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陸蓮根の花言葉であるように~スレンダーと言って!!~

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「さぁ語ろうか。舞台はキマイラフューチャー、花に込められた願いを弄び、恋人達の危機を招いた怪人と、その野望を阻止する英雄の物語――かもしれねいね?」

●諸説はあるが限度もある
「『ふっ……いつまでも生きることに飽きただろう』そういって男は黒薔薇を投げつけた」
 グリモアベースに、長い黒髪の女が朗読をする声が響いた。
 彼女の前のテーブルには、何故か色とりどりの野菜や果物が詰まった籠があり、集まった猟兵達は見てはいけないようなものを見てしまった面持ちで居た。
「『黒い薔薇の花言葉は“貴様に永遠の眠りを” 不死の神を気取る貴様等には丁度良い』……っと、集まってくれたね」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは集まった猟兵達を悪戯っぽい微笑みで迎えると立ち上がってグリモアを輝かせた。

「さぁ語ろうか。今回の舞台はキマイラフューチャー、人類の滅亡した中で逞しく面白く生きる者たちの世界だ。君達には怪人の野望を阻止して貰いたい」

「舞台となる都市は『バト・コナーハ』 今、この都市では意中の人やカップルの愛を確かめる為に野菜・果実を贈りあっているんだ」
 そう言って籠に山と積まれた野菜と果実を見て、猟兵達はそれでかと頷いた。
「野菜・果実にも花言葉はあるのだよ。デートの誘いだったらエンドウ豆を贈ったり、本当に愛してるよという意味ならナスを贈ったりね」
 実に面白い風習だと思うよと笑いながら続ける。
 だが、ここで指を立てて怪人の起こした事件を語り始めた。
「しかし……怪人君が広めてくれたデマによって、間違った花言葉が上書きされてしまってね。そのせいである女性達が、大変にお怒りになってしまったのさ」
 尤も、花言葉には諸説はあるものだが、広められたのは明らかにそれはないだろうというものばかりなのさと呆れたように付け加えた。
「そのデマというのが……見て貰った方が早いね。最新トレンドの雑誌さ。そこにある……ああ、丁度良い。エンドウ豆とナスの花言葉を見てくれたまえ」
 スフィーエに促されるまま、雑誌を開き示されたページを見ると、エンドウ豆の花言葉は「豆粒のように小さい膨らみですね」で、ナスの花言葉は「メリハリのない寸胴体形」と書かれていた。
 そのほかの花言葉にも、そういった類の花言葉なので注意と煽るように解説がなされている。
「その都市のキマイラ女性は貧nスレンダーな子が多いのだよ。真っ平だ。少なからず気にしている」
 男の方は寧ろそれが良いと豪語する素晴らしい紳士諸君で、今までは両得の関係だったがね、と呆れた顔で補足し。
「広められた誤った花言葉は、そうした子を馬鹿にするものばかりさ」
 コンプレックスも含め愛してくれた男からの愛の言葉が、実はそれを馬鹿にする意味だったと思わされたことの何と悲しいことかと、芝居が掛かった口調で肩を竦めて。
 そのせいで今、バト・コナーハでは恋人達の関係は大荒れで女性達の大半が体形のコンプレックスに泣いている阿鼻叫喚の図が繰り広げられているらしい。
「その首謀者は『カロリー執事』君。嫌になるハイカロリー食で人を肥満にさせて破滅させる悪趣味な乙女の敵だよ」
 ということは、と察しの良い猟兵を楽しそうに眺めて語りを続け。
「その通り。コンプレックスに付け込んで豊胸効果のある食べ物と偽って自作のハイカロリーを食べさせ、色んな意味での破滅に追いやろうとしているんだ。……クレイジーだろう」
 こっちにだけ脂肪が付けば良いのかもしれないがとスフィーエは自分の胸部の膨らみを重たげに持ち上げ、そうは行かないから困るのだと苦笑いを浮かべたりもした。
「だからまず君達には、花言葉の混乱を治め、弱みに付け込まれることのないような状況まで戻して貰いたい」
 そう言ってスフィーエは何冊か分厚い「野菜の花言葉辞典」と書かれた本を取り出す。
「方法は色々あると思うが、一つとしては正しい花言葉を教え歩いて誤解を解くのが、まぁ手っ取り早いだろうね。必要ならこの辞典を使うと良い」
 本の出所は信頼できるから問題ないと補足もし。

「それから花言葉以外のブームを作って気を逸らしてあげてもいいし、寧ろ貧乳の素晴らしさを教え込んで怒りとコンプレックスを解消してあげるのも良い。……勿論、合法的に胸を大きくする方法を教えてあげるのも良いけどね」
 とにかく落ち着ける方向に持っていけるなら任せるよとも語る。

「それと出所は怪人君とはいえ、必ず何処かで脅されて誤情報を発信した機関もある筈さ。何ならそこを突き止めて情報の訂正をさせてもいい」
 勿論、そこで逆に貧乳を称える風潮などを作り出すのもアリだと冗談交じりで語った。

「さて、と……何ともやることがアレだが、冷静に見れば案外に酷いからねぇ……すまないが、一肌脱いでくれたまえ」
 一息ついて籠の野菜を指先で軽くなぞると、それを唇に持っていき楽しそうに微笑んでから、頭を下げて。
「君達なら心配はいらないと思うがね。私はここで待っているよ。君たちの華麗な活躍で世界を救う物語を……こいつの花言葉で、ね」
 ウインク一つ、髪に咲いた山百合を撫でてグリモアを輝かせ猟兵を送り出すのであった。


裏山薬草
 はいどうも、裏山薬草と申します。
 まずはOPに目を通してくださり有難うございます。

 ギャグ成分多めなシナリオですハイ。
 怪人の広めた失礼な花言葉で苦しむスレンダー体形なキマイラ女性とカップルの危機を救ってあげてください。
 方法はOPで書いた方法でも良いですし、別に良い考えがあるならばそちらでも構いません。
 とにかくパニックを無事治めて悪徳商売に付け込まれる隙を塞いであげてください。
 第二章からは襲撃してくる怪人軍団との戦闘を描いていく予定です。
 それでは、プレイングを心よりお待ちしております。
 裏山薬草でした。

 ちなみにエンドウ豆の花言葉は「会合の約束」でナスは「真実」です。
(※花言葉には諸説ございます。違うじゃねーかと突っ込まれても対応いたしかねます。悪しからず)
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第1章 冒険 『幸せの花言葉』

POW   :    本当の花言葉を教える

SPD   :    花言葉以外の流行を作り出す

WIZ   :    でたらめな噂の根源を探る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Vegetable Valuable
 バト・コナーハ――都市の大きさとしては中規模と小規模の間くらいか。
 キマイラフューチャーの中に於いても、取り分け野菜・果実の出るスポットが多いことからも、それらを名物にして栄えるのは道理であった。
 そんな街柄であるからこそ、目を付けた者が野菜・果実の花言葉で愛を語ろうと提案するのも不自然なことではなく。
 当初こそ、正しい意味(尤も諸説はあるが)から恋人達の賑やかしとなっていたが、今では…… 
「ううう……何が真実よ!! メリハリのない寸胴って!!」
「こっちなんて『おまえが欲しい』なんて思ったら、『ガリガリ』よ!?」
「私なんか『君といれば贅沢』が『なさ過ぎてびっクリ』よチキショー!!」
 ……などと、恋人に贈られた野菜・果実の意味が歪められ、元々のコンプレックスを刺激された形となり、阿鼻叫喚の地獄絵図を繰り広げていた。
 やはりと言うべきか、同じ野菜・果実に騙された被害者の会なども存在する始末だ。
 街の機能自体は問題はなさそうではあるが、声の高らかな者の声は少なくとも届きやすいもの。
 このまま現状を放置すれば、混乱はますます加速して怪人の思うつぼとなってしまうだろう。
 はてさて、猟兵達はどのようにしてこの混乱を治めるのだろうか……?
メリー・アールイー
ツルペタ幼女、参戦
小松菜の花言葉が「ちっパイな」だって?
んなわけあるかい!
デマ情報雑誌をベシンと地面に叩きつける

からくり人形のReは助手として
正しい野菜の花言葉辞典を開いて、キマイラ女性に見せるよ

小松菜は小さくて黄色の可愛らしい花を咲かせるんだ
花言葉は「快活な愛」「小さな幸せ」だよ

家庭を築いたら、小松菜のお浸しが夕食に出る度に
ああ、あんな喧嘩した時もあったなって
思い出す日も来るんじゃないかい?

これから先も、間違った噂話に流されんよーに!
あんたの愛する恋人を信じておやりよ

アドリブ大歓迎!



●Japanese Mustard Spinach
 「小松菜被害者の会」と看板の立てられた場所で、胸の膨らみは薄いキマイラ女性が淀んだ空気を放っていた。
 彼女らに声を掛けたのは幼女――尤も、彼女の空気は場で嘆く女性の誰よりも大人びていた。
 メリー・アールイー(リメイクドール・f00481)は淀んだ空気をものともせずに彼女らに声をかけた。
「いきさつは聞いてるよ。大変だったね。“小”って字が入ってて、こんなぺらっぺらじゃあね。ちっパイな、なんて言われても……」
 手に持った小松菜の葉っぱを軽く煽って頷き。
「……って、んなわけあるかい!!」
 盛大に雑誌をパンッ!!とアスファルトに叩きつけた。
 その様子に嘆きを見せていた女性達は一斉にビクっとしてメリーに目を向けた。
「Re!!」
 驚く女性たちに、顔面にReと描かれている人形を向かわせ辞典のページを開かせると、とある花を見せつけた。
「よーっく見な。小っちゃくて可愛い黄色の花だ」
 首をかしげる彼女たちに、メリーは微笑んで続ける。
「これが小松菜だよ」
 驚き始めるキマイラ達に、正しい花言葉を改めて教えるように更に続ける。
「“正しい”花言葉は『快活な愛』『小さな幸せ』だよ」
 辞典が信用できる発行元であることに気付いた彼女達に更に畳みかけていくように語る。
「小さな幸せさ。想像してごらんよ。仲直りして結婚して幸せな家庭を築いて……」
 年若い見た目など何のその。
 熱のこもった語りにキマイラ女性達はぐいぐいと引き込まれ。
「そして小松菜のお浸しが夕食に出る度に『ああ、あんな喧嘩した時もあったな』って、思い出す日も来るんじゃないかい?」
 聞き終えた彼女達に、嘆きと絶望の様子はもう無かった。
「あんたの愛する恋人を信じておやりよ」
 惑わされていた己を恥じるように頷くキマイラ女性達に、メリーは腰に手を当て最後に強く締めた。
「だからこれから先も、間違った噂話に流されんよーに!!」
 姿勢を正すキマイラ女性達に、更に世話を焼くようにメリーは続けた。
「じゃないとコマツナさんじゃなくて、コマッタさんになっちまうよ」
 おあとが大変によろしいようで。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
【WIZ】

生放送開始

【猟兵配信~恋人を破局させる怪人を倒しに行くin バト・コナーハ~】
タグは猟兵ヒーロー怪人地名等

配信者のブラックです
今日は嘘の花言葉を広めてカップルを破局させる怪人を倒しに来ました
怪人の居場所を突き止める為にも
皆さんご協力お願いします!

現地住民に自分が猟兵だと告げて周り、協力要請
猟兵証明に必要ならUC発動
いつから誰からその噂が流れたのか、その時期に流行ったものは無いか等徹底的に聞き込み

観光場所になってるかもだから、案外外の人の方が分かることもあるかも
視聴者の皆さんよろしくね

人が集まってきたらマイク使って情報拡散&注意換気を繰り返す
噂の出所教えてくれたら一緒に写真撮ろうね!



●Cauliflower
 某大手動画サイトに、今や恒例となった猟兵(ヒーロー)の生放送が一つ立ち上げられた。
 題名は【猟兵配信~恋人を破局させる怪人を倒しに行くin バト・コナーハ~】
 その生放送主――キマイラフューチャーを第二の故郷と慕い、特にハマっていることで有名なオラトリオ、鈴木・志乃(ブラック・f12101)――ここはブラックと称そうか。
 ブラックは町の広場でピースサインを決めると、端末の向こうにいるであろう視聴者達に語り掛けた。
「皆さんこんにちは。配信者のブラックです。
 今日は嘘の花言葉を広めてカップルを破局させる怪人を倒しに来ました。
 怪人の野望を止める為にも、皆さんご協力お願いします!!」
 早速、語り掛けた声に反応したキマイラ女性達の姿があり。
 所詮は局地的なものと、世界的なブームではどちらを取るかと言われればということか。
 気分転換のつもりか集まってきた半信半疑のキマイラ女性達に、ブラックは猟兵であることを示す聖なる光を輝かせた。
 その様子に納得したのか、たちまち協力的な様子を見せ始めた彼女らから、情報を聞き出していく。
 そうしてまた端末を通し、多くの視聴者にも語り掛け。
「視聴者の皆さんもよろしくね!!」
 そうして一頻りの情報を聞いたところで、マイクを取ってブラックは大きな声で周りに語り掛けた。
「皆さん!! あの花言葉はみんな怪人が撒いたデマなんです!! くれぐれも、怪人に踊らされないようにしてください!!」
 既にある被害者の会が解散したのも追い風になってか、良い気分転換になったキマイラ女性達は、幾ばくか己を振り返る機会になったようで。
 そして次々と黄色い声を挙げながらブラックに情報提供しようとしてくる女性達に笑顔で答えていく。
「噂の出所教えてくれたら一緒に写真撮ろうね!!」

 暫くして。
 整理を終えた中で有力な情報としては「出所は雑誌の担当者」
 そしてその担当者は雲隠れしているということと、担当者の写真が手に入ったことか。
 有益な情報を手にし、気分転換も兼ねた見事な働きといって良いだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
可憐な花に託したキマイラさんたちの純情を弄ぶとは許せません!
私はぐっと拳を握りしめ、本屋さんへ飛び込みます。

「すみません、花言葉の載っている本や雑誌全部ください!領収書は「グリモアベース」でお願いします!」

山のように本を買い込むと、ネットカフェへ吶喊。ここで片っ端から本や雑誌を調べ、またネット上の噂も調べて、その根源を探そうとして見ます。【第六感4】【情報収集】技能が役に立つかもしれません。

必ずどこかに痕跡があるはずです。「噂によれば」とか「人から聞いたんだけど」などのまた聞きではなく、最初に情報を発信した存在が。

あ、ネットカフェでも領収書を出してもらうのを忘れないようにしないと。



●Corn
(可憐な花に託したキマイラさんたちの純情を弄ぶとは許せません!!)
 そう思いぐっと拳を握り決意を新たにするのは、黒髪黒目のダンピール、姫カットの良く似合う黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)だった。
 彼女は本屋の中に勢いよく飛び込むと、とんでもないことを言い放った。
「すみません、花言葉の載っている本や雑誌全部ください!! 領収書は“グリモアベース”でお願いします!!」

 それなりの値も張れば重みもある本を抱え、彼女が次に向かったのはインターネットの完備された喫茶店だった。
 完全個室制の中でも、とりわけ広い部屋を金に糸目をつけずに借りると、喫茶店に備え付けられた、購入した本以外のそれを根こそぎ持ち込んで調べ上げていく。
(必ずどこかに痕跡があるはずです。また聞きではなく、最初に情報を発信した存在が)
 幸いにして別の猟兵が同じ目的の生放送をしており、それも情報共有を兼ねて参考にしながら、目を血走らせてネットの海と沢山の書物から出所を必死で調べていき。
 数時間後。
「どうやらこれが当たりのようですね……」
 書物とネットの海から調べた情報と、生放送で得た情報の裏付けが取れた。
 やはりこの雑誌がそもそもの始まりのようで、担当者は現在逃走中。
 そして雲隠れした担当者に情報を多額の賄賂と共に押し付けた男もいたことが分かった。
 どうやら貧乳嗜好の多い街の中で、とりわけ貧乳に価値無と断ずるレベルの巨乳嗜好の男だったようだ。
 彼が怪人と結託(というのにはただ利用されただけだろうが)して誤情報を広めた黒幕かもしれない。
 端末を操作して情報共有も兼ねたコメント投稿を行った後に、思い出したように時計を見て。
(あ、ネットカフェでも領収書を出してもらうのを忘れないようにしないと)
 後日、グリモアベースで届いた領収書の額にずっこけた者がいるとかいないとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

栗花落・澪
ねぇ
その本ちょっと見せてもらってもいいかな

敢えて雑誌を借りてその場で確認

ふーん…
この出版社って昔から有名だったの?
最近流行ってるんだよね

僕も植物好きだけど
知らない言葉ばっかりだからさ
著者の人がどうやって調べたのか興味があって

事実を交えながら
女性達からさり気無く情報収集

ある程度聞けたらお礼を告げて

あ、最後に…僕の知ってる言葉では
ナスには
よい語らいやつつましい幸福っていう意味もあるし

栗は豊かな喜び、満足、真心
貰ったお姉さん達は愛されてるよ

偏った情報に惑わされないで
物語の無い花言葉はほぼ有り得ないから
気が向いたら他の雑誌と見比べてみてね


警戒されないよう
白ワンピース(女装)で行きます
恥ずかしいけど!



●Chestnuts
 さて、場を少し移すとしようか。
 少なくない数の女性が救われ始めてきたとはいえ、まだまだくすぶっている女性達の集団はいて。
 その集団の一つに声をかけたのは、白いワンピースを着た愛らしいオラトリオの少女……ではなく、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はれっきとした男である。
「ねぇ、その本ちょっと見せてもらってもいいかな」
 恥じらいはあっても、警戒されない為という少年の決意は見事。
 恰好もだが、内面は非常にウブな少年に女性に面と向かって声を掛ける勇気。
「ふーん……」
 警戒を解いた女性達は雑誌を渡し、澪はそれをぱらぱらとめくりながら質問を投げた。
「この出版社って昔から有名だったの? 最近流行ってるんだよね?」
 ええ、と頷く女性達に更に続けて。
「僕も植物好きだけど、知らない言葉ばっかりだからさ」
 だから著者がどう調べたのか興味があると会話を続けると、スマホなどから流れる生放送も相まって円滑に進んだ。
 どうやらこの町にとってはかなりの危険思想の人物が噂をばら撒き、多額の賄賂で押した実行犯は雲隠れ中だとか。
 最近では「危険思想の人物を近くのホテルで見かけた」という有力な情報を聞き出した。
 お礼を述べて立ち去ろうとする澪だったが、思い出したように声を挙げた。
「あ、最後に……」
 振り返り、彼はきょとんとする女性達に告げた。
「ナスには『よい語らい』や『慎ましい幸福』っていう意味もあるし、栗は『豊かな喜び』、『満足』、『真心』……貰ったお姉さん達は愛されてるよ」
 顔を見合わせる女性達に、念を押すように続けて。
「偏った情報に惑わされないで」
 ――物語の無い花言葉はほぼ有り得ないから。
「気が向いたら色々見比べてみてね」
 優しい彼の声に、女性達は顔に生気を取り戻し始め。
 何だかんだで後押ししてくれる存在が必要だったのかもしれない。
 そしてそれを見事に為した彼は正に言葉通りの紳士、なのだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァンデ・アォ
【SPD】

ほぇ?贈り物もらったのに喧嘩してるの?変なのー。
ちょっと、むきーってしてるオネーさんたちのところに行って話を聞いてみるよ。

ふむふむ……あはは、それは何というか、よく見てるよねー。うんうん。
SNSとかでも、オネーさんの発言に、すぐ反応してくれてたりするんじゃない?このヒト。それだけオネーさんのことよく見てるってコトだよ、きっと。
そもそも、花言葉だけじゃ分かんないよね。オネーさんがいわゆる「すれんだー」でも、送った側は「だがそれがいい」というつもりで送ってるのかもしれないしさー。やっぱり、贈り物より「こみゅにけーしょん」だよ!
ささ、オネーさん、送り主のもとへれっつごー!(けしかける)



●Loquat
(ほぇ? 贈り物もらったのに喧嘩してるの? 変なのー)
 グァンデ・アォ(ヒーローマスクのスカイダンサー・f10200)は町の一角で、怒りを迸らせていた女性達のところに文字通り飛んでいく。
 いきなり現れた謎のドローン、だが響いてくる人懐っこそうな声と、自動AIとは思えない中に人がいるのではないか(実際間違ってはいないのだが)と思われる受け答えの出来る可愛らしい機械に良い気分転換になったのか怒りの顔に緩やかな笑顔が戻り始める。
 そのまま彼女らの愚痴を聞けば、まぁ事前に出てくる間違った花言葉への不満や、SNSでのやり取りへの不満や怒り。
「ふむふむ……あはは、それは何というか、よく見てるよねー。うんうん」
 それに身体一杯に上下運動して頷くモーションを示しながらも、逆にいえばさと続けて。
「SNSとかでも、オネーさんの発言に、すぐ反応してくれてたりするんじゃない?」
 それだけオネーさんのことよく見てるってコトだよ、きっと。
 コンプレックスをそのまま突かれたのは痛いことかもしれないけれど、でも裏を返せばしっかり自分と向き合ってくれるだけのモノを持っているということ。
 それを可愛らしいドローンに気付かされ目が覚めたような表情へとキマイラ女性達は変わっていく。
「そもそも、花言葉だけじゃ分かんないよね」
 いわゆる「スレンダー」でも、送った側は「だがそれがいい」というつもりで送ってるのかもしれない。
 馬鹿にするような意味もあるだろうが、言葉の上っ面だけを見てはいけない。
「やっぱり、贈り物より『こみゅにけーしょん』だよ!!」
 怒ったり喧嘩になったりするのはそれからでも遅くないんじゃないかな?
 小さな機械の助言に、女性達は冷静になって頷き始め。
「ささ、オネーさん、送り主のもとへれっつごー!!」
 キミに翼を。
 願わくば、恋人と一緒に羽ばたいてと。
 グァンデは駆けだす背を見守っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

草剪・ひかり
SPD判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎

「プロレス女王ひかり様のボディメイク生放送!」

花言葉はとてもロマンチックで、乙女の感性に響くね!

でも、花言葉って、最初から各々の花に割り当てられていたのかな?
誰かが、その人の感性で割り当てた、んじゃない?

そんな「知らない誰かが作った言葉」より
「自分の積み重ね」を信じよう!

バストアップもヒップアップも、身体を鍛えて実現できる!
全ての成果は「今日の行動」から始まるよ!

階段を一段飛ばしで昇ったり
胸の前で両手を合わせ、ぐっと力を掛けてみたり
必ずお尻をきゅっと上げたり、胸に力を込めるイメージで!

体と心が同じ方を向けば、必ず成果はついてくる!
フレフレ、あなた!



●Pumpkin
 大規模な捜査の為の生放送とは別に、キマイラ女性達を元気づける為の――後に人気を二分することとなる放送が始まった。
 放送主は草剪・ひかり(次元を超えた絶対女王・f00837)、胸の弾力に満ち溢れた肢体に際どいリングコスチュームに身を包んだ女性だった。
「プロレス女王ひかり様のボディメイク生放送~!!」
 動画内のガヤの声と拍手が響き渡り、ひかりは挨拶を元気よく行った。
「皆さんこんにちは!! プロレスリングM.P.W.C代表、“絶対女王”草剪ひかりです!!」
 そして、挨拶もそこそこに、今町を賑わす事態の為に言葉を投げかける。
「花言葉はとてもロマンチックで、乙女の感性に響くね!!」
 うんうん、と頷く賑やかしの声に更に続けると。
「でも、花言葉って、最初から各々の花に割り当てられていたのかな?
 誰かが、その人の感性で割り当てたんじゃない?」
 既に他の猟兵の活躍によって、落ち着いて考える風潮の出来ていた視聴者達は確かに、とひかりの肢体への思いを除いて穏やかに頷き。
「そんな『知らない誰かが作った言葉』より『自分の積み重ね』を信じよう!!」
 そして出るのは、以下のようなテロップであった。
 バストアップもヒップアップも、身体を鍛えて実現できる!!
 全ての成果は「今日の行動」から始まるよ!!
 ……と。
 そこからひかりの見せるのは、その体操の映像。
 丈夫で長い脚を使って階段を大股で上がるシーンでは、零れ出るような尻を引き締めるように力を入れたりもして。
 腕に力を掛ければ汗ばんで妖しく照る谷間がドアップで映し出される。
 ともすれば逆効果になりかねない所業ではあるが、前向きに汗を輝かせ、惜しげもなく恵まれた肢体を弾ませる熱意は確かに伝わって。
 またそれ故に強力で。
「体と心が同じ方を向けば、必ず成果はついてくる!! フレフレ、あなた、女神(アテナ)も応援しているよ!!」
 後日、バト・コナーハではひかりの教えたバストアップ体操に励む女性達の姿であふれかえる光景があったとか。
「元気で明るくなれば、アナタのコンプレックスなんて“在って無”いようなものだからね!!」
 またまた、おあとが大変によろしいようで。

●Vegetable Victory
 かくして、猟兵達の活躍によってバト・コナーハに於ける女性達の危機は去った。
 多くの猟兵達の助言と活躍によって、花言葉への誤解を解いたり、コンプレックスと前向きに向き合う姿勢を取れたり……とにかく、混乱を落ち着けることが出来たのだ。
 後日、でたらめな記事を載せた雑誌は訂正の発表をし、広まった間違いの花言葉の書籍には大規模なリコールが行われそれはそれでの混乱が起こったりもしたが――
 また、大規模な生放送と情報収集と提供の結果、危険思想(この町にとって)の男はいわゆる「特定班」の手によって場所を突き止められ、然るべき処置を受けることになったそうな。
 一先ずは、一般人の管轄で誤情報が出回ることはもう無いだろう。
 そしてバト・コナーハはまた元通り、野菜果実の花言葉で愛を語り合う良い街に戻ったが――
 だが、忘れてはならない。
 全ての黒幕に決着をつけることを――!!

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Prune
 某日――怪人「カロリー執事」は意気揚々と、その手に沢山の――持ちきれないモノは部下の働き蜂に持たせていたが――自慢の高カロリースウィーツを携えていた。
 今頃、バト・コナーハはコンプレックスを煽られ刺激され、裏切られた絶望の中にいるに違いない。
 そこに付け込み、この自慢のスウィーツを配布してダルマのように……と、思っていたが。
「どういうことですかこれ……」
 見渡す限り、恋人とヨリを戻し仲良くしている者。
 新しい体操に励んで意気揚々としている者――とても、思い描いていた阿鼻叫喚の図とは思えなかった。
 疑問に思いながらも、彼は一人すれ違ったキマイラに声をかけた。
「そこのお嬢様。慎ましやかなお胸に困ってらっしゃいませんか?」
「あ?」
 ドスを利かせた女性らしからぬ恐ろしい声に逆におびえながらも、自分の高カロリースウィーツを進めるも、既に猟兵達の活躍によって怪人の誘いは突っぱねられる状態で。
 だったらと苦し紛れに隣の働き蜂の一体を前に出すと。
「あ、ではこちらの手にする針を少々お胸に刺して頂ければあっという間にお胸が膨らんで……」
「それ毒で腫れてるだけでしょ!!」
 至極真っ当な突っ込みだった。
 もう用は無いでしょと怒り肩で帰る女性を、どこか哀愁漂う姿で見つめる執事と働き蜂達。
 流石に気まずくなったのか、働き蜂の一体がおずおずと声をあげ。
「バトラー……あの、これ一体……」
「皆まで言わんでください」
 虚しく彼等の手からどさっと落ちる高カロリーのお菓子。
 元々弱った心に付け込む作戦だった以上、心を持ち直した彼女らに付け込むことはもう出来そうになく。
 茫然としていた彼等が我に返った時には、匿名の通報によって彼らの周りの一般人は全て避難完了しており。
 溜息一つ、カロリー執事は気を改めると。
「とりあえず……昏睡おやつ!!肥満体と化した彼女という展開にしましょう。もう」
「おっそうだな」
「頼みますよ。なるべく生け捕りでお願いします」
 思いつくのは、いつだってその最終手段。
 まぁ、要するに、力押しということで……無理矢理襲って気絶させ、意地でも強引に食べさせたいようだ。
 引き連れていた働き蜂が飛び立とうとしたその瞬間、目の前にグリモアのゲートを通って現れてきたのは、他でもない猟兵達だった。
「……またヒーローですか。現れますねぇ」
 その顔のどこにあるのか分からない眉間を指で揉むと、彼は強く猟兵達に指をさし働き蜂を嗾けた。
「いいでしょう貴方達。どうせならば派手にヒーローを殺してあげなさい。その様子を配信し、今度こそ絶望を叩き込んでやるのです」
栗花落・澪
F

甘いものいいよねぇ
僕お菓子大好きだよ

で・も
無理矢理はダメだよ
女性も植物も馬鹿にして
僕にまでこんな格好(女装)させて
怒ってるんだからね!

敵が地にいる間は飛行
【空中戦】で素早く動き回り
背後を取りながら炎の【全力魔法】で羽狙い攻撃
同じ飛行による接近を妨害

頭上を飛ぶ事で注意を引いた上で
【破魔】を宿したUC発動
一斉攻撃
地上からだと光が行き渡らないからね

敵が空に来たら地上に降り
即座に【催眠術】を乗せた【歌唱】で昏倒、撃墜狙い
眠らなかった敵が接近して来たら炎魔法で撃墜し
入れ替わりに上空に戻ってから残ってる敵とまとめてUCで殲滅

敵と逆の行動を取るのは
接近戦を苦手とするため
槍の攻撃距離を警戒し距離を取る意味



●Pitaya
「甘いものいいよねぇ、僕お菓子大好きだよ」
 白くほっそりとした指を口元に当てて、澪は白い翼をぱたぱたと動かしながら可愛らしい笑顔で述べた。
「で・も」
 静かに口元へと当てた指を立て、それを眼前に突き出して指を左右に振る。
 甘い楽しみを思う笑顔は、一転、凛々しい怒りの顔に変わり。
「無理矢理はダメだよ。女性も植物も馬鹿にして、僕にまでこんな格好(女装)させて怒ってるんだからね!!」
「えぇ……」
 困惑。
 別に女装しろなんて俺ら言ってないしという声が聞こえたとか。
 尤も、彼からすればせざるを得ない状況と思った時点で同じことかもしれない。
 閑話休題。
 戦闘の始まった少年は凛々しく、優雅にかつ力強く地を蹴り、喜びに動かしていた羽を羽搏かせて飛び上がる。
 地に立つ相手に対し、まずは空中戦を挑む構えだ。
 幸いにして建造物などの障害も少なく、電線や看板なども澪は優雅に潜り抜け蜂の怪人の背後を取ると。
 彼を追おうと、煩く羽ばたかそうしていた翅を目掛け火炎の弾を掌から放つ。
 同胞の仇を討たんと翅を構えた蜂達に対して、両の掌から接近さえも許さない炎の弾を何度も、何度も放つことで撃ち落とす。
 そうして翅を捥がれた蜂達の頭上に滑空し――
「全ての者に光あれ」
 魔を祓う力を上乗せした、まばゆい輝きが蜂達を光の中に帰して行く。
 正に神罰を思わせるような、幻想的な光景であった。
 だがその光を命辛々に潜り抜けて来た蜂も居て。
 喧しい羽音が迫る前に、急降下で大地に力強く降り――今度は、歌い手としての清らかな子守歌がその一体をくらり、と眠りに堕とし。
 地に堕ちることも許さずに、掌から放たれた炎が永遠の眠りに堕とすのだった。
 敵の位置取りに対し、対照的なその動きは、敵を知り己を知ればの金言に従う優れた戦術、澪が苦戦する道理などありはしなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒城・魅夜
花も、甘味も、人々の心を癒す優しい存在。それを邪悪な目的に使うとは、決して許すことはできません。

そして何より……カロリーですって?
これですべてが分かりました。お正月に私のウエストがちょっと……ちょっとだけ……増加していたのも、あなたたちの仕業だったのですね!お餅をほんのちょっと多めに食べただけであんなことになるはずはないと思っていたのです!
さあ、外道に堕ちた咎人どもよ、我が怒りを受けなさい!

【殺気】によって強化された我が呪われた鋼鎖が、【先制攻撃】を試みます。
さらに縦横無尽に鎖を振るい、【範囲攻撃2】【二回攻撃3】【なぎ払い3】によって群がる敵を一気に攻撃しましょう。

(アドリブ共闘歓迎です)


草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎

ふっふっふ、アナタたちの愚かな野望は私が挫いたよ!
そして、これ以上の悪事も許さない!

さすがにプロレスラーの肉体でも、槍でつつかれちゃ厳しいね
しっかり集中して紙一重……多少掠って薄皮一枚切られてもOKな感じで躱したら

その上で、槍使いの戦闘員達に肉薄し、組み付きからのハンマースルー……リングの上なら反動で跳ね返るけど、硬い壁に叩きつけられたらどうなるか、わかるよね!

更に、豊かすぎる肢体をふわりと浮かせた豪快なドロップキックや
「プロレスの芸術品」と言われる、得意のジャーマンスープレックス!

“プロレス界の絶対女王”は伊達じゃないところを存分にお魅せするよ!



●Edodes
「これですべてが分かりました。お正月に私のウエストがちょっと……ちょっとだけ……増加していたのも、あなたたちの仕業だったのですね!!」
 魅夜は突然言い出した。
 心なしか、眼鏡をかけて推理ショーを行っているような雰囲気にも見えるのは気のせいだろう。
 突拍子もない発言に怪人から呆れ返った顔が浮かぶ。
「……そうか!! 私も最近体脂肪率がすこーし危ないかなーって思ってたけど……この人たちのせいだったんだね!!」
 その発言は本気で言っているのか、それとも面白そうだから悪乗りしているだけなのか。
 ひかりは見るからに目の毒な豊かな膨らみを弾ませた。
「違いありません。お餅をほんのちょっと多めに食べただけであんなことになるはずはないと思っていたのです!!」
「酷いよね。いくらお餅が美味しいからって、こっそり高カロリー仕込むなんて」
「ええ、少し動かなかったからといってあり得ません!!」
 戦場に響き渡る、女子同士特有の和気あいあいとした空気。
 言いがかりに等しい(というかそれ以外の何物でもないが)意見に蜂達は翅をげんなりとさせていき。
 そんな彼等に、魅夜とひかりはキッと乙女の怒りを乗せた目を向けて。
「花も、甘味も、人々の心を癒す優しい存在。それを邪悪な目的に使うとは、決して許すことはできません」
「それにアナタたちの愚かな野望は私が挫いたよ!! そして、これ以上の悪事も許さない!!」
「さあ、外道に堕ちた咎人どもよ、我が怒りを受けなさい!!」
 そして怪人等の反応といえば。
「言いがかりもいいとこだぁぁぁ!?」
 至極真っ当な指摘だが、だからといって彼等が許される存在ではない。
 先制攻撃に振り払われたのは、魅夜の鎖だった。
 半人半魔の膨大な殺気によって、悪夢の中に縛り付けるような禍々しい気迫を放つ鎖が、縦横無尽に飛び交い情け容赦なく蜂を叩き落としていく。
 横並び、縦並びも問わず、一つ群れを成したが致命的、(理不尽な)殺気が“結果”となるように呪われた鎖が過去の亡霊を冥府に堕とし。
 かといって、群れを成さず個別に当たろうとすれば。
「リングの上なら反動で跳ね返るけど……」
 ひかりの豊か過ぎる肉感的な肢体が、ぐにゅりと漏れ出した一体に押し付けられ。
 神経を研ぎ澄まし、槍の刃を受けないようにしていたが命辛々に殺意の鎖を潜り抜けたことで精彩を欠いた動きには肉薄も容易かった。
「硬い壁に叩きつけられたらどうなるか、わかるよね!!」
「硬い壁ってお前、この町でそれは」
 この状況で尚、町の禁句を言いそうになった無礼な蜂をそこへ叩きつけ。
 リングシューズがその硬いアスファルトを蹴ると、豊かな胸と尻の膨らみが逞しく揺れて。
 肉は肉でも筋肉の方が詰められた見事な足が迫る。
 それを躱そうとするが、魅夜の放った鎖が場に縛り付け――こともあろうに、ドロップキックの先に振り抜く。
 完全に悪役の試合運びだが、実に見事な連携攻撃が突き刺さり、それでも妙にしぶとく命を落とさない彼の背に、ひかりは胸を押し付けて。
「“プロレス界の絶対女王”は伊達じゃないところを存分にお魅せするよ!!」
 腰のあたりを、その力強い腕でがっしりと抱えると、美しい弧を描き後方へアスファルトの平面へ、叩きつける。
 光の絶対女王の芸術品をご馳走された怪人に、闇の王女の拷問具による締め付けが決まり、妙に丈夫だった蜂を完全に伏せたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鈴木・志乃
配信は続行!
(敵の配信設備は壊せるならこっそり壊しとく
次の為の布石、かも?)
皆ありがとう
おかげで怪人を見つけることが出来ました
バト・コナーハの平和な未来の為に……行ってきます!

【目立たない】格好で死角から【光の鎖】で攻撃
リーチの分は私にあるはずだから、常に間合いに気をつけて
一方的に攻撃できるよう立ち回るよ
【クリアボイス】で拾った敵の音で攻撃を【見切り】
【第六感】も合わせ【武器受け】しつつ、敵の武器を奪えないかやってみる
危険な攻撃は咄嗟の【オーラ防御】で凌ぎながら
全力全開シャウトの【衝撃波】で反撃狙ってく

至近距離まで近づかれたらイヤリングの光で【誘惑】出来ると良いんだけど……



●Napa Cabbage
 『ブラック』の配信はまだまだ続く。
 情報の拡散と賑やかしという点に於いて多大な働きを残した彼女だからこそ、やるからには最後――怪人をヒーローが倒すまで、続ける決意。
 端末越しにピースサインを見せながら、既に派手に繰り広げられた戦場の様子を映し出し、自分も言ってくることを告げた。
「皆ありがとう。おかげで怪人を見つけることが出来ました。バト・コナーハの平和な未来の為に……行ってきます!!」
 撮影カメラはそのままに、派手な乱戦を繰り広げている戦場に、目立たないようにブラックは自然と潜り込んでいく。
 臆病風に吹かれたからではない、確実に――倒す為だ。
「私の目の前で人を傷付けようとは良い度胸ですね」
 蜂の怪人が、その手に持つ鋭い槍を猟兵の一人に突き立てんとしていたところを、彼女の放つ鮮やかな光の鎖が捕らえた。
 光り輝く鎖が、槍持つ手の首を絞めつけ、そのまま落としてしまいそうなほどに締め付けているが、それが本命でない――ブラックの放つ聖なる気迫が、怪人の額で爆ぜて多大なダメージを与えていく。
 槍のリーチを更に上回る鎖で怪人を繋いだまま、魔改造をふんだんに施したヘッドフォンが微かな音も拾い上げ、意趣返しのつもりで忍び寄ってきた蜂の槍を見切り、マイクを回転させて弾いて受け流す。
 そして怪人の槍を受け流していた勢いで、鎖で繋いでいた怪人を引き寄せ槍を奪うと、攻撃を仕掛けてきた怪人にその槍を逆に突き返させて。
 苦悶の声を挙げながらも向かってくる彼等には光と闇を宿した黄昏時の耳飾りから放たれるフェロモンが女王の律令のように動きを止めさせて。
「今日もげんきに……いっくぞおおおあああああ!!」
 改めてマイクを口元に持っていき、腹の奥から絞り出した大変に元気のよい雄叫びが衝撃波となり、翅の欠片も残さない程に蜂の怪人を吹き飛ばしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァンデ・アォ
《アドリブ、連携、苦戦描写、その他何でも歓迎です》

うふふ、あのオネーさん、うまくいくといいなぁ……っと、いけないいけない。みんなもう戦い始めてるや。
よーし、ボクも……あれ?あんなところに、お菓子がいっぱい放置されてる。
ねーねー、そこの蜂さん、このお菓子、一体どうしたの?(「作ってみた」等の、迷わず「いいね!」できるような理由を期待したまなざし)

もしも、悪いことしてお菓子を持ってきたんなら、サイコキネシスで手のひら型の力場を形成して、おしおき百叩きだ!お尻ぺんぺーん!



●Carrot
(うふふ、あのオネーさん、うまくいくといいなぁ……)
 グァンデは上空を飛び小さな羽のようなユニットから、青い光の粒子を輝かせて、見送った女性のことを思った。
 が、気づいたように激戦を繰り広げている猟兵達の姿を見て高度を下げた。
「っと、いけないいけない。みんなもう戦い始めてるや」
 様々な意味で激戦を繰り広げている中、小さなグァンデに怪人は気づいていない。
 そこで猟兵達の手を逃れてこっそり敵前逃亡をやらかそうとしていた蜂の一体に声をかけるのであった。
「ねーねー、そこの蜂さん」
「!?」
 こっそり逃げようとしていた怪人の一体が急に声を掛けられて翅をこわばらせた。
 幸い、他の猟兵に気付かれていないのがまだましだったが。
「このお菓子、一体どうしたの?」
「へっ?」
 怪人に投げかけられた、戦場に似つかわしくない呑気な質問。
 そういえば周りに一応の上司が持ってきたお菓子を置いていたばかりだった。
 返答に困っていると、グァンデは小さな体を首をかしげるように僅かに動かして。
「言えないの?」
 どうやら、彼は作ってきたとか答えられたら、すぐさまいいねの浴びせるつもりで来たようだ。
 尤も入手法について聞かれていると分かって居らず、だんまりの続く怪人に対して、
「もしかして……悪いことで(調達して)持ってきたんでしょ!?」
「あ、まぁ、悪いことで(使うため)持ってきたなぁ……」
「やっぱり!!」
 どうにも絶妙なすれ違いが発生しているらしいが、互いに知る由もなく。
 小さな体に込められた強力な念動力で、怪人と同程度の大きさを持った掌を二つ作り上げると、一つで強引に後ろを向けさせて抑え、もう片方を振り上げ。
「おしおきお尻百叩きだ!! ぺんぺーん!!」
「ちょ、ああんっ!!? チャーハン!?」
 奇妙な叫びを挙げながら哀れに尻を叩かれる怪人のコミカルな姿が放映されたそうな……。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
焼きたてのお肉を持ち込んで殴り込みじゃな!お肉美味しい!
そして肉を食べたあとには甘いものがほしくなる!
 地面に落とすなんてもったいない、捨てるくらいならウチが食う!
 最近食べ過ぎてまた胸が重くなった気がするんじゃけど気にせず行くぞ!
 さぁ蜂どもよ、蜜を寄越すがいい!

基本的にユーベルコードからの身体強化での力押しででっかい箸を両手にもってブンブン振り回してごり押しします。
「ほれほれ、こんなお菓子だけなら消費カロリーのほうが多くなってしまうぞ! 真打ちはまだかのう!」



●Melon
 戦場も殆どの蜂怪人が片付けられようとしている中、新たに参戦してきた影があった――香ばしく旨味の溢れた汁滴る焼けた大きな肉を携えて。
 ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)は、豪快にその肉を喰らいながら至極真っ当な言を放った。
「お肉美味しい!!」
 怪人の見る中で完食すれば、体中の細胞が活性化し褐色の頬が紅潮して一部を除いた小さな体に剛力が宿る。
 そして肉を食べたあとには甘いものが欲しくなるのが人情。
 元は菓子箱のヤドリガミだったからこそ、怪人が落とした食べ物が気になるのか、
「地面に落とすなんてもったいない、捨てるくらいならウチが食う!!
 最近食べ過ぎてまた胸が重くなった気がするんじゃけど気にせず行くぞ!!」
 たわわな甜瓜の如き膨らみをたぷんと揺らし、落とされた高カロリーのお菓子を気にせず食べていく。
 またまた完食するや否や、活性化しきった身体で、彼女の身体には不釣り合いな――まるで星々を鍛え上げたかのような大きな箸を構えた。
「こ、この箸は!?」
「ほう、知っておるのか?」
 驚く蜂怪人に対しウルフシャはにやり、と口角を上げるが。
「カストルとポル……」
「『天野川』と『流星』じゃ!! 放映できなくなるぞ!?」
 危ういコードに引っかかりそうな発言を遮り、
「まぁ良い。これだけでは全っ然足らん!! さぁ蜂どもよ、蜜を寄越すがいい!!」
 食欲全開。
 形が箸と言えど丈夫に誂られたそれは、星々をも砕く鉄槌に等しい。
 サッーと青ざめる蜂に対し、ほぼ一方的とも言える蹂躙で、蜂の構えた槍ごと圧し折り叩きのめしていく。
「ほれほれ、こんなお菓子だけなら消費カロリーのほうが多くなってしまうぞ!! 真打ちはまだかのう!!」
 肌の艶を彩る汗と、迸る汗の熱気はその言葉が虚言ではないことを雄弁に物語る。
 無論――彼女の摂取したカロリーが全ての蜂を仕留めることに使われたのは、言うまでもないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『カロリー執事』

POW   :    血糖覚醒
【自らの野望の為 】に覚醒して【全身が高カロリーな食べ物】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    カロリーボム
【口に向けて一日分超の高カロリーな食べ物 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    お食事会
いま戦っている対象に有効な【相手が好みそうな食べ物(カロリー激高) 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Passion Fruit
 次々と転がっていく蜂怪人のなれの果てと、食い散らかされた自慢のハイカロリースウィーツを前にカロリー執事は茫然としていた。
 こんがりと焼かれたちっとも美味しくなさそうな者。
 悪役も真っ青の凶器攻撃とレスリングで沈められた者。
 爆破され鼓膜も破られてのびている者。
 尻に何度も叩かれた痕の残る者。
 箸でボコボコにされて蜜をしっかり奪われた者。
 気が付けば自分の配置したカメラもいつの間にか壊されており。
 カロリー執事はぷるぷると肩を震わせ……あ、地味に頭の一つが崩れそうになった。
「……み、見事ですよ皆さん」
 震え声でカロリー執事は一応の平静を保とうとした。
 まぁ、無理だが。
「貧しいお胸の劣等感を燃え上がらせ、ヤケ喰いさせ太らせ……増加した体重で地盤沈下を齎す私の計画は実に上手く……いかなかった!!」
 心なしか、彼の背後に鏡に映らない真っ赤な一つ目の怪人の幻影が見えたかどうかは兎も角として。
 色んな意味で突っ込みどころの多い計画だが(主に後半部分)、まぁ、過程で言えばそれなりに混乱は招いただろう。
「初めてですよ……私にここまでの屈辱を与えてくれたお馬鹿さん達は……」
 またまた心なしか、黒い筈の彼の執事服が白く見えたり頭部が紫色に見えたりするのは気のせいだと思いたい。
「絶対に許さんぞヒーロー共!! かくなる私が強引に食べさせ、貴方達のメタボを使いこの町を沈めてくれましょう!!」
 どうしてここまで食べさせて太らせることに固執するのか。
 その理由は理解したくはないのかもしれないが、まぁ、見逃したところでこの執事は菓子だけに河岸を変えるか、天丼を行うだろう……ハイカロリーだけに。
「一人たりとも逃がしませんよ覚悟しなっさぁぁぁい!!」
メリー・アールイー
カロリーだけじゃなく
口数も多過ぎるうるさい執事だねぇ
そんなにカリカリするんじゃないよ、と溜息幼女

Reが出す【百光潤色】の光の飾糸で「肥満予防」だ
まあ、もし太っちゃっても、あたしのコレは仮の姿だしねぇ
ぷにっとほっぺはちょっとくらい増えてもぷりちーだろ
ちなみに好物は苺大福だ

うんうん、これは美味しいねえ!
ほら、あんたも一口どうだい?
カロリー執事にも勧めてみようか
もっとも、お裾分けしたその苺大福は
警戒色の指貫でプスリと注入した毒入りだけどね
一口毒見してからあげてもいいさ
あたしは「毒耐性」もちだからね

乙女の繊細な心を弄んだ罰だよ
生きるのに必要なものでも過剰に取れは毒になるんだ
身をもって毒を知るといい



●Cucumber
「カロリーだけじゃなく口数も多過ぎるうるさい執事だねぇ……そんなにカリカリするんじゃないよ」
 つぎはぎの残る顔にあからさまな呆れの色を浮かばせながらメリーは溜息を吐いた。
 見た目こそ愛らしい幼女だが、その所作は若者に呆れる年寄りに見えた。
「聞いてたら疲れちったよ。折角だ、苺大福くれるかい?」
 メリーの相棒Reが周囲に張り巡らせた光の糸の結界にも気付かず、自分の目的を果たすために執事は苺大福を生み出すとメリーに渡す。
 防護結界で肥満という状態異常を無力化する構えがあるから彼女は喜んでそれにかぶりつく――尤も、仮に多少太ったとしても仮の身体である彼女には痛手ではないし、寧ろより可愛らしくなるかもしれないという期待もあったが。
「うんうん、これは美味しいねえ!! ほら、あんたも一口どうだい?」
 内部のカロリーはどうあれ、味は確かに絶品だ。
 食べかけのそれを良い笑顔で差し出されると、気を良くした執事は頭部のアイスの二段目と三段目を開けて、それを口に見立て咀嚼し始めた。
「うごげげぇぇ!?」
「昔から言うだろ? 良薬口に苦しって。……まぁコイツは毒だがね」
 のたうちまわる執事に、人差し指を――毒針の仕込まれた指貫を付けたそれを立てて笑う。
 苺大福を受け取って口に運ぶ間、こっそりと毒針を刺して毒を仕込んでいたのだ。
 彼女に毒の影響がないのは生来の耐性に依るもので、完全に油断していたと言わざるを得ないだろう。
「乙女の繊細な心を弄んだ罰だよ。生きるのに必要なものでも過剰に取れは毒になるんだ。身をもって毒を知るといい」
「いや普通に毒じゃないですかこれ!!」
 腕を組み頷きながら忠告するメリーに執事は呻きながら言い返す。
「はぁ……わっかんないかねぇ」
 それにも溜息をついてメリーは、
「こうも言うだろ? 馬鹿は死ななきゃ治らないって。つける薬は毒しかないんだよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

栗花落・澪
女性と植物を侮辱した犯人みっけー♪
僕は女性と自然の味方だからね
男性との間に揉め事起こさせた事も
訳のわからない理由で女性の心を傷付けた事も
全部まとめてお仕置きですよ

はいはいお菓子は調理調理ー♪
頭のアイスは炎の【全力魔法】で溶かしちゃえ
その服もよく燃えそうだよねー?

UCの力で敵の足許を掬いあげ
転倒を狙ってから炎で狙撃

もし敵がWIZ攻撃を仕掛けてきたら
わぁ、アップルパイだぁ!
え、これ食べていいの?
やったぁ♪
お菓子は無邪気に貰うけれど

え、カロリー?
そんなの…男の僕がそこまで気にする筈なくない?
お菓子なら普段から食べてるし

はい隙有り(近距離爆破)

とりあえず今回の件
躯の海でしっかり反省してね
(近距離UC)



●Papaya
「女性と植物を侮辱した犯人みっけー♪」
 澪は自然と女性を愛し、男との間に無用な争いを招き女心を傷つけた者を許せないからこそ――纏めて仕置きをする構えで、毒にうずくまる執事の前に立ちはだかった。
「はいはい、お菓子は調理調理ー♪」
 立ち上がろうとする執事の足元を、オレンジ色の花びらを吹雪かせて盛大に転ばせて。
 頭部がまた地面に着く前に――彼は聖女の名を冠したバトンを振るい業火を放つと三段重ねの頂上を溶かした。
 残りの頭部も溶かされては不味いと慌てて澪の前に駆け寄りながら、何処にあるか分からない目を研ぎ澄まし彼の好みを見切ると虚空から皿を取り出して一切れのパイを乗せ、
「わぁ、アップルパイだぁ!! え、これ食べていいの? やったぁ♪」
 無邪気に差し出された一切れのアップルパイの先を齧る。
 幸せそうに彼は口いっぱいに広がるリンゴとバターの風味を堪能し高カロリーの塊を綺麗に平らげた。
 その一片の躊躇いも無い様子に執事は何故食べられると驚くが。
「え、カロリー?」
 澪は何を聞いてるんだと言わんばかりに、さも当然のように答えた。
「そんなの……男の僕がそこまで気にする筈なくない?」
 お菓子なら普段から食べてるし。
 それより何か信じられない物を聞いたように、執事は間の抜けた声をあげた。
「えっ男……?」
「男だよ?」
「えっ、えっ……?」
 信じられない。
 どっからどう見たって。
「こんな可愛らしいお嬢様が」
「はい隙あり」
 両掌を頬に当てて慄く執事に、それはもう情け容赦のなく、鳩尾にぐりっとバトンを押し当て汚い花火をあげようかと言わんばかりの爆発を引き起こし。
 服をボロボロにしながらよろめく執事に、追い打ちを掛けるように指先を喉元に突き刺し、
「とりあえず……今回の件。骸の海でしっかり反省してね」
 ――香り高く舞い上がれ。
 至近距離から放たれたどこか爽やかな花吹雪が執事の身体を大きく舞い上げたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒城・魅夜
はあ…まったく、頭が痛くなってきました。
自分がどれだけ愚かなことを言っているか、わからないのですか?
ならば教えてあげましょう。私は鋭くびしっと相手を指差します。

「あなた自身がスリムな体形ではないですか!」

その作戦のためには一人でも多く、たゆんとした体形のものが必要なはず。それなのに、あなたもあなたの部下も、全くそんな体つきではありません。つまりあなたの作戦は最初から齟齬をきたしていたのです!

さあ、愚かなあなたに鉄槌を。『篠突く雨のごとく罪と罰は降りつのる』で能力封じを試み、成功か否かに関わらず【二回攻撃3】で追撃。

……あなたの攻撃?私の好きそうな食べ物って、それはつまりあなたの血ですけど。



●Lettuce
 吹っ飛ばされながらも華麗に地面に着地した執事に魅夜は目頭を押さえて告げた。
「はあ……まったく、頭が痛くなってきました」
 この男はどれだけ愚かなことを言っているのだろう。
 分からないようだから、指を鋭く突き刺して彼女は言い放った。
 その背景には何故か裁判所のような幻影が見えたのはきっと気のせいだろう。
「あなた自身はスリムな体形ではないですか!!
 その作戦のためには一人でも多く、たゆんとした体形のものが必要なはず。
 それなのに、あなたもあなたの部下も、全くそんな体つきではありません。
 つまりあなたの作戦は最初から齟齬をきたしていたのです!!」
 ……何故か突風が巻き起こっても執事は冷静に、小馬鹿にしたように言い返した。
「……失礼ながらお嬢様は脳足りんでございますか?」
「は?」
 まるで分っていないのはそちらの方だと言わんばかりに、紅茶をカップにポットを高く上げて注ぎ一杯啜ってから指を突き出した。
「決まっているでしょう。私はなりたくないからです!!」
「うわ最っっっ低ですね……」
 完全にゴミを見るような目線に変わった。
 故に、もう彼女の心は(最初から決まっていたが)固まった。
「さあ、そんな愚かなあなたに鉄槌を!!」
 ――最果て知れぬ悪夢の深淵から滴り落ちたのは私? あなた? ……それとも?
 嘗て悪夢の中で彼女を拘束していた鈎の付いた鋼鎖が蛇のように執事の身体を締め付けて。
 体に突き立てられる鈎は毒牙と言ったところか。
 容赦ない締め付けで彼の骨を徐々にヒビ入れさせながら、毒牙から流し込んだ罪と罰が執事の力を封じていく。
 苦悶の声を漏らし鎖の捕縛の中でもがき。
 反撃の機会を伺うべく目を凝らし魅夜の好物を見抜こうとしたが、それを見透かしていたのかあっさりと彼女は答える。
「あなたの血ですけど」
「ふぁっ!?」
 ダンピールにそれは愚問か。
 いくら何でもそれは抜かれたくなかったのかあっさりと執事は諦めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
【祭り】のフィナーレだ
派手に行こうぜ!

悪いがこの戦闘中継は猟兵が独占させてもらう
UC発動
皆最後まで応援ヨロシク! 【勇気】をかして!
女の敵は浄化だ~っ!
【真の姿開放】
(体が光で形作られて行く)

私は聖者
私はカロリーで生きるに非ず
私は、この世界への愛によってのみ生きる!

【歌唱】の【衝撃波】で攻撃を試みるよ
この世界でバズッてる男性ボーカルのポップスを
音程変えずに格好良く歌い上げる【パフォーマンス】【誘惑】
皆一緒に行こうぜ!

極力距離をとれるように相手の動きを【見切り】【第六感】でかわす
避けきれない時は【光の鎖】で【武器受け】
もしくは【オーラ防御】



●Lotus Root
「【祭り】のフィナーレだ。派手に行こうぜ!!」
 動画配信者ブラックはカリフラワーを天高く投げつけた。
「悪いがこの戦闘中継は猟兵が独占させてもらう」
 様々なアングルからの撮影を可能とするように、隠匿機能の付いたドローンを設置すれば、宙に舞うカリフラワーの姿がキマイラフューチャーに配信された。
 誤って広められた『ガリガリフラット』の悪口は過去。『お祭り騒ぎ』の本来の意味が伝わり動画内に応援の流星群が起こされた。
「皆最後まで応援ヨロシク!! 【勇気】をかして!! 女の敵は浄化だ~っ!!」
 コメントを通じて伝わる応援によって彼女は真の姿――眩く輝く光の姿を開放した!!
 全身の光を以て執事の身体を焦がさん勢いで彼女は告げる。
「私は聖者。私はカロリーで生きるに非ず」
 では何を以て生きるという問いに、彼女は答えた。
「私は、この世界への愛によってのみ生きる!!」
 88888……と流れるコメントに更に力を高めていく彼女に、執事もまた一呼吸置き、徐々に答えた。
「私は執事。私はカロリーで活かすに非ず」
 では何をするという問いに、
「私は、この世界をカロリーで以て殺す!!」
 全身をハイ・カロリーな脂質糖質塗れのお菓子に変えて、鎖を引き千切り。
 爆発的に増大した拳をブラック目掛けて振りかぶる。
 それを研ぎ澄まされた超感覚で躱していくが、執事も負けてはいない。
 回避先に置いておくように、油で揚げたチョコ・バーの脚による回し蹴りを放つが、ブラックは光の鎖で受け止め。
 そのまま距離を取ると、輝くマイクを取り出し叫んだ。
「皆一緒に行こうぜ!!」
 魂の底からの呼び声――キマイラフューチャーで流行りの男性ボーカルの名曲を寸分の狂いもなく見事に歌い上げる彼女の歌唱力に、視聴者の熱気は上がっていくばかり。
 そうして高まりに高まった声の衝撃波を――全て、執事に解き放ちコンクリートの壁を陥没させるほどに叩きつけたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
ウチの対カロリー用の最終奥義を繰り出す時が来たようじゃな!

相手の攻撃はすべて口で受け止めてやろうではないか!
それこそがウチの狙い!
ウチのカロリック・バーニングは食べたものや腹回りの贅肉を消費する。つまり、ことお主に対しては......最強じゃああああ!

(油断をすると胸やおしりは成長してしまう結果が今の姿という噂は気にしない)

なんかすごい力をまとった箸を振り回して食べる、強くなる、食べる、強くなるを繰り返したウチはまさに無敵じゃ!

「おや、そんなもんじゃなかろう?ほれ、もっと在庫を寄越さぬか!」
「これを使うと腹が減ってかなわぬのじゃ!」



●Crown Daisy
 コンクリの壁に埋もれた執事は重たそうにそれを押しのけ、崩れた身体を命を削って綺麗な高カロリー食に修復し。
 一体何が彼をそこまでさせるのか――爆発的な変貌を遂げた彼の前に立ちはだかったウルフシャは箸を構えた。
「ウチの対カロリー用の最終奥義を繰り出す時が来たようじゃな!!」
「ふっ、はったりなど無駄ァッ!!」
 あるなら見せてみろと言わんばかりに、執事は大口を開けて笑う彼女の口に大量の高カロリーの食事……もうなりふり構わず、暴力的な甘味を突っ込む。
 だがウルフシャは、その暴力的な脂肪糖質の嵐にも怯まず、寧ろ我が意を射たりと言わんばかりに。
 全てを口で受け止め、悉く美味しそうに喰らい尽くす。
「燃えてきたんじゃ!!」
 食べたハイカロリーをそのまま力に変えたように爆発的な気迫――心なしか金髪になって逆立っているようにも見えた。
 いや、実際はなっていないが。
「ウチのカロリック・バーニングは食べたものや腹回りの贅肉を消費する」
「なっ……つまり」
「そう!! ことお主に対しては……最強じゃああああ!!」
 贅肉の心配は要らなくても、元々豊かな胸と尻が更に肉付き良くなってしまうのはご愛敬。
 破滅させるどころか、塩を送る――というか砂糖だが。
「というわけでウチのなんかすごい一撃をくーらえーい!!」
 繰り広げられるそれはもう遠慮ない殴打。
 全身を食べ物と化した執事に構えた箸で何度も殴打し、身体から離れたスウィーツを箸で掴んで口に運び、力を増強させ。
 その力でまた殴って身体を吹き飛ばし、それを口に運ぶことで彼女の力はより一層増していく無限ループ。
 命を削って身体の再生を続けても、相手が相手なので文字通り餌でしかない。
「おや、そんなもんじゃなかろう? ほれ、もっと在庫を寄越さぬか!!」
「らめぇ!! もう出ないのぉぉ!?」
「これを使うと腹が減ってかなわぬのじゃ!!」
 このまま骨の髄までしゃぶりつくされる(文字通り)のは遠くない未来かもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​


 戦いの終局は近かった。
 ギリギリで骨の髄まで文字通りしゃぶりつくされることは免れたカロリー執事だが、削る命も尽きかけているのか身体の再生は間に合っておらず。
 ただアイスクリームの頭部を溶かし、ロリポップとバタースコッチシナモンパイの腕を削りながらも立っている姿には、最後の闘志のようなものが伺えた。
 恐らくはこれが――この執事への最後の一撃となるかもしれない。
草剪・ひかり
POW判定
お色気、即興連携、キャラ崩し描写歓迎

ふふふ
私みたいな次元を超えるスーパースターには、多少のカロリーなんて怖くないよ!
……まぁ若い頃よりは奥行きや幅が大きくなったけど(特に、少々?重めな前の方を気にして)

ともあれ、どんなに不埒な野望であっても、その心意気だけは買ってあげなきゃね!

プロレスラーとしては、相手の力も引き立ててこその「闘い」だからね
高カロリーな攻撃をしっかり(かつ色っぽく)受けきった上で

「高カロリーな食べ物は美味しいけど……それを我慢してこそ掴める栄光も、あるんだよっ!!」

必殺のアテナ・パニッシャーで敵の上半身を粉砕!
愚かではあっても、強い意志を持った惜しい相手?だったね!



●Asparagus
 そんな彼に相対するのは“絶対女王”ひかり――恐らくは猟兵の誰かが、ラストバトルを告げるようにどこからともなくゴングを鳴らすのであった。
「ふっふっふ……私みたいな次元を超えるスーパースターには、多少のカロリーなんて怖くないよ!!」
 ……まぁ若い頃よりは奥行きや幅が大きくなったけど。
 際どいレオタードの大きく露出した下半身の肉付きや、胸部に西瓜も真っ青の迫力のあり過ぎる膨らみをアピールし、手招きをするように彼女は誘った。
「いいでしょう!! 胸にかけましょう胸に!!」
 余命幾許もない執事は燃え上がった闘志に応えるように、彼女の口元へ残ったありったけのスウィーツを放っていく。
 その勢いによる痛みもだが、殺人的な甘い香りと僅かに口に入った時の極上の味わいに思わず堕落しかけるも、苦悶に、されどエロティックに喘ぎ体中をクリームに汚しながら――プロレスラーの矜持として、全てを耐え切った!!
 限界を悟り後ずさる執事に対し、顔に着いたクリームを胸の谷間に堕とし(こっそり指先についたのだけ舐めているのをカメラは見逃さなかったが)、彼女は剛腕を構えて駈け出した。
「高カロリーな食べ物は美味しいけど……それを我慢してこそ掴める栄光も、あるんだよっ!!」
 彼女にとってそれは、鍛え上げられた筋肉であったり、その先のレスラーとしての勝利であったり。
 ……または、我慢した末の美味しい食事かは神のみぞ知るか。
 ふらつく執事の首元へ、死神……いや、女神の処刑の刃が如く腕をめり込ませて。
『決まったぁーっ!! 絶対女王ひかり、やりました!! クリーム塗れの女神の斧、執事さんを見事に粉・砕です!!』
「あなたは確かに強かったよ……でも、間違った強さだった!!」
 どこからともなく響く実況と、フォールを仕掛けるまでもなく完全なるKO勝ちに女神はとても良い笑顔で決めるのであった。
 ちなみに後でクリームはスタッフ(別の猟兵)が美味しくいただきました。

●Mount Lily
 かくて。
 斯くも奇妙な花言葉を巡る事件は終わった。
 世にも珍しき野菜・果実の花言葉で愛を語るこの町の平和は、きっと続いていくのだろう。
 ……その前に片付けなければならない混乱もあるかもしれないが、それはそれ。
 今はひとまず、この町の色々な意味での破滅を免れたことを祝うとしよう。
 ただ一言、この町の女性達を例えるならばそう、それは陸蓮根(オクラ)の花言葉だろうか。
 すなわち――「恋によって身が細る」と。
 そして願わくば、町の女性達に人生の喜びで満ちるようにと。
 猟兵達はささやかなお礼にと配られた野菜と果実を手に、この町を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月05日


挿絵イラスト