で受け止め、衝撃波で吹き飛ばしながら奏が叫ぶ。
「ああ。確かにこの数は厄介ではあるが、攻略する手段は無いわけではない」
 百々を目掛け飛び掛かってきた秀吉達。その時、百々の背後から浮かび上がってきた円い鏡――ヤドリガミたる百々の本体、百年を超える時経た神鏡が閃光を放ち、旭日の眩しさを以て秀吉達の目を灼く。
「フェェェェェ!」
「フェ、フェーン!」
 目を灼かれた秀吉達が悶えるその間に、百々の周囲へ見えざる力場が展開されてゆく。それは彼女の神通力。広がった力は結界となって、続く秀吉達を押し留める。
「フェンッ!?」
「フェン、フェフェーン!」
 結界を突破せんと拳を振るい、体当たりを繰り返す秀吉達。響く打音が衝撃の強さを物語るが、数多の戦い経て高まった百々の神通力にて成る結界は、彼らとてそう容易く破れるものではない。
 そして、それは猟兵達にユーベルコード発動の時間を与えた。
「流石にフォーミュラの座を簒奪しようとしている存在、手は抜けませんね…!」
 奏が片手を上空に掲げると、上空にて無数の星々が輝く。いや、それは星ではない。星の光を纏った剣だ。それらが空に幾何学模様を描きながら、大地を目掛け飛来してくる!
「ちょっとぶっ飛ばしますよ!いっけーーーーっっ!!」
 そして奏の指が地上の一点、秀吉達の多く集まっている領域を示せば、応えた星剣達が一斉にそこへ降り注ぐ!
「「「フェフェーーーーン!!?」」」
 合計800本以上の星剣からなる光の雨。地に突き刺さる衝撃が、一帯の秀吉達を纏めて吹き飛ばし。秀吉に埋め尽くされつつあった戦場に空白が生じる。
「やるではないか!なれば我も続こう!」
 その戦果に感嘆の声を上げつつ、百々もまた攻めに転ずる。掲げるはかの神界の神々の手になるとされる神扇『天津』。
「天より伝わりし我が扇よ、桜花となりて舞い踊れ!」
 ユーベルコードを籠めれば、神扇は無数の桜花と変じて渦巻き始める。籠めた力の程の強さか、舞い踊る花弁の密度は視界を埋める程に凄まじく。
「フェンッ!」
「フェ、フェェェン…!」
 半径80m超、その全てを高密度の桜吹雪が席捲し。一撃受ければ消えてしまう程度の耐久力しか持たぬ秀吉達は次々と薙ぎ払われ、消え去ってゆく。
「くっ、お祖父様…!」
 そして秀吉達の消え去った向こうにクルセイダーがいた。彼もまた吹き荒れる桜花の嵐に襲われ、槍を旋回させ旋風の盾と成すことで凌いでいる。
「よし、仕掛けます…!」
 その姿を認め、ハロが駆け出す。迎撃せんとする秀吉達は桜吹雪と星剣とに吹き飛ばされ、彼女を妨げるものはもはや無く。瞬く間にクルセイダーへと肉薄する。
「来ましたか!ですが真正面からとは!」
 旋回させていた槍を、その勢いを殺さぬ形で構え直し、そのまま刺突を繰り出すクルセイダー。その速度は凄まじく、だが大振りゆえに見切りは困難とまではいかず。
「愚かと思いますか?ですが、これが私の戦い方です!」
 リトルフォックス、の銘を持つレイピアを掲げ、迫る十文字槍の交点に柄を当てる形で受け、そのまま外側へ槍を受け流す…が。
「あうっ!?」
 あまりにも強烈な刺突、その勢いが彼女の手からレイピアを弾き飛ばしてしまう。
「この結果を愚かと言わずして何と言うか!骨も残さず果てるが良――」
 丸腰ならば最早己の槍をかわす手段は無い。クルセイダーは槍を引き、十字の横刃を以てハロを裂かんとして――
「ぐぁ…っ!?」
 突如、胸に走る痛み。腹から胸にかけてを駆け抜けた白刃。飛び散る鮮血。
「言ったはずです。これが私の戦い方と。得物を弾いただけで勝利を確信したなら、それこそ愚かというものです」
 クルセイダーの間近、懐からハロの声。サーペントベイン、蛇の血と毒で鍛えられた短剣を振り抜いた姿勢で、彼女はそこにいた。ユーベルコードを乗せた一閃、手応えは確かに。
「そして、汝の意思一つにて世界を玩弄しようなどとは愚かの極み!」
「サムライエンパイアの平和の灯!消させはしませんから!」
 ハロが飛び退いた直後、桜花の嵐と星剣の嵐が、クルセイダーの周囲に巻き起こり。その身を斬り裂いていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

メイスン・ドットハック
【SPD】【絆】
未来を読むとか厄介この上ないのー
攻撃はともかく回避の行動まで活用されると厄介じゃのー

先制対策
二足歩行戦車に搭乗して参戦
装甲ダメージは覚悟で敵の攻撃の回避行動に出る
未来予測型AI・現状解析AIもフル起動して、完全回避ではなく被弾効率が少ないルートを選んで行動させる
回避行動の際にも、牽制の意味でミサイルや榴弾を敵に放ち爆発させることで少しでも預言書を見る時間を削る

先制後はUC発動で帝竜ワームを呼び出し、雷雲の雲にて力を貯めさせる
力をチャージすると共に、エィミーが昏睡状態に陥ると同時に最速の雷のブレスを叩き込む

その侵略蔵書を読む時間すら与えんからのー!

アドリブ絡みOK


エィミー・ロストリンク
【SPD】【絆】
未来のことがわかっちゃうなんてずるい!
ずるいけど、わたしのやれることはやるよ!

先制対策
メイスンの二足歩行戦車の肩に乗って参戦
敵の未来記述に基づく攻撃に対し、ロード・プラチナの宝冠で生み出した超硬装甲を展開することで防御面担当をする
特に足とパイロット席を重点的に守り、行動不能に陥らないように、全力でサポートする

先制後はUC発動、6倍になった能力でオルトロスの弾を高速生成して惜しまず敵に連射しまくる
ナノシリアに乗ってからの増幅効果でさらに弾幕を厚くする
預言書を読ませる時間を与えないほどの弾幕で、昏睡するまで続け、メイスンに後を託す

お義姉ちゃん、後は任せた……

アドリブ絡みOK



 白の草原に赤が広がる。それは猟書家クルセイダー、彼の流した血に他ならず。
「くっ…こうまでやられるとは…見くびってはいないつもり、ですが」
 なれど、未だ戦に障りは無し。自らの足で立ち上がる。
 と、地に落ちていた侵略蔵書がひとりでに捲られるのを彼は見る。開かれた頁に記された記述へ目を通し、読み上げる。
「――『ぱらいそ預言書』はかく語れり。紫鋼の騎兵、白き絆の少女。襲い来るなり――」
 直後、草原に響き渡る重々しい振動。振り向けば、まさに紫の鋼鉄が、かの猟書家を目指し迫って来ていた。

「見えたよ、お義姉ちゃん!あれが猟書家クルセイダー!」
 疾走する鋼鉄、人型二足歩行戦車『KIYOMORI』。その肩の上に座る少女、エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)がクルセイダーの姿を認め、声を上げる。
「こっちも確認済みじゃけー。仕掛けていくとするかのー」
 戦車の中から響く、訛りの入った声音が応える。搭乗者たるメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。気だるげな声音は、しかし、眼前の猟書家を確実に打ち倒すという決意をも帯びて。
「目標捕捉――ミサイル発射じゃけー」
 気だるげな声と同時、エィミーが座っていない側の肩部装甲が開き。無数の電脳マイクロミサイルが射出され、噴煙棚引かせかの猟書家目指して飛んでゆく。
「成程、鋼鉄の鎧。スペースシップワールドにあるという人型機動兵器の類ですか」
 迫るミサイルを確かめたクルセイダー。片手の侵略蔵書を広げて。
「『ぱらいそ預言書』はかく語れり――」
 草原の大地へ着弾、爆炎を噴き上げるミサイル。だがクルセイダーはその爆風にすらも掠らぬままに回避、疾走。自らメイスン達へと肉薄してゆく。
「来るよ、お義姉ちゃん!守りは任せて!」
「んむ、信じとるけー」
 瞬く間に槍の間合いまで踏み込んできたクルセイダー、なれどそこまではメイスンもエィミーも想定の内だ。メイスンは『KIYOMORI』の両腕より青白い光の刃を展開、クルセイダーへと斬りかかる。
「何の!」
 振るわれる刃を、クルセイダーは身を屈め回避。そのまま十字槍を突き出す。狙うは膝、機動を殺さんとする一撃が放たれ。
「させないんだから!」
 突如、膝に生じた超硬装甲に弾かれる。それはエィミーの頭に輝く白銀の冠に宿る権能。帝竜プラチナ、金属統べる帝竜の力が生んだ装甲だ。
「くっ、硬い…」
 呻くクルセイダー、そこに襲い来る蒼き光刃。飛び退きかわすと同時に、歩行戦車肩部より放たれる榴弾がクルセイダーを狙う。
「その程度は!」
 十字槍を振り上げ榴弾を両断。爆風には逆らわず距離を取り、負傷を最低限に。追撃のミサイル。クルセイダー、預言書に目を通した後疾走、掻い潜って狙うはパイロット席と思しき部位。
「危ないっ!」
 エィミーが再度超硬装甲を形成し防御を試みる。だが槍の狙いは直前で変更。歩行戦車の右脚に、十字槍の穂先が鋭く突き刺さる。
「…っ!」
 メイスンが唸る。未来予測AIと過去分析AI――かつてスペースシップワールドで相見えた銀河帝国の二大巨頭、彼らを参考とした補助AIの警告に基づき咄嗟に脚を引いたおかげで駆動系の損傷は免れたが。隙を突かんと振るったレーザーブレードは余裕を以て回避される。
「分かっとったが未来を読むとか厄介この上ないのー」
「未来のことがわかっちゃうなんてずるいよね!」
 攻撃に、回避に、両面に活用し一方的に攻撃を当ててくる。このままではじりじりと不利になっていくばかりだ。ならばどうするか。
「よっし、わたしも攻めるよ!お義姉ちゃん、あの作戦で!」
「了解じゃけー」
 エィミーは跳躍すると同時にユーベルコードを発動。全身に装備したメガリスから、膨大なる魔力が溢れ出す。
「絆は失われない…皆、力を貸して…!」
 応えるかの如く飛び出してくるは海竜、その姿を取ったメガリス。エィミーを背に乗せて、白き野の上空へ飛び立つ。
「さあ、この攻撃、読めるものなら読んでみなさいっ!」
 構えるは漆黒のガトリングガン型メガリス。ユーベルコードによって高まった連射力から吐き出される無数の弾丸が、驟雨となってクルセイダーへと襲い掛かる。
「手数で攻めるというわけですか、しかし攻撃範囲の予測程度は…!」
 撒き散らされる攻撃にも、クルセイダーの身に傷はつかず。攻撃範囲すらも完全に予言されているというのか。
「なら、こっちももう一手加えていくかのー」
 メイスンが呟いたその直後。その背後に沸き立つ、黒き雷雲。その中心に浮かび上がる、蒼き長大なる肉体の竜。
『不遜にも私を呼ぶか、小さきものよ』
 それは帝竜ワーム、帝竜戦役にて相まみえた十と一の帝竜の一体。これはあくまでも培養体であるが故、力は本物には及ばぬが…それでも力ある存在には相違なし。
「チャンスが来るまで力溜めといて欲しいのー」
『…良かろう』
 なれど今は攻撃には出ぬ。雷雲の中に留まり力を溜めさせる。そしてメイスンもまた攻勢に出る。
「くっ…ここまで来ると、流石に…!」
 ガトリングガンの弾幕に加え、ミサイルと荷電粒子砲の砲撃も重なる。ぱらいそ預言書の記述を頼りに回避を繰り返すクルセイダーだが、続く予言を読む余裕が無い。
「その侵略蔵書を読む時間すら与えんからのー!」
 それこそが二人の狙い。預言書に目を通せねば未来を知る術は無い。絶え間ない攻撃はいずれも無視できぬ威力。負傷覚悟で預言書を読むことはできない。だがこのままいけば…
「…ぐっ!」
 ガトリングガンから放たれた弾丸の一群が、クルセイダーの身を捉える。一瞬、彼の足が止まる。一瞬、なれど十分に過ぎる時間。
「お義姉ちゃん!」
「ワームよ、今ぞ好機じゃけー!」
 控えていたワームに呼びかけるが早いか。雲海の中より放たれた、薔薇の香気帯びる雷のブレス。刹那にも及ばぬ速度を以て、かの猟書家の身を貫いたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

備傘・剱
…秀吉の、血族、なの、か?
ど、どういう家族構成なのかは…、うん、考えちゃだめだね

対人間無骨
十字槍を警戒し、使ってくる気配を感じだら、結界術と念動力で抑えつつ、オーラ防御を張って、空中浮遊で射程外に避難

預言書
衝撃波、呪殺弾と、誘導弾を、十字砲火を行い、移動した先に、ブレス攻撃を行う
野生の勘を頼りに、頭の上の一足りないのダイス攻撃を行わせる

秀吉装
衝撃波、誘導弾、呪殺弾、ブレス攻撃による飽和攻撃を行い、接近した奴に、カウンターで一撃を食らわせる

全てをかわしたら、全兵装を起動、それをフェイトに、スライディングで接近、グラップルで組み付いて動きを制限した所に黒魔弾を叩き込んでやる

アドリブ、好きにしてくれ


オリヴィア・ローゼンタール
その魔書で読めるのは何手先ですか?
絶え間なく連撃を叩き込み、先の頁を読む暇を与えません

【視力】で槍を【見切り】、【聖槍で受け】流す
反撃に【怪力】を以って聖槍を振るい、怒涛の如く斬り打ち穿つ
僅かなでも傷を受ければ魔の光に内側から蝕まれ、全身から力が失われ、だがしかし

――まだだ! 発動する【因果超越・永劫の勇士】

極限を越えた【限界突破】により、【気合い】と根性で致命傷すら捻じ伏せる
肉が裂け、骨が溶けようと――たかがその程度、槍を収める理由になりはしない!

激烈なる【ランスチャージ】
互いが互いの槍で貫かれ身動きのできない零距離、渾身の【頭突き】
これなら魔書を読む暇もないでしょう?
さぁ、根性比べです


月舘・夜彦
豊臣秀吉の孫となれば、徳川を狙うのも頷けますが
サムライエンパイアへ侵攻、此方も黙って通す訳にはいきません
――御覚悟を

初撃の槍は早業の抜刀術『八重辻』にて対抗
視力にて槍の動きを読み、見切り併せ武器落としにて払う
ほぼ攻撃を無効化できたとしても、当たれば無事では済まない
一筋縄ではいかないのは承知
2回攻撃にて手数を増やし、攻撃を弾く

負傷は激痛耐性にて耐え、敵の初撃を凌いだ後はカウンター
2回攻撃を基とし、なぎ払いにてより広い範囲で刃を届かせる

その後は継戦能力と生命力吸収にて敵に攻撃を与えながら体力を回復
敵からの攻撃は残像と見切りより回避、困難なものは武器受けにて防御
常に敵との距離を詰め、接近戦に持ち込む



 白き野を三人の猟兵が駆ける。迎え撃つは十字槍と魔書携えし少年。猟書家クルセイダー。
「しかし秀吉の血族か…どういう家族構成なのかは…」
 そこまで考えて、備傘・剱(絶路・f01759)は思考を打ち切る。今考えるべきはそこではない、と。
「その辺が如何であれ。豊臣秀吉の孫となれば、徳川を狙うのも頷けますが」
 黙って通すわけにはいかぬ、と月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は前方のクルセイダーを見据える。
「猟兵ならばそうなのでしょう。ですが徳川の世を終わらすことこそ我が望み」
「その邪悪を滅ぼすことこそ!私の望み!」
 少年の言葉に半ば被さるが如くオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は吼える。柔和な表情に似合わぬ苛烈な声音は闘志を帯びて。
「真に邪悪なるは果たしてどちらか。――押し通る!」
「御身をサムライエンパイアへ至らせはしません。――御覚悟を」
 十字槍が稲妻じみた速度を以て繰り出される。夜彦、両の脚にて確と地を踏みしめる。腰の愛刀、その柄と鞘とを左右に握る。抜刀、曇り無き刃の速度は光の如し。十字架を模す槍の穂先に横薙ぎの刃。十字の横刃が絡むも押し負けることなく、槍穂を外へと弾き出す。
 クルセイダー、その勢いを逆に利し一回転、側面よりの奇襲を試みた劔諸共薙ぎ払わんとする。劔、咄嗟にオーラの力場を展開。弾かれるが如く距離を取り凶槍の薙ぎを回避。夜彦の振るう刀と噛み合い弾きあう。
 そこへ踏み込むはオリヴィア。破邪の聖槍、その黄金の穂先が猟書家を貫き穿たんと突き出される。クルセイダーは身を横向け回避、開いた『ぱらいそ預言書』の記述に視線を走らす。
「『ぱらいそ預言書』はかく語れり――」
 そこへ黄金の穂先の横薙ぎ。飛び退いたところに降り注ぐは劔による衝撃波と呪殺弾の十字砲火。逆に踏み込んでかわしつつ、再度夜彦へと刺突を繰り出す。抜刀術にて逸らされた刃を引く。手応え。夜彦の脇腹が裂け、鮮血が零れる。
「く、そうでしたね…それは十字槍…」
 突けば槍、薙げば薙刀、引けば鎌。多彩なる攻撃を実現するその武器。逸らしたとて安心はできぬ。ユーベルコードを籠めた攻撃でなかったのが救いか。
「攻めさせてはいけません、此方から攻めるのです!」
 声と共にオリヴィアは再度クルセイダーへ攻め寄せる。彼女の得物たる聖槍、その黄金の穂先には横刃こそないものの突・斬・打をこなす多機能な代物。手数を重ね怒涛の如く斬り打ち穿つ。
「その魔書で読めるのは、果たして何手先までですか?」
 いずれにせよ、要は読む余裕を与えねば良い。劔と夜彦も加わり、射撃と槍撃、斬撃による波状攻撃がクルセイダーを攻め立てる。
 だが当のクルセイダーは平然とそれらを躱し続ける。その全てが分かっているかの如く――否、実際に分かっているのだ。
「貴方方が斃れるまでの全ての手、既に私の思考の内に在り」
 オリヴィアの刺突を大きな横への跳躍で回避。その先には劔。その動き、一瞬で彼との間合いを詰めた形でもあり。
「貴方がそこから動かぬことも」
「が…っ!」
 着地と同時に繰り出された突き。劔は咄嗟に障壁形成し防御するも、勢いに大きく弾かれる。
「貴方がそのフォローをせんとすることも」
「ぐっ…!?」
 十字槍の横刃の一撃が、まさに劔への追撃を止めるべく割って入ろうとした夜彦の肩へ突き刺さる。
「そして貴女が追撃を試みることも」
「ぐ…ぅっ!?」
 そこへ踏み込んだオリヴィアの刺突に対して、カウンター気味の刺突を繰り出す。その刃は狙い違わず、オリヴィアの胸を貫いて。
「――全ては『ぱらいそ預言書』の思し召し」
 流れる血、四肢より失われゆく力。以て彼女はこの戦いより脱落し――

「――まだだ!!」

 先程にも増して力籠る声音で、オリヴィアは吼える。槍を抜く。流血は止まらねど、その身の力は先程までにも増して滾って見え。己の生命の、存在の、あらゆる限界を突破するユーベルコード。因果を超越して悪を滅するべく戦う永劫の勇士が、其処に在った。
「――そうでしたね」
 夜彦も持ち直す。元より、この程度の激痛など問題にはならぬ。
「ああ、何度でも、何度でも!お前が斃れるまで、やるだけだ!」
 劔がクルセイダーを目掛け衝撃波を乱れ撃ちながら戻り来る。
「愚かな、貴方方の手の内は全て…っ!?」
 速い。預言書の記述より尚速い、オリヴィアの攻撃。これが限界を超えた者の攻勢か。そこに劔の弾幕、夜彦の刀が加われば、猟書家は攻勢に出ること叶わぬ。
「くっ…!その傷で何故、そこまで動ける…!?」
 回避を強いられつつもクルセイダーは刃を振るう。オリヴィアには幾度も突き刺さるものの、彼女に倒れる気配はない。
「たかがこの程度の傷!槍を収める理由になりはしない!!」
 咆哮じみて叫ぶ。眼前に倒すべき敵がいるならば。彼女は何度でも、何度でも立ち上がってみせる。
「帰る場所、守るものがあるならば。私とて倒れるわけにはいきません」
 そこに振るわれる夜彦の刃が、ついにクルセイダーを捉える。肩を裂き、流れた血は力として刃を通し夜彦へ。
「何もかも失った俺だけどな!それでも捨てたくねぇモノの一つや二つはあるんだよ!」
 徐にクルセイダーの足元へと滑り込んだ劔が、その足を取って固めにかかる。抵抗を試みるクルセイダーであったが、それ故に、迫る一撃に気付くのが遅れ。
「この一撃で…滅びなさい!」
 オリヴィアの、渾身のランスチャージ。そして劔が足元から放つ黒の魔弾。胸を撃ち抜かれ、そしてそこへ更に重なるは激烈なる槍突進。クルセイダーの胸を深く、深く貫き穿ってみせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

加賀・琴
豊臣秀吉の孫、ですか?
え、あのシャドウのグレイズモンキーの?……ぐれいずもんきー?はて、私は今いったいなにを?
ともあれ、あれの孫にはとても見えないのですが……

祖父と言いながら、その豊臣秀吉をこんな雑に使役するのはいいのですか?
まぁ豊臣秀吉が召喚されたら、天女の羽衣で宙に舞い上がって空に逃げます。出来るだけ引き付けてから飛んだ方が反撃が楽ですかね?
流石に豊臣秀吉達が空を飛ぶことはないはず、そう思いたいです
無事、空に逃げられたら真下の豊臣秀吉達に向かって【破魔幻想の矢】を放ちます、そして素早く次の矢を番えて2回攻撃による2射目の【破魔幻想の矢】を放ちます
破魔の矢の雨あられです、魔軍には効くでしょう


バーン・マーディ
クルセイダー…
そうか…クルセイダーか

我はバーン・マーディ
ヴィランの…リバースクルセイダーである

対POW
【オーラ防御】展開
【戦闘知識】でクルセイダーのその戦い方と構えの癖を把握
魔剣と車輪剣を利用しての【武器受け】で受け止め即座に手放し追加攻撃を逸らさせる

恐るべき槍だ
それもまた織田信長の忠臣の武器か
(素手でも尚怯む様子はなく

止めに再度人間無骨を放つならば今度こそ

大いなる叛逆発動

【カウンター・怪力・二回攻撃・吸血・生命力吸収】
そしてその人間無骨の力…光線全ての力を己の拳に込め

己のダメージはここでは顧みず唯その一撃に全てをかけ
その顔面へと叩きこみにかかる!

悪が滅ぶことが無いように!
我もまた不滅である!



「ぐっ…ぅ…」
 全身を刻まれ、抉られ。その負傷、常人ならば明らかに致命。それでもクルセイダーは立ち上がる。
「…まだです。まだ、私は…。かの国に至り、今一度…」
 十字槍を支えに立ち上がり、傍らの侵略蔵書を捲る。未だ、己の敗北は予言されておらぬ。故に。
「いいえ、ここで終わりです」
 前方より声。書より目を上げれば、二人の猟兵の姿。
「その妄念、折角平和の戻ったかの国へ持ち込ませるわけにはいきません。ここで、断ち切ります」
 一人は巫女姿の女性、加賀・琴(羅刹の戦巫女・f02819)。凛とした声音で宣言する。
「…クルセイダー。クルセイダー――か」
 今一人は黒鎧の偉丈夫、バーン・マーディ(ヴィランのリバースクルセイダー・f16517)かの猟書家の名には思う処ある様子。即ち。
「…我はバーン・マーディ。ヴィランの…リバースクルセイダーである」
 奇しくも、かの猟書家の反存在が如き異名を有するが故。
「…成程。私の命だけではない。私の信仰をも蹂躙し、滅ぼそうとでもいうのですね」
 巫女と、暗黒騎士。己の信仰とは明確に相容れぬ存在。故に、クルセイダーはそう認識した。己の信仰――精神すらも否定せんとする存在であると。
「…私は、負けません。貴方達のような存在にだけは」
「フェン!」「フェフェーン!」
 決然と呟く。応えるように周囲へ現れるは無数に増えたる彼の祖父、かつての隠し将、豊臣秀吉。
「かの国へ真の安寧齎すまで!私は負けません!!」
「「フェンフェンッ、フェーン!!」」
 孫の吼えるに応え、秀吉達が一斉に駆け出す。その物量を以て二人を圧し潰す為に。
「良かろう、なれば我が貴様へ引導を渡してくれよう!」
 バーンも応え、両の手に二刀を構える。禍々しき覇気と神気纏う魔剣と、かつてキマイラフューチャーにて相見えたスピード怪人の遺品とされる車輪剣とを構えて。
「おおおお!!」
「「フェーンッ!!」」
 二刀が振るわれるたび、何体もの秀吉が吹き飛び、消えてゆく。だがそれさえも些末という程、秀吉の数は膨大。バーンを包囲し、更に琴へも迫る。
「…これの孫とはとても見えないですが」
 纏っていた羽衣で上空へと飛び上がり、琴は呟く。飛翔は叶わぬだろうと見ての行為であるが。
「お祖父様、追撃を!」
「フェフェン、フェーン!!」
 飛翔できずとも跳躍は可能。上空の琴をも脅かさんばかりの跳躍攻撃を幾度も繰り返し、彼女を地に引き落とさんとする。
「お祖父様と言いながら、雑な使役の仕方ではないですかね!」
「使役とは失敬な。要請と言って欲しいですね!」
 琴の疑問に反論気味に応えるクルセイダー。当人的には使役という意識はない様子。
「まあいずれにせよ、やることは同じです」
 空中にて構えるは藍色の和弓。番えるは破魔の神力篭めた矢。引き絞り狙うは、己へ飛び掛からんとする秀吉の群れ。
「遠つ御祖の神、御照覧ましませ!」
 己が祖神への祈りと共に撃ち放てば、その矢は二本、四本、十六本――一瞬にして360本にまで分裂し。
「「フェ、フェェェェェン!!?」」
 秀吉の群れへと散弾が如く降り注ぎ、広い範囲のこれらを一射のもとに消滅せしめた。更に。
「今一度、参ります!」
 琴は既に二の矢を構えていた。狙うはバーンとクルセイダーとを隔てる秀吉の一群。
 引き絞った矢を放つ。一瞬にして分裂する破魔の矢。バーンを中心とした範囲に着弾。一体の秀吉達が貫かれ消えてゆく。
「――見えたぞ」
 バーンの目が細められる。捉えたるクルセイダーの姿。疾走を開始。肉薄せんと駆け迫る。
「くっ、お祖父様達が…ですが!」
 無論クルセイダーも黙ってはいない。十文字槍を構え、間合いに迫るバーンを目掛け穂先を繰り出す。
(十文字槍。左右への回避は愚策。なれば)
 数多の戦闘経験より、その特性を認識するバーン。魔剣と車輪剣を盾に構え、正面から刺突を受け止めにかかる。
「その程度で、止められはしません!」
「く、ぬぅぅぅっ!」
 だが刺突の勢いは屈強なるバーンを以てすら勢い殺しきれず。上方へと逸らしにかかるものの、その拍子に二刀が上空高く吹き飛ばされてしまう。
「隙ありです!」
 完全に開いたバーンの胴を目掛け、続けざまの刺突。堅固なる黒鎧をも突破し、その身を凶槍の穂先が貫く。
「…恐るべき槍だ。そして、それを使いこなす貴様の業前もまた」
 喀血するバーン、だがその負傷に比して表情に焦りはない。まるで、それすらも己の想定の内であるかの如く。
「ッ!?謳え、人間無――」
 その違和が、クルセイダーの追撃を遅らせた。立ち直り、骨溶かす光線を放とうとしたその時には、バーンは動いていた。
「その力、その猛威に!我は今こそ叛逆せん!!」
 放たれようとした光線の力、そして今しがた受けた槍の威力。その全てを己の力と変え。渾身の右ストレートを、クルセイダーの顔面目掛け繰り出す!
「味わえ…これが、貴様の咎である!!」
「ぐふぁぁぁぁぁ!?」
 全く想定外のタイミングでの反撃に、クルセイダーは全く反応できず。顔面にバーンの硬く大きな拳を受け、端麗なる貌を歪ませて。槍をも手放し、吹き飛ばされる。
「うぐ、っく…ま、まだ…がぁっ!?」
「いいえ、貴方はもう、ここまでです」
 倒れた身に突き刺さるは琴の放った追撃の矢。その胸に幾つも突き刺さり、魔を破る力が致命を齎す。
「あ…ぐ、こ、こんな馬鹿な…まだ、まだ私は…」
 この危地を乗り越える術を求め、傍らの預言書――『ぱらいそ預言書』に手を伸ばす。ひとりでに捲られた頁の先、記されていたのは――

「……!!」

 その内容にクルセイダーが目を見開いたのと、二刀を取り戻したバーンが止めの連斬を繰り出したのは、同時であった。

『ぱらいそ預言書』はかく語れり。猟書家クルセイダー、祖神の巫女の矢と、黒鎧の悪神の剣によって、ここに斃れる――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月21日


挿絵イラスト