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迷宮災厄戦㉑~今回は速攻でぶっ飛ばしにいきます!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #レディ・ハンプティ

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「すまないねえ。どちらさんも」
 グリモアベースで慌ただしく活動していた猟兵たちに招集をかけて。椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)は申し訳なさそうに微苦笑する。
「ちょいと至急の案件だ。助けてもらえないかい?」
 そして司の口から出てきたのは、猟書家『レディ・ハンプティ』の名前。
「こいつの戦力を出来る限り早く削り取りたい。個人的な理由で申し訳ないんだがね」
 そこで話を一度区切り、司は猟兵たちを見渡す。
「協力してくれるかい?」


 レディ・ハンプティはアルダワ魔法学園を狙う猟書家である。故にか、彼女は、魔導列車が走り回り、蒸気建築に埋め尽くされた、大都会のような国にいる。
「とはいっても戦闘の際に邪魔になるような構造物は無い。存分にやってきておくれ」
 ただし、戦闘の際に注意すべき問題がある。
「こちらが攻撃を仕掛けようとすると、先んじて攻撃を仕掛けてくる」
 つまり、レディ・ハンプティは必ず先制攻撃を放って来るのだ。
「こいつをどうやって防御、回避、相殺して、自分の攻撃に持ち込むかが肝さね」
 レディ・ハンプティの先制攻撃は猟兵たちが使用するユーベルコードに影響される。持ち込むユーベルコードを選ぶことによってその対策も限定しやすくなるだろう。
 レディ・ハンプティの武器は2つ。
「その手に持っている『侵略蔵書「蒸気獣の悦び」』と、乳房の下にある『がばっと開く牙だらけの口』だ」
 いずれも強力な攻撃手段である。ゆめゆめ油断しないように。

「今、猟書家の戦力をどれだけ削り取れるかが、戦争の山場になっている」
 珍しく司が真面目な顔をして告げる。
「申し訳ないね。納得出来る人だけで構わない。力を貸しておくれ」
 そう言う司。了承を返した猟兵のみを司はレディ・ハンプティの元へ転送するのであった。


るちる
 こんにちはとかこんばんはとか、るちるです。お世話になってます。
 レディ・ハンプティ戦第2段。こちらは承認後、素早く書き上げることを目的とします。戦争の状況が今現在差し迫っているからです。
 最少人数(およびそれによるプレイング不採用)、リプレイ文字数の減少、アドリブの少なさなどが見込まれます。
 ご納得の上で、ご参加いただければ幸いです。

 シナリオの補足です。
 このシナリオフレームには、下記の特別な『プレイングボーナス』があります。
(=============================)
 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
(=============================)
 相手からの先制攻撃をどう防御、回避、あるいは相殺するかがポイントになります。その後は、皆さんが得意な戦法に持ち込んでやってください。
 ちなみにPOWの場合、先制攻撃のみ『高速で背後に回り込み、至近距離から噛みつく』という攻撃になります。もちろん逆手にとっても問題ありません。

 オープニングに書かれていない事項は勝手に設定頂いて構いません。

 それではご参加お待ちしています。
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第1章 ボス戦 『猟書家『レディ・ハンプティ』』

POW   :    乳房の下の口で喰らう
【乳房の下の口での噛みつきと丸呑み】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    アンティーカ・フォーマル
【肩の蒸気機関から吹き出す蒸気を纏う】事で【武装楽団形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    侵略蔵書「蒸気獣の悦び」
【黄金色の蒸気機関】で武装した【災魔】の幽霊をレベル×5体乗せた【魔導列車】を召喚する。

イラスト:きゃら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アイ・リスパー
「レディ・ハンプティ!
あなたの野望、アルダワ侵攻はここで阻止させていただきます!」

敵が先制攻撃をしてくるというのなら、その攻撃はあえて受けましょう。
……い、一撃で死なないように、相手の行動を演算で予測して、ギリギリ致命傷は避けますっ!

そして、攻撃を受けて瀕死になったところで【シュレーディンガーの猫】を発動。
並行世界からもう一人の自分を呼び出します。

『どうやら、この世界の私は重傷を負わされてしまったようですね。
ですが、その攻撃を受けなかったという可能性の世界もあったのです。
……おそらく、非常に低い可能性ですけど』

もうひとりの私は、電脳空間からミサイルやロケットランチャーを実体化。
敵に発射します。




 猟書家『レディ・ハンプティ』と相対するアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は開口一番で叫ぶ。
「レディ・ハンプティ!
 あなたの野望、アルダワ侵攻はここで阻止させていただきます!」
 びしっとレディ・ハンプティを指差す姿はまるでヒーローのようで。しかし、レディ・ハンプティは帽子の中で悠然と笑う。
「ああ。どうして貴女程度がわたくしの想いを止められるのでしょう」
 それは拒絶の言葉であり、戦いを始める宣誓の言葉であった。

 ゆらりとレディ・ハンプティの姿がアイの視界から掻き消える。
「……!」
 事前のデータは万全だ。だから『どこにレディ・ハンプティが現われるか』はわかっている。
 けれども。
(そうくるなら……その攻撃はあえて受けましょう)
 果たして、レディ・ハンプティはアイの背後に現われ。
「少し。『お食事』させていただきますわ」
「っ!?」
 がばっと開いた乳房の下の口。アイを丸ごと飲みこみ、噛み砕こうとするその牙を見て。
(……い、一撃で死なないように! ギリギリ致命傷は避けないとっ!)
 不意を打たれた振りをしているが、相手の行動は演算で予測済。半歩退いて、致命傷を回避……。

 グシャァッ!

「ぐ、ぅ、ああぁぁぁぁぁっ!!!!」
 絶叫するアイ。致命傷こそ避けた……否、命を繋いだものの、噛みつかれた場所の骨がぐしゃぐしゃに折れている。どうにか千切れこそしなかったが、もはや右半身は使い物にならない。
「う、ぁ……」
 思わずその場に崩れ落ちるアイ。その様子を見てレディ・ハンプティが舌なめずりする……乳房の下の口で。
「わたくしの想い、理解(し)っていただきましょう」
 そう言って、レディ・ハンプティは侵略蔵書「蒸気獣の悦び」から災魔を乗せた魔導列車を呼び出す。
「うあぁぁぁぁっ!!」
 魔導列車の突撃を受けて、アイの小さな体が吹っ飛び、アルファルトに叩き付けられる。
「他愛もない……」
 そう言ってゆっくりと近付いていくレディ・ハンプティ。もはや勝敗は決した。そのつもりで、再び乳房の下の口を開いて。
『どうやら、この世界の私は重傷を負わされてしまったようですね』
「……!?」
 声が振ってきた頭上を振り向くレディ・ハンプティ。そこにはバーニア噴射で滞空しているアイがいた。
『ですが、その攻撃を受けなかったという可能性の世界もあったのです。……おそらく、非常に低い可能性ですけど』
 そう、これはこの世界のアイが発動した【シュレーディンガーの猫】の結果。その非常に低い可能性をアイは手繰り寄せて、並行世界から無傷の自分を召喚したのだ。ユーベルコードの効果で、瀕死のアイと並行世界のアイの『存在』と『可能性』が入れ替わる。すなわち、この世界のアイがレディ・ハンプティの頭上を取った形となる!
「いきますよ!」
 ホロキーボードを操作して、電脳空間からミサイルやロケットランチャーを実体化させるアイ。先程のお返しと言わんばかりにレディ・ハンプティに向けてフルバースト!
「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
 不意を打たれた火力機器の斉射に、自慢の蒸気機関を使う間もなく爆発に飲みこまれていくレディ・ハンプティ。
「箱は開けずに結果を確信した……あなたの負けです」
 フルバーストの弾幕で吹き飛ばされたレディ・ハンプティに向けて、アイが宣言するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネーヴェ・ノアイユ
あなた様にとっては既に遥か過去のことかもしれませんが……。此度……。この瞬間だけは同じ『アリス』として……。あなた様のお力……。取り戻しましょう……。

ハンプティ様の列車による攻撃を氷壁にて盾受けします。氷壁が砕けそうになった瞬間に空中浮遊にて空へと退避……。空中で新たに氷壁を展開しながら列車……。および幽霊様の攻撃を警戒します。
氷壁の盾受けにて身を守りつつ……。リボンに魔力溜めしていた魔力をこれでもかと使用し、極限まで鋭く、堅く強化した無数の氷の鋏を作り出します。
あとはハンプティ様。列車。幽霊様……。その全てを穿つべく氷の鋏を全力魔法にて放ちます。

降り注ぐ氷の鋏……。避けきれますか?




「くぅっ……!」
 猟兵からの攻撃、その爆風をなんとか振り払って。猟書家『レディ・ハンプティ』は態勢を立て直す。
「ふ、ふふ。まだ、わたくしの想い(もくてき)は潰えていません」
 ここから巻き返せば。
 悠然と帽子の中で笑うレディ・ハンプティを、しかしひとりの猟兵が捉える。

(あなた様にとっては既に遥か過去のことかもしれませんが……)
 ネーヴェ・ノアイユ(冷たい魔法使い・f28873)はゆっくりと歩を進める。
 脳裏に思い浮かべているのは『オウガ・オリジン』、『はじまりのアリス』のこと。猟兵とオウガ、その関係性はどこまで行っても敵同士でしかないのだけれども。
(此度……。この瞬間だけは同じ『アリス』として……)
 しかし、それでも『アリス』という特別な関係性がその存在を意識させる。ならばこそ。
(あなた様のお力……。取り戻しましょう……)
 ネーヴェの存在にレディ・ハンプティが気付く。
 猟兵と猟書家。この関係性もどこまで行っても敵同士でしかないのだから。


「猟兵ごときが、わたくしの想いを阻むというのですか!」
 侵略蔵書「蒸気獣の悦び」から、黄金色の蒸気機関で武装した災魔の幽霊を乗せた魔導列車を召喚するレディ・ハンプティ。
「今の私は……。『アリス』ですので……」
 咄嗟に、いや、いつも通りに。ネーヴェは魔力を籠めた氷壁を展開する。氷壁に激突する魔導列車。そこで進行が止まる……が、魔導列車の機関はまだ稼働している。 そして乗っている災魔の幽霊が氷壁に対して攻撃を仕掛けてきた。
「……っ」
 砕けそうになる氷壁。それを視認してネーヴェは空中への浮遊でもって、氷壁を突破してきた魔導列車の突撃を回避する。
「さすがに……。しつこいですね」
 空中でもう一度氷壁を展開。追撃してきた災魔の攻撃を阻む。次いで魔導列車が進行方向を空へ変更する。
「……っ」
 ネーヴェに向かって再度突撃してくる魔導列車。それを今度は氷壁に角度をつけて。盾受けの要領で魔導列車の突撃をいなすネーヴェ。いなした方向、その先にはレディ・ハンプティがいる。
「わたくしの力で、わたくしが傷つけられるとでも?」
 手を掲げて、魔導列車を停止させるレディ・ハンプティ。ゆっくりと魔導列車が旋回して、その先頭車両を再度ネーヴェに向ける。
「いえ……。本命は……」
 ネーヴェに必要だったのは時間。創り出すためのイメージとその準備。そこさえ調えば。瞬時に為す力は既に用意してある。
「こちらです」
 直後、ネーヴェの眼前に400を超える氷属性の小型の鋏が浮かぶ。それらは魔力タンクである大きなリボン、そこに魔力溜めで溜めに溜めこんでいた魔力をこれでもかと惜しみなく使用して創り出した……。

 極限まで鋭く、堅く、強く。全てを穿たんと強化した無数の氷の鋏。

 その技の名前は【icicle tempest】。
「降り注ぐ氷の鋏……。避けきれますか?」
 ネーヴェが全力魔法にて氷の鋏を放つ! それはさながら空から降り注ぐ刃の雨。氷の鋏がレディ・ハンプティ、魔導列車、災魔の幽霊、その全てを穿ち貫いていく。
「ぎぃああぁぁぁっ!!」
 その身を貫かれ絶叫するレディ・ハンプティ。

 砕けた氷と鋏が砕いた魔導列車と蒸気機関の破片。それらが土煙のように辺りを包み込む。
 それが晴れた時、レディ・ハンプティの姿は無く。
「いえ……。これは……」
 地面に転がっていた蒸気機関の破片。それは紛れも無くレディ・ハンプティの肩にあったモノの一部。
 ネーヴェは着実なダメージを与えて、レディ・ハンプティを撤退に追い込んだのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八乙女・櫻子
あれがハンプティ女史……なるほど、恐るべき敵のようでありますね
しかし戦場に立った以上、【覚悟】を決め任務にあたりましょう!

情報によれば胸元の口は人を丸呑みに出来る程の大口だとか
ならば噛みつかれる瞬間に退魔刀の鞘を縦に突き出し、つっかえ棒代わりとします
これで一瞬で喰いちぎられるという事はありますまい!
すかさず開いたままの口内へ光線銃を【乱れ撃ち】であります
いかな強者であっても、内側への攻撃は堪える事でしょう
そうして怯んだところへ本命の『剣刃一閃』を叩き込む!
蒸気の魔女よ、本懐を果たすことなく散るがいい!




「はぁっはぁっ……く、落ち着いて。レディ」
 肩の蒸気機関を一部吹き飛ばされながらも、猟書家『レディ・ハンプティ』は淑女たる立ち振る舞いを取り戻す。
 猟兵たちは強い。しかし、逆を言えば。
「それでも。わたくしはまだ健在。であるなら、わたくしの想い(もくてき)は潰えることなく」
 ふふふ、と笑みを取り戻したレディ・ハンプティは再び戦場へ舞い戻る。

 その前に立ち塞がったのは、レディ・ハンプティを追跡していた八乙女・櫻子(若桜の學徒兵・f22806)。
(あれがハンプティ女史……)
 立ち止まり、『試製七六式退魔刀』の柄に手を掛けて。油断なくレディ・ハンプティを見据える櫻子。
(なるほど、恐るべき敵のようでありますね)
 相対してみて感じる力は、なるほど強敵に違いない。しかし、ここが戦場で、そこに立ったというのならば。
「覚悟を決め任務にあたりましょう!」
 鞘から退魔刀を引き抜き、宣言する櫻子の声。それはレディ・ハンプティに対する宣戦布告でもある。
「ふふ。貴女の覚悟ごとき、噛み砕いて差し上げますわ」
 そう言って笑ったレディ・ハンプティの体が、ゆらりと揺らいだ。

 ――仕掛けてくる。

 それを直感的に感じた櫻子。事前の情報によればこの動きは胸元の口による攻撃。
(確か、人を丸呑みに出来る程の大口だとか)
 しかし、どんな攻撃とて分かっていれば対策のしようもある。
「ならば!」
 背後に感じたレディ・ハンプティの気配。噛みつかれる瞬間。櫻子は振り向き様に退魔刀の鞘を縦に突き出す。
「っ?!」
 櫻子を喰らおうと、噛みついたレディ・ハンプティは、しかし閉じない口に驚愕する。櫻子の退魔刀の鞘がつっかえ棒のようにその口を固定していたのだ。
「これで一瞬で喰いちぎられるという事はありますまい!」
「小……癪なっ!」
 レディ・ハンプティが鞘を噛み砕こうと力を入れる。ビシッと鞘にひびが入り、砕け散る……よりも早く!
 櫻子はレディ・ハンプティの乳房の下の口、その中へ『六六式光線銃改』の銃口を突っ込む!
「いかな強者であっても、内側への攻撃は堪える事でしょう!」
 間髪入れずに、光線銃の乱れ撃ち。乱れ飛ぶ光線がその口内を焼いていく!
「が、あ、あ、あぁぁぁぁ!!!」
 口内はとても弱い部位。そこを攻撃されたレディ・ハンプティはのけぞり、たたらを踏んで後退する。大きなダメージにがくんと膝から崩れ落ちたその瞬間へ。

 光線銃を投げ捨て、両手で柄を握る。脇に構えた退魔刀とともに櫻子は躊躇うこと無くレディ・ハンプティの懐に飛び込む!
「蒸気の魔女よ、本懐を果たすことなく散るがいい!」
 下段から振り抜かれた退魔刀。鋭く放たれるは、櫻子の本命の一撃【剣刃一閃】!
「ぎぃあぁぁぁぁ!!!」
 逆袈裟に体を斬り裂かれたレディ・ハンプティは、淑女らしかぬ絶叫を上げるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレシェイラ・フロレセール
ここでレディを止めなければアルダワが大変なことになってしまう
大魔王の娘、ね
似てないなんて思ったらダメ、なんだろうな

レディのスピードにはこちらもスピードで対応だ
空翔る魔法の箒に乗ったら詠唱開始
風の魔法、空気抵抗を和らぐ魔法、加速の魔法
三つの魔法を同時に重ねて詠唱していく
どれも空を高速で翔るために必要な魔法だ
そしてレディへの攻撃用の魔法も一緒に詠唱開始する
高速で迫るレディから、わたしは構築した力のすべてを以て逃げきってみせよう

次はこちらが追う番だよ、レディ
一緒に詠唱していた攻撃用の魔法を展開する
わたしの桜、咲き誇れ
猛追する魔法光線から逃げられはしないよ
これはわたしからキミへ送る戯曲
さあ、踊って




「あ、あ、あ……」
 ふらふらと、どうにか。自身の体を斬りつけてきた猟兵を振り切った猟書家『レディ・ハンプティ』。猟兵たちからの度重なるダメージによって、その身の活動限界へ徐々に追い込まれているのが分かる。
「まだ、まだ。わたくしはこの書にしたためた想いすら、故郷に持ち込んでいないというのに」
 歪んでいようとも想い(もくてき)は、いまだアルダワ魔法学園に向けられている。
「お父様の無念を……わたくしは」
「大魔王の娘、ね」
 離脱しようと歩を進めていたレディ・ハンプティの背中へ。
 その声はセレシェイラ・フロレセール(桜綴・f25838)のものであった。

(ここでレディを止めなければアルダワが大変なことになってしまう)
 それゆえに、セレシェイラにレディ・ハンプティを見逃すという選択肢はなかった。
(似てないなんて思ったらダメ、なんだろうな)
 大魔王アウルム・アンティーカ。その姿からして似ていないと見るか、あるいは……。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 そんな、他愛もないセレシェイラの思索は、レディ・ハンプティの絶叫に遮られたのであった。

 アルダワの象徴たる蒸気機関。
 肩に装着したそれらから絶叫とともに振り絞った蒸気を身に纏うレディ・ハンプティ。その姿は武装楽団形態へと変身。
「猟兵、ごときが!」
 爆発的なスピードでセレシェイラに突撃してくるレディ・ハンプティ。

「スピードにはスピードで勝負だ」
 その攻撃は想定済、と。セレシェイラは素早く空翔る魔法の桜箒『+桜空+』に乗って。飛翔開始と同時に多重詠唱を紡ぐ。すなわち、風の魔法、空気抵抗を和らぐ魔法、加速の魔法。
(どれも空を高速で翔るために必要な魔法だ)
 三つの魔法を重ねて詠唱したセレシェイラは、爆発的な加速でレディ・ハンプティを引き離す!
「ち、ぃぃぃ!!」
 レディ・ハンプティがセレシェイラを追って空へと飛びあがる。高速で追跡しながら、しかし速度はほぼ互角。
 詰まらない距離に焦れたレディ・ハンプティが、侵略蔵書「蒸気獣の悦び」から魔導列車を呼び出す。大地に停まった魔導列車から武装した災魔の幽霊たちが一斉に黄金色の蒸気ガトリングガンを空へ放つ。
「……!」
「避けることができて!!」
 空を覆い尽くすかのごとき弾幕。それを見て一瞬息を飲むセレシェイラと、勝ち誇るレディ・ハンプティ。
 しかし、セレシェイラは高速で流れる景色の中で。
「わたしは構築した力のすべてを以て逃げきってみせよう」
 そう、ただ呟く。
 多重詠唱していた魔法たち。依然、加速のためにその力を示しながら、その一部が発現の形を変える。風がセレシェイラを守り、空気抵抗を弾丸たちに課す。そしてより加速するセレシェイラ。その合わせ技で以て、弾丸の悉くを弾き、かわしていく!
「なっ……」
 その光景に愕然とするレディ・ハンプティ。動きが止まったレディ・ハンプティに、空中で高速ターン、反転してきたセレシェイラが突撃する!
「次はこちらが追う番だよ、レディ」
 そう告げたセレシェイラの周辺に、桜の魔法陣が多重展開される。このタイミングに合わせて詠唱開始していた【戯桜】、それは桜の魔法を綴るがごとく。
「わたしの桜、咲き誇れ」
 セレシェイラの言葉に反応して、魔方陣から魔法光線が迸る。それは魔方陣の数だけ、セレシェイラが重ね合わせた魔法の数だけ発射されて。
 何条にも降り注ぐ魔法光線が災魔の幽霊ごと魔導列車を破壊する。それだけではとどまらず、レディ・ハンプティを狙い撃つ魔法光線。
「さあ、踊って」
「くぁぁぁあっ!」
 セレシェイラの意志に従って、魔法光線が四方八方からレディ・ハンプティに注がれる。高速飛翔でどうにか魔法光線をかわしていくレディ・ハンプティ。その姿は、セレシェイラの言葉のごとく、まるで魔法光線を相手に踊っているようで。
 しかし猛追する魔法光線から逃げる術は無く。さらに何度躱しても桜の魔方陣に果ては無く。【戯桜】が徐々にレディ・ハンプティを追いつめていく。
 そしてついに。一条の魔法光線がレディ・ハンプティを貫く。

「これはわたしからキミへ送る戯曲」

 セレシェイラがレディ・ハンプティに言葉を送る。それを合図に何条もの魔法光線がレディ・ハンプティの体を撃ち抜いていく。
「おのれ、おのれぇぇぇぇぇぇ!!!」
 逃げる場も無い空中で、蜂の巣にされていくレディ・ハンプティ。

 猟書家『レディ・ハンプティ』を巡る戦い。その内の一戦にて、猟兵たちが骸の海へ叩き返した瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月15日


挿絵イラスト